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213回国会参議院2024/03/21

農林水産委員会 第2号

発言数
217
登壇者
30
会派数
8
開催日
2024/03/21

会議録

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十九日までに、永井学君が委員を辞任され、その補欠として吉井章君が選任されました。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局審議官安楽岡武君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 農林水産に関する調査を議題とし、令和六年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。  今回、本来であれば坂本大臣の所信に対する質疑という委員会ではあるんですけれども、どうしても、同時刻に開催されている衆議院の方に農水大臣が呼ばれたということで、大臣がいない中での委員会開催に各理事、メンバーの皆さんに御了解いただき、また質疑順も大変御調整いただきましたことを、まず筆頭理事として感謝申し上げたいというふうに思っております。  それでは、質問に移らせていただきますが、その坂本大臣が、今月十二日の委員会での所信表明で、農林水産省の最も重要な使命は国民に食料を安定的に供給する食料安全保障の確保と述べられました。農林水産省としても、林業も大変重要ですけれども、大臣がおっしゃるように、我が国の食料の確保、食料安全保障の確立は大きな柱の一つだと思います。ただ、世界的な気候変動により生産環境が激変している上、日本の急激な人口減少、高齢化に今直面しております。  農業においては、基幹的農業従事者の減少は顕著で、二十年前から半減しています。さらに、これから二十年後には現在の四分の一の三十万人にまで減ると推計されております。農水省として、これまでも食料自給率の向上に取り組んできたはずではありますけれども、カロリーベースで二〇三〇年に四五%という目標を掲げておられるものの、現在三八%という低い水準にとどまっております。  日本の経済、また為替の水準を考えると、食料を輸入すればいいという状況ではなくなってきている中で、今後も国民への食料供給を担っていけるのかということが危惧されております。そうした状況下で、政府として、農業の憲法とも言える食料・農業・農村基本法を四半世紀ぶりに改正することになりました。  坂本大臣は所信で、基本法改正案について、食料安全保障を基本法の柱に位置付け、国内農業生産の増大を基本とする食料安定供給の基本的考え方を堅持するというふうに述べられております。基本法改正案では、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、国民一人一人がこれを入手できる状態と明記しておりますけれども、生産資材の高騰、農村部での人口減少、少子高齢化といった厳しい状況を踏まえた上で、食料安全保障の確立に向けて、農林水産省の考えをお聞かせください。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。また、大臣でないにもかかわらず答弁させていただくことをお許しをいただければと思います。  今後の食料安全保障の確立に向けては、世界と我が国の食をめぐる情勢の変化への対応が避けられないというふうに考えております。まず、世界に目を向けますと、気候変動による異常気象や自然災害の頻発、そしてアジア、アフリカでの人口増加、また中国やインド等の経済成長を背景とした食料需要が増加をしていて、これまでのように自由に日本が当たり前のように買い付けができるという状況ではなくなっているということをまずよく踏まえなければならないというふうに考えております。  そしてもう一点は、今なお絶えない各地の紛争や、そして新型コロナの感染症の蔓延などによる物流の混乱など、貿易を不安定化させる事象というのも増えているというふうに考えております。このため、不測の事態にも対応できるよう平時から食料安全保障の強化を図る必要性が増していますし、これまで以上に、こういう時代だからこそ、国内生産が大切であるという時代に入ってきているというふうに考えております。  しかしながら、一方で、国内に目を向ければ、農業者の急減、そして農村の集落機能の低下といった差し迫った課題に加えて、不採算地域から流通や小売業が撤退しているということであったり、貧困格差の拡大など、これまでには余りなかった新たな問題も、この食品アクセス問題というのが顕在化をしているというふうに考えております。  現行の基本法が定められた当時は、恐らくこういう概念というのは余り議論されることがなかったのかもしれませんが、そういう今の現状を踏まえますと、これまでのように十分な食料を総量として供給をしていくということだけではなくて、しっかり全ての国民に食料を行き渡らせていくということが課題になっているというふうに感じております。  これらを踏まえまして、今回の基本法の見直しの中で、食料安保を基本理念の柱と位置付け、必要な食料を総量として確保した上で国民一人一人が食料を入手できるように、食料安全保障の抜本的な強化に取り組んでいくということとさせていただいております。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 食料安全保障の確保には食料自給率の向上が必須だと思います。  食料・農業・農村基本計画には、食料自給率向上その他食料安全保障の確保に関する事項の改善が図られるようというふうに規定されております。  基本計画は、法案の成立後、その実現に向け、議論、検討がされ、策定されることになると思いますけれども、九年前に食料自給率目標を五〇%から四五%に引き下げて以降も議論されてきたものの、向上する兆しというのは見えない状況であります。  算定上、畜産飼料を輸入に頼ってきたのも大きな要因の一つだと思いますけれども、食料自給率の向上について、改めて農林水産省の考えをお聞かせください。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  食料自給率は、国内で生産される食料が国内消費をどの程度充足しているかということを示す指標であり、引き続き重要な指標だというふうに考えております。  議員御指摘のように、基本法制定以降の食料自給率は、当時の四〇%から現在三八%前後へと微減をしております。この引き下げる効果について、要因について考えますと、議員御指摘のように、輸入依存度の高い飼料を多く使用する畜産物の消費が増大する、また、国内で自給可能である米、野菜、魚介類などの消費が減少するなど、消費面での変化が主な要因となっております。  食料自給率の変化につきましては、このように様々な要因が関係をしておりますけれども、農林水産省として、最も大切なことは、国内生産を一層増大することにより輸入に過度に依存している状況を改善し、食料安全保障の確保を図ることだというふうに考えております。  このため、麦、大豆、飼料作物や加工原料野菜などの輸入依存度の高い品目の国内生産への転換や、米粉の特徴を生かした新商品開発等による利用拡大や、米の輸出促進等による米の消費拡大や販売促進を図ることが重要だと考えております。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 食料自給率にとっても大変重要な物流についてお伺いします。  改正されました働き方改革の関連の法律が来月から本格施行されることになり、物流分野にも大きな影響が出る見込みであります。  食料流通の九七%をトラック輸送が担っていますけれども、鮮度が命の農林水産物にとって輸送能力の縮小は大きな課題であります。特に、大消費地である都市部から距離のある地方部では、輸送能力の縮小や輸送コストの増大に対応するため、集出荷施設の改修、大量一括輸送のためのストックポイントの整備、パレットの利用拡大など、様々な取組をしております。  一次産業を担っている皆さん方からは、生産コストの価格転嫁が進まない中、輸送コストの負担増は経営を更に厳しいものにするという声が相次いでおります。物流の二〇二四年問題による掛かり増し経費などについては、一部の国の補助事業が実施されておりますけれども、大消費地から遠ければ遠いほど運賃の上昇は大きくなります。  産地側へのコスト負担が集中しないよう環境整備を進める必要があると思いますけれども、農林水産省のお考えをお聞かせください。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) 物流に伴いますコスト負担についての問題でございます。  物流につきましては、ドライバーの人手不足から端を発しまして、荷主を始めとする関係者で応分の負担をし合いながら取組を進めるということで、政府全体で取組を進めているところでございますが、議員から御指摘がございましたとおり、産地側におきましてはこの負担というのは非常に重いものでございます。  現場で様々な課題が生じてございますが、農林水産省では、昨年十二月に坂本大臣を本部長といたします物流の対策本部というものを設置をいたしまして、課題解決に着手をしたところでございます。  農業団体、それから食品産業団体、それからトラックですとか鉄道、海運といった物流団体の皆様にも協力をいただきまして、現在、現場に入って更なる課題を洗い直しながら問題解決に当たっているというところでございます。二月以降これまでに十一府県十三か所に入って取組を行ってございますし、また今後、十三道県十三か所にも既に入る予定をいたしてございますので、一つ一つ課題の潰しをしていきたいと考えているところでございます。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 非常に課題多岐にわたっておりますので、是非とも継続的に対応をお願いしたいというふうに思っております。  次に、今年一月、元旦、元日に発生しました能登半島地震についてお伺いします。  坂本大臣も、所信で真っ先にこの能登半島地震について取り上げられております。私も遅まきながら、先週、私、今、自民党の水産部会長を務めておりまして、水産部会長として被害の状況を把握するために現地に伺いました。  私は、輪島の輪島港、そして珠洲の狼煙漁港、蛸島漁港、そして鵜飼漁港を訪れました。漁師の皆さんや首長の皆さんと意見交換をしましたけれども、石川県内で最多の漁船が利用されている輪島港では、地盤の隆起によって湾内の水深が浅くなってしまっていて、約二百隻の漁船が湾外に出られない状況になっております。現地では、一日も早い漁船の救出と、また漁業再開に間に合うように港や製氷施設の復旧支援をお願いしたいというふうな話を聞きました。  能登半島地震により被害を受けた水産業の復旧復興に向けてどのように取り組んでいくつもりか、水産庁の考えをお聞かせください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  漁港の復旧につきましては、漁業の一日も早い再開に向けまして、石川県におきましては十六の漁港で応急工事を現在実施しているところでございます。他方、御指摘のような地盤隆起などによります甚大な被害を受けた漁港もございます。こうした漁港につきましては、今後、県、市、町や関係者とともに復旧復興方針を検討し、仮復旧、本復旧を進めていく考えでございます。  一部の地域では、既に定置網などの操業が再開しているところもございますが、一方で、港内で漁船が身動きが取れなくなっていると、あるいは製氷施設などの共同利用施設が被災しているなどの理由によりまして操業再開に至っていないところも多いと承知をしているところでございます。  このため、被災者の生活と生業支援のためのパッケージに基づきまして、漁業者などによります漁場復帰の取組の一環としての漁船の移動に対する支援でございますとか、本格復旧までに使用する仮施設の整備も含めた製氷施設、給油施設などの共同利用施設の復旧に対する支援などにスピード感を持って取り組んでいるところでございます。  引き続き、県などとも十分に調整を図りながら、地元漁業関係者の意向を尊重し、丁寧に対応してまいりたいと考えております。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 食料安全保障において、農業と併せて漁業、水産業も重要な柱であります。スピーディーに、かつ息の長い取組をお願いしたいというふうに思っております。  また、水産物をめぐる別の課題についてもお伺いしたいというふうに思っています。  私の地元、佐賀県、そして隣に座っております山本啓介理事の地元の長崎県、そして藤木先生、そして松野先生の御地元の熊本県、そして福岡県、この四県を取り囲む有明海というのは、ノリの……(発言する者あり)まあ鹿児島はちょっと有明海でいくとあれですけれども、ノリの一大産地であります。とりわけ、佐賀県のノリの養殖は、販売枚数、販売金額とも日本一を誇っていたものの、昨シーズンの記録的な不作により二十年ぶりに首位の座から陥落しました。さらに、今期は、現在も赤潮プランクトンが拡大し、ノリの色落ちに見舞われて、経営が極めて厳しくなっております。これからを担う若手の皆さんの中にも、ノリ養殖をやめざるを得ない方も出ております。  このような中、昨年三月にまさに野村哲郎農林水産大臣が出されましたこの談話について、地元の漁業団体の皆さんは、有明海再生の加速化を今まで以上に進めてほしいという強い思いから、先月の十四日に賛同する文書を坂本大臣に手交されました。  特に、佐賀県有明海漁協は、県内に様々な意見がある中での苦渋の決断でありました。こうした有明海の現状と漁業者の決断を踏まえて、有明海特措法に基づく有明海再生事業の予算継続はもちろんのこと、諫早湾干拓調整池からの排水を常時行える排水ポンプの増設、並びに調整池からの小まめな排水などを求める声が上がっております。  また、有明海沿岸四県が協調、連携した有明海再生の取組を更に強力に実施していく必要があるというふうに考えておりますけれども、農林水産省の考えをお聞かせください。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 本年二月十四日に福岡、佐賀、熊本、三県の漁業団体の代表の方々と面会をし、大臣がですね、そして、令和五年三月の大臣談話への賛同を表明する文書をいただいたところであります。  本件については長い経緯がある中で、漁業者を代表する三県漁業団体が一致して賛同いただいたこと、有明海再生の加速化を望む切実な思いを農林水産省としては強く受け止めさせて、重く受け止めさせていただいたところであります。  多くの漁業者、そして漁業関係者の皆様に有明海再生を実感していただけるよう、大臣談話に基づく必要な支援の実現に向けて、漁業者の皆様にしっかり寄り添いながら全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。

山下雄平自由民主党

○山下雄平君 よろしくお願いします。  以上で終わります。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 自由民主党の山本啓介でございます。  質問の機会をいただきましたことをまずもって御礼を申し上げたいと思います。  また、鈴木副大臣、高橋政務官を始め、政府参考人の皆様方にはどうぞよろしくお願いをしたいと思います。  私も大臣の所信に対することでありますので、所信の中身が前提であります。既に今、山下筆頭の方から、農林水産省の食料と農業に関する基本法に関することを中心に、農林水産業、一次産業全般にわたる姿勢についての問いがございました。私も同じように、それらを前提に鈴木副大臣に少しお尋ねをしていきたいというふうに思っています。  古代からこの我が国は、この一次産業がもはや国土を形成してきた、そういったことを言っても過言ではない、そのように感じています。それらの不断の営みがまさしくそれぞれの地域の振興にもつながっていっておりますし、それぞれの地域の発展のベースとなっているのは間違いのない歴史であろうと思います。  ただ、気候変動や資源の枯渇、さらには働き方や食、食べ物の習慣、暮らしの習慣、そういったものの変化によって求められる内容も変わってまいりました。その変化に応じながら一次産業に従事する方々はいろんな取組をしてきた。そこに必ず農林水産省という行政の役割も十分果たしてこられたというふうに理解しています。  そういった歴史の中には、気候変動とかそういったもの、どうしようもないような話もありますけれども、例えば国と国の経済協定とか、そういった国家間の貿易や投資を進める協定の中身にあって、それぞれの産業に影響する事柄というのも当然これまであってきた。約二十一の経済協定があるというふうに聞いています。  これらは、国と国とのやり取りであると同時に、影響を受けるのは一次産業に従事をしてきた方々、そういった方々が自身の産業を続けていくために何とか乗り越えてきたと同時に、農林水産省の方々も一緒に闘ってきた歴史であろうと思います。  まず、この歴史、農水省さんとしては、しっかりとそれらを記して分析をし、さらに次の国、国家としての役割をどのように果たしていくのか、そして国際社会においてどのように我が国の農産物や水産物を輸出していくのか、その戦略に役立てているのかどうか、その辺りについてお尋ねしたいと思います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。  まず、農林水産省といたしましては、これまで、WTOの農業交渉、そして最近ではTPP、またその他の経済連携協定交渉など、多くの国際交渉に対応してまいりました。  これらの交渉のうち、例えばTPP、そして日EU・EPA交渉などでは、守りの観点から、我が国の農林水産業の再生産が引き続き可能となるよう、重要五品目を中心に関税撤廃の例外を獲得したところでありますし、また、攻めの観点では、我が国農林水産物の輸出促進に向けた環境を整備すべく、輸出先国の多くの品目について関税を撤廃をしてきたところであります。  これらの成果は、国会における御議論も踏まえて、我が国の農林水産業の発展のために政府一体となって粘り強く交渉した結果であるとも考えております。今後の交渉についても、しっかりとこれまでのことを分析をした上で、交渉ごとの状況に応じて、攻めるべきは攻め、守るべきは守ることにより国益がしっかり確保されるように最善を尽くさなければならないというふうにも考えております。  また、もう一点、重要な論点として考えなければならないと思いますのは、世界のやっぱりルール作りということも、我が国の農業の実態や食の実態をよく踏まえて、世界のルール作りなんかにも積極的に今後は関与をしていく、こういった意識も農林水産省としては持っていかなければならないというふうに考えております。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございます。  世界のルール作り、まさしく、例えば農業であれば今言った品目との調整があろうかと思います。さらには、水産業においては、それぞれの海域に関する事柄、そして何よりも資源に関する事柄、これらについて、特に水産においては我が国が最も長く取り組んできたものであるし、我が国の食生活には最も、流通も含めて影響及ぶ、そういったことを、世界をリードしていく、そういった状況にあろうかと思います。ルール作り、まさしく我が国がリードしていかなければならない観点であろうかと思います。  私が今回国政へお送りいただき初めて質問をさせていただいたのは、この農水委員会でありました。そのときの大臣は、今委員でいらっしゃる野村哲郎大臣で、御答弁をいただきました。  その際、これも所信に対する質疑でありましたけれども、大臣の所信の中には、厳しい状況、それは食料安全保障という観点の説明であったかと思いますが、オールジャパンでやるんだと、日本の国内にあるものを全て使ってでもしっかりとやっていくんだと。  私は、ウクライナの状況も踏まえて、国際的な状況も踏まえて、混沌とする国際情勢を考えるならば、我が国が我が国だけでしっかりと国民に安定的な暮らしを提供していく、それが我々の長い歴史を持つ農林水産業であろうと、それをしっかりと農水省が守っていくんだという表明であったというふうに理解し、地方の出身として意を強くした覚えがあります。  その際に、これから、新たなルール作りもそうでありますけれども、農林水産に従事している方々を所属で分けるわけにはいかない、人も足りていない、農地や海域、資源も足りていない。やはり、この国で農林水産業に取り組む方々一人残さず、しっかりとこの国の安定的な食料の供給や、林業や国土を守っていく、その取組に参画していただく、そんな姿勢も必要であろうかと思います。  しかしながら、そこにはしっかりとしたもうけがなければ持続的なものに発展していかない。こういった部分について構造をしっかりとつくっていく、若しくは構造をしっかりと改革していく、その気概を副大臣にお尋ねしたいと思います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) ありがとうございます。  気概をということでありますので、あれですけれども、まさに、山本委員おっしゃるように、人口が、世界がすごい増える中、そしてまた気候変動などで世界での食料生産というのが厳しくなる中で、我が国でしっかりとした生産を確保していくというのが国としての、これは農林水産省というよりは国としての私自身至上命題であろうというふうに思っております。  その中で、国民への食料の安定供給を図っていく上で、農業が産業として持続的に発展をしていくということも重要でありますし、また、私自身も先生の御地元の例えば平戸なんかにもお邪魔をさせていただいたことありますが、それぞれのやっぱり地域を、なかなか生産条件厳しかったとしても地域を支えているというのも農林水産業であるということもよく踏まえて施策をやっていかなければならないというふうに思っております。  そして、これからやっぱり農業が産業として持続的に発展をしていく、このためには、生産性の向上と付加価値の向上、そして収益性の高い経営を実現することが重要であるというふうに思っております。  今般の基本法の改正法案においても、消費者の需要を的確に捉え、それに応じた生産を推進しつつ、農業経営の、農業経営管理能力の向上、そして農作物のブランド化による付加価値向上や輸出拡大を通じた収入の増加、そして農地の集積、集約やスマート技術の開発、実用化の加速等による生産性の向上などの施策を推進するということとしております。  また、更に付け加えて申し上げさせていただくと、今後は、しっかり地域でやっていただく経営者の皆さんを支えていくということが大事であるのと同時に、食料の分野で日本が海外も含めて様々な稼ぎ方をやっぱりしていくという芽も増やしていかなければならないというふうに思っておりますので、例えば知財で稼いでいくとか、そうした多様性をこれから重要視しながら取り組んでまいりたいというふうに思います。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 攻めの部分を十分にお話をいただいた上で、これまでも取り組んできた守りの部分も御説明をいただいたというふうに理解をします。  その上で、やはり、先ほど私申し上げましたけれども、我が国にあるいろんな従事者、プレーヤーの方々、全てを巻き込んでというときには、やはりその地域地域の強みをしっかりと評価する必要があろうかと思います。  さらには、SDGsとか持続性とか、あえて最近言葉で、言語化していくことでありますけれども、本来は、昔から我が国にはそれはあったものであって、それを世界において言語化しているだけだと私は捉えています。  そういう観点からいけば、例えば農業であれば、耕畜連携というのは昔からあって有効なものであった。それを今、いま一度しっかりと評価して、それぞれの地域でそれが根付いてうまくいくんであればそれを使う、そうでなければ変えていく。漁業においても、新しい取組であれば、又は気候変動によって資源の場所が変わったんであれば新しい取組に変化していく、さらには、それらをグローバルというよりもグローカルの観点から、世界的な場所によってそういった評価をしている分、我が国に対してもしっかりと評価しながら、地域の強みを少ないながらも外国へと発信していく、出していく、輸出額を上げていく、そういった取組につなげていく必要があろうかと思います。  この質問、総括、最後もう一声いただけないでしょうか。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) ありがとうございます。  まさに山本委員がおっしゃることは多分すごい大事だと思っておりまして、まず、全体的に見ればうちの国は人口が減りますから、胃袋としての、何というかマーケットは小さくなるので、やっぱり生産量をしっかりと増大をさせていって、輸出をして稼いでいくというのが基本だろうというふうに思いますが、ただ、そのときにやはり視点として大事にしなければいけないのは、北海道から九州、沖縄まで縦に長くて、そして大規模な生産ができる場所から中山間地域、島なんかは特にそうだと思いますが、大変な状況のところまで様々あると思いますので、できる限り、我々役人、役所の人間もそれぞれの現場に出かけていって、それぞれの地域で強みは何なのかというのをしっかりと分かった上で、それを施策にしていく、支援をして支えていくということが必要かというふうに思いますので、委員からも御指導いただきながら取り組んでまいりたいというふうに思います。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございます。  次に、水産について質問をさせていただきたいと思います。  今、前の質問でもあったように、我が国は周り海で囲まれた海洋国家であります。であるからこそ、沿岸漁業者と遠洋漁業者、その先には領海、そして排他的経済水域、そして他国の領海があると、そういう連続性の中に水産業というのはあると理解しております。これらに関する質問であります。  まず、沿岸漁業者の声であります。今回、私の地元、長崎県の対馬の漁業者の多くから少し聞こえてきた声でありますが、今、国際競争力を高める中にあって、我が国の船舶においても大型化が進んでいます。遠洋漁業の方々が対馬の地域でも多く活動されておりますけれども、この大型化、働き方改革や、その働く空間の改善、そういったことから必然的に船舶が大きくなっていると。しかしながら、大きくなったんであれば当然漁獲が増えるんではないかと、だったら今よりも遠くの海で捕ってくれよというのが沿岸漁業者の方々の声であります。  この内容は、先ほど前提として話したように、大型化の理由は漁獲の増大を意味するものではないということは水産庁の方もしっかりと説明をいただいている。しかしながら、漁業者の方々に同じ情報をしっかりと徹底するというのは難しい事柄でもあります。今、大きくなった船が来るということだけで、その情報だけが回れば沿岸の漁業者の方々は悪影響があるんじゃないのかなと懸念の声を上げております。いま一度詳しい説明を求めたいと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  大切な水産資源を持続的に利用していくためには、沖合遠洋漁業などの大臣許可漁業であれ、沿岸漁業であれ、この資源を利用する全ての漁業者が協力して資源管理に取り組むということが必要だと考えております。  その上で、大臣許可漁業につきましては、沿岸漁業と異なる漁獲能力などを有しているということを踏まえまして、例えば一定の禁漁期間や操業禁止水域を設定するなど、沿岸漁業にはない規制を設定している場合が多くあるところでございます。  他方、御指摘のとおり、漁業を若者にとっても魅力ある就労環境にしていくという観点も重要でございまして、安全性、居住性、作業性を向上するといった観点、生産コスト削減の観点からも漁船の大型化を進めていくことは同時に必要というふうに考えているところでございます。  委員御指摘の対馬周辺水域を操業海域とします大中型巻き網漁船の大型化につきましても、同様の観点からこの大型化を図るというふうに伺っておりますけれども、漁獲能力を増大させることのないよう、農林水産省といたしましては、漁業許可に当たってTACの遵守を徹底させることはもちろんのこと、網置場の面積や魚倉の容積を現状より増大させてはならないという制限を付す考えでございます。  農水省といたしましては、これまでも協定会議などの両者の話合いの場に参画し、調停案の提案も行ってきたところでございますし、また現地の沿岸漁業者への説明会の方に出向くなどして懸念の払拭に努めてまいったところでございますけれども、引き続き、両者、両漁業が共存していけるよう取り組んでまいりたいと考えております。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございます。丁寧な説明というのを求めていくことについて今説明、答弁をいただいたというふうに理解をいたします。  しかしながら、やはり情報の共有の在り方、これ、このことだけではなくて、是非とも、漁業者の方との情報共有には、都道府県の協力もいただきながら、又は各団体、関係団体の協力をいただきながら、浜に足を運んで、しっかりと御説明をいただきたいというふうに思います。  しかしながら、今回の件は、大型化において漁獲に影響を及ぼさない、そして資源管理の観点からそれらの漁獲の量もチェックしていく、ペナルティーが明確にあればまだまだ沿岸漁業者の方々にも理解ができるし、さらには漁獲量が増えないのに大型化したから資源がある場所よりも遠くに行けと、場所を変えられる大型巻き網船の経営に影響してはならない、両方あろうかと思います。このペナルティーの部分の情報共有、そしてペナルティーそのもの、これらについて更に詳しい説明を求めたいと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 先ほど答弁申し上げましたとおり、許可に当たりましては様々な条件を付す考えでございます。そうした条件が、違反をすることのないよう、取締りの方はしっかりやっていく考えでございますし、また、漁獲量につきましてもTACが、こうした大中巻き網型漁業につきましてはTAC魚種というのが大半でございますので、こうしたTACの管理といったことにつきましてもしっかり取り組んでいきたいと思います。  こうした調整問題、お互いの不信感といいますか、例えばその連絡体制の不備等によるものも多いところがあるかと思っております。そうしたような沿岸漁業、沖合漁業の相互の連絡の密にさせていく等々も含めて、今後、またいろいろ調整をしていきたいというふうに考えております。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いしたいと思います。  そして次に、今のは沿岸漁業者、そして遠洋漁業者という話だったんですね。我が国は、十二海里を領海として、その先二百海里まで広げていくと。で、排他的経済水域というのがそこに存在するんですけれども、私の住む壱岐、そして対馬、長崎、これを見ても分かるように、我が国の向こう側、対岸というのは、韓国、北朝鮮、中国、そしてロシア、そういった国々でありますが、そういった国々とは二百、二百、四百ないんですよね。だからこそ、排他的経済水域というところには暫定的に、便宜上ライン引いていますけれども、やはり二百海里ごとにお互い主張していかなければ、お互いその線が自身の場所であるということが自覚できない。  そういった意味からいけば、こういった遠洋漁業の方々というのは、そういったところに出張って経済活動をしていただける、本当に我々の領海を広げていただいていると言っても過言ではないのかなというふうに認識しています。  その現状、今どうなっているか。日中、日ロにおいては、なかなか二国間の交渉等々が進んでいない状況があるからこそ、現場では大型化した、また集団でその漁場に来る相手国が我が国の水産の取組を阻害しているような状況があると、これは団体の方からも言われています。  さらには、そういったことに対して物申すことができない現状であれば、更にこっち側、沿岸の方に寄ってくるので、今度は沿岸漁業者の方からもう少し遠くでというふうなやり取りになっている、板挟みに遭っているという状況であります。  そこに、今、我が国が、我が国の国策として進めている再生エネルギー、洋上風力、この取組もあります。これらが沿岸漁業者が営む沿岸エリアであれば、地先漁業権に関わる漁協の方々の判断で、又は海区調整の関係で関わってくる、そこの判断、意見が出てくる。それを今度沖合にしていくと、他国からの干渉のある、その排他的経済水域に設置するんであればいいけれども、また、その設置もまた他国からのいろんな干渉がある、あつれきが予想される。じゃ、もっとこっちの手前でやろうかとすると、遠洋漁業の方々が漁場としている場所に影響が及ぼす、そういった心配の声が出ています。  もちろん、洋上風力等々については、資源エネルギー庁や経済産業省等々の所管であることは十分理解しておりますけれども、水産業を守る農林水産省としての考え方や今後の対応について御答弁をいただきたいと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) まず、これまでのその領海の内側、沿岸に比較的近い地域に、区域におけます洋上風力発電の導入に当たりましては、農林水産省では、この再エネ海域利用法の促進区域の指定に際して、漁業に支障を及ぼさないことが基準の一つとなっているということを踏まえて、法定協議会に構成員の立場で参加しますし、また、関係漁業者に十分な説明がなされ、理解が醸成されるよう対応しているところでございます。さらに、協議会発足前の案件形成の段階においても、漁業者との十分な議論が行われるよう、水産行政の観点から主務省庁、関係地方公共団体等と連携して対応してきたところでございます。  また、今回、今国会の方にこの先ほどの法律の改正法案が提出をされたところでございますが、この洋上風力発電のEEZへの拡大を目的としましたこの改正法案につきましては、この条文の中で、例えば募集区域の指定に当たっては、漁業に明白な支障が及ぶとは認められないことを要件として、さらに農林水産大臣等の関係行政機関の長と協議するといったことでございますとか、法定協議会の方には農林水産省が構成員の立場で参加することというふうになっているところでございまして、引き続き、農水省としても、漁業を所管する立場から関与をしてまいりたいというふうに考えております。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 ありがとうございました。  もう終わりますけれども、一次産業に取り組む方々に、国策であったり国際問題だったり、そういったものを背負わせることなく、それに従事している人たちは自らの営みの中でしっかりと生産ができる環境づくり、このことに取り組んでいただきたいことをお願いして、私からは終わりたいと思います。  ありがとうございました。

横山信一公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  大臣が衆議院の答弁のため不在になったということで、質疑順に変更していただいたことに私からも感謝を申し上げたいと思います。  それでは、能登半島地震から伺ってまいります。  石川県の稲作農家の被害では、水田の亀裂、のり面崩壊などが七百件以上、それから用排水路破損などが一千件以上確認されています。また、被害が甚大だった珠洲市は今も調査が続いておりまして、まだ全貌は明らかにはなっていないという状況です。被災農家は、一年でも耕作をやめると田んぼが荒れるというふうに心配をしております。五月、この地域、五月が田植と聞いておりますので、そろそろ営農準備のための決断をしなければならないというふうに思います。  農林水産省では、被災者の生活と生業支援のパッケージにより、作付け可能な場合には、被災地外からの種子や種苗の供給などの支援を用意していると。また、作付け困難な場合であっても、他の品目に作付け転換する場合の種子や種苗の購入費助成が用意をされております。さらに、麦、大豆、ソバ等を作付けすればゲタの対象になりますし、また水田活用の直接支払交付金の助成も受けることができます。加えて、二毛作すれば更に追加の支援があるということで、この作付け転換をした場合でも様々優遇できる対策が用意をされているという状況にあります。ですから、米は作れないというふうに諦めてしまわないで、前を向いて営農に取り組んでいただきたいなというふうに思うわけです。  農林水産省からMAFF―SATが派遣をされております。私の住む北海道からも延べ人数で三百人近くが派遣されておりまして、皆さん現地で頑張っておられるという状況でありますが、この営農準備が迫る中、国の用意したパッケージに基づく水稲作継続、あるいはまた作付け転換など、こういった支援策の利用に向けてどうするのか、副大臣にお伺いします。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  初めに、能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に深い哀悼の意とともに、被災された方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  その上で、お答え申し上げます。  稲作など地域農業を支える方々の営農再開には、五月上旬から地域においては田植期が始まる、その中で、それに向けて農業者の御意向の確認に加え、水張りが可能かどうか圃場の被害状況を確認した上で、必要な苗の確保等、スピード感を持って進めることが肝要だと考えます。  このため、農林水産省では、今般の地震による農地や水路、ため池等の被害につきまして、延べ七千名を超えるMAFF―SAT、農水省・サポート・アドバイスチームを現地に派遣し、被災自治体や関係団体等と連携して、被害の状況把握と応急対策を全力で進めさせていただいているところです。  その上で、どうしても水稲の作付けを断念せざるを得ない場合には、被災者の生活と生業支援のためのパッケージに基づき、大豆、ソバ等の代替作物への転換を図り、水田活用の直接支払交付金の活用など、各種支援を重層的に講じてまいります。これらの支援策が被災地の農業者の皆様に周知され、被災者の、被災農地の状況に応じて御活用いただくことが大変大事だというふうに考えておりまして、まず、二月中旬及び今月上旬には、被災された農業者に対し、石川県とJA、農林水産省が一体となって支援策について説明会を開催しております。  また、JA等には県、農林水産省の職員が常駐した相談窓口を六か所設置させていただいておりまして、農業者の個別の相談を受けつつ、事業申請手続の伴走支援を行っているところでございまして、引き続き必要な支援が必要な方々に行き渡るように農水省を挙げて取り組ませていただきます。

横山信一公明党

○横山信一君 よろしくお願いします。  次に、食品産業について伺いますが、これまで、現行の食料・農業・農村基本法では、食品産業と農業は国民に対する食料供給という点において車の両輪というふうに例えられてきました。農業と食品産業の健全な発展を総合的に図るというふうに書かれているわけですね。食料自給率の向上には食品産業の役割が大きいですから、食料供給の担い手として食品産業が位置付けられているという状況にあります。  他方、今日的な課題でいくと、この食料安全保障の確立、あるいは流通の合理化、環境と調和した持続可能な農業への転換と、こういう新たな課題に対してはこの食料システム全体で、それが今回の食料・農業・農村基本法の改正案の骨子でもあるわけですけれども、食料システム全体として対応する必要が出てきているという状況にあります。それはある意味、これまで以上に農業と食品産業との連携を緊密にしていかなければいけないということだというふうに思います。  この基本法改正案では、食品産業の事業者は基本理念の実現に主体的に取り組むと、取り組むよう努めるものというふうにされておりますけれども、この食料システムの全体において今後食品産業をどのように位置付けようとしているのか、伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  食品産業につきましては、加工食品、総菜等の需要が増加している中において食料の供給に重要な役割を果たしておりまして、その健全な発展を図ることが必要と考えております。  このため、昨年八月から、生産から加工、流通、小売、消費等の食料システムの関係者によります食品産業の持続的な発展に向けた検討会を開催しておりまして、将来にわたって持続可能な食品、食料システムの実現に向けた議論を進めているところでございます。  これまでのところ、環境負荷や人権への配慮、原材料の安定調達や海外展開等において国が積極的に旗を振って対応すること、また、生産性の向上や事業承継、物流の効率化等において関係企業が協調して開発、投資を行うよう促していくべきだといったような御議論をいただいているところでございまして、このような課題につきましては、今般の食料・農業・農村基本法改正案においても盛り込んでいるところでございます。  引き続き、農林水産省として、生産から消費に至る幅広い関係者の御意見を伺いながら、基本法改正も踏まえ、食品産業の持続的な発展に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

横山信一公明党

○横山信一君 食品産業の皆様方が農林水産省の方にがっちり目を向けるということが大事でありますので、しっかりお願いしたいと思います。  次に、担い手以外の多様な農業者について伺います。  基本法改正案のベースとなっている食料・農業・農村政策の新たな展開方向では、多様な農業人材という言葉が用いられています。また、九月の食料・農業・農村政策審議会の答申では、農業を副業的に営む経営体などというふうにされております。さらに、十二月の食料・農業・農村基本法の改正の方向性についてでは、担い手とともに地域の農業生産活動を行う担い手以外という、そういう表現がされているわけであります。  一方、現行の食料・農業・農村基本計画では、中小・家族経営など多様な経営体という表現がされているわけでありまして、この担い手以外の多様な農業者というのはどのような農業者を指すのか、そしてまた、今後どのような役割を期待するのか、伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  高齢化する農業者の減少に伴い今後離農農地が多く生じることが懸念される中において、経営規模の大小や家族、法人などの経営形態を問わず、認定農業者など農業で生計を立てる担い手を育成、確保することが重要であり、幅広く支援をしていく方針でございます。  一方で、そうした方々以外の、すなわち委員御指摘のように農業を副業的に営む経営体や自給的農家などの多様な農業者も農地の保全管理や集落機能の維持などの役割を果たしていただいておりまして、その役割に応じて支援することが重要と考えます。  このため、今般提出した食料・農業・農村基本法改正案におきましては、効率的かつ安定的な農業経営を担う担い手の育成、確保を引き続き図りつつとしつつも、担い手とともに地域の農業生産活動を行うその他の多様な農業者を位置付けたところでございまして、そうした多様な農業者につきましてもその役割に応じた支援を行い、農業生産の基盤である農地の確保を図ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 幅が広く今後は農業を捉えていかなければいけませんし、農業生産の基盤を維持していくという意味においても、単に生産者というだけでは、もうそういう時代ではなくなっていると、それに適応していかなくちゃいけないということだと思います。  次に、農作業事故の話に参りますが、二〇二〇年に発生した農作業事故における死亡者数二百三十八人ということで、これ、昨年から見ると四人減ったんですね。減ったんですが、農業従事者十万人当たりの死亡者数では過去最高ということで、十一・一人になっているということであります。  死亡事故が最も多かったのは農機に関するもので六四%、その約半分は機械の転倒や転落ということが原因でした。他方、近年の気候変動の影響で農作業死亡事故に占める熱中症の割合も増加しています。危険な作業を伴う建設業では就業人口十万人当たりの死亡者数は五・九人、農業が十一・一人ですから、危険だと言われている建設業よりも農業の方が二倍多いという、そういう現実があるということで、今は農業は死亡事故の多い最も危険な仕事というふうに見えてしまうという現状です。  JA共済の調査によれば、農作業未経験者ほど危機意識が薄いということが明らかになっていますから、これは言い換えると新規就農者ほど危ないということであります。これらを防止するには、農作業安全指導者による研修や講習が効果的というふうに言われています。研修対象人数が多い県ほど死亡者数が少ないという傾向が見られるからです。  農林水産省では、二〇二六年までに死亡者数を半減させるということを目標に掲げています。この農作業事故の死亡事故を減らすためにどうするのか、伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、農作業事故による就業者十万人当たりの死亡事故者数は令和四年で十一・一人と増加傾向にございまして、また、他の産業と比較しても依然として高い水準にございます。  農作業事故の減少を図るためには、農業機械の安全装備の機能の向上などと併せて、農業従事者の方々に農作業安全に関する正しい知識を習得していただくことが不可欠であると考えております。このため、農業者が実際に正しい知識を習得することができる機会を提供すること、委員が御指摘になられたような研修や講習、こうしたものは大変重要だというふうに考えておりまして、令和六年度、来年度から、農閑期となる十二月から二月の期間を農作業安全研修実施強化期間に設定し、全国に育成した五千名を超える農作業安全に関する指導者が各地域において安全研修を集中的に行う取組を推進することとなったところでございます。また、あわせて、農林水産省の補助事業の実施に当たっても、研修の受講等を通じて正しい安全知識の習得を行っていただくこととしておりまして、この取組を拡大することとしております。  今後とも、都道府県、市町村のほか、JAなど農業団体や農業機械メーカーなど関係者一丸となって農作業安全を推進してまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 よろしくお願いします。  農林水産政策研究所が農林業センサスを基に家族経営での女性の農業参画の動向を発表しました。これによると、女性が出荷先の決定や資金調達など経営に参画する経営体ほどその規模は大きくなる傾向があると。女性が経営に参画した方が経営は順調ということですね。それから、農産物加工や観光農園などの関連事業に取り組む傾向も大きくなるということが示されました。  で、分野別では、女性が経営に参画する割合が最も高いのは四九%なんですけれども、酪農中心の北海道にJA浜中という農協があるんですが、ここで教えてもらった話が、新規就農の条件にしているものがあるんだと、それは何かといったら、夫婦で就農することだというふうに、これを条件にしていると、男一人では途中でくじけてしまうという、そういうふうにおっしゃっていまして、せっかく頑張ってきたんだから最後まで頑張んなさいというふうにやって、最後まで頑張れるのが夫婦だという、そういうお話をJA浜中ではされておりました。  農林水産省でも農業女子プロジェクトというのも推進しておりますので、女性の農業進出が進んでいるものというふうに思っていたんですけれども、今回の発表では、個人経営体で農業に従事する女性の割合は二〇一五年比で二九%も減少したと、また経営体数でも四一%減ったと、そういう結果でございました。  この要因をどう見るのか、また農業経営における女性参画の重要性について伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  委員御指摘の農林水産政策研究所の分析によりますと、二〇二〇年農林業センサスにおきまして、五年前と比較して個人経営体における女性の農業従事者数及び女性が経営に参画する経営体数のいずれも減少しているところでございます。その主たる要因は、我が国の農業従事者の半数を占める六十五歳以上において離農が進んでいることとも考えられます。  一方で、年齢階層ごとの動向、これを見たところ、全体に占める割合は低いものの、六十四歳以下で農業に専従、すなわち年間百五十日以上従事されている方々の女性農業者数は増加しております。また、これ一万人ほど増加しております。また、経営参画につきましても、三十九歳以下で農業に専従している女性農業者では増加をしておりまして、若い世代の女性活躍には明るい兆しも見られるところでございます。  委員御指摘のとおり、女性が経営に参画している経営体は、参画していない経営体に比べて経営規模が大きく、多角化も進んでおり、別の調査では農産物販売金額の伸び率も高いという結果も出ております。  このように、女性の経営参画は、個々の農業経営の発展、さらには地域農業の活性化のために不可欠であると考えております。このため、女性でも働きやすい労働環境を整備するとともに、委員が御指摘になりました農業女子プロジェクト、これ、女性が農業で活躍されている方々、そうした方々を広く発信し、その存在感を高め、職業として農業を選択していただける方々を増やすために十年前に立ち上げまして、現在約千名以上の方々が参加していただいておりますが、こうした取組を含め、女性の能力の向上と活躍の場を創出する取組をしっかりと進めてまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 次に、捕鯨について伺いますが、鯨類の持続的利用在り方検討会の最終取りまとめが発表されました。母船式捕鯨、これは、関鯨丸という新しい船が就航しましたけれども、この関鯨丸を母船とする新たな体制になります。また、それに併せて、この母船式捕鯨では、関係者が期待しているのは、新鯨種、新しい鯨の捕獲を追加してもらうということを期待をしております。  現状の捕鯨というのは、ニタリクジラとイワシクジラの二鯨種だけなんですね。二鯨種なんですけれども、ほとんどニタリクジラを捕っていると。まあ約七割がニタリという状況でありますから、経営の安定化のためにはより大型の鯨種を追加してほしいというところであります。最終取りまとめにおいても新鯨種の追記が記載をされているところであります。  他方、基地式捕鯨、もっと小さな捕鯨ですが、こちらはミンククジラの捕獲枠が消化できない状況にあるということで、加えて燃油高によって非常に厳しい経営が強いられております。最終取りまとめには、コスト削減に向けた努力や捕獲対象鯨種の検討などが記載されております。これらを実現するには、根本的な体制整備、この基地式捕鯨には必要だというふうに思います。  この母船式捕鯨と基地式捕鯨の安定的な商業捕鯨に向けてどうするのか、伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  鯨類の持続的な利用確保に関する法律附則第四項に基づきまして、今後の鯨類の持続的な利用の確保の在り方につきまして検討するための検討会を昨年三月から五回開催し、三月十二日に取りまとめを公表しました。検討会の取りまとめでは、鯨類の持続的な利用の確保の在り方について、重要な食料資源である鯨類を持続的に利用し、伝統的な食文化その他の文化及び食習慣を継承していくためには、鯨類科学調査を安定的に適切に実施し、商業捕鯨が持続的かつ自立的に営まれるようにしていく必要があるとされております。  その上で、御指摘の商業捕鯨につきまして、まず、母船式捕鯨業につきましては、今後、漁獲可能量の増枠が行われたとしても、収益が得られる価格での販売を確保するためのコスト削減や販売促進の取組などが求められる。一方で、基地式捕鯨業につきましては、操業や探鯨の、鯨を探すことですね、の効率化や、これまで基地式捕鯨業の捕獲対象としていなかったニタリクジラなどの鯨種について、安全性を確保した上で捕獲対象とするための検討などが求められるといった方向性が示されております。  農水省としては、この取りまとめに示された対応の方向性を踏まえ、商業捕鯨が安定的な軌道に乗ることができるよう、地方自治体、研究者、捕鯨業者、加工流通業者、飲食業者等の関係者と連携して必要な対応に取り組んでまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 次に、木造建築物の話になりますけれども、地球温暖化防止のために木造、木材を建築物に利用することは、CO2の排出削減に貢献をしています。木造建築物の多くは住宅であります。これに関しては、木造公共建築物等の整備など、様々な補助事業が用意をされています。また、経産省、国交省、環境省が連携をして、家庭でのエネルギー収支ゼロを目指すZEH、ZEHの関連補助事業も展開をされているところです。  こうした木材利用促進の補助事業は建築物を対象としていますので、この建築物に固定した家具にも適用はされます。一方ですね、一方、固定されていない家具については補助事業はないということであります。  国としては、木づかい運動とか、あるいはウッドチェンジなどで国民運動を展開して、身の回りにあるものを木に変えていこうという、そういう行動変容を促しているわけでありますが、温暖化に貢献をする家具に対しては何の補助もないという、今そういう現状にあるわけでありますから、こうしたことについてどう考えるのか、伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  我が国の森林の多くが利用期を迎える中におきまして、切って、使って、植えて、育てる、森林資源の循環利用のサイクルを確立していくことが重要であります。そのために、建築物のみならず、家具も含めて木材需要の拡大に取り組んでいくことが必要と考えております。  このため、国産材を利用した優れた木製品等を顕彰するウッドデザイン賞の受賞作品の広報、普及への支援を行うほか、公共施設の木造化、内装木質化を支援する際に、施設と一体で整備される作り付けの家具を助成対象として認めているとともに、国産材を用いた木製品を取り扱うオンラインショッピングサイトにおける木材利用の意義に関する情報発信への支援等に取り組んでいるところでございます。  また、地方自治体におきましても、森林環境譲与税を活用した木材利用促進策として、公共施設において地域材を使った椅子や書架等の調達している事例も見られるところでございます。  これらの取組により、国産材を利用した家具への需要を促し、国産材の更なる需要拡大を図ってまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 ブルーカーボンについても伺います。  このブルーカーボン、昨年大きく進展をいたしました。国連に提出するGHGインベントリに日本のマングローブを登録したと、計上したということであります。これで世界の中では日本はブルーカーボンを登録した国としては六か国目というふうになりました。また、本年も、海草、ウミクサと言っても分かりづらいかもしれませんが、根っこのある海草です、それと、ワカメ、昆布のような付着している海藻の、この海草藻場と海藻藻場の吸収量を今年計上するという方向に今準備が進められているという状況であります。この海藻藻場がGHGインベントリで公表されますと世界初というふうになります。  一方、このブルーカーボンのクレジット制度というのがありまして、これは国交省が認可したジャパンブルーエコノミーというところが発行しているものでありますけれども、これは民間ベースのボランタリークレジットなんですが、これが国が発行しているJ―クレジットとは異なると。  J―クレジットの方は、地球温暖化対策推進法に基づく報告ですから、企業側の日本の炭酸ガスの貢献量にJ―クレジットを買えば企業側も貢献するということになるわけですが、Jブルークレジットの方はそこまでは行かないということになります。このJBを認可した国交省として、今後のJブルークレジットの在り方について伺います。

西村拓国土交通省大臣官房技術参事官

○政府参考人(西村拓君) お答え申し上げます。  我が国におけるカーボンニュートラルの実現に当たっては、ブルーカーボン生態系を活用し、CO2の削減を図っていくことが重要と考えております。  このため、国土交通省では、国土交通省が設立を認可した技術研究組合を通じて、ブルーカーボン由来のカーボンクレジット制度を創設し、CO2吸収量の認証やクレジットの発行を通じて制度の普及に取り組んでおります。令和五年度は、合計二十九件のプロジェクトにおいて延べ二千百七十トンのCO2吸収量が認証されたところでございます。  また、クレジット購入企業へのアンケート結果によれば、地球温暖化対策推進法に基づく報告に活用できるようにしてほしいとの意見が多く上がっております。これらの状況を踏まえまして、国土交通省といたしましては、地球温暖化推進法に基づく報告への活用も含め、Jブルークレジット制度に対する様々なニーズに丁寧に対応しながら、本制度の更なる普及拡大に努めてまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 じゃ、環境省にもお聞きをしますけれども、このブルーカーボンがGHGインベントリへの計上が進められているという現状を踏まえると、この企業等がクレジット購入のインセンティブとするためにも、Jブルークレジットを温対法の報告に利用できるようにしてはどうかと考えるんですけれども、伺います。

朝日健太郎自由民主党環境大臣政務官

○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。  地球温暖化対策推進法に基づく温室効果ガスの排出量の算定、報告、そして公表制度は、事業者自らの排出量を算定をいたしまして報告する制度となっております。その中で、自らの事業活動とは関係のない国内のクレジットの活用については、J―クレジットを始め、国の制度に基づき認証されたものを対象としております。  お尋ねがございましたブルーカーボン由来のJブルークレジットについても同様に、国の制度に基づいて認証された場合には算定・報告・公表制度における報告への使用が認められる可能性があると認識をしております。

横山信一公明党

○横山信一君 是非、国交省、環境省でこれをコンプライアンスクレジットに変えてもらえるようにしてもらいたいというふうに思います。  ちょっと最後の質問になります。一問飛ばしまして、今Jブルークレジットは企業側も非常に関心が高まっておりまして、一方、ブルーカーボンに関わる主体者というのは八割が漁業者という状況にあります。そういう意味では、もうこの、今後Jブルークレジットの認証に向けて取組を進めていく漁協というのはますます増えていくというふうに思うんですけれども、関心が高まっている企業側にとっても、単にそのクレジットを購入するという、そういうことだけではなくて、ブルーカーボンそのものに関わりたいという、そういう企業が、私の肌感覚ですけれども、結構多くなっているというふうに感じております。  そういうそのブルーカーボンに関心のある企業と漁業者とのマッチングというのをしてはどうかと思うんですけれども、最後にお聞きをいたします。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  農林水産省としましては、ブルーカーボンにも資する藻場の保全、創造を推進するためにも多様な主体の参画が重要だというふうに考えております。  このため、漁港漁場整備長期計画におきまして、漁業関係団体と連携し、企業による社会貢献活動に働きかけを行うこととするとともに、昨年十二月に改訂した藻場・干潟ビジョンにおいても、多様な主体による藻場、干潟保全活動への参画促進を位置付けたところでございます。さらに、こうした取組の具体化に向けまして、令和六年度に民間企業及び藻場保全活動主体双方への意識調査を行うとともに、それらを踏まえたマッチングの在り方や保全活動の展開の手法の検討を行うこととしております。  農林水産省としましては、委員御指摘のとおり、関心を持っていただける民間企業を始め、引き続き多様な主体の参画を促進し、ブルーカーボンにも資する藻場の保全、創造に取り組んでまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 期待しております。  以上で終わります。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 お疲れさまでございます。立憲民主党の田名部匡代です。  大臣、お疲れさまです。今日はよろしくお願いいたします。  大臣所信に対する質疑のときに何度かこの同じ質問をさせていただいていると思うんですが、大臣の所信をお聞かせをいただきました。大臣御本人がどこかこの所信で御自身で手を入れられた部分はありますか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) かなり手を入れたと思います。しかし、どこにどういうふうに入れたかというのは忘れました。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 ありがとうございます。  大臣が、特に大臣として問題意識を持って、この分野、こういう分野には特に取り組んでいきたい、力を入れていきたいと思われるところはありますか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 一般的なことで申し上げます。  特に、世界と我が国の食をめぐる情勢が大きく変化をしている中、農業政策の大きな転換点に立っているというような自覚を持っております。その自覚の中で、本年を食料安全保障改革元年というふうにしたいと思っております。食料・農業・農村基本法の改正と関連法の改正を実現して、新しい基本法に基づく政策に着手をしたいというふうに思っております。  具体的には、人口が減少する中で農業の発展を図り、国内生産を一層増大することにより輸入リスク低減を図り、そして食料安全保障を確保していきたいというふうに考えております。  また、新たな概念といたしまして、生産から加工、流通、消費までを一体として捉える食料システムという言葉を位置付けます。そして、それが、環境負荷低減や適正な価格形成などの諸課題に対して、生産段階だけでなくて、食料システムの構成員が一体となって取り組めるよう連携を強化していきたいというふうに思っております。  その上で、基本法は施策の方向性を定める理念、理念法でありますので、その内容を実現するための法整備も着実に進めてまいりたいと思っております。  その第一弾として、不測時の食料安全保障の強化、そして農地の総量確保と適正・有効利用、さらにはスマート農業の振興、食品原材料の調達安定化の促進といった関連法について、国会で御理解いただけるよう説明を尽くしてまいりたいと思っております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 ありがとうございました。  食料安全保障の問題は大変重要でありますので、今後、基本法を議論する中で我々もしっかりと将来を見据えた責任ある提言をさせていただきたいというふうに思いますし、できるだけ、与野党全く別の方向を向くんじゃなくて、一緒になっていいものを作り上げたいというふうに思いますので、是非我々の提案も受け入れていただければと、いい議論ができればと思います。ちょっとその議論はまた今後ゆっくりできると思いますので。  大臣、是非、いろいろ安全運転とか気にしなくていいです。大臣の思いを私たちにしっかり伝えていただきたいんですね。変な揚げ足取りとかしませんから、是非、私は大臣の熱意の感じる答弁が聞きたいというふうに思いますので、今日は、通告をしていないこともちょっと含まれていますが、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。  先ほど、横山議員も農業やっておられる女性のことについて触れられました。かぶるところは省いて、私も、これ平成二十四年、民主党政権の当時、鹿野道彦大臣、農水大臣のときに、所信で、今後の農業、農村の発展を考えたとき、女性の役割が更に求められております、多くの女性が主体的に活動し、その能力を最大限発揮して輝くことができるよう、各種補助事業における女性優先枠の設定などの支援を行っていますと、所信で具体的にやっぱり女性の支援のことを取り上げたことがあったんですね。当時、私も鹿野大臣お支えする立場にありましたけれども、非常にやっぱりそれは一つの力を入れておられる政策でありました。  これまではやっぱり女性の農業労働というのはあくまで補助的な役割であって、女性のその、何というかな、農業への活動が評価されてこなかったというふうに思うんです。一九九〇年代以降は、国際社会の流れもあって、我が国でも農業政策において女性の活躍を応援するような方向に動き出していますし、様々な制度というものも充実をしてきたなというふうには感じています。  農業、農村を活性化するに当たって、私はやっぱりこの女性の力、活躍というのは一つの大きな鍵になるんではないかなというふうに思うんですね。その女性の力を最大限に発揮していただくことが非常に重要で、生産から販売というのはもちろんですけど、地域の食文化を守っていたり、地元の食材を使って様々な商品を開発して、それは、何というかな、大々的にということじゃなくても、地域の中で、道の駅なんかで、誰々さんの作ったこういうものですという本当に昔ながらに食べられてきたものを、それぞれの、何というかな、味付けでというか、色を出して販売しているという、そういうこともありますし、直売だとかレストラン経営もそうですし、また環境問題なんかに熱心に取り組んでおられる女性の方々もたくさんいると思うんですね。  まさに、こうした女性の力がなかったら今の農業は維持できていないと私は思っていて、先ほど、若い方々が大分農業に参入して活躍されておられる、農業女子プロジェクトですか、というのもあって、これはいいことだと思うんですね。私も、地元でいろんなグループをつくって活動されておられる女性の方々に、こういう支援もありますよということを話すときに、農業女子プロジェクトの話もするんですね。若干、この女子って言葉にいろんな反応があるんですけれども、でも、やっぱり、どういう支援があるのかというのが全然情報として届いていないのもあるんです。ですから、しっかりその情報を届ける努力もしていただきたいと思います。  家族経営協定の締結農家数というのは増加傾向にあると聞いていますし、農業委員であるとか農業協同組合の役員であるとか、また土地改良もそうですよね、女性の割合を増やしましょう、目標を立てておられます。目標立てて取り組んでいることは、それはよしとしますが、是非、まず目標を達成していただく、そしてそれに満足せずにもっともっとやっぱり女性の意見、参画を進めるために、是非大臣、ここはリーダーシップを発揮していただいて、より積極的に、優先的にこの支援を広げて取り組んでいただきたいと思いますが、いかがですか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) いろいろありがとうございます。  私は、三年前に少子化対策担当大臣と地方創生担当大臣をやりました。そのときに、やはり鍵を握っているのは女性だというふうなことを所信でも申しました。で、女性が就農するということが一番大事である。女性が就農すれば、農業そのものもやっぱり変化が起きてくる。そのためには様々な環境整備が必要である。女性が就農するということは、地方に女性が帰ってくるということになりますので、それはそのまま地方創生だけではなくて少子化対策にもつながってくるというようなことで、私は農地をバックにした写真を撮りまして、そしてそこに女性の方々が何人か就農している、ここが私のオフィスですというキャッチフレーズでポスターを作りまして、そして各駅あるいは公共施設、そういったところに貼ったりもいたしました。  ですから、これから農業の各団体への女性の比率を高めることもそうですけれども、トイレ等も含めて働く環境というものを、働き方改革も含めて、やはりその女性が就農したくなるような、そういう農業にしていくこと、これはこれから非常に大切なことだというふうに思っております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 農家に嫁がれて農業されている女性もいれば、また外から入って新規就農でやっている方もおられますし、また実家の農業経営での後を継いだとか農業法人へ就職しただとか、それ立場立場によって抱えている課題も違うと思うんですね。多分現場の声は相当聞いていただいていると思いますけれども、特に、私の地元なんかでお会いする方々というのは、農家に嫁いで農業を一緒にやっておられる方が圧倒的に多いわけですけど、いろんな取組しているけど、何というか、それがもう特別なことじゃなくなっちゃっているんですよ。当たり前にいろんな取組をされている。でも、私は、もっともっとこれが評価されるべきだというふうに思っていますので、是非その点は大臣も応援をしていただきたいというふうに思います。  理事の皆さんからお許しをいただいたので、これ、ここで皆さんにお見せしたいんですが、(資料提示)青森の地元の若い女性がですね、農家さんだった、農家の後を継いで自分でもうやられているんですけれども、御自身で作られたこの絵本なんです。これを保育園などで読み聞かせをしていて、子供たちに食べることの大切さを教えたいと、たくさんの人にリンゴ食べてほしい、こういう思いで作ったということで、写真も自分で撮りに行かれて、子供たちの好きそうな、興味を持ってくれそうなことを探したりして作った絵本ですということで、これ、中も見せちゃっていいんですけど、ちょっとぱらぱらとしかあれなんですけど、本当に一生懸命されている。生産者であり、妻であり、また母である私だからできることがあるんじゃないか、こういう食育にも一生懸命取り組んでおられる方がいます。見えないところでこういう力を発揮している方々を是非、このここにおられる委員の皆さんと一生懸命応援していきたいなというふうに思います。  それで、大臣、前宮下大臣が所信で触れられていたけれども、坂本大臣触れておられなかった、これ食料安全保障に関わる点なんですけど、平時における食料アクセスの問題に対する認識です。別にそれは問題だと思っていないから触れなかったわけではないと思うんですけれども、私、これ結構大事だと思っていて、食料・農業・農村政策審議会の答申で、食料安全保障の定義は、国民一人一人が十分な食料を将来にわたり入手可能な状態と再定義されました。今後は、買物困難者であるとか、経済的理由により十分に食料を入手できない方々への食料アクセスの改善ということに政府が取り組んでいくというお考えに変わりはないかどうかということを確認させていただきたいんです。  まさに、これ私、本会議で総理にもこの話をさせていただいたんですけれども、例えば、食料にアクセス、まあ子供食堂の数でいうと大都市圏が多いんです。人口の少ない地域というのはやっぱり少ない傾向にあるんですけれども、一方で、地域的な普及度を示す値というのは必ずしも大都市が高いというわけではない。また、フードバンクというのも地域格差が見られるんですね。この子供食堂であるとかフードバンクに対する支援を食料アクセスの問題として捉えるんであれば、やっぱり地域でできるだけこの格差をなくしていくような取組というものもまさに一人一人の食料安全保障ということにつながっていくのではないかなと思うんですが、大臣、ごめんなさい、本当に、通告していない、これ意地悪でやっているんじゃないのでごめんなさい。  ちょっと大臣の、一人一人への食料アクセスということに対して、これも重要だとお考えかどうかだけでも答弁いただければと思います。済みません。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 中山間地を始めとして、非常にやはり高齢者の多い集落が増えてまいりました。それから、子供の困窮の度合い、こういったものも深刻でございます。そういうことで、食料アクセスの問題というのは非常に大事である。量だけ確保すればいいというものではなくて、やはりラストワンマイルをきちっと届けていく、このことが大事であるというふうに思います。  そして、子供食堂辺りも、当初は都市部に多かったんですけれども、今は、まあ湯浅さん辺りがやっております子供食堂の連絡協議会も含めて、もう全国に広がっております。フードバンクもそうであります。それだけやはり子供の皆さんたちの経済的な困窮、こういったものが深刻であると同時に、子供食堂が、そこが一つのコミュニケーションの場になっている、多世代のコミュニケーションの場になっているというふうに思います。  ですから、今後、やはり平時の食料アクセスをきちっと届けていくための事細かな政策というものを充実させてまいりたいというふうに思っております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 コロナ禍で、この生活困窮に対しての農水省の支援についていろいろ取り上げさせていただいたときにもそうだったんですけれども、生活困窮は厚生労働省の問題なんですみたいなことを是非もう言わないでいただいて、まさに一人一人の命、生活、またその食の安全ということも含めて、農水省としても責任を持った取組をしていただきたいと、そのように思います。  次に、被災地における課題、先ほどももう水産業の話とかも出ていました。ちょっと私からも重ならない部分でお伺いしたいと思うんですけれども、例えば、現場、漁港の復興には相当の時間を要するのではないかなというふうに思うんですね、被害が大きいだけに。報道等も含めてですけれども、別のものを取るなどして生かすことができないのかという現場の声も、岩ノリなんかを取って、別の利用の仕方ができるんじゃないかというような声もあるという報道も見ました。  これ、農水省、水産庁さんでも積極的に現場と意見交換していただいているというふうに思うんですけれども、やっぱり現場からすると、大体いつまでに話合いが終わって、どういう流れで復旧していくのか、そしてそれはいつまでにそれができるのかという大体のめどでもあればもっともっと希望が持てるのにという声もあります。  現場におけるこの水産庁のこの立ち位置というか、どういう関わり方をして、どういうふうに今後復旧に向けて連携をしていこうとお考えなのか、お聞かせをいただければと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えを申し上げます。  先ほども御答弁を申し上げましたが、やはりなかなか港内で漁船が身動きできない、あるいは共同製氷施設等の被災があるということで、なかなか操業再開に至っていない地域もなお多いという状況でございます。  そうした例えば休漁を余儀なくされておられる漁業者の方々に対して、例えばその漁場の調査ですとか、あるいは浮遊物あるいは海底に堆積しているものの除去の取組をしていただくと、漁業者の、そういった漁業者の活動を支援するといったような取組も既に、例えば石川県でございますと、七尾市、輪島市等で活動の支援が始まっているという状況でございます。  ただ、最終的に、やはりその本格的な復旧、漁場、漁業の再開ということになりますと、やはりなりわいの場としての漁港、漁場と、その生活の場としての漁村集落を一体的に考え、その復旧復興方針を検討するということが必要だと思っております。そうした面では、地元の皆様との対話が重要でございますし、県などとも十分に調整を図りながら、この地元の漁業関係者の意向を尊重しながら、まずは丁寧に対応していきたいというふうに考えております。  石川県では、県全体の復旧方針を検討するために、漁業者あるいは関係団体、市町などで構成します協議会の方を三月中に設置をするという、設置をして議論を開始する予定ということでございますので、国としてもしっかりと協力をしていきたいというふうに考えております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 東日本大震災のときもそうなんですけど、そのときの経験や教訓というのも生かされて様々な支援メニューも準備していると思いますし、当時、高台への集団移転であるとか漁港の復興、また漁業の再開、いろいろその地元の皆さんとの意見交換をしながら、地元の声を大事にしながら当時も支援策を決めてきたというふうに思います。  ただ、創造的復興と言っていたあの当時も、人口減少の問題というのはやっぱり避けて通れない大きな問題だったと思うんです。漁船や漁港、また水産加工関連施設もそうですけれども、再建の際に事業を拡大された方々もいらっしゃると思いますし、その関連施設が高度化されたところもあったというふうに思うんですね。そのしっかり投資した部分が、生産量であるとか取扱量であるとかいうことできちんと返ってきていればいいんだけれども、いまだにやっぱり東日本大震災の地、被災地での水産業の復興というのは、まだまだ元には戻っていないというようなデータというか、アンケートもあるわけですよね。  結局は、漁業全体が苦しい中で今のこれだけの大きな被害ですから、もちろん漁業全体への支援も大事なんだけど、私、何が言いたいかというと、現場の声大事なんです。丁寧にやっていただきたいというふうに思うんだけれども、将来に対してやっぱり責任ある提案というものを水産庁でもやっていただきたいというふうに思うんですね。  いずれ、いずれというか、東日本大震災のときよりも高齢化というのは進んでいますし、今の被災地でも人口問題というのはやっぱり大きな問題なわけですよね。ですから、どういう姿にすることが本当に地域の皆さんのためになるのか、持続可能な漁業になるのか。いいことばっかりじゃないと思うんですね。じゃ、これから漁港を集約していくのかどうか、現場はもちろんみんな元に戻してほしいという願いだと思うんです。でも、どうすることが本当に漁業の発展につながるのかということも含めて、是非、水産庁としても、責任ある提言なり、話合いの場で積極的にそういう取りまとめに取り組んでいただきたいなと思いますけど、いかがですか。ちょっと簡潔でいいのでお答えください。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  まさに漁港や漁場、さらにその生活場としての漁村集落を一体的に復旧復興をどうしていくかということを検討していく必要があると考えております。先ほども御答弁申し上げましたとおり、県、石川県の方でも、復旧方針検討のための協議会を設置をし、議論を開始するということでございます。国としても、しっかりとそれに貢献をしていきたいというふうに考えております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 ついでにというか、二〇三〇年までに、水産庁、水産物輸出目標、一兆二千億円ですか、掲げられていて、ただ、中国などの輸入禁止の影響もあって、そこの禁輸措置が解除されない限りなかなかその目標達成というのは厳しいのかなというふうには思います。  で、達成できないから駄目でしょうという話ではないんです。やっぱりこれを伸ばしていく努力はしていただかなければいけなくて、目標に向けて、目標を達成できるかどうかではなくて、目標に向けて具体的にこの輸出を伸ばすためにどういう取組をされようとしているのか、ちょっと教えていただけますか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) これまで水産物の輸出額は堅調に伸びてきておりまして、二〇二三年の輸出額は三千九百一億円を達成したところでございます。他方で、御指摘のALPS処理水放出に対するその輸入規制強化の影響もございまして、昨年八月から十二月までの輸出額は対前年比約一三%の減少となっているところでございます。  こうした中でも、農林水産省としては、やはりその輸出額の拡大、目標の達成に向けて、まずはこの輸入規制撤廃に向けた働きかけの実施、さらに、特定国に依存しないような輸出先の転換、多角化、輸出拡大に必要な施設整備や、設備、施設設備の整備ですとか、品目団体を通じた輸出促進の取組等への支援、これを行っておりますし、引き続きこうした取組をしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 ありがとうございました。  ちょっと質問の順番入れ替えまして、構造改革特区のことについてお伺いしたいと思います。  兵庫県養父市で行われている法人農地取得事業についてでありますけれども、これ、養父市では、まさに中山間過疎地域の非常に条件の悪い農地を生かすためにこうした取組に努力をされている、そのことを決して否定するつもりはございません。そうした努力には敬意を表したいというふうに思います。  ただ、国会の議論は議論としてですけれども、昨年、改正構造改革特区法によって、養父市の法人農地取得事業については国家戦略特区を構造改革特区に移行をしました。衆議院ではこれは格下げではないかというような質問があったと聞いていますけれども、法人農地の取得事業について、全国的なニーズがない中にあっては、極めて私は妥当な対応だったというふうに思います。  そこで、昨年の九月からですけれども、改正構造改革特区法が施行されて、養父以外で、養父市以外でこの特区を利用したいという申請は上がっているでしょうか。

安楽岡武内閣府地方創生推進事務局審議官

○政府参考人(安楽岡武君) お答えします。  構造改革特区の認定申請は、毎年、年三回、具体的には一月、五月、九月までに申請を受け付けております。改正法施行後の昨年九月の申請では、養父市から申請があり、昨年十二月に認定を行いました。  今年一月の申請では、本特例に関する申請はなく、現時点では法人農地取得事業に関する養父市以外からの申請はない状況です。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 養父市以外の市町村からというのは、まさに手挙がっていないわけですよね。農地価格が年間リース料の百年分とかということを考えると、私は当たり前かなと。どうしても農地を所有したければまさに農地所有適格法人になればよいだけでありまして、まだこれ法が、法律できてから半年ぐらいしかたっていないので判断下すというのは早いかもしれないですけれども、私はこれが養父市以外で活用されるとは思っていないんです。  過去の議論見てみますと、これ、坂本大臣、前担当、内閣府特命大臣だったときにも議論に参加されていると思いますけれども、国家戦略特区諮問会議、規制改革推進会議、この合同会議、農水省ひどい言われようで、前にも言ったかもしれないけれども、これ、竹中議員というのは、あれですかね、もしかして、竹中平蔵さんですね、農水省の説明について、規制改革推進会議での虚偽説明という、これ、虚偽説明はたまたま私たちの目に触れた氷山の一角ではないかという、是非、政と官の関係の正常化の観点でも、官僚によるこうしたバイアスの掛かった説明がないか問題の検証をしていただきたいというふうに、竹中さん、河野大臣にこのとき言っているんです。  ただ、ここにおられる皆さんとも共有したいんですけれども、その民間議員の評価だけでは我々はやっぱり判断できないんですね。いろいろな観点から考えていかなきゃいけないですし、民間議員の皆さんは別に責任取ってくれないですよ。最後責任取るのはやっぱり私は政治だと思うんですね。だから、政治的な決断、判断というものが非常に大事。法律がこうなっているんだから、この規制改革委員会や、何ですか、国家戦略特区で決まったことはやらなきゃいけないんだみたいな言いぶりなんですけれども、やっぱりここは、我々は結束して、やっぱり現場がどうなっているのかということを含めて、将来への責任ある議論をしていかなければならないというふうに思っています。  是非大臣にもその覚悟を持って取り組んでいただきたいというふうに思いますが、一言お願いします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) ちょうどそのときも私の担当でございました。国家戦略特区、ちょうど五年目になりましたので、これを全国展開するというような状況になりました。農林水産省の方と、それから国家戦略特区、民間委員の方で相当な議論がございました。激しいやはり激論になりました。そこで、当時の菅総理が、この問題は自分の方で引き取るということで引き取っていただきました。そして、その後、論議を重ねて、最終的には国家戦略特区ではなくて構造改革特区として、これからその農地その他については各自治体の長が手を挙げることによってその特区にしようというようなことで落ち着いたところでございます。  その後の養父市の農地の状況辺りを見ておりましても、今事務方から言いましたように申請があっておりませんので、これは妥当な判断であったというふうに思っております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 食料安全保障を強化するということが喫緊の課題となる中、重要なことは、一般企業による農地の所有という議論ではなくて、そのまさに地域の将来像というものに基づいて農地の集積、集約、これをどうやって進めていくのか、農地を農地としてどうやって維持していくのか、こういうことだろうと思うんです。ですから、農業に余りふだん、何というか、関心を持たれていない民間議員の皆さんの無責任な意見には振り回されないようにしていただきたいというふうに思います。  実は、この農地を活用するというのはこれだけではなくて、未来投資促進法であるとか農村産業法によってもいい農地は使えるようになっているんです。これ、現状どのような状況になっているか、お願いします。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  地域未来投資促進法では、本法が施行された平成二十九年度以降、約百五十ヘクタールの農地が転用されております。また、農村産業法につきましては、旧農工法を改正いたしまして現在の農村産業法となった平成二十九年度以降、約四百ヘクタールの農地が転用されております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 転用された後にどのようになっているかというのはきちんとチェックされているという認識でいいですか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) 転用後の状況につきましてチェックをしております。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 特に農産法では農家の就業機会を確保するというようなこともあって、いろいろ取り組んでいただいていると思うんです。  企業の地元雇用の人数を書いた資料があったので拝見したんですけど、全部が全部農家なのかみたいなことまでは確認できないというふうに思いますし、なかなか地元にも、人手不足という中で、全部が地元雇用みたいなことは現実的にそうはいかないということは理解しています。ですので、今日そのことについては、中身については伺いませんけれども、是非、法の目的というものにのっとって、しっかりとその農村地域が発展するための法律の使い方ということを、その後のチェックも含めてですけれども、農水省の責任はやっぱりそこにあるというふうに思うので、経産省ではありませんから、農水省としての役割を十分に果たしていただきたいということを申し上げたいと思います。  それで、大臣、これも突然ごめんなさい。大臣のこれホームページで拝見しまして、二〇二三年二月十八日、「農地は誰のもの」というタイトルで大臣がお書きになったものだというふうに思います。  今の、国家戦略特区の担当大臣でしたということで、今の養父の問題についていろいろと書かれておりまして、最後、結論というところに、養父市以外でももし自治体で農地や不動産に関して構造改革特区を要望するところがあれば、国の厳しい審査を前提としてそれは認めるということにすべきだと考えますと。まあ、ここの部分は結構です。その後、一方で農地の管理については、農業の実態も変化してきた、十分な議論が必要、そして外国資本の農地購入は国際的に日本が呼びかけて改めて世界の問題、SDGsと絡めて論じるべきと考えますとお考えを示されています。  今もそのお考えで変わりがないかということと、今まさに農水の大臣ですから、この農地の外国資本の購入の問題について、積極的にこの国際的に呼びかけて取り組んでいこうというお考えなのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 農地の、外国資本の農地購入につきましては、日本はGATSの協定のときに留保をしておりませんでした。そういうことで、外国資本のやはり農地購入、こういったものがいろんな形で進んでいるというふうな面もあります。しかし、かなり、どういうふうにしてそれをやはり歯止めを掛けるかということにつきましては、それぞれの自治体、あるいは国も含めて様々な手法を取っているところでございますので、できる限り、できる限り、この外国資本のやはり不透明な形での農地取得、そういったものはしっかりと否定すべきであるという考えに変わりありません。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 ごめんなさい。質問のときの言葉足らずですが、それを進めろと言っているのではなくて、今大臣の御答弁にあったとおり、やはりそれには警戒が必要だという観点での考えを発信されていましたので、確認をさせていただきました。  時間がだんだんなくなってきましたけれども、収入保険の話に行こうかな。収入保険、農業共済のことについて、園芸施設共済のことについて伺いたいと思います。  もうこれも何度か取り上げさせていただいておりますけれども、やっぱりこれだけ災害が多いわけですので、是非これ生産者の方々にはしっかりと加入をしていただいて、いざというときに備えていただきたいと思います。私も、被災地回らせていただいたときには、大変な中なんだけれども、そのことは一言いつも添えさせていただいています。  大分加入促進も取り組んでいただいているようですけれども、今の加入状況についてと、これ未加入の方々の理由を把握されているかどうか、教えてください。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  まず、加入状況についてお答えいたします。収入保険の加入者数は、令和六年一月末現在で約九万三千経営体となっております。また、農業共済の加入者数につきましては、主な品目で申しますと、令和四年産で水稲共済が約七十三万六千経営体、麦共済が約二万四千経営体、大豆共済が約一万八千経営体となっております。  次に、未加入の理由ということでございますけれども、収入保険につきまして加入しない主な理由として、必要性は感じるけれども費用負担が大きい、多品目栽培等を展開している関係上リスク分散がそれでできているというようなことで必要性を感じない、さらには、現在加入している制度で十分といった声に加えまして青色申告が手続的に負担だというようなお話をされる方もいらっしゃるというふうに聞いております。また、農業共済につきましても、加入しない理由としては費用負担を挙げる声などがあると認識をしておるところでございます。

田名部匡代立憲民主・社民

○田名部匡代君 そういう意味では農業者の所得というものがしっかり上がっていくことも大事だと思うんですが、でも、やっぱりいざという備えは一人一人に考えていただきたいなと思うんですね。  それで、加入された方々のアンケートを見ますと、もちろんいろんな方々からちゃんと説明、ちゃんとというか、説明を受けて加入を決めたというその中に、金融機関から勧められたという声もあるんですね。いや、これいいことですから、しっかりと情報共有して、いろんな形で農家の方々にその情報が行き渡って、やっぱりいざというときの備えを大事にしなきゃいけないなということの理解が進む、そして加入をしていただけるようにこれからも取り組んでいただきたいと思います。  私が使っちゃった時間分、横沢さんが時間を減らすという約束になっていて、何分しゃべってもいいよと言われたんですけど、そういうわけにもいきません。米の輸入の問題等、レクしていただいたのに質問できなくて本当に申し訳ありません。またこの後の委員会で取り上げさせていただきたいと思います。  横沢さん、ごめんなさい。ありがとうございました。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、吉井章君が委員を辞任され、その補欠として永井学君が選任されました。     ─────────────

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  本日は大臣所信に対する質疑ということで、議論を深めたいと思います。  現場を回る中で生産者の皆様から現状やこの国の将来を考えた上で厳しい声もいただいておりますので、今日はちょっと厳しめの質問になるかもしれませんが、現場目線で質問をさせていただきたいと思います。  まずは大臣にお聞きします。  今国会では食料・農業・農村基本法改正が予定されております。前回の改正から二十五年、この間を振り返りまして、これまで国が進めてきた農政について、大臣、良かった点、例えば良くなかった点、大臣の率直なお考えをお聞かせください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法の制定から四半世紀が過ぎました。良かった点、良くなかった点ということではなくて、やはり農業者数が大幅に減少をしてきた、そしてこれからもやっぱり減少するという見込みであること、そして同時に農地も減少しているということ、さらには農業を支える集落の機能、こういったものがやはり低下をしている、これは非常に深刻であるというふうに思っております。もちろん現行法にもこういったものを支えるための、支援するための法整備はしてきたところでありますけれども、やはりそれ以上に時代の進展が早いということであろうというふうに思います。  こうした状況を踏まえまして、担い手の育成、確保や農地の確保、有効利用を図りながら、少ない人数でも食料供給可能な体制を整える必要があるということで、今回、食料・農業・農村基本法に加えて関連法案を提出させていただいているところであります。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 今大臣、少ない人数でもとおっしゃりました。大規模化、集約化、生産性向上にはリスクも伴うことを考える必要があると思います。今現場で起きているのは、営農を諦めて農地を貸したい人が年々増える、一部の担い手に農地と生産がどんどん集中していく現状があります。もし地域の主要な担い手が、病気やけが、家庭の事情などにより営農ができなくなってしまった場合など、地域の農地と生産をどのように継続していくのか。大規模化、集約化、生産性の向上のリスク管理も非常に重要であると考えます。  この点、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) やはりそこは、法人化、大規模化と同時に家族経営をしっかりと守っていく、支援していくこと、このことが必要であるというふうに思っております。家族経営は、農業経営体の約九六%を占める重要な存在であります。このため、現行基本法に基づきまして、経営規模の大小や家族、法人などの経営形態を問わず、農業で生計を立てる担い手を幅広く育成、支援をしていくというふうにしております。  ですから、大規模化一辺倒の支援ではございません。それぞれに担い手が、規模拡大する際にしても、あるいは集落営農法人を含めて法人化するにいたしましても、そして家族経営にいたしましても、そしてもう一つ、やはり多様な経営体というものも加えまして、日本の食料安全保障と農地をしっかり守っていくというのが今回の食料・農業・農村基本法の、そしてこれからの農業をするに当たっての大きな概念でございます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 その家族経営体がなかなかやはり営農継続ができないというのが今の現状で、現場を回っておりますと、どう見ても自民党支持の首長さんから、あの民主党時代の戸別補償、あれは良かったぞって声を聞いたりするんです。なので、何かしらやはり、今の政策以外のやっぱり家族経営体を守る農業政策が必要になってくるんではないかというのは現場感から感じております。  大臣は所信で、人口減少に伴い農業者の減少が避けられないとおっしゃっておりました。現場を回りますと、地方の人口減少、少子化に歯止めが掛からない要因の一つに、農業、林業、水産業、一次産業に関わる人と収入の減少があることが大きな要因だという意見があります。これは私も同感であります。人口減少に伴い農業者が減少していくのではなく、自民党農政が農業者を減少させ、地方の人口減少が進んできたと言っても過言ではないと感じております。  この点、大臣はいかがお考えでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 自民党農政ということではなくて、やはり時代の趨勢というのがあると思います。そういう中で、人口減少が進んだ、そしてさらに様々な産業が、IT産業も含めて新たに生まれてくる、そして起業家も生まれてくる、そういう中でやはり、これからの農業というものをどうやはり形作っていくかということを考えていかなければいけないというふうに思っております。  そういうことで、今回の食料・農業・農村基本法は、経営判断というものをしっかりやはりできるような、そういう農業を展開していこうと。それは、法人でも家族経営でも認定農家でもそうでありますので、経営判断をしっかりした上で、これからどういう需要が求められようとしているのか、そこにこれからの農業の在り方があり、さらには所得の確保というものもおのずと出てくるというふうに考えております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 先ほど大臣も、食料安全保障元年にしたいというお話がありました。それでは、ちょっと食料自給率についてお聞きします。  我が国の食料自給率三八%、先進国では最下位。どうして食料自給率の目標はここ二十年達成されないままだったのか、大臣から見てどうお考えでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) やはり米の消費が減ったということ、年間十万トンずつ減っております。一方で、やはり海外に、輸入に頼ります配合飼料等を必要とする畜産関係、この食肉関係辺りの消費が増えてきたこと、そういうことで、おのずと食料自給率というのが低下というよりもなかなか上昇しないという状況になっているというふうに考えております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 私はスポーツの世界で生きてきた身として、二十年間一度も目標達成してこなかったのは作戦や取組自体に問題があったとしか言いようがないと思います。  総理は施政方針演説で、農政を抜本的に見直すと発言されました。総理の発言を受けまして、大臣の考える農政の抜本的見直しとはどういうものなのか、お聞かせください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 今国会における総理大臣の施政方針演説におきましては、我が国の農業が直面する食料や肥料の世界的な需給動向、変動、需給変動、そして環境問題、国内の急激な人口減少と担い手不足といった、国内外の社会問題を正面から捉え、これらの克服を地域の成長へとつなげていくべく、農政を抜本的に見直しますというふうに総理は述べられております。  このように、国内外の社会課題を踏まえまして、農政を抜本的に見直すために今回の基本法の改正案を提出しているところでございますけれども、やはり世界の気候変動、そして紛争等も含めたやはり地政学的な問題、さらには食料の争奪に関する様々な動き、こういったものがやはり日本農業のこれからの大きな、ここをどう克服していくかというのが大きな課題であるというふうに思います。  そのために、やはり自分たちで作れるものはきちんと作っていこう、これは資材も肥料も含めてですね、そして、一方の方でやはりどうしても自給できないものもありますので、そういうものについては安定的な輸入をしていく、そのことによって国民の皆さん方一人一人に安定的な食料が供給できる、そういう体制がこれから我が農林水産省が目指すべき農政であるというふうに考えております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 今大臣おっしゃられたことは多分これまでも進めてきたことだというふうに認識をしておりますが、抜本的に見直し、これまでの農政と何が違うのか、分かりやすくお聞かせをいただきたい、このように思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 自給率を引き上げる、このためにやはり法人化も進めなければなりません。そして、ブロックローテーション、農地を集団化することによりまして、ブロックローテーション、いわゆる輪作体系をしっかりと確立させて、そして、そこで米以外の米粉用米あるいは飼料用米、そしてWCS、さらには麦、大豆、こういったものをやはり作付けしていく、そのことによってやはり自給率を少しでも引き上げていく、輸入依存をできるだけ減らしていく、これまで以上にやはり自らの国で作れるものは自らの国で作る、そういうシステムをつくり上げるというのが一つです。  それからもう一つは、やはり生産、流通、加工、小売、消費も含めて、食料を一つの食料システムというふうに考えて、そしてこの中でいかに合理的な価格を形成していくのかということも大きな柱の一つにこれからはなってくるだろうというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 これまで何か聞いてきたこと、何か抜本的に変わったところは余りないような感じを受けましたが、今の大臣がおっしゃっていたことをやっていく上で、多分現場の皆さんは、現場はどのように変わっていくのか、イメージがまだ全然付かないと思うんです。  現場は抜本的見直しをしてどのように変化をするイメージを持っていらっしゃるのかお聞かせいただきたい、このように思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) まず、集団化できるところは集団化していただきたい、そして、個別の農家で、認定農家を含めて、自らやっぱり規模拡大をして、経営判断をした上で、経営判断の上に立つ農業をやりたいという方は規模拡大へ向けて動いていただきたい。  それからやはり、先ほど言いましたように、食料システムとしての考え方を今回明確に打ち出しましたので、やはり、需要に応じた生産をやはり自分たちで考える、そのことによって所得を少しでも引き上げる、そういう努力をこれからしていかなければいけないし、私たちもそれに向けて支援をしていくこと、これが、これまでのやはり農業と全く変わるわけではありませんけれども、これまでのやってきた政策を更に強化をしていきたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 ありがとうございます。  それでは、次の質問に伺います。鳥獣被害について伺います。  鳥獣被害対策について、今どこの現場に行っても必ず出るのが、熊、鹿、イノシシなど、鳥獣被害どうにかしてくれという要望であります。まず、今現状この鳥獣がどれだけ生息しているのか、現状把握がまず大事、原点だと思うんですが、現状把握はどのような方法で行っているのか、お聞かせいただきたい。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。  ニホンジカにつきましては、利用可能な都府県別の個体数推定の結果と全国的に同等の精度で入手可能な捕獲数等の情報を基に、統計的な手法を用いて全都府県の個体数を推計しているところでございます。  また、熊類につきましては、四国のように個体数が減少している地域もありますので、捕獲数等の情報を基にした統計的な手法による推計は難しいというところでございます。  このため、都道府県や地域個体群ごとに一定の地域での熊類の毛を採取、分析して個体数を推計するヘアトラップ調査や、一定の地域ごとに設置した自動カメラにより撮影された熊類の数から個体数を推計するカメラトラップ調査、このような方法により個体数を推計しているところでございます。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 私、この間、JAXAに行ってきて、衛星から熊は見えないんですかって聞いたんですけど、見えませんって言われました。済みません。  農林水産省はジビエ活用事業にも取り組んでおられます。遠野物語で有名な岩手県遠野市はジビエ活用を進めるとのことなんですが、しかし、一年間に鹿が有害狩猟を含めて五千頭も捕獲されているそうなんです。市長からは、ジビエ進めるんだけど、食べ切れないぐらいの熊が捕れるんだということで、ジビエの活用以外に、やはりその処分場の問題がこれから出てくると、ここを是非進めていただきたいという御要望があるんですが、この鹿とか熊とか、鳥獣被害の処分場の環境整備について、大臣、よろしくお願いいたします。大臣じゃなくてもいいです。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) ジビエの利用に当たりましては、処理施設の整備というのは非常に重要でございますので、鳥獣被害防止総合対策交付金などによりまして施設整備の支援など等できますので、そうした支援でしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 この鳥獣被害対策のやはり処分の問題はかなり多分全国的な課題だと思いますので、是非前向きに進めていただきたいと思います。  ちょっと時間も迫ってきましたので、太平洋クロマグロの漁獲枠について伺います、ちょっと順番入れ替わりますが。  近年、三陸沿岸では、アキサケやサンマ、スルメイカなど主要な魚種の不漁が続いており、岩手県内の昨年の水揚げは七万二千トン余りと、東日本大震災の年の二〇一一年を、水揚げを下回ってしまいました。地元の漁師さんは、漁協から、せっかく定置網に良いマグロがたくさん掛かっているけど、漁獲枠の関係で海に放さなければならないんだ、何とかならねえかという声もいただいています。そして、クロマグロ、定置に掛かったマグロを放流しているのが、枠の五倍ぐらいですね、七百三十九トン、岩手県内で放流しているということです。  マグロといえば、お隣の青森県の大間産や竜飛産が有名、田名部さんのところが有名ですが、最近は三陸で良質の大型のマグロが水揚げされるようになっており、漁業者の方からは、資源は大分回復しているんではないかという肌感はいただいております。  太平洋クロマグロはTAC魚種でもあり、国際ルールに基づいた資源管理の下、漁業が行われていますが、日本の漁獲枠をめぐって今年、二〇二四年は非常に重要な年となると考えます。この太平洋クロマグロのこの漁獲枠、国際交渉について大臣の見解、そして今年に対する意気込みをお聞かせいただきたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 太平洋クロマグロにつきましては、厳格な資源管理に取り組んできた結果、委員おっしゃいますように、資源は順調に回復しているところであります。  我が国漁業関係者の間には増枠に対する強い要望があるというふうに承知しております。WCPFC、中西部太平洋まぐろ類委員会におきましては、委員おっしゃいますように、本年、新たな資源評価が行われる予定であります。最新の資源状況に基づきまして適切に漁獲枠の見直しが行われるよう、しっかりと声を上げて努力をしてまいりたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 やはり現場の皆さんからは、いろんなものが不漁が続く中で、何とかマグロが回復してきて、そちらの方に収入源というかですね、漁業をシフトできれば、漁協も沿岸漁業の人たちも大分なりわいの、被災地の方も再生していくんじゃないかという期待の声が非常に大きいですので、今年のその会議、国際会議には是非とも強力な人材を送っていただいて海外の方に負けない交渉をしてきていただきたいと思いますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは、林業についてちょっとお伺いをしたいと思います。  大臣は所信で、森林・林業政策については川上から川下までの取組を総合的にと述べられておりました。我が国のエネルギー自給率は一四%、多くを海外の化石エネルギーに依存しているのが現状です。そこに大規模金融緩和の副作用と言ってもいい円安の影響を受け、電気代が上がる、灯油代も上がる、雪国の冬の暖房費が爆上がりの状況でありました。  そこで、いま一度注目したいのが、地方の生活に身近にある木質エネルギーの活用です。高性能なまきストーブや廃材を利用したペレットストーブなど、森林政策先進国のヨーロッパでは当たり前のように暮らしに溶け込んでおります。  大臣は川上から川下までの取組を総合的に活用した木質エネルギー有効活用についてどのように考えているか、御見解をお伺いします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 今委員が言われましたまきストーブは、冬場、私たちのような九州のところでもブームになっている、そういう状況でございますので、これから大いに期待できるというふうに思っております。  そして、地域の森林資源を活用いたしました、今言いました木質バイオマスのエネルギー利用、これは、エネルギーの自給率や、それから災害時のレジリエンスの向上、そして二酸化炭素の排出削減、それに加えまして、地域の雇用創出も貢献をします。そういうことで、林業と山村地域の振興策を図っていく観点からも非常に重要な政策であるというふうに考えております。  このため、農林水産省といたしましては、地域の関係者の連携の下、木質バイオマスの熱利用や熱電併給に取り組む地域内エコシステムの構築等を支援しているところでございます。バイオマス発電だけで今全国で二百十九か所ございます。  今後とも、このような取組を通じまして、未利用資源材等の木質バイオマスの地域におけるエネルギー利用というものをしっかり促進してまいりたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 大臣もまきストーブを使っていたという話で。  今の日本は、ほぼほぼ大臣の言ったように化石燃料に頼っていて、化石燃料はほぼ輸入であります。ヒーターをたけばたくほど日本のお金が海外へと流れていく仕組みになってしまっています。一方、今大臣もおっしゃられたように、木質エネルギーを使うと、森林を持つ地方や地域にお金が流れていき、地域経済が動き始める。森林資源を使ってエネルギー自給率を高めることは国内経済にとってもメリットがあると考えます。  特にもう冬場の暖房費が今かさんでいる中で、やはり高性能なまきストーブやペレット化を進めるような政策を進めていく必要があると考えますが、この点、大臣、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) まさにおっしゃるとおりで、高性能なまきストーブ、これからもますますそういう新たな技術開発も含めて進化していくんだろうというふうに思っております。バイオ由来のやっぱり熱利用、ストーブ、こういったものは進めてまいりたいというふうに思っております。

横沢高徳立憲民主・社民

○横沢高徳君 それでは、切って、使って、また植えて、育てる、五十年後、百年後を見据えた持続可能な循環型社会をつくっていくことを私も目指していきたいと思います。  以上で、時間が来ましたので終わります。残余の質問は後ほどにしたいと思います。どうもありがとうございました。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 お疲れさまです。日本維新の会の松野明美でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  坂本大臣とは地元が同じ、農業県でございます熊本県でございます。私も地方議員時代、特に県議時代は、やっぱり一般質問でも農業のことがほとんどの質問がありまして、よく言われたところが、農業のことでよく分からなかったら坂本議員に聞いたらいいよと、優しいから何でも教えてくれるよと言われておりました。ただ、なかなかイベントで会いましてもお話しする機会がなかったものですから、このように質問をさせていただくことに非常にうれしく思っております。  もう特に県議時代は、熊本県の、藤木先生もいらっしゃいますが、やはり鳥獣被害対策とか農家にお嫁さんがなかなか来ないけれどもどうしたらいいかというような、そういう質問が非常に多かったかなと思っております。そういう中で、たくさん聞きたいことあるんですが、熊本県で、大臣の地元も熊本県、私たちの地元、熊本県なんですが、これだけはほかの他県に負けないというものを一つ挙げるとしたら何かということが一つ。  そして、これから日本の農業はやはり将来がとても不安です。そういう中でこの農業を守っていくために何が一番ポイントになるか、そのことを大臣はどのように思っていらっしゃるのかをお尋ねをいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) ありがとうございます。  同じ同郷として、これだけは鹿児島にも負けない、宮崎にも負けないというようなことを申し上げますと、やはり非常にバランスの取れた作物ができる。米、麦、大豆、そして酪農、養豚、畜産、養豚も含めたその畜産、さらには委員御地元の施設園芸、スイカを始めとして施設園芸、そしてその果樹、あるいはお茶、全てにわたってやはりバランスが取れた農産物を産出する県でありまして、そのこと自体が、北海道、そして鹿児島、そしてその次は千葉、茨城でございますけれども、あれ茨城、千葉だったですか、産出額第五位に今熊本がランク付けされているということであろうというふうに思います。  あと一つは何ですかね。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 ありがとうございます。  もう一つが、やはりこれからの日本の農業というのは非常に担い手不足とかいろんな人口減少とかで不安な農業になっておりますが、やはりその今の元気な農業を守っていくためには何が一番ポイントになるというか、鍵になると大臣は思っていらっしゃるか、お尋ねをいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 一つは、やはり所得の確保であるというふうに思います。その所得をしっかり確保して、やはり家族を、家族とともに働いていく、家族をやはり、まあ養っていくという言い方はちょっとおかしいかもしれませんけれども、それが一つ。  それから、やっぱり、地域への貢献というものにやはり誇りを持つ、そういう農業を展開するということだろうというふうに思っております。農業が盛んになることで地域のコミュニケーションも、そして自然環境もしっかりとしたものになってくる、そのことに自らが貢献しているんだという誇りを持って農業に携わるということが大事だろうというふうに思っております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 前半のおっしゃいましたその熊本県の一番の魅力といいますか、それがバランスの取れた作物が取れるということなんですが、私も、やっぱりそのためには皆さんかなり努力なさっているなと思いました。何か諦めないというか、そういうチャレンジ精神があるなというのは地元にいてもつくづくと感じております。  今朝の地元紙にもありましたけれども、熊本の人吉球磨・農業未来プロジェクトの一環で、この農業の方々が担い手不足を解消するために、タイミーといいまして、人材マッチングアプリ、これは、長期間人を雇用するのがとても難しいから、アルバイトのように忙しいときだけ労働力を確保できるというようなアプリを協力してもらいまして、人手不足をアプリで確保するという試験を始めたということです。  タイミーというのは、働き手と事業主をつなぐアプリ、そして事業主がアプリに時間と場所と仕事内容を提示して、働き手がアルバイトのようにアルバイトを選べるということで、本当に苦しくても何か諦めずに前に進んでいくというようなところは熊本県の農業の方々はあるんじゃないかなというふうに思っております。  ここではスポーツとも一緒でありまして、私、最近また地元を走っておりますと、前に止まられるんですね、トラックが。何かなと思いましたら、取れたてのキンカンを持ってこられまして、これを持って帰って食べてよとおっしゃるんですよ。あと十三キロ走らなくちゃいけないのになとも思いながら、この二袋のキンカンを両手で持ちまして、これ、意外といい筋トレになるんですね、一、二、一、二と走りまして。家に帰りましてそのキンカンをいただいたんですが、やはりそうやってスポーツと一緒で、この農業を通して、スポーツを通して仲間になるというか、すぐに友達になれるんですね、知らない方でも。そういうところがやっぱり農業は本当に、スポーツと似ているところがあるなと本当に思っております。  そして、そのためには担い手不足というのの解消がやっぱり一番大切なことだと思うんですが、国では農地の集約とか農地バンクとか集積化とかスマート農業の推進とか言われますが、なかなかこの現地に、現場に、浸透といいますか、生きていないような感じがいたします。やはり実効性とかスピードとか、スピード感とか、そういうのがなかなか欠けているのではないかなとつくづくと感じるところです。  そういう中で、基幹的農業従事者が二十年後には、今も少ないんですが、この百二十万人いるこの農業従事者が二十年後には四分の一の三十万人になってしまうという予想をされているんですが、このことについて、この深刻な問題についてどのように思っていらっしゃいますでしょうか。一応通告はしております。よろしくお願いいたします。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  我が国全体で人口が減少する中、農業につきましても、まず個人経営体の基幹的農業従事者につきましてはこの二十年間でおおむね半減をしております。また、法人等につきましては、農業従事者が増加をし、農地面積の約四分の一、販売金額の約四割を担うまでになっております。その結果、農業総産出額で見ますと二十年前と同水準である約九兆円を維持していると、そういった状況にございます。  基幹的農業従事者の平均年齢が六十八・七歳であることを踏まえますと、個人経営体の農業従事者は今後も大きく減少することが見込まれます。次代の農業人材を育成、確保するとの基本法の考え方を踏まえ、就農に向けてサポート体制の充実などの取組を引き続き行ってまいる必要があると考えております。  それでも、現在よりも相当程度少ない人数で国内の食料生産を担うことも想定しておかなければならないと考えております。このため、地域計画の策定を通じた農地の集積、集約化を図るとともに、基本法改正法案において、新たにスマート技術の開発、実用化の加速化等による生産性向上、それから法人の経営基盤の強化などを規定をしております。担い手の育成、確保のための施策を強力に講じてまいる必要があると考えております。  加えて、担い手だけでは全ての農地をカバーできないことから、担い手以外の多様な農業者についても基本法改正法案におきまして位置付けたところでございます。  地域の農地の保全管理等が適切に行われるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 ちょっと危機感が余りないなというような感じがいたします。意外と冷静、ゆったりされているなというようなイメージが、そういうような印象がありました。  そういう中で、先ほども横山先生、田名部先生からも積極的な質問があっていますけれども、やっぱり女性の活躍、私も本当にそれが鍵になるんじゃないかと思っております。坂本大臣もやっぱり、よく女性の活躍というのが、役割が大事なんだ、重要だということがよく発言をされていらっしゃいますが、これもちょっと地元の熊本で、熊本県のことなんですが、昨年二月に発足しましたくまもと農業女史コミュニティーAguRokkaの存在は、大臣は御存じでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) はい、承知しております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 このAguRokkaのメンバーは、県内で十八人とやや小規模ではありますが、二、三か月に一回集まりまして、農園の視察とか意見交換、そして大学と協力をしまして学生に講義をされているということでございます。昨年十二月にはくまもと農業未来DAYが開催されたということで、積極的な活動をなさっていると聞いております。そして、皆さん、まずは、担い手を確保するためには、自分たちが楽しんで生き生きと働くことが重要だということをおっしゃっております。  先ほども、女性が経営とかに参画している経営体は、女性が参画をしていない経営体よりも、に比べて非常に伸びているという質問がございました。本当にそのとおりだと私自身も感じております。  まずは、担い手を確保するためには現場の働き手、特に女性の働き手を、やっぱり生き生きと働いていただくというような支援、支えが必要だと思いますが、大臣はどのように思っていらっしゃいますか。よろしくお願いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 先ほども申しましたように、非常に重要なことだというふうに思っております。  AguRokkaというのは、アグリカルチャーとそれから肥後六花、肥後アサガオ、肥後菊、肥後ショウブ、肥後ツバキ、肥後サザンカ、肥後シャクヤクという、肥後六花というのは、六つの花がありますけれども、これを足し合わせてAguRokkaというような言葉になっております。  そして、県内の各地の女性農業者、現在メンバーは十八人でございますけれども、十五人で結成をされました。ここに十五人のメンバー持っておりますけれども、本当に今、熊本日日新聞で連載をされています大津愛梨さんを含めて、地域でやっぱり主要な農業をやられている方ばかりでございます。  こういう女性の方々が地域で中心になってくれば、これはもう地域活性化そのものにつながりますので、私としては、女性でも働きやすい労働環境を整備するとともに、やはり女性の価値観というのがまた男性が持っている価値観と違いますので、その女性の持っている価値観あるいは能力を更に向上させて、そして活躍の場を創出していくこと、これが大事だろうというふうに思います。  具体的には、トイレや更衣室の確保、あるいは地域の女性リーダーとなり得る女性農業経営者の育成、そしてこのような、AguRokkaのような女性農業者のグループ活動、こういったものを今後支援していくことによって、女性農業者が大きな存在感を持ってくる、そして農業そのものの考え方もやはり変えていくというふうに考えております。  そういうことで、女性の姿を社会全体に、農業をする女性の姿を社会全体に発信をして、そして女性の職業の選択肢に農業を加えることを目標に、今後も農業女子プロジェクトというこのプロジェクトに力を注いでまいりたいというふうに思っております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 AguRokkaの意味が私は知らなかったものですから、あっ、そういう意味があったんだなと思いながらお聞きをしました。  本当に、AguRokkaの皆さんが、自分たちが楽しくないとやっぱり担い手も育たないとおっしゃるんですが、これは本当にマラソンもそうなんですよね。指導していても、走れ走れと言っても子供たちは走らないと。やっぱり自分が一緒に走って楽しいなと思ったらいつの間にか子供たちも付いてきて走っているというところは、やっぱり似たようなところがあるんだなと思います。  ただ、そのためには環境、そういうところがやっぱり必要だと思いますので、女性が活躍できるようなそういう環境を国としては一生懸命応援をしていただきたいと思っております。  先ほどもちょっと農業女子プロジェクト、質問にありました。国では十年前に農業女子プロジェクトを立ち上げています。このプロジェクトでの女性農業者の存在は高まったのかどうか、成果はどうか、課題は何か、お尋ねをいたします。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  農業女子プロジェクトでございますけれども、平成二十五年、二〇一三年に、当初は三十七名の女性農業者をメンバーとしてスタートをいたしました。現在、十周年を迎えておりますけれども、メンバーの数も一千名を超え、地域、世代を超えた全国レベルの女性ネットワークに成長していると考えております。  これまで、例えば企業との連携によって女性が使いやすい農機具等の開発ですとか、農産物の販売イベントといった全国段階でのプロジェクトに取り組んでまいりましたけれども、これらのプロジェクトで得ましたノウハウあるいは発信力を生かして、先ほど委員と大臣との質疑の中でも言及のありました熊本県のAguRokkaのように、地域単位でのグループ活動の設立に至った例も出てきているという状況でございます。また、高校ですとか大学等におきまして、農業女子メンバーが農業の面白さなどを伝える出前授業を実施をしております。実際に、女子学生が卒業後に新規就農をするといった成果も出てきているという状況でございます。  一方、昨年農林水産省が実施をいたしました調査では、研修会や農業者グループの活動につきまして、参加しづらい、あるいは知らないと回答をされた女性農業者がいまだ約四割を占めております。参加しやすくするためには行政からの声掛けが必要という声が多数になっているという状況でございます。  農業女子プロジェクトのメンバーからも、女性という枠があるからこそ参加しやすいとの声もあるところでございます。これまで以上に幅広い方々の参加が可能となるよう、地域での活動の活性化にも力を入れながら、引き続き農業女子プロジェクトを推進してまいりたいと考えております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 活発に活動なさっているなということは分かりましたが、知らない方もいらっしゃるということで、これは残念かなと思います。  先ほど田名部先生の方からもありましたけど、この農業女子プロジェクトの女子というのも、私もちょっと引っかかるところがありまして、やっぱり今の時代、これ、女子とか男子とか、そういうような問題がないのかなと。やはりダイバーシティーも重要ですので、やっぱり時代に合った考え方、アップデートも今後は大事ではないかと考えるのですが、どのようにお考えか、よろしくお願いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 委員の御指摘、しっかり受け止めたいと思います。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 しっかりとお願いいたします。  ちょっと意外と短めの答弁だったものですから、ちょっとがくっときました。分かりました。よろしくお願いいたします。  次に、今年一月に発表されましたインターネット企業のスマートフォンを用いて行われましたウェブ調査で、中学生、高校生のなりたい職業ランキング十位以内に農業は残念ながらありませんでした。こういう結果から、何が原因なのか、そして子供たちから農業を選んでもらうためにはどうしたらよいのか、どのようにお考えか、お尋ねをいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 民間調査会社が実施した中学生と高校生のなりたい職業に関する調査、これ私も見させていただきました。  中学生も高校生も一位は国家公務員、地方公務員であります。これ、女子も男子も、女子の場合には国家公務員三位に、中学生の女子だけ三位ですけれども、あとは、中学生、高校生の男女、国家公務員、地方公務員というふうになっております。それ以外はやっぱりスポーツ選手であります。  その理由といたしましては、やはり収入が安定している、それから、テレビで見て格好いいからというようなことでありますので、これを裏返しにすれば、やっぱり農業に取り組んでもらう、農業を憧れの職業にするためには、やはり所得の確保というのをやっぱりしっかりとやらなければいけない。  それから、子供たちにやはり農業、農村の持つ魅力に実際に触れていただく。そして、その地域の自然や農業、食文化への理解を深めてもらう。そのことによってやっぱり、農村の持つ良さというものをやはり体得、体で実感してもらう、このことが大事であろうというふうに思います。そのために、食育の一環として農林漁業体験の機会の提供というものをしております。それから、地域資源を活用した食事や体験等を楽しむ農泊と、農家に泊まる、農泊としての農林水産漁業の体験の機会、こういったものを提供しております。さらには、やはり農業現場で活躍する若手農業者がその子供たちに様々な農林漁業のやっぱり良さを語るイベント、こういったものを数多く開催していくこと、これが必要であるというふうに思います。  そういった情報発信をいろんなケースでやって、そして子供たちのやっぱり関心を自然と農村と農業あるいは林業、漁業、そういったものに引き付けながら、これから担い手の確保あるいは農業従事者の確保、就農者の確保、こういったものをやっていかなければいけないと考えております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 今の子供たちは本当にしっかりしていまして、やっぱり収入とか、特に男の子であれば、農家だったらお嫁さんが来なかったらちょっと困るなとか、やっぱりしっかりしているんですね。やっぱり格好よくないといけないと私自身も思いますし、触れ合う機会がやっぱりないんじゃないかと思うんですよ。  例えば、じゃ、スポーツ選手であれば、今、大谷選手が非常に話題になっておりますが、大谷グローブを送られてきて、大谷グローブを直接使ってキャッチボールをしたら、いや、もうやっぱり野球選手に絶対なろうと、二刀流を実現するんだというような、そういうような気持ちが、やっぱり触れる、知ってもらうということがやっぱり大事なのかなと、大臣、そのように本当に思います。  また、大臣は、子供たちの仕事の体験ができる体験型プロジェクト、パビリオン、キッザニアというのは御存じでしょうか。約そこでは百種類の仕事の体験ができるんですが、ここにも残念ながら農業はありませんでした。先日、三月十九日には、キッザニア東京に小松製作所が、シミュレーターを用いてブルドーザーなどの建設機械を開発する仕事体験が登場したということで、やっぱり子供たちに面白さをですね、興味を持ってもらいたいということで、それが目的だということなんですよ。  是非、やっぱりスマート農業もドローンとか格好いい機械がありますから、それを是非置いて、実際見てもらって、格好いいなと、やっぱり自分もちょっと使ってみようかなと思うような、そういうような機会をやっぱりどんどんと発信していくと、是非、子供たちも農業のすばらしさというか面白さに気付いてくれるんじゃないかなと思っておりますので、よろしくお願いします。だから、何かこの危機感というものが余り感じられないものですから、そういうことも努力の一つ一つの積み重ねなので、もうよろしくお願いいたします。  そして、次は高校生です。農業を学んでいる学生から、是非スマート農業機械を学べる環境を整備してほしいという声があります。本当にこれは頼もしいなと思います。是非自分の高校にスマート農業の機械を入れてほしいと高校生が言っているんですよ。やっぱり、令和四年度のアンケートによりますと、施設とか設備の整備状況について不十分との回答が九割近くあったということで、非常に残念に思います。  そこで、これまで農業高校にスマート農業機械の導入の実績、そういうことを教えていただければと思います。そして、どのような反響があったかをお尋ねをいたします。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  ロボット技術、AI、IoTなどの先端技術を農業で活用するスマート農業ですけれども、女性や若者など不慣れな方でも作業が可能になる、危険、重労働や現場の張り付きから解放されるなどの効果があることから、農業を志す若者にスマート農業について学んでいただくことは大変重要であると考えております。  このため、農林水産省におきましては、令和二年度から農業高校等におけるスマート農業機械等の導入を支援をしております。これまでに百十六校の農業高校において当該支援が活用されているという実績になっております。また、農業高校が実施をする農機メーカー等の外部講師によるスマート農機の実演会ですとか、スマート農業を体験する実地、失礼いたしました、スマート農業を体験する現地実習などの取組についても支援を行っております。ハード、ソフトの両面からスマート農業を学べる環境整備を進めているところでございます。  実際にスマート農業を学んだ農業高校の生徒の声でございますけれども、例えば、農業はきつい、大変など余り良いイメージではなかったけれども、スマート農業の導入で楽に作業ができるようになり、農業をやってもいいと思ったという声ですとか、従来の機械と比べてすごく簡単、便利で、これからの農業に必要になると感じたといった声など、好意的な声が数多く寄せられているところでございます。  このように、スマート農業は、農業のイメージアップ、就農意欲の向上にも資するものであると考えております。今後とも、農業高校等におきましてスマート農業の教育の充実が図れるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 現場では、農業機械を学生が取り入れてほしいと言っているんですね、要望をしています。そして、設備とかは九割近くが不十分だと回答しているにもかかわらず、十分にやっているという、ここの、やっぱり現場とこの国とのギャップが私非常にあるんではないかと思うんですが、もしよかったら、答弁お願いいたします。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答え申し上げます。  我々としても、国としての支援、まだまだ充実を図らなければいけないという認識でおります。先ほど申しましたように、これまでの実績として、全国で百十六校の農業高校に導入支援、活用していただいているということでございますけれども、今後も、我々、予算の確保も含めて最大限努力をしてまいりたいと思いますので、委員の先生方の御支援、またよろしくお願いできればと思っております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 しっかりと確保、そういう子供たち、特に子供たちに使う財源というのはしっかりと確保をしてほしいなと思います。やはりこれがないと、恐らくもっともっと担い手というのは不足していくんではないかなと思います。  そして、私たちの地元の熊本県も、やっぱりもうしいんとしますよ。やっぱり、走っていて、畑から、ああ、こんにちはと言われると、私たちもうれしいですよ。そういう農業者の方たちがもうすんとして、ほとんどいらっしゃらなかったら、何かやっぱり寂しいなと思います。やはり、国の元気は、やっぱり農業の方たちが元気であれば国も元気になるんではないかと思いますので、どうぞ財源の確保のほどはしっかりとよろしくお願いします。頑張ってください、もうちょっと。よろしくお願いいたします。  最後になります。国の目標設定ですね。  国は、例えば、例えばですけど、令和五年度までに農地の八割を担い手に集積する目標を決めていますが、これ実際は、令和四年度で五九・八%。また、スマート農業の推進につきましては、令和七年度までにほぼ全ての担い手がデータを活用した農業を実践するとの目標ですが、現在では二六%ということで、非常に目標が高く設置されているんですけれども、目標は高い方がいいと思うんですが、この目標と実際の結果というのが、やっぱりこの辺りも非常に差があるなと思っております。  今後、国の計画として目標や数値をどのように設定する方針なのか、また、この目標設定を、例えば、大幅に担い手、農業者が減少したときのことを見据えて設定すべきではないかと私自身は思うんですが、どのようにお考えか、お尋ねをいたします。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  食料・農業・農村基本法の改正法案について国会で御審議をいただいて改正された暁には、改正法に基づいて基本計画の策定を行うことになります。  その基本計画につきましては、改正法案において、食料自給率に加えて食料安全保障の確保に関する目標を定め、その改善に向け施策を実施していくとともに、毎年一回、目標の達成状況を調査し、その結果を公表するということとしております。農業者が急速に減少していく中で、少ない人数で食料の安定的な供給を行うこと、これは食料安全保障の確保の観点からも大変重要な問題だと考えております。  いずれにしても、具体的な目標及びその数値については、基本計画の策定の過程で議論をしていくことになると思いますので、我々としてもできるだけ早期にそういった議論に入りたいというふうに考えております。

松野明美日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松野明美君 分かりました。一生懸命頑張ってください。  以上です。終わります。ありがとうございました。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 国民民主党の舟山でございます。  今日は大臣所信に対する質疑ということで、所信での大臣の発言を中心にちょっと議論したいと思います。  冒頭の山下委員からも引用されておりました、農林水産省の最も重要な使命は食料安全保障の確保というこの発言ですね、リスクが様々増大する中で、国内農業生産の増大を基本とすると、こういった考え方を堅持ということの決意が述べられております。  ただ、この考え方の堅持で足りるんでしょうか。これだけリスクが大きくなって、もちろん国内で作れないもの、今の自給率三八%の状況の中でいきなり全部国産でということは無理かもしれませんけれども、やはりこの路線、考え方を堅持というよりも、今まで以上に国内生産の増大に比重移すという決意が必要ではないかと思いますけれども、大臣のお考えお願いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 国内生産を増大させる、これは今回の食料・農業・農村基本法の基本的な柱であるというふうに思っております。  そして、その中で、やはり自給率を少しでも高めるためには、輸入依存度の高い麦、大豆、こういったものをやはり作付けしていかなければいけませんので、水田の活用あるいは畑地化、こういったものを通して食料の生産の増大、これを図っていかなければいけないと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 やはり、その国内生産の増大ということ、これは現行基本法でも同じこと書いてあるんですよね。同じこと書いてある中で、その考え方を堅持ではなくて、やっぱりそこをもう少し力を入れていくという、その決意ということでよろしいんでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 更に強力に取り組んでいく、そういう決意の下で改めて食料・農業・農村基本法を四半世紀ぶりに改正するということであります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  国内の農業生産が今どれぐらいなのか、どのぐらい国民の食料の供給に寄与しているのかという一つの指標がやっぱりこれ自給率だと思います。そういう中で、今発言の中にも大臣から自給率という言葉がありましたが、今回の所信表明の中には自給率という言葉が一つも入っていません。  そういう中で、やはりこの自給率の向上の必要性ですね、先ほど低下の理由等幾つかありましたけれども、やはりこれを上げていくんだと。恐らく、私、輸出に力を入れていくということも一つ、自給率、国内でのきちっと作る力、いざというときに、例えば輸出向けを国内に向けることもできるでしょう。そういった意味でも、やっぱり自給率の向上というものが一つの指標として、まあいろんな指標を作っていくという説明、私もいただきましたけれども、でもその一つ分かりやすい指標としては、自給率はやはりきちっと押さえた上で、明確にその目標を立てて、そして目標が達成できないんであれば、何だったのか、こういった検証を進めながら、自給率という一つの指標をもっと大事にしていくということも必要じゃないかと思いますけれども、大臣の基本認識お願いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 我が国の農業、国民一人一人に安定的に食料をお届けするということの中で、自給率というのは一つの目安であるということを私は考えております。今回は、そういうこと、そういう考え方であります。そして、自給率と同時に、やはり肥料とか資材とか、自給率ではやっぱり分からない、自給率だけでは分からない指標もありますので、そういうのも含めて総合的に日本の食料供給を安定させるというのが今回の所信で述べた一番大事なポイントであるというふうに私は思っております。  そして、目標の達成につきましては、この食料・農業・農村基本法を成立させていただきましたならば、その後、基本計画というのを作りますので、その基本計画の中でしっかりと自給率の数値化、こういったものはやっていかなければいけないというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  今大臣のこの場でのやり取りの中では、非常に自給率というのも一つの指標として大事だというようなことが確認できました。この所信表明ですね、この中になかったということがちょっと私も心配でしたので、改めて確認をさせていただきました。  そして、今るる様々な不安定要素がある、だから、国内生産をしっかりと維持していくんだということ、その流れは私も同感ですし、そこをこれからどのようにすればそれができるのか、まさに農政の抜本的見直しという中で、どうやって、今の方向性の何が違っていたのか。先ほど横沢委員の質問の中でお答えいただきましたけれども、規模拡大、効率化、ブロックローテーション、まあいろんなことがありましたけれども、今までもやってきたことなんですよね。そういう中で、今の現状は、それでも人が減ってしまった、農地も減ってしまった、生産も停滞していると、こういったことに対して、やはり、どのように、どこに問題があったのかということをきちっと見極めていかなきゃいけないと思っています。  是非、その作業をしっかりとやった上で、一応閣議決定はされておりますけれども、国会の議論の中で、時には虚心坦懐に見直しをしていくぐらいのことで、この基本法の議論をしていただきたいと思っています。  そして、食料の安定供給のためには、やはり平時において、今回の所信でも不測時における食料供給が困難な事態への対応強化ということも言っていましたけれども、何よりも平時において農業生産活動が継続できると、これが一番大事ではないかと私は思っています。人口減少により農業者が減少するということを言っていましたけれども、でも、日本の人口減少の割合より以上に、今、農業、農村の人口が減っている、高齢化が進んでいるということ、ここは重く受け止めなければならないと思います。自然減の中で農業も減少ではなくて、やはり政策の中で減少に拍車を掛けてしまったんではないか、ここの分析も必要だと思いますし、何か少ない人数でどうするか、これはこれでいいんですけれども、でも、どうやって人を増やしていくのか、どうやって離農を防いで続けてもらうのか、こういった施策が私は必要ではないかと思うんですね。  そのためには、私、先ほどこれも大臣の御答弁でもありました、やはり所得、特に、かつては、農業基本法では農業従事者が他産業並みの所得が得られるようにということが法律の目的にも書いてありましたけれども、今必要なのは、他産業云々ではなくて、やっぱり生産継続可能な、再生産可能な所得、これが何よりも大事だと私は考えています。それを達成するために、大臣として何が必要だと思うのか、この再生産可能な所得という観点について大臣はどのように考えているのか、その二点についてお伺いしたいと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 先ほど言いましたように、食料は、生産から加工、流通、そして小売を経て消費者に販売されるものでありますので、将来にわたって持続的に食料を供給するためには、食料システムの各段階の事業者が取引を通じて収益を確保することによって食料システム全体の持続可能性を高めていくという必要があるというふうに思っております。特に、資材費や人件費が長期的に上昇傾向にある中でも、生産者は、生産性の向上によるコスト低減や、より付加価値の高い農産物の生産などを通じましてコスト増を吸収できるよう努力をされています。  こうした生産者の努力を踏まえて、持続的に生産を行えるようにするためには、農産物の合理的な価格が形成されるようにすることが重要であるというふうに思います。そのことが生産者の収益が確保されていくことにつながってまいるというふうに考えます。  このために、生産性の向上や付加価値の向上に取り組む農業者への支援を行います。収益性の高い農業の実現を図ります。そして、長期的に国内外の資材費や人件費等の上昇が続く中、こうした恒常的なコスト増が食料システムの関係者の合意の下で価格に反映される仕組み、こういったものを構築していかなければいけないというふうに考えております。  その上で、価格転嫁が間に合わない急激なコストの高騰が発生することもあるわけでありますので、そういう際は収入保険等の経営安定対策あるいは影響緩和対策、こういったものを施策を講じることによりまして、農業所得の確保、向上、そして安定化、これを図ってまいりたいと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  今大臣がおっしゃったその合理的な価格をどう実現していくのか、適正な価格形成についていろんな皆さんの理解を得ながらそれを実現していくということ、これは今農業のみならずどの業界でも、建設の現場、それから製造業の現場、いろんなところでやはり価格転嫁、合理的な価格の実現というのは大きな課題になっています。まあ何しろ、ずっとデフレ傾向の中で、価格を上げちゃいけない、とにかく安く安くということがいろんなところでひずみを起こしてきた、それは農業も同じだったと思うんですね。ましてや、やっぱり農業に関しては、これは私、以前にも指摘をさせていただきましたけれども、なかなかこの生産者の声が届きにくい、やはりこの価格に反映しにくいという、こういった事情がありますので、国を挙げてこの合理的な価格というものに力を入れているのはよく分かります。  ただ一方で、昭和三十六年の農業基本法から平成十一年の食料・農業・農村基本法に変わったときの大きなその理念というのは、これ今回の基本法検証部会の資料にもありましたけれども、価格により所得確保を図るという価格政策の考え方を見直し、価格形成は市場に任せ、所得の確保は政策に委ねると、このように総括しているんですね、その、今の現行基本法に変わったときですね。つまり、旧基本法から今の食料・農業・農村基本法に変わったときには大きく言えば価格政策から所得政策へというふうに変わりました。  そういう流れの中で、かといって、じゃ、価格はもうどんどん安くてもいいんだとは私思いませんので、今大臣がお答えいただいたようなこの努力は必要ですけれども、でも一方で、先ほどちょっと気になったのが、やっぱりそれでも間に合わない急激な価格上昇についてはという話ありましたけれども、でもこれ品目によって恒常的になかなか価格に乗せにくい、特に国際価格が形成されているようなものに関しては、じゃ、全部価格に乗せればこの競争の中で太刀打ちできなくなります。  ですので、やはり価格形成も大事ですけれども、一方で、やはりきちっと、まさにこの政策として所得をどう確保していくのか、再生産可能な所得をどのように実現していくのか、そういったことが何か今の答弁では全く感じられなかったんですけれども、そこは必要ではないかと思うんです。全ての品目、価格ではできませんので、そこをしっかりとこの新しい方向性の中にもきちっと明確に盛り込んでいただきたいと思いますけれども、大臣の御見解をお願いいたします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 先ほども申し上げましたとおり、こういった各段階におきまして、食料システムという中で合理的な価格を形成していくというのが一つ。それから、今言われましたように、国際価格の問題もあります。様々な価格上昇の問題もありますので、それは逐次捉えて、そして影響緩和対策あるいは所得安定対策、これをやはり同時にやっていく、こういうことで、所得を安定化させる、そしてコストに見合うやはり所得にしていく、こういったことがこれから進めるべきことであるというふうに考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 まさにコストに見合う、つまりは再生産可能な所得の実現のためには、今の大臣のお答えは、価格によって実現するもの、そうではない政策によって実現するもの、両面でしっかりと進めていきたいという、こういった御決意でよろしいでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) その両面でこれからの所得の確保を図ってまいりたいというふうに思っております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非その際に、欧米等、他国の農業政策等も参考にしていただきながら、再生産可能な所得の在り方、その実現の仕方、まあ今回クロスコンプライアンスの考え方も入れていらっしゃいますけれども、やはりそういった、いわゆる生産と切り離した、デカップルされたその環境支払、農地支払、そういったものも含めて是非前向きに御検討いただきたいと思いますし、この委員会の現場でもしっかり私たちも議論をさせていただきたいと思っております。  そして、もう一つ、次に、輸出の促進に関しまして、これも若干気になるのが、国内マーケットの縮小、それによって輸出を促進すると、こういった言い方がよくされております。でも、私、国内マーケットでいえば、確かに人口が減る、マーケットが縮小する、でも、今、自給率が例えば一〇〇%だったら、もう行き場がない、輸出にとなりますけれども、その観点でいえば、縮小してもまだまだ国内のいわゆる供給する要は受皿、需要はあるわけですから、その理屈ではない側面でやっぱり必要なもの、輸出が必要であれば、国内のマーケットが縮小する、拡大する、それにかかわらず、やっぱり輸出をやっていくんだという、この決意が必要ではないかと思うんですね。  何かこう、ちっちゃくなるから外に活路を見出しますじゃなくて、ちっちゃくならなくたって、ちゃんといいものを外にも出していくんだという、こういった方向性が必要ではないかと思っています。その辺り、何かこの、やっぱりその輸出促進の、何というのかな、の意義、意義について改めてお伺いしたいと思います。その穴埋めのための輸出じゃないということではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 輸出の大切さというのは、平時において輸出促進を通じて国内の農業生産の基盤を維持すること、そして、不測時においても対応可能な供給力を確保することが可能となる点を考えるならば、この輸出というのは食料安全保障の確保に非常に重要な役割を果たすことになるというふうに思っております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  ですので、これ、今後、国内のマーケットが縮小しているので輸出という言い方はちょっと見直していただいた方がいいんじゃないのかなということ、是非御検討いただきたいと思います。  そして、輸出に当たってでは、その輸出先ごとに様々な規制が存在しています。恐らくこの規制も、輸出が思ったようになかなか伸びない、難しい、そういった背景にあるんじゃないかと思います。食品の衛生基準、動植物検疫、食品添加物、残留農薬基準、包装容器なんていうのもありますよね。食品表示の在り方もあると思います。  そういう中で、私、四年前にもこの委員会で指摘をさせていただきましたけれども、実は残留農薬基準、これは他国に比べて結構緩いんですよね。コーデックス委員会での基準に比べても、日本の基準、緩いものがあります。そういう中で、SPS協定等では、各国の残留農薬基準はやっぱりこのコーデックス基準に合わせていくというようなことを目標にしているはずなのに、なぜこういう形になっているのか。  このことは、輸出のためではなくて自国の安全のためにも、やはりきちっとその基準に合わせるべきだと思いますし、何で緩いのか、なぜ合わせていないのか、その辺りの実態を教えていただきたいのが一点と、あわせて、もう一点、こういった現状に対して、やはりきちっと見直していくべきではないかということ、この二点について、まとめてお答えいただきたいと思います。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) お答えいたします。  委員御指摘のように、農薬につきましては、例えば暫定値というリスク評価を経ないもので国内の流通が許されているもの、食品添加物は、同じく、既存添加物ということでこれまで慣行的に使ってきたということで、リスク評価を経ないでずっと国内で使用されているものと、こういったものというのは、それを使用している食品というのは輸出の対象にならないというのはおっしゃるとおりだというふうに思います。  特に暫定値につきましては、一日も早くリスク評価を行うということを政府で取り組んでおりますので、委員御指摘のように、世界に売っていくためには、食品というのはリスク評価を経て安全性が確認されたもの、農薬、添加物を使ったものしか基本流通許されないというのが原則でございますので、そういった世界の共通ルールに従って輸出できるような形での取組というのを進めていくことが必要だというふうに考えています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 その際に是非お願いしたいのは、輸出向けは厳しく、国内は現状のままということにならないように、それだけお願いしたいと思います。  あとは、食品添加物に関しては、やっぱりこれ、ずっと使っていたもので、国際的にはなじみがなくて許されないものもありますよね。そういったのに対しては、本当に危険であればやっぱりやめていかなきゃいけないですけれども、その辺の安全性の評価の上で、例えば海外にもそういったものの使用を認めてもらうような、そういう申請も必要ではないかと思いますので、その辺もまた、今後審議の中でも少し詳細詰めていきたいと思いますけれども、その取組も併せてお願いしたいと思います。  ちょっと時間がなくなってまいりましたので、林業に飛びたいと思います。  森林・林業の役割につきましては、多くの国民が共通認識を既にお持ちかと思うんですね。温室効果ガスの吸収源として環境に貢献している、水源涵養としての役割も大きい、公共建築物でも一定程度木造化が進展する、そういった意味では、SDGsへの貢献という意味で非常に大きな期待が寄せられております。  その一方で、課題も山積しているのかなと思うんですね。その課題の一つがやっぱりこの価格です。立木価格はまだまだ低迷しています。製品価格が上がっていても立木価格が低迷している中で、この乖離の原因は一体何なのか。この辺りを是非分析いただきたいと思いますけど、いかがでしょうか。

青山豊久林野庁長官

○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。  山元立木価格と製材品の価格は、一九八〇年以降、長期的に下落をしております。近年ほぼ横ばいで推移しておりましたけれども、いわゆるウッドショックで令和三年から四年に高騰しましたが、直近ではそこから下落しております。  先ほど委員から御指摘のございました立木とその製材品の価格の差でございますけれども、立木を伐採して丸太を生産する場合に、伐採、搬出、運材、製材のコストがそれぞれ掛かりますし、製材品となります歩留りと乾燥コストも加えますと、立木と製材の間で同じ一立米当たりですと数十倍の価格差となるというふうに認識をしております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 その認識はそうかもしれませんけれども、ここをどう縮めていくのか。せっかくその木の需要が少し増えて、今政府も力を入れて木材利用を促進していますよ。でも、需要が増えても、そのいわゆる供給する元々の価格が安ければ何のもうけにもならない、誰も山に手を入れない、誰もやる人がいなくなるということだと思うんです。  そこの、その乖離をどのように埋めていくのか、そこは大きな課題として認識をいただいて対策を打つべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

青山豊久林野庁長官

○政府参考人(青山豊久君) 川下における木材の価値を高めまして、その上で川上においても適切な利益を確保していくというのが林業、木材産業の成長発展のために重要と考えておりますので、川下の建築分野において木材需要を拡大していく、川中において高効率な木材加工流通施設を整備していく、川上において路網整備や高性能林業機械を導入していく、それに加えまして、川中と川上の協定による安定供給の推進等によりまして生産流通コストを低減する、さらにはサプライチェーン全体での木材の需給動向の情報共有に取り組んでいく、こういったことを通じまして林業、木材産業の成長発展に向けて取り組んでいきたいと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 本当にその課題というのはもう、多分もう十数年変わっていないと思うんですよね。そこを本当に抜本的にどうしていくのかを考えていかないと、まさに今、再造林をする、伐採後ちゃんと再造林してくださいという方向になっていますけれども、でも、経費の割には価格が安い、いや、どうやって再造林のお金を出していくのか、その意欲なんか持てないですよね。  ですから、そこの、例えば再造林の後押しはどうやっていくのか、そこも一緒に考えていかないと山はどんどん、これだけの、国土の三分の二が森林という本当に森林大国なのに、使われずに荒れてしまう。やっと動き出している中で、やっぱりそこをきちんと結び付けていかないと、川上、川下、もうこの言葉はもう本当昔から言っていますよ。そこをどう結び付けて、やっぱりこの川上の方に利益が上がるようにするのか、是非、そこは大きな課題として、大臣中心にこの森林の現場の、要は、木材の再生産確保に向けて是非力を尽くしていただきたいと思っています。  そして、その木材の利用、やっぱり利用促進の一つとして、非住宅分野への利用促進というのも大分力を入れていらっしゃると思います。  私は、おととしの十一月の委員会にて、低コスト耐候性ハウスへの木材利用ということを提案させていただきました。その際、当時の野村大臣もですね、いや、そんなに、すばらしいと思いますと、余り知らなかったけれどもすばらしいと、是非これを全国的な説明会の機会を捉えて推進してまいりたいということを大臣から御答弁いただきました。  その後、施設園芸協会のホームページでは、若干書きぶり変わりましたけれども、相変わらず鉄骨ハウスだけしか言及されておりません。その後、何か動きがあったのか、また林野庁と連携をしてしっかり進めていただいているのか、改めて確認したいと思います。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。  低コスト耐候性ハウスの木材利用につきましては、委員御指摘いただきまして、一つは、強い農業づくり総合支援交付金等の補助事業において、耐候性等の要件を満たせば木材を利用した場合でも補助対象となる旨QアンドAに明記し、その点、全国説明会において都道府県への周知を図っております。また、農林水産省のホームページの中に、建築物の木造化・木質化に活用可能な補助事業・制度等一覧、この中にもそれを入れまして情報提供を行っております。  さらに、昨年十月に、施設園芸協会が開催いたしました機材資材展において、農業用ハウスメーカーが木造ハウス、この実物を展示するというようなことも行われまして、周知が行われてきているところでございます。  林野庁とも連携をしながら、様々な機会を通じて周知に努める、補助事業の活用事例が生まれてくれば、その情報も含めて広く共有したいというふうに思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 かなりですね、まさに低コスト、コストも安いんですよね。で、耐候性も十分だという条件を満たしながら進めていくというのは、これ受け身で、何か民間団体は少しずつ進めていますけれども、やっぱり国としてもっと意思を持って、これ林野庁もですよ、林野庁も非住宅分野の木材利用促進と言いながら、これ予算書とかにちゃんと出てくるんですかね、私が見た限りないんですよね。そういうPR、ちゃんとしていただきたいと思いますけど、いかがでしょう、林野庁。

青山豊久林野庁長官

○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。  今委員御指摘のように、建築分野、その非住宅の分野での需要拡大というのは今後重要でございますので、林野庁として行っておりますのは、中高層非住宅のその建築物の木造化、木質化に資する強度や耐火性に優れた木材の技術開発、普及でありますとか、公共建築物、公共木材建築物の支援等に取り組んでいるところでございます。  今後とも、非木造の、済みません、非住宅の木造建築も念頭に置いて促進を進めていきたいと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 やはりこの需要が伸びなければ、山元の、さっき申し上げました立木価格もやっぱり低迷したままだと思うんですよね。やはりここの乖離を埋めていくためにも、恐らくこの流通の仕組みなんかの見直しも必要だと思いますし、需要の喚起も必要だと思いますし、いろんなまだまだ課題、取り組むべき課題はたくさんあると思いますので、是非しっかりと取り組んでいただいて、きちっとした、まさに循環型社会の原点として森林の整備を行っていただきたいと思います。  そしてもう一点、この森林業に関してですけれども、人材不足、これは農業もそうですけれども、森林の現場もそうですよね。非常に低賃金、月給制が三割弱という不安定雇用、労災も多い、こういった様々な問題が指摘をされておりますけれども、なぜ定着率が低いのかといった分析、対策が必要ではないでしょうか。

青山豊久林野庁長官

○政府参考人(青山豊久君) 林業従事者でございますけれども、国勢調査によりますと、平成十七年が五・二万人、二十七年が四・五万人、令和二年には四・四万人と、長期的に減少しているところでございます。  これには、日本全体の就労人口が減少しているなどいろいろな要因も考えられますけれども、委員から御指摘もございましたけれども、労災の指標である死傷年千年率が二三・五と、全産業平均の十倍となっていること、林業従事者の平均所得が三百四十三万円と、全産業平均と比較して約九十万円低いこと、月給制の導入率が低くて雇用が不安定にあることなど、労働災害の発生状況や給与等の処遇面の不利性が影響していると考えております。  このため、農林省としましては、林業の持続的な発展を図っていくためには林業従事者の確保がまだまだ必要となってまいりますので、緑の雇用事業等によりまして新規就農者に対する研修を行う林業経営体を支援するとともに、労災の多い伐倒作業を安全に行うための研修ですとか、保護衣等の安全装備の導入を行う経営体への支援、林野庁における事業の採択時において、月給制の導入を行った事業体に対するポイントの加算などに取り組んでいるところでございます。  これらの取組を通じまして林業従事者の確保を図っていきたいと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  大臣に是非お願いなんですけれども、先ほど、農業に関しては、その価格、合理的な価格、適正な価格形成ということに随分力を入れて取り組んでこられていると思います。これ林業も同じだと思います。やっぱりこの、先ほど言いました山元の立木価格が低迷する、私はやっぱり不当に低過ぎると思うんですよね、需要に。だって、製品価格がそこそこ上がっているのに低いままというのは、やっぱり、これやっぱり不当だと思うんですよ。  そういった林業、木材に関しても、この合理的な価格の形成に向けてのやっぱりアピール、取組、是非進めていただきたいと思いますけれども、最後にこのことをお答えいただきまして、質問を終わりたいと思います。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 申合せの時間参りましたので、簡潔にお願いします。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 食料システムという考え方と同様、林業についても、そのシステムの中でなりわいも含めて末端まで届けられているということをしっかり肝に銘じまして、そして、その中でのそれぞれの流通過程での合理的な価格、生産者も含めて、こういったものをしっかりと確保していきたいというふうに思っております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 終わります。ありがとうございました。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  大臣所信の冒頭にもありますように、能登半島地震、津波被害についてお聞きをしたいと思います。  一月一日に震度七を記録した能登半島地震から、二か月半じゃなくて、あと十日で三か月になるわけですけれども、被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  人命が優先されますけれども、三月に入って今年の苗作りが始まりますので、基幹的産業である農業の復旧も急がれます。  三月上旬に私も能登半島に行ってまいりました。住む家が倒壊し、避難されている農家が多く、連絡が取れないということから実態把握も進んでいないということですけれども、分かっているだけでも、用水路やため池が壊れて、今年の作付けの見通しが立っていません。把握している範囲で、農地被害が七百六十一か所、そのうち珠洲市、輪島市、能登町、穴水町で石川県全体の約七〇%を占めています。用水路の被害は千百四十五か所、珠洲市が三百七十三か所と一番多くて、志賀町、そして能登町、輪島市で百か所を超えています。  訪問した能登町では、県道が崩れて、その下にある幅三メートル前後の農業用の水路が破損し、水が流れなくなっています。資料でお配りした写真のブルーシートのところです。その壊れた下に流れていたのが止まっていると。約百戸の米農家に影響すると聞きました。その下の河川の写真なんですけれども、輪島市でも川ののり面が崩壊をして、水を取る取水口から用水路が崩壊し、その地域では田植ができる状態ではありませんでした。例年よりも田植が遅れても、五月末頃までには水を確保したいというふうに言われました。  水を確保するためには、当面、仮設パイプラインを設置するとか河川から水をポンプアップするなどの対策が急がれるというふうに言われております。これをめぐってはどのような支援策があるのか、まずお聞きしたいと思います。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  今般の地震によります農地、農業用施設の被害につきましては、これまで延べ七千五百名以上のMAFF―SATを現地に派遣し、被災自治体や関係団体等と連携して被害の状況把握や応急対策等を行っているところであります。  災害復旧事業におきましては、営農再開に必要な農業用水を確保するため、査定前着工制度を活用いたしまして、仮設水路でありますとか仮設ポンプ等を応急的に設置することが可能であり、被災自治体等と連携いたしまして、既に仮設ポンプの確保等にも取り組んでいるところであります。  農林水産省といたしましては、引き続き、査定前着工制度を活用した応急工事につきまして、被災自治体への周知を図ってまいります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 まあ査定前着工を活用してということで、既に始まっているということなんですけれども、急がれていると思います。  それから、ため池の被害が全県で三百十一か所、特に多いのが七尾市、輪島市、珠洲市で、全県の七〇%を占めているといいます。ため池から水を確保している地域が多く、七尾市では一集落に一つはため池があると聞きました。ため池の修復が一つ、一か所というか、二億円とかですね、非常にお金が掛かるということで、農家負担は僅かだといっても、生産者の数で割ると結構な費用になるということなんですよね。修繕するのか、それとも諦めるのかと、こういうことでなかなかまとまらないという状況もあるというふうに聞きました。  踏み込んだ支援が必要ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  被災したため池などの災害復旧におきましては、国庫補助率がかさ上げされ、高い補助率が適用される仕組みとなっており、今般の能登半島地震のように激甚災害に指定された場合には国庫補助率が更にかさ上げされます。また、補助残につきましては、農家に負担を求めず地方公共団体が全て負担することも可能であり、地方公共団体が補助残を負担する場合には地方財政措置が適用され、地方公共団体の実質的な負担が低減されます。  農家負担の軽減が図られますよう、このことにつきまして被災した地方公共団体等への周知に努めてまいります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 河川が低くて湿地地帯が多い地域では、このため池というのが非常に重要な役割を果たしているということなんですね。是非踏み込んだ支援を求めたいと思います。  それから、水を確保して、次は水田に水を張るということなんですけど、しかし、この水田に亀裂や水漏れがあれば水は張れないと。生産者が自ら修理できるところの支援も必要だというふうに感じてきました。  東日本大震災の支援の事業に被災農家経営再開支援事業というのがありました。水田作物の支援単価や復旧作業の事例について、ちょっと説明をお願いしたいと思います。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。  被災農家経営再開支援事業は、東日本大震災において、津波等の被害に、影響によりまして平成二十三年度以降の農作物の作付けが困難になった農地のうち、共同で復旧作業を行う場合に面積に応じて経営再開支援金を交付する事業でございます。  支援単価なんですが、十アール当たりで、水田作物が三・五万円、露地野菜が四万円、施設野菜が五万円、果樹が四万円となっておりますが、公共事業によらず自力で施設の撤去等を行う場合、露地野菜で七万円、施設野菜で十四万円、果樹が九万円となっております。  具体的な復旧作業として、農地や農地周辺のごみや礫の除去、水路や農道の補修、土作り等を行う取組に対して助成が行われたところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ありがとうございます。  それで、大臣、この今お話、説明あった東日本大震災の支援というのが今回の能登でも必要じゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 東日本大震災におきましては、津波等の影響によりまして広大な範囲で平成二十三年度以降の生産を断念せざるを得なくなった農地、そして倒壊した畜舎、こういったものが数多く発生をいたしました。  震災関連被害が広範囲に及んだことから、農地等の復旧に当たる事業者等の確保が当面困難な状態ということにありました。また、農地や水路の補修に加え、津波による漂流物の除去も要したことから、事業者等が確保されるまでの間も復旧の取組を進めるため、地域において共同ごみや礫の除去等の取組に対し助成を行い、地域農業の再生と早期の経営再開を図ることとしたものです。  一方、能登半島地震においても、相当な範囲及び程度で被害が発生をしていますが、東日本大震災と比較をいたしますと、津波被害や地震による重大な被害が能登半島に集中しており、能登以外の事業者にも協力をいただきながら復旧を進めていくことで、早期の営農再開につなげるべく支援パッケージを取りまとめ、必要な支援策を措置をしているところでございます。  今般の震災におきましても、復旧作業に係る技術力を十分に有している農業者におきましては、多面的機能支払交付金や中山間地域等直接支払交付金などを活用いたしまして、自力施工で農業者が直接必要な施工を実施すること等も可能としているところでございます。  さらに、農業法人等が被災農業者を一時的に雇用して作業に従事させ、研修する場合にも支援をするということにしております。これは、月十万、年間百二十万というような支援額でございます。  地域や経営の事情に合わせて適切な復旧が速やかに進むよう、農林水産省といたしましても、現場への周知を図るとともに丁寧に相談に乗ってまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 何とかやっぱり作付けにこぎ着けたいという思いでいっぱいでいるわけで、そういう生産者の支援を求めたいと思います。  それから、三月に入りましたので、苗作りが始まります。生産者は、苗を植えて田んぼの緑が生えてくると元気が出てくるという話もありまして、石川県で米の品種で有名なひゃくまん穀とか能登ひかり、この苗を備えておくことが必要だと。まだちょっと見通しが立っていないんだけれども、とにかく自分のできるところからということで、苗の準備をしなきゃいけないということで注文しようとしているんだけども、苗を買っておいても余った場合どうしようということで悩んだりしているということもあります。  余ったときはやっぱり支援策も検討していただけないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょう。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 稲作などの地域農業を支える方々の農業再開につきましては、能登は五月上旬からの田植期に向けて、農業者の御意向を確認した上で、水張りが可能かどうか、そして圃場の被害状況を確認した上で、必要な苗の確保等をスピード感を持って進めることが肝要と考えております。  このため、農林水産省では、先ほど事務方からも言いましたように、地震による農地や水路、ため池等の被害につきまして、延べ七千人を超えるMAFF―SATを現地に派遣いたしまして、被災自治体や関係団体と連携をして被害状況把握や応急対策を全力で進めているところです。その上で、県、市町や農協等の関係団体と連携し、今年産に必要な水稲の苗の計画的な供給に努めてまいります。  石川県内では、一般的に田植は五月上旬ですが、六月上旬まで遅らせることも可能と伺っております。六月上旬に田植を行う場合は五月中旬まで育苗の調整を行うことができるため、余った苗への支援は適当でないというふうに考えておりますが、五月上旬に田植をする分、それから六月上旬に田植をする分、そういうふうなことで、計画的に苗の供給を現地と連携をしながら進めてまいりたいというふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 パッケージの中にはこれ入っていないと思うんですけれども、是非ロスが出ないように、結局、先にやっていたけども使わないで捨ててしまったということにならないように、ロスがないようにちょっと調整をやっていただきたいと思います。  次に、漁業ですけども、漁港は能登町、輪島市に行ってきました。資料に写真を載せています。  日本三大イカ釣り漁港というふうに言われる小木港も、それから隣接する九十九港も二メートルを超える津波被害を受けていました。この地域はリアス式海岸になっていて、台風が来ても波が立たないで、しけのときは実は船の避難港になっていたという話も聞いて驚いたんですよね。  しかし、津波はしけの波と違ってもう容赦なく打ち付けて、床下浸水が発生して、この小木港では、このひっくり返っている船のところがそうですけども、小型イカ釣り船がひっくり返り、それから、九十九港、九十九湾では小型船が転覆をすると、流出する被害が出ました。輪島港では、海底が隆起して船を出せる状態ではありませんでした。漁港が二メートルから四メートル隆起すると。  船は水深が二・五メートル以上ないと浮かばないということなんですけど、海底が隆起したために、〇・七とか〇・八の漁港が結構あると。潮の満ち引きや波によって船底が、プロペラやエンジンが岩に当たって破損していると。だから、船を持ち上げて調べて、損傷がないかどうかと、なければしゅんせつして、この海岸のところをしゅんせつして、深くなったところから船を入れられるようにしたいということなんですけど。  そこで、まず漁港の災害復旧事業についてお聞きするんですが、県管理の漁港もあれば市町村が管理している漁港もあります。県管理は国が災害復旧事業を代行して、自治体に代わって本格復旧を進めることになっているんですけども、市町村管理の漁港は代行する制度がないんですよね。国が代行した港湾の復旧は早いけれども、市町村管理の漁港は遅くなると、この支援に差が出ないかという声が出ております。差が出ないような対策が必要ではないかと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 今回の地震では石川県の市町管理の、市と町の管理の六十一漁港のうち五十三漁港で岸壁の損壊等の被害が確認されております。農林水産省といたしましても、石川県及び関係市町への人的及び技術的な支援を現在も行っているところです。  具体的には、一月以来、MAFF―SATとして水産庁の職員延べ十八人を能登五市町に派遣をし、災害復旧事業の円滑な実施に向けた助言を行うとともに、関係都道府県及び関係団体に協力を呼びかけ、派遣された各県等の職員が被災状況、あっ、六市町に、済みません、能登の、さっき私は五と言いましたかね、六の市町です、六の市町に派遣し、そして関係都道府県及び関係団体に協力を呼びかけて派遣された各県等の職員が被災状況調査を支援するなどの人的支援を行っているところであります。  県管理と違って差が出ないかというようなことでありますけれども、これは激甚にも指定されておりますし、それから財政措置もしっかり付いております。そういうことで差が出ることはないというふうに考えております。  そして、今、石川県下でも応急工事を開始している漁港、十六港のうち市町管理の漁港は十二漁港、もう既に復旧工事が始まっております。また、一部の地域では既に定置網などの操業も再開されており、引き続き、漁業の一日も早い再開に向けて、石川県や関係市町と、市町と連携をして漁港の復旧にスピード感を持って取り組んでまいります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 隆起した漁港の復旧って本当に大変だと思って見ていたんですけれども、しゅんせつの作業、船の点検、修理を進めながら、漁を始めるための仮設の桟橋とか係留場所が必要じゃないかと思うんですけれども、これ支援策はあるんでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 水産庁、農水省では各漁港について予備費を活用した緊急調査ということで被害状況を把握するための詳細な調査を行っており、これを踏まえて、この結果を踏まえて仮復旧、本復旧という形で復旧作業を進めていく考えでございますが、その際、仮復旧に当たりまして、仮桟橋や仮係留施設の設置が必要となった場合には、これも災害復旧事業により支援することが可能でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 確かに調査をしないと分からないというのがあると思うんで、調査しながら是非迅速に進めていただきたいと思います。  それから、沈没、転覆した漁船や船外機が流出をして新潟に流れ着いた船もあって、これ、廃棄物として処理する支援が必要だと思うんです。で、東日本大震災の際に災害廃棄物処理したということなんですけれども、これ、環境省にちょっと説明をしていただきたいと思います。

飯田博文環境省大臣官房審議官

○政府参考人(飯田博文君) お答え申し上げます。  環境省では、倒壊した家屋等の解体を始めとする災害廃棄物の収集、運搬及び処分に対し、災害等廃棄物処理事業費補助金により市町村への財政支援を行っているところであります。  事業活動に必要な漁船等の処理につきましては、原則として事業者が対応することとなりますが、津波等により損傷、沈没し、所有者が特定できない漁船等の災害廃棄物については、海岸保全区域外の海岸に漂着し、市町村が生活環境保全上の支障があると判断する場合には、災害等廃棄物処理事業費補助金の補助対象となり得るとしております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 つまり、災害廃棄物を処理する補助金はあるということだと思うんです。  で、大臣、是非、これは環境省と相談をしていただきながら是非善処していただきたいというふうに思います。お願いしておきます。答弁は要りません。  漁船や漁具の買換えは、申請して許可を受けた後の発注では手に入れるまでの時間が掛かると思うんですね。さらに、操業を始めるまで時間が掛かると、収入が途絶える期間が長くなってしまうんですね。公共事業などの査定前着工のように、漁船を確保するために事前着手できる仕組みが必要じゃないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 御指摘の共同利用漁船等復旧支援対策事業についての御指摘だと理解しておりますが、これは被災した漁業者のために協同組合等が行う漁船、漁具の導入を支援する事業というもので措置しているところでございます。  この事業は、早期の復旧に着手した漁業者にも支援が行われるよう、発災した令和六年一月一日以降に着手、着工した場合であれば本事業の対象となるように措置をしているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 事前手続はオーケーということですよね。  被災した漁場の再生のために漂着物や瓦れきを撤去する必要があります。輪島には素潜りでサザエやアワビを捕る海女さんが活躍されてきていたんですよね。海に潜って漁場の状況を調査するにも適任だという話も聞きました。  漁場復旧対策支援事業というのは、これ海女さんも活用できるんでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 御指摘の漁場復旧対策支援事業は、漁業者の生活を支えながら漁場環境を回復するために漁業者などが取り組む活動等へ支援を行うというものでございます。  現在の石川県におきまして既に活動が開始をされているところでございますが、海女の皆さんによる漁場環境調査が行われる予定とも伺っているところでございまして、これらの活動に対しても支援を行うことが支援対象となると考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 すごく助かると思います。  今回の地震で海底が大きくずれた可能性があります。国土交通省に聞きましたら、地形の調査はしていないと聞きました。それから、水産庁も、漁場までは手が回っていないと聞きました。海底や漁場が変わって潮の流れが変化すると、これ魚の生息域も変わることがあるんだという話も聞きました。  当面、だから試験操業にならざるを得ないというふうに言うんですけれども、これパッケージには支援策はないんですよね。これ必要じゃないかと思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) 漁場復旧対策支援事業におきましては、漁業者等が行う海底地形や藻場等の環境変化に係る状況把握等、調査の活動も支援の対象としているところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 支援の対象になるということですか。ありがとうございます。  それから、基金についてなんですけど、今日、総務省に来ていただいております。東日本大震災のときに取崩し型基金がつくられました。小規模農地や補助対象外の農林水産業の施設の復旧などの支援や苗木の購入支援が行われました。基金の使途や運用について、簡単に説明していただきたいと思います。

濱田厚史総務省大臣官房審議官

○政府参考人(濱田厚史君) お答えいたします。  東日本大震災の際には特定被災地方公共団体である九県に復興基金が設置されましたが、復興基金は、極めて大きな災害が発生し、復興に相当の期間を要すると見込まれ、各年度の措置では対応が難しい場合に、個別の国庫補助を補い、国の制度の隙間の事業について対応する例外的な措置として実施するものであるという趣旨を踏まえ、基金を具体的にどのような事業に活用するのか、直営方式、財団方式等どのような運用をするのかについては各県において判断することとなっております。  以上でございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ありがとうございます。県の判断に委ねられるということだったと思うんですね。  そこで、大臣、このパッケージを出されているんですけれども、今、東日本大震災で使ったことを参考にして、基金などの設置を検討したらいかがと、していただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 今後のことでもございます。しっかり御提言受け止めたいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 検討していただけるということでよろしいんでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 財政当局との様々なお互いの話合いもありますので、農林水産省としてやるべきことを財政当局の方には訴えていかなければいけないというふうに思っております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ありがとうございました。是非、ちょっと実現をさせたいと思っています。  最後に、食料自給率の問題についてお聞きしたいと思います。  会計検査院が令和四年度決算検査報告の中で、総合食料自給率等の指標の検証状況を報告しています。総合食料自給率の目標年度についてどのように報告していますでしょうか。

遠藤厚志会計検査院事務総局第四局長

○説明員(遠藤厚志君) 委員お尋ねの総合食料自給率等の指標の検証状況につきましては、基本計画等に示された指標の中には目標年度において目標を達成していないもの、目標と対比可能な実績を把握していないものなどが見受けられましたが、農林水産省は進捗状況を検証していたものの、目標年度における目標の達成状況を確認して、達成していなかった場合の要因分析をするなどの検証は行っていなかったことなどを報告しております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 つまり、会計検査院は、検証は行っていないということを指摘したんですよね。これに対して農水省はどういうふうに答えているかというと、農林水産省は、総合食料自給率については、平成十六年に総合評価による政策評価を実施したものの、外交、経済等の様々な要因により決定されることがあることなどから政策評価の対象とすることができないとしたというふうに答えられたようなんです。  そこで、この総合食料自給率について、外交や経済等の様々な要因により決定されるというのはどういう意味なのかなということをお聞きしたいと思うんですけど。

杉中淳農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(杉中淳君) この点について、より正確なやり取り等も踏まえて回答したいと思います。  まず、食料自給率目標でございますけれども、これは農業者、食品産業事業者、消費者に係る幅広い問題でございまして、現行基本法でも農業者その他の関係者が取り組むべき課題を明らかにして定めると規定しておりますように、広範な政策分野にわたる取組の組合せとして数値が出てくるものと考えております。一方、政策評価は、個別の政策分野単位ごとに測定指標及び目標を定め、その達成状況を評価するものでありまして、その組み合わせる大目標については政策評価の測定指標に位置付けていないところでございます。  農林水産省から会計検査院への返答においても、まず政策評価は政策分野ごとに評価されるものであることと、また、その追加的な要因として、議員御指摘のような外国の経済状況などによって左右されるものであるということを踏まえて、食料自給率そのものの分析表などの作成はしていないと回答させていただいたところでございます。

紙智子日本共産党

○紙智子君 なかなか分かりづらいなというふうに思うんですよね、今の説明聞いても。  それで、様々な要因とかということもあっていろいろあるんだということなんだけれども、やっぱり例えば輸入自由化政策や円安誘導策など、食料自給率の目標達成にどのような影響を与えたのかということは分析されたのかな、されていないんじゃないのかなというふうに思うんですけれども、これ、大臣、いかがですか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 食料・農業・農村基本法、基本計画で定めた目標につきまして、進捗状況は検証していても、目標年度における目標の達成状況は検証していないという指摘がなされていることは委員御指摘のとおりでございます。  食料・農業・農村基本法で定めた目標につきましては、目標年度の十年後を待たずに、その見直しを行う五年ごとに食料・農業・農村政策審議会の意見も聞きながら検証、見直しを行ってきたところですが、会計検査院からは目標年度の十年後における目標達成、おける達成状況の分析が不足しているとの指摘があったものというふうに思っております。十年後の目標を立てる、しかし、私たち農林水産省としては五年ごとに見直しをしているというようなことでありますけれども、その十年ごとの、十年目の、十年ごとの検証がなされていないんじゃないかというような御指摘であるというふうに考えております。  今回、基本法の改正案では、食料自給率やその他の食料安全保障の確保に関する事項の目標を定め、目標の達成状況を少なくとも毎年一回調査し、その結果を公表するなど、目標の達成状況を踏まえてPDCAサイクルを回す新たな仕組みを導入することとしております。自給率や今後新たに設定される目標の達成状況の評価をしっかりと行えるようなものにしてまいりたいと考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今の説明聞いても、さっきも質問あったんだけど、どうして今まで掲げた目標ができなかったのかということについては分からないままなんですよね。その検査の方に農水省が答えた、外交、経済等の様々な要因によって決定されるというふうになっているんだけど、例えば、いや、さっき言われたんだけど、政府が出した政策に対してそれが良かったのかどうだったのかということの見返りがされたのかというのがよく分からないまんまなんですよ。だから、輸入自由化路線を取ってWTO以降ずっと外国から入ってくる、それによって日本の農業、どう影響されたかとか、円安とか円高とかっていろいろあるわけだけども、それによってどんなふうに農業が影響されたのかということをめぐっての分析、そういう政策を押し出したことの中身でどうだったのかということについては、時間ということなんですけども、分からないので、是非またこれは引き続き議論をしていきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 こんにちは。須藤元気です。  さて、坂本大臣の所信において食料安全保障について述べられましたが、その中でも、世界的な人口増加と発展途上国の生活水準の向上によって肉類の消費が今後更に伸びると見込まれております。将来、肉の需要に供給が追い付かなくなるのではないかという懸念があり、この委員会で以前も語らせていただきましたが、たんぱく質危機があります。  たんぱく質といえば、私は高校からレスリングを始めてプロテインを飲むようになったんですが、昔は、このプロテインとステロイドを何か勘違いする人が多くて、何かプロテイン飲めば筋肉付くのとかよく言われました。御存じのとおり、プロテインはただのたんぱく質の粉末です。一方で、ステロイドは筋肉増強剤で、副作用がとても大きいことで知られております。  私は格闘家だったんですが、長くやっていると、ステロイドを使っている選手って見て分かるようになるんですよ。ある部分を見ると分かるんです。どこだと思いますかね。どこかの筋肉なんですが。肩の筋肉なんです。肩の僧帽筋、肩の僧帽筋がすごく発達するんです。このステロイド、テストステロンを取ると体脂肪が落ちて筋肉が大きくなるんですが、なぜかこの首から肩が出るようになって、そういうふうになります。僕はもちろん使ったことがないんですが、スポーツの世界ではこのドーピングが大きな問題として長く存在しております。横沢さんや松野さんはアスリートなので、どんな競技でもこのステロイドとかの問題があります。  さて、ちょっとこのステロイドではないんですけれども、従来の食肉の代わりとなる代替肉の一種として、動物の細胞を体外で人為的に培養して作る細胞性食品、いわゆる培養肉があります。本日は、この培養肉の安全面を含めた現状と課題について伺っていきたいと思います。  そこで、まず大臣にお伺いしますが、日本における培養肉の研究、実証について政府としてどのような取組を行っているのか、教えてください。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 農林水産省におきましては、現在、細胞性食品に特化した予算措置というのは行っておりません。しかし、先端的な技術を活用した新たな事業、いわゆるフードテック全般につきまして、実証や研究開発にも活用できる予算を措置しております。今、東大、そして民間のメーカー等でそういった研究が進んでいるところであります。  その中で、細胞性食品に関する取組といたしましては、フードテックを活用した実証事業において、安全性評価や栄養素等の分析を支援するほか、持続可能な食料システムの創出を目標としたムーンショット型農林水産研究開発事業において、藻類を、藻ですね、藻類を栄養源とする培養技術の開発に取り組んでいるところです。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 大臣、ありがとうございます。  この藻類、藻と言いましたけれども、その藻類なら培養するのは分かるんですが、これ、動物の肉を培養してまた肉を作るというのには正直私は抵抗があります。  先ほどのステロイドの話のように、早くこの筋肉を肥大させるというのにはそれだけ反動や副作用があります。もちろんこの培養肉ってステロイドとは全く違うものですが、そもそもそこまでしてこの肉を増やす必要があるのか疑問に感じております。  先ほど大臣がムーンショット型というふうにお話をされましたが、ちょうどイーロン・マスクが二〇三〇年に火星に基地を造るなどと発言しておりますが、実際に人類が火星に住む状況が起こるなら、確かにこの培養肉を作るというのは分かるんですが、でも、ここは地球です。仮にお肉のたんぱく質不足になったとしても大豆ミートなどで代替できますし、本物の肉の希少価値が高まり、私としては、よりアニマルウエルフェアに基づいた畜産が広がればいいなと思っております。  私のこの意見は一旦おいておきますが、この食品としての安全性審査や販売の事前許可制などのルール作りの必要性をお伺いします。  まずは、各国の培養肉の販売承認の動きと規制についてです。  培養肉の販売については、二〇二〇年十二月に世界で初めてシンガポール当局が販売を承認しました。アメリカも昨年六月に、イスラエルも本年一月に販売を承認したところであります。オーストラリアでは、承認に向けて昨年末からパブリックコメントが開始されているようです。  このように、培養肉の販売の承認の動きが出ておりますが、培養肉の販売を承認するに当たって、販売承認した各国やEUではどのような規制があるのでしょうか。また、国際的な基準のようなものは存在するのか、教えてください。

鳥井陽一厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。  いわゆる培養肉を製造、販売するに当たりまして、EU及び既に一部の製品の製造、販売を認めているシンガポールにおいては新規食品規制というものがございまして、これに基づき市販前の承認が義務付けられております。また、米国におきましてですが、市販前の承認等の義務付けの制度はございませんけれども、米国食品医薬品局が市販前の相談を受け付けていると承知をしております。  また、製造、販売の承認等に当たりまして、基準やガイドラインを示している国や国際機関はないものと承知をいたしております。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 今、培養肉は、最先端の技術を用いて作られた、これまで人類が口にしたことのない新規食品であります。国民やペット、家畜が口にすることを想定すると、培養肉特有のハザードやリスクを分析し、国として安全性について一定の基準を設けることが重要だと考えます。また、培養肉の生産活動の過程で生じる新規微生物や毒素などがあれば、それらが環境にどのような影響を与えるかをチェックすることも重要です。  政府は、今後、培養肉の安全性についてどのように担保していく方針でしょうか。十分な安全性の確認なしに、食品衛生法の下、培養肉の販売を可能としてしまうのは時期尚早ではないかと懸念しておりますが、政府の御見解を教えてください。

鳥井陽一厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(鳥井陽一君) いわゆる培養肉につきましては、新たな方法により作出される食品でございまして、製造方法も多様でありますことから、厚生労働省といたしましては、研究事業を活用し、科学的知見を収集してきたところでございます。  また、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会におきまして、これらの研究結果の共有や事業者へのヒアリング等を行いまして、これらを通じていわゆる培養肉の安全性に関する科学的知見の収集等を進めてきたところでございます。  こうした中で、これまで、いわゆる培養肉につきまして、国内外において生体外で細胞を培養することにより発がん性物質や有害物質等が生じるとの知見は確認はできておらないところでございます。  本年二月に開催されました新開発食品調査部会におきましては、この培養肉について、関係府省等とも連携し、その製造に際しての科学的見地からの対応策の検討を行うとしたところでございます。  諸外国におきましても、先ほど申し上げましたとおり、いわゆる培養肉に対する規制は異なっているところでございまして、我が国においてどのような取扱いが適切かどうかは現在収集している科学的知見等を踏まえて検討してまいりたいと考えております。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 この新技術を用いた食品については安全性の確保が最も重要だと考えます。例えば発がん性の有無など培養肉の食品としての安全性については、何かそういったもの、知見というものが得られているんでしょうか。また、このフードテック官民協議会では、安全性についてどのような検討を行っていく方針でしょうか。教えてください。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答えいたします。  フードテック官民協議会での検討についてでございます。細胞性食品につきましては、安全性が確認されるということが大前提でございまして、先ほど厚生労働省から御答弁ございましたとおり、今審議会で議論進められているというふうに承知をしてございます。  このフードテック官民協議会におきましては、この協議会が自ら安全性について検討するということはございません。この官民協議会というのは、フードテックに関して誰がどういうスケジュールで何をするかというそのロードマップを明示するということを行ってございますが、この中の一つとして、細胞性食品に関して、厚生労働省、それから農林水産省等が海外の動向について情報収集する、それから、その情報収集の結果を踏まえながら必要な措置ですとかスケジュールを検討する、こういった中身を明らかにしているというところでございます。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 ありがとうございます。  厚生労働省の薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会において培養肉について検討されているようですが、検討状況についてお伺いします。また、遺伝子組換え食品のように、食品衛生法に基づく安全性審査の対象に位置付け、事前許可制を採用する必要があると思いますが、政府の方針を伺います。

鳥井陽一厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。  先ほどの答弁と重複いたしまして恐縮でございますけれども、新開発食品調査部会におきましては、厚労省の行いました研究事業の結果の共有ですとか事業者のヒアリング等を行いまして、科学的知見の収集等を進めてきたところでございます。  直近の本年二月に開催いたしました部会におきましては、今後もこの培養肉について関係府省等とも連携し、その製造に際しての科学的見地からの対応策の検討を行っていくというふうにしたところでございます。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 この各省庁の連携して行っていくべきということで、本当に安全性についてはしっかりと連携することが大事ですし、多くの確認すべき事項があると思います。そういうのも踏まえて、この培養肉の安全性について、大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 今後しっかりまだ研究が必要であるというふうに思っております。  そういう中で、一定の成果が、今、実証実験といいますか、研究も進んでいるところですので、一定の結果が出てくるんだろうというふうに思っております。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 大臣は、この培養肉については個人的にはどういうふうに思われます。食べたいと思うのか、ちょっと、その辺ちょっとどういう意見をお持ちでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) まだどういうものか分かりませんので、知りませんので、今の時点で食べたいという気持ちはありません。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 ありがとうございます。  やはり、この培養肉というと、ちょっと実際にイメージも付かないですし、実際動物のお肉から取ってまたお肉を作るというところに、結構心理的抵抗というのはみんなあると思うんですよね。  新しいものというのはとにかく、僕も格闘技やっていましたが、新しい技を開発したら、必ずそれに対してカウンターとかディフェンスも考えながらつくらなきゃいけないので、しっかりとこの安全性というものを意識しながら、そしてこの培養肉をもし商品化するとなると、やはりしっかりとした周知をしていかなければいけないなというふうに私は思います。  将来、商品として販売されることとなった場合のこの表示の在り方についてお伺いします。  食品の表示は食品表示基準の類型に基づいて規制がなされております。今後、培養肉がどのような類型に位置付けられるにせよ、消費者の選択権を担保するため、培養肉であることを明確に表示することを義務付けることが必要だと思います。私も、これ培養肉って書いていないとちょっとやっぱりとても嫌なので、絶対にこれは必要ではないかなと感じます。  この消費者が培養肉であるかどうかを知る権利を保護するため、流通、販売される際には、事業者の自由意思に委ねるのではなく、培養肉である旨の明示を義務付けるよう国としてルールを策定することが必要だと考えますが、政府の方針を伺います。

依田学消費者庁審議官

○政府参考人(依田学君) お答え申し上げます。  いわゆる培養肉を含む細胞性食品につきましては、現段階では生産方法も多様でございまして、様々な可能性につきまして食品企業や研究機関においてチャレンジが行われているという状況と認識しております。また、各国の当局におきましても、食品としての取扱いについて様々な検討が続いているという状況というふうに認識してございます。  消費者庁といたしましては、まずは、政府内の安全性に関する科学的知見の収集状況などや、また国際的な動向を踏まえながら、食品の表示の在り方を含め、まずは消費者の皆様が理解を深める機会の提供など、関係省庁とともに連携して取り組んでまいりたいというふうに考えております。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 実際にこれを商品として出すときには、やっぱり培養肉であるというふうに表示するというふうには考えられているんですか。

依田学消費者庁審議官

○政府参考人(依田学君) お答え申し上げます。  まずは培養肉とは何かというものの定義自体も、規制措置も含めて固まっていない段階で、その表示の定義も含めて、技術的な話でございますけれども、なかなか難しい状況というふうに認識しております。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 ありがとうございます。  現時点で、商品化するかとかも、培養肉のそのものの定義も曖昧なのかもしれませんが、もし扱うときに備えてこの培養肉の明示を義務付けることも必要ではないかなと考えます。  この世界の食料不足を解決するにもフードテックというのは力になると思います。しかし、それと同時に、この食の安心、安全というものですね、坂本大臣にはしっかりとこの食の安全守っていただきたいと思います。  以上になります。ありがとうございます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 秋田県の寺田と申します。  冒頭、坂本大臣の御就任、お祝い申し上げます。  そして、昨年から熊の指定管理鳥獣への指定をお願いしてまいりましたけれども、指定に向けてこの間御尽力をいただきました農水省の皆様、政務の皆様、とりわけ鈴木副大臣には、お隣の山形の被害も大きかったということもあって、心に掛けていただいたものと深く感謝をしております。この熊の出没、人身事故が昨年全国一であった秋田県も、これで熊対策、使える予算が増えるということで安堵をしております。  県の熊対策専門官からもお話を聞いてまいりました。北海道で熊対策に携わった後に東北で初めてこの熊対策専門官として秋田に来られた方でありますけれども、この熊対策をする中で秋田の印象を聞いたところ、もちろん農業被害の現場では収入に直結をするということもあって、とにかく早く捕まえてくれと言われることもあるけれども、でも、秋田はこの熊に悩まされながらも熊のことを悪く言う人がいないというのが印象深いと言われました。この近藤さんは、この専門官、近藤さんとおっしゃる女性ですけれども、被害があった現場に駆け付けると、そこで言われることは、熊は何もしなければかわいいと、山にさえいてくれればと、私たちの生活もあるから駆除は仕方がないけれども、でも熊にも生活があるんだよなと。襲われた人でさえも、走って逃げていくお尻がかわいかったとか、この熊との絶妙な距離感を持っているのが秋田の人たちだというふうに教えていただきました。  昨年、駆除が続いて全国からたくさんの御批判の電話が県庁や市町村に来ましたけれども、この指定管理鳥獣になることで、生息数や生息地の調査、熊との共生、すみ分けのために、この対策のためにも予算を使うことができると、非常に有り難いことだというふうに思っております。  さて、大臣への質問は初めてになりますので、私から少し、私自身の問題意識を共有させていただくために、この少子高齢化のトップランナーであり、農業が基幹産業である秋田県の実情をお伝えをしながら、大臣の農政に懸ける思い、これからの農家や農村の姿、そして、先ほど来質問が続いております食料自給のこの在り方などについてお伺いをしていきたいというふうに思います。  農水の委員になって一年半がたちますけれども、これで大臣が三人目となります。坂本大臣には御責任はないわけですけれども、そのたびにこの秋田の実情などをお伝えしながらというところが、ずっと農水の委員でいらっしゃる議員の方々に申し訳ない思いがありまして、是非大臣には長くお務めをいただきたいというふうに思っております。  さて、日本全国に先駆けて高齢化が進む秋田県ですけれども、既に高齢者も減り始めております。毎月千人以上の人口減少が続いて、昨年一年間でおよそ一万六千四百人減っています。毎年、町が一つなくなるほどの規模の人口減少の勢いです。私の両親も含めてですけれども、これからは団塊の世代がこの健康寿命が厳しくなっていくと、人生を閉じていくというタイミングに重なることもあって、この流れは残念ながら加速をすると指摘をされています。  農業従事者の多くがここ五年から十年ぐらいで離農してしまうと、県全体で非常に強い危機感を持っております。新規就農者、もちろん増えてはおりますけれども、団塊の世代の農業従事者のリタイア、このボリュームを埋められるものでは到底ありません。  この大規模化とスマート農業というところは是非進めてほしいというふうにも思いますけれども、県民としては、どうしてもそれにそぐわないこの中山間地、条件不利地というところがやはり取り残されるのではないかというところを非常に心配をしているところです。  冒頭にもお話をさせていただいたところでもありますけれども、その原因の一つであるのも熊のことがあると思っています。  熊の出没通報件数、秋田は昨年突出して多くて、冬に入っても冬眠をせずにいる熊もあって、昨年から今年一月末までの出没件数は三千六百七十八件でした。もちろん、これは警察などに通報があった件数ですので、畑を見に行けば熊を見るのはもう連日のことだとか、あるいは、見かけたときは運転中であったということで通報しない、できない人もたくさんおられるということを考えれば、この目撃件数というのは途方もない数になるだろうというふうに思っております。  出没目撃件数ももちろんですけれども、今年一月末までの人身事故も七十件、お隣の横沢さんの岩手県でも五十件ほど、この両県の県境にいるということもあって、この二つの県で双璧を成しておりますけれども、事故や出没件数はこの秋田が全国一というふうになっています。  どうして熊が増えていると感じるのかと。それは、熊の数が必ずしも増えているわけではないということもこの専門官の方から教えていただきました。では、体感として熊が増えていると感じるのはどうしてなのかと。それは、やっぱり熊が人間の生活圏側に生息圏を拡大をしてきているからだというふうに言われました。  当然ながら、この農業被害も深刻になっています。農業従事者の方々も、農作業中にふと振り向いたら後ろに熊がいたと、大きな声を出したら山の方に走って逃げたというふうにおっしゃる方もありました。こうした山が近い場所、効率も悪く、作業にも危険が伴うということもあって、また、作っても熊にやられてしまうということもあります。程なくこうしたところは耕作放棄地となる可能性が高いだろうというふうに心配をしています。  そうなりますと、山と人里との緩衝地帯が更に減って、人里に熊の生息域が更に拡大をしてくるだろうというふうに思っています。この大規模化とスマート化で人手が掛からなくなるということはすばらしいことではありますけれども、少ない人手で回せると、イコール人の往来がますます減って、すなわちこうした緩衝地帯を手入れをする人もいなくなるのではないかということを心配をしております。  横沢委員への御答弁の中で、大臣は、集団化できるところは自ら規模拡大も頑張ってくれというようなお話をされていたかと思います。ただ、事業継承した若手農家の方からお話を聞いても、やっぱりやれるところは既にやっているのではないかなというふうにも感じるんです。  集落の中で、高齢だからもう作業が無理だといって農地を引き受けてくれないかと言われることがもう次々とあると。でも、やっぱり限度があるんだと。田植や稲刈りなどのこの忙しい時期は集中をしているので、人手が必要になります。米農家だと、年間を通して人手が要るわけでもないので、人を雇うことがどうしても難しいと。まして冬場は数か月雪に覆われますので、仕事が全くなくなってしまうと。自分だけだったら仕事がある他の作物を扱う農業法人や除雪などを手伝ってやり過ごせるけれども、社員を雇えば、契約や保険の関係でそういうわけにもいかないんだと。以前はそれなりにまだ集落に人がいたから、ちょっとそんな時期だけ手を貸してくれと言えば頼める人もいたけれども、今はそうした人手がもうどこにもないと。手持ちの農業機械でやれるものの精いっぱいを引き受けているから、これ以上やるんだったら追加購入も必要だし、その分の小屋も広げないといけないと。今ある機械の更新だって必要なんだから、そういうお金のことを考えても、これ以上農地を引き受けることなんてやっぱりできないんだというふうに言われました。  ただ、その一方で、周辺の農地が荒れれば自分のところにも影響があるんだと。本当に苦しいと。やっぱりどうしてもこの二十年、三十年後の農村集落の姿というのが描けないんだというふうに言われました。  衆議院の質疑の中で国全体のお話をされていて、それは国会なので当然のことではありますけれども、今日は、この例えば東北、この秋田のようなところ、農業が基幹産業である東北の一自治体の集落がこれからどうなっていくのかというところ、この大臣の思い描く姿をお伺いできればというふうに思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 東北地方は、水稲の産出額が全国の四分の一を占めております。そういった米どころであるだけでなくて、リンゴ、桜桃、西洋梨、ニンニク、こういう品目においても産出額の全国シェアが七割を超えております。我が国の重要な食料基地であります。二十年後、三十年後においても食料供給基地としての役割を果たしていくことが期待をされますが、一方で、今委員が言われたように、集落機能の低下、そして人口減少、高齢化が更に進んでいく、そして中山間地のこの狭隘な農地、これをどうしていくかというのは非常にこれから大きな問題であります。  農地の問題につきましては、私は個人的には、これからやっぱり農地中間管理機構、いわゆる農地バンクを活用しながら、中山間地の農地の管理、そういったものをしていかなければいけないというふうに思っております。  それから、人口減少あるいは高齢化につきましては、やはりここは苦しい、厳しいところでありますけれども、例えば兵庫県の丹波篠山辺りでは、農泊辺りをしっかりやることによって観光地としてやはり人が集まる、そういう地域になっております。ふるさと納税等々も含めまして、やはりその地域のファンを増やしていく、関係人口、こういったものをやはり増加させていくことも一つの手であろうというふうに思っております。  それは、地域だけではなかなかその知恵が湧いてきません。また、財源的にも非常に難しいものでありますので、やっぱり地域の市町村あるいは県、こういったものがやっぱりいろんな形で知恵を生み出していかなければいけないというふうに思いますし、私たちも、この食料・農業・農村基本法を成立させていただきました暁には、またそれに関連する法律を成立させていただきました暁には、様々な農地中間管理機構も含めた中山間地の問題、これをやっぱり考えていかなければいけないというふうに思います。  事実、土地改良事業につきましては、やはり中山間地、非常に厳しい状況にありますので、来年の国会に法案を提出するというようなことで今検討を進めているところでございますので、是非委員のお力もお貸しいただきたいというふうに思います。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  ある意味、地方対地方の競争のようなところがあるんだからと、とある方に、いろんな地方を見て回った方がいいよと言われて、野村元大臣の鹿児島、そして大臣の熊本も私も行かせていただいて見てまいりました。大臣は先ほど熊本の良さとして、米、麦、酪農、畜産とバランスがいいというふうに言われていたというふうに思います。本当にすばらしいところだなというふうに思って帰ってまいりました。  それを言われると、秋田はやっぱり米偏重で、米に安住してきたじゃないかと思われているところもあるのかもしれないですけれども、ただ、かつて、戦後、国民の食料確保のために米の増産が言われて、紆余曲折の果てに八郎潟を埋め立てて、この生産が始まった途端に米が多いから減反だと言われてきたというのがこの秋田の実情でもあったというふうに思っております。  山本委員が質疑の際に、国際情勢や国策に翻弄されることがなく、従事者が安心して営みが続けられるようにというような御趣旨の発言をされていたかと思いますけれども、その意味では、やっぱり秋田は国策に翻弄されてきたところがあるんだなというふうに感じているところもあります。  東北の一農村、一集落がちゃんと維持されるのかと、今不安を抱えている、これからあと五年、十年先が分からないと思っている高齢者の、高齢の農家の方々に安心できるようなこの基本法の改正になるのかというところ、先ほど大臣が横沢委員への御答弁の中で、食料システムについて、需要に応じた生産なんだというふうにおっしゃっていたと思いますけれども、これだけを聞くと、やっぱり米への支援というのは更に手薄になってしまうのかなと、ちょっと暗い気持ちになるところもあります。  また、舟山委員が少し触れられていたかと思いますけれども、米など生産基盤があるものは、生産量を減らすのではなくて、輸出することで食料自給率を上げることができるという御指摘もあるのかと思います。  また、田名部委員も何か輸出に関して御質問があったようで、お伺いしたかったというところが残念でありますけれども、また私も、輸出のところについてはまた改めての機会に質問させていただきたいというふうに思っております。  先ほど来、この自給率のところ、質問がたくさん出ておりますけれども、農村や農家が希望をなかなか抱くことができないと、未来の姿を思い描けないという状態である一方で、日本の食料自給率が低過ぎると、改善されていないという指摘があるのは、本当に矛盾した状況にあるんではないかなというふうに私も思っています。  高度成長の中で地方から人が都市部に流れてしまったと、大臣も時代の趨勢というふうにおっしゃっていたかと思いますけれども、これはある意味確かに止められないところもあったんだろうというふうに思います。  ただ、生まれ育ったところで先祖代々の土地を守りながら暮らしたいと願いながらも、それがかなわないと感じている人たちがいること、これはやはり政治が何とか解決をしようと思えば改善ができたところなのではないかとも一方で感じております。  もちろん、それは必ずしも農林水産省だけが管轄する分野では、農林水産省が管轄する分野だけではないだろうとも思います。例えば、高等教育が無償になれば、今度自分たちが食べれる分だけ農業で稼げればいいんだと、子供の教育費までは考えなくていいというふうになれば、東北でいえばですけれども、仙台ぐらいに働きに出ないといけないという方たちを引き止めることもできたのかなと思うところもあります。  また、先ほど来、農業分野における女性の活躍についても御発言がありますけれども、私も、以前農業団体の集まりで、女性部の方からこういうふうに言われたことがあります。昔は農家の女性は財布を持たせてもらえなかったと、自分の娘にはそういう生活をさせたくないと思ったと、口には出さなくとも、どなたの胸のうちにもそのような思いがあった、だから勉強させて、自立しろと言って、娘を村から追い出したと、そして農村に嫁不足が起こったと言われました。日本はジェンダーギャップ、百四十六か国中百二十五位ですけれども、この女性の地位向上やジェンダー平等の努力が立ち遅れてきたところも、より都市部への若者や、特に女性の流出を加速させてきたのだろうと感じております。  舟山委員も御指摘をされておりましたけれども、大臣の所信の中に、食料の安全保障のための国内の生産基盤の強化はうたわれているけれども、自給率という言葉は出てこなかったというところについて、自給率の向上を目指すというのは自明のことだから出てこないだけだと再度確認をさせていただきたいというふうに思います。  あわせて、この自給率の目標がこれまで一度も達成していないことへの大臣の思いですね、分析ではなくて、達成されていないという現状に対して大臣が抱かれている感想をお伺いできればと思います。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) 平成十二年に、現在の食料・農業・農村基本法、成立いたしました。以来、五年ごとにカロリーベースで四五%あるいは五〇%という自給率の目標値を設定してまいりました。しかし、それが達成されていません。三八%という状況であります。  先ほどから出ておりますように、やっぱり米の消費が減っていること、それから海外に飼料を依存する肉類の消費の方にやはりシフトしていくこと、シフトしていること、こういうことであります。  ただ、私たちは、この消費の趨勢に政策という形で公権力がどれだけ介入できるのか、政策としてどれだけその消費の、消費者の皆さん方の嗜好というものをやっぱり自給率が高い方向に持っていけるのかということになると、非常にやはり難しいものになってまいります。  ですから、消費者の皆さん方のやはり嗜好というものを十分に理解しながら、その上でどうやって自給率を高めていくか。例えば、米粉の製品というものをもっともっと研究して、そして普及をさせる、あるいは飼料米というものを更に普及させて、配合飼料、あるいはそういったものに飼料米の活用をする。こういったことによりましてやはり自給率を高めていく、間接的な形で結果的に自給率が高まる、そういうふうな政策で、これから新たな法律の下で自給率を高める。あるいは、自給率は一つの目標で、一つの指標ではありますけれども、全ての指標ではありませんので、国民の皆さん方に安定的に食料を届けられるようなシステムをつくり上げる。そういうことをこれからしっかりと進めてまいりたいと思っております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 残り時間がほとんどないので、一点だけ。  食料自給率、今回の基本法の見直しとそれに続く施策によって確実に上がっていくと胸を張って言えるものになっているというふうにお考えでしょうか。

坂本哲志自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(坂本哲志君) この食料・農業・農村基本法、成立をさせていただきましたならば、その後、基本計画というものを作ります。そこで数値化してまいります。その基本計画に向けて、有識者の方々も含めてしっかりと、これから自給率をどの辺まで可能にすることができるのか、そしてそれに基づく政策をどう強力に進めていけばいいのかというようなことを話し合って、そして自給率の向上に努めてまいりたいというふうに思っております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 時間が来たので終わりたいと思いますけれども、役所の皆さんが上げるために頑張りたいというふうに慎重におっしゃるのは分かるんですけど、大臣には上げますとおっしゃっていただきたかったなと思います。  また改めて質問させていただきたいと思います。ありがとうございました。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時五十七分散会

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