農林水産委員会 第10号
- 発言数
- 348 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/05/16
会議録
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、金子道仁君が委員を辞任され、その補欠として松野明美君が選任されました。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣人事局人事政策統括官阪本克彦君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮崎雅夫君 おはようございます。自由民主党の宮崎雅夫でございます。質問の機会をありがとうございます。 基本法の質疑に入る前に、まず能登半島地震についてお伺いをしたいと思います。 改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈りを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。また、復旧復興に尽力をいただいている皆様、全ての皆様方に敬意を表したいと思います。 三月の予算委員会で坂本大臣、総理にも質問をさせていただきましたけれども、被災地ではもう田植がもちろん始まっているわけであります。まず、現在の営農再開の状況と現状を踏まえた今後の対応についてお伺いをしたいと思います。
○副大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。 奥能登四市町村のまず稲作につきましては、五月以降、既に田植が始まっているところでありまして、現時点では、令和五年の水稲作付面積、全体で約二千八百ヘクタールのうち、その六割に当たる約千六百ヘクタールで水稲の作付け再開を見込んでおります。 石川県内におきましては、一般的に田植は五月上旬でありますけれども、六月上旬までその時期を遅らせることも可能と伺っております。六月上旬に田植を行う場合は、まだ育苗の調整を行うことができるため、それまでに可能な限り農地の復旧を推進をして、より多くの面積で水稲の作付けが再開できるように現地と連携をしてまいります。 その上で、どうしても水稲の作付けを断念をせざるを得ない場合においては、被災者の生活と生業支援のためのパッケージに基づきまして、麦、大豆等の他作物を作付けする際の種子等の購入支援や水田活用の直接支払交付金の活用といった支援を講じてまいります。 さらには、まだ農地に行くための道がなかなか開通をしていなかったり、若しくは集落ごと皆さんで避難をされていたり、なかなか現状として農地で農作業をするということが難しいという場合においては、農業法人等が被災農業者を一時的に雇用していただいて農作業に従事をしていただきます。その場合の支援等を実施をすることとしており、各種支援を重層的に講じてまいります。 これらの支援策がしっかりと被災者の農業者の皆様に御活用いただけるように、現地において、県、JA、農林水産省の職員が常駐をいたしました相談窓口を今現在五か所設置をしておりまして、農業者の個別の相談を受けつつ、事業申請手続の伴走支援を行っているところであります。
○宮崎雅夫君 鈴木副大臣から現状と今後の対応についてもお話しいただいたわけでありますけれども、やはり何も植えられないというのは、一作空いてしまうのは非常に次の再開に向けてまた難しくなる部分もあると思いますので、六月まで水稲の栽培もというお話でしたし、どうしても駄目な場合は大豆、麦というようなお話もございました。是非、全力で引き続き取り組んでいただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 次の質問に移りたいと思いますけれども、同じく能登半島地震の関係でありますけれども、坂本大臣に予算委員会で土地改良の関係についての、改良復旧についての取組も予算委員会でお伺いをしたわけでありますけれども、熊本地震の例もお話をいただきまして、被災状況に応じて改良復旧にも取り組んでいきたいという旨をお答えをいただいたわけでありますけれども、能登半島の被災地にお伺いをして被災状況を見せていただいたり、担い手の皆さんとも意見交換をさせていただきましたけれども、担い手の皆さん方からは、地震の発災後、例年以上に農地を任せたいと、やってほしいというお話が来ているということでございました。 先ほどの鈴木副大臣の最後のお答えでも、農業法人が雇入れをするというようなお話もございましたけれども、それで、農地、水路、パイプライン、そういうハード面での施設の復旧はもちろんやっていただきたいわけでありますけれども、収穫した後、乾燥機、そういった機械なんかについても、担い手の方からすると、これからやってくれと言われていると。生産拡大をやっぱりしていかないといけないという状況であれば、現状の能力以上のものをやっぱり導入をしたいというお話を幾つもお伺いをしたわけであります。 これも、言わば改良復旧の取組の一つだと思いますけれども、このような場合についてはどういう対応が可能なのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 被災した農業用機械や農業施設の再建、修繕等を支援する農地利用効率化等支援交付金の被災農業者支援タイプでございますけれども、被災前の状態への復旧を支援する事業ということになります。ただ、被災前の状態への復旧のための費用との差額を自己負担していただければ、機能向上した農業用機械等を導入することも可能となっております。 また、個々の経営体で被災した農業用機械等を個別に復旧するのではなく、担い手を中心として被災農家が集まり、地域の共同活動により農業を継続しようとする場合、個々の被災農業用機械の復旧に要する費用を上限に機能向上した農業機械を導入することも可能となっております。 こうしたことについて、被災された農業者の皆さんに引き続き周知をするとともに、個別具体的な要望をきちんと踏まえながら、営農再開を支援してまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 局長からお話しいただきましたけど、現在でも取り組める部分はあるわけでありますので、相談窓口のお話もございましたので、是非相談にしっかり乗っていただきたいと思いますし、今の能力を超える部分と、それは復旧ででき得ると、その超える部分についてハードルが幾つかあると思いますけれども、そのハードルなくても、既存の事業とのある意味アロケ的な考え方でもってやっていけるようなことも今後是非検討していただきたいというふうに思います。 それでは、基本法の改正の関係について質問していきたいと思います。 御案内のとおり、制定以来、二十五年ぶりの改正ということで、生産者の皆さん方を始め農業関係者の皆さん、改正後、国はどういう農政を目指すんだろうと、大変もちろん興味を持っていただいているわけでありますし、特に、これから我が国の農業を担っていただく若い農業者の皆さん、そのまた次の皆さん方が夢と希望を持って取り組んでいただけるような環境をつくっていかないといけないということであります。 また、価格については、この委員会でもこれまでも大分議論があったわけであります。この合理的な価格の形成もそうでありますし、環境と調和の取れた持続的な農業、これを進めるにしても、やはり消費者の皆さんの理解は不可欠であります。消費者の役割についても、改正案でも大分追加をされているところであります。 そこで、坂本大臣から、この生産者、特に若い生産者の皆さんでありますとか消費者の皆さんに、期待も込めてということになると思いますけれども、大臣から是非メッセージをお願いしたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 今後、農業者が急減する、急激に減少することが避けられません。そういう中で、将来にわたりまして持続的に食料が供給されるようにするためには、収益性の高い農業経営の実現を図ることが重要であるというふうに考えております。 そのため、改正案の基本理念に、農業の生産性の向上と付加価値の向上を図ることで農業の持続的な発展を図る旨を位置付けております。 これを踏まえまして、農業者の方々には、需要に応じた生産に取り組んでいただきながら、農業経営管理能力の向上、それから農産物のブランド化による付加価値向上や輸出による販路拡大、そしてスマート技術やサービス事業体の活用等による生産性の向上等に積極的に取り組んでいただくということを期待しております。 そして、持続的な食料供給を可能にするためには、最終的には、委員おっしゃいますように、消費者の購買活動によって支えられることが必要であります。そのため、改正案におきまして、この十四条の中で、消費者の役割といたしまして、食料の持続的な供給に資する物の選択に努めることを位置付けております。 これを踏まえまして、消費者の皆さん方には、食品ロスの削減や環境負荷低減に係るコストを考慮して食料を選択していただくというふうなことをお願いするところでございます。持続的な食料供給のために必要となる合理的な価格についても理解を深めていただきたいというふうに思っております。 こういった行動を今後、消費者の皆さん方にも期待しているところであります。
○宮崎雅夫君 大臣からメッセージもいただいたわけでありますけれども、是非、この基本法の改正というのは非常に大きな機会でもありますので、是非、それぞれの関係の皆さんですね、ほかにも関係の皆さんたくさんいらっしゃるわけでありますけれども、今回の改正について改めて日本の農政を、農業、農村を考える機会にしていただければと思いますし、大臣始め皆様方にもいろんな形でメッセージを是非発信をしていただければなと思います。 次に、今回の基本法改正案の第二十九条、農業生産の基盤の整備及び保全と、地域の農業、農村を支える縁の下の力持ちと言える土地改良について焦点を当ててお伺いをしたいと思います。 まず、施設の老朽化が進行いたしまして、ストックマネジメントを今後も更に進めていく必要がある中で、防災・減災の視点も含めて、今回の改正で、整備、これに加えて保全を明示的に追加して位置付けることは大変重要なことだと思っております。 予算委員会においても総理から、ハードそれからソフトの対策を進めていくというふうにお答えもいただいたわけでありますけれども、ハードについては、基幹的な施設が先ほど申し上げましたように老朽化が相当進んできている状況では、長寿命化の取組はもちろんでありますけれども、機能診断によって更新が必要な基幹的施設は計画的に更新整備ができる仕組みを国としてもしっかりと整えていく必要があるというふうに思います。突発事故に対する仕組みはあるわけでありますけれども、事故が起きる前に対応することがもちろん基本であるわけであります。 また、火曜日の参考人質疑で東大の中嶋先生から投資の減少について、これ土地改良についても関わる部分でありますけれども、基幹施設については公共インフラの側面もあるわけでありますから、更新整備をやはり計画的に進めていかないといけないというふうに思うわけであります。 基幹的施設の計画的な更新についてどのように進めていくのか、農水省のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 食料生産の基盤である基幹的な農業水利施設は、その過半が標準耐用年数を経過している、超過しているとともに、近年、突発事故が増加している状況にあることから、これらの機能を適切に保全していくことは食料安全保障上も大変重要だと認識しております。 このため、施設の補修や更新を計画的に実施していくことはもちろんのこと、施設の集約、再編によるストックの適正化、省エネ化や再エネ利用、ICT等新技術の導入等を推進してまいります。 あわせて、計画的な施設の更新を進めやすくするための仕組みなどについて、関係者の御意見も幅広く伺いながら、土地改良法の来年の通常国会への改正案の提出を視野に検討を進めてまいります。 今後とも、必要な予算の確保に努めるとともに、事業開始手続などの制度の見直しを行って、施設の補修、更新を計画的に推進してまいります。
○宮崎雅夫君 今局長から、来年の土地改良法の改正も視野にというお話もありました。それに至るまでに、関係者の皆さん、いろんなやはり課題を抱えておられるわけでありますので、今御答弁いただいた方向の中でもしっかりと関係の皆さん方の御意見を聞いていっていただいて、議論を深めていただければと思いますし、私も私の考えを述べさせていただきたいというふうに思っております。 それから、ソフトでありますけれども、土地改良施設の保全ということには日頃からの適切な維持管理がもちろん必要なわけであります。この保全の中には維持管理の概念が含まれていると私は理解をしておりますけれども、そういうような理解でよいか、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 近年、農業水利施設の老朽化が進み、突発事故の発生が増加していることに加え、農村人口の減少、高齢化により、施設の点検操作や、草刈り、泥上げ等の共同活動が困難となる地域も増加しております。こうした状況下においても生産活動が維持されるよう、農業水利施設等の保全も適切に図っていく必要があります。 このため、農業生産の基盤の保全に必要な施策を講ずることを基本法改正案第二十九条に明記したところであります。この保全とは、農業的利用が可能となるよう農業水利施設等の農業生産基盤の機能を保つことであり、委員御指摘のとおり、施設の点検や修繕、運用に係る行為である維持管理が含まれております。
○宮崎雅夫君 維持管理も保全の中には含まれているというお話であったわけでありますけれども、維持管理について最近の身近なちょっと課題として二つ取り上げたいと思います。 一つ目は、最近の電気料金の高騰ということであります。これまで政府でも取組をしていただいておりまして、経産省の方では高圧、低圧の支援とやっていただいていたわけでありますけれども、今月五月は支援幅は削減されて実施をされているわけでありますけれども、基本的に四月までだったということであります。農水省も支援をしていただいたわけでありますけれども、四月までということになっておりました。 水田では、能登半島ももちろんそうでありますけれども、五月に田植を行うところも多くて、一番水が必要な時期ということであります、まあこれからかんがい期間が続くわけでありますけれども。維持管理に係る費用も、これコストになるわけでありますけれども、農産物価格になかなか転嫁できないという中で、土地改良区も容易に賦課金を上げると、そういう状況には御承知のとおりないわけでありまして、大変厳しい状況が続いているわけであります。 予算委員会でも、農水省の対策の継続を含めて、五月からの対策について要望させていただいたわけでありますけれども、土地改良施設の電気料金高騰への支援についてどういうふうになっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 農業水利施設の電気料金高騰対策につきましては、令和四年度からの電気料金高騰を受けて、省エネルギー化に取り組む施設管理者に対しまして高騰分の一部を補助する措置を講じてきております。この措置につきましては、エネルギー価格がウクライナ侵攻前の水準まで低下してきたこと等を踏まえ、終了することとしておりますが、本年の営農に支障がないよう配慮し、電力消費のピークを過ぎる本年九月末まで実施することとしております。このことにつきましては、引き続き土地改良区などの現場の皆様への周知を図ってまいります。 また、維持管理費の低減を図るためには、エネルギー価格高騰の影響を受けにくい農業水利施設、農業水利システムへの転換を促す必要があり、ポンプの高効率化や施設の統廃合等によります省エネルギー化の取組を引き続き進めてまいります。
○宮崎雅夫君 周知をしっかりやっていただくというようなこと、それから、局長からも最後にお話ありましたけれども、やはり省エネの取組はもう間違いなく重要であります。しっかりと取り組んでいただきたいと思いますし、まず、延長をしていただいたと、御尽力に感謝を申し上げたいと思います。 これまで、農水省の支援と併せて、内閣府からの交付金で地方公共団体が独自にやっていただいているというのをうまく組み合わせていただいて対策を取られていたということもございますので、今年もその交付金、額は大分減っておりますけれども活用は可能だと思いますので、そちらの方の周知も是非よろしくお願いしたいと思います。 二つ目に移りたいと思いますけれども、特定外来生物に指定をされて、地球上最悪の侵略植物と言われておりますナガエツルノゲイトウであります。 先生方のお手元にも資料をちょっとお配りをいただいておりますけれども、これについては、生態系でありますとか農業への悪影響、これもあるわけでありますけれども、繁殖力が非常に強くて、水陸どちらでも生息ができると。土地改良施設の維持管理、特に駆除と処理に、これ労力はもちろんなんですけれども、費用も相当掛かるということで、ナガエツルノゲイトウが繁殖をしております土地改良区さんはもう本当に苦労をしているということであります。 私も、兵庫県のため池でありますとか千葉県の水路の状況を見せていただいたり、去年の夏はその駆除もお手伝いをさせていただきまして、非常に大変でした。少なからずそれを実感したわけでありますけれども、このナガエツルノゲイトウの分布状況について環境省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。 御指摘のナガエツルノゲイトウにつきましては、我が国で観賞用に導入されたものが野外に移出して分布域を広げていったと考えられておりまして、現在関東から沖縄まで二十五都府県に定着をしております。 ナガエツルノゲイトウにつきましては、水生植物でありまして、御指摘ありましたとおり、繁殖して水面を覆い尽くすということによって元々いる生物の生息、生育に悪影響を及ぼすということや、船の航行を阻害すると、あるいは農地で繁茂した場合には農作物への被害も引き起こしているという状況でございます。 こうしたことを受けて、環境省では、外来生物法に基づく特定外来生物に指定をして、農林水産省や地方公共団体等と連携をして防除を進めているところでございます。
○宮崎雅夫君 このお配りした地図にもあるとおり、今二十五都府県と、関東以西というお話でありましたけど、相当分布をしているわけであります。 これまで、今の分布状況のお答えの後段の部分でもこれまでの取組についても触れていただいたわけでありますけれども、このナガエツルノゲイトウの対策、それから、これはやっぱり処理について相当費用も掛かるわけでありますので、この支援などについて、それぞれ環境省、農水省、どういう取組を行ってきたのか、今後どう考えているのかについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(堀上勝君) まず、環境省におきましては、特定外来生物による希少な動植物、生態系への被害の防止を目的として、特定外来生物防除等対策事業交付金によって、地方公共団体による防除事業を支援しております。この交付金でございますけれども、これにつきましては、農業被害への対処を直接の目的とした支援措置ということでありませんけれども、例えば、ため池や用水路における希少な生物の保全に資するというような場合の防除につきましては支援対象としてございます。 また、ナガエツルノゲイトウの防除手法について、環境省と農水省で共同で駆除マニュアルを作成して両省のウェブサイトで紹介をするということや、農林水産省主催のセミナーにおいて土地改良区等の民間団体を含む関係者に対してこの交付金制度について説明を行っております。 農水省等の関係省庁と連携しながら、この交付金制度の周知、地方公共団体への支援を進め、対応してまいりたいと考えてございます。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 農林水産省の方でございますが、今環境省の方からも御答弁ありましたけれども、環境省や農研機構等と連携いたしまして、農業水利施設を管理する方々が活用できます駆除マニュアルを作成するとともに、地方自治体や土地改良区等の担当者を主な対象とした全国会議やセミナーを開催するなど、駆除方法、蔓延防止対策等の普及啓発を行っているところであります。 引き続き、関係省庁や関係機関と連携しながら、ナガエツルノゲイトウの駆除方法等の検討、周知に努めるとともに、今後とも土地改良区等の管理実態の把握に努め、どのような支援が必要であるか検討してまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 是非両省で、これまでも連携を取っていただいているわけでありますけれども、更に連携を取っていただきたいというふうに思います。 交付金もお話しいただきましたけれども、余り交付金のお話、私が行ったところでは余り聞いていないのが実態でありますので、それと、環境省の方から見られて、対応できるものとそうじゃないものの色分けがもしかしてあるかも分からないということであります。まずは、それぞれの部局で改めてこういう交付金があるということも周知をいただいて、長井局長からはここの対応についても検討していただけるということでありますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 電気料金もこのナガエツルノゲイトウも別に改良区が何かやったから悪いということではない、土地改良区のせいでも何でもないと、要は他動的な要因によって、どうしてもやらざるを得ないという、費用が掛かってしまうということであります。 例えば、ナガエツルノゲイトウなんかでは、多面でも取り組めるわけでありますし、やっていただいているんですけれども、その単価じゃなかなかやれないということも事実でありますので、是非対策を、対応を検討いただきたいと思います。 それで、次に行きたいと思いますけれども、今取り上げさせていただいた二つの課題について、特定の何か課題があればそれについて対応していただくということはもちろん重要なんですけれども、冒頭お話を申し上げましたけれども、保全の基本というのはやっぱり日頃の維持管理ということでありますし、施設の長寿命化のこれ取組ということも、その延長線にあるのが多いわけです。しっかりとやっていただかないといけないということです。 それに加えて、用水だけじゃなくて排水なんかでは、農地の排水だけやっているかというとそうではなくて、地域の排水もやっぱり担っているということでもあります。ゲリラ豪雨の多発というようなこともあって、これまで以上にきめ細かい管理を土地改良区さん、やっていかないといけないということになっているわけでありますので、先ほどお話ししましたように、なかなかやっぱり賦課金を今上げれるというのは非常に難しい状況で、苦しんでおられるということであります。 農水省でも、維持管理についての支援の充実をこれまでやってきていただいております。それには感謝を申し上げたいと思いますけれども、土地改良区の皆さん方からは、もう維持管理全般について交付金のようなものを是非出してくれないかと、そんな声まであるわけでありまして、更なる充実の要望ということが大きくなっているわけであります。私も、維持管理についての制度というのは引き続きやはり充実をさせていく必要があるんだろうと思っております。 これらの声について、農水省としてどう考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 農業水利施設等の農業生産基盤は、食料安全保障の確保や農業の持続的発展を図っていく上で極めて重要であるだけでなく、国土保全や健全な水循環の維持形成にも寄与しているところであります。 このため、農業水利施設の維持管理につきましては、国は、国土保全等の公共性、公益性や施設の規模等に応じて、操作、運転や点検、修繕等に要する経費の一部を補助しているところであります。 また、近年におきましては、気候変動を踏まえて、農業水利施設を活用した流域治水対策に係る補助率を引き上げたところであり、また、施設の管理水準を向上させるため、ICTの新技術の活用を支援するなど施策の充実を図っているところであります。 これらの施策につきましては、今後とも必要な予算の確保に努めるとともに、自然的、社会的、経済的諸情勢の変化等を踏まえまして、内容のより一層の充実に努めてまいります。
○宮崎雅夫君 これから来年度の概算要求もありますので、期待をしております。 この維持管理の制度の充実と同時に、やはり施設の維持管理、水管理を行っているのは土地改良区なわけであります。保全の基本である施設の維持管理を担う土地改良区の運営基盤の強化に向けて是非取り組んでいく必要があるわけであります。 改良区自身もこれまで合併も大分進めてきまして、ピークからすればもう三分の一以下になっておりまして、現在、四千百二十六団体ということになるわけでありますけれども、合併じゃなくても複数の土地改良区が事務を統合すると、そういう取組も各地で行われているわけであります。大規模な国営事業をやっているような改良区さんは一握りでありまして、大半が中小の改良区という特徴もあるわけであります。 昨年、政府で決定をされました新たな展開方向、これでは土地改良区の運営基盤の強化についても記述をしていただいているわけでありますけれども、農水省としてどのように強化を進めていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 土地改良区の運営基盤の強化に関しまして、特に小規模な土地改良区では、十分な職員が確保されておらず、経常経費も割高な傾向があることから、委員御指摘のとおり、地域の状況も踏まえながら、引き続き合併等を推進する必要があると考えております。また、規模にかかわらず、土地改良区の活動を支える人材の確保でありますとか安定的な財務基盤の確立等により運営体制の強化を進めていくことが重要であります。 こうした取組を促進するためには、土地改良区のみならず、都道府県土地改良事業団体連合会や都道府県等の関係機関が一丸となって取り組む必要があると考えておりまして、その議論の進め方について関係者の御意見も幅広く伺いながら、土地改良法の来年の通常国会への改正案の提出を視野に検討を進めてまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 是非、これについても、最後にお話がありましたように、今後議論を深めていくということになりますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 保全に関連をして質問をさせていただいたわけでありますけれども、もう一つの柱の整備、これについてもお伺いをしたいと思います。 スマート農業、この推進には圃場の大区画化と、これも必要な整備の一つでありますけれども、まだまだ進んでいませんで、水田面積の一一%ぐらい、全体で二十七万ヘクタールぐらいということでありますし、排水改良についてはまだ実は半分に届いていないという状況であります。 七日の栃木県の現地視察ございましたけれども、私も参加をさせていただきましたけれども、那須塩原市では、スマート農業に取り組んでおられるところ、前回の参考人質疑の最後でも視察の報告があったわけでありますけれども、なかなかやっぱり三反区画では大きな機械生かせないと、大区画にしたいと、そのときにも石の話が出たわけでありますけれども、そういうお話があったり、最後にお伺いをした中山間地では、獣害の被害がないということについて、もうほとんどが整備済みで耕作放棄地がないんだというようなお答えもあったところでありまして、やはり整備の必要性も感じたところであります。 私も全国回らせていただいている中で、農地中間管理機構を活用した大区画化でありますとか集積、集約のための圃場整備事業、要望が多数上がっていると実感をしております。地域計画も今取り組まれているところでございますので、そういうのもあると思いますけれども、今回のやはり基本法の改正の大きなポイントは食料安全保障の確保ということでありますので、そのためには、過度にやはり海外に依存をしております麦、大豆、こういった作物の国内での増産をしっかりやっていくために生産基盤の整備を積極的に行っていく必要があるというふうに思っております。 農地中間管理機構関連の圃場整備事業を含めて、そのための圃場整備事業の制度の充実を検討すべきじゃないかと私は思っておりますけれども、農水省のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 食料の安全保障を確保するためには、農地整備を進めることによりまして麦、大豆等の国内生産の増大を図ることが重要であります。 農地整備事業では、暗渠排水や排水路等の整備によりまして排水条件を改善することが可能であるため、湿害に弱い麦、大豆等の作物の収量や品質を向上することが可能でありまして、田畑の整備率の高い市町村では麦、大豆の作付け率が高いといった傾向がございます。 引き続き、地域が目指す営農を後押しし、食料安全保障を確保するため、地域の意向を踏まえながら、水田の汎用化や畑地化、かんがい施設の整備等をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 今、圃場整備では、所得を上げていきましょうということでハードルが設けられているわけでありますので、また違う意味での食料安全保障の要は土地利用型の作物、今申し上げたように、輸入に相当依存している部分をやっぱり増やしていかないといけないわけでありますので、私が申し上げたいことは局長もよく分かっておられると思いますけれども、そういうことをもっとやっぱり進めていかないと食料安全保障にはつながっていかないと、いかないといけない、いかないので、是非その辺りの制度も検討を引き続きいただければと思います。 ちょっと、大分時間が過ぎてまいりましたので、済みません、ちょっと一問飛ばさせていただきまして、ため池の関係についてお伺いをしたいと思います。 防災・減災についても改正案の中でも入っているわけでありますけれども、農業用のため池について、防災・減災、これの対策については、平成三十一年のため池管理保全法、令和二年のため池工事特措法の制定によって制度面で大分充実が図られてきました。防災・減災、国土強靱化のこれ予算も活用して推進をされているわけであります。 全国では今、防災重点農業用ため池、五万三千か所あります。必要な対策はどの程度これ進んでいるのかということ、また、令和三年の土地改良法の改正によって豪雨対策、これも急施で行われるようにしていただいて、制度の充実も図られてきておりますけれども、今後対策を加速していく必要があると思いますけれども、農水省のお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 防災重点農業用ため池につきましては、令和二年十月に施行されましたため池工事特措法に基づきまして、防災工事等の集中的かつ計画的な実施を推進しているところであります。防災工事につきましては、令和十二年度末までに約八千八百か所で実施することとしておりまして、令和四年度末までに完了したものも含めまして、約三千三百か所で着手済みであります。 また、近年、ため池決壊のほとんどが豪雨によるものであることから、今年度から洪水吐きの改修など豪雨対策の先行整備を可能とし、ため池防災工事の加速化を図ることとしているところでございます。 さらに、緊急時の迅速な避難行動につなげる観点から、ハザードマップ等の作成を進めておりまして、令和四年度末までに防災重点農業用ため池約五万三千か所のうち約四万八千か所で作成済みでございます。 引き続き、こうしたハード、ソフト両面の取組を推進いたしまして、必要な予算やため池の防災・減災対策に資する手引の作成等によります技術支援というのも努めてまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 是非これからも進めていただきたいと思いますし、防災・減災、国土強靱化の取組については、御案内のとおり、来年度までということであります。法律も改正をされて、実施中期計画、これを策定を今後していくということになると思いますので、農水省としても更に取組をしっかりと積極的にやっていただきたいと期待をしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 ちょっとまた一問飛ばさせていただいて、次に行きたいと思いますけれども、今、保全と整備関係についていろいろお話をお伺いしたわけでありますけれども、やはり、これからそういった必要な施策を進めていかないといけないわけでありますけれども、必要な予算、これも確保していかないといけないということであります。 本年度は、当初で四千四百六十三億円、昨年度の補正予算を合わせて六千二百四十億円を確保いただいたと。坂本大臣始め農水省の皆様方には感謝を申し上げたいと思います。これは私だけじゃなくて、全国の土地改良関係者の皆さん方もそう思っておるわけでありますけれども。 来年度以降についても是非引き続き予算の確保については御尽力をいただきたいと思うわけでありますけれども、やはり懸念をしておりますのが、最近のやはり資機材の高騰、人件費、この上昇を踏まえれば、相当増やしていかないと公事業がマイナスになってしまうということ、そういうおそれもあるんじゃないかなと思います。 そこで、来年度以降の予算確保に向けて、大臣の意気込みを是非お伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 世界の食料需給が不安定化をしている中で、食料を安定的に供給していく、そのためには農業生産基盤の強化を図る、そして農業農村整備事業、NN事業を充実させていくことは大変重要であるというふうに考えております。 現在、農業農村整備事業につきましては、地域におけるニーズが高まっている一方、足下では、今委員御指摘のように、資機材を含めて物価高騰による影響があることから事業量の確保が大きな課題というふうになっております。 こうした状況もしっかりと踏まえながら、農業農村整備事業を着実に推進することができるよう、必要な予算の確保に全力を傾けてまいりたいと思っております。
○宮崎雅夫君 大臣から全力で取り組んでいくと大変力強いお答えをいただきまして、ありがとうございます。我々もしっかりと応援をさせていただきたいと思っております。土地改良予算はもちろんなんですけれども、この委員会でも委員の先生方から、もちろん全般について、農業全体の予算ですね、必要な予算確保についてのお話もあったわけでありますので、私からもその点についても改めてお願いを申し上げたいと思います。 そして、予算の確保、これはもう大事なことは間違いないんですけれども、それを適切に執行をしていくというための農水省の体制の強化と必要な人員の確保、これもやっぱり必要なことだというふうに思います。 先月の二十五日でありますけれども、党の行政改革推進会議で提言を取りまとめまして、岸田総理にお渡しをしたところであります。私は、公務員制度改革に関するPTの副座長を務めさせていただいて、その部分の提言の取りまとめを担わせていただいたわけでありますけれども、提言の中で、その一つとして、行政の重要課題に柔軟に対応するめり張りのある組織定員管理の実現も盛り込ませていただいております。 まさしく、食料安全保障についての対応でありますとか能登半島地震も含めた災害対応ということについては、農水省が求められている重要な業務だと思います。それについては定員削減分を大幅に増員するなどの思い切った対応が必要じゃないかなというふうに思います。 さらに、農水省はこれまで、定員削減計画においても政府全体を上回る大幅な削減をこれやっているわけでありまして、このままのペースで削減が続いていけば、こういった重要課題、これからやっていかないといけないことだけじゃなくて、そもそも農水省がやらないといけない仕事ができるのかなとちょっと危惧があるところであります。 そこで、これから、概算要求もそうでありますけれども、組織定員要求ということもあるわけでありますので、改めてといいますか、再び大臣の意気込みをお伺いをしたいと思いますし、それから、平成二十六年に閣議決定をされております機構・定員管理に関する方針も十年目ということであります。現行の政府の定員合理化計画は本年度で終了ということでありますので、今後、次期計画を策定することとなると思いますけれども、農水省のこれまでの定員合理化の取組も踏まえて、食料安全保障でありますとか災害対応といった重要政策の対応が必要な農水省の定員についてどうお考えなのか、内閣人事局にもお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 御質問ありがとうございます。 食料・農業・農村基本法の改正案を成立させていただきましたならば、政府としては、これに基づきまして食料・農業・農村基本計画を策定をいたします。その中で基本法に定める施策の具体化を行ってまいります。その上で、基本計画に定めます施策を的確かつ着実に進めていくためには、予算だけでなくて、定員についてもしっかりと確保することが重要であるというふうに考えております。 今後とも、食料安全保障の強化、それから、災害対応を始めとした農林水産行政の課題がある中で将来の業務運営に支障が生じないように、必要な定員の確保に向けて、こちらも先ほどのNN予算と同様に全力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
○政府参考人(阪本克彦君) お答え申し上げます。 国の行政組織の定員合理化の取組につきましては、これは、政府横断的に全ての部門が行政需要の低下あるいは業務の見直しなどに対応しました合理化に計画的に取り組むと、そしてその捻出された合理化分を新たな行政需要や業務量の増に対応するための増員の原資とする、そういったものでございます。 こうした取組そのものは、今後、我が国全体として人的リソースの確保が更に厳しくなる、そのように予想されている中、そういった中でも行政需要に確実に対応できるめり張りのある定員配置を政府全体として実現していく上で引き続き重要となると考えております。 農林水産省につきましても、例えばこの二年間を見ますと、政府全体の合理化の取組で確保した原資から、御指摘がございました食料安全保障の強化、あるいは防災・減災、国土強靱化、こういったもののために百人以上、あるいは農林水産物等の輸出促進などの課題への対応も合わせると二百人以上の増員を措置し、本省、林野庁、水産庁の内部部局や植物防疫所、動物検疫所、漁業調整事務所などの部局につきましては、合理化分以上の増員を行い純増とするなど、めり張りのある定員配置に取り組んでいるところでございます。 今後とも、食料・農業・農村基本法の見直しも踏まえ、また、公務員制度改革に関します各方面における御指摘なども踏まえながら、デジタル技術の活用などで合理化が可能な業務や体制は合理化に取り組む一方で、農林水産行政が直面する各種の課題に的確に対応する上で必要な増員は確実に措置する、そういった基本姿勢の下、農林水産省からの御要求も踏まえながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 しっかりと取り組んでくださいというお話も何か聞こえてきたような気がしましたんですけれども、是非、これまでの取組も内閣人事局としてもやっていただいているようでありますけれども、もうまさしく、基本法の改正になって、これからもうスタートしていこうと、改めてという状況でありますので、大臣の意気込みもお聞きいただいたわけでありますので、しっかりと内閣人事局も受け止めていただきたいというふうに思います。 次に、これも執行面の関係でありますけれども、土地改良事業について、実施をしていただいているのは、これもちろん建設業の皆さん方でありますけれども、これ上限規制が、物流関係同様、四月から、超過勤務でありますけれども、スタートしたわけであります。土地改良事業は元々、やはり水を落としてからとか、工期に制約がどうしてもあるということの、そういう中で工事をやっていかないといけないということであります。 工期をこれ適切に設定をするということはこれもちろんでありますけれども、農水省としても必要な対策をこれやはり取っていかないと執行面で支障が出るということだと思いますので、農水省の対応をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 時間外労働の上限規制が建設業にも適用されたことを踏まえまして、適正な工期の確保が重要であると考えております。農業農村整備事業直轄工事におきましては、原則、全ての工事を対象に、週休二日を前提とした工期の設定に取り組んでいるところであります。 また、昨年の七月には、適正な工期の確保に向けて取り組むべき内容を取りまとめた通知文を地方農政局等に発出し、取組の徹底を図っているところであります。具体的には、早期発注に努めるとともに、国債工事など複数年契約工事を積極的に導入するほか、工期短縮に資する新技術、新工法、プレキャスト製品の活用等に取り組むこととしているところであります。 工事の実施に当たりましては、受注者の意見も踏まえながら、引き続き適正な工期の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○宮崎雅夫君 これから、四月にスタートしたばかりで、今まさしくお話があったように、早期発注に向けていろいろと準備をしていただいているところだと思います。実際の工事が始まってくれば、やはりいろんな御意見があると思いますので、是非丁寧に関係者の意見も聞いていただいて、やはり、予算を確保していただいても、実施につながってちゃんといい工事をしていただかないとその成果が出ないということでありますので、しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に移らせていただきたいと思いますけれども。二十九条の関係で相当質問をさせていただいたわけでありますけれども、大分時間が迫ってまいりました。 四十四条についてもお伺いをしたいと思います。 農村政策、この中で、農地の保全に資する共同活動の促進という条項が新たに追加をされたわけでありますけれども、これは具体的には多面的機能支払交付金の活用を指しているというふうに考えられるわけでありますけれども、先ほどの二十九条の保全ともこれは密接に関連をするものであります。 農地周りの末端の施設は、農家、地域の皆さんが共同をして、今、多面的機能支払、全国で約二百三十万ヘクタール、非常に、まあ五七%ぐらいだったと思いますけれども、この多面的機能支払交付金を活用して保全活動取り組んでいただいているわけであります。地震でありますとか豪雨災害、この場合の復旧もこの交付金を活用して自ら行うことも可能になっておりますので、能登半島地震でも活用されているというふうに承知をしているところであります。 改正案においてこのような活動の促進がしっかりと位置付けられるということは、全国各地の保全活動に御尽力をいただいている皆さんが、持続的な活動に向けて、大変重要であるというふうに思っております。 多面的機能支払については、大変人気のある事業でありまして、全国どこに行っても、多分先生方も同じだと思いますけれども、是非続けてほしいんだという御要望をいただいているところであります。通常であれば、昨年度で多面的機能支払の第二期対策が五年になりまして、本年度から新たな三期対策がスタートするという状況でありましたけれども、この基本法の改正を踏まえてこれからやっていくということになっているわけであります。 新たな展開方向の工程表を昨年末に出されましたけれども、有機農業の取組面積の拡大でありますとか環境負荷の低減に係る活動、そういう観点から、新たな仕組みを導入ということにされているわけであります。詳細は今後ということであると思いますけれども、今後の検討の方向について農水省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 多面的機能支払につきましては、人口減少でありますとか高齢化によりまして、共同活動や事務手続を中心的に担う者の減少等に伴います組織の弱体化や廃止等が課題となっております。 このため、令和七年度から始まる次期対策に向けましては、活動組織の広域化を図りつつ、県、市町村等の支援により、外部団体等とのマッチング、多様な組織や非農業者の参画等を推進することなどが必要と考えておりまして、こうした取組を通じまして共同活動が継続できるよう検討しているところであります。 また、環境負荷の低減を図ることは重要であるため、環境保全型農業直接支払及び多面的機能支払につきまして、有機農業の取組面積の拡大や環境負荷低減に係る地域ぐるみの活動推進といった観点から見直しを検討しているところであります。
○宮崎雅夫君 何問か残してしまいましたけれども、時間になりましたので終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○徳永エリ君 おはようございます。立憲民主・社民の徳永エリでございます。今日もよろしくお願い申し上げます。 まず、皆さんのお手元にお配りいたしました資料を御覧いただきたいと思いますけれども、食料・農業・農村基本法制定時、一九九九年からの農業をめぐる環境の変化であります。 まず、農林水産関係予算を見ますと、三兆四千五十六億円あったものが二兆二千六百八十六億円、一兆二千億も減っているわけですよ。現場の補助金、これもポイント制や要件を厳しく絞っていって減ったということもあるでしょうし、それから、宮崎先生からもお話がありましたけれども、農研機構の施設整備費を削ったりとか、それから合理化によって定員を削減した、こういったことも背景にあるんでしょう。 それから、基幹的農業従事者二百三十四万人、これが現在は百十六万人で、農水省は、二十年後には四分の一の三十万人にこのままではなってしまうと警鐘を鳴らしているわけであります。 農地面積は、四百八十七万ヘクタールあったものが令和五年度で四百三十万ヘクタール、これも前年から〇・六%、二万八千ヘクタール減っているということで、荒廃あるいは転用ということで、このところ半導体産業の進出などもあって転用が加速化されるんではないかということと、あと、高齢農家の方々が離農に伴って、後継者がいないからということで農地を売るのではないかということで、二〇三〇年四百十四万ヘクタール果たして維持できるかどうか、大変心配な状況であります。 食料自給率は上がるどころか下がっているという状況でありまして、この四半世紀、二十五年ですっかりと農業の生産基盤は弱体化してしまったと言っても過言ではないというふうに思います。 なぜこんなことになってしまったのか、まずは農林水産大臣にその理由についてお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 現行の基本法制定以降、我が国の農業が、世界的な食料や生産資材の価格の高騰、そして輸入の不安定化、さらには環境問題、そして国内の急激な人口減少と担い手不足など、大幅に変化をしております。国内外の深刻な社会課題に直面をしていることから、これらの社会課題に正面から取り組み、農政を今再構築する必要があるというふうに考えております。 このような課題に対応できるようにするために、今、食料・農業・農村基本法を、食料安全保障の抜本的な強化、そして環境と調和の取れた産業への転換、さらには生産水準の維持発展と地域のコミュニティーの維持、この三つの視点で改正を行いたいというふうな狙いでございます。 具体的には、まず、食料安全保障の抜本的な強化に取り組みます。輸入リスクの増大に対応いたしまして食料の安定供給を確保するため、平時からの食料安全保障の対策を強化いたします。そして、現行基本法では総量として必要な食料を確保できれば食料の安全保障は確保されるとの考え方でしたが、近年顕在化いたします食品アクセス問題等、国民一人一人の食料安全保障の確保にも対応してまいりたいというふうに思っております。 さらには、環境と調和の取れた産業への転換に取り組んでまいります。(発言する者あり)
○委員長(滝波宏文君) お答え簡潔に願います。
○国務大臣(坂本哲志君) そして、人口減少における農業生産の維持発展と農村地域のコミュニティーの維持に取り組んでまいります。その具体的な施策として、農地の集積、集約、あるいはスマート農業、こういったものを進めてまいりたいというふうに思っております。 農業政策は大きな転換点に立っていることは事実でございますので、その自覚と責任を持ちまして、食料・農業・農村基本法の改正の成立に向けて尽くしてまいりたいというふうに思っております。
○委員長(滝波宏文君) この際、申し上げます。 答弁は、質疑者の趣旨を体し、簡潔かつ明瞭に行うよう願います。
○徳永エリ君 大臣には、なぜ生産基盤がこの四半世紀で弱体化してしまったのか、その理由についてどうお考えかということを聞きまして、聞いたこと以外のことをお答えになると時間がなくなりますので、お願い申し上げたいと思います。 私は、いろいろ前半おっしゃっていましたけれども、今に始まったことではないと思っていて、もうやっぱり十年、二十年ぐらい前からこの生産基盤は確実に弱体化してきたわけですね。その大きな理由は、やっぱり規模拡大、法人化、そのことによって小規模家族経営農家が淘汰されてきた、このことに尽きるというふうに思っております。 今回のこの基本法の改正によって、食料安全保障を確保しようというならば、この生産基盤を強化する必要があるんだと思います。しかし、この基本法の改正案では、その生産基盤をどう強化していくのかというところが全く分からないので、確認をさせていただきたいというふうに思います。 まずは、人材の育成及び確保、第三十三条、これ現行法と改正案も変わっておりません。でもね、これが一番深刻な問題なんだというふうに思うんですよ。それで、若い方々に農業参入してもらいたいという話をよく聞きますけどね、今超高齢社会なんですよ。三人に一人が六十五歳以上、五人に一人が七十五歳以上ということで、全産業で人手が足りない、労働力が足りないわけですから、よほど条件のいい、所得の多いところじゃないと若い人は行かないんですよ。 そういう意味では、農業は相当厳しくて、若い人たちに職業として選択してもらえるのかどうかもよく分からないという状況だと思いますけれども、どうやって政府がおっしゃっている若い人材を確保していくのかということとですね、それから第三十五条、高齢農業者の活動の推進とありますけれども、二〇二二年のデータでは農家の平均年齢六十八・四歳ですよ。それこそ中山間地に行きますと、七十五歳、八十歳、この間は九十歳を過ぎている方がもう本当に一生懸命中心的な役割を農業の現場で担っているわけですね。 これ、高齢農業者に対して、役割分担だとか生きがいだとか福祉の向上だとか言っている場合じゃなくて、もう中心的に農業担ってもらっているんだから、高齢農家の方々がやりがいを持って、所得もちゃんと確保して、一日も長く農業を続けてもらえる、このことをしっかり考えていくべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 最初の質問で、生産基盤というのが弱体化したとは思っておりません。やはり人口が減少する、あるいは米農家を中心に農業従事者が減少する、そしてNN予算も含めて、自民党政権としてはその生産基盤というのを強化をしてまいりました。さらには、農業産出額九兆円というものを維持しておりますので、私は、農業全体として減少、就業者数そのものは減少傾向にあるけれども、やはり農地の集約化、集積化、こういったものを進めて、そして生産額をしっかりと確保しているというふうに思っております。 その上で、現行基本法に基づきまして、規模の大小や家族経営か法人経営かを問わず、農業で生計を立てる農業者を担い手として幅広く育成、支援してきました結果、先ほど言いましたように、多くの品目で中小・家族経営を含めた担い手が農業生産の相当部分を担う構造を実現してまいりました。 そうした中でも、現在の農業者の年齢構成等を踏まえれば、農業者の急激、急速な減少を、農業者の急速な減少が見込まれることから、引き続き担い手の育成、確保が必要であるというふうに考えております。 このため、担い手に対しましては、経営所得安定対策、そして出資や融資、税制を通じた重点的な支援、こういったものを行うことにしております。さらには、各都道府県におきまして、農業経営・就農支援センターにおける経営に関する相談対応や円滑な営農継承のサポート等を行うことにしております。 それから、高齢者におきましても、今後、農福連携というものも充実させていきます。高齢者に向けては、農業に関する活動をこういったことで行うことができる環境整備を推進し、そして高齢者等が作業に携わる生産施設の整備等の取組を行ってまいりたいというふうに思っております。
○徳永エリ君 全然これやり取りがかみ合っていないので、どなたが書いた答弁書か分かりませんけれども、私、大臣とやり取りをしたいんですよ。大臣のお考えを私の今の質問に対して答えていただきたかったなと。 それから、生産基盤が弱体化してないとおっしゃいましたけれども、歴代の農水大臣は生産基盤の弱体化認めていますからね、委員会の中でちゃんと認めていますから。確かに、農業総産出額は九兆円台、減っていませんよ。だけど、現場は、農家戸数が減って、小規模家族経営農家は淘汰されて、人が減って、農地が減って、生産力、生産装置は確実に弱体化しているということは、これ数字見て明らかじゃないですか。それが弱体化していないというのは、もう本当に残念な答弁だったと思います。 それから、これまで田名部委員も言ってまいりましたけれども、昨年九月の食料・農業・農村基本法の改正に関する国民からの意見、要望では、寄せられた意見一千百七十九件のうち種子に関するものが五百四十件と、最も多かったんですね。なぜ種子に関する条文を改正案に置かなかったのか、改めてお伺いいたします。
○政府参考人(杉中淳君) 種子に関する条文のことですけれども、種子については、御指摘のように、基本法に関する一般、パブリックコメントから多くの意見をいただきました。そういう観点から、種子に関する条文というのも手当てはしたつもりでございます。 まず、種子は、肥料、飼料と並んで生産資材に欠かせない大切な資材であるということから、新しい改正法案第四十二条において、種子も含む農業資材の安定的な供給の確保を位置付けたところです。ただ、種子はそれだけではございませんので、新品種、これは生産性の向上の大きな要素でございますし、高品質な品種、これは付加価値向上に直結するものでございますので、種子の関連として、第三十条で新品種の育成、また三十一条で高い品質を有する品種の導入の促進、また植物の新品種などの知財の確保というのを新たに位置付けたところでございまして、資材として、またそれ以外の価値を持つものとしての種子についての規定をさせていただいたところでございます。
○徳永エリ君 御答弁の中では、その農業生産資材、第四十二条の中に包含されているということですけれども、あとは、農水省の考え方としては、国内の種子生産を増やさなくても日本の種子メーカーが海外でリスク分散して作っているんだから大丈夫だと言いますけど、だって、今、温暖化ですよ。シーレーン破壊されたら入ってこないんですよ。食料安全保障といっても、種がなかったら作れないじゃないですか。 だから、更にリスクを考え、最悪の状況も考えながらやっぱり国内生産を増やすということと、それから、中山間地などもそうですけれども、ブランド化を進めていくということを考えたときには、やっぱり在来種をしっかり単作して保管をして利用していく。種取りの技術も、これ技術者どんどんいなくなっていますから、それを守っていかなきゃいけない。そのことを考えたら、やっぱり種を条文に置いて、そして予算措置もしっかりしていくということが大事だというふうに私は思います。 種だけではなくて、肥料、この原料の国産化、それから飼料穀物、こういったものもどんどん国産化していかないと、これがなければ食料作れないですから。でも、化学肥料も値段が上がってしまった、だから国産化していこうと、下水汚泥を使いましょう、リンを回収しましょうみたいな話ありましたけど、これ、化学肥料の原料が国際価格下がったら、メーカーはまた、また国産じゃないもの使っているじゃないですか。飼料も同じですよね。やっぱりこれメーカーにちゃんと、いざというときのためにちゃんと国産の原料を使って肥料なり飼料を作りましょうと。そして、飼料を作るにしても、今は千三百万トンでしたっけ、輸入していますよね、飼料穀物。これどのくらい国産にしていくのかという具体的な目標も立てて、まあ荒廃農地もあるし、耕作放棄地もあるんですから、北海道なんかありますよ、幾らでも、飼料作る農地。そこにしっかりお金を付けて飼料の国産化を進めていく。そうじゃないと、またいざというときに大変なことになりますよ。いかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) いろいろな質問いただきました。 種子につきましては、それぞれ日本の大手メーカー、中小メーカーも含めて、地球温暖化、そういったものが進行しているからこそ、世界を見て、世界の中での適地適作、そういったことで世界に投資をしてそこで種子を生産しているということであります。それは知的所有権の確保、それはしっかりと知的所有権を確保した上で、世界に対して、九割方の種子を世界の中で生産している。国内は一割、世界では九割でありますけれども、それはしっかり知的所有権というものを確保した上で生産している。最も効果的、効率的、そして我が国の所有権をしっかり確保する意味でそういう展開が行われているということであります。 それから、肥料と飼料につきましては、飼料につきましては、やはり特に畜産関係の飼料につきまして、配合飼料につきましてはどうしてもやっぱり輸入に依存しなければいけない部分が数多くあります。ですから、やっぱり粗飼料について、青刈りトウモロコシを含め、あるいは牧草も含めて、粗飼料の生産を引き上げることで自給率の向上に向けて政策を展開する、そういう状況をつくっているところでございます。 それから、肥料につきましては、これは下水道汚泥肥料を中心といたしまして国内の肥料を作る、そしてリンを取り出す、そしてリン関係の肥料を作る。一方の方で、堆肥の施設への支援をしております。そのことによってペレット化をし、ペレット化した堆肥、肥料によりましてその流通の広域化を図る、そういうような状況を今つくり出しているところでございますので、今般の基本法改正によりまして、国内で生産できるより良質な様々な肥料、飼料、こういったものをやはり確立させてまいりたいというふうに思っております。
○徳永エリ君 もう何か二年ぐらい同じことを言っていると思うんですけど、肥料の国内生産なんか全然進んでいないですし、また本当に化学肥料に戻ってしまっていますから。 有機物幾らだってあるじゃないですか。もうそれこそ北海道も、軽種馬産地に馬ふん山ほど残っていて、これ処理できなくて燃やして灰になっちゃっていますからね。こういったものをちゃんと有効利用することと、マッチングを図って、輸送コストが掛かるんだったら、輸送コストぐらいちゃんと国で見てくださいよ。入ってこなくなったときに、それこそ農家に対して肥料とか飼料とか、補助金で補填する方がよっぽど莫大なお金掛かるんじゃないんですか。その辺、ちゃんと危機感を持ってやっていただきたいというふうに思います。 それから、歴史的な円安の進行で生産コストが増大して農家経営を圧迫しています。これ一時的なものではありません、この円安は。これからもまだ当分続きそうであります。そうすると、農家のコストの上昇分を国が補助金で補填するか、あるいはこのコストの上昇分を価格に転嫁するか、それから再生産可能な直接支払しかないと、そうじゃなかったら農家の経営はもちません。 収入が増えても所得が減少しているという中で、農業団体からの強い要望があって、今回は改正案の中に価格転嫁のための第二十三条が新設されましたけれども、農産物のコスト上昇分の価格転嫁、これ本当にできるんでしょうか。 それから、関係者の皆さんは、お話をされるときには適正な価格形成と。この間も農協の方が参考人質疑でいらっしゃっていましたけれども、適正な価格形成と。合理的な価格形成とはおっしゃらないし、資料にも書いていないんですけど、条文では合理的な価格形成になっています。改めて、ここもどうしてなのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘ございましたとおり、資材価格などが高騰してございます。食料の持続的な供給を行っていくという観点からは、生産家だけではなくて消費に至ります食料システム全体につきまして費用がきちっと考慮されるようにしていかなければいけないということで二十三条を新設したところでございます。 このために、昨年八月から農林水産省におきまして協議会を行ってございます。ここの中では、生産者にしろ消費者にしろ、一部の関係者にしわ寄せが偏らないようにするべきだという意見をいただいてございまして、関係者が協調して議論を行うということで働きかけをし、合意形成を図っているところでございます。 直近の四月の協議会におきましては、この費用の考慮の仕組みを設ける必要性、それから、これを法制化も視野に検討するということにつきまして共通認識が得られたところでございますので、難しい課題であるということは承知をしてございますが、仕組みの実現に向けて引き続き協議会での議論を進めてまいりたいと考えてございます。 また、適正な、あっ、済みません、以上でございます。
○政府参考人(杉中淳君) 合理的な価格形成という記述になった点について、前回の委員会でも説明をいたしましたけれども、再度説明をさせていただきます。 審議会においては、適正な価格ということで、それを実現するような条文化をしたわけですけれども、条文の審査でも、関係者で議論をしている過程で、適正な価格ということで、法令的な意味では絶対的な数値を示すものというふうに捉えられかねない。 この合理的な適正な価格形成というのは、関係者が協議をして、その中で折り合いを付けていって全員が受け止められる水準で価格を決めていくということを考えると、国民の理解と納得が得られるという観点で現在でも合理的な価格という言葉を使っていますので、この言葉の方が適正であるというふうになって、適正な価格ではなくて、要は絶対的な水準の価格を決めるということではなくて、関係者が価格を、コストを共有をしていく過程で価格を決めていくという観点から合理的な価格という言葉を使ったと。ただ、内容的には、審議会で答申のあった適正な価格形成ということを法文でも反映したということでございます。
○徳永エリ君 今の御答弁を聞いていて、多分、生産者の皆さんは不安になるんじゃないかなと思いますけど、フェアプライスプロジェクト、先ほど協議会というお話がありましたが、昨年の八月、適正な価格形成協議会というんですね、これ、名前が。適正な価格形成協議会の中で合理的な価格形成について議論しているということでありますけれども、食料システムの関係者の中で誰が一番立場弱いと思いますか。これ、確実に生産者ですよね。バイイングパワーにかなうわけないんですよ。 ですから、合理的な価格形成というふうになると生産者の思うような価格転嫁にはならないということだと思いますけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘あったところでありますが、協議会の御議論の中では、消費者からもいろいろと物価が高くなる中で非常に苦しいんだという御指摘も多々いただいてございます。そのために、先ほど申し上げましたとおり、その特定のところにだけ、一部にだけしわ寄せが行ったり一部のところだけが満たされるというようなことではなくて、食料システム全体にわたってバランスの取れた取組となるようにということで、今、合意形成を図っているところでございます。
○徳永エリ君 だって、食品メーカーは、このもう二、三年で、食料品の価格を個々に見ても二〇%、三〇%、油なんか、オリーブオイルなんかは六〇%も上がっているんですよ。価格転嫁できているんですよ、もう既に。生産者が価格転嫁できないと、生産者は生産を続けられないんです。 だから、生産者にとってやっぱりプラスになるようなそういった協議をしっかりしてもらいたい。本当に、力関係でいうと一番弱いんですから、やっぱりちゃんと国が生産者を支えてあげてほしいというふうに思うんですね。その協議の結果が出るまで待っていられませんから、もう苦しいんですから、今、生産者の方々は。やっぱりこれ一時的なものであっても、国がコストの上昇分を補填するとか、それから本当にここで直接支払については考えなきゃいけないと思うんです。 これまで大臣は、需給バランスが崩れ米価が下がる、農地の集積、集約が進まず生産性の向上が阻害される、農家の所得を補償するのは国民理解が得られない、こういったことを直接支払ができない理由として挙げてきたわけですね。 しかし、私も農林水産委員を十四年やらせていただいて、現場にずっと入っていますけれども、今までこの十四年の中で一番現場が明るかったのは農業者戸別所得補償制度があったときですよ。農協に行っても、単協の組合長さんに、いや、息子が帰ってきて継ぐことになったんだわ、いや、水田が欲しいんだけど、面積広げたいんだけどなかなか売ってくれないんだよね、もうそう言われて大変なんだわって、そういう明るい話が聞かれたのはあのときだけですよ、本当に。実感、肌感覚として、やっぱり直接支払は大事だなというふうに思います。 そして、米価が下がると言いますけど、米価が下がって喜ぶのは消費者ですから、農家は補填されるんですから、消費者は価格下がって喜ぶわけですから、そういうことも考えていかなければいけないと思いますし、そして今は、もう、もう一回戸別所得補償制度をやれとは言いません。私たちは、やっぱり生産基盤の強化という部分でも農地を守らなければいけないと思っていますから、農地を農地として維持する者に対して面積に応じて毎年度交付金を交付する農地維持交付金、これを創設するべきだと思っています。耕作放棄地を出さないためにも、また、いざというときに、それこそ食料不足になったときにすぐに作付けできるという点でも、食料安全保障上も国民に理解されるのではないかと思いますけれども、この農地維持交付金に関して、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農地維持交付金につきましては、これを読み上げた後、最後に私の考え言いたいと思いますけれども、農業所得を確保、向上することで重要なことは、農業者が創意工夫を生かした農業経営を展開し、収益性を上げていくことでありまして、そのために国がなすべきことは、直接的に所得を補償するのではなくて、農業者が収益性を上げることのできる環境を整備し、農業者の取組を後押しすることであると考えております。 我が国におきましても、農地等の保全管理に関する多面的機能支払交付金や、それから中山間地の不利を是正いたします中山間地域の直接支払等の日本型直払いが措置をされております。また、これら以外にも、畑作物の直接支払交付金、ゲタや、収入保険などのほか、基盤整備の機械あるいは施設整備面でのハード事業に対しましても重層的な取組を講じていることで農業の生産活動を下支えしているところでございます。 農地維持に対する交付金制度というのは、世界の流れといたしましては、それはEUもそうですけれども、泥炭地は泥炭地として残しましょう、あるいは河川と耕地の間には一定の緩衝を作りましょうということで、生産をしないことによってそこに交付金を支払うというような流れになっております。 ですから、農地を維持すればそれに対して直接支払交付金をするというのは、私は例えばEUの流れとは逆行しているというふうに思いますので、そこで我々としてはやはりしっかりと生産性の向上というものを考えて、そこに経営判断をして、やはり農作物を作っていただく、こういう方向で今回の基本法の改正というものを提示しているわけであります。
○徳永エリ君 先ほどちょっと転用が進みつつある流れがあるお話をしましたけれども、高齢農家が離農して、そして農地を手放さずに、この農地維持交付金があれば農地を維持し、そこに例えば菜種を植えるとかソバを植えるとか、やりがい、生きがいにもなりますし、そして本当に食料が足りなくなったときにそこにすぐ食料用の作物を作ってもらうということも可能で、荒廃してしまったら、食料作ってください、農作物作ってくださいといっても、肥料入れたりして、五年、七年って、作物がちゃんと作れるまで時間掛かるわけですから、そういう食料安全保障上も、我が国の今の農地の事情も含めてやっぱり農地を本当に守るということを考えると、この農地維持交付金というのも考えなきゃいけないと思いますし、じゃ、財源をどうするかとか、どういうところを対象にするとか、そこはもっともっと詰めていかなきゃいけないと思いますので、私たちも詰めて、また改めて提案をさせていただきたいというふうに思います。 改正案の第二十九条に水田の汎用化に加えて畑地化が入ったわけでありますけれども、水田活用の直接支払の交付金の趣旨から水田に対する考え方が大きく変わったんではないかと私は思っているんです。 これ、改めて水田活用の直接支払交付金の趣旨を読んでみると、国土が狭く、農地面積も限られている我が国において、国民の主食である米の安定供給のほか、食料自給率・自給力の向上、多面的機能の維持強化等を図るためには、持続性に優れた生産装置である水田を最大限に有効活用することが重要です、このため、飼料用米、麦、大豆など、戦略作物の本作化を進めるとともに、地域で作成する水田収益力強化ビジョンに基づく、地域の特色ある魅力的な産品の産地づくりに向けた取組の支援を行いますということで、農水省からこのとき説明を受けたのは、水田で米が余っているので高収益作物を作ってもらうと、そのことによって水稲農家の所得の向上にもつながるし、米の需要が増えたときには水を張っていつでも米が作れるようにしておくんだという説明だったんですよ。あっ、なるほどなと、すとんと落ちたんです。ところが、今は水田を畑地化していくということなんですけれども、いつから農水省、考え方変わったんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 米を主食とする我が国において、自給率の高い米を生産する水田が有する機能というのは食料安保上大きいと、その点について従来からの考え方は変わっておりません。一方、我が国において主食用米の需要が減少する中で、輸入依存度の高い麦、大豆、それから加工・業務用の野菜、こういったものの作付けを拡大することは食料安全保障上どうしても欠かせないものだというふうに考えています。 このため、今御紹介ございましたけれども、水田機能を維持しながらブロックローテーションにより、稲、麦、大豆、それから野菜等、輪作を図る取組に対しては、水田活用の直接支払交付金により水田を最大限有効活用していただくと、これは変わっていません。 一方で、畑作物のみが連続して作付けされているような産地もございます。水田活用直接支払交付金とは別に畑地化の促進事業、これを創設いたしまして、畑地化とその後の一定期間の支援により畑作物の産地化、これを進めていただくということも政策として用意いたしました。 いずれの取組に対しても後押しをして、水田だけではなく畑も含めた農地の有効活用、これを進めていきたいという考え方で進めております。
○徳永エリ君 現実的に、例えば、ほかの地域は違うかもしれませんけれども、北海道のやっぱり専業農家って物すごく政策に忠実というか真面目なんですよね。御案内ですよね。もう既に、この畑地化事業で北海道の水田の一割がもう畑地化されていますからね。これからもっともっと進んでいくんじゃないかと言われていて、温暖化の影響もあって、これから東北と北海道でしか品質のいい主食用米は作れないという話もあるんですよ。それが、東北、北海道の水田がどんどん潰れていって本当に大丈夫なんですか。そういう中長期的な問題とか、そういった研究者からの指摘、こういったこともしっかり考えながら政策を進めていかないと、私は取り返しの付かないことになるんじゃないかと心配をしております。 それで、畑地化促進事業は五年間の財政支援ということでやってきました。先日この委員会で御質問させていただきましたけれども、二万円掛ける五年間の定着支援もこの五年間が終わったらゲタ対策だけになると、地域の分断みたいな話もありましたけれども、そういった御答弁がありました。 今回、この改正案の条文に畑地化が置かれたというのは、新たにまたこの畑地化のための支援を行うということなのかどうか、確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(平形雄策君) 御紹介いただきました畑地化後の話なんですけれども、おっしゃるとおり、麦、大豆、ソバ等に関しては、水田作か畑地化かは問わず、諸外国との生産条件の格差を是正するゲタ対策、これ措置しているところでございまして、対象になります。ただ、この畑地化につきまして、じゃ、一定期間終わった後、五年間というふうに農水省は申しておりますので、この期間が終わった後までずっと続けるというのは、やはり元々畑地をやっていらっしゃる方との関係でいうとなかなか続けるのは難しいかなというふうに思っております。 ただ、これについては、今産地において判断をしていただいて、水田で機能を維持してやるのか畑地でいくのか、どちらかというのを考えていただく。これは五年間ということなので、まずは令和九年度まで、これについては集中的にこれを推進して、いずれにせよ後押しをしていこうというふうに考えております。 その上で、九年度以降についての今の水田政策、それから畑地化政策につきましては、食料安全保障の強化を図るため、水田を活用した稲、麦、大豆等の生産性の向上ですとか今の畑地化の状況、それから主食用米の需給状況等を効果的に進めていく観点から、将来にわたって安定運営できる水田農業政策の在り方をあらかじめ示すことができるように検討してその実現を目指すというふうに考えておりまして、この基本法の中で畑地化ということが書いてあったのは、汎用化に対して畑地化ということを同等に書くということであって、この畑地化したらその後もずっと同じようにこの水活が対象になるとか、それまではこれは想定してこれを作っているものでございませんので、水田政策は水田政策、畑地化後の政策は政策で、やはりその時点その時点で考えていくということになるというふうに思っております。
○徳永エリ君 なるほど、分かりました。 麦と大豆の増産という話も今ありましたけれども、令和五年産の麦の国内生産量は百九万トンということで、二〇三〇年百八万トン、もうこれ超えたんですよね。これ、更に生産数量目標を増やすおつもりありますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 我が国の食料安全保障の強化のためには、輸入依存度の高い小麦等の生産拡大など、国内の農業生産の増大を図っていくことが不可欠です。 現在、食料・農業・農村基本計画では、令和十二年度の生産努力目標として小麦百八万トンを掲げております。直近の令和五年、今委員おっしゃいましたように、令和五年産は百九万トンと、生産努力目標を上回る生産量となっております。今国会で食料・農業・農村基本法が成立いたした暁には、それを踏まえまして策定されます次期基本計画で、これまでの生産及び消費の状況を踏まえながら、小麦の作付面積拡大に係る意欲的な目標を設定する考えであります。 今後とも、生産性向上に取り組む生産者や産地、小麦の産地等を後押ししてまいりたいというふうに思っております。
○徳永エリ君 今は米の需要が減少し、余っていると。で、麦は今おっしゃったように増産基調だと。しかし、先ほど申し上げた生産基盤を同時にしっかりと強化していかないと、今のままではいずれ農地と生産者が減少して米や麦が不足するという事態にも、十五年後、二十五年後まで考えたらですよ、今どんどん減っていっているんですから、私はそういう危機感も常に持っていなきゃいけないと思っているんですね。 そういう中で、たまたまいろいろSNSを見ておりましたら、三菱総合研究所の二〇二二年の十二月号に、二〇五〇年の経営体数は二〇二〇年比八四%減の十八万経営体に、経営耕作面積は五〇%減の百六十三万ヘクタールになると推計されています。生産額は五二%減の四・三兆円になる見込み。これは小規模家族経営農家の急激な減少によるもので、法人経営体や規模拡大を加味しても生産額の激減は免れないということで、自給力の向上どころか、生産力が半減してしまうのではないかと、こういう見通しだというものがありました。まさに私も同じようなことを実は心配しています。 このような状況になって、麦が足りない、米が足りないとなったときに、国際流通量は麦は多いですから、多分麦は輸入できるんだと思うんです。でも、米の流通量少ないじゃないですか。米を輸入するなんてこと考えられないかもしれないですけど、水田がなくなって米を作らなくなって、そしてさらに、さらに作る人もいなくなってと、これがずっとこの先続いていったら、米も輸入しなきゃいけないということになったときに米が輸入できるのかということもあって、やっぱり今はとにかく水田を守って、そして米を作り続けなきゃいけないというふうに改めて私思っております。 近年では、米の需要が毎年十万トンずつ減少してきた。しかし、ここに来て、コロナとインバウンドの影響で米のニーズが高まって、おにぎりが最近大変に追い風になっているということは皆さんもニュース等で御覧になっていると思います。 で、米の輸出量の推移、それから、これまでもずっと言ってまいりましたけど、パック御飯、この売行きが今どうなのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 主食用米の需要量が毎年十万トン程度減少している中で、先生御指摘のおにぎりについては、もうこれ総務省の家計調査で見ますと、直近十年間でおにぎりその他の消費支出金額がまず一・四倍というふうに伸びてきております。また、パック御飯につきましても、農林水産省の食品産業動態調査で生産量を見ますと、直近十年間で一・六倍になっており、事業者からも更にそれを上回る需要があるというふうに聞いております。 また、さらに、米の輸出につきましては、輸出拡大実行戦略の策定以降、輸出量は着実に伸びてきておりまして、昨年の輸出実績は、戦略策定前の二〇一九年の二倍となる約三・七万トンというふうになってきております。パック御飯についても同様に伸びてきております。 私自身も、海外に行くたびに米の需要どうなのかというのを拝見をするわけですけれども、例えばアメリカなんかでも、ほとんどのコンビニエンスストアというか大きいスーパーではすしが並んでいるわけで、そのお米を日本産米を使いたいというような需要も増えているというふうに聞いておりまして、今後ますます取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
○徳永エリ君 今までは日本のお米というとすしというイメージだったんですけど、すしってお米を食べているかというとそうでもないと思うんですよ。でも、やっぱりおにぎりとか卵掛け御飯とか、日本に来て外国人の方々が、あれっ、日本の米おいしいなということに気が付いたわけですよ。そして、いろんなブランド米があって、食べ比べるとこれまた味も違っておいしいと。今おにぎりが大ブームになっていて、国内でも海外でも出店ブームということなんですけれども。 日本食糧新聞によりますと、二〇二一年の米飯類の販売市場は四兆四千四百二十九億円ということですから、これまでは円が高かったから、海外で米を売ろうと思ってもやっぱり高過ぎたとかありましたけど、今、円安だしブームですから、追い風ですよ、攻めどきですよ。がんがんやってもらいたいと思うんです。国内消費が減っているんだったら海外でどんどん増やしていくと。いざ食料足りなくなったら、海外に行っていた分を国内に戻せばいいわけですから、是非そういうことを一生懸命やってもらいたいと思うんですよね。 それと、私、実は平成二十六年にこの委員会で、海外に日本の農産物の輸出を増やすためには、今海外に日本食レストランがたくさんできているんだから、認証レストランにして、米は日本の米を使ってください、お酒は何%日本のお酒じゃなきゃ駄目です、食材の全体何割を日本の食材使ってください、こういうルールを決めて認証すればどうかと言ったら、当時、アニメーションの「スシポリス」というのがあって、日本食レストランの認定制度をつくろうとしたら、海外のメディアから大反対に遭って、私も農水省の皆さんから、徳永先生、そんなことしたら大変なことになりますよとすごい言われたんですけど、何か気が付いたら二〇一六年に、何か認定レストランですか、これが始まっているということなんですけど、ちょっと時間がないので簡潔に御説明いただけますか。
○政府参考人(水野政義君) 現在、農林水産省では、日本産農林水産物・食品の海外発信を強化するため、また、日本産食材を積極的に使用し、その魅力や特徴をPRしている海外の飲食店や小売店を日本産食材サポーター店として認定する取組を行っております。 サポーター店として認定されますと、認定証が授与されてロゴマークの使用が可能となるほか、ジェトロやJFOODOのウェブサイトで紹介されるなどのPR効果があります。また、現地での日本産食材のプロモーション事業の対象となり得るなどのメリット、効果がありまして、世界で現在約六千店が認定を受けているところでございます。また、日本産食材のプロモーション事業を実施したサポーター店においては、日本産食材の仕入れ額が令和二年度に比べて六五%以上増加しているということでもございます。 このように、日本産食材サポーター店は、海外現地での日本産食材の需要拡大や輸出の拡大に一定の貢献をしていると考えております。
○徳永エリ君 ただ、この認定要件を見てみると、日本食材等の使用とか、メニューにおける日本産食材等の使用の表示とか、顧客へのPRとか、ゆるゆるなんですよね。 例えば、イタリアなんかの認定制度見てみると、技術規格の内容だと、例えば、卵入りのパスタはイタリアで加工されたものや極上小麦を使用したものであることが必要だとか、オリーブオイルはイタリアで生産、加工されたエクストラバージンオイルを使わなければいけないとか、ワインメニューはイタリアワインと発泡酒が少なくとも六割以上とか、こういうきちんと数値的なルールを作っているんですよ。 是非、日本ももっと厳しくしていただいて、せめて米ぐらいは、日本食レストラン認証されているレストランは日本の米しか使っちゃいけませんと、このくらいのことを是非やってもらいたいと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(水野政義君) 委員御指摘のように、この日本産食材の使用割合に基準を設けるですとか、この基準を上回る店舗だけを認定するといった仕組みも考えられるかと思いますけれども、そういった仕組みつくりますと、人によって使用割合について期待する水準が異なる中で、この基準を満たせない事業者などからこれ排他的であるという批判を招く懸念があると考えておりますし、現在認定スキームに主体的に参加しておられる事業者、この協力が得られにくくなるのではないかという懸念を持っております。 また、日本食に係る認定制度としては、海外の日本食料理人の方々の技能向上を図るために日本料理の調理技能の認定制度を設けているところでございまして、これらの仕組みを用いながら総合的に日本食、食文化のブランド力を高める取組を進めていきたいと考えております。
○徳永エリ君 副大臣、どうですか。できない理由言わないでやってくださいよ。
○副大臣(鈴木憲和君) 余り後ろ向きなことを懸念するよりも、徳永委員からもがんがん行けというお話がありましたので、何しろ、日本の米、少なくともまず米がちゃんと輸出数量が伸びるように何ができるかということを更にちょっと前向きに検討してまいりたいというふうに思います。
○徳永エリ君 是非頑張ってください。よろしくお願いします。 それから、お米は食用以外の活用もできるわけですよね。先日も決算委員会で大臣からもお話ありましたけれども、バイオプラスチックの原料に使うとか、稲わらを原料としたバイオ燃料にするとか、とにかく米を作り続ける、そのことを、もうこの辺ずっと言っていますけど、是非お願い申し上げたいというふうに思います。 ちょっと時間がないので一つ飛ばさせていただきますが、農村の振興についてお伺いしたいというふうに思います。 先日、五月十四日、参考人質疑が行われました。そのときに、農水省の皆さんの大先輩であられます特定非営利活動法人中山間地域フォーラムの副会長の野中和雄参考人、ここでいつも委員会中話していることとまさに同じことをお話ししていただいたので、大臣にもお伺いしたいと思うんですけれども、第六条では農村振興の目的として農業の持続的な発展だけを掲げているわけでありますが、農村は、農業の基盤であるとともに、自然環境の保全、良好な景観の形成、文化の伝承など、ほかにも多面的な機能が発揮される場として国民全体にとって今はますます重要な地域になってきているんだというふうに思います。その趣旨を基本理念に明記するべきではないかという御意見がありましたが、先日も、農業振興は産業政策、そして農村振興は地域政策、車の両輪、今もやっていますと大臣から御答弁ありましたけれども、やっぱり、農村政策、すごく弱かったと思うんですよ。だから疲弊して人口も減っていっているんだと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 第六条におきましては、農業の有する多面的機能が発揮されるよう、農村の振興が図られなければならない旨を基本理念として明記しておりまして、農村の有する多面的機能については既に規定されているものというふうに考えております。 そして、農村をいかに振興していくかということにつきましては、農業については、私は、決算委員会でも言いましたように、産業政策と地域政策の車の両輪でやっていく、そして、やはり農村振興につきましては、やはり既存の中山間地も含めて、農村で生活されている方々も含めて、そして外部の様々な産業、外部からの関係する人口の皆様方も含めて、農村の活性化策をこれからも講じていかなければいけないというふうにも思います。
○徳永エリ君 ということは、あえてこれを基本理念として明記する必要はないというふうに大臣はお考えだということですか。
○国務大臣(坂本哲志君) それを前提にして既に農村振興が行われている、そしてそこに六条というものを私たちは規定したというふうに考えております。
○徳永エリ君 御説明いただくと分かりますけれども、私たちはやっぱりそれではちょっと足りないなというふうに感じておりました。 それから、第四十三条第二項及び第四十五条では、農村と関わりを持つ者の増加を図るための施策として、産業の振興及び地域の資源を活用した事業活動の促進を図る旨の規定を新設していますけれども、具体的にはどのようなことを指しているんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農村地域に多様な人々を呼び込むということが大事でございますので、農泊など都市と農村の交流の促進、それから六次産業化や農福連携、さらには農山漁村イノベーションの取組を通じた農村における機会雇用を増やすということ、そして、農村型地域経営組織、いわゆるRMOの形成を通じた地域課題の解決、こういったものをしっかりと講じていくことが農村の振興、そして四十三条、四十五条の農村の関わりを持つ者の増加につながっていくというふうに考えております。
○徳永エリ君 御説明をいただくと分かるんですけれども、条文を見ていると、農村のその資源を活用して農村と関わりを持つ者、要するに外の人たちが来て何かしてくださいと、そんなふうに読めてしまうんですよね。 産業の振興や地域の資源を活用した事業活動の推進は、農村に住んでいる農業者や地域住民の所得の向上など地域経済の振興のために必要なことだというふうに修正すべきなのではないかというふうに考えますけれども、お考えとしては大臣、どうでしょうか。私たちが言っていること、同じお考えなのかどうか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 農村に居住している人が主体性を持って農村の活性化をまずやっていく、これがまず大前提でございます。 その上で、農村政策というのは、農業の維持的発展を図るための基盤である農村の振興を図るためのものと位置付けられておりまして、工業や建設業なども含めた地域経済の振興までをその範囲としておらず、この考え方は改正法においても変わりはありません。 その上で、農業者だけではなくてその他の地域住民も含めた農村人口が減少する中で、農地や農業用のインフラの保全管理等が困難になってきていることから、現在農村に居住している定住人口、移住人口、関係人口も含めて農村との関わりを持つ者を増やすこと及びそれを可能にするための産業振興が必要であるというふうに思っております。 そのために、今改正案では、農村との関わりを持つ者の増加を図るための産業の振興を位置付けるとともに、そのための施策として地域の資源を活用した事業活動の促進というのを位置付けたところです。
○徳永エリ君 農村をしっかり守っていく、農村の暮らしをしっかり支えていくという意味では、中山間地等直接支払交付金、これも余り予算変わっていないんですよね。来年は第六期の対策に入りますので、予算の見直しも含めてしっかり、このすばらしい資源のたくさんある農村を守る、このことをやっていただきたいということをお願い申し上げまして、まだいろいろあったんですけど、時間になりましたので終わらせていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代です。今日もよろしくお願いいたします。 いろいろと通告させていただいておりますが、多分通告どおりに進められないと思いますし、最後まで行けないと思うので、済みません、御準備をいただいた皆様にはおわびを申し上げたいと思います。 で、いや、もういろいろ答弁聞いていると、自分の質問の前にちょっと一言一言と思って。いや、私は、与党も野党も将来に向けての方向性というのはそう大きくは変わらないはずだというふうに思っていますし、これ前回も申し上げたんですが。 最初、宮崎委員の方から、若い生産者や消費者に対するメッセージ、大臣、下さいといって、大臣は、生産性の向上であるとか付加価値の向上について、これはまあ若い生産者に対するメッセージだと思いますし、そういうことを踏まえて消費者の購買行動につながっていけばいいという話だったと思うんです。 私、それはそれで大事だと思うんですね。生産性向上させることも大事だし、付加価値を高めて消費者の皆さんに喜んでいただけることを作っていくのもとても大事だと思うんですね。でも、やっぱりそこで私たちが忘れてならないのは、そういうでき上がったものの前に、農業や農村の持つ役割をやっぱりしっかりと国民の皆さんに理解していただくということが大事なんです。だからこそ、国民の皆さんの税金を使わせていただいて農業支援することにも国民に納得をいただく、そして、ああ、国内で作ったものを消費することというのはこれだけのいろいろな役割があるんだな、さらには、農家のことを思うだけじゃない、やっぱり農村、こういうものをみんなで支えていくことが大事なんだなという、ちょっとやっぱりそういうことにも一言触れていただいたらよかったなというふうに思っています。 それと、今、認定レストランの話がありました。まあ、元々はとんでもないことになると言われたと。それ聞いて、またちょっと余計な話しますけどね、私たちが民主党政権のときに、子ども手当と言ったら愚か者めと言われましたよ。学校の無償化、今も続いていますよね。多少形は変わった、でも、子ども手当ってやっぱり必要だよねとなった。社会全体で子育てしよう。何を言っているんだと言われたけど、今になってやっぱり社会全体で支える仕組み必要だよねとなった。ですよね。人への投資、あの頃使っていた言葉が今使われている。 所得補償も、ここで所得補償に行くんですけど、さんざんなこと言われていますけどね、これ、衆議院の農水委員会で稲津議員も、制度があったから価格下がったということを言っているんです。 皆さん、そういう批判される方多いですけど、制度があるからといって価格下げていいんですか。駄目に決まっているじゃないですか。やっぱり、そういうやり方しちゃならぬと言うのが我々の役目だったのに、制度ができたら、ああ、価格下がる下がるといったら、概算金がそのまま下がって、確かに制度があったんだから農家の皆さん困らなかったですよ。でも、それを正当化するような批判はやめていただきたいんです。 後から、ああ、やっぱり我々の主張していたことが良かったなと十年たってから言わないように、是非、やっぱり、どういう支援が米農家やこれからの農業にとって必要なのかというのは、みんなで力を合わせて考えていけばいいですよ。所得の補償はけしからぬとかそういうことじゃなくて、このままでは、やっぱり農業、日本の農業、駄目になっていくんじゃないかという危機感は共有したいと思います。 その上で、今日二十五分しかないのにちょっとしゃべり過ぎましたが、大臣、さっき、生産基盤は弱体化していないと。これ、大臣答弁されたということは、農水省の見解、つまり政府の見解ということでよろしいですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 私は、先ほど委員長から質問に的確に答えるようにという注意を受けましたので、その注意を受けて、私が感じていることを、考えていることを言いました。 弱体化というのは、非常にやっぱり厳しい環境の中で、日本の農政、あるいは農林水産省、私は、生産額も含めて、あるいは集約化等も含めて、私はそれは頑張っていると、進んでいるというふうに思います。弱体化ということで一刀両断に切り捨てることは、これまでのやはり与野党の努力というものをやはり、あるいは農林水産省の努力というものをやはり無にするものであるという思いで、先ほどそういう答弁をいたしました。
○田名部匡代君 大臣の今の思いは分かりました。でも、今、基本法の議論して、これから計画を立ててどういう政策打っていくかというときに、今の現状どうなっているかということは的確に私たち把握しておかなきゃいけないと思うんですね。 いろいろな団体からも、この生産基盤の弱体化、それは懸念も含めてですけど、御指摘がある。大臣の答弁を受けて急いで調べたんですけど、例えば、令和四年の食料・農業・農村白書、これダイジェスト版で、特集で、食料安全保障の強化に向けてというこれ特集組まれているんですけど、一番その最後に今の現状どうかということが書かれているんです。国際的な情勢の変化や食料供給の不安定化等により、我が国における食料安全保障上のリスクは高まり、一方、我が国の人口減少は農村部で先行して進展しており、農業従事者についても高齢化が著しく進展し、生産基盤が弱体化なんですね。 いや、みんなが頑張ってきたんだから弱体化と一刀両断するのは努力を無にするよねと、気持ちは分かりましたけれど、でもやっぱり、今どういう現実なのかということを踏まえないといけないというふうに思っているので、いや、私は、ここで役人の書かれた答弁書をただただ読まれるよりも大臣の思いを込めて率直なやり取りできる方がいいので、別に何か今そう言ったから悪いとかいいとか証拠を出せみたいな話はしませんけど、でも、この議論にとって大事なことは現状どうかという、このままほっておいたらどうなっちゃうか、そこから始まらなきゃいけないと思うので、まあ弱体化していないはちょっと言い過ぎだったかなと思うけど、大臣、どうですか。
○国務大臣(坂本哲志君) トータル的に見て、弱体化はしていないというふうに思います。それは、一部において様々な農村地域の疲弊、中山間地、こういったところのやはり弱体化はありますけれども、トータルで見て、やはり農業産出額は九兆円もキープしている。 しかし、この令和三年、四年以降の気候変動のやっぱり影響というのが想定を超えるものがあります。それから、地域紛争、地政学的リスク、これも私たちでは考えられなかったような状況になっております。さらには、アフリカを中心とした人口の爆発的な増加、こういうこともやはり非常に懸念をされます。そういう懸念の材料がこの一年、この二年で非常に顕在化してきた。このことに対して、今のままの状況ではやはりこれを、この危機を乗り切れないということで、私自身としてはこの食料・農業・農村基本法の改正案というものを提出したところでございます。
○田名部匡代君 それと、またこれも徳永さんとのやり取りの中で農村の総合的な振興、四十三条のところですけれども、これ四十三条だけじゃないんですけれどね、やっぱり意味合いとしてそういう何か含まれているからいいということではないと思っていて、やっぱり農業される方、農村、そして国民にきちんと我々の向かう方向性なり考え方がちゃんと伝わらないといけないと思っていて、この例えば四十三条、農村の総合的な振興もそうですけれども、農村と関わりを持つ者の増加に資する産業の振興とかね。何かね、徳永さんが指摘されたとおり、農村との関わりを持つ者の増加を図るだとか、そもそも、別にそれも否定はしないですよ、だけれども、本来はやっぱり農業者の所得がそこでどうやって上がっていくのかと、それをもって農村の発展がどう実現できるのか、これは少なくともちゃんと書き込むべきだと思うんですね。 外から人が来て、交流が深まって、そこでお金を落としていく、また新たな産業生まれる、それもいいですよ。でもやっぱり、外から来る者だけではなくて、そこで生きていく者、まさに農業者、農村、そのことをきちんと明記して方向性を示すことが大事ではないかなと思うんですけど、ちょっと、ごめんなさい、通告していないんですけど、大臣でよかったら。
○国務大臣(坂本哲志君) 言われることはまさにそのとおりであります。 まず、先ほど一番最初に言いましたように、農村に居住する者あるいは農村に様々な関係を持つ人、こういった人たちがやっぱり主体性を持って、自らの農村をどうするのか、そしてそこでどうやって所得を引き上げるのか、あるいは食料生産をしていくのかというものを進めていかなければいけない。 その前提に立って、条文上は、農村との関わりを持つ者には、関係人口についてだけではなくて定住、移住者も含んで総力戦で農村を活性化していく、所得を引き上げていこうということであります。そして、それ以外にも、昨日、二地域居住拠点推進、居住推進法というのが国土交通省の法案として通りました、成立いたしましたけれども、国土交通省、内閣府、あるいは総務省、文科省、こういった横のつながりも全て含めて農村の活性化というのを進めていかなければいけない。 しかし、私たちは農林水産省でありますので、そこでやっぱり農業の振興というものをどうしていくのか、そのためにはやっぱりそこに居住している者、農業者、そしてプラスアルファで所得も引き上げる、あるいは経営判断をしていくというような考え方でございます。
○田名部匡代君 私はそういうことをきちんと明確に書いていくべきだと思うんですけど、ちなみに、大臣、先日の委員会で、衆議院の方では我々野党それぞれ修正案を出して、全く、全く見向きもされなかった話ししましたけれども、別にその修正案がどうのこうのではなくて、こうして我々もいろんな提案させていただいていますが、やっぱりよりいいものにするためには、もう一歩も譲らないという姿勢ではなくて、そうだなと思うことはやっぱり議論を深めて見直したり変えたりしていくべきだというふうに大臣はお考えですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 修正に関しましては立法府の中で協議をしていただくことでありますので、私たちは最良の法案を提出したというふうに思っておりますので、あとは立法府の方で十分御協議いただきたいというふうに思います。
○田名部匡代君 質問に入ります。通告している紙に移りますね。 旧第十四条の年次報告について、前回の質問でもこれ取り上げさせていただきました。そのときには、大臣が結構丁寧に答弁していただいたので、ああ、そうですかとすんなり素直に受け止めたんですね、素直な女なので。でも、やっぱり改めて考えたら、何か違うなと思ったんですよ。 これ、講じようとする施策の内容は、既に国会で政策が決定する頃の三月か四月に、これ食農審、審議会ね、意見聴取となっているから、既に国会で議論しちゃっているので、何というの、省いてもいいと、時期がずれるから、まあ三月か四月なのでと、そういう答弁だったんですけど、別にこれ聴取の時期変えればいいんじゃないですか。三月か四月じゃなくたって、それをやる前の時期にできないんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 白書につきましては、動向編と講じた施策、それと講じようとする施策と三つの要素がございますけれども、動向編につきましては、その当該年度の農林、農業をめぐる状況、あと、講じた施策につきましては、その当該年度において実施した施策についての評価等を規定するものでございまして、その性格上、年度末の三月以降でないと作成できないため、次年度の四月以降に国会報告を行っています。講じようとする施策についても、当然、当該年度の農業の動向や講じた施策の内容を踏まえて記載するということが想定をされておりますので、講じた施策と離れて、それより数か月前に国会に報告するということは適切でないというふうに考えています。
○田名部匡代君 そうかな。まあいろいろなこうした専門家の皆さんに指摘を受けるというか、御意見を聞くということは大事だと思っていて、効果の検証は検証としてしっかりやらなきゃいけないし、動向を見て必要な対策について講じよう、まさに講じようとする施策に対してそれでいいのかどうかという御意見を聞いたりということは、私はとても大事だと思っています。 大臣、今、法案のことも、いい法案を出したとおっしゃったんだけど、何というかな、まあ善かれと思ってこれまでだっていろんな政策打ってきて今の現状なわけですからね、やっぱりそういうことはお互いに反省してみたり、ちゃんと受け止めてみたりということが大事。 これが一番いい、善かれと思って、農水省の皆さんだってその都度考えていると思いますよ、誰も農業駄目になったらいいなんて思っていないし、何とかしなきゃいけないと思って知恵を絞って政策考えていろんなことやっていらっしゃるのは私も分かりますよ、一生懸命なのは。でも、本当にそれで十分なのか、今までやってきたことを思い切って見直さなきゃいけない時期に来ているんじゃないか。 例えば、続けてきたことを変えるって本当に難しい。我々も、短い期間だったけれども、政権をお預かりして思うわけですよ。思い切ったことを言ってきた、でも、断ち切るってこんなに難しかったかと思うこともいっぱいあったんですね。 でも、農水省の皆さんと一緒に仕事させていただいたから、やっぱりどれだけ真剣にこの国の未来の農政を思っていたかということは、私は本当に伝わっていますよ。でも、やっぱりそういう気持ちにおごることなく、これでいいのかな、正しいのかな、間違っていないかな、我々の言っていることの方がもっといい結果生むんじゃないかなという思いで議論していただきたいなと思うんだけど、なかなか、はなから私たちの言うことは受け入れてもらえないのかなというと、やる気もなくなりますけどね。やる気をなくしたら農家の皆さんに申し訳ないんで、ちょっと一生懸命やっていきますけどね。 第四十九条、都市と農村の交流等について、ここでは、国は、都市及びその周辺における農業について、消費地に近い特性を生かし、都市住民の需要に即した農業生産の振興を図るために必要な施策を講ずるものとするというふうにあるんですけど、都市農業振興基本法では、都市農業が農産物供給機能のみならず多様な機能を果たしていることを明記した上で、これらの機能が将来にわたって適切かつ十分に発揮されるとともに、そのことによって都市における農地の有効な活用及び適正な保全が図られるように、都市農業の振興を積極的に行わなければならないとしているんですね。ですから、ここでも都市農業が果たす極めて重要な機能についてきちんと明記すべきではないかと思うんですね。 何か、いろいろ聞いても、それも含まれている、そういう意味もあるじゃなくて、必要なことはきちんと誰が見ても分かりやすく書いたらいいと思うんだけど、どうですか。
○政府参考人(杉中淳君) 現行の基本法についても、都市農業について、都市及びその周辺の農業について、住民の需要に即した農業生産の振興を図るというふうに規定をされております。 これを受けまして、議員御指摘のように、平成二十七年、都市農業振興基本法が制定をされて、先ほど議員が御発言いただいたような、様々な役割又は取組について規定をされたところでございます。基本的に、更に下部の基本法とし、より詳細な施策の方向性を示したということでございますので、都市農業の機能について、食料・農業・農村法で重複して規定することは必要ないというふうに考えたところでございますけれども、これは当然、都市農業振興基本法で定めたことに基づいて、都市農業の振興に向けた取組と、これは一層進めていきたいというふうに考えています。
○田名部匡代君 十七条の基本計画について伺います。 改正案第十七条第二項第二号では、基本計画に定める事項に、食料安全保障の動向に関する事項を追加することとしています。 基本理念に掲げられた食料安全保障の確立以外の環境と調和の取れた食料システムの確立、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展及び農業の振興の動向については、これ、基本計画に定めるものとは書かれていないんだけれども、こういうことだってきちんと書いたらどうですか。何で書いていないんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 改正後の第十七条第二項第一号で、現行から引き続いて、食料、農業及び農村の施策に関する基本方針を位置付けるということにしておりますので、基本理念で掲げているということを全て沿って基本計画を定めるということになっております。 その上で、現下の世界的な食料需給の不安定化を考えれば、食料安全保障の確保というのが最重要課題になっているということを踏まえて、まず第二号で食料安全保障の動向に関する事項を新たに位置付けることとしました。また、その関係で、条文で規定する必要性ということでございますけれども、基本計画に基づく目標、これ、現在食料自給率のみが記載されているわけですけれども、食料安全保障の確保ということを考えれば、食料自給率以外の、例えば肥料等の生産資材の安定供給の状況が反映されないと、こういった課題に対応するために自給率に加えまして食料安全保障の確保に関する事項の目標というのを位置付けるということにしましたので、こういった食料安全保障の確保に関する事項の目標を位置付けるという大前提として、その重要性であるという、食料安全保障の動向に関する事項というのを二号に加えたところでございます。 当然、それ以外の基本理念につきましても、先ほど申し上げました第一号の基本方針という中で定めますので、そういったことも踏まえてしっかり基本計画を作っていきたいと考えています。
○田名部匡代君 皆さんが分かっていればそれでいいやという話じゃないですよね、基本法はね。大事なことなわけじゃないですか、理念に掲げて。分かりますよ、理念に掲げたんだから、当然、計画だって作るでしょうよ。でも、だから、そういうことを丁寧にやったらどうですかというだけの話。この間も、良質だけでは不十分だから、安全なことを、消費者の皆さんに対して食料を供給するには安全も責任持って我々やるんだよということをメッセージとして伝えるためにも、そこは、厚みというか、きちんと明記したら。それも含まれている、今回も当然やる、いや、そうでしょうよ。 だけれども、我らが議論した、ここで私たちが分かっていればいい話でもないし、農水省の皆さんが分かっていればいいという話じゃないわけですよ。明確に、この厳しい状況打開して、本当に、日本の農業、こんな希望持てるのかと、これだけ本気で国が取り組んでいくのか、こういう未来が見えていくのか、やっぱりそういうことがちゃんと、せっかく改正するんだからやったらどうかなと。無理なこと言っていますか、私、この間から。全く違う方向のこと言っていますか。ちょっと書いたらって言っているだけですよ。いや、別に間違ったこと出していないって、別に私も間違っているなんて言っていないですよ。どうですか、大臣、丁寧に書いたらどうですかと申し上げているんですけど、どう思います、大臣。
○国務大臣(坂本哲志君) それは条文に関わることですので、その辺のプロはやっぱり行政マンでありますので、行政マンの方にその文言、条文の文言についてはお任せをしております。
○田名部匡代君 環境の問題について。 みどりの食料システム戦略で掲げている目標達成だとか、私、あれは非常に力を入れて作成されたなというように思っているので、それらを実効性を担保する措置というのはどこで読み取れるのか、全く見えてこないんですね。 やっぱり、基本法においても、それを実行していくんだという本気度が見えてきてこそ前に進められると思うんですけれども、例えばどういうところでそれは読み取ればいいんでしょうか。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 みどりの食料システム戦略に基づく取組の内容に、念頭に、今回の基本法の改正案におきましては、基本理念に新たに、生産から消費に至る食料システムを環境と調和の取れたものにしていくことを初めて位置付けました。第三条。 基本的施策におきましては、環境負荷低減に資する技術を活用した生産方式の導入の促進、環境負荷低減の状況の評価の手法の開発などを位置付ける、第三十二条、こととしたところであります。 これによりまして、基本法の改正も踏まえまして、みどりの食料システム戦略の実現に向けて、関係者の理解を得て、環境負荷低減と多面的機能のどちらも重視しながら、省一丸となって取り組んでまいります。
○田名部匡代君 例えば、今おっしゃったように、環境への負荷低減を図るということ示されているんですけど、それは生物多様性損失の低減を図るということも含まれているのかということなんですけど、これ、環境省、農水省、国交省、三省共管の生物多様性増進活動促進法で、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる、いわゆるネイチャーポジティブの実現を推進するという、こういう法律があるんですけど、例えばこの低減を図るということと若干この今申し上げた法律は、もっとこう、何というの、回復軌道に乗せて損失を止めて反転させるというところまで目標としているわけですけど、例えばこういうことは今回の法律でどういうふうに整理されているのか。つまり、みどりの食料システム戦略というのは非常に高い目標を掲げて進めていくんだけど、それが環境への負荷の低減を図るに全て含まれている、それで全てが伝わりますということですか。
○委員長(滝波宏文君) 答弁簡潔にお願いします。
○政府参考人(川合豊彦君) 委員御指摘の生物多様性増進活動促進法案におきましては、企業等における里地里山の保全など、地域における生物多様性の増進の活動を促進するため、当該活動に係る認定等の措置を講ずることとされております。 生物多様性の増進と環境に配慮した農業の推進は密接に関係しておりまして、農林省としましては、みどりの食料システム戦略に基づきまして、化学農薬、化学肥料の低減などにより環境への負荷の低減を図り、生産力の向上と生物多様性の保全の両立を推進してまいります。
○田名部匡代君 時間来たので終わりますけれども、また次回この続きがありますので、よろしくお願いします。
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 食料・農業・農村基本法について議論を深めてまいりたいと思います。 まずは、基本法というところで、基本について大臣に伺いたいと思います。 私はスポーツの世界で生きてきたので、何事も基本が大事だと感じております。スポーツ、アルペンスキーでも、毎日必ずこなすメニューが基本の反復練習です。いかなるときでも基本を大切にするからこそ結果につながります。逆に言うと、基本からずれたり基本をおろそかにすると結果につながらず、レースの世界ではけがにつながることもあります。 まさに我が国の食料、農業、農村の現場は厳しい状況にあり、基本を見詰め直す重要な時期であり、熟議の府参議院として徹底した基本法の審議を行ってまいりたいと考えます。 そこで、大臣の、基本というものに対してどのように考えていられるのか、まずはお考えを伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちの最も重要な使命は、国民に安定的に食料を供給することだというふうに考えております。そのために、国民一人一人の食料安全保障を確立するとともに、人口減少下でも国民の食料を安定供給できる農業や食品産業、そして生産基盤を確保することが重要であるというふうに考えております。 昨日の衆議院の方でもお答えいたしましたけれども、毎日のニュースでやっているパレスチナ、イスラエルの戦争におきましても、空輸で食料をパレスチナ・ガザ地区に供給する、それにやっぱり国民の皆さんたちが群がってやはりそれを争奪する、そういう状況を決してつくらせない、このことが私たちの農林水産省としてのまず最重要な任務であるというふうに思っております。
○横沢高徳君 食料、農業を守っていく基本は、まずは国内生産基盤、まず人と農地だと思いますが、この点については、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) まさにそのとおりであるというふうに思います。そういうことで、今、来年に向けて地域計画というものを作っていただいております。これは、人・農地プランというものを、これまでありましたけれども、それを法定化をして、そして、いかに十年後あるいはそれ以降に人を確保するか、農地を確保するか、将来地図をつくり上げるということでありましたので、まさに委員おっしゃるとおり、人と農地は農業、食料というものを、食料、農業というのを考える上で最も大切なことであるというふうに思っております。
○横沢高徳君 人と農地は大事だという答弁をいただきました。 先日の本会議でも取り上げましたが、一九九九年の現行基本法審議の際に、政府がその背景として説明したものは次のような内容です。背景の一つとして、食料自給率の低下が挙げられています、次に、農業者の高齢化やリタイアが進み、担い手の育成確保が不十分である、そしてさらに、農地が減少し、耕作放棄地は増加、農地を有効に利用する体制も十分でない、そして、農業生産の現場であり、生活の場でもある農村の多くが、高齢化の進行と人口減少により、地域社会の維持が困難な集落も相当数見られる、このように一九九九年に説明されています。 四半世紀前の課題が何一つ解決されていないまま、現在まで続いています。ましてや、現場は、より厳しい状況にある現場もあると考えます。大臣、この事実をどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 今委員おっしゃいましたように、一九九九年、平成十一年以上に、やはり、それまでの農業基本法は食料増産あるいは選択的拡大、こういう方向でやってきましたけれども、それだけではやはり地域の疲弊も進んでいたというようなことで、食料・農業・農村基本法ということでそのタイトルもやっぱり一新をしてスタートをいたしました。そのときの状況からやはり改善された部分、あるいはまだ課題として残っている部分、さらにはそれ以上に進んだ部分、いろいろあると思います。 先ほど言いましたように、改善された部分につきましては農地の集積、集約化、こういったものができた、あるいは機械化が進んでいった。一方の方で、家族経営と法人経営の組合せがやはり実現できるようになった、それが結果として九兆円の農業生産総産出額を維持していく、こういったことはやはりこの四半世紀の間に成し遂げられてきたことだろうというふうに思います。 ただ、農村の人口減少、これは全体の人口減少にも関わりますけれども、人口減少、そして高齢化、これは自然のやはり成り行きでもございますけれども、それに対して今後どういうふうに私たちがそれを乗り越えていくためにしなければいけないかというようなことで、これまでの二十五年間の実証と反省に基づいて今回の基本法というものの改正というふうに至ったところであります。
○横沢高徳君 今の答弁を踏まえてもう一つ聞きたいんですが、先日の参考人質疑で、食料安全保障が目玉であるにもかかわらず、農業生産基盤の強化策が欠けているという点を作山参考人が指摘されておりました。農業分野では、相変わらず二十七条の専ら農業を営む者、二十八条の効率的かつ安定的な農業経営に固執し、農業者や農地の減少を止められなかった反省がなかったと申しております。 現行基本法制定時から農業者の数は約半減しています。農地は五十七万ヘクタール減っています。これ、事実です。 これまでの農政が招いたこの事実、大臣、先ほど生産基盤の弱体化はしていると思わないとおっしゃっていましたが、これだけ人も農地も減っている事実、これ、どう受け止めますか。
○政府参考人(村井正親君) まず、事実関係、今先生、委員御指摘があったところについて確認をさせていただきます。 御指摘があったように、この基本法制定時からの二十年間で、個人経営体の農業者である基幹的農業従事者、これは稲作農家の高齢化の進展が主な要因というふうに我々考えておりますけれども、百十六万人に半減をしております。その一方で、法人経営体、これが増えてきているという中で、役員あるいは常雇い、これが増加をすることによって、現在、法人経営体のこういった関係の役員あるいは従業員、これが基幹的農業従事者とは別に約二十四万人いると、そういう状況になっております。 ただ、現在百十六万人いるその個人経営体の基幹的農業従事者、これが、現在七十歳以上の層が約六十八万人となっております。我が国全体が平成二十年をピークに人口減少局面に入っており……(発言する者あり)
○委員長(滝波宏文君) 答弁、簡潔にお願いします。
○政府参考人(村井正親君) 生産年齢人口が確実に減りますので、今後二十年間で三十万人まで減少するおそれがあるという危機感を持って今後の政策を考えていかなければいけないと考えております。
○国務大臣(坂本哲志君) 弱体化したというふうに取れるのは農業人口の減少でありますけれども、これは、稲作農家がやはり大幅に減少したこと、これが一番だというふうに思います。そしてもう一つは、やはり中山間地の高齢化と人口減少、これはやはり人口、日本人、全体の人口減少そして高齢化、そういったものが原因であるというふうに思っております。 それ以外のことに対しましては、先ほど言いましたように、農地の集積化、集約化、あるいは機械化、法人化、こういったものでカバーできる部分はこの四半世紀の中でカバーしてきたというふうに思っております。
○横沢高徳君 ちょっとまだまだいっぱい聞きたいことがあるんですけど、時間が迫ってきたので、ちょっと順番入れ替えて、ちょっと条文について聞きたい、確認したい点があるので伺います。 農福連携について伺います。 改正案では、第四十六条に、障害者等の農業に関する活動の環境整備の項目が新たに盛り込まれました。今回基本法に盛り込んだ、まず目的を確認させてください。
○委員長(滝波宏文君) 答弁、簡潔にお願いします。
○政府参考人(杉中淳君) はい、済みません。 農村人口の減少が進んでいるという中で、農村の振興を図るために、農村の持つ資源を有効に活用して新しい人材を農村に呼び込むということが重要になっています。 農福連携の取組でございますけれども、障害者に農業に参画してもらうということだけではなくて、地域保全の共同活動、また新しいビジネス参画をするということで、近年急速に拡大をしている取組であり、農村関係人口を増加させるという取組からも重要となっております。このことを踏まえまして、農村施策として農福連携について規定をさせていただいたところでございます。
○横沢高徳君 そこで、ちょっとお聞きしたいんですが、今回条文を読んでいて、ちょっと違和感を感じたので確認させてください。 条文では、第三節、農業の持続的な発展に関する施策のところの条文に、三十四条、女性参画の促進、三十五条、高齢農業者の活動の促進とあります。 そこで、今回新設される障害者に関する活動の環境整備は、条文上の第四節の農村の振興に関する施策、農村の方に入っているんですよ。何でわざわざ障害者に関する活動の環境整備は、第三節の女性参画の促進や高齢者の活動の促進と横並びではなくて、第四節の農村の振興に関する施策に入っているのでしょう。この理由をお聞かせいただきたい。
○政府参考人(杉中淳君) 農福連携の規定を定めるに当たってその辺り議論したところでもあるんですけれども、先ほど女性、高齢者ということにつきましては、既に農業に従事をしている女性、農業に従事している高齢者の役割ということで、農業者の様々な人材の役割ということの規定として規定したものでございます。 一方、農福連携につきましては、障害者の活用ということで、農業だけではなく地域の取組として、農業に比べ、あと、新しいビジネス創設ということで総合的に推進していくということから農村の施策の中で地域全体の取組として規定することが適当であると判断して、農村の施策の中に規定をしたところでございます。
○横沢高徳君 一緒だと思うんですよ、女性も高齢者も障害の方も。やっている役割は農業に関わっているし、一緒なんですよ。 ちょっと四十六条の内容について確認させてください。国は、障害者その他社会生活上支援を必要とする者の就業機会の増大を通じ、地域の農業の振興を図るため、これらの者が有する能力に応じて農業に関する活動を行うことができる環境整備に必要な施策を講じるものとすると書いています。地域の農業の振興を図るためなんですよ。で、一方、女性参画の促進の三十四条は、国は、男女が社会の対等な構成員としてあらゆる活動に参加する機会を確保することが重要であることに鑑みとあるんです。 何で共に生産現場で大事な役割を担っている障害者の皆さんの位置付けが条文上でこんなにも違うのか、そこをちょっと分かりやすく教えてください。
○政府参考人(杉中淳君) 御指摘を踏まえましたようなことについては、第四十六条について、障害者、これらの人がその有する能力に応じて農業に活動することを行うことができる環境整備を行うというふうに規定をしておりますので、障害者が農業現場の中で働きやすいように福祉の向上を図る、その他の環境整備を図るという必要なところについても規定をしているというふうに認識をしております。
○横沢高徳君 いや、だから何で別々にしたんですかというところを聞いています。
○政府参考人(杉中淳君) その点については、先ほど説明をさせていただきましたけれども、女性と高齢者につきましては、あくまで既に農業に従事していた者の中での女性、高齢者の活動をより促進していくということでございます。 農福連携につきましては、障害者の取組を地域としてもっと農業に活躍していくことによって農業の振興を図るとともに、障害者の福祉の増進を図っていくという地域政策としての側面が強いということで、別の箇所に規定をしたというところで再度説明をさせていただきます。
○横沢高徳君 ちょっと、やっぱりこれ基本法ですから、やっぱりちゃんとばしっとここを、大事な部分だと思うんですよ、そして、二十五年ぶりの法改正で。 ちょっと大臣に、ちょっと同じ、伺います、大臣に、坂本大臣。 同じ基本法でも、障害者基本法第三条一項では、全ての障害者は社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることとあるんです。基本法で女性の参画、高齢者の活動の促進というのであれば、同じように障害者等の活動の促進を位置付けるべきだと考えるんですよ。この点、大臣、どうお考えですか。基本的な考えですよ。
○国務大臣(坂本哲志君) 今事務方から答弁しましたように、農業、農村の振興ということで、女性、高齢者、こういった人たちに更に働きやすい環境をつくる、そして様々な形で参入していただく。それから、農福連携ということについては、これまで農業の基本の中でやはり非常に弱い分野であった、あるいはきちんとした規定がなかった、そこで農福連携というものをそこに明記をして、そして新たな分野としてそこに取り入れるというような意思の下でこの二つに分けたというふうに思います。 最終的にはこれがやはり一つになっていく、そして農福連携の中でやはり担い手としても育っていっていただく、こういったことが大事であるというふうに思っております。
○横沢高徳君 だったら、農業振興につながるんですよ、大臣。そして、わざわざ分ける必要がないと思います。 大臣、これちょっと最後に、我が国も障害者の社会参加が一歩一歩進んできています。国際的にも障害者権利条約に批准しておりまして、我が国の姿勢としても、この理念法の在り方として、例えば女性の参画の促進、第三十四条と同様に、障害者の件に関しても、国は、障害者その他社会生活上支援を必要とする者は、社会を構成する一員として、社会、経済、文化ほかあらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることが重要であることに鑑みとか、そのための環境整備を進めるといった、やはり農村の振興の一部じゃなくて当事者が主体となるこの基本法にするべきだと考えますが、これ最後、大臣、ちょっとこのことについて大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
○国務大臣(坂本哲志君) 御指摘の観点につきましては、四十六条におきまして、これらの者がその有する能力に応じて農業に関する活動を行うことができる環境整備ということを規定しております。そうした方々が働きやすいよう、福祉の向上を図るといった環境整備もこの規定の中で読めるようにしているところであります。 農福連携というのは、障害者の方だけではなくて、やはり犯罪等を犯して社会復帰を目指す人、こういった方々も含めて幅広い取られ方をしているところでございますので、そういった方々がやっぱり農業を一つの起点として新たに様々な活動をしていただく、活躍をしていただく、こういう環境整備を図るということでこの規定を設けているところであります。
○横沢高徳君 時間が参りましたので。だったらこそ同じ農業の振興の方に位置付けるべきだということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(滝波宏文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、宮崎雅夫君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 休憩前に引き続き、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 まず、現行の基本法の制定時の前提とこの改正案の前提で大きく変化したものといえば、やはり地球温暖化だというふうに思います。近年、穀物等の主要輸出国で干ばつや水害による不作が頻発をしております。また、その不作のたびに価格高騰が繰り返されるようになりました。 二〇二一年に公開されたIPCC第六次評価報告書によれば、向こう数十年の間に温室効果ガスの排出が大幅に減少しない限り、二十一世紀中に世界平均気温の上昇が工業化前と比べて一・五度から二度を超えるというふうにされています。 特に、例示的な排出シナリオ、五つあるんですけれども、この五つのシナリオのうち三つまでが、二〇四一年から二〇六〇年までの間に二度以上になるということが示唆をされています。 そして、地球温暖化が〇・五度進むごとに十年に一回発生するような極端な事象の頻度と強度が増加するというふうに予測をされています。将来の地球温暖化の水準が二度の場合、乾燥化地域における農業及び生態学的干ばつの頻度と強度は二・四倍になります。また、陸域の大雨の頻度は一・七倍になります。すなわち、大体五年に一回は干ばつや大雨が来るということを覚悟しなければいけないということになります。 今後、地球温暖化の影響によりこれまでより頻繁に干ばつや大雨が発生するという最悪の事態を想定して、食料安全保障に対しては緊迫感を持って臨むべきというふうに考えますけれども、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、IPCC、気候変動に関する政府間パネルが二〇二一年八月に公表いたしました第六次評価報告書、第一作業部会の報告書では、地球温暖化の進行に伴いまして干ばつの頻度と強度が大きくなることが指摘されております。IPCCの報告では、温暖化の進行に伴い主要な穀物の単収は低下する傾向にあるなど、気候変動による食料生産への影響が報告をされているところであります。 こうした現状を踏まえて、気候変動による影響を含め、食料供給が大幅に減少する事態が発生するリスクが高まっているという問題意識の下で、改正基本法第二十四条におきまして、食料の供給不足により国民生活、国民経済への影響が生じるおそれがある段階から必要な措置を講ずる旨を規定したところであります。 こうした事態に備えるための措置を実施できるようにするために、今国会に食料供給困難事態対策法案を提出しているところでもあります。
○横山信一君 コロナ禍とそれからウクライナ紛争によって、生産資材の輸入が滞ったり、あるいは輸入農産物がなかなか思うように手に入らなかったりという、そういうことがあって食料安全保障が急にクローズアップされたわけでありますけれども、一方で、今申し上げたように、この温暖化というのはもはや抜き差しならないところまで来ていて、それに対しての備えとして、やはり国民には強くこの問題、食料安全保障の問題というのは知っていただきたいなということであります。 この環境の話から入りましたので、引き続き環境負荷低減の話に入っていきたいと思いますが、改正案の二十二条には、国が農産物の輸出の促進に必要な施策を講ずることが規定されています。 農産物の国内市場は、少子高齢化によって縮小が見込まれています。そんな中、世界人口は増加していますので、海外市場を視野に入れて日本の農業を考えていかなくてはいけないという、そういうことは当然のことだというふうに思います。そのために、輸出産地の形成あるいはサプライチェーンの関係者が一体となった戦略的輸出体制、こうしたことの整備を図っていくことが重要であります。 他方、海外において今後大きく伸びていくであろう食品の中には、有機食品というのがやはり考えられるというふうに思います。改正案の基本理念に環境との調和を位置付けて、第三十二条には環境負荷低減に向けた具体策が記載、明記をされております。 世界の有機食品市場は毎年拡大をし続けておりまして、二〇二一年には十四・九兆円の売上げになっています。また、フランスや米国における有機食品の一人当たりの年間消費額は、我が国の十倍以上もあります。 ということで、今後この有機農産物は拡大をしていくということが予想されるわけですが、この我が国からの有機農産物の輸出に関しては、有機の認証体制が相手国との同等性が認められれば有機と表示して輸出できるという仕組みがあり、この仕組みを利用して、農林水産省は、米国とEU加盟国向けの輸出数量を公表しています。これを見ると、二〇一三年からおおむね増加傾向にあったものが、二〇二二年には二千八百八十一トンと前年から二割ほど減少しております。 政府は、昨年十二月に輸出拡大実行戦略を改訂をして、フラッグシップ輸出産地というのをこれから決めていきますということになったんですけれども、一方、このみどりの食料システム戦略でも輸出拡大を重要項目にしています。 しかし、現状でいくと、まだまだ日本の有機農産物の輸出、まあ有機農業自体はまだそんなに拡大もしていないということもありますけれども、この有機農産物の輸出はまだまだだというふうに思いますけれども、今後どうしていくのか、伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 世界の有機食品市場は、委員御指摘のとおり、拡大し続けております。需要の拡大や安定的な販路確保の観点からも、我が国として有機農産物の、有機加工食品の輸出拡大を進めることは大変重要だと考えております。 これらの輸出数量につきましては、委員御指摘のとおり、二〇二二年には二千八百八十一トンと、十年前に比べると十倍以上に伸びております。中でも、海外で人気がある有機茶の輸出が最も多く、次いでしょうゆやみそなどの加工品が多い現状となっております。一方で、この原料となる有機麦、大豆については、その多くが輸入に頼っている状況にございます。 私自身、さきの大型連休におきましてマレーシア、香港に出張した際に、我が国の、また我が地元のですね、兵庫県のコウノトリ育むお米、これ輸出をしておりまして、これ現地関係者にPRをしてきました。 このお米を始めとする有機農産物につきましては、輸出数量は実は二〇二二年の時点で八トンしかございません。これはだからどういうことかといいますと、有機加工食品のみならず、今後は有機農産物の輸出を更に推進していく必要があるということだと考えております。 こうした現状を踏まえまして、農水省としましては、更なる輸出拡大に向けまして、有機JASの認証の取得や国内外での展示会の出展に加えまして、今年度から、食品加工事業者が産地と流通事業者と連携して国産の有機原料を共同調達する取組に対しても支援を実施しているところでございまして、有機農産物や有機加工食品の更なる輸出拡大に取り組んでまいります。
○横山信一君 今政務官が答弁されたとおり、オーガニック市場は非常に今後期待をされるわけであります。他方、国内は、先ほども申し上げましたけれども、人口減で市場は縮小していきますので、そういう意味では、その海外市場の中でも特に有望な有機に関しては、オーガニックに関しては国内での生産はもう最初から海外を見据えてやるぐらいの、そういう取組でお願いしたいというふうに思います。 そうはいっても、国内消費者に向けた取組は重要だということでありまして、そういう意味では消費政策をどうしていくのかということについてもお聞きしたいんですけれども、みどり戦略では、二〇五〇年までに、オーガニック市場を拡大しつつ、耕地面積に占める有機農業の取組面積の割合を百万ヘクタールへ拡大するということを目標にしています。この目標の達成には、当然その国内市場をしっかりと拡大していくということが大事でありますので、消費者の理解とそれから行動変容を促していくということが重要になります。 内閣府の食料・農業・農村の役割に関する世論調査というのがありまして、この中では、環境に配慮して生産した農産物を購入したい人というのが八割に上りました。一方、購入しない理由で最も多かったのは、どれが環境に配慮した農産物か分からないということでありまして、消費者への情報発信が課題であるということがうかがえます。 農林水産省は、今農産物にラベル表示を行うということでその考え方を示しておりますけれども、農産物の環境負荷低減に関する評価・表示ガイドラインというのを策定をいたしまして、それに、二十三品目ですか、米、野菜、果樹、芋類というようなものを対象にして、ラベルデザインによる環境負荷低減の見える化に取り組んでいるということでありますが、改正案第三十二条のこの環境への負荷低減の促進として、国が消費者への適切な情報の提供の推進に必要な施策を講ずるということにされています。 この有機というのは、消費者にとっては割高感があるものですけれども、割高感のあるこの有機農産物を消費者に受け入れてもらうためには、まあ受け入れてもらわないと環境負荷低減は進まないということになっていくわけですけれども、この割高感を乗り越える消費政策というのはどうするのか、伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 みどりの食料システム戦略の実現に向けましては、調達から生産、加工、流通、消費に至るまで食料システム全体で環境負荷低減を図り、環境に配慮して生産された農産物の選択につなげていくことが重要でございます。このため、農水省では、同戦略に基づき、農産物の生産段階における環境負荷低減の取組を評価し、委員御指摘のとおり、星の数で消費者に分かりやすく伝える見える化を進めているところでございます。 さらに、生産から消費まで一貫した取組を地域ぐるみで進めるオーガニックビレッジの取組も行っておりまして、この中におきましては、幅広い年齢層を対象とした有機農業の体験会や、食育と連携した生き物調査の開催、また有機農産物の学校給食への導入やブランド化などにより消費者理解の醸成を支援しているところでございます。 今後も、消費者を含めた食料システムの幅広い関係者の環境に配慮した農産物に対する理解醸成や行動変容に向けて、こうした取組を進めてまいります。
○横山信一君 ちょっと一つ飛ばしまして、大臣にもお伺いしたいんですけれども、有機農業は、普通に考えて、慣行農業に比べて重労働であります。我が国は温暖湿潤なアジア・モンスーン気候ですから、欧米と比較して病害虫も雑草も多いということでありますし、その手間を省くためには化学農薬や化学肥料は欠かせないわけでありますが、それを減らすというのが有機農業ですから、栽培管理に手間が掛かっていくということになります。作業量を軽減するためのイノベーションはもちろん必要でありますけれども、それに向けての様々な取組もやっています、やっていることは承知しております。 この有機を含め、環境負荷低減の拡大を図る上で省力化は欠かせないんですけれども、それ以上に重要だと思うのは、やはり農業所得の増大だと。どういうことかといえば、要するに面倒な環境負荷低減に取り組んでも大してもうからないのであれば、やっぱり農業者はやっていかないと、幾ら言ってもですね。ですから、もうかるんだという、そういう仕組みをやっぱりつくっていかなきゃいけないということが大事だというふうに思います。 大臣は、令和九年度を目標に、みどりの食料システム法に基づき環境負荷低減に取り組む農業者を認定し、先進的な営農活動を行う者を支援する新たな仕組みを導入するというふうに表明をされたわけですけれども、環境負荷低減の取組を拡大し、みどり戦略に掲げる目標や、二〇五〇カーボンニュートラルを達成するために有機農業など環境負荷低減に取り組む農業者の所得増大、これをどう図っていくのか、大臣にお伺いします。
○国務大臣(坂本哲志君) 農林水産省の各種調査では、例えば有機農業、有機栽培の米や野菜では、慣行栽培と比べて、それぞれの年にもよりますけれども、価格が一・五倍から二倍程度高くなる傾向にあります。ただ、その一方で、生産コストは、例えば有機栽培の米の場合には、慣行栽培に対しまして一・三倍程度多く掛かっている事例が把握をされております。 このため、有機農業によります所得の向上に向けましては、一つは、価格に対する消費者や実需者の理解を得て、安定的な販路を確保すること。二つ目は、温暖湿潤な我が国におきまして、特に労力が掛かります雑草対策や病害虫の防除等の生産コストの抑制が重要であるというふうに考えております。 農林水産省では、地域ぐるみで生産から消費まで一貫して取り組みますオーガニックビレッジ、これを創出したいということで、今、募っております。そして、学校給食や直売所等で販路確保やブランド化による付加価値の向上等の販売面の支援も行っていきたいというふうに思っております。 さらには、有機稲作における抑草技術等の労力削減に資する栽培技術の普及や、都道府県で行われます有機農業の技術指導、そして経営指導を行います有機農業指導員の育成等の労力削減や反収向上の促進の支援を今行っているところでもあります。 こうした取組によりまして、有機農業に取り組む方々の所得向上に向けた環境整備を進め、そして多くの農業者が経営の選択肢の一つとして有機農業に取り組んでいただくことができるように今後も努めてまいりたいというふうに思います。
○横山信一君 大事なことだと思うんですね。有機に取り組めばもうかるということが浸透していけば、多くの農業者も挑戦をしていくことになるというふうに思います。 このオーガニックの中でも、ちょっと視点を変えてお聞きをしたいんですけれども、現行基本計画に沿って持続可能な農業構造の実現に向けて、担い手の育成確保とともに農地の集積、集約化の加速化が進められています。大臣の所信でも、人口減少に伴い農業者の減少が避けられないので、持続的な食料供給の維持のため、効率的、安定的な経営体の育成、確保するほか、食料の生産基盤である農地が地域で適切に利用されるよう地域計画を定めていくというふうに表明をされています。 しかし、この農地の集積、大規模区画化を進めていくと、その生態系の単純化になりはしないかということであります。また、農薬や化学肥料の使用による農作業の効率化というのは、当然のことながら、生物多様性に影響を与える可能性があると。 そういう意味では、昨年に改定をされました農林水産省生物多様性戦略では、農林水産業は生物多様性が健全に維持されることにより成り立つものであるというふうにされているわけですけれども、この改正案第五条には、人口の減少に伴う農業者の減少、気候の変動その他の農業をめぐる情勢の変化が生ずる状況においても、農産物の供給機能と多面的機能が発揮されることを求め、農業の持続的な発展が図られなければならないというふうにされているんですけれども、この農地集積、農作業の効率性の追求というのは、その生物多様性の保全と相反するような、一見すると、というふうにも感じるわけですけれども、これを両方、両立させていくということにどう取り組んでいくのか、大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 農業は、自然資本に立脚する産業であります。委員おっしゃいますように、生産力の向上と生物多様性の保全等の環境負荷低減を両立させること、これは相矛盾するようではございますけれども、非常に重要なことであるというふうに考えています。 このため、農林水産省といたしましても、農地集積や農作業の効率化を進める一方で、みどりの食料システム戦略に基づきまして、経営規模の大小にかかわらず、化学農薬、化学肥料の低減等によりまして環境への負荷の低減を図ってまいります。生産力の向上とそれから生物多様性の保全の両立、これをしっかりと推進してまいりたいというふうに思っております。
○横山信一君 みどり戦略では、二〇五〇年に目指す姿として十四のKPIを設定して、中間目標として二〇三〇年目標というのを決めています。 化学農薬の使用量を二〇三〇年までに一〇%低減、二〇五〇年までに五〇%低減という目標を立てていますが、基準年二〇一九農薬年度に比べて二〇二二年は約四・七%という結果でした。化学肥料の使用量については、二〇三〇年までに二〇%低減、二〇五〇年までに三〇%低減という目標を立てています。二〇一六肥料年度に比べて二〇二一年は約六%の低減ということで、どちらもまだまだだなという状況があります。 一方、有機農業、先ほどからお話ししている有機農業については、二〇三〇年までの取組面積六・三万ヘクタールの目標に対して、基準年の二〇一七年の二・三五万ヘクタールに比べて二〇二一年は二・六六万ヘクタールということで、僅かに微増しているということで、こちらは増えていると。 総じて言えば、二〇三〇年目標の達成に向けて取組の加速化が必要だというふうに言えるわけですが、そういう意味では、先ほど来おっしゃった、オーガニックビレッジも取り組みますという話もありました。また、リスクの低い農薬への切替えですとか堆肥等の活用とか、まあいろいろ出ておりますけれども、そういう意味ではこの優良事例の横展開というのが重要じゃないかというふうに思うんですが、二〇三〇年目標の達成に向けてどうするのか、これも大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) みどりの食料システム戦略では、二〇五〇年に目指す姿といたしまして十四の目標を掲げております。そして、中間目標として二〇三〇年目標を定めているところであります。 本戦略のKPIにつきましては、私が本部長を務めますみどりの食料システム戦略本部におきまして、毎年進捗管理を行うこととしております。 今、委員、いろいろとその状況を御報告いただきました。有機農業の面積については、畑地や牧草地において有機JASの認証の取得が進んだことなどから、基準年二〇一七年の二・三五万ヘクタールから二〇二一年時点では二・六六万ヘクタールに増加をいたしました。耕地面積に占めます割合は〇・六%、御指摘のとおりでございます。 化学農薬、リスク換算での使用量につきましては、リスクの低い農薬の切替え等による効果等によりまして、基準年、これは二〇一九年農薬年度でございますけれども、に比べまして二〇二二年時点で約五%減少をいたしております。化学肥料につきましては、土壌診断等による施肥の効率化が進展したことから、基準年二〇一六年から二〇二一年時点で約六%減少したことが確認されているところであります。 引き続き、みどりの食料システム戦略推進交付金によりまして、化学肥料、化学農薬の低減等に取り組む産地の創出や優良事例の発信、そして、みどりの食料システム法に基づきます生産者認定や、地域ぐるみで環境負荷低減に取り組みます特定地域の設定などを進めまして、委員御指摘いただきました意欲的な取組をする地域の横展開を図りながら、目標達成に向けて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○横山信一君 横展開、大事だと思いますので、是非推進をしていただきたいと思います。 ところで、みどり戦略では、二〇四〇年までにネオニコチノイド系農薬を含む従来の殺虫剤を使用しなくても済むような新規農薬の開発により、二〇五〇年までに化学農薬使用量の五〇%低減を目指すとの方向性が示されています。 改正案第三十二条では、国は、農業生産活動における環境への負荷の低減を図るため、農薬及び肥料の適正な使用の確保に必要な施策を講ずるものというふうになっています。 そこで、ネオニコチノイド系農薬の使用状況とともに、従来の殺虫剤に代わる新規農薬の開発状況について伺います。
○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。 ネオニコチノイド系農薬は、水稲のカメムシ防除を始め果樹や野菜などの様々な害虫の防除に使用されている殺虫剤でございます。 このネオニコチノイド系農薬の出荷量でございますけれども、年によってやっぱり変動はございますが、近年は横ばい又は減少傾向で推移しているところでございます。 また、お尋ねの新たな農薬の開発でございますけれども、これ時間も費用も要するものでございます。容易に十年以上掛かる、時によっては二十年、三十年掛かるようなものでございます。とはいえ、毎年数成分ずつ新たな有効成分の農薬登録されております。近年、見てみると、作用機作、メカニズムの新しい化学農薬のほか、天敵などの生物農薬なども開発、登録されているところでございます。 今の開発状況自体は各社の企業秘密でお答えすることできないわけですけれども、現在も、各農薬メーカーそれぞれ創薬力を生かして、みどりの食料システム戦略などを踏まえて開発に取り組んでいるところでございます。今後とも、新たな農薬の開発、登録が進むものと考えております。
○横山信一君 農業の多面的機能には様々なものがあります。水田に限っても、洪水防止、地下水涵養、生物多様性、いろんなことがあるわけですが、稲の害虫防除に必要な化学農薬であっても、こうした生物多様性を確保し、多面的機能を維持する上で、可能な限りこの農薬の使用量を低減していくということは大事なことだというふうに思います。 日本釣振興会というところがありまして、そこから毎年ネオニコフリーの国会要請をいただいております。この日本釣振興会は、全国的なオイカワやウグイ、フナなどの淡水魚の減少要因の一つは、このネオニコチノイド系農薬が魚の餌となる節足動物、甲殻類に影響を及ぼし、結果として淡水魚の減少につながっているのではないかという考えを示しております。 ネオニコチノイド系農薬は、人や水生生物に対する毒性が弱く、稲わらを餌とする畜産物にも毒性が残りにくいというふうに説明をされています。また、水耕のカメムシ防除の場面で、そういう意味で水耕のカメムシ防除の場面で広く使われているということであります。EUでは、このネオニコ農薬については、蜜蜂の被害につながる可能性のある方法では使用させないということになっています。 平成三十年の農薬取締法の改正を受けて、今現在、このネオニコ系農薬の再評価が行われているというふうに承知をしておりますけれども、日本もこのネオニコ系の規制を目指すべきではないかというふうに考えますけれども、御所見を伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 農薬は、安全が確保されていることが最も重要でございます。魚類や藻類等への影響も含め、関係府省が連携して、科学的に安全性を確認した上で製造や使用を認めているところでございます。ネオニコチノイド系農薬につきましては、現在、委員御指摘のとおり、最新の科学的知見を踏まえまして、例えば、人の健康への影響につきましては食品安全委員会、環境への影響につきましては環境省などとともに再評価を進めているところでございます。 農水省としましては、具体的には、蜜蜂への影響評価を海外と同様に充実するとともに、水生生物への影響評価におきましても、従来の魚類だけではなく、魚の餌となるユスリカなども評価の対象にするなど、公表されている学術文献から得られる知見も含めまして、専門家の意見も聞きながら、それぞれ科学的な評価を進めているところでございます。今後、評価結果を踏まえ、農薬の登録の見直しなど実施することとしております。
○横山信一君 水生昆虫についても、しっかり知見を確認をしていただいて、やはり日釣振、日本釣振興会のように、全国で釣りをされている又は釣りに関係する皆さん方ですので、実感としてやっぱり水生昆虫が少ないというふうに感じるというところからこういう要望が出てくるので、しっかりと調査を進めて、しかるべき対応をお願いしたいというふうに思います。 ちょっと質問飛ばしまして、食品産業の輸出拡大について伺います。 改正案では、食料の安定供給に当たって海外への輸出を図ることとしており、食品産業についても、食料の安定供給の観点から輸出の促進を進めることとしています。農林水産業、食品の輸出額、令和三年に一兆円を超えました。昨年は一兆四千五百四十一億円に達しました。このうち加工食品は五千九十八億円ということで三五%を占めています。 一方、食品製造業のうち輸出や海外進出に取り組んでいるのは四一・一%、輸出に取り組んでいない又は取り組む予定のない事業所というのは多数あるという状況になっていると。輸出に取り組む際の課題としては、販路開拓のための取引先の確保、現地ビジネスパートナーの確保、現地規制や商習慣に関する情報の入手といったような課題が挙げられているところであります。 改正案の二十二条では、国は、食品産業の事業者の輸出を促進するため、市場調査の充実、情報の提供、普及宣伝の強化等、輸出の相手国における需要の開拓を包括的に支援する体制の整備等必要な施策を講ずるというふうになっております。 ジェトロを始め関係機関いろいろやってくれてはいるんですけれども、この食品事業者というのは中小が多くて、先ほど、輸出に取り組んでいるところ、あるいは海外展開に取り組んでいるところは四一・一%と言いましたが、これ頭打ちになっていくと。ですから、今後輸出を拡大していこうとすると、この中小がいかに輸出に取り組んでいくかということをしっかりやっていかなきゃいけないというふうになると思いますけれども、この中小の食品産業の輸出拡大に向けてどう取り組んでいくのか、伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、農林水産物・食品の輸出を拡大していくためには、海外見本市や商談会に参加した事業者が海外のバイヤー等と契約を締結し、継続的な商流を構築できるようにサポートしていくことが重要です。 このため、農水省がジェトロと連携しまして、まず海外見本市の前に国内事業者が取り扱う商品情報等を海外バイヤーに送付して商談をアレンジする、また、輸出実務に精通した専門家が商談に同席したり契約をサポートする、またさらに、商談後もジェトロ海外事務所が海外バイヤーから商談の進捗状況をヒアリングするなどの取組によりまして、商談会等に参加する国内事業者等に対する支援を実施し、契約に結び付けるよう取り組んでおります。 また、主要な輸出先におきましては、現地大使館、ジェトロ、JFOODOなどで構成される輸出支援プラットフォームを設置しておりまして、これらの商流構築の取組と規制に関する情報の収集、提供を併せて包括的に支援する体制を整えているところでございます。ちなみに、今月には新たにマレーシアに設置し、私も立ち上げ式に出席をさせていただきました。 農水省としましては、今後とも、こうした取組を通じ、中小企業等による販路開拓を支援してまいります。
○横山信一君 大臣にもお聞きをしたいんですけれども、先ほど来申し上げているように、食品事業者は小規模零細が多いわけです。というか、大半なんですね、これが。 日本政策金融公庫の調査によりますと、食品製造業の売上規模別輸出の取組状況を見ると、売上金額百億円以上の事業者が四九・六%ということで、大きい企業はもう約半分が取り組んでいるという、そういう状況になります。一方、百億円未満ではこれが三割にとどまっているという状況にあります。ですから、大きい事業所が中心で輸出に取り組んでいるという実態があるということです。 二〇三〇年に農林水産物・食品の輸出額を五兆円とする目標のうち、加工食品の輸出額は二兆円が想定をされています。今後、農林水産物・食品の輸出の拡大を図っていく上で、この中小企業の食品事業者による輸出の取組はとても重要になります。 中小の食品事業者が輸出を目指す場合、単独で販路拡大しろと言ってもなかなか難しい。難しいというか、そもそも輸出を考えない。また、輸出をしようとしても大ロット輸出は難しいというのが現状です。 そのため、地域の食品事業者による産地組合のようなプラットフォームで取り組んでいくというのが効果的になるというふうに思いますけれども、農林水産省でも加工食品クラスターを支援しているというのは承知をしているわけなんですが、中小の多い、中小事業者の多いこの食品産業の海外展開、これをどのように支援するのか、大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 食品製造業の海外展開につきましては、我が国の食文化を海外市場に普及をさせる、そして、我が国の農業、食品産業の市場開拓に有益な取組であるため、改正案二十条、食品産業の健全な発展におきまして、新たに海外における事業の展開の促進というのを明記したところでございます。 他方、委員御指摘のように、我が国の食品製造業の大宗は中小企業であります。規制情報の収集や輸出ロットの確保等の面で、単独で輸出に取り組むことは非常に難しい状況であります。 このため、令和四年度以降、まずは菓子等四品目、これは、お菓子、しょうゆ、みそ、カレーにつきまして、団体を認定し、その品目ごとの輸出促進取組を支援することにしております。そして、地域ごとに中小の食品製造業者が連携をして取り組む加工食品クラスターによります輸出の取組も支援しております。現在、三十五団体が活動しているところであります。 さらに、食品製造業等の海外展開に向けました環境整備を図るために、官民間及び企業間の情報交換の場でありますグローバル・フードバリューチェーン推進官民協議会を活用いたしまして、海外展開の際の実務的な留意事項等をまとめました海外展開ガイドラインを策定をいたします。そして、海外展開に関心を持ちます食品製造業等向けのセミナーも開催しているところであります。 これらの施策によりまして、輸出や海外展開に取り組む食品製造業等の前向きな取組を後押しいたしまして、環境整備を進めたいというふうに思っております。
○横山信一君 ちょっと豆、麦を飛ばしまして、時間がなくなってきましたので、改正案四十六条の農福連携の方に入っていきたいと思います。 この四十六条には、障害者等の農業に関する活動の環境整備が記載をされています。 政府は、令和元年度末から令和六年度末までの五年間で、農福連携に取り組む主体を新たに三千件創出するという目標を掲げています。令和四年度末までの取組件数は六千三百四十三件ということで、令和元年度末からの増加数でいくと二千二百二十六件ということで、非常に好調に伸びているという状況です。 令和五年三月の日本基金のアンケート調査によれば、農福連携に取り組む農業経営体の約六割が、人材として障害者等が貴重な戦力になっているというふうに回答しています。また、約八割が収益性の向上に効果があるというふうに回答している。非常に評判がいいということですね。また、障害者側も、この事業体、福祉サービス事業体の約八割が、利用者に体力が付き長い時間働けるようになったというふうに回答している。また、約六割が、過去五年間の賃金、工賃が増加した、また、利用者の表情が明るくなったというふうに回答しています。こうしたことから、農福連携は供給側も需要側もどちらも非常にこの評価が高くて、今後拡大される分野だというふうに言えると思います。 一方で、取組を拡大するためには、農業者側、障害者側の双方にとって環境整備が重要になります。 北海道管区行政評価局が行った農福連携の推進に関する実態調査というのがあるんですけれども、この中で、取組を行っていない理由として、農業経営体の方では、どのような作業を任せられるのか分からないと。また、福祉事業所のつながりや情報がないという、そういう意見が多く、また、福祉事業者側では、農業者とのつながりや情報がないというのが最も多かったということで、双方にとって情報不足の実態が明らかになっているということであります。 そういう意味では、マッチングを行うコーディネーターの確保、あるいはまた特別支援学校での職場実習というのが重要になってくるんだというふうに思いますけれども、農福連携等推進ビジョンには、関係省庁等による連携強化というのが掲げられていますが、文科省、厚労省との一層の連携、あるいは共管事業なんかも必要なんじゃないかというふうに思うんですけれども、どうしていくのか伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 農福連携を進めていくためには、御指摘のとおり、農福連携を始めようとする関係者向けのきめ細やかな情報提供等が必要と考えます。そのため、農水省におきましては、文科省、厚労省と連携し、農福連携を始めようとする農業者や福祉事業者向けのスタートアップマニュアルを作成、公表したほか、農福連携に関するフォーラムや研修会の機会を捉えてその普及にも取り組んでおります。 また、厚労省とも連携し、障害者就労施設等による農作業請負のマッチングを支援するコーディネーターの育成や活動支援を実施しております。 また、文科省とも連携し、特別支援学校の設置者である都道府県教育委員会等や特別支援学校の教員に対する説明会や研修の機会を捉えて、農福連携の意義の啓発などに取り組んでおります。 今後も、引き続き関係省庁と連携し、基本法で定められた、新たに規定した農福連携の推進にしっかりと取り組んでまいります。
○横山信一君 多分最後の質問になると思いますが、大臣にもお聞きしたいんですけれども、この農福連携の福というのは、先ほど午前中にもちょっと話が出ていましたが、障害者だけではなく高齢者、それから社会的に生きにくさを感じている人たち、多様な人たちに対する取組が含まれております。農福連携等推進ビジョンの最終章にも、福の広がりへの支援という章が設けられているわけであります。 令和四年十一月のこの当委員会で、我が党の下野議員からこの件について質問があって、当時の野村農林水産大臣から答弁があったわけですが、農福連携の対象を、障害者だけではなく、高齢者、引きこもりの状態にある者といった働きづらさや生きづらさを感じている者の就労、社会参画の機会の確保なり、あるいは犯罪や非行をした者の立ち直りに向けた取組に広げていくことが重要だと、こういった答弁がありました。 農林水産政策研究所が昨年一月に開催したセミナーでは、生活困窮者や引きこもりに対する支援はまだ不十分だと、活動を持続させるための資金面での支援不足ということも指摘をされております。 改正案第四十六条では、この福への広がりの支援、これをどのように進めていくのか、大臣に最後お伺いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 政府が令和元年六月に決定いたしました農福連携等推進ビジョンにおきましては、地域に生きる一人一人の社会参画を図る観点から、農福連携を、障害者の方々に加えて就労・社会参画支援を必要とする方に対象を広げることも重要というふうにしています。 農林水産省といたしましては、農山漁村振興交付金におきまして、障害者に限らず、共に働く様々な生きづらさを感じている者も含めて支援の対象として、農林水産業に関する技術習得や就労の場となる生産加工施設の整備等を支援いたします。と同時に、農福連携の実践手法を現場でアドバイスいたします専門人材の育成も支援してきたところであります。 新設される第四十六条におきましても、障害者を始めとする多様な人々の社会参画と同時に、これを通じた地域農業の振興を図る観点から、障害者その他の社会生活上の支援を必要とする者の就業機会の増大に向けて施策を講ずることと規定しております。 障害者を含む多様な方々が生きがいを共につくり、高め合うことができる社会の実現に向けて更に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○横山信一君 もうこのところは社会貢献以上の効果を既に生み出しているということでありますので、今後の拡大を更に期待をして、質問を終わらせていただきます。
○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。どうぞよろしくお願いいたします。 通告はしておりませんが、午前中の横沢先生の御意見の中で、女性、高齢者は人材育成の方に、基本法には載っているにもかかわらず、障害者、農福連携は農村の方に、基本法に明記をしてあるということで、やはり、私も二十歳になります障害がある息子の母でございますが、やはりついつい見逃してしまう。これでいいんだと、農福連携という言葉が明記してあるだけでやっぱり農業と福祉は前進したというような思いがあったので、私は横沢先生には非常に感謝をしております。そういう立場でいながらでも、ついつい気付かないというところを本当に指摘していただいたなと思っております。 現在、農業にかかわらず、世の中、社会全体が共生社会を目指しておりますが、日本は残念ながら非常に遅れているというような状況の中で、やはり障害者が働くことによって、その周りの方たちの、健常者の働く場も増えているということで、私はやはりこれは是非人材の方の育成の方に明記するべきではないかと思っております。 また、大臣も、そういう中で、犯罪がある方というような言葉をちょっと、ちらっとおっしゃいました。犯罪のある方、あっ、障害者と犯罪のある方を一緒にする、しない、これ、こういうわけではありません。 私は、かなり以前、熊本の刑務所の方でアドバイザーとして行ったり来たりしたことがございました。非常に体力があります。そして、非常にマラソンが好きな方が何十人かいらっしゃいまして、一緒にトレーニングをしたことがあったんですが、体育祭にも出席をしたことがあるんですが、本当に農業と、そういう体を鍛えられている方、非常に器用なんですね。机も上手ですし、椅子も立派なものが作られておりました。本当にそういう方たちを、是非、高齢者とか、そういう女性活躍と引き離すようなことは決してあってはいけないと思うんですね。 私も、この農水委員会に出席をさせていただきましてまだ一年たちませんけれども、こんなにも一生懸命議論し合っているのに、こんなに立派な基本法があるのに、何で農業が衰退していくんだと、どうして基幹的農業従事者が二十年後には四分の一になっていくんだと、本当に思っておりました。ここに、私、やっぱり理由があると思うんですね。やはり優しさ、豊かさ、こういうところもやっぱりひっくるめて、社会全体、農業だけではなくて、やっぱり大きく農業を見ていった方が私は良くなっていくんではないかと。これがなければ、この壁を越えなければ、私、農業はどんどんと衰退していってしまうと思っております。 そして、田名部先生も言われますが、もう競争じゃないんですね。いいと思ったものはやっぱりどんどんと取り入れていく必要があると思うんですよ。いやいや、自民党だけのこれだから守っていくではなくて、やっぱりいいと思ったのは、無所属であろうが私の意見であろうが、もうどんな方の意見でも取り入れていかないと、私、ずっと次世代にバトンを渡すことは絶対できないと思うんですが、大臣、どのように考えますでしょうか。 是非、この人材育成の方に、農福連携、障害者という言葉を入れていただけませんか。お願いします。
○国務大臣(坂本哲志君) 午前中、いろいろ御指摘もいただきましたので、私も改めて条文を読んでみました。そして、一方の方で、障害者基本法の方も読んでみました。 障害者基本法におきましては、全ての障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されることというふうに明記されております。それから、全ての障害者は、可能な限り、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないことというふうに書いてあります。そういうことで、障害者基本法において、共生の社会というものを築くことということを、その中に障害者が参加していくことということがもう明記をされております。 こちらの方は、食料・農業・農村基本法でございますので、農村、ですから、農業人材の方にはもう既に女性あるいは障害者の方々、これを明記すると同時に、農村のパートの方には、これは新しい文言として農福連携というものを設けまして、農村社会の一員として農福連携を推進していくというふうにしたところでございます。
○松野明美君 済みません、この農村の振興に関する施策で、農福連携、まあ障害者というものが入っているんですが、何でしょうかね、人材育成には障害者に、入っているんですね、じゃ。入っているんでしょうか、お願いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) それは女性と高齢者です、済みません。女性、高齢者が人材パートの中に入っております。
○松野明美君 大臣、済みません、そこに障害者も一緒に明記されたらどうですかという指摘をさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) その点につきましては、今言いましたように、障害者基本法の中にその共生の社会というのがやっぱり明記をされております。そして、これは改めて農村社会の中で農福連携を進めていくということでありますので、農村のパートの中に新たな文言として、新たな規定として、農福連携というものを盛り込んだところでございます。 ですから、高齢者、女性、こういった方々については、もう既にその人材として農業人材パートの中に入っている、一方の方で、障害者の皆さん方は農村社会の一員としてここで農福連携を推進していくというようなことで、ここは分けているところで、パートを分けている、パーツを分けているということになります。
○松野明美君 済みません、ちょっと通告をしておりませんが、分ける必要がないんですね。何でしょう、分ける必要はないんです。 女性と高齢者は担い手というふうにおっしゃいました。もちろん障害者も犯罪がある方たちも、いろんな方々も担い手なんですよ。そうじゃなければ、この日本の農業は多分、私は余り農業のことを知りませんが、発展しないと思います。だから、是非、じゃないと、多分、いつかまたこれ指摘されます、多分、恐らく。私ではなくて次の方たちが指摘するんですよ。だから、今のうちに、二十五年ぶりにせっかくの基本法改正するのであれば、一緒に明記してくださいということを私はお願いをしております。 多分、譲れるものと譲れないものがありますが、私、もうほとんど譲っている、譲るタイプなんですが、これは私譲れません。ですから、是非明記を一緒にしてくださいということです。お願いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) いや、このことについては、障害者基本法の方に明記をされております、共生の社会ということで。そして、これは新たに農村社会の中でどういう社会を目指すかということを新たに農福連携という形で明記したわけでございます。 ですから、最終的には、最終的にはですよ、あと何年か後にはそれが一緒になるかもしれませんけれども、ここで改めて、改めて農村社会の中でその共生を、やはり共生の社会をつくるというようなことを書く必要はないし、一緒にすれば、一緒にすれば、これは障害者基本法の下、ダブってくるというふうに思います。
○政府参考人(杉中淳君) 補足をさせていただきますけれど、障害者の社会参画を進めることは必要でございまして、これはあらゆる分野でございますので、農業についても障害者の方にもっと参画をしていただく必要があるということについては、我々としてもその必要性を痛感しております。 それを踏まえた上で、政策としての課題、この基本法自体は進めるべき政策について規定をしておりますけれども、障害者が働きやすい環境づくり、これは職場だけではなくて、そこに通勤するための地域全体としての環境づくり、また、先ほど横山先生からあったとおり、働く場をつなげるためのマッチング、また、障害者が農村の一員としてそこで暮らす環境づくりと、そういった全体的な環境づくりが必要だと考えております。 そういった観点から、他の産業政策を超えた地域全体としての取組というのが我々は必要と考えておりまして、そういう観点から、農福連携のために必要なことは環境づくりということで、農村施策の中に規定をさせて、提案をさせていただいたところでございます。
○松野明美君 多分いろんな視点があると思います。 私は、やはり環境整備ではなくて人材育成の方でいいんではないかというふうに伝えているんですね。それがなかなか難しかったらそれは仕方が、くすっじゃないです。本当の、そこだと、人材育成じゃないと駄目なんです。そういうようにしないと、基幹的農業従事者とか担い手がどんどんと減っていくんですということです。みんなで、全国民で農業守っていきましょうということです。 ここだけで、農業関係者でいいというわけではないと思うんですね、私は。スポーツだって、いろんな、引退された方だって農業に、退職がないわけですから、挑戦できるんですね。ですから、そういうふうに全国民で守っていきませんかということを私は、その障害者という方を通してお伝えをしています。そうでなければ、多分もうどんどんと衰退していきますよということなんですね。 ですから、環境整備ではなくて、頑張っている方々がいる中での環境が、整備していくと思うんですよ。環境が先ではないです、人材が先ですと私は思うんですね。ですから、何回も言っても分からないと、分かられないかもしれませんが、ここはきちんと人材育成の方で、障害者ということを明記されたらどうですかということをお願いしたいと思いますが、もしなかったらもう次に行きますが、いかがでしょうか、大臣。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 私どもの局で、農村政策としてやらせていただいておりますけど、農福連携今どんどん進んでおります、進んでおりますが、現在の取組の数でいうと、農業経営体でいえば〇・三%にとどまっておりまして、やはりこれは、まだ点的なものになっておりますので、これを広げていくためには、地域単位でどんどんマッチングなりいろんなものを、地域としての広がりをやっていく必要がある、そういう中で、私ども、農村政策の中でしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○松野明美君 そうですね。幾ら言っても、多分、今の現状では分かられないのかなと思います。ただ、視点を、やはり教科書とか、こういう机の上の資料ではなくて現場を見ていただきまして、農福連携の状況とかを見ていくと、あっ、やっぱり人材育成なんだなと思います。 皆様方が思っていらっしゃる以上に障害者の方たちは体力があられるんですよ。いろんな細かいところも作業されます。もう本当に、これ、あれなんですけど、文句も言わずに黙々と作業されるんですね。そういうところもちゃんと分かっていただきまして、ずっと、この私たちが、こちらの伝えていることも分かると思いますので、是非それはもう一度考えていただければなと思います。 私、もしかしたら、次は農林水産委員会ではないかもしれませんが、こればかりだけはちゃんと残していきたいと思っておりますので、引き続きこのことはよろしくお願いを申し上げます。
○国務大臣(坂本哲志君) これは、食料・農業・農村基本法、農村に関する基本的な法律を規定しております。そして、初めてこの法律の中で農福連携というのを入れたところでございます。 女性、高齢者の方々については、これからどうやってそれを、しっかりと働いていただくかというような政策を取っていかなければいけません。そして、改めて、ここに農福連携というものを入れたというようなことで是非御理解いただきたいというふうに思います。
○松野明美君 これ以上多分ないと思うので。 ただ、私たちというのは、恐らくちょっと私はずれているかもしれませんが、農業がどうやったら良くなるんだろうと本当に皆さん思っていらっしゃるんですね。ですから、そういう競争ではなくて、みんな一緒に農業をやっぱりやっていこうと、良くしていこうという気持ちがないと、恐らく、どんなにこれ何時間、何時間、もう百時間やっても多分良くならないと思います。 ですから、これは是非心改めていただければと。農業の分野でも改めていただければと。そして、福祉とかそういうもの、引っ張ってもらうのではなくて、農業から引っ張っていくような、そういうモデルのような農業を目指していただければと本当に思っておりますので、ここは本当によろしくお願い申し上げます。 じゃ、次に、少し順番を入れ替えます。新規就農者の離農率についてお尋ねをいたします。 先日、私、新規就農者の一年目の離農率をお聞きしまして、この離農率が二・三%で、大体九八%ぐらいは定着をしていますよというような答弁をいただきまして、私は余り、本当に農業のことを知りませんから、あっ、九八%、一年目は意外とみんな定着しているなと思ったんですが、ちゃんと、やっぱりできれば親切に答弁をしていただければうれしいんですが、この二・三%というのは、経営開始資金、独立・自営就農対象の一年後の離農率でありまして、農業法人などの雇用するケースの雇用就農資金を受けている方は二四・九%の離農率ということで、かなり差があるなと本当に思ったわけです。 私も、ちょっと、要望ですけど、一年目だけではなくて、新規就農者の五年目、十年目をきちんと調べてくださいと言いましたら、コストが掛かるから調べられないとおっしゃったんですよ。ただ、このように補助金対象者であればそんなにコストは掛からずに、五年後、十年後は調べられると思うんですね。そして、私が言っているのは、一回目、初めての、一回目の離農率を調べてくださいと言っているんです。その次、その次も調べてくださいと言っているわけではないんですよ。だから、コストはさほど変わらないと思いますので、これは努力をしてちゃんと調べていただけませんか、これから先。お願いします。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 通告で幾つか項目、いただいていた項目を今まとめて御質問いただきましたので、ちょっと、それぞれかいつまんでまず御説明をさせていただきます。 まず、新規就農政策を活用した者の定着率の関係でございます。今委員からの御指摘ございましたように、これ令和四年度の定着率で見た場合に、二つあります。 今御指摘あったように、まず、経営開始資金、これ、自らが経営主となってその農業に入って来られる方、これを対象にしたものということになりますけど、この経営開始資金のところで見ますと、この経営開始資金の前身の事業となります農業次世代人材投資事業、これによって、最長五年間の支援を受けた新規就農者の支援が終わって一年後の定着率が約九八%ということでございます。 一方で、今御指摘ありましたように、雇用就農資金というのがございます。これは、要は農業法人に雇用される方が、ケースが対象となる資金ということになりますけれども、この前身の事業が農の雇用事業ということになりますけど、この農の雇用事業によって、最長二年間の支援を受けた新規雇用就農者の支援終了後一年後の定着率は約七五%となっております。 今御指摘あった中で、定着率のこの把握、一年後ということでなくて、もう少し長いスパンでという御指摘、先日の委員会でも御指摘いただきました。 これまで、確かにこの事業そのものが市町村を通じてそのような資金を交付しているということで、なかなか全体きちっと把握しようと思うとこの市町村にお願いをしなければいけないところがかなりあるということで、この調査に係るその市町村職員の事務負担ということを考えて、なかなか難しいというような言い方をさせてきていただいておりますけれども、先般御指摘あった中で、私の方で、確かにある程度の期間見ていかないと意味が、政策としての効果を把握するという意味でなかなか意味がないということで、我々も受け止めなきゃいけないというふうに考えております。 実際、今後どういった形でやるか、どういった工夫があるかということについては具体的な検討をしていきますけれども、この点につきましては、きちっと責任を持って、今後、我々の方でやり方考えていきたいと思っております。
○松野明美君 市町村を通さないといけないからということであれば、市町村を通して調べればいいじゃないですか。だからやらないじゃ駄目ですよ。ここが、ここは大事なところです。なぜ、なぜやめたのか、じゃ、改善していかないといけないという、だから、そこは市町村を通して調べればいいんじゃないでしょうかと質問させていただきます。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 そういったことも含めて検討させていただきますけれども、IT等いろんな技術がある中で、やり方についてはいろんなことが考えられます。 市町村側の現場も、やはり全体的に自治体も定員が厳しい中で非常に事務が増えているということもございますので、そういった状況も考慮しながら、できるだけ国としても市町村に負担を掛けないようなそのやり方も工夫ができるのではないか、そういったことも考慮をしながら検討していきたいと考えております。
○松野明美君 私、市議と県議やってまいりましたけど、一生懸命されますよ。その負担というようなことは聞いたことがないです。国からこう言われたからこう一生懸命やっていますということ言われます。だから、国からやられたからもうきついという言葉、私、職員の皆さんから一回も聞いたことがないです。いや、本当ですよ。ですから、一生懸命皆さんで信じてお願いされたらどうでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 委員から我々に対するエールということで今受け取らせていただきますけれども、一方で、やっぱり我々、各自治体からこの農政に関する事務についても相当いろんな事務をその市町村にお願いをしているという実態がある中で、やはりなかなか大変なんですという声、我々は直接聞いておりますので、そういったことですね、今申しましたように、できるだけ国も汗をかくというようなことも含めて検討をさせていただきたいと思っております。
○松野明美君 分かりました。私はお願いしました、二〇二四年の五月十六日にこの時間でお願いをしましたので、もしも本当にそのままであれば、あっ、何もなさっていないなというふうに思いますので、是非、この今日お願いしましたので、よろしくお願いいたします。 次に、畑地化についてお尋ねをいたします。 これは、本当皆さん、畑地化、必要なのか必要じゃないのかという質問もされているようですが、基本法の第二十九条に及び畑地化という言葉がしれっと入っていました。やっぱり、生産者が畑地化を選ぶと水田に戻れないということは、本当に皆さんおっしゃいます。 やはり、私からも質問させていただくんですが、この畑地化という言葉が本当に必要なのかということをどのようにお考えなのか、大臣、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(平形雄策君) 午前中の議論、聞いていただいたかと思いますけれど、確かに水田、汎用化といって、稲も作れたり、麦も大豆も作れたりという、そういうふうな整備もやってまいりました。基本法にも今汎用化というのは書いてあるんですが、中には、やはりソバですとか一部の野菜ですとか、あるいは飼料作物でいきますと、水を浸すと品質が悪くなる、だから水を浸さないやり方の方がいいんだというところも、実は産地としてはかなり聞こえてきております。 このために、農水省としては、水を張りながら稲、麦、大豆でブロックローテーションするものに関しては水活の対象に今後していきますし、いや、水を通さない方がいいんだというところに関しては、基盤整備、それから一定期間の支援も含めた畑地化の支援ということで、今、二つメニューを用意して、産地の中でいろいろ考えていただいています。 何で基本法に書くかというと、やっぱり今後、やっぱりその水田の管理が大変だとか、逆に、もう畑作物だけでやっていきたいという産地が中にあるので、そういった今後の選択肢の一つとして、汎用化とともに畑地化についても後押ししていくということで、二十九条の中にこの汎用化と並べて畑地化という言葉を入れさせていただいて、これを畑地化の方どうしても落とさなきゃいけないというところまでやるのかというと、やはり両方を推していくというふうに今後の管理のことを考えてみるとというふうに考えて、このように入れているところでございます。
○松野明美君 大臣、済みません、前回の、田名部委員の質問の答弁で、何か、まあ強制ではないんだと、あくまでも農業の、現地の方たちが選ぶんだということを何か答弁されたと思うんですが、もしよかったらもう一度ちょっと答弁お願いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) まさに、農業をやられている方のそれは選択です。水田のまま稲作をやって、そして米、麦、大豆、そういったブロックローテーションで水活というものを活用されるのか、それとも汎用化にされるのか、いつでも水田に戻せる、しかし畑作も植える、そういった汎用化にされるのか、それから完全に畑作にされるのか。選択肢はそれぞれ三つありますので、それぞれの地域でやはり選択していただければいいというふうに思います。 私の、菊池郡辺りは、今TSMCが来ているところ辺りは酪農地帯でありますので、やはり畑地化したいと。そして、青刈りトウモロコシというものを規模拡大をして作付けをして、そして粗飼料の自給率を引き上げたいというようなことを言われる農家さんがいらっしゃいます。それは畜産農家さんです。しかし、一方の方で、耕畜連携で、自分たちは水田をしながら、水田で飼料用稲や飼料米を植えながら、水田を守りながらやりましょうという人もいらっしゃいます。いや、汎用化にして、いつでも水田に戻れるようにはしておきたいという方もいらっしゃいますので、これは強制ではありません。それぞれの地域で自分たちのやはり今後の農業に適合した選択をしていただくということであります。
○松野明美君 大臣がおっしゃるのは、畑地化ではなくて汎用化でいいんじゃないですか。何となく汎用化の中に入っているんではないかなと、この言葉に、違いますか。汎用化ではないんですか。
○政府参考人(平形雄策君) 水田の中でもうずっと水ばっかり張るときは、溝畔というか水が漏れないようにするんですけれど、稲を作ったり麦や大豆を作ったりするときには暗渠を入れて、水を張るときは水張れるし、水を抜くときは水が抜けるという基盤整備の方法があります。 それじゃなくて、もう溝畔自体を外してしまって、いつでも水が抜けて、排水性を良くする工法もありまして、これを畑地化というふうに呼んでおりますので、工法が違います。機能もかなり違ってきますので、どちらを選ぶかというのは強制ではなく、もう選んでいただく方を選んでいただくということになります。
○松野明美君 はい、分かりました。(発言する者あり)
○委員長(滝波宏文君) 指名された方は発言してください。
○松野明美君 藤木先生、ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。(発言する者あり)
○委員長(滝波宏文君) 繰り返します。指名された方が発言をしてください。
○松野明美君 もう畑が必要であれば、耕作放棄地とかは、農地バンクに預けられている耕作放棄地とかは使用できないのかなと単純に思うんですが、いかがでしょうか。耕作放棄地、農地バンクに預けられている。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 今委員御指摘があった御質問の内容は、耕作放棄地を、要するにこの麦、大豆等の生産に活用できないのかと、そういう御趣旨の質問だという理解でよろしいでしょうか。(発言する者あり)そういった理解の下にお答えをさせていただきます。 まず、耕作放棄地でございますけど、一般的には点在をしているというような形でこの耕作放棄地があると、そういった状況が一般的だというふうに我々考えております。一方で、麦、大豆といった作物を作付ける場合には、生産コストの低減等の観点から、農地の集団化を図ることが必要であると考えております。そういったことで、耕作放棄地の周辺農地も含めて農地をどう有効活用していくかと、そういった観点から現場で検討していくことが非常に重要でございます。 その際に、地域の話合いで策定をされた計画、現在、今、地域計画の取組進めていただいておりますけれども、こういった地域計画を通じて、農地バンクを活用しながら、あわせて基盤整備も行って農地の集積、集約化を図っていくということは、この耕作放棄地を麦、大豆の生産にも活用していくという観点から考えられる方策ではあるというふうに思っております。 いずれにしても、各地域によって事情は様々であるというふうに考えておりますので、まず地域の皆さんで話し合っていただくとともに、国としても、地域の皆さんが策定された計画が実現されるよう、後押しをしてまいりたいと考えております。
○松野明美君 とにかく、やっぱり逃げ、逃げの政策ではなくて、やっぱり攻めていかないといけないと思いますので、お願いいたします。 次に行きます。 輸出の拡大は日本の農業の大きなテーマです。そして、先ほどもちょっとおにぎりという言葉もありましたけれども、短粒種米、短粒米、短粒種ですかね、は、古いですけれども、おにぎりとかで日本食も注目されているということです。実は、二〇一五年のミラノ万博では、日本館でコウノトリ育むお米のリゾットが非常に人気となりまして、輸出先がかなり広がったということで、二〇二〇年度には、五年、二〇二〇年度、二十二・二三トン、五年間で約十五倍に増加したということを聞いております。 そんな中、いろいろと、現在もいろいろ言われておりますが、大阪・関西万博、来年ありますが、日本の米をPRして、またグルテンフリー食品やフードテック食品などをPRして海外の市場拡大につなげてはどうかと思いますが、どのようにお考えか、お尋ねいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、JAたじまは、二〇一五年のミラノ万博の日本館で使用されたことで米の輸出を開始されました。その後、輸出を続けられていると承知をしておりまして、大阪・関西万博も我が国の食文化を発信していく絶好の機会になり得るというふうに認識をいたしております。 二〇二五年大阪・関西万博アクションプランでは、万博は、農林水産物・食品輸出立国としての魅力を世界に発信していく上で極めて重要な機会であり、日本の食文化の振興を図るため、万博会場内におきまして、日本の食文化を代表する料理や日本産酒類等に触れる機会を提供することとしております。具体的に言いますと、例えば食と暮らしの未来ウイークでは、国内外の来場者に向けまして、多様な地域の食、伝統文化、フードテック等を発信することとしております。 大阪・関西万博は海外から多くの外国人が訪日する機会でありまして、こうした方々に御飯、お弁当、すし、おにぎり、米粉パンなど、様々な米や米の加工品を含めた日本食、食文化を楽しんでいただきまして、帰国後も日本産米を始めとした日本産食品を購入する顧客層になっていただくなど、万博を契機に更なる輸出の拡大につなげていきたいというふうに考えております。
○松野明美君 やる気次第という、私はそう思っておりますので、よろしくお願いいたします。 少し質問を飛ばさせていただきます。 輸出でもリンゴと米の伸びが非常に伸びているということをお聞きしていますが、その中で苦戦したのがブドウと聞いています。特にシャインマスカット、種苗が海外に流出して割安な中国産とか韓国産にシェアを奪われているということで、損害額は年間百億円に上ると言われています。開発でもシャインマスカットは何か三十三年間ほど、品種、掛かったということも聞いていますし、品種登録には十八年掛かったということで、本当に大変だなと思います。 もうすぐ、山梨県が十五年掛けて開発したサンシャインレッドが本格デビューするということをお聞きしました。赤色で皮ごと食べられる大粒のブドウで人気も出そうだということを聞いているんですが、こんなシャインマスカットのように海外に種苗が何かちょっと出てしまって、もうかなりのやっぱり、何でしょう、多大な労力だったろうなと私は思うんですね。そういう中で、やはりしっかりと守っていってほしいと思います。 そうしたら、この付加価値の高い特産品の輸出を拡大していく上で、やはり知的財産の管理体制はやっぱり不可欠だと思うんですが、どのように守っていくのか、お尋ねいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、シャインマスカットなどの我が国の優良な品種が海外に流出をしてしまえば、海外に産地が形成をされてその一部がまた第三国に輸出をされるということで、我が国の輸出と競合して輸出拡大の阻害となることが懸念をされておりますし、現実にシャインマスカットなどではそのような状態にあるというふうに認識をしております。 このため、農林水産省では、従来から、海外における育成者権の制度を活用して無断栽培を差し止めできるよう、育成者権者自らが海外での品種登録や侵害対応を行うために必要な経費をまず支援をするということを行っているとともに、令和二年に種苗法を改正をいたしまして、育成者権者が品種の海外持ち出しを制限できるよう措置をしたところであります。 また、昨年度からでありますけれども、やっぱり育成者権者、要するに育成を、種苗を育成された方が何でもかんでも取締りまでやるというのは相当、これ海外の話でありますから難しいというふうに思っておりまして、その方々に代わりまして海外への品種登録やその侵害対応などを行うような、この育成者権管理機関というのを今後しっかりと早急に立ち上げをしまして、その取組を推進することで、今先生御指摘の、このちゃんと権利を守っていく、そして侵害されないようにしていくということをやらせていただきたいというふうに思っております。
○松野明美君 副大臣、それ大丈夫ですか。大丈夫ですか。いや、大丈夫かな。
○副大臣(鈴木憲和君) まさに、これ今急いで、どういうふうにして、どういう体制であれば育成者権管理機関というのが機能するようになるのか、これは法的な話もありますので、専門家も必要ですし、それなりの体制でコストも掛けてやらなければ機能しないというふうに思いますので、その辺を今内部でしっかりと検討しているところで、なるべく早くこれはやるべきだというふうに思います。しっかりやらせていただきます。
○松野明美君 品種改良といいますと、大体十年ぐらいと聞いたんですけど、あのおいしいシャインマスカットは三十三年ということをお聞きしまして、本当に、もう赤ちゃんが三十三歳になるんですから、この年月は、それはやっぱり相当大変だったろうなと思います。だから、そういうことをやっぱり国がしっかり守っていきまして、このサンシャインレッド十五年、十五年だったと思うんですけど、十五年ですね、掛けて作られておりますので、よろしくお願いいたします。 食料自給率につきまして、前回も、やっぱり目標の設定というのは、きちんと設定した方がいいんじゃないですかということを私も言わさせていただきました。そして、やっぱり検証もちゃんと行うことはやっぱり重要で、会計検査院も指摘していますね、ちゃんと検証してくださいというようなことを。 そして、そういう中で、KPI、重要業績評価指数はみどりの食料システム戦略で使われています。このKPIをこの食料自給率にもしっかりと使って、しっかりと細かく目標設定されたらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 食料自給率というのは、我々の国民の食料消費に占める国産食料の供給の割合を示すものでございます。これは、生産、消費、様々な要素の組合せの結果として数値が出てくるものでございます。 自給率、これまで、基本法制定以来、二%程度下がっているわけですけれども、その内訳を見ますと、小麦、大豆等の生産拡大によって、これは一・五%ぐらい上がったと、あと、米の消費の減少によって三%から四%下がって、差引きで二%。実はこれ、プラスとマイナスの要素が両方ありますので、このマイナス二%というもの、これもいろんな組合せで起こり得るものということでありますので、この食料自給率というのは、全体の状況を示す指標としては非常に重要なものでございますけれども、個々の取組を評価するというのにはそのまま必ずしも使えないのかなというふうに思っております。 ただ、食料安全保障のためにKPIを使ってしっかり政策を評価していくということは重要でございますので、改正基本法案で、基本計画において、食料自給率その他食料安全保障の確保に関する事項の目標を定めて、この目標の達成状況を少なくとも毎年一回調査をして、その結果を公表するということを条文の中にも書いておりますので、より食料安全保障というものの政策の評価に使えるKPIというようなものをしっかり考えて、PDCAを回して、政策をよりいいものにしていきたいというふうに考えておりますので、先生の御指摘を踏まえて、より政策を改善するようなKPIの在り方についても検討していきたいというふうに考えています。
○松野明美君 本当は三時まで、私、質問の時間があります。あと三項目以上、実は準備を本日してきました。あと三項目ぐらい質問があるんですね。ただ、何でしょう、やっぱり、なかなかやる気というのがやっぱり伝わらないなと、本当にやっぱり思っているんですね。 ですから、ちょっと、本当は、大臣が熊本に視察に行かれた熊本復興の後の様子とか、みっちゃん工房といいまして、女性の活躍のところも視察をされました、その感想とか、私の長男が大学に行きながら、本当に、今Z世代といいますか、一九九五年から二〇一〇年生まれの本当に若者たちがもう巧みにスマートフォンを使って、一日だけお願いというような、若い担い手の友達を通じると、仕事に、ちょっとアルバイトに行ったという感想も実はここで言わせていただきたかったんですけど、本当にちょっと胸がいっぱいで。 といいますのは、やっぱり、この最初の質問を、ちょっと通告なく質問させていただきました。やっぱりこういうところが分からなかったら、多分私がどんなに一生懸命これからの担い手のことを言っても、多分皆さんには気持ちは伝わらないだろうなと思いまして。 私、怒られますよ、五分残して質問終わったら。言われています、会派の方からも。ちゃんといっぱい、一分も残さずにしっかりと与えられた時間を質問してくださいと言われているんですね。ただ、五分残したら多分何か言われると思いますが、もう何か質問ができないんですね。 やっぱりここが、ここはやっぱり基本なのかなと思いまして、もう先生そして大臣始め、やっぱりもう一度こういう何か優しさというか豊かさ、そういうのを持って、こういう基本法とか、これからの議論、また数年ずっと続くと思いますが、取り組んでいただかないと、恐らくこの農業、本当に衰退していくのではないかなと今日本当に思いました。ですから、五分は残っておりますが、まずもう一回ですね、私たちも、もう多分与党の皆さんもそうだと思いますが、本当に、障害者であろうが犯罪を起こした人であろうが、高齢者、女性の皆さんとみんな一緒、全国民で農業を守っていこうという、発展させていこうという基本、ここは基本だと思いますので、まずもう一回ですね、ちょっと心改めてというか、ちょっと考え直していただければと思っております。 今日はここで終わります。ありがとうございました。終わります。
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。 今、松野さんが五分残して、ちょっと胸がいっぱいでこれ以上質問できないということだったんですけれども、ちょっと私からも、この障害者の件、私も今日質問を聞いて改めて違和感を覚えたところなんですけれども、ちょっと通告の前に、冒頭このことについて、改めてもう一度確認させていただきたいと思います。 現在は、四節、農村振興のところに四十六条として、障害者の農業に関する活動の環境整備と入っています。皆さんの御主張は、そうじゃなくて、やはり三節の農業の持続的発展のところの女性参画、高齢者農業者の活動促進と並んで、この障害者の農業に関する活動の環境整備入れるべきではないか。 何となれば、これは農村だけではなくて、それこそ都市部の農業においても大事だということ、農業全体の発展のためにも、やっぱりこういった力も一緒に活用するべきではないかと、そういったお話があった中で、なぜこの項を農村のところから農業、三節の方に移せないかというところがちょっと私もよく分からなかったんですけれども、改めてその理由ですね、お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 女性、高齢者につきましては、現在働いている、農村で働いている方々、あるいはこれから参画しようとしている方々、こういった方々について、やはり働きやすい環境にしようと、そしてもっと働きやすくしていこうと、さらには、女性の方々が農業を経営するような、そういう場もつくりましょうという、現状を更に良くしていくためのこの三十四条、三十五条であります。 一方、農村の振興に関する施策というのは、今回の基本法で初めて出てきました農福連携というものを法律に明記をします。そして、農福連携によって農村そのものを振興していきましょうという新たな事項でありますので、ここで農業の持続的な発展に関する施策と、そして農村の振興に関する施策ということを、ところに分けて規定しているということであります。
○舟山康江君 これ、高齢者も福祉の向上というところを規定しているんですね。恐らく、これ今の高齢農業者もそうですし、定年帰農とか、そういった新たな高齢農業者も是非一緒にこの農業の振興に力を尽くしてほしいという、そういったところも含めていると思うんです。 そう考えると、ここにこの障害者の農業が並ぶことの違和感は全くないと思いますし、現実も、農福連携が行われていたりとか、今本当に一生懸命、うちの地元でもそうです。障害者の方々が生きがい、やりがい持って農業取り組んでいる、そういったところを、やはり、何かこう別枠で、別のところに記載するというよりは、やはりここ並べていただくということを改めて御検討を、今日回答がいただけると思わないので、御検討、問題提起をさせていただきたいと思います。 そういう中で、今ちょっと農村のところを話しましたので、ちょっと順番変えて、農村の振興から質問をさせていただきたいと思います。 農村政策は、各省庁の政策を含む幅広い政策ですね。そういう中で、基本法における農村政策の範囲、そして意義についての基本的な認識をお答えください。
○国務大臣(坂本哲志君) 農業の持続的発展の基盤たる役割を果たす農村の振興は、農業の有する食料その他の農産物の供給の機能及び多面的機能が適切かつ十分に発揮されることを目的として、そしてなおかつ農業の生産条件の整備及び生活環境の整備その他の福祉の向上により実現していくことが農村の振興であるというふうに思っております。 このため、農村振興は一義的には農業の持続的な発展に寄与する範囲で行われるものであり、これを通じて工業など他の産業を広く含めた地域経済の振興にも寄与していくものであるというふうに考えております。
○舟山康江君 そうでしょうか。 私、かなり、前回、現行基本法の制定当時に比べて、農村の範囲って本当に広がっていると思うんです。ちょうど、これおとといの参考人質疑でも野中参考人からいろいろと御説明いただきましたけれども、ちょうどこの食料・農業・農村基本法の制定と前後して省庁再編がありました。元々、農村政策は国土庁が担っていた。そういう中で、正式には、組織とすると二〇〇一年ですけれども、実質的には一九九八年にこの農村政策等が国土庁から移管されて、ちょうどこの法案成立と同時に、一九九九年、設置法の見直しで、この農村政策、農水省の所管に入ってまいりました。まだ当時は農村振興局ではなくて構造改善局という名前ではありましたけれども、ただ、ちょっと先行して農村政策が入ったんですね。 そういう中で、やっぱり、農業はもちろんですけれども、もっと幅広いその農村、地域政策の総合化、これ現行の食料・農業・農村基本法には、ごめんなさい、基本計画ですね、食料・農業・農村基本計画にはかなり明確に地域政策の総合化、他省庁の所管も含めた小さな拠点事業なんかも例示しながら、関係省庁連携して進めていく。その中にはまさに、私、多面的機能の発揮というのは、その目的ではなくて、やっぱりそういったものが農村の持つその役割の大きな柱、そして産業を形成するというのも大きな柱、それと併せて、産業の一部門かもしれませんけれども、農業もあるというところで、やはりもっと幅広くなった。 更に言えば、今、農村の状況というのは基本法制定時と比べて大きく変化していると思いますけれども、まさに人口減少という負の側面が取り上げられがちですが、プラスの面で農村の役割がどう変わっていったのか、どう評価されているのか、その認識について、大臣からお答えください。
○国務大臣(坂本哲志君) 農村の役割についてのお問合せでございます。 食料・農業・農村基本法は、国民の視点に立ちまして、食料、農業、農村に関する基本施策を規定したものです。具体的には、国民の立場に立つと、国民の生命の維持に必要な食料の安定的な供給を図ることが国としての最重要課題であります。食料の安定的に供給するために農業を持続的に発展させる必要があります。そして、農業を発展させるためには農村の振興が図らなければならないという考えに基づいて農村というのが構成をされております。こうした考え方に基づきまして、農村の役割については農業の持続的な発展の基盤であることを明記しているものであります。 その上で、農村政策の理念において、農村は農業生産活動を成り立たせる場であることだけでなく、そのためにも農業者等の地域住民の生活基盤として成り立たせる必要があるとの考え方を示しています。 さらに、農村の振興のための取組として、農業生産の基盤の整備や保全だけでなく、農村の生活環境の整備や福祉の向上も位置付け、第四十三条に明記しているところであります。
○舟山康江君 基本法制定当時に比べて、農村には、ああ、実は再エネとか田園回帰、グリーンツーリズム、こういった、ああ、たくさんの価値があるんだなというのは、制定当時より今の方がずっと大きく認識されていると思います。そういう中で、そういったことを通じて様々な、農業の収入はもちろんですけれども、農業以外からの収入を確保できる大いなるポテンシャルを秘めている場だということも改めて認識が大きくなっているんじゃないかと思うんですね。 そういう中で、もちろん農村の振興についての大きな役割、農村についての役割というのは、農業の持続的な発展の基盤たる役割、これ大きいと思いますよ。でも、それだけなんですかということをやはり明示的に、せっかく状況が変わった、ちょうど、前回の基本法の制定当時にちょうど農村というものが大きくクローズアップされて、所掌範囲も広がった、農水省のですね、そういう中で、改めてその役割をきちっと目的として書くべきではないかと、そういった認識なんです。 この六条、よく見ていただきたいんですけれども、この農村については、修飾語を抜かして言いますと、農村については、農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしていることに鑑みと、これだけしか書いていないんですね。でも、本来は、例えば食料の安定供給の基盤たる役割とか、多面的機能により国民全体に様々な恵沢をもたらす役割とか、就業機会の増大につながる産業を生み出す、その地域資源を持つ役割とか、そういった役割を、そういったことがあるからこそ農村をしっかりと振興していきましょうねということを前段に書いていかないと、あたかも農業の基盤だけにしか見えない。 そう思うんですけれども、その辺りはやっぱり書き込むべきだと思いますけれども、改めて見解をお聞かせください。
○政府参考人(杉中淳君) 先ほど大臣の方から、食料・農業・農村基本法の基本理念のこの構成について説明がございました。 委員御指摘のような食料の安定供給又は多面的機能の発揮ということは、これ、国民の生活のために非常に重要なものでございますけれども、基本法上は、まずはそれは農業の生産活動を通じて食料の安定供給と多面的機能が図られると。ただ、それを、農業がそういった役割を果たすためには、農村というのが振興されて、農業の基盤としての役割をしっかりと果たさなければならないと。 また、農村がその役割を果たすためには、大臣おっしゃったように、生活環境も整備されなければいけないという関係になって、間に農業を挟んで農業の役割を規定をした上で、それを支える場というような形の説明になっておりますので、そういう意味で、農村の役割で、これが食料の安定供給、あと多面的機能ということについての役割はないということではなくて、そういった必要についても六条において規定をされているというふうに認識しております。
○舟山康江君 規定されてないですよ。 確かに多面的機能という言葉は入っていますけれども、これ、農業生産条件の整備のための一つの配慮事項としか書いてないですよね。多面的機能というのは農村の持つ大きな役割ですよ。そして、様々な資源を使った産業をしっかりと育むというのも大きな役割ですよ。所得の場であるかもしれない。そういった役割、新たな役割をしっかり書き込むことが更に深みのある農村政策につながっていくんじゃないですか。 多面的機能に関して言えば、今のことに対してしっかりお答えください。その一つの配慮事項じゃないんですよ。これが一つの大きな目的なんです。そこを書くべきじゃないんですか。今の書きぶりでは弱いということに対してどのようにお答えいただけるのか、お願いします。
○政府参考人(杉中淳君) 繰り返しになりますけれども、まず、多面的機能につきましては、第四条、改正後の第四条において、農業の役割の一つとして、農業生産活動を通じて行われる多面的機能というのは発揮されなければならないということが、また、改正第六条、農村においては、農業の有する多面的機能が発揮されるように農村の振興が図られなければならない旨を基本理念として明記されておりますので、農村が有する多面的機能の発揮に関する役割については規定をされているというふうに認識しております。
○舟山康江君 何で書けないんですかということを聞いています。何で書けないんですか。そんな細かい説明するより書けばいいじゃないですか。農村については、農業の生産の基盤、食料の供給、多面的機能、これ、基本計画にもちゃんと書いてあるんですよ。そういったものが何で見直し後の法律に書けないんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 繰り返しになりますけれども、第六条において既に委員おっしゃったようなことは規定されているというふうに認識しております。
○舟山康江君 規定されていませんよ。説明されなきゃ分かんないでしょう。 これ、基本計画の三、五十六ページ見てください。農村は、食料を安定供給する基盤、多様な地域住民が生活する場、多面的機能が発揮される場、ちゃんと書いてあるんですよ。せめてこのぐらい書きませんか。検討の余地はありませんか。
○政府参考人(杉中淳君) また繰り返しになりますけれども、既に、農業を通じて発揮されるべき食料の安定供給、多面的機能の発揮というのを、これ農村の振興が図られることによって適正に発揮されるものという観点から現状の第六条を規定をしておりますので、既に規定をされているというふうに認識しております。
○舟山康江君 もっと柔軟に意見とかを取り入れるような度量の広さを持ってもらいたいですよね。 大臣、いかがですか。基本計画にもちゃんと幾つかの役割が併記されている中で、なぜ農業の生産の、農業の持続的な発展の基盤たる役割しか書かないのか、様々な役割を併記して何か困ることがあるなら教えてください。あっ、なるほど、それ書いたらちょっと困っちゃうなというのが私も分かれば、なるほどと納得します。
○国務大臣(坂本哲志君) もっと六条に深みのあるような記述にすればいいじゃないかというふうなことだろうと思いますけれども、農村は農業が営まれる場ですから、農村として他の地域との差別をしながらこういう規定をしております。 そして、農業で多面的機能が発揮されれば、結果として、農村でも多面的な効果、こういったものが、効果が出てくるわけでありまして、六条に深みを持つためにいろいろなことを書かなくても、まず、この食料・農業・農村基本法の大前提としてここまで書いていけば、先ほど言われましたように、そのほかの条項の中で、多面的機能も含めて、あるいは農業の、農村の在り方につきましても記述をされているということであります。
○舟山康江君 何か四条に書いたからもう細かく書かないとか言いますけど、同じ言葉が、皆さんが好きな言葉はあちこちに書いてあるんですよね、価格とかね。合理的な価格なんて何条にわたって書いてあるんですか。ちゃんと大事なことは書くということにしていかないとおかしいですし、もう一つ、この六条には、そういった役割を果たす目的を、その目的を実現するために何をしなきゃいけないということで、ここ二つ、農業の生産条件の整備と生活環境の整備、その他書いてありますけども、その二つだけが列記されているんですね。 一方で、四十三条の方には、産業の振興というのも書いてあるんですよ。六条にもちゃんと産業の振興を書かないとアンバランスじゃないでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 我が国におきます人口減少が進行する中で、特に農村においてその影響が顕著に生じておりまして、近年、地域コミュニティーそのものの維持が困難となりつつあります。そのため、これまで共助で支えられていた農地などの生産基盤の保全等が実施できず、農業の持続的な発展にも支障が生ずるおそれが生じているのは事実でございます。こうした状況を踏まえて、人口減少下において農村振興を図る上で必要な考え方を示す観点から、農村振興について定めた基本理念において、六条でまず地域社会の維持を追加しました。 その上で、基本理念の実現に向けまして、農村を支える人材を確保する観点から、農村と関わりを持つ者の増加に資するため、農村での雇用、収入や農村の訪問者の増加に資する産業の振興、今委員言われた四十三条であります、振興、それから、観光等の地域資源を生かした産業づくり、四十五条でありますけども、こういったものを基本的施策として位置付けたところであります。
○舟山康江君 いや、私が質問したのは、これ、六条というのは基本理念ですから、それをブレークダウンして後ろの方に行っている。この六条の基本理念のところに、その農村の振興を実現する手段として生産条件の整備、生活環境の整備が書いてありますけど、今の大臣のお答えであれば、六条にもちゃんと産業の振興という言葉も入れるべきじゃないでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) より精緻にするために、六条の方には、生産条件あるいはそういったものを、大きな意味で記述をしております。そして、四十三条あるいは四十五条でより細かに、より地域として今後取るべき姿、こういったものを規定しているところであります。
○舟山康江君 細かい規定を四十三条、ですから四節の方に譲るのはいいんです。でも、基本理念のところは柱はちゃんと書き込まないと。柱を書き込む中で、産業の振興というのは一つの大きな柱じゃないんですか。そこは、私はここに書いていかないと、農村の振興を、じゃ、他の産業は要らない、だって、さっき言ったように幅が広がっていろんな可能性が指摘をされている中で、どうして柱の一つという産業の振興がここに書けないのか。書くべきじゃないかということを改めて申し上げています。
○政府参考人(杉中淳君) まず第六条についてですけれども、議員御指摘のように、農村の役割、その中では、農業者だけではなくて地域住民がそこで生活をしてもらうと、そのための環境整備を図るということが重要だということを規定しております。 現下の情勢で、農村の人口が急速に減少していると、これが農村の持つ農業の下支え機能の低下につながっていると、現状の中で、農業者だけじゃなくてそのほかの住民も含めて農村に定住してもらう、また農村との関わりを持ってもらうという観点から、農業の資源を使ったような産業の振興ということを規定をさせていただいたところでございます。 あくまで重要なのは、農業者だけではなくてそれ以外の地域住民もやっぱり農村で生活をしてもらう、これによって農村の持つ機能を果たすということが重要だという観点でございます。
○舟山康江君 いや、ですから、六条の基本理念になぜその産業の振興とか、若しくは基本計画にあるように所得と雇用機会の確保とか、そういったことが入れられないんですか、ということを言っているんです。もう一回読んでください、基本計画。かなり柱立てがしっかりしていますよ。住み続けられるための条件整備、これは入っていますよね、新たな活力の創出とか。でも、所得と雇用機会の確保とか書いてないじゃないですか。こういったことを柱に書いていかないといけないんじゃないんですか。まさにこの基本計画とも整合しないんじゃないんですかということを申し上げています。 何で何度言っても分かっていただけないのか、ちょっと本当に分からないんですけれども、どうでしょう、六条という、これ基本理念ですからね。基本理念の後に、後ろの節に細かいいろんな話が出てくるわけですよ。その柱の基本理念には、柱、きちっと柱立てをしていかないといけない、そういう中で、柱に欠陥があるんじゃないかということを申し上げていますけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(坂本哲志君) 基本理念は基本理念でありますので、その基本理念を書いたことに対して誤りはない、そして、基本理念の中に全てこういった産業の振興あるいは地域の振興、こういったものも含まれてありますので、この六条については私はこのままでやはり適切であるというふうに思います。
○舟山康江君 ちょっと残念ですね。やはり雇用の場とか産業の振興ということがないと農村政策の総合化につながっていかないじゃないですか。その上で、四十三条辺りから細かい話が、農村の総合的な振興の具体策はどうなのと言ったときに、四十三条以降来るわけですよ。 そういう中で、四十三条ですけれども、ここも質問します。 産業の振興、これも、真ん中を飛ばして柱だけを読みますと、その農業生産の基盤の整備及び保全並びに農村との関わりを持つ者の増加に資する産業の振興。農村との関わりを持つ者の増加に資する産業の振興と、産業の振興の目的を農村との関わりを持つ者の増加に資すると限定している理由は何なんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) まず、第六条の修正の中で、我々の問題意識としては、特に農村において人口減少が急速に進行していると、その中で、地域コミュニティーそのものの維持が困難となりつつあるという中で、農村のコミュニティーを維持をする中で、当然農村に住む人、また、それではなくて、外部においても農村との関わりを持つ人というものを増やしていくことが重要だと、そのための施策として産業の振興、そのほか、あと農泊その他の新しい取組を規定をしておりますので、問題として農村との関わりを持つ者の増加ということをあえて規定させていただいたということについては、地域社会の維持のために農村の中に住む人、また外で関わりを持つ人も含めて農村との関わりを持つ人を増やすということが重要であるという問題意識から、あえて規定をさせていただいているところでございます。
○舟山康江君 今、六条で産業の振興っておっしゃいましたけど、書いてないじゃないですか。じゃ、書いてくださいよ。書いてください。
○政府参考人(杉中淳君) 六条については、先ほどお話ししたような地域社会の維持と、これを図ることが重要だということを規定させていただきまして、この地域社会の維持のために必要な取組として産業の振興と、そういうものも後ろの方の条で規定をさせていただいていると、そういう説明をさせていただいたところでございます。
○舟山康江君 四十三条二項の産業の振興のこの目的ですね。農村との関わりを持つ者の増加に資するということですけれども、それが必要なことは私否定しません。しかし、そういったいわゆる関係人口を含めて、元々そこに住んでいる方とか、元々農業を行っている方とか、そういった人たちも産業の振興の目的になっていくんじゃないんでしょうか。そうなったときに、わざわざここ限定を掛けるんではなくて、例えば、限定外せばいいんじゃないですか、ここ。
○政府参考人(杉中淳君) 先ほど御答弁させていただいたように、農村との関わりを持つ者の増加という中には、当然、その農村に居住をして農業に従事している人、他産業に従事している者、全て含めた形で農村との関わりを持つ者の増加というふうに言っておりますので、具体的に、地域の資源を活用した事業活動、これ農村発イノベーションのような、農村に居住をしてそういった新しい事業を起こすというような者も含んでおります。
○舟山康江君 改めて確認します。 農村との関わりを持つ者というところに、今農村で中心的に農業を行っている農業者も、それ以外の地域住民も全部農村との関わりを持つ者というところに入るんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 今御指摘をしたような認識でございます。 そういう観点から、例えば、四十四条の共同活動におきましては、農業者その他の農村との関わりを持つ者というふうに規定をしておりますので、この中には農業者、先ほど、農村に居住をして他産業に従事している者と、そういった者を含む概念だということでございます。
○舟山康江君 その四十三条二項でその他なんて書いてないですよ。農村との関わりを持つ者の増加に資する産業の振興、逆に、その他と言うんであれば、農村との関わりを持つ者には農家とか入ってないんじゃないですか。だったら、これちゃんと定義してくださいよ、前段で。 一般的に考えると、農村との関わりを持つ者というのはいわゆる関係人口と言われている人で、そこに住んでいる人、現に何かやっている人は関わりを持つ人には入んないと思いますけども。そんな解釈あるんですか。今までないと思いますよ、定義してください、じゃ。
○政府参考人(杉中淳君) 先ほど条項を、もう一度申しますと、四十四条におきまして、国は、農業者その他の農村との関わりを持つ者というふうに規定をしておりますので、その他の農村との関わりを持つ者の中には農業者も含まれると、そういう意図で規定をさせていただいております。
○舟山康江君 ちょっと私理解が悪いのか、全然理解できないんですけれども、四十四条にはですよ、農業者その他の農村との関わりを持つ者って分けて書いているじゃないですか。 四十三条二項には農村との関わりを持つ者、としか書いてないんですよ。これ、農業者と農村との関わりを持つ者って分けているんじゃないんですか。ちょっときちっと整理してお答えください。
○政府参考人(杉中淳君) 四十四条については、その農村との関わりを持つ者の代表的な例示として農業者ということを規定をさせていただいております。
○舟山康江君 ちょっとこれは本当に普通に読むと、まあ私だけ、私だけですか、こういう理解がないのは。 農村との関わりを持つ者って一般的には関係人口だと思うんですよ。だとすれば、この法律において農村との関わりを持つ者には、農業者、そしてまた農村に既に住んでいる人、いろんな人を含むってちゃんと冒頭で定義してください。そうじゃないと分かりません。 一般的に何かちょっとこの解釈は、普通に考えると、私もうこれ大先輩からも聞きましたけれども、そうは読めないと言われましたよ。そういうふうに読むのであれば、それ、かなり特殊な解釈だと思いますので、冒頭にその農村との関わりを持つ者とはということの定義を書いてください。そうじゃないと分かりません。
○国務大臣(坂本哲志君) 事務方から言いましたように、四十四条で定めて、そして四十五条のこの農村との関わりを持つ者、これは農村で農業を営む人たちも含みます。そして、ここの関わり合いを持つ者と関係人口とは明らかに違いますので、これは規定の上で、農村との関わりを持つ者の中に、地域で、その農村で農業を営む者、これが入ってくると、これが規定される。そして、関係人口は関係人口として、またこれは由来、地域創生あるいは総務省、こういったところでの法令で、政策で指定されておりますけれども、関係人口というのはまた別の概念である、外からの様々な協力をいただく方々であるということでありますので、ここはしっかりと、地域内の農村に関わり合いを持つ者とそれから地域外でいろいろ協力をいただく人たちの概念をしっかり分けているということであります。
○舟山康江君 農村との関わりを持つ者に農業者も地域住民も入るんだというのであれば、何でこれ産業の振興にわざわざ限定付けるんですか。じゃ、みんなじゃない。そうしたら、もうここは地域資源を活用した産業の振興とか一般的な産業の振興にすりゃいいんじゃないですか。
○政府参考人(杉中淳君) 四十五条についてのお問合せだと……(発言する者あり)あっ、四十三条、農村との関わりを持つ者の増加による産業の振興ということを加えたというのは、もう繰り返しになりますけれども……(発言する者あり)よろしいですか。 それによって地域社会の維持を図るという観点から、改めて施策として推進をしなければならないという観点から規定をされました。 さらに、その四十三条は総則的な規定でございますので、それを具体的に政策として実施するために、四十五条で地域の資源を活用した事業活動を促進するというようなことを規定をさせていただいたところでございます。
○舟山康江君 私の今の質問は、農村との関わりを持つ者、この中に農業者も地域住民もみんな入るんであれば、わざわざ産業の振興のその目的ですね、それに限定を付ける必要はないんじゃないんですかと聞いています。
○政府参考人(杉中淳君) 食料・農業・農村基本法という政策体系の中で規定をするということでございますので、農村の役割というのは、これ農業を下支えするということと、農業に関連する資源、農業に関連するサービスということを中心に規定をしておりますので、この農業サイドが他省庁とか他のメンバーとも連携しながらできることとして、具体的に取り組むこととして、農業と農業に関連するような資源を使った新しい事業を開始していくということを具体的に規定をさせていただいているところでございます。
○舟山康江君 本当に分かりにくいんですけれども。ちょっと、じゃ、四十五条も聞きますね。 四十五条も、地域資源を活用した事業活動の目的が農村との関わりを持つ者の増加に限定していますけれども、その地域資源を活用した事業活動というのは、その目的はこれ一つなんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 質問の趣旨をちょっと正しく理解していないかもしれませんけれども、四十五の趣旨でございますけれども、農業の持つ、あと農村の持つ資源を生かして、農業以外の産業とも連携をして新しい事業を立てると、それが、新しいビジネスをつくることが農村の振興、また、農村と関わりを持つ者、これは、農村に移住をしてくる、また外から関係する人というのも含みますけれども、それによって地域社会の維持に究極的には貢献していくことというふうに理解をしてこの規定を追加をしたところでございます。
○舟山康江君 ですから、そういう人の増加じゃなくて、まさに農村の、農村地域の活力の増加とか農村の活性化なんでしょう。何でそういったことを書かないんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 今回の基本法改正の情勢の変化、これ大臣からも繰り返し答弁ありますけれども、我々、農村に関して一番危機感を持っているというのは、人口減少によって農村の人口、あと農村の機能というのが維持されなくなると、それによって国民が求める最終的には食料の安定供給等にも大きな支障があるんではないかと。 そういう観点から、特に今回六条で規定させているのは、農村の機能、地域社会の維持をどうやって図っていくかという観点から政策の見直しを行ったところでございますので、そういった観点から、あえて農村と関わりを持つ者を増やしていくことによって地域社会を維持していくんだということを強調させていただいているところでございます。
○舟山康江君 なかなか本当に水掛け論で大変残念なんですけれども、この項について最後にもう一点だけ確認させてください。地域資源を活用した産業の振興、これは農村政策に含まれるんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 既に農村発イノベーションといった形で農業資源又は農村にある資源を活用して新しいビジネスを推進していくという取組を行っておりますので、農村政策の中に含まれるものでございます。
○舟山康江君 だったら、なおさら六条にそのことを書いていただきたい。改めてお願いし、また次回、このことを確認させていただきたいと思います。 そして、最初の質問に戻りたいと思いますけれども、先週の質疑におきまして、価格により所得確保を図るという価格政策の考え方を見直し、価格形成は市場に任せ、所得の確保は政策に委ねるとの政策の基軸は今回の改正でも変わらないということを大臣から御答弁いただきました。この中で、所得の確保は政策で、とは何を指しているんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 少し長くなるかもしれませんけれども、食料・農業・農村基本法は、旧基本法で目標といたしました農業者の所得の増大が結果的に米価などの価格政策に依存するようになったことによりまして市場を歪曲化させることになったことを反省し、所得の確保は、政府による価格支持政策ではなくて、効率的かつ安定的な農業経営の育成や、これらの者への農地の集積、集約化によりまして競争力の高い農業を実現するといったいわゆる構造政策によりまして、農業者の所得の確保や農業の持続的な発展というものを目指したものであります。
○舟山康江君 今回もその柱が変わらないということは、今回における所得の確保は政策でというところは、今の御答弁でいけば、構造政策を進めると、それが所得の確保なんだということなんですね。
○国務大臣(坂本哲志君) 構造政策を中心に据えつつ、そして、一方の方では、輸入の自由化に合わせて直面する外国との生産条件の格差や、あるいは中山間地域の条件不利地域の実情を考慮しまして、ゲタ対策、あるいは中山間地の直払い、さらには価格変動による収入が減少した場合のナラシ、収入保険、こういったものの施策を組み合わせることで実現していくということであります。
○舟山康江君 恐らく、やはり経営所得安定対策も含めて、それが政策による所得の確保策だと私は理解しているんですけれども、今現状、大臣、何度か農業総産出額が横ばいだということをおっしゃっていますけれども、生産農業所得は減っていますね、一六%。基本法制定時から今に比べると一六%減っておりますし、これ品目別に見ても、特にこれ養豚以外の畜産は、令和四年で見ると、一経営体当たりの農業所得マイナスなんですね。こういった状況を考えると、果たして産出額が横ばいだから良かった、ひとまず生産基盤は弱体化していないというのはちょっと認識が甘いのかなって気がしちゃうんですね。 そういう中で、やはりどうやってこの所得を上げていくのか、ここは大きな柱の一つであって、大臣から、これに関しても、生産性向上を後押しするということをおっしゃっています。そしてもう一つ、価格、まあ合理的な価格と言っていますけれども、そういうことを挙げられています。そういう中で、価格に関しては、二条一項、そして二十三条、三十九条、二条五項と、これだけ出てくるんですけれども、なぜこれほどまでに価格ばかりに固執しているのか、教えてください。
○政府参考人(杉中淳君) 今回の基本法の改正に当たりまして審議会等で議論を行ったわけでございますけれども、その中でも最も重大な問題で取り組まなければならないことというふうに意見があったのは、我が国が長くデフレ経済下にある中で、食料などの販売に当たって低価格で競争することが定着をして、今、資材費、人件費等が増加している中で食料システムの各段階のコストの増加が十分に考慮されないと、これを修正をしていかなければ食料の安定供給にも支障が出ると、そういう危機感の下、二条五項において規定をさせていただいたところでございます。
○舟山康江君 一方で、座長をお務めいただいた、おととい参考人でお越しいただいた中嶋先生からも、「合理的な価格を形成することは目指すけれどもそれをどのぐらいやり切れるかということに関しては、私個人的にはまだ余り見通しが立っておりません。」と。私、本当そうだと思うんですよ。だって、価格って市場で決まるんだもん。 これ、お配りした資料を御覧いただきたいと思います。 まさに三十九条、農産物の価格の形成は、需給事情、品質評価、これ市場で決まるわけですね。ですから、なかなかそうは言っても難しい。一方で、十九条、これは、消費者の立場からいうと、円滑な入手が可能になるように環境整備をしましょうということですね。そして、二十三条、まさに合理的な費用が考慮されるように、生産者の視点で、当然です、ちゃんとコストが上がればそれを乗せられる価格を実現していきたい。 そういう中で、それぞれのこの思いがきちっと一致できるのか、そこが問題ではないでしょうか。まさに中嶋座長がおっしゃっている、具体的にそれを目指すけれどもやり切れるかどうかの見通しが立たないのは、この矛盾を、三すくみの矛盾をどう解決するのか、そこをしっかりとしていかないと、口で言うのは簡単ですけれども、具体的に価格で所得をしっかりと補償していくというのは無理なんじゃないでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 細かくは事務方の方から答弁してもらいますけれども、難しいからこそ、今、五者協議をやっております。これまで四回やりました。そして、やはり消費者の立場、そして生産者の立場、中間の加工業者の立場、流通の立場、それぞれ違います。それをどうやってこれから御理解をいただけるか。少し縮まってまいりました。消費者の方々には、やはり生産者の方々のコストが見えるような見える化をやる、あるいは加工業者の方々そして流通業者の方々には、それぞれの合理的な価格というものをやる、こういった非常に難しい作業を今行いながら法制化も視野に協議を進めているというところであります。
○舟山康江君 今御提示させていただいたこの図、これは一昨日の作山参考人から御提示いただいたものでございます。まさにこういった矛盾がある中で、価格転嫁を強制することはできませんのでね。今、これ、農業に限らず、デフレ経済の中でずっと価格が抑えられてきた、そこを解消するために、まあほかの産業でも価格転嫁の議論は進んでいますけれども、私、価格転嫁って、そのレベルでやって、法律にこんなにくどくどと何条にわたって書き込んで強制的に実現するものではないというふうに思うんです。そこ、いかがでしょうか、大臣。
○国務大臣(坂本哲志君) もちろん強制的はできません。そこはもう御理解を、それぞれの立場、それぞれの分野の皆さん方の御理解を得る、その努力をしているということであります。
○舟山康江君 価格への過度のこだわりは、所得の確保は政策で、との考え方とも逆行すると思いますし、もう一つ、例えば内外価格差、それから他国との競争にさらされるもの、こういうものをコストを反映した価格にしていいのか、価格転嫁したときに果たして生産への影響がないのか、この点はどのようにお考えなんでしょうか。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 先生の問題意識、全く私もそのとおりだなというふうには理解をいたします。 その上で、輸入品と競合する場合でありますけれども、まさにコストを全部乗せていったら輸入品よりも高くなっちゃって、結果として国内でシェアが取れないみたいなことになれば、これは当然本末転倒だというふうに思いますので、様々な、国内でしっかり全部供給できる品目とそうではない品目としっかりと分けて、また、それを取り巻く制度も、例えば乳製品なんか違いますから、それぞれ丁寧に議論をすべきだというふうに考えております。
○舟山康江君 私も全く同感なんですよ。 やっぱり価格転嫁がしやすいもの、やっぱり価格転嫁すべきもの、特に労働集約型、品質にその差が出やすいものに関してはしっかりとその適正価格を多くの皆さんに理解いただきながら価格で実現していく、これ当然だと思いますけれども、とりわけ、土地利用型というんでしょうか、他国との競争にさらされているもの、そういうものに関してはこの手法には私なじまないと思うんですね。 それを一緒くたにして価格転嫁、価格転嫁って、何かこれが全ての解決策のように勘違いされていると思うんですよ。そこは私、しっかりと役所の方も払拭していただかないといけないと思いますし、もう一つ、これ、今日時間がないのでまた次回に回しますけれども、先ほど提起した十九条ですね、消費者の立場からすると、食料の円滑な入手が可能になるような、やっぱりそれを求めている。低所得者、これが価格転嫁で上がっていけば低所得者に対する食料供給がますます厳しくなるという、この面に関しても考えていかなきゃいけないわけですし、まさにこの価格できちっと反映することが全ての解決策ではないということを認識の上で、やっぱりどうやって、まさに再生産可能な所得を確保していくのか。もうからないからもうやめちゃうという人をなくしていくのか。そこは大きなポイントだと思いますし、そういったことをもっとこの基本法の中にも盛り込んでいただきたいということを改めてお願いいたしまして、あっという間に時間が過ぎちゃうんですけれども、終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 ちょっと冒頭、私も午前中のやり取りを聞いていて、ちょっとこのままやり過ごせないなというふうに思うことがありました。 それは、徳永さんだったかな、田名部さんが質問されていて、生産基盤の弱体化ということについてその認識を問うたときに、大臣の答弁は、弱体化しているとは思っていないという答弁だったんですよ。えっと思いました。ちょっとびっくりしたんですね。 というのは、大体ほぼ与野党間でも、生産基盤が全体に、耕作者もそうですし、農業者ですね、それから農地もそうですし、ずっと右肩下がりで来ているというのは多分共通の認識で来ているんだというように思っていたんですよ。 で、やっぱりそれは生産基盤そのものが弱まっているということを何回も質問してきましたけど、大体そこのところの認識は同じだったんじゃないのかなと思っていたんですけど、先ほどの答弁で大臣が、いや、弱体化しているとは思っていないというふうに言ったものですからね、それで、いや、ちょっと過去の質問でたしか共有していたよなと思いながら調べてみたんですけど、そうしたら、二〇一九年のときに、私、予算委員会で質問していて、こういうちゃんと図式でもって生産基盤の話をして、このときの総理大臣は安倍総理大臣だったんですけど、それで、こういう状況になっていて、生産基盤がこれ弱体化しているということなんですよねと、総理、これ深刻に受け止めているんですか、どうなんですかというふうに聞いたときに、当時の安倍総理の答弁というのは、今おっしゃった生産基盤の弱体化ということでございますが、こうした状況を正面から受け止めまして、農業の活性化待ったなしと強い危機感の下に農政全般にわたって抜本的な改革を進めてきたんだという話ししながら、やっぱりそういう農業に変えていかなきゃいけないというふうに思っていますという答弁なんですよ。 だから、それから何か上向きに変わったのかって、そうじゃないわけですよ。むしろもっと数字は下がってきているという中で、それでちょっと、弱まっていると思わないという認識を示されたというのは、これ、岸田政権になったらそう変えたのかなと思ったんですけど、もしそうでないとしたらちょっとやっぱり修正された方がいいんじゃないのかなと思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 午前中の御質問では農業生産基盤が弱体化しているというふうな決め付けの質問でございましたので、私の方からは、やはりこれだけ農林水産省も含めて努力しているのに、弱体化の一途ではない。私自身、七十年間農村社会に住んでいましたけれども、やはり以前よりも飛躍的に農業も、あるいは物言える環境も、そして選択肢もいろいろ広がってきております。 ですから、弱体化というのをどこにやはり求めるのか、どこが弱体化しているのか、それは我々がこれからやらなければいけないことであるというふうに思います。人口減少、高齢化、あるいは様々な生産、流通の面、こういったものも含めてやはり考えていかなければならないと思いますけれども、日本農業が徐々に弱体化している、ここまで弱体化したというような言葉は当たらないというふうに思います。
○紙智子君 今の答弁だとなかなかちょっと納得できない。実際、耕作面積はずっと下がってきましたし、販売農家戸数も減ってきたし、基幹的農業従事者も減ってきたし、食料自給率も戻っていないというか下がったまんまの状態で来ているわけですから。 それで、やっぱり、もちろんそれで黙って見ているわけじゃないよという気持ちは分かりますよ、それは。努力されて、いろいろ苦労しているというのは分かっていますよ。だけど、全体としてはそれが改善の方向に向かっているというふうにはなっていないわけですから、そこはちょっとやっぱり表現としては改めた方がいいんじゃないかというふうに思うんですけど、どうですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農地面積に関しては、農地面積が減少した分、集積、集約化を進めております。それから、従事者につきましては、これは稲作農家、これが、この方々のリタイアというのが非常に大きな影響を及ぼしております。 ですから、それぞれの個々のやはり品目あるいは個々の分野のものを見ながら、どこが弱体化しているかというようなことはやはり私たちが考えなければならないことではございますけれども、全体的に日本の農業がやはり弱体化している、あるいは駄目になっているというようなことは当たらないというふうに思っております。
○紙智子君 あのね、やっぱり予算委員会での総理の答弁があるわけですよ。私、これって重いと思うんですよ。 当時の安倍総理は、こういう現状を認めて、正面から受け止めて、そこを打開するために頑張らなきゃいけないんだという話をされていて、それでいいんじゃないかと思うんですけど、それをやっぱりそうじゃないんだというふうに言ってしまうとちょっと余り良くないなと、出発点からして違うんじゃないかと思うんですよね。
○国務大臣(坂本哲志君) もちろん、様々な課題は受け止めております。安倍総理のときに弱体化を正面から受け止めてというようなことを言われたということですけれども、だから、もう少し農業を自由化しなければいけない、競争にさらされなければいけないということに続くんだろうとは思いますけれども、やはり、それぞれの個々の課題に対して私たちが取り組んでいくこと、それはやっていかなければいけないと思います。 しかし、全体的に、先ほどから言いますように、日本農業がやっぱり弱体化している、駄目になっている、そういうことではない。個々の問題をどうやってこれから改善していくかということであります。
○紙智子君 現場の農業者の皆さんって、大変な苦労していますよ。ですから、そういう努力とか、何とか頑張って打開していこうということでやっていることは私たちも高く評価していて、是非そこを応援しなきゃいけないと思うんですよ。 だけど、やっぱりちゃんと冷厳に現実を見てちゃんと評価を正してやっていくというのは必要なので、ちょっとこれ、是非委員長にお願いしたいんですけれども、これをはっきりさせるということで、何というんですか、理事会の中でもまたやっていただきたいと思うんですけれども。
○委員長(滝波宏文君) 後刻理事会で協議いたします。
○紙智子君 それで、私、今日質問したかった最初のところというのは、前回積み残した食料自給率についてなんですね。 現行法の第十五条の第三項に、食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針というふうにあるわけですよね、現行法では。で、改正案では指針という文言を削除していると。それはなぜなんですかと聞きましたら、坂本大臣の答弁は、十七条の三項で改善が図られるようにというふうに規定を設けたんだと、それは指針を上書きしたものだという答弁だったんですけど、ちょっとこの上書きというふうに言われるとどういうことだろうということでちょっと理解できなかったんですよね。現行法では、食料自給率の目標は国内生産、食料消費の目指すべき姿を表す指針と、指針ということで示している意味だと思うんですけど、違うんですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 現行法は、食料の安定供給の確保の状況を食料自給率という一つの指標で判断することから、その状況を指針とし、課題を明らかにして目標を定めることとしていましたけれども、改正案においては、複数の指標で食料安全保障の状況を判断するということになるため、唯一の指針との表記を避け、端的に複数の食料安全保障の確保に関する事項の改善が図られるようと規定したところでございます。 現行法と改正案では指標の数は異なるものの、食料の安定供給又は食料安全保障の確保を図るための目標を定めるという点では共通をしております。このことを踏まえて、前回は上書きしたものと答弁をしたところであります。
○紙智子君 分かりますかね、上書きしたというふうに言われて。 で、表現は、だから、今度の新しい改定案は、食料自給の向上その他の食料安全保障の確保に関する事項の改善が図られるよう、改善が図られるようというのは上書きになるのかというふうに、要するに、指針というのは目指すべき目標をちゃんと掲げて向上するというところがある、あったわけですけれども、改善というような言葉になってしまったら改めればいいのかということになってしまうんじゃないかと、改善というふうになったらこれ改めればいいという話になると、指針とは相当意味が違ってくるんじゃないかと思うんですけど。
○国務大臣(坂本哲志君) 私が上書きと言ったのは、これまで唯一の食料自給率という指針があった、しかし、今回は食料自給率ということだけではなくて、飼料も肥料も含めて全ての自給率、あるいはそういったものを加えたという意味で上書きをした自給体制というものをどうしていくかということで申し述べたところであります。
○紙智子君 ちょっとやっぱりなかなかよく分からないんですけど、やっぱり抽象的な目標に格下げしたんじゃないのかなというふうに思うわけですよ。 それで、食料・農業・農村基本政策研究会が出している基本法の解説というのがあるんですけど、これちょっと見てみたんですね。そうしたら、食料自給率の目標の性格について、食料自給率の目標を基本計画の記載事項として掲げたのは、食料自給率の低下に対して生産者、消費者が不安を抱いていることから、その向上を図るための目標として基本計画に位置付けたんだと、で、向上を目指す目標だと書かれているんですけど、大臣、この考え方は変更ないということでいいんですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料自給率の向上につきましては、改正案第十七条第三項におきまして、基本計画の記載事項といたしまして、食料自給率の目標に関し、食料自給率の向上が図られるよう農業者等の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める旨を明記しているところであります。 国内で自給可能な米における基本法制定以降の消費面での変化が主たる低下要因となっている中、こうした食料消費の傾向がしばらく継続することが想定をされ、食料自給率が確実に上がると言い切ることは困難でありますけれども、いずれにせよ、食料安全保障の確保の観点からは、麦、大豆、加工原料用野菜等の輸入依存度の高い品目の国産転換といった食料自給率の向上にも資する取組を更に推進することが重要であると考えております。 今後、食料・農業・農村基本法の改正案につきまして、国会で御審議をいただき、改正案を成立させていただきましたならば、それに基づきまして、基本計画の策定の中で、食料自給率のほか、その他の食料安全保障の確保に関する事項について、その適切な目標を設定してまいりたいというふうに思っております。
○紙智子君 今いろいろなことを言われたんですけど、つまりは向上を目指す目標だっていうふうに書かれていたんだけど、この考え方は変更したということなんですか、変更していないんですか、したのか、どっち。
○政府参考人(杉中淳君) 食料自給率の向上と第十七条三項に書いておりますので、食料自給率の向上を目指すというところについては変更はございません。
○紙智子君 変更がないっていうことですけど、食料自給率上げるということでいいんですよね。
○政府参考人(杉中淳君) 食料自給率の向上を図るための取組を進めていくということで、必要な施策を推進していきたいと考えております。
○紙智子君 同じく十七条について聞くんですけれども、改正案の十七条は、食料安全保障の確保に関する事項の目標は食料安全保障の確保に関する改善が図られるよう取り組む課題というふうになっています。 そこで確認なんですけれども、食料安全保障という場合に、国内の生産が縮小したとしても輸入が確保されたらこれ食料安全保障は確保されるということになるんですか。
○政府参考人(杉中淳君) 世界の食料需給が不安定化をしておりますので、輸入リスクが高まっているという中で、将来にわたり食料の安定供給を図るためには国内で生産できるものはできる限り国内で生産をすることが重要だと考えております。 そういう意味で、長期的な食料安全保障を考えた場合は、国内の生産を増大して輸入リスクというのを低下していくということが重要でございますので、輸入が増えればいいんだということではないというふうに御理解いただければと思います。
○紙智子君 輸入が増えればいいというわけじゃないということで、私も、食料安定供給をするためには、まずは、まずは国産農産物で安定供給することを重視すると、そのためには何よりも生産者の安心が本当に大事なことだと思うんですね。その上で足りないものを輸入するということが筋だというふうに思うんです。 私、本会議の質問で、食料安全保障を確保するために、あえて輸入の頭の部分に安定的という言葉を付け加えて、安定的な輸入に依存する条文に変えたんじゃないかと、輸入を重視して国内生産の増大を軽視するんじゃないかというふうに、このときは岸田総理にお聞きしましたら、岸田総理は、食料安全保障をめぐって輸入リスクの増大も課題となる中で、安定的な輸入と備蓄の確保を適切に行うことが重要であるというふうに言われたんですよね。 それで、輸入リスクが増大するというふうに言っているのにどうして安定的な輸入が可能になるのかなと、それは結局、ちょっと矛盾しているように思うわけなんですけど、結局、深読みすると、メガ協定諸国や日米二国間協定や自由貿易協定を結んだカナダやアメリカやオーストラリアなどから引き続いて小麦や大豆、飼料用の穀物を安定的に輸入し続けるということなのかなと思うんですけど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 輸入リスクが増大していることは事実であります。これは気候変動も含めて、あるいは地政学リスクも含めてであります。そのためには、国内で生産できるものはできる限り国内で生産すると、これが重要であります。 一方で、現在の消費に合わせた生産を図るためには国内の農地の約三倍が必要であるという試算もあります。どうしても自給できないものについては輸入による供給も不可欠であると考えます。 このため、国と民間との連携によって、輸入の相手国の多角化、輸入の相手国への投資の促進などによりまして、輸入の安定化を図ってまいりたいというふうに思っております。
○紙智子君 ちょっと後ろの方聞いたところが余り答えられていなかったんですけど、要するに、アメリカやカナダやオーストラリアなどから引き続いて入れていくつもりなのかなと。 それで、世界的な食料危機の中で、この輸入依存を脱却するということが大事だというふうに言いながら、安定的に輸入するというふうに規定を入れているわけですから、そうすることで、アメリカを始めとして自由貿易協定結んだ国から食料を安定的に輸入し続けるということになると、国内生産を幾ら増大増大といっても、今までと同様で国内生産を軽視することになりかねないんじゃないかと思うんですけれども。
○国務大臣(坂本哲志君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、国内で生産できるものは国内で生産する、そしてどうしても足らざるものは輸入を行う、そのための相手国を多様化するということであります。 我々といたしましては、やはり、国内の農業者、国内の農産物、この生産と供給がまず第一でございまして、その上で、やはり足りないところにつきましては輸入というものを行っていくという考え方であります。
○紙智子君 だから、まず第一は国内でとおっしゃるんだけど、でも、規定の中に安定的な輸入と入れた以上、今までと変わらないんじゃないのかなと思うんですよ。 ちょっとそれはまた平行になってしまうと思うんで次に行くんですけれども、担い手の問題です、多様な担い手ということをめぐってなんですが。 食料自給率を高める上で農業生産を増大させることが必要だと。そのためには、やっぱり生産者をもっと増やしていく、それから農地の減少に歯止めを掛けて強化することが必要なわけです。農業の生産活動に取り組む人を増やすということが必要なんだけれども、この点で大臣の認識をお聞きします。どうやって増やすんですかね。
○国務大臣(坂本哲志君) これまで農業経営の規模の大小や家族か法人かを問わず、農業で生産、生計を立てる担い手を幅広く育成支援をしてまいりました。その結果、多くの品目で中小経営、家族経営も含めて担い手が農業生産の相当部分を担う構造になっております。 今後、農業者の急激な減少が見込まれる中で食料の安定供給を図るために、担い手である効率的かつ安定的な農業経営の育成、確保が必要であるとの考え方に変わりはありません。現行基本法第二十一条は、改正案の第二十六条第一項としてそのまま維持をしているところであります。
○紙智子君 二十六条のその第二項ということで、効率的、安定的経営体の育成を図るとともに、第二項でそれ以外の多様な農業者というのを位置付けていると思うんですね。それで、規模の大小を問わず農業の生産活動に取り組む生産者を増やすと、これは重要だと思うんですよ。 それで、十四日の参考人質疑のときに農民連の会長の長谷川敏郎さんが、現場ではほとんど兼業農家なんだと、無理して専業農家を育てるやり方をやっぱり変えていくことで地域を守っていくことが当然できるというふうに思っているんだというふうに言われました。 今年元旦に地震災害に、被害に遭った能登半島に行ったときに、私も、この地域は兼業農家が地域支えているんだと、重要な担い手なんだというふうにも言われました。 今度の改正案で兼業農家の位置付けというのはどうなっていますか。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 今後も農業者の減少が見込まれる中、経営規模の大小や家族、法人などの経営形態を問わず、農業で生計を立てる担い手を育成、確保することが引き続き必要であると考えております。 一方で、今先生から御指摘ございました兼業農家でございますけれども、兼業農家につきましては、農業で生計を立てる担い手ではないものの、農地の保全管理や集落機能の維持などの面で重要な役割を果たしていただいていると認識をしております。 このため、今般提出をいたしました食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案におきましては、今先生の方からも御指摘ございましたけれども、第二十六条第一項において担い手である効率的かつ安定的な農業経営の育成、確保を引き続き図りつつ、同条第二項において担い手とともに地域農業生産活動を行う多様な農業者を位置付けたところであり、兼業農家は第二項の多様な農業者に含まれるものと考えております。
○紙智子君 だから、効率的かつ安定的な経営をやっているところと、そしてそれ以外の多様な担い手ということでその農地の確保を担っていただくということなんだと思うんだけど、この兼業農家については、先日の十四日の参考人質疑のときにも作山参考人が、兼業農家が重要なんだという話をしていて、基本法の議論で私が思い出したのは、多様な農業と言うと構造政策に逆行するという議論があったと、私はそれは時代遅れだと、やる人がいなくて困っているわけなのに、逆行する農家って一体どこにいるのかということを言われたんですよね。この構造政策に逆行するという考え方というのは今も変わっていないんじゃないのかなと思うんですよ。 検証部会でも兼業農家が議論になっています。農水省は昨年三月に農業の今後の展開方向というまとめてある中で、食料の消費形態を見ると、生鮮食品の消費は減少し、加工食品の消費は増大しており、今後二十年でそのトレンドは加速化すると、生産者側はその需要に合わせて必ずしも十分に対応できていない、生産者側は対応できていないと、その背景には、稲作経営は他品目と比べて農外収入が大きく、兼業主体の生産構造、稲作からの転換が進まなかったことが要因の一つだというふうに説明しているわけなんですよね。 だから、これ、作山さんが言われたように、兼業農家というのは構造政策に逆行するという考え方も今もあるんじゃないんですかね。これ、参考人、どうですか。
○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。 今先生が御指摘ございましたように、特に稲作の日本の農業構造でございますけれども、ある意味、出発点はやはり戦後の農地改革ということになろうかと思います。稲作は、そういったことを出発点にしながら、稲作については機械化等の進展を背景に少ない労働時間で生産できる体系が確立をしていると、こういったことも背景として、兼業形態あるいは高齢でも従事をしやすい、比較的規模が小さい農家でも経営を続けることができたと、そういった状況も背景に現在のような状況になっているというふうに考えております。 その構造政策に逆行ということをどういった御趣旨でおっしゃっているかちょっと、済みません、私の方も十分理解をしていないところはございますけれども、基本的に、こういった構造の中で特に農業者の減少というのはずっと続いております。続いてきている中で、やはり日本の農業生産というのをしっかりしたものにしていくためには担い手の育成が必要であるという考え方の下にこれまで政策を展開してきているところであり、そういった基本的な考え方については変更はないというふうに理解をしております。
○紙智子君 これ、検証部会でもこの議論されてきたということではありますからね。変更がないということだから、やっぱりあるのかなというふうに思うんですけれども。 それで、審議会や検証部会で政府の説明に対しても意見がたくさん出ていたと思うんですよ。例えば、JA全中の中家徹さん、今、替わりましたけど、会長は、今まで再三申し上げてきた、大規模な農業だけで地域農業は守っていけない、兼業農家、定年帰農者、だから定年してから戻って農業やる人ですね、それから半農半Xのような様々な方が地域で農業を守っている実態があるというふうに言われています。それから、全国農業会議所の柚木茂夫専務ですね、この方は、農水省は兼業主体の生産構造が変わっていないと言われたけれども、地域別とか経営の規模別の作物の作付け状況などを詳しくちょっと分析しながらちゃんと検討することが必要じゃないかということを指摘しているわけですよ。 それから、現場では兼業農家が重要な役割を果たしているのに、政府が否定するからこれ生産者が減少していって、農地を維持する生産者も減ったというふうに言わざるを得ないんじゃないかなと私は思うんですね。 次に、自給農家についてお聞きするんですけど、自給的農家というのはどういう生産者なのか、そして基本法の制定当時、これ二〇〇〇年のときとそれから二〇二〇年のときのこの自給的農家というのは何人いるのかということを説明してください。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 統計上の定義で申し上げますけれども、自給的農家と申しますのは、農家のうち販売農家以外の農家ということで、経営耕地面積が三十アール未満かつ一年間の農産物販売金額が五十万円未満の農家ということでなってございます。 今お尋ねがございました自給的農家の数でございますけれども、二〇〇〇年には七十八万三千戸、二〇二〇年は七十一万九千戸ということでございまして、こちらは農林業センサスのデータでございます。
○紙智子君 今お話ありましたけど、この二十年間で基幹的農業従事者というのは二百四十万人いたのが百三十六万三千人まで減って、二〇二三年には百十六万四千人に半減したんですね。だけど、今紹介あったように、自給的農家の減少率で見ると、これ一〇%もないんですよ。だから、七十八・三万人から七十一・九万人ですから六万人の減少なんですよね、減り方はすごく少ないと思うんですよ。これってなぜでしょうか。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 あくまでこれ統計上のデータということでございますけれども、先ほど申し上げたような経営規模でありますとかあるいは販売金額で切った場合にこのような推移となっているということでございます。
○紙智子君 余り分析ができていないということだと思うんですけれども。 自給的農家というのは、今お話があったように耕作面積が三十アール未満、まあ大体三反未満ということだと思うんですけど、かつ農産物の販売金額が年間五十万未満と、そういう農家と説明がありました。 こういう農家の人たちって、野菜などが不足したときに出荷をお願いできる生産者で、農産物の需給を調整する上でも果たしている役割って本当に大きいんじゃないかなと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 まず、先ほどの減少率の関係でございますけれども、済みません、私の先ほどの答弁と重なるところはあるかと思いますけれども、特にこの自給的農家、稲作のですね、中心に営んでいらっしゃる経営体というのが非常に多いというところでございます。そういった中で、この機械化、稲作の場合には比較的早くからその機械化体系というのが確立をいたしました。そういった中で、兼業形態でも営めるというような特性もございます。そういった特性を背景に、このように自給的な経営体でも比較的高齢になるまで長く続けることができる、そういったことが比較的その減少率が少ない背景にあるのではないかなというふうに考えております。 今お話ございましたその作物を転換した場合ということでございますけれども、当然、その作物を転換する場合に新たな作物を栽培するための技術の問題、あるいはいろんな資材の問題等々ございますので、これはそれぞれのその経営体、経営者のいろんな事情によっても左右をされるところはあろうかと思いますので、なかなか一概にこうだというところまでなかなか申し上げにくいところはあるかとは思いますけれども、ただ、自給的農家につきましてもそういった形の農業を営んでいただいている、そういった意味では、農地の保全という意味ではしっかりと役割を果たしていただいていると、そういったことで我々としては認識をしておるところでございます。
○紙智子君 十四日の参考人質疑のときにも兼業農家への支援が弱いという話もありましたけれども、地域で農業を支えて食料を供給している生産者としての位置付けというのは、やっぱり専業農家の補助者という位置付けではなくて、そこはやっぱり変えなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。 家族農業経営についてお聞きするんですが、改正案の二十七条、ここでは現行の基本法と同様に家族農業経営の活性化を図ると規定されています。 今年、国連で家族農業十年が決議されてから折り返し地点なわけですね。三月二十二日の農林水産委員会でこの決議の具体化をどうするのかというふうに聞きましたら、大臣は、我が国の家族農業経営は農業経営体の九六%を占める重要な存在なんだと、引き続き支援をしてまいりたいというふうに言われたんですね。 第二十七条で家族農業の活性化を図るというのは、この九六%を占める家族農業を支援するということで理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 基本法改正案第二十七条第一項は、農業で生計を立てる担い手を育成する目的を達成するために、専ら農業を営む者や経営意欲のある農業者の創意工夫を生かした経営の展開を図ることが重要であることから、そうした家族経営の活性化を図る旨の規定であります。 このため、農業で生計を立てる家族経営については、第二十七条第一項の対象として担い手への支援策を講ずることとなります。一方、担い手以外の家族経営は第二十七条の対象ではありませんけれども、農地の保全管理などの面で重要な役割を果たしていただいていることを踏まえて、その役割に応じた支援を行ってまいります。
○紙智子君 つまり、支援を差を付けるということになるんだなというふうに思うんですね。 半農半Xについてお聞きするんですけれども、二〇二〇年の食料・農業・農村基本計画では、地域政策の総合化と多面的機能の維持、発展に半農半Xなどを位置付けました。 この半農半Xというのはどういう生産者のことを指していますか。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 半農半Xとは、農業と他の仕事を組み合わせた働き方のことで、農業と別の仕事を組み合わせて生活に必要な所得を獲得するものであります。
○紙智子君 基本計画では、副業、兼業という言葉も使われています。改正案では、この半農半Xをどのように位置付けていますか。
○政府参考人(杉中淳君) 半農半Xという事業者というのは様々ございますので、主として農業に従事をして農業によって所得を得る、又は農業経営の構造の改善に資するという者については農業者と支援をしていくと。また、半農半Xの人が増えていただくということによって、農地の保全というものが図られるという中で、多様な農業者として農地の保全に役割を果たしていただくということになると思います。
○紙智子君 この半農半Xの支援と、それから二十六条の二項で言うそれ以外の多様な農業者との支援というのは違うんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 先ほどの先生の御質問も踏まえて、若干ちょっと補足をさせていただきたいと思うんですけれども、これ基幹的農業従事者と自給的農家と、そういう観点ではないんですけれども、我々、農業者、主業経営体、準主業経営体、副業経営体という観点での分類を行いました。その結果、主業経営体は五十代以下が四四%、準主業経営体が二八%、副業経営体については二%ということですね。実は農業で生計を立てていない人というのはより高齢化が進んでいるという実態も。 こういう人たちは、先ほど申しましたように、これまでは農地という食料供給に重要な場を農業生産活動を通じて保全をしていただくということで非常に重要な役割を果たしていたわけですけれども、今後実はこういう人たちの方が急速に世代交代によって減少していくという危機感を持っています。 そういう観点からは、将来にわたって食料の安定供給を図るというためには、こういう人たちの農地の保全活動というのが地域で行われる必要があるというふうに考えておりまして、そういう観点から、新たに二十六条の第二項というのを追加をさせていただいたところです。 具体的には、やっぱり地域計画というのを今作っておりますので、そういう形で、このような多様な農業者も踏まえて地域の農地を守っていく活動というのを行っていくことになるというふうに考えています。
○紙智子君 半農半Xというのはもうちょっと広い、何というか、広い性格を持って見るということなんですか。その支援策の違いもあるのかなと思いながら聞いていたんですけど。 やっぱり農業の担い手って、あくまでも効率的かつ安定的な経営体と農業で生計を立てる担い手という枠組みになっていると思うんですよね。その枠組みにずっと固執していくことになると、多様な担い手といっても支援が弱くなっていくんじゃないかと思うんですよ。この二十年くらいの経験から見てみると、今の担い手の枠組みにずっと固執してきたことで離農に歯止めが掛からなかったんじゃないかというふうにも思うんです。 それで、改正案では、一方で法人への支援も重視されているんですけれども、なぜ二十七条の二項で法人への支援を明記しているんでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 現在の日本の農業でございますけれども、個人経営体である基幹的農業従事者についてはこの二十年でおおむね半減をしている、その一方で、法人等につきましては農業従事者が増加をし、農地面積の約四分の一、販売金額の約四割を担う状況になっております。また、四十代以下の新規就農者のうち雇用就農者が四割強を占める、そういった状況にもなっております。そういった意味で、雇用の受皿としても農業法人が果たす役割は重要になってきていると認識をしております。 一方で、農業法人でございますけれども、他産業に比べて自己資本比率が低く、財務基盤が脆弱であるなどの課題がございます。その経営基盤の強化が重要な課題となっている中で、今般の基本法改正案におきまして、新たに農業法人の経営基盤の強化を規定をしたところでございます。
○紙智子君 二〇一三年のときに日本再興戦略というのが出されていて、ここでは、今後十年間で法人経営体数を五万法人にするという目標を決めていました。しかし、二〇二三年の実績が三万三千法人にとどまっていると。 改正案は、目標がそういう意味では達成できていないという中で、支援をもっと強化して加速化するということになるんでしょうか、つまりは。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 繰り返しになりますけれども、今、我が国の農業の状況でございますけれども、基本的にはこの経営体の数で見れば九六%をこの家族経営が占めている。一方で、まだ数としてはまだ限られているといいますか、三万強ということで、状況ではございますけれども、法人経営が農地面積の四分の一、販売金額の四割を担うと、そういう個人・家族経営、法人経営の組合せで実際、地域農業を支えている状況だというふうに我々認識をしております。 そういった意味で、先ほど申しましたように、法人のウエートが高まってきている中で、法人経営の経営基盤強化についてもこれからその施策の充実を図らなければいけないという認識でございますけれども、一方で、現在その九六%を占めている家族経営、これが引き続き重要であるという考え方には変わりはないということでございます。 家族経営の活性化を図るという現行基本法の規定、これ、先ほども御議論がありましたけれども、第二十七条第一項として維持をしております。そういった意味で、基本的な考え方には変更はないというふうに理解をしております。
○紙智子君 今回法案を出して、農地所有適格化法人の経営基盤を強化しようというふうになっています。この法人制度ができたのは一九六二年、昭和三十七年ですよね。それで、法人制度をつくったのは、家族経営を中心にした農業経営の発展が目的であったと。 この制度が大きく変わったのは、ウルグアイ・ラウンドの交渉が本格化した一九九二年です。この年に新しい食料・農業・農村政策の方向と、いわゆる新政策を出して、法人化推進をうたい、農地法を改正して、農業関係者以外の支配権が強まらないようにするために議決制限制度をつくったと思うんですね。 その後も、この議決制限、これは緩和されているんですが、現在の基本法というのはこの法人化の推進としか書いていないんですけれども、改正案は経営基盤の強化とか促進という言葉を使っているわけですね。これ、ステージを明らかに変えてきているかなと思うんですよ。農業の主軸を、今、家族経営も大事なんだと言いましたけど、家族経営から法人経営にもっとシフトを変えていくということにしようとしているのかなと思うんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 我が国の農業は、九六%を占める家族経営と、そしてそれ以外の法人、この組合せで成り立っております。経営体の数からいたしましても、家族経営が重要であるということに、考えには変わりはありません。 家族経営の活性化を図るという現行基本法の規定は二十七条第一項として維持しておりまして、ステージが変化する、変わるということは、いうものではありません。
○紙智子君 ステージは変わらないんだという話ではあるんですけれども、日本でも世界でも、やっぱり農業の主軸というのは家族経営だと思うんですよ。ずっとそうだと思うんです。 改正案は法人の位置付けを強化しているんですけれども、やっぱり兼業農家を含めて、農業で生計を立てていない生産者も農業の重要な担い手なんだと思うんです。家族農業の位置付けを強化する規定こそが設けられるべきものじゃないのかなというふうに主張したいと思います。 それから、新規就農者支援の問題なんですけれども、農業の生産を担う生産者、とりわけ新規就農者を増やすというのが大事なわけです。新規就農者は、十年前は、二〇一五年の六万五千人が二〇二二年には四万五千人に減りました。なぜこれ減少したんでしょうか。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 新規就農者の減少でございますけれども、今先生から御指摘ございましたように、いわゆる親元就農を、あるいは定年帰農等含め、親御さんのその経営を引き継ぐという形での就農者の減少というのがこの全体の減少の一番大きな要因だというふうに考えております。
○紙智子君 なぜ減少したんですかって聞いたの。
○政府参考人(村井正親君) お答え申します。 これ、様々な要因があるかとは思いますけれども、例えば、最近、やはり六十代以上も含めた定年帰農と思われるそういった就農者の数が減少しておりますけれども、こういったことについては、例えば企業の定年延長、こういったことも一つの要因にあるのではないかなというふうに考えておるところでございます。
○紙智子君 これも余り分析されていないのかなと思うんですけど、政府の統計で全国の新規就農者数の推移というのが出ているんですけれども、これ都道府県別にどうなっているかって聞いても、これ出ていないんですよね。なぜ出さないのかなと。どこの県で何人増えたのか分からなかったら、政府の新規就農者政策って本当に有効になっているのか、実態が、実情が分からないし、検証もできないんじゃないかと思うんですけど、この点どうですか。
○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔に願います。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 新規就農者調査でございますけれども、これ調査技術的な問題で、全国の家族の経営体、あるいは関係機関からどうやって的確に把握するかという問題がございまして、いろんなことを考量した上で、統計調査として一定の精度を確保しつつ、継続的、安定的にデータを提供すると、こういう観点から全国値を把握するということで、現在の調査を行っているところでございます。
○紙智子君 ちょっと時間が来てしまったので、また続きはこの次やらなきゃいけないんですけど、ちょっと新規就農者がどうなっているのかって、各県ごとに表があるのかなと思ったらないんですよ。ちょっとやっぱりそれ自体もきちっとやっぱり把握しなきゃいけないし、そうじゃなかったらちゃんとした対応策取れないんじゃないかなということも非常に強く感じているということを述べさせていただいて、質問をこれで終わります。 ありがとうございました。
○寺田静君 秋田県の寺田と申します。本日もよろしくお願いいたします。 私も、大臣の御発言の生産基盤は弱体化しているとまでは思っていないというところから始めさせていただきたいと思います。 そして、生産基盤は人と農地だとの御答弁もありました。ただ、その人ですけれども、徳永先生の資料にもありましたけれども、この基幹的農業従事者は二十五年で半分以下になっていると。その生産基盤の一つ、二つのうちの一つの基幹的農業従事者が半減をしているという状況下であっても、弱体化しているとまでは言えないという理解で、確認ですけれども、よろしいでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 私は、個々については弱体化している部分があると思います。そして、個々については、やはり改善された部分もあるというふうに思います。例えば、担い手への集積率が六割になりました。そして、販売額の五千万以上や経営耕地面積十ヘクタール以上の経営体が増加するなど、いろいろな成果を上げているものもあります。ですから、一概に弱体化しているということは言えないというふうに思っております。 プラス面はありますけれども、一律で弱体化している、一律で弱体化しているものではないということをやはり反論として言いたいがために弱体化していないというような言葉を使いました。
○寺田静君 ありがとうございます。 総人口も減っているというような御答弁もあったかと思うんですけれども、総人口の減り方に対してこの基幹的農業従事者の減り方、これ随分違うというふうに思うんですね。でも、大臣の認識では、確かに人は減ったけれども、この農地とこの産出額とか農業所得に関してはまあそこまで減っていないんだから、まあそこそこはうまくやってきたじゃないかという御認識なのかなということで承知をいたしました。大臣が上司として部下を、農水省の皆さんを大切に思っているという優しいお人柄なことは伝わってまいりました。 ただ、だとすれば、一度是非秋田を見に来ていただきたいなと思うんです。大臣は、弱体化との指摘に関して、稲作農家が減少したんだと、中山間地の高齢化と日本のこの全体の人口減少、高齢化というふうに午前中に御答弁をされています。稲作農家、米は売れないんだからそれなりに淘汰をされるのは当たり前なんだというようなことが言外にやっぱり含まれているんじゃないかなと思ってしまうんです。この弱体化の文脈で、この一部においてとか中山間地でというふうにおっしゃったんです。秋田のようなところはこの一部なんだなと、切り捨てられるような感覚を覚えてしまいました。 この少子高齢化が最も日本で進んでいるところ、それが秋田県です。でも、この秋田の姿というのは日本の多くの地方の未来の姿だろうとも私は感じています。中山間地だけではなくて、あちこちもう荒廃しているんです。この農村の疲弊を目の当たりにして是非感じていただきたいものが私にはあります。この遠心力が働いて若者がどんどん出ていく地方というのがどういう姿になっているのかと。国土交通省の十年前ぐらいのレポートでしたでしょうか、農村部では集落は維持できず、野生鳥獣に支配されるとされています。その足音が聞こえるのが残念ながら秋田なんです。 先日、佐藤委員もお話をされていたかなと思いますけれども、鳥獣被害、これも深刻で、これもまた中山間地で離農が進む原因の一つともなっています。個体数が減っても被害は変わらずというお話であったと思いますけれども、秋田も全く同じ状況で、県の熊対策専門官も、昨年は二千頭ほど捕獲したから今年は少し落ち着くのではないかと冬の間にお話をされていましたけれども、春から再び被害も出て、毎日、農地や住宅地、先日は高校の敷地内でまで目撃をされております。我が家の筋向かいの家でも庭に熊のふんが出ました、ありました。これ、本当にごみ出しも怖いですし、子供だけで外で遊ばせるということはちゅうちょをします。自然が豊かであるということは本当に有り難いことではありますし、気持ちがいいということもありますけれども、これからもこうした野生動物の被害におびえながら日常を暮らすのかと思います。 以前も委員会で新聞記事などを資料として共有をさせていただきましたけれども、熊に襲われた被害者の多くの治療に当たってきた医師によれば、この熊によるけがというのは頭部に集中をしています。命は助かっても失明をするという方も出てきています。昨年一年間だけでこの住宅地や農地に出てきた二千頭の熊が捕獲をされたという厳しい場所を是非この大臣の目で見ていただきたいと思うんです。 徳永先生も同じような指摘をされていたと思いますが、気候変動のために、この食料を将来自給をできる可能性があるのは、北海道、青森、秋田だけだというふうに指摘をしている有識者の方もあります。残念ながら、山形は含まれておりません。そのような場所、この可能性がある農地、農村が荒廃をしているという現状を是非見ていただきたいんです。私が言うまでもなく、一旦荒れてしまえば、農地を元に戻すにはかなり時間が掛かります。世界的には食料需給が逼迫をするのではと言われている中で、自給ができる可能性があると言われている土地、農地を放置をしている余裕などどこにあるのかというふうに思います。 是非一度この秋田に来ていただけないでしょうか。秋田に来てこの現場を見て、せめて農業の現場をよく知って、政策で様々努力をしてきている、農業をやっている県議の方々のお話だけでもいいので、直接聞いていただけないでしょうか。一言、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農業のあるべき姿というのは、農業の実態というのは、それぞれの地域によってそれぞれ違います。 今委員の方から、東北地方、とりわけ秋田の実情を御紹介いただきました。しっかり重く受け止めたいというふうに思います。
○寺田静君 是非秋田に来ていただくことを重ねて御検討いただきたいと思っております。 ここからは、前回までのほかの方、ほかの委員の方や私自身の質疑に対する政府の方々の答弁に対して、抽象的で分からなかったことなど、また実効性に疑問を感じたことなどを中心に質問させていただきたいと思います。 まず一つ目、前回の私に対する御答弁で、米不足もバター不足も安定供給が損なわれたとは考えてはいないという御答弁がありましたけれども、その御認識で間違いがないでしょうか。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 まず、平成五年の米の大不作の事例につきましては、供給量の対前年比で約二割が減少し、緊急輸入を実施する事態になりました。しかしながら、国産米の販売価格や原料米価格が高騰しまして、消費者等による買いだめや買い急ぎが発生するなど、消費行動の混乱や関連業界に大きな影響が生じました。その意味におきまして、これは安定供給が損なわれた事例だと認識しております。 一方で、平成二十六年度のバター不足につきましては、年間のバター需要量、これおよそ七万トンに対して、当時の国産バターの生産量は、前年度と比べて四%、三千トンほど少ない約六万トンほどでございました。そのため、不足する一万トン程度を輸入することで、全体として供給量を確保いたしました。したがいまして、国全体で見れば、バターにつきましては安定供給ができていたものと認識しております。
○寺田静君 ありがとうございます。 いま一度確認ですけれども、では、この平成五年の米の大凶作は、改正案二十四条にある国民生活の安定及び国民経済の円滑な運用に支障が生じる状態であったという認識でいいでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 御指摘のように、平成五年の米の大不作の事例というのは、消費者行動の混乱や関連業界に大きな影響が出ておりますので、改正案の第二十四条に規定する国民生活の安定及び国民経済の円滑な運営に支障が生ずる事態であったというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 先ほどちょっと政務官の方から御丁寧に御答弁をいただいたので、問い三についてはちょっと割愛させていただきたいと思いますけれども、同じく九日の委員会の田名部先生への御答弁の中で、この米の平成五年の凶作のことについて、苦い経験であるとした上で、緊急対策、そういったものが法制上できませんでしたとの御答弁がありましたけれども、法制上できなかったこととは何でしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 当時は、今提案している不測時の供給確保に対する法制度はございませんでしたので、平成五年のまず反省としては、食料供給が大幅に不足するおそれがある兆候段階、この段階から輸入の確保という対策が十分できなかったということと、あと、民間の持つ在庫を適切に把握するというような仕組みがございませんでしたので、これを市場に供給させることができなかったと。結果として、政府が対策あった後に民間から在庫が出てきたということなんですけれども、そういったことができなかったということで、政府一体となった体制の下で必要な措置を講じることができなかったというふうに考えています。
○寺田静君 その対策、そうした事態を受けて、この事後の評価というのをどのようにされているんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 事後の評価、繰り返しになりますけれども、平成五年の米不足、これ七月には冷夏による大凶作の懸念の声というのはあったわけですけれども、具体的な対策というのは、消費者等による買占めが発生し始めた九月まで具体的な供給確保対策というのを行えませんでした。反省の一部を踏まえまして、現在は米については国家備蓄制度というのを設けたわけですけれども、当時は、この備蓄制度がなくて、備蓄の量が非常に少なかったということが混乱の拍車を加えたということでございます。 そういう意味で、反省点は、早期の対策ができなかったということと、いざというときの早期の供給をする備蓄制度の充実というのを図る必要があるということが教訓であったというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 それを受けて、今回の基本法の改正、それに付随したこの法案の創設というものによって、どのような改善が見込まれるでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 今回の基本法改正におきまして、第二十四条の第一項を新設をいたしました。これは不測の要因による食料供給不足の事態をできる限り回避して、国民生活、国民経済への支障が最小となるようにするために、関連する行政機関の相互の連携を強化するとともに、不測時における備蓄の放出、輸入の拡大等の具体的な措置について規定をしたところでございます。 これを踏まえまして、現在、食料供給困難事態対策法案、この御提案をさせていただいておりますけれども、これはこの実体法として提出したものでございまして、本法案によって食料供給が不足する兆候の段階から、政府一体となって、状況に応じた供給確保対策を講じるということが可能になるとともに、これによって食料供給困難事態の未然防止や早期解消を図ることができるようになるというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 次に、大臣による法案の趣旨説明のときも、また、他の委員の先生方からも繰り返しありましたけれども、この食料の安定的な供給のところについていま一度お伺いをしたいと思います。 そもそも食料の安全保障を考えることになった契機というのは何か、いま一度教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 大臣から繰り返し答弁がある内容でございますけれども、昨今でございますが、まずウクライナ情勢等によって、肥料価格、飼料価格等が高騰いたしました。また、その前には新型コロナウイルス感染症によって世界的にサプライチェーンが混乱をしたと。また、近年、気候変動によって世界的な不作が頻発するという中で、世界の食料需給というのが不安定化をしております。 また、国内に目を向けますと、高齢化の急激な進展、それだけではなくて、あと、消費者サイドで見ると低所得者世帯数が増加すると、あと、労働力不足等に起因する輸送能力が低下しているといった感じで、食料アクセス問題という新しい問題も顕在化しております。 こうした状況を踏まえまして、基本法改正案におきまして、輸入リスクの増大に対応するとともに、平時から国民一人一人の食料の入手の確保の観点も含めて、食料安全保障を確保するという御提案を差し上げたところでございます。
○寺田静君 ありがとうございます。 先日の御答弁にあった国民の需要を満たすための十分な量の十分な量とは、具体的にどのような量を指すんでしょうか。そしてまた、十分とは、国民、この日本に暮らす人たちにとってどう十分というふうに考えられているんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 先日の答弁の十分な量というのは、食料について、国民の需要、これを満たすだけの量が確保できているということでございます。この量につきましては、消費者が直接消費する食料だけではなくて、加工原料用の原料を含めまして、食料システムを通じて最終的に消費者に供給されていくと、そういったものも含んでおります。
○寺田静君 また、御答弁の中にある十分な量の食料が総量として確保されている状態の確保されている状態というのは、具体的にどのような状況でしょうか。例えば、現に日本国内に存在していることを指すのか、それとも海外でその日本向けの食料が確保されているということも含むのか。また、それを、海外で確保されているということを含むのだとしたら、この食料安全保障を考える契機となった輸送途絶のリスクなどはどういうふうに関係するんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 十分な量の食料が確保されている状態といいますのは、これから輸入される海外にある食料についても確実に我が国に供給され、国内の需要に満たすことができるという、そういうものも含んで必要な量を満たしている状態と考えております。このため、輸入に関する輸送の途絶リスクなどによって我が国に届かなかった場合というのは、これ、十分な量に含まれないと、十分な量が確保されている状態の中には含まれないというふうに考えております。 先ほど申し上げましたように、サプライチェーンの混乱というのが、これ、食料供給のリスクの一つございますので、こういったリスクに対応するために、国と民間の連携による輸入の相手国の多角化、あと、輸入の相手国への投資の促進によって相手の輸入の安定化を図るとともに、こういったサプライチェーンの輸入の途絶が起こったときの対応として、不測時における食料供給の確保の対策を推し進めていきたいというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 食料の安全保障の確保が、食料が安定的に供給をされている状態で需要を満たすための十分の量が総量として確保されていて、それは国内農業の生産を増大を基本とするけれども、輸入及び備蓄の確保も含んでいて、安定的な輸入というのはこの安全保障が損なわれる危機時にも安定的に確保ができることと。 でも、私もちょっとうまく説明できません。もちろん、異常気象などがあってこの国内生産が落ち込むこともあるので、全て国内生産にすればいいとは全く思っていませんけれども、その輸入で安全保障を守ろうとするというのは、この途絶リスクを考えたときに、輸入をそこに、規定に含めておくことに危うさはないのかなというところがちょっとまだよく分からないところがあります。 また、これはまた後日にして、後日にしたいところもありますけれども、この安定的な輸入の確保について、農水省としてできることとしてこの政府間対話を挙げていらしたと思いますけれども、具体的に今後はどの国に対してどのような品目についてこの対話を重ねていくというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 食料等の輸入相手国との間で政府間対話を行っておりますけれども、これは、例えばカナダとの間では、昨年のG7宮崎農業大臣会合の際に設置しました日本・カナダ農業食料政府間協力対話において、小麦や菜種等について需給が逼迫する際の両国間の迅速な協議の方法を議論しているところでございます。 また、オーストラリアとの間では、日・オーストラリア間の経済連携協定において、小麦等の輸入に顕著な減少が予見される場合の連絡協議の枠組みが規定されており、その円滑な実施に向けた両国間の対話を行っているところでございます。 今後とも、このような輸入相手国との対話を通じまして、安定的な輸入の確保に努めてまいります。
○寺田静君 ありがとうございます。 一問ちょっと割愛しまして、では、世界的なこの食料供給の不測時に買い負けをしてしまうという懸念に対する対策としては、海外の輸出、物流事業者に対する投資が必要とされていましたけれども、そのために農水省は今まで何をされてきたんでしょうか。また、改正後には何をされるおつもりでしょうか。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 農林水産省といたしましては、国内生産で需要を賄えない農産物や肥料等について、平時から安定的な輸入を確保する観点から、我が国の民間事業者による調達に係るサプライチェーンの強化に向けて、その投資促進を図るための取組を開始したところでございます。 具体的には、海外現地において我が国の民間事業者が行う主要穀物等の集荷、船積み施設に対する投資案件の形成を促進するため、投資可能性調査への費用助成を令和五年度から実施しているところでございます。
○寺田静君 ありがとうございます。 少し前の御答弁にあった、食料の供給不足の兆候の段階から輸入を確保するというようなお話あったと思いますけれども、食料の供給困難事態対策法で定めるということですけれども、そもそも兆候の段階を把握をできるでしょうか。政府はそれをどのように把握をするのか。また、最近の小麦価格の高騰などを含め、実際にどの段階で政府は何を把握していたのか、その実績を教えていただければと思います。
○政府参考人(杉中淳君) 御指摘のように、食料の供給不足については様々な要因がございます。例えば、異常気象による不作、あと家畜伝染病や植物病害虫の発生、蔓延、また、新型コロナウイルスのような、蔓延のようなサプライチェーンの混乱といったようなことが想定をされます。 この中で、とりわけ異常気象による不作については、現在、気象予測など様々な指標ございますので、こういったものを活用して、発生の数か月前から兆候を把握することが可能だというふうに考えています。先ほど米の事例ございましたけれども、七月ぐらいには兆候というのは明らかに出ていたんだけれども、九月まで対策を行わなかったという事例もございました。 現在どういう取組を行っているかということでございますけれども、農水省では、現在、小麦、大豆、トウモロコシなどについて、主要な生産国の生育状況や国際的な物流状況などについて、国連食糧農業機関、FAOや米国農務省、USDA、これが諸外国の食料供給の需給予測というのを出しておりますので、こういったものを収集、分析いたしまして、食料安全保障月報として毎月公表しております。また、このほか、商社などの民間事業者から定期的にヒアリングをするといったことで海外の生産状況などの情報収集も行っております。 供給不足をもたらす要因の中には、兆候を捉えることが難しいと、こういうものもあるのも事実でございますけれども、可能なとおり、食料供給困難の兆候又は困難事態の発生状況に関する情報収集、これを一層強化して、早期に食料を確保する対策というのを実施していきたいというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 私としては、二〇二二年の二月に始まったロシアのウクライナ侵攻で小麦の国際相場が急騰したというような、このような地政学的なリスクをどのように回避をするのかを知りたいというふうに思っています。 たとえ兆候段階を察知をしたとしても、そのときから輸入の確保を行うにはどういう行動が農水省に求められているのかと。答弁にある輸入競争に巻き込まれる前に安定的に食料を確保する対策というのは、先ほどの政府間対話なんだということなのかもありませんけれども、改めてこの対策とは何かを教えていただければと思います。
○政府参考人(杉中淳君) まず、不測時につきましては、世界的に食料供給というのは減少いたしますので、できるだけ早く輸入を行うということが重要でございます。それによって食料供給確保を図るということでございます。 しかしながら、一般的に申しまして、そういった供給不足というのは今後値上がりが起こるかもしれないというリスクがございますので、輸入業者のみの判断では適切な輸入量や時期の見極め、今買ったら損をするんではないかというような心配がありますので、なかなか個々の企業で判断できないと、これは事態法の中でも民間輸入業者というのが主張していたところでございます。そういう意味では、こういった不測時においては、平時の輸入ビジネスと異なるリスクが生じているというふうに考えております。 このため、食料供給困難事態対策法案におきましては、食料供給の減少の兆候を把握した段階から、まず国が供給を確保すべき総量を示した上で、輸入を促進するように事業者に対して要請を行うということで、必要な輸入量を確保するということとしております。 要請に当たっては、先ほど損失リスクという話もございますので、円滑な輸入事業の実施につきまして必要な財政上の措置の対策等も行いながら輸入を確保していきたいというふうに考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 損をするリスクというようなお話がありましたけど、これはまた後日ゆっくりお伺いをしたいなというふうに思います。 次に、合理的な価格形成のところについてお伺いをしたいと思います。 消費者の役割として、農業等への理解を深めていただくとともにというふうに書かれていますけれども、具体的にどのような理解が足りない、消費者の側の理解が不足をしているというふうに認識をされているのか、また、その理解を深めるためにどのような方策を実行するおつもりなのか、そして、理解が高まっているかどうかということをどのように把握をされるおつもりなのかを教えてください。
○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。 消費者と農業現場の関わりが薄くなり、その距離が遠くなる中で、生産者の努力や農業現場の実態についての消費者の理解、これが課題となっているところでございます。 こうした農業などへの理解を深めていただくためには、食育の取組を進めることが改めて重要となっております。中でも、消費者が実際に農業現場で作業をして生産者の努力を実感する農林漁業体験などが重要というふうに考えております。 実際に、農水省で実施した調査によりますと、実際に農林漁業体験に参加した者の六割強が自然の恩恵や生産者への感謝を感じられるようになった、また、四割の方が地元産や国産の食材を積極的に選ぶようになったと、こういった回答をされているところでございます。 農水省では、今後とも、農林漁業体験を始めとした各地域の食育活動を支援することとしており、その効果については引き続き意識調査などによって把握をしてまいります。
○寺田静君 ありがとうございます。 消費者の理解を高めるということについては、この農村の政策がやっぱり大事なんじゃないかなというふうに思います。 参考人の野中氏の御意見、今日も日経新聞の方にも掲載されておりましたけれども、文化の伝承ですとか良好な景観の形成、自然環境の保全など、様々なことをまた主張をされております。 私の事務所のスタッフのお子さんも山村留学をしていて、そこでやっぱり地元のお祭りなどがもう楽しくてたまらないということでした。何か、秋田に住まう者としては何か当たり前のような気がすることでも、ふだん東京で暮らしていてそういうところに行くと、こんなものがあるんだなというのはすごく楽しく感じられるんだなということを私もそれを通して学ばせていただきました。その部分が非常に弱いというか、欠けているんではないかという御指摘は本当にしっかりと受け止めなければいけないんではないかなというふうに思います。 この消費者の農業への理解を深めることが合理的な価格の形成にどのようにつながると考えていらっしゃるのか、教えてください。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答え申し上げます。 まず、この基本法の条文の作り方でありますけれども、二条の五項のところで、合理的な価格の形成について、食料の持続的な供給が行われるように食料システムの関係者により持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならないとしております。また、二十三条の具体的な施策のところで、この合理的な費用が考慮されるように、持続的な供給の必要性に対する理解の増進、それから合理的な費用の明確化の促進、こういった施策を講ずるというふうにしております。 今ございました御質問でございますが、まず、その理解の醸成のために、私ども、昨年七月ぐらいからフェアプライスプロジェクトというものを実施しておりまして、その生産資材ですとか原材料のコストの高騰の背景などを、動画などを使いまして分かりやすく現場の実情を伝えるように努めているところでございます。 また、コストの明確化につきましても、今後、米や野菜などの幅広い品目を対象に、生産それから流通などに関わります費用の実態調査を行っていこうとしているところでございます。 その上で、消費者の皆様が実際にこういうことをお知りいただいて、実際に購入をしようという際に、その生産現場の実情ですとかコスト、こういうことも御理解いただくだけではなくて、実際にその行動変容、購買行動の変容につながるようなことが出てくれば、売手双方の、売手、買手双方の距離が縮まって、きちっと合意ができれば、双方が折り合った合理的な価格というものがつくられるというふうな考え方でございます。
○寺田静君 ありがとうございます。 私も、農水委員会の前は環境委員会に所属をしておりましたので、そうするとやっぱり二酸化炭素の排出の削減とかプラスチックを減らすという議論があって、買物をするときはそういうものを自然と意識をするようになりましたから、また、この農水委員会に移ってからは国産のもの、有機なものをより積極的に手に取るようになったということもあって、この消費者への農業の理解を深めることというのは確かに合理的な価格形成につながるんだろうということは実感をしております。ただ、それは、私が今、少し高くなっても買える恵まれた状況にあるからであって、一般的にはそうはいかないんだろうとも思います。 参考人の方からも、消費者は安ければ安いほどいいと、生産者は高い方がいいと、この矛盾しているのに改正案は解決策を示していないという御意見もあったと思います。もうこれは社会の在り方に関わることなのかなというふうにも思いますので、この適正な価格形成に関する協議会だけではなくて、政府全体で議論をしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(滝波宏文君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十八分散会