文教科学委員会 第3号
- 発言数
- 307 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/03/22
会議録
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長笠原隆君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古賀千景君 おはようございます。 今日は午前と午後と合わせて七十二分、皆さんの時間が有意義な七十二分になるように私もしっかり頑張りたいと思います。よろしくお願いします。 まず、冒頭、大臣、触れなくてはいけない問題として、よろしくお願いします。統一教会との関係です。幾つか確認させていただきたいと思いますので、どうぞ御質問させてください。 三月七日の予算委員会で我が会派の杉尾議員が質問いたしました、旧統一教会側、世界平和連合と平和大使協議会宛ての推薦確認書、いわゆる政策協定書についてです。 報道で推薦確認書について画像も出ております。これには令和三年十月十七日の日付で盛山大臣の署名がありますが、杉尾議員の質問に対して、現物は見ておりませんが、その可能性が高い、記憶にないと答弁されています。これは大臣が署名されたという認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 先日の新聞報道も含めまして、一連の報道等で掲載された写真等を踏まえれば、御指摘の集会に伺い、推薦状を伺ったのではないかと思います。 また、推薦確認書についても、正直記憶にございませんが、先日、予算委員会の場での写真は大変小さかったものではっきりしませんでしたけれども、その後の報道等を踏まえれば、推薦確認書に署名したものと考えられます。 他方、この集会は二〇二二年七月の安倍元総理の銃撃事件以前のものでございますので、その後、自民党においてガバナンスコードの改訂等を行い、自民党として旧統一教会及びその関係団体との関係の断絶を宣言しております。 私としても、現在、旧統一教会との関係は絶っており、法令に基づいて、解散命令請求の対応や特定不法行為等被害者特例法に基づく指定等の対応に取り組んでいるところであり、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○古賀千景君 私も選挙の際は様々な団体から御推薦をいただき、そしてその際には団体に応じて政策協定書も交わし、署名もいたしました。 しかし、御支援をお申出いただいていた方は忘れませんし、ましてや、その政策協定書に署名したこと、その内容についてもしっかり吟味をして、そして、はっきりとした記憶がないというようなことは一切ありません。支援してくださった団体の皆様のお気持ちに対して感謝とお礼の気持ちを持って署名をしておりました。そして、その人たち、方々だけではなく、日本に住む全ての方々のために政治家として頑張ろうという気持ちを持って、そして、ここに支援してくださっている皆さんがいるという気持ちで今も頑張っているところです。 大臣はどのような気持ちで署名をされたのでしょうか。本当に記憶がないのでしょうか。その点、教えていただきたいのですが。そして、署名された内容についても御確認されたかどうかを教えてください。
○国務大臣(盛山正仁君) これもるる答弁してまいりましたが、地元の有権者の方から集会をするので来てくれと言われて出ていったということだったかと思います。 それで、正直、どういうような形でどうしたのか覚えておりませんでした。新聞その他の報道で写真その他を見て初めて、ああ、そうだったのかなというところでございまして、そういう点では、はっきりした記憶はないというのは、もうそのままでございます。 そして、ただ、他方、今先生、古賀先生御指摘のとおり、推薦確認書への署名ですとか、そういうことについても、まあ元々そんなことなんかを伺っておらず、その集会に来てくれということで言われて、それで話をして、また次の会場へぽんと出ていったというそんな流れだったんじゃないかと思いますので、推薦確認書の内容をしっかりと確認せず多分サインをしたんだろうと思いますが、軽率であったと考えております。
○古賀千景君 それでは、推薦確認書の項目についてお伺いします。 この項目の一つに、LGBT問題、同性婚合法化に関して慎重に扱うという記述があります。大臣も、この内容には同意されて慎重に取り扱っていかれるという方針だと思いますが、後で御答弁ください。 性的マイノリティーに関して、文科省は、性的指向等を含め、個々人が持つ多様な背景にかかわらず、全ての人がお互いを尊重し、誰もが生き生きとした人生を享受することのできる共生社会を実現するため、文部科学省は、LGBT等、性的マイノリティーに関する施策の充実に取り組んでいると認識しています。 性的マイノリティーに関する大臣の御認識をお願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 御指摘のLGBTに関しては、性的マイノリティーの方々を始め、個々人が持つ多様な背景にかかわらず、全ての人がお互いを尊重し、誰もが生き生きとした人生を享受することができる共生社会を目指した取組を進めることが重要であると考えております。 そして、二点目の、文部科学省としての取組ということでございますけど、文部科学省としましては、学校教育や社会教育における人権教育を通じて、多様性に対する理解、自他の人権の尊重等の態度を含む、態度を育む取組を進めるとともに、性的マイノリティーの児童生徒等へのきめ細かな対応に資するよう、教職員向けの啓発資料や支援の事例を提供する、こういった取組に努めてきたところでございます。 いわゆるLGBT理解増進法の成立を踏まえまして、今後、内閣府を中心に基本計画の策定などが行われることとなりますので、文部科学省としても、現場、学校の現場等において適切な対応が取られるよう、引き続き取組の充実を進めてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 済みません、通告しておりませんが、先日、札幌高裁で、同性婚を認めないのは違憲だという判決が出ました。このことについてはどのような御見解をお持ちでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 御指摘の判決については、報道で承知をしております。 同性婚そのものにつきましては、文部科学省が担当ということではございませんので、この場で文部科学大臣としての個人的見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。 内閣の一員として、その内閣の方針に従いたいと考えております。
○古賀千景君 同性カップルの方で苦しんでいらっしゃる方は、たくさん日本の中にまだまだいらっしゃいます。世界から見て遅れていると言われています。早急な対応を政府としてよろしくお願いします。 文科省は七日、世界平和統一家庭連合を、昨年十二月に成立した被害者救済法の特例法に基づき、財産監視の強化対象となる指定宗教法人に指定しました。この指定宗教法人に指定されたことは一歩前進したと評価はできますが、なぜ、より規制の強い特別指定宗教法人に指定しなかったのですか。宗教法人が財産の散逸や隠蔽などのおそれがある場合には、より規制の強い特別指定宗教法人へ指定され、被害者が財産目的など、財産目録などを閲覧することが可能となりますが、文科省は、報道によると、現時点では、財産を隠すおそれがあると一定の蓋然性を持って言える状況にはないということで、特別指定宗教法人には該当しないと判断しました。 なぜ特別指定宗教法人に指定しなかったのか、お尋ねします。そして、今でも財産を隠すおそれがあると一定の蓋然性を持って言える状況にないとお思いなのか、教えてください。
○国務大臣(盛山正仁君) 古賀先生御指摘のように、特定不法行為等被害者特例法による指定につきましては、二月十五日に策定した運用基準に基づいて検討を行った上で、三月六日に宗教法人審議会への諮問を行い、全会一致で相当であるとの答申をいただき、その翌日であります三月の七日に旧統一教会に対する指定宗教法人の指定の公示や当該法人への通知を行ったところであります。 特別指定宗教法人につきましては、その要件であるその財産の隠匿又は散逸のおそれがあることというものがあるわけでございますが、これにつきましては、抽象的なおそれでは足りず、保有財産を減少させる行為や海外へ移転する行為、不動産の現金化など財産の流動性を高める行為などが現に現れ又は行われようとしている場合など、一定の蓋然性が求められるところでございます。 旧統一教会につきましては、現状把握している情報では当該要件を満たすと認められるまでの状況は確認できておりません。旧統一教会を指定宗教法人に指定したことにより提出されることとなる財産書類や通知の内容をしっかりと確認し、関係省庁からの情報提供も含めまして、今後、財産の隠匿、散逸のおそれが把握された場合には特別指定宗教法人の指定の手続を速やかに行うなど、法令を踏まえまして適切に対処していく所存でございます。
○古賀千景君 被害者の方は、とても苦しんでいらっしゃる方、それがたくさんいらっしゃるという今の状況の中に、特別指定宗教法人でよかったのではないかという思いが私の中にはあります。そして、もしかしたら旧統一教会へのそんたくがあるのかなというのも、国民の皆さんは実は疑念をまだまだ持っていらっしゃるというのが今の状況だと思います。このような状況の中で、私はとても不安に思っているし、本当にそれが正しいのかなということを感じています。これからもまたいろんな情報を聞いて自分なりに考えていきたいと思っております。 では、話を変えます。能登半島地震後の学校教育についてです。 能登半島地震のとき、一月一日、私もニュースなどをたくさん見ておりましたが、学校教職員は自分のクラスの子供の安否が分からないというところからの出発でした。学校教職員は、自分の家も被災しながらも、子供たちの避難所をずっと回り、子供たちに声を掛け、家の様子を聞き、保護者の様子を聞き、これからどうするかを聞き、そうやってずっと回ったということを伺っています。 そんな中で、子供たちは不安な中でも頑張りました。被災状況も自分なりに考えながらどうしたらいいかを子供なりに考えていたし、集団避難も、中学生は今度は家族と別れてやっていきました。そして、子供たちは、集団避難所に行った子もいるんですが、行かなかった子供たちもそこにはいて、そのような中で学校教育ということが行われてきました。 昨日の、二十二日、岸田総理大臣は、仮設住宅の着工については、三月末までに目標の四千六百戸を達成し五千戸の見通しとなったという、明らかになったという記事を見ました。 実は、学校の教職員にも、教職員だけを言うわけではないんですが、教職員住宅というのがやっぱり遠いところの通うのが大変な教職員にはあって、実はそこがまだ被災して住める状況ではない、学校教職員は今は寝袋を持って学校に泊まっている。そして、避難所から通勤している人もいるし、友人宅が近いから友人宅に泊まっている人もおるし、これは学校教職員だけの問題ではないと思いますが、是非、この状況の中、三月ってすごく忙しくて、卒業式、入学式、このような中で、教職員住宅の完成を急いでほしいと思っておりますが、いつ頃になりそうかお分かりですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 今、古賀先生から御指摘のとおり、今般の能登半島地震では、奥能登を中心に多くの住宅や民間アパートなどが被災しております。四月からの新学期に向けて、これらの地域に新たに配属をされます教職員向けの仮設住宅の確保が課題となっているところです。 石川県教育委員会におきましては、教職員の当面の住まいの確保について、既存施設の活用などを検討するとともに、新たに配属される教職員向けの仮設住宅の建設を穴水町の旧向洋中学校のグラウンドに計画していると承知しております。 文部科学省としても、教職員の宿泊施設の確保を含め、学校教育の円滑な実施に向けて、引き続き被災自治体の要望をよくお聞きしながら、しっかり対応していきたいと考えております。
○古賀千景君 ありがとうございます。できるだけ早くお願いいたします。 教職員の定数について伺います。 奥能登の高校では、五校全てで志願者が減りました。小学校も、輪島の方では六校の小学校が合併して、今、輪島高校の方で、子供たちはそこで授業をやっている。そこには校長先生が今六人いるような状況になっているということも伺っています。 これから先、子供たちはもうそこを、地域を離れる子供たちも実はたくさんいて、学校の定数ということがどうなるかなというのが不安です。集団避難も、今日明日で全部子供たち帰ってきます。そして、四月からは元の中学校で学ぶことになりますが、やっぱり心の傷がたくさん子供の中にあるんだろうと思います。 このままでいって子供が減ってしまったら、それをきちんと定数でいかれたら、学校はとても大変です。そこに教職員を減らすわけにはいかないと思っています。そこが加配ということできちんと担保されるのかどうか、そこをお願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 被災した児童生徒に対するきめ細かな学習支援や心のケアなどのための指導体制の整備については、被災各県等の要望を踏まえながら継続的に取り組むことが極めて重要であると考えております。 このため、今御指摘がございましたが、令和六年能登半島地震への対応のための教職員の加配定数についても、被災県などの要望どおり措置を行う予定としているところです。 引き続き、被災地からの要望を丁寧に伺いながら、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 子供たちのために、是非加配もしっかりと付けていただきたいと思います。 今、そうやって壊れた学校を直しているのが現業職員と言われる方です。以前は校務員さんとか用務員さんとか言われていた、いろいろな分野で専門的な知識を持っていらっしゃる方がいらっしゃいます。その方たちがしっかり自分の仕事をしながらも子供たちを見てくださっています。 しかし、その現業職員と言われる方の法的な身分は、高校、特別支援学校は学校教育法第六十条、小中学校は第三十七条において、そのほか必要な職員を置くことができるとの規定しかありません。全学校に要らないということです、これは。教職員標準定数法にも定められていません。 現業職員の仕事は増えています。そして、今回の地震のときにすごくその方たちが活躍されて、今学校が立ち直ろうとしているという話もたくさん聞きました。しかし、財政難を理由に現業職員の採用停止、退職の不補充、会計年度任用職員への移行、業務の民間委託化などが進んでいます。 これは人件費を減らすためだと思いますが、このような状況を改善して、子供たちに安心な、行き届いた教育を保障するためには、学校に正規の現業職員を必ず配置するよう法制化する必要があると思いますが、その点、いかがお考えでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 校舎等の清掃や環境整備等、学校用務員が行う職務については、円滑な学校運営上重要であると考えておりまして、今委員から御指摘のとおり、学校教育法上の任意の配置とはなっておりますが、現在、実態を踏まえて、地方交付税により措置がなされているところでございます。 学校の環境整備等について、これを公務員としての学校用務員として行うか、任用して行うか、あるいは必要に応じて民間に委託して行うかなどを含めて、学校現業職員の配置については、学校の設置者である各地方公共団体において、学校の規模、職員配置の状況等を総合的に検討して、その権限と責任において判断すべきものと考えておりますが、今回の能登地震で何か支障あるということがございましたら、何らかの対応も検討したいと考えております。
○古賀千景君 御検討いただけるということで、ありがとうございます。 実際、義教法だったら、地財法は国の負担は人件費三分の一で地方が三分の二なので、なかなか苦しい。もういつも言いますが、苦しい自治体がなかなか雇えていなかったりします。そこのところも御検討いただきたいと思いますし、あと、民間委託は、民間は一生懸命やってくださるんですが、やっぱり利益を追求しなくちゃいけないんですよ。だから、そこの部分でちょっと学校教育というところの差が出てくるところがあるので、そこのところもお考えいただけたらと思います。 次に、体力テストについて伺います。 体力テストは、小学校五年生と中学校二年生、四月から七月の間に体力テストをすることに、全員することになっています。これで間違いないでしょうか。
○政府参考人(茂里毅君) 御指摘のとおりでございます。
○古賀千景君 じゃ、被災地。子供たちは避難所にいて、なかなか運動ができていない、体育館も避難所になっていて、いまだに体育が十分できていない、運動場も危険なところがあるという中で、このような状況でもやっぱり石川は体力テストをしなければなりませんか。
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。 この度の能登半島地震で被災された地域におきましては、体育館が損壊したり避難所として利用されるなど、通常の施設利用が困難な学校があることは承知してございます。 スポーツ庁では、現在、令和六年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の実施に向けた準備を行っているところでございますが、今御指摘ありました震災の影響により調査の実施が困難な学校の取扱いにつきましては、石川県教育委員会からも相談を受けているところでございます。 各学校の実情を踏まえて実施の判断を行う方向で現在調整を行っているところでございます。引き続き、この石川県教育委員会とも連携をし、被災地に寄り添った対応を行ってまいりたいと思います。
○古賀千景君 まだまだ水道もきちんと通っていない、道路も割れている中を子供たちが通学していて、遊べる状況ではない。そのような状況の中に、本当にテストの調査の結果というのが、目標が果たされるのかということを私は疑問に思っていますので、しっかり石川県の方とも議論していただいて、今の子供たちの現状というのを見てほしいと思います。 では同じように、次は学力テストです。全国学力実態調査についてです。 今回は集団避難とかが中学生でも行われてきました。実は、集団避難の行った中学生も、やっぱりそこになじまなくて帰ってきた子供たちもたくさんいて、決して十分にそこで勉強ができたという状況ではありません。もちろん、残ったお子さんたちもそうです。教職員も頑張っています。子供たちも頑張っています。だけど、それが、鉛筆がなかったり、教科書がなかったり、そんな中での学習となりました。 四月に行われます、四月十三でしたっけ、学力調査。十八ですかね、四月十八日。小学校六年生と中学校二年生、悉皆で。全員受けます、この状況の中。 東日本大震災のときは中止でした。そして、その後数か月後に、希望校のみどうぞということでした。熊本地震のときは県の対応で、数県だけが中止になりますという形を取られました。感染症のときも中止になりました。 今年の学力調査の石川県、被災県への対応はどのようにされますか、教えてください。
○政府参考人(望月禎君) 私の方から全体的な状況を御説明します。 令和六年度の全国学力・学習状況調査につきましては、今委員御指摘のように、四月の十八日木曜日に実施をする予定としてございます。 今回の震災を受けまして、全国的に調査実施を見送るというような形での本調査の実施スケジュールを全体的に変更するということ、考えは現時点ではございません。
○古賀千景君 被災県に関してはどうですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 本年四月の全国学力・学習状況調査への参加につきましては、石川県内の市町教育委員会のうち、既に参加を希望する回答をいただいている自治体もありますが、特に被害の大きい地域につきましては、現在、石川県教育委員会を通じて、該当の市町教育委員会や学校の意向を確認しているところでございます。
○古賀千景君 是非、無理してしなくていいよと言っていただけたらなと。どうしてもしようとするんですよ。でも、やっぱり子供たち、四月から久しぶりの学校に来ている中学生がいるわけです。そんな中で学力テストの意味が本当にあるのかということも感じますので、是非その辺も御検討いただけたらと思います。 では、次に欠員のことについてお伺いします。 一月二十三日に、都道府県・指定都市教育会議で調査をするように指示が出たと思います。その内容について教えてください。
○政府参考人(望月禎君) 委員御指摘の本年一月二十三日に実施をされました都道府県・指定都市教育委員会の教育長会議におきまして、大臣から教育委員会に対して、教師不足解消に向けた取組の調査について依頼したところでございます。 どのようなことを依頼したかと申し上げますと、各教育委員会が令和六年度当初の教師不足の解消に向けて、今年度末までに具体的にどのような取組を実施する予定であるか、また令和六年度中にどのような取組の計画があるのか、そしてそれらの取組によりましてどの程度の人材確保を見込んでいるのか。取組の実施に当たりましては、令和五年度の補正予算で、文部科学省の方で、大学、民間企業と連携して教師人材を確保する強化推進事業を立ち上げました。この活用についての予定があるか、また活用をしないというふうに考えた場合の、考えた懸念事項などについて調べを行っているところでございます。
○古賀千景君 調査の締切りは二月の下旬でした。 今の時点で、まだ集約きちんとされてはいないかもしれませんが、どのような結果が出ているか、分かる範囲で教えてください。
○政府参考人(望月禎君) 調査結果につきましては、今委員御指摘の、ちょっと恐縮でございますけれども、現在、一旦御回答をいただいた後、各教育委員会と個別にコミュニケーションも取っておりまして、整理を進めているところでございます。 取りまとめた結果につきましては、教育委員会の方にしっかりお返しをするということが必要でございます。先導的な取組と考えられる内容につきましては各教育委員会とも共有をさせていただいて、また、全体、中央教育審議会の場に報告することなどを考えてございます。
○古賀千景君 そうやって教育委員会が頑張ってくださるのは分かりました。 では、文科省はこの欠員解消のために何をされるか、お願いします。
○政府参考人(望月禎君) 教師不足の対応につきましては、令和四年一月に教師不足の実態調査を初めて公表いたしました。そのときに、全国的な課題として、また喫緊の課題として対応を行ってきたところでございます。 具体的には、現在の教師不足が、時期的には大量退職、大量採用を背景として、産休、育休取得者の増加等によって想定を上回る臨時講師の需要に対し、新規採用者数の増加に伴い臨時講師のなり手が減少しているという構造的要因ということもあることを踏まえまして、現職でない教員の免許保有者について教員になっていただきたいという観点から、その入職を支援するための研修コンテンツの開発を行ったり、各教育委員会において教員になっていただくというためのそういうことを支援するための研修会の実施などを促したりして、教育委員会と連携を図って取組を行ってきたところでございます。 そして、先ほど申し上げました令和五年度の補正予算では、全国の教育委員会が教師人材を今の学校の外からも発掘する取組を強化するための支援事業を実施をし、そして、今年の一月、大臣からも直接教育委員会にメッセージを発しまして、各教育委員会の取組を促すための調査を実施をしているというところでございます。
○古賀千景君 欠員調査を行われたのは三年前、今から三年前になりますね。二千五百五十八人でした。それから状況は改善されておりません。 そして、私はこの前質問したときに、欠員状況調査はもうしなくても大丈夫だと、委員会とのヒアリングがきちんとできているからという御回答をいただきました、御答弁をいただきました。でも、それでも全然解消していないというのは、ヒアリングの意味が余りなかったのではないか、その内容が適切ではなかったのではないかと思います。 そのヒアリングの効果というところではどのようにお考えなのか、そして、来年度は欠員調査をされるのか、それを教えてください。
○政府参考人(望月禎君) 令和三年度に実施をいたしました教師不足に関する実態調査と同様に、教師不足について実数で把握していくという方法もあろうかと思いますけれども、これは、各教育委員会から教育事務所への照会、そして、その学校現場に全体すべからく調査を、照会を行うという必要がございまして、かなり現場への負担が大きいということを考慮しまして、実数での把握はしていないところでございます。 他方で、この教師不足の一昨年度から続く状況につきまして、まあアンケートという形で状況についてを把握しているところでございますけれども、令和四年度の当初の状況が三年度に比べて改善が六都道府県だったのに対して、五年度の状況は四年度に対して改善が十一という状況でございます。 また、教育委員会の方には、こうした文書のアンケート以外の様々な場面でも、教師不足に対してどういう取組を行い、どういう状況であるかということをコミュニケーション取りながら、しっかり各都道府県の実情と今後の見通しということを踏まえた形で計画を持って教師不足に対応していただくということが必要なことを申しております。
○古賀千景君 欠員の状況が数字としてぱっと国民に出たときにいろいろ言われて困るんじゃないかなと思って調査をしないんじゃないかなと、ちょっと私は考えてしまいますが。 現場への負担というよりも、数を調査してもらって、そしてそれが改善されるのであれば、全然現場の負担ではありません。きちんと、数字でもきちんと把握をしていただいて、どうすべきかということを考えていただきたいと思います。 文科省は、採用試験の前倒しも言われました。採用試験前倒しをして、大学三年生から受けられる県も出てきましたが、辞めているのは、なってからなんです。その前に前倒しをして、いかに早く民間に行く前に大学生を取り込もうとしても、その前に、その後に、学校が大変だから辞めているんです。 また、中教審では、様々な手当とか教職調整額を上げるとか言っていらっしゃいますが、実態の調査として、お金で、賃金が安いから教員を辞めている教職員はほとんどいません。きついんです。大変なんです。お金を上げたけん、賃金や手当を付けるから、じゃ、その分、文句言わずに働けよと言われたら、もっと命がなくなります、教職員の。そこの業務改善というところをしっかり見ていただきたいと私は思っています。 この調査を一月にされました。もう新学期は二週間後です。これで欠員が簡単に埋まるとお思いですか。するならもっと早く調査をして動かなければならないはずです。そこのところをどのように思われるか、教えてください。
○国務大臣(盛山正仁君) 教師の採用と配置は、任命権者であります教育委員会の権限と責任に基づいて行っていただくものですが、現下の教師不足の状況を受けて、これまでも各教育委員会の対応を促進するため、通知などによりまして、喫緊の課題として現職以外の教員免許保有者への研修の実施などに対応していただくよう要請をしてきたところであります。 しかしなお、その大量退職者が出るといったような構造的要因ですね、これによって教師不足が生じているということだと考えておりますが、来年度に向けても教師不足の状況が懸念されておりますので、古賀委員御指摘のとおり、本年一月に、都道府県と指定都市の教育長に対し、私から直接、教師人材の確保に向けた取組の強化をお願いしたところでございます。 その際、あわせて、教師不足の解消に向けて各教育委員会が具体的にどのような見通しを持って取り組む予定なのか、状況の把握を行うとともに、昨年十一月に成立した令和五年度補正予算における教師人材の発掘を強化する取組への支援事業の積極的な活用を促すため、調査を依頼したものであります。 今後、取組状況の取りまとめを行った上で、各教育委員会の先導的な取組の周知や、対応の遅れが懸念されている教育委員会に対しまして必要な指導、助言を行いつつ、教師不足の解消に向け、引き続き必要な取組を推進していきたいと考えております。
○古賀千景君 学校現場で、その免許を持っていらっしゃる方にって言われますが、今どこにそれが向いているかというと、退職者なんですよ。私もいろいろ出会っていて、最高齢は八十歳が非常勤講師でいらっしゃいました。七十代もいっぱい学校にいます。七十代で水着を着て子供とプールに入るんです。そこしか今人がいないんですよ。 この状況をどうにか、もちろんその方たちは経験もあられるので立派です。しっかりやってくださいます。でも、考えなくちゃいけないのはもっともっと大きなところで、そこだけに頼っていても、結局何の改善にもならないと思います。調査だけではなく、その後何をしていくのかというところをもう一回きちんと考えていただきたいと思います。 では次、少し、済みません、飛ばします。所信の中にありましたアントレプレナーシップ教育についてお伺いします。 アントレプレナーシップ教育とは、どのような教育でしょうか。お願いします。
○政府参考人(柿田恭良君) お答えいたします。 大臣が所信で述べられましたアントレプレナーシップ教育は、大学等の研究成果の社会実装に向けて、スタートアップの創出力強化のための施策などとも連携しつつ取り組むものでございます。 文部科学省といたしましては、アントレプレナーシップを、急激な社会環境の変化を受容し、新たな価値を生み出していく精神と捉えまして、その涵養に資する教育といたしまして、例えばアントレプレナーシップの醸成、例えばその動機付けあるいは意識の醸成の段階といたしまして、課題の発見力や共感力を育むといったことでありますとか、課題解決のために必要な汎用知識やスキルの提供をすると。さらに、社会実装をしていく段階において必要となる知識といたしまして、例えばスタートアップでありますとか地域特有の課題解決など、実際に社会実装に向けた事業を進めていくに当たって必要な専門知識や実践の場を提供する。こういったことを通じて、課題の解決でありますとか、さらにはイノベーションの創出を担い行く人材の育成を目指すというものでございます。
○古賀千景君 小学校にもそれが入ってきているんですけれども、じゃ、具体的に小学校でどんな授業をするんですか。
○政府参考人(柿田恭良君) このアントレプレナーシップ教育につきましては、これまでも大学あるいは大学院の段階におきまして、起業家教育、アントレプレナーシップ教育というものが進められてきたという実績がございます。 その上で、二〇二二年に政府として決定いたしましたスタートアップ育成五か年計画というのがございますけれども、その計画の中で、大学で行われてきたアントレプレナーシップ教育、これを小中高生にも拡大していくということが定められております。これを受けまして、文部科学省におきましては、令和四年度の第二次補正予算を活用してアントレプレナーシップ教育の小中高生等への展開を進めているところでございます。 具体的には、全国八か所にスタートアップエコシステムの拠点都市がございますけれども、そこに所在する大学が中心となりまして、これまで大学において実施されてきたアントレプレナーシップ教育の知見や教育研究力を活用して、小中高生等を対象としたプログラムを学校の内外を問わず実施するというものでございます。 学校の授業時間を活用した取組の事例といたしましては、例えば、起業家の方を招いての講演会でありますとか、あるいは地域が抱える社会課題解決のためのビジネスプランの作成であるとかその発表、そういったことを総合的な探求の時間を活用して行うプログラムなどが実施をされておりますけれども、このような事例に限らず、大学と学校の創意工夫の中で多様な取組が行われるということを想定しております。 今後とも、起業家等の外部人材の学校現場への派遣の拡大でありますとか、学校の授業を活用した好事例の収集、普及といった広報活動にも努めてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 どんな授業をするのか、済みません、小学校では、いまいちよく分からなかったんですけれども。 学校って何とか教育、何とか教育、何とか教育ってどんどん入ってくるんですよ。それで、前、水岡議員が言われましたが、三十幾つ何とか教育があります。でも、それを減らすことはないんです。だから、ずうっと上から落ちてくるだけで、山のように何とか教育、何とか教育、良さそうなものを、何か名前だけ、何だろうこれみたいなのもいっぱい入ってきて、入れるなら減らしてください、これはしなくていいとか。そうしないと、もうあっぷあっぷです。 これするために、簡単に思われるかもしれないけど、まず、これはどんなもんだろうか、じゃ、授業ではどうすればいいか、じゃ、どの教科でやっていくか、何時間使うか、そしてゲストティーチャーはどうするか、すごい学校は考えるんです。そんなふうにして何とか教育というのを学校はやっていますので、入れるなら是非減らしていってほしいと思いますし、アントレプレナーシップ教育、どのようなのかなと楽しみにしております。 北欧の方でよくいろいろこれが導入されているというふうに伺っております。フィンランドとかが中心にというふうに出てきました。でも、フィンランドは学校にテストはないんです。少人数、二十人台です。少人数学級です。教員数の持ち時数も少ないです。 この辺を導入していただけたら、それが、フィンランドの教育がいいと思われてこれを導入されるのであれば、この辺のテストがないとか少人数とか持ち時数が少ないとか、この辺も導入していただきたいと思いますが、最後、お答えをお願いします。
○政府参考人(柿田恭良君) 今委員から御指摘いただいた点につきましては、また御意見として今後の政策の推進の中で参考にさせていただきたいと思いますけれども、現状行われております教育の具体例を少しお話しいたしますけれども、これは現時点で小中学校全てに対してやっていただくというものではございませんで、まずはプログラムを、大学の力を生かしてプログラムを開発すると。そして、その開発したプログラムを大学の先生があるいは外部の専門家が学校に派遣をされて、あるいはその学校の外でオンラインも使いながら小中高生の生徒さんたちに様々な教育、あるいは講演などの機会で様々な知識に触れていただくということをやっておりますので、まずはフィージブルな形といいましょうか、サステナブルにこのような教育がどのような形であればできるのかといったことも含めて、この今やっておりますプログラムの開発の中で検討してまいりたいと思います。
○古賀千景君 もう四月から市の教育方針にそれが入っているんですよ、もう四月から幾つか。そうしたら、市から、教育委員会から言われたら学校はしなくちゃいけなくなるんですよ。だから、そこがまた大変。そうでもない、そんなに緩く、そんな全小学校でしなくていいですよって言われるけど、現場はそうならないんです。だから、そこをきちんと、どんなふうに導入していこうとしているのかということなんかも考えていただきたいなと思います。 大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 今日御指摘のことも踏まえまして検討していきたいと思います。
○古賀千景君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(高橋克法君) 次の質問者は宮口委員でありますが、宮口委員、足にけがをされておりますので、着席のまま質問をしていただくように、先ほどの理事会で各理事からお認めいただきましたので、委員の皆様もその旨御承知おきください。 宮口委員には、着席のまま、思い切り質問をしていただきたいと思います。じゃ、行きましょう。
○宮口治子君 おはようございます。立憲民主・社民の宮口治子でございます。 先ほど委員長からもお話がありましたとおり、私の不注意でこの度足を故障いたしまして、着座での質疑ということをお許しいただきたいと思います。ありがとうございます。 こうなってみますと、本当に、車椅子や松葉づえの生活というのがいかに不便なのかというのを今実感しているんですけれども、例えば、私、会館の多目的トイレ、初めて使用いたしました。手を洗うところの更に向こう側にペーパータオルがあるので、自分で立ち上がらないと取れないようなところにあるんですよね。そういったような、一体誰の目線でこれを造っているんだろうなというようないろんな様々な気付きもありました。後ほどバリアフリーについても質疑触れさせていただきたいと思いますが、本当に私自身、今回良い学びになりました。痛い思いはしましたが。 私も、午前と午後、七十一分間、質疑しっかりさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 さて、今国会中、衆議院そして参議院の予算委員会等々で、旧統一教会との関係、様々な議員から質問を受けてこられたかと思います。そして、先ほども古賀委員の方から質疑されておられました。私からも、ちょっとしつこいようではありますけれども、しっかり聞かせていただきたいと思います。 恐らく、同じような質問をいたしましても、やはり記憶にないであったり、はっきり覚えていない、記憶がないが署名したのではといったような答弁しかできないのだろうかと思います。 推薦確認書への署名、そして旧統一教会関連の集会に御出席をし、自身が話されている動画、これが流されても、なぜ関係性をお認めになれないのでしょうか。何か認められない理由でもあるのでしょうか。お答えお願いいたします。
○国務大臣(盛山正仁君) 記憶にないと申し上げたのは、その後急に変わるというようなものではありません。 それから、旧統一教会との関係性ということでございますが、これまでも御答弁申し上げたところでございますが、二〇二一年十月の実質選挙戦のものについては、地元の有権者の方から声が掛かったものであり、それがどういう団体のものであるのか、そういうことを一切知らずに伺ったということでございます。 そして、二〇二二年三月のものにつきましても、統一教会というものではない、UPF、世界平和連合だったですかね、そういうようなものということで、来てくれということで伺ったということでありまして、これも御答弁申し上げたところでございますが、二〇二二年七月の安倍元総理の銃撃以前のことでございまして、こういう団体あるいは旧統一教会そのものに対して、大変危険なところで、団体、組織であるというような認識が全くなかったものでございますので出席をしたということ、そして、二〇二二年九月以降、自民党全体でございますが、旧教会との関係を絶つということで、私も含めて対応してきているところでございますので、そういう点で旧統一教会そのものと私は全く関係がございませんということを申し上げてきたということでございます。
○宮口治子君 盛山大臣は、灘高そして東大を御卒業された大変優秀な方だと思います。そういった方がここ数年の記憶がなくなるというのは、到底考えられません。 そして、もう一つ、私は大臣の人柄というのも、やはり政治への思いもすばらしい方であるということを信じたいんです。臨時国会で、「はだしのゲン」を読まれましたかという私の質問に、次の質問に移っていたにもかかわらず、わざわざこの件について御自身の言葉できちんと返してくださいました。さらに、委員会が終了した後も、私のところに来てくださって、長崎への思い、あるいは平和教育についてのことも語ってくださいました。 また、盛山大臣は、前回この委員会でも御自身でお話をされていらっしゃいましたが、駅にエレベーター、エスカレーターの設置を推進する助成制度を創設されて、障害者団体などからの要請を受け、交通バリアフリー法、バリアフリー新法の制定に尽力をされてこられたとのことです。まさに、多様性を認め合える教育を進めていく上で、ユニバーサル社会を目指してこられた大臣だからこそ、様々本音の議論ができると思っておりました。 大臣は、就任以来、五十回以上視察や意見交換会をされたとのことですけれども、それすらの記憶がなくなるのであれば、ちょっと意見をお伺いする意味もなくなるんじゃないかと思って、私心配しております。 良識のある議員として、そして文科大臣として、旧統一教会との関係をお認めになった上で誠実にお話をしていただきたいと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 繰り返しになりますけど、旧教会そのものとこれまで私は直接関係があったわけではありません。そしてまた、先ほども御答弁申し上げましたが、二〇二二年九月以降、関係を絶つと申し上げ、そして、就任後、今のポストに就任後、昨年の十月に旧教会に対しましての解散命令請求を東京地裁に起こしました。そして、先ほども御答弁申しましたが、昨年暮れにできました被害者救済の議員立法に基づきまして、指定という形での公示、そして旧教会に対する通知も行ってきたところでございます。 公正そして厳正に対応しているということでございますので、是非ともそういった対応ぶりについて御理解を賜りたいと思います。
○宮口治子君 直接関係ないとはっきりと言われましたけれども、私自身もまだまだ、本当に記憶はないのかというところで甚だ疑問ではありますけれども、次の質問に入らさせていただきたいと思います。 文部科学行政の基本施策に関する質問でございます。まず、平和教育についてお尋ねしたいと思います。 核兵器廃絶と平和な世界の実現を求めて広島、長崎の声を世界に届けるという目的で、高校生一万人署名活動などを行い、毎年夏のジュネーブ軍縮会議に合わせて代表を派遣している高校生平和大使という日本の高校生による平和運動がございます。ノーベル平和賞に推薦するという動きもあって、私も推薦者に名前を連ねていますが、大臣は御存じでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 高校生の有志の方々が高校生平和大使として核廃絶を求めて集めた署名を国連欧州本部に届ける活動などを継続的に実施されていることは承知しております。このような若い世代の方々が世界各地で核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴え、行動をされることは、極めて意義が深いというふうに考えております。 グローバル化している国際社会におきまして、平和で民主的な国家及び社会の形成者の育成が求められていることもございます。引き続き、高校生の皆さんが国際平和の実現に向けて活動を続けるなど、世界を舞台に大いに活躍していただきたい、そういうふうに期待しております。
○宮口治子君 一人一人の力は微力だが無力ではないというのをスローガンに掲げて、全国で活動を行っています。先日、地域代表の皆さんの報告会が国会内で開催されました。全国各地の平和大使から、広島、長崎以外の自治体ではほとんど本格的な平和教育が行われていないとの報告があって、やはりそうかなと私も愕然といたしました。 盛山大臣は、昨年の臨時国会、私に対する答弁で、子供の頃はやっぱり戦争の話をよく聞いたが、その後、本当に聞かなくなっている、原爆の話だけではなくて、ウクライナやパレスチナでもやっているけれども、戦争に対しての教育というのは大変大事だと思っておりますので、検討はしたいと考えておりますと、そのように平和教育の推進に言及をしていただきました。 ロシアのウクライナ侵攻は二年を超えて、ガザでの死亡者は二万人を超えました。今まさに防衛装備品の輸出ルールの見直しをめぐる政府の、政府・与党内の検討がどんどんと進んでいます。政府がさきに示した見解は、国際共同開発する次期戦闘機の日本から第三国への輸出や殺傷能力のある武器を搭載した装備品の輸出に道を開く内容となっています。また、政府が二〇二三年から二〇二七年度の五年間の次期計画で打ち出した防衛費の四十三兆円も実際の規模は六十兆円近くに膨れ上がるとか、防衛力強化のための有識者会議の第一回総会で座長の榊原定征元経団連会長が、為替変動を考えると四十三兆円の枠の中で防衛力の強化ができるのか、現実的な視点で見直す必要があるとの発言も飛び出しております。 大臣、この現状、どう思われますか。
○国務大臣(盛山正仁君) 今、宮口委員から御指摘の防衛関係予算ということに関しましては、所管外でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、先ほど来の質問の流れで行きますと、文部科学省としては、日本国憲法及び教育基本法を踏まえ、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を子供たちに育む平和教育、これは極めて重要な課題であると認識しているところです。
○宮口治子君 一月一日発行の教育新聞、盛山大臣のインタビュー記事拝見いたしました。引用いたします。国会の質疑で、戦争に対して平和が大切だとして、「はだしのゲン」を読んだことがあるかと聞かれたが、そういうことも考えた方がいい、時代によって追加されるものもあるのでそういうものも含めて学習指導要領を見直していくという記事でした。ありがとうございます。私も質問してよかったなと思います。 広島では、これまで被爆の実相を学んで継承していくことを軸にして平和教育に取り組んできました。ですが、被爆者や戦争経験者が高齢となられ、形骸化してきたという危惧の声も聞かれています。また、学校現場では、過度な圧力による自主規制、学力偏重によることの重要度の低さ、さらには教材研究等に掛ける時間が取れない、いわゆる、古賀委員も言われてましたが、学校の多忙化などを理由に現場によって平和教育に対する温度差があるというような声も聞かれています。 教育課程ではもっと積極的に平和教育を位置付けて展開していくべきではないでしょうか。予測不可能な世界の情勢の中においてこそ、平和学習というのは子供たちが自分の生き方そのものというのを考える重要な機会となると位置付けて、これから社会を担っていく子供たちに平和教育を通して何を学んでもらいたいかを考えるという観点から学習指導要領を見直していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 宮口委員おっしゃるとおり、戦争が未曽有の惨禍をもたらすことを子供たちに理解をしていただき、そして二度と悲惨な戦争を繰り返すことがないよう、特に日本がということになりますけれどもね、ここは日本ですので、平和で民主的な社会の実現に努めることの重要性を知ることは大切なことであると認識しております。 こういう考えの下、昨年、今、宮口委員から御指摘がありましたが、昨年の国会での宮口議員からの御質問に対しまして、私自身の体験も踏まえて、戦争等に関する教育を大事に考えているという趣旨を御答弁いたしましたし、また、御指摘をしていただきました教育新聞のインタビューにおいても、平和の大切さを教えることについては、時代によって追加されるものもあるので、そういうものも含めて学習指導要領を見直していくというふうにインタビューでは答えたところでございます。 その上でということになりますけど、学習指導要領そのものの改訂につきましては、中央教育審議会において様々な分野の学識経験者の方々等により御議論をいただいた上で、それを踏まえて行っていくことが必要となります。その際には、インタビューの中でも言及しておりますが、限られた時間の中で扱う内容を追加するとなると、既存の内容について扱いを場合によっては軽くしたり、場合によってはなくしたりする、そういうような必要も出てまいります。 いずれにせよ、こういった様々な観点も含めながら、御指摘の点につきまして学習指導要領全体の検討の中で考えていきたいと思っております。
○宮口治子君 ありがとうございます。 やはり、幼い頃からの学びあるいは経験、体験、そういったものは本当に子供たちにとってその教育、成長において大切な大切な根底となっていくと思いますので、大臣、これからもしっかりと前向きに検討よろしくお願い申し上げます。 続いて、少子化による大学の改革、再編統合、そして廃止等についての質問をさせていただきたいと思います。 少子化時代における大学改革や再編についてです。急速な少子化が大学の在り方に大きな影響を与えていると考えます。中央教育審議会は、二〇一八年に、二〇四〇年に向けた高等学校のグランドデザインを答申し、これを受けて、政府は大学に関する様々な制度改正を行ってきました。 こうした中、昨年、九月二十五日に大臣は、急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方についてを中教審に諮問し、二〇四〇年以降の社会を見据えた高等教育が目指すべき姿などについても検討を求められました。 急速な少子化を踏まえ、大学の再編統合や廃止も検討されることが見込まれます。二〇四〇年に向けた高等教育の在り方を議論したいわゆるグランドデザイン答申から五年もたたないうちに、大臣は二〇四〇年以降の在り方について中教審に検討を求めています。グランドデザイン答申が出された二〇一八年時点と比べても予想以上に少子化が進んでいて、大学経営も厳しさを増している中、少子化問題と正面から向き合わないと我が国の大学や社会に未来はないという強い危機意識があるものと理解しています。 実際、文科省の推計によると、二〇四〇年の進学者は約五十一万人となり、二〇二二年の大学入学定員の総数は約六十三万人なので、十二万人のギャップが生じることになります。しかも、最新の人口動態統計によると、二〇二三年の出生数、これ過去最低の七十六万人弱で、婚姻件数も戦後初めて五十万件を下回って、国立社会保障・人口問題研究所の推計よりもおよそ十二年これ速いペースで少子化というのが進んでいます。 また、日本の私立学校振興・共済事業団の二〇二三年度の調査によりますと、全国の私立大学六百校のうち三百二十校、約五三%が定員割れを今起こしていて、調査開始以来初めて五割を超えてきました。うち二十九校は定員の半分にも今届いていないという状況です。私立大学の中には、学生募集を停止し、廃止を選択するところも出てきました。 高校を卒業する十八歳人口は、第二次ベビーブーム世代が十八歳を迎えた一九九〇年代初頭以降減少傾向にあって、大学経営も一層厳しくなっています。それにもかかわらず、私立大学、公立大学を中心に大学入学定員むしろ増えています。最近の傾向、文科省としてどのように分析しているのかを教えていただけますか。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 少子化が急速に進行する中でも大学進学率は上昇を続けておりまして、大学進学者数は、これまでほぼ一貫して増加してまいりました。このような中で、大学入学定員も増加し、令和五年度の大学入学定員は六十三万二千人でございます。
○宮口治子君 また、昨年の諮問で大臣は、設置者の枠を超えた高等教育機関間の連携、再編統合の議論は避けることができないと述べられています。 直近の大学入学定員は増加傾向に、今も説明ありました、増えていますが、長期的な見通しとしては、定員も大学数も減少せざるを得ない状況にあって、長期的なそうした減少を見据えた大学間の再編統合や大学改革などの取組を文科省として積極的にこれを支援していくというスタンスで間違いはないんでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 大変、その宮口委員がおっしゃった厳しい状況、今後の大学というか高等教育における状況にあるということは我々も同じような認識を持っております。ですからこそ、昨年九月に中教審に諮問をしたということでございますが、他方、大学あるいは高等教育機関と言った方がいいのかもしれませんが、人材育成と知的創造活動の基盤として、我が国の社会や経済を支えることのみならず、世界が直面する課題の解決に貢献するという使命も有しているところであります。 それと同時に、今、宮口議員から御丁寧に御説明いただいたように、少子化の進展が予想以上に急速に加速化している、悪化しているということでございますので、今高等局長から御答弁しましたように、大学進学率が伸びているということを考慮しましても、今後の大学入学者数は二〇四〇年代、五十万人ぐらいになるんじゃないか、そして、現在の規模に比べて十万人程度のギャップがあるんじゃないか、こういうふうになるわけでございます。 そして、これは国公私立を問わず全ての大学についての大変大きな課題でございますので、今後の高等教育全体の適正な規模の在り方、これを早急に検討しなければなりませんし、また同時に、日本の知的レベルというんでしょうか、大学の論文数ですとか引用論文数、こういったものがどんどんどんどん下がってきている。中国がどんどん上がって世界一になっている。こういうことも御指摘されております。 ですからこそ、昨年諮問させていただいたということでございますので、この急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方というもの、諮問に対する御議論、これを踏まえながら、今後の大学改革、高等教育改革にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○宮口治子君 ありがとうございます。しっかりと課題を持っていただいているというふうに受けました。 少子化、本当にこれから少子化時代本格化していく中で、各大学というのは、まず一つに、自ら大学改革を進めていって生き残りを図っていく。そして二つ目は、複数の大学間で再編や統合を進めていくということ。そして三つ目は、廃止する。このいずれかを迫られることになっていくのかなというふうに思うんですが、大学の在り方をどうするかという決断は、大学内部のみならず、社会の様々な関係者に影響を及ぼしていくのではないかと心配します。 例えば、高校生目線で見ると、大学が減少していく中で、特に地方において多様な進学機会をどのように確保していくかというのも重要な問題です。また、地域社会にとっては、若者の流出を防ぐために地域の核となる大学になるように存続してもらえるかというのも課題です。また、産業界からは、デジタル化や脱炭素化を始めとした成長分野の担い手、これを確保するために大学改革を期待するという声もあると思います。このように、今後、大学をどのようにしていくかという問いは、社会の様々な関係者にとって本当に重要な問いになってくるかと思います。 そこで、本日は、各大学が進める大学改革や再編などの取組について、文科省に対して、現状や課題、政府の対応を伺っていきたいと思います。 まず第一に、大学改革。女子大の共学化、私立大学の公立大学化、再編統合、廃止、キャンパス移転、理系学部へのシフトなど、今各大学というのは生き残りに向けて様々な手法で大学改革を進めています。そこで、そうした大学改革の在り方について伺いますね。 まず、女子大についてです。女子大は大学における女性の学びの受皿として重要な役割を担ってきましたが、近年、特に私立女子大の置かれた状況というのが厳しくなっています。私立大学全体の約五割が定員割れとなっているのに対して、二〇二二年度時点で私立女子大の約七割が定員割れとなっていました。実際に廃止を選択する女子大、これも少なくありません。こうした中、生き残りを図る私立女子大の中には、男女共学に転じて定員割れを防ぐという決断をしたところもあります。一方で、女子大であることは変えずに学部を増やして統合大学化する、あるいは、理系志向を強めて既存の家政学部などから建築学部であったりデータサイエンス学部といった理系学部へのシフトを図るなど、様々な改革を進める大学もございます。 政府として、これまで私立女子大が果たしてきた役割、このことについてどのように評価をされていますか。
○国務大臣(盛山正仁君) 私立の女子大学は、特に過去において女性の高等教育を受ける機会が極めて限られていた、そういうような背景の下で、男女間における教育の機会均等、そして女性の特に地位の向上ですよね、こういったことを目指されて、それぞれの建学の精神に基づいて設置が進められてきたものと承知しております。 最近では、女性の大学進学率は大変伸びております。先ほど来御説明ありましたが、大学の進学率、今カーブがすごく緩やかになりつつはありますけれど、まだ伸びておりまして、その中でも女性の進学率の伸びの方が男性より大きいということで、今、男女間の格差が、大学進学率の格差が大分縮まってきている、そういうような状況にあります。 私がさっき申し上げましたような女子大学の設置の目的というのは一定の成果を上げてきているのではないかなと思います。 しかしながら、社会のあらゆる分野に女性が進出することで多様性を確保し、女性活躍を牽引するリーダーシップを持った人材を育成するという観点から、それぞれの強みを生かして個性豊かな教育を行うという、特に私立の女子大学、重要な役割を担っておられると思いますので、それぞれの学校法人の御判断ということにはなりますけれども、女子大学ということで、女子についてこういうことをするんだというようなお考えのしっかりしている大学はまだまだたくさんございますので、そういうような学校におかれましては、先ほど先生おっしゃいましたけれども、他の大学ですとかそういうものを吸収するというのもあるでしょうし、例えば理工系、特にICTの関係、こういったものについて増やされるというところもあるでしょうし、それぞれ御検討されて、今後とも必要な役割を果たしていっていただけるのではないかと考えているところです。
○宮口治子君 確かに女子の進学率というのは増えているというところもあると思いますが、今後、私立の女子大というのはどのような方向に進んでいくということを認識されて、そのためにどのような大学改革が必要だと考えているんでしょうか。 女性が働き続けることが世の中当たり前になってきて、学部選択の面からも、人文系が中心の女子大ではなく、幅広い学部がある四年制大学の共学を選ぶ女子受験生が増えたのではないのかなという分析もあるんですけれども、文科省としてのそこの見解をお願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 女子大も含めて私立大学の経営状況は厳しいということは先ほど来お話をしているところでございます。 そこで、我々としましては、これまでも積極的な改革を行う私立大学に対して重点的に支援を行ってきたところですが、さらに、令和六年度予算案におきましては、将来を見据えたチャレンジや経営改善を行う私立大学に対する一層の支援、教育や経営に係るデータをフル活用して学校法人への経営相談の充実等を図るためのシステム構築などに必要な経費を計上しております。 また、先ほど来お話のございました、中教審での今後の急速な少子化が進行する中での高等教育の在り方についても御議論をいただいているところでございますので、これらの議論の状況に加え、これまで私立の女子大学が果たしてきた役割等も踏まえつつ、女子大学を含めた私立大学の振興に向けて、今後とも一層取組を進めていきたいと考えております。
○宮口治子君 ありがとうございます。女子大のことをメインに聞きたかったんですが、私立大学のこともざっくり今答えていただいたんで、実はその私立大学についての質問を次にさせていただきたいと思います。 公立大学は一九八〇年代までは全国三十校ほどでしたが、九〇年代に入って看護系の公立大学の開設などが相次ぎ、また近年は、生き残りを図る私立大学が公立大学化されているというところもあります。二〇二三年時点で公立大学は百校まで増加して、学生数も十六万人を超え、全大学の五%を上回ってくるようになりました。 少子化時代にある中、国立大学の新設は基本的に今行われておりません。ですが、公立大学の新設は自治体の判断によって任せられている部分があるということもあり、公立大学の運営経費は国の地方交付税交付金の対象となるので、私立大学が廃止されてしまうくらいならと、自治体の判断で公立大学化するところも出てきているかと思います。例えば、二〇二二年に、山口県周南市の私立徳山大学が周南公立大学になったところ、授業料が下がって志願者も大幅に増加したといったようなケースもあります。 私立大学の公立大学化の例というのはこれまでに十二校あるんですけれども、私立大学を公立大学化することによるメリットとデメリット、これはどのようなものがあるかをお聞かせいただけますか。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 私立大学の公立大学化につきましては、ただいま宮口委員御指摘のとおり、各地方公共団体の判断により行われているものでございます。これまでの事例では、先ほど御指摘にありましたとおり、授業料等の学納金が引き下げられ、志願者数も増加しております。また、地方公共団体にとっては、地域に大学が存立し続けることによって、地元での進学機会の確保、地域で活躍する人材の育成、大学の教育研究力を生かした産業など、地域社会の活性化といったメリットが期待されているものと認識しております。 他方、公立大学化した場合、地方公共団体は大学の運営について恒久的に財政措置を行うことが必要になり、地方負担は増えることになります。したがって、大学で養成しようとする人材の需要や定員の充足見込み、法人経営の見通しなどについて十分検討した上で、公立大学としての設置の是非を御判断いただく必要があるものと考えております。
○宮口治子君 地域の私立大学が廃止されることで高校生が地元の大学で学ぶ受皿がなくなってしまうくらいなら、公立大学化して若者の流出を防ごうといったような考えもある程度一定理解できます。一方で、不振の私学を税金で救済することに疑問が上がって、地方議会において反対の意見が出されるというケースもあります。 来年、二〇二五年度の開設の大学から文部科学省は公立大学の新設を抑制する、学生を確実に集められる場合のみ認可するよう審査を厳格化し、教育の質の向上につなげるといったような報道もございますけれども、私立大学の公立大学化については文部科学省は抑制する方向にかじを切ったとの理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 大学の設置等の認可に係る審査におきましては、これまでも学生確保の見通しについて詳細な分析に基づいた説明を求めるなど、適正な審査を行ってまいりました。 令和七年度開設に向けた大学の設置等の認可に係る審査に当たりましては、この点について、地域的動向や既設組織の状況、競合校の状況、学生募集に関する取組とその効果を詳細に分析することを求めることとしたため、御指摘の報道はこの部分について言及されたものと考えております。 この見直しは、学生保護の観点から、より詳細な説明を、これは公立大学、私立大学を問わず、全ての申請者に対して求めるものであります。私立大学の公立化の抑制を意図するものではございません。
○宮口治子君 ありがとうございました。 ちょっと時間がないので、次に進みます。 複数の大学間で再編統合を行う場合について伺います。 文科省は、中教審への諮問で、設置者の枠を超えた高等教育機関間の連携、再編統合の議論は避けることができない状況であると述べられています。 国立大学は、二〇〇二年から二〇〇七年度にかけて十四組が統合され、二〇二四年度には東京工業大学と東京医科歯科大学を統合した東京科学大学、これが創設されます。また、私立大学においても、二〇〇八年から二〇二三年度にかけて十一組がこれ統合されました。 一つに国立大学法人における一法人複数大学制度、いわゆるアンブレラ方式の導入が、そして二つ目は大学等の緊密な連携を効果的に推進するための法人を文部科学大臣が大学等連携推進法人として認定する制度の創設、三つ目が私立大学における学部単位での譲渡を可能にする制度改正など、大学の連携や再編統合を視野に入れたといった取組が行われてきました。 こうした中、文部科学省では、二〇二四年度予算案において、二〇二八年度までの五年間を集中改革期間と位置付けて、時代と社会の変化を乗り越えるレジリエントな私立大学等への転換支援パッケージ、これを打ち出されました。 同パッケージでは、複数大学等の連携による機能の共同化、高度化を通じた経営改革支援のための予算や、連携、統合等を希望する大学法人、失礼いたしました、学校法人への経営相談の充実、マッチング支援などのアウトリーチ型支援を行うための予算、これが計上されています。 今回のパッケージでは、これまでの取組よりも更に一歩進んで、大学間の連携、共同を積極的に推進しているように見えますが、改めてこの三つのパッケージの狙いについて教えてください。 また、大学の再編統合に関しては、学校法人間での利害の対立というのが生じるために調整が困難であるかとも思われますが、誰がどのように調整していくのが望ましいとお考えか、お聞かせください。
○政府参考人(寺門成真君) お答えいたします。 まず、御指摘のパッケージにつきましては、先ほど来先生からも御指摘ありましたとおり、少子化が急速に進む中で、今後、高等機関間の連携、再編統合の議論は避けることができないというふうに認識してございます。こうした中で、当省といたしましては、機能の共同化、高度化による効果的、効率的な大学運営によりまして、各大学が強みや特色を発揮していくことが一層重要だと認識してございます。 このため、令和六年度から令和十年度までの五か年間を集中改革期間と位置付けまして、複数の大学等が連携関係を構築することで、効果的、効率的な大学運営を実現する経営改革の支援などを新たに取組を強化したいと考えておるところでございます。 また、利害の対立する点につきましてでございますけれども、これも、つきましては、建学の精神に基づいて教育研究活動を行っております私立学校の特性に鑑みまして、再編統合につきましても各学校法人の自主的な経営判断によって行われるべきと考えてございます。 このため、再編統合に伴いまして、それぞれの大学等におきまして、在学生の受入れなどの交渉、調整につきましては、各大学を設置する学校法人がその責任において実施をしていくものと考えておるところでございます。
○宮口治子君 各大学の学校法人の判断というところでよろしいですか。もう一度お願いします。
○政府参考人(寺門成真君) お答えいたします。 後段の御質問に関しましては、学校法人の責任において行うものと基本的には考えておるところでございます。
○宮口治子君 ありがとうございます。 ここまで大学の生き残りについてをいろいろ質問させていただきましたけれども、次に大学の廃止についてお伺いします。 少子化の影響もあって学生数が確保できずに廃止となる私立大学、全国、後を絶っていません。一九八〇年代から二〇〇〇年代にかけて多くの自治体が地域活性化を目的に盛んに大学を誘致しましたが、今では淘汰が進みつつあります。令和になってからも、短期大学を中心に毎年何校も廃止されているのが現状です。 十年ほど前には、大学生が在籍している中で学校法人に解散命令を出され、学生が転学せざるを得なくなった創造学園大学のケース、これございましたけれども、それ以外に学生が在籍中にあるにもかかわらず大学が廃止されるケースというのはあったんでしょうか。
○政府参考人(池田貴城君) お尋ねのような形で大学が廃止されたケースはないと承知しております。
○宮口治子君 また、創造学園大学のケース、これを除くと、大学の廃止が決定された場合も、在学生が卒業するまではきちんと大学が最後まで責任を持って教育活動を行っているという理解でよろしいでしょうか、するという理解。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、大学はその廃止が決定された場合であっても、現に在学する学生が全員卒業するまで責任を持って教育活動を行うことが求められます。
○宮口治子君 ありがとうございます。 私立の中には、附属中学や高等学校の経営は順調であるにもかかわらず、体力があるうちに計画的に大学経営から撤退する女子大などもあります。廃止というとこれ後ろ向きのイメージを持たれるかもしれませんが、少子化時代において、先手先手で経営判断を行っていくという姿勢はむしろ評価されるべきとも考えます。 文科省は、これまでも経営に課題を抱える学校法人に対する取組として、必要に応じて撤退を含む早期の経営判断を促す指導を行うなどしてきたと周知していますが、二〇二四年度予算案において、新たに定員規模適正化に係る経営判断を支えるための支援、これを盛り込まれました。具体的には、定員規模適正化に係る経営判断を支えるため、経営改革、経営改善計画に位置付けた上で、経営面、教育面において一定の要件を満たす場合に限り、学生募集停止を行った学部等の継続的な教育研究活動を支援するというふうにしています。これ、学生の立場に立ってみても、ある日突然経営破綻されて教育活動がままならなくなるよりも、計画的に廃止が打ち出された方が安心して学びを継続できると思います。 こうした計画的な廃止を行う学校法人への支援、より積極的にこれから行っていくべきだと思いますが、御見解をお願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 私立学校でございますので、まずはその特性、あるいは建学の基本方針ですとか、各学校法人がどう考えるかということがベースにあるわけでございますが、先ほど来、宮口議員がいろいろ御説明をしていただいておられるように、大変厳しい状況が今やっぱり実際に起こりつつある、直面せざるを得なくなっているということでございますので、我々としましては、急に創造学園のようなことが今後ないように、あらかじめ、経営が悪化傾向にある学校法人につきましては、それぞれその改善計画を立ててもらう、そしてまた、我々はそういった学校法人に対する経営指導、こういったことを、学生を保護するという観点からしっかり充実強化していきたいと考えております。
○宮口治子君 ありがとうございます。 少子化等々による大学改革の問題について、私も様々質問させていただきましたが、文部科学省におかれましても、少子化時代、この大学の在り方について真摯に検討し、早急に対応していただくことをお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○金子道仁君 日本維新の会・教育無償化を実現する会、金子道仁です。 本日は、まず最初に、旧統一教会の被害者救済のことについて大臣にお伺いさせていただきたいと思います。 昨年の臨時国会で、特定不法行為等被害者特例法、我々の委員会でも議論させていただきましたが、この法律が成立し、十二月三十日、年末に施行されたと、そのように理解しております。そして、三月の十七日に指定宗教法人の指定公示がなされた、そのように承知しております。 〔委員長退席、理事今井絵理子君着席〕 率直に申し上げますと、年末から三月十七日までちょっと時間が掛かったんじゃないかな、そういう印象を私個人は受けた次第です。指定公示までどのような日程でどのような作業が行われたか、御説明をお願いいたします。
○国務大臣(盛山正仁君) 特定不法行為等被害者特例法に基づく指定は不利益処分に当たるということから、指定を行うに際しては、同法や行政手続法にのっとり適切な対応を行うことが求められるわけであります。 特例法が昨年十二月三十日に施行されたことから、行政手続法にのっとりまして、特例法に基づく指定に関する運用基準案、これを作成するとともに、法施行後、行政機関の最初の業務日でございましたのは本年の一月の四日です、三十日はもういわゆる暮れの休みでございました、一月四日から三十日間、同基準案のパブリックコメントを実施いたしました。これは、パブコメ、三十日というのは原則でございまして、そうすると一月の四日からですと二月の三日まで掛かるということになります。このパブリックコメントでは、三千五百件を超える意見の提出がございました。いただいた意見を十分考慮した上で、二月の十五日に宗教家及び学識者から成る有識者会議を開催しまして、その我々がパブコメにおかけしました基準案について、全会一致で相当との意見を得たことから、同日中に運用基準の大臣決定を行いました。つまり、二月の三日に締め切って、二月の十五日に有識者会議を開催し、そしてその日のうちに運用基準の大臣決定を行ったということでございます。 〔理事今井絵理子君退席、委員長着席〕 そして、これに基づきまして、旧統一教会に対する指定について検討した後、指定するに当たり、行政手続法にのっとりまして、二月十六日、つまり今申し上げました二月十五日に大臣決定を行ったその翌日、二月十六日にそこから二週間を期限として弁明通知書というものを発出いたします。不利益処分ですので、その当該団体に対して弁明の機会付与を行いました。そして、同月二月二十六日付けで提出があった弁明書の内容を検討した上で、特例法に基づきまして、三月の六日に宗教法人審議会に諮問を行いました。同審議会から、旧統一教会を指定宗教法人と指定することについて、全会一致で相当であるとの答申が得られたことから、翌三月の七日でございます、十七ではなくて三月の七日でございます、この日に旧統一教会を指定宗教法人とする指定の公示を速やかに行ったところでございます。 このように、被害者救済に資するよう、特例法の趣旨を踏まえ、法令に定める手続、行政手続法その他の手続、こういうものに適切にのっとりながら、可及的速やかに対応を行ってきたというふうに私たちは考えているところです。
○金子道仁君 御丁寧に御説明本当にありがとうございます。 行政の不利益処分であるということで、パブリックコメントに一か月、また不服申立てというんでしょうか、その弁論の機会に二週間、それが必要だということは本当によく分かります。信仰の自由をしっかり尊重しつつ、手続を迅速に進められた。ただ、被害者救済という観点からいうと、やはり時間が掛かったなということも否めないんではないかと思うんですね。 先ほど古賀委員も同じ御質問をされていましたけれども、やはり、指定宗教法人の指定申請ではなくて、特定指定宗教法人に直接行った方がより具体的な被害者救済、財産保全に至ることができたんではないか、私もそのように考えますけれども、改めて大臣、現時点では財産を隠すおそれがないと、あっ、おそれがあると一定の蓋然性を持って言える状況にないと御判断されたというふうに理解しますが、その判断についてもう一度お聞かせください。
○国務大臣(盛山正仁君) 若干繰り返しになりますけど、特定不法行為等被害者特例法による指定については、二月十五日に策定した運用基準、これに基づいて検討を行います。そして、この旧教会についてはその指定法人にすべきであるということで、宗教法人審議会に諮問を行って全会一致で相当であるとなり、三月の七日に指定宗教法人として公示を行ったということでございます。 そして、委員が御指摘の特別指定宗教法人、これにするための要件としましては、その財産の隠匿又は散逸のおそれがあることというのが必要でございまして、これにつきましては、抽象的なおそれでは足りないということ、そして、保有財産を減少させる行為や海外へ移転する行為、不動産の現金化など財産の流動性を高める行為などが現に現れ又は現に行われようとしている場合など、一定の蓋然性が求められるということでございますが、現状、我々が把握している情報では、旧統一教会についてはこの要件を満たすと認められるまでの状況は確認できていないということでございます。 そして、先ほども申し上げましたが、旧統一教会を今回指定宗教法人に指定をいたしましたので、今後三か月に一度提出されることになります財産書類や通知の内容をしっかりと確認し、関係省庁からの情報提供を含め、今後、財産の隠匿、散逸のおそれが把握された場合には特別指定宗教法人の指定の手続を速やかに行うなど、法令を踏まえて適切に対処していく所存でございます。
○金子道仁君 ありがとうございます。 抽象的なおそれでは指定はできないと、一定の蓋然性が必要であると、その蓋然性を判断する材料としては、もちろん文科省がこれから集められると言われている財産目録等の財務諸表だけではなくて、ほかの省庁が集められる、法務省であったりとか財務省であったりとか、そういった情報も総合的に判断して、一定の蓋然性が今ないというふうに大臣御答弁いただいたと理解しておりますので、いずれにせよ、私たちが目指すべきは被害者の救済ということですので、その点については迅速に、また丁寧にお願いしたいと思います。 今回、指定宗教法人が指定され、公示なされて、三か月ごとの財産目録の書類の提出が要求されるわけですが、初回の提出はいつ頃の予定なんでしょうか。
○政府参考人(合田哲雄君) 指定宗教法人の指定を受けた旧統一教会につきましては、特定不法行為等被害者特例法第十一条の規定により、読替え後の宗教法人法第二十五条の規定に基づき、毎会計年度の各四半期終了後二月以内に当該四半期分の財産目録等を作成し、その作成後十日以内にその写しを所轄庁に提出することになっておりますので、ただいま御質問がございました初回は、六月十日までに、令和六年一月から三月までの令和五年度第四・四半期分が提出される予定でございます。
○金子道仁君 最初の書類が六月ということで、法律ができてから半年経過後にようやく書類が入るというのはやはり不安を覚えざるを得ないというのは率直な意見です。先ほどもお伝えしたように、文科省だけの情報だけではなくて、政府全体の情報を全て集めた上で、一定の蓋然性を持って財産隠匿、隠蔽、海外送付等がないということで今回は指定のみだというふうに理解しておりますので、くれぐれも財産保全に関してはよろしくお願いしたいと思います。 本日、私の方としましては、次の質問、高等学校の授業料の無償化について、是非大臣と意見交換させていただきたいと考えております。 今、高等学校、高校のみではなくて大学、高等教育に関しても無償化等の議論も広がっていて、無償化が各地で広がっている、そのような状況だと思います。ただ、教育の無償化が単なるばらまき政策にならないように、無償化であればよいというようなことではなくて、適切な無償化の実施というものを我々議論し、検討していく必要があるんではないかと、そのように考えています。 特に、無償化をして何を目指すのか、無償化の先に何があるのかということを是非大臣とも意見交換、議論させていただきたいと思うんですが、最初の質問としまして、高等学校の授業料無償化、今、国が就学支援金の拡充をしておられますけれども、高等学校の授業料の無償化の意義、目的について、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 文部科学省が実施しております高等学校等就学支援金の目的は、高等学校等就学支援金の支給に関する法律、この法律の第一条の目的のところにおきまして、この法律は、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与することという趣旨がこの目的のところに規定されているところです。
○金子道仁君 ありがとうございます。 就学支援金は今拡充をされています。ただ、授業料の無償化というところまでは、あれですね、世帯区分等を外して全て無償化というところにはまだ至っていないわけです。 その残りの部分は各自治体の独自の取組によって無償化というものが先行して実施されている。大阪府では完全無償化という形で高校の授業料の無償化。また、東京都では実質無償化という形で授業料の所得制限ない無償化というものがなされた。さらには富山県でも、奈良県でも、次々とそのような自治体ごとの先行事例が行われているわけです。そうすると、それをしていない自治体に住んでおられる方々からすると、非常に地域間格差が広がってきている。まあ平たく言えば、財政にゆとりのある都市部では高校の授業料は無償化だと、地方ではいつまでたっても無償化が進まない。これでは地域間格差が広がってしまって、ますます都市部に人口が集中してしまう。教育を行うのは、子育てを行うのは都市でやることだ、そんなメッセージになったら大変なことだと私は思っています。 この高等学校の授業料の無償化を国全体で実施する必要性について、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 国における高校生等への修学の支援は、限られた財源を有効活用するという観点から、それまでにありました、平成二十六年にそれまでのそのやり方を、所得制限を設けることで財源を捻出しまして、それによりまして低所得世帯への支援を手厚くする、拡充するなど、より教育の機会均等に資するよう、支援の充実を図ってきたというところでございます。 他方、地域によりまして、私立学校の授業料の平均額や私立高校に進学する生徒の数、その割合が大きく異なることから、地域の実情を踏まえて、国の支援に上乗せをして、地方自治体の独自支援が行われているところでございます。 文部科学省としては、教育の機会均等を図るために基盤として行う国の支援と、そして、それに上乗せをして取り組まれる地方自治体の独自支援が一体となって教育負担の軽減が図られることが望ましいというふうに考えているところです。
○金子道仁君 ありがとうございます。 まさに、国が基盤をつくり、自治体が上乗せをするという、それが今の国の制度設計だと思います。限られた財源をいかに有効に教育に投下していくか、これも非常に大事なことだと思います。 ただ、実際に、自治体の中では上乗せを手厚くしていくところと上乗せができないところの差があるのも事実ですから、それが国として放置していていいのかどうかということについては、是非これからも議論していく必要があるんではないかと思います。 昨日、吉良委員が、大学の理工学部に通う学生への支援を拡充すると理工学部の授業料の値上げが行われるというこの悪循環について質問されておられました。私もそのこと非常に同感で、自治体によっては高校の授業料の無償化のために上乗せ部分を上げますと、同時にその私立の高校の授業料が上がっていく。この悪循環をしていけば、いつまでたっても授業料の無償化にはならない。実質無償化というキャップを乗せない無償化の場合にはどうしてもこの悪循環によって授業料の高騰を招いてしまう、そのようなことが起こる、そのことを思います。 じゃ、授業料の完全な無償化のためにキャップをはめることについて、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) なかなか難しいところでございまして、特に私立大学、あっ、私立高校ですね、の場合の授業料というのはそれぞれの学校の設置者の判断でなされる。やはりどういう教育をしたいのか、そして、それに対してどれぐらいの費用を掛けていくのか、そして、それを踏まえての授業料その他をどうするのかということがやっぱりベースにあるんだろうと思いますね。 それで、我々国の高等学校等就学支援金の制度は、教育の機会均等のための基盤として高校生等の授業料を支援するものでありますので、その一部の負担を学校に求めたり、支援の対象とならない学校が生じたりするような仕組みというのは制度の趣旨に合わないということではないかと思います。 また、そのキャップ制ということでございますけれども、我々が承知している限りでは、大阪のキャップ制も、そのキャップにはまらないような学校においては、大阪府の方は、これまでに支援されていた部分も御支援をストップされるというふうに聞いておりますし、東京のものはまた別の制度であるとも承知しているところでございますので、いろいろ自治体によってもそのいろんな支援の内容が違うところでございます。 もちろん、それはそれぞれの地方自治体の御判断ということになるわけでございますが、今後の高等学校の授業の無償化というんでしょうか、その負担をどのように軽減していくかにつきましては、十分な議論を踏まえながらしていく必要があるのではないかと我々は考えているところです。
○金子道仁君 ありがとうございます。 まさに今大臣がおっしゃられたように、自治体ごとに試行を繰り返しているような段階に今我々の国は来ている。ただ同時に、私は兵庫県に住んでいますけれども、半分冗談、半分本気で、もうこれから大阪行こうかなと。大阪行けば、高校も授業料無償化だし、府立大学も授業料無償化でしょうと。兵庫県もそれに、慌てるようにして、引きずられるといったら言い過ぎかもしれませんが、県立大学の無償化に今着手しています。国は、ごめんなさい、自治体はやはり先行した自治体に後を付いていくような形でどんどん無償化を進めていっているのであれば、今我々はどのような無償化を目指すべきなのかという議論はしっかりとすべきときに来ているんではないかと思います。 キャップをはめて完全無償化をしていく、授業料を無償化するという意味ではキャップをはめるのは一理あります。しかし、キャップをはめることによって私学の建学の精神を阻害してしまうんじゃないか、特色ある教育、質の高い教育を目指すというインセンティブをそいでしまうんじゃないか、それも確かにおっしゃるとおりです。じゃ、どのようにして無償化を実現しつつ、なおかつ質の高い教育を担保するような制度設計をしていくのか、そういったことについて是非今後も議論させていただきたいと思っております。 続いて、民法が改正されて十八歳が成人というふうに我々の国はなりました。つまり、多くの学生たちは、高校を卒業した段階で社会人としての自立性であったり責任を求められる、そのような時代になってきているわけです。 では、大臣は、高校生が高校卒業時点に身に付けておくべき必要な資質、能力とはどのようなものだとお考えでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) なかなか難しい御質問でございますけれども、高等学校における教育の目標について、学校教育法では、豊かな人間性、創造性、健やかな身体を養い、国家及び社会の形成者として必要な資質を養うこと、社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき、個性に応じて将来の進路を決定させること、個性の確立に努めるとともに、社会について広く深い理解と健全な批判力を養い、社会の発展に寄与する態度を養うこととされております。 また、中央教育審議会における高等学校教育の在り方ワーキンググループにおける昨年の中間まとめでは、選挙権年齢や成年年齢の引下げなどの変化を踏まえ、今後、自己を理解し、自己決定、自己調整ができる力、自ら問いを立て、多様な他者と協働しつつ、その問いに対する自分なりの答えを導き出し行動することのできる力、自己の在り方、生き方を考え、当事者として社会的に主体的に参画する力、義務教育において修得すべき資質、能力の確実な育成など、知徳体のバランスの取れた土台の形成が重要となると指摘されているところです。 文部科学省としましては、全ての高等学校において生徒や地域の実情に応じた特色化、魅力化が進められ、生徒を主語にした教育が実現されるよう、必要な支援を進めてまいりたいと考えております。
○金子道仁君 ありがとうございます。 大臣が今言及された中教審の初等中等教育分科会の方で、こういった議論盛んになされているわけです。まさにその中教審のその分科会の中では、個別最適な学び、協働的な学びを実現することにより高等学校卒業時点で必要な資質、能力を身に付けさせることが今日の高等学校の役割であると、そのようにはっきり提言がされています。 じゃ、高等学校卒業時点で必要な資質、能力というのは何か。この中教審の提言によれば、高校生の段階で、自らの将来を真剣に考え、それに必要な情報を取捨選択、収集、分析し、熟慮の上に責任を持った判断をする過程を経験することが重要であると、そのように提言されて、私もこれは非常に感銘を受けるというか共感できる、そのような提言でした。言い換えれば、高校卒業した段階で自分は何をやりたいのかということをはっきりと理解でき選択できるようになるために、高校の時代にどれだけその選択をする経験を重ねていくのか、それが高校生に求められている経験ではないかということ。 しかし、この提言の中にもあります。そのような人生の在り方、社会の在り方を見据えて主体的な経験を育むことよりも、大学入試選抜、就職に向けた対策が学習の動機付けとなりがちであることが課題として指摘されていると。そのような選択をしていく経験を重ねることよりも、高校三年間が、大学受験の予備校の性格というんでしょうか、それに目指した三年間になってしまう、非常にもったいない状況があるということが指摘されているわけです。 だからこそ、我々は高校改革をしていく必要がある、ここの提言にも、高校改革、従来の取組を漫然と続けているだけでは高等教育の質の維持向上はできないという危機感を持って高等学校の特色化、魅力化に取り組む必要があると、そのように提言がなされています。このことも非常に私も賛同する内容ですけれども、このような高校の改革が必要だと思います。大臣の見解をお伺いしてよろしいでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) これからの高等学校教育の目指すべき姿として、今、金子委員が御指摘されましたけれども、生徒が社会の形成に主体的に参画するために必要な資質、能力を身に付けることができるように、初等中等教育段階の最後の教育機関が高等学校ということですので、その後の高等教育機関や実社会との接続機能を果たしていくこと、生徒が自立した学習者として自己の将来のイメージを持って高い学習意欲を持って学びに向かっていること、多様な生徒に応じた探求的な学びが実現されるとともに、STEAM教育などの実社会での課題解決に生かしていくための教科等横断的な学びが提供されていること、こういったことが重要と考えております。 その観点から、文部科学省におきましては、各高等学校において、入口から出口までの教育活動の指針、その学校の方針です、の策定、スクールポリシーの策定を義務付けるとともに、普通教育を主とする学科についても、特色、魅力ある学科の設置を可能とする普通科の改革、それから生徒の能力、適性、興味、関心などの多様化の実態を踏まえた学校間連携の推進、理数系教育や国際的な教育、産業界との連携、協働の強化など、各高等学校における特色ある教育活動の展開に向けた支援、こういったことを実施するところでございますので、引き続き、高等学校の特色化、魅力化を図っていくことができるよう取り組んでいきたいと考えています。
○金子道仁君 ありがとうございます。 その高等学校の特色化、魅力化というものと、先ほどまで議論してきました無償化というものは、私はリンクするものだと思っています。国が限られた財源で無償化を実現するんであれば、単なる漫然とした無償化ではなくて、高校の改革を促していくような形にどのようにして我々の限られた財源を入れていくのか、そのような視点から無償化という議論も進めていく必要があるんではないか、そのことについてもまた次回議論させていただきたいと思っております。 テーマを変えまして、就学義務について大臣にお伺いさせていただきたいと思います。 昨年の十一月のこちらの委員会での質疑の中で、令和元年に出されています文科省の通知、不登校児童生徒への支援の在り方についてというその通知について御質問をさせていただきました。二〇一六年の教育機会確保法に基づいた通知ですけれども、民間施設での支援を指導要録上の出席扱いとする、そのことについても説明がなされていた。にもかかわらず、昨年の十一月、滋賀県の自治体の長から不登校に関する非常に残念な発言があって、その際、大臣からもそのことについての御意見を、御所見をお伺いしました。大臣からは、教育機会確保法の趣旨の関係者への理解と連携を促していくためにパンフレットを作って十月に周知をしましたという御答弁をいただいて、また、あらゆる手段を用いて情報発信や取組の充実を図りますと、そのような御答弁いただき、大変励まされた次第です。 しかし、またこの春、私の手元に、ある市教委から通知が来まして、就学義務違反ですよと、督促の通知がぽんと来たんですね。非常に残念な通知でした。その方は、私も関わっている方ですが、民間施設に通っていて、そして公立学校にも出席扱いをちゃんと認めていただいていて、出席扱いをしっかりもらって、そして実習定期を持ってフリースクールに通っている、そのような、ちゃんと教育委員会とも学校とも連携を取っていた、そこに、あなたの子供さんをそのフリースクールに送ることは就学義務違反ですから、在籍校に送ってくださいという通知がぽんと来たと。何でこんなの来たのかなと思って調べてみたら、間違い、手続の間違いでしたということで謝罪は受けたんですけれども、そういう通知を今も出し続けているという現状が、そういう、不登校をして、不登校で悩んでおられる方に、せっかくフリースクールに行って何とか学びの機会を確保しようとしている方に法律違反ですよというメッセージが届くという非常に残念な事例だったんですね。 今日は、この就学義務ということについて少し議論させていただきたいんですが、教育基本法の第五条一項にこのようにあります、「国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。」と。義務教育というのの義務は、子供の義務ではなくて親の義務であると私も教わりました。じゃ、この教育基本法五条、条文の番号は変わっているかもしれませんけれども、これは元々いつできて、どのような趣旨でできたのか、文科省、お答えください。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 教育基本法は、昭和二十二年だったでしょうか、できておりますけれども、これは日本国憲法第二十六条に基づきまして制定されたものでございまして、義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものでございまして、教育基本法第五条一項は、日本国憲法第二十六条第二項と同様、日本国憲法第二十六条第一項に規定される教育を受ける権利を保障するものでございます。
○金子道仁君 ありがとうございます。 法律、立法事実であったり立法経緯について私も資料の請求をしたんですが、なかなか出てこなくて、その代わり、立法背景として、その時代背景について文科省から資料をいただきました。それには、教育基本法の制定当時の社会背景として、戦後の混乱の中で、生活困窮などの理由から昼間に就労又は家事手伝い等を余儀なくされ、昼間の中学校に通うことができない生徒が非常に多くいた、一九四九年度に七十三万人の子供たちがそのような状況で、小学校で四十万、中学校で三十四万の子供たちが働かされるという理由で学校に行かなかったと。こうした状況に鑑み、子供の教育を受ける権利を保護するために、子供を学校に行かせず働かせていた親に対して就学義務違反を制定し、罰則を設けた、これが立法事実なんではないかと私はいただいた資料から理解しました。 七十七年前の戦後の混乱期にできたこの就学義務違反という規定。翻って、今日、子供を働かせるために学校に行かせない親、非常に残念ですが、該当するとしたらネグレクトの親であったりとかヤングケアラーの親であったり、そういった方々がひょっとしたら該当するかもしれませんが、七十三万人というその当時の状況ほどひどくはないことを期待、希望しています。 そういう方であればまだ就学義務違反の通知を出すことに意義はあると考えられますが、そうではなくて、例えば子供が学校に行けないとかほかの学びをしたい、子供のために、働かせるためではなくて教育の機会を提供した親に対して就学義務違反の判定を下すというのは、当初の立法事実からかなり乖離しているのではないかと思いますが、文科省、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) 少し丁寧に御説明申し上げたいと思いますが、学校教育法就学義務違反として判例が幾つかございます。 委員御指摘のとおり、昭和三十年代から五十年代にかけてどういったものがあるかというと、やはり十四歳の子供をパチンコ店員として働かせていたであるとか、あるいは資力があるにもかかわらず学校に通わせなかったというものがある一方、例えば男女共学に反対して子供を学校に通わせなかったという事例がございました。最近の事例でいきますと、アイドル活動をさせて学校に通わせなかったという事例もございます。 また、更に申しますと、数年前に野田市で子供が虐待死した事件がございました。このお子さんは、転校と不登校を繰り返しておりました。現在、虐待、児童虐待、不登校と同様、まあ二十二万人と最新の数値は聞いておりますけれども、かなり増えているところでございます。また、その虐待が学校教育活動の中で発見される事例もございます。よって、現代的な意味という観点からも、性質はかなり変わってはきておりますけれども、学校教育法就学義務違反の意義は薄れていないというふうに認識しております。 更に言うと、先ほど先生が御指摘になられました不登校のお子さんについて、今回、手違いであったということで遺憾な事例でございますが、不登校児童生徒については、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により児童生徒が登校しない、あるいはしたくてもできない状況であるということであり、子供を学校に出席させないことについて保護者に正当な事由がある状態であり、出席督促は行わないものとされております。 以上でございます。
○金子道仁君 ありがとうございます。 今の答弁は、私、事前のレクでは聞いていなかった内容なので非常に興味深く聞かせていただきましたけれども、私もそれはゆゆしき事態だと思います。パチンコ店で働かせている、とんでもない話ですし、転校しながら学校に行かせない、これもまさに就学義務違反だと思います。 ただ、先ほどのその市教委は手違いで出したと言っていますけれども、ひな形はあるわけです。それは、手違いでない人たちには必ず送られている、その文言の中には、そのような子供を働かせないで、学校に行かせないことは就学義務違反ですって書いていないんですね。何て書いてあるかというと、インターナショナルスクールやフリースクールに通わせることは就学義務違反ですって書いてあるんです。 それは今の説明と異なるんじゃないでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) インターナショナルスクールについてはともかくといたしまして、フリースクールにつきましては、先ほど委員から御指摘のあったようなしっかりとした手続がなされておりましたら、これは就学義務違反には、就学義務を免除されているわけではございませんけれども、出席の督促は行わないというのが実務でございます。
○金子道仁君 私も実はフリースクール運営していますので、いろんなタイプのフリースクールがあることはよく承知しています。私たちは、ちゃんと出席認定もらえるように教育委員会とも交渉をしっかりして、個別学習計画も提出しながらやっています。でも、そうじゃないフリースクールさんもあるわけです。それは、決して意図的に子供たちを何かしようというよりも、そういうマンパワーがなくてできないという方々もおられるわけですね。 いわゆる認定されているフリースクールか、しないかということだけで、そこ、親にとっても、不登校の子供にとっても、ここが認定か認定じゃないかなんということを選んでいけるほどのゆとりもない中で、あるフリースクールについては就学義務違反だと、あるところは就学義務違反じゃないなんという運用がなされているということは、やはり就学義務違反、就学義務というその元々の立法事実からかなり乖離しているんではないかということは思いますので、またここは引き続き議論させていただければと思います。 ちょっと時間が、ごめんなさい、ゆっくりし過ぎてしまって、かなり質問残ってしまったんですが、学びの多様化学校について御質問させてください。 現在、学びの多様化学校の公私の、公立の学びの多様化、私立の学びの多様化、割合はどれくらいになっているでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 令和六年三月現在、学びの多様化学校は全国に二十四校設置されており、そのうち公立学校が十四校、私立学校が十校で四割強を占めておるところでございます。
○金子道仁君 ありがとうございます。 学びの多様化学校こそ本当に多様性を持つ必要があると思いますが、この学びの多様化学校の多様性を生み出すための支援について、大臣、お聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 不登校の児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成する学びの多様化学校は、登校時間や教育相談体制、成績評価法などについても、児童生徒の実態に応じて多様な在り方が可能となるものです。不登校となる児童生徒はその背景やニーズも多様であるため、学びの多様化学校自体も様々多様である必要があると認識しております。 文部科学省ではこれまでも、学びの多様化学校の設置を検討する学校設置者に対して、当該地域の児童生徒の状況やニーズに応じた学校が設置されるよう助言しておりますが、それに加え、先月改定した設置の手引においても、各学校設置者の参考に資するよう、全ての学びの多様化学校の教育課程、校時表、教室配置図、教職員配置状況等を掲載したところでございます。 引き続き、多様な学びの多様化学校の設置が進むよう、必要な支援を続けていきたいと考えています。
○金子道仁君 是非、引き続き御支援をよろしくお願い申し上げます。 学びの多様化学校の多様化に対して、一つ、私は提言、是非お願いしたいのが資料一の学校設置基準です。 今、民間の団体、学校法人等が多様な学び学校をつくっていきたい、ただ、当然のことながら、小規模な学校をつくりたいと考えるわけです。不登校の子供たちを大規模に集めた学校をつくろうという方は余り多くはないと思うんですね。じゃ、小規模な学校をつくりたいと、その人数に合わせた適切な校舎、校庭の学校をつくりたいというふうに考えたときに、この設置基準が引っかかってきます。 どこが引っかかるかというと、このただし書ですね。文科省としては、この設置基準は、別表のところにあるように、こういう面積の校舎、こういう面積の校庭を備えなければ学校として設置は認めないと。ただし、地域の実態その他特別の事情があり、教育上支障がない場合はこの限りでないということで、その設置基準の緩和の可能性を示唆しています。 ただ、実際に、この設置権限者である都道府県はこのただし書を読めません。そんな勇気を持って小さな学びの多様化学校を認めるということは、過去に前例がないわけですから、横を見て、周りを見て、誰もやらないと、結局、民間の学校、民間の多様な学び学校というのは設置が推進しない。 文科省が目標としている三百という数字、今二十四ぐらいですけれども、三百を目指すんであれば、文科省として、例えば公立でされておられる分教室型の学びの多様化学校のような小規模なものを一つの事例として各都道府県に出していただいて、このただし書を読みやすくなるような何らかの支援を文科省からしていただきたいんですけれども、お願いできますでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 学びの多様化学校は学校教育法第一条に規定される学校であるため、学校法人格のない民間のフリースクールは設置することができず、学びの多様化学校を設置するためには、原則として学校法人格を取得した上で設置する必要があります。また、設置に当たりましては、その教育水準を確保するため、設置基準に規定する設備等の基準を満たす必要があります。 その上で、金子委員が御指摘のとおり、設置基準におきましては、例えば校舎や運動場の面積について、立地条件及び周囲の環境により確保が困難であるなどやむを得ない特別の事情があり、教育上支障がない場合には基準面積を下回ることも可能であるなどの弾力的な規定となっておりますが、具体的にどのような場合にどの程度基準面積を下回ってよいかは一律にお示しすることが困難でございます。 そのため、文部科学省では、学びの多様化学校の設置を検討する自治体等が様々な課題についての相談や助言を受けられるよう、学びの多様化学校の設置や運営経験のある者などを学びの多様化学校マイスターとして派遣しておりますので、こうした取組も通して学びの多様化学校における設置基準の考え方などを周知してまいりたいと考えているところです。
○金子道仁君 時間が参りましたので、今日はここまでにしたいと思いますが、誰かが勇気を持ってこれくらいでいいんじゃないかというメッセージを出していただく、それは私は是非文科省にお願いしたいと思いますので、引き続き御検討をよろしくお願いします。 以上で終わります。
○伊藤孝恵君 今国会でついに子ども・若者育成支援推進法改正によるヤングケアラーを支援するための法律ができることになりました。育児や介護、通訳や、障害のある兄弟のケアと学業のはざまにいる子供たちの課題には、私は二〇一九年から取り組みまして、二〇二二年には議員立法するなど、各党に協力を呼びかけてまいりました。今日は、ヤングケアラーに係る質問は二十八回目でございます。 今般、政府がヤングケアラー支援に法律上明確な根拠規定を設けるとともに、児童福祉法ではなく子ども・若者育成支援推進法の改正によって十八歳未満と規定されがちだったヤングケアラーを十八歳以上も支援対象としていただいたことに、心から御礼を申し上げます。 そこで、大臣に伺います。 本改正では、今年四月から設置が始まるこども家庭センターがヤングケアラー支援のハブとなることが期待されております。十八歳未満を対象とする児童福祉法によるところのこども家庭センターで、十八歳以上のヤングケアラーも含めて、支援する際の各関係機関連携の具体及び現状の著しい自治体間格差を解消するための方策、さらには、子供自身が自覚しづらい思春期特有の羞恥心から支援ニーズが顕在化しにくいこの課題に、学校現場が、また行政がどのようにアウトリーチして、深刻度のアセスメントを行って適切な支援につなげていくのか、ここが重要になります。 特に文科大臣にお伺いしたいのは、まさにどのように学校現場という子供とのタッチポイントを活用して、そして支援ニーズがある子をアセスメントをできるようにタッチしていくか、そういった文科省の法律制定後の取組について伺いたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) ヤングケアラーにつきましては、欠席が長期化する場合には教職員等が家庭訪問するなど、児童生徒の状況を把握し、関係機関としっかり連携協力をして適切に把握し、必要な支援につなげていくことが重要であると考えております。 これまで把握している事例の中には、教職員が発見したヤングケアラーを、スクールソーシャルワーカーが福祉部局等と連携し支援につなげたものなどがございますので、今後、令和六年度以降、こども家庭センターが各地に開設された際には、そのような連携が期待されているところです。 文部科学省としては、ヤングケアラーの概念や学校における支援事例等について、全国の教育委員会の担当者や教職員を対象とした研修会などで積極的に周知し、理解促進に努めるとともに、令和六年度予算案において、ヤングケアラーを心理的、福祉的に支援するスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置拡充を進めているところです。 法施行後も、引き続き、これらの取組を通じて、学校における支援が必要な児童生徒の早期把握や関係機関との連携による支援の推進に努めてまいりたいと考えています。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。 今まで、ヤングケアラーといっても、それはお手伝いだろうって当委員会でも私、やじられたことあるわけですけども、ようやくこの概念が決まりまして、そして、この支援というのが義務化をされるわけであります。 そして、各自治体では、例えば、今大臣が付言していただいたもの以外にも、いじめ調査なんかでも、ヤングケアラーとはというふうに説明を含めて、あなたはヤングケアラー、こういうお手伝いをしていますかみたいな、そういう柔らかい聞き方をして、そして、まず大きく把握をして、そこからアセスメントを行って深刻度の高い子を自治体の支援窓口につなぐというところをしてきたところであります。 今まで支援窓口が、自治体の、本当に格差がありましたので、この法律によって自治体の支援窓口というのを平準化するとともに、子供たちをつなげていかなきゃいけない、アセスメントをしてつなげていかなきゃいけない。そこで、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーというのは、今二つは出していただいたんですけれども、私、養護教諭についても大臣に付言していただきたかったなというところがあります。 というのは、常時学校にいるのは保健室の先生、養護教諭だからであります。なかなか、定員を増やしていただきたいというふうに質問しても色よい返事いただけないわけですけれども、諸外国では、これスクールカウンセラーとかスクールナースというのがそれぞれ心だとか体に特化して子供たちに伴走しておりますけれども、それとは異なって、この日本における養護教諭というのは、子供の心身の健やかな成長を支える専門家として、日常的なケアと教育、健康教育が、同じ人が継続的に行っている。これ、日本独自の制度なんです。だから、諸外国では養護教諭はヨーゴティーチャーとして尊敬を集める存在だったりいたします。 例えば、小学生がだるいとか眠いとか何かおなかが痛いというふうに保健室に曖昧な不調を訴えてくるわけです。そうすると、保健室の養護教諭はじっくり話を聞いてくれて、そして、時に体の手当てだけでなくて、抱え込んでいるそういった心の中の悩みも聞いてくれる。自分のために手間暇を掛けてくれる大人がいるということは、子供にとって大きな支えになるし、なり続けるというふうに思います。 学校教育法において、養護教諭は児童の養護をつかさどると規定されておりまして、文科省は、職務として、保健管理、保健教育、健康相談、保健室経営、地域連携などの保健組合活動を挙げております。これ、地域連携の職務として、ヤングケアラーの自治体支援窓口との接続というのは、私は読み込めるんではないかというふうに思うんですね。 そして、義務標準法に基づく標準定数や複数配置の条件、今までは生徒の人数なわけです。けれども、これやっぱり今、多様化、複雑化する子供たちを取り巻く存在に、取り巻く課題を鑑みて、こういった養護教諭というものの存在をいま一度再認識、再評価して配置していくべきだというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 伊藤委員が御指摘されているように、今、そのヤングケアラーだけではないと思うんですけれども、学校を取り巻く課題というのがこれまで以上に複雑化している、あるいは困難な問題もいろいろ、学校がというんでしょうか、教育が抱える課題というのが増えているということだろうと思います。それへの対応を図るため、養護教諭を含めて教職員定数の改善を行うこと、これが必要であると、あるいは学校の指導、運営体制の強化充実を図ることが重要であるというふうに我々は考えております。 そのヤングケアラーということに特に着目しているわけではございませんですけれども、文部科学省では、養護教諭の教職員定数につきまして、これまでも配置基準の引下げを行うなど計画的に改善を図ってまいりました。また、近年では、児童生徒の心身の健康への対応を進めるための加配措置も行っており、令和六年度予算案においても改善分を計上しております。 そして、今後ということになると思いますが、複雑化、多様化する現代的な健康課題を抱える児童生徒等に対しよりきめ細かな支援を実施するため、退職養護教諭等を学校に派遣する事業も実施しており、令和六年度予算案においても支援の拡充を行うこととしておりますので、引き続き、養護教諭の定員の改善を含め、その学校における様々な課題に対する対応、こういったものについて検討を進めていきたいと考えます。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。 やっぱり子供たち、養護教諭の名前はみんな言えるんですけれども、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの名前は言えないんです。というのは、やっぱり、たまに来て、そしてそこに相談に行くのはちょっとハードルが高い。何かちっちゃい紙を渡されて、お話ししましょうみたいなのを子供たちもらってくるんですけれども、これでお話行くのと言うと、いや、行かないよとか、恥ずかしいからお友達と行くよなんて話があるんですけど、保健室は違うんですよね。ちょっと擦りむいた、ちょっとおなかが痛くなった、行きやすいし、そしてその先生との信頼関係もある中で自分の心の内を話していく。 この養護教諭にいま一度御注目をいただいて、そして、あらゆる子供たちを取り巻く課題に伴走してくれる、そういう先生として、加配、人数のみならず、課題に着目して配置をしていただきたい、お願いを申し上げます。 さて、ヤングケアラーのみならず、一人一人の子供たちの声なき声を聞けるのが一人一台端末の可能性でもあります。事実、文科省が取りまとめられた不登校対策、COCOLOプランの中には、一人一台端末を活用し、小さなSOSに早期に気付く体制を構築すると明記されております。さらには、文部科学大臣を本部長とする対策推進本部を設置し、こども家庭庁の参画も得て取組を推進すると書いてございました。 一人一台端末をどう活用し、小さなSOSを早期に発見していくのか、文科省の取組を伺います。
○国務大臣(盛山正仁君) 文部科学省では、昨年六月に策定したこどもの自殺対策緊急強化プランに基づいて、令和五年度補正予算及び令和六年度予算案において、一人一台端末等を活用した心の健康観察の導入に向けた調査研究、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置充実、SNSなどを活用した相談体制の整備などに必要な予算を計上し、令和五年度補正予算については既に公募等の手続を開始しております。また、子供の自殺の要因分析についても、学校、教育委員会等が把握している情報の集約に向けて、こども家庭庁にも協力をしていただきながら取り組んでいるところであります。 引き続き、未来を担う子供たちの命を守るために、こども家庭庁や厚生労働省などと連携して、児童生徒の自殺対策を含め全力で取り組んでまいりたいと考えています。
○伊藤孝恵君 子供たちはもちろん幸せになるために生まれてくるわけであって、死ぬということ、自死ということを選ぶために生まれてきたわけでも、それを検索するところまで追い込まれている子供にとっても、そのSOSを聞き逃さない、これが大切でありますけれども、自分の心の内を話すには、もちろんですけれども、これは子供に限らず、そこが安全地帯だというふうに認識をしなければ、なかなか自分の心の中を話すことはできません。 今日お配りしております配付資料を御覧いただければと思います。これ、三月十三日付けの読売新聞、「データは誰の手に」、「学習端末 情報保護に不備」の記事であります。 東京二十三区や政令市七十四自治体に、子供の個人情報を守るため情報の利用目的を定めているか調査したところ、二割強である十七自治体が全く定めておらず、七割弱の五十自治体が単に教育、アカウント登録など、おおよそ情報保護としては抽象的で不十分な対応であることが分かったという内容です。更に深刻なのは、およそ四分の一の自治体が、業者と契約する際、利用目的以外の使用を禁じていないというふうに答えている点であります。 こういった違法状態が学校現場で起きている事態に対し、さすがに文科省も近く情報管理の徹底を促す方針だとしておりますが、これ、大臣、都内とか政令市においてもこの惨状でありますから、全国一千七百四十一の自治体でこれ果たして対応が追い付くのか。そこまで考えが回らなかったとか手いっぱいだとか、これ自治体の方々が既に答えられているわけです。 また、今回、GIGAスクール構想の運用を市区町村単位から都道府県単位に変える際に、こういったデータの取扱いについてどのような施策を講じていくのか、これ大変重要になってくると思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 御案内のとおり、今、GIGAスクール構想、令和元年度に各党の御協力により学校教育情報化の法律もでき、令和元年度の補正予算以降、予算措置がされて急速にこういう端末の整備が進んだということもございますので、各現場でなかなか、その意識を含めて、扱い、対応が十分できていないというのが残念ながら現状で、それが今日、伊藤議員が配付されたこういうような資料の結果につながっているということではないかと思います。 そう申し上げた上で、GIGAスクール構想の推進に当たりましては、児童生徒の学習状況等のデータを利活用していくことが不可欠で、その中で様々な民間企業が提供する学習ツール等を活用することは、児童生徒の個別最適な学びや協働的な学びの実現に意義あるものと考えております。 他方、児童生徒の個人情報を取得する場合には、個人情報保護法等の関係法令に基づいて適正に取り扱う必要がございます。文部科学省におきましては、これまで、令和五年三月に教育データの利活用に係る留意事項を公表するとともに、教育委員会等の担当者向けの会議において個人情報保護の重要性について説明等を行ってきたところであります。 加えて、新年度を迎えるに当たりまして、今後、教育データの利活用に係る留意事項の改訂を行い、学習ツールなどの活用とそれに当たっての留意点を具体的な流れに沿って示すことを予定しているほか、改めて説明会の実施等も予定しております。 個人情報やプライバシーの保護を前提としながら、教育データの利活用と安心、安全の両立が図られるよう、引き続き必要な取組を図ってまいりたいと考えています。
○伊藤孝恵君 その必要な取組というのが、恐らく自治体の担当者からしてもとても難しいし、現場として、言葉では分かるんです、でもそれができないというのが今このお配りした惨状なんだというふうに思うんですね。 個人情報が保護されなければ、それはもう、ここをほかの誰かに簡単に知られてしまうのであれば、そこは安全地帯ではありません。SOSなんか絶対に出せません。ですから、こういった個人情報の保護について自治体ができていないという現状についてしっかりと、なぜそういう状態なのか、どうしたらこの個人情報の取扱いについて適切に自治体が対応できるのか、ここを徹底していただきたいというお願いとともに、ただ一方で、個人情報でがんじがらめになってしまっては、そのSOSを果たしてキャッチしに行けるのか、こういったその小さなSOSがたとえ出ていてもキャッチできない、こんなふうに個人情報でがんじがらめにしていただきたくないということも一つのお願いとしてあるんです。 ですから、文科省のメッセージとしては、やっぱり利用目的をしっかりと定める、そして適切に個人情報保護を運用する、その上で、この子供たちの学習データ等も積極的に活用していき、そして子供たちの小さなSOSを見逃さないために何ができるんでしょうか、文科省のメッセージは何が足りないんでしょうかということを今大臣にお伺いしております。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほど、令和五年四月から改正個人情報法が施行されるということを踏まえて、昨年の三月に教育データの利活用に係る留意事項として公表したということはお話をしました。しかし、今御指摘があったとおり、各自治体からはより分かりやすい説明を求める声も上がっております。 これを受けまして、今回、教育データの利活用に係る留意事項の改訂を行っているところでございまして、各教育委員会や学校にとってよりイメージが浮かんでくるように、学習ツールなどを導入する際の具体的な流れに沿って児童生徒の個人情報等の取扱いに係る留意点を整理した事例編などを追加することを予定しております。 この改訂についてパブリックコメントを行いました。そして、このパブリックコメントの意見を踏まえた修正を実施しているところでございますが、新年度を見据え、できるだけこの今月中に公表していきたい、そういうふうに考えております。
○伊藤孝恵君 私は、是非、子供たちのSOSを、その本人からの通告のみならず、いろんな外形的なものから私たちが気付いていくというのには大賛成の立場です。ですから、当委員会でもいじめ通報アプリを、ストップイットというのを紹介させていただいたり、そして、子供たちが例えば遅刻が多くなった、成績が急に下がった、そういったような外形的なデータ、ビッグデータを基に危険度のアセスメントを行うというのも大いにやっていくべきだと、それができるんだと、それが、その思い悩む、その一人一台パソコンから、その一人の子供を生きるにつなげてくるそのツールになるんじゃないかという観点でお話をしているので、なおさらこの個人情報というものについて、今課題があるということが明らかになりましたので、是非お取組をお願いしたいところでありまして。 ただ、学校現場のみならず、我が国は、デジタル時代における人権保障規定の認識が極めて不足している状態です。欧州連合ですと、EU基本権憲章第八条で何人も自らに関する個人データを保護する権利を持つと定め、一般データ保護規程で権利の内容を具体化をしております。 政府が進めるデジタル改革の前提として、まずデータ基本権の保障が何より重要でありまして、単に個人情報が保護されるだけでなく、情報の自己決定権というのを保有し、全ての国民は、サイバー空間を含め、個人として尊重されるデジタル人権というのを新たな人権保障の枠組みとして備えることが必要だといろいろな委員会等で、本会議等で私述べているんですけれども、大臣、どうでしょうか。こういったデジタル人権、データを、自分のデータは自分で、出すかどうかも含め、そういう扱いについて自分が決められる、当たり前だと思いませんか。
○国務大臣(盛山正仁君) 委員がおっしゃっておられるのは、子供の個人情報ということだけではなく、広く個人情報全般だと思います。 特に、個人情報というんでしょうか、デジタル、AIも含めていろんな御議論があるところでございますけど、個人情報の適切、適正な取扱い、こういったことが今後ともしっかり確保されるように、引き続き、個人情報保護委員会と足並みをそろえ、関係省庁とも連携を取りながら必要な取組を行っていくことになるのではないかと考えます。
○伊藤孝恵君 こういったデジタル人権等についてはまた改めて深掘りさせていただきたいと思いますが。 この、今、一人一台端末の利用についても著しい地域間格差が露呈をいたしました。デジタル教育の環境整備を市区町村任せにしたことが原因であるということは否めませんけれども、この端末導入の目的である個々人の学習データを生かせているという自治体は本当にごく僅かであります。 例えば、今、毎日学習で端末を使うのは、トップが山口県、八七%だそうです。そして、ワーストが岩手県、三九・八%。岩手は山口の半分以下ということになります。ここは、自治体間におけるデジタル教育に対する熱量の格差もあるというふうに思いますし、教員のITリテラシーの格差もあり、それを埋めていくために、今回、予算においてもおよそ四十億円ものDX関連予算が組まれております。 これ、格差があることを可視化して認識をして、必要な手当てをしていく、これ当たり前のことだというふうに思います。この当たり前の手当てが教育現場の子供たちの教育格差、こういったはね返し難い部分に介入や援助がなされてしかるべきなのに、その根本、それが社会の共通認識になっていないのではという問題認識で質問させていただきます。 もちろん、社会の中にはありとあらゆる格差があります。競争による格差というのは全否定するものではありませんけれども、生まれながらの格差というのは、これはなくさなければなりません。教育格差はその最たるものでありまして、いわゆる親の社会経済的地位の違いなどによって子供の学力や教育機会、学校外教育活動の参加率には埋め難い差が生じるという問題については度々警鐘が鳴らされています。 これらを教職課程や教員研修で取り扱う必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 文部科学省としましては、今委員が御指摘の教育格差も含めまして、現場の状況やニーズを的確に把握し、効果的な政策立案を行うことが重要であると考えております。研修として職員を学校現場に派遣してその実態を把握させる、その他いろいろやっているところでございますが、この教育の格差を始め、学校現場が直面する課題に対して検討をしていくことは今後とも大変重要な課題であると思います。 それで、昨年七月、その有識者会議の報告書におきましては、現代的な教育課題への対応等に係る専門性の向上に向けた研修の実施を各地方公共団体に対して求めております。それから、昨年の九月には、文部科学省主催で全国の教育委員会担当職員を対象とした研修会も実施しているところでございますが、引き続き、その学校現場を取り巻く諸課題に対してしっかり対応することができるよう、我々としても対応の充実に努めてまいりたいと考えます。
○伊藤孝恵君 教職課程について今御発言なさいましたでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 教職課程だけではなく、教育全般においてこういうような問題意識を持って、それにどう対応していくのか、そういうことを十分に認識し、そして現状も、我々等、現場の声も踏まえながら、把握しながら、そしてそれへの対応を考えていくことが必要であると申し上げました。
○伊藤孝恵君 実際、二〇一七年度の教職課程のシラバス研究では、格差が出てくるのはおよそ三割だそうです。子供の貧困に言及している科目数は、全体の二割にとどまっています。階層や格差を扱う教育社会学の講座よりも、教育学部の中では具体的な授業実践の方法論などが好まれるそうです。 先般、私は、龍谷大学の松岡亮二先生の「教育格差―階層・地域・学歴」という本を読んで、大変考えさせられました。これ、出身家庭と地域という本人にはどうしようもない初期条件によって子供の最終学歴が異なり、それは収入、職業、健康など様々な格差の基盤となる、つまり、日本は生まれで人生の選択肢、可能性が制限される緩やかな身分社会だとの指摘であります。 また、どのような人が大学で教員免許を取得し、教師として採用されてきたのか、そんな基本的な問いに答えるデータもないまま日本の教員政策は議論されてきたという問題提起もされておりましたが、文科省の委託を受けて令和四年に報告をされた全国教員調査というものが出ました。これ全部拝見しましたけれども、父母が教師だと本人も教師になる世代間職業再生産の傾向が強いそうです。それから、学級委員とか生徒会とか部活の役員などの経験者も多くて、さらには、中学三年生時に大学進学意向がおよそ八割から九割。こういった生まれを背景に、学校教育と親和性のある方が再び教師になって学校に戻ってくる。頑張ればできるみたいな体験の成功者が多いという内容でありました。 今、今日、いっぱい先生がこの室内にいらっしゃいますのでなかなか言いにくいですけれども、自身の体験だけではカバーできないことが大変あるということです。 私も実は教員免許を持っておりまして、大学のときに教員免許を取得をいたしました。そして、教育実習は母校に行ってしまったんです。母校じゃやっぱり駄目なんです。自分とは全く違うところに体験に行かなきゃ駄目なのに、私は母校に行ってしまった。実際に、こういった全く違うところに教育実習に行く先生は今一〇%台なんだそうです。 ですから、大臣にお伺いしたいのは、研修や教職課程、そして教育実習でこういった生まれながらの格差というのを体系的に学べる、そういうプログラムが要るんではないですかという問いです。最後、御答弁お願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 教師を目指す方だけでなく、我々広く関係者が今先生御指摘の教育格差について正しく理解をしていくこと、これが重要であると思っております。 そして、今先生の教職課程においてということでございますが、現在でも、教育に関する社会的、制度的又は経営的事項に関する科目や特別の支援を必要とする幼児、児童及び生徒に対する理解に関する科目などで教育格差に関する内容について取り扱っているとは考えております。 また、採用後においてもその教育格差、その他教員の資質向上について研修その他が行われているところだと思いますが、このような教育格差というものについて学ぶ機会をつくる必要があるというのは先生の御指摘のとおりでございますので、我々文部科学省としましても、今申しましたような教職あるいは研修、そういったことだけではなく、幅広くその効果的な対応をどのようにすることができるのか、研修機会だけではありませんが、充実した対応を図っていきたいと考えます。
○伊藤孝恵君 教員のみならず、学校関係者、行政官に関してもそういった学ぶ機会を、提供をよろしくお願いいたします。 終わります。
○委員長(高橋克法君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十七分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、こども家庭庁長官官房審議官黒瀬敏文君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) 去る十五日、予算委員会から、三月二十二日の一日間、令和六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 予算の説明につきましては既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。 我が国が抱える課題の根幹は何か、私は国家意識の欠如だと、本委員会でも質問に立つたびにその点を指摘し、そもそもなぜ国家意識が欠如するのかを考え続けております。 国家を自然のごとく、あるのが当たり前のものと捉えていないか。目の前の課題にただひたすら取り組み、積み上げていきさえすれば国家が維持できると思い込んでいないか。国の仕事として目の前の課題をこなし続けてたどり着いたところ、御容赦くださいなどというわけにはいかないのですから。何を目指して取り組むのか、すなわち国としてのビジョン、構想や戦略なくして結果、成果はあり得ません。もちろん、ビジョン、構想を持ち、戦略を立て、万全を尽くそうとしても想定外は発生いたします。しかしながら、備えがあった上での想定外と、備えすらない状態での想定外では、おのずとダメージ、損害は変わってきます。 こういった全体的、総合的、そして中長期的な視点を常に忘れず職務に向き合っているか、本日はこの問題意識から質問させていただきたいと思います。元々文部科学省の所管全体は国家百年の計とも言われるものですから、是非文部科学省の人づくり戦略や科学技術戦略の視点からの答弁を期待いたします。 本年一月一日、元日午後四時過ぎに能登半島地震が発災いたしました。直近の内閣府防災の取りまとめによりますと、死者二百四十一名、負傷者一千三百名近く、十一万戸以上の家屋が損壊しました。地震直後に津波、そして家屋倒壊と火災、さらに土砂災害、海岸隆起等が起こった複合災害であり、いまだ道路は寸断され、断水が約一万三千戸、九千人以上が避難を余儀なくされております。心よりお悔やみと、そしてお見舞いを申し上げます。 能登半島では三年前から群発地震が発生しており、その原因は地殻流体との研究成果も発表されておりました。今回の災害に対する文部科学省、そして所管の地震調査研究推進本部や防災科研等の対応について、そういった研究成果は住民の事前防災に生かされていたのか、また情報発信の在り方について、文科省の見解を伺います。
○政府参考人(千原由幸君) お答え申し上げます。 地震調査研究推進本部では、令和二年十二月頃から能登地方で地震活動が続いておりましたことから、これまで地震調査委員長見解や評価等を通じて、能登半島北岸沖の活断層の存在や、今後も強い揺れや津波が注意であること、注意が必要であることなどについて繰り返し注意喚起を行ってまいりました。 本年一月一日の地震発生後は、翌二日に、本部長である文部科学大臣出席の下、臨時の地震調査委員会を開催し、緊急の評価を行うとともに、その後も随時評価の更新を行っているほか、JAMSTECや東京大学等による周辺海域での緊急調査航海の実施など、情報発信や調査研究の強化に努めております。このほか、防災科学技術研究所においても、一日から現地に職員を派遣し、関係機関から寄せられる被害情報等を集約、可視化して、現場の災害対応の支援等を行ってきたところです。 また、地震本部では、かねてより、国民の防災意識を高める情報発信の一環として全国地震予測地図を作成し、日本国内で強い揺れに見舞われる確率がゼロとなる地点は存在せず、地震は国内どこでも発生し得ることなどについて周知に努めてまいりました。既に先生から様々な形で御指摘いただいておりますが、この地図については、強い揺れに見舞われる可能性が相対的に低いと表示される地域でも、それが安全、安心情報として受け取られないような工夫が必要と考えており、有識者会議で議論を進めているところでございます。この議論も踏まえ、更に丁寧な情報提供に努めてまいります。
○赤池誠章君 ありがとうございました。 昨今の気候変動状況から自然災害が頻発化、激甚化していることは明らかであります。二十九年前の阪神・淡路大震災の教訓から、議員立法で地震調査研究推進本部、いわゆる地震本部が文科省内に設置されたわけですから、その機能が発揮されているのか、それが問われていると思っております。 先ほどの答弁ございました今般の情報発信の問題に関して言えば、地震発災予測地図が海溝型の地震発生確率に比べて活断層型の発生確率が低く見えてしまったことで、地震発生に対する国民意識を、当該地域の住民の方々の意識を低下させて、事前防災の備えを遅らせていたのであれば、これはまさに本末転倒と言わざるを得ないわけであります。 この点、私は以前から指摘していたわけでありますから、改めて、情報を受け取る国民がしっかり認識できる、ミスリードされない、そういった、改めて専門家の方々の再考をお願いをしたいと思います。 科学技術や学術の研究成果からしっかり政策を立案をしていく、それをどのように説明して国民の理解を求め、事前防災へとつなげていくのか、文科省の役割は大きいものがあると思っております。今後も国民への情報発信の改善を期待しております。 次に、自然災害大国といわれる我が国において、風水害や地震に加えて、火山災害も忘れてはなりません。 昨年、私が事務局長を務める火山噴火予知・対策推進議員連盟で、火山所在自治体からの要望を受けて活火山法改正に取り組み、全ての国会議員の皆様方の賛同を得て、議員立法で法改正を実現することができました。その思いは、今までの災害対策の法制定や改正は災害の発災後ということがほとんどでございます。何としても火山発災前に、大規模火山発災前に活火山法改正を実現して、事前防災に万全を尽くすべきだと思ったからであります。 昨今、富士山噴火が取り沙汰されたり、昨年は浅間山の天明大噴火から二百四十年、今年は桜島大正大噴火から百十年、そして、戦後最悪の御嶽山の噴火から十年が経過し、火山の調査観測がより重要になってきているわけであります。 その重要な役割を担うべく、法改正によって、今年四月一日から文科省内に火山調査研究推進本部が設立されるわけであります。その準備状況と今後の火山対策の強化に向けての取組状況を伺います。
○政府参考人(千原由幸君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、昨年六月に火山活動対策の更なる強化を図るため、議員立法により活火山法を改正いただき、四月一日に火山調査研究推進本部が文部科学省に特別の機関として設置されることになっております。 文部科学省では、昨年九月より火山本部設置に向けた準備会を五回開催し、火山本部が行う総合的な評価の考え方や総合的かつ基本的な施策に関する様々な論点について火山研究者等から幅広く御意見をいただきつつ、火山本部の設置とその後の円滑な運営に向けた準備を進めてまいりました。 また、予算面では、令和五年度補正予算で火山観測網構築等のため四十三億円を措置をするとともに、令和六年度予算案では、即戦力となる火山人材を育成する新たな取組を含め、火山調査研究の推進のための十二億円を計上させていただいているところでございます。 文部科学省といたしましては、関係府省庁と連携し、火山本部を通じた調査研究等の一元的な推進や火山人材の育成など、改正法に示された取組を着実に推進し、政府の活動火山対策を推進してまいります。
○赤池誠章君 ありがとうございました。 火山本部、そして地震本部が既にあるわけでありますが、基本的には同様の組織体制になるというふうに聞いているわけであります。ただ、やっぱり災害違いますから、地震本部と火山本部の違いと同時に、またこれ共通点もあるんだろうなというふうに考えております。 違いとしては、地震はいつどこで発災するか分からないという側面があるんですが、火山は、火山ごとの状況、噴火口がどこなのか、どういう季節なのかによっても被害想定が非常に多岐にわたって難しいということが言われているわけであります。一方、共通の課題に関しては、先ほども指摘したとおり、国民への周知、理解増進、そして、何よりも事前防災にしっかりつながっていくかということが大事になるわけであります。 そこで、前回、前々回と一貫してこの本委員会の質問でもさせていただきました。これ、私、科学技術分野だけではなくて、今日、初中局、高等局、総合局の教育分野もいらっしゃるわけでありますが、文科省が学習指導要領や学校教育法で改正をした教育基本法改正以来の学力の三要素という視点であります。 一つは、知識、技能というのをしっかり基礎力を身に付ける。二つ目は、いわゆるアクティブラーニングといわれる能動的で対話的で深い学びによる論理的な思考、判断、表現という応用する力ですね。三点目は、生涯を懸けて協働的に学び続ける、より良い人生を送るための意欲、態度。このいわゆる学力の三要素というものが、教育分野はもちろんでありますけれども、災害対策においても科学技術においてもそのまま当然通用する、有用であるというふうに思っているわけであります。 そして、お互いさまという、我が国の持っている、国民が持っている互助の精神や、あるものを生かす、長い歴史、伝統文化に育まれたあるものを生かしていくという発想、そして、自分だけではなかなか全てのことができないわけでありますから、連携、協働という、まさに共同体の知恵というものを生かしていく。それが、地域だったりまた産業界だったり、連携する、これもずっとこの委員会で指摘をしておりますが、コミュニティ・スクールの導入。学校運営協議会と地域学校協働活動の一体的推進が本当に災害対策面からも大事だなというふうに思っているところであります。 実際のところ、東日本大震災や熊本地震等、発災後に改めてコミュニティ・スクールの重要性を鑑みて、防災対策という側面もあって、コミュニティ・スクールが地域で導入が拡大をしたということを聞いているところでもあります。 改めて、火山防災対策においても、コミュニティ・スクール、いろんな、火山は地域によって違う、また発災の被害想定が違うと、そういう中をしっかり、子供たちはもちろん、地域と一体となってやるための、そのためのコミュニティ・スクールの導入促進というのは大変大事だと思っておりますので、引き続き地域と一体となって連携推進をお願いをしたいと思います。 続きまして、我が国は、御承知のとおり、平成二十年、二〇〇八年を境として人口減少社会に突入しているわけであります。少子化、高齢化、そして何といっても経済の担い手となる生産年齢人口が急激に減少し、この問題というのは都市部よりも地方部から深刻な状況となってきているわけであります。 先日の政府のデジタル行財政会議の試算によると、二〇五〇年には生産年齢人口が二五%、四分の一も減少するとされているわけであります。それも、地方部では生産年齢人口の減少と高齢人口の増加が加速度的に進行して、最悪、生産年齢人口が五〇%減、つまり半減する県すら出てくるのではないかと言われているわけであります。 そこで、このような深刻な事態を想定した教育の在り方、つまりキャリア教育、職業教育というものがますます重要になってくるんだろうなというふうに思っているわけであります。十八歳人口の問題だけではないわけでありまして、全体をどうするか、そういった全体の発想から教育をしっかり議論をしていかなければいけないということであります。将来の話と悠長なことは言っている余裕はなく、まさに喫緊の重要な課題となっているわけであります。 私は以前から学校の複線化ということを一貫して訴えてきたわけでありますが、今国会では学校教育法を改正して専修学校制度を改革しようともしております。この点についても文部科学省の見解を伺います。
○政府参考人(望月禎君) デジタル技術の進展等によりまして社会が加速度的に変化し、将来の予測が困難となる中で、初等中等教育段階では、子供たちが主体的に進路を選択できるよう、必要な基盤となる能力や態度をしっかり育てていくことが必要と考えてございます。また、高等教育段階におきましても、働き手に求められる能力が変化する中で、社会の変化に対応し新たな価値を創造できる人材や社会基盤を支える職業人材の継続的な育成に取り組むことが求められていると考えてございます。 文部科学省では、社会の変化や多様な学習ニーズに対応しまして、実践的な職業教育や専門教育を実施するため、専修学校、高等専門学校、専門職大学等の制度の創設や専門高校における教育の充実や職業教育の充実に取り組み、言わば教育の複線化を進めてきたところでございます。 今国会に提出させていただいております学校教育法の一部を改正する法律案につきましては、実践的な職業教育を担う大きな柱である専門学校につきまして、教育の質の保証を図り、高等教育段階の職業教育機関としての位置付けを明確化するものでございまして、社会の変化に対応した多様な教育機関の体系におきましては教育の複線化を進めるものと考えてございます。
○赤池誠章君 義務教育段階というのは、複線化といっても、それぞれの小学校、中学校の段階の中でキャリア教育を推進していくと。これはまあ教科があるわけではありませんから、全体として。 特に中学校の場合は、職場体験というのがコロナ禍前はほとんどの学校で、まあコロナ禍後になりましたから、今は様々な形で復活しているわけであります。 職場体験というのは、ただ職場を、近所の職場を体験するというよりも、まさに専門学校であったり専門高校であったり、進学校でもいいと思うんですね、大学でもいいと思うんです。子供たちのキャリアというものはどういうものかということで、しっかり座学をやり、関係機関と連携して座学をやり、そして実習が、例えば専門高校、専門学校であれば実習ができるんであればやって、その上で職場の体験するという。 そういう、キャリア教育も連携していく、キャリア教育、職業教育こそまさに連携してやっていくという視点が、まあ中学校段階でも大事だなというふうに思っておりますし、高校段階においても、専門高校はまさに職業教育の現場でありますけれども、いわゆる普通科の部分でも、いわゆるインターンシップというのが、これなかなかやってほしいといっても、どうしても部活動があったり、進学校ですから受験勉強もあって進んでいないという話も聞いているわけでありますが、進学校だからキャリア教育、職業教育は必要ではないということは全く違うわけでありまして、そういう面では、まさにその学校の特色、私学であれば建学の精神に基づいて、コミュニティ・スクールという枠組みはそういうときでも非常に有用だと。 これ、義務教育もそうなんですが、学校の持っている特色を生かした形で、大学であったり研究機関であったり、さらに様々な企業群でいいと思うんですね。オンラインが併用できますから、国際的な関係も結ぼうと思えば結べることができるわけでありますから。そういった観点で、子供たちの、若い方々の動機付けをしっかりやっていく。学力の三要素でいえば三つ目の部分をしっかりそういったキャリア教育、職業教育の視点からやっていただきたいなということを重ねてお願いを申し上げるわけでございます。 続きまして、文部科学省が推進してきた義務教育というのは、コロナ禍を乗り越えて、先日の経済協力開発機構、OECDの学習到達度、PISA、ピサと読みそうですが、ピザという読み方だということでありますが、世界最高水準と高く評価をされているわけであります。ただ一方で、問題がないわけではありません。不登校が大変増加している問題もあります。また、深刻ないじめや自殺等々の問題も指摘されているところであります。 残念ながら、義務教育に比べると高等教育はどうなのかというと、義務教育のように世界最高水準だというふうに評価されているとは言い難いのが現状だと思います。その課題をどう乗り越えていくか、それが、何度も繰り返させていただき、先ほども質問し、そして少し話をさせていただきました教育の複線化にあるのではないかなというふうに思っております。 学校が国家、社会とつながるキャリア教育、職業教育だというふうに思っているわけであります。そして、それは先ほど述べさせていただきましたアクティブラーニングであったり、学力の三要素であったり、コミュニティ・スクールの推進もやっぱりそのとおりで、キャリア教育、職業教育に有用だと思います。 制度がそれぞれあって、制度が複線化しているからそれでいいという発想だけではなくて、機能としてもしっかり、学術分野も、将来この研究がどういうふうに社会に役立っていくかという発想があればこそ研究が推進されるという側面もあるわけであります。是非、全体的、総合的、そして中長期的な視点で戦略的に有効策を推進することを期待しております。 続きまして、深刻な人口減少社会、先ほど指摘をさせていただきました、その重要な課題とどう対峙し、そしてその課題を克服していくか、これはやっぱり文科省だけでは当然限界があるわけでありますから、関係者との連携というのは不可欠であります。そのためにどう省庁を超えた連携の枠組みがあるのかないか。また、よく産学連携という言葉が言われるわけでありますが、民間との連携体制も必要だと考えております。 現在、文科省にそのような発想があるのか、発想があるとしたらその具体的な取組がどのようになっているのか、その紹介を含めて、高等局、総政局から見解を伺います。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 高等教育機関は、人材育成と知的創造活動の基盤であり、我が国の社会や経済を支えるという重要な使命を有しております。人材育成に当たりましては、赤池委員御指摘のとおり、省庁を超えた枠組みや地域の企業などとの産学官の連携が重要であると考えております。 文部科学省といたしましては、例えば、内閣官房や経産省、厚労省など関係省庁と連携して、地域の大学、地方公共団体、産業界が一体となって地域の課題解決に取り組む地域連携プラットフォームの構築推進等を通じた地方大学の振興、あるいは、最近脚光を浴びております半導体分野における各地域へのコンソーシアム設置などを通じた産業界と大学、高専が連携した高度な専門人材育成、博士人材の社会における活躍促進に向けた企業と連携した長期有給のジョブ型インターンシップの推進などに取り組んでいるところでございます。 また、昨年九月に、中教審に対して急速な少子化が進行する中での将来社会を見据えた高等教育の在り方について諮問を行い、現在御議論をいただいているところでございます。 今後、これらの議論も踏まえつつ、大学改革にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 初等中等教育段階におきましても、キャリア教育や職業教育につきまして、関係省庁や関係団体と文部科学省、教育委員会、学校が連携して取り組むことは大変重要であると考えてございます。 とりわけ、初等中等教育段階におきましては、委員御指摘のございましたコミュニティ・スクールや地域学校協働活動の仕組みの活用が有効と考えてございます。 関係省庁の協力も得て、社会、福祉、経済、農林水産、防災など各関係団体等のリストを整理してございますけれども、これらの団体等と協力関係をしっかり築きながら、職業体験活動等のキャリア教育を進め、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的な取組を推進してまいりたいと考えてございます。 また、高校卒業後、例えば専門高校、専門学校について、文部科学省が実施する広報プロジェクトであります知る専等を活用して、広報活動や高等学校と専門学校の連携、あるいは専門学校の職業実践専門課程における企業と連携した教育なども推進してございまして、今後ともこうした取組によりまして地域に必要な人材が確保されるよう努めてまいりたいと考えてございます。
○赤池誠章君 ありがとうございました。 我が国の特徴、特性を考えれば、当然、我が国は島国と呼ばれる、海に囲まれた海洋国家であるわけです。当然、そうなると、海事産業という分野、そして現在、我が国の最大の産業は何かといえば自動車分野であるわけであります。当然、農林水産業を始め様々な全ての産業は重要であるわけでありますが、これを全体として国家戦略上どう位置付けていくか、これが大変重要になってくるわけであります。 改めて、先ほど半導体のお話はいただきましたが、代表的な産業、先ほど私が指摘した代表的な産業の海事産業、そして自動車産業に対する担い手育成について、文科省の取組状況を伺います。
○政府参考人(望月禎君) 日本は島国であり、海洋国家でございます。四方を海に囲まれた我が国におきまして、海洋についての理解と関心を深めることは重要であると認識してございます。 初等中等教育段階から高等教育段階まで、さらには地域社会と連携した取組を、様々な取組を進めてございます。 具体的には、学習指導要領に基づく各学校段階での指導、地域と連携した中学校での職場体験とか高校へのインターンシップ、水産高校及び造船教育を行う工業高校での地域と連携した教育の充実、あるいは大学、高専における練習船を活用した船員養成など、海洋教育に取り組んでいるところでございます。 また、自動車産業についてでございますけれども、我が国の基幹産業の一つともいうべき自動車産業につきましては、産業界と連携し、各地域の担い手育成に向けて専門高校における教育の充実を図るとともに、高校生にモータースポーツの大会を見てもらうなど興味、関心を持ってもらい、関係団体や産業界等における体験機会の提供もなされているところでございます。 今後とも、各教育機関、関係府省、民間団体とも連携しながら、専門人材の育成、確保に取り組んでまいります。
○赤池誠章君 ありがとうございました。 るる御質問させていただいております。取り組んでいる、連携しているというお言葉をいただいているんですが、残念ながら、本当にそうなのかというふうに言わざるを得ない部分があります。どうしても主体が義務教育であったり、何か、教育機関、委員長、委員会であったり、私学は学校法人だったり、高等教育段階は大学法人であったり、産業界であったり、また所管がそれぞれ分かれています。一体、文科省は国家の中での中核は何なんだという、そういった核というものはどうなのかということをいつもいつも疑問に感じるわけであります。 そういう面では、文科省一省庁で国家戦略を立案しろというのは無理がある反面、文科省はこの国家という様々な課題、時代の流れの中で人材育成戦略は文科省の仕事だろうと、そういった、この人口減少社会、生産年齢人口急減社会の中で、こういった時代を乗り越える人材戦略を文科省自体が率先して打ち出して、官邸や政府を全体を動かすぐらいのやっぱり意気込みというものがなければならないのではないかということを感じているところでございます。 そういったものがあった上で、先ほど半導体がどの位置付けなのか、海事産業、自動車産業、様々な、農林水産業どうなのかというのを、関係省庁と連携した上で、また、地域は地域としても、どういう形でその応援していくかということがなければ、やっぱりどうしても地域お任せ主義になってしまっていないかということも感じるところであります。そういう面では、こういう難しい課題となれば、まさに国家を維持、継承、発展させる根幹の人というものを所管する文科省の在り方、役割、そういったものが問われているような気がしてなりません。 そんな中で、最後の質問に移らせていただきたいと思うのは、国家の人材育成戦略、人づくり戦略の中においても、これ文化においても同様だというふうに思っております。老朽化から昨年閉場となってしまいました国立劇場、我が国の伝統芸能のまさに殿堂というふうに言われているわけであります。これ建て替えに向けて民間活力も活用すべく、二度の入札を行ったにもかかわらず、不落、不調ということを聞いているわけであります。様々な要因があるわけでありますが、そのような状況下で改めて国立劇場の建て替えというものを文化庁、どうするのか。 これはもう喫緊の課題でありまして、関係者の注目も非常に高いところでもございます。是非その辺の方針を改めて伺いたいと思います。
○政府参考人(合田哲雄君) お答えを申し上げます。 昭和四十一年に開場した国立劇場、今、赤池先生から御指摘のとおり重要な役割を果たしてございます。この国立劇場の再整備につきましては、令和二年に基本方針を定めまして、PFI手法による建て替えの方針を決定し、進めてきたところでございます。令和四年十月、令和五年七月と、これまで二回の入札が不調となったことは、伝統芸能実演家の皆様に御心配をお掛けし、ざんきに堪えないところでございますが、その要因は、事業者が建設資材の高騰や労務単価の上昇等によりホテルなどのリスク幅の大きい事業の収益性を厳しく精査している実態があると考えてございます。 事業主体である日本芸術文化振興会では、これらの二回の不調を踏まえて、様々な有識者で構成される検討会を設置し、逼迫する状況の中で事業者に我が国の文化芸術の顔でございます国立劇場の再整備事業を引き受けてもらうために再整備の在り方を早急に見直すべく検討を深めているところでございます。その際、国立劇場大劇場の入場者数は、一九八〇年とそれから二〇一九年、これを比較いたしますと約三五%減少してございます。国立劇場の基本的な役割をしっかりと踏まえつつ、国立劇場全体としての機能、あるいは収益の在り方を多くの方々の知恵をいただきながら整理をさせていただいているところでございます。 文化庁としても、国立劇場の再整備、確実に行っていくという観点から、日本芸術文化振興会と一体となってあらゆる可能性を追求し、再整備に向けて全力を尽くしてまいりたいと考えてございます。
○赤池誠章君 文化庁次長の方からも御指摘あったとおり、東京はもう今後も基本的なインフレ基調の中で建設需要も大変高いわけですし、資材高、物価高そして人件費の確保、これ大変な問題ですから、敷地の特性もありますし、高さ規制もありますから、民間活力というわけで簡単なわけにはいかないと思っておりますので、原点に返って、何が大事かといったら、老朽化対策からもう一度国立劇場造ることですから、そういった視点であれば、我々しっかり応援をさせていただきたいと思いますので、速やかな方針確立と、予算確保も協力いたしますので、お願いをしたいと思います。 また、国立劇場、御承知のとおり、本委員会でも視察もさせていただきました。歌舞伎や歌舞伎音楽、文楽の太神楽、寄席ばやし等の担い手を育成する養成所が併設されているわけであります。これ、国立劇場が開場したもう四年後から順次養成が開始されていまして、五十年以上の歴史があるわけであります。国立劇場が閉場された関係から、今は東京代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターに一時移転をされております。同地で先日、研修生の修了発表会が開催をされ、私も視察をさせていただきました。若々しい研修修了生の演技は今後の活躍を期待させるものであり、また、会場には御家族だけではなくて、若い友人の方々が詰めかけておりまして、伝統芸能を知ってもらう本当にいい機会だなということも感じたところでございます。 課題は、国が自ら伝統芸能の担い手を育成して、これだけ長い歴史があるにもかかわらず、残念ながら国立劇場養成所という存在自体が国民にどれだけ知られているのかというと、なかなか難しいところがございます。その結果、毎年人材募集に苦労しているという現実もあるわけであります。 是非、大臣におかれましては、国立劇場養成所の研修修了生、表敬訪問を是非受けていただくなど、激励すると同時に、研修生募集の広報活動に大臣自ら率先して一役買っていただければなと思っております。大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(盛山正仁君) 独立行政法人日本芸術文化振興会が実施している歌舞伎や文楽、能楽の担い手を育成する研修プログラムの修了者は、現在、現役の実演家として舞台に立っている方の中にも大勢おられ、伝統芸能の継承に重要な役割を担っているものと認識しております。 その上で、将来の伝統芸能の担い手となる研修生を確保するためには、若年層のうちから伝統芸能を鑑賞、体験することが重要だと考えております。そのためには、鑑賞、体験機会の創出と併せて、委員御指摘のように、そうした活動を広く周知するための効果的な広報が不可欠だと考えております。 私としましても、私その他文化庁長官等の幹部が研修修了生による表敬訪問を受けたり、研修生募集の広報活動に積極的に協力することを含め、様々な形で研修生の確保を後押ししてまいりたいと考えています。
○赤池誠章君 ありがとうございました。 文部科学省の所管事項は、冒頭述べましたように、そもそも全体的、総合的、そして中長期的な視点が求められているわけであります。ばらばらに積み重ねていった先に何か国家戦略が出てくるようなことはあり得ません。文科省が率先して我が国の人材育成戦略を打ち出す日が来ることを心底期待して、質問を終わります。 ありがとうございました。
○古賀千景君 立憲民主・社民の古賀千景です。午後もよろしくお願いします。 まず、通告と順番を変えさせていただきますが、よろしいでしょうか。インクルーシブ教育の方からやりたいと思います。申し訳ありません。よろしいですか。済みません。 文科大臣の所信の中にあったインクルーシブな学校運営モデル事業についてお伺いします。 障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流及び共同学習を発展的に進め、一緒に教育を受ける状況と、柔軟な教育課程及び指導体制の実現を目指し、特別支援学校と小中高等学校のいずれかを一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルと書かれています。本予算で七千九百万円と付いております。 学校運営モデル事業については、既存の学校、もう既に小中高等学校と特別支援学校を一体的に運用している学校、同じ敷地内にあるとかですね、そのようなところが教育委員会を通してこの事業に関して手挙げ式で参加をするのか、また、何か所ぐらい参加、御検討なのか、お願いします。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 文部科学省に設置しました検討会議におきまして昨年三月に取りまとめた報告で、特別支援学校と小中高等学校を一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルの創設等について提言されたことを踏まえ、今御指摘のありましたとおり、文科省におきましては、その実現に向けて必要な予算を令和六年度予算案に〇・八億円を計上したところでございます。 具体的には、先進的な取組を行おうとする自治体等に公募を行い、予算積算上の十四か所に委託することを予定しており、特別支援学校と小中高等学校において障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流及び共同学習を発展的に進め、一緒に教育を受ける状況と、柔軟な教育課程及び指導体制の在り方などについて様々な観点から実証的な研究を行うこととしております。
○古賀千景君 では、今のお言葉の中にもありました、交流及び共同学習を発展的に進めと言われましたが、発展的に進めるとは具体的にどんな場面をお考えですか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 昨年三月の検討会議の報告では、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が可能な限り共に学ぶ環境整備につきまして、障害のある児童生徒のみが在籍している特別支援学校では、その立地場所も影響し、年に一度の文化祭等で小中学生との交流にとどまるなど、必ずしも共に学ぶ機会が十分でない状況が見られるということなどが指摘されたところでございます。 このため、本事業においては、特別支援学校と小中高等学校、一体的な運営や物理的な状況などを十分生かし、交流及び共同学習を従来よりも多く取り組んでいただくほか、交流的な側面だけではなく、教育課程上の位置付けや狙い等を明確にし、共同学習を通してそれぞれの子供が授業内容を理解し、学習活動に参加している実感、達成感を持てる取組を進めていただくことを考えているところでございます。
○古賀千景君 それでは、柔軟な教育課程とは具体的にどのようなことをお考えですか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 本事業におきましては、両校の教育課程をコーディネートする役割を担うカリキュラムマネジャーを中心に、行事、交流、日常的な交流にとどまらず、学校での創意工夫による各教科等での交流及び共同学習を実施すると、こういったことを想定しております。 具体的には、各教科及び総合的な学習の時間での実施、学校設定教科・科目での実施、特別支援学校高等部の職業や専門教科での実施などを通じて、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が共に学ぶための新しい事業の在り方などについて実証的な研究を行うという、こういうこととしております。
○古賀千景君 余りちょっと具体的によく分からなかったんですけれども。障害のある子供と障害のない子供が同じ場所にいるだけであるのならば、そして、何ら合理的な配慮、それ受けられないのであれば、それはインクルーシブではなくてインテグレーション、統合教育です。 大臣が所信で言われているのは、インテグレーションではないですよね。ただ一緒にいるだけがインクルーシブ教育ではありません。インテグレーションではないインクルージョンな社会、学校を目指すために文科省としてはどのようにお考えですか。
○政府参考人(矢野和彦君) 文部科学省におきましては、インクルーシブ教育システムの推進のため、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件整備と一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪といたしまして、特別支援教育の充実に取り組んできているところでございます。 今回のインクルーシブな学校運営モデル事業を着実に進め、他の地域への展開を図るなど、よりインクルーシブな学校の実現を目指して取組を進めていきたいと考えております。
○古賀千景君 インクルーシブな学校教育をやっていくとお答えいただきました。 二二年四月二十七日、特別支援学級に在籍する児童生徒が、大半の時間を交流及び共同学習として通常の学級で学び、特別支援学級において障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じた指導を十分に受けていない事例があるとし、このような場合は、通常の学級へと学びの場を変更を促すとともに、特別支援学級在籍の子供に対しては原則として週の授業時数の半分以上を目安に特別支援学級で授業を行うことを教育委員会に対して求めるという四・二七通知が文科省より出されました。 まず、週の授業時数の半分以上となっていますが、これは、半分以上は通常学級ではなく、通常学級という言葉も私は好きではないんですが、通常学級ではなく特別支援学級に半分以上はいなければならないというような趣旨です。半分以上というこの数字の目安をお願いします。なぜなのか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 文部科学省といたしましては、特別支援学級に在籍する児童生徒が一人一人の障害の状態や特性及び心身の発達の段階等に応じた指導を十分受けられるようにするため、そこで行う授業について原則となる一定の目安を設けることが必要と考えております。 具体的には、学級とは継続的に組織される児童生徒の単位集団でありまして、特別支援学級は、障害のある児童生徒が年間を通してその学級において活動することが前提として編制され、障害に応じた指導が行われている、こういったことが一つ。もう一つ、交流及び共同学習は、障害のある児童生徒の交流先の学級での活動を特別支援学級担任がサポートするなど、適切な指導体制を整えられる範囲内で実施されるという必要があること等を総合的に勘案し、半分と示すこととしたものでございます。
○古賀千景君 今原則と言われましたが、じゃ、原則ではないのはどんな場合ですか。
○政府参考人(矢野和彦君) 週の半分という基準はあくまで原則となる一定の目安としてお示ししているものでございますが、例えば翌年度に特別支援学級から通常の学級の学びへの場の変更を検討している場合や、あるいは病弱児童生徒の病状が学期途中で改善した場合などにおいては、特別支援学級に在籍する児童生徒が通常の学級で交流及び共同学習を週の半分以上受けることも考えられる、こういった考えでございます。
○古賀千景君 今のお答えの中に、次年度に通常学級の移籍を目指すというか、そんな表現があったと思いますが、次年度じゃなくても、二年後でも三年後でも、通常学級に戻ろうと思う、やれそうな子供たちも原則ではないに含めていいんではないですか。
○政府参考人(矢野和彦君) それはその蓋然性の問題と申しますか、その子供の状況によって学校において判断されるべきものと考えております。
○古賀千景君 その前に私が伺ったインクルーシブな教育とこの四・二七文書って何か違っていませんか。全然、一緒に子供たちが過ごすというイメージがこの文書で半分に削られているように私は感じるんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) 御指摘の通知は、一部の自治体におきまして、特別支援学級に在籍する児童生徒が大半の時間を通常の学級で学び、特別支援学級での障害の状態等に応じた特別な指導を十分に受けていない実態があるということが明らかになったことから、それまで示してきた内容をより明確化した上で改めて周知するために発出したものでございます。 その内容といたしましては、特別支援学級に在籍する子供の範囲を、そこでの授業が、先ほど申しました半分以上の必要な子供に限るとともに、その必要のない子供が特別支援学級に在籍している場合は通常の学級に在籍を変更することを促す、こういったことを目的としたものでございまして、これはむしろインクルーシブ教育を推進しているものと私どもは認識しております。 文部科学省といたしましては、引き続き、通知の趣旨を正しく理解いただきますよう、各種会議等を通じて周知及び情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 私も担任をしていたときに、障害のある子供たちがいました。子供たちって大人が考える以上に一緒に生活をします。私が勝手に授業を進めようとしたときに、先生、○○さんが終わってないけん、ちょっと待っとってとか、そんな声を掛けるのも、その子の、障害のある子だけのことではなくて、周りの子が学ぶんです。そうやって学んでいく。着替えとか下手くそなんですけど、やっぱり一緒にして、周りの子が手伝ってやる。反対に、通常学級の子が泣いているときに、どうしたって障害のある子が来てくれる。何かそんなふうにして子供たちってすごく仲よくなっていくんです。 そんな、共に学び、共生社会を構築することが大切、インクルーシブを進めていくというようなことを考えたときに、この通知を本当に適切なものなのだろうかということを私は疑問に思っています。一緒にいるただのインテグレーションではなくて、インクルーシブな学校運営モデル事業というところでの視点で行っていきたいと、行っていただきたいと思います。 次は、同じく所信にありました医療的ケアが必要な子供に対する支援の充実についてお伺いします。 三月八日に、総務省から医療的ケア児とその家族に対する支援に関する調査の結果が出されました。この中に、小学校における医療的ケアの実施について保護者の付添いが発生している事例があるとなっています。 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、これは文科省の方から出してありますが、この第十条二項には、学校の設置者は、その設置する学校に在籍する医療的ケア児が保護者の付添いがなくても適切な医療的ケアその他の支援を受けられるようにするため、看護師等の配置その他の必要な措置を講ずるものとするとあります。 文科省はこのように言っていますが、実際の調査では、総務省の調査では、保護者が付き添わなければならないという実態になっている。この行き違いというか、そこは文科省としてどのようにお感じになりますか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答えを申し上げます。 文部科学省といたしましては、今御指摘のございました医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の趣旨を踏まえ、保護者の付添いがなくても適切な医療的ケアを受けられるようにすることが重要であると考えております。このため、文部科学省におきましては、医療的ケア児に対する保護者の付添いの解消に向け、令和六年度予算案におきまして、登下校時の送迎車両への同乗も含め、医療的ケア看護職員の配置に係る補助事業予算を拡充して計上するとともに、保護者の負担軽減や医療的ケア看護職員の人材確保、配置方法に関する調査研究を新たに実施することとしております。 引き続き、保護者の付添いの解消に向けた医療的ケア児に対する支援の充実に努めてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 今、看護職員の話についてありましたが、看護職員の多くが正規職員じゃないですよね、会計年度任用職員となっております。これで修学旅行に付いていけないんです。結局、結果として学校はどうしているかというと、保護者の付添いを学校が、お願いします、修学旅行のときはといってお願いをしているのが今の実態です。この会計年度任用職員というのが引っかかっているのではないかと思いますが、このことについてはどのようにお考えですか。
○政府参考人(矢野和彦君) 文部科学省におきましては、医療的ケア児支援法の施行を受け、修学旅行等の校外学習等を含め保護者に付添いの協力を求める場合として、医療安全上やむを得ず付添いが必要な場合等の真に必要と考えられる場合に限るよう努めるべきであること、やむを得ず付添いを求める場合には、代替案などを十分に検討した上で、真に必要と考える理由や付添いが不要になるまでの見通しなどについて保護者に丁寧に説明をすることなどについて各都道府県の教育委員会に通知するなど、その取組を促しているところでございます。 また、令和六年度予算案におきましても、各自治体等で校外学習時も含め医療的ケア看護職員を配置できるよう予算の拡充を行っているほか、各自治体における保護者の付添いの状況等を踏まえた保護者の負担軽減のための調査研究を実施しているところでございます。 文部科学省としては、医療的ケア児の支援法の趣旨を踏まえ、引き続き医療ケア児の保護者の負担軽減に努めてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 そっちも大事ですが、看護職員の正規化とか、そっちの方が大事なんじゃないですか。そして、安心して障害のある子が学校でも過ごせる、いろんな学校行事とか泊が伴うような研修にも安心して保護者の方もお願いできる、そこの看護職員の処遇というところがとても大きいと思います。 そして、確保、十分に看護職員がいないと今もおっしゃられましたが、それで調査をしてみると、給与水準が低い、そして勤務環境が、小学校とか、まだ行かれたことのない方もたくさんいらっしゃって、そこに不安があるというようなのが教育委員会からも上がってきています。 看護職員、今の処遇はどうなっておりますか。時間給ですか、会計年度任用職員のみですか、月給は幾らぐらいですか。お願いします。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 医療的ケア看護職員配置事業につきましては、厚生労働省の令和四年度賃金構造基本統計調査等を踏まえ、看護師の時間単給を千八百円として予算を積算しているところでございます。また、時給単価については、各自治体等において判断されるものでございますが、文部科学省としては、各自治体等において柔軟に医療的ケア看護職員を配置できるよう自治体等の申請額に応じて配置に係る経費を補助しているところであり、引き続き支援の充実に努めてまいります。 今、会計年度職員がどうかちょっと手元に資料がございませんので、申し訳ございません。
○古賀千景君 インクルーシブ教育をきちんと進めていこうとお考えになっているのであれば、看護職員の処遇改善というところにも大きな課題がある、それをやっていかなければならないと思っています。大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほど古賀先生の方から、学校という慣れない場でどうやって安心して働くか、そういったことの研修、こういったことも充実させるという御答弁をしたところでございますけれども、その医療的ケア看護職員の処遇を含む配置、雇用についてでありますが、各自治体等において検討されるべきものではございますけれども、文部科学省としても、各自治体等におけるその配置実績を踏まえて、医療的ケア看護職員の配置に係る補助事業予算の拡充を図っているほか、自治体等における医療的ケア看護職員等の確保にどのような課題があるのかを整理するための調査研究事業を令和六年度予算案で新たに実施することとしております。 引き続き、委員御指摘のように、医療的ケア看護職員の確保を含む体制の充実に努めてまいりたいと考えています。
○古賀千景君 医療的ケアが必要な子供の保護者は、お仕事ができなかったりとか、早くやめて子供の登校時間、下校時間に合わせて帰ってこなければならなかったりして、そこには生活が懸かっています。そのような状況とかも考えたときに、やっぱり看護職員がきちんと配置されて、それが正規でいる、そして処遇を改善してたくさん配置ができるような状況になる、医療的ケアが必要な子供に対する支援の充実とおっしゃるのであれば、是非そこを頑張っていただきたいと思っております。よろしくお願いします。 では、次はスクールサポートスタッフ、全小中学校の配置、済みません、前に戻りますが、よろしくお願いします。 大臣は所信で、スクールサポートスタッフの全国全小中学校配置とこの前言われました。スクールサポートスタッフの、じゃ、処遇はどんな感じになっているのか、時間雇いなのか、時間給幾らなのか、月額幾らなのか、そこをお願いします。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 教員業務支援員の処遇については、令和六年度予算案、予算ベースでございますが、一時間当たりの単価を千円として積算を行っているところでございます。また、その任用については、任命権者である教育委員会において行われるものではございますが、基本的には会計年度任用職員であると承知しております。 一月の収入については、配置時間によってこれ様々ではございますが、仮に週二十時間、一日五時間程度の配置時間とすると、その場合は一月当たりの収入は約八万円程度であると想定しております。
○古賀千景君 一時間に千円、今最低賃金より低くないですか。というか、私この前聞いたんですけど、最低賃金がもっと高いところはそれに合わせてプラスすると言われたんです。ということは、最低賃金しかないですよね。二十時間働いて月八万円、来ると思われますか。
○政府参考人(矢野和彦君) 御指摘のとおり、教員業務支援員の、まさに最低賃金千円というのをかなり意識した単価設定になっておりますが、現在来ていただいている教員業務支援は、例えばそのPTAの方々、あるいはそのOB、そういった方々が学校に思いを持って働いているような、そういう場合が多いというふうに認識しておりまして、先行地域では人員配置はそれなりに進んでいるというふうに認識しております。
○古賀千景君 じゃ、ある程度ボランティアを期待してあるというふうに今聞こえたんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(矢野和彦君) あくまでも、最低賃金は確保しているということでございますので、純粋なボランティアとはちょっと違うというふうに認識しております。
○古賀千景君 実際、学校でスクールサポートスタッフ、そうですね、丸付けをしてくださったりとか、いろんな張り物してくださったりとか、なかなか教職員がすぐできないことをお助けいただいております、印刷類とかですね。でも、その方たちの声を聞いたら、ほかの業種で働いた方が賃金がいいって言うんですよ。だから、おっしゃるとおり、学校に思いがないわけではないんだけれども、生活をしていくためには、月八万円、一時間千円ではなかなか学校に行こうとは思わないという声が聞こえてきました。 全校配置、すごい頑張ってもらって、前も言いましたが、喜んでおります。しかし、この賃金で、最低賃金で全小中学校に人が来るのか。そこは私はとても疑問に思いますが、どうですか。
○政府参考人(矢野和彦君) 教員業務支援員に関しましては、今の古賀委員の御指摘があるということは十分承知しておりますけれども、今お話にありましたとおり、文部科学省としては、まずは令和六年度予算案に盛り込んだ全小中学校への配置拡充を優先的に推進したいというふうに考えております。 これは、まさに働き方改革、教員の業務の在校等時間にかなりやはり有効だということが実証されておりますので、教師が教師でなければならないことに全力投球できる環境の整備にまずは取り組まさせていただきたいというふうに考えております。
○古賀千景君 そのためにも、スクールサポートスタッフの処遇改善をお願いしたいと思っております。 このスクールサポートスタッフ、一時間千円、これも義教法と同じで、国が三分の一、地方自治体が三分の二という費用になりますか。
○政府参考人(矢野和彦君) そのとおりでございます。国が三分の一、地方が三分の二の負担割合です。
○古賀千景君 全小中学校に配置されても、それは地方にとってもお金が掛かるわけですよね、今度は反対に。 ここ、本当に今働き方改革やっていこうという思いを持って言われるのであれば、大臣所信で全小中学校に入れるぞと言ってくださったのであれば、スクールサポートスタッフ、ひとまず今年だけでも、義教法で三分の一ではなく国が二分の一負担するということはいかがでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) まず、教員業務支援員の地方負担分については全て地方財政措置を講じているというところでございますので、引き続き、各自治体においてしっかりとこの地方財政措置分を予算化していただくよう、各教育委員会に対して働きかけてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 でも、体育館の空調とか、二分の一にできたじゃないですか、必要だと思ったときに。それならこれもできるんじゃないですか。お願いします。
○政府参考人(矢野和彦君) 学校教育に係る人件費については、御案内のとおり、その三位一体改革以来、基本的に三分の一というのが基本となっておりますので、今すぐそれを見直すというのは非常に困難だというふうに考えております。
○古賀千景君 大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 三位一体の改革で、財源、税源とその権限、これをセットで移譲したというところがございますので、そこを見直すということでなければ難しいと思います。 それで、先ほど局長が御答弁申し上げましたとおり、地方が三分の二負担ということであっても、地方財政措置の裏打ちがあるということでございますので、関係の総務省、そして関係の財政御当局と御相談をしていただければそこはカバーされるものと我々考えているところです。
○古賀千景君 現実的にはなかなかそれがカバーできていなくて、ある県では、今スクールサポートスタッフ七人しかいないんですよ、県内に。そんな状況で全小中学校に配置したら、あっぷあっぷでしょう、地方財政。何かそんなところ、もちろんプラスしてくださっていると思いますが、そんなところも考えてやっていただきたいと思います。 そして、もう一つお願いしたいことがあります。 今、全小中学校にスクールサポートスタッフを配置すると明言されています。四月以降、全小中学校に配置されているかどうかを確認してください。そして、配置できていないところは、なぜできていないか、そしてそれを分析して、来年度に改善に向け取り組んでいく、そのことを約束していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 令和六年度の配置状況等をしっかりと確認しつつ、昨年末に策定した教員業務支援員との協働の手引き等も活用しながら、それぞれの現場の実情に応じた配置の充実と協働の促進を支援してまいりたいと思います。 引き続き、各自治体において更なる積極的な活用が促されるよう、各教育委員会に対しても改めて働きかけてまいりたいと考えております。
○古賀千景君 大臣、自分の所信をなぜ守らないかということを怒っていいと思いますが、是非、四月にそれを調べて、その理由をきちんと究明してもらって、学校に、スクールサポートスタッフが全小中学校に配置できるように取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょう。大臣、お願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) さっき申し上げたとおりでございますので、我々として、まず権限がある者、つまりこれは地方の教育委員会でございますので、それぞれの市町村がどのように御自覚を持って取り組んでいただくかということがまず大事なポイントでございます。そして、それを我々が把握をし、どのようにサポートをしていくのか、こういったことについては、先生おっしゃるとおり、我々もこれから取り組んでいきたいと思います。
○古賀千景君 では、調査、きちんとお願いします。 終わります。
○宮口治子君 立憲民主・社民の宮口治子でございます。午後も引き続き着座での質疑でお許しください。 初めに、元旦の能登半島地震発生から早くも三か月ほどがたちました。改めまして、この度の地震災害によってお亡くなりになられました方々に対して心からのお悔やみを申し上げますとともに、負傷されました方、そして被災された皆様に対しても心よりのお見舞いを申し上げたいと思います。 今回の地震は、子供たちにとっても、高校や大学などの入学試験を控え、また寒さが厳しい季節も重なった、そんな時期に発生した地震でもありました。被災地の方々にとっては言葉では簡単に言い表せないほどの御苦労、御負担があったかと存じます。ライフラインの復旧に伴い少しずつより良い方向へ向かっている面もありますが、まだまだ現時点においても様々な困難な状況が続いていることは想像に難くありません。 続いて、それでは、質疑に入りたいと思います。 今回の地震によって、子供たちの教育現場である学校施設にも大きな被害が発生いたしました。既に被災地の教育関係者を始めとして様々な対策、対応が取られており、頑張っていらっしゃることは十分に理解しているところではございます。 我が国は、これまでも数々の災害に遭ってまいりましたし、これからも、あってはほしくないですけれども、地震などの災害を完全に避けることはできない側面は受け入れざるを得ないと思ってもおります。しかし、これまでの数々の地震による被害を被ってきた中でも、その際に取ってきた対策や対応などを振り返って、今後も、将来的にも、災害が起きたときには被災地ができる限り早く復旧復興へ向かうことができるようにしていくこと、これが重要ではないかと思います。 そうした意味で、過去の地震災害への対策や対応から学べる点、これは数多くあるんじゃないでしょうか。もちろん、発生した時期や季節、それに発生した場所も、都市部なのか、それとも地方なのか、海岸に近いところなのか、内陸部なのかなど、様々な前提条件が違ってくるわけではありますけれども、一概に単純比較できないということ、これも承知していますが、しかし、それでもなお、過去に起きた地震災害時の対策であったり対応を振り返って今後に生かしていくということを私も願っております。 そこで、これまでの特に大きな地震災害の代表例でもあります、一九九五年の一月十七日、阪神・淡路大震災、二〇一一年三月十一日、東日本大震災、二〇一六年四月十四日の熊本地震の発生の際、被災地ではどのような具体的な教育支援というようなことが行われてきたんでしょうか。一月、三月、四月と、ちょうど受験や新学年のスタートの時期ではありましたけれども、それぞれの地震についての教育支援の概要などを具体的にお話しいただけますでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 文部科学省においては、御指摘のいずれの震災発生時においても、教職員の加配や教職員派遣を始めとする支援を行ってまいりました。 具体的には、阪神・淡路大震災に関しましては、平成七年度から平成二十一年度にかけて、兵庫県に対し延べ千六百七十一名の教職員の加配を行いました。 また、東日本大震災につきましては、平成二十三年度から令和五年度にかけまして、被災九県市に対し延べ一万一千百七十四名の教職員の加配を行うとともに、被災四県市に対し延べ八千二百四十九名のスクールカウンセラーの配置を行っています。加えて、文科省による教職員の派遣に係る調整によりまして、宮城県内の小中学校等に対し、六県より五名の教諭、六名の養護教諭を派遣いただいたほか、スクールカウンセラーについても派遣支援を行いました。 平成二十八年の熊本地震に関しましては、平成二十八年度から令和五年度にかけて、被災三県市に対し延べ四百二十二名の教職員の加配、被災二県市に対し延べ千九十六名のスクールカウンセラーの配置を行うとともに、被災自治体のニーズに応じて教員及びスクールカウンセラーの派遣支援を行っております。 文部科学省におきましては、過去の震災時においても、これらの取組等を通じて、被災した子供たちの学びの継続のため全力を尽くしてまいったところでございます。
○宮口治子君 ありがとうございます。 教員の派遣というところを主に支援されたというお話でしたけれども、先ほどお伺いしたとおり、阪神・淡路大震災、そして東日本大震災、熊本地震において、様々な教育に関する支援、行われてきたかと思います。中でも、教員定数の特例措置や、被災地児童生徒の転入学への対応とかスクールカウンセラーの派遣、これは被災地の子供たちにとっては必要不可欠な対策、対応として行われてきたんだろうというふうに存じます。 それでは、今回、能登半島地震においてはどのような教育支援が行われたのかを伺いたいと思います。また、先ほど御答弁いただいた、これまでの災害時における教育支援の対策や対応の積み重ねがまた具体的にどのように生かされてきたのかについてもお答えいただきますようお願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 我々文部科学省としましては、令和六年能登半島地震の発災直後、元日から、関係省庁や被災自治体等と連携をしながら、被害実態等をきめ細かく把握し、教職員やスクールカウンセラーの派遣を始めとする支援に取り組んでまいりました。 具体的には、中学生の集団避難先での学習や生活を確保するため、学習指導や生活指導等に必要な教職員を、五十五の都道府県市及び独立行政法人教職員支援機構の協力を得て、文部科学省職員十名を含め、延べ二百九十名派遣するとともに、児童生徒の心のケア等のために、各市町にスクールカウンセラーを二十二の道府県から延べ八十四名派遣いたしました。 このほか、一人一台端末の無償貸与、教科書の無償給与への支援、スクールバスによる通学支援、二次避難を検討される保護者への情報提供など、被災地の状況やニーズをきめ細かく把握し、被災者に寄り添った支援につなげてきたところであります。今後も、引き続きそのような必要な対応を進めてまいりたいと思います。 そして、後段の、過去の震災での経験と、どう生かしたかということでございますが、今までの経験を踏まえてということになりますけれど、児童生徒のきめ細かな指導のための教職員の加配、それから心のケアのためのスクールカウンセラーの追加派遣、そして、コロナ禍での対応も踏まえて一人一台端末を活用したオンライン学習の促進など、こういったこれまでの対応を生かした支援、取組を行っているところでございます。 今後とも、しっかりと自治体と連携をし、そして、我々、関係省庁とも連携を取りながら必要な対応を図っていきたいと考えております。
○宮口治子君 更問いになって申し訳ないんですが、スクールカウンセラー、そして加配の方を付けられたという今お話がありましたが、実際に大臣は、こういった現場での活動されていらっしゃる先生方の声というのを直接聞かれたりすることはあるんですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 少なくとも、我々、当省の職員が参りましたので、そういう職員からはどうであったかということは聞いております。
○宮口治子君 具体的に何か一つ教えていただけますか。
○国務大臣(盛山正仁君) 輪島中学校から金沢の南の方の、あれは白山市ですね、そこへ避難していたところへお手伝いに行った職員から聞いたことでございますけれども、集団で移転をしているわけでございますけれども、ほかの中学校を間借りして授業ですとか、そしてまた青少年の家のようなところへ集団で寝泊まりをしているわけでございますけど、そこでの、その輪島中学校の本来の職員の先生方がどのようなことをやっていられて、そしてそれに対してどういうお手伝いをしたのか。特に、その本来の輪島中学校の先生方は、御家族を残して、まあ単身でというんでしょうかね、子供たちと一緒に寝泊まりをしているわけでございますから、そういった御苦労、そしてそれに対する支援。そしてまた、お子さん方がどういうふうな形で勉強しているのか、また、明るく、私自身も拝見したからではありますけれども、笑顔で笑いが出て、そういう中で体育を含む授業をやっているのか。そういうようなことを私どもの文科省から派遣した職員からも聞いたところでございます。
○宮口治子君 ありがとうございます。そういった小さな声もしっかりと覚えておいてもらって、次に生かしていただきたいと思います。 それでは次に、被災地の地域住民の避難場所ともなる公立学校施設に関してのお伺いをしたいと思います。 今回の地震のように、多くの家や、全壊し、あるいは半壊した場合、あるいは家自体は無傷でも水道や電気、ガスなどのライフラインが使えないような場合、被災者は、避難場所となる公立の小中学校などの学校施設、ここに身を寄せることになるかと思います。 その意味では、避難場所である公立学校施設は大地震に耐える施設ではなくてはなりません。また、被災者には、高齢者あるいは障害者、乳幼児や妊婦の方々もいらっしゃるでしょうから、バリアフリー化あるいはジェンダー問題に関する対策という状況もどうなっているのかが気になっているところでございます。 私も、地震が来るたびに、発達障害の息子を避難所に連れていく考えというのには全くなりませんでした。実際に今回の地震でも、車の中であったりビニールハウスの中で障害者と家族がそこで暮らしているという話を聞きますと、やはりそうだろうなというのは私自身としても納得ができます。なぜなら、つらい思いをしている人たちの中に騒いで走り回る我が子を連れていくというのは、お互いのためにも、とっても良くないんじゃないのかなというふうに思っていたからです。同じように考える方は少なくないのじゃないかなというふうに思っています。 多様性を認めて個を大切にするということを考えると、例えばコンテナのようなものを体育館のそばに置いて早めに準備をしておくなど、今のうちに考えて対応できることというのはたくさんあるんじゃないかなと思います。これ、私の提案です。 さらに、我が国は、寒い時期でも暑い時期でも空調設備がなければ過ごせない状況になっておりますが、これ、対応万全だと思われますか。 そこで、学校における災害時の備えとして、公立の小中学校の構造体や体育館などの屋内施設の耐震化率を始め、バリアフリー化の状況、ジェンダー問題の対策、空調設備の設置率についてもお聞かせいただきたいと思いますとともに、そうした学校における災害時の備え、これに関して国はどのように関与したかについても、予算措置も含めて、併せて説明をお願いいたします。
○国務大臣(盛山正仁君) 学校施設は、今、宮口委員が御指摘されたとおり、本来、子供の学習、生活の場でありますが、あわせまして、災害時には避難所としての役割を果たすことが多いということから、耐震化による安全性の確保や空調整備など、避難所としての防災機能の強化を行っていることが重要だと我々も考えております。 公立小中学校の耐震化につきましては、令和五年四月時点で構造体の耐震化率は九九・八%、屋内運動場等のつり天井などの落下防止対策実施率は九九・六%と、その耐震化がおおむね完了しております。 一方、屋内運動場におけるバリアフリー化や空調設備の状況につきましては、令和四年九月一日現在で、例えばバリアフリートイレの設置率は四一・九%、空調整備率は何と一一・九%にとどまっております。更なる改善が必要であると認識しております。 そして、いろんな配慮につきましては、内閣府において避難所運営のガイドライン等を作成し、各自治体に周知しているところであり、我々もそういったことについて認識し、お手伝いをしているところでございますが、今後とも、学校施設が避難所として活用される際、多くの方々、しかもそのいろんな方々ですね、障害をお持ちの方もあれば、例えばペースメーカーを付けている人もいれば、週に三回透析をされるような方ですとか、いろんな方がいらっしゃいますので、そういういろんな方々が快適に利用されるようなものを、我々としても関係府省と連携し、学校施設の防災機能の強化に取り組む必要があると思っております。 そして、若干付言させていただきますと、先日、輪島に伺いましたけれども、学校自体、校舎自体は、元々私、阪神大震災のときも感じたんですけど、一つの箱が小さいですよね、教室というのは。それで、大体三階建て、高くて四階建てということもありますので、結構しっかりと構造体自体は残っております。今回の輪島でも、何というんですかね、はす交いの支持をするような、そういうような強化をしているところもありまして、結構大丈夫でございますが、やはり、そのほかの上下水道を含めていろんなところ、あるいは、校舎は大丈夫だったんだけど、校舎とその横の空間との間、こういうところに割れ目が入ったり段差ができたり、そういうようなこともあります。 そういったことも含めて、これからどこまでやっていくことができるのか。そしてまた、特に体育館のエアコン、空調につきましては特に遅れているわけでございますので、こういったことにつきましても、これも結局まず最初に取り組んでいただくべきなのは各自治体の方でございますけれども、こういったことも踏まえて、我々もお手伝いはしますけれども、例えば補助率のかさ上げですとか、そういうことはやりますですけれど、まず多くの方々にも、やっぱりさらにこれを契機として認識を新たにしていただきたい。そしてまた、転ばぬ先のつえという言葉もありますけれども、何が起こったときに、何が必要で、どうすればいいんだ、これをお考えいただきたいなと思います。 阪神大震災のときも東日本のときも感じましたけど、喉元を過ぎれば熱さ忘れるでございまして、一年、二年ぐらいであるとあれをこれをというふうに思っているわけでございますが、だんだん忘れがちということでございます。
○宮口治子君 ありがとうございます。思いも含めてお話しいただいて、ありがとうございました。 私も今日、車椅子になってしまいましたが、いつ何が起こるかということはもう皆さんにも分からないところがあると思います。バリアフリー化のこと、まだまだ進んでいないなというような状況、私もそう思っています。急速な対応をしっかり、自治体任せではなく、国としてもしっかり支援していただきたいと思っております。 次に、防災教育についてお伺いします。 災害大国である我が国は、いつどこで、どんなタイミングで災害に遭うか分かりません、先ほども申しました。大人だけではなく、小学校低学年であっても、その時点での的確な判断と行動というのが自らの命を守れるかどうかの境目になるかもしれないと考えます。 このため、防災教育の中で様々な知識や知恵を学んで、日頃からの避難訓練なども通じて、いざというときに最適な対応をできるよう備えておくことが大事ではないでしょうか。その点、これまで小中学校などを始めとして防災教育が具体的にどのように実施されてきたのかをお伺いします。また、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震の経験も踏まえ、国としてはどのような具体的な防災教育の充実、これを図るべく関与してきたのかをお伺いします。
○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。 児童生徒が自らの命を守り抜くことができるように、防災を含む安全に関する資質、能力を身に付けるということは大変重要でございます。令和四年三月に閣議決定をされました第三次学校安全の推進に関する計画におきましても、委員御指摘のように、実践的な防災教育の充実を図る必要があることを示しているところでございます。 これを踏まえた上で、各学校におきましては、学校が置かれている状況あるいは地域の状況様々でございますので、それを踏まえて、学習指導要領に基づきまして、社会科、理科やあるいは特別活動等におきまして防災教育が行われているものと考えてございます。 文部科学省といたしましては、そのために、教師用の指導資料の作成、あるいは学校における防災教育の実践事例の紹介などを通じまして、学校における防災教育を推進しているところでございます。 そして、お尋ねの、これまでの阪神・淡路大震災、あるいは平成二十三年の東日本大震災、そして熊本地震の経験をどのように生かしたかということでございますけれども、こうした度重なる大きな震災の経験を踏まえまして、学習指導要領につきましては、その改訂ごとに防災教育の充実を図っております。また、ちょうど平成二十四年、二十三年の東日本大震災の後、二十四年には学校安全の推進に関するこの計画が初めて閣議決定をされまして、現在、その第三次計画によってその充実を図っているところでございます。 学校におきましては、また学校保健安全法に基づきまして防災を含む安全教育を計画的に実施をしてございまして、地域の実情、状況も踏まえた防災教育を、先ほども申し上げましたが、実施しているところでございます。 自治体の実践的な防災教育の取組を支援するということとともに、災害の教訓を踏まえて指導資料を更に改定していくこと、あるいは教師向けのセミナーの開催なども取り組みまして、引き続き防災教育を推進していきたいと考えてございます。
○宮口治子君 それでは、今回の能登半島地震において、特別支援学校の防災計画、これは十分だったと思われるでしょうか。 私、五年ぐらい前に、特別支援学校PTA、これの全国大会に出席して防災対策に対する話が出た際に、必要な服薬などの備蓄や細かい備えについては、各自治体、学校、学校の中であっても、例えば南海トラフなどの地震によって甚大な被害の発生が予想されているであろう地域の学校など、本当にばらつきがあるなということを感じました。 今回の地震でもどのような問題が具体的に起きているのでしょうか。また、今後の特別支援学校の災害時における防災計画、これ見直す点がありましたらお答えいただけますか。
○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。 学校におきましては、学校保健安全法に基づきまして、当該学校の実情に応じまして危険等発生時に職員がとるべき措置等を定めた対処要領、これはまさに防災計画に当たるものでございますけれども、その危機管理マニュアルを作成することが法律で義務付けられているところでございます。 そして、文部科学省では、その危機管理マニュアルを学校が作るときの参考となるように手引を作成してございまして、そのときに、障害を持ったお子さんの場合、障害の程度が様々でございますので、特別支援学校における留意点として、一人一人の予想される困難を理解して必要な支援体制や対応計画、物品の準備などを行う必要があることをお示しをしているところでございます。また、このマニュアルにつきましては、ちょうど東日本大震災を受けて作成したものでございます。 今回の能登半島地震につきましては、これ、幸い児童生徒が在校していない時間帯に発災をしたことがございまして、結果、危機管理マニュアルを全てを、何といいますか、発動するということにはならなかったわけでございますので、そういう意味での全体の検証は十分にはできないと思いますけれども、例えば避難所の協力であるとか発災が起きたときの安否確認はどうだったかということにつきまして今回の検証もしっかりしまして、必要に応じた見直しを行うようちょっと考えていきたいというふうに考えてございます。 また、その防災計画について、特別支援学校の災害時における防災計画を見直すべきじゃないかという御指摘も前段ございました。 今申し上げましたように、特別支援学校におきましては、個々の児童生徒の障害の程度が様々でございます。災害時に陥りやすい支障への配慮とか、あるいは障害の状況等に応じた避難経路の確保、あるいは医療ニーズに応じた備蓄品などの確保などの点で各学校の状況に応じてそのマニュアルを随時見直すということが必要だというふうに考えてございまして、今回の能登半島地震の教訓なども踏まえながら、学校安全の実効性を高めていくというために、必要に応じたマニュアルの見直しを促してまいりたいと考えてございます。
○宮口治子君 ありがとうございます。 平和学習じゃないんですけれども、学校とか自治体とかでばらつき、準備のばらつきがあると、そこに通っている生徒さんや保護者の方の不安というのはやっぱり出てくるかなと思うんです。 私も、広島県、お隣、息子は支援学校、岡山の方に通っていたんですけれども、やっぱり内陸の方になればなるほど津波の心配とかというところの危機管理の意識がとても薄いなというふうにすごく感じているんですね。やっぱりこれは、同じように、例えば備蓄の問題、子供たちの薬の数とかも本当に細かくされていた和歌山とは違って、そういうところの差がないように、同じような防災の意識を持っていただくということを国としてもしっかりと指示していただきたいなというふうに思います。 学校施設の復旧、教職員の加配、スクールカウンセラーや学習指導員などの派遣など、被災地には教育に関する様々な支援行われています。いずれも費用は被災地のみではなく国が負担する仕組みがあると存じますが、具体的にどのような費用分担になっているのかをお伺いします。
○政府参考人(笠原隆君) 幾つかの費用負担についてのお尋ねございました。 まず、被災した学校施設の復旧につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法に基づきまして、自治体が実施する復旧事業費の三分の二を国が負担する仕組みとなってございます。さらに、今般の能登半島地震が激甚災害に指定されたことに伴いまして、各自治体の財政状況に応じた補助率のかさ上げを講じているところでございます。 また、加配教職員に係る人件費についてでございますけれども、義務教育費国庫負担法に基づきまして、都道府県等が支出する費用の三分の一を国が負担する仕組みとなっております。 スクールカウンセラーにつきましては、通常は配置に係る費用の三分の一を補助する仕組みであるものの、今般の震災対応におきましては全額国費による補助を実施しております。 また、学習指導員の配置に係る経費についてでございますけれども、事業実施主体である都道府県等が負担する経費の三分の一を国が補助する仕組みとなってございます。
○宮口治子君 ありがとうございました。 少し時間がなくなってしまいましたので、質問通告にはないんですけれども、大臣にお伺いしたいことがありましたので質問させていただきます。 昨年末、私、地元の広島で、ある映画の上映会というのを開催いたしました。二年ほど前から私がどうしても上映したかったものなんですけれども、和光小学校という私立の小学校のドキュメンタリー映画、これで、「あこがれの空の下」という映画だったんですが、多様性を認め合って、子供たちのどうしてという疑問を個々に引き上げて、インクルーシブ教育の前身と申しますか、それを上映したかったのでしたんですね。そうしましたら、地元の小学校の先生方が見に来てくださっていました。後ほど感想を聞くと、昔はね、うちの小学校もね、そういった体験型を中心にいろいろやっていたんですよ、だけど、今の教育委員会の人って一人一台端末、これを重要視し過ぎて、いつも導入しないんですか、導入しないんですかって聞いてくるんですよということを言われたんですね。 私も、やはり実体験を通して学習していくことというのはすごく大事だと思う。もちろんITを活用することも重要だと思うんですけれども、その辺り、大臣は、どのような比率でというか、体験型、IT、どちらをどのような比率で考えていらっしゃるのかな、これを最後お尋ねしてみたいと思います。お願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 残念ながら、その「あこがれの空の下」ですか、これはちょっと拝見したことはないんですけれども、今のそのICTと、タブレット等のICTとそのほかの、リアルなという表現がいいかどうか分かりませんが、こういうことについてでございますけど、私自身、御党の先生方ほか各党の先生方と御協力をしていただいて学校教育情報化法というのを作っていったわけですね、議員立法で。そして、予算措置もして急速にこうなってきたわけでございますが、その場でも常に申し上げていたことは、その基本はリアルですと、基本はやっぱり実体験ですと。 その上で、例えば、例えば天体の運行でもいいですし、あるいは立体の展開図でもいいですし、二次元の紙で表現しづらいもの、こういったものはタブレットその他の画面で動画を見ると理解がしやすくなります。あるいは、タブレットがあると、例えば英語でもそうなんですが、ネーティブの方の発音というのをそのまま耳から聞こえるわけですからこれも便利です。それから、小さい、一年生等の小さいお子さんも、例えば、タブレットで色が変わるだとか音が出るだとか、そうすると分かりやすいですし、あるいはそれは障害をお持ちの方にとっても大変便利でございます。 そういったことを含めて、うまくこの文明の利器、ICTの機器をどう使うのかが大事ですと、ただ、ベースはリアルでございますよと、紙と鉛筆やはさみ、そして校庭に出て、暑い、寒い、あるいは虫にかまれただとか、そういうことを含めて自分で体験をしないと、頭の中だけでバーチャルになっていくといけませんよということは常に申し上げているところです。 ただ、そうは言いましても、海外、まあ近隣の韓国もそうでございますし、ICT教育が相当進んでいるところがあります。そういう国際的な競争ということも考えますと、我々としても、このICTをうまく活用して、海外との競争に負けないようにしていく、これも大事でございますので、いいお答えにはなりませんが、私はリアルがベースであり、そこにうまくICTを組み合わせていくこと、これをそれぞれの現場でも問題意識を持って工夫をしていただきたいということでございます。
○宮口治子君 ありがとうございます。 見る、触る、聞く、感じる、そういった五感をしっかり小さいときに育てていただく、体験型を重視に、ベースにITがあるということをお聞きいただけたのでよかったです。 ありがとうございました。以上で質問を終了いたします。
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。 本日も質問の機会を与えていただきまして、感謝申し上げます。 早速質問に入らせていただきたいと思います。 先日の衆議院文部科学委員会で、我が党の浮島議員の質問によりまして、大学院等を修了し教師になった場合は奨学金の返還が免除されると伺いました。非常にうれしい報告がありました。テレビ等でも見ることになってうれしい気持ちになりました。この詳細について説明をお願いしたいと思います。 加えて、地方では深刻な教員不足が続いております。地方での教員不足を解消するためにも、現職の教師が地方に戻って教員となる場合にも返還免除が適用できると地方の教員不足問題解決に向けて有効な手だてになるのではないかと考えておりますが、是非検討をお願いしたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) 今、下野先生からお話のありました件でございますけど、教師になった者に対する奨学金の返還支援につきましては、三月十九日でございますが、中央教育審議会教員養成部会において議論の取りまとめがなされました。 議論のまとめにおきましては、優れた教師人材の確保という観点から、速やかな実行のため、現行の大学院を対象とした返還免除制度を活用して、教職大学院を修了し教師となった者を中心に返還免除を実施すること、教職大学院以外でも、例えば教職課程の中で学校等での実習に取り組んでいる大学院生も対象に含めること、例えば令和六年度に実施される教員採用選考等の受験者から適用することなどが示されました。 文部科学省としては、中央教育審議会でお示しいただいた方向性を踏まえて、速やかに具体化していきたいと考えています。 また、もう一つ御提案がございました、現職の教師が地方に戻って教師となる場合における返還免除も含めた支援の在り方につきましては、教師不足は都市部も含め全国的な課題であると我々認識しておりますので、各教育委員会における教師人材確保の取組の状況なども踏まえながら、慎重になお検討することが必要であると考えています。
○下野六太君 優れた人材を教師として確保するということは、子供の心身の発育、成長に私は直結すると確信しております。 かつて、教師としての人材確保のために、給費制や奨学金返還免除などの教師を重視する政策をずっと取ってきたという歴史があります。二十世紀にはそういうことをずっとやってきました。防衛省や厚労省におきましても、自衛官又は介護福祉士のために給費制や奨学金返還免除などの様々な施策を取っているということも聞いております。これだけ教師不足が大きな問題になっている今、文科省は教師としての人材確保のための施策を堂々と主張すべきではないだろうかと思っています。 奨学金の返還免除におきましては、大学院から学部卒にまで是非拡大をしてほしいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほどもちょっと申し上げたところでございますが、中教審の議論のまとめでも示されたとおり、制度改正を伴う学部段階も含めた幅広い支援の充実に向けましては、大学院修学のために借りた奨学金の返還免除の具体化により得られた成果を生かしつつ、各教育委員会での教師人材の確保の状況や高等教育段階の修学支援の動向等も踏まえながら、引き続き検討を行わせていただきたいと考えています。
○下野六太君 是非、前向きな検討をよろしくお願いしたいと思います。 実は私は七人兄弟の長男でありまして、今でいう非課税世帯の状況でありました。下に妹、弟が五人小さい子がいたときに、高校二年生のときに、どうしても将来は体育の教師になりたいと、そのためには大学に行かねばならないと。自分の力で行くからということで、今でも覚えていますけど、正座して親に手ついて大学に行くことを許してほしいということを、働かねばならなかったというのは高校生の自分でも分かっていました。それを親に許してもらって、大学に、教員養成課程に行かせてもらったというような過去を持っております。 その私も、当時、まあ一九八〇年代でありました、奨学金、教師になったおかげで返還免除になりました。当時、二万六千円の奨学金を月にもらって、特別奨学金もらっていました。四年間で百二十四万八千円にも上ります。そして、当時、国立大学は半期十万八千円だったと記憶しています。四年間合わせると八十六万四千円になります。これも授業料免除をいただきまして、二百万円を超えるお金を国から免除いただいて、そして教師になってきたという歴史が、過去があります。 そういった体験を経ている者の一人として、是非ともこれからの有望な若者たちに教師を志してほしいという気持ちを持って、引き続きこの問題に取り組ませていただきたいと思いますので、どうか、大臣中心に、文科省の皆様、よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、夜間中学校の支援につきまして質問させていただきます。 教育機会確保法にのっとって、各都道府県には最低一校は公立夜間中学校を設置するようになっております。福岡県の大牟田市の公立夜間中学校開設に向けて大牟田市と連携を図ってきたところでありまして、おとといに私も、この公立、大牟田市の夜間中学校の、なる予定の視察に行ってまいりました。 この度、四月に大牟田市で公立夜間中学校開校の運びとなり、地域に喜びの声が広がっております。 大牟田市の公立夜間中学校に対して文科省の支援はどのようになっているのかということを、見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) 夜間中学は、義務教育を修了しないまま学齢期を経過した方や、不登校など様々な事情により十分な教育を受けられなかった方、我が国又は本国において義務教育を修了していない外国籍の方などの教育を受ける機会を保障するものとして重要な役割を果たしていると考えております。 文部科学省としては、夜間中学が全ての都道府県、指定都市に少なくとも一校設置されることを目指し、通知、事務連絡の発出による指導、助言や各種行政説明会での情報提供、事例紹介に加え、夜間中学の開設準備や円滑な運営に係る財政的な支援などに取り組んでいるところでございます。 今御指摘いただきました大牟田市に対しましては、令和六年四月に夜間中学の開校を予定していることを踏まえまして、令和五年度事業におきまして開設準備のための経費の補助を行っているところでございます。 当省としては、今後とも、大牟田市を始めとする夜間中学を開設する自治体への支援に努めていきたいと考えています。
○下野六太君 ありがとうございます。 先日訪問させていただいたときに、大牟田市という立地は、福岡県の最南端、熊本県の荒尾市と文化圏が一緒なんですね。で、熊本県の荒尾市に住んでいる人が県を越えて、まあすぐそこですから、大牟田の夜間中学校に行きたいというような声ももう既に起こっているということが伺いました。 将来的には、まずは軌道に乗せるということが重要かと思いますけれども、近い将来、近隣の県を越えた形での入学希望等も出てくるようにも聞いていますので、そういった形で伴走的な支援をしっかりとこれからもお願いしたいと思っております。 スポーツフィッシングを題材として質疑させていただきたいと思います。 なじみのある方もいらっしゃるかと思いますが、スポーツフィッシングとは、広い意味では漁師以外のアマチュアの釣り人が行う釣りを指します。より具体的に申し上げれば、漁ではないこと、魚とは一対一で渡り合うこと、ほかの釣り人にも魚にもフェアであること、さおとリールや釣り糸を使って魚と引き合うことなど、スポーツマンシップにのっとった魚釣りと定義をされます。スポーツフィッシングは、単に多くの魚を釣ることを求めるのではなく、自然を相手取り、限られた道具で臨む、魚との駆け引きを重視する知的スポーツであります。 このスポーツフィッシングに関する分析と、これまでの取組について伺いたいと思います。 独立行政法人国立青少年教育振興機構が令和三年に発表しました青少年の体験活動等に関する意識調査によれば、自然体験が豊富な子供は、自己肯定感が高まるほか、自立的行動習慣の定着度や探求力についても高くなる傾向が見られます。 また、文科省が同年に発表しました青少年の体験活動に関する調査研究結果によれば、幼少期に行った体験活動などの経験は、長期間経過しても、その後の自尊感情や外向性、精神的な回復力の向上に良い影響を与えるという結果も出ています。 スポーツフィッシングは、これらに加えて様々な効用が専門家の方々から指摘をされているところです。例えば、自分で予測を立て答えを探す力。スポーツフィッシングに挑む際、しっかり準備したつもりでも、環境が変わり釣れない日も出てきます。同じ川の中でもポイントによって流れの強さが変わり、魚の動きも変わります。条件に合わせて答えを臨機応変に想定し、一つ一つを試していく地道な作業が必要となり、自ら予想を立てて答えを探求する力が身に付くとの指摘でもあります。また、魚の生態は周辺環境の影響を強く受けます。スポーツフィッシングを通じ、魚を取り巻く自然環境全体を意識できる力も身に付くと指摘をされております。 政府は、令和五年六月に閣議決定をした第四期教育振興基本計画におきまして、豊かな心の育成のための基本施策の一つとして、体験活動、交流活動の充実を掲げていますが、様々な効用が指摘されるスポーツフィッシングについて、文部科学省としてどのように捉えているのかを教えていただきたいと思います。 また、これまで関連して進めてきた取組があれば、併せて御紹介いただきたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 下野委員からスポーツフィッシングについてのお尋ねございました。 なかなかスポーツフィッシングだけをちょっと捉まえて申し上げるのは難しいんでございますけれども、今委員から御指摘がございましたように、スポーツフィッシングを含めまして自然体験活動は、まさに大臣がおっしゃるリアルな体験というものにつきましては、独立行政法人国立青少年教育機構が行った調査でも、委員おっしゃったように、そうした自然体験が豊富な者ほど自己肯定感や自律性あるいは協調性を育むなどの、そういう割合が、非常にそういう効果があるということがはっきり出ているところでございます。 文部科学省では、海や川に親しむ活動を含めまして自然体験活動の事例集を作成し、そうした取組を推進しているところでございますけれども、先ほど申し上げました独立行政法人国立青少年教育振興機構では、民間団体が行う海や川での自然体験活動、とりわけ釣りを一つ活動としたものについては、令和五年度は六十件近く助成をしてございまして、子供たちのそうした体験活動を豊かにすることに寄与しているところと考えてございます。 様々な関係団体とも連携しながら、スポーツフィッシングを含めまして多様な体験活動を通じて子供の成長を支える環境づくりを進めていくことも、今後とも努めてまいりたいと考えてございます。
○下野六太君 私は、このスポーツフィッシングから現代を生きる子供たちや大人たちをめぐる様々な課題を解決する糸口が得られるのではないかと思っております。 次は、スポーツフィッシングを題材として、喫緊の課題である不登校と引きこもりの問題に焦点を当てて質疑をいたしたいと思います。 不登校に関しましては、皆さん御承知のとおり、令和四年の調査において小中学校の不登校児童生徒数がいずれも過去最多となり、小中学校合わせて前年度から二割増しの二十九万九千四十八人となっております。また、引きこもりの数についても、正確な統計はありませんが、内閣府が昨年三月に公表した調査によれば、全国で百四十六万人と推計をされています。 これまでの委員会でも度々議論がなされてきましたが、これだけ大きな課題にもかかわらず、全ての事例に効果を持つような特効薬はなく、有効な予防策も見付かっているとは言い難い危機的な状況ではないかと思っております。 私は、全国を駆け回って様々な専門家や支援団体、家族会と懇談を重ねてまいりましたが、特に感じたことは、不登校の状態が長引いてしまう子供たちや引きこもりとなってしまった子供たちに求められているものの一つとして、成功体験を重ね自信を取り戻すことが重要であるという点であります。 昨年秋、引きこもりの支援団体がスポーツフィッシングを含む自然体験イベントを開催をしましたが、こうしたイベント参加者のうち約半数が就労することができたといいます。スポーツフィッシングを通じた一つ一つの小さな成功体験が参加者の自信につながっているのではないかと思います。 ほかにも、小学校六年生で不登校となってしまった子供が、スポーツフィッシングという関心をきっかけとして漁師と友達になり、職場体験を通じて稚魚の研究に没頭し、専門高校を卒業して定置網漁の修業をしているといった事例も耳にしております。 政府は、体験活動、交流活動の充実を進め、事例集なども取りまとめていますが、その中でも、不登校や引きこもりの支援団体によるものを含め、こうしたスポーツフィッシングを題材とした不登校、引きこもり支援の好事例について、把握しているものがあれば教えていただきたいと思います。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 教育や福祉の現場では不登校児童生徒や引きこもりの子供たちの体験活動の一環として様々な活動が実施されており、詳細まで把握しているものではございませんが、その中には、不登校児童生徒の支援の一環として、釣りを活動内容の一つに位置付けている教育センター、例えば山梨県甲州市、三重県亀山市、新潟県胎内市、こういった事例があるというふうに承知しております。
○下野六太君 そういった事例があった場合に、非常に好事例として成果上がった場合は、是非横展開を、広報してもらえれば有り難いなと思っています。よろしくお願いします。 次に、スポーツフィッシングによる家庭のメンタルヘルスの向上について伺いたいと思います。 先ほど申し上げた子供たちの成功体験の蓄積と自己肯定感の涵養は、スポーツフィッシング以外の自然体験活動、例えば登山といったアウトドア活動全般にも共通することでありますが、私がスポーツフィッシングを特に取り上げたいもう一つの理由がメンタルヘルスの観点です。 イギリス人男性約千七百人を対象にイギリスで行われた研究によりますと、スポーツフィッシングはメンタル面のトラブルを防ぐように働いている可能性が示唆をされました。釣りをしている人には、うつや自殺願望、自傷行為の既往のある人が統計上少なかったといいます。このイギリスの調査からは因果関係は必ずしも明らかとはなっておりませんが、研究者は、メンタルヘルス上の問題を抱えている人に対して釣りを勧めることは、身体活動量を増やし、かつ、自然環境の中で時間を過ごすことによるストレス解消効果という二つの経路を介して状況の改善につながるように働くのではないかと述べております。 〔委員長退席、理事今井絵理子君着席〕 小中学校の不登校児童生徒の約四割に当たる十一万四千二百十七人は、学校内外の機関等での相談、指導等も受けておりません。子供本人だけではなく、家族も一緒に問題を抱え込んでしまっている構図が浮かんできます。 総務省が昨年公表した不登校・ひきこもりのこども支援に関するアンケート調査では、学校や学校以外の機関、施設による支援全般に対する意見、要望の一つとして、本人や家族を含めたメンタルの安定が必要との意見も多数寄せられています。 不登校の支援団体では、支援者が子供とその家族をスポーツフィッシングに誘い、体験を通じて事態が好転した事例も報告をされております。年齢を問わず楽しむことができるスポーツフィッシングがきっかけとなり、子供と家族のメンタルヘルスが改善をされ、問題解決の糸口になっているものと思います。 政府は、不登校や引きこもりの支援において、民間団体やNPO等と積極的に連携し、相互に協力、補完することの意義を強調しておりますが、先ほど御紹介いたしましたスポーツフィッシングを題材として子供や家族の支援につなげる取組についてどのように考えておられるかということで、所感をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 御指摘のスポーツフィッシングを題材にすることも含め、不登校児童生徒等への具体的な支援の取組は、児童生徒の状況に鑑み、各都道府県、各教育委員会等において御判断いただくものでございますが、釣りを含めた、多分自然豊かな場所で行われるものだと思いますけれども、自然体験活動は子供たちの豊かな人間性や社会性、主体性を育む上で重要だというふうに考えております。 文部科学省といたしましても、学校や教育支援センター等における体験活動の取組に対する支援を行っているところでございまして、不登校児童生徒が様々な体験活動できるような環境づくりを積極的に進めてまいりたいと考えております。
○下野六太君 スポーツフィッシングは、誰もがどのようなものかイメージすることができる一方、いわゆる魚釣りですから、そのイメージはしやすいかと思います、しかし、実際にやるとなれば、釣りざおや仕掛けなどの道具が必要になるほか、一定のノウハウの習得や場所の確保が必要であり、参加のハードルは必ずしも低いものではないかと思います。 〔理事今井絵理子君退席、委員長着席〕 様々な効用が期待できる自然体験活動の一つとして、子供たちやその家族が望めばスポーツフィッシングに触れることができるよう、様々な機会を拡充していくことも重要ではないかと思います。そのためには、公益財団法人日本釣振興会といった関連団体の更なる協力を得ることも有効なのではないかと思いますが、どのように考えておられるかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(茂里毅君) お答えいたします。 スポーツフィッシングは、年齢や性別、障害の有無等にかかわらず誰もが親しむことができ、また家族でも楽しむことができるスポーツレクリエーションの一つと考えております。スポーツ庁では、楽しさや喜びといったスポーツの持つ価値の拡大を目指し、釣りを始めとしたスポーツレクリエーションについても重要と考え、その振興に努めているところでございます。 特に、今御指摘ございました公益財団法人日本釣振興会でございますが、スポーツ庁では、この振興会が主催いたしますジャパン・フィッシングウイークに後援名義を出すであったり、あとtoto助成の支援であったり、さらには、スポーツ庁の事業といたしまして、スポーツ・イン・ライフという、こういう事業を展開してございます。その中の加盟団体として支援をさせていただいている、そういったことを行っているところでございます。 今後とも、釣りを始めとしたスポーツレクリエーションの振興とスポーツを通じた国民の健康増進の実現に向けまして、振興会を始め関係団体との更なる連携を図ってまいりたいと思います。
○下野六太君 スポーツフィッシングを題材として、不登校、引きこもりの問題について質疑をさせていただきましたけれども、本日御紹介しました事例や取組が一つのきっかけになって、更に生きづらさを抱えておられる方等が改善できるようになることを祈っております。 スポーツフィッシングに限らず、不登校、引きこもりの解決の糸口となるようなものを模索すべく、私も引き続き努力をしていきたいと思いますが、先日、日本釣振興会で三十分間お話をさせていただいたときに、こういった話をそこで伺いました。重度の自閉症のお子さんを持つ親が、自閉症には釣りが有効だということを聞いて、それで子供に話をして、そして釣りの方に連れ出したと。そうしましたところ、子供が、自閉症の症状が、もう釣りにはまって改善をしていったということを、二百人の、これ北海道の話なんですけれども、二百人の社員の前でそのことを話したと、エピソードを。そしたら、その二百人の社員の中に自閉症の子を持つ親御さんが十人いたと。その方々が次々に、じゃ、私もやってみようということで、次々にお子さんを連れて釣りに連れ出したところ、それぞれに自閉症の症状が改善をしたというような話も伺っています。 そしてさらに、日本釣振興会では、大阪での話になります、児童養護施設等で生活をしている子供たちに釣り体験教室を毎年開催をしているということで、豊かな自然体験を味わわせていきたいということで、しっかりとそういった社会貢献等にも挑んでおられるということも聞いておりますので、しっかりと、これからもまた支援の方をお願いしたいというふうに思います。 じゃ、次に、子供の食事をテーマとして質問させていただきたいと思います。 ユニセフが二〇二〇年に公表しました先進国の子供の幸福度に関する調査によりますと、日本の子供は、身体的健康は世界三十八か国中一位でしたが、精神的な幸福度は下から二番目の三十七位でした。精神的幸福度が低いとされたのは、生活に満足をしていると答えた子供の割合が非常に低く、また、自殺率も平均より高かったためであります。一人親世帯や経済的に厳しい世帯に限らず、どのような家庭状況であっても生きづらさを感じている子供が存在しており、だからこそ、我が国の子供の精神的幸福度が低いランキングとなっているのではないかと思います。 子供たちの間に生きづらさが広がる理由の一つとして、人と人とのリアルなつながりが失われつつあることが挙げられると私は考えております。例えば、令和五年度にこども家庭庁が実施した青少年のインターネット利用環境実態調査の結果によると、インターネットを利用すると回答した青少年の平均利用時間は一日で約四時間五十七分であり、その内訳は、高校生が約六時間十四分、中学生四時間四十二分、小学生十歳以上が約三時間四十六分となっています。 子供たちは、一日の活動時間のうち本当に多くの時間をインターネットの利用に費やしております。もちろん、インターネットを利用すること自体が悪いわけではありません。問題なのはその使い方でないかと思います。適切な利用時間を守りながら、自分の世界を広げたり学んだりするために使うのであれば、全く問題はないかと思います。しかし、スマホが生活の中心となってしまい、家族や友人などとリアルに関わる時間が失われているというのでは問題ではないかと思っております。 ちょっと時間が余りなくなってきたので、ちょっと間飛ばして、孤食、孤独の孤に食事の食で孤食について質問します。 孤食は大人だけではなくて子供の間でも広がっていると思われますが、政府として子供の孤食の実態を何らかの形で把握されておりますでしょうか。また、令和三年三月に定められた第四次食育推進基本計画では、食育の推進に当たり、目標の一つとして、朝食又は夕食を家族と一緒に食べる、共と書いて共食ですね、共に食べる共食の回数を増やすことを挙げております。子供の共食の回数を増やすために政府としてどのような取組を行っているのかも教えていただければと思います。
○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。 家族が食卓を囲んで共に食事を取りながらコミュニケーションを図ることは、食育の原点であり、食の楽しさを実感するだけでなく、食や生活に関する基礎を伝え、習得する機会にもなるため、家庭における共食の取組を推進していくことが重要でございます。 第四次食育推進基本計画においては、朝食又は夕食を家族と一緒に食べる共食の回数について、令和七年度に週十一回以上とすることを目標に掲げており、現状としては、令和五年度現在において週九・〇回となっております。 農林水産省では、地域の食育の取組を支援する中で、例えば親子で体験する地域食文化の継承に向けた調理講習会の開催や農林漁業体験で収穫した食材を使って親子で調理を行うなど、共食の機会の拡大に資する取組についても支援を行っております。 共食の重要性を踏まえながら、今後とも関係省庁と連携しながら、共食などの家庭における食育を一層推進してまいりたいと考えております。
○下野六太君 時間が参りましたので、残った質問はまた次の機会にさせていただきたいと思いますので、引き続き、子供たちの成長に食事をしっかり推進、いい食事関係を推進していきたいと思いますので、よろしくお願いします。 以上で終わります。ありがとうございました。
○中条きよし君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の中条きよしでございます。 本日は、スポーツ立国として令和六年度の予算案についてお伺いをいたします。 私たちは、常日頃、スポーツ選手の皆さんから夢や希望、たくさんの勇気をいただいています。ついすばらしい活躍にばかり目が行きがちですが、彼らの輝かしいキャリアの裏で、少なくない数の選手がけがや事故、あるいは死に至るという予期せぬ壁に直面しています。長年にわたる過酷なトレーニングと競技によってその体への負担は相当重いものであり、時として選手のキャリアを早期に終わらせる原因にもなります。 私を長年兄のように慕ってくれている宮本正明という元K―1ヘビー級史上最短十三秒KO記録保持者で、現役時代にも結構、本当に人気があり、努力を怠らないとても強い男ですが、五十五歳の今、無理を重ねたその宮本の体は、骨髄変性症と外傷性の脳大動脈狭窄、骨格に至っては数え切れないダメージがあり、その影響で重度のうつ病を引き起こして、悩み抜いた胃にはカルチノイド性の悪性腫瘍が見付かりました。そして、何よりもつらいのは強い痛みです。その痛みの原因部位にできる異常な新生血管は、いびつな形をしていて、ぼやっとかすんだように見えるのでもやもや血管といい、医師が髪の毛の三十分の一ぐらいの細いカテーテルを用いて一つずつ潰していくんですが、術後五日から六日ぐらいでまた再び痛み始めます。医師からもうこれ以上の方法はないと言われますが、この治療には入院費だけで一日十二万円掛かり、ここにたどり着くまでには検査のための宿泊費や交通費も掛かっており、仕事もできず収入もない状態で、治療をしたくてもその費用はままならず、限られた治療しか受けられない状態です。現役時代には痛い思いを我慢して戦い続け、我々に夢と勇気を与えてくれました。お金がないと治療も受けられず、痛みに苦しまなくてはならないのでしょうか。 埼玉に住む彼がようやく見付けた専門医というのが奈良県にしかいなくて、通院するにはアパートも借りなければなりませんし、医療費以外にも大変な出費です。彼の場合は、たまたま奈良の知人が居候をさせてくれたおかげで治療を開始することができたんですが、あの誰にも負けない強い男が、私のところに来て死にたいと弱音を吐くほどの痛みと今闘っているんです。 無理を重ねれば重ねるほど体へのダメージは計り知れず、長く続けていくというのはとても難しいことなのだと思います。だからといって、選手生命が終わったら、はい、さようならということには決してならないと思うんです。選手生命の突然の終えんは、ただでさえ精神的に大きな打撃でありながら、更に経済的な不安も伴い、多くのスポーツ選手は、幼い頃から努力を重ねてきて、競技に専念するために学業やほかの職業訓練の機会を逃しており、引退後に一般企業に再就職するという考えがあっても、なかなかそう簡単にはいきません。 先ほどの宮本が悔しい一言を漏らしていました。一芸に秀でたばかりに、それ以外のことが何もできないように感じると。人々の期待を一身に背負ってスポーツに取り組んできた彼らに、その努力してきたことを悔やむような、そんな気持ちにさせてしまってはいけないと思うんです。 これは宮本からのメールなんですが、昨年末に、タケルという後輩が五十一歳でたった一人で亡くなりました、肝臓の病気で、そのタケルの遺骨は、けがで手術した金属だらけでした、とても寂しいお葬式でしたというメールが来ました。 このような悲しい状況にならないためにも、社会の支援が不可欠だということは明らかだと思います。予算案を見ていると、スポーツ選手の育成や産業支援への予算が付いています。これはとてもすばらしいことです。しかし、選手になるまで、あるいは現役へはしっかり予算が組まれているのに対し、けがなどで負った場合のリスクは自己責任になっているのではないですか。宮本は今、後輩たちに同じ苦しみを味わわせたくないという思いでリハビリに励んでいます。 引退した選手が人生の新たなスタートラインに立つためには、包括的な支援体制が必要です。個別に努力されている方もたくさんおられます。コーチングやスポーツマネジメントの分野で再教育を受け、新しいキャリアを築く事例や、引退した体操選手がスポーツ科学の勉強を通じてトレーナーとしての道を歩んでいくなどです。選手が経験やスキルを生かして新しい職業に挑戦できるように引退後のキャリア形成を応援するなど、職業訓練の提供が必要です。 実際、国内でもJリーグ引退後の選手の支援をしていたり、医療系の専門学校が奨学金を出したりという事例があるようです。海外では、キャリア・トランジション・サポートと呼ばれる形で、引退したスポーツ選手が喪失感を乗り越えて、その先に進んでいくための様々な取組が行われているとも聞きます。 そこで、スポーツ庁にお尋ねをいたします。 特に国内において把握されている取組があれば、その評価も含めてお聞かせをください。
○政府参考人(茂里毅君) お答え申し上げます。 スポーツ選手が現役時代の活躍の先にある、いわゆるそのセカンドキャリア、これを見据えたキャリア形成を現役の時代から行い、引退後も現役時代に培った能力を社会に還元することができるよう取り組むことは重要であると考えています。当然、その前提には、健康であるというのが前提になろうかと思います。 こうした取組は、スポーツ競技団体や民間企業などでも行われており、例えば日本陸上競技連盟でございますが、この連盟におきましては、競技はもちろん、豊かな人間性を持つ国際人となり、今後の日本及び国際社会の発展に寄与する人材として育成することを狙いとしたダイヤモンドアスリート制度というものを展開していると聞いております。 また、株式会社NTT Sports Xでございますが、ここが運営するラグビーチーム、浦安D―Rocks、ここにおいて引退後も見据えたキャリア哲学や考え方の研修プログラムを実施していると聞いてございます。これは雑学、座学だけではなくて、キャリアコンサルタントの定期的な面談などを通じて、自分の生涯的な方向性を決めていくというものでございます。 こうした取組が徐々に広まっていることは、スポーツ選手自身にとっても、また我が国のスポーツ発展のためにも大変有意義であるとは考えておりますが、他方で、我が国ではまだこのような取組は十分に普及しているものではないと考えており、今後、更にそれを広げていくことが課題となっていると認識しているところでございます。
○中条きよし君 ありがとうございます。 多くのけがは、医療の進歩により以前よりも回復する可能性は高いです。でも、これにより専門的な治療やリハビリテーションが必要で、そのための費用も掛かってきます。しかし、選手はハイリスク者という形で民間の保険にさえ入れないこともあり、ここでまた苦しむわけです。全部とは言いませんが、何らかの公的な助けがあれば、心身の回復と再起に向けての大きな力になります。国としてスポーツを盛り上げていこう、選手を育てていこうというときです。この問題を解決することは、スポーツを持続させ、盛り上げていくことに必ずつながります。 そこでお尋ねをいたします。 特定のスポーツに限らず、プロスポーツ、あるいは高レベルのアマチュアスポーツに挑戦していく中で、中長期的なキャリア形成であるとか、引退後の生活設計を学ぶ場や支援していく制度が必要ではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(茂里毅君) 申し上げます。 文科省といたしましても、スポーツ選手が現役時代から、今御指摘ありました中長期的なキャリア形成や引退した後の生活設計などを学ぶことは重要であると考えております。 このため、文科省といたしましては、スポーツキャリアサポートコンソーシアムを運営しております。運営する中で、アスリートに対するキャリアカウンセリングを行うなど、アスリートキャリアコーディネーターというものを育成しておりまして、それが今現在八百名に達しているところでございます。このアスリートキャリアコーディネーターが各地で民間の活動として、スポーツ選手のキャリア形成や引退後の生活設計を学ぶ場の支援等を行っているところでございます。 今後も、引き続きこうした取組を通じまして、今ほどお話ありました、その横断的な視点を持ちながらしっかりとスポーツ選手のキャリア支援に取り組んでまいりたいと思います。
○中条きよし君 ありがとうございました。 やはりスポーツ選手を育成していく産業を育てていくということだけではなくて、選手それぞれの人生設計や引退後のリスク管理も含めて裾野を広げていくというのは大事かと思いますが、それについてお考えをお聞かせください。
○政府参考人(茂里毅君) ありがとうございます。 幾つか御紹介いたしたいと思います。 例えば、日本野球機構におきましては、引退時の一時金制度や一定の年齢に達した際の老齢補助制度などがあると承知しております。こういった各企業の取組であったり各チームの取組がそれぞれ自主的になされておりまして、一義的にはそういった各リーグ等における取組の充実を図っていくことが重要だと思ってございます。 その上で、文部科学省といたしましては、先ほど御説明いたしました事業に加えまして、スポーツキャリアサポート支援事業の中で、企業やスポーツ団体が参画するコンソーシアムをベースといたしまして、キャリアに関する情報発信やキャリア形成に関する啓発、教育などの取組を進めているところでございます。 人生百年時代でございます。スポーツ選手が引退した後も健康でしっかりと国民として活躍されるよう、アスリートが引退後もその能力を十分生かせるよう、関係団体とも連携してしっかりと支援してまいりたいと思います。
○中条きよし君 ありがとうございます。 不慮の引退であっても社会の一員として頑張っていける土台があってこそ、思い切り夢に向かって打ち込める。たとえスターでなくなっても、現役選手としては思うようにいかなくなっても、一芸に秀でて良かったと、努力してきて良かった、そう思える社会にしていけるようにお願いをいたします。 次に焦点を当てたいのは、文化遺産や観光地で尽力する語り部であったり案内人をされている高齢のボランティアの支援についてです。 御承知のとおり、我が国は壮大な自然や豊かな歴史、そして多彩な文化に恵まれています。国内のみならず、海外からも多くの観光客を引き付けて、これらは私たちにとっても計り知れない価値を持ち、これを守り次世代に伝えていくことは私たちに課された重要な責務です。だからこそ、その日本遺産という形も含めて、地域の歴史や伝統を発信していく事業への支援などが盛り込まれています。 その現場では、地域の歴史や文化を深く理解して、その魅力を伝えるために、様々な年齢のボランティアの方たちが日々情熱を注いでおられます。ある日本遺産の現場では、地元出身の高齢者の方々がボランティアガイドとして活動し、旅行者だけではなくて地元の小学生に伝統と歴史を説明しています。このような活動は訪れる人々にとってかけがえのない学びの機会となり、日本文化への深い理解につながっています。 しかし、このような献身的な活動には必ずしも十分な支援がなされているわけではないようです。やりがいを持って参加していただいているとはいえ、場所や季節によっては過酷な現場です。日々の案内はもちろん、定期的な勉強会や古民家の鍵開けや留守番、事務局の経理まで、大変な労働です。外国人対応のために高齢者の間で国際部をつくっているところもあるそうです。 日本遺産という形で予算が付き、おそろいのはっぴや場所の整備が進むようになっていいんですが、人の謝礼がほとんどないというのはいかがなものでしょうか。ボランティアという名の地域活動になっています。 そこで、文化庁にお尋ねをします。 日本遺産の現場で活躍するボランティアの人数やその年齢構成というのは把握しておられますか。概況を教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 日本遺産認定地域におきましてボランティア人材の関与の在り方を含め多様な人材にどのように御活躍いただくかは、当該地域の事情に応じて具体的に御判断いただくべきものと考えております。 そのため、私ども、ボランティア人材の人数や年齢構成などについて統一的、網羅的には把握いたしておりませんが、例えば、それぞれ報告いただいたものの中では、千葉県の日本遺産である北総四都市からは地域の観光ガイド人材として二百十六名の方々を育成した旨、あるいは兵庫県の日本遺産である国生みの島・淡路、日本遺産サポータークラブの加入者として四十七名の方がいらっしゃる旨把握をしているところでございます。
○中条きよし君 もうちょっとマイクに近づいてしゃべっていただけると有り難いです。聞こえにくいです。 ありがとうございます。 このようなボランティアの勤務状況や労働環境、どのような業務があるのか把握されておられますか、お聞かせください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、人材、ボランティア人材を含めます地域の方々の活用につきましては、各地域において判断されるものでございますので、私ども、統一的、網羅的に把握をいたしておりませんけれども、ボランティア人材が御活躍されている業務としては、例えば、観光客へのガイドツアーの実施でありますとか、あるいは環境整備、美化活動などがあるものと承知をいたしているところでございます。
○中条きよし君 多くの方が時間とエネルギーを惜しみなく提供してくださっています。旅行者や小学生から感謝の言葉だって大きな励みになっています。 ただ、膨大な労力と志に対して国や自治体は甘えてしまっていていいんでしょうか。今や、年金を受け取れる世代になっても働き続ける方や働かざるを得ない方がたくさんいるわけです。どんなに志が高くて地域に貢献したいと思っていても、経済的に敬遠されたら現場を回してくれる人がいなくなってしまいます。そこで育つ子供たちのためにも歴史や文化を伝えていく、それがまた次の世代につながっていく、このいい循環を保つためにも、ボランティアという言葉だけでその厚意に頼り切ってはいけないんだと思うんです。 そこでお尋ねをします。このようなボランティアの方々に対して、これまでの箱や備品の整備とは別に、人件費として使えるようなものが必要だと思いますが、どうお考えですか。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 日本遺産につきましては、私ども、やはり地域での機運醸成に取り組むということは大変大事だと思っておりますが、その上で、文化庁といたしましては、認定地域に対して、認定後三年間を目途に、めどに重点的な財政支援を行うなど、認定地域の自立、自走化に向けた環境整備を促しておるところでございます。 このような観点から、文化庁としては、その際に必要となります文化資源の便益施設などのハード面の整備、それから、全国的な観点からの専門家の知見の提供など、日本遺産の高度化に必要なイニシャルコストについて各地域を支援をいたしているところでございます。 例えば、今御指摘のございました文脈で申し上げますと、今年度におきましては、日本遺産地域に対しまして、観光ガイドの専門家を派遣し、当該地域のボランティアガイド向けに来訪者のストーリーの理解を促すためのガイドの方法等について研修を行うといったことについて支援をさせていただいているところでございます。 なお、世界遺産に関連いたしまして、北九州市におきましては、観光名所の案内ボランティアにつきまして一定の金額を観光客から徴収している例もあり、このような取組を含めて、私ども自治体としっかりとキャッチボールさせていただきたいと存じております。
○委員長(高橋克法君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(高橋克法君) 速記を起こしてください。 先ほどの中条君の発言中に不適切な言辞があるとの御指摘がありました。 委員長といたしましては、後刻理事会において速記録を調査の上、適当、適切な処置をとることといたします。 中条きよし君、続けてください。お願いします。
○中条きよし君 失礼をいたしました。 文化遺産が引き付ける観光は、日本経済と文化と両方にとって大変重要な柱です。また、若い世代、小学生や中学生といった次の世代に地域の歴史や伝統を伝えていくという教育面での良さも忘れてはいけないと思います。政府や自治体はもちろん、観光業界も一致団結して現場の方々にはちゃんと報いていただきたい。高齢者に限らないかもしれませんが、ボランティアの皆さんに社会全体で感謝して支援する文化を育みたい、地域コミュニティーや企業がボランティア活動を支えるための支援や場を提供することで活動がより豊かな有意義のあるものになると思います。 次に、人手不足に直面している教育現場で退職した教員に御活躍をいただけないかという質問です。 教員の先生方が多いのでよく御存じとは思いますが、今回の文科省の予算案を見ると、教員不足で先生の重い負担をどうするかという観点で予算が組まれているのだと思います。小中高を通じて教員不足の状況はどんどん深刻になってきている今、このまま教員が減り続ければ生徒一人一人にちゃんと目が行き届かなくなります。地域によっては、特定の科目を教えられる先生が足りなくて、生徒たちの学びのチャンスも限られてしまいます。個々のニーズに合わせた教育という国の進めてきたようなことも難しくなってきます。 気になるのは、先生になりたいという若者が非常に減ってしまっているということです。文科省の資料にもありますけれども、この二十五年弱の間に小中学校で教員の採用倍率が十倍程度下がってしまっています。もちろん、業務の負荷を下げて先生を増やしていこうという御努力は分かるんですが、状況が整うまでは定年退職をされた元教師のお力を借りるというのは一つの考えじゃないでしょうか。 長年の教育経験と豊かな、豊富な知識を持っておられる元教員の方々はたくさんの可能性を秘めています。これまでにも非常勤講師として活躍されるお話を聞きますが、まだまだ頑張れるぞという熱意のある先生がいらっしゃれば是非御活躍をいただきたいものです。そこで、パソコンやIT関連の教育ツールは若手の先生に任せつつ、その豊富な経験を生かして若い教員の相談に乗りながら輝いてもらう、フルタイムでなくても週三回だけ午前中に授業といった具合に無理なく働けるような環境を整えていくことも大切です。 文部科学大臣にお尋ねをいたします。 このように、退職した先生方を始めベテランの先生方と若手の間で校内での交流、特に知見や経験の共有が各地域、各校の実情に合わせた形であるとよいのではないかと思いますが、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(盛山正仁君) 中条先生御指摘のとおりでございますが、近年、大量退職と大量採用の影響によりまして、教師の年齢構成は経験の浅い若年層の教師が増えている一方、それに伴い教科指導や生徒の指導、学級経営など、ベテラン層が培った技術の継承などが課題になっていると承知しております。 退職した教師も含めまして、ベテラン教員が若手教師の相談役となっていただくことは大変有意義なことではないかと考えております。このため、地域の実情に応じまして、退職された方も含めてベテラン教師が新任教師のサポート役を担うなどの方法により、若手教師の力量形成につながる取組事例の周知など、必要な取組を進めてまいりたいと考えています。
○中条きよし君 この最大のメリットは即戦力であることです。病気や産休、育休という臨時の欠員が出てしまった緊急時に経験豊かな先生が非常勤で入っていただけると、授業もスムーズに引き継ぐことができて、子供たちの学びも途切れることなく、いつもどおりの学校生活が続けられます。既に現場のことは熟知しているわけで、新たに研修を受ける必要もなく、さっと授業に入れると、これができるのもやはり経験豊かな先生ならではの強みです。 そこでお尋ねをいたします。 退職した先生方に御活躍いただくことには様々なメリットがあり、非常勤講師として活躍の場の促進はこれからますます必要になってくると思いますが、お考えをお聞かせください。
○政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。 先ほど大臣から御答弁させていただきましたとおり、近年、大量退職の真っ最中でございます。こうした退職後に再任用される教師が増加をしてございます。学校現場では、これまでも、再任用の形での授業担当のほか、初任者研修の指導教員などとして退職された教員に御活躍をいただいているところでございます。 ベテランの教師と、それから若手の教師のバランスが学校の中でも大切だと思いますけれども、退職された経験豊富な教師の方々に引き続き学校現場で活躍いただくことは有意義であると考えてございまして、非常勤講師というものも含めまして、都道府県、指定都市教育委員会等の教育長会議などの場を通じまして、こうした教師の豊かな経験を学校現場でも引き続き生かしていけるよう、働きかけを今後とも行ってまいりたいというふうに考えてございます。 特に、令和六年度から二年に一度段階的に定年が引き上げられるという状況もあるところでございまして、繰り返しになりますけれども、引き続き、定年退職後の経験豊富な教師の方々にも学校現場で経験を生かしていただくよう促してまいりたいと考えてございます。
○中条きよし君 人手不足に悩む教育現場で退職された先生方に御活躍いただくのは、教育の質の向上、人手不足の解消、そして世代間の知識の伝承という点で大きなメリットをもたらします。経験豊かな教員の知識と情熱を生かすことで、教育現場はより豊かなものになり、生徒たちの学びの場が更に充実するのではないかと思います。是非、世代を超えた知恵と知見を生かしてこの難局を乗り切っていただきたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤孝恵君 大臣、先ほどから答弁を聞いておりまして、所信で表明したにもかかわらず、何とも取り付く島のない御答弁が続いておりまして、いささか残念な思いがいたしております。 午前中の質疑で、私が、ヤングケアラーを学校現場から自治体の支援の窓口につなぐ、そのラストワンマイルを養護教諭の方に担っていただくのはいかがかというふうに申し上げましたのは、所信の中で大臣が、養護教諭等の業務支援体制の強化を進めると言い切っていらっしゃったからであります。 それから、先ほどの古賀委員の質疑、現場の先生たちが先生にしかできないその業務に邁進するために、スクールサポートスタッフ等のその拡充を、重要さを訴えておられました。文科省も、全校に配置するというふうにおっしゃったにもかかわらず、その予算は三分の一という、地方財政措置で裏打ちしているからあとは自治体頑張ってというような御答弁に、現場の声が聞き流されているようで、私も悔しい思いがいたしました。 大臣は所信の終わりでこう述べられました。「新たな力」を「生み出す力」の源は、現場にこそあります、私は、就任以来、五十回以上視察や意見交換を行い、現場の御意見を丁寧に伺ってまいりました。 大臣、政治家が視察に行って、そして写真を撮って、それらをSNSに上げたりホームページに上げたりして、以上、終わりというような、そういった振る舞いが政治の不信を呼んでいる、そういう背景もございますが、大臣に限ってはそういうことはございませんよね。
○国務大臣(盛山正仁君) 余りSNSを使うのはうまくない方なものですから、そういうことは余りしていないと思います。 いずれにせよ、多くの現場に伺い、そしてやっぱり現場の声を伺う、それをどのように課題の解決に反映させていくのか、それが大事なことだと考えているところです。
○伊藤孝恵君 今まで大臣がいろいろなところに行って、その現場を見て、現場の声を聞いて、そして施策に生かしていらっしゃる、そういった具体例、先ほど宮口委員の質問の中にもありました。大変、大臣はそういったところに熱心だからこそ、この所信の中にも書かれたんだというふうに思います。 委員長、文科大臣のこれまでの視察や意見交換の場所と内容、把握した課題、それを受けての大臣の指示内容及びその施策の実施の有無及び進捗について、当委員会に書面で提出することを求めます。よろしくお取り計らいのほどお願い申し上げます。
○委員長(高橋克法君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○伊藤孝恵君 では、予算について伺いたいというふうに思います。 八十八億円が計上されております社会人の学び直しの総合的な充実について伺いたいと思います。 とかくリカレント教育というと、私もそうなんですけど、キャリアアップとかキャリアチェンジと、そういうふうにすぐ脳内で接続してしまうんですけども、事経産省でも厚労省でもなく、文科省だからこその事業にお取り組みいただきたい、そういう趣旨で質問させていただきます。 地域の子供たちの役に立ちたい、そのために学んだり、学校や行政とつながったりしたい地域の方々がいらっしゃいます。その方々へのリカレント事業を実施し、子供に関連する社会課題の解決に御貢献いただく、そういった仕組みをつくることが必要だというふうに思います。 今日資料をお配りしておりますので、大臣のお手元にも配らせていただいております。これは、全日本青少年育成アドバイザー連合会がまとめました、地域の青少年のために実践されているアドバイザーの育成支援活動や役割についての実態調査の調査報告書から抜粋させていただいている資料をお配りしております。 子供のためにどのような活動をしたいですかという問いに対して実は一番多かったのが、困ったときの相談相手。相談相手になりたいと言ってくださっております。二番目に多かったのが、居場所づくりを支援する活動です。そして、下のグラフになりますけども、そのために求めているのは何ですかというふうにお伺いしたところ、自分の力量を高めるための研修機会だというふうにおっしゃるんですね。 例えば私の地元愛知では今ヤングケアラーの居場所づくりのモデル事業をやっておりますけども、地域の方々のお力をお借りしておりますが、その方々は例えば児童心理学とか臨床心理学を学んでみたいというふうにおっしゃっています。関われば関わるほど、こういう場合はどうしたらいいんだろう、私にはまだ足りないというような、その情熱が学びたいという意欲につながっている、そういうお話を聞きます。 例えば、子供食堂に参加されている方は、食育のアドバイザーの資格を取りたいんだというようなことをおっしゃる方もいらっしゃいました。また、部活の地域移行に取り組んでくださっている方は、これを機にちゃんとしたスポーツの指導者としての体のこと、食のこと、メンタルのこと、そういうことを学びたいというふうに言ってくださっております。 こういった地域の思いのある方が学び直しをすることで、より子供に対して自分自身も自信を持って向かい合えるし、この支援の質というのが上がっていくんじゃないかというふうに思います。こういったリカレントこそ文科省が推進すべきだというふうに思いますが、文科大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) リカレントというのか、地域のお子さん方だけではないんですけれども、このボランティアというんですかね、まあ子供さんだけではないと思いますけど、地域を良くするために自分も何らか貢献をしたい、参画をしたい、そう思っていただける方は大変有り難い存在であると思います。 そういった方々がこれまで以上により御活躍していただけるようにしていくために、御自身で足りないと認識しておられる分野をどうやって更に自分の、御自身のレベルをアップしていただくのか、そういうような学びというのか、これはリカレント教育というか、そうなのかもしれません、学び直しというか。こういった方に対しての機会、あるいはその支援、こういうことが何ができるのかということでございます、であろうかと思います。 文部科学省としましては、そのような意欲を持っていただける方々が御活躍していただけるように、学校であり、あるいは学校だけではないと思いますけど、そういうお子さんや青少年のコミュニティーというんでしょうか、そういうようなところ、それから地域が連携、協働して行えるような地域学校協働活動等を始め、地域における広い意味での教育活動の活性化を通じて、活躍の場の創出等を促してまいりたいと考えています。
○伊藤孝恵君 文科省が経産省や厚労省と同じようなリカレント教育の仕組みを打ち出しても、そうじゃないと思うんですよね。やっぱり子供たちを育む上で力を貸してくださるこういった熱量のある方々、そんな方々に力を貸していただくためのリカレント教育、こういったことも視点としてお持ちいただくことをお願い申し上げます。 続きまして、六百八十三億円が計上されております公立学校施設の防災機能強化整備についてお伺いいたします。これ予算を見るとハードに偏っておりますので、今日はソフト面の強化も御検討いただきたいとの思いから幾つか伺ってまいりたいと思います。 能登半島における震災では、輪島の三つの中学は避難所として使用され、授業再開のめどが立たないことから、中学生四百一人のうち二百五十人が一月十七日、集団避難で白山市での学びを再開をいたしました。そして、まさに今日、三月二十二日、子供たちは輪島に戻っています。子供たち本当に頑張りました。 大臣に伺います。 今回の試みには、先ほど御答弁でありましたけれども、よかったこともあれば、やっぱり課題だったこともあるというふうに思います。文科省として、職員を派遣していたというふうに先ほど伺いましたけども、今後、そういった行政、教員のみならず、子供たちのケアに当たった方々や保護者、そして子供たち本人にも調査をし、今後同様の災害があるやもしれない、そういった際の示唆になり得るレポート、こういったものを取りまとめる御予定ございますでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 今回の対応につきまして、我々としても、一月一日発災以降、急遽会議をする、そしてまた、たまたま現地にいる職員も含めて政府の現地対策本部にすぐに参加をしてもらう、そういったことを含めていろいろ対応してきたつもりでございます。 特に、今お話の出ました輪島、その他の地域の方については、ライフラインというんでしょうか、その地域自体がなかなか生活が困難な、道路だけではなく電気、ガス、上下水道、こういったところについても大変困難であったという中で、教育委員会、そして親御さん、御関係の方々と御相談の上、集団的な一時的な避難ということになったわけでございます。 そういったことを含めて、我々としても一生懸命対応してきたつもりではありますが、伊藤先生が御指摘されているように、同じようなことが今後起こるかもしれませんし、またそれはやっぱり地域によっていろいろ当然、差があって当然だろうとは思うんですが、それにしても、こういう場合のときはああやった、こうやったというのが、これやっぱり知見を積み重ねていくということがやはり今後のためになると思います。 先ほどの御回答もしていたところでありますが、まずは阪神大震災で教育についてどういう、こうした、それがやっぱりベースになって、東日本であり熊本であり、またそれが今回も生きている、そういうようなことでもございます。 それで、これは別に教育だけに限った話ではありませんが、防災対応というのも対策も含めて手厚くなってきているところではありますが、今後どのような形で今回のものをうまく知見を生かしていくのか、それは我々としても当然考えていきたいと思っております。
○伊藤孝恵君 大臣のおっしゃるとおり、そういった地域差もあると思います。それから、災害の大きさもあると思います。人数の規模もあると思います。そういった一つ一つの災害、我が国において起こったことに対して、今、子供たちの学びを確保するために文科省がどういった判断をし、自治体と相談をしてどういうような差配をしたのかというのを知見として残しておくべきだというようなことを申し上げております。オンラインでもよかった、でも集団避難をした、その理由は何だったのか。 そして、大臣の所信にもありますが、どのような理由があっても、誰一人取り残されることなく、子供たちの学びの機会を確保することは、文部科学省の使命ですと書いてあります。その使命をこれからも全うするためにそういった知見を残しておくべきだというふうに御進言申し上げておりますが、もう一度御答弁お願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 我々としても精いっぱい、今年一月一日以降頑張ったつもりではございますが、子供たちの学びをできるだけ途切れさせないように、一人一人のですね、どういうふうにしていくのか、今回の災害時の経験も含めましたことを、今後の対応として、子供たちの学びの継続のためにどうすべきか、今回の知見をしっかり把握をして、そして何をなすべきか、こういうことはしっかり検討していく必要があると思いますし、検討しなければならないと思っております。
○伊藤孝恵君 ですから、それを、じゃ、我々にも確認できるように残していただけるという答弁でよろしいですか。
○国務大臣(盛山正仁君) その先生方にも確認できるようにというのは、具体的にはどういうことを御要望されているんでしょうか。
○伊藤孝恵君 よし来いということだったので御進言申し上げますと、今、輪島で実際に起こったこと、それらの良かったこと悪かったことあると思います。そういったことを当事者たちにヒアリングの上、もし同じことが起こった場合に、ここを事前に備えておけばよかったんじゃないか、ここが教訓になるんじゃないか、そういったことをちゃんと残していただきたい、そして私たちにも確認させていただきたい、そういう意図で申し上げました。
○国務大臣(盛山正仁君) この一月一日以降のものはホームページその他で何をしたかはもう分かるようにはなっているわけでございますが、さらに、これまでほかの委員からの御質問の中でも御答弁しているように、転ばぬ先のつえとでもいうんでしょうかね、事前の想定、事前の対応含めてどういうふうにしていくのかというのはしっかり検討し、そしてそれを、まあどのような形になるか分かりませんですが、多くの方々に、あるいは、例えば今回の石川県以外のいろんな地域の方々に理解してもらえるような、そういう措置を講じていく必要はあると思います。
○伊藤孝恵君 大臣所信の中にも、東日本大震災からの復興ということが書かれています。十三年たって、小学生が二十歳になりました。あの経験を基に、今、苦しい中でも記憶を語り、そして、その経験を基に今看護師になったりとか起業家になったりとか、いろいろな子供たちの証言があります。そういった当事者たちの声もまた次に連なる勇気になると、これは教訓になるというふうに思いますので、是非御検討いただきたいと思います。 そして、子供たち、慣れない場所に、知らない学校に家族と離れて突然向かった子供たちの不安、そして送り出した親御さんたちの不安というのは察して余りあります。 私、思うんですけども、ふだんから防災提携校などを想定をして、オンラインで交流をしたりできないものかというふうに思うんです。同じ県内だったり近隣市町だったりしても、なかなか交流がなかったりします。国際交流等ではオンライン交流ってすごく盛んです。それから、ミッションスクール等では結構交流が盛んだったりするんですけど、防災という観点で交流をするという考えについてはいかがでしょう。
○国務大臣(盛山正仁君) それは一つのお考えだと思います。 それで、それを教育という観点で行うことも大事ではございますけど、防災ということであればもっと幅広く、例えば、こういうことが起こったらどこへ避難をするからまず始まりまして、食料、水ですとかそういうものも含めてどうするということを、役所でいいますと内閣府の方になろうかと思いますが、内閣府の防災担当を中心にして各省庁が連携をしてそういったことを構築していく、これが必要なことだろうと思います。
○伊藤孝恵君 是非、ここ文科委員会ですので、子供たちの復興、心の復興も含めたレジリエンス教育の観点ですとか防災教育の観点でいろいろ我々からも防災についてのアイデアを出していきたいというふうに思った次第であります。是非、学びが絶えない学校連携の在り方については、十二分に御検討いただきたいというふうに思います。 次に、現在の公立学校施設の避難所としての防災機能の課題について質問させていただきます。 舩後委員や宮口委員からは、精神障害や知的障害がある方の避難所の課題が提示をされました。確かに、今回、輪島中の体育館はもう全部ガラスが割れてしまって、室内なのに極寒だったわけです。環境変化が苦手な子供たちですとか、それから授乳は到底無理だったと発災翌日に段ボールハウスを届けに行った方がおっしゃっておりました。 避難所にはジェンダーの視点、それからプライバシー保護の視点、そして食と酒の視点が足りなかったと聞きます。また、お酒を飲むのは不謹慎だというふうにおっしゃいますけれども、奥能登の方々、お酒大好きなんです。そして、つらいことがあったらお酒などを飲んで、そしていろいろなことを語り合うというのの視点もなかったというふうに聞きます。 諸外国では、発災の大体三日以内に避難所にシェフとかソムリエとか、そして大道芸人が入るというふうに聞きます。日本の避難所はいつまで寒くて床は堅くて冷えた食事を出すのかと、そういった課題がございます。 そして、現代のインフラはコンビニエンスストアとスマホでございますので、というのも、コンビニにはキッチンがあります。生ものを回転させるノウハウがあるので、セブンイレブンは一都一府二十六県四百七十五市区町村と包括提携を結んでおりますけれども、公立学校とのひも付けまではしていないそうです。 そして、体育館には電源確保のための蓄電池、どのぐらいあるんでしょうか。そして、蓄電スポット、EV車が確保できればスマホ充電できるわけですから、こういったものの地域との連携、どれぐらいこの体育館を基点としてあるんでしょうか。 こういった、避難所として、もとい快適な避難所として機能するために今何が必要かを平時に想定し、備えておくことが必要かというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) おっしゃるとおりでありまして、ふだんできないことは緊急のときにできるわけでは決してありません。それは、これまでの阪神大震災であれ、東日本大震災であれ、同じように感じてきたところでございます。 そういう点で、今回の能登半島地震を契機としまして、今後何をなすべきなのか、先ほど委員がおっしゃったように、いろんな部分で検討し、対応していかなければならないところがあろうかと思います。そういうことを、今回、我々文部科学省だけでできる話ではございませんですけれども、関係省庁、そして地元石川県各市町とも御協力をしていただきながら今後の対応を図っていくことが必要であると、そのように我々も、私も考えております。
○伊藤孝恵君 是非、文科大臣、そして文部科学省としての、平時どういったものが必要かの備え、御検討いただければと思います。 終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 前回の所信の質疑に続いて、本日も教育の無償化について、特に大学の修学支援新制度の成績要件と高校の授業料無償化について聞きたいと思います。 まず、大学の修学支援制度についてです。 これは授業料の減免と給付奨学金を受けられるという制度ですが、これを利用するには学生の家庭の収入要件だけではなく学生個人の成績要件などの条件も課されているわけです。この成績要件については、支援を受けられるかどうかの条件というだけでなく支援を継続できるかどうかの条件にもなっていて、つまり、基準に達しなければ警告を受けると、それが二年連続続けば廃止、つまり給付奨学金も授業料減免も打ち止めされるという仕組みになっているわけです。 ここで確認をいたします、高等教育局長。直近二年の間にこの成績要件によって警告若しくは廃止となった学生はそれぞれ何人いるのか、お答えください。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 令和三年度の支援対象学生三十二万六千人のうち、学業成績の適格認定結果で警告と判定されましたのは約二万七千人でございます。廃止と判定されましたのは約一万八千人になります。また、令和四年度の支援対象学生三十四万七千人のうち、学業成績の適格認定結果で同じく警告と判定されましたのは約三万人、廃止と判定されましたのは約一万八千人でございます。
○吉良よし子君 警告は毎年三万人前後、そして廃止、本当に給付も減免もなくなったという学生が、この二年間、毎年一・八万人ずつ出ていると。要するに、これで給付が打ち切られ、人によっては通学も続けられない状況になっているということで、これ深刻な事態だと私は思うんです。 以前もこの委員会でも取り上げましたが、この成績が下がるという背景に、例えば家族の病気や介護などの事情がある学生もいるわけです。若しくは、こうした支援だけではやっぱりどうしても足りない生活費のためのアルバイトで学習時間が削られている学生もいるわけです。こうした学生も切り捨てるのかということは問われていると思うんです。 しかも、問題は、この成績要件としてGPA下位四分の一という相対評価が基準になっているということなんです。つまり、相対評価ですから、これでは、自分なりに幾ら頑張ったと思っても、ほかの人より成績が低くなってしまえば、ほかの人がもっと頑張っていれば相対的に下位になるということはあり得るし、その下位四分の一から抜けられないということも大いにあるわけです。 だからこれ本当に問題だと思うんですけど、この成績要件について、こども未来戦略では、対象学生に係る学業の要件について必要な見直しを図るとあるわけです。じゃ、この見直しとは何なのかと。お配りした資料、これ財政審の資料ですが、制度の拡充に際しては、対象となる学生の要件を見直し、学習意欲の低い学生の単なる救済とならないようにすべきとあるわけです。つまり、今度制度で対象を拡大していくんだと、それに伴って今後成績要件を厳格化する見直し進めると、そういうことになるのではないですか。高等教育局長、どうですか。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 昨年十二月に閣議決定されましたこども未来戦略におきましては、多子世帯の学生等の授業料等無償化に当たっては、対象学生に係る学業の要件について必要な見直しを図ることを含め、早急に具体化することとされております。 高等教育の修学支援新制度は、大学等における学習を生かして社会で自立し活躍することができる人材の育成を目的として、学業要件についてもこの考えに基づいて設けられているものでございますが、この制度の施行から四年が経過し、この趣旨や目的に照らして見直すべき点はないか確認する必要があると考えております。また、令和六年度からの中間層への拡大、令和七年度からの多子世帯支援により支給対象の学生も大きく増加しますことから、学業要件について変更すべき点はないか精査する必要があると考えております。 このため、文部科学省におきましては、現在、有識者会議において検討いただいているところでございまして、この会議における議論を踏まえ、令和七年度からの開始に向けて着実に準備を進めてまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 厳格化するかどうかはっきり答えられないと、ただ拡大に伴う変更なんだと、これをこれから議論するということなんですけど、それこそ、対象拡大と先ほど来おっしゃっていますけれども、これ前回の質疑でも取り上げましたけど、第三子以上とか理工農とか、かなり対象を限った拡大なわけで、拡大とも言えない、負担軽減とは言えないという指摘をしたところなわけですけれども、その上、更にこの成績要件をこの拡大に伴ってより適切にということで厳格化をしていって、単なる救済とならないようというふうに対象を絞っていくというのは、やっぱり私は認められないと思うんです。 大臣、改めて、成績要件の見直しというならば、やっぱり相対評価をなくす、若しくはもうこの成績要件そのものをやめる見直し、こういう見直しをするべきではありませんか。いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 高等学校の修学支援新制度における学業成績の要件につきましては、学生の社会での自立、活躍を図るという制度の目的と、支援が公費で賄われるものであるということを踏まえて設定しているものでございます。今後ともこういった要件については必要であると考えております。 文部科学省におきましては、これ、今申し上げたことを前提としつつ、支給対象の学生数が増加することも踏まえまして、現行の学業要件についてどのような見直しを図るべきであるか、現在、有識者会議において検討をしているところでございます。今後、有識者会議における議論を踏まえた上で必要な対応を行っていきたいと考えています。
○吉良よし子君 成績要件はあくまでも必要だと、増加を踏まえて検討だと。いや、大臣、せめて厳格化はしないんだとはっきり言うべきではありませんか。いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 失礼しました。先ほど、高等教育と申し上げるべきところを高校教育と言ったようで、そこは訂正させていただきます。 今の吉良先生からの御質問でございますけれども、ちょっと繰り返しになりますけど、学業成績の要件については、学生の社会での自立、活躍を図るという制度の目的と、支援が公費で賄われるものであることを踏まえ設定しているものであり、この趣旨を踏まえ、学業要件の一つとして相対評価を用いているものでございます。 繰り返しになりますけど、現在、この要件につきまして、引き続き継続すべきか、あるいは何らかの見直しを図るべきかについて、有識者会議において検討していただきたいと考えておりまして、この検討結果を踏まえて対応を行っていきたいと考えています。
○吉良よし子君 社会で自立するから、支援が公費だから、それを継続するかどうかを確認するために相対評価は必要だ。でも、相対評価ですからね、絶対評価じゃないんですよ。学生みんな頑張っているわけです。なのに、自分自身が頑張るだけじゃなくて、人を蹴落とさなくては上に行けない相対評価でその成績を測る。その学生の頑張りそのものを正当に評価できるとは到底私は思えないわけです。何より、単なる救済とならないようにと言いながら学生を切り捨てるやり方では支援とは言えないんだと。もう成績要件というのはもうすぐにでもなくすべきですし、相対評価はやめるべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。 続いて、高校の無償化、授業料支援についても伺いたいと思います。 資料二枚目を御覧ください。二〇二〇年度から、政府は、私立高校の授業料の実質無償化をうたいながら、私立高校に関しては年収五百九十万円までの世帯に対して最大年三十九万六千円の支援をしているわけです。この三十九万六千円という支援額、これは私立高校の授業料の平均額を勘案した額だとあるわけですが、私学部長に伺います。 では、最新の私立高校の授業料平均額は幾らになりますか。
○政府参考人(寺門成真君) お答えいたします。 私立高校全日制の初年度授業料の平均額につきましては、最新の調査になります令和四年度におきましては四十四万五千百七十四円となってございます。
○吉良よし子君 現在の金額に引き上げたのが二〇二〇年度までは二年になるわけですが、その二年後の二〇二二年時点でもう既にその今の支援額より四万九千円、約五万円も高い平均額になってしまっているわけですね。 最新の授業料平均額と五万円近い差が生じているのに、これで、大臣、実質無償化と言えるのでしょうか。
○国務大臣(盛山正仁君) 国における高校生等の修学支援につきましては、平成二十六年度に所得制限を設けることで捻出した財源を有効活用することで、私立高校等へ通う生徒への就学支援金の加算の拡充、授業料以外の教育費の支援である高校生等奨学給付金の創設、こういったものを行い、低所得者世帯への支援を充実させました。 また、令和二年度には、私立高校等に通う年収約五百九十万円未満の世帯への支援額を当時の平均授業料を勘案した三十九万六千円まで引き上げるなど、こういったより教育の機会均等に資する制度になっていると考えています。 令和六年度の予算案におきましては、低所得者世帯への授業料以外の教育費の支援であります高校生等奨学給付金を拡充しているところであり、これと併せて授業料の支援を実施することで教育費の負担軽減を図ってまいりたいと考えています。
○吉良よし子君 お答えいただいていないんですね。支援充実させてきたと言うんですけど、当時の平均額に引き上げたと言うんですけど、もう現在の最新の授業料平均額とこれだけ、五万円もの差が出ていると。実質無償化と言えますかと聞いています。
○国務大臣(盛山正仁君) 私どもとしては、できるだけ精いっぱいの御支援をしているところでございます。
○吉良よし子君 できるだけ精いっぱいと言うんですね。 午前中の質疑でもありましたけど、これ、何か、国の支援額がこの程度なので、結局、その足りない部分というのは、今、各自治体が上乗せで支援をするという事態が起きているわけなんです。また、上乗せするだけではなくて、所得制限も先ほど御説明あったようにありますから、年収五百九十万円、これが壁にならないようにということで、横に広げる支援というのも自治体等でやられているわけですね。それこそ、東京都では、この支援額の上限引き上げるとともに、所得制限なしの支援というのもこの四月から始めるということになっているわけですが、しかし、聞くと課題があるわけですよ。 この東京都の制度というのは、午前中の議論でもあったように、この国の制度をベースとしてそれに上乗せをするという制度なので、生徒は、国の就学支援金と東京都の制度と、それぞれにこの収入を証明する書類を提出する、二重の申請を余儀なくされているというんですね。これは、保護者にとっても、申請を受け取る側の学校若しくは都道府県にとっても、その事務負担ってかなり大きいと思うんです。 この国の支援に上乗せして都道府県の支援を行うという仕組み自体が都道府県や保護者、また学校の事務負担を増やしていると、そういう課題があるという認識、大臣、ありますか。
○国務大臣(盛山正仁君) 都道府県が独自に行っている授業料の支援につきましては、私立高校の授業料の平均額や私立高校に進学する生徒数、その割合が大きく異なることから、地域の実情を踏まえて行われているものであり、かつその実施方法や事務についてもそれぞれ異なるものであると認識しております。 文部科学省としては、高等学校等就学支援金の判定結果を都道府県独自の事業の判定に流用することにより事務負担の軽減を図ることが可能であることから、この取扱いについて周知を図っているところでございます。 引き続き、国の支援と地方自治体の独自支援が一体となって教育費負担の軽減が図られるよう、また手続もスムーズに行われるよう努めてまいりたいと考えています。
○吉良よし子君 一体となるようにとおっしゃいましたけど、一体になっていないんですね。 何で東京都の側にも申請が、所得の申請が必要かというと、つまり、国の制度で賄える人なのかそうじゃないのかというのを東京都の側も判断しなきゃいけないから、そっちにも収入を出さなきゃいけないし、国にも出さなきゃいけないし、何だったら申請時期が変わる、違うしということで、その二重の申請が必要だと分からないで申請忘れをするなんということもあって、それでは本当だったら受けられる給付が受けられないという重大な問題が起きているんだと、そういう認識をちゃんとするべきなんですよ。 しかも、午前中にもあったとおり、全ての都道府県で独自の支援ができているわけじゃないわけですね。本当に、場合によっては、独自の支援制度が全くないという県もあるわけです。また、首都圏や近畿圏などの場合は、都県、府県またいで隣の県の私立高校に通うなんということも珍しいことじゃないわけで、しかし、都道府県独自の支援というのは、ほかの県から通ってくる場合、またほかの県に通う場合ということのときに、対象にする県としない県と、これも県によって対応に差があるということですね。 こういう都道府県による支援に違いや格差があること、地域格差があること、これは課題だと思いますし、解消すべきだと思いますが、そういう認識はありますか。
○国務大臣(盛山正仁君) ゴールというんですかね、できるだけその教育の負担を減らす、ここは共通だと思うんですが、そのやり方が国、そしてそれぞれの都道府県や地域によって違いがあるということではないかと思います。 先ほど来お答えをしておりますが、国における高校生等への修学支援につきましては、より教育の機会均等に資するよう、支援の充実を図ってまいりました。 そして、地方でその私立高校の授業料の平均額や私立高校に在学する生徒数、その割合が大きく異なることから、各地方自治体は地域の実情を踏まえてのその独自の支援を行っているということでございますので、この国の支援と、そして上乗せをされている地方自治体の独自支援、これが一体となって教育費負担の軽減が図られるよう、また格差が解消されるようになっていくことが望ましいと我々も考えております。
○吉良よし子君 やはりお答えにならないんですね。ゴールは共通、でも地域によって違いがあるとお答えになるだけで、それが課題だとはおっしゃらない。課題だと思いませんか、地域によって差があるということは。
○国務大臣(盛山正仁君) それは国にも財政的な制約があります。また、地方公共団体にも財政的な制約がございます。地方公共団体の懐具合によりまして、手厚い助成措置ができるところとしたくてもできないところ、こういったところがあるというのが現状ではないかと思います。 そんな中、どのように国民の皆様の教育に対する負担、これを軽減していくことができるのか。我々としましては一歩一歩着実にやってきているつもりでございますが、今後とも、各地方公共団体等ともよく御相談をさせていただきながら、どういうふうなやり方をしていくのがいいのか、検討を進めていく必要があると考えています。
○吉良よし子君 あくまでも課題だとはおっしゃらないと、財政的な制約があるからしようがないよねと。 しかし、財政的な制約っておっしゃいますけれども、国の場合でいえば、軍事費には四十三兆円とかそれ以上とかぼんぼんぼんぼん予算費やしているわけですよ。なのに、この教育ということになると、いきなり制約、制約、優先順位みたいな話になるというのは私は納得がいかないということなんです。 しかも、都道府県からも、この就学支援金については拡充、所得制限の撤廃、要望というのは出されています。時間ないので申し訳ありませんが、こちらで紹介しますけど、東京、大阪、山形、福井、佐賀、五県です。東京や大阪のように独自の支援進めているような県もあれば、都府もあれば、佐賀のように独自の上乗せ支援が進んでいないからこそ国の支援拡充を求めていると、そういうものもあるわけです。ちなみに、所得制限により対象から外れている高校生、大体八十万人いるわけです。これ、全部都道府県で面倒を見ろということなのかということなんですよ。 やっぱり、大臣、都道府県知事の要望にも応えて、所得制限撤廃、全ての高校生を対象に支援拡充して、本気で高校授業料の無償化目指すべきではありませんか。最後、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 文部科学省におきましては、高校生等に対する授業料の支援と授業料以外の支援を併せて実施しておりますが、家庭の教育費負担の軽減策の充実は重要であると考えております。 令和六年度予算案においては、低所得世帯の授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金の給付額を増額したところでございます。その上で、高校生等の修学支援に係る所得制限の撤廃につきましては、様々な教育政策の中で総合的な観点から検討を加える必要があると考えております。 いずれにしましても、文部科学省としては、引き続き教育費負担の軽減を着実に進めていきたいと考えております。
○吉良よし子君 この問題を課題だと認識もされないと、拡充するとも言えないと、それでは駄目ですよ。やっぱり高校の無償化も本気で目指していただかなくちゃいけないし、何だったら私学助成も増やして、私立高校が授業料を値上げしなくても済むようにしなきゃいけない。これは国の責任です。 こういう国の責任を果たすべきであるということを強く申し上げて、私の質問を終わります。
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。 令和六年度文部科学省の予算案についてお伺いします。 まず、医療的ケアが必要な児童生徒への支援についてお伺いします。 〔委員長退席、理事今井絵理子君着席〕 文科省は、医療的ケアのための看護師配置を毎年拡充し、今年度は前年度比八百十人プラスの四千五百五十人分の予算を付けています。財政的に厳しい中、拡充幅を広げていただいており、感謝申し上げます。 しかし、地方自治体からは、看護師配置が財政的に厳しい、募集しても集まらない、国の補助金がもっと出ればという声を多く聞きます。ある市では、時給千二百円で募集をしているが全く応募がない、看護師だけでなく医療的ケアのできるヘルパーでももっと上げてもらわないと事業所が派遣したがらないと、障害のある地方議員の集まりで伺いました。 令和四年の看護師の平均時給は、ボーナスを除いて二千百四十四円ですので、地方であっても千二百円では応募がないのは当然と言えます。財政的に厳しい自治体では時給を上げられず、看護師、ヘルパー配置が進みません。結局、保護者が付き添わざるを得ない状況が続いています。医療的ケアの必要なお子さんが安心して学校生活を送るために、人件費の下支えは必要と存じます。 そこで、看護師出身のあべ副大臣に伺います。 労働力不足で、それでなくとも看護師、ヘルパーの人材確保が困難です。厚生労働省の障害児者福祉サービスの国庫負担率は二分の一になっています。財政的に時給を上げることのできない自治体もあることを踏まえ、補助率を二分の一に上げることはできませんでしょうか。 〔理事今井絵理子君退席、委員長着席〕
○副大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。 文部科学省におきましては、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律、医療的ケア児支援法でございますが、その趣旨を踏まえまして、医療的ケア児に対する支援の充実に取り組んでまいりました。 具体的には、令和六年度予算案におきまして、各自治体等における医療的ケア看護職員の配置に関わる補助事業を拡充するとともに、医療的ケア看護職員等の確保にどのような課題があるのかを整理するための調査研究事業を新たに実施することにしているところでございます。 その上で、御指摘の補助率に関しましては、国と地方の役割分担の観点も踏まえまして慎重な議論が必要と考えておりますが、引き続き、医療的ケア児に対する支援の充実に努めてまいりたいというふうに思います。 これからも御指導よろしくお願いします。
○舩後靖彦君 次に、高校生への修学支援についてお伺いします。 現在、高校進学率は九八%を超え、義務教育を終えたほぼ全ての生徒が高校に通っています。高等学校等就学支援金の拡充により、公立高校に通っている世帯年収九百十万円未満の生徒の場合は実質無償、私立高校に通っている生徒は、世帯年収五百九十万円までの場合、平均授業料の三十九万六千円を上限額として支援金が支給されます。さらに、私学に通う高校生に対しては、都道府県が独自に国の制度に上乗せして授業料などの補助金を出しています。 福井県では、二〇二四年度から二人以上子供を扶養している世帯を対象に所得制限をなくし、福井県内の私立高校平均授業料三十三万五千円まで無償にしました。東京都も、二〇二四年度から国公私立を問わず所得制限を撤廃し、私立高校の場合、四十七万四千円の補助をする方針を決めました。 しかし、多くの自治体で、支援対象となる所得基準が設けられています。今回、東京都で所得制限が撤廃されましたが、対象となるのは都内在住の生徒です。近隣の千葉、埼玉、神奈川県から都内の私立高校に通う生徒は、無償化の恩恵は受けられません。こうした自治体間格差に関して東京都は、同じクラスの中で住む地域によって授業料が無償、有償と分かれることへの指摘はよくいただくとした上で、本来は国が統一的な対応をするべきだとしています。 日本は、中等高等教育における無償教育の漸進的導入を定めた国際人権A規約の十三条二項(b)、(c)に関して留保していましたが、民主党政権の二〇一二年九月、撤回しました。ほぼ全ての子供が高校で学ぶ現在、後期中等教育の高校は当然国の制度として無償化すべきです。 全国私立学校教職員組合連合の調査によると、三か月以上学費を滞納している生徒は、回答のあった三百六十四校中二百三十三校に二千百二十五人、割合にして〇・六八%でした。この数字を全国の私立学校生徒数に当てはめると六千八百三十六人になります。コロナ禍による減収、失業、物価高などの影響で、授業料補助では学費が賄えず、アルバイトをする生徒が増えています。経済的理由でクラブ活動に参加できない、修学旅行に参加できないなど、学校生活、学ぶ権利に支障が出ています。 自治体間格差をなくし、公私立問わず親の収入に関係なく無償にすべきと考えます。即座に無理としても、少なくとも年収九百十万円未満世帯までの私立高校の授業料無償化にすぐに取りかかっていただきたい。福井県、東京都は、百億円単位の予算を掛けて所得制限を撤廃しました。国の予算でできないことではないと思います。大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 国における高校生等の修学支援については、限られた財源を有効活用する観点から、平成二十六年度に所得制限を設けることで捻出した財源により低所得世帯の支援を拡充し、令和二年度には私立高校等に通う年収約五百九十万円未満の世帯への支援額を更に拡充するなど、より教育の機会均等に資するよう、支援の充実を図ってきたところであります。 他方、各自治体におきましては、地域ごとの私立高校等の実情を踏まえた上で国の支援に上乗せして独自支援が行われており、文部科学省としては、教育の機会均等を図るために基盤として行う国の支援とそれに上乗せをして取り組まれる地方自治体の独自支援が一体となって教育費負担の軽減が図られることが望ましいと考えております。 高校生等の修学支援に係る所得制限の見直しにつきましては、様々な教育政策の中で総合的な観点から考える必要があると我々考慮しております。令和六年度予算案におきましては、低所得世帯の授業料以外の支援を充実したところであります。引き続き、教育費負担の軽減を着実に進めてまいりたいと考えております。
○委員長(高橋克法君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(高橋克法君) 速記を起こしてください。
○舩後靖彦君 代読いたします。 日本の教育予算は低過ぎます。OECD平均並みにする必要があります。 大臣、副大臣、私も御一緒しますので、財務省に参りましょう。大臣、答弁をお願いします。
○国務大臣(盛山正仁君) 御発言ありがとうございました。 どのようにすればいいのか、また今後検討していきたいと考えております。
○舩後靖彦君 続いて、私学助成についてお聞きします。 公立小学校では段階的な三十五人学級実現、専科教員の導入がされました。私立学校でも少人数学級を実現するため、専任の教員と専科教員の配置が必要です。 少し数字は古いですが、令和元年度の都立高校では教員一人当たりの生徒数が十四・三人、私立高校では十七・九人。教職員数の公私間格差は歴然です。さらに、障害のある子もない子も安心、安全な学校生活を送るために、校舎の耐震補強、バリアフリー化は必須です。国は、そのための補助金増額の予算措置をすべきです。 私立学校には、幼稚園から大学まで多くの子供、学生が学んでおり、その建学の精神に基づいた独自の校風、教育理念が日本の公教育に多様性をもたらしてきました。しかるに、公立高校の生徒一人当たりの学校教育費百九万一千円に対し、私立高校の生徒一人当たりの経常費助成金は約三十四万五千円と、三分の一です。教育条件の公私間格差をなくし、誰もが経済的負担を気にすることなく、希望する高校、大学を受験し、学ぶことができるよう、経常費助成金の更なる増額が必要です。 大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 私立学校は建学の精神に基づいた個性、特色ある教育を実施しております。そして、我が国の学校教育において重要な役割を果たしていると考えております。 私学助成はこうした私立学校が果たす役割の重要性に鑑みて、教育条件の維持向上や学生等の修学上の経済的負担の軽減、経営の健全性の向上を図ることを目的とし、経常費助成やICT機器の整備推進、施設整備の充実など、様々な支援を行っております。 文部科学省としては、引き続き、幅広い観点から支援施策を推進し、子供たちがどこに住んでいても、どのような家庭環境にあっても、自らが望む教育を受けることができる教育環境の整備に努めてまいります。 御指摘の私学助成につきましては、令和六年度の予算案において昨年度よりも拡充しているところであり、引き続き充実に努めてまいりたいと考えています。
○舩後靖彦君 次に、デジタル教科書導入についてお尋ねします。 令和六年度から、英語は全ての小学校五年生から中学校三年生を対象として、算数、数学は一部の学校の小学校五年生から中学校三年生に段階的に導入されます。 デジタル教科書の価格は、紙の教科書の定価の三八%に設定されているとのことです。一般書籍のうち、専門書はほぼ同額。コミック、小説などは紙の本の定価の九〇から八〇%。ビジネス本などでは五〇%ということもありますが、三八%というのは安過ぎます。この数字の根拠をお示しください。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 デジタル教科書につきましては、一般の書籍と異なり、一律に紙との併用を、現在のところでございますが、前提に導入しております。これを踏まえ、学習用デジタル教科書の価格については、教科書発行者への調査に基づき、編集費などの紙と重複する部分を除いてコストの積算を行い、その分析結果を踏まえ、各発行者と調整を行いながら単価を設定しているところでございます。その結果として、紙の単価と比較して四割程度の単価となったところでございまして、紙の教科書単価からデジタル教科書の単価を算出したものではないということをお答え申し上げます。
○舩後靖彦君 資料を御覧ください。 小中学校英語、小学校算数、中学校数学の紙の教科書とデジタル教科書の定価とページ単価です。元々紙の教科書の定価が原価に対して安過ぎて、少子化と相まって教科書発行から撤退する出版社が相次いでいます。国語は八社から三社に減っています。これでは教科書の多様性が失われ、学校教育が画一化してしまいます。 昨今の紙印刷代の高騰に対し、二〇二四年度予算で三%定価を上げていますが、とても足りません。デジタル教科書は、単に紙の教科書の印刷データではありません。動画、音声データなどのコンテンツを独自に作成したり、関連事項のリンクを貼ったり、紙の教科書以上に時間と労力と費用が掛かります。例えば英語の場合、紙の教科書では、テキストの音声データは別売りCDに収録されていました。しかし、デジタル教材ではQRコードで読み取りになり、価格に反映されません。また、単なる音声データだけでなく、外国人のタレントを使った動画を付けたりするため、動画作成費用が莫大になります。 さらに、デジタル教科書は、製作後も端末のOSやブラウザのバージョンアップに対応し、正確に作動するか使用環境の検査が不断に必要になります。また、デジタル教科書のデータを置くサーバーのメンテナンス費用も教科書会社にとって負担になります。 文科省は、こうしたデジタル教科書作成の労力、費用、動作環境、サーバーの維持管理経費を理解しているのでしょうか。この価格では採算が合わず、やるだけ赤字となります。教科書会社は、学校教育において中心的な教材である教科書作りの責務と社会的要請に応えるため、厳しい経営状況の中、子供たちにより良い内容を届けたいと努力しています。にもかかわらず、紙の教科書、デジタル教科書の価格が適正なものに見直されなければ、教科書会社は経営維持できません。 また、教科書会社だけでなく、全国の学校に教科書を納入する教科書取扱書店にも影響が及びます。子供の数が減り、教科書取扱書店がこの十年で一六%も減少しています。地方や離島では、四月、新学期に学校に教科書が届かないということにもなりかねません。 全ての紙の教科書について原価計算を行い、適正な定価設計をすること、そして、デジタル教科書の価格設定の根拠を大幅に見直す必要があると考えますが、いかがですか。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 教科書を安定的に供給するため適正な価格を設定することは大変重要なことと考えておりまして、文部科学省といたしましては、前年度の定価をベースに、毎年度、物価の変動等を勘案し、適切、適正な教科書価格となるよう努めているところでございます。 各教科書発行者によって製造過程や仕入れの実態等が異なる、様々異なる中、実際に掛かった経費の積み上げによる原価計算により単一の定価を決定することはなかなか困難なものであると考えております。 今後とも、教科書が持つ高い公共性も踏まえ、教科書発行者等にも調査を行いながら適正な教科書価格となるように努めてまいります。
○舩後靖彦君 代読いたします。 教科書は、授業の核となる大切な教材です。子供たちに良いものを届けたいという教科書製作者のモチベーションに頼った状況を改善し、現場の労務量を反映した適正な価格設定の見直しを再度お願いして、質問を終わります。
○委員長(高橋克法君) 以上をもちまして、令和六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部科学省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会