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213回国会参議院2024/05/23

農林水産委員会 第11号

発言数
410
登壇者
32
会派数
8
開催日
2024/05/23

会議録

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、宮本周司君が委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫君が選任されました。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) この際、坂本農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。坂本農林水産大臣。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 五月の十六日の本委員会におきまして、私から、生産基盤が弱体化したとは思っておりませんと申し上げたことにつきまして、一言申し上げさせていただきます。  今国会で御審議いただいている食料・農業・農村基本法の改正法案は、農業の生産基盤が弱体化していることなどを背景に提出させていただいており、また、過去の政府文書や国会答弁等では、生産基盤の弱体化等の課題に直面している等とされていることから、私の認識に誤りがありました。  私の答弁については、生産基盤が弱体化していると、生産基盤が弱体化していると修正させていただきます。  前回の答弁については撤回することとし、おわび申し上げます。  また、委員からの弱体化の根拠などを示しての御質問に対し、決め付けの質問などと申し上げた点についても行き過ぎた発言であったと思います。  この発言について撤回し、おわび申し上げます。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長辺見聡君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。  去る二十一日に本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山下雄平君。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 委員派遣の御報告を申し上げます。  滝波委員長、佐藤理事、山本理事、横沢理事、舟山理事、清水委員、野村委員、藤木委員、宮崎委員、山田委員、田名部委員、徳永委員、羽田委員、高橋委員、横山委員、松野委員、紙委員、寺田委員及び私、山下の十九名は、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案の審査に資するため、去る五月二十一日、岩手県に派遣され、盛岡市で地方公聴会を開催し、四名の公述人から意見を聴取した後、質疑を行いました。  公述の要旨について申し上げます。  最初に、株式会社西部開発農産代表取締役社長の照井勝也公述人から、担い手への農地の集積・集約を推進する必要性、基盤整備による生産性向上と畑地化による需要に応じた生産効果等の意見が述べられました。  次に、「JA全農いわて」県本部長の高橋司公述人から、合理的な費用を考慮した価格転嫁の実現への期待、多様な農業者が地域で担う役割の重要性等の意見が述べられました。  次に、賢治の土株式会社代表取締役の畠山武志公述人からは、農業者の所得向上に寄与する産直販売の意義、中山間地域で地形を生かす中小農業の取組の重要性等の意見が述べられました。  最後に、岩手大学人文社会科学部教授の横山英信公述人からは、食料自給率を食料安全保障に関する最重要の目標として位置付ける必要性、市場価格と生産費の差額を補填する措置の必要性等の意見が述べられました。  これらの公述人の意見に対し、派遣委員より、外国人材と女性の活用に必要な施策、家族農業の採算確保と支援策、農地中間管理機構が適切に機能するための方策、農業法人における障害者雇用の状況、コスト対策と所得補填の政策比較、財政支出による農業者への直接支払制度の評価、小規模農業が支援対象外となる制度要因など多岐にわたる質疑が行われました。  以上が地方公聴会の概要です。  会議の内容は速記により記録しましたので、詳細はこれにより御承知願います。  なお、地方公聴会に続き、雫石町で農場を視察するとともに、猿子恵久雫石町長、堂屋剛氏等の関係者と意見交換を行いました。  最後に、今回の委員派遣におきましては、公述人及び関係者の方々に多大な御協力をいただきました。深く感謝を申し上げます。  以上、御報告申し上げます。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  なお、地方公聴会の速記録につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 自由民主党の藤木眞也です。  今回、私も、熊本県で農業者として約三十年、それ以後、農業関係者として十年間農業現場に携わってきました。今回の基本法の改正に当たっては、農家を代表する国会議員として参議院で登壇の機会もいただきましたし、今日、こうやって法案の審議のチャンスをいただきましたことに、理事の先生方には感謝を申し上げたいと思います。  そこで、今日、大臣がいらっしゃいますけれども、私の選挙区は熊本第三選挙区であります。おらが代議士は坂本哲志代議士です。自分の代議士が大臣でいらっしゃる中で、胸を借りて今日は質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  私は、昭和六十一年におやじの後を継いで就農しましたけれども、同級生は大体六十年に高卒でそのまま就職をしています。考えてみると、一番多かったのは、施設農業をやられている農家の後継ぎが多かったわけですが、その頃というのはバブルの絶世期でもありましたけれども、大体、後継ぎをする、又はどうしようかなと思っているときに親が、高級車を買ってあげるから農業を継がんか、そんな時代に私は就農をしております。  ただ、それから約四十年経過をしていますが、どの農家もやはり大体規模的には二倍近い規模拡大を行いながら、それでもその当時の手取りには足りないというような状況が現在続いております。ホルスタインの肥育をやっていた私からいけば、そのときのホルスタインの牛肉より現在の牛肉の方が安いという考えられない状況が生まれています。  こういった状況の中でありますけれども、やはり私たちの周り、仲間、そういう人の話を聞くと、もう藤木先生、ここまで頑張ってきたけど、息子は農業したいと言って農大に行った、でもやっぱり就農させるのはちょっと親として厳しいなと、もうほかの仕事に就けということを言いましたという仲間がたくさんいます。  自分の仕事に誇りを持ってこれまで頑張ってきて、後継ぎがやりたいというその気持ちを遮る親の気持ち、この悔しさというのを本当に私は多くの、多い機会、そういう話を聞かされる中で、突然組合長の話があったときには自分の組合員さんだけでもこういうことにならないように頑張ろうかという思いで組合長もお受けしましたし、国政に出ろと言われたときにも、やはりこういう人を一人でも出したくない、そういう思いで最終的には出馬をする決意をいたしました。  やはり、二倍に経営が大きくなっても手取りはそのときよりも少ないんだということは、価格転嫁が間違いなくこの地域で行われていなかったことによる影響が多大だろうと思います。しっかり、今日の農業新聞にもありましたけれども、価格転嫁への期待が七割、これやはり今回の基本法の改正に当たって、地域で農業を頑張っていらっしゃる方の率直な気持ちだろうと思います。やはり、ここに本気で私たちは期待に応えていかなければいけないという中で、党としても、二年前に食料安全保障の確立、これをテーマに掲げて今日まで進んできたというふうに思っております。安全保障の確保、これも五六%の方が期待をされているということでございます。  やはり、もうこれ以上の離農者を出したくない。また、よくデータを出されると、現行基本法がスタートしたときの約二百四十万人の農業従事者が現在百二十万人で、これから二十年間で三十万人まで減少するだろうという見込みがある中で、本当に三十万人まで減らしていいのかということも真剣に考えていかなければいけないんだと思います。  やはり、私は、この法律を変えて、政策を変えて、やはり四十万、五十万、下げ止めをできるだけ高いところでつくっていくのも私たちが取り組んでいく最重要課題ではないかなというふうに思います。やはり多様な農業者、こういった方々の連帯によって地域を守って地域農業を守り、そして食料をしっかりとこの国で生産をしていくところにつなげていくために今日は質問をさせていただきたいと思います。  本会議でも発言をいたしましたけれども、現状、家族経営の親が子に就農を止めるような実態、こういったものが現行ございますけれども、農家としてやはり悔しい思いというのが私は非常に強いです。農業では飯が食えない、この状況をやはり打開していくためには、いろいろな政策をこれからどんどんどんどん新しいものにつくり替えていく必要もあるんだろうというふうに思います。  特にこの約二十五年間の間で農業従事者が半減をするということは、この農業という産業が私は再生産がかなっていない、そこに行き着くんではないかと思います。やはり、産業が再生産ができない、それは当然小さくなっていきますけれども、やはりこの再生産がかなう、そういった農業につくり替えていくために、是非とも大臣、また農林水産省の皆さん方には頑張っていただきたいなと思います。  その中で、今回こういった一連のいろいろな議論が行われているわけですけれども、これからの農業、これをどう進めていくんだという点を、坂本大臣のお考えを、また心意気をお聞かせいただければと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 我が国の家族経営は農業経営者の約九六%を占め、小規模で付加価値を高めたり、一定規模で生産性向上を果たすなど、多様な経営が展開されている重要な存在であります。  この家族経営の基幹的農業従事者は、現在六十代以上の層が八割を占めている年齢構成や、我が国全体が平成二十年をピークに人口減少局面に入っており、生産年齢人口が減少することを踏まえると、今後基幹的農業従事者が減少することは避け難い状況と考えますが、それでも、委員の御指摘のとおり、親元就農や第三者への継承などを通じ、次世代を担う農業者を少しでも多く確保していきたい、その考えは委員と一緒でございます。  そのためには、農業の収益性を高める取組への支援、そして新規就農者に対する機械等の導入や様々な資金メニューでの支援、そして円滑な経営継承のサポートなどの施策をしっかりと講ずることが必要だというふうに考えております。  さらには、現在市町村において策定が進められております地域計画は、次世代への農地の継承の契機となるものであります。継承に向けた話合いがなされるよう、現場で取組を後押ししてまいりたいというふうに思っております。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  非常に重要な局面を私は迎えていると思いますし、本当に農業にとってはラストチャンスではないかなというぐらい現場には厳しい、そういった風が吹いていると思います。私どもも全力でこのことについては取り組んでいかなければいけませんけれども、農林水産省の皆さん方にも、本当に危機感を持って今後の日本農業を支えていただきたいというふうに思ってございます。  先ほど、農業新聞の今日の一面に出ていましたと言いましたけれども、やはり適正な価格形成、これが今回、一つの肝になっていくんだろうと思います。  令和五年の五月、まだ私も政務官を務めているときですけれども、乳製品に関して、そしてまた八月には大豆製品に関しての協議会というのが立ち上がっているかと思います。いろいろな場面でほかの先生方が質問をされると、この協議会の議論を進めていますという御回答は農水省から出ていますが、この内容であったり、その進捗状況、こういった部分のお話が全然聞けていないのではないかなと思います。  この協議会における検討状況であったり、今後の見通しについてお話を聞かせていただければと思います。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  今御指摘ございました協議会でございますが、昨年八月から、生産、加工、流通、小売、消費の幅広い関係者にお集まりいただきまして、四回の会合と計六回の品目別のワーキンググループを開催をいたしました。  協議を開始いたしました当初は、現在の価格交渉は長年の積み重ねの上に成り立っていて、現状が最適であるといった意見ですとか、価格形成に関しては、改めて議論しなければいけない必要性が理解できないといったような意見もございましたが、協調した議論が進展をいたしまして、直近、四月の協議会におきましては、合理的な費用を考慮する仕組みづくりについて、法制化も視野に検討すること、それから米や野菜などの幅広い品目を対象に各段階でのコストの実態調査を行うことなどにつきまして共通の認識が得られたところでございます。  これまでのその協議の中におきましても、例えば生産者の委員からは、この協議会の設置自体が大きな成果ではあるものの、どこかにしわ寄せが発生しないような仕組みとするようにすべきだといった意見ですとか、それから、流通業者の委員からは、法制化の方向として、自由な競争原理を阻害しないことですとか、サプライチェーン全体の生産性向上を目指していくことなどに留意をすべきだといった意見、さらには、小売業者の委員からは、議論の出発点は特定の品目の供給の持続性であったので、品目がむやみに広がらないよう歯止めが必要だといった意見、さらに、消費者の委員からは、今後、合理的な費用が考慮されるためにどの程度の仕組みが必要なのか分かりやすく示してほしいといった意見もございました。  立場に応じて意見も様々でありますので、引き続き丁寧に合意形成を図っていく必要があると考えているところでございます。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 いろいろな議論、意見というのがあるんだろうとは思います。ただ、一年間、約一年間を経過して、現場は待ったなしの状況、状態の中で、やはりこの一年間の成果としては少し私はどうなんだろうというふうに感じるところもございます。やはりスピード感というのも必要ではないかなというふうに思いますので、是非、その辺、もう少し、本当にこの現場に寄り添ったといいますか、危機感を持った、現場に対して早くメッセージが出せるようなお取組の強化を引き続きお願いをさせていただきたいと思います。  そしてまた、この議論の場で、採算度外視をした価格設定がされる場合が非常に多い、また、コスト以外の要素で納入価格が決定される場合が多い、また、コストが上がっても機動的に価格交渉ができないとか、取引上の立場が弱い側が一方的に負担を強いられるといった問題が生じているというふうにもお伺いをしています。  一方で、小売業の団体や消費者の団体からは、価格転嫁を進めれば、消費が減少し、生産が縮小してしまうというような、消費が縮小してしまうというようなマイナスの影響についても指摘をされていると思います。  ただ、やはり農家が、先ほども言いましたけれども、再生産がかなわないということは、生産の規模はもっと縮小をしていくことにつながるんだということがやはり極めて大事なことなんだろうと思います。  国民の皆さん方にやはり理解醸成というのも必要ですけれども、やはりそこをしっかりと私たちは主張をしていかなければいけないかなと思います。その中で、今後の検討の中でコスト指標が示されたり、何かしらのルールができても、立場の強い買手側がきちんと遵守するよう、また実効性がないと意味がなくなってしまうんではないかなというふうにも思います。一方で、やはり消費が減少したり輸入品に代替されてしまっても意味がなくなってしまうと、そういうふうにも思います。  やはり適正な価格形成に向けた仕組みの議論の中で、このような課題について農林水産省としてはどのようにつくり上げていこうというふうに考えていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  今委員から御指摘のありました実効性ですとか、あるいは消費の減退、代替性といったものにつきましては、同じように問題意識を持って取り組んでいるところでございます。  協議会の中におきましても、納入価格が非常に、取引の、取引交渉の中では納入価格が非常に低く抑えられやすいですとか、価格交渉が機動的に行うことができないですとか、やはりその取引上の立場が弱い側が一方的に負担を強いられるといった実情を十分考慮した実効性のある仕組みとするべきだということについて共通認識が得られてきているところでございます。また、その消費量の減少ですとか輸入品への需要のシフトについても、品目ごとに差異がございますので、品目ごとに各段階のコスト構造などについて実態調査をよく行って、この実態を踏まえた検討を進めるということについて共通認識が得られているところでございます。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 もう本当待ったなしの問題だと思います。是非全力でこういったところを強化をしていただければというふうに思います。  また、この適正な価格形成、これを成し遂げるためにはやはり消費者の理解醸成というのが極めて大事なことになってくると思います。  本会議の場では、時間が非常に短い中でありましたけれども、坂本大臣からは、生産者の環境負荷低減の取組を分かりやすくラベル表示し、消費者に伝える見える化を促進するとともに、食や農林水産業への理解の増進や意識の変化を図るための農林水産体験等の食育推進を進めるという御答弁をいただいております。  この適正な価格形成には、消費者の理解がなくしては実現できないものと私も思っておりますし、最近では、いろいろな地方で私もお話をさせていただく際、特にJAの青年部であったり女性部の皆さん方にも、皆さん方も一緒になってやはり同じ方向を向いて、この消費者の皆さん方に、今の農業の実態であったり、やはり今後こうなければ私たちはもう続けていくことができないんだというようなところをお伝えいただけないですかというようなお願いもさせていただいておりますけれども、この極めて重要な取組、より消費者理解を直接求めていく具体的な方法を示すべきではないでしょうかというのが、私の一つ疑問に思っているところでございます。また、十分な予算を確保して、そういった部分の予算の獲得に向けた検討とかも農林水産省には努力をいただきたいと思います。  これ本当に、国を挙げた安全保障に対する取組でございます。やはりしっかりとした予算確保の下で、国民運動としてこの理解醸成運動を進めていくべきではないかと思いますが、農林水産省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。  消費者の理解醸成につきましては、環境負荷低減の見える化や農林水産体験等の食育といった先生御指摘からの取組とともに、価格形成に関連する取組といたしまして、昨年七月よりフェアプライスプロジェクトを実施をしており、生産資材や原材料のコスト高騰の背景等について、インターネット動画の配信等を通じて分かりやすく現場の実情を伝えているところであります。また、生産等に掛かっているコストを明確化していくため、米や野菜等の幅広い品目を対象に、生産、流通等に係る費用の実態調査を行うこととしております。こうした取組を通じまして、消費者が実際に農産物や食品を購入しようとする際に、生産現場の実情やコスト等を御理解をいただき、価格だけをですね、価格ばかりを選択基準にするのではなく、行動変容いただける環境整備をしていきたいというふうに思っております。  特に、冒頭、藤木委員からの御指摘もありましたが、生産現場の皆さん、この何十年の間、価格が全然上がっていないのではないかという大変厳しい状況に置かれているというふうに私自身もよく認識をしておりまして、サプライチェーン全体を見渡したときに、特によく聞くお話として、デフレ下でありましたので、価格を上げれば消費が減るのではないか、だからなかなかそこに踏み込んでいけないというお話をよく聞くことがありましたが、だんだん状況は変わってきているのかなというふうに思っておりますので、今この時点を契機として、委員からも御指導いただきながら、消費者の理解、しっかりいただけるように、どのやり方が一番いいのか、小売の現場の皆さんなんかともよく話合いをしながら、予算も含め取り組んでいきたいというふうに思います。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  やはり生産者にとってはできるだけ高いがいい、当たり前のことだと思います。また逆に、消費者の皆さんからいけば安い方がいい、これもまた当たり前のことだと思います。やはりここに折り合いを付けていくということが極めて大事なことなんだろうと思いますので、これ、本当に私どもも全力で御協力をいたしますので、一体となってこの理解醸成運動を展開していければなと思っております。御指導よろしくお願いいたします。  また、地域、地域農業を守っていく上では、やはり一人や二人の農業者ではなかなかそれが達成できるという話ではないと思います。たくさんの農業者の方々とともに作業を行うことによって、地域そしてまた農業環境というのが守られてきたというふうに思ってございます。  これも本会議での大臣の答弁になりますけれども、担い手育成、確保を引き続き図りつつ、担い手とともに地域の農業生産活動を行う担い手以外の多様な農業者を位置付けた、また、担い手及び担い手以外の多様な農業者には、それぞれの役割に応じた支援を行い、双方で連携の下、一体となって地域農業を支え、農業生産の基盤である農地の確保を図ると御答弁をいただいております。  やはり私は、この取組は非常に大事なことだというふうに思います。ただ、一度、土地をお持ちでも農業をリタイアされると、やはりその共同活動にはなかなか出席をしていただけないという実態もあろうかと思います。今非常に少なくはなってきておりますけれども、こういった多様な農業者と言いますが、主には私はやはりこれ兼業農家の方を指すというふうに受け止めております。この担い手以外の多様な農業者への支援、これが多面的機能支払や中山間地の直接支払など日本型直接支払のみの回答でありましたけれども、やはりこの農地の総量を維持していく上では、日本の農業の生産力の維持に向けて非常に大事なことだと思ってございます。そのためには、担い手以外の多様な農業者の役割というのを極めて重要視をしていくことも必要ではないかと思います。  これまでのようにたくさんの兼業農家の方がいらっしゃったときには、やはりなかなか担い手の方の規模拡大が容易にできないぞというような、阻害要因につながりかねないような場面もたくさん現場でも私も感じてきましたけれども、ここまで減少をされると、本当にこの方たちに残っていただかなくて全ての農地が耕作できるんだろうかという危機感を非常に強く持っています。  そういう意味では、私はこの担い手以外の多様な農業者、まあ兼業農家が主でありますけれども、この方々も、担い手と全く同じとは言いませんけれども、やはりある程度の再生産可能な農業として持続性を発揮していただくことが重要ではないかと思っております。そのための施策の充実が必要だというふうに考えております。  特に兼業農家では、機械や施設整備等の更新を行うような事業に非常に取り組みにくいという状況が今あろうかと思います。ちょうど私、コロナ対策のときも政務官をやっていましたけれども、そのときに出させていただいた経営継続補助金、まあ百万円の定額でしたけれども、これは非常に地方の皆さん方からは評価を高く受けました。これはもう専業も兼業も関係なく一律に農家の皆さん方にやっていただいたということでありますが、やはりこの実績というのは私は農林水産省として重く受け止めていただきたいなというふうに思いますし、先ほども言いましたけれども、全く同じような支援を与えてくださいとは言いませんけれども、現行では、もう本当、農業の近代化資金、これの利活用ぐらいしか、この方々には支援としては直接支払以外にはないのかなというふうに受け止めております。  やはり、この多様な農業者による経営強化に向けた機械や施設整備等の更新に対する融資や補助制度等の検討というのも必要ではないかと考えますが、農林水産省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  農業者の高齢化が進む中で、引き続き担い手の育成、確保を図ることは重要ですが、一方で、担い手だけではカバーし切れない農地については、兼業農家を始めとする多様な農業者に保全管理を適切に行っていただく重要性が従来に比べても非常に増してきているというふうに我々思っております。そのため、そうした多様な農業者の役割が引き続き発揮されるよう、農地の保全に向けた共同活動の促進のほか、六次産業化や農泊などの農山漁村発イノベーションの取組を通じた農村における所得の向上と雇用機会の確保、それから品目別対策等による農業支援の生産支援などの施策を講じてまいりたいと考えております。  今委員の方から、機械の関係、御指摘ございました。機械等の導入費用の低減を図っていくということも非常に重要なポイントになってくるかと思っております。農作業の受託や農業機械のシェアリングサービスなどの提供する農業支援サービス事業体の育成、確保に取り組んでいるところでございます。  こうした取組を通じて、多様な農業者の農業生産活動を支えてまいりたいと考えております。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  兼業農家と一言で言いましても、やはり一種農家、二種農家あると思います。特に一種農家の方は、なかなか、私の周りでも四ヘクタール、五ヘクタールの水田農業やられている方もいらっしゃいます。やはりそういった方々が、じゃ、受委託に全てを預ける経営とやはり自分で作業をやる経営、やはりその辺が二種農家とは少し違う部分もあるのかなというふうに思います。二種農家の方は、今回よくお話に出ているサービス事業体、こういったところを利用していただければいいのかもしれませんけれども、やはり、そこに少し内容的に違う方々もいらっしゃるんだということを是非念頭に置いていただきながら今後のことを検討していただければと思います。  そして、最初の話にも少しお話をしましたけれども、やはり、私も当選をして約八年がたとうとしていますが、この間で相当この親元就農、親元に就農される方の支援というのが格段に充実をしてきたなという点は農林水産省に感謝を申し上げたいというふうに思います。  私が当選をした当初は、私が就農するときの条件とほぼ変わらないような内容で、非常に、これはやれぬぞというのが私の周りからもよく聞かれていましたけれども、最近は少しその言葉も変わってきているなというふうには思います。ただ、やはり実際これに取り組もうとすると、まだ少し条件的に厳しいなと言われるようなお話もたくさんお聞きをしております。特に、認定新規就農者で親元就農をした場合に親の経営を五年以内に継承してくださいという点が、非常にやはりお父さん方からは重いぞというお話をお聞きします。ここをしっかり私は育成強化をしていくと農家の減少というものに一定程度の歯止めが利くんじゃないかなという思いを持っています。是非こういったところの取組強化というのをお願いできればというのが今回この質問の趣旨なんですけれども。  先ほど、私の、余り年が変わらない人たちが、大体、やっぱりこの四十年近い間に経営規模が二倍になって、それでも手取りがその当時、就農当時の金額には達していないというお話をさせていただきましたけれども、やはりこの家族経営を行っていく中で、息子ないし娘さんの就農がやはり新たな労働力として加わることによってその経営が更に発展をしていくところにつながると思います。  私の経営を出すとどうなのかと思いますが、私はおやじから十九歳で引き継ぎました。借金まみれだったこともあって、とにかく規模を拡大しないとこれはお金が返せないぞということで、非常に急いで規模拡大をしたという経過がございます。  ただ、一定程度の落ち着きを見せた頃から、水田の転作で飼料稲を植えたいんだと言われる農家の方が周りにたくさんいらっしゃるんですけれども、あんたが取ってくれたらやれるんだけどなというお話の中で繁殖を増やしてきて、本当に現在の大規模経営までつながってきていますが、私のところは本当に恵まれた、周りの皆さんに恵まれてここまで成長ができたという優良事例になるのかなと思いますが、やはりいろいろな生産現場の差がある中では、やはり一定の規模拡大が進めにくいといったところもあるのかなと思います。  やはり、そういう新たな労働力を確保することによって規模を大きくしてという考え方も一つあるのかなということを考えると、やはりしっかりとこの親元就農、これは、ほかの他産業からの新規就農の方と本当、同等、それ以上を私はお願いをしたいなというのが本音でございます。  是非、この要件緩和であったり、対象の拡大、そして予算規模の拡大、こういった抜本的な強化に農林水産省として取り組んでいただきたいのですけれども、そのお考えをお聞かせいただければと思います。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  今後の我が国農業の持続的な発展を確保していくためには、新規就農者の確保、それから経営継承の実現は極めて重要な課題であると認識をしております。  経営開始資金につきましては、農地もなく前職を辞めて就農するなど、生活資金の確保も厳しい中で新しく就農しようとする方を後押しするため、新規に参入される方や、農家子弟であっても新規参入と同等の経営リスクを取って就農される方に交付をしておりますけれども、実績の三割程度は農家子弟への交付となっているところでございます。  また、新規参入者並みのリスクがない親元就農も含めて、新規就農者の就農後の経営発展のため、令和四年度から経営発展支援事業を新たに措置し、機械、施設等の導入を支援しているところでございます。実際にこの事業を活用した方からは、親が高齢で継承を検討していたときに事業が後押しとなって親元就農に至った、あるいは、事業を契機に親の水稲経営を継承し、併せて地域で担い手がいなかった農地を引き受けて規模拡大に取り組む、そういった好事例も出てきているところでございます。  今後も、委員の御指摘ありました内容ですとか、現場の声あるいは現場の実態を踏まえながら、担い手の育成、確保についてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  私の近くでも、おじいちゃん、おばあちゃんの経営をお孫さんが継承していくという、米、麦、大豆を作られる農家の跡取りが二、三人、最近だけでも二、三人、この十年近くの間に八名誕生しているというような事例もございます。  やはり、その辺を是非、全ての方がそれを活用できたかと言われるとできていないケースが散見されます。是非、そういった方々への支援というのを強化をしていただくことをお願いをさせていただきたいと思います。  そして、この地域農業を守っていく上で、また今後の日本農業を守っていく上で、日本型の直接支払、これは極めて大事な取組だと思ってございます。  これまでに長年続けていただいて、私もこの取組に参加をしてきましたけれども、非常に有り難いなということと同時に、やはり集落内の結束力というのも非常にこれまでは強まったなというのが、私はこの補助金を通して感じているところであるんですが、最近は少し、この農村の実態というのも、高齢化が進んできて少し変わりつつあるものですから、この質問をさせていただきたいなと思います。  多面的機能支払は、農地の総量維持を果たしていく上では非常に重要な役割を果たす政策だと思っております。ただ少し、要件緩和であったり対象拡大、そしてまた単価の増額を求められる、そういった集落が非常に最近多いなというふうに感じております。  中山間の直接支払については、山間地域の状況が著しく厳しいため、私は、今後は中山間地という一くくりではなくて、中間地、山間地と分けて今後は対応していくべき課題ではないのかなというふうに考えております。今でも、斜度であったりいろいろな要件でいろいろと組み合わせるとこうなりますよというのはあるんですけれども、やはり現場の皆さん方からは、もう非常に複雑で非常に分かりにくいんだということもお話として聞かせていただいておりますし、特にこの山間地に行けば、本当にもういらっしゃるだけで、名前だけ残っているんだけどみたいな方もいらっしゃるぐらい、これが始まったときと現在では環境が変わってきているというふうに思います。  是非今後は、そういった中間地、山間地といったもう少しエリアを絞って対策を進めていくことも必要ではないかなと思いますし、環境保全型の直接支払についても現在検討中とのことでありますけれども、本法案の第三条に環境と調和の取れた食料システムの確立が盛り込まれており、抜本的な政策の拡充が必要ではないかと思います。  この三つの制度はどれも集落にお金が支払われる仕組みとなっていますが、先ほども言いましたけれども、かなりこの年齢構成であったり構成員の内容が地域で差が出てきていると思いますし、変わってきていることは紛れもない事実だと思います。やはり、これまで同様ではなくて一工夫を加えていただくことも必要ではないかと思いますが、農林水産省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 三つの支払について御質問をいただきました。  まず、多面的機能支払及び中山間直接支払につきましては、共同活動により荒廃農地の発生防止、解消や農村の地域コミュニティーの維持等に寄与をしており、優良農地の確保に重要な役割を果たしております。  ただ、委員から御指摘もありましたが、一方で、人口減少、高齢化により、共同活動や事務手続を中心的に担う者の減少等に伴う組織の弱体化や廃止等が課題となっていると認識をしております。  このような状況の中で、多面的機能支払につきましては、田んぼダムに係る加算措置や鳥獣被害防止対策の強化など、そしてまた、中山間地域等直接支払につきましては、特に農業生産条件が厳しい超急傾斜地や棚田への加算措置等により支援内容の充実を図ってきたところであります。  令和七年度から、次期対策に向けては、多様な組織や非農業者の共同活動への参画等の推進を通じて共同活動が継続できる体制づくりを進めていくということがまずは重要であるというふうに考えておりまして、関係者の御意見も幅広く伺いながら、委員から御指摘もありました地域農業をしっかりと下支えができるような、そういう仕組みとなるように検討してまいりたいというふうに思っております。  そしてまた、三点目の環境直払いということについてでありますけれども、今般の食料・農業・農村基本法の改正において、農業が環境に負荷を与えている側面に着目をし、環境と調和の取れた食料システムの確立を柱として位置付けているところであります。  一方で、昨年十二月末の食料安定供給・農林水産業基盤強化本部の食料・農業・農村政策の新たな展開方向に基づく具体的な施策の内容の決定を踏まえまして、環境負荷低減に向けた取組強化として、まず農林水産省の全ての補助事業に対して最低限行うべき環境負荷低減の取組を義務化をするクロスコンプライアンスを導入をすることとし、令和六年度から試行実施をしてきております。  その上で、令和七年度より次期対策期間が始まる環境保全型農業直接支払交付金及び多面的機能支払交付金は、有機農業の取組面積の拡大や環境負荷低減に係る地域ぐるみの活動推進といった観点から見直しを検討するとともに、令和九年度を目標に、みどりの食料システム法に基づいて環境負荷低減に取り組む農業者による先進的な営農活動を支援する新たな仕組みに移行することを検討してまいりたいというふうに思います。  具体的な内容は今まさに農林水産省内で検討中でありますけれども、クロスコンプライアンスにより更に進んだ環境負荷低減に取り組む農業者をしっかりと支援できるように検討してまいりたいと思います。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  地域を守っていく上で非常に大事な私は支援策だと思ってございますので、是非よろしくお願いいたします。  時間が長いんだと思っていましたけれども、大分時間が迫ってまいりましたので、二問質問飛ばさせていただいて、私がすとんと落ちなかった今回の法案のことについてお聞かせをいただきたいと思います。  本法案の第二十一条第二項で、国は、農産物の輸入によってこれと競争関係にある農産物の生産に重大な支障を与え、又は与えるおそれがある場合において、緊急に必要があるときは、関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策を講じるものとするとの記載がございます。  なかなかこれ、私、ううんと思ったんですけれども、これ現行法も似たような内容はございますが、改めて確認をしたいと思います。これ、相手国との関係や様々な経済協定がある中で本当にこれ可能なのかなという疑問が、私は疑問がありますので、是非この内容についてお聞かせいただければと思います。

水野政義農林水産省輸出・国際局長

○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。  本法案第二十一条第二項で規定されている関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策については、現行の基本法第十八条第一項においても同じ規定があり、これまでもこの規定に基づいて輸入急増等に対応して関税の引上げ等の措置を講じてきたところでございます。  これまで講じてきた措置は、貿易交渉で合意されたセーフガード措置として国際ルールに整合する形で実施してきているものでありまして、WTO協定やEPA協定において輸入量が一定数量を超える等の場合に関税率を引き上げることが認められています。  例えば、牛肉について申し上げますと、日米貿易協定やCPTPP協定などにより、仮に今年度の輸入数量があらかじめ設定された数量を超えるなど一定の条件を満たせば、年度末まで関税率を現行の二二・五%から三〇%に引き上げることが可能となっています。  また、これまでのセーフガード措置の発動実績としては、令和五年度において、WTO協定上のセーフガードとしてでん粉や乳製品などで計十二件、CPTPP協定上のセーフガードとしてオーストラリア産豚肉調製品で一件、日米貿易協定上のセーフガードとして競走馬で五件発動しているところでございます。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  もっと単純な話かなと思って期待をいたしたんですけれども、なるほど、分かりました。ありがとうございます。  次に、今回の法案でサービス事業体という表現が出てきたと思うわけですが、本会議で大臣に答弁をいただいたのは、スマート農業の促進案の説明に終始をされたかなと思います。私は、もっと幅広に今回このサービス事業体を活用していくべきだというふうに思います。時間の関係もあって大臣の答弁はそこにとどめられたんだろうとは思いますが、このスマート農業促進だけではないと思うところですね、改めて農林水産省としてはどのようなことをこのサービス事業体に想定をされているのかということをお聞かせいただきたいと思います。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 地域の主要産業であります農業を持続的に発展させていくためには、担い手だけではなく多様な農業者に対しても専門的に経営技術をサポートする農業支援サービス事業者の育成、確保が欠かせないというふうに考えております。  実際に行われている農業支援サービスを見ますと、施肥、播種、収穫などの作業受託を行う専門作業受託サービス、これが多いんですけれども、共同利用する農業機械をレンタル、提供します機械設備供給サービス、また収穫作業など農繁期等に人材を派遣する人材供給サービス、また営農データ等の分析結果に基づいて経営助言を行うデータ分析サービスに大別されまして、農業者は経営状況に応じてこれら多様なサービスを地域で活用できる環境づくりを進めていくことが必要というふうに考えています。  このため、農林水産省では、令和三年度以降、スマート農業に限らず農業支援サービスを提供する事業者に対して、新規事業の立ち上げに係るニーズ調査や人材育成、またサービスの提供に必要な農業機械の導入等の支援を行ってきたところでございまして、今後も、農業者や事業者などの関係者の意見を広く伺いながら、農業支援サービス事業者の効果的な育成につながる施策を積極的に推進してまいります。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  今後、やはり農家にとっては、このサービス事業体、非常に大事な存在になってくるんだと思います。  このサービス事業体、大小様々あると思いますし、私は、JA、これも一つの大きなサービス事業体だと思います。特に、全国のJAグループ、カントリーエレベーターやライスセンターは、大体昭和五十七、八年ぐらいから多くの地方で取り組み出されて六十年代ぐらいの頭ぐらいまでが非常に建設ラッシュだったかなと思いますし、選果場においては、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉のあのときの助成金、こういったものも利用されて共同利用施設が造られたかなと思います。  もう三十年、四十年近くそういった施設が使われてきて老朽化をする中で、やはり今回、このサービス事業体として本来の機能を発揮していくにはちょっと機能強化が必要だなと言われる声、非常に多くございますし、これまでもカントリーの建て替えとか選果場の中身の入替えとかいろいろな事業に取り組んでこられていますけれども、JAが行う共同利用施設についても、やはり非常に最近はKPIが高く設定をされていたり補助要件が非常に厳しかったり、要件が厳しかったりということで、取得が困難だと言われるようなJAも出てきています。  ただ、この共同利用施設がなければ、本当にこれ、農家にとっては非常に大きな負担が今後発生をしかねない問題でもございますので、ここはもう少し農水省としても考え方を大きく持っていただきながら、このJAであったりいろいろな共同組織が共同利用施設等々を建設される際、また修理であったり補修をされる際の助成体系というのを新しく考えていただくことも必要なんではないかなと思いますが、農水省の考え方をお聞かせいただければと思います。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 強い農業づくり総合支援交付金、こういったものでやっているわけなんですけれども、集出荷施設の再編整備、今委員おっしゃられたように時代がたってということございまして、これ行う場合には優先的に支援ということでございます。  具体的には、再編合理化に取り組む場合はポイントの加算をするんですが、委員おっしゃられたところの成果目標をなかなか立てるのが大変だという話があるんですけれども、作付面積や生産量の拡大だけではなくて物財費の削減あるいは一等比率の改善、これ選択できるようにしましたし、また、もう一つのKPIとして、再編整備による施設の利用率の増加ですとか運営コストの低減、こういったものも選択できるようにして、再編というニーズに対してもしっかり対応できるようにというふうに考えているところでございます。  特に、強い農業づくり交付金ですとか産地パワーアップ事業におきましては、建屋のみの更新というのはなかなか難しいんですけれども、中の施設の改善等を行う場合には既存施設の建屋の改修も含めて支援対象とするというふうにしておりますし、そういった現場の声を伺いながら、しっかり対応ができるように予算も獲得していきたいというように考えております。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 ありがとうございます。  ここは、本当に私は、地域にとっては大事なところだというふうに思います。特に、今回、今年の四月からはトラックの働き方改革が新しく導入されて、相当この集荷体制、出荷体制、こういった部分の取組をこれまでとは違う、一段レベルを上げた取組に変えていかなければいけないということも今現場では問題になっています。やはりこの、特に、短期間でいいんで、予算の増額等々を検討していただきながら、少しでも、一つでも多くの施設がこの機会に早く導入ができるような考えを計画していただければなというふうに思います。  あと、もう時間も大分迫ってきて、最後の質問になろうかと思います。  これも、また少し質問を飛ばさせていただきますけれども、輸出を今、農林水産省としても積極的に進められています。非常にこれ大事な取組だと思っております。特に、日本の農産物、その中でも果樹であったり牛肉、こういった作物は、もう世界に類を見ない、もうずば抜けた品質を持った私は農産物ではないかなと思ってございます。  ただ、輸出を進めていくと、他国から同じ品種の作物が出てくるという、やはりこの苗の流出がどうしても食い止めることができないということが発生をしています。やはり、この輸出を戦略的に行っていく上では、この知財の流出というのを早急に止めなければ、どれだけ日本で頑張って品種改良をしても、おいしいところは海外に取っていかれるようなことに、イタチごっこが今続いているわけですが、牛肉の世界においては、江藤大臣のときに私も、御指導の下、牛の精液の流出防止を相当頑張らせていただきましたけれども、やはり今後はこの果樹の苗の流出を厳しく取り締まっていかなければいけないのかなと思います。  先般、私も、福岡の苗業者の方、五、六名の方とお話をする機会があったときにも、生産者側からももうちょっと厳しくしてくださいよという問いかけがございました。特に、俺たちも何か疑われているんですよみたいな話があるんです。あんたらもネット販売で出しているんじゃないかみたいな言われ方をするときがあるんで困っていますというようなこともございました。  是非そういった農家の方と意見交換を交わしていただきながら、やはり早急にここは少し仕組みをつくるべきではないかと思いますが、農林水産省の考え方をお聞かせいただければと思います。

水野政義農林水産省輸出・国際局長

○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。  優良な品種が海外に流出すれば、海外に産地が形成され、その一部が第三国に輸出されることで我が国の輸出との競合が懸念されることから、輸出促進を図る上で海外への優良品種の流出を防止することが重要でございます。  近年、特に種苗のオンライン取引の増加によりまして、育成者権者が把握、管理しにくい匿名性の高い取引や非農業者の苗木の取扱いが拡大しており、我が国の品種の新たな流出リスクとなっております。特に、優良な果樹品種につきましては、実際に苗木の販売を行う苗木業者の段階において、オンライン上の取引も含め不特定多数に流通しないよう、管理が徹底される必要があると考えております。  このため、農林水産省では、育成者権者が優良品種の苗木の流通先や流通量、生産者の栽培状況等をウェブ上で管理できる苗木管理システム構築に取り組むとともに、苗木業者が知財管理の重要性を理解し、苗木の販売先の管理が適切に行えるよう、苗木業者に対する研修を実施することとしております。  オンライン取引増大に対応するこれらの措置も含めて、優良品種の保護、活用の在り方について、農林水産省内で有識者による検討会を本年三月より開催しているところでございますので、その検討結果も踏まえて、苗木業者段階における流出への対応策をしっかりと検討していくことといたします。

藤木眞也自由民主党

○藤木眞也君 食料安全保障の確保、これには、どうしても私は、再生産可能な農業というのを実現しながら、やはり持続可能な農業経営があって初めて食料生産も持続可能なものになるんだというふうに思ってございます。全力で私どもも応援しますので、農林水産省の皆さん方にはしっかりと今後の対応よろしくお願いさせていただきまして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 立憲民主党の徳永エリでございます。今日もよろしくお願い申し上げたいと思います。  まずですが、私は生産基盤が弱体化していると思わない、前回の委員会で大臣がそう発言されました。今回の基本法の改正案を審議する前提が崩れる、大変に問題ある発言だったと思います。  大臣がその発言を撤回されました。私の認識が誤っていたということでありますけれども、前回の委員会の中では、私だけではなくて、ほかの委員も、この生産基盤が弱体化しているんじゃないかというふうに大臣に問いました。しかし、かたくなに否定されていたわけでありまして、まず大臣の認識のどこが間違っていたのか、そしてあのときはどういう理由で生産基盤が弱体化していないとおっしゃったのか、改めてお伺いしたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 私の頭に一番あったのは、やはり土地改良を含めたNN事業、こういったものは着々と予算が、予算を増やしてきましたので、そういう意味では、生産の基盤というのはやはり弱体化しているものではない、データとしても、農地の集約化、こういったものが進んでいるというふうに認識しておりました。それから、経営体につきましては、やはり農業者が非常に減少した、しかし、それは一方の方で、稲作農家の減少である、経営体は法人化も含めて様々な形で今それぞれの地域で頑張っていただいている、そういうのが頭にありましたので、必ずしも弱体化しているものではないという言葉になってしまったということであります。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 それと、大臣がしきりにおっしゃっていたのは農業総産出額のことですよね。九兆円で推移しているということですけれども、この九兆円なんですが、この農業総産出額が下がった時期もありました。今どうして九兆円なのかというと、鳥インフルエンザなんかもありまして、畜産物の価格がやっぱり上がった、あるいは野菜の価格が上がった、こういう背景があるんだというふうに思うんですね。もし、農業生産基盤が強化されているのであれば、これ九兆円で推移しているのではなくて、増加しなきゃ駄目なんですよ。もうそこは認識がちょっと違うんじゃないかなというふうに思いました。  それから、私はちょっと残念だなと思ったのは、一方的な決め付けというふうにおっしゃいました。でも、私は農家の懸念をお伝えしたつもりでいます。私の考えを申し上げたわけではありません。食料・農業・農村基本法制定からの農業をめぐる環境の変化、数字をお示ししながら、そして私たちが現場を回って歩いて聞かせていただいている農家の声を、聞かせていただいたということを言わせていただいたということを是非御理解いただきたいというふうに思います。  それで、大臣がこの生産基盤が弱体化したとは思っていないという発言をされたことに対して、農家の方々から私のところにメールがたくさん届きました。さらには、農業団体からわざわざ事務所まで要望書まで届いております。いろんな厳しい意見もありましたけれども、一般的な御意見を二つほど紹介したいと思うんですけれども、有機農業を営む農家の女性からは、農業の生産基盤は崩壊が始まっていると私は感じています、今かなりの離農者が出ています、借金のない高齢者ほど離農しています、平均年齢六十八歳という農業の生産基盤が弱体化していないと言う大臣、昨年から倍になった生産資材、補助金で上昇分の七割補填など大うそだったし、今年からはその補助金もありません、農産物価格を上げるしか生活費は確保できる見込みがないのに値上げすれば消費者は買い控えてしまう、どうやって生き延びたらいいのか、どうやって農業を続けていったらいいのか、途方に暮れる毎日ですと、こういうお声をいただきました。  また、酪農家の男性からは、農家の集落も一定数を下回ると地域を維持できなくなり、生活基盤が崩壊します、このまま減り続けると都市農業しか残らなくなります、農業生産基盤と農村の生活基盤の両方を維持することの大切さを是非とも訴えてほしいと、こういったお声をいただきました。  私、恐らく、見えているものが違うんだというふうに思うんですね。大臣、畜産県であられますから、これまで畜産クラスターなどで規模拡大、法人化、政策の効果も出たかもしれません。牛肉の価格も上がった、それから豚肉とかブロイラーの価格も上がった、収入や所得も増えたというような声もずっと聞いてきたんだというふうに思います。若い農業者の雇用の受皿にもなっているということで、そういう元気のある経営体を見ていると、しっかり政策効果は出ているんだと、生産基盤は弱体化しているというふうなイメージは受けないかもしれませんけれども、北海道から沖縄までいろんな農業があります。  私の地元北海道も、やっぱり規模拡大が進んでいて、メガファームというようなところもあって、収益性も上がっていますし所得も増えているというような状況で、今、生産資材コストが上がっていますから、そのことと、それから、本当に人を今後も確保できるのかなという、十年後、二十年後の農業に対する不安感はありますけれども、差し迫った危機感というのは確かにないですよ。  でも、昨年から、この委員会でも何度も申し上げておりますけれども、田名部さんと一緒にキャラバンで全国各地の農業の現場に入らせていただいて、特に、今日、後ほど触れさせていただきますけれども、中山間地域等、本当に条件不利なところの高齢農家の方々は、もう本当に想像を絶するような厳しさですよ。もうよくやっているなと本当に思うような状況なんですね。そういう方々が今全国の耕地面積の四割を占めているということですから、続けて農業をやっていただかないと本当に食料安全保障の確保はできないんじゃないかということを大変に懸念をしております。  このいろんな経営体があるんだということと悲痛な叫び、大臣にも御紹介いたしましたけれども、これを受けて、大臣、どのようにお考えになるか、大臣のお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 私の前回の答弁について不快な思いをされておられる方々がいらっしゃるとすれば、大変申し訳ないというふうに思っております。  農業の状況は、地域や品目によってまちまちであり、一律に言い表せるものではないというふうに考えております。今委員も言われましたように、例えば北海道のような広大な耕地面積を生かして大規模で専業的な農業経営を経営されている地域がある一方で、中山間地のような生産条件が不利な地域で営農をされている方もいらっしゃいます。様々な営農形態がある中で、特にここ最近、生産資材費の高騰などにより経営が厳しいという現場の声、これは本当に連日伺っております。  世界の食料需給が不安定化する中で、国内で生産できるものはできる限り国内で生産していくというのが基本的な考え方ですけれども、具体的な農業の課題は地域によって異なるというのは御指摘のとおりでございます。地域の農業者の方々の意見もよく伺って、それぞれの地域の農業形態を踏まえた政策を実施してまいりたいと思っております。  ちなみに、熊本は畜産県ではございません。一番多いのは野菜と果樹、千六百億円でございます。そして、畜産が千百億、米、芋が四百億でございまして、私の選挙区にも、平たん地もあれば、阿蘇のように二毛作ができない、そして中山間地、こういったものが非常に多いというところも十分知っております。藤木委員のところも中山間地で大変厳しい農業が行われているということは十分理解しているつもりでございます。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 済みません、私の認識が間違っていたのは申し訳ありません。いつも畜産県の先生方という言い方をしているものですから、どうしても西の方は畜産県というイメージがありましたので、申し訳ありませんでした。  そこで、改めて確認をしたいと思うんですけれども、改正案は、食料安全保障を確保するために国内の農業生産の増大を図ることが基本であるとしています。そのためには、この二十五年間で弱体化してしまった生産基盤を強化する、農地、人、それから生産資材の国産化、あるいは技術の継承、こういったものが今回のこの基本法の改正案では具体的にどうするのかというのが全く分からないんですね。ですから、この具体策を政府は示して、スピード感を持ってしっかり取り組む必要があると、この認識を、大臣、改めて共有させていただいてよろしいでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 気候変動によります食料生産の不安定化、そして世界的な人口増加等に伴います食料争奪の激化、さらには国際情勢の不安定化など、世界及び我が国において食料供給の様々な課題がある中で、国民の皆様に対する食料安定供給の責務を果たしていく必要があるというふうに考えております。  特に、今後、国内の人口減少が進むことが予想される中で、少ない人数でも国内で可能な限り食料を供給できるだけの生産基盤の整備、強化を図っていく必要があるというふうに考えております。  このため、担い手の育成、確保や農地の集積、集約化を進めます。そして、スマート技術の展開等による生産性の向上やブランド化による付加価値の向上、そして輸出による販路拡大を通じて収益力の高い農業を実現し、生産基盤の強化を図ってまいる覚悟であります。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 ちょっと長々とした御答弁で、そうかという印象を受けることができないのがちょっと残念なんですけれども、是非とも、この生産基盤、しっかり強化していく、具体策をなるべく早く示す、で、私たちも一緒にその議論には参加していきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  それで、資料を配らせていただきました。一枚目の資料を御覧いただきたいんですけれども、規模拡大、法人化、政府の方針として進めてきたわけでありまして、現在、法人経営体の数が三万三千ということであります。経営耕地面積が二三・四%。そして、農産物の販売価格、これが三七・九%のシェアということでございます。  火曜日に盛岡で行われた地方公聴会でも法人化して大規模経営を行っている公述人の方からお話を伺いましたが、六十ヘクタールから始まって、地域の皆さんから農地を引き受けてくれと言われて、基本的には断らずに引き受けて、今九百四十ヘクタールまで面積が拡大されたというお話でした。  まあ、農業としては、農地の集積、集約も進み、それこそ雇用の受皿にもなって、収益も増えているとおっしゃっていましたし、所得も増加しているということでありましたので、すばらしいと思いますけれども、農村、地域としてはどうなんだろうかという問題があるんだと思います。地域に人がどんどんいなくなる、農家戸数が減っていくということであります。そうなると、農村コミュニティーが崩壊、地域の共同活動も難しくなって、最近よく聞きますけれども、伝統的なお祭り、こういったものも担い手がいなくなって中止を余儀なくされるということも起きております。  法人の社員として若い人が就農する、それはすごくいいことですけれども、働き方改革などもありまして、例えば経営者が、地域活動に参加してくれと言ったり、一緒に共同活動をやってほしいとか、もっと地域の人とお祭りを手伝ったりとかコミュニケーションを図ってもらいたいと言っても、なかなかそれ強要できないし、今の人たちが、分かりました、じゃ、やりますと言うとはとても私は思えないんですね。  そういうことを考えると、この規模拡大、法人化によって、地域コミュニティー、地域の伝統文化、こういったものがどんどんなくなっていくということは本当に大きな問題だなというふうに思っています。だからこそ、将来的には本当にどんどん減少して、もっともっと厳しい状況になるのかもしれませんけれども、今頑張っている小規模家族経営農家、その地域でずっと農業を営んでいる方々をしっかり支援して維持していかないと、農村コミュニティーは想像よりも早い時期に崩壊してしまうのではないかということを大変に懸念しております。そのためには、暮らしていける持続可能な農家の所得を確保していかなければなりません。農業だけでは所得が不十分なのであれば、農業以外の所得を農家が確保できる、こういったこともしていかなければいけないんだと思うんです。  五月七日に栃木県の視察で、那須郡那珂川町小砂、ここにお邪魔をいたしました。小砂village協議会に伺ったわけでありますけれども、八集落を束ねる自治組織、構成員は小砂地区全部で百八十家族、村の人たちが自ら地域資源を生かして芸術祭を行ったり、棚田のオーナークラブを運営したり、それから農泊、これも農泊を受け入れているところは収入を増やしているというか所得につながっているということなんですけれども、それから農林業体験とか演奏会などの活動を行って、交流人口を増やして村の所得向上につなげているということなんですね。そのことによって定住人口も増えている、そして農業もしっかりつながっていますから、耕作放棄地が全くないということで、野生鳥獣、有害鳥獣の被害もゼロというお話を伺いました。これやっぱり、その農村に住んでいる人が主体的に地域の資源を生かして産業化して、そして交流人口を増やしているということで、本当にすばらしい取組だなというふうに思うんですね。  そこで、今回の改正案の第四十五条、地域の資源を活用した事業活動の促進なんですけれども、農村との関わりを持つ者の増加を図るためとなっておりますけれども、これ、増加を図るためではなくて、農業者や地域で暮らす住民の副業所得の向上のための産業振興を図ると、こうすべきではないかというふうに思います。是非、この栃木のケースを参考に考えると、そういった条文の修正が必要ではないかというふうに思います。  そこで、大臣に伺いたいんですけれども、農村の新しい可能性や価値の高まりというのも今認識されていると思うんです。大臣は、その農村の役割とか可能性、新しい価値、これについてどのように受け止めておられるのか、改めてお伺いしたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、農村は農業の基盤であるとともに、自然環境の保全、良好な景観の形成、さらには文化の伝承など、国民全体にとって重要な機能、役割を果たしていると認識をいたしております。そして、これらの機能は、農村において、農業者を含めた地域住民の生活の場であり、農業が営まれていることによって適切かつ十分に発揮するものというふうに考えております。  こうした役割を果たす農村の振興により農業の持続的な発展に寄与するとともに、これを通じて工業など他の産業も広く含めた地域経済の振興にも寄与していくものと考えており、地域の人口減少の主な要因が社会減から自然減に移行した新たな局面の中で、その農村の活力活性化の役割はますます重要になっているものというふうに認識をいたしております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 じゃ、さっきの話になりますけれども、農村との関わりを持つ者の増加を図るためではなくて、やはりその農村で暮らす農家やそれから地域住民、こういった方々が主体的に産業に取り組んでいく、そしてその村の魅力を最大限に発揮して関係人口を取り込んでいくと、これがあるべき姿ではないかと思いますけれども、条文修正に関してはどのようにお考えになるでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 本委員会におきましては、今後の農政のあるべき姿について大切な議論をさせていただいているというふうに認識をいたしております。  条文を修正するしないとの判断は立法府が行うものであるため、政府として言及することは控えさせていただきますが、本委員会で議論されている内容の趣旨はしっかりと受け止め、今後の施策に生かしてまいりたいと思っております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 そうお答えになることは分かっていたんですけれども。  だったら、もう一つ申し上げますが、農村振興の基本理念、第六条、ここに、やはりその農村の新しい価値それから可能性、こういったことをしっかり記述するべきなんではないかというふうに思います。  これは参考人質疑にいらっしゃった方からも御指摘があったんですけれども、近年改正された山村振興法、過疎法、棚田地域振興法、こういったものにも農村が国民全体にとっても重要な地域であるということが書かれておりますので、このことを記述するべきではないかと思いますけれども、これに関しては、多分この後、舟山さんが条文の課題、解釈あるいは技術的な問題も含めて指摘をすると思いますので、しっかり聞いていただいて、今後の施策に生かしていただきたいというふうにお願いいたします。  それから、お配りした資料、二枚目を見ていただきたいんですけれども、中山間地のことなんですけれども、中山間地には直接支払制度というのがありますけれども、この直接支払制度は、EUの条件不利地の直接支払や、それからWTO、農業協定上の緑の政策要件を参考としながら、傾斜のある農地など農業生産条件の不利な中山間地域等における平地との収益格差是正を目的に二〇〇〇年から農林水産省が設置した制度です。これ、現行法の目玉と言ってもいいんだというふうに思います。五年ごとに制度の見直しを行って二十年たったということで、来年は第七期を迎えるということでありますけれども、これ僅か三百億円からスタートしているんですね。  それで、この資料を見てみますと、耕地面積の、全国の三八%、四〇%近くを占めているということと、それから農業産出額も全国で八兆円のところ、三兆五千八百五十六億円、四〇%を占めているということで、大変我が国農業にとってこの中山間地域というのは重要な地域というふうになっているんですね。  例えば鳥獣被害対策だとか、もう今非常に深刻な状況であり、また高齢化が進んでいると。中心的な世代は七十五歳以上ですよ。九十代という方もまだ頑張っておられます。それから、後継者、担い手がいないということもありますし、そういう厳しい状況、今の温暖化で暑いということもありますよね、高齢者には体力的に相当負担ですから。それでもこれだけの数字を維持していられるというのは、やっぱりこの中山間地域等の直接支払制度、これがあったからだというふうに思うんですよ。これ、農林水産予算の僅か一%ですよ、僅か一%、今、二百十億円ぐらいですけれども、それでこれだけの効果を出しているということで、この制度をつくるときも財務省からはいろいろ反対の声も上がったということでありますけれども、結果的に多面的機能を守っていくということもあって財務省も認めたということになるんでしょうけれども、いまだに、この中山間地域等直接支払、これに対してはいろんな意見があるようなんですけれども、やっぱりこれしっかり守っていかなければいけないというふうに思うんですね。  それで、この制度の二十年間の移り変わりを見てみますと、これ五期ごとにちゃんとその対策期間の検証をして、次期対策への課題というのを掲げて、そしてその次期には、その対策への課題、これを解決するためにどうしたらいいのかという政策的な取組をきちんと行ってきているんですね。第四期、平成二十七年から令和一年は、次期対策への課題ということで、人材不足、集落機能の低下、農作業の省力化等というふうになっておりまして、今、第五期の取組をしているということでありますけれども、この中山間地域に行って今一番課題になっているのは、この直接支払とか環境支払とか多面的機能支払とか、こういった制度を使おうと思ったときに、なかなかその集落の協議体がつくれないということもあるんですけれども、つくっても事業を申請するのに、今やっぱり役場が人が足りない、手が回らない、あるいは農政の専門家がなかなかいないということもあって、農業者の方々に自分でパソコンで申請してくださいと言われるんだけれども、パソコンもうまく使えないからなかなか申請ができないんだという話があります。  それから、集落営農組織の中に事務担当の人がいても、この人がいなくなったときに、次その事務担当を担う人がなかなか確保できないということなので、ここをどうするかという問題があって、手続の簡素化ということもありますけれども、こういったところに問題意識を持っていただきたいということと、あともう一つは、なかなかその制度が変わっても、制度が変わったという情報が届いていなくて、例えば水活の見直しなんかについても誤解されている部分がたくさんあったりとか、あるいは、この暑さで、それこそ水稲の品質が低下して収量が減ったりして価格が下がって困っているんですけど、もう何人にも言われましたけれども、耐性品種、高温耐性品種は開発しているのかと言うから、もうちゃんと取り組んでいて作付けも行っていますよと言っても、農業普及員もいない、指導してくれる人もいないということで、情報が全く届かない。もう農協の支所すらないところもあるわけですから、こういうところにどうやって情報を届けるのかということもしっかり検討していかなければいけないと思いますけれども、何としてでもこの集落、中山間地の農業を守っていく、様々な課題をしっかり向き合って解決していただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。お伺いしたいと思います。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  委員御指摘のように、今、次の六期対策に向けて検証を行っておりますが、今お話ありましたように、やっぱり事務がなかなか、手続の簡素化をしてくれとか、それから、やっぱりなかなか協定参加者の高齢化によりまして活動の継続が難しくなってきているとか、そうした課題がございます。  そういうことも踏まえまして、次期の対策に向けては、集落協定間の連携でありますとか、多様な組織等の活動への参画によりまして共同活動の実施体制の強化を図るということでありますとか、あるいは事務手続の簡素化、こういったことによりまして、集落協定でありますとか市町村の方々の事務負担の軽減というのも図っていくことが必要であると考えております。  あわせて、今委員御指摘ございましたように、制度の内容がなかなか現場の方まで伝わっていない部分もあるんではないかということもございますので、そうしたものがしっかりと伝わりますように都府県や市町村に対しまして丁寧な説明を行って、集落協定等が第六期対策に円滑に移行できるように努めてまいりたいと考えております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 時間ですので、終わります。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代です。今日もよろしくお願いいたします。  冒頭、大臣、謝罪、生産基盤の弱体化についても謝罪、撤回されたので。ただ、徳永委員が言ったように、何か見えている今の農業の現実、実態というのがちょっと違うのかなという感じは私もしたんですね。  最近、南の大臣が続いていますけど、何ていうかな、やっぱり雪国の農業っていうのはやっぱり違うんですよね。二毛作もできない、半分雪が降っていて、その中で一年一作、できるものを必死で作ってね。言ってみたら、お米作っている人たちなんかまあ恒常的に赤字みたいなところで、それでもなおかつ農地を守り作ってくださっていることに、私たちその恩恵を受けて生きているわけでありまして、やっぱり政治って、農業政策だけじゃないですけど、いいとこ見ようと思ったらあるんですよ、さっきの大臣の答弁のようにね。全部が駄目になったわけじゃなくて、やっぱりいい面だって確かにありますよ。それは政治のやってきた結果かもしれないし、現場の努力かもしれないけど、でもやっぱり私は政治の見るところというのは、より困っているところ、なかなか声を上げられないところ、その実態というものをしっかり私たちが受け止めて何をするべきかということが大事であって、まあいいとこ取りだけして発信したところで実態はそうじゃないので、やっぱりそういうところはちゃんと共有していきたい。しかも、今回の基本法の議論は、そういう厳しい現実をみんなが共有した上で、じゃ、どうするのっていう、そういう充実した議論をしていかなきゃいけないというふうに思っているので、まあそのことだけは申し上げさせていただいて。  毎回質問のたびにお越しいただいている局長に答弁してもらわないままお帰ししたりしていますので、今日はちょっと先にきちんと通告したとおりにやっていきたいと思いますが、前回質問させていただきました環境への負荷のことについてですけど、私の聞いたことにきちんとお答えいただいていなかったんですね。議事録を確認させていただきました。  改めて伺います。基本法で対処すべき環境への負荷の中身が曖昧だったので、環境への負荷の中には生物多様性の低下が含まれていると考えていいか、イエスかノーかでお答えください。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  基本法の改正案では、基本理念において、食料供給の各段階における環境負荷の低減の取組の促進を図ることと規定しておりますけれども、これは様々な課題を包括する規定ぶりとなっておりますので、当然、生物多様性の保全というものも含まれております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 ありがとうございました。  法案の第四十五条、地域の資源を活用した事業活動の促進について伺いますが、ここでも生物多様性の保全や生態系ネットワーク形成の取組ということも含まれていると考えてよろしいですか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 第四十五条の趣旨につきましては、地域の資源を活用した事業活動の促進ということで、地域のある資源を、様々なものを活用していくということでございまして、農山漁村の地域資源には水田等や棚田等もございまして、例えば農業者が地域住民と連携してビオトープを設置し希少生物の生育環境の保全を行うといった事例がございますので、こうした地域資源を活用し環境保全の取組を行うことも農村との関わりを持つ者の増加に資するものであると考えております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 どうもありがとうございました。  今、農家や自治体、地域の環境団体など多様な主体が商工業者であるとか観光事業者などと連携していろいろなそういう地域の資源、まさに環境に配慮した取組をされておられます。是非、今明確に御答弁いただきましたので、こうした取組が更に進んでいくことを私も期待していますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。  こういう気持ちのいい答弁が続くといいんですけれども、次に聞きますね。今なお全国各地で大切な自然環境が破壊され続けていますし、それに伴う生物多様性の損失は大きく、日本の生態系が崩壊しつつあると、そのように感じています。  ドイツの調査で、農薬の影響などによって昆虫が激減しているとの調査結果が出されていたり、国内でも、農村地域のチョウ類を対象とした環境省の調査ですけれども、チョウ類の約三分の一が激減傾向にあるという報告も出されています。また、日本の原風景を構成するトンボ類の減少の原因としてネオニコチノイド系農薬の影響が指摘をされています。  先日この委員会でも公明党、横山委員の方から関連する質疑がありましたけれども、農薬取締法が改正されて農薬の再評価の手続が始められているわけですけれども、これ、結果が出るまでにどのぐらいの期間を要するというふうに見込まれているのでしょうか。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。  言うまでもなく、農薬は病害虫を防除する上で重要な資材でございます。一方で、環境の面も含めて、安全を確保するということが最も重要と考えております。委員お話しいただいたとおり、最新の科学的知見を踏まえて、農薬の安全性を一層向上させるということで再評価制度を導入したところでございます。  今お尋ねのネオニコチノイド系の農薬でございますけれども、五成分について、最新の試験方法に基づいた試験結果や文献情報などに基づいて再評価、今進めているところでございます。現状申し上げると、具体的には、人の影響に関しては食品安全委員会、環境への影響については環境省、さらには農薬の使用者や蜜蜂への影響などについては農水省の審議会においてそれぞれ科学的な評価、今進めているところでございます。剤によって掛かる時間はかなり異なりますし、今それぞれの専門機関に評価を委ねているところでございますので、評価の結果や終了時期について予断を持って今ちょっとお答えすることは難しい状況ではございます。  一方で、ちょっと、ネオニコチノイドの農薬の評価の状況をちょっとだけ御説明をさせていただくと、今、環境の様々な御懸念のお話もございました。蜜蜂に関しては欧米同様の評価を今回導入して評価を進めているということと、環境に関する影響評価に関しても、従来の魚類だけじゃなく、魚の餌となるユスリカなども対象とする、さらには、鳥類や野生の蜂なども対象に影響評価の対象を拡大しているところでございます。いろんな、様々な新たな評価を今行っているところです。  さらには、最新の科学的知見を反映させるということで、科学論文、様々なものの収集を行っております。ネオニコチノイド系の農薬、特に関係する論文非常に多くて、追加の論文収集なども必要な剤もあるということで、評価にはちょっと時間の掛かっているところではございます。ただ、先生おっしゃるとおり、できるだけ早く進めるということは非常に重要だと思っております。一方で、様々な見方がネオニコチノイド系農薬にあるからこそ、しっかり評価をしていただくということも重要だと考えております。  私どもとしても、これから各分野の評価進むと思いますけれども、評価結果に応じて、必要に応じて登録の見直しもしっかり行っていきたいと考えております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 ありがとうございました。  舟山委員も前々回の質問でちょっと取り上げて、やっぱり輸出戦略にも関わってきますしね。本当であれば、みどり戦略の中でもネオニコチノイド系に代わる農薬の新規開発を掲げているし、予防原則に基づく緊急の対応としても、数値目標の前倒しなどを図って積極的に取り組んでいく必要があるんじゃないかなというふうに思うんですけど、ここ、ちょっと大臣から見解を伺えますか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 農薬につきましては、最新の科学的知見に基づきます再評価によりまして安全性を一層向上させていくとともに、みどりの食料システム戦略におきましては、二〇五〇年までに化学農薬使用量をリスク換算ベースで五〇%低減するという意欲的な目標を掲げております。  一方で、我が国は温暖湿潤な気候で病害虫の被害を受けやすいこと、新規農薬の開発については少なくとも十年以上の時間が掛かることなどから、意欲的な目標を現時点で前倒しすることは現実的ではないというふうに考えております。  このため、当面は、化学農薬のみに依存しない総合防除を推進いたしますとともに、有機農業の面的拡大を進めること等によりまして、目標に向けて化学農薬使用量の低減の取組を着実に進めていくことが今重要であるというふうに考えております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 これからは、世界を見ても環境と農業は切り離せないし、もちろん健康と食べ物ということについても切り離せない。しっかりと、これは高い目標だけれども、今申し上げたように、予防原則に基づいて積極的にできるだけ早く結果を出して取り組んでいけるようにしてほしいなということは申し上げておきたいと思います。  もう一点、環境省のレッドリスト等によると、日本の汽水・淡水魚類の約四二%に絶滅のおそれがあり、その多くが農村環境を主な生息地とする種とのことなんです。それらを守るためには農村地域での生態系ネットワークの形成が必要で、農水省でも、環境との調和をうたった平成十三年の改正土地改良法に基づいて、これまで生態系ネットワーク形成に向けた手引をたくさん出していらっしゃるんです。  この手引、作成されているのはいいんですけれども、これを作成した効果などはしっかり検証されているのでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  今委員御指摘のように、土地改良事業につきましては、平成十三年の土地改良法の改正におきまして、事業の実施に際しまして環境との調和に配慮することを原則として位置付け、自然環境や生態系等への負荷、影響を回避、低減する事業への転換を図っているところでございます。  具体的には、事業の実施に当たりまして、生態系の保全等に関する基本的な考え方、工法を示した環境配慮の技術指針等を整備するとともに、各地域における生物の生息状況に応じまして、魚類の移動経路を確保するための魚道や水生生物の生息環境を保全するためのビオトープの設置などに取り組んでいるところでありまして、平成十四年から令和二年度までの間に農業農村整備事業を契機として生態系に配慮した取組を行った地域は全国で延べ千四百八十二地域となっているところでございまして、引き続き、こうした取組を更に進めまして、生態系に配慮しながら土地改良事業の適切な実施に努めてまいりたいと考えております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 是非、農水省でもこうした生物多様性の保全ということに積極的に取り組んでいるわけですから、省庁縦割りでこれは環境省だどこだと言わずに、連携強めていただいて取組を進めていただきたいと思いますし、ただ丸投げして任せてどうなっているか分からないということがないように、その時々で実態どうなっているか調査をしていただいて、生物多様性の保全にも取り組んでいただきたいというふうに思います。  次の質問ですけど、改正案の第五条、農業の持続的な発展について伺います。  改正案では、農業をめぐる情勢の変化として、人口の減少に伴う農業者の減少と気候変動を例に掲げていますけど、その農業者の減少が人口減少に伴うものと整理した理由は何ですか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  農業者の減少については、基本法制定以来、基幹的農業従事者、半減しているわけですけれども、その内訳を見ますと、当然、様々な経営上の問題で撤退された方というのがいらっしゃるわけですけれども、稲作農家が七割以上を超えていて、出生減、死亡増に伴う自然減や高齢化によるリタイアが主要因となっているというふうに認識しております。将来に目を向ければ、国内人口というのは二〇〇八年をピークに減少局面に通り、今後一層高齢化が進みますので、出生率も減少している中で、我が国全体で自然減による人口の減少が進む見込みとなっております。  また、農業分野では、基幹的農業従事者の年齢構成を見ますと、六十歳以上が八割を占めるなど、高齢化が一層進んでおりますので、新規就農者の確保を進めたとしても、特に農業分野で自然減や高齢化によるリタイアが進行し、日本全体の人口が減少する中で農業者が増加するということは考えにくい状況にあるというふうに認識しております。  このように、将来に向けては人口減少は避けて通れない社会現象であって、農業分野でも、当然、新規就農の促進というものは行いますけれども、農業従事者の減少というのは避けられないという我々強い問題意識を持っております。そのため、人口減少問題、正面から捉えて、第五条において、農業者が減少すると、その中にあっても農業の持続的な発展が図られなければならないと、そういう観点から、御指摘の点について基本理念に位置付けたところでございます。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 いや、農業の持続的な発展に係る政策の前提となることが、前提となる農業者の減少の要因が人口減少という捉え方は、私は、今後の政策間違うんじゃないかなというふうに思っていて、確かにそれも一つの要因だというふうに思いますよ。だけれども、高齢化だって一つの大きな要因だし、農業従事者が高齢化して引退した人が増えている一方で、若年者が、若年層が都市部に流れていっちゃうと、農業に地元で就農していただけないという、まさにその若年層の参入が少ないということだって大きな要因。それを、何か人口減少で片付け、しようがないよね、人口減っているんだからみたいな捉え方ではなくて、やっぱりこれきちんと考えていかないといけないんです。  例えば、収入が低いことだって、なかなかそれはその増えていない要因の一つだと思いますよ。だとしたら、じゃ、その収入どうやって確保していくんだということになっていくし、やっぱり収入が低く安定しない、魅力がない職業だと思われていること、逆に、機械化がして、人手が少ない、要らなくなったみたいな、そういう、考え方によってはプラスの面もあるかもしれないけど、こういうこと一つ取っても、せっかく基本法を改正して、これからの日本の農業、今の現状をどう捉えて、どう展開していくかというところに来て、私はちょっとこの書きぶりは不十分じゃないかなと思いますけど、どうですか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 御指摘の、農業の持続的な発展を行うという観点から、所得の確保、その収益性の向上というのは重要だと、我々も問題意識を持っております。  ただ、現在の特に農村部の人口構成、農業者の人口構成を考えますと、六十歳以上というのは相当部分を占めておりますので、農業従事者、実はこの多様な農業者も含んで今後急速に自然減によって減少していくと。その程度というのは、いわゆる都市部に流出する社会減よりも圧倒的に比率が高くなっていくという問題意識を持っております。  そういう問題から、そういった自然減によって避けられない人口減少、これに直面をする中で農業の持続的な発展を図っていく必要があるという問題意識については、我々としては適正であるというふうに考えています。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 鈴木副大臣、どうですか。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 田名部先生の問題意識も理解をしますけれども、これは基本法ということでもありますから、一番今インパクトのある、なかなかすぐには変えることのできないこの要因というのを書いたものというふうに私としては理解をしております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 単純に人口減少だけで説明できるものではないでしょう。私は、複合的な要因が絡み合っている、そういう認識をみんなで共有をしていかないといけないんじゃないかなというふうには思っています。  何か人口減少とだけ言われれば、それはほかの産業も含めてもう人口減っているんだからしようがないよねという話ですよ。でも、その中にあって、どうやって農業に参入していただくかということを考えたときに、様々なやっぱりそれ以外の要因は何だろうかと、その要因に的確に政策打っていくことが大事なのに、何か、何というか、ほかのところもそうなんですけど、未来が明るくないんですよ。いろいろ、今も所得の確保大事だとおっしゃいましたよね。衆議院の修正案で我々は、所得の確保についても明記すべきだと言っているんですよ。大事だと思うなら書けばいいじゃないですか。やっぱり、人口減少の中でも、農業の未来明るいな、所得もしっかり確保してやっていけるんだなという前向きな気持ちになれるようにしてほしいんですよね。一個も我々の提案にうんと言っていただいていないですけどね。そう間違ったこと言っていないですよ、これ、毎回それ言っているので。ちょっとまたやると話がそれちゃうので。  あと、これ、四月九日の立憲民主党の神谷議員への答弁で、合理的価格について大臣は、国民の理解と納得が得られる価格という意味で合理的な価格との用語を使っているという話だったんですね。  先ほど藤木先生もいろいろ御指摘されたんですけど、おっしゃるとおりなんですよ、やっぱり再生産できないような価格になっているということはあるんですね。国民の理解を醸成していくことは本当に大事なんですけど、逆に、分かっちゃいるけど生活苦しいんだよねというのが今の国民の生活実態じゃないかなと。賃上げ、賃上げ言われたけれども、物価を上回る賃上げになっていない中で、何かを切り詰めて生活していかなきゃいけない、こういう中でどうやってその合理的な価格に折り合いを付けていくかというのは、私は本当に難しいというふうに思うんですね。  地方公聴会でもお話があったんですけれども、資材価格の高騰で、露地では二倍、種も三倍。だけれど、これを価格転嫁すれば、継続的に買って、価格転嫁してね、継続的に買ってもらえなくなれば、結果として持続可能じゃなくなるんだと、農業生産が。  いや、それは本当そのとおりで、これ、だからこそ、直接支払、所得の補償みたいなことでしっかりと生産現場を支えていかないと、これ結論出るのいつですか。さっきも品目ごとのコスト構造、実態把握する、答弁あったけれども、結果出るまでに農業やっていけなくなっちゃうんじゃないですか。離農者増えるんじゃないですか。食料安全保障が大事だと言って今こうして議論している中で、それまでの間に、やっぱりしっかりと経営を支えることを考えないといけないんじゃないかなというふうに思いますけど、大臣、どうですか。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  法制化のめどでございます。御指摘の趣旨は重々承ったところでございますが、足下、しっかりと法制化を進めるという趣旨におきまして、今その協議会で議論をしているところでございます。協議会の中でもその法制化も視野に検討するということで共通認識は一つ得られましたので、御指摘のとおり、その法制化の内容などまだまだ越えないといけないようなめどというのは多数ございますが、こういったものを食料システム全体の持続性の確保に向けて粘り強く検討していきたいと思ってございます。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 法制化すれば再生産可能な状況になるということですか。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  先ほど委員から御指摘もございましたとおり、その費用を単純に転嫁すると、やはりその需要も減退するといったような効果も、影響も出てこようかと思います。  そういう意味で、小売業者なども含めて、食料システムの関係者とも十分協議して、生産者はもちろんですけれども、関係者も含めて納得できるようなバランスの取れた食料システムとするという観点で引き続き調整をしていきたいと考えているところでございます。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 再生産可能になるんですか。バランスの問題じゃないです。再生産可能になりますか、法制化で。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  ここでは、関係者みんなが納得できるような価格をつくっていくということに意を尽くしていきたいと考えてございます。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 答えていないんですね。そうですよ、現場の皆さんで今話し合っていますよね。最初の質問から言っているけれども、まさに、それはみんな違うんですよ。合理的な価格、それぞれの立場によって違うじゃないですか。それ話し合って一定法制化したときに、農家にとってそれが再生産可能になるのかと聞いています。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  生産者だけではなくて、関係者も含めて納得できるという趣旨でありますので、ですので、ですので、必ずしもその再生産できるかどうかというところには保証するというようなものではないと考えてございます。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 あのね、今まさにその市場メカニズムにのっとっていろいろ価格が決まっていますよね。その中で、生産している人たちが価格転嫁できていない、一番その交渉の力の弱いところが生産者であって、その人たちが再生産できないから助けてくれという話なわけじゃないですか。そこが再生産可能になるような価格転嫁というのは私は難しいと思う。だから直接支払で支える必要があるんじゃないですかと。そこ任せているうちに時間はたつし、離農者増えるし、やっていけない人たち増える。じゃ、法律できたから再生産可能になったかというと、そうなるかも分からないわけですよね。だから、違う側面から経営を支えること考えなきゃいけないんじゃないですか。  例えばね、キャベツががっと値上がりしましたと、そうしたら、例えばその物が置き換わっちゃうわけです。この間たまたまニュースで見たんだけれども、広島のお好み焼き、キャベツいっぱい使いますよね、じゃ、それは商品に価格転嫁して高くやるかといったらそうはならない。キャベツの量を減らして、価格の、まあもやしもちょっと最近値上がりしたようですけど、もやしに置き換わる。こういうことして、みんないろいろ経営努力して、みんながいいように価格転嫁ができて商売できているわけじゃないんですね。  まずは、我々はここで考えなきゃいけないのは、食料安全保障上、生産現場をしっかり守れなかったら、物作れなくなったら食料安全保障も何も議論できないじゃないですか。その現場どうするんですかという議論の中で、その影響がどう出るのか。現場に任せているばっかりじゃなくて、皆さん方もやっぱり考えなきゃ駄目ですよ、責任持って。  というところで、何かもう時間が来て、まだ、まだね、半分しかまだ今日もできていないですからね。次の議論しっかりまたやらせていただきたいと思います。  終わります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。  今本当に田名部委員が熱く語っておられましたが、やっぱりこの食料・農業・農村基本法が制定された二十五年前から今のこの状況が良くなっているのかということを考えたときに、法律ができれば全て良くなるなんということは絶対ないと思っております。  先週十八日の土曜日に、私も長野県の地元の飯田市にある、よこね田んぼというところで実は田植をしてきました。そのとき、やはりそのお昼どきにいろいろと地元の皆さんから御要望をいただきましたし、本当にこの中山間地で農業を続ける窮状についてすごく強く訴えられたところです。そうした皆さんも、それでも我々この地で頑張っていくという強い思いをお持ちなので、そうした皆さんのお気持ちも込めながら今日の質疑を進めていきたいと思います。  農業現場では適正な価格形成の実現に対する期待が大変大きいということは、皆様も日々の活動の中で十分御承知のとおりだと思いますし、先ほど藤木先生もたくさんそのことについて質問をされておりました。  国内の農産物・食品価格は、長い間ほとんど上昇しないまま推移してきました。食料・農業・農村政策審議会の答申は、消費者が低価格な食料を求めるようになる中で、安売り競争が激化し、常態化し、サプライチェーン全体を通じて食品価格を上げることを敬遠する意識が醸成、固定化され、生産コストが増加しても価格を上げることができないという問題が深刻化したと指摘しております。  こうした状況の下、近年の生産資材の価格の急騰に対して、資材価格の高騰が農産物価格に十分反映されていない状況が生じ、農業経営にとって大きな負担となっております。  日本農業法人協会が会員を対象に実施したアンケート調査では、三分の一以上の経営者が価格転嫁できないことを経営課題として挙げておられます。農業者にとって再生産可能な価格を確保することが最重要であると私も考えております。  そこで最初の質問ですが、現在検討されている適正な価格形成の仕組みづくりでは、一部の関係者にしわ寄せが偏らないか、偏らないようにすべきではないかという意見があると承知しておりますが、サプライチェーン全体の中で農業者、流通業者、特に中小規模の農業者等は価格形成の過程でしわ寄せを受けやすいのではと考えておりますが、政府の御見解を伺います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。  委員から御指摘のとおり、生産、加工、流通、小売といったサプライチェーン全体の中では、農業者や流通事業者にしわ寄せが集まりやすいとの声をお伺いをしているところであります。  このため、本年三月には、公正取引委員会の協力も得まして、生鮮食料品等の取引適正化ガイドラインというのを策定をし、例えばですけど、客寄せのための納品価格の不当な引下げの事例や十分に説明のないままの取引条件の一方的な変更の事例などを示したところでありまして、既に小売業者等にも直接説明する機会を設けて普及、定着に努めております。  こうした取組は実効性をしっかりと担保をしていくということが重要でありますので、農林水産省が食品等流通法に基づき毎年行う食品等流通調査においても今後フォローアップをすることとしており、継続的に定着を促進をしてまいります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  確かに仲卸業者と小売業者にはやはり大きな交渉力の差というのがあると思いますし、そのとおりだと思いますが、そこをしっかり適正化する必要というのはあると思いますけど、その全てのしわ寄せというのが生産者に向かわないかということを一番懸念しておりますので、しっかりとその食料システム全体で目配りをしていただきたいと、そのことをお願いいたします。  その一方で、サプライチェーン各段階で合理的かつ適正な費用を積み上げて価格水準を決めていった場合、消費者が買えないような水準となればもちろん本末転倒ということになってしまいますが、適正な価格形成に当たって生産者等の側から見た合理的な価格と消費者側から見た合理的な価格についてどのように折り合いを付けていくのか、これも先ほど来お話、質問がありましたが、果たしてそれが本当に実現可能なのか心配なので、農林水産省のお考えをお聞かせください。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  現状のその価格交渉の状況でございますが、御指摘のとおり、生産者、消費者、それぞれ望ましい価格というものは異なるものでございます。そうした中で、小売業者など関係の事業者も含めまして、需給事情ですとか品質評価、こういったものを反映して交渉が行われているところでございます。その際に、どの程度価格転嫁をするとどの程度需要が減少するのかなども含めて、よく協議をして最終的に関係者間で合意できる価格というものを調整して合意に至るというふうに認識をしてございます。  今回の検討は、これに加えまして、持続的な供給が確保されるように合理的な費用の考慮というものも取り入れたいということで現在取り組んでいるところでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 これまでも議論ありましたし、ほかの産業においても、やっぱりどうしても、大きな経営体ですとか規模の大きいところがどうしても大きな声になって、やはり小さな声のところの声が反映されないということがしばしばあります。ただ、農産物というのは、作る側にとっても、そして食べる側にとっても命の糧となりますので、そうしたこと、この調整というのを、適正な価格になる調整というのをしっかり国として進めていただきたいと、そのことをお願い申し上げます。  坂本大臣は五月十四日の記者会見で、基本法の改正案が成立した暁には、基本計画の策定の検討と並行して価格形成についても関係者間で丁寧に合意形成を図りつつ法制化も視野に検討を進めていくという発言をされております。一方で、まずは関係者間の合意形成が重要で、終期を決めて議論しているわけではないので法律案の提出時期については現時点では決まっていないともおっしゃっております。  協議会の議事要旨や資料を拝見すると、合意形成にはまだまだ道のりが遠いのかなというふうには感じております。提出時期は明言できないということですが、法制化に向けた協議の今後の見通しはいかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 事務方からお答えしているように、昨年八月より、生産、そして加工、流通、小売、消費等の幅広い関係者が一堂に会します協議会におきまして、合理的な費用が考慮される仕組みづくりにつきまして議論を行ってきたところであります。直近の四月に開催された協議会では、こうした仕組みを法制化も視野に検討することについて、それぞれの分野の方々からの共通の認識が得られたところです。  今後、合理的な費用が考慮される仕組みについて政府部内で検討を進め、それを協議会に素案を示します。その上で改めて御議論いただきたいと考えていますが、その具体的な時期につきましては現時点では決まっておらず、まずは仕組みの検討を深めてまいりたいと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 記者会見でもお答えにならない内容をまさか私の質問でお答えになるとは思ってもおりませんでしたが、いずれにしましても、この改正案が成立した場合に、基本計画の策定というのは今年度中に終えられるというふうに思いますが、法制化も今年度中という見込みはございますでしょうか。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) 先ほど大臣から御答弁を申し上げましたとおり、まだまだその仕組みの検討を深めるという段階でございますので、その具体的な時期については確定している状況ではございません。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 それほど具体的な時期というよりは、今年度中ぐらいはどうなのかなというふうには思ったところではございますが、そういう意味では、私も協議会の進捗というのを今後も見守ってまいりたいと思います。  次に、また、前回も質問したんですが、人口減少問題について伺いたいと思います。  前回、九日の質疑では、人口戦略会議が公表した持続可能性分析レポートについて大臣の御所見を伺いました。大臣は、消滅可能性自治体には多くの農村地域があり、そうした農村地域のコミュニティーを維持するため、農村関係人口の創出、拡大により多様な人材を呼び込むことが重要といった御認識をお示しくださいました。  その後、十五日に、人口減少社会に立ち向かう知事が集う日本創生のための将来世代応援知事同盟が人口戦略緊急アピールというのを発表されました。我が長野県も構成自治体の一つですが、その内容は、人口減少は自治体だけで解決できる問題はないとした上で、東京一極集中を是正し、移住、定住を促進する社会減対策、少子化に歯止めを掛ける自然減対策、そして持続可能な地域づくりなどについて、実効ある政策を国において強力に推進すべきというものです。  改正案第六条、農村の振興に関する基本理念には、農村の人口の減少その他の農村をめぐる情勢の変化が生ずる状況においても、地域社会が維持されという文言を追加することとしております。こうした改正事項を措置した背景を踏まえれば、今回の緊急アピールを正面から受け止める必要があると思いますが、農村関係人口の創出、拡大に努めるといった大臣の認識だけでは十分とは言えないというふうに私は感じております。  この知事同盟が発表した緊急アピールを踏まえて、人口戦略会議の持続可能性分析レポートに関して、再度、大臣の所見を伺いたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 有志の知事の皆さんで組織されます日本創生のための将来世代応援知事同盟が今月十五日に発表しました緊急アピールin長崎は、今委員が言われたとおりでございます。  それで、農林水産省におきましては、中山間地域等を始めとする農村地域におきまして人口減少、高齢化が急激に進行している現状を踏まえ、今回の改正基本法第六条におきまして、農村の人口減少その他の農村をめぐる情勢の変化が生ずる状況においても、地域社会が維持されることの必要性に、新たに基本理念として位置付けたものであります。  そして、農泊など都市と農村との交流の促進、さらには、六次産業化や農福連携などの農山漁村発イノベーションの取組等を通じました農村による所得と雇用機会の確保などによりまして、農村の振興を図ることとしております。  さらに、民間企業職員の地方自治体への派遣、地域おこし協力隊の活用促進、さらにはワーケーションの受入れに向けた環境整備などの取組を行っております内閣府、総務省、国土交通省などの関係府省とも連携して施策を進めてまいります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  今の大臣の御答弁にもちらっと含まれていたとは思いますが、やっぱりこの農業所得の確保というのを最優先にすべきだと私は考えております。その意味で、基本法に地域資源を活用した所得と雇用の確保を規定すべきと先日おっしゃった十四日の野中参考人の主張に大変共感するところがあります。  そこで次の質問ですが、農村地域について、農業所得の確保がままならないことが地域の衰退につながった面があると思いますが、坂本大臣の御所見を伺いたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 農村地域において人口の減少、高齢化が急速に進行する中で、地域コミュニティーを維持するためには、委員まさに御指摘のとおり、農業者の所得確保が重要であります。農業の生産性の向上に資する農業生産基盤整備の実施、それから生産性向上や付加価値向上による収益性の高い農業経営の実現等を総合的に施策を講じてまいりたいというふうに思っております。  また、農村の地域社会を維持するためには、従来から農村に暮らしておられる方々に加え、農村関係人口を創出、拡大いたしまして、多様な人材を呼び込むことが重要であるとも考えておりまして、そのためにも、六次産業化などの農山漁村発イノベーションのほか、観光業と連携した農泊の促進、そして二地域居住などの取組を通じた農村関係人口の増加に向けた取組、こういったものを支援いたしまして、農村の振興を図ってまいりたいと考えています。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 全体、総合的に今様々な施策を考えていらっしゃるということだと思いますが、少なくともその収益性を上げるとか、そういった部分というのは、やっぱり一次産業においてはなかなか簡単には、もう限界、まあ一定のその収益性の限界というのがあると思いますので、そこに余り力を入れ過ぎるとどうなのかな、逆に所得をしっかりと保障していくことの方が重要じゃないかというふうに私は思います。  国土交通省が令和二年の九月に行った地域との関わりについてのアンケート調査というのがあるんですが、全国十八歳以上の居住者、約一億六百十五万人のうち、二割弱の約千八百二十七万人が特定の地域を訪問する訪問系の関係人口というふうに推計されております。移住や観光でもなく帰省でもない、日常生活圏や通勤圏以外の特定の地域と継続的かつ多様な形で関わり、地域の課題解決に資する人を指しています。千八百万人を超える人々が全国を大規模に移動している実態というのは、農村振興を図る上でも期待が持てるというふうに言えると思います。  調査によると、三大都市圏居住者の一八・四%、約八百六十一万人が関係人口とされています。ただ、その三大都市圏居住者が継続的に訪問している地域はやっぱり市街地が多くて、農山漁村集落への訪問は一割程度にとどまっています。つまり、関係人口はそれなりに多くても、農山漁村へ出向く人はそこまでは多くないというのが現状です。  そこで質問ですが、三大都市圏の人々がなぜそれほど農山漁村へ向かわないのか、農林水産省の御所見を伺います。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  委員御指摘の、令和二年九月の国土交通省によります地域との関わりについてのアンケート調査結果におきまして、三大都市圏の居住者が訪問している地域は、市街地が三割を超えていまして、農山漁村の方は一割程度となっております。  これにつきましては、このアンケートの中では、特に農山漁村部への訪問の伸び悩みについての分析はございませんけれども、このアンケートの中をちょっと見てみますと、三大都市圏居住者の訪問先での過ごし方として、日常的な買物、飲食、通院、生活サービス享受等といった、主に市街地での取組を挙げる方の割合が高くなっている一方で、農林漁業者のサポートといった農業体験等の割合が低くなっているということでございます。  このため、やはりより多くの方に農山漁村に足を運んでもらうためにも、農山漁村の魅力を高めることが重要であると考えておりまして、様々な施策によりまして農村の活性化を図ってまいりたいと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 おっしゃったとおり、やっぱり外部の人を受け入れる体制というのがしっかり整っているということが、やっぱり人が集まる大きな要因だというふうに思います。  先日のその田植の話をしましたが、そこでも百二十名の方々が参加されていまして、もちろん飯田市市内の居住の方が多かったんですが、実は東京とか名古屋からも参加者がいらっしゃっていて、その大きな要因というか、いらっしゃったその理由というのは、やっぱり自然環境がすばらしいという、そこに大きく着目されておられました。  英国にはオープン・ファーム・サンデーという催しがございます。農村が最も美しい季節を迎える六月の日曜日に農場へ行こうというキャンペーンなんですが、二〇〇六年から行われていて、これまで延べ二百七十万人が英国各地の農場へお出かけになったそうです。去年は約二百五十の農場が参加して、十七万人が農場を訪問したそうです。今年は六月九日の日曜日に開催されるということなんで、残念ながら私行くことはできませんが、いずれにしましても、参加する農場の規模や生産物によってイベントの内容というのは様々ですが、機械の展示、トラクターやトレーラーの乗車からデモンストレーション、自然散策など、多岐にわたっております。中でも、トラクターに引かれた荷台に乗って説明を聞きながら農場内をめぐるトレーラーツアーというのが大人気だそうです。こうしたピクニック気分で農家や農場を気軽に訪問できる機会を得ることというのは、食育や農泊と同じぐらい意義があるように思います。  英国のような取組も関係人口を増やすための入口として一考に値すると思いますが、政府のお考えはいかがでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  委員御指摘のオープン・ファーム・サンデーにつきましては、英国で毎年六月に行われておりますけれども、農場を一般の方々に開放して、ツアーや農業体験、カフェや特産品の販売ということで、全国規模で行われているというものであると承知しております。  我々もですね、我が国におきましても、農山漁村に宿泊し、滞在中に地域資源を活用した食事や体験等を楽しむ農泊などへの支援によりまして、都市における居住者等が農村との関わりを持つ取組を推進しているところでありますが、どうしてもちょっと地域単位という感じになっておりますので、こうしたこの全国で行われています御紹介いただいた事例も参考にしながら、今後、農村関係人口の創出、拡大に向けて必要となる施策を検討してまいりたいと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 英国の場合、王族の方も関わってこうした取組行われているようです。まあ日本の場合にその皇族方をということはさすがに私も申し上げませんが、それでもやっぱり国としてこうした大きな取組を進めることによって関係人口を増やしていくということは重要なんじゃないかと思いますので、是非こうした英国の取組も参考になさっていただいて、そうした大きな取組していただきたいなというふうに思います。  その上で、関係人口の増加をもたらすには、やはり、繰り返しになりますけど、所得が鍵になると思われます。兼業農家でも半農半Xでも農業による一定の所得が必要です。農村振興を図るには、経営安定対策も必要ですが、より直接的な対応として所得の確保に真正面から向き合う必要があると考えますが、御所見を伺います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) お答えを申し上げます。  農村地域におきましては、人口の減少、高齢化が急激に今進行しておりまして、地域コミュニティーを維持するためには、従来から農村に暮らしていた方々に加えて、担い手だけではなくて、議員から御指摘のとおり、半農半Xを含めた多様な農業者により農業生産活動が行われる、これとともに、観光や二地域居住などにより農村関係人口を創出、拡大をし、多様な人材呼び込むことが重要だというふうに考えております。  しっかりこの関わる皆さんの所得をいかにして確保をしていくかということが重要な観点かというふうに考えておりまして、例えばですけれども、六次産業化や農福連携などの農山漁村発イノベーションの促進、そしてまた観光業と連携した農泊など、先ほどもありましたけれども、都市と農村との交流の促進、また国交省を始め関係府省ともしっかり連携をしながら、ワーケーションの受入れに向けた環境整備や定住、交流を促進するための施設整備、こうしたものをしっかりと支援をして、所得が確保され、農村の振興につながるように取り組んでまいりたいと思います。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  冒頭から、ほかの先生方同様、所得所得ということを繰り返し申し上げさせていただいておりますが、実はこの後も幾つか所得についての話続くわけですけど、というのも、やはりこの週末の田植のとき、私の横でハル君という小学校六年生の男の子が一生懸命田植をされていたんですが、非常に軽快に手際よく田植をされていて、こういう子が将来大人になったときに、果たしてこの農業というのを職業に選んでくれるのかどうかというのが非常に心配になりまして、そういった意味では、彼が大人になったときに農業でしっかりと豊かに生活ができる、そうした農政というのをやっぱり進めていかなければならないと思っております。  もちろん、今回の改正案についても、一定の時間を掛けられて、関係者の知恵と経験、それからデータというのも積み上げて練り上げたのだと思いますが、本当に今のこの改正案で大丈夫なのかなという不安はやはり拭えないところがあります。  そこで、また少し目を外に向けて、農地が少なく、農業の価格競争力が低いという点で、スイスが日本に似た事例として取り上げられることが多々あると思います。山岳地域が多いスイスでは、傾斜の程度に応じた給付金、例えば、一八%以上の勾配を有する傾斜地での傾斜の程度に応じた支払、三〇%以上の勾配を有する傾斜地のブドウ畑の傾斜の程度に応じた支払、三五%超の急傾斜地の占める割合が農用地の三〇%を超える場合に急傾斜地が農用地に占める割合の程度に応じた支払といった具合に、支払要件を非常に細かく分けて、条件不利地域に手厚くなるような直接支払を実施しています。  日本にも中山間地域等、中山間地等直接支払交付金がありますが、集落等を単位とする協定の締結が前提であることがスイスやEUで行われている直接支払と異なるというふうに思っております。  中山間地等の条件不利地域で農業を営むにはスイスのように直接支払の方が適していると思われますが、政府の御見解を伺います。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  中山間地域等直接支払交付金につきましては、中山間地域等において多面的機能の確保を図るため農業生産活動の継続を支援するものでありますが、本制度の実施に当たりましては、我が国においては、中山間地域等における農業生産活動が地域の共同活動により支えられてきたことを踏まえまして、共同して取り組むことが効果的であるという観点から、地域の農業者等で構成される組織に対しまして交付金を交付することとしているところでございます。  また、要件に関しましては、本中山間地域等直接支払交付金につきましても、急傾斜地と緩傾斜地に区分して交付単価を設定することで、条件の不利度、生産条件の格差に応じて支援しているところでございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  ただ、やっぱり五年以上営農するとかという縛りがあったりとか、集落協定の実施期間途中で人が、脱退する人が出た場合に、農用地を協定から除外してしまうと協定違反となって、その農用地分の交付金を協定認定年度まで遡って返還する必要があるというような、私なんてそうした協定違反とかという、聞くだけでちょっとどきっとして、とてもじゃないけどそこに関わりたくないなというふうに思ってしまう方なので、直接支払ってもらった方が有り難いと思います。  農水省でもいろいろと研究されていると思いますが、他国の良い制度は全て取り入れるというような勢いで農業所得を増やしていただきたいと思います。  次に、前回時間の関係でお聞きできなかった地域の伝統的な食品産業等の保存、振興について伺いたいと思います。  先月、令和五年産のソバの作付面積と収穫量が公表されました。作付面積は過去七十年で最大になりました。地元信州では手打ちそばは県選択無形民俗文化財として指定されております。  地域の伝統的な食品産業促進の必要性に対する政府の認識について伺いたいと思います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。  食品産業につきましては、まず改正案第二十条に食品産業の健全な発展の規定を定めております。事業基盤の強化、農業との連携に加え、円滑な事業承継の促進等の施策を行い、地域の伝統的な食品産業を含め、その事業活動の促進を図ることとしております。  また、長野県のそばもまさにそうですが、地域の伝統的な食文化につきましては、食育基本法第二十四条に、伝統的な行事や作法と結び付いた食文化、地域の特色ある食文化等我が国の伝統ある優れた食文化の継承を推進するため、これらに関する啓発及び知識の普及等を行うこととしており、農林水産省でも積極的に取り組んでいるところであります。  具体的なことを申し上げますと、例えばですけれども、長野県の手打ちそばについても長野県の郷土料理として発信をしておりまして、うちの郷土料理というホームページがありますけれども、ここにしっかりと載っております。テレビの取材などにも多く活用され、親しまれているところでありまして、引き続き、この情報発信、積極的に努めてまいりたいと思います。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  以前、大分前の話だと思いますが、田中角栄先生とうちの父が一緒に車で長野県を走っていたときに、長野県というのはそばがおいしいんですよという話をしたら、それは米がまずいからだろうというふうに言われて、大分ショックを受けたみたいなんですが、でも、気候変動のせいもあるのかもしれませんが、今は大変おいしいお米もできていまして、お米も含めて是非ともそばもPRしていただきたいなというふうに思うところです。  長野県栄村の農村RMOである秋山郷地域づくり協議会では、兼業農家や観光業者を中心に構成されていて、耕作放棄地を活用してソバの栽培に取り組み、そば打ち職人の養成を進めるなどしながら新たな産業創生を目指して活動していらっしゃいます。  改正案四十五条には、先ほど副大臣もおっしゃられた規定がございますが、総務省の調査によると、農村RMOの割合が低いというふうな調査が、結果が出ております。農村RMO拡大に向けた取組はどうされているか、お聞かせいただけたらと思います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。  農村地域では、人口減少、高齢化が急速に進み、農地保全や共同活動が困難になってきていることから、複数集落のエリアで連携をして活動する体制を構築をすることが重要であるというふうに考えております。  このため、農林水産省では、令和四年度より、複数の集落の機能を補完をして、農用地保全活動や農業を核とした経済活動と併せて、生活支援等地域コミュニティーの維持に資する取組を行う農村RMOの形成を推進をしております。  具体的にはなんですけれども、まず、モデルとなる組織の形成を推進するため、地域協議会による将来ビジョン策定や実証事業等の取組への支援、そして、地域での活動が円滑に進むようにきめ細かくアドバイスをしたり相談に対応する都道府県レベルでの伴走支援体制構築への支援、そして、関係府省と連携をした制度や事例の周知、知見の蓄積や共有といった全国レベルでの取組などを進める方針としております。  令和五年度末時点において、秋山郷地域づくり協議会を含みます五十六地区のモデルとなる取組を実施をしているところでありまして、今後とも、農村RMOの広がり、しっかりと進むようにやっていきたいというふうに思います。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 多様な人材活用というのを発掘するツールとして是非農村RMOが拡大していけばいいなというふうに思っております。  十六日の質疑では、農村振興は一義的には農業の持続的な発展に寄与する範囲で行われるものとの御答弁がございました。果たしてそうなのかというふうに疑問を持っております。  例えば、新たに環境と調和の取れた食料システムの確立を基本理念に加えようとされていますが、環境との調和を農村において図るには、農業の持続的発展に寄与する範囲にとどめては範囲が狭過ぎる上、そうした線引きは困難ではないかというふうに思います。  九日の質疑で舟山理事が基本理念の関係性を説明する資料というのを求められて、政府からのその回答が提出されておりますが、その図で示されたこの内容というのは少し奇妙じゃないかなというふうに感じました。  基本理念のうち、食料安全保障の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展、これは環境と調和の取れた食料システムの確立として網掛けがされていたんですが、農村の振興というのは網掛けの外に置かれておりました。農村の振興を図る上で環境負荷低減とか環境との調和は必要だと思いますが、提出された資料ですと、農村振興と環境との調和には関連性がないようにも見えます。  なぜこの農村の振興だけ網掛けの外に置いてしまったのか、御説明を伺いたいと思います。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  新たに第三条の基本理念として環境と調和の取れた食料システムの確立を規定したところでございますけれども、まず、食料システムを通じた環境との調和の確保という観点で、農業生産者、それだけではなくて、加工、流通等の食品産業も含めて食料供給の各段階で環境負荷の低減を図るという旨を規定しております。  また、多面的機能の関係では、農業が行われることにより生ずる多面的機能についても、農業の環境負荷低減を図るなど、環境との調和が図られつつ発揮されることを明記しているということでございますので、環境との調和の取れた食料システムの確立というものが直接的に関係するものということで概念図としてお示しするような形で網掛けを出させていただきました。  ただ、農村は当然農業が行われる場でありまして、いろんな食品産業が行われる場でございますので、これらにおいて農業の環境への負荷の低減が図られることによって、農村においても環境との調和が図られるということは御指摘のとおりだと思います。  こういう概念図作りって大変難しくございまして、我々の乏しい能力の中で分かりやすさを重視して取りあえず提出させていただいたということについて御理解をいただければと思います。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 御苦労は理解させていただきましたが、そうしたちょっと言葉を付け加えるとかなんとかして分かりやすく理解しやすいようにしていただければいいのかなというふうにも思いました。  先ほど取り上げたスイスでは憲法に農業条項を定めておりまして、百四条第一項に農業の目的を三つ定めています。住民への供給の各保障、自然的な生活基盤の維持及び農村風景の保存、国土における人口分散、この三つです。  連邦制のスイスと日本とを単純に比較するのはもちろんできないわけですが、農業の目的に農村風景の保存とか国土の人口分散というのを定めている点では、荒廃農地の拡大とか農業者の減少に直面している日本にとって参考になるのではないかというふうに考えます。農村の総合的な振興を図るのであれば、本来、農村風景の保存とか国土の人口分散というのは視野に入れておくべき内容ではないかと思います。  農村振興は一義的には農業の持続的な発展に寄与する範囲で行われるものというこの基本法改正案の考え方だと、農村振興施策に限定を課して、自ら施策の範囲を狭めてしまうものにならないかと。農村振興はこうあるべきだというような思い込みがあるようにも見えますが、こうした限定的な考え方は改めるべきと考えますが、御見解を伺います。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  委員御指摘のスイス憲法第百四条第一項では、農業が持続可能な市場志向の生産政策により、食料供給の保障や自然資源の保全、農村風景の保存などに寄与するよう配慮されることが規定されていると承知しております。  我が国におきましても、農業・農村政策の基本的な考え方といたしまして、食料の安定供給や国土の保全、水源の涵養、自然環境の保全、良好な景観の形成などの多面的な機能の発揮に資するよう持続的な農業の発展や農村の振興を図っていくことが重要であると考えております。  このような観点に立ちまして、改正基本法につきましても、御指摘の農村振興に関しましては、基本理念として、良好な景観形成等を例示しつつ、農村で農業生産活動が行われることにより生ずる多面的機能が適切に発揮されなければならないことや、農村について、農業の生産条件や生活環境の整備、その他の福祉の向上により振興が図られなければならないことを規定するとともに、第二章第四節の各条文におきまして、農地保全に資する共同活動の促進や地域資源を活用した事業活動の促進など、農村振興に関する具体的な施策を規定しているところであります。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 この基本法の文言の中に一義的とか範囲というそういう何か限定するような言葉が入っていることで何となく気に掛かってしまうのかと思いますが、そう簡単に、今までの修正いろいろ要求させていただいていたことも含めてですが、なかなか変わる余地というのはなさそうですので。  最後に、鳥獣被害対策について伺いたいと思います。  改正案では鳥獣害の対策が新たに追加されておりますが、四十八条ですね、ただ、令和四年度の農作物の被害額というのは百五十六億円で、前年度から一億円増額しました。直近五年間の推移を見ると、百五十億円台で下げ止まりしているようにも見受けられます。  被害が減少しない要因の一つは、もちろん捕獲の担い手であるハンターの不足というのが挙げられると思いますが、猟銃免許所持者の六十歳以上の割合が令和元年度でおよそ六割と、高齢化が進んでおりまして、猟銃の所持者も一貫して減り続けているのが現状です。  そうした担い手確保と並行して進めるべきなのが、担い手でも鳥獣被害を防止していく新しい技術の活用だと思います、少ない担い手でもですね、少ない担い手でも鳥獣被害を防止していく新しい技術の活用だと思います。  政府は、令和四年度の鳥獣被害防止対策高度化事業として六つの事例を紹介していますが、そのうちの一つに、長野県の事例を挙げてくださっております。長野県のセンサーカメラ等を活用した総合的な被害対策の取組も含めて、高度化の概要というのを簡単に御説明いただければと思います。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、お答えは簡潔にお願いします。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  鳥獣被害防止高度化事業につきましては、効果的、効率的な鳥獣被害対策の実施に向けまして、ICTを活用して、鳥獣の生息状況や被害状況、わなや柵等の対策状況を見える化して、PDCAサイクルに基づく被害対策を推進するため、令和四年度に実施したものでありまして、長野県を含めて全国六府県がモデルとなっております。  今後、六府県で行われました取組の内容等につきましては、農林水産省のホームページで公開いたしまして、被害対策の見える化の取組のモデル事例として各自治体への周知を図ってまいりたいと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 予算は増えているようですので、是非、鳥獣被害対策、今後も進めていただきたいと思います。  ありがとうございました。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三十五分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、松野明美君が委員を辞任され、その補欠として金子道仁君が選任されました。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 休憩前に引き続き、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

横山信一公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  それでは、まず最初に物流の二〇二四問題についてお伺いしていきます。  新法によりまして、この荷主側、すなわち産地側、生産者側の対応が求められることになります。  農林水産省は、昨年十二月に対策本部を設置して、検討を重ねてきました。農産物・食品物流においては様々課題があるんですけれども、手積み、手降ろし等の手荷役作業が多いと、それから出荷量が直前まで決まらない、あるいは品質管理が厳しい、産地が消費地から遠く輸送距離が長い、こういった課題があります。これらに対して、産地の共同輸送拠点や予冷施設の整備、パレット化、荷待ち、荷役時間の削減などを検討することとしています。  こうした荷主側の取組に伴い、発生する手間やコストは生産者側に大きく及ぶことが想定されますが、生産者側がそのコストを転嫁できなければ、農業者、食品産業事業者の経営縮小につながり、ひいては農業、食品業界全体の停滞につながる、そういうことが懸念されるわけであります。  この合理的な価格形成は、食料システム関係者の意識共有と合意の上で決定され、物流事業者以外に求められるコストは消費者まで含めた食料システム関係者で負担するということになるというふうに考えています。どのように物流の効率化とこの合理的な価格形成に取り組むのか、大臣に伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 物流問題につきましては、昨年六月、関係省庁が一体となりまして、物流革新に向けた政策パッケージを策定し、物流革新に向けた取組を進めております。  農林水産省では、特に産地からの物流コスト増を抑制することができるよう、産地での共同集出荷施設の整備によりまして、荷の大型化などを通じ輸送コストを抑制するほか、標準仕様パレットの導入により、トラックドライバーの荷役の縮減を通じて荷役サービスへの支払を抑制する等の物流効率化の取組を進めているところでございます。  また、消費者に向けましては、政府を挙げて物価高に負けない賃上げに取り組んでおり、購買力の向上を図っているところですが、こうした中で、農林水産省では、令和五年八月から、生産、加工、流通、小売、消費等の食料システムの関係者が一堂に集まる協議会を開催し、協議を進めており、物流費の負担も含めて、関係者間でバランスの取れた食料システムとなるよう、丁寧に合意形成を図ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 諸物価高騰と言っていますけれども、なかなかこういう食料品の価格というのが全体的に生産者も含めた形で価格転嫁できないというのは今回の基本法の大きな課題であるわけでありますが、一方で、この二〇二四問題というのは、この荷主側ばかりが注目されていて、実は、全体でこれをカバーしていくんだと、負担していくんだという意識がまだまだ不十分だというふうに思いますので、今大臣がおっしゃられたところを含めてしっかりお願いしたいと思います。  近年、食の外部化や簡素化、簡便化に伴って、加工・業務用の需要が拡大しています。野菜を例に挙げると、従来は家計消費用が主体でしたけれども、令和二年の野菜出荷量における加工・業務用の割合は全体の五六%を占めています。また、家計消費用はほぼ国産であるものの、加工・業務用は大ロットで、しかも定時、定量、安定した価格という、そういうものが求められるという背景があって、輸入野菜が増加をしているという状況にあります。国産割合は今、七割程度という状況です。したがって、このまま加工・業務用へのシフトが続くと、野菜供給量全体に占める輸入量の割合も増えていくことが予想されます。  野菜のカロリーは低いために、生産額ベースの自給率で見た場合、目標の七五%に対して現在五八%の水準にとどまっていると。とりわけ、令和四年度の輸入量は前年度と同程度であったものの、国際的な穀物価格や生産資材価格の上昇、物流費の高騰、円安等を背景に輸入価格が上昇し、前年度よりも五ポイント引き下げることになりました。  また、今野菜の話をしましたけれども、水稲農家って米作りにこだわる方が多いんですが、しかし、現実問題として米の消費量は減っているということで、この我が国の低い食料自給率を見ると、この野菜、今例に挙げた野菜あるいは米のように、消費者の嗜好の変化あるいは消費者の求める食品に対して生産現場が十分に対応できていないことも一因ではないかというふうに考えます。  消費者の意向を踏まえた生産が行われるよう、生産者の意識改革も必要ではないかというふうに考えますけれども、大臣の見解を伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 農業生産の維持拡大には、市場ニーズや変化を捉え、求められるものを生産、販売していくという需要に応じた生産が不可欠と考えます。委員御指摘のように、在庫が過剰になっていても前年と同様の作付けとなったり、あるいは、高価格帯から業務用の手頃な価格帯に需要が変化しているのに対応できずミスマッチを起こす例は、米、野菜に限らず様々な作物で見られるところでもあります。このような状況は生産者にとっても消費者にとってもメリットにはなりません。  これに対しては市場機能の発揮が求められるところですが、農林水産省といたしましても、様々な市場情報の提供、そして関係者の結び付きの機会の提供などに取り組んでいます。  例えば、水田農業に関しては、米に関するマンスリーレポート等による産地、品種、銘柄ごとのきめ細やかな情報提供、麦に関する民間流通連絡協議会での農業者と実需者との情報交換の推進等を行っているところであります。また、加工・業務用野菜に関しましては、国産品の端境期を解消し、国産シェアを輸入品から奪還していくため、四月二十六日に国産野菜シェア奪還プロジェクトを立ち上げました。この中で、生産から販売までのマッチングなど、生産と実需と連携した新たな取組の創出を進めてまいります。  刻々と変化する経済状況の中で需要に応じた生産を実践していただくことは容易ではありませんが、生産者、産地だけでなく、流通、消費まで関わる方々の意識が高まり、市場シグナルを反映した生産が実現されるよう、引き続き必要な情報提供に努めていく所存でございます。

横山信一公明党

○横山信一君 力強く進めていただきたいと思います。  じゃ、前回に引き続き、環境保全型農業、またちょっとお聞きをしたいんですけれども、改正案の第五条では、農業生産性の向上、それから農産物の付加価値の向上、農業生産活動における環境への負荷の低減が図られることにより農業の持続的な発展を図るとした上で、農業生産活動における環境への負荷の低減は農業の自然循環機能の維持増進に配慮して図らなければならないというふうに規定をされています。  この環境負荷低減とは、環境保全型に、環境保全型農業に取り組むことと同趣旨というふうに考えますけれども、他方、環境保全型農業が進展しない理由ですけれども、我が国は、毎回言っていますが、温暖湿潤なアジア・モンスーン気候のためと、虫は多いし、雑草は多いしということで手間が掛かると。それから、栽培管理の手間も掛かる。それから、環境に配慮した農産物への意識が十分に高まっていないために需要が限定的だと。また、農業者の努力が農産物価格の優位性につながらないと、前回このことをお伺いしましたけれども、こうしたことがあって、農業者の拡大意欲につながっていないのではないかというふうに考えられています。  環境負荷低減は国際社会のトレンドであります。前回の質疑でもいろいろお聞きをしましたけれども、この環境保全型農業の手間が掛かるという特徴は、生産コストの増加要因です。そういう意味では、生産性の低下要因にもなるというふうに考えられます。今、農業者の減少が見込まれる中でこの環境保全型農業を推進するということは、食料の増産を難しくする側面もあるというふうに考えられます。  この環境保全型農業と食料安全保障というのはトレードオフの関係だというふうに見れるわけですけれども、この環境保全型農業を推進するということは食料安全保障の確保の食料増産が図れないのではないかという疑問を持ってしまうわけですが、この両立をどのように図っていくのか、これも大臣にお聞きをいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるための新たな政策方針としてみどりの食料システム戦略を策定し、持続可能な食料システムの構築に向けまして取組を進めているところです。  これらは、健全な作物を育てる土づくり、化学肥料や化石燃料等の輸入依存からの脱却等を通じまして、農林水産業の持続的発展、ひいては食料安全保障の確保に寄与するものというふうに考えております。  また、近年、生産現場では、土壌の状況、状態を把握し、適正施肥や資材の工夫等を行うことで、例えば徳島県の水稲や私のところの熊本県の露地野菜等におきまして、有機野菜でも慣行栽培と遜色のない収量を得ている事例も出てきていると承知しています。  今般の食料・農業・農村基本法の改正におきましても、農業の生産性の向上と環境負荷の低減を図ることとされているところであり、みどりの食料システム戦略の推進に当たっては、このような優良事例を横展開するとともに、今後とも環境負荷低減と生産力の維持向上を両立できるような技術の開発、普及を進めてまいります。農林漁業の持続的な発展と食料安全保障の確保にもしっかりと対応してまいりたいと思っております。

横山信一公明党

○横山信一君 選択は間違いないと思うんですけれども、今、イノベーションが必要なんだという大臣からもありましたように、そこをしっかりと後押しをしていくようなことをお願いしたいと思います。  先日の参考人質疑で中嶋参考人から、食料の安定供給と環境負荷低減の同時達成を目指す上でのアドバイスというのをお願いしたんですが、参考人からは、面白い話題だなと思ったんですけれども、かつて欧州では過剰生産という問題を抱えており、その解決手段として生産レベルを落とす環境保全型農業を展開したというふうに教えてくださったわけです。一方、日本は、環境保全型農業を進める中で、食料安全保障の観点から、食料増産のため環境に負荷を与えるような農業を推進しなければいけないと。今、そうじゃないんだという大臣からの話がありましたが、それを乗り越えていくんだという決意がありましたけれども。  国際的に見れば、農業は様々な環境負荷を与えているという認識があるわけです。世界市民として環境負荷低減に協力をしていくという、これは非常に重要なことだと思います。その場合、発生する掛かり増し経費は、消費者の理解を得ることを前提にして、公共財とみなして一定程度の交付金で支えることが必要だということを中嶋先生はおっしゃっておりました。また、イノベーションも生み出すような補助制度も求めたいというのもおっしゃっておりました。  この食料安全保障の確保と環境保全型農業を並行して進める上で、やはり消費者の理解を得るということが最も重要だというふうに考えます。改正案第二条において、食料の生産から消費に至る各段階の関係者が有機的に連携することにより、全体として機能を発揮する一連の活動の総体を食料システムというふうに定義したことは重要な意味があるというふうに思います。  消費者に対して、第十四条では、食料の持続的な供給に資する物の選択に努めることによって、食料の持続的な供給に寄与しつつ、食料の消費生活に向上に積極的な役割を果たすものというふうに規定をされています。  先ほど羽田委員から、オープン・ファーム・サンデーという非常に興味深い話も紹介されておりましたが、食育も非常に重要だと考えていますけれども、消費者がこうした役割を果たすためには食と農の距離を縮めるということが、そういう消費政策を打つということが非常に重要だと考えておりまして、この消費者に期待される役割を引き出すためにどのように取り組んでいくのか、これも大臣にお伺いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 消費者と農業現場の関わり合い、関わりが薄くなり、その距離が遠くなる中で、生産者の努力や農業現場の実態などを、農業等への理解を深めていただくためには食育を進めることが改めて重要になるというふうに考えております。  中でも、消費者が実際に農業現場で作業をし、生産者の努力を実感する農林漁業体験を推進することが重要であります。実際に農林水産省が実施をした調査によりますと、農林漁業体験に参加した者の六割強が自然の恩恵や生産者への感謝を感じられるようになった、また、四割の者が地元産や国産の食材を積極的に選ぶようになったと回答をされております。  農林水産省では、今後とも、農林漁業体験を始めとした各地域の食育活動を支援することとしておりまして、食や農林水産業への理解醸成に向けた取組が広がるよう後押ししてまいりたいと考えております。

横山信一公明党

○横山信一君 よろしくお願いしたいと思います。  次に、豆、麦の話をしたいんですけれども、政府は、小麦、大豆等の需要のある作物への作付け転換を推進しています。また、新規需要米も作付け転換、順調に進んでいます。特に飼料用米については、令和四年産において基本計画の二〇三〇年度七十万トンの生産努力目標を突破をいたしました。  一方で、小麦の国内生産量は令和三年と令和五年に生産努力目標を達成しましたが、大豆はこれまで生産努力目標に達したことはありません。小麦については、近年は品種改良が進み、実需者が求める品質に見合った小麦の生産が実現しつつありますので、パン、中華麺用小麦の作付け比率が上昇し、国産小麦の使用が進んでいます。しかし、まだ実需者の要求に応えるには、品質、生産量ともまだ十分とは言える状況にはありません。他方、大豆については単収の向上をいかに図るのかが課題となっています。  二〇三〇年度の生産努力目標、これは小麦は百八万トン、大豆が三十四万トンというふうになっているんですけれども、この生産努力目標の達成に向けてどのように取り組むのか、伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 我が国の食料安全保障の強化のためには、輸入依存度の高い小麦、大豆の生産拡大など、国内の農業生産の増大を図っていくことが不可欠であります。  現在の食料・農業・農村基本計画では、令和十二年度の生産努力目標として、小麦百八万トン、先ほど言われました、それから大豆三十四万トンを掲げており、直近の生産量は、小麦は令和五年産で百九万トンと、生産努力目標を上回る生産量となりました。また、大豆は令和五年産二十六万トンと、順調に増加をしているところであります。一方、国産小麦、大豆は、パン、麺や豆腐、納豆等の実需者からの根強い需要があるものの、収量、品質が年によって不安定であることが供給面の大きな課題というふうになっています。  このため、生産面では、生産性や品質の向上のための営農技術の導入、新たな品種の開発、導入、そして流通面では、安定供給の確立に向けたストックセンターの整備など民間による調整保管機能の拡充等を支援していきたいというふうに考えております。  今国会で食料・農業・農村基本法改正案が成立しました暁には、それを踏まえて策定されます次期基本計画で、これまでの生産及び消費の状況を踏まえて、小麦、大豆の作付面積拡大に係る意欲的な目標を設定した上で、生産性向上に取り組む生産者や産地を後押しし、増産を図ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 食料安全保障にとってこの小麦、大豆は非常に重要な作物でありますのでしっかりと進めてもらいたいんですが、この小麦については、消費量の多いパン、それから中華麺での国産比率というのは七%から八%にとどまっているという状況にあります。  品種改良あるいは安定生産など技術的な課題が多いとされてきましたが、一方で、大手コンビニチェーンが、持続可能な調達の一環として、今年四月からうどんや中華麺などの原料小麦のほぼ全てを国産のゆめちからや春よ恋などに切り替えたことが話題になりました。以前より小麦の収量や品質が安定し、輸入麦と交ぜることもなく単独で商品化できるようになったためというふうに説明をされています。  今後も、生産者と実需者の連携を図りつつ、国産小麦への切替えを推し進めていかなければなりません。そこで、いつまでにどのように国産切替えを進めていくのか、全体工程を示すロードマップのようなものがあってもいいのではないかと思いますが、政務官に伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  国産小麦につきましては、これまで、主にうどんなどの日本麺用に利用されておりました。今後、国産小麦の生産を増大させていくためには、需要量が多く海外依存度の高いパン、中華麺用の利用を拡大していくことが重要と考えています。  近年、パン用に適した委員御指摘のゆめちからや、ラーメン向けのちくしW2号などの新品種が開発され、利用も拡大しているところでございますが、さらに、パン、中華麺用に適した品種の開発を加速し、生産現場での普及を図ってまいります。  また、国産への切替えを行う実需者に対しても、先月成立しました特定農産加工法の改正によりまして、原材料の調達安定化に向けた取組について、施設整備も含め金融措置等で支援することとしております。  このような小麦の国産切替えに関しては、今後策定される次期基本計画の中で、小麦の作付面積拡大に係る意欲的な目標を設定した上で、その実現に必要となる様々な施策を検討し、課題克服に向けた具体的な道筋を示してまいりたいと考えております。

横山信一公明党

○横山信一君 国産というのは消費者にアピール度は高いと思うんですよね。やっぱりそういう意味で、国産化を進めるということは、様々な課題を乗り越えたことはもちろんですけれども、決して実需者にとってもマイナスではないということを広く普及していただきたいと思います。  米の話にしますが、米の国内需要が減少し続ける一方で、輸出は伸びています。二〇二三年の輸出量は三・七万トンということで、二〇一四年の約八・二倍に増加しました。これはこれまでの販路開拓の関係者の皆様の努力の成果だというふうに思いますけれども、日本産米はそもそも海外産と比べて国土条件の制約などがあって、生産規模の差など、なかなか国内の生産者の努力だけでは海外産との関係を埋めることはできない、そもそも格差があるというふうに思います。生産コスト、よく言われる話ですが、米国産と比較すれば四・二倍もあるということで、日本の米は高いがゆえに価格面での国際競争力がないということも以前から指摘をされているところであります。  そこで、せっかく伸びている輸出でありますけれども、やはり、アジア向けで考えれば、いわゆる日本の高い米を買ってくれるところというのはいずれ頭打ちになっていくということを考えれば、やはりおいしくて安い米を求めていくという傾向が出てくると思います。そういう意味では、海外の実需者ニーズに応えられる低コスト生産、あわせて、農家の手取りも十分に確保できる、そういう体制整備が重要だというふうに思いますけれども、どのように考えるか、政務官に伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  米の輸出を進めるためには、国際競争力を確保するとともに、生産者の収益性向上の両立を図る観点から、生産コストを低減することが重要でございます。  米の生産コスト低減に向けては、農地の集約、集積による規模拡大、水位センサーや直播栽培等のスマート農業技術や省力栽培技術の導入、そして多収品種の育成、導入の促進による単収の向上等を図ることが重要でございます。  農水省では、年間一千トン超の大ロットで生産、供給を行うモデル的な米の輸出産地の育成に取り組んでおります。全国三十ある輸出産地の中には、にじのきらめき等の多収米や直播栽培の導入等に取り組むことで、生産コストを低減し、順調に輸出を拡大している産地がございます。  農水省としては、実需者ニーズをマーケットインの発想でしっかりと捉えながら、安定供給と収益性の向上を実現できる低コスト生産が可能な輸出産地を育成し、輸出拡大を図ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 次に、この水田の畑地化のことも触れておきたいんですけど、畜産物や油脂の消費拡大などで我が国の食生活の変化が起きています。また一方で、人口減少により米消費が減っているという状況があります。  水稲は、言うまでもなく、先ほど来、まあいつも言っていますけど、アジア・モンスーン気候ですから一番適している作物ではあるんですね、日本にね。だけれども、国民が米を食べてくれないというそういう状況があると。  そこで、水田活用の直接支払交付金でこのブロックローテーションを促し、また畑地化促進事業で麦、大豆の本作を進めているわけですけれども、自給率の低い小麦、大豆の生産量の拡大を目指すということは、本改正案の大きな柱である食料安全保障の確保の重要な取組でもあります。  一方で、水田は、雨水を一時的に貯留する、あるいは洪水や土砂崩れを防ぐ、そしてまた美しい景観を保全すると、いわゆるこういう多面的な機能があります。  この水田の畑地化と水田の多面的機能の維持、発揮、この二つのバランスをどのように図っていくのかということをお伺いいたします。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  世界の食料需給が不安定している中において主食用米の国内需要は減少しておりまして、いわゆる我が国の食料安全保障の強化のためには、小麦や大豆など輸入依存度の高い品目の生産を拡大し、国内の農業生産の増大を図っていくことが重要です。  その中で、農業の多面的機能の発揮におきましては、まず、水田につきましては、雨水を一時的に貯留し洪水や土砂崩れを防ぐなど、重要な役割を担っているものと認識しております。  一方、畑につきましても、形態の相違はあるものの、土壌を耕起して生産が行われることを通じて、洪水の防止、土壌流出の防止等、地域において重要な多面的機能を発揮しているものと考えております。  また、地域社会の文化の、地域社会、そして文化の形成などの多面的機能につきましても、水田だけでなく、畑における農業生産活動が大きな役割を果たしていると認識しております。  今後とも、これらの機能の維持、発揮に資する施策を推進してまいりたいと考えております。

横山信一公明党

○横山信一君 畑にも、畑地にも多面的機能は十分あるということですね。  次に、五月九日の質問で、担い手以外のその他の多様な農業者、どういうふうに確保していくのかという質問しまして、政務官の方から、多面的機能支払や中山間地域等直接支払による農地の保全に向けた共同活動の促進、また、六次化や農泊などの農山漁村発イノベーションの取組を通じた農村における所得の向上と雇用機会の確保に取り組みますと、そういう御答弁をいただいたところでした。  これらの取組というのは既にあるわけでありまして、そういう意味では、この準主業経営体であるとか副業的経営体、約八十・七万経営体あるんですが、こういう人たちを主な対象にしている事業だと言えます。  もちろん、これは今後も継続してしっかり取り組んでいく必要がありますが、火曜日に、地方公聴会の後、雫石に行ったときに、清水沢集落の米澤さんの御意見を伺いましたけれども、中山間の直払いもあり、多面的機能支払ももらっている、一方で収益が出ないというようなお話でしたが、個々の具体的な経営内容は分かりませんので経営のことは何とも言えませんが、一方で、この担い手以外の多様な農業者がこうした中山間なんかに希望して入った場合、やはりその持続可能な農業を営むためには、経営の多角化あるいは半農半Xが重要だなというのを改めて思ったところでもあります。  昨年、各都道府県に農業経営・就農支援センターというのが整備をされました。以前は、ここは認定の新規就農者の支援が目的でしたけれども、幅広い年齢層が対象となる、それから支援内容も、就農だけではなくて経営、いわゆる営農にまで、営農のサポートもしていくということになりました。この農業経営・就農支援センターにおいても、こうした多様な農業経営体のニーズに応じた就農や経営支援が期待されるところでもあります。  農地保全等の役割を担う、この担い手以外の農業者の支援、どうするのかを伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  一昨日の委員派遣、私も参加をさせていただきまして、岩手県の中山間地域が直面する大変厳しい実情をお伺いする貴重な機会となりました。  中山間地域におきましては、私の地元兵庫県もそうでございますけれども、兼業農家さん、いわゆる兼業農家さんが私の兵庫ですと実は九割近くが占めておりまして、そうした担い手以外の多様な農業者の方々につきましても、農地の保全そして管理、集落機能の維持などに大きな役割を果たしていただいているところでございます。したがいまして、これらの方々の所得と雇用の機会を確保していくことが大変重要と考えております。  このため、多様な農業者が参加する水路の泥上げなど地域共同活動への支援を行うとともに、農村地域の仕事づくりの推進に向けましては、農業と食品産業等の連携による六次産業化や、宿泊業や飲食業と連携し農村に宿泊して地域の食を味わってもらう農泊など、農山漁村発イノベーションを進めてまいります。  また、委員御指摘の各都道府県の農業経営・就農支援センターにおいては、担い手だけでなく多様な農業者に対しても、就農から経営発展までを一貫してサポートしております。令和四年度で三千人以上の農業経営者に支援を行い、うち約二千人に対しては専門家派遣も行っているところでございます。農水省として、こうしたセンターの取組を支援してまいります。  いずれにしましても、これらの取組を通じて、多様な農業者のニーズと役割に応じた支援を行ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 この農業経営・就農支援センターが、いわゆるこういう多様な農業人材のところまでしっかり門戸を広げてサポートをしてあげれるような体制を是非お願いしたいというふうに思います。  ちょっと飛ばします、あっ、もう一つだけやりますかね。  この農地の権利取得に当たっての許可要件の一つであった下限面積要件が撤廃されました。以前から七割の市町村で下限面積要件が緩和されていたとはいえ、完全に撤廃されたというインパクトは大きいというふうに思います。  これによって、小規模な農業参入が促進されるということが考えられます。いわゆる今回の基本法で言う多様な農業人材の人たちに当たるんだと思いますけれども、この担い手以外の多様な農業者の確保のためには、従来から対象である副業的経営体の人たちだけではなく、小規模であっても農地を継続して利用することを希望する新規就農者、こういう人たちも出てくると思うんですね。それから、都市部に、ふるさとに帰ってくる帰農者、こうしたところを増やす取組も強化すべきだというふうに考えますけれども、政務官に伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  昨年四月に施行しました改正農地法におきましては、農業者の高齢化等が加速していく中で、農業への新規参入者の増加等によって農地が適切に利用されるよう、農地の下限面積要件を廃止したところでございます。実際、これまで下限面積要件を緩和することにより、若者を始め農村に移住、定住をしている事例も出てきております。  農水省としましては、都道府県や農業団体等の地域の関係機関が連携して新規就農者を総合的にサポートする体制の充実に加え、資金メニューでの支援、機械、施設等の導入支援などの施策により、農地面積が小さい場合であっても市町村が定める経営目標等一定の要件を満たすものを支援しているところでございます。  今後とも、こうした取組により農村の活性化を図ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 ちょっと食品アクセスちょっと飛ばしまして、国際協力の話になりますけれども、改正案第二十五条において、国際協力の推進の目的として、従来の世界の食料需給の将来にわたる安定に資することに加え、我が国への農産物及び農業資材の安定的な輸入の確保に資することが加えられています。  農林水産省は、これまでも開発途上国への自立的な経済発展に向けて様々な支援をしてきているわけです。具体的には、農業生産性の向上のための技術指導でありますとか、あるいは環境配慮型技術の普及でありますとか、いろいろやってきています。  昨年六月、ODAの指針となる開発協力大綱が八年ぶりに改定をされました。その中では、開発途上国の食料の安定供給やその確保は我が国にとっても重要だということで、積極的に支援に取り組んでいくということになりました。  昨年十月には日本・ASEAN農林大臣会合が開催され、ASEAN地域における持続可能な農業及び食料システムの構築、地域の食料安全保障に貢献するよう、我が国の技術と経験を生かした協力プロジェクトを進める日ASEANみどり協力プランが採択をされました。  そこで、この食料の安定供給の確保に関する施策として国際協力の推進はどのような役割を果たすのか、伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 食料安全保障の確保は、我が国のみならず、世界における大きな課題でありますが、その背景には、グローバルサウス諸国における農業の生産性の低さあるいは脆弱性などの課題があると考えています。  こうした認識に基づきまして、グローバルサウス諸国における農業の生産性の向上や強靱化の確保を通じて世界の食料需給の安定、それによる我が国への食料供給の安定化を図ることとしています。  例えば、日ASEANみどり協力プランに基づきまして、我が国におけるイノベーション成果によりASEAN地域における農業の生産性と持続可能性の向上を図っていきますほか、国際機関と連携をいたしましてアフリカ諸国における地元農業生産を支援し、途上国における農業生産性の向上、食料供給の安定化を図ることなどの取組を実施してまいります。  さらに、日ASEANみどり協定プランを通じまして我が国におけるイノベーションの普及、活用を進めることによりまして、世界標準化も含めて、我が国の技術の世界的な活用が広がることを期待しているところであります。

横山信一公明党

○横山信一君 G7の一翼を担う我が国として、しっかりその責任を果たしていかなくてはいけないというふうに思います。  ところで、改正案の第二条第二項には、食料の安定的な供給について、国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、それができないものについて輸入と備蓄を組み合わせて対応していくということが定めています。  また、第二十一条においては、輸入の具体的な施策として、輸入の相手国の多様化、輸入相手国への投資の促進を規定しています。しかし、しかしですね、我が国の輸入相手国というのは限定的でありまして、国産と、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルで輸入上位四か国と我が国を含めて供給カロリーの九割を占めていると、こういう現状があると。  こうした輸入相手国は、現時点ではこれらの国々は我が国と友好的でありますから、取り立てて急に何か輸入禁輸措置みたいな、輸出禁輸措置みたいなことが出てくるというのはなかなか考えづらいとはいえ、最近この気候変動が非常に激しいですから、頻発化する干ばつあるいは水害等の異常気象による食料の安定供給への影響というのは、これは当然考えられることであります。事実、そういう影響もありました。  前回の質疑で取り上げたように、IPCCの報告書では、地球温暖化によって異常気象の頻度、強度が更に高まる可能性が示唆されているという状況にあります。そのため、輸入相手国の多様化を進めるということは、この特定の国への過度の依存というリスクを分散化する上では非常に重要な課題であります。  だけど、だけどですね、この輸入の相手国の多様化って本当にできるのかというところが疑問に思うわけでありますが、そこをどう取り組むのか、これ大臣に伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 委員の御指摘のとおり、我が国への小麦、大豆、トウモロコシ等の主要穀物の輸入についてはその多くが米国そしてカナダや豪州から調達している現状にありますが、輸入の安定を確保するために、最近我が国への輸入が増加している南米諸国も含め、輸入相手国の多様化を推進しているところです。  とりわけ政府間対話につきましては、既に小麦等の輸入について行っているカナダや豪州に加えまして、ブラジル等との対話の強化を進めていきたいと考えております。  また、輸入相手国の多様化に加えまして、同じ輸入相手国の中でも、リスク分散の観点から、我が国の民間事業者による調達先の多様化を図ることが重要であると考えております。このため、民間事業者、商社等が輸入相手国で行う集荷、船積み施設等への投資案件形成を支援することによりまして、新たな調達先の開拓も含む調達先の多様化を促進するということにしているところであります。

横山信一公明党

○横山信一君 なかなか未知数のところは多いと思うんですが、掲げている理念は正しいと思いますので、しっかりそこを進められるように努力をしていただきたいと思います。  以上で質問を終わらせていただきます。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 日本維新の会・教育無償化を実現する会、金子道仁です。  本日は、このような質問の機会、与えていただいたことを感謝いたします。  最初に、資料を、今回配付させていただきました資料一、こちらは先週の理事会の資料で拝見させていただいたもの、舟山議員の方からこの資料請求があったと聞いております。非常に分かりやすいというか、こういったものを私も是非拝見して議論したいと思いましたので、使わせていただきます。ありがとうございます。  この理念に関してまずお伺いしたいところですけれども、今次改正において理念が変更していますけれども、その変更点について御説明いただきたい。また、この変更によって現行の基本法の理念骨子、これは変わっているのでしょうか。大臣、お答えください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 現行の食料・農業・農村基本法は、一九九九年の制定当時、国民全体の目線に立って農業の役割を捉え直すという議論を踏まえまして、国民の立場から、国民の生活に必要な食料が安定的に供給されなければならないこと及び国民に対する外部経済効果である多面的機能が発揮されなければならないことをまず位置付けた上で、食料の供給機能と多面的機能を発揮するために農業の持続的発展が図らなければならないこと、そして農業の持続的発展の基盤であります農村の振興が図られなければならないことをそれぞれ施策を通じて目指すべき姿として新たに基本理念として規定したものであります。  その上で、本改正法案は、法律の基本的な枠組みは維持しつつ、世界の食料供給の不安定化等、昨今の国内外の諸情勢の変化に対応するため、食料を国が総量を確保するというだけでなく、国民一人一人が食料を円滑に入手できるとの観点を含めまして、食料安全保障の確保を位置付けているところです。  そして、農業が環境に負荷を与える側面があることを正面から捉え、環境と調和の取れた食料システムの確立を新たな基本理念として位置付けるなど、必要な見直しを行ったところであります。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 ありがとうございます。  基本的な枠組みは変わらないというのがエッセンスかと思いますけれども、基本的な枠組みは変わらないということは、現行の基本法の理念の骨子は変わらないというふうに理解させていただきたいと思うんですが、一九九九年に施行された現行の基本法によって開始した様々な農政改革、これは今後も維持されるということでよろしいでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 現行の基本法の下、需要に応じた食料の供給、そして望ましい農業構造の確立等の基本法の理念を実現するために、これまで、経営所得安定対策によります担い手の育成や確保、そして農地バンクによります農地の集積、集約化、さらには米政策の改革、そして農協改革などの改革を進めてまいりました。  改正基本法の下でもこれらの改革を引き続き進めてまいります。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 ありがとうございます。  まさに今大臣おっしゃっていただいたように、担い手の改革であったり、農地の集積、集約であったり、米政策であったり、農協改革であったりとか、この現行の基本法の中で改革がスタートしていった、そしてそれが達成できているところ、達成できていないところ、そのようなことがある、それを検証しながら今回の農業基本法の改正に進んでいくということ、それは非常に理解できております。  是非、それぞれ、今日は短い時間ですけれども、一つ一つ検証させていただきたいと思っております。  最初に、食料の供給能力の確保に関してですけれども、不測の事態において国民が飢えることのないような食料供給能力の確保のため、特に国内の生産基盤の確保、これが非常に重要だと考えますが、この不測の事態に備えた基盤の確保のために、どのような農地の構成というんでしょうか、ベストミックス、これを農水省として想定しておられるのかをお伺いしたいと思います。  本日、先ほどでしょうか、衆議院で採決された食料供給困難事態対策法案の附帯決議の中にはこうあります。不測時において国民に必要な食料を供給するため、スイスにおける食料安全保障の状況シミュレーションや評価の意思決定支援システムを参考にして、生産する作物、作付け農地などのシミュレーションを行う仕組みを構築する、このようにありますが、今後、こういった決議に基づいてどのような取組をされるか、お答えください。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  不測時における食料の生産につきましては、食料だけではなく資材の不足、価格高騰、あと物流の確保など様々な要素が影響しますので、様々な事態を想定して、我が国の食料供給能力や国民経済等に及ぼす影響を把握して対応するシミュレーションを行うことが重要であるというふうに考えております。  議員御指摘のように、スイスにおきましては、輸入の途絶などの不測の事態に備えまして食料供給に関する政府の意思決定を支援するシステム、いわゆるスイス・フードシステムにおきまして、個々の事態に応じた生産構成等の最適化や、そのために必要な農地面積に関するシミュレーションを実施をしております。我々もこうした取組を参考にしながら、シミュレーションを行うためのシステム等の在り方について検討していきたいというふうに考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 是非早急に、国民が飢えないように、そのような不測な事態が出てからさあどうしようということではなくて、やはり前もって、不測の事態では、こういう事態になればこの農地はこういうふうに使う可能性がありますということを広く国民に周知していくことが、例えばチューリップ畑でお芋を作るんじゃないかというような、何か滑稽なこういう議論が出てしまう、そういったことはやはり不安が土台にあると思いますので、そのようなシミュレーションをしっかりやった上で、例えば今回の農地確保に関する法案の議論の中でもそのような提案が出ることがより実質的な議論につながるんじゃないかと思いますので、是非よろしくお願いいたします。  先ほどから各委員も質問の中で出ましたけれども、我が国の主食であり、我が国の風土、モンスーン・アジア気候に最も適し、さらに連作障害もない、生産性も高い米の生産能力、これの確保が国内生産基盤の確保の中心になる、これは私はそうだと思うんですが、大臣の見解を改めてお聞かせください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 米は、気温が比較的高く降水量が多いアジア・モンスーン地域の気象条件に最も適した作物であり、また、委員今言われましたように連作が可能でありまして、収量の変動も比較的少ない優れた作物であります。このため、古くから我が国の国民の食を支えてきた中心的な作物、主食となっていると考えております。  一方、米については、需要の減少が続いているのも事実であります。需要に応じた生産を行い、必要量を安定的に供給することが重要だというふうに考えます。他方、輸入依存度の高い麦、大豆等の生産を拡大することによりまして、食料安全保障を強化していくことも重要な課題であるというふうに考えております。  このため、農林水産省としましては、現在全国各産地の意向を踏まえまして、水田機能を維持しながらブロックローテーションによりまして米、麦、大豆の輪作を図る取組、それから一方で、畑作物が連続して作付けられている水田につきましては畑地として産地化する取組のいずれの取組についても後押しをしているところであります。  その上で、米につきましても、生産コストを削減し、収益性を向上させ、輸出や米粉など新たな市場の拡大につなげていくことが重要であります。同時に、経営規模の拡大、スマート農業技術や省力栽培技術の導入、さらには、多収品種の育成、導入等の取組を今後も強力に進めていく考えであります。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 ありがとうございます。  答弁が非常に長いので、結局、中心になるのはお米なのかどうかということが明確にすべきではないかということをもう一度改めてお伺いしたいと思います。  その前に、先ほどのそのスイスの事例ですと、明確にスイスの場合は、この農地、例えば飼料作物の農地が十万ヘクタールあると、不測時は全部やめて、それを小麦若しくはジャガイモにすると決めているわけです。それを考えておかないと、いざというときにその飼料作物の農地が変わらなくなってしまうわけです。我々がその不測時に何をメインの食料にするか、やはり米だと思うんですね。米に変えようとするときに、変わらない農地を日本が持っていたとしたら、不測時の対応ができなくなってしまう、それを心配するわけなんです。  改めて大臣、食料基盤確保の中心になるのはお米だと思うんですが、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) まずは、私たちの主食は米であります。六百六十一万トン、年間生産をされております。  そういう中で、やはり米政策は米政策として進めていかなければいけないというふうに考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 不測の事態に対応する国内生産基盤の中心が米であるという想定で先に進みたいと思いますが、そのような能力を失わせるような水田の畑地化というものについては非常に懸念をしております。  改正案の二十九条、畑地化が入っておりますが、現行の食料・農業・農村基本計画の中では、水田の畑地化というものは高収益作物に転換するためという限定が、限定というか枕言葉が書いてあるわけですけれども、今回この基本法の二十九条の中にはこの限定が外されて入っているようにも見えるわけです。これは、水田の汎用化をこれまで進めていた農政が、水田の汎用化でなく畑地化を推進しようとする意思の表れにも見えるんですけど、その辺りはいかがでしょうか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) まず、委員御指摘の基本計画の方なんですが、確かに高収益作物に転換するための水田の汎用化や畑地化をというふうにして、高収益作物というのが限定しているように書いてございますけれども、ただ、今般の基本法の改正案の第二十九条の条文では、野菜などのこの高収益作物だけではなくて、実態として、ソバですとか、産地でも畑地化が選択されているというのはかなり出てきているということもございまして、高収益作物といったような限定はしておりません。  このため、産地の判断を尊重しながら、水田の汎用化、畑地化、いずれもということなので、汎用化も畑地化もまず限定をしていないということと、どちらかに優劣を付けているわけではない、いずれも、判断した産地については基盤整備等で両方とも後押しをしていくと、そういう考え方でこのように条文を作成したということでございます。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 もちろん営農される方が畑地化を選択する、その自由があるのは当然ですし、そういったことは一つ一つあると思うんですが、それであれば、従来の基本法であってもそういった畑地化は十分行われている中で、あえてこの改正案の中で畑地化という文言を入れたそのメッセージとして、やはり畑地化を推進するんではないかということを我々としては危惧しているわけです。  是非、この畑地化ということが大きな現状を変更するものではない、そういった御答弁はいただけないでしょうか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 例えば、先ほど申し上げましたソバですとか、そういう湿害に弱い産地ですね、そういった作物を作っている産地では、やはり畑地化で永続的に作付けをした方が収量や品質が安定するだとか、あるいは水管理の手間が掛からない、省力化できるということで畑地化に取り組んでいこうという、そういう産地も見られるところであり、これからの労働力の確保の観点からすると、そういったところについても両方とも推していく必要があるということなんですけれども、先ほど申し上げたとおり、汎用化と並べて畑地化ということにしておりますので、優劣を付けるものではなく、今までの考え方どおり汎用化は進めていきますし、畑地化に取り組む方々についてもこれもしっかり支援していくと、そういうことでございます。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 この問いに関しては、その食料供給能力の確保ということで、不測の事態というところから議論をさせていただきました。  やはりこの、今回、食料安全保障という点では、いかにして水田を残していくのか、汎用化しつつブロックローテーションしながら残していくのかというのが非常に重要であるというふうに我々考えているということをお伝えして、次の問いに行きたいと思います。  改正法の二十六条の二項、望ましい農業構造の確立について、担い手の部分にその他の多様な農業者というものが新たに追加されたわけですが、これは改めてですが、どのような農業者を想定しておられるのでしょうか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  基本法改正法案第二十六条第二項に規定する担い手以外の多様な農業者とは農業以外で生計を立てている農業者を示すものであり、具体的には、いわゆる兼業農家や自給的農家などが該当し得るというふうに考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 ありがとうございます。  これ、あらかじめ通告していましたが、兼業農家というのは、現行基本法においても担い手に含まれるという理解でよろしいでしょうか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  現行の食料・農業・農村基本法では、担い手である効率的かつ安定的な農業経営を育成、支援することが規定されております。  こうした農業経営とは、現行の食料・農業・農村基本計画におきまして、経営規模の大小や家族経営か法人経営かを問わず、農業所得で生計を立てる農業者である旨を示しておるところでございます。  一方で、兼業農家でございますけれども、午前中の質疑で藤木委員から御指摘ございましたように、一口に兼業農家と言っても様々な経営内容を営んでおられる農家がいらっしゃるというふうに考えておりますが、一般的には農業以外で生計を立てている農業者が多いと認識をしており、そのような兼業農家は基本的には担い手には含まれないものと考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 資料の二を御覧ください。  今の答弁にもあったように、これは農水省というか、九州農政局の資料、まあ九州だけではなくて全国そうですけれども、認定農業者、担い手の一部ですが、の対象として、性別、年齢、そして専業、兼業の別と明確に書かれているように、制度の設定としては兼業の方も担い手として含まれる、つまり効率的、安定的な農業経営を営む者の中に兼業の方は元々含まれていたと考えるんですね。  にもかかわらず、今回、二十六条の二項でわざわざ効率的かつ安定的な農業経営を営む者及びそれ以外のというふうに書いて、あたかも兼業農家であったり家庭的な経営をする方が効率的かつ安定的な経営をしなくてもよい、そのような読み方ができてしまうのではないか、その辺りを懸念しております。  先般の参考人質疑の中でも、家庭的経営を行う方がこちらの方に来られて、質問させていただきましたけれども、その方々が担い手になれないんですかという質問をした際に、何かちょっと難しさを覚えていますと、御自身は担い手になれなかったというようなことを言っておられましたけれども、この二十六条の二項にそれ以外のというのを入れるまでもなく、現行でこの兼業の農家が入るのであれば、その担い手を認める認定の運用のところの課題だったんじゃないかと思うんですけど、その辺りは大臣、いかが考えますでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 基本法改正案第二十六条第一項で規定いたします効率的かつ安定的な農業経営者とは、改正前の第二十一条のとおり、農業で生計を立てる担い手を示すものです。こうした担い手と農業以外で生計を立てる兼業農家等の多様な農業者では、農業において果たしている役割は異なるものというふうに考えております。  農業者の高齢化が進む中で、引き続き担い手の育成、確保を図ることは重要でありますが、一方で、担い手だけではカバーし切れない農地については、担い手以外の多様な農業者に保全管理を適切に行っていただく重要性、このことが増してきております。  このため、基本法改正案では、二十六条第一項で、担い手である効率的かつ安定的な農業経営の育成、確保を図るとのこれまでの方針を維持しつつ、同条第二項で、担い手とともに地域の農業生産活動を行う多様な農業者を位置付けたものでありまして、同条第一項と第二項は矛盾するものではありません。  こうした考え方につきまして、今国会で基本法改正案が成立いたしました暁には、誤ったメッセージとならないよう周知をしてまいりたいというふうに考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 ありがとうございます。  私も、その多様な農業者が農地の維持をしていくために参画する、これは大賛成でございますし、兼業の方々がこの多様な農業者に含まれるということも理解しております。  ただ、このそれ以外のということを入れることによって、その兼業農家の方々が効率的かつ安定的な農業経営を営む必要がないとか営んでいないような、そういう印象はやはり拭えないのかなと思うんです。効率的かつ安定的な農業経営を営むのは全ての農業者のなしておられることだと思いますので、それは前提としつつ、この農業経営が農業生産の相当部分を担うかどうか、これはそれぞれの農家の方々の経営というか生産、その置かれた場所によってこれから組み合わされていく、まあ兼業というのが当たり前である、まあ昔から日本では兼業というか、冬にはいろんな工作をしたりとかしながら生計を立ててきたわけですから、農家の方々が様々な副業をしながら生産を高めていく、所得を高めていくのは当然のことだと思うんですね。それがたまたま農業生産より上回ってしまったら担い手でないというような運用の仕方は改めていくべきではないかということを意見としてお伝えしたいと思います。  続いて、次の質問ですけれども、農地の集積、集約について御質問させていただきたいと思います。  資料の三番を御覧ください。お願いいたします。集積、集約の傾向についての資料をお配りさせていただきました。  担い手への農地の集約について、二〇二三年度までに農地の八割、全農地の八割を占める農業構造の確立を目標とされています。まだ二〇二三年度の集計は出ていないというふうに伺っていますけれども、二〇二二年度の集計で約六割、まあ一年でそれが八割になるというのは非常に難しいということで、未達成であると想定できるかと思いますが、この未達成についての検証はいかがでしょうか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  令和五年度末、二〇二三年度末の担い手への農地集積率でございますが、今委員から言及いただきましたように、集計中ということであります。直近の数字で申しますと、令和四年度末、二〇二二年度末の数字ということになりますけれども、全国平均で五九・五%となっております。集積が一定程度進んだと評価しておりますけれども、御指摘いただきましたように、目標には届いていない状況であると認識をしております。  これに関しましては、地域等で集積率に差があるほか、全国的にこれまでの担い手への農地集積は相対の農地の貸借によるものが中心となっていたことから、一般的に農地の分散錯圃が解消されず、担い手に使い勝手の良い形での農地集積がなかなか進まないことがこういった状況になっている要因であるというふうに考えております。  このため、昨年四月に施行されました農業経営基盤強化促進法に基づき、将来の農地利用の姿を一筆ごとに目標地図として明確化し、地図に位置付けられた受け手に対して農地バンクの活用によって農地の集積、集約化を推進してまいりたいと考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 ありがとうございます。  未達成であるその理由は、一定、御説明、分かりました。一定程度進んだということも、私も評価します。ただ、今後検証していくという点では、この目標は今後も維持するということでしょうか。それとも、目標を八割から七割に下げる、六割に下げる、こういうこともあるんでしょうか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  具体的な目標につきましては、この基本法の改正法案が成立した暁には、それに基づいて新たな食料・農業・農村基本計画を定めることになります。その基本計画を策定することになります。その基本計画の中ですね、具体的には、この集積目標をどうするかということは検討していきたいと思うんですけれども、委員御指摘いただきました、また資料を配付していただきましたけれども、これを御覧いただいても分かりますように、担い手への農地集積率をブロック別に見ると、水田率あるいは基盤整備率が高い地域に比べると、やはり中山間地域を多く抱える地域、大都市圏では低い傾向になっているということが見て取れるかというふうに考えております。  農業者の減少、高齢化が進展する中で農業を成長産業化するためには、引き続き、担い手に農地を集積、集約化することが重要であると考えておりますけれども、この集積目標を今後検討するに当たっては、こういったこれまでの取組の実績等を十分に踏まえながら考えていきたいと思っております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 是非お願いいたします。次の計画でどのようなものが出るか、是非、関心を持って拝見させていただきたいと思います。  おっしゃるように、私の地元兵庫の中山間でも真っ青な状況で、それは無理です、八割を目指すというのは。まあ、無理と言ってはいけません、非常にハードルが高いです。であれば、目標設定八割、全国という、まあ、言ったらちょっと乱暴な目標設定ではなくて、この地域は六割、この地域は九割みたいな地域ごとの目標設定であったり、県ごとの目標設定であったりというのが必要なんではないか。  様々な目標を立てる、それは非常に重要なことだと思います。ただ、立てっ放しではなくて、やはり検証し、次の目標設定をどうしていくのかというのが重要な課題になるかと思います。  これに関連しまして、人・農地プランから移行した地域計画、私の地元でもせっせと今地域計画の策定をしてくださっていますけれども、非常に評価が高いです。  私も拝見させていただけると、農地の集積だけではなくて、集約、十年後の担い手を決める、しかもそこに新規参農の方も混じっていくので、なかなかいきなりぽんと入れないのが、この計画の策定から入っていくと、まあ、一年ぐらいおしゃべりしながら信頼も得て、そして新規参農、就農がスムーズに非常にいくということで好評です。  ただ、今年度末までに地域計画の策定を完了するというのが農水省の目標だったと思いますけれども、私の地元を見ると、まだ一〇%しか達成していない状況です。  これ、今年度末までに完了できるんでしょうか、見通しはいかがでしょうか。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。  まず、現在、全国の市町村におきまして策定が進められている地域計画は、地域の農業関係者がしっかりと話合いを行い、地域農業の将来設計図となる重要な計画であります。また、担い手への農地の集積、集約化を進めていくという意味でも大変有効だというふうに考えております。  現状、農林水産省において各市町村に取組状況を今お伺いをしたところ、まず令和五年十一月末時点で、計画の策定期限である令和七年三月末までに全国千六百三十六市町村、約二万地区ということになりますが、で策定いただく予定というふうに聞いております。  農林水産省といたしましては、委員から今御指摘がありましたけれども、市町村職員のマンパワー不足など様々な当然課題があるというふうには認識をしておりまして、地域計画策定の手引の作成や現場での意見交換を重ねてきたところでありますが、令和六年度においては、市町村の取組に必要な予算を倍増するとともに、先行事例の紹介や取組のキーパーソンとの意見交換を行う全国会議の定期開催、そしてまた、必要がありましたら現場へ職員が直接伺いまして助言などを行わさせていただいて、なるべく市町村、農業委員会を始め関係者の取組が円滑に進むように後押ししてまいりたいと思います。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 是非よろしくお願いいたします。  うちの地元でもコンサルタントが入ってやっていますけれども、それが入らないと恐らく農家の方だけでは段取りも分かりませんし、初めてのたった一回の経験ですので、コンサルタントのようにもう流れの分かっている人にどんどん入ってもらう。で、これは短期的なものだと思いますので、是非集中して実践していただいて、速やかな農地の集積、集約、それが農村の持続的な発展につながると理解しております。  ちょっと順番を変えまして、農福連携について御質問させていただきたいと思います。十六番になりますが。  農福連携について、先週の委員会で議論があった、そのことを議事録で拝見させていただきました。政府案では、障害者の農業の参加というのが第、これは四節ですね、農村の振興の中に入っていると。私たちの党でもここに入ったのに違和感を正直感じておりまして、まあ悪い言い方をすれば、障害者の農業への参加が農村振興の手段のように位置付けられるんじゃないか、見られるんじゃないか、そのようなおそれがあるということを議論した記憶がございます。ただ、そういう趣旨ではないということは、意見交換の中で、質疑の中で出ておりますけれども。  項立ての変更が難しいのであれば、例えば四十六条の新設の目的が地域の農業の振興を図るためにと入っていますが、それに加えて、障害者の福祉の向上を図るという趣旨の文言を追記することで先ほどの懸念というのは払拭の方向に行くのではないかと思いますが、大臣の見解をお聞かせください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 農福連携は、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組であります。  農福連携の現場における障害者は、農業技術の習得により農業人材としての活躍を目指す方、それから、農業体験を通じて居場所づくりや健康増進を目指す方など、個々の特性や希望に応じて多様であることから、地域の中でそれぞれの思いに沿って支援していくことが大切であるというふうに考えております。  また、障害者基本法においては、その基本理念として、全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること、全ての障害者は、可能な限り、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないことと規定されておりまして、改正案では、この基本理念を踏まえ、地域社会として障害者を支える環境を整備するため、農福連携を農村振興施策として位置付けております。  その上で、農村振興施策についてその方針を定める第四十三条におきまして、生活環境の整備その他の福祉の向上を規定しまして、農村に生活する者全般について福祉の向上を図る旨を明示していることから、個別の具体的施策について重ねて福祉の向上と規定することはしないこととしているところでございます。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 確かに、四十三条の二項のところに農村全体で福祉の向上ということが入っていますけれども、重ねて入れても別に問題はないと思いますし、先ほど私は、これらの者の福祉の向上という文言を四十六条に入れる、若しくは、今大臣が言われたのであれば、障害者総合支援法の趣旨に鑑みとかそういう文言を入れるだけでもそういった懸念は払拭できるのではないかと思いますので、是非御検討いただければと思います。  ここに農福連携が入ったこと自身、私も非常に感謝しております。私も、社会福祉法人の理事長として就労のBを運営していますけれども、農福連携もう十何年やり続けておりますけれども、なかなか身が入らない、形だけというのが実態でございます。  令和元年に農福連携等推進ビジョンが政府によって、官房長官によって決定されて、令和六年度末、だからもうすぐですね、に取り組む主体を新たに三千創出するという目標で進んでいると理解しております。昨年度末で二千六百、七百でしょうか、良いペースで進んでいて、目標達成、つまり新たに三千の事業主体が農福連携に取り組むというところは、数としては実現しそうな形だと思っています。  他方で、農福連携の課題を、これ農水省の資料ですか、いただいたところ、三つあって、そのうち二つが、知られていない、広がっていないという書き方があって、おかしいんですよね。三千新しくなったということは広がっているはずなのに、広がっていないという課題が出ている。  これはどういうことかというと、中身が不足しているということではないかと思うんです。実質的な進展がまだこれから望まれるということではないでしょうか。実質的な進展、農の方からいえば、新規参入、新規就農してくださる障害者が増えていくような流れが起こる、福の方からいえば、就労Bから一般就労していく人たちが増えていくような流れが起こる。残念ながら、うちの事業所は、十何年で一人も農家に就職、農業生産法人に就職した人はいません。もう十何年やっていてもそのような実態。私たちも反省しなくてはいけないと思うんですが、まだ、数は増えても中身がこれからというところが農福連携の実態ではないかと思うんです。  農福連携の三形態と言われるものがございます。一つは障害者が就農していくということ、もう一つは障害サービス事業者が農業に、農業分野に参画していくということ。でも、これ、いずれもめちゃめちゃハードルが高いんですよね。いきなりは難しいです。であれば、その三類型のもう一つが、農作業の受託をしていくこと。いきなりこれがメインではなくて、農家の方の手間暇の掛かる作業を就労のB、就労のA、そういったところが受託をして、経験を踏まえ、経験を重ねていくことで徐々にこの農福連携の中身が深まっていって、最終的には新規就農者が増えていく、これが望ましい形ではないかと、そのように考えております。  このような農福受託型の連携推進を支援するために何が必要か。これは、全国の共同受注窓口、これは厚生労働省ですけれども、この業務委託の中に農業分野を是非入れていただいて、全国一律で農業生産者と福祉事業者のマッチングを推進していくことが、この数だけできた農福連携に中身を入れていくことになるんではないかと思うんですが、厚生労働省の御意見お聞かせください。

辺見聡厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(辺見聡君) 議員御指摘の共同受注窓口でございますが、農福連携の推進において、農業生産者と障害福祉サービスの障害者就労支援施設のマッチングを進める上で大変重要な取組であるというふうに認識をしております。  このため、厚生労働省では、障害者の工賃を向上させるこの計画の支援の事業の一環といたしまして共同受注窓口の機能を更に強化する支援を行っており、この事業も活用して農福連携を推進をしていきたいと考えております。  これに加えまして、農福という観点から、今後農福連携に取り組む障害者就労支援施設に対して伴走型のコーディネーターによるマッチングや立ち上げの支援、また効果検証、事例報告までを一気通貫に行うモデル事業を行って、一連の具体的なノウハウを好事例として全国展開していくということも考えております。  これらの取組を通じて、引き続き、農林水産省とも連携をしながら、各地域における農福連携を推進してまいりたいと考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 コーディネーターを配置してくださるのは非常に有り難いですけれども、全国に三千、例えば新しくできたところに全部にコーディネーター配置するなんてことはあり得ないわけですし、既存のこの共同受注窓口、何が問題かというと、例えば我々兵庫県ですと、神戸にあるんですね。そうすると、神戸にある受注窓口は、神戸の周りの、つまり鉱工業の受託をしてそれをやる事業者ないかというわけです。兵庫の北の方の但馬、丹波、そういったところの事業は一切窓口にならないわけですね。それが農福連携の身が入らないということだと思います。  せっかくその共同受注窓口がある、それでうまくいっている土佐、あっ、土佐じゃない、高知県であったりとか安芸市であったりとか、四国は結構うまくいっています。それは、共同受注窓口がそういう意識がある、農業の、農村の方々の必要を集めよう、そしてそれをつなごうという意識がある、これこそが好事例の横展開だと思いますので、是非、共同受注窓口の受託の中に必ず農業分野を入れてくださいと、そこのアンテナを張って事業を集めて発信してくださいというのを言っていただけないでしょうか。

辺見聡厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長

○政府参考人(辺見聡君) 御提案をしっかり受け止めたいと思います。  共同受注窓口の実施に当たりましては、地域の実情に応じて関係者による協議会を設けることとしておりまして、その中に障害者関係団体だけではなくて、企業、商工会に加えて農協等も私ども示してきているところでございますが、こうした仕組みを通じて農福連携の取組が更に進むというような工夫をしてまいりたいと考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 是非、農福連携が数だけではなくて中身のあるものになるように御協力をよろしくお願いいたします。  最後、残り僅かな時間ですけれども、農業関係団体について、最後御質問させていただきたいと思います。  十二番のところですけれども、従来の第九条に規定されていた農業に関する団体が独立して第十二条、新十二条に行きました。従来の九条に規定されていた基本理念の実現に主体的に取り組む義務というのが九条はありましたが、これが十二条にはないように見えるんですね。そこを懸念しています。  平成二十七年の農協法の改正による農協改革の趣旨、これは今次改正ではどのように反映されていくのか、また、平成二十七年の農協法改正の趣旨を踏まえて、例えば団体の自由な経済活動、また組織変更の推進、こういったことについては、この基本法ではどのように取り組まれていくか、お答えください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法改正案の第十二条では、その行う農業者、食品産業の事業者のための活動が基本理念の実現に重要な役割を果たすものであることに鑑み、これらの活動に積極的に取り組むよう努めると、農業関連団体の努力義務を規定しているところであります。  平成二十七年の農協法改正におきまして、農業所得の増大に最大限の配慮をしなければならないと明確に規定したところでありまして、現在、農協は、連合会とも連携しながら農業者の所得向上を図るなど、自己改革の取組を実践していると承知しております。この取組は改正基本法第十二条とも合致するものであり、政府としては、引き続き農協の自己改革を後押ししていきたいと考えております。  また、農協法改正では、事業の内容、対象者に応じて適切な組織形態を選択できるようにするため、必要な場合には農協自らの選択により、農協の組織を株式会社などに組織変更できるように措置をいたしました。  各地域農協が自己改革に取り組んでいただく中で、組織の問題がネックになれば、必要に応じてこの制度を活用していただきたいというふうに考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 是非、改革の針を後戻ししない、改革を前に進めるというところでこの農協改革も進めていただきたいと思いますが、先ほどから農と食の距離が縮まっていないということが度々出てきました。価格形成においても農と食の距離が縮まっていない、これは非常に大きな課題だと思うんですが、その一つ、この距離を縮めるという方策として、協同組合間の連携というものがあり得るんではないか、その生産する協同組合と消費する協同組合がより近くあることによって、例えば価格であったり、例えば流通であったりがより効率的な、そしてお互いにとってウィン・ウィンになるようなアイデアが出てくるんではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  委員から御指摘いただきましたように、消費者が農業に関する理解を深めることは農業の発展のために重要であります。様々な機会を捉えて消費者の理解を得られるような取組が行われることが大切であると考えております。  生協は消費者が組合員となって食品の供給などを行っておりますけれども、これは組合員が構成員となって組合員のための事業を行う協同組合である点が農協と同じでございます。組織理念が共通する両者には連携の素地があるものと考えております。また、この連携は農と食の距離を縮めるためにも極めて有効であると考えております。  農協と生協の連携につきましては、既にJA全中や日本生活協同組合連合会など協同組合の全国団体が会員となっております日本協同組合連携機構が連携のための組織として活動しているとともに、各地の農協と生協におきまして産直あるいは農業体験などの取組が行われているものと承知をしております。  こうした取組が消費者の農業に対する理解を深めるとともに、農産物の有利販売にもつながるものと考えており、農林水産省としても後押しをしていく考えでございます。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁簡潔にお願いします。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) はい。  議員御指摘のように、今回、基本法では食料システムという概念持ち出しましたけれども、そういう関係で団体の相互連携というのは非常に重要だと思っておりますので、改正法の第五十一条におきましても団体の相互連携ということに関する規定を新たに追加いたしましたので、特に議員御指摘のような農協、生協等の連携を含めた様々なレベルでの団体の相互連携というのを進めていきたいというふうに考えております。

金子道仁日本維新の会・教育無償化を実現する会

○金子道仁君 時間が参りましたので、最後の質問できませんが、資料の四にあるように、最近、北海道でイワシが大量に出ていると、これを埋立て、焼却して五百トンぐらい捨てていると、江戸時代、これは銀肥と言われた、大切な肥料になっていたものが、連携がないとただのごみ、廃棄物になってしまう、こういったことも漁協と農協とつながっていればもったいないねという話になるんじゃないかと思うんですね。是非連携を進めていただきたい、そのことをお伝えして、質問を終わります。  ありがとうございました。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 国民民主党の舟山でございます。  私、今日は前回の続き、所得の確保と価格政策というところから質問をさせていただきたいと思います。  先週のやり取りの中で、この価格転嫁に関して、副大臣から、輸入品と競合する場合、コストを全部乗せていったら輸入品よりも高くなっちゃって、国内シェアが取れないみたいなことになれば本末転倒と、合理的な価格を実現するとする政策がなじまない品目もあることをお認めになるような答弁がございました。  大臣もその認識を共有されているか、まずそのことについてお答えください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 前回、十六日木曜日の委員会におきまして、鈴木副大臣から、コストを全て転嫁した場合、輸入品より高くなり、結果として国内のシェアが取れなくなるようなことになれば本末転倒である旨の答弁をしたところでありますけれども、この点については私も同じ見解であります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 私も全く同感でございます。  そうすると、何か現場では、合理的な価格によって、まさに藤木議員もおっしゃっていましたけど、再生産可能、やっぱり問題は、この間の地方公聴会における公述人からもありましたけれども、採算が取れるように、再生産できるようにと、こういうことをまず、価格で必ずしも全て実現できるわけではないということをやっぱりしっかりと認識した上で、その上でどういう対策をするべきなのかということをきちっと明確にしていかないと、あたかもこの価格政策、合理的な価格が、全部再生産できるんだというような、私、誤解が現場にあるような気がします。  もちろん、やっぱりその費用が上がる、それがきちんと乗っかる、乗っけられる努力はそれぞれの、生産、流通、消費、それぞれでそこの努力はしていかなきゃいけないと思いますけれども、まさに、それを乗っけてしまえばやっぱり買えない価格になってしまう、高過ぎてしまう、海外との競争に負けてしまう、こういうことがあるということもやっぱりきちっと発信すべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) これまでのところでは、品目の実情に応じて仕組みづくりを進めていくこととしておりまして、輸入品との競合状況等、品目ごとの特性を十分整理しながら検討を進めていく考えであります。  価格形成に当たりましては、合理的な費用が考慮されるようにするためには、やっぱり該当品目に、当該品目につきまして、生産等のコストがきちんと把握されているとともに、費用を考慮して価格転嫁した際の需要減少や輸入品代替のリスクへの備えがあることが少なくとも必要であると、これは考えております。  このため、品目ごとの実情を丁寧に見極めていく必要がありますが、仮に現状で輸入品に代替されるリスクが高いのであれば、所得向上のための基本に立ち返りまして、その農産物のブランド化を強力に進めること、そしてスマート農業技術の導入等の取組を通じた生産性の向上、さらには付加価値の向上に取り組む農業者への支援を通じて収益性の向上を促してまいりたいというふうに思っております。  加えて、様々な経営環境の変化に備えて、収入保険等の経営安定対策や、急激な価格高騰に対します影響緩和対策等を通じまして経営の安定を確保してまいります。  こうした措置を重層的に講じることで、輸入品と競合する品目であっても採算を取れる環境を整備してまいります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 輸入品と競合するものだけじゃなくて、全てがやはり価格で再生産が可能な農業ができるかというのはなかなか疑問なんですけれども、特に一番厳しいのがやはり土地利用型農業、麦、大豆、ソバもそうかもしれません。そういったものに関して、もちろん、今大臣おっしゃられたように、ブランド化、生産性向上、付加価値向上、そういった努力はそうなんですけれども、ただ、海外、競合する海外とは、例えば、規模の面でも、そういった効率性の面でも、ある意味桁違いなわけですよね。そういう意味で、そこをどのように採算を取っていくのか。先ほど、加えてということで経営所得安定対策とかいろんなお話がありましたけれども、まさにその政策でしっかりとその差を埋めていくということがやっぱり何よりも大事だと思います。  その意味で、例えばアメリカも、私、これがいいとは思いませんけれども、でも、アメリカは、目標価格を決めてその差額を補填するようなことをやっています。EUも、価格に反映されない様々な価値、付随的な価値を直接支払うという、そういったやり方でやっています。これ、通常、多くの国が今価格だけでは所得が上がらない中で、まさに政策でしっかりと再生産を後押しする。特に、もちろん、先ほども金子議員の資料にもありましたけれども、各地域で担い手の集約化されていますけれども、それでも海外には及ばないわけですよね。  そういう中で、ここをどう再生産していくのか、どのように基盤強化して生産を増やしていくのか、そういった意味では、まさにこういった経営所得安定対策、まさに所得対策ですよね、これが必要だということだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 今、舟山議員おっしゃられたとおり、土地利用型農業、特に外国とのもう生産性の格差もはっきりしております。  その中で、お米については十分な国境措置があるんですが、おっしゃられた麦、大豆、それからソバ、てん菜等につきましては、国境措置が十分というわけではなく、やっぱり海外の変動にどうしてもその国内の価格も引っ張られるというところがございます。  このため、担い手経営安定法というのもございまして、これによりまして、国内のコストがどうしても上昇してコスト割れを今起こしている部分でございます、これに関しましては、三年に一遍になりますけれども、このコスト割れの部分を交付金として支払うという、そういった意味でいうと、所得補償というか条件の不利を補正するための直接支払、これを法律に基づいて今実施しているところでございまして、これはしっかりやっていこうと考えています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、その直接支払ですよね、それが、名前はどうでもいいんですよ、名前はともかく、その直接支払をしっかりと継続する、そういったことによって再生産を是非後押ししていただきたいと思いますけれども、私たちがこの直接支払を導入するべきではないか、と言うと、生産性向上に水を差すと、構造改革に水を差すかのようなお話が常に農水省の方から言われますけれども、その根拠を教えていただきたいんですね。直接支払と生産性向上が矛盾する、その根拠を教えていただきたいと思います。  地方公聴会におきましても、実は、これ直接支払、いろんな条件付ではありましたけれども、やっぱりこういうのがあったら有り難い、皆さんそうでしたよ。これを充実するために土地改良予算が減るのは困るけど、でもあったら有り難いというのは、それこそ九百町歩を超えるような大規模農家もそういった声があったわけですよ。  という意味では、直接支払は現場も否定していないということを考えたときに、なぜこれが何にもできないと、矛盾するんだということになるのか、その根拠を教えていただきたいと思います。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) まず、生産性の向上でございますけれども、農業所得を確保、向上する上で重要と考えております。国としては、生産性の向上、付加価値の向上に取り組む農業者への支援を行い、農業者が収益性を上げる環境整備していきたいと考えております。  一方、委員御指摘の直接支払というのはあくまで政策の支払手法の一つでございますので、我が国においても、政策目的に応じて、多面的機能支払交付金や中山間地域等直接支払交付金など措置をしているところでございます。  我々主張してきたことですけれども、所得の確保については、政策による所得補償のための支払ではなくて、あくまで生産性向上や付加価値向上といった農業者の努力によって達成されるべきと考えておりまして、政府としての役割はこのような農業者の努力を後押しすることだというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 生産性向上の努力を、じゃ、こういったことがあるとやらないんですかということを聞いているわけです。アメリカ、EU、直接支払やっています。じゃ、生産性向上に逆行しているんでしょうか。また、中山間、条件不利の悪いところで頑張っている人に対して、もっと努力しろ、もっと努力しろと言うことで本当に生産増えるんでしょうか。  今の農業それから農村、やはりこういった人口が減る、疲弊している一つの原因は、やっぱりもうからないから、採算が取れないから。まさにそこを、再生産可能な農業をどう後押ししていくかというときに、何かこう自助努力だけを中心にするんではなくて、やっぱりそういった後押しをもっと国の方でもやりますと、やるから頑張ってくださいという前向きなメッセージが必要ではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょう。大臣、お願いします。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) もう一度回答させていただきます。  我々が主張しているのは、やはり所得の確保というのは非常に重要でございますけれども、その確保というのは政策による所得補償のための支払で行われるのではなくて、生産性向上、付加価値向上といった農業者の努力によって達成されるべきだというふうに考えております。  また、直接支払とこういった所得、生産性向上は矛盾するものではありませんけれども、こういった農業者の後押しをすると、条件性の不利を補正するとか国内外の競争力の格差を補正する、ただし、その基本としては農業者の努力を後押しをしていくというための手法であるべきと考えておりまして、政府の役割というのは農業者の努力を後押しすることだというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 皆さんね、努力しているんですよ、それなりに。それを本当に条件の悪いところで、私も山の方に行って、よくここでやっているなと、もう本当に頭が下がる思いで見ているところいっぱいありますよ。そういうところに、もっと生産性向上しろ、もっと付加価値付けろと、そこが君たちの仕事なんだと言われても、もうこれ以上頑張れません。そこを政策としてやっぱり、だってゲタなんかそうじゃないですか。ゲタなんてあれでしょう、生産費を穴埋めするという基本で出しているわけじゃないですか。まさに直接支払なわけでしょう。これは政策の中心なんじゃないんでしょうか。その上で、生産性を向上すれば更に手取りが増える、もっと頑張ろうという、そこが私は生産者の努力であって、まずはそこできちっと採算取れるようにしろということではないんじゃないかと思いますけれども、大臣、この点どのようにお考えでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) まさに、事務方から答弁しました、努力に対してどれだけ私たちが後押しするかであるというふうに思っております。  EUのあの二〇二三、二四年の新戦略におきましても、これは、生産性の向上に関する直接支払、あるいは交渉力の強化、そういったものが求められております。ですから、そこは、あのEUの政策についても、我々のやっぱりゲタ、ナラシ対策にいたしましても、同様のやはり考え方で、生産性の努力、あるいは農業の方々の努力に対してしっかりと直接支払を手当てをしているということにつながっているというふうに思っております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 EUの考え方、私、違うと思いますよ。環境への貢献とか、小規模農家の育成とか、地域を守る、景観を守る、そういったところに対して極めて手厚く所得支持ということを言っているんであって、生産性向上を必ずしも条件にしているとは考えておりません。そこは是非、そういった政策の理念をもう一度我が国におきましても是非検討いただきたいと、もうこれ何度もお願い申し上げていますけれども、是非よろしくお願いいたします。  生産性向上だけではいかんともし難いその状況が今のこの厳しい状況をつくっているということ、やっぱりこの基本認識がなければ、なかなか今後の農業の発展、農村の発展には結び付きにくいんじゃないのかなという懸念を強く持っております。  そういう中で、まあ価格ですね、先ほど午前中の田名部さんとのやり取りの中でも、価格政策だけでは再生産が難しい、こんなお話もありました。まさにそうなわけですよ。価格だけでは難しいから、そこが政策の出番であって、私は生産性向上努力を否定はしていません。それに加えて、やっぱりこういった再生産可能な所得をどう確保するかというところの政策をどのように駆使していくのか、ここが基準になっていかないとますます現場は疲弊していってしまうという、この懸念をお伝えしたいと思います。  そういう中で、価格政策のもう一つの問題点、やはり低所得者層ですね、こういう方々、低所得でなくても、今、まあ確かに賃金は上がっていますけれども、物価上昇に追い付かない中で、実質賃金が全体としても二十四か月連続下がっている、こういった状況の中で、とりわけ低所得者に関してはやっぱり非常に食品アクセスが難しいということも指摘されております。  価格に転嫁すればするほどこの問題が更に顕在化するという、この点についてもどのように解決策を考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。  今回の改正法案の中でも、十九条に、食料の円滑な入手の確保という規定を新設してございますが、経済的な理由によって食料を入手できないような方々へのアクセスの確保といたしまして、フードバンクあるいは子供食堂などへの多様な食料の提供に向けまして、自治体を中心とした地域の関係者が連携する体制づくりなどを御支援をしてございます。  また、これは農林水産省だけではございませんで、こども家庭庁ですとか厚生労働省など、様々な省庁が様々な視点で関連予算を措置してございます。こういう施策が各地でうまく活用されますように、関係省庁と連携して取り組んでいこうというふうに考えているところでございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 改めて申し上げますけれども、やはり価格は、需給事情、品質評価、これは二条の五項にも三十九条にも書いてあるわけであって、やはりそこが基本だということを考えると、なかなか再生産可能な所得を価格で実現するというのは難しいということを改めて指摘をさせていただきたいと思います。  そしてあわせて、これまた次回に詳しく聞いていきたいと思いますけれども、私、金子議員の資料を改めて拝見をいたしまして、東北、北海道、集積率が比較的高い。じゃ、こういった集積率、まさに生産性向上努力をしているわけですよ。そういう地域がしっかり所得が得られているんでしょうか。集積率の低い中国、四国、例えば九州も、北に比べればまだまだですけれども、そういったところより集積率の高いところが、きちんと生産性向上しています、付加価値付けています、こういった比例関係あるんでしょうか。  こういうことを考えても、私は個人の努力だけではいかんともし難いものがある、だから政策の出番だ。くどいようですけれども、前回の基本法から現行基本法に変わるときに、価格政策から所得政策へ、所得は政策でということ、こういった方向に変えた意味は私はここにあったんじゃないかと思いますので、改めてきちっと御検討いただきたいと思っています。  続きまして、食料システム、環境と多面的機能、この辺りの関係についてお聞きしたいと思います。  これ、三月の委員会でも指摘をさせていただきましたけれども、農業は自然の循環機能を生かした環境親和性の高い産業だということ、その中で生物多様性の維持にも貢献しています、そのほか、様々な多面的機能を有している、まずこのことを第一に評価すべきであって、その上で、一層の環境負荷低減にも取り組む必要があると、そういうものではないのかなと思うんですね。  そういう中で、前回理事会で配付いただいた資料、配付資料の表面にありますけれども、これを見ても、全体として、イメージ図でもそういうふうになっています。現行の基本法に対して、ぐるっと全体として環境と調和の取れた食料システムの確立なんですよというふうになっております。であれば、三条と四条の関係は逆じゃないか、若しくは、このことを三条でも冒頭に言及するべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 御指摘の三条と四条との関係について御答弁をさせていただきます。  農業は、議員御指摘のように環境との親和性が高い産業である一方、生産活動を通じた環境への負荷が生じることも事実でございますので、環境負荷低減が国際的にも求められております。我が国においても、食料システム全体で環境への負荷の低減を図るとすることで環境との調和を図る必要があるということで、新しく第三条を理念として位置付けたところでございます。  また、農業が行われることで生ずるプラスの機能である多面的機能、これも引き続き発揮される必要があると考えております。環境への負荷の低減を進めることによって多面的機能というのがより一層発揮されると考えて、その旨を提起しております。  この両条の関係ですけれども、基本理念として並列的に規定したものであって、優劣があるものではございません。これらの基本理念が共に実現できるように、必要な施策を講じていきたいというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 両者が矛盾しないとはいえ、やっぱり海外、特に世界全体では、農業がいわゆる温室効果ガス排出に与える寄与度ですね、非常に高い。その一方で、我が国は世界に比べればまだまだ低いわけです。そういったことを考えても、海外が環境負荷低減を第一に言っているからといって、日本もその同じ並びであるというのは、ちょっと私、違うんじゃないのかなと思うんですよね。  まさに、今までも外部経済効果を随分とうたってきました。古くは日本学術会議がデータも出していますけれども、こういうこと。あわせて、外部不経済があるのであれば、それぞれきちっと指標をつくってそれを示して、農業の環境に与えるプラスの影響、マイナスの影響、その辺を分かりやすく数値化をして、農業のいろんな多面的な役割、それからマイナス、皆さんに分かるようにするべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  農業の外部経済効果につきましては、今委員の方からお話がございましたように、平成十三年の日本学術会議の答申におきまして、定量化が可能な物理的機能を中心に、貨幣評価後の算定を盛り込んだところでございます。  一方、農業生産活動を通じて、稲作に伴うメタン、農業機械や園芸施設における燃料燃焼における二酸化炭素、家畜排せつ物管理によりメタンや一酸化窒素等の温室効果ガスが発生しているほか、化学肥料、化学農薬の不適切な使用を通じた環境への影響が懸念されております。  このうち、温室効果ガスにつきましては一定の算定方法がIPCCにおいて国際的に確立しており、例えば我が国では水稲の作付面積や有機物の施用量、飼養頭数等に基づき排出量を算定することが可能となっております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 温室効果ガスはもちろんなんですけれども、例えば生物多様性についても、農業は恐らくプラスの役割、マイナスの役割、両面あると思います。そういったものに対してはどのように判断するんでしょうか。  例えば水田であれば、生物多様性を育む、やっぱり水生動物、植物もそうですけれども、非常に生物の多様性に貢献する、その一方で、やはり農薬等の使用によって生物の多様性が失われる、こういった両面があると思いますけれども、こういったものに関してもしっかりと分かりやすい指標が必要ではないでしょうか。

川合豊彦農林水産省大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、水田、畑地とも、国が定めております生物多様性国家戦略におきまして、我が国の生物多様性保全上重要な地域として里地里山、要するに水田も畑も位置付けられておりまして、非常に重要な要素でありますということでございます。  先ほど答弁申し上げましたとおり、その負の面を今回のこの委員会では温室効果ガスの話を中心に説明させていただいておりますけど、生物多様性国家戦略におきまして非常に重要な位置付けだと、こうなっております。でありますので、水田、畑地、どちらにおきましても環境負荷の低減というのはしっかり図って、生態系を適切に保全していくことが非常に重要であります。温室効果ガスの削減や化学農薬、化学肥料の低減などによりましてこの取組を進めていきたいと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、そういった分かりやすい指標も含めて提起をいただきたいなと思うんですね。  今御答弁いただきましたとおり、何かこの環境負荷が殊更強調されていますけれども、改めて、やはり、田んぼ生きもの調査なんというのを土地改良区辺りでも頑張ってやっていらっしゃいますけれども、やっぱりこういったプラスの側面をまずしっかりと認識した上で、その中でやっぱり低減していくんだ、更に環境に貢献するような農法とかいろんなやり方に変えていくんだという、その順番じゃないかと私は思うんです。  そう考えたときに、どうも三条でいきなり負の面があると、四条で多面的機能があると言っていますけれども、まずは多面的な役割があるということを冒頭にうたっていただいた方が農業の現場にもいろんな夢と希望を与えることにもつながるんじゃないのかな、何かそんなに我々悪いことやっているのかということで、またこの夢が打ち砕かれることにもなりかねないんじゃないのかなという懸念がありますので、その辺、御検討いただくべきかと思いますけれども、いかがでしょうか。政務の人に聞きたいな。

川合豊彦農林水産省大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(川合豊彦君) 委員御指摘の、大変重要な問題だと考えております。  農林水産省としましても、基本法の改正を踏まえまして、引き続き、みどりの食料システム戦略の実現に向けまして、関係者の理解と協働を得て、環境負荷低減と多面的機能のどちらも重視しながら、関係省庁と連携してしっかり取り組んでまいります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、プラスの側面を本当もっとどんどん売り込んでいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。本当はそういったことの思いがあるんであれば、条文でもそれが分かるようにしていただきたい。せっかく今見直しの時期ですからね、そういった声も反映させていただきたいなと思いますので、是非政務三役の皆さんにも重く受け止めていただきたいなと思います。  そして、四十四条についてお聞きしたいんですけれども、ここは農地の保全に資する共同活動の促進ということで、この共同活動が地域の農業生産活動の継続と多面的機能の発揮に重要な役割を果たしているということが記載されております。もうそれは私もそのとおりなんだろうなと思います。ただ一方で、個人、この共同活動のみならず、個人の営農活動も十分、生産活動の継続それから多面的機能の発揮に重要な役割を果たしていると思うんですけれども、この共同活動だけ抜き出されると個人の営農活動の役割というのが見えにくいのかなと思うんですけれども、なぜここを限定しているんでしょうか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 条文の解釈の問題ですので私の方から答えさせていただきます。  まず、現行基本法ですけれども、多面的機能の発揮というのは、農業の持続的な発展とそれを支える農村の振興により図られると、こういう説明になっております。このため、本来、多面的機能は、農地の確保、農地の有効利用、農業生産基盤の整備、保全といった農業施策を通じて発揮が図られるものであるというふうに考えておりました。こういった施策を総合的に講ずることで多面的機能の発揮を促進するということについては現行でも同じでございます。  ただ、今回の改正案では、多面的機能をより発揮するための二つの条を追加しております。一つは、環境負荷低減を図ることによって多面的機能をより発揮されるという新しい多面的機能に関する基本理念変えていますので、三十二条において、自然循環機能の維持増進に配慮しつつ環境負荷低減を図っていくという基本施策を位置付けております。  また、四十四条でございますけれども、これ、審議会等でもあった問題意識に沿ったものでございますけれども、多面的機能というのは農地保全や水路管理など農村の集落活動によって下支えされていましたけれども、農村人口の減少に伴い、こういった集落機能の低下というのが非常に危惧をされております。このため、多面的機能支払の集落メンバーだけじゃなくて、外部の人材も呼び込んで共同活動を促進していくということで、これまで当然のように行われていた農村集落の活動を施策としてしっかりやっていく必要があるということから、四十四条を追加をさせていただいたところでございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 それは理解しております。  それに加えて、個別の営農活動もやはり生産とか多面的機能の発揮に役割があると、役立っているということは言えるんじゃないかと思いますけれども、その理解でよろしいですか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 御指摘のとおりでございまして、通常の農業生産活動、これも多面的機能の発揮に有効な役割を果たしているということでございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、今後そういった個人の営農活動が様々な役割を果たしているということに対してもしっかりと目を向け、また何らかの政策も今後必要あれば考えていただきたいということをお願いしたいと思います。  そして、この畑作推進についてはいろいろ質問もありました。この畑作を推進するということは、水田が減少する、いざというときにもう水田には戻らないということにもなると思いますけれども、これまで長年にわたって様々な土地改良事業において、水路とか基盤整備への多額の投資によって多くの資産が形成されてまいりました。それが失われてしまうということで本当にいいのか、そういう意味では、水田の持つ多面的機能も同じく失われてしまう、そんな懸念があるんじゃないかと思いますけれども、その辺りはどのように、まさにこの環境への影響のプラスマイナスも含めてですけれども、どのように評価をされているのか、お答えください。

川合豊彦農林水産省大臣官房技術総括審議官

○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。  先ほどの話と重なってしまうところありますが、水田、畑両方とも非常に資産価値としては高いですし、生物多様性国家戦略におきましても、我が国の重要な、生物多様性保全上重要な地域というふうに構成されております。非常に重要だということであります。  ここにつきましても、水田も畑も両方とも、温室効果ガスが出たり、あるいは化学肥料、化学農薬の不適切な使用で生物多様性が失われるという面もありますので、水田、畑地どちらも大変重要な資産でございますが、環境への負荷の低減を図りながら生態系を適切に保全していくということで前に進めていきたいと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 やっぱり水田って、相当お金を投資して、水路造って、基盤整備して、水田が営めるような資産形成してきたわけですよね。それを私、この政策の中で安易にその機能をなくしてしまっていいのかなって気がするんですよ。  先ほど大臣のお答えでも、やっぱり日本の主食は米であって、米は安全保障にも重要だと、そんなお話がありました。いざというときに米が作れるというのは非常に重たい私は安全保障の装置だと思うんです。それがなくなってしまう、なくす後押しをするというのは、政策として何か矛盾があるんじゃないのかな。じゃ、これまでの長年にわたる基盤整備、何だったんだろうと、私はそんな疑問があるんですけれども、これ、農村振興局としてはどのように捉えていらっしゃるんでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 今も地域のニーズに応じて基盤整備等を進めておりますし、汎用化、畑地化、それぞれ地域のニーズに応じながらしっかりと現行の土地改良施設の基盤を守りながら、維持というか、それを大事にしながら整備を引き続き進めてまいりたいと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 畑地化推進に関しては私前回もちょっと質問させていただきましたけれども、やっぱり依然現場本当に困っているんですよね。水の調整、うちが畑地化のために水取ると上流のところが水が使えなくなるから今水張れないんだよとかですね。その辺は今調整をしていただいているということですけれども、現場の土地改良区も困っている。  是非、そこは、私はもうこれ改めてお願い申し上げますけれども、やっぱりこれ国の政策としてやるんであれば、水の確保、それこそ、かんがい期、非かんがい期、どういうタイミングでどういう水を使っていけるのか、その確保については改めて責任を持って交渉していただいて、それを現場に周知していただきたいと、そういうふうに思います。  続いて、食料システムということが今回規定されておりますけれども、食料システムというのは一体何なのかというところを改めてお聞きしたいと思います。国連でも定義されていますけれども、これ、端的に、生産から消費までという中で、廃棄も食料システムの中に入るという理解でよろしいんでしょうか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 改正案では、食料システムにつきましては、食料の生産から消費に至る各段階の関係者が有機的に連携することにより、全体として機能を発揮する一連の活動の総体というふうに定義をさせていただいております。  御指摘の廃棄につきましては、食料システムの関係者が協力して行う活動として、フードロスの削減などいわゆる廃棄に関連する活動も想定しておりますので、食料の生産から消費に至る各段階の活動には廃棄も含まれているというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、これ本当廃棄をどう少なくしていくのか、これもこれから大きなポイントだと思うんですね。今ただでさえ自給率が低い中でやっぱり無駄なく使っていく、それはもちろん賞味期限とか消費期限とか、いろんな商慣行の問題もありますけれども、私、もう一つやっぱりこれ農産物の規格の問題、まあ結構規格を緩める、そんな努力は農水省でもされていますけれども、ちょっと曲がるとはねられてしまうとか、お米もちょっと黒い点が付いた、白く濁った、そういうことで全部、はじかれてしまっていますよね。そういう在り方で果たしていいのか。これがまた食品のロス、無駄につながっているんじゃないかと考えたときに、虫食いも敬遠される、そういうことを考えたときに、もっとその辺が普通に流通する仕組み、それから、わざわざきれいなパッキングをしなくてもいいような、そういう仕組み、これは流通の都合なのか消費者のニーズなのか、どこがつくったのか、いろんな問題があると思いますけれども、その辺の在り方は改めて見直すような方向性を打ち出すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) まず、例えばお米でありますと、等級、これ着色粒が何%かで一等、二等になってと皆さん非常に関心持たれているんですが、ただ、生産者によってはもう一等を取るために追加的な農薬の使用ということをやらなきゃいけないというようなこともございまして、令和四年二月なんですけれども、機械鑑定を前提とした規格というのを作りまして、等級区分ではなくて機械の測定値で表すことを可能にして選択肢を一つ広げたなんていうことをやっております。  また、野菜の出荷規格なんですけれども、これは国がその統一的な基準を作るというよりも各産地が主体的に定めているんですが、この出荷規格を簡素化して、選果作業において割く時間を減少させて農業者の負担軽減に成功した事例なんかもありまして、こういったこともPRをとにかくやっていきたいなというふうに思っております。  さらに、今回の基本法改正十四条において、消費者の役割として、環境への負荷の低減に資する物その他食料の持続的な供給に資する物の選択に努めることと、これを位置付けているんですが、これによりまして、消費者の方には現在のこの生産現場の実態、これをよく認識していただいて、食品ロスの削減ですとか環境負荷の低減に関するコストを考慮して食料を選択するといった行動を期待しておりまして、例えば、着色粒の基準を満たすために農薬の使用、かなりこれをやっているんだとか、あるいは、外見の悪い農産物であっても無駄にせず購入していただくということが食品ロスだとか環境負荷低減のためにも必要なんだということは、いろんな機会を通じてこれは周知をしていきたいなというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 本当に消費者が必ずしも曲がったものは嫌だとかちょっと規格がずれているものは嫌だと思っているわけでは私ないと思うんですけれども、やっぱり長年積み上げられたこの慣行の中で、何となくきれいなものが優先されている仕組みになっていると思うんですね。外国なんか見ると全然違うと思うんです。そういったところは、やっぱり農水省、国が率先していろんなメッセージを出す、こういった方向転換に向けて動いていく、その役割は求められているんだと思いますので、是非これを機に改めてこの規格の在り方、率先してもっと緩やかというか、無駄なものが生じないような仕組みをつくっていただきたいと思います。  続いて、改めてこの農村の部分の確認をさせていただきたいと思います。  参考資料の裏側ですけれども、これ食料・農業・農村基本計画、令和二年のものの抜粋をお配りさせていただきました。ここは後で読んでいただきたいんですけれども、この中では、地域政策の総合化をうたい、農林水産省が中心となって関係府省が連携した上で施策を総動員、こういった言葉がちりばめられております。  まず、大臣にお聞きします。  この基本認識は変わったのか変わらないのか、端的にお答えください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 答弁します前に、先ほどのEUのことですね、意見の行き違いがあると、理解の行き違いがあるといけませんので、なぜ私がああいうことを言ったかといいますと、二〇二三年のEUの共通政策の認可要件として、もちろん景観形成あるいは環境配慮というのはその九項目の中に、九要件の中に入っておりますけれども、その九要件の中には、市場志向の強化あるいは農業者の交渉力の強化、こういったのも入っているというような意味で申し上げたところでございますので、是非御理解いただきたいというふうに思っております。  その上で、この基本認識でございますけれども、令和二年三月に閣議決定されました食料・農業・農村基本計画におきましては、農村を維持し次の世代に継承していくため、農村を活性化する施策を講じ、地域政策の総合化を図ることが重要であり、これに当たり、関係府省が連携した上で都道府県、市町村等とも連携、協働し、農村を含めた地域の振興に関する施策を総動員して現場ニーズの把握や課題の解決に努めていく、解決を進めていく必要があるとしております。  農村を含む地域経済の振興においては、農林水産省において、仕事、暮らし、活力、土地利用の観点から取組を進めているところですけれども、農林水産省以外の施策とも連携をしながら、今後も取組を進めてまいりたいということであります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございました。  そうすると、今回の基本法、基本法の条文にもこの理念、概念が含まれているということでよろしいかよろしくないか、二つに一つでお答えください。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 基本法の条文の構成のことについて説明をいたします。  まず、現行の基本理念でございますけれども、これまで説明しているように、国民の視点からの政策の在り方ということで、まず食料の安定供給と多面的機能と、農業と農村はこういった観点から……(発言する者あり)

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 答弁簡潔にお願いします。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) はい。  農業の発展に必要な場所であるということが強調、六条はそういう観点から非常に限定的に農業を支える農村の役割ということを規定をさせていただいているところでございます。  その上で、現行基本法については、農村振興については農業者でない方々の存在というのも重要なので、農村振興施策については改正の四十三条においてこういった考え方を示しておりますので、この六条と四十三条を組み合わせた上で、今委員の御指摘したようなことというのが含まれているというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 先ほど紹介をさせていただいた、この現行基本計画に書かれている様々な理念ですね、この思いはこの基本法の中にも含まれているかどうかということは、含まれているという理解でよろしいんですね。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 答弁簡潔にお願いします。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) はい。  トータルに含まれております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  そうであると、他省庁の、関係省庁の施策等もここの中に含まれているということなんですけれども、この間、これも前回の質問の中で大臣から、産業の振興あるいは地域の振興も六条の基本理念に含まれていますという答弁をいただきましたけれども、この条文のどこでそのように読めばいいのか教えてください。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 先ほど説明をさせていただきましたけれども、農村施策の六条については、農業を下支えする農村の役割と限定的に規定をされております。農村施策はただそれだけではなくて、非農業者の役割重要と、あと農業以外の役割も重要ということで、改正法に当たる四十三条、ここにおいて農村振興に関する基本的な考え方というのを示しております。  御指摘の産業の振興については、農村振興の中で、農村の人口減少ではより重要だということで今回、四十三条第二項を改正をしていただきまして、農村との関わりを持つ者の増加に資する産業の振興というのを新たに位置付けをさせていただいたところでございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 四十三条にそのようなことが書いているのは理解していますけれども、六条の基本理念に、こういったものも含まれていますと言っているんですけれども、どう読めば含まれていると読めるのか、そこをお聞きしております。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 六条は、農業を下支えする農村の役割ということで、農業に関連するということを極めて限定的に書いておりまして、それを補足する形で四十三条というのを規定をしておりますので、六条と四十三条を合わせて農村振興に関する考え方というのを規定されているというふうに御理解をいただければと思います。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 やはり、基本理念のところに産業の振興というものも含まれているんであれば書くべきですよ。他省庁の施策も含まれていると言うんであれば、膨らませるべきですよ。四十三条に書いているから六条には要らないというのは、私、全く納得できないし、書いて困ることあるんでしょうか。  先ほどちょっと紹介した需給事情及び品質評価、この価格のところですけれども、同じ言葉が二条五項にも三十九条にも出てくる。なぜこういった形で、四十三条にあるから六条には書かない、その理屈分からないんですよ。書いて困ることがあるなら、なるほど、ここに書かれるとこんな誤解があるんだなっていうことがあれば私も納得しますけれども、含まれていると言いながら、全くそう読めない条文というのはちょっと理解ができないんですけれども、改めてお答えいただきたいと思います。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめいただきたいんですが、答弁簡潔にできますか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 前回、大臣から御答弁をいただきましたものというのは、六条に地域社会の維持というのを書きましたので、それを補足する形で四十三条を膨らましたわけですけれども、この地域社会の維持という中に産業の振興、地域の振興などが全体的に含まれているという形の趣旨で御説明をさせていただいたところでございます。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 申合せの時間が参りました。おまとめください。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 時間が参りました。  残念ながら六条の中でそれは読み込めません。六条が基本理念なわけですから、書いて困るんでない以上は書いていただきたい。改めてお願いし、質問を終わります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日の委員会の冒頭で坂本大臣から発言がありました。過去の政府文書や国会答弁などでは、生産基盤の弱体化などの課題に直面していると言ってきたと。したがって、私の認識に誤りがありましたと述べて、撤回し、おわびするというふうに言われました。  また、徳永議員の質問を決め付けの質問などと申し上げた点についても行き過ぎた発言だったと、撤回し、おわびすると言われました。  ただ、これ、撤回するまでは生産基盤は弱体化していないという認識だったことになるわけであります。出発点が違う大臣とこの間我々は議論してきたというふうに思うんですけども、そうすると、一体何のための基本法なのかなということになるわけです。  ちょっと私も引っかかっているんですけども、撤回されたというんだけれども、徳永議員のどこが決め付けというふうに大臣思われたんでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 前回の委員会で、委員からの生産基盤が弱体化してしまったとの理由を問う御質問に対しまして、私から、生産基盤が弱体化したとは思っていませんと反論の答弁を行った際、決め付けの質問などと申し上げた点につきましては言い過ぎた発言であったと思います。  冒頭にも申し上げましたとおり、生産基盤が弱体化したとは思っていないとの答弁につきましては私の認識の誤りということで、撤回、修正し、おわび申し上げたところでございまして、これに関連する決め付けの質問との発言についても、撤回し、改めておわび申し上げたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 それは分かっているんですけど、だから、どの辺を、徳永議員の質問のどこに決め付けだというふうに思われたのかということを聞いているんです。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 先日の委員会の時点では生産基盤が弱体化したとは思っていないとの認識でしたので、生産基盤の弱体化を前提とした徳永委員の御質問について、決め付けの質問と答弁したものであります。(発言する者あり)

紙智子日本共産党

○紙智子君 答えていないという声もあるんですけども、やっぱり本来丁寧に説明しなきゃいけない大臣が、質問者に対して決め付けているというふうに断定されるのは、これ、そう言われてしまったら議論にならないことなんですよね。大臣の考えを逆に押し付けるということになってしまうわけです。  大臣の発言を聞いていて、私だけではなくて本当に日頃額に汗して働いている生産者やあるいは消費者が驚くし、落胆もし、怒りを感じているという声で、私たちの事務所にもそうですし、ファクスや、それから今日も国会の前で抗議の声を上げている人たち、関係者もいるわけですけども、こういう大臣の発言が生産現場やあるいは消費者、関係者に与えている影響についてどう思われますか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 私の前回の答弁について不快な思いをされている方がいらっしゃるとすれば、大変申し訳なく思います。  私としても、今回の基本法改正を通じた農業生産基盤の強化は喫緊の課題であると認識しており、現場の方々にも御理解賜れるよう、今後とも丁寧に説明をしてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 余り回答になっていないというふうに思うんです。  それで、生産基盤の弱体化していないということですとか決め付けだということに対して、これは撤回して謝罪をされたんですけども、はい、それで終わりというふうになるのかなというふうに思うんです。  私、前回、私のやり取りの中でも、安倍総理の、元総理の答弁を紹介して、それで、やっぱりこう言ってきたんだから、総理大臣の答弁で言ってきたんだからやっぱり修正された方がいいんじゃないかというふうに提案しました。大臣は、弱体化したというような言葉は当たらないということをあのとき三回強調されているんですよね。生産基盤の弱体化を全体的に日本の農業がというふうに、その農業全体の話にすり替えてしまっているというところもありましたし、それから、現在の基本法ができてから二十五年の話をしているのに、七十年間農村社会に住んで、七十年間の話にすり替えているという、このやり取りもあったんですよね。  やっぱり、大臣の発言はこれ本当に断定的発言で、しかも論点のすり替えもやっているということでは、これはちゃんと丁寧に説明しなきゃいけない、そういう責任の放棄ではないかというふうにも言いたくなるんですけれども、いかがですか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 午前中の答弁でも申し上げましたけども、私の頭の中に、生産基盤の強化という場合にはどうしてもやはり土地改良を含むNN事業のやはり予算増、あるいは経営体をいかに法人も含めて、個人も含めて確保していくかというようなことが頭の中にありましたので、そういう頭の中にあったことで、生産基盤の強化が必ずしも弱体化しているとは言えないというような言い方になりました。  それについてはおわびし、撤回いたしたいというふうに思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 私が紹介した安倍総理とのその議論で、安倍総理が、生産基盤の弱体化を受け止めて、農村の活性化は待ったなしの課題だから、農政全般に抜本的な改革を進めたいという、こういう発言をされていたことを紹介をしました。  この総理の答弁について、坂本大臣は、その後の答弁で、安倍総理のときには弱体化を正面から受け止めてというようなことを言われたということですが、だから、もう少し農業を自由化しなければいけない、競争にさらされなければいけないということに続いていくんだろうと言われました。  これ、弱体化したから、だからもっと自由化、競争にさらされなければいけないという意味でおっしゃっているんでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) その御質問を聞いたときに、私は安倍総理の答弁を読んでおりませんでしたので、安倍総理の成長戦略からすればそういう文言が後に続くのかなということで、推測で答弁をいたしました。おわびをいたしたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 推測だったという今お話があったんですよね。それで、TPPの合意したときの安倍総理の記者会見を見ても、農業に与える影響への不安はあるという話は言っていましたけれども、弱体化したから自由化し、競争にさらしたという話はしていなかったというふうに思うんですよ。  それで、従来の政府見解とこの坂本大臣との認識の違い、この認識で議論をされていたとなると、衆議院でいうと二十三時間ですか、それからこの参議院に来て十数時間やってきているんだけれども、そういう質疑自身が何だったのかなというふうに思ってしまうんですね。やっぱり、そういう意味では、大臣の資質が問われる問題だというふうに、発言だというふうに言っておかなければならないと思います。  これは、ちょっと、まだほかにも言いたいことありますので、ここまでにしておきます。  それで、次に、前回に続いての質問になるんですけれども、新規就農者のことについて御質問します。  新規就農者が二〇一五年の六万五千人から二〇二二年に四万五千人になぜ減ったのかということを前回聞きました。そうしたら、様々な要因があると、例えば企業の定年延長で、定年帰農、つまり退職して農業に就いた人が減ったということも要因の一つだと言われました。そうであれば、この退職後に農業を始めた方ということではなくて、若い就農者を増やすことが課題になると思うんですよ。  政府統計の全国の新規就農者数の推移ということについて、なぜ都道府県別に出さないのかというふうに聞きましたら、これ、技術的な問題があるというふうに言われたんですね。確認をしたいんですけれども、この技術的な問題というのはどういうことなのか、説明をいただきたいと思います。

山田英也農林水産省大臣官房統計部長

○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。  まず、新規就農調査でございますけれども、目的は、先生がおっしゃったとおり、新たな農業人材の確保、育成と、こういう目的で調査をしてございますので、様々な項目の調査を行ってございます。就農の形態、例えば親元就農とか雇用就農とか、あるいは就農者の年齢ですとか就農前にどういう就業状態だったかというようなことも調査しておりまして、実態を正確に把握するために、おおよそ七万という多くの方々に調査している、こういう調査でございます。  こういう様々な新規就農の実態を、統計調査としてなんですけれども、精度を確保しつつ、継続的、安定的に把握するということのためには、全国一本の母集団に対して、その中から必要十分なサンプル、標本ですね、調査対象者ですけれども、こういう方々を抽出して調査するということが統計精度上は適切なことであるということでございます。  これ、都道府県別に統計としてやろうとしますと、各県の母集団というのが必ずしも大きなものではございませんので、その中から適切に標本を抽出して、正確に実態を把握するということがこの統計技術的にはなかなか難しいということでございます。  こういった事情もありまして、調査の目的というのは新規就農施策に資するということでございますので、その下でどういう技術的な問題もあるのかということも考えながら、総合的に考えて現在の調査の形となっているということでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 つまり、その標本抽出でやっているので正確さに欠けると、ということで、なかなかそれは把握できていないということなんですか。  いや、だから、この県で何人ぐらい新規就農者がこの間増えてきたのかというのが分からないと、その政府の新規就農者の農政、政策が有効なのかどうかというのは実情が分からないし、検証もできないんじゃないかというふうに思うんですけれども、これどうでしょうか。

山田英也農林水産省大臣官房統計部長

○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたとおり、政策目的に照らしてどういう調査ができるのかというのは常に勉強しているところでございますので、また委員御指摘のことも踏まえて、また将来検討はしてまいりたいと思いますけれども、今申し上げたように、都道府県別に精度を確保して調査するというのがこの標本調査ではなかなか難しいということでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 じゃ、どうしたらいいのかなというふうに、各県のデータを出すことは、じゃ、できないんですか。それぞれの県ごとに聞いたもので判断するということになるんですか。国としては全部一まとめにできないんですか、県ごとには。

山田英也農林水産省大臣官房統計部長

○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。  繰り返しになりますけれども、都道府県別に母集団を整備してそこから標本調査するということになりますと、統計の精度が保たれないということになりますので、正確なデータと私どもが思ってお示しできるデータというのは全国一本のデータということになってございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 いや、解決しようがないのかなと思うんですけど。やっぱり、各県の新規就農者の推移について見える化しないといけないんじゃないかというふうに思うんですよ。新規就農者を増やすということが重要だというふうにみんな言っているわけで、県別の推移が分かるように改善すべきじゃないかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  国としての統計の考え方については今統計部長から御説明があったとおりでございますけれども、我々としても常日頃各都道府県といろんなやり取りをしながら新規就農政策など、企画立案やっておりますので、その統計としてのその数字が出せるかどうかということはちょっとさておきまして、いろんなその各県の動向についてはそういった形で、我々として、政策担当をしております経営局としても何らかの工夫ができないかということについては検討していきたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 検討していきたいということではあるんですけど、先日も岩手に公聴会に行ったときに、岩手県で新規就農者今どれぐらいですか、大体二百ぐらいですかねって言っていて、それで、この後どういうふうに増えていくかってことなんかも含めてどうですかって言ったら、いや、ちょっとこのままだったら下がっていきますという話もされていて、そういうのちゃんと県ごとに把握して、で、どうしたらもっと増えるのかということを考えてやっていく必要があると思うので、ちょっと今答えもありましたけれども、大臣、いかがですか。これ改善する必要あると思うんですけど。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) そこは今事務方からお答えしましたように、いろいろ検討してまいりたいというふうに思っております。  その上で、農業が将来にわたりまして食料の安定供給や国土保全等の役割を果たしていくためには、農業の担い手をしっかりと育成し、確保していかなければいけないというふうに考えております。  新規就農者の育成がうまくいっている地域では、新規就農者が機械、施設等必要な初期投資を行った上で都道府県や農業団体等からサポートを受け、しっかり経営を発展させています。例えば、佐賀県では、県、JA、地元農家、市町村が一体となって新規就農支援を行う体制を構築し、就農相談やトレーニングファームによる実践的な研修など、切れ目のないサポートを実施することで、産地の担い手確保、規模拡大に成功しているところです。  こうした事例も踏まえながら、農林水産省といたしましては、次世代の農業者の確保に向けて、引き続き就農に向けた様々な資金メニューでの支援、それから新規就農者の経営発展のための機械、施設等の導入支援、研修農場の整備など、サポート体制の充実への支援などの施策を講じることで、担い手の育成、確保を図ってまいりたいと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 是非、改善を急いで図っていただきたいと思うんです。  やっぱり、ちゃんとデータがなければ有効な政策出せないと思うんです。  私、福島で新規就農者が増えているという話をお聞きしたんですね。それで、これ二〇一一年ですから本当に震災があった年ですけれども、当時は百八十二人だった新規就農者が、二〇二三年に三百六十七人へと二倍に増えているんですね。特に、自営業者のうちの新規参入者は二十七人が八十三人に、三倍に増えていると。  どうして増やすことができたのかということでお聞きしますと、福島県では、福島県農業経営・就農支援センターというのを設置をして、福島県、それからJAグループ、それから、JAグループ福島、それから県の振興公社、それから農業会議所が一つのフロアで就農者の相談に応じているということなんですね。  センターがこれできるまではどうなっていたかというと、農地については農業会議所に行ってくださいと、それから就農準備金などについては振興公社に行ってくださいと、販路とか融資については農協行ってくださいと、制度の相談は福島県ですということで、言ってみればたらい回しにされ、あっちこっち行かなかったらなかなか解決にならないということで大変だったということなんだけれども、それをワンストップ、ワンフロアで相談できるようになったと。ですから、まさに就農から定着まで、ステージに応じて一貫支援が受けられるようになって非常に好評だということなんですね。  そのモデルになったのが二本松市だというふうに聞きました。ここは有機農業に取り組む農家が多いので、有機をやりたいという新規就農者が集まってくると。移住とか定住、こういうことで新規就農者の支援の専任の担当者が配置されていて、積極的に地域に入って地元の農家とつないでいると。イベントなんかもやって、新規就農者の集いにはそこに住んでいる先輩の農家も来て、出される希望や不安などを聞いて答えていくと。  JA福島が福島県アグリサポーターセンターというのを提案していて、これが県が設置したセンターのベースになったそうなんですけど、意見交換の場をつくって、例えば新しいことに挑戦したいとか、作付けや面積を増やしたいけれども資機材の導入の費用が大きくてできないとか、無農薬でやりたいけれども軌道に乗るまでは貯金を崩すしかなくて不安だとか、あるいは耕作放棄地ですね、これをなくしたいけれども、遊休農地でいいところがないだろうかと、紹介してほしいというような声が出されるわけですけど、これをみんなで共有してサポートしているということなんですね。地域のベテランの人が、農家がこの新規就農者の支援に非常に積極的だということで回っていっているということなんですよ。  ですから、大臣、是非国もこのワンストップで相談に乗れる取組を支援してはどうかと思うんですけど、いかがでしょうか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  農業への新規参入を希望する方々に対しまして、昨年四月に施行されました改正農業経営基盤強化促進法に基づきまして都道府県が整備する農業経営・就農支援センターにおいて、就農先市町村の紹介や活用できる支援策の情報提供、さらには就農から経営発展に向けた専門家による助言、指導等によりサポートする取組を行っているところでございます。  今委員から御指摘いただきました福島県農業経営・就農支援センターでございますけれども、同県センターにおきましては、県内関係機関が連携した相談窓口を設置をし、福島県内の新規就農者数について、令和五年は過去十年において最高の実績を上げているということで、今委員から御紹介いただきましたように大変大きな成果を上げていると我々も認識をしております。  今後も、委員御指摘の内容、現場の声を踏まえながら新規就農者の育成、確保についてしっかり取り組んでまいりますけれども、こういった優良事例をやはり横展開をしていくということが非常に重要だと思っておりますので、こういった事例、他県にも紹介をしながら、こういった取組が広がるように我々としても工夫をしてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 是非ワンストップ支援を広げてほしいと思います。  それから、新規就農者の支援は二〇二二年に拡充されているんですけれども、親元就農を含めて機械や施設を導入したときの支援が行われるようにはなったと、これはそうなったと。しかし、親元就農者への経営開始資金、これ年間百五十万円の支援というのは受けられないんですよね、今は。それで、新規就農者を増やす一番有効なのが、実は親元就農者の支援だと。いっぱい要求出されていると思うんですよ。  二十一日の岩手県の地方公聴会のときに、雫石で、課長さんに聞いたら、町独自に親元就農者に少ないけど三十万円出していると言っていましたよ。しかし、町の財政もあるから、そんなにそんなにやれないということがあって、こういうのは国にも是非やってもらったら有り難いという声が出ていたんですよね。  年間百五十万円の支援というのはこれ親元就農にも拡充するように、大臣、是非これ決断してもらえませんか。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) 恐縮でございます。ちょっとまず私の方からお答えをさせていただきます。  これ、午前中の藤木委員からの御質問に対する回答とも重複をするんですけれども、この経営開始資金でございますけれども、特に新規参入の方を念頭に、前職を辞めて就農するなど、生活資金の確保の厳しい中で新しく就農しようとする方を後押しするための施策として今展開をしておるわけでございますけれども、そういった中で、農家子弟であっても新規参入と同等のリスクを取って就農される方にはこの交付の対象としているということで、午前中も答弁させていただきましたけれども、実績の約三割程度が農家子弟への交付になっているということでございます。  さらに、令和四年度から措置をいたしました機械、施設導入支援策であります経営発展支援事業でございますけれども、これは新規参入者並みのリスクがない親元就農の場合でも支援対象とするなど、親元就農の支援策を充実させてきたという状況でございます。  こうした支援策を引き続き着実に実施をしながら、親元就農者も含め、新規就農者の確保につなげていきたいと考えておりますし、現場の声、実態を踏まえながら、我々としても今後の施策の在り方を検討してまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今、担い手が少ないわけですよ。今、一生懸命担い手増やさなきゃならないときじゃないですか。だから、いろいろいろいろ言って、出さないというのじゃなくて、思い切ってやっぱり増やそうと、そういうときにしなきゃいけないんじゃないですか。大臣、是非これ決断してほしいんですけれども。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 令和四年から、まずは親元就農の方々に対しまして、機械、設備、そういったものへの貸付け、そして返済の一部免除、こういったものを措置をしたところでございますので、今後の問題、課題として考えてまいりたいというふうに思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もう是非ともやっていただきたいというふうに思います。足りないんですから。本当にもう飛躍的に増やさなきゃいけないんだから、是非やってほしいと思います。  それから、もう一つ課題ですけれども、認定農業者が高齢になって離農した後の農地の管理についてなんですけど、農地の受け手として規模拡大してきた生産者が高齢化し、生産できなくなったときに農地を誰が継承するのかと。これ、引受手が見付からないときにどうするのかということについて、大臣、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 規模の大小にかかわらず、後継者がいない高齢の農業者につきましては、第三者への継承も含め、できる限り後継者を確保することが重要と考えております。  現在、各市町村において、次世代に農地を継承するため、将来の農地利用の姿を明確化する地域計画の策定を進めていただいているところです。その際、後継者が不在などによりまして受け手がない農地は目標地図に示し、市町村が公表することとなっています。また、農林水産省でもそうした情報をホームページにリンクさせて、都道府県の農業経営・就農支援センターや市町村の就農相談窓口等で活用していただくことというふうにしております。  その上で、こうした農地に新たな受け手を呼び込めるように、就農に向けた経営開始資金、青年等就農資金などの資金の交付、そしてサポート体制の充実などの新規就農支援策、さらには、受け手となる経営体の経営発展への支援、そして農地バンクの活用を通じた農地の集積、集約化などの施策を講じまして、農地が将来にわたって継承されるように努めてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 人口減少が続いている中で担い手をどう増やすかと。これ、所得を増やすのはもちろんこれ大事なことなんですけれども、担い手という意味では、農業の生産活動に取り組む人は、効率的かつ安定的な経営体とか法人に絞るんじゃなくて、やっぱり広げることが大事だと思うんですね。ですので、法改正をするというのであれば、この農業生産に携わる家族経営を重視すると、もっと広げるという視点が必要だというふうに思います。  次に、農村の振興についてお聞きします。  現行法の第五条において、農村は、農業者を含めた地域住民の生活の場で農業が営まれているという規定が置かれています。三十四条では、国は、地域の特性に応じた農業生産の基盤の整備と交通、情報通信、衛生、教育、文化等の生活環境の整備その他の福祉の向上を総合的に推進するというふうに書いています。  基本法を改正するに当たって、関係省庁と現状把握、課題などを議論したんでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  現行法の三十四条、委員お話ありましたように、交通、情報通信、衛生等の生活環境の整備等を行い農村の振興を図ることにしておりまして、このため、農村振興政策は関係省庁と連携して進めているところでありますので、例えば、国土交通省が主催いたします地域の公共交通リ・デザイン会議では農村地域における地域の公共交通の在り方について、また、情報通信につきましては、内閣官房が関係省庁を集めるデジタル田園都市国家構想実現会議において中山間地域におけるデジタル技術の活用の後押しを、また、衛生につきましては、下水道を所管する国交省及び浄化槽を所管する環境省と協議をしておりまして、関係省庁と農村の現状把握や課題について議論し、政策を進めているところでございます。  引き続き、地域の課題を解決していくために、政府一丸となって農村の振興をしてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 つまり、関係省庁と協議しているということでいいんですね、協議しているということでいいんですね。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 政策の推進に当たりまして、関係省庁と協議しながら進めております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 参考人として意見陳述された中山間地域フォーラムの野中和雄さんが、この農村政策、地域政策は関係省庁と連携して総合的に進めることだというふうに言われましたけれども、これ、交通にしても、それから教育や福祉にしても、良くなっているとは思えないんですよね。  農林水産省が検証部会に提出した資料には、農村の人口問題は人口流出という社会減から今は自然減になっていると、減少とか傾向が書かれているんですね。それから、高齢化率が高い農業集落は生活の利便性が低い傾向、生活の利便性が低いと、更なる高齢化、人口減少につながり、集落存続の危機が深まるというふうに書いてあるわけです。  この集落存続の危機が深まるというのであれば、なぜ農村がそういう状態になっているのか。地域のその格差ですね、地域間格差とも言われますけれども、これは政府の政策に問題があるから危機が深まっているんじゃないんでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 今委員御指摘ありましたように、人口減については自然減が主因になっておりますし、それに伴って集落の活動が九戸以下になりますと非常に落ちていくということで支障を来しているということでありまして、そういうことも踏まえて、今後、国内の人口が減少し続ける中でも、農業従事者を含め農村人口の減少も避け難い状況にあるわけでありますが、こうした中でも農業を下支えする農村コミュニティーの基盤が維持されるように、農村地域の活性化をしっかりと図ってまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 なぜ人口減少が進んでいるのかと、ここのところをいろいろ考えなきゃいけないんだと思うんですよね。  いろいろあるかもしれないけれども、一つ挙げるならば、私は平成の大合併の影響というのは大きいと思うんですよ。検証部会において、この平成の大合併が農村地域の生活や農業に影響を与えたかどうかというのは検証されているんでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 市町村合併によります農林水産部門への影響につきましては、基本法検証部会におきまして、市町村役場への距離が遠いと高齢化率が高くなる傾向があるということが示されたところでございます。  また、農村振興局の方で行っております令和四年の新しい農村政策の在り方に関する検討会のとりまとめの中では、平成の大合併以降、地方自治体職員、特に農林水産部門に関わる職員が減少してきており、各般の地域振興施策を使いこなし、新しい動きを生み出すことができる地域とそうでない地域との差が顕在化しているというような指摘があったところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 農林水産省は、これ検討されているんですか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 検討会、農村振興局の検討会でありまして、我々としてそういう認識を持っているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 平成の大合併が地域にどういう影響を与えたのかというのは、多くの指摘や論文が出されています。  日本村落研究会の「平成の大合併と農山村」というのがありますが、これには、合併によって過疎化の進展にブレーキが掛かった事例はないと、過疎化の進展にブレーキが掛かった事例はない、旧村ごとに行っていた独自の農政を消滅させた、予算の縮小が進められ、農政に特化した予算措置ができなくなったというふうに指摘しているんですね。それから、市町村の一般行政職員数は二〇〇四年から十八年間で一一・二%減、特に農林水産担当は二八・四%も減少していると。  それから、農業新聞の二〇二〇年の一月五日付けの「現場からの農村学教室」に、小島延夫さん、弁護士さんですけれども、卸売、小売、飲食店などの役場関連需要が減少、学校や幼稚園などの統廃合、郵便局、JAの統合など公務関連業種が減った、合併することで役場がなくなり、地域振興の原動力を失い、公務員が減り、地元商店、飲食店の顧客を失い、若い人がいなくなり、保育園、小中学校の生徒が急減したと言われていますと指摘するなど、そのほかにもいろいろ論文が出されていると思うんですよ。  この平成の大合併というのは地域農業に大きな影響を与えているんじゃないかと思うんですけど、これ、大臣、御認識を伺います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 大合併につきましては様々な考え方があると思います。財政上のやっぱりスリム化等もあります。一方の方で、やはり合併したことでよりきめ細かな行政が行き届かなくなったというようなこともあると思いますけれども、合併がこれまで行われてまいりましたので、これからこういった検証、反省も踏まえながら今後どういう自治体行政をしていくのか、これは、農林水産省だけではなくて、総務省等も含めて考えていかなければならないことだと思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 総務省も含めて、いや、もう国全体で考えなきゃいけない大事な問題だというふうに思うんですよね。そういうことをきちっと総括するというふうに思います。  それから次に、基本法の改正で、農村の位置付けについてなんですけれども、農政審答申の農村施策の見直しの方向というのがありますが、ここには、情勢の変化や課題を踏まえて食料安全保障の観点から見直すって書かれているんですよね。  それで、なぜ食料の安全保障から見直すということなんでしょうか。大臣、お聞きします。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  農村については、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしています。食農審の基本法検証部会におきましても、農業を下支えする農村の機能は農村集落の活動によって支えられてきたという認識が示されました。基本法制定当時と比べまして農村の人口は急速に減少する中で、特に中山間地域を中心として集落の存続は困難になってきている、その結果、農地の保全管理レベルが低下する懸念が増している、また、集落の共同活動、末端の農業インフラの保存、保全管理が困難になってきていると。  こういった農業を下支えする機能に関する課題が明らかになってきておりますので、食料安全保障の観点からも、農村施策に関して、地域社会の維持を図る、農村集落の機能の維持を図るという観点から施策の見直しの必要性があるとされたものでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 先日の参考人質疑のときに野中参考人が言われていたんですけれども、都市住民から見ると食料の安全保障は重要だと、しかし、農村からいえば、仕事、暮らし、農業を続けていけるかどうか、住み続けられるかどうかが一番重要なんだというふうに発言されていました。  今回もし見直すんだとすれば、この住民生活が第一だと思うんですよ。政府挙げて、生活環境の整備、その他福祉の向上を進める政策は必要ではないのかなって、私は野中さんの意見聞きながら、いや、本当にそうだなというふうに思いました。  例えば、北海道でいうと、もう今病院が地方から消えていっているわけです。鉄道も廃線になっている、商店街も減っている。そして、札幌に人口がどんどんどんどんと集中しています。今地域を支えているのは、地域で病院なくなった中では例えば厚生病院であったり、それからガソリンスタンドもなくなっていくんだけど、農協のガソリンスタンドが何とかかんとかやっていたりとか、農協のお店なんですよね。  これって元々で言えば、これ公共インフラ整備に責任を持つというのは政府の役割だったんじゃないのかというふうに思うんですけれども、大臣、いかがですか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 今委員御指摘のとおり、地域コミュニティーの維持のためには住民生活や生活環境の改善といった福祉の向上が必要であると考えております。そういう意味でも、まず、農林水産省におきましては、いわゆる農村RMOということで、農業活動とそれから生活の維持活動、そういったものを行います地域運営組織の形成を通じた地域課題などの取組を行っているところでございます。  このほか、地域住民生活でありますとか生活環境の改善につきましては、交通、情報通信の整備といった観点から他府省との連携も重要と考えておりますので、農業、農村の実情に応じてこれらの施策が活用されるよう、農業従事者を始めとする現場の声を聞き、その声を関係府省に届けるとともに、必要に応じて関係府省へ施策の改善を提案することなどによりまして、関係府省としっかりと連携をして地域の農業、農村振興を図ってまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今、実は大臣に聞いたんですよね。どうして大臣に聞いたかというと、大臣はまち・ひと・しごと創生担当大臣もされたことがあるので、大臣、いかがですかって聞いたので、是非お願いします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 私も消滅しかかっている集落を幾つも抱えておりますけれども、やっぱりいろんな要因があると思います。仕事がない、そして子供がいない、やはり女性がいない、帰ってこない、そういったものが、いろんな要因があると思いますので、我々といたしましては、農林水産省としては、農村型の地域運営組織、いわゆるRMOをいかに有効にやはり活動、活用できるのか、そういったことを提言しながら、先ほども言いましたように、総務省、国土交通省、経済産業省、あるいは文部科学省、厚生労働省、様々な多岐にわたる要因が内在しておりますので、横の連携というのをしっかり図っていかなければいけないというふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 検証部会に全国町村会が意見書を出していますよね。七項目あると思うんですけど、その全部読み上げると大変なので、その中でも農村価値創生交付金の創設を求める意見書を出しているんですけれども、これについて説明をいただきたいんです。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  農村価値創生交付金は、平成二十六年に全国町村会が提唱したもので、農村の価値を持続的、安定的に高める地域独自の多様な取組を主体的に実施できるよう、国が使途の大枠を決定した上で、自治体に客観的な基準で配分する交付金とされております。  令和五年三月の基本法の見直しに関する意見では、交付金は、自治体が主体性を発揮すべき政策分野について、現行の国庫補助の仕組みからの移行を提唱するものであり、新たな財源措置を求めるものではない、また、農林水産関係予算総額の減少を予定しているものでもない、交付金は、国が政策目的の大枠と総額を決定した上で客観性に配慮した適切な指標に基づき自治体に配分し、自治体は配分額及び政策目的の範囲内で具体的な政策を企画、実施する、現行の個別の補助制度よりも大幅に自治体の裁量を広げることになる、詳細な制度設計は、政策効果の検証の視点や透明性を確保する仕組みを取り入れながら、国と自治体との協議の中で行われるべきであると説明をされております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 やはり、この自治体の裁量を大幅に拡大しての農村価値創生交付金、こういうものを検討してもらいたいという要望出ていると思うんですよね。それで、やっぱりこういう意見書にも応えて、地域間格差の解消に本腰を入れるようなやっぱり新機軸が必要ではないかというふうに思います。これは主張にとどめます。  それから、あともう少し、時間がなくなってきたんですけど、中山間地域直接支払についてお聞きします。  日本では、EUのような個々の農業者への直接支払ではなくて集落活動をベースにした支払にしている、その理由について説明をしてください。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  中山間地域等直接支払制度は、中山間地域の農業生産条件の不利を補正し、農業生産活動の継続を支援する制度であります。  本制度の実施に当たりましては、EUと異なり、我が国においては中山間地域等における農業生産活動が地域の共同活動により支えられてきたことを踏まえ、共同して取り組むことが効果的であるとの観点から、地域の農業者等で構成される組織に対して交付金を交付することとしているところであります。  実際に、本制度は、荒廃農地の発生防止や水路、農道の維持保全だけではなく、中山間地域の大きな課題である鳥獣被害の減少、集落機能の維持等にも効果があると地域から評価されているところであります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 一九九二年に新政策を打ち出したときに、農林水産省の主に企画官が構成員になって新農政推進研究会というのがつくられていて、「新政策そこが知りたい」という本を出していますよね。それで、EU型の条件不利地域対策について、我が国において対策地域、農家の限定を一律に行うことが技術的に難しいのではないか、実施すればばらまき的になってしまい、十分な政策効果が得られないのではないかと書いているんですよね。  今も中山間地域の直接支払ってばらまきだというふうに考えているんでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 現行の、今、先ほど申し上げましたように、中山間地域等直接支払制度、地域に渡してその中でいろいろ地域でしっかりと使っていただくことによりまして効果を発揮しておりますので、この仕組みでやっていくことが適当であると考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今もばらまきって考えているのかどうかと聞いたんです。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) これ自体は、この仕組み自体はばらまきではなく、集落機能の維持等に効果があるというふうに考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ばらまきでないというふうに思っているというふうに受け止めていいですよね。  だとしたら、やっぱりヨーロッパ並みに拡充すべきじゃないかと。いつでも集落を基礎にしなきゃいけないというんじゃなくて、やっぱり農民、農家個々に対して直接支払というのは必要じゃないかということを申し上げて、ちょっと時間になりましたので、続きはまた次回ということで、終わらさせていただきます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 秋田県の寺田と申します。  本日も時間をいただきまして、ありがとうございます。  私からは、冒頭、熊対策についてお伺いをしたいと思います。  改正案には、四十八条に新たに鳥獣害対策も記されました。この農村や集落が抱える課題とも無縁ではないものと思っております。本日は環境省の方にもいらしていただき、少々釈迦に説法のところもありますが、冒頭、秋田県にて起こりました事故についても触れさせていただきたいと思います。  全国ニュースでも報道されましたとおり、今月十八日、秋田県鹿角市において、山林で倒れていた男性、青森県在住の男性でございましたけれども、この男性を救助するために向かった警察官二名が熊に襲われて、頭や腕などに大けがを負いました。倒れていた男性については既に亡くなっているようだったということもあって、また、現場に熊がいて危険が伴うということで、その日は退避せざるを得なかったと。その後、車で近くまで行けるようにと、林道の拡幅工事などを行って、ようやく昨日、この御遺体の収容がかなったということでした。  こちらのケースは山林での事故でありましたけれども、この場でも何度もお話を申し上げておりますとおり、昨年度の県内での熊の目撃件数は三千七百二十三件、人身事故被害者数は七十人のうち六十一人が人の生活圏で被害に遭っております。今年の一月には、県では、昨年の捕獲頭数二千頭に及んだということで、生活圏に出てきた熊の多くは捕獲をされたということもあって、今年は少し落ち着くのではないかと見通しを示しておりました。  ところが、県は先月になって、熊の目撃件数が例年を大幅に上回っているとして、県内全域にツキノワグマ出没警報を発令して、昨日までの目撃件数は二百件を超えております。  以前も申し上げましたが、この件数は警察に通報があったもののみのカウントでありますので、多くの方は、車で通りがかったときに見たとか、自分の農地でほぼ毎日見るようなものは通報しないということもあって、実際はこれよりもはるかに多くの目撃情報があるものと思います。  また、今月に入ってからは、山林だけではなくて市街地で出没が相次いでいます。昨年、バス停で高校生らが襲われる事故があった北秋田市では、再び市街地に熊が出没をして、また、田んぼで作業中に熊を、右足をかまれて負傷したという方も出ています。  そこで、環境省にお伺いをします。  四月に熊が指定管理鳥獣に追加をされました。以前より指定されていた鹿、イノシシとは違う管理のやり方になるというふうに伺っています。具体的にどのような方法になるのか、教えていただけますでしょうか。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。  熊類につきましては、絶滅のおそれのある四国の個体群を除き、本年四月十六日に指定管理鳥獣に指定をいたしたところでございます。熊類は、既に指定管理鳥獣に指定されているニホンジカあるいはイノシシと比較をしまして、繁殖力あるいは個体数の水準、被害の状況が異なりますので、捕獲のみに偏ることのない総合的な対策を進めることが重要と考えております。  このため、各都道府県の状況に応じて、熊類の生態等の調査、モニタリング、柿などの誘引物の管理を始めとした人の生活圏への出没防止対策、そして、出没対応マニュアルの作成や出没対応訓練の実施、そういった対策を総合的に講じていただくことが必要であるというふうに考えてございます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  十七日には、秋田県の佐竹知事も環境省、農水省などに要望をしております。また、伊藤環境大臣の方からは、この捕獲に偏らないようにということで確実に進めていきたいと、必要な予算も確保して、県とも一緒に課題に取り組んでいただくというお話をいただきまして、既に様々お話をいただいているものというふうに感謝をしております。  県の現場の担当者から様々苦労も教えてもらっていますけれども、麻酔銃についても、一般的には「名探偵コナン」のように、撃てばぱたっと倒れるイメージがあるだろうが、そうではないと、早くて五分と、遅いと十分から三十分麻酔が効いてくるまでに掛かるんだと、体重が多ければ薬の量も増えるから、大きい熊にはそれなりの麻酔薬の量が要ると、三本撃たないといけないこともあると、かつ、複数の熊がいれば、逃げられてしまいそうなシチュエーションでは使えないんだと、本当に大変だということでした。  改めてお伺いしますけれども、支援策を検討しているとの報道もありますけれども、具体的にどのようなことを検討しておられるのか、教えてください。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) 環境省の支援について、順を追って説明をさせていただきます。  まず、令和四年度から六年度にかけまして、熊類の出没に対応する体制の構築や専門人材の育成、それから人の生活圏への出没防止対策、これを支援するモデル事業を六道県を対象に実施をしております。  また、令和五年度補正予算として、クマ緊急出没対応事業を措置いたしまして、こちらは二十道府県を対象に、昨年秋の熊の大量出没を踏まえた緊急的な調査等を実施、支援することとしております。さらに、熊類の指定管理鳥獣への指定を踏まえまして、ニホンジカ及びイノシシの捕獲等の支援を現在行っている指定管理鳥獣捕獲等事業交付金の熊類への拡充について検討しているところでございます。  都道府県等の意見を丁寧に伺いながら、財政当局との調整を進めていきたいというふうに考えてございます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  県ではもう既に様々、また市町村も含めてお金を使っていると、秋には間に合うようにしたいというような事前にお話も聞いておりますけれども、既にもう被害は出ているんですね。なるべく早く着手をしていただきたいですし、お金もなるべく早く自治体に落ちるようにしていただきたいなというふうに思っています。  県の担当者によれば、山の中の熊というのは特別に増えたとか減ったということではないと、ただ、分布の拡大がやっぱり、人の生活圏側に拡大をしてきているんだということでした。  県の資料によれば、昨年度、熊に襲われて負傷したケースというのは、田んぼの見回りの最中、集落内での犬の散歩中、自宅の庭での草刈り作業の休憩中、自宅敷地内でのクリ拾い中、都市住宅地に熊が出没して五人が連続して襲われたケース、市街地中心部に熊が出て四人が連続して襲われたケースなどであるとされています。県の担当者によれば、もう秋田は熊に侵略をされているような感じだというふうに言っていました。この廃村、廃集落になったところ、人が離れたところを熊が得たんだとも言っていました。  航空写真ちょっと御提示をしたかったんですけれども、ちょっと画像が悪かったので今日お持ちをしていませんけれども、やっぱり一九七〇年代には木が育っていなかったところに、今それを比較をすると、森が育って集落がのみ込まれるようになっているというのが手に取るように分かります。熊にとっては、やはりこの人目に付かずに集落のそばに生息ができるようになったということで、森が集落に迫る中で生息エリアを広げたということが分かります。  手入れの行き届かなくなって密生した林や草木が生い茂っていたかつての農地、生い茂ったかつての農地ですね、あとは誰も食べなくなったクリ、柿、クルミなど、熊にとってはまた食べ放題になっている畑、もう遠くの熊ではなくて隣の熊になっているんだと。最近の熊はというふうに言われますけれども、変わったのは熊ではなくて、変わったのは私たちの暮らしなんだと、人もいなくなったし土地の使い方も変わったと、庭の柿を食べなくてもコンビニに行けば幾らでもおやつがあると、本当にこの人間の生活の変化に熊が柔軟に対応してきたんだということも言われました。熊問題では、熊の問題ではなくてこの人間の社会や経済の問題なんだと、必要なのはこれからのこうした田舎の暮らしをどうしていきたいのかという視点だというふうに言われました。  農業で食べていけないということ、この場でも何度も今日もお話に出てきましたけれども、このことが一つ大きな理由となって、やっぱり農村から人を追い出してきたんだろうと私自身は思っています。人口も減りましたし、都市に魅力があるということも事実でしょうけれども、農業で食べていけないということで更にそれに遠心力が掛かったと、そして農業従事者は減ってきたというふうに思っています。それで、その熊がその土地に進出をしてきたんだと思います。  先日の地方公聴会の後の雫石町の視察でしたけれども、ここは秋田との県境でもあって同じような光景が広がっていました。田んぼが耕作放棄地となって、草木が生い茂って、熊の格好の隠れ家となるような景色も見られました。  通告はしておりませんけれども、事前の聞き取りによれば、農水省としては、特にこの熊の件について新たな支援策というのは検討しない、していないということでしたけれども、こうしたことを考えたら、農水省としてももっと支援を拡充すべきではないのかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 熊被害の対策につきましては、これまでも電気柵の整備とか農地周辺での捕獲、餌となる柿やクリの実の除去などの獣種共通支援のほか、熊に対する追加対策といたしまして、生息状況調査等の基本的な取組に加えまして、研修会の開催でありますとかセンサーカメラ等のICT機器の導入など、一定の取組を行う場合の加算措置を導入しております。  農林水産省といたしましては、熊の被害防止に向けて更にどういう支援が必要であるのか、先ほど環境省の方からも御答弁ありましたが、環境省とも連携しながら、熊をめぐる昨今の情勢に鑑み、検討してまいりたいと考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  熊は、主担当は環境省だというふうに思っていただきたくないんですね。本来であれば、この山と里とのこの緩衝地帯となるべきところが放棄地となって荒れている現状と、そこを管理するこの地域の方も不在となったようなとき、本当にここから誰が管理するのかということを農水省の方に教えていただければと思います。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 恐らく緩衝帯のお話だと思いますが、緩衝帯の整備、緩衝帯につきましては、やはり人と熊等の野生鳥獣のすみ分けを進め、熊を集落に寄せ付けないために有効な機能であると考えております。  その機能の維持のためには草刈り等による管理が重要でありますので、この活動に参加する人を増やすことが寄せ付けないための効果を高めることから、例えば多面的機能支払交付金によりまして、農業者とか地域住民等で構成する活動組織が行う緩衝帯の保全管理の活動についても支援しているところであります。  こうした緩衝帯の生息環境管理のほかも、加害鳥獣の捕獲ですとか侵入防止対策、こういったものは総合的に進めてまいりたいと思っております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  地方は人材も枯渇をしています。農家の方の声を聞いても、手が空いている人なんというのはいないんだと、探して探して、育児は一段落して介護はまだ始まっていないという女性に頼み込んで昼間だけ来てもらって何とかしているみたいな声もよく聞きます。小規模家族農業で食べていける状況があれば、こうはなっていないんではないかなというふうに私自身は思っています。  耕作放棄地のために様々予算を割くよりも、藤木先生の御発言にもありましたけれども、農業では飯が食っていけないんだと、息子が後を継ぎたいと言って農大を出たけれど継がせられないと、こういう言葉に応えていくことがやっぱり解なのではないかなというふうに思います。徳永先生のところに農家の方から寄せられたという声にもありましたけれども、生産基盤は弱体化しているどころか崩壊しているんだと。朝からこの質疑を聞いてきて、これがこの委員会に集う方々の抱く危機感だろうというふうにも思っています。  農業で食べていけないと、このことがやっぱり耕作放棄地が増える根本の原因であって、このままでは農業はやっぱり持続可能ではないんだろうと。効率のいいところだけ農地として利用できればいいと思われているのかもしれないなと思うときもありますけれども、それでは残った農地もやっぱり野生鳥獣や虫の被害に悩まされるということだろうと思っています。  二言目には人口減少という言葉も出てきますけれども、人口減少であっても、農業で食べられなくなったことと無縁ではないだろうというふうに思います。農村から東京に人が出ていって、都市部では子育て環境も悪くて出生率も更に低いと。中山間地、多面的、この様々支援、有り難いものではありますけれども、本来はこうした根本のところ、農業で食べていけないというところに対策の予算が割かれる方がいろんなことがうまく回るのではないかなと様々御質疑を聞いていて思います。農業で食べていける、子育てができるというのなら、ここまでのことにはなっていないんではないかというふうに思うんです。  ここで熊の質問を終わりたいと思いますので、環境省の方に御退室いただいて結構でございます。ありがとうございました。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 環境省は退室いただいて結構です。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 引き続き、前回通告したもののお伺いできなかったものについてお伺いをしていきたいと思います。  子供食堂についてでございます。大臣の奥様も子供食堂、御活動されているということで、敬意と感謝を申し上げたいと思います。私自身、議員となって五年ですけれども、議員の妻としてはその前十年おりましたので、議員の妻として、この東京で働く大臣に代わって地元をつぶさに見る中で、地域の方からまた声を聞く中で、やむにはやまれず取り組まれるのに至ったのであろうというところにすごく敬意を表しますし、また、私は、じゃ、どうだったかといえば、なかなか地元でも、また東京でも子育てに手いっぱいで、何もしてくることができなかったなと恥ずかしく思う気持ちもあります。  この子供食堂に関して、農水省としても支援していくとの大臣の御答弁もありますけれども、今まではどのような支援を行ってきたのかというところについて、いま一度教えていただければと思います。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。  子供食堂は、様々な困難を抱える子供が安心して過ごせる居場所であると同時に、地域の様々な世代の方々が一緒に食べる共食の場、さらにはコミュニケーションの場ともなっています。さらには、子供たちを中心に、お話もございましたけれど、栄養のある食事を提供して食品アクセスの確保にも貢献しているものというふうに認識をしております。  これまでの支援でございますけれども、農水省では、食育推進の観点から子供食堂などへの政府備蓄米の無償交付を行ってきたほか、子供食堂などが地域の共食の場を提供する取組の支援などを行ってきたところでございます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  この改正案が成立した後にはどのような支援策を具体的に行っていかれる予定でしょうか。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) お尋ねの今後更に進める支援ということでございます。  先ほど申し上げた支援を引き続き進めていくということのほか、円滑な食品アクセス、まさに、新たな新法での、基本法の改正案で、改正法での食料の円滑な入手を確保する観点から、子供食堂などへの多様な食料の提供に向けて、地方公共団体を中心に食品事業者、フードバンク、NPOなどの地域の関係者が連携して、地域の課題に応じて取組を進める体制づくりの支援を進めることとしております。  また、関係省庁ですね、様々な関連予算を措置しておりますので、これら措置が地域の実情に応じて活用されるよう、こども家庭庁などの関係省庁と連携しながら取り組んでまいります。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  今私も所属している子どもの貧困対策推進議員連盟の中で、教育格差について考えるワーキングチームというものが立ち上がっています。  昨日、会合で示された資料では、親の収入と子供の成績がきれいに比例しているということ、また、大学進学率においても、様々なそれ以外の要因を調整しても、経済的に余裕がないということが一番大きく響いているということでした。また、子供時代に逆境体験をする子供たち、経済的に厳しい状況に置かれる子供たちは、女性のおなかの中にいるときからも栄養的にも厳しい状況に置かれているとの識者の指摘もあります。仮にもG7の一角を成す国の現実として、余りにも残酷であるというふうに思います。せめて食べ物だけでもと私自身も切実な気持ちになります。  地方の農家の世帯がかつてそうであったように、今、三世代同居、珍しいものになって、内閣府の調査であったと思いますけれども、世帯の姿を見れば、三世代同居よりも一人親世帯の方が多くなっています。核家族化も進んで、共働きの方が多数派となって親も忙しくなっています。また、うちの実家もそうですけれども、食材の買い出しは週に一回という高齢者世帯でも調理済みの食品を求めるようになってきています。  食料の円滑な入手の確保ということが改正案に明記をされていますけれども、農家さんとお話をしていても、子供食堂とかフードバンクに寄附をしたいと、ただ、持っていくことができないんだよなというふうに言われることもあります。フードバンク、食料の配布では、保存の問題もあって野菜などの生鮮食品は配りづらいんだと、また、買える価格である必要性というところも大事だというふうに思っています。  また、舟山先生に怒られてしまうかなと思いながらですけれども、私自身も生鮮食品は、やっぱり予定どおりに仕事が終わらなかったりして、忙しい中でやっぱり余らせてもしまったりすることもあります。一人親家庭だったりすると、もっと余裕がないだろうというふうにも思うんです。使いやすくなった冷凍野菜、冷凍の食材、様々今あります。あるいは、今は肉野菜いためが五分でできるカットされた食材や調味料がセットになっているようなミールキットというものもあります。法案の中に食料の輸送手段の確保の促進というふうにも書かれていますので、例えばこうした冷蔵、冷凍食材や調理キットの、冷蔵と冷凍の宅配の費用の部分を補助するとかいう手段も検討される余地はあろうかというふうに私自身思っています。  こうしたものを活用することを含めて、是非こども家庭庁などとも連携を強化して、大臣の奥様、奥様の周りにいらっしゃる子供食堂の関係者の皆様の意見も踏まえて、このニーズに沿った栄養のある食品が、また食材が子育て家庭に確実に届けられるように、また国産食品の消費拡大にも資するよう、喜ばれる支援の強化に取り組んでいただきたいと思いますけれども、大臣、一言いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 私が孤独・孤立対策担当大臣で子供食堂を担当していたときの子供食堂の数が六千でした。現在、九千二百になっております。非常に増えました。うちの女房に何でこんなに増えるんだというふうに聞いてきました。メモだけしてきました。やはり、予算が一つ付きました。自慢じゃありませんけれども、六十億、その中からの内数で子供食堂に充てるということにしました。それから、企業その他が非常に理解を示していただいて寄附が多くなったと、そういうことで負担が軽減されたことでやはり子供食堂が増えたと。そして、やはり高齢者の方々がそこに手伝うようになった。さらには、民生委員の方々の協力も出てきたと。そして、最近では、貧困ではない親子で参加される、あるいは高齢者そのものも参加される、まさに世代を超えたコミュニティーの場になっている。このままいけば小学校単位ぐらいの数になるのではないかというふうなことを言っておりましたので、農林水産省としても、その食材を含めてできる限りの協力というものを、支援というものをしてまいりたいというふうに思っております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  私の地元でも、必ずしも貧困世帯だけではなくて、お医者さんのところの奥様とお子さんもいらっしゃると、地域の中で孤立をして子育てをしていて、地域のつながりが欲しくてやっとやってきたという方もあるというふうにも聞いております。支援がますます拡充されるように祈っております。  次に、食料自給率に関してお伺いをしたいというふうに思います。  五月九日、前々回の委員会の中で、羽田委員への答弁の中で、食料自給率の目標設定に当たっては、国産の増大についての政策的な実現可能性、そして国民の食料消費の予想、将来予想について正確な分析に基づく、そのことによって自給率をはじき出すということが大事だと、予測を無視した形で高い目標を掲げることは適当ではないというふうに大臣は答弁をされていますけれども、その食料消費の将来予想についての正確な分析というのはいつ出るのでしょうか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  食料・農業・農村基本法の改正案が成立をすれば、それに基づいて基本計画の策定を行うこととなります。  基本計画におきましては、例えば主要な品目の生産振興、あと農地や農業者の確保などの政策を盛り込んでいくことになりますけれども、こういった政策が国産食料の供給にどのような影響を与えるかということを分析をいたします。これは分子側の分析でございます。さらに、国民の将来の食料消費の予測を行った上で、消費拡大政策の効果によって食料消費がどう変わるかということの分析を行います。これらの予測や分析の結果、食料自給率がどういうふうに変化していくのかということを分析をしていくことになります。時期については、令和七年春頃めどの基本計画の策定に向けて分析や検討を進めていきたいというふうに考えています。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  今詳細にお答えをいただきましたけれども、ただ、今までのこの予想、予測が外れてきていることもまた事実であるというふうに思います。  今回のこの予測における改善点はどのようなものでしょうか。また、この手法について教えていただければというふうに思います。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 現行の自給率の目標の設定に当たりましては、食料消費と農業生産に関する諸課題が解決された場合に実現が可能な姿として、食料消費の見通しと生産努力目標を品目別に示した上で目標を設定しております。  達成状況を見ますと、小麦のように令和三年産の生産量、これ百十万トンですけれども、これは令和十二年度の生産努力目標の百八万トンを達成して、これは結果自給率を引き上げたものというものもございます。  あと、議員御指摘の自給率目標と実態の乖離の要因というのを分析しますと、やはり一番大きいものは、平成二十二年計画では、令和二年の米の消費量、これを一人一年当たり六十二キログラムと見通したのに対して、実際には令和二年の実績は五十、一人、一キログラムと大きな差があったことというのが最大の要因となっております。  実施業務計画において様々な課題はありますけれども、自給率の算定という観点からは正確な消費予測を行うということが最大の課題となっていると思いますので、正確な消費予測を行うための改善点について検討をしていきたいというふうに考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  また、前々回、同じく前々回ですけれども、横山委員への御答弁の中で、食料の安全保障の確保のための施策の効果を食料自給率という単独の目標で評価をすることは難しいとして、基本計画策定の中で適切な目標の設定に向けた検討をするとしていますけれども、この適切な目標とはどのようなことを指しているんでしょうか。この適切とは何でしょうか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えします。  昨今、食料安全保障上の課題としてウクライナ情勢の影響などによって肥料価格が高騰するなど、食料安全保障の確保を図る観点から生産資材の安定供給を図ることが課題となっております。しかしながら、肥料についてはカロリーベースの自給率に反映されません。このように、食料自給率単独の目標のみでは評価できない課題というのに対処していく必要があるというふうに考えております。  このため、御質問の適切な目標設定とは、平時からの食料安全保障を実現する観点から、我が国の食料安全保障について課題の性質に応じた目標を設定していくということを目指したいというふうに考えています。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  国民、日本に暮らす一人一人がこれを入手できる状態というのも掲げられておりますけれども、どのような指標でこれの評価をされるのかなというふうに思っておりますけれども、いかがでしょうか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 議員御指摘のように、今回、食料安全保障の確保ということで、国民一人一人が適切な健康な食生活を送るための食料を確保できるということを目標に定めました。これについても適切な指標の在り方というのは検討していきたいというふうに思います。  具体的には、今後、基本計画の策定に向けて、改めて食料・農業・農村審議会等で議論をする中で、どのような指標が適切かということについても検討を深めていきたいと考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  ちょっと残りの時間が少なくなってきてしまったので、通告をしていた米の消費拡大のところはちょっと次回以降に回させていただきたいというふうに思います。  この自給率の目標設定に関してですけれども、今回の基本法では、この自給率だけではなくて、そのほかの指標も含めて評価をするんだというふうなことで、少しぶれた感があります。  でも、公述人の方からの御指摘もありましたように、やっぱり一つ、きちんと自給率って分かりやすいものに沿って進めることがなければ、国産の拡大を目指していくことは難しくなってしまうんじゃないかというふうな御指摘もあったと思います。ここのところを本当にどのようにされていくのか、年に一回の国会の報告も何かなくなるというような話も中に含まれていて、ネットで公表されるのかどうかちょっと分かりませんけれども、本当にこの食料自給率の目標がぼやけていくことに関してはあってはいけないことではないかなというふうに思っています。  また、一問、更問いでちょっとお伺いしたいと思いますけれども、金子委員の御質疑の中で、この食料安全保障を考えるときに、この日本にとっては一番大事な作物というのは米なのかという指摘のこの問いがしっかり答えられていないように感じました。この問いをいま一度お伺いをしたいというふうに思います。更問いですので通告しておりませんけれども、この日本の食料安全保障を考えたときに、日本にとって最も大切なのは、大切な作物は米なのか、これはそのとおりだということでよろしいでしょうか。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) 今、食料供給困難事態対策法案を提出させていただいておりますけれども、まずは、不測時においても現行の国民の行っている食生活を維持するということが重要でございます。そういう観点でやると、小麦や大豆等も大いに消費されておりますので、こういったものが不足するときには小麦や大豆というのを確保していくということが重要になると思います。  一方、供給困難事態対策法については、国民が最低限度必要とする食料を供給する、確保することができないおそれがあるときというのまで想定をしておりますけれども、そういう事態になったときに、最大限効率よくカロリーを確保できる消費品目というのが重要になってくると。そうした場合は、生産効率性等を考えると、米というのはやはり最大の選択肢になっていくというふうに考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 同じ問い、大臣がお答えになられていたと思いますので、大臣、いかがでしょうか。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) はい。  私も米だと思います。  ただ、米の消費量が今、年間十万トンずつ減少しておりますので、不測の事態になったときにどれだけの消費量があるのか、こういったことも考えながら今後自給率考えていかなければいけないと思います。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございました。終わります。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時五十八分散会      ────・────    〔参照〕    盛岡地方公聴会速記録  期日 令和六年五月二十一日(火曜日)  場所 盛岡市 盛岡グランドホテル    派遣委員     団長 委員長      滝波 宏文君        理 事      佐藤  啓君        理 事      山下 雄平君        理 事      山本 啓介君        理 事      横沢 高徳君        理 事      舟山 康江君                 清水 真人君                 野村 哲郎君                 藤木 眞也君                 山田 俊男君                 田名部匡代君                 徳永 エリ君                 羽田 次郎君                 高橋 光男君                 横山 信一君                 松野 明美君                 紙  智子君                 寺田  静君    公述人        株式会社西部開        発農産代表取締        役社長      照井 勝也君        全国農業協同組        合連合会岩手県        本部県本部長   高橋  司君        賢治の土株式会        社代表取締役   畠山 武志君        岩手大学人文社        会科学部教授   横山 英信君     ─────────────    〔午前十時三十分開会〕

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) ただいまから参議院農林水産委員会盛岡地方公聴会を開会いたします。  私は、本日の会議を主宰いたします農林水産委員長の滝波宏文でございます。よろしくお願いいたします。  まず、本日の地方公聴会に参加しております委員を御紹介いたします。  私の右隣から、自由民主党の山下雄平理事でございます。  同じく山本啓介理事でございます。  同じく佐藤啓理事でございます。  同じく野村哲郎委員でございます。  同じく山田俊男委員でございます。  同じく藤木眞也委員でございます。  同じく清水真人委員でございます。  次に、私の左隣から、立憲民主・社民の横沢高徳理事でございます。  国民民主党・新緑風会の舟山康江理事でございます。  立憲民主・社民の田名部匡代委員でございます。  同じく徳永エリ委員でございます。  同じく羽田次郎委員でございます。  公明党の横山信一委員でございます。  同じく高橋光男委員でございます。  日本維新の会・教育無償化を実現する会の松野明美委員でございます。  日本共産党の紙智子委員でございます。  各派に属しない議員の寺田静委員でございます。  以上の十八名でございます。  次に、公述人の皆様を御紹介申し上げます。  株式会社西部開発農産代表取締役社長照井勝也公述人でございます。  全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長高橋司公述人でございます。  賢治の土株式会社代表取締役畠山武志公述人でございます。  岩手大学人文社会科学部教授横山英信公述人でございます。  以上の四名の皆様でございます。  この際、公述人の皆様に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  当委員会におきましては、現在、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案の審査を行っておりますが、本日は、本案につきまして皆様から貴重な御意見を賜るため、当地盛岡市において地方公聴会を開会することとなった次第でございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考といたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、照井公述人、高橋公述人、畠山公述人、横山公述人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず照井公述人からお願いいたします。照井公述人。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 株式会社西部開発農産の照井と申します。  本日はこのような機会をいただきまして、誠にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  初めに、簡単に自己紹介をさせていただきます。  弊社は、昭和六十一年、北上市に設立をしております農業生産法人です。設立当時は約六十ヘクタールという規模でありましたが、地域の担い手として耕作依頼があった農地を引き受け続け、今年度の実績は管理面積で約九百四十ヘクタールまで拡大をしております。  栽培品目は、水稲や大豆等の米穀作物を中心に生産しているほか、畜産部門では黒毛和牛の生産を一貫で取り組んでおり、繁殖牛約百頭、肥育牛約百七十頭を生産管理しています。さらに、六次化にも取り組んでおり、精米やみそ、乾麺の商品化や直営焼き肉店の経営も行っております。  現在、岩手県農業法人協会の会長も務めさせていただいており、日本農業法人協会の政策提言委員会にも属しております。本日は、そういった立場から意見を述べさせていただきます。  大規模経営の立場から、十年、二十年先の未来ある日本農業を願いまして、現基本法の改正案について発言させていただきます。  私たち大規模経営は、現基本法がうたう効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造の実現に向け、自己責任と創意工夫で自立した経営の確立に邁進してまいりました。当社も含め志を同じくする全国約二千百社の農業法人が集まる日本農業法人協会は、先週十六日に二〇二三年の農業法人白書を公表しました。  この農業法人白書によりますと、会員の平均売上高は約三億九千万円に上り、十年前と比べて約一・五倍に拡大しています。これは、農業法人を始めとする大規模経営が国民への食料の安定供給の中心的な役割を担ってきているという紛れもない事実であります。  昨年五月になりますが、日本農業法人協会が現基本法の見直しに対する意見を公表し、検証部会の委員でもある齋藤会長が検証部会にその意見を提出させていただきました。  その意見の中では、効率的かつ安定的な農業経営の発展には、農地バンクの活用などによる農地の集積、集約化が重要であると提言しています。そして、現在各地で進められています地域計画の策定に当たっては、私たちのような農業経営が主体的かつ積極的に関与できるよう求めています。  しかし、全国の会員からは、地域計画の協議の場に呼ばれていないとの声をよく聞きます。また、地域計画の作成状況も分からないとの声も多数あり、地域計画をリードする関係機関の取組姿勢に不満を持つ会員もいます。  基本法制定から二十年間で個人経営体数は大きく減少し、その一方で法人経営体は増加しています。また、農水省によれば、二〇四〇年に基幹的農業者が現在の四分の一、約三十万人まで減少すると予測しています。しかしながら、改正案では、望ましい農業構造の確立に当たって、農地の確保が図られるよう多様な農業者にも配慮するとしています。  私は、決して個人農家を否定するわけではありませんが、担い手と副業的な農家が同系列に扱われ、私たち担い手への農地の集積、集約にブレーキを掛けることにならないか、そして、これまで進めてきた望ましい農業構造の実現に向けた改革を後戻りさせるのではないかと大変危惧しております。  それから、私たち生産者は、いかに生産コストを下げ、そしていかに生産量を上げるか日々努力をしています。それは圃場の条件によって大きく左右します。改正案では、農業生産基盤の整備及び保全に係る最新の技術的な知見を踏まえ、農地の区画拡大、畑地化について必要な施策を講ずるものとすると新設されています。農地の基盤整備は生産コストや収量に直結する効果が得られること、また、畑地化は自給率が低い需要のある作物に対しての効果が得られることが期待できるというところから、非常に意味のあるものと考えています。  また、海外の情勢不安や円安の進行などによって、飼料や農業生産資材の高止まりの影響を大きく受けています。効率的かつ安定的な農業経営に取り組む大規模経営ですら、自助努力では打開できない域に達しています。先ほどの農業法人白書では、現在の経営課題の第一位に資材コストが三年連続で挙がっています。改正案では、農業資材の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するための必要な施策を講じることが新設され、こちらも意味のあるものと考えています。  その一方で、農業に関する団体の努力については、現基本法の理念の実現に主体的に取り組むよう努めるから、基本理念の実現に重要な役割を果たすものであることに鑑み、積極的に取り組むよう努めると改められています。  現基本法の下で、平成二十八年に生産者の努力では解決できない構造的な問題を解決するため、農業競争力強化プログラムが決定しました。その中では、生産資材価格の引下げや流通の構造改革などが挙げられています。農業に関する団体の取組姿勢が主体的から積極的に改められることで、生産資材などを取り扱う業界団体の構造改革に歯止めを掛けることになるのではないかと、こちらも大変危惧しております。  全体を通して言えば、今回の改正案は評価できる部分はあるものの、これまで進めてきた改革の時計の針を巻き戻してしまうのではないかというのが率直な感想です。旧基本法の改正時には、国民的議論を交え、何年もの歳月を掛けて改正したと聞いています。現基本法の改正の柱が食料安全保障の確保である以上、旧基本法の改正時に増して十分な国民的議論と国民の理解が必要と考えています。その点を考慮いただきたいというふうに願っています。  以上をもちまして、私からの発言を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) ありがとうございました。  次に、高橋公述人、お願いいたします。高橋公述人。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 全農岩手県本部の高橋でございます。  本日は、このような時間、意見を申し述べる機会をいただきまして、大変ありがとうございます。ただ、諸先輩方がいらっしゃる中ですので、なかなか意見をしゃべりづらいというのも実情でございますが、御容赦いただきたいと思います。  まず、私の方からは、岩手県の今の農業の実情を若干御説明をさせていただきたいと思います。資料の方にはちょっと載せてございません、口頭でだけで失礼いたします。  今の農業人口につきましては、五万二千人、二〇二〇年の数値でございます、岩手県の農業人口が五万二千人。十五年前は十一万四千人おりました。ですので、その当時から比べると四五%にまで減ってきている。これは日本全国どこも同じ傾向だと思います。その中の基幹的農業従事者というのが四万四千人。これも二〇二〇年の数値でございますが、これも二〇〇五年と比較した場合、十五年前と比較した場合は六三%に減っております。  ただ、農業者人口の減少よりは基幹的従業者の減少率は少ないというようなことがございますので、あともう一つ、規模別に見ますと、三千万以上の経営体数というのが九百七十経営体ございます。十年前は、これはちょっと十五年前の数字がなくて十年前ですが、八百二十三経営体でございました。先ほど照井さんから言われたとおり、大型の経営体、こちらの方は増えていると、岩手県でもそういうような状況でございます。ですので、農業を進める上で大型経営体への集積というのは岩手県でも進んでいるということが見えるかと思います。ただ、農業生産法人であったり集落営農組織を推進してきたということがございますが、その結果、このような数字になっているというような状況でございます。  岩手県の農業の実情については、ちょっと人口の部分だけで御説明をさせていただきます。  あと、今回の農業基本法の部分で若干お話をさせていただきたいと思いますが、今回の案の中で、第二条の五項の中で、持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるべきというような格好の表示がございます。そのために合理的な費用が考慮されるということで、その合理的な費用というのはどういうことかというのが、法律の文面ではなかなか出てこないとは思いますが、それをどういかに具体的に実現していくか。  農家の方々から言われるのは、コストが上がった分を生産物にいかに価格転嫁できるかということを常日頃言われております。その中で、需給バランスで決まってくる農業生産物に関していかに合理的な費用を価格転嫁できるようになるのか、こういうところがこの法律の趣旨に基づいて実現できるようどう組み立てていくかというところが一番重要なことかなというふうに私は考えてございます。  また、今度の二十三条の中でも、食料の持続的な供給に要する費用の考慮というような表現がございます。これはもう先ほどの発言と同じような中身で、それをいかに具体化するかというのが重要なことであろうというふうに思っております。  それと、あと、また条文が進みまして、十九条のところ、食料生産に加え流通面について、十九条の中では、食料生産に加えて流通面に言及している点。これにつきましては、食料生産だけではなく物流システム、これらがいかに重要であるか、どんなにものを作っても、必要なところに必要なものを必要なときに届けられるシステムというのが必要と、それらを構築していく必要があるということを今回の農業基本法の中で言及されているというのは、非常に評価できる部分だろうなというふうに思ってございます。  あとは、ちょっと条文とはずれますが、衆議院の決議の中での附帯決議、参議院の中で衆議院の話をして大変恐縮ではございますが、附帯決議の八項目めのところで、多様な農業者が地域農業に大きな役割を担っているという点を取り上げてくださっております。  私ども系統組織、農協としては、当然、担い手の方々、地域を代表する法人なり集落組織であったりという担い手の方々を中心に集落の農業は構築されていかなければならないということはございますが、反面、その中で、規模は小さくても地域の中で十分大きな役割を果たしている農業者というのがいらっしゃいます。その方々に光を当てて、その方々が十分農業を営める対策を当然つくっていかなければならないというふうに思っておりますので、この附帯決議の中の一言、一項目は非常に有り難いというふうに考えてございます。  これらを踏まえて、資料の方にお出ししておりますが、JAグループの政策提案ということで、これは先般、自民党さんの方にもお出しさせていただいたような内容でございますし、JAグループの政策提案として発表しているものでございます。  ちょっとページを振っていなくて大変恐縮でございますが、表紙をめくっていただいて、もう一枚、二枚めくっていただいて、(5)経営安定対策の強化というところがございます。そこを御覧いただきたいと思います。  ここの中で、三行目のところに、現在のセーフティーネットを組み合わせても補い切れない生産資材価格の高騰に対応し得る政策を充実させることということを提案させていただいております。  先ほど、価格転嫁がなかなか難しいというお話をさせていただきました。実際、日本の資本主義の中で価格転嫁を強制的にやるというのはなかなか難しいことだと思います。ですので、農業者に対するセーフティーネットの充実、単価がなかなか確保できない、販売をしても赤字になるというようなところを補填できるようなセーフティーネット、今現在も様々なセーフティーネットを設定していただいております。それをいかにコストが上がった分を含めて充実させていけるか、そういう点を是非実現できるような農業基本法、それが第一義として実現できるような農業基本法にしていただきたいというふうに思っております。  また、こちらの提案の方に、もう一枚めくっていただきまして、資料、次のページの(3)の①というところで、担い手、多様な農業者、サービス事業体への支援ということで、多様な農業者という格好で提案をさせていただいております。  中で、①のところで、二行目から、地域計画に位置付けられた多様な農業者への施策を抜本的に拡充することというふうな提案をさせていただいております。  先ほども若干お話し申し上げましたとおり、地域の中では多様な担い手がいらっしゃいます。また、大型の農家の方々、大型の法人なり集落組織の方々が地域の農地を引き受けてくださって、農地を農地として維持してきていただいております。ただ、それも限界に近づいている地域も多数ございます。そうなると、受けれない、経済的な部分で考えると受けれない、だけどその農地を耕作放棄地にするわけにいかない。そうなった場合には、その多様な担い手、地域の中で農業を小規模だけれども農業をやっていく方々、そういう方々をやはり残していかないと、その地域は日本全国ぽつんと一軒家だらけになってしまうという危惧がございます。  ですので、そのような大きな担い手の方々、中小の方々への支援を並行して進めていただければというふうに思っております。  農村地区、私も実は農村地区に住んでおりますが、人口減、担い手不足、耕作放棄地の増加という問題点を抱えてございます。それに対して、集落組織なり法人化により地域のコミュニティーを維持しようというふうに取り組んできてございます。その中でも限界になっている、農地を受け得る、農業を受ける法人、もうこれ以上無理だという限界になっているところも多数ございますので、そこら辺を含めて、セーフティーネットを充実させることによって中小規模の農家でも十分生活できるところ、ただ不必要な農地の貸し剥がしのようなことは不要だと思いますが、地域としてそのコミュニティーを維持するための対策というものを今後十分に検討した中での法律を作っていただければというふうに思っております。  済みません、ちょっと話が前後したりして聞きづらかった点があろうかと思いますが、以上で私からの意見陳述とさせていただきます。大変本日はありがとうございました。

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) ありがとうございました。  次に、畠山公述人、お願いいたします。畠山公述人。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 賢治の土株式会社の畠山武志と申します。  本日は、大変貴重な場に呼んでいただきまして、誠にありがとうございます。  当社は、設立は平成十五年、今年で二十年となります。主な核となる事業につきましては、産直施設の運営でございます。特に、農産物を始め県産の加工品から民工芸までというようなところの展開をいたしております。私も、一方では認定農業者としてトマト作りもやってございます。  今日は本題の前に、今から、初めて産直に取り組んだときの経緯も含めて、より本題の方に御理解をいただけるような御説明を申し上げたいと思います。  まず、産直を始めた経緯は、盛岡市内から県北方面へ約三十分、渋民地区、これが二〇〇八年に新しい商業施設開業計画がありまして、その中で道の駅同様の産直施設を造りたい、その運営をしてほしいとの要請に応えたものであります。  その中の目的としては、玉山渋民地域の活性化に資すること、二つ目として、農家の手取り収入を高めること、お客様に喜んでいただける販売価格の実現を行い、頼りにされる施設にすること、そして、安全、安心を担保すると、この四つでございました。  その中で、役割分担としては、売場それから設備、これについては商業施設のオーナーに受け持っていただく。次に、売場の商品であったり、それから農作物以外のお取引先の部分に声を掛けて、その集約は賢治の土が、また販売システムも賢治の土がやる。そして、一番核となります農産物につきましては、JAさんの協力を得て、産直部会、この設立と、あわせて、安全、安心、当然のごとくそこはJAさんがしっかりやっていますので、農薬であったり栽培履歴であったり、そういったものを担当された。  その中で、特にも我々が一番力を入れて、そして調査をし行ったのが、生産者の農家の手取り収入のアップをするんだと、この取組でございます。  当時、今から十六年前になるわけですが、通常の農家が出荷をして、首都圏を想定した場合に一品の売上げ百円、それを売り上げたときに、輸送料であったり段ボールの資材のコストであったり、そういったものを、経費を差し引いたときの手取り額が四十円から四十五円、こういう結果でございました。私たちは、これを何とか手取りを上げたい、地域にいて収入が取れるそういう施設にしたい。その中でやったのは、いわゆる施設の運営オーナーと、それから私ども賢治の土と、そしてJAさん、その中で私たちは持続していけるような施設を造ろう、そして実現したのが手取りが七十五円から八十円、そういうところに行き着きました。  やはり、もう一つの意味合いとしては、お客様に、地域の消費者、市民の方々に産直野菜、そして、そこに記載されている文があります、鮮度であったり顔が見えたり、そして、なおかつ、いつでもよりどころ、野菜のお買い場としてのよりどころ、これを実現をするためにそういう組立てをいたしました。  ようやく、その中で、安全、安心については、JAさんの指導も含めて、例えば表示関係については東北農政局さんの方に御相談をし、勉強会も実施もいたしました。それから、表示関係、これらについても保健所さんの方に御指導いただいてやってございます。そういう中で、まずは産直、私どもが考えた産直はそういう形でございます。  さて、次に、その産直の今、今どうなっているのか。先ほど県の本部長さんの方からもお話があったんですが、今生産農家が抱えている喫緊的な課題というのは、いわゆる資材の高騰でございます。それから、薬剤、関連するもの、特にも露地栽培の場合のマルチ、これは二倍になってございます。それと、種子、こちらの方は三倍になっております。  そのような状態の中で、お話を申し上げたとおり、それを消費者に、いわゆる資材の高騰を理由に価格転嫁、本当にできるものだろうか。特に、我々は、先ほど申し上げましたとおり、産直という形の中で、よりどころとしてお客様が買えるぎりぎりの、そういうような考え方で進めてございます。そういたしますと、倍です、資材が。それが単純に足し算で、掛け算ででき得るものではございません。そうなって、今の状況はやはりお客様に買ってもらえるぎりぎりの価格。何でか。作り続けるとは、継続的に買っていただかなきゃならないじゃないですか。ですから、そういうような状況です。やはり、その辺のところも含めて、国の方では何らかの支援措置というものをお考えいただきたい。  次に、産直農家というのは、役割として、小規模ではありますけれども、地域の消費者に向けた農産物の安定供給の担い手でございます。ですから、産直野菜というものはそのものが付加価値商品でありまして、さきに述べましたとおり、生産資材の高騰分も十二分に反映できないけれども今頑張っている、そういう状況です。それから、特にも強調を申し上げたいのは、この産直に期待をしてくれるお客様、消費者へ産直だからできること、お客様とのつながり、喜んでいただきたい。それが、厳しくとも作りがい、そして生きがい、やりがいになっております。その実感こそが、頑張ろう、このエネルギーを生み出しているんです。  小規模家族経営体の農家は、地域の食あるいは地域コミュニティーを支えていっていると言っても過言ではありません。年々農業を取り巻く環境は厳しさを増しており、合理的な価格形成を維持しつつ国民一人一人がこれを安定的に入手すること自体が大変困難になっていくような気がしてなりません。  また、温暖化による厳しい気象変化の対応、予防とか、そういう対応、対処できるような栽培管理方法の習得、これも非常に重要な課題であります。岩手でも、昨年度は記録的な猛暑により、また春の凍霜障害により農産物に大変な被害が出ました。でも、結果的にそれを受けるのは消費者なんです。農家も大変です。計画したものが取れない、販売高もキープできない。でも、そのまた消費者のところにそれが全て行くわけです。  そして、そういった部分で対応策、今JAさんとか、本部長がおられますけれども、JAさんを通じたいろんな対策の方をなさっておりますけれども、やはりそれが満遍なく順次というわけにはいきません。是非、今はスマホもあるじゃないですか、いろんなその気候、予測される気候に対して、農業の方で地域若しくは品目別でこういう対処をした方がいいとか、そういうサジェスチョンが、是非やはり国の方で、順次で見れる、今年の傾向はこうだ、こういったものが気を付けなきゃならないよ、そういったものがもしできるものであれば、その情報システム構築という部分も是非お願い申し上げたいと思います。  また、耕作放棄地の拡大、これについても、非常に県内でも放棄地と見られるところが拡大をしております。深刻な問題だと思います。特にも中山間地区、高齢化、労働力不足等の影響で原野化している状況と、更に進行している状況にあります。地域によっては集落戸数の減少も耕作放棄地の拡大に拍車を掛けており、その対応は急がれるところであります。  放棄地再生対策としての耕作、栽培する、活用する仕組み、手だてが喫緊の課題であると思われますが、一方では、環境保全型農業の推進にも阻害要因となっているというふうに思います。結果、鳥獣害対策の面において耕作放棄地対策は非常に重要であると。  また、農地の再生、復元も、放棄年数が長くなりますと再生に経費が多く掛かると聞いております。平場であれば大きな機械で大きな企業さんがやっていただければすぐ復帰するんだと思いますが、中山間地区はそうはいきません。その辺のところも考えた中で再生、復活をお願い申し上げたい。  また、中山間地域における放棄地についての対策としては、小規模農業者との連携が必要であります。両輪を、大きな企業的農業がやる放棄地の再生、復活と中山間の農業の方々がやる対策、この両面がやはり必要ではないのかと。  特にも、農村基本法第二十九条、農業生産の基盤の整備及び保全の一文で水田の汎用化及び畑地化ということがありますが、私は、岩手県県北の中で三十年も、すなわち中山間の地形を利用し、山合いの畑で雑穀、それを作ってきた農家、頑張ってきたところを見ております。その方々は、その地形を巧みに生かして、そして新しいその地域ならではの生産性が出るような作物をきっちりと栽培をしてきております。  この条文の中で畑地化が進む、そして、平たんで、特に県央部、県南部の方であれば容易に、平野部のところで仮に雑穀だとかそういったものが非常に簡単にできるわけじゃないですか。そういったものがなったときに、その今まで頑張ってきた、中山間で頑張ってきたそういう農家はどうなるんだろうな、そういう心配をしております。  また、農業は一色ではないんだというふうに個人的に思います。地域を支える地場産業型の農業は、産直等で地域の食を守り、地域コミュニティーはもとより、自治会組織では地域の環境整備、草刈り機を持っていわゆる自分たちの地域を一生懸命きれいにする、そういうことをなさっております。  それから、農業者年金だけに頼らないで、生計費の確保は農業収入で、産直に出した部分だとかそういう形で年齢問わず頑張っているわけです。その方々が気力とやりがいを持って農業に取り組めるような基本法にしていただきたい。特にも、耕作放棄地の再生、復活の役割を担う場合には、地場産業型経営体が受け持ち、なおかつ国が所得の安定を図ることも重要だと思います。  先駆的で最新のテクノロジーを駆使して農業の発展に貢献できる農業企業体、地域で活躍できる地場の小規模農家との役割分担ができるような形、大小の力を合わせて農業を守るような農村基本法となりますことを切にお願いを申し上げます。  以上でございます。

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) ありがとうございました。  次に、横山公述人、お願いいたします。横山公述人。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) 岩手大学の人文社会科学部で農業経済論を担当しております横山と申します。  このような機会を与えていただきましたことをまず御礼を申し上げます。  私の発言は皆様のお手元にありますレジュメに沿って進めたいと思いますので、お手元に資料を御用意いただければ幸いです。  まず一番目として、この間の岩手県農業をめぐる概況について、一応のことは記しましたけれども、こちらは先ほど高橋公述人の方から詳細な説明がありましたので割愛させていただきます。  一言で特徴付けると、規模の大きな農業経営体、法人も登場しているものの、岩手県農業は全体として加速度的にやはり衰退している、生産基盤も弱体化していると言わざるを得ないということです。そういう中では、日本と岩手県に農業が必要であるとするならば、早急な対応が求められることは言をまたない、これは皆様方同じ認識だろうというように思っております。  それを踏まえてなんですけれども、食料・農業・農村基本法改正案に対する私見を述べさせていただきます。時間の関係上、農村については先ほど畠山公述人の方からも詳しい御説明ありましたので、私の方からは食料と農業に限定した叙述をしたいというように思っております。  まず、改正案の提出理由と内容との関係です。  改正案の提出理由は私も拝見いたしました。これにはそれほど違和感はありませんけれども、問題はその内容が最重要理念たる食料安全保障の確保に対応するものになっているかどうかではないかというように思っております。  まず一番目、食料自給率の格下げということですけれども、以前の基本法では、基本計画の目標としては食料自給率のみだったわけですけれども、これが食料自給率に加えて食料安全保障に関する様々なものも盛り込むということになっております。  確かに、一つの指標だけで食料、農業に係る全ての状況を把握できないのは当然ですけれども、あれこれの指標を並列的に挙げるならば、食料自給率の目標がぼやけてしまうのではないだろうかと。はっきり言いまして、私は、これは現行基本法からの後退であるというように思っております。  食料安全保障の確保を掲げるのならば、やはり最重要視すべきは供給熱量だろうと。農水省の各資料でも、あちらこちらで世界の食料需給の不安定さが強調されているところです。そうであるならば、やはり指標として一番重要なのは供給熱量自給率だろうと、他の指標はそれを補完するものとして位置付けるべきだろうと、ここは曖昧にしてはならないというように思います。  二番目、関連してなんですけれども、第二条第二項では、国内の農業生産の増大を図ることを基本とするとともに、安定的な輸入という文言が入っております。しかし、これは、同じ第二項の中で、世界の食料の需給及び貿易が不安定な要素を有していることに鑑みとしていることとの間でやっぱり不整合、論理矛盾があるのではないだろうかというように思います。こういう中で、本当に国内の農業生産の増大を図ることを基本とするものに今回の改定案がなるのかどうなのかと。改定案の中では、第二十一条の第一項で輸入の相手国への投資の促進、いわゆる開発輸入が新設されていますけれども、やはりこれも輸入に傾斜する、そういうおそれを私は感じております。  ですので、第二条第二項については、国内の農業生産の増大を図ることを基本とするだけでいいのではないかと考えております。ここでは、基本とし、これと併せて安定的な輸入云々かんぬんとなっておりますけれども、併せてというこの言葉が入ることによって、国内生産の増大を図ることを基本とすると、その基本が曖昧になってしまうのではないかというように感じております。  めくっていただきまして、二番目、海外への輸出が強調されています。第二条第四項と第二十二条の関連です。  ここでの改定案の認識については、国内の人口が減少すると国内の食料の需要も減少する、だから農産物輸出によって日本農業の活路を開く、大体こういう流れになっていると思いますけれども、日本の人口が減少して国内の食料、農産物市場が縮小したとしても、供給熱量自給率を現在の三八%から大きく増加させていくならば国内における国産農産物の市場は拡大していくと当然考えられるわけです。輸出による活路というのは、自給率が一〇〇%に近いと、だから、これから人口が減少して市場が縮小して日本の農業の生産が影響出ると、だったらそのときに心配すればいいことであって、低自給率の現状で農政の基本に置くべき性格のものではないというように私は思います。  また、この間の農産物の輸出の伸長ですけれども、農水省の資料では、二〇一二年から二千六百八十億円、二〇二三年に九千五十九億円というのが示されていますけれども、しかし、やっぱり問題は、加工品、加工食品を含めた農産物の中で国産農産物がどのくらいの比重を占めているのかということです。  今日の私の資料の最後に、これも農水省の輸出・国際局が出している資料を付けておきましたけれども、見てお分かりのとおり、一番金額として大きいのは加工食品、その中でもアルコール飲料ということになっておりますし、米菓、あられ、煎餅もありますけれども、その他お菓子類については当然小麦粉が使われているということになります。また、穀物等のところで、米、援助米除くですね、これも掲げられていますけれども、例えば輸入小麦が一〇〇%を占める小麦粉の輸出もこちらに入っているということで、どのくらいこの中で純粋な国産農産物があるのだろうかということをやっぱりはっきりさせなければならないだろうというように思います。  先日の鹿児島の地方公聴会でも公述人から指摘がありましたけれども、輸入農産物を原料とした農産物の輸出が伸びても国内農業の生産拡大にはやっぱりつながらないと、ここはきちんと認識しておくべきだろうというように思います。輸出による活路を言うならば、最低でも農産物中の国産原料割合をきちんと算出、提示すべきだろうというように思っております。  さらに、考えなければならないのは、外国に対して日本産農産物の輸入拡大を求めるならば、外国からも当然のことながら外国農産物の輸入拡大を求めることになるだろうと、そして、そのことは国内の国産農産物の市場を狭めることにならないかと、ここもきちんと考えるべきだろうというように思います。  ですので、品質が高い、そういう国産農産物の輸出全てを否定するものではないですけれども、少なくとも、輸出による活路というのは食料安全保障の確保を図るための中軸的な施策にはなり得ないというように思っております。  次に三番目、生産者手取り価格についてです。こちらは第二条第五項、第二十三条、第三十九条関連です。一言で言って、日本農業、地域農業の衰退、生産基盤弱化の原因は、採算が取れない、これに尽きるというように私は思っております。  改正案が強調する価格転嫁は、採算性の改善にどれくらいの効力を持つのかと。先ほど、高橋公述人や畠山公述人からもこれに対する危惧が示されたところです。生産、流通関係の経済主体間に価格交渉力の差がある中で、生産者手取り価格が採算の取れる水準にまで達する保証はどこにもないだろうと。特に、実質賃金が現在のように下がっている状況では、価格転嫁による生産者手取り価格の引上げは困難と考えざるを得ません。  仮に、価格転嫁によって引上げができなかった場合に、頑張ったけれども駄目だったということで済ませるならば価格転嫁という方法もあるでしょうけれども、農業経営を安定させて国内の農業生産を増大させることを真剣に追求しようとするならば、生産者手取り価格を採算が取れる水準まで確実に引き上げるための措置がどうしても必要だろうと。ですので、かつての農業者戸別所得補償制度のような、市場価格と生産費の差額を補填し採算を保障する価格・所得補填措置を再構築すべきだろうと。現在も、麦、大豆等に畑作物の直接支払交付金制度はありますけれども、やはり補填水準は不十分だろうと。さらに、こういう価格・所得補填の措置をとる場合には、適切な輸入規制、抑制措置も必要だろうというように思っております。  改正案では、環境保全型農業やスマート農業の推進も強調されております。しかし、これも採算が取れなければ現実化しないわけです。新規就農者の増加も採算性が保障されてこそです。水田の畑地化、農地転用規制強化を進める上でも、採算性の確保というのは重要だろうというように思っております。  考えなければならないのは、なぜ自給率が低い中で米のみ過剰で減反が行われているのかと。これは、農産物の全般的な輸入自由化、関税引下げ、市場開放によって安価な外国農産物が流入し、国内の農産物の国内市場価格が低下して米以外の主要穀物の採算性が低くなっているために、採算性がまだましな米に生産が集中しているだろうと。ミニマムアクセス米もその過剰に拍車を掛けていると。ですので、価格・所得補填の充実で米以外の多くの作物の採算性が大きく改善すれば、米過剰の解消と自給率の向上を同時に図ることができるというように私は思っております。  四番目、多様な農業者の位置付けです。これについては、地域における協議とか、効率的かつ安定的な農業経営を営む者及びそれ以外の多様な農業者が位置付けられたと。これは現実に即したものであって、大いに評価することができます。  これは、昨年四月施行の改正農業経営基盤強化促進法や改正農地中間管理事業推進法の中でも取られた考え方です。しかしこれは、従来の政策が推進してきた企業の農業参入、農地利用集積、規模拡大が想定どおりには進まない中、地域農業衰退、生産基盤弱化が進行したことへの対応という側面を持っているわけです。  そうであるならば、追求すべきは望ましい農業構造ではなくて、家族農業経営を中心とした多くの農業経営体の維持及びそのための再生産の保障、具体的には、平均的規模の家族農業経営が採算が取れるような価格・所得補填の実施ですけれども、これを行うべきだろうと。そして、このような経済的条件が存在してこそ大規模経営の発展も見込めるというように思っております。特にも、第二十七条、家族経営の活性化を図るというのは旧二十二条の文言をそのまま踏襲しているわけですので、家族農業経営を再度重視すべきだろうというように思っております。  最後に、不測時における措置ですね。  これに関連して、現在、食料供給困難事態対策法案も審議されているところですけれども、食料供給の混乱が生じた場合に、これに対応することは当然です。しかし、具体的な効力として、買占め、売惜しみ等の排除のための出荷又は販売に関する要請等、これはともかくも、国内の食料供給量確保のための輸入に関する要請や農林水産物の生産に関する要請、こういったもの、生産転換の効力にはやっぱり大いに疑問符が付くと。  そもそも、世界の食料の需給及び貿易は不安定な要素を有しているのではなかったのかと。にもかかわらず、安定的な輸入を求めるというのはやはり論理矛盾だろうと。さらに、生産転換による特定食料の生産には一定の時間を要します。農林水産物の生産業者とか農林水産物生産可能業者という文言が出ますけれども、そういった想定されている方々はすぐに対応できるのだろうかということもやはり懸念としてあるわけです。  したがいまして、ふだんから供給熱量自給率を高めておくことこそが最大最良の不測時対応になるのではないだろうかと。自給率が高ければ、生産転換のような半ば強権的措置と言ってもいいような措置をとる必要も小さくなるというように考えます。  まとめですけれども、改正案が食料安全保障の確保を掲げるのならば、供給熱量自給率の向上を中軸に据えて、平均的規模の家族農業経営が採算が取れるような価格・所得補填を行う措置を農産物の輸入規制、抑制措置と一体的に打ち出していく必要があるというように考えます。  以上で私の発言を終わります。

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) ありがとうございました。  以上で公述人の御意見の陳述は終わりました。  これより公述人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  また、質疑者におかれましては、円滑な進行のため、できれば各質問の冒頭、どの公述人に答弁を求めるかを明示して質問をするようにお願いいたします。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。

清水真人自由民主党

○清水真人君 自民党の清水真人です。  本日は、この地方公聴会に当たりまして、公述人の皆様には大変お忙しい中御出席をいただき、意見陳述をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。  先ほど照井公述人からも話がありましたとおり、基幹的農業従事者はこの二十年で半減をし、更に今後の二十年で現在の四分の一である三十万人にまで減少していくおそれがあるわけでありますけれども、このような状況下におきまして、法人経営については、現在、農地の四分の一の面積、また販売金額の約四割を担っていただいているところであります。また、生産という面のみならず、新規就農や地域の雇用にも大きな役割を果たしていただいていると考えております。  そして、農業法人の持続的な活動というものは、これが食料安全保障の面からも非常に重要であることからも、今回の改正案では、新たに法人経営の基盤の強化、これは二十七条の二項、これや、少ない人数で食料の安定供給を担っていただく観点からのスマート農業技術の活用、これは三十条であります、また農業経営の支援を行うサービス事業体の活動の促進、この三十七条等を規定しているところであります。  そこで、まず株式会社西部開発農産の照井勝也代表取締役にお伺いをしたいと思います。  西部開発農産さんにおかれましては、創業以来、地域の農地の耕作依頼を引き受け、先ほども話がありましたが、創業当時は六十ヘク程度だったものが、現在は九百四十ヘクを超える面積を管理しているということでありますけれども、実は私の地元でもこうした集積に関しては非常に取組を行っているところでありますが、なかなかどのように集積をしていくのかというのが課題にもなっているところであります。  やはり、地域が少し離れてしまっているとか、そういったことが多いわけでありますが、先ほど農地バンクのお話もありましたけれども、この点についてどのように取り組まれているのかということをお聞きしたいのと、また、経営規模を拡大、維持していくためには生産管理能力の向上というものが必須であるというふうにも考えておりますが、ITの導入や従業員の配置など、そういった点で工夫されているところについてお伺いできればと思います。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 照井です。  農地の集積、集約についてですが、先ほどお話しさせていただいたとおり、設立当時は六十ヘクタールという規模でありました。なぜ九百四十まで増えたのかといいますと、これは、毎年毎年離農される人がいると、その農地を引き受けてきたという結果なんですが、基本的には依頼があった農地については断らないという考え方でやってきました。ですので、中山間地であったり条件の悪い圃場、そういった農地も引き受けてきたという結果が今の九百四十という数字まで拡大することができたのかなというふうに思っております。  ただ、この九百四十という数字が、北上市の和賀町というところに今会社あるんですけれども、その北上市内だけではなくて、隣の花巻市であったり、それから金ケ崎町だったり奥州市だったり、あちこちに圃場が点在しているというのが今非常に課題になっております。  私、平成二十四年に先代から引き継いだんですが、その当時で約六百五十ヘクタールぐらいでした。私の代になってから、先代が基本的には断るなという考え方でやってきたんですけれども、ただ、この先やみくもに受け続けても、これはもう十年後、二十年後を考えたときに続かないぞと。ですので、担い手同士でお互いに農地交換をして、交通整理をして、そしてその後の生産効率を上げていきましょうという方向にちょっとかじを切り直したというようなことで、今、いろんな地域でそういったところを話合いをしながら取り組んでいるといったところであります。来年、地域計画、未来地図ですね、そういったところも、やっぱり地域によってはうまくいきそうなところと、なかなか難しそうだなというところは正直ございます。  そういったところと、それから会社に、IT化だったり、それとあと従業員、そういったところをどうやって管理していくかというところなんですけれども、面積が大きくなるということは、当然人も多くなると。そうすると、いろいろな考え方の人間が当然いるわけで、そういったところをいかにまとめていくかということで、人事評価制度、そういったものを取り入れて、その一人一人の能力に見合った給与であったり報酬、そういったものを支払われるようにしたというのがまず一つでございます。  それから、働き方改革ですね。農業といえども、今、非常にその労働時間、私が就農したのは平成五年だったんですけれども、その当時は本当にもう日曜日も休みなく、早出、残業して、そういう働き方だったんですが、さすがに今の時代そういうことも言っていられないということで、きちんと年間カレンダーを作って、当然、生き物相手ですのでカレンダーどおりには休めないんですけれども、それでも一か月ごとにシフトを組んで、交代でそういった休暇を取れるような仕組みをつくったりとか、そういったことをしております。  よろしいでしょうか。

清水真人自由民主党

○清水真人君 続いてお伺いをしたいんですが、先ほどその労働の関係のお話もあったんですが、外国人材の受入れだとか、また女性の活躍についても大変重要であろうというふうに考えているところでありますが、こちらに関して、先ほど労働環境の話もありましたけれども、今後、特にこの外国人材や女性の活用について必要と考えられるような施策だとか、そういったものがあればお伺いをしたいというふうに思うんですが、照井公述人でお願いしたいと思います。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 外国人材なんですけれども、当社も今ベトナムから、実習生制度を使いまして、今十人ほどですか、受入れをしております。  今現在、従業員が約百十人ぐらいいるんですけれども、そのうちの正社員が約六十人、期間社員、パート社員で五十人ぐらいということなんですけれども、大分今機械化が進んできまして、人力による作業というのは減ってきているんですけれども、それでもやっぱりそういった作業があるということで、そういったところが、昔であればパートさんがメインでやっていただいていたんですけれども、今なかなかそういった人材も見付からないということで、この実習生制度を使わさせていただいて、そういったところを補っているというのが実情でありました。  当社で苦労しておりますのは、そういった実習生の管理といいますか、住むところはもちろんなんですけれども、そういった実習生を、今度、きちんとした生活ができるようにといいますか、そういったところを対応するためのいろんな仕組みですね、そういったところがちょっと苦労をしているのかなというふうに思っておりました。  それから、女性の登用についても、正社員、もちろん男性が多いんですけれども、女性社員も今若い方入社していただいて、男性社員と同じようにトラクター乗ったりとかコンバイン乗ったりとか頑張ってもらっております。そういった方たちが、今後、本当に当社の課長職であったり部長職、そういったところになっていただけるように期待をしているところではございます。  やはり、私が思うのは、男性だけだとどうしても、何というんですかね、女性が入っている方がどうしても働きやすいと、会社の雰囲気が変わるというところはこれもう紛れもない事実でありまして、そういったところも非常に大事にしていきたいと思っています。

清水真人自由民主党

○清水真人君 ありがとうございます。  続いて、全農岩手県本部高橋本部長にお伺いをしたいと思います。  まず、スマート農業技術の活用についてでありますが、その導入が図られるよう全農岩手本部として何か取り組まれていることがあるのか、また、活用、導入に関しての課題等についてお伺いをしたいと思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 全農岩手県本部としては、モデル農場を、昨年ミニトマトの農場を造りまして、あと、今年というか、から稼働しているのは、ピーマンの自動収穫ロボットまでいるモデル農場を造っております。ただ、自動収穫ロボットはまだ開発途中で、今年度中に入れる予定でございますが、そういう先進的な農業というのがやはり必要だろうと。その目的は、家族経営でできるスマート農業という目的でやっております。  問題点はやはりコストが高いということで、ただ、コストが高いのをフルセットで入れるとやはり収支が合いませんので、その中で自分の経営に合わせたものを、そのいろんなセットがある中から必要な分だけをピックアップして入れてもらおうというようなことで考えてございます。一番は、やはりいろんな資材コストが高くて、それをペイできるかどうかというところが一番の問題でございます。

清水真人自由民主党

○清水真人君 今お話がありましたとおり、スマート農業の導入、運用には必要となる費用の確保というのが欠かせないというわけでありますけれども、先ほどの話でもありましたけれども、高度な技術が搭載されるこのスマート農機というのは通常の農機と比べても非常に高額であるということで、その導入によって農業経営というのが圧迫されてはいけないというふうにも考えております。  また、スマート農機だけでなく農機全体のコストの低減というのも必要かなというふうには思っておりますけれども、そのためにはサービス事業体の育成や活用というものも更に進めていくということも解決策の一つであるかなというふうにも考えているところでありますけれども、そうした取組についてJAさんで行っているものはあるのか、お伺いをさせていただければと思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) サービスなり作業の受委託というような格好で、例えばドローンの農薬散布を受託しまして対応すると。ドローンとかそういう作業を、ドローンを一台買うとその維持費もかなり掛かるものですから、その必要な分だけをやるということで、そのような対応策を取ってございます。  ただ、選択肢とすればヘリ防除だとかありますが、規模に応じて、ドローンがいいところ、大規模であればヘリ防除の方がいいところとかありますので、それらに合わせた作業受託を、全部ではないですが一部のところでは導入させていただいております。

清水真人自由民主党

○清水真人君 先ほどから営農条件が不利な中山間地域の話も出てきたわけでありますけれども、とりわけ生産コストの低減や労力負担低減のための技術の導入というもの、これが中山間地域においても理想ではありますけれども、その課題と取組について、こちらはJAの高橋さんと、それから、農作業をするために非常に手間の掛かる決して条件のいいとは言えない中山間地域等も引き受けられてきたということで、また農林水産省の実証実験等もやってこられた照井社長にも、お二人にお伺いをさせていただければと思います。

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) じゃ、照井公述人から、時間が迫っておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 済みません、もう一度お願いします。

清水真人自由民主党

○清水真人君 中山間地域においていろいろ、JAの実証実験等もたしかされていたと思いますけれども、生産コストの低減だとか労力負担低減のための技術の導入についての課題等について伺えればと。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 済みません。  先ほど高橋さんおっしゃったとおり、そのスマート農業、いろんな技術あるんですけれども、まずその機械が高いといったところが一つ課題、どうしてもその費用対効果ということになるので、そこがまず一つ課題になるのかなと。  スマート農業実証プロジェクト、令和三年、四年、五年、採択されて取り組ませていただきました。そこでは、中山間地の取組ということで傾斜合筆、こちらは非常に低コストで、なおかつ生産コストが下がる、単収が上がるという技術でしたので非常に評価もいただいて、非常にいい実証実験ができたのかなというふうに思っております。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 中山間地ですと、土地面積が狭いということなので、狭い面積で収益を上げられる品目なり施設を導入してやっていくということが必要だと思います。それで、ハウスなんかも場合によれば中古のものを使うなりとか、イニシャルコストをいかに抑えられるかということを取り組んでございます。あとは、その家族に合った施設というか技術だけを入れるというようなことでコストを抑えるということが必要だと思います。

清水真人自由民主党

○清水真人君 そろそろ時間が来ましたので、以上で終了させていただきます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。  今日は、公述人の皆様、お忙しいところ御出席いただきまして、ありがとうございます。  それでは、時間も限られていますので、まず質問をさせていただきます。  まず、照井公述人にお伺いをします。  自分たちの食料は自分たちで作るとの志の下に、地域の方の農地を引き受けて、農地の保全、そして生産基盤を守っていらっしゃったというふうにお話を伺いました。  水田活用交付金の見直しもあり、五年に一度の水張りルールの徹底がされる中で、照井公述人の中には条件の悪い農地でも引き受けているところが多分あると想定されます。そして、どうしても現実的に水張りは難しい農地も当然出てくると思います。先ほど、九百四十ヘクタールという大きな農地を管理して転作をしている中で、やはりこれだけ大きくなりますと、そのルールの見直しでやはり経営状況にも非常に影響があるんではないかというふうに危惧をしているところであります。  地域の農地を一手に引き受けている立場から、生産基盤を守るため、そしてまた、かつ所得を確保していくために、今後どのような国の政策が求められているのか、お考えがあれば伺いたいと思います。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 今、九百四十ヘクタールという話をさせていただきましたけれども、そのうちの九割ぐらいが水田地帯、水田、地目田んぼというところになっています。そこで当社は麦、大豆、そういったところも作っております。ですので、水田活用交付金、もちろんいただいて生産が成り立っているというところであります。  その九百四十ヘクタール、平場もあれば中山間地もあるし、条件のいいところもあるということで、当然、中山間地なんかは水田活用交付金が出ないとなかなかできないと。で、今、五年に一回水張らないと水田活用交付金の対象から外れるというようなことになっています。  こういった農水の方で施策が出されまして、周りを見てみますと、無理をして水田にするという人がいるわけですよ。これ、逆に言えば、五年に一回水張ればもらえるんでしょうという捉え方しているんですよね。でも、本来それはあるべき姿ではないと思うんですよ。生産者は、いかに品質のいいものをいかにたくさん取るかというところに力を注がなければならないはずです。ですので、私は、この水田活用交付金をなくしてしまって、その品質だったり、その収量、収穫量、そういったものに、取れたものに対して交付金を出す政策が望ましいというふうに考えています。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 照井公述人、ありがとうございます。  次に、今日は基本法の公聴会ですので、基本に基づいて伺ってまいりたいと思います。  畠山公述人に伺います。  今回の改正案の中、第五条の中に、人口減少に伴う農業者の減少という項目があります。地域の生産現場を見ていて、農業者の減少は果たして人口減少によるものなのか。畠山公述人の中にも、なかなかその所得がないからやめていくんだと、農業では食べていけないとかお金にならないという所得の安定につながっていないことがやはり離農の原因になっているのではないかと考えますが、現場を見ていてどのようにお感じになっているか、お聞かせいただきたいと思います。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 確かに議員おっしゃるとおり、例えば先ほど御説明したとおり、産直とか継続的に出せる部分についてはその部分をいわゆる補填はできるんですが、やはり農業で食べていけない、若しくはお金にならない、続けていけない、それから子供も継げない、農業をやめるとか、そういう非常にマイナーな部分がイメージとしてあって、必ずしも人口減少ではなくて、農業そのものに、若者も含めた、今の農業にそういう魅力と夢なり希望というものを持てる状態なのか、ここなんだと思います。  ですから、若者だけではなくてシニアもそうです。この農業というものが、やっている価値、そしてそこにチャレンジをしていく、そういうような魅力というものがもしかしてまだまだではないのかなというふうに思います。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 ありがとうございます。  続けてもう一問、畠山公述人にお伺いをいたします。  先ほどもお話ありました、今回、二条五項で合理的な価格形成という項目があるんですが、やはり生産コストを価格に転嫁するというのは非常に厳しいと、そして転嫁したことでやはり購入される方もなかなか買いづらくなると。果たして、この合理的な価格形成というのは現場感からして現実的なものなのか。それとも、法案には盛り込んだものの絵に描いた餅にはなるんではないかという懸念もあるんですが、この点、畠山公述人の現場感のお考えを伺います。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 先ほども申し上げたんですけれども、いわゆる程度の問題。  すなわち、加工品であれば一〇%とか二〇%の値上げですというようなものが、一つの基準がございます。しかしながら、マルチが二倍になりました、肥料も一・五倍になりました、そういう中で、あえて物差しとするならば、今まで販売してきた値段を一〇〇としますよね。じゃ、仮に、レタスが今までこの時期に百三十円で買ってもらってきました。では、資材が倍になっています、二百六十円でお願いします。それで買っていただければいいです。でも、現実的な話ではない。  やはり、その中で生産者が価格決定をいたしますので、百五十円とか。買っていただけないと今作っているものが販売できない。単に価格転嫁という部分の言葉の怖さ、重さというものをやはり感じます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 ありがとうございます。  先ほど照井公述人からも、大規模経営においても、自助努力ではやはりこの生産コストアップが非常に厳しい状況だという話も伺いました。  もう一問、ちょっとこれを踏まえて畠山公述人に聞きたいんですが、照井公述人の耕作の効率性、生産性の高い企業経営体が持つ役割も非常に重要であると考えます。一方で、やはり産直に出している中山間地域などの小規模面積による地場産業型の経営体の持つ役割というものも非常に重要であるという話を聞きました。  両方のお話を聞きながら、やはりどうやってその生産者の所得の安定化を図っていくか、これが非常に重要だと考えますが、畠山公述人の御意見を伺いたいと考えます。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) いずれ、効率的ないわゆる生産性等々、そういった部分を担えるのは大きな企業体しかないんだと思いますし、また、小さい小規模の農業というのは、先ほどの部分もありますけれども、もっとその地に足付いたといいますか、自宅周りから始まるじゃないですか。そういった部分のところで、その小さな企業体というのは非常に求められた部分もしっかり担っていけるんだと思うんです。  ですから、やはりその双方が得意分野を生かして、そして結果、農業というそこの中での役割分担、そういったものができるのであれば非常にいいんではないかなというふうに思います。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 ありがとうございます。  続いて、横山公述人にお伺いします。  先ほども申し上げていた、やはり現在の家族農業経営体をまず前提とした採算性をいかに改善するか、これが大切だという話をされました。そのやはり採算性、いかに所得を安定させていくかというところの政策として、やはり我々は直接支払というような考え方も一理あるのではないかということを考えていますが、この点について横山公述人のお考えを伺います。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) 基本的には横沢議員のお考えに賛同いたします。  そもそも、大規模経営自体、これはやはり重要な役割を果たしていると思います。しかし、それだけでは賄えないからこそ、さきの改正農業経営基盤強化促進法や改正農地中間管理事業推進法で地域計画でありますとか多様な農業者といったことが位置付けられたんだろうと。  そうであるならば、日本の食料安全保障ということを言うのであれば、前の法律の趣旨にも沿った形で家族農業経営をきちんと位置付け、それの採算保障を行うことが必要だろうと。  家族農業経営がきちんと採算が取れる、そういう価格水準であってこそ、やはり大規模経営も伸長するんだろうというように思っております。  以上です。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 ありがとうございます。  今、家族経営が大事だという話が出ました。  先ほど高橋公述人からも、家族経営体がやはり地域を守っているという、大事な役割を担っているというお話を伺いました。  やはり、今回の基本法改正にも多様な農業者という部分が盛り込まれ、やっぱり家族経営体の大切さというものは非常に盛り込まれてきているんではないかと思いますが、政策としては、まだまだ家族経営体の所得安定まではいま一歩届いていないというのが現状であります。  やはり、この家族経営体に対する政策的な、何ですか、国へ対するこういう政策があったらいいなというのが、もしお考えがあれば伺いたいと思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 家族経営でやる場合、なかなか国の支援だとか県の支援届きづらい、要はばらまきになってしまうという問題点は内在していると思います。  ですので、家族経営体が収支が合われるように、その地域の中でやっている品目、例えば共同選果施設だとか、そういうものに対し従事させる。家族経営体として、農家としては、収穫してそこに、団体に持っていけばそこで選別をして出荷してくれるというようなインフラの整備という部分が一番効果を発揮しやすいのではないかというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 ありがとうございます。  時間も迫ってまいりましたので、最後に畠山公述人にお伺いをしたいと思います。  今回、二十五年ぶりの基本法改正となりますが、これまでの農政の検証が十分ではないんではないかという議論もあります。畠山公述人が現場でこれまで見てこられて、国の農政の、この現場二十五年間を振り返って感じていること、御意見があれば率直に伺いたいと思います。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 私も農家の長男でありまして、まさにその二十五年という部分はよく分かっておりますし、振り返りますと、作るなと言われた時代があり、そして、作ってもいいけどそこの部分は切磋琢磨をしてやれと言われる時代があったり、新しいこの法の部分でいくと、また作れ。いわゆる、恐らく私だけではないと思うんですけれども、この国の農業はどこを目指し、確かにその時々で変わるんだとは思います、でも、やはりその辺のところの一貫性であったり、やはりその主役は農家が元気で頑張れるようなものにしなきゃならないんではないのかなと、それをできるのは国でしかないと思います。私的には、そういうものも踏まえて、是非頑張れる基本法にしていただきたいなと切に願います。  以上でございます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 時間が来ましたので、終わります。  公述人の皆様、どうもありがとうございました。

横山信一公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  本日は、四人の公述人の先生方に大変貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。今後の基本法の議論の参考にさせていただきたいと思います。  その議論を深める意味でも何問か御質問をさせていただきたいと思いますが、まず、照井公述人にお聞きをいたします。  先ほどの意見陳述の中でも、農業法人協会が農地バンクの活用が重要だというような提言をされているという話もされておりましたけれども、照井公述人を取材したAFCフォーラムの記事をちょっと読ませていただいたんですが、その中で、農家と接する機会の少ない農地バンクが農家に積極的に働きかけて地域をまとめることは難しいというふうに書かれてあったんですね。  いわゆる農地バンクは、農業経営基盤強化促進法によって地域計画に基づいてつくられたものであります。目的は、所有者不明農地や遊休農地を含めて農地を所有者から借り受けて、担い手に集積、集約化をしていくと、そういう目的でつくられました。  令和三年度末の担い手への農地利用集積率を全耕地面積に対する割合で見ると、前年度末に比べて〇・九%増の五八・九%ということで、微増ではありますけれども、農地集積は関係者の努力によって進んでいるというふうに見れます。一方で、この増加率を見ると、鈍化しているというふうにも見ることもできます。  高齢化に伴ってリタイアが進む農業現場では、担い手に集積する農地をどう効率化していくかというのが大きな課題です。照井公述人のところも、先ほどの九百四十ヘクタールという極めて大規模なところで、もうどんな農地も引き受けるんだということで、断らないということをやってきたということで、集約化、集約はできても効率化するというのは非常に難しいと思うんですね。  そんな中で、北上市役所の協力によって農地の集約化を行ってきたというふうに聞いているんですけれども、照井公述人の経験から、農地バンクが農地集約のためにもっと機能するようにするにはどうすればいいか、アドバイスをいただきたいと思います。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 農地バンクの件でございますけれども、農地の集積、まあ農地中間管理機構が始まって農地の集積については進んできたと。ところが、集約についてはなかなか進まない。これはなぜかといいますと、やはりその地域その地域によって圃場の条件が変わってくると。当然、条件のいい圃場もあれば悪い圃場もあると。いい圃場というのは、みんな生産者は当然耕作したい、ところが、なかなか条件の悪い農地については受け手がいないというところで、まず最初は、そういったところが問題になってなかなか農地バンクがうまく機能していなかったのかなというのを感じております。  最初の頃は、手つなぎで来てくださいと、貸す方と借りる方、手つなぎで来てくださいという、そういうような話がありました、本来であればもう白紙委任でやらなければいけないはずなのに。そういったところがあって、集積は進むんだけれども集約にはつながっていない状況が続いていた。  で、私、市の方に、農地バンクの方に行きました、その集約化してほしいと。そうしたら、全部、要するに、いろんな担い手がいて、その農地ごとに、全部が全部農地バンクを通している農地ではないから、農地バンクを通した農地については権限があるけれども、それ以外の農地については権限がないという言い方をしたんですね。まあ言われてみればそのとおりかと思って、ですので、私は市の農林部の方にお願いをして、市が音頭を取って集約化してくれという話をしました。  そこに、農地バンク、市の農林部であったり、それからあと農業委員会、それから地元の農協ですね、そういったところに入っていただいて北上市内の担い手を集めたんですね、集約化していきましょうということで。それは、最初のうちはなかなか意見まとまらなかったんですけれども、そうですね、数回集まっているうちに、皆さん、そういった方向で、じゃ、やっていきましょうかという雰囲気になって、そこから集約化につなげることができたというところがあります。  ただ、いまだに、やはり地域によっては、そういういい圃場悪い圃場というところと、あと、何というんですかね、地主、地権者のしがらみとかもあってなかなかやっぱりうまくいかないというところがあるんですが。ただ、私は、その移動、その農地、耕作するに当たって移動が一番無駄だと思っていますので、なので、やはり集約化してとにかく移動を少なくすると。そうすることによって確実に生産コスト下がりますから、そういったところを訴えながら、北上市内ではまあうまくいっている方なのかなというふうに思っています。

横山信一公明党

○横山信一君 ありがとうございます。  では、高橋公述人にお伺いをいたします。  先ほどのお話の中でも、大規模化が進んでいるというお話もありました。令和六年度の事業計画も見せていただいたんですけれども、それによると、農業生産規模は全体の一〇%に当たる経営耕地面積五ヘクタール以上の経営体が全耕地面積の五〇%以上を占めているということで、かなり大規模が進んでいるということです。また、販売規模も、先ほど三千万以上のお話がありましたけれども、一千万以上で見ると県全体の販売金額の七〇%を占めているということで、これだけ見ると担い手への農地の集約化、集積が進んでいると、また大規模経営中心の農業経営に移行しているというふうに見えるわけですが、日本全国でいけば、やはり高齢化による農業人口の減少というのはもうどんどん進んでいって、このまま対策を打っていかなければ農地はどんどん減少していくということになります。  人口減少がこの先も続くことを考えれば、少ない農業人口で食料の安定供給を実現をしていかなくてはいけないと、ここが今回の基本法の一つのテーマでもあるわけです。そのためには、先ほど照井公述人も意見を述べていただきましたけれども、担い手への農地の集積と集約化というのは避けて通れないというふうに考えるわけですが、全農岩手県本部として、これまでこの大規模化を進めるに当たってどう進めてきたのかということを教えていただきたいと思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 私ども全農というか、農協グループで進めてきた内容でございます。特に、平成の十八年、十九年頃から集落営農組織を立ち上げて、それらを核にして地域の営農を守っていこうというような格好で、そこから始まり、その次には集落営農組織を法人化しましょうというようなことで取り組んできて、大規模化が進んできたという流れでございます。  それで、ただ、ここに来ての問題が、法人にしろ集落営農組織にしろ、つくって今は維持していけるけれども後継者がいないという問題がございます。ですので、大規模を維持できるところは今後とも今までの枠組みを利用しながら維持していっていただく。そうじゃなく、できないところはその広域の合併をしてもらわなきゃならないところが出てこようかと思いますし、あとは、それでもできないところは地域の中で、多様な担い手と先ほどから出ているとおり、そういう方々に担っていただくというようなことも反面必要なことなんだろうと。  ですから、定年帰農者という昔言葉がございましたが、そのような方々に活躍の場を期待したいというふうに思っております。

横山信一公明党

○横山信一君 ありがとうございます。  照井公述人にまたお聞きをしますが、先日、当委員会では那須塩原に視察に行きまして、アーデルファームというところに視察に行ったんですが、そこではアーデルファームの方が農地バンクは使わないという話をしていまして、やはり知っている間柄だから農地を任せてもらえるというような、そういう話もされておりました。  全国どこでも、やはり耕種農家の担い手は似たような状況になっているんだというふうに思うんですけれども、先ほどの公述人が地域計画の話で、積極的に関与していきたいんだけれども、法人経営のところでは入れてもらえないというか呼ばれていないところもあって、不満があるんだという話をされていました。  この地域計画、目標地図ですけれども、受け手も出し手も、双方が納得しなければ農地の流動化というのは進んでいかないというふうに思うんですね。今までの人・農地プランを目標地図として今回法定化をするわけですけれども、効率的で持続可能な農地利用を実現する目標地図が描けるかどうかというのは、我が国の農業の将来を考えたときに非常に重要な点になると思います。  その関係者皆さんが全員が納得できる目標地図というのはすぐにできるとは思いませんけれども、とはいえ、目標がなければ集約化進んでいきませんので、今後の目標地図の作成に向けて照井公述人のお考えを聞かせていただければと思います。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 地域計画についてですけれども、先ほど会員の中でその話合いに呼ばれないという話をさせていただきましたけれども、北上市は、当社は呼ばれて、その話合いに呼んでいただいてきちっと話をしております。地域によってはそういうところがあるというようなことのようです。  その目標地図、いかにその目標地図に近づけていくかというところなんですけれども、これはやはりその地域によっていろいろ、まあ農地の条件であったり、それからその地権者がどのぐらいの年齢層なのか、そういったところによって非常に変わってくるのかなというふうに思っています。  これ、私個人的な意見なんですけれども、私は、もう強制的に、もう今後賃借をするのは農地バンクを必ず通すこととして、その農地バンクがきちんとその地域ごとにもう交通整理をすると。例えば、ここからここの道路は誰々さん、ここからこっちは誰それさんというような形にするのがベストなんじゃないかなと思っています。  ただ、それがやはりその地権者だったりほかの担い手によっての抵抗があったりして、なかなかそれが難しいなという地域があるんですけれども、ただ、今後五年後、十年後になると、多分そういうところはもう少なくなってくるんじゃないかなという気はしています。

横山信一公明党

○横山信一君 ありがとうございました。  もう間もなく時間になりますので、もっともっとお聞きをしたかったんですけれども、これで終了させていただきます。  ありがとうございました。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。どうぞよろしくお願いいたします。  本日は、お忙しい中、御説明いただきまして、ありがとうございます。  まず、横山公述人にお尋ねをいたします。  以前、私も熊本なんですが、熊本にいらっしゃったというお話をちょっと先ほどお聞きをいたしまして、マラソンを走っておりましても、やはり私が子供の頃、まあ中学、高校時代は非常に、私の、植木町というところなんですが、スイカで有名な町なんですが、本当ににぎやかだったなというような感じで、走っていても本当に皆さんから声を掛けていただいた思い出があるんですが、本当に最近は、何かハウスも非常に見なくなりまして、農家の皆様方の姿も、昼間走っていてもなかなかお会いできないというような状況です。  そういう中で、先ほど御説明の中に非常に重い言葉がありました。現在の日本の農業は生産基盤の衰退、弱体化していると言わざるを得ないというお言葉があったんですが、横山公述人から見てどのようなところが特に弱体化をしているというふうに思われていますでしょうか。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) 照井公述人のような、法人化して大規模経営を行うと、そこが地域で重要な役割を担っているというのは認めるんですけれども、しかし、岩手県の、先ほど農業センサスの資料も冒頭に挙げましたけれども、大規模な経営が育っても、それが全て農業をやめていった方々の農地を引き受けられているかというと、これはそうではないだろうということで、そもそもの農業の一番の生産基盤である農地がこれは減少していると、片や耕作放棄地は増加している、ここが農業生産基盤の弱体化の一番の指標になるだろうというように思っております。  さらに、農業者が減少しているというのも、これはもう一つ、基幹的農業従事者については、先ほど来から様々な公述人の方からお話ありましたけれども、これも減ってきているということで、大規模経営が躍進して、その大規模経営が農地を集積して以前と同じような農業生産を行っているということならば、ただ、それによって農村の人口が少なくなりますのでそれはそれとして問題としても、大規模経営が農地利用集積を行うことによって従来どおりの農業生産を行えているならばそれは生産基盤の弱化とは言えないかもしれませんけれども、現在はまさに弱化そのものというように私は捉えているということです。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 ありがとうございます。  あと、続けまして、今回の改正案で、私も、二十五年前に改正された現行の基本法と今回改正されます基本法が本当に実際いい方に行っているのかというのが実際実感として湧かない中で、御説明ありました、今回の改正案に対しまして最重要理念であります食料安全保障の確保に対応するものになっているのかというお言葉がありました。そういうふうに横山公述人から見てなっていると思われますでしょうか。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) 私の私見としては、残念ながら対応するものにはなっていないだろうと。  それは、食料安全保障の一番の根幹はどこかというと、これはやはり食料の国内生産だろうというように思いますし、これは以前の基本法でも、国内の農業生産の増大を図ることを基本としという文言があり、今回それを引き継いでいるわけです。  それはいいとして、問題は、その後に、併せて安定的な輸入というような言葉が入っているわけで、併せてという言葉は、基本というその基本を曖昧にする、そういう性格のものであるというように私は思っております。  さらに、先ほども述べましたけれども、現行基本法にはない、いわゆる開発輸入に関するそういうものも入っていると。確かに、同じところでは農業生産資材の安定的な輸入ということも述べられてはいますし、それはそれで大事だと思うんですけれども、併せてとか、他で開発輸入のような文言が入ると、それこそ、日本の農業を基本にするんだと、そこが曖昧になってしまうだろうと。  そういう意味で、私は、食料安全保障の確保ということからすると、現行法以上にちょっとやっぱり後退をしているのではないかというように考えるところです。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 私も、この今回の食料安全保障の確保につきましては、やはり現在生きている人たちというのが、なかなかそういう本当に危機を経験したことがない方たちが大多数となった現在、本当にそうなった場合、本当に生きるものになっているかというところが非常に心配なところであるんですが、そういう中で、私は目標というのはやはり大切だと思っております。  食料安全保障の確保のためには、やはりこの供給熱量自給率が非常に曖昧にしてはいけないということが書いてありますが、その辺りをちょっと御説明いただけますでしょうか。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) 現行基本法では、基本計画についての唯一の目標は食料自給率と。ただし、今回の改定法については、それに加えて食料安全保障に関する様々なものを付け加えるということになっております。  繰り返しになりますけれども、農業や食料、そういったものを把握するために、どういう状況になっているんだろうか、さらに、これを改善するためにどうしたらいいんだろうかと、そのための指標は一つではこれは足りないというように思いますけれども、いやしくも食料安全保障の確保というのであれば、そこの根幹はどこにあるか、それはやっぱり供給熱量自給率だろうと思います。  しかし、それに加えてあれやこれやを付け加えてしまうと、食料自給率は下がっても別の指標が上がっているからいいではないかということで、一番重要視すべき食料自給率、供給熱量自給率が曖昧になってしまうだろうと、私はそこを一番懸念しているということです。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 ありがとうございました。  今度は照井公述人にお尋ねをいたします。  私、こういうふうに基幹的農業従事者がどんどん減少していく中で、やはり企業の参入というのは非常に大切だと思っておりますし、鍵になると思っております。  そういう中で、スマート農業なんですけれども、やはりなかなか、スマート農業に関しましてどれくらいお金が掛かるのかとか、たまに車の免許が必要なんでしょうかとかそういうようなことも聞かれるようなことなんですが、こういう中で、スマート農業が省力化そして無人化というようなお言葉もあります、どこまで可能なのか、そこがもし分かればお尋ねいたします。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) スマート農業といってもいろいろ、そういう無人化とか省力化、いろいろあるわけですけれども、これがどの程度まで進むかというのは、私、機械屋さんではないのでちょっと分からないんですけど、無人化は今ほぼほぼできているというところですので、ただ、それ以上、今後どの辺まで行くのかというところは私はちょっと分からないです。  ただ、スマート農業と一言で言っても、本当に、何というのかな、無人化であったりロボット化であったり、そういったところをイメージされる方がすごく多いんですけれども、実はそういうことではなくて、いかに生産コストを下げて単収を上げるかというところがスマート化につながっているというところですので、そこら辺をちょっと認識していただきたいなというふうに思っております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 ありがとうございます。  先ほどの答弁というか御説明の中に、女性の活躍というお言葉もありました。やはり、そういうスマート農業を通しまして、分業化ということで、女性の活躍とともにそういう障害者とかそういうような、農福連携のような形には何か活動なさっているのかどうかをお尋ねをいたします。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 障害者も今三人ほど雇用させていただいておりますので、ひとえに、今スマート農業、ふだんの農作業、大分機械化進んでいますけれども、当然、人力でやらなきゃいけない作業も当然ありますので、そういったところで非常に重要なポジションで頑張っていただいている、そういった方もいらっしゃいます。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 私たち、B型事業所とかでは工賃と言うんですが、そういうお給料の面とかそういう環境面とかは何か配慮とかはあるんでしょうか。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) そうですね、障害者につきましては、残念ながらといいますか、最低労働賃金ということにはなっていますけれども、ただ、グループホームに入っていただいていますので、そこから毎日の送迎は当社からワゴン車を出してやってあげたりとか、そういったところはしていますけれども。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 ありがとうございます。  やっぱりこの送迎とかそういうことを、やっぱり非常に気になるものですから、そういう送迎というのはいいなと本当に思いました。  最後のお尋ねになりますが、私はスポーツの経験者なんですけれども、現在、元アスリートというのはセカンドキャリアというのが非常に大きな問題になっておりまして、これまでは、そこの企業で走っていたりバスケットボールをやっていたりとかサッカーをやっていたりしましたら、やめてもそのままそこの企業に残れたというようなことがあったんですが、現在はプロ化、プロになる選手が多いものですから、そこで終わってしまいまして、コーチであったり監督であったりタレント業であったりとかをやってきたんですけれども、ここも飽和状態になっておりまして、是非そういうような、元アスリートとかそういうようなところの連携を強めていただきまして、農業に興味を持っていただければいいなと私自身は希望しているんですが、その辺りどのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 是非とも紹介いただければと思います。よろしくお願いします。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 それでは、ありがとうございました。終わります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 国民民主党の舟山康江と申します。  私も山形県でございますので、大体岩手と状況は非常に似ているなと思いながらお話を伺ってまいりました。  今日は、四人の公述人の皆様、本当にありがとうございます。お一人ずつ質問をさせていただきたいと思いますけれども、まず照井公述人から。  これは法人協会全体として、この十数年で売上げが一・五倍というお話がありましたけれども、所得に注目をするとどのような大体大きな流れなのか。それ、法人協会全体として、また御自身も大分これ規模が大きくなりましたけれども、売上げとこの所得の関係について、今どんな状況なのかということを教えていただきたいのがまず一点です。  ちょっと二つまとめてお聞きしたいと思います。  二点目は、水田が九割ということでしたけれども、現在、いわゆる転作ですよね、転作として小麦、大豆、ソバということを資料で拝見いたしましたけれども、そうなりますと、その転作作物についてはいわゆる畑ゲタ、プラス品代、プラス水活というところで収入になっていると思うんですけれども、まさに先ほど横沢議員からもありましたけれども、もしこれ水活がなくなったときに、何とかこれでいけるのか、やはり水活に代わる何がしかの、畑ゲタの充実とかそういったことがないと厳しいのか、その辺り併せてお聞きしたいと思います。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) まず一つ目の質問ですけれども、所得についてということで、売上げが一・五倍ということで、これ法人協会の全体の数字ということになっています。所得については、法人協会全体のはちょっと把握していないんですが、当社の、恐らくですけれども、ほかの法人もそうではないかなと思うんですけれども、所得については一・五倍以上伸びているというふうに思っております。  それから、二番目の転作についてですけれども、水田活用交付金で今成り立っているというところです。当然、この水田活用交付金がなくなって何もほかの政策がなされなければ、当然これ生産活動ができなくなってしまうという、これは紛れもない事実であります。  先ほど私申し上げましたのは、水田活用交付金をなくした方がいいと。これはなぜかというと、五年に一回の水を張るルールをつくることによって、無理をして水田にする人がいると、無理をして水稲を付ける人がいると。本来は大豆とか畑作っていた方が本当はいいものができていっぱい取れるのに、それを無理して水稲を付けるから、そんなに収量が上がらないものがなったりですとか、あと、翌年例えば麦、大豆に戻すとしても、一度また水稲に戻すと排水性は少なからずやっぱり悪くなるわけですよね。ですので、本当にもう適地適作といいますか、畑地化をしてしまって、大豆であったり小麦、そういったところはもうそういったところで作ると、水稲は水稲で適したところで作ると、そういったところが本来のあるべき姿だと思いますというのが一つ。  それから、じゃ、その畑地化して大豆、小麦をどうやって生産していくんだというところなんですけれども、ゲタ対策ですね、ゲタ。私はその水田活用交付金の面積、これ今三万五千円出ていますけれども、こちらをそのゲタ対策の方に回していただければいいんじゃないかなというふうに思っています。まずこれをすることで、捨て作りする人がいなくなると。で、生産者が努力するようになる、いい品質のものをたくさん取ろうというような生産活動をしようというふうに考える、こういうふうになるんですね。なので、私はそういう政策の方がいいかと思います。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございました。  ある意味、照井公述人のようなこれだけ大きな規模でやっているところも、やはり何がしかのいわゆる水活に代わるものがないと厳しいということが非常に大事な発言だったのではないのかなと思います。  今、私も、この水活の問題に関して、委員会のやり取りなんかで、そこを何がしかこの畑ゲタに持っていくとかやっていかないと、それがすっぽりなくなるとできないんじゃないかということをよく質問するんですけれども、現段階では政府からは、やはり元々の畑作での、要は地目畑、畑での畑作と水田からの転作の畑との、その公平性の問題で、なかなかそこがまだどうなるか分からないということでしたけれども、やはりここは大事な視点だということ、大変大きな問題提起だったのかなと思います。  そして、この価格転嫁に関してですけれども、理想は、やはりこの資材が上がればちゃんとそれが価格に乗っかれるようにというところ、そういった意味では適正な価格、合理的な価格というのは大事だと思いますけれども、なかなかこれが本当にできるのか疑問だという声は、先ほど畠山公述人、また高橋公述人からも、それでは全て賄い切れない場合に、じゃ、どうやって経営安定対策を打っていくのかというところの御提起がありました。  いただいた資料の中では、これJAグループの資料ですけれども、そこが既存のセーフティーネットを組み合わせてというところだったんですけれども、具体的にイメージしていることは、その生産資材の高騰に対するそこの支援なのか、それともほかの手だてでしっかり所得を確保できるようにするべきなのか、それどちらをこの中ではイメージして提起をいただいているのか、もう少し詳しく教えていただきたいと思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 生産資材の価格が上がった分だけを何とかしようとしてもイタチごっこになります。そうなると、生産資材の価格が下がったときに、じゃ、補助金下げるのかということに、セーフティーネットを下げるのかということになってしまいますので、トータルとしてのセーフティーネットというか、新たなセーフティーネット、所得なり販売額をある程度維持できるような制度が必要だというふうに考えてございます。  ただ、既存の政策、青果物の価格安定だとか畜産のマルキンだとかというのがありますので、それを全部なくしてというのは現実的ではないと思いますので、それらの今ある制度を充実させるというのがすぐすぐやれる必要なことではないかなというふうに感じております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 それはつまり、いわゆる経営所得安定対策を充実させるということですか。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) はい、そのとおりでございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございました。  まあ、要は手取りですよね。手取りをどう確保していくのか、どう所得を上げていくのかというところの中で、一つはやはり価格を適正にしていくということはもちろんなんですけれども、なかなかここは、そうコストが上がったからどんと乗せるわけにはいかないというのは多くの共通の認識の中で、今回いろんな議論の中でかなり価格に傾斜をした議論が多いのかなと私は思っているんですけれども、ただ一方で、旧基本法から現基本法に変わったときに、やっぱり価格政策から所得は政策でということに大きく変わったと私は思っています。  そういう中で、その価格をみんな理解してねというのはそうなんですけれども、それで賄い切れないところをどう手当てしていくのかというところで、現行の政策の中でも要は資材価格に対する支援というものもありますよね。例えば畜産なんかもそうですけれども、配合飼料価格安定基金だったりとか、燃油価格の高騰対策とか、いわゆるそのコストをどう下げていくのかという支援と、あとはそのコストが高くなったときにどうやって手取りを増やしていく、まさに所得安定対策を取っていくのか、私、両面あると思うんですけれども、これ、横山公述人にお聞きしたいんですけれども、いわゆる経済学的というか農業経済の観点から、どちらの政策がより望ましいという何か分析があれば教えていただきたいと思います。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) これはなかなか難しいところでもありますし、生産資材の価格がきちんと瞬時に分かるかどうかという問題もあります。  ただ、生産資材に助成をするにしても、結果として増えたコストをきちんと賄うそういう価格・所得補償をするにしても、要は再生産が取れる、生産費を賄えるかどうか、そこに尽きるんだろうというように思います。具体的な施策についてはいろいろ考えようはあると思いますけれども、繰り返しますが、再生産を賄える、生産費をきちんと政策として保障できるかどうか、ポイントはここにあると考えています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございました。  再生産可能な所得をどう確保していくのか、他国の農業政策でも、そういったことをうたいつつ、いろんな直接支払の組合せの中で生産を維持しているという例は私も学んでいるところではあるんですけれども、もう一つ重ねてお聞きしたいと思います。  その際に、いわゆる価格・所得補償方式、まあかつての戸別所得補償制度なんかは、やはりこれ直接支払の私、入口だったという思いの中で、比較的この不足払い的な考え方の下に価格・所得補償の考え方で政策を構築したんですけれども、一方で、それが進化していくと、いわゆる生産とはちょっと切り離して、いわゆるデカップルした中で、いわゆる公共財への支援、多面的な機能への支援というところで、環境支払だったりとか農地支払だったりとか、そういったことに大分移行しているのが世界の農業政策なのかなと思うんですね。  そういう中で、どういう政策、まあそれはいろいろあってなかなか答えは一つじゃないんですけれども、こういった考え方について、横山公述人の御認識を少し教えていただきたいと思います。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) これはどの資料だったかは今ちょっと頭に浮かばないんですけれども、農林水産省の環境・水保全対策でありますとか中山間地域の直接支払補償制度でありますとか、そういった中でのパンフレットでも、要は、その環境保全型をやった場合のコストと普通のコストとの差額とか、中山間地域についても条件不利なところと平場との差額とか、そういうような説明があったように思います。  ですので、環境保全型農業をやることによって従来よりもコストが掛かると、条件不利地域だからコストが掛かるという場合は、まずは平場のというか標準的なところのコストを賄うそういう施策を取って、プラスアルファとして中山間地域なり環境保全型に支払をするべきだろうというように思います。デカップルのように見えて、やはりベースはコスト、いかに賄うか、そこに尽きるんじゃないかと思います。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございました。  続きまして、畠山公述人にお聞きしたいんですけれども、農家の方々がいかにきちっと所得を得られるかというところで、できるだけ、中間マージンというんでしょうか、そういったものを減らす努力をされているということ、本当にすばらしいと思っています。  そういう中で、御自身も農業をされながら、こういった多くの皆さんの農産物を集めてできるだけ優位に売っていくという、こういった取組なんですけれども、特に中山間の条件の決して良くないところ、でも、一歩目を転じてみると、いろんな資源があると思います。例えば都市農村交流、あとは再エネのいろんな芽が眠っていたりとか、そういった農業としての所得に併せてそれ以外の所得をどう確保していくのかというその観点で、御自身が農村地帯に住まわれ農業をされている中で、何か御提言等がありましたらお願いしたいと思います。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 今議員おっしゃったとおり、自分もやりながらそういう虫の目で虫のように働いてやっているわけですが、やはり今、例えば野菜というのをテーマにしたときに、共通で、例えばその集落の中で新しいブランド、そういったものの取組というのは割合少ないんですね。やはりそういったものがあればまた違うような気がいたします。  産直の場合ですと、各々が各々考えて得意なものを作ります。ただ、その集落の中で一つ共通して一緒に作り上げれるもの、そういったものの多彩さといいますか、それが一つブランディングをしていけるようなものがもしあれば、またそういうところを後押しするような施策があればかなり違ってくるんだと思うんです。  特にも、資材費だけではなくて、例えばビニールハウスとかそういったものの値段も高騰しているわけですね。ですから、やはりそれを、例えば七十歳以上で更にその投資をして、当然被覆がありますから露地栽培よりは強い、ただ、そういったものを投資したくとも、なかなか高いために投資もできない。であるならば、やはり露地でも、一緒にその地域の産品として作っていけるようなものがあればまた変わっていくんではないかなというふうに思います。

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) 時間が参りましたので、おまとめください。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 はい。  ありがとうございました。  時間が参りましたのでこの辺にしたいと思いますけれども、今の、施設への投資等なんかは、私、JAグループさんの役割、出番というところもあるのかなって気がするんですよね。施設整備なんかはその辺お手伝いをして、そこでやっていただく人を、何というんだろう、募って経営を続けていくとか、山形でもそういった事例もあるんですけれども、是非そういったいろんな、それぞれの持ち場持ち場の役割分担の中で、まさに夢と希望が持てる、そんな農業になるように私たち農林水産委員会のメンバーも知恵を出していきたいと思います。  ありがとうございました。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  今日は、四人の公述人の皆さんの貴重な御意見、本当にありがとうございます。  それで、私も、先ほど来、水田活用交付金のことが議論にされているんですけれども、これ、私北海道出身なんですけれども、もう随分あちこち回って、何か私がお叱りを受けるというふうな、何でこんな大変なことをやるのだという声も随分聞かされてきました。  それで、先ほど来出ていましたけれども、岩手県のその農協さんからも、それから県議会からも国に対しての意見が上がっていたと思うんで、ちょっとこれ四人の方にそれぞれ短くですけれども答えていただきたいんですけれども、それについての御意見と、それから、今度の改正案の第二十九条に書かれているんですけれども、農地の区画の拡大、水田の汎用化及び畑地化ということで、これが明記されているわけなんですね。それで、その前の文章のところを読みますと、地域の特性、環境との調和、先端技術を活用した生産方式との適合というふうに書いてあるんですけれども、日本という国は、言ってみればアジア・モンスーン地帯ということで、気候的にもそうですけれども、非常にいろいろ変化があるわけなんですけど、そういう地帯で固定的に畑地化ということを進めることが果たしてこの地域の実情に合っているのかどうかというふうに思っているんですけれども、この辺りのところ、ちょっと一言ずつ御意見をお願いしたいと思います。照井さんから順番にお願いします。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 第二十九条のところなんですけれども、非常に私はここは意味のあるものだなというふうに思っております。  その地域の特性に応じてということで、やはり農地ってその地域によって条件が違うものですから、特にその中山間地ですね、本当は全部が全部その基盤整備になればいいんですけれども、なかなかそういうわけにはいかないでしょうから、じゃ、その中山間地は中山間地でどうやっていくか、そういったところを私たちは畑地化をして耕作をしているといったところです。まあそういったところです。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 水田活用の必要性についてはそのとおり必要であるというふうに考えておりますし、五年水張りの問題についてはできればない方がいいということはあるんですが、ただ、現実問題としては、水田を水田として使っていないということは、そういう指摘は受け入れざるを得ないかなというふうに思っております。ですので、それに代わる対策を構築していく必要があるだろうというふうに思っております。  あとは、その畑地化については、本当に適する場所、私も家で百姓をやっているんですが、田んぼを無理やりに畑地にしても粘土質で全く使えないというようなところも多数ございます。ですので、適地での対策、水田として使うのが一番効率がいい場所は水田として使う。ただ、それを主食用米を作るのかどうかは別として、ホールクロップサイレージだとかそういうところも加味しながら取り組んでいきたいというふうに思っております。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 私も、この畑地化については、やはり場所、やはりその位置するところという部分が非常に重要になってくると思いますし、また転作するにしても、やはり中期的な形で、そこの単体の部分でどうこうというよりも、やはりそういった計画の中でやられた方がよろしいかと思いますし、やはり一度やってしまうと元に戻すこともなかなか難しくなってくる。ですから、やはりそのようなところを加味した中で計画をし実施をするというような流れがよろしいかと思います。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) まず、水田の汎用化とか畑地化については、私、実際自分が農業をやっているわけではないので農業者の感覚がきちんと身に付いていないかもしれませんけれども、結論的にはやっぱりケース・バイ・ケースだと思うのと、あと、汎用化がいいところもあれば、もう畑地にした方がいいところも恐らくあるんだろうというように思います。  問題は、先ほど横沢議員や舟山議員の方からもありましたけれども、市場価格プラスの畑作物の直接支払交付金、これだけではやはり採算が取れないと。これに水田利活用の交付金が入って初めて採算が取れると。そういうところは、都府県の田作、北海道の田作もそうだと思いますけれども、そこがやっぱり大きいのかなと。  先ほど照井公述人の方から、水田利活用はやめて、ただ上に畑作物の直接支払交付金を増やすという御提案がありました。これは一つあるのかなと。ただ、その場合は、きちんと全部の作物が採算取れるような、そういった水準に引き上げることが必要だろうというように思います。そこを曖昧にしたまま畑地促進をやってもなかなか進まないと思いますし、はっきり言えば、畑地促進も今のままだと手切れ金で終わってしまうだろうというように思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ありがとうございました。私も、適地にちゃんと作れるということがやっぱり大事だし、それから、やっぱりどれを作っても成り立つようにしなきゃいけないんじゃないかということは思っております。  それから次に、実は、高橋公述人にお聞きしたいんですけれども、私、二〇〇六年だか二〇〇七年に岩手に、ちょうどあの品目横断的経営安定対策が導入されたときなんですけど、調査に来たときに花巻に入りまして、そのときに、要件として、対策の対象となる要件、規模要件というのがあって、認定農業者は北海道だと十ヘクタール、都府県で四ヘクタール、集落営農なら二十ヘクタールという区切りがあって、当時、花巻では二十ヘクタールの集落営農つくるために大変な努力されていたんですよね。何回も地域で話し合って、なかなかまとまらないという中で、本当にリーダーの人苦労されて、そういう努力をされていたんですけれども、それからもう既に十五年ぐらいたっているんですけど、その後、うまくいけばいいなと思っていたわけなんですけど、どうなっているのかなというのが気になっていたのと、もし困難に直面しているんだとしたら、さっき担い手の話がされていましたけれども、どういった対策が必要だと思われるのか、お話しいただきたいと思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 大変ありがとうございます。  そのとおり、花巻のみならず、多分岩手だけじゃなくて日本全国苦労されていたと思いますが、集落営農を何とかかんとかつくり上げた。ただ、ここで、言うとなんちゃって集落営農も実はでき上がりました。枝番を付けて、集落営農に見えるけれども個人でやっているというようなのも、実際、制度に乗るためにつくったというところも正直ございました。そういうところに関しては、その後法人化というのが出てきたときに非常に苦労をした、したというか、しているという状況でございます。  ただ、先ほど統計にもあったとおり、大型化が進んでいる、大型経営体が増えているというのは、そのときの努力が実って経営体としては何とかやってきている。何とかやってはきているんですが、先ほどもちょっとお話ししたとおり、後継者がいないというような問題があったり、あと、私どもにも責任の一端はあるんですが、米価の下落というような問題があったりして集落営農組織が維持できないという問題が浮上してございます。そういうところは隣近所のところと広域で合併したりというような取組をしておりますし、解消したというところもゼロではございませんが、数少ない状況ではございます。何とかかんとか今のところは維持しているという状況です。  ただ、今の問題点は、先ほどもちょっとお話ししたとおり、その集落営農組織はもうこれ以上農地を受けられないという状況になっておりまして、ところが高齢で個人でやられていた方がどんどん栽培できなくなっている、そこが耕作放棄地化する、それをどのようにやっていくか。ですから、中小規模でその地域で受け入れられる方、半農半Xというような格好でやられている方々でその地域をいかに守っていけるか、それらに対する支援というのが必要なんだろうというふうに考えております。  済みません、ちょっと長くなりました。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ありがとうございます。  北海道も、北海道って主業の農家がほとんどというか、だから、いつも要求としてはそこに力を入れてくれよと言われるんですけど、ただ、最近ちょっと変わってきているんですよね。それで、やっぱり今言われた中小の、片方で仕事を持っていたとしても、そうやって農地を続けてやっていこうという人たち、半農半Xという話もあるんですけど、そういう人たちもやっぱり必要だというか。地域を担っていく、支えていく人たちというそういう目で、やっぱりそこに対する対応策もちゃんと充実させる必要があるということに言われていますし、私もそう思っています。  それから、最後になりますけれども、今どこに行っても農業で生活できないよという声が出ています。それで、現在の農業の課題、生産者の所得を確保するということが特に大事なんですけれども、必ずこの間、参考人の方に聞いてきたんですけど、日本生活協同組合連合会が基本法の見直しに関する意見書の中で、やっぱり財政支出に基づく生産者の直接支払、これを求めておられまして、これについての御意見をまた四者の方それぞれお願いします。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 直接支払についてですけれども、私は賛成ですが、ただし、以前、戸別所得補償出したときあったじゃないですか。あのとき土地改良予算が減ったんですね。そのことによって基盤整備が進まなくなったと。なので、私はこれ両方同時に進めてくれるんであれば非常にいいと思うんですけれども、何かの予算を削ってということであればどうなのかなというふうに思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 私も、戸別の補償というのは必要なことだろうかと思います。  ただ、モラルハザードというところもありますので、いわゆる俗に言う収支が合わないとき、何か事態があったときのセーフティーネットという位置付けでの対策ということが必要だというふうに考えております。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 私は賛成です。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) 私も賛成です。  ただ、ただといいますか、例えば消費税の引上げのときに、増税分を価格に転嫁できなくて中小企業の方が苦しんでというのをいろんな新聞記事で拝読していました。ですので、今回、例えば価格転嫁ということになれば、恐らく似たような状況が出てくるだろうと。確実に食料安全保障の確保のために国内生産を増大させると本気で思うならば、きちんと生産者の所得を確保するためのそういった財政支出、それに基づく制度の確立が必要だろうというように思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ありがとうございました。  貴重な御意見、是非今後に生かしていきたいと思います。どうもありがとうございました。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 公述人の皆様、本日はありがとうございます。  私自身は、無所属の立場で、また農業県秋田県選出の者として、これから秋田県の主要産業であるこの農業をこれから本当にどうしていったらいいのかということ、そして、そのために基本法改正はどのようにあるべきかということを考えながら、皆様に、お一人お一人の方に質問させていただきたいというふうに思います。  まず、照井公述人にお伺いをいたします。  頼まれたら断らないということを先代の頃から心掛けてこられたということで、本当に、今はその農地の交換も含めて、とにかく移動が少なくなって効率化ということを念頭に様々整理をされているということ、この地域を守るための御努力に心から感謝を申し上げたいと思います。  私も、県内の地元の農家の方からお伺いをしておりますと、引き受けてあげたいけれども、今、自分が持てるもので最大限今引き受けてしまっているので、これ以上引き受けるのであれば機械ももう一つ必要だし、それを買えばまた小屋の建て増しも必要だしと、今ある機械の更新も必要な中で、とてもこれ以上引き受けられないんだということもお伺いをしております。  そこの様々な御苦労を超え、リスクを取られて照井様のところはこの約九百四十ヘクタールという今があるのだろうということで、そこのことにも頭が下がる思いでおります。  そこで、一点お伺いをしたいと思います。  過去に引き受けられた条件不利地、中山間地のところもあるとは思うんですけれども、それを今はどのように利用、管理をされているのかということ。中山間地等の利用、耕作放棄地広がっておりますけれども、ここが荒れてしまえば鳥獣被害やまた害虫の被害なども出やすくなるというふうに思うんですけれども、ここはどのように、どこが主体となって今後管理されることが望ましいというふうにお考えになられるでしょうか。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) 条件不利地をどう管理していくかというところなんですけれども、基本的には、まあこれ当社の場合ですけれども、当社は全て自分たちで管理をしております。  依頼があった時点で、例えば、耕作放棄されていた農地で、もう木も生い茂っていたり、草もぼうぼうというようなところもあったんですね。そういったところについては、小作料、地代ですね、そこを例えば何年間は無償にしてくださいよと、要するに、その復元に掛かる費用ですね、重機を持ってきて木を抜いたりとか草刈りをしたりとか、そういった費用が掛かりますので、その分を見てくださいというお願いをしながらやっています。そうすることによって復元しますので、もう一回復元してしまうと後は毎年毎年もちろん耕作しますので荒れることはないということになります。  あとは、水の便が悪いところなのに排水性も悪いというところがよくあるんですよ。そういうところは暗渠工事をして排水対策をして畑作をすると、そういった取組を行っています。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  今、照井様のところは規模が大きいので、そこも含めて面倒を見られるというところがあるんだと思いますけれども、それがまだ照井さんのところではない場合には、これからはそういうところはどなたがどういう形で管理をするのがいいというふうにお考えになられるでしょうか。

照井勝也株式会社西部開発農産代表取締役社長

○公述人(照井勝也君) そうですね、非常に難しい質問なんですけれども、なぜ私たちがこういうことをできるかというのは、やはり規模が大きいから、規模が大きいというのは従業員が、規模が大きいということは従業員もそれだけいると、それで、その従業員が多いということはいろいろなノウハウを持った人間が集まっているということで、そういったところが非常にうちの強みなのかなというふうに思っています。  ですので、今後、法人協会もそうですけれども、先ほど私、個人農家を否定するわけではないという話はさせていただきました。個人農家でも、本当にやる気のあって、面積、規模拡大していって将来的には法人化したいという、そういう若い人もたくさんいるんですよ。ですので、今後、そういった若い人たち、やる気のある、意欲のある人たちをどんどん、そういった人たちがそういう組織をつくれるような政策だったり仕組みがあればいいんじゃないかなというふうに思います。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  次に、高橋公述人にお伺いをしたいと思います。  岩手県の農業の維持発展に御尽力をいただいておりますことに感謝を申し上げて、二点お伺いをしたいと思いますけれども、お答えをいただける範囲でというふうに思います。  様々な規模の農家が大事というふうにおっしゃっていたかと思いますけれども、委員会で議論をしておりますと、規模に関係なく家族農家も含めて支援をしているというふうにいつも政府からは返ってきて、ただ、地元に帰ると、県議や市議の方からなども含めて、やっぱり規模の問題で支援が受けられないというふうに言われて、ちょっと混乱をしてしまうところがあるんですね。  この両者の間に立っていらっしゃるというか、JAの皆さんにそこをつないでいただいているというふうにも思いますけれども、どうしてそこの両者の認識が異なってくるのか、小規模家族農業が受けられない支援、補助の具体的なものなどがあれば教えていただければというふうに思います。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) 具体的なものということになるといろいろありますが、発言できない、知らないところもありますけれども、一個は、小規模の方々に支援するとき、グループ化しろというのは大体条件になります。何名かでつくって対策を受けなさい、若しくは、まあこれはうちの方が言うべきことじゃないですけど、どこかの農協組織に入っていないと駄目ですよだとか、そういうのがあるので、そういう部分を取り除き個々に支援するというのは、制度としてはなかなかつくりづらい。でも、現場は求めているのは、中小の農家は私に支援してちょうだいというのを求めているので、ギャップがあるんだと思います。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  もう一点お伺いをしたいんですけれども、これも秋田県の県南の農家さんからお伺いをしたんですけれども、今やっぱりこの集落の農地が、やっぱりそれぞれ皆さんもう土地を手放すというか、それぞれ任せられて外部の方が入ってきて、ここの田んぼはどこの人がというふうに外部の方の管理になっていると。それがばらばらになっていて、かつてはこの水の管理、特に今、田植の時期ですけれども、代かきの時期に荒かきをして、それから今度、本格的な代かき、二度目の代かきをして植えようというときに、以前はその地域の人たちだけでやっていたので、あそこが今荒かきしているからうちの方はちょっと待とうといって、水の管理、あうんの呼吸でできたと。ただ、今、二度目の代かきを行こうと思ってやってみると自分の田んぼがからからになっていたりすると、上の方でもう水が引かれてしまってという問題が起きて、そこがなかなか難しくなってきているというふうに言われました。  こういう問題起こらないようにするには、どこでどなたが音頭を取って管理をするのが一番いいというふうにお考えになるでしょうか。

高橋司全国農業協同組合連合会岩手県本部県本部長

○公述人(高橋司君) なかなか難しい。外部の人を全く受けないとそこは耕作放棄地になってしまいます。ですので、受けなきゃならない。なので、一義的には農地バンクでうまく集積をしていくというのが教科書どおりの答えなんだと思います。  ただ、現実問題は難しいので、難しいというか、そうは一朝一夕にはいかないので、その入った方々を地域行事にいかに取り込めるかだと思います。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。私にお話しくださった方も県議の方で、自身でも農地を持たれているということで、県議さんがそういうふうに言われていると本当にどなたが音頭を取ったらいいのかなというふうに思っていたところなので、大変有り難く思いました。ありがとうございます。  次に、畠山公述人にお伺いをしたいと思います。  農家の手取りを上げるための工夫と努力ということ、言葉の一つ一つにうなずきながら聞かせていただきました。特に、資材が倍になる中、足し算、掛け算で価格転嫁などできないんだと、消費者に買ってもらわなきゃいけないからと、作り続けるためには継続して買ってもらわなきゃいけないんだというところには、本当にそうだなというふうに思いました。  今日も大きなテーマになっております合理的な価格形成のところですけれども、産直が付加価値なんだという言葉にも本当に心から賛同しながらですけれども、この付加価値を、価格の違いを消費者に理解してもらうために国ができることについて御助言をいただければというふうに思います。

畠山武志賢治の土株式会社代表取締役

○公述人(畠山武志君) 基本的に、産直の野菜は生産者が決定をいたします。先ほどもお話ししたんですが、この資材高騰、それらの反映がなかなかできにくい。  ですから、県本部長が先ほど、非常にその支援の仕方という部分ではというお話あったんですけれども、例えば、当方ではJAさんの方で部会の組織つくっております、もし対象をそこという見立てをするのであれば。そうするとやはりJAさんの方で、産直に出している方、それから通常の出荷をしている方、そこの集約ができていると思います。なので、そこの部分で限定をすれば、例えば資材の方の補助であったり、そういった部分はできるのではないかなと。  今必要なのは、あの人たちは自分たちの最低賃金をそこに付加しているという話ではなくて、余りにも資材が高くて、そして、それをどのように反映するもなかなかお客様がぎりぎりでも買っていただける価格に落ち着かないということですので、是非そういった形があればまたいいのかなというふうに思います。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。合理的な価格形成、適正な価格形成に資するために、私自身も努力をしてまいりたいというふうに思います。  次に、横山公述人にお伺いをしたいというふうに思います。  農業のこと、常にやっぱり現場が現場がというふうに思ってしまいますけれども、この法律の改正ということに当たっては、本当にこの一つの法律案の中に矛盾があるなどという御指摘については、本当にアカデミアからの御指摘として大変有り難いことだというふうに思いながら聞かせていただきました。  レジュメの中にもあります家族経営が採算が取れるような価格・所得補填の実施、このような経済的条件が存在してこそ大規模経営の発展も見込めるというところをもう少し具体的に教えていただければというふうに思います。

横山英信岩手大学人文社会科学部教授

○公述人(横山英信君) まず前提として、今回の基本法改定は、やっぱり食料安全保障の確保。様々な、私に言わせると余計な併せてとかですね、そういった文言はありますけれども、国内の農業生産の増大を図ることを基本としと。だから、この国内の農業生産の増大を図るためにはどうするかということが一番の基本に位置付くべきだろうと。  この間、農地中間管理機構による農地利用集積も二〇二三年までに八〇%というのが目標として掲げられていたと思いますけれども、先ほど照井公述人からありましたように、五八・九%というのが公式の数字ということです。であるがゆえに、農業経営基盤強化促進法の改正においても農地中間管理事業推進法の改正においても、昔のように農地中間管理機構に白紙委任をして、農地中間管理機構が一番効率的に行えるところに貸し付けるんだということはやめて、地域できちんと地図を作って担い手を確保していきましょうということになったと思うんです。そうであるならば、やはり地域で実際に農業経営をやっていらっしゃる方々、その所得をきちんと保障することこそが食料安全保障の確保の一番の基礎になるのではないだろうかというように思います。  さらに、効率的にやっていらっしゃるところならば、もっと家族経営以上にきちんと余裕も出るでしょうから、そういった段階でそういった大型農業経営の方々も更に農地を拡大していくこともできるだろうという、そういった考えを私は持っているということです。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございました。  農業県秋田ですけれども、この農業県から選出いただいている者の一人として、皆様から今日賜った御意見を生かしながら、基本法改正の議論にこれからも参加をしていきたいというふうに思います。  どうもありがとうございました。

滝波宏文自由民主党

○団長(滝波宏文君) 以上をもちまして公述人に対する質疑は終了いたしました。  公述人の皆様に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表し、厚く御礼申し上げます。  また、本地方公聴会のために種々御尽力を賜りました関係者の皆様に、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。  これにて参議院農林水産委員会盛岡地方公聴会を閉会いたします。    〔午後一時三分閉会〕

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