文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2024/03/19
会議録
○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、山本佐知子君及び斎藤嘉隆君が委員を辞任され、その補欠として宮口治子君及び臼井正一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官和田薫君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のうち、文教科学行政の基本施策に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○赤松健君 自由民主党、全国比例、赤松健でございます。質問の機会をいただき、ありがとうございます。 まずは、クリエーター、アーティスト育成支援の基金についてお聞きいたします。 文科大臣の所信でもありました次世代のクリエーター、アーティストの育成やその活躍、発信の場でもある文化施設での次世代型の機能強化に関する複数年度の基金事業について、これを実効性あるものにするためにどのような内容を考えているのか。あと、これまでの支援と比較して、特徴も踏まえて教えてください。あと、今回の基金事業によってどのような結果を目標としているのかもお教えください。
○国務大臣(盛山正仁君) 我が国の漫画やアニメ、音楽、現代アート、伝統芸能などのコンテンツは海外でも高く評価されており、国内市場にとどまらず、世界に発信することにより、我が国の成長力の強化にも資するものと考えております。 これまで文化庁において、各年度において若手芸術家の表現活動を支援してまいりましたが、その中でも、特に才能があり、今後国内外で活躍が期待されるクリエーター、アーティストについては、戦略的に選抜し、公演の企画、制作から海外展開まで複数年度にわたって支援することが重要と考えております。このため、令和五年度補正予算において、次代を担うクリエーター、アーティストの育成支援のための基金を設置し、現在、公募に向けた準備を進めているところです。 この基金の執行に当たりましては、既存の事業に比べて、グローバルに活躍する人材の育成、海外展開に重点を置いた審査を行う予定としているとともに、独立行政法人日本芸術文化振興会に新たに専門の委員会を設置して、専門的見地から複数年度にわたって事業の進捗状況の把握や助言、成果の検証を行う体制を整備することとしております。 この基金による支援を通じて、次代を担うクリエーター、アーティストの活動をしっかりと後押しをして、我が国の文化、芸術の国際的なプレゼンスの向上、コンテンツ市場の拡大、海外との文化交流を通じた相互理解の促進につなげてまいりたいと考えております。
○赤松健君 ありがとうございます。 次に、AIと著作権に関してお聞きいたします。 大臣所信でもありましたAIと著作権については、文化庁が、文化審議会の著作権分科会法制度小委員会での有識者の議論を経て、昨年十一月にAIと著作権に関する考え方についてという骨子案を、続いて、あと十二月にその素案、これを公表されました。そして、今年の一月から二月にかけてパブリックコメントが実施されまして、約二万五千件という物すごい数の御意見が寄せられました。この数は、AIと著作権という問題についての関心の高さ、文化庁がこのような考え方を出すことについての反響の大きさがうかがえます。 そして、このパブコメを経て取りまとめられたものが先ほど公開されたようです。以降、これを素案じゃなくて本考え方と省略して呼ばせていただきます。その本考え方を出すに至った経緯を教えてください。また、パブリックコメントに応じて多数の意見が寄せられた、このことについて文科大臣の所感を教えてください。
○国務大臣(盛山正仁君) 赤松委員よく御案内のとおり、AIと著作権の関係につきましては、これまでも、クリエーターなどの権利者、AIの開発事業者、AIの利用者、それぞれの立場から懸念の声が示されていた状況でありました。 今回の考え方は、これらの懸念の払拭に向けて、文化審議会における議論を経た上で現時点における著作権法の考え方を再整理し、お示しをしたものであります。 また、この考え方に対するパブリックコメントでは、先ほど赤松委員から御指摘のとおり、約二万五千件という大変多くの御意見をお寄せいただきました。御意見をいただいたことに感謝するとともに、AIと著作権につきまして関心がこれだけ高いんだということを認識したところでございます。 今後は、この考え方についての正確な理解の促進に向けまして、それぞれの関係者にとって分かりやすい形で周知啓発するよう努めてまいりたいと考えています。
○赤松健君 本考え方では、現時点で著作権法の従来の考え方との整合性を考慮して、その範囲内で検討されているものと理解しております。 今後も技術の発展等を踏まえて検討していくのか、教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) 本考え方は、御指摘のとおり、クリエーター等の権利者の懸念を払拭するとともに、AIの利活用に係る著作権侵害のリスクを最小化できるように、現時点における著作権法の考え方を再整理したものでございます。 文化庁におきましては、相談窓口等を通じた著作権侵害に関する具体的な事例の集積、AIやこれに関する技術の進化、諸外国における検討状況の進展等を踏まえながら、引き続きこれらの状況に応じた必要な検討を行ってまいりたいと考えてございます。
○赤松健君 ありがとうございます。 AIと著作権の問題を考えるに当たって、まず、著作物をAIに学習させる段階と、生成AIによって生成物を生成、利用する段階のこの二つに考えて分ける必要があるというのは、この本考え方でも明記されております。 その上で、まず学習段階においては、著作権法三十条の四がこれ問題となっております。この三十条の四は、著作物に表現された思想又は感情を自ら享受し又は他人に享受させることを目的としない場合、つまり、非享受目的である場合に限って著作権者の許諾なく当該著作物を利用できる旨規定しています。その上で、享受目的と非享受目的が併存している場合には三十条の四の本文の適用はないということは以前から示されているところでした。 ただ、生成AIにおいて享受目的と非享受目的が併存する場合とはどういう場合なのかはよく分かりませんでした。この点がある程度明確になったという認識ですので、具体例を挙げて確認いたします。 例えば、私が昔描いた漫画で「ラブひな」という漫画ありますけど、その「ラブひな」という漫画のキャラクターの絵を、絵だけを複数枚追加学習をさせて意図的に読み込ませた絵と、表現のコアな、表現上の本質的な部分について共通した絵を出力するという、こういう目的を持って学習させる場合は享受目的があるという考え方になるか、教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 お尋ねのような場合には、追加学習の程度等にもよりますが、御指摘のとおり、考え方でお示ししている享受目的が併存する場合に当たり得ると考えてございます。
○赤松健君 私の「ラブひな」に出てくるキャラクターの絵を学習した画像生成AIを使ったところ、この「ラブひな」に出てくるキャラクターの絵と、あと表現のコアな部分が共通した絵ばっかり大量に生成できると、こういった事情がある場合に、これは享受目的があるだろうと推認する事情になり得るという考え方になるか、教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 学習で用いた著作物と創作的表現が共通した生成物の生成が著しく頻発するといった事情は、この考え方においてお示しいたしておりますとおり、開発、学習段階における当該著作物の利用について享受目的の存在を推認する上での一要素になり得ると考えているところでございます。
○赤松健君 本考え方では、三十条の四のただし書の適用に関して、まず、有料、有償販売データベース、あとロボットテキストの記述によってこのクローラーのアクセス制限の措置をすると。あと、IDとパスワードを使った普通の認証によるアクセス制限とか、そういう措置の評価についても言及されています。 例えば、私の作品の、これまでの作品の全ての絵をあらかじめAI学習用に整理したデータベースにして、これを特定のウェブサイト上に置いて、勝手に読み込まれないように先ほどのアクセス制限など掛けた上で、そのデータベースをライセンスなり販売しようとしたとします。このアクセス制限を回避して、勝手にこのデータベースの全部又は創作的表現部分と言える一部分をAI学習のために読み込ませるという行為は三十条の四のただし書に該当し得るという考え方になるか、教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 お尋ねのような場合は、本考え方でお示しをいたしておりますとおり、著作権法第三十条の四ただし書に該当し得るものであり、したがって同条による権利制限の対象とはならない、すなわち著作権侵害があり得るということが考えられるというところでございます。
○赤松健君 次に、依拠性について、例えば私の拙作「ラブひな」のキャラクターの絵をイメージ・トゥー・イメージ、I2I、生成AIに指示入力したり、「ラブひな」のこのキャラクター名そのものを入力したりするという場合には、これ依拠性が認められるという考え方になるかも教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 お尋ねのような場合、本考え方でお示ししているとおり、当該既存の著作物に対する依拠性が認められ得るものと考えてございます。
○赤松健君 依拠性について、例えば、生成AIの利用者が「ラブひな」のキャラクターの絵を、表現内容をこれ知らなかったとしても、そもそもその絵がAIに学習されていた場合には依拠性が推認されて、これに対して利用者から反証がない限りは依拠性が認められるという考え方になるのかも教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 お尋ねのような場合は、本考え方でお示しを申し上げているとおり、AI利用者は既存の著作物を認識していないものの、それがAIの学習に用いられていることにより客観的に既存の著作物へのアクセスがあったと認められることから、通常、依拠性があったと推認されるものと考えているところでございます。
○赤松健君 文化庁は、先ほどお話あったとおり、今後は周知啓発を図っていくとされておりますけども、具体的に、いつまでに誰に対してどのような周知啓発を予定しているのかも教えてください。架空の作品でもいいので、これまで確認してきたように、なるべく具体例を出して分かりやすく伝えていくことが大事だと思います。また、事業者とか提供者、利用者が萎縮しないようにする必要があると思いますが、どうでしょうか。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(盛山正仁君) 著作権などの侵害リスクに関するクリエーターの懸念を払拭することと併せて、この考え方が拡大解釈されることでAI開発事業者やAIサービス提供事業者が萎縮することを回避するという観点から、この考え方についてそれぞれの関係者に正確に理解していただくことが重要であると考えております。 このため、クリエーターなどの権利者やAI開発事業者、AIサービス提供事業者、AI利用者といったそれぞれの当事者向けに、赤松先生御指摘のとおり、具体例も交えて速やかにポイントを分かりやすく発信してまいりたいと考えております。さらに、著作権侵害を防ぐためには、この考え方だけではなく、著作権制度全般に関する基本的な考え方についての理解が重要であるとも考えております。 引き続き、セミナーや講習会などを通じて広く周知啓発に努めてまいります。
○赤松健君 ありがとうございます。 今回のパブリックコメントを受けて、文化庁は、クリエーター等の生の声が反映されたものであり、このような声の存在を十分に踏まえていくことが重要だと考えています、あと、本パブリックコメントでお寄せいただいた皆様の声を踏まえながら、関係当事者の間における適切なコミュニケーションの実現に向けて、各省庁とも、関係省庁とも連携しながら取り組んでまいりますという発表をされています。これ、結構すごいことです。 具体的にどういう取組を想定しているのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 ただいま大臣から御答弁を申し上げましたとおり、今回の考え方の周知徹底にはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。その上で、ただいま御指摘がありました今回のパブリックコメントでいただいた御意見のうち法解釈のみでは対応できない部分につきましては、民間の関係当事者間での対話を通じて適切な生成AIに関する著作物利用についての認識の共有がなされることが望まれるところでございます。 このため、文化庁といたしましては、このような取組を促し、AIの適正な開発及び利用の環境を実現する観点から、一つには生成AI及びこれに関する技術、二つにはAIの学習データにおける著作物の望ましい利用方法、三つ目には海賊版を掲載しているウェブサイト等につきまして、関係者間で情報共有をする場の創設を検討しているところでございます。 関係省庁や関係団体とも相談の上、速やかな実現に向けて検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○赤松健君 学習元データの透明性と対価還元の仕組みについて、私は画像生成AIが急速に発展したおととし辺りからこの問題に取り組みまして、様々な団体とか権利者からヒアリング重ねてまいりました。 昨年一月と七月に、AI開発者とあとクリエーターと法律の専門家をゲストに、画像生成AIの発展や課題に関するユーチューブ動画も発表しております。その動画の中で、クリエーターからの懸念の解決策として、学習基データのこの透明性の確保する、これが一番重要であると。また、法律によるのではない方法で権利者への対価還元の仕組みが必要だと訴えてきました。 こういった仕組みは民間が率先して構築していく方がいいんですけれども、ただし、本考え方の終わりの方で、コンテンツ創作の好循環の実現を考えた場合に、著作権法の枠内にとどまらない議論として、技術面や考え方の整理等を通じて、市場における対価還元を促進することについても検討が必要であると考えられると記載されています。 国が検討の必要性を明確にしている以上、国としてどういった仕組み構築を積極的に後押ししていくべきなのかと、文化庁の考えをお聞かせください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 この考え方でお示ししているとおり、クリエーター等の権利者に対する対価の還元は、著作権法の枠内にとどまる議論ではなく、横断的見地から、内閣府知的財産戦略推進事務局等において議論が進められているところでございます。文化庁もこれに協力しているところでございます。また、AI学習についての対価還元に関しましては、民間の関係当事者間での対話を通じて、生成AIにおける著作物等の利用についての認識共有が図られることも重要であると考えているところでございます。 したがいまして、文化庁といたしましては、先ほど御答弁申し上げましたAIの適正な開発及び利用の環境を実現する観点から、AIの学習における望ましい著作物等の利用方法等について、関係当事者間で情報共有を図る場の創設を検討しているところでございまして、今後、関係省庁とも連携して、この当事者間の情報共有の場の速やかな実現に向けて検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○赤松健君 本考え方では、今後、著作者人格権や著作隣接権とAIとの関係において検討すべき点の有無やその内容に関する検討を含め、様々な技術の動向や諸外国の著作権制度との調和、ほかの知的財産法制における議論の動向なども見据えつつ議論を継続していくことが必要であるとされています。 この点に関して、昨今、特定の声優さんとか歌手の声を大量に学習して、その声優や歌手の声を再現できる生成AI、もうネット上で非常に問題になっております。声といっても、これは著作隣接権の対象となる実演に該当する場合もしない場合も考えられるということを踏まえて、この問題について現状をどのように考えているか、また今後どのように議論を継続していくのか、お聞かせください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 ただいま御質問がございました、声優の方々などの声が生成AIにおいて模倣される懸念に対して、声についての法的な保護を求める意見があることは承知をいたしてございます。 声優が脚本等の著作物に従って演技する場合は、著作権法上の実演に当たりまして、実演家である声優の権利が著作権法により保護されてございます。他方で、いわゆる声の質、声質につきましては、著作権法による保護の対象とはならないと考えております。著作権法による保護の対象とならない場合でございましても、声を利用する行為は、その態様によって、著作権法以外の知的財産権、例えば不正競争防止法などでございますとかいわゆるパブリシティー権の侵害となる場合もあると考えているところでございます。 生成AIにおけます声の保護につきましては、内閣府の知的財産戦略推進事務局のAI時代の知的財産権検討会におきましても検討が行われておるところでございまして、文化庁としては、このような関係省庁における検討ともしっかりと連携してまいりたいと考えてございます。
○赤松健君 ありがとうございます。 AIはこれくらいにして、次は、新たな裁定制度に関するアウト・オブ・コマースの扱いについてお聞きします。 昨年に成立した著作権法改正のうち、新たな裁定制度、これ昨年の文教科学委員会で、私がこれ、新たな裁定制度におけるアウト・オブ・コマース作品の扱いについて質問いたしました。今は市場に流通していないアウト・オブ・コマース作品に、禁無断複製などの定型的な表示があるからといって、それをもって直ちに新制度の対象外にしてしまっていいのかという問題意識をお伝えしました。 その際、具体的な判断に関する運用は施行日までに文化庁がしっかり詰めるという回答をいただきました。この点について、その後の検討状況を教えてください。
○国務大臣(盛山正仁君) 新たな裁定制度では、利用の可否や条件など著作権者の意思が確認できない著作物等について、一定の要件の下で利用を認めることとしています。 通常、著作物、書籍等にされた複製禁止、転載禁止などの表示は、著作物の利用を禁止する著作権者による意思表示と理解されますが、いわゆるアウト・オブ・コマース作品については、過去の時点での利用の可否が示されてはいるものの、当該表示をもって一律に現在の著作権者の意思を判断すべきでないとする意見があったことなどから、文化審議会におきましては、著作権者の意思をどのように確認するかについては今後の検討課題とされたものと認識しております。 これを踏まえまして、昨年の七月、文化審議会において改めて議論を行い、アウト・オブ・コマース作品のうち、過去に公表された時点で示されている複製禁止、転載禁止などの記載にかかわらず、新たな裁定制度の対象となり得る範囲の明確化を図りました。 この検討結果を踏まえた上で、今後、改正法の施行日までに、新たな裁定制度における著作権者の意思の確認方法など、必要な事項を告示として定めてまいりたいと考えております。
○赤松健君 ありがとうございます。 次は、ゲーム関連資料のアーカイブについてです。 ゲームの企画書とか原画などのゲーム関連資料の保存と利活用は、現状、ただビジネスにはつながりにくいということで、ゲーム会社など民間で促進するに当たって課題があると聞いております。 しかしながら、こういったゲーム関連資料は、これまで世に出たゲームがどういう意図でどういう試行錯誤を経て製品になったのかのノウハウが詰まっているんですよね。ゲーム開発に関わる人にとって貴重な資料になり得ると。また、ほかのコンテンツを作る上でも参考になる可能性が大いにあると思っています。私としては、文化的価値の高い資産としてこのゲーム関連資料もしっかりアーカイブしていくべきだと思っています。 昨年、アメリカのニューヨーク州ロチェスターにあるストロング遊びの博物館という、ゲーム所蔵数では世界最大規模を誇る博物館に視察に行ったんですけれども、ゲームだけじゃなくて、ゲームの企画書、設計書などがしっかり保存されていました。 日本で開発されたゲームに関する資料がどんどん海外に流出して、価値に気付いたらもう既に遅いというようなことになりかねません。こういったゲーム関係資料のアーカイブについて、政府のアーカイブ推進政策の中での位置付け、これを教えてください。また、文化庁の取組状況を教えてください。
○政府参考人(合田哲雄君) お答え申し上げます。 令和五年六月に閣議決定された知的財産推進計画二〇二三におきましては、ゲームも含めたメディア芸術につきまして、我が国の優れたメディア芸術分野の人材育成及び関連資料の収集、保存、展示、活用を推進すると定められているところでございます。 文化庁におきましては、この知的財産推進計画二〇二三などを踏まえまして、これまでも、ゲーム関連資料のアーカイブ推進を図るために、大学やゲーム保存団体等におけるアーカイブの取組への支援、ゲーム作品名や制作年、それから制作会社等の情報が閲覧できるメディア芸術データベースの整備等に取り組んできたところでございます。今年度は、それらの取組に加えて、ゲーム制作会社を対象に、ゲーム制作工程上発生する絵やプログラム等の中間生成物が置かれている状況に関するアンケート調査を実施し、実態の把握にも努めているところでございます。 また、来年度より、予算をお認めいただければ、新たに中間成果物の収集、保存、活用に係る調査研究事業を漫画、アニメ分野より実施することとしており、ゲーム分野の着手に向けた検討も行ってまいりたいと考えているところでございます。 引き続き、関係者、関係機関等とも連携をしながら、これらの施策にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○赤松健君 最後に、宇宙政策についてお聞きします。 大臣の所信でもお話ありましたとおり、今年一月にJAXAの月着陸実証機のSLIMが、何と目標地点から約五十五メートルのところにピンポイント着陸したと。すばらしいですね。あと、本年二月にはH3ロケットの打ち上げにも成功しました。世界での日本の宇宙技術のプレゼンスを高める、非常にすばらしい結果ですよね。 国家戦略としては、昨年、JAXA法を改正して基金を設立して、民間事業者や研究機関をサポートする体制をこれ整えました。基金の執行に際しては、本年度内に取りまとめる宇宙技術戦略を参照していく予定となっているものと認識しています。 このような中で、先日、民間企業によるロケット打ち上げがこれ残念なことに失敗してしまいました。ただ、これに臆せず、果敢にチャレンジしていただきたいと私は思っているんですよね。こういった民間企業のこの失敗、失敗と言っていいのか、失敗はないんですけれども、次のデータになりますからね、その後の更なるチャレンジについて、国が支援することとか仕組みがあれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) 委員御指摘のとおり、近年、宇宙開発の主体が官主導から官民連携へと変わりつつある中、我が国の民間企業等による宇宙分野での技術開発や事業化の取組、これを支援していくことは重要であると考えております。 文部科学省としては、JAXAとともに、様々な業種の民間企業の宇宙事業への参画を期待した官民協業によるJAXA宇宙イノベーションパートナーシップや、宇宙分野のスタートアップなどが有する先端技術の社会実装の促進を目的とした中小企業イノベーション創出推進事業、こういったものを通じまして我が国の民間企業等における研究開発を支援しているところです。 また、これらの支援に加えまして、令和五年度補正予算において宇宙戦略基金を新たに設置しました。民間企業等の主体的な研究開発を強力に推進することとしております。 今後も、関係機関と連携し、我が国の民間企業等における宇宙開発への挑戦を支えてまいりたい、ほかの国との競争に負けないように支援をしていきたいと考えております。
○赤松健君 ありがとうございました。これで質問を終わります。
○下野六太君 公明党の下野六太でございます。 本日は質問の機会を与えていただきまして、心より感謝申し上げます。 それでは、早速質問の方に入らせていただきます。 教員不足による悲鳴が私のところにもよく届いてきておりまして、そのたびに何とかできないものかと心を痛めております。教員不足の改善のためには、もう処遇改善をしていくということが非常に重要ではないかということを再三申し上げてまいりました。教職調整額の方が基本給の四%というような状況が四十年以上にわたって変わっていないというような状況がありながら、やはり国の根幹を成す子供たち、未来の日本を支えていく子供たちを育成をしていく一番重要な教育に携わる教師の処遇をやはり国家として変えていくということが非常に重要ではないかと思っております。 基本給をしっかりと、ここに目を向けて、基本給をしっかり上げていくというようなことをなすべきだというふうに思っておりますけれども、このことについて、今後の見通しをお願いしたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) 今、下野議員が御指摘になられたとおり、教師は学校教育の充実発展に欠かせない存在であり、教師に優れた人材を確保するため、教師の処遇改善は重要な課題である、待ったなしの課題であると認識しております。 骨太方針二〇二三におきましても、崇高な使命と高度な専門性、裁量性を有する専門職である教職の特殊性や人材確保法の趣旨等を踏まえ、教職調整額の水準や新たな手当の創設を含めた各種手当の見直しなど、具体的な制度設計の検討を進め、教師の処遇を抜本的に見直すとの方向性が示されております。 中央教育審議会におきましては、今後の議論の状況にもよりますが、本年の春頃に一定の方向性を取りまとめていただくことをめどとしております。 文部科学省としては、中教審における議論も踏まえ、学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進めてまいりたいと考えております。
○下野六太君 本年の春頃に、めど、目途にということでありましたけれども、今もう春になってきつつありますので、是非とも急いでお願いしたいと思っております。 続きまして、以前の質問でも少し触れさせていただきましたけれども、現場の先生方が足りていないというような状況、教師不足の状況がどこの学校でもあるというような状況と、そして、現場に、教育現場に赴任をしていく、新規の採用によって赴任をされていく先生方のスキルアップを同時に私はかなえていかなければいけないというふうに思っているんですけれども。 私は、二〇一六年から、二〇一六年四月から二〇一八年の三月までの二年間、宗像市の中学校で勤務しながら、夜間で福岡教育大学の大学院で学ばせていただきました。その際、同期となった六人に、年間の全ての体育の学習指導現場に招き入れました。一年目は私の全ての授業を見せて、学習指導のポイントを解説をさせていただきました。二年目は二人で一クラスを担当をしてもらい、大学院生が五クラス中三クラスを担当することにしました。私は二クラスを担当し、私がまずは授業をやって見せ、私の学習指導を見た大学院生が担当するそれぞれのクラスで授業に挑むというものでありました。 現場経験がない大学院生たちに対して懐疑的な意見がほとんどでありました。大学院生がそんなに授業が上達するわけがないというのが大方の予想でしたが、しかし、それらの予想は数か月で完全に裏切られるものとなりました。若い大学院生たちは学習指導力を身に付けて、子供たちの成長を促していくことになりました。中学生たちも喜びましたが、最も喜んでいたのは大学院生たちでありました。大学四年間の教員養成課程を修了して大学院に進学をしているわけですから、教員免許を有していますので、このような教員免許を有している大学院生たちを教育現場で非常勤講師として積極的に招き入れていくべきではないかというふうに思っております。 その理由のうちの一つに、教育研究の中で、例えばサッカーでいえば十二時間、単元、一時間目から十二時間目まである。このうち、教育現場に出ていったときに、このサッカーという単元で研究発表会が行われるとしたら大体どのくらいの位置付けで何時間目を授業で公開をするのかといったときに、十二時間の、一単元の十二時間の中で、ほとんどの場合は八時間目とか九時間目とか十時間目辺りを授業公開するわけですね。 そうするとどういうことが起こるかというと、新規採用で行って、教育現場に行って、研究発表の機会に足を踏み入れ積極的に学ぼうとする若い先生たちが見たいのは、実は一時間目の授業をどうするのかとかいうことを見たかったりするわけですね。そういったことは見る機会はあります。それは同じ職場に勤めている同僚の先輩の授業等を見せてもらうということはあります。しかし、一時間目、二時間目、三時間目、そして最後の十二時間目を一体どうするのかというようなことがなかなか公開をされないというようなことも含めて、大学院生たちが、教員免許を有している大学院生たちが教育現場に出て積極的に自分自身が学びながら授業のスキルアップを目指していくということを奨励していったならば、じゃ、一時間目の授業はどういう展開にしていけばいいのか、最後のまとめ方はどうすればいいのかというようなことまで学べるのではないかというふうに思っておりますので、この点について、文科省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 教師の能力形成のためには、養成段階におきまして、教職課程の科目と現場での教育実習を始めとした実践を相互に関連付けながら繰り返しながら学ぶという、理論と実践の往還が必要だと考えてございます。 大学院段階で学校現場で教育活動を体験する機会を持つことは有意義であるというふうに考えてございまして、教職大学院につきましては、御承知のとおり、十単位以上で学校等での実習が必須となっているところでございます。教職大学院としての実習と学校の教育活動の双方が円滑に行われる等に留意しつつ、大学院生が非常勤講師として勤務できる仕組みを構築することも有効であるという旨、各大学に通知を行ったところでございます。 教職大学院以外の大学院につきましてでございますけれども、これは幾つかの大学院で学校等での実習を教職課程の科目として開設するところがございまして、インターンシップなど教育現場の実習を開設し、把握してございます。また、授業外、課程外におきまして、自治体と連携して、大学院生として学びながら授業外の時間に非常勤講師として学校現場で働くといったことの制度を設けている例もあると聞いてございます。 このように、大学の取組を今後とも推進してまいりたいと考えてございます。
○下野六太君 いずれは是非とも教育現場に招き入れたい学生たち、院生たちをしっかりと早い段階で教育現場に招き入れて、そこですばらしいスキルを身に付けていくということは子供たちの成長に資するというふうに思っておりますので、是非ともこの仕組みをしっかりとした形で構築してもらえればと思います。 続いて、子供たちの健全育成についてお尋ねしていきたいと思います。 昨年一年間の出生数が七十五万人台であったとの報道がなされました。八十万人を割り込んだことが大きな衝撃でありましたが、一昨年七十七万人から、昨年は七十五万人台にまで減少してしまっております。その一方、不登校児童生徒の数は右肩上がりに増え続けております。こちらも歯止めが掛からないような状況であります。出生数が減少を続けているこの時代に誕生した宝の子供たちを不登校や引きこもりとならないようにせねばならないと思います。 ここで、子供たちの健全育成について三点を提案をさせていただきたいと思います。 一つが、子供たちに自然を介した外遊びを保障する。二つ目、十歳になるまでは一日十五分間の本の読み聞かせ、それ以降の年代におきましては読書の推進。三つ目、心身の健全な成長のための食生活。 上記三点に対して、こども家庭庁、そして文科大臣の所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(盛山正仁君) 済みません、私の方からまずお答えをさせていただきます。 委員御指摘の点は、いずれも子供たちの健全育成に当たって大変重要なポイントであると我々も同感をしております。 文部科学省としては、学校教育における情報化を進めておりますが、リアルな体験こそが重要であるというふうに考えており、例えば自然を介した外遊びや体験活動については自己肯定感や自立性、協調性を育む上で重要であり、発達段階に応じて多様な体験活動を経験することが不可欠であると認識しております。 また、本の読み聞かせや読書につきましては、言葉を学ぶということだけではなく、感性を磨き、想像力を豊かなものにして人生をより深く生きる力を身に付けていく上で、これまた欠かせないものであると認識しています。 健全な食生活につきましては、食事は健康を保ち、体の成長や活動のもとになり、生活のリズムをつくることから、健康に良い食事の取り方などについて考え、望ましい食習慣を形成することは、子供の心身両方の健全な成長を図るためには欠かせないものであると考えております。 当省としては、引き続き子供たちの健全育成のための取組を着実に推進してまいる所存です。
○政府参考人(黒瀬敏文君) お答え申し上げます。 全ての子供が、委員御指摘のとおり、多様な遊びですとか読書、食育等に触れる機会を確保することは、子供の健全育成の観点から大変重要なものであるというふうに認識をいたしております。 例えば、昨年十二月に閣議決定をいたしましたこども大綱におきましては、子供、若者が多様な体験や外遊びを含む様々な遊びができるようにしていくことですとか、子供の読書活動の重要性、食育の推進などを明記しているところでございます。 また、同じく昨年十二月に閣議決定をいたしましたはじめの百か月の育ちビジョンというものですとか、あと、子供の居場所づくり指針におきましても、乳幼児の成長における外遊びや絵本などの遊びと体験の重要性ですとか、あと、子供が居場所を持ち、多様な体験活動や外遊びの機会に接することの重要性について記載をしているところでございます。 こうした政府の方針に基づきまして、子供の居場所づくりの推進などに取り組むとともに、関係省庁と連携して子供の健全育成をしっかりと図ってまいりたいと考えております。
○下野六太君 国を挙げて宝の子供たちの健全育成のために何ができるのか、何をすべきなのかということを常に考えて私たちはこれからも取組を前に進めていかねばならないということを決意をさせていただきたいと思います。 それでは、その一つ目の提案の外遊びにつきまして、幼稚園、保育園、こども園、小学校のグラウンド、公園等、子供たちが安心して外遊びができる環境を整える必要があると思います。現在の園庭設置基準を満たしている幼稚園や保育園や、子供たちの遊びの保障のためにもう少し広げたいと考えている園や学校、さらには球技の遊びにも対応できる公園の設置に対してしっかりと支援をしていくべきではないかと思いますが、文科省、こども家庭庁、国交省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(笠原隆君) まず、文部科学省よりお答えいたします。 幼稚園や小学校は子供たちの学習、生活の場であり、自発的な遊びを含め、多様な活動に柔軟に対応できる環境を確保することが重要だと考えております。 文部科学省といたしましては、学校施設の計画、設計における留意事項を示した学校施設整備指針を策定しており、この中で、幼稚園については、自然の中で伸び伸びと体を動かして遊ぶなど、幼児の興味や関心が戸外にも向くよう園庭や遊具の配置を工夫することが重要であることなどを示しております。また、様々な屋外環境の整備例を掲載した事例集を作成し、全国の学校設置者に周知しているところでございます。 文部科学省といたしましては、学校において健康で安全に過ごせる豊かな環境が確保されるよう、引き続き学校設置者による創意工夫ある取組の支援に努めてまいります。
○政府参考人(黒瀬敏文君) こども家庭庁の方から答弁申し上げます。 先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、はじめの百か月の育ちビジョンにおきましては、外遊びなど子供の興味、関心に合わせた豊かな遊びと体験の機会を保障する必要があることを明示したところでございまして、保育所や認定こども園におきましても、子供が外遊びできる環境や機会をつくっていくことが大変重要であるというふうに考えてございます。 そのようなことも踏まえまして、保育所保育指針というものがございますけれども、こういったものにおきましても、子供の健康な心と体を育て、自ら健康で安全な生活をつくり出す力を養うため、子供が進んで外遊びをすることを求められる保育内容として規定をしているところでございまして、また、こういった観点も踏まえまして、例えば、保育所等の子供が外遊びをする際の準備や見守りなどを行う保育支援者の雇い上げに必要な費用の補助などを行っているところでございます。 また、設備面におきましても、保育所等に対しまして、先ほどの保育、外遊びの場として園庭というのがございますけれども、こういったものを設置基準等で求めているのももとよりでございますが、保育指針の方におきましても、子供が保育所等の外に出ることに興味を持つように動線の配慮や遊具の配置などを工夫することを求めているなど、子供たちが進んで外遊びをする環境の整備に努めているところでございます。 さらに、新年度予算案におきましては、外遊びなど遊びと体験の機会を保障することの重要性について、動画等の作成、広報を通じて保育所等の保育者などに周知することなども予定しているところでございます。 こうした対応を通じて、保育所等に通う子供が自然などの様々なものに触れる機会や環境を整えてまいりたいというふうに考えてございます。
○政府参考人(勝又正秀君) 国土交通省といたしましても、子供が安心して外遊びができる環境の整備は重要であると考えております。 都市公園における球技、ボールを使った遊びへの対応といたしましては、サッカー場、野球場などの運動施設だけではなく多目的な外遊びにも対応できる広場などの整備を行う地方公共団体に対して、社会資本整備総合交付金などで支援を行っております。 ボールを使った遊びを始め、子供の様々な外遊びのための環境の充実が図られるよう、引き続き地方公共団体の取組をしっかりと支援してまいりたいと思います。
○下野六太君 こども家庭庁のそういった取組を、関係機関、関係団体、関係者のみならず、広く国民に宛ててもやっぱり周知してもらいたいなと思います。保護者がそのことを御存じなかったりするわけですね。関係者、例えば保育士の方とかは知っているということであっても、保護者が知らなかったりするようなことがありますので、もうしっかりと広く国民に向けて周知してもらえるように、是非ともお願いしたいと思います。しっかり、すばらしい取組をしているということをもっとアピールしていいんじゃないかなと思いますので、よろしくお願いします。 それでは、子供たちの安全面ですね、外遊びの安全面の整備について、現在、どこでも子供たちを狙った不審者が後を絶たない憂慮すべき状況です。子供たちが不審者等の存在を気にせず安心して外遊びができる環境についてはどのようになっているのかということをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(和田薫君) 警察においては、政府の登下校防犯プラン等に基づき、子供の安全確保のための対策として、地域における犯罪の発生実態や不審者情報等を踏まえつつ、通学路や子供たちが集まる公園等に対する警戒やパトロールを実施しているほか、SNSやウェブサイト等、多様な手段を通じて学校や地域住民に対し不審者情報等の提供を行っております。また、子供の見守り活動等を行う防犯ボランティア団体等に対する警察の知見に基づく指導や助言、合同パトロール等の活動に加え、子供の犯罪被害防止のため、学校等と連携して学年や理解度に応じた防犯教室等も開催しているところです。 警察として、引き続き関係省庁、団体と連携し、子供の安全対策を含む地域の安全、安心の確保に取り組んでいくこととしております。
○下野六太君 今、子供を親が、保護者の方、家庭の方が、一人で、子供たちだけで公園に行ってきなさいということがなかなか言いにくい社会になってきていることを憂慮しております。 私たちが幼かった頃は、親が公園に付いてくるということはほとんどなかったかというふうに思っております。今は、親が付いていかないと公園には子供たちだけでは行かすことがなかなか難しくなってきている世の中になっていることも外遊びの減少に拍車を掛けているのではないかというふうに思っておりますので、是非とも、警察庁の皆様には指導力を発揮していただいて、子供の安心、安全を守るということにおいても関係機関と連携を図って、子供たちが安心して外遊びができる環境を整えていきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それでは、読書についてです。 乳幼児期から就学前までの子供たちの読み聞かせと学齢期から高校時代の子供たちの読書活動が子供の心身の発達にどのような良い影響を及ぼすのかについて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 読書活動の意義につきましては先ほど大臣から御答弁をさせていただいたとおりでございますが、第五次子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画におきましては、有識者の方から、小学校一年生の不読率に就学前の読み聞かせの実施が良い影響を与えているとの指摘がございます。また、独立行政法人国立青少年教育振興機構が行った調査によりますと、小学校から高校を通して読書量が多い人は、主体的行動力、あるいは自己理解力、批判的思考力といった非認知能力が高い傾向があるとされているところでございます。
○下野六太君 それでは、乳幼児期の読み聞かせ推進状況と今後の計画についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) お答えいたします。 乳幼児期からの読み聞かせの推進状況、これ数字は取ってございませんけれども、読み聞かせなど読書の重要性を伝える普及啓発の実施、あるいは、子供の読書活動推進に向けた優れた取組を行う学校等の大臣表彰の対象に今年度新たに幼稚園、保育所の就学前段階までを拡大、発達段階や多様な子供たちに対応した読書活動のモデル事業の実施、民間団体における子供の読み聞かせなどの読書活動への助成などの支援をしてございまして、関係府省あるいは地方公共団体、民間団体とも連携しながら、乳幼児期の読み聞かせを始めとした就学前段階からの読書習慣の形成も含めた取組を推進しているところでございます。
○下野六太君 小学校に入学をしてから始めるということでは私も遅いのかなというふうに思っております。就学前、乳幼児期からの読書習慣、いわゆる読み聞かせの習慣こそが小学校で花開いていくのではないだろうかというふうに思っておりますので、できるだけ早期にそういった読み聞かせの推進をもっと拡大をしていくべく、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、小学校から高校までの子供たちの読書活動推進におきましては様々な施策が施されているかと思いますけれども、本離れが進んでいる世の中で本を手に取れるのは書店と図書館が多いかと思っております。家庭の経済格差が読書の格差につながっていかないように、子供の読書活動に対する支援が必要だと思いますが、文科省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(望月禎君) 読書活動の重要性から、子供の読書環境の充実を図っていくことは大切であるというふうに考えてございます。特に、経済的に困難な、本をなかなか手に取って購入できないという御家庭の子供たちの読書活動を支える上でも、身近な学校図書館の環境整備が重要であるというふうに考えてございます。 多様な図書あるいは新聞、そうしたものを購入する費用、あるいは学校図書の配置などの学校図書館の整備充実につきまして、令和四年度から六次学校図書館図書整備五か年計画におきまして地方財政措置を講じているところでございます。 これが十分に自治体によっては使われていないというようなことも我々も危惧してございまして、引き続き、学校図書館の果たす役割や読書活動の重要性を周知して、子供たちの読書環境の更なる充実のために地方財政措置の活用が図られることを促すなど、読書環境の改善、推進に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○下野六太君 その辺りの施策は進んでいるということについては認識しております。 しかし、その一方で、私がこれからはちょっと知恵を絞って汗をかいていかなければいけないなと思っているのが、子供たち相互による、この本が良かったよということを子供たちがお互いにその情報交換をして推進をしていくという、このような関係性の下での読書の推進、拡大、これを今後やっていかねばならないなというふうに思っております。 いろんなところで本がいいという話は知っていますし、聞きます、子供たちは。しかし、生の子供同士、友達からの情報、これもまた本を読む大きなきっかけになるかと思いますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。 続きまして、子供たちの食育と給食について伺いたいと思います。 子供たちの健全な心身の発育に対しては、食は欠かせないことは言うまでもないことでありますが、地産地消の考え方で地元の有機農産物を学校給食に取り入れるべきだというふうに思いますけれども、現状と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 学校給食における地元産の有機農産物の活用は、安定的な消費の確保に加え、子供たちや地域住民の方々に有機農業への理解を深めていただくという食育の観点からも重要と考えております。 このため、農林水産省としては、地域ぐるみで有機農業に取り組む先進的な産地であるオーガニックビレッジの取組、これは委員の御地元福岡県でも、うきは市が宣言され、農水政務官時代にも力強く推進をしていただいたというふうに承知しておりますが、その取組の中で、生産者や給食事業者などの関係者間の調整や試行的な導入に要する経費など、学校給食への導入段階における支援を行っております。 こうした中で、今年度までにオーガニックビレッジの取組を開始した九十三市町村のうち七十七市町村において学校給食の取組が進められているところでございます。 具体的には、私の地元兵庫県でも、オーガニックビレッジに取り組む九市町のうち六市町で学校給食への有機農産物の提供が行われております。そのうち、豊岡市や朝来市では、有機米であるコウノトリ育むお米を小中学校の給食に提供する取組を開始され、今後、豊岡市では令和九年度までに、朝来市では令和七年度までに米飯の全量を有機米にする計画になっているなど、但馬地域においてこうした取組が広がっております。 農林水産省としては、今後、オーガニックビレッジの更なる創出も含め、引き続き、各地域の取組を後押しし、横展開を進めることで、有機農業の拡大を図ってまいります。
○下野六太君 力強い答弁いただきまして、ありがとうございます。 保護者の要望として、やはり大きな要望の一つが有機農産物を学校給食にと、どこに行ってもそのニーズは大きいものがあるかというふうに思っております。事例を重ねていきながら横展開をして、しっかり好事例が横に広がっていくような方向で農水省もしっかり頑張ってもらっていますので、文科省と農水省と一緒になって、子供たちの食の環境を整えていただければというふうに思っています。よろしくお願いいたします。 続きまして、済みません、委員長、政務官この質問だけで終わりますので、退席してもらって結構です。
○委員長(高橋克法君) 高橋農林水産大臣政務官は退席をされて結構です。
○下野六太君 それでは、親の支援、保護者の支援について質問したいと思います。 先日、福岡県の福津市の保育士の皆様と懇談をさせていただきました。保育士の皆さんの最も大きな要望の一つは、親に対する支援の充実でありました。発熱があっても仕事を優先して子供を保育園に預ける、子供の学力を子育ての最優先事項にしている小中学生の保護者が多いようなこと、乳幼児期から、小中学校から高校に至るまでの間に保護者の子育て支援を充実させねばならないことを痛感しております。 保護者の支援につきまして、現状と今後の支援の在り方について、こども家庭庁と文科省に伺いたいと思います。
○政府参考人(高橋宏治君) お答えいたします。 保護者あるいは養育者に対する子育て支援に当たりましては、その保護者、養育者自身も子供と共に育っていくという視点で、子育てに必要な知識や情報が得られるようにサポートしていくということが重要でございます。 このため、昨年末に閣議決定していただきましたいわゆる百か月の育ちビジョンにおきましても、保健師等の専門職による信頼できる情報の提供や伴走支援などが重要であること、保護者等同士がつながり子育ての情報交換などを行うネットワークの形成が重要であることなどが提言されておるところでございます。 こども家庭庁といたしましては、これを踏まえまして、この百か月ビジョンを保護者等に普及啓発するための動画やハンドブックなどの作成、あるいは国民運動として健やか親子21というものを実施しておりますけれども、その中で、ホームページやイベント等による積極的な情報発信、さらには保護者、養育者が身近な場所で気軽に相談や交流ができる地域子育て支援拠点の推進などの施策を進めることとしておりまして、引き続き保護者等への支援に努めてまいりたいというふうに思っております。
○政府参考人(望月禎君) 済みません、文科省の方からもお答えさせていただきます。 家庭教育につきましては、個々の家庭における具体的な教育内容とか教育の方法、あるいは家庭や親子の形について直接国において定めるということはできないわけでございますけれども、子育てに関する悩みや不安を抱えながら孤立するなど家庭教育を行う上での困難さを抱えている、そういう御家庭もあろうかと存じます。 このため、平成二十年度から、文部科学省としましては、地域において子育て経験者あるいは教員のOBの方々が多様な、そうした多様な人材を活用した家庭教育の支援チームというものを補助事業でやってございまして、全国で現在千を超えるチームで活動を支援してございます。多くの親が集まる機会を活用した学習機会の提供、あるいは親子で一緒に参加できる行事やプログラムの実施、あるいは子育てに悩みや不安を持つ家庭の相談対応や情報提供などを努めてございまして、今後とも社会全体で子育てができるよう、家庭教育の支援にも取り組んでまいりたいと考えてございます。
○下野六太君 失礼しました。 保護者の皆さんに、子育てをしていくということは何よりも尊いんだということを私は社会全体通じてやっぱりメッセージとして伝えていかねばならないのではないだろうかというふうに思っております。もうしっかりとした保護者支援をすることが良き子育て、教育につながっていくと思っておりますので、是非ともよろしくお願いしたいと思います。 最後の質問になるかと思います。非認知能力の向上につきまして質問したいと思います。 子供たちの学力の向上とともに忘れてはならないのは、子供たちの非認知能力の向上だと考えております。 文科省として、非認知能力の向上のために、学校行事以外の日常の教育活動で非認知能力の向上をどのように位置付けて指導しているのかを尋ねたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(矢野和彦君) お答え申し上げます。 学校教育において、ペーパーテストで測ることができる力だけでなく、いわゆる非認知能力と言われる力も含め、これからの社会での必要となる資質、能力をバランスよく育むことが重要と考えており、生きて働く知識、技能の習得、思考力、判断力、表現力、学びに向かう力、人間性の涵養等、三つの柱で整理して一体的に育むことを目指しております。 各教科の授業や清掃や係活動の特別活動、特別の教科道徳を含め、日々の教育活動全体を通じて子供たちにこうした資質、能力を一体的に育むべく取り組んでいただいているところでございます。
○下野六太君 非認知能力は学校行事では育てやすい、育成しやすいというふうに誰もが考えているかと思うんですが、大事なことは、今答弁の中でおっしゃっていただいたように、日常の教育活動全般で非認知能力をどのように育てていくのかということを意識しながら子供たちを育んでいくということではないかというふうに思っておりますので、引き続きどうかよろしくお願いします。 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(高橋克法君) この際、委員の異動について御報告をいたします。 本日、村田享子君が委員を辞任され、その補欠として斎藤嘉隆君が選任されました。 ─────────────
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 本日は、まず高等教育、大学の学費無償化について伺いたいと思います。 今や、教育無償化、特に高過ぎる大学の学費を無償にしてほしいという声は日に日に高まっています。 東京都では都立大学の授業料について所得制限なしで授業料無償化を実施することを決めましたが、その背景にはその現役の学生たちの声があったと聞いています。都立大学生から都議会に対して、世帯収入による制限をなくし全面的に授業料の無償化をと陳情が出され、この陳情が全会派の一致で趣旨採択をされたことがきっかけとなり、所得制限の枠が取り払われたと聞きました。学生の声が政治を動かしていると、画期的なことだと思うわけです。 私は、こうした学生の声に国も応えるべきだということを今日は強調して訴えたいと思うんです。 というのも、都立大学で無償化実現したとはいえ、その対象というのは、親が都内に住んでいて税金を納めている学生に限られていると。都立大学の場合、その対象となる学生というのは全学生のおよそ三五%にとどまる。六五%の都外からの学生は対象外なわけです。また、親が都内在住であっても都内の都立大学以外の大学に通う学生は当然無償の対象外になるわけで、都内だけを見てもまだまだ多くの学生が無償化から取り残されているのが現状なわけです。 都議会に陳情を出した学生も、私自身も学費を理由にほかの大学を受験することができず、選択肢は初めから都立大学しかなかったと述べ、憲法にある国民の学びの自由と権利に逆行していると訴えているわけです。 大臣、この学生の声に応えて、地方自治体や各大学任せではなく、国こそが学費を値下げして無償化進めるべきではないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 吉良委員御指摘のように、一部の自治体が地域の実情に応じて高等教育段階の教育費の負担軽減に取り組まれていることを承知しております。 高等教育の無償化につきましては、国においては、これまで低所得世帯を対象に、授業料等の減免と給付型奨学金の支給を併せて実施してきたところです。その上で、令和六年度から、給付型奨学金等の多子世帯及び理工農系の中間層への拡大等を行うとともに、さらに、令和七年度からは、子供三人以上を扶養している場合、国が定めた一定の額まで大学等の授業料、入学料を無償とすることとしております。 文部科学省としては、このような教育費負担の軽減を着実に進め、その実施状況や効果等を検証しつつ、引き続き教育費の負担軽減に取り組んでまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 学費そのものの値下げ、これには、様々お答えになりましたけど、それには言及されないわけですね、無償化をするとは言われないの。あくまでも負担軽減を進めるんだとおっしゃるわけです。 では、政府の進めているその政策、本当に負担軽減に資するのかということも問題になってくると思うんですね。 岸田政権は、先ほど御説明あったとおり、今年の四月から、第三子以上を扶養している多子世帯と私立の理工農分野の中間層に授業料減免などの支援を拡充をするんだと、さらに、来年四月からは、多子世帯を対象に授業料の無償化を実施するんだと言っているわけです。しかし、なぜそもそも多子世帯、第三子以上なのか、又は理工農に限るのかという疑問が湧いてくるわけです。 まず多子世帯について伺いたいんですけど、お配りした資料を見ていただきたいんです。 厚労省の国民生活基礎調査によれば、児童のいる世帯、子供がいる世帯のうち子供が二人いる世帯というのは、一九八六年時点では四八・三%、約半数だったわけですけど、最新の二〇二二年には三八%、四割弱にまで減り、むしろ子供一人の世帯が四九・三%と増えていると。つまり、子供を持つ家庭において、かつての主流は二人、子供二人というのが主流だったのが、今や子供一人というのが主流になっていると。三人なんて遠いというのが多くの子供を持つ世帯の実感なんですね。先日、二十代の女性とお話をしたときには、もう私は子供を持つこと自体がぜいたくだと感じていると、そういう声も増えているんだということも聞きました。 そもそも、三人どころか、子供を一人産み育てることにもちゅうちょの声がある今、三人以上産まないと支援しないよというのは少子化対策と見ても余りにも不十分と、現実に合わない政策なのではありませんか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 多子世帯の大学等の授業料等無償化については、三人以上を扶養する多子世帯を対象としておりますが、その理由としては、理想の子供の数を断念する理由として、長年子育てや教育にお金が掛かり過ぎるというお答えが一位となっていること、そして、その傾向が三人以上の子供数を理想とする夫婦において顕著であることなどを踏まえ、限られた財源の中で三人同時に扶養して負担が集中している期間を優先して支援することとしたからであります。 今般の支援拡充は、教育費の負担を理由に、理想の子供の数が三人以上であるにもかかわらず実際に産み育てる予定の子供の数が下回っている家庭が多い現状に鑑みて、その障壁を極力取り除き、それぞれの家庭の理想に近づけるように後押しをしたいというものです。 こういった支援拡充の狙いを丁寧に発信することを通じて、少子化対策上の効果を上げるように努めてまいりたいと考えています。
○吉良よし子君 子育てにお金が掛かり過ぎる、これは三人以上の子供がいる世帯じゃなくて、もう全ての世帯が思っていることなんですよね。理想が三人以上に顕著だといいますけど、それはもちろん三人以上なら掛かるのは当然ですけれども、全て子育てをする家庭にとっては子育てにお金が掛かる、特にこの大学進学にお金が掛かるというのは本当に重大な問題なわけです。 今回の制度における、しかも第三子というのは、親が扶養している子が三人以上ということになるわけです。つまり、一番上の子が卒業して扶養から外れて働き始めたら二人兄弟とカウントされて支援がなくなると。つまり、年の差が広ければ広いほど対象ならないわけですけど、ですが、大臣、この年の差、兄弟の間の年の差が広いということはどういうことかというと、その子育て世帯にとってはより長い年月にわたって子供に対する費用負担が続くということになるわけですよ。 やっぱりこういうふうに、第三子とか扶養しているかどうかとか、細かい線引きするべきじゃないですよね。負担軽減と言うなら、まず全員を対象とした負担軽減、学費の値下げ、検討するべきではないですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 我々も、その究極的な目標としては吉良委員がおっしゃるとおりだと思いますが、やはりいろんな制約がある中、経済的制約、予算の制約ということでございますが、そんな中でどこからどのように取り組んでいくかということで、今回このような政策を打ち出したということを是非御理解賜りたいと思います。
○吉良よし子君 まずは多子世帯からなんだと、そういう御答弁なのかなと思うんですけれども、ただ、多子世帯だけに限定しているだけじゃなくて、この四月からは理工農系の授業料減免などもやるんだとおっしゃっているわけです。文系との差額分の支援拡充なんだと。 でも、これも私、疑問なんですよ、なぜ理工農系だけなのかって。文系との差と言うのであれば、医学部など、文系と差がある学部というのはほかにもあるわけです。なぜ理工農だけなんですか、高等教育局長。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 骨太の方針二〇二二において、高等教育の修学支援新制度の対象を中間所得層の多子世帯や理工農系の学生へ拡大する方針が示されたことを受け、文部科学省といたしましても、有識者会議を開催し、制度設計を検討してまいりました。 この有識者会議においても、拡充の対象がどうあるべきか改めて議論されましたが、中間所得層の支援対象は財源との兼ね合いから優先順位を付ける必要があることから、政府として、大きな課題である少子化対策、デジタルやグリーンなど成長分野の振興にいかに資するかという視点で議論をいただき、多子世帯や理工農系への支援とすることは適当であるとの結論をいただいております。この有識者会議の結論を踏まえて、理工農系を拡充の対象としたという次第でございます。
○吉良よし子君 いろいろおっしゃいましたけど、要するに政府が成長分野だと見込んでいる分野だから理工農なんだと、そういう御説明ですよね。でも、それ、そういうふうに勝手に決めていいのかと。 文科省でいえば、教員不足で学校の先生のなり手確保に取り組んでいるわけですし、医療や看護、介護、保育など、人手確保が必要な切実な分野というのはほかにもあるわけですけど、こうやって成長分野なんだと言いながら理工農系だけを特別に優遇するという、そういう姿勢がやっぱり私はおかしいんだということを強調しておきたいと思うんです。 しかも、こうした政策、こういう限定的な政策を、及ぼす影響をよく見る必要があると思うんです。 というのは、この間、学費を値上げする大学というのが相次いでいるわけですけれども、特に目立つのが理工農系なんですよ。国立でも、東京農工大学、二〇二四年度から十万七千百六十円の増額です。東京工業大学は既に二〇一九年度から九万九千六百円の増、十万円近い値上げなんですね。そして、私立はもっと激しくて、各学部の値上げもあるんですが、例えば早稲田大学の場合、基幹理工学部、昨年から比べて十四万円もの値上げをすると言っていると。 まるで理工農系というのは国からの支援があるから大幅に値上げしてもまあさほど影響ないでしょうと言わんばかりの値上げだと私は思うんですけれども、こうした政府による恣意的な理工農系に限った授業料減免が、かえって特定の学部の便乗値上げ誘発している可能性あると思いませんか。こうした便乗値上げ、許されないのではないか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 大学の学費は、基本的には各大学がそれぞれの教育や研究環境を勘案しながら適切に定めるべきものと認識しております。国の制度の拡充を理由とした学費の値上げについては、合理的な範囲を超えたものとならないよう、各大学において説明責任を果たしていただくことが重要と考えておりますが、今回の制度の拡充の趣旨に反するような学費の値上げが行われることのないよう、制度の趣旨の周知に努めてまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 合理的な範囲を超えないようにとおっしゃっていますけど、早稲田大学の十四万円の増、これ合理的な範囲なんですか。
○政府参考人(池田貴城君) 大学が学生や保護者に対してきちんと説明できるような形で値上げをするということであれば、合理的な範囲だと考えられます。
○吉良よし子君 説明さえすれば、年間十四万であれ、値上げしてもいいんだと。これでは負担軽減にはどうなったってならないじゃないですか。 そうでなくとも、この学費というのは、特に私学の学費というのは上がり続けているわけですよ。もう時間ないのでこちらで言わせていただきますけど、この間の私立大学の授業料、三十年前の平成五年度でいえば六十八万八千四十六円だったんです。最新の令和五年度は九十五万九千二百五円です。もうこの三十年でおよそ三十万円、要するに平均すれば毎年一万円ずつ値上げが続いているという状況なんです。 これだけでも大問題なんですけど、先ほど来言っているように、昨今、もう大規模な、私学の中ではこの物価高騰などを理由にしてどんどん大幅な、もう年間一万円を超えるような値上げが続いているんです。慶應義塾大学では、二〇二三年度、全学部で二万円から五万円の値上げがされると、二四年度も三万円から六万円更に値上げするという方向なわけです。早稲田大学では、先ほどの基幹理工学部だけでなく、政治経済学部でも七万六千円もの値上げ決めていると。 一方で、実質賃金というのはこの間、もう九五年から二〇二〇年の二十五年間で全く伸びていない、むしろ下がっていて、要するに、支払能力というのは、親の、下がっているのに、学費だけは毎年値上がりしていくという状況なんですよ。 負担軽減言うんだったら、この学費の値上げ、放置していてはいけないんじゃないですか。これ以上の学費は、値上げは中止せよと国が言うべきではありませんか、大臣。いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 大学の授業料や入学費、入学料等の学費については、各大学やその設置者において判断されるべきものであると先ほども御説明しました。それぞれが必要とする教育研究環境やそのための財源の確保等も勘案しながら適切に定められるものと認識しております。 その上で、国立大学の授業料や入学料につきましては、国立大学法人に自主性、自律性を持たせながらも、機会の、教育の機会均等や計画的な人材養成を実現する観点から、適正な水準を確保するため、国が標準額を示しつつ、その一二〇%を上限として各法人が個別に設定する仕組みとなっております。 その際、国立大学法人が標準額を超える授業料等を設定する場合には、教育研究内容を充実させることや、値上げにより学ぶ機会を逸することがないよう、そして真に支援が必要な学生に対して支援することなどの観点を踏まえた上で、各法人において適切な対応を行うことが重要と考えております。 他方、私立大学の運営は主として授業料や入学金などの学生納付金を基盤として行われることから、その額については、経営上の必要性も踏まえながら、各大学の判断で設定されています。このため、その必要性や合理性について学生や保護者に丁寧に説明をして理解を得ることが重要と考えております。 文部科学省としては、経済的に困難な学生に対しては高等教育の修学支援制度も含めて総合的な支援を行うなど、引き続き教育のアクセス機会の拡充に取り組んでまいります。
○吉良よし子君 修学支援を幾ら拡充しても、各大学が学費をどんどん値上げすれば意味がないじゃないですかということを申し上げているわけです。 学費は各大学が決めることとおっしゃいますけれども、運営費交付金、国立大学に対して削り、私学助成も全く増やさない、そして自力で稼げという文科省の姿勢がこうした学費の値上げを招いていると、これは明らかなわけで、やはり文科省が率先して大学への予算を増やして学費の値上げを止めなきゃいけない、そういう局面に来ているんだということを私、強調したいと思うんです。 さらに、文科省は、新たな政策で、大学院修士課程学生を対象に授業料の後払い制度も開始するとおっしゃっています。この授業料分として借りたお金というのは、でも最終的には返さなきゃいけないと、そういうシステムなわけですけど、ここで確認したいんですけれども、これ、返済は所得に応じたものだということですが、年収ゼロ円であっても返済は必要なわけですよね。年収がゼロ円であったとしても月二千円は返さなきゃいけないということだと思うんですが、そういった状況で返済完了まで最長で何年掛かることになるのか、高等教育局長、お答えください。
○政府参考人(池田貴城君) お答え申し上げます。 今御指摘いただいたように、基本的には年収に応じて納付をしていただくことになりますけれども、年収ゼロの場合であっても、納付月額は、現行の所得連動返還型の奨学金に倣って二千円納めていただくということにされております。これは、この仕組みが学生からの返還金を原資として回っているということもあり、後払いされる納付金の回収額の確保や納付に対する意識の継続という観点から設定しております。 仮に年収ゼロの状況が続き、最低納付月額である二千円を納付して返していただくとすると、修士課程授業料二年分として百五十六万円を毎月二千円ずつ返すということになりますと、納付期間は六十五年ということになります。
○吉良よし子君 六十五年掛かると。これ、死ぬまでに返せるかどうかという、そういう話になるわけですよね。 大学院修士出たとしても、年収が三百万円に至らないということは現にあるわけです。例えば大学の非常勤講師を続けている人などなどですね。それでも六十五年掛けて返済し続けなければならないと。場合によっては、もう自分の子供が大学進学するときも当然返し続けなければいけないし、年金を受給するような段になっても返し続けなければならないと。こういう人の場合は、当然、その大学院修士課程のみならず、大学の学部段階などでも奨学金を借りていることもあって、つまり、返済額というのも月二千円で済むとは限らないし、もっともっと長期にわたって返さなきゃいけないという事態もあり得るわけですよ。 こうやって、とにかく返せと、人生掛けて返し続けろと。これが負担軽減と言えるんですか。これじゃ意味がないんじゃないんですか。いかがですか、大臣。
○国務大臣(盛山正仁君) 奨学金というのは、借りたお金を一定期間、猶予も含めて、そして返していただくという制度でございますけれども、先ほど来申し上げているような授業料全体がその合理的な範囲を超えないような形になるように、我々としても、国公立だけではなく私学に対しても周知をしているところでございますし、そんな中でどのように支援をするかということで、先ほど来委員がいろいろ御指摘をしていただきましたが、対応を我々なりにしているということで御理解賜りたいと思います。
○吉良よし子君 なかなか理解できる話ではないんですよね。合理的な範囲を超えないようとおっしゃっていますけど、値上げするなとは言わないんですよ、学費を。奨学金だって言いながら、結局は死ぬまで返せと、そういう話なわけで、これでは返済地獄で苦しむ若者を減らすことにはならないし、負担軽減にもならないんだと。 やっぱり学費無償を目指すという意味でいえば、学費そのものを値下げする、もう直ちに半額にして無償を目指すとか、そして、奨学金は給付中心にして、もう有利子の奨学金なんというのはやめてしまうと、そうやって学生の学ぶ権利を保障するべきだということを私、強調しておきたいと思います。 その上で、今日は文科大臣と統一協会との関係についても伺っておかなければならないわけです。 資料二枚目、御覧ください。 この間、文科大臣、盛山大臣が統一協会から、選挙に際し、組織的支援、推薦確認書にサインをしたということを写真の存在も含めて報じられているわけです。大臣は、確かな記憶はございませんが、報道されている内容を踏まえれば、参加し、受け取り、サインしたものと思われ、軽率であったということを述べているわけですが、つまり、よく覚えていないけれども、サインしたのは事実のようだということだと思うんです。 この推薦確認書の本文、是非見ていただきたいんですけど、ここには、以上の趣旨に賛同し、平和大使協議会及び世界平和議員連合会に入会するとともに基本理念セミナーに参加するとあります。 大臣、伺います。では、この基本理念セミナーには参加されましたか。
○国務大臣(盛山正仁君) この会合が二〇二一年の十月でございましたが、二〇二二年の三月に、世界平和何とかだったですかね、その会合には出ましたけど、その会合一回に出ただけでございます。
○吉良よし子君 基本理念セミナーに参加していないはずだということですが、昨年十一月三十日、私がこの委員会で大臣に統一協会との関係聞いた際、大臣は同じようにその二〇二二年三月に出席した会合があるんだということを述べただけで、今回のこの推薦確認書の件について、そのサインをした会合に出たことについては一言も触れられなかったわけです。そして、現在、当該団体との関係は全くありません、絶っておりますと答弁された。その信憑性が問われているということを指摘したいと思うんです。 その上で聞きます、もう一点。平和大使協議会及び世界平和議員連合、これには入会をされているということなのでしょうか、若しくは退会の手続等は取られたのでしょうか、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) それにつきましては、これまでも本院あるいは衆議院で答弁しているとおりでございますが、二〇二二年の九月だったですかね、自民党として統一的に、私を含め全議員が統一教会との関係を絶つということを明言しておりますので、それによってすっかり関係はないということでございます。
○吉良よし子君 いや、調査の際に関係を絶つとおっしゃったということですが、この退会手続をしたのですかということを伺っております。
○国務大臣(盛山正仁君) 私、この職に就きまして、昨年の十月に、我々が一番主体となりまして、旧教会にとって、旧教会に対して解散命令請求を東京地方裁判所に起こしているその当事者でございます。そういったことも含めて、一切もうこちらの方からは旧教会側とは関係を絶っていると、また接触をすることも適切ではないと考えているという次第であります。
○吉良よし子君 いや、退会したかということを伺っているんですが。いや、退会手続ちゃんとされていないから、いや、関係絶ったと言いますけど、毎月のようにその関係団体からの機関誌だって届いていたわけですよね。つまり、退会手続さえちゃんとできていないからそういった事態が起きていたと、そういうことなのではないんですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 私どもとしてはそのようには考えておりません。もうそのように関係を絶ったということは明らかでございますし、そしてまた、衆議院、参議院、どちらだったかちょっとあれですけれども、その機関誌が届いているじゃないかという御指摘に対しましては、先日、議員会館あるいは地元事務所に対して届いたものに対しましては、郵便局の方にこれは受け取ることができませんということで送り返しているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(高橋克法君) 済みません、速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(高橋克法君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(盛山正仁君) 退会手続を取ったかどうかということについては、こちらの方から退会手続を取る必要がない、もう既に関係を絶っているということで明らかであるということで、先日来、その別の委員会の場で御答弁を申し上げているところでございます。 なお、旧統一教会と思われるところから送ってこられたその冊子につきましては、こちらから頼んだわけではなく、事前の断りなく一方的に来たものでございまして、それについてもこれまで処分、見ることなく処分をし、そして冊子を発送しないように郵便局に送ったところでございますが、冊子を発送しないよう依頼することも含め、旧統一教会関係団体に接触することは、現在、法令に基づいて解散命令請求を行っている当事者でもあることから、適切ではないと考えております。 いずれにせよ、今後、旧統一教会及びその関係団体の関係で疑念が生じないよう行動していく考えでございます。
○吉良よし子君 いや、なぜ手続取る必要がないと言えるのかと。いや、だって、手続していないからこそ機関誌が届き続けていたんじゃないんですかという話です。それをなぜ郵便局に送らないでと言えるのかと。いや、むしろ、送り先である統一協会の側にきちんと、これ以上、これ以降、この機関誌を送らないでくれと、きっぱり退会させていただくんだと、そう言うのが筋なんじゃないですか。
○国務大臣(盛山正仁君) これまで、関係の方とも相談の上、相手に対して一切接触するべきではないということでそのような行動を取ったということで、是非御理解賜りたいと思います。
○吉良よし子君 いや、全く理解できません。関係絶っているというのはきちんと区切りを付けるというのが当然であり、それができたとこの場で言えないという時点でやはり関係絶ったとは言えないんじゃないかと。疑念は深まるばかりですよ。 文科大臣は、宗教法人を所管して、解散命令請求をしている役所のトップなわけですよ。それが、統一協会に対して関係があるのかないのかあやふやな姿勢だと。関係を絶ったと、その手続をしたとはっきりと言えない状態だと、もうそんな状況では信頼できないし、文科大臣としてふさわしくないんだと、このこと強く申し上げまして、質問を終わります。
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。 まず冒頭、元旦に起きました能登半島地震でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被災された方々にお見舞い申し上げます。また、被災地支援、復興に奔走されておられる官民全ての方々に敬意を表します。 支援を必要とする人、とりわけ災害弱者と言われる高齢者、障害者などが取り残されることのないよう、私も様々な方たちと協力して尽力してまいります。 では、盛山大臣の所信に対して質問をいたします。 まず、大臣と旧統一教会との関係についてお伺いします。 大臣は、二〇二一年の衆院選で、旧統一教会の関連団体、世界平和連合と政策協定に当たる推薦確認書に署名していたと報道されました。写真を見て薄々思い出してきた、内容をよく読まずにサインしたのかもしれないとお答えになっています。その後、署名の写真が報じられ、署名は記憶にない、自分のサインに似ている、軽率にしてしまったのではないかと、二転三転した答弁を繰り返しています。 政策協定の内容を確認もせずに署名し、そのこと自体を忘れていたとしたら、選挙民との約束、信義則違反、そのような候補者を信任することはできません。まして、協定を結んだ団体の正体を確認しない、あるいは認識していながら隠蔽して旧統一教会の解散命令請求をする文部科学大臣に就任したなら、不誠実、不見識、倫理観の欠如ではないでしょうか。子供たちの人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者の育成を目的とする教育行政のトップとしてふさわしいと言えません。宗教法人を所管し、解散命令の請求に関して公平中立な審理が進められるのか疑念が起きるのは当然です。 この間の大臣の不誠実な答弁を国民は見ています。岸田首相が盛山大臣を更迭できないのも、旧統一教会との癒着、裏金、脱税問題で閣僚更迭がドミノ倒しとなり、自身の旧統一教会との関係も追及されかねないからと見透かされています。 能登半島地震への対応、物価高、下がり続ける実質賃金、急速な少子高齢化などの国民生活や、ウクライナ情勢、ガザでのジェノサイドなど、内外に重要な課題が山積しています。しかし、自民党派閥の裏金問題、盛山大臣の旧統一教会との癒着に審議の多くが費やされてしまいました。自民党内での調査では自浄作用は働かず、予算委員会、政治倫理審査会での質疑でも事実解明には程遠く、国民の政治不信、政治への諦めが広がっています。 朝日新聞の投書欄に、小学六年生が、覚えていませんと言ってばかりの政治家に苦言を呈し、これでは政治に興味持てませんと投書していました。こうした事態を引き起こした盛山文科大臣は、大臣としてふさわしくないばかりか、議会制民主主義の根幹を揺るがし、国権の最高機関としての国会議員としてふさわしくないと申し上げざるを得ません。 大臣、このような答弁を繰り返し、子供たちの前で御自分が大臣としてふさわしいと言えますか。釈明は結構です。端的にお答えください。
○国務大臣(盛山正仁君) 先日の新聞報道も含め、一連の報道等で掲載された写真等を踏まえれば、御指摘の集会に伺い、推薦状を受け取ったのではないかと思います。また、推薦確認書につきましても、正直記憶にございませんが、先日の新聞報道等を踏まえれば、推薦確認書に署名したものと思われます。 他方、この集会は、二〇二二年七月にありました安倍元総理の銃撃事件以前のものであり、その後、自民党においてガバナンスコードの改訂等を行い、自民党として旧統一教会及びその関係団体との関係の断絶を宣言したということでございます。 私としましては、現在、旧統一教会との関係は絶っており、法令に基づいて解散命令請求の対応や特定不法行為等被害者特例法に基づく指定等の対応に取り組んでいるところでございます。引き続き職責を果たしてまいりたいと考えております。
○舩後靖彦君 私は、このような質問をせざるを得ない事態を引き起こした大臣の言動は、子供たちに対して悪影響しかないと思っております。 時間が限られていますので、次の質問に移ります。 能登半島地震から二か月半がたちました。仮設住宅への入居も始まっていますが、いまだに一万五千戸で断水、一万人近くの方が不自由な避難所暮らしをされています。正月の門松が飾られた家屋が倒壊したままで、奥能登の被災地では時が止まったかのような状況が続いています。 資料一を御覧ください。 奥能登の輪島市、珠洲市、穴水町、能登町における高齢化率は五割、発災直後に一次避難所に避難された方は五割から九割に及びます。当然、避難所には多くの要介護の高齢者がおられ、中には高齢者が六割を超えた避難所もあります。 発災直後の二日から輪島市、穴水町の避難所に入り支援をされた北陸学院大の田中純一教授に話を聞きました。避難所は、右も左も福祉ニーズが必要な人ばかり、どこの避難所も福祉避難所化している、しかし初期対応はできていない、本人の忍耐と我慢と努力で乗り切るしかなかったとおっしゃっています。 本来、一般の避難所の運営は自助が基本で、個別対応は無理なので、障害者、高齢者等支援を要する人、集団生活が難しい人用に福祉避難所の整備が必要とされています。しかし、実際には、一月十二日時点で予定の一七%しか開設できなかったと報道にありました。福祉避難所に想定されていた施設、スタッフが被災している場合もあります。 つまり、高齢化が進む地域で大災害が起きれば、一般の避難所で様々な状態の被災者を受け入れるしかない。一般の避難所をバリアフリー化し、福祉、避難用具を備蓄するなど、誰も取り残さないインクルーシブ防災の整備をしていく必要性がはっきりしたと言えます。 そこで、一次避難所の四割を占める公立の小中学校のバリアフリー状況についてお尋ねします。 資料二を御覧ください。 二〇二二年九月現在の石川県内の公立小中学校の校舎、屋内運動場のバリアフリー化状況です。 避難者の割合が高かった奥能登の二市二町で、一般に避難所として使われる屋内運動場のバリアフリートイレ設置率はゼロから六七%、建物内の段差解消でさえゼロから六七%、校舎内のバリアフリートイレ設置率も二五から四四%、校舎内の段差解消はゼロから七五%です。 二〇二〇年に策定された学校施設のバリアフリー化指針によれば、二〇二五年度末までに、避難所に指定されている全ての学校にバリアフリートイレを整備、スロープなどによる段差解消は全ての学校に整備、エレベーターは要配慮児童生徒が在籍する全ての学校に整備すべきとなっています。 大臣、この数字を御覧になってどうお感じになりますか。
○国務大臣(盛山正仁君) 舩後先生の御指摘に関してでございますが、学校の施設は、障害のある児童生徒等にとっても支障なく安心して学校生活を送ることができるようにすることがもちろんでございますが、それに加えて、先ほど来、舩後先生がるる述べられたとおり、災害時に避難所としての役割を果たすという観点からもバリアフリー化を進めていくことは大変重要であると思います。 そういったことは、もう二十九年前になりますけれど、阪神大震災のときにも、私の実家そちらでございましたので感じたところでありますし、また、東日本大震災でもそういうことが言われ、徐々に徐々に今その整備が進められているところではございますが、まだ十分ではないというのは舩後先生の御指摘のとおりかと思います。 こういう状況を踏まえまして、文部科学省におきましては、令和三年度より、既存施設におけるバリアフリー化工事の補助率を三分の一から二分の一に引き上げるなど、学校設置者に対する支援の充実に取り組んでいるところです。他方で、公立小中学校等施設のバリアフリー化については、令和四年九月時点の調査結果を見ますと、全体として一定の進捗は見られるものの、令和七年度末までの整備目標の達成に向けて更なる取組の強化が必要である状況にございます。 引き続き、各学校設置者における取組の実態把握を行いつつ、その取組を後押しするために国として必要な支援に努めてまいります。
○舩後靖彦君 この数字は一年半前の数字ですが、二〇二五年までの整備予定を見ても、校舎においては、二市二町とも、バリアフリートイレ、段差解消の整備率は変わっていません。屋内運動場については、輪島市のみバリアフリートイレ、段差解消、エレベーター設置の予定が一〇〇%ですが、珠洲市、穴水町、能登町は全く変化がありません。 日本は災害大国です。毎年どこかで地震、豪雨災害などで避難する機会があります。しかし、車椅子で使えるバリアフリートイレもなく、段差があり、エアコンなど望めない一次避難所がほとんどです。これでは、私のような車椅子利用で二十四時間の介助、医療的ケアが必要な重度障害者はもちろん、視覚障害者、歩行障害のある人、オストメート利用の内部障害者、体温調節のできない人、赤ちゃん連れの人などはハード面で避難所から排除されてしまいます。 資料三を御覧ください。 この傾向は、石川県のみならず全国平均でも同様です。二〇二五年度までの整備予定では、校舎、屋内運動場におけるバリアフリー化の整備率は二〇二二年九月調査時点から数%しか上がらず、一〇〇%に遠く及びません。しかも、資料四にあるように、バリアフリー化の整備計画すら策定していない地方自治体が七五%に及んでいます。 耐震強化、バリアフリー化改修工事について国庫補助率を三分の一から二分の一に引き上げ、バリアフリー化加速化に向けた事例を紹介するなど取り組んでおられることは承知しています。しかし、ここまで進捗状況が芳しくない理由は何だとお考えですか。
○政府参考人(笠原隆君) 学校施設のバリアフリー化につきましては、令和二年度から令和四年度までの間に一定の進捗はあるものの、その取組状況には地域差があり、令和七年度末までの整備目標の達成に向けて、取組の遅れている地域を中心として取組の加速が必要であるというふうに認識してございます。 施設整備の主体である学校設置者においては、バリアフリー化を進める際の課題といたしまして、老朽化している施設の大規模改修の機会に合わせて工事の実施を予定しており早期の着手が難しいということですとか、バリアフリー化を含めた課題が山積している中で予算確保が難しいなどの意見があると認識してございます。 文部科学省といたしましては、バリアフリー化改修工事に対し、先進地域の事例の周知や取組の遅れが見られる自治体に個別にヒアリングを行い、取組の加速を促しているところでございます。 引き続き、各学校設置者の事情を丁寧に把握し、きめ細かい支援に努めてまいります。
○委員長(高橋克法君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(高橋克法君) 速記を起こしてください。
○舩後靖彦君 代読いたします。 大臣、地方自治体任せにするのではなく、政府の責務とするべきではないですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 御指摘はよく理解できるのですが、権限の問題というんでしょうか、地方分権ということでもあり、設置者というものが国ではなくそれぞれの教育委員会その他であったりということでございますので、責任主体が行うということを一層御理解をしていただく、そして整備を進めていただくということが何より大事なことだと思います。 そして、我々国としては、それら設置者、責任主体が行う整備に対しての支援をできるだけ手厚くしていく、こういうことではないかと考えております。
○舩後靖彦君 一方で、校舎のバリアフリートイレ、段差解消、エレベーター、全て一〇〇%の整備率を達成した自治体もあります。浦安市、箕面市、大東市、伊丹市、宝塚市などで、大阪市、藤沢市もほぼ一〇〇%となっています。浦安市、藤沢市、箕面市、伊丹市では、屋内運動場もほぼ全て一〇〇%です。これらの自治体は、本人、保護者の意向を尊重し、障害のある子もない子も共に学ぶインクルーシブ教育が進んでいます。 菅原麻衣子東洋大学福祉社会デザイン学部教授によりますと、藤沢市では小学校で給食の配膳目的でエレベーター設置を進めてきました。二〇一五年に全ての子供が居住地区の学校の通常学級に入学できることを保証して就学指定を行うインクルーシブ教育の方針を掲げ、これを機に学校施設再整備基本方針を策定、既存校舎のバリアフリー化、エレベーター設置を進めてきたといいます。 ふだんから学校に障害のある子供、教職員がいないところではニーズがなく、なかなか学校のバリアフリー化は進みません。その結果、今回の能登半島地震のように高齢化が進んだ地域で、ハード面も人的対応面でも何の配慮もない一次避難所で多くの要支援者が過酷な避難生活を余儀なくされます。避難所に行くことを諦め、壊れて危険な自宅にとどまらざるを得なくなるわけです。 障害者、高齢者、外国籍で日本語が不自由な人、赤ちゃん連れなど支援を要する人を含め、地域社会の多様な住民を災害時に受け入れるため、学校はふだんから多様な人が学び働けるバリアフリーでインクルーシブな環境であるべきと考えます。大臣、いかがですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 舩後先生におかれましては、私が、エレベーター、エスカレーターの駅への設置を始め、いろんな方々の、障害をお持ちの方も健常者にとっても、誰にとっても暮らしやすい、ユニバーサルな社会という言葉を使いますが、ユニバーサル社会推進法というのを作って取り組んできたということは御案内のことかと思います。 私も、インクルーシブな社会環境、こういったものをつくっていくことが必要であると考えておりますし、学校におきましては、障害等の有無にかかわらず、誰もが支障なく安心して過ごすことができるような環境を整えていくことが重要であると考えます。 文部科学省におきましては、学校施設のバリアフリー化に対する財政支援を行っているほか、令和四年三月に取りまとめた新しい時代の学びを実現する学校施設の在り方についての報告書において、インクルーシブ教育システムの理念を踏まえた施設環境の整備を推進する必要がある旨を示しております。 こうした考え方を踏まえた計画的な環境整備が速やかに進められるよう、引き続き必要な財政支援を講ずるとともに、学校設置者に対する働きなどを行っていく考えであります。
○舩後靖彦君 地域の学校で学びたいと希望する子供が学校設備面の理由でその希望がかなえられないことのないよう、入学後に物理的なバリアで嫌な思いをすることのないよう、しっかりと整備を進めていただきたいとお願いいたします。 さて、支援の必要な障害者や高齢者などにとって、避難所のハード面だけでなく、意識の上でのバリアが避難所への避難をためらわせることにもなります。 資料五を御覧ください。 環境の変化への適応が難しい発達障害や知的障害、精神障害のある人が大きな声を出したり言い争いになり、受入れに課題があると報じられています。 ほかにも、盲導犬を連れた視覚障害者が利用を断られる、二十四時間介助の必要な障害者が周囲への遠慮から避難所にいられなくなるなど、最初から避難所への避難を諦めてしまっています。 こうした心のバリア、差別や偏見は、幼いときから障害のあるなしで保育、教育で分けられてきた結果、お互いを知らないで育ってきたことで生じています。障害や慢性疾患を抱えた人の生活、そのニーズが知られていないから、非常時において災害弱者、避難弱者にされてしまうのではないでしょうか。 反対に、東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた宮城県石巻市で、気管切開と胃瘻で医療的ケアの必要な中学生の事例です。自分が通っていた小学校で二か月間の避難生活を送りました。一緒に避難した町内会の人たちの中にそのお子さんを知っている人も多く、夜間の吸引で音が出ても嫌な顔をされない。長期の避難生活の中で様々に配慮して温かく見守ってくださったそうです。 公立小中学校ではありませんが、熊本地震の際は、熊本学園大がキャンパスを避難所として開放。様々な障害のある人、高齢者、一般の近隣住民が避難したユニバーサルな避難所として注目されました。元々、様々な障害を持つ教職員、学生が在籍しており、ハード面でもソフト面でも多様な人に対応してきたインクルーシブな環境でした。だからこそ、非常時において即座に対応でき、学生、教職員、地域の障害者団体や住民が一体となって要支援者への対応に当たることができました。 つまり、ふだんから障害者、要支援の高齢者、外国人などが顔の見える関係を築いているコミュニティーが災害にも強いコミュニティーと言えます。そのためにも、地域の誰もが小さなときから通う保育園、学校で共に学ぶことが重要になってくると思います。大臣、いかがお考えですか。
○国務大臣(盛山正仁君) 先ほどちょっと私もバリアフリーのことをお話ししましたが、平成十二年、二〇〇〇年でございます、交通バリアフリー法という法律を政府提案で提出をいたしまして、そして、それで交通関係の施設にバリアフリー化義務化をしてから日本のバリアフリー化が進んだわけでありますが、そのときの国会で、当時は運輸大臣でございますが、当時、運輸大臣とのやり取りで運輸大臣からお答えいただいた内容が、ハードの施設整備は大変大事ですと、できるだけエレベーター、エスカレーターその他、そういったことを国としても力を入れてやっていきますという話をした上で、あわせて、大事なことというのは、心のバリアフリー、ソフトの部分ですと、相手のことをおもんばかって相手の困っていることに対して手を差し伸べるという心のバリアフリー、これが大事ですということを国会でも御審議をいただき、少しでも多くの方に御理解を賜ろうとしてきたところでございますが、今、舩後委員からお話がありましたとおり、現実にはまだそこまでなかなか行っていないというのが現状でございます。 それで、災害時の対応も見据えまして、共生社会の形成に向けまして、私ども文部科学省も、学校教育においてインクルーシブ教育システムを構築することが重要だと考えております。 文部科学省におきましては、障害のある子供と障害のない子供が可能な限り共に過ごすための条件整備と一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として、特別支援教育の充実に取り組んでいるところです。あわせて、障害のある子供と障害のない子供が触れ合い、共に活動する交流及び共同学習を各学校等で推進するためのガイドや具体の実践事例を紹介する動画のほか、心のバリアフリーノートの作成等を通じて、障害者理解教育の促進を図っているところです。 さらに、特別支援学校と地域の小中学校等を一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルの創設に向けまして、令和六年度予算案に関連事業経費を計上し、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が共に学ぶ環境を整備するため、様々な観点から実証的な研究を行うこととしているところです。 これらの施策を通じて、引き続きインクルーシブ教育システムの推進に向けた取組の充実に努めてまいります。
○舩後靖彦君 誰一人取り残さず、助かった被災者一人一人の命を守るために、医療、福祉、教育など個別必要な支援の確保と避難環境の整備が必要です。地方自治体任せにせず、国が全力を挙げて対応していただくことをお願いし、質問を終わります。
○委員長(高橋克法君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時七分散会