農林水産委員会 第12号
- 発言数
- 452 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/05/28
会議録
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、金子道仁君が委員を辞任され、その補欠として松野明美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、消費者庁審議官依田学君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題とし、これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野村哲郎君 自由民主党の野村哲郎でございます。 私は、岸田総理から一昨年の八月にお電話をいただいて、農林水産大臣に任命をいただきました。心から御礼を申し上げますとともに、ちょうど任期の期間が四百日でございましたので、調べてみますとほかの大臣よりも少し長く、二週間ぐらい長くしたかなというふうに思っておりますが。ただ、その間、大変緊張の連続でございましたので、坂本大臣にも先ほど申し上げたんですが、是非体をいとうてくださいということでありまして、こうして総理を始め坂本大臣、そして鈴木副大臣、そしてまた高橋大臣政務官、本当に、農水省の皆さんを始めとしまして、日頃より農業振興について大変な御尽力をいただいておりますことを、農林族の一人として心から御礼を申し上げる次第でございます。 私は最初、筆頭から聞いたときに、時間が二十分だということで質問を幾つか用意させていただいておりましたが、八分間に短縮されましたので、ほぼ質問の時間はないんじゃないかというふうに思っておりますが、まあそれはそれとして、総理の決意のほども最後に伺いたいと、かように思っております。また、坂本大臣にも一問だけ質問をさせていただきたいと、かように思っているところでございます。 総理からは、十月に官邸の方で、おい、おまえら、もう食料の基本法ができてから二十五年たつんだぞと、これについての見直しを進めたらどうかということを総理から御指示をいただきました。そして、農水省に帰りまして、幹部を集めてその旨を話したところでございました。 ちょっとそのときに話したことを少しここで御披露させていただきたいと思うんですが、私の経歴は、昭和四十四年にJA中央会に入りました。三十五年間勤めたわけでありますが、このJA中央会に入りましたときに、先輩から、おい、野村、これからの鹿児島の農業は変わるぞと、こういうふうに言われました。 当時の鹿児島の生産額の一番大きいのは当然米でありました。そしてその次がカンショ、その次がサトウキビだったんです。ローカル色豊かな農産物でありますけれども、ほかはあと肉用牛が若干ございましたけれども、ほとんど換金作目的なものが余りなかった時代でありまして、そのときに、県とそれからJAグループが一緒になりまして十年後の鹿児島のビジョンをつくろうということになって、十年後の鹿児島の農業の姿というのを冊子にまとめていただきました。 私どももそれで勉強したわけでありますが、そのときに皆さんがもう生き生きとしておりまして、そして、そこにはやっぱり人が大事だということで、経済連の技術員の人たちをそれぞれの地区に張り付けをさせまして、三年間でおまえたちは団地をつくってこいと。ここは肉用牛団地、ここは養豚団地、ここは酪農団地という形で団地をつくってこいと、でないと、鹿児島県内全体にばらついているので、何とかやっぱりまとめる必要があるぞということで、今でも私どもは団地団地と、こういうふうに言っているんですが、熊本も同じようにそういった団地的なところの取組をされたというふうに認識をしております。 私はそのときに、やっぱり、人が張り付いてそこの農家の人たちと話をして、そしてやってきたというのが一番これは良かったんじゃないかというふうに思います。三年間地域に出向だったものですから、三年間のうちにおまえたちは団地をつくり上げてこいというのが技術員に対する指示でございました。 当時の鹿児島県の生産物は先ほど言ったようなことだったんですが、ひもといてみますと、鹿児島県のそのときの農業生産額は三千億をちょっと超えたぐらいで、全国十八位だったんです。現在では幾らかというと、全国の二位で、そして五千三百億円にもなっておりまして、もう全然、鹿児島の農業の姿というのが物すごく変わってきたわけであります。 ですけれども、今回この法案ができたので、是非、私は選挙のときに、皆さん、鹿児島の農業も変えていきましょうということを森山先生と二人でずっと街頭を打って。今の鹿児島で何が不足しているのかというと、やはり畜産ですが、飼料が足らない。だから、飼料が足らないものをどういうふうにしてカバーしていくか。稲わらだって中国から輸入しているぐらいでしたから、もうこれではとてもじゃないけれども経費がかさんで、農業として成り立っていくかどうかということはこれからの正念場だということをやりまして、あと二分ですね、やってきたわけでありますが、おかげさまで鹿児島の農業が見違えるような、そう言うと田名部さんからいつも言われて、あんたは自分のお国のことの自慢話ばっかりすると、こう言われているんですが、そのぐらいみんな、農家も組織の皆さん方も行政の皆さんも頑張ってきたというふうに思います。 これからも、またもう少し変えようじゃないかと。それは、一番最初、もう何を一番最初に去年やったかというと、肥料を作り出したんです。畜産県ですから堆肥がいっぱいあります。それで、その堆肥に基づいてペレット化して固形化して、それをほとんどの農家に一昨年から配布をしておりまして、これが一番良かったのがお茶だったんです。お茶は、いわゆるアメリカにもEUにも、輸出するには無農薬でないと駄目、あるいは肥料も無農薬でないと駄目というのがありましたから、このペレット肥料を使い出してからどんどん輸出が伸びていきました。 ということで、自慢話をさせていただきましたが、この基本法で、今回、私は総理に、日本の農業をやっぱり変えていかなきゃいけない、金があって変えれるものじゃないし、これからやっぱり農協の皆さん方の……
○委員長(滝波宏文君) 時間でございますので、お願いします。
○野村哲郎君 農家の皆さん方の努力によってやらなきゃいけないし、そしてまた総理の指導力だと、こういうふうに思いますので、是非決意のほどをおっしゃっていただきたいし、坂本大臣には、この基本法の後に基本計画ができるわけですから、この基本計画のスケジュール感を教えていただきたい。もうそれだけでございます。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国の食料、農業、農村をめぐる環境ですが、世界的な食料需給が不安定化する中で、輸入に依存する農産物の国内生産の拡大が急務、まずこれは重要なポイントですが、それとともに、農村人口の減少が見込まれる中、少ない農業者でも食料を安定供給できる体制の確保、これが重要になっています。そして、そうした中で、委員の方から鹿児島の例を挙げられましたが、各地において様々な創意工夫が行われている、取組が進められている、こういったことであります。 今般の基本法の改正によって、農業所得の向上等を通じて農業に関わる皆さんが夢や希望や自信を持って活動できる農業が展開され、また、農村において活力ある地域社会が維持され、次の世代が育っていく、こういった場にしていく、こういった取組を進めていきたいと考えております。その際に、堆肥パレットの話もありましたが、各地域の工夫、創意工夫、これを国としてもしっかり支援をしていく、農業、農村の持続的な発展を実現するために官民が連携していく、こういった姿勢が国としては大事であると考えております。
○委員長(滝波宏文君) 時間です。
○野村哲郎君 はい。 ありがとうございました。時間が来たようですから、坂本大臣は個別にお話をさせていただきたいと思います。 終わります。
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。 まず、総理、週末から昨日にかけての外遊、お疲れさまでした。本当に近隣諸国との意思疎通というのは大変重要なことなので、引き続き、シャトル外交も是非よろしくお願いしたいと思います。 その日中首脳会談では、日本への水産物輸入禁止措置の即時撤廃を求められましたが、その他の農産物や食品、飼料等の輸入停止措置について、解除に向けた前向きな話というのはしていただけたのでしょうか。そしてあわせて、日韓首脳会談においても食品等の輸入停止措置について前向きな話合いは行われたのか、このことについて伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先日の日中首脳会談においては、私から、中国側によるこの水産物を含む日本産食品の輸入規制の即時撤廃、これを改めて明確に求めました。引き続き、中国に対して、何ら科学的根拠のないこの日本産食品に対する輸入規制の即時撤廃、強く求めていかなければならないと考えております。 そして、日韓の方ですが、東日本大震災の日本産食品等に対する輸入規制の撤廃、これは政府の重要課題であり、韓国に対してもこれまで様々な機会を捉えて働きかけています。そして、今回の日韓首脳会談では、双方の関心事項、懸念、懸案についてお互いに言及しました。こうした関心事項、懸念を示す中で、この御指摘の点等についても議論を続けていきたいと考えております。
○羽田次郎君 今の御答弁ですと、実際にこの食品等の輸入停止措置について話し合われたのかはっきりされないところはありました。我が信州もやっぱりキノコとかコシアブラとかそういったものが輸入停止措置になっておりますし、ほかの地域でもお茶とかホウレンソウとか幅広い品目が停止措置となっておりますので、これからの話合いの中で是非ともそうしたことも取り上げていただきたい、このことをお願い申し上げます。 五月十六日の当委員会の質疑に対して、坂本農林水産大臣から、農業の生産基盤が弱体化したとは思っておりませんとの御答弁が繰り返しありました。二十三日にはこの発言を撤回されて陳謝していただきましたが、それでも、坂本大臣が全く異なる前提でこれまでこの議論を進めていたとなると、この衆参での長い時間を掛けた議論というのが水泡に帰してしまうんじゃないかと、そうした懸念を私は抱いておりますし、皆も同じような考えだと思います。 これまでの経緯について岸田総理の御所見と、あと、基本法改正の前提として、総理にはこの生産基盤の弱体化という認識があったのかどうか、このことについて伺います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘の農業生産基盤をめぐる坂本大臣の発言については、御指摘のように、先日の参議院農林水産委員会において坂本大臣からこの撤回、陳謝申し上げているところですが、私自身、我が国の農業生産基盤は弱体化しているとの強い危機感を持って対応する必要があると考えております。 農業者の減少、高齢化や農地面積の減少等が進み、さらに今後はこの人口減少が不可欠となる中で、少ない人数でも食料供給を持続的に行うことができるよう、しっかり対応していくことが重要であると認識をしております。 こうした認識の下、御審議いただいているこの食料・農業・農村基本法の改正を通じて、農業生産基盤の強化に向けて、農地の確保と有効利用、そして生産性向上のためのスマート技術の導入、そして新規就農の促進を含め次世代の農業人材の育成、確保、そして市場拡大に向けた輸出の更なる促進、こうした取組、着実に進めていきたいと考えております。
○羽田次郎君 いろいろと御答弁いただきましたが、いずれにしても、総理はしっかりとこの農業の基盤が弱体化していたという御認識はお持ちだったということを最初に申し上げていただきましたが、もしこれをこのまま放置していたら閣内不一致だというふうに言われても仕方ないような状況になっていたかもしれませんので、その辺の認識、しっかりと閣内で一致していただきたい、このこともお願い申し上げます。 そして、総理は、今おっしゃった中でも、特に我が国の農業の弱体化を招いた一番の原因というのは何だとお考えですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) この農業生産基盤ですが、この中心は農業に関わる人そして農地であると思います。そして、この人と農地、この両方が減少していることが農業生産基盤の弱体化の原因であると認識をしています。 人ということについては、この農業従事者について、減少者数の多くは米の生産者が占めている。米については、機械化等の進展を背景に少ない労働時間で生産できる体系が確立し、高齢農業者が多く従事されていますが、高齢化によるリタイアが現在の農業従事者の急減の要因になっている、このように認識をしておりますし、農地の方で申し上げるならば、この農地面積の減少、これは高齢化や農業従事者の減少による荒廃農地の発生、そして宅地や工場等の建設に伴う農地転用、これらによるものであると認識をしております。
○羽田次郎君 私は、やっぱり一番農業が弱体化してしまったその一番の原因というのは、再生産可能な所得を得られなかったこと、これが一番大きかったんじゃないかというふうに思っております。 今回の法案の中でも、新たな食料システムにおける農産物の合理的な価格、この合理的な価格ということが繰り返しこの委員会の中でも議論となりましたが、こうした価格形成の中で、生産者にとって再生産可能な十分な所得が得られなかった場合というときにおいて、国として適正な所得が確保できるような支援をしてくださると、そういう認識でよろしいんでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 農産物の価格形成については、需給事情や品質評価が適切に反映されつつ、生産から消費までの各段階の関係者の合意の下、国内外の資材費、人件費等のコストが考慮される仕組みを構築していくことが重要であると認識をしています。そして、価格形成の仕組みの法制化等により、持続的な供給に要する合理的な費用が考慮され、再生産可能となるような価格形成がしっかりと行われるよう後押ししてまいりたいと思います。 そして、それと同時に、今申し上げました合理的な価格形成の後押しと併せて、過度な変動にはこの収入保険制度等を適切に講じなければならないと思いますし、あわせて、スマート化による生産性向上、ブランド化による付加価値向上、こうした取組を支援していくことが重要であると認識をしております。
○羽田次郎君 食料システムの様々な段階でその合意形成をしていくというお話、分かるんですけど、やっぱりどうしても生産者というのは声が小さくて、やっぱり消費する側に近い人たちの声が強くなってしまう。そうしたときに、どうしても合理的な、生産者にとっての合理的な価格というのがむしばまれてしまったときは、政府としてしっかりとその所得を補償できるようなことにしていただけるのか、そのことを改めて伺います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政府としては、今申し上げたような考え方、そして取組によってこの価格形成を果たしていきたいと考えておりますが、委員御指摘のように、生産から消費までの各段階の理解が重要だという点、これは御指摘のとおりであり、特に消費者の理解というものが重要であります。是非、こうした理解も促進させながら、先ほど申し上げましたようなシステムを機能させるよう、政府としては努力していきたいと考えます。
○羽田次郎君 やっぱり、合理的な価格形成の中で価格が高くなってしまったら、海外のものを、安いものを買おうとか、消費者はどうしてもそういう方向に動いてしまうんで、是非とも所得が十分獲得できるような合意形成がされなかった場合に政府の後押しというのをしていただきたい、このことをお願い申し上げます。 地元からも、農山漁村の活性化とか地域コミュニティー再生とか都市農村共生社会の実現とか、そうした田園回帰を一層促進するため、自治体が主体となった施策を講じることが可能となる支援策の拡充が必要じゃないかという声をいただいておるんですが、私、そもそも人口減少の抜本的な対応策としても、都市から地方へ、地方や農山漁村への人口移動が必要だと考えておるんですが、岸田総理の所感を伺います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 農山漁村の活性化、また地域コミュニティーの維持強化については、やはりこの地域の実情に応じて、御指摘のように地方自治体が主体となって取り組んでいく、こうした考え方は重要であると思います。 このため、政府としては、デジタル田園都市国家構想交付金、こうした交付金等を通じて、地方自治体が地域の実情に応じて主体的に課題の解決に取り組めるよう支援を行っているところですが、農村に人が回帰するためには、農業の生産性向上や付加価値向上による収益性の高い農業経営を実現するほか、農泊など地域資源を活用した事業活動による所得の向上を通じて農村生活における経済基盤の安定強化を図る、こういった取組も重要であり、これらを通じて魅力的な農業を実現し、農村を活性化させる、こういったことで農村への人の回帰、ここを図っていく、こういった取組も重要であると認識をいたします。
○羽田次郎君 本当に、今一番問題となっているその人口減少。これについては、やっぱり離島とかあと農家では、おじいちゃん、おばあちゃんが近所に住んでいたり同居していたりして、子育てしやすい環境で子供も増えているという話もありますので、是非ともそうした農家に、まあ半農半Xでもいいんですけど、少しずつ地方に人が移り住めるような状況をつくっていただくことが人口減少の歯止めにもつながると思いますので、是非そうした取組もお願いしたいと思います。 時間の関係でもう最後になりますが、基本法改正というのは、やっぱり可能な限り多くの賛同をもって可決するべきだと思います。そういう考えの下で、私たちも様々な修正案を与党に御提示してまいりました。ただ、全く修正には応じていただけませんでした。岸田総理のこれ方針ということなんでしょうか。総理のお考えを伺います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) この当委員会においても、基本法改正による今後の農政のあるべき姿について熱心に議論を重ねてきていただいているところだと承知をしております。 その法案に対する姿勢、私の考え方かという御質問ではありますが、これは、修正協議を含め国会審議の在り方については、これは当然国会でお決めいただくものであると承知しております。国会において充実した議論を行っていただいた上でこの法案についても御判断いただく、こうしたものであると認識をしております。
○羽田次郎君 政治資金規正法の改正の議論においてもそうですけど、全くこの農政に関しても総理のリーダーシップというのが見えてこないと思います。本当に火の玉になって日本の農業を守っていく、そうした決意というのを是非とも改めて伺いたいと思いますが、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今の我が国農業をめぐる環境、世界的な食料需給の不安定化など、こうした環境を考えますときに、食料安全保障の考え方を中心にこの基本法の議論を深め、そして法律を改正することの重要性は強く感じているところであります。 この国会の審議については先ほど申し上げたわけでありますが、この法案自体は、政府として一丸となってこの日本の農業の在り方について議論をし、国のありようとしての思いをしっかり込めた形で法律を作らせていただきました。我々としての農業に対するこの危機感と、そして未来へのこの思い、これを法律の中に盛り込んだところであります。是非審議をしていただいた上で、国会において御判断をいただきたいと思っております。
○羽田次郎君 時間となりましたので、終わります。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 総理にお聞きをいたします。 農業の持続的発展のためには再生産可能な農業の実現が必要です。そのために、改正案第二十六条では、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を望ましい農業構造とし、これを確立するために国は各種施策を講ずることとしています。 この望ましい農業の構造の下で基本法が目指す農業経営とはどのようなものか、まず総理にお伺いいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 農業は国民への食料の供給や地域社会の維持を担うものであり、持続的な発展が図られること、これが重要であると考えています。そのためには、各地域の農業経営が消費者のニーズを的確に捉え、収益を上げながら、やりがいと自信を持って展開されることが望ましいと考えています。 その実現のため、この基本法の改正を通じて、農地の集積、集約、スマート技術等による生産性の向上、ブランド等による付加価値の向上、輸出を含めた販路の拡大、こうしたものに取り組んでまいります。そして、結果として農業経営の安定、発展、これをしっかり後押ししていくことにつなげていきたいと考えております。
○横山信一君 農業の宿命といいますか、自然相手の産業でありますから、その天候による収量の増減というのは必ず付きまとうものであります。また、それによって農作物の価格変動も起きてくるということになります。これは、その農業者の技術や努力が及ばないような天候不順ももちろんありますし、また災害も訪れるわけであります。また、こうしたことによって農業経営が圧迫されるということもある。また、余りにもひどい場合には残念ながら離農される人たちも出てくるということになります。 この国産農産物の価格の高騰に対しましては、国産の農産物が価格が高騰すれば当然安い農産物が海外から入ってくるという、そういうことも起きてきます。そのため、改正案の三十九条では、農産物の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずるというふうに規定をされています。現状でもゲタやナラシというのがあるわけですけれども、品目別あるいは営農類型別に経営安定対策が講じられているわけであります。 他方、コロナ禍、そしてまたウクライナ紛争を経験して、生産資材価格が非常に高騰したと、その結果、既存の経営安定対策では補い切れないという状況が起きました。そのため予備費で肥料価格高騰対策などを講じたわけでありますけれども、農業現場ではこの既存事業では対応し切れない事態に直面したときの不安というのが常にあるわけであります。 そこで、改正案の、農業経営の安定を規定した三十九条、あるいは農業資材の安定確保を規定した第四十二条、こうしたものは既存事業の対応だけではなく、随時に必要な施策を講ずるんだと、こういうふうに考えていいのかどうか、総理にお伺いをいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、基本法改正案では、第四十二条第三項として、農業資材の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずるとの規定、これ新たに設けたところです。 今般のウクライナ情勢等を受けて、肥料や原料等の農業資材の急激なコスト高に対しては累次にわたるコスト抑制策等を重層的に実施してきたところでありますが、今後もこの新たな規定に則して機動的に必要な対策を講ずることとなります。是非、こうした規定に基づく施策を講ずることによって、農業経営の安定、政府としても図ってまいります。
○横山信一君 総理の口からこうして言っていただくと、大変に安心できると思います。 最後の質問になりますけれども、近年の人口減少や高齢化に伴う食品アクセスの問題は、農林水産省だけではなく多省庁にまたがる複合的な問題です。 この改正案第十九条では、国は、地方公共団体、食品産業の事業者その他の関係者と連携し、地理的制約や経済的な状況等にかかわらず食料の円滑な入手が可能となるよう、食料輸送手段の確保の促進、食料の寄附が円滑に行われるための環境整備等の必要な施策を講ずるというふうにあります。 関係省庁との連携をどのように強化し、食品アクセスの問題に対応するのか、総理に伺います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 食料アクセス、まあ食品アクセスについての御質問ですが、まず一人一人の食品アクセス、これを確保するためには、農林水産省だけではなくして、内閣府、消費者庁、こども家庭庁、総務省あるいは国土交通省など多岐にわたる関係省庁が連携していくこと、これが重要です。 このため、新たな基本法の下、食品アクセスの課題解決に取り組む各地域に対して、政府の一元的な窓口を設け、地域ごとの課題に的確に対応した施策をタイムリーに実施していくなど、関係省庁の連携、これを一層強化していきたいと思います。 具体的には、地理的条件等により買物が困難な方々の食品アクセスの確保に向け、移動の足の確保、移動販売車の運行、ドローンによる食料配送等を実現してまいります。また、経済的に困窮している方々の食品アクセスの確保に向けて、フードバンクへの支援、そして子供食堂等に対する政府備蓄米の無償交付、こうしたものを進めてまいります。 こうした取組を進め、そして関係省庁を連携させることによってこの政策をより効果的なものにしていきたいと考えております。
○横山信一君 ありがとうございます。 総理の口からもおっしゃられましたフードバンク、子供食堂など、この食品アクセスというのは現行基本法制定のときにはそれほど問題ではなかったものでありますが、今回のこの基本法では一つの重要なテーマになっているというふうに考えております。しっかり効率的な対応をお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。どうぞよろしくお願いいたします。 私は、農林水産委員会、初めて所属をさせていただきまして、まだ一年たっておりません。そういう中で、今回のビッグチャンス、二十五年ぶりの基本法の改正ということに携わらせていただきまして本当に良かったなと思っておりますが、これから先、この二十年、三十年後、子供たちが本当に食べていけるかというような状況の中で、本当に皆様方が危機感がないと、こういうふうに尋ねても、できない理由を考える、どうやったらできるかではなくてできない理由を考えるというところが私は本当に残念だなと思っております。 そういう中で、総理、今回、改正案の第四十六条に障害者の環境整備が入りました。現在の我が国は、障害があってもなくても共に学んでいこう、仕事をしていこうという共生社会を目指しておりますが、残念ながら最下位に近いほどに遅れております。そういう中で、野党筆頭理事の横沢先生の方も指示があったんですが、今回の改正案では……(発言する者あり)ええ、質問があったんですが、女性の活躍、高齢者は人材育成、農業施策に明記されておりまして、障害者、農福連携は農村振興に位置付けられておりました。これは、私、なぜかと思ったんですね。 というのは、障害者、農福連携は農村だけじゃないんですね。今現在、都市部でも、都市農業でも盛んに行われております。特に、東京の練馬区はかなりそういう農業の関係で非常ににぎやかだということを、盛んに行われているということを聞きました。これでは、農村に位置付けるということは逆効果ではないかと思っております。どちらかというと、じゃ、都市部では厚労管轄、そして、まあ厚労管轄といいますか、都市部では高齢者や女性が活躍してくださいと、農村では障害者が活躍してくださいという、そういうように分けているのではないかと思いまして、非常に共生社会とは逆効果になっているんではないかと思うんですが、これ、ちゃんと障害者、農福連携も、やはり女性の活躍とともに、高齢者の活躍と一緒に明記、農業施策に明記してはどうかと思うんですが、総理、どのようにお考えか、お聞かせください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、障害者は、一人一人この障害の程度等は様々でありますが、御指摘のように、地域農業を支えていただく存在になり得る皆さんであると考えています。そして、重要なのは、障害者の方々が有する、農業技術を習得し農業の第一線で活躍したい、あるいは農業を通じて生きがいや居場所を見付けたいなど多様な希望や思いを受け止め、障害者の方々が地域農業の現場で活動できる機会を広げていくことであると考えています。そのためには、地域の農業法人や社会福祉法人等、地域の関係者が一体となって個々の農業経営の枠を超えた取組を進めていく必要があることから、新たに設ける農福連携の規定は、農村地域に関する施策に位置付けているところであります。 なお、この農業の持続的な発展に関する施策における農業人材への施策、具体的には、農業の担い手や新規就農者等への支援策、これは障害の有無等は問わないものであると考えています。障害をお持ちの方への支援も含めて、こうした施策は適切に推進していくべきであると考えております。
○松野明美君 総理、都市部でも農福連携は盛んに行われておりますし、都市部においても障害者の皆さん住んでいらっしゃるんですね。その中で、やはりここは私は大事なところだと思うんですね、やっぱり農福連携進めるためには。 都市部であろうが農村地帯であろうが、やっぱり一緒だと私思いまして、障害者の皆さん、環境、もちろん大事です。でも、やはり農業をやってみたいなと思う皆さん、障害者の皆様方は元気な方たちが多いので、本当に託していただいてもいいと思います。鶏のお世話がとっても得意な方が給料二十万円で、健常者の皆様方よりも多い、給料が多いという方もいらっしゃるので、是非ここは、私は分ける必要はないんじゃないかと、分けたら共生社会と本当に逆効果になるんじゃないかと。 農業が、やはり基本法をチャンスにしまして、基本法をチャンスにしてこの福祉を引っ張っていくような形でないと、私はこれからの農業は進まないんではないかと、もう本当に衰退していくんではないかと本当に思っておりますが、多分通告はしていないと思いますが、よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、基本法における農村というのは農業が行われている場所を指すわけでありますから、これ、都市農業であれ、これは決して排除するものではないと思います。これは、そうした地域も含めて障害者の方々が生きがいを持って活躍していただける、こういった考え方に基づいて施策を進めていく、農福連携を進めていく、こうした考え方は重要であると考えております。
○松野明美君 やはり、活字、基本法に残すということが大事だと思うんですね。で、やっぱり活字、文字というのは非常に冷たい感じがするんですよ。どちらかというと、そういう農村振興に、障害者の皆さんが農村振興の一つの手段というような形に見えるんですね。このように総理から、いや、こうこうですよ、こうですと説明があるとなるほどなと思うんですが、やはりこの文字に残すということ自体は、やはり私は、ちゃんと人材育成、担い手という形で私は残した方がいいんじゃないかと本当に思っているんですね。
○国務大臣(坂本哲志君) 障害者の皆さん方がどのような形で農業に関わろうとも、それは都市、農村にかかわらず、地域の農業が持続的に営まれていくことに貢献されているということから、地域の農業の振興を図るものというふうに位置付けているところであります。
○松野明美君 やっぱり、できない理由ではなくて、私たちはどうやったらできるかというようなことを答弁に求めているんですね。そして、やっぱり先ほど、もう時間がないんであれですけれども、やはりもう少し危機感を持って、私たち、温暖化じゃないですよ、砂漠化するって言われているんですね。三十年後、子供たちが御飯を食べれなくなるんじゃないかという中で、何か人ごとのような感じを受けるんですね。 ですから、私、もうちょっと基本法に対して、このビッグチャンスを生かして農業をがっと切り替えていくような気合が必要ではないかと思います。 以上になりますが、ありがとうございました。
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江でございます。 昨年秋の予算委員会におきまして、総理から、食料の安定供給については、国内で生産できるものはできる限り国内で生産していく、これが基本との考えをお述べいただきました。現行基本法にも、国内の農業生産の増大を図ること、このことは既に書いてあります。 ただ、改めて今、二十五年前に比べてより一層、世界的な食料需給の動向、地球温暖化の進行により、いつでもどこからでもお金を出せば食料が手に入る、そんな時代とは言えない状況に追い込まれました。であれば、これまで以上に国内生産の増大の必要性は高まっていると思うんですね。そのことをやはりしっかりとこの二十五年ぶりの改正基本法に改めて書き込むべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今、気候変動によるこの不作の頻発ですとか、あるいはこの世界的な食料需給の不安定化、こういったことを考えますと、より食料安全保障に対する考え方の重要性は高まっているということ、このことについてより強い危機感を持たなければならないということ、この点については委員御指摘のとおりだと思います。 そういった背景もありこの基本法の改正の議論をお願いしているわけでありますが、この現行の食料・農業・農村基本法においても、食料の安定供給については国内の農業生産の増大を図ることを基本とする方針、これを明示しており、この方針は今後も維持していきます。こうした取組、食料安全保障の取組、これを強化していくことはより必要になっていると認識をしております。過度に輸入に依存している麦、大豆等の国内生産の拡大、これを後押しするとともに、担い手の育成、確保を図りながら、スマート技術の導入や農地の集積、集約による生産性の向上、こうした国内の農業生産の増大を図ってまいりたいと申し上げているのは、こうした危機感を背景とするものであります。
○舟山康江君 今総理からも、より重要になっているということ、お話をいただきました。 であれば、より重要なんだ、より増大の必要性が高まっているんだということをしっかりと条文に書いていかないとやっぱり分からないんですよね。同じ書きぶりでは、今までと同じ問題意識だとしか見えません。 やはりこれ、基本法ですから、農政の憲法と言われている。そういう中で、条文からもその思い入っていますよ、読めますよではなくて、ちゃんと書き込む。なぜ書き込めないのか、本当に分からないんですよね。先ほどの松野さんの質問もそうですよ。そこも大事だというのであれば、ちゃんと書いてください。やっぱり人は条文を見て判断するわけですから。 例えば、自給率の向上を書き込む、若しくは、その食料供給能力の維持ではなくて、維持増大を図るとか、そういった一言があるだけで全然インパクトが変わる。なぜそれが書けないのかということをずっとお伺いしているんですけれども、総理の御決断いただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今、食料・農村・農業基本法を、この改正を御議論いただいているわけですが、この法案全体の中で今申し上げた思いをしっかりと盛り込んでいると政府としては考えています。 今申し上げた危機感を背景として法律を作った、その法律全体の中で、今申し上げた食料安全保障の重要性、あるいは先ほど松野委員の御質問にあった障害者を含む農福連携の重要性、これを示していると考えています。この基本を示した上で具体的な政策を進めていく、結果につなげていく、これが基本法のあるべきこの存在意義であると思います。 是非、この基本法の審議を通じて、こうした政府の考え方もしっかり国会において御確認いただきたいと考えています。
○舟山康江君 基本法ですから、細かい手段よりも大きな理念、増大させるんだ、しっかり上げていくんだというところが、だって文面変わっていないんですもの。そこをしっかりと更に書き込むべきだということを申し上げているんですけれども、基本法という中で、ちょっと本当に、私は意思がちょっと見えないなというところを残念に思っています。 そして、農業の生産基盤について羽田議員からも質問がありましたけれども、もう既に総理からは、昨年の秋の段階で、生産基盤の弱体化、これを深刻な問題として捉えているという御答弁もいただきました。 そのやっぱり内容としては、人が減っている、農地が減っているということですけれども、先ほど、特に稲作、七割が稲作で、高齢化だから、機械化進んでいるから進んでいると、あたかもそれはしようがないというふうに聞こえるような御答弁でしたけれども、その中で、いかに、やっぱり農村というのはいろんな多様な人が支えているという中で、どうやってそれを増やしていくのか、どうやってこれ以上農地が減らないようにしていくのか、そこの手法もなかなか見えないわけでありますけれども、その辺り、総理はどうお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほども申しましたが、この農業生産基盤の中心、これは農業に関わる人と農地でありますが、その両方が減少していることが農業生産基盤の弱体化の原因であると認識をしております。 そして、先ほどそれぞれについて現状を答弁させていただきましたが、それに対してどうするのかというのが今の御質問かと思いますが、これについては、この農業生産基盤の強化に向けて、この新規就農者の確保に向け、支援対象者が就農後の早い段階で所得を得られるよう、農業機械導入等の初期投資への支援と就農後の技術サポートを組み合わせた支援等を行っていく、こうした取組ですとか、農地については、引き続き担い手への集積、集約化等を進め適切かつ有効な利用を図っていくとともに、御審議いただいている農地制度の改正法案によって農地の総量確保に向けた措置の取組、これを図ってまいりたいと考えております。
○舟山康江君 これまでの農水省の答弁を聞いていると、農業者の減少は人口の減少だからだということが随分言われます。そうでしょうか。人口減少下においても増えている産業も十分ある。そういう中で、何が、どんな分野が増えているかといえば、やっぱり夢がある、それからしっかりと所得が得られる、そういった産業分野だと思うんですね。 そういう中で、今の農業に関しては、やっぱりそこをどう支えていくのか。もちろん、自らの経営努力、収益性向上といった自助努力も必要でしょう。価格の転嫁も必要でしょう。しかし、価格に関して言えば、これ、政府からも、必ずしも再生産できるかどうかというところは保証するものではない、努力はするけれどもそこ保証できないと言うんですよ。しかし、農業には、価格に反映されないいろんな価値があるわけです。価格で反映できない価値をどう支えていくのか、それが他国でもやっている直接支払であったり、様々な支援措置だと思うんです。 なぜこういったところに踏み出せないのか。総理、やるべきではないでしょうか。お願いします。
○委員長(滝波宏文君) 時間ですので簡潔にお願いいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) はい。 再生産可能な農業を実現するためには、農業所得の向上が必要であると我々も強く認識をしています。そして、農業所得の向上に向けては、まず農業経営の収益力そのものを高める必要があるということで、需要に応じた生産を基本に、農地の集積、集約やスマート技術等による生産性の向上、ブランド化による付加価値の向上、輸出を含めた販路の拡大を支援していくと説明をさせていただいています。あわせて、人件費、資材費などの恒常的なコストに配慮した合理的な価格形成の仕組みについて、法制化も視野に検討を進めてまいります。 基本法、この改正案を成立させていただいたならば、新たな基本法の下で、今申し上げました支援策、これを進めながら、農業所得の向上、着実に図ってまいりたいと考えております。
○委員長(滝波宏文君) 時間ですのでおまとめください。
○舟山康江君 はい。 改めて、その合理的な価格の実現を目指すのはいいですけれども、価格に乗せ切れないものあるんですよ。海外との競争にさらされているもの、そういった価格には乗せられない価値をどうやって側面支援するか、ここが政策の出番なわけですから、その政策も併せて構築いただくことを改めてお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございます。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 まず、農業の生産活動に取り組む生産者を増やすというのは本当に必要です。その点で、参考人質疑で家族農業が果たしている役割は大きいという話がこもごも出されました。 それで、専業農家、兼業農家がどうなっているのか、農林水産省の資料で見てみたんですね。販売農家の専業、兼業別の農家数が出ているんですけれども、農家数百十三万戸のうち、専業農家三十六万八千戸と兼業農家七十六万一千戸となっています。総理の御地元である広島県の農家数は二万三千戸で、専業農家は七千戸、兼業農家は一万五千戸ですから、これ、兼業農家は専業農家の倍なんですね。 この兼業農家の役割を、総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 兼業農家の皆さんは、地域における農地の保全管理という役割を果たしていただいています。現在、農業者の高齢化、減少によって、担い手に対して大量の農地の引受け依頼が寄せられる中、担い手だけでは引き受け切れない農地の保全管理について、兼業農家の皆さんにも行っていただいているものと認識をしています。加えて、農村の集落機能を維持していく上でも、兼業農家の皆さんの存在、これは重要なものであると認識をしております。
○紙智子君 重要だというふうに認識をされているということなんですけれども。 兼業農家は、仕事をしながら生産活動に取り組むと、それから、今お話ししました地域コミュニティー、ここも支えていると。つまり、その地域の構成員なわけですよね。非常に大事な役割を果たしていると。これ自体が昭和の時代から続く日本の原風景じゃないかというふうに思うんです。 それで、兼業農家は、農地の確保を担ってもらうというだけではなくて、やっぱり効率的かつ安定的な経営体というものと同様に生産活動への支援をするべきだというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 兼業農家を含む多様な農業者が農業生産活動を行うことにより、農地の保全が図られるものと考えています。 このため、そうした多様な農業者の役割が引き続き発揮されるよう、農地の保全に向けた共同活動の促進のほか、品目別対策等による農業者への生産支援、六次産業化や農泊などの農山漁村発イノベーションの取組を通じた農村における所得の向上と雇用の機会の確保、こうした施策も講じてまいります。 さらには、この機械等の導入費用の低減を図っていくため、農作業受託や農業機械のシェアリングサービスなどを提供する農業支援サービス事業体の育成、確保に取り組んでいるところであり、こうした取組を通じて、兼業農家を含む多様な農業者の農業生産活動、これを支えてまいりたいと考えております。
○紙智子君 農地の保全とかそういう役割が主になっていることが言われているんですけれども、そう言いながらも、実際上はその兼業でやっている皆さん、小規模の人たちのところに対する支援というのは本当に薄いというのが現場、現実の現場からの声でもあると思うんですね。そういう意味では、やっぱりここをしっかりと、言うからには位置付けなきゃいけないだろうと思います。 それから、生産者の所得の確保についてなんですけれども、先日、二十一日に岩手県で公聴会がありました。それで、私は、日本生活協同組合連合会が財政支出に基づく生産者への直接支払を求めているということを紹介をして、この直接支払についてどう思いますかということをお聞きしたんです。与野党が推薦している公述人の方四人全員が、もうそれは賛成だというふうに言われているんです、全員がそう言ったと。 これって大変重い発言だというふうに思うんですけど、総理、どう思いますか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のこの財政支出による直接支払政策については、様々な経営体があり得るところであり、重要なのは我が国の農業の実情に対応した政策を講じていくということであると考えています。公述人の御意見でも、賛成とされる中で、農業政策の中でどのように実施するかが重要である、こういったことを示唆されていると受け止めています。 政府としては、現在、農業者への直接支払については、この諸外国との生産条件の格差による生産条件の不利を補正する畑作物の直接支払、そして農地等の保全管理を行うための多面的機能支払、そして中山間地域の農業生産条件の不利を補正するための中山間地域等直接支払など、農業政策の中で我が国の農業の課題と政策目的に応じた直接支払、これを行っております。 新しい基本法の下、直接支払制度を適切に措置しつつ、生産性の向上や付加価値向上を後押しし、合理的な価格形成、収入保険制度等の経営安定を適切に講ずることによって、農業者の所得向上、これを図ってまいりたいと考えております。
○紙智子君 直接支払の中身として中山間地域だとか多面的機能という話ありましたけど、それでは足りていないんですよ、現実は。やっぱり実際の手に取るその手取りですかね、所得そのものがやっぱり足りないという状況があるわけです。 私、本会議のときに、稲作の専業農家の一時間当たりの農家所得について、一戸当たりでいうと六百九十九円ということを指摘をしました。これではやっぱり農業で生活できないという声が出て当たり前だと思うんですよ。農業は生産者の自助努力だけでは生活できない現状にあるんだと思います。 総理は労働者の賃金引上げ必要だと言うんだけども、それであれば生産者も最低賃金並みの制度というのはつくる必要があるんじゃないかと思いますけども、いかがですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、稲作農家に一定の所得を補償する制度については、米の需要の減少が続き、生産性向上が課題である中、現行の農業構造が温存され、各地の産地において取り組まれている米から麦、大豆等への転換、農地の集積、集約化といった所得向上に向けた取組を阻害しかねない、このように考えております。このことは、この食料安全保障の観点からも好ましいものとは言えないと考えます。 政府としては、収入保険等により経営安定を下支えしつつ、農業者の創意工夫による需要に応じた生産を推進し、農地の集積、集約やスマート農業による生産性向上等を図ることにより、農業所得が持続的に向上していくよう後押しをしてまいります。 なお、令和四年における水田作経営の一時間当たりの農業所得は、主業経営体の平均では御指摘の六百九十九円でありますが、水田作面積二十ヘクタール以上層の数字は一千七百六円であるなど、一般に、水田作は経営規模の拡大に伴って生産性が向上し収益性の向上が顕著に見られるところであり、所得向上に向けては、着実に生産性の向上、これを図っていくことが重要であると認識をしております。
○委員長(滝波宏文君) 時間ですので、おまとめください。
○紙智子君 はい。 時間ですということですけれども、大規模化すればとにかく上がっていくという理論なんですけれども、大規模化することによって、いろんな不安な条件ができたときには一番打撃を受けるんですよ、大規模化ほど。そういう考え方をやっぱり改めていくということが必要だと思います。 何より生産者が生活できてこそ、できてこそ持続可能な農業が可能になるんだというように思いますので、直接支払制度を是非導入していただきたいということを強く求めて、質問を終わります。
○寺田静君 秋田県の寺田と申します。今日はこうした機会をいただきまして、心から感謝を申し上げます。 先日、私は国際会議の参加のためブータンに行ってまいりました。農業大臣、財務大臣、議長らとお話をさせていただきましたけれども、現地でダショー西岡という名前を聞かない日はありませんでした。これは、JICAの前身である海外技術協力事業団から農業支援のためにブータンに派遣をされて、ブータンで亡くなった西岡京治さんのことでした。 ブータンの方からは、取れるもので何とか暮らしてきた自分たちに、種のまき方、植え方、育て方、病害虫からの守り方、収穫の仕方、収穫したものの保存の仕方など、多くのことを教えてくれたと、そのおかげでブータンの食料事情が大きく改善をされたと言われました。外国人で唯一ダショーという民間人に与えられる最高の爵位を与えられた西岡さんですけれども、ブータンにおける近代農業の父とか、お話しした一人の方は、ダショー西岡は日本から来た仏陀だと言われました。 このように、感謝をされている日本の、この見返りを求めない、相手国のことを考えた支援ですけれども、もちろん農業分野だけではなく様々あるでしょうけれども、事この農業支援に関しては、これからもこのように続けていくことができるのかということは、残念ながら疑問符が付くと私は思っています。なぜなら、今し方たくさんお話があったとおり、生産基盤が弱体化をして、基幹的農業従事者も二十五年で半数以下に減ってきたからです。この分野で貴重な技術者が減っているからでもあります。 今日の質疑、基本法の質疑、今日までとなりますけれども、この日本の農業生産基盤を立て直してこうした海外への支援も続けていきたいと、続けていただきたいと思いますけれども、簡潔にお答え、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国の農業関係者の中には、委員御指摘の西岡氏のように、非常に熱心に海外における農業支援の活動に取り組んでこられた方々たくさんいらっしゃると承知をしています。こうした活動は、支援相手国における食料生産の確保や地域経済社会の安定に貢献する、これ重要な取組であると認識をしています。 今後、我が国自体の農業生産基盤を強化する中で、農業の担い手を始め専門的な農業技術を持った方々を確保し、政府として海外の農業の発展に資する支援、これは是非継続していきたいと考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 先ほど来、参議院では一か月質疑続いてまいりましたけれども、危機感を持ってと言うんですけれども、抜本的な見直しになったというふうにはやはり思えないんですね。 ブータンに行って、ブータンは国民総幸福を政策の中心に掲げていますけれども、そこで日本の農村の衰退を思うときに、農政って何のためにあるのかと、基本的には、究極的には人々の幸せに資するためには全ての政策があるはずなのに、農村から結果的に人が去ってしまっている現状をどう考えたらいいのかということを思いました。 農業では食べていけないからというのがこの委員会の総意であるというふうに思えます。藤木先生の方からも、行き過ぎた新自由主義とか、あるいは、農大に行った息子が継ぎたいと言っているけれども継がせられないんだと、食べていけないからだというようなお話もありました。 こうしたところ、今どうやって農業を守るのか、農村を守るのかというお話をしていますけれども、この農村部の人たち、住む人たちが、逆の発想で、この人たちが幸せに暮らせるような農政を講じていくことが結果として食料、農業、農村を守ることにつながると思いますけれども、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 幸せ、幸福についての御指摘ですが、この農業者を始め農村地域に暮らす方々が安心し幸福を感じながら暮らせることが農村地域の維持、活性化に不可欠である、こうした考え方は私も共有できると思います。また、農村を舞台に展開される農村の持続的発展につながるものでもあると考えています。農業政策、これは農村地域に暮らす方々の立場に立って展開していく必要がある、このようにも考えます。 このため、具体的には、農村ならではの美しく良好な景観や環境を保全しつつ生活インフラの維持改善を図る、また、農業の収益力向上や農泊など地域資源を活用した事業活動による所得の向上を通じて農村生活における経済基盤の安定強化を図る、こういったことを通じて魅力ある農村、活力ある農業、これを実現していく、これが農村地域に暮らす方々の幸せにつながるものであると考えております。
○委員長(滝波宏文君) 時間ですので、おまとめください。
○寺田静君 はい。 ありがとうございます。 今は取り残される人がいっぱいいるから弱体化をしていると、このことをどうか覚えていただいて、これからの政策に生かしていただきたいというふうに思っております。 ありがとうございました。
○委員長(滝波宏文君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。 内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。 引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。 これまで当委員会で、坂本大臣始め農林水産省への質疑、そして現地視察、地方公聴会、そして先ほどの岸田文雄内閣総理大臣への質疑など、各党各会派の立場を超えて、合意に基づく充実かつ慎重な審議が行われてきたというふうに認識しております。私としても、この委員会の審議を通じて出てきた論点について質問させていただければというふうに思っております。 農業の、農政の憲法とも言われる食料・農業・農村基本法というのは、大切な考え方、理念の法律であります。具体的な施策については、改正案の成立後に策定されます基本計画で具現化されていきます。ただ、私、地域を回っておりますと、基本法改正への期待とともに、改正案に基づきどう政策が変わるのか、どう具体化されるのかということを聞かれます。基本法の改正によって、これからの食料供給事情がどのように変わっていくのでしょうか。 先ほど、この改正案の原案の策定に関わられました野村哲郎元大臣が、御地元の鹿児島では十年後の農業の未来の姿を示してから取り組んできたという話がありました。日本政府としても、今後、十年、二十年の農業、農村の姿がどのようになるかを示していかなければならないと思います。 現行の基本法が制定された四半世紀前も同様に、十年、二十年先の農業の絵姿を描き、それぞれの立場で努力されてきたというふうに思います。しかしながら、国内外の様々な要因によって、食料自給率は向上できず、基幹的農業従事者は半減し、耕地面積は減少を続けております。特に、耕作放棄地においては中山間地などにおいて顕著であります。 この審議を通じて、農業の生産基盤の弱体化が大きな論点ともなりました。改正案では、食料安全保障の抜本的な強化、環境と調和の取れた産業への転換、生産水準の維持発展と地域コミュニティーの維持を挙げておられます。 基本法の理念に掲げる食料安全保障の確立に向けては、必要な予算の下に生産基盤を強化していかなければなりません。しかしながら、農林水産予算は、現行の基本法制定時の四兆円から一兆円減の三兆円程度、八割減になっております。社会保障の分野では予算規模の推移を対GDP比で論じたりしますけれども、経済規模と比較した場合、農林水産予算は更に残念な状況にあります。 改正後策定される基本計画に基づく施策の具体化を含めた中長期的な予算の確保について、坂本大臣の思いと決意についてお聞かせください。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法の改正案を成立させていただきましたならば、政府といたしましては、これに基づきます食料・農業・農村基本計画を来年春をめどに策定したいというふうに思っております。そして、基本法の定める施策の具体化をしてまいります。その上で、基本計画に定めます政策を的確かつ着実に進めていくためには、その施策の推進の原動力となる予算を中長期的な視点に立ちまして継続的に確保していくことが大変重要であるというふうに考えています。 今後とも、食料安全保障の強化を始めとした農林水産行政の課題に対応するため、毎年度の当初予算や補正予算など必要となる予算の確保に全力で取り組んでまいります。
○山下雄平君 参考人質疑の中では、法律の目標は食料安全保障なのか食料自給率なのかという議論がありました。食料安全保障の確保には、国民の食料供給を安定化させる目標であります食料自給率が鍵となるというのは当然であります。食料自給率は、九年前に目標を五〇%から四五%に引き下げて以降も向上する兆しが見えません。 一方で、基本法改正案では、基本計画に、食料自給率その他食料安全保障の確保に関する事項を目標にするとされ、それらの目標は、食料自給率の向上その他食料安全保障の改善が図られるように関係者が取り組む課題を明らかにして定めるものとしております。この改正案は現行法と比べて食料自給率の位置付けが弱くなったのではないかという指摘に対して、坂本大臣は、決して食料自給率を軽んじることではないと、輸入に大きく頼る麦、大豆の国産化や米の消費拡大を進めると答弁されております。 食料自給率と食料安全保障の確保に関する目標を、今後具体的にどのように策定する考えでしょうか。分かりやすく農林水産省の考えをお聞かせください。
○国務大臣(坂本哲志君) 昨今、ウクライナ情勢の影響等によりまして肥料価格が高騰するなど、食料安全保障の確保を図るためには生産資材の安定供給が課題となっております。食料自給率は引き続き重要な指標であると考えていますけれども、肥料の安定供給など食料自給率のみでは評価できない課題に対処していく必要があります。 改正案が成立を見れば、これに基づいて食料・農業・農村基本計画を策定することとしておりまして、その中で、食料自給率も含め、平時からの食料安全保障を実現する観点から、我が国の食料安全保障につきまして、課題の性質に応じた目標の設定をすべく検討を行ってまいります。
○山下雄平君 政府は、少なくとも毎年一回、これらの目標の達成状況を調査し、その結果を公表するとしております。 目標の達成状況を定期的に調査、公表することはとても大切なことだというふうに思いますけれども、調査、公表だけではなく、達成状況をしっかりと検証し、必要に応じた施策の見直しを行うことが何よりも重要だというふうに考えておりますけれども、農林水産省の考えをお聞かせください。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 御指摘のとおり、目標の達成状況の調査、公表だけでなく、しっかり検証を行い、その上で施策の見直しを行っていくことが重要であるというふうに考えております。 そのため、基本計画につきまして、平時からの食料安全保障を実現する観点から、我が国の食料安全保障についての現状分析、課題の明確化、課題解決のための具体的施策、施策の評価のためのKPIを設定することとし、その上で定期的に現状を検証し、目標の達成状況を踏まえて必要に応じて施策の見直しを行うと、新しい仕組みを導入することとしたいというふうに考えております。
○山下雄平君 食料安全保障を確立するための食料自給率についてお尋ねしましたけれども、自給率を上げていくためには生産を拡大する必要があります。生産を拡大するには、農地の確保とともに、生産者の生産に対する収入、収入からくる生産意欲がなければ維持拡大することは困難です。収入を確保するには価格が安定しなければならず、改正案において、食料の合理的な価格形成、合理的な費用の明確化の促進、事業者の努力、消費者の役割も明記されており、今回の改正内容は適正な価格の実現に向けた大きな一歩であるというふうに考えております。 一方で、審議の中では、適正な価格なのか合理的な価格なのかという議論も交わされました。合理的では価格転嫁が図れないというような懸念の声もあります。 現在、農水省では、様々な関係者から成る適正な価格形成に関する協議会において、一部品目を対象に議論が進められております。 価格とともに生産資材の価格が上昇する中、生産者皆さんの一番の関心は、生産可能な価格形成がいつ、どのような形で実現するかであります。工業製品等と違って生産者側で価格設定が難しい農産物価格ではありますけれども、これ以上生産者だけに負担を求めるのは限界だというふうに思います。私の地元佐賀県でも、コスト転嫁ができない今のままでは後継者に後を継がせられないとの声も聞きます。 岸田総理と坂本大臣は、国内外の資材費、人件費の恒常的なコストが考慮されることが重要とし、法制化を視野に検討するというふうに答弁をされております。多くの品目の適正な価格形成が求められますけれども、法制化を含めた適正な価格の形成に向けた仕組みづくりは形式が整えばいいというものではなく、実効性のある中身が重要であります。 今後の協議会や調査の進め方、その方向性などを分かりやすく示した上で、合理的な価格の形成の実現に向けた認識についてお考えをお聞かせください。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答えいたします。 御指摘をいただきました協議会では、先月の段階で、仕組みの法制化も視野に検討するということ、それから米や野菜などの幅広い品目を対象にいたしまして各段階でのコストの実態調査を行うということなどにつきまして共通認識が得られたところでございます。今後は、生産、加工、流通、小売などの関係者の協力を得ながらコストなどの実態調査を速やかに進めると同時に、この調査動向も踏まえながら、法制化を含めまして政府内での仕組みの検討を深めて、改めて協議会で議論いただけるように取り組む考えでございます。 また、仕組みの内容につきましては、引き続き、品目ごとの実情、それから関係者の意見も踏まえながら精査をしなければならないと考えてございますが、食料システム全体の持続性の確保という共通目的の下で、それぞれの取引に当たって合理的な費用が考慮され、関係者間できちんと納得できる価格形成となるように丁寧に合意形成を図ってまいりたいと考えてございます。
○山下雄平君 食料安全保障の確保に続く柱が、環境と調和の取れた食料システムの確立です。 今回の改正案の三条では、食料の供給の各段階において環境に負荷を与える側面があることに鑑み、その負荷の低減が図られることにより、環境との調和が図られなければならないというふうに明記されております。 坂本大臣は、地球温暖化など環境負荷の低減が待ったなしの重要な課題とされ、環境負荷低減に取り組む農家を支援する新たな直接支払制度を二〇二七年度を目標に導入すると表明されました。世界の環境規制の流れを踏まえ、二〇五〇年までに農林水産業の温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを目指す目標に向け重要な取組となります。 みどりの食料システム法の改正を視野に制度設計を検討されると思いますけれども、化学肥料や農薬の低減、有機農業の拡大、さらには新しい品種や農業用機械の開発、普及、導入、人材確保など、多様な地域の実態に応じた取組を進める必要があります。また、環境に配慮して生産された農畜産物を消費者が選択できるように、取組の見える化とともに適正な価格での販売が求められます。 これらを実現可能とするためには、消費者理解の下、生産現場の負担が過度に増えないよう、生産に係るコストやリスクを軽減するための支援が必須であります。新たな環境直接支払制度について、地球環境を含めて、持続可能な農業を将来に引き継いでいけるよう制度設計等すべきで、十分な予算措置が必要だと思っておりますけれども、農林水産省の考えをお聞かせください。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 農林水産業、食品産業においても、地球温暖化など環境への負荷の低減を図ることは待ったなしの重要な政策課題となっております。 このため、食料・農林水産業の生産性向上と持続性の両立に向けて、令和三年五月にみどりの食料システム戦略を策定し、今般の基本法の改正におきましても、環境と調和の取れた食料システムの確立を柱として位置付けをしているところであります。 基本法の改正を踏まえまして、アジア・モンスーン地域に位置をし、温暖湿潤で環境に対する取組に高いハードルがある我が国において、この環境負荷低減を見据えた農業を展開していく必要があります。 環境負荷低減に向けた取組強化として、具体的にはですけれども、既に令和六年度から試行実施をしております、この農林水産省の行う全ての補助事業に対して最低限行うべき環境負荷低減の取組を義務化をするクロスコンプライアンスの導入、その上で、令和七年度より次期対策が始まります環境保全型農業直接支払交付金及び多面的機能支払交付金について、この環境負荷低減に係る地域ぐるみの活動推進といった観点から見直しを検討するとともに、さらには、令和九年度を目標に、みどりの食料システム法に基づき、この環境負荷低減に取り組む農業者による先進的な営農活動を支援する新たな仕組みに移行することを検討してまいります。 具体的な内容はまさに今検討中でありますけれども、山下委員からの御指摘もしっかりと踏まえまして、この環境負荷低減に取り組む農業者をしっかりと支援をして支えていけるように、そのための予算の在り方も含めて検討してまいりたいと思います。
○山下雄平君 農地の減少に併せて、農業従事者の高齢化が顕著であります。 政府はこれまで、経営安定化を図るため、大規模農家や集落営農を基本に取組をして支援してこられました。今後、将来に向けた持続的な農業生産による安定的な食料供給を図るためには、多様な経営体により生産基盤を維持していかなければならないというふうに考えております。 この審議の中でも、人口減少をどのように捉えるのかが議論になりました。これから人口減少は更に進んでいき、どの産業においても担い手不足が深刻化していきます。だからこそ、農業においては、大規模も法人も中小も家族経営も、ありとあらゆる形で農業を担っていただかなければなりません。 中小・家族経営体も含めた地域を支える多様な経営体の位置付けと支援策の拡充が必要であり、今回の改正案の二十六条二項の望ましい農業構造の確立に、新たに多様な農業者を規定されております。望ましい農業構造の確立に向け、多様な農業者をどのように位置付け、活動を支える具体策の設計をどう考えるか、また、多様な農業者への施策について拡充が必要だというふうに思いますけれども、農林水産省の考えをお聞かせください。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 御指摘いただきましたように、農業者の高齢化が進む中で、担い手の育成、確保、これ引き続き重要でございますけれども、一方で、担い手だけではカバーし切れない農地につきましては、兼業農家を始めとする多様な農業者に保全管理を適切に行っていただく重要性が増しております。このため、担い手以外の多様な農業者が農地の保全を行っていく役割を基本法改正法案に新たに位置付けたところでございます。 こうした多様な農業者が果たしている役割を踏まえ、多面的機能支払や中山間地域等直接支払による農地の保全に向けた共同活動の促進、六次産業化あるいは農泊などの農山漁村発イノベーションの取組を通じた農村における所得の向上と雇用機会の確保、さらには農業者の営農活動をサポートする農業支援サービス事業体の育成、確保などの施策をしっかりと講じてまいりたいと考えております。
○山下雄平君 農業生産を維持拡大するためには、生産する基盤となる農地をいかに確保し、維持していくかが課題であります。改正案においても、第二十八条で農地の確保及び有効利用を定め、関連法として総量確保を目標にした農地法改正案が提出されております。 現状の人口動態を考えれば、一次産業の振興地域、特に中山間地域の人口減少が平地より早いのは確実であります。私の地元佐賀県においても、中山間地域の方々から、今後五年後のこの地域を支える農地を守る農家はどれだけいるんだろうかと、本当に先が見えないといった声を聞きます。既に限界に来ている集落もあります。 中山間地は平たん地よりも労力、コストが掛かり、米以外の作付けが難しい地域が多く、中山間地に合う機械や資材の購入支援策はあるものの、集落営農法人を対象とするものが多く、個人を対象とする更なる施策が私は求められているというふうに思います。 また、有害鳥獣被害の報告が年々増える中、気象災害も頻発し、農地の多面的機能の観点から農地保全、耕作放棄地の増加を食い止める必要があります。 第四十七条に中山間地域の振興、四十八条には新たな鳥獣被害対策が規定されていますけれども、中山間地域の振興の観点から、従来の対策はもとより、今後どのような支援策が必要だというふうに考えておられるでしょうか。農林水産省の考えをお聞かせください。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 中山間地域は、我が国の耕地面積、総農家数、農業産出額の約四割を占めるなど、食料の供給基地として重要な役割を担っております。他方で、中山間地域は、人口が少なく農地が狭小で規模拡大が難しいことから、生産コストの低減や収益の確保に平地と異なる課題があると認識しております。 こうした中で、食料・農業・農村基本法制定当時から農業産出額全体としては五%増加しておりまして、作物のブランド化や高付加価値化など、中山間ならではの特色を生かした取組が期待されているところでございます。 農林水産省といたしましては、中山間地域等直接支払交付金等によりまして農業生産活動の継続を下支えするとともに、スマート農業技術や農業支援サービス事業体を活用した生産方式の導入を更に進め、また、これまでの六次産業化を発展させ、地域内外の関係人口を巻き込み、豊富な地域資源を活用した農山漁村発イノベーション等を進めることによりまして、それぞれの地域の特色を生かした収益力のある農業を実現できるよう、様々な施策を総動員して後押ししてまいりたいと考えております。 また、こうした取組を進めていく上でも、鳥獣被害への対策が必要であります。今後の鳥獣被害対策におきましては、被害対策を効率的、効果的に行うためのICTの活用を一層進めることや、侵入防止柵の整備に当たり集落を守るという視点で効率的に広域的な整備を行うこと、さらに、被害対策を牽引できる人材の育成や地域住民を巻き込んで対策を行うことなどが重要であると考えておりまして、地域資源である捕獲鳥獣のジビエ利用と併せまして、地域の取組を支援してまいります。
○山下雄平君 農地があっても、後継者が耕作したくない、相続もしたくない、かといって農地の引受手もいない、そういった農地が増えていっております。 中山間地や山があってこそ海があるというふうに思います。私の地元佐賀県、隣の山本啓介さんの地元の長崎県、そして大臣の地元の熊本県を囲むこの有明海においては、ここ数年、ノリの養殖が不作が続き、その原因として、川上である山からの栄養分が減ったのも一因ではないかというふうな指摘もあります。有明海のみならず、ほかの地域でも同様ではないかというふうに考えます。 中山間地域の農地や山を維持していくことで海の環境を維持する、山は山、海は海の施策ではなく、一体となった施策も必要ではないかというふうに考えますけれども、農林水産省の考えをお聞かせください。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 海の環境を維持するためには、土壌の浸食防止などを始めといたします農地や森林における多面的機能が十分に発揮されることが重要であると考えております。 例えば、中山間地域におきましては、中山間地域等直接支払による営農を継続する取組への支援や、最適土地利用総合対策によります計画的な植林も含む持続的な土地利用への支援など、荒廃農地の発生を防止することによりまして、農地の多面的機能の発揮を図っているところであります。また、農山漁村発イノベーション対策などでは、地域の状況に合わせまして、農業の取組のみならず、間伐材の活用など、地域の森林管理に資する林業の取組も支援しておりまして、農業の多面的機能に加えまして、森林の多面的機能の発揮にも配慮して事業を行っているところであります。 農林水産省といたしましては、引き続き、このような取組を進めることによりまして、海の環境の維持につながることと考えているところでございます。
○山下雄平君 基本法というのは、政策の方向性を定める理念であり、具体化は改正後の基本計画で検討が進められることになると思います。 改正は将来にわたり食料安全保障を確保するためであり、農林水産省には、国民の皆さんの理解を得た上で、農業の持続的な発展と農村の振興が可能となる施策の策定をお願いし、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代です。どうぞよろしくお願いいたします。 今、山下委員の方から、この基本法が策定された後、計画を作っていくんだと。まさにこの基本法が土台なわけですよね。ここがしっかりしていないと、いい政策、計画作れないわけですよ。だから、さっき羽田さんもおっしゃっていたけど、できるだけ多くのみんなで一致をした方向性を持って進めていくべきだなということをもう何度も申し上げてきました。 そもそも、この改正案の中にある、農業人口の減少はそもそも人口減少なんだという、その認識だけで本当にいいのかなというところから始まっちゃうわけですよね。舟山さんもさっきおっしゃったけれども、まあ確かに人口減少、少子化ですよ。全体が減っている。同じように、ほかの産業も同じように減っているならそうですねという話ですよ。そうじゃないですよね。 この間の委員会でもこの問題取り上げさせていただきましたけれども、まさに地方から首都圏への人口の流出であるとか、なぜ若い人たちが農業に参入して後継者となっていただけていないのか。やっぱりこういうことを一個一個真摯に検証していってこそ道が開けていくんであって、それを何かもう人口減少ですからみたいな、こんな言い訳通用しないですよ。本当にこれで日本の農業の未来切り開いていけます。何か、そんな言い訳なんか聞きたくないんですよね。 やっぱり政策が、これまでいろんな政策打っていただいてきましたよ、それが本当に効果上げていたのかどうか、こういうことにも真摯に向き合っていくべきであって、それが、やっぱりそういう認識を一致させて、この基本法を是非多くの賛成の下で成立をさせていけたらよかったなと、本当に残念でならないわけですけれども。 例えば、その食料安全保障を語りながら、食料供給能力についても向上ではなく維持にとどめましたよね。現状でも、国民の食生活に合わせた生産を行おうとすれば現在の三倍の面積の農地が必要である、人口減少に合わせて生産基盤を縮小させたら食料の安定供給は困難になる。だからこそ、やっぱり維持ではなくて向上させていこうという、そういう気持ちをこの基本法に示すべきで。 まあ暗い話しているんですよ。今後、自然減による国内総人口の減少が見込まれ、国内需要の減少が避けられないことから、国内生産に加えて海外への輸出を図ることで食料の安定供給を確保できるだけの基盤を維持するという意味で食料供給能力を維持という言葉を使ったんですって。 これ、さっき総理が、我々修正求めてきた、いろんな提案してきたことに対して、それは国会でお決めいただくことだとおっしゃいましたよね。つまり、自由民主党の皆さん、与党の皆さんは、食料供給は維持なんだと、向上は目指さないということをおっしゃっていることと同じですからね。 本当にそれでいいんですか。維持ですか。農業の未来はもっと明るくあるべきじゃないんですか。魅力あるものにするんじゃないですか。一次産業で地方や農村、元気にするんじゃないですか。なぜ維持なんですか。なぜそれを受け止めるんですか。何で、変なこと言っていますか。なぜ向上を目指さないの。そんなんでいいの、日本の農業。これで世界に勝っていくんですか。地方守っていけるんですか。そういうことを私たちは訴えてきたんですよ、この委員会で。本当にそういう意味で残念でなりません。情けない気持ちになりますね。 まだ審議は終わっていないので、僅かな期待を込めて何点か再確認させていただきますね。 第二条一項、食料については、質だけではなく安全であるべき、安全であることも明記すべきではないかということを申し上げました。確認ですけど、良質という言葉に安全も含まれているということでよろしいですか。
○政府参考人(杉中淳君) まず、今回、改正法でございますので、現行法の解釈、これを前提に必要な見直しを行ったということを御理解いただければと思います。 今回、食料安全保障につきまして、FAOの定義も踏まえて、安全かつ栄養のある食料については、現行基本法においても良質な食料という規定の中に含まれている解釈でございますので、安全についても含まれております。
○田名部匡代君 有機農業推進法、これ基本理念、三条二項でも、消費者の安全かつ良質な農産物に対する需要が増大していることを踏まえと、これ安全かつ良質なということが両方書かれているんですね。 これ、安全と良質というのは別の概念だから分けて書いてあるんじゃないんですか。それとも、含まれていたとして、別々に明記することは問題なかったとするならば、なぜ今回の提案受け止められなかったのか。なぜ、これでは良質と安全両方で基本法では書かなかったのか、納得のいく説明をお願いします。
○政府参考人(杉中淳君) 繰り返しになりますけれども、良質の解釈については現行基本法制定のときにも議論があったところで、そこで安全というものについても含むんだというふうに確認をされております。 その上で、現行の基本法におきましても、食料消費に関する施策、現行の十六条でございますけれども、安全性の確保を図るための施策というのを行うというふうに規定をされておりますので、この食料・農業・農村基本法においては良質の中で安全も含むという解釈で基本的な施策についても規定をしているところでございます。
○田名部匡代君 まあ、含まれているから書かなかったということですね。 衆議院では、修正案、維新も出されていて、先端的な技術等を活用した生産性の向上の中で、多収化等という文言、これを維新さんが提案して、それは与党の皆さんが受け入れたんですね、盛り込まれたんです。 では、伺いますけれども、農水省としては、多収化というのは改めて記載しないとそれを含む規定はどこにもなかったと、なかったから多収化はあえて書かなきゃいけなかったということですか、確認します。
○政府参考人(杉中淳君) 今回、改めて生産性の向上という農業生産の方向についての規定というのをいたしましたけれども、この中で、多収化というのは基本的にはその他の施策の中で含まれているという認識でございましたけれども、ただ一方、省力化ということだけを例示をしているという中で、これだけでは多収化というのは明確ではないということで、これは新しく追加した条文でございますので、そういう提案について我々としても適切であると考えたところでございます。
○田名部匡代君 ちょっと、大臣、今のどう思います。 含まれていたんだけれども明確じゃない。今までさんざん我々が、説明されなきゃ分からないようなことをしないで、誰が見たって通じるように書いたらいかがですかと言ってきたものは、含まれているで通してきたんじゃないですか。何ですか、今の。 もう一回。多収化についてはあえて書かなきゃいけなかった。我々が提案したほかのものは、いや、それは含まれているんです。こんな説明、納得できるわけないじゃないですか。もう一回説明してくださいよ。
○政府参考人(杉中淳君) もう一度説明をさせていただきますけれども、この新しく追加した三十条、生産性の向上に関する条項ですけれども、この中で、省力化等に関する新種の育成その他必要な施策という中に、新種の育成について、多収化を推進するような育成というのも大きくは含まれているだろうというふうに解しています。ただ、この三十条というのは、先ほども説明したように、新しく追加した条でございますので、その中で、省力化ということの例示だけでなく、多収化ということの例示も明らかにした方がいいのではないかという御提案をいただきましたので、そういった話を踏まえて我々としても受け止めさせていただいたところでございます。
○田名部匡代君 ちょっと、じゃ、基本法に対する国民からの意見、要望で圧倒的に多かったキーワードは種でしたよね。で、我々は種の重要性についてこれ明記するように求めました。これは国民の意見でもあったわけです、多くの。だけれども、生産資材の中に含まれているからといって、種ということはあえて取り上げなかった。 国民からの要望も意見も無視をして、我々が種は大事ですよねと、これ改めて書くべきじゃないですかということも受け入れず、それよりも多収化が重要だったという認識ですか。
○政府参考人(杉中淳君) 種子は、肥料や飼料と並んで農業生産に欠かせない大切な農業資材であるというふうに考えております。そこで、農業資材の安定供給につきましては、種子も重要でございますが、併せて肥料、飼料というのも重要でございますので、安定供給という言葉は農業資材という言葉で、包括する言葉で表現をさせていただきました。 また、種子の重要性というのは我々も認識しておりますので、種子の育成、確保の観点から、第三十条では新品種の育成、三十一条では高い品質を有する品種の導入の促進、また植物の新品種等の知的財産の保護という形で、種子の特性をする形で様々な状況を新たに位置付けをさせていただいておりますので、新しい基本法の改正案につきましても、種子の重要性というのは十分認識をした上で改正をさせていただいたというふうに考えております。
○田名部匡代君 極めて政治的だと思いません、与党の皆さん。どう思います。多収化はあえて書かなきゃいけなかったんですか。どこにも含まれていなかった。含まれていたけど、あえて特出ししなきゃいけなかった。多収化なんて種の中の一部じゃないですか。何で種じゃ駄目だったんですかみたいな気持ちにさせられるわけですよ、答弁一個一個が。 横沢議員から障害者に関するところを取り上げて、今日、松野さんからもありましたよね。この間、大臣、すごい何か、後から議事録見ましたけど、何おっしゃっているか分からない話だった。松野さんから、やっぱりこれ、今日の御指摘あったように、農福連携、それは農業振興だけじゃなく都市部でもあるんだから、女性であるとか高齢者であるとか、並べてしっかりと障害者政策に取り組むべきじゃないかと、これ横沢議員からも、また松野さんからもありましたよね。 坂本大臣、この松野さんの、五月十六日だけど、答弁に、最終的には、最終的にはですよ、あと何年か後にはそれが一緒になるかもしれませんけれども、ここで改めて、改めて農村社会の中でその共生を、やはり共生の社会をつくるというようなことを書く必要はないし、一緒にすれば、これは障害者基本法の下、ダブってくるというふうに思うんですと、ちょっとよく分からないですね。 最終的に、いずれもっと農福が進めばということをおっしゃりたかったのかもしれないんですけれど、やっぱり未来を見据えてこの基本法を作るわけですよね。今はどうかじゃないですよ。農業現場においても分野においても、この障害者等の政策、また人権の問題、先にやっぱり基本法で打ち出して、そこ目指していくべきじゃないかというふうに思うんですけど、大臣、どうですか。
○政府参考人(長井俊彦君) 農福連携の関係につきましては、簡単に申し上げますと、要は、農福連携の現場における障害者は、農業技術の習得により農業人材としての活躍を目指す方、また農業に関する活動を通じて生きがいや居場所を見付けたい方など、それぞれの特性や希望に応じて多様でありますので、それぞれの思いに沿って支援していくことが大事だと思っておりまして、そういう意味でも、そういった環境整備を地域全体で後押ししていく必要があるというふうに考えているところでございます。
○田名部匡代君 農水省のホームページ、農福連携の中には、別に障害者だけではなくて、ここに高齢者も含まれているんですよ。だけど、高齢者だけは別に、女性だとか高齢者、分けたわけですよね。 これ農水省の統計で、令和三年農福連携の取組に関する意見、意向調査結果というのをやっているんです。令和四年の三月十七日に公表されています。農福連携に取り組むことによる効果というのを、取り組んでいる又は取り組んでいた農業者に聞いているんですね。そのアンケートの結果は、人材として貴重な戦力になった、これが圧倒的な多数ですよ。人材として貴重な戦力なんですよ。 だから、農福連携は農福連携でやっていただいていいんです。けれども、そうではなくて、横沢委員や松野委員が指摘されたように、そうではない、一人一人の人間としての生きがいややりがいや、その環境をつくっていくんだという前向きなメッセージをこの基本法で示したらどうですかということをみんな言っているんじゃないですか。 現場は貴重な戦力と捉えているんですよ。是非、ここぐらい受け止めて、大臣、大臣ですよ、ここぐらい受け止めていただいていいんじゃないですか。訳の分からない説明なんか要らないですよ。何で、何でこんな何でもかんでも否定するの。是非前向きな答弁してくださいよ。
○国務大臣(坂本哲志君) 現在、農福連携に取り組んでいる農業経営体等は全国の約〇・三%にすぎず、農業の場に障害者の皆さんたちの参画は得られていないのが現状です。このため、障害者の皆さんなどの農業への就業機会の増大を図るというのが改正案第四十六条の趣旨であります。 他方、高齢者や女性につきましては、既に多くの方が農業に参画されておりまして、高齢者の方が生きがいを持てるような環境整備や女性の役割の適正評価の促進など、これらの方々が農業を行っていく上でより良い環境を整備することが課題でありまして、障害者等の方々とは抱える課題が異なっているというふうに考えます。 このように、現状の課題に対して規定を設けているものでありまして、障害者の規定が高齢者、女性の規定と離れていても、障害者を高齢者、女性と同列に扱っていないということにはなりません。
○田名部匡代君 何ですかね、いや、やりたくないための言い訳なのか、本当にそう思っておっしゃっておられるのか。 抱える課題が違うのは、別に障害者と健常者の問題だけじゃないでしょう、みんなそれぞれ違いますよ。みんなそれぞれ違う、でも、その一人一人の人間が、高齢者が、女性が、生きがいやまたその役割を果たせるようにしっかりと環境を整備していくんだ、その中に障害者も一緒に含めてくださいということがおかしいですか。 農福連携は農福連携でやってくださいよ、地域と関係して。だけれども、一人一人のその生き方というようなことに、また役割、現場は戦力だと言っているんですから、もっとここを伸ばしていこう、育てていこう、なぜこういう気持ちになれないんですか。そんな、何か否定するようなこと、大臣。いや、そのとおりだなと思いませんか、少しは思わない、ちょっと答弁してください。
○委員長(滝波宏文君) どなた答弁されますか。
○国務大臣(坂本哲志君) とにかく、地域の一員としてそうやって農業に参画していくのは一緒であります。ただ、条文上はこういうことで、先ほど、今言いましたように分けている。 片や、まだ〇・三%しか農福連携は行われておりせんので、これからやはりしっかりと、農から福に参加される方、福から農に参加される方、様々な参加形態がありますので、そういったものを地域農業としてしっかり育てていくということであります。
○田名部匡代君 〇・三%関係ありますか。 いや、やっぱりこういうところで、やっぱり坂本大臣の下の農水省の政策、基本法、違うなとやっぱり思いたいな。本当に絶対嫌なんですね、修正するのが。何のプライドですか、与党の皆さんも含めて。何、本当理解できない。 これまで、舟山委員も農村振興に関することを随分丁寧に質問していただきましたよね。野中参考人のお話というのは、私にとっても非常に心に響くものでありました。 農村振興の基本理念、改正案六条、是非そこに、農村が国民に恵沢をもたらす大切な地域であるということを、これ山村振興法や棚田法にも書かれているんですが、是非そういうことをここに明記をするということが私は大事だと思うんです。含まれているとかじゃなくてきちんと書き込むことが大事だと思っていて、その結果として、農村に住み農村を守ってきた人々、こういう人たちが地域に誇りを持ってやっぱり地域で頑張っていく自信につながるんじゃないかというふうに思うんです。修正したらどうですか。書いたらどうですか。
○政府参考人(杉中淳君) 第六条の関係でございますけれども、農業者を含めた地域の住民の生活の場で農業が営まれているということが大事だと。その上で、農村については、食料その他の農産物の供給の機能及び多面的機能が適切にかつ十分に発揮されるという形で、農村の役割の基本理念の六条につきましては、まず国民の視点から立った食料、これを支える農業、農村という観点から規定をしております。 今回、この改正におきましては、現状の農村の状況を踏まえまして、地域社会が維持されなければいけないということを新たに追加をさせていただいたところでございまして、その地域社会を維持するということの具体的な方策として、第四十三条において、農村との関わりを持つ者の増加に資する産業の振興というのを追加をさせていただいたところでございます。 全体として、農村におきまして、農村の活力を維持するために産業の活性化、産業の導入というのは図られなければならないという問題意識は我々も持った上で今回の改正をさせていただいたところでございます。
○田名部匡代君 何を聞いたって前向きな議論にならないという。どうして、本当に。笑い事じゃないんですよ。ちょっと進もうかな、じゃ。いやもう、ちょっと驚いちゃうね。 じゃ、ちょっと合理的価格のところに行きます。 大臣、国民の理解と納得が得られる価格とはどういう価格ですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農産物の価格形成におきましては、需給事情やそれから品質評価を反映しつつ交渉が行われ、価格転嫁による需要の減少等の可能性も考慮し、最終的に関係者間で価格が決定されているものというふうに考えています。 こうした中で、合理的な費用が考慮される仕組みの法制化等によりまして、更に持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されることにより、農業者の説明に対し、関係者が納得し、農業者の説明が十分に受け入れられれば、最終的に決定される価格は再生産可能な価格となるというふうに考えております。
○田名部匡代君 ちょっと確認しますけど、そのみんなの合意が得られる価格形成をすれば再生産可能な価格になるというふうに今答弁されたんですか。いや、大臣が言ったんだから大臣に、大臣が言ったんですから大臣に答弁させてくださいよ。
○政府参考人(宮浦浩司君) 御説明いたします。 先ほど大臣から、合理的な費用が考慮される仕組みの法制化等によって、更に持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにするという、これが法制化、あるいは今回の仕組みの検討の意義でございます。 そういった措置を講じた上で、農業者が自ら費用が上がっているといったことをきちんと関係者に説明をして、関係者が納得し、農業者の説明が十分受け入れられれば、その最終的に決定される価格は再生産可能な価格になると考えているという旨、御説明したところでございます。
○田名部匡代君 いや、待って。大臣の以前の答弁は、合理的な価格というのは、国民の理解と納得が得られる価格というのは、ちょっと今のは、それは、農業者の側がどれだけコストが掛かったかを説明して、掛かった分のコストを転嫁してもらって再生産可能な状況に持っていくことがその今やっている価格形成。掛かった分のコストを転嫁をする、価格転嫁するということが、そういうイメージですか、それができると、できるというふうにお考えなんですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 先ほど答弁いたしましたのは、農業者の説明に対し、関係者が納得し、農業者の説明が十分受け入れられれば、最終的に決定される価格は再生産可能な価格になると考えていますというふうに答弁いたしました。
○田名部匡代君 よく分からない。 受け入れられれば、受け入れられれば再生産可能な価格になるんですか。再生産可能な、掛かっている分、我々は、やっぱりこれだけ資材が高騰して、その分を、そのまま掛かった分を価格転嫁できるのかと。 大臣がおっしゃる国民の理解と納得。確かに、国民の皆さんも、ああ、これだけ生産するのにお金掛かっているんだから致し方ないなという理解や納得は得られるかもしれない、得られる面もあるかもしれないし、まあそういう現状というのは分かってもらう必要はあるんですけれど、しかし、掛かったコスト分を、これだけ掛かりましたからとそのまま価格転嫁、本当にできるんですか。
○政府参考人(宮浦浩司君) 御説明申し上げます。 まず、今回、合理的な費用が考慮される仕組みづくりの趣旨ですけれども、重ね重ねになりますが、資材価格などが上がってきている実情を踏まえて、まず持続的な供給に要する合理的な費用というものをきちんと説明をして、考慮されるような仕組みづくりをしようというものでございます。ここまでが仕組みの検討でございます。 その上で、個別の取引の中で農業者が自分のその説明をきちんとして、関係者が納得して十分受け入れられれば再生産可能な価格になるということでございまして、前段の仕組みづくりのところは合理的な価格形成を目指すというものでございます。
○田名部匡代君 私、この間の農業新聞もそうだけれども、現場は相当期待されていると思うんです。それが、何というかな、本当にただ期待を持たせただけにならないように。 丁寧な話合いということは大事だと思うんだけれども、現実的に、その価格転嫁をしたときに、じゃ、価格が上がれば、先ほどもどなたか触れていらしたけれども、買い控えであるとか安いものへの置き換えということのリスクもあるし、この間、JA代表の参考人の方の資料にもあったけど、割高でも国産品を選ぶという割合は減少傾向にあるわけですよね。つまり、割高でもやっぱり国産品を買おうという人たちは減ってきているということですよね。 一方で、総務省の家計調査によると、ここ数年でエンゲル係数というのは上昇傾向。これはやっぱり、食料品価格が上昇しているのに収入は伸び悩んでいるということが大きく影響しているというふうに考えられるんです。 こうした現状を踏まえて、合理的な価格の法制化というのは、何というかな、消費者も含めて、サプライチェーン、食料システム全体に様々な影響を及ぼす可能性もあるのじゃないかなということを思うのと、また、仮に価格転嫁で生活困窮者の方々などに影響が出た場合、これは農水省だけで完結できる話ではなくて、別途、きちんと生活支援は国として責任持つんですよと、こういういろんなことを考えていかなきゃいけないと思うんですよ。 価格転嫁できる仕組みももちろん大事だけれども、現実問題そこまでできるかというときに、どんな影響が、例えば卸だとか生産者だとか流通業者だとか、どういう影響が出てくるのか、最終的に消費者にとってどういう影響が考えられるのか、こういうことはやっぱり農水省としていろいろと見ておく必要があるんじゃないかなと、その上で必要な対策をやっぱり考えていく、準備していく必要があるんじゃないかと思うんですけど、どうですか。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 価格転嫁によりますサプライチェーン全体への影響でございますが、まず、プラスの側面でございますけれども、生産者の立場から見ますと、価格転嫁によりまして収入を増大させられることができる、それから生産等の継続に向けた再投資などを行っていくということが期待されるところでございますし、ほかのそのサプライチェーンの方々、製造業者、流通業者、小売業者などでございますが、価格転嫁によりまして、販売量の縮小などがない限りにおきましては売上げを増大させまして、職員などの賃上げ、それから再投資などの原資として活用されるといったことが期待されるところでございます。 また、マイナスの側面についてでございますが、川下側から申し上げますと、製造業者、小売業者、あるいは外食の方々などの立場から見ますと、価格転嫁によりまして消費者の財布のひもが引き締まるといったことが現実に起きてございますが、需要が減退したり、あるいはその代替品に需要が移行するという場合も想定されるところでございます。また、こういった事業者に納品をしておられます卸売業者などの立場から見ますと、需要の減退等に伴いまして、小売業者などへの納品の数量が減少したり、あるいは生産者からの受注数量を抑制するというような場合も想定されるところでございます。 こうした一連の過程を経まして、生産者に立ち返りますと、製造業者あるいは小売業者などからの発注数量の抑制などを通じまして需要が減退したり代替品に需要が移行するということも想定されるところでございまして、サプライチェーン全体に影響が波及するということが懸念されるところでございます。 このために、その合理的な費用が考慮される仕組みづくりを進めるのと同時に、関係者間で十分協議をして価格転嫁を進めて、特定の関係者にしわ寄せが偏らないようなバランスの取れた食料システムとすることが必要であると考えているところでございます。
○田名部匡代君 さっきの舟山さん、総理に対する質疑の中でもおっしゃっていたけど、やっぱり農業の持つ価値というものを、目に見えない、なかなか金額で表すことのできない価値というものをしっかり評価していただくということも含めてだけれども、現状、いろんな支援があるけど再生産可能な状況になっていないということを踏まえて、今いろいろおっしゃったように、本当に再生産、この適正な価格の形成が結果として再生産可能な状況になればいいけど、なかなか私はそれは難しいと思うので、例えば、今あるナラシだとかゲタだとか、その現在の対策を更に拡充して補償範囲や対象の見直しを考えておくだとか、収入保険に所得補償の機能を加えたような新たなやっぱり農業現場を支える仕組みを充実させていくだとか、皆さん、所得を補償するというか、支援をすることを物すごく否定的なんだけれども、さっきの、今申し上げた舟山委員からの発言にもあるとおり、やっぱりそれらを含めて国として、私は、所得というものを確保、守っていかなきゃいけない、支援が必要じゃないかなというふうに思うんですけど、大臣、どうですか。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 委員の御指摘のとおり、この合理的な価格形成、今回の法案で言います二十三条だけで物事を解決しようとしているという考えではございません。 これまでにも御答弁を差し上げておりますとおり、この二十三条の合理的な価格形成のほかにも、三十条に基づきまして生産性の向上を図るですとか、あるいは三十一条に基づきまして付加価値の向上を進めると、こういうことによってその収益性の向上も高めますし、さらに三十九条に基づきまして経営安定の対策、こういったようなものも取り進めていって、農業の再生産を確保していこうとしているところでございます。
○国務大臣(坂本哲志君) 農業所得の確保、向上をする上で重要なことは、農業者が創意工夫を生かした農業経営を展開し、収益性を上げていくということであります。 そのために国がなすべきことは、直接的に所得を補償するのではなくて、農業者が収益性を上げることのできる環境を整備し、農業者の取組を後押しすることであるというふうに考えております。
○田名部匡代君 やっぱり食料品というのはそこが難しいから、やっぱり政府として、国としてしっかり支える仕組みが必要じゃないかなというふうに思うんですね。 それで、生産性の向上だとか付加価値の向上とおっしゃるけれど、さっき山下さん──あら、随分、どうしたんですか。与党の皆さん、いらっしゃらないの。(発言する者あり)話ありましたけど、やっぱり現状を維持するということだけでも相当努力をされているんですよ。それを更にもっと頑張れと、現場高齢化している、また中山間という難しい地域の中でそれを必死で維持している人たちに、ほら生産性向上だ、ほら付加価値の向上だ、ほらスマート農業だ。現状を維持するだけでも本当に有り難い、よくぞ頑張っていただいている、そういうことだと思うんです。それで生活がなかなか成り立たないとか経営が赤字だ、そこに対して我々はもっと考えるべきじゃないですかというふうに思うんですね。 これ、四月九日、衆議院の農水委員会で、公明党の稲津委員、戸別所得補償制度に対する質問がありました。それに対して、大臣、答弁されているんですけれども、所得補償制度を復活させることになれば、米の販売先との結び付きや、輸出を含め米の販売先の開拓、あるいは需要のある作物への転換など、生産者や産地が取り組んでいる需要に応じた生産に向けた創意工夫、日々の努力にブレーキを掛けることになりかねないと。 で、我が党の渡辺議員がそのことを再度質問していて、需要に応じた生産を行う努力というのは、つまりお米を作るか作らないか、販路をどこに求めるか、また水田でほかの作物を作るかどうかなど、生産者が判断して取り組む、その努力にブレーキが掛かるんですかというような質問をした。坂本大臣は、やはりブレーキが掛かるというふうに思っておりますというふうに答えたんですね。 これ、何か根拠があるんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 四月十一日の衆議院の農林水産委員会での答弁は、主食用米の個々の販売農家に生産数量目標を割り当てることを前提としていた旧戸別所得補償制度を復活させることは、米の販売先との結び付きや、輸出を含め米の販売先の開拓、あるいは需要のある作物への転換など、生産者や産地が取り組んでいる需要に応じた生産に向けた創意工夫や日々の努力にブレーキを掛けることになりかねないといった懸念がある旨を申し上げたところであります。
○田名部匡代君 その懸念は何か根拠に基づいておっしゃったの。
○委員長(滝波宏文君) 平形農産局長。(発言する者あり)済みません、まず局長。私当てましたから、まず局長。
○政府参考人(平形雄策君) 戸別所得補償の場合は、農業者個人に対して生産数量目標を割り当てて、その生産数量目標の範囲内で生産される方に対して交付金をするということでございますので、行動が制限される懸念があるということを申し上げたところです。
○田名部匡代君 限られた時間なのでやめてください、そういうことするの。大臣のお考えを聞いているんです。ブレーキが掛かるっておっしゃったから、何を根拠にそんなことをおっしゃったんですかということを聞いているんです。 これまでも、舟山委員、野上大臣のときにもこの需給のバランスのことを質問されて、それで大臣が発言を修正され、訂正されたということありますけど、でたらめなこと言わないでくださいねと何度もこの場で言われているじゃないですか。 この戸別所得補償制度が始まる前と始まった後、モデル事業と本格実施、これを比較したときに、これ過剰作付けどうなりましたか。
○政府参考人(平形雄策君) 始まる前、生産数量目標の配分に対する過剰作付け、二十一年四・九万ヘクタールでした。旧戸別所得補償制度が実施されました二十二年産は四・一万ヘクタール、二十三年産は二・二万ヘクタール、二十四年産は二・四万ヘクタール、二十五年産は二・七万ヘクタールとなっております。(発言する者あり)はい。もう一ついいでしょうか。となっておりますけれども、過剰作付けの解消には至らず、過剰作付けが解消したのは平成二十七年産、二十八年産、二十九年産になるということでございます。
○田名部匡代君 制度始まって過剰作付けは減ったんですよね。で、さっきの大臣の御答弁にあるように、水田でほかの作物を作るかどうかなど、生産者が判断して取り組むこと、これにもブレーキが掛かるということをおっしゃっているんですね。 水田活用した新規需要米、これ、制度が始まる前とこの制度の間、どのように変化しているか教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) 今日、委員の配付資料の中にございます新規需要米、米粉用米、飼料用米、ホールクロップサイレージ用稲、それから新市場開拓米でございますが、始まる前の二十一年産の作付面積一・八万ヘクタールでございました。開始された平成二十二年産は三・七万ヘクタール、二十三年産は六・六万ヘクタール、二十四年産は六・八万ヘクタール、二十五年産は五・四万ヘクタールとなりました。二十七年には十万ヘクタールを超え、現在、令和五年産二十・四万ヘクタールとなっております。
○田名部匡代君 増えたんじゃないですか。 大臣、これ大臣御発言されているけど、この御発言、撤回する又は修正するおつもりはありますか。
○国務大臣(坂本哲志君) ブレーキを掛けることになりかねないといった懸念がある旨を申し上げたところであります。
○田名部匡代君 じゃ、実際どうなっていたか何も知らなかったのに、勝手にそのように思って発言してしまいましたということですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 懸念は懸念があります。そしてその後、ここにありますように、ホールクロップあるいは飼料用米、こういったところへの作付け変換、これは進んでいるということであります。
○田名部匡代君 そもそも、赤字でも努力して農地を守り米を作ってきた農家の皆さんが、所得補償制度、つまりはお金が払われれば、努力もしなくなり、その判断も、販路を切り開くこと含めて判断もしなくなるという懸念があるなんておっしゃること自体、私は大変失礼だと思いますよ。撤回すべきじゃないですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 私なりの懸念は懸念として申し上げたところであります。
○田名部匡代君 じゃ、大臣は、農家の皆さんはそうした補助金もらったら努力はしなくなるんだと、経営判断をしなくなるんだというふうにお考えだということを、これ撤回しないということはそのお考えに変わりはないということでよろしいですか。(発言する者あり)
○委員長(滝波宏文君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(滝波宏文君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(坂本哲志君) この制度設計上の懸念というのを申し上げたところであります。
○田名部匡代君 制度の指摘をされているんじゃないですよね、大臣。 この制度によって、お米を作るか作らないか、販路をどこに求めるか、また水田でほかの作物を作るかどうか、生産者が判断して取り組む、これを努力というふうに表現したのかなと、渡辺創議員が言っているんです。で、所得補償制度では、その努力は損なわれるというふうに理解していいのかと言ったら、やはりブレーキが掛かる、制度の問題点を指摘しているんじゃなくて、その制度があれば農家は努力をしなくなる、判断、経営努力をしなくなる、判断をしなくなる、こういうことをおっしゃっているんじゃないですか。 それ、訂正しなくて、謝罪、撤回しなくていいんですか。
○国務大臣(坂本哲志君) まず前提がありまして、主食用米の個々の販売農家に生産数量目標を割り当てることを前提としていた旧戸別所得補償制度を復活させることはというようなことで、その懸念を申し上げたところであります。
○田名部匡代君 いや、何か関係あります、大臣のその答弁と生産終了目標が設定されていたことと。何か関係あるんですか。ちょっと分からないので説明してください。
○委員長(滝波宏文君) じゃ、説明を平形農産局長、まずお願いします。
○政府参考人(平形雄策君) 旧戸別所得補償制度は、個人に対しての生産数量目標を配分をするということでございまして、その目標を達成しない限り交付金が出ないということの中で、自由に販売することというのがお米に関してとてもやりづらくなるということで、このように大臣が御発言されたというふうに考えております。
○田名部匡代君 この制度の枠内でそれぞれが判断してこういう数字になったんじゃないですか。これは大規模であればあるほどメリットが大きかったので、自然と構造改革を進めていきたいという思いもあった。まあ私たちのやったことが百点だとも言わないし、これが絶対正しかったんだとも言い切りませんよ。いろいろ課題はあったかもしれない。でも、政策なんて、そんな二、三年で判断できるようなことじゃないと思います。実際、始まってすぐに、需給はその制度の前より引き締まったわけですから、そして水田を活用したほかの作付けは更に拡大したわけですから。 そういうことを含めて、批判のための批判みたいなことを、いつまでも事実に基づかないことを言い続けるのはやめていただいて、私たちは、やっぱり、戸別所得補償制度じゃなくたっていいですよ、それでも、これまで何度も繰り返してきたように、その生産活動を、しっかりその所得を確保、所得を維持できるようなそういう支援が私は日本の農業にも必要じゃないかなというふうに思っているんです。 この二、三年で、いろいろ制度のこと文句というか批判しますけれど、平成二十五年には、今後十年間で全農地面積の八割が担い手によって利用され、産業界の努力も反映して担い手の米の生産コストを現状全国平均比四割削減し、法人経営体数を五万法人とする農業・農村所得倍増、実現したんですか、何年掛かりですか。何年掛かってもいいならですよ。何ですか、目標も達成できないのに、何か批判のための批判みたいなことを繰り返すのはやめていただいて、しっかりと農家の皆さんが再生産可能なように、そして、これからを担う若い人たちが、よし、俺たちも農業をやって頑張っていこうと、世界に誇れる農業にしていこう、農村を元気にしていこう、こんなふうに思っていただけるような制度、仕組みをやっぱり考えるべきじゃないかと思うんですけど、大臣、お願いします。
○国務大臣(坂本哲志君) そのとおりだと思います。そして、それは、その制度は今でき上がっている、一定程度完成しかかっているというふうに思います。 例えば、一度是非私のところの集落営農法人に視察に来ていただきたいんですけども、みんなやる気を持って、そして生き生きとして、二十代、三十代が従事をしております。十三の集落が株式会社をつくって、一緒になって株式会社をつくって、三百五十ヘクタールを作付けしています。ブロックローテーションをやります。地域農業がしっかりと根付いている、そして産業としての農業も根付いているというふうに感じております。
○田名部匡代君 まあ、前の野村大臣も坂本大臣も、それぞれ御地元ですばらしい農業があるということを御披露していただくのは私たちにとっても勉強になりますよ、参考にもなりますよ。でも、私の地元青森にだって、そうやって元気出して一生懸命やっているところありますよ。みんなそれぞれありますよ。北海道だって、山形だって、長野だって、岩手、みんなあると思いますよ。 でも、そういうところばっかりじゃない。さっき申し上げたように、中山間の条件が不利な厳しい中で、再生産向上だ、付加価値向上だ。これ、私は大事なことだと思うの。できるならやっぱりそういうことに取り組んで所得を上げていく、経営努力をしていく、これは大事ですよ。でも、申し上げたとおり、維持するだけでも必死でやっている現場があるんだということを、それを切り捨てないでいただきたい。そして、その人たちが、更に、もう高齢化している中で更なる努力求められたら、もうやめるしかないというところに追い込まれちゃうんじゃないか。それでは駄目でしょうということの認識を共有して、別にどんな制度だっていいですよ、お互いが与野党で納得できる現場支える仕組みをもっと議論深めたっていいと思うのに、入口から全部拒否じゃないですか。 もう時間が来た。まだまだ議論したいところですけど、これは今日はもういよいよ採決を迎えるような状況でしょうか。与党の皆さん、ぎゃあぎゃあ言って申し訳ないなと思いつつ、言っていること、そんな間違っていましたか。ありがとうございます。受け入れられたなとか、受け止めればよかったなとか、野党の言うことを書き込んだらもっと厚みの出る基本法になったなとか、みんなで一致して同じ方向に向かっていけたなとか思わなかったですか。私、何か無理なことをそんな言いました。大臣、どう思いました。 私は本当に、農水省の皆さんのことを本当いつも信頼をしているし、現場のために本当に努力をいただいているというふうに思っているんです。ごめんなさい、もう、でも、こんなにむなしい農水委員会の議論をしたのは本当に残念だし、情けないなと思いましたよ。 そして、こんなことを政争の具として扱って、みんなで同じ方向に向けないような状況をつくった自民党の皆さん、与党の皆さんに本当に私は腹が立っている。現場の人たちは、これまで猫の目農政で振り回されてきた。これから苦しい状況の中でどうやって打開していこう、そこを我々が同じ方向を目指して道を示していくのが、私は、今いる国会議員としての役割だったんじゃないかなと本当にそう思ったから、農水省の先輩方の御意見も聞かせていただいた、専門家の皆さんの御意見も聞かせていただいた、農水キャラバンで全国あちこち回らせていただいて現場の声も本当にたくさん聞かせていただいた。いいものにしたい、いい未来を目指したい、そう思ったからこそ、真剣にこの修正案を党内でも議論して、どうしたらいいのか、この基本法に対して真剣に向き合ってきました。だからこそ本当に残念でなりません。 これからの日本の農業が本当に発展していくように、私たちも、今のこんな議論するようでは与党には任せられない、岸田政権には任せられない、そう思っていますから、我々こそが責任持ってしっかりと取り組んでいきたい、そのことを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(滝波宏文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。午前中の田名部匡代委員の全国の農業者の魂が乗り移ったような質問に引き続き、議論を深めてまいりたいと思います。 先日も申し上げましたように、私はスポーツの世界の出身でありまして、何事も基本が大事だということで、先日も大臣から基本について答弁をいただきました。これまでの委員会質疑の内容を踏まえて、もう一度確認させていただきたいと思います。 食料、農業を守っていく基本、大臣は、国内生産基盤、人と農地だとおっしゃいました。この認識でいいか、再度御確認をしたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 農林水産省の最も重要な使命は、国民に安定的に食料を供給することだと考えております。 その実現のために、国民一人一人の食料安定保障を確立するとともに、人口減少下でも国民の食料を安定供給できる農業や食料産業、そして生産基盤を確保することが重要であるというふうに考えているところであります。
○横沢高徳君 それでは、今の答弁を踏まえまして、まず、食料安全保障について伺いたいと思います。 これまでの議論を踏まえて議論を進めていくに当たり、現状を正しく認識することが大前提だと思いますが、大臣はこのお考えでよろしいですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 世界の現状、日本の現状をしっかり把握することだというふうに思っております。
○横沢高徳君 ありがとうございます。現状把握が大事だということでございました。 参考人質疑で、食料安全保障が目玉でもあるにもかかわらず、農業生産基盤の強化策が欠けているという点を作山参考人が指摘されておりました。 資料一を御覧ください。 作山参考人からは、一九九〇年代後半以降、食料自給力指数は一貫して低下し、近年はそのペースが加速していると指摘をいただきました。つまり、我が国の輸入が途絶すれば日本人全員が生存できなくなるほど生産基盤が弱体化しているにもかかわらず、今回の答申にも言及がないのが問題だという御指摘もありました。 これでは、食料安全保障という新たな理念を加えたところで、その実現につながるとは言えないのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) ちょっと質問の趣旨が分からなかったのですが、もう一度お願いできますか。
○横沢高徳君 作山参考人からの資料であれば、もう輸入が途絶した場合、例えば芋を全部の農地に植えて今の人と農地を使ったとしても国民の供給熱量を確保できないという問題意識から提案がありました。 これは、今回の法改正で食料安全保障という新たな理念を加えたところでその実現につながるとは言えないのではないかと、この現状を踏まえて、大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちは、その輸入が途絶えたとしても食料安全保障がしっかり確保されるというようなことで、この基本法を始めそれに付随する法律を出しているところでございます。
○横沢高徳君 そうですね。であれば、この間、議論を深めてまいりました食料自給率、やはり上げていくというのを大前提にしていかなければいけないと思います。 私たちは、やはり、食料自給率の向上をやはりこの基本法の中に盛り込むべきではないかという問題意識でこれまでもずっと質問してまいりましたが、であれば、やはり理念法に取り入れるべきではないですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料の自給率につきましては、自給率の高い米の消費の減少等による低下が想定より大きく、輸入に依存する小麦、大豆の国内生産拡大等による上昇を上回ってきたところであります。これが目標未達の主因と分析をいたしております。 こうした食料消費の傾向がしばらく継続することが想定される中、食料自給率が確実に上がると言い切ることは困難ですが、いずれにせよ、食料安全保障の確保の観点からは、麦、大豆、加工用原料用野菜等の輸入依存度の高い品目の国産転換といった食料自給率の向上にも資する取組を更に推進することが重要だというふうに考えております。
○横沢高徳君 この間、委員会や参考人質疑、そして地方公聴会や現地視察をさせていただきました。大臣の生産基盤は弱体化しているとは思わないという発言など、国民の生活の現場と、実態とかみ合わないことがこの農林水産委員会の議論の中でも多く見られたと思います。 先ほど、田名部委員の質問の最後に、やはりうちの地元は頑張っているんだという大臣からの発言もありましたけれども、もしかしたらいいところしか見えていないんじゃないかなと思うことも多々この間ありました。 中にはやはりいいところも当然あります。やはり、大規模化、集約化して若手が一生懸命頑張って生産性向上、もちろんすごい。ただ、条件不利であったり、特に北海道や東北、雪国は半年間雪に閉ざされている。どうしても条件が悪い中山間地、頑張っても頑張ってもやはり同じような土俵では戦えないという方たちも当然いるんですね。自助努力ではどうしようもならない。 大臣、このような現状は大臣の目には映っているのでしょうか、どうですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 私のところには、この前も言いましたように、冬は雪に包まれた阿蘇地方があります、それから中山間地があります、非常に厳しい過疎化が進む集落があります。こういったところの農業を今後どうしていくかと、その現状はしっかりと私自身も把握しているつもりでございます。
○横沢高徳君 大臣はしっかり把握していらっしゃるということであります。 私も、ずうっとスポーツをやってきたんですが、やはり健常者と障害者、一生懸命頑張っても、どうしても自分の努力だけでは同じようなステージじゃ戦えない。そういったときにどうやってその公平さを保っていくかというのは、やはりルールなんですよ。やはりパラリンピックであれば、障害の程度に合わせたきめ細かいルールがあって、そこで同じような土俵で初めて戦える。そのルール作り、政策づくりがまさにこの国の農政だというふうに感じます。 確かに、大規模化、集約化、生産性向上も大事でしょう。でも、ハンディキャップ負って、それでも一生懸命努力している方たちのルール作りという点も、やはり重ねてこれは進めていく必要があると考えますが、大臣、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) そのとおりだと思います。 そういうことで、中山間地に住む方々にとっては、中山間地の農業に対する直接支払あるいは多面的機能の支払、そして、条件的に非常にやはり不利がある麦等につきましてはゲタ等で経営安定を少しでも図ろうというような政策を施しているところでございます。
○横沢高徳君 今大臣がおっしゃられたように、いろんな政策を打ってきました。でもしかし、なかなかその政策効果が現れないままこの四半世紀、四半世紀前の現状と変わらない、ましてやもっと農業者の人口が減っている、このような現状になっていると思います。だから、これまでのものを法案に書き込んだだけではなかなかその未来が見えない、先ほど田名部委員もおっしゃっていました。 だからこそ、今回、我々が提案したいろんな部分を基本法に盛り込んでもう一歩踏み込んだやはり改正にするべきだと思いますが、大臣、この点についていかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちも様々な思いを持ってこの二年間、食料・農業・農村基本計画の案文を作ってまいりました。それぞれの検証部会も設けてまいりました。その中で今回の基本法の提出ということになっているわけでございます。
○横沢高徳君 分かりました。 それでは、じゃ、ちょっと切り替えます。 では、農業分野における障害者の位置付けについて伺いたいと思います。 先ほど大臣も、基本は人と農地ということで、人に着目して質問をさせていただきたいと思います。 まず、第四節の農村の振興に関する施策に障害者等の農業に関する活動の環境整備、第四十六条に位置付けた理由について、これまでの議論を踏まえた上でいま一度確認をさせてください。
○政府参考人(長井俊彦君) 四十六条につきましては、要するに農福連携は、農業と福祉が連携いたしまして、障害者の農業分野の活躍を通じまして、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組でございますが、農福連携の現場における障害者につきましては、農業技術の習得により農業人材としての活躍を目指す方、また農業に関する活動を通じて生きがいや居場所を見付けたい方など、個々の特性や希望に応じて多様でありまして、それぞれの思いに沿って支援していくことが大切でございますので、障害者の方が農業に関わる際に地域の農業が持続的に営まれることに貢献していることも踏まえまして、地域でしっかりと障害者の農業の活動を支えるという意味において農村施策の方に位置付けたところでございます。
○横沢高徳君 今の答弁を基にこれから確認をさせていただきたいと思います。 三十四条、女性参画の促進、三十五条、高齢農業者の活動の促進は第三節の農業の持続的な発展に関する施策に、四十六条、障害者に関する活動の環境整備は第四節の農村の振興に関する施策の中に四十六条として入っています。 条文に違和感を感じた方は少なくないと思います。これまでの議論で、私だけではなくて、田名部委員、先ほども申し上げました、そして松野委員もありました、舟山委員からもありました、そして金子委員からもこのような発言がありました。 やはり、これまでいろんな方の御指摘があった中で、これ、これまで国会に提出するまでの過程で、与党の審査も含めてですね、このような指摘は出てきたのか出てこなかったのか、この点伺いたいと思います。
○政府参考人(杉中淳君) 今御指摘があった高齢者、女性につきましては、基本的にこの条文の対象とするのは、既に農業に参画をされている人を対象にして、高齢者が生きがいを持てるような環境整備や女性の役割の適正評価の促進など、これらの方々が農業を行っていく上でより良い環境を整備することが課題という観点から、農業の人材育成に関する規定ということに位置付けております。 先ほど、農福連携につきましては、農村施策に位置付けるか農業人材に位置付けるかという検討は内部で行いましたけれども、先ほど答弁をしたとおり、福祉政策と農業政策を共同で、地域全体で支えていくという政策の推進をしておりますので、農村施策に位置付けるのが適当であるというふうに規定をさせていただいたところでございます。
○横沢高徳君 もう一回聞きますね。 だから、これまで参議院の委員会の中で、いろんな方からこの位置付けについての指摘、考え方についての指摘がありましたと。これまで、法案を作ってくる過程だったり、そして与党の審査もあったと思います。そこでこのような問題点の指摘はあったのかなかったのか、そこを教えていただきたいんです。
○政府参考人(杉中淳君) 具体的に、農福連携について農業人材の方に位置付けすべきではないかという御指摘はありませんでしたけれども、当然、与党の審査の中でも、農福連携施策を農村施策で位置付けることの必要性、これにつきましては、先ほど説明したような内容についてお諮りした上で法案等を決定していったところでございます。
○横沢高徳君 必要性の議論はあったけれども、今回参議院の委員会でやったような指摘はなかったということでいいんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 御指摘の方が農業人材に位置付けないのかという指摘であるということであれば、そのような御指摘はありませんでした。
○横沢高徳君 改めて、やはりこの参議院の農林水産委員会での議論は非常に重要だったというふうに考えます。 五月二十三日の維新の金子委員の質疑でも、障害者の条文の位置付けが、私たちの党でもここに入ったのに違和感を正直感じておりまして、障害者の農業への参加が農業振興手段のように位置付けられているんじゃないか、見られるんじゃないか、そのようなおそれがあることを議論しましたと、このような発言もありました。 何で別々にしたのか、一緒にしたらどうかと松野委員の質問に対しまして、大臣は、高齢者、女性、こういった方々についてはもう既にその人材として農業人材のパートの中に入っていると、一方で、障害者の皆さんは農村社会の一員としての連携を推進していくようなところでここは分けているとの答弁です。 大臣、女性、高齢者、こういった方々のように農業人材として関わっている中に、障害をお持ちの方、既にいらっしゃると思うんです。分ける必要ありますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農業人材として取り組んでいらっしゃる方々、多数いらっしゃるというふうに思います。ただ、その農業経営体は全国の〇・三%にしかすぎません。農業の場に障害者の参画が得られていないのが現状であります。 そのため、障害者の皆さん方の農業への就業機会の増大を図るというのが改正案第四十六条の趣旨でございます。
○横沢高徳君 午前中の田名部委員の質問にもありました。既に戦力として担っている方たちはたくさんいるということなんです。 大臣、先ほど、現状認識が大事だと言われました。大臣がいろんな現場を回る中で、やはり障害を持っている方がやはりしっかりと農業人材として担っている、そのような例は目にしたことありますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 地元でも目にしたことはあります。受託農業、受託経営、こういったものをやられている福祉施設、授産施設、こういったところもあります。
○横沢高徳君 施設なんですね。 実際に、私の地元でも、例えば、ずっと農業を続けてきた方が脳梗塞だったり途中のけがでやはり障害を持たれた。でも、やはり農業経営をされている、一生懸命食料を生産している。農業を続けることが一番のリハビリなんだと、やっぱりそういう思いで農業に関わっている方って潜在的にたくさんいると思うんですよね。 これを踏まえて、ちょっと厚労省に聞きたいと思います。障害者の農業分野での雇用状況はどうなっていますか。
○政府参考人(田中佐智子君) お答えいたします。 農業分野における障害者の雇用状況でございますが、まず、障害者雇用促進法に基づきまして、障害者の雇用義務がある一定規模以上の事業主の方から、毎年六月一日時点における障害者雇用の状況を御報告いただいております。この報告におきまして、農業、林業、水産業という区分によりまして雇用障害者数を集計しております。 令和三年は千六十一・五人で実雇用率二・三四%、令和四年は千百二・〇人で実雇用率二・三六%、令和五年は千三十二・〇人で実雇用率二・三八%となってございまして、実雇用率については年々増加し、全産業平均及び法定雇用率を上回っている状況にございます。
○横沢高徳君 それでは、もう一点伺います。その法定雇用率達成企業は何%ぐらいありますか。
○政府参考人(田中佐智子君) 令和五年を見ますと、法令雇用率二・三%のところ、農林水産業のみで見ますと二・三八%となってございます。
○横沢高徳君 二・三八%、まだまだ法定雇用率は達成していないということですね。
○政府参考人(田中佐智子君) 法律で定められております法令雇用率が二・三%でございまして、農林水産分野を見ますと二・三八%と二・三%を上回ってございますので、農林水産分野全体で見ますと法令雇用率は上回っているという状況にございます。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 それでは、もう少し厚労省にお聞きしたいんですが、農業経営体のうちで法定雇用率を達成している企業の割合、全体の割合というのはどれぐらいになるか、数字はお持ちでしょうか。あればお答えいただきたいと思います。
○委員長(滝波宏文君) 分かりますか。
○政府参考人(田中佐智子君) 済みません、企業全体で農林水産分野に限定しない数字になりますが、法定雇用率達成企業の割合は、令和五年の集計におきますと五〇・一%となってございます。
○横沢高徳君 結構達成しているんですね。半分ぐらいは達成しているということで、しかも法定雇用率を上回っているということで、これ実際に、大臣先ほど言われたように、〇・三%と言いましたけれども、ちゃんと農業経営体でも障害者雇用率達成しているところ、達成状況はクリアしているところもあるんです。 現状、やはり、先ほど女性、高齢者は既に農業人材として入っていると言いましたけど、障害者の方もちゃんともう現状入っているというこれ認識じゃないんですか。大臣、いかがですか、これ。
○国務大臣(坂本哲志君) 要するに、福祉の施設の方が受託、農業の受託をする、農業の方々が雇用をする、様々なケースがあるというふうに思います。そういったケースが、様々なケースがある中で、農福連携に取り組んでいる農業経営体は全国の〇・三%というようなことで先ほど答弁したわけであります。
○横沢高徳君 大臣、そうなんですよ。農福連携は農福連携なんですよ。でも、今ちゃんと農業者として農業経営体の中で障害者の方が働いている、もう事実として今厚労省の答弁であるわけです。だから、先ほど、先日、岩手県で行われた地方公聴会においても、大規模化、集約化に取り組み大規模な農業法人を経営されている照井公述人からも、一般の障害者雇用で三名の方を現場で採用して頑張っていらっしゃると、こういうことがあるんですね。 では、農水省にお聞きします。農業の大規模化、集約化、生産性向上、法人化を進めている中で、農業経営体の法人の障害者雇用率は農水省としては把握しているんですか。
○政府参考人(長井俊彦君) そういったちょっとデータは把握しておりません。
○横沢高徳君 だから、把握できていないんですよ、大臣。大臣の認識では、農福は先ほど言ったように〇・三%。だけど、障害者が実際どれだけ生産現場で働いているかというのは把握できていないんですよ。だからこういう、今回のこういう条文になってしまったんではないかという問題意識を持っております。 それで、ちょっと次の質問に行きますけれども、大臣は障害者基本法に明記されていると言っていますけど、それであれば女性活躍だって法律がありますよ、高齢者だってありますよ。同じ障害者だって、災害対策基本法の中にも個別の条文があるんです。だから、これらの農業の、今言われた方の方向性をより良いものにするために、基本法に障害者と入れたらどうですかと言っているんです。 だから、農福は農福で四十六条の中に入れて、ちゃんと、女性活躍そして高齢農業者、そこに障害のある農業者というところをしっかりと入れ込むやはり理念法にした方がいいんではないかという問題意識で質問していますが、大臣、いかがですか。
○政府参考人(杉中淳君) これまでの答弁の繰り返しになりますけれども、障害者基本法に基づいて、全ての障害者が地域社会においてほかの人々と共生する社会をつくっていくということについては、これは農業施策についてもこれ実施していかないといけないというふうに考えております。 こういった考えも踏まえまして、今回の見直しの中で、どうしても障害者施策、障害者が農業現場に活躍していただくためには、農業施策とともにそれを福祉サイドから支えるということを併せてやっていく必要があるというふうに考えておりますので、障害者の農業分野への活用も含めて農村施策の中に位置付けをさせていただいたところでございます。 ただ、このことは、議員指摘のように、障害者というのは農業人材として活躍していくということを否定するものではないというふうに御認識をいただければと思いますので、今後の施策の中でそういったことを進めていきたいと考えています。
○横沢高徳君 だから、何度も言いますけど、先ほど厚労省からの答弁で、障害者法定雇用率は超えているという答弁がありました。だから、もう実際に障害者の方が現場で働いている事実も厚労省にもデータがある。ただ、その農水省で把握し切れていなかったという先ほどの答弁もありました。 だからこそ、今回の改正で、もっといろんな方に農業に関わってもらって、ましてや、今、共生社会の実現、国で取り組んでいるわけですから、農業からより共生社会をつくっていく、そういう理念法にするためにも、農福は農福で四十六条に残し、そして、女性そして高齢農業者のところに障害のある農業者も位置付けて、しっかりこれより良い法案にしたらどうですか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 条文上の位置付けは、先ほど事務方が説明したとおりであります。そして、農福連携は、障害のある方が自信や生きがいを持って社会に参画される機会を提供し、共生社会の実現に資するだけでなくて、農業経営にとっても貴重な働き手の確保など大きな意義があるということでこういうことになって、こういう条文上の位置付けになっているわけであります。
○横沢高徳君 大臣がそう言うのであれば、まさに農業の振興の方じゃないですか。大臣、分かりました。入れたくない。 それでは聞きます。大臣、答弁書読まなくていいので、かたくなに入れたくない理由をちょっとお聞かせいただいてもよろしいですか。
○委員長(滝波宏文君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(滝波宏文君) 速記を起こしてください。
○国務大臣(坂本哲志君) 先ほど総理も答弁されましたけども、地域の農業法人や社会福祉法人等、地域の関係者が一体となって個々の農業経営の枠を超えた取組を進めていく必要があることから、新たに設ける農福連携の規定は農村地域に関する施策に位置付けたということであります。
○横沢高徳君 それは、四十六条を位置付けた理由としてはあるんです。今聞いているのは、先ほどから何度も言っていますけど、女性の参画、高齢農業者、そこに障害のある農業者を、やはり現実働いているという事実があるわけですから、しっかりと農水省としても現状を把握した上で条文上に盛り込むべきではないかという話をしたんです。 大臣、かたくなに答弁書を読みますけど、じゃ、何で入れたくないのか、それを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 入れたくないわけではありません。入れたくないということではありません。 現実問題として、現在、それぞれの農村集落あるいは農業については、高齢者の方、そして女性の方、働いていらっしゃいます。その環境をいかに整備していくかということは、やはり農業の振興であると同時に農村整備の振興にもつながります。 一方の方で、農福連携というのは、先ほど言いましたように、福祉から農業、あるいは農業から福祉、様々な形態がありますけども、トータルで見て〇・三%という割合でありますので、今後、農業の場に障害者の参画が得られていないというのが現状でありますので、そこを農村振興としてしっかりと、今後、農福連携を位置付けていきましょうということであります。
○横沢高徳君 大臣、さっきから〇・三%、〇・三%と言いますけど、じゃ、大臣の答弁をお聞きすると、一般的に話すと、特定の施策が農業と農村の両方に関連する場合に、第三節の農業の持続的な発展に関する施策と第四節の農村の振興に関する施策のどちらに振り分けられるのか、具体的な基準を示してもらいたいです。単なる主観や定性的な説明ではなくて、数字で定量的な基準を示すべきじゃないですか。これ、いかがですか。
○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔に願います。
○政府参考人(杉中淳君) 委員御指摘のように、高齢者、女性についても、農業施策とともに地域施策としての対応も必要ですけれども、政策の主体として農村施策に位置付けられるものは、いわゆる農業施策だけではなくて、ほかの施策と連携して進めていくものというものを主として記載されておりますので、農福連携につきましても、基本的施策の方向性としては、農業施策とあと福祉施策が連携して進めていくということを政府として進めていきたいと考えておりますので、規定をする場所としては、農業ではなくて農村のパートというのが適正であるというのが我々の考えでございます。
○横沢高徳君 日本も国連の障害者権利条約締約国です。五年に一度、国連から、政府の制度、法律、審査を受けるんです。立法府として、国際社会から見ても恥ずかしくない法律改正にしていきたいという思いの下で質問をさせていただきました。 時間が参りましたので、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 これまで質疑をずっと繰り返してきまして、満遍なくできるだけ取り上げてきたつもりなんですが、今日は取り残したところを満遍なくまた行きたいと思います。 まず初めに、集落営農についてですけれども、食料・農業・農村基本計画では、力強く持続可能な農業構造の実現に向けた担い手としてこの集落営農が位置付けられました。改正案三十六条には、農業生産組織の活動の促進のため、集落を基礎とした農業者の組織を含めた三つの組織等の活動の促進に必要な施策を講ずるものというふうに規定をされています。 先日、令和四年二月一日現在の集落営農実態調査結果というのが発表されました。これによりますと、集落営農組織は品目横断的経営安定対策の対応としてつくられたところが多いと。設立年次が大体平成十六年から二十年の間にできたのが全体の三二%を占めているということであります。新たに二百二十二組織が生まれており、合計で現在一万四千三百六十四、このうち法人が五千六百九十四ということで、前年に比べて二・三%法人は増えておりますので、法人化の動きは続いているということが読み取れます。 集落営農の主たる農業従事者数、ここがちょっと課題なんですが、五人以上が三九・四%で最も多くなっていますが、次に多いのが一人ということで一七・六%、その次が主たる従事者がいないで一四・七%というふうに続きます。こうした現状を反映して、人・農地プランの中心経営体として位置付けられているのは五一%にとどまっているという状況になっています。 担い手として位置付けられている集落営農組織、この強化が急務だと言ってもいい状況だと思いますが、どうするのか、大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 集落営農組織は、農業者の高齢化が進む中、近年減少傾向で推移をしまして、委員おっしゃいますように、現在約一万四千組織というふうになっています。一方で、そのうち組織基盤が強固な集落営農法人は約五千七百組織で、四割となるまで増加をしております。また、中山間地域における集落営農が担う農地面積は近年増加しておりまして、農地の受皿として一定の役割を果たしているところであります。 こうした中、集落営農組織につきましては、委員御指摘のとおり、組織を担う人材の不足などの課題がありまして、しっかりと支援することが必要であるというふうに考えております。このため、集落営農組織によります地域の状況に応じたビジョンの策定、その具体化に向けた中核人材の確保、そして高収益作物の生産や新商品の開発、さらには販路の拡大などの収益力向上の取組などを支援する必要があるというふうに考えております。 集落営農組織が地域農業の担い手としての役割を今後も果たしていけるよう、後押しをしてまいりたいと考えております。
○横山信一君 是非お願いします。 では次に、農地バンクと目標地図について伺っていきますが、農地バンクが創設された平成二十六年度以降、担い手への農地集積面積は二百五十七万ヘクタールとなりまして、平成二十五年度末に比べて約三十六・五万ヘクタール増加しています。このうち農地バンクによる農地集積面積は十七・三万ヘクタールと、全体の四七%ということで、農地バンクが一定の役割を果たしているということも評価をできるところであります。 他方、改正案二十八条には、農地の集団化の促進と農地の適正な利用が新たに明記されることとなっています。担い手への農地の集積率は令和四年度末で五九・五%にまで高まっていますが、五年度までに八割とする政府目標の達成はちょっと見通せないという状況になっています。集積率の伸びを見ると、直近四年間では一ポイントを上回ることはないという状況でありまして、これを一言で言えば鈍化しているというふうに言えると思います。 このような状況の中、昨年改正されました経営基盤強化法に基づきまして、同意市町村は令和七年三月末までに地域計画を立てるということになりました。この地域計画には、十年後に目指すべき農地利用の姿を示した目標地図を定めることになっています。目標地図は、農地の出し手と受け手の意向も踏まえ、農地の集約化に重点を置いた利用関係の改善を図ることとされています。 今後、この目標地図をより良いものとするためにどのような支援をしていくのか、これも大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 今後の地域の農地を守り、そして有効利用していくためには、農地の集約化を進めて担い手が農地を使いやすくすることが必要不可欠であり、今般の改正案第二十八条で新たに農地の集団化について規定をいたしました。 そのためには、農地バンクによる農地の集約化によりまして地域計画で定めた目標地図の実現を図ることが最大の鍵であるというふうに考えております。基盤整備等の従来の予算措置に加えまして、貸借等の手続も農地バンクに一本化をいたしまして、まさに農地バンクが主体となって地域の関係者とともにその実現に取り組んでいくという覚悟でおります。
○横山信一君 ちょっと次は確認なんですけれども、この地域計画なんですが、来年三月末までに作らなくてはいけないわけですけれども、今の令和五年十一月時点での策定状況は、二万三千三百二十六地区のうち、最初のステップである協議の場の設置が済んでいないところが一九%、次の出し手、受け手の意向把握の段階まで進んでいるところが五六%、更にその先の目標地図の素案作成の段階にまで至っているところは一七%ということになっています。担い手がいない地域や不在村地主との連絡に手間取る地域など、地域の協議の実質化については様々な課題が考えられるところであります。 そういう背景の中で、関係者の十分な理解を得られないまま策定期限を迎えてしまうところも出てくるのではないかというふうに思います。関係者の協議が煮詰まらず農業を担う者や後継者が不在の農用地が多く残ってしまう地域については、策定後においても、新たな担い手の確保、育成をしていく中で状況が変われば見直しができるのか、確認をしておきたいと思います。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 地域計画は、地域農業の将来設計図となる大変重要な計画でございます。今委員から御指摘いただきましたように、この地域計画でございますけれども、制度上、令和七年三月末までの策定期限となっております。それまでに一度作っていただくことになりますが、作って終わりということではなく、地域農業の実情の変化に応じて随時ブラッシュアップすることが重要であると考えております。 このため、農林水産省といたしましても、地域計画策定の手引あるいは通知におきましてその旨を明記し、現在、関係者に周知をしているところでございます。
○横山信一君 はい、分かりました。 次に、この地域計画の中でちょっと課題として見えるところは、市町村や都道府県には土地の利用や農業の振興あるいは産業振興、地域開発などの各種の計画が存在をしています。 例えば、みどりの食料システム法に基づいて都道府県や各市町村は共同して基本計画を作成し、特定区域を定めることができます。この特定区域においては、地域ぐるみで有機農業の団地化やスマート技術の活用、あるいは環境負荷低減事業を行うことができることになっています。また、農山漁村活性化法に基づいて、都道府県又は市町村は活性化計画を策定することができます。この中には、農林漁業振興を図る施設や都市農村交流施設の整備がこれでできるんですが、中には農業利用がなかなか難しいと思ったところを放牧地や林地化にするということもこれでできることになっているんですね。 そういう意味では、地域の農業者等の協議においては、まずこの基盤法に基づき地域計画を策定するんですけれども、この地域計画と様々な活性化計画の話合いを一体的に行うということが重要だというふうに考えます。こうしたこの各種計画との整合性、制度間の連携を図る、これをどうやっていくのか、伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 各種計画につきましては、委員御指摘の計画以外にも、例えば農村地域における、例えば農業の再生協議会における水田収益力強化ビジョンであったりとか、中山間地域では直接支払に関する集落協定であったりとか、果樹産地の構造改革計画と様々なものがございますので、そうしたものと今般の地域計画との整合性をしっかり図っていかなければならないというふうに考えております。 その中で、地域計画は地域農業の将来設計図となる重要な計画でございますので、市町村などの各種計画とも整合性を図っていく必要がございます。そのため、農水省としましては、地域計画の策定の手引や通知に基づきまして、市町村などの各種計画の内容を十分に勘案した上で地域計画の作成を進めていただくよう働きかけを行っているところです。 今後とも、委員御指摘の点をよく踏まえながら、市町村、農業委員会を始めとする関係者の取組を後押ししてまいります。
○横山信一君 先日の盛岡での照井さんのお話を聞いていて、改めて労務管理が重要だなということも認識をしたんですけれども、農業は天候等の自然条件に左右されやすいということを理由にして、労働基準法の労働時間、休憩、休日に関する規定の一部の適用が除外をされています。しかし、今、我が国は少子高齢化が進んでいると。この農業現場だけではなく、あらゆる産業で労働力不足という状況に今なっているわけですが、そういう意味では、適用除外を理由にして、労働時間、休日など他産業に劣る労働条件のままではなかなか人は集まってきづらいということも出てくるのではないかと。一方でまた、少ない労働力で効率よく農作業を進めていくという点におきましても労務管理は重要だというふうに思います。 また、技能実習についても、他産業並みの労働環境等を確保するために基本的な労働基準法の規定を準拠するというふうにされておりまして、従業員の集中力を高く維持し、そして能率を向上させるという意味では、他産業と同等の労務管理を行っていくことが魅力的な産業として選択される条件になっていくのではないかというふうに考えますけれども、この農業現場での労務管理、どういうふうに考えるか、伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 労務管理に関してでございますが、四十代以下の新規就農者のうち雇用就農者が四割強を占めるなど、雇用の受皿としても農業法人が果たす役割というのは重要になっているものと認識しております。また、農業法人が効率的な経営を行うためには、委員御指摘のとおり、従業員の労働環境を整備し、適切な労務管理を行っていくことが必要です。 このため、今般の基本法の改正案におきましては、農業法人に対して経営管理能力の向上、雇用の確保に資する労働環境の整備などの施策を講ずる旨を新たに規定したところでございます。 こうしたことを踏まえ、農林水産省では、都道府県の農業経営・就農支援センターが行う労務管理の改善に関する助言などの取組への支援、就労条件を改善し、魅力ある労働環境を確立するための取組への支援などに取り組んでまいります。
○横山信一君 魅力ある産業、農業へというところではここは重要なところだと思うんですよね。 次に、米の話です。 主食用米需要が毎年十万トンずつというのは至る所で言われている話でありますが、一方で麦、大豆は需要があるわけでありますから、その需要のあるものへ転換を進めることというのは、自給率の向上と農業所得の向上の両面からも重要だというふうに思います。 政府も、そうした水田の畑地化、また、産地の意向を踏まえた上ではありますけれども、畑地化を促すことに対しては支援制度も用意をしているということであります。あわせて、畑地化だけではなくて、汎用化ということも進めているわけであります。よく地域で話合いをしてもらって汎用化とか畑地化は取り組んでもらうことになるんですけれども、どちらをやるにしても必要な施策はしっかりと講ずることになっていると。 一方、やはり稲作を続けてきた副業的農家、あるいは自給的農家などの担い手以外の多様な農業者の方たちは、やはり米作りへの思い入れなどから畑作の本作化に抵抗感を感じる農業者も少なくないというふうに感じています。 政府としては、こうした状況も踏まえながら、どのように畑作化を進めていくのか、畑地化を進めていくのか、伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 水田政策につきましては、現在、各産地におきまして、水田としてブロックローテーションを続けていくか、あるいは畑地化をしていくか考えていただいているところでございます。農水省としましては、いずれの取組も後押ししていく考えです。 具体的には、どのような作物を生産するのか、また、どのように農地を利用していくのかなど、地域の農業の将来の在り方を見据えて各産地において地域計画の策定に向けても協議をいただいているところでございます。 その中で、これまでも答弁させていただいておりますとおり、担い手以外の多様な農業者につきましても、地域の農業に重要な役割を果たしていただいておりますので、各産地におきまして、これらの方々の意向も十分踏まえつつ、よく話し合っていただくことが重要だと考えております。
○横山信一君 先日、公明党の農林水産部会で深谷市に視察に行ってまいりました。深谷市のレグミンという会社を訪問してきたんですけれども、そこは、そのレグミンというのは農業支援サービス事業体であります。それと農作業ロボットの開発も行っていると、そういう会社です。 実際に無人ロボットのデモも見せてもらったんですけれども、深谷ネギに農薬を散布する自律走行型ブームスプレーヤーという機械ですけれども、自動で動くんですが、八時間ぐらい独りで動いているという、独りでというか、機械だけで動いているという、そういうものでありますけれども、そこの会社が得意としている画像認識技術を使った機械だったわけですが、こうした事業はJAグループのアグベンチャーラボがスタートアップを支援するJAアクセラレーターというところにも採択をされているということでありました。 こうした農業支援サービス事業体が成長していくには、いかにして農作業を効率化するかということが大事であります。レグミンのように、サービスを受託するだけではなくて作業ロボットの開発も行う、こうした企業が増えていけば、農作業の現場のニーズに合った技術開発が進むことが期待されます。農業支援サービス事業体の育成に向けてはこうした現場で求められるIoT農機具の開発が重要であります。 政府はスマート農業の社会実装を図るために、先端技術を実際の生産現場に導入して技術実証を行うとともに、技術導入による経営効果を明らかにするスマート農業実証プロジェクトを行っています。とりわけ、収穫あるいは農薬・肥料散布というのは労働負荷が大きいものですので、こうした現場で求められる技術開発が重要であります。この農作業を効率化していくために、労働負荷の高い作業のスマート農業技術の開発がこうした農業支援サービス事業体の育成につながるというふうに考えますけれども、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) スマート農業技術は、農業技術とIoT等の情報通信技術の高度な融合により生まれるものであります。まさに、委員が御視察をされました深谷ネギの農薬散布をいたしますレグミンのような、スタートアップを含む多様なプレーヤーの参入を促すことが重要だというふうに考えております。こうした視点も念頭に、改正基本法第三十八条では、民間が行う情報通信技術その他の先端的な技術の研究開発及び普及の迅速化につきまして新たに規定しているところでございます。 農林水産省ではこれまでも、農林水産・食品分野の先端技術を有しますスタートアップを対象とした大規模技術実証、中小企業イノベーション創出推進事業や農林漁業法人等投資育成制度に基づきますところの出資支援等の施策を進めているところであります。加えて、今国会に提出しておりますスマート農業技術活用促進法案では、国の認定を受けた者に対しまして税制、金融の特例、そして農研機構が保有いたします圃場や研究設備の利用を可能とする等の支援措置を講ずることというふうにしております。 これらの施策を通じまして、スマート農業技術の実用化に取り組むスタートアップやサービス事業者の参入、育成を図っていかなければいけないというふうに思っております。
○横山信一君 このレグミンなんですけれども、開発を進めている機械の一つにネギの皮むき機というのがあるんですが、このネギの出荷規格の制限から、ネギの葉は三本にそろえなきゃいけないということになっているらしくて、これが開発のネックになっているという話がありました。この地域慣行若しくは消費習慣の規格がこういう規格になっているんだと。 先日の日農もその野菜の出荷規格を簡素化する動きが広がってきたということが報道されておりましたけれども、なかなかこういう新しい機械を、IoT農機具なんかを開発する企業にとってはこの規格がかえって開発のネックになっているという現状があります。特に、今後の研究開発が期待される技術的課題の現場ニーズとしては、野菜や果樹に関するものが半数近くということで大変に多いと。一方、この野菜、果樹は多くの人手を要するものがありますので、作業がいろいろありますので、省力化ニーズが高いんだけれどもスマート化が遅れているという、そういう分野でもあります。 改正案三十条では、情報通信技術その他先端的な技術を活用した生産、加工又は流通の方式の導入の促進、また、省力化等に資する新品種の育成などに必要な施策を講ずるということになっています。また、三十八条には、先端的な技術の研究開発及び普及の迅速化に必要な施策を講じるということが規定をされているわけであります。 こうした条文を踏まえて、スマート農業技術の活用の促進に関する法律案というのが参議院に回ってきているところでありますけれども、こうした農業の効率化のためには、生産、加工、流通、それぞれにおいて、従来の慣行にとらわれずに見直すことも必要です。その一つとして、こうした慣習化された規格の見直しを政府がもっと後押しをしてもいいのではないかというふうに思うんですが、いかがですか。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 農産物の規格に関しての御質問でございます。 農産物検査法に定める農産物規格において定められているものでございますけれども、現在の野菜の出荷規格のように、実需者、消費者ニーズを踏まえまして各産地が主体的に定めているものがあるというふうにも承知しております。 このような出荷規格につきましても、産地によっては、例えば、規格の数を減らして機械選別に対応するようにして選果作業に割く時間を減少させた事例や、出荷形態の簡素化によりまして加工業務用に出荷できる農産物の範囲が広がった事例などがございます。 こうしたことから、農水省としましては、このような事例を掲載したパンフレットなどを配布、周知を行っているところでございます。 また、今国会に提出していますスマート農業技術活用促進法案におきましては、新たな生産方式を支援することとしております。この中で、農業者や農業団体が食品事業者と連携しまして、出荷規格の簡素化による機械による一斉収穫に対応した収穫作業の省力化などにも取り組める仕組みとなっております。 農水省としましては、こうした取組を通じて、出荷規格の簡素化等を促してまいります。
○横山信一君 次に、加工食品の話になりますが、この農林水産物・食品の輸出額のうち加工食品は三五%。前もこの加工食品には触れているところでありますが、今後も輸出の拡大が期待をされているところであります。そういう意味では、農業者の収益性を向上させるためには、やはり国産原料の加工食品、ここを大事にしていかなくてはいけないということです。 食品製造業を対象としたアンケートによりますと、国産原料の使用量割合が七〇%以上となっているのは三割、一番多いんですけども、次いで一〇%未満が二割。加工食品の国産原料割合は品目によって変わります。例えば、パンや菓子製造業、それから動植物油脂製造業は主原料が輸入品であることが多いということでありまして、国産原料の使用割合が一〇%未満ということになっています。一方、畜産や農産食料品の製造業では、国産原料の使用割合が七〇%以上であるものは五割以上ということになっています。 こうした国産原料を積極的に使用する食品製造者が輸出に取り組む際、それを後押しするような仕組みがあるといいと思うんですけれども、大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料安全保障の強化が課題となっている中で、輸出に向けた加工食品においても、委員おっしゃるとおり、国産原材料の利用促進を図っていくことは極めて重要であるというふうに認識をいたしております。 このため、例えば、中小企業の食品製造業者等がまとまって輸出に取り組む加工食品クラスター事業では、国産農林水産物を原料としている場合等について、採択に当たってポイント加算を行っております。輸出向けHACCP等対応施設整備事業では、輸出商品の主原料における国産原料の使用割合が五割以上の場合について、同様にポイント加算を行っているところであります。 今後は、こうした措置に加えまして、今国会で成立いたしました改正特定農産加工法に基づきまして原材料の調達安定化の取組を支援することとしておりまして、輸出向けを含めた加工食品における国産原材料の利用促進を進めてまいります。
○横山信一君 非常に大事だと思います。ポイント加算ということは採択されやすいということでありますけれども、よりこの国産原料に皆の目が向いていくように是非後押しをお願いしたいと思います。 これに関連して、改正案二十二条においては、輸出の促進は農業者及び食品産業の事業者の収益性の向上に資するよう輸出促進の施策を講じるということになっています。 農業者に国産の農産物の使用量が増大していることを実感してもらうためにも、輸出加工食品に占める国産原料の使用状況を統計として見える形で示していく必要があると思います。この輸出加工食品においては、国産原料が使われている割合についてのデータはこれまでありませんでしたが、政府は輸出重点品目を中心に、輸出する加工食品に係る原材料の国産割合に関するサンプル調査を行っているというふうに聞いております。 加工食品の輸出による国産農産物生産の増大に与える効果を把握するには、政府が公表する統計資料において輸出加工食品に占める国産原料を公表することが必要と考えます。これについて伺います。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 農林水産省では、令和四年度から初めて、輸出する加工食品につきまして原材料の国産割合に関する調査に着手をいたしたところでございます。加工食品は様々ございますが、輸出重点品目を中心にという趣旨で、しょうゆ、みそ、乾麺、緑茶飲料、この四品目につきまして、関係事業者から実情の把握をしたいということで情報収集に努めてきたところでございます。 それぞれの品目に関しまして、関係事業者におかれましては、これまでその国産原材料の使用割合というものを余り公表している事例がないということが、そういうコメントが非常に多くございまして、協力いただける関係事業者というのは四品目で三十三の事業者と極めて限定的ではございましたが、国産原材料の使用割合というのは、まず、しょうゆ、みそ、乾麺では事業者によって非常に様々でございまして、ゼロ%から一〇〇%までといった状況でございます。それから、緑茶飲料につきましてはほぼ全ての事業者が一〇〇%といったような状況でございました。 これまでの関係事業者の方々からの情報収集の中では、安定的な価格あるいは量、品質の確保というものが一層進めば国産原材料の使用を増加させたいといった前向きな意見もございましたが、一方では、現状では使用予定というのはなかなか見出せないといった回答もございましたので、今後の課題といたしましては、国内の農業と食品産業の連携強化、ここをやはり進めていかないといけないだろうというふうに認識したところでございます。 今回のような食品産業のその実情把握の手法では一定程度限界がございますので、農業と食品産業の連携強化を進めながら、今後、別の手法も含めて、どのようなことができるのかよく検討したいと考えているところでございます。
○横山信一君 難しいということはよく分かりました。だけど、農業現場との連携を含め、食品産業と、食料安全保障の上ではもう重要だということはもう分かっていますので、ですから、国産原料を使っていることをいかに把握するかという、是非知恵を凝らして把握に努めていただきたいと思います。 米粉の話をします。 小麦の国際価格、短期的には、コロナ禍の物流の混乱、あるいはウクライナ情勢、また世界人口の増加、気候変動などで不安定化すると。直近においても、令和四年から五年にかけての輸入小麦の買い付け価格が高騰するということで、政府売渡価格については実質据置きあるいは激変緩和措置がとられたところであります。 こうした小麦をめぐる状況を背景にして、安定的に国内生産できる米粉への注目が高まっているというふうに認識をしております。マスコミからも米粉の商品開発が活発になっているという報道があり、一方で米粉用米の生産が追い付いていないんじゃないかみたいな報道も出ているところであります。 こうした専用品種の開発、導入、あるいは普及や加工体制の強化が欠かせないというふうに思いますけれども、この米粉用米の生産拡大、どうしていくのか伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 我が国で自給可能な唯一の穀物である米の需要拡大は重要な課題でございます。委員御指摘のとおり、消費者に定着していますパンや麺、菓子の材料を国産農産物に置き換えていく一環としまして、新たな需要先である米粉の需要拡大を図っていくことは重要であります。このため、パンや麺などに適した専用品種の開発、普及に併せ、米粉の特徴を生かした新商品開発や米粉製品の製造施設等への支援に取り組んでいるところでございます。 また、私の地元兵庫県におきましても、実は、山田錦ございます。これは酒米としても有名でございますけれども、酒米としてのみならず、実は米粉としても使われておりまして、例えば介護食等に適したアルファ化米粉、また、さらにはその米粉でパンやスイーツなどが開発されておりまして、地元の農家と販売事業者との連携した取組が進められておりまして、こうした取組をしっかり後押ししてまいりたいと思います。 一方で、小麦につきましては、この我が国の食料安全保障の強化のためには、輸入依存度は高い中でございますけれども、生産拡大も必要なところでございます。 そのため、この度の基本法改正案が成立した暁には、それを踏まえて策定される次期基本計画におきましては、これまでの生産及び消費の状況も踏まえまして、需要に応じた生産拡大となるような米粉用米の新たな目標や、小麦等の作付面積拡大に係る意欲的な目標を設定していく考えでございます。
○横山信一君 多分これが最後の質問になりますので、食品アクセスの話にします。 現行基本法が検討、制定された一九九〇年代の我が国は、世帯当たり所得が最大化した時代でありまして、食料安全保障において国民一人一人の食料入手の問題は懸念されてはいませんでした。国全体として十分な食料供給を行うことに重点を置かれていたのが前回の基本法、現行基本法であります。 しかし、近年は、経済的理由によりまして十分かつ健康的な食料が入手できない問題、あるいは高齢化の進行、物流能力の低下、こうしたことに伴いまして買物困難者というのが出てきているわけであります。いわゆるこの食品アクセスに困難を抱える人というのが増えているという状況にあります。この国民一人一人が良質な食料を入手できる環境が崩れているので、食品を提供するフードバンクあるいは子供食堂の取組が全国的に広がっている状況です。 これまでも農林水産省は、このフードバンクや子供食堂の運営を行う事業者に対しまして、様々な活動の支援に取り組んでまいりました。また、フードバンクや子供食堂等への多様な食料の供給に向け、自治体を中心とした地域の関係者が連携する体制づくりなども支援をしてきているところであります。 これらはどのような効果があったのか、そしてまた、今後食料の円滑な入手にどのように貢献できるというふうに考えているのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、農林水産省では、従来からフードバンク等の活動や子供食堂等の地域の共食の場の提供への支援など、様々な支援を行ってきたところでございます。こうした支援を通じまして、フードバンクの活動や地元企業からの食品寄贈の促進が図られているほか、子供食堂等での多世代交流や地域の居場所づくり、地域の食材を活用した食育などの活動が行われるなど、様々な地域の取組が促進されてきたところでございます。 このような地域や民間が主体となった取組には、地域によって差があることも課題となっております。そのため、農水省では、多様な食料の円滑な入手を更に進められるよう、地方公共団体を中心に、食品事業者、フードバンク、物流事業者、NPO等の関係者が連携して地域の課題に応じた取組を進める体制づくりの支援も併せて進めてまいります。
○横山信一君 午前中も言いましたけれども、今回の基本法と前回の基本法の中では様々な設定があるわけですが、テーマがあるわけですが、今回のこの食品アクセスも新たな課題として浮かび上がっているものでありますので、この基本法の中でしっかり位置付けた上で取組をしっかり進めてまいりたいと思います。 以上です。
○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。よろしくお願いいたします。 済みません、確認ですが、委員会では、例えば、田名部議員等が涙を浮かべて、本当に、こうしたらいいんじゃないかというような提案をしています。本当にいろんな、私は、ああ、そうだなと思う意見がたくさんあるんですね。そういうものがあった場合は、こういう、改正に手を、変えることができるんですか。皆様が思っているのは、こうやってしようと思っていらっしゃるんですけど、変えることはできるかどうか、まずお尋ねします。 一つも……(発言する者あり)私、そう思うんですよね。いかがなんでしょうか、お尋ねいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちは長い間この原案というものを、法案というものを審議をして、考えて、そして、ベストな法案ということで皆さん方の下に提案をしております。それを修正するしないはこの立法府の方のお仕事であって、私たちがコメントをするということは差し控えたいというふうに思います。 ただ、その委員会で出た様々な意見というのはしっかり受け止めながら、法案が成立した暁には周知に努めてまいりたいというふうに思っております。
○松野明美君 法案が成立した暁というのは、じゃ、現在は、どんなに一生懸命、この時間、一日中一生懸命議論したとしても変わることはないということでいいんでしょうか、それとも変わるんでしょうか。私も今からここぞというのを言いたいと思いますが、これは変わるのか変わらないのか。それ変わらなかったら、それ時間掛けても仕方がない。
○国務大臣(坂本哲志君) それは皆さん方のこれからのお仕事であります。私たちは、政府としてベストなものを出しております。それを立法府の方でどういうふうに修正されるかしないか、これは委員会の、あるいは立法府のお仕事であるというふうに思っております。
○松野明美君 私も何回も農福連携のこととかもお伝えしましたし、皆さん大体同じような意見を述べているんですね。それをやっぱり、いや、これは違う、農村施策でいこうとか、そういうように、なかなか動かないというのは、もうどんなに事柄を言っても何かなかなか動かないのかなと思いました。 そして、先ほども、これまでの議論の前には何もこういうこと、農福連携については聞いていなかったとおっしゃいますが、我が党では、障害者自身の福祉向上という観点を農業人材の施策に明記をするという修正案を出しています。このことは御存じだったんでしょうか、御存じじゃなかったんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 今の委員の御質問に関して、維新からそのような提案があったということは承知をしております。 私ども、先ほどの答弁は、政府案を提出するまでの間の与党の議論等を踏まえた中でそういう意見は出なかったと、そういうことでございます。
○松野明美君 多分、皆どこでもそうだと思いますが、修正案を出すためにはかなり時間を掛けているんですよ。もう本当に、本会議が終わってみんなで集まって、多分何十回もやってきたんですよね。それを何か、それまでというわけではなくて、私たちも修正案もちゃんと出しているんですよ。それはちゃんと知っていていただきたいと本当に思います。 これまでは、農福連携、障害者と高齢者の施策は元々農村振興局で行われていまして、同じ位置付けだったということを聞いております。これで大丈夫でしょうか、私の認識は。
○政府参考人(長井俊彦君) ちょっと理解が、農福連携につきましては農村振興局の方でやっております。
○松野明美君 じゃ、これまでは障害者と高齢者は同じ位置付けだったんですけど、今回は分けたということですか、同じ位置付けでしたけど。
○政府参考人(長井俊彦君) 同じ位置付け、高齢者の要するに施策は高齢者施策でやり、農福連携は農福連携として我々の方でさせていただいております。
○松野明美君 じゃ、先ほど大臣から〇・三%しかというような言葉が、非常に私頭から離れないんですけど、〇・三%しかというのはどういう数字でしょうか、お尋ねいたします。いやいや、大臣です。
○政府参考人(長井俊彦君) 我々の方で、農福連携に取り組んでいる農業経営体の数について、その全体からすると〇・三%という数字でございます。
○松野明美君 多分〇・三%しかというのは、多分、やっぱり言葉というのは、この端々に、やっぱりこれ、その人のあんばい、まあ人間性というのかが多分出てくるものですから、恐らく〇・三%しかないんだよということなんですけど、〇・三%しかと、確かに、そうだった場合、やはり農福連携というのはこれまでも進んでいなかったんだなと本当に思っております。 そして、先ほど総理の方の質問にも言いましたけど、農福連携というのは、現在は農村よりも都市部が盛んなんですよ。というのは、障害がある方たちが、農村よりも都市部の方が便利なんですね。介助とかが必要な方は特に、スーパーとかも都市部であれば行きやすいので、圧倒的に、農村地帯から、農村部、農村から都市部の方に移動されているんですよ。そういうことで、やっぱり農福連携というのは本当に都市部が盛んになっております。 都市部の農福連携はどこの管轄でしょうか、それでは。
○政府参考人(長井俊彦君) 都市部も、農福連携は農村振興局でやらせていただいております。
○松野明美君 今の農福連携は、都市部の農福連携のノウハウを農村に渡している、つないでいっているんですよ。そういうところはちゃんと知っておかないと、今までの古い考えでは、恐らく、このように農村施策だと、頑固たる姿勢だと思うんですね。今、都市部の方が圧倒的に農福連携は進んでいるんですね。 障害がある方たちも多いんですよ。障害がある高齢者、障害がある女性の方、この方たちは、じゃ、どちらになるんですか。障害がある高齢者、障害がある女性の方、どちらの位置付けになるんでしょうか。
○政府参考人(長井俊彦君) 要は、福祉事務所と事業所と農業サイドで一緒にマッチングして取り組んでいくという意味においては、女性の場合でも高齢者でも農福連携という形で進めさせていただいております。
○松野明美君 ちょっと意味が分からなかった。済みません、じゃ、もう一度お願いいたします。
○政府参考人(長井俊彦君) 済みません。 農福連携は、もう一度、申し上げましたけれども、農業と福祉が連携して、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業の経営発展とともに障害者の自信や生きがいを創出する、で、社会参加を実現する取組でありますので、その障害者という中には当然女性の方も高齢者の方もいらっしゃる、先ほどそういう意味で答弁させていただきました。
○松野明美君 農林水産省は非常に遅れています。今現在、横沢先生とかもおっしゃったんですけど、やっぱり共生社会ということを目指しているんですよ。やっぱり日本は非常に遅れていると。その典型的な例が農林水産省です。典型的な例だと私思いますよ。 分ける必要がないんですね、やっぱり。じゃ、障害がある高齢者は高齢者と違うんですか。分ける必要ないじゃないですか。一緒じゃないですか。一緒なんですよ。ですから、分ける必要がないんです。いや、一緒ですよ。
○副大臣(鈴木憲和君) 先生まさにおっしゃっていただいている気持ちは、私たちも全く一緒です。大臣も何度も答弁申し上げていますが、ただ、基本法という性質上、どこか一か所にこの条文を、初めてですから、これ農福連携書くのは、どっかに書くといったときに、我々はその農村サイドのところに書かせていただいたということでありまして、何かそれで分けるとか、そういうことの気持ちでこれを書いているわけではないということを是非御理解をいただけたら有り難いと思います。
○松野明美君 恐らく両方間違っていないんだと思います。だから、ずっと平行線で行くんだと思います。そういうのを、いや、確かに正解だと思いますし、こちらの意見も正解だと思うんですね。 ただ、このように一生懸命考えて、やっぱり現場はそうだよねと。これが、いずれはじゃ駄目なんですよ、いずれはでは。やっぱり、今回二十五年ぶりの改正じゃないですか。だったら、いずれは五年後か十年後か分かりませんが、それではなくて、やっぱり、おっしゃったように、先のことを考えて基本法を改正していかないと、私たちも何のために一生懸命質問したか分からないですよね。 ですから、そこの中の一つが、やっぱりここは一緒に、分けることもないんじゃないですかと。どうして高齢者と障害がある高齢者を分ける必要があるのか、どうして障害がある女性と普通の女性を分ける必要があるのか。一緒でいいじゃないですか。 そして、さっき言ったように、もう都市部が農福連携進んでいるんですから、農村だけじゃないですよ。皆様方がおっしゃっているのは、農村は障害者、都市部は高齢者、女性と言っているのと同じなんですね、私からすると。分ける必要ありません。どちらでも大活躍していただきましょうよ。そうじゃないと、これ、だから、みんな何か、ううんと思っているんですね。おかしいなと思っているんですよ。これは、何でしょう、いろんなことがあるかもしれませんが、ここはやっぱり、ああ、そうだよなと思ったら、ちゃんと明記すべきじゃないですか。何か本当に明記したらいけないのがあるのかどうか、私、これはよく分かりませんが。 私は、現場はそうだと思いますよ。もう皆様たちが思っているより、障害者の皆さん、やれるんですね、ちゃんと。もちろん、環境が大事な人もいらっしゃいますが、農業を挑戦しようと思っている方はお元気な方が多いです、障害がある方たち。だから、任せられて大丈夫です。でも、いろんな声を聞くのは大事だと思いますが、これは大事です。 ただ、やっぱり人材として活躍していただく方が、私、農水省としてはそちらの方が大きな役目だと思うんですけど、環境整備はもちろんそうですけど、これ付いてくるものであって、やっぱり農業の人材の皆様方、障害者の皆様方に活躍してもらいましょうよ。私、そっちの方がずうっとこれからの日本の農業を考えるといいと思うんですけど、どうでしょうか。お願いします。
○国務大臣(坂本哲志君) 今副大臣も言いましたように、農福連携というのは今回初めて法律に明記する一つの分野であります。そして、農福連携と一口に言いましても、福祉施設が農業者から受託して生産をする場合、福祉施設そのものが農業に参入する場合、あるいは農業者が障害者の方々を雇う場合、あるいは加工業者も含めて、様々な形態があります。しかも、障害者の程度によってそれぞれの形態がまた違います。 ですから、そういったものを、まず法律に農福連携を推進するということで明記をして、これから都市部も、そして農村部も含めて、農業の振興あるいは農村の振興、地域の振興のためにこの農福連携をしっかり広げていこうというのが今回の法律の、初めて法律に明記する趣旨であります。
○松野明美君 大臣、よく分かりました。よく分かりました。よく分かったんですけど、大臣がおっしゃっているのは典型的に、農村振興ではありません、農業施策です。担い手育成です。私はそのように思います。 ただ、これまで言って分からないならいいんですけれども、恐らく私の予想なんですけど、厚労省、福祉側と農林水産省の連携が余り取れていないんじゃないかとやっぱり思うんですね。だって、今さっき厚労省はもう法定雇用率二・三四%とか言っているじゃないですか。それで、農林水産省が〇・三%。多分連携が余りいっていないんじゃないかと思うんですね。ですから、やはり連携というのは、ここだここだと分けるんではなくて、やっぱり連携し合って、いや、ここはこっちがしますよ、ここはこっちがしますよと言いながら一つの丸になっていくんですね。だから、こうじゃないと農福連携は恐らくやれないと思います。 私も農福連携は地方議員時代からずっと言ってきました。でも、基本はお互いやっぱりやる気なんですよね。でも、皆様方が、いや、農村施策とおっしゃるのだったら、それはそれで仕方がないです。仕方がないけれども、これ以上言えませんから。だって、もう時間ももったいないでしょう。だって、私は四十分という時間しかないですから。ただ、これから先、いずれは、私はいずれはという言葉は余り好きじゃないんですね。やっぱり、今改正しているんですから今動かないと。いずれはって、じゃ、いずれは十年後ですかとなりますから。ただ、本当に、障害がある子供たち、障害者というのは、十年後は十歳年を取っていきます。そういう中で、やはりこの十年間という中を農業で活躍してもらえたらという思いで質問させていただいているんですね。それがどうなんだか分かりませんが。 農福連携という言葉、これだけ私たち一生懸命伝えてまいりましたが、聞いてもらえたのか、聞いてもらえないかは分かりませんが、こういうふうに農業の障害者の方たちは皆様方が思っているほど体は弱くないです。意外と強いんですね。いや、環境整備が大事だという前提ですよ。そして、やれるんですよ、やれます。そして、さっき言ったように、総理のときに言ったように、鶏の世話、大得意なんですね。給料二十万円、ほかの方たちよりもずうっと給料は高いんですよ。そういう方もいらっしゃる。 そういう方たちを考えると、やっぱり人材の担い手としてこれから先は私は位置付けるべきではないかなと本当に思いますが、余り動かないと思いますので、これは胸に、私たち一生懸命言っていますから、胸に留めておいていただければと思いますが、よろしくお願いいたします。 じゃ、ちょっと順番を変えさせてもらいますね。 企業の参入についてお尋ねをいたします。 よく大臣もおっしゃっていますけど、農家の後継ぎは農家からといえば古いこれまでの考え方ということを私お聞きしました。私たちの会派は、企業参入というのを推進している方です。私自身は、正直、やっぱり個人の農家を大切にしたいというタイプなんですけれども、やはりこれから先の農業を考えると企業参入もなければならないのかなとしみじみと思っておりますし、後継者発掘の手段の一つだと思っております。 そのためには多様な企業に関わってもらうことが大事だと思いますが、今回の法案では食品事業者等からの出資で農地所有適格法人の経営基盤の強化を図るとしているんですけれども、農業、食料以外の企業参入のイノベーションの認識を伺います。
○副大臣(鈴木憲和君) お尋ねありがとうございます。 まず、我が国の農業は、経営体について見れば、農業が主業の個人経営や農業が副業の個人経営、法人経営、その他団体経営など様々な経営体や農地利用の規模の組合せで成り立っており、そのうち企業というか法人経営については、経営農地面積の約四分の一、販売金額の約四割を担うものというふうになっております。 今般の改正法において創設をします農業経営発展計画制度によって、食品企業等と農地所有適格化法人との更なる資本提携が可能となるなど、食品企業等が農業経営の発展により貢献していくこともこれから期待をされているところであります。 さらに、先生からいろんな分野の企業が農業に参入をした方がよりイノベーションが促されるのではないかという御指摘がありますけれども、まさにその考え方はそのとおりだというふうに思っておりまして、多様な主体が農業の分野にいかに関わっていただくかというのは極めて大事だというふうに思っております。 ただ、その際に、農地の所有権まで得るかどうかというのは極めて慎重な議論が必要かというふうに思いますので、よくその点も考慮しながら、だけれども、イノベーションをしっかりと進めていくんだという概念でこれからも取り組んでまいりたいと思います。
○松野明美君 企業の参入を推進すべきだなと思ったのが、これちょっと基本法に関わっているのかどうか分かりませんが、農作業中の死亡事故なんですね。 私は、農作業というか、農業は少ないと思っていたんですけど、やっぱり一番多いのは危険性を伴う建設業とかそういうところではないかと思ったんですが、実際は建設業の二倍、農作業中の死亡事故が多いということをお聞きしました。そういう中で、多いというか、特に農機具、今からスマート農業とかも多分推進されると思うんですが、農機具での死亡事故が多くて、特に一人で農作業をなさっている方は周りの目が行き届かないということで、非常にかなり死亡事故も多いということを聞いております。 法人になりますと、やはり安全対策とかそういう、これから今年の夏も何か猛暑と聞いているんですけど、熱中症対策、そういうことも利点があるんではないかと思うんですけれども、農作業中の死亡事故、やはりこれはゼロじゃないといけないと思います。 この辺り、ちょっと基本法の位置付けとかあるのかどうか、そしてまた、その死亡事故ゼロのために何か対策を考えていらっしゃるのかどうか、もしよかったら教えてください。
○政府参考人(杉中淳君) 特に、労働環境の中で農作業中の死亡事故が多いという問題については極めて深刻な問題だというふうに思っております。 先ほど法人の話が出ましたけれども、そういったところに就職をしていただくという観点からは、そういった労働下における安全性というのをしっかり確保していくということが重要だというふうに考えておりますので、今回、二十七条の二項の中に農業法人の経営基盤の強化という規定を追加しましたけれども、その中で雇用の確保に関する労働環境の整備というのを追加をしておりまして、その中に、当然、いろんな労働環境というのは、休みとかもありますけれども、作業時における安全性の確保というのも含まれるという観点から追加をさせていただきました。
○松野明美君 農業を営まれている方というのは、本当にその畑が好きだとおっしゃるんですね。九十歳ぐらいのおばあちゃんがもう本当に、私が走っているときに、真夏のもう三十五度以上ある中で一生懸命農作業をされているというところも見ました。やっぱりこの畑が好きだとおっしゃるんですよ。 よく聞くんですけど、災害とかあったときに、ちょっと畑を見てくると言われまして何か川に流されたということも聞きますので、やっぱり非常に危険を伴うなと。私が、余り知らないんですけど、危険を伴うなと本当に思っておりますので、しっかりとこの安全対策の面は、特に熱中症対策、今年は特に熱中症対策にはちゃんと告知というか、基本法ですけれども、告知をこれどんどんとしていただければなと思います。よろしくお願いいたします。 次に、ジビエについてお尋ねをいたします。 これは、私は余り好まないんですけれども、癖があるなとかそういうふうに思ってしまいまして、思うんですけど、これ、フランス語だそうですね、何かフランス語だということを聞きました。フランス語で、食材で捕獲された野生の鳥獣又はその肉のことということを聞いたんですけど、私は余り、ちょっとジビエという名前は余り好きじゃないんですけれども、これ、ジビエは、大臣は召し上がったことはあられますか。ちょっとお聞きします。
○国務大臣(坂本哲志君) 私は、私のおやじが猟をしておりましたので、いろんなものを、ジビエという料理じゃなくて、そのまま食べてまいりました。
○松野明美君 そのままという、野性的でですね。大体、似ていらっしゃいます、とても。そういう感じだなというふうに思いました。 改正案では、新第四十八条に、捕獲した鳥獣の食品等としての利用の推進を明記されております。そして、学校給食法の第二条で、命や自然の尊重、また、優れた伝統的な食文化への理解とか目標にされているというようなんですけど、農水省はジビエ利用量の拡大を目標にしているということもお聞きしました。 私、ユーチューブで見てきました、捕獲されているところを、ハンターが。初めて見たんですけど、ユーチューブで、本当に思っているより命懸けですね、命懸けでイノシシとかをワイヤーで縛り付けているんですね。こんなにやっぱり大変なんだなというふうに思いました。 言いたいことが、その後ですね、その後の問題です。かなり重いということなんですよ、捕獲したものが、運ぶのが非常に難しいということと、鮮度を保つことから、仕留めたら一時間以内に解体しなければ鮮度が保たれないということをお聞きしまして、その場で解体をするというようなところもちょっとあったんですね。 やっぱり、衛生面なども非常に心配しております。そういう中で、解体の過程、そして衛生面は大丈夫か、設備は整っているかなどと非常に気になるんですけれども、そういうところを踏まえてのこの利用の拡大、普及をどのようにされていくのかなと。お尋ねをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 まず、農林水産省では、鳥獣被害対策を推進する中で、捕獲した鳥獣を地域資源として有効活用するジビエ利用の取組を推進をしています。これは、要は、捕って有害だから駆除して終わりということではなくて、しっかりとその資源として活用して、何というか、できればそれを稼ぐということに変えていければというような観点であります。 ジビエ利用を、利用量を増やしていくためには、まずは多くの人にジビエを体験する機会を提供し、その味を知ってもらうということが重要であるというふうに考えております。このため、農林水産省では、更なるジビエの利用拡大に向けて、関係団体等とも連携をしながら、まず飲食店等での取扱い拡大につながるよう、セミナー開催の支援や全国プロモーション等によりペットフードを含めた需要喚起を図るほか、何しろ、お金を、対価をいただいて提供するには、安全で、先生おっしゃったように安全でなければなりませんので、安全なジビエを提供するためのしっかりとした処理施設、これを整備をしたりとか、あとは衛生管理の知識を有するジビエハンターの育成、そしてまた捕獲個体を処理施設に搬入促進するための体制整備、また国産ジビエ認証制度の普及などの取組を推進してまいります。 何しろ、捕ったところから早く運んで、早く、何というか、処理をしないと鮮度が落ちちゃうということでありますので、例えばですけど、今だと移動式の解体車なんかがあって、それをできるだけ近くに持っていって、そこで解体をして、そうすると売れる状態になるとか、そうしたところへも支援をしっかりとしてまいりたいと思います。
○松野明美君 その解体トラックですかね、解体用のこのトラックが映っていました。あれ、買ったら一千八百万円ぐらいするということをお聞きしました。こういうレンタルなんというのもやっぱり進めていただきたいと思いますし、おっしゃるように、一時間以内に、それも心臓を動かしながら血を抜かないといけないという、そんなことができるのかなと本当に思うぐらいのそういう、何でしょうね、その専門的なところが必要なんだなと本当に思ったところです。 そういう中で、大分県は非常に何かジビエを推進しているということをお聞きしました。購入補助とか、特に中津市は自治体一体で捕獲から加工、調理までずっと取り組んでいるということもお聞きしました。 そこで、地元で捕獲された鹿とかイノシシ等の食材活用は農業被害の軽減にもつながります。推進していくためには、食肉処理施設の増設とか解体機関の連携、そして解体用トラック、レンタカーも出ているというんですけど、もう少しやっぱり、ちょっとジビエというのが私自身も余り、ちょっといい感じではないんですけど、やっぱり給食にも取り組んでいくということで、もっと何か、すっと女性も子供たちも入りやすいような、もう癖があるんじゃないかな、食べにくいだろうなと思っても意外とおいしいというのもお聞きしましたので、そういうようなPRというのも必要なんじゃないかなと思うんですが、どのように努力をされていくおつもりなのか、お尋ねいたします、もし分かれば。
○副大臣(鈴木憲和君) ありがとうございます。 何しろ、先生まさにおっしゃっていただいたとおり、なかなか抵抗感のある消費者、当然食べたことのないという方も多いんだというふうに思います。 そのときに、やはり初めていただいたイノシシの肉、若しくは私の地元だと熊をいただくという文化もあるわけなんですけれども、それが、ああ、おいしいなというふうに感じられるかどうかというのもすごい大切な要素かというふうに思っておりますので、しっかりと、安全でおいしいというふうに感じられるものをしっかりとした料理の状態で提供をするというところまで目くばせをしながら、多くの皆さんに体験をしてもらうという機会を増やせるように努力させていただきます。
○松野明美君 ありがとうございました。よろしくお願いいたします。 私も少しイメージが変わりました。やっぱり衛生面というのもちょっと大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 ちょっと順番を変えます。どれにしようかなと思っているんですが。 やっぱり食料自給率は皆さん本当に気になっているところでありまして、ただ、食料自給率といっても非常に分かりにくいんですね。食料自給率、非常に分かりにくいというところで、ほかにどのような判断材料があるのかというところをお聞きします。何かあるんでしょうか。
○副大臣(鈴木憲和君) ありがとうございます。 これ、今は多分、食料安全保障を確保していく上で食料自給率以外の指標ということだというふうに思います。 まず、昨今、ウクライナ情勢の影響等によりまして肥料価格が高騰するなど、食料安全保障の確保を図るには生産資材の安定供給というのが大きな課題というふうになっております。食料自給率自体は引き続き重要な指標であるというふうには考えておりますが、例えば、その前提となる生産をする上での生産資材、肥料の安定供給など、食料自給率のみでは評価できない課題に対処する必要があります。 ほかに、改正案が成立を見ましたら、これに基づいて基本計画を策定をしておりますが、その中で平時からの食料安全保障を実現する観点から、その食料安全保障について課題の性質に応じた目標の設定をしていくということになります。 具体的な自給率以外のその他の目標ということでありますけれども、今後もちろん検討していきますが、例えば肥料若しくは農薬、そういった生産に不可欠なものの調達というのがしっかりと我が国でできる状態にあるのかどうかといった事項であったりとか、そういうことであろうというふうに思いますので、食料安全保障の確保に関する事項について適切な目標を設定をしてまいりたいと思います。
○松野明美君 今までの委員会でも、やっぱり食料自給率の目標はちゃんと、数字目標はちゃんと設定すべきだという、ちゃんと基本法に明記すべきだというような声はありました。で、答弁では、いろんな状況が変わっていくから、そのたびに違うと、違うからというふうにして、数値目標が定められないというような答弁があったんですね。 ただ、それではやっぱり、いや、せめて最低ライン、最低ラインをやっぱり確定、目標にというか、設定しなければ、どんどんと私、低くなっていくんじゃないかと思うんですね。やっぱり、明記することによって意識するじゃないですか。ああ、あと三日で陸上大会があるとかになると、いや、意識すると、顔が変わってくるんですよ。やっぱり意識するんですね。そうしてやっぱり練習にも気合が入るということで、ちゃんと最低ラインだけは定めるべきではないかと思うんですが、多分、答弁は分かっておりますのであれですけれども、最低ラインは、目標はすべきではないかと思っています。 ただ、あっ、ありますか。もしあったらお願いします、最低ライン。
○副大臣(鈴木憲和君) 松野先生の御指摘は、その食料自給率の目標の最低ラインをしっかりと基本法の中に数字として明記すべきではないかという問いだというふうに思いますが、確かにお気持ちはすごい私も共感をするところがあります。 ただ、実際に食料自給率を数値としてどういうふうに達成をするかというので、やっぱり一番大きいのは、生産サイドに働きかけて生産を増大していくということは比較的農林水産省得意ではあるわけなんですが、逆に、その消費の行動を国産シフトの方に変えていただくということについては正直言ってなかなかうまくいってこなかったという現実がありまして、その両方のバランスで食料自給率というのは決まるものですから、なかなかそれを、基本法というのは二十年先とか三十年先まで見据えて議論をするものだと思っておりまして、それを基本法で最低ラインはここなんだというふうに数値を書くというのは、正直なかなかなじまないんだろうというふうに思います。 ただ、基本計画ではしっかりとこれを位置付けて、できれば、やはりそれは、何というか、五年ごとにちゃんと状況を見ながら、何がおかしかったのか、何でできなかったのかというようなことはもう少し真摯に分析をして次の施策に生かしていくということが必要だろうというふうに思います。
○松野明美君 スポーツ面で申しますと、多分ちょっとぐらいは役立つかなと思います。日本柔道で、ロンドン・オリンピックの日本柔道は史上最低の結果でした。男子の金メダル一つだけだったんですね。そこで、それまでは、根性だと、データの分析なんか要らないと、とにかくやる気さえあればいいという練習法だったんです。そこで、史上最低の結果を出して、これじゃいけないということでデータ分析し始めたんですよ。そうしたら、東京オリンピックで史上最高の男子金メダル五個、女子の金メダル四個というような、多分当たっていると思いますが、史上最高の結果となりました。 やっぱり、スポーツの面でもやっぱりこんなに違うんですね。根性だと言っていたのが、やっぱりデータベースして、検証して分析をしてこそ、スポーツというのは練習さえすればいいという感じだったと私も思っている、私たちの時代はそうだったんですけど、やっぱりこういう検証、分析って非常に必要なんですね。 ですから、これまでは、九年前だったですか、食料自給率五〇%か何かおっしゃっていたのが、今四五%ですかね、やっぱり下がってくるんですよ。目標は、やっぱりこれ上げないといけないんですね。だから、やっぱり目標がないから下げてもいいだろうと。三八%のちょっと上の四五%ぐらいだったら上がっていくんです。 だから、ちょっと前にも言いましたけれども、慣れてくるんですよ、これに慣れてくる。これ三八%が普通になってきます。これじゃいけないですということで、目標の設定は必要ではないかとお伝えしておりますので、是非、まあやり方があるでしょうから、ちゃんと目標の数値、そして最低ラインはちゃんと定めていただきたいと本当に思います。 子供たちの、本当、皆さん、十年後、二十年後大丈夫だろうかと、もしもこのまま何か戦争とかが起こったらどうなるんだろうかとか、本当に思っているんですよ。三十年後、自分の子供たちが食事ができるだろうかというようなことも言っているので、食料自給率はしっかりと目標を定めていただければと思っております。 あと五分になりました。最後の質問となります。ゲノム編集についてお尋ねをいたします。 私も、余りこのゲノム編集という言葉を聞いたことがありませんし、余り興味もありませんでした。これは一体どういうことか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 ゲノム編集技術というのは、自然で起きる突然変異を狙った場所で起こす技術でございまして、品種開発は非常に時間が掛かりますので、このゲノム編集技術を利用しますと非常に品種開発の時間が短くなるということで、画期的な育種技術であります。
○松野明美君 そのお話を聞きますと私は余り好意的には思わないんですが、国はそのゲノム編集というのを進めているということをお聞きしました。たしか、何でしょうか、筋肉量が多いマダイとか、だから食べる量が多くなるそうですね、マダイとか。それとか、早く成長するトラフグ、いや、いろいろとあるんだろうなと本当に思いますが、現在、ゲノム編集技術、食品についてはやっぱり表示の義務というのがないと聞いているんですけれども、でも、義務はないけれども表示をしている食品もあるということも聞いています。 この義務化についてはどのように考えているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(依田学君) お答え申し上げます。 まず、ゲノム編集技術応用食品につきましては、いわゆる遺伝子組換え食品に該当するものとそうではないものがございます。 まず、食品衛生法に基づきまして、安全性審査の要否に関する整理におきまして遺伝子組換え食品に該当すると判断されるものにつきましては、食品表示法に基づきまして遺伝子組換え食品の表示を義務付けるところでございます。一方、遺伝子組換え食品に該当しないものにつきましては、このゲノム編集技術を用いたものか、従来の育種技術を用いたものかを判別するための実証的な検査法の確立が現時点の科学的知見では困難でございます。 こういった表示監視における科学的な検証が困難である、あるいは、諸外国におきましても、いわゆる遺伝子組換え食品に該当しないゲノム食品について表示を義務付けている国あるいはEUも含めて地域はございません。こういったことから、罰則を伴う表示の義務付けを行うことは難しいと考えてございます。 ただ、安全性審査の要否に一般に流通している遺伝子組換え食品と認定されていないゲノム編集技術、例えばギャバ含有量を高めたトマトなどは流通してございますけれども、こういったものにつきましては、商品を販売する際に、ゲノム編集技術を利用した旨について消費者に対する情報提供に自発的に事業者に取り組んでいただいている、こういう状況でございます。
○松野明美君 情報提供というのはやっぱり非常に大事だと思っておりますし、私も一応主婦ですから、何かそういうのはやっぱり非常に気にしておかないといけないなと思います。 令和五年十月に、ゲノム編集技術応用食品の表示等の消費者への情報提供の在り方について検討を求める意見書が提出されていると聞いています。 ゲノム編集技術応用食品が普及していく上で、この理解がやっぱり不可欠だと思っておりますが、進めるに当たってどのように対応していくおつもりなのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(川合豊彦君) 後ほど消費者庁からあるかもしれませんが、農林省では、そのゲノム編集技術というのは新規性の高い技術でありまして、非常に消費者の方々も、非常に不安だという方も大変多いということであります。 なので、我々としましても、その消費者の皆様に、こういう技術なんですと、外来遺伝子を入れたものではなくて、中で突然変異が起きているものと同じであるというような説明、あるいはそういった研究をしている現場を見ていただく見学会でありますとか、技術についてよく理解していただくために動画を作ったりして、あと高校生とか小学生の皆様にも御説明に上がっているところでございます。
○松野明美君 ゲノム編集を国は推進しているんでしょう。
○政府参考人(川合豊彦君) 非常に育種期間が短くなるということで、画期的な技術ということで現在進めております。
○松野明美君 私、基本法の登壇のときに、ゲノム編集とちょっと一言言ったら、ええっというようなお声をいただいたんですよ。やっぱり、それはちょっと反対だという方もたくさんいらっしゃると思いますので、そういう方からの、委員の意見もしっかりと聞いていただきまして、進めるのであればそのように進めていただければと思っております。 終わります。ありがとうございました。
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山でございます。 ここまでたくさんの、私も他の方の質問を伺っていてなるほどと思うところもありましたし、見落とした視点とかたくさんありました。そういう中で、繰り返しの質問もあるかもしれませんけれども、改めて、やはりここだけはきちっと御認識をいただきたい、できればしっかりとその提案を受け止めて何らかの形で見直しに結び付けていただきたい、そんな思いを込めて質問をさせていただきたいと思います。 改めて、農家の減少要因、これ何人かの方がもう既に質問しておりますけれども、果たして本当に人口減少なのか、ここは私疑問でしようがないんですね。人口減少下でも、例えば情報通信、医療福祉、こういった分野は労働者増えています。そしてまた、答弁の中では減少の七割以上が稲作関連だと、あたかも稲作は減ってもいいかのような答弁もありますけれども、それも私問題だと思うんですね。 兼業農家が地域で果たしている役割は大きいと、こういった御答弁もある中で、やはりいかに地域で農業に携わる方を増やして農村を元気にしていくのか、こういう観点が必要だと思いますし、改めて、その人口減少ではないやっぱり政策の要因とか、いろんな不安の中での要因というのが非常に私は大きいと思うんですけど、なぜ人口の減少によりというような限定を基本法に書くのか、改めてお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 農業者の減少の要因につきましての御質問をいただきました。農業の持続的発展を図るためには、委員がよくおっしゃるとおり、農業者の所得の向上が重要と考えておりまして、生産性向上や付加価値向上により収益性の高い農業を目指してまいります。 農業者の減少に関しましては、統計データで分析をしますと、繰り返しになりますけれども、基本法制定から約二十年で個人経営体の農業者である基幹的農業従事者は百四万人減少しましたが、そのうちの七十七万人、七割以上を稲作関連が占めております。そして、稲作は、機械化の進展等により兼業、高齢でも従事しやすく、比較的規模が小さい農家が続けてきたところでございます。こうした高齢の多数の稲作農業者がリタイアする局面にあったことが背景にあると考えております。 加えまして、我が国全体で高齢化、人口減少が進む中、若年世代における少子化による新規就農の減少や、企業の定年延長による定年帰農世代の就農の減少なども農業者の減少の要因と考えております。
○舟山康江君 ちょっと政務官にもう一回お聞きしますけれども、稲作関連はいわゆる機械化が進んだり効率化が進んだということで減っているということですけども、それは望ましい現象だということでよろしいんでしょうか。
○大臣政務官(高橋光男君) 望ましいか望ましくないかと、そうした議論ではなくて、実態としてそのような結果となったというふうに認識しております。
○舟山康江君 やっぱり私、ある程度皆さんに残っていただく、減らさない、増やしていくという、ここが非常に大事だと思うんですね。 また、今政務官からもお答えいただきましたけども、所得の向上、収益性の向上、もちろんこれはいろんな手段の中で目指していく。しかし、やはり今農業者が減少している背景には、その収益性が上がらない、そしてまた時々によって政策が変更してやっぱり現場が混乱する、収入が減る、先が見えない、そういった不安の中から、ある意味、借金のない農家、こういった方々がかなり先手を打ってもう離農しちゃっているんですね。そういったところにどう手当てをしていくのか。単に外的な要因、人口の減少が原因なんだということではなくて、やっぱりこういった政策変更による様々な要因等にどう手当てをしていくのか。 そういう中で、改めてこの法案で、五条ですけれども、人口の減少によると限定する必要、私ないんじゃないかと思うんです。その中でどうやって増やしていくのか。だって、人口が減るからしようがないんだ、では、手を打とうという意思も見えないわけですよ。農業者の減少をどう食い止めていくのか。そのために、皆さんがおっしゃるようなスマート農業もあるでしょう、収益性の向上もあるでしょう、でも、どうやって収益を上げる、所得を上げていくのか、ここを応援していくのがまさに政策のあるべき姿だという中で、やっぱり外的要因を一番最初に書くというのは政策の方向性を間違っちゃうんじゃないかと思いますけども、もう一度、政務官お願いします。
○政府参考人(杉中淳君) これ繰り返しになりますが、議員御指摘のように、農業者の減少若しくは農村部の人口減少というのは社会減と自然減の両方あるわけですけれども、現在では、農村部においては自然減というのが社会減を増すようになっております。 ここで規定されたものは、農業者についても高齢化が都市部と比べても進行しているという中で、いわゆる自然減による農業者の減少というのは、これは確実に起こるということで、全体として見た場合に農業者の減少というのは避けられない社会課題ではないかということで、こういった課題を正面に捉えて、危機感を持って食料の安定供給に取り組む必要があるという観点から、あえて人口減少という言葉を使って、これから取り組むべき課題ということで規定をさせていただいたところでございます。
○舟山康江君 じゃ、農村地域の人口の減少率と、いわゆる農家人口、農業者の減少率って同じなんでしょうか。(発言する者あり)
○委員長(滝波宏文君) 速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(滝波宏文君) 速記起こしてください。
○副大臣(鈴木憲和君) 済みません、今、突然の質問ですけれども、細かい数字はちょっとあれですけれども、私の記憶によれば、農村の人口の減少率よりも農業者の減少率の方が、何というか、大きいというふうに認識をしております。
○舟山康江君 まさにそうなんです。確かに農村地域、全国の人口減少率よりも高いですけれども、でも、農業者の減少率というのはもっと高いんですね。 そうなると、人口減少だから農家減ってしようがないという、そこをリンクさせるのはやっぱりおかしいと思うんですよ。それ以外の要因があると。そこにどう手を打っていくのかというところを考えるのがまさに国の役割であり、この基本法の中でしっかりと示すべきところだという中で、やっぱりこの言葉は私は削るべきだということを改めて申し上げたいと思いますけれども、大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) それぞれに理由があると思います。 この前も私はこの場で御答弁申し上げましたけれども、やはり今の六十代、七十代の世代、米農家が大変であります。その当時、中学生、当時はもう農家の子弟は黙ってそのまま農業高校に進学をしておりました。その世代が六十代、七十代、今なり、そしてそれが米農家、まだ米が食管制度の頃でございましたので、米農家でありました。それがそのままの形で減少する。 しかし、一方の方で、これは耕運機がやはり田植機になり、あるいはトラクターになり、様々なアタッチメントを取り付ける、こういう非常にやはり機械化された中で省力化が最も進んだのが米作りでもありますので、これから更に少なくなっていくこの六十代、七十代の後をどのようにカバーしていくかということがやっぱり一番大事なことであり、それに、そのためにスマート化、収益性、そして委員おっしゃいましたように、やはりそれに向けての国としてのしっかりとした政策をつくり上げる、このために今回の基本法をやはり制定して提案しているということであります。
○舟山康江君 私は今大臣のおっしゃったことを否定するつもりありません。 ただ、農家人口の減少を全体の人口減少というところに矮小化してしまうと思考停止になっちゃうんじゃないかと思うんですね。そうじゃない要因、そうじゃないところでどのように増やしていくのか、ここを考えるに当たって、私、わざわざここで人口の減少によるという限定を付ける必要はないということを改めて申し上げたいと思います。 さて、次に、米についてお聞きしたいと思います。 五月二十一日に公表されました一般財団法人日本米穀商連合会のアンケートによりますと、米穀店での米の仕入れに苦戦という流れになっています。問題なく仕入れできたというのが一五%のみ。そしてまた、三分の一が販売量が増えていると。同じぐらいという方と合わせると、四分の三以上が実は米の販売増えているということを言っているんですね。 米穀機構の最新の調査によっても、需給が逼迫していると。この数値がもう一年ぐらい前からどんと上がっているんですね。要は、供給もそんなに増えていない、まあそれはそうですよね、生産抑えているわけですから。そういう中で、需要は堅調なわけです。在庫量についても、今でも対応できないとか、三、四か月しか対応できないんじゃないか、在庫に不安を抱えている方々が、この調査によりますと七六%、もう四分の三。そうなると、やはり米、しっかりと確保していく必要があるんじゃないかと思いますけれども、この今の現状に対する農水省の認識について教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) いろんな報道の中で、米が入手しづらい、あるいは、米穀小売商の方のアンケートの中で、二割ほどが非常に調達に困難になっているという話がございます。 それは、昨年と、あるいは例年と同じぐらいの価格で調達するのってなかなか難しいというところがあるんですが、ただ、元々結び付きのある方のところは、ものがなくなるところまで今なっているかというと、そういうことではございません。今のその民間在庫の状態を見ますと、平成二十九年、三十年と、二十八年、二十九年と同じぐらいの今在庫水準でございまして、今逼迫している状況にはないんですけれども、ただ、欲しい銘柄、あるいは値頃感のある銘柄が今欲しいという中でなかなか手に入らないところも出てきているというのは承知しているところでございます。
○舟山康江君 地元のJA等にお聞きしても、売ってくれと言われるけど、実際ないんだよという声も聞くんですね。実際、需要量もそれぞれ主食用米、業務用米増えているという、こんな結果もあります。そう考えると、余っているから、余っているからというような状況から、やっぱり今変わってきているんだと思います。 とりわけ、コロナも一段落して、今インバウンドも増えています。インバウンドの方、日本に来て、パンを食べに来るんでしょうか。むしろ、やっぱり日本食、寿司、こういった米の需要というのはインバウンドの増加によっても増えてくると思うんですね。そう考えたときに、果たして、今までと同じような流れで、米は生産を少し抑制するということで果たしていいのか、ここは今、大きな転換点になっていると思います。 そんな中で、改めて、これは何度も、総理からも、また大臣からも、食料の安定供給の根幹、やはり穀物の中心は米だと、これは何度かお聞きをいたしました。そして、やはり米は、今言ったように需要も比較的堅調だということ、あわせて、今、気候変動の中で、比較的この温暖化、アジア・モンスーンのこの日本においては、非常にこの影響を受けにくい、これも米だということを考えると、食料安全保障の観点からも非常に重要性が大きくなっていると思います。低下することはないと思うんですね。 そういう中で、やはりこの畑地化。汎用化はいいと思いますよ、その時々によって、時には畑を作る、時にはまた水田に戻す、ブロックローテーションも可能になりますけれども、一旦畑地化すると、これ水田には戻せません。莫大な投資をしながら水路造って基盤整備して水田にして、それを畑地化をする、また元に戻すというのは非常に大変になる中で、今の申し上げました様々な事情の中で、やはり米を大事にする、畑地化というのは少し抑制していく、こういった方向が必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) まず、条文における畑地化についての説明を私の方からさせていただきます。 これも繰り返し何度か説明をしておりますけれども、これ第二十九条に規定をされている話でありまして、畑地化に当たっては、汎用化でやっていたような排水改良やパイプラインなどの基盤整備が必要であって、全体として汎用化と併せて畑地化も進めておりますので、基盤整備に関する施策として汎用化のほかに畑地化を追加をさせていただいたということでございます。 政策基盤の今後の方向性の観点から、既に畑地化のための基盤整備進めておりますので、これを削除するのは適当ではないというふうに考えています。
○舟山康江君 畑地化ということは、今、水田ということですよね。水田にするには、いろんな莫大な投資をしているわけですよ。黙っていれば何にも水が来ないところ、わざわざ水路引いて、ちゃんとそれこそ基盤を整備して、作りやすいようにしてきた、それを今回の政策の中で畑地にする。それは今までの投資を無駄にすることにもなると思いますし、また、まさに主食で、一番食料安保に大事な米がそこではもう作れなくなるということは政策判断としても果たして本当にいいのか、こんな気がするんですね。 しかも、畑地化に当たって、わざわざ土地改良の賦課金のその精算に、そこにも金使うというのも、これまた私考えられないと思うんですよね。何か無駄なお金ばっかり使って、果たして本当にこの装置を大事に使っていこうとしている思いがあるのか、こういったことを考えても、私は汎用化は否定しませんけれども、畑地化については、先ほど言った米の安定供給という意味でも、また食料安全保障の確保という意味でも、ちょっと方向性が違うんじゃないかという思いなんですけれども、大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 主食用米の需要が毎年減少する中でありますけれども、現在、水田は約二百三十万ヘクタールであります。このうち百五十万ヘクタールで水を張りまして、水稲、いわゆる主食用米若しくは飼料用米等が作付けされております。残り八十万ヘクタール程度が麦、大豆、野菜等が作付けされております。 こうした中、水田の汎用化を進めることで、稲、麦、大豆のブロックローテーションを行い、水田機能を維持しながら需要に応じた生産に取り組む産地も見られるところでございまして、一方の方でやはり収益性が高い畑作物を作付けするというようなことについては、この水田の水を張っている百五十万ヘクタールからすると、そして現在の麦、大豆、野菜八十万ヘクタールからすると、これは、それぞれの地域の要望に応じて、地域の選択に応じて畑地化する、あるいは汎用化するというふうなことでやっていただきたいというふうに思っております。
○舟山康江君 今大臣から、主食用米の需要量が年々減少するというお話がありました。 確かに、ここまで、統計等見ますと、年間八万トンから今十万トンぐらいですか、かなり減っていると。ただ、先ほど紹介させていただきましたとおり、今かなり主食用の需要も少し堅調になってきていると、前年より需要が増えているという、こういったデータもあるんですね。 そう考えたときに、やっぱり国がやるべきは、ここにもっと火を付けていく、やっぱり米の有用性を売り出していく、米粉用米だとか加工用米だとか、飼料用米もそうですよね。飼料に米なんかという声がありましたけれども、でも、世界を見てみると、どこの国も、自国で一番作りやすい作物が人の口にも入るし、動物の口にも入っているんですね。トウモロコシを家畜の餌にする国、小麦を餌にする国、ライ麦を餌にする国。 やっぱりそれは、各地域の気候風土に合わせた、飼料にも回しているということを考えたときに、やはり改めて、米をもっと、まあ人の口は変えられないとよく言われますけれども、でも、これは、政策としてまた需要の増加に向けて更なる発信をするということ、こういった努力が必要だと私は思いますし、その中であえて畑地化を法律に書き込むというのは、ちょっと私は違和感が拭えないんですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(平形雄策君) 舟山先生おっしゃるとおり、農地の大区画化、水田の大区画化、それから汎用化というのもとても大事なことでございます。 一方で、やはり水田を維持していく、投資はしたんだけれども、維持していくというのもやっぱり相当労力が掛かる。その中で、維持していく中で、例えばソバですとか一部の野菜ですとかあるいは飼料作物ですとか、その方が管理がしやすいという産地も出てきていることも事実だと思います。そういった産地に関しては、もう、じゃ、水田で必ず維持しなきゃいけない、あるいは汎用化でどうしても維持しなきゃいけないというよりも、畑地化を選択するのであればそれは一つの選択だと思いますし、そのための基盤整備というのは、望んでいるところには対象にするというのは、これから先の労働力、あるいはコストが掛かるこの時代の中で必要な選択肢ではないかなというふうに考えておりまして、今回の中に、汎用化とともに畑地化というふうに書いたんですが、これは必ずしも劣後しないという意味で書かれたんだというふうに考えております。
○舟山康江君 今、一つの選択とおっしゃいましたけれども、今政策によって畑地化をどんどん促進しようとしているんじゃないんですか。水張りの問題を契機として、もうこれ以上できないと、まさに農家をやめる、もう畑も田んぼもやめるということもあるんですね。そういう意味で、やっぱりここをもうちょっと大事にしていただきたいと思います。 そして、これ午前中も、総理にもお聞きしましたけれども、やはり食料の生産の増大、その役割はこれ大臣からも何度かお答えいただいていますけれども、やっぱり国内の生産の増大は今まで以上に大事だというのであれば、供給能力は、これ二条四項ですけれども、維持ではなくて、維持して向上、維持増大、まあこの言葉はどうでもいいですよ。しかし、この増大させる、向上させる、そういったニュアンスを含めていくことが大事ではないでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 二条四項のつきまして、これまた条文上の解釈になってしまうということを事前に御容赦いただきたいんですけれども、この二条四項の規定、追加したのは、国民の対する食料の安定供給を図るという観点からの輸出の役割を規定したものでございます。 今、国内の人口減少が進んでおりますので、国内の市場というのがどんどん縮小していると。国内市場向けだけの生産をしているということになれば、当然、農業生産というのも縮小していきますので、このまま生産基盤を縮小していくと、食料の安定供給というのが困難になるおそれがあると。そういう観点で、食料生産をしっかりやっていただく観点から、国内生産に加えて海外への輸出を図るということで食料の安定供給を確保するための基盤を維持すると、そういう意味で、食料の安定供給を図るということを言い換える形で食料の供給能力の維持という用語を規定をさせていただきました。
○舟山康江君 今の御答弁も何度かお聞きするんですけれども、私ね、今、日本の自給率が一〇〇%だったら、もう今飽和状態の中で人口が減れば、もう行き場がなくなるから輸出に振り向ける、何とかその生産を維持、それで維持するということがあると思いますけれども、今三八%なんですよ。人口が、要は分母がちっちゃくなれば、もうこの三八がもしかしたら四〇になるかもしれない、同じ生産量でもね、もう少し大きくなるかもしれない。でも、一〇〇じゃないんです。 そうなると、やっぱり今この自給率が低い状況の中で、更にその供給能力を上げていく、その手法としては国内の供給もそう、輸出もそう、それは両方あってもいいですけれども、やっぱり増やしていくんだと、今これ以上減らさずに。だって、何度もこの二条のところの、旧二条二項、今も二条二項ですけれども、そこの中でも国内の農業生産の増大は今まで以上に大事なんだと、これ何度も御答弁いただいていますよね。 だとすれば、この供給能力だって増やしていくということを明確に示すことは何ら矛盾がないと思います。いかがでしょう。
○政府参考人(杉中淳君) 議員のおっしゃるとおりでございまして、まず食料の基本法における基本理念としては食料の安定供給というのがございます。 食料の安定供給というこの御指摘のあった二項におきまして、国内農業生産の増大というのを基本としていくというのが規定をされておりますので、全体としての食料安定供給というのは、国産をもっと増やしていくことの重要性については確認をさせていただいているところでございます。 この四項につきましては、国内市場の縮小が全体としての食料安定供給というのに支障を及ぼすおそれがあるという観点から、重要なパーツである国内農業生産というのを、輸出を踏まえることによって、国民の視点から重要な全体としての食料安定供給を維持していくという観点から規定をさせていただきました。 そういう意味では、四項の中と二項を組み合わせていただきまして、政策として、国内農業生産、これ輸出も踏まえて増やしていくことで、より安定、安全保障を確保していくということについては御指摘のとおりだというふうに考えています。
○舟山康江君 全く私ね、本当いいんです、私別に輸出も否定していないし、ちゃんと作って国内の人に供給、輸出にも供すると、それで総合的にちゃんと生産の能力増大を図っていくと、何でそれが維持で止まっちゃうのか分かんないんですよね。 そういう意味では、同じ二条四項で、輸出もそうです、輸出の必要性というのは私否定していませんよ。でも、それも、別に人口が減少、国内の消費量が減少するから輸出ではなくて、増加しようが何しようが輸出をすればいいじゃないですか。何でわざわざ農業者の減少に対しても、輸出の必要性をうたうに当たっても、国内の人口が減るからという限定を付けるんでしょう。全く分かんないです。私、何か変なこと言ってますかね、どうですか、与党の皆さんも、変ですか、何か間違ってますか。 やっぱりこういうところは基本法なんだから、わざわざ何か小さく解釈するんではなくて、広く読めるようにするべきじゃないんでしょうか。
○大臣政務官(高橋光男君) ただいま委員から御質問いただいた基本法二条四項の輸出の目的と、この第二十二条でも定めているこの輸出の目的の関係でございますが、二条四項につきましては、ここで輸出を規定している目的は、今後国内の食料需要の減少が見込まれ、食料の供給能力が減少しかねないという文脈の中で、食料の供給能力の維持の手段として海外への輸出を図る旨規定したものでございまして、この条項自体が輸出の目的自体を私は規定しているものではないというふうに考えております。 一方で、この方向性を実現するための具体的な施策について定めた規定が第二十二条になります。この規定では、農業者及び食品産業の事業者の収益性の向上に資するよう海外の需要に応じた農産物の輸出を促進すると、輸出施策の、ここで目的を明記しております。 つまり、収益性の向上により、農業者、食品事業者等の持続的発展を通じた食料供給能力の確保、ひいては食料安全保障の確保を図ることが輸出の目的であると認識しております。
○舟山康江君 ちょっと私、今そんな質問していないんですね。輸出に関しては別に国内の人口が減るからではないんじゃないんですか、ということで、やはりそれは、国内の人口減のいかんにかかわらず、必要なものはやればいいし、売れるものは売っていくし、外に出ていくし、そういうことじゃないんですかということを聞いたんですね。 なぜそこで限定するんですかという質問なんですけれども、ちょっと副大臣、どう思いますか。
○副大臣(鈴木憲和君) 輸出はですね、輸出はですねというか、突然振られたんで。 まず、輸出は何のためにやるかといえば、一つ私たちの問題意識として言えば、国内が人口減少によって国内マーケットが縮む可能性があるので、そのときにも、基本的には、私たちの供給力があれば、縮んだマーケットに対して供給し続ければ価格の暴落ということになりますので、ちゃんと外に出すということでしっかりと供給力と需給のバランスを保っていこうという問題意識が一つあります。 ただ、それから先、更に進みまして、舟山先生がおっしゃるように、いかにして稼いでいくのかという観点も当然あるものだというふうに思っております。
○舟山康江君 いや、もう何度も申し上げていますけど、だって今自給率がもう四割ないんですよね。マーケットが縮小したところで、まだまだ国内の要は需要はあるんです。だから、そういう中で、輸出は別に、人口が減少するから輸出に力を入れるんじゃないんでしょうということを言っているんですけどね。 だから、私はここに、二条四項のところ、それから五条一項、わざわざ人口の減少ということを限定的に書く必要はないんじゃないんですかということを何度も言っているんですけれども、なぜ分かってもらえないのかなというか、なぜわざわざ小さく小さく解釈するのかな、全くよく分かりません。 自給率についても、これ重要な指標という御答弁もありましたけれども、現行法ではこれは国内の農業生産及び食料消費に関する指針と言われているんですね。重要な指標の中でも、もうこれ指針と言われているんです。その位置付けは今回の改正で変わるんでしょうか、変わらないんでしょうか。端的にお願いします。
○政府参考人(杉中淳君) この国内生産と国内消費に関する指針という位置付けは変更ありません。
○舟山康江君 ないということなんですね。 何か修正案に関してはいろいろ書いてあって、指針という言葉も消えちゃっているんですけれども、指針という言葉がないけれども、思いは指針なんだということで確認させていただいていいですね。
○政府参考人(杉中淳君) ちょっと解説をさせていただきますと、現行の基本法においてこの指針という言葉が入ったのは、自給率の導入に当たって様々な議論が審議会等であって、この取組というのは国内生産だけではなくて消費者の消費行動の変更と、そこも併せてやらないといけないんだという議論が強くあったと、そこを確認するためにあえてこれは生産と消費の両方の指針で両方の関係者が努力をしなきゃいけないということを確認的に規定したと。 この考えについてはもう自給率等の中で定着をしておりますので、ここについては、引き続き食料自給率の向上を図るという規定の中で、その考え方を変えずに、引き続き生産と消費に関する指針ということで向上に向けた努力を続けていきたいというふうに考えています。
○舟山康江君 ありがとうございます。 今のもそうですけれども、指針であれば指針という言葉を入れてもらいたいですよね。増大という思いが込められていれば増大と書いてほしい。農村の役割も、生産だけじゃなくて産業の振興もあるというなら書いてほしい。もう全部そうなんですよ。解釈で判断してください、そういう解釈で、というんだったら明示的に書かないと、一般の人が読んでも分からないんですね。 そういう中で、ちょっと今農村のところに行っちゃったんで、農村の話をもう一回確認をさせていただきたいと思いますけれども。 大臣からも、前回の質疑でも、農村の振興は地域政策の総合化を図ることが重要、農林水産省において、それ、農林水産省以外の施策とも連携しながら今後も取組を進めてまいりたいという御答弁をいただきました。つまり、極めて農村振興は幅が広いということを確認させていただきました。 そして、また同じく大臣からは、六条にも、現行六条にも、この産業の振興、地域の振興、こういったものも含まれてありますと、こんな御答弁もいただきました。 ところが、先日、事務方からは、六条の基本理念に関しては、農業に関するという極めて限定的に書いていると、こんな御答弁だったんですね。 おかしくないですか、幅広いと言いながら何で六条だけ限定的なのか、全く理解できないので説明ください。
○政府参考人(杉中淳君) 六条の基本理念でございますけれども、農村施策について、食料・農業・農村基本法の中でどう制定して講ずるのかという観点からは、国民の視点に立った食料の安定供給、そのために農業と農村が役割を果たすという観点から、基本理念においては農村施策の必要性について規定をしております。 農村とは、やっぱり農業が営まれる場というふうに書いておりますので、農村の基本理念は、農業との関係で農村振興の大きな方向性を果たす、基本理念とはそういう規定を、限定をしておりますので、農業以外の産業の振興について直接的に規定はしておりません。 ただ、今回は、そういった農村の振興に当たっては、現行を考えると、地域社会を維持しなければならないという状況認識を新たに規定をしてそこを追加しておりますので、地域社会の維持の一つの方策として、四十三条二項において、具体的な施策として、農村との関わりを持つ者の増加による産業の振興ということを位置付けたというものでございますので、地域社会の維持を図るための方策として様々な取組を行っていくという観点から、議員御指摘の産業振興ということの農村施策の重要性についても規定をしたという認識でおります。
○舟山康江君 そうすると、六条はあくまでも基本理念ですよね、基本理念。言葉としては農業に関連するということを極めて限定的に書いているものの、大臣からも御答弁いただいたように、この基本理念の中には産業の振興全体、地域の振興全体という思いもそこにどんと入っているという理解でよろしいんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 御指摘のとおりだというふうに考えております。
○舟山康江君 入っているというなら、それは考え方としては理解いたしました。だったら、ちゃんと書いてもらいたいなというのは、もう本当に繰り返しですけれども、もう本当に思うんですよね。農村振興局長だってそう思うでしょう、思いますよね。書くべきだと思うんですよね。 先ほど、これよくじっくり議論して提出させていただいたので、あとは立法府でお決めいただくというお話がありました。でも、これ閣法を内閣、提出者が修正できないことはないんですね。残念ながら今衆議院で通っちゃったので、なかなかこれ難しいんですけれども、本来議論の中で、ああ、なるほど、その視点抜けていた、ああ、これこうした方がいいというのであれば、これ修正できますから、そういう意味では、改めて、本当に先ほど松野さんの御指摘を聞いていて改めてはっと思いましたけれども、この審議何のためにやっているのか。今提出された法案がより良くなるためにやっているわけですから、まあ今衆議院で通っちゃったので、ここで提出者たる内閣が修正できないにしても、やっぱりこの現場で、ああ、なるほどというところは修正するような、そういう度量の広さを私は与党の皆さんにも持っていただきたいなと本当に心から思います。 そして、農業のいわゆる担い手についてお聞きしたいと思います。 これ、農水省は、政府は担い手とそれ以外の多様な農業者と分けていますけれども、このそれ以外の多様な農業者、これは農業以外で生計を立てている自給的農家、兼業農家ということなんですけれども、二十六条二項のちょっと解釈について教えてください。この方々の役割は生産にも係っているのか、農地の確保だけなのか、これ条文の解釈なのでよろしくお願いします。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 今御指摘いただきました基本法改正案第二十六条第二項でございますけれども、望ましい農業構造の確立に向け、担い手と担い手以外の多様な農業者がその役割に応じて農業生産活動を行うことで農地の確保を図っていただけるよう規定しております。ということで、この担い手以外の多様な農業者の役割は農業生産活動にも係っていると考えております。
○舟山康江君 分かりました。 じゃ、多様な方々にも生産も頑張ってもらいたいということなわけですよね。じゃ、こういう方々は、経営所得安定対策、この対象になっていないんですけれども、これは何でなんでしょうか。それ以外の多様な農業者の方々は、その重要な農業生産活動に当たって、まさに諸外国との生産条件の差があるときのいわゆるゲタ、ナラシ、この対象になっていない中で、どういう手法で助けていただけるんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 我が国の農業を安定的に発展させ、国民に対する食料の安定供給を確保していくため、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立することとしております。このような観点から、経営所得安定対策は、担い手経営安定法に基づき、経営意欲と能力のある担い手として、認定農業者、認定新規就農者、集落営農を対象に実施しているところです。 ただ、これらの対象者については、平成二十六年の改正を行いまして、一つは、規模要件、当時課していたんですが、規模要件を課さないということにいたしました。また、集落営農の要件についても、法人化が確実であること等に絞りまして、多くの方々が入れるように、特に集落営農につきましては中小農業者であっても幅広く加入できるような、そういうふうな要件改正をしたところでございます。 一方、担い手だけではカバーをし切れない農地については、改正法の二十六条第二項に位置付けたように、兼業農家を始めとする多様な農業者に保全管理を適切に行っていただくということの重要性が増しておりまして、農地の保全に向けた共同活動の促進のほか、経営体をサポートする農業経営サービス事業体の育成、確保などの施策を講じていくように考えております。
○舟山康江君 今の御答弁は、まさにその生産基盤である農地をどう維持するかというところには役立つのかと思うんですけれども、だって、生産活動にも非常に期待をしているわけじゃないですか。そういう方々が生産継続できるための後押しというのは、政策はないんですよね、ゲタ、ナラシのようなもの。そこをなぜ分断するのか。担い手とそれ以外ってどうして分断するのか。さっきもそうですよね。それこそ障害者とそれ以外と何で分断するのか。同じですよ。分断せずに、やっぱり地域の中では、まさに兼業農家、高齢農家、本当に、農業が生計の主体じゃないかもしれないけど、そういった方々が地域においてPTA活動だったりとか消防団活動だったりとか、本当に重要な役割を果たしているんです。 この人たちが、じゃ、もうこれ継続できないからやめたとなくなっちゃったらどうするんでしょう。ここを支えることこそが私は農村のために必要だと思いますが、いかがでしょう。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、担い手、それから担い手以外の多様な農業者についても、農業生産活動を行うことでこの農地の確保、保全を図っていただくということで、我々、大変重要な役割を果たしていただいていると認識をしております。 ただ一方で、今先生の方からお話がございましたけれども、我々、そのいわゆる担い手というのは農業で生計を立てている農業者ということで捉えております。 一方で、農業以外で生計を立てている多様な農業者ということで、今回、この基本法の中ではこういった条項を分けて規定をしているということになりますけれども、そういったところに着目した場合に、それぞれに必要となる施策というのは異なってくるというような側面はあるということで、やはりそれぞれの実際の経営とかそういった実態を踏まえて必要な施策を講じていく必要があると、そういうふうに考えているところでございます。
○舟山康江君 改めて、現行基本法で、まさにこの担い手とそれ以外分けたわけですよ。今その必要あるんですか。人が減っている、どうやって増やしていくのか、どうやって新規就農を増やしていくのか。こういった人の確保が大事な中で、分断するのではなくて全体の底上げを図る、こういったことに私はかじを切るべきだと思いますし、もう一つ言えば、二十七条もさっぱり分からないんですよね。専ら農業を営む者、そこを後押しする。じゃ、専ら農業を営んでいない兼業農家はどうなんですか。そこだって大事なんじゃないですか。
○委員長(滝波宏文君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。
○舟山康江君 そういう分断の政策はもうおやめいただきたいということを最後に申し上げまして、時間になりましたので、終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 今日は、水田活用交付金の見直しと畑地化についてお聞きします。 この交付金の見直しを発表して以来、減反してくださいという国の政策に協力をしてきた地域からは怒りの声が上がりました。見直しについては、五月二十一日に行われた岩手県の地方公聴会で、五年に一度の水張り問題はない方がいいと、こういう意見が出ました。そして、やむなく畑地化に協力する地域からは、土壌条件が悪い地域は畑地化して農地が残せるんだろうかと、米と畑作物の生産価格をどうやって埋めるのか、あるいはブロックローテーションの体系が確立できるんだろうかと、こういった畑地化に対する戸惑いや不安が続いているわけです。 畑地化の支援は、十アール当たり十四万円がまず一回のみ。そして、定着をするためということで、年に二万円ずつ、五年間で十万円と。合計すると、二十四万円の支援だけです。その先の見通しは示されていません。 これで、大臣、畑地化する意欲というのは生まれてくると思いますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 水田政策につきましては、水田機能を維持しながら、稲、麦、大豆等の作物を生産する水田については、水田でのブロックローテーションを促す一方で、畑作物のみが連続して作付けされている水田については、畑地化促進事業等によりまして、産地化に向けた一定期間、今委員が言われました五年間の継続的な支援や畑地化基盤整備の支援を行っているところであります。 現在、各地域の主体的な判断を踏まえまして、ブロックローテーションや畑地化の取組のいずれも後押ししているところであり、昨年末の食料安定供給・農林水産業基盤強化本部で、まずは令和九年度までこれらの施策を集中的に推進することとしたところであります。 その上で、令和九年度以降の水田政策につきましては、食料安全保障の強化を図るため、水田を活用した米、麦、大豆等の生産性向上や主食用米の供給調整を効果的に進めていく観点から、将来にわたって安定運営できる水田政策の在り方をあらかじめ示すことができるよう検討し、その実現を目指していく考えであります。
○紙智子君 るる説明されたんですけれども、これで本当に意欲になるのかなというふうに思うんですよ。 日本農業新聞は、四月八日付けで、助成期間は五年限り、ソバなど恒常的な助成なしでは赤字の懸念がある、山形では耕作放棄地が増えるなどの懸念がこれ相次いでいると報じました。こういう懸念というのは、もうずっと続いているんですよ。なくなっていないわけです。 昨年、北海道で、地域で話し合って、ようやく畑地化に協力することにしようかというふうになったんですけれども、そうしたら、今度は国の予算が足りないと言われたんですよね。政府が慌てて、その後、補正で追加予算を組みました。畑地化促進事業の配分がそれで行われているわけですけれども、ここ、全国と北海道のその配分の面積を教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 令和五年産の畑地化促進事業につきましては、令和五年度の補正予算で七百五十億円を措置いたしました。畑地化の要件が整った全ての交付申請、全国でいいますと、約三・五万ヘクタールに対して配分通知を行ったところであります。このうち北海道につきましては、配分通知を行っている、全体の約七割に当たります約二・四万ヘクタールに対して配分通知を行っております。
○紙智子君 今お話あった北海道の面積は二万四千四百ヘクタール、面積で七割とおっしゃいましたよね。 今まで減反に協力してきた地域がこれ畑地化に切り替えたとしても、簡単ではないと思いますよ。畑地化が北海道の水田地域やあるいは生産者に与える影響は大きいと思います。これ大きいと思いますけど、大臣、どうですか。
○政府参考人(平形雄策君) 北海道、かなり多くの部分が北海道から来たんですけれども、北海道の場合は、畑地化したときに、麦、大豆もそうですし、ソバですとか、そういったものになりますけれども、そういった作物は基本的にはゲタ対策の対象になっておりまして、これは、何か、五年間過ぎた後についてもゲタの対策の対象になっているところでございます。 そういったところを活用しながら、今後も品代と交付金でやっていけるという見通しが立っているようなところは、割合と畑地化に手を挙げられている方が多いんじゃないかなというふうに考えます。
○紙智子君 ないんじゃないかなと言うんですけど、ソバとか牧草とか、やっぱり大変ですよ。畑地化をめぐる混乱というのは簡単には収まらないというふうに思います。 それで、ところが、今回、基本法の改正案を出したと思ったら、畑地化という用語を追加していると。改正案は、今話にもありましたけど、第二十九条に農業生産の基盤の整備及び保全に係る最新の技術的な知見を踏まえた上で畑地化も進めるという規定を置きました。なぜ畑地化ということを規定したんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 水田政策においては、各産地に産地化の検討を今していただいております。その中で、水田の汎用化を進めることで、稲、麦、大豆のブロックローテーション、水田輪作を行っていただく地域も多いんですけれども、一方で、ソバあるいは一部の野菜など、湿害に弱い、連作障害が、それでも連作しても起きにくいと言われるような作物を作っているところに関しては、水稲とのブロックローテーションを行うより畑地で永続的に作付けをした方が、一つは、収量だとか品質が湿害がないので安定するという話ですとか、水管理の手間が省けるといったことも声としてお聞きいたします。そのような産地に関しては、畑地化に取り組んでいこうとするところについてのその判断を尊重したいというふうに考えております。 今後、労働力の確保が課題となる中で、水田の汎用化とともに畑地化についても後押ししていくというふうに考えておりますので、今回の二十九条に汎用化と並べて畑地化についても規定を盛り込んだところなんですが、この規定は生産基盤の整備に関する具体的な施策を規定するものでありまして、強制的に行うことを考えているものでもございません。各産地の主体的な判断を踏まえて、水田の汎用化、畑地化、いずれの産地も後押ししていくと、その考え方には変わりはございません。
○紙智子君 畑地化と汎用化とは違うと思うんですよね。なぜあえて畑地化を入れたのかと。これは私、財政当局の圧力の中で、水田活用交付金の見直しが迫られたことから畑地化を規定したんじゃないのかなと思っています。 畑地化というのは一体何かと。土壌がどう変わるのか、論文がいろいろ出されているんですよね。それ見ますと、畑地化方式は、転作圃場を固定化し、基本的には復田を想定しない、これ北海道立の研究機構が出しています。農地環境工学という本の中では、畑地土壌では同じ作物を連続して何年も栽培すると病害などによる連作障害が起こるが、水田では稲の連作が可能である、水田から畑利用にするときの転換によって土壌の変化が生まれる、化学性、特に有機物の分解、土壌養分の溶脱、ちょっと溶脱って難しくて、調べてみたら、この鉱物の中の原子がイオンとなって水に溶け出す作用と書いてあるんですけど、そういうことから肥沃度の低下をもたらして、生産力も転換後二年から三年をピークに次第に低下するというふうに書かれているわけなんですよ。 畑地化というのは、そういう意味では、技術的にも解決していない問題があるんじゃないですか。いかがでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 畑地についていろんな論文があることは事実なんですけれども、今、水田の汎用化の中で、稲、麦、大豆、ブロックローテーションを組んでいただいて連作障害を回避するですとか、農薬の投入量を減らすということをやっているんですが、元々、北海道は、オホーツク、十勝は畑地帯でございます。このオホーツク、十勝の中では、畑作物の中での輪作をやっていただいています。四輪作あるいは三輪作という形になっております。そこの十勝、オホーツクは、実は水田地帯よりも麦も大豆も単収が高い、しかも品質がいいというようなことございまして、必ずしも畑地化になると収量が悪くなって品質が悪くなるということじゃなく、逆に畑地化をうまく生かして、輪作をしながら、連作障害を避けながら品質の向上を図っているところもかなりあるというふうに認識しております。
○紙智子君 輪作体系のお話しされましたけどね、これはもう北海道で昔から生産者自身が編み出してきて、それを大学の先生がしっかり分析をして、そういうふうに定式化してきたということですから、生産者自身が生み出してきた努力の中のたまものだと思うんですよ。 それで、輪作体系でやってきているところは回っていると。土地によってはうまくいっているところもあるけれども、うまくいかないところだってあるんですよね。畑地化したけれども適していなかった、そういう場合は一体どうしたらいいんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 今回、畑地について地域の中で判断をしていただいて畑地化するかどうかということなんですが、我々の方もすぐ、じゃ、一年以内に答えを出せというわけではなく、地域の中で今考えていただいて、令和四年の補正から始めておりますけれども、これ一年強進めておりますが、今年についても畑地化の対策は取っておりまして、地域の中で本当にこれやっていけそうかどうか、畑地化してもやれそうかどうかというのを考えていただいて、地域の中で判断していただいたことを我々としても尊重したいというふうに考えています。
○紙智子君 まあ考えていただいたことを尊重するということで、それはそうだと思うんですよ。ちゃんと合っていなかったら、もう収穫はできなくなってしまったりするわけですから。ただ、適していない場合の解決策というのはちゃんと示すべきだと思いますね。話し合ってもらって、減収になったりするわけですから。そこはやっぱり対策を考えてほしいと思います。 それから、水田は、高温多湿なアジア・モンスーンの気候風土に適した土地利用型農業だというふうに思います。また、自然災害が多発する中で、田んぼダムとかいう形で水田の役割が強調されていると思うんです。土地改良によって田畑転換というのは可能だと思うんですけれども、アジア・モンスーン地域の気候風土から考えて、固定的にこれ畑地化するという必要はないのではないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 水田としてブロックローテーションで続けていくのか、あるいは畑地化していくのか、それぞれの産地において考えていただいているところです。 具体的には、各産地の土地条件等を踏まえながら、どのような作物を生産するのか、団地化を含め、どのように農地を利用していくのかなど、地域の農業の将来の在り方を見据え、各産地において協議いただいているところです。 農林水産省といたしましては、畑地化一辺倒ではなくて、土地条件等も踏まえまして水田の汎用化を進めていく産地に対しましてもこれまでと同様の後押しをしていく考えであります。それぞれの地域で、県や団体等々のやっぱり御指導、こういったものも出ていると、あっているというふうに考えております。
○紙智子君 岩手の公聴会のときにも出ていましたけれども、農地というのはその地域で条件が違っていると、中山間地もなかなか難しいと、畑から水田に無理に変えてもうまくいかないところもあると、こういうふうに公述人の皆さんが実感込めて話されていたわけです。ですから、私、畑地化をやっぱり一律に推進すべきではないと、ちゃんとやっぱり聞いて、無理なところはそうさせないということも含めてきちんと指導しなきゃいけないと思います。 それで、次に、麦、大豆などの生産対策についてお聞きします。 岸田文雄総理は、二〇二二年の十二月の食料安定供給・農林水産業基盤整備化本部でなんですけれども、輸入依存からの脱却に向けた肥料、飼料や麦、大豆などの国内供給力の強化など、農業構造の転換を力強く進めるというふうに発言をされていますよね。この力強く進めるということでは本気度が問われることになるんですね。 これ、大臣も同じ考え、認識でしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 総理の御答弁、発言のとおりでございます。
○紙智子君 それで、農林水産省は、二〇〇〇年から、麦、大豆、飼料作物の本作化ということを掲げていました。最高で十アール当たり七万三千円の支援がありましたけれども、それでも国内生産は伸びていません。例えば、小麦の需要量は六百から七百万トンなんですけれども、国産は九十万トン前後。六百万、七百万トンに対して、国産は九十万トン前後、輸入が五百万トン強と。 どうして、これ、国内の生産が増えなかったんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 農林水産省では、平成十一年に、水田を中心とした土地利用型農業活性化対策大綱というものを取りまとめました。水田における団地化、担い手への土地利用集積、水田の高度利用を進め、麦、大豆の本格的な生産の定着拡大を図る、そういうふうにしておりました。その結果、実は初めの数年間、まあ三年間ほどなんですけれども、作付面積、生産量とも急激に増加をいたしました。ただ、それ以降は十年ぐらい伸び悩んだところでございます。 これ、私、実は担当しておりまして、その反省も含めて申し上げますと、一つは、転作助成金をかなり、委員御指摘のとおり増額をして、増産はしたんですが、必ずしも需要のニーズを踏まえたものとはなっておらず、ミスマッチを起こしてしまったということ。それから、水田地帯の十分な排水対策技術が励行されておらずに、年産ごとの生産量と品質の変動が大きくて安定供給が図られていなかったというところがございます。 このような反省を踏まえて、平成二十年代から、例えば小麦であれば、きたほなみ、ゆめちからといった新品種の普及、これを進めるとともに、令和二年度の補正から麦、大豆の生産性向上プロジェクトというものを農林水産省始めまして、湿害ですとか病害虫に加えて、作業効率の向上に対処するために小麦、大豆の作付けの団地化、それから排水対策、こういったものを支援しているところでございます。 この効果もあってだと思うんですけれども、作付面積、生産量とも増加に転じまして、最近の生産量は、小麦は令和十二年の目標を上回る令和五年で百九万トンまで達しておりますし、大豆についても五年産で二十六万トンと、順調に増加をしてきているところでございます。
○紙智子君 最近は、そういう増えてはきつつあるんだという話なんですね。 それで、需要量はおおむね六百万トン半ばだと思うんですよ。それで、それなのに、国産小麦の生産量が増えてはいるといっても、まだ、百、さっき、九万トンですか、という話でいるわけで、それってどうしてなのかなというふうに思うんですけど、WTO協定の中でカレントアクセスが設定されているということがあるんじゃないのかというふうに思うんですよ。 そこで、カレントアクセスというのは一体何かと、数量はどれぐらいなのかということを説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 WTOにおける小麦のカレントアクセスでありますけれども、ウルグアイ・ラウンド交渉の結果、初年度、一九九五年度なんですが、五百五十六・五万トンの枠が設定されまして、以降、一定数量が拡大しまして、二〇〇〇年度以降は五百七十四万トンの枠が設定をされております。 カレントアクセスによる輸入の実績は、二〇二二年度で四百八十万トンというふうになっております。
○紙智子君 アクセス数量が今五百七十四万トンということなんですけれども、小麦について、近年のメガ協定、TPPの合意内容、これについて説明をしてください。
○政府参考人(平形雄策君) 全部がちょっと、すぐ説明できるかと思うんですけれども、小麦については、カレントアクセス四百八十万トンになっているんですが、ちょっとTPP以外も含めて実は国際協定幾つかありますので、ちょっとそれもまとめて御説明いたします。 五百七十四万トンのカレントアクセスの枠の中には飼料用の小麦というものも入っておりました。日豪のEPAが合意した際に、飼料用の麦の約五十万トン程度が国家貿易から民間貿易に変更になっています。また、CPTPP、それから日米貿易協定等に基づきまして、カレントアクセスとは別の国別枠というものが設定されております。これ、合計すると三か国で約二十五万トンございます。 こういったことが設定されておりまして、今このカレントアクセス五百七十四万トンなんですが、全部満たさないというか、いろんなところに実は分散をしているというような形になっておりまして、そんなふうな形になっております。
○紙智子君 TPP枠でいうと、これは七年後以降もっと変わってくるわけですよね。これ、七年後ということはいつになるんでしょうか。
○委員長(滝波宏文君) どなた答えられますか。 じゃ、速記止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(滝波宏文君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(平形雄策君) 七年目は二〇二四年四月一日からですから、今ここで七年目になりましたので、CPTPPの豪州、カナダは五万トンで、もうこれ以降はこの数字が増えません。また、米国についても、日米貿易協定に伴いまして十五万トンの枠がありますけれども、これも今後増えません。ここの状態で設定終了ということでございます。
○紙智子君 今年からということで、この枠があって、それで、TPP枠以外にも日EU・EPAの枠もあると。カレントアクセスやTPP枠などのこういう枠があるのに、だから、入ってくる枠があるのに、どうして国産に切り替えられるんでしょうか。国産増産できるんでしょうか。ずっと入ってくるわけですから。それはどうですか。
○政府参考人(平形雄策君) カレントアクセスの場合、元々設定したときに、米のミニマムアクセスと違いまして、もうほとんど九割方が輸入する小麦があった中でのカレントアクセスの設定でしたので、当時、ほとんど入ってきた量をそのまま設定したような状態になっております。 それに対して、現在のところ、枠に関しては大体八四%ぐらいの今状態になっておりますけれども、その間のところで、我が国は、輸入依存度の高い国産小麦の生産を拡大するという方針の下に、先ほど委員が御紹介していただきました一九九九年の頃の本作化というところで、当時五十万トン台のものを今百万トン台まで伸ばしてきておりますけれども、これに関しては、食糧法に基づく麦の需給に関する見通しというものが策定、毎年しておるんですけれども、この中で、国内産麦では量的又は質的に満たせない需要分について、国家貿易により外国産麦を計画的に輸入するという、そういう方針を今立ててやっております。 そういった意味で、国産の小麦の生産拡大を進めているわけなんですけれども、もちろん、小麦のWTOにおけるカレントアクセスの枠の運用ですとか、CPTPPに基づく国別枠の国家貿易の運用に関する先進国からの、輸入先国からの理解も得ながら、こういった国産の増加に取り組んでいるところでございまして、このカレントアクセスがあるから国産のところが伸びないという形では今ないというところでございます。
○紙智子君 どうやって国産に切り替えて、もっと国内を増産するかということとの関係でいうと、避けて通れないんですよね、そこの、どうするのかということは。 それで、実際に、その麺、製粉業者、麦を手に入れる業者の人たちというのは実需者ですよね、食品事業者のニーズがすごく問題になるわけで、そのニーズがあった小麦の輸入が増える可能性というのはあると思うんですよ。今までだって、国産でもっと増やそうと言うけど、いや、売れていかないんだと、何で売れないんだって聞いていったら、それは製粉会社が外国のものの方が使いやすいっていって、そっちを買っているから国産がはけていかないという話だったわけですよ。だから、そういう状況というのが解決されていかなきゃいけないわけなんですけど、そこで、やっぱり輸入依存を変えるためには本気の政策が必要だと思うんですね。 一九七〇年代に世界の食料危機があって、それを受けて増産に取り組んできた時期があると思うんです。農林水産省は、一九七五年、このときに、食糧問題の展望と食糧政策の方向というのを出しています。そこでは、自給力の維持向上を図るためには、まず一つは、土地、水などの必要な資源を確保して維持管理すると、それから二つ目は、裏作の拡大などと利用の高度化を進めることなど、特に麦、飼料作物を中心として、水田裏作の計画的拡大を図る、表作と裏作の作付け期の調整ないし一貫経営の育成、農業従事者の確保と所得の補償ということを掲げているわけなんですよね。 この裏作を進めるにしても、耕地利用率を引き上げていく必要があるんだと思うんですけど、現在、これ一〇〇%を切っていますよね。それはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 耕地利用率なんですけど、麦については、委員おっしゃるとおり、関東以西で、水稲の裏作で同一圃場で一年間の間で栽培可能ということ、東北ですとか北陸でも二年三作の体系に組み込むことができるような、耕地利用率を高めることのできる作物だというふうに思っています。 委員御指摘の耕地利用率は、昭和三十年代に一三〇%を超えていたんですが、一貫して低下をしておりまして、平成六年に一〇〇%を切りましたが、最近十年ほどは九二%弱ぐらいでとどまっているというような状態でございます。 耕地利用率は、水稲、麦、大豆等の統計調査対象となっている品目の延べ作付面積の割合であるんですが、近年、麦の作付面積は増加しているものの他作物の作付面積が減少していて、耕地利用率が減少しているという、今そういう現象が起きておるところでございます。
○紙智子君 今おっしゃっていたように、昭和三十年代は一三〇%を利用率って超えていたということなんですよ。 だけど、一九六一年の旧基本法で選択的拡大という政策を打ち出したことによって、これ耕地利用率が減ったんじゃないのかと思うんですけれども、この点、どうですか。
○政府参考人(平形雄策君) 委員御指摘の耕地利用率なんですが、一九五六年、昭和三十一年に一三七・六%なんですが、令和四年、六十六年間で九一・三%まで低下ということでございます。 これ耕地面積が、この昭和三十一年と令和四年の六十六年間で、耕地面積が六百一万ヘクタールから四百三十三万ヘクタールに二八%減少する一方で、農作物の延べ作付面積が八百二十七万ヘクタールから三百九十五万ヘクタールに五二%、半分以下に減少したというふうになっております。特に、小麦、大豆は、この昭和三十一年と令和四年の間で、小麦は六十六万ヘクタールから二十三万ヘクタールに、大豆は三十八万ヘクタールから十五万ヘクタールに減少しています。 この耕地利用率とその選択的拡大の関係なんですが、実は昭和三十年代から四十年の半ばまで米が自給できていなくて、米の作付面積を増加する一方で、麦、大豆の作付面積は激減したという時代がございました。その後、需要量が減少している中でも、米価政策については買入れ価格を引き上げるような政策をずっと取ってきておりまして、これが昭和四十年代の後半から昭和五十年代後半まで期間あるんですが、実はこの間も、ずうっと実は耕地利用率、一貫して下がってきているというところになっておりまして、実は選択的拡大の政策が耕地利用率の低下の要因にどうなっているのかって、ちょっと一概に今言えない状態だというふうに考えています。
○紙智子君 まあ一概に言えないということなんだけど、実際、この選択的拡大の政策を取って、六〇年以降でいうと、今その面積がどんどん下がってきたという話ありましたけど、実際、それに伴って自給率は、大豆でいうと、当時、六〇年代当時というのは四〇%ぐらいに近かったと思うんですよ、三九%ぐらいだったんですよ。それが、七〇年に入ったら、もう九%まで下がってきたし、大豆だって、そういうふうに同じ流れで示してきたということでいえば、私、やっぱりこの政策取ってきたというのは大きいんじゃないのかなというふうに思うんですね。 それで、食糧問題の展望と食糧政策の方向というのを農水省出していたわけですけれども、途中、その段階だけちょっとだけ増えるんだけど、その後また減少の一途ということだったと思うんです。その後も、麦、大豆の本作化を掲げたんだけれども、なかなか成功するとならないで来た。 そこで、麦類、大豆の生産を拡大するためには、やっぱり耕地利用率を上げていく、それにふさわしく予算も付けると、そして生産を拡大する必要があるというふうに思うんですけど、大臣、これ、どう思われますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 我が国の食料安全保障の強化のためには、輸入依存度の高い小麦、そして大豆等の生産拡大など、国内の農業生産の増大を図っていくことが不可欠であります。 そのためには、農地を有効に活用していくことが重要であります。水田機能を維持しながら、稲、麦、大豆等の作物を生産する水田につきましては、二毛作や二年三作等に必要な排水対策技術の導入や作付けの団地化等によりましてブロックドローテーションを促します。そして、排水性や作業効率を高めまして、収量と品質の向上を目指し、畑地化を進める産地に対しましては一定期間の産地化の支援を、先ほど言いましたように行っているところであります。 さらに、今国会でこの食料・農業・農村基本法改正案を成立させていただきましたならば、それを踏まえまして策定される次期基本計画で、これまでの生産状況を踏まえて、小麦、大豆の作付面積拡大に係る意欲的な目標を設定し、海外依存度の高い小麦、大豆の国内農業生産の増大に向けて、必要な予算の確保に努めてまいります。
○紙智子君 うんと生産を拡大していくということはそうだと思うんですけれども、それやるために必要な計画や予算を、伴う予算をちゃんと強めていかなきゃいけないというふうに思うんですね。 それで、同時に、小麦は実需者からは量や品質が求められているということがあると思うんです。それで、この点でも、一九六一年の旧基本法が選択的拡大という政策を進めたことによって、実は輸出国と比べて品種の改良が遅れたんじゃないのかなと、なかなか品種改良は止まっていたんじゃないのかなというふうに思うんですけど、その辺どうですか。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 品種開発は非常に時間が掛かります。一九六一年以降も小麦と大豆の品種開発は継続されております。特に、先ほどありましたように、稲を植えるために早くわせ化しなきゃいけませんので、わせ化とか、あと委員御指摘のように品質向上につながる品種開発を推進してまいりました。 例えば北海道におきましては、委員御地元の北見農業試験場は、一九七四年にホロシリコムギが開発されましたけど、それに代わる、一九八一年、チホクコムギ、これ育種に十二年掛かっております。それから、一九九四年にはホクシン、これ十四年掛かっています。現在のきたほなみ、これ二〇〇七年に育成しましたけど、十三年掛かっています。こういった優秀な品種が現場の生産者と育種者の努力によりまして開発されています。 また、本州向けには、さとのそらが二〇〇九年、十六年掛かりました。きぬあかり、二〇〇九年に育成しました。これ八年掛かりました。主力品種でありました農林六十一号と置き換わっております。 大豆につきましては、非常に多収で病害虫抵抗性を持つフクユタカというのは一九八〇年に開発されました。これ二十年掛かりました。それまでの在来品種等と置き換わりまして、全国的に大豆の作付けが拡大しました。特に、成熟してもさやが裂けにくい特性を取り入れました里のほほえみ、二〇〇九年に、これ十三年掛かって、さらに二〇二三年、近年でございますけど、単収は従来より三割以上多いそらみのりとそらみずきが農研機構によりまして開発されまして、今後普及が期待されております。 今後とも、一生懸命品種開発してまいります。
○紙智子君 品種改良大事だと思うんですよね。やっぱり、遅れたんだけど、やっぱりもう早くそれを、時間は掛かるといいつつも前進させなきゃいけないと。 基本法の検証部会に農研機構から国産小麦の単収向上の条件、これドイツの比較からという報告が出ているんですよね。これ見ると、日本の小麦の自給率は一二%で、日本の小麦の単収の伸びは小さいという資料が出ています。一九六一年当時は、日本とフランス、ドイツ、単収は一ヘクタールあたり三トン前後で同等だったんですね。それが今や二倍、三倍と差が出ていると。ドイツは品種交換が早いけれども日本は遅いと指摘されているわけです。 農林水産省の試験場で麦の育種に関わった方は、食料自給力の技術的な展望という本の中で、一九六一年、基本法に基づく農業生産の選択的拡大等の政策動向により、米を柱とする食料政策遂行のための一つの調整弁的な役割を担われたと、麦関係の研究室や研究員は半減したというふうに語っているわけですね。減っちゃったわけですよ、専門家の人が。 選択的拡大が品種改良を遅らせたという点で、反省なきゃいけないと思うんですけど、政府参考人、どうですか。
○政府参考人(川合豊彦君) 品種開発は時間が掛かりますが、これに関わる専門家とか生産現場の農業者の皆さんの努力と、これは大変重要でございます。 今後とも、必要な品種につきましては、限られた予算でございますけど、最大限活用して、特に産学官連携して、地元の大学でありますとか地域の皆さんの力を得て早く品種を開発して頑張っていきたいと思っています。
○紙智子君 次に、学校の話なんですけど、学校では安全な学校給食用のパンが求められていて、遺伝子組換えでない大豆の需要も高まっていると思うんです。品質面でも、それから単収でも輸入に勝る品種改良をどう進めるのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 国内で栽培される大豆や小麦の品種開発は、農研機構が現在中心となりまして、産学官が連携をして取り組んでおります。安全で安心、そして輸入作物に勝る品種を開発するためには、国内外の優良な遺伝資源を交配しまして、その特性を国内品種に取り入れ、そして生産者が求める多収性や省力化に貢献をし、かつ、実需者が求める品質を満たす品種を開発していくことが重要であります。 このため、農研機構におきましては、開発段階から生産者や自治体関係者に加えまして実需者と情報交換しながら、競争力が高く、実需者が求める品質を持つ品種の育成を今進めているところであります。
○紙智子君 ちょっと時間が迫ってきたので、次の質問ですけれども、価格形成について聞きます。 まず、卸売市場は、これ生鮮食料品の需給調整と公平な価格形成をする役割、機能があります。ところが、近年、市場を通さず直接量販店とのやり取りをする形が増えている中で、卸売市場の機能がなかなか低下しているかという状況もあるかもしれません。だから価格形成の仕組みをつくるんでしょうか。お答えお願いします。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 卸売市場でございますが、多くの種類、また大量の生鮮食料品等を産地から継続的に集めて、消費地において分散させて流通させる施設でございますが、ここの場では、需給事情、それから品質評価に応じて価格形成を行っているところでございます。 御指摘のありましたとおり、その時代の変化に応じまして、農産物の流通経路、非常に多様化をしております。卸売市場の位置付けも変化をしているということは事実でありますが、卸売市場の価格形成ですとか需給調整といった機能自体はこれまで適正に働いているのではないかと考えております。昨今も、需給事情等を反映いたしまして、野菜が非常に高値で推移するといったような状況にあると認識してございます。 一方で、近年、資材価格などが高騰してございます。こういったその生産から消費に至る食料システム全体に広く影響が及んでおりますので、今回、基本法にも規定を整備をし、その具体的な施策として、合理的な費用が考慮される仕組みづくりの検討を進めているところでございます。 昨年八月から始めております協議会におきましても、これまでの価格形成ではコストが考慮されていないといった指摘も出されてございまして、市場取引であれ、個別の相対契約取引であれ、新たに顕在化した課題だというふうに認識をしているところでございます。
○紙智子君 価格形成の仕組みなんですけれども、生産者の所得が補償されるのかなというのが、これ一貫してこの間も議論になっていると思うんですよ。 藤木議員のこの前質問に対して岸田総理は、人件費等の恒常的なコストに配慮した合理的な価格形成の仕組みについて、法制化を視野に検討を進めるというふうに本会議のときに答弁されています。この人件費等に配慮ということは、労働法制でいう最低賃金を生産者にも当てはまるようにということなんでしょうか。これ、大臣、お願いします。
○国務大臣(坂本哲志君) 資材価格を始めといたしまして、人件費、そしてエネルギー費、物流費等の様々なコストが高騰する中で、生産から消費にわたり広範に影響が及んでおりまして、食料の持続的な供給を行っていくためには、食料システム全体で合理的な費用が考慮されるようにする必要があることから、法制化も視野に検討を進めているところであります。 四月二十六日の参議院本会議での総理答弁は、こうした様々なコストの高騰を踏まえた合理的な価格形成の仕組みづくりを検討するとの趣旨であり、何らかの賃金や所得を補償するというものではありません。
○委員長(滝波宏文君) 時間となりましたので、おまとめください。
○紙智子君 はい、時間ですね。 補償するものではないということで、だから、やっぱり価格形成といっても、生産者の所得が上がるかどうか分からないということでは困るわけですよ。 やっぱり、必要なのは、農業で生活できないとか、これで御飯食べていけないという生産者の苦労に、もう苦悩に応えていくということが大事で、そのためには生産者への直接支払の仕組みをつくることが必要だということを強く申し上げまして、終わらせていただきます。
○寺田静君 秋田県の寺田と申します。よろしくお願いいたします。 通告していた質問の前に二つお伺いをできればと思います。 午前中の田名部委員への質疑の答弁の中で引っかかったことがあります。参考人の方の御答弁でしたけれども、価格転嫁の鍵というのは農業者の努力なんでしょうか。参考人の方の御答弁、農業者が資材高騰などの説明をきちんとして関係者が納得し、受け入れられればとの御答弁であったかと思います。それを裏返せば、じゃ、今、価格転嫁ができていないのは農家の説明努力が足りないからということにならないでしょうか。これが農水省の御見解なんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 午前中にあった答弁につきましては、食料システムの中で価格の在り方というのを話し合っていくという中で、その中で生産者ということについては、現下のコストの状況ということについて流通若しくは小売の方に説明をしていただくという必要があって、それは当然生産者としてはやらなきゃいけないと、そういう努力を積み重ねることによって、少しでもコストの増というのをカバーしていく努力をしていくと、それが臨む姿としては、再生産可能な価格に向けてそういった交渉を進めていくという趣旨で説明をしたものというふうに理解しています。
○寺田静君 今、価格転嫁ができていないのは説明努力が足りないからなんでしょうか。どうでしょう。
○副大臣(鈴木憲和君) 何というか、今、杉中総審から御説明をしたとおりであるんですけれども、何というか、生産者の側の努力不足というよりは、やはり生産者の側で負担をしている実際のコストというのが最近特に高騰してきておりますので、そうしたことについて、バリューチェーン、サプライチェーン全体の関係者がみんなしっかりとまず理解をしていくということが最低限必要だろうという趣旨で申し上げたものというふうに理解をしております。
○寺田静君 今の副大臣の御答弁で少しほっとした思いがいたします。先日来、中心であったのは、消費者の理解の醸成なんだということが中心であったと思います。ただ、午前中にはその農業者の努力、説明がというようなことだったので、いかがなものなのかなというふうに思ったところでした。 もう一点、これは大臣の御答弁でしたけれども、直接支払ではなくて、農業者が創意工夫できるような環境整備をして農家の所得、収益を向上させていくんだというような御発言があったと思います。 現状、様々な委員が指摘をされているとおり、食べていけないような状態、農業で食べていくことができないような状態で創意工夫が生まれてくるものだろうかというところを私は疑問に思うんです。どうやって来年の資材を買うか、どの程度作付けをするのか、もうやめようかと、でも機械の借金もある、子供の仕送りもあると、目の前のことで手いっぱいだと、それでどうやって創意工夫の余地があるんでしょうか。それとも、田名部委員が御指摘されたとおり、大臣は、農家に食べていけるだけの直接支払をしたら創意工夫などの努力を怠るんではないかというふうに思っておられるんでしょうか。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) そういうことは全く思っておりません。ただ、繰り返しますけれども、やはり創意工夫の余地がある、あるいは経営判断の余地がある、それは限りなく求めていかなければいけないというふうに思います。そういったものに対してやっぱり手助けするような私たちの農業の政策、これをしっかりとつくり上げていくこと、そのことが一番大事だというふうに思っております。
○寺田静君 現状でもそうした支援は行ってきたはずで、それでも離農が進むこの現状を止められていないというところから基本法の改正の議論が始まったんではないかなというふうに思っておりますけれども、また後でちょっとお伺いをしたいと思います。 通告していた質問に入らせていただきます。 今日、日経新聞の五月二十二日の朝刊の記事、一枚配らせていただきました。米の価格高騰に関するものです。昨夏の猛暑が直撃をして価格が高騰していると。 これは卸売間の価格の高騰でということでしたけれども、米の卸売会社の取引価格、今月は前年同期比で六割高、中には八割高の銘柄もあるとされていることについてですけれども、農家の方からよく言われるのは、米の値段が下がったらもう下がったで収入減るけれども、上がっても自分たちには大して入ってこないんだろうなということを言われます。この記事に書かれているような価格の高騰、こうした利益というのはどれほど農家に還元されているんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 五月二十二日、日本経済新聞のあの記事は承知しております。報道されている価格についてなんですが、主として卸売業者間で転売されるスポット取引のものと思われます。どうしても調達する必要のある銘柄を十トンぐらいから数十トンぐらいの小ロットで当用買いをしようとするため取引量が少ないということと、全体の価格動向を評価できるかどうかというのは若干どうかなという中身でございます。 一方、出荷業者と卸売業者の相対取引を見ますと、これは何かおおむね数百トンから数千トン、あるいは一万トンぐらいのロットで、流通量として見れば、米の流通の過半を占めております。その相対取引価格なんですが、令和六年四月は、前月比で九十八円高、一万五千五百二十六円、出回りからの年産平均でも前年比で一〇%高の一万五千二百九十三円と、極端な上昇にはなっておりません。コロナ禍前の二十九年産から令和元年産ぐらいの価格よりもやや低い水準になっています。 先ほど、農業者の手取りなんですけれども、一般論として、生産者が出荷、販売する相対取引に出すようなものであれば、価格が上がったり販売数量が増えれば生産者の販売金額は向上するというふうに見込まれます。ただし、転売されるものに関しては、その値段が付いたとして、生産者にちゃんと返されるかどうかというのはちょっと定かではないというふうに考えております。 いずれにしても、今後も米全体の需給や価格の動向を注視してまいります。
○寺田静君 ありがとうございます。 こうした価格高騰の中ですけれども、この記事によれば、飲食店では輸入米を手当てする動きが相次いでいるとのことです。大手外食チェーン、牛丼の吉野家では、この春から国産、外国産米のブレンドに切り替えたとあります。また、同業他社も同様の扱いを検討中であるというふうに書かれております。 改正基本法で食料安全保障をうたって、国内で生産できるものはできる限り国内で生産することを目指す政府、農水省として、この現状というのは望ましいことでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) この新聞の記事の内容についても承知しております。 こうした背景には、外食事業者などが求める値頃感のある価格の米の需要に五年産の国産米が十分に応えられていないということも背景にあるというふうに考えております。食料安全保障の強化には需要に応じた生産を推進していくことが必要ですので、やはりこういった対応はしていかなきゃいけないというふうに思っています。 農林水産省としては、流通、販売の方々に産地や農業者に対して必要な銘柄や量を伝えていただいて、今ちょうどそういう時期なので、結び付きを進めていただきたいということをお願いしたいというふうに考えております。 また、米に関するマンスリーレポート等によりまして、産地、品種、銘柄ごとの価格動向や販売状況、在庫量等の需給動向、作付け意向など、きめ細やかな情報提供を徹底してまいります。できれば、播種前契約ですとか複数年契約等の事前契約の取組を促していきたいというふうに考えております。 その上で、外食・中食事業者が求める値頃感のある価格での安定供給を図るため、低コストでの生産への実証事業等、生産性の向上についても支援を考えていきたいというふうに考えております。
○寺田静君 今、様々対応策のアイデアを教えていただきましたけれども、では、この外国産米に切り替えられるような動きは望ましくない方向、望ましくないというふうに考えているということでよろしいですか。確認です。
○政府参考人(平形雄策君) それぞれの事業者の方なので、その行動についていいか悪いかというのはあれなんですが、この外食に、業務用についても、国内に需要があって国内で提供できるのであれば、それに見合った生産、そういったものに取り組んでいただきたいと思いますし、それに関して国としても必要な後押しといいますか、そういったことはやっていきたいというふうにも考えております。
○寺田静君 じゃ、望ましくないかどうかはともかく、国産になる方が望ましいという理解でいいでしょうか。ありがとうございます。 業者の話では、この二四年産の米が出回るまでは価格は下がらないだろうということでした。再三ここで話が出ておりますとおり、自給率の向上に一番貢献するのは米なんだと言っていると、国産で賄えるものはできる限り国産でと言っているということで、この自給率向上に一番貢献できるここの堅持さえもできなくて、どうやって果たして自給率本当に向上させることができるのかと、本当にそのやる気があるのかということを疑わざるを得ないような出来事じゃないかなというふうに思っています。 米と自給率のことについて引き続きお伺いをしていきたいと思います。 米の消費の減少が食料自給率に与える影響の度合いはどのようなものでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 食料自給率でございますが、平成十年度の四〇%から令和四年度の三八%で二ポイント分低下しておりますけれども、米の消費量の減少によるその期間の自給率の引下げは三・〇ポイントとなっております。
○寺田静君 自給率を上げるために、米に関して政府として行っていることを教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) 食料安全保障を確保する上で、主食であります、また自給可能な米の消費拡大は非常に重要な課題というふうに思っております。 このため、米飯学校給食ですとか日本型食生活の推進、それと、特に年齢層の高い方には米と健康に着目した情報発信など、食育ですとか消費者理解の促進を進めてまいります。それに加え、パック御飯、米粉輸出、新商品開発など、御飯の形もいいんですけれども、この新たな需要の拡大、これも促進していきたいというふうに考えております。 パック御飯については、食の簡便化が進む中で国内外の需要が確実に伸びています。これに対して、生産を拡大するための施設整備を支援しております。また、米粉については、米粉のPR、料理レシピ等の情報発信だけではなく、米粉の特徴を生かした新商品開発への支援、あるいは製造機械設備の導入支援等を行っております。さらに、輸出につきましても、輸出拡大実行戦略に基づいて、オールジャパンでのプロモーション等を通じた販路開拓、更なる市場の開拓を進めております。 このように、あらゆる機会を通じて米の消費拡大に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 そのあらゆる様々な取組、米の消費拡大の取組ですけれども、こうしたものに掛けている予算額はお幾らでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 農林水産省の施策の中で、食育や輸出拡大など様々な政策が米の消費拡大に寄与しているところでありまして、米の消費拡大の部分のみ予算額を切り出してお答えすることは困難です。その上で、米の消費拡大に関係する令和五年の補正予算と令和六年度当初予算について申し上げます。 まず、食育や消費者の理解の促進に関しては、一つは、日本型食生活の推進について、消費・安全対策交付金十七・二億円の内数、令和六年度の当初です。二つ目、米と健康に着目した情報発信について、米需要創造推進事業〇・三億円の内数、令和六年の当初です。 また、新たな需要拡大に関しましては四つございまして、一つは、パック御飯工場の施設整備について、産地生産基盤パワーアップ事業三百十億円の内数、令和五年の補正。二つ目、米粉の情報発信や機械設備の導入支援について、米粉の利用拡大支援対策事業、これ二十億円、令和五年の補正であります。三つ目、米粉の加工品の海外需要開拓への支援について、プロモーション等への支援ということで五十一億円の内数、これ令和五年の補正、令和六年の当初でございます。四つ目、米を利用した新たな商品開発等への支援についてということで、米穀周年供給・需要拡大支援事業一・二億円の内数、令和六年当初等でございます。
○寺田静君 ありがとうございます。 総額を教えていただきたかったんですけれども、御飯として消費をする米と、あと米粉に関しての予算も多かったと思いますけれども、米粉に関して、消費拡大にこれまで掛けてきた過去の予算の総額を教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) 米粉の消費拡大につきましては、平成二十一年に新用途米穀法というものが施行されて、それは米粉等の推進法なんですが、それ以降、麦、大豆等、国産農作物の生産拡大などの施策の一環として米粉は対象としてまいりましたが、米粉部分のみ切り出してお示しすることは困難であります。 一方で、非常に近い話なんですが、ウクライナ情勢による小麦の国際価格の急騰など、国内外の食料安全保障の重要性が改めて浮き彫りになったことを踏まえて、令和四年度の補正において、これ米粉に特化した事業を行っております。国内で自給可能な米を原料とした米粉の普及に向けた施設整備、設備投資等を支援するために百四十億円を令和四年度の補正で措置をしておりまして、同じ内容で令和五年度の補正予算で二十億を措置しているところでございます。
○寺田静君 ありがとうございます。 切り分けて示すことが難しいということでしたけれども、それでは政策、これ幾ら投じて、どれぐらいの効果があったかということが測り切れないというふうに思うんですね。 米粉の消費拡大の目標値を改めて教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) 令和二年に策定しました現行の基本計画では、米粉用の食料消費の見通し、これ生産努力目標と同じなんですけれども、平成三十年度二・八万トンを、令和十二年度に十三万トンまで拡大する目標を掲げております。 実際のところ、令和四年度は四・五万トンまで需要は拡大しており、令和五年度五・三万トン、令和六年度六・四万トンと拡大する見込みとなっております。
○寺田静君 ありがとうございます。 事前の問合せの際には、これ以前にも目標値があったというふうに伺っております。それは達成できたんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 令和二年に作った前の、平成二十二年の目標のときは、米粉の十年後の目標で五十万トンというものが設定されましたけれども、三万トンから四万トンぐらいの実績でありました。それから、平成二十七年の基本計画の中でも十万トンという目標がありましたけれども、やっぱり三万トンから四万トンぐらいの実績になっていました。
○寺田静君 ありがとうございます。 それなりの予算を投じながら、ただ全然その目標には達していなかったということで、やっぱり、先ほども申し上げましたけれども、幾ら掛けたかということすらも整理できない上で、目標にも及んでいないということが明らかになったというふうに思います。 こういうことでこれからも本当に消費拡大に取り組んでいけるのかなと。様々なメニュー実行されてはいますけれども、トータルに幾ら掛けたのかも分からないと、効果もううんという状態にあるということで、これからも取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、今この米粉に関して力を入れている理由を改めて教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) お米のその消費拡大というのは、いろんな農政の中で本当は一番拡大して、あるいは減少を止めたいというのが本音のところでございます。そうすることによって、いろんな政策の自由度も上がってくると思います。 その中で、御飯のままで消費をして、そういったことをずっと実は推進をしてまいりましたけれども、なかなかそこの、一人当たりの消費量も減っていますし、人口も減る中で、毎年十万トンずつぐらい消費が減る。その中で、輸出というのもありますし、国内の中でも、最近は小麦のパンに代わって、米粉を利用した麺ですとかパンですとかあるいはお菓子ですとか、いろんな商品開発をすることによって需要の拡大する兆しが見えてきたところでもあります。 寺田先生から厳しい御指摘をいただきましたけれども、生産するだけではなく、商品開発、製造のところに力を入れることによって、まだまだ米粉については伸びる可能性があるというふうに考えておりまして、こういったあらゆるお米の消費拡大についても政策を実施していく必要があるというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたとおり、米粉としての消費拡大も大事ですけれども、御飯として消費されるお米の消費拡大も両方やるべきなんだろうと私自身も思います。 お話しいただきましたけれども、今既に真面目に農業のことを考えてパンとか麺ではなくて御飯をなるべく食べているという方々に、もう一杯、二杯食べてほしいというのはやっぱり厳しいんだろうと私自身も思います。 ただ一方で、このパック御飯、おにぎりなど消費が伸びていると。昨日、我が家に来ためいっ子も、御飯炊くのが面倒なのでパック御飯だと言っていましたけれども、この米の消費が減ったと言われるけれども、日本人、別に御飯が嫌いになったわけでは決してないというふうに思うんですね。忙しいと、米を炊くのがちょっと手間だということなんだろうというふうに思います。 舟山先生にお米炊くのそんなに面倒ですかと以前言われて、ちょっとまた怒られるかもしれませんけれども、炊くのが面倒だけれども御飯は食べたいと思っている人たち、本当はおにぎりがいいけれども、手軽だからトーストやサンドイッチになっているという方たちはまだまだあるんだろうと私は思います。ここが米の消費を伸ばすための一つの鍵だし、食料安全保障として米が大事だというのであれば、稲作を守っていく鍵なんだろうとも思っています。 消費者の嗜好の変化ということをある意味言い訳にして、この御飯としての米の消費拡大のところ、必死になってはやってこなかったのではないかなと、申し訳ないですけれども、感じられるんです。実はここはまだ掘れば掘れるみたいなところ、ここに消費を伸ばすヒントがあって、以前私ここで御紹介をしましたけれども、お米や水の計量の必要がなくて外出先からでも全自動でお米が炊けると、携帯で操作ができるというような、おひつも手のひらサイズで洗い物の負担も少ないという炊飯器などは、舞立先生も御興味を示してくださっていましたけれども、一世帯当たりの人数が減る中で、こうした新しい炊飯器なども消費拡大の鍵になるのではないかなというふうに考えています。 また、米粉も、もちもちの食感などが、食品が好まれる日本において、消費拡大の余地はやはりあるんだろうというふうに私自身も考えています。今は、お煎餅などもよく見ると外国産米で作られていたりするんですね。子供のおやつを買うときも、物価が高くなっていますので、つい安いものを手に取りますけれども、そうすると、やっぱり裏を見ると国産米を使ったものではないと。今、国産米のものを選んで買うようにしてはいますけれども、現時点ではやっぱり有機などを気に掛けている子育て世帯を除いては、やっぱり消費者はそこまで見ていないのかなというふうにも感じます。ここもやり方次第で国産に置き換えていくことができるだろうというふうに思います。 食料安全保障の確保のために自給率を向上させるというのであれば米なのだということは当たり前だと思いますけれども、この消費拡大すべきことを全部やってきたのかというところに疑義が残る、これからやるつもりなのか、やるべきことを全部やるということなのかというところに疑義が残る基本法の改正であってはいけないというふうに思います。 本当に国内でできるものは最大限国内でというこの言行が一致をしているのかと。とはいっても、農地が足りないんだから輸入も併せてというのは分かるんですけれども、やっぱり先日も申し上げたとおり、安定的な輸入といっても、この輸送の途絶のリスクというのは余りにも大きいだろうというふうに思います。また、みどり戦略、気候変動対策、環境負荷の低減などということもありますけれども、海外から輸入をするのにどれだけ二酸化炭素を排出をしているのかというところ、当たり前のことですけれども、環境のことを考えても、国内でできるものは国内でというのが一番いいというふうに思います。 様々今議論聞いておりまして、維持としか書かれていなくて、維持向上と書かれていないという指摘が再三されておりますけれども、やれることを最大限やるつもりがあるのかというところにやっぱり疑義が残る基本法改正であってはいけないと思います。大臣に一言所感をお伺いして、終わりにしたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 米粉の話を聞かせていただきました。四月四日は新潟米粉協会がつくりました米粉の日です。米という字は八十八と書きますけれども、米粉は米の子供ということで、四の四ということで四月四日ということだそうであります。農林水産省のレストランは、全部米粉で作ったマグロカツ、豚カツ、カツ丼、空揚げ、こういったものをやりました。私、全部食べました。大変おいしいです。 もっともっとやっぱり需要を喚起しなければいけないと思いますが、以前、八郎潟干拓の農家の方に聞いたときには、やはり最後はコストの問題だというふうなことを言われました。どうしても小麦粉に比べるとコストが高い。 やはりその圧力を強くしなければいけませんので、それで、自民党の米粉の振興をやるときは、民間企業に行きまして、その民間企業の米粉の生産、米粉会社にやはり様々な支援をする、そのことによって米粉のやっぱりコストを少しでも安くする、そういう事業費も付けたところでありますので、様々な角度から米粉の需要をやっぱり増大することによって、国産の米の需要、こういったものが増えるように今後も努力してまいりたいというふうに思っております。
○寺田静君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(滝波宏文君) 本案の修正について舟山君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。舟山康江君。
○舟山康江君 私は、ただいま議題となっております食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に対し、立憲民主・社民及び国民民主党・新緑風会を代表して修正の動議を提出いたします。 今回の基本法改正については、大臣からの趣旨説明等にあったとおり、制定から四半世紀が経過する中で、農業の生産基盤が弱体化していること、世界的な食料需給の変動や地球温暖化の進行など、制定時とは前提が大きく変化していることを背景に提出されたものでありますが、原案では現状の課題解決には全く不十分であると考えます。よって、以下のとおり修正の動議を提出する次第です。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 まず、総則の修正について御説明いたします。 第一に、食料安全保障の確保に関する基本理念に関して、食料自給率の向上の明記、食料の供給能力に係る政策についての人口動態に係る表記の削除、食料の供給能力の「維持」を「維持向上」とする修正を行うこととしております。 第二に、環境と調和の取れた食料システムの確立に関する基本理念に関して、農業生産活動の自然環境の保全等に寄与する側面を明記する修正を行うこととしております。 第三に、農業の持続的な発展に関する基本理念に関して、農業者の減少の要因について人口動態に係る表記の削除、農業所得の確保による農業経営の安定を追加する修正を行うこととしております。 第四に、農村の振興に関する基本理念に関して、農村について、「食料の安定的な供給を行う基盤たる役割を果たしていること」、「国民に多くの恵沢をもたらす農業の有する多面的機能が発揮される場であること」及び「就業機会の増大につながる多様な産業を生み出す地域の資源を有する場であること」との意義並びに「豊かで良好な地域社会が維持されるべきこと」を明記するとともに、「産業の振興」の施策を追加する修正を行うこととしております。 次に、基本的施策の修正について御説明申し上げます。 第一に、食料・農業・農村基本計画に関して、基本計画に定める目標の達成状況に係る調査結果について、食料・農業・農村政策審議会の意見を聴くこととし、その意見を付して、国会に報告するとともに、インターネット等により公表をしなければならない旨を追加する修正を行うこととしております。 第二に、農業の持続的な発展に関する施策に関して、多様な農業者の役割の明記、「畑地化」の文言の削除、有機農業の促進の明記、障害者である農業者の活動の促進の追加、種子の公共育種事業に関する規定を追加する修正を行うこととしております。 第三に、農村の振興に関する施策に関して、地域の資源を活用した産業の振興の明記、地域社会の活力の向上を追加する修正を行うこととしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(滝波宏文君) 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案及び舟山康江君提出の修正案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。 ただいま動議が提出されました修正案について質問をさせていただきます。 これまで質問時間積み上げてまいりました。委員会の中でも多くの議論が行われてまいりました。その議論の中から多分盛り込まれた修正案だと認識をしております。 まずお聞きしたいのですが、基本理念において、農業所得の確保による趣旨、これを追加したといいます。この趣旨を、農業所得の確保についての趣旨をお願いしたいと思います。
○徳永エリ君 横沢委員の御質問にお答えしたいと思います。 修正案は、第五条第一項に、農業については、持続的な農業生産活動が可能な農業所得を確保することにより農業経営の安定が図られるべき旨を追加することとしております。 政府は、農業所得の確保は、生産性の向上、付加価値の向上といった農家努力によって達成されるべき、政府の役割は農家努力の後押しだというふうにこの答弁を審議の過程で繰り返してきました。しかし、これは農家の自助努力を促すものであり、岸田総理のおっしゃっておられた新自由主義からの脱却ではなく、新自由主義の考え方そのものではないでしょうか。 また、円安による生産資材の高騰や温暖化の影響による農産物の市場価格の変動など、農家努力ではどうにもならない問題が農家経営を圧迫しています。価格転嫁も実際には難しいと思われる中で、どのようにして農家経営を守り、再生産可能な所得を確保するかを考え、農業所得の確保を規定することといたしました。 農業所得の確保として想定するものは、やはりEUのような直接支払、この制度です。農業者の収入を補償するということであります。どのような直接支払制度をどのような要件の下創設するかは十分な議論が必要ではありますが、耕作放棄地を出さないためにも、立憲民主党、国民民主党両党は、農地維持直接支払を提案させていただき、詳細を検討しているところでございます。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 それでは次に、この委員会でも議論になりました食料自給率の向上についてお伺いしたいと思います。 国内生産の増大、これが基本であります。今、修正案には食料自給率の向上を明記すると先ほどお伺いしましたが、この理由は何か、お伺いいたします。
○徳永エリ君 修正案では、第二条第二項に、国民に対する食料の安定的な供給について、国内の農業生産の増大を図り、食料自給率を向上させることを基本とすることを明記することとしています。 食料自給率は、基礎的な栄養価であるカロリーに着目して消費に対する国内生産の割合を示す指標であり、国民にもなじみの深い分かりやすい指標となっていましたけれども、改正案では、食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する事項の目標と、幾つかの指標のうちの一つに格下げをしてしまいました。 しかも、他の指標は具体的にどういうものかということに関して、委員会質疑において、基本法検証部会の部会長を務めておられた東京大学の中嶋康博参考人が、食料安全保障の指標は基本計画に持ち越しになっている、どんなふうにまとめ上げていくかは今の時点では申し上げられませんと答弁されるなど、食料安全保障の確保に関する評価の指標の内容が曖昧であります。 基本計画の食料自給率目標を、これ四五%でありましたけれども、一度も達成することができなかったこと、その原因について検証もしていなかったことを反省し、食料自給率の向上を図ることを基本とすることこそが、国民に対する食料の安定供給、ひいては食料安全保障を確保するために重要となるのではないかと考え、条文に明記することとしております。
○横沢高徳君 非常に重要な視点だと考えます。 続いて、先ほども議論になりました農業に関する活動を促進すべき者に障害者である農業者を追加した理由についてお伺いをしたいと思います。
○徳永エリ君 政府案では、第四節の農村の振興に関する施策の中の第四十六条に障害者等の農業に関する活動の環境整備の規定があるものの、第三節の農業の持続的な発展に関する施策には障害者の位置付けはありません。 私たちの修正案で、第三十五条、高齢農業者の活動の促進と一緒にしたのは、農福連携が農村振興策だと考えるか、あるいは農業の人材の確保、育成、農業の持続的な発展に関する施策と考えるかの、基本的には考え方の違いだというふうに思っております。 障害当事者である横沢委員の意見もあり、障害者である農業者については、女性農業者や高齢農業者と同じく、既に都市部でも生産現場で大事な役割を担っているという現実があると認識しています。 そこで、修正案では、障害者である農業者が農業に関する活動を行うことができる生活環境を推進することを、女性の参画や高齢農業者の活動の促進の規定とともに、第三節の農業の持続的な発展に関する施策の一環として第三十五条に位置付けることとしました。 障害者の方々は、今後担い手として、また貴重な戦力としてその役割はますます重要になります。また、農業の法人化、株式会社化が進む中で、障害者雇用促進法に基づき、従業員四十人以上の法人は障害者を一人以上雇用しなければなりません。また、来年には、法定雇用率、現在二・五%ですが、二・七%へと引き上げられる、こういったこともしっかり考えていかなければいけないと思っております。
○横沢高徳君 非常に、政府でも法人化、農業経営体の法人化を進めているわけで、やはり、法人化の中でも障害者法定雇用率をやはり達成していくというのは非常に重要な役割ですので、この追加は非常に重要だと考えます。 次に、先ほども議論になりました農業者の減少の要因、これが人口減少によるものなのかどうなのかという議論が、この委員会でも大きく議論になりました。 この点について、人口動態に関わる表記を削除した理由をお伺いいたします。
○舟山康江君 政府案では、農業をめぐる情勢の変化の例示である農業者の減少の要因として人口の減少が挙げられます。しかし、これまでの委員会審議の中で、多くの委員からも問題提起がありましたけれども、農業者の減少の要因は単に人口減少だけではなく、例えば、水活をめぐる水張り問題、これも大きな現場の混乱に結び付いておりますし、政策変更によるこのような混乱、そして減収、先の見えない不安、こういったことから、借金のない農家ほど早期に離農する、こんな現象も起きておりまして、複合的な要因となっております。 また、人口減少下においても就業者が増加している、こういった業種もあることを考えると、ただ単に人口減少だから仕方がないと思考停止に陥ることなく、やはり今の現状をどう変えていくのか、どう増やしていくのか、こういった政策の方向を具体的に示すことこそが基本法の役割だと、そういった意味におきまして、この記述を削除させていただきました。
○横沢高徳君 ありがとうございます。 人口減少率は総人口の二%であります。農業者の減少は、もう六割近くになっております。今の舟山議員からの説明は特に分かりやすかったというふうに感じております。 次に、農村についてお伺いをいたします。 食料の安定的な供給を担う基盤、多面的機能が発揮される場であること、多様な産業を生み出す地域の資源を有する場であること、豊かで良好な地域社会が維持されるべきであることを、そして、産業の振興により、その振興が図られなければならない旨を今回追加いたしました。その理由についてお伺いをいたします。
○舟山康江君 これ基本法ですから、やはり読んで分かる、そういった内容でなければならないと思っています。 そういう中で、国土の大宗を占める農村は、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしているのみならず、多様な地域住民が生活する場であり、さらには国土の保全、水源の涵養、美しい安らぎを与える景観の形成、生物多様性の保全、文化の継承といった多面的機能が発揮される場であること、再生可能エネルギー、田園回帰、グリーンツーリズムといった就業機会の増大につながる多様な産業を生み出す地域の資源を有する場でもあります。 食料・農業・農村基本計画でも、地域政策の総合化をうたい、農林水産省が中心となり、関係府省が連携し、施策を総動員することが規定されております。にもかかわらず、政府案第六条では、農村の意義について、農業の持続的な発展の基盤たる役割しか書かれておりません。 そこで、修正案では、農業以外の産業の振興や地域の資源を活用した事業活動を推進し、所得を向上させることにより、経済的にも豊かで良好な地域社会が維持されることを明記することとしました。 また、就業機会の増大につながる多様な産業を生み出す地域の資源を有する場であることや、産業の振興を明記し、農村が生産の場としてだけではなく、地域の資源を生かした産業の振興による新たな可能性を秘めた場であることを明確化することといたしました。 その思いも込められているだけでは足りないんです。しっかりとその思いが入っているのであれば条文に入れていく、このことを意識して具体的な記述とさせていただきました。
○横沢高徳君 やはり基本法ですから、読んで分かりやすく、それはまさしく国民の皆様に理解のある基本法改正となることと思いますので、非常に大事な御意見だと思います。 ちょっと時間も迫っていますので、順番を入れ替えますが、水田の畑地化、先ほども本委員会で議論になりました。米の需要が増えている、そしてこれからも米生産が気候の変動によりどうなるか分からない。やはり水田を守っていく必要があると思いますが、今回、この水田の畑地化を削除した理由は何か、お尋ねをいたします。
○徳永エリ君 私の地元北海道でも、畑地化促進事業で全体の一割の水田が畑地化されました。これからどれだけ畑地化が進むのか、大変心配いたしております。 水田は、食料の安定的な供給のみならず、洪水や土砂崩れといった災害の発生の防止、水源の涵養、自然環境の保全等の役割を果たしています。様々な役割を果たしている水田を潰して畑地化することは、最近、インバウンドやおにぎりブームなどで需要が高まっておりますけれども、日本人の主食である米の安定的な供給に支障を及ぼすとともに、農業の有する多面的機能の発揮にも影響を与えることになりかねません。 また、一度畑地化すると、再び水田に戻す復田には多大な労力とコストが掛かるとの指摘もあります。また、高齢稲作農家の離農によって、将来的に水田が足りない、米が足りない、今は想像していないかもしれませんが、そんなことになるかもしれないと大変懸念をいたしております。 昨今による気候変動等による農業を取り巻く環境の不確実性の高まりを踏まえても、高温多湿なアジア・モンスーン地域である我が国における米作りは比較的気候変動の影響を受けにくいことから、米作りを維持することの食料安全保障上の重要性がますます高まっていくと考えられ、水田の果たす役割がこれまで以上に増大しています。 これらのことから、水田の畑地化を汎用化と並べて例示する必要はないと考え、削除することとしております。
○横沢高徳君 最後に、食料供給能力の維持を維持向上にした理由を伺います。
○舟山康江君 政府案第二条第二項では、国民に対する食料の安定的な供給に当たっては、国内への食料の供給に加え、海外への輸出を図ることで食料の供給能力の維持が図られなければならない旨規定しています。 もっとも、海外への輸出を進めていくにもかかわらず食料供給能力の維持にとどまることは、目標としては余りにも低く、食料の安定的な供給の実現にはつながらないと考えております。そのため、修正案では、食料の供給能力を維持ではなく、維持向上が図られなければならないことといたしました。 政府も、生産を増大させると、これまで以上にということを言っている以上は、やはり維持だけではなく維持向上、更に前向きな、そういった方向性を言っているわけですから、条文の中で分かるように示すべきだと考えています。
○横沢高徳君 分かりやすい修正案でございました。 時間ですので終わります。ありがとうございました。
○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。よろしくお願いいたします。 通告していますとおりお尋ねをさせていただきます。 障害者の条文についての確認です。 修正案では、農福連携や障害者のポイントにつきまして、新第三十五条に農業に関する活動を促進すべき者として障害者を追加すると盛り込んでおられます。高齢者の条文に障害者の事柄を盛り込むことを想定されていますが、どういう意図でこの修正案としたのか、意味合いを教えてください。
○徳永エリ君 松野委員の御質問にお答えいたします。 特に農福連携に関しては大変御熱心だということは、この委員会の質疑でよく聞かせていただいております。 提出した修正案では、御指摘のとおり、新第三十五条に、障害者である農業者について、その活動の促進を追加することとしております。これに対し、政府案では、第四節の農村の振興に関する施策の中の第四十六条に障害者等の農業に関する活動の環境整備の規定があるものの、第三節の農業の持続的な発展に関する施策には障害者の位置付けはございません。私たちの修正案では、第四十六条とは別に、障害者である農業者を第三十五条、高齢農業者の活動の促進に併せて規定しております。 これは、農福連携を農村振興策だと考えるか、農業人材の確保、育成の面もあると考えるかの基本的な考え方の違いだということは先ほども申し上げました。障害当事者である横沢委員の意見もあり、障害者である農業者については、女性農業者や高齢農業者と同じく、既に生産現場で大変に重要な役割を担っている、これからもその重要度がますます高まっていく大事な担い手であるという現実があり、今後もその役割は大変に重く受け止めていかなければいけないと認識いたしております。 そこで、修正案では、障害者である農業者が農業に関する活動を行うことができる環境整備を推進することを、女性の参画や高齢農業者の活動促進の規定とともに、第三節の農業の持続的な発展に関する施策の一環として第三十五条に位置付けることといたしました。 なお、具体的な規定の位置を、第三十二条の高齢農業者の規定に追加することとしましたのは、第三十一条の担い手一般の確保、育成のための施策とは別に、特に配慮してその農業者としての能力の十分な発揮を可能する環境の整備を行うことが必要な点は高齢農業者と障害者である農業者については共通するところがあると考えさせていただきました。
○松野明美君 丁寧にありがとうございました。本当に気持ちが伝わってまいりました。 二問目です。 修正案では、今後、農福連携にどう取り組んでおられるのかということです。雇用も、障害者の雇用の中には、一般雇用もあれば、福祉サービスのようにA型事業所、B型事業所とかいろんな段階がある中で、修正案では今後の農福連携や障害者との農業との関わりを、どのような未来を描いていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
○徳永エリ君 詳細に関してはまだまだ十分な議論ができていないと思いますが、障害福祉サービスを利用している方や、農業者で病気やけが等により障害を受けても現場で農業を営んでいる方がいらっしゃいます。重要な担い手である障害者である農業者について、障害の程度や個々の事情に合った農業の関わり方を、当事者の意見を反映させて、国や自治体の支援を受けながら継続できる、そんな環境をしっかりと整備していきたいと思っております。 このように、農業分野においてもインクルーシブな環境をつくってまいります。
○松野明美君 力強いですね。本当に、もう農林水産省の皆様方とはまるで違うような意気込みというのが伝わってまいりまして、もう本当に、ついつい賛成したいなというような気持ちであります。 三問目になります。 障害者等の等に当たる方々への思いについてお尋ねをいたします。 政府案では障害者その他の社会生活上支援を必要とする者の施策を行うこととされておりますが、修正案ではその他の社会生活上支援を必要とする者への農業への関わりをどのように考えていらっしゃるんでしょうか、お尋ねいたします。
○徳永エリ君 政府案が第四十六条で新設しようとする農福連携の規定については、政府は、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組であるとしており、障害者基本法の基本理念を踏まえ、地域社会として障害者を支える環境を整備するため、農村振興施策として位置付けるとしています。 このような取組の必要性、重要性は、障害者のみならず、それ以外の生活困窮者や犯罪、非行をした者であっても、どんなバックグラウンドであっても同様に認められるものであると考えております。このような趣旨で、農福連携の規定を設けることにも一定の意義が認められることから、第四十六条の修正は行わないものと整理をさせていただきました。 私どもといたしましては、農業生産の担い手として多様な者を想定しており、その他の社会生活上支援を必要とする者につきましても重要な担い手になり得るものであると認識をいたしております。
○松野明美君 よく分かります。私も同じような気持ちです。 では、最後の質問になります。畑地化の文言削除についてお尋ねをいたします。 修正案では畑地化の文言を削除する案を示されておられます。水田の畑地化は、現行の食料・農業・農村基本計画では高収益作物に転換するためという限定があります。このまま水田の畑地化を強く推進していくことには私たちも非常に疑問があります。 そういう中で、修正案ではどのような発想で畑地化の文言削除を考えていらっしゃいますでしょうか、お尋ねいたします。
○舟山康江君 水田で生産される米、これは主食として食料安全保障の要だと考えています。あわせて、水田は、食料の安定的な供給のみならず、洪水や土砂崩れの防止といった災害の発生の防止、水源の涵養、また生物多様性の保全、自然環境の保全等の役割を果たしています。 様々な役割を果たしている水田を畑地化することは、主食である米の安定的な供給に支障を及ぼすとともに農業の有する多面的機能の発揮にも影響を与えることとなり、この点は高収益作物に転換する場合であっても同じだと考えます。 先ほどの議論でもありましたけれども、今、米の需要が増えている、需給が逼迫している、こういった状況の中で、改めて主食をしっかり作る、そういう中で一回畑にしてしまうとなかなか水田に戻らない、これは多大な労力とコストが掛かる、こんな指摘もあるんですね。 昨今における気候変動等による農業を取り巻く環境の不確実性、この高まりを考えてみても、高温多湿なアジア・モンスーン地域であるこの日本における米作りは比較的気候変動の影響を受けにくいことから、米作りを維持することの食料安全保障上の重要性がますます高まっていくと考えられ、水田の果たす役割がこれまで以上に増大しています。 こういったことから、やはり畑地化を汎用化と並べて例示する必要はないと考え、削除することとしています。
○松野明美君 私の質問にしっかりと分かりやすく答弁をいただきまして、ありがとうございました。 私の気持ち、ゆらゆらゆらゆらと動いておりますが、その気持ちをしっかりとお伝えをいたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 農業基本法の改正案めぐって、ずっと議論を重ねてまいりました。 それで、最初に、私、やっぱり新自由主義的な農政というのは変えないといけないというふうにずっと思ってきました。新自由主義的農政ということでいうと、やっぱりこの競争原理の下で、強い者は生き残っていく、そして弱い者は切り捨てられていってしまうと、そういうやっぱり冷たい在り方というもの、それから自己責任をどんどん課していくという在り方ですね、そういう新自由主義の農政からやっぱり人と環境に優しい農政に転換すべきだということをずっと思ってきましたし、それからいろんなところでそれを、話をしてきました。 その場合の人というのは何を指すかというと、やっぱり命を育む農産物生産をずっとしている生産者であり、生産者が安心して営めると。それからもう一つは、やっぱり消費者ですよね。安心できて安くて栄養になるもの、そういうものをやっぱり求めていて、そういう消費者。両方に対して優しい農政であるべきということが一つと、環境に優しいということでいうと、これはやっぱり自然やそれから家畜に負荷を与えずに行う農業であると。地域で生産された農産物をその地域で消費する、CO2も削減するなど、この環境に優しい農政ということです。 大規模よりも中規模、小規模の方が実は所得率が高いというのがこの間もだんだん明らかになってきたんだけれども、そしてやっぱり家族団らんが楽しめると、そういう生産者もいるわけで、希望ある未来、生産意欲が沸き立つようなね、そういう方向性が示されなければいけないというふうに思うんですね。 そこで、修正案についてお聞きするんですけれども、農業所得の確保による農業経営の安定ということで追加をされたと思います。今、どこでも農業で生活できないという声があるわけなんですけれども、この声にどう応えていくのかと、政治に求められているんだと思うんですね、その方向を示すと。直接支払などを、展望どのようにされているのかということで、見解をお聞きしたいと思います。
○舟山康江君 今まさに、紙議員からお話しいただきました。 やはり、この委員会の中でも、生産基盤の弱体化、随分問題になりました。人がいなくなる、農地が減る。何ででしょうか。やっぱり、もうからないからなんですね。そういう意味では、しっかりと人と農地を確保する、生産を持続する、そのためには、持続可能な所得、よく持続可能な農業と言われますけれども、やはりそのためには、所得を確保する、その所得の確保のために、もちろん生産性を上げるのも必要でしょう、価格で実現することも必要でしょう。しかし、その個人の努力ではいかんともし難いところに対してしっかりと後押しをしていく。 やっぱり、農産物の価格には全ての価値が乗り切れません。その価格に乗らないような様々な価値を政策が後押しする、これこそが私は必要だと思うんですね。そういう中で、この五条一項にまさに所得と入れた背景には、この直接支払を念頭に置きながら、持続可能な、再生産可能な、そこでしっかりと人が残り続けられる、農地を守り続けられる、地域社会を続けられる、そういったものを目指すためにこのような文面を入れさせていただきました。 これは、ほかの国でももう既に行っていることなんですね。特にEUでは、共通農業政策の中で、経済的に成り立つ農業収入の確保支援、これを柱にいたしまして、しっかりと農業者の公正な所得確保のために、環境への配慮を条件に、生産と切り離した面積支払、こういった直接支払を導入し、維持発展を図っています。 こういった制度を参考にしながら、日本においても、このような役割をしっかり支援する、そのような施策を導入すべきだと、そんな思いでこの条文を入れさせていただきました。
○紙智子君 我が党も実は衆議院に修正案を出していまして、それで農業所得及び安定的な農業経営の確保を位置付けているわけなんですけど、同時に価格保障も必要だという立場なんですよ。それは、WTO協定で価格支持は駄目となっているんだけど、実質的には、当時というのはやっぱり世界的に余りぎみのときにやっているので、そのときに決めたことがずっと未来永劫続くわけではないという中では、作ったものがちゃんと再生産できる、そういうものに改めていくという点では、価格保障と所得補償を組み合わせるというのが我々の考え方であるということもちょっと申し述べておきたいと思います。 それから二つ目に、食料自給率の向上が明記されたというのは重要だというふうに思います。やっぱり、お話ありましたけど、現在の基本法の下でこの目標を一度も達成したことがないと。これはもう本当に、何というんですか、ちゃんと明記をして、その効果をしっかり実効ある方向に進めなきゃいけないということでは、その施策の実効ある方向性というのをどのように考えているのか、お聞きします。
○舟山康江君 現行基本法でも、基本計画の中にこの自給率の向上を旨としてということが書いてありますけれども、やはり、しっかりと基本理念の中で、この国内の生産を伸ばすというのであれば、自給率の向上、これを明記するべきだと、そんな思いでこの修正を提案させていただきました。 様々な指標があるかもしれませんけれども、食料自給率は、基礎的な栄養価であるカロリーに着目をして消費に対する国内生産の割合を示す指標であり、国民にもなじみのある分かりやすい指標となっておりました。しかし、改正案では現行より随分と後退いたしまして、指標の一つですね、指針でもなく指標の一つと格下げをしてしまいました。答弁では指針なんだということがありましたけれども、でも、そうであればきちっと書き込むべきだということ、改めて指摘をさせていただきたいと思っています。 しかも、他の指標は具体的にどういうものなのかということに関して、委員会質疑におきまして、基本法検証部会の部会長を務めておられた東京大学の中嶋康博参考人が、食料安全保障の指標は基本計画に持ち越しになっている、どんなふうにまとめ上げていくかは今の時点では申し上げられませんと答弁されるなど、食料安全保障の確保に関する評価の指標の内容が曖昧なんです。 ですので、やはり改めて自給率目標を達成できなかったことを反省し、食料自給率の向上を図ることを基本とすることこそが、国民に対する食料の安定供給、ひいては食料安全保障を確保するために最も重要な指標となるということ、これを明確にさせていただきたいと思います。
○紙智子君 その点では、我が党も考え方は多分同じで、国政の柱に据えるべきだということに、やっぱりそこをしっかりさせるということが大事だと思っています。 もう一つ、有機農業の促進、種子の公共育種事業も明記をし、追加されたわけなんですけど、この点は政府の基本政策、基本法の改定、改正案では位置付けが弱いという認識なんでしょうか。
○徳永エリ君 まず、有機農業ですけれども、改正案には有機農業の促進が、基本理念はもとより、法案全体でも一言も触れられていないんですよね。 改正案では、基本理念において、食料供給の各段階における環境負荷低減の取組の推進など、生産から消費に至る食料システムについて環境との調和が図られなければならない旨を規定しています。また、第三十二条にも環境負荷低減の取組の規定があり、具体的には、化学農薬、肥料の使用削減など、幅広い取組を促していくこととしており、その中に当然有機農業も含まれていることからあえて記述しなかったという説明でございました。 政府は、令和四年に法制化されたみどりの食料システム、この戦略で、二〇五〇年までに全農地の四分の一、百万ヘクタールを有機農業にするという目標を立て、様々な施策を講じています。にもかかわらず、条文には一切書かず、含まれていると言われても、説明がなければ全く分かりません。 そこで、修正案では、持続可能な農業の中核として強力に推進すべき有機農業を条文に明記することとしております。 次に、種子でありますけれども、修正案では第四十二条第四項に、地方公共団体がその地域における重要な農産物の種子を生産し、供給する体制の整備を国が行う旨の規定を追加することとしております。 政府は、改正案の第四十二条において、種子も含む農業資材の安定的な供給の確保を位置付けたと説明していますが、貴重な遺伝資源でもある種子の国内生産については条文に明記するべきであります。これも包含されているという説明でありました。 昨年九月に行われた食料・農業・農村基本法検証の見通しに関する国民からの意見、要望でも、種子については千百七十九件の要望のうち最も多い五百四十件でありました。また、特に主要な農作物の種子については、国が責任を持って国内で生産し、供給する必要があると考えます。伝統的な地域の在来種も保存し、活用していくことは、農業用植物の品種の多様性の確保及び地域の農業振興を図る上で重要であります。 こうした観点から、地方公共団体がその地域における重要な農産物の種子を生産し、供給する体制を国が整備する旨の規定を新たに設けることとしたところでございます。
○委員長(滝波宏文君) 時間ですので、おまとめください。
○紙智子君 時間ですね。 政府提出の原案が持っている問題点を修正するという趣旨はうかがえるというふうに思っていて、同感するところもたくさんあります。 我が党は、今の農政が持っている農産物の輸出入に関しての見直しも必要だというふうに思っていまして、その点まで踏み込んだ修正が必要であるんじゃないかということを思っておりますので、そのことを述べて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○寺田静君 時間をいただき、ありがとうございます。 この委員会に加えていただき、一年半以上、この分野に詳しく、思い入れのある委員の先生方の質疑、また聞いてまいりまして、農業では食べていけないんだというのが現状であるということは、ここにいらっしゃる多くの、与党の先生方も含めて、この委員会の総意であろうというふうに思います。その解決方法には意見の違いがあっても、少なくともこの認識自体は一致をしているだろうと感じております。 私が残念なのは、農業が弱体化した最大の原因であるこの農業では食べていけないという現状が、政府が提出をしている基本法改正案によって大きく変わっていくという大きな期待が持てるものになっているとは感じられないことです。 岸田総理も様々な、今日ここにいらっしゃいましたけれども、様々な場面で誰一人取り残さないということをおっしゃっていると思いますけれども、今の農政、そして基本法は、誰一人取り残さないどころか、取り残される人たちがたくさん出て、それで人が去ってしまっていると。人間は物じゃなくて人だから気持ちがあるんだと、どうにもならないと感じれば去っていくと。 今回の基本法改正はこの悪循環を止められるようなものになっているんだろうかと思うと、やっぱり疑義があるというふうに感じます。そして一方で、修正案はこうしたところをしっかり受け止めていただいているというふうに感じております。 修正案提出者への質問が横沢委員のものとすっかり重複をしてしまいましたので、政府にお伺いをしていきたいというふうに思います。 修正案では、農業の持つ多面的価値に広く言及をされています。農業、定年もなく、体が言うことを聞く限り働けるんだということで、七十代、八十代、また、私の友人の祖母は九十代でも毎日畑に出ているという現状があります。 農業に従事をすることは、もう水の管理とか、様々他者との連携が必要なこともあって、孤独、孤立の未然防止にもつながっていて、心身の健康寿命も延伸をして、医療・介護費用や孤独、孤立の解消のための自治体の様々な施策に係る費用なども減じられるなど、今日お配りしましたけれども、この農業の多面的機能の貨幣評価の試算価値、これもうかなり前のものですけれども、ここに掲げられたもの以外にもこの多面的機能は計り知れないと、社会全体に大きな利益があって、また国庫負担も軽減をされているというふうに感じますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 国土の保全や水源の涵養等の農業の有する多面的機能につきましては、地域住民はもとより、国民全体が享受しているものであり、平成十三年の日本学術会議の答申におきまして、定量化が可能な物理的な機能を中心に貨幣評価額の算定が盛り込まれたところであります。委員がお示しになった資料のとおりでございます。 ただし、自然環境の保全や文化の伝承など、適切な評価方法が、評価手法が定まっていない機能につきましては貨幣評価の試算を行っておらず、貨幣評価の試算結果に掲げられたもの以外においても農業の多面的機能は重要であると考えております。 例えば、委員御指摘の医療・介護費用につきましては適切な評価手法が確立されていないところでありますけれども、令和二年度、令和三年度に茨城県の城里町において行った試行的調査では、後期高齢者のうち農業に従事している人は、従事していない人に比べ医療費、介護費が共に低い傾向が確認されたところでございます。 農林水産省といたしましては、こういった適切な評価方法が定まっていない機能につきましても、引き続き、評価に関する調査研究を進め、更なる知見の蓄積に努めてまいりたいと考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 是非、この多面的機能の貨幣評価の試算、また新しいのを是非出していただきたいんですね。今言及していただいたこの医療・介護費がどれぐらい減っているかということ、これ統計的にもしっかりと有意な値が出ていると思いますし、介護費に至っては恐らく四分の一以上低くなっているんじゃないかなというふうに思います。 次の質問をしたいと思いますけれども、中山間地や多面的機能のための施策、様々行われて、なおこの条件不利地で離農が進む現状というのは、収益性向上を目指す今の農政の在り方にあるというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 営農を行う上で生産条件が不利な中山間地域につきましては、我が国の農地面積の四割を占める一方、人口減少、高齢化が進行しておりまして、耕作放棄地の増加等が懸念されているところでございます。 このため、中山間地域等直接支払制度によりまして、中山間地域等の条件不利を補正し、農業生産活動の継続を支援しているところであります。本制度につきましては、平成十二年度の制度創設以降、五年間を一つの対策期間として、これまでも時々の課題に応じた制度の充実を図ってきたところでございます。 また、令和七年度からの第六期対策におきましては、集落協定間の連携や多様な組織等の活動への参画によりまして、より共同活動の実施体制の強化を図るとともに、事務手続の簡素化等によりまして、集落協定や市町村の事務負担軽減を図ってまいりたいと考えているところであります。 今後も、地方、地域の方々の声を聞きまして、中山間地域の農業者等が意欲を持って共同活動と営農が続けられる仕組みを検討してまいりたいと考えております。
○寺田静君 先ほども申し上げましたけれども、結果として、様々施策を行われながらも、それでも結果としてやっぱり離農が進むというのが続いてきていると思うんですよね。食べていければいいと、この中山間地で農業を今も続ける主に高齢の農業従事者が、赤字なんだと、二束三文でやる気がないとして離農をすることで失われるものって一体どれだけあるのかなというふうに思うんです。 その意味において、修正案の三の二に掲げられたような農業所得の確保による経営の安定により、食べていける見通しが得られることで離農が避けられるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(長井俊彦君) 中山間地域につきましては、人口減少、高齢化によりまして離農が進み、後継者が見付からない場合には農業生産活動が行われなくなり、耕作放棄地が発生することが懸念されているところでございます。耕作放棄地については、周辺農地に悪影響を及ぼしまして、その解消には多額の費用を要することから、その発生防止というものが重要であると考えております。 今現在、改正農業経営基盤強化法に基づきまして地域計画の策定を進めているところでありまして、こうしたことによりまして、耕作放棄地の発生防止も含め、農地が適切に行われるようにするため、地域での話合いも行われているところでございます。 農林水産省といたしましては、こうした地域計画も踏まえまして、新規就農や企業参入による担い手の育成、確保、農地バンクを通じた農地集積、集約化や農業生産基盤整備によります農地の効率的な利用の促進、日本型直接支払制度によります地域集落の共同活動の取組の支援、鳥獣害対策の取組の支援、粗放的利用による維持保全の取組の支援などを総合的に進めることが必要と考えておりまして、引き続きこれらの対策に努めてまいりたいと考えております。
○寺田静君 もう一点、舟山委員の求めによってこの委員会に示された改正食料・農業・農村基本法案の基本理念の関係性(イメージ)というものには環境と調和の取れた食料システムの確立とありますけれども、そのための重要な手段と思われる有機農業が改正案に明記をされなかった理由についていま一度教えてください。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 有機農業の推進につきましては、現行基本法におきましても、自然循環機能の維持増進の施策の対象として位置付けられておりまして、改正法案におきましても、引き続き、環境への負荷の低減の施策の対象として、化学農薬、肥料の使用削減など幅広い取組を促すこととしております。 いずれにいたしましても、有機農業につきましては、今回の基本法の見直しの内容を踏まえまして、みどり戦略に位置付けられた目標の実現に向けて引き続きしっかりと後押ししてまいります。
○寺田静君 ありがとうございます。 含まれているということではなくて、有機農業という言葉が明記されなかった理由を聞いております。いま一度いかがでしょうか。
○委員長(滝波宏文君) 時間迫っておりますので、簡潔にお願いします。
○政府参考人(杉中淳君) 現行基本法の中でも有機農業の推進と施策を取り組んでおりましたし、今後、引き続きその施策の推進については維持するということで、あえて変更する必要がないということで追記はしておりません。
○寺田静君 私自身、この各委員の思い入れのある発言や指摘、それに対する政府の方々の認識と見解に耳を傾けてまいりまして、大変勉強にはなりましたけれども、議論の結果としては大変残念なものであったと思わざるを得ません。結果は結果として、この基本法の下に作られる基本計画がより良いものと、農業現場の支えとなるようなものになるよう見守っていきたいと申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(滝波宏文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳です。 会派を代表しまして、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に反対、修正案に賛成の立場で討論を行います。 基本法の制定から二十五年、食料自給率は低迷し、農業従事者、農地の減少に歯止めが掛かりません。農業の生産基盤と農村コミュニティーは弱体化し、国民の食が危機に直面していることは共通の認識であります。 こうした事態を招いたのは、この二十五年間の基本法による農政が必ずしも実情に即したものでなかったと言わざるを得ません。そして、国の農政のトップである坂本大臣の生産基盤は弱体化しているとは思っておりませんという発言に表れているように、現状の認識もこうした農政の検証も十分に行われないまま提出された改正案は、基本的な理念や施策の見直しが不十分で、食料、農業、農村が直面する課題の解決につながる希望あるものとなっているとは言えないのであります。 以下、具体的な反対理由に絞って申し述べます。 第一の理由は、農業者の所得確保の観点が欠落していることであります。 食料の価格形成については、改正案では合理的な価格形成が盛り込まれました。結局、交渉力を持たない生産者がコストを上乗せできず、再生産可能な価格は実現しないのではないかという懸念が払拭できません。この際、消費者が安心して食料を入手可能な価格形成と生産者が再生産可能な所得との両立の実現が期待できる直接支払の導入を検討することが必要であるとの私たちの提案を受け入れられることはありませんでした。 第二の理由は、水田の畑地化が規定に盛り込まれたことであります。 畑地化の規定を明記することは、持続性に優れた生産装置である水田の喪失につながるものであり、我が国の食料安全保障と多面的機能の強化を図る観点から将来に大きな禍根を残すものと言わざるを得ません。 第三の理由は、障害者の位置付けが適正でないことであります。 改正案では、障害者の活動は、障害者基本法の理念に反して、女性や高齢農業者の活動とは区別され、農村振興策に位置付けられており、看過できるものではありません。 このほかにも、委員会では様々な問題点が取り上げられました。私たちは、こうした政府案の問題点を抽出し、改正案をより良いものにするため修正案を取りまとめ、提出しております。 農林水産大臣は、生産基盤が弱体化していないとの発言を撤回いたしました。政府・与党は、本当に生産基盤弱体化等への危機感を持っているのであれば、日本全国の農業現場の皆様の思いが込められた私たちの提案を取り入れていただくべきであることを申し上げ、討論といたします。
○舟山康江君 国民民主党・新緑風会の舟山康江です。 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に反対、修正案に賛成の立場から討論します。 食料の安定供給の確保は国家の最大の責務ですが、WTOやTPPなどの農産物自由化圧力などによる安価な海外農産物の輸入増の一方で、長引くデフレ基調による農産物価格の低迷、収益性悪化で、農業従事者や農地の減少など農業生産基盤の弱体化が進み、食料自給率はカロリーベースで現在僅か三八%にまで落ち込んでいます。 また、地球規模での気候変動や国際情勢の不安定化などにより世界の食料事情は一変し、いつでもどこからでもお金さえ出せば食料は手に入る、そんな時代は既に過去のものとなりました。 だからこそ、自助努力と競争力強化で強い農業を目指すという世界の潮流とは乖離した方向性を見直し、農政の憲法である食料・農業・農村基本法改正で生産基盤強化につながる理念と政策を打ち出すことを強く期待しておりましたが、政府の危機感が全く感じられない内容にとどまりました。 以下、具体的に反対理由を申し述べます。 第一に、口では国内の農業生産の増大はこれまで以上に重要と言いながら、条文に反映されていません。立憲民主党と共同提出した修正案に盛り込んだ食料自給率向上や食料供給能力の維持向上の明記を改めて求めます。 第二に、国内人口減少よりもずっと著しい農業者減少の理由を国内人口減少に矮小化するなど、背景にある原因を的確に捉えることなくして真の解決策は打ち出せないからです。最大の原因は、農業ではもうからないからであり、坂本大臣が当時、答弁でにじませた農業者の自助努力ではなく、直接支払制度など所得確保に向けた的確な指針と具体策こそが必要です。 第三に、合理的な価格の実現があたかも農業生産現場にとって再生産可能な価格であるかの幻想を強調していることです。食料生産のコストが全て価格に反映されるのは理想にすぎず、市場に左右され価格が決まるのが現実であり、再生産に必要なのは価格ではなく所得であることを明記していただくよう改めて求めます。 第四に、効率的かつ安定的な農業経営を営む者と、それ以外の多様な農業者を分けて論じ、後者は経営所得安定対策の対象外にするなど、地域の分断を生む政策に執着している点です。消防団活動やPTA活動など、地域活動の担い手や伝統や文化の継承者など、お金に換えられない価値、役割を評価し、全ての農業者をひとしく支える農政への転換が必要です。 第五に、本法案での農村の振興に関する基本認識には大きな誤りがあることです。令和二年策定の現行食料・農業・農村基本計画での認識は改正後も変わることはない、つまり、農業生産のみならず多面的な役割を発揮する場、地域の資源を生かした産業を生み出す場であり、極めて幅が広い役割を農村が期待されている点を確認する大臣の答弁をいただきました。しかし、条文からはそのことが全く読み取れないどころか、事務方からは、農村振興の基本理念をうたった六条は、農業に関連するということを極めて限定的に書いていると答弁される始末でした。 第六に、水田は、地域に不可欠な多面的機能を有しているだけでなく、主食である米の生産基盤として我が国の安全保障の要であり、畑地化推進の姿勢が鮮明に打ち出されたことにも危惧を抱かざるを得ません。法案からの畑地化の削除を改めて求めます。 以上のようなことから、修正案の提出をさせていただきました。是非、委員の皆様には、修正案に賛成をいただきたいことをお願い申し上げ、改めて政府案への主な反対理由を申し上げ、私の討論とさせていただきます。
○紙智子君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の食料・農業・農村基本法改正案に反対の討論を行います。 反対する第一の理由は、改正案が食料自給率の目標を食料安全保障の確保に関する事項の目標の一つに格下げしたからです。 現在の食料自給率は三八%、現行法ができてから食料自給率目標は一度も達成されておりません。そのまともな検証もないまま、食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針としていた文言を改善を図るに変えました。それでは改善すればいいだけの話になってしまいます。 また、改正案は、安定的な輸入を確保するために、輸入相手国の多様化、相手国への投資の促進を位置付けました。自民党政権の下で、TPP、日米貿易協定、日EU・EPAなど歯止めなき自由化が進み、安い農産物の大量輸入が続きました。世界的な食料危機の中で、輸入依存を脱却すると言いながら、自由化路線を変えるどころか、安定的な輸入といって相手国の投資まで行えば、更に国内生産を軽視することになりかねません。何よりも、安全、安心な農産物を安定供給するためには、生産者が安心して営農できることが大切で、食料自給率の向上を国政の柱に据えるべきです。 第二の理由は、生産者の所得を増やす規定がないことです。 全国各地で農業で生活できないとの声が広がっています。二十一日の岩手県の公聴会で、私は、日本生活協同組合連合会が財政支出に基づく生産者への直接支払を求めていることを紹介しましたが、与野党から推薦された参考人全員から賛成するとの意見が表明されました。政治の責任で価格保障や所得補償を抜本的に充実することが大切で、農村でも生活できる環境整備が必要です。 第三に、農業の担い手は、効率的かつ安定的な経営体、農業で生計を立てる担い手への支援に偏り、兼業農家など農業以外で生計を立てる生産者は専業農家の補助者と位置付けているからです。 大規模経営でも後継者不足が課題になる中、専業農家だけでなく、兼業農家、半農半Xなど多様な担い手の支援を強化することが必要です。 今必要なのは、食料と農業の危機を抜本的に打開することです。そのためには、食料自給率の向上を国政の柱に据え、際限のない輸入自由化路線に歯止めを掛けるとともに、危機にふさわしく、農林水産予算を思い切って増額することです。 なお、野党提出の修正案は、政府が進めた自由化政策への歯止めとはならないため、賛同できません。 以上述べて、討論とします。
○委員長(滝波宏文君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、舟山君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(滝波宏文君) 少数と認めます。よって、舟山君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(滝波宏文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、横沢君から発言を求められておりますので、これを許します。横沢高徳君。
○横沢高徳君 私は、ただいま可決されました食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員寺田静君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 地球規模での気候変動や国際情勢の不安定化、各国の人口動態や経済状況等に起因する食料需給の変動などにより、世界の食料事情は厳しさを増している。さらに、我が国においては、農業就業者数及び農地面積の減少に歯止めがかからず、農村人口の減少が進む中で、生産基盤が弱体化している。政府は、産業政策と地域政策を車の両輪として施策を講じてきたが、農村の中には集落機能の維持さえ懸念される所もあり、食料自給率は一度も目標が達成されたことがない。このような状況において、「農政の憲法」とされる食料・農業・農村基本法が果たすべき役割は極めて大きく、その改正により生産基盤の強化につながる理念と政策が構築されることへの期待が寄せられている。農業者の所得の向上、合理的な価格の形成、生産基盤の維持強化等の喫緊の課題への機動的かつ効果的な対処が求められる。 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 食料安全保障の確保に関しては、国民一人一人が安全かつ十分な量の食料を入手できるようにすることが政府の責務であることを踏まえて施策を遂行すること。 二 国民に対する食料の安定的な供給については、食料の供給能力の維持向上を図り、国内の農業生産の増大を基本として確保し、これを通じて食料自給率の向上に努めること。農業生産においては、麦、大豆、飼料作物等の国内生産の拡大、輸入に頼る農業資材から堆肥等の国内資源への代替の促進など、食料及び農業資材の過度な輸入依存からの脱却を図るための施策を強化すること。 三 食料の価格に関しては、その持続的供給を支える国内農業の持続的な発展に資するよう、食料供給に必要な費用を考慮した合理的な価格の形成に向けた関係者の合意の醸成を図り、必要な制度の具体化を行うこと。 四 農業の持続的な発展には、農業者の生活の安定と営農意欲の維持が不可欠であることから、農業経営の安定を図りつつ、農業所得の向上を図るとともに、生産基盤の維持強化に必要となる農業就業者を確保するため、新規就農支援等を積極的に推進すること。 五 障害者が社会の構成員としてあらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることが重要であることに鑑み、障害者である農業者の役割分担並びにその有する技術及び能力に応じて、生きがいを持って農業に関する活動を行うことを促進し、関係省庁一体となり、障害者の福祉の向上を図るとともに、農福連携を推進すること。また、次期食料・農業・農村基本計画において、障害者等も貴重な農業人材であることを明確にすること。 六 食料消費に関する施策については、食品の安全性の確保を図る観点から、科学的知見に基づいて国民の健康への悪影響が未然に防止されるよう行うこと。また、食育は、食料自給率の向上等の食料安全保障の確保及び国内農業の振興に対する国民の理解醸成に重要なものであることから、その取組を強化すること。 七 食料システムにおける人権の尊重、家畜にできる限り苦痛を与えないなどアニマルウェルフェアに配慮した飼養管理等を促進すること。 八 備蓄食料については、各品目の特性に応じ、民間在庫・流通在庫や代替輸入・国内増産の可能性、品目ごとのバランスも考慮した上で、適正な備蓄水準を検討し、計画的かつ透明性の高い運用を図ること。 九 望ましい農業構造の確立においては、地域における協議に基づき効率的かつ安定的な農業経営を営む者以外の多様な農業者が地域農業及び農地の確保並びに地域社会に果たす役割の重要性を十分に配慮すること。 十 農地を確保し、農業の持続的発展に資するよう必要な支援措置を講ずるとともに、農業生産基盤に係る施設の維持管理などの費用の負担に対する支援措置を講ずること。水田は食料安全保障及び多面的機能の観点から優れた生産装置であることに鑑み、地域の判断も踏まえその活用を図ること。 十一 農業生産活動は自然環境の保全等に大きく寄与する側面と環境に負荷を与える側面があることに鑑み、温室効果ガスの排出削減、生物多様性の保全、有機農業の推進等により、環境と調和のとれた食料システムの確立を図ること。 十二 安定的な農業生産活動のためには安定的な種子の供給が重要であることに鑑み、その安定的な供給を確保するため地方公共団体等と連携して必要な取組を推進すること。 十三 農村は、食料の安定的な供給を行う基盤であり、かつ、国土の保全、自然環境の保全等の多面的機能が発揮されるとともに、多様な産業を生み出す地域資源を有する場であり、農村における地域社会の維持が農業の持続的な発展に不可欠であることに鑑み、食品産業の振興その他の地域社会の維持に必要な施策を講じ、農村の総合的な振興を図ること。都市農業は、都市住民に地元産の新鮮な農産物を供給する機能のみならず、都市における防災、都市住民の農業に対する理解の醸成等の多様な機能を果たしていることに鑑み、その推進に一層取り組むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(滝波宏文君) ただいま横沢君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(滝波宏文君) 全会一致と認めます。よって、横沢君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、坂本農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。坂本農林水産大臣。
○国務大臣(坂本哲志君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(滝波宏文君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十五分散会