内閣委員会 第7号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2024/04/09
会議録
○委員長(阿達雅志君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣情報調査室次長七澤淳君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。 内閣府に設置されております再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースに関してお伺いいたします。 三月二十二日に開催されました第三十回再エネタスクフォースで、構成員の公益財団法人自然エネルギー財団の事業局長である大林ミカ氏がタスクフォースの会議に提出した資料に中国国家電網公司のロゴが、あるいは透かしが入っているということが判明し、問題になっております。参議院の予算委員会でも本件取り上げられておりますし、先週四日の当内閣委員会で私も質問をさせていただきました。 この再エネタスクフォースは既に三十回の会議を重ねておりますけども、まず、この再エネタスクフォースから伺っていきたいと思います。 エネルギーや電力のことは経済産業省あるいは資源エネルギー庁が所管し、温暖化あるいはCO2のことは環境省が所管すると私は認識しておりますが、この再エネの主力電源化や再エネの最大限の導入を内閣府で議論している理由を教えてください。
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。 規制改革担当の内閣府特命担当大臣は、再生可能エネルギーの導入の促進を含めまして、経済に関する重要な政策に関する事項のうち、規制の在り方の改革を掌理する立場にございます。 その前提の下、再生可能エネルギー等に関する規制等を総点検し、必要な規制見直しや見直しの迅速化を促すことを目的に、規制改革担当の特命、内閣府特命担当大臣が再エネタスクフォースを主宰され、議論等が行われているものと理解をしております。
○竹詰仁君 内閣府の本府組織令第三十一条に、内閣府には規制改革推進会議を設置すると定められております。そして、規制改革推進会議令あるいは規制改革推進会議運営規則が定められておりまして、委員の選出やワーキンググループの設置などが明記されております。現在は、このワーキンググループとして、公共ワーキング・グループ、スタートアップ・投資ワーキング・グループ、働き方・人への投資ワーキング・グループ、健康・医療・介護ワーキング・グループ、地域産業活性化ワーキング・グループの五つのワーキンググループが設置されております。 この再エネタスクフォースというのがここに出てこないんですけども、再エネタスクフォースを設置している根拠と位置付けを伺います。
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。 令和二年の十月二十六日に当時の菅総理が二〇五〇年カーボンニュートラルの方針を表明したことを踏まえまして、様々な省庁にまたがる再生可能エネルギーに関する規制等を網羅的かつ横断的にスピード感を持って見直す必要がございました。 このため、同年十一月に、規制改革推進会議とは別に、規制改革担当の内閣府特命担当大臣が、再エネ、いわゆる再エネタスクフォースを同大臣自身の主宰により開催することを決定したものというふうに承知をしております。
○竹詰仁君 今、答弁の中にもありましたが、大臣に確認します。 この再エネタスクフォースの主宰は河野大臣でよろしいか、そして、構成員の任命は大臣が行っているのか、伺います。
○国務大臣(河野太郎君) 令和二年の九月に菅義偉内閣総理大臣が誕生し、十月の二十六日、臨時国会の所信表明で二〇五〇年のカーボンニュートラルというのが宣言をされました。そのためには今ある化石燃料を置き換えていかなければならないということで、再生可能エネルギーをどれだけ入れることができるかというのが非常に重要になってくるわけでございますが、この再生可能エネルギーに関する様々な規制というのは、委員からお話がありましたこの経産省資源エネルギー庁の規制あるいは環境省の規制のみならず、農水省ですとか国交省、文科省、様々な分野にわたります。 これをスピード感を持って規制改革を進めていくためには、この再生可能エネルギーに関する規制に特化したタスクフォースというものを立ち上げて、そこでしっかり議論をするということが必要になってまいりますので、これは、令和二年の十一月、規制改革推進会議とは別に、規制改革担当大臣、規制改革を担当する内閣府特命担当大臣としてこの再エネタスクフォースを立ち上げて、これ私の主宰で立ち上げて議論をするということになったわけでございます。 この構成員につきましては、再生可能エネルギーの知見などを有する者として事務方から提案あった者を私が了承して構成員として決定をし、就任をしていただいたものでございます。
○竹詰仁君 ちょっと確認していきたいんですけれども、この規制改革推進会議のワーキンググループは、必要に応じてワーキンググループの名前を変えたり、あるいはそのテーマを変更してきたわけであります。 この規制改革推進会議においてこの再エネの議論が必要と大臣が判断されたのであれば、ワーキンググループをつくるとか、あるいはワーキンググループの中に入れるという、そういったやり方もあるんではないかと、それがその運営規則の中に定められているわけでありますので。この会議に、失礼しました、規制改革推進会議令には、この会議の委員は内閣総理大臣が任命するとございます。会議に専門の事項を調査させるために必要があるときは専門委員を置くこともできるとあって、この専門委員も内閣総理大臣が任命すると定められております。 このワーキンググループに委員とか専門委員という方がいらっしゃって、どちらも内閣総理大臣が任命しているんですけれども、このタスクフォースの設置は推進会議のルールでは何ら規定されていない、今、別会議であるというふうに、答弁もそうでしたので、私もそのように判断いたします。 この別会議のタスクフォースのアウトプット、この成果は何に反映されていくのか、伺います。
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。 再エネタスクフォースの成果についてのお尋ねでございますけれども、再エネタスクフォースで議論した内容を踏まえまして、内閣府が規制改革に関し各府省と協議し合意した事項につきまして、毎年六月頃に閣議決定される規制改革実施計画に反映しているところでございます。
○竹詰仁君 直前は、令和五年の十二月二十六日に、規制改革推進に関する中間答申というのを規制改革推進会議が出しております。 この中に、五つの先ほど申し上げたワーキンググループの議論踏まえて様々な答申が出されているんですけれども、この中間答申の最後に参考というのが付いていまして、この参考に、再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースにおける当面の規制改革の実施事項というのが盛り込まれているんです。 この規制改革推進会議の本体のワーキンググループと再エネのタスクフォース、これは全く別物だということだったんですけれども、それがこの参考としてこの答申に入るというのは、これはなぜでしょうか。
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。 先ほどからもお答えしましたが、再エネタスクフォースは、再生可能エネルギー等に関する規制等を総点検し、必要な規制見直しや見直しの迅速化を促すことを目的に、規制改革担当の内閣府特命大臣が自身の主宰により開催することを決定したものでございまして、内閣総理大臣の諮問機関であります規制改革推進会議とは別の会議体ということでございます。 規制改革推進会議の答申は同会議での議論を取りまとめたものでございますけれども、規制改革会議の議論、また再エネタスクフォースの議論、いずれの規制改革に関する議論も規制改革担当の内閣府特命担当大臣が担当しておりますところ、規制改革の取組を国民に分かりやすく示す観点から、答申そのものではなく、あくまで参考として、同タスクフォースの取組を紹介しているところでございます。
○竹詰仁君 あくまでも参考でしたらば、参考だけでそれを公表すればよかったと思うんですけれども、その答申の一部に入っていて、それは多分、国民からすると答申の一部だと思うと思います。私はそういうふうに読みました。 先ほど大臣の方から、任命は大臣がされていますと、事務方が選出されたということなんですが、もう一度確認しますと、この構成員の任命は河野大臣がされたということなんですが、人選は誰が行ったのか教えてください。
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。 再エネタスクフォースの構成員につきましては、再生可能エネルギー等の知見等を有する者として事務方が提案した案を河野大臣が了承し、構成員と決定した後、就任していただいたものでございます。
○竹詰仁君 今日は経産省の方にもお伺いさせていただきます。 この電力政策あるいは電気事業を所管する経産省、エネ庁は、この参考となっているその再エネタスクフォースで出された内容や政策、これを政策、経産省の政策あるいは運用に反映されているのか、伺います。
○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。 私ども、電力エネルギー政策を始めとしまして、政策の決定の際には、複数の外部有識者を含む審議会において公開で議論を行い、パブリックコメントを経た上で決定していると、こういうプロセスを経るわけでございます。 審議会の議論の参考としては、様々な御意見を頂戴するべく、様々な関係者から幅広く御意見を聴取することとしてございます。その中で、今御指摘いただいております再エネタスクフォース、また、自然エネルギー財団をお呼びしたことは過去あるところでございます。 ただ、いずれにいたしましても、私ども、この政策決定の際に、こういった様々な方々を含む審議会における公開の議論、そしてパブリックコメントを経て決定していくというプロセスを経ているところでございまして、特定のヒアリングで意見を聞いたことのみで政策を決める、若しくは政策が変わるということはないというふうに承知してございます。
○竹詰仁君 今お答えいただいたのはちょっと私も理解ができなかったところがあるんですが、経産省あるいはエネ庁が主催する審議会とか分科会にタスクフォースの出された、構成員四人が出したものが提出されたり、あるいはヒアリングされたりということは私も拝見してきました。 例えば一例として、令和二年、二〇二〇年の年末から令和三年、二〇二一年の初頭にかけて全国的な電力の需給逼迫あるいは電力市場価格の高騰というのがございまして、ここで、再エネタスクフォースの当時の構成員四人が、電力の需給逼迫・価格高騰問題に対する緊急提言というのを出しているんですね。 ちょっとこれもよく分からないですよ。この規制改革とは別だといいながら、参考で出して、それがさらに、タスクフォースの名前ではなくて構成員四人がクレジットでそういった緊急提言というのを出していて、この緊急提言に、一連の事象を市場の、市場設計の欠陥だということで、市場設計に瑕疵があったんだから経済産業省が電力会社を説得して高騰した電力の価格の一部を還元すべきということを提言しているんですけれども、先ほど、ヒアリングしたからといってそのままうのみにしませんというお答えだったんですが、ただ、結果として、このことは、インバランス料金の支払を受けた一般送配電電気事業会社が高騰したインバランス料金の影響を受けた小売電気事業会社に還元するということをエネ庁がやったわけであります。これは、再エネタスクフォースのこの四人の構成員の提言を受け入れたかというふうに私は思います。 河野大臣は今までの国会質問にも御自身が所管でないと判断された御質問に対しては所管外ということで御答弁をされてきたと承知しているんですけれども、この再エネタスクフォースは再エネの主力電源化あるいは再エネの最大限の導入を図るためというふうに議論されているようなんですが、この再エネの主力電源化とかこの再エネの最大限の導入、これ自体は河野大臣の所管でありましょうか。
○国務大臣(河野太郎君) お話がありましたから、まず所管外の答弁について申し上げますと、参議院の地デジあるいは衆議院の地・こ・デジの特別委員会ができたときに、デジタル庁とデジタル行財政改革については地・こ・デジあるいは地デジで、規制改革、行政改革については内閣委員会という仕切りになりました。 地デジあるいは地・こ・デジで行政改革、規制改革の質問が出た際は、あらかじめ質問者に、これは委員会としての所管外になるので、副大臣、政務官あるいは参考人の答弁になりますということを申し上げているにもかかわらず、その大臣答弁を繰り返し求めるというようなことがございましたので、これはこの委員会の所管外なので政府参考人から答弁させますということを申し上げて、委員会の後に与党の筆頭理事から野党の筆頭理事に対して強くそこは、事前に説明をしているにもかかわらずそういうことがあったということで、申入れをさせていただいたところでございます。 内閣府の特命担当大臣、規制改革を担当する内閣府の特命担当大臣といたしまして、経済に関する重要な政策に関する事項のうち、規制の在り方を改革する、これを私のところで掌理をする立場にございます。その中で、この再生エネルギー等に関する規制等を総点検し、必要な規制あるいは規制の見直しの迅速化、これを促すことを目的に再エネタスクフォースを主宰をしているということでございます。
○竹詰仁君 あくまでも、じゃ、規制の在り方、あるいはそれが大臣の担当であるというふうに今お答えを聞いて私は認識をいたしました。 この大臣という大きな権限が与えられておりますので、この規制改革推進会議令でルールが定められていて、だからこそ、言わば権限を振りかざすことができないというふうに私はなっていると思うんですね。 この大臣のある意味私的な機関に会議の運営費あるいは恐らく構成員に対する日当なども払われていて、それはある意味税金が使われているんではないかと思っています。 この再エネのタスクフォースで、当時構成員の、今お辞めになったということだったので、自然エネルギー財団の大林ミカ氏が提出した資料に中国国家電網公司のロゴが入っているということがありましたので、ちょっとこの件に関してもお伺いいたします。 この再エネタスクフォースあるいは河野大臣御自身は、この中国の国家電網公司と何ら関係があるのかお尋ねいたします。
○国務大臣(河野太郎君) 私は、この国家電網公司と何の関係もございません。 再エネタスクフォースの構成員が提出された資料の中にこの国家電網公司のロゴが残っていたということがございましたので、構成員並びに構成員の所属する自然エネルギー財団と、この国家電網公司、あるいは中国政府、あるいはその他の外国の政府、国家機関と、何か不当な影響力を行使され得る可能性があったか否かについては、これは調査をしっかり進めているところでございます。
○竹詰仁君 調査を進めていただいているというふうにお聞きいたしました。 このタスクフォースですね、現在は一人お辞めになって三人なんですけども、このタスクフォースには四人の構成員がおりまして、この構成員の御経歴あるいは御主張を拝見すると、いわゆる太陽光、風力を中心に再エネの拡大を推進する立場であると、私はそのように認識いたしました。 この規制改革の推進会議の委員は任期が二年というふうに定められているというふうに私は承知しているんですけども、この四人のうち三人は、先ほど大臣がおっしゃった、令和二年に始めたときからずっと同じ方が構成員を務めていたんですけども、改めて、先ほど事務方が人選をしたということだったんですが、この人選の基準について教えてください。
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。 再エネタスクフォースの構成員につきましては、再生可能エネルギーの知見を有する者、電力システム改革の知見を有する者、規制改革の知見を有する者などとしまして、事務方が提案したのを河野大臣が了承して構成員として決定し、就任していただいているものでございます。
○竹詰仁君 時間の関係で、最後に大臣、もう一度お尋ねしたいのは、いろいろこの中国電網公司のことが問題になったり、今調査されているということだったんですけれども、この再エネタスクフォースに疑義が生じているということであれば、一旦これもう中止するとか解散するとか、その方が私は納得性があると思うんですが、大臣の考えを教えてください。
○国務大臣(河野太郎君) 資料にそうした中国企業のロゴが載っていたということもございますので、先ほど申し上げたように、この中国政府あるいは企業、あるいはその他外国政府から不当な影響力を行使され得る状況にあったかどうかという調査をした上で判断をしたいというふうに思っております。
○竹詰仁君 是非、調査した上で、私たちにもその結果を教えていただきたいと思います。 以上で終わります。
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣でございます。 まずは、内閣府においてエネルギー問題を議論する再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースに関して私からも質問をいたします。 今、竹詰委員の方からも質問ございましたけれども、三月の二十三日、再エネタスクフォースにおいて構成員が提出した資料に外国企業、今回は中国企業のロゴが入っていたことが問題となりました。なぜそのようなことが起きたかについては既に国会審議でも取り上げられておりまして、まだ途中ということではございますが、報告書も出ております。資料を作成した際の不手際だったとの説明がなされているということは承知しております。 竹詰委員との質問がかぶるので、ちょっとこの点省略いたしますけれども、再生可能エネルギー、再エネタスクフォース、規制改革推進会議内のワーキンググループではなくて、いわゆる法的根拠のないタスクフォースとして設けられていたということで、今その経緯に関しては河野大臣から御答弁ございました。 この点に関して私からも一言申し上げておきたいと思いますが、スピード感を持って迅速に対応するためというお話がありましたけれども、そのタスクフォース自体は法的根拠もないということで、いわゆる法的責任こそ問われる存在ではありませんけれども、事実上、今お話にもありましたように、その後の政策形成の方向性に少なからず影響を与えるのではないかと考えます。ゆえに、その議論、そして人選の透明化というのは非常に重要なことです。 再エネタスクフォースに関しては、会議をライブ及びアーカイブ共に公開していらっしゃいますし、また議事概要ではなく議事録の公開と併せて透明性の確保に努めているということも確認しております。 今回、構成員提出資料に外国企業、中国の国家電網公司のロゴがあったことについて、海外企業の介入等の疑義を与えるような事態に至ったことは非常に遺憾と私も思っております。当該の大林構成員は責任を取って構成員お辞めになられましたけれども、一方で、専門性を備えて意見具申が可能な人材が少ない特に研究途上の分野においての人選というのはおのずと選択肢が限られてくるという、これはどうしようもない課題も、悩ましい課題もあると承知しております。 その上で、その再エネタスクフォースなんですが、これまでの会議において、外国企業、外国政府の事例を紹介したり、外国政府や企業が作成した資料というのを用いたことはあるでしょうか。
○政府参考人(稲熊克紀君) お答えいたします。 再エネタスクフォースにおきましては、外国の事業者からヒアリングを行ったこともございます。例えば、令和三年二月二十四日の第五回会合ではフランスの事業者から、令和三年九月二十一日の第十六回会合ではドイツの事業者から、令和五年十一月十日の第二十八回会合では米国の事業者から、それぞれヒアリングを行っているところでございます。
○石垣のりこ君 まあ当然あるということですよね。 今回、再エネタスクフォースで提出された資料に中国企業のロゴが一見分からないように付されていたという情報に触れましたとき、私自身は、もしかすると、日本の政策に影響する公的な会議体に何らかの外国政府あるいは企業の見えざる介入があったのかもしれないというふうに考えました。 何度も申し上げますけれども、報告では、あくまでも資料の作成過程での不手際であり、資料は構成員の大林構成員御自身が作成したというふうに報告がなされております。 その上で、仮に外国政府や企業作成の文書であったならば、そのことを明記した上で資料として使用していたならば、これは何の問題もないと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど申し上げましたように、外国企業を呼んで話を聞いたということもございますし、外国の企業、政府、研究者、様々な数字であったり考え方というものを引用することはこれ当然あると思います。そこの引用が適切になされていれば何ら問題はないというふうに思います。
○石垣のりこ君 そのとおりだと思います。 一部、今回の件に関し、ちょっと的外れな批判がありまして、その外国企業のロゴがあったことをもって、今調査中であるということで最終の報告は待ちたいと思いますけれども、一定の国の名前が出てきたことをもって問題とするような論調があることに対しては、それは本筋ではないというか、お門違いであるという指摘であるということは私は申し上げておきたいと思います。 その上で、気候変動が世界共通の喫緊の課題であるということは論をまちません。 国連IPCC、気候変動に関する政府間パネルの一・五度特別報告、そしてパリ協定を踏まえまして第七次エネルギー基本計画の策定が今後始まるということでございますけれども、これ、再生可能エネルギーを推進していく方針について、河野大臣、これ後退することがあってはならないと私は思うんですけれども、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(河野太郎君) 一・五度の特別報告書というのも出されておりますし、我が国は、二〇五〇年のカーボンニュートラル、これはしっかりコミットしているところでございます。また、二〇三〇年の目標というのも出しているわけで、その中には、再生可能エネルギーをしっかり増やしていくということが大事であります。 それをなしにするということはこのカーボンニュートラルを達成することができなくなりますし、現在、我が国の政府の現行のエネルギー基本計画の中にも、この再生可能エネルギーを最優先という原則で取り組むということが引き続きうたわれているところでございますので、政府としてその取組に変更はございません。
○石垣のりこ君 再エネタスクフォースの会議体の在り方に関して、先ほどから竹詰委員からも御指摘ありましたように、きちんと透明性を持って、皆さんが議論をしっかりと見守る中で、その議論が公開され、ちゃんと議論に資する、皆さんのチェックに資するものになるということは重要であるとは思いますけれども、今回の件をもって、その再エネを推進していく、今後の世界の潮流でもありますそういう流れに対してさお差すようなことがないように私からはお願い申し上げておきたいと思います。 これから何十年も、あるいは百年単位で人が住めないその国土を生んでしまうリスクというものを目の当たりにした、私、宮城出身でございますが、者としましては、やはり環境影響面でクリアしなければならない数々の問題はあるとはいえ、再生可能エネルギーへの転換を図るという方針というのは、これは重要なものだと考えます。 再エネタスクフォースの人選に疑義が生じたならこれ調査することは当然でありましょうし、同時に、再エネタスクフォースだけではなく、今回のような疑義が生じるようなタスクフォース及び審議会の人選に関しては、今回の件のみならず、やはり公平性を担保するという点でも、しっかりとこれはチェックしなければならない共通の課題であるということを申し上げて、次の質問に移ります。 河野大臣、御退席いただいて。
○委員長(阿達雅志君) 河野内閣府特命担当大臣は御退席いただいて結構です。
○石垣のりこ君 では、続いて、二〇二五年大阪・関西万博の理念とイスラエルに関して質問をいたします。 上川外務大臣が今月二日、日本が停止中の国連パレスチナ難民救済事業機関、UNRWAの資金、UNRWAへの資金拠出を再開すると発表いたしました。上川大臣は、深刻化するパレスチナ自治区ガザの人道状況は待ったなし、人道支援にはUNRWAの関与は不可欠だと発言していらっしゃいます。 ガザの人道状況が悪化している原因というのは、これ、イスラエルの攻撃によるものだとの認識でよろしいでしょうか。外務省、お願いします。
○大臣政務官(深澤陽一君) お答えいたします。 昨年十月のハマス等によるテロ攻撃は多数の一般市民を標的として殺害や誘拐を行う残虐な無差別攻撃でありまして、いかなる理由でも正当化することはできず、我が国としてこれを断固として非難をしております。我が国としては、イスラエルが、こうしたハマス等によるテロ攻撃を受け、国際法に基づいて自国及び自国民を守る権利を有すると認識をしております。同時に、全ての行動は国際法に基づいて行わなければならず、いかなる場合においても国際人道法の基本的な規範は守らなければなりません。イスラエルに対しても、一般市民の保護の重要性、国際人道法を含む国際法に従った対応等を直接求めてきております。 戦闘が長引く中で、連日、多数の子供、女性、高齢者を含む死傷者が発生するなど、現地の人道状況は更に厳しい状況となっております。民間人の犠牲者数がますます増加している中、軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうかについて当事者による一層の説明が求められているような状況となってきていることは確かであります。 我が国として、引き続き、人質の即時解放、人道状況の改善、そして事態の早期鎮静化、地域への波及防止に向けた外交努力を粘り強く積極的に続けてまいります。 以上です。
○石垣のりこ君 いろいろ御説明いただいたんですけども、端的にお答えいただきたいんですが、今ガザの人道状況が悪化しているのはイスラエルの攻撃によるものでしょうか。これに端的にお答えいただけますか。
○大臣政務官(深澤陽一君) 繰り返しになりますが、ハマス等によるテロ攻撃、これはいかなる理由であっても正当化することはできません。我が国としては、これを断固として非難をしております。また、いかなる場合におきましても国際人道法の基本的な規範は守らなければならないということで、イスラエルに対しても国際人道法を含む国際法に従った対応を直接求めてきております。 ですので、現地の人道状況は更に厳しい状況でありまして、軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうかについて当事者による一層の説明が求められているような状況となってきていることは確かであると考えております。
○石垣のりこ君 では、人道上の対応を求めていらっしゃって、それがなされていないからこそ、今のような深刻な人道状況、人道危機を生んでいるんじゃないんでしょうか。
○大臣政務官(深澤陽一君) お答えいたします。 外務省といたしましては、現地の人道状況は更に厳しい状況ということも認識しておりまして、また、現時点では軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうかについて当事者による一層の説明が求められているような状況となっていることは確かでありまして、こういった考えの下で引き続き粘り強く積極的に外交努力を続けてまいりたいと考えております。
○石垣のりこ君 今おっしゃった当事者って、どちらですか。
○政府参考人(高橋美佐子君) お答え申し上げます。 全ての当事者でございます。
○石垣のりこ君 全ての当事者の全ては何を指すのでしょうか。
○政府参考人(高橋美佐子君) お答え申し上げます。 全ての当事者、現在の戦闘に関わっているイスラエル側、パレスチナ側全てでございます。
○石垣のりこ君 説明が求められるというようなことはいいとしても、今ガザの人道状況というのは、おっしゃったように、本当に深刻、もう餓死者も出ている状況ということはもちろん日本政府としても承知しているところだったと思います。 私が三月四日の参議院予算委員会で非戦闘員の死者について質問した際は、イスラエルでは千二百人以上、パレスチナでは三万人以上との答弁がございました。あれから一か月が過ぎました。戦争開始からは半年が過ぎております。報道では、パレスチナの死者数だけが更に増えて、今、三万三千人を超えたという報道もございます。 二〇二二年二月からのロシアとウクライナの戦争で亡くなったウクライナ民間人の犠牲者は、国連ウクライナ人権監視団によれば、今年二月十五日までに、ウクライナ領内で少なくとも一万五百八十二人との報告書を出しています。そのうち、子供が五百八十七人ということでございます。 今ウクライナの話もしましたけれども、明らかにこれ今、イスラエルの犠牲者とパレスチナの犠牲者、ガザの犠牲者の数が違いますよね。この状況というのは、双方に説明をしなければならないという、そういう対等な状況なんでしょうか。その辺の外務省の認識ってどうなんですか。
○政府参考人(高橋美佐子君) お答え申し上げます。 我が国といたしましては、イスラエルが、ハマスの攻撃を受け、国際法に基づいて自国及び自国民を守る権利を有すると認識しております。同時に、全ての行動は国際法に基づいて行われなければならず、いかなる場合においても国際人道法の基本的な規範は守られなければならないと考えており、いずれにせよ、均衡性の要件は満たされなければならないと考えております。 例えば、子供を含む無辜の民間人を無用に巻き込む攻撃は、国際人道法の基本的な原則に反するものであり、正当化できません。一方で、事実関係を十分に把握することが困難である中、イスラエル軍の行動について確定的な法的評価をすることは適当ではなく、法的評価をすることは差し控えておりますが、これは、我が国としてイスラエルの行動が国際法と完全に整合的であるとの法的評価を行っているわけではございません。
○石垣のりこ君 被害の状況が余りにもやはり不均衡で、一方的なやっぱりイスラエルの攻撃というのは、これ私も再三申し上げておりますけれども、本当にジェノサイドと言わざるを得ない状況にあるということに関して、やはり日本はもうちょっと毅然とした態度を私は取っていただきたいというふうに考えます。 三月二十五日、国連安全保障理事会は、パレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦を求める決議を可決いたしました。これまで拒否権を行使していた常任理事国のアメリカが方針を変え、棄権をいたしました。今回の決議案は非常任理事国十か国が共同で提出をいたしまして、日本も提出国になっております。 日本がこの決議案を提出したのはなぜでしょうか。
○大臣政務官(深澤陽一君) 三月二十五日、国連安保理は、ガザ情勢をめぐり、ラマダン期間中の即時停戦や全ての人質の即時無条件の解放を求める等の内容の決議第二七二八号を採択いたしました。 我が国として、ハマス等によるテロ攻撃を断固として非難した上で、ガザをめぐる危機的な人道状況を引き続き深刻に懸念しており、人道支援活動が可能な環境を確保し、また人質の解放につながるような人道的停戦が速やかに実現し、そして持続可能な停戦が実現することを目指して、様々な外交努力を行ってきたところであります。 このような基本的な立場に鑑み、我が国は他の非常任理事国とともに本件決議の共同の起草国となり、安保理として適切な意思表示ができるよう理事国内の議論、調整に積極的に取り組み、賛成票を投じさせていただきました。
○石垣のりこ君 という日本のこの国連安保理の提出国になったという点は、私もこれはもうもっともだと思います。 そこで、自見大臣に伺いたいんですけれども、イスラエルの駐日大使が、これ資料一の、資料一、御覧いただきたいと思いますが、MBSの取材に応じてですね、自前の、今回、大阪・関西万博のパビリオン建設を断念しまして、協会が建てるパビリオンを複数の国で利用するタイプCに変更するという意向を示しています。その理由について、こんなふうに言っています。戦争で予算的な制約があるからと発言しているんです。 博覧会協会にパビリオンの変更の連絡は来ているのか、また変更の理由は何と伝えられているのか、自見大臣、答弁をお願いいたします。
○国務大臣(自見はなこ君) お答えいたします。 イスラエルの報道については承知をしてございますが、私から、万博に関連しての個別の国とのやり取りに関しましては、外交上のやり取りに関することでございますので、逐一コメントすることは差し控えさせていただきたいと思ってございます。 いずれにいたしましても、イスラエルは現在も大阪・関西万博への参加の意向を示しておりまして、引き続き関係者一丸となって準備を進めていく所存でございます。
○石垣のりこ君 少なくともそのように報道されているという事実、これ映像も含めて残っているということは皆さんが承知しているところだと思います。 この事実をひとつ重く受け止めていただきたいと思いますし、改めて外務省に伺いますけれども、日本政府は、イスラエルによるパレスチナへの入植は国際法違反であるとの見解を示していますけれども、改めて、なぜこれ国際法違反としているのか、また入植を繰り返してきたことによってパレスチナ地域にどのような問題を生じさせていると認識しているのか、お答えください。
○大臣政務官(深澤陽一君) イスラエルによる入植活動については、国連安保理決議第四六五号において、文民の保護等に関するジュネーブ第四条約に違反するとされております。こうした点も踏まえ、我が国としてイスラエルの入植活動は国際法違反であるとの立場を取ってきております。 我が国としては、二国家解決の実現を損なうという立場から、入植活動を完全に凍結するようイスラエルに対して累次の機会に強く求めてきております。 以上です。
○石垣のりこ君 ということで、イスラエルが十月、昨年十月七日から急にこういう状況になったのではなくて、日本も国際法違反と認めている入植活動が進められているという事実が、歴然とした事実があるわけです。 その上で、自見大臣、今月二日の会見で、イスラエルの行動は領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものだ、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当でないと発言していらっしゃいます。 これ、私、昨年の臨時国会で提出した質問主意書でも同様の答弁があったんですけれども、これ、昨年十二月時点から現在までの状況というのはまた更にこれ変化している、もっともっと悪化していると捉えております。また、この半年の戦争以前からイスラエルの国際法違反が続いているということは、今御答弁にも、外務省からの御答弁にもあったとおりです。 それでも、やはりこの万博の理念、「いのち輝く未来社会のデザイン」というこのコンセプトにこのイスラエルの今の在り方というのは合致する、ふさわしいというふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(自見はなこ君) お答えいたします。 大阪・関西万博のテーマであります「いのち輝く未来社会のデザイン」の理念については、二〇二五年日本博覧会協会が策定いたしました二〇二五年日本国際博覧会基本計画におきまして、先ほど、済みません、二〇二五年日本国際博覧会協会が策定をいたしました二〇二五年日本国際博覧会基本計画におきまして、人間一人一人が、自らの望む生き方を考え、それぞれの可能性を最大限に発揮できるようにするとともに、こうした生き方を支える持続可能な社会を国際社会が共創していくことを推し進めるものというふうにさせていただいてございます。 その上で、例えばロシアによりますウクライナ侵略は、武力の行使を禁ずる国際法及び国連憲章の重大な違反であり、こうした観点から、大阪・関西万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマと相入れないというふうに申し上げてきたところでございます。 一方で、今般のガザ地区におけますイスラエルの行動はハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものであり、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当ではないというふうに考えているところでございます。
○石垣のりこ君 おっしゃることは、その十月七日のハマスの攻撃があったというところが大きく違うというふうにおっしゃりたいんだと思いますけれども、とはいえ、やはり先ほどもお話をさせていただきましたように、今のこのイスラエルがガザ地区、パレスチナにしているこの攻撃の状況というのはこれは看過できないことであるというのは、これは日本政府も共通の認識であるとは思うんですけれども、繰り返しになりますが、二〇二二年二月からのロシアのウクライナの戦争で亡くなったウクライナの民間人の犠牲者、一万五百八十二人との報告があると。今回、このイスラエル、パレスチナの戦争が十月七日からというと、半年です。その中で、三万人、三万三千人という話もあります。 二年、半年、もちろん人の尊い命に関しては数で測れるものではないんですけれども、この圧倒的な攻撃、これに関して、最初のそのきっかけの違いはあるにせよ、立場の違いはあるにせよ、どう考えても、万博の「いのち輝く未来社会のデザイン」、余りにも懸け離れていると言わざるを得ないと思うんですけれども、今申し上げたことを踏まえて、改めて自見大臣の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(自見はなこ君) お答え申し上げます。 イスラエル軍の行動に関しまして、今回の事案の個別具体的な事情や、あるいは関連の情報について事実関係を十分に把握することが現状困難でございますので、確定的な評価を行うことは私どもの立場としては差し控えさせていただきたいというふうに思ってございます。 イスラエルの行動に対します国際法上の評価については所管外でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
○石垣のりこ君 確定的な評価が分からないということで、今後もし何かあったときに確定的な評価が分からないまま私たちはいろんなことを動かなきゃいけないわけですよね。最大限、日本としてどこまでちゃんと情報収集できているのかということを、もうこれ別な意味で疑義を生じさせることではないかというふうに私は思いますけれども。 ロシアは駄目でイスラエルが問題がないというふうに考えて、では、いらっしゃるということでよろしいですか。
○国務大臣(自見はなこ君) 繰り返し申し上げて恐縮ですが、私どもと申し上げたのは、内閣官房の万博の推進をしている私どもの立場として確定的な評価を行うことを差し控えるというふうに申し上げたということでございます。 その上で、先ほども申し上げたとおり、今般のガザ地区におけますイスラエルの行動は、ハマス等によるイスラエル領内へのテロ攻撃を直接のきっかけとするものでございまして、ロシアが一方的にウクライナに侵攻している行動と同列に扱うことは適当ではないと考えてございます。 いずれにいたしましても、イスラエルの行動に対します国際法上の評価については所管外でございますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○石垣のりこ君 ロシアは駄目でイスラエルは問題ないとするのは、まあそれは、これは無理があると私は思います。 そもそも、ガス爆発を起こすような場所で開催する万博自体が「いのち輝く未来社会のデザイン」というのも、これ、もう冗談にも程があるというふうに申し上げて、次の質問に移ります。 自見大臣、御退席いただいて、お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(阿達雅志君) 自見国務大臣は御退席いただいて結構です。あわせて、内閣府規制改革推進室稲熊次長も御退席いただいて結構です。
○石垣のりこ君 続いて、関東大震災の朝鮮人虐殺について伺います。 政府は、これまで、政府内に記録がない、事実関係について把握できる記録が見当たらないとの認識を示しています。昨年のこの委員会でも、関東大震災のとき、風説を信じ、朝鮮人等を虐殺した者に対する恩赦に関する閣議決定文書があるにもかかわらず、事実関係は把握できないとの見識を、見解を示しています。また、国会図書館には裁判資料が掲載された書籍も所蔵されていますが、政府からは、原本ではないので作成経緯が分からず、内容についても事実関係について確定的なことを申し上げることは困難という旨の答弁もありました。 昨年十一月九日の内閣委員会の質問で、当時の松野官房長官が、現時点では、やはり裁判記録等がないものが多数でございますので、現時点で、現時点からそれを把握しようとしても困難である、このような状況でございますと答弁されているんですね。 詳細は別としても、基本的な事実関係を認められてしかるべき文書があるにもかかわらず、あれやこれやと理由を付けて、確定的なことは申し上げられないと逃げているのが今の政府です。 ところが、これ裁判記録の原本があったんです。前橋地方検察庁高崎支部に倉賀野事件の判決文の原本が残っていました。検察庁が保有していた裁判の判決文です。 まず伺います。これ、政府内の文書で間違いはありませんよね。
○政府参考人(吉田雅之君) 御指摘の事件に係る判決書、判決書きについては、前橋地方検察庁高崎支部の検察官が保管主体となって保管されているものと承知しております。 一般論として申し上げますと、刑事事件に係る裁判書き等の事件記録は、一般の行政文書の保管に関する法令とは別に定められた刑事確定訴訟記録法等の特別の法令に基づいて検察官が保管、保存しているものでございます。こうしたことから、検察官が保管する判決書きという刑事事件記録を政府内の文書と表現すべきかどうかについては、一概にお答えすることは困難でございます。
○石垣のりこ君 政府内にないと。検察庁に保管されている文書で政府内にないというのも、これもちょっとまた無理があるというか、御答弁だと思うんですけれども。 でも、これ、現時点で前橋地方検察庁高崎支部にある文書ということではよろしいでしょうか。
○政府参考人(吉田雅之君) 先ほど申し上げたとおり、御指摘の判決書きは前橋地方検察庁高崎支部の検察官が保管主体となって保管されているものでございます。
○石垣のりこ君 検察官が主体となってというのは、それは検察官個人がということですか。
○政府参考人(吉田雅之君) 先ほど若干申し上げましたが、刑事事件に係る事件記録については、刑事確定訴訟記録法という法律がございます。そこでは、記録の保管主体が検察官というふうにされております。検察庁とか法務省ではなくて、検察官とされております。そのことを申し上げているということでございます。
○石垣のりこ君 別に個人に帰するだけのものではないはずなんですけれどもね。 判決文に書かれている倉賀野事件の概要及び判決内容の要点について御説明いただいていいでしょうか。
○政府参考人(吉田雅之君) 御指摘の判決書の理由の欄には次のような記載などがあるものと承知しております。すなわち、群衆は、群馬県倉賀野町駐在巡査が同駐在所において保護中の年齢二十歳、氏名不詳の男子ら鮮人なりとし、右駐在所より引き出したるをもって、被告人等は、不逞鮮人なりと思惟し、日本刀をもって同人の咽喉を突き、もって同人を死に至らしめたるものなり、こうした記載などがあるものと承知しております。 また、御指摘の判決書の主文の欄には、被告人四名をそれぞれ懲役一年六月、懲役八月、懲役八月及び懲役四月に処す旨、このうち被告人三名につき、それぞれ二年間各刑の執行を猶予する旨などが記載されているものと承知しております。
○石垣のりこ君 では、今提示していただきました倉賀野事件の判決文ですが、この判決文に書かれているように、関東大震災のとき、風説を信じて朝鮮人を虐殺した日本人がいたと、その人たちは裁判を受けて有罪の判決が出たということは、これ政府としては異論はないでしょうか。外務省でしょうかね、これは。
○政府参考人(吉田雅之君) 御指摘の判決書において、そこに記載されているような事実認定、先ほど申し上げたような事実認定がなされたことは承知しております。
○石垣のりこ君 事実認定というのは、あったということでいいですか。
○政府参考人(吉田雅之君) その事実認定に係る事件が実際にあったかどうかということになりますと、これは事実認定が正しいかどうかという評価にわたることになります。 裁判所がした事実認定について、正しいかどうかといった評価をする立場には法務当局としてはないということを御理解いただきたいと思います。
○石垣のりこ君 じゃ、何をもって裁判の執行というのをなさるのか、法務省がなさるのかは全く分からないんですけれども。 これ、そもそも検察として、起訴した段階で確たる証拠を持って起訴しているわけですよね。しかも、これ、駐在所で起きた事件です。これ、裁判で有罪判決が出た事件が実際あったかどうかについてこれ政府として答えられないというのはどういうことなのか。ちょっと、もうちょっと分かりやすく御説明いただいていいですか。
○政府参考人(吉田雅之君) この事件に限らず、刑事裁判における事実認定は、個々の事案ごとに法と証拠に基づいて裁判所によって行われるものでございます。 法務当局としては、独立した司法機関である裁判所が認定した事実について、それが正しいかどうかといった評価を加え得る立場にないということを申し上げているものでございます。
○石垣のりこ君 正しいかどうか、少なくとも、では、違うということも言えないということでいいですか。
○政府参考人(吉田雅之君) 先ほど申し上げたように、正しいかどうかについての評価をする立場にないということでございます。
○石垣のりこ君 でも、判決をもってそれを、判決を、裁判を執行するということは、それをそのまま受け入れるということになりませんか。
○政府参考人(吉田雅之君) 刑事手続のプロセスとしては、裁判所がした判決が確定すれば、それに基づいて執行を行うということでございます。 他方で、法務当局としては、その裁判所の判断について評価をする立場にはないということでございます。
○石垣のりこ君 これ、起訴をする段階で確たる証拠があり、これは有罪であろうということの確証を持って検察が起訴をすると私は認識しておりますけれども、そもそもそうではない可能性を持って、いわゆる冤罪の可能性も認めた上で起訴をするということがあるんでしょうか。
○政府参考人(吉田雅之君) 検察当局においては、法と証拠に基づいて個別の事案ごとに起訴すべきものを起訴しているというふうに考えております。 他方で、今私が答弁しているのは、法務当局としての御答弁でございます。法務当局としては、刑事司法プロセスにおけるその判断について評価を加えることは差し控えたいと、評価をする立場にはないということを申し上げているものでございます。
○石垣のりこ君 じゃ、法務当局だと分からないというので、一般論としてでも結構ですけれども、裁判の有罪判決が出た事件が実際にあったかどうかについて、政府として答えられないということがあるんでしょうか。官房長官、お答えいただいていいですか。
○国務大臣(林芳正君) 一般論として申し上げますが、政府としては、裁判所の認定した事実についてそれが正しいかどうかといった評価を加え得る立場にはないと承知をしております。詳細、法務省から答弁があったとおりでございます。
○政府参考人(吉田雅之君) 先ほど申し上げたとおりでございますが、法務当局としては、判決書に記載された事実について、判決でそうした認定がなされたとの認識を超えて、その認定が正しいかどうかといった評価を示す立場にはないということでございます。
○石垣のりこ君 じゃ、何か哲学論みたいになってしまっているんですけれども、裁判ではこの方が、被告人が罪を犯したというふうに認める、こういう事件があったということを前提に刑が執行されているわけですよね。そのことについての評価と、別にあった、それが正しい正しくないという権限がないというのであれば、じゃ、その事実に関して認める認めないということは、別に評価というよりかは、これは事実として受け入れざるを得ないというふうに普通考えるんですけれども、そのこと自体が否定されるということなんですか。
○政府参考人(吉田雅之君) 私が先ほど来答弁しておりますのは、評価を加える立場にないということでございます。正しいとか、逆に間違っているということを申し上げているわけではなくて、そうした評価をすること自体が避けるべきものであるということを申し上げているものでございます。
○石垣のりこ君 取りあえず、あったということに関しては否定をする立場にもないと思いますし、事実認定をしているこの裁判所の判決文があるわけですから、こういう事実があったというふうに考えるのがこれは当然ではないかと思うんですけれども、その点に関してあえて政府として否定されているその根拠を私は本当に理解できません。そんなこと言ったら、司法制度崩壊するんじゃないかなというふうに考えますけれどもね。 前外務大臣でもある林官房長官に伺いますが、外交史料館には、変災救済関係雑件、別冊、関東地方震火災の件、朝鮮人問題及びその反響というおよそ五センチほどの冊子が四冊所蔵されております。 このような資料があるということは、林官房長官、御存じでしたでしょうか。 また、これ、政府内の文書と言っていいかどうか、御答弁お願いします。
○国務大臣(林芳正君) この個別具体の文書が政府内の文書に該当するか否かについては、その文書を保有する機関において適切に判断されるべきものであると認識をしております。お尋ねについては、担当である外務省から答弁をさせます。 なお、外務省外交史料館には十二万件に及ぶ外交史料が所蔵されていると承知をしておりまして、今御指摘のあった文書を含めて、その一つ一つについては個別には把握をしておりません。
○大臣政務官(深澤陽一君) 御指摘の冊子四冊につきましては、公文書管理法上の特定歴史公文書等に当たるものでありまして、政府内の文書と考えております。
○石垣のりこ君 非常にいろんな資料が入っております。その中の一つ、取り上げました資料四、御覧いただければと思います。 大正十二年十二月の八日ということで、高警第四一〇六号朝鮮総督府警務局、東京にて殺害されし閔麟植葬儀に関する件ということで、要約になりますが、おおよそこのようなことが書いてございます。 東京留学中に震災に遭い、自警団に殺害された被害者の遺族が遺骨引取りのために上京、巣鴨警察署で殺害当時の状況を詳しく聴取し、巣鴨役場の手で埋葬されていた死体を掘り出して火葬し、遺骨にして二十七日に葬儀を行ったと。被害者の実父そのほかの家族は殺害されたことに関しては多くを語らなかったが、犯人の検挙については好感を持っており、上京に際して警察官署を借りたことについては感謝していたというような内容が、この中の本当にごく一部でございます、そのほかにも非常に事細かに本当に様々な記録が残っております。 例えばこのようなことが書かれているんですが、公文書にこういうことを事実として書かれている、この内容に関しては事実と受け止められるでしょうか。官房長官、お願いします。
○国務大臣(林芳正君) お尋ねにつきましては、外交史料館所蔵の資料でございますので、外務省から答弁をさせます。
○大臣政務官(深澤陽一君) お尋ねの文書につきましては、外交史料館に所蔵されているものでありますが、その作成経緯が明らかでないこと等から、記載された内容の事実関係について確定的なことを申し上げることは困難でございます。 以上です。
○石垣のりこ君 そんなこと言ったら、作成経緯が不明なものなんてもう大量にありますよね。日本の歴史どうなるんですかという話だと思いますよ。 本当にたくさんの資料が、今日取り上げられませんでしたけれども、たくさんございます。今日は二点の公文書を提示しました。 令和五年五月三十一日の衆議院外務委員会では、当時外務大臣であった林官房長官が、公文書等は、国及び独立行政法人等の諸活動、そして歴史的事実の記録でございます、その上で、一般論で申し上げますと、公文書等の内容を否定する場合には、その根拠となる事実関係を明確にするということは当然に期待されるものと考えておりますと答弁されています。 公文書、歴史的事実の記録であるならば、朝鮮人虐殺について記録した公文書、多数残っております。関東大震災において朝鮮人虐殺があったということは、歴史的事実として、これ、きちんとやはり認めるべきではないかと思います、一旦。思います。 で、今日提示しただけの資料じゃなくて、政府内、そして政府外と厳密にはもしかしたら判断され得るものなのかもしれませんが、非常に詳細に記された公文書及び公文書に類するものがございます。これだけの事実をもって確たることが言えないと言い続けること自体、私は、日本の国のそのものを、そして未来を毀損する行為、非常に問題があるということと考えております。 官房長官、改めて問いますけれども、政府内外の文書をしっかりと精査した上できちんと歴史に向き合うことこそが、本来国を大事にすることであり、未来につなぐことであり、政治家としても、この日本政府としても取り組むべきことなのではないでしょうか。官房長官のお答えをお願いいたします。
○国務大臣(林芳正君) 御指摘のありました外務大臣としての私の答弁は、公文書等は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録であり、あくまで一般論として申し上げると、公文書に記載の内容を否定する場合には、その根拠となる事実関係を明確にすることが期待されると、そうした旨を述べたものでございます。 その上で、御指摘の文書と過去の事案との関係につきましては、これまで政府における関係記録の確認結果等取りまとめておりましたのは警察庁でございまして、担当大臣である国家公安委員会委員長に答弁をさせます。
○国務大臣(松村祥史君) 本日御指摘のあった文書につきましては、それぞれ法務省、外務省から答弁のあったとおりであると承知をいたしております。 御指摘につきましては、従来より、調査した限り、政府内にそれらの事実関係を把握することのできる記録が見当たらないと御答弁しているところでございますが、この政府の認識に変わりはございません。
○石垣のりこ君 今日は日本の司法制度自体が否定されるような答弁がありました。裏金よりもある意味深刻な国家の破壊だと私は言わざるを得ません。これまで多くの記録があるにもかかわらず、この歴史の事実から逃げることこそ国家の損害です。国賊とのそしりを免れないと思います。 こんな内閣に日本のかじ取りをさせるわけにはいかないと申し上げて、私の質問を終わります。
○柴田巧君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の柴田巧です。よろしくお願いします。 まず最初に、我が国における中国の活動についてお聞きをしますが、最初は、いわゆる中国の秘密警察署と言われるものであります。 報道によれば、今年の二月、警視庁の公安部は、国の新型コロナウイルス感染症対策のための持続化給付金をだまし取ったとして、詐欺容疑で中国籍の女性二人を書類送検したとされています。この中国籍の女性らは、スペインの人権NGOでありますセーフガード・ディフェンダーズに、中国警察の日本における活動拠点、秘密警察署だとして指摘をされた一般社団法人の幹部だったと言われております。そして、この公安部は、女性らの関係先として、今申し上げたこの拠点のビルを捜索したと言われているところでございます。 御存じのとおり、このNGOによれば、中国のこの秘密警察署なるものは、日本だけではなくて世界中にあるわけですが、国外の中国人の政治活動の監視や帰国の説得などを主な任務にしていると言われていまして、だとすれば、自国警察の出先機関を外国でひそかに設けて自国民を取り締まるのは、これは言うまでもなく国際法違反ですし、設置された国の主権を侵害することは明らかだと、決して許されることではありません。 今回の捜査では日本の主権を侵害するような活動は確認できなかったということのようですけれども、この秘密警察署の存在が疑われる拠点に対しては引き続きやっぱりしっかり捜査を継続していくべきだと考えますが、まずは松村国家公安委員会委員長にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(松村祥史君) お尋ねの事件につきましては、中国人女性二名が共謀の上、昭和二年七月上旬頃から中旬頃にかけまして持続化給付金を不正に受給したとして、本年二月の二十一日に警視庁において同女性二名を詐欺罪で書類送致したものでございます。 捜査の過程におきまして、関係先として日本福州十邑社団聯合総会の事務所を捜索したものでございます。 今後も、我が国の国益が損なわれることのないよう、対日有害活動に関する情報収集、分析に努めるとともに、あらゆる法令を駆使し、違法行為に対しまして厳正な取締りを行うよう、警察への指導を徹底してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 しっかり、きっちりとこの実態解明を進めていただきたいと思っていますが、先ほども触れましたように、このスペインの人権団体によると、五十三か国、百二か所、日本も含めて、あると言われていますが、他の国々はこのいわゆる秘密警察署に対しては毅然たる態度でやっているわけですね。 例えば、アメリカでは、この秘密警察署の開設や運営に関与した中国系のアメリカ人二人を逮捕していますし、アメリカの司法省はこのニューヨーク市内の秘密警察署を家宅捜査して閉鎖をさせています。加えて、オランダ、アイルランド、チェコ、ドイツでは既にこの秘密警察署の閉鎖を命じているということでありまして、各国はまさに毅然とやっているわけです。 したがって、日本でこの実態解明を進めていく上でも、そういった関係国といろんな秘密警察署に関して情報交換をしていく、情報共有していくということは実態解明に資するものだと思っていますが、海外当局との情報交換等どのようにやっているのか、お尋ねをします。
○国務大臣(松村祥史君) まず、御答弁申し上げる前に、先ほどの答弁で、令和二年七月と申し上げるところを昭和と申し上げてしまいました。訂正させていただきます。 ただいま御指摘がございましたとおり、外国当局との情報交換は大変重要であると考えておりますし、警察におきましても外国当局と必要な情報交換を行っているところでございます。 その具体的な内容につきましては、事柄の性質上お答えは差し控えさせていただきますが、今後も我が国の国益が損なわれることのないよう、情報収集、分析や違法行為の取締りについて、警察への指導をしてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非海外の当局とも連携をしながら進めていただきたいと思います。 この今申し上げたスペインの人権団体は、これ、先ほどの中国の秘密警察署は、一昨年に報告書を出していますが、昨年十一月に新たな報告書を発表して、これ世界的にまた注目を浴びているところです。その内容はというと、今度は中国大使館などが世界各地で領事ボランティアと呼ばれる在外中国人のボランティアを募って反体制活動家等への監視活動や情報収集を強化しているというものでございます。 一昨年出たこの中国の秘密警察署についてのこの報告書によって、先ほど申し上げたとおり、世界各国がいろんな取締りというか対応をしているわけでありますが、そういった経過を踏まえると、今般出たこの中国大使館などによるこの領事ボランティア、これも大変怪しげなものではないかと思っておるわけですが、したがって、この領事ボランティアの活動についても政府としてやっぱり強い注意を、関心を向ける必要があるんではないかと思いますが、これは官房長官の御認識をお伺いします。
○国務大臣(林芳正君) 今、柴田委員から御指摘のありましたこの団体の報告書については承知をしております。 政府として、各種情報の収集及び分析を通じまして、その活動の実態解明を進め、適切な措置をしっかり講じてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 現時点で具体的にこうだああだというのがまだ明らかになっていない部分があると思いますが、やはり毅然として対応していかなければ、中国という国はやっぱり隙があればどんどんどんどん入り込んでくると、こちらのガードが緩いと更なることをやってくると。それが主権、我々の国の主権を侵害して国民の安全や治安を脅かすということになりますので、これはもうきちっと注意をしながら必要な措置をやっていただきたいと思います。 ただ、大変懸念をしますのは、こういう外国勢力の活動を取り締まるこのいわゆるスパイ防止法がこの国にはないというのは根本的な問題だと、これは私も、また我が党もかねてから申し上げているところでありますが。国家の重要な情報や企業等の技術が不法に、情報や技術があるんですね、不法に盗まれたとしても、その行為をスパイ罪で罰することのできない大変珍しい国だと言わざるを得ないと思っています。 したがって、先ほどの中国籍の女性の問題も、そういうスパイ防止法等はありませんから、先ほどのこの警視庁の公安部が詐欺事件で摘発せざるを得ないというのは現実の姿なんだろうと思います。 他の国では、このスパイ行為を働くと死刑や無期懲役に処せられるほどの重大な犯罪であるんですが、これがないがゆえに出入国管理法であったり、外国為替管理法であったり、旅券法だったり、外国人登録法などで取締りをせざるを得ないと。したがって、事実上、このスパイ行為がし放題の国だと恥ずかしながら言わざるを得ないと思っています。したがって、このスパイ防止法をそういう意味でもきちっと制定をしていく必要があると思います。 加えて、二〇一四年に中国で反スパイ法が制定をされました。それ以降、これは新しい数字かどうか分かりませんが、十七人が拘束されて十人が実刑判決、日本人が受けているということでございますが、これが更に反スパイ法強化を一昨年されています。スパイ行為の定義も拡大されて、日本人の安全が一層脅かされているのではないかと強く不安視をされているわけです。この海外で拘束された自国民を救い出すためにも、自国に潜入したその国のスパイを摘発をして自国民と交換するスパイ交換という手法が今世界ではあちこちと実際に行われている現実であります。 そういう意味でも、スパイ防止法を作るという意義は大変大きいと思っていますが、法の制定に向けて政府内に検討組織を設ける考えはないのか、官房長官にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 政府といたしましては、我が国において外国情報機関による情報収集活動等が行われていると、そうした認識に立って、カウンターインテリジェンスに関する取組を強化するなど必要な対策を講じているところでございます。また、関係当局においては、違法行為に対して厳正な取締りを行うこととしているものと承知をしております。 その上で、いわゆるスパイ防止法の必要性等については様々な議論があると承知しておりますが、国の重要な情報等の保護を図るということは極めて重要でございまして、引き続き必要な取組の充実強化に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 このスパイ防止法の質問をするとそういう答弁がいつも返ってくるのですが、極めて残念だと思っています。 やっぱりその国家は、国民の生命、財産を守ることが一番大事な仕事なわけですね。必要性というか、認めながらも一歩前に進めないという状態がこの国は続いていると思います。言わば、思考停止状況にあると言っても言い過ぎではないと思っていまして、今度、やがてこの参議院の内閣委員会でもセキュリティークリアランスの法案等を審議をする、しますが、ああいう制度が設けられるのは一歩前進だと思いますが、大きな抜け穴がある限り最終的な目的は達成できないと考えるところであります。 したがって、国民の十分な理解を得ていくとおっしゃいますが、政府がもっと能動的に、積極的に国民の理解を求めていく姿勢が今こそ求められているのではないかと思いますが、もう一回官房長官にお尋ねしますが、もっと政府としてこの法律は必要だということを国民に訴えかける、そしてまた制定に向けて正式にこの検討をする、そういう機会を設ける考えはないか、お尋ねをします。
○国務大臣(林芳正君) いわゆるスパイ防止法の制定の必要性等につきましては様々な御指摘や御意見があると承知しておりますが、政府としては、まずは国の重要な情報等の保護を図るということが重要であると認識しておりまして、必要な取組の充実強化に努めているところでございます。また、関係当局においては、違法行為に対して厳正な取締りを行うこととしているものと承知をしております。 そうした対応を行った上で更に措置が必要な場合には、我が国の国益保護の観点や国民の十分な理解が得られるかなど、多角的かつ慎重に検討されるべきものと認識をしております。
○柴田巧君 今日はこれ以上お聞きしても同じような答弁が返ってくると思いますが、必要性というか、しっかり情報保全をしていく、あるいは、そういったことを認識はされているものとは理解をしますが、やはりもう一歩前に進む段階に来ていると思っていますので、もっと政府の積極的な姿勢を求めたいと思いますし、これからまた折に触れて強く求めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いをします。 次に、北朝鮮による違法な外貨獲得についてお聞きをします。 北朝鮮のIT労働者が日本人に成り済まして日本企業から仕事を請け負い、収入を得ている疑いがかねてから指摘をされているわけです。実際に、この北朝鮮のIT技術者に業務を発注するための会社を不正に成立した容疑で、これは韓国籍の容疑者らが逮捕された案件も報道されているところでありますが、御承知のとおり、この国連安保理決議による北朝鮮措置として、国連の加盟国はいかなる資金、金融資産又は経済資源も北朝鮮の核・ミサイル開発の利益のために利用可能とならないように確保することが求められているわけです。 ところが、この日本の企業によってオンラインで発注された業務が、その企業の知らないところで外国に隠れている北朝鮮IT技術者が請け負って、対価を得て、それが北朝鮮の核兵器開発の資金源として利用されている可能性があるというのは、極めて重大なものと受け止めなければならないと思います。 そこで、我が国としても、こうしたケースを事前にやっぱり予防する手を打っていく必要があると思っていますが、どのような対策を実施をしていくのか、松村委員長にお尋ねをします。
○国務大臣(松村祥史君) お尋ねの件につきましては、我が国におきましても、警察の捜査を通じまして、北朝鮮のIT労働者が身分を隠すなどしてインターネットを通じてアプリケーション開発業務等を受注をいたしまして外貨を獲得している動向が確認されており、警察においては法と証拠に基づき厳正に取締りを行ってきたところでございます。 また、本年三月二十六日に、警察庁、外務省、財務省及び経済産業省連名におきまして、北朝鮮IT労働者に関する企業等に対する注意喚起を発表をいたしまして、国内の企業を始めとする国民に対して、こうした北朝鮮IT労働者の実態について注意喚起を行ったものでございます。 引き続き、こうした北朝鮮IT労働者の外貨獲得について実態解明を行いまして、違法行為に対する厳正な取締りを行うとともに、関係機関と連携した対策を推進するよう警察を指導してまいります。
○柴田巧君 今、松村委員長おっしゃったように、この関係機関の連携をしながらやっぱりやっていくというのは大事なことだと思います。 北朝鮮が外貨獲得するのは、今申し上げたIT労働者、成り済ましのIT技術者によるものだけではなくて、サイバー攻撃による暗号資産の盗み取りであったり、麻薬の密輸であったり、偽造紙幣の発行であったり、さらには海上での積荷の移替えである瀬取りなど、多岐にわたっているわけなんですね。そこで得た資金が、不法な手段で得られた資金が流れることのないように、北朝鮮に、やっぱり確実に予防していかなければなりません。 そこで、今もありましたが、関係機関による緊密な連携が重要になってくると思いますけれども、政府を挙げてどのように取り組んでいくか、官房長官にお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 我が国といたしましては、関連する国連安保理決議に基づく特定品目の輸出入禁止措置や資金移転防止措置等に加えまして、我が国自身の措置として北朝鮮との全ての品目の輸出入禁止等の措置をとっておりまして、北朝鮮への人、物、金の流れを厳しく規制する措置を実施してきております。その上で、対北朝鮮措置に関する違法行為の取締りは、この当該措置の実効性を確保するため重要だと認識をしておりまして、捜査機関において法と証拠に基づき厳正に対処されるものと承知をしております。 我が国としては、引き続き、国際社会と協力しながら関連安保理決議の実効性の向上に取り組んでいくとともに、我が国自身の措置の実施、これを徹底してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 しっかりやっていただきたいと思います。 それで、北朝鮮のこの外貨獲得手段については国連安保理の北朝鮮制裁委員会の下にあるその専門家パネルがいろいろとこれまでも指摘をしてきて、取り締まる上で役に立ったわけですが、ところが、先月の二十八日、この国連の安全保障理事会において、この今の専門家パネルの任期を一年延長する決議案が否決をされてしまいました。これは、皆さん御存じのとおり、ロシアが拒否権を行使した結果であるわけですが、今申し上げたように、この専門家パネルは、北朝鮮に対する制裁措置について、その履行に関する情報を収集し、審査、分析する上で非常に重要な役割を果たしてきたと思っていますし、日本からも古川さんなど専門家を送って、北朝鮮の違法行為や制裁逃れを監視をしてきたわけでありますが、今般このような監視のメカニズムがロシアの拒否権によって停止に追い込まれたのは重大な問題だと言わざるを得ないと思っていますが。 そこで、政府としては、今回のこのロシアの拒否権の行使によって専門家パネルの延長が停止されるということに対してどのように受け止めているのか、お聞きをします。
○国務大臣(林芳正君) 三月二十八日に国連安保理北朝鮮制裁委員会専門家パネルのマンデートに関する安保理決議案がロシアの拒否権行使により否決されたということは、遺憾であります。 本パネルは、二〇〇九年の設置以来、毎年全会一致でマンデートを延長して、その調査活動を通じて、関連安保理決議の実効性を向上させるための重要な役割を果たしてまいりました。 常任理事国として国際の平和及び安全の維持に大きな責任を負うべきロシアが拒否権を行使するという選択をしたことは、国連及び多国間主義の軽視でありまして、またグローバルな核不拡散体制を維持するという安保理理事国としての重責に反する行為であり、残念であります。 我が国は、安保理理事国として、引き続き、北朝鮮制裁委員会での議論も含めて、北朝鮮への対応に関する議論に積極的に関与し、他の理事国等と緊密に意思疎通を行いつつ、安保理が本来の役割を果たすように尽力をしてまいります。
○柴田巧君 ロシアの拒否権によって専門家パネルの延長が停止されるということになるのは、本当に、これから北朝鮮が不法な手段で外貨を獲得して、それが核やミサイルや、日本のみならず世界の安全保障を脅かすことになっていく可能性がより高いということで、大変懸念をするものでありますが、あるいは、今官房長官もお答えになりましたけれども、これは一年延長がなくなったということになりますが、まずは、この国連決議、専門家パネルを設置したこの安保理決議一八七四というのがありますが、これは同時に、全ての国、関連する国連機関その他の当事者に対して、北朝鮮に対する制裁措置に関して保有する情報をこの国連に設置された北朝鮮制裁委員会に提供し協力することが要請をされているわけです。 したがって、日本は、国際社会に対して北朝鮮制裁措置の遵守を訴えて、今一部答弁されましたが、外交手段を尽くして各国にまず働きかけるという必要があると思いますが、今後の取組について、もう一度、重なる部分があるかもしれませんが、お聞きをします。
○国務大臣(林芳正君) 今委員がおっしゃいましたとおり、政府としては、これまでも国際社会とも協力しながら、国連加盟国に対しまして関連安保理決議の完全な履行を働きかけ、決議の実効性の向上に取り組んできたところでございます。 引き続き、国連安保理決議の完全な履行に向けて、米国、韓国を始めとする同志国とこれまで以上に緊密に連携しながら、更なる対応をしっかり検討してまいりたいと思っております。
○柴田巧君 今、このまずは今申し上げた一八七四を使って各国に遵守を求めていくということが必要だと、まずはやるべきことだと思いますが、それがもし、例えばですが、そこではやっぱり功を奏しなかったといった場合に、監視をする新たな体制、仕組みを再構築するというか、新たな構築をする、こういう考えはおありですか。お聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) これ以上の詳細につきましては、今後の対応に支障を来すおそれがあるため差し控えますが、引き続き、関連安保理決議の完全な履行に向けまして、米国、韓国を始めとする同志国とこれまで以上に緊密に連携しながら、更なる対応を検討してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 まずは今の中でしっかりと遵守をするように努力する必要があると思いますし、必要性が出てくれば、新たな監視の仕組みの在り方も検討する必要があるのではないかということは申し上げておきたいと思います。 それでは、官房長官に対しての質問はこれでございませんので、委員長、よろしくお願いいたします。
○委員長(阿達雅志君) 林内閣官房長官は御退席いただいて結構です。
○柴田巧君 ありがとうございました。 続いて、サイバー犯罪対策などについてお聞きをしますが、その前に、この犯罪対策をやっていく上で警察力の人的基盤に関わる問題をまず最初にお聞きをしておきたいと思います。 お手元に資料がございますが、過去十年間の警察官採用試験実施状況という資料でございますけど、そこに明らかなように、平成二十五年から令和四年の数字が並んでいますが、志願者が約半減しているというのがこの現実の姿でございまして、こういう状況が続けば、更に悪化をしていけば、この求められる水準の人材がなかなか集まり切らずになってしまうと。事故や事件が起きたときに適切に対応できないという可能性が出てくるわけで、そうなれば、この国の安心、安全も損なわれるということになりかねないのではないかと思っています。 したがって、この全国の警察採用試験の受験者数がここ十年でこのように半減していることをどのように受け止めて、その要因は何だと分析をしているのか、そしてやっぱりこれ、受験者増を目指していく必要があると考えますが、どのように取り組まれるのか、併せて松村委員長にお聞きをします。
○国務大臣(松村祥史君) 柴田委員には、人材基盤について貴重な御指摘をいただいたものと感謝をいたします。 御指摘のとおり、過去十年間の警察官採用試験の受験者数を見てみますと、平成二十五年には全国で約十一万人であったものに対し、令和四年は約六万人と大きく減少しておりまして、少子高齢化に伴う就職適齢人口の減少などの要因により採用情勢は厳しい状況にあると認識をいたしております。 一方、社会情勢の変化に伴いまして複雑、多様化する治安課題に的確に対応するためには、優秀な人材の確保がこれまで以上に必要となってまいります。そのため、警察におきましては、採用募集活動におきまして、オンラインも活用しながら、警察官という職業の重要性や魅力を発信していくことと併せて、育児をしやすい職場環境を整えるなど、働きやすい職場環境づくりを推進しているところでもございます。 就職適齢人口の減少や治安課題の複雑、多様化といった課題は当面続くものと予想されることから、今後もその時々の状況に応じた効果的な施策を講じていくよう警察を指導してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非、その警察の必要性、重要性を上手に効果的にアピールしていただいて、また働きやすい環境づくりにも努めていただきたいと思います。 一方で、警察庁は、今般初めてキャリア官僚を中途採用をされました。やはり幅広い国民の警察に対するニーズに応えていく、また多様化するこの諸課題に対処するために、警察力を上げていくと言ってもいいかもしれませんが、そのためには、この民間等での経験や高度な技能を有する人材の確保というのもこれまた大事なことだと思っています。 更なる中途採用も必要というふうに私自身は考えますが、国家公安委員長の、この中途採用、キャリアの中途採用の件についての所見をお聞きをします。
○国務大臣(松村祥史君) これは、かねてより警察では、社会情勢の変化に伴い複雑、多様化する治安課題に的確に対応するため、多彩な人材を獲得、育成する必要を強く認識しておりました。そこで、警察庁では、将来の幹部候補について中途採用制度を新たに導入をいたしまして、様々な職務経験を通じて得た知識、能力を政策立案や現場指揮といった業務に生かしてもらうこととしたところでございます。 初年度でございます本年は二名を選抜をいたしまして、この度採用をいたしました。採用した新たな人材が十分にその能力を発揮できるよう配慮しながら、今後も中途採用を継続的に実施をいたしまして、多彩な人材の確保に取り組むよう警察庁を指導してまいりたいと考えております。
○柴田巧君 その警察力を上げていくための人的基盤、しっかり確立するように頑張っていただきたいと思います。 次に、サイバー犯罪対策の具体的なことをお聞きをしますが、近年、業務に必要なデータを暗号化して人質に取って、復旧のための身の代金を要求するランサムウエアと呼ばれる被害も深刻化して、更にこの手口が巧妙化、多様化しているとされています。 そういう中で、いわゆるユーロポールでは、本年二月に、欧州を含む世界各国の重要インフラ等に対してランサムウエア被害を与えたなどとして、攻撃グループであるロックビットの一員と見られる被疑者を外国捜査機関が検挙するとともに、関連犯罪のインフラのテークダウンを協力して行った旨の発表をしています。 この事案では日本の警察も協力をしているわけで、特にこのロックビットの被害の回復過程において、暗号化されたデータを復号するツールを開発して、これをユーロポールに提供して今回のことにつながっているということで、日本の警察の技術力を国際的に示す、なったと思っていますが、更にこれは高度化、巧妙化が進んできていますし、ロックビットはそれから数日後に復活宣言をしていると、これから更にやってやるというようなことを言っているわけでありまして、更にこの事態が巧妙化、高度化が進んでいくということが予想されます。 そこで、この被災者救済のために更なるこの技術開発が求められるのではないかと思いますが、どのように取り組んでいくのか、警察庁にお尋ねをします。
○政府参考人(大橋一夫君) お答えいたします。 サイバー特別捜査部においては、高度の技術を用いて分析や解析を行いまして国際共同捜査を着実に進めるとともに、また、同部を含め、日本警察においては新たな技術の開発を行っているところでもございます。 実際、本年二月、各国の重要インフラなどに被害を与えたランサムウエア攻撃グループ、ロックビットに関しまして、今委員御指摘のとおり、国際共同捜査だけでなく、開発した復号ツールの有効性が認められ、ユーロポールを介して各国捜査機関に提供するといった協力を行うなど、目に見える形での成果も上がっているところでございます。 委員御指摘のとおり、今後の技術の進展に伴い新たな手口のサイバー事案の発生が予想されることから、犯罪捜査はもとより、被害救済に資する技術開発を含め、引き続き必要な取組を進めてまいります。
○柴田巧君 じゃ、これはもう時間的に最後になると思いますが、今申し上げたように、どんどん新たな手口でやってきます。そして、この外国捜査機関との協力というのは一層求められてくると考えていますが、まさにこの四月一日に、警察庁はサイバー特別捜査隊を格上げしてサイバー特別捜査部を発足させました。 これを機に国際捜査の推進が一層期待されるというか、していかなきゃならぬと思いますが、どのように取り組まれるか、松村委員長にお聞きして、最後にしたいと思います。
○国務大臣(松村祥史君) まず、サイバー事案は国境を越えて犯行がなされることが多うございます。昨年十二月のG7の大臣会合におきましても、サイバー事案の対処における国際連携の必要性について共有をしたところでもございます。 令和四年四月に設置をいたしました関東管区警察局のサイバー特別捜査隊においては、これまで、外国捜査機関と連携をいたしまして国際共同捜査を推進するなどにより、ランサムウエア事案を始めとする重大サイバー事案への対処についてこれは一定の成果を収めてきたところでもございます。 依然として深刻な情勢を踏まえまして、この度、サイバー特別捜査隊を発展改組いたしまして、サイバー特別捜査部を設置したところでございます。 引き続き、国際共同捜査を推進するに当たり、高度な技術を用いて分析や解析を行い、外国捜査機関とその結果を共有するなど、信頼関係の構築を推進して、実績が上がるように警察を指導してまいりたいと、このように考えております。
○柴田巧君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 最高裁は、三月二十六日に、同性パートナーが犯罪被害者等給付金の支給対象となる遺族に含まれるという判断を示しました。同性カップルの権利保障に踏み出した重要な判断であります。 この判決は、二十年以上連れ添った同性パートナーを殺害された名古屋市の男性が、遺族給付金を不支給とした愛知県公安委員会の裁定の取消しを求めたものであります。犯給法は、この給付対象である犯罪被害者の配偶者について、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む、すなわち事実婚を含むとしております。最高裁判決は、この中に同性パートナーも含む、つまり支給の対象になるという判断を初めて示したわけです。 国家公安委員長来ていただいていますが、この判決をどのように受け止めて、警察庁はどのような対応を行っているでしょうか。
○国務大臣(松村祥史君) 井上委員御指摘のとおり、最高裁判所において、亡くなった犯罪被害者と事実上婚姻関係と同様の事情にあった者には、異性の者だけでなく、同性の者も含まれ得るとの判断が示された上、名古屋高等裁判所に差戻しがなされたところでございます。今後、愛知県において差戻し審に適切に対応するものと承知をいたしております。 その上で、警察庁におきましては、犯罪被害者等給付金の裁定事務を担う各都道府県警察に対しまして、最高裁判所の判決内容を周知するとともに、死亡した犯罪被害者と同性であったことのみを理由に不支給裁定とすることのないように文書を発出したところでございます。 引き続き、犯罪被害者給付制度に関しまして、事案に即して適正な運用が行われるよう警察を指導してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 同性パートナーであってもこの遺族給付金の支給対象になるという連絡がされたということであります。 私は、この判決に至る過程が重要だと思うんですね。二〇二〇年の一審判決と二二年の二審判決は、いずれも同性パートナーを遺族として認めませんでした。その理由として、同性カップルを民法上、婚姻の届出ができる関係である異性カップルと同様に見る社会通念、社会的意識が醸成されていないということを挙げたわけですね。一方、今回の最高裁判決ではこの理由には触れておりません。そして、同性パートナーも遺族と認めたわけです。ですから、同性カップルを異性カップルと同様に保障すべきだという社会通念や社会的意識の前向きな変化が今回の判決になったということだと思うんです。 実際、同性カップルの権利を認めてほしいと、差別や偏見のある下でも声を上げた当事者の訴えが急速に社会意識を変えてまいりました。市民団体の調査では、同性カップルを公的に承認するパートナーシップ制度は、二〇一五年の東京渋谷区を皮切りに、瞬く間に全国に広がっております。今年四月一日現在で、同様の条例を持つ自治体に住む人は、実に総人口の八五%までなっているわけですね。私、最高裁判決を受けて、行政にも、そして私たち立法府にも求められているのは、こうした社会通念や社会的意識の前向きな変化をしっかりと捉えて、この憲法に定められた国民の権利を実現をするために常に制度を見直すことだと思うんです。 警察庁には同様の制度があります。警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律、ここでも、災害や犯罪捜査等で警察に協力して亡くなった方の遺族給付金を受けることができる遺族に事実婚を含むと政令で示しております。犯罪や警察への協力の中で不慮の死を遂げた遺族への支援の必要性は、私は犯給金と同じだと思うんですね。 この制度でも、同性パートナーも対象になるように見直すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(松村祥史君) 今般の判決は、犯罪被害者給付制度の趣旨、目的を前提に示されたものであることでございますので、警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律につきましては、直ちに最高裁判決の解釈が当てはまるものではないと考えてはおります。 同法に基づく協力援助者災害給付制度の給付の範囲といった事項につきましては国家公務員災害補償法の規定を参酌して定めるとされていることから、関係省庁とも連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 この相手を失った打撃というのは、私、この犯罪被害の場合であっても警察に協力して亡くなったという場合でも、遺族にしたら全く一緒だと思うんですね。これを区別する理由は私はないと思います。しっかり見直しを求めたいと思うんですね。 その上で、加藤大臣にお聞きいたしますが、共生社会を担当する大臣というのは岸田政権で初めて設けられました。岸田総理は、今年二月に開かれた共生社会と人権に関するシンポジウムで、誰一人取り残されないとのSDGsの達成に向けた取組の一つでもある共生社会の実現は我々の果たすべき重要な使命ですと、こう述べて、性的マイノリティーの人々などへの不当な差別的取扱いは許されないと挨拶をされました。これはまさに共生社会を担当する加藤大臣に求められていることだと思うんですね。 今回の判決を、共生社会実現を果たす重要な使命を持つ大臣としてどのように受け止められているでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、三月二十六日、最高裁において、犯罪被害者等給付金の受給対象に同性カップルが含まれるとの判断が示されたことは承知をしてございます。 犯罪被害者等給付金につきましては警察庁の所管であり、また本件は係争中ですのでコメントは差し控えますが、いずれにしましても、内閣府としましては、引き続き、先ほど委員御指摘の使命がございますので、多様性が尊重され、マイノリティーの方もマジョリティーの方も、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、安心して暮らせる社会、自分らしい人生を送れるような社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいります。
○井上哲士君 犯給法と同様に事実婚と法律婚を同様の取扱いをしている法律がどれだけあるのか参議院法制局に聞きますと、事実上と婚姻関係を同時に用いているもの、事実上夫婦を用いているものの合計で、法律で九十件、政令で四十六件となっております。主なものを男女共同参画局がまとめたものが配付した表なんですね。 しかし、これらの制度でも、異性の事実婚は対象だけども、同性カップルは外されてきたわけです。当事者の声をLGBT法連合会の困難リストで紹介していますが、例えばここにもあります労働災害の遺族補償について、パートナーが業務上の理由で死亡して、使用者に対して遺族補償の給付を申し込もうとしたけども、遺族ではないことを理由に拒否されたと、こういう声が寄せられております。 このように、異性の事実婚は対象となるのに、同性の事実婚では対象とならないという制度が多くあります。私は、誰一人取り残さない共生社会の実現に向けて解決すべき問題だと思うんですね。 今回の判決を受けて、これまで諦めてきた人たちが、ほかの制度でも同性パートナーの適用を求める申請が広がることも予想されると思うんですね。その際にも一つ一つ、裁判を強いるのではなくて、むしろ行政の側で積極的に見直しをするということが必要だと思うんです。 共生社会を実現をする使命を持つ大臣として、是非イニシアチブを発揮をして、所管するそれぞれの省庁と協力をして、これらの制度を一つ一つ検討して、同性パートナーも対象となる制度を広げていただきたいと思うんですけども、加藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる、誰一人取り残さない社会の実現、これは大変重要なものであると認識をしてございます。 本件判決、これを受けました各制度における同性カップルの取扱いにつきましては、それぞれの制度を所管する各府省庁において、本件判決の趣旨等を踏まえ、また各制度の趣旨、目的等に照らして精査されるものと承知をしてございます。 いずれにしましても、先ほど申し上げた誰一人取り残さない社会の実現に向けまして、関係省庁としっかり連携を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
○井上哲士君 是非、この使命を持った大臣としてイニシアチブを発揮をしていただきたいと思うんですね。 日弁連も、二〇二一年の二月に、この事実婚にも、婚姻関係と同様に適用される法令等については、性的指向又は性別によって異なる取扱いをすることに強い正当化事由が見当たらない限り、当事者の法令上の性別に関わりなく適用があるべきだと、こういう意見書も出されております。こういうものも踏まえながら、各省庁としっかり協力をして、共生社会に向けたイニシアチブを発揮をしていただきたいと思います。 今、婚姻の平等を求める裁判も全国で起こされまして、三月の札幌高裁は、憲法は同性間の結婚について異性間と同じように保障しているということもしました。共生社会実現へ同性カップルの権利の保障や結婚平等の法整備を急がれているという中でありますから、繰り返しになりますが、加藤大臣のその点でのイニシアチブを強く求めたいと思います。 ここまでで国家公安委員長と参考人は終わりますので、これで結構です。
○委員長(阿達雅志君) では、松村国家公安委員会委員長は御退席いただいて結構です。あと、では、警察庁長官官房谷総括審議官も御退席いただいて結構です。
○井上哲士君 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律が今月一日に施行されました。この法律ができる前の売春防止法に基づく婦人保護事業とこの法律に基づく女性支援事業では、その目的や役割はどのように変わったんでしょうか。
○政府参考人(斎須朋之君) お答え申し上げます。 売春防止法におきましては、売春を行うおそれのある女子の保護更生を目的としておりましたが、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律におきましては、困難な問題を抱える女性の福祉の増進を図ることを目的といたしまして、女性の状況等に応じた最適な支援を行うことを基本理念として掲げております。これに基づきまして、国といたしましては、困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針を策定いたしまして、支援の基本的な考え方をお示ししているところでございます。 新法におきましては、民間団体との協働という視点も取り入れた新たな支援の枠組みを構築いたしまして、官民の関係機関が連携、協働して一人一人のニーズに応じた包括的な支援を提供できるよう取り組んでいくこととしております。
○井上哲士君 法律の目的、役割が発展をさせられたわけであります。 この女性支援事業で現場を直接支えるのが女性相談支援員です。売春防止法の下では婦人相談員と呼ばれてきました。政府の基本方針で示されているように、この女性相談支援員は、支援対象者との継続的な信頼関係を構築することとともに高い専門性が要求をされます。責任も極めて重くて、正規職員として処遇されるのが当然な仕事だと思うんですね。 ところが、実態はどうかと。厚生労働省の資料によりますと、昨年四月一日時点で、都道府県と市を合わせた全女性相談支援員千五百九十六人のうち常勤は一七・七%にすぎません。また、四四%が家庭相談員や母子自立支援員など他の職務との兼務となっております。安定して働き続けることができて初めて、様々な経験を積み重ねながら継続した支援の質も向上させていくことができるわけで、現状の処遇の低さがそれを困難にしているのではないかと思うんですね。 専門職に見合った賃金を始めとする労働条件の底上げ、さらに非常勤職員の常勤化を促進する支援が必要かと思いますが、現状認識及び支援の必要性について、厚労省、いかがでしょうか。
○政府参考人(斎須朋之君) お答え申し上げます。 女性相談支援員は、各都道府県の女性相談支援センター等におきまして、困難な問題を抱える女性にとっての最初の窓口として相談に応じ、女性の状況等に応じた必要な支援のコーディネートを行うなど、女性支援において重要な役割を担うものでございます。その任用や労働条件につきましては、女性相談支援員は地方公務員でありますので自治体において判断されることになりますが、その職務を行うために必要な能力でありますとか専門的な知識、経験を有する人材の登用、それから職務に見合った処遇に御配慮いただければというふうに考えております。 こうした考え方の下で、厚労省におきましては女性相談支援員活動強化事業に取り組んでいるところでございまして、経験年数ですとか職務に応じた各種の加算制度を設けております。また、令和六年度予算におきましては勤勉手当の新設などを行ったところでございます。
○井上哲士君 一定の改善が進められてきたわけでありますけれども、更に支援が求められると思うんですね。 お手元に資料として、東大の大学院の小川真理子特任准教授らの研究会による婦人相談員に関する調査報告書についての最近の報道を配付しております。全国婦人相談員を対象とした初めての実態調査で、昨年の三月に発表をされました。その中で、業務に見合った報酬を受けていると思うかという問いに五五・三%が思わないと回答しておりますし、業務を行う際に困難を感じることとして多かったのが、社会資源、施設等の不足、支援のための制度の不足、不備、被害者の重篤な相談への心理的負担等でありました。特に注目したのは、この業務の影響による心身の不調を訴える方が五〇・六%と半数もいるんですね。相談支援の中での心理的負担に対するケアも求められていると。 こういう現状についてどのように厚労省として認識をされて、こうしたことに対応するための方策はどのように考えているか、お願いします。
○政府参考人(斎須朋之君) 今先生御指摘ございました調査報告に加えまして、厚労省が行いました令和五年度の調査研究事業におきましても、女性相談支援員が、人の命や健康を扱うという職責の重さを感じたときでありますとか、相談者とのコミュニケーションで困難を感じたときなどにバーンアウトしてしまうような気持ちになるという回答を得ているところでございます。 こうした中で、厚労省といたしましては、困難な問題を抱える女性への支援のための施策に関する基本的な方針におきまして、女性相談支援員が孤立することのないよう、自治体において個々の業務を十分にサポートすることなどを求めております。また、女性相談支援員向けの研修の実施ですとか、女性支援のための特設サイト等を通じまして、支援に必要な知識や情報を提供するとともに、他の支援者とのつながりをつくる機会を設けているところでございます。 引き続き、こうした取組等を通じまして、女性相談支援員が期待される役割を果たすことができる職場環境の整備を推進してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 大きな役割が期待されていますので、しっかり支援をしていただきたいと思うんですが。 一定の支援の拡充もされてきたわけですが、一方で、これまで婦人相談員、女性相談支援員を配置していない市は約半数になります。配置している市でも、五割近くが兼務で、八割は非常勤なんですね。厚労省が行っているこの配置した自治体への財政支援の拡大は重要ですが、同時にやっぱり、専従常勤の支援員を配置する必要性、これを地方自治体にしっかり徹底をして、この配置する市町村を広げるということが重要だと思うんです。非常に全国的にばらつきがある。 昨年の四月の六日に、この当委員会のDV防止法改正案の質疑の中で、婦人相談員の無期雇用の常勤職であるとか原則異動のない専門職としての処遇改善、体制強化を求めました。当時の小倉男女共同参画担当大臣は、被害者の保護を図る上で大変重要な役割を果たしていると述べられて、所管は厚労省だが内閣府としても連携して適切な処遇の改善に努めると、こう答弁をされました。 この間、男女共同参画担当大臣として、この女性相談支援員の処遇改善にどのように努めてこられたのか、そして今後、一層の処遇改善とともに、特に配置するその自治体を広げる、このことに役割を果たすべきだと思うんですが、その点での対応はいかがでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 小倉前大臣の答弁を御紹介いただきましたが、私としましても、女性相談支援員の皆様方には、各地域において被害者の相談窓口となり、また関係機関との連携も図りながら継続的な支援を行うといった大変重要な役割を果たしていただいているものと認識をしてございます。 女性相談支援員の皆さんの適正な配置等を含む体制強化、これにつきましては、昨年の通常国会におけるDV防止法の一部改正法案の審議の際に、この委員会の附帯決議としても御指摘をいただいているものと承知をしてございます。 内閣府としましては、その御趣旨も踏まえながら、昨年九月、厚生労働省等とともに取りまとめた新たな基本方針において、相談員の待遇や女性相談支援員の配置について、女性相談支援員が設置されていない市町村においては、その設置について不断に検討するよう努めることが必要などの記載を盛り込み、都道府県や市町村の基本計画の指針としてお示しをしたところでございます。 所管する厚生労働省におきましても、女性相談支援員に係る取組等を進めておられるものと承知をしておりまして、引き続き厚生労働省とよく連携をして取り組んでまいります。
○井上哲士君 一層の処遇改善と専従常勤の支援員の配置を広げるための支援を重ねて強く求めまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。 早速、法務省、民法における除斥期間と消滅時効期間の違いについて教えていただければ。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 除斥期間と消滅時効期間は、いずれも一定の時間の経過に権利消滅の効果を認める制度でございます。しかし、消滅時効については更新や完成猶予の規定が設けられており、一定の事由があれば期間の経過によっても権利の消滅という効果が生じないのに対し、除斥期間については基本的にこれらの規律の適用はございません。 また、消滅時効は、当事者が援用しなければ裁判所がこれによって裁判をすることができないのに対し、除斥期間については、当事者による援用がなくても裁判所はこれによって裁判をしなければならず、債権者において除斥期間の適用が信義則違反や権利濫用に当たると主張することもできないと解されているところでございます。
○大島九州男君 平成二十九年の民法改正により、民法第七百二十四条の定める長期の権利消滅期間を消滅時効期間に改めたということがございます。まあ簡単に言うと、除斥期間というのがなくなって消滅時効期間というふうに統一したというふうに理解しているんですけど、その理由を教えてください。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 平成二十九年改正前の民法第七百二十四条の長期の権利消滅期間について、判例は除斥期間を定めたものであるとしておりましたが、そうすると、更新や完成猶予によって権利の消滅を阻止することができず、その適用が信義則違反等に当たると主張することもできないため、長期間にわたって加害者に対する損害賠償請求をしなかったことに真にやむを得ない事情があると認められる事案においても、被害者の救済を図ることができないおそれがございました。 この点に関し、民法七百二十四条の定める長期の権利消滅期間を消滅時効とすることにより更新や完成猶予の規定が適用されることになるため、被害者において、加害者に対する権利の時効による消滅を防ぐための措置をとることが可能になります。また、裁判所は、個別の事案における具体的な事情に応じて加害者側からの時効の主張が信義則違反や権利濫用になると判断することが可能になり、不法行為の被害者の救済の可能性が広がることになります。 そこで、平成二十九年の民法改正では、被害者の救済を図る観点から、不法行為による損害賠償請求権は、不法行為のときから二十年間行使しないときは時効によって消滅する旨規定し、民法七百二十四条の定める長期の権利消滅期間が消滅時効期間であることを明記したものでございます。
○大島九州男君 非常に分かりやすく理解をしました。まあ簡単に言うと、やはり被害者を救済する立場に立った私は改正だったと、このように理解をしますね。 国定政務官も法務省もこれからよく聞いていただきたいんですけど、水俣の判決で、大阪判決では、被告は、昭和三十五年一月以降、水質二法に基づく規制、制限を行使しなかったことにつき国賠法一条一項の責任を負い、被告県は、同じく昭和三十五年一月以降、県漁業調整規則に基づく規制、制限を行使しなかったことにつき国賠法一条一項の責任を負うということで、国と県の責任をこれ認めたんですよ。 そして、その中ではっきり言っているのが、何を言っているかというと、改正前民法七百二十四条所定の期間制限は除斥期間を定めたものであると解されると。慢性水俣病の場合、損害の性質上、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生するから、当該損害の全部又は一部が発生したときが除斥期間の起算点になると。そして、慢性水俣病においては、神経学的検査等によって確認可能な程度に症候が出現する時期と自覚症状の出現時期とが一致するとは限らないこと、遅発性水俣病について、暴露終了から特定の期間内に症状が客観的に現れることを認めることもできないこと、水俣病の自覚症状自体は一般健常者にも見られることがあるものであって、特異的なものではないこと等に照らすと、慢性水俣病において損害の全部又は一部が発生したと認めることができるのは、神経学的検査等に基づいて水俣病と診断されたとき、すなわち、本件患者らについては共通診断書検診が行われたときであると言え、それに先立って一定の自覚症状が出現していたとしても、直ちにそのときに損害の全部又は一部が発生したと認めることはできない。そうすると、本件患者らの中に除斥期間を経過した者はいないという、こういう判決なんですね。 それで、これ、大阪はそういう判決で、今度、熊本は原告の訴えを退けたんですよ。その中の一つの、この改正前民法七百二十四条後段の適用、ここは、不法行為によって発生した損害賠償請求権の除斥期間を定めたものと解するのが確立した判例法理であり、この判例法理を変更すべき理由があるとは言えないし、改正後民法は、従前の民法の解釈や確立した判例法理を変更するものではない。加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部又は一部が発生したときが除斥期間の起算点となると解するのが相当であり、本件では、原告らが水俣病に罹患することにより損害が発生すると解されるから、除斥期間の起算点は原告らが水俣病を発症した時点と解するのが相当である。除斥期間の起算点を、原告らが水俣病と行政認定されるか、共通診断書と同程度の水俣病の診断として客観的に十分と言えるだけの診断を受けた時点と解することはできない。前述、認定、説示したとおり、水俣病は、各原告らの暴露終了からおおむね十年以内に水俣病の症状が現れるであろうと考えられ、本件各原告らのうち水俣病と認定された者については、いずれの原告も発症時期から二十年の除斥期間が経過していると。こういう判決なんですね。 で、私は何が言いたいかというと、この民法が改正された、先ほど法務省から説明いただいた、被害者を救済するというそういう視点の中で、国が責任を認めざるを得ないようなこの水俣病の原告らに対してですよ、こういうような判決が出ると、だから平成のこの二十九年に民法改正されたと。だから、ここから後は多分こういう判決は出てこないんだろうけれども、今この平成二十九年の改正前のこの除斥期間というのが適用されているというのは非常に不合理だというふうに私は思うんですね。 ここでちょっと質問したいのは、法務省には、このようなことが起こるから平成二十九年に私は改正したんだろうなということがあるんです。そうじゃなかったら改正する必要ないんだから。ちゃんとこういうふうな改正が行われているにもかかわらず、この長い裁判している水俣病にはこういうことが適用されているというのは非常に残念なんですね。 だから、裁判のどうのこうのという結果のことを聞いているわけじゃないんですが、このような一つの事例、こういうことがないように、被害者を救済するためにこの二十九年の改正が行われたと私は解するんですけれども、法務省はどういう見解ですか。
○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。 平成二十九年の民法改正の趣旨について一般論として申し上げますと、先ほど申し上げたとおり、改正前の規定、民法第七百二十四条では更新や完成猶予によって権利の消滅を阻止することができない、また、その適用が信義則違反等に当たると主張することもできないと、そのような事情があり、それを前提として被害者の救済の可能性を広げると、そういうふうな見地から改正を行ったものというふうに承知をしております。
○大島九州男君 答弁はそういう答弁で、まあまあ、私の理解はこういうことがないように改正したんだというふうに受け止めました。 国定さんは、それこそ新潟にいらっしゃった。新潟水俣病、私は、熊本よりも新潟の方が国の責任が重いという、これ私の持論、私の持論。で、政務官は新潟にいらっしゃって、新潟水俣病の患者さんのことも御存じだと思うんですけれども、こういう判決が出て、で、これを控訴して、また国が自分で、ああ、納得できるようなものが出なかったら最高裁まで行ってしまうというようなことは非常に不幸だと、国は国民の生命と財産を守らなくちゃいけない、もう間違いなくですよ、この公害によって被害を受けていることは間違いないんですから、こういう人たちを早く救わなきゃいけないと、そういうふうに思いますよね。どう思います。
○大臣政務官(国定勇人君) お答え申し上げます。 まず、今もなお訴訟を行う方がいらっしゃるという事実は重く受け止めているところでございまして、これは伊藤大臣からもしっかりと記者会見の中でも発言をさせていただいているところでございます。 他方で、これもまた昨日の他委員会でも答弁をさせていただきましたけれども、今般、累次の訴訟、地裁におけます判決の結果でございますけれども、国際的な科学的知見であったり、あるいは最高裁で既に確定した近時の判決の内容等と大きく相違がございますことから、これは上訴審の判断を仰ぐ必要があるというふうに考えているところでございます。
○大島九州男君 いや、だから、それは昨日聞いているからね。だから、私は、政治家として新潟というところにも御縁があって、そして環境省の政務官になられて、だから、私は判決のことを聞いているんじゃないんですよ。政治家として、こういう被害者を何としても救おう、救わなくちゃならないなというふうに思いませんかと単純に聞いている。
○大臣政務官(国定勇人君) もう既に、現に係争中の案件でございますので、これらの事象について個別に裁判外でコメントすることは、これは差し控えなければいけないというふうに考えておりますけれども、ただ他方で、これも、済みません、昨日も答弁をさせていただきましたけれども、この水俣病被害者特措法につきましては、当時の自民、公明、民主の超党派によります議員立法として平成二十一年に成立をし、公害健康被害補償法の判断条件を満たさないが、救済をそれでも必要とされている方々を、当時の政治判断として水俣病被害者として受け止め、救済を図ることにより水俣病問題の最終解決、これが目指されたところでございまして、これに沿って今時に至っているというのが私どもの認識でございます。
○大島九州男君 いやいや、ということは、じゃ、最終解決をしたというふうな認識ですか。
○大臣政務官(国定勇人君) 基本的には、水俣病被害者特措法における世界の中でこの最終解決が目指されたというふうに認識はしているものの、引き続き、現行の公害健康被害補償法、これの丁寧な運用、これはもちろんしていかなければいけないというふうに考えております。
○大島九州男君 いや、だから、それは当然なんですよ、国がそういう責任があって、そういう被害者を生んでいるんですから。 だから、環境省というのは、この四大公害病、こういうことがあっちゃいけぬということでできた省だと私は認識しているわけですね。その環境省の政務官で、新潟にも縁があり、そして政治家なんだから、だから、環境省は行政だから行政の立場で物を言うのは分かるんです。だから、その答弁はもう十分何度も聞いていますから理解はしています。だから、あえて私が国定政務官に聞きたかったのは、新潟だし、市長も経験されていますから、だからそういう政治家として、やっぱり被害者救済というのはこれ絶対必要だよねという思いがありますかと聞いているだけで、じゃ、それについて端的に答えてもらいたいんですけど。
○大臣政務官(国定勇人君) 先ほども答弁申し上げましたとおり、これは、今もなお訴訟を行う方がいらっしゃるという事実はこれは重く受け止めていかなければいけないというふうに思っております。 ただ、他方で、こうして訴訟が現に行われて今争いが続いている状況でございますので、これについて政府の立場として申し上げなければいけないことは申し上げていく、これの趣旨でこれまで再三答弁をさせていただいているところでございます。
○大島九州男君 いや、それは、裁判は当然裁判で結果が出るわけだから、だから、そこで私が言いたいのは、司法によるその判断、今までもこの政治解決というのは、政治解決というのは政治家が、やっぱりこれは今までの長い歴史を見て、ここでもう終わらせようと、何としてもみんなを救おうということで特措法を作ったり、過去二回やってきた。でも、結局それが救い切れていないんですよ。だから、こうやってまた裁判が起こっているということを考えたら、あと二年で公式確認から七十年になるその節目に、ちゃんともうこういうことは終わらせたいなというふうにみんなが思って、じゃ、どうやってこれを解決しようかというふうに進んであげないと、被害者かわいそうじゃないですか。 だから、国の責任を認められているわけだから、ここはやっぱりもっと踏み込んで解決に向けた努力をしてもらいたいというふうに願っているんです。それに対してはどうですか。
○大臣政務官(国定勇人君) 委員の思いは、これは十分受け止めていかなければいけないというふうに思います。 ただ、他方で、この水俣病におけますこれまでの歩み、これを見ますと、そもそも公害健康被害補償法に基づきますこの水俣病の認定、ここは三千人の認定から始まっております。その後、十分、委員は御案内のとおり、二度にわたります政治救済によりまして、合わせて五万人以上が既に救済対象となっているということでありますし、先ほど来答弁申し上げましているとおり、とりわけ平成二十一年に成立をいたしました超党派の議員立法では、これは水俣病問題の最終解決を目指すと、こういう思いの中で水俣病被害者特措法が成立をし、現にそれによって、二度にわたる政治救済合わせての数字になりますけれども、今ほど申し上げたとおり、五万人以上が救済対象になっているという厳然たる事実があるということだけは是非とも御理解をいただきたいと存じます。
○大島九州男君 いや、そこは、昨日も言いましたけど、私もそれに関わってきたから十分理解していると。ただ、全ての人を救うという法律になっていないから私は反対したんだと。だから、チッソ救済法案になっているじゃないかという部分で、結果として、まだ救われていない人が今回の裁判でも認められているわけ。熊本でも二十五人の人が罹患していると認められている。 だから、まだ救い切れていないという現実があるということはしっかり国は受け止めて、そして、これからも被害者救済のためにしっかりと行政としてできること、国としてできることをやっていただきたいということをお願いして、終わります。
○委員長(阿達雅志君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時二十分散会