北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 74 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2024/06/07
会議録
○委員長(松下新平君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会します。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、若林洋平君が委員を辞任され、その補欠として山田宏君が選任されました。 ─────────────
○委員長(松下新平君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局次長横田哲也君、特定失踪者家族会事務局長・特定失踪者古川了子氏の姉竹下珠路君及び南山大学総合政策学部教授平岩俊司君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(松下新平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(松下新平君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、横田参考人、竹下参考人、平岩参考人の順にお一人十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず横田参考人からお願いいたします。横田参考人。
○参考人(横田哲也君) 皆様、こんにちは。私は、家族会で事務局次長を務めております横田哲也と申します。双子の弟の方でございまして、兄は家族会代表をしております。 去る五月の二十八日に、衆議院の拉致特別委員会で兄が拉致に関する考え方とか思うことをお話をさせていただく場を頂戴しておりますけれども、本日、私がこの参議院の拉致特別委員会でお時間を頂戴しておりますことを心から感謝申し上げます。ありがとうございます。 私たち家族会は、拉致問題の解決並びに世論喚起を目的としまして、定期的に国民大集会という名の集会を開催しておりまして、拉致被害者を救出するための運動方針を発表しております。各政党から代表若しくは拉致関連に関する代表の責任者の方にお越しいただいておりますけれども、一度もお越しいただけていない政党の方もいらっしゃいますので、私たちが直近で取り組んできたことですとか、また救出に向けてどう動くことがよいと考えているのかなどにつきまして、簡潔に御説明をさせていただきたいと考えております。 私の姉、横田めぐみは、昭和五十二年、西暦で言えば一九七七年になりますけれども、十一月十五日に新潟で突如姿を消しました。姉は当時中学一年生の子供ですけれども、現在はもう既に五十九歳、間もなく還暦になります。実に四十六年以上も前に起こったことになりますけれども、四十六年経過しても、この国は、日本国はこの同胞を取り戻すことができていない、これが現実かと存じます。もっと正確に言えば、何ら進展していないのが実情でございまして、日本政府はもっと怒りを持って北朝鮮に対峙してほしいと思っております。 今申し上げたその怒りとは何かということですけれども、これは、我が国の主権が侵害され、自国民の命に危険が及んでおり、かつ人権がじゅうりんされているということでございます。 これは本当釈迦に説法でございますけれども、私たち日本人は学校教育で主権という言葉は習ってきましたけれども、実感や現実感がないのではないかというふうに考えております。分かりやすいイメージで申し上げれば、自分の家に強盗が押し入り、何よりも大切な我が子であったりペットを連れ去って、解放してほしければ金を出せと、そういった状況に近いんじゃないかなというふうに考えております。そのような卑劣な人間を野放しにしていては駄目なわけでございまして、全力で解決に向けて動くのが筋ですし、譲歩している場合ではないというふうに考えております。 話を少しまた戻しまして、横田めぐみが拉致された事件は四十六年前のことでございますけれども、決して過去にあったことではなくて現在進行形であるということを、ここに今日御出席の先生方にも御認識を再度お願いしたいと考えております。誰一人知らない異郷の地に連れていかれ、親や友人と一言も話すことができず、かつ二十四時間監視され、そして、日本のような自由主義社会ではないことから、いつ誰かに密告をされて強制収容所に送られるか分からないという恐怖におびえ、毎日が苦労と疲弊の連続だと、そういうふうに感じております。 少し話を変えますけれども、私たち家族会は拉致被害者を救出するための運動方針を策定しておりまして、定期的に見直しを図る中で、直近では本年の二月二十五日に改定をしております。内容は、もういろいろなところで御覧になられているとは存じますけれども、親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しない、ここまでは従来の内容と同じでございます。そして、そこから追加したこととして、我が国が掛けている独自制裁を解除することに反対しない、こういった文言を今回加えたというものでございます。 この新方針につきましては、本年のゴールデンウイークに、家族会、救う会、拉致議連の三団体をもって訪米しまして、アメリカの国家安全保障会議、国務省、財務省、上下両院議員、シンクタンクの方々に説明をさせていただきまして、どなたからも異論なく御理解をいただいたと訪米した家族の者から聞いております。 運動方針の前半部分である、親の世代の家族が存命のうちに拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が北朝鮮に人道支援を行うことに反対しないということですけれども、もう少し踏み込んで申し上げるとしますと、親世代の人に万が一が起こった後に拉致被害者が日本に帰ってきても日本国民は北朝鮮を許さないということでありまして、これまでの運動方針を翻して、強硬な手段を講じるように日本政府に迫ることがあり得るということを申し上げておきたいと考えております。また、これまでにいろんな国民大集会等で申し上げておりますけれども、全拉致被害者の即時一括帰国が実現するなら、私たちは帰還した被害者やその家族に秘密の公開を求めるつもりはないとも述べております。 私たち家族会が求めていることは極めてシンプルなことでございまして、日本人拉致被害者を日本に、日本国に、そして親元に帰しなさいということだけでございます。金正恩総書記におかれましては、北朝鮮自身が明るい未来を描くために賢明な判断を下してほしいと思っております。 北朝鮮は、現在の貧困状態から脱却するために、日本人拉致問題を交渉材料としまして日本に対して様々な角度からアプローチしてくることが予想されますが、その際に、北朝鮮は自国に有利な工作活動を行い、幕引きを図ってくることが容易に想像できますし、これまでもそうでございました。どうか日本政府はだまされないでいただきたい、その日本政府を支えるここの国会議員の先生方もどうぞ日本国政府をサポートしていただきたいと考えております。 また、北朝鮮は、これまでと同じように、日朝双方に連絡事務所を置いて、一緒に解決に向けて取り組みましょうといったようなことを必ず言ってくることが考えられます。 この連絡事務所の設置についてもう少し詳しく述べていきたいと思うんですけれども、結論から申し上げますと、日朝双方に連絡事務所を設置する必要はないということでございます。それはなぜかと申しますと、北朝鮮には生活総和というのがあるからでございます。生活はライフの生活、総和の総は総合の総、和は平和の和、生活総和があるからでございます。 これは何かといいますと、毎週、週末に北朝鮮の全ての国民が、職場であったり地域コミュニティーなどで自己批判をして、また他人の批判をして、この一週間にいかに自分が政府の方針に従えていなかったかというのを言わなきゃ駄目なんですね。また、他人を批判して、駄目じゃないかというふうなことが毎週末行われているんです。その発言した内容というのは全部当局の管理者に吸い取られて、その情報は全部上に上がっているんです。つまり、誰が何を言ったかというのを全部北朝鮮政府は分かっているんです。という現実にもかかわらず、どこにいるから、分からないから日朝連絡事務所を置きましょうということ自体がうそなんです。そんなことにだまされてはいけないんです。 にもかかわらず、連絡事務所を置きましょうということに同意する国会議員の先生もいれば、メディアの人もいますし、学者の人もいるのは私は知っています。そういう人たちは、私からすると、全く現実、実情が分かっていないか、若しくは北朝鮮の息が掛かった人間じゃないかなと思っております。なので、そういう人がいれば、私たちは徹底的にそうじゃないんじゃないかと申し上げますし、今日ここに御参加の国会議員の先生方も、周りにそういうことを言う先生方がいれば、また学者とかメディアが、官僚とかがいれば、そうじゃないだろうと、生活総和というのがあるんじゃないのかと、みんな知っているでしょうということを是非お伝えいただきたいというふうに考えております。 最後に、一日も早く拉致問題を解決するために何ができるかを日々御検討をいただきまして、そして実行をしていただきたいと思っております。 私たち家族会は、いろいろ、救う会のサポートであったり、今日御参加の国会議員の先生方、外務省や拉致問題対策本部等の協力なくして何もできない存在でございますけれども、とにかく正しいと思うことを絶対にぶれずに発言して、結果を出して、苦しんでいる同胞をこの我が国に取り戻したいと思っておりますので、引き続き御支援、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(松下新平君) ありがとうございました。 次に、竹下参考人にお願いいたします。竹下参考人。
○参考人(竹下珠路君) 本日は、この場をおつくりいただきまして、本当に、発言の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 私の妹、古川了子は、一九七三年七月七日に、十八歳のとき、千葉県市原市の家から突然姿を消しました。素直で明るく、誰にでも好かれる優しい妹でした。それから既に五十一年の年月が流れてしまいました。 待ちわびた母は、今から十四年前の二〇一〇年に九十四歳で他界しましたが、認知症も進んでいた中で、了子のことは最後まで気に掛かっていたようで、北朝鮮にいることが分かっているのに、どうして国は了子たちを取り戻せないのでしょうね、取り返す気がないのかしらと寂しそうにつぶやいていました。命を懸けた精いっぱいの抗議の言葉だと私は思っています。 北朝鮮で工作員教育を受けていた安明進氏が、私の妹にとてもよく似た女性を北朝鮮の九一五病院で見かけ、声を掛けたと証言してからも、既に二十七年がたっています。 私と母は、二〇〇五年四月に日本政府を相手に古川了子の拉致認定を求める行政訴訟を起こしました。多くの特定失踪者の御家族代表としてチャンピオン訴訟でした。安明進氏も法廷で証言台に立ってくださいました。二年後に、内閣府拉致対策本部の当時の調整室長が法廷で誠意を持って対応する旨の声明文を読み上げ、私と母は裁判を取り下げました。認定という名を取るよりも、救出という実を取りたいと思ったからです。当時、日本国民がこれほど切望している被害者奪還に日本政府は必ず動くと期待したのです。しかし、それから十七年経過した今も状況は全く変わりません。 妹のほかにも、北朝鮮での目撃証言や写真、情況証拠などから明らかに拉致だと思われる方々もたくさんいますが、政府は、二〇〇五年に田中実さん、二〇〇六年に松本京子さんを認定しただけで、その後、誰一人として認定していません。どちらも私の裁判中の出来事でした。 今日時点で、日本の警察は、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない行方不明者を八百七十一名と発表しています。この中には、民間の特定失踪者問題調査会の言う特定失踪者約四百七十名、そのうち、拉致濃厚七十七名、警察断定二名、拉致確実五名も含まれています。また、国連の北朝鮮人権調査委員会、COIでは、二〇一三年から一四年にかけて北朝鮮の人権問題について調査した結果、少なくとも百人以上の日本人が拉致された可能性があると報告しています。 皆様も御承知のとおり、二〇一四年五月に北朝鮮との間で交わされたストックホルム合意の文書の中で、調査の対象として、拉致被害者と、太平洋戦争当時の未帰還者とその遺骨、帰国事業で北朝鮮に渡った日本人妻、そしてその他の行方不明者と、四分野に明確に分けられていました。私たちの家族は北朝鮮による拉致疑惑の失踪者だと思っていたところが、日本政府は拉致とは別のその他の行方不明者という範疇に入れていたことを知りました。日本政府は拉致被害を矮小化していると感じました。 近年になって、当時、北朝鮮から田中実さんと金田龍光さんの生存が知らされ、帰してもよいという旨の提案があったにもかかわらず、日本政府はこれを断ったという情報を得ました。これで拉致問題は終わりだという北朝鮮の言葉に、日本政府は二人の情報を受け取ることを拒否したと。 あれから十年たってみて、全く状況が変わらない。これは、この現実を考えたとき、そのときの判断は本当に正しかったのか、疑問に思います。国家間の交渉とはいえ、お二人を十年以上も放置している政府の責任は重いと思います。もしこれが横田めぐみさんや有本恵子さんだったら日本政府は同じ対応をしていたでしょうか。田中実さんと金田龍光さんは既に七十歳半ばになっており、もしこの間に命が絶えてしまったら誰が責任を取れるのでしょうか。命の重みは皆同じです。 今年の二月に、国連の北朝鮮人権調査委員会、COIの報告から十年というシンポジウムで、当時の委員長、マイケル・カービー氏にお目にかかる機会を得ました。そして、私は日本の拉致問題の現実をお話ししました。今皆様のお手元にある失踪年代のグラフと失踪時の年齢、そして現在の年齢グラフをお示ししながらお話ししたところ、この話は初めて聞いたと言われました。北朝鮮による人権問題をあれほど調べ上げ、日本にも聞き取りに来られたカービー氏の言葉だったので、私の方が驚きました。 確かに、このグラフは、二〇一七年に特定失踪者家族会ができてから、日本の警察がホームページに氏名を公開している拉致の可能性を排除できない行方不明者と、特定失踪者問題調査会のホームページに載せてある公開者を調べ上げて私たちがデータ化したものなので、このように国内の皆様に宣伝しても、他の機関では発表していないので、私たちはこれを国際社会に届けるすべをまた持っていませんでした。そこで、国連人権高等弁務官事務所のアドバイスを受け、特定失踪者家族会では、国連の北朝鮮人権調査委員会に働きかけを行う予定で準備しています。横田さんたち家族会の皆さんとは異なるアプローチで、様々な国際社会に協力を仰ぎたいと思っています。 五人の被害者が帰国できてから、二〇〇二年、拉致被害者支援法が制定され、二〇〇三年に施行されました。議員の先生方には十分御承知のとおり、この法律は、帰国した拉致被害者の生活を支援することを目的にした法律です。 第二条には、被害者とは北朝鮮当局によって拉致された日本国民として内閣総理大臣が認定した者とあります。その認定の基準等については明確ではありません。 第三条には、国は安否が確認されていない被害者及び配偶者等の帰国又は入国のために最大限の努力をすると書いてありますが、この被害者というのは政府が認定した人ですか。金田さんや田中さんはまさに該当しているのではありませんか。どのようにして被害者を把握し、安否確認をし、救出するのでしょうか。 ただ一つ申し上げられるのは、この法律は特定失踪者など拉致疑惑の失踪者を想定した法律ではないことです。 そして、拉致実行犯や協力者は一人も逮捕されていません。かつて、拉致実行犯の辛光洙が韓国で別件逮捕されましたが、日本は送還を求めずに、北朝鮮に送り返されてしまいました。既に彼の口から真実を聞くことはできません。 政府が拉致認定しなければ、拉致支援法の対象にもなりません。日本国籍がない人は、拉致されたと分かっていても政府認定がなされず、拉致支援法の対象にもなりません。金田さんや高兄弟はその例です。北朝鮮で亡くなった人たちはどうなりますか。本人はもとより、その家族も人権を侵害され続けています。半世紀も人権を侵害され続けた本人や家族はただの泣き寝入りですか、拉致被害者であるという証拠もされずに。 最後に、立法府である国会議員の先生方にお願いです。 拉致や強制失踪に対応して抑止もできる法律を作ってください。特定失踪者家族が納得できる法律を作ってください。今や、北朝鮮のみならず、諸外国から情報、技術、人などを狙ったスパイ活動や強制失踪の危険性が今まで以上に高まっていることは国際情勢を見ても明らかです。 北朝鮮政府に被害者の一括帰国を求めるのは当然ですが、それでも、被害者の三〇%が八十歳を超えており、命が差し迫っている多くの被害者たちがいます。被害者の命があるうちに、取り戻せるところから取り戻してください。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(松下新平君) ありがとうございました。 平岩参考人はまだお見えになっておられませんので、便宜、ただいま御意見をお述べいただきました横田参考人、竹下参考人に対する質疑をお願いいたしたいと思います。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 今日は、二人の参考人、本当にありがとうございます。 私、実はこれからもう一つ所属する委員会がございまして、他党の皆さんの御配慮をいただきまして最初に質問をさせていただきますけれども、そういうことで、中座をしなくてはいけないことになります。大変御無礼になりますが、皆さんの議事録などもよく勉強させていただきたいと思っております。 続けますね。
○委員長(松下新平君) じゃ、速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(松下新平君) じゃ、速記を起こしてください。 じゃ、そのままどうぞ。
○井上哲士君 はい、済みません。 一昨年の十一月に当委員会で新潟市に視察に行き、昨年の五月には小浜市に行きました。あの横田めぐみさんが拉致された現場や、そして連れ去られた海岸も見たわけでありますけど、本当に住宅街の近くで、そして、あの海岸から灰色の日本海を北朝鮮に連れ去られた。どんな思いだったのか、どんな御苦労を北朝鮮でされているかということを、改めて本当に胸に刻むような思いがいたしました。 本当に改めて事実に触れることの重要性を確認をしたわけでありますが、いずれの視察の際にも、関係の自治体やそして関係者の皆さんから、国からのその情報が全くないということが随分言われました。 その点、それぞれにお聞きしたいと思うんですけども、一連のこの間の外交的な動きなどについて、当事者である皆さん方にどのように、何というんでしょうか、知らされているのかと。特に特定失踪者については、竹下さんなどは拉致被害者と明らかに区別されているということも先ほどもあったわけでありますけども、数は出ておるわけですけれども、その特定失踪者の皆さんの家族に対してはどのような国やその捜査機関からの連絡であるとか情報提供とかがあるのか。それについての要望も含めて、それぞれからお話を伺いたいと思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。横田でございます。 国とのその協業というか連携についてでございますけれども、内閣府の中に、内閣官房といいますか、拉致問題対策本部がございまして、定期的に会合というか、いろんな情報共有はさせていただいております。 しかしながら、その官邸の中にあるのか、どこか分かりませんけれども、本当に北朝鮮と秘密交渉をしているような情報が私たち家族の者に知らされることは一切ございません。もちろん、知りたい気持ちは私であり特定失踪者の人もやまやまだと思いますけれども、人間という動物は、ここだけの話だぞといった内容を絶対に言ってしまうのが習慣化している動物なので、多分、私も聞いたら多分どこかに漏らしてしまうような気がしますから、それは、国は責任を持って情報管理をして、言わない方がよろしいんじゃないかなというふうに考えております。 以上です。
○参考人(竹下珠路君) 私はまた違う、家族としての別の、特定失踪者家族特有のと申しますか、その視点から申し上げますと、これは、いわゆる国の出先機関である各県警察のレベルの問題で私は申し上げられるのは、それぞれの都道府県によって対応が、家族に対する対応が大きく異なります。全く来ない方も、毎月のように、どうですか、言われることの多くが、何か新しいことありませんかねと私たちが聞かれるのです。警察の方がではなく、何かありませんかねという。 そういうような状況でございまして、だから情報をいただけるということはほとんど私たちの特定失踪者家族にとってはありません。ただ、内閣拉致対策本部の方からは、それぞれ政府の高官の方が海外に行って、外国の方々とこういう話のときに拉致問題を提議したよという、そういった情報はいただいております。
○井上哲士君 ありがとうございます。 そのときの視察でも、やはり特に若い皆さんに、いわゆる風化というんでしょうか、事実が知らされていないということも随分ありました。 政府が外交する上でもやっぱり国民的な世論の支えが必要だと思うわけですけれども、横田参考人などはいろんな講演などでされていると思うんですが、特に、若い皆さんにどういうことを強調されていて、どういう反応があるかということ、それから、そういう風化をさせないために国に対してどういうことを求めていらっしゃるか、お願いしたいと思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 風化しているようにも見えつつ、まあ本当にしているのかもしれませんが、個人的には、私たち日本人というのはこの拉致問題について決して忘れていない、つまり風化していないと考えてはいるんですが、ただ、もっといろんなメディアとかにこの拉致の情報が多くあった方が、より関心が高まるのは確かだろうとは思っております。 そのような中で、拉致問題対策本部といいますか、日本国政府は、これまでにポスターを作ってきたりですとか、あとユーチューブも今回作りまして、これは中学生の投票によって作られた短編のユーチューブ動画ですけれども、非常にインパクトの高い動画でございますから、それをもっと国のお金を使ってそういう公共放送に流すとかというのもあるかもしれませんし、また、日本国政府は、対策本部はこういう、お子様向けのこういう冊子も作っていますが、なかなか全小学校、中学校で使われているかというと、そうでもないかと思いますので、この国会議員の先生方が各省庁への働きかけをもっと強めていただいて、これをもうちょっと使えないのかというような作業だとか、まだまだ作業できることはあるんじゃないかと思っておりますので、各方面方面で様々なお得意分野があると思いますから、関係省庁と強い関係性もあるところもあると思いますので、そういうところを是非駆使していただければと考えております。 以上です。
○井上哲士君 ありがとうございます。 様々なこの間情勢の転換があります。ロシアと北朝鮮の接近とか、様々なアジアの情勢の中でもあるわけでありますし、新しい困難もあると思うんですが、ただ、やはりこの解決の基本は私は日朝平壌宣言であると思うし、ストックホルム合意を生かすことが重要だと思っております。そういう基本的なこの解決のための外交の上で、日朝平壌宣言の位置付けについて、横田参考人、御意見をお願いしたいと思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 これまでに日本国政府と北朝鮮との間におきまして日朝平壌宣言並びにストックホルム合意があることはもちろん私も存じ上げておりますけれども、それはもちろん大事だと思いますし、それで、それに基づいて解決をしていけるのであれば、また北朝鮮がそれに合意する気があるのであれば、非常に有用だろうとは考えておりますが、まあ北がどう考えているか、私には分かりません。あくまで日本を利用しているんじゃないかという気もするぐらいでございます。 一方で、日本国政府がその今の二つの、平壌宣言、ストックホルム合意が、形はあっても、国全体としてそういうものがあろうがなかろうが解決するんだという意識がなければ、何があっても多分同じだと思うんですよね。 そういう意味では、国会議員の先生は少なくともこのブルーリボンバッジを付ければいいというものでもないとは思いますけれども、私はそういう意識を持っているんだということを示すことがやっぱり大事だと思いますし、やっぱり気概だと思うんですよね、この国の。委員会とか条約とか、そういうものじゃないと思うんですよ。そういうことがもっと広く深まっていけば解決できるんじゃないかなと考えております。 以上です。
○井上哲士君 構えということがおっしゃられたわけですが、岸田総理が、首脳会談を早期に実現すべく、私の直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと言われたことに大変期待の声もあったわけでありますけれども、十分に進んでいないと。そういう点で、今の政府の構えについてはどのような御評価をされているでしょうか。
○委員長(松下新平君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をまとめていただきたいと思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 総理大臣が、岸田総理大臣がその自分直轄下のハイレベル協議をということで、実際に日朝で水面下で交渉が進んでいるのは間違いない、総理大臣もそうおっしゃっています。 ただ、どれだけこちらが一〇〇%頑張ろうが、北朝鮮が一二〇%やる気がないんだと言われれば前進しないので、いかにその北朝鮮の思いをこちらが引っ張れるか。つまり、圧力もなければいけないですし、餌もなきゃならないと思っていますので、それを日本国政府がどうやることが一番効果的なのかということを考えていただければと考えております。 以上です。
○井上哲士君 ありがとうございました。
○委員長(松下新平君) 先ほど平岩参考人がお見えになりましたので、御意見をお述べいただきたいと存じます。平岩参考人。
○参考人(平岩俊司君) ありがとうございます。 本当、申し訳ございません。ちょっと、申し訳ございません、遅れまして。 私の方からお話しさせていただくのは、北朝鮮にとっての日朝関係といいますか、日本と北朝鮮のその関係正常化がどういう意味を持つのかということについてお話をさせていただきたいと思います。 これまで、御案内のとおり、日本と北朝鮮との関係が大きく動きましたのは三回ぐらいだと思います。 まず最初は、一九九〇年の冷戦が終わった、冷戦の終結のそのプロセスで大きく国際関係が動いたタイミングであります。このときは、一九九〇年に金丸元自民党副総裁が北朝鮮を訪問しまして、九一年から九二年にかけて合計八回の日朝国交正常化交渉が行われました。それが、残念ながら、第八回でその国交正常化交渉を中断するわけですけれども、そのときのその北朝鮮側の理由、中断させる理由というのがまさにその拉致問題でありまして、当時は北朝鮮は拉致そのものを認めておりませんでしたので、もう拉致問題にこれ以上こだわるのであれば国交正常化を交渉する必要がないと、そういうことで、向こう側から一方的にその交渉を中断したと、そういう経緯がありました。 次に大きく動きましたのは、もう御案内のとおり、二〇〇二年の小泉総理の北朝鮮訪問であります。このときに、北朝鮮側は金正日、当時のその金正日総書記、日本との関係でいえば国防委員会の委員長でありますけれども、この金正日国防委員会の委員長が、拉致の事実を認めて謝罪をし、再発防止を誓い、それで国交正常化交渉に進むと、そういう流れであったわけですけれども、残念ながら、北朝鮮側が認めた拉致の事実に関連して、到底日本側として受け入れられるような事実関係では、事実関係を認定するような資料ではなかったということで、拉致問題というものが国民の関心事にもなって、日朝関係の極めて大きな問題となったということであります。 その後、いろいろありましたけれども、その次に大きく動き始めたのが二〇一四年であります。このときは、外務省の伊原アジア大洋州局長と、それから小野啓一アジア大洋州北東アジア課長ですか、このお二人が様々な形でその尽力をされて日朝交渉を、日朝関係を動かして、それまで拉致問題は解決済みであったというふうに主張していた北朝鮮が、その立場は変わらないけれども、もう一度その調査をしようということで再調査から始まったという、そういう動きがございます。これも残念ながら大きな結果を残すことなく現在に至ると。その後、北朝鮮の核ミサイルの問題というのが紛糾をいたしまして、大きく進展することはないという状況に至っているということであります。 これらのこの三回のもう北朝鮮側が積極的に動いた大きな理由というものは、いずれも日本と韓国、ごめんなさい、日本と北朝鮮の国交正常化、これがその視野に入っているからこそ北朝鮮側からすれば動いたということが言えるんだろうと思います。 北朝鮮にとっての日本との関係、日朝関係というものが、彼らは御案内のとおり、一九一〇年の韓国併合によって自分たちはその植民地統治下に置かれたのだと、日本によってその植民地統治下に置かれたんだと、これを、この状態がずっと続いているというのが彼らの主張であります。日本は、韓国との間は一九六五年で国交正常化はしましたが、北朝鮮については、三十八度線以北については白紙という立場を取っておりますので、北朝鮮側からすれば一九一〇年の状態が今まで続いているということになるわけであります。 ですから、その北朝鮮からすれば、日本との関係正常化というのはまさにこの一九一〇年以来の植民地統治を含めた関係の正常化ということになりますので、これは、日本側の立場は違いますけれども、いわゆるその賠償というのが彼らの立場であります。 これは、日本外交、日本外務省としては極めて私はうまく対応したと思うのは、二〇〇二年の小泉総理の、先ほども少し出ておりましたけれども、日朝平壌宣言であります。この日朝平壌宣言、いろんな評価はありますけれども、私は、極めて高く評価するのは、この日朝平壌宣言の中で、いわゆるその北朝鮮との関係正常化について、国交正常化の後の経済協力、この方式を北朝鮮側に認めさせたことだと思っております。 これは、一九六五年の日韓国交正常化も、いわゆる賠償ではなくて国交正常化の後の経済協力ということで、一九一〇年については、日本側としてはその当時の国際法の観点からいって決して不法行為ではないという立場を貫いておりますから、当然その北朝鮮との間にもこうした立場を維持するというのが日本側の立場でしたので、この小泉総理の訪朝に際して取り交わされた日朝平壌宣言、この中で経済協力方式による関係正常化ということが明記されたということは極めて大きな意義があったというふうに私は思っております。 いずれにせよ、北朝鮮からすれば、本来、賠償であろうが経済協力であろうが、日本から当然もらっていい、もらうべきお金というのが彼らのその動機ということなんだろうと思います。 ですから、一九九〇年は、これは冷戦の終結のプロセスですから、大きな動きの中でということで、それから二回目の小泉総理の訪朝、これに関しても、国交正常化を視野に入れるということを小泉総理は繰り返しおっしゃっておりましたので、北朝鮮側からすれば、条件がクリアできれば国交正常化をして、そして、そのときではまだ賠償なのか経済協力というのは決まっておりませんでしたけれども、いずれにせよ、日本側からその大規模な経済協力、お金が入ってくるというその動機があったんだろうと思います。 それから、二〇一四年も、これは御記憶にあるかと思いますけれども、拉致問題だけではなくて、日本人妻の帰国の問題、それから終戦、第二次世界大戦の終戦のときに北朝鮮地域で亡くなられた日本人のお墓、亡くなられた方のお墓への墓参の問題、それから特定失踪者の、日本側で言うところの特定失踪者の方々の問題、それから拉致被害者の方々の問題と、この四つを進めて国交正常化に導こうというある種の日本側の立て付けといいますか、そうした仕掛けに対して北朝鮮側が大きく動いたということなんだろうと思います。 しかしながら、その後、当然、日本側が納得するような結果が出なかったということで、うまく動かなかったということは事実なんですけれども、北朝鮮側がその日朝交渉にある程度積極的に臨む大きな動機というのは、やはり国交正常化とその後に続く経済協力ということなんだろうと思います。ですから、例えば、昨今、去年の五月に、岸田総理が国民大集会の後に、自分直属のスタッフが動くんだというようなことを言い、日朝関係が少し動き始めたという報道がございますけれども、そのときの北朝鮮側の反応も、やはり国交正常化を視野に入れたものなんだろうと思います。 今年に入って三つほど、金与正副部長ですけれども、北朝鮮の最高指導者である金正恩委員長の妹が三つぐらい談話を出すんですけれども、この中で注目されるのは、拉致問題は既に解決済みだというところで、ここ、すごく注目されて、北朝鮮が姿勢変わっていないなというところは問題なんですけれども、同時に、自分たちの防衛権といいますか、自分たちが自分たちを守る権利があるんだということを繰り返し言うわけであります。これは、今彼らが繰り返し行っているミサイル発射実験であるとか国防力強化の事案に関して日本側がちゃんと理解をしろというふうに言うわけで、これは、日本側が提示をしている拉致、核、ミサイル、この問題が解決した後に国交正常化をして、国交正常化の後に経済協力というこの立て付けに見事に応えているといいますか、私の見方でいうと、日本側の主張は北朝鮮側に見事に伝わっていて、この拉致、核、ミサイルの問題が解決しなければ国交正常化はしないし、その後の経済協力も得られないということは彼らにはよく分かっているということがこの三つの談話からよく分かることだろうと思います。 ただ、それを前提にいたしまして、やはり我々考えなければいけないのは、やはり北朝鮮を動かすためには、もちろんその拉致問題、極めて重要な問題ですし、時間が限られているということも当然ですけれども、やはりそれを動かすためには、仮に条件が整えば国交正常化をするというその覚悟が日本にはあるのだという、その覚悟を見せることがやはり北朝鮮側を動かす一つの日本側の働きかけということになるんだろうというふうに思います。 以上でございます。
○委員長(松下新平君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 引き続き、参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○永井学君 自由民主党の永井学です。 本日は、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局次長の横田哲也さん、特定失踪者家族会事務局長の竹下珠路さん、そして南山大学総合政策学部の平岩俊司教授におかれましては、大変お忙しい中、参考人として御出席いただき、ありがとうございます。 拉致問題をめぐり、今年は、当時の小泉総理大臣と金正日総書記との二度目の日朝首脳会談によって実現した拉致被害者御家族五人の帰国から二十年となります。この間、一人の帰国も実現していないことは、一政治家としてざんきの念に堪えません。 赤池議員と私の地元山梨県においても、北朝鮮による拉致の可能性が排除できない、いわゆる特定失踪者の山本美保さんがおられます。甲府市出身の山本美保さんは、二十歳だった昭和五十九年、自宅を出たまま行方が分からなくなりました。失踪からちょうど今年で四十年、御家族が記憶の風化への不安に加え、家族の高齢化が進んでいるとして、山本さんの双子の妹、美砂さんは、八十三歳の母を一日も早く姉に会わせたいと訴える報道もございました。 先ほど皆様の貴重な御意見や切実なお気持ちをお聞きして、改めて、一日も早い拉致被害者の皆様の全員の帰国、そして家族の皆様との再会に向けて全力で取り組んでまいりたいと、その思いを新たにしたところでございます。 それでは、早速質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、三人の参考人にお伺いをしたいと思います。 先ほど平岩参考人の方のお話の中にもありましたが、今年に入ってから北朝鮮は高い頻度で日本に向けた談話等を発表しております。まず、金正恩総書記は、元日に発生した能登半島地震に対して、岸田総理に見舞いの電報を発出しました。その後、金総書記の妹の金与正氏は、二月と三月に立て続けに談話を発表しました。それらの内容は、拉致問題は解決済みとの立場を示した上で、日本との対話を受け入れる準備があることを示すものや、その逆に対話を拒否する姿勢を明らかにするものなどであります。 この一連の北朝鮮の発表に対して、今後政府にどのような対応を取ってもらいたいとお考えか、また取るべきとお考えか、お聞かせください。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 この一連の北朝鮮の幹部による発言ですけれども、いろんな見方あると思いますし、何が正解かは分からないんですけれども、要は金に困っているから日本に近寄ってきているということだけでしかないと思います。 発言も、与正の発言も、言ったと思ったら全く真逆のことを言ったりして、要するに揺れている、向こうもどうしたらいいんだって悩んでいるということじゃないかと思います。 いろんな関係者からの意見を聞きますと、日本国政府の水面下のその餌というか、歩み寄りの内容が北朝鮮にとって丸々受けるわけにいかないから、いろいろ交渉でそのハードル上げればもうちょっと日本国が折れてくるんじゃないかというふうに考えているのではないかと推察いたしますが、日本国政府におきましては、これまでの日本国民の声を聞いていらっしゃると思いますので、絶対にぶれずに、何がその交渉の上で大事なのかということをもう正論を突き進んで向こうに言ってほしいんですよね。 これでもし、日本国政府が向こうの交渉によってもし甘んじて受ければ、余計な金が出るかもしれないですし、全員帰ってくるかもしれないときにもかかわらずそれが三分の一になるかもしれないですし、そうなればその政権は多分もたないですね、日本国民の声を聞いてないということですから。政権の維持云々というより、何が本当に日本国にとって大事なのかというそのポリシーを日本国自体がまず持って、それで対峙してほしいなというふうに考えております。 以上です。
○参考人(竹下珠路君) 私の方は、単純に、日本政府は日本国民の命を大事にする、そこを一番にやはり出して、そして交渉する、それで、そして毅然とした態度で日本の国が対応する、それを私たちは求めたいと思います。
○参考人(平岩俊司君) 先ほど申しましたように、北朝鮮側が日本側に求めているものは日本との関係正常化でありますから、その関係正常化をする、やる気があるのかどうかということを、恐らく去年の五月から今年の三月ぐらいまでに北朝鮮側が考えたことなんだろうと思います。 実際に、小泉総理の直属のスタッフが日朝交渉を行ったという報道もありますけれども、私自身はそうした報道の真偽について判断する立場にありませんので、それが実際どうかはよく分かりませんけれども、少なくともその北朝鮮側が発表しているものを見ると、拉致問題は既に解決済みであると、それから自分たちの正当防衛権、これを認めろという、今の北朝鮮が行っていることを全て受け入れるということを前提に日朝交渉の進展というものを主張しておりますので、日本側からすれば当然これは恐らく受け入れられるものではございませんので、私は、やはり今のその動きというものが本格的な流れにつながっていくものではないと、残念ながらそうした流れではないというふうに考えております。 ですから、恐らく日本政府がすべきことは、北朝鮮側がかたくなにその姿勢を変えない、拉致問題は既に解決済みである、それから、当然その安全保障の問題もありますので、自分たちのその防衛権を、自主防衛権というものをこれを主張するという立場を改めさせる、ここが交渉の最初のその入口なんだろうと思っております。それがない限り、残念ながら、この日朝の接触というものが本格的な日朝交渉につながっていくということはないんだろうというふうに思っています。 今の段階でその日朝の国交正常、日朝の正常化、ごめんなさい、日朝のその交渉が本格的に進むということは、北朝鮮側が設定したその条件を日本側がのむということになりますので、これは日本側としてはあり得ないと思いますので、今の段階でいうと、まずはその北朝鮮側の基本的な姿勢を改めるというところでの交渉ということになるんだろうと思います。
○永井学君 ありがとうございます。 次に、横田参考人にお伺いをしたいと思います。 今年二月二十五日に、先ほどのお話の中にもありましたけれども、家族会、救う会が、親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、人道支援を行うことと独自制裁を解除することに反対をしないということを内容とする新運動方針を掲げた、この理由と狙いをお伺いしたいと思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 究極の結論は、こちら側の親世代の、本当にかなり高齢なので、まさに時間がないので、いろんな方針を少し変えてでも結論を出したいというのがまずあります。 一方で、この提案に乗らなければ、北朝鮮が、北朝鮮にとってもあなた方実は時間がないんだよということがもし理解できれば、まさに貧困の極みにある国ですから、交渉に乗ってきてもおかしくないと思いつつも、かたくなに拒んでいるので、そこが不思議でならなくて、何十年も前から北朝鮮は来年には崩壊するだろうと言われて今に至っているわけですが、本当に不思議でならないといいますか、後ろには中国がいるんじゃないかと思うぐらいですけれども。 それを、本当にいろんなことを、考えられることを一個一個潰して、何とか北朝鮮、こっちのこのニンジンに食い付いてくるような手法を日本国政府もいろいろ講じていただきたいと考えております。(発言する者あり)
○委員長(松下新平君) 永井学君。
○永井学君 済みません。委員長、済みません。 ありがとうございました。 もうそろそろ時間ですので。本日伺って、本当に皆様方の思いを改めて伺って、そしてまたお話をいろいろと伺って、改めて、先ほども申しましたけれども、拉致被害者の全員の早期帰国に対して私も一議員として全力で働きかけたいと、このようなことをお誓い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。 本日は、横田参考人、そして竹下参考人から本当に大変痛切な御家族としての思いを伺いました。 私も新潟県選出の参議院議員として、各地を歩き回って、本当に思わぬところで様々な方から拉致問題何とかしてくださいということをお願いされます。それは本当に、横田参考人や竹下参考人などの本当にもうおつらい気持ちを抱えながら、何とかこの問題を風化させないようにとその運動をしてくださっている皆さんの、それが新潟県民の切実な願いにつながっているんだというふうに改めて思いました。 そして、昨日も、新潟県花角知事の方から県の重点要望という、承る機会があったんですけれども、そこでも本当に一丁目一番地として新潟県としてもこの拉致問題の全容解決と被害者の早期解決の実現、情報提供の強化ということを強調していただきましたので、しっかりと責任持って何とか解決に目指していけないかと改めて考えているところでございます。 新潟県出身の拉致被害者ということでは、横田めぐみさん、そして曽我ミヨシさん、特定失踪者で宮澤康男さん、藤田進さん、大澤孝司さん、後藤久二さん、星野正弘さん、中村三奈子さん。もう本当にたくさんの方たち、一人も取り残さずということを気持ちを新たにいたしました。 そして、今し方、平岩参考人からも非常に難航を極める交渉経過ということを改めて伺いまして、国会議員としてももうあらゆる方策を尽くしていかなければならないと、こうした決意で質問をさせていただきます。 横田参考人におかれては、拉致被害者家族連絡会の事務局次長としてめぐみさんを必ず取り戻すと日夜御活躍されていること、本当に心から敬意を表します。 お父様である滋さん、二〇二〇年六月五日に亡くなられて、四年が経過してしまいました。めぐみさんにお会いできないまま旅立たれたと、もう滋さんの無念は本当にいかばかりかと、本当に心から御冥福をお祈りします。そして、この委員会としても、一日も早い問題の全面解決に向けて一丸となって取り組まなければいけないと改めて考えます。 六月五日の新潟日報で、支え合ったお父さんもう帰らぬという記事がございました。横田参考人のお母様である早紀江さんが、滋さんのお写真に、何でこんな大事なことなのにちっとも動かなくて何も分からないんだろうねと語りかけたと、そう記載がございました。早紀江さんが、岸田総理が目指しているトップ同士の会談について、会談ができても一度に成功するか分からない、失敗しても分かったことからまた知恵を働かせて動けると気丈に述べておられます。 岸田総理、金正恩総書記によるトップ同士の会談は速やかに行われなければならないと考えます。時間的制約がある中、横田参考人がトップ会談に望むことについて御所見を伺えますでしょうか。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 御案内のとおり、北朝鮮という国は、もうトップが全てを決めるという国です。なので、日本国の最高責任者である総理大臣と北朝鮮の金正恩とが話し合って、そこで合意が得られない限りは、どんなにハイレベル協議を、ハイレベルというのは、例えば外務省官僚同士だとかそういうことじゃなくて、トップ同士が本当に合意を得なければこの拉致問題は解決しないんだろうと思っています。 しかしながら、恐らく双方に不信感が相手国にあるので、これを、本当にうそさえつかないで、本当に膝を詰めて議論、協議して、本当にお互いが明るい未来築くために本当のことを言い合って解決しましょうよという言葉が本当に両国の首脳から出て、そうだなという気持ちにさえなれば、解決もそんな遠くないと思っていますが、なかなか、特に北朝鮮の日本国に対する不信感というのは、先ほど平岩先生からのお話にもありましたように、もう過去の苦い歴史もあることからそう簡単にはわだかまりは消えないのかもしれませんけれども、北朝鮮にとって本当にもう貧困の言葉じゃ済まないような、もうどん底の貧困にあることが解決できるんですよと、そのためには拉致問題さえ解決すれば本当に明るい未来が待っているんですよということを岸田総理がどれだけ自分のお言葉で発することができれば、そして分かってもらえれば解決できるんじゃないかなというふうに、まあ多少楽観論でありますけれども、そういうふうに考えております。 以上です。
○打越さく良君 ありがとうございます。 それでは、竹下参考人に伺います。 北朝鮮が二〇一四年頃に認めたとされる二名の拉致被害者について、日本側は報告書を受け取らなかったとされていますね。その中で、田中実さんは拉致被害者として認定されているにもかかわらず、金田龍光さんは特定失踪者のままと。この問題の情報開示を求めて四月に日弁連に人権救済を申し立てられたということについて、そしてまた、このお二人の御帰国について、先ほどもお話伺いましたけれども、更にお考えを伺えますでしょうか。
○参考人(竹下珠路君) ありがとうございます。 せんだって、この二人の人権救済申立て、これはもう二〇〇〇年ちょっと過ぎたときから人権救済申立てはそれぞれしておられたんですけれども、新たに人権救済申立てを日弁連の方へいたしました。これは、私たちとしましては、そこに、先ほども申し述べたように、そこにいるということが分かっている、それなのに日本政府はそのお二人の人権を無視してしまった、そのことが非常に残念でならないということで、私も含めて人権救済申立ての申立人になったということでございます。 これは、政府が認定していながら、全てのこれは拉致被害者、あるいは私たち特定失踪者と言われる人たちに同じことが可能性があるからです。同じようなことがまたあるかもしれない、このときに、もしかしたら私の妹の名前が出ていても断られたかもしれないと思うと、本当にじっとしてはいられないという思いでいたしました。
○打越さく良君 重く受け止めたいと思います。 そして、平岩参考人に伺います。 大変、北朝鮮をめぐる国際関係について第一人者であられる先生から多大な勉強をさせていただいております。先ほども御説明いただいた動きですね、なかなか事態は楽観できないということを改めて受け止めました。 そして、何か北朝鮮はロシアへの武器供与によって経済的に困っていないんじゃないかというような説もあると伺っています。そして、新冷戦体制というようなことも標榜されているとか、韓国の尹錫悦政権誕生によって日韓関係が改善したり、二〇二三年八月にキャンプ・デービッドで日米韓会談などが行われたことについて、参考人は、皮肉なことに、こうしたこの日米韓関係の強化は北朝鮮の主張する新冷戦体制の実現にほかならないということもおっしゃって、そうしたことで、新冷戦に否定的な立場を取る中国を北朝鮮とロシアの側に追いやるということになった場合には、もしかしてこれは拉致問題に与える影響もあるというようなことについてはどのようにお考えでしょうか。
○参考人(平岩俊司君) ありがとうございます。 北朝鮮問題の捉え方なんですけれども、大きく分けて二つぐらいありまして、一つは、特に日本やアメリカがそうなんですけれども、いわゆる北朝鮮の攻撃性といいますか、拉致、核、ミサイルのような外部に対して攻撃的な高姿勢、これを何とかしなければいけないという問題の捉え方と、もう一つは、北朝鮮の体制それ自体が非常に脆弱であって経済的にも非常に弱いと、だから、場合によっては経済的に弱くなって、その体制が動揺し難民が出てくるかもしれない、最悪の場合にはその体制が崩壊して多数の難民が出てくるかもしれないという、いわゆるコインの表裏のような問題の捉え方をしなければいけないんですけれども、その前者に関して言えば、日本やアメリカはとにかく北朝鮮にその攻撃的な姿勢を改めさせなければいけないということなんですけれども、中国や、まあ政権によっては韓国もそうなんですけれども、北朝鮮が動揺することそれ自体が問題であるという、そういう問題の捉え方しますので、日本やアメリカや場合によっては韓国が北朝鮮に対して強く出ても、どこかで逃げ道を中国やその他の国が与えてしまうという、そういう構図がありますので、必ず、残念ながら、北朝鮮に対して最後の最後まで強く向き合うということができない、そういう構造にあると思います。 加えて、御指摘のロシアが、ウクライナ以降、極めてアメリカと厳しい姿勢に出ていて、北朝鮮からするとそういう米ロの対立というものは非常に利用ができるということで、北朝鮮は当初からロシアの支持の立場を明確にしております。御案内のとおり、逆に北朝鮮に対する国際的な批判に関しては、ロシアが拒否権を使って国連の安保理決議などが採られないような形を取っているというのが今の状況であります。 この経済に関しても含めて、ロシアとのその関係と極めて北朝鮮のその体制に大きな意味があると思うんですけれども、やはり、先ほど私がかつて発言したものについて御指摘いただいたその中国、中国は、いわゆる新冷戦のその枠組みに対しては非常に否定的であります。新冷戦という言葉は使うべきではないというふうに考えておりますし、それから、いわゆるロシア、北朝鮮のその緊密な関係に巻き込まれることに対して非常に慎重ですので、この中国が一つのその鍵を握っているんだろうと思います。 ただ、残念ながら、この中国も米中関係が極めて難しい状況にありますので、この米中関係の行方によっては、やはりいわゆる北朝鮮が考えるような新冷戦のその構図に近寄っていかざるを得ない構図がありますので、その辺りを日本はアメリカなどに対しては働きかけをして、この中国を一つのキーパーソンとして利用できるように、とりわけ拉致問題に関連して利用できるようなその働きかけは必要なんだろうというふうに私は考えております。
○委員長(松下新平君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○打越さく良君 ありがとうございました。 参考人の皆さんの御知見、思いをしっかり生かしてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 公明党の新妻秀規と申します。 先ほど、横田参考人、また竹下参考人のお話をお伺いしまして、私も、ある日突然肉親がさらわれて行方不明になって、北朝鮮にいるというふうに分かったときには、本当どういう、もう本当、もう憎しみとか不信感とかというのは本当もう察するに余りあるものがございまして、そんな中、今日は貴重なお話を伺わさせていただきまして、本当にありがとうございます。 外交の観点から、まず横田参考人にお伺いしようと思います。 先ほど、横田参考人のお話の中で、アメリカにこの家族会の代表の方が行かれまして、NSC、国家安全保障会議とか、また政府の高官又は上下両院の代表の方とお会いになったとお伺いをしました。 この家族連絡会の方がアメリカに行って、先方の反応がどうだったのか、聞かれていることがあれば、またアメリカに対してのどのようなことを期待されるのか、要望されるのか、これについてもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 この家族会、救う会、拉致議連の三団体の訪米の中で、家族会からは代表の兄の横田拓也と飯塚耕一郎事務局長の二人でした。つまり、私は行っていないので、具体的にどういう会話があっただとか顔の表情がどうだったかというのは分かりませんが、その報告によれば、この新方針について反対は誰も言わなかったということは聞いております。 なぜ我々がそういうことを、アメリカに行ってまでそういうことを言わなければならないのかという背景につきましては、やはり、アメリカであり、国連が北朝鮮に対し制裁をしている中で、要は日本国がそういう言えることについて反対しないよということをあらかじめその理解並びに言質を取っておかないと、日本国が勝手にやったはいいけど、後になってアメリカが違うだろうと言われてもまた困るわけで、そういうための理解をしてきたということです。 今回のみならず、これまでも拉致議連の先生を始め救う会のサポートもあっての、もう何度も何度も顔合わせをしてきた結果が今に至っていると思いますし、当然、アメリカという国も日本国以上に人権を重んじる国ですから、私たちの主張については本当にこれは何とかしなきゃならないという理解はすごく強く持ってくださったと思っておりますし、この日米連携こそがこの北朝鮮の拉致問題の解決の近道だと考えております。 以上です。
○新妻秀規君 ありがとうございます。 もう一問、横田参考人にお伺いしたいのが、先ほどだまされるなという警告を、強い警告を発しながらおっしゃっていただきましたこの連絡事務所です。これを日朝両方に設けようとしている先方の狙い、あとはなぜこうした主張に日本の関係者、マスコミも含めてだまされてしまいそうになるのか、これについて横田参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 北朝鮮という政府の狙いは私には分かりませんけれども、推察するとすれば、両国にその事務所を置いて、日本国の政府団体関係者が北朝鮮に行き、自由のない環境下でいろんなところに連れていかれて、やっぱり死んでいましたよねというのをカメラで撮らせて、やっぱり死んでいたでしょうというふうになれば、日本国民は、あっ、やっぱり死んでいたのかというふうな流れが多分自然とでき上がると思うんですよね。しかも、先ほど申し上げた、もうその連絡事務所置くまでもなく、北朝鮮は、その北朝鮮国民であり日本人拉致被害者の居どころを全部今もう知っているんです。置く必要なんかないんですね。 だから、あくまでも彼らが言うのは時間稼ぎであり、欺瞞なので、そんなところに乗っかってはいけないですし、乗っかろうとするもし方が日本国にもいるとすれば、やっぱり北朝鮮の味方をしてこの拉致問題がなかったことにしようと思っている人間じゃないかなと思っているぐらいです。 以上です。
○新妻秀規君 次に、竹下参考人にお伺いしようと思います。 先ほど、竹下参考人の方から、この拉致の現状、私もこの今回の資料を拝見をして、こんなに長い期間これだけ多くの方が拉致されているかもしれないんだなということは正直言って驚きでした。そうしたこともあって、このUNHCR、国連難民高等弁務官事務所と連携をされようということでありまして、では、この際、やはりこの日本政府、外務省とかでこうしたサポートも必要だったりするんじゃないかなと思うんですけれども、それについての御意見と、あとやはり国際社会を味方に付けるということは非常に重要なんじゃないかなと思うんですが、その点についても竹下参考人の御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(竹下珠路君) ありがとうございます。 基本的にと言ったらもうおかしいですが、横田さんたちの家族会が長い間本当に国際社会の中へ訴えかけてくださった、日本社会の中も訴えてくださった、それは、私たちも本当に全て肯定して、有り難いことだと、先導してくださる、有り難いことだと思ってずっと来ています。 しかし、それだけではないということで、特定失踪者家族会をつくったきっかけもなんですが、二〇一八年の初めに、ICC、オランダのICCに、この問題を人道に関する罪ということで北朝鮮の金正恩総書記を相手にして申立てを行いました。 しかし、それはICCの方で、何ですか、期間が、日本で申立て、日本がそのICCの方に加盟した期間と違うということで受け止めて、受け取ってくれなかったんですけれども、それらのことを含めて、私たちはただ国際社会の中で訴える場というものをなかなかつかめないで、本当につかめないでいますので、できることをできるところからということで、たまたま今年の二月に、人権高等弁務官事務所の方から、報告から十年ということで、シンポジウムの、で、私のスピーチのチャンスをいただいたので、そこに出たということでございます。
○新妻秀規君 済みません、じゃ、訂正します。人権高等弁務官事務所でしたね。済みません、訂正します。 じゃ、済みません、じゃ、平岩参考人に質問します。 先ほど打越先生の質疑にもあったんですけれども、やはり、この中国をどう巻き込むのか、非常に重要だというふうに思っております。六か国協議も中断したままという状況でありまして、あとはロシアとの対話もなかなかという状況の中で、日中韓という枠組みも再開をいたしまして、やはりここですね、この中国にどれぐらいの力を貸してもらえるかということが一つ、この北朝鮮に対してアプローチとしては一つ有効なんじゃないかなと思います。 先ほどの続きで、じゃ、どうやって、どのような場を通じて、どういうような主張で中国をこちらの側に付けることができるのか、先生の御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(平岩俊司君) ありがとうございます。 先ほどの打越議員の御質問の中、御質問にもありまして、そのときにちゃんとお答えできなかったんですけれども、やはり中国のその動向って極めて重要だと思うんですけれども、残念ながら、中国自身が極めて難しい相手であるということも間違いないわけであります。 ただ、彼らはその人権、拉致問題に関してももちろん日本側のその立場って十分理解してくれているとは思いますけれども、それ以上に彼らがその国際的な体面といいますか、それを気にするのは、やっぱり核、ミサイルの問題ですね。とりわけ、核の問題ですから、その核実験、例えば今焦点になっているのは北朝鮮が七回目の核実験を行うかどうかというところなんですけれども、一般的には、中国側がその七回目の核実験をよしとしないということがあって、北朝鮮側が慎重な対応をしているということがありますので、この核を軸にして、その日米韓に対しての新冷戦という、北朝鮮、ロシア、中国というその枠組みを少し動揺させるということは可能なんだろうと思います。 もう御案内のとおり、プーチン大統領もその核の使用みたいなことをにおわせておりますし、ウクライナ以降、北朝鮮も核の先制使用のドクトリンなどを表明するなど、その核の使用とか核に関連する立場というのが明確に中国とロシア、北朝鮮、違っておりますから、ここを利用しながら、中国を少し中朝ロのその三角形から切り離していくという働きかけは可能なんだろうと思います。 やはり、私の印象でいうと、拉致問題だけでなかなか動かすことは難しいので、より大きな枠組みの中で考えていく必要があるんだろうと思っております。
○新妻秀規君 ありがとうございました。終わります。
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。 今日は、本当に貴重な御意見を聞かせていただきました。拉致問題をここまで解決をしていないというのはまさに我々の責任と、本当にじくじたる思いでありますし、責任を感じます。本当に申し訳ない思いでいっぱいですし、最初に横田さんが怒りを持って対峙してほしいということをおっしゃっていました。一丸となって、この怒りをしっかりと持って、この問題の解決に引き続き当たらせていただきたいと思っております。 質問をさせていただきたいと思います。 まず、横田参考人にお伺いしたいと思いますけれども、先ほどもこの家族会の皆さんの方針転換について質問がございました。 独自制裁を解除することに反対しないということで、これはかなり思い切った方針転換だなというふうに、今年の二月、かなり大きな報道となったわけでありますけれども。先ほどこの方針転換に至った理由ということはよく分かったんですが、なぜ今年これを転換するということになったのか、またその転換に当たってどのような家族会の中で話合いがあったのか、その一端でもあればちょっとお聞かせいただければというふうに思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 繰り返しの発言になってしまうかもしれませんけれども、家族会のまず役員の中でも、この二月の改定した方針を出すに当たって、本当にこれでよいのだろうかという意見はございました。 個人的には、よく国民大集会でも兄の代表が述べておりますけれども、本当にもう大嫌いな、もう本当に嫌悪感いっぱいのあの国に対して、何かあたかも譲歩しているかのようなこの方針が本当によいのだろうかという意見はありましたけれども、個人的にはそのまま進んでもいいかと思いながらも、でも、やはりとにかく結果を出さなきゃなりませんので、とにかく日本国が、そして家族会が出すこの方針が向こうにとって少しでも何か飛び付いてくる材料であれば、それも一つの手かなというのと、何よりも、やはりこちら側の家族の親世代の者が高齢にありますので、やっぱり何十年も闘ってきて、もう何人もこれまでも関係者亡くなってきていますけれども、有本のお父さんと私の母ももう本当高齢の中で、少なくとも、本当に結果を、本当にハグをできることこそが、やっぱり闘ってきた歴史の本当にその結果を出したいという思いだけなので、それで今年はちょっと方針変えて臨もうと考えたところでございます。
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。もう時間がないということの中での本当に大きな決断をされたんだろうというふうに思いました。 続いて、竹下参考人にお伺いしたいと思いますけれども、拉致被害者と特定失踪者ということで、先ほど法の中でも位置付けが違うというようなことをおっしゃっていました。まさにそのとおりだなというふうに思います。それと同時に、世間的な認知のされ方も、やっぱりまだまだ特定失踪者の皆さんに対する認知というものがされていないというふうに思っています。 そんな中で、竹下さんの方から、もしよろしければ、例えば一つの事例としてこんな方がいるんだという、先ほどの資料を見ていると、まだ現在の年齢が三十代の方もお二人いらっしゃるというようなことも書いてあって、非常に衝撃を受けたわけですけど、何か事例があればちょっとお伝えをいただければというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(竹下珠路君) お若い方の事例はちょっとまたおきまして、済みません。 例えば、せんだって衆議院の拉致特の委員会で大澤孝司さんのお兄さんが参考人で発言されましたけど、大澤孝司さんは本当にいろいろな状況から、佐渡島という限定された土地であることとか、彼が土地の、何ですか、プロフェッショナル、土地を測定、測量したりする県庁の職員でプロフェッショナルであったというようなことから、曽我ひとみさんと同じ場所であったという、地域であったというようなことから、もうその周辺からほとんど本当に拉致であろう、拉致であることは間違いないであろうと言っていながら、ついせんだっても新潟県警は拉致と認めるに至らないと、認定するに至らないという結論を出したというようなこととか、それから、東北の方では、今井裕さんという方がいなくなって、高校三年生で、本当にもう優秀な高校三年生で、卒業したら東京に出てきて、もう就職し、大学にも行くんだというような方が卒業式を目前にして突然いなくなったって、その証拠が、五十年たってからその本人ではない書類、文書が、メモが出てきて、それは、その場所は、私も行きましたけど、北朝鮮の工作員が出入りしていたそのスポットの付近の地図であったというようなことを考えてみましても、いろんなところでもう情況証拠から拉致に間違いないと思う人たちはたくさんいるわけです。 向こうで、北で会ったって目撃証言なども含めてたくさんいろんな方たちがいるんですが、それが何一つ認められていないし、今から証拠をつかもうといっても、日本の警察が何かありませんかと私たちに聞くくらいですから、日本で証拠がつかめるわけがない。向こうは人をさらっていくのがプロですから、証拠を残すわけがない。そういったところの、それで認定されないという、多くの人たちが認定もされないということは、私たちの胸の、心の中で本当にじくじたる、皆さん、先生方もおっしゃいますが、私たちもそれが認定されないということがじくじたる思いでおります。
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。 このチラシでも八百名以上ということが書かれていますけれども、数字で見ると八百名ということですけど、お一人お一人の人生があって、その御家族がいらっしゃってということだと思いますので、そのお一人お一人に光を当てることが多分この国民的な世論の喚起、認知につながっていくのかなというふうに思いますので、引き続き尽力してまいりたいというふうに思います。ありがとうございました。 平岩参考人にお伺いをしたいというふうに思います。 この金正恩の動きの中で、この娘の主愛に対する権威付けが早いということの中で、これは体調の問題なのか、金正日が金正恩に対して権威付けをしたのに比べて相当早いタイミングでこれをやっているということから、まあいろんなことがあるんだろうなというふうには思っているわけであります。 その中で、これ救う会、家族会の運動方針の中ではあるんですけれども、この体制の急変に備えた被害者の救出体制を整備すべきなんだということがあるわけですけれども、この整備についてはどのようにお考えになるのか、あとその体制の変換、転換については今どのような状況だというふうにお考えになっているのか、この点についてお伺いします。
○参考人(平岩俊司君) ありがとうございます。 まず、その北朝鮮の体制の問題、金主愛という金正恩委員長の娘さんの話を御指摘になられましたけれども、この件に関してはいろんな評価がございます。 いわゆるその権力継承の過程で見るべきなのか、あるいはもう少し別の、北朝鮮の場合、権力と権威がありますので、その権威の継承の文脈で見るのかということなんだろうと思いますけど、私はどちらかというと後者の方で見ております。 前者の方で分析する場合には、具体的に、じゃ、例えば北朝鮮の権力構造というのは党と国家と軍のポストが必要なわけで、それを彼女が継承していくのかということになると、これはやっぱりかなり先の話ということでしょうから、やはり今の段階ではまだその権威を継承していく、いわゆる彼らが言うところの白頭の血統という言い方をしますけれども、白頭山の血脈みたいなものが彼らの権力の一つの根拠になりますので、その流れというものを強調しているんだろうというふうに思っています。 ですから、具体的にすぐさま彼女にその権力が移動するとか、例えば彼女が党の要職に就くとか、あるいは国家の要職に就くとか、あるいは軍の要職に就くということは取りあえずは考えにくいので、だとすれば、やはりまだその権威の継承の段階だというふうに考えるべきなんだろうというふうに思っております。 にもかかわらず、やはり体制のその急変に関しては、これはもう考えておく必要があるんだろうと思います。 私自身はすぐさま北朝鮮の体制が動揺するというふうには考えておりませんし、残念ながら、これ日本、日本というか国際社会が北朝鮮を認識するに当たっての誤解といいますか、過小評価といいますか、北朝鮮の体制というのは弱いということを前提にこれまで北朝鮮に対して交渉に向き合ってきたことがあると思うんですね。 例えば、アメリカなんかは一九九〇年代は、北朝鮮はあの体制は五年もたないと、だから米朝合意をしたとしても、例えば北朝鮮に対して有利な合意をしても、北朝鮮に対して例えば軽水炉を供与することは必要ないんだと、なぜならば彼らは五年間もたないということを前提にして交渉してきた経緯があるんですけれども、残念ながら、アメリカを始めとする国際社会の期待とは裏腹に、これまで何十年もその体制維持されているということがあります。 ですから、私自身は北朝鮮の体制がすぐさま崩壊するということは考えておりませんけれども、とはいえ、やはり経済的に極めて脆弱であって、極めて危ういバランスの上に成立している体制だというふうに思っておりますので、仮に何かあった場合には、当然日本側としてそれに対するその対応というものは考えなければいけないというふうに考えておりますが、少なくとも今の段階ではそうした具体的な動きがあるということは私自身知る立場にもありませんし、承知しておりません。
○柳ヶ瀬裕文君 時間が参りましたので、終わります。 ありがとうございました。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。 お三方には大変貴重な御意見頂戴しまして、ありがとうございました。 私自身が、政府が拉致がないと言っていた時代からあると主張し続けてきた立場でありまして、かれこれ三十六、七年、署名活動を始めとして様々な活動を行ってまいりました。したがって、家族会の皆様や特定失踪者問題調査会の皆さんとも日頃から連携を取らせていただきながら情報共有していると。そういった立場から、この間ずっとこの問題と向き合ってきて感じたことについて、お三方にお伺いをしたいと思います。 まず、横田参考人に確認をさせていただきたいんですが、昨年の岸田総理の国民大集会での発言を受けて、運動方針も見直しを行われてということで、この拉致、核、ミサイル三点セットから拉致問題だけでもいわゆるハイレベル協議を行って、問題解決に向けて物事を前に進めるというあの発言を受けて、今回運動方針書き換えられたと。 その上で、全拉致被害者の即時一括帰国といった運動方針を掲げていらっしゃるんですが、この場合の、今更何を聞くんだと言われるかもしれませんが、この場合の全拉致被害者とは誰を指すのかということについて、家族会としての御認識をお伺いさせていただきたいと思います。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 私個人といいますより、日本国政府自身が全拉致被害者の全容は多分分かっていないですね。ただ、じゃ、その分かっていない中で何人をとも言えないわけですから、とにかく分かっているのは北朝鮮だと、だから分かっている全員を帰しなさいと言っているので、うまく質問に回答できていないような気もしますけれども、そういうことですね。知っているあなたが帰しなさいと言っている、そういうことです。
○川合孝典君 運動論としてこういった書き方を、表記の仕方をされているという、そういう理解でよろしい、運動論として全拉致被害者と言われていると。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 運動論というより、特定失踪者には、家族会にはそれなりのまた別の考えがあるわけですけれども、知っている人だけを帰しなさいというわけにもいきません。でも一方で、知っている人がいるなら帰しなさいという意見もあるので、それが間違いじゃないという気もしていますが、どういうふうに言うのが日本国民もうなずいて、私たちでも一番当たり前と思って、北朝鮮にも非常にインパクトが強いのかと。いろんな側面で考えるときに、例えば百人いると分かっているなら百人帰しなさいとか、まずは五十人からと言えますけども、分かっていないので何とも表現できない中で、分かっている、あなた方が把握している全員を帰せというように言っているつもりであります。
○川合孝典君 ありがとうございます。 この問いを質問させていただいた理由というのが、つまり、どれだけの拉致被害者がいらっしゃるか分からない状況の中で全拉致被害者の即時一括帰国という主張をすることが、結果的に、要は分かっているところから、把握できたところから拉致被害者を救出して日本に取り返すという、そういう動きになかなかつながらない、ハードルが上がり過ぎて見通しが立たない状況というものをつくり出してしまっているのではないのかという、こういう指摘がありまして、全拉致被害者の即時一括帰国につながらないからという理由で動きがむしろ取りにくくなっているんじゃないかという、こういう実は指摘も一部あります。 したがって、拉致、つまりは拉致した人間を皆全部、皆さん日本に帰せということの主張は当然されてしかるべきことだと思うんですが、そのことと同時に、救えるところからどう救っていくのかということの姿勢というものは必要だと思いますし、そうした背景があって、田中さん、金田さんのケースでも受取を拒むといったような話になってしまったんじゃないのかということ、そのことをちょっと私自身が懸念しているということで、ちょっと質問させていただいたということです。 その上で、平岩参考人にお伺いしたいんですが、先ほどお越しになる前に、横田参考人から生活総和の話が、反省会ですね、北朝鮮の土曜日にやっている、あの話が実はありまして、それで、いわゆる一人一人の人間をきちんと人民を把握しているがゆえに、情報はきちんと政府が把握しているということの御指摘をされました。 そういった取組をしているということは有名な話でありますが、私自身は、あれは職場や学校や工場といったところでの相互監視のためのいわゆる学習会という形でやらされているということで、となったときに、何か問題が生じたときには情報が共有されるということは当然のことなんだろうと思うんですが、ろくに通信手段も持たないような極貧国で、いわゆる戸籍システムみたいなものがきちんと果たして機能しているのかどうかということについて、私自身は本当にそうなのかなというところも一部やっぱり疑問もあるものですから、先生の知識の範囲で、この人民がどの程度国が把握できているのかということについてお教えいただければ有り難いです。
○参考人(平岩俊司君) 御質問ありがとうございます。 御指摘の御質問、極めて重要であるんですけれども、残念ながら極めてお答えするのが難しいという、そういう質問かと思います。 といいますのは、やっぱり北朝鮮社会に関しての分析というのが我々研究者の間でも極めて難しい。なぜならば、北朝鮮に直接行くということが、もちろん全く難しい、行けないわけではないんですけれども、かなり制約があるし、それから行ったとしても調査その他が難しいということなので、今の北朝鮮についての、北朝鮮社会の分析の主たる方法論といいますのは、北朝鮮から脱北をしてきて韓国に来た人たちの情報を前提に分析するというのが主流かと思います。 それを前提にしますと、やはり、御指摘のとおり、やはり監視システムということで一定程度機能しているというふうに考えるべきなんだろうと思いますけれども、それも、一九九〇年代にかなり北朝鮮が食料難を始めとして社会的混乱を来しますので、それ以降、どれぐらいちゃんと機能しているのかどうかというのがちょっとよく分からないというのは正直なところだと思います。 例えば、脱北者がこれだけ毎年出てくるわけなんですけれども、じゃ、我々のイメージでいうと、その脱北者の残された家族は非常にひどい目に遭うんじゃないのかというようなことが言われますけれども、それも実態もよく分からないということなので、やはりその戸籍システムそのものは私はちゃんとしているんだろうと思うんですけれども、それを監視している、監視ができているかどうかということについてはちょっとよく分からないと思います。 ただし、日本から拉致をされた方については、これ北朝鮮にとって最重要課題ですから、確かに小泉総理が訪朝されるまではいいかげんだった部分はあるかと思いますけれども、少なくともその時点では明確に把握をしていて、それ以後の動きについてはちゃんと把握しているんだろうというふうに思っております。
○川合孝典君 ありがとうございました。 もう一点、平岩参考人に確認させていただきたいんですが、非常に北朝鮮は経済的に逼迫している状況だということではあるんですけど、ロシア、ウクライナの戦争、交戦状態に入って以降、ロシアと北が非常に関係性が近くなってきているということがあって、技術の交流というのももちろんやっていますけれども、昨日か今日のニュースで、北朝鮮の船舶が、いわゆる密輸ですね、石油の密輸みたいなことをやっていて、それが常態化しているのではないのかといったような実は報道が流れていました。 そういった抜け道が結局いろいろあって、そのことで北朝鮮の資金がある程度継続的にもっている、持続しているということもあるのかと思うんですが、そこで質問は、今、日本が行っている独自の北朝鮮に対する経済制裁がどの程度北朝鮮に対して影響を及ぼしているのかということについて参考人はどのような分析されているか、お教えください。
○参考人(平岩俊司君) ありがとうございます。 御指摘のとおり、ロシアと北朝鮮が接近をしておりまして、とりわけ石油といいますかエネルギーの部分ですね、これについては、従来以上にロシアから北朝鮮への提供というものがあるんだろうということは予想されます。ウクライナ以前からも、例えば中国であるとか、あるいはロシアからいわゆる瀬取りという形で北朝鮮に対してエネルギー供給が行われてきたということは恐らく事実なんだろうと思いますし、北朝鮮からすると、そうした細々としたパイプを大切にしながらこれまで生き延びてきたということなんだろうと思いますが、ウクライナ以降は、それをかなり、何といいますか、大っぴらな形で行われているというのが今のその状況かと思います。 先ほども少しお話ししたとおり、北朝鮮のその体制が動揺することを懸念する国、例えば中国であるとか、それから政権によっては韓国もそうですし、それからロシアも含めて、やはり最後の最後まで追い詰めちゃいけないんだという国がありますので、やはり日本が独自に経済制裁を行うということに関しては私は一定程度効果はあると思いますけれども、じゃ、北朝鮮の基本的な姿勢を大きく変えるほどのその効果があるかと言われると、残念ながら、やはりこれは国際社会が協調した形でやらないと難しいわけですけれども、残念ながら、先ほどから繰り返し御指摘しておりますように、やはり追い込んではいけないという国がありますので、なかなか北朝鮮に対して効果的な制裁が行えないということなんだろうと思います。 ただ、一点、日本からのいわゆるぜいたく品のようなものが入ってこないということは、恐らく北朝鮮に対しては一定程度影響といいますか、効果があるというふうには思いますが、残念ながら、それも基本的な姿勢を変えるまでには至っていないということなんだろうと思います。
○川合孝典君 時間が参りましたので、終わります。 ありがとうございました。
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。 私は、ALSという進行性難病の影響で人工呼吸器を付けており、声を出すことができません。パソコンによる音声読み上げと秘書による代読で質問をさせていただきます。 私は、二〇一九年に当選後、一時期を除き、この拉致特別委員会に所属してきました。この間、政府に様々質問してきましたが、回答は差し控えるという答えを繰り返されてきました。外交上言えないことがあるのは理解をしています。ただ、五名の方が帰国されて以降、一人の拉致被害者も帰国できていない現状を踏まえると、残念ながら政府の取組は結果が出ていないと言わざるを得ません。そうした中、首相が最重要課題と繰り返すだけでは国民の信頼は得られないのではないかと考えています。長くこの特別委員会に所属していながら、解決に向けて力になれていないことを申し訳なく思いますが、少しでもお役に立てるよう、政府に働きかけられるよう、本日は参考人の皆様に御意見を承りたく存じます。 まず、横田参考人に質問いたします。 岸田総理が四月五日掲載の日経新聞で、訪朝について、年内と言わず、できるだけ早い時期に実現しなければならないと発言したことを受け、四月二十六日の本委員会で、私は、林大臣、上川外務大臣に、できるだけ早い時期とはいつ頃を意味しているのかと質問しました。答えは、差し控えさせていただきたいでした。ある意味、政府の姿勢は一貫しています。この委員会の場で説明しないという点についてはです。 横田参考人は、二〇二三年の福井県の集会で、政府の交渉に対し、人の命が懸かっている、成果が出なければゼロ点とおっしゃっておられました。成果を出せない、説明も十分にしない政府の姿勢について、率直な意見をお聞かせください。
○参考人(横田哲也君) 御質問ありがとうございます。 また、この委員会で連日いろいろお取組をいただいておりますことを感謝申し上げます。ありがとうございます。 この今の御質問につきまして、結果が出ていないことに対して、そのいろんなところどころで私は、政府に点数を付けるとすればゼロ点だと確かに申し上げております。結果が出ていないので、それはもちろんだと思うのですが、一方で、何もやっていないかというと、今回の日朝間での水面下交渉があったがゆえに金与正からの談話が出たりしていることを考えると、総理始めその幹部が最重要課題として捉えて何かしら動きを取っているんだろうというふうには思っています。 ただ、結論が出ていないことには非常に歯がゆい思いもしますし、何やっているんだという気もありますが、かといって、その首相官邸の関係者にどなり散らしても始まらないわけですし、実際に動くのは官邸であり、国の関係者なので、もうそこは信じて動いていただくしかないですし、まかり間違って本当に違う動きを取ったりですとか、ちょっと、えって思うようなことがあれば、当然私たちも強く発言をすることがあると思いますが、それは信じていくしかないかなというふうに考えております。 以上です。
○舩後靖彦君 次に、竹下参考人にお伺いします。 竹下参考人には、二〇二二年六月にも参考人として御出席いただき、御意見をお聞かせいただきました。今回もよろしくお願いいたします。 拉致問題の解決が一向に進まない中、家族会会員の方々の高齢化が進み、非常に切迫しているかと存じます。二年前に御出席されて以降、政府が差し控えると答えて何も説明しない姿勢は全く変わっていません。成果も出ていません。 竹下参考人は、今年二月、国連人権高等弁務官事務所ソウル事務所でスピーチをされたとお聞きしています。一方、先月二十日には林大臣と面会をされました。海外での発信と政府への働きかけ、この二つを通じ、国内と海外での反応や対応に違いや差を感じた点はありますでしょうか。
○参考人(竹下珠路君) 私たちは、先ほども申し上げたように、国際社会に特定失踪者家族としてあるいは家族会として訴える場が今までほとんどありませんでしたので、その点につきましては、これから何ができるかと毎回探しながらしておるところでございますが、せんだって、五月の二十日にも、林官房長官、拉致問題担当大臣とお目にかかった折に、やはり先ほど私が申し述べたこととほとんど同じようなことを要請文としてお願いしておりました。 だから、そういった点では、何でしょうね、できるところからできることを、私たちとしては、とにかく成果を出してほしい、結果を出してほしいという願いでお願いしているところでございます。
○舩後靖彦君 次に、平岩参考人に伺います。 二〇二四年四月の朝日新聞のインタビューで、北朝鮮から自ら譲歩してまで日本と交渉したい動機は見当たりませんと話されていました。御分析を拝読しますと、岸田総理が言うような、年内と言わず、できるだけ早い時期に実現しなければならないという目標には非常に高いハードルがあるように考えます。 平岩参考人は、北朝鮮の狙いを、日本との交渉の唯一にして最大の目的は国交正常化後の経済協力と述べてもおられます。こうした状況で、できるだけ早い時期の実現という高いハードルを越えるため、政府にはどのような姿勢が求められるかについて、改めて御意見をお聞かせください。
○参考人(平岩俊司君) ありがとうございます。 御指摘のとおり、私は、北朝鮮が日本との関係正常化を目指す最大の目標というのは、国交正常化の後の経済協力ということなんだろうと思います。これは、二〇〇二年の日朝平壌宣言で設定された枠組みをいかに実現していくのかということかと思っております。 しかしながら、現状、なかなか国交正常化というのが北朝鮮からすると見えない状況ですので、日本政府としては、御指摘のとおり、極めてハードルが高いということになるんだろうと思います。 御案内のとおり、例えば二〇一八年に北朝鮮は韓国、それからアメリカ、さらには中国と首脳会談を繰り返しましたが、残念ながら日本との間の首脳会談というのはございませんでした。恐らくそれは、北朝鮮からすると、今、その二〇一八年の段階というのは核問題が焦点であって、日本との国交正常化というものがまだ順番としてその視野に入っていなかったんだろうというふうに想像されるんですけれども、恐らくその際にも、例えばトランプ大統領などから北朝鮮に対して日本の意向というのは再三にわたって伝えられているというふうに聞いておりますが、やはり北朝鮮からすると、残念ながら日本との国交正常化の道筋が見えないということなので、やはり積極的に出てこないということでしょうから、日本政府としては、もちろんその今の個別の拉致問題であるとか核、ミサイルの問題の個別の問題のその先に明確に国交正常化があるということを示す、国交正常化に至るその道筋というものを明確に示して、示すことによって、こうした条件をクリアすればあなたたちが必要としている国交正常化の後の経済協力が得られるのだという、その絵姿を明確に見せるということが必要になってくるんだろうというふうに私は考えております。
○舩後靖彦君 ありがとうございました。非常に貴重な御意見を伺うことができました。 これで質問を終わります。
○委員長(松下新平君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十九分散会