法務委員会 第4号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/04/04
会議録
○委員長(佐々木さやか君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、下野六太さん、山崎正昭さん、自見はなこさん及び岡田直樹さんが委員を辞任され、その補欠として石川博崇さん、白坂亜紀さん、加田裕之さん及び越智俊之さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(佐々木さやか君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省大臣官房司法法制部長坂本三郎さん外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐々木さやか君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田中昌史君 おはようございます。自由民主党の田中昌史です。 今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 この四月一日に法務省の総合職の新たな職員六十名が新入省式を迎えられたと、また、裁判所の職員につきましても、各裁判所で入職式を迎えられたと。大変喜ばしいことだなというふうに思っております。 小泉大臣の訓示、これは法務省の入省式でありますけれども、小泉大臣の訓示を門山副大臣が代読をされ、その中で、より良い社会が実現されるよう、何が国民の幸せにつながるのかという気持ちを持って積極的に職務に取り組むことなどの激励の言葉が述べられたというふうに伺っております。本当にしっかり頑張っていただきたいなと思いますし、国民の幸福を希求する法務省職員、裁判所職員として、これから職務に精励して御貢献いただきたいなというふうに心から願っているところであります。 さて、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に関連して質問いたします。 司法は、社会秩序を維持して、国民の権利や自由を守る上で大変重要な役割を発揮しております。裁判所の人的体制は裁判手続の充実や迅速化を図る上で重要であり、その観点から人員が確保されなければならないというふうに思います。 そこで、最高裁に伺います。 裁判所の業務は、各種事件の発生件数あるいは事件の複雑性等に応じて増減するものと思われます。そこで、直近十年間程度の事件発生の件数や動向、また事件の性質の変化などがあれば、その状況を含めて伺います。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 まず、事件動向につきましては、成年後見関係事件などの一部事件を除きまして、落ち着いた状態が続いておるところでございます。 新受件数について具体的に申し上げますと、地方裁判所における民事訴訟事件につきましては、平成二十四年に十七万五千件台であったものが令和五年には十四万一千件台となっております。また、刑事訴訟事件につきましては、平成二十四年に七万六千件台だったものが令和五年には六万四千件台となっております。いずれも、令和五年は大きな減少が見られましたその前年よりもやや増加しているところではございますが、長期的に見て減少傾向にあるというふうに考えております。 家庭裁判所における少年保護事件につきましても、平成二十四年に十三万二千件台であったものが令和五年には五万二千件台となっておりまして、令和五年は大きな減少が見られたその前年よりもやや増加していることは民事訴訟事件、刑事訴訟事件と同様でございますが、全体としては大幅な減少傾向にあると考えております。 一方、家事事件につきましては、平成二十四年に六十七万二千件台だったものが令和五年には百万六千件台となっておりまして、令和五年には、失礼しました、家事事件につきましては全体としては増加傾向にあるというふうに考えております。ただ、これは、高齢者人口の増加に伴いまして成年後見関係事件が累積的に積み上がっているものであるというふうに考えているところでございます。 次に、事件の性質の変化について御説明をいたします。 昨今の社会経済情勢の変化や国民の権利意識の高揚等を背景にいたしまして、専門的知見を要する事件や非典型的、非類型的な複雑な事件につきましては、一時期のピークは過ぎておりますが、平成二十四年との比較では増加しており、なお高い水準にあるものと認識しているところでございます。 こういった複雑困難な事件への対応としましては、審理の序盤における当事者との口頭議論を活用し、早期に主要な争点についての認識を共有する工夫をするなど、審理運営の改善、工夫等を引き続き行っていくことが重要であるというふうに考えております。
○田中昌史君 家事事件を除いてはずっと減少傾向にあったというものが、令和五年度に若干増えているということは留意しなきゃいけないなと。それから、最後の方にございました事件の性質についても、詐欺等の知能犯が非常に増えているということで、背景も複雑化してきているのではないかという指摘も一部にありますので、今後のこの状況を踏まえながら、随時、裁判官、裁判所職員の在り方については随時検討していかなきゃいけないかなというふうには考えております。 続いて、この改正案では、事務処理の支援のための体制強化と子供の共育て推進等を図るために裁判所事務官を四十四人増員するということでありますが、この増員によってどのような事務処理業務が強化されるのか、具体的にお知らせください。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 まず、事件処理の支援のための体制強化につきましては、裁判手続等のデジタル化の検討、準備、それから記録の管理の適切な運用の確保といった事務などに対応するために増員をお願いしているところでございます。 デジタル化の検討、準備につきましては、例えば民事訴訟手続におきましては、オンライン申立てや訴訟記録の電子化など全面的なデジタル化の本格的な運用開始に向け、システム構築や最高裁規則の改正、デジタル化後の手続の具体的な運用の在り方の検討を今後一層加速させていく必要がございます。また、民事訴訟手続以外の分野につきましても、システム開発の検討等を一層進めていく必要がございます。 このほか、最高裁は、記録の保存、廃棄をめぐる一連の問題を重く受け止めまして、事件記録等の特別保存に関する規則を制定するなどして、国民共有の財産である歴史的、社会的意義を有する記録を適切に保存する基本的な仕組みを整えたところでございますが、この新たな運用が確実に実施されますよう、各庁の運用を支援するなど、将来にわたって記録の保存の適切な運用を確保すべく、裁判所における体制整備等を行っていく必要がございます。 また、国家公務員の子供の共育て推進等につきましては、職員の多様な働き方と子育ての両立支援を図っていく必要があることから、令和六年度につきましても引き続きその取組を継続していく必要がございます。 こういった各種取組を進めていくため、裁判所事務官四十四人の増員をお願いし、裁判所全体としての事務処理体制を強化してまいりたいと考えております。
○田中昌史君 ありがとうございます。 続きまして、一方、この裁判所事務を合理化するとともに効率化すること、合理化、効率化に伴って技能労務職員等を七十五人減員するということになっております。この減員となる職種の行っていたもの、業務がどのように代替されるのか、このことによって裁判所業務に影響を及ぼし得るのか。またあわせて、この裁判所判事以外の職員は、年によって職種が異なりますけれども、減員が続いています。その理由と背景を教えてください。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 今回の減員は、庁務員等の技能労務職員及び裁判所事務官を対象とするものであり、このほかに裁判所速記官を裁判所事務官に振り替えるものとなっております。 技能労務職員につきましては、定年等による退職に際し、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、外部委託による合理化等が可能かどうかを判断し、後任を不補充とすることにより生じた欠員について合理化を行うものであります。したがいまして、庁舎管理業務等は必要に応じて既に外部委託等による代替等が行われておりますので、技能労務職員の減員によって裁判所の業務には支障は生じないものというふうに考えております。 また、裁判所事務官につきましては、既存業務の見直し、例えば庁舎新営の終了に伴う事務の減少分等について合理化による減員を行うものであり、事件処理等に影響が出るものではございません。 したがいまして、いずれにつきましても裁判所の業務に影響が出るものではないというふうに考えております。 減員を行う理由等につきましては、裁判所は行政機関ではございませんので政府の定員合理化計画に直ちに拘束されるものではございませんが、国家公務員の定員をめぐる情勢が厳しさを増す中で、引き続き裁判所としての必要な体制を整備していくためには、国家の一機関として、他の行政官庁と同様に事務の効率化等必要な内部努力を行い、定員合理化に協力することは必要であると考えているものでございます。 もっとも、事件処理に支障があってはなりませんので、その年々の状況に応じてどのような体制を整備していくべきか、裁判所が自主的、自律的に判断しているところでございまして、令和六年度につきましても、そのような判断を経て減員を行うこととしたものでございます。
○田中昌史君 裁判所に影響はないということはしっかり徹底していただきたいと思いますし、各方面から、この裁判所職員、特に判事補の増員等についての要請が多々あろうかというふうに思っておりますので、こういった部分を含めて、確実に裁判に影響がないということを踏まえた上での人員の確保というのを引き続きお願いをしたいなというふうに思っております。 次に、法務省に伺いたいと思います。 法務省は、令和二年度から六年度までの定員合理化計画の対象となっていると思います。職員数の状況と今後の方針、特に矯正施設及び入管庁の人員体制の見通しについて教えてください。
○政府参考人(上原龍君) お答えいたします。 法務省におきましては、政府の定員合理化計画に従い、令和二年度から令和六年度までの五年間で合計五千三百七十二人の定員を合理化しているところでございます。他方で、同五年間で各種行政課題に対応するため合計六千六百六十一人を増員しており、合理化数との差引きで合計千二百八十九人の純増となるなど、適切に業務を遂行する上で必要な人員を確保しているところでございます。 今後の方針でございますが、政府方針の趣旨にのっとり、今後も政府の一員として効率的な行政運営に取り組むとともに、例えば、矯正官署では拘禁刑の創設に伴う矯正処遇等の充実強化、出入国在留管理庁では特定技能に係る受入れ体制の充実強化など、法務省が抱える課題は多く、こうした施策を適切に実施するため体制整備を図る必要があると認識しているところでございます。 いずれにしましても、今後も引き続き、法務省として、各種行政課題に対応するため、必要な体制の整備にしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○田中昌史君 当初の定員合理化計画を上回る新入職の職員をしっかり確保されているということだというふうに思っております。そういった部分では、国民の不安に寄り添う、幸せを求める法務省としての人員体制はしっかり確保されているんだということをお話をされたというふうに考えております。 法務省と最高裁に伺いますが、小泉大臣が所信表明で、職員のワーク・ライフ・バランスの実現に引き続き取り組みますということを、これ結びのところで力強く述べられております。また、昨年の裁判所職員定員法の改正でも、その趣旨としてワーク・ライフ・バランスの実現を挙げられていますが、このワーク・ライフ・バランスの指標となる有休あるいは育休の取得状況、残業時間、これどのような状況か、併せてその評価と目標について伺いたいと思います。
○政府参考人(上原龍君) お答えします。 まず、現状でございますが、令和四年における法務省職員の年次休暇の取得日数の平均は十四・〇日、令和四年度における法務省男性職員の育児休業取得率は六九・一%、法務省女性職員の育児休業取得率は九八・二%、令和四年における外局等を除いた法務省職員一人当たりの超過勤務時間数は一月当たり約二十二時間でございます。 目標等でございますが、年次休暇につきましては、法務省独自の数値目標として、令和七年までに年間十五日以上取得することを掲げております。また、男性職員の育児休業取得率につきましては、政府目標に基づき法務省としても数値目標を設定しており、これまで三〇%が目標とされていたところ、現在は目標値が引き上げられまして、令和七年までに一週間以上の育児休業取得率を八五%とすることを目指しているところでございます。 引き続き、法務省一丸となって、全ての職員が生き生きと活躍できる職場環境の整備を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。 裁判所における目標や実績という点でございますが、まず、年次休暇につきましては、全職員につき毎年二十日付与されるうち十六日以上の取得を目標としており、令和四年の平均の取得日数は十六・六日となっておりまして、目標を達成をしております。 次に、育児休業につきましては、女性職員はほぼ一〇〇%が取得しております。男性職員については令和七年度までに取得率を五〇%とするという目標を立てているところでございますが、令和四年度の男性職員の取得率は七七・一%となっており、目標を達成をしております。 さらに、ワーク・ライフ・バランスの推進のために長時間勤務の是正にも取り組んでいるところ、令和四年度の下級裁判所の行政職俸給表(一)六級以下の職員等の一人当たりの一月の平均超過勤務時間は五時間九分となっております。 引き続き、裁判所職員のワーク・ライフ・バランスの推進に努めてまいりたいと考えております。
○田中昌史君 最後の質問になります。 小泉大臣は、職員の皆さん方と一番近いところで見ていらっしゃると思いますが、大臣の意気込みをお願いをしたいと思います。
○国務大臣(小泉龍司君) ワーク・ライフ・バランスというのは、職員が健康で生きがいとやりがいを持って、まず幸せな生活を築き、そして職務の面においてもその能力を十分に発揮してもらうために重要な課題であると思います。私も、着任して最初の訓示でそのことを申し上げましたし、また国会における所信表明でも繰り返し述べさせていただいております。 法務省も、令和三年に策定いたしましたアット・ホウムプラン、アットホームと法務を掛けているんですけれども、プラスワン、ここが重要でございまして、政府全体の計画よりも一歩進んだ計画を実行しようという考え方の下で、アット・ホウムプラン・プラスワン、こういうプロジェクトを作りまして、計画作りまして、職員のワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取組を推進しております。 具体的には、全ての職員が家事、育児、介護等をしながら活躍できる環境の整備、テレワークの活用による働く場所と時間の柔軟化、業務の効率化、デジタル化の推進、勤務時間管理の徹底、年次休暇の取得促進と、取得が当たり前の職場づくりなどの各種取組を進めています。 一番大事なのは意識ですよね、意識の持ち方だと思います。我々管理職の側の意識、また働いている職員の意識、それに関係する大勢の方々の意識、それを変えていくことができれば進むと思います。個々の政策も大事なんですが、その意識に訴えかけていく、そういう取組をこれからもしっかりと続けたいと思います。
○田中昌史君 終わります。
○福島みずほ君 立憲・社民の福島みずほです。 先ほどもありましたが、裁判所事務官を四十四人増員すると、そのうち、共育てのための、国家公務員の子供の共育て推進等図るために五人増員という説明がありました。 子供の共育て推進の五名というのはどういう意味でしょうか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 今回、増員をお願いしております裁判所事務官の増員四十四人のうち五人につきましては、国家公務員の子供の共育て推進等を図ることを増員の理由としていることは委員御指摘のとおりでございます。 裁判所におきましては、仕事と育児の両立支援制度の利用促進や育児休業からの復帰後の支援等を行うことにより、職員の多様な働き方と子育ての両立支援、いわゆるワーク・ライフ・バランスの推進を図っていく必要があることから、平成二十七年度以降、国家公務員のワーク・ライフ・バランス推進のための増員を認めていただき、その取組を行っているものでございます。令和六年度につきましても、引き続きこの取組を継続していく必要があるため、事務官五人の増員をお願いしているところでございます。 なお、今年度お願いしております五人の増員につきまして、これまで増員を認めていただいた分と合わせて必要な部署に適切に配置することで、制度の趣旨に従った支援等が図られるものと認識しているところでございます。 今後とも、職員の多様な働き方と子育ての両立支援が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 全国津々浦々にではないですが、裁判所があると。その中で五名の増員というのは足りるんでしょうか。 質問です。 全司法の方から、もし仮に民法で共同親権も認められ、そうすると裁判所の中の役割がすごく大きくなります。そうすると、それに的確に対応するだけの人的資源、ヒューマンパワーが足りないという意見書が出ております。足りないんじゃないですか、どうですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 裁判所の職員、裁判官も含めた職員の人的体制ということにつきましては、事件動向その他を総合的に考慮して定めていると、検討しているというところでございます。 現状、事件動向を見ますと、事件数はおおむね落ち着いた状態にあるということもございます。現時点において、裁判官について今年度増員をお願いする必要はないというふうに考えたところでございますし、一般職員についても今回お願いしているような増員で足りるというふうに考えたところでございます。 今後の民法の改正等を踏まえまして、また引き続き必要な人員体制については考えてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 司法試験の合格者は非常に増えていまして、弁護士の数はとても増えています。しかし、裁判官って余り増えていない。 それは、先ほども、事件数が横ばいというか安定している、あるいは減っているからだというんですが、私は、ある意味、悪循環じゃないか、つまり、裁判所に持っていってもある種どこか機能不全、うまく解決付かなかったり時間が掛かる、だから裁判所に持っていかない、だから裁判所の件数は減っているしという悪循環もあるんじゃないか。三権分立の一翼を担う司法が大きな役割を果たすことはとっても重要だというふうに思っております。 むしろ、裁判官はやっぱり忙しいという話はもうずうっと聞いていますので、裁判官あるいは様々な裁判所で働く職員の数を増やして、むしろ裁判所の機能強化に大きく踏み込むべきではないですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 裁判所に対する期待というものが大きいということについては、私どもも認識しているところでございます。 繰り返しになりますが、裁判所といたしましては、裁判官その他の職員に関する人的体制を検討するに当たっては、事件動向あるいは事件の性質等を総合的に考慮しながら検討してまいるということでございます。 事件数だけではなくて、そういったいろいろな考慮ももちろん、事件の内容等も踏まえまして検討していくことになりますので、今後の状況を見ながら必要な体制について検討してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 弁護士の数はとても増えているのに、裁判所、裁判官の数が増えないことでいびつになっているのではないかというふうに思っております。 訟務検事と裁判官の交流についてお聞きをいたします。 これは、この五年間において現職の裁判官で訟務検事、つまり国の代理人をやった人のリストを出してくださいと頼み、三十八名、この五年間で訟務検事をやり、今現在裁判官をやっている人のリストを出していただきました。今後、この人たちがどこで働いているのかということも含めてしっかり調査をしたいと思います。 訟務検事をやった人で行政部あるいは行政集中部に行った人のリストを出してくださいというのはちょっと出していただけなかったんですが、この問題についてお聞きをいたします。 弁護士は、倫理研修で、利益相反かどうかというのは厳しい倫理研修を受けます。利益相反しちゃいけないとか、同じ法律事務所でほかの人が受けているのでどうかとか、この例はどうか、この例はどうかという倫理研修などを受けます。 訟務検事なんですが、やはり国の代理人を長く務めてきて、じゃ、今後は行政部の裁判官で同じような事件を担当する、あり得ますよね。原発の裁判の代理人やっていて、原発の裁判のまさに裁判長をやるとか、いろんな例がある、同じような種類のがある。生活保護しかり、あらゆることでこれは指摘をされています。 ですから、やっぱりこれは問題ではないか。つまり、利益相反、弁護士倫理も利益相反したから問題じゃないんですよ。利益相反と思われることが問題なわけで、かつて判検交流がありましたが、なくなりました。検察官と裁判官、交流していたのをやめました。これは、いや、立場でちゃんと交流するから問題ないと言ってきたけれど、判検交流はなくなったわけです。 しかし、国の代理人を長く務めていて向こう側の被告席にいた人間が、同じような事件、同種の事件とかも特にそうですが、裁判長で座ったら、それはもう本当に原告は、いや、これはもうちょっと利益相反というか、公平性が客観的に担保できるかというふうに思います。 私は、訟務検事として裁判官を使うことはやめたらいいと、この三十八人というか、優秀な裁判官引っ張ってきて国の代理人をやらせるのはやめさせるべきだと思います。 でも、一万歩譲って、第一歩として、行政部に行く、行政集中部に行く、何が行政部かというのは、例えば東京地裁では二部、二民、三民、三十八民、五十一民とか全部分かっていますから、行政裁判は担当させない、これをやるべきだと思いますが、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。 各裁判所における裁判官の配置につきましては、下級裁判所事務処理規則に基づきまして各裁判所において決定をしております。国の指定代理人として活動していた者が裁判官に復帰した後の各裁判所における配置につきましても同様に、各裁判所において、個々の裁判官の経験や能力、当該裁判所の事件状況など個別具体的な事情に応じて決定するものですから、裁判官の配置につきまして御指摘のような一律の基準を設けることはなかなか難しいと考えております。 なお、一般論として申し上げますと、事件が分配された裁判体においては、個別具体的な事情を踏まえて裁判の公正を妨げるべき事情がある場合には、当該事件の回避をしたり、あるいは当該事件の分配を変更するなどして、公正な裁判が行われるよう適切に対応しているものと承知をしております。
○福島みずほ君 いや、同種事件やそういうのがあるじゃないですか。長く国の代理人やっていて、じゃ、国を負かす判断が出るのかどうか。これは、いろんな弁護士が分析をして、やっぱりあるときからある種の裁判が負けるようになったと。これ、やっぱり訟務検事を担当した人間が裁判官になっていることが大きいんじゃないかという意見を聞いたりしております。 判検交流なくしたんですよ、裁判官と検察官が交流することはやめた、入れ違いになることはやめた。だとしたら、ここもやめるべきではないかというふうに思っております。せめて行政部に行くことはやめてほしい。訟務検事という制度そのものを、訟務検事制度そのものをやめてほしいと思いますが、少なくとも行政部に行って、今まで、昨日まで国の代理人やっていて、今日から裁判官という、これから裁判官というのは、それはやめていただきたいと思います。 今後もこれについては何度も質問しますが、是非、判検交流をやめた英断をここにも適用していただきたいと思います。 次に、大川原化工機事件についてお聞きをいたします。なぜ起訴を取り消したんですか。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 お尋ねの事案につきまして、東京地方検察庁におきましては令和三年七月三十日に公訴を取り消しましたが、その理由についてもその当時公表しておりまして、公訴事実記載の噴霧乾燥機が軍用の細菌製剤の開発、製造若しくは散布に用いられる装置又はその部分品であるもののうち省令で定める仕様の噴霧乾燥機に該当するということについて、公訴提起後、弁護人の主張等を踏まえて再捜査を実施した結果、その該当性に疑義が生じたことなどの事情を考慮したという理由を公表しているものと承知しております。
○福島みずほ君 つまり、噴霧機で完全に温度が高くならず、完全に殺菌できない。つまり、これを兵器として転用することはできないことが証拠から、実験から明らかになったわけですが、このことは捜査のときの供述などでもはっきり出てきています。あるいは、そういう実験を警察はやっておりますが、それが極めて不十分だった。ちゃんと当該の人や、その大川原化工機の人たちの意見を聞いてちゃんとやっていたら、こんな冤罪、冤罪ですよね、起こさなかったわけですよね。それについてはいかがですか。
○政府参考人(松下裕子君) 先ほど申し上げましたとおり、御指摘の事件につきまして、検察当局においては、公訴提起後の弁護人の主張等を踏まえて再捜査を実施した結果、要件該当性に疑義が生じたので公訴を取り消したということを公表しているものと承知しておりますけれども、それ以上の個別の事件における証拠の内容や評価に関わる事柄につきましては、法務当局としてお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○福島みずほ君 明確に弁護人が主張している、被告人たちが主張しているような、だから、実験やれば、それは無理だと、これは該当をしないということが明らかになったので起訴を取り消したわけですよね。無罪判決でもないですよ。起訴した検察官が、公判、これは検事がやったわけですが、起訴を取り消したわけですよね。 これ、明らかに問題があったということじゃないんですか、捜査に。警察そして検察、いかがですか。
○政府参考人(千代延晃平君) お答えいたします。 お尋ねの件につきましては、公訴が取消しとなったということは、結果として立証が尽くせていなかったということであると認識をしており、真摯に受け止めております。 捜査は、法と証拠に基づき緻密かつ適正に行われるべきものであり、その旨徹底してまいりたいと考えております。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 東京地方検察庁におきましては、公訴を取り消した際、起訴時点ではその時点での証拠関係を前提に起訴相当と判断したものであるが、結果的に後に要件該当性に疑義が生じたことは反省すべき点と考えている旨をコメントしておりまして、また、一般論として申し上げれば、検察当局においては、公訴取消し等を行った場合には、当該事件における捜査・公判活動の問題点を検討し、必要に応じて検察官の間で問題意識を共有して、今後の捜査、公判の教訓としているものと承知をしております。
○福島みずほ君 何を共有しているんですか。
○政府参考人(松下裕子君) 一般論としてということで先ほど申し上げたところですけれども、若干繰り返しになりますが、公訴取消し等を行った場合におけるその事件の捜査・公判活動の問題点を検討し、その内容に応じて検察官の間で問題意識を共有しているというところでございますが、本件に関してということで申しますと、現在、国家賠償請求訴訟が係属中でもありますし、個別事件における検察当局の活動に関わる事柄でもございますので、お答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○福島みずほ君 国家賠償請求訴訟で詳細に論じられていますよね。検察、まあ警察も問題だが、検察も問題だった、あるいは、今現在、証拠の捏造があったんじゃないか、取調べにも問題があったんじゃないか、いろんなことも指摘されています。でも、決定的なのは、法令の適用と、それから、これで細菌を完全に殺菌できないということが明確であるにもかかわらず、にもかかわらず突っ走って起訴をして長期間勾留し、こういう被害を与えたということだと思います。 先日、古庄議員と、それから鈴木宗男議員も質問された人質司法についてお聞きをいたします。 自白した場合と否認した場合の保釈率の違いです。自白した場合は約七一%の人は一か月以内に保釈が認められ、否認の場合は六か月でようやく七四%。 通常第一審における終局人員のうち保釈された人員の保釈の時期、地裁、令和三年ですが、自白の場合は三分の一が保釈されるが、否認の場合は四分の一しか保釈をされない、しかもその割合が、自白をしている場合は、保釈をされている三分の一のうち八割が釈放の日が第一回公判期日の前であると。しかし、否認している場合は、四分の一しか保釈されないが、そのうちの四五・九%にしかすぎないと。第一回公判期日の後、否認しているケースはようやく五三・七%ということで、極めて、自白している場合と否認している場合と違います。 そもそも、被疑者、被告人は無罪の推定があり、本来なら被疑者の段階で起訴前保釈が認められるべきだと思います。トランプ大統領は、逮捕をされましたけれど、次の日に釈放され、無罪を主張しています。これが通常の姿だと思います。無罪を主張して無罪で争うときに、攻撃防御を尽くさなくちゃいけなくて、それが罪証隠滅の可能性がある、おそれがあるとされたら、本当に被疑者、被告人、闘えないですよ。無罪の立証が本当にできないですよ。 捕まえて勾留をして、そして自白をしなければずうっと勾留し続けるというのは、まさに被疑者、被告人の無罪の推定、拘束は極めて例外的でなくちゃいけないということに明白に反するんじゃないですか。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 被告人の保釈は、個々の事案ごとに保釈の要件に照らして裁判所又は裁判官において判断される事柄でございまして、法務当局としてはお答えを差し控えざるを得ないということを御理解いただきたいと思います。 その上で、あくまで一般論として申し上げれば、被告人の供述態度は、罪証隠滅行為や逃亡することについての被告人の主観的意図を判断する資料として重要な意味を持つとの指摘があるものと承知をしております。(発言する者あり)
○委員長(佐々木さやか君) 御質問は。福島みずほさん、質問を。
○福島みずほ君 ちょっと、済みません、ちょっと質問時間があるのでどちらかにしてください。止めてくださっても結構です。じゃ、済みません、質問は続けさせてください。そして、このことはまた大いにみんなで議論をしたいと思います。 ところが、今、それはやっぱり違いますよ。データからいっても明確に、否認している場合と自白している場合と明確に違うじゃないですか。ここまで明らかなんですよ。とりわけ、執行停止中にがんで亡くなった相嶋さんのことについてお話をします。 二〇二〇年九月、貧血を発症し、黒い便が出る。十月一日、検査で胃に大きながんを発見、弁護人が外部病院での診療を拘置所に申し入れたが、聞き入れなかった。十月十六日、八時間だけの勾留執行停止、大学病院で進行性がんと診断、保釈請求したが、検察は罪証隠滅のおそれがあると主張し、東京地裁も却下した。十一月五日、勾留執行停止中に病院で、ただもう手遅れで、車椅子状態、抗がん剤も使用できないという状況で、二〇二一年二月に被告人のまま勾留執行停止中に亡くなるということです。 保釈請求は八回です。自白しないから拘束し続けて、保釈認めない問題もあります。でも、とりわけこの人はがんの告知まで受けているんですよ。大学病院で進行性がんとされていて、にもかかわらず、保釈請求が却下ですよ。これ、裁判所、そして検察官、保釈不相当とした検察官、妥当ですか。
○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。 お尋ねは、個別事件における検察当局の活動や裁判官あるいは裁判所の判断に関わる事柄でございますし、また、現在、国家賠償請求訴訟が係属中でございまして、その中で検察官の公訴提起や勾留請求の国家賠償法上の違法性等についても審理の対象となっておりますことからお答えすることは差し控えますが、なお、一般論として、検察官においては、個々の事案ごとに保釈……(発言する者あり)
○委員長(佐々木さやか君) 発言者の声が聞こえませんので、御静粛にお願いいたします。
○政府参考人(松下裕子君) 一般論として、検察官においては、個々の事案ごとに保釈の除外事由の有無を検討して保釈請求に対する意見を述べるなど、適切に対応しているものと承知をしております。
○福島みずほ君 誰が考えても不相当じゃないですか。何で、がんにかかっていて、がんとちゃんと、がんとちゃんとって変ですが、進行性がんだと認定されて、八回、何で保釈却下なんですか。これで保釈却下ですよ。がんだと分かっても保釈却下ですよ。外に出してもらえない。専門家に診てもらいたいと言っているのに、本当にこの人は気の毒だと思いますよ。 裁判所、たくさんの裁判官がこのケースに関わっています。大川原化工機事件の保釈の請求却下、二十三人とも言われていますが、これ問題はなかったんですか。問題だと思いますよ、余りにひどいと思いますよ。裁判所、どうですか。
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。 保釈の判断につきまして、個々の事件における各裁判体の判断事項につきまして、最高裁判所の事務総局としてお答えすることは困難でございます。
○福島みずほ君 いや、おかしいですよ。 平成二十八年改正による刑事訴訟法なんですが、その判断に当たっての考慮事情として、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情が明記されています。 無罪を主張しているんだったら、防御の準備が必要じゃないですか。無罪を主張している人間が、じゃ、罪証隠滅のおそれがあると言われたら防御できないですよ。 それから、この大川原化工機事件の場合は、明確にがんだと認定されているのに釈放しないんですよ。裁判所、おかしくないですか。何でここで見殺しにするんですか。何で検察官は保釈不相当って言うんですか。でも、これが実態だとしたら、変えなきゃ駄目じゃないですか。人質司法を変えなければならないですよ。誰だってこんな目に遭うかもしれない。こんな裁判、こんな裁判所の判断、検察官の判断、勾留ないですよ。勾留は例外的なのに、何でこの人、死ななくちゃいけなかったんですか。 そして、今日は、お手元に資料出ていますよね、ありますね。ヨーロッパ評議会が作成した、ヨーロッパ人権条約についてのヨーロッパ人権裁判所の判例についてのガイドというのがあります。 これは拘禁継続の理由なんですが、保釈を拒否する四つの基本的な容認できる理由。被告人が公判に出頭しない危険性、被告人が釈放された場合、司法の運営を害する行動を取る危険性、更なる犯罪を犯す危険性、公の秩序を乱す危険性、これらのリスクは正当に立証されなければならず、これらの点に関する当局の推論は抽象的、一般的、固定的であってはならない、ステレオタイプであってはならないというふうに書かれています。こうあるべきじゃないですか。 罪証隠滅の相当な理由がなければならない、相当な理由や具体的なことがないといけない、証拠を破壊するといったようなことがはっきり認められない限り保釈認めるべきじゃないですか。裁判所、どうですか。
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。 現在の刑事訴訟法の枠組みの中で、個々の事件における各裁判体の判断事項でございます。一般論として申し上げれば、被告人が無罪を主張している、あるいは否認していることのみによって罪証隠滅を、罪証隠滅する相当な理由が認められることではなく、それを含めた事案ごとの事情を勘案して判断されているものと承知しております。
○福島みずほ君 だから、それが問題でしょうと言っているんです。 自白している場合と、それからそうでない場合とで全くデータが違う。争っていたら出れないんですよ、出さないんですよ。病気になっても、がんと認定されても、保釈認めないんですよ。こんなのおかしいじゃないですか。せめて、日本の条文、いや、日本の条文の運用に当たっても、せめてヨーロッパ人権裁判所の判例ガイドに沿って、具体性とかこういうことがあるということで認定してくださいよ。 法務大臣、検察官とか、今日聞かれていかがですか。 それから、これ、医療の問題もあります。 先ほども言いましたが、相嶋さん、十分な医療を受けていないですよ。病気で大変な状況で、そして執行停止ですよ。この中で、がんの可能性がある、がんと認定ようやくされて、もうそのとき手遅れなんですよ。これ、拘置所の失態じゃないですか。
○国務大臣(小泉龍司君) 御指摘の点、また御指摘の事案、これは現在係争中でありますので、その点に直接お答えすることは差し控えたいと思いますが、まず一般論として、被収容者の健康の保持、これは拘置所を含む刑事施設の重要な責務であります。そして、この点を踏まえて、刑事施設においては、被収容者の健康状態に注意を払い、医師による診療や治療薬の処方等の必要な医療措置を講じているものと承知しておりますが、引き続き、先生御指摘の点も含めて、今後とも、改善を要する点がないかどうか、常に医療体制の見直しを図りながら、被収容者の健康管理にしっかりと努めていきたいと思います。
○福島みずほ君 大臣が改善する点があればと言って、今後も検討すると言っていただいて、ありがとうございます。 この件は明確に医療が問題だったんです。何でこの人はがんの治療を受けられなかったか。本人は望んでいますよ、専門医の診断が欲しいって。そんな診断を受けられなくて、結局手遅れで亡くなっている。これは明らかに拘置所、収容施設の中の医療の欠陥ですよ。こんな形で死ななくちゃいけないというのは欠陥があると思います。 大臣におかれましては、被拘禁者の医療の問題について本当に取り組んでくださるよう強く求めて、質問を終わります。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。よろしくお願いいたします。 今日は、家庭裁判所の調査官の人員体制についてお伺いをいたします。 今、衆議院の方でも民法の改正法が審議をされております。子供をめぐる紛争の中で、調停や裁判、審判であったり、その中で欠かすことができないのが家庭裁判所の調査官という立場の方ではありますけれども、なかなか一般には、この調査官が具体的に何をしてどんなふうに大事なのかというところも、まだまだ知られていない面も多いのではないかなというふうに思っています。 私自身は、家庭裁判所調査官、現状の体制では全く足りないと、また、スキルもしっかりと付けていただきたいというところも個人的には思っているところではあります。 客観的なところから今日お伺いをさせていただきます。まず、家庭裁判所の調査官というのはどういう資格を持たれた方で、また、家庭裁判所ではいかなる事件でどのような業務を担っておられるんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) お答えいたします。 家庭裁判所調査官は、裁判所職員採用総合職試験に合格後、家庭裁判所調査官補として約二年間の養成課程において、心理学、社会学、社会福祉学、教育学等の行動科学の知見や技法を習得し、修了試験を経て任官いたします。 家庭事件におきましては、家事事件及び少年事件について、裁判官の命令を受けて、行動科学の知見や技法を活用し、調査、調整を行っております。家事事件等におきましては、子の利益に配慮した解決を図るために、裁判官、調停委員会が家庭裁判所調査官の関与が相当と判断した事件に、事案に応じた形で関与しているものと認識しております。 事件種別としては、審判事件、調停事件、人事訴訟事件等幅広い事件に関与しておりますが、そのうち、特に面会交流事件、子の監護者指定事件、夫婦関係調整調停事件など、子をめぐる紛争のある事件に関与することが多いものと認識しております。 以上です。
○伊藤孝江君 特に、今、子をめぐる紛争の中での役割ということをお話しいただきましたけれども、実際にはその調査官の専門性というのはどのような、調査の中でどう発揮をされるというふうにお伺いすればいいでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 家庭裁判所調査官は、子の親権や監護権、親子交流、面会交流等、子をめぐる紛争のある事件におきまして、子の利益を適切に考慮するために行動科学の知見等を活用して調査を実施しております。例えば、子の面接をする際には、発達心理学や両親の紛争下に置かれた子の心情についての専門的な知見を活用し、子の置かれている状況を踏まえつつ、子の年齢や発達状況等に応じた調査を行っております。 また、調査報告書におきましては、子の言動を分析、評価するに当たっては、調査で収集した情報を臨床心理学等の行動科学の知見等を活用して多角的に検討し、子の利益にかなう紛争解決の方向性について意見を述べるよう努めております。
○伊藤孝江君 今、調査官が子供の心理であったり状況等を踏まえて調査をして、結果、結論を出していくというところかと思うんですけれども、ちょっと済みません、通告には入れていないんですが、子の手続代理人と調査官との違いというところで、どういうところ担われているのかというところ、御説明いただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 調査官は、先ほど述べたような形で、全般的に、裁判所が必要と考えたときに、先ほど述べたような行動科学の知見等を活用した調査をするということになります。 未成年者についての手続代理人につきましては、子供が利害関係参加をするといった場合に子のその手続代理をするために選任されるということで、手続的には大分違いますし、目的も違うんだろうと思っております。
○伊藤孝江君 その手続代理人の方は子供の立場に立って子供の意見を代弁する代理人としての立場で、調査官というのは客観的に中立公正な立場で判断をする役割というような分け方でいいでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) そういった見方もできると思っております。
○伊藤孝江君 先ほど来お聞きをしていても、調査官のお仕事というのはかなり専門的でもありますし、心理の面だったり社会学的なところも含めて、かなりいろんな経験とか知見とかというのが必要なお仕事だというふうに見受けられますけれども、実際に仕事をし始めて、最初から調査官というのは一人で一つの事件担当されるというような形なのか、どのような形で最初の教育、育成というところをされるのかという点について教えていただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 家庭裁判所調査官は、先ほど申し上げたように、家庭裁判所調査官補とまずなりますが、調査官補として約二年間の養成課程におきまして、裁判所職員総合研修所における集合研修のほか、所属庁におきましても、指導担当の家庭裁判所調査官の指導の下、実際の事件を担当することを通じて育成します。 また、家庭裁判所調査官に任官した後におきましても、個別具体的な事件におきまして、他の家庭裁判所調査官から助言を受けたり共同で調査をしたりするなど、OJTにおいて育成しながら調査事務に当たっているものと認識しております。 また、任官後の若手家庭裁判所調査官を対象とした研修も実施されているものと認識しております。
○伊藤孝江君 現状で、家庭裁判所への調査官の配置状況というのはどのような状況になっておりますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 御質問の家裁調査官の配置につきましては、家庭裁判所の本庁五十庁の全て、それから支部の二百三庁のうち百十三庁にそれぞれ配置されております。
○伊藤孝江君 じゃ、出張所には常駐の調査官はいないということでよろしいんですね。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) 御指摘のとおり、出張所七十七庁ございますが、家裁調査官は配置されておりません。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。 今、支部の方で二百三のうち八十三というふうに御説明いただきましたけれども、この調査官が配置をされていない、配属がない家庭裁判所でも当然子供をめぐる事件というのはあるかなということは想定されますけれども、この調査官が配置されていない家庭裁判所で仮に調査官調査が必要だというような事件が来た場合には、どのように対応されているんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 改めて答弁させていただきますが、家裁調査官の配置、家裁の支部二百三庁のうち百十三庁に配置しております。その上で、今の御質問に対してお答えをさせていただきます。 家裁調査官の具体的な配置数、配置につきましては、事件数のみならず、近隣の支部からの交通事情や扱っている事件種別、事件処理状況などを総合的に踏まえた上で必要な体制を整備しており、事件数が少ない庁につきましては、人員の有効活用の観点から家裁調査官を配置していない庁がございます。 このような家裁調査官が配置されていない庁につきましても、近隣庁に配置されている家裁調査官が配置されていない庁に出向いて事件を担当する填補を行うことで必要な事件処理を行っているところでございます。
○伊藤孝江君 調査官が配属している、調査官が配置されている家庭裁判所でも、事件動向等によって調査官が不足をしているというときも当然あるかと思います。そのような場合には、調査官が配置されているところにも他の家庭裁判所から調査官が来るということもあるんですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 一時的に急激な事件数の増加があった場合など当該家庭裁判所の家裁調査官だけで対応することが困難な場合には、近隣の家庭裁判所からの応援体制を組むなどして、事件処理の対応を適切に行っているものと考えております。
○伊藤孝江君 ちょっと質問予定していたのを飛ばしますけれども、子をめぐる紛争で調査官の役割がかなり大きいという中で、例えば、一般的には離婚、夫婦関係の調整で離婚の事件と、親権、今であればどちらが親権者になるのか、また養育費をどうするのか、面会交流をどうするのかというところで、かなり調査官が担う役割というのが大きくなってくるのかと思いますけれども、これらの調停については必ず調査官が担当するというふうになるという扱いを現在されているのかどうかということ、また、調査官が担当しない、子をめぐる紛争があるにもかかわらず調査官が担当しない事件があるとすれば、どのような基準でどの段階で調査官を付ける付けないを判断をするのかということについて御説明いただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 委員御指摘のような親権、面会交流、養育費をめぐる紛争のある夫婦関係調整調停事件におきまして家庭裁判所調査官を関与させるかどうかは、子をめぐる紛争の内容、子の状況その他の事情を踏まえ、裁判官及び調停委員から成る調停委員会において適切に判断されているものと認識しており、委員御指摘のような事件で必ず調査を行うことになるものではないと認識しております。 家庭裁判所調査官を関与させるかどうかにつきましては、第一回期日前あるいは続行期日の各段階において、随時、調停委員会と家庭裁判所調査官が必要な情報を共有し、紛争の経過や子を取り巻く状況等を踏まえ、その関与の要否について検討、判断がされているものと認識しております。
○伊藤孝江君 私、個人的には、もう全件調査官を付けるべきだというふうに思いますけれども、ちょっとその点のやり取りは置いておいて、調査官は具体的にどのような調査を行うのかと。また、調査を実際に開始をしてから報告書を提出するまでにどのぐらいの期間、平均してというのが適切かどうかは分かりませんけれども、一般的には想定されていますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) まず、前段のお尋ねでございますが、例えば子の監護をめぐる事件におきましては、家庭裁判所調査官は、子との面接、親との面接、関係機関の調査などを実施して、子の監護状況や生活状況、心身の状況、また子の意向、心情等を把握しているところでございます。 また、後段のお尋ねの平均調査期間につきましては、統計を取っておらずお答えすることは困難ですが、その上で、調査期間は事案の性質や調査の内容に応じて長短がございますが、おおよその感覚で申し上げますと、調査の命令を受けてから調査報告書の提出までの期間は、多くの場合、おおむね一、二か月程度であるものと承知しております。
○伊藤孝江君 ありがとうございます。 結構、私、今、一、二か月と聞いて驚いたんですけど、そんな早かったですかね。 先ほどまとめて言っていただきましたけれども、子供と会って話を聞く、当然これも、家庭裁判所に子供を呼んで一時間話を聞きましたというようなことではなかなか仲よくもなれなければ、本当に子供の気持ちも聞けないので、例えば一旦家庭訪問に大体行かれるのかなと。家庭訪問に行かれるとか、何度か会って子供の気持ちを聞くとか、また御両親それぞれ、お父さん、お母さんの、会って面談をして話を聞いたり、また学校であったりとか病院であったりとかも含めて、関係しているところがあれば、そこにも大体行かれるとか含めて事情を聞く。 今養育をしている家で養育状況がどうなのかということで家庭訪問もされて、家の状況とか、もし家に同居をされている例えばおじいちゃん、おばあちゃんもいるとかということになるんであれば、そういう方の話を聞いたりとかを含めて、話を聞くだけでもかなりのことを実際にはされているのかなと思っていましたというか、私の経験上はそういうふうな対応もしていただいておりましたし、その中で、例えば面会交流ということも含めて、通常は一緒に事件となっている場合が多いですから、試行的面会交流、親子交流ですね、一度会わせてみてはどうかと。 この話をどんなふうに、どんな条件でやっていくのかというのを詰めるのもなかなか大変なところもあります。じゃ、こうしましょうということを家庭裁判所でやるにしても、日程を調整をして子供にも来てもらわないといけないというのもあります。学校があれば、じゃ、どうしようかとか、とてもじゃないけれども、それを全部やって、その後、報告書を書いて裁判官に提出をしますから、それを一、二か月というのは、ちょっとかなり今はしょっておっしゃられていませんか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 繰り返しになりますけれども、統計は取っておりませんので、あくまで実務上の感覚ということを申し上げたわけでございますが、例えば調査命令を発される発令前から調査に向けて様々な準備をしていっています。当事者の方から陳述書を出していただいたり、そういったもろもろの調査の準備が整った段階で調査命令を発令するということでございまして、準備を含めるともうちょっと長いことかもしれませんけれども、繰り返しになりますけれども、調査の命令を受けてから調査報告書の提出までの期間はおおむね一、二か月程度であるというのが実務上の感覚であるというふうに承知しております。
○伊藤孝江君 分かりました。感覚ということで受け止めておきたいと思います。 今、その事前の調整ということもおっしゃっていただきましたけれども、通常、調停が始まって期日が重ねられる中で、争点を明確にしたり、じゃ、調査官の調査をしましょうとか、必要ですよねとか、何をやりましょうかというのもしながら、途中で調査官の調査が入ってくるというような流れかと思いますけれども、調査官がこの調停期日、実際の調査以外の調停の期日まで同席を全てしているのかどうかということ、また、その方針について最高裁としてはどのように考えておられるのかという点について教えていただけますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 家事調停手続におきまして、例えば事案の経緯、現状、当事者の思い、こだわりといったものについてまず把握するのは基本的には調停委員会の役割でございまして、調停委員会が必要であると判断した場合には家裁調査官を期日に立ち会わせることができるというのが法律の規定になっております。 子をめぐる紛争のある夫婦関係調整調停事件におきましても、その紛争の内容や、子の状況その他の事情を踏まえ、調停委員会において家庭裁判所調査官が調停期日に立ち会うべきか否かを適切に判断しているものと認識しております。 したがいまして、全ての調停事件において家庭裁判所調査官が期日への立会いをしているものではありません。
○伊藤孝江君 この調査官が調停期日に同席をすることというのは私はすごく大事だと思っています。紛争性が強いような事案のときには、大阪で私が調停委員やっていたときに、また代理人をしていたときでも、調査官が全ての期日に同席をしていただくということも多くありました。 調査そのものだけではなく、ふだんお父さん側がどんな言い分を持っていて、お母さん側がどんな言い分を持っていて、また、どこにこだわっていて、どこなら譲れそうで、どこなら絶対駄目だとかというような考え方とか価値観等も含めて、御両親の思いであったり、そういうもろもろの客観的な状況を見た上で調査をして判断をしていくということでなければ、子供に、じゃ、お父さん、お母さんの意向が、どんな影響が実際考えられているのかどうかとか、この後どんなふうにしていったらより円滑に、多少なりとも納得をしていただくことが増えるようにしていくことができるのかというのは、やっぱり御両親のそういう思いも踏まえなければできないと思っています。 なので、この調停期日に調査官も同席をして、調停委員とのやり取り等を含めて確認をしていくということは必須じゃないかと考えますけれども、もう一度、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 調停事件、例えば面会交流の事件を取っても、葛藤の強さ、あと当事者のそれぞれの状況、事案によっては様々でございまして、事案によっては、委員御指摘のとおり、期日にもしっかりと立ち会って、調査官がしっかりと立ち会うべき事件もあろうかと思いますし、事案によってはそうではないという事案もあろうかと考えております。
○伊藤孝江君 それを適時適切に調停委員なり裁判官が判断をしながらやっていくということなんだろうとは思うんですけれども、基本的にはやっぱり同席をして聞いていくというような方向性とか必要性をもっとしっかりと示していただきたいというふうに思っています。 例えば、東京家庭裁判所、ここが全国的に一番多いのかなと勝手に想像しているところなんですが、調査官が何名配属されて、一人当たり並行して同時に何件程度の、調査官ですね、事件を担当されているのかということと、また年間でどのくらいの報告書を作成されているのかという点について教えてください。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) まず、現在、東京家庭裁判所本庁には家庭裁判所調査官が約百十名配置されております。 令和四年の家事事件、人事訴訟事件及び子の返還申立て事件において調査を受命した事件の総数は六千六百五十六件ですが、例えば面会交流や子の監護者指定事件につきましては、子の数に応じて事件が申し立てられることとなるため、同じ父母間の紛争事件であっても複数の子がいる場合には複数の事件としてカウントされます。他方で、調査報告書は一通作成されるということになりますので、事件数と調査報告書の数が一致しないこととなります。 したがいまして、東京家庭裁判所の家庭裁判所調査官が同時に実質何件程度の事件を担当し、調査報告書を作成しているかについて正確な数字をお答えすることは困難でございます。
○伊藤孝江君 であれば、調査官が足りているのか足りていないのかということの判断も難しいのではないかと考えますけれども、時間になりましたので、今日はこれで終わらせていただきます。
○清水貴之君 日本維新の会の清水です。よろしくお願いをします。 まずは、裁判員制度についてお聞きをします。 司法制度改革の一環として二〇〇九年から始まっていますので、今年で十五年となります。その間、裁判員になられた方、大体九万人余り、欠員が出た場合の補充裁判員になった方が三万人余りということで、一定の役割を果たしてきているのかなと思うんですけれども、これも数字、データを見ますと、辞退率というのが非常に高いということなんですね。 まず、始まった頃、大体半分ぐらいの方が、様々事情はもちろんあると思います、仕事の事情、家庭の事情があったりして、何回も出席しなければいけないとか、そういった身体的な拘束といいますか、出なければいけないところがあるわけですから、どうしてもやっぱり参加できない方もそれはたくさんいらっしゃるのももちろん理解をするんですが、当初は五〇%ぐらいだったものが今では大体六〇%台後半、七割近い方が辞退をされるということです。 そうしますと、一定程度、やっぱり参加しやすい方、してもいいよという方にこの業務というのが偏るような傾向も出てきてしまうのではないかなというふうにも感じていまして、そうすると、国民の中から幅広くという本来の趣旨とはずれが生じてきてしまうのかなというふうにも思うんですが、こういった今の現状について、また、審理が長引いているのも原因の一つではないかと言われていますけれども、そういった辞退が非常に多い現状についてはどのように考えていますでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(吉崎佳弥君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおりの辞退率の傾向でございますけれども、それに対しまして、裁判所としての取組についてお答え申し上げたいと存じます。 各裁判所におきまして、まずは裁判員候補者に対する呼出し状が不在を理由に不送達となった場合に再送達するという取組、また事前質問票が期限までに返送されなかった場合、書面で返送依頼をするという取組、あるいは勤務先向けの協力依頼書面や裁判員経験者の感想を分かりやすくまとめた書面を呼出し状に同封することなどといった裁判員等選任手続における運用上の工夫を図ってきているところでございます。あわせて、積極的な広報活動も行ってきているということを承知しております。 御指摘の辞退率でございますけれども、令和五年までの数値を見ますと、いずれも平成三十年以降横ばいで推移している状況にあり、これらの数値の推移を今後とも引き続き注視するとともに、今申し上げた運用上の工夫を継続しつつ広報活動にも一層力を入れるなど、幅広い国民の参加を得るための努力を続けてまいりたいと考えております。
○清水貴之君 参加した方に対しては守秘義務というのが課せられます。裁判員法でこれ定めておられまして、評議で誰がどんな意見を言ったとか評決での多数決の数をこれ秘密としまして、漏らすことを禁じ、罰則もあるということです。 当然、内部の情報、プライバシーのこととか、言ってはいけないことが多数ある、多々あるというのも理解をいたしますが、一方で、これ裁判員経験者の方、裁判員制度の施行状況に関する検討会のヒアリングというのをこれ法務省がされていると思うんですが、やはり守秘義務が大分厳し過ぎるのではないかと、若しくは分かりにくいというような意見も出ています。何をどこまで言っていいのか、言っては駄目なのか、こういった線引きというのが分かりにくいというような意見も出ています。 この辺りも、もしかしたら参加、皆さんがしにくい、辞退率が高くなっている原因ではないかなと、その一つではないかなとも感じますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(松下裕子君) お答えします。 裁判員の守秘義務につきましては、今御紹介いただきましたように、裁判員法の九条二項におきまして、裁判員は七十条一項に規定する評議の秘密その他の職務上知り得た秘密を漏らしてはならない、七十条一項におきまして、構成裁判官等のその評議やそれぞれの裁判官、裁判員の意見並びにその多少の数などについてはこれを漏らしてはならないというふうに定められておりまして、御紹介いただきましたように、平成三十一年一月から令和二年十二月まで裁判員制度の施行状況等に関する検討会においても、裁判員の経験を共有するために守秘義務を緩和する必要があるかどうかという点について議論が行われましたが、その中で、守秘義務は裁判の公正さを保ち、裁判員への請託や威迫から裁判員を保護するために必要である、経験を共有するために評議の中身や裁判員、裁判官の意見の内容等についてまで守秘義務の範囲から外す必要性があるのか慎重に検討する必要がある、また、守秘義務の範囲を変更するとした場合、現行の制度以上に明確に対象範囲を切り分けることができるのか疑問であるなどの御指摘がありまして、守秘義務の範囲を変更すべきとの意見は見られなかったところでございます。 こうした御議論を踏まえますと、裁判員に対する守秘義務を緩和するということについては慎重な検討が必要であると考えられます。
○清水貴之君 あともう一点なんですけれども、二〇二二年の民法改正で成人年齢というのが引き下げられました、二十歳から十八歳に引き下げられました。それに伴いまして、この裁判員の対象も二十歳から十八歳になったということなんです。 これはもちろん連動しているものなのでそうかなとも思うんですが、ただ、じゃ、十八歳、十九歳の方たちに裁判員になってもらってその判断を下すということが、非常にある意味重い判断をしなければいけないわけですよね、殺人ですとか強盗致傷罪など重大な刑事事件が対象になるわけですから。それを、この十八歳、十九歳、これまで少年と言われていたような年齢の方々がその事件の中身を聞いて、映像など若しくは見ることもあって、そして死刑という判断を下さなければいけないかもしれないというのが非常に精神的にも負担になるのではないかと。 じゃ、それに合わせてしっかりと法教育がされてきているかといいますと、なかなか、これは二〇二二年ですね、これ少年法の改正時に法務省が法教育の実施状況を調べるため全国の中学校を対象とした調査ですけれども、法律家らの外部人材と連携した授業の実施とか法務省作成の法教育教材の活用、大体一割前後ということですから、学校教育ではなかなかされていないわけですね。 そういった現状の中で裁判員に選ばれて、参加して、そして重い判断を下さなければいけないというのは、なかなかその十八歳、十九歳という年齢を考えた場合には大きな負担にもなってしまうのではないかとも感じるんですが、この辺りについてはどのように考えますでしょう。
○国務大臣(小泉龍司君) 裁判員の選任資格につきましては、裁判員法十三条で、年齢ではなく衆議院議員の選挙権を有する者と定められております。これは、裁判員は三権の一翼を成す司法権の行使に直接参画することから、同様に三権の一翼を成す立法権の行使に間接的に関与し得る資格を有する者であるべきであると考えられた、そういった理由によります。この選挙権を有する者の年齢が十八歳に引き下げられたことなどに伴い、現在、裁判員の選任資格は十八歳以上の者となっております。 したがって、こういう制度的な配慮の中で決められてきておりますので、十八歳及び十九歳の者を裁判員の選任資格の対象から除外する法改正を行うことについては慎重な検討を要すると考えております。
○清水貴之君 除外は必要ないと思います。ただ一方で、その年齢に対するサポートですよね、こういったことはあってもいいのではないかなというふうに考えているところです。 変わりまして、先ほど伊藤さんからもありました民法改正に向けての家裁の整備体制について伺いたいと思いますが、まず初めに、先ほど答弁で調査に掛かる期間というの、データを取ってないという発言があったんですけれども、発言されていましたが、これ何で、データというか統計ですね、統計を取っていないという発言でしたが、統計何で取らないんですかね。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) ちょっと準備しておりませんのですが、取っていないというところでございます。済みません。それ以上お答え、現時点ではできません。
○清水貴之君 理由がありますよね、取らないなら取らないという理由が。それは何で取らない。 次、これから、多分みんな思っていることで、衆議院でもさんざん議論になってきていますが、恐らくこれから家庭裁判所の話で出た調査官の方の業務は増えていくだろうというのはみんな思っていて、大丈夫なのかなということを感じているわけですね。ですから、これからどれぐらいの人をどうやって充てなきゃいけないかというのは、しっかりとデータに基づいてやらなければいけないと思います。 これまでは、ちょっとまだ民法改正されていませんから、その辺り、今まではある程度の慣例とかでやれてきたのかもしれませんが、とはいえ、ちゃんと、どれぐらい期間掛かって、どこにどれぐらいの人材が必要かというのは、しっかりと統計を取りながら詰めていってもいいのではないかと。今はデジタル化社会と言われている時代ですから、もっとそういったところに力を入れてもいいんじゃないかと思いますが、なぜやってきていないんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 少なくとも、現時点で調査官の業務の把握としては、例えばどれだけの調査を受命しているかとか、そういった統計は当然取っておりまして、どういう種別のどういった受命を受けているかというところを考慮して事務負担というのを測っているというところでございます。
○清水貴之君 ということは、特にデータに基づかなくても今は割り当てられていて、そして、それで過不足なくといいますか、しっかりと充当されていて、問題なく業務が進んでいるという、そういったことなんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 繰り返しになりますが、調査受命の件数などといったデータに基づいて様々な検討をしているというところでございます。
○清水貴之君 様々な検討って何ですか。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 業務、済みません、ちょっと言葉があれですけれども、配置等を検討しているというところでございます。
○清水貴之君 今後なんですけれども、まず、この民法改正、今審議中ですから、改正されたらという話には当然なりますけれども、そういった場合に、じゃ、どれほどの業務が増えて、どれぐらいの人が必要になってくるか、それに合わせて、どうやってその人材を補充していくか、充てていくか、それはどのように今考えているんでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 裁判所は、これまでも事件動向等を踏まえて着実に裁判官あるいはその他の職員を増員してきたところでございます。とりわけ、平成二十五年以降につきましては、民事訴訟事件の審理充実を図るほか、家庭事件処理の充実強化を図るために、事件処理にたけた判事の増員を継続的に行ってまいったところでございます。また、各裁判所におきましても、家事事件を担当する裁判官等を増員するなど、事件数増を見据えて、家事事件処理のために着実に家裁の体制を充実させてきたところでございます。 今般、家族法の改正等も今審議されているというところでございます。裁判所に期待される役割というのがこれまで以上に大きくなるものというふうには考えているところでございます。裁判所といたしましては、そのような法改正があった場合におきまして裁判所に期待される役割を適切に果たしていけるように、引き続き必要な体制の整備にしっかり努めてまいりたいと考えております。
○清水貴之君 役割がどうだとかいう話ではなくて、じゃ、それに向けて、おっしゃるとおり、どう体制を整えるかなんですが、それはどう見込んでいるんですか。それは、やっぱりある程度シミュレーションをしながら、これ時間が掛かる話だと思うので、そんなすぐに、先ほどちょっと足りなかったら近くからとかいう話もありましたが、これはもっと大きな話で、全国的に動く話だと思います。そういった感じで大丈夫なのかなというふうに思ってしまうんですけれども、その辺りはいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 今、改正法についての審議がされているというところでございます。今回、私どもの方でお願いをしております裁判所職員定員法の改正に当たって、この今回のものがそういう法改正を前提としたものになっているわけではないということは、そのとおりでございます。 今後どうするかということですけれども、先ほども少し申し上げましたが、今事件数自体は落ち着いているというところがございます。民事、刑事の、あるいは少年事件の事件数が落ち着いている、減少傾向にあるという中で、新しい制度も入ってくると。それらを総合的に考慮しながら必要な人員を、体制を考えていくということになりますので、現時点において具体的にこうするということがあるわけではございませんけれども、そういう事件数の増減を見ながら、例えば別の部門から家事への部門への人員を配置を換えていくというようなことも含めてもろもろ検討してまいりたいと思いますし、更に必要があれば適切な人員の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○清水貴之君 その辺り本当に、最後、大臣にお伺いして終わりたいと思いますが、非常に大きな今流れになってきていますが、法務省として、もちろんサポートもそうですし、もっと前もって、ある程度はやっぱり見えてきている、分かる部分もあると思いますので、対応が必要ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小泉龍司君) 今回の民法改正案の提出に当たって、あるいはその成案作るに当たって、日常的に裁判所とは意思疎通をしています、情報共有しています。そういう場面の中で、裁判官の役割が非常に重くなる、広くなる、したがって是非よろしくお願いしたいという立法趣旨を含めた御説明、お願い、意見交換をしております。 それを踏まえて、裁判所としては、適切な、この法案が成立した場合には適切な審理が行われるような対応がなされるものと承知しておりますけれども、法務省としても、これ先生からいただいたお言葉ですが、後方支援、しっかりとバックアップする、それは大事な課題だというふうに思っています。 例えば、国会審議の中で明らかになった解釈等について裁判所と適切に共有する、そういったことも含めまして、しっかり連携を取りながら、法律が成立した後の話でありますけれども、取り組んでいきたいと思います。
○清水貴之君 ありがとうございました。
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典です。 定員法の一部改正する法律案について、まず質問させていただきたいと思います。 今日、ちょっと花粉症で喉の調子がおかしいものですから、お聞き苦しい点があったら御容赦を賜りたいと思います。 まず、通告した質問の一点目。裁判所の適正な職員定員を考える上での、令和二年から五年計画で定員合理化目標数というのが当時、内閣人事局通知で出された。それに伴って、基づいて裁判所の職員の定数の見直しというものをこれまで行ってきたわけですが、この一連の取組を行うに当たっての内閣人事局長通知の位置付け、それから進捗状況についての裁判所の評価をまずお聞かせください。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 裁判所といたしましては、裁判所の事務への支障の有無等を考慮しつつ、政府の定員合理化に協力するための定員合理化を行っているところでございます。 裁判所は行政機関ではございませんので、政府の定員合理化計画に直ちに拘束されるものではなく、政府において裁判所の定員合理化目標数が定められているわけではありませんが、国家公務員の定員をめぐる情勢が厳しさを増す中で、引き続き裁判所としての必要な体制を整備していくためには、国家の一機関として、他の行政官庁と同様に事務の効率化等必要な内部努力を行い、定員合理化に協力することが必要であると考えているところでございます。 もっとも、事件処理に支障があってはなりませんので、その年々の状況に応じてどのような体制を整備していくべきか、裁判所が自主的、自律的に判断しているところでございます。 これまでの状況について具体的に申し上げますと、令和二年度は五十七人、令和三年度は五十六人、令和四年度は六十五人、令和五年度は六十五人の各合理化を行ったところでございます。令和六年度につきましても、検討した結果、七十人の合理化を行うこととしたものであります。
○川合孝典君 取組は裁判所の独自の判断で順調に進めていらっしゃるということで理解しましたが、この合理化を行うに当たって、いわゆる職員さんの生首を切るような、そういう問題が生じているかどうかということについて、ともかく減らさなければいけないということで、無理を現場に掛けて減らしているのではないのかということについての懸念の声が一部あるわけですが、その点についての指摘について意見があったらお伺いします。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 今回の減員は、技能労務職員及び裁判所事務官を対象とするものでございます。減員に当たりましては、定年等による退職に際しまして、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、外注化による合理化等のほか既存事務の見直しによる業務の最適化等を行うことによって欠員を補充せず減員することが可能かを判断をし、後任を不補充とすることにより生じた欠員について定員合理化をしているところでございます。今回の減員により職員を退職させるというようなことをしているわけではございません。
○川合孝典君 ありがとうございます。 次の質問に移りたいと思います。 家事事件の新受件数が年々増加していることなどによって、一部の、一部審理期間が長期化する傾向があるということが指摘されております。こうした状況の中、昨年、この法案が審議されるたびに私質問しておりますけれども、裁判所職員の労働時間管理についての現状及び労働時間の傾向について御確認をさせていただきたいと思います。 以前この質問をしたときには、労働時間管理をしていないに近い答弁をいただいて愕然としたことを覚えておりますが、その後、取組が始まったということも伺いましたので、現状の取組状況について確認させてください。
○最高裁判所長官代理者(徳岡治君) お答え申し上げます。 裁判官以外の裁判所職員の勤務時間管理につきましては、現在のところ、登庁簿を用いて始業時刻までに登庁しているかを確認するとともに、管理職員が勤務状況を現認するなどの方法により終業時刻まで勤務していることを確認をしております。 また、超過勤務につきましては、職員が事前に管理職員に申告をして、管理職員が超過勤務の必要性あるいは緊急性を個別具体的に判断し、実際の勤務状況、失礼しました、実際の超過勤務の状況につきましても管理職員が現認することを基本として、適切な把握に努めているところでございます。 なお、現在、職員の出退勤時刻や超過勤務の申請など勤務時間を管理するシステムの導入に向けた検討を行っており、本年一月に最高裁におきましてこのシステムの試験的運用を開始したところでございます。 また、御質問の労働時間の傾向につきましては、下級裁判所の行政職俸給表(一)六級以下の職員等の一人当たりの一月の平均超過勤務時間は、令和二年度から令和四年度まで順次見てみますと、五時間十六分、五時間十四分、五時間九分となっておりまして、おおむね横ばいで推移をしております。 いずれにしても、今後とも職員の勤務時間の適切な管理に努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 速やかに指摘に対して対応いただいたことについては率直に評価をしたいと思います。 その上で、五時間ちょっとということで、民間企業出身者からすると驚くほど残業時間が短いということで、そのこと自体は大変に結構なんですが、時間外労働が増えない分、審理期間が延びるということになると意味がございませんので、その審理期間への影響等について、これ審理期間が延びているような分野は何かあるかどうか、確認させてください。
○委員長(佐々木さやか君) どなたが答弁されますか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 今直ちに資料がつまびらかにないのでございますが、今、裁判所においては審理期間の長期化というのが一つの懸案になっているというのは御指摘のとおりでございます。民事訴訟におきましても、複雑困難な事件を中心としまして、審理期間が長期化しているというところについては、懸案として考えているところでございまして、審理の在り方等、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○川合孝典君 この問題についてしつこく質問させていただいている理由は、労働時間管理ができていない状況の中で適切な定員というものが議論できるわけがないわけでありますし、いわゆる労働時間管理を厳密に行うことで結果的に審理期間が延びるということなのであれば、審理期間が延びないようにするためにどれだけの要員の配置が必要なのかということについて、そこから初めて議論を始めることができるということであります。 したがって、このことを繰り返し質問させていただいているということを御理解いただいた上で、いわゆる労働時間管理と審理期間、労働時間の管理を行うことが審理期間に与える影響についても是非ちょっと精査をしていただきたいと思います。 そのことを踏まえて質問で通告させていただいておりますので、組織の適正人員を考える上での労働時間管理の必要性についての御認識を改めてお伺いしておきたいと思います。これは通告している分です。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 今委員の方からも御指摘をいただきました労働時間を適切に把握すること、裁判所における人員配置をどのように行うかということを考えるに当たっても重要なものであるということについては私どもとしても認識しておるところでございます。 その上で、裁判所といたしましては、先ほど人事局長の方から申し上げたような形で職員の労働時間の適切な把握に努めているというところでございます。これまでも、各庁におきましては、事件動向、事件処理状況に加えて、把握した労働時間等の実情を考慮した上で事務量を見極め、比較的事務処理状況に余裕のある部署から多忙な部署へ人員をシフトするなどして柔軟な対応を行っているものでございます。 最高裁といたしましても、今後も引き続き、様々な協議会や下級裁との意見交換の機会等も含めて各庁の実情を把握するとともに、各庁において適切な対応が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 ありがとうございます。 ここまでの質問を踏まえて次の質問に移りたいと思いますが、先ほどから何人かの委員の方も少し触れていらっしゃいますけれども、今国会で民法改正法案が審議をされることになっておりますが、このことによって家庭裁判所で扱う業務の負荷が増えるということについて懸念の声が上がっていることは御承知のとおりだと思います。 調べてみましたところ、協議離婚、いわゆる離婚に占める協議離婚の割合、それから調停離婚、これ足すと九六、七%が協議離婚か調停離婚ということになっております。その背景にあるのは、これまで単独親権しか認められてこなかったということがあり、そのことの影響もあって今の現状がある。 それに対して、今回、選択的にとはいえ、共同親権というものが導入をされるということになった場合に、当然のことながら、いわゆる裁判所が関与する案件数というものが増えてくることが容易に想定できるわけでありますが、これ最高裁にお伺いしたいと思いますが、今回の民法改正法案が仮に成立したとして、家裁が関与する件数、比率というものはどの程度上昇するのかということを、想定しているのかも含めてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(馬渡直史君) 御指摘の民法一部改正法案が成立し施行された場合、離婚に際し父母の双方を親権者と定めるという選択肢が増えることになりますので、離婚後単独親権ということであれば、これまで父母いずれかを親権者とするかについて合意をすることができたような事案であっても、新たな選択肢をめぐって合意をすることができず、その結果、協議上の離婚ができない事案が発生するということも考えられますが、その一方で、新たな選択肢が言わば合意の受皿となり、協議上の離婚が可能となる場合もあり得るものと考えられます。 いずれにせよ、この御指摘の法案が成立し施行された後の事件動向を現時点において的確に予測することは難しく、お尋ねについてお答えすることは困難であるというふうに考えております。
○川合孝典君 現時点ではそう答えるしかないのかもしれませんけれども、いわゆる共同親権を既に導入している国における裁判の動向等を考えたときに、現状の状況から何も変わらないということは考えられないわけでありまして、そのことを踏まえて、いわゆるこれ賛成派の方も反対派の方も口をそろえて裁判所の体制が不十分であるということは指摘をされているということを考えたときに、つまりは、実際、裁判に訴える方が増えるであろうということを当事者の皆さんが想定をされているということを考えたときに、そうした声を踏まえて体制の充実をどうしていくのかということの議論は今のうちから準備は始めるべきだと私は思うんですけど、その点についてどうお考えになりますか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 新しい法改正が行われた際に裁判所に期待される役割が今以上に大きくなるという御指摘については、裁判所といたしましてもそのとおりであろうというふうに考えているところでございます。 一方で、どの程度事件の数が増えるかどうかという辺りについての予測というのはこれは極めて困難でございまして、現時点においてそれを見込んで体制を組むというのはなかなか難しいというのは御理解いただきたいと思います。
○川合孝典君 今から具体的な人数を決めるべきとは、予算がそもそも成立していないわけですから、そんなことができるわけがないことは私も理解しています。その上で、そういった事態を想定して、今のうちから準備、構えを行っておく必要があるのではないのかという指摘として受け止めていただきたいと思います。 時間が参りましたので最後にしたいと思いますが、裁判手続のIT化を推進する上でウェブ会議システムの整備等々についての取組が進んでいると思います。既に三月から改正民法の施行がされているわけでありますが、このウェブ会議システム整備の現状、それからIT技術者の人材確保状況について確認をさせてください。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 民事訴訟手続に関しましては、従前から、全ての高等裁判所、地方裁判所、簡易裁判所におきまして、争点整理手続や和解期日におけるウェブ会議の運用を行ってきました。本年三月一日からは、全国の裁判所において口頭弁論期日におけるウェブ会議の運用が開始されております。裁判所では、それぞれの段階でウェブ会議のために必要となる機器の整備を進めてきたところでございますが、今後、実際の利用動向などを注視しつつ、裁判手続のデジタル化に必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 IT技術者、人材に関する確保状況でございますが、裁判所のデジタル化を推進する上でデジタルに関する専門的な知見を有する方を採用していくということは有意義であるというふうに考えており、令和三年度から令和六年度にかけてデジタルに関する専門的な知見を有する方を職員として採用し、現在、合計十人の方に業務に携わっていただいているところでございます。 今後も、デジタルに関する専門的な知見を有する方に知見を発揮していただいて、裁判手続等のデジタル化に向けた取組を更に進めてまいりたいと考えております。
○川合孝典君 時間が来たのでこれで終わりたいと思いますけれども、IT人材は本当にしっかりと、どういった人材を集めるのかによってIT化の推進に大きな差が生じます。取組しっかり進めていただくことをお願いしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 法案のポンチ絵を一枚目にお配りしましたけれども、今回の法案、三十一人、裁判所職員の員数を減少すると。これは、昨年夏の概算要求の時点ではプラス・マイナス・ゼロでした。これ、何がどうなったかといいますと、最高裁の事務官を概算要求では五十一人プラスという要求をしていたのが、二十人という今回の法案になっているということなんですよね。 そこで、まず最高裁に、昨年夏の最高裁事務官五十一人増員と、これには根拠があったんでしょう。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 令和六年度の概算要求につきましては、最高裁におきまして、裁判手続等のデジタル化の検討、準備、記録の管理の適切な運用の確保、裁判手続に関する各種法制の検討への関与といった事務に対応するために裁判所事務官五十一人の増員を要求したところでございます。概算要求の時点においてはそのような人員が必要ではないかというふうに考えたというものでございます。
○仁比聡平君 いや、何でそれを三十一人も減らせるんですか。裁判所にはといいますか、最高裁には独自に予算を確保していくという権限がある。ところが、その最高裁の概算要求を値引きするというのは、政府の司法軽視も甚だしいと私は思います。これでは業務量に必要な配置ができず、結果、職員の過重負担が生ずるのは自明ではないかと。 二枚目に、長期病休九十日以上の書記官、家裁調査官、事務官の方々がどういうふうにいらっしゃるか、最高裁の資料をお配りしておりますけれども、つまり増えているんですね。九十日以上の病休というのは、職場に増えているメンタルヘルスで苦しんでいる方々の中のごく一部、言わば氷山の一角なのであって、私はこれ深刻な実態だと思うんですよ。 この増えているということ、その深刻さについて最高裁はどういう認識なんですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 委員から今御指摘をいただきましたように、裁判所職員の病休取得者数ということにつきましては、病気休暇取得者及び病気休職者の数が令和五年と令和四年を比較いたしますと一部増加しているというところでございます。 病気休暇及び病気休職の理由は負傷や疾患など職員ごとに様々でありまして、業務外での病気等によるものも含まれているということもございますので、一概にこれら病気休暇取得者及び病気休職者の数が一部増員している、増加していることの原因を評価するというのはなかなか難しいというところでございます。 いずれにしましても、裁判所といたしましては、これまでも、全ての職員が心身共に健康に職務に精励できるよう職員の健康保持に取り組んできたところでございます。引き続き、そのような取組を継続してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 評価は難しいなんて言って済みますか。先ほども議論がありましたけれども、客観的な労働時間の把握さえしてこなかった。現に、どれだけの方々がいわゆるサービス残業、休日もあるいは朝早く出てきてやっているかということ自体把握しておられないでしょう。メンタルヘルスはこの病休者の数をはるかに超えて職場に広がっているにもかかわらず、それ、評価の言葉、認識さえ語れない。それが今の最高裁の現実だと思うと本当に悲しい思いがいたします。 実際に、業務量に必要な配置ができないと、例えば最高裁でということになると、結果、結局各地裁から定員を引き揚げるということに、そういうふうにせざるを得なくなる。本法案では、予算では下級裁はプラス・マイナス・ゼロのはずです。ですが、現実には違います。各高裁管内ごとに書記官、事務官の定員の増減について数字をお示ししていただけますか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 順次お答えをいたします。各高裁管内ごとに順次お答えをいたします。 東京高裁管内は、書記官の増減なし、事務官二十八の減、大阪高裁管内は、書記官増減なし、事務官二の減、名古屋高等裁判所管内は、書記官増減なし、事務官一の減、広島高等裁判所管内は、書記官三の減、事務官一の減、福岡高等裁判所管内は、書記官十の減、事務官五の減、仙台高等裁判所管内は、書記官六の減、事務官三の減、札幌高等裁判所管内は、書記官二の減、事務官三の減、高松高等裁判所管内は、書記官、事務官共に増減なしとなっております。
○仁比聡平君 つまり、各地裁もうこれまでも限界を超えているのに、そこから更に書記官、事務官減らすんですよ。合計で書記官二十一人、事務官マイナス四十三人という定員減というのが現実なんですよ。 法務大臣にお尋ねしたいと思いますけれども、国家予算に占める二〇二四年度の司法関係予算というのを考えてみると、総額百十二兆五千七百十七億円のうち僅か三千三百十億円で、とうとう〇・三%を割り込んで〇・二九四%というのが我が国の司法関係予算です。 定員を確保するためにもこの抜本引上げを行うということこそが法務大臣の職責なのではありませんか。
○国務大臣(小泉龍司君) 裁判所の経費は独立して国の予算に計上するものとされておりまして、裁判所の予算の原案は、独立の機関たる最高裁判所が独自の判断に基づいて内閣に提出することになっております。したがって、法務省はこれに直接介入すべき立場にはございません。 ただし、ただし、裁判所の予算についても、最終的には予算案を作成するのは内閣の責務であり、第二に、閣議の一員であり、裁判所の職務に最も近い関係にある法務を担当する法務大臣としては、裁判所と必要な情報共有を図るなどして、内閣としての意思決定の段階において裁判所の要求が正しく理解されるよう最大限努力してまいりましたし、これからもその努力を続けていきたいと思っております。
○仁比聡平君 独自だとか自律的だとか言って、結局、そうやって努力すると言いながら、結果がこれじゃないですか。こんなことで本当に憲法に保障された国民の権利を個々の司法の現場で実現をしていく、守っていくということができるんですか。 加えて、最高裁、あれこれ、例えば共同親権の問題などについても適切に対処していくんだという趣旨のことをこれまで繰り返しおっしゃってきました。成年後見を導入したときだって、二〇一一年に子の利益をと民法改正を行ったときだっておっしゃってきたけれども、現実に対応するのは裁判官だけではないでしょう。書記官、事務官、もう一点聞いておきますけど、加えて、予算の定員と実際に配置されている定員で、それぞれ書記官、事務官、百人ぐらいの差があります。定員どおり実数で配置されているわけじゃない。これは私は本当に活用していかなきゃいけないと思うんですが、最高裁、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 委員から今御指摘をいただきました各高裁管内の裁判所に配置されていない部分につきましては、これは欠員としている、そういう形になっているものでございますが、これらの欠員部分につきましては、産前産後期間中の職員の代替職員の確保のために活用したり、あるいは事件数の急激な増加があった場合等の機動的な対応のために活用するなどしているものでございます。 こういった欠員につきましては、それぞれ全体の一%程度ということになっており、各庁の事件処理等に支障を生じているものではないというふうに考えております。
○仁比聡平君 年度を通して見れば、この定員法の定員がきちんとどこかに配置されて、活用されなきゃいけないと私は思います。 資料の三枚目に、共同親権の問題での全司法労働組合の機関誌から引用させていただいた文章を紹介しています。 ちょっと紹介しますと、現在の家裁の現場での実態に照らして、真ん中ら辺ですが、離婚に際して葛藤が高まった父母の場合にはそもそも協力体制を築くことが難しく、相手方や子供を支配したり、あえて行動を妨害し攻撃するための手段として用いられる懸念が強くあります、飛ばしますが、これまでは監護親が判断していた様々な事項について、協議ができないことを理由に調停などの裁判所の手続で決めるよう求められる可能性があります、双方の価値観の違いが裁判所に持ち込まれ、その間、実態としては紛争がずっと続いていくことになりかねません、最後の辺りですが、施行当初からの事件増が考えられるとともに、言わば事件が事件を生むような事態も懸念されることから、家庭裁判所の抜本的な人的、物的体制の整備が必要不可欠です、また、離婚をめぐる事件が今より更に複雑困難になることが想定され、とりわけ当事者対応は困難を極めることが予想されることから、現場の職員が困ることがないような運用の在り方を検討する必要があると考えますと。 私、そのとおりだと思うんですが、最高裁はどんな御認識ですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 現時点においては、法案が今審議していただいているという段階でございます。裁判所として確たる今後の状況について御説明をすることはできないというふうに思っております。 いずれにしましても、今般の家族法の改正がされれば、裁判所に期待される役割というのがこれまで以上に大きくなるということについては私どもも認識しているところでございます。
○仁比聡平君 いや、私は、現在の家裁の実態に基づく裁判所職員の皆さんの指摘している懸念についての認識を聞いているんですよ。これから先の話じゃない、施行されての話じゃない。つまり、葛藤の高い父母の場合、協力体制を築くことは難しいし、事件が事件を生むような事態というのも現にその実態からすると懸念されるでしょうと。それから、当事者対応が極めて困難になることが予想されると、それはそうなんじゃないですか。 裁判官が法の趣旨に基づいて適切に判断されていきますと言って済む話じゃないでしょう。裁判官だけで裁判やっているわけじゃないでしょう。子供の最善の利益を本当に見極めていこうと思ったら、専門家としての調査官、絶対必要でしょう。どうなんですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 新しい制度が導入されるというようなことになったときに、裁判官だけが何かをすれば足りるというものではないということは委員御指摘のとおりだと思っております。家庭裁判所調査官あるいは裁判所書記官等、各職種の裁判所職員それぞれが重要な役割を今後とも担っていくということは、私どももそんなふうに認識しているところでございます。裁判官だけのことの体制整備を考えているというわけではございません。
○仁比聡平君 だったら、抜本増員なんですよ。 せんだって、公明党の伊藤議員からの児童相談所の一時保護についての司法審査の質問がございました。家庭局長が、この施行一年後に向けて、こども家庭庁と連携しながら様々協力していくと、例えば申立ての書類のありようとか、そういう御答弁をされたけど、そうしたやり取りするのは裁判所職員でしょう。裁判官が直接やるわけじゃないじゃないですか。 それを、裁判が適切に行えるというふうに言い張って増員も求めないと、あり得ないと私は思いますが、いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 最高裁といたしましては、これまでも適正かつ迅速な事件処理を安定的に行うために必要な人的、物的体制の整備及びこれに必要な予算の確保に努めてきたところでございます。各裁判所におきましても、家事事件を担当する裁判官あるいは書記官や調査官等、必要に応じた増員を行うことで、事件数増も見据えて、家事事件処理のために着実に家裁の体制を充実させてきたところでございます。 今後とも、事件動向等を踏まえて適切な体制の整備に努めてまいります。
○仁比聡平君 それが足りないと、何倍も増やさなきゃいけないというのが国民の声だということを厳しく指摘して、質問を終わります。
○鈴木宗男君 最高裁判所にお聞きしますけれども、この裁判官以外の裁判所の職員のこれ減員ですけど、裁判官の数が変わらない、職員が数が減るとなると、どうしても残った職員に作業負担なり、事務処理等、無理掛かりませんか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 今般、裁判官以外の裁判所職員について減員をお願いするというものでございますが、これは技能労務職員及び裁判所事務官等の減員というものでございます。これらはいずれも裁判部門ではなく、司法行政部門を中心に事務を合理化して、あるいは効率化して、それに伴った減員を行うというものでございまして、裁判所の事件処理に支障を生じるものではないというふうに考えております。
○鈴木宗男君 減員になっても何も問題はないと、裁判には影響がないという理解でいいんですね。 私は、小野寺さん、刑事事件なんかは私は少なくなっていると思いますね。ただ、間違いなく家庭裁判所の事件は増えていますね。六年前ぐらいのレベルに今戻っていますよ、多様性だとか、やはりいろんなプライバシーだとか、あるいは子供の虐待問題も含めてですね。そうなった場合、私は、やはりある程度のマンパワーというのは確保しておいた方がいいと思うんですよ。 そういった意味では、この減員を、今、小野寺さん、減員をお願いするところでありますというのは、ちょっと表現おかしくないですか。本来ならば減員はしてほしくないけれどもというのなら分かるけれども、減員をお願いしているところでありますというのはちょっと言葉遣いとしておかしくないですか。本来ならば減員しない方がいいんじゃないんですか。減員をお願いしているところでありますという表現、適切ですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 お願いするという表現が適切かどうかというところにつきましては、あるいは適切でないということを御指摘いただければ真摯に受け止めたいというふうに思いますが、私ども最高裁といたしましては、事件数の動向あるいは業務量等を勘案しながら適切な人員を確保するということが重要だと思っております。 その意味で、事件量が現在落ち着いている中で政府の定員合理化計画に協力するということもまた必要であるというふうに考えておりまして、今般は減員をさせていただくということでございます。
○鈴木宗男君 だから、小野寺さん、正直に言えばいいんですよ。これは政府の大方針があるわけです。その枠の中でやっぱりやっていくしかないわけですね。ならば、その枠、その決定に従い、裁判としても協力するし、また当然のことと思って対応してまいりますというのなら分かりますよ。減員をお願いしますということはないでしょう。それは取り消すべきじゃないですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) 委員御指摘のとおり、政府の定員合理化計画等に私ども協力する立場から今般減員をしているというところでございます。 法律の提出をお願いしているということで申し上げたつもりではございますが、表現に適切でないというところがあれば改めたいというふうに思います。
○鈴木宗男君 小野寺さん、あなたもそれ潔くないんだよ。法案提出権は最高裁判所にないから法務省にお願いしているんですよ。そうでしょう。 じゃ、何でそれをきちっと、本来、裁判所としては一人でも確保したいけれども、政府の大方針に従って我々は協力すべきは協力しますというのが分かりやすい答弁じゃないですか。減員をお願いしますなんて言葉ありますか。何でそれ正直に、言い訳みたいな話するんです。 本来、組織としては一人でも切りたくない、守りたい、だけれども、国としての方針が決まった以上、当然その責任は応分に負担していくというのは当たり前という観点から法案提出になったから協力していくというのなら分かるけれども、お願いするというのとは違うでしょう。そのお願いというのは撤回してくださいよ。協力してまいります、方針に従いますというのなら分かるけれども。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 私どもとしては、自主的、自律的に判断して、政府の定員合理化計画に協力をすべきというふうに考え、今般、裁判所で独自に合理化の数を検討した上で今回の定員法改正をお願いしているというところでございます。
○鈴木宗男君 だから、小野寺さん、減員をお願いしているとあなた最初の答弁で言っているんだよ、減員を。これ、皆さん、大臣も聞いていましたね、減員をお願いしていると。減員をお願いしているという話ありますか、組織の責任者として。だから、そこは分かりやすく、今の答弁、だから今の答弁にまとめるように私は正直に言えということを言っているんですよ。間違っていますか、私の言いぶりが。何でそこら、すり替えの議論をするんだ。 いや、これ、委員の先生方、減員をお願いしますということはありますか。組織ならば、本来ならば現状維持、最低でもしたい、しかし大方針が決まった以上はこうだと、我々も協力していくんですというのが当然のことじゃないですか、委員長。もう一回答弁してくださいよ、ちゃんと。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 裁判所といたしましては、政府の定員合理化計画に協力をする立場から自律的に必要な定員合理化数を検討いたしまして今般の数字を、減員数を算出し、それを提出したというものでございます。
○鈴木宗男君 小野寺さん、それでいいんですよ。それを、あなた、私もたった十五分しかない時間、こんなことで五分も使って、時間の無駄で腹立たしいけれども、何というんだろうな、正直に答えればいいだけの話なんです。こっちは、何も最高裁判所に反対だとか何かじゃなくて、協力するつもりで言っているんですから。 あと、小野寺さん、私は裁判官の数、間に合っているかどうかという心配があるんですよ。小野寺さんから見て、裁判官の数は今で十分だと思いますか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 裁判所は、これまでも事件動向等を踏まえまして着実に裁判官を増員してきたところでございます。司法制度改革以降、平成十四年から令和二年度までの間に合計で約七百四十人の増員をしてきたところでございます。 事件動向につきましても、繰り返しになって恐縮ですが、おおむね落ち着いた状況になっていて、民事、刑事、少年は減少傾向にあるというところでございます。 これまでの増員分を活用しつつ、審理運営の改善、工夫等を引き続き行うことで適正かつ迅速な事件処理を行うことができるものというふうに考えておりまして、本年度につきましては判事の増員を求めないということとしたものでございます。
○鈴木宗男君 私の記憶では平成十四年ぐらいから裁判官の数を増やしてきましたから、その数が今維持されているから、今の小野寺さんの答弁で、私の理解では裁判官は間に合っていると、こう思いますけれども、しかし、これから複雑な裁判が多くなってきていますね、家庭裁判所なんかでは。ここらを考えると、やっぱりある程度の裁判官の確保はしておいた方がいいと、長期的な視点にも立って私は頭づくりをしていただきたいなと、こう思っているんです。 そこで、小野寺さん、教えてほしいんですけれども、これ先生方も、裁判の法廷の公判の場所が出てくるとき、裁判官が座っていて、その前に裁判官が横に、右左に座っていますね。これ、小野寺さん、通常は左陪席の裁判官が大体判決文を書く、そして合議して最終的に裁判長が判断するというやり方だということで理解していいんですか。
○最高裁判所長官代理者(小野寺真也君) お答えいたします。 地方裁判所におきまして合議事件を担当する裁判官、左陪席と今委員の方からも御指摘をいただきました、一番若い、経験の多くない裁判官が左陪席をやっていることが通例でございます。多くの地方裁判所の合議事件におきましては、その左陪席裁判官が主任裁判官として事件を担当するということが多いということは委員御指摘のとおりでございますが、それは例外ももちろんございますので、一般論としてお答えをさせていただきたいと思います。 その上で、右陪席、そして裁判長と三人で合議、相談をすることにより判断をしていくということになります。
○鈴木宗男君 さっきのつまらぬやり取りで時間潰れていたものですから。 そこで、少なくとも、左陪席は初級審では大体五年未満ぐらいですね。そして、右陪席の方が五年以上の十年未満、高裁になると大体十年以上。これも、先生方、みんなこれ判事じゃないですからね。これは未特例判事補、そして十年以上たったら特例判事補ですか、そして、いや、十年以上で判事だ、その前の五年から十年までが特例判事補という区分けになるんですよ。 だから、言ってみれば、十年以上たたないと本当は一人前じゃないんですね。一人前じゃない人らが判決文作って、それがまた優先されて判決する。そこにまた私は問題があると思うから、本来ならば、裁判官の数をある程度多くして、最低十年ぐらいの経験の者がちゃんと初級審から座らせるというぐらいのことを考えてほしいということを言いたいんです。これはもうやり取り要りませんからね。そういう、私は、是非とも最高裁判所には考えていただきたいと、こう思っています。 あわせて、本当にこの裁判官、裁判長が文章を読んでいるかどうか、いわゆる抗告されたものを、特別抗告されたものを。私は、様々な事件の判決なんか読むと、大体、もう初級審のなんかで同じような文章をつづっているような人がいる。これは、今言ったように、判事までになっていない未特例判事補だとか特例判事補のレベルでやっているからそういうことになると、こう思っているんですね。だから、ここら辺もちょっと充実した方がいいと思うから、あえて私は、これは最高裁判所には頭に入れて対応をいただきたいなと、こう思っています。 最後に、先ほど福島委員から保釈の話出ました。これ、大臣、刑訴法で、これ先生方も頭に入れてください、本来、保釈するかどうかは裁判所が最終判断持っているけれども、刑訴法で、検察に意見具申するんですよ、意見具申する。そこで検察がノーと言ったら、これ裁判所もノーなんですよ、流れとして。だから、先ほど福島委員も言ったように、大川原事件でも否認していれば出してくれないんです。だから人質司法というんです。同時に、この人質司法という言葉も世の中に定着しているんですから。 大臣は、古庄さんの質問に対して、人質司法はないと答えていますよ。これも、大臣、私は認識を改めていただきたい、現にあるんですから。私はさきの委員会でも言いました。田中角栄さんは五億円もらっても、認めたら二十日間で出ている。辻元清美さんも、皆さん方の税金、国民の税金二千万詐欺しても、認めたら二十日間で出ているんですよ。鈴木宗男なんというのは、四百万で捕まっても、認めなければずるずる引きずられて四百三十七日ですよ。人質司法あるんですよ。同時に、接見でも、私なんかは家族接見ありませんでした。私は凶悪犯でも何でもない。なぜ認めないか。これも神経戦なんですよ。鈴木は家族に弱いと検察が読んでいると会わせないようにする。それが現に人質司法なんですよ。 今日は時間ないからやめておきますけれども、大臣、この人質司法は現にあるということ、これを是非とも頭に入れて実態を調べていただきたい、こう思いますが、大臣のお考えをお尋ねします。
○国務大臣(小泉龍司君) 人質司法という御批判があることをよく承知しております。また、しかと受け止めたいと思います。 手続の問題については、刑訴法あるいは裁判所の判断、こういったものがきちっと挟まって、そしてワークするわけでありますけれども、ずっと御議論を伺っていて感じるのは、やはりこの「検察の理念」にもう一度立ち戻って、こういった手続があるいは判断が適正になされているのかどうか、そういう視点に立ち戻ってこの問題に対応したいというふうに思います。
○委員長(佐々木さやか君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○仁比聡平君 日本共産党を代表して、裁判所職員定員法の一部改正案に反対の討論を行います。 本法案は、裁判官以外の裁判所職員について三十一人減員するものです。概算要求では最高裁事務官の五十一人増員要求をしていたものが、本予算では二十人の増員要求にとどまりました。業務量に必要な配置ができず、現場の更なる負担強化が起こりかねません。 各高裁管内での書記官、事務官の減員実態も深刻です。書記官は、定員上は増減なしのはずなのに、各高裁管内では減員とされるところもあります。この下で、現場の繁忙の実態は深刻です。サービス残業や持ち帰り仕事はあってはなりません。適切な超過勤務時間の把握が必要です。それは、早朝、昼休み、休日における勤務についても変わるものではありません。最高裁はこの趣旨を下級裁に徹底すべきです。 定員合理化計画への協力は、裁判所職員の現場の繁忙を深刻化、固定化し、司法サービスの後退を招きかねないものです。裁判所職員の定員削減でやりくりしようとするのではなく、国家予算の僅か〇・三%を下回る司法予算の抜本的な拡充こそ必要です。 裁判所においても、子どもの権利条約やこども基本法に基づき子供にとって何が最善の利益かを探求していく上で、裁判官を始め関わる大人たちの家族観を子供に押し付けるのではなく、個々の子供の意思や心情を把握し、その子供の福祉に向き合っていく必要があります。そのためには、家裁調査官の増員は絶対に必要です。 我が国の司法が憲法が保障する国民の権利を守るという本来の重要な役割を果たすために、裁判所職員の増員、裁判所予算の抜本増額を強く求めて、討論といたします。
○委員長(佐々木さやか君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木さやか君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、牧山さんから発言を求められておりますので、これを許します。牧山ひろえさん。
○牧山ひろえ君 私は、ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員鈴木宗男君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。 一 民事訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、審理期間が長期化している近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組むとともに、産業の高度化や国際化に対応できるよう裁判官の能力及び職責の重さの自覚の一層の向上に努めること。 二 裁判所職員定員法の改正を行う場合には、引き続き、判事補から判事に任命されることが見込まれる者の概数と判事の欠員見込みの概数を明らかにし、その定員が適正であることを明確にすること。 三 令和二年四月十六日、令和三年四月六日及び令和五年四月六日の当委員会における各附帯決議等を踏まえ、最高裁判所において、引き続き、判事補の定員の充足に努めるとともに、判事補の定員の在り方について、現実的な実員の増減見通しも踏まえて検討していくこと。 四 現在の法曹養成制度の下で法曹志望者の数について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえ、そのことが法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき引き続き必要な分析を行い、その結果を国会に示すとともに、同制度や法改正の趣旨を踏まえた更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。 五 裁判手続等のデジタル化の進捗状況を踏まえ、合理化・効率化が可能な事務と注力すべき事務をそれぞれ考慮した上で裁判官・裁判所職員の適切な人員配置を行うよう努めるとともに、裁判官以外の裁判所職員の労働時間を把握し、適切な労働環境を整えること。 六 両親の離婚時における子の利益確保の要請等への対応の必要性、子をめぐる事件を始めとした家事事件の複雑化・困難化の動向等を踏まえ、家庭裁判所における多角的な対応が適切かつ十分に行われるよう、家庭裁判所の人的・物的体制の整備を進めること。 七 裁判官・裁判所職員が健康的に働き続けられる職場環境を整備すること。子育て、介護等について仕事と家庭の両立に向けた取組をより一層進めること。 八 地域の人口及び交通状況等の推移や事件動向、裁判手続等のデジタル化の進捗状況を踏まえ、地域の実情に即した、国民の裁判所へのアクセスの向上を図るため、適切な人的・物的体制の整備に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(佐々木さやか君) ただいま牧山さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木さやか君) 全会一致と認めます。よって、牧山さん提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小泉法務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小泉法務大臣。
○国務大臣(小泉龍司君) ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。 また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。
○委員長(佐々木さやか君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木さやか君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十八分散会