農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 303 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/05/09
会議録
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官上村昇君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤啓君 おはようございます。自由民主党の佐藤啓でございます。 早速質問に入りたいと思います。 食料・農業・農村基本法は、制定から二十五年が経過をして、ロシアによるウクライナ侵略を始めとした地政学リスクの高まりや気候変動による異常気象の頻発化など、制定時には想定していなかった情勢の変化に直面をしています。 そのような中、今回の改正基本法案は、これらの情勢変化、課題に的確に対応し、食料・農業・農村政策の大きな方向性を示すものとなることが期待をされています。改正基本法案がその役割を果たすものとなり、また、この法案に基づいて具体的な施策が着実に実施されるよう質問をさせていただきたいと思います。 まず、食料安全保障の確保についてであります。 さきに述べました、ロシアによるウクライナ侵略を始めとした地政学リスクの高まり、気候変動等による世界的な食料生産の不安定化、世界的な食料需給の拡大に伴う調達競争の激化などを踏まえれば、今回の改正法案において最も重要な点は食料安全保障の抜本的強化であります。 この食料安全保障について、改正法第二条第一項では、食料の安定供給に加えて、国民一人一人の食料の入手の観点も含むものとして定義をして、その確保を基本理念に位置付けています。食料安全保障の定義について、その見直しの趣旨と併せてお伺いをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) まず、委員御指摘のとおり、近年、世界の食料需給が不安定化をし、食料の安定供給はより重要な課題となっているというふうに認識をしております。これに加えて、不採算地域からの小売スーパーの撤退や高齢者を中心とした買物の移動の不便さの増大、貧困格差の拡大等により食品アクセス問題が顕在化をしております。 これまでのように、十分な食料を総量として供給するという問題意識だけではなくて、どのような立場に置かれた方であったとしても、日本に暮らす一人一人の皆様全てに適切に食料が入手できるかどうかということが重要な課題となっていると認識をしております。 こうした情勢の変化も踏まえまして、国連食糧農業機関、FAOの定義、食料安全保障のですね、定義も参考にして、今回の基本法の改正案においては、基本理念の柱として、国民一人一人の食料の入手の観点の、確保のですね、観点も含めて食料安全保障を位置付けるということとさせていただきました。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 次に、合理的な価格の形成についてであります。 農業生産の持続可能性を含めて食料供給全体を持続可能なものとするためには、価格は市場で形成されることを前提としつつも、生産から消費まで関係者の合意の下、努力に見合った必要なコストが価格に転嫁をされていく、こういった仕組みが必要です。お互いに利益が相反し合うこともありますので大変難しい政策課題だとは考えますが、食料システム全体を持続可能なものとするためには欠かせないというふうに考えます。 今後、合理的な価格の形成に向けてどのように取組を進めていくのか、大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 資材高騰、資材価格等が高騰している中で食料の持続的な供給を行っていくためには、生産から消費に至る食料システム全体で合理的な費用が考慮されるようにする必要があります。こうした考え方を今回の改正案にも盛り込んでいるところであります。 このような仕組みにつきまして検討を行うために、昨年八月より、生産、加工、流通、小売、そして消費等の幅広い関係者が一堂に集まります協議会を開催し、関係者間で議論を重ねてきているところであります。この協議に当たりましては、取引関係に当たる当事者間で、委員おっしゃいますように、利益が相反する議論となることから、かねてより関係者同士で協調することを働きかけているところであります。 引き続き、食料システムの持続性の確保という共通の目的の下に、関係者が相互に理解し合えるよう丁寧に合意形成を図り、法制化も視野に検討を進めてまいります。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 この合理的な価格の形成に関しては、大変農業者の皆様の期待も高いというふうに思います。一方で、まだまだ特定の分野にその取組が限られているようにも見えますので、これをどうやって全体に広げていきながら、様々な農産物を生産する農業者の方々が安心していただけるような環境も整えていくのか、法案のことも含めて、大臣からは御発言がありましたので、しっかりと進めていただきたいと、そのように思っているところであります。 次に、消費者の役割についてお伺いをしたいというふうに思います。 食料の持続的な供給を実現するためには、合理的な価格の形成を含めて、消費者の方々が農業を始めとする食料への理解を深めて実際の購買行動につなげていただくということが重要であります。 今回の改正法案において、食料消費に関して、持続的な食料供給に資するものの選択を通じて持続的な食料供給に寄与するという点を書き込んだことは、これ画期的だというふうに思います。 しかしながら、これを実現するためには、学校教育等の食育を始め、消費者政策の抜本的な強化が必要であります。また、農林水産省だけではなくて、関係省庁でこれ相当連携を深めながら取り組んでいかなければならない、これ難しい課題だというふうに考えますが、今後、改正法案に基づいて具体的に消費政策をどのように変えていくのか、大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 改正法案におきまして、消費者の役割として農業等への理解を深めていただくとともに、食料の消費に際しまして、環境への負荷低減など、食料の持続的な供給に資するものの選択に努めていただくということを規定しているところでございます。 そのため、農林水産省では、食や農林水産業に対する理解を深めていただくため、生産現場の実態を知ることができる農林漁業体験や給食での地場産物の活用を始めとした学校での食育など、関係省庁と連携をして様々な食育の取組を更に進めたいというふうに思っております。そして、生産者の環境負荷低減の努力を星の数で消費者に分かりやすく伝えます見える化を推進してまいります。 こういうことによりまして、国民の理解醸成や行動変容に取り組んでまいりたいと思っております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 なかなか、実際に国民の皆さんの行動変容につなげていくということ、簡単ではないというふうに思います。ですから、特に、この学校教育での食育、今大臣からも答弁の中で触れていただきましたけれども、こういった、各省庁、どうしても縦割りになりがちですが、しっかりと、この縦割りを打破していただいて、大臣のリーダーシップでしっかりこの政策を省庁全体、国全体で進めていただきますようお願いをしたいというふうに思います。 次に、食料安全保障の確保という観点では、我が国の農業、食品産業の発展を通じて、食料供給能力を全体として維持していくということが重要であります。 我が国は、人口減少に伴って国内市場がどんどん縮小をしていくと、そういった状況にありますので、農業、食品産業においても、これ輸出の促進ということに取り組まなければ縮小の傾向というのはなかなか打破できないという状況であります。今回の改正法第二条第四項におきまして食料安全保障の確保に向けて輸出促進というものが位置付けられたこと、これは高く評価したいというふうに思います。非常に現実的だというふうに考えています。 今後、この改正法案に基づいて、農業、食品産業の輸出促進にどのように取り組むのか、この具体的な施策をお伺いをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) お答えを申し上げます。 まず、委員御指摘のとおり、食料安全保障を考えた際にも、輸出促進というのは大変重要な要素であるというふうに考えております。 本法案の改正案におきましては、輸出促進のための施策として、第二十二条において、輸出を行う産地の育成、農産物の関係者が組織する団体による輸出の取組促進、需要の開拓を包括的に支援する体制の整備などの規定を盛り込むこととしております。 この規定に基づく具体的な施策といたしましては、マーケットインの考え方を原則といたしまして、まずは、輸出産地の育成につきましては、海外の規制、ニーズに対応して、地域ぐるみで輸出向けの生産流通体系へ転換する取組支援や、一定量を継続的に輸出できる産地のフラッグシップ輸出産地としての選定を実施をします。そして、団体による取組促進としては、輸出重点品目について大臣認定をした十五の品目団体によるオールジャパンでの輸出力を強化をしていきます。 また、需要開拓の支援体制といたしましては、輸出先国・地域において、輸出事業者を規制情報の提供や商流構築等の面から包括的に支援をする輸出支援プラットフォームによる取組の強化などに取り組んでいきたいというふうに思います。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 次に、国内の輸入の安定化についてであります。 国内で生産できるものはできる限り国内で生産するというのが大原則でありますが、国民の皆様の食生活に合わせた生産を行おうとすれば、現在の国内の農地の三倍の面積が必要といった試算もあります。麦、大豆、飼料作物などは、国内で全ては賄い切れないわけであります。また、菜種などの油糧種子は、ほぼ海外から頼らざるを得ない状況となっています。こうした中で、改正法第二十一条の規定のとおり、現実的な問題として、ある程度輸入も安定的に確保していかなければなりません。 今後、改正法案に基づき、輸入の安定化について具体的にどのような対策を講じられるのか、お伺いをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 国内生産で国内需要を賄うことができない食料や生産資材については、平時からの安定的な輸入を確保するには、我が国の民間事業者が担っている調達事業をより強靱なものとするための環境整備が重要であります。 そのため、我が国と主要輸入相手国との間で、例えばですけれども、小麦でいえばカナダやオーストラリア、そして肥料のリンについてはモロッコなど、そうした国々との間で、政府間対話の機会等を活用して、相手国政府の理解、協力を得ながら、食料や生産資材の安定的な輸入の確保に取り組んでまいります。 あわせて、我が国の民間事業者による調達に係るサプライチェーンの強化を後押しすべく、海外現地において、これらの事業者が有する集荷や船積み施設等に対する投資の促進を図るための予算も、令和五年度補正予算において計上したところであります。
○佐藤啓君 また、食料安全保障の確保を図るためには、平時から食料安全保障の状況を定期的に評価、検証していくことが重要となります。 これまで、食料自給率の目標を設定、評価してきたわけですが、食料自給率単独では、例えば肥料などの農業生産に不可欠な資材の安定供給の状況が反映されないといったことなど、施策の効果を正しく評価することが難しいといった課題があることも認識しています。 このため、改正法第十七条では、食料自給率に加えて、食料安全保障の確保に関する事項の目標を定めるものとされたというふうに認識しておりますが、これ、一部では、食料自給率の位置付けが弱くなるんではないかといった、そういった懸念も出ているところであります。 食料自給率の位置付けは低下するということになるのか、この改正法第十七条の趣旨と併せてお伺いをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) 食料自給率は、国内で生産される食料が国内消費をどの程度充足しているかを示す指標として引き続きしっかりと位置付けていくこととしているものであります。国民に対する食料の安定的な供給については、国内の農業生産の増大を図ることを基本としているとおり、その位置付けが低下するということでは全くありません。 他方で、食料自給率については、委員からも御指摘が今ありましたが、海外依存の高い小麦、大豆の国内生産拡大等の増加要因と、自給率の高い米の消費の減少等の減少要因の双方が作用することとなっており、個別の要因の評価がまず難しいということと、また、肥料などの生産資材の安定供給の状況が反映されないといったものであるということから、食料安全保障の確保のための施策の効果を食料自給率という単独の目標で評価をするということは難しいというふうに考えております。 このため、基本法改正法案の第十七条においては、食料自給率やその他の食料安全保障の確保に関する事項の目標というのを定めることとしているものであります。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 食料自給率の位置付けが低下する、軽視をしているんじゃないかという指摘に対してしっかり対外的にも説明をするようにしていただきたいと、そのように思います。 次に、環境と調和の取れた食料システムの確立について伺います。 人口が減少する中でも、持続可能性という観点からは、地球温暖化防止、生物多様性の保全など、環境への対応も併せて求められています。特に、輸出の拡大を行うにしても、近年はオーガニックの農産物の生産が有効な手段になり得ると、こんなふうに考えています。 私の地元の奈良県におきましても、みどりの食料システム法に基づきまして、天理市においては地域ぐるみ環境負荷低減に取り組む特定区域の設定、また宇陀市においては環境負荷低減事業活動実施計画の認定が行われるなど、取組が広がっているように思います。私の地元の奈良県でも、この天理市、宇陀市の取組を見て、我々もやっていこうという、やはりそういった広がりが出てきているのかなと、そんなふうに感じているところであります。 一方で、我が国は、冷涼乾燥な欧州と異なって、非常に温暖湿潤な気候でありますから、有機農業への取組は、これは非常に意欲的、チャレンジングな取組であるというふうに考えます。 みどりの食料システム戦略では、有機農業の作付面積を百万ヘクタールまで増やすという、かなり壮大な目標を掲げていますが、これ具体的にどのように実現をしていくのか、生産現場にどのような具体的な行動変容を求めていくのか、大臣にお伺いをいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 有機農業は、生物多様性の保全など環境負荷の低減に資する取組であるとともに、有機農産物を活用したブランド化による国内外の消費者の評価向上にもつながるものであります。 このため、みどりの食料システム戦略におきましては、意欲的な目標を掲げているところですが、その実現に向けまして、みどりの食料システム戦略推進交付金によりますオーガニックビレッジの創出や先進的な有機農業者の栽培技術の横展開をすることにしております。オーガニックビレッジにつきましては、二〇二五年までに百市町村を創出する予定でありますけれども、既に、委員御地元の天理市、宇陀市を始めといたしまして、九十三の市町村が名のりを上げていただいております。それから、環境保全型農業直接支払交付金によります有機農業の取組支援、さらには、みどりの食料システム法に基づきます、地域ぐるみで有機農業の団地化等に取り組む特定区域の設定などによりまして、有機農業の取組拡大に向けた行動変容を促しているところであります。 その上で、二〇五〇年の目標達成に向けまして、自動除草ロボットの普及、それから病害虫抵抗性を強化した品種の育成等の次世代有機農業技術を確立してまいります。多くの農業者が経営の選択肢の一つとして有機農業に取り組むことができる環境を整えてまいります。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 非常にこの有機農業、大きな可能性を秘めていると思いますので、しっかりと後押しをお願いしたいと思います。 有機農業を始めとしたこの環境負荷低減の取組を広げていくためには、この生産現場の取組だけではなくて、消費者に対して分かりやすい情報提供を行って、またこれ行動変容を起こしてもらう、購買行動につなげてもらうということも必要であります。 こういった考えの下、農水省では、温室効果ガスの削減等への貢献の度合いを分かりやすく表示する見える化の取組を開始したというふうに認識していますが、この見える化の取組、どのように広げていくのか、政府参考人にお伺いをいたします。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 みどりの食料システム戦略の実現に向けまして、調達から生産、加工、流通、消費に至るまでの食料システム全体で環境負荷低減を図ることが大切でございます。このため、農業者の栽培情報を用いまして、農産物の生産段階における温室効果ガスの削減や生物多様性保全に貢献する環境負荷低減の取組を評価いたしまして、星の数で消費者に分かりやすく伝える見える化の取組を本年三月から本格運用しているところでございます。 一方、昨年内閣府が実施した世論調査では、消費者の八割以上が環境に配慮した農産物を購入したいと回答した一方、環境に配慮した農産物を購入しないと回答した消費者の六割以上がどれが環境に配慮した農産物か分からないためというのを主な理由と挙げております。 このため、マニュアルや説明動画の充実、地方農政局も一体となった全国各地での研修会の開催、相談会受付等のサポートを行うほか、小売や外食等を含む優良事例の紹介などを行いまして、生産者にとって取り組みやすく、消費者にとっても分かりやすく、選択につながるものとなるよう、見える化の取組を進めてまいります。
○佐藤啓君 ありがとうございました。 次に、農業の持続的な発展に関する施策についてお伺いをしたいと思います。 農業の持続的な発展を図るためには、まずは収益性の向上を通じた所得の向上が重要となります。当然でありますが、収益性の向上には生産性の向上による費用の低減、また付加価値の向上による売上げの増加、この二つがあるわけであります。 農地の集積、集約等による生産性向上ももちろん重要な取組ではありますが、この圃場の条件等によっては規模拡大による生産性の向上が困難な場合もあり、付加価値の向上の取組が大事だというふうに考えます。 私の地元の奈良県を見ていても、なかなか、中山間地が多かったり、また農地の集積、集約が進みにくい、こういった中でどうやってこの農業というものを成り立たせていくのかというのは、これ非常に難しい課題だというふうに考えています。 そういった中でも、奈良県においては、県が種苗法に基づく育成者権を取得して、奈良県のブランド農林水産物、奈良県プレミアムセレクトとして認証をされているイチゴの古都華といったものがあったり、この知的財産を活用した付加価値の向上の取組というものが進められて、これは非常に成功している例だというふうに思います。 付加価値の向上にはこのような地域の知的財産を活用した取組が重要だというふうに考えますが、今後どのように推進していくのか、お伺いをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 農業の持続的発展に向けては、各地域の農産物をブランド化をすることにより、ほかの農産物と差別化をして付加価値の向上を図ることが効果的であります。 農産物のブランド化に向けて、農林水産省では、まずは地域特有の農産物についてGI制度や商標の活用促進、そして種苗法に基づく新品種の登録に当たっての国内の栽培地域の限定など、知的財産の保護、活用を推進をしているところであります。 さらに、こうした知的財産の保護、活用の取組が進むように、農業現場の知的財産に関する意識向上を図るための研修を実施するとともに、現場に対し的確なアドバイスができる専門人材の育成を推進してまいります。 先生の御地元の奈良の古都華、最高においしいイチゴだというふうによく認識をしておりますし、また、明日香村でいただくあすかルビーは最高だというふうに認識をしておりますが、この答弁書にはないんですけれども、一つ申し上げなければならないのは、産地間でいいものを競い合うというのも大切だと思いますが、なかなかああいうすばらしい品種というのは海外にあるものではありませんので、これからはやっぱり知財をちゃんと守って海外でも稼いでいくというようなことも農家の皆さんにとっては大切な要素になろうかというふうに思います。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 古都華始めあすかルビーであったり、奈良県の農産物、しっかり召し上がっていただいていること、感謝を申し上げたいというふうに思いますが、また、今副大臣から御指摘のあった事項についても、また地元の農業者の皆さんと情報共有しながらしっかり取り組みたいというふうに思っております。 農業の持続的な発展という観点では、担い手の確保、育成も必要であります。しかしながら、基幹的農業従事者は基本法制定時から半減して今約百二十万人となっていますし、また、今後二十年間で更に三十万人まで減少する見込みであります。 基幹的農業従事者の減少の要因をどのように分析しているのか、また、今後どのようにして担い手の確保、育成を図っていくのか、お伺いをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 個人経営体の農業者である基幹的農業従事者は、この二十年間で百四万人減少しておりますが、このうち七割以上の七十七万人を稲作に関連する農業者が占めております。稲作については、機械化等の進展を背景に少ない労働時間で生産できる体系が確立していったため、高齢の農業者が多く従事をしておりましたが、こうした御高齢の稲作の農業者がこの二十年間でいよいよリタイアする局面にあったことから、農業者が全体として大きく減少したものと考えております。 こうした中で、農林水産省といたしましては、次世代の農業者の確保に向けて、就農に向けた様々な資金メニューでの支援、新規就農者の経営発展のための機械、施設等の導入支援、そして研修農場の整備などサポート体制の充実への支援、そして新規就農の受皿としても重要な農業法人の経営基盤強化など、あらゆる施策を講じて担い手の育成、確保を図ってまいりました。 それでも、将来は現在よりも相当程度少ない人数で農業生産を担うことも想定しなければならないというふうに考えており、農地の集積、集約化と農業生産基盤整備、そしてスマート農業技術の開発、実用化の加速化、そして経営体をサポートするサービス事業体の育成、確保などを一体的に推進をすることが必要不可欠と考えております。 さらには、それでも足りない部分については海外からの人材に頼らざるを得ないというふうに考えておりまして、その海外からの人材が働きがいを持ってしっかり地域で農業に従事ができるような環境整備も大切かというふうに考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 今、基幹的農業従事者の減少の観点、しっかり答弁をしていただきましたが、この基幹的農業従事者の減少を補うという観点で、農業法人というものが非常に重要になってくるというふうに思います。 農業法人は、農地面積の約四分の一、販売金額の約四割を担うまでに今成長しています。今後、担い手の確保、育成の観点に加えて、またこの地域の雇用の受皿という観点でも、農業法人の役割が重要になるというふうに考えますが、低い自己資本比率など、財務面での脆弱性といったことも指摘をされている、そういった状況であります。 改正法第二十七条に位置付けられた農業法人の経営基盤の強化に向けて、今後具体的にどのような施策を進めていくのか、お伺いをいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 我が国全体で人口が減少する中で、個人経営体の基幹的農業従事者についてはこの二十年間でおおむね半減をしている一方で、法人等については、農業従事者が増加をし、委員御指摘のとおり、農地面積の約四分の一、そして販売金額の約四割を担うまでになっております。その結果、農業総産出額は約九兆円を維持することができております。 このように、農地や雇用の受皿として農業法人が果たす役割はますます重要になっている中で、その経営基盤の強化が重要な課題というふうに認識をしております。 このため、今般の基本法改正案においては、新たに農業法人の経営基盤の強化を規定をしているところであります。あわせて、農業現場の懸念に対応した措置を講じた上で、食品事業者との出資等を通じた連携による農地所有適格化法人の経営基盤強化のため、議決権要件を緩和する特例措置を講ずる農地関連法制の改正案を今国会に提出をしたところであります。 こうしたことも踏まえつつ、農業法人に対して、補助金、そして金融措置、税制措置など、幅広い支援策を講ずるとともに、経営管理能力の向上のための研修プログラムの策定、自らの経営状況を財務分析するソフトの開発などの取組を総合的に実施をしてまいりたいと思います。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 農業生産に当たっては、種子、肥料、飼料等の農業資材が不可欠であります。農業資材の中には、我が国で生産できない資源を原料とする肥料を始め、国際情勢の変化によって輸入リスクが高まるものがたくさんあります。農業資材の安定的な供給を確保する旨を定めたこの改正法第四十二条の規定は、これ非常に重要なものだというふうに考えています。 一方で、種子については、米や野菜の種子供給に対するこの漠然たる不安や、野菜の種子に関しては海外からの輸入が多いとして種子の安定供給を懸念する声が一部に聞かれています。米、野菜の種子の供給状況、また今後の安定供給に向けた施策について、政府参考人にお伺いをいたします。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 稲の種子につきまして、国内流通の全てが国内で生産されております。また、野菜の種子については、約一割が国内生産、約九割が海外での生産ですが、海外生産は、日本の種苗会社が種子生産に適した世界各地にリスク分散して生産しているものでございます。また、加えまして、国内の備蓄として約一年分が保有されており、安定的な供給体制が構築されております。 種子は農業生産に欠かせない大切な農業資材でありまして、基本法の改正案におきましても、種子も含む農業資材の安定的な供給の確保、四十二条、また、海外での生産が適している品目を念頭にその安定的な輸入を確保する、第二十一条等を新たに位置付けているところでございます。 農林水産省としては、稲につきましては引き続き官民の連携協力や県域を越えた種子供給体制の整備を進めるとともに、野菜については国外における新たな採種地の開拓や国内での効率的な採種技術の導入、実証を図るなど、取組を後押しすることにより種子の安定供給を図ってまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 次に、農村の振興に関する施策についてお伺いをいたします。 国内人口の減少が進行する中、特に農村、農山村においてはその影響が顕著に生じておりまして、今後、農業や生活の基盤としての地域コミュニティーの維持自体が難しくなるということが懸念をされています。このため、改正法案では、いわゆる関係人口などの農村との関わりを持つ者の増加を図る旨が規定をされています。これは非常に重要な規定だというふうに思います。 ただ、この農村の振興という観点では、私も参議院議員になる前は総務省、旧自治省の職員として約十二年半勤めてまいりましたが、その間、北海道庁に一年八か月、また、茨城県の常陸太田市ですね、これはもう人口五万人を切る、また、合併していますので過疎地域を含む、そういった地域でありますが、その常陸太田市の企画部長、総務部長として約三年弱、東日本大震災の復興復旧などにも関わってきたわけでありますが、こういった農山村の人口を増やしていく、また関係人口を増やしていく、こういった観点は、これ、総務省も長らく取り組んできたところであります。 今回、農林水産省もまた農林水産省の観点からこの農山村の維持ということに関して取り組んでいただいているわけでありますが、これは是非、関係省庁がやはり連携をしながらまたこれも取り組んでいくことなんだろうというふうに思っています。私は今、自分が総務省の出身なので総務省の話をしましたが、総務省だけではなくて、農水省もそうですし、また、国交省であったりいろんな関係省庁が関わっているわけでありますから、この農村をどうやって維持していくのかという観点で、関係人口を増やすだけにとどまらず様々な取組を進めていただきたいというふうに思いますが、農水省、また総務省、関係省庁しっかり頑張っていただくというそういった意気込みも含めて、この関係人口と、関係人口などの農村との関わりを持つ者をどのように増やしていくのか、副大臣に意気込みも含めてお伺いしたいというふうに思います。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 中山間地域等を始めとする農村地域においては、人口減少、高齢化が急激に進行しており、都市部に二十年程度先行しているというふうに言われております。 このような現状を踏まえまして、農村地域においては、地域コミュニティーを維持するため、農業者を含めた地域住民の連携とともに、農村関係人口を創出、拡大し、都市部の消費者も含めた多様な人材を呼び込むことが重要であるというふうに考えております。 このため、まず、農林水産省といたしましては、農泊など都市と農村との交流の促進、そして、六次産業化や農福連携などの農山漁村発イノベーションの取組を通じた農村における所得と雇用機会の確保、そして、農村型地域運営組織、いわゆる農村RMOというふうに呼んでおりますが、これの形成を通じた地域課題の解決や鳥獣被害防止対策の推進による農村に人が住み続けるための条件整備、そして多面的機能支払などの農地の保全に向けた共同活動の推進による農村の下支え機能の維持などを推進をいたしまして農村の振興を図ってまいりたいというふうに考えております。 私自身も山形県の南陽市というところの山村に家がありまして、そこに暮らす一人の人として、現実がかなりシビアであるということもよく実感をしているつもりであります。その中で、総務省が行っている地域おこし協力隊の制度だったり、そうした仕組みと、我々農林水産省が持っている施策とをしっかりと組合せをして地域を下支えしていくということは不可欠であろうというふうに認識をしております。 その上で、やはり大切なのは、基礎自治体とそこに暮らす一人一人のプレーヤーが本気で自分たちの地域を次の世代に引き継いでいきたいと思って、いろんな人を巻き込む力があるかないかというのは相当に重要な要素だなというふうに思っておりますので、先生からの御指摘も踏まえて、気合を入れて取り組んでまいりたいと思います。
○佐藤啓君 ありがとうございます。副大臣から気合を入れて頑張るといった発言をいただきました。ありがとうございます。 今、地域おこし協力隊のことも、総務省のまあ近年まれに見るヒット商品であるわけですけれども、総務省のですね。私も茨城県の常陸太田市で地域おこし協力隊の担当部長でもあって、やはりよそ者、若者、それからばか者と言われますけれども、こういった方々がやっぱり外部から入っていただいて地域の方々と交わる中で、これ本当にいろんな力が生み出されます。 ただ、その中で、やはり昨日も、おとついか、視察の方、那須塩原の方行ってきたんですけれども、やはり地域にみんなを巻き込んでいくリーダーという方がいるかどうかということが結局は最大のポイントだというふうに思います。ですから、いろんな他地域のいい事例を横展開しようとしても結局できないんですね。それは、いい事例なので横展開できないんですよ。横展開できるんだったらいい事例じゃないのでですね。 ですから、そういったやはりキーマンを育成していくということ、これ総務省もやっているんですけれども、この地域リーダーという方々をどうやって見付けて、また育成していくか、こういったことにも副大臣には関心を持っていただきながら取り組んでいただきたいな、そんなふうに思っているところであります。 今ほど副大臣の答弁の中でも触れていただいたんですが、この関係人口を農村に定住する定住人口につなげていくという観点、これは、買物支援とか生活の利便性の確保に取り組むこの農村RMOの推進というのがやはり重要になってきます。改正法第四十七条においてもその旨が規定をされていまして、奈良県においても例えば葛城山麓地域棚田振興協議会というのがあるんですけれども、棚田の保全活動に加えて、地域住民と連携した社会活動を取り組んでいます。 こういった農村RMOの取組ですね、既に触れていただきましたが、これ具体的に、こういった農村RMOの推進に向けて具体的にどのように取り組んでいくのか、政府参考人にお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 農村RMOに関しまして、農林水産省では、複数の集落の機能を補完して、農用地保全活動や農業を核とした経済活動と併せて、生活支援等地域コミュニティーの維持に資する取組を行います農村RMOの形成を推進しているところでございます。 具体的には、モデルとなります組織の形成を推進するため、地域協議会によります将来ビジョンの策定や実証事業等の取組への支援、地域での活動が円滑に進むようきめ細かくアドバイスをしたり相談に対応する都道府県レベルでの伴走支援体制構築への支援、さらには関係府省と連携した制度や事例の周知でありますとか知見の蓄積や共有といった全国レベルでの取組等を進めているところでございます。 今後とも、これらの取組を通じまして、農村RMOの形成を推進してまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 農村には、優れた景観、また農産物などの、また人もそうだと思うんですけど、地域資源というのがたくさんあります。景観を生かした観光サービスの展開や農業とIT企業の連携によるインターネット販売の展開、また、ちょうど視察のときには民泊が非常に人気で、非常にしっかりとした、それによって収入もあるといったお話も聞かせていただきましたが、そういった価値ですね、見えていないこの農山村の価値というものがありますので、こういったものをしっかり活用していただきながら、雇用とか収入の増加に加えて、また関係人口の増加、定住人口の増加というものを取り組んでいただきたいというふうに思いますが、その旨、改正法第四十五条に位置付けられているわけでありますが、この地域資源の活用といったときにどういった事業を推進していくのか、こちらも政府参考人にお伺いをいたします。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 地域資源を活用した事業活動につきましては、これまでも、農林水産物に限らない多様な地域資源に着目いたしまして、多様な主体の参画を求めて、新事業や付加価値の創出を図ります農山漁村発イノベーションを推進してきたところでございます。 今後、新たな基本法において関連条文が新設されたことを踏まえまして、農山漁村発イノベーションの事業化に向けまして、新事業の掘り起こしや付加価値の創出を後押しし、農村における所得の向上や雇用の確保を推進していく考えでありまして、具体的には、一つ目、農山漁村に宿泊し、滞在中に地場産の農林水産物を活用した食事でありますとか棚田などの景観といった地域資源を楽しむ農泊につきまして、更なる宿泊者数、インバウンド誘客、関係人口の増加に向けまして取組を進めてまいりたいと考えております。 またさらに、従来の六次産業化の取組につきましても、インターネット販売等に取り組むことによる販路の拡大や経営コストの削減などに大きな効果を発揮いたしますデジタル技術の活用の推進などをしてまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 また、この農山村では、農山村を守っていくためには、鳥獣被害に対してしっかり取り組んでいくということも重要であります。 鳥獣被害は、耕作放棄、離農の要因となるだけでなく、農村の生活環境にも影響を与えます。依然として野生鳥獣の個体数の水準は高くて、鳥獣被害が生じるリスクは高い状況にある中、改正法第四十八条においては、鳥獣被害の防止に取り組む規定が規定されました。これ非常に大事だというふうに思います。 当委員会でも各先生方から熊のお話もありました。これ奈良県でも非常に問題になっています。役場の前にもう熊が出てくるような環境であったり、本当に、人が生活するのに、大変恐怖心を持ちながら生活をしなければならない、そういった状況もちろんございますし、また、奈良県は、農業生産額としては東京、大阪、奈良と下から三番目なんですけれども、それでもどの地域に行ってもこの鳥獣被害というのはもうかなり地元の要望として上がってきます。 個体数は、例えば鹿であったりとか、個体数、イノシシとか、個体数は減っているんだけれども、なかなか鳥獣被害が解消されないということが、これがもうとにかく地元の皆さんの大きな声でありまして、ですので、我々も個体数減ってきているんですよという説明はもちろんするんですが、ですけど、いや、減っているけど何も変わっていないんだけどというのが正直我々としてもなかなかつらいところであります。 ですから、これもちろん国だけではなくて、もちろんこれ市町村がかなりメインで取り組まないといけない、そういった仕組みになっていますけれども、これ相当頑張っていただかねばならないのかなと、そのように思っているところであります。 今後、鳥獣被害の対策を具体的にどのように進めていくのか、こちら政府参考人にお伺いをいたします。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 鳥獣被害の関係でございますが、農作物被害を始め、野生鳥獣による様々な問題は、人口減少下において農村を中心にますます深刻になると懸念されているところであります。こうした認識の下、改正案の第四十八条におきまして、農村振興に係る施策の一つとして鳥獣害対策を位置付けたところであります。 鳥獣害対策につきましては、委員御指摘にもありますように、農家だけでなく、また市町村を含めて農村全体の問題として捉え、各地域の行政にも関与していただきながら、一つは被害を起こす鳥獣の捕獲、二つ目としては侵入防止柵の整備等の侵入防止対策、三つ目としては餌となる柿とかクリの実等の処分でありますとか、やぶの刈り払い等の生息環境の管理、この三つが重要でありまして、この三つを一体的に取り組むとともに、その捕獲した鳥獣についてのジビエ利用についてより効率的、効果的な対策を地域ぐるみで実践していく必要があると考えております。 今後、これらの対策を更に強化するため、捕獲従事者のみならず、被害対策を指揮できる高度な人材の育成や、効率的な捕獲や、柵の維持管理のためのICT機器の活用、追い払いや生息環境管理等の取組における地域住民の参加促進を図るほか、捕獲鳥獣のジビエ利用の拡大に向け捕獲個体のジビエ処理施設への搬入促進や、ジビエハンター等の育成などの取組を推進し、しっかりと対策を進めてまいりたいと考えております。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 これ、本当に農山村を守っていく上で非常に重要な取組でもありますし、また、これ非常に切実な問題でもありますので、本当にしっかり頑張っていただきたいなと、そのように思います。 また、特に人口減少の影響が生じている農村においては、この省力化に資するスマート技術の導入が必要になってきます。特にこういった場合は、耕地面積が狭い中でどうやってこのスマート農業を生かしていくのかという、こういった難しい問題にも直面するわけでもありますが、こういった問題、それから、なかなか一経営体では購入できないほど高額な農機もありますので、このサービス事業体を通じてスマート農業の普及を図っていくということが重要なわけでありますが、今後このスマート農業の現場の実装に向けてどのように取り組んでいくのか、これも政府参考人にお伺いをいたします。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 今後の農業者の急速な減少等に対応いたしまして、農業の生産性の向上を図っていくことは非常に重要でございます。農業者をサポートするサービス事業者の役割が非常に重要になってくると考えております。 特にこの農業者がスマート農業技術を活用する上では、スマート農機等の導入コストが高かったり、それを扱える人材が不足している、果実や野菜の収穫などスマート農業技術の開発が不十分な領域があるなど、生産サイドと開発サイド双方で課題が明らかとなっております。 このため、生産サイドでは、農業者のコスト低減等の観点からスマート農機等のレンタルや農作業の受託、開発サイドでは、特に必要性が高いスマート農業技術等の開発や農業者への供給などを行うサービス事業者の取組を促進することが必要であります。 今国会に提出しているスマート農業技術活用促進法案では、スマート農業技術の活用をサポートするサービス事業を新たに定義付け、生産と開発の計画にスマート農業技術活用サービスに取り組む者が参画できることとし、これらの認定を受けた事業者に対し税制、金融などにより積極的に支援することとしております。 さらに、予算面では、スマート農業機械の導入や、サービス事業体の育成等に必要な予算を令和五年度補正予算及び令和六年度予算において措置しているところでありまして、今後とも、農業者がスマート農業技術を活用しやすくする環境の整備に取り組んでまいります。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 最後の質問になりますが、ちょっと気が早いんですけれども、基本法が国会で成立した暁には、基本法の理念を実現するためにそれを実行する予算が必要となります。特に来年は基本法改正初年度にふさわしい予算というものが求められるというふうに思います。また、国民の皆さん、また農業者の皆さんもこれ期待をしていると思います。今日の恐らく質疑の中でも、農林水産予算ちょっと少ないんじゃないかと、そういった、いろんな各地域、各先生方からも声があるのかなというふうに思います。もちろん、安全保障も重要であります。社会保障も重要であります。しかし、食料安全保障というのも、これもまた大変重要でありますから、基本法改正初年度において食料安全保障の強化に向けて必要な予算をどのように確保していくのか、大臣に最後お伺いをいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 現在提案をさせていただいております食料・農業・農村基本法の改正案を成立させていただきましたならば、政府といたしましては、これに基づきまして食料・農業・農村基本計画を策定いたします。その中で基本法に定める施策の具体化を行ってまいります。その上で、基本計画に定める施策を的確かつ着実に進めていくためには、その施策の推進の原動力となる予算をしっかりと措置することが重要であります。 今後とも、食料安全保障の強化を始めとした農林水産行政の課題に対応するために、当初予算はもとより、補正予算も含めまして、あらゆる機会を捉えて必要な予算の確保に努めてまいります。
○佐藤啓君 ありがとうございます。大臣には頑張っていただきたいというふうに思います。 少し時間がありますので、副大臣と政務官にも、しっかり予算確保頑張りますということを一言で、よろしくお願いしたいと思います。
○副大臣(鈴木憲和君) しっかり頑張りますので、一緒に、御指導いただければというふうに思います。
○大臣政務官(高橋光男君) 坂本大臣の下、鈴木副大臣とも連携して、しっかりと予算確保できるように努めてまいります。
○佐藤啓君 ありがとうございます。 ここがやはり起点になるというふうに思うんですよね。ここが発射台になるというふうに思いますので、ここを妥協して十分な予算でなくなれば、これは相当この後影響が出るというふうに思いますので、ここにいらっしゃる先生方、与野党を含めて、農林水産関係予算、これ大変重要だといった思いの先生方が多いというふうに思いますので、そういった思いも受け止めていただきながら、しっかり政務三役、また事務方の皆さんも含めて、しっかり財政当局に要望、要求、説明をしていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 時間となりましたので、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党の田名部匡代です。 いよいよ基本法の審議入りということで、よろしくお願いをいたします。 今、佐藤委員の方から、農水予算大事だよね、いや、本当そのとおりだと思います。与党の皆さん、本気で頑張ってくださいよ。大臣も今御発言で補正予算を含めとおっしゃったんですけど、そもそも私は、この補正予算の在り方というか、補正予算頼みのこの予算というのは基本やっぱり間違っていると思いますよ。当初予算で必要なものしっかり取っていくということなんですね。 私がやっぱり心配しているのは、食料安全保障、本当に大事なんだけれども、何か防衛費も国民の危機をあおって、確かに緊張感高まっていますよ。それで何か、予算必要なんだと。今も、食料安全保障、これ大変なことが起こるかもしれないからという、何かその危機感あおって予算取るというよりは、平時からの安全保障が大事だって、これは共有しているわけですよね。今の日本の農業というのは、安全保障がどうかよりも、この平時の農業が持続できないんじゃなかろうかというところまで追い込まれているわけですよ。だから、何というか、聞こえのいい、農業大事だよねとか、予算もっと必要だよね、分かっていますよ。やってくださいよ、本気で。言っているじゃないですか、ずっと、このままではもちませんよということを。この思い、みんな共有しているんですよね。 是非これ本当に、で、もう一つは、食料安全保障に絡めて必要のない予算の取り合いっこみたいなことしないでくださいよ。本当に、これからの日本の農業の発展、農林水産業の発展、持続可能性、再生産可能なその現場の状況をつくっていくために本気でやるんだと。もうちょっと、大臣、一言いただけませんか。
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちは補正予算頼みでやっているわけではありません。しっかりと当初予算で獲得すべきものは獲得しなければいけないというふうに思っております。そして、補正予算は、円安や飼料高騰も含めて、その時々で事態も変化をしてまいります。その事態に応じて、しっかりと補正予算も含めて予算を獲得するという意味で先ほど申し上げたところでございます。 平時においていかにやはり食料を増産をして、そして国民の一人一人の手元にお届けすることができるか、そのことを最大限の使命として私たちは仕事をしているところであります。
○田名部匡代君 ありがとうございました。 我々もそういう思いでしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っていますし、まあそうはいっても、補正予算頼みになっていることは、私はこれ事実だと思いますよ。しっかりと必要な予算を、これは党派を超えて日本の農林水産業のために本気でやっていくというその思いを一言私からも申し上げておきたいというふうに思います。 我々立憲民主党では、これまでこの基本法の改正に向けまして、先日も徳永委員の方からお話ありましたけれども、農水キャラバン、全国回らせていただいて、現場の皆さんからの御意見も相当聞かせていただきましたし、また専門家の方々からもいろいろと御指導いただいてきました。 ちょっとここでお時間いただいて、もう本当に一部、相当厚い資料を作らせていただいて、現場の声というものもまとめさせていただいたんですが。 例えば、収入保険、ナラシ、農業共済といろんなセーフティーネットあるけど、コスト増に対しては十分な機能を発揮していない。良い政策を構築してほしい。国はその場その場の考えだ。減反政策で、田んぼにハウスを建てれば補助金が出た。今では田んぼに戻せ。ハウスを壊して田んぼに戻せるか。 大砲は問題じゃない、食料さえ止めればいい。ウクライナの問題で小麦が入ってこなくなったらどう対処するのか。我々農家は食って、ごめんなさい、そのままの言葉です。我々農家は食っていけるが、消費者はそうはいかない。金があっても食えない時代になるのではないか。 農家の最低賃金を上げてくれればいい。単価が上がらない。物がどんどん上がっていく。いいものを使わないと、いいものは取れない。助けてくださいよ。コストが上がっているから、これを機にやめようかということになっていくと。今大分そうなってきている、ここら辺は年寄りしかいないから。これは本当の中山間の現場の声でありました。 農業で食っていける、それなりに生活ができるような所得があればいいはず、それが今はない。ないのに頑張れ頑張れと言っている、何を頑張ればいいのか。こういった御意見を聞かせていただきました。 こういうことを踏まえて、私たちも基本法をより良いものにしたいと思って、衆議院では修正案を出させていただいたんですが、まあ、与党の皆さん、一個ものんでいただけなかったと。 基本法ですよ。できるだけこれはみんな一致して、これからの日本の農業の未来、同じ方向向かっていこうよと。個別の具体的な政策はいろいろあるかもしれませんよ、議論は。それはそれでやればいいですよ。でも、基本じゃないですか。国家の基本、これ、農業の基本、農業の憲法と言われる土台をつくるために、我々だって、何か反対ありきで、これを何か政争の具にしたいと思ってやってきたわけじゃないですよ。真面目に議論をして、より厚みのあるものにしたい。それは、皆さんと一致しない考え方もあったかもしれない。それはそれで言っていただければよかった。そんなに一つものんでいただけないほどひどい提案したなんて思っていないですよ。 今までの農政で日本の農業が良くなっているんなら、ああそうですか、皆さんのおっしゃるとおりやっていればいいですねと言いたいところだけれども、そうじゃない以上は、少しでも幅広い意見を聞いていただいて、みんなで力を合わせる必要があったんじゃないでしょうか。それを全く否定したということは、到底私は信じられません。非常に傲慢だというふうに思いながら、この間、我々、じゃ、どうしていこうかということを議論してきました。 そういったことを踏まえて今日は大臣に質問させていただきたいというふうに思いますので、大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。 まず、目的に食料安全保障の確保が追加をされまして、基本法とは別に関連する新たな法案も提出されますよね。それはまたちょっとこれから、その審議入りしてからやらせていただきますけれども。 第二十四条の二項、不測時における措置では、国民が最低限必要とする食料の供給を確保する必要があるとき、食料の増産や流通の制限その他の必要な施策を講じることになっています。 不測の事態で食料を増産する場合、改めてお伺いしますけれども、どういう作物を増産するんですか。
○国務大臣(坂本哲志君) まず、基本的なことからお答え申し上げたいと思います。 改正基本法第二十四条は、食料供給が大幅に減少し、国民生活、国民経済への影響が生じる事態に備えるために措置を講ずることを旨とした規定でございます。この実体法として、今回、今国会には、基本法とは別に食料供給困難事態対策法案を提出したところでございます。 本法案におきましては、事態の深刻度に応じた対策を講じることとしておりますが、委員お尋ねの、国民が、何をするかということにつきましては、その時々の情勢に従わなければなりません。小麦が途絶えた、あるいは米が作況指数が極端に悪くなった、そういったものをしっかりと把握しながら今後に備えていかなければならないというふうに思っております。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 国民が最低限度必要とする食料の供給が確保されず、また確保されないおそれがある状況については、国内によって必要な食料を賄わなければならないという必要性が高い状況でございますので、芋類や米などといった熱量の高い品目のほか、生命の維持に必要なビタミンの供給に必要な野菜等の増産を図っていくということが基本となるというふうに考えています。
○田名部匡代君 おっしゃるのはそのとおりなんですけど、ちょっとそういう答弁で、どんどん政府の考える食料安全保障ってどういう状態なのかなというのが分かりにくくなっている。 究極、本当に、例えば輸入が全くされない、国内でもう備蓄も尽きたとか、何というかな、諸外国の情勢によって、日本国内でも、生産もなかなか無理、資材が入ってこなくて生産ができない、備蓄も尽きる、本当に必要最低限のものを供給するためにいよいよどうするかという考えなのか、そうじゃなくて、大臣おっしゃったように、ちょっと小麦が足りなくなったんで小麦増産しましょうかみたいなことも含めて食料安全保障と、不測の事態というのはそういうところから考えればいいということなんでしょうか。ちょっと、改めてお願いします。
○国務大臣(坂本哲志君) 不測の事態、様々なケースが考えられると思います。 一つは、やっぱり気候変動、干ばつ等によりまして、世界の食料増産、食料生産が危機に陥る。それから、やはり紛争によりまして、これまで輸入していたところからの輸入が途絶える。あるいは、東アジアの紛争によって様々なルートが途絶される。あるいは、一方の方で世界の航路、こういったものが非常に封鎖される、あるいは独占されてしまう。こういう様々なケースの中で、やはり食料の供給困難事態が生ずるというようなことを想定しているところであります。
○田名部匡代君 これまでも申し上げてきたんですけれど、私は、やっぱりこの食料、不測の事態に備える日本の食料安全保障というのは米だと思っているんですね。米であり、水田。 例えば、農水省のホームページ、小麦のところを見ると、今大臣、小麦を作ることも、いや、もしかしたらあるかもしれないし、私は、小麦を国産でもっと自給を高めていくということは大事だと思っているんですね。だけれども、まさに収穫期が梅雨と重なる日本では不向きな作物なわけですよ、これ農水省のホームページに書いてあるとおり。 日本は、梅雨によって小麦の安定生産が難しいことに加え、水田の裏作、二毛作ですね、として小麦を作るには、関東以西でないと気温が足りず、生産地域に限りがあり、国産のみで需要を満たすのは困難ですという、まさに小麦ってこういう状況ですよね。つまり、いざ本当に不測の事態といったら、まさにこれにも代えられる米なんですよ。だけど、今回の基本法であえて畑地化の推進書きましたよね。それ、わざわざ基本法に書き込むことですか。 日本の状況どうなっているか分かりませんよ。米を作る農家さんたちは減っているかもしれない。まさに日本の、今はまだまだ、お米食べる人が減った、米が余っている、こういう状況かもしれないけれど、今後の日本がどうなっていくのか分からない。そこを汎用化、さらには畑地化まで加える必要があるんでしょうか、大臣。
○国務大臣(坂本哲志君) 政府としては、地域の判断によりまして、水田の汎用化、そして畑作化を進めていただいているところです。食料安全保障の強化に向けまして、過度に輸入に依存している麦、大豆等の国内生産の拡大を一層進める観点から、畑地化、そして水田の汎用化と同様に重要な施策というふうに、畑地化は汎用化と同様のやはり重要な施策というふうに考えております。 この畑地化に当たりましては、排水改良やパイプライン化などの基盤整備が必要であることから、生産基盤の整備につきまして規定をいたしました基本法改正案第二十九条において、この水田の汎用化と並んで畑地化を規定しているところでございます。 それから、米につきましては、平成五年に大変な凶作でございました。全国の作況指数七五、青森二八ぐらいだったと思います。岩手三〇台、そして北海道も四〇台だったというふうに思います。そのときにやはり非常に私たちは苦い経験をしております。 しっかりとしたその緊急対策、そういったものが法制上できませんでした。それで大量にタイの方から米を輸入し、最終的にはそれが余剰米となってしまって様々なやはり混乱が生じたというようなことがありますので、そういう事態にも備えながら、米、そして麦、大豆、水田、畑作も含めてこれからの供給困難態勢に対処しなければいけないというふうに思っております。
○田名部匡代君 畑地化を入れる必要があったのかと聞いているんですね。 本当に私たち、衆議院の委員会で、修正案で畑地化のところは削除すべきだと提案させていただきました。これ、与党の皆さんにのんでいただけませんでした。畑地化でいいんですか、本当に。いいんですね。(発言する者あり)えっ、ううんと、ううんという意見もありました。 一回畑地化にしたら戻せなくなっちゃうじゃないですか。水田使って小麦やったって、大豆やったっていいですよ。だけど、いざというときにやっぱり水田に戻せる。さっき申し上げたように、小麦は適地適作、それ一気に何か小麦でというわけにいかないし、日本の主食は米ですよ。何で米政策どうするのかということをちゃんと書きもしないで畑地化のところだけ書くんですか。 おかしくないですか。本当にいいんですか、大臣。本当にいいですか。もう一回お願いします。
○国務大臣(坂本哲志君) これは、地域の判断によりまして、畑地化あるいは水田として残す、あるいは汎用化、そういったものをしていただくことになっております。 汎用化ということをしていただければ、それは、暗渠、そういったものもやはり施設整備をしていただきまして、いつでも水田も可能であると、稲作も可能であるというようなことでありますので、その選択を地域の皆さん方にやはり委ねているというようなことであります。
○田名部匡代君 いや、だから、地域の判断でいいなら、わざわざ基本法に畑地化なんて書く必要があるんですかということなんです。 じゃ、水田をどのぐらい維持していくことが日本の食料安全保障に資すると考えているのか。なぜあえて基本法に書くんですか。別に畑地化できるところは地域の判断でやってもらったっていいですよ。それが駄目だとか間違っていると言っているわけじゃないんです。だけれども、これから食料安全保障を掲げながら、あえて基本法に畑地化と書く必要が本当にあるんですかということを聞いているんですね。 まさに、きちんとその水田を維持することでお米作って、まず、その食料安全保障に備えた備蓄、また、それに伴う輸出の促進、米粉や飼料用米、これを拡大していく、こういう基本姿勢を今こそこの基本法で示すのが役割だったんじゃないかなと思いますけど、修正ものんでいただけなかったということは、政府・与党全体で畑地化ということは、そうなんだとお認めになったという私は判断をさせていただきますよ。私たちは間違っていると思っていますよ、畑地化、あえて基本法に書くことはね。 第二条で国内での増産、輸入及び備蓄の確保を図るとし、第二十四条の一項で、不測時における措置で、不測時に輸入の拡大とその他の措置、二項で食料増産、流通制限その他の措置となっているんですね。 ちょっとこのその他の措置、不測時のその他の措置ということについて、どういうことを指しているのか、教えてください。
○政府参考人(杉中淳君) 食料安定供給法に基づきましては、食料安定供給の対策として、輸入の促進のほかに、今ある食料というのを計画的に市場に出荷していく出荷、販売の措置なども規定をしておりまして、その他の措置というのはそういった出荷、販売の調整等の措置を想定しております。
○田名部匡代君 基本法でする議論なのか、この後提出される法案のところで議論するべきなのか。 食料の安定供給を考えるときに、東日本大震災のときには本当に農水省の皆さんに御苦労いただいて、必死にその食料を供給するために取り組んでいただいたわけですけれども、当時振り返ってみると、前にも申し上げたんですが、燃油だとか電気などのそのエネルギーの供給制限があったことで、自らは被災していないんだけれども、調理ができないだとか、包装資材もないだとか、物資の調達ができないというような問題もあったんですね。つまり、代替エネルギーが確保できないことによって食料生産、供給ができないような事態にもなりました。計画停電もあって減産、操業停止に追い込まれるというような事態もありましたし、ガソリン不足でまさに物が届けられないというようなこともあったんです。 こうしたことをはるかに超える不測の事態というものを想定して、今後、基本法で掲げている食料安全保障、つまり、どんな、いかなるときにも国民の命をしっかり守っていくんだと、食料を供給していくんだと、こういう考え方に立って今回の基本法の改正が行われると思いますけれども、この生産から、今言ったような様々な、何というの、東日本で経験したような課題が起こる、起こり得るときには、農水省だけでは解決できない問題というのもたくさんあると思うんですね。つまり、横連携が非常に重要になってくると思うんですが、この食料安全保障に関して、そのしっかりとした横連携はもう取れているというふうに理解してよろしいでしょうか。大臣じゃなくてもいいですよ。
○政府参考人(杉中淳君) まず、委員御指摘のような不測の事態に関しての政府の連携というのは非常に我々も重要だと思っておりまして、食料供給困難事態対策法でまさに提案させていただいたものというのは、そういうときに食料の安定供給というのを図っていくためには、農水省だけではなくて、資材の確保若しくは消費者対策というのは政府全体の取組が必要となりますので、そういう意味で、食料供給困難事態対策本部という政府の本部をつくって、そこで政府が一丸となって対策をする仕組みというのを御提案をさせていただいているところでございます。
○田名部匡代君 しっかりとやっぱりそこを本気で取り組んでいただく必要があるというふうに思っていて、もちろん諸外国における様々な影響も受けるわけですから、防衛省、外務省、経産省、国交省、関係省庁と、どういう場合を想定して、じゃ、そのときには国内でどういう体制を取っておけばいいのかということを、本気でやっぱり体制をつくっていく、この基本法ができ上がったらやっぱりやっていくということがとても大事で、掛け声だけの、何か危機をあおるだけの食料安全保障じゃなくて、本気の食料安全保障、そのために必要な予算をみんなでやっぱり取りに行くということだと思うので、そこはきちんとやっていただきたいというふうに思います。 食料の安定供給についてですけれども、第二条の二項で、国内生産の増大を基本とした上で、安定的な輸入及び備蓄の確保で安定的供給をするというふうになっているんですね。で、二十一条の一項ですよね、二十一条の一項では、国内生産では需要を満たすことができないものの安定的な輸入の確保となっているんです。 この二条二項で需要を満たすことができないものの輸入としなかった理由は何かあるんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) まず、基本的に、国内で生産できるものはできる限り国内で生産することがまず重要です。 その上で、現在の我が国の食料需給を見ますと、油糧種子あるいは配合飼料のトウモロコシなど、大半を輸入に依存している品目があります。輸入品を全て国産で代替するためには国内の農地面積の三倍が必要というふうな試算があります。食料の安定供給の観点から、輸入の果たす役割は大きいというのが実情であります。 一方で、昨今の情勢を考えますと、いつでも必要な量の食材を安価に輸入できる時代ではなくなってきておりまして、食料安全保障の観点から安定的な輸入のための施策が必要となってきています。 また、備蓄の方は、国内生産や輸入と並ぶ食料供給の手段でありまして、食料供給が大幅に不足する事態における初期の対応策として大変重要であるというふうに思っておりますので、こういった非常に不測時におきましては、やっぱり輸入とそして備蓄と、様々なものの組合せによって国民の皆様方に初期の段階でしっかり食料をお届けするというようなことを、農林水産省としては横の連携も取りながら実行していかなければいけないというふうに思っております。
○政府参考人(杉中淳君) 条文の解釈ですので、追加で説明をさせていただきます。 二条二項におきましては、国内の農業生産の増大を図ることを基本としと、これと併せてというふうに規定をしておりますので、まず国内で作れるものは国内で供給をすると、それができないものについて輸入の安定化、備蓄とを組み合わせていくというふうに書いておりますので、二十一項の趣旨というのは、まさにこの国内で供給できないものについての対策を具体的な対策として規定したものでございまして、両者同じような意味、同じ意味について規定したものでございます。
○田名部匡代君 国内生産の増大と併せて、何というの、輸入だとか備蓄というのは、私はこれを組み合わせていくことは大事だというふうに思っているんです。 ただ、その二条二項で、需要を満たす、つまり、国内農業生産の増大を図ることを基本とし、これと併せて安定的な輸入、需要を満たすことができないものの安定的な輸入ではなくて、ここを省いたの、同じ意味だとおっしゃったんだけど、需要がないにもかかわらず安定的に輸入し続けなければいけないみたいに変な誤解を招かないのかなという、あえてここの文言を消した理由は何だったのかなという単純な質問です。
○政府参考人(杉中淳君) 委員おっしゃるように、まず、需要がないものについても安定的に輸入をするという趣旨ではございませんので、将来の食料安全保障を考えていく観点としては、できるだけ国内農業生産を増大していくと。ただ、そこでは賄えない部分がありますので、その部分については安定的な輸入の措置も現下の情勢では図っていかなければならないということでございますので、その趣旨についてはしっかりと説明をしていきたいというふうに考えています。
○田名部匡代君 二条四項の海外への輸出について、輸出を図ることで食料供給能力の維持が図られなければならないとされているけれども、これ、維持でいいんですか。向上、向上としなかった理由は何ですかね。輸出を図ることで食料供給能力を向上させていく必要があるのではないかというふうに思うんですけど、これ、維持するにとどめた理由は何でしょう。
○政府参考人(杉中淳君) 法文上の中で、国内の人口が減少していきますので、今後急速に国内市場というのが縮小していくと、それに反して、今の日本の農業生産というのは国内市場向けが大半でございますので、国内市場が縮小すると農業生産も縮小していくと、それをカバーするために輸出を組み合わせていくことによって生産の水準というのを維持していく必要があると、そういう規定で、現下の情勢を考えまして、こういった減少を食い止めるという観点から維持という用語を規定をさせていただいたところでございます。
○田名部匡代君 どうしてそんな、何か今の現状に合わせない、国内だけ見ないでくださいよ。輸出促進するんですよね、食料安全保障を確立するんですよね、自給率高めていくんですよね。国内市場が減少するから維持って、そんな、皆さん、本当にいい、いいですか。そんな低い目標なの、今の日本。違うでしょう。 自給率高めていくなら、維持じゃ駄目なんですよ。向上じゃなきゃ駄目なんですよ。輸出伸ばしていくんですよね。維持じゃ駄目じゃないですか。大臣、どう思いますか。
○国務大臣(坂本哲志君) やはり食料の供給能力を、供給能力です、この供給能力を維持していくこと、これは大事なことであります。 それは、供給能力というのは、今、国民の皆さん方に十分に食料が行き渡っているというふうに思っておりますので、この供給能力を維持していくこと、これはやはり私たちとしてやっていかなければいけないことであるというふうに思っております。
○田名部匡代君 いや、供給量の話ししているんじゃないです。供給能力ですよね、食料自給力の話ですよね。つまり、農地は荒れ果てた、やる人はいなくなる、そして輸入に六割も頼っているのが今の日本の現状ですよね。だから、食料供給能力は維持じゃなくて高めていかなきゃいけないんじゃないんですか。違うんですか、大臣。
○国務大臣(坂本哲志君) 維持し、そしてやはり確保していくこと、これが大事だというふうに思っております。農地そのものについては、これからしっかりまた整備をしていかなければなりません。 それから、農業者については、スマート農業も含めて、やはり少ない人数でもどれだけやっていくか。そのことによって食料増産を図り、そして食料供給能力を維持確保していくというようなことであります。
○田名部匡代君 与党の先生方、ああ、田名部の言っていること、そうだなと思うところもないですか、少しは。ありますか。 やっぱり、せっかく国会でこうして議論するので、私たちもこんなの政争の具にしたくないんですよ。できたら、あっ、そうだねと、やっぱりそこの文言はこうした方がもっといい基本法になるよね、こういう意味のある議論させていただきたい。一歩も譲りたくない、一言一句変えたくない、そんな姿勢で議論するようなことですか。いや、維持確保、確保ももうできないような状況になっているんだから、これからの日本の農政はそれを高める、向上させていくんだぐらいの姿勢を政府が示すべきじゃないかと思うんですけど。 いや、本当に、今日、朝、鼻血が出たんですよ。だから、ちょっと今日は冷静に議論させていただきたいと思ってはいるんですけど、済みませんね、ちょっと声が大きくなってきちゃって。少し落ち着きたいと思います。 食料安全保障の観点で輸出を促進しようとするならば、その品目はどういうものですか。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 輸出の促進につきましては、輸出の実行戦略を定めましてその戦略を、方針を定めているところでございますけれども、その中におきまして重点的に輸出を促進すべき品目二十九品目を定めておりますので、これらの品目を中心に輸出の促進を図っていくということで考えております。
○田名部匡代君 済みません、どんな品目。もう一回お願いします。
○政府参考人(水野政義君) 輸出重点品目二十九ということでございまして、米もございますし、牛肉もございますし、青果物、果物各種ございますし、それ以外の加工品も含めまして、多くの、二十九の品目を指定しているところでございます。
○田名部匡代君 食料安全保障の観点で考えられた二十九品目、食料安全保障に資するということでいいんですか。そういう考え方ですか。
○政府参考人(水野政義君) 米、青果物、畜産物など、直接的に国内の生産維持、生産能力の維持に資するものもございますし、それ以外の加工品、お酒みたいなものも含めまして、その原材料、国産材をしっかり使うということで、その食料供給能力の維持に資する部分は加工食品も含めて二十九品目にあると考えております。
○副大臣(鈴木憲和君) 今のちょっと局長の答弁、もう少し分かりやすく補足をさせていただきますと、先生御質問の趣旨は、恐らく食料安保に資するという意味でいうと、我が国でしっかりと供給余力というのがあるという、まさに二十九品目の中にも入っておりますが、米をしっかりと出していくということが基本だろうというふうに思います。
○田名部匡代君 副大臣、ありがとうございました。そのせりふが欲しかった。だから、だからこそ、畑地化じゃないでしょうと。またその話が繰り返されるので、ちょっとやめますね。 それで、二条の一項の定義において、政府案では良質な食料が安定的に供給されとなっているんですね。我々、衆議院の修正案で、良質なというだけではなくて、供給される食料が安全であることも明記すべきではないかというふうに提案させていただきましたが、まあこれすらのんでいただけませんでした。 そして、あわせて、十分な量であることも重要だと、安定的に供給されることが、それが十分な量であることということも必要ではないかというふうに考えた。まさにこれが世界の食料安全保障の考え方で、農水省さんはというか、与党の皆さんはもう含まれているんですと言うけれど、それをきちんと、世界の食料安全保障の考え方に合わせてきちんと明記したらどうですかという、そういう御提案させていただいたんですね。含まれているかもしれないけど、書いた方がより丁寧じゃないんですか。何で駄目なんですかね。
○国務大臣(坂本哲志君) これは、国連の食糧農業機関、いわゆるFAOの定義を踏まえたものであります。FAOの定義におきましては、適切な品質の食料を十分な量供給すること、それから全ての国民が栄養ある食料を入手できること、さらには安全かつ栄養のある食料を摂取できること、そしていつ何どきでも適切な食料を入手できる安定性があることということが求められております。 この定義を踏まえまして、本改正案におきましては、安全で栄養ある食料については良質な食料として趣旨を漏れなく端的に規定したわけです。ですから、この四つのFAOの定義を全て我々の言葉で言い表せば、良質な食料として全てが包含されるというようなことであります。 そういうことで、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる状態というような条文にしたところであります。
○田名部匡代君 書けばいいじゃないですか。何で書かないんですか。 言ってみたら、その良質なこと、確かに栄養価が高くて新鮮なもの、良質なものですよね。でも、それが安全なものかどうかというのは、例えば生産から加工だとか、その工程の中できちんと安全というものが確保されているか、こういうこととまた違うんじゃないか。良質イコール安全かということと十分かどうかということだって、確かに安定供給はされます、常に同じ量の供給や安定的に供給はできます。でも、必ずしもそれが十分かどうかということとは違うから、世界の食料安全保障の考え方というのは、適切で品質の食料が十分な量供給されているんですかということや、安全で栄養価の高い食料をちゃんと摂取できるんですか、こういうことが言われているわけじゃないですか。 別に、いや、含まれているかもしれないけれど、それをきちんと明記することまで、何か私たちの修正案否定されましたけど、書いて駄目な理由がありますか。より丁寧じゃないですか。安全ということをしっかり担保していくということ、しかも安定供給だけではなくてそれがきちんと十分な量であるということ、食料安全保障の観点に含まれているというなら書いたっていいんじゃないですか。どう思います、大臣は。
○政府参考人(杉中淳君) まず、法案の形成過程における経過を説明させていただきますと、良質な食料については、これ現行基本法のときの議論がありまして、良質な食料という言葉の中には、安全かつ栄養のある食料ということを指すと、これは審議会、委員会での議論の末、良質な食料という用語を使ったものでございます。また、現行基本法でも安定供給ありますので、十分な量の食料というのが確保されるということでは現行法にも含まれておりまして、それを安定的に供給をするという用語で規定をされました。 その上で、先ほど大臣の方から御答弁あったように、今回というのはFAOの定義も参考にして食料安全保障の定義をさせていただいたというわけですけれども、ここで明らかにFAOの四要素で足りないものというのは、全ての国民が栄養ある食料をいつでも入手できるというところが足りないということでございましたので、定義の中で、良質な食料、これが合理的な価格で安定的に供給されるとともに、かつ、国民一人一人がこれが入手をできる状態ということで修正をさせていただいて、FAOの定義に沿った形での食料安全保障の定義をさせていただいたところです。
○田名部匡代君 ちょっと飛ばさせていただきまして、第十六条、これ削除されたんですけどね、旧基本法の第十四条の三項です。これ、年次報告等のところなんですけれども、これ第三項で、政府は、前項の講じようとする施策を明らかにした文書を作成するには、食料・農業・農村基本審議会の意見を聴かなければならないという。 で、これ何でここだけ取り出したかというと、これ丸々削除されているんですけど、自民党さんが我が党の修正案を断る理由で説明する、非常に塩対応のペーパー作ってきたんです。これは自民党さんが作ったのか、農水省さんが作ったのか分からないですけど、そのペーパーには、実態に応じて条文を改正したものだという説明がされていて、ちょっと私は驚いたんですね。 この旧第十四条の二項では、食料、農業、農村の動向を考慮して講じようとする施策を明らかにした文書を作成し、国会に提出しなければならない、で、さっき言った三項で、その文書を作成するには食農審の意見を聴かなければならないというものなんです。つまり、動向に適した施策であるかどうか意見を聴かなければならないということなんですね、法律上は。 だけど、実際は違う議論をしているから法律から削除していいというような説明をしてきたんです。つまり、動向の議論しかしていないので削除しても問題がないみたいなペーパーを作って、私たちのところにくれたんですけど、実態に法律を合わせるということがあるのかなと。法律に実態を合わせてもらいたいんですよね。いや、その説明、農水省さんが書いたかどうか分かりませんよ。だけれども、いや、ちょっとそんなの許されるのかなと。実際にきちんと議論しなきゃいけないことが行われていないんだったら、食農審できちんとその議論をしてもらうというのが大事なことであって、もう結局、開いているけれども、そういう議論をしていないので法律から削除しますみたいな、そんな説明だったんですけど、どなたか説明できる人がこの中にいれば説明をしていただきたいんですけど。
○国務大臣(坂本哲志君) 現行基本法におきまして、年次報告といたしましては、食料、農業及び農村の動向をしっかり把握する、そしてこれまで行った、講じた施策というものをそこに論議をする、そして今後行っていく、講じようとする施策に関する報告を国会の方に行うというふうになっております。 このうち、講じようとする施策につきましては、国会への報告に先立ちまして、食料・農業・農村政策審議会の意見を、次年度の施策に反映させるためにその意見を聴取することとしておりました。 しかしながら、講じようとする施策の内容は、事実上、次年時に講ずる予算措置や税制措置などとなっておりますが、これらは年次報告ではなく、当初予算や税制、税法等で決定されるものであり、国会で御議論いただいているものでございます。審議会での意見を聴取する時点では、国会で既に決定された予算措置を審議会で再確認するような状況となっておりまして、事実上、審議会においては動向や講じた施策の論議を行う場というふうになっております。 ですから、党の、内閣の方で、十一月、十二月、税制も予算も大体固まってまいります。そして、一月、二月、国会論議が始まっています。しかし、実際は、この年次報告で講じようとするものを、政策を議論する、聴取するのは三月、四月になります。既にもう政策が決定する頃になって、講じようとする施策について意見聴取をするということになっておりますので、これは省いてもいいだろうと。そして、白書やあるいはこれまでの結果報告を見て、講じた施策を見て、そして次年度にその参考意見として様々な提案をするというようなことで、時系列的にやはりより効果のあるものにしなければいけないということでこういうふうにしました。
○田名部匡代君 大臣から丁寧に説明していただいて良かったですよ。私はその説明のペーパーを見たときに、非常に法律を軽んじているなと。実態に法律を合わせるなんて、何て乱暴なことをするんだと思いながら見ていたんですよね。まあまあ、大臣の説明でそれは分かりました。 それで、もう一つ、適正な価格について伺いたいと思いますけれども、これを聞くと、大臣は、適正な価格とは言っていなくて、適正な価格形成と言っているんですという答弁だと思うんです。我々の修正案は、合理的な価格ではなくて適正な価格と変えたらどうですかという提案だったんです。で、何というかな、多分国民にもこの価格の問題については理解していただかなきゃいけなくて、これは合理的な価格ですって言われるより、適正な価格なんだと言われた方がよりすとんと落ちるんじゃないかなということもまず一つあったんですね。 合理的な価格というのは、まあこれイメージで話しちゃいけないかもしれないですけど、やっぱりその市場メカニズム、需給バランスだとか、他が入る余地がなくて、そういう自然のその市場メカニズムの中で決まっていくものだろうと。つまり、合理的な価格というのは個々によって違うんだと思うんですよ。 例えば、個人や会社は、持っている資材だとか人、その限られた資源でできるだけ利益を出そうというのが当たり前のことで、それがその人たちにとっての合理的な価格だけれども、それでは交渉力の弱い生産者が再生産可能な利益を得られていないから、そこはそれぞれの立場立場で合理的な判断や価格というのはあるかもしれないけど、そこをお互い、適正な、公正なというんでしょうかね、そういう判断をしていこうよと、そういう価格形成していこうよ、こういうことが大事なのではないかなというふうに思うんです。 でも、これも、何かもうそれは合理的な価格なんだの一点張りなんですけれども、この適正な価格形成と適正な価格は違うんですか。適正な価格形成をしたら適正な価格になるんですかね。適正な価格形成をしたら合理的な価格になるんですか。これ、ちょっと言葉の問題なんですけど、大臣、説明していただけますか。
○政府参考人(杉中淳君) 合理的な価格の形成という用語を法案に規定する経緯について御説明をさせていただきます。 まず、審議会の答申におきましては、適正な価格形成という言葉が使われておりまして、その意味は、生産者だけではなくて、加工・流通事業者、小売事業者、消費者など、食料システムの関係者の話合いなどを通じて価格形成の共通の理解を図るということによって持続可能な食料システムを構築すると、これを目指すべきだと、こういう答申をいただいたというふうに理解しております。 この趣旨の条文化を図ったわけですけれども、その過程の審査におきまして、適正な価格という用語は絶対的な価格の水準を決めるというふうに一つは解釈できると。実際には、生産者、食料事業者の取引関係者ごとにその水準が異なるので、価格を一義的に定められるものではないので、ここについては適正な価格という言葉は適当ではないのではないかと。 一方、合理的な価格につきましては、現行基本法の第二条第一項においても、国民の理解と納得を得られるという価格という意味でこの用語は用いられておりますので、答申の趣旨である関係者全員が合意できる価格を示す用語ということについては、適正な価格ではなくて合理的な価格というのを用いることが整合的なのではないかという御指摘を受けて、合理的な価格という用語を使ったものです。 なお、食農審の答申におきましては、生産コストの増加というものがちゃんと費用に換算されて価格に反映されていないという状況を踏まえて適正な価格形成を求めておりますので、改正案での食料の持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるようにしなければならないという旨の規定は、答申の言う適正な価格形成を条文化したものでございまして、答申とこの条文において趣旨が変わっているということはないということは御理解いただければと思います。
○田名部匡代君 何か、いや、私もこの価格に関しては政治が介入すべきじゃないというふうに思っていまして、それはきちんと市場に任せるべきだというふうに思っているんですね。 ただ、やっぱり、工業製品と違って、もう申し上げるまでもないですけど、工業製品だったら、何というの、まあ機動的にというか、その生産調整できるけど、農業ってそういうことができないわけじゃないですか。そのことが結果として、その何というの、価格調整で需給バランスを取っていくということなんだと思うんだけれども、そのことが今、法律にうたっている合理的な価格ということがここまで、法律にはあったけれどもできてこなかったということだと思うんです。 じゃ、今それを、何、法律にするんですか。いや、本当にそんなことできるのかなというふうにちょっと私は思っていて、これ、協議会、何ですか、その価格の何とかの、何だっけ、協議会の中で、適正価格形成協議会か、関係者から、生産コスト分の転嫁は難しい、需給と関係ないコストの反映は困難というような意見も出されているんです。これは当然ですよ。それぞれの立場でいったらそうなっちゃうんですね。 その仕組みを、うまくシステムを関係者でつくってくださいねということで今この協議会開かれていると思うんだけど、ちょっとそれはなかなか簡単ではないんだろうなというふうに思っているんです。 今大事なことは、一番交渉力を持たない生産現場がコストを転嫁、コスト分を乗せてもらっていないことなんですよ。生産活動が赤字だということなんですよね。再生産可能な状況になっていないというところをどうするかってことなので、ここから本当は、所得補償の話から、直接支払の話から、あと三十分は欲しかったんですけれども、三分の一しかできなかったんで、あと三回この場を設けていただいて、委員長、与党筆頭、お願いしますね。まだまだやりたいことがありますよ。国民の皆さんにちゃんと理解していただかないといけないわけですから、この審議を充実させていただいて、皆さんでいい議論ができたらなと思いますので、よろしくお願いします。 終わります。
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。 これから四半世紀先までの農林水産業の行く末、大げさではなく、日本の未来の形が決定付けられる可能性のある重要な基本法改正案の審議ですので、田名部先輩ほど迫力はありませんが、しっかりとした御答弁をお願いいたします。 最初に、基本理念に関して何点か伺います。 先ほども何度もお話ありましたが、この改正案は、食料安全保障の確保を基本理念の一つに据えており、これは、現行の食料の安定供給の確保を衣替えする形で定められようとしています。また、食料安全保障の定義は、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる状態と明記されてはいますが、前半部分は現行の食料安定供給の書きぶりと同じです。つまり、食料安定供給は食料安全保障の要件として位置付けられていると受け止めております。 確認ですが、改正案で基本理念に食料安全保障を定めたとしても、食料安定供給の重要性は、これまでと同様、いささかも変わるものではないという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 現行基本法では、総量として必要な食料が確保できれば食料の安全保障は確保できるという考えでございますけれども、近年、食料品アクセス問題等が顕在化をしておりまして、国民一人一人が健康な食生活を確保するために必要な入手をするということが重要になっていることから、食料安全保障というFAOの定義も参考に定義を行って基本理念を見直したところでございます。 一方で、世界的な食料需給の不安定化や我が国の生産基盤の弱体化など食料安定供給のリスクが高まる中で、食料安定供給についてもこれまで以上に重要になっているというふうに考えております。国内の農業生産の増大を図るということを基本として、これと併せて安定的な輸入及び備蓄の確保を図ることで食料安定供給の確保に努めてまいりたいと考えています。
○羽田次郎君 食料の安定供給について、国内の農業生産の増大を図ることを基本とする点は、改正案も現行法も同じです。ただ、改正案は、国内農業生産の増大と併せて安定的な輸入及び備蓄の確保を図るとしておりまして、輸入と備蓄を適切に組み合わせるとする現行法に比べてその位置付けが強まっている印象を受けます。 しかしながら、去る四月二十六日の基本法の本会議質疑において、岸田総理は、国内の農業生産の増大を後押ししつつ、輸入と備蓄を適切に組み合わせながら食料安全保障の確保を図ると御答弁されています。改正案では併せて輸入と備蓄の確保を図ると言い、政府答弁では輸入と備蓄を適切に組み合わせるとのお答えであり、条文を変更する必要性がよく分からない印象も受けております。 先ほども様々質問ありましたが、国内生産と輸入及び備蓄との関係について、改正案が成立した場合、これまでとどう異なるのか、御説明をお願いします。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 まず、先ほども述べたとおり、世界の食料需給が不安定化をしている中で、国内で生産できるものはできる限り国内で生産をするということが基本となるというふうに考えております。 その上で、我が国の食料需給を考えますと、油糧種子や配合飼料原料のトウモロコシなど、大半を輸入に依存している品目がありますけれども、輸入品を全て国産で代替するためには国内の農地面積の約三倍が必要という試算もありまして、食料の安定供給の観点から輸入の果たす役割というのは非常に大きいものと考えております。 また、基本法制定当時と今日の違いというのを考えますと、過去にはいつでも必要な量の食料というのを安価に輸入できたわけでございますけれども、今日的な情勢ではそうではなくなってきているということから、食料安全保障の観点から安定的な輸入というのを行うということも重要になってきていると。そういう観点から、輸入ということについて、安定的に行うための施策ということについても規定をさせていただいたところでございます。 また、備蓄、これは引き続き重要だと考えておりまして、これは国内生産や輸入と並ぶ食料供給の手段でございまして、特に食料供給が大幅に不足する事態のときの初期の対応策として重要でございます。 こういったことを踏まえて、基本法改正におきましては、安定的な輸入、あと備蓄を確保していくということを国内生産の増大と組み合わせて規定をさせていただいたところでございます。
○羽田次郎君 先ほどの御答弁等もそうですし、これまでも衆議院の答弁でも本会議の答弁でも確認しておりますけど、国内の需要を賄えない上、天候等により収量が安定しない麦、大豆については、食料供給の安定性を重視すればするほど輸入の重要性が増していくのではないかというふうにも感じますが、安定的な輸入と国内生産の拡大を同時並行で取り組むのであればある種のそごが生じるとも考えられますが、そこで質問ですけど、主要穀物の安定的な輸入と国内生産の拡大についてどのようにバランスを取っていくのか、その方針を伺います。
○政府参考人(杉中淳君) お答えさせていただきます。 先ほどの答弁と重複をいたしますけれども、世界の食料需給が不安定化している中におきましては、国内で生産できるものはできる限り国内で生産をするということが食料の安定供給のために必要だというふうに考えております。その上で、国内生産で賄い切れない農産物については安定的な輸入の確保も必要ということは先ほど御答弁をさせていただいたとおりでございます。 基本的に、先ほど小麦、大豆の話がありましたけれども、安定的に一定の品質の量を国産で作っていくというための施策が重要になってくるわけですけれども、主要穀物の国内生産につきましても、これまでも基本法と併せて、基本計画と併せて生産努力目標などを定めてその安定的な供給拡大に向けての取組を進めてきたところでございまして、将来に向けた国内生産の増大、あと安定的な輸入のための施策について、この法律が成立した暁には基本計画の策定の議論を行いますので、その具体化のための施策というのを検討していきたいというふうに考えています。
○羽田次郎君 やっぱり、国内生産というのを伸ばすことに重点を置いていただきたいというふうにやはり私も思うんですが、その上で食料自給率目標について伺いたいと思います。 改正案では、法案成立後に定めることになる基本計画において食料自給率など食料安全保障の確保に関する事項の目標を定めると先ほどもおっしゃっておりましたが、残念ながらこれまで一度も食料自給率目標が達成できなかったことを踏まえるならば、従来どおりのアプローチではどのような目標を掲げても達成は困難だと思われます。 まず、目標とする未来像を描いて、次にその未来像を実現するための道筋を未来から現在へと遡って記述するバックキャスティング的な手法を試みるべきではないか、そしてできるだけ高めの目標を設定すべきではないかと私は考えます。 食料自給率目標の設定においてバックキャスティング的手法を用いて食料自給率を向上させるという方向性も考えるべきではないかと思いますが、御見解を伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 基本法制定以降の食料の自給率は三八%前後で推移をしております。その変動要因といたしましては、国内で自給可能な米、野菜、魚介類の消費が減少してきたこと、そして一方の方で、輸入依存度の高い飼料を多く使用します畜産物の食料消費量の増加など、消費面での変化が食料自給率の低下要因というふうになっております。 こうした食料消費の傾向がしばらくは継続することが想定される中で食料自給率が確実に上がると言い切ることは困難ですが、いずれにいたしましても、食料安全保障の確保の観点からは、麦、大豆、加工原料用野菜等の輸入依存度の高い品目の国産転換といった食料自給率の向上にも資する取組を更に推進することが重要であるというふうに考えております。 今言われました、その高い目標を掲げろと、バックキャスティングということでありますけれども、食料自給率は国民の総食料消費を国産の食料供給がどの程度充足しているかを示す指標であります。その目標設定に当たっては、国産の増大についての政策的な実現可能性、そして国民の食料消費の将来予測についての正確な分析に基づく、そのことによって自給率をはじき出すということが大事であるというふうに考えておりますので、このような予測を無視した形で高い目標を掲げることは適当ではないというふうに考えております。
○羽田次郎君 その将来予測みたいなものがそんなにしっかりと農林水産省でできるというふうにも思いませんし、人のトレンドというのは結構、何か誰かが、何ですか、今例えばダイエットブームになると、たんぱく質を、じゃ、たくさん取ろうとか、じゃ、なるべく炭水化物を取らないようにしようみたいな話になりますけど、やっぱりお米は一番バランスの取れた食品とも言われておりますし、カロリーも高いですし、そうした意味ではやっぱり食料安全保障においてはお米の重要性というのはやっぱりあるんじゃないかなというふうに思いますし、真の意味での食料安全保障の確立ということを考えれば、やっぱりほかの先進国並みに七〇%以上の目標を掲げるとか、胸を張って食料安全保障と言えるような状況をつくっていただきたい。そして、何が何でも国民の食料を確保していくというその意気込みがやっぱり農林水産省には持っていただきたいというふうに思います。 次に、先ほどもありましたが、種子に関して伺いたいと思います。 昨年三月の予算委員会で田名部委員が、新品種の育成や在来種の保全など、食料安全保障の基本である種子を守ることの必要性について質問されました。その際、岸田総理は、指摘された点も念頭に置きながら、日本の農業のありようについて考えていきたいと御答弁をされました。この時点では前向きな御答弁だと感じました。 しかし、この点を去る四月二十六日の本会議で横沢理事がただし、改正案に種子の確保の重要性を明記することについて尋ねたところ、種子を含む農業資材について安定的な供給を確保することを改正案に新たに明記し、安定供給に向けた取組を後押しするという御答弁でした。つまり、新品種の育成、在来種の保全、種子を守るべきという内容が農業資材の安定供給という施策にすり替わっている上、種子は農業資材に含まれるという御答弁でした。誠実な答弁とは言い難い内容だと感じましたが、なぜなら、安定的な供給の確保を改正案で明記したという箇所は、条文では輸入に依存する農業資材及びその原料についてとなっており、国産への転換という施策は掲げられてはいますが、輸入ありきの施策となっています。種子は農業資材として片付けられる存在ではありません。 平成二十九年、もう七年前になりますが、種子法廃止の審査の際、参考人からは、種子は国の戦略物資であり、種子を制する者は世界を制するというのは常識である、同時に、農業者は誰でも良質な種子にアクセスできることが重要であるという旨の指摘がなされました。全くそのとおりだと思います。改正案の条文でこうした種子の重要性をしっかり位置付けたと言えるのか、私は大変違和感を覚えております。 新品種の育成、在来種の保全、食料安全保障の基本である種子を守ることの重要性についてどのようにお考えか、また、改正案に種子の保全等を明記すべきと考えますが、御見解を伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 種子の重要性につきましての御指摘、御質問いただきました。 種子は、肥料、飼料と並びまして、農業生産に欠かせない大変大切な農業資材であるというふうに考えております。このため、改正法第四十二条におきまして、種子も含む農業資材の安定的な供給の確保を新たに位置付けさせていただいたところでございます。この中には在来種の保全も含まれております。 委員御指摘の新品種の育成に関しましては、これ、何も条文がないということではございません。まさに農業の生産性向上、また付加価値の向上の観点から重要な施策として我々考えておりまして、委員御指摘のこの新品種の育成につきましては、新たに三十条で位置付けさせていただくとともに、三十一条では、高い品質を有する品種の導入の促進や植物の新品種等の知的財産の保護というものを新たに位置付けさせていただいたところでございまして、これらの規定に基づいて必要な施策を講じてまいります。
○羽田次郎君 本当に、しっかりとその種子の、在来種の保全も含めてしっかり明記すべきというふうに私は思っておりますが、限られた時間なので、次の農林水産物の食品の輸出促進について伺いたいと思います。 国内市場の縮小が見込まれる中、岸田総理は、農産物輸出の取組は、食料安全保障を確保し、農業の持続的発展を図る上で不可欠であると御答弁されました。 去年の農林水産物・食品の輸出額が一兆四千五百四十一億円と過去最高額だったのは確かです。ただ、加工食品の占める割合が三五%と多いこと、そして加工食品には輸入原料が含まれていることの問題はかねてから指摘されているとおりであり、輸出促進策によって農家の所得が本当に増えるのか、懐疑的な見方がされるゆえんでもあります。 これに対して政府は、輸入原料を使う場合でも、食品製造業が輸出による収益を上げることで国産原料の買手としての機能が地域で維持強化されていく、あるいは輸出拡大は食品メーカーが国産原料を買い取るための機能を高めることにつながるといった御答弁をされております。 そこで質問ですが、食品製造業者が輸入原料を使って輸出することで国産原料の買手としての機能を高めるという答弁内容は実証に基づいているのでしょうか。実証されているのであれば、国産原料の買手としての機能がどの程度高まるのか、定量的にお示しください。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 委員御指摘の加工食品の輸出につきましては、日本酒のようにほとんど国産原料を使用し、その輸出拡大が国産材料の需要拡大に直接的につながるもののほか、輸入原料を使うその他の加工食品でも、輸出拡大が食品メーカーの国産原料の買手としての機能を高める効果があるものもあり、いずれにしましても、国内の食料の供給能力の維持強化につながるものと考えております。 具体的な事例を挙げますと、例えば砂糖などの輸入原料と併せて国産のカンショを加工し、スイートポテト等を製造、輸出している食品製造業者の事例がございまして、この場合、この輸出拡大に併せて耕作放棄地の解消等がなされ、結果、自社農場等のカンショの生産面積を約三百七十ヘクタールに拡大しているという例もございます。また、大豆などの輸入原料を使用したしょうゆを製造、輸出している食品製造業者が国産のかんきつ果汁を使用したポン酢を併せて販売しているといった事例もございます。 こういったことに基づきまして、買手としての機能がどれほど高まるかについては、国産原材料の使用割合は事業者によって異なりますが、そうした事業者による輸出が拡大することで国産原材料の調達も増えるものになると考えております。 いずれにしましても、我が国の農林水産物・食品の輸出は農業生産基盤や食品産業の事業基盤等の食料の供給能力の確保につながるとの考えの下、引き続きその促進に政府一体となって取り組んでまいります。
○羽田次郎君 まあお考えは分かりますし、何となくお示しいただいたその事例というのが、何かこう御都合のいいようなお話ばかりだったようにも感じたんですが、それで本当に全ての農家の皆さんが安心できたのかなというのはちょっと心配が残りますが。 次の質問ですが、おととし、輸出促進法審査の際に、政府答弁は、輸出されている加工品について、原料に国産の農林水産物が使われている割合についてのデータはないとの御答弁でした。ただ、採決の際に付された附帯決議では、輸出促進による農林水産業者の所得向上について、施策の効果を検証することと効果を正確に把握するための手法を検討することが求められています。 附帯決議の内容を踏まえて、二年経過した現在、そうしたデータの収集状況について伺うと同時に、当時の政府答弁では、加工食品の国産原料使用割合を把握するためのサンプル調査を検討しているとのことでしたが、その結果について御教示願います。
○政府参考人(水野政義君) 本委員会による附帯決議を踏まえまして、農林水産物・食品の輸出促進施策による農林漁業者の所得向上効果の検証や効果把握手法の検討を行っているところでございます。 令和元年度から三年度にかけて、輸出産地づくりを支援する事業に採択された事業者を対象に所得等の状況について調査を実施したところ、輸出額が平均で一・五倍に増加していること、七四%の事業者は従業員給与の増加等、所得が増加していることが明らかとなっており、このうち八割の事業者については輸出の取組が所得増加の要因であると回答をしております。 また、今後、二〇二五年に実施予定の農林業センサスにおいて事業者の販売金額に占める輸出金額の割合などを調査項目に追加することとしておりまして、こうした情報も活用しながら輸出の所得向上効果の把握に努めてまいります。 そのほか、御指摘ございました、輸出する加工食品に係る原材料の国産割合に関するサンプル調査についてでございますが、令和四年度から五年度にかけて、輸出重点品目を中心に原材料の国産割合の調査を行ったところでございますが、最終的な取りまとめに向けて現在調整を進めているところでございます。
○羽田次郎君 今の輸出によって所得増加したというその調査結果について、八割というお話でしたけど、これはそういう家族農業の方とかも含めてそういった御回答だったんでしょうか。
○政府参考人(水野政義君) 今回実施しましたこの調査につきましては、御説明しましたように、輸出産地づくりを支援する当方の事業に参加した事業者を対象にして行っておりますので、農業生産法人等は含まれてございます。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 それでは次に、国産の肥料原料として潜在能力が期待される下水汚泥について伺います。 下水汚泥からリン回収など、下水汚泥資材を肥料として活用することは、持続可能な食料システムの確立や資源循環型社会の構築の観点から意義あるものと考えます。 国土交通省において、下水汚泥資源の肥料利用を促進する技術を開発するため、令和四年度補正予算により、効率的にリンを回収する技術実証が行われています。 技術実証は、B―DASHプロジェクト、消化汚泥から効率的にリンを回収する技術がまず一つで、次にリン酸マグネシウムアンモニウムにより脱水ろ液から効率的にリンを回収する技術、そして三つ目が新たなリン回収システムによる下水道の資源化に関する技術について、それぞれ神戸市、横浜市、東京都において実証が行われていると承知しておりますが、この三つの実証事業の特徴と成果について、簡潔に御説明をお願いします。
○政府参考人(松原英憲君) お尋ねの下水汚泥からのリン回収につきましては、先行して神戸市など六処理場において行われてきましたが、取組を一層拡大するために、昨年より、神戸市、横浜市、東京都の三処理場において、回収の効率性、品質の向上に向けた実証事業を進めております。リン回収方法の特徴につきましては、先ほど委員から御指摘されたとおりでございまして、それらを踏まえまして、東京都は本年一月、横浜市は三月からリン回収施設の運転を開始、神戸市も二か所目となる施設が今年度中に運転開始の見込みでございます。 今後、実証事業による成果を取りまとめまして、下水汚泥資源の肥料利用の拡大に向けて普及、展開を図ってまいりたいと考えております。
○羽田次郎君 改正案四十二条では、国は、輸入に依存する農業資材及びその原材料について、原料について必要な施策を講ずるものとしています。 下水汚泥からのリン回収は効果が高いと思われますが、実証事業を踏まえ、リン回収による肥料の国産化など、今後の展開について方向性を伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 化学肥料につきましては、その原料の多くを海外に依存しておりまして、食料安全保障を強化し、国際価格の影響を受けづらい構造に転換していくためには、堆肥や下水汚泥資源等の国内資源の利用拡大を図ることが重要だと考えております。 委員御指摘の下水汚泥からの回収したリンにつきましては、成分含有量が高いことから、そのまま化学肥料の原料として利用できるなどの特徴があり、極めて使いやすい肥料でございます。 そのため、農水省におきましては、回収リンのみならず、下水汚泥コンポスト等も含め、地域で発生する国内資源の肥料利用の取組を持続的な形で進めていくことが重要であると考えております。 このため、国内肥料資源の利用拡大に向けた全国推進協議会を設置しまして、取組事例の紹介のほか、各地域で原料供給者、肥料製造事業者、肥料利用者のマッチング会合を開催するなど、関係事業者間の連携づくりを支援しているところでございます。また、これらの肥料の利用の拡大を進めるため、供給面におきましては、堆肥化処理施設、ペレット化施設等の肥料化施設の整備や、利用面におきましても、新たな肥料の導入に伴う施肥効果の実証や散布機の導入等の取組に対して支援しているところでございます。 農水省としましては、現在国交省において展開をされております回収リンの実証事業と連携しながら、これに強い関心を示されている肥料メーカーや農業者団体等とも協力しつつ、国内肥料資源の利用拡大に積極的に取り組んでまいります。
○羽田次郎君 ありがとうございます。 現時点では費用が結構かさむというふうにお聞きしておりますが、全国どこでも原料を賄えるということであれば取り組む価値はあると思いますので、是非しっかりとお願いしたいと思います。 国土交通省が行っている土地問題に関する国民の意識調査の令和五年度調査によれば、身近に感じる土地問題として、まず空き家、空き地や閉鎖された店舗などが目立つこと、これが五二・四%、そして手入れされていない農地や山林が増えていること、これ三三・四%が関心事項とされているんですが、特に、手入れされていない農地や山林が増えることについては、町村部では五一・一%と比率が上がって、国民は肌感覚で荒廃農地の増加を感じ取り、問題を認識しているものと思われます。 荒廃農地の増加は、農業生産だけでなく、景観の悪化、希少種の生息域の減少、害虫、鳥獣被害の増加といった多面的機能を損なう形で悪影響を及ぼすと思います。農業面積減少の主要因でもあり、近年では年に約一・四万ヘクタール程度の荒廃農地が発生しています。 そこで、荒廃農地の発生要因について伺うとともに、荒廃農地を再生利用する取組についてもお伺いします。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 全国の荒廃農地の約六割は中山間地域が占めているところでありまして、その発生要因につきましては、農林水産省が全市町村を対象に行いました荒廃農地に関する実態調査におきまして、土地の条件に着目すれば、山合いとか谷地田など自然条件が悪いことであるとか基盤整備がされていないといったこと、また所有者に着目すれば、高齢化や病気、また労働力不足などがそれぞれその要因としては高い割合となっているところでございます。 荒廃農地につきましては、委員御指摘のとおり、周辺農地に悪影響を及ぼし、またその解消には多額の費用を要することから、まずはその発生防止を行うとともに、農地の有効活用の観点から、できるだけ早期の復旧、解消を進めることが重要であると考えております。 現在、各地において、令和五年四月に施行されました改正農業経営基盤強化促進法に基づきまして将来の農地利用の姿を明確化する地域計画の策定が進められておりまして、その中で、荒廃農地の発生防止等の解消も含め、農地が適切に使われるようにするための地域での話合いが行われているところでございます。 農林水産省といたしましては、そうした地域計画も踏まえまして、新規就農や企業参入による担い手の育成、確保、農地バンクを通じました農地集積、集約化や農業生産基盤による農地の効率的な利用の促進、日本型直接支払制度によります地域集落の共同活動の取組の支援、鳥獣害対策の取組の支援、粗放的利用による維持保全の取組への支援など、こうしたものを総合的に進めることによりまして、引き続き対策を進めてまいりたいと考えております。
○羽田次郎君 しっかりとした御答弁をありがとうございます。荒廃農地の活性化というのは非常に必要不可欠な課題だと思いますので、しっかり進めていただきたいと思います。 また、時間の関係がありますので、二つ質問を飛ばしまして、貧困率と子供食堂について伺いたいと思います。 厚生労働省の二〇二二年国民生活基礎調査の概況においては、貧困率の状況が示されており、所得が集団の中央値の半分に当たる貧困線に届かない人の割合を指す相対的貧困率は全体で一五・四%、十七歳以下の子供の貧困率は一一・五%となっています。また、子供がいる現役世帯のうち、大人が一人の世帯員では四四・五%に貧困率が跳ね上がると。一人親の半分近くが相対的貧困状態に置かれ、経済的に苦しい傾向にあることが示されております。 そこで、貧困率と貧困の状況について政府の評価を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料は人間の生命の維持に欠くことのできないものでありまして、かつ健康で充実した生活の基礎として重要なものであることから、十分な食料を総量として供給するだけでなくて、全ての国民の皆様方に行き渡らせることが重要であるというふうに考えております。 委員御指摘のような貧困の拡大、これは経済的要因から、そして健康的な食生活を送るための食料を摂取できないという食品アクセス上の問題を引き起こしかねないものと認識をいたしております。今回の基本法の改正案におきまして、基本理念の柱として、国民一人一人の食料の入手の確保の観点も含めまして食料安全保障を位置付けますとともに、基本的施策として、食料の円滑な入手の確保に向けまして食料の寄附が円滑に行われるための環境整備などを位置付けているところであります。 私が二年前に孤独・孤立対策担当大臣をいたしておりましたときに、子供食堂の数は六千でございました。しかし、昨年はこれが九千百三十一になりました。中学校の数と同じであります。それだけ、やはり子供の貧困、そういったものがやっぱり広がっている、あるいは世代間のコミュニティー不足、こういったものも広がっているということで、これは横の連携が必要でありますけれども、農林水産省としても、その食料供給のために、一人一人の皆様方に食料が入手できるような形で今後しっかりと支援してまいりたいというふうに思っております。
○羽田次郎君 大臣の思いというのはよく承知できました。 ちょっとまた時間の関係で少し飛ばさせていただきますが、JA長野中央会は、デイワークという一日単位から農業バイトに申し込めるマッチングアプリを活用して、農家の人手不足の解消と求職者の柔軟な働き方を実現する取組を行っております。このアプリを利用する生産者と求職者からは共に好評を得ていると伺っており、農村地域の人手不足への対策として期待されているところです。 このようなマッチングは野菜や果樹といった労働集約型の作物に適しているとも思われますが、こうした取組への農林水産省の評価をお願いいたします。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、季節によって繁閑の差がある野菜や果樹のような労働集約型の作物では、一日単位で働くことができるマッチングアプリは農業労働力を安定的に確保していくために有効であると認識しております。 そのため、農水省では、農業労働力確保支援事業を通じまして御指摘のような取組を支援しておりまして、JA長野中央会を含むJA長野県農業労働力支援センターにおきましても、労働力募集アプリの活用を始めとして、外国人材等を活用した繁閑期の異なる他産地との連携、他産業からの副業、ボランティアによる農業従事の促進等に取り組まれているというふうに承知しております。 農水省として、こうした外部人材の参画推進への取組にも大変期待をしているところでございまして、今後とも、こうした各産地の労働力募集アプリのようなツールの普及や繁閑期の異なる地域との連携体制の構築等を推進しまして、農業現場における労働力の確保に努めてまいります。
○羽田次郎君 しっかりした御評価をいただきまして、ありがとうございます。 人手不足の解消には、求職活動を行っていないため雇用統計に表れないミッシングワーカーの掘り起こしも一つの方策と考えられます。ミッシングワーカーとは、例えば長期の介護離職等をきっかけに労働市場に戻ることが難しくなった人々を指しており、求職をしない無職者と考えられます。 この場合、ミッシングワーカーをマッチングアプリの活用へ導くこと自体が課題であるとも思われますが、農業分野におけるミッシングワーカーの活用の可能性について政府の御見解を伺います。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 高橋政務官からも御答弁したとおり、マッチングアプリの活用、これ、農業労働力を確保するための取組として非常に重要であるというふうに認識をしております。 農業というこの産業を考えた場合に、個々の事情に応じて短時間あるいは一日からでも働くことができるというような特性がございます。これ、品目によってというようなところはあるかと思いますけれども、品目によっては様々なそのような可能性があるというところが、農業、職業としての特性ではないかというふうに考えております。 委員御指摘のミッシングワーカーの方々にとっても、そういった観点から、農業については働きやすい環境として選択していただきやすい特徴を有しているのではないかなというふうに考えております。 こうした職業としての農業の特性を御理解いただくためにどういった工夫ができるかということについては、今後検討してまいりたいと考えております。
○羽田次郎君 様々な理由で求職をされていないという人は大勢いらっしゃると思うんですが、やっぱり自然と触れ合うようなこの農業というのは心身共にいいことだと思うので、是非こうしたミッシングワーカーにもリーチしていただけると有り難いと思います。 先日、人口戦略会議が、全体の四割に当たる七百四十四自治体について消滅可能性が高いとの推計を公表しました。我が信州も二十六市町村が消滅可能性自治体に分類されております。これに対し、総務大臣、地方創生担当大臣などが記者会見で危機感を示す一方で、全国町村会の会長がこれまでの地域の努力や取組に水を差すものと批判するコメントを発表するなど、反響を呼んでおります。 坂本大臣は、この推計に対してどのような所感をお持ちでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 先月、四月二十四日に人口戦略会議が公表いたしましたレポートにおきまして、全体の四三・〇%に当たります七百四十四自治体が二〇五〇年までに若者、若年女性人口が五〇%以上減少し、消滅可能性自治体に該当すること、そして、十年前に比べまして、今回の分析においては、人口減少傾向が改善する結果となっているものの、実態としては少子化基調が全く変わっていないことなどが指摘されておりまして、深刻な危機感というのが示されたということは承知をいたしているところであります。 この消滅可能性自治体には多くの農村地域があると承知をいたしております。今後、これらの農村地域のコミュニティーを維持するために、農村人口、農村関係人口の創出、拡大によりまして多様な人材を呼び込むことが重要であるというふうに考えております。そのために、農泊あるいは六次産業化や農福連携も含めました農山漁村発のイノベーションの取組、そして農村型地域運営組織、いわゆるRMO、こういった政策を通じまして、今後、地域の活性化を図っていかなければいけないというふうに思います。 先ほど佐藤委員の方からも言われましたように、そのためにはやっぱりリーダーが必要であります。しかし、そのリーダーも、地域おこし協力隊が初期であるとはいえ、最終的にはその地域に以前からいらっしゃる農業者、あるいは地域の以前からいらっしゃる方、こういった方々が立ち上がって、そういうことをやはり学習しながら地域の活性化を進めていくということが大事であるというふうに思っておりますので、農林水産省としても、そういった農村のリーダーの育成、こういったものに対してしっかりと後押しをしてまいりたいというふうに思っております。
○羽田次郎君 現行の基本法ですとか基盤強化本部が決定した展開方向には農村の振興に向けた総合的な施策が掲げられていますが、改正案の基本理念への追加は衰退する農村地域を維持する視点にすぎず、新たな理念というのが余り読み取れないと思います。仕事、暮らし、活力、土地利用のように、農村振興に向けた総合施策といった観点をより強く打ち出すべきだと思いますので、是非そうしたことも取り組んでいただきたいというふうに思います。 どうしてもちょっと聞きたい質問が一つありまして、令和六年の、今年ですね、先日、三月四日の日本農業新聞において、長野県の高校生による地域資源を活用した商品開発の取組が取り上げられました。中山間地であり、日本一の星空を掲げる阿智村の普通科の高校生が、村や観光局のサポートを受けて、そば粉やリンゴを使ったガレットを開発して観光拠点の施設で販売するといったことが報じられております。 同記事によると、長野県は地域と連携した授業の強化を進めており、県内の高校では週二時間の地域連携の授業があって、その中で地域の魅力や課題に気付き、商品開発に取り組む事例が報告されております。 こうした地域について学ぶ機会は、農村との関わりを持つ者の増加という観点でも有効と考えますが、政府の後押しも必要だと思います。そうした施策があるかどうか、伺いたいと思います。
○政府参考人(梶山正司君) お答えいたします。 高等学校は地域の核となる重要な存在であり、生徒の関心や農業を始めとする地域の実情に応じた特色、魅力ある教育を実現することが期待されているものと考えております。 そのため、文部科学省におきましては、地域の将来を担う人材の育成を図るために、地域社会が有する課題や魅力に着目した実践的な特色、魅力のある学びに重点的に取り組む学科の設置を可能とする新しい普通科の設置促進や、産業界との連携、協働の強化など、各高等学校における特色ある教育活動の展開に向けた支援などを実施しているところであり、引き続き、高等学校の特色化、魅力化に取り組んでまいります。
○羽田次郎君 未来の担い手づくりというのは大変重要だと思いますので、一層のお取組をお願いしたいと思います。 先ほど大臣もお触れになりましたが、総務省は令和五年度の地域おこし協力隊の隊員数が全国で前年度比七百五十三人増の七千二百人と、過去最高を更新したことを公表いたしました。調査結果から、活動地域と同じ市町村に定住した隊員のうち一割が就農しており、新規就農のルートとして定着しつつあるということが分かります。また、農家レストランや農家民泊、農作物の通信販売など、先ほども大臣も挙げられましたが、農業に関わる仕事を選択する隊員が多いと伺っております。 地域おこし協力隊の任期後の定住率は約六五%に達しておりますが、残り三五%は仕事がないことなどを理由に地域を去っていると聞きます。定着率の向上には地域との交流を通じて仕事に結び付けていくことが重要と考えますが、地域おこし協力隊の就農を始めとした農業に関わることによる農村地域への定着の増加に向けてどのような取組をされているか、お伺いします。
○委員長(滝波宏文君) 時間が迫っておりますので、簡潔に答弁をお願いします。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 委員御指摘のように、地域おこし協力隊については非常に重要な取組であると考えておりまして、そういう中で、例えば、地域おこし協力隊時の受入れ農家から農地を引き受けて、協力隊員の活動時期に培った有機農業の技術を基に独立就農した事例など、そういった様々な事例がございますので、農村に人を呼び込むところから実際の就農に至るまで、多様な関わり方が見られるところであります。 そういう意味で、農水省といたしましても、次世代の農業者の確保に向けた様々な資金メニューでありますとか、機械、施設等の導入支援、それからサポート体制の充実への支援などを行うとともに、仕事、暮らし、活力、土地利用の観点から、農村振興施策を推進することによりまして、地域おこし協力隊が農村地域に定着できるよう活動を後押ししてまいりたいと考えております。
○羽田次郎君 大分質問事項を飛ばしてしまいましたが、基本法の改正ということですので、しっかりした審議時間を取っていただいて、誰もが思い残すことのないような審議を続けていただけるよう、お願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(滝波宏文君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 それでは、最初に、何問か大臣にお聞きをしたいと思います。 改正案では、食料自給率の目標に加えて、第十七条に、その他の食料安全保障の確保に関する事項の目標を定めるものというふうにしております。 基本法制定時に、この食料自給率四〇%ありました、現行法の基本法ですね。我が国のカロリーベースの総合食料自給率、その後、基本法制定後は四〇%を下回る値で推移をしてきております。食料自給率目標でいいますと、平成十二年の基本計画において初めて設定をされ、その後、平成十七年、平成二十二年、平成二十七年、そして令和二年にも設定をされましたけれども、残念ながら一度も達成はできていないという現状にあります。 他方、答申では、国民一人一人の食料安全保障の確立、また、輸入リスクが増大する中での安定的な輸入、肥料、エネルギー資源等食料自給率に反映されない生産資材等の安定供給など様々な課題があるというふうに指摘をされまして、必ずしも食料自給率だけで直接に捉え切れないものがあるというふうに指摘をされているところです。全くそのとおりだと思いますけれども、他方、この食料安全保障における食料自給率というのは、国民には目安として非常に分かりやすいものだというふうに考えます。 そこで、大臣にこの食料自給率に対する評価をお伺いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料自給率は、国内で生産されます食料が国内消費をどの程度充足しているかを示す指標として、農業者だけでなく、その他の関係者や消費者にとっても分かりやすい指標であります。この位置付け等については、今回の改正案において変わりはありません。 他方で、食料自給率は、海外依存度の高い小麦、大豆の国内生産拡大等の増加要因と、それから自給率の高い米の消費の減少等の減少要因の双方が作用をしておりまして、個別の要因の評価というのは非常に難しいものがあります。また、委員言われました肥料などの生産資材の安定供給の状況が反映されないといったものもあることから、食料安全保障の確保のための施策の効果を食料自給率という単独の目標で評価することは難しいというふうに考えています。 改正案を成立させていただきましたならば、これに基づきまして食料・農業・農村基本計画を策定することとしております。その中で、食料自給率を含め、食料の安全保障に関する事項について適切な目標の設定に向けた検討を行ってまいりたいと考えております。
○横山信一君 関係者がもちろんしっかり把握できるということは重要でありますけれども、国民にもこの食料安全保障が分かりやすいような検討を是非お願いしたいと思います。 食料・農業・農村基本法は、農政の基本理念や政策の方向性を示すものとして、平成十一年に現行法制定をされました。食料の安定供給の確保、多面的機能の発揮、農業の持続的な発展とその基盤としての農村の振興を理念として掲げ、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展を図ることを目的としています。 こうした理念、目的の下で、政府は農業制度改革を度々行ってきております。平成十二年の中山間地域等直接支払制度、それから平成十三年の加工原料乳の不足払い制度の廃止、それから平成十九年の品目横断的経営安定対策、平成二十一年の、これは企業参入の農地法改正、様々なことをやってきております。また、平成二十五年から二十六年にかけては経営所得安定対策の見直し、また、平成三十一年の収入保険制度、また、令和三年のみどりの食料システム戦略と、大改革と言えるような改革をこの間やってきているわけです。 他方ですね、他方、こういう改革をしつつ、その農村人口が急激に減少する、また他方、規模拡大と効率化というのは、担い手不足と相まってこれも急速に進んできております。しかし、基本法の改正には至りませんでした。 こうした重要政策を転換する機会を捉えて基本法の改正を行うことも考えられたと思うんですけれども、これまで基本法の改正を行わなかった理由について伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 今委員言われましたように、これまで委員が言われましたようなるるの改革、改正、法案改正を行ってまいりました。 今おっしゃいませんでした中では、例えば、米政策、水田活用支払直接交付金、それから農地中間管理機構法を新しく作りまして、農地バンクによる農地の集積、集約、こういったものを進めてまいりました。これらはいずれも現行基本法で定めます需要に応じた食料供給、そして望ましい農業構造の確立等の施策の理念、方向性を実現するために行ってきたところであります。 しかし、一方で、基本法の制定から四半世紀が過ぎまして、ロシアのウクライナ侵攻、それから気候変動など、国際情勢の変化によります食料安全保障上のリスクがこれまで以上に高まってまいりました。さらには、環境と調和の取れた産業への転換の必要性、これが国際的にも増大をしてまいりました。また、国内の農業従事者が急速に減少するというような状況になっておりまして、食料の安定供給確保への懸念など、現行基本法が前提としている食に関する情勢が大きく変化をしております。 そのことを踏まえまして、将来を見据えた施策の方向性を定めるために必要な改正を今回行うということにしたものであります。
○横山信一君 よく分かります。 今のお話にも関連をするんですが、今回の改正については、令和四年の九月に、岸田総理から、新しい資本主義の下、スマート農林水産業、農林水産物・食品の輸出促進、農林水産業のグリーン化、食料安全保障の強化と、こうしたものを柱とする検証が指示をされまして、それを受けて、審議会の下に置かれた検証部会で、昨年九月に答申、そして十二月に食料・農業・農村基本法の改正の方向性についてという決定がなされて今回の法案提出になったということでありますが、全体として見れば、食料、米以外については食料自給率は低いということと、それから、農業生産資材の多くを輸入してきたという、我が国のこの食料安全保障の危うさというのは以前から議論をされてきたわけです。危機が叫ばれながら危機が訪れることがなかったというふうにも言えると思います。 そういう食料事情だったわけですが、先ほど大臣の答弁にもありましたコロナ禍とウクライナ戦争というような、突如としてこの我が国の食料確保の脆弱性を露呈したというふうに言えると思うんですが、この現状というのは、危機を身近なものとして捉え切れなかったということもあるというふうに思っております。そういう意味では、今回の改正では、この国内の食料確保におけるコロナ禍、そしてまたウクライナ戦争の教訓を基本法改正にどう生かすのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 委員おっしゃるように、危機が叫ばれながらやはり危機に直面してこなかったというのが現実あります。 例えば、その中で危機に実際直面してきたわけです。新型コロナウイルス感染症の流行によりましてサプライチェーンが混乱をいたしました。これは、港で働く方々が少なくなりましてコンテナが届かないというようなサプライチェーンの問題が起きました。それから、先ほどから言っておりますウクライナ情勢による穀物価格の不安定化などによりまして、このまま過度に輸入に依存することへのリスク、こういったものが現実問題として高まってまいりました。 このため、今般の基本法案では、過度に輸入に依存している麦、大豆、飼料作物等の国内生産の拡大を進めながら、一方の方で、国内生産で需要を満たすことのできない農産物及び農業資材の安定的な輸入の確保に向けて、輸入相手国の多様化、そして輸入相手国への投資の促進を行ってまいりたいというふうに思っております。これらを通じまして、食料安全保障の抜本的な強化に取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○横山信一君 本当によく今回は大きな教訓になったというふうに思いますし、これを、まあ糧にと言ったら変ですけれども、いろいろな場面に敷衍をして、様々な想定の下で頑強な食料安全保障をつくり上げていきたいというふうに思います。 私からも合理的な価格形成について伺ってまいります。 改正案二条のこの合理的な価格形成ですけれども、需給事情と品質評価が適正に反映されつつ、農業者、食品産業事業者、消費者等の食料システムの関係者により持続的な供給に要する合理的な費用が考慮されるように求められています。二十三条では、食料システム関係者による食料の持続的な供給の必要性に対する理解の増進、合理的な費用の明確化の促進等の施策を講じることというふうにされておりますし、また三十九条では、需給事情及び品質評価が適切に反映されるよう施策を講ずることということになっております。すなわち、合理的なこの価格というのは、食料システム関係者が認識を共有し、合意した上で決定される価格というふうになります。 しかしですね、しかし、食料システム関係者それぞれの立場にとって、合理的な価格の捉え方には差異があるというふうに思います。生産者にとっては生産コストがしっかりと価格に転嫁されることが大事でありますし、一方で、生産コストを全て価格に転嫁すれば、食料の販売価格が高騰した場合、その価格を消費者が受け入れることができるのか、また、低所得者層の食料の購入が難しくなるのではないか、こうしたことが考えられるわけです。 この消費者にとっての合理的な価格という問題と、それから生産者にとっての持続的な供給に要する合理的な価格と、この点について見解を政務官に伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 今委員より合理的な価格についての御質問をいただきました。 御指摘のとおり、生産者や消費者にとりましてそれぞれが理想とする適正な価格といえば、これは異なるものでございます。一方で、国内外の資材費、また人件費等が長期的に上昇する中でも持続的な食料供給を行っていくためには、生産から販売に至るまで、コスト増と消費者の購買能力の折り合いをどのように付けていくかが大切でございます。 このため、生産から消費まで食料システムの各段階の関係者の最適解となるよう、それぞれの納得の得られる価格で合意がなされる必要があることから、これを合理的な価格と表現させていただいております。
○横山信一君 また、この合理的な価格形成に関しましては、農林水産省は適正な価格形成に関する協議会を設けて、生産から流通、加工、消費、小売、消費者等関係者が一堂に集まって議論を行っていると。また、先月、今後の検討方向として、需給状況と品質評価によることを基本としつつ、食料の持続的な供給に要する合理的な費用が考慮される仕組みについても法制化も視野に検討ということが示されました。 この改正案の二条では、合理的な価格の形成について、市場機能に重きを置いて食料需給事情を反映するということを求めています。一方で、持続可能な食料供給に必要な合理的な費用も考慮されるように求めていると。まあ一見矛盾するようなものでありますけれども、この二つの要素をどのような仕組みと方法で両立することを想定しているのか、お伺いいたします。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 農産物の価格につきましては、需給事情や品質評価を適切に反映して形成されることが基本でございまして、この点につきましては今回の法改正におきましても変更はございません。他方、近年の資材価格等の高騰につきましては、生産から消費に至る各段階に幅広く影響が及んでおります。こうした状況の中でも食料の持続的な供給を図っていくためには、食料システム全体で合理的な費用が考慮されるようにする必要がございます。 このため、農水省では、委員御指摘のとおり、昨年八月より、生産、加工、流通、小売、消費等の幅広い関係者が一堂に集まる協議会を開始させていただいたところでございまして、食料システム全体の持続性の確保を目的に、持続的な供給に必要な合理的な費用を考慮する仕組みの必要性や品目ごとに作成する費用の指標であるコスト指標の作成等について関係者間で議論を行っているところでございます。 今後とも、この仕組みについて関係者間で丁寧に合意形成を図りながら、法制化も視野に検討を進めてまいります。
○横山信一君 三月二十一日の当委員会での質問で、これも高橋政務官に答弁してもらったんですけれども、第二十六条で規定されている担い手以外の多様な農業者についてお伺いいたしました。その役割と期待を伺ったわけですが、農業を副業的に営む経営体や自給的農家などの多様な農業者も農地の保全管理や集落機能の維持などの役割を果たしているのでその役割に応じて支援することが重要というふうにお答えいただいて、これについてはいわゆる生産者からの期待も非常に大きいというふうに感じています。 個人経営体で見ると、二〇二〇年には主業経営体数というのは二十三・一万あったんですね。それが現在四六%にまで減少していると。また、多様な農業者として想定をされる準主業経営体、副業的経営体、これ二つ合わせて八十・七万経営体、現在ですね。こちらも二十年前の四四%にまで減少しているという状況になっています。 集落の総戸数が十戸を下回ると農地の保全活動の実施率が急激に低下するという報告があって、そういう意味では、この総戸数が九戸以下の農業集落の割合というのは、二〇〇〇年ですかね、八・八%だったのに対して、二〇一五年には一七・九%にまで増加をしていると。こういう状況にあって、今後の人口動態を踏まえると、この集落活動の実施率は更に低下することが考えられる。 そういう意味では、この担い手以外の多様な農業者というのを一体どこから来てもらうのかということになってくると思うんですが、半農半Xの参入も期待をされているところでありますけれども、こうした日本の生産人口全体が、農家集落だけではなく日本全体の生産人口も減少していく中で、この担い手以外の多様な農業者というのをどのように確保しようとしているのかを伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 農業者の高齢化、減少によりまして、担い手に対しこれまでにないスピードで大量の農地の引受け依頼がなされておりまして、担い手だけでは引き受け切れないというお声もお聞きしているところでございます。このように、担い手だけでは管理できない農地が出てきている中におきましては、その他の多様な農業者が農地の保全管理や集落機能の維持などの面で果たす役割の重要性が増していると認識しております。 このため、そうした方々の役割が引き続き発揮されますように、農水省としましては、多面的機能支払や中山間地域等直接支払による農地の保全に向けた共同活動の促進、また、六次産業化や農泊などの農山漁村発イノベーションの取組を通じた農村における所得の向上と雇用機会の確保などの施策を行っているところでございまして、こうした取組をしっかりと継続してまいりたいと思います。
○横山信一君 若い人たちは、農村というか、農業に興味を持っていらっしゃる方というのはかなり多いというふうに感じています。一方で、先ほど申し上げたように、日本全体の生産人口が減っていく中で、様々な支援措置を講じていっても、しっかり農村に来てくれるかどうかというのは、これはなかなか難しいかなと。やってみないと分からないというのもありますけれども、是非様々な状況を捉えながら柔軟に対応していただきたいというふうに思います。 生産性を向上させる観点から農地を担い手に集積しようとしても、かつては農地の出し手が少ない状況でしたが、現在は高齢化と後継者不足ということで離農する農家が多くて、地域によっては農地の受け手探しに苦労するというところも出てきているという状況にあります。大規模経営や集落営農などの担い手が農地の受皿となっていますけれども、受け切れない農地、これは担い手以外の多様な農業者によって維持してもらうという方向性になるわけなんですが、この担い手への農地集積が進むと農村人口の減少も進んでいくというふうに考えられます。 政府は、人手不足を補い、生産性を向上させるためにスマート農機の活用を推進し、新技術の開発も推進しようとしています。このスマート農業を進めるには農地の集積、集約化が必要となり、多様な農業者、農村人口の減少を招くことにもなりかねないというふうに考えるんですが、両者の関係性について伺います。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 我が国が高齢化、人口減少していく中で、先ほど高橋政務官からも答弁がありましたが、当然農業の世界でも引退される方が出てくるものというふうに考えております。そういう中においても食料の供給力を維持向上するためには、農地をしっかりと維持をしていくと同時に、一人当たりの生産性を上げていく必要があるというふうに考えております。 その際に、まずはリタイアで使われなくなる農地を担い手がしっかりと引き受けていくということになろうかというふうに思っておりまして、それによってまず担い手への農地の集積、集約化が加速してくるものというふうに考えております。また、担い手がまとまった形で耕作できるようにすることで、作業がしやすくなって生産コストや手間を減らすことができるだけでなく、より効率的に機械等を活用できることから、スマート農業の効果もより発揮されやすくなるというふうなことが期待されると考えております。 今後、我が国が高齢化、人口減少する中で、担い手への農地の集積、集約化と、そしてスマート農業の取組をしっかりと両立をさせて一層促進をすることで、農村、農業生産基盤の強化と、一人当たり生産性の向上を図ってまいりたいと思います。
○横山信一君 ちょっと一つ飛ばしまして、農村RMOについて伺いたいと思います。 総務省の調査によりますと、近年、地域で暮らす人々が中心となって地域課題の解決に向けた取組を持続的に実施する地域運営組織、すなわちRMOがですね、このRMOが増加傾向にあるということであります。二〇二三年には七千七百十の組織が活動しているということであります。この背景には、市町村の一般行政職員の減少があるというふうにも見られているようです。実際調べてみると、二〇〇四年から二〇二二年の十八年間で行政職員一一・二%減少、特に農林水産担当者二八・四%ということで、特にその農林関係の役所の人数が減っているということであります。それを補完するような形でRMOが非常に活動をしているというふうにも見れるということです。 先ほども申し上げました農業集落の総戸数ですけれども、九戸以下の割合というのは、二〇二〇年では、中間農業地域で八%、山間農業地域で二〇%ということで、特に中山間地域ではこの農業集落の減少が非常に激しいということで、そういった地域では農村RMOに対する期待が大きいということであります。 第四十五条には、国は、農業と農業以外の産業の連携による地域の資源を活用した事業活動を通じて農村との関わりを持つ者の増加を図るため、これらの事業活動の促進その他必要な施策を講ずるというふうにあります。 この総務省の調査によれば、RMO全体の中でのこの農村RMOの割合は低いという統計が出ているそうでありまして、構成団体として参加している組織で一・八%、構成団体ではないが活動に協力している組織で僅か二・二%ということで、このRMO全体の中で、従来からあるRMOに農的活動を担ってもらう、そういうようなことをやったりとかしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんですが、この農村RMO、今非常にまだ少ない状況ですけれども、この育成をどのように進めていくのか、伺います。
○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。 農村地域では、人口減少、高齢化が急速に進み、特に中山間地域の小規模集落では農地保全や共同活動が困難になってきていることから、複数集落のエリアで連携して活動する体制を構築することが重要であります。 このため、農林水産省では、複数の集落の機能を補完して、農用地保全活動や農業を核とした経済活動と併せて、生活支援等地域コミュニティーの維持に資する取組を行います農村RMOの形成を推進しております。事業としましては、令和四年度から事業を始めているところでございます。 具体的には、モデルとなる組織の形成を推進するため、地域協議会による将来ビジョンの策定や実証事業等の取組への支援、地域での活動が円滑に進むよう、きめ細かくアドバイスしたり相談に対応する都道府県レベルでの伴走支援体制の構築への支援、関係府省と連携した制度や事例の周知、知見の蓄積や共有といった全国レベルでの取組等を進めているところでございます。 引き続き、これらの取組を行いまして、農村RMOの育成を推進してまいりたいと考えております。
○横山信一君 農村RMO、非常に期待をしているところなんですけれども、是非順調に育っていくようにお願いしたいと思います。 本年施行されました農業経営基盤強化促進法において、これまでの人・農地プランを地域計画として法定化をいたしました。この地域の農業者等の話合いによる将来の農地利用の姿を目標地図として明確化し、農地バンクを通じた農地の集約化等を推進することというふうになっています。 この農地バンクは、目標地図に位置付けられた受け手に、所有者不明農地、遊休農地も含めて所有者等から借り受けて農地の集約化等を進めていますが、離農する農家の状況によっては分散錯圃ということも考えられるわけです。 農地整備を進めるにしても、最終的に一枚になるとは限らないと。非効率な営農を強いられるケースもあるというふうに考えられるんですが、この点についてどう考えるか、伺います。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 まず、農地バンクでございますけれども、これは、分散、錯綜して利用されている農地を借り受けて、必要に応じて基盤整備等の条件整備を行い、それを担い手に対して集約化された、まとまった形で貸し付けることができるようにする、そういったことを目的とした仕組みといたしまして平成二十六年度に創設されたものでございます。 これまで、農地バンクを活用した集約化等の取組を後押しするため、農家負担ゼロの基盤整備や農地の固定資産税の軽減措置を講じるほか、農地の貸付割合に応じて交付する地域集積協力金ですとか、あと、令和四年度に新たに創設いたしました、集約化割合に応じて交付する集約化奨励金による支援を行ってきているところでございます。 今委員の方からも御紹介ございましたように、現在、農業経営基盤強化促進法に基づいて各地域で地域計画の策定の取組を進めていただいておりますけれども、我々といたしましては、引き続き必要な支援を講じるとともに、この基盤強化促進法に基づく地域計画の中で将来の農地利用の姿を目標地図として明確化していただいて、地図に位置付けられた受け手に対して農地バンクの活用により農地の集約化等を進めていきたいと考えておるところでございます。
○横山信一君 農地バンクを使うということは大事だと思うんですが、先日視察に行った那須塩原の農家の方、農地バンク使っていないというふうに言っていましたけれども、そんな中でいわゆる農地が点在をしているという話も出ていました。 農地バンクを使えば農家負担ゼロの基盤整備もされるとかいろいろ利点はあるんですが、一方で、受け手は既に様々な理由でいろいろ農地を借り受けている方たちもいらっしゃるという、そういう中で、そうした担い手というのはまとまっていない農地を預けられるわけですから、農機具の移動なんかも結構お金が掛かるというか負担になります。 そういう意味では、こうしたその農機具の移動支援なんかを応援してあげたらどうかなというふうに思うんですけれども、これは大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、集約化には地域での調整などに一定の時間が掛かる場合があります。課題があることは、そのことを十分承知をしております。 集約化されるまでの間の支援につきましては、現状の分散した農地利用の固定化につながる懸念もあるということで、慎重に検討する必要があるというふうには考えております。他方で、生産コストを減らすなど収益向上につなげるためには、やはり担い手がまとまった形で耕作できるようにすることが重要であるというふうに考えております。 このため、農地バンクを通じて各地域の農地の集約化に取り組む際には、令和四年度に創設いたしました集約化奨励金が活用できます。当該奨励金につきましては、地域の実情を踏まえ、原則二年間で集約化に取り組めばよいこととして交付をしておりまして、その活用使途につきましても地域で自由に決めていただくことが可能となっております。まずは、こうした取組を通じて、担い手への農地の集積、集約化に取り組んでいただいたらというふうに思っております。
○横山信一君 集約化奨励金を使ってまずはやってもらいたいということでありますので、ちょっと様子を見ながら是非検討していただければというふうに思います。 ちょっと質問飛ばしまして、備蓄食料について伺います。 農林水産省は、備蓄食料の全てを国内の倉庫で保管するにはコスト面で問題があるというふうにしておりまして、総合的な備蓄という考え方を示しています。すなわち、国内の生産余力、国内の民間在庫、それから海外の生産農地、これは日本向けの契約栽培ということですけれども、それから海外倉庫の在庫、海外からの輸送過程と、こうしたところで全体的な、総合的な備蓄というのを考えているということであります。この中の民間在庫について言えば、経営に直接関係することですので把握が難しいというふうに言われておりますし、また海外の備蓄には、不測の事態が生じた場合に果たして日本へ輸送ができるのかという、そうした懸念もあるところであります。 この重要な食料の備蓄の在り方については、食料供給困難事態対策法案に基づく基本方針で定める予定というふうに伺っておりますけれども、改正案では、食料安全保障の確保に係る基本理念に備蓄の確保を規定しておりますし、また、不測時における措置においては備蓄する食料の供給に必要な施策を講ずるものという規定を置いております。今後の食料安全保障の在り方を考える上で極めて重要な部分であります。 そこで、この食料備蓄の在り方、それからある程度の方針というのを示してはどうかというふうに考えるんですけれども、大臣に伺います。
○国務大臣(坂本哲志君) 備蓄の機能につきましては、供給の不足に備えて在庫を一定量確保しておきまして、市場で供給が逼迫したときに在庫を放出することによって供給不足を解消するということであります。 このため、食料供給困難事態対策法におきましては、基本的には民間備蓄の活用を念頭に置きます。そして、出荷、販売の調整を位置付けまして、この中で備蓄の放出の要請や供給量を抑制することによりまして備蓄量を確保するといった要請を行うこと等、不測時において食料を適切に市場に供給をしていくことというふうにしております。 また、出荷、販売の調整を適切に行うためには、平時から一定量の在庫を確保しておくことが重要であります。特定食料等の備蓄の在り方につきましては、基本方針の中の本部設置期間以外の期間において実施する措置の総合的な推進において定めるということとしております。平時からの在庫量、こういったのが大事だということであります。 さらに、食料供給困難時に供給確保対策を行うためには、民間在庫を含め、国内にどの程度存在するか把握することが重要でありますけれども、現状では主要な食料の多くについて流通在庫等が把握できておりません。 このため、備蓄の方針を策定するに当たりまして、報告徴収の規定に基づきまして、民間の在庫量を含む必要な調査を行うということとしているところであります。
○横山信一君 よく分かりました。 次に、気候変動による世界的な食料生産の不安定化、それから世界的な食料需要の拡大に伴う調達競争の激化に加えて、ウクライナ戦争、それから新型コロナ、こうしたことによって輸入する食品原材料や生産資材の価格高騰が起き、また、国際的なコンテナ不足による供給が不安定になるなどいたしました。さらに、食料以上に調達切替えが難しいと言われる化学肥料の輸出規制もありまして、食料と生産資材の確保というのは課題となったわけです。 とりわけ、この化学肥料でいうと、我が国はほぼ全量を輸入しております。令和三年でいいますと、尿素はマレーシアと中国、リン安は中国、塩化カリはカナダというふうに、輸入相手国も偏在しているという状況であります。そこに、中国の輸出検査の厳格化によって急に入らなくなったわけでありますけれども、急遽、モロッコ等からの協調買入れ、あるいはロシア、ベラルーシから輸入していた塩化カリをカナダに切り替えるなど対応を取ったわけですが、こうしたこの一次産品というのは特定の国に集中する傾向があるというふうに言われておりまして、その分、貿易制限の影響を受けやすい特徴があるというふうにも言われています。 この不測時の食料安全保障の問題を考える上では、国際関係の維持、調達先の多角化あるいはリスク管理が非常に重要になります。これらは外交の在り方にも影響するというふうに思いますけれども、農林水産省として外務省など関係省庁とどのような関わり方をするのか、元外交官の高橋政務官にお伺いいたします。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 我が国の食料安全保障を確保していくためには、国内生産で需要を賄えない農産物や肥料等につきまして、平時から安定的な輸入を確保することが重要であると認識しております。このため、基本法の改正案におきましては、輸入の安定を図るため、輸入相手国への投資の促進その他必要な施策を講ずる旨、新たに盛り込ませていただいているところでございます。 今委員から御指摘があった化学肥料の件につきまして、一つ具体的な例を紹介させていただきますと、実は、この大型連休に私、マレーシアの方に行ってまいりました。そこでは、実は、ここで委員をされている宮崎雅夫先生が二年前に政務官であられたときに、実は、マレーシアというのは、尿素、先ほど委員から御指摘があったように、この輸入先としては大変重要な国でございますけれども、この安定確保につきまして働きかけをいただきまして、実は、この二年間で全輸入量の五七%から七三%にマレーシアというものは確保できているということで、私からも御礼申し上げるとともに、引き続き安定的な確保をお願いしたところでございます。 このように、輸入相手国から資材を安定的に確保をするためには、相手国との友好的な外交関係というのは大変重要だというふうに考えております。 マレーシアとの関係におきましても、一九八〇年代にマハティール当時の首相が開始した東方政策に呼応する形で人的交流や開発協力、ODAなどを通じて行ってきた背景がありまして、こうした我が国の長年の取組が相手国の信頼につながり、こうした我々の依頼に対して応じていただける環境を整えてきたものというふうに考えております。 農水省としましても、引き続き、外務省、JICA、JBICなどの関係機関と連携しまして、政府一体となった外交的努力や必要な施策を通じまして、相手国政府の理解、協力を得ながら食料等の安定的な輸入の確保に努めてまいる考えです。
○横山信一君 頼もしい答弁ありがとうございます。 次に、さきの本会議で我が党の質問で、食料供給能力の維持に関する質問がありました。総理は、農産物の輸出の促進に関する規定を設けるとともに、輸出先の具体的なニーズや規制に対応した輸出産地の育成、品目別輸出促進団体によるオールジャパンでのプロモーション体制の強化、輸出先の多様化に向けた情報発信の強化の取組というものを答弁をされたところであります。 現在、輸出額が多い農産物というのは、アルコール飲料、ソース混合調味料、清涼飲料水、菓子ということで、加工食品が中心なんですね。アルコール飲料でいくと、日本酒もブームになっていますが、例えば日本酒だと、一升の純米酒を作るのに一・五升の米を使うとかいうことがありますので、その日本酒を輸出することはそのまま米農家を応援することにもなるんですが、一方で、海外で非常に人気の高いジャパニーズウイスキーは、国産原料にこだわったものもありますけれども、こうしたものを除くと、原料の多くは輸入になっているという状況にあります。 そういう意味では、これら加工食品、今輸出の多い加工食品ですが、食料安全保障に貢献しているとはなかなか言い難いという状況にあるわけです。この食料供給能力の維持に寄与するような農産物の輸出促進の在り方、これについて大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 委員御指摘のとおり、国産ウイスキー製造メーカーの原料は輸入品が主であります。しかし、一方の方で、国産原料の使用を拡大する動きも出てきております。それから、茶飲料、乳飲料など、ウイスキー以外の加工品もそのウイスキーメーカーで製造し、その過程で国産原料を購入しているということもあります。さらには、地域経済におきまして雇用を維持する役割も担っております。農業者の所得向上や農村社会の維持を通じまして、輸出の拡大は国内の食料生産能力の維持に十分貢献しているというふうに考えております。 このような観点から、農林水産省といたしましては、加工食品も含めて輸出の促進を行っているところでありますけれども、米や果物、畜産物等の農産物の輸出につきましては、その国内生産基盤の維持への直接的な効果を輸出産地の形成を通じて農業生産者に実感してもらうことが可能であるというふうに考えています。 このような輸出産地の形成に向けましては、地域ぐるみで輸出向けの生産流通体系へ転換する取組を支援する事業を実施をいたしております。それから、一定量を継続的に輸出できる産地をフラッグシップ輸出産地として選定することによりまして、輸出産地の形成段階に応じた、こういった輸出産地について、切れ目のない支援を実施しているところであります。
○横山信一君 国産原料にこだわった加工食品にもっとインセンティブを与えてもいいのかなというふうにも思います。 以上で質問を終わります。
○松野明美君 日本維新の会の松野明美です。どうぞよろしくお願いいたします。よろしくお願いいたします。 午前中から質問の中にも入っているんですが、一昨日、栃木県の塩原市の方に、基本法の視察ということで委員の皆様方と一緒に視察に行ってまいりました。 小雨の降る、雨の降る中、本当に迎える側も困られないかなとか御迷惑じゃないかなと思いながら伺ったんですが、本当に傘を差して、一生懸命私たちに笑顔で、小さいところまで説明いただきまして、本当に、あっ、国の支援というのは本当に必要にされているんだなということをしみじみと感じました。そういう中で、やはり農地のエネルギーといいますか、特に藤木先生と山田先生の田んぼの前での笑顔は忘れられません。ああ、こんなにもやっぱり元気が出るものなんだなというふうにしみじみと感じたところでございます。 そういう中、特に三か所目に視察をいたしました那珂川町では、福島町長から、人口もだんだんだんだん減ってきて、この町全体が消滅しそうだと。そう言いながらも、みんな何とかして、地域のリーダー、先ほども言葉ありましたが、地域のリーダーを中心として何とか生き延びようとしているということで、力を合わせて頑張っているということをお伝えいただきました。特に農泊について非常に力を入れておられて、全国から中高校生を始め、海外からも学生を受け入れられているということで、令和五年は千人が利用されたということでございました。 農泊と聞きまして私もちょっと思ったんですが、非常に緩やかな上り坂とかがあるんですね、まあ雨だからよくは見えなかったんですが。そういう中で、トレイルランとかマラソンの合宿、非常に私いいんじゃないかなと思ったんですね。やっぱりスポーツ選手というのは、強い選手がいると、やっぱりどこで練習をしているのとよく聞かれるんですよ。この栃木県の那珂川町だということを伝えると、どんどんと学生の陸上部とかマラソン部であったりとか駅伝部、また社会人の実業団の選手たちがどんどんと練習に行くんですね。 そしてまた、食べ物もおいしいですし、大根とか白菜もよく取れるということも聞きましたし、やっぱり温泉も出るということで、私は、ああ、こういうところをやっぱり国が一生懸命支援をして、そのマラソンの聖地とかトレイルランの聖地、やっぱりスポーツの聖地としてどんどん宣伝をしていければもっと人がどんどんと来て地域の活性化につながっていくんではないかなと本当にしみじみと感じていました。 本当に山しかない、そして農地しかない、まあ畑しかないようなこの環境というところは、やっぱり行ってみないと分からないなと本当に思いながら、是非皆様方行っていただいて、農泊といいますか、農業ですね、始めてもらえたらいいなと思ったところです。 そんな中、今回、第四十九条に新しく農村への滞在の機会を提供するという言葉が入りました。ますます農泊への期待が膨らむんですが、この言葉が入った理由、また、農村への滞在への機会を通しての雇用の創出とかが出てくると思うんですが、その取組を教えてください。
○副大臣(鈴木憲和君) お答え申し上げます。 食料・農業・農村基本法の改正案においては、まず第四十九条第一項において、新たに農泊を念頭に置いた施策として、余暇を利用した農村への滞在の機会を提供する事業活動の促進ということで位置付けております。 農泊地域については、令和二年度までに取組地域を五百地域創出する目標を掲げ、平成二十九年から支援を開始し、一年前倒しの令和元年度に目標をまず達成をしているところであります。その後も取組地域は増加をしていて、現在では全国六百五十六地域となっています。 ちなみに、農泊地域の宿泊者数については、令和二年度以降大幅に落ち込むなどコロナの大きな影響を受けましたが、令和四年度には延べ宿泊者数がコロナ前の水準に回復するなど、農泊推進の取組の成果は着実に現れてきていると認識をしております。一方で、訪日外国人旅行者の割合はコロナ前の水準にまだ回復をしておりませんので、インバウンドの受入れ促進というのが必要ではないかというふうに認識をしております。 今後どのようにするかということでありますが、観光立国推進基本計画に基づく農泊地域での年間延べ宿泊者数を令和七年度までに七百万人泊とする目標の達成に向けて、インバウンドを含めた地域への誘客増大、体験の充実等による地域での消費機会拡大、農泊事業者の生産性向上や宿泊等の単価再設定による高付加価値化を図るとともに、農林水産省といたしましても、農泊地域の年間延べ宿泊者数に占める外国人旅行者の割合を一〇%に引き上げるべく、この重点地域を二十八地域選定をしていまして、今後、計四十地域を選定をして、関係機関連携をして支援をしていきたいというふうに思っております。 こうした取組全てを通じまして、持続的な収益の確保、地域の雇用創出と関係人口の拡大、深化を実現してまいりたいと思います。 また、是非先生にもうちの地元の農泊にも体験していただければというふうに思います。そして、是非走ってください。
○松野明美君 済みません、ちょっと聞き漏れたのかもしれませんが、目標が令和七年まで七百万人泊とおっしゃったんですが、現在はどれくらいなのか、分かりましたら教えてください。
○政府参考人(長井俊彦君) 令和四年度で六百十万人泊ぐらいでございます。六百十万人泊でございます。
○松野明美君 分かりました。もう少し目標を上げていただいても、もしかしたらいいかなと思います。 というのは、特に芸能界とかはよく、やっぱりストレスとかも、やっぱりストレス社会ですから、たまるときに、農業をされるんですよ。農業に行って、やはり心身共にリフレッシュをしてまた戻ってこられたり、そのまま農業をなさったりとかいう方もいらっしゃいますし、私たちのようなスポーツ選手もセカンドキャリアということで農業を始める方も多いので、もっと何か、農泊を通して農業を始める方というのはもっと多くなっていくんではないかなと思っておりますので、特にこの農泊には力を入れていただきますと、何か効果がどんどん出てくるのではないかなと現地を見て思いましたので、どうぞよろしくお願いいたします。 あっ、済みません、山田先生、ありがとうございます。本当に、田んぼの前の山田先生の笑顔がやっぱり本当にすごいなと思いました。それだけ、何でしょう、その農地という、田んぼというそのエネルギーというのは、私たちはよくトラックの競技場しか見たことがなかったので分からなかったんですけど、本当に、やっぱり行ってみて魅力を感じたなと本当に思いまして、私たちも伝えていかなければならないなと本当にしみじみと感じたところでございます。 今回の食料・農業・農村基本法が二十五年ぶりに改正をされるということなんですけど、私、その二十五年前の現行法ができたときというのは全くそういう状況を知りません。ただ、お話を聞きますと、かなり時間を掛けて現行法ができたということと、いろんな議論を積み重ねてできたということをお聞きしておりますので、この現行法が良かったのか悪かったのか、その現行法が生きてきたにもかかわらずこういうような状況なのか、それとも全然生かされずしてこのような、基幹的農業従事者が減ってきているとかいろいろありますけど、そういうような状況になったのかというのはよく実は分からないような状況です。 本会議の総理の答弁の中でも、農業の担い手減少の中でも農業総産出額は九兆円前後を保っているところというようなことを答弁がありました。保っていると言われると、私たちは、言葉のからくりと一緒で、あっ、だったらずっと維持がされているんだなというふうに感じるんですが、農業総産出額は一九九〇年前後には十一兆円あったのが現在は九兆円ということで、ここ二兆円減っているんですね。 ということは、実際には生産量が減ったりとか生産者の利益も減っているのではないかと考えるんですけど、この辺りはどうなっているのでしょうか。教えていただければと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法の制定以降でありますけれども、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の大宗を占める農業構造の実現を図るため、農地の集積、集約や基盤整備の推進などの政策を、施策を進めてまいりました。その結果、我が国農業におきましては、担い手への農地の集積率が六割に上昇いたしまして、販売額五千万円以上の経営体や法人経営体が増加するなど、望ましい農業構造の実現に向けて着実に進展をしてきたところです。 今委員の方から言われました一九九〇年代の前半の十一兆円というのは、これは食糧管理法におきまして米を政府が買い上げていた時代であります。買上げ価格を一俵四万五千円とか五万円とか、生産者米価があった時期でございます。この食料・農業・農村基本法が制定されたのはその九年後、一九九九年、平成十一年でございます。その平成十一年は九・四兆円、米を政府が買わなくなりましたので九・四兆円に減っております。そして、その後、様々な集約化あるいは経営判断、こういったもので農業を展開するということで、あるいはその法人経営が多くなってきたということで九兆円をやはり維持している、保っているというようなことで、総理も本会議で農業総産出額は九兆円前後を保っているというふうに答弁されたところでございます。
○松野明美君 私もこの基本法の質問に当たりまして、やはり議員の皆様方は何か農業のプロというか、これまでのことをよく御存じの方々ばっかりなんですけど、私の場合はほとんど農業のことを知らないような状況で質問をしておりますので、これが質問していいものかどうかということも実際は迷いながら質問をしているところです。ただ、注意はされないのでまあまあ大丈夫なのかなと思いながら質問をしているんですが。 ただ、産出額ではなくて、大臣、これは、産業の質という面からはこれまでの二十五年間というのはどのように総括しているのかということと、よく基本理念という言葉がありますが、この基本理念がどの程度実現して、どういう課題があるのかというようなところがもし分かりましたら、教えていただけますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 委員、大変勉強されているというふうに私は聞いております。いろいろと役所が行くたびにいろんなことをやっぱり蓄積されているということをお伺いしておりますので、いろんなことをお聞きいただきたいと、御質問いただきたいというふうに思っております。 先ほど言いましたような、そのような結果におきまして、農業所得におきましても、例えば主業経営体におきましては、令和元年の四百十九万円が令和三年には四百三十四万円となるなど、中長期的に見ると農業者所得というのは上昇をいたしております。一方、農業経営の規模拡大は進んでいるものの、その経営基盤は必ずしも強固ではありません。特に、資材費や人件費が高騰する中で、農家の売上げに占めるコストの割合が非常に高くなってきております。産業として農業を考えれば、他産業と比べて収益性はまだ高くないというふうに考えております。 このため、今回の基本法改正におきまして、生産性や付加価値が高い農業生産を実現するとともに合理的な価格形成を進めることで収益性の高い農業を実現しましょう、そして加えて、農業法人の経営管理能力というものを高め、そのことによって所得を上昇しましょうというようなことで、産業としての質の向上というのも図ってまいりたいと考えております。
○松野明美君 丁寧に説明いただきまして、ありがとうございます。大体分かったような感じもいたします。そういう意識で。 今回の二十五年ぶりの改正で、どこがどのように変わって、どのようになっていくのかというのがちょっと理解しづらいような状況の中なんですけど、特に先ほどからもありました質問が、食料自給率ということで、三八%ということでの先進国の中でも最低水準が続いています。これは、多分、米の減反といいますか、そういうのもあると思いますが、米の消費量が減少したというのもあると思いますし、飼料作物の輸入に頼ってきたというのもあるというのは大体のところ分かるんですが、その目標ですね、先ほど質問ありましたけど、目標というのは実際は立てていらっしゃるのかどうかお聞かせください。ありますか、目標。
○政府参考人(杉中淳君) 食料自給率の目標については、基本計画で四五%を達成するという目標を設定しているところでございます。
○松野明美君 先ほどの大臣の答弁で、この予測に応じて設定するというような言葉があったんですね。予測といいますと、恐らくこの労働力に比べて、そういうようなことだと思うんですよ。そういうことではないかなと思います、農地面積からするとこれぐらいの自給率になるだろうということで。 ただ、やっぱり目標は高ければいいというわけではないんですけど、高くないと恐らくこのまま三八%辺りの前後でとどまるんではないかと思うんですね。スポーツもそうなんですから、やっぱり目標は高く設定していかないと慣れてしまうんですよ。十キロ太って、こうするとやっぱり十キロ太った状況が慣れてきまして、いやいや、太っていてもこれが慣れてきて、マラソンの大会に出なければならないけれども、十キロ減量しようという気持ちにならないんですよ。やっぱり目標は高くこれ設定する必要が私自身はあると思っております。 そんな中で、食料自給率について、これから先の目標をどのように考えていらっしゃるのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(杉中淳君) まず、食料自給率についての予測のところについて若干補足をさせていただきますと、基本計画で食料自給率の目標を設定するに当たりまして、まず主要な農作物についてどれぐらい国産のものを作っていくのかという生産努力目標というものを作っております。 また、主要な食料についての消費というのは、現在の食料と消費の動向等を見通して、消費がどうなるのかという見通しを立てております。そういった予測を踏まえまして、将来の国民の消費というものに対して国産が努力においてどの程度賄えるのかということも踏まえまして、基本計画において食料自給率目標というのを、達成しているところでございます。 現在の状況でございますけれども、自給率は四〇%が今三八%程度というふうになっているということになりましたけれども、この変動要因について見ますと、一番マイナスの引下げ効果というのがあるのが、国内で自給可能な、自給率の高い米の消費量の減少でございます。それによって、国内で賄えているものが縮小することによって国産の供給によって賄える割合が減っていくということが生じているということでございます。 米の消費量は、長期的に見れば、昭和四十年度に年間一人当たり百十一・七キログラムから半減しており、令和二年度以降は五十一キログラムというふうに推移をして、現在も減少傾向で推移をしているということでございます。こうした食料消費の影響というのはしばらく継続するということが予想されますけれども、ただ、食料安全保障の観点からいえば、輸入リスクの増大というのがございますので、輸入に依存度の高い、麦、大豆、加工原料野菜の輸入依存度の高い品目といったものを、国産を増大していくということが一番重要だと考えております。 このような取組によって、基本法制定以降から、麦、大豆については自給率はちょうど一・五%程度引き上げているという効果ももちろんございますので、こういった取組を更に推進していく、また、米については、国内の需要が減っていくという傾向はある中で、輸出を促進する、若しくは米粉等の新しい需要を見付けていくという努力を総合的に達することによって食料安全保障を確保していく、これが自給率の引上げにもつながっていくというふうに考えています。
○松野明美君 努力はされているというのはよく分かりました。ただ、昔から、地方議員時代からそうなんですけど、こういう質問をするとできない理由をおっしゃるんですね。こうこうだから、こうこうだから、こうこうだからと。やっぱりできる理由、できる方法で答えていただかないと、恐らく、特にこういう農業というのはやっぱり攻めていかないと私はいけないんじゃないかなと思うんですね。やっぱり守りばっかりでは恐らく担い手も多分減っていくと思いますし、将来の農業を、特に十年後、二十年後を考えていかないと、今じゃなくてその後のことを、次世代のことを、次世代にどうやってちゃんとバトンを渡すかというか、たすきを渡していくかというのを考えていかないと、恐らくこのままではないかなと思います。 私たちはこうやって話をしていますけど、やっぱり現場の方たちというのは非常に諦めていないんですね。やっぱり一生懸命できる限りの政策を使って、体制を使って、もう補助金なども使って、できる限りのことなさっているなということは本当に視察の短時間で私つくづくと感じましたので、そういう方たちのためにもやっぱりやる気を持ってやっていただければうれしいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 それでは、次、未来像についてお尋ねをいたします。 このままでは基幹的農業従事者も二十年後には現在の四分の一の三十万人になると言われている中、なかなか明るい農業を想像することが難しいというようなことの質問で、総理からは、スマート技術等による生産性の向上とかブランド化による付加価値向上、販路拡大等の取組を支援していくというような答弁をいただきました、先日ですね。 大臣には、もう少し具体的に、例えば、基幹的農業従事者が将来三十万人になっても、こうこうこうこうだから大丈夫ですよとか、農山漁村発イノベーションの推進によって農業の在り方がこのように変わっていくんだとか、一応危機感を持ちながらも安心できるような説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(坂本哲志君) 二〇五〇年、日本の総人口は一億人と現在から二千万人減少をいたします。このような人口減少が避けられない中で、農業について、今言われましたように、基幹的農業従事者が百二十万人から三十万人に減少をいたします。これは、現在の農業者の平均年齢が、平均が六十歳以上の方々がもう八割を占めるということで、こういう見込みになっております。四分の一に減るわけですけれども、今まで四人でやっていたやつを一人でやろうと、あるいは無人でやろうと、こういったことはできるわけです。ですから、スマート農業の技術の展開によりまして、やはり生産性の向上、そして今まで多数でやっていたのを無人でやる、一人でやる、そういったことを達成していかなければいけないというふうに思います。 それから、連休中は私も高橋政務官も東南アジアに行ってまいりました。私はタイに行って、そしてマレーシアに行かれておりました。やはり東南アジアは、日本が中心となって今後輸出をするための大きなマーケットであります。そして、日本の食品の安全性、おいしさ、こういったものについては非常に評価が高いものであります。ですから、まさにアジアを中心とする諸外国へのマーケットを広げることによりまして、日本の農業生産を維持拡大しながら、まさにアジアの、あるいは世界の農業の中心になっていこう、そういう大きな望みも持っております。 そして、農村の関係人口であります。先ほどから言われておりますように、関係人口を増やす、農泊を思い切って様々な形で展開をする、そのことによって、農村人口が減少する中でもその農村が活力を持ってくる、そういうような農村の活性化というものを図ってまいりたいというふうに思っております。
○松野明美君 ありがとうございます。 先ほども、その六十歳以上の方が八割だからということもおっしゃったんですが、二〇五〇年の未来像を説明いただいたと思うんですが、私もちょっとそういう題名の本を読んだんですけど、世界人口の増加が、この本によりますと、私が読んだ本によりますと、世界人口の増加で八十一億一千九百万人が百億人を超えてしまうというか、に向かうとか、温暖化、そして砂漠化が進んでいくとかですね、田畑は森に戻り、工場は高齢者のコミュニティーに置き換わるだろうとかですね、高齢化、移民拒否の姿勢が日本の衰退へと進むというような恐ろしいことが書かれてありました。 ただ、大臣のいつかのブログ、数年前のブログだったと思うんですが、そんなことに目を背けてはいけないというような言葉があったんですよ。そういうようになってしまっても、やはり国民を守っていく必要が私はあると思うんですね。そういうためにも、やっぱり努力をしていかなければならないのではないかなと本当に思いました。 そのためには、やっぱり農林水産業というのは基本、基盤ですから、是非もっともっとやる気を出していただきまして、力を入れて頑張っていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 先日、本法案の一部修正につきまして説明がありました。多収化に資する新品種の育成及び導入の促進の明記についての説明がありまして、本会議の総理の多収化に対します答弁では、多収化によって、国として農研機構を活用しつつ、自治体と連携して品種の開発とか普及、研究人材の育成を進めるということでありました。今後減少していくだろう農業者が、そしてより狭くなる農地で多くの農産品を生産できるようになることは、これからの食料安全保障に資すると考えます。特に、中山間地域では多収化は意義があると思うんですが、どのようにお考えか、お聞かせください。
○国務大臣(坂本哲志君) 品種開発は、従来から品種に勝る技術なしと言われるほど農業の基盤的な技術であるというふうに言えます。 御指摘の多収性品種の開発は、今後の我が国農業におきまして、生産性向上を支える極めて重要なものであるというふうに認識をいたしております。 私も先般、地元に帰りまして、大津町は大豆を団地化して、そして生産をしております。これまでの品種はフクユタカと言いまして、大体反当たり百八十キロぐらいでございました。しかし、新たな品種はそらみのりと言いまして、反当たり二百五十キロ、四、六の二十四だから四俵以上取れるというようなことで、大変その品種改良は進めてくれというようなことを私も皆さんから言われたところであります。 多収性品種につきまして、今後も産学官連携による開発を進めていきたいと考えております。水稲や大豆などで新たな品種も開発されているところでありまして、今後とも多収性に優れた品種の開発、普及を進め、我が国農業の生産性向上に最終的にはつなげてまいりたいというふうに思っております。
○松野明美君 大臣も先ほどおっしゃったように、品種に勝る技術なしというような言葉もあります。 多収品種は、量ですが、多収をすることによって、同じ面積、同じ手間で百取れていたものが百二十取れるようになるとか、多くの農産物が収穫できるということと、質の方も、品種改良で、高温でも品質が落ちない農産物が作れるということを聞いています。例えば、これまでも、コシヒカリは新潟県と福井県の農業試験場で開発されたということを聞いているんですけど、農業者と農研機構との取組というか連携はどのようになるのか、教えていただければと思います。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、品種開発は非常に重要でございますが、その育種には相当の時間が掛かります。 このため、農研機構と地元の自治体、特にその農家の要望を聞いている地域の特性に応じた自治体との連携というのが非常に大切でございまして、特に稲なんかにつきましては、農研機構が開発した品種を自治体が交配親に用いまして、地域向けの品種を育成する、要するに、途中まで農研機構が作りまして、最後のアレンジを、地元の試験場が農家の要望を聞いてしっかりアレンジして最終品種にするというのが非常に最近スタンダードになってきております。 やはり、相当手間と時間が掛かりますので、農研機構、北から南まで圃場、施設、研究者いますので、そこが途中まで開発しまして、最後の数年の品種改良の最後のところを、地元の要望を聞いて地元の試験場が地元に合ったやつを作るということがとても大切でございまして、農研機構が、地元の研究者だけではなくて、農家の皆さんの意見を聞いて品種開発をするというのが産学官連携の基本となっております。
○松野明美君 先ほども手間が掛かる、手間と時間が掛かるとおっしゃったんですけど、最低でも何か十年ぐらい掛かるということを聞いて本当に、長い目で見ないといけないなということは本当に思いました。 最近では、地球温暖化が進む中、高温耐性の稲の開発が進んでいて、青森県のはれわたりとか福井県のハナエチゼンは、県の研究機関で誕生しているということをお聞きしました。 多収化に関しまして、今度は農林水産省と自治体との連携を発展させていく必要があると思うんですけど、道筋といいますか、どのように連携していかれるおつもりなのかも聞かせていただければと思います。
○政府参考人(川合豊彦君) お答えいたします。 昨年非常に暑かったんで、高温耐性品種に対する要望が非常に全国から、要望強いです。これまで、昭和四十年代とか三十年代は非常に低温で、低温に強い品種を作ってほしいとか、あるいはいもち病がたくさん出るので、いもち病に強い品種を作ってほしいという要望が全国から寄せられたんですけど、最近は特にこの高温ですね、夏場の稲の開花期に非常に暑くなるとか、あるいは収穫のときに非常に暑くなるということで、ここを早く作ってほしいということで、農研機構でたくさん持っている母本を、地元の農家とあるいは地方の試験場と連携いたしまして、早く作っていくということで、高温耐性品種につきましては、かなり高温にならないと選抜が、品種が、高温の場所で品種開発をしたやつをそこで実際に栽培して、そこで選抜しないといけませんので、その暑いところに実際に持っていってやるということが大切なので、今、東北とか北海道向けの高温耐性品種も今一生懸命作っているところでございまして、これにつきましては、自治体と農研機構、それから大学の研究者、そういった方々が連携しまして、農家の圃場なんかも活用しながら、皆さんの意見を聞いて早く品種を作っていきたいと考えております。
○松野明美君 多収化、多収化と言っているんですけど、お聞きしますとかなりやっぱり難しいものなんだなと、私はちょっとできないなと思いながら聞かせていただきました。 小さいことじゃないかというような声も出ていますけど、やっぱりこの小さいことが大きな一歩につながっていくのかなと私自身は思いますので、是非よろしくお願いを申し上げたいと思っております。 次、基幹的農業従事者、先ほども言いましたけど、二〇〇〇年には二百四十万人だったんですけど、二〇二三年には百十六万人と半減しているということです。 この半減した期間の日本の人口ですね、よく高齢化が進んでいるからとか人口減少だからと言われておりますけど、この半減した人口は二・〇二%の減少でしかないんですね、でしかないんですよ。だから、高齢化とか人口減少が大きな原因だけではないんじゃないかなと私自身は思っているんですけど、大臣はどのようにこの基幹的農業従事者の減少を見ていらっしゃるのか、あっ、副大臣、よろしくお願いいたします。
○副大臣(鈴木憲和君) 済みません、お答えさせていただきます。 基本法制定からの約二十年間で、個人経営体の農業者である基幹的農業従事者はこの二十年で百四万人減少しましたが、そのうちの約七割以上、七十七万人を稲作関連の方がまず占めております。減った分の七割は、稲作関連の人が大幅に今減っているという状況です。 稲作は、機械化等の進展を背景に、少ない労働時間で生産できる体系が確立していることなどから、高齢でも比較的従事しやすいものの、いよいよこうした今後は高齢の多数の稲作農業者がリタイアする局面にあったことが背景というふうに考えております。 また、加えて、最近では企業の定年延長による早期退職世代や定年帰農世代の就農の減少や、若年世代における少子化等による新規就農者の減少なども農業者の減少の要因というふうに考えております。 若い世代の皆さん、数がそもそも少ないわけですけれども、例えばIT業界とか、今もっともっと稼げる業界が増えてきておりますので、そういうところと農業とを比べるとなかなか就農に踏み切れないということなんかも要因にあるんだろうというふうに思います。
○松野明美君 通告はしておりませんが、新規就農者が少ないというのは分かりました。じゃ、若くて離農、離農というか、された方というのはどれくらいいらっしゃるのかは分かりますか。途中でやめるという方、もし分かりましたら、分かりましたらでいいです。通告しておりません。 どれくらいいらっしゃるのかな。
○政府参考人(村井正親君) お答えを申し上げます。 まず、新規就農者全体のその離農者数を把握することは、これ正直なところなかなか難しいというのが実態でございますけれども、一方で、農林水産省の方で講じております新規就農施策を活用した方の定着状況、これについては把握をしております。 平成二十九年度から令和三年度にかけて実施をいたしました農業次世代人材投資事業によって最長五年間の支援を受けた新規就農者の支援終了後の一年後の定着率ということになりますけれども、一年後の定着率で見ると、令和四年度で約九八%となっているところでございます。
○松野明美君 一度こちらのところで質問させていただいたんですけれども、一年は実はもつんですよ。やっぱり五年、十年後が大事なんですね。一年はみんな頑張りますけど、やっぱりその後なんですよ。その後をやっぱり、多分調べていらっしゃらないと思うんですけど、ありますか、もしかして。済みません、じゃ、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(村井正親君) 済みません、ちょっと資料を見ながらなのでちょっと舌をかんでしまうかも分かりませんが。 まず、経営開始型資金、これを受けた者のうち、令和五年度において経営開始六年目、六年目の者、これは、あっ、失礼いたしました、これは支援終了後一年後ということになりますが、これは約二千名ということですけれども、済みません、失礼いたしました、経営開始六年目の者が約二千名ということになっております。 これ、なかなか、なぜこれが難しいかという、済みません、説明になってしまうんですけれども、調査対象を一年拡大するごとに追加で約、要は二千名対象者が増えてくるということで、これをなかなか市町村の方に確認をしていただくことが非常に難しいということで、大変恐縮です、今の段階ではその一年目の数字しか把握していないというのはそういうことなんですけれども、委員御指摘の、確かに一年ということじゃなくてある程度のスパンで見ていかないと意味がないんじゃないかという御指摘はごもっともでございますので、ちょっとこの辺りにつきましては、今後ちょっとどういう工夫ができるかということについては引き続きの検討課題として、させていただきます。 大変失礼いたしました。
○松野明美君 ありがとうございます。 焦っていらっしゃるお姿を見ますと、やっぱりやれるんですね。やっぱりやってください。やっぱりこれから先の、十年後、二十年後の先のこと、次世代のことを考えると、これが大事なんですよ。やっぱり離農者を増やさない。新規就農者ではなくて、離農者をまずは増やさないようにすることというのは、私はやっぱりこちらの方が大事じゃないかなと思うんですよ。その後に新しい方たちに農業をやってもらうきっかけづくりをやるということは大事ではないかなと思っておりますので、またいつか農林水産委員会で質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 農業の従事者を増やすためには、そういうことを調べるとともに、やはり交流イベントとか魅力を発信する、こういうことが大切だと思っております。特に、以前もちょっと質問させていただいたんですが、子供のなりたい職業ランキングの十位以内に農業が入っていないとか、実際、農業の高校生の生徒から、スマート技術を学ぶ環境をつくってほしいという、子供たちから要望があるという、そういうような状況では、それは私は努力されていないというふうに、私自身はですね、そういうふうに思いました。 ですから、教育分野との連携強化も大事であると思っております。そういう中で、教育との連携の強化、そして農業の魅力アップ、それをまた伝えていく、こういうことが必要だと考えるんですけど、どのように努力をされていくおつもりでしょうか。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、子供たちに農業に関心を持ってもらうためには、若者の憧れとなる農業者の情報発信というものを行うとともに、夢を持って働ける、稼げる産業だと感じてもらうことが重要だと思います。 例えば、委員御指摘の、お知りになられるかと思いますが、元アスリートの農業者からの情報発信、こうしたものも有効な取組ではないかというふうに思っております。その関係で申しますと、つい先日も坂本大臣には元サッカー日本代表選手とトークイベントを行っていただきまして、農業の未来を語っていただきました。 またさらには、農業現場で活躍する若手農業者からの農業のやりがいなどの生の声を発信する、これを若者が触れやすい例えばSNS等を駆使して発信に努めていく、こうしたことを通じて子供たちに、いわゆる農業というのは格好いい仕事なんだと、そういうことを若者が取り組んで、ロールモデルというふうに言いますけれども、そうした事業を我々今農水省としても推進をさせていただいているところでございます。 あわせて、委員御指摘いただきました、農業の将来の担い手となる農業高校生が、例えばスマート農業、これを学べるようにする環境を整えていくことって大変重要だというふうに考えております。具体的には、農業高校等には、スマート農業機械等の導入とともに、農機メーカー等の御協力もいただきまして、外部講師として実演会を行っていただいたり、スマート農業の体験実習などの取組などについても農水省として支援を行っておりまして、こうしたハード、ソフト両面から教育環境の整備を進めているところでございます。 他方で、機械等の整備がまだまだ不十分な学校もございます。更なる充実を求める学校もございますので、こうしたところに対してもしっかりと手当てができますように、今後とも必要な予算の確保に努めまして、全国的にスマート農業教育の充実などについても取り組んでまいります。
○松野明美君 多分、サッカー選手は中田選手ですかね。どんどんと発信していただければなと思います。やはり憧れの例えばサッカー選手であれば、自分もやってみようかなというふうに思うと思いますので、是非発信の方をよろしくお願いいたします。 最後になります。簡単に質問させていただきます。所有者不明農地につきましてお尋ねをいたします。 長崎県の対馬市では、登記が変更されないまま離農が進んで、所有者不明農地が全農地の六三・六%となっているということをお聞きしました。かなり大切な、難しい問題だと思っておりますが、現在、全国の所有者不明農地はどれくらいあるのか、また、第三者の担い手への妨げにもこれはなると思うんですが、増えていくおそれがあると考えるんですが、どのように対応していくのか、簡単に教えてください。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 所有者不明農地でございますけれども、令和三年に農林水産省の調査を実施しております。その調査の結果、所有者不明農地の面積は約百三万ヘクタールとなっております。これ、全農地面積の約二割ということになります。このうち、遊休農地は五万八千ヘクタールと、約五万八千ヘクタールとなっておりまして、所有者不明農地の約六%ということになります。 今御指摘いただきましたように、所有者不明農地につきましては、権利関係が不明確であり、第三者の担い手が借り受けようとしても手続が進められないなどの支障を生じて、結果としてその所有者不明農地が遊休農地となることにつながるおそれがあるということを考えておりまして、我々としてもこの所有者不明農地問題については重要な課題と受け止めておるところでございます。 このため、まず本年四月から相続登記の義務化がスタートをしておりますけれども、このことにつきまして現場で周知徹底し、所有者不明農地の発生を未然に防止してまいりたいと考えております。 また、既に所有者不明となった農地につきまして、担い手などが当該農地を利用する際に簡易な手続で農地中間管理機構に長期間利用権を設定することができる所有者不明農地制度が既に措置をされておりますので、この制度の活用を促してまいりたいと考えております。
○松野明美君 よろしくお願いいたします。 終わります。ありがとうございました。
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。 農政の憲法と言われる食料・農業・農村基本法、衆議院の審議を終えて参議院に回ってまいりました。 午前中の田名部委員の質問にも冒頭ありましたけれども、やはりこれ、基本法ですから、できるだけいいものを作っていきたい、その思いは、与党、野党、また政府、同じ思いだと思います。そういう中で、衆議院の議論では、様々な意見、様々な提案、修正案等も出された中で、残念ながらほとんどそれが採用されなかったというのは、これ大きな禍根を残すんではないかと思います。 国会は二院制ですから、この参議院の中で、是非しっかりとした議論の中で、柔軟にこういった提案にも耳を傾けていただいて、必要な修正にも是非応じていただきたい。これは与党の皆さんにもお願いしたいと思いますし、また政府にもお願いしたいと思います。 さて、現行基本法は、平成十一年、一九九九年に成立をいたしました。その際には、これ参議院におきましては、決議、本会議での決議というものが行われております。本会議決議ですから、一般の附帯決議以上に大変重みのあるものだと思っています。この際には、国内農業生産の増大を図ることを基本にしながら、食料自給率の向上ですとか、農業の維持拡大を可能とする所得・経営安定対策を講ずること、そして必要な予算措置を講ずることと、全会一致で決議がされております。 この決議の達成状況について教えてください。
○国務大臣(坂本哲志君) 基本法制定時に、参議院の本会議におきましてこの決議をされましたこと、十分承知をしているところでございます。 その達成状況についてでありますけれども、まず、国内農業生産の増大につきましては、食料自給率は基本法制定当時の四〇%から三八%に低下をしていますが、これは、国内で自給可能な米の消費の減少など、消費面での変化が大きな要因になっています。一方、小麦や大豆などの輸入依存度の高い品目の国産化の推進によりまして自給率が一・四ポイント上がるなど、国内生産の増大につきましては一定の効果があったというふうに考えております。米が三ポイント減少し、そして麦、大豆の方が一・四ポイント上昇しております。トータルでマイナス二ポイントということであります。 また、農地の確保につきましては、農業生産基盤の整備や農地中間管理機構を活用した農地の集約化が荒廃農地の発生防止等に一定の効果があったというふうに思っております。しかし、基本法制定当時から、制定時から約六十万ヘクタールの減少というふうになっております。 担い手の確保等につきましては、基幹的農業従事者は、基本法の制定時からおおむね半減をしております。法人化が進みまして、この法人等が農地面積の四分の一を占めております。そして、販売金額の約四割を担うまでにもなっております。その結果、全体として、農業者数が減少しても、農業総産出額は基本法制定時と同水準である約九兆円を維持しているところであります。 WTOの農業交渉につきましては、我が国は多様な農業の共存をその基本的な考え方として、農業への多面的機能への配慮や食料安全保障の確保を追求するなど、輸入国と輸出国のバランスの取れた農産物貿易ルールの確立を主張してまいりました。 今後とも、食料安全保障の確保に向け、国民の皆様の広い御理解の下、農業に関わる方々が将来に向けて夢と希望を持って取り組めるよう、必要な取組を行ってまいります。 決議の総括というふうなことでいいますと、私は、ポイントとして減少した面もあるけれども、明るい面も出てきているというふうに考えております。
○舟山康江君 明るい面もというお話がありましたけれども、今大臣からも御説明いただきましたとおり、農地面積が減り、生産農業所得もさほど増えておりません。むしろ減っているんですね。農業総産出額も横ばい、若干減って、また増えてきておりますけれども、基本法制定時、これだって、国内農業生産の増大を図るということ言われているんですね。自給率に関しては、米のお話ありましたけれども、総体としてどう上げていくかということが問われていた中で下がってしまった。生産額も減ってしまっている。そして所得も減っていると。 こういう状況の中で、確かに、規模拡大とかそういったことで多少集約化が進んだにしても、全体としては農業生産基盤の弱体化ということにつながってしまったんじゃないかと考えています。 そして、何よりも、この決議の中では、必要な予算措置を講ずると、そんな約束がありました。ところが、お配りした資料を御覧ください。これは、予算委員会のときに使った資料ですので、防衛予算と比べております。なぜかといえば、食料安全保障ということが今回強調されておりますので、安全保障というくくりの中で、やっぱり農業の、この食料の安全保障に関してはしっかりと予算を確保しなければならないんじゃないかということをずっと私も提起をさせていただいております。 四月二十六日の本会議では藤木議員からもそのような御提起があったと記憶しておりますけれども、ところが、これ、図を見ていただきますと、平成十一年の食料・農業・農村基本法制定以降、急激に予算が減っているということ、これ大問題だと思うんですね。先ほどの午前中の大臣の御答弁でも、法律が制定すればしっかりと予算の確保をしていきたいと言っていましたけれども、でも、前回の、今の現行基本法に関して言えば、ここから急激に減っているんですよね。その前に増えているのは、ウルグアイ・ラウンド対策とかいろいろありましたけれども、でも減っているという現状です。 で、二枚目。もうちょっと細かく見ていくんですけれども、これ、当初予算が緑の濃いところです。ところどころ補正等が付いておりますし、もう一つ言えば、よく農水省は民主党政権時代が一番少なかったと言いますけれども、この年は補正でどんと付いておりますので、トータルとするとそのほかの方がずっと少なくなっています。 いずれにしても、微減傾向というんですか、全く増えていないということでありまして、もちろん予算が全てじゃないかもしれませんけれども、やっぱり必要な政策をするには、役所の皆さんにお聞きしても、何かをやるにはこっちを削らなきゃいけないと、そういった苦しい状況かと思うんです。 やっぱり、全体として安全保障を強調するんであれば、なおさらこれまで以上に総枠としてしっかり取っていくということを、これ農水省だけではなくて政府全体として、そんな意味で私も予算委員会等で総理にもこの問題提起をさせていただきましたけども、そこをやっていかないと、金付けりゃいいってものじゃないにしても、でも、やっぱり必要な予算というのはあると思うんですね。そこの御決意を改めて、これはもう政府全体として取り組んでいただくためには、もう大臣のリーダーシップで政府に呼びかけていただく、そういったことが必要じゃないかと思います。 少なくとも、決議が全く踏みにじられている今、改めて、今回のこの法案成立をきっかけとして、しっかりと安全保障という枠組みの中でほかの予算にも食い込むぐらいの勢いでやっていく必要があるんじゃないかと思いますけども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 決議が踏みにじられているとは考えておりません。やはり、当時と比べて、いろいろな環境変化の中で農業者の皆さん方それぞれ頑張っていただいた、それを後押しする政策を進めていくことができると、進めることができたというふうにも思っております。 そして、農業の総予算につきましては、先ほどから言いますとおり、この基本法を制定させて、成立させていただきましたならば、基本計画をしっかり作ってまいりますので、その基本計画の原動力となるべく、その予算を獲得を、しっかり獲得してまいりたいというふうに思っております。それは、私の大臣としての責務であると同時に、国会の方の御支援も是非よろしくお願いいたしたいというふうに思います。
○舟山康江君 決議が云々というところはこの予算の話ですよ。だって、しっかり確保するという決議があったにもかかわらず圧倒的に減っているのは、これ目に見えて明らかなんですけども、やっぱりこういった状況があった中で、今回はしっかりやっていただきたいということをお願いしたいと思います。 そして、やはり、この現行基本法の大きなポイントの一つは、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担うと、ここにあったのかなと思います。これは基本法に始まったものではなくて、遡ること数年前ですね、平成四年の新政策からこの定義が確立いたしまして、そこからこういった方向になったと記憶しておりますけれども、このことで生産基盤は強化されたのか否か、端的にお答えください。
○国務大臣(坂本哲志君) これまで、経営規模の大小や家族か法人かを問わず、農業で生計を立てる担い手を幅広く育成支援してきた結果、多くの品目で、中小経営、家族経営を含めて、担い手が農業生産の相当部分を担う構造というふうになっております。 この経営形態を見れば、経営体数の約九六%を占めます家族経営につきましては、小規模で付加価値を高めたり一定規模で生産性向上を果たすなど、多様な経営が展開されているというふうに思います。法人経営につきましては、経営体数が三万を超え、農地面積の約四分の一、販売金額の約四割を担うまでになっておりまして、これからもそれらの組合せで我が国の農業を成り立たせてまいりたいというふうに思っております。 そうした中、基本法制定時から約二十年で農地面積が一割減少しましたけれども、農業総産出額は九兆円を維持しているところでございます。 一方で、現在百十六万人おられる家族経営の基幹的農業従事者は、七十歳以上の層が六十八万人、約六割となっている年齢構成や、我が国全体が平成二十年をピークに人口減少の局面に入っていることを踏まえますと、今後大きく減少するおそれがあり、人と農地の確保をいかに図っていくかが今後の大きな課題と認識をいたしております。 米と果樹を除いては、私はおおむね、基幹的農業従事者あるいは集中的な対応策、これができているというふうに思っております。
○舟山康江君 ありがとうございました。 今の大臣の御答弁にもありましたけども、やはりいわゆる基幹的農業従事者の高齢化が進んでいるということ、そしてまた、やはり数が減っているということ、こういった今の現状を、結果的にですよ、結果的にそうなってしまっていることに対しては、やはりこれからそれをどう解消していくのかということを考えていかないと課題解決にはつながっていかないんじゃないかと思うんですね。 そういう中で、随所に今回の改正法案の中には、人口の減少に伴う農業者の減少とか、人口の減少に伴う消費の縮小の中で輸出とかですね、何か人口の減少というその社会現象を理由にいろいろと論じようとしていますけれども、でも、農業者の減少って、全体の人口が減ったから農家人口が減ったということだけなんでしょうか。むしろ、政策的にそういった効安経営をつくってきた、集約化してきた。そういう中で、周辺の農業者がやれない状況になった、若しくはやめてそこに集約した。これは、人口の減少によって農業者が減ったのではなくて、政策によって減ったか、若しくはそういった政策の中で小規模の人たちがやれなくなってしまったか、こういったことではないかと思います。 そういう中で、今大臣の御答弁で人と農地を確保していきたいということ。私、若干気になっているのが、今回の法律、今のその人口減少だから農業者減るのが仕方がないかのような書きぶりと、あとは、そういう中で、サービス事業体に代わってもらおう、交流人口を増やしていこう、私、それ全てを否定しているわけじゃないんですよ。だけど、基軸はそこで農業やる人をどう確保していくのか、どう増やしていくのか、その観点がすごく弱いんじゃないのかなというのが大変大きな懸念なんですけれども、そこの懸念を是非吹き飛ばすような御答弁をお願いします。
○国務大臣(坂本哲志君) 六十歳以上あるいは七十歳以上が六割弱を占める。我々の二十代、三十代の頃、あるいは学生の頃、私は特に田舎の小中学校でありましたので、大体六割から七割は農業者でありました。その長男はほとんどやはり何の迷いもなく農業高校に行っておりました。そうするのが当たり前だというふうな考えで皆さん進学していったというふうに思います。その年代が今六十歳から七十歳。それがそのまま今度は、やはり農業というものが経営を重視する、あるいは経営判断というものをこれから求められるということで、これからいかに、そういう層がごっそりと抜けた後にどういうふうな農業をつくっていくか、このことが今一番大事であるというふうに思っております。 ですから、その中で、基幹的農業者、そして経営判断を持つ農業者、選ばれた農業者、こういったものを育成していく、さらに一方の方でやはりスマート化を図っていく、と同時に、やはり経営判断でもって輸出、こういったものを増やしながら農業所得もしっかりと確保していく、向上させていく、こういった農業に向けて、これからこの基本法を基にして日本の農業展開、農業の展開と、そして食料の確保、こういったものを図ってまいりたいというふうに思っております。
○舟山康江君 現行基本法が制定されて以降、いろいろと政策が変わりまして、一時期、選別政策とも言われるような、一定規模以上に施策を集中するようなやり方がありました。それは少し、だんだん緩和されてきましたけれども、でも、少なくとも、いわゆる担い手、効率的かつ安定的な経営体という担い手とその他の経営体ということで分けていますよね。そういった分けたことが良かったのか。私は、そのいわゆる担い手と位置付けられていなくても、やっぱりその地域で一定の役割を果たす人を大事にしていくということが場合によっては全体の底上げにつながるんじゃないかと思うんですけれども、そこが全く今回の改正の中で違いが見えないわけですよ。 確かに、その他経営体というものが一応位置付けられましたけれども、どうも農地の維持とか、そういったことで生産には期待していないのかなというふうにしか読めませんし、本来は、やはりいろんな人が入ってこれるような、そういう政策の中でパイを広げていく、このことの方が今重要じゃないかと思います。そういう中で、私は今、いわゆる効率的かつ安定的な農業経営が相当部分を担うということが本当に良かったのかどうなのかということの質問をさせていただきましたけれども、やはり幅広く、幅広く担い手というものを位置付けるということを是非やっていただきたいと思います。 そして、参考までにお聞きしたいんですけれども、今、EUとかアメリカも中小規模農家重視への転換の方向性をそれぞれのトップが示しています。政策的にもそういったことが用意されておりますけども、この辺りの今の現状について、アメリカ、EUの農業政策、特に中小規模農家をどのように扱っているのか、その辺りの現状についての御説明をお願いします。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 昨年十二月のアメリカ農務省の公表資料におきまして、大規模化を推奨する農業政策が地域社会の弱体を招いた旨のビルサック農務長官の発言が引用されていることは承知しております。また、同じく昨年十二月に、EUのボイチェホフスキー農業委員が中小の家族農業への支援を増やす必要がある旨会合で述べたことも承知しております。 他方で、これらの発言の後半で、アメリカ農務長官は農業者と地域社会の所得向上に資する新たな市場創設に係る現行の米国農業政策を説明しており、また、EU農業委員も小規模農業者への再配分所得支持という現行の直接支払制度を説明しているところでございます。現実の農業政策といたしましても、アメリカは農地面積十エーカー、約四ヘクタール以下の小規模農業者を補助金の対象から除外し続けておりますし、EUも大規模農業者への支払上限額を十万ユーロ、日本円で約一千六百万円の水準で継続しているところでございます。 このように、アメリカもEUも現時点では中小規模農業者に対する農業政策について大きな変更はなく、現行の農業政策を継続していると承知しておりますが、今後とも欧米の農業政策については状況を注視してまいりたいと考えております。
○舟山康江君 私もいろいろ、アメリカ、EUの農業政策を幾つか見ていますけれども、特にEUに至っては、いわゆる所得・価格政策についても農村振興政策についても、いわゆる小規模農家向けの施策というものも用意されていますよね。大規模のところは頭打ちにしているとか、そういったところで再分配、再配分、そういったことにも力を入れておりますし、もう一つ、これ、いわゆる担い手とかその他ということで色分けしているものなのでしょうか、他国の農業政策で。 さっき、アメリカは規模のちっちゃいところは対象外というお話がありましたけれども、私が見るところ、小規模農家にも使いやすいように少し変更を加えているというような説明を見たんですけども、これ、規模で切ったりしているんでしょうか。EU、アメリカ、それぞれ分かる範囲で教えてください。
○政府参考人(水野政義君) 先ほど申し上げましたとおり、アメリカについては、一定の小規模なものを補助金の対象から除外しているということがございます。一方で、大規模なものについても一定の上限を設けるということを行っていたりとか、あるいはEUについては、特に小規模農業者に対して手厚く支払が行くような施策も中には盛り込まれているところでございますけれども、現時点でそれらについて大きな変更がないまま推移しているという状況で理解しております。
○舟山康江君 是非そういった他国の農業政策も参考にしながら、これから日本のそのいわゆる、担い手とその他と分けるやり方が果たしていいのかも含めて、今国際部からお答えいただきましたけども、これ国内政策にもしっかり生かしていただきたいと思います。 アメリカに関して言えば、いろんな政策、要は、環境政策もありますけれども、基本はその実効参照価格ですか、一定の価格を決めて不足払い的なものが用意されていますよね。そういった意味では、いわゆるコストをきちっと賄えるような、所得が確保できるような仕組みがあったりとか、あと、EUはもう少しちょっとデカップルしていますけれども、そういったところで農業の再生産支えているやり方、それがやはり農業の健全な発展につながっているんじゃないかと思うんですね。 もちろん、自給率が一〇〇%を超えているような国と日本との違いとか、気候の違いはあるにしても、やっぱり参考になるところはたくさんあると思いますので、改めてこういったそのいわゆる効安経営を中心にしていく今のやり方、何かAグループ、Bグループのように分けるやり方、そういったことが果たしていいのかどうかは改めて今後検討いただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちとしては、法人経営も、それから九六%を占める家族経営もしっかり守ってまいりたい、そして、その組合せによって日本の農業、そして食料、そして農村、こういったものを守ってまいりたいというふうに思っております。
○舟山康江君 続きまして、その改正案の中身について少しお聞きしたいと思います。 農林水産省では、今が農政のターニングポイントを迎えているとの強い認識の下、現行基本法の検証を始めたということを杉中総括審議官が発言されておりますけれども、このターニングポイント、先ほど横山議員からもありました。これまでいろんな政策を打ってきましたよね。そういう中で、何がターニングポイントで、どう転換しようとしているのか、その政策の方向自体を転換するのか、その辺りの問題意識というんでしょうか、その検討に当たっての問題認識、大きなターニングポイントを迎えているのであれば、本来は改正ではなくて新法でもよかったのかなということも含めて、その基軸の考え方を教えてください。
○政府参考人(杉中淳君) 私の記述についての質問ですので、お答えをさせていただきます。 まず、現行基本法でございますけれども、国民全体の視点から食料・農業・農村政策の意義、あと施策の方向性について規定をしたものでございます。この法律としての枠組みは今日でも適当であると考えておりますけれども、基本法制定当時と比べて食料や農業を取り巻く情勢というのは大きく変化しているというふうに認識しております。 具体的には、世界の農産物輸入における中国の台頭、あと、紛争等の地政学的リスクの顕在化、気候変動による食料生産の不安定化などによって、基本法制定当時では当たり前だったいつでも好きな量を安定的に輸入できるという状況ではなくなったこと。 二つ目につきましては、世界及び我が国の環境問題への関心の高まりというのを踏まえまして、農業と環境に関する議論というのがこの二十五年間で大きく進展をいたしまして、環境的にも気候変動が進展し、異常気象による干ばつというのが頻発化するというふうになっております。こういう意味で、農業、食料産業分野においても、環境問題への対応、常に環境というのを考えながら政策をする必要というのがより重要になった。 また、国内人口が減少局面に生じる中で、国内市場が今後縮小に向かうと。また、農業者についても、年齢構成から見ても、急激な農業者の減少が見込まれる中で、食料の安定供給を確保するための生産基盤の確保というのが求められるというようになったことというふうに考えております。 こうした状況を踏まえて、農政の基本法である基本法の基本理念や施策を全面的に見直す必要があるという意味で、今が農政のターニングポイントであるというふうに発言をさせていただいたところでございます。 また、法案の改正、なぜ新法ではなく改正法だったのかということでございますけれども、先ほど説明したとおり、農業基本法から食料・農業・農村基本法への転換というのは、農業者を中心とした政策から国民を視点とした食料・農業政策という視点に変わったわけでございますけれども、こういった国民の視点からの政策の在り方という法律としての枠組みは今日でも適当であるというふうに考えております。 その一方、前提としている情勢というのは大きく変化をしているので見直す必要があると考えておりますけれども、食料・農業・農村施策の全てを対象として食料安全保障の確保、実現を図っていくという今回の改正の仕組みというものについては、現行法の規制、基本的な枠組みを変更するものでないということを踏まえまして、改正法案として提出をさせていただいたところでございます。
○舟山康江君 まあ情勢変化は今に始まったことじゃないんですけれども、いろいろ法案修正、法案の方向性の柱を幾つか、それこそみどり新法も作りましたし、そういう中で今回改正ということなんですけれども、ちょっとその辺の位置付けが若干見えにくいなというのが私の感想です。 資料三枚目を御覧ください。 これ、一九六一年の農業基本法と食料・農業・農村基本法の違いを農水省が説明している資料なんですけれども、非常に、柱は、これを見ると、なるほどと分かりやすい気がするんですね。旧農業基本法は、まさに農業、農業者に着目をしていた。そこを、今の現行基本法に関しては、食料・農業・農村ということで、食料のところに食料の安定供給、多面的機能、そしてそれを支える農業の持続的な発展、そこに関連する農村ということで、こういった非常に立体的な分かりやすい概念図があるんですけれども。 これに倣って、今回、新しい基本法というのは柱はどのように変わっていくのか、できれば同じようなこれ柱の図を、これ委員長にお願いしたいんですけど、提出いただきたいと思うんですけれども、それと同時に、今口頭で御説明いただきたいと思います。
○委員長(滝波宏文君) まず、後刻理事会で協議いたします。
○政府参考人(杉中淳君) 改正基本法の柱ということでございますけれども、先ほど説明したとおり、食料・農業・農村という枠組みは維持をした上で今日的な必要な見直しを行うということでございます。 まず、基本法の見直しによって食料の安全保障の抜本的な強化というのを位置付けましたので、この最初の柱で、食料の安定供給の確保ということだけではなくて、国民一人一人が食料を入手できるというような観点からの変更という意味で、食料の安定供給の確保というところが食料安全保障の抜本的な強化というのにつながっていくというふうに考えております。 また、多面的機能の発揮というのも引き続き重要でございますけれども、先ほど申したとおり、農業と環境というものの議論というのは相当進展しましたので、農業も環境に負荷を与える産業ということで、環境と負荷の取れた食料システムの確立と、これによって更に多面的機能の発揮というのを図っていくという観点から、多面的機能の発揮ということではなくて、それに加えて環境と調和の取れた食料システムの確立というのを図っていくということになります。 それを支える農業の持続的な発展と農村の振興という柱は変わりませんけれども、その中身については、より少ない人口の中で食料を安定的に供給していくための農業の持続的な発展、また農業を支える農村ということについても、これは、人口減少下で農村の持つ活力をどう維持するかというところについては引き続き柱として維持をしたいと考えております。
○舟山康江君 ありがとうございます。 今の説明では、ここに環境と調和の取れた食料システムというものが入ると理解いたしましたけれども、ちょっといずれにしても、どういう立体的な模式図になるのか御提出いただくようによろしくお願いいたします。 その上で、食料安全保障の確保ということを非常に強調することになっていますけれども、これは、食料の安定供給の確保という言葉が食料安全保障の確保に変わったと、そこが若干拡充されているということなんですけれども、そういった中で、今までは、目的、一条には特段の限定がなかったんですけれども、ここに食料安全保障の確保等という特出しをしている。その例示をしたその理由について、大臣、教えてください。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法は、国民の視点から食料・農業・農村に関する基本理念や施策の方向性を定めるものであります。 今回、世界の食料需給が不安定化をしております。そして、国内の生産基盤の弱体化による食料の安定供給に問題が生じております。その一方で、食料アクセスの問題が顕在化をし、食品を適切に入手できない方々が増えておられます。このような状況の中で、国民の立場から最も大切なことは、国民一人一人が将来にわたり良質な食料を確保できること、すなわちそれは食料安全保障の確保であることから、基本法改正の目的として、最も重要な基本理念として例示したところであります。
○舟山康江君 ありがとうございます。 ちょっと重ねて確認なんですけれども、そうすると、これまでの食料の安定供給に加えて、要は分配ですね、その供給に加えて分配が新しく付け加わったと、そういった理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 分配というよりも、一人一人の国民の皆様のお手元にきちんと食料をお届けする。高齢者の方もいらっしゃいます。それから先ほどの子供の貧困というのも顕在化をいたしております。様々な状況が出てきている中で、国民一人一人の皆さん方に食料をきちんとお届けするというのが今回のまずこの第一条の安全保障の確保ということであります。
○舟山康江君 つまりは配分、分配だと思うんですけれども。 そういう中で、やはり分配するにはきちっと供給が確保されなければならないということで、供給が大事だということは、ある意味ですよ、今まで以上に、私、高まっているんじゃないかと思うんですよね、分配するには物がなきゃいけないんだから。 そういう中で、この供給をしっかりとしていくということかと思うんですけれども、その際、これも改めての、何度か確認させていただいていますけれども、供給の原点は、まあ輸入、備蓄もありますけれども、やはり農業の持続的な発展による国内農業生産の増大であると、そういった認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) まず、条文については、先ほどもお答えしましたけれども、第二条において国内の農業生産の増大を基本とするということを再度確認をしておりますので、輸入リスクが増大している中で国内農業生産の増大を図るという重要性はより増しているというふうに認識しております。
○舟山康江君 ありがとうございます。 そうであれば、今日も議論がありましたけれども、一つの生産の増大させる指標として自給率、まあ自給率が全てじゃないとよくおっしゃいますけれども、でもやっぱり、自給率というのは、この消費と生産といろんな生産資材と、様々な総合的なものによって数字ができ上がってくるわけですから、やはり自給率というのが一つの指標として大事ではないかと思うんですね。 そういう意味では、やはり生産の増大を通じて例えば自給率の向上を図るとか、そういった明確な目標をこの二条の理念、二条二項に書き加えるべきではないかと思いますけども、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料自給率の向上につきましては、改正法第十七条三項におきまして、基本計画の記載事項といたしまして、食料自給率の目標に関し、食料自給率の向上が図られるよう農業者等の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める旨を明記をしております。 基本法制定以降の食料自給率は三八%前後で推移しておりまして、その変動要因について言いますと、先ほどから答弁していますとおり、米、野菜、魚介類の消費量の減少、一方の方で輸入依存度の高い畜産物の消費量の増加、こういった消費面での変化が食料自給率の低下要因というふうになっております。 こうした食料消費の傾向がしばらく継続することが想定される中で、食料自給率が確実に上がると言い切ることは困難でありますけれども、いずれにせよ、食料安全保障の確保の観点からは、麦、大豆、加工原料用野菜等の輸入依存度の高い品目の国産転換といった食料自給率の向上にも資する取組を更に推進することが重要であるというふうに考えております。 今後、食料・農業・農村基本法の改正法案について国会で御審議いただき、改正案を成立させていただきましたならば、それに基づいて基本計画の策定を行うことということになります。その基本計画の策定の際には、食料自給率のほか、その他の食料安全保障の確保に関する事項につきまして、適切な目標の設定に向けて検討を行ってまいりたいというふうに思っております。
○舟山康江君 なかなか自給率の、消費の変化の中で自給率の向上が難しいから書かないというのは、やはり私は大問題だと思いますよ。先ほどの審議官の答弁の中でも、ターニングポイントなんでしょう、いっぱいいろいろリスクが高まっているじゃないですか。だったら、なおさらちゃんと国内で供給できるように、そのカロリーをしっかりと確保できるように自給率を上げていくんだと、そういった大きな目標を立てなきゃいけないと思いますし、もう一つ、十七条三項に書いてあるとおっしゃいますけれども、基本計画の目標の数値の一つとして書いたところで大きな理念の目標にはならないんですよね。 だとすれば、じゃ、十七条三項を削ってもいいですよ。むしろこっちに書くべきじゃないんですか。今までもその基本計画のところに書いてありましたけれども、そうじゃなくて、やっぱり目標として国内の生産増大を通じて自給率を上げるんだと、そういった目標を立てていかないと、さっき松野さんも言っていましたよね、目標立てないともう増えていきませんよ。 そういう中で、やっぱりここには書く必要があるんじゃないのかなということを改めてお願い申し上げたいと思いますけれども、まあ答えは今日は、また後日にお答えをいただきたいと思います。 という中で、やはり生産増大に何より必要なのは、さっきも、何で離農しているのか、その辺の分析も含めてやっぱりお願いしなきゃいけないと思いますけれども、やはり所得、もうからなきゃ誰もやりませんよね。所得の確保、ここが非常に大事だということ、これは本会議でも指摘をさせていただきました。 しかし、法案には所得という言葉が一つも出てきません。これは当然だというような、そんな答弁もありましたけれども、でも、やっぱり所得の確保が大事だということ、それをしっかりと書き込むべきだと思いますし、まさにそれこそ理念の一つとして、農業若しくは関連産業を、しっかりと所得の維持の中で、農業者、農業の持続的な発展を目指すということが必要な中で、なぜ所得という言葉が一つもないんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農業所得の向上といいますのは個々の農業者が事業活動を通じて目指すものでありまして、基本法の目的は、あくまでもこうした農業者の取組による農業の発展の結果として食料が安定的に供給されることであります。このため、所得自体は明記しておりません。 農業が若い人から憧れられるような職業になるためにも、収益の上げられる産業にしていくことが重要だというふうに考えております。このため、収益を上げられるような環境整備を図っていくことが国の役割であると考えております。 今回の基本法の改正案では、新たに農業の持続的な発展の方向性として生産性向上や付加価値向上を明記をしたところでございます。また、農業が天候等に左右されやすい等の特殊な事情もあるために、一方の方で収入保険等の経営安定対策を講じていくことというふうにしているところであります。
○舟山康江君 いや、その自助努力で云々と言うんだったら、じゃ、政策は何のためにあるのかって聞きたいですよね。先ほど紹介させていただいた決議の中にも、農業の維持拡大を可能とする所得・経営安定対策を講ずるというふうにあります。 資料四枚目を御覧ください。 これは農水省の説明にも出てくるんですね。旧農業基本法のときには価格政策に依存しておりました、食管制度は一つの代表ですけれども。それに対して、食料・農業・農村基本法に関しては、価格により所得確保を図るという価格政策の考え方を見直し、価格形成は市場に任せ、所得の確保は政策に委ねると、こういった大きな方針を立てたわけです。この方針は今も変わっていないでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 農産物の市場での取引を通じまして、需給事情や消費者ニーズが生産者に的確に伝わることによりまして需要に応じた生産を進めていくこと、これが重要であると考えております。政府が再生産可能な価格等を設定するというような価格支持政策へ逆戻りすることは考えておりません。 その上で、市場取引による価格形成を基本とする一方で、資材費、人件費等の恒常的なコスト増など持続的な食料供給を図る上で必要な費用は、関係者の合意によりまして価格に考慮する法制化も視野に、新たな仕組みを検討するということにしているところであります。 農産物の価格変動や生産資材の高騰等の経営への影響を緩和するための対策についても、これも同時に講じていくこととしております。これらについては基本法に明示をしているところでございます。
○舟山康江君 ちょっと済みません、端的に、所得の確保は政策に委ねるという方向性、この基軸ですよね、これは今も継続しているんですかということに対して、イエスかノーかでお答えいただけますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 済みません、もう一回今の質問を言っていただけますか。
○舟山康江君 この資料四枚目ですね、四枚目のこの右側にある、価格形成は市場に任せ、所得の確保は政策に委ねるというこの基軸に関しては、この改正案の中でもその理念は貫かれているんですか。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(坂本哲志君) イエスです。
○舟山康江君 ありがとうございます。 ですので、私、価格に、ちょっと時間がないのでまた次回に譲りますけれども、価格に過度に何かこう頼るような今のこの書きぶりというのはちょっと若干違和感があるんですよね。 そういう中で、四月二十六日の本会議で、横沢委員が戸別所得補償に関して総理から答弁をいただいております。農業所得の補償については、過去の戸別所得補償制度を見ても、農地の集積、集約化が進まず、生産性の向上が阻害されるおそれがあるなどの問題があると承知しておりますと総理が答えておりますけれども、この根拠を教えてください。
○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。 委員御指摘ございました政府答弁の根拠といたしましては、担い手への農地集積率、これを根拠としております。旧戸別所得補償制度の実施時期におきまして、担い手への農地集積率については、平成二十二年度から平成二十五年度は年平均で〇・一五ポイントの増加となっておりますけれども、旧戸別所得補償制度の見直し以降の平成二十五年度から令和四年度は、農地バンク制度の創設と相まって、年平均一・二〇ポイントの増加となっております。
○舟山康江君 農地バンクができた後と前と比べられても困っちゃうんですよね。 ちょっと資料五枚目、御覧ください。 もう、常に戸別所得補償制度を批判しますけども、これ、よく過剰作付けも増えたとか、何か変な答弁したときありましたよ、農水省。減っているんですよ。しかも、農地面積の権利移動も増えているんですよ。さらに言えば、所得も増えている。こういった効果に目をつぶって、農地バンクができたときに比べて減っていましたと言うのはおかしくないですか。それで戸別所得補償制度が問題だったと言うのはおかしいんじゃないんですか。 じゃ、他国はみんなこういう怠けた農家がいっぱい出てきているんでしょうか。全く理解できない答弁です。
○政府参考人(村井正親君) 済みません、補足をさせていただきます。 委員の方からお示しをいただきましたこの農地権利移動面積でございますが、これはもうまさしく権利移動がどれだけあったかというデータということになりますけれども、これ、ちょうど平成十八年に担い手経営安定法を制定をいたしました。そのときに、実はこの利用権設定、純増、かなり一挙に増えたというような実績がございます。平成十八年、十九年にかなり、それまでの十七年以前に比べると一挙に増えている。 これ、推測で物事を申すのは控えなければいけないとは思いますけど、その増えた分、平成二十年、二十一年、二十二年とかなり落ち込んで、今お示しいただいております平成二十三年、二十四年はこの水準で落ち着いたような状況になっているということで、かなりその担い手経営安定法の制定に基づく権利移動の大幅な増加というのが全体の動向には影響を与えているのではないかなというふうに考えておるところでございます。
○委員長(滝波宏文君) 時間が参りましたので、おまとめください。
○舟山康江君 ちょっと推測でそういった批判をしないでいただきたいですよね。 他国見てくださいよ。こういった形の、名前は違いますし形も違いますけれども、一定の面積払いとかそういった支払の中で、若しくはその価格政策のようなものの中で農業生産後押ししているんですけども、それを頭から否定をしていては正しい政策持てないと思いますよ。過剰作付けと、何度過剰作付け誘発したってうその答弁しているんですか。全然違うじゃないですか。 そういった批判のための批判の答弁をもうやめていただきたい。このことをしっかり約束していただいて、私の質問を終わります。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 まず、岸田政権の農政について伺います。 岸田政権が発足した二〇二一年十月八日の所信表明演説で、総理は、新自由主義的な政策については、富める者と富まざる者と深刻な分断を生んだといった弊害が指摘されていますと述べられました。そして、今年四月二十六日の農業基本法の本会議質問で、自民党の藤木眞也議員が、新自由主義的な発想によって離農が進み、耕作放棄地が増加したと指摘されました。自民党の幹部の方からも、誰とは言いませんけれども、幹部の方からも新自由主義に批判的な意見が出ているというふうに思うんです。 そこで、坂本農水大臣、この新自由主義的な政策が農業にどういう影響を与えたと思われますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 平成十一年の基本法制定以降、農政は基本的に望ましい農業構造の確立など基本法に掲げる理念の実現を意識して政策を講じてきています。岸田政権以前の農業政策においても、農業の競争力強化のための産業政策と農村振興等の地域政策を車の両輪として進めてきています。なお、必ずしも市場任せというわけではなく、価格変動等の農業経営への影響緩和対策などを実施をしているところであります。その上で、岸田内閣におきましては、新しい資本主義に基づいて、国内外の社会課題の克服を成長エンジンとすることで課題解決と地域の持続的な成長の両方を実現していくこととしております。 この中で、農政においても、国際情勢の緊迫化等に伴います食料生産の不安定化、地球温暖化等の地球規模での環境問題への対応、国内の急激な人口減少に伴う生産体制の確保などの社会課題に対して、必ずしも市場任せにせず、国もしっかりと関与して対応していくこととしております。 自民党幹部の新自由主義に対する批判等におきましても、行き過ぎた新自由主義については、やはりこれは非常に弊害が大きいというふうに私たちは受け止めております。
○紙智子君 行き過ぎていなければ新自由主義は構わないということなんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 一定の競争力、経営判断、こういったものをやはり加味しながら農業というものを成長させていかなければいけないというふうに思っております。
○紙智子君 そうなんですか。 ブログを見ていましたら、坂本大臣、過去に、新自由主義経済は行き着くところまで行き着いたというふうに発しているんですけど、本当はそういうふうな思いがあるんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、新自由主義政策がこれ行き過ぎたというふうに私は思うんですけれども、農業に弊害を与えたという認識はあるかどうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 必ずしも弊害を与えたということではないと思いますし、長所もあれば短所もある、様々な課題があると思いますので、それをどう克服していくかというのが私たちの農林水産省としての役割であるというふうに思っております。
○紙智子君 私は、やっぱり競争原理を導入することで、強い者が生き残る、弱い者は消え去ってしまって仕方がないというような考え方に立って、農業でいえば、再生産を保障するんじゃなくて、その仕組みをなくしていくと、生産者に自己責任を迫っていくというのが新自由主義のその問題点というか特徴ではないかというふうに捉えているんですよ。 生産者の営農意欲をこれ奪ってきたんじゃないのかというふうに思うんですけど、いい面も悪い面もと言ったんですけど、悪い面で言うとそういうところがあったんじゃないですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 現在の農業政策は、平成十一年に制定されました現行基本法に掲げます望ましい農業構造の実現を始めとする理念の実現を意識して政策の展開を、施策の展開を図ってまいりました。 農業が魅力的である、魅力ある産業として一人でも多くの人に参入していただくためには、農業者が創意工夫を発揮しつつ農業を収益性の高い産業にしていく必要があるというふうに考えています。農業は天候に左右されやすいことや、近年見られるような生産資材の高騰など、外部要因が農業経営に影響を与えることがあるため、これまでも収入保険の創設、あるいは飼料、肥料の高騰対策など、農業生産を維持するための各種の施策を展開してきているところでございます。今後もこの方向に変わりはございません。
○紙智子君 ちょっと質問していることの趣旨にかみ合っての答弁ではないかなと思うんですけど、今おっしゃったように、農業というのはもう自然相手でやっていくわけですから、もうその都度その都度条件が変わるし、一律にはいかない面というのは御存じだと思うんですけれども、そういう中で、やっぱり一律に対応していくようなやり方というのは生産者の意欲を奪うものじゃないかというふうに思うんですね。 それで、今年に入ってなんですけど、EU諸国で農家の人たちが抗議する姿がテレビでずっと映し出されたと思うんですよね。その理由については、これ各国、EUに参加している各国によって少しずつ理由違うようなんですけれども、実は、今年の二月に、八十名近い国会議員を有しているフランスの左翼政党の国会議員の方と懇談する機会があったんですね。 私、どうして農民の人たちがストライキしているんですかというふうにお聞きをしたんです。そうしたら、フランスのその議員の方は、生産性を上げて農産物価格を安くする、大規模化、大量生産、それから殺虫剤も使い機械化も進めたと、農業も経済活動の一つなので、市場経済、自由貿易を進めてきたと、農産物の価格の管理を解除した、その結果、農民は農業で食べていけなくなった、気候変動リスクも高まって、袋小路に入っているんだと言われて、こうした新自由主義的政策と決別することが必要なんだということを言われたんですよ。これって、新自由主義に対する批判って、EUだけじゃなくてほかにもあると思うんです。 それで、大臣は、基本法を改正するということなんですけれども、やっぱり市場原理一辺倒というか、そこに任せて自由化を進めていく農政の見直しということが本来必要なんじゃないかと思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(坂本哲志君) 市場原理は、市場における様々な価格の高低、それから価格形成、こういったものは是認しながらも、先ほど言われました自然環境に影響がある農業でございますので、それはそれとして、環境影響の対策というものをしっかりやっていく、両面でやっていくというような心構えであります。
○紙智子君 やっぱり、改正する以上は、そういう今までの流れを変えるということが私は必要じゃないかというふうに思います。 それから、次に、食料への権利、権利の問題についてお聞きしたいと思うんですね。 基本法の改正は、食料安全保障を位置付けました。ずっと今も議論になっているんですけど、坂本大臣は、食料安全保障に関するFAOの定義を踏まえて、その趣旨を漏れなく端的に規定したというふうに言われましたよね。 FAOは、食料安全保障を、十分で安全かつ栄養のある食料を、物理的、社会的及び経済的にも入手可能であるときに達成されるというふうに定義をされているわけなんですけど、その定義付けというふうになったのは、もっと遡って、一九九六年の世界食糧サミットの世界食料安全保障に関するローマ宣言だったと思うんです。 この宣言では、全ての人は安全で栄養ある食料を必要なだけ手に入れる権利を有すること、また、全ての人は飢餓から解放される基本的権利を有することという宣言を出しました。ここで注目するのは、基本的人権として食料への権利ということをうたっていることなんですね。 なぜ、今度の改正案にこの権利という規定がないんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 御指摘のローマ宣言につきましては、全ての人は、十分な食料に対する権利及び飢餓から解放される基本的権利とともに、安全で栄養ある食料を入手する権利を有するというふうにされたものというふうに承知しております。 食料は人間の生命の維持に欠くことができないものであり、かつ、健康で充実した生活の基礎として重要なものであることから、国民の皆様に安定的に食料を届けることは国の重要な責務であるというふうに考えております。 この考え方を踏まえまして、今回の基本法改正案では、国民一人一人が安全で栄養のある食料を入手できるようにするために、基本理念において、食料安全保障を、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、かつ、国民一人一人がこれを入手できる状態というふうに定義をしたところであります。第一の基本理念として位置付けたところでありまして、まさにこれがローマ宣言をやっぱり体現するものであるというふうに思っております。 今後、具体的施策としての食料の円滑な入手の確保、こういったものは計画の中で進めてまいりたいというふうに思っております。
○紙智子君 だから、権利という言葉は使っていないけど、それに言い換えて違う言葉になっているけれども、そういう権利だということなんですか。いや、権利って書けばいいんじゃないかと思うんですけど。
○国務大臣(坂本哲志君) 同じことであるというふうに思いますので、国民一人一人がこれを入手できる状態、これがまさに国が果たすべき役割であり、国民の皆さん方が持っている権利であるというふうに解釈しております。
○紙智子君 解釈しているって言うんですけど、いや、やっぱり書くのが一番分かりますよ、誰が見ても。 やっぱりこうやって基本法変えていく以上、そしてFAOのその定義を網羅していると言う以上、やっぱりきちっと書くべきだと思うんですよ。 FAOは食料安全保障について四つ要素があると言っていますよね。一つは供給面だと、それから二つは利用面、三つ目はアクセス面、四つ目は安定面だと。そのアクセス面でいうと、合法的、政治的、経済的、社会的な権利として、栄養ある食料を入手するように定義しているわけです。ここでも権利という言葉を使っているんですよね。FAOの定義を漏れなく規定するということであれば、やっぱりここはしっかり書き込むことが必要ではないかというふうに思います。 それから、国際社会は、一九九六年の世界食料安全保障に関するローマ宣言以降、二〇〇八年に食料危機に直面をしましたよね。国連は、二〇〇〇年の国連ミレニアム目標、このときはMDGsですけれども、それを経て二〇一五年からはSDGsの取組を進めています。一方で、国連人権理事会は、食料の権利ということでの取組を始めているんですよね、食料の権利。二〇〇〇年から食料の権利に関する特別報告者を任命していて、報告を求めているんですけれども、注目をこの間集めているのがマイケル・ファクリ氏の報告です。 コロナ禍で報告者に任命されたマイケル・ファクリ氏は、二〇二〇年に中間報告を出しています。そこでは、一九九五年にWTO協定の一部として発効した農業協定は食料の権利を完全に実現する上で障壁となっていると。農業協定が経済活動の観点からのみ扱われて、食料の権利の観点を除外しているとして、国際貿易の枠組みであるWTO協定における農業協定の停止と新たな食品協定の締結を求めているんですね。 そこで、大臣、この食料の権利をめぐるこういう動きに対しては、大臣の見解はいかがでしょうか、お聞かせください。
○国務大臣(坂本哲志君) 新型コロナウイルスの蔓延や、それから、ロシアによりますウクライナ侵攻などの影響もありまして、二〇二三年の国連食糧農業機関、FAOの報告によりますと、世界中で約七億人を超える人々が飢餓に直面しているというふうに推定をされております。 このような世界的に食料安全保障が課題となる中、国連を始めとした様々な場での全ての人々が十分な食料を確保する権利が議論されていることは承知をしておりますので、その議論の動向をよく注視をしていきたいというふうに思っております。
○紙智子君 注視していくということなんですけど、一九九六年に世界食料安全保障に関するローマ宣言が基本的人権として食料の権利をうたったけれども、現在の基本法にはそうした定義はないわけですよね。しかし、今世紀に入って二〇〇八年の食料危機があったと。当時、国連人権理事会の特別報告者に任命されていたオリビエ・デシュッターさん、この方は、二〇〇九年に、ドーハ・ラウンドが妥結しても食料に関する構造的問題は解決されないといって、WTO農業協定への懐疑的な報告を出しております。 WTO農業協定の在り方や食料の権利について、これ農政審議会の検証部会では議論されているんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 食料の権利につきましては、先ほど議論しております一九九六年のFAOの食糧サミット、この中で食料安全保障の定義というのの原型も提起されたんですけれども、そういう中で議論されました。 令和四年十一月に開催されました第三回検証部会におきましては、この一九九六年のFAOの食糧サミットに関しての議論を行いました。その中で、食料安全保障の考え方につきまして、FAOにおける食料安全保障の定義というのは何かと、また、そういったFAOの食料安全保障の定義が様々イギリス等の諸外国における法律の中で主流化して、政策の目標として位置付けられていること、また、そういった食料安全保障に関する諸外国の政策、また、我が国においても食品アクセス問題といった形での国民一人一人の観点からの食品の入手に関する施策の充実の必要性、そういったことについて議論をいたしました。 こういった議論を踏まえまして、食料安全保障ということについて、国民一人一人が活動的かつ健康的な活動を行うために十分な食料を将来にわたり入手可能な状況というふうな定義をいたしまして、それを踏まえて今回の基本法の食料安全保障の定義ということに規定をさせていただいたところでございます。
○紙智子君 一人一人に行き渡るという、これは別にいいと思うんですよ。ただ、やっぱりここで指摘されているように、経済活動の分野のみが焦点当たって、WTO協定でいうと、だから輸出国、輸入国の関係っていろいろ複雑になってきたじゃないですか。途中で進まなくなっちゃったわけですよ。輸入している国、輸出国はどんどん攻めていくわけだけど、今度、受け入れる方が非常に大変な状況が出たりもして、そういう意味では、経済面からだけこの貿易の問題って考えればいいわけじゃなくて、そこで本当に一人一人に行き渡る状況というのはどうなっているのかということが検証されなきゃいけないんだと思うんですよ。 私は、このWTO農業協定やられた時期というのは、全世界的にも食料が結構余る時期に作られているもので、今は足りなくなるという状況の中で、このまんまでいいはずがないというふうに思うんです。ですから、やっぱり検証は必要だと思うんですよね。そして、やっぱり今回の、現在の基本法、つまり一九九九年に作られている基本法というのは、WTO体制に合わせてこの基本法が改正されているということがあるわけですよ。 当時、政府がこのウルグアイ・ラウンドの農業合意を受けて新たな基本法を制定するというふうに表明していて、一九九三年の十二月にガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意がされたと。当時、内閣総理大臣を本部長とする、当時は多分、細川内閣だったと思うんですけど、本部長とする緊急農業農村政策本部が設置されています。そして、翌年の一九九四年十月にはウルグアイ・ラウンド農業合意関連対策大綱というのが出されて、同時に、農業基本法に代わる新たな基本法の制定に向けて検討着手するというふうに表明されていました。 その一方でね、その一方で、世界はローマ宣言が出されていて、食料の権利というのが打ち出されていると。現在の基本法、つまり一九九九年の基本法というのは、このWTO農業協定には対応しているんだけれども、何でこの食料の権利という問題が入らなかったのか、入れなかったのか、この点どうですか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 現行基本法の制定時におきましては、その当時の社会的、経済的情勢ということを考えて、物流上又は経済上の理由による食品アクセスの問題というのは発生していなかったために、必要な量の食料が確保されれば、国民に適正に配分され、いわゆる国民に行き渡るということで、FAOの言う食料の権利は我が国においては確保されていたということから、基本理念には食料が安定的に供給されると、十分な量が確保されるということを規定しておりますが、国民一人一人が食料を適切に入手できるかということについては規定されていなかったというふうに認識しています。
○紙智子君 だから、一方の方は受け入れて、反映させようとなったんだけど、このもう一つの方の権利の問題というのは結局全然見向きされなかったということなんじゃないかと思うんですね。やっぱり基本法ですから、しかも今回二十五年ぶりということですからね、そういう状況を踏まえて基本法を改正するというんだったら、この大事な食料の権利、このことを踏み込んだ対応が必要ではないかというふうに思うんですよ。 そこで、この食料の権利として重要なのは被災地への対応なんですね。この議論するための権利じゃなくて、今現実にどうなっているかということで言いたいんですけれども、政府は能登半島地震における食料支援を行っていましたけれども、これ、いつ打ち切ったんでしょうか。今の食料支援というのはどうなっているのかということについて報告をいただきたいと思います。
○政府参考人(上村昇君) 政府におきましては、発災直後より、プッシュ型支援によりまして、食料、飲料水、毛布などの緊急性を要する物資の支援に加えまして、被災者のニーズを踏まえてきめ細かな物資支援を行ってまいりました。 その後、被災地の物流の復旧状況等を踏まえまして、県、市町とも協議の上、国によるプッシュ型支援は三月二十三日に終了し、現在は県、市町において、地元の業者等から食料などの支援物資の調達を行っております。これは、被災地の物流も回復に向かう中、なりわい支援的な意味合いもございまして、県、市町とも協議の上、県からの要請を受けて行ったものであり、その費用も災害救助法に基づき国の負担で行っております。 また、国は、調達先リストを県に手交しておりますほか、県や市町が地元業者等から調達が困難である場合には調達の支援を行うなどの協力を行うこととしてございます。
○紙智子君 つまり、三月の二十三日まではプッシュ型で国から支援をやっていたんだけれども、その後は災害救助法に基づくその自治体、地方自治体がやるということで切り替わっているということですよね。ただ、要望があれば応えていくということではあるんだけれども、それで、現在の食料が手に入らないという声が私たちのところにも寄せられているんです。 それで、私たち共産党としては、石川県の羽咋市というところに能登半島地震被災者共同支援センターというのをつくっているんです。もう一月以降ずっと活動しているんですけれども、それで、仮設住宅ができて、今行政の食料供給が打ち切られてしまって、食料支援の要請がこの私たちのセンターに殺到しているんですよ。 で、仮設住宅に入居する人たちが出ているんだけど、仮設住宅に入居したからといって生活困窮者の状態が改善しているわけではないんですね。食べるものはないわけですよ。多くの被災者は、家財を失っていて、飲食にも事欠く事態で、食料支援の打切りが行われて、一体どうやって生きろというのかという、もう痛切な訴えが寄せられているんです。車中泊ですとか自宅で住み続けている人を対象に、支援物資の個別配布をこれ三月末で終了したという報道もされておりました。 大臣、これ被災地でこういう状況にあるというのは御存じだったでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) プッシュ型支援といたしましては、先ほど内閣府の方からもありました。 農林水産省といたしましても、総数で五百十四万点の飲料、それから約十八トンの無洗米、こういったものを金沢市の広域物資輸送拠点に送付をいたしまして、関係省庁と連携をしまして各被災地へ食料を提供してきたところです。 そして、先ほどありました政府によるプッシュ型支援の終了に当たりましては、食料品等の企業リストを石川県と共有したほか、大量な物資調達等、石川県で物資調達が困難な場合には調達手配を支援することとしたところであります。 このような中で、自治体の方から要請があれば、いつでも私たちは支援をしていくというような体制を取ったところであります。
○紙智子君 それで、被災地の方から出てきている声では、米が不足しているということなんですね。ある市から、能登半島地震の被災者共同支援センターに米を提供してもらえないかということで、要請を受けているんですよ。 それで、そこでちょっと大臣に確認したいんですけれども、この災害において、大臣、熊本、熊本地震のときって経験されているというように思うんですけれども、災害において、近年、政府の備蓄米を活用したということはありますか。
○国務大臣(坂本哲志君) 東日本大震災のときは四万トンを、これは卸業者の方に給付しております。そして、平成二十八年の熊本地震のときは政府備蓄米を九十トン、精米で八十六トン、玄米で五トン支援を行っているところでございます。
○紙智子君 備蓄米も用いてこういう今支援、具体的にやられている、そういう実情、実情というか、そういう、実際にあったという答弁だったと思うんですよ。 それで、現地から要請されればということなので、是非要請に応えていただきたいと。何か県からまだ来ていないという話もあるんですけれども、そういうやっぱり深刻な事態なので、是非応えていただきたいというように思います。 それで、国のプッシュ型支援が終わって、災害救助法で自治体が対応するとなったんだけれども、私はそれだけでいいのかなって思うんですよ。それで、その後どうなっているのかということにちゃんと関心持って、ちゃんと行き届いたことになっているのかということは引き続いて把握する必要はあるんじゃないのかなと。 農水省は、東日本大震災と福島原発事故のときに、これを教訓に踏まえて、二〇一二年に緊急事態食料安全保障指針、局地的・短期的事態編というこの指針を出しているんですよね。東日本大震災の後、これ出しているんですよ、二〇一二年。それで、それを見ると、その中には、食料供給に支障が生じた地域において、その地域における健康、栄養状態に配慮するため、地方公共団体やNPO法人等と連携して、地域ニーズや食料状況を把握するとともに、食料の各品目について供給可能な事業者に関する情報を提供するというふうに書いてあるんです。 だから、能登半島地震のこの食料支援の現状、今申し述べたとおりなんですけれども、この指針がこれあるんだから生かされなきゃいけないのに、生かされていないんじゃないのかというふうに思うんですけど、いかがですか。
○政府参考人(宮浦浩司君) お答えいたします。 今御指摘ございましたその食料安全保障指針に即しまして、今回の能登半島地震におきましても、まずは温かい状態で食べれるものが欲しいという声が非常に多くございましたので、アルファ化米ですとかレトルト食品、それからスープパスタなどを一番最初の頃に提供をしてきたところでございます。また、その後は、外食事業者の方々からも協力を得まして、キッチンカーを出しまして、牛丼、それからうどん、カレーライス、こういったものを、温かい食事を無償で提供するというようなこともしてございました。 それからさらに、二月の中旬頃からですけれども、石川県の栄養士会の協力も得まして、栄養バランスとそれから調理のしやすさ、こういうものに配慮した炊き出しのメニューというものも作って、これも支援をして、食事の質の改善を図ってきているところでございます。 プッシュ型の支援が終わった後ということでございましたが、現在でも、この外食事業者のキッチンカーによるその食事の提供というものと、それから栄養バランスなどに配慮した炊き出しメニュー、これにつきましては引き続き活用されているというふうに承知しておりまして、被災地の状況を踏まえながら、地方公共団体等と緊密に連携していきたいと考えております。
○紙智子君 いろいろ手を打ってきていることはいいんですよ。それは、現地にとって必要なことをやられていることはいいんだけれども、その後、やっぱり、国としての事業終わったよと、その後ね、やっぱり後はもう知りませんじゃなくて、ちゃんと随時把握しながらちゃんと行き届いているのかどうかということをやるというのが、今議論されている、一人一人まで行き届いた、やっぱり権利としてそこを確保していくということになるんだと思うので、特にこの被災地の食料支援については強く求めておきたいと思います。 それから、次なんですけれども、一九九九年の基本法の修正部分についてなんですね。 先ほど来議論になっていましたけれども、当時は、WTO協定による自由化への不安と運動の広がりを受けて、衆議院で、国内の農業生産の増大を図る、それから食料自給率の向上を図るということで修正がなされたわけです。 それで、私、本会議で、この前、本会議の質問のときに、国会の意思、国会で決議上げたわけだから、国会の意思をどのように認識しているのかと、自給率目標は一度も達成されていない、その反省はあるんですかということを総理に聞きました。そうしたら、岸田総理は、国会の修正内容については、政府としてはこれまで対応を進めてきたとしか答弁されていないんですよね。農業生産が増大をしてこの食料自給率は上に向かっていくんでなければ、これ修正が生かされていないというふうに思うんですよ。 改めて、基本法を制定したときと、それから最新の農業産出額と食料自給率を報告をお願いしたいと思います。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 改めてでございますけれども、まず農業産出額でございますが、現行基本法の制定されました一九九九年でございますけれども、九兆三千六百三十八億円となってございまして、直近年のデータでございますが、二〇二二年、九兆十五億円となってございます。 それから、食料自給率でございますが、こちらも改めてでございますが、カロリーベースで申し上げますと、一九九九年度は四〇%、それから直近データの二〇二二年度は三八%となってございます。
○紙智子君 ですから、増産どころかこれは減少で、そして向上どころか低下というふうになると思うんですね。 なぜ修正という国会の意思が果たされなかったのかなと。それは、やっぱりその後の政策の中でも、例えばEPAとかメガFTAを進めてきたということがあるんじゃないかと。 あれほど大きな議論に、焦点になった環太平洋経済連携協定、TPP協定などを受けて基本法の見直しというのがやられるかと思えば、話題にもならなかったわけですよね。ウルグアイ農業協定を受けて、当時、対策本部をつくって、大綱を作って基本法の見直しに着手したときと比べると全く違うんですよ、今回。 なぜこんなに違いが出たのか。私が思うには、それは安倍政権の時代に進めてきた成長戦略にあるんじゃないかと思うんです。現在の農業基本法によって食料・農業・農村基本計画を進めていますけれども、安倍政権の時代に官邸主導で新しい計画を作りました。農林水産業・地域の活力創造プランという名前の計画を作って、輸出とそのための基盤強化を重視をするということだったわけです。 私、二〇二〇年の三月の農林水産委員会で、農林水産業・地域の活力創造プランに対して、この中には国民への食料の安定供給は国内生産の拡大を図るということを基本とするということが書かれていませんよねというふうに指摘をしたんです。それで、基本計画でいくのか、それとも安倍政権が目指している規制改革推進会議の意向を酌んだこの計画プランなのか、どちらを軸にするんですかというふうに聞いたんですね。当時の大臣は江藤さんだったんですけど、江藤大臣は、両方のいいところはしっかり取り入れさせてやらせていただきたいというふうに、いいとこ取りしたいという話で答えられたんですけれども、事実上、そのときに計画が二つあるということを認められていて、その経過を見ると、やっぱり基本法に基づく計画があるのに、農林水産・地域の活力創造プラン、これを基本計画の上に位置付けて、農政を変えようとしたんじゃないのかなというふうに改めて今も思っているんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本計画は、十年という中長期的な視点に立ちまして、食料・農業・農村施策の方向性を定めるものでありまして、おおむね五年ごとに今改定されるものです。一方、農林水産業・地域の活力創造プランは、政府においてスピード感を持って毎年実施する個別具体的な政策を盛り込んで、年次改定をしてきたところであります。 このため、五年に一度改定いたします基本計画と、それから必要に応じて改定していきます活力創造プランは、その性質、役割に応じて策定しているものであるというふうに認識をいたしております。
○紙智子君 やっぱり矛盾があったんじゃないのかなと思うんですね。片一方に基本法ありながら、もう一方でそうやって農業の進める形がなかなか進まない状況になったんじゃないのかなと。農業生産の拡大、それから食料自給率の向上という国会の意思に沿った基本計画は、結局そういう中で達成されていないわけです。 現行の基本法がWTO体制に合わせた改正だったとすると、今回の基本法の見直しというのは、言わば、この間のずっと路線でいくと、メガ協定などの自由化路線、プログラムに沿った輸出、スマートなど、官邸主導で始まった農政に合わせた改正になるんじゃないかと思うんですよ。 加えて言えば、この自由化と円安誘導策で酪農は今赤字になっています。米は低米価が続いています。足りなくなってというか、だんだん減ってきているという中で、今、一時期は米価上がっているようですけれども、続いていると。それなのに、TPPのときのような、なかなか現場から声が上がっていないよねとよく聞くんですけど、それはなぜなのかといったら、やっぱり安倍政権時代に農協法を改悪したということが国民的な運動を広げることにできなくなったからじゃないのかというように思うんですよ。 今の農政では、やっぱり幾ら意見を言ってもなかなか通らないと、現場の声幾ら上げてもなかなか受け取ってもらえないと、そういうような思いになっていて希望を見出せなくなっているんじゃないのかなと思うんですけど、この点について大臣の見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法が制定されて以降の約四半世紀におきまして、人口減少に伴いまして国内市場が縮小をいたしました。基幹的農業従事者が半減する中にあって、それでも農業総産出額が九兆円前後を保っております。また、担い手への集積率が六割まで増加しておりまして、販売額五千万円以上の経営体や法人経営体も参加するなど、望ましい農業構造の実現に向けて進展しているというふうに考えております。 今後、農業者の減少が不可避となる中においても、農業が維持発展するためには、収益性の高い農業の実現を図ることが重要と考えておりまして、スマート技術の展開等によります生産性の向上や農業の付加価値向上、輸出による販路拡大等を図ってまいりたいというふうに思っております。 生産者の方々に対しては、やはり、それはしっかりと希望を持ち得るような、そういう農政にしていかなければならないというふうに思いますので、法案が成立した際に、法案を成立させていただきました際には、基本法に基づいてしっかりと施策を実行し、先ほども言いましたように、農林水産業に関わる方々が将来に向けて夢と希望を持ちながら取り組んでいただけるよう、職責を果たしてまいりたいというふうに思っております。
○紙智子君 やっぱり希望を持てるようにしていくということでいうと、やっぱりちゃんと意見が響いているなと、自分たちの意見は取り入れられているなというふうになることがすごく大事で、私、山田俊男先生が向こう側に今座っていますけど、当時、TPPの取組だって、もう全国どこの農協だって、TPP断固反対というので垂れ幕下がっていましたよね。どこ行っても、やっぱりこれ困るという話の中で、署名だって物すごいたくさん集まってきたわけですよ、紹介議員になってくれってことで。 わざわざあのとき、山田先生ね、外務委員会にその提出された署名がかかるというんで、これは農業に大きな影響あるんだから農水にかけなきゃ駄目だと言って、付け替えて、農水でその署名を採択するぐらいの、そういうことまでやってきたわけですよ。その当時から見たら、今本当に言っても無駄というような状況があるんじゃないのかって。そういう状況というのは本当に風通り悪いし、本当に希望を持てるようにするためには、本当に現場からの声や要求が届くような状況にしなきゃいけないと思うんですよ。 農政に希望を持てなくなっているというのは、農水省の姿勢も私はあると思うんですね。会計検査院が、食料自給率目標を達成していなかった場合の要因分析は行っていなかったというふうに指摘をしました。これに対して農水省は、外交とか経済など様々な要因によっていろいろ影響されるから、これは評価できないんだと、評価の対象にはならないというふうに答えてきたわけですよ。この言い方というのは自由化でも同じで、TPPなどの議論のときもあれほど大きな争点になったわけだけれども、政府は、影響試算を出して、決まって答えていたのは、いや、体質強化対策や経営安定対策を取るから影響ないんだという答弁ですよ。 二〇〇七年のときでしたっけね、あのときはEPAか何かだったと思うんだけれども、影響調査ということでちゃんと発表していましたよね。このままだったらこれだけのGDP比で減少、減収になるんだというのを出して、影響を分かるように少なくともしていたと思うんですよ。今、そうじゃないですもの。体質強化対策、経営安定対策取るから影響はないんだというふうに言うから、全然分かんなくなってきているわけですよね。 で、本当に影響なかったんですかというふうに聞くと、景気動向や為替の変化など、変動など、様々な要因が貿易に影響を及ぼすために、貿易額の変動からEPAの影響のみを取り出すことは困難だと、こういうふうに答えるわけですよ。輸入自由化路線が希望を奪っているのに、影響は分からないんだという話をしているわけです。だから、目標を立てても、影響を聞かれても、時がたったら、まあ外交、経済問題があるからねということでこの検証を避けると。これは行政責任の放棄じゃないかというふうに私は思うんですよね。 やっぱりこれは変わらなきゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) これまでの農林水産物の貿易交渉、例えばTPP、それから日EU・EPA交渉などでは、我が国の農林水産業の再生産が引き続き可能となるよう、重要五品目を中心に関税撤廃の例外を獲得することによりまして、必要な国境措置を維持してまいりました。 また、食料・農業・農村基本法案におきましても、第二十一条第二項におきまして、農産物の輸入の増大によって農産物の国内生産に重大な影響を与えるなど、必要な場合には関税率の調整、輸入の制限といったセーフガード措置を講ずる旨を規定しているところでございます。 こうした国境措置やセーフガード措置を確保した上で、国内生産の振興を図るための必要な施策を講ずることによりまして、先ほど申しましたように、生産者の方々が希望を持って農業に取り組めるような環境整備というのを図ってまいりたいというふうに思っております。
○紙智子君 ちょっと時間がなくなってきましたので、やっぱりどっちにしても、この説明の責任も十分果たさない、これも生産者が希望を見出せない原因になっているんじゃないかと思います。 食料自給率について最後ちょっとお聞きしたいんですけれども、本会議の質問のときに、食料自給率の目標は、その向上を図る指針という文言が向上の改善が図られるという抽象的な表現になったと、幾つかの目標の一つに格下げしたんじゃないですかということで質問したら、岸田総理は、農業者等の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める旨明記しているというふうに答えられたんですけれども、これは、現行法と改正案にある同じ文言をただなぞって言っているだけなんですね。質問に答えたことになっていないんですが。 改めてお聞きするんですけれども、現行法の第十五条の第三項、ここに、「食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針」というふうにあったわけですけど、今度の改正案では指針という文言が削除されていて、これはなぜなんでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 現行基本法の第十五条の三項におきまして、食料自給率の目標につきまして、国内農業生産及び食料消費に関する指針として、農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定める旨を規定しておりました。 今回、改正案の第十七条第二項におきまして、食料自給率目標に加えまして、食料安全保障の確保に関する事項の目標についても基本計画に定める目標と位置付けています。その上で、第三項において、食料自給率の向上その他の食料安全保障の確保に関する事項の改善が図られるよう目標を定める旨の包括的な規定を設けたものでありまして、この中には改正前の規定の意味合いも当然含まれているというふうに思っておりますので、指針を上書きしたものというふうにお考えいただければいいかと思います。
○紙智子君 ちょっとなかなか上書きしたというふうには受け取れないですよね。「食料自給率の目標は、その向上を図ることを旨とし、国内の農業生産及び食料消費に関する指針」ということは、指針ということは方向を示すものですよね。そういう言葉を付けたということ自体が非常に重みがあったと思うんですけれども、これが削られてしまったということでは、ちょっとやっぱり意味が大分変わってくるかなというふうに思うんです。 それで、ちょっともう時間だということなので、続きはまた次回ということで、今日はここまでのところとしたいと思います。 ありがとうございました。(発言する者あり)
○委員長(滝波宏文君) 済みません、指名受けた方だけ御質問をお願いします。
○寺田静君 秋田県の寺田と申します。本日もよろしくお願いいたします。 午前中からの質疑、議事録には載らないお声やつぶやきも多くて、また、今、山田先生の御発言もありましたけれども、自由討議ができればもっと議論が活性化をするのかなと思いながらお話を聞いておりました。先日お話をする機会があったフィンランドの議員は、いつでも手を挙げて、委員会では一分間、発言、質問をしていいというふうに言っておられました。そんなふうに、一部の委員会、審議、何か会ではそういうものもある、自由討議の機会もあるようですけれども、基本法の質疑だけでもそんなふうになったらいいんじゃないかなと思いながら聞いております。 質問に入らせていただきます。 午前中からもたくさん御指摘がありますけれども、国内のこの農業、農村、生産基盤が危機にあります。一方では、UNFPA、国連人口基金の世界人口白書によれば、世界の人口は、昨年八十億、初めて八十億を突破したということでした。 こうした国内、世界の状況を踏まえて、この農政の基本理念及び基本的な施策の方向性を定めるこの基本法の改正に当たって、食料の安定的な確保とそのための農地や農村の持続可能性について議論され、認識を一つにして必要な施策を実施をするということは急務だと私自身も考えておりますし、少子高齢化が日本で最も進んで、高齢者すら減少のトレンドに入っている農業県秋田の選出の者としては、むしろ遅過ぎる改正であったというふうにも感じております。 用意していた質問に入る前に、午前中の質問から一点だけお伺いをさせていただきたいと思います。 食料の安全保障の定義についての佐藤委員に対する鈴木副大臣の御答弁の中で、食料の供給に関して、日本に暮らす一人一人に全てという御発言があった、後段では国民一人一人というふうに発言をされておられました。法文には国民一人一人がこれを入手できる状態とありますけれども、この国民の定義についても、辞書では、狭義には国籍を持つ者とされていて、広くはその国の社会を構成する者とあって、この定義も一つではないというふうに思っています。 ここで指す国民というのは、農水省としてはどのように定義をされているんでしょうか。私自身は、重ねて申し上げれば、鈴木副大臣が一度おっしゃったように、日本に暮らす一人一人であるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂本哲志君) 日本に暮らす一人一人の方々というふうに私たちは考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。安心いたしました。 それでは、用意していた質問に入らせていただきたいと思います。 今日の田名部委員の御発言の中にもありましたけれども、お金を出せば食べ物が買えるという時代ではなくなっているというのは、この場にいらっしゃる多くの方の共通認識だと思いますけれども、残念ながら一般にはそこまでの危機感はないものとも感じております。 ただ、ここでの議論は農政全般にわたるもので、また国民生活にも大きく関わる改正に関するものですので、合理的な価格と適正な価格というお話もありましたけれども、この法律の文言は一般的に理解しづらくて、抽象的になりがちでもあります。 この価格に関する議論の中で、その法文に落ち着くまでの過程を御説明をいただきましたけれども、納得するかどうかは別として、その議論の経過の御説明をお伺いをすれば、その経緯自体は了解可能なものであったというふうにも感じました。 このようなことも踏まえて、この改正を広く国民、日本に住まう方々、この法改正の影響を受ける方々にも分かりやすいものとすべく、この文言の概念を一つ一つお伺いをしながら明らかにしていきたいというふうに思っております。 まず、食料の安全保障の確保について、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給されというふうに書かれておりますけれども、そもそもこの食料が安定的に供給されている状態とはどのような状態を指すのでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 基本法における食料の安定的な供給につきましては、国民の需要を満たすための十分な量の食料が総量として確保されている状態のことを意味しております。
○寺田静君 ありがとうございます。 その安定供給が実現しているかどうかをどの指標を基に判断をされるんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 基本法におきましては、食料の安定供給につきましては、国内の農業生産の増大を基本として、これに安定的な輸入及び備蓄の確保を適切に組み合わせるということで、今回提案をさせていただいております。 それぞれのパーツについて指標を設けるということになると思いますけれども、例えば国民の、農業生産の増大につきましては、国内生産の増大を図る観点から、小麦、大豆、飼料作物など輸入依存度の高い品目につきまして国内生産が目標どおりに拡大しているか、長期的な食料供給を支える生産基盤の確保の観点から、農地面積、農業者や農業技術が確保されているかというようなことにおいて判断されることになるというふうに考えております。 基本法改正案が成立をすれば、これに基づきまして新しい基本計画を策定することになりますので、その中でより深い検討をして、食料安全保障の動向に関する適切な指標の作成や食料安全保障の確保に関する事項の目標、これは食料自給率も含みますけれども、それを検討することになるので、より具体的なことについて、指標について御議論いただけるようになるというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 今、この総量の確保のところを主にお話をいただいたと思うんですけれども、この安定的に供給されている状態、実現している状態というのは、安定的に入手できるところまで含むということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 食料安全保障の確保につきましては、今回の国民一人一人という観点から新しい要素を付け加えておりますので、その観点についても、政策の在り方、政策の評価の在り方等について検討することになります。
○寺田静君 過去に安定的な供給ができなかったと捉えられるケースはあるでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 過去、食料の安定的な供給を図ることができず、国民の生命維持に必要不可欠な熱量の確保が中長期的に困難となるような事態というのは、第二次大戦以降、終戦直後の短い期間を除いて生じていないというふうに考えております。 一方で、短期的に国民生活、国民経済に影響が生じた事例といたしましては、例えば平成五年の米の大不作の事例でございましては、供給量が対前年比で約二割以上減少し、緊急輸入を実施しましたけれども、国産米の販売価格、原料米価格高騰して、消費者等による買いだめや買い急ぎが発生するなど、消費者行動の混乱や関連業界に大きな影響を生じたというようなケースがあるというふうに認識しています。
○寺田静君 その今の平成五年のお話ですけれども、この二割とか、あと、すごく高騰したということを指標に安定的に供給できなかったというふうに御判断をされたという理解でいいでしょうか。何をその指標として安定的な供給が損なわれたというふうに判断をされているんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 今の御発言は食料供給困難事態に関してのことだというふうに理解しておりますけれども、平成五年の米の大不作の事例に関しまして、当時は食料の供給が困難になっているかということをどういう指標をもって判断するかという指標はございませんでした。 そこで、今回、本国会に提出している食料供給困難事態対策法案を検討するためには、平成五年の米不足も教訓にして、重要な食料等の確保を図るための対策を講じるためには何らかの基準が必要だという議論になったところでございます。 本法案においては、食料供給困難事態というのの公示を行うということにしていますので、その基準を定めると。現在のところの議論では、重要な食料について供給量の二割以上減少するというのを一つの基準として、それを基に議論を進めていきたいというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 今後は基準を定めるということだというふうに思います。 この平成五年のときでしょうか、私も大学であったので、当時のことをよく記憶をしています。大学の学食のカレーの御飯がタイのお米、インディカ米になって、米どころから来た私はもちろんでしたけれども、都市部の出身の先輩なども臭いや食味の違いに渋い顔をされていたなという記憶があります。 米農家の減少が進み、さらに異常気象による生育不良というものが重なることがあれば、今後また米不足が発生してしまう可能性も十分にあるということが指摘をされておりますけれども、事実、近年、日本では猛暑が続いて、高温障害なども起きておりますし、また、その後の長雨と低温が続くなど異常気象が常態化をしていると。この気候、気象変動の激しさは今後も続くことが予想されているというふうに思います。 また、別件ですけれども、例えばバター不足などで数か月スーパーで品不足が続くというような状態は安定的な供給ができていないというふうに捉えられるんでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、最近では、平成二十六年度でございましたけれども、その前年度である平成二十五年度の猛暑などの影響で、国産バターの供給量が大幅に減少をしました。これをきっかけに、国家貿易を通じまして十分な量のバターを供給したわけでございますけれども、実需者や家庭でバターの買いだめが生じたために、スーパーなどでバターが品薄となる事態が起きたところでございます。 当時、バターが欠品する店舗、あるいはマーガリンなどで代替する店舗がございましたけれども、当時、数か月間スーパーにバターが全く並ばないような状態ではなかったというふうに認識をしてございます。 その後、こうしたバター需給の乱れに対応するために、毎年一月には生産者団体、乳業メーカー、流通事業者、実需者などを委員とする会議を開きまして翌年度の輸入数量全体を示すなど、バター需給の予見性を高める改善を行っております。 引き続き、国家貿易を適切に運用をするとともに、業界関係者を中心に需給に関する情報を適切に共有をいたしまして、バターの安定供給に努めていきたいと考えてございます。
○寺田静君 この生産量の調整でまたバターが不足するんじゃないか、数年後に、というようなことは指摘をされているところですので、是非安定的な供給に努めていただきたいというふうに思います。 この安定供給に向けて、安定的な輸入の確保が必要との認識に初めて立つことになると思いますけれども、国内自給と輸入の割合はどのように考えられているでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 食料の安定供給につきましては、国内の農業生産の増大を図るということを基本としているところでありまして、改正案におきましても、世界の食料需給が不安定化している中で、将来にわたり食料の安定供給を図るために国内で生産できるものはできる限り国内で生産することが重要だと考えています。 その上で、一方、飼料作物のうちの一部、また油糧作物の全てを国内生産で賄い切れないというのもございますので、農産物、農産業資材について安定的な輸入の確保も図っていくということが重要であります。 以上のように、品目によってどの程度国産、生産を増大していくのかということは変わってきますので、国内生産につきましては、これまでも生産努力目標というのを基本計画に併せて定めておりましたけれども、新しい基本法の下で将来に向けた国内生産の増大、また、国内生産では賄えないものについて、安定的な輸入についてどの程度確保していくのかということについても、主要な品目ごとに新しい基本計画の策定の中で議論していくというふうになると考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 細かな品目ごとを出してみなければ分からないというようなことなのかなとも思いますけれども、本当にざっくりとでも結構なんですけれども、どのぐらいのこの割合が適切、どのぐらいが目指すべき割合、適正な割合だというふうに考えられているんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 今細かな数字で出すことはできませんけれども、これまでも輸入依存度の高い小麦、あと大豆、あと飼料作物等については、国内生産の増大を踏まえまして、自給率換算では、現行基本法制定以降一・四%ぐらい引上げをしてきました。今後もそういった輸入依存度を引き下げるということが重要でございますので、この一・四%という数字を更に引き伸ばすべく国内生産の増大を図っていきたいというふうに考えています。
○寺田静君 この食料の安定供給における安定的な輸入の確保ですけれども、改めてこの安定的な輸入の確保というのはどのような状態を指すんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) これまで申し上げたとおり、油糧種子、あと配合飼料原料のトウモロコシなど、大半を輸入に依存している品目ございますので、一方、輸入品を全て国産で代替するためには現行の国内農地の約三倍が必要だということですね、食料の安定供給の観点から輸入の果たす役割というのは非常に大きいと考えております。一方、昨今の情勢を考えましたら、いつでも必要な量の食料を安価に輸入できる時代ではなくなってきておりますので、こういった意味で、食料安全保障の観点から、安定的な輸入のための施策が必要となってきております。 そういう観点から、今回基本法で安定的輸入の確保ということを位置付けさせていただいたわけですけれども、国内農業生産の増大を図るということを基本としつつも、その分で需要を満たせないという分について、必要な量の食料が継続的に輸入できる状態というのを安定的な輸入の確保というふうに考えています。
○寺田静君 様々価格の高騰言われていますけれども、では、現在は安定的な輸入の確保は実現しているという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。 基本的には、国民の需要に対して必要な食料というのは輸入できるというふうに考えておりまして、国民生活及び国民経済に著しい支障が生じていないことから、安定的な輸入の確保は実現できているというふうに考えます。 一方で、一昨年には、小麦、あと飼料、肥料などの輸入価格が高騰し、我が国の食料供給にも大きな影響を与えたところでございます。近年の世界の食料需給の不安定化を考えれば、今後より深刻な事態が起こる可能性もあることから、安定的な輸入の確保に関して支障が出るということもあり得るというふうに考えています。
○寺田静君 改めての確認ですけれども、この安定という状態は誰にとっての安定なのでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 改正案におきまして、国民に対する食料の安定的な供給に向けて安定的な輸入を図るということとしておりますので、食料の輸入に関しましては国民にとっての安定を図るものであるというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 その安定的に確保できる状態を目指して農水省としてできることと、農水省だけではできないことというのがあると思います。それをどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 農林水産省といたしましては、我が国の食料安全保障を確保していくために、国内生産で需要を賄えない農産物や肥料等について、平時から安定的な輸入を確保するといった観点から措置を実施しているところでございます。具体的には、我が国の民間事業者による調達に係るサプライチェーンの強化に向けた投資可能性調査への費用助成に加えまして、輸入相手国の農業当局との食料輸入に関する政府間対話などを実施しているところでございます。 他方で、農林水産省のみでは対応が難しい措置もあると認識しております。例えば、調達に係る民間事業者によるサプライチェーンへの投資資金そのものに対する公的金融を通じた支援や、食料需給に影響を与えるものの農業当局の所掌には収まらない、例えば紛争等の地域情勢の分析や通商政策全般に係る外交当局間や首脳レベルでの対話といった分野がこれに該当すると考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 高橋政務官のお話にもあったかなというふうに思いますけれども、この年月を掛けて様々関係を築くことなどはなかなか農水省だけでは難しいところではないかなというふうに思います。 こうした農水省だけではできないことに関してはどのように実現を図っていかれるんでしょうか。具体的にはどういうことをされるというふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、安定的な輸入を図るために、民間事業者からのニーズに対応して、他省庁の所管も含めた支援施策の充実ですとか二国間の外交関係全般の強化といった事項につきまして、これを関係省庁とよく連携しながら取り組んでいきたいということで考えております。 具体的には、例えば、我が国への安定的な輸入の確保に影響を及ぼし得るような紛争リスク等の地域情勢の分析ですとか、輸入相手国の主要穀物の輸出動向に影響を及ぼすような通商外交政策に関する首脳レベルの働きかけ、こういった取組につきましても関係省庁とよく連携を図って、その上で実現を進めていきたいということで考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 輸入食料の供給力はありながらも、日本にその食料の購買力が釣り合わないということも想定をされているでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 今の御質問、いわゆる買い負けによって安定的な輸入に影響が出るかという御質問だと思いますけれども、まず、世界的な食料需要に関して、世界的な食料供給が不足する場合、これ当然価格が上昇いたします。また一方で、近年の海外におけるインフレ、あと為替の影響等により円建てでの価格高騰した場合ということにつきましては、日本にとっては輸入価格が高騰して、これまで日本が買っていたものについてもより経済力がある、購買力のある国に優先的に供給が行われるということによっていわゆる買い負けが生じて、安定的な輸入に影響が出るということはあり得るというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 今のところも農水省だけでは解決ができないところなんではないかなというふうに思いますけれども、そうした場合、対策というのはどのようにされるんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) いわゆる長期的に日本が食料を安定的に輸入調達すると、いわゆる買い負けが起きないようにするためには、まず、輸出先国の事業者に長期的な視点から日本が優れた取引先というふうに判断をしてもらうということが重要だと考えています。このため、海外の主要な輸出事業者、また物流事業者等に投資を行うなどによってパートナーシップを強化をして、安定的な取引先としての地位を確立するということが重要だというふうに考えています。 また、価格高騰の場合というのについては、重要なことは、異常気象などの要因により輸出先国の生産が大幅に減少すると、これが価格高騰のきっかけになるということが多いんですけれども、その際に、できるだけ早く輸入のための買い付けを行うということが重要です。要するに、価格が上がってから買うと価格競争というのに巻き込まれると。 このため、今回国会に提出させていただいております食料供給困難事態対策法に基づきまして、いわゆる兆候の段階から輸入を確保すると、輸入促進のための措置を講じるということによって、価格が高騰する中での輸入競争に巻き込まれる前に安定的に食料を確保するという対策を講じたいと考えています。 さらに、農業資材などの生産資材、これ価格が結果的に非常に高騰するということも、実際、昨、一昨年と起こっているわけですけれども、こういったときには、これらの高騰により農業経営に与える影響を緩和するために、これまでも講じてきたような飼料コスト、肥料コストなどの抑制策など各種の影響緩和対策を重層的に講じていくことが必要だというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 日本が長期的には優れた取引先だということを理解してもらうというようなお話もありましたけれども、人口が減っていく中、それが真実であり続けるといいなというふうな思いもあります。 私が議員になる以前でしたけれども、スーパーでよく買っていたのは、抗生物質を一切使っていないカナダのゼロ地豚みたいなものがあって、それで、でも数年前からすっかり姿を消してしまって、どうしてかと言ったら、もう日本には入ってこないと、買い負けてしまってというふうに言われました。実際にやっぱりそういうことって既に起こっているんだろうなというふうにも感じています。 この釣り合わない場合ですけれども、安定的な輸入の確保というふうに言えるんでしょうか。
○政府参考人(杉中淳君) 先ほども申しましたように、世界の食料需給の不安定化というのの一つの要因として、我が国の相対的な経済力の低下ということがあります。 どちらかというと、これまで、一九九九年の基本法制定当時というのは、日本が世界の食料純輸入の約四割を占める世界最大の輸入国で、むしろその時代の方が、まさに日本の言うとおりに売ってくれるという時代であって、まさに好きなものを好きな量だけ買えるという状態だったんですけれども、そうではなくなってきて、今後は競争によって必要な食料を確保してくるという時代になりますので、当然日本の購買力が下がっていく中で十分な食料を確保できないということについても、食料供給の不安定要素になり得るというふうに考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。安定的な輸入が大事だというのはすごく理解をしております。 IMF、国際通貨基金が公表している食料飲料価格指数によれば、一九九二年と二〇二二年の比較で、この三十年間で食料の総合価格指数というものは二・五倍になっているということでした。安定的に輸入にこれからも頼れるのかということは、世界の人口の増加、バイオ燃料の需要拡大、気候変動による干ばつ、洪水、台風などの災害の激甚化などから識者からも疑問が呈されているところだというふうに理解をしています。 元東北大学の教授であられる盛田清秀さんによれば、二十世紀には、このFAO、国連食糧農業機関とか、IMF、国際通貨基金などの国際機関がそろって世界はもう食料不足に陥ることはないと、もう食料問題というのは解決したと、そうした認識が一般的だったというふうにおっしゃっています。実際に、何かの原因で一旦価格が上がることはあっても、せいぜい数年で元の水準に戻っていたと。でも、二十一世紀、二〇〇〇年代に入って、オーストラリアの大干ばつが二年連続で起こったりして食料価格は上がって、まあまた落ち着けば元の価格に戻るだろうと思ったら元には戻らなかったと。この辺りを円安だとか戦争のせいと思っている人も多いと思うし、それは確かに食料価格の極端な高騰を招いたけれども、戦争が終われば元に戻るということにはならないだろうというふうに指摘をされています。 この盛田さんによれば、トウモロコシ、小麦、大豆、米といった穀物価格は二十世紀後半と比べて二倍になっていると。これまで輸入、備蓄、国内生産という三つの方法で日本は対応してきたけれども、これもなかなか厳しい状態にあると。 この一番目の輸入について、今るる話してきた輸入ですけれども、今まではやっぱり結構安上がりだったけれども、結果として自給率が三八%になってしまったと。また、現在は円安ということもあって、この輸送費も高騰して輸入コスト全体が上がってしまったので、なかなかこの外国頼みの輸入というのは苦しくなってきているのが実情だと。そして、しかも、食料不足が起きるとやっぱりどの国も自国優先になるから、輸出規制を簡単に掛けてしまうと。だから、いざというときにこの輸入は当てにできないと、リスクが高いと言えるというふうに指摘をされています。 また、この二番目の備蓄に関しても、現在、米の百万トンを始めとした小麦、トウモロコシを数か月分備蓄をしていると。これは二〇一一年の東日本大震災のときには大きな助けになったけれども、備蓄というのはコストがかなり掛かるので、過度に依存できるものではないというふうにおっしゃっています。 また、三番目の国内生産に関しては、これまでは不利と言われて輸入を拡大してきたけれども、現在ではコストも含めて、あるいは安定性も含めて一番頼れる存在となっているというふうにお話をされています。 私も全然この答えを持って話をしているわけではなくて、ただ、この盛田氏が指摘をされている、一番頼れる存在であるはずのこの国内の生産基盤、農村、農地が、この農水省の必ずしも所管範囲だけではない様々な理由もあって危機的な状態にあるんだろうというふうに思っています。 済みません、通告をしていませんけれども、大臣の所感を一言いただければと思います。それで終わりにしたいと思います。
○国務大臣(坂本哲志君) 私たちとしては、食料、そして農業、そして農村をしっかり守るため、そのためにはやっぱり人が必要である、そして農地が必要である、人と農地を基盤として食料をやはりしっかり確保していく、あるいは国内で作れるものはできるだけ国内で作っていく、そして、そのことが農家の所得にも、所得増にもつながり、農村の活性化にもつながっていく、そういう思いで今回の食料・農業・農村基本法を提案したところでございますので、こういう私たちの考えがしっかりと今後実を結ぶように、基本計画、成立させていただきましたならば、基本計画の中でその道筋を明らかにしてまいりたいというふうに思っております。
○寺田静君 ありがとうございます。終わります。
○委員長(滝波宏文君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 食料・農業・農村基本法の一部を改正する法律案の審査のため、来る十四日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認めます。 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十七分散会