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213回国会参議院2024/06/18

農林水産委員会 第18号

発言数
181
登壇者
15
会派数
8
開催日
2024/06/18

会議録

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省消費・安全局長安岡澄人君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。  漁業法等の改正に対する審議ですけれども、今国会、この通常国会において、政府、農水省に関する政府提出法案の最後の閣法であります。今国会において、いろいろ立場と考え方の違いはありながらも、各党各会派の御協力の下、参議院では衆議院を超える質疑時間で、いろいろ、結論についてはいろんな御意見があったと思うんですけれども、筆頭理事としても、横沢理事始め皆さんの御協力の中で、何とか充実した審議をということで、至らない点も多々あったとは思いますけれども、各党各会派の皆さんの御協力にこの場をお借りして感謝申し上げたいと思います。  この法案については、マグロについての法案であります。当委員会以外の委員会でこの問題について取り上げたことが私ございました。その際も、野党席の皆さんから、いい質問だと、大切だと、この課題は必要だという話をいただきました。だからこそ、(発言する者あり)あっ、与党の方ももちろんそう思っていらっしゃると思うんですけれども、恐らく、このクロマグロの資源を回復させ、そして漁師の皆さんがもっと捕れるようにという声を反映できるような体制をつくってほしいという思いは一緒だというふうに思っております。是非ともいい形を皆さんとともにつくっていければというふうに思っております。  太平洋クロマグロの資源量は、私が国会議員になったのが二〇一三年ですけれども、その頃というのは本当に資源量が危機的な状況でありました。漁業者などの資源管理の大変な御苦労の下、資源が私は着実に回復してきたんだろうというふうに思っております。  太平洋クロマグロを始めとした水産資源の資源管理に向けたこれまでの取組の評価、そして課題について、農林水産大臣としてどのように認識しておられるのか、お考えをお聞かせください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 太平洋クロマグロにつきましては、委員おっしゃるとおり、資源は順調に回復をしているところであります。これは、漁業者の皆様が厳格な資源管理に取り組んでこられた努力の結果であると認識をいたしております。  他方、その管理の基礎となる漁獲量等の報告義務に違反した漁獲物が流通する事案が発生したことから、その再発防止や管理強化を図ることが急務であると考えまして、今回の法案提出というふうになったところでございます。  太平洋クロマグロ以外の資源を含めました水産資源の管理につきましては、これまで、令和二年に策定いたしましたロードマップに沿いまして数量管理を基本とする資源管理の取組を進めてきました結果、資源評価対象種やTAC管理資源の拡大など、一定の基盤がおおむね整ってきたところでございます。  他方、例えば資源評価の精度の向上、また突発的な来遊への対応など、TAC管理の運用の改善、そして遊漁の管理の推進といった解決を要する課題も浮かび上がってきたというふうに考えております。  こういったものを踏まえまして、令和六年度以降の具体的な取組を示しましたロードマップを令和六年三月に策定したところでありまして、引き続きこのロードマップに基づきます取組を進めてまいる所存であります。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 私は、佐賀県の呼子という漁村で百二十年続く魚屋を実家は営んでおりまして、父親が四代目、私が本当は五代目にならなくちゃいけないんですけれども、そういう性格もあって、地元の玄界灘の漁師の皆さんとお話をする機会も多々あります。また、今、私、自民党の水産部会長をしておりますので、全国の浜にお邪魔して漁師の皆さんと意見交換する機会が多々あります。漁師の皆さんとお話をすると、毎日海に出ている肌感覚と行政など公的機関が発表する資源量との間にずれがあるんじゃないかという話をよく聞きます。実際はもっと魚が増えているんじゃないかと、もっと捕ってもいいんじゃないかと、捕らせろといって御批判を受けることも多々あります。  水産庁として、調査、資源評価の科学的信頼性の担保についてどのように認識されていますでしょうか。また、科学的な評価の信頼性、また、それに基づく漁獲枠の妥当性について、現場の漁師の方々にどのように説明し、理解を得る努力を、今後どのように当たっていく考えなのでしょうか、お聞かせください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  太平洋クロマグロにつきましては、WCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会の科学機関でございますISC、北太平洋まぐろ類国際科学小委員会が資源評価を実施をしているところでございます。ISCには我が国の研究者も参加し、資源評価の作業に貢献しております。また、我が国が積極的に実施している太平洋クロマグロの研究調査結果を提供し、資源評価の信頼性向上に努めているところでございます。  ちなみに、現在見られております太平洋クロマグロの資源回復につきましては、過去の資源評価において予測されていた資源動向とも合致しているという状況でございます。  水産庁としましては、毎年、この太平洋クロマグロに関心を有しておられます国内の漁業関係者との意見交換会を実施しまして、ISCの資源評価の結果について説明するとともに、我が国の漁獲枠を含みますそのWCPFCでの資源管理について今意見交換を重ねているところでございます。引き続き、丁寧に説明をいたしまして、理解を得るよう努力してまいりたいと考えております。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 今回の法改正案を提出することになった端緒というのは、水揚げされたマグロが報告されずに流通されたという事件が明るみになったことであります。逮捕者まで出てしまったゆゆしき事件だというふうに思っております。漁獲量の信頼性、科学的評価の信頼を大きく損なう事案だったというふうに思っております。  水産庁として、政府として、今回の事件が起きた原因はどこにあったと分析されているのでしょうか、また今回の制度改正は再発防止に向けて必要十分となっているのでしょうか、お考えをお聞かせください。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) お答えを申し上げます。  今回の事案というのは、あの大間の事案だというふうに思いますけれども、あの大間の事案についての原因ということであります。まず、特に大型の太平洋クロマグロの個体の経済的価値が高く、TAC報告をあえて行わないことで多額の利益を得られるということが大きな誘因となったのではないかというふうに考えております。  また、本事案のような漁獲未報告事案に対して現行の仕組みでは幾つかの課題があるというふうに認識をしております。まず一点目は、不正な水揚げの予防体制や取締り体制が脆弱であるということであります。そして二点目は、太平洋クロマグロの大型魚は、通常、個体単位で取引されているにもかかわらず、TAC報告では総量のみが報告事項でありまして、不正事案通報があったとしても不正事案の迅速な照合、確認が困難であるということであります。そして三点目は、流通事業者を直接規制する仕組みがなく、流通段階が進むほどTAC報告義務に違反した漁獲物の取扱い事業者の取締りが困難になっていくといった、こういった課題があるというふうに認識しております。  このため、漁獲監理官の新設等による取締り体制の強化をまず行うということとともに、本法案においてTAC報告事項への本数の追加やその基となる情報の保存の義務付け、違反者に対する罰則強化、これが漁業法の改正であります。そして、また同時に、漁業者、流通事業者に対する情報の伝達、保存の義務付け、これが水産流通適正化法の改正ということになります。これらの措置を行うこととしております。  これらによりまして、本件事案のようなTAC未報告事案の再発防止のための抑止力というのはかなり大きく高まるというふうに考えておりまして、また、違反事案が疑われる場合にはより的確に取り締まることができるようになるというふうに考えております。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 二度とこうした問題が起きないように関係者皆で対応していかなければならないというふうに思っております。  一方で、漁業者の皆さん、漁師の皆さんとお話をすると、改正案が実施されると相当な負担になるのではないかというような懸念の声も聞きます。例えば西日本の、これは九州じゃないですけど、西日本の漁師の皆さんと話をすると、こっちは真面目にやっているのに何でこんな負担を強いられるのかということで、また、すごいそれに対しても厳しいお声をいただくことが多々あります。正直者がばかを見るようなことにはならないでほしいという話もされました。  法改正による義務付けが漁業者や流通業者、市場関係者の過度な負担とならないのでしょうか、考えをお聞かせください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 今回の改正法に盛り込みました制度におきましては、漁業者や流通事業者等に必要な情報の伝達、記録、保存等を義務付けることになりますが、この制度の運用や省令の策定に当たりましては、その対象となることを想定しております太平洋クロマグロの大型魚、これについては、全国津々浦々の港で年間を通じて、さらに様々な漁業種類で漁獲、陸揚げされているという実態がございます。  こういった点を踏まえて、現場の新たな負担が可能な限り軽減されるよう、現在、商習慣上発行されている取引伝票やタグなどを用いて円滑に義務を履行できる仕組みとすることを考えているところでございます。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 法改正の施行に当たり、新たな義務を負う漁業者、流通業者、産地の市場関係者等の負担が軽減されるように対応するとともに、支援策を私は講じるべきではないかというふうに思っておりますけれども、その点については、お考えをお聞かせください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 今般の法改正におきましては可能な限り負担が軽減される仕組みとすることとしておりますけれども、漁獲から流通までの円滑な管理が可能となるタグなどを活用した電子的な情報伝達手段の推進を図る実証事業、これも令和五年度から実施をしているところでございます。  他方で、例えば、現在、各市場で用いられております伝票発行システムの状況によっては、その改修等を行う必要が生じるなど、関係者に一定の負担が生じる可能性もあるというふうに承知をしております。こうした負担をいかに軽減するかについてもしっかりと検討してまいりたいと思います。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 是非とも、支援策を充実させていただくとともに、関係者の皆さんに本当に丁寧に説明をしていっていただければというふうに思っております。  先ほど申し上げたように、私は呼子という漁村の出身で、イカが有名なんですけれども、私の町と対岸は隣に座っている山本啓介理事の壱岐という島で、この辺りというのは本当にイカのすごくいい漁場でありましたけれども、今、イカがすごく減っているという状況にあります。これは、漁師の皆さんと話をすると、マグロを捕ったりすると、マグロの腹をさばくとイカがすごくたくさん入っていると。マグロが見えるともうイカがいなくなってしまっているというような御指摘を受けます。  一方で、佐賀県なんかは元々そんなにマグロを捕っていなかったので、マグロの枠が本当にすごく少ない状況にあるので、もうすぐ枠の上限に達してしまうので、例えばイカが捕れないから代わりにマグロを捕りたいと思っても、もうそもそも枠がないと。このマグロがいるからイカがいなくなっているんじゃないかというような御指摘もいただきます。また、マグロが掛かっちゃうけれども枠がないから放す。けれども、結果的に一回掛かっちゃったマグロを放しても死んでしまうと。これ、何のためにやっているんだということで、やりきれない思いを伝えられることもあります。  こうした問題の一番の問題は、日本全体の枠が少ないことにあるのではないかというふうに考えております。今回の制度改正は日本全体の増枠に結び付く内容となっているのでしょうか、農林水産大臣の考えをお聞かせください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 我が国で発生しました違法な未報告事案は、資源管理措置が正しく実施されなかった事例としてWCPFCの会合でも報告をされておりまして、我が国が望みますWCPFCにおける今後の増枠の検討に当たりましては、早急に再発防止策を講じ、WCPFCの会合で説明する必要があるという状況でございます。  そのために、今回の法改正によりまして、未報告事案の再発防止や国内管理の強化を行っていくことで、まずは国際的信用の回復をすると。その上で、我が国の増枠に、その信用を回復した上で増枠を実現するということにつなげていきたいというふうに考えております。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 是非とも、こうした法整備を進めていくことによって日本の資源管理というのはちゃんとしているんだということを内外に示した上で増枠を勝ち取っていただきたいと思いますし、また、その増枠においては、沿岸漁業の皆さんにもちゃんと配慮して、そうした漁業、浜々の漁業が成り立っていくような対応をしていただきたいというふうに思っております。  また、仮に増枠が実現した場合、混獲、間違って入っちゃったときの問題について、どのように対応できる可能性があるのか、余地があるのか、現状においてお考えをお聞かせください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) お答えいたします。  太平洋クロマグロの国内の漁獲枠でございますけれども、この配分につきましては、水産政策審議会の下に設置されましたくろまぐろ部会において取りまとめられた配分の考え方に基づき行っているところでございます。  この考え方におきましては、配分に当たりまして、混獲回避や放流等の作業負担の大きい漁業の負担を一定程度考慮すること、増枠の際には混獲回避を行うなど漁獲枠管理の負担の大きい漁業者や捕り控えた都道府県、漁業等に対して配慮することを検討すべきとされてございます。  今後、増枠の可能性が出てきた場合にも、こうした考え方に沿って対応することになるというふうに考えてございます。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 増枠を是非とも勝ち取ってほしいというふうに、多分、恐らくここにいらっしゃる皆さん、全ての皆さんが思っていらっしゃると思いますけれども、その増枠が、云々は、可否は別としても、混獲問題にできることは現状取り組んでいただきたいというふうに思っております。  混獲の回避や放流した漁業者への支援について、水産庁としてこれまでどのように対応してきて、今後どういった点について力を入れていきたいというふうに考えておられるのでしょうか、お考えをお聞かせください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) お答えいたします。  クロマグロのその混獲回避の取組につきましては、特に一定の混獲が避けられない定置網におきまして放流手法に関する技術開発に取り組みまして、操業方法の工夫ですとか定置用の魚群探知機の開発等、一定の成果が得られているところでございます。  現在は、国といたしましても、放流の取組に対する作業経費の支援ですとか、混獲回避のために必要な機器の導入や漁法転換に要する経費の支援を行いまして、放流技術や機器等の普及に努めているところでございます。  引き続き、現場の状況を踏まえまして、放流等の取組に対する支援を行うなど、適切に対応してまいります。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 是非とも、こうした放流であったりとか混獲に対する取組というのを力を入れていっていただきたいというふうに思っております。  また、先ほど触れましたように、どうしても今捕れていない、元々違う魚種を捕っていたその資源量の減というものが、マグロであったり、またよく言われるのは、鯨が増え過ぎているせいでほかの魚種がいなくなっているんではないかというような御指摘をいただきます。  水産庁としては、はい、そうですというふうには言えないかもしれないですけれども、恐らく毎日漁に出ていらっしゃる皆さんの感覚からすると、食物連鎖のやはり一番上のものが増えてしまうと、どうしても下のものがどんどん減っていくと。だからこそ、食物連鎖の一番上の枠であったりとか漁獲量を増やさないと、ほかの漁師の皆さんにとってみても、ほかの浜の人にとってみても影響が非常に甚大だというような御指摘をいただいて、それについて、いや、絶対違いますというのは多分なかなか言えないというふうに思うんです。  だから、そうした問題について、もちろん枠を増やしていく、上のものを捕れるような環境をつくっていくとともに、今漁師の皆さんが目の前で捕りたいと思っている資源量が減っている原因についてすとんと落ちるような説明とか、また、この現状が、このぐらい捕れるはずなのに、いや、実際のデータは少ないですと言われたときに何だろうなという思いをしないような形にしていくためにも、やはりそういった視点においても、私は、デジタル化であったりとかそうした新しいテクノロジーの技術を生かしていくということは不可欠ではないかというふうに思っております。  漁業における資源管理の精度を高め、かつ漁業者などの負担を減らし、科学的評価への納得感、これ納得感というのが大事だと思うんですけれども、納得感を高めていくためにもデジタル化を進めていくことが私は不可欠だというふうに思っております。  情報伝達のデジタル化を進めるために、国としてどのような取組を行っていくおつもりなのか、またシステムの構築や連携が可能となるのはいつ頃と見通しているのでしょうか、お考えをお聞かせください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) お答えいたします。  水産庁におきましては、これまでに五百か所以上の漁協及び産地市場から水揚げ情報を電子的に収集する体制、このほかに大臣許可漁業の電子的な漁獲報告体制を構築をいたしまして、運用を開始しているところでございます。  今後は、これらの体制を活用いたしまして、資源管理の推進のための新たなロードマップに沿いまして、令和十二年度までに漁船・許可情報のその一元管理システムの構築等に取り組んでいくこととしてございます。  また、今般の水産流通適正化法の改正によりまして義務付けられます特定第一種第二号水産動植物についての情報伝達のデジタル化につきましても、現在、タグ等を活用した電子的な情報伝達等に係る実証事業を行うとともに、現行のその水産流通適正化法に基づきます義務の履行に用いられておりますシステムを活用できるように、現在そのシステム改修に向けた準備を進めているところでございます。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 是非ともそうしたスマート水産業と、まあもっと裾野の広いものだというふうに思いますけれども、そうしたものを政府を挙げて取り組んでいただきたいと思いますとともに、それに物すごいお金が掛かって、結果的に漁業者の負担が増え過ぎて、なかなかそうしたものに取り組みづらいということがならないような対応を政府を挙げてしなくちゃいけないというふうに思っています。  これ、私が自民党水産部会長だから申し上げるわけではなくて、これ、この法案が入る前まで農業の法案を議論していて、基本法の改正において、やはり前の法律ができたときから農業予算が減ってしまったということで、厳しく御指摘をいただきました。なので、恐らく農林水産省としてはこの基本法の成立を受けて農業の予算を増やしていかなくちゃいけないというふうに、これはみんな各委員同じ意見だと思うんですけれども、往々にしてそういうときに、農業の予算を増やさなくちゃいけないからということで、例えば林業とか水産業が割を食うみたいなことはあってはならないというふうに思っています。  森林があってこその農であり、そして水産であると。そしてまた、食料の安全保障であったり食料自給率というのは、これは何も農業だけではなくて、水産業と一体となってやらなくちゃいけないというふうに思っていますので、これは毎回毎回、補正と合わせて水産予算が三千億で、これでいいんだということではなく、恐らく水産も増やしていって、農業も増やしていって、林業も増やしていくということが必要だというふうに思っていますので、これは、私も部会長をやっていますので、私自身も全力で取り組むことをお約束して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。  よろしくお願いいたします。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 おはようございます。立憲民主・社民の徳永エリでございます。  参議院農林水産委員会、閣法の審議、今国会最後ということでございますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  去年の四月十八日にもこの委員会で質問させていただきましたけれども、青森県の大間で三年間にわたりまして、太平洋クロマグロの漁獲を報告せずに静岡中央卸売市場に出荷していたという事件で、同様の事件の再発を防止すること、また逮捕者まで出たこの事件が、WCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会での今後の交渉に影響するのではないかということを大変懸念されておりました。  そういうことから、更なる管理強化のために今回漁業法とそれから流適法の改正に至ったわけでありますが、今回、漁業法でクロマグロが特別管理特定水産資源に指定され、流適法の適用になることで、TAC報告義務を果たしていないクロマグロを特定すること、これまでできませんでしたけれども、できるようになるのかということと、大間と同じような事件の再発防止や管理強化に果たしてつながるのか、また交渉への懸念、これは払拭されるのかどうか、まずはお伺いしたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 今回のような漁獲未報告の事案に対しまして、現行の仕組みでは不正な水揚げの予防体制や取締り体制が脆弱でありました。それから、太平洋クロマグロの大型魚は、通常、個体単位で取引されているにもかかわらず、TAC報告では総量のみが報告事項であり、不正事案通報があったとしても不正事案の迅速な照合、確認、これが困難でありました。さらには、流通事業者を直接規制する仕組みがなく、流通段階が進むほど、TAC報告義務に違反した漁獲物の取扱事業者の取締りが困難であったというような課題があるというふうに考えております。  このため、漁獲監理官の新設等によりまして取締り体制の強化を行うというのが本法案でございますけれども、この本法案におきまして、TAC報告事項への本数の追加、そしてその基となる情報の保存の義務付け、違反者に対する罰則の強化、これを漁業法改正で行ってまいります。一方、漁業者、流通事業者に対する情報の伝達、保存の義務付け、こちらの方を水産流通適正化法の改正で行ってまいります。  これらによりまして、類似の事案の抑止力は大きく高まるというふうに考えております。違反事案が疑われる場合に、より的確に取り締まることができるようになります。さらに、関係国への信頼が高まります。太平洋クロマグロの増枠交渉にもその信頼が寄与するものというふうに考えております。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 流通段階でTAC報告済みと特定できるかというお話もいただきました。  クロマグロの陸揚げからTAC報告までには、一定の時間、今ですと、IQ管理のものですと三日以内、総量管理のものですと翌月十日までという形の報告義務になっておりまして、一定の時間があるということで、必要ということで、今回の改正によりましても、流通段階でTAC報告済みとの特定は引き続きできることにはなっていないということでございます。  しかしながら、今回の法改正によりまして、流通段階でこの船舶の名称、重量等の情報の伝達を行うということでございますので、疑義情報があった場合にはその情報とTAC報告の内容との検証を迅速にできるような仕組みということでございます。これは、TAC報告義務違反に対しましては大きな抑止力となるというふうに考えております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 先ほど大臣から違反者に対する罰則を強化するというお話がございましたけれども、今回の法改正で、TAC報告義務を果たさず、また、虚偽の報告をした場合には、漁業法の第百九十二条で漁業者への罰則について法定刑の引上げ、そして第二百条で卸、仲卸など事業者に対する新たに一億円以下の罰金という重い刑罰を科すということであります。  この漁業関係者への罰則の新設、強化によって違反行為の抑止をしようというお話がございましたけれども、あの大間の事件は、私はこれ、漁業関係者だけの責任問題ではないというふうに思っているんですね。やはり、国や都道府県、こういったところにも問題があったんじゃないかというふうに思うんです。  水産庁に、この大間の事件ですけれども、情報があって発覚したわけでありますけれども、地元ではその情報が届く前からうわさになっていたということも耳に入っています。それから、二〇一七年に北海道の南茅部地区で起きた定置網へのクロマグロの混獲、漁獲上限の大幅超過によって、配分を守り操業を行っていたほかの地域の漁業者の方々が六年間も休業を余儀なくされたということであります。明らかに国や道の情報収集不足による管理の失敗であり、国と道や、それから青森県が連携をして、地域、特に浜の情報をきちんと収集できていれば、枠の大幅超過も漁獲の未報告事案ももっと早く対応できたのではないかというふうに思います。  そこで伺いますが、先ほど大臣からもお話ありましたけれども、水産庁の資源管理体制どうなっているのか伺いたいと思います。資源管理推進室の定数、また、新設された漁獲監理官の定数は十分なのか、それから、それぞれの役割や連携は今後どうなっていくのか、また、法改正による罰則の強化によって自治体や地域の漁協は相当ナーバスになっております。チェック体制も強化せざるを得ません。そんな中で、経費や業務の負担が増えるという切実な声も上がっています。  今後どのようにして、管理や情報収集など、国、都道府県、そして浜との連携を強化していくのか、お伺いいたします。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) この本年四月から水産庁に漁獲監理官というのを新たに設置をしたところでございます。定員につきましては二十三名体制ということでございます。  また、この漁獲監理官によりまして、太平洋クロマグロの主要な陸揚げ港におきまして、関係事業者等を対象とした陸揚げ状況の検査、巡回指導を開始をしたところでございます。  また、あわせまして、このTAC制度の運用につきましては資源管理推進室が担当しております。こちらの方は十五名の体制ということでございますが、引き続き、この資源管理推進室、さらに漁獲監理官併せ、都道府県とも連携しながら、あるいは現場の声もしっかりよく聞きながら、TAC制度の運用、あるいはその漁獲管理に努めてまいりたいというふうに考えております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 長官にお伺いいたしますけれども、国や地方自治体、都道府県、こういったところのやはり責任というのもお感じになってはおられますでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  そもそも論で申し上げますと、その漁獲枠の遵守、TAC報告の遵守につきましては、まずは漁業者の方々に守っていただくべき基本的なルールとは考えているところでございます。  他方で、御指摘のありました北海道あるいは青森の事例につきましても、漁業者の意識の問題に加えて、国や都道府県の管理がよりしっかりしていれば抑止できる可能性もあったんではないかというふうには、という指摘があること、これはしっかり受け止めまして、今回の法改正によりまして管理強化を図るというふうにしたところでございます。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 情報収集、そして連携の強化、しっかりやっていただきたいと思います。  大間の事件で逮捕された水産会社の社長さんは、悪いことをしているのは分かっているけれども、みんな食べるためにやっていると。本当、切実な声だというふうに思うんですね。  本当にルールを守らないということは良くないことでありますけれども、今本当に水産の現場がどれだけ厳しいかということは皆さんよく分かっていると思います。温暖化の影響で海水温が上がって、捕れる魚が捕れない、これまで捕れなかった見慣れない魚がどんどん捕れる、大量に捕れて魚価がなかなか上がらない、安い値段しか売れないということがあります。  それから、北海道などでは赤潮の影響で、例えばツブなんかはもう壊滅してしまって、ツブ漁師がツブが捕れなくなってしまっているとか、それから、中国の日本の水産物の輸入の全面停止、こういったこともありますよね。こういった浜の漁業者の暮らしが大変厳しい中で、今、マグロの資源が回復して、もう二百キロクラスのマグロが目の前を泳いでいるわけですよ。それは捕りたくなると。その気持ちだけは是非とも理解をしていただきたいというふうに思うんです。  六月四日、東京で全国クロマグロ会議が開かれまして、自治体の担当者、漁協、漁師さんたち、またマスコミ関係者など二百名ほどが出席して、七月十日から北海道の釧路で行われますWCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会での交渉に向けて意見を聴取したということでありますけれども、そこでどんな意見があったのか、また七月の交渉で我が国はどういう方針で臨むのか、教えていただきたいと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  六月四日に開催されました太平洋クロマグロに関する国内関係者との意見交換会におきましては、WCPFCの関連会合に向けた対応について、参加された漁業関係者の方々から、二〇一五年からの厳格な資源管理の結果、資源が順調に回復したことを歓迎する意見とともに、できるだけ多くの増枠を実現してほしいとの意見をいただいたところでございます。  本年七月から十二月にかけて、この太平洋クロマグロの漁獲枠を議論するWCPFCの関連会合が開催されるわけでございますけれども、我が国としては、こうした漁業関係者の意見を踏まえて増枠を提案し、関係国と協議を行っていく方針でございます。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 漁業者のその厳しさ、苦労が分かっているのかというようなことでございました。  近年、海洋の環境変化に伴いまして、委員おっしゃりますように、サケ、スルメイカ、サンマなどの一部の魚種の不漁や、これまで地域では捕れなかった魚種の水揚げが増えるといった資源の変動が起きております。北海道では赤潮が発生をいたしております。  私も、かなり前に、天草の最南端で三年間、漁業の町で勤務をしたことがありますけれども、そのときは全国で一千万トン捕れておりました。今は三百万トンでございます。非常にやはり資源的にも厳しくなっている、潮流、海流の変化もあるというようなことで、とりわけ、それに対して沿岸漁業者の皆様方がその対応に大変苦慮されているということは十分理解をしているところでございます。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 北海道で今、本来は九月から捕れるブリがもう揚がっているらしいんですよ。それも脂の乗っていない、型の小さいブリなものですから、全然値が付かないということなんですね。  今お話しいたしましたその北海道のえりもなんかは、十一月にサバが来るそうです。脂の乗ったサバで、そのやっぱりサバを追ってマグロが来るんですね。さっきイカという話がありましたけれども、テレビ番組でも放映されておりましたけれども、とにかく物すごい量のクロマグロが北海道にやってくるということでありまして、それを見ながら漁師の皆さんはどんな思いであるかということを、改めてちょっと共有をしていただきたいというふうに思うんです。  前回のWCPFCでは、増枠を我が国は要求しなかったわけですよね。今回はもう是非とも増枠を要求していただきたい。漁業関係者からは、厳しい資源管理に取り組み、目に見えて資源量が回復しているんだから、何としてでも、とにかく何としてでも今回は大幅な増枠を実現してほしい、期待の声が上がっているわけであります。  もう一度、大臣に、その増枠に向けての意気込みを聞かせていただきたいと思いますが、お願いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 太平洋クロマグロにつきましては、厳格な資源管理に取り組んでこられた結果、資源は順調に回復をしております。我が国漁業関係者の間には、増枠に対する本当に強い要望、これは全国大会でもそうでございましたけれども、要望があるということは十分承知をしております。  太平洋クロマグロの増枠につきましては、WCPFC等の関係の国際会議におきまして、先ほど言いましたように、まず信頼をしっかりと取り戻す、その上で増枠を実現させる、そういう意気込みを持って全力で取り組んでまいりたいと思っております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 力強い御答弁をありがとうございました。是非よろしくお願い申し上げたいと思います。  さらに、その増枠が実現した際には、TACの配分について改めて御検討いただきたいというふうに思います。  水産政策審議会が取りまとめた配分の考え方に従って、沿岸漁業者に配慮しながら配分されているということでありますけれども、クロマグロのTACの配分は、大中巻き網漁業者と小規模沿岸漁業者、それぞれ二分の一ずつとなっていますけれども、沿岸漁業者は配分に実は納得をしていない、そんな声が聞こえてきています。  南茅部地区の連帯責任を終えてやっと操業できるようになった漁師さんも、枠を小型魚から大型魚に変えて、大型魚を中心に捕っていましたけれども、沿岸には元々、沿岸クロマグロ漁業の承認数に合うだけの配分がないということでありまして、たった二日間で操業をやめざるを得なかったということなんですね。  ですから、漁業者の意見を聞いていただいて、その声を反映させる形で、国内の沿岸、沖合、漁業種類ごとの配分ルールについて、現場の実態を踏まえてしっかり検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 太平洋クロマグロの漁獲枠については、水産政策審議会の下に設置されましたくろまぐろ部会において、沿岸、沖合の配分等への関係者からの意見を踏まえて取りまとめました配分の考え方、これに従って、沿岸漁業へ配慮しながら漁業種類や都道府県ごとに配分を行っているところでございます。  先ほど二分の一というお話がございましたが、この管理当初配分、管理開始当初の配分につきましては、巻き網漁業には半減以上の削減を求め、沿岸漁業を含むその他漁業につきましては四二%の削減にとどめたというような実績もございますし、また、現在、令和六管理年度の大中型巻き網の小型魚の枠につきましては、基準年の二〇〇二年から二〇〇四年の平均漁獲実績の五分の一にまで減少させております。  こうした形で、考え方に従って、沿岸に配慮した配分を行っているところでございます。また、今後、増枠の可能性が出てくる場合には、この配分の考え方の見直しも行うことになると思っております。  今後も、沿岸漁業への配慮などを行いながら、適切な資源管理に努めてまいりたいと考えております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 北海道の沿岸漁業者の方にお話を聞きましたら、道内でも会議はいろいろあって、その会議に参加していろいろ意見を言っているんだと。先日の会議にも、全国会議ですか、そこにも行かせていただいて意見をさせてもらったと。でも、いつも返ってくる答えには自分たちの意見が反映されていないんだと。だから、しっかり聞いていただいて、ああ、自分たちの意見が反映されたんだと、そういう形にしてほしいということを言われましたので、是非、沿岸漁業者に配慮したTACの配分、しっかり御検討いただくようにお願い申し上げたいというふうに思います。  それから、先ほどもお話ございましたけれども、混獲の問題であります。  リリース、放流するか、死んでしまったら海上投棄ということになるんですけれども、死んでしまって投棄したクロマグロもカウントされるということであります。資源が回復して、定置網の中に大量のクロマグロが入って、これが酸欠を起こしてしまってほとんど死んでいるということなんですね。これをカウントすると、もう枠を大幅に超過することになってしまうと。また、巻き網や底引きと違って、投棄したマグロが浜に打ち上げられて腐敗する。異臭を放ったり、処理に経費や手間が掛かったり、けがをしたりするという話も聞こえてきています。  それから、もういつも私も思うんですけど、今やっぱり環境保全って、これもう国際的なテーマですよね。この環境保全や命を尊ぶという観点からも、本当にこのやり方でいいのかなと。これ、すごく難しいんです、ルールを作るのは難しいとは思いますけれども、本当にこの環境保全、命を尊ぶということはやっぱり考えなきゃいけないなと思うんです。  巻き網や底引きなどは、型の小さいお金にならない魚を海上投棄しているというような話も聞きます。そして、その投棄した量を報告していないんじゃないかということも問題になっているということであります。この問題、大変重要だと思いますので、この七月のWCPFCの会議のときにこういった話もしていただくことというのはできないんでしょうか。参加国できちんと議論すること、これ重要なテーマだと思いますけれども、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 意図せずして混獲をされましたクロマグロにつきましては、生存放流の徹底をお願いしているところです。その上で、混獲時に既に死亡している場合には、TAC報告の漁獲実績に含めて報告するよう指導しているところであります。  また、定置網でのクロマグロの混獲回避につきましては、これまでの放流手法に関する技術開発の結果、例えば、クロマグロが入網していた場合に網の外に出すための操業方法の工夫、さらには、定置網への入網状況を陸上から確認することによりまして混獲を回避しやすくするための定置用魚群探知機が開発をされております。一定の成果が得られているところであり、現在は放流技術や機器等の普及に努めているところでございます。  今後とも、漁獲枠を遵守するために放流等を行わなければならない状況を最小限にするため、漁獲枠の融通の促進あるいは混獲回避の取組に対する支援を行ってまいりたいというふうに思います。  国際会議の方でどのように主張していくかは、これは水産庁長官の方からお答えさせていただきます。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) この前の、せんだっての全国会議の方でも報告をさせていただいておりますけれども、そのISCにおけます資源評価におきましては、この太平洋の西側におきます放流後の死亡等のインパクトが減少していないという評価が付記されてございます。  我々といたしましては、こういったものも、何といいますか、ちゃんと踏まえながら枠の設定に臨んでいくということで対応したいと考えてございます。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 先ほども申し上げましたけど、いろいろ御努力いただいているのは大臣の話でもよく分かるんですけれども、とにかく、恐らく地域によっても違うかもしれませんけど、今北海道に来ているクロマグロって本当すごい量なんですよ。定置の中に混獲を避けようにも避けられないぐらいもうどんどん入ってしまって、もう過密で窒息して死んでしまうという状況でありますから、本当に漁師さんたちも心を痛めていると思います。  これ、もうなかなか、私たちもよくどういう方法があるかねって考えるんですけれども、このルールを緩和するとどんどん捕ってしまうということにもなりかねませんから、本当にその国際的なルール、会議の中でこの問題をどうしていくのかということを真剣に話し合っていただいて、少しでもいい方向に向けていただきたいということを重ねてお願いをしておきたいというふうに思います。  それから、最後に、クロマグロ遊漁についてお伺いをしたいと思います。  クロマグロの遊漁の採捕量は、留保分から年間四十トン拠出しています。このクロマグロ遊漁についても、昨年の四月にこの委員会で質問させていただきましたけれども、今回またこういった法案の審議があるんだということ地元の漁師さんにお話ししましたら、いや、横流しがね、まだあるんだよねというお話を聞きました。  遊漁船業の登録数は今一・三万件、遊漁船の隻数は一・六万隻ということでありますけれども、このクロマグロ遊漁の管理体制と、水産庁は、そのクロマグロ遊漁から水産卸会社などへこのクロマグロの横流しがあるのかどうか、あるとしたらどのぐらいあるのか、この実態把握というのはしているんでしょうか。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 委員御指摘のように、遊漁によりまして採捕されたクロマグロをその遊漁者が市場ですとか飲食店などに持ち込んでいるといった疑義情報が水産庁にも寄せられております。  遊漁者がその採捕をいたしましたクロマグロを市場等を通じまして営利を目的として販売し、利益を得るということは、沿岸クロマグロ漁業を営むということになりますので、許可や承認などを得ない沿岸クロマグロ漁業を禁ずる広域漁業調整委員会の指示に違反するということになります。  このため、水産庁といたしましては、広域漁業調整委員会指示についての周知徹底を図るとともに、疑義情報があった際には都道府県と連携をいたしまして立入検査を行っているところでございます。さらに、市場関係者等に対しましては、遊漁者が採捕したそのクロマグロの取扱いを行わないよう要請するとともに、疑義情報に接した際には水産庁に情報提供をするように要請をしているということでございます。  なお、今年の四月から水産庁に漁獲監理官を設置しまして、太平洋クロマグロの主要な陸揚げ港におきまして、関係事業者等を対象とした陸揚げ状況の検査ですとか巡回指導を開始したところでございます。クロマグロ遊漁につきましても、都道府県の水産部局等と連携を図りつつ、監視や取締りの強化を図ってまいりたいと考えてございます。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 クロマグロの漁業者の方々が資源管理一生懸命頑張っているわけでありますから、この遊漁船からの横流しということがなくなるように水産庁としても徹底していただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。  それから、遊漁船の場合には、遊漁船を運営しているというか、経営しているというか、そういう方々の目が釣り人以外にありますから、小型魚は採捕禁止ですし、釣れたらリリースをしなければいけない、それから三十キロ以上の大型魚は一日一人一尾と、こういうルールを守っているかどうかということの確認を客観的な目ですることができるというふうに思いますけれども、例えば法人とか個人が所有しているプレジャーボート、こういったものの場合にはなかなかこれ確認が難しいんじゃないかというふうに思うんですね。  水産庁への報告が正しいかどうかということを果たして客観的にチェックできるのかどうかというと、できないんじゃないかというふうに思いまして、この点をどうするのかということを昨年質問したときにお伺いいたしましたところ、再発防止のために今検討をしているところだという御説明がございました。  あれから一年以上たちましたけれども、このプレジャーボートで採捕したクロマグロ、これに関してきちんと報告できているのかどうか、この確認方法についてお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 遊漁につきましては、プレジャーボートを使用した採捕を含めまして、クロマグロを採捕した遊漁者に対して、報告用ウェブサイトや水産庁で開発したアプリ等を利用しまして採捕量等の報告を義務付けているということでございます。  実際には、期間ごとに委員会指示で漁獲の上限というものを指示をしておるわけでございますけれども、解禁になりますと数日間で積み上がるという状況が頻発しております。  そういう中で、水産庁では、実際にその採捕の報告を集計する際に、報告内容に不備な点があった場合など報告者に直接連絡をいたしまして、採捕した状況の詳細について確認を行っているところでございます。また、疑義情報に接した場合には、関係機関と連携いたしまして調査等を行っております。こうした確認ですとか調査は、プレジャーボートを使用した採捕に対しても実施しているということでございます。  引き続き、本年四月から水産庁に漁獲監理官を設置しましたので、しっかりその陸揚げ状況の検査や巡回指導を実施するとともに、関係部局との連携を図って取締りを図ってまいりたいと考えてございます。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 米国などではこの遊漁船による採捕が非常に増えているというような話もありますし、繰り返しになりますけれども、今物すごいマグロが、クロマグロが来ているわけですよね。そうすると、遊漁船もプレジャーボートもそうですけれども、やはりたくさんいればそれ捕りたくなるわけですよ。しかも、第三者の確認の目がないと、報告は一尾しか捕っていませんよとしますけれども、実際には二尾も三尾も捕っているということもこれ現実的にあるんじゃないかと思います。  このプレジャーボートの監視というのもしっかり強化していただいて、更なる資源管理に向けてしっかり取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 皆様、おはようございます。立憲民主党の横沢高徳でございます。本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。  山下委員の佐賀県、そして徳永委員の北海道、そして三陸沖の岩手県、横沢が質問したいと思います。  まず、太平洋クロマグロ資源の現状についてお伺いをしたいと思います。  本日は、大間の田名部さんは質問をしないということで、私が代理に質問をしたいと思います。  地元の、先ほどから話がありますが、三陸沿岸の漁業関係者からも、定置網に掛かるマグロの数がここ五年で五倍ほどに増加していると、我が国の漁獲枠、これ、やはり先ほどからたくさんお話があるように、何とかならないものかと、声を多くいただいております。  まずは大臣にお伺いしますが、現状の太平洋クロマグロの資源評価について、数字も分かれば教えていただきたいというふうに思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 太平洋クロマグロにつきましては、本年行われました新たな資源評価では、長年にわたりまして全国の漁業関係者の皆様が厳格な資源管理に取り組んでこられた結果、資源は順調に回復していることが示されたところでございます。  六月四日に開催されました国内関係者との意見交換会でも、参加した漁業関係者から資源が順調に回復したことを歓迎する意見が出ました。と同時に、できるだけ多くの増枠を実現してほしいとの意見等が出されたと聞いております。  こういったものをしっかり認識しながら国際交渉に臨んでまいりたいと思いますが、資源の数字につきましては水産庁の方からお答えさせていただきたいと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) ISCの方で行いました資源評価によりますと、そもそもWCPFCにおきましては、回復目標として初期資源量の二〇%、これ約十二・五万トンの親魚資源というものの回復を目指しておるところでございましたが、最新の資源評価では、この回復目標を二〇二一年に達成をしたという評価、さらに、二〇二二年につきましてはこの親魚資源量約十四・四万トンまで回復しているという評価が出ているところでございます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 初期資源量はもう二〇二一年に回復しているということでございます。  三陸沿岸においてもアキサケや主要魚種がなかなか捕れなくなっている中でかなりの数のマグロの資源が回復しているという声、そして現場感からも非常に、漁業関係者からもいただいております。  主要な魚の記録的な不漁、特にアキサケは、東日本大震災前の二〇一〇年約三万トンあった水揚げが昨年は百三十四トンと過去最低でありました。震災前の実に二百分の一の量であります。その上、イカも不漁でマグロの資源が増えていて、先ほども話にありましたが、マグロがイカを全部食べてしまっているんじゃないか、そして田名部委員の地元のイカの産業も非常に材料不足になっているというお話も聞いております。  そんな中で、マグロ資源は順調に増えていき、そしてかなりの数のマグロの定置網の混入があります。そして岩手県でも、漁獲可能量が百六十一・七トンに対して定置に入った数が約二千七百四トン、大体、枠の十六倍の数を放流しているということであります。現場からも漁協からも自治体からも、今回何とかしてこの国際的な枠組み、漁獲枠を増やしてほしい、非常に期待の声が多く届いております。  また、国内水産業にとっても今回の国際交渉は非常に重要と考えます。先ほど大臣からも全力で取り組んでいくというお言葉がありましたが、改めて大臣、今回の漁獲枠獲得国際交渉に向けたスケジュールも踏まえてどのように挑んでいくお考えか、お伺いをいたします。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) WCPFCの関連会合につきましては、本年七月から十二月にかけて開催をされることとなっておりまして、この場におきまして太平洋クロマグロの漁獲枠を議論する予定でございます。  先ほど御紹介申し上げた新たな資源評価で、太平洋クロマグロ資源が回復目標を達成し、更なる増加傾向にあるという結果が示されたところでございまして、我が国として増枠の提案を行うことを含めて増枠実現に向けて努力してまいる考えでございます。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) WCPFCの関連会合、これは資源評価に基づきます技術的な議論が中心でありますので、各国ともこのような分野に精通した政府職員が政府代表として交渉に当たっております。そのため、我が国におきましても、水産庁の審議官、福田審議官を、代表して交渉に臨ませるということにしております。  農林水産大臣といたしましては、その交渉における必要な判断そして指示、これは私が責任を持っておりますので、最終的な責任は私が取るというような覚悟で臨んでまいりたいと思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 最終的な責任は私が取るとの意気込みでありました。  水産庁の試算によりますと、小型魚三十キロ未満を二〇%増やせるのではないか、また大型魚三十キロ以上を二倍に増やしても資源の増加傾向は維持できるのではないかという報道もあると聞いております。  七月に北海道の釧路で行われるWCPFCの国際交渉、今技術的な交渉がメインだという話がありましたが、やはり我が国で開催される国際交渉ですので、是非何か機会があったら大臣を含め政務三役の方に一応出向いていただいて、やはりこの我が国の今までの資源管理に対する取組と、やはり今度の枠の増大に掛けるその期待を、現地に行って是非とも皆さんに、世界の皆様にお伝えしていただきたいと思いますが、大臣、この点についてはいかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) そういう機会があれば、そこにしっかり出席をいたしまして、そして水産国としての責務、水産国としての主張、こういったものをしっかりやってまいりたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 これだけやはり、先ほど佐賀、北海道、青森、全国の漁業者の方が今回期待をされているということで、大臣を含め政務三役の方に足を運んでいただいて、皆さんの期待をやはり世界に発信していただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。  そして、IUU漁業について伺いたいと思います。  今回、やはり大間の事例を基に国内の規制は強化されましたが、国内はしっかりやっているんだけれども、海外から例えばIUU漁業に対する、水産物が入ってきてしまい、国内の市場価格に影響があるというふうなことがやはり懸念をされています。まず、IUU、違法、無報告、無規制漁業について、大臣、現状をどのように認識されているか、お伺いをいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 我が国は、IUU、いわゆる違法操業、そして無報告、さらには無規則漁業を水産資源の持続可能な利用に対する深刻な脅威というふうに受け止めております。  国連サミットで採択されましたSDGsあるいはG20大阪会合首脳宣言、さらにはG7広島サミット首脳コミュニケ等におきましては、このIUUの撲滅をうたっております。IUU漁業に対してしっかりと今後もコミットしてまいりたいというふうに思います。  具体的な取組といたしましては、地域漁業管理機関、RFMO、そして国連食糧農業機関、FAO、WTO等の国際枠組みにおける対策を実施するとともに、輸入水産物につきましても、外為法に基づきます輸入されるマグロ類がRFMOが決定した措置に反して漁獲されたものではないことの確認、さらには水産流通適正化法におきまして、IUU漁業のおそれの大きい魚種について外国政府が発行する証明書の添付の義務付け等を現在行っているところでありまして、これらの取組を通じてIUU漁業の撲滅を目指してまいります。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 日本は世界で三番目に大きい水産輸入大国であります。まあ、そうですね、海外からもその分いろんな水産物が入ってきやすい環境にあるということであります。  IUU漁業対策の一環として、寄港国措置による多国間条約、PSMAの加入国というのがありますが、この加入状況というのは今どのようになっているか、もし分かればでいいんですが、お伺い、分からなければ……。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  PSMA、寄港国協定の加入国でございますけれども、現在七十八か国ということでございます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 この日本近隣諸国、中国はそれに含まれているのでしょうか。どうですか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 中国につきましては加盟していないということでございます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 中国は入っていないということです。  大臣、この間のALPS処理水に関わる中国の輸入規制もありますし、このIUUに対しても、中国が加入していないということで、この日本国内の水産業をやはり守っていく上で政治的に中国との交渉はこれからも粘り強くやっていく必要があると思うんですが、大臣、よかったら御見解お願いします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) ALPS処理水に対する中国の対応にいたしましても、全く科学的根拠がないものであるということで、国際的にアピールをしているところでもあります。それ以外にも、日本の水産に対して様々な理解を求めるようなことを今後もやってまいりたいと思います。  様々な国際の会合の場で、総理も含めて、全閣僚、それぞれ日本の立場というものを、そして科学的な根拠でやっぱりしっかり水産業をやっていくということを主張しているところでございますので、今後も続けてまいりたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 今後も政治的解決に向けてしっかりと取り組んでいただきたいと思います。  次、輸入水産動物、指定第二種水産動植物に指定されている水産物の中にはマグロは含まれていないという理解でいいのか、お伺いをいたします。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  御指摘のこの特定第二種水産動植物の関係につきましては、これは水産流通適正化法において、特定第二種水産動植物が適法に採捕されたものであることを証明する外国の政府機関により発行された証明書の添付がなければ輸入してはならないということでございます。  この証明書には、採捕した漁船の名称あるいは旗国等の情報でございますとか、採捕したものの重量等の情報、さらに輸出入業者、輸送に関する情報等の記載が義務付けられているところでございます。  他方、大西洋クロマグロ及び太平洋クロマグロにつきましては、マグロ類につきましては、別途、一九九三年以降、外為法に基づいて、輸入時に先ほど申し上げた記載事項が含まれた証明書の添付等が義務付けられております。  こうした制度が既に定着しているという状況でございます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 マグロに関しては外為法で対応しているということなんですが、先ほど言っているこの外為法の対応で、IUU漁業由来のマグロがそのチェックを擦り抜けて我が国に、市場に出回ってしまっている。過去にもあったマグロロンダリングのようなことはその外為法でも防げていると言い切れるのかどうなのか、この点、水産庁に伺いたいと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 太平洋クロマグロを含むマグロ類の輸入におきましては、先ほど申し上げました外為法に基づき、地域漁業管理機関の保存管理措置に反して適法に、済みません、違法に漁獲されたものではないことの確認を行っているという状況でございます。  このため、RFMO、地域漁業管理機関に登録されているIUU漁船が漁獲したマグロ類の輸入は行われていないというふうに承知しております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 行われていないと承知していますが、でも、東日本大震災復興特別委員会の視察でやはり気仙沼に行ったりして漁業者の声を伺うと、やはりどっかのチェックをくぐり抜けてきて市場に出回ってしまっているIUU漁業由来の水産物がどうしてもあるんではないかと、防ぎ切れていないということを言っていますが、現制度の中でやはり限界があるんではないかと考えるんですが、これで防ぎ切れていると言い切れるのかどうなのか、もう一度答弁をお伺いします。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 今の現行の制度におきましては、例えば冷凍のマグロ類につきましては水産庁が事前確認を行うということで、ロットごとに輸出国政府の証明書、輸入業者からの報告書の提出を求めるという形でございます。また、生鮮、冷蔵のマグロ類については通関時に確認をいたしまして、税関で証明書等を確認するという仕組みになっております。  先ほど御指摘のようなうわさがあるというようなことは私どもも聞いたことがございますが、現在、現状のところ、私どもとして、RFMOに登録されたIUU漁船等が漁獲したマグロ類の輸入が行われているという確たる情報に接しているところではございません。  引き続き、外為法に基づいて、関係省庁とも連携して、適切な輸入管理を進めてまいりたいと考えております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 今うわさという話がありましたが、なかなか答えにくい質問ではあると思うんですけど、やはり、このような状況を払拭するためには、輸入マグロについて、外為法、入口のやはりチェックだけではなくて、国内流通時に、例えば産直のように、魚を買う人が、どこの国籍の船でどういう人が魚を捕って流通に乗ったのか、トレーサビリティー制度のようなものがあれば、買う側、消費者側とか食品事業者があえてその適正な魚だったり水産物を選んで購入できるというふうに、出口戦略も非常に重要ではないかと考えます。  また、こういうことをすることによって、海外からやはりどうしてもチェックを擦り抜けて市場に入ってきて市場価格を下げてしまっていることで、やはり国内水産業、真面目にやっている、特に地方の水産業の人たちを守っていくことにもつながると思うんですが、やはり大臣、この先、今の現行制度も強化しつつ、新たにトレーサビリティー制度のようなものをやはり検討していく必要があると考えますが、大臣、御見解をお伺いします。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 先ほども御答弁申し上げましたが、まずは現行の外為法に基づく輸入管理、これをまずしっかりやっていくということが重要だろうと思っております。  例えば、御指摘のようなIUU由来のものが大量に流入してその価格に影響を与えているというような状況があるのかどうか等、この辺りをよく確認をした上で、トレーサビリティーということになりますと、一定の事業者に対する負担等も掛かる事案でございます。そういった点については、現状をまずしっかりと把握していく必要があるんではないかというふうに考えております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 大臣、この点についてもしコメントがあればお伺いします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) この問題では、先ほど言いましたように、G7サミットでも、あるいはG20でも、国際的な合意としてしっかりとコミットしているところでございます。それぞれの国でそれぞれのやはり課題があるとは思いますけれども、IUU由来のものを撲滅させる、そういう意気込みを持ってこれから当たってまいりたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 是非とも我が国においても、特に国内水産業を守る上でも、特に地方の漁業者を守る上でも、この点をまた一歩前進させていただきたいということを申し上げたいと思います。  これまでも水産庁の皆さん、いろんなことを取り組んでいらっしゃるんですが、やはり求められている業務量というのもかなり負担が掛かってきているというふうに考えます。大臣、ちょっとこれ通告していないんですが、やはりこれだけいろいろと水産庁の業務量が上がっていく中で、やはり水産庁の方々の人員もこれから増やしていく必要があると考えますが、この点、大臣、お考えがあったらお伺いをいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 定数管理につきましては、特に農林水産省として、水産庁も含めてしっかりと確保するというような意気込みで今、令和七年度に向けて様々な交渉をやっているところでございますので、しっかりとその定数、定員確保してまいりたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 是非とも定員確保、頑張っていただきたいと思います。  時間ですので終わります。ありがとうございました。

横山信一公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  本法案は、先ほど来出ているように、青森県大間において三十キロ以上の大型クロマグロのTAC未報告に端を発しました。水産庁は、大間事案を未然に防げなかった制度的な要因として、衆議院での答弁では三点を挙げています。一点目は、TAC報告は漁獲量の総量としているが、実際の取引は個体ごとに行われていて、個体ごとの取引伝票とTAC報告との照合が容易ではなかったこと、二点目は、流通が多段階に及ぶ中で、情報伝達や取引伝票の保存が必ずしも行われていなかったこと、そして三点目は、不正により得られる利益に対して罰則による抑止が効かなかったことということであります。このような制度的な要因が、TAC報告をあえて行わないことで多額の利益が得られるという誘因を助長してしまったのではないかというふうに考えられます。  WCPFCの合意を受け、国際的に厳格に資源管理を行い、マグロを漁獲対象とする全国の漁業者もこれにしっかりと協力をしてきました。一部、南茅部とか今回の問題もありましたが、基本的には全国どこの漁業者も、沿岸も沖合も遠洋も皆さん協力をしてきました。大間事案では、制度的要因があったにせよ、国際約束に基づく資源回復に向けた取組の重要性の周知が不十分だったのではないかというふうにも考えます。  こうした事案が発生したことを政府はどのように受け止めているのか、大臣に伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、太平洋クロマグロは、国際的に決定されました厳格な漁獲上限を遵守するために多くの漁業関係者の皆様方は適正にTAC報告を行ってこられているところであります。このような中で、御指摘のTAC報告義務違反の事案が起きたことにつきましては、全国の漁業関係者の方々が厳しい資源管理の中で取り組んでおられるところでこういう事案が発生したということは誠に残念であるというふうに思っております。それだけに、今般の法改正によりまして、未報告事案の再発防止やあるいは国内管理の強化を行っていくことで国際的な信用を取り戻し、そして我が国のクロマグロの増枠につなげてまいりたいというふうに思っているところであります。

横山信一公明党

○横山信一君 大臣もおっしゃっていただきましたが、国際的な信用をしっかりと取り戻すというか、しっかり確保していくということが大事だというふうに思います。  大間事案を受けて、太平洋クロマグロのTAC報告の情報とその基となるクロマグロの個体ごとの情報が適切に管理され迅速に照合できるようにするための検討が行われてきました。漁業法の改正案では、漁獲量のほかに個体数を報告事項に加えること、船舶の名称、個体ごとの重量に関する記録を作成し保存することを義務付けします。また、流適法改正案では、特定第一種第二号水産動植物、これはクロマグロのことを想定しているわけですが、そのクロマグロとその加工品の採捕事業者と取扱事業者に対し、船舶の名称や個体重量の伝達、記録、保存等を義務付けします。この情報伝達の具体的な方法は省令で定めることとなっていますが、現場で使いやすいものを選択してもらうために、取引伝票やタグ、QRコードなど三通りの方法から選択する仕組みを想定しています。  情報伝達の方法については、気仙沼の臼福本店というところがあるんですが、そこの臼井社長から、もうICCATで実施されているタグ付けによる情報管理を導入すべきだということを強くお聞きをしたわけでありますけれども、このICCATの統一された、ICCATというのは大西洋まぐろ類保存国際委員会ですけれども、ICCATの統一された管理手法が我が国に導入できない理由は何か、水産庁に伺います。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 委員御指摘の、今御指摘されましたそのICCAT、これは大西洋の水域でございますけれども、この大西洋のクロマグロは、そのICCATの勧告に基づきまして、我が国ではタグ付けという管理を義務付けてございます。これは、大西洋のクロマグロにつきましては、我が国の漁船といたしましては、少数の遠洋漁業者の方が漁獲をいたしまして、それで冷凍して、かなり長い航海といいますか、運んできて、それで日本に持ってくるという形になっております。さらには、水揚げをする港を限定をしてございまして、そういった前提条件がある中でタグ付けというものを実施しておるということでございます。  他方、太平洋のクロマグロにつきましては、全国津々浦々の港で年間を通じまして、沿岸漁業を含め様々な漁業種類で数多くの漁業者が漁獲、陸揚げを行ってございます。これを踏まえまして、今般の改正によりまして漁業者や流通事業者等に新たに義務付けられる情報の伝達につきましては、そのタグ等を用いた方法のほか、現在、商習慣上発行されている取引伝票を用いた方法でも義務を履行できる仕組みとすることを考えているということでございます。  このように、今般の改正では、まずは各現場で使いやすいものを選択してもらうということを想定しておりますけれども、タグですとかQRコードを活用したその漁獲から流通までの適正かつ円滑な管理の普及、拡大が望ましいというふうに考えてございまして、こうしたタグ等を活用した情報伝達を行うための実証事業も令和五年度から行っているという状況でございます。  今後も、現場の事情を丁寧に伺いながら、効率的な情報伝達を図ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 このICCATの取組を聞くと、日本は遅れているなというふうに思ってしまうんですが、日本は非常に複雑な漁業構造を持っていて、他国にない数多くの漁業種類で漁獲をしているという背景がありますから、その中では、今回非常に頭を絞られて、工夫した体制で情報伝達を図っていくというふうになっているわけですが、本来、TAC報告は電子化を統一的に進めるのが筋だというふうに思います。  政府も、現場の漁獲情報の一元化や最新データに基づくタイムリーな資源評価に加え、情報の保存、伝達義務の履行についても現場負担の軽減に資する電子的情報伝達を推進する考えを示しています。  トレーサビリティーのためにも漁獲情報等の電子化を早急に進めるべきと考えますけれども、今後の見通しを伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  漁業法に基づくTAC報告につきましては、国の情報システムにより既に電子的に報告が行われているところでございます。  また、現行の水産流通適正化法に基づくアワビ等に係る情報伝達につきましては、電子化が進んでいない中小事業者がスマホ等で簡単に利用できる漁獲番号等伝達システムを国で構築、運用しているところでございます。  このため、今般の同法改正により義務付けられる特定第一種二号水産動植物についての情報伝達につきましても、現在タグ等を活用した電子的な情報伝達等に係る実証事業を行うとともに、現行の水産流通適正化法に基づく義務の履行に用いられている伝達システムを活用できるよう、現在システム改修に向けた準備を進めているところでございます。  これらの取組を通じまして、情報伝達のデジタル化を今後も推進してまいる考えでございます。

横山信一公明党

○横山信一君 段階的にやっていかなきゃいけないというのは分かるんですけれども、これは早急に進めなくてはいけないことなので、是非、強引にでも進めていただきたいというふうに思います。  次に、令和二年に資源管理の推進のための新たなロードマップを作成し、策定し、令和十二年度に四百四十四万トンまで漁獲量を回復させるという目標を立てています。本年三月にはこの令和六年度以降の工程を示した新たなロードマップも公表されています。このロードマップにおいても、令和十二年度に四百四十四万トンまで漁獲量を回復させるという目標が維持されています。  しかし、近年急速な温暖化による海洋環境の変化が主要因と考えられる資源量の減少が顕在化をしています。そのため、漁獲量を回復させるという数値目標は、TACに協力して資源管理に取り組む漁業者の不信を招きかねない状況になっているというふうに思います。  今後の資源管理にどう取り組むのか、大臣に伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) TAC管理は、世界各国において広く実施されている資源管理の手法であります。また、日本の水産資源におきましても、TAC管理を導入した資源の方が資源量を高い水準に維持できるといった研究成果も示されているところであります。  他方、委員御指摘のとおり、例えばスルメイカなど、TAC管理を行っていても海洋環境の変化によりまして資源量が減少する場合があります。そのような場合であっても、科学的根拠に基づいて漁獲量を制限することで資源量の更なる減少を防ぐことができるといった、TAC管理を行う効果は大きいというふうにも考えております。  引き続き、このようなTAC管理の意義につきまして、漁業関係者の皆様方に丁寧に説明をしてまいります。  また、令和六年三月に策定をいたしました資源管理ロードマップに沿いまして、海洋環境の変化を踏まえた資源評価の精度の向上、そして突発的な来遊への対応など、TAC管理の運用改善に取り組みつつ、最新の資源評価を踏まえて定期的に資源ごとの管理方針を見直すなど、海洋環境の変化に応じた取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

横山信一公明党

○横山信一君 スルメイカの話も出してもらいましたけれども、例えばオホーツクのケガニにしても、これはもう管理型漁業の優等生と言われてきたものでありますが、しっかり守りながら、あれはTACというよりもIQに近いものですけれども、どんなにしっかり厳格に守っていてもどんどん減っていくみたいな、そういうことが起きてくるわけであります。  そういう意味では、漁業者は資源管理には非常に敏感な人たちですから、基本的に資源管理をやっていこうという考えはあるんですが、今大臣がおっしゃられたように、環境がどんどん変化していく中でどう対応していくのかということも柔軟に実行していっていただきたいというふうに思います。  海面における漁業法関係法令違反の検挙件数は、二〇〇〇年以降、何と漁業者以外の者の方が多いと、しかも急増しているという状況にあります。水産庁は、密漁を抑止するために、資源管理ルールの啓発に加えて、夜間や休漁中の漁場監視や密漁者を発見した際の取締り機関への速やかな通報が重要だというふうにしています。こうした密漁対策では、漁業者のパトロールによる抑止効果や牽制効果も期待をされているところです。  しかし、私もいろんなところを回るんですけれども、北海道の留萌もナマコが捕れるところですが、漁協の組合員による夜間パトロールを実施しています、ここでは。密漁らしい潜水の明かりが見えて警察に通報してもすぐには駆け付けられず、かといって組合員が注意しようものなら命の危険に及ぶという話を聞きました。また、取締り機関の人数が少ないということも問題でありまして、しかも北海道広いですので、通報しても速やかな対応にならないという現状があります。  密漁に対して水際対策は重要ですけれども、それよりも効果的なのは、密漁による漁獲物を市場に流通させないことであります。アワビとナマコについては、取引記録の作成、保存の義務付けが令和四年十二月から施行されましたので、これからその効果が現れてくるというふうに思います。  悪質な密漁が行われているこのアワビ、ナマコ、シラスウナギを特定水産動植物として指定し、罰則の強化が図られた令和二年の改正漁業法施行以降も、検挙件数は減少していません。流適法等によって密漁による漁獲物を市場に流通させない仕組みを整備し、実効性ある規制を構築していくことが重要と考えますけれども、大臣に伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 違法に採捕された水産物の流通を防止すること、まさに今委員おっしゃいましたように、水産資源の持続的な利用の確保の観点からも非常に重要なものであるというふうに思っております。  このために、これも委員おっしゃいました令和二年の流適法によりまして、特に違法かつ過剰な採捕が行われるおそれが大きいアワビ、そしてナマコ等につきまして、その適正な流通の確保を図るための措置を導入をいたしました。  制度施行後の対象魚種の密漁件数はまだ判明しておりませんけれども、本制度における密漁防止への効果を定量的に検証することは難しいとは思われますけれども、本制度施行以後、事業者から疑義情報が寄せられるなど、事業者の違法漁獲物の流通に対する意識は高まってきたというふうに思っております。それが密漁に対する抑止力にもなっているというふうに認識はしております。  引き続き、漁協、そして都道府県、警察、さらには海上保安庁等の関係者が密接に連携をいたしまして、水際対策を実施するとともに、流適法等の適正な運用を通じて違法な漁獲物の流通防止にしっかりと努めてまいりたいというふうに思っております。  今言われましたように、なかなか身の危険も感じるような場面もあるというのはもう承知しておりますけれども、全力でやってまいりたいというふうに思っております。

横山信一公明党

○横山信一君 お願いします。  次は法解釈上の質問になりますけれども、現行漁業法では、年次漁獲割当て量を超過した場合や採捕停止等の命令に従わないなどの違反行為をした漁業者に対して、行政手続を省略して即時停泊命令というのを発することができるようになっています。この即時停泊命令というのは、資源管理を行う上で必要な措置というふうにされているんでありますが、改正案では、特別管理特定水産資源を採捕した者が未報告又は虚偽の報告をし、かつ違反行為を継続するおそれがあるときにも即時停泊命令を行うことができるようになります。  しかし、即時停泊を求めた段階で、TACの上限を超過しているかどうかは分からないということになります。停泊命令は漁業者の活動を停止させるという強い強制力を持つ命令となっているため、相当な理由が備わっている状態であることが求められます。  特別管理特定水産資源に係るTAC報告義務違反をする者に対して即時停泊命令を行うことの考え方について伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  現行の漁業法上、IQ、すなわち漁獲量の個別割当て管理区分におきまして、割当て量を超えた採捕を行うおそれがあるときや、総量管理区分におきまして漁獲可能量を超えたときなどに発出される採捕停止命令に違反した採捕を行うおそれがあるときには、聴聞手続を経ずに即時に停泊命令等を行うことができることとされております。  他方で、現在その対象となっていないTAC報告義務違反につきましても、報告義務違反を繰り返し、操業を続ける漁業者につきましては、そうした漁業者に対して即時に出漁を停止させることができなければ漁業量を正確に把握できない状況が継続し、適切な管理措置をとれなくなる場合があると考えております。  このため、特に厳格な漁獲量の管理を行う必要がある特別管理特定水産資源、今回の場合は太平洋クロマグロになりますけれども、そうしたものに関するTAC報告義務違反につきましては、即時に停泊命令を行える対象として追加することとしたところでございます。

横山信一公明党

○横山信一君 ありがとうございます。  森長官にもいろいろお聞きしたかったんですけれども、時間がなくなってしまいまして、ここで終わらせていただきます。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。よろしくお願いいたします。  通告はしておりませんが、これまでの委員の先生方のちょっと関連ということで質問をさせていただきます。  私、クロマグロは大好きなんですが、このように二〇一〇年頃には資源量が最低水準になっていたとか、そういうことは全く知りませんでした。そういう中で、先ほどからもありますが、太平洋クロマグロが順調に回復をしているということで、本当に国際的に厳格なTACによる資源管理がなされていて、漁業者の皆様方もきちんとこのルールを守ってこられたんじゃないかなと思っております、その結果ではないかと思っておりますが、あの大間の事件とかもありました。私も事件のことは全く知らないような状況なんですが。  やはり実際に、もっと漁獲してもよいのではないかというようなお声もありました。そのためには、やはりルールを守っていただかないと。この大幅な漁獲枠を増やすためには、やはり増やしてくださいというような国際的な交渉もしなければならないということで、やはりこのためには信用を失ってはいけないと思っております。そういう中でも、やはりちゃんとしたルールを守っていただきたいと。スポーツもルール違反をしたら即退場なものですから。  そういうように、やっぱりここはきちんと、信用が第一番ですので、これからの漁業者の皆様方のためにも、生活のためにも、この漁獲量を増やすためにも、やっぱりルールはきちんと守っていただきたいと思っております。  そういう中で、今回、この特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部の改正の中で、この三つのパターンが書いてあります。パターン一、伝票による情報記載、そして二がタグによる番号表示、そしてパターン三がQRコードでの表示ということなんですが、これは義務付けがされたということでよろしいんでしょうか。ちょっと確認です。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 情報そのものの伝達は義務付けられますけれども、その方法につきましては三つの選択肢があるということでございます。  それが、一つ目が伝票によるもの。これは通常、今多くの漁業者の方が市場に水揚げをされておりますけれども、そういった場合には伝票が発行されておりますので、余り大きな負担にはならないと思います。そのほかに、どんどんICTが発達しておりますので、そういった意味では、タグにちゃんと情報を付ける、あるいはQRコードで読み込むといったことでも対応できるということで、できるだけ速やかにその制度が普及できるようにという形で、省令で方法を指定するという形で考えてございます。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 それでは、これは義務ではないということなんですね。済みません、ちょっとよく分からなかった。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 情報を伝達する、あるいは保存をするということは義務ですけれども、方法は義務ではありません。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 よく分かりました。  ただ、義務にしないのはどうしてかと思うんですね。やはり、タグとかいうのは一目で分かりますよね。ですから、私は、義務にされた方がいいんじゃないかと思いますが、もし副大臣、よろしかったらお願いいたします。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 今答えたとおりなんですけれども、基本的には義務にするということです。義務にした上で、どういうやり方でちゃんと情報を伝えていくか、若しくは追うときにどう遡れるかということについては、様々なこのパターンがありますよねという事例の紹介ということになります。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 分かりました。いずれは義務にされるということなんですね。分かりました。  やっぱり焼き肉屋さんに行きますと、私、何でかなと思ったんですけど、お肉に、焼く前に、ここに番号とか農家の皆様の名前とかが書いてあったんですね。これは何なのかなと思ったんですが、やはりこの牛肉のように、先ほどもちょっとあったと思うんですが、牛トレーサビリティー制度をこの太平洋クロマグロにも、この制度を利用した方がいいんではないかと私自身は思ったんですが、こういうことはできないものなのかどうか、お尋ねさせてください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えをさせていただきます。  牛肉のトレーサビリティー制度につきましては、まさにBSEの発生等を背景として食品の安全性に対する消費者の不安を招いたということもありまして、消費者に販売する段階までの記録の保存、伝達、表示を義務付ける仕組みとして特別に措置をされたということでございます。  本法案による措置につきましては、持続的な水産資源の利用を確保していくために講じられている資源管理に係る措置に関する不正を防止するという観点から、基本的にはクロマグロを想定しておりますけれども、個体ごとの記録の保存、伝達を義務付けることで、疑義情報があった場合に遡及を、追跡をして、TAC報告との整合性の確認が迅速、円滑に行えるようにするというものでございます。  そういった点で、消費者の選択に資するということを直接の目的にはしていないということもございますので、消費者への情報伝達を義務付ける仕組みではありませんけれども、言わば、いわゆる流通をしっかり、タグですとかあるいは伝票等を使った情報で個体の流通が管理されるという点におきましては、いわゆる牛の耳標と似たような機能を有しているというふうに考えております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 大体分かりました。  施行期日ですね、また、施行期日なんですけど、これは、主要な規定は公布の日から二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行ということなんですが、この二年、この間というのはどのような対策をされるおつもりなのか、お尋ねをさせてください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 水産物の流通構造が非常に多様かつ複雑でありまして、あるいは様々な関係者が関与しているということですので、こういう関係者に新たな義務を課すのが本法案の内容でございます。  そのためには、その施行に向けて事前に丁寧な周知でございますとか、義務履行のための体制整備のための準備期間を確保する必要があるということで、主要規定につきましては公布後二年以内の政令で定める日から施行させるというふうにしたわけでございます。  そういった点で、丁寧な周知でございますとか、関係事業者による準備、これをやっていく、やっていただく期間というふうに考えております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 何か監視員とかをちょっと少し多く巡回させるとかいうのをお聞きしたんですが、そういう対策というのは考えていらっしゃるのかどうか、お尋ねをさせてください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 今年の四月から水産庁の中に漁獲監理官というのを設けまして、それで既にこの四月から主要な漁港にこういう部署を設けました。あるいは、今後取締りをいたしますということで巡回指導を開始してございます。  今後も、そういったものをしっかり行って、都道府県とも連携して、関係する法令に遵守していただくように取締りを行っていきたいと考えてございます。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 分かりました。  焼津では、計量前のカツオを漁協職員が抜き取り横流しをした事件を受けて監視カメラ増設が行われていたということなんですが、こういう監視カメラの設置はどのようになっているのか、もし分かりましたらお尋ねをさせてください。  また、特に今はライブカメラという、映像の公開というのがありますけれども、漁業の関係者はもちろん、観光客にとってもこれは非常に有効なのかなと思います。特に、これから先、梅雨にも入りますが、天候の悪化とか、様子をわざわざ見に行くとやはり危ない面もありますので、船とか漁港の様子とかを確認することを、わざわざ行かずに、そういう、台風とかですね、そういう中で、安全対策にも非常にライブカメラの映像の公開というのは非常に役立つ、有効ではないかと私自身は考えるんですが、そのようなことは考えていらっしゃるのかどうか、お尋ねをさせてください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 本年四月に新設をいたしました漁獲監理官におきましても、効率的に監視業務を実施するということで、市場関係者と連携してこの監視カメラ映像を活用するということを検討をしてございます。  そのために、令和五年度補正予算におきまして、監視カメラも活用しつつ、産地市場等におきますその陸揚げ状況の監視の高度化を図るための新たな監視手段等の調査検討、モデル的な検証等を実施しているところでございます。この事業結果も踏まえつつ、効率的な監視体制を構築していきたいというふうに考えてございます。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 先ほども質問の中にありましたが、やっぱりたくさんクロマグロが泳いでいるということで、やはり捕りたいというのは誰しもが思っていることなんですね。そういう中で、ルールを守るということは、やっぱり大変なのかなというふうに思います。やっぱり隣の方が何か違反をしているような感じがするとなると、やはり人間ですから、どうしても、じゃ、ちょっとだけ自分でもというような気持ちにもなってしまうのではないのかなと思います。  そういう中で、やはり防犯カメラとか、そういうライブカメラの設置があるということだけで、やはりそれはやっちゃいけないというようなことにもなると思いますし、そのルールを守るということがやはり漁獲の枠を増やしていくということにもなります。また、国際的な信用にもつながっていくと思いますので、そういうふうな工夫というのは是非進めていただくといいなと思いますので、よろしくお願いをいたします。  今回の法律案、今後も漁業を持続可能なものにするために必要な措置が盛り込まれているということは理解しております。まずは、前提となります水産物の消費、担い手対策について伺います。  現在、水産物の消費量、水産業の状況はどのような状況なのでしょうか。農業と比較してどのようなのか伺います。また、魚の消費を増やすためには、PRとかそういうようなことも、対策の取組も大事だと思っております。私も子供の頃は、魚を食べたら頭が良くなるとか体が強くなるというふうに言われておりました。ただ、最近は、やはりなかなか魚を食べる機会も大分減ってきたのかなと自分自身も思うので、そういうPRとか、そのようなことはどのように取り組まれるのか、お尋ねをさせてください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  我が国におけます食用魚介類の一人一年当たりの消費量、これは平成十三年度に四〇・二キロでございましたが、これをピークに現在減少傾向ということでございます。令和四年度には二二・〇キロまで減少をしているという状況でございます。この間、実は肉類の年間消費量と十五年ほど前に逆転をしておりまして、現在もその差が若干広がりつつあるというような状況ということでございます。  こうした理由としては、いろんな調査結果ございますけれども、魚料理自体の好感度は高いんですけれども、価格の面ですとか調理の手間といったようなことが要因として挙げられているところでございます。  こうした観点で、水産物の消費拡大を図っていく上で、家庭における魚食普及ですとか魚食に関する食育の機会の提供を含めて様々なアプローチが必要だというふうに考えております。  そういった意味では、農水省といたしましても、小中学校向けの出前・課外授業によります魚食普及の推進ですとか、調理の手間等の課題に対応をいたしました情報発信、あるいは様々な手軽な魚介類を利用した食品のPR、普及でございますとか、さらに、令和四年以降、毎月三日から七日をさかなの日と、三から七はさかなの日ということで制定をいたしまして、現在、八百五十を超える企業、団体などと連携で取り組んでいるという状況でございます。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 本当に知りませんでした。毎月三から、まあ魚でしょうね、三から七の日をさかなの日ということは、多分ですね、私も全く知りませんでした。  そして、かなりやっぱり減っていますね、消費量が。これはやっぱり何とかしなくてはいけないなと思います。確かに私も魚は食べなくなったなという感じがいたしますし、こういう漁業者の皆様方の生活のためにもやはり消費というのは増やしていかないといけないと思っています。  やっぱり水産業もそうでしょうか、担い手不足というのはやっぱりあるんでしょうか。やっぱり農業もかなり担い手不足で、かなり議論がございました。そういう中で、農業高校とかはよく聞くんですね、全国でも三百校ぐらいあるというのは聞いているんですけど、水産高校とか、水産業高校というんですか、水産大学というのは余り聞かないんですけど、どれくらい全国であるのか、分かりましたら教えてください。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  まず、水産高につきましては全国に四十六校ございまして、約八千名が生徒として在籍をしているところでございます。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 そうですね。水産高校、若しくは水産大学校も多分あると思うんですが、卒業されてからの漁業に携わる方々というのはどれくらいいらっしゃるのか……(発言する者あり)そうですね、出身者ですね、お尋ねさせてください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 私が水産大学校の卒業生でございまして、水産大学校と呼ばれるものは全国で一つでございますけれども、総合大学ですとか海洋大とかというところで、いろんな海洋に関すること、あるいは漁業に関すること、製造に関することを教える講座があるという形になっておりまして、ちょっとその正確な数字までは覚えていないんですけれども、全国に散らばっております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 全国で四十六校、農業高校は三百校、やっぱりかなり差があるなと思いました。そして、そんな感じであれば、私、漁業もかなり厳しくなっていくんではないかなと思うんですね。  やはりこういう担い手というのは非常に大事で、多分、私はテレビでしか見たことがないんですが、漁に出られるときというのはかなり、やっぱり船酔いとかも多分あるんだと思いますし、かなり体力も必要ではないかなと思うんですね。平均年齢も六十歳切っていますね、五十九・四歳前後だというのを聞いているんですけど、これはやっぱり、子供たちにやっぱり、農業もそうなんですけど、農業とともに漁業の良さというのもやっぱり教育分野で学んでほしいと思うんですけど、これ、いかがでしょうか。通告はしておりませんが、よろしくお願いいたします。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) 御指摘ありがとうございます。  委員御指摘のとおり、水産庁では、この次代を担う若者に漁業の就業の魅力を伝え、就業に結び付ける必要があるというふうに考えておりまして、そのため、漁業者団体等が全国の水産高校に出向きまして、少人数のブース形式で生徒に対して漁業の魅力等を説明する漁業ガイダンスに対し支援を行っております。この漁業ガイダンス開始以降、平成二十九年度から令和四年度までの六年間で延べ百十回行っておりまして、三千七百六十九人の生徒が参加をしております。  また、水産高校の卒業生に対しましては、漁船の運航に必要となる海技資格を有する乗組員として早い段階で育成できるよう、卒業生を対象とした四級及び五級の海技資格の短期取得コースの運営等に対しても支援を行っているところでございます。  水産高校等の漁業の専門的な教育機関におきまして、次世代の漁業の担い手を育成していくためには、今後の我が国の水産業の維持発展のために大変重要でありますので、引き続き、水産庁としましても、水産高校等の教育機関と連携をしまして、担い手確保、育成の取組をしっかりと進めてまいります。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 お願いいたします。  水産分野でも農業と一緒でスマート技術との連携が大事だと思うんですが、最後に、この日本人が大好きなクロマグロをこれからも食べ続けるための重要なポイント、鍵となるものは何なのか、教えてください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 太平洋クロマグロは、各国の約一万七千トンの漁獲量のうち、我が国の漁獲量が一万トンを占めております。我が国が最大の漁獲国であり、かつ最大の消費国でもあります。  クロマグロも含めまして、水産資源は再生可能な資源でありまして、適切に管理すれば持続的な利用が可能であることから、クロマグロを今後も食べ続けられるようにしていくためには資源管理をまずしっかりとすることでございます。  他方、クロマグロが安定的に食卓に届くためには、漁業者が持続的に操業できるようにすることも必要であります。このため、消費者の皆様に、資源管理の取組や鮮度保持の努力、そして諸経費の高騰への対応も含め、クロマグロの安定的供給に向けた漁業者の皆様方の御努力を理解していただきたいというふうに思っております。  今回の基本法におきまして、農業の方の基本法におきましても、生産者、そして加工業者、流通業者、小売業者、消費者、この理解が必要だということを明記いたしましたけれども、水産業も、やっぱり消費者の皆様方に様々な理解をしていただくこと、これが長くクロマグロを食べ続けられることの秘訣になっていくというふうに思っております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 是非とも、さかなの日、PRをお願いいたします。  終わります。ありがとうございました。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 国民民主党、舟山康江でございます。  今日は、法案審議の前に、五月二十一日、岡山県の笠岡市沖で十四人が乗った水産庁の漁業取締り船「白鷺」が座礁、沈没した件についてお聞きしたいと思います。  六月十日には引き揚げられたということですけれども、この船、主に瀬戸内、四国を管轄する高速の取締り船で、かなりこれ、国内ですよね、国内の違法操業などを取り締まるのに大変大きな役割を果たしてきたと、こんなことを聞きました。  水産庁所有の中では一番小型でかなり速いということなんですけれども、この概要と今後の影響、対応方針についてお聞かせください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 今委員御指摘のとおり、この漁業取締り船「白鷺」は、瀬戸内海を中心に取締りを行ってまいりました。五月二十一日に発生しました同船の座礁、沈没事故については誠に遺憾でございまして、重大に受け止めております。  事故のその後の話でございますけれども、「白鷺」は、その二十一日の午前九時四十分過ぎ頃に岡山県笠岡市北木島西方約一・七キロメートルの地点において座礁しました。その後、船体は北木島の西方約二キロメートルの地点におきまして、同日の午後十一時頃完全に沈没をいたしました。乗組員の十四名は、海上保安庁の巡視艇及び付近航行中でありました税関艇により救助されてございます。船体につきましては、六月十日に引き揚げまして、十二日には保管場所にて上架して保管しているという状況でございます。  水産庁といたしましては、この瀬戸内海における漁業取締りは漁業秩序及び安全な操業環境を維持する上で極めて重要と考えてございまして、今回の事故を受けまして、同海域に漁業取締り船を応援して派遣するとともに、関係機関と連携を図りながら、瀬戸内海における漁業取締り体制に支障が生じないよう、必要な対応を取っていくこととしてございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ちょっと重ねてですけれども、この船はもう、一旦沈没してしまったということはもう使えないということで、今応援部隊が来ているということですけれども、これ、過去遡ると、昭和四十三年、「白鷺丸」ということで、この先代ですよね、それ以降ずうっと瀬戸内それから四国を中心に、専門に回っていたというところで、応援もいいんですけれども、今これだけ、先ほどの質問の中でも違法漁業はなかなかなくならないという中で、やはりこの漁業取締り船の持つ役割は大きいと思うんです。  この「白鷺」、これから今後また再造船するのか、いつまでも応援部隊に頼ることもできないと思いますし、その辺りの対応については今どのようにお考えなんでしょうか。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 委員御指摘のとおり、非常に重要な役割を担っている取締り船だというふうに認識をしてございます。  ちょっと、いつ頃どういう形で体制を組めるかというのは、今後のその予算の状況ですとか、あとその人員の配置というものを考えないといけませんので、明言をすることはちょっとできませんけれども、しっかりその取締り体制に支障が生じないように水産庁としては対処していくべく努めたいと考えてございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、影響のないようにしっかり対応いただきたいと思います。かなりお金も掛かるということではありますけれども、重要な役割果たしておりますので、もちろん原因究明等も必要ですけれども、今後の対応についても万全を期していただきたいなと思っています。  続きまして、今回の太平洋クロマグロですけれども、TAC対象魚種ということで、今後、水産庁は、全体として、このマグロに限らず、対象魚種を拡大していこうという、こんな方針だと聞いております。  その背景に、私、これ、大変不思議なんですけれども、規制改革推進会議がこのTACの拡大を非常に強く以前から迫っております。水産庁とすると、いわゆるこの漁業の規制、TACのような量的管理、いわゆる産出量規制、アウトプットコントロールももちろんですけれども、そのほかに、いわゆる漁船の隻数、トン数、こういった投入量、インプットコントロールと、あとは、漁具の仕様、網目とか、そういった技術的規制、テクニカルコントロールと、この三つを組み合わせてということを言っているんですけれども、どうも規制改革推進会議はとにかく産出量規制、アウトプットコントロールにかなりシフトをしているということ。  そういう中で、以前の議論にもありましたけれども、何というのかな、企業的な漁業を推進して、まさに沿岸小型が非常に生き延びにくくなるんじゃないか、こんな議論がありました。そういう中で、いまだに早くやれということで、TACの対象魚種拡大、強く迫られていると思いますけれども、その背景ですね、その背景について水産庁としてはどのように捉えているのか。  また、漁獲量ベースで八割を目指しますということを言っておりますけれども、これ、五年度までと言いながら、今遅れていると思いますけれども、私、一般論として、TACによる資源管理、先ほど来御答弁にも資源回復には大きな役割を果たしているということがありました。もちろん、マグロのように国際的な地域漁業管理機関があるものに関してはこれ必須だと思っていますけれども、じゃ、果たして全ての魚種とか、多く、もう全てTACにすればいいんだというのはちょっと違う気がするんですよね。  もうこれもこれまでに議論されていますけれども、やっぱり自然の資源ですから、増減があったり魚が捕れる場所が変わったりとか、そういう中で、何か全てTACにどんどんシフトしていくというのではなくて、まさに水産庁の基本であるほかの投入量、技術的、そういった規制も含めてやっていかなきゃいけない中で、何かこのTACだけを、また産出量規制だけをという、その出口規制だけをというのにちょっと私は違和感があるんですけれども、水産庁の基本的な考え方を教えてください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) まず、資源管理の基本的な考え方として、御指摘の入口規制、出口規制、技術的規制、この三つを組み合わせて適正な資源管理を推進していくという考え方を基本的に私どもとしては取っております。令和二年に施行された漁業法に基づきましては、その際、TAC管理を基本とする資源管理の取組を推進するということにもなっているわけでございます。  ちょっと事実関係だけ先に申し上げたいのですが、TAC管理の対象を、じゃ、拡大するという話につきましては、例えば平成二十六年に水産庁が開催をいたしました資源管理のあり方検討会の取りまとめの中で、この魚種のTAC制度の対象となる魚種の追加について検討を継続すべきとの提言がなされまして、これを受けて、検討を行った上、平成二十九年四月に閣議決定されました水産基本計画で数量管理等による水産資源管理の充実といった点が盛り込まれたということでございまして、こうした状況を踏まえて、水産庁として取組を推進してきております。  ちなみに、御指摘の規制改革推進会議は、平成二十九年五月、規制改革推進に関する第一次答申において、数量管理等による水産資源管理の充実や漁業の成長産業化等を強力に進めるために必要な施策について検討を開始し、結論を得るという提言をしているわけでございますが、必ずしも、このTAC管理の対象拡大やTAC管理を充実させていくという点につきましては、農林水産省として必要と考え推進をしてきているということはまず御理解をいただければと思います。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございました。  ただ、私、この三年ぐらいで追加されたのはカタクチイワシとウルメイワシということですけれども、やはり今の資源量と、それからTAC、要は数量管理の必要性をしっかりとてんびんに掛けて、やっぱりTACが設定されると、漁業者の負担とかいろんな、何というのかな、自由度がどんどん狭まっていくわけですよね。しかも、やはり自然のものですから、先ほどからあるように、だあっと目の前にいるのに捕れない状況とか、今まで捕っていなかったけども、捕れていたところが少なくなって、ほかのところで増えたりしたときに適切な配分ができるのか。こういった配分の問題も含めて、非常に大きな影響が及ぶと思うんです。  そこも勘案しながら、本当にTACでの管理が必要なのか、そのほかの規制もしっかりと組み合わせながらやるべきなのか、そこは要検討であると私は思っておりますので、とにかくTACの魚種を増やせという流れだけで行かないようにお願いしたいと思います。  先ほどからこれも出ていますけども、イカ漁の不漁の原因の一つにマグロの資源量の増加があるんではないかと、そういった声が幾つかありましたけれども、そこについては水産庁としてはどのように分析をされているんでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  クロマグロの食性につきましては、毎年度、水産研究・教育機構が胃の内容物の調査を行っております。それによりますと、イカ類のほかに魚類、甲殻類も捕食されておりまして、何がクロマグロにおいて多く捕食されているかというのは年によって異なっているという状況でございます。また、クロマグロの資源量の増加によってスルメイカ資源が減少したという因果関係を示すデータもまだ得られてはいない状況ということでございます。  私どもといたしましては、今後もこの食性調査の方を継続をいたしまして、水産資源への影響の可能性の有無も含め、ここは注意深くまずは調査の方をしっかりやっていきたいというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、そういった因果関係の調査等、これは、今後のいわゆるWCPFC始め、こういったまぐろ委員会等での議論にも大きな意義を持つんではないかと思うんですね。ですので、やはり是非、その辺の食性調査、因果関係の調査進めていただきたいと思っています。  続きまして、漁業法及び流適法の改正についてお聞きしたいと思います。  端的にお聞きします。仮に改正後の法規制が既にあったとしたならば、この大間事件は防ぐことができたんでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 今回のような漁獲未報告の事案に対しまして、現行の仕組みでは不正な水揚げの予防体制や取締り体制が脆弱であります。そして、太平洋クロマグロの大型魚は、通常、個体単位で取引されているにもかかわらず、TAC報告では総量のみが報告事項でありまして、不正事案通報があったとしても不正事案の迅速な照合、確認が困難であります。そして、流通事業者を直接規制する仕組みがありません。流通段階が進むほどに、TAC報告義務に違反した漁獲物の取扱事業者の取締りが困難といった課題があると考えております。  このために、漁獲監理官の新設等による取締り体制の強化を行いますとともに、TAC報告事項への本数の追加や、その基となる情報の保存の義務付け、違反者に対する罰則強化、これを漁業法改正で行いました。そして、漁業者、流通業者に対する情報伝達、保存の義務付け、これを流適法の方で措置を行うことにいたしたところでございます。  いわゆるこれまでの漁業法だと、全体は分かるけれども個々は分からない、それから、これまでの流適法だと、無許可は分かるけれどもプロが捕ってきたやつは分からないというようなことで、これを両方厳格化することによって、個体まで分かる、そしてプロが捕ってきたものでもやはりきちんとその報告ができると、少々の、その市場のものとのタイムラグはありますけれども、しっかりと把握することができるということで、今後、こういう義務違反、未報告、義務違反というのは非常に少なくなる、そして的確に違反事案が取り締まれるようになるというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 この法改正でかなり実効性が上がるということ、確認をさせていただきました。  ただ一方で、先ほど徳永さんの質問にもありましたけれども、やはりこれ、国とか都道府県、そこのチェック体制、監視体制も大変大事だと思いますので、併せて取組強化に向けても進めていただきたいと思います。  続きまして、この流適法について、二条一項二号ロ、つまり特別管理特定水産資源、今回の太平洋クロマグロの指定を想定していると思いますけれども、それ以外、それ以外として指定することが想定される水産動植物はあるんでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 御指摘の点でございますが、今般の改正におきまして、特定第一種第二号水産動植物につきましては、漁業法に規定する特別管理特定スイシン資源のほかに、御指摘のロによりまして、例えば、流通段階で個体ごとの管理が行われないものであっても、資源の保存管理措置に違反した漁獲物の流通が行われるおそれが大きく、かつ資源の保存管理措置の必要性が高いものについては省令で指定することができるという仕組みになっております。  特定第一種第二号の具体的な指定手続は、今後、学識経験者や漁業者、流通事業者等の関係者の御意見も伺いながら行っていきたいと考えておりますが、現時点で想定している太平洋クロマグロの大型魚以外について指定を行う必要が生じている水産資源はないというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。今のところはないということですね。分かりました。  取引の際の情報伝達におきまして、令和二年にできたこの流適法の中で、特定第一種第一号、これ、アワビ、ナマコ、ウナギ等ですけれども、これについては漁獲番号を含む取引記録の作成、保存が義務付けられていますけれども、今回については漁獲番号は付番されないということなんですね。この扱いを変えている理由は何なんでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  アワビ、ナマコ等につきましては、漁業者でない非漁業者による密漁が問題となっていたことを受けまして、権限を有しない者が採捕したものが流通しないように、権限を有する漁業者ごとに割り当てられた番号、これを用いた漁獲番号の伝達というものを義務付けたものでございます。  他方で、今般の改正案で新設をされますこの特定第一種第二号水産動植物につきましては、権限を有する漁業者によるTAC報告義務違反が発生したことを受けて、この義務違反した漁獲物が流通しないように個体ごとの情報を伝達を義務付けることとしたということで、言わば権限を有する漁業者による漁獲を前提としているという点においてこのアワビ、ナマコとは異なる取扱いをしたということでございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  その際に、先ほどもお話も出ていましたし、実は、令和二年の法制定時、附帯決議で、電子化等制度運用体制の整備に必要な支援を行うことという決議が出されておりますので、今進めているということですけれども、この点についてもしっかりと前に進めていただきたいなと思っています。  基本は、遊漁、このクロマグロに関しては、無許可の違法操業ではないということで、これは別に認められているものでありますけれども、遊漁者に関しても四十トンの枠で採捕が認められております。その中でも、小型魚は禁止ですけれども、三十キロ以上、つまり経済価値の高い大型魚は一定の制限はあるものの採捕が認められています。その理由ですね。  あとは、採捕数量設定の根拠、また漁業者への影響。だって、先ほども、やっと捕れるようになったのに、もう二日で全部枠を食い切ってしまったという話がある一方で、遊漁は一定の数認められているというのは、漁業者にすればなかなかちょっと理解しにくいのかなと思うんですけれども、この根拠について教えてください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) まず、遊漁におけるクロマグロの採捕につきます規制といいますか、を申し上げますと、漁業法に基づく広域漁業調整委員会指示によりまして、その三十キログラム未満の小型魚、これにつきましては採捕を禁止すると、三十キログラム以上の大型魚については一人一日一尾までという形で対応しているところでございます。  小型魚の採捕禁止は、資源への影響がより高い小型魚を保護する観点から設けているというところでございまして、漁業者には一定の枠はございますけども、遊漁者には認めていないということでございます。また、大型魚につきましては、直ちにその採捕を禁止するのではなく、漁獲の留保枠の中で吸収するという考え方の下で現行の規制を措置しているところです。  この大型魚の採捕数量の上限は、現在おおむね四十トンとしているところでございますけども、これは我が国のクロマグロ漁獲枠のうち留保枠百トン程度から、まず漁業者による突発的な漁獲の積み上がりへの備えといたしまして五十トン程度、調査船や実習船による漁獲への充当分として十トン程度を差し引いた分として勘案をいたしまして、広域漁業調整委員会で設定しているという形になってございます。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 時間ですので、おまとめください。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 それを前提の上で、どうしてそういう数字なんですか、漁業者への影響はないんですか、遊漁者に甘くないですかという質問をしているんだから、ちゃんと答えてくださいよ。  私、やっぱりね、遊漁者の扱いについても、もっと見直しするべきじゃないかと思いますよ。これだけ、今、一般の漁業者が限られた枠の中で捕り合いになって、しかも今まで捕れていないところでばんばん来て、でも、見て、目の前で来ているのに捕れないというその状況の中で、遊漁者は捕れる、でも、漁業者は物すごい厳しい制限がされているというところに対して、やっぱりもう少し見直すべきじゃないかという御提案をしたいと思って質問をしたんですけども、何かちょっと答えが不満足ですけれども、もう時間が来ましたので終わります。ただ、そこの見直しはしっかり検討いただきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  漁業法の改正案について質問します。  今回の改正案は、クロマグロ漁をめぐって多くの課題が山積する中で、非常に難しい改正案だなというふうに思うんですね。  クロマグロに漁業規制が導入されたのが二〇一五年です。二〇一八年から沖合漁業、沿岸漁業にTAC資源の管理が求められて、都道府県別に大型の魚、小型の魚の漁獲枠を当てはめるTAC制度が始まりました。  沿岸漁業者はクロマグロの扱いに困る日々を送っています。  今年の岩手日報二〇二四年の二月二日付けは、定置網に入るクロマグロが水揚げされず大量に放出されている、資源管理のために漁獲量が制限されているのが理由で、二〇二二年に逃がした量は推定七百三十九トン、漁獲枠の五倍だというふうに書いています。北海道新聞も、放流で生じたクロマグロ以外の漁獲の損失額が約二億五千万円に上ると書きました。定置網に入るクロマグロを放流せざるを得ないという問題は、これ各地で起きていますよね。  京都府の西脇隆俊知事は、網からクロマグロを逃がしている現状を、漁業者の身体的負担になり、経営意欲の減退につながるというふうに指摘しています。  定置網に入ったクロマグロを放流せざるを得ない問題というのは、これ、ほかの漁獲の損失、これではやっぱり現場に不満が鬱積するというのは当然ではないかというふうに思うんですけども、大臣のお考えを伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 定置網におきまして、クロマグロを放流する際に、その他の魚種も逃げてしまう場合があることは承知をしております。このため、その他の魚種の流出を最小限にするために定置網での放流手法に関する技術開発に取り組んだ結果、例えば、クロマグロが入網していた場合に網の外に出すための操業方法の工夫、そして定置網への入網状況を陸上から確認することにより混獲を回避しやすくするための定置用魚群探知機が開発される、こういったものは既に実証実験で一定の成果が得られております。現在は、放流技術や機器等の普及に努めているところでございます。  また、漁獲枠を遵守するためにクロマグロの放流等を行わなければならない状況を最小限度にするために、都道府県等の間の漁獲枠の融通の促進にも取り組んできているところであります。  今後とも、これらの対策によりまして、定置漁業の操業への支障が可能な限り少なくなるよう努めてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 一方で、巻き網漁への批判も出ているんですよね。定置網は、まあ待ちの漁ですよね。待っている、魚を待っていて、そういう漁ですけれども、巻き網漁は魚を追いかけて囲み捕る漁です。漁師からは、いや、巻き網がいなくなると魚が増えるんだという声や、漁の様子を映像で残していないので不法投棄しても分からないという声や、それから大臣が許可している巻き網が優遇されているんじゃないかという意見があるんですけれども、これに対しての、大臣、どうお答えになりますか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 太平洋クロマグロの漁獲枠につきましては、水産政策審議会の下に設置をされました、沿岸漁業者を代表する複数の委員も構成員となりまして、くろまぐろ部会において取りまとめました配分の考え方におきまして、沿岸漁業へ配慮する考えが示されているところです。  例えば、令和六年管理年度の大中型巻き網の小型魚の枠につきましては、基準年である二〇〇二年から二〇〇四年の平均漁獲実績の五分の一にまで減少させているなど、沿岸に配慮した考え方に基づきましてこれまで配分してきたところであります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 そこで、今回の大間の問題です。TAC報告義務に違反した、これは問題だというふうに思うんですよ。しかし、問題があったからといって罰則を強化するということが妥当なんだろうかというふうに思うんですよね。  大間の漁師の方はこう言っているんです。中西部太平洋まぐろ類委員会で規制が強化されるときに、何の相談もなくクロマグロの数量は決められたと、これでは生活できないから違反者が出るぞと言ってきたんだと、今の漁獲量は一人一・五トンだから、単純計算すると六百七十八万円にしかならない、そこから委託販売の手数料や燃料費や船の維持費を引くとこれ生活できないんだと、で、以前は若い人が入ってきたけれども、この今の枠では入ってこないというふうに言われるんですね。  政府や都道府県が決めた漁獲枠で生活できるかどうかと、こういう実態、実情については把握されているんでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  太平洋クロマグロに関しましては、WCPFCにおいて国際的に決定された漁獲枠を遵守するために、漁業者の皆様に厳格な資源管理に取り組んでいただいております。その結果、資源は回復してきておりますけれども、その過程において放流や混獲回避等の取組にも御苦労をいただいているというふうに承知をしているところでございます。  WCPFCの場におきましては、これまで大型魚枠の一五%の増枠ですとか、小型魚枠の一定部分を一・四七倍して大型魚枠へ振り替える仕組みの導入拡大など、漁獲枠を増やすことに取り組んできたところでございますけれども、それでもなお更に増枠を実現してほしいとの声が現場では大変強いというふうに承知しているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 そういう声が強いということは、生活できないからなんですよね。そういうことをちゃんと把握されているのかどうかというところが、私は求めたいわけですよ、政府に対して。  改正案は、漁獲量の報告義務違反の罰則を六か月以下から一年以下の禁錮刑にすると、新たに個体数などの報告等も求めているわけです。  しかし、マグロ漁師の生活実態見たときに、これ罰則を強化する前にもっとやることがあるんじゃないのかなと思うんですけれども、大臣、いかがですか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) まず、最初の質問にお答えいたしますけれども、増枠の可能性が出てくる場合には、水産政策審議会の下に設置をいたしましたくろまぐろ部会を開催します。そして、配分の考え方の見直しを行うことになります。  そういうことで、今後も沿岸漁業への配慮等も行いながら、適切な資源管理に努めてまいりたいというふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 生活できないというのは大間だけではないんですよね。北海道新聞にも同様の実情が報道されました。二〇二一年の十二月の道新ですけれども、道南沿岸の漁協の一本釣り部会は、一人当たりの漁獲枠が約二百キロ、四十キロのマグロでいうと五本で枠が埋まっちゃうと、マグロでは食べていけないというふうにここでも言っています。  クロマグロの漁獲枠を漁師が生活できる枠に見直すべきではないかと思うんですけれども、いかがですか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) まずは、先ほど申し上げましたとおり、増枠に関する強い要望が漁業関係者の間にあるということは承知をしているというところでございます。  そういったことも踏まえまして、新しい資源評価結果を受けて、我が国としてこの増枠提案の方をWCPFCにおいて行うこととしております。この是非増枠が実現するように努力をしていきたいというふうに考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 漁業者が生活できる枠に増量を求めていくというふうに趣旨としては捉えておきたいと思います。  漁業者の生活を守る漁業法が、やっぱり資源管理にのみ重点を置いて、なりわいを営む漁業者のための法律になっていないんじゃないかというふうに思うんですよね。  漁業法で問題だと思うのは、TAC報告義務に違反したら六か月以下の懲役又は三十万円以下の罰金だということです。義務違反があれば、行政手続として指導、勧告、改善命令をこれ出せばいいんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  TAC報告義務違反につきましては、旧TAC法、いわゆる海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の時代から、今の漁業法改正の前のこのTACの関係の法律でございますが、この時代から、TAC報告はTAC管理の根幹を成すものであって、適正に行わなければ行政が全体の漁獲状況を正確に把握ができないと、的確な資源管理措置を迅速に講ずることができないということから、違反に対して直接罰則を適用できるという仕組みになっておりました。  さらに、今般の法改正によりまして罰則が強化されることになります特別管理特定水産資源につきましては、非常に厳格な漁獲量の管理を行う必要があるものを指定をするということでございまして、的確な資源管理措置をより迅速に講ずるという観点から、この再発、違反事案の再発防止のための抑止力を高める必要があると考えております。  こうしたことから、特別管理特定水産資源の報告義務違反については、従来のTAC報告義務違反と同様に直接罰則を適用できるとした上で、法定刑を引き上げるというふうに考えているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 私、やっぱり問題だと思うのは、国が枠を決めて、関係者の理解も納得も得ていないのにその枠に従うように求めていく、報告義務に違反したら刑事罰を科すというやり方です。クロマグロ以外のこのTAC資源にも拡大されていく可能性もあると。  考えなければいけないと思うのは、漁業法を漁師の経営と生活を守る法律にすることだと思うんですよ。戦後、新漁業法ができたときには、漁業権が確保することができて、漁で生活できる展望が見えて、浜が喜びに沸いたという話を以前聞いたことがありました。ところが、二〇一八年の改正漁業法というのは、それができたときから浜に不満と不安を置き去りにしたまま成立してきていると思うんですよ。  今の漁業法が漁師の経営と生活を苦しめているということであれば、やっぱり漁業法自身を見直すべきであって、新たな規制を強化することではないと思うんですけれども、大臣の見解、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) クロマグロにつきましては、WCPFCで決定されました管理措置に基づきまして、平成二十七年以降、我が国の漁獲枠は決定されています。  これを受けまして、国内におきましては、平成二十七年一月から通知に基づく自主的な管理に取り組みました。そして、平成三十年一月からは、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律、旧TAC法に基づきまして、漁獲可能量、TACによる管理が開始をされました。  このように、クロマグロの漁獲枠の設定は、平成三十年十二月の漁業法改正以前から実施されておりまして、これらを関連させて論じることは適切とは考えておりません。

紙智子日本共産党

○紙智子君 まあ二〇一八年の漁業法をめぐっては、私たち強く反対をしたということもあります。本当にこれが現場の役に立っているのかというふうに思うわけです。  それから、もう一つのこの水産流通適正化法ですね、これは元々アワビやナマコの密漁対策として、手間とコストを掛けないやり方として制定をされたと思うんです。  ところが、今回、規制改革推進会議がこれにも関与していて、地域産業活性化ワーキング・グループ、ここでは、漁獲量未報告事案を捉えて、凍結されたマグロにタグ付けをしている大西洋クロマグロと、それから、小規模漁業者を含めて生鮮が主体で流通時間が非常に短い太平洋クロマグロと、全く条件が違うのにイコールフッティングを求めたり、流通の監視を強化する議論を踏まえて、答申、昨年ですけれども、これ出していると。  漁業者の生活がどうなっているのかということにまともに目を向けているとは思えない答申なんですよ。なのに、なぜこの規制改革会議の答申に応じて、規制改革実施計画の閣議決定に、大臣、同意されたんでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 事実関係を御紹介をさせていただきたいと思います。  御指摘の規制改革推進会議の地域産業活性化ワーキング・グループというものは、令和五年の五月でグループが開催され、また、規制改革実施計画は令和五年六月に決定をされたと承知しておりますが、今般の私どもの法改正に当たりましては、まさに漁獲量報告義務違反の案件が、事案が生じたことを踏まえ、農水省として再発防止、管理強化が図ることが必要だということで、令和五年四月の水産政策審議会において、太平洋クロマグロに係る事案の概要と今後の対応方向について、再発防止や管理の強化を検討するという報告を行っているところでございます。  先ほど言及させていただきました規制改革実施計画、これは令和五年六月でございます。今回の法案のような制度検討を行う旨が記載されておりますが、以上のような認識が計画として位置付けられたものというふうに考えております。  以上です。

紙智子日本共産党

○紙智子君 まあそういう答弁されるのかなと思いましたけれども、そのとおりやりましたなんて言わないだろうとは思いましたけれども、やっぱり、でも、少なからず影響を受けているんじゃないかと思うんですよ。漁業者や流通業者に、このやり方というか、新たな負担が生じることは明らかだし、TAC資源の対象が拡大されかねない問題もあると思います。  資源管理についてもお聞きします。  北海道日本海沿岸漁業振興会議とそれから道漁連が国に対して行った、ホッケやマダラの新たな資源管理の導入などについての要請をお聞きをしました。要請は、具体的な対策が国から示されなければTAC管理の導入を決して認めるわけにはいかないと、道総研と漁業者が共同で推進する自主的な資源管理を基本とした、北海道スタイルと言ってきましたけれども、北海道スタイルを認めるようにという、などが書かれているものです。当時、これ質問したときに、野村農水大臣だったんですけれども、積極的に職員を派遣して、丁寧な説明に心掛けたいというふうに述べられていたと思います。  それで、ホッケとかマダラ、この現状についてどうなっているか御報告いただきたいと思います。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 今委員御指摘のとおり、新たな資源管理の推進につきましては、丁寧な説明ということで、これまで何度も説明を重ねてまいりました。北海道の説明会におきましては、私自身も何度も赴いて説明をしてきたところでございます。  その結果、このマダラにつきましては、北海道太平洋、北海道日本海につきまして、本年一月と三月に札幌で開催をいたしましたステークホルダー会合でTAC管理のステップ一に入るということが合意されていまして、本年七月からTAC管理を開始するという運びになってございます。  ステークホルダー会合等で幾つかの課題について御意見をいただいておりますが、これらの課題につきましては、TAC管理のステップを進めていく中で対応していくということでございます。  一方、ホッケの道北系群につきましては、漁獲量も多く、地域の水産業におきまして重要な位置付けを有している上、MSYベースの資源評価が可能であるなど十分な科学的知見が蓄積されていることから、TAC管理の導入に向けた議論の対象としているところでございます。  同資源につきましては、資源評価結果の説明会は札幌で行っておりまして、今後、資源管理手法検討部会などを通じまして、まずはTAC管理に係る論点や課題の整理を行いたいというふうに考えてございます。  引き続き、北海道漁業の実態を踏まえつつ、関係者と意見交換を行いまして、理解と協力を得ながら、現在行われております自主的な管理と組み合わせた管理など、ホッケ、マダラ等の資源管理の取組を推進してまいりたいと考えてございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 北海道においては、今のことも含めてですけれども、やっぱり資源管理ということを本当に大事に考えて、自主的な管理で相当努力をしてやられてきたという経緯があって、それにいろいろと変えるようなことを言われるというのは、本当にこれまでの努力が無駄になっちゃうということもあって、こういう強い主張というか意見が続いてきたと思うんです。  それで、大臣、確認しますけれども、国が枠を決めて漁業者に押し付けるということはないということでよろしいですね。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 私たちは、あくまでも漁業者の声を聞く会をまず設けます。そして、資源管理手法検討部会、あるいは先ほど事務方から言いましたステークホルダーの会合、これは漁業関係者の会を開催いたしまして、その上で水産政策審議会の諮問を経まして資源管理基本方針等を改正することにしておりますので、二重、三重に関係者の意見を聞きながら丁寧に手続を進めているところでございますので、これからもその方針に変わりはありません。

紙智子日本共産党

○紙智子君 TACを決めるのであれば、やっぱりこの漁業者等の理解と納得の下に進めていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 本日もよろしくお願いいたします。  私からは、今国会最後の質問になる可能性があるということで、冒頭、法案審議に先立ちまして、この後、七月下旬から八月中旬に始まるカメムシの防除、ここで使用されるネオニコチノイド系農薬についての質問をさせていただきたいと思います。  近年、水の中にすむ昆虫類にも影響を与えることによって、そうしたものを餌としている魚や、また鳥への影響も懸念するような研究も出てきていると。また、先月十六日には、横山委員もこの件を取り上げられて、高橋政務官の御答弁では、現在再評価中であるとのことを教えていただきました。  いま一度、このネオニコチノイド系農薬の再評価について教えていただければと思います。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) お答え申し上げます。  委員お話しのとおり、農薬の安全性の科学、年々進歩しているので、現在、最新の科学的知見を踏まえて、農薬の安全性を一層向上させるため、再評価制度を行っているところでございます。  お尋ねのネオニコチノイド系の農薬についても、五種類の農薬、現在再評価を進めているところでございます。以前、高橋政務官から御答弁いただいているとおりでございまして、ネオニコチノイド系農薬に関しては、例えば蜜蜂における影響評価について、欧米と同様の評価を行うであるとか、環境分野の影響評価についても、従来の魚類だけではなくて、お話しいただきましたけれども、魚の餌となるユスリカだとか鳥類、野生のハナバチなどを対象と含めるといったようなことで、新たな評価を様々行っているところでございます。さらには、数多くの公表文献もございますので、こういったものも踏まえて改めて評価を行っているところでございます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  現時点で、農水省として、どのような生物に影響があるとの指摘がある可能性があると把握をされているんでしょうか。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) 現在、先ほど申し上げたとおりで、様々なその生物への影響に関しては、今回、従来なかったような毒性試験なんかも加えて評価をしていただいているところでございます。この評価結果を基に、また登録内容を含めて検討していきたいと考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 先ほど、ユスリカや蜂などについても挙げていただきましたけれども、そのほかにも具体的に種類があれば教えていただきたいと思っています。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) 現在、従来から行っている環境影響評価としては、水生生物に関する評価、魚類なんかも含めてですね、水生の様々な生物に関する影響評価を行ってきたところでございます。このほか、先ほど申し上げたとおりで、水生生物としては魚の餌となるユスリカの評価などが行われているというところでございます。  さらに、蜜蜂の評価、これはどちらかというと、野生生物というより飼養している家畜としての蜜蜂の評価についても、従来、直接掛かることの評価だけだったんですけれども、それに加えて蜂群に対する、蜂のその集団に対する評価、ある意味欧米と同様の評価なども新たに取り組んでいるところでございますので、この評価結果を基にしっかり再評価をしていきたいというふうに思っております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  再評価を待たずとも、新たに水生昆虫への影響の可能性が濃厚であることなどが指摘をされていることと思います。  秋田市では、一枚資料をお配りさせていただきましたけれども、以前取り上げさせていただいたあの秋田市の水道水からネオニコ系の農薬が検出をされているという問題ですけれども、秋田市で、国の基準は大きく下回るものの水道水からも検出をされていて、秋田市ではこの市民の声に応えて、年に三回調査をして公表すること、さらに、新たに整備をする浄水場においては活性炭による処理を新たに採用することを決めております。  みどり戦略では、二〇四〇年までにこのネオニコ系農薬を含む従来の殺虫剤を使用しなくても済むような新規農薬等を開発するとされていますけれども、以前の御答弁でもあったとおり、新たな農薬の開発というものは時間も費用も要するものと、当然ながら開発というのは一朝一夕にはできないと。  県内の農家のグループなどから、そもそもこの水道水にネオニコが混入してしまうような状況を根本から変えたい、このネオニコ系農薬を減らしたり使わなかったりした場合に生じてしまうこの着色粒、このために米の等級が落ちるというところに補助を出してもらえないかという要望が県に対して上がっております。  また、農家も、別にこの農薬を使いたくて使っているわけではない、お金も掛かるんだしと。しかも、そもそも消費者に届くまでには色彩選別機も使われるのだから、このネオニコ系農薬の使用量の抑制のためには現行の米の等級制度の在り方なども見直す時期に来ているのではないかとの声も上がっております。  今あるこのネオニコ系農薬を使用した場合でも、どこまで減らしても大丈夫なのか、そして減らした農薬の費用と着色粒の発生により発生をする損失なども含めて改めて検証するべきではないかとの指摘もされていますけれども、こちらはいかがでしょうか。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) 幾つか御質問の趣旨があろうかというふうに思います。  まず、委員から御指摘がありましたこの新聞報道、御紹介いただいていますけれども、秋田県のその水道水においてネオニコチノイド系の農薬が検出されたということに関して、ちょっと事実関係だけ御説明をさせていただければというふうに思います。  この調査結果、検出された濃度を、研究グループの結果見させていただくと、高いものでも八百六十八ナノグラム・パー・リッターといった水準でございます。これに対して我が国の水道水の目標値が今は〇・六ミリグラム・パー・リッターということで、単位でいくと、ミリグラムがあって、その下にマイクログラムがあって、その下のナノグラムという形で検出されているものでございます。実際、データを比較しますと、基準値の約七百分の一という値で検出されているものでございますので、検出された値自体、目標値より大きく下回っておりますので、安全上支障のない水準だというふうに考えております。  一方で、いろんな御不安があったりして、そういった御要望があるというお話でございます。我々としても、やっぱり農薬だけに依存するのではなくて、総合防除を進めるということは非常に重要で、農薬を減らしていくという観点もしっかり取り組んでいかなきゃいけないというふうに思っています。  カメムシの防除に関して言えば、例えば、農薬だけではなくて、その発生する前後に畦畔の草刈りをするというのが非常に重要となっていまして、これによって本田に入ってくるカメムシを減らすということもできますので、こういう総合防除というのもやっぱりしっかり進めていかなきゃいけないというふうに思っております。  色彩選別機のお話もございましたけれども、色彩選別機は玄米から精米の加工段階で着色した米を除去することは可能なんですけど、そもそも全く農薬を使わないと斑点米そのものの比率が高まってしまうので、結果的に収益性が大きく下がってしまうといったことがございます。  こういったいろんなファクターをよく考えながら、地元ともよく御相談しながら、しっかり様々な手法、総合防除などを進めていきたいというふうに考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 この資料にお示しをさせていただいた紙面にも付いている根本的な対応を求めているグループによれば、結局、その等級が下がってしまった部分、収益性が落ちる部分に対して補助を行うということで、結局農薬を買うための費用ととんとんになるのではないか、結局使うお金ってそんなに変わらなくても済むのではないかという指摘であるというふうに思っています。  ですので、使用しなかった場合、あるいは減らす量、どこまで減らしたらどれだけ着色粒が発生してしまうのかというところのこの検証を行っていただきたいというふうに要望させていただきます。  続けて、漁業関連の質問に入っていきたいと思います。  漁獲量の迅速かつ適正な報告というものは資源管理の根幹を成すものだというふうに私自身も考えておりまして、クロマグロの管理を厳格化をする今回の法改正は大切なものだというふうに捉えております。  昨年三月三十日に質問させていただいた際に、全国の四百の市場から漁獲量の状況を電子的に報告する手続を進めているとの答弁をいただいておりましたけれども、現状、進捗はいかがでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  水産庁では、これまでに全国の産地市場、漁協から水揚げ量を電子的に情報収集するための体制整備を進めてきているところでございます。  当初、昨年も御答弁を申し上げましたが、四百か所を目標として体制整備を進めてきておりましたが、現時点で五百か所以上の市場、漁協において体制が整備されたという状況でございます。  今後、これらの体制を活用いたしまして、関係者の負担感も軽減しながら、正確かつ迅速な漁獲量の把握に取り組んでまいりたいと考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  目標を上回る状況があるということでしょうか。把握をしなければいけないところの、ざっくり、じゃ、何割ぐらいを把握することができるようになったということでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 具体的な数字の方はちょっと今申し上げられませんが、おおむね主要な産地市場、市場の方からは情報が入るような体制になっているというところでございます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  漁業関係者、高齢化も進んでおりますけれども、具体的にどういうシステムでやられるんでしょうか。コンピューターを使ってそこに入力をするとか、ちょっと具体的なところを少しだけ教えていただければと思います。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 産地市場におきましては、これまでも取引を行った際に何らかの形でそのデータをコンピューター系のものに入力をしてございます。それは、市場によっていろんな、何というか、システムを使っておりますので、集計システムといいますか、そういったものは異なりますけれども、それぞれのシステムに応じまして、水産庁に報告していただける標準の、何といいますか、フォーマットに変換をして、電子的に送信していただくという形をこれまで構築してまいりました。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  少し質問割愛させていただいて、このクロマグロですけれども、今回のこの法案のクロマグロ以外のところの実際の漁獲量というものはこのTACの数値を大きく下回っているという指摘もあると思いますけれども、これはどうしてでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 御指摘のTACの数値とその実際の漁獲量の差というお話だと思います。  クロマグロにつきましては、直近年のTACの消化率、八〇%から九〇%と比較的高いわけでございますが、サバ類やマイワシなどにつきましては、消化率が九九%と高い資源もあれば、三〇%にとどまっている資源もあるという状況でございます。  TAC管理、現在のTAC管理におきましては、TAC数量そのものについては、科学的知見に基づいてTAC設定のルールを決めた上で毎年の資源評価を基に設定をしておりまして、TAC自体が過大に設定されているということではないということでございますが、他方で、資源によって消化率が低いことにつきましては、毎年その漁場や来遊の時期が変化する中で、特に最近その変動が大きくなっているというようなことですとか、漁業者、例えば自分が、沿岸漁業の場合、自分が操業できる水域ですとか漁法に制限があるということで、漁場の変動等に柔軟に対応することがなかなか難しいということがございます。こういった点が未消化の発生に寄与しているというふうに考えているところでございます。  こうした状況を改善をしてTACを有効に活用するためにも、例えば国の留保枠からの迅速な配分ですとか都道府県ごとの漁獲枠の融通など、管理の運用の工夫を行ってきております。引き続きこの運用改善の方についても検討を進めてまいりたいと考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  事前にも少し教えていただいておりまして、やっぱり県別に割り振るのでミスマッチも多くあったというようなことでした。今お話もいただきましたとおり、やはり気候変動にとって、大きく捕れる魚種なども変わっている中、なかなか難しいところはあるんだろうというふうに承知をしております。  私、前回の質疑の中で示させていただいたとおり、海水温の上昇ということもすごく大きくなってきていると。示したものは欧州中期気候予報センターのデータでしたけれども、海水温は昨年の五月四日から連日過去最高を記録し続けていて、この乖離の幅も大きくて、過去数十年の記録、数値と一切交わらないと。しかも、日本近海の変化が一番大きいということでした。  このような海水温のここ一年余りの急激な変化を見れば、また潮流、海流の変化ということもあろうかと思いますけれども、今後更に各地域で捕れる魚が大きく変わっていくということが予測をされます。水の中で、陸上のように見えるわけでもないので、実際の資源量を知ることというのはそもそも難しいということに加えて、困難な状況があるということは承知をしております。  今後もこうした、柔軟に国の分を割り振るというようなことも教えていただきましたけれども、この対応に御尽力をいただければということを私からもお願い申し上げたいと思います。  また、未利用魚のことについても少しだけお伺いをしていきたいというふうに思います。  流通の課題などもあって、なかなかこの未利用魚の利用が進まないということで、今の、また、前回も聞かせていただいたと思いますけれども、この水揚げされた未利用魚の量というものはどのように把握をされているんでしょうか。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) 漁獲されても、出荷に必要なサイズや十分な量がそろわなかったり加工が困難であるといった理由から、安価で取引されたり商流に乗らない魚は、一般的に低未利用魚と呼ばれていると承知してございます。  このような魚につきましては、我が国では様々な種類の魚が捕れる可能性が高い漁法が多いことなどから一定程度の量が発生しているものと認識してございますけれども、統計上も把握が困難なことから正確な量は把握してございません。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。なかなかその量を把握することも難しいという状況があるということを今また改めて知りました。  この漁獲量の規制ということ、漁業者にとっては、委員の皆さんから指摘もありましたとおり、短期的には収入減に直結をするものであって、受け入れ難いところがあるんだろうというふうに思います。ただ、やっぱり将来世代のためには、適切な漁獲量を定めて資源を守ることを通して持続可能な産業にしていかなければいけないんだということだろうと思っています。  この漁獲量がなかなか減って、収入が減っていく分、これまでやっぱり収入につながらなかったこの未利用魚を最大限活用していかなければならないだろうというふうに思っております。ただ、まだいろんな支援の対象となる魚種などが限られているというふうにも認識をしております。  今後、この未利用魚の活用についてどのようにされていくのか、政府としての施策を改めてお知らせください。

藤田仁司水産庁次長

○政府参考人(藤田仁司君) お答えいたします。  我が国周辺水域におきましては、世界で約一万五千種の海水魚のうち約三千七百種が生息をしておりますけれども、そのうち食用に利用されるというものは数百種程度とも言われておりまして、低未利用魚の有効活用は重要な取組であると認識してございます。  ちょっと例を、全国で取り組まれている有効活用の取組の例を申し上げますと、例えば島根県では、低未利用魚を原料に魚パウダーを開発いたしまして、だしパックに活用した事例がございます。長崎県の対馬におきましては、藻場で海藻を食べますイスズミ、これを、未利用魚だったものですけれども、すり身にしてメンチカツに加工利用しているという事例がございます。福井県の方では、たくさん捕れるものの買手が付きにくいシイラやエソといった未利用魚をすり身ボールに加工した事例などの取組があるというふうに承知をしてございます。  こうした取組につきましては、水産資源の有効活用や新たな価値の創出ともなることから重要であると考えておりまして、引き続き低未利用魚の有効活用を図ってまいりたいと考えてございます。  農林水産省におきましては、現在、その低未利用魚を利用した新商品開発等の売れる物づくりに向けた取組等を生産、加工、流通業者が連携して行う場合に支援を行うということを実施しております。今後とも、都道府県とも連携しながら、こうした低未利用魚の有効活用を推進してまいりたいと考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  魚、やっぱり値段が高くなったなということを私自身も感じております。一定の規格で一定の量がそろうものしかこの流通網に乗らないということの陰には、消費者も見慣れた魚とかにしか手を出さないとか、骨を取ったものしか売れない、買わないというこの消費者側の理解というところもあるんだろうというふうに思っています。そうした消費者の理解を求めるということについて、様々なイベントでブースなども出されていて御尽力をいただいていることと思います。うちの子供もそうしたブースで魚の塗り絵などをもらって喜んでおりましたけれども、今後もそうしたところにも引き続き目を配っていただけることをお願い申し上げます。  最後に、今国会、農水省の皆さん、大臣、副大臣、政務官の皆さん、また参考人の方々や委員の先生方の御発言の全てから学ばせていただいたことに心から感謝を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 漁業法改正案、水産流通適正化法改正案に反対の討論を行います。  反対するのは、大間のクロマグロの漁獲量未報告事案を捉え一方的に罰則を強化するが、漁業者の経営と暮らしを守る改正案になっていないからです。  大間では、クロマグロの漁の枠が一人一・五トン程度ですから、収入は六百七十八万円程度、委託販売の手数料や燃料費、船の維持費を引くので生活できないと訴えておられます。取締りを強めるのならともかく、漁獲量の報告義務違反の罰則を六か月以下から一年以下の禁錮刑にし、新たに個体数などの報告等も求めています。これでは、経営意欲をそぎ、漁業者の減少、漁村を衰退させかねません。また、TAC報告義務に違反したらいきなり罰則というのはやり過ぎであって、漁業者との話合いや丁寧な指導から始めるべきです。戦後、漁業法ができたときは、浜は喜びに沸き起こったと聞いています。ところが、今の漁業法は、喜びが沸くどころか、漁業の未来に不安を抱かせる法律になっています。漁業法そのものの見直しが必要です。  水産流通適正化法は、元々アワビやナマコの密漁対策として、手間とコストを掛けない方法として始まりました。改正案は、新たに資源管理魚種、TAC資源、クロマグロを対象とするものですが、規制改革推進会議の答申に沿った改正です。地域産業活性化ワーキング・グループは、漁獲量未報告事案を捉えて、凍結されたマグロにタグを付けている大西洋クロマグロと、小規模漁業者含めて生鮮が主体であり流通時間が極めて短い太平洋クロマグロと、全く条件が違うのにイコールフッティングを求め、流通の監視を強化する議論を踏まえて答申を出し、政府の規制改革実施計画に盛り込みました。漁業者、流通業者に新たな負担を生じるのは明らかであり、TAC資源の対象が拡大されれば、その影響はクロマグロだけでなく漁業全体に影響する危険性があることを指摘し、反対討論とします。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、横沢君から発言を求められておりますので、これを許します。横沢高徳君。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 私は、ただいま可決されました漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会並びに各派に属しない議員寺田静君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     漁業法及び特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   漁獲量が長期的な減少傾向にある中、将来にわたって持続的な水産資源の利用を確保するためには、適切な資源管理を進めることが重要である。不適切な流通事案の再発防止、我が国の資源管理制度に対する国際的な信用の回復に向けて、漁業者を始めとした関係者の理解と協力を得て今般の法改正を実効性あるものにする必要がある。   よって政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一 特別管理特定水産資源を農林水産省令で定めるに当たっては、我が国水産業の実情を踏まえ、漁業者・漁業協同組合及び流通・加工業者の経営並びに地域経済に及ぼす影響について十分に配意すること。  二 資源管理に取り組む漁業者の経営への影響を最小化するため、漁業収入安定対策事業やクロマグロ資源管理促進対策の更なる充実・強化に努めること。  三 特定第一種第二号水産動植物等の譲渡し等の際に採捕に係る船舶等の名称、個体の重量等を記録・保存・情報伝達する制度の運用に当たっては、現場の関係者の過度な負担とならないよう、情報通信技術の活用の促進その他の必要な支援を行うこと。  四 北太平洋まぐろ類国際科学委員会の資源評価を踏まえ、中西部太平洋まぐろ類委員会北小委員会等において、太平洋クロマグロの漁獲枠の拡大に向けて精力的に交渉を進めること。  五 国際社会においてIUU(違法・無報告・無規制)漁業撲滅の実行が求められており、水産物輸入大国である我が国として、国際的なIUU漁業対策において積極的に役割を果たすとともに、特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律の適正な運用等を通じて、違法漁獲物の流通を防止すること。  六 広域漁業調整委員会指示による遊漁者のクロマグロの採捕の規制について、遊漁者への一層の周知を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) ただいま横沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 全会一致と認めます。よって、横沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、坂本農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂本農林水産大臣。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。  附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十九分散会

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