文教科学委員会 第6号
- 発言数
- 150 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/06/04
会議録
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に赤松健君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○今井絵理子君 おはようございます。自由民主党の今井絵理子です。本日はよろしくお願いいたします。 早速質問に入ります。 五月三十日、銚子市にある千葉科学大学に伺い、千葉科学大学の公立大学法人化について大学関係者及び銚子市から、それぞれお話を伺いました。視察に御尽力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。 十八歳人口が急速に減少する中、入学定員を満たさない私立大学は約半数にまで増加しています。このような中、定員割れの私立大学の中には、公立大学法人化によって存続を図る動きもございます。地域の若者が大学にアクセスする機会を確保することや地方創生の観点から、定員割れした地方の私立大学を公立大学法人化させて存続させるという考えも理解できます。 しかし一方で、公立化して学費が下がり、一時的に志願者数が増加したとしても、教育内容が地域や時代のニーズと合っていなかったり教育の質の確保が十分でなかったりする場合、再び定員割れとなる可能性もあります。そうなれば、本来の大学設置の目的を果たせないばかりか、公立化した自治体に財政負担が重くのしかかるおそれもあります。 私立大学の公立化は自治体の判断によるものと承知していますが、要件さえ満たせば国は認めることになると伺っております。公立化は、当該自治体への地方交付税の増額など国の負担も伴います。となると、その要件が適正であることが強く求められます。 そこで、現在の社会情勢を踏まえた上で、適切な私立大学の公立化の在り方について文科省の御見解をお伺いしたいと思います。また、少子化が進む中、希望する全ての私立大学が公立化して存続させるのは非現実的なのではないかと思います。文科省は、公立大学法人化を行う大学の数についてどのくらいが適正な規模であると考えているのでしょうか。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(盛山正仁君) 今、今井先生御指摘のとおり、少子化が進む中で、特に地方の中小規模の私立大学の経営が厳しくなっております。そういったことで、地方公共団体が近年、地域の実情や地域経済への影響等を踏まえた上で、大学を地方に存続させるため、公立大学化する事例も見られるようになっております。 私立大学の公立大学化については、先ほど先生おっしゃったとおり、各地方公共団体の判断によって行われるものでありますが、公立大学化した場合、地方公共団体が大学の運営について恒久的に財政措置を行うことが必要になり、結果的に地方負担が増えることになるということも多いと思いますので、各地方公共団体において十分に検討を踏まえられた上で、公立大学としての設置の是非を判断していただく必要があると考えております。 また、大学全体の規模ということでございますけれども、昨年九月に、中央教育審議会に対しまして、急速な少子化が進行している中で将来社会を見据えた高等教育の在り方について諮問を行っております。現在御議論をいただいているところでありますので、これらの議論も踏まえつつ、引き続き大学の改革にしっかり取り組んでいきたい、そんなふうに考えております。
○今井絵理子君 ありがとうございます。今、中教審の方でも審議がなされているということなんですけれども、私立大学のこの公立大学法人化について私も引き続き注視していきたいと考えています。 この三十年余りで公立大学の数は二・五倍の百一校に増えています。少子化にもかかわらずです。若者の流出を防ぐダムとしての役割を期待する自治体もあるようですが、それは高等教育機関の本来の目的ではなかったはずです。教育研究の質の担保はもちろん、適正な規模を考慮した大学の設置を求めていきたいと思っております。 次に、場面緘黙についてお伺いします。 場面緘黙とは、例えば、家庭の中では自然に話すことができるけれども、学校など特定の場面では話すことができない状態を指します。配付した資料を御覧いただきたいと思いますが、先日、沖縄県糸満市にて、沖縄本島かんもく親の会などの共催で場面緘黙講演会イン沖縄が開催されました。私も出席させていただいて、当事者の方や保護者の方とお話しする機会をいただきました。 場面緘黙は医学的には不安症群に分類され、その発現率は約五百人に一人と言われています。特別支援教育では情緒障害とされ、発達障害者支援法に基づく支援の対象となりますが、その認知度は高いとは言えず、調査や研究も十分に進んでおりません。 しかし、近年、文科省や厚労省の科学研究費補助金等で調査がなされていると承知しています。公的資金を基にして調査で得られたこれらは、現在、国の政策においてどのように活用されているのでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 科学研究費助成事業、いわゆる科研費は研究者の自由な発想に基づく学術研究の振興を目的としており、御指摘の今ございました場面緘黙に関する研究課題を含め、研究者から提案された研究課題を審査、採択し、助成を行っているところでございます。科研費による研究成果につきましては学術論文として学術雑誌に掲載されるほか、科学研究費助成事業データベース上で公表されるなどして、我が国の学術研究の振興に寄与しているところでございます。 その上で、場面緘黙への対応に関してでございますけれども、政策への反映につきまして、科研費等による調査研究で得られました知見等について、国の設置する有識者会議等の御議論も踏まえ、政策決定プロセスにおいて活用させていただくことはあるというふうに承知しております。 いずれにいたしましても、国の政策決定におきまして、国の政策課題に対応した様々な調査を始め、関係者からの御意見等に耳を傾けながら、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
○大臣政務官(三浦靖君) 場面緘黙につきましては令和二年度に厚生労働科学研究を実施し、年齢階層ごとにどのような場面で生活の困難を抱えているのか、実態の把握などを行いました。 この研究成果につきましては、国立障害者リハビリテーションセンターに設置された発達障害情報・支援センターのホームページに研究内容を掲載するとともに、各都道府県などの発達障害者支援センターの職員さんたちを対象とした全国研修会の場において紹介しております。周知や理解促進に向けて努めているところでございます。
○今井絵理子君 ありがとうございます。 場面緘黙は、早期に発見し、早期支援につなぐことが重要なんです。しかし、一見して分かる症状ではないため、周囲の理解が十分でない場合、無視しているであるとか、怠けているなどと判断されてしまいがちなんですね。家庭では普通に話せる場合が多いので、家庭の中で発見することはなかなか難しいんです。保育園の先生や教員によって発見されることが多いそうなんです。 しかし、まだまだ場面緘黙への理解が現場で十分になされている状態ではありません。だからこそ、学校の先生、保育園の先生に対して場面緘黙に対する理解を深めて、現場で、あっ、対象かもしれないと感じた子供を早期に専門機関につなげていく必要があると思うんですね。 そんな中、いろいろ、先ほど調査されています。私、いつも思うんですけれども、この調査結果というのを、例えば、文科省だったら、先ほど研究されていました。だけれども、特別支援課に共有されていなかったりとか、また厚労省のそういった知見があったら、それを文科省と連携をするなど、そういった情報の共有や連携というのは、これ垣根を越えて、省庁の垣根を越えてやっていただきたいなと思っているんです。 それで、現場の先生方に対して研修など行っていただく、そのようなことが私はとても大事なのではないかなと感じていますが、その辺りの見解をお聞かせください。
○国務大臣(盛山正仁君) 場面緘黙等の発達障害への対応については、関係省庁が連携した省庁横断的な取組を進めることも効果的かつ重要であると我々も認識しております。 そのため、文部科学省におきましては、本人や家族等が活用できる発達障害ナビポータル、これを文部科学省と厚生労働省それぞれが所管しております独立行政法人の共管で運用している、こういったことをしているほか、今年の四月に、発達障害等の障害のある児童生徒等に対する地域における教育と福祉の一層の連携等の推進を図るための関連施策等を盛り込んだ、こども家庭庁、文部科学省、厚生労働省の三省庁連名通知を発出するなど、関係省庁と連携した取組を進めているところです。 これらの関係省庁の横断的な取組について、学校現場の教職員への浸透が図られるよう、都道府県教育委員会等の関係者が集まる各種の会議や、教職員を対象とした研修等の機会を通じて周知を図っているところでございます。 引き続き、関係省庁と連携しつつ、場面緘黙を含め、発達障害のある児童生徒への支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(高橋宏治君) 保育所でありますとか、あるいは認定こども園におきましても、この場面緘黙を含めた障害のある子供への対応、これを保育士の皆様方によく理解していただくということは極めて大切だというふうに考えてございまして、先ほど先生から御指摘のあった関係省庁での情報、垣根を越えて共有ということですけれども、私ども文科省、あるいはその厚労省等と定期的に情報交換の場を設けております。 そうしたところで得られた情報については、今後、こども家庭庁、今検討中ですけれども、ホームページ上で情報発信をするということも考えてございますし、また毎年実施している保育士さん向けの研修会、こうしたところでも積極的に情報提供を行ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○大臣政務官(三浦靖君) 先生が御指摘されましたとおり、場面緘黙を含む発達障害につきましては、広く省庁横断的な普及啓発を行っていくことが大変重要だと考えております。 これまでの取組といたしまして、厚生労働省と文部科学省の協力の下、発達障害に関する情報に特化した発達障害ナビポータルの運用や、こども家庭庁、文部科学省及び厚生労働省の連携によりまして、障害や発達に課題のあるこどもや家族への支援に関する連絡会議の開催など、省庁の垣根を越えた情報発信に努めてきたところでございます。 引き続き、こども家庭庁や文部科学省とともに連携を図りながら、場面緘黙を含む発達障害への支援を努めてまいりたいと思います。
○今井絵理子君 ありがとうございます。 最後になりますが、場面緘黙に関して、当事者団体の方から心配の声が寄せられています。 それは、現在、場面緘黙の方は発達障害者支援法に基づき支援を受けています。しかし、WHOによる国際的に統一した基準で定められた疾病等に関する分類が改訂されたことの影響で、場面緘黙の方が、今後、同法に基づく支援を受けられなくなってしまうおそれがあるという不安の声を当事者団体から聞きました。 WHOの分類の改訂後も、場面緘黙の方が引き続き発達障害者支援法に基づいて支援を受けられていくようにしていく必要があると考えますが、最後に御見解をお伺いします。
○大臣政務官(三浦靖君) お答えいたします。 発達障害者支援法に基づく発達障害の定義につきましては、関連省令や通知等におきまして、疾病等の国際分類であるICD10における心理的発達の障害及び小児期及び青年期に通常発症する行動及び情緒の障害に含まれる障害であると示しておりまして、この対象に場面緘黙が含まれているところでございます。 先生御指摘の疾病等の国際分類の改訂につきましては、現在、関係学会の意見等を伺いながら、国内の統計基準への適用のための和訳作業を行っているところでございます。 発達障害者支援法の関係通知等の見直しにつきましては、これを踏まえて今後検討を行うこととしておりますが、いずれにいたしましても、発達障害者支援法に基づく支援につきまして、同法の目的や定義等の規定に従い、支援を必要とする方々に対して適切に行われるべきと考えておるところでございます。
○今井絵理子君 ありがとうございました。以上で質疑を終わりたいと思います。
○古賀千景君 おはようございます。立憲民主・社民の古賀千景です。 先ほど今井議員の方からも視察についての質疑がありましたが、私も、それについてまず前半は言わせていただきたいと思います。 視察内容や大学の詳細については割愛いたしますが、千葉科学大学は、二〇〇二年の銚子市長選に、加計学園の運営する大学で客員教授を務めていた元官僚が大学の誘致を公約に挙げて当選。人口減少や地域経済が疲弊する中、地域の活性化、教育、文化の向上に貢献することや、町づくりの抜本的な対策になると期待されて誘致がされました。 本年、開学二十周年を迎えましたが、人口減少や少子化の影響もあり、危機管理学部、薬学部、看護学部の三学部で定員割れが続き、二〇二四年の入学者数は二百七十九人と、定員四百九十人を大きく下回り、充足率は五七%となっております。また、ここ数年で、薬学部生命薬科学科、危機管理学部環境危機管理学科、大学院薬学研究科薬科学専攻を相次いで募集停止するなど、深刻な状況となっています。それに伴い、大学の収支は、二〇一六年以降、二二年度まで七年連続で赤字が続きという厳しい経営難に陥っています。 この局面を打破するために、大学は、銚子市に対して公立学校化を強く要望しており、現在、有識者による検討会議で議論、検討がなされております。この検討会の第一回会合では、大学側から、公立化が拒否されれば撤退も辞さないという、ある意味で圧力とも取れるような発言もあり、波紋を呼んでいます。 現在、銚子市、大学、学生や教職員にとっても大変厳しい状況であると思いますが、建学の精神で入学している学生の思いを大事にする必要があります。大臣はこの現状をどのように捉えていらっしゃるか、教えてください。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほどもちょっと御答弁申し上げたところでございますが、一般論として、地方の中小規模の私立大学の経営は大変厳しくなっている、少子化の影響も強く受けているということでございます。 そして、その私立大学の公立大学化につきましては、各地方公共団体の判断により行われるということも先ほど御答弁申し上げたところでありますが、そこに当たっては、地方公共団体においての財政負担、これを考えていただくということになります。大学で養成しようとする人材の需要、定員の充足の見込み、法人経営の見通し、こういったことを十分お考えいただいた上で、これはその地方自治体で御判断をされるということになると思います。そして、この千葉科学大学の公立大学化ということにつきましては、現在、銚子市において検討委員会、こういったものが開催されて議論がなされていると、こういうふうにも聞いているところでございます。 我々としては、その状況をまず見守るということになるわけでございますけど、何といいましても、その学生の方々、今少なくとも通っておられる学生の方々について不利益がないようにしていただくということがまず第一かとは思いますけれども、先ほど古賀先生からも建学の理念という話もありましたけれども、何のためにそういう大学を設置をして、何をしようとしていたのか、そういったことも含めまして、そして、今後のその経営上の観点、そして当該地方自治体の財政負担を含めてのお考え、こういったことも含めてしっかりと御検討していただきたいと、そういうふうに考えております。
○古賀千景君 この誘致は、当初、地域経済や銚子市の財政に大きなメリットがあると予測されておりました。市は、大学の誘致で学生や教員などが移り住み、人口二千六百人が増加すると試算。その移住してきた学生や教員などによって生み出される地域への経済効果は、毎年約六十九億に上がるとされていました。そのほかにも、建設工事費等で百六十五億が想定されていました。しかし、実際には、先ほど指摘したとおり学生数は定員を下回り続けており、人口の推移を見ても市の人口は減少の一途をたどっております。経済効果については、二〇一七年時点の市の推計で、推定の三分の一程度の年間二十二億程度にとどまっています。 開学に当たって、銚子市は七十七億五千万円を負担し、十・七ヘクタールの市有地を無償貸与しました。市は、約七十億円を地方債の発行で賄い、利息も含めて毎年四億円の借金返済を続けており、二〇二五年度まで返済が続いています。多額の公費負担によって銚子市は深刻な財政負担に陥ったことは間違いありません。 地域経済に与えた経済的な影響は甚大であり、このような状況を盛山大臣はどのように感じていらっしゃいますか。
○国務大臣(盛山正仁君) 若干先ほどとダブりますけど、首都圏、特に東京都以外の都市において、どこでも人口が減少している、そういう局面になっています。二〇〇八年に、日本全国の人口が減っている。その中でも大都市、ここにおいてはまだ社会的な移動がありますので、人口が増加しているところは東京のようにあるわけでございますけど、それ以外のところは自然減プラス社会減ということで人口が減っている。そういうことも含めて当時の見通しがどうだったのか、その建学というんですかね、設立のときの、そういうことにもなるわけなんでしょうけど、事前のその将来予測、こういったところと大分ずれてきた、そのほかにも様々な要因があって今の状況になっているのではないかなと思います。 しかしながら、繰り返しになりますけど、その誘致をされようとした自治体であり、そしてどういうふうに、その大学を誘致することによってその地域を活性化されようとしたのか、連携がどうだったのか、そういったことをお踏まえになって、そして、さらに、今の時点でその検討会をつくって今検討をしておられるということでございましょうから、今の厳しい状況になったということはもう既に起こっている話でございますので、今後どういうふうにこの大学をやっていくのか、そういうことをしっかり銚子市、御地元である銚子市を中心に御検討をいただくことが必要かと存じます。
○古賀千景君 私立大学が公立大学化された大学は幾つあるか、教えてください。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 平成二十一年に高知工科大学が公立大学化されて以降、最近では令和五年に旭川大学が公立大学化されておりまして、これまで計十二校の私立大学が公立大学化されております。
○古賀千景君 ありがとうございます。 私は、反対に、私立大学が公立大学化されて、許可されなかった大学は幾つあるかということも本当はお伺いしようとしました。そうしたら、そのときの通告で言われた言葉は、公立大学が実現しなかった数とか公立大学化を要望して申請している数などは自治体や大学任せで分からないということを文科省の方は言われました。私は、視察へ行ったときに、新潟とか姫路とかが公立化されなかったというお話は伺ったんですけれども、いろいろ公立化などこのような状況の中で考えていく上では、文科省の中でもそういうことは自治体、大学任せではなくきちんと把握していくべきなのではないかということを思いました。 では、この公立大学化をすることのメリットとデメリットについて教えてください。
○政府参考人(池田貴城君) お答えいたします。 私立大学の公立化につきましては、各地方公共団体の判断により行われるものでございますが、これまでの事例では、授業料等の学生納付金が引き下げられる場合が多いほか、志願者数も増加している例がございます。地方公共団体にとっては、地域に大学が存立し続けることによって、地元での進学機会の確保、地域で活躍する人材の育成、大学の教育研究力を生かして産業など地域社会の活性化がなされる、こういったメリットが期待されているものと承知しております。 一方で、公立大学化した場合、地方公共団体が大学の運営について恒久的に財政措置を行うことが必要となり、地方負担が増えることになります。したがいまして、大学で養成しようとする人材の需要や定員の充足の見込み、法人経営の見通しなどについて十分検討した上で、公立大学としての設置の是非を判断していただく必要があると考えております。
○古賀千景君 今おっしゃっていただいたとおり、公立大学に転換することによって国からの地方交付税交付金が大学の運営費に充てられていくことになり、財政難に陥っている大学にとっては経営の安定化を図ることができる、また授業料も抑えることができる、そのため、大学の志願者数が増え、入学者数も増加することが望める。 でも、このようなことで、公立化ドミノ現象と言われているそうですが、そのような状況が起きています。私も、そのことについて、私学が公立化することに対する文科省のお考えもお聞きしましたが、地方と大学が決めることなので文科省としての考えは特にないというふうに言われました。審査はされるということは伺いました。しかし、これからの高等教育を考えていく上で、文科省ももう少し関わって意見を言っていったりとかいろいろする必要があるのではないかと思います。これから公立化が進んでいったときに、次は公立化同士の競争が起こっていくとか、そんなこともあると思います。そのような視点でもお考えいただきたいと思っております。 では、公立大学化が今のところその十二校というところはすごくいい方向に向かっているということをお聞きしておりますが、もしこれから失敗した場合、そこを救済するというところの取組はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 大学の教育研究活動が適切に行われることを担保するための方策としては、まずは設置認可の際に大学として最低限必要な水準、これは大学設置基準等を満たしているかどうか確認いたします。その上で、大学設置後に各大学における継続的な自己点検評価、自己点検評価を踏まえた第三者評価である認証評価、大学が社会に対する説明責任を果たすとともに社会との対話等を通じた教育研究環境の質の向上を図る情報公表、こういった仕組みによりまして大学の質の保証のシステムを整えております。 文部科学省としては、各大学が設置後も適切な運営を続け、教育研究活動等の水準を維持することはもとより、こうした質保証システムを通じた更なる質の向上が図られるよう、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと思います。その上で、経営が悪化傾向にあるような大学に対しては、きめ細かな支援を私学共済事業団などとも連携して行っているところでございます。
○古賀千景君 一応そこで審査をされるということですので、そこの責任も文科省にもきちんとあるのではないか。そして、その後は、おっしゃっていただいたとおり、しっかり見ていただけるんだと思いますが、そこにやっぱり失敗したところに皆さんの税金を投入していくということになっていきますので、そこのところ、しっかり文科省としても関わっていっていただきたいと思っています。 これ、そしてその後も、校舎の建て替えとか、いろんなところで費用がかさんで、そこに、公立化した場合、住民の皆様の税金というところが関わってきますので、そこもしっかり見ていただきたいと思っています。 そのほかの大学でも、施設利用料とか実験実習費の補填などで県の負担が増えているという公立学校も、大学も聞いております。多額の税金を投じるというところを考えていただきたいと思います。 今回行って、銚子市の方も大学の必要性は十分感じていらっしゃいました。ボランティアだったりとか、消防団、消防とか、いろんなことですごくここにいてほしいんだと、大学にいてほしいとは思っている、しかし、財政が銚子市としてはとても厳しい。そして、そういうところは国としての補助というのは多少は出されていると思いますが、そういう残してほしいと市が要望しているようなところに国の補助というのはあるんでしょうか、お願いします。
○政府参考人(池田貴城君) それは、公立、私立大学に対してということでございましょうか。 私立大学に関しては、私学助成で支援をしておりますので、地方大学も含めて私学助成を個別に、その設置規模、設置する大学の規模や取組の事情に応じて支援をしていくという状況でございます。
○古賀千景君 ありがとうございます。 そして、もう一個言われたのが、医療系学部はとても教員数がたくさん必要だということを言われました。それで、文系よりもやっぱり理系の方がたくさん大学としても費用が掛かっていくということを言われたのをよく覚えています。補助も国からも十分されているということも伺っていますが、やっぱりそうやって大学が困っているという現状というのを十分理解されて、それからどうやって国が対応していくかということもお考えいただけたらと思っています。 また、デメリットとして私が考えたのは、地元の進学者が減少していくということが行われないだろうかということも考えました。行った大学の方でも、銚子ブランドで全国から人が集まってくると、大学からすれば、入学者が増え、メリットがあるでしょう。しかし、その地域、銚子市の人たちはそこに入学しにくくなるんではないかと、反対に。そして、銚子市の人が税金も投入している、でもそれは全部ほかのところに行ってしまうとなったときに、地元の学生をきちんと確保できるのかというところをちょっと心配に思いました。 公立化をした大学の地域内外の入学率というのは把握されているか。そして、公立大学化した前後の傾向について、どのように変化している傾向があるか。資料がありましたら教えてください。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 公立大学化する前後の地域からの入学率、あるいはその大学を卒業して地域に就職するような就職率、これは大学によってかなり状況が違いますので、一概にお答えしにくいのですが、地域からの入学率は、傾向としては公立大学化前よりも公立大学化した方が地域からの入学率は低下する傾向にあるようでございます。一方で、就職率についても、これは卒業後、その地域に就職する方が増加しているケースもありますし、減っているケースもあると、まちまちでございます。 その上で、公立大学化の御判断は、先ほども申し上げましたように、地域、各地方公共団体において地域の状況を踏まえながら、議会等で十分検討の上、設置の是非を判断していると認識しておりまして、今おっしゃったような地域の入学者、あるいは就職者に関することも含めて、様々な観点から議論をされているかと思います。 各地方公共団体におきましては、公立大学の設置によって何を期待しているのかということを十分議論していただいて、地域内にその内容を周知していただくとともに、公立大学の設置による効果がその期待に果たして応えられているかどうか、こういったことを継続的に分析していく必要があるのではないかと思っております。
○古賀千景君 大学を誘致するに当たって、受入れ体制とかその就職先、そんなところも地方としてしっかり考えていかなければいけないんだろうなと思いました。 これは一般的な大学の話に変わります。 これからも十八歳人口は減っていって、定員に満たない大学がどんどん増えていくのではないかと私は考えますが、その点、文科省としてはどのように対応しようとお考えか、お願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 従前より文部科学省におきましては、定員が未充足ということを原因として経営悪化傾向にあり、経営改善が必要な学校法人に対しましては集中的にきめ細かな指導を実施するようにしております。 ただ、そうはいいましても、その全体の少子高齢化の中で特に若年層、その出生数がこれだけ減っているわけでございますので、そういうことを考えますと、二〇四〇年代の大学の入学者数は現在の規模と比較して十万人以上減るのではないかということが危惧されているところでございます。 この状況は別に私立だけではなく、国公私を問わず全ての大学に影響する問題であります。ですからこそ、昨年の九月に中央教育審議会に対して、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方について諮問を行って、現在、精力的に御審議をいただいているところでございますので、こういった議論も踏まえつつ、どうすればいいのか、大学改革の在り方というものにしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○古賀千景君 済みません、質問の順番を変えます。 大学は今おっしゃっていただきました。しかし、地方では高校も同じような状況になっていて、統廃合されていったりとか廃校になっていったりとか、それでやっぱり地元に高校生がいなくなっていっている、そのような状況もたくさん聞いております。高校に関してはどのようにお考えか、お願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 公立の高等学校の再編整備計画については、設置者であります各地方公共団体等が地域の実情や生徒のニーズなどを踏まえて適切に判断すべきものと考えております。 その上で、文部科学省としては、高等学校は地域の核となる必要不可欠な存在であります。生徒の関心や地域の実情に応じた特色、魅力ある教育を実現することがその当該教育委員会等に期待されているところではないかと思います。 そのために、文部科学省におきましては、地域の将来を担う人材の育成を図るために、地域社会が有する課題や魅力に着目した実践的な特色、魅力ある学びに重点的に取り組む学科の設置を可能とする新しい普通科の設置促進や、地域の産業界との連携、協働の強化など、各高等学校における特色ある教育活動の展開に向けた支援、そして小規模校の課題等を最大限解消し、生徒の多様な学習ニーズに対応するための遠隔授業の推進などを実施しているところであり、これらの施策を通じて各高等学校が地域の核としての役割を果たすことができるよう、引き続き、高等学校の特色化、魅力化に我々もしっかり取り組ませていただきたいと考えています。
○古賀千景君 大学にしても高校にしても、自分たちが、学生の皆さんが行きたいと思った大学、高校が近くにある、そして、それが保護者がきちんと大きな負担とならないような状況で進学させることができる、そのようなことを、やっぱり一番は学生の気持ちというところ、それを財政的な面とか効率化とか、そんなもので分断されないように、そのことは重々よろしくお願いします。 話を、質問を戻します。 そうやって大学とかがなくなる、公立化でいったときに教職員の皆さんの立場が変わっていくと思います、私学だったのが公立大学になっていって。 そこで、マイナスにならないように、処遇がマイナスにならないようにということを私は考えますが、その点はどのように文科省としてはお考えでしょうか。
○政府参考人(池田貴城君) 公立大学の場合は、現在の仕組みでは、その公立の機関として、自治体の附属機関としての場合と法人化して公立大学法人としての位置付けと両方ございます。私立大学を公立化する場合には、そのいずれかになるとしても、現にいる教職員の方々の身分とか雇用状況、これはしっかりと御説明をして移行をする必要があると思っております。
○古賀千景君 その点はしっかり、教職員の働き方というところもお願いいたします。 では、話、話題を変えます。資料の方をお配りしました。義務教育の方の標準時数について質問をいたします。 資料を御覧いただきますと、二〇一七年の授業時数の実績を見ると、標準時数九百八十に対して実績が千四十・二。このときに文科省は、標準時数に問題はないが、各学校の指導体制を整えないまま標準時数を大きく上回った授業時数を実施することは教師の負担増加に直結するものであることから、このような教育課程の編成、実施は行うべきではないということを書かれています。これに対して、二〇二一年度の授業時数の実績を御覧ください。標準時数は千十五に対して実績は千五十九・九。標準時数が増えたとはいえ、二〇一七年に示した見解のときの千四十・二の実績を、千五十九・九と、十九・七上回りました。文科省は、標準時数を大きく上回る授業時数は実施すべきではないとの見解ですが、実際にはこの状況です。 これに対してどのように捉えられているか、教えてください。
○政府参考人(矢野和彦君) 御指摘の資料についてでございますけれども、確かに指導体制のないまま標準授業数を大きく上回っている場合は見直すべきでございますが、この大きく上回っている場合というのは、まあ千八十六時間、これ理論的には三十五週で七時間以上の授業が幾つか出てくると、こういった場合を見直すべきとしておりまして、千四十、千五十九自体を問題視しているわけではないということをお話し申し上げ、御指摘申し上げたいと思います。 ただ、千八十六時間については、昨年の通知でも御指摘申しましたとおり、四割弱の学校、小中学校がそういう実態にあるものと考えておりまして、改善が必要な学校があるというふうに考えております。このため、令和五年九月に、標準授業時数を大きく上回った教育課程を編成している場合には見直すことを前提に点検を行い、指導体制に見合った計画とすること、感染症等の不測の事態でも、標準授業時数を下回った場合、そのことのみをもって法令に違反するものではない、こういったことを各教育委員会に求めたところでございます。 各学校において、児童生徒の学習状況や指導体制を踏まえつつ、自校の授業時数をしっかりと検証し、必要に応じて改善していただきたいと考えております。
○古賀千景君 千十五時間でいいということで、下回ってもいいと今言っていただきましたが、なぜ千八十六で、その七十というのは何なんですか。
○政府参考人(矢野和彦君) 今ちょっとお話し申し上げましたけれども、一年の授業時数、授業をやる週を三十五週と仮定した場合、理論的には七時間授業をかなりやらないといけないということになりますので、私どもとしては、一つの目安ではございますけれども、千八十六というところに焦点を当てているということでございます。
○古賀千景君 いや、先ほど話を聞いた限りでは、千十五で十分なのではないかということを私はちょっと思いました。 では次、文科省が二三年四月に発出しましたこの教育課程の編成・実施状況調査事務連絡についてお伺いします。 これで、これでも同じように、大きく上回っているところは一定あるということでこうやって出されたんだと思います。そんなに予備時数たくさん要らないよということで出していただきました。 では、その後どんな状況になっていて、この後の追跡調査というのはされているのかどうか、お願いします。
○政府参考人(矢野和彦君) この通知の実施状況を把握するために実施しました令和五年度の教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査、これを昨年十月に行っておりますけれども、その結果によりますれば、八五%以上の市区町村教育委員会が点検を既に実施又は実施中又は実施に向け検討中と回答しているなど一定の進捗が見られていると、こういう状況でございます。
○古賀千景君 出していただいたのが去年の四月で、今はもう六月、今年の六月で、まだいまだに検討中とか、もう一年たっているから、本当は、カリキュラムというのは学校は三月には作り上げて四月から実施しますよね。ということは、検討中というのはまだまだ遅いのではないかということを私は思います。今年の四月からの新年度、どのような状況なのかというのは調査をしていただきたいと思っています。 では、次です。 でも、教育委員会、自治体によってはもう千十五でぴしっと、文科省が言っている千八十六ではなく、千十五できちんと詰めている教育委員会もたくさんあります。このような標準時数を守っている地域の取組、これを広げていく考えは文科省にはあられますか。
○政府参考人(矢野和彦君) 先般の中央教育審議会の特別部会審議のまとめでは、年間の週数は三十五週ではなく実際には四十週程度であり、千十五単位時間の授業時数を確保するために必ずしも週二十九単位時間の授業を実施する必要はないこと、こういうことにも触れつつ、週二十九単位時間よりも少ない教育課程編成の例を国が紹介していくことも提言されたところでございます。 こうした提言も踏まえつつ、様々な機会を捉えて、各教育委員会や各学校が積極的に教育課程編成の見直しに取り組むための情報提供を行ってまいりたいと考えております。
○古賀千景君 この時数を千十五を下回らないために頑張っているんです、学校も。私も、やったときには、小学校六年生で四十分授業にして、一週間七時間は授業しましたよ。そうやって時数をしていったけど、子供の身に付いたかと言われると、子供はぼうっと七時間座っている、結局疲れているんですよ。そんな状況で、時数で、たくさん学級閉鎖になるから取っておかなくちゃいけないとか、そういうのは子供に関して適切ではないと私は思います。 授業時数は、感染症とか台風とかでもしかしたら学級閉鎖かもしれない、なるかもしれないからといって学校でたくさん、五十も百も予備に取っていますよね。そのようなことはしなくても構わない、千十五でオーケーだ、そして下回っても構わない。先ほども言われましたが、その確認、もう一度、千十五で構わない、よろしいでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) 繰り返しになりますけれども、千十五という時間は標準授業数でございますけれども、最低限の授業数ということではございますけれども、例えばインフルエンザとかコロナのような、あるいはその災害のようなことがございまして、必ずしも直ちにそれを下回るということ自体が違法となるものではないということでございます。
○古賀千景君 この前出ました審議のまとめの十九ページ、二十ページにも、必ずしも千十五単位時間を確保するために週二十九時間単位の授業を実施する必要はない、明記されていますよね。ですので、千十五でオーケーということと、私はそのように捉えます。 では、今カリキュラムオーバーロードという言葉がありますが、その言葉は御存じでしょうか。大臣、御存じですか。
○国務大臣(盛山正仁君) はい。知っております。
○古賀千景君 どのような意味か言えます。大体でいいです、大体で。お願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほど来質疑がございましたけれども、生徒にとって授業数が多過ぎるんじゃないか、それがカリキュラムオーバーロードということで、それで先ほど古賀先生おっしゃったように、ぼうっとしている生徒さんがどの程度いらっしゃるか分かりませんですけど、子供の体力ですとか、そういう能力みたいなことを考えて、適切な授業の在り方がどうであるのか、そういったこととの比較でカリキュラムオーバーロードと、そういう表現をされているということだと理解しております。
○古賀千景君 ありがとうございます。そのとおりです。 子供たちにとって毎日六時間、小学生ですね、五日間というのは結構大変で、今子供たちって放課後が忙しいんですよ、習い事行ったりとか、社会体育行ったりとか。そのために時数を減らせとは言いませんが、先ほど私も申し上げましたとおり、足りないときには七時間とか、そんな、もう何というの、数字だけを合わせるようなカリキュラムを作っているのが実際の学校なんです。だから、そういう、子供たちが結局、ええ、あした七時間ってやっぱり言うんですよ。当たり前ですよ、やっぱりもうへとへとだもんって。時間割組むときも、国語とか算数というのは一、二時間目しか持っていけないんですよ、もう午後は疲れてしまうから。そんなことを考えたときに、子供たちのこの時数をもっと減らしてもいいのではないかということを私は思っています。 審議のこのまとめにも、三ページにも、今回、世界の学力テスト、PISAの結果、書いてありました。日本は、数学的リテラシー、読解力及び科学的リテラシーの三分野全てにおいて世界トップレベルの結果であった。三年に一回しかこれは行われません。この三年間、突然の学校閉鎖で数か月間学校は閉鎖になり、多くの学校は時数が下回ったと思っております。それでも世界トップクラス、いいじゃないですか、減らして。だって、下がっていないんだもん。そうしたら、私は、時数をもっと子供たちの余裕があるような、そして、自分たちが教えられるという受け身だけじゃなく自分で何かをしたいと放課後に思い出せるような、何かそんなふうに時数を減らした方がいいんではないかと思いますが、そこはいかがでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 標準授業時数は、これからの社会を生きる子供たちのために求められる資質、能力を育成するために必要な時間として定めたものでございまして、教育の質を量的に支えるものとして重要なものと考えております。このため、標準授業時数の在り方については、現行の学習指導要領の下での子供の学びや教師の指導の実態を踏まえ、全体として教育の質の向上につながっていくようにしていく必要があると考えております。 いずれにしても、今後の学習指導要領の改訂に際しては、標準授業時数の在り方についても論点の一つとなりますので、現行の学習指導要領の実施状況などを十分に踏まえつつ、中央教育審議会での専門的な御議論もいただきながら検討してまいりたいと考えております。
○古賀千景君 通告していないので申し訳ないですが、千十五のエビデンスって何ですか。
○政府参考人(矢野和彦君) 千十五のトータルで、エビデンスということではないんですが、例えば九百八十時間から千十五時間に延びたという、これは小学校の英語です。つまり、今、子供たちが必要とされているであろう授業時数を足し上げると千十五時間になると、こういう考え方でございます。
○古賀千景君 いろんなものをそうやって増やしているじゃないですか。三十五時間英語が増えた、減らすものは、減らしてくれるものがない、だから子供はあっぷあっぷになるんですよ。 だから、学校で教える内容どんどんどんどん、この前も私も話させていただきました、何とか教育、何とか教育、アントレプレナーシップ教育を入れていけとか。入れろとは言わないけど、入れた方がいいよですよね、そうしたら学校が入れていく。そうやって何とか教育がどんどんどんどん入っていって複雑化して、とっても学校は大変なんですよ。 今回、先ほども話にありましたが、学習指導要領の策定に、また新しい学習指導要領のことをいろいろ今考えられている途中だと伺っています。学習指導要領の内容の精選を強くお願いしたい。例えば、三年生で割り算して、四年生の初めにもう一回その三年の復習の割り算とか入ってくるわけですよ。そんなの私たち宿題でさせますから。あっ、私たちはもうできないけど、させますから、そういうところじゃなくて、きちんと時数をもっともっと学習指導要領改訂に向け減らしていってほしいと思っていますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) いろんなものがどんどんどんどん世の中が変化するにつれて、英語だけではありませんが、インターネットや何やも含めて、教えないといけないなと思われるような事柄が増えてきたということもあり、今のような状況になっていると思います。 大分以前にゆとり教育というのがあって、私も親として見ていて、ええっ、これでいいのなんて思ったことがありました。それで、その後、いろいろやはりそういったことも含めて反省に立って現在の学習指導要領ができていると思いますが、先生のような問題意識を持っておられる方はほかにもたくさんいらっしゃろうかと思いますので、今後のその学習指導要領の改訂というところに当たってどうすればいいのか、今のお子さんにどういうふうにしていくのがいいのか、そういったことを含めて御審議をしていただき、そしてより良い学び、教育、こういったものを目指していきたいと考えております。
○古賀千景君 ありがとうございます。 では、時間がなくなりましたので、申し訳ありません、最後に一つだけ。 この前また出ました審議のまとめの考え方のQアンドA、三問ありましたが、これに、教師の処遇改善よりも先生の数を増やすことの方が大事なのではないですかというQに対して、時間外在校等時間が長くなる要因である持ち授業時数の軽減という言葉があります。 私は、教職員に、人を増やして持ち時数を法律できちんと何時間までと決めた方がいいのではないかと思っています。私、実際、三十時間毎週していましたけど、次の日の六時間の授業の準備は三十分ですよ、一時間五分しか準備する暇がない。こんなでは子供たちに納得のいく教育はできません。ですので、持ち授業時数に、これに制限を掛けるような法律というものが必要なのではないかと思いますが、その件に関しては、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 令和四年度の教員勤務実態調査の結果では、授業の持ちこま数は多いが受け持つ児童生徒数の少ない場合は在校等時間が短くなるなど、持ちこま数のみで教師の勤務負担を測ることは十分ではないという課題があると認識しております。 このため、授業の持ちこま数については国が一律に上限を設けるのではなく、特定の教師に過度な負担が生じないよう、例えば持ちこま数が多い教師にはその他の校務分掌を軽減するなど、各教育委員会や学校の実情に応じて柔軟に対応するべきものと考えております。 他方、授業の持ちこま数の軽減を図ることは重要な課題であるとも認識しております。特に授業の持ちこま数が多い小学校については教員定数の改善により教科担任制を進めており、令和六年度予算においては、当初予定していた令和七年度までの二か年分の改善数を前倒しして盛り込んでいるところでございます。 文部科学省としては、引き続き、教育の質の向上に向けて、学校における働き方改革の更なる加速化、処遇改善、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進めてまいりたいと考えているところです。
○古賀千景君 まだまだ議論したいところですが、時間がなくなりましたのでここでやめます。 ありがとうございました。
○委員長(高橋克法君) 矢野局長、お水飲んで結構ですから、どうぞ。
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。 本日も質問の機会をいただきまして、有り難いと思っております。 まず初めに、いじめ問題の対処の仕方について、文科省が指導をしておられる、いじめ事案が発生した場合、どういう手順で指導をしていけばいいのか、学校教育現場での指導の仕方について確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 学校におけるいじめ事案への対応に当たっては、いじめの疑いのある段階から早期に対応し、教職員個人で抱え込まず、学校いじめ対策組織に報告、相談するなど、積極的にいじめを認知し、組織的に対応していくことが必要でございます。 また、学校いじめ防止対策組織において情報共有を行った後は、事実関係を確認の上、被害児童生徒を徹底して守り抜くという意識の下、被害児童生徒やその保護者に寄り添いながら支援に当たることが重要であり、加害児童生徒に対しても、教育的配慮の下、毅然とした態度で指導、対応を行うことで自らの行為の悪質性を理解させ、健全な人格の発達に配慮することが重要と考えております。 さらに、いじめ事案の中には、もう少しひどい事案、犯罪行為として取り扱われるべきいじめなど、学校のみで対応することが困難な場合もあることから、昨年二月に文部科学省から発出した通知の趣旨も踏まえ、警察を始めとした関係機関との連携についても徹底することが必要であると考えております。 これらの対応を行った上で、最終的にはいじめの解消を目指す必要がありますけれども、その際、いじめに係る行為がやんでいること、被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないことを被害児童生徒本人や保護者への面談等を通じて継続的に確認する必要があると考えております。 個別事案への対応に当たっては、これらの内容を踏まえつつ、事案の性質等に鑑み、適切に対応する必要があると考えております。 以上です。
○下野六太君 今の初等中等教育局長の御説明は非常に納得ができますし、在り方としては非常に正しいと思っています。特に重要なキーワードは、私は、組織的対応と報告、そして、被害児童生徒そしてその家族に寄り添った形でいじめが収まっているかどうかということを確認をしながら丁寧に進めていくということが非常に重要ではないかというふうに思っています。 それで、私は中学校の教育現場で生徒指導を行ってきましたけれども、文科省のホームページを見ると、いじめに対して、多過ぎて、なかなかここを調べたいというところになかなかちょっと行き着かないところがあるという。まあほかの省庁でも一緒ですけど。 まず、いじめが発生しました。いじめが発生した場合に管理職やいじめ対策委員会等に報告をし、そして事実確認をする。それは、被害生徒の話を聞き、そして出てきた、まあ該当する加害側の生徒、児童生徒の名前を確認をして、そしてそれが事実だったのかということを確認しないとまず駄目ですよね。そして、その事実の正確な掌握を正しく行わないと、いじめの行われているという被害を受けている子供の言い分だけを丸のみするわけにはいかないというところがあるので、正確な掌握が非常に重要ではないかというところで、被害側と加害側の双方に話を持っていって、確認している事実としてはこういう事実として確認をしているけれども間違いないだろうかということは確認をすると。そして、そこでまた報告をし、その上で指導体制を、どのような形で指導していくのか、どういう形で報告してそして指導に入ると。その指導を受けて、そして方針として、また被害の子供そしてその保護者にどういった報告をしていくのかというような形で行っていくというのが、私たちは教育現場ではそのようにやってきましたけれども、大体そんな感じでよろしいでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) そのとおりだと考えております。
○下野六太君 そこで、現場で起こっていることが一体どういうこと起こっているのかということをちょっと確認をさせていただきたいのが、その場合で、そういった指導は大体文科省の指導を踏まえて、重大事案等も踏まえながら適切に指導しているというのが今の教育現場だろうと思うんですよ。しかし、問題があるのは、いじめが、これが誰がやったのかということの加害側が分からないことがあるということが一点と、そして、指導をしたけれどもいじめの事象が止まらないという場合があるということなんです。 その加害側が分からない場合、そしていじめの事象が止まらない場合はどのように対処したらいいんでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 委員御指摘のようないじめへの対応について、十分対応できていないという事案があることについては誠に残念でございますが、これお答えになっていないかもしれませんけれども、いじめの対応に当たっては、まず学校が適切な対応を講ずることが重要でありますが、その上で、教育委員会が適切な指導、助言を行うとともに、事案に応じて直接調査等を行う必要もあると考えております。 また、被害児童生徒やその保護者については、学校や教育委員会に相談していただくことにも加えて、ほかにも、二十四時間子供SOSダイヤル、こどもの人権一一〇番、これ法務省の管轄ですが、都道府県警察の少年相談窓口等いろんなチャンネルがございますので、そういったところに相談していただくことも可能であり、これらの窓口も、文部科学省により周知しているところでございます。 文部科学省として、引き続き、学校や教育委員会において適切な対応を促すとともに、さっき申しました多様な相談窓口等の周知を行い、いじめを受けた子供に寄り添った形の対応が進むように取り組んでまいりたいと考えております。
○下野六太君 局長の指導の体制というのは、私はそれで正しいというふうに思っています。しかし、正しいことを正しくやったから解決するというふうにはなかなかいかないというのが現状であるということを御理解いただきたい。 どういうことが起こっているかと申しますと、親としては、自分の子供がいじめられている、物を隠されている、あるいは死ねとか殺すとかいうようなメモがずっと入れられている、そういう学校にはやっぱり親としては行かせたくないというのが心情なんです。そこで、教育委員会に指導を求めます。適切に指導してほしいということを言います。 しかし、教育委員会も、学校側の体制が不十分な場合に、教育委員会も不十分な場合の指導体制があるというところまではあるということが、これが現実なんですね。ですから、どうなるかというと、教育委員会、教育長も指導をする、学校に、学校もそれを受けてやると。教育委員会と学校側が一緒になって抱え込んではおるものの、これ以上できませんねというような、白旗を上げそうな場合があるということなんです。 そうすると、そうしたら、じゃ、親としては、本人としては、学校、じゃ、転校するのか、学校に行けないというような事案が出てくるということで、そこで、じゃ、どうすればいいのかということで、苦肉の策で県教育委員会の義務教育課に事案を、こういう事案が起こっているんだということで報告をして、そして県教育委員会が、義務教育課が動いて、そして教育事務所に指導をし、教育事務所から所管の教育委員会に指導が入って、そこでまた本気でやると。 この間、何が起こっているのかということをちょっと認識いただきたいのが、学校側としては、クラスに指導をし、そして学年全体にもアンケート調査を取り、そして学年集会等も開いていく。これが頻繁に行われると何が起きるのかということに対する想像力が、私は、学校教育現場に欠如しているんではないかということです。デリカシーに欠けていると。 それは何かというと、要するに、最初、被害を受けている子供は、何となく子供たちは分かっています、あの子がいじめられている。最初は、かわいそうだという気持ちで同情心が芽生えるんですね。ところが、何回もアンケートを取られたり、何回も学年集会を開かれたり集められたりして、また、ほとんど関係のない子供たちが集められ、そして先生たちからの指導を受けるというのは、子供たちの中に大きなストレスがたまってくるということなんです。 そうすると、被害を受けた生徒に対する矛先が、最初同情だったのが、これがだんだんと変化が起きてきて、あのあいつのせいでというふうな気持ちが起きかねないということなんです。この辺りが学校教育現場でデリカシーに私は欠けているのではないかと思っているんです。 ですから、最初に局長がおっしゃったように、いじめが発生しないようにしていくということ、そして、細心の注意を払いながら、細かいときに早期発見、早期対処だというそのときの私は初期対応に全てのエネルギーを投入して、そして絶対にこのいじめはもう二度と起こさせないんだというような厳しい指導をする先生もいれば、諭すようなことが得意な先生もいらっしゃる。厳しく叱ってもいい、諭してもいい、どちらでもいいんです。 その中で、やはり人としてもう許せないんだというような形での指導をすることによって、それが一人一人の子供たちの中にすぱっと落ちて、それで子供たちがこのいじめをしっかり認識して、もう起こさないというような形で止まらないといけない。それを最初の初期対応でしっかりと止めないと、そういった形で被害を受けて苦しんでいる子供が更に二次被害が起きかねないというような事態、これが私は避けなければいけないのではないかと。 マニュアルどおりやるというのも大事です。しかし、そういったことに対する学校教育現場はデリカシーを持って、絶対に子供を守るというところに立って、もう早期にそのいじめを収めるというようなところをきちんとした形でどの学校もできるようになってもらいたいと思っておりますけど、局長の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(矢野和彦君) ありがとうございました。 非常に、学校現場の実践における下野先生の今の御発言は非常に説得力があるように思います。我々の日常の指導においても、今のお話を生かしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○下野六太君 ありがとうございます。 是非とも、子供たちを守るという側、これまで、やはり今まで見てきた、被害を受けてきた子供たちが学校を転校する例が結構あるんですね。私は、苦しんでいる子供がなぜ転校しなければいけないのかということに物すごい矛盾を感じておりますので、やはり、守るべきはやっぱり苦しんでいる子供たち、ここをしっかり守っていくことができるようにしなければいけないというふうに思っています。 続いて、質問の三に入りたいと思います。 各都道府県教育委員会や各政令市の教育委員会で教育センターの指導主事等の皆さんが教育現場の先生方を指導していただいているのは委員の皆様もよく御存じのことと思います。国立大学教育学部附属学校の教官の出身者から指導主事や教育委員会教育長に就任され、活躍されておられる方も多いというところです。 私は、平成十八年度に、長期派遣研修員として福岡教育大学の附属の久留米中学校にお世話になりました。そこで出会った先輩の先生方の研究に対する姿勢に深く感銘を受けました。 まず、附属学校の教官になるに当たり、一旦教育公務員を退職して附属学校の教官になるという仕組みになっています。ここで、給与体系が違いますから、基本給が大幅に下がります。仮に、附属学校の教官に六年間勤務したとしましたら、その六年間で給与は、給与の減少幅は大きなものになると。また、その後に教育現場に戻らずに指導主事として、地方公務員として採用されると、再び基本給は教員と比較すると低いままとなるということです。 しかし、指導主事の仕事は想像以上にハードワークであり、担当する学校の研究の進捗状況を把握し、各教師の指導案を読み込み、実際の授業を視察して適切に指導しなければなりません。的外れな指導をしたものならば信頼を損ねてしまうからです。 このような過酷な環境下にありながらも、懸命に地域の教育水準を維持向上に努めてきた陰の功労者が各地域の指導主事の皆さんではないかというふうに思っております。 この指導主事たちの活躍に対しまして、文科大臣の認識と評価をお願いしたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) 下野先生から、いつもいろいろ実態その他、我々よく気が付かないことまで御指摘いただきまして、誠にありがとうございます。 今の御質問でございますけど、現在、不登校児童生徒や外国人児童生徒の増加など児童生徒の多様化が進み、また、GIGAスクール構想により整備された一人一台端末も活用した主体的、対話的で深い学びが求められるなど、各学校において今後の社会を見据えた新たな学びを創造することが不可欠という状況になっております。 こうした中で、各学校を指導する教育委員会の立場から、教育の課程や学習指導、その他学校教育に関して高い専門性を有しておられる指導主事の方々の役割は一層重要なものになっていると考えております。 指導主事の経歴や給与体系については、下野先生から問題点、御披露いただいたところでございますが、各教育委員会によりそういったものが、給与体系その他が異なっているというふうに認識はしておりますけれども、それぞれの教育委員会で、先ほど申し上げたような時代の変化に対応しての新たな重要な役割を果たすことができる資質、能力を優れた、優れた人材が指導主事に配置されているものではないかと認識しております。 各地域においての教育の質の向上に大きく貢献していただいております指導主事の皆様には、改めて感謝と敬意を表したいと、そういうふうに考えております。
○下野六太君 大臣の評価は、全国の指導主事に、大きな勇気や希望につながっているものというふうに思います。引き続きどうかよろしくお願い申し上げます。 しかし、この附属学校、国立大学の教育学部の附属学校は、昔も今も低予算で研究の成果を上げなければならない状況に苦しんでおります。定期的に開催される附属学校での研究発表会には、地域の青年教師たちが自分自身の今後の研究の参考にしたいという気持ちで参加をしています。私も畏敬の念を抱きながら参加をさせていただいたことを思い出します。 附属学校の教官は、それらの期待に応えなければならないという崇高な使命感を持って日々奮闘しています。したがって、限られた予算の中ではできない場合は自腹を切って研究に掛かるお金を捻出するということも頻繁にありますし、そういう先輩方を見てきましたし、私自身も、何度も自腹を切って研究を進めてきたということもあります。 国立大学が法人化され、独自で経営を行わなければならない状況にあることは承知しておりますが、国立教育大学附属学校や国立大学教育学部附属学校の研究予算については配慮できないものかと、心を痛めております。教育現場の先生方は、子供たちのための研究に没頭しており、研究の予算確保までを考える余裕がないというのが現状であります。できればプッシュ型で予算確保できるような情報を提供していただけないかと思っております。文科大臣の見解を伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) 国立大学附属学校は、実験的、先導的な学校教育、教育実習の実施、そして、大学学部における教育に関する研究への協力を行うことが求められています。 現に、各国立大学附属学校においては、地域のモデル校としての役割と併せて、大学との連携により、実験的、先導的な教育課程への取組と、その成果の普及といった役割を果たしてきたものと承知しております。このため、各国立大学法人が附属学校を含めたガバナンスをしっかりと確立し、附属学校の役割を踏まえた機能強化を図っていくことが重要と考えております。 附属学校の活動に関しましては、各国立大学法人において必要な経費を措置していただくほか、文部科学省としても、研究開発学校制度やスーパーサイエンスハイスクール支援事業などの活用を周知し促しているところであり、引き続き様々な機会を通じて情報提供に努めていきたいと考えています。
○下野六太君 じゃ、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○中条きよし君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の中条きよしでございます。 前回、三月二十二日の当委員会の質疑では、予期せぬ形で引退したスポーツ選手のその後のキャリアへの支援が必要ではないかと、このような質問をさせていただきました。 本日は、改めて、支援するためにはどういうことができるのか、また、これらはスポーツに限らず、文化芸術の分野でも同様の支援が必要なのではないかという視点で質問をさせていただきます。 三月の質疑において、私は、スポーツ選手から多くの夢や希望、そして勇気というのをいただいているにもかかわらず、その選手たちが何かの事情や事故で引退を余儀なくされたときには、はい、お疲れさまという、そんな簡単なことでいいんだろうかと申し上げました。 改めての御紹介となりますが、このことに気付かせてくれたのは、私の長年の付き合いである元K―1ヘビー級選手の宮本正明でございまして、現役の時代にも人気者で、競技を通じて多くのファンを熱狂させてきた男です。ですが、無理を重ねて努力してきたことで、非常に医療面や治療にも苦労して、経済的な不安も抱えながら、骨髄変性症や悪性腫瘍と闘っております。あれほど強い男が、私のところに来て死にたいと弱音を吐いたときにはとても衝撃を受けました。しかし、それだけではなくて、ショックだったのは、一芸に秀でたばかりに他のことができないという言葉でした。 以前の質疑でも申し上げましたけれども、改めて申し上げたいと思います。これは宮本に限りません。幼い頃からずっと努力を重ねてきて、勉強の機会や就職の機会などから遠ざかり、芸を磨いてきた人たち、私たちに夢を与えてくれた人たちに、一芸に秀でたばかりにという言葉を言わせていいのかと、これまでの人生を後悔させるようなことでいいのかというのを心を痛めました。 この問題意識から、三月の質疑では予算委員会からの委嘱審査でしたので、予算がスポーツ選手の育成や産業の育成だけではなくて、引退後のキャリアを築いていく支援が必要ではないかという話をしました。どういう取組があるのかお伺いをしたところ、スポーツ庁から、おおむね同じような問題意識を共有してくださり、幾つかの事例を紹介していただきました。その際に、これは個々のスポーツクラブであったり連盟であったり、それぞれ取組方もばらばらな状況で普及には課題があるというお話だったと思います。 そこで、改めてお伺いをいたします。 例えば、種目によって人数も少なく予算規模が小さいというところもあると思いますが、Jリーグのように体力があるところはきっと知見もたまりやすいと思います。種目を越えて、他のスポーツにもノウハウが共有できるといいと思いますが、国として、種目、業界を横断したノウハウ共有に向けた支援が必要ではないでしょうか。お考えをお聞かせ願います。
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。 文科省といたしましては、キャリア教育のその支援のノウハウを、今お話ありました種目横断、業界横断で共有する、そういった仕組みは極めて重要だと考えております。 そのため、当省では、様々な種目のスポーツ団体と様々な業界の企業等が参画いたしますスポーツキャリアサポートコンソーシアム、これを運営いたしております。この中で、アスリートのキャリアに関する情報発信やキャリア教育に、失礼いたしました、キャリア形成に関する啓発、教育等の取組を進めているところでございます。 平成二十九年、七年前になりますけれども、十三団体で創設されましたこのコンソーシアムは、現在、スポーツ団体三十三、民間企業六十、その他大学など十九、合わせて百十二団体が参画するまでになってございます。 今後も、引き続きこのコンソーシアムを中心にアスリートのキャリア支援に努めてまいりたいと思います。
○中条きよし君 業界が違うと特性も違って難しい部分もあると思いますが、そこで、少し重複いたしますけれども、更にお伺いをいたします。 このような業界を越えてノウハウを共有したり、共同で研修をしていくための事業であったり、あるいは課題の洗い出しを行っていく検討の場といったものがあるとよいと思いますが、お考えをお聞かせ願います。
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。 先ほど御説明申し上げましたスポーツキャリアサポートコンソーシアム、これにおきまして、アスリートのキャリアに関する研修プログラムの開発、実施を行うとともに、コンソーシアムの運営を行う中で、アスリートのキャリアに関する課題の整理、検討についても行っておるところでございます。基本的な考え方といたしましては、現役時代にデュアルキャリアの意識を育みまして、現役引退後、それをセカンドキャリアにつなげていくというものでございます。 今後も、引き続き、このコンソーシアムを中心に加盟団体の拡充を図るとともに、アスリートキャリアの支援体制の充実に努めてまいりたいと思います。
○中条きよし君 ありがとうございます。 なかなか難しい部分もあると思いますが、少なくともこの問題意識は共有できていると考えておりますので、引き続きの御検討、お願いいたします。 一芸を磨きに磨いてチャレンジし続ける選手たち、一方で、やむにやまれぬ事情で引退を余儀なくされ、苦しい思いをしている元選手の方は、今この瞬間にもおられると思います。スポーツ選手を育てていく、産業を育成していく、それだけではなくて、選手が引退後も豊かな人生を送れるような、そういう視点を持って政策づくりに臨んでいただきたいと思います。 さて、一芸に秀でたばかりというのは冒頭でも申し上げましたけれども、スポーツだけに限らないように思います。文化的な競技であっても、様々な事情によって引退せざるを得ないということはあると思います。 例えば、将棋の藤井聡太棋士の活躍、息をのんで叡王戦に注目している方も多いのではないでしょうか。まず、プロの棋士になるには、原則として日本将棋連盟の棋士養成機関である奨励会の入会試験に合格しなければならないわけです。六級からスタートして、二十六歳までに四段に昇段するという必要があるんですが、昇段できるのは半年に一度で、上位二名だけです。とても狭き門です。勝負事なので仕方ないとはいえ、相当な努力と才能を費やしてなお二十代の半ばでプロを諦めざるを得ないというのが現実です。 たまたま将棋の例を出しましたけれども、私も芸能界で五十四年間食べてきました。自分で言うのもなんですが、もちろん努力を欠かしたことはございません。ちょっと声が小さくなりましたが。運もあります。もちろん人との御縁に助けられたことも数え切れません。一番大変だったのが劇場の一か月公演というので、一か月間、毎日芝居とショー、一回の公演が三時間です。出ずっぱりで声を出すわけです。それが大体一日二回です。六時間ということです。本当に毎日、毎朝起きるたんびに、今日は声が出るんだろうか、声は潰れていないだろうかと、本当にそういう不安が常に付きまとっておりました。このような文化面でも、一つの道を諦めざるを得ないということはそれぞれにあると思います。 そこで、お尋ねをいたします。 先ほど、そして三月の質疑でも、スポーツについては引退後のキャリア形成の自主的な取組であったり政府としてコーディネーター養成の事例をいろいろと御紹介いただきましたが、文化面の競技や芸術、芸能従事者での同様の取組を何か把握されておりますでしょうか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 文化芸術に関しましては、分野にもよりますけれども、クリエーターあるいは表現者として活躍する期間は比較的長いという側面がございますし、実演家だけではなくて技術スタッフや団体運営に携わる人材等、様々な担い手が関わっているところでございます。生涯現役で活躍される方や実演家として活動した後に指導者として活躍される方など、様々なキャリアがあるというふうに承知をいたしております。 したがいまして、そのキャリア形成におきましては、表現者としての幅を広げたり、更に高めたりすることが求められており、その意味では、それぞれの分野における切磋琢磨や学びの機会は重要かと存じております。 そのため、文化庁におきましては、例えば、舞台芸術等総合支援事業の芸術家等人材育成におきまして、実演家のみならず、舞台や運営のスタッフの育成を支援したり、また、キャリア形成の観点から、優れた芸術家等について、学校現場でも御活躍いただけるような、小学校、中学校等に文化芸術団体や個人、少人数の芸術家等を派遣する、学校における文化芸術鑑賞・体験推進事業の実施、あるいは、地域における文化芸術団体の人材が教員に代わり部活動の指導等を行う部活動指導員の配置支援などにも取り組んでいるところでございます。 引き続き、芸術家がそのキャリアを生かして様々な場面で活躍できるよう支援してまいりたいと思っておりますが、それぞれの分野の芸術家等のキャリア形成におきましては、文化芸術分野の特性から、文化芸術団体の果たす役割が非常に大きいというふうに考えてございます。 例えば、先ほど御指摘のございました将棋につきましては、公益社団法人日本将棋連盟は、同連盟公認の将棋普及指導員という資格を付与し、地域の公民館での教室や学校のクラブ活動での指導、又は高齢者施設の訪問や地域のイベント、大会の創設、設営等、様々な活動で将棋の普及、指導に取り組んでいると承知をいたしてございます。また、同連盟では、学校教育への将棋導入推進事業などにおいて、学校の要請に応じて、総合学習など、授業や部活動への棋士、将棋普及指導員を学校に派遣するなどの取組を進めているというふうに承知をいたしております。 このように、文化芸術団体の役割も非常に大きいと考えてございまして、その組織強化や風通しの良いマネジメントの確立に向けて、文化庁としても取り組んでまいりたいと考えてございます。
○中条きよし君 ありがとうございます。 スポーツに比べると多岐にわたり、どこまでを範囲にするかというのは非常に難しい面もあると思いますが、引き続き知見の蓄積や検討をお願いできればと思います。スポーツにせよ、文化的な競技にせよ、芸能にせよ、引退、特に不慮の引退があっても社会の一員として迎え入れる用意があるよと、決してその努力は無駄ではないよと、こう言える社会にしていきたいと思います。 次に、前回、私、教育の現場などでは、高齢者や引退された方々の経験と知見を生かしていくことができるのではないかと申し上げました。これについておおむね好意的な答弁をいただきまして、同じ課題感かなとは考えております。そのような気持ちで資料を拝見いたしますと、文科省が昨年六月に行った教師不足への対応等についてのアンケート結果において、各地の教育委員会の取組として、退職教員への再任用や臨時任用の働きかけをされているようです。 そこで、お尋ねをいたします。 このアンケートに限りませんが、全国的にどういった形で働きかけが行われているのか。例えば好事例などがございましたら、把握されているものを御紹介いただければと思います。
○政府参考人(望月禎君) 退職された経験豊富な教師の方々に引き続き学校現場で御活躍いただくということは有意義であるというふうに考えてございます。 取組の一例を紹介をさせていただきますけれども、岐阜県教育委員会では、令和五年度から、学級担任を受け持つ再任用教諭に対しまして、シニア学級担任手当として月額四千二百円の手当を支給することで、小中高、特別支援学校、学校種問わず積極的に再任用を促すという取組を行っていると承知してございます。 再任用者数はこの十年間で約四倍増えてございまして、平成二十四年度が一万五千四百三十人だったところが、令和五年度は六万一千七百三十三名となってございます。こうした教育委員会における教師不足対応の取組の中においても、複数の教育委員会で退職教員の再任用あるいは臨時任用の働きかけを行っているものというふうに承知をしてございます。 こうした取組につきましては、引き続き、文部科学省で横展開を図りまして紹介をしながら、また令和五年度の補正予算でも計上しました全国の教育委員会が教師人材を発掘する取組を強化するための支援事業も活用していただきながら、退職教員の活用も含めて、引き続き教師不足の解消に対する取組も後押しをしたいというふうに考えてございます。
○中条きよし君 ありがとうございます。 教員の働き方改革を考えた際に、先生や学校で対応をしなくてもいいことまで先生方がされているという状況がありました。例えば、平成三十一年に中央教育審議会でまとめられた学校、教師が担う業務に係る三分類では、放課後の見回り、お金の徴収、ボランティアとの連絡調整などは教員以外が担うべきとされているようです。ところが、最近の取組状況調査でも、登下校のサポートを除くと、引き続き学校での対応を余儀なくされているようです。 そこで、政府にお尋ねをいたします。 登下校のサポート以外で紹介されている放課後の見回りやお金の徴収、ボランティアとの連絡調整など、学校以外で対応すべきとされていることなどについて、民間を定年退職された方々など地域の方々に御協力をいただくということもあるかと思いますが、どのようにお考えでしょうか。もし既に把握している事例などがありましたら、併せてお教えください。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 学校における働き方改革の推進に向けましては、今御指摘のあったとおり、平成三十一年一月の中央教育審議会答申で示された学校、教師が担う業務に係る三分類に基づいて業務の考え方を明確化した上で、役割分担や適正化を進めてまいりました。このような中、国、都道府県、市町村、各学校等、それぞれの主体が自分事としてその権限と責任に基づき取り組むことが重要であるため、昨年八月には各主体の具体的な役割等を整理した対応策の例を示すなど、取組の徹底を図ってきたところでございます。 また、基本的には学校以外が担うべき業務の適正化に向けまして地域との連携、協働も重要であり、具体的に申しますと、小中学校、PTA、自治会、警察機関等で、生徒指導上の課題を共有し、地域住民等による声掛けを徹底している、こういう事例がございますし、また、学校と地域をつなぐ地域学校協働活動推進員等を配置し、地域ボランティアとの連絡調整等を担っている事例などがあると承知しております。 文部科学省では、地域と学校の連携・協働体制構築事業により、こうした幅広い地域住民の参加を得て実施する活動における地域ボランティアや地域学校協働活動推進員に係る諸謝金等への支援を行っているところでございます。 中央教育審議会の審議のまとめも踏まえ、引き続き各教育委員会や学校現場等における好事例の展開等を通じて働き方改革の更なる加速化を図ってまいりたいと考えております。
○中条きよし君 ありがとうございます。 同じく部活についても、スポーツ庁、文化庁は、段階的に地域に移行するとされていたと思いますけれども、地方などでは民間委託が難しい場所もあると伺います。 そこで、お尋ねをいたします。 こちらも同じようにシルバー人材センターなども活用しながら、民間を定年退職された方々など地域の方々に御協力をいただくということもあるかと思いますが、そこの辺りはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 部活動の地域移行を進める上で、特に地方部において指導者の確保は課題であると認識しております。地域の様々な人材に御協力いただくことが重要だと思います。 このため、文部科学省では、令和五年度から部活動の地域クラブ活動への移行に向けた実証事業を開始し、指導者の確保に向けた人材バンクの整備や指導者の発掘、マッチング等を推進する地方自治体の多様な取組を支援しているところでございます。 定年退職された方々には豊富な指導経験を有する方もいらっしゃいますので、例えばシルバー人材センターなどとも連携して、地域クラブ活動の指導者として御活躍いただくことは、指導者の確保に向けた効果的な方策の一つであると考えています。 文部科学省としては、引き続き、地方自治体の多様な取組を支援するとともに、実証事業の成果を普及し、全国的な取組を推進することにより、地域の実情に応じた持続可能で多様なスポーツ、文化芸術環境の整備を進めてまいりたいと考えております。 それから、先ほど来、中条先生の方からスポーツについてまずあり、そしてまた文化芸術、そのほかの分野について、第二の人生というんですかね、そういうところへの支援というお話がございました。本当にそのとおりだと思いますし、今日、この委員会の委員の先生方でも、多くのそれぞれの分野での御経験、そして、すばらしい実績を上げておられる委員がいらっしゃるわけでございますので、またそういうような委員の先生方から我々の方に、こういうようなことを考えてみたらどうか、あるいはこういう視点が欠けているのではないか、そういうような御指導を賜れればと思っております。
○中条きよし君 御親切にありがとうございます。 いずれの場合もですけれども、地域の方々に御協力いただく際には、きちんと対価というのも含めてやりがいを持って働いていただけるように、十分な御配慮をお願いいたします。 それぞれの世界で頑張ってこられた方々がその力を十分に発揮できる社会になりますようにお力添えをお願いして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(高橋克法君) 政府参考人の皆様には、お水を飲んで結構ですので、どうぞ。望月さんも、池田さんも、お水をどうぞ。 じゃ、行きましょう。
○伊藤孝恵君 私も、去る五月三十日の銚子市、加計学園千葉科学大学の視察、かなりこれ衝撃の視察でございまして、そこから質問を始めたいというふうに思います。 まず、誘致した元市長の不可思議な契約と見通しというのが際立っておりました。例えば、市保有の土地の無償貸与時に、普通だったら返却時は原状回復が常識でございますけれども、これが協議になっていた。そして、その更地にする費用はおよそ三十億掛かるそうでございます。さらには、大学誘致のために市の財政基金が底をつきまして、病院が閉鎖されたり、職員の給与がカットされたり、それから行政サービスの値上げなど、耳を疑う有様であるにもかかわらず、この当の元市長は御自身のブログで、経済効果は、銚子市の財政から多額の利子が市内金融機関に支払われ、市内経済効果を増額させるので二十三・五億円あり、二〇二六年からは起債返済額がゼロになり、市財政収入の単年度純粋黒字が五・五億円規模となり、莫大な財政収入黄金時期に、黄金時代に入りますと記しておられました。黄金時代どころか、現実は毎年四億円、二十年掛けて来年ようやく完済をする前にこの事態でございます。経営難から公立大学の法人化を求めるというようなこの事態であります。 ただ、加計学園側は、公立化の前には、とにもかくにもまずは規模を縮小していただいて、その後に公立化だよというふうにいろいろな方から指摘をされているにもかかわらず、我々の質問に対しては、そんなこと言われても、見てください、この現状と、そんな簡単じゃないんですよというようなことをおっしゃっておりましたし、現に、第一回の検討委員会では、検討のベースとなる財務資料というのは出さないまま、公立化しなければ撤退すると居直っているような、そんな有様でございました。 加計学園には内部留保はおよそ百二十億円あるそうでございますけれども、連結で赤字を包含するという気はないそうです。とにかく千葉科学大学が赤字だから公立化をしたいと、まあ当たり前ですけど、黒字だったら私立化のままでいいと、そういった駄々っ子のような説明でございまして、これ今後、八月までに答申がこの検討委員会から出され、市が方針をまとめて、ここから議会や市民に説明をして最終的な結論を導いていくという、そういったお話でございました。 私がお話を聞いていて本当に残念だなと思ったのが、大学側の説明の中に、学生の顔、それから保護者の顔、そして銚子市民の顔、こういったものが全く浮かばないような説明だったということであります。それから、自責ではなくて他責、例えば地の利のせいだと、そんなことは初めから分かっているじゃないかというような地の利のせいだったり、それから少子化のせいだと、そんなことも分かっているじゃないか。市が無策だったんだと言ってみたり、それから、ライバル校が増えたんだ、コロナのせいだ、いろいろな他責の文言が出てきたわけですけれども、それを聞いていて一番やっぱり心配になるのは学生の行方であります。 中教審では、今、大学がこういった破綻時に学生をどう保護していくかというようなルールというのを検討しているやに聞いております。検討状況を教えてください。
○国務大臣(盛山正仁君) 今、伊藤先生からも大変厳しい当該学校についてのお話がございましたけれども、日本を取り巻く環境の変化、特に少子化ということで、日本全国として、高等教育、特に地方における大学、こういったものをどうするかということが課題になっているということは先ほど来申し述べてきたところでございますが、昨年九月に、そういうような問題意識を背景にしまして、中央教育審議会に対して急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方について諮問を行い、現在御議論をいただいているところでございます。そういうようなことでございますので、この大学破綻時の保護ルール、こういうことも含めまして、今いろんな検討が進められております。 そして、この大学破綻時の部分については、令和五年二月の中教審の審議まとめにおいて学生保護の仕組みの整備に関する論点や検討の方向性も示されているところでございますが、今後とも、この規模の縮小、撤退を含むこういうような場合には、まず、先ほども申しましたが、学生をどういうふうにしていくのか、そしてまた先生おっしゃるとおり、親御さんであり、地域をどうしていくのか、こういうことを十分考えて、またより一層検討をしていく必要があるのではないかと考えています。
○伊藤孝恵君 大臣、ですから、いろいろな検討をしているのいろいろの部分を聞きたかったわけです。さらには、そのいろいろの検討は、これなかなか悠長に検討している課題じゃないと思うんですよね。時間的な制約もあると思うんです。 そのいろいろを教えてください。そして、いつまでにかを教えてください。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 今大臣から申し上げましたとおり、令和五年二月の中央教育審議会大学分科会の審議まとめで大きな方向性を示していただいております。大学の破綻リスクを低減するために行うべき措置や破綻時に学生を保護するためにとるべき措置など、学生保護の仕組みの整備に関する論点、検討の方向性がここで示されております。 これを踏まえて、現在、中教審の特別部会で審議をしている中でこの件についても深掘りをして議論をしていただいておりますけれども、例えば、学生保護の観点から、経営改善への取組や成果が不十分な大学や経営改善が見込めない大学に対応するため、例えば規模の縮小や撤退を含む早期の適切な経営判断を促す指導、支援を進めるということと、学生募集を停止する際に在校生の教育条件の維持等について報告を求めていると、これは現在行っている取組でございますが、これも踏まえて、中教審で更なる議論をしてございます。
○伊藤孝恵君 日本私立学校振興・共済事業団の二〇二一年度調査では、全国の五百六十八法人のうち、七十四法人が経営難、十二法人は四年以内に資金繰りがショートするとしております。 大学入学者数の減少というのは、先ほど今井委員の質問からもございました。昨年の私立大六百校のうち三百二十校、およそ五三・三%がもう定員割れを起こしている状況ですから、深刻度は明らかで、私がいつまでにというのにこだわって聞いておりますのは、こういった破綻時の学生保護ルールの策定、論点は出したというふうにおっしゃっていて、もちろん、この経営状況の把握とか、連携、統合のガイドラインというのの必要性は明らかでありますので、そういったガイドラインを出していただけるのか、それはいつを目途としているのか、そういったところをお答えいただきたいんです。
○政府参考人(池田貴城君) 先ほどスケジュール感をお答え申し上げず、失礼いたしました。 報道にも一部出ておりましたけれども、先週、特別部会で中間取りまとめの素案を提出いたしまして、これを夏頃までに取りまとめる予定でございまして、これを踏まえて、平成六年度中に答申をまとめるべく議論をいただいております。
○伊藤孝恵君 平成じゃなく、令和ですね。 視察では……(発言する者あり)はい、大丈夫です。千葉科学大学撤退の場合のキャンパスの利用方法というのは委員からも質問が及びました。 資料を御覧ください。こちら、小中七校統廃合、大学内に一貫校、進む少子化、各地で学校再編の動きという記事でございます。これ、愛知県の美浜町の事例でございます。日本福祉大学の社会福祉学部、定員千六百八十人というのを四年後に近隣市に移転するのをきっかけに、近隣の小中学校が校舎が老朽化していたので維持管理費が掛かる、それから子供の減少も鑑みると、小中一貫校の計画が具体化していったということでありました。敷地は大学から無償で借用するそうです。運動場とか武道館、プールも一緒に使うそうです。 そういう部分で、今、この東海各地の取組というのはこの記事で御紹介をしましたけれども、この小中一貫への統合というのはもう避けられない時代の要請とも言えると思います。その際、検討に係る要点の整理、新たな施設建設のための事業費の捻出、何より、送迎バスとかバスの運転士さんの確保とか、そういった課題はあまたあるのかというふうに思います。 今回、二〇〇六年の教育基本法改正で、大学のミッションに教育研究のほか社会貢献が加わったことで、大学が地元との関係を重視するようになって産学連携が進んで、大学の研究が地域に直接関わっていく方向に進んでいるのは非常にいいことだというふうに思うんですね。なので、こういった大学を含めた小中高など、地域の全体の学びの場というのを集約していく、こういった取組について大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(盛山正仁君) その大学とということでございますけど、大学自体が私立の場合と国公立なんかの場合もあろうかと思います。そういう点で、小中一貫校、あるいはどういうふうに統合していくのか、そのケース・バイ・ケースというようなことでもあるんじゃないかと思いますが、いずれにせよ、人口の減少その他も踏まえながら、その小中統合ですとか、そしてその中で、小学校の統合、中学校の統合だけではなくて小中の一貫校というふうにしていく方がいいというような御判断をされることも、それは大いにあり得ることかとは思います。 それで、学校の適正規模、適正配置、こういったことも考えないといけないわけでございますけれど、児童生徒の教育条件の改善の観点を中心にまず据えていただく、そして学校教育をより良く実現するために行われるべきものであると思います。 そしてまた、学校は教育の場、学びの場ということだけではなく、各地域のコミュニティーの核ともなるわけでございます。お祭りですとか、場合によっては地域の人も含めての運動会ですとか、そういったものもあると思います。そういう点で、防災、保育、地域の様々な交流の場など、様々な機能を持つということでもあります。また、地域の未来の担い手である子供たちを育む営みが学校教育でもあり、そしてまた、町づくり、地域づくりの在り方とも密接不可分という性格も持っております。 そういったことで、我々文部科学省としましては、個別具体的の学校の在り方については児童生徒の教育方針を踏まえた上で市町村が判断するものと考えておりますが、各市町村における検討に資するよう、例えば、小中一貫校においては、義務教育九年間を通じた柔軟な教育課程を編成することが可能であり、地域の実情を踏まえた九年を一塊とした取組を充実できることなどについて、引き続き必要な情報提供等に努めていきたいと考えています。
○伊藤孝恵君 その一番最後のところが聞きたかったんです。この記事の中で、住民が、町が勝手に進めている、これ本当に必要な計画かというふうに不安視する意見もあるんですね。やっぱりここは、住民の方にお話を伺いましたけれども、文科行政に必ずしも精通していない人たちが決めていく、どんどん決めていく、これについて不安をされているわけです。そして、それを文科省が、まあこれは自治体の方々が決めてくださればいいんでというふうに関与してくれていないというところにも不安を覚えている。 ただ、これは全国で起こってきます。もうこれは時代の要請だというのの中で、文科省についても、今大臣がおっしゃったように、課程の編成もそうだと思います、統合時の留意点、失敗事例、住民とのコミュニケーションの仕方、成功事例、あると思います。さらには、いろいろなところからバス等で来ることになりますから、じゃ、本当にその始業時間というのはこのままでいいのかというところもあると思います。さらには、部活の地域移行で送らなきゃいけない、そことの一体化って一体どうなっているんだ、それに苦心している、腐心している自治体はないのか、そういうところを情報集めて、そしてその知見を全国に提供するということが有益なんじゃないか、必要なんじゃないか、そういう課題で今日は質問しております。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 これ、平成二十六、七年ぐらいだったと思いますが、適正規模、適正配置に関する文部科学省としての基本的な考え方をお示し申し上げておりまして、先ほど大臣からお答えしたような、例えば児童生徒が集団の中で切磋琢磨することについては一定規模を確保することが望ましいとか、あるいは小中学校の学校規模の標準時、標準等を設定したり、さらには地域のコミュニティーの核、それとあと、今委員から御指摘のあったような点についてもお示ししているところでございまして、御指摘のとおり、かなり統廃合等の動きが少子化に伴い出てきておりますので、引き続きこういったものを踏まえながら各都道府県教育委員会等を指導してまいりたいと考えております。
○伊藤孝恵君 出していただいたときといろいろ違いが起こっています。こんなに急速に少子化進むと思っていましたっけ、こんなに地域の足で各自治体が苦労する、こんなにこの部活の地域移行というものがなかなか進まないという現状、新たなこの課題が出てきています。そういうものに対応したガイドラインやそういうものに対応した政策というのを文科省には求めたいところでございます。 続きまして、学校教員の確保策について伺いたいと思います。 五月二十九日、東京都教育委員会が発表した令和六年度公立学校教員採用候補者選考、七年度採用の応募倍率に驚愕をこれもいたしました。特別支援学校で一・一倍、昨年は一・六倍でした。小学校で一・七倍、昨年は一・八倍でした。いわゆる三倍を切ると危険水準というふうに言われている中で、大学三年前倒し選考もキャリア採用もカムバック採用もやってこの数字です。 大臣、この教員採用の課題に対する認識、お伺いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 我々文部科学省の最新の調査結果では、令和五年度採用の選考において、全学校種の総計での採用倍率が三・四倍、小学校の採用倍率が二・三倍となっております。また、採用された教員のうち、民間企業等の勤務経験者は四%となっております。 採用倍率の低下は大量退職、大量採用の影響によるものが大きいと認識しておりますが、優れた教師人材を確保するという観点から、こうした状況にあることは大変重要な課題であると認識しております。 我々といたしましては、毎年度の新卒受験者を十分に確保することと併せて、多様な専門性を有する教職員集団を構築する観点から、社会人も含めた幅広い人材を確保していくことが重要であると考えており、引き続き、各教育委員会に対して教員採用選考の実施方法について様々な工夫改善を要請するとともに、各教育委員会における取組をしっかりと支援してまいりたいと考えております。 そして、来年の春の採用に関しましては現在進行中ということでもございますので、しっかりその状況を踏まえて次の対応につなげていきたいと考えています。
○伊藤孝恵君 先生たちの働き方改革、これがマストでございますけれども、そもそもなぜ教員不足が起きているかといえば、大臣も付言していただきましたけれども、一九七〇年代前半に生まれた、まあ私もそうでございますけど、第二次ベビーブーム、団塊ジュニア、プレ団塊ジュニアの世代の就学対応で採用されたベテランの先生たちが次々と定年を迎えられて、大量に退職していることも影響であります。一方で、その第二次ベビーブーマー世代、我々は就職氷河期世代でございまして、平成の大合併も相まって、公務員、教員志望だった団塊ジュニアたちはその夢をかなえられず、時代と政策によって機会を損失した、そんな世代でございます。 文科省も、就職氷河期世代は教員採用試験倍率が過去最高を記録し、免許状を取得したものの、採用されなかった者がおよそ百万人いると推計をして、教員免許の更新廃止を機に、教員を再び目指してもらうためのリカレント教育プログラム事業を行っております。ただ、これ、令和二年、そして令和二年―四年限りで終了です。理由を教えてください。
○政府参考人(望月禎君) 伊藤委員御指摘のとおり、就職氷河期世代、これは厚生労働省によると明確な定義はございませんが、一般的には、平成五年度卒業、大体今五十四歳から五十五歳、下は二〇〇五年度、平成十七年、つまり三十九歳ぐらい、つまり四十歳代の方が就職氷河期に多く当たってございまして、公立学校の教員の年齢別割合でいきますと、五十代が三〇・五%に対して四十代が二三・二%と、確かに採用倍率が、このいわゆる就職氷河期世代の方々は採用倍率が高く、また採用者数が少なかったということでございます。 これに対して、就職氷河期世代を対象とした政府全体の検討の中で、そうした方を特に対象とした形での事業というものを起こしてございましたけれども、今般、その就職氷河期世代ということに限らず、やはり教員不足というものに関して政策を取っていく必要がございますため、就職氷河期世代ということだけではなく、各都道府県に対して教員のなり手不足を、厚くするための取組をもう様々な形でお願いし、また横展開をしているところでございます。 国としても、そうした特別免許状を活用した選考、あるいは一般試験の免除、あるいは加点、その他の特別選考を含めまして教師人材を発掘する取組を強化するための支援事業というものを起こして、各都道府県において引き続きこうした政策を通じた優れた教育人材の確保に努めていきたいと考えています。
○委員長(高橋克法君) 局長、やめた理由というふうに伊藤委員は質問されたので、伊藤委員、どうしよう、どうしましょう。
○伊藤孝恵君 お願いします。
○政府参考人(望月禎君) 大変失礼しました。 やめた原因という、直接今申し上げませんでしたけれども、政府全体での就職氷河期世代の事業の一環として行っていた事業、令和二年から四年ございましたけれども、この事業を発展的に解消いたしまして、就職氷河期世代ということでなくて、教員不足対応ということ全体としての政策にしたということでございます。
○伊藤孝恵君 やる気ないですね。これね、免許持っているんです、私たち。終了すべきじゃなくて、強化すべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 私も、まずは千葉科学大学の問題に関わって、文科省による地方の私立大学政策について確認をしていきたいと思います。 先週の視察の中でも強調された事実ですが、現在、定員割れとなっている私立大学というのは五三%に上ると。その多くが地方の小規模大学なのは明らかです。同時に、そうした地方の小規模の私立大学というのがその地域の数少ない高等教育機関としての役割を果たしている場合も少なくないと。千葉科学大ですら、銚子市にとっては欠かせない大学であって、撤退はできれば避けたいという旨が市長からも訴えがあったわけです。 大臣にまず伺いたいと思います。まず、基本的な考え方として、この少なくない地方の中小規模の私立大学が存続の危機にあること、それにより地域から大学がなくなってしまうことは放置してはおけない課題であると、そういう認識はありますか。
○国務大臣(盛山正仁君) それはもちろんでございます。急速な少子化ということで、特にその地方ですね、あるいは地域というんでしょうか、そういうところでの私立大学を取り巻く環境が一層厳しくなっている、経営状況が厳しくなっているということは承知しております。 他方、その、今先生おっしゃったように、地方の私立大学は、所在する地域において、教育という点だけではなく、そのいろんな役割を担っております。地域の若者の教育機会の確保だけではなく、地域産業の活性化、こういった役割も担っておりますので、地域社会と連携を図りながらその役割を果たしていくことが重要であると考えております。 そういうことで、昨年の九月に、繰り返しになりますけど、私から中央教育審議会に諮問を行いまして、現在、地域における高等教育へのアクセス確保といった観点も含め、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方について御議論いただいているところでございます。
○吉良よし子君 地方の私立大、危機には陥っているものの、その地域で重要な役割を果たしている場合もあるし、そのアクセス確保は重要だという御認識だという話だったと思います。 ただ、この定員割れとなっている私立大学、本当、個々には様々な理由があると思うんですね。千葉科学大のように学長自身が見通しが甘かったと認めるような場合もあれば、そうでない場合もあると思うんです。 ただ、その大学に通っている学生がいる以上、この定員割れしたということだけをもってその大学が淘汰されていいとは思えないし、定員割れした大学であったとしても、そこに通っている学生の学びを保障する責任、これは文科省にあると思うんです。先ほどの答弁でもそのような御認識、大臣お話しされたんじゃないのかなと思っているんですけれども。ただ、実態を見てみると、文科省、現在、定員割れとなれば国庫助成を減額すると、五割を切れば不交付という対応、ちょっと冷たい対応を続けているんじゃないのかと思うわけですけれども。 大臣、こういうこの国庫助成の減額、若しくは不交付の措置というのは、定員割れとなった私学というのはもう淘汰されても仕方がないと、そういう立場だということなのですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほどから申し上げているとおり、地方の大学というのはいろんなその役割があります。学校での教育だけではない、その地域にとって大事な、その重要な施設というんですかね、組織であるということでございますので、そういう点で、定員割れだけをもって淘汰されていいと、そういうようなことを考えているわけではありません。 ただ、一般論として言いますと、やはりその各大学にはやはりその運営どういうふうにしていくのか、こういうことはそれぞれの学校法人で責任を持っていただかないといけないわけでございますので、野方図な計画を立てて運営をするという、そういうことをされては困るということから、一定のルールを作って、こういったものでなければ助成をするわけにはいきませんよと、こう申し上げているわけでございます。 ただ、その上で、その地域においてどのようにして、その経営難に陥っているというんでしょうか、定員割れがして大変厳しい状況にある大学をどうしていくのか、それはそれでまた個別具体の案件として地域の方も含めて御検討いただきたいと、こういうことでございます。
○吉良よし子君 淘汰されていいと考えているわけではないとおっしゃっていたと、おっしゃったわけですけれども、事実としては定員割れしたら即、国庫助成減額という措置になっていくわけで、やはりそれはその淘汰されてもいいんだ、じゃないかというふうに思われても仕方がない対応だと思うんですね。 当然、もちろん運営について責任を持つ必要があるというのは当然です。それこそ、千葉科学大学について言えば、もうその見通しの甘さというのは重大だということはこの間の視察でも明らかになったところだと思うんです。開学後六年目から学生数が収容定員を充足できないという状況が続いていると、このことについて認識を私伺ったところ、東学長自身が見通しが甘かったに尽きると回答したわけで、これは重大ですし、現在、公立化の議論の中で、後で設置した看護学部については銚子市に必要なんだと、ただ開学当初からあった危機管理学部とか薬学部はもう、ちょっともう要らないんじゃないかという議論も出てきているということも開学当初の見通しの甘さというのを示す事実だと私は思うんです。 ただ、この見通しの甘さということでは、文科省の側の責任も免れないんじゃないのかと。この千葉科学大学のみならず、次々と薬学部の設置認可を行って競争を激化させてしまったということ、また千葉科学大学のそのものの認可についても、薬学部、危機管理学部というのがその地元の銚子市のニーズにマッチしているのかということもちゃんと確認しないまま設置認可したのではないかと、見通しが甘かったのではないかと言わざるを得ないと思うんです。 千葉科学大学だけではありません。全国で五三%の私学が定員充足できていない事態が起きているというのは、文科省が次々と私学の設置認可を行ってきたことと表裏一体、その責任があるんじゃないかということを私言いたいと思うんですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 大学の設置等については、政府の総合規制改革会議の答申を踏まえまして、平成十五年施行の学校教育法等の改正により、審査基準等の準則主義化や大学の量的な抑制方針を原則撤廃をしたというところがございます。 その上で、大学の設置認可審査においては、大学設置基準等への適合性や十分な学生確保の見通しを有していることなどを審査し、その時点その時点で個別の申請に応じて認可をしてきたところでございます。そして、設置認可後、大学の適切な運営を担保するため、第三者評価である認証評価制度等の仕組みも整えております。 他方、吉良先生御指摘のように、少子化の急速な進展、そしてそのほかのいろいろな状況があろうかと思いますが、定員未充足の大学が増加している、あるいはそういったことを理由にして経営悪化傾向のある大学があるということで、我々としましても、文部科学省としてもきめ細かな指導、助言、これを必要に応じて実施してきたところでございますが、それでも現在の状況になっているということは事実であります。そんなことを含め、昨年の九月、中教審に諮問をしたところでありますので、こういった議論も踏まえて大学改革にしっかり取り組んでいきたいと考えています。
○吉良よし子君 いろいろおっしゃったんですけど、その時点その時点で認可をしてきてたのが文科省なわけですよね。設置認可を次々と行いながら、定員充足できなくなった時点で切り捨てていくんだと、国庫助成は減額していくんだというのは、やはり文科省として、学びの保障をするべき文科省としては無責任な対応じゃないかなということは言っておきたいと思いますし、開学当初の見通しの甘さというのは学園側にも当然ありましたけれども、それは学部について指定をしなかった銚子市の側、若しくはその設置認可について厳正に審査しなかった文科省も同じじゃないかということは指摘をしておきたいところです。そして、見通しの甘さということでいうと、この千葉科学大を公立化さえすれば、学生も増え、経営難も脱するかのような学園側のシミュレーションも甘いと言わざるを得ないと思うわけです。 学園側は、学生が増える理由として、学費が国立大並みに下がるということを挙げているわけですが、これも私、疑問なんですね。銚子市が設置した検討会の議論を見てみると、国立大の授業料が弾力化されていて、二割増まで可能になってきていると。だから、必ずしもその国立大と同じ学費にしなくてもいいんじゃないかと、そういう議論が出てきているわけです。 文科省に確認したいんですけれども、公立大学の授業料について、これ何らかの基準があるのでしょうか。国立大学と同じとか一二〇%までというような上限があるのか、例えば国立大の標準額の一三〇%となるような授業料を設定するなんということは理論上可能なのですか。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 国立大学につきましては、今、吉良委員おっしゃったような授業料標準額という仕組みが設けられておりますが、公立大学については設立団体である地方公共団体から財政負担を伴い運営されるものであり、その授業料についても当該大学及び設立団体の責任において適切に定めるべきものと認識しております。
○吉良よし子君 つまり、標準額を大きく超えて一三〇%とかの授業料も設定可能ということですか。
○政府参考人(池田貴城君) 公立大学につきましては、そもそもそういった標準額という仕組みがございませんので、国立の授業料や近隣の私学の授業料なども含めて公立大学として適切に設定いただくものでございます。
○吉良よし子君 つまり、自由に決められるということだと思うんです。つまり、千葉科学大についてはもう授業料どうなるか、もちろんこれからの議論だと思うんですけれども、たとえ公立化をしたとしても、今の国立大の標準額より高く授業料を設定するという場合もあり得るということですよね。なおかつ、学園側の資料を読むと、授業料が引き下がるということを前提にして、学生向けの奨学制度を廃止する旨の記述もあったわけで、これでは学生に新たな負担が生じる可能性も否定できないわけで、そうした学生に新たな負担を課すようなことはあってはならないんだということを強く申し上げておきたいと思います。 続いて、これに関わって、この国立大学の学費、授業料そのものについても質問していきたいと思うんですけれども、先ほど来、大臣が中教審とおっしゃっていますけど、現在、中教審大学分科会特別部会で高等教育の在り方の検討を行っているわけです。その中で、慶應義塾の伊藤塾長が、国公立大学の学費を年間百五十万円程度にと主張したと報道がありました。 SNSでは、この発言を受けて、年間百五十万円の授業料を払えるような家庭はそんなにないとか、教育の機会均等が壊れてしまうとか、私立大が授業料を下げればいいんじゃないかとかいった批判が次々と出てきているわけですけれども、文科省、この伊藤塾長の発言というのはあったというのは事実なんですか。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 三月二十七日に開催されました高等教育の在り方に関する特別部会、これ中教審の下の特別部会でございますが、ここで委員のお一人である慶應義塾長の伊藤委員から、国立大学の授業料を百五十万円程度にすべきという趣旨の問題提起がございました。これ、あくまで問題提起でございますので、これを踏まえ、今後、授業料の在り方も含めて、高等教育の負担の在り方について議論を深めていくものだと思っております。
○吉良よし子君 問題提起はあったんだと、事実だったということですけど、これは中教審そのものの結論じゃないということですけれども、こうやって大幅な学費の値上げの議論がこれ中教審でされているというのは、私は大問題だと思うわけです。 ちなみに、この伊藤氏が当日配付した資料というのを私も拝見をいたしました。この授業料百五十万円ということを言ったという背景には、国公立、私立大学間の公平な競争環境を整えるためだと、そのためにこの授業料百五十万というのが必要じゃないかという主張だったというふうに書いてあるわけですけど、つまり、国公立と比べて私立の授業料が高いんだと、公平な競争のためにはその差を埋める必要があるから、国公立の授業料を引き上げろという御主張だったかと思うわけです。 この百五十万円という額は別として、こうした国立と私立の授業料の差を埋めるために国立の学費を値上げしろ、こういう議論というのは決して新しい議論ではなく、古くは一九七〇年代から二〇〇〇年代、法人化されて以降も、国立大学の授業料又は標準額を引き上げるたびに、政府、その理由として、私学との格差の是正ということを言ってきたと思うんです。 しかし、お配りした資料を御覧いただきたいと思うんですけど、国立大学の学費、授業料、引き上げ続けているわけですけど、引き上げても全くその私立との格差というのは是正されていないと。むしろ、この差が広がり続けているというのが現状だと。 大臣、国立大学の学費の値上げでは私立との授業料の格差埋まらない、これはもう事実なのではないですか。
○国務大臣(盛山正仁君) その慶應の伊藤塾長の発言を私直接伺ったわけではありませんですけれど、我々、国立大学の授業料の標準額を決めているわけでありますが、平成十七年度以降改定を行っておりません。それ以前の改定に当たっては、物価指数の上昇や私立大学の授業料の水準、あるいは大学教育を受ける者と受けない者との公平性の観点など、様々な社会経済情勢等を総合的に勘案してきております。 いずれにせよ、文部科学省としては、経済的に困難な学生に対しては、高等教育の修学支援制度も含めた総合的な支援を行うなど、引き続き教育を受ける機会の拡充に取り組んでまいるつもりでありますし、その私立大学との格差云々ということで国立大学の授業料のこの標準額を決めているところではないということでございます。
○吉良よし子君 格差是正が理由じゃないとおっしゃいますが、二〇〇五年、標準額が引き上げられた際、当時の谷垣財務大臣は、私学と国立の格差を埋める必要があるから標準額を引き上げるんだと、そう答弁されたと議事録にありますのでね、やっぱりこれは理由の一つだったのは間違いないですし、しかし、そのために国立大学の授業料引き上げた、標準額を引き上げたとしても、私学との授業料の格差は全く是正されていないんだと、これは事実なんだということは指摘したいと思うんです。 私学が授業料を引き上げたのはなぜかといえば、国からの私学助成が足りないからだと思うんですね。それこそ、先ほどの伊藤塾長ですら、国立に比べ私学への公費投入が少ないということも指摘されているわけです。さらに、標準額もそのまま据え置いているんだと、この間、と言っていますけれども、ここ数年、国立大学でもこの標準額、一二〇%まで学費を引き上げる大学というのは相次いで出てきているわけです。 ついにこの間、東大までもが学費を約十万円引き上げることを検討しているというわけです。それを受けて、東大の学内では学生から反対の声が大きく広がっています。東大駒場キャンパスの一、二年生全員が加入する教養学部学生自治会執行部が実施した学生への緊急アンケートでは、二千二百九十七人が回答し、そのうち九割以上が値上げに反対、どちらかといえば反対と回答したと聞くわけですけど、大臣、こうした学生の声を聞かないまま学費の値上げを上から押し付けるようなことはあってはならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 古い話ではございますが、私が入学した年も授業料が実は三倍に上がるというような年でございまして、大変な大騒動がありましたことを思い出すわけでございます。 それで、東京大学は、現在検討している授業料の改定につきまして学生と対話する機会を設けるということを予定していると承知しておりますので、引き続き適切な御対応がなされるのではないかと期待しております。
○吉良よし子君 適切に対話の場を設けると聞いているとおっしゃっていますけど、東京大学の学長、六月中にオンラインで意見交換すると言っているんですね。しかし、先ほどの自治会執行部、学生側が求めているのは対面での対話なんです。自治会執行部、総長対話で学生と学長が直接対面すること、そして、学生、学長間の継続的な交渉を求めたにもかかわらず、学長側はいずれも認めないと文書で通知したと。これ、適切な対話と言えないんじゃないですか。
○国務大臣(盛山正仁君) それは、どういうやり方をするのかは大学側で御判断されることではないかと思います。
○吉良よし子君 あくまで大学側だと冷たい対応なんですけれども、学生にちゃんと真正面から向き合う姿勢というのが大学側には求められていると思うし、それを促すのは文科省の役割だと、少なくともその役割だと思うんです。 何より、学生の九割がこの値上げに反対しているという事実は重大なんですよ。様々この学生の実態について報道がありますけど、例えば、両親が働けなくなって大学の学費免除の申請を行ったある東大生は、今も週に三日から五日、十時間から十五時間働いていて、生活費、学費の貯金に回しているけれども、もし学費が十万円上げられたらその分仕事増やさなくちゃいけないと、今ですら厳しいのに、これ以上仕事を増やすと成績が維持できなくて学費免除も受けられないと、不安を語っている記事を読みました。また、言語学者を目指している東大生が、もうこの値上げで、この言語学者への道諦めるしかないのかなという気持ちになりましたと語った記事も読みました。 大学本位の改革ではなく、学生目線で、限りなく多くの人が平等に教育を受けられる機会をつくってほしい、この学生の声に大学側もそして文科省も私、向き合うべきだと思うんです。大臣、東大のみならず、国公私立、全ての大学の学費、値上げじゃなくて値下げすべきだと、そのために運営費交付金、私学助成、増やすべきではありませんか。いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 文部科学省としては、各大学が継続的、安定的に教育研究活動を実施できるよう、基盤的経費の確保に努めるとともに、経済的に困難な学生に対する高等教育の修学支援制度も含めた総合的な支援を行うなど、引き続き教育を受ける機会の拡充に取り組んでまいりたいということで、様々な方法があるんじゃないかと思います。授業料だけの問題ではない、トータルとしてその学びというものに、そのハードルを高くしないように、下げるように、そういうような方策を私たちは検討していきたいと考えています。
○吉良よし子君 学びのハードル下げるようにと言っていますけれども、負担軽減と言っていますけど、先日質問したように、文科省やっているのは三人産まないと支援しないと、もう無償にもならない、そういう政策ですからね、線引きですからね、これでは学生全ての負担軽減にはなりませんし、先ほど紹介したような学生の実態も全然改善されないわけですよ。やっぱり教育の機会均等、憲法二十六条保障するためには教育予算の抜本的な拡充こそが必要なんだということ強く申し上げまして、質問を終わります。
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。本日もよろしくお願いいたします。 毎年この時期、学校において、小中学校は全学年、高校、大学においては第一学年を対象とした健康診断が行われます。健康診断の実施義務は学校教育法及び学校保健安全法で定められており、その目的は、学校における児童生徒の健康の保持増進、健康状態の把握、安全確保、健康教育のためとあります。健診項目は、身長、体重、栄養状態、脊柱、胸郭、四肢の状態、視力、聴力、目の病気、耳鼻咽頭、皮膚の病気、歯及び口腔の病気、結核、心臓の病気、尿検査などです。 学校における健康診断によって、弱視、2型糖尿病、運動器疾患、虫歯などの早期発見、治療につながっているという研究もあり、子供の健康の維持、医療へのアクセスという点から重要な機会になっていると言えます。 しかし、学校に長期間通っていない不登校の子は、健康診断を受けることができないまま、心身に健康リスクを抱えている実態があります。不登校の子供たちを支援している団体から、フリースクールなどに通所している場合はその場で受診し、自宅中心で過ごしている場合は地域の保健所などで受診するなどのモデル事業実施の要望が上げられています。 文科省は、不登校の子が健康診断を受けられていない実態を把握しているのでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 不登校の児童生徒の健康診断を受けていない事例について、これは網羅的には把握しておりませんけれども、学校においては毎学年定期に児童生徒等の健康診断を行わなければならないこととされており、文部科学省といたしましては、当日の欠席や長期欠席など個別の事情により健康診断を受けることができなかった場合の対応について保護者に事前に周知するなど適切に対応するよう、様々な機会を通じて周知してきたところでございまして、引き続き教育委員会の担当者等が集まる場で周知に努めてまいりたいと考えております。
○舩後靖彦君 小学三年生から中学三年生まで不登校だった三枝、旧姓石田まりさんは、中三のとき、奥歯が十本以上虫歯となり、それらの歯の神経を全部取り、口の中が崩壊しました。また、背骨が曲がっていることに気が付かないまま成長し、二十代になってから肩、腰のひどい痛みに苦しみました。整形外科を受診すると、側わん症と診断されました。側わんは学校の健康診断の項目に入っており、健診で見付かっていればコルセットをはめることで矯正できたのに、骨格が固まった成人になってからでは背骨にボルトを入れるという難しい手術しか治療方法はないと言われました。手術のリスクを考え、今はストレッチなどでしのいでいますが、電気が走るような鋭い痛みに耐える日々です。 学業の遅れは後から取り戻すこともできるが、健康は取り戻せない。成長期の大切なときに健康診断を受けられず、重大な健康リスクを見逃してしまった自身の経験から、現在、不登校と子供の健康の関係について研究されています。不登校の子供たちは、学校での活動がなくなることで身体活動が低下したり、社会的つながりが薄れることで身体的、精神的双方の健康リスクを抱えています。その上、学校における健康診断が受けられないことで三枝さんのように深刻な身体的な健康リスクを見逃してしまうことがあります。 このような現状を大臣は率直にどうお感じになられますか。
○国務大臣(盛山正仁君) 児童生徒等の健康診断は、学校生活の円滑な実施のみならず、児童生徒等の健康の保持増進を図るために実施されるものであり、健康診断を受けることができなかった児童生徒等に対しても健康診断を受ける機会を確保する必要があると考えます。 このため、文部科学省においては、健康診断を受けることのできなかった児童生徒等に対しても適切に対応するよう各教育委員会等に求めてきたところであり、引き続きその周知に努めてまいります。健康診断の受診というのは大変大事なことであると考えています。
○舩後靖彦君 ありがとうございます。 不登校と子供の健康の関係について研究する中で、三枝さんは、そもそも不登校の子供に対する健康診断に関する研究、統計がほとんどないことに気が付きました。このことが、学校に通っていない子供たちの健康リスクに関する政治的、社会的な関心の低さを物語っていると思います。 また、三枝さんの研究によれば、不登校の子だけでなく、欠席や転校で学校での健診を受けられなかった子供を含め、健診を受けていない子供に対する対応は、学校ごと、地域ごとにばらばらで、定まったやり方はありませんでした。 資料一を御覧ください。 これは、不登校生徒が多数在籍している公立の定時制単位制高校一校の全校生徒七百八十人を対象に三枝さんが行った調査結果です。有効回答数は五百六十五人で、そのうち小中学校で三十日以上の長期欠席のある人は二百二十五人で、その二百二十五人を母数とした割合です。健康診断をほぼ受けなかったが四割弱、これに、受けなかったことも受けたこともあるを合わせると、六割強が健康診断を受けなかった経験があるという結果になります。ほぼ受けていたのは一割しかなく、不登校経験者の多くは受診機会を奪われている実態と言えます。 資料二を御覧ください。 生活習慣の乱れや身体的疲労度の増加、体力低下など、身体的健康値も、学校に通っていたときと比較し、有意に低くなっていることが見て取れます。 この調査結果から、全ての子供の健康と医療へのアクセスを保証するために、学校に通っていない子に対しても健康診断の受診機会を保障する必要があると考えます。 健康診断の目的を児童生徒の学校生活のためとするのではなく、子供の健康のためとすべきではないでしょうか。 学校で健康診断を受けることのできない子供に対しては、医療機関での個別受診、他学年又は近隣校での受診、校医が健康診断以外で学校に来る際に受診などの対応策が、各学校、自治体ごとに行われています。また、今後はオンライン診療を用いた受診も選択肢となり得ると三枝さんは考えています。 それぞれの方法の実現可能性は学校、子供の状況によって異なりますが、しかし、その対応を学校、担任、養護教諭に任せたままでは、学校に来れない子供の多くが受診機会を失ったまま放置されてしまいます。三枝さんは、受診方法の選択肢を検討し、国が最低限求められるスタンダードを設定する必要があると提言していますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 各学校におきましては、健康診断を受けることのできなかった児童生徒等に対して、例えば、他学年の健康診断実施日に合わせて健康診断を実施する、学校医と相談し、学校医の診療所等で健康診断を実施する、域内の学校間で調整し、他の学校で健康診断を実施するなど、状況に応じて様々な対応が行われているものと承知しております。 文部科学省としては、健康診断を受けることのできなかった児童生徒等については、各学校において個々の事情を踏まえた対応が必要と考えておりますが、各学校における様々な取組事例を収集、周知することなどを通じて、各学校において健康診断が適切に実施されるよう引き続き取り組んでまいります。
○委員長(高橋克法君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(高橋克法君) 速記を起こしてください。
○舩後靖彦君 代読いたします。 現場任せではなく、学校以外でも健康診断が受けられる場所を政府が示すべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほど申し上げたところでございますけど、国が基準を設けるという形ではなく、各学校において個々の事情を踏まえた対応に取り組んでいただきたいと考えております。
○委員長(高橋克法君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(高橋克法君) 速記を起こしてください。
○舩後靖彦君 代読いたします。 それでは、このことを前に進めることをお約束いただけますか。
○政府参考人(矢野和彦君) 大変繰り返しになって恐縮でございますが、各学校において健康診断を受けることのできなかった児童生徒に対して、様々な状況がございますので、様々な対応が行われているということでございます。そしてまた、地域や学校によっては、歯科医あるいは医師の配置状況とか任命状況もそれぞれでございますので、やはり具体的な対応、判断は学校に任さざるを得ないという状況があることは御理解頂戴したいと思います。 その上で、個々の事情を踏まえた対応が必要となると考えておりまして、私どもとしては、様々な取組事例を収集、周知することによって、健康診断が適切に実施されるように引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○舩後靖彦君 不登校の子供が健康診断を受診できない現状に対して先進的な取組をしている自治体があります。吹田市では、フリースクールや市議の働きかけで、二〇二一年、学校での健康診断を受けなかった小中学生に対して学校外での受診を可能とする制度を発足させました。市内の医師会の協力の下、内科、耳鼻科、眼科をまとめて学校医となっている内科の医療機関で、しかも個別に、保護者の自己負担なしで健康診断を受けられます。校区の学校医でなくともよいため、自分の校区の学校の子供と会うことを避けることもできます。二〇二三年度は、受診していなかった人の二割に当たる百五十七人が受診し、予算は五十万円余りとのことです。 本来、地方交付税に教育費として学校における健康診断の費用は算定されており、学校に通えない子供も受診機会は保障されるべきです。このような自治体の取組を全国的に広げていただくためにも、必要なところには国が財政支援をして進めていただきたいと考えますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 今、舩後先生の御質問の中にもありましたように、児童生徒等の健康診断に係る経費については地方財政措置が講じられております。健康診断は学校において毎学年定期的に実施することとされており、健康診断を受けることのできなかった児童生徒等に対しても、その状況に応じて各学校において適切に対応すべきものと考えております。 我々文部科学省としましては、地方財政措置が講じられていることも踏まえ、各自治体において健康診断が適切に実施されるよう引き続き求めてまいる所存ですし、またそのような事例を詳しく御説明をしていきたいと考えております。
○舩後靖彦君 子どもの権利条約第二十四条は、子供たちは健康に生まれ、安全な水や十分な栄養を得て、健やかに成長する権利を持っているとしています。この権利を保障するためには、家庭のみならず社会全体で子供の健康、医療へのアクセスを保障していかなければならないと考えます。こども基本法も、その目的に、子供が自立した個人として健やかに成長することができ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、社会全体として子供施策に取り組むとあります。 健康は自己責任、子供の健康は親の責任という見方があります。しかし、子育て環境が大きく変わっている現在、子供の健康や貧困問題は社会全体で取り組むべき課題です。小中高校の不登校の子供が三十六万人と増加する中、学齢期の子供の健康を学校保健安全法の枠組みで対応するのでは不登校の子の健康は守れません。もちろん、健康であることは権利であって義務ではありませんので、健診を強制することはあってはなりません。 その上で、学校での集団健診のみならず、望む子は医療機関で無料で健診を受けられる仕組みをつくるべきではないでしょうか。成長期の子供にとって健康は取り返しの付かない問題であり、文科省だけでなく、こども家庭庁がこども大綱に健康診断を位置付け、国全体で取り組む必要があると考えます。 こども家庭庁としていかがお考えですか。
○大臣政務官(古賀友一郎君) お答え申し上げます。 先ほど来、盛山大臣始め文科省において、各学校での健康診断が適切に実施されるよう取り組むと、こういった御答弁があったところでございますし、また、学校保健安全法上も、学校は児童生徒の健康診断を行わなければならないと、こういうふうになっているわけでございますので、まずは文科省において御対応いただきたいと考えておりますけれども、こども家庭庁といたしましても、この子供の健やかな成育を推進していくという、こういう立場からフォローをしてまいりたいと、このように考えております。
○舩後靖彦君 代読いたします。 文科省は、昨年三月、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策、ラーニングCOCOLOプランを策定し、不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思ったときに学べる環境を整えるとしています。また、学校の風土の見える化を通して、学校をみんなが安心して学べる場所にするともうたっています。私も、その方向性は良いと思いますし、学校が誰もが安心していられる場にするために、教員の働き方を含め、学校の在り方自体を変えていかなければならないと考えています。 一方で、今現在、小中高校で三十六万人もの子供が不登校であり、その多くが学校で健康診断を受けられないことで将来にわたる深刻な健康リスクを見逃す可能性があることに対しては、喫緊の課題として取り組むべきです。学校に行けない子供も含め、全ての子供の成長、健康な生活を支えるため、学校での集団健診以外でも健康診断を受けられるユニバーサルな仕組みを国を挙げてつくっていくことを再度お願いし、質問を終わります。
○委員長(高橋克法君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) 次に、学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。盛山文部科学大臣。
○国務大臣(盛山正仁君) この度、政府から提出いたしました学校教育法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 専修学校は、社会の変化に即応した実践的な職業教育機関として、社会基盤を支えるために必要不可欠な人材を輩出しています。人生百年時代やデジタル社会の進展の中で、リカレント教育を含めた職業教育の重要性が高まる中で、専修学校に求められる役割はより一層大きくなっています。 この法律案は、専修学校における教育の充実を図るため、専修学校に専攻科を置くことができることとするとともに、専門課程の入学資格の見直し、一定の要件を満たす専門課程の修了者への称号の付与、専門課程を置く専修学校への自己点検評価の義務付け等の措置を講ずるものであります。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一に、大学等との制度的整合性を高めるための措置として、専門課程の入学資格について、大学の入学資格と同様の規定に改めることとしております。これを踏まえ、専門課程の在籍者の呼称を生徒から学生に改めることとしております。また、専修学校となるための学習時間の基準を単位数により定めることができるようにしております。 第二に、専門課程修了者の学修継続の機会確保や社会的評価の向上のための措置として、一定の要件を満たす専門課程を置く専修学校に専攻科を置くことができることとし、より深く学ぶ機会を提供することを可能としております。また、当該要件を満たす専門課程の修了者は、専門士と称することができることとしております。 第三に、教育の質の保証を図るための措置として、現在、小学校等と同じ項目で行っている自己点検評価について、大学と同等の項目とすることとしております。また、外部の識見を有する者による評価を受けることを努力義務としております。 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(高橋克法君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時五十六分散会