政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2024/04/12
会議録
○委員長(藤川政人君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告を申し上げます。 昨日までに、友納理緒君、加田裕之君、山本佐知子君、山本啓介君、安江伸夫君、河野義博君及び勝部賢志君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君、高橋はるみ君、中西祐介君、松山政司君、三浦信祐君、宮崎勝君及び森屋隆君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に外務省国際協力局長石月英雄君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事長田中明彦君、同理事大場雄一君及び同理事宮崎桂君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。 本日は、令和五年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度の御意見を伺った後、六十分程度委員間の意見交換を行いたいと思います。 御意見を表明していただくのは、第一班のスリランカ民主社会主義共和国、バングラデシュ人民共和国については中西祐介君、第二班のカンボジア王国、ラオス人民民主共和国につきましては高橋はるみ君、第三班のザンビア共和国、南アフリカ共和国については青山繁晴君、第四班のブラジル連邦共和国、パラグアイ共和国については江島潔君です。 なお、御意見を表明される際は着席のままで結構です。 それでは、まず、第一班の中西祐介君からお願いいたします。中西祐介君。
○中西祐介君 おはようございます。 ODA派遣の調査第一班につきまして、お手元配付の調査派遣資料、概要等を御参照いただきながら御報告させていただきたいと思います。 当班は、昨年八月二十九日から九月七日までの十日間、スリランカ民主社会主義共和国及びバングラデシュ人民共和国に派遣をされました。 派遣議員につきましては、今井絵理子議員、小沢雅仁議員、三浦信祐議員、団長を務めました私、中西祐介の四名でございます。 今回訪問したスリランカではグナワルダナ首相、あるいはバングラデシュではハシナ首相と面会する機会に恵まれるなど、様々な大臣も含めたレベルでの対話を重ねることができました。また、ODAの案件の現場視察も重ねることができまして、非常に実りのある派遣となりました。 まず初めに、訪問国における所見概要を申し上げたいと思います。 スリランカは、二〇一九年に最大都市コロンボで爆破テロが発生して以来、内政では大規模減税を含む政策変更、さらに、コロナ禍による観光業の低迷や急激なインフレなどを要因として、深刻な経済危機に陥っておりました。慢性的な貿易赤字と財政赤字体質で債務残高が増加をされ、二〇二二年四月には、IMFのプログラムに沿った債務再編が行われるまでの間、対外債務の支払を一時的に停止する措置を発表したところであります。 我が国の円借款につきましては、現在、事業が一時的に中断をしている状況でありまして、今回視察した上水道事業や送電線事業でも、政府から請負業者への支払が滞り工事が中断し、完成目前で地域住民にこれら公共サービスが届けられない状況に陥っていたところであります。 上水道事業は、スリランカ政府の自己資金の活用で本年二月にようやく完工したということでありますけれども、IMFから求められている国営企業の民営化などの構造改革を進めることで、一刻も早い円借款の復活が期待されるところであります。 自由で開かれたインド太平洋、いわゆるFOIPを履行する上でも、財政の持続可能性を踏まえた債権国と債務国の適切な関係が重要でありまして、昨年十一月に日本を含め十七の国で合意をした債務再編計画を確実に履行させていく必要がございます。 これらの影響で、我が国の支援は今、技術協力が中心です。今般の派遣では、農家の家計所得の向上や障害者の支援等の現場を視察をさせていただきました。これらは、単に物を与えるだけではなくて、技術や手法を伝達し、自ら将来の成長展望を切り開いていくということに有効であると高く評価できる取組であると評価しています。 次に、バングラデシュでございます。我が国は最大の二国間供与国でありまして、マタバリ深海港、ダッカメトロ、ダッカ国際空港第三ターミナル、経済特区による投資促進事業など、ベンガル湾産業成長地帯、いわゆるBIG―B構想の下での更なる協力の推進を図っておりまして、面会した政府要人の発言の端々には、更なる大規模インフラ整備に関する強い支援要請があったところであります。 我が国としては、いわゆるこうした箱物を造るだけではなくて、その後の運営や維持管理が大切であると、そうしたワンパッケージでの支援が重要であるというふうに考えております。中長期的な視野に立った持続性ある支援が、二〇四〇年代にも先進国入りが目標と当該国は公表しておりますけれども、そうした可能性を秘めたインド太平洋地域の重要な親日国でもあるバングラデシュとの今後の関係において重要ではないかなというふうに考えるところであります。 続いて、本調査を通じて得られた知見を基に、六項目の提言を申し上げたいと思います。 まず第一に、FOIPの実現に向けた支援の重要性でございます。 今回訪問した両国は、いずれもアジアと中東、アフリカの中間に位置するシーレーン上の戦略的要衝でありまして、極めて大切な親日国であります。南西アジアの連結性の観点から、インド洋周辺で最大の港湾でもあるコロンボ港とマタバリ港の機能強化への関連事業は、FOIPにとってもどれも欠かせないピースの一つであることを再認識をしたところであります。 あわせて、海上法執行能力等の強化も必要だと感じています。スリランカ沿岸警備庁を視察をした際には、我が国の支援に対する感謝とともに、資機材のメンテナンスやパーツの調達等の更なる支援について強い要望があったところであります。現在も船舶の乗っ取りや襲撃など危険度が増すインド太平洋地域における海上安全の確保に貢献する上で、我が国の強みを生かした支援の重要性を改めて認識をいたしました。 一方、スリランカでは、中国企業による港湾拠点開発や軍事拠点化への危惧など、債務のわなの問題も目の当たりにしました。我が国は、国際社会とともに実態を解明しながら、当該国が自立性の下に質の高い成長を透明度の高い開発協力を得ながら実現できるよう国際社会でリードすべきだというふうに感じています。 第二に、ロヒンギャ難民キャンプの現状を踏まえた今後の人道支援の在り方であります。 今回の派遣でコックスバザールの避難民キャンプを訪問しました。高台から見渡す限りの広大なキャンプ地には、定住を妨げるために竹の柱にビニールをかぶせただけの粗末な住居がひしめくように並んでおりまして、約九十七万人の避難民がいかに厳しい生活を強いられているか、その窮状を目の当たりにしたところであります。 国際機関からの人道支援が命綱である一方で、ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルとハマスの惨状への世界の支援の目が移っておるところでありますが、現地では、昨年以降、こうしたことを背景に、資金難により避難民への食料配給が段階的に縮小されている現状を伺いましたが、このままでは更なる困窮が見込まれるところでございます。 我が国としては、国際機関等を通じた既存の支援枠組みを継続、強化するとともに、避難民の滞在長期化で疲弊するホストコミュニティーへの協力を更に進めるべきだというふうに考えています。 ハシナ首相からは、キャンプにおける個別の事情に対応するだけではなくて、ミャンマー側への働きかけなど、アジア全体を見据えた問題解決のための役割を果たしていただくよう切実に求める声があり、政府には適切な対応をお願いをしたいと思います。 また、持続可能な避難民帰還策を重視するとともに、ミャンマーの安定的な体制の回復を含む事態の改善が不可欠であるとの立場を堅持した上で、問題解決へとつながるアプローチを積極的に講じていくべきだと考えます。 第三に、都市間連携を通じた外交関係の強化の重要性であります。 今般の派遣において、徳島県鳴門市と友好都市関係にあるバングラデシュのナラヤンガンジ市を訪問しました。人口増に直面する同市では廃棄物処理問題が喫緊の課題であり、キャパシティービルディングの視点から、鳴門市が有する廃棄物処理の知見の共有は非常に意義があったと記憶をします。 こうした教訓から、日本全国の地方都市が有するGXやスマートシティーなどの知見を被援助国各国の地方都市でも積極的に取り入れるニーズがあると推察をいたします。都市間連携の充実は、我が国の外交スタイルを考える大きなヒントであり、新たな外交関係の構築の一助になることが期待されるところであります。 第四に、今後のODAにおける多層的な交流強化の必要性です。 これまで開発協力の中で、若年層、障害福祉分野、アカデミアなど、我が国が交流強化を進めてきた社会領域は多岐にわたっています。 例えばスリランカでは、JICA等による障害児教育の取組や現地企業における障害者の就労支援等を視察をし、我が国の強みである障害福祉分野での交流強化に対する期待が各所で示されたところであります。また、青少年教育訓練センターでは、若年層の高い学習意欲や日本で働くことへの憧れを肌で感じてきました。日本語教育プログラムの充実や技能実習生の積極的に受け入れることで、産業界や学術分野における関係強化につながることが期待されております。 今回、両国首相からも、若年層の交流や我が国での就労機会の拡大、供与、安全保障分野での多層的な協力などについての重要だとの認識が共有できました。これからの開発協力は、資金協力など目に見える経済支援以上に、人間同士のきずなを重ねることで次の時代の二国間の協調につなげていく視点が求められます。これら交流強化活動の一層の拡充、推進を期待をいたします。 第五に、支援内容及び事業の周知、広報の更なる推進です。 今般の派遣では、視察後に多くの現地メディアから取材を受け、新聞やテレビで報道をいただきました。まさに両国の関係性への関心の高さに加え、ODAが有効活用されていることのあかしであると感じたところであります。 常日頃から在外公館やJICA等により日本の支援の必要性や成果をアピールすることは大変有効であります。具体的には、SNSを活用した海外協力隊の国内外への紹介や現地メディアへの露出など、多面的な発信が必要であり、被援助国からの反応、例えば、現地機関、現地での関係機関や在京大使館からのメッセージを紹介するなど、在外公館を始め、JICA等の更なる積極的な取組を求めたいと思います。 さらに、日本国民に広くODAの重要性を理解していただくためにも、現状では、報告書やホームページでの紹介、当委員会での報告、質疑にとどまっているこの参議院ODAの派遣に関する発信について、新たな方策を模索すべき時期ではないかと考えるところであります。 第六に、今後のODA派遣の在り方についてであります。 参議院改革の一環として、ODA派遣は、二〇〇四年に開始して、二十年が経過をいたしました。現地視察を重視しながら、今後は更なる改革、例えば、被援助国からの民間投資の拡大を求める声に応え、経済団体など外部団体との連携など、官民の力を結集した展開に加え、各府省の海外事業について統括的に政府高官との面接につなげるなど、面会につなげるなど、派遣内容の更なる充実を検討すべき時期にあることを指摘申し上げたいと思います。 これらを実現するためにも、派遣メンバーの人選のスケジュール感も重要です。メンバーをある程度前広に人選しつつ、メンバー間で派遣国の課題認識を共有し政策的な提言を持ち合わせることで、より実りのある派遣が実行できると考えます。 また、外交的な観点では、議連等によるものも含め、我が国の国会議員が余り訪問していない国に足を運び、日本のプレゼンスを示すことも重要であると考えています。 これらの観点から、今後の当委員会でのODA派遣の在り方について検討を深めていただきたくお願いをいたします。 あわせて、現在の参議院の慣例訳であるハウス・オブ・カウンセラーズが現地派遣先で常々理解されない問題を指摘いたします。評議員会ではなくて上院として明確に理解されなければ、参議院の外交活動が正しく認識されず、国民にとってもマイナスであります。国際的に正しく認知される訳語に見直す必要があることを改めて皆様に問題提起いたしたいと思います。 以上が第一班の所見及び提言であります。 最後になりますが、調査に御協力をいただきました視察先及び内外の関係機関の方々、全ての皆様に心から感謝を申し上げ、報告とさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) ありがとうございました。 次に、第二班の高橋はるみ君にお願いいたします。高橋はるみ君。
○高橋はるみ君 それでは次に、第二班について御報告をいたします。 当班は、令和五年七月三十日から八月五日までの七日間、カンボジア王国及びラオス人民民主共和国に派遣されました。 派遣議員は、松山政司議員、森屋隆議員、宮崎勝議員、そして団長を務めました私、高橋はるみの四名でございます。 カンボジア、ラオスは、両国共に一九六〇年代から日本が開発協力している国であり、歴史的に見ても極めて親日的な国として、いわゆるODA成功案件が数多く実施されてまいりました。両国の紙幣には日本のODAにより建設された橋が印刷されており、カンボジアの紙幣に至っては日の丸まで描かれております。外国国旗を自国紙幣にデザインする国はほかにはないのではとカンボジア大使がおっしゃっていましたが、日本に対する感謝と信頼の表れと感じた次第です。 信頼という点では、今回、各視察先へ御同行いただいた大使館やJICAの職員の方々が現地関係者と非常に良好な関係を築いておられたことは大変印象的でありました。現場における日頃の努力の積み重ねによって我が国への信頼が成り立っていることに改めて気付かされたところであります。 一方、現地では、中国のプレゼンス拡大の勢いを肌で感ずることとなりました。中国が大型のインフラ中心の目立つ支援を圧倒的な資金量、スピード感を持って実施している中、我々としては日本にしかなし得ない支援を考えていく必要があると改めて認識をいたしました。 以下、それぞれの国における案件視察、意見交換等を通じて得られた所見を中心に御報告いたします。 まず、対カンボジアODAに関する所見を申し上げます。 カンボジアでは、上下水道分野における支援案件として、浄水場を二か所視察いたしました。そのうち、首都プノンペンのプンプレック浄水場は、日本がマスタープラン策定から支援に入り、プノンペンの奇跡とまで言われた案件です。 三十年以上の長きにわたり良好な関係が継続できている背景には、浄水場を造って終わりではなく、水道事業運営や財政管理のノウハウなど、日本の持てる技術を余すところなく伝授するという支援の姿勢があります。意見交換をしたプノンペン水道公社総裁の言葉からは、日本の支援とともに歩んできた結果としての水道事業運営に対する自信と信念が感じられました。こうした二人三脚の支援の在り方は、開発協力が将来への投資である旨を体現しており、まさにODAのあるべき姿と言えます。 現在は、上水道に加えて下水処理施設の整備を新たに日本のODAにて進めておりますが、上水道における成功を下水道においても実現できるよう、今後更に力を入れていくことを期待します。 次に、保健医療分野における支援案件として、カンボジア周産期医療の中核病院である国立母子保健センターを視察いたしました。一九九五年の開院以来、約三十年にわたり、ハード、ソフト両面で日本が支援しており、その結果は、乳幼児・妊産婦死亡率、予防接種率など、開発目標の指標の改善に表れています。 センター長からは、感染症専門診療科の設置、女性総合診療科の設置など、意欲的な提案がなされ、カンボジアの医療水準向上に対する意気込みを感じたところです。こうした点も、多方面での人材開発をバランスよく支援してきた日本の支援の成果と言えます。 他方、国内最先端と言われる当センターでも医療機器、資材が十分とは言い難く、例えば病院の待合室にはエアコンがないなど、病院としての環境には改善の余地があると思いました。病棟設備や医療機器の改修、更新など、ハード面での支援も引き続き必要とされていることを指摘いたします。 続いて、対ラオスODAに関する所見を申し上げます。 ラオスにおいては、農業分野、エネルギー分野、保健医療分野における支援の現状を視察するとともに、計画投資大臣、保健大臣、教育スポーツ大臣と意見交換をいたしました。 農業分野では、ビエンチャン郊外のタゴン地区のかんがい施設を視察いたしました。そこでは、ラオス側から追加支援として水路の補修という具体的な要望を伺いましたが、さほど大きな水路でもなく、のり面舗装であれば自分たちでも対応できるのではないかなと思われる状況でした。 視察後、意見交換を行ったJICA海外協力隊員の方々からは、協力姿勢として、魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えることを旨としているとの話がありましたが、形として存在するものばかりではなく、人材育成を通じて引き継がれ、将来にわたって使える技術を教えることこそが本来あるべき支援の姿です。基本に立ち返り、信頼関係に名を借りた依存に陥らないよう、お互いがパートナーであることを常に意識しながら自立を見据えた支援を実施していくことが重要であるとの思いを強くいたしました。 エネルギー分野については、ラオス国内の水力発電所第一号であるナムグム第一水力発電所を視察いたしました。水資源の豊富なラオスでは水力発電をメインとする電源開発が進められてきましたが、以前から環境問題が指摘されているとともに、二〇一八年には民間企業が建設をしたダムが決壊するという事故もありました。 昨年六月に改定されたODA大綱においては環境と開発の両立、維持が開発協力の実施原則として示されておりますが、水力発電開発の限界が見えてきた今、電源多角化のためにも、風力や太陽光といった再生可能エネルギー分野での支援に比重を移すことも検討すべきです。こうした支援は、民間投資の促進、低炭素技術等の普及など、双方にとってメリット享受の機会になり得るほか、アジア・ゼロエミッション共同体構想の推進にも資することとなり、まさに開発協力の効果的、戦略的な活用につながります。 保健医療分野に関しては、ブンフェン保健大臣と意見交換を行うとともに、首都ビエンチャンの中核医療施設であるセタティラート病院及びビエンチャン郊外のパサン小病院を視察いたしました。 保健大臣からは、ラオスの医療提供体制の実効性を高めるために、地方における一次医療を充実させる取組、特に母子保健の改善に向けた取組の話をお伺いしました。 カンボジア同様、病院内にはエアコンはなく、病院食の提供もないなど、医療提供体制について改善の余地は残るものの、それぞれの病院の視察、利用者や地域住民の声を通じて、医療サービスやアクセスは我が国の支援により着実に良くなっていっていることが確認できました。 なお、全てのラオス国民に質の高い医療をという保健大臣の思いを実現するためには保険制度の充実が不可欠でありますが、国民の間には、医療提供体制が十分でなく、保険加入のメリットが感じられないとの声もあると伺いました。保険制度の充実に向け、またユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成に向けて、医療提供体制の拡充について引き続きの支援が望まれます。 次に、カンボジア、ラオス両国に共通する課題について申し上げます。 冒頭申し上げましたとおり、両国では中国が圧倒的な資金量を背景にスピーディーな支援を行っています。翻って、我が国のODA予算は近年横ばい、手続等に時間も掛かり、中国の勢いに押されぎみであります。 一方で、相手国の財務状況を顧みない中国の支援と違い、我が国の支援はその質の高さ等から高い信頼と評価を得ておりました。 ODA大綱で包摂性、持続可能性、強靱性を伴う質の高い成長を実現することが求められている中、日本にしかなし得ない支援として、例えば法制度整備に力を入れていくべきと考えます。我が国には、アジア諸国における法令の起草、法曹人材の育成等への支援実績があります。日本もかつては欧米諸国から法制度を学んでまいりました。こうした経験や、アジア諸国と類似した法文化であることは支援する際の強みとなります。我が国に優位性のある分野として進めていくべき分野であると考えます。 また、環境分野、再生可能エネルギー分野も日本の技術力を生かせる分野です。特に、再生可能エネルギー分野においては、様々な主体と連携することによる官民資金のシナジー効果が期待されます。民間企業等との共創、オファー型協力といったキーワードに沿った開発協力を進めることで、我が国の経済成長にもつながることが期待されます。 最後に、JICA海外協力隊について申し上げます。今回の調査では、隊員の方々と意見交換する機会を多く得ました。使命感を持って活躍されている隊員の皆様の情熱に驚かされる一方、隊員の中には、帰国後の生活等に対する不安を抱える方もいらっしゃいました。協力隊の経験は、本人のみならず、社会にとっても大きな財産となります。JICA及び外務省におかれては、協力隊員の就職支援等について更なる充実をお願いを申し上げます。 また、他国のボランティア職員との連携の必要性についても申し上げます。開発協力は外交手段であり、各国が国益に鑑みて実施するものですが、同地域で活動している各国の協力隊が知見、経験を共有することで、それぞれが持つノウハウや人的、物的資源を有効活用することが可能となります。中国はボランティアを実施しておりませんが、韓国の海外協力隊、KOICAとの連携強化により効果的な協力支援が実現できると思われます。 結びに、今回の派遣に当たっては、視察先の関係者を始め、外務省、JICAなど多くの方々に多大なる御協力と御尽力をいただきました。改めて心より感謝を申し上げ、第二班報告といたします。ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) ありがとうございました。 次に、第三班の青山繁晴君にお願いいたします。青山繁晴君。
○青山繁晴君 ODA調査派遣第三班について報告いたします。 当班は、令和五年九月二日から十日までの九日間、ザンビア共和国及び南アフリカ共和国に派遣されました。 派遣議員は、団長の舞立昇治議員及び私、青山繁晴の二名です。アフリカのサブサハラは多くの予防接種が必要な厳しい環境ということもあり、二名だけの派遣となりました。 本日は、舞立議員が農林水産大臣政務官に就任されたため、私が代わりに、調査を通じて得られた所見を中心に報告します。 まず、ザンビア共和国です。 獣医学分野では、首都ルサカにおいてザンビア大学獣医学部を視察しました。 ザンビアは銅の生産に依存する経済からの脱却を図っており、畜産業の振興のためには、家畜伝染病の防疫や食品衛生監視に携わる獣医師の育成が不可欠です。 我が国は、ザンビア大学獣医学部の設置から現在に至るまで、施設の整備、教育体制の構築を支援してきましたが、今や周辺国から留学生を受け入れるまでになり、私もこの留学生たちとお話をいたしました。各国との先進的な共同研究の拠点にもなっています。我が国の支援は、ザンビアだけではなく、世界各国に裨益するものであり、今後も継続、拡充していく意義があります。 保健医療分野では、ルサカにおいてカリンガリンガ・ヘルスセンター及びカニャマ病院を視察しました。 ザンビアはWHOが定める結核の高負荷国の一つです。高負荷国とは結核患者の多い国ということであります。また、人口が集中するルサカ郡では、基本的な手術を行える病院が不足し、病院の運営管理やサービスの質が課題となっていました。 これらの医療施設における我が国の事業は、医療サービスの向上に貢献しているだけでなく、検査機器のメンテナンス研修や病院の運営管理能力の強化など、医療サービスを持続可能なものとする要素が含まれており、評価に値します。カニャマ病院では日本の支援活動を地域全体に広げてほしいとの要望も寄せられました。 ルサカの未計画居住区、すなわち非計画的に人が住んでいる地区では、ごみや排せつ物が散乱し、毎年雨季にコレラなどの感染病が流行しているとされ、今後は公衆衛生の向上に資する廃棄物管理、汚水処理などの関連分野も含めて支援していくべきです。 社会福祉分野では、ルサカ州チョングウェ郡において、孤児、障害者のための職業訓練校の建設現場を視察しました。 ルサカ州内の孤児や障害者は、職業訓練校に通うことができず、就業が困難になっています。本事業は人間の安全保障の考え方に即したものであり、孤児、障害者の社会的自立や雇用促進が期待されます。 私たちは、ザンビアの孤児、障害者のために献身しようとインドから訪れたシスターたちの尊い姿勢に感銘を受けました。草の根・人間の安全保障無償資金協力は、事業の機動的な実施が可能な枠組みであり、今後も拡充すべきです。 一方、建設現場は職業訓練校の運営に必要なインフラがほとんど見当たらない更地であり、開校後に多くの困り事が生じてくることも確実に予想されます。 本事業は、まさに支援終了後にも援助効果の持続性を高めるべき案件です。長期間にわたるフォローアップが必要であり、フォローアップの実施や新たな支援ニーズに関して、外務省とJICAなど関係機関との間で連携して対応していただきたいと切に願います。 インフラ整備に関しては、ボツワナとの国境地点にあるカズングラ橋及びワンストップ・ボーダーポスト、OSBPを視察しました。 内陸国であるザンビアの経済発展のためには、輸送コストの削減と安定した輸送ルートの確保が不可欠です。カズングラ橋、OSBPの運用開始により、交通量が増加し、通関時間が短縮され、税収も増加しました。しかし、ザンビア側の通関時間はボツワナ側と比べていまだ長く、OSBPの業務を一層効率化するため、更なる支援が必要です。カズングラで得られた教訓は、アフリカ大陸の他のOSBPの改善やOSBPの計画立案に生かせるでしょう。 文化財分野では、リビングストンにおいてリビングストン博物館を調査しました。 ザンビア国内最古、最大の博物館であるリビングストン博物館は、設備、機材の経年劣化が顕著となっていますが、機材整備計画の実施により、研究受託件数、来館者数の増加や、収蔵品の保存状態の改善、展示の質の向上が期待されます。 しかし、依然として収蔵スペースが不足しており、収蔵庫の増設に加えて、空調設備が売店にしかないという現状から、更なる支援が必要です。また、リビングストン博物館は国内外の機関との共同研究を実施しており、我が国の支援は、ザンビアだけではなく、世界各国に裨益するものです。 リビングストンでは、世界有数の大滝であるビクトリアフォールズの遊歩道も調査しました。 ビクトリアフォールズでは転落事故が時々起きているという情報があり、ODAで安全対策を実施、支援できないかと問題意識を持っていましたが、現地の管理者から、例えば、二年前にジンバブエ側で転落した人がいたと聞きました。遊歩道の整備に課題があり、手すり柵も老朽化していて、景観に配慮した安全対策の充実が求められます。また、現地の管理者から、自然環境保護に関する研修や、森林、動物、土壌管理の専門家の派遣、事務所、誘客施設の整備に関する要望が多々寄せられました。 ビクトリアフォールズの安全対策や各種要望に関し、ODAを含む経済協力として可能な事業について、JICAを始めとする関係機関や民間企業の間で検討が進むことを期待します。 次に、南アフリカ共和国です。 交通分野では、ジャーミストンにおいて、レールの枕木を固定する座屈防止板、すなわち脱線防止装置が設置された現場を視察しました。 南アフリカの長距離鉄道においては軌道の維持管理対策が急務となっており、先進的軌道保全技術の普及・実証事業は、日本企業の提案技術を用いて南アフリカの鉄道の安全性向上を図るとともに、日本企業の技術の南部アフリカ地域における普及を後押しするものです。 本事業の枠組みは、より多くの国の開発課題が解決される可能性を有するだけではなく、JICAの事業に参画する民間企業の裾野拡大に資することから、様々な分野において継続、拡充すべきです。 労働分野では、ケープタウンにおいて、職業技術協力・訓練、すなわちTVETの機関であるノースリンク・カレッジを視察しました。 南アフリカでは失業率が高く、特に若年層の雇用創出が課題となっており、政府は毎年三万人の技能工育成を目標としています。職業訓練校能力強化プロジェクトは、製造業全般に関わる組立て、旋盤の職種の育成に中心的に取り組むTVET機関二校の能力強化を図るものであり、南アフリカに進出している日本企業にも裨益するものです。 また、ノースリンク・カレッジの多くの学生が日本で働きたいと考えており、日本語の学習機会の提供などを検討すべきです。 教育分野では、ステレンボッシュにおいて、ステレンボッシュ大学日本センター、SUJCを視察しました。 TICAD8では、日本の取組として、日・アフリカ間の大学ネットワークを通じた人材育成が打ち出されており、SUJCへの専門家派遣は、SUJCがアフリカと日本の教育、学術研究、文化的交流の主要拠点となることを長期的な目標としております。 国際政治、ビジネスだけではなく、気候変動、保健医療など地球規模の課題の観点からアフリカとの関係を強化するためには、アフリカを深く知る必要があります。本事業はアフリカ地域研究の充実強化に資するものであり、他の大学への横展開が期待されます。 保健医療分野では、ケープタウンにおいてフォールスベイ病院を視察しました。 地区唯一の公立病院であるフォールスベイ病院では産婦人科で超音波診断機が不足しており、設備の整った遠方の病院に通うことができない住民は出産に大きなリスクを抱えていました。 医療機材整備計画の実施により、より多くの妊婦の方が適切な診察を受けることが可能となり、性被害、失礼、性犯罪被害者の女性に対して迅速かつ安全な医療の提供が可能となりました。しかし、供与される医療機材の一部は病院で扱える医療従事者がおらず、緊急時には遠方から医師が駆け付けなければなりません。 また、医療機材の耐用年数は通常五年から七年とされるため、本事業のフォローアップについては、機材の更新を見据え、より長期間行い、新たな支援ニーズがあれば対応すべきです。 次に、その他の所見について申し上げます。 派遣団は、ザンビア・リビングストンの市長と意見交換を行いました。観光資源の開発、女性、障害者の社会進出、保健衛生など、開発課題の解決に向けた市長の意欲的な姿勢が感じられ、貴重な機会となりました。 開発途上国においては中央政府のガバナンスが必ずしも十分ではないことも考えられるため、在外公館及びJICAが地方政府とのパイプを更に更に強化し、地方での支援ニーズの積極的な開拓につなげていくことを期待します。 派遣団が懇談を行ったJICA海外協力隊員のうち二名は、広島大学とJICAの連携事業であるザンビア特別教育プログラムに参加している大学院生でした。開発協力人材の裾野拡大のため、JICAが我が国の大学との連携を更に拡大していくことが期待されます。また、女性と高齢者が困難な環境を克服しつつ活躍していることも確認しました。こうした派遣の強化も必要不可欠です。 今回の派遣先はいずれも英語を公用語とする国であり、派遣団と視察先との質疑及び意見交換の一部は英語で直接行いました。限られた時間で相手の真意を酌み取りながらより多くの内容について議論するためにはお互いに同じ言語を使用することが望ましく、今後の派遣団の人選においては、英語を始めとする外国語によるコミュニケーション能力についても考慮すべきとの意見がありました。 最後に、今回の派遣に当たっては、外務本省、在外公館、JICA、海外協力隊、日本企業関係者、ザンビア政府、南アフリカ政府、AUDA、視察先の関係者の方々に多大なる御協力をいただきました。改めて心の底より感謝を申し上げます。 以上です。ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) ありがとうございました。 次に、第四班の江島潔君にお願いいたします。江島潔君。
○江島潔君 ODA調査班第四班について御報告いたします。 当班は、昨年八月二十二日から九月一日までの十一日間、ブラジル連邦共和国及びパラグアイ共和国に派遣されました。 派遣議員は、大塚耕平議員、倉林明子議員、そして、団長を務めました私、江島潔の三名でございます。 今般訪問したブラジルとパラグアイは、日本から三十時間以上掛けてようやく到達する南米の国で、地理的には極めて遠い国でありながら、長年にわたる日本人の移住の歴史を通じて親日的な感情を有する国であり、心理的には極めて近い国であることを実感する派遣となりました。この両国について、現地における視察や関係者との意見交換等を通じて得られた議員団としての所見を中心に御報告申し上げます。 第一に、昨年六月、八年ぶりに改定された開発協力大綱において我が国の外交の最も重要なツールの一つであるとされたODAの戦略的活用の可能性について指摘をいたします。 まず、ブラジルについて、国際秩序が大きく揺らぐ中、民主主義、法の支配、自由といった我が国と同じ価値観を共有しており、ODAを戦略的に活用し、グローバルサウスと呼ばれる新興国、途上国の中心的存在であるブラジルとの外交関係を強化することは極めて重要であります。 現地においては、ブラジルは既に大国でありODAはもう必要ないと考えてはならないという意見を伺いました。ブラジルが特に力を入れている環境保全の取組、防災対策等において日本が協力できる分野はいまだ多いほか、今般訪問したサンパウロは、急速に発展する新興国特有の都市問題を抱えており、ODAによる交通渋滞対策等の支援が必要とされています。 また、日本の交番システムを定着させる地域警察活動普及プロジェクトを視察しましたが、地域の犯罪発生率が劇的に改善されており、非常に大きな効果を目の当たりにしました。改定大綱でも明示されたような民間資金と連携する上で安心して投資ができる環境整備を行う観点から、治安状況を改善するODA事業も大変重要であります。 さらに、白身魚の養殖水産業にビジネスチャンスがある一方、その技術については後れを取っているとの話も伺いました。改定大綱の目玉としてオファー型協力が明記されましたが、今般視察した河川や海の環境を改善する事業は養殖水産業とも直結しており、ブラジルが力を入れる環境分野でも協力しつつ、日本の得意分野である養殖水産業の技術協力も同時に提案していくことも一案と考えます。 次に、パラグアイは、南米で唯一の台湾承認国であるとともに、ロシアによるウクライナ侵略を非難する決議を始めとした一連の国連決議に関し一貫して賛成を続けており、民主主義、法の支配、自由といった基本的価値観を我が国と共有しております。 また、今般、就任直後のペニャ大統領に表敬訪問する機会を得ましたが、大統領は、日本の奨学金プログラムを通じて米国の大学で学ぶなど、大変親日家であり、ODAによる更なる関係強化も期待できます。 円借款事業である東部輸出回廊整備計画は、一義的には輸出農産物のために道路を整備する案件でしたが、道路という基本インフラが整備されることにより、地域住民の生活が向上するとともに、投資家からの投資によって産業が興り、雇用が創出されるといった副次的な効果も生じたことについて、地元関係者から大変感謝されました。 このように、ODA事業を投資の呼び水とし、民間投資が更に進んでいくことが重要であります。豊富なグリーンエネルギーを活用した半導体生産やアンモニアの製造など、パラグアイは様々な分野で大きな可能性を秘めており、更なる開発協力が求められています。 また、現在建設中の両大洋間横断回廊が完成すれば、内陸国のパラグアイが太平洋ともつながり、我が国が掲げる外交政策の一つである自由で開かれたインド太平洋、FOIPの関係国として重要性も一層増すほか、パラグアイが求めるパラナ水路の整備や管理ノウハウの提供を支援していければ、両国の更なる関係強化につながると考えます。 第二に、日系人、日系社会への継続的支援の必要性について指摘をします。 改定大綱では、開発途上国を対等なパートナーとし、開発途上国との対話と協働を通じた社会的価値の創出である共創が新たに基本方針の一つとして掲げられ、日系人及び日系社会が共創のための重要なパートナーとして位置付けられました。 両国の日系人は、現地社会の信頼を勝ち得て、両国の発展に寄与するとともに、日本への関心や好感度の向上に大きく貢献しており、今回の派遣でも随所でその親日的感情や関係者からの感謝に触れましたが、両国における日系人の好意的な印象と日本における認知度には乖離があることも実感をしました。これは、日本の教育の中で中南米における日系人の歴史を学ぶ機会がほとんどないことが原因であり、開発協力の場面で連帯していく上では、このギャップをどのように埋めたらよいか検討する必要があると考えます。 また、現地では、日系人による日本語教育の優先順位が下がっているとの話を伺いました。言語はアイデンティティーであり、日本語教育への関心の低下は日本や日系人への関心の低下に直接結び付くものであります。日本語教育への支援にとどまらず、日系コミュニティーの安定的な維持に向け、日系人への継続的な支援の重要性はますます高まっています。 日系人が築いてきた信頼やそれに基づく両国の親日的感情は、何物にも代え難い外交上の貴重な財産であることは言うまでもありません。日本のODAはアジアが中心となっていますが、中南米における日系人ネットワークの財産を今後も戦略的にODA予算によって支援し、外交上のアセットとして有効活用していくことが求められています。 第三に、その他の諸課題について言及します。 まずは、新型コロナウイルス感染症の影響とその後の支援についてです。 今般視察した中で、特にコロナ禍の影響が色濃く現れていたのは日系団体でした。ブラジルの日系団体は、コロナ禍によってイベントの実施ができず収入が激減し、パラグアイの日本人会が経営する日本語学校では休校時の講師への謝金支払が重い負担になるなど、大きな影響があったと伺いました。 日系団体の活動が低調になることで日系社会を軸とした中南米外交にも支障が生じるおそれがあることから、各日系団体に対して中長期的にどのような形で支援していけるのか、その在り方を検討する必要があると考えます。 次に、無償資金協力後のフォローアップの在り方についてです。 パラグアイのアスンシオン大学病院や職業訓練センターを訪問した際、無償資金協力時に引き渡された機材が二十年以上経過し、故障時に交換部品が入手できず、せっかくの機材が修理できないまま使用されていない状態にあるとの説明を受けました。 無償資金協力から一定期間が経過すれば最新の技術に対応した機材が必要になりますが、こうした機材の更新や経年劣化への対応を供与先が自らの努力でできない場合に、日本として、フォローアップ協力の枠組みを通じて維持管理支援を強化する必要があると考えます。 次に、女性活躍の視点に基づいた支援の必要についてです。 両国のJICA海外協力隊員の多くが女性であり、今般の派遣では七十歳を過ぎてシニアで活躍する隊員の方にも複数名お会いし、海外での日本人女性の活躍ぶりを目の当たりにしました。現地での苦労は性別を問わずありますが、女性が異国の地で生活しながらボランティア活動を行うことは大きな不安が伴います。特に女性隊員の不安が少しでも解消され一層活躍の場が広がるよう、現地における安心、安全や生活環境の確保等に引き続き取り組むことを求めます。 次に、開発協力に関わる国民の理解促進の必要についてです。 国内では物価高騰が続いており、開発協力に関わる税金の使途についてより一層説明が求められる中、開発協力の意義や効果等を効果的に国民に伝えていくことが課題となっています。 国際秩序が揺らぐ中、また、新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経て世界的なサプライチェーンの重要性が認識された今こそ、開発協力を通じた途上国との友好関係の構築が日本経済の安定に重要であること、すなわち開発協力によってもたらされる大きなベネフィットを実感しやすく、この機会を捉えた丁寧な説明が求められると考えます。 最後に、ODA調査派遣を現地視察で実施する意義について指摘をします。 コロナ禍においてオンライン会議等のツールも発達しましたが、現地を訪問し、実際にインフラ施設や資機材を見ながら説明を受けることで理解が進みやすくなる点では、やはりオンラインには代え難いものがあると感じました。また、現地の方々と顔を合わせ、直接話してみて初めて分かる空気感や、移動中の町並み等を見て両国国民の生活実態をかいま見ることができた点は、現場視察でしか得ることのできない利点であったと考えます。 最後になりますが、今般の調査に当たり多大な御協力をいただきました視察先の関係者、外務省及び在外公館、JICAを始め、JICA専門家及び海外協力隊員、日本企業関係者の方々に改めて感謝を申し上げます。 以上でございます。ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) ありがとうございました。 以上で意見の聴取は終わりました。 これより意見交換に入ります。 本日は、外務省から辻外務副大臣及び石月国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から田中理事長、大場理事及び宮崎理事に、それぞれ御同席をいただいております。 発言を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を受けてから起立して御発言ください。 発言者は、意見表明者、派遣団に参加された委員のほか、外務省、JICAに対し回答をお求めいただいても結構です。 また、回答をされる方も、挙手の上、委員長の指名を受けてから起立をして御発言をお願いいたします。 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言をいただきたいと存じます。 それでは、発言を希望される方は挙手をお願いいたします。 若林洋平君。
○若林洋平君 自由民主党の若林でございます。発言の機会をありがとうございます。 また、それぞれの派遣団の皆様の本当に内容の濃い本当に発表をありがとうございました。また、視察に関しても、いろんな御苦労があったと思いますけれども、本当に充実した視察をされたんだなというのが拝察され、非常に意義深いものであったかなということは心から感謝を申し上げるところでございます。 まず一点目、それぞれの派遣団の先生方、代表の先生方にお聞きしたいんですけれども、今の先生方の御説明というか発表の中にもるる出てきた部分はあるんですけれども、改めて、今まで長年やってきたこの日本のODA又はJICAの活動等を通して、日本に対するその先生方が肌で感じた感想というか、特になかなか一般の国民の皆さんに会う機会はそんなにはなかったかもしれないんですけれども、日本に対する印象等が何かお分かりであれば、短くて結構ですので、一言ずついただければ有り難いと思います。中西先生からお願いします。
○中西祐介君 御質問ありがとうございます。 つぶさに、特に今回の派遣では、障害者福祉の分野あるいは地域の課題、産業廃棄物をどのようにしていくかとか、町づくりのことをどうしていくか、まさに日本がこれまで克服してきた課題を、その解決策を現地において提供しているということについては非常に信頼高く見ていただいております。 特に、様々、四班ともありましたけれども、中国のような大きなボリュームのある案件だけではなくて、小さな草の根支援というものがいかに現地の方々に心の響くものになっているか、あるいは、青年海外協力隊のような本当に自ら現地で汗をかいておられる日本人の方々も多数おいででございますので、そうしたことは非常に有効だなと思っています。あわせて、こうした活動をより多くの方々、現地も含めて知っていただくことは重要だなという感想を持ちました。 以上です。
○高橋はるみ君 第二班は、カンボジア、ラオス、行かせていただいたわけでありますが、本当に長年にわたって現地の方々に寄り添う形で信頼を得ながら協力をやってこられた、そういった現場の方々との信頼関係というものを強く印象付けられたと、このように感ずる次第であります。 これがまさに、今、中西先生もおっしゃられた、その大規模な資金量を伴う協力との比較において、きめ細やかさ、現地のためになる寄り添い型の支援、日本らしい支援をこれからもやっていく必要があると、このように感じました。 以上であります。
○青山繁晴君 御質問ありがとうございます。 第三班の二か国のうち南アフリカは、御承知のとおり、中国、ロシアに非常に近い国であります。それは、歴史的経緯からして、マンデラ大統領がアパルトヘイトを克服していくときに中国共産党やソ連が協力的だったという非常に根深い歴史があるわけです。 ところが、例えば中国の援助でいいますと、現地には途中で放棄された建築中の病院であったりマンションであったりが散見されまして、私はなるべく、まあ英語圏なので直接話せますから、現地の方とお話ししましたが、中国の支援に頼っていいのかということは実は南アフリカにおいても高まっているところで、その代わり、日本に対する熱い期待というものを非常に感じました。 まず、AUDAのような政府当局者に対して、中国よりも日本を当てにしてほしいということを直接申しました。また、現地の方々と日本がこれから、遠くても、さっき言いました予防接種が必要だったりしても南アフリカに関わっていきたいと話をしますと大変に喜ばれましたので、そのことを皆さんに御報告したいと思います。 ザンビアは元々日本への親近感が非常に強いですけれども、さっき御報告しました例えばリビングストンの博物館で、ほぼ、ほぼじゃなくて、全館員が老いも若きも私たちと話をする、したいということで出てこられて、最後に博物館の正面玄関で記念撮影したときに、私が思わず後ろを振り返って全館員に向けてジャスト・フォー・ザンビアというふうに叫びましたところ、涙する人もいました。 今までの言わば中国式の援助だとどうしても裨益するのが中国になってしまうんですけれど、日本は本当にザンビアや南アのため、アフリカの人々のためにやるということがより伝わるように皆さんと一緒に努力していきたいと思います。 ありがとうございます。
○江島潔君 私ども第四班は南米だったわけでありますけれども、これ、南米というのはまさに特有のこの日系人社会というものがございます。報告の中でも申し上げましたが、この日系人社会がどれだけ本当にその未開の地を開拓をして今のこの現地の農業に大きく貢献をしているかという点、また、いろいろ、第二次大戦等もありましたので、その間の御苦労も多々あったわけでありますけれども、これを経て今日のこの日系人社会というのが今現実にこのブラジルまたパラグアイにあるということは、これは本当に日本の大きな財産であろうと思います。 今後のこのODA協力の中では、是非、この日系人社会の存在、あるいはその連携をしながらのこの進め方というのは、是非とも積極的に取り入れていかなければいけないのではないかと強く感じます。 と申しますのも、一時期に比べますと、今、ブラジルでもその日系、日本企業の進出というのは相当もう後退をしておりまして、その代わりに、もちろんこの中国系企業がたくさん入ってきているわけであります。ですから、日系人社会のかつてのプレゼンスというのが相対的に下がっているというのもこれも残念ながら事実でありまして、その分、せっかく築き上げたこの日本と南米とのこのつながり、これをしっかり築いてくれた日系人社会を守っていくというのは、これはODAの中で今後の重要な役割ではないかということを強く感じました。 以上です。
○若林洋平君 御丁寧な本当に御回答ありがとうございました。 だからこそ、このODAというのは非常に重要であって、今後も必要性というのは高いと思うんですね。しかしながら、それを踏まえて、先生方の今の御回答を踏まえて、先ほど中西先生からもお話があったとは思うんですけれども、報告の中にもあったとは思うんですが、どうしてもこの必要性というのが、国民の皆さん、特に日本の国民の、我が国の皆さんに伝わっていないというか、その重要性というかですね。中には、いや、そんな海外のことはいいから日本のことやれよというような意見もあったりとかするのは、聞かれるのは残念なんですけれども。 ここで、特に青山先生にお聞きしたいんですが、一つは、今の話の中で、どのように先生とするとその克服を考えられるかというか、どういう道があるのかとお感じになられているかということと、あと、実際にSNSを拝見させていただいたときに、非常に過酷な環境であったというのが見て取れました。特に虫に対してどういうふうに対処したのかというのを詳しく教えていただければ有り難いと思います。お願いします。
○青山繁晴君 若林議員から二つ質問いただきました。 まず一つ目の日本国民の理解のことでありますが、主権国家の外交というのは、本来は、右手が外交力とすると、左手が軍事力です。戦争にならないために、軍事で問題を解決しないためには外交解決が必要だというのが本来の外交なんですが、日本はこの左手の軍事力を外交に行使することができませんので、したがって、政府開発援助を中心にしたその国のためになることを行うというのは、日本外交にとってはどうしても欠かすことができません。 日本国民で外交が要らないと思っている人はいないです。日本が明治維新以来百五十年たちまして、貿易を始めとして全ての面でほかの国々との交流が必要だという意識は日本国民はむしろ世界で最も高いですから、ですから、こういう外交の本質を分かっていただくことによって、ODAに対しても理解がより深まると考えております。 それから、アフリカの環境なんですけれども、例えばザンビアですと、ハマダラカという蚊がいまだに非常に多いんですね。このことも本当は、さっきの報告ではあえて触れませんでしたけれども、マラリアを媒介するハマダラカによって、マラリアはそもそも今でも世界で毎年五十万人の方々が犠牲になっているわけですけれど、ザンビアでもその犠牲が多いわけですから。 実際、私と舞立団長がそのハマダラカの来襲に遭いまして、例えばホテルの部屋に行くときに網戸が置いてあるんですけど、この網戸の手前も多いですけど、網戸の向こうにむしろ向こうが見えないぐらいハマダラカがいて、私は部屋に入ってから原稿を書かなきゃいけない。 余計なことを申しますが、献金も受けない、パーティーも開きませんので、原稿を書くことが政治資金の唯一の手段なので、どうしても原稿を書かざるを得ないので、どうしたかというと、もう部屋の中も蚊でいっぱいなんですよね、したがって、ホテルのフロントに行って現地でしか売っていない強力な殺虫剤を分けていただいて、その四缶ほど全部使って、済みません、こういう表現で、衣服を取って全身に塗りたくりまして、それで一回も刺されずに済みました。帰国した後に、実は合衆国政府は何でも知っていますから、この話をしたところ、実はそれは大変懸念していたということも言われました。 実は事前に警告も受けたわけですけれども、どれぐらいアフリカにとって公衆衛生というのが深刻な問題であるかと。さっき、予防接種のことを私たちの言わば手間のように言いましたけれども、本当は現地の人々はこの瞬間もさらされているわけでありますから、今、若林議員が聞いていただいた昆虫、虫の被害、あるいは病原菌の問題というのは実は一番大事な問題の一つだと考えております。 ありがとうございます。
○若林洋平君 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 続きまして、古賀之士君。
○古賀之士君 立憲民主・社民の古賀之士でございます。 御報告、それぞれの班からありがとうございました。お時間の関係もありますので、早速質問に移らせていただきます。 まず、一班の中西委員からの御報告の結びに書いてございました参議院の呼称についてでございます。 私もかつて、コロナ前、複数回、このODAの視察で海外に行かせていただきました。バスの中で説明を受け、そしてランチは一〇〇%ミーティングを行い、様々な御意見を伺いながら意見交換をしていくということを懐かしく思い出しながら皆様方の御報告を伺っておりました。 その際、多くの方々にやはりお会いする際に、やはり現在の英語表記でいうカウンセラーズという表現、これにちょっと違和感を覚える表情をする方が結構いらっしゃって、名刺を交換するたびに、例えばアッパーハウスと言い換えたり、あるいはセネターズと言い換えたりしたことも結構ありました。 それで、逆に、せっかく御報告の結びに書いてありますので一班の中西委員からお伺いしますが、逆に、その辺の諸課題、そして、私も実はODAでかつてこの問題も提起させていただきました。前に是非進めていきたいと思っております。御所見を伺えればと思っております。 また、各二班から四班の発表の皆様方におかれましても、そういった違和感を先方が覚えたり、あるいは御自身が今思っていらっしゃる違和感の御経験がありましたら御披露いただけないでしょうか。
○中西祐介君 呼称についてはこれまで歴代取り組んでいただいたと承知をしておりますが、諸外国の例を御紹介しますと、上院について日本と同じようにハウス・オブ・カウンセラーズと英訳している国はモロッコのみでありまして、カウンセルという英語、英訳を含む言葉を使用している国はドイツとオーストリアとスイスとロシアとインドなどの十六か国だと。圧倒的に多いのがセネットでありまして、五十三か国ありますのは、アメリカ、フランス、イタリア、カナダ含んだ五十三か国あるということで、適切な表記に変えることは大変重要だと思っています。 たしか、幾つか前の委員会でも協議をしていただいた結果、官報の表記を変えるだけで大丈夫だということでありますが、例えばここの国会周りで道路標示に表記されている文字から含めて全部改修しなきゃいけないのでそれなりの予算掛かるというふうな課題も私は聞いたことがありますけれども、一度課題を整理して、参議院らしい呼称にしっかり変えるということは重要なことかなというふうにも思っています。
○高橋はるみ君 第二班、カンボジア、ラオスを訪問させていただきましたが、カンボジアはちょっと選挙の直後でありまして、要人との面会というのはなかなか難しいところもあったわけであります。 ラオスの方は、三人の大臣さんとお会いをいたしましたが、今、古賀先生がおっしゃられたようなその意味での不都合は我々は感ぜずに対応をしていただいたかなと、このように思っております。
○青山繁晴君 コガユキシ議員の問題提起は極めて実は大事で、英語はもはや英語じゃなくて国際共通語でありますが、特に英語圏、今回英語圏の二か国ですが、カウンセラーズと言うと完璧に、ほぼ完璧に誤解されます。良くて、民間の要するにシンクタンクなどのアドバイザーかと。だから、アッパーハウスとかセネットというふうに理解する人はほとんどいないですよね。 不肖私は民間専門家時代が長くて議員になって、それで最初の名刺がカウンセラーズと書いてありましたから、これを、名刺は官製品じゃなくて自分で作るものですから、私はセネター・オブ・ジャパンというふうに表記しています。そうしないと、日本の参議院は何かということを説明するだけで要人との面会時間がかなり過ぎてしまったり、向こうは関心事ですよね、こちらの立場が。 したがって、中西先生が、中西議員がおっしゃったその費用の問題はあるんですけれども、例えば対外的にはもう早くこの参議院をザ・セネットと表現して、私たちをセネターと表現しないと、本当は誤解を生んで気付かないまま終わっている面もあると思います。 恐らく、参議院の前身が貴族院ですから、敗戦後に、決めるときにその貴族院のイメージを払拭したかったんでしょう。セネットというのは御存じのとおりローマの元老院のことですから、そういうイメージを払拭したくて選んだんじゃないかと思いますが、もうそろそろ戦争が終わって八十年近いですから考えるときに来ていると思います。 貴重な御指摘だと思います。ありがとうございます。
○江島潔君 四班でありますけれども、今回の視察に関しては特段そういうことは感じることはありませんでした。ただ、やはりしばらくこの相手方と話している、話す時間が長いと、そのハウス・オブ・カウンセルというのは何なのかとか、そういう形になってきまして、やっぱり全然知られていない、分かっていない、二院あるうちの一つだということが分かられていないなということは時々感じることであります。 ただ、私どもも、いろんな国が来て何とか評議委員会の委員長とか言われても何だかよく分からないで、どれぐらいの立場にあるのか分からないということはありますし、じっくり突っ込んで聞くと、例えば中国ですと市長よりもその町の委員長の方が地位が高いので、そういうものなのかなと思うこともありますので、これを、名称をなるべく世界共通、分かりやすくするというのは、やはりこれは参議院全体としての課題ではあろうということを常々感じております。
○古賀之士君 それぞれ御指摘、御意見ありがとうございました。 実際に、やはり私も限られた時間の視察の中でその立場を説明をすることが複数回あったものですから、これは何とかしなければいけないなという意識を今でも持っておりますので、是非前に進めていきたいと個人的には思っております。 それと、お時間の関係もありますが、もう一点だけ。 先ほどから御報告の中には、日本で働きたいという多くの外国人の方々とも交流をしてきたと伺いました。 中西委員からまた伺いますが、その中には例えば、これはもう既に視察を終えられて八か月以上経過をしておりますので、為替の変動とかもありますけれども、御存じのように、なかなか今、日本での人材不足を解消するような今外国人の皆さんがいらっしゃっていない。そして今、為替の関係なのか、逆に一千万人以上かつて海外旅行などビジネス行かれた方々が、今七百万人にまで日本は下がっているという現状もあります。 日本で働きたいという意欲をしっかりと持っていただくためには、やはり実際の為替の動向などを聞いたら、もしかしたら、いや、これはちょっと今、日本には行けないかも、ほかの国を選ばざるを得ないなと、これはいわゆるサラリー的な問題であるかもしれません。そういう意味では、日本で働きたいという思いとその人材の育成、この辺をどのようにバランスを考えていったらいいのか。もし現地で実際にそういう御経験がありましたら御披露いただけないでしょうか。
○中西祐介君 ありがとうございます。 さっき御紹介したスリランカなどは非常に日本で働きたいニーズがあると感じています。それは、長年、日本が現地において青少年の方々に対して、日本語教育であるとか就労の基礎技術であったりとか、様々なことを無料のコミュニティーをつくってそこで教え込んできた、その成果じゃないかなと思っています。 特に、日本に対して行ってみたいという思いの一つは、日本の文化性であるとか安全性であるとか、あるいは日本なら正しいことを学んでいけると、そうしたことが現地では伝えられたわけでありますが、スリランカではまだ三職種しか認められていない。こういうことをいかに適切に拡大をしていくかということは、お金の面よりも大事な環境整備があるのかなというふうに痛感をします。
○古賀之士君 二班、三班、四班の委員の方で何かありましたらお願いします。
○高橋はるみ君 二班、カンボジア、ラオスでございますが、冒頭の中でも申しましたとおり、日本の現地に対する支援というのは、本当にきめ細やかに信頼感を持って人間関係、人材育成など、しっかりと対応するというやり方をやっているわけでありますので、そういった日本にしっかりと働きたいという思いを持っておられる現地の方々はいっぱいおられると、このように感ずる次第であります。 為替の問題などなかなか経済的な環境の部分は、これはなかなか人材だけの問題ではなく、もっと複雑な国際的な環境の中で決まるものとは思いますが、そこがうまくいけば、日本に来ることがこれだけ意義があるし、本人にとっても有意義なことになるであろうということを今やはり我々は海外の方々にもっともっとしっかりとお話、情報伝達をしていくということが重要かなと、このように思う次第です。
○青山繁晴君 まず、古賀之士議員のことをさっきコガユキシ議員と呼んでしまいました。訂正します。申し訳ございません。 で、今の御質問もとても大事な質問であります。さっきの報告で、南アの特に若い人で日本で働きたい人が大変多いんだということを紹介しました。その後、実は私は交流をしております。要人とも交流しておりますし、来られた方もいらっしゃいます。もちろんネットを使って話合いができます。 そこで、現実に即して、私たち国会議員ですから、現実に即して申し上げると、今、日本では特定技能二号の拡充が行われています。期間は三年に短縮されたけれども、実は更新が無期限ですから、家族の帯同もできますから、これ、国際社会では、南アフリカの現地も含め、ザンビアも含め、既にイミグレーションと呼んでいるんですよね。移民と呼んでいます。日本でどう説明しようが、国際社会あるいは来る人にとってはイミグレーションです。ということは、全人生を預からないといけないです。 で、行われたばかりの日米首脳会談のもう一つの意味は、日本が人手不足なので、恐らく日本がロボット技術で一番進むであろうということをアメリカは考えていて、それで日本の技術が欲しいという日米首脳会談にもなったと私は専門家の端くれとして考えております。 そうすると、例えば二十代の若い世代で来られた南アやザンビアの人たちが中年世代になったときに、実はロボット化が世界で一番日本で進んで、労働力の需要が今と全然違うことが十分に考えられます。そのときにその方々の人生を一体どうするのかということを私たちは突き詰めて考えないといけないです。 もう一点。日本は英語社会ではありません。英語が国際共通語になったのは、アメリカが強いからじゃなくて、実は一番簡単だからです。敬語も極めて少ないですよね。しかし、日本語を外国人として学ぶというのは、アフリカの若い人だけじゃなくて、もう世界の日本で働きたい人にとっては悩みの種であって、今回、特定技能二号で鉄道分野が加えられます。鉄道分野で、もしもレールの切替えに失敗すると日本ではかつて経験しなかった事故にもつながるわけで、その責任まで外国人の方々に背負わせるかということになれば、さっき言いました日本語教育の充実というのは本当は生易しい課題ではない。ですから、あくまでもその国の方々の立場に立って私たちは考えるべきだと考えております。 ありがとうございます。
○江島潔君 ブラジル、パラグアイは、これはどちらも日系人移民がたくさんいる国でありまして、パラグアイには一万人の日系人、それからブラジルには二百万人の日系人社会があります。ですから、もうベースとしてはもちろん日本に行きたいという層は相当います。ただ、今御案内のように、ちょっと円安等の関係でそのポテンシャルは少し下がってきているというのも事実であります。 あともう一つ、やはり大きな発見だったのは、日本語学校に、パラグアイなんかの場合では、日系人が来るというよりもその現地の人が日本語を学びに来たいという層がありまして、こういう人たちは、潜在的にはやはり日本に将来行ってみたいなという思いを持っているんだと思いますが、きっかけとなっているのは全て漫画だそうであります。漫画を通じて、日本語で漫画を読みたい、あるいは日本語の漫画を映像で見たいという、それがきっかけになってこの日本語学校に通っているということは今後の大きないろんなことのヒントになるのではないかなということを強く感じました。 以上です。
○古賀之士君 ありがとうございました。 私もMANGA議連の中の一員でもございますし、その重要性も認識しております。また、中西議員のおっしゃったような問題提起もしっかりとそこを受け止めていきたいと思いますし、また、高橋委員からの御指摘も非常に重要な点があるかと思いますし、また、青山委員からもおっしゃっていただいた特定技能二号の問題、それからあと、かつて視察先で、逆に日本の職人技、日本人がかつて持っていた伝統工芸的な職人技も含めた様々な技術を実は外国の方が引き継いでいらっしゃって、ODAで。そして、その逆に今日本ではその技術を持っている方がいらっしゃらない、その技術を今度逆に日本に逆輸入するような形で学ばないといけないというような現実もあるということを皆さんと共有して、この質問を結びたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 続きまして、三浦信祐君。
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐でございます。 ODA調査派遣第一班メンバーとしてバングラデシュを訪問をさせていただきましたことに、関係各位、各所の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。また、中西団長とともに、ほかの委員の皆さんとともに無事故で帰らせていただいたことにも感謝を申し上げたいと思います。 ODAの派遣としてバングラデシュは初めてでありましたので、今回の自由討論ではバングラデシュだけに絞って質問をさせていただきたいというふうに思います。 バングラデシュの発展、人口増加に伴う熱気あふれるダッカにて経済成長の可能性を感じることができました。一方で、まだまだインフラ整備、社会基盤、教育、社会制度など、ソフト、ハード両面の支援をし続ける必要性があることも目の当たりにしてまいりました。 地政学的にバランスを取る外交姿勢の中で、日本への信頼と期待を感じることもできました。日本が今後も、経済、技術、人材育成、安全保障と多岐にわたる支援が、バングラデシュの発展はもとより、地域の安定性、FOIPの具現化には欠かせないと考えております。 日本とバングラデシュとの関係をより強固にすべきであり、具体的な取組を推進を期待したいというふうに思いますけれども、まず外務副大臣に質問させていただきながら、団長とともに行かせていただいたので、団長の思いもここで聞かせていただければと思います。
○副大臣(辻清人君) ありがとうございます。 三浦委員が御訪問されたバングラデシュは、我が国にとって極めて重要な国であり、伝統的な親日国でありまして、一九七二年の国交樹立以来、日本とは緊密な友好関係を維持しています。 同国は、御案内のとおり、穏健なイスラムの民主主義国として南西アジア地域の平和と安定に重要な役割を果たしており、近年高い経済成長を遂げていて、本当に先進国の仲間入りをするんだという強い気概を感じられたと思いますが、日本企業の進出も拡大しつつありまして、一方で、まだ人口の約二割が貧困状態にある開発途上の国でございまして、そういった脆弱なガバナンスや、電力、運輸等の基礎インフラがまだ未整備で、また、サイクロンや洪水等の自然災害にも脆弱との課題を抱えておりまして、これらが同国の経済社会開発を阻む要因となっていまして、今後の支援のポイントになってくるかと思います。
○中西祐介君 ありがとうございます。 個人的には十数年ぶりに今回バングラデシュをお邪魔したんですが、もう町を歩いても、ダッカで男性が腰巻をしていた頃から打って変わって、ジーパンをはき、格好いい洋服に身を包んでいる若者の姿が目立ったのが印象的でありましたが、まさに今バングラデシュは、ハシナ政権下、安定した政治情勢がもたらされておりまして、現政権下で二〇〇九年以降、GDPの成長率は六・五%、直近でも、コロナの中でも三%を超えるような経済成長を遂げておりまして、二〇四〇年代には先進国入りを目指すと、そういう意欲的な国であります。 一方で、様々な課題も当然あります。教育の問題、あるいは産業投資、海外からもどんどん今受け入れている状況にありますし、国のガバナンス強化や貧困撲滅、保健、防災、気候変動など様々なテーマがあります。 全方位外交をやっているこのバングラデシュでありますので、日本が信頼で、きずなとしてつながっている、そこの相手国からの日本へ対する信頼も非常に深いものがあると思いますので、我が国も大事にすべき国の一つだというふうに考えます。
○三浦信祐君 具体のことについて触れたいと思います。 発展する首都ダッカの国際空港にて、JICA支援による第三ターミナルの建設現場を視察をさせていただきました。大変暑い中、我が国のコンサルティングを主として、コントラクターとして本邦企業並びに韓国企業とジョイントベンチャーを組んで世界に冠たる国際空港ターミナル建設に汗を流してくださっていたということに改めて敬意を表したいというふうに思います。 第一期から第三期まで円借款、これを供与していることによって、バングラデシュの発展への寄与度が極めて大きいと感じました。一方で、首都空港の建設事業に携わることができるという機会は、我が国にとってめったにないことでもあります。そういう面では、事業者、建設に従事されている方にとっては極めて重要な知見を得るという機会になっていると私は確信をしております。 その上で、これまで、このような大型プロジェクトでは、各国支援としてハード面、今回でいえばターミナル建設、これが主体でありました。しかし、今回は、優先的にハズラット・シャージャラール国際空港の運営、維持管理に日本企業が参加する予定であること、また、空港運営人材に対する技術移転への期待もバングラデシュからなされているということが、派遣の後の二〇二三年十月七日の土曜日、現地の第三ターミナルで挙行されたソフトオープン式典におけるハシナ首相からの御発言でもありました。 空港運営は世界が競い合ってノウハウを積み上げている中で、我が国への期待が寄せられている機会を必ず逃してはいけません。これはもう本当に進めていかなければいけないことだと思います。そういう面では、外務省を先頭に、今政府内でも協力をしていただき、国交省とも結束して取り組んでいただくとともに、JICAとしても最後まで支援して、実現を図るべきだと考えております。 是非、JICAの理事長にこの辺の思い、そしてこれからの取組、また、石月局長にもこれからの決意について述べていただきたいと思います。
○参考人(田中明彦君) ハズラット・シャージャラール国際空港について御視察いただきまして、誠にありがとうございました。 JICA側の行っておりますインフラ開発、国際空港、それから地下鉄事業とか、そういうのもいっぱいあるんですけれども、このときの、私は、日本の特色は、単にハードウエアを造るというのではなくて、それをどうやって効果的にその人々のためになるように運営していくかという、その辺りの技術移転も含めて進めていくのが大事なことだと思っております。 今回は御視察いただけませんでしたけれども、例えばインドのニューデリーにあるデリーメトロという地下鉄網、今世界最大級の地下鉄網になっておりますけれども、これも、その地下鉄をどうやって運営していくのかと。駅で人々にどうやって並んでもらうのか、それから女性専用車両を付けるのかというようなことも、観点も含めてやってきておるわけですけれども、今回のこのハズラット・シャージャラール国際空港についても、日バングラデシュ・ジョイントPPPプラットフォームの枠組みというものも通じて日本企業に優先交渉権を得るということになっておりますので、是非、この枠組みを使って、この空港運営に強みのある本邦の企業がこの運営に携わっていただけると有り難いというふうに思っておるところであります。
○政府参考人(石月英雄君) ありがとうございます。 今御指摘のいただきました空港運営のところでございますが、先ほど田中理事長の方からもございましたとおり、日本のODAの強みは、いろいろなハードとソフトを組み合わせてやっていく、いろいろなメニューを組み合わせることができるというところではないかというふうに考えてございます。 まさにこのダッカ国際空港第三ターミナルの運営につきましては国交省さんも関わっておりますし、そういった形でPPPを組み合わせて、ODAの世界では円借でサポートをすると。こういう形で、多様なアクターが参画する形で、様々なメニューを組み合わせて支援をしていく。 これ、我々が昨年の開発協力大綱の改定の中で出してきた新しいメニューで、オファー型協力というのを提案、やり始めておるんですけれども、まさにそういったものを組み合わせて、いろいろなそのアクター、いろいろなメニュー、そういったものを組み合わせてやっていくのが日本のODAの強みではないかと考えておりますので、引き続き、このような展開を目指しながら、いろいろなところでODAの強化について考えていきたいと思っております。
○三浦信祐君 最後に質問をさせていただきたいと思います。バングラデシュの経済特区について質問させていただきたいと思います。 バングラデシュ経済特区、BSEZを視察もさせていただきました。二〇二六年のLDC卒業予定ということを目指し、そして二〇四一年までに先進国入りを目指すという中で、基幹産業である縫製業、輸出の八割を占めているということから、持続可能な経済成長への実現、強靱な社会形成が求められていると伺ってきました。 はるかな広大な土地に我が国の商社マンが降り立って、そしてゼロから開発をされた。そして、洪水対策の土地のかさ上げ、安定的な電源確保、上下水道の整備、私たちにとっては当たり前のことを、炎天下、酷暑の中でバングラデシュの未来を描いて具現化してきたそのものを目の当たりにして、我が国に、国力と人道性、そしてODA支援の必要性、その不可欠性を肌で感じ取ってまいりました。 民間セクターの開発にバングラデシュ経済特区と国名をそのまま冠するということは、国家の命運を託した事業であったと言っても過言ではないと思います。第一号をつくり上げて更に発展していく中で、今後、経済特区、EZを更に増加していくということが現地では期待をされていると思いました。規制緩和や税制上の優遇などを活用して、世界と引けを取らない特区内にて経済活動が進展されるとも予想ができます。 日本とバングラデシュの経済区庁との関係や……
○委員長(藤川政人君) 質問をおまとめください。
○三浦信祐君 はい。 プロジェクトについて、今後の展望について伺いたいと思いますが、外務副大臣、お願いしたいと思います。
○副大臣(辻清人君) ありがとうございます。 委員おっしゃるように、バングラデシュと日本ですね、特に経済成長の原動力として今後FDIを呼び込むための投資環境整備も、円借款や海外投融資や技術協力、まあ官民のパートナーシップですね、そういった商社の皆さんもそうですが、そういった方々を通じて高水準のサービスを提供する経済特区の開発を支援していますが、このほか、農業や情報通信技術、ICT等の成長ポテンシャルの高い分野で、資金アクセスの改善や労働生産性の向上に資する産業人材育成や貿易円滑化のための税管理能力のキャパシティービルディング、そういった日本が得意とする技術協力も実施していますし、今後もそれを強化する予定でございます。
○三浦信祐君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 清水貴之君。
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。どうぞよろしくお願いいたします。 派遣報告、どうもありがとうございました。そのいろいろ報告いただいた中で、私、第一班、中西委員、どうぞよろしくお願いをいたします。 私も三、四年前に、WFPの議連の視察でロヒンギャ難民、視察をしてきました。ミャンマー側からと、迫害を受けたミャンマー側からと、そしてバングラデシュに渡りまして、バングラデシュの難民キャンプを視察をしてきました。 そのとき受けた感想といいますか、思ったことなんですけれども、ロヒンギャ難民のキャンプなんですが、非常に、確かに粗末な建物ですし、非常に厳しい状況にあるということは感じたんですが、その一方で、難民キャンプというと、紛争地の映像とかでよく流れている、紛争地のもう本当に何にもないところにフェンスが張ってあって、もう衛生状況悪い中でテント立ててというようなのをイメージして行きましたので、もう何年も歳月がたった中で、それぞれの家族が家を建ててそれぞれ生活の拠点があって、その中では、市場みたいなものもあったり、物が売っていたりとか、子供が遊ぶ広場があったりとか、もう本当に生活の拠点ができているなというのを感じました。 ですので、非常に、今もうそこにある意味もう住んで生活ができている人たちを、じゃ、どうこれからサポートしていくのか。ミャンマーに戻るのかといっても、これも本当に宗教上の問題も対立もあります。仏教徒がほぼ全てのミャンマーの中で、ロヒンギャはイスラム教ですので、長い歴史の中での対立が今の状況をつくってしまっているということで本当に難しい問題だなと感じたんですけれども、三、四年前の話ですので、私が見たのが。 中西委員、最近行かれまして、その辺りのまた感じられたこととかありましたらお話しいただけたらと思うのと、あとは、これ外務省か若しくはJICAの皆さんでもいいんですが、ロヒンギャ難民への支援、サポートという意味で、今お話ししたとおり、本当に簡単ではない話かなというふうに思うんですけれども、どのように考えていくのかというのをお話しいただけたらと思います。
○中西祐介君 ありがとうございます。 今回の一班の中でもハイライトの一つだったなというふうに思い返すわけですが、今、清水先生御指摘のとおり、家族で定住をしているという状況は今も変わっていません。ただ、そこで生まれる子供の数がもう増大をしていて、流入していた人口よりも当然多い状況に、今九十七万人を突破しているという状況にあります。 そんな中で、さっき申し上げたように、世界的な例えば食料支援であるとかバウチャーの支援が十分行き届いていないというのがまさに足下の状況でして、来年にもまさに栄養失調で亡くなる人の数が増えるんじゃないかと、そうした危機感を持っているのは現状としてあります。 ただ一方で、UNRWA始め国際機関の様々な支援によって、例えばユニクロの縫製工場が現地にあって技術を身に付けさせるための拠点があったりとか、あるいはそうした外に出たときの支援体制というのを強化しているのが一つであるということと、そもそもバングラデシュ自体は定住してもらいたくないというのが国の方針であります。 なので、別の場所に、バシャンチャール島というところに新しいその難民用のキャンプを造って建設までしているところでありますが、要は、バングラデシュ側のニーズと、そして国際社会側から見る避難民に対する支援と、ここのそごがないような調整を当該国等含めて図っていく必要がこれからあるんじゃないかなということを強く感じています。 以上です。
○委員長(藤川政人君) ここで申し上げます。 大変恐縮でありますが、時間が予定より大幅に押しております。 各委員は、持ち時間、予定されていた時間においての時間配分の下で質問をしていただくと同時に、回答者の皆様方においても、誠に恐縮でございますが、簡潔な御答弁をよろしくお願いいたします。
○副大臣(辻清人君) 極めて重要な質問ありがとうございます。 これ、ODAもそうですが、我が国の人間の安全保障や人権の道義上、極めてロヒンギャの問題、今、委員派遣のあったバングラデシュにおいてはその規模は九十六万人に、超えていますが、簡潔に申し上げますと、我が国は、二〇一七年以降、総額二百四十億円を超える人道支援を実施していまして、人間の安全保障上、今支援を受け入れる側も受け入れられている側も負担が増大している中で、双方が裨益するよう我が国としては配慮し、引き続き国際社会と連携して避難民及びホストコミュニティーの両方に対して支援を行っていく所存でございます。
○清水貴之君 以上で終わります。
○委員長(藤川政人君) 浜口誠君。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 派遣委員の御報告ありがとうございました。私からは、政府にまとめて二問お伺いしたいと思います。 まず一問目が、スリランカへの日本からの円借款、今一時的に止まっていると。先ほどの御報告の中でも、早期の再開を求める声も大きかったということがございました。このスリランカへの円借款の再開、どういう方針なのかというのがまず一点。 二点目は、今後のODAの分野で、やっぱり環境とか再生可能エネルギー分野、これ日本の強みを発揮する上では大変重要だと思いますし、また地球全体のカーボンニュートラルにとっても大変重要な役割を果たすというふうに思っておりますので、こういった分野にどのように政府として対応していくのか。 この二点お伺いします。
○副大臣(辻清人君) 大変重要な御質問ありがとうございます。 一点目の、スリランカのいつ円借款を再開するかについては、御案内のように、今、二〇二二年四月に、債務再編が行われるまでの間、対外債務の支払を一時的に停止する措置を発表していますが、二〇二三年四月、去年には、日本とインドとフランスの共同議長の下で債権国会合が立ち上げられ、再編に向けた議論を進め、昨年の十一月二十九日にスリランカの間で基本的合意に至りまして、今後の見通しとしては、債務再編の詳細な条件を規定する覚書の内容について今調整を行っていまして、引き続き、一刻も早くこれ今後再開できるように今そのプロセスを主導している次第でございます。 二点目については、これもう日本の強みでございます。GX含めて、今、派遣委員の報告にもございましたが、各地で今感謝をされていることと同時に、これから日本に期待をするそういった開発協力、その一部が、まさにそういったSDGsの中のコアと言ってもいいこういったGXの取組、こういったことも我が国の強みとして、そういった国の目線に立ってこれから鋭意実施していきたい所存でございますので、よろしくお願いします。 ありがとうございます。
○浜口誠君 ありがとうございました。 委員長にお願いなんですけれども、今回、各班の御報告、大変重要な指摘、課題も提起されております。是非、報告しっ放しにしないという観点から、政府並びにJICAの皆さんから、各班の御報告に対してどういう所見があるのか、委員会の方に是非報告をお願いをしたいというふうに思っております。 委員長のお取り計らいをお願いします。
○委員長(藤川政人君) 後刻理事会にて協議いたします。
○浜口誠君 終わります。
○委員長(藤川政人君) 紙智子君。
○紙智子君 派遣報告、ありがとうございました。 ちょっと短く一点、皆さんにお聞きしたいと思うんですね。 それで、四班の報告の中に、両国の、行かれた両国のJICA海外協力隊の多くが女性で、今般の派遣で七十を過ぎてシニアで活躍する隊員の方も複数いたと。それで、海外での日本人女性の活躍ぶりも目の当たりにしたと。現地での苦労は本当に性別問わずあるんだけれども、女性が異国の地で生活しながらボランティア活動を行うということは大きな不安が伴うと。特に女性隊員の不安が少しでも解消されて一層活躍の場が広がるように、現地における安心、安全や生活環境の確保等に取り組むことを求めたいということがありました。 これって大事ですよね。女性の視点で安心して当たれる、活動に当たれるということについて具体的にどういうことが必要かということと、それから、これ、JICAの方もこれについて答えていただきたいということ、一点お聞きします。
○参考人(田中明彦君) 海外協力隊の活動について、とりわけ女性隊員の不安、それから活躍の場が更に広がるようにということでありまして、それはまさに私ども常に心掛けていることでございます。 とりわけ安全管理や生活環境の確保ということが非常に重要ですので、各JICA拠点には企画調整員という形で海外協力隊の調整をするスタッフを配置しておりますし、それから、派遣後の住居、防犯対策、緊急連絡体制の整備、治安情報の提供等、できる限りのことを努めておるわけでありますけれども、特に女性隊員については、派遣前の訓練等のときに特別講義の実施とか防犯ベルの貸出しなど、そのような形で安全面への配慮も努めておるところでございますが、引き続き、委員からの御指摘も踏まえて、安全な生活環境を確保して、隊員が安心して活発な活動ができるように努めてまいりたいと思います。
○委員長(藤川政人君) 高良鉄美君。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。 沖縄は、移民の笠戸丸の中の過半数は沖縄の県民でした。そういう意味でちょっとお聞きしたいのが、現地関係者ということにいろいろお話をされたということが書かれているんですけれども、この現地関係者の中で特に印象に残ったお話、恐らく対話をされたとかいろんなことを聞かれたと思うんですけれども、現地の邦人というのは、邦の方の邦人、日本人の方ですね、あるいは、本当の法人でもこの邦人でもいいんですけれども、そういうので印象深い何か、ODAに関することばかりでなくても、何かそういう外交関係の問題でもし印象深いお話が、その現地にいらっしゃる邦人、日本人の方の声というのがありましたら御紹介いただけたらと思います。この一問だけです。
○江島潔君 笠戸丸、ブラジルのサントス港に着いたということで、ブラジルも行って、サントスの日本人関係者、日系人関係者にもお目にかかってきました。 私が一番やはり強く印象に残るのは、日系人の会館とかがあるわけですけれども、そういうところに行きますと、まず天皇皇后両陛下の写真を飾ってある。もう今なかなか日本の家庭で両陛下の写真飾ってあるところというのは、御家庭というのは非常に少ないんじゃないかと思うんですけど、もうそれだけ、ちょうど日本の反対側にあって、強く日本に対する、日本、日系人であるということのアイデンティティーを持っている社会であるということを改めて感じたところであります。 その分、今少し、かつてに比べますと日本とのつながりが薄くなってきているということに対する日系人社会の皆さんのやっぱり危機感というのも感じているところであります。これは、南米特有のそういう、その日系人社会というものに対して、先ほども申し上げました、日本のこの外交上のアセットとしてこれどう活用していくかということは、これはODAの中で積極的に取り上げなければいけないと強く感じた次第です。
○青山繁晴君 私はあえて現地に赴任している外交官のことを短くお話ししたいんですが、アフリカ大陸の一番南の端っこはケープタウンですけれども、そこにさっき紹介しました妊婦のための病院もあって、どんな機材が、医療機器がその妊娠された方に必要かということを、現地に赴任している若い日本の女性外交官二人ですね、いわゆるキャリアとノンキャリがいらっしゃるんですが、草の根援助ってどういう意味かということを深く理解されていて、紙議員の質問とも関連するんですけれども、女性にとって何が大事かと。しかも、性犯罪が多いリスクもありますから、御本人も耐えながら、その現地のアフリカの妊婦の方々や女性と本当に心を通わせて、まあ英語圏という利点もありますけれども、それによって必要な機材をちゃんと自分でチェックして導入している。その姿というのは、日本ではなかなか知られない外交官の一番の努力だと思いました。 現地に住んでいる人も印象的ですけれども、外交官ももう本当に現地に溶け込んで努力されているということを私としてはもっと知りたいと思いました。 ありがとうございます。
○高橋はるみ君 簡潔にお話をいたします。 日本人についてでありますけれども、とにかく現地で一生懸命やっておられると。紙先生の御質問にも関連してくるんですが、女性の協力隊の方々も、ある程度やっぱり現地に入る前に、現地での生活環境が結構厳しいなということは覚悟を決めて、情報収集をして来られるかと思うんでありますが、私はむしろ、現地で協力隊の方と、女性の方とお話しして感じましたのは、その後、日本に戻った後、雇用がどうなるのか、自分のこの地における活動というのが評価されているのかどうか、そこに関心が強かったんで、是非ここは外務省、JICAさん、よろしくお願いをいたします。 以上です。
○中西祐介君 今、高橋先生がおっしゃったのは非常に重要なことでありまして、もう派遣されたその後から再就職のことを考えているという課題は当然あったりします。 ただ、彼ら、彼女たちが本当に日本からわざわざ現地に来てこの仕事をやっている喜びは、日本で培ったことを現地で生かされて、彼女たち、現地の人たちが本当に幸せになっている姿を見るのが好きだという本当に思いのこもった活動であるということでありますので、これら活動を拡充するためにどのようにこの制度をつくっていくのか、是非外務省にもこれから求めていきたいと思います。 以上です。
○高良鉄美君 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 続きまして、浜田聡君。
○浜田聡君 NHKから国民を守る党、浜田聡でございます。 委員の皆様、本日は御報告どうもありがとうございました。 時間もありませんので、私の方から手短に、外務省の方ですね、副大臣でも局長でも結構です。やっぱりODA、三点、私、ODAこうあるべきじゃないかという点についてお話しさせていただきますので、その点、簡潔でいいのでお答えいただければと思います。 ODA、先ほど来、外交の重要性いろいろと述べられておりました。もちろんそこは大事ではありますが、やはりODA、税金を使っている以上、しっかりと評価をすべきだと思います。 私からの意見としては、やはり一つ目は成果の指標でございます。分かりやすい成果指標として、例えば国連とか国際機関で選挙で勝ったとか、そういうの勝ち取ったみたいな、そういう分かりやすい成果指標もあるんじゃないかと思います。それが一点。 二点目が、イデオロギーの過度な押し付けというのはちょっと余りよろしくないんじゃないかなと思います。 令和五年閣議決定の中でジェンダーに関するものがあったと思います。令和五年閣議決定の、開発協力の適正性確保のための実施原則に新たに加えられたものに、ジェンダー主流化を含むインクルーシブな社会促進、公平性の確保の原則というのがあって、その必要性についてに疑問がありますので、その点についてお答えいただければと思います。 三点目は、先ほど来話ありました、日本語学習者、日本語話者増やすこと、非常に重要だと思いますので、その点の外務省の見解をお伺いできればと思います。 以上三点です。
○副大臣(辻清人君) ありがとうございます。 三点いただきましたが、簡潔に答えさせていただきます。 一点目、ODA。これ、国民からいただいた公的な資金を扱わせていただく以上、完全な慈善事業ではなくて、もちろん相手の立場に立ちながらですけど、どういう形でそういった資金が使われて、それがどういう効果が上がったかということは極めて重要なことでございまして、これについては、そういった外務省内でのこの広報、ホームページやSNS等での発信はもちろんですが、国内で教育機関向けの出前講座や、知名度の高い出演者や著名人を活用した動画コンテンツを制作、イベントを開催するなどして、我が国がこういった形の事業をしてきた、こういう効果があったということを紹介する資料の制作にも力を入れていまして。 二点目について、昨年、ちょうどODA大綱を八年ぶりに改定をさせていただきまして、その中でいろいろと、そういった相手の立場に立った我が国のODAというのがこれは日本の強みでございますので、その一部でそういったインクルーシブなことも書かせていただいたと承知していますが、そういったことも含めて、ちょうど我が国がこれからどういう形でそういうODAを行うかということの中でいろんな御意見があると思いますので、そういったことを取り入れていきたい。 あと、日本語教育です。これは、先ほど派遣委員団の話にもございましたが、日本語を学びたい、すなわち日本に行きたい、働きたいというそういったきっかけになる一つがやっぱり日本語教育だと思いますが、そういった観点からも、これからしっかりと戦略を持って頑張っていきたい所存でございます。
○浜田聡君 ありがとうございます。
○委員長(藤川政人君) 以上で各会派一巡いたしました。 予定の時間が参りましたので、以上で委員間の意見交換を終了いたします。 本日は、限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から御丁寧な御報告をいただきまして、ありがとうございました。貴重な御意見を頂戴し、本委員会といたしましても大変有意義な意見交換を行っていただき、誠にありがとうございました。 本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後零時十三分散会