内閣委員会 第2号
- 発言数
- 305 件
- 登壇者
- 50 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/03/12
会議録
○委員長(阿達雅志君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、友納理緒君及び古庄玄知君が委員を辞任され、その補欠として加藤明良君及び高橋はるみ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) この際、古賀内閣府副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。古賀内閣府副大臣。
○副大臣(古賀篤君) おはようございます。内閣府副大臣の古賀篤でございます。 経済安全保障、科学技術政策、海洋政策等を担当いたしております。 松村大臣、高市大臣をお支えし、力を尽くしてまいる所存でございます。 阿達委員長、理事、委員各位の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(阿達雅志君) 古賀内閣府副大臣は御退席いただいて結構です。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣の重要政策及び警察等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官彦谷直克君外四十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(阿達雅志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) 内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、去る七日に聴取いたしました国務大臣の所信等に対し、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○磯崎仁彦君 おはようございます。自由民主党の磯崎仁彦でございます。 先日の大臣所信に対して質問をさせていただきたいと思います。 まず、昨日、三月十一日、東日本大震災から十三年目の日でございました。まだ復興は道半ばということだと思いますし、まだまだ避難を余儀なくされている方が数多くいらっしゃいます。また、一月一日には能登半島地震が発生をいたしました。両震災によりましてお亡くなりになられました皆様方の御冥福をお祈りするとともに、与野党挙げて復興復旧に向けてしっかり頑張ってまいりたいというふうに思っております。 私は、最近、地元で有権者の皆様方の前でお話をするときに、不易流行という言葉を紹介をさせていただいております。この言葉は、いつまでも変化しない、本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものを取り込んでいく、こういう言葉でございます。不易というものは、変わらない、変えてはいけないこと、流行というのが、変わること、変えていく、こういうことだというふうに思っております。私は、この不易流行という言葉はいろんな分野で通用する言葉ではないかなというふうに思っております。 政治でいえば、戦後八十年近く経過をするわけでございますけども、世の中は大きく変化をしてきております。人々の考え方も変わり、また多様な考え方を持つ方も非常に多くなってきているというふうに思っております。そういった中でも、時代が変わる中でも、やはり変わらないもの、変えてはいけないもの、これはまさしく存在するんだろうというふうに思っております。 ただ他方で、やはり世の中が変わるのに応じて変えていかなければいけないもの、これがあるのも恐らく事実だろうというふうに思っております。非常に重要なのは何を守って何を変えていくのか、この線引きを間違えたときには国民の皆様の信頼を失っていくのではないかなというふうに思っております。 もう一つ、私は、東京都と地元香川県、飛行機で往復をしておりますけども、この正月に飛行機の中の機内誌で、あっ、いいなという言葉を見付けました。その言葉が、変わらないために変わるという言葉でございます。この言葉は、ある航空会社の社長が伊勢神宮の神職の方から聞いた言葉ということでございます。 もう皆さん御存じのとおり、伊勢神宮、二十年に一度、式年遷宮を行うわけでございます。そして、いにしえ、この行事によって、そのいにしえの建築の技術、あるいはその調度品、これを現在に伝えていくことができるということでございます。今でも、いつでも新しく、またいつでも変わらない姿、これを私たちは望むことができるということでございます。 なるほどなというふうに得心をいたしまして、先ほど申し上げました不易流行、そして変わらないために変わる、この言葉を大切にしていきたいなというふうに思っております。 後ほど全世代社会保障制度について質問をさせていただきますけども、我が国の社会保障制度の根幹を成すものが国民皆保険であり国民皆年金であるというふうに思っております。この両国民皆保険、国民皆年金は、いずれも昭和三十六年、一九六一年に始まって、既に還暦を迎えているわけでございます。いろいろ見直しがなされながら今日に至っているわけでございますけれども、これらの見直しは、まさに国民皆保険、国民皆年金という社会保障制度の骨格が変わらないために変えていく、変わる、こういうことではないかなというふうに思っております。 さて、今年は令和六年でございます。先ほど申し上げましたように、国民皆保険、国民皆年金は昭和に始まったというふうに申し上げましたが、今年は昭和でいえば九十九年ということでございます。 資料を御用意させていただきましたが、資料一でございますが、日経新聞の年始の特集テーマ、これは、「昭和九十九年 ニッポン反転」という、こういう題でございました。たしか十一回か十二回にわたりまして特集記事が組まれたということでございます。この一月一日の第一面にはこういう記載がございます。二〇二四年、日本は停滞から抜け出す好機にある。物価と賃金が上がれば、凝り固まった社会は動き出す。日本を世界第二位の経済大国に成長させた昭和のシステムは、九十九年目となると時代に合わなくなった。日本を古き良きから解き放ち、つくり変える。経済の若返りに向け反転する。こういう記述でございます。さらに、この文章の中には、世界に出よう、若者に投資をしよう、昭和の慣習が邪魔だ、いきなり世界へといった表現が使われております。 私は、昭和三十二年生まれでございますので、昭和、平成、令和と生きてまいりましたけれども、昭和の時代が一番長くなって、長いわけでございます。たまに娘から昭和だねというふうに言われることがございます。もちろん、昭和のシステムの中でも今でも通用するシステムがあるのは事実だというふうに思いますが、制度疲労を起こした昭和のシステム、これはつくり変えていかなければならないというふうに思っております。 昭和の日本のその後は、世界の成長スピードに負けた、恐らくこの一言に尽きるんだろうというふうに思っております。まさに、今こそ反転の最後のチャンスかもしれないというふうに思っております。 今、政権の中では、賃上げ、非常に重要な課題ということでございまして、既に大企業では賃上げの発表がなされているわけでございますし、恐らく去年に比べて今年は少し早めの発表がなされているかなというふうに思っております。また、明日は経営側の集中回答日ということでございますので、我々も非常に注目を持ってこれを眺めていかなければいけないなというふうに思っております。 まさに、経済再生、新しい資本主義、スタートアップの担当であるのが新藤大臣でございます。我が国の反転、大臣の双肩に掛かっていると言っても過言ではないというふうに思っております。どうこの日本を反転をさせていくのか、抱負、そして決意をお聞かせいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(新藤義孝君) 磯崎議員、私、ほぼ同年代でございますし、私も娘から昭和だねと言われることはよくございますので、気持ちは共有できると思います。でも一方で、昭和の人たちは高度成長を知っていますから、社会が伸びていく、国が元気になっていくことも我々は知っているわけでありますから、それをもう一回、また別の形で実現させなければいけないと、こういう思いもございます。 今、何よりも日本経済は三十年ぶりのチャンスを迎えていると。長い間続いてしまったこのデフレ型の経済によって、賃金も上がらない、物価も上がらない、したがってGDPも上がらない、業績も余り上がらない。こういう中で、いかに限られた資源の中で自分たちを維持するかとなれば、結局どこかをコストをカットするとか安全な政策を打つ、こういう中でまずは会社を含めて自分たちの暮らしを持続させようと、こういう思考が私たちはもう染み付いているというか、それが当たり前になってしまいました。それをいかに脱却するかということがポイントだと思っています。 折しも、賃金が三十年ぶりの高水準で上がり、設備投資も今回、経済統計出しましたけれども、ついに三十二年ぶりに百兆円を、年率で換算してですね、年額で百兆円を超える設備投資が始まっています。株価もこの最高水準を更に超えたわけであります。 そこで私たちが考えなきゃいけないのは、株価、三十年前超えたんですけど、それ三十年前に戻ったということですよね。三十年間で見ると、日本の株価は、ですから一・〇倍なんです。同じタイミングで、アメリカは十四倍です、それからドイツは九・九倍。名目GDPは、私たちは一・二倍です。アメリカは三・八倍、ドイツであっても二・三倍です。 ですから、こういう、私たちは、今回GDPが、ドイツが我々の、我が国を上回ったわけですけれども、この中で私がポイントとして考えなきゃいけないと思っているのは、ドイツは人口が我が国の三分の二なんです。そして、就業者数は六割です、労働時間も日本の八割です。その状態でその生産性を高めて我が国を超える経済を実現している。私たちの国が、この様々な資源や技術、そして人、みんなが同じ方向を向いて頑張って、自分たちの本領を発揮すれば、これはもっと大きな力が出せる。そのためにはどうしたらいいのか。 ですから、総理を先頭にして、私たちはこの日本経済を活力あふれる次のステージに上げていこう。それは少子高齢化、人口減少下であっても成長していく。どこに住んでいても、どんな境遇であっても、それぞれが望んだ仕事に就き、また望んだ教育を受けられて、そして十分な医療とともに家庭を持って暮らしていける。デジタルを使って新しい社会的課題を解決するスタートアップ、そういう人たちに刺激をつくっていただきながら実体経済をもっと強くしていく。それができるのではないかと。 だから、まずその一丁目一番地がこの構造的賃上げなんでございますが、構造的賃上げを実現させるということは、これは安定的な物価上昇があって、そしてそれを上回る賃金上昇率が確保できると。賃金が上昇できるということは業績が上がるということです。 業績を上げるためには、日本の生産性は、余りにもこの国の生産性はまだまだ低くて、もっと上げられる余地がある。ならば、そこに省人化投資、素早くその省人化投資をするための簡易な手続でこの補助金を、カタログ式という補助金、これつくりました。本格的にやるならオーダーメードの省力化投資のためのこういった制度も、別途こっちは二千億円です、カタログ式は一千億です。これが今回の経済対策、予算の中に含まれています。 そうしたものをやりながら、新しい投資をしたならばそれを使いこなす人が必要なので、その能力を開拓する、また身に付けてもらうためのリスキリング、それから、年齢を問わず、能力があってその必要な仕事をしていただける方にはその職務に合った給料というジョブ型の給料をと、これが労働市場の、三位一体の労働市場改革。 そして、このフロンティアとしての新しい宇宙や海洋や、それからロボット、AI、様々な分野でそれを社会実装させようじゃないかと、そのための大規模な投資や国内産業立地のための補助金、こういったものも加わっています。 そして、それを実現するためには規制改革が必要なので、今回の経済対策には、安倍内閣が、二千、あれは一二年だか一三年だか、あの第二次安倍内閣ができて以降つくってきた経済対策の中で最も多い三十六項目の規制改革項目を入れているんです。これ、税制も、新しい税制も六入れました。 ですから、私たちは、ここで何とか突破して次の土台をつくるためのそういう努力をして、大事なことは、やっていただけるのは国民の皆様ですから、皆様方にこうした可能性があるという方向性を示して、その中でそれぞれの役割を果たしていただく。共有して、一緒にその力を結集できるかどうか。そうした中で、私たちは次の時代をつくる経済、今こそここでつくるべきだと、このように考えているわけであります。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。大臣の中には多分いろんな構想が詰まった、まさに今、一端を御紹介いただいたと思いますけれども、まさにこれからが正念場でございますので、是非リーダーシップを発揮していただきたいなというふうに思っております。 大臣はさきの所信におきまして、昨年十二月に取りまとめたいわゆる社会保障の改革工程に基づき、能力に応じて全世代が支え合う全世代型社会保障を構築し、制度の持続可能性を高めてまいりますというふうに述べられました。まさにこのいわゆる改革工程、令和四年十二月十六日の全世代型社会保障構築会議報告書で示されたこの社会保障の構築、これを目指す改革の道筋を示したものでございます。 社会保障におきましては、幾つかのポイントとなる年があるというふうに思っております。一つが、直近では団塊の世代が全員後期高齢者になる二〇二五年、そして六十五歳以上の高齢者の人口がピークに達するのが二〇四〇年ということでございますので、こういった年をターゲットにしながら改革を進めていかなければいけないんだろうというふうに思っております。 社会保障制度は、高齢者が少なくて人口が増加をしていた高度成長期に構築をされ、それが拡充されてきたわけでございますけれども、今まさに少子高齢化の時代になると、これに対応するために数々の見直しが行われてきたということになります。二〇二五年、二〇四〇年に向けて更なる見直しが急務であるということでございます。 この改革工程におきましては、改革を進めるに当たり地域軸と時間軸、この二つの軸でというふうに記載をされておりますが、その時間軸としましては、一つに、来年度、二〇二四年度に実施する取組、二つ目に、子ども・子育て支援加速化プラン、この実施が完了する二〇二八年度までに実施について検討する取組、そして三つ目に、二〇四〇年頃を見据えた中長期的な課題に対して必要となる取組、この三つの段階に分けて実施をしていくというふうに記載をしていること、これはやはり、先も見ながらしっかり検討していくということで、評価できるというふうに思っております。まさに実行に移していかなければいけないというわけでございます。 そして、今年は年金の財政検証の年に当たりますので、これからは年金を中心に質問をさせていただきたいというふうに思っております。 私は、地元を歩いておりますときに、年金で生活をしている方からは、年金だけではとても生活できないんですよ、磯崎さんというふうによく言われます。 一月十九日に、来年度、二〇二四年度の公的年金の支給額、これが発表されました。二三年度に比べまして二・七%引き上げられ、国民年金は、四十年間保険料を納めた満額支給の場合には、六十八歳以下の方については千七百五十円増の月六万八千円、六十九歳以上の方が千七百五十八円増の月六万七千八百八円というふうになります。 まずは、基本的なもう初歩のところでございますけれども、そもそもこの年金の水準、これはどのレベルを目指した水準なのか、これをお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(泉潤一君) お答えをいたします。 公的年金制度は、国の社会保障制度の一つとして社会全体で高齢期の生活を支える制度であり、老後の所得保障の柱としての役割を果たしておりますが、それだけで老後の生活の全てを賄うものではなく、現役世代に構築した生活基盤や貯蓄等と組み合わせて老後の生活を送るという考え方に立って給付の設計が行われております。
○磯崎仁彦君 おっしゃるように、全てを賄うものではないということかと思います。 ただ、やはり年金生活者をされている方の中には、年金で全て賄ってもらえるんだろうという、こういう考え方を持っている方がいらっしゃるのも事実なんだろうというふうに思っております。それだけに、恐らく将来に備えて貯蓄、この年金だけでは駄目だというふうに思われる方がいれば、皆さんそう思われていると思いますけれども、やはり若い頃から将来に備えた貯蓄等々をしなければいけませんよという、そういうやはり啓発なりそういったことも必要なんではないだろうかというふうに思っております。 元々、この国民年金の受給者、国民年金だけということになると、かつては、今は恐らく短時間で働いている方も国民年金に入られていると思いますけれども、かつては自営業者の皆さんが中心でしたので、定年もなく、年金以外に収入があるということを前提にした、していたということもあるんだろうというふうに思っております。 ここで思い出しますのが、二〇一九年、令和元年六月に公表されました金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書、高齢社会における資金形成、管理、この中で、いわゆる二千万円問題というのが発生をいたしました。この該当部分、次のような内容でございました。 高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約五万円となっている、この毎月の赤字額は自身が保有する金融資産より補填することになる、収入と支出の差である不足額約五万円が毎月発生する場合には、二十年で約千三百万、三十年で二千万円の取崩しが必要になる、こういうものでございました。やはり、年金だけということになると、その実収入と実際に支出するものの間には乖離があるので、やはりこれまで積み立てたものを取り崩しながら生活をしていくんだ、その金額がこの試算で二十年で千三百万、三十年で二千万という話だったんだろうというふうに思います。 この報告書についてはいろいろ物議を醸したわけでございますけれども、私はやはり、先ほど御答弁いただきましたように、年金だけで全てを賄う、そういう制度設計にはなっていないということからすれば、やはり、老後、通常に換算をすれば二千万ぐらい不足をするんだと、こういうことをやはり国民の皆様にしっかり示して、若い頃から貯蓄をしなければという、こういうことを、機運というか、そういったものをやるという意味では、この二千万円問題というのが発生をしたということは、発生したというか、この数字が出ていくということは、ある意味私は必要なことだったのではないかなというふうに思っております。 そこで、質問ですけれども、もうこの報告書の中では、貯蓄したものから取り崩して生活をしていくという、こういう記述があったわけでございますけれども、夫婦のみの無職世帯の老後、これはやはりこれから多くの方がそういったことに遭遇するわけでございますけれども、国としてはどうこの不安を解消していくべきなのか、お考えをお伺いをしたいというふうに思います。
○政府参考人(泉潤一君) 老後の生活設計を考えていただくためには、若年期から年金に関する知識を普及啓発することが重要と考えております。厚生労働省におきましては、年金に関する広報動画や公的年金シミュレーターなどを活用し、分かりやすく正確な周知、広報に積極的に取り組んでいるところでございます。 また、御指摘のような無職世帯など低所得の高齢者の方々に対しては、公的年金のみならず社会保障制度全体で総合的に支援していくことが重要でございます。具体的には、年金生活者支援給付金の支給、介護保険における低所得者の方を対象とした補足給付の支給、医療保険、介護保険における低所得の方への保険料軽減措置や所得に応じた自己負担、利用者負担の上限額の設定などにより、経済的に支援を行ってきております。引き続き必要な支援を行ってまいりたいと存じます。
○磯崎仁彦君 いろんな支援というのは恐らくセーフティーネットということだろうというふうに思っております。やはり、若いときからまず自分自身でやれることはしっかりやっていく、自助、共助、公助、こういう言葉もありますけれども、やはり自分で将来に備えていくということも必要だと思いますので、是非、年金の教育のときにはそういった面についても是非啓発をしていっていただきたいなというふうに思っております。 今、国民年金、基礎年金のところだけのお話をしましたが、二〇二四年度の厚生年金、これは厚生年金を受ける夫婦二人のモデル世帯で六千一円増の月二十三万四百八十三円になるというふうに発表されました。 ここで、所得代替率という、こういう指標がございます。公的年金を標準的に受給し始める六十五歳時点のモデル年金額、これは額面でございますが、それがその時点の男性現役世代の平均手取り収入、これは賞与込みでございますが、これと比較してどれぐらいの割合かを示す、これが所得代替率というものでございます。 ここでのモデル年金というのは、夫が、平均賃金、まあ夫が働く場合ですが、平均賃金で四十年間働いたサラリーマン、妻が四十年間専業主婦である場合の世帯年金、これを指すということでございます。ちなみに、二〇一九年の財政検証では、この所得代替率は六一・七%ということでございました。二〇〇四年、平成十六年の制度改正でこの所得代替率は五〇%を下回らないということで規定をされているわけでございますが、ここでそのモデル世帯という概念が出てきております。 今申し上げましたように、所得代替率においては、このモデル世帯というものが、夫が平均賃金で四十年間働いたサラリーマン、妻が四十年間専業主婦である場合の世帯、これがまさにモデル年金ということで、モデル世帯ということで示されているわけでございます。この示し方というのは昭和六十年から示され、現在までこのモデル世帯というのは変わっていないわけでございます。 資料二を見ていただきたいと思います。 この資料二の下側の図でございますけれども、ここは、家庭を持っている人の場合、昭和六十年当時で専業主婦が九百三十六万世帯、共働きは七百十八万世帯でございました。これが令和三年になると、専業主婦世帯が四百五十八万、共働き世帯は千百七十七万世帯、まさにその専業主婦世帯は半減をして逆転をしているということでございます。もはやこの専業主婦世帯というものが多数ではないということでございます。ただ、いまだにモデル世帯としてその年金額というものが公表されているということでございます。 もう一つ、資料二の上の図を見ていただきたいと思います。これは国勢調査の結果でございますけれども、昭和五十五年、一九八〇年と令和二年、二〇二〇年を比較をしておりますが、これを見ても、家族構成の変化というのは歴然としております。今はもう単独、単身世帯が三分の一を超えた三八%までに増大をしているということでございます。 この変化を踏まえれば、やはりこのモデル世帯というものは、専業主婦世帯だけではなくて、例えば共働きの世帯であるとか単身世帯であるとか、こういったものをしっかりモデルに加えて、年金の実態というのは一体どうなっているのか、これをしっかり踏まえた上で制度の検証をすべきではないかというふうに思っておりますけれども、いかがお考えでございましょうか。
○政府参考人(泉潤一君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、従来から、年金の給付水準を表す指標としましては、いわゆるモデル年金という考え方を採用しております。これは、夫の厚生年金と夫と妻二人分の基礎年金との合計額という世帯単位の年金額で算出しています。 年金給付に関しましては、法律上、このモデル年金を用いて算出した所得代替率が将来にわたって五〇%を上回るべきとされております。給付水準の変化を継続的に測る上でモデル年金は一定の役割を果たすものと、果たしているものと考えております。 一方で、共働き世帯や単身世帯の増加を背景に、多様なライフコースを想定した示し方を求める御意見もございます。こうした様々な世帯における年金給付水準の示し方は、今後の検討課題の一つと考えております。社会保障審議会年金部会において議論を開始したところであり、今後も関係者の意見を伺いながら議論をしてまいります。 なお、現在、厚生労働省では、将来の年金受給見込額を簡単に試算できる公的年金シミュレーターなど、個々人の年金額について様々な普及啓発の取組を行っております。引き続き、分かりやすく正確な年金制度の広報に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
○磯崎仁彦君 是非御検討をいただきたいなというふうに思っております。一つの役割を果たしているというのは事実だと思いますけれども、当然のことながら、それに限られるわけではございませんので、いろんなライフの、ライフコースというか、それがあると思いますので、それをしっかりと見極めた上で年金制度というものを考えていただきたいというふうに思っております。 もう一つ、これもよく言われておりますけれども、旧総理府の統計局の家計調査では、夫婦と子供二人、これが標準世帯ということでモデルとして使われてきております。これも、先ほど見ていただきましたように、夫婦と子供二人というこの世帯は、もはや今、全体の世帯の一割を切るという、そういう状況でございます。やはりこれも従来から標準世帯ということで、昭和四十四年からこの標準世帯のモデルが使われているということでございます。 令和四年版の男女共同参画の白書においては、ここでも、もはや昭和ではないという記述が使われておりまして、家族の在り方の変化を踏まえていろんな制度を世帯単位から個人単位の制度に見直すべきではないか、こういうことが記述をされておりますが、この世帯単位から個人単位ということの意図するところ、これはどういうことなのかということを教えていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。 現在の我が国の税、社会保障制度等は、基本的には、昭和の時代に多く見られました、都市部では夫が仕事をし、専業主婦の妻が家事、育児を担う夫婦と子供の世帯、また、地方では家族内で家事、育児、高齢者の介護を担う多世代、三世代同居世帯を前提としてつくられております。 しかしながら、昭和、平成、令和と時代が移り変わり、サラリーマンの夫と専業主婦の妻と子供を構成員とする世帯、高齢の両親と同居している夫婦と子供という三世代同居世帯は減少しておりまして、先ほど委員から御指摘のあったように、単独世帯が増加しております。また、人生百年時代を迎えまして、結婚せずに独身でおられる方、結婚という形を取らずに家族を持つ方、配偶者等をみとった後独り暮らしをなさる方など様々でございまして、一人一人の人生も長い歳月の中で様々な姿をたどっております。 このように、時代とともに家族の姿は変化し、人生が多様化しておりまして、こうした変化、多様化に対応した制度設計や政策が求められるとしたものでございます。
○磯崎仁彦君 ありがとうございました。是非、そういう多様化した、そういう家族の形態にもマッチするような制度、税制も含めてでございますが、構築をしていただきたいというふうに思っております。 視点を変えまして、負担の議論を少しさせていただきたいというふうに思っております。 全世代型社会保障制度、この基本的な考え方の一つに、負担能力に応じて全ての世代で公平に支え合うということがございます。つまり、応能負担ということでございます。 まず、この負担能力に応じてというのはどういうことを意味されるのか、お尋ねしたいというふうに思います。
○政府参考人(竹林悟史君) お答えいたします。 令和四年十二月の全世代型社会保障構築会議の報告書では、委員御指摘いただいたとおり、全世代型社会保障の基本理念の一つといたしまして、全世代型社会保障は、年齢に関わりなく、全ての国民がその能力に応じて負担し、支え合うことによって、それぞれの人生のステージに応じて必要な保障がバランスよく提供されることを目指すものというふうにされております。 ここで言う能力とは何かについてこの報告書では直接の言及はございませんけれども、必ずしも所得に限られるものではなく、資産も含めた負担能力に応じて御負担いただくという考え方も含まれ得るものと考えております。
○磯崎仁彦君 収入に限らず資産もというお話がございました。 その点についてちょっと質問をさせていただきたいと思いますが、この改革工程におきましても、医療・介護保険における金融所得、この勘案につきまして次のように記述がなされております。国民健康保険制度、後期高齢者医療制度及び介護保険制度における負担への金融所得の反映の在り方について、税制における確定申告の有無による保険料負担の不公平な取扱いを是正するため、どのように金融所得の情報を把握するかなどの課題も踏まえつつ、検討を行うというふうにしております。 もう一つ、医療・介護保険における金融資産等の取扱いに関し、預貯金口座へのマイナンバー付番の状況等を踏まえつつ、資産運用立国に向けた取組や国民の安定的な金融資産形成の促進なども考慮しながら、医療・介護保険における負担への金融資産等の保有状況の反映の在り方について検討を行うという、こういう記述があるわけでございます。 そこで、まず伺いたいのが、現行の社会保障制度においてこの金融所得あるいはその金融資産が負担又は給付において勘案をされている、現実に勘案されているものがあるかどうか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○政府参考人(日原知己君) お答え申し上げます。 まず、金融所得についてでございますけれども、国民健康保険や後期高齢者医療制度、また介護保険における保険料の算定に当たりましては、市町村民税の課税所得を基に所得を判断してございまして、確定申告されている金融所得については現行でも勘案をされております。 また、金融資産につきましては、介護保険制度におきまして、低所得の施設入所者等の食費や居住費を軽減するために支給しております補足給付におきまして、その対象者を決定するに当たり、預貯金等の金融資産を勘案する仕組みを導入しているところでございます。
○磯崎仁彦君 一部勘案をされているところがある、金融所得については所得という中で勘案をされているという今お話がございました。 この財源として金融資産を含めることにつきましては、政府内におきましても二十年以上にわたって議論をされてきたというふうに承知をしております。社会保険料の算定ベースに、年間収入のフローだけではなくて、保有する預貯金あるいはその有価証券といった金融資産、ストック、これも含めて算出すれば、やはり実際の負担能力に近い応能負担、これが実現できるという意見もございます。 資料三を見ていただきたいと思いますが、これ経団連の提言書の中にある資料でございますけれども、ここでいえば図表十四でございます。これ、高齢者向けの主な社会保障給付の内訳、そしてどういう、誰がどういう負担をしているかというこの一覧でございますけれども、負担を見ると、やはり現役世代、企業の保険料、この負担が約六割、公費が三割、そして高齢者御自身が保険料として負担するのは五%にとどまっている、こういう状況でございます。 この財源として金融資産を含めることについては、恐らくいろんな課題があるんだろうというふうに思っております。ただ、やはり、そういった課題がある中でも、やはり負担能力に応じた応能負担という、これを取っていくという以上は、やはりこれを含めて考えるということを今後検討すべきではないかというふうに思っております。 現段階での検討状況等、新藤大臣にお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(新藤義孝君) 昨年十二月にこの改革工程を閣議決定をいたしました。その中で、今委員が御指摘いただいた、また問題をいただいているこの医療・介護保険における金融資産等の取扱い、これが、二〇二八年度までに実施について検討する、この項目に含まれております。 この応能負担をより公平なものとするためにどのような仕組みにしたらいいのか、そして実効性と公平性の両方を確保する、こういった観点から、引き続き、この所管をします厚生労働省を中心に、私ども関係省庁も連絡を取り合ってよく検討してまいりたいと、このように考えています。
○磯崎仁彦君 恐らく、どういうふうに捕捉をするのかというのが、これが恐らく一番大きな課題ではないかと思います。なかなか、やはり今でもマイナンバーカードと預貯金口座とのひも付け、これには強い抵抗感もあるというのが現実でございますので、そういう点も含めて課題は多々あろうかと思いますけれども、やはり公平な負担という観点からすれば、是非検討を、二〇二八年までということでございますが、していただきたいというふうに思っております。 もう時間が少なくなりましたが、女性の貧困ということが言われます。これはもういろんなところで議論をされているわけでございますが、ちょっと内容を飛ばして、もう質問だけに行ってしまいますけれども、女性にとってはやはり経済的に自立できる環境の整備、これは非常に急務だというふうに思っております。 女性版骨太方針二〇二三におきましても、女性の所得向上、経済的自立に向けた取組、この強化がうたわれておりますけれども、女性の視点も含めた社会保障制度、税制等の検討が記載をされておりますけれども、この女性の視点も踏まえたということはどういうことを意味するのか、お尋ねしたいというふうに思います。
○政府参考人(岡田恵子君) お答え申し上げます。 社会保障、税制等に関しましては、女性の経済的自立の更なる強化を図る上で、女性は働くとしても家計の補助であるという意識を変えていく必要がありまして、その前提といたしまして、女性のキャリア形成ですとかライフスタイルの選択に及ぼす影響が中立的な制度、慣行を構築することが不可欠であると認識してございます。 このような女性の視点を踏まえまして、重要政策会議であります男女共同参画会議の下に置かれた計画実行・監視専門調査会におきまして検討を行うとしているところでございます。
○磯崎仁彦君 女性の視点というのは非常に重要でございますので、こういった観点も踏まえて、今後、社会保障制度あるいはその税制、そういった制度の改革、是非積極的に行っていただきたいというふうに思っております。 次期の年金制度改革に向けましては、多分いろんな課題があるんだろうというふうに思っております。冒頭申し上げましたように、財政検証が今年度行われ、そしてやはり、項目の中には、被用者保険の適用拡大であるとか、あるいはその第三号被保険者の問題、これは従来から議論されている問題でございます。また、基礎年金の拠出期間、これ今四十年でございますが、これを四十五年にしてはどうだろうかという、こういう議論もされているというふうに思っております。 様々な検討事項があるわけでございますけれども、これらの事項、これからどういうスケジュール感を持って進めていかれるのか、お尋ねをしたいというふうに思います。
○政府参考人(泉潤一君) 年金制度におきましては、少なくとも五年ごとに、人口や経済の長期の前提に基づき、おおむね百年間の収支の見通しを確認する財政検証を行うこととしております。今年はその年に当たります。 現在、社会保障審議会年金部会におきまして、本年末を予定している取りまとめに向けまして、現役期、家族、高齢期といったライフコースと年金制度の関わりの切り口から様々な議論を行っております。これらの検討事項の中には、御指摘の被用者保険の適用拡大、第三号被保険者制度、基礎年金の拠出期間延長などの様々な論点が含まれております。いずれも重要な論点、重要な課題でございます。 次期改正に向けてしっかりと検討してまいります。
○磯崎仁彦君 我々もしっかりと議論に加わってまいりたいというふうに思っております。 最後に、この全世代型社会保障構築会議の報告書におきまして、住まい政策、これも社会保障の重要な課題と位置付けて、そのために必要となる施策、本格的に展開すべきであるという、こういう記述がございます。非常に重要な指摘だというふうに思っております。 もう時間もございませんので答弁は結構でございますけども、やはりこの住まい政策というのは、恐らく国交省と厚労省、両省で住まい政策が進められているんだろうというふうに思います。国交省はハード中心の政策、厚労省が福祉政策としてソフト中心の政策ということで、しっかり両省が連携をしながら進められていただいているというふうに思います。ただ、やはり実際、各自治体レベルでどうこの福祉行政と住宅行政、これを連携をしていくかというのは非常に重要だと思いますので、国のレベルの省庁間の連携とともに、自治体レベルでのこの福祉と住宅行政、この連携、これもしっかりと指導していっていただきたいなというふうに思っております。 この社会保障の議論におきましては、給付と負担のバランス、これが非常に重要でございますし、やはり税と一体的に考えるということも重要かというふうに思っております。まさに、今後とも、この社会保障につきましては、我々、国民の皆様に非常に関心も高く、また生活に大きな影響がある問題でございますので、不断の努力を行っていただくこと、このことをお願いして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○太田房江君 自由民主党の太田房江でございます。今日は質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。 昨日、三月十一日で東日本大震災から十三年が経過をいたしました。私は、経済産業副大臣のときにALPS処理水の放出を始めとして福島そして東北の復興に力を尽くしてきた者として、そしてまた、今年の元旦起こりました能登半島地震、この石川県は地元大阪とも大変深い御縁のある地域でございます。そこで多くの方が命を落とされ、被災をされた、そのことにお見舞いを心から申し上げながら、御質問をしたいと思います。 これから経済問題あるいは少子化対策について御質問を申し上げますけれども、これも、今申し上げたように、東日本や能登、北陸の復興を願っての思いを含めてということでございますので、御理解を賜りたいと思います。 まず、経済財政政策についてお伺いをいたします。 先ほどの磯崎委員との質問とかなり重複をいたしますので、語り足りない部分を新藤大臣にはお答えいただければ結構でございます。 株価が大変好調でございまして、四万円の大台も突破をいたしました。今年の日本株の上昇は各国と比べても突出をしていると思います。この原因といいますか理由はいろいろ指摘されておりますけれども、やはり私は、半導体やGXなど戦略分野に挑戦する日本経済そして日本企業、これに対する世界中の期待が集まっているからだと、こう思っております。投資家はリターンを求めて投資をするわけですから、岸田政権の果敢な経済財政運営、そして新藤大臣のリーダーシップ、こういうところに日本の将来に対する大きな期待感、世界に広がっているんだと私は確信いたしております。 期待から確信へということをこれから成し遂げていかないといけないわけですけれども、新藤大臣はよく、日本経済を熱量あふれる新たなステージに移すんだと、こういうことを繰り返しおっしゃっておられる。ちょっと手前みそでございますけど、私もキャッチフレーズは、さあ新時代、これから大阪が熱くなると、こういうことなんでございまして、この大阪と日本を重ねて、日本経済の明るい未来づくり、取り組んでまいりたいと思っております。 さて、三十年ぶりの株高の背景には、何といってもデフレからの脱却、その光が見えてきたということが大きいと思います。六百兆円の名目GDPの実現も目前と、こういうことではないでしょうか。 デフレは、資料一の一を見ていただきますとお分かりいただけますけれども、二〇〇一年四月の月例経済報告で初めてそのように記述をされまして、その後、二〇〇六年七月に一旦その表現がなくなったわけですけれども、民主党政権の二〇〇九年十一月に復活、そして、アベノミクスがスタートして二〇一三年十二月にその表現自体は削除をされましたけれども、それでもなおデフレからの脱却は成し遂げられていません。 次の資料一の二を見ていただきますと、この間に、世界経済、先ほどお答えの中にもございましたけれども、アメリカや中国は大きく成長率を伸ばし、そして二〇二三年にはドイツが日本のGDPを追い抜くということがほぼ確実になりました。 この図を見ていただいても分かりますように、どの国も少しずつではありますけれども、ほとんどの国が成長しているわけですから、デフレからの脱却というのは、日本は前人未到のところに挑戦をすると、こういうことになるわけであります。必ずしなくてはならないと思うんですけれども、大阪で言われるのは、今更何言うてんの、もうとっくにインフレやないのということですとか、あるいは、日々物価で苦しんでんのに何言うてんのと、こういうようなこと、よく伝わってまいります。 そのとおりではあるんですけれども、物価上昇が続く中で、賃金が上がってもそのペースが物価上昇と同じであれば国民生活は改善しない、まあ当たり前のことです。物価は上がるけど賃金ももっと上がる、こういう社会を築いていくべきだということを先ほどからるるおっしゃっていただいているわけでありますけれども、私は、現在のこの人手不足も、先ほど省力化投資というようなことがございました、これを機に、まあピンチはチャンスと言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、そういうようなことも含めて生産性の高い強靱な経済をつくっていくと、こういうことだろうと考えています。 デフレ脱却によって一体何を目指すのか、先ほど多くの点おっしゃっていただきましたけれども、より一層分かりやすい御説明、お願いできますでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) まさに町の中の声というのは痛いほど分かります。ですから、逆にこのデフレではない、インフレではというのは、点を表すのではなくて、社会的な現象としてある一定期間がどのようなトレンドになっているかということにおいて、まだデフレからの脱却とまでは私たちは言い切れないところにあるというのが一つです。 それから、物価が上がっていると。大事なことは、物価が上がらなければその先の賃金も上がらないわけなんですけど、今までは物価も上がらなかったし賃金も上がらなかった。今回、私たちは、安定的な物価上昇の下で、そしてそれを上回るこの賃金を、上昇率を確保しようと。結果、それは製品の売上げ、企業の業績の拡大につながっていくと、その業績の拡大がまた賃金の、賃上げの原資になると、この業績を拡大させるためには、生産性を向上させない限りはこの業績の拡大、また人手不足に対応できないと、この連関にあるわけでございます。 そして、さっき言わなかった数字とすれば、消費者物価は、三十年間で日本は一・一倍、ほぼ変わっていない。でも、アメリカは二・一倍なんですね。ドイツも一・七倍です。それから、名目一人当たりの賃金は、日本は一倍、一・〇倍です。アメリカ二・六倍、ドイツ一・八倍。そして、それを裏付けるかのように、労働生産性は、日本はやっぱり一・一倍。しかし、アメリカは二・八倍、ドイツは一・八倍。 ですから、そういうやっぱり国としてのもっと力を発揮できるような形をつくらなければいけない。その大本にあるのは潜在成長率、この潜在成長率が日本がまだ水準が低いと。ここを思い切って、労働と資本と生産性、この三つに徹底しててこ入れをしていこうというのが今回の経済対策でございます。
○太田房江君 ありがとうございます。生産の三要素それぞれについて新しい展望を開いていくと、こういうことだと受け取りました。 ただ、今回、物価高ですね、急激な円安と輸入インフレ、これによって生じているので、やはり少し補完が必要であろうと。それだからこそ、今回、初夏に行う予定の定額減税等も企画されたんだと思います。可処分所得の下支えを賃金に加えてやっていくという視点、これ私も大事だと思います。 そういう意味で、今年の今夏に行う予定の定額減税の狙い、効果を含めて、物価上昇を上回る所得増加の見通し、これを事務方の方にお聞きできればと思います。
○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。 昨年の春季労使交渉では、三十年ぶりの賃上げ率が実現したところでございます。それが徐々に現場の賃金に反映される形で名目賃金は増加が続いておりまして、足下、本年一月でございますけれども、前年比でプラス二・〇%となっているところでございます。その一方で、消費者物価は、エネルギー価格の下落等を反映して上昇のペースこそ緩やかになってきておりますものの、足下、本年一月では、総合指数のベースで前年比プラス二・二%となってございます。 以上、お答え申し上げましたとおり、これまでのところ、賃金上昇率が物価上昇率に追い付いていない状況にございます。このため、政府は、今年の春季労使交渉におきまして、昨年を上回る賃上げが実現することを目指してございます。具体的には、労務費の価格転嫁の促進や賃上げ税制の拡充、カタログ形式によります中小企業の省力化投資支援など、あらゆる政策を総動員いたしまして賃上げの取組を後押ししていくこととしているところでございます。 去る一月二十六日に閣議決定させていただきました政府経済見通しでは、こうした取組も踏まえまして、私どもとして、二〇二四年度には一人当たり賃金上昇率について物価上昇率と同程度の二・五%程度の伸びになるという見通しをお示ししたところでございます。その一方で、この政府経済見通しは二〇二四年度平均の姿をお示ししたものでございまして、民間機関における予測の平均によりますれば、賃金上昇は二〇二四年度の後半以降にかけて物価上昇を上回ると予測されているものと承知してございます。 こうした中、政府といたしましては、当面の所得を下支えするために定額減税を実施させていただきます。そして、この夏には官民連携で賃上げ分と減税分を合わせた所得の伸びが物価上昇を上回る状況を確実につくり出していきたいと、このように考えているところでございます。このことに関しまして、政府の試算では、二〇二四年度におけます賃金と定額減税を合わせた所得の増加率が三・八%程度となりまして、二〇二四年度の平均で物価上昇率を上回るという見通しも併せてお示ししているところでございます。 政府といたしましては、賃金を含めた所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくることによりまして、デフレからの脱却に向け、個人消費の回復を始め経済の再生を着実に進めてまいりたいと、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○太田房江君 当面のところについて詳しくお話をいただき、ありがとうございました。 出口見えてきているわけですけれども、私は、ここで一番大事なことは、デフレからの脱却のためには広がりと持続性、これを持つことであると思うんです。東京だけではなく地方も、そして決して一過性のものに終わらせない、これがデフレからの完全な脱却につながると、こういうことだと思います。そのためには、一日も早く日本経済を民需主導の持続的な成長軌道に乗せる、そして、中長期的な視野に立って、国内投資の拡大、AI、宇宙、海洋、量子など、新しいフロンティアへの挑戦、そうした日本の元気を取り戻す取組によって、若い世代、これから生まれてくる人たちにとっても魅力ある、夢のある日本経済をつくっていかなければならないと、こういうふうに思うわけです。 今、新藤大臣の下では中長期を視野に入れた課題の処方箋について精力的な検討が進められていると、新しい資本主義の、何というんでしょうか、肉付け、これが行われているというふうに聞いておりますけれども、人口減少が本格化する二〇四〇年、そしてまたその先の二〇五〇年、これを見通した上での日本経済の姿。 先ほど大分お話しいただいているので、このビッグピクチャーについて、もう短く、本当、足りないところだけ補っていただければ有り難いと思います。
○国務大臣(新藤義孝君) 向こう約百年は、もう人口減少はプログラムされちゃっているわけですよね。ですから、その中で二〇三〇年が少子化対策の一つのチャンスだと、二〇三〇年までが。それは、二〇〇〇年頃に生まれた百二十万規模の人たちが活躍してくれるからです。その以降は一挙に落ちていきます。 一方で、日本の人口構造は、この十五歳から六十四歳は二〇三〇年以降で激減していくわけです。ところが、二十五歳から七十四歳で取ると、まだあと十年ぐらいは労働力は維持できるというものもあります。ですから、これからのこの二〇三〇年の次の四〇年、五〇年に向けて、新しい経済のステージをつくり、そこは少子高齢化、人口減少、過疎があっても、でも発展していく、成長できる。そして、それぞれの地域で教育や医療を受け、そして新しい自分たちの利便性を高めるための仕事がある、これがDXであって、そしてスタートアップを活用できると。 ですから、地方においても、そこでそれなりの暮らしがきちんとできるような、そして都市部においては、今度は過密問題が出てきますから、これを解消できるような行政サービスが維持できるようなやはり体力を持たせる。こういうそれぞれの中で必要なものを対処しながら、それでも成長できる日本をつくりたいと、またつくらなければいけないと、こう考えているわけであります。
○太田房江君 今のお答えの中にも入ってしまっていたんですけれども、私は、広がりと持続性ということについての鍵となるのが少子化対策と女性活躍推進だと、こういうふうに思っています。この二つの課題の根っこは同じで表裏一体だということは、この間の臨時国会での予算委員会でも申し上げました。女性活躍、能力の発揮による質、量両面の多様性、そして、その成長の広がりと、これが成長の広がりと持続性につながると同時に、皆が生きがいを持って暮らせる強靱な日本社会、これをつくり上げていくという確信を私は持っております。 皆さん御存じかどうか分からないんですけれども、次のページ、資料二ですけれども、実は先週三月八日、これは国際婦人デーでございました。この中のどのぐらいが御存じだったでしょうかというのを申し上げるのは、日本では余り、報道はされていたんですけれども、世界中の国の中にはこの日を休みにしたりする国もあったぐらいで、この世界国際女性デーが男女共同参画を始めとして様々な議論が大きくならなかったことについては、私は少し残念だったと思っております。 これは英国のエコノミスト誌がガラスの天井指数二〇二三として発表しているものなんですけれども、これを見て分かりますように、一つを除いてあとは全部二十位以下と言っていい、二十七位、二十九位、二十七位、二十九位と最後の方に、国会議員や管理職や企業役員等々において日本は低い水準になっていることが分かっていただけると思います。女性にとってガラスの天井は日本においてはまだまだ高い、固いと、こういうことだと思います。 一方で、とはいえ、次の資料三を見ていただきますと、労働力の増加余地は女性を含めてかなり多いということも、昔の経済白書ですかね、分析を、参考資料として分析をされているんですけれども、もっと働くことを希望していて実際働くことができる人の数、働きたいのに労働市場には現れていない人の数、これが五百三十万人いらっしゃると、こういうことでございます。 それからもう一点、資料四、これ私は衝撃を受けたんですけれども、先ほど東日本大震災のことにも触れました。そのこととも少し関連してきますけれども、コロナから経済社会活動が正常化した後、東京への人口流入が急増をしております。二六%増えたという、記憶によればそういうことなんですけれども、この中でも特に目立っているのが地方の女性なんですね。特に若い女性の地方からの人口流出が再び進んでいるということについては注意を要すると私は思っております。リスキリングをしても、リスキリングをしてもその女性が活躍をできる場が地方にないのではないか、だから東京に出ていくんではないか、こういう課題が目の前にあるわけです。 昨年末に内閣府から公表されました地域の経済二〇二三というレポートに掲載をされているのがこの資料四なわけでございますけれども、これを見ていただいて分かりますように、特に北、東日本から東京への人口の流出、若い女性の人口流出が大変多くて、二十歳から三十四歳の未婚の女性一人に対する男性の人数を都道府県別に見ますと、一・二を上回る県が二十四県、実に。一・三を上回る県は七県もあるんですね。上の方に標準があって、下の方に行くと、特にあの赤い線で囲ってあるところが、東日本大震災の大きな影響を受けたところも入っているわけです。 このようなことで、未婚の男女の人口の不均衡、これは婚姻数の減少にももちろんつながるし、中長期には地方の更なる少子化、人口減少にもつながっていく要因になる。また、東京圏に転出した女性から見ると、東京圏で出産をし子育てをするということはいかに不安が多いかと、こういうことにもなるわけですから、結局、その結果、都市部、地方部合わせた日本全体の出生率の低下、これに結び付いていく可能性は大いにあるのではないかと私は推測いたします。 このように、地方で女性が活躍できる環境整備、これが今、私はある意味大きなキーポイントになっているんではないかというふうに考えるわけですけれども、地方で若い女性が活躍できる環境整備を進め、地方からの女性の流出を防ぐこと、これが少子化、人口減少、地方経済といった観点からも重要な政策課題となっている。これを私は新しい資本主義の基本的な考え方に追加をしてでもしっかりと位置付けていただけないかと、こういうお願いに近い意見でございますけれども、一つは、五百三十万人の試算の分析について内閣府の方に、そして、若い女性が地方で活躍できる環境整備を含む新しい資本主義の在り方について新藤大臣にお伺いをいたします。
○政府参考人(林伴子君) お答え申し上げます。 追加的な労働供給を望み、実際に働くことができる人の数は、昨年十月時点では五百三十万人、そして直近の二〇二三年十―十二月期時点では男性二百五十万人、女性約二百九十万人、合計で約五百四十万人存在していると推計しております。 この労働力の増加余地を、仕事時間の追加を希望しており実際に増やせる人、いわゆる追加就労希望就業者と、仕事を探している人、働く希望があり実際に働けるが今は求職活動していない人に分けてみますと、男性と比べ女性は追加就労希望就業者の割合が高く、いわゆる年収の壁の制約もあることから、各地域に多く存在していると分析しております。 こうした分析も踏まえ、年収の壁・支援強化パッケージの実行を始め、時間の制約を受けずに希望どおり働くことができる環境を整備していくことが重要と考えております。
○国務大臣(新藤義孝君) 新しい資本主義、これを支える基盤は、全ての人が生きがいが感じられて、そして多様性が尊重される社会だと。中でも、女性の活躍、これは新しい資本主義の中核として、女性活躍とその所得向上と、これはもう据えられております。 是非また、委員のいろんな御指摘も踏まえて、更にこれを深掘りしていきたいなと。既に女性のための支援策というのはいろいろございます。リスキリングにおいても、またデジ田の中においても、例えばリモートワークだとかをする場合に、まあそれは女性問わずですけれども、いろいろと新しい暮らし方ができるような、こういう支援もございます。更にまた高めていきたいと、政策を高めていきたいと考えます。
○太田房江君 ありがとうございます。 昔、古い昭和の話で申し訳ないんですけど、「木綿のハンカチーフ」という、同じ太田さんが歌っていた歌がございましたけど、今これが逆転していると、こういうことなんですね。非常に大きな変化だと思いますけれども、是非とも新藤大臣に頑張っていただいて、元の「木綿のハンカチーフ」に戻すのがいいのかは別として、頑張っていただきたいと思います。 ところで、その未来戦略、こども未来戦略に移りたいと思いますけれども、今回、三・六兆円の加速化プランが決まりました。児童手当、これも所得制限が廃止されるとともに高校生まで延長する、そして、全ての子供の育ちを支える制度に進化をしたと私は思います。また、出産、子育て給付金の制度化、こども誰でも通園制度、育休関連の新たな給付の創設、こういったことで、これまで比較的支援が手薄であった妊娠・出産期から、ゼロから二歳というところへの支援、これも充実されたということであります。 先ほどの資料二をもう一度御覧いただくと分かるんですけれども、父親の産休・育休取得の所得保障のところだけ一位なんですよ。これは今回のこども未来戦略で実現をされたわけで、ここにやっぱり岸田政権の子ども・子育て支援への意欲、気概が感じられると私は思って、この表を拝見いたしました。大変有り難いことだと思います。 最近の議論では、こういうところが横に行ってしまって、この一人当たりの拠出額平均五百円というようなところに議論が集中していますけれども、今申し上げたようなことを含めて、大事なことは、支援金の使途、そして、こども未来戦略に基づく施策の内容、施策を実行することでどういう社会が現出をしてくるか、私たちが獲得できるかと、こういうことだと思うんです。 これを国民一人一人に分かりやすくお伝えすることが大事で、これからの施策が社会や職場で活用されて子育て世帯にしっかり届くようにしていくこと、これを是非とも、私は、加藤大臣、子育て世帯を担っておられる代表として先頭に立って国民にお伝えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 こども未来戦略におきましては、若い世代の所得を増やす、社会全体の構造や意識を変える、全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援するとの三つの理念を掲げており、加速化プランは、その実現に向け、三・六兆円に及ぶ前例のない規模で政策強化を図るものでございます。具体的には、委員御指摘のとおり、児童手当の抜本的拡充や出産・子育て応援交付金の制度化、こども誰でも通園制度の創設など、子育てに係る給付の充実に加え、子供の出生後、一定期間の手取り十割相当の育児休業給付や、時短勤務を選択した場合の給付の創設など、共働き、共育ての推進も図ることとしており、これらの施策をスピード感を持って実行してまいります。 このような集中的な取組を進めることにより、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もが子供を持ち、安心して子育てができる社会、子供たちがいかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会、こういった社会の実現を図ってまいりたいと考えております。あわせて、単に制度や施策を策定するのではなく、社会全体で子供や子育て世帯を応援する機運、これを高める取組も重要であり、しっかりと情報発信も含め、車の両輪として進めてまいりたいと考えております。
○太田房江君 ありがとうございました。 それから、もう一つお聞きしたいことがあるんですけれども、これもさっきちょっと磯崎委員の方からございました点で恐縮でございます。 資料五を見ていただきたいんですけれども、よく聞かれる議論に、今回の少子化対策、多子世帯を応援していこうというところが主たるところにもなっておりますけれども、よく聞かれるのは、結婚した人は、出生率そんなに変わらないで、一人、二人あるいは三人というようなところで皆さん子育てをされているわけですけれども、問題は結婚しない人が増えていることであるということで、資料五のとおり、今、男性の二八・二五、女性の一七・八一、これが五十歳時の未婚割合として示されておって、急激に増えておるということがよく分かります。 今回の少子化対策の、批判とは言いませんけれども、ここを考えなきゃいけないんじゃないかということの一つが、この結婚したくてもできない人を、ちゃんと結婚してもらって、そして子育てに参加してもらおうと、こういうことなんですよね。 二〇二三年の人口動態統計でも、生まれてくる子が七十五万人、これはよく言われることですが、婚姻数も四十九万組と、こういうことで急減しております。 そしてまた、これは私もちょっとなるほどと思ったんですけれども、婚姻数の減少が、これ昭和の人間として申し上げるようで恐縮なんですけれども、若者の所得・雇用環境、これはもちろん影響しているわけですけど、出会いの機会の減少のところで、いわゆる職場結婚とそれから見合い結婚とを合わせると、昭和何年だったかな、一九七二年から二〇一五年の四十三年間にその二つの数が、減った数の合計がちょうど婚姻数の減少、四十六万減と一致している、ほぼ一致しているんだそうです。これは社会の変化とともにこういうことになったんだと思うし、最近は、これ昭和の文化かもしれませんけれども、出会いの場の減少もこうした点が大きく影響しているんだなということで、一つ勉強させていただきました。 いずれにしても、複合的な要因によって結婚数の、婚姻数の減少は生じているわけですから、何か一つ良くしても全体には良くならないということだとは思いますけれども、減少を食い止める努力はしないといけないと思います。この際、丁寧な分析を通じて、若者が結婚に踏み切れなくなっている隘路を減らす対策、そしてこれを積み上げていくことが必要というふうに考えますけれども、政府として、婚姻数の減少原因、そしてその対策をどう講じていくか、お考えをお聞かせください。
○大臣政務官(古賀友一郎君) 太田委員御指摘のとおり、まさにこの婚姻数の減少は複合的な要因だということでございまして、そうした未婚化が少子化に影を落としていると、このように認識をいたしております。 まず、その分析ということでありますけれども、この若い世代の結婚をめぐる状況を見ますと、男女共に八割以上の未婚者がいずれ結婚することを希望しているにもかかわらず独身でいると、こういった状況であります。その理由としては、自由さや気楽さを失いたくないとか、まだ必要性を感じないなどといった、まさにこの個人の価値観に関わるものもございますけれども、その一方で、最も多い理由として、適当な相手に巡り合わないということが挙げられているほか、特にこれは男性に多いわけですが、結婚資金が足りないといった経済的な要因も挙げられているところでございます。 こうした状況を踏まえまして、こども家庭庁といたしましては、地域少子化対策重点推進交付金によりまして、地方自治体が行う出会いの機会や場の提供でありましたり、結婚資金や住宅に関する支援などを後押しをさせていただいております。また、今回の三・六兆円の加速化プランを推進して、今まさに子育て中の方々への支援を充実していくということによって、これから結婚しようとする若い世代が結婚や出産に希望を持てる社会、これにつながっていくものと、このように考えているわけであります。さらに、この子ども・子育て施策を超えた大きな社会経済政策としては、先ほど来質疑応答もございましたけれども、この目下の政府の最重要課題である賃上げと、それを持続可能なものにするための労働市場改革でありますとか、あるいは非正規労働者の正社員への転換といったこうした取組が若者世代の将来に対する前向きな機運を醸成いたしまして、結婚支援としても大変有効というふうに考えているわけであります。 こうした対策を着実に実行していくことによりまして、若者世代が結婚に前向きになれるような経済社会環境をつくっていきたいと、このように考えております。 以上です。
○太田房江君 ありがとうございました。 最後に、大阪・関西万博についてお伺いをいたします。 参議院では、先週六日の政策審議会の場で人手不足について勉強会をやりまして、建設、バス、トラック等々、人手不足に悩む業界と懇談をいたしました。その場で、大阪・関西万博についていつも厳しいことをおっしゃっておられる日本建設業連合会の宮本洋一会長、この方がこういうふうにおっしゃいました。万博は国の事業なんだから、二五年四月の開催を目指してしっかり取り組んでいくと、こういうふうにいつも申し上げているんだけれども、厳しいところだけ切り取られて本当に困っているんだと、こういうふうにおっしゃっておられました。 私も大阪におりますと、一丸となってみんなでやっていこうという雰囲気はどんどん出てきておりますし、また、自見大臣が先頭に立って、この間、補正予算を活用して、全国的な機運醸成やホストタウンの取組、さらには子供の参画の積極化というようなことを次々に打ち出して進めてこられていることも効果を上げつつあると思っておりますが、私は、ここでインバウンドの取組というのをもっとできないだろうかと、こういうふうに思うわけです。 大体、私、東京から大阪に移動いたしますと、名古屋でビジネスっぽい人がちょろっと、少し降りられまして、京都でほとんどが降ります。それから大阪まで残る人は余り多くないんです。帰りも同じような状況です。 ですから、是非、万博への……
○委員長(阿達雅志君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
○太田房江君 はい、済みません。 インバウンドの取組、取り込み、これを是非考えていただきたいと思います。 時間が来ておりますので、短く決意だけお願いします。
○委員長(阿達雅志君) 答弁は簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(自見はなこ君) はい。 太田委員、いつも御支援、御指導、ありがとうございます。 簡潔に答えさせていただきます。 インバウンド需要が増える中、日本に訪れる外国人観光客の皆様に大阪・関西万博に来てもらうことは非常に重要だと考えてございますので、これを絶好の機会にしたい、また、全国各地にこのきっかけとして誘客を行いたいと思っております。具体的には、旅行会社との連携、JNTOとの連携、テーマウイーク、ビジネスマッチングといったところを、インバウンドの取組については我々は重点的に力を入れてまいりたいと思っております。 また、地方への誘客につきましては、観光のコンテンツ、地方の魅力を発信を会場内でもする、また、全国各地のスポーツ祭、あるいは芸術祭との連携、こういったことを総合的に、委員の問題意識も受けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○杉尾秀哉君 立憲民主・社民の杉尾秀哉でございます。 まず、閣僚の政治資金問題から伺います。 新藤大臣の政治団体の資金移替え問題、先週の予算委員会で、私、後援会の帳簿の提出を大臣に求めました。そのときは、法令にのっとりしっかり行動すると、こういうふうに大臣答弁されましたけれども、その後どうなったでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) 法令にのっとって対応しております。
○杉尾秀哉君 あのときもちょっと止まったんですけれども、質疑が。出してもらえるんですか、出さないんですか。
○国務大臣(新藤義孝君) 法令にのっとって、その要請とまた義務、こうしたものを含めて対応させていただきたいと思っております。
○杉尾秀哉君 同じで残念なんですけれども。 大臣、政治資金規正法第九条、全ての政治団体に会計帳簿の備付けと記載が義務付けられております。これは大臣ももちろん御存じだと思いますけれども、ということは、帳簿はあるということでよろしいですね。
○国務大臣(新藤義孝君) 会計帳簿を備え、収支を記載しております。
○杉尾秀哉君 あるということですので、あとは出していただければいいんですが、公開義務は確かにございません。法律のどこにも書いていないですけれども、新藤大臣が答弁されたように、消耗品や活動費ということであれば公開しても何ら問題がないというふうに思います。政治活動の自由を阻害するものでもないというふうに思います。 何か提出できない理由でもあるんでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) 制度とまた法律は、その目的に沿ってどのような内容にするか、様々な御議論を経た上で決められたものと承知をしております。そして、その制度の中で要請されたものにきちんと応えていくのが私たちの義務だと思っておりますので、この、先ほど、何度ものことになりますけれども、この制度にのっとって、法律にのっとって対応させていただくというふうにお答えしているわけでございます。
○杉尾秀哉君 制度にのっとってきちっと応えるということであれば、やはり出していただきたい。 それからもう一つ、新藤大臣の政党支部、それから資金管理団体の政経アクセス、その他政治団体の新藤義孝後援会、この三つの会計帳簿を、会計帳簿というか収支報告書を見させていただきました。いずれも、住所それから会計責任者、事務担当者、全く同じなんですけれども、ところが、どの収支報告書にも光熱費の記載が全くないんですね。全てゼロなんですね。三年間調べたけれども、全部ゼロなんですね。これはどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(新藤義孝君) この自民党の第二選挙区支部、私の選挙区支部ですね、それから政経アクセスという資金管理団体、また新藤義孝後援会、この事務所については自民党川口支部の事務所を川口支部と共同で使っております。その中で、事務所の光熱水費は自民党川口支部が契約者となっておりまして、川口支部の方で計上されているわけであります。 私どものこの事務所の維持管理費用につきましては、第二選挙区支部がその事務所の賃料の大宗を負担をする一方、自民党川口支部が光熱水費と賃料の一部を負担する形でそれぞれが負担をしていると、これを収支に報告しているということでございます。
○杉尾秀哉君 ちょっとよく聞き取れなかったんですが、自民党川口支部とおっしゃったんですか。
○国務大臣(新藤義孝君) 地域支部があるわけであります。私のは埼玉県第二選挙区支部という衆議院の選挙区支部でございますけれども、自民党の地域支部でいう川口支部というのがございまして、同じところを借りております。その中で家賃と光熱水費をどのように負担するかを話し合って、その中で取り決めて、それに基づいて支出しているということでございます。
○杉尾秀哉君 政治資金規正法四条三項に、これ寄附と書いてあるんですけれども、こうした、例えば事務所を使っています後援会なり政治資金団体なり、そういうところが使っているその家賃についてこの支部が負担をしているんだったら、それは寄附に当たるということで、やはり書かなきゃいけないんじゃないか、こういうことを、私、もう一回この手引も見させていただいたんですけれども、やっぱりこれは事実上の寄附なので、これは記載の義務があるというふうに私は理解しているんですけど、違いますか。
○国務大臣(新藤義孝君) 一体どこの部分の記載の義務があるというふうに御指摘いただいているんでしょうか。今委員が御質問されているのは、どこの部分の記載をすべきというふうにおっしゃっているんでしょうか。
○杉尾秀哉君 だから、これは、その川口支部ですか、川口支部から、例えば、まあどこが実際に払うことになるか分かりませんけれども、その川口支部の方から実際にその家賃が出ているということになるんじゃないですか。それとも、川口支部が持っているところでただ乗りしているということなんですか、つまりは。
○国務大臣(新藤義孝君) ここは、私どもが借りている部分は、川口支部の持ち物じゃなくて、川口支部も借りているんです。大家さんがいます。ですから、大家さんから川口支部が借りている分はその分を川口支部が大家さんに払い、私たちの第二選挙区支部が借りている部分は私たちの賃料としてそこに払っていると、これ分けております。
○杉尾秀哉君 じゃ、川口支部に払っている支払は、それは記載されているんですか。
○国務大臣(新藤義孝君) 私たちは川口支部に払っていないんです。賃料は大家さんに直接払っているんです。
○杉尾秀哉君 いやいや、光熱水費のことを聞いているんで、光熱水費はどこに払っているんですかと聞いているんです。
○国務大臣(新藤義孝君) 光熱水費は、契約者が川口支部でございますので、川口支部がそのまま払っていると、こういうことでございます。
○杉尾秀哉君 ちょっと意外な答えだったんで、ちょっと法律的な関係をもう一回整理しますけれども、ちょっと非常に分かりにくい。 それからもう一つ、前回の答弁で、人件費は資金管理団体から、事務所の固定費は政党支部から出ていますと、こういう説明でした。後援会の方は明細が一切ないんですけれども、コピー代、ガソリン代のような活動費の積み上げと、こういう説明だったんですけれども、この三つの関連団体の収支報告書を見ると、ガソリン代はもう政党支部の方で支払われている、計上されているんですよね。説明と違うんです。どうでしょう。
○国務大臣(新藤義孝君) 前回も御説明をした、私いたしましたけれども、政党支部で支出しているガソリン代は、私の、本人の使う車のガソリン代でございます。そして、後援会の消耗品費で計上しているガソリン代は、これはほかの駐車場代もそうなんですけれども、事務所の職員たちが日々の活動をしている中で使っているガソリン代を後援会の活動の実態に合わせて支出していると。ですから、駐車場もですよ。第二選挙区支部の事務所を借りているのは、大家さんから契約しています。それと、その事務所のための駐車場も借りているんですけど、その駐車場のものは、これは固定費としてこの第二選挙区支部でお支払をしていますということでございます。
○杉尾秀哉君 非常に分かりにくいんですが、これは口頭で説明していただかないと分からない。だって、これ見たら、この後援会のところ、明細何も書いていないんですよ。全く何も書いていないんで、何に支出したんだか分かりゃしないんです。 それで、二千七百万円もあるわけですけれども、支出の明細がないので、これ外形的に、この間の質疑のときもさせていただきましたけれども、不断の、政治活動についての、国民の監視の下に置くという政治資金規正法の趣旨からいえば、これはおよそ懸け離れているというふうに言わざるを得ないんですね。 そして、今日、この後の経済安保で高市大臣来ていただいていますんで、ちょっと大臣、申し訳ないんですけれども、大臣の収支報告書も見させていただいたんですが、一覧表にしてまとめました。 資料一なんですけれども、これ上段が新藤大臣で下段が高市大臣で、新藤大臣は二千五百万とか千四百万、千二百五十五万円、過去三年間でもこれだけ巨額の付け替えをしているわけですね。これ、十年間になると億単位になるわけですけれども、この下段の高市大臣、若干後援会の方に入れておられますけれども、ほとんど新藤大臣のような会計処理をされておられませんけれども、資金の付け替えをされておられませんけれども、これはなぜなのでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) まず、高市早苗連合後援会を含めまして、これは政治資金規正法にのっとり適切に収支報告を行っております。 政治家によって違うんだと思うんですが、私個人としての政治活動に必要な資金は支援者の皆様からの御寄附で賄っておりますので、これの図でいうと、一番右端の資金管理団体であります新時代政策研究会で管理をいたしております。 その上で、高市早苗連合後援会は後援会としての活動を行っておりまして、その実績を収支報告書に計上しておりますけれども、そのための資金というのは、後援会費というものを徴収しておりませんので、新時代政策研究会で管理している資金を充てることとして、支出の実績に応じて毎年数十万円程度を連合後援会に寄附をしております。
○杉尾秀哉君 ありがとうございます。 今説明ありました、私もそうですけれども、それぞれ政治家によって資金の処理の仕方は違うと思います。後援会の活動実態って違うと思いますけれども、今のその新藤大臣の付け替えのやり方を見ると、わざわざこれは明細、使途が分からない後援会の方にこれ意図的に付け替えているというふうに見られても私は仕方がないと思うんですね。いや、待ってください。 これ元々二〇〇七年に法律改正されたわけですけれども、このきっかけになったのが自殺をされた当時の松岡農水大臣の事務所費問題だったわけです。そのときも、報道をもう一回確認をしましたけれども、やはり後援会の、これはいろいろ、その与野党の中で駆け引きがあって、まあ最終的にこういう形で落ち着いたんですが、こういうふうな形の法改正だと、後援会の公開基準が緩いままで、当時から抜け穴になるんじゃないか、今、新藤大臣が指摘されているようなことと同じ、このようなことが起きるんじゃないかと、こういうふうに当時も指摘されていたんですね。そして、前回も質問しましたけれども、実際に二〇一八年に新藤大臣は同じ問題を指摘されているんです。にもかかわらず、こういう処理を相変わらず続けていらっしゃるんですが。 そこで質問なんですけれども、新藤大臣、前回の答弁で、私のこの資金処理については与野党協議に委ねるというふうな、そういうことを発言されましたけれども、これだけその政治と金、自民党の政治資金問題で世間の厳しい目が注がれているわけですから、自ら率先してこの付け替えやめられたらどうですか。透明度を高めたらどうですか。いかがですか。
○国務大臣(新藤義孝君) まず、付け替えとおっしゃいますけれども、何か、あたかも先に資金移動があって、そのお金を使っているかのように聞こえてしまうんですけれども、先ほど高市大臣もおっしゃいましたが、活動実態に合わせて私たちは先に支出があるわけでございます。 そして、私の消耗品費というのは、後援会の中での消耗品というのは、先ほど言いました職員のガソリン代ですね、それからコピー機のリース、印刷代、コピー用紙代、それから事務用品代、それに新聞、図書、雑誌なんですけど、一番大きいのは、活動諸費ということで、結局私のところは七、八人の人たちが毎朝駅頭をやったり、それから、それこそ一年間で千か所を超える会合に行っています。そういうときの、そこで結局、自動車で出かけていって近くの駐車場に止めるわけですよ、コインパーキング。こういったものの料金、これもやっぱり事務所で活動実態に合わせて負担している。 ですから、先に支出をして、ここ御案内のように円単位で出しております。使ったものを、この後援会で使っているものだから後援会に支出をすると。後援会には収入がございませんので、寄附を募っておりませんから、後援会では。ですから、そこに必要な資金を移動させているということで、あたかもその資金移動してそれを使途不明なように使うんではなくて、使途を、使ったものを補填していると、このように私は説明をさせていただいているわけであります。 その上でですね、やはり政治資金の公開の使途だとか透明性、これは非常に重要なことだと思っています。まさにその理念の下で、政治資金規正法においてそれを定められ、そして団体の在り方というのが定められている。ですから、私はその法律に基づいてこの対応をさせていただいている、このことを申し上げているわけであります。
○杉尾秀哉君 これぐらいにしますけれども、今その公開、重要だというふうにおっしゃるんだったら、冒頭の話に戻りますが、帳簿を出してくださいということを改めて申し上げまして、新藤大臣、御退席いただいて結構です。
○委員長(阿達雅志君) 新藤大臣、御退席いただいて結構です。
○杉尾秀哉君 それでは、次のテーマに参ります。 経済安保に関わる重要情報の保護法案、これからこの委員会でも質疑をされるわけですけれども、この法案審議の前に、経済安保関連の大川原化工機の冤罪事件についてちょっと聞いておかなければいけないことがあります。 去年暮れに、大川原化工機側に一億六千万円の賠償を命じる一審判決が言い渡されました。敗訴をした被告の国と都及び、それから勝訴をしました原告の大川原化工機側、双方が控訴をしております。ゴールデンウイーク明けにも裁判二審が始まると言われているんですけど、一審敗訴で控訴した理由、これ警察庁と検察庁の方から説明してもらえますか。
○政府参考人(迫田裕治君) お答えします。 警視庁におきまして第一審判決の内容を精査しました結果、まず一つが、原告の一名の方に対する取調べ及び弁解録取書作成の違法性につきまして、そしてもう一つが、今般の外為法違反事件の捜査の対象となりました噴霧乾燥機の規制対象該当性の判断につきまして、そうした点につきまして、警視庁側の主張が十分に認められなかったことを踏まえまして、控訴して上級審の判断を仰ぐこととしたものと承知をしております。 具体的な内容につきましては今後の訴訟の中で明らかにされることとなるものと承知をしております。
○政府参考人(吉田雅之君) 御指摘の国家賠償請求訴訟に関しましては、判決内容を慎重に精査した結果、検察官の公訴提起及び勾留請求の国家賠償法上の違法性に関する第一審裁判所の判断について受け入れ難い点があるとの結論に達したことから、控訴審の判断を仰ぐこととしたものでございます。
○杉尾秀哉君 今、控訴理由をおっしゃっていただきましたけれども、控訴理由書も提出されておりますが、これ、一審判決は捜査そのものが偽計だったと、取調べが違法だったと厳しく指摘しているわけですね。そして、控訴審で控訴理由書を原告側も出していますけれども、これ新しい証拠も提出されているようでございます。 これ、新聞論調なんかもチェックをしましたけれども、これ国と都はメンツで控訴したんじゃないですか。原告だってあきれているじゃないですか。これ、恥かくだけだと思いますよ、まあ法的理由というのはあると思いますけれども。 メディアの論調が極めて厳しくて、NHKが検証を、「NHKスペシャル」ですけれども、ドキュメンタリー番組を去年と今年、二回放送しているんですが、極めて反響大きかったんですね。それから、産経新聞、これ経済安保推進の立場の新聞だというふうに思いますけれども、社説でこういうふうに断じているんですね。この事件には捜査や刑事司法が抱える問題が凝縮されている、公安警察は見込み捜査に偏り恣意的な捜査を自制できなかった、検察はそれをチェックできなかった、容疑を認めないと起訴後も長期勾留される人質司法の問題も深刻だと。 ここに、問題を端的に指摘していると思うんですけれども、実際に、三人の大川原化工機側の被告のうち、まあ元被告ですけれども、一人が、末期がんにもかかわらず釈放されなくて、何度も何度も保釈申請繰り返したんだけれども、釈放されずに被告人という肩書のまま亡くなられているんですよね、適切な医療が受けられず。これ、極めて深刻な問題だと思いますよ。さっき言ったような法律論で片付けられるような、そんな問題では私はないと思います。 警察庁と検察庁に伺いますけれども、それぞれこうした指摘をどういうふうに受け止めているんでしょうか。
○政府参考人(迫田裕治君) お答えいたします。 お尋ねの件につきましては、現在訴訟係属中でありますことから、具体的な事柄については差し控えさせていただきたいと思いますけれども、結果として本事件について公訴が取消しとなったこと自体、真摯に受け止めているところでございます。 今回の件を契機として、警視庁におきましては、部内の教育、教養などを強化するほか、公安部に新たに捜査指導官を置くなどして指導体制を強化していくと、そういった報告を受けているところでございます。 なお、見込み捜査などとの御指摘がございましたけれども、一般論として申し上げますと、警察におきましては、捜査を行うに当たり、先入観にとらわれず基礎的捜査を徹底し、証拠の発見、収集に努めることとするなど、捜査は法と証拠に基づき緻密かつ適正に行うこととしているところでございます。
○政府参考人(吉田雅之君) お尋ねは、個別事件における検察当局の活動や、裁判官あるいは裁判所の判断に関わる事柄でございます。また、先ほど申し上げたとおり、現在、国家賠償請求訴訟が係属中でございまして、その中で検察官の公訴提起や勾留請求の国家賠償法上の違法性が審理の対象となっているところでございます。そういったことから、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○杉尾秀哉君 全然答えないんですけど、反省の一言ぐらいないんですかね、これ、本当に。 見込み捜査はないとおっしゃっていましたけど、私も警視庁二年担当して、検察庁四年担当しましたけど、しょっちゅうやっているじゃないですか。だって、先に事件の見立てつくるでしょう。で、その見立てに合ったストーリーの証拠を集めてきて証言集めてくる、こんなこと普通にやっているじゃないですか。この典型がこの事件なんですよ。しかも、公安事件で、経済安全保障という国策が絡んでいるから余計に深刻だということを言っているわけです。 そして、この捜査で、この担当者が、お二人、警部補が警部になり、警部が警視になり、昇進をされています。警察庁の長官賞と警視総監賞ももらっていますけれども、それから、警察白書にも摘発事例ということで誇らしげに載っていたんですけど、これどうなっているんですか、処分とかあったんですか。
○政府参考人(迫田裕治君) お答えいたします。 お尋ねの件、まず賞につきましては、警察庁長官賞については、令和五年七月二十七日、警視庁から警察庁に対し返納があったと承知しております。また、警視庁におきまして、総監賞、公安部長賞などについても警視庁に返納済みとの報告を受けているところでございます。 それから、白書の記述につきましては、東京地方検察庁が当該事件の公訴を取り消したことなどを踏まえ、関係者から警察白書等の記載を削除すべきとの申出があり、対応を検討した結果、令和五年七月六日、事件に係る記載を削除しているところでございます。 それから、お尋ねの昇任につきましては、試験や選考基準などに従い決定されるものであり、個別の事件の功労のみをもって決まるものではないものと承知をしているところでございます。 それから、関係者への処分については、現時点で特段処分は行っていないところでございます。 それからもう一点、見込み捜査云々という話ございましたけれども、現在訴訟中でございますので、具体的な事柄については差し控えさせていただきたいと存じます。
○杉尾秀哉君 いや、私、見込み捜査認めてくれなんて言ってないですけど、少なくとも処分するの当たり前じゃないですか。総監賞と長官賞は返納したということなんですけど、これみっともないんですが、しかも、これは少なくとも、まあ警視総監レベルかどうかは別にして、これ上司も含めて処分されるのは当たり前でしょう。当該捜査員はそうですけれども、実際にこれ異例の展開たどっているんです。 これは前の国会でもありましたけれども、証人尋問の中で、捜査担当者が事件は捏造だといってはっきり言っているんですよ。私、その証言のあれも、メモも読みましたよ。それから、この中で出ているんですけど、警視庁に内部通報窓口ありますけれども、この内部通報窓口に捜査員から通報があったということも明かしているじゃないですか。 こんな事件ないですよ。これ、警察のガバナンスって一体全体どうなっているんですか。少なくとも、上が範を垂れて自ら処分をするぐらいじゃなきゃいけないんじゃないですか。そして、問題点を検証して洗い出す、何が問題だったのか、そしてこれから何をすればいいのか。先ほどちらっと対策おっしゃいましたけど、こんな生ぬるいものじゃ駄目で、その深刻な反省の下に検証する必要があると思いますけど、いかがでしょう。
○政府参考人(迫田裕治君) 二点あったかと思います。 まず、処分を行わないのかどうかという点につきましてですけれども、現在、訴訟係属中であり、警視庁の捜査の国家賠償法上違法な評価を受けるものになるか否かについて今後上級審で審理されることになりますことから、現時点ではお答えを差し控えさせていただきたいと存じます。 それからもう一点、検証についてのお尋ねがございましたけれども、警視庁におきましては、第一審判決の内容を精査した結果、同庁の主張が十分に認められなかった。具体的に申し上げますと、まずは、今回のその判決で争点となりました、争点の一つ、本件の噴霧乾燥機が外為法上の輸出規制の要件に該当しているかどうかについて、もう一つは、原告の一名の方に対する取調べ及び弁解録取書作成の違法性につきまして、警視庁側の主張と大きく異なり証拠上受け入れることは難しいということで、控訴をして上級審の判断を仰ぐこととしたものであるということでございます。 警視庁におきましては、引き続き、国家賠償請求訴訟の上級審での審理に対応する過程で、本件捜査に係る事実関係について更に確認、整理していく、そうした中で判明した教訓事項を今後の捜査に生かしていくものと承知をしております。 なお、警視庁におきましては、本件に関して結果として公訴が取消しとなったこと自体は真摯に受け止めており、既に、部内教養などを強化するほか、公安部に新たに捜査官を置くなどして指導体制を強化していると、そういった報告を受けているところでございます。
○杉尾秀哉君 もう繰り返しはいいです。 松村国家公安委員長に来ていただいていますので、経済安保の錦の御旗の下にこういう危うい捜査が行われていた。これ、今、委員長、このやり取りをお聞きになって、この事件の深刻さ、捜査の問題点、どういうふうに受け止められているのか、そして、第三者の視点も入れた検証も含めて、これからどういうふうに生かしていくのか、これについてお考えあったら答弁してください。
○国務大臣(松村祥史君) お尋ねの件につきましては、やはり公訴が取消しになったということは、結果として立証が尽くせなかったと、こういうことであろうと認識をしておりまして、私としても真摯に受け止めているところでございます。 その上で、捜査が法と証拠に基づき緻密かつ適正に行われるべきことはこれは当然であると思っておりますし、警視庁においては、今回の件を契機として、部内教養等を強化していく等の報告を受けているところでもございます。 委員長としても、本件の公訴が取消しになったことは、これは真摯に受け止めているところでございます。引き続き警察をしっかりと指導してまいりたいと、このように考えております。
○杉尾秀哉君 今、立証を尽くせなかったというふうにおっしゃっていますけれども、立証を尽くせなかった以前の問題で、これ破綻しているんですよ、主張自体が、被告のね。 それで、経済安保担当の高市大臣に来てもらいましたので、ちょっと質問三つ通告しているんですが、もう丸めて一問にさせていただきますけど、今回の事件の教訓なんですが、自由な企業活動を阻害しないように細心の注意を払っていかなければいけない、それとともに適切な経済安保を進めていく必要性、これもまた非常に重要だというふうに思っております。 これからデュアルユースの進展、それから経済安保強化に伴ってこうした捜査上の問題、様々な問題が起きてくる可能性、これは十分あるというふうに思うんですね。これから、今度、懲役五年の新しい法制度も入れようとしているわけですから。とりわけ、今回もそうですけれども、先端技術は専門性が高くて法令解釈も難しい、そこで今回のような冤罪事件が起きると、やっぱり国民の警戒心というのはやっぱり強くなるというのはこれ必至だというふうに思うんですね。 そうした意味で、捜査機関や行政機関が先端的な重要技術に関する知識や見極める能力を高めることがますます重要になってくるんじゃないか、そうした中で、先ほど申し上げたような自由な企業活動を阻害しないように経済安保を進める必要性、これについて答弁いただけますか。
○国務大臣(高市早苗君) まずは、自由な経済活動を損なわないというのは当然のことで、経済安全保障の推進の名の下に、不当に企業活動に対する規制、監視を広げるようなことはあってはならないと考えております。この点は、令和四年九月三十日に閣議決定した経済安全保障推進法の基本方針にも明記をいたしております。 そして、セキュリティークリアランスとの関係でございますが、これ、外為法とは全く違う立て付けであるのはもう委員御承知のとおりだと思いますが、今回の法律案は、政府が保有する重要情報の共有を受ける意思を自ら示してくださる事業者との間で秘密契約を、秘密保持契約を結んで、何が対象情報であるかということを明確にした上で事業者の方に共有をして、共有を受けた事業者の方も公務員と同様に守秘義務を負っていただくということになります。ですから、民間企業が契約に基づかずにこの法案上の法的義務や罰則の対象となるようなものではございませんので、企業活動を阻害するということにはならないと思います。 それから、委員が御指摘くださいましたとおり、やはりこの情報保全もしっかりとしながら、そして企業の自由な活動もしっかりとしていただくという観点からは、やはり政府として、何が先端重要技術なのかということで、その動向をしっかりと見極める力を持つこと、これは重要だと思います。特に、技術動向の情報の収集、分析、集約を含む経済安全保障を推進するための体制を定員増などで強化をしてきたところですけれども、これからも、高い専門性を有する人材の確保、育成も含めて、政府全体で必要な体制を整備してまいりたいと存じます。
○杉尾秀哉君 分かりました。 高市大臣、退席いただいて結構です。
○委員長(阿達雅志君) 高市大臣、御退席いただいて結構でございます。
○杉尾秀哉君 それでは、残りの時間、ちょっと電動キックボードについて聞きたいんですけれども、また今国会では自転車の青切符導入、道交法の改正が審議される予定でございます。 その前に、電動キックボードの危険性について指摘しておきたいんですが、実はこの問題に私関心を持つきっかけになったのが、去年の暮れに地元の長野県軽井沢市で電動キックボードに乗った女性がバスと衝突して亡くなるという事故ございました。極めて残念な出来事なんですけれども。 去年七月に交通ルールが改正されて、電動キックボードの問題が取り上げられました。電動キックボードによる人身事故のまず件数なんですが、特に去年七月の今の申し上げました法改正の前後の数字、死亡事故の件数、ひき逃げ件数、これ答えてください。
○政府参考人(早川智之君) お答えをいたします。 いわゆる電動キックボードにつきましては、一般原動機付自転車として従来どおり歩道は通行できず、運転免許を受けなければ運転できないもの、それと、昨年七月に施行されました改正道路交通法により、特定小型原動機付自転車として自転車と同様の交通ルールが適用され、運転免許を要さずに運転することができるものの二つの類型がございます。 このうち、一般原動機付自転車等に関連する交通事故は令和五年中四十九件発生しており、うち死亡事故は、これは令和四年中の一件、それから五年中に三件発生をしております。 一方、今回の改正法により施行された特定小型原動機付自転車につきましては、改正法が施行されました令和五年七月から十二月までの間に、交通事故は八十五件発生しておりますが、死亡事故は発生しておりません。 また、道路交通法の救護義務違反、いわゆるひき逃げにつきましては、一般原動機付自転車等に関連するものの集計は、申し訳ありませんが、行っておりません。 一方、特定小型原動機付自転車に関連するものは、令和五年七月以降十二月までの間に二件を把握しております。
○杉尾秀哉君 今、人身事故の件数を言っていただいたんですが、去年七月の法改正の前、四十九件、法改正後は八十五件ということで急増しております。 交通違反の件数については、これ質問通告したんですけど時間がないので、これは相当増えているということなんですが、今説明ありましたけれども、この新しく規制緩和をされた後の特定小型原動機付自転車、これ実際、百五十円から、一時間当たりですね、千五百円程度のレンタルを含めて、町中で見かける機会が本当に非常に増えてまいりました。ルールとかマナーがひどいなと思われるものも結構あって、私自身、危ないなと見ていることも多いんですけれども。 資料としてお配りをしましたけれども、これ損保ジャパンの調査なんですが、電動キックボードに関する意識調査で、利用者を見て危険だと感じたことはありますかという質問に対して、八〇%近い、七八%、八割近い人があるというふうに回答しているんですけど、これ警察庁はこうした電動キックボードの危険性についてどういう認識なんでしょうか。
○政府参考人(早川智之君) 御指摘の意識調査は、改正法が施行された後の十月三十一日から十一月三日にかけて、インターネット調査により人口の上位十都道府県の者を対象に行われたものと承知をしております。 この意識調査やこれまで警察庁において行った有識者検討会の御指摘あるいは交通事故の状況等を踏まえますと、特定小型原動機付自転車につきましては、ルールを無視して歩道を走行するなど歩行者との交通事故が懸念される、あるいは特定小型原動機付自転車の利用者も交通事故の被害に遭うおそれがある、また特定小型原動機付自転車の利用者が交通ルールを熟知していないなどの点が課題となっているものと認識しております。
○杉尾秀哉君 先に紹介していただいたんですが、私もこの法律を作るに当たって設けられた有識者検討会の報告書を読ませていただいたんですが、今紹介されたように、そもそも総論自体が無秩序状態を懸念するという非常に厳しい意見だったんですけれども、にもかかわらず、あっという間に法改正ができちゃったと。 これ規制緩和なんですけれども、もちろん業界団体の働きかけもあったと思いますが、これを後押しする自民党政治家の動き、MaaS議員連盟というのがあったそうですけれども、こうした政治家の働きかけが背景にあったからじゃないですか。どうですか。
○政府参考人(早川智之君) お答えいたします。 改正前の道路交通法におきましては、いわゆる電動キックボードは全て原動機付自転車等に区分され、運転免許を必要とするなど、原動機付自転車等としての交通ルールが適用されておりました。一方、その使用実態を見ますと、自転車並みの速度でしか走行しないものもあり、一般的な原動機付自転車と同様に扱うことが必ずしも適当でない場合もございました。 こうした中、令和三年六月、成長戦略実行計画が閣議決定され、実証実験の結果を踏まえ、いわゆる電動キックボードに関して、交通ルールに関する制度改正を検討し、関連法案の提出を行うこととされたものでございます。 警察庁の、先ほどの警察庁の有識者検討会におきまして、いわゆる電動キックボードを含む多様な交通主体の交通ルール等の在り方について検討が進められ、これらを踏まえまして、性能上の最高速度や大きさが自転車と同程度のものを原動機付自転車から切り離し、特定小型原動機付自転車と定義いたしまして、自転車と同様の交通ルールを定めることとしたものでございます。 こうした改正は、道路交通法における原動機付自転車や自転車に関する規定の内容を踏まえつつ、特定原動機付自転車という車両の特性に応じて行われたものであると考えております。
○杉尾秀哉君 成長戦略実行会議の中で出ているんですよね。そして、この議連の中心人物、甘利元幹事長、それから山際元経済再生担当大臣、いわゆる商工族ですよ。これ、いとも簡単にやはり規制緩和行われているんですよね、これ。考えてみると、利益誘導の疑いを私は指摘せざるを得ない。 時間がなくなってきたんで、質問を通告はしたんですけれども、中身御紹介しますが、確かにこれ欧米で進んで、普及が進んで、五年前に私ワシントンDCに行ったときに随分走っているなと思ったんですね。ヨーロッパでは逆に規制強化の動きが強まっているということなんです。例えば、パリでは去年の九月にシェアサービスが禁止をされています。当然、これ通告したときにもおっしゃっていましたけれども、警察庁としても把握していると思います。 松村大臣に伺いたいんですけれども、実は、その去年の軽井沢事故が起きた後に、この軽井沢町が電動キックボードで公道を走行するのを控えるようにと呼びかけると、こういう事態になっております。 観光地でもこの電動キックボードがレンタルでこれから更に普及していくと思いますけれども、例えばこれ法律ができたときには、必要に応じて運転免許制度の導入を含めた検討を行うこと、こうした附帯事項が付けられている。それから、厳正な取締りということもやはり附帯事項に付けられております。 こうしたこれまでの経緯を踏まえながら、規制の見直し、それから場合によっては法改正の検討も必要ではないか、検討を始める必要があるのではないか、こういうふうに思うんですけれども、これから本当に無秩序状態になる前にそういうことが必要ではないかと思うんですけど、大臣の見解はいかがでしょう。
○国務大臣(松村祥史君) 御指摘の点につきましては、私も就任直後から、注視するようにということで警察に指導してきたところでもございます。 また、委員御指摘の長野での事件というのは、一般原動機付自転車ということで、いわゆる原付に当たるものであったかと……(発言する者あり)別のものであったかとは思いますが、法改正と規制の必要性のお尋ねがございましたが、早川局長からもいろいろお話がございましたが、交通の安全を守るための対応というのは、今日までも様々なことを行ってきたところでございます。 電動キックボードにつきましては、昨年七月から施行されたところでありますし、まずは関係事業者によって交通安全教育の取組を強化すること、加えて警察において交通違反に対する指導、取締りを強化をしまして、交通ルールの周知と定着を図ることが重要であると認識をいたしております。 その上で、いわゆる電動キックボードに関する交通事故の情勢、こういったものを的確に把握をして、また分析をして、その上で状況に応じた適切な対応をするよう、まずは警察を指導してまいりたいと考えております。
○杉尾秀哉君 今大臣自身もおっしゃっていたということですから、まずはルールの徹底と、それからやっぱり取締りの強化ですね、そして、場合によっては、これは看過できないということになったら、やっぱり規制の見直しも含めて、規制の強化の方向も含めて是非検討していただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。 以上です。
○石垣のりこ君 立憲民主・社民の石垣でございます。 昨日、東日本大震災から丸十三年となりました。各地の潜在的な地域の課題と相まって、本当にまだまだこれから復興への長い道のりを歩んでいかなければならないと実感したところでございます。被災地出身の議員としてもしっかり取り組んでいきたいということを申し上げて、質問に入ります。 加藤大臣に伺います。 こども政策担当大臣ということで、所信で、性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進法に基づき、多様性が尊重され、性的マイノリティーの方もマジョリティーの方も含めた全ての人々が、お互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けた取組をしっかりと進めてまいりますと、このように述べておられると思います。 まず、伺いますけど、この所信にありますマジョリティーの方というのは、どういう方を指すんでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 理解増進法では、全ての国民が、その性的指向又はジェンダーアイデンティティーにかかわらず、ひとしく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すものであると承知をしております。 三月七日の所信におきまして、性的マイノリティー及び性的マジョリティーとの表現を用いたのは、この法律の趣旨に従い、どのような性的指向及びジェンダーアイデンティティーであっても、全ての国民が生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けた取組をしっかりと進めてまいることを明らかにしたものでございます。
○石垣のりこ君 全ての国民がひとしくというのはもちろんそうなんですけれども、その後の文言が、お互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受というふうに書いてあります。 これ、そもそもこの性的マイノリティーの方々というのは、ここで言うこのマジョリティーの方々が当然のように享受できている権利ということが侵害されているということになると思います。そうした不均衡な状態にあるにもかかわらず、お互いにこの人権や尊厳を大切にしと言えてしまうこと自体というのは非常に、そもそもマジョリティーが無自覚に持っている権利、特権的な認識が欠けている、理解が至っていないということを述べていることにはなるのではないかと私は考えるんですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答えを申し上げます。 理解増進法は、全ての国民が、その性的指向又はジェンダーアイデンティティーにかかわらず、ひとしく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すものであると承知をしております。 政府としては、理解増進法が、性的マイノリティーの方々が性的指向及びジェンダーアイデンティティーの多様性に関して国民の理解が進んでいないことによって生きづらさを感じていることなどを立法事実として制定されたことも踏まえ、引き続き、同法に基づき、多様性が尊重され、全ての人々が、お互いの人権や尊厳を大切に、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けた取組を適切に進めてまいりたいと考えております。
○石垣のりこ君 だから、お互いに平等な立場で権利を有しているということはもちろんいいんですけれども、この理解増進法において、この理解増進法そのものの構成自体におかしいところがあるという根本的な問題はあるんですが、この不平等な関係において、資料一、御覧いただければいいと思うんですけれども、優越的な立場にあるこのマジョリティーの権利をここであえて言及するということの醜悪さと私はもう感じるほど、これは、こういうことを言うべきではないというふうに感じております。これは、もうここでこういう発言をしてしまうことによって、そもそも、この理解増進法、この理解を進めるべき立場にある政府、そして担当大臣である加藤大臣の認識が問われる発言ではないかというふうに考えております。 まあどうぞ、御答弁あれば。
○国務大臣(加藤鮎子君) 三月七日の所信において、性的マイノリティーの方もマジョリティーの方も含めた全ての人々がと表現をしたのは、この法律の趣旨に従い、性的指向及びジェンダーアイデンティティーは性的マイノリティーの方に限らず性的マジョリティーとされる方々も有するものであることを含め、全ての国民が性的指向及びジェンダーアイデンティティーの多様性について理解を増進することにより、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現を目指すことを明確にする趣旨で用いたものでございます。
○石垣のりこ君 ジェンダーの多様性とか性の多様性を言うときに、そもそものこの、もう既に権利として当たり前に特権が与えられている人たちのことを言うのではなく、スポットを当てるべきは性的マイノリティーの方たちなわけですよ。そこにおいて不平等な状態にあって、その権利を侵害している側が、あなた、私の権利も大事にしてよって言うこと自体おかしいんじゃないですかということを申し上げております。 この話をしていくとなかなからちが明かないようでございますので、LGBT差別解消法、そして婚姻平等法、この成立を改めて必要だということを強く実感をいたしました。この件に関しては、ここで一旦とどめたいと思います。 続いて、子ども・子育て支援法の改正について伺います。 七十五年ぶりに、四歳児以上、四、五歳児の保育配置基準が見直されまして、また、三歳児は二十人に一人から十五人に一人ということが提示されております。このように配置基準が変わることでどのように子育てに資するとお考えでしょうか。加藤大臣、お願いいたします。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答えを申し上げます。 待機児童対策の推進により量の拡大が進んだ一方で、幼児教育、保育の現場では子供をめぐる事故や不適切な対応事案なども生じていたことから、安心して子供を預けられる体制整備を急ぐ必要がありました。このため、四、五歳児につきましては三十対一から二十五対一へと、制度発足以来七十六年ぶりに改善を行うこととしました。 今回の見直しにより、職員一人が保育する子供の数が減ることになり、よりきめ細かい保育の実施が可能になると考えております。
○石垣のりこ君 政府としては、特に四、五歳児の七十六年ぶりの改定ということなんですけれども、この見直しの必要性というのはいつから認識されていたんでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 配置基準の見直しに係る要望につきましては、相当以前よりいただいているものと承知をしております。その上で、一九六〇年代以降、幾度かにわたり乳児や一、二歳児等の配置基準の見直しを図ってきたところであり、三歳児や四、五歳児の配置基準の改善については、社会保障と税の一体改革における議論の中で明確に政策課題として掲げられたものと承知をしてございます。 そうした経緯の上で、今般の加速化プランにおいては、待機児童の解消等が進み、必要な少子化対策のニーズが変化していることも踏まえ、幼児教育、保育の質の向上を柱の一つとして打ち出し、これらを実施することとしたところでございます。
○石垣のりこ君 政府は、予算、そして現場の混乱、確保できないと運営の危機があるなどを理由に、数十年にわたって、もう今のお話ですと一九六〇年代ということですから六十年ですか、にわたって、度重なる現場の要請を現場の自主的な加配という形でお茶を濁してきたことになると思います。これ、やっぱり政治の無責任、不作為ということを言わざるを得ないんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 御指摘のように、加算ではなく最低基準としての配置基準自体を引き上げた場合には、全ての施設において新しい基準の下でその基準に見合うだけの保育士等を確保することが必要になります。この場合、保育士等の確保ができない施設においては、子供たちへの保育の提供に支障が生じることとなります。 こうしたことを踏まえ、これまでの配置基準の改善については、加算という形で対応をしてまいりました。こうした対応自体は合理的なものであったと考えており、政府の無責任、無作為というような指摘は当たらないと考えております。
○石垣のりこ君 そう言いながら、どんどんどんどん少子化が進んでいった、で、ようやくですよね、それで七十六年ぶりの改正ということで、全く何もやっていないとは申し上げませんけれども、余りにも遅過ぎます。 今回の改定によって、不十分ではありますけれども、配置基準が見直されて、保育の質の向上に向けて一歩、まあ一歩と言っていいのか、前進したことは評価するものなんですが、しかしながら、既に一人でこの四、五歳児三十人というのは現実的に厳しいということで、保育所の自主的な保育士の加配などで、およそ二人体制で対応しているところがほとんどではないかと考えます。 この加配ではなくて配置基準として設定されることで保育所の人員配置の安定性というのは高まると思うんですが、保育の質の向上という点では、実際にもう現実的に対応が厳しいので、一人ではなく二人で対応しているところが多いと。ここでまた更に二人というふうに、二十五人に一人のところ、人数が減ったとしても実情としてはもう今二人ぐらい配置されていると。これ、今現状維持にとどまるというのが実際のところではないかと思います。 例えば、この配置基準を見直すということで保育の質の向上ということをうたうのであれば、これは本当に一例ではありますけれども、今三十人のところを半分の基準、例えば十五人ぐらいまで、これ三歳児の基準と同じになってしまいますけれども、この配置基準見直していかないと、本当の意味での保育の質の向上というのは望めないのではないか。 また、今三十人から二十五人に定員を変えることによって、じゃ、保育所側としてはどういうふうに考えるか。定員そのものを三十から二十五にするという選択肢ももちろんあるわけですよね。スペースの問題がありますので、じゃ、二十五人になったから、今は二人体制でやっているのでマックス五十人まで見ることができる、まあこれはかなり非現実的だとは思いますけれども。 こういう事情を鑑みると、やはりちょっと思い切った、もうちょっとこの配置基準を見直すべきではないかと思いますけれども、この本来の保育の質に本当に資する人数の改定であるのかどうかという点について、加藤大臣の答弁を求めます。
○国務大臣(加藤鮎子君) 三十対一の人員配置基準以上の保育士を配置している施設数については、現時点で把握はしておらず、今後調査を行い、しっかりと把握を行って、委員御指摘のような実態があるかどうかということも含め、しっかりと把握を行っていくことが重要と考えております。 既に二十五対一以上が実現していた施設は、今般の四、五歳児の加算により職員の頭数が増えるわけでは確かにありませんが、二十五対一実現のために措置してきたチーム保育推進加算の取得状況について、現状約二割強となっていることを踏まえますと、今回の措置は多くの保育現場にとって確かな支援になるものと考えております。 更なる配置基準の改善については、先日開催した子ども・子育て支援分科会におきまして、真に必要な配置基準はどうあるべきか科学的検証をしていただきたいとの御意見ですとか、子ども・子育てを取り巻く状況が変わっている中で今般の配置改善で十分なのか、エビデンスに基づいて確認いただきたいといった御意見をいただいているところでございます。 現時点では、職員配置基準に関する科学的検証の手法や必要となるエビデンスに関する知見が明確でないことから、まずはその点について情報の整理が必要と考えております。そうした整理の中で、どのようなことができるかを検討してまいります。
○石垣のりこ君 配置基準の見直しが行われるということで、これ問題はやはり今度は保育士の確保になると思います。保育士不足が叫ばれて久しく、これまでも少しずつ保育士給与の加算などを行っているということは承知しているんですけれども、それでも全産業平均を五万円ほど下回っているという現状もあると。労働の割には給料が少ないとの声が現場から絶えません。有効求人倍率、二〇二二年の時点で全職業が一・一九倍、保育士が二・四六倍ということで、もうこれ非常に高い水準でこの保育士不足が続いているという現状がございます。 配置基準の見直しは今すぐにでも実施すべき政策だとは思うんですが、こうした保育人材不足が生じておりますので、保育所側の人材確保のこの窮状に付け込むような、例えば年収の三割を紹介料とする、資格はあったとしても、短期で何度も転職を繰り返して、転職して紹介料を稼ぐのが目的のような人材をあっせんするなど、悪質な民間の職業紹介事業者が後を絶ちません。 資料八、御覧いただければと思います。二〇二二年八月のNHK、紹介手数料が経営に影響という記事、この見出しだけ読んでいただいただけでも、どのような問題が現場から指摘されているかということが御理解いただけるかと思います。紹介手数料が経営に影響、人員確保に苦しむ保育園、幼稚園の実態、人が見付からず手数料が負担に、さらに、僅か二か月で退職、戻らぬ手数料等々、園側だけの努力では改善が難しいというような見出しが出ております。 二〇一八年の職業安定法の改正に伴いまして、二〇一九年、厚労省は、保育所などの福祉施設の皆様へ、職業紹介サービスを利用する際には御注意くださいというリーフレットを出しています。資料の二です。 そして、昨年、二〇二三年の七月三十一日付けでは、医師及び看護師等の医療従事者、介護従事者及び保育士等の紹介実績がある職業紹介事業者に対する集中的指導監督の実施等についてという通知を出しております。これは資料の三にございます。 内容としましては、紹介手数料などの職業紹介の条件等についてトラブルになるケースが出ているので注意してくださいということなんですが、こうした、政府は、悪質な民間の職業紹介事業者に対してどのような問題意識を持っているのか、また、今回の配置基準の見直しによって悪質な職業紹介事業者が保育所の人手不足に付け込むことがないように、どのような対応を取られるのか、答弁をお願いいたします。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 保育士の人材確保は喫緊の課題であると認識をしております。こうした中で、保育現場から、保育士を確保するために民間職業紹介事業者を利用した際に、紹介手数料などの職業紹介の条件等が保育事業者の負担となっているなどの御指摘をいただいているところでございます。 こども家庭庁としましては、民間職業紹介事業者を利用することが保育事業者の負担とならないよう、人材紹介会社の所管省庁である厚生労働省と緊密に連携を図っていくことが重要であると考えており、保育事業者が職業紹介を利用する際の留意点、注意事項の幅広い周知など、必要な取組を進めてまいります。また、保育人材の確保につきましては、これまでも、保育士を希望する方への資格取得支援、保育所等におけるICT化の推進など職場環境づくり、保育士・保育所支援センターによるいわゆる潜在保育士のマッチング支援などに総合的に取り組んでいるところでございます。 引き続き、保育事業者の負担となるような民間職業紹介事業者に対する対応について関係省庁と連携していくことと併せまして、保育士の人材確保につきましてもしっかりと取り組んでまいります。
○石垣のりこ君 今年に入りましても、厚生労働省の職業安定分科会で、医療・介護・保育分野における職業紹介事業についてというのがテーマになっております。これ、二〇一八年に職業安定法が改正になって、こういう事業者を取り締まるべく法は改正がなされたにもかかわらず、同じような事案が発生しているということになります。この対策はもちろんされているんでしょうけれども、そもそも、やっぱりこれって構造的な問題をはらんでいると思います。 人材不足が著しい業種においては、職業紹介事業者からの紹介ではなく、やはり公的機関が人材不足を解消する役割というのをもっともっと担っていくべきではないかと私は考えます。これ、結局、保育、介護とか看護もそうですけれども、すぐに人材を手配してくれるところに頼まないと、配置基準を満たしていない、満たしていないと運営ができないということで足下を見られるわけですね。 資料の五と六、御覧いただきたいんですが、これは厚生労働省の保育分野における職業紹介事業に関するアンケート調査のデータでございます。これ、保育分野の職業紹介について、求人事業所の調査の結果、公の採用経路では確保できなかったことが職業紹介事業者を利用した理由ということで、七割以上の方がこのように答えている。実際、公の採用経路での職員確保も僅かという具体的な数字が出ています。職業安定所、公共の職業安定所が一三・一%、保育士・保育所支援センターが何と一・九%のみしかありません。四割、四〇・九%の方が民間職業紹介事業者からの紹介を受けているという、こういう数字が具体的に出ております。 高額な紹介料が経営負担となっているということに関しましても、資料の六でございますが、保育分野の職業紹介について、九割の経営者がやはり負担と感じているわけなんですね。もうこれ非常に高いと。すぐに辞めてしまった場合の負担も大きいということで、保育分野の職業紹介について、離職率が非常に高いと、七割が六か月以内にお辞めになっていると。さらにですよ、手数料の払戻しの有無に関してなんですが、四割が手数料の払戻しがないと。六割払戻しがあった中でも、全額払戻しは全体の一二%から一三%、一割ちょっとしかないんです。 これ、足下見られて、もう誰か入れなきゃいけない、ちょっとどうかなと思っても採用する、手数料がこれ二割だったり三割だったり、年収の二割だったり三割、そのずれありますけれども、払う、で、辞められる、でもお金は戻ってこない、また探さなければいけない、こういう現実がもう繰り返されているんですね。これってやはり、この民間の事業者に職業紹介を頼り過ぎていることのやっぱりこれ構造的な問題と私は指摘せざるを得ないと思います。 これ、実際に、今せっかく保育の質の向上ということで配置基準見直しになって、三十人から二十五人という変化ではありますけれども、ここで、じゃ、人が必要になった、ここぞとばかりにこの民間の職業紹介事業者がもう今ビジネスチャンスといって狙っているんではないかということすら想像ができる現状なんですね。この点に関して、加藤大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) まず、保育士不足につきまして、先ほども答弁したとおり、保育士の人材不足の解消につきましてはこれまでも総合的に取り組んできたところであります。このうち、特に公的機関である保育士・保育所支援センターの役割と積極的な活用が重要であると考えてございます。 このため、各自治体と保育士・保育所支援センターが連携して取り組み、好事例を共有することを目的とした全国連絡会を開催するなど、保育士・保育所支援センターの公的機関としての強みを生かした機能強化を進めていくこととしております。 さらに、令和六年度当初予算案において、潜在保育士の再就職支援の取組として、地域の保育所に関する情報提供や施設見学等の復職に向けた伴走支援を行う保育士キャリアアドバイザーを保育士・保育所支援センターに配置すること等に必要な予算を盛り込んだところでございます。 引き続き、保育士不足の解消に向けて、公的機関である保育士・保育所支援センターの強みを生かし、潜在保育士やこれから保育士を目指す方々に寄り添ったきめ細かな就業支援をしっかりと進めてまいります。
○石垣のりこ君 残念なことに、現状、ハローワークですとか保育士・保育所支援センターが職業紹介事業者にとって保育士求人をしている保育所のリストを入手できる格好な情報源になってしまっていると。その人材派遣を、そうじゃなくて、そこに求人を求めている企業に対して職業紹介事業者が、あっ、ここが求人を出しているんだったらうちのところ使ってくださいという、そういうリストを探すための場所になってしまっていると。現実に登録したもうその後すぐに、うちのところでいい人材がいます、いかがですかという電話がこういう保育所とかにも掛かってくる、メールも来る、こういう現状があるわけです。 何度も申し上げますように、この保育、医療、介護など、配置基準が設定されていて人員が欠けると運営できなくなるような社会福祉全般、医療全般のこういう業種に関しては、民間の職業紹介業者ではない公的機関の責任というのが本当に重要で、これもう規制をする、何だったら本当に公的機関がしっかりと責任を担うということを決断すべきだと考えますが、加藤大臣の答弁を最後に求めます。
○国務大臣(加藤鮎子君) 御指摘のとおり、公的機関が人材不足を解消する役割が、公的機関にしっかりと解消する役割を担うということも重要だというふうに考えますが、今、先ほど申し上げたとおり、公的機関である保育士・保育所支援センターの積極的な活用というのが重要であると考えております。 引き続き、公的機関としての強みを生かした機能強化を進めていくこと、またキャリアアドバイザー、保育士キャリアアドバイザーを配置するなど、今年度新たに必要な予算を盛り込んだところでございますので、しっかりと、公的機関としての保育士・保育所支援センターが、保育士不足の解消に向けて、潜在保育士やこれからの保育士を目指す方々に寄り添ったきめ細かな就業支援がしっかりと進められるように、こども家庭庁としても取り組んでまいりたいと考えます。
○委員長(阿達雅志君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(阿達雅志君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、内閣の重要政策及び警察等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鬼木誠君 立憲民主・社民の鬼木誠でございます。 まずは、所信で触れられました国家公務員の人材確保、働き方改革という課題について、人事院で人事行政諮問会議というものが行われております。その議論状況も含めまして、あるいは踏まえましてお尋ねをしたいというふうに思います。 公開されております資料は、第四回までの諮問会議の議事録、処遇も含めた戦略的人材確保の在り方、多様な属性の職員が生き生きと働き続けられる職場環境整備の在り方などをテーマに、公務職場を取り巻く情勢、課題、職場の実態、あるいは職員の意識などについて多くの資料が提示をされている、そして幅の広い議論がなされているというふうに受け止めさせていただいているところです。 このような議論経過はまだ途中ではございますけれども、現在までの議論状況を踏まえて、内閣人事局なり人事院の問題意識、あるいは課題の解決や前進に向けた方向性というものについて幾つかお尋ねをしたいというふうに思っています。 まずは、人材確保課題の大きなポイントである若年での離職、あるいは採用試験の申込みの減少という点についてです。 現状の分析報告がなされている二二年度の働き方改革職員アンケートの結果も提示をされています。その前年に行われた二一年度の職員アンケートの結果も見させていただきましたけれども、それによると、三十歳未満の男性職員の七人に一人、女性職員の九人に一人が離職の意向があるという結果が出ている。これ高い数字だなというふうに改めて思います。 この離職意向のある方のうち、二十代、三十代の方の要因は、両年、二一年も二二年もほぼ共通をしていまして、収入の少なさ、長時間労働の常態化という労働条件に関わる課題、あるいは、もっと自己成長ができる魅力的な仕事に就きたい、仕事を通じて専門性、スキルが磨かれている実感がない、今後キャリアアップできる展望がないなど、働きがいに関する問題が高い数字を示している。申し上げましたように、これかなり厳しい実態、本音ではないかというふうにも思っています。 ここにいても自己成長ができない、スキルが磨かれない、キャリアアップできないというもう職員の本音がそこにあるとすれば、そのことは必ず僕は外に伝わると思うんです。そして、外の方から見て、公務の職場というのは今申し上げましたように極めて働きがいの薄い、あるいは自己実現から遠い職場として見られているのではないか、だからこそ採用募集に対する応募も減ってきているのではないかというふうにも捉えています。 この働きがいということについて、あるいは働きがいという観点からの職場に対する職員の皆さんの評価について、内閣人事局としてどう受け止めていらっしゃるのか、まずお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(窪田修君) お答え申し上げます。 今御指摘のありました調査でございますが、これ自体、令和四年度の私ども内閣人事局で実施した職員向けアンケートの結果でございます。まさに御指摘いただいたような結果が出ておるところであり、私どもとしても、成長実感、働きがいが重要な課題であるということは認識しております。そのため、各府省と連携し、部下職員と上司とが定期的な対話の機会を設定する等、マネジメントの改革などを通じた取組を推進していく必要があると考えております。
○鬼木誠君 重要な課題であることは間違いないんですよね。ただ、二年続けて同じように高い数字が出てきている。まだまだ、まあ時間の短さというのはあるのかもしれませんけれども、効果として現れてきていないのではないかというようなことについて考えているところでございます。 かつては、実は僕も自治体で働いていた経験があるんですけれども、かつては行政の職場というのは、賃金は民間に劣るけれども、公務でしかできないことがあるよねとか、公務でこそ自分の能力が発揮できるよねというような受け止めがあった、そういう意味での働きがいというのは評価をされていたと思うんです。あるいは、働きやすさという意味での労働環境、職場環境というのも、やっぱり一部評価をされていたと思うんです。 そういう意味では、現在は、その働きがいや労働環境、その両面が否定をされている、あるいは評価をされていないという事態に陥ってしまっている。ここの原因を見極めていかないと、あるいはその原因を見極めた上で効果的な方策、施策を打っていかないと、今の状況をV字回復すること、本当に難しいんじゃないかというような強い問題意識を私自身も持っています。 で、その長時間労働の常態化、もう一つの大きな課題である長時間労働の常態化という点について。 これ、昨年の当委員会、本委員会で杉尾委員の方から、制度上の課題、あるいは各府省の努力がまだまだ足りていないんじゃないか、あるいは人事局、人事院としての一層の指導性の発揮等について指摘をさせていただいたところでございますけれども、まだ年度をまたいでいませんので、今年度の結果がどうなっているのかということについてはまた時期を捉えてお尋ねをさせていただきたいというふうに思いますけれども、今日は、この長時間労働の常態化という課題と密接に関係がある定員の在り方について少しお尋ねをしたいなというふうに思っています。 総業務量と総労働力、いわゆる業務量と人員のバランスなんですね。そのバランスが取れていないから超勤が発生をしている、残業が発生をしているというふうに私は捉えているんです。確かに、マネジメントであるとか業務運営上の工夫で少しは超勤縮減できるかもしれませんけれども、全ての超勤がそれでなくなるとは思えない。やっぱり、業務量と定員をどうバランスさせていくのかということが重要な課題になってくる。 これだけ超勤が常態化をしていますから、今までのやってきた方法を更に前に進めるというだけで本当に足りるのかというようなことについても問題意識を持っているんですけれども、業務量を減らすとか定員を増やすとかいうようなことについても含めて、まず基本的な認識として、現状、業務量に対して国家公務員の定員は足りているというふうな御認識にあるのかどうか、あるいは足りていないという御認識にあるのかどうか、そこをお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(阪本克彦君) お答え申し上げます。 超過勤務が発生する要因といたしましては、人事管理面、業務管理面、組織管理面など様々な要因が挙げられると考えておりますが、特にそのうち定員と関連する要因といたしましては、業務量の急増が予算編成過程における想定を上回っていること、あるいは年度中、年度間の業務量の繁閑の変動が恒常的な定員の要求に十分反映されていないこと、そして定員が措置されても十分な採用ができないなどによって欠員を生じていること、そういったものが挙げられると考えております。 このため、内閣人事局におきましては、これまで年度途中であっても必要な場合には緊急増員を行う、恒常的な定員では十分に対応できない業務については時限定員などを措置する、そして、他府省からの振替などによる人材確保を政府横断的に支援する、そういったことなどを行いまして、こうした要因に対応してきております。
○鬼木誠君 足りているか足りていないかというのは今のじゃ明確に分からないんですけれども、ただ、事業所、職場によって厳しい状況が発生をした場合には、緊急的なあるいは応急的な措置も含めて、業務量と定員のバランスが取れるような工夫や取組はやっていますよというようなことで受け止めさせていただきたいというふうに思っています。 国家公務員の数、単純に見ると、これ一八年以降どんどん増えてはきていますよね。恐らく、今おっしゃっていただいたような恒常的な超勤状況を回復をしていく、あるいは改善をしていくための方策として定員増というような御判断なさったんではないかというふうに思いますけれども、まず、一八年以降の増加に転じた要因、どのような状況があって、どのような判断で増加に転じてきたのかということについて一つお聞きをしたいというふうに思います。 それからもう一つは、資料の中で、これ、ほかの国と人数比較がしてあるんですね。資料によると、人口千人当たりの公的部門の職員数、これ中央、地方も含めてですけれども、日本は三十八人、フランスが九十人、イギリス七十一人、ドイツ六十四人、アメリカ六十二人というような資料が提出をされている。制度の違いがあるので、真っすぐ比較できるかどうかという問題はあると思います。ただ、詳細を見ると、政府職員と政府関係企業職員だけピックアップをしても、やっぱり日本少ないなというふうに思っています。 この認識、違いが際立っていることに対して、他国比較との関係で、やっぱり日本の公務員の数というのは少ないというふうな認識をお持ちなのかどうか、二つ目、それを聞きたいと思います。お願いします。
○政府参考人(阪本克彦君) お答え申し上げます。 まず、国家公務員の数の国際比較でございますが、現在、先ほど委員がおっしゃいましたように、国ごとに国や地方の役割分担とか官民の役割分担みたいなものが違っておりますので、単純比較は困難ではあります。 そして、先ほどおっしゃったもののほか、例えば国の公務に携わる中央政府と政府企業の合計数というふうなもので比較しますと、二〇二〇年から二一年で見ますと、我が国は人口千人当たり八・三人、そしてフランスはたしか四十二・七人、英国は四十四・九人となっておりますので、これらよりは少ないと。その一方、ドイツの十・七人、米国の六・三人ですとほぼ同水準ぐらいになると、そういった状況にございます。 いずれにいたしましても、政府におきましては、時々の行政需要に的確に対応できるよう所要の国家公務員の定員を措置してきておりまして、近年の定員の純増、御指摘ございましたが、それは、まさに頻発する自然災害への対応、そして経済安全保障、サイバーセキュリティーの確保、新型コロナウイルスへの対応、訪日外国人対応などの課題の対応のための増員が業務の見直しあるいはデジタル化などによる減員を上回ったものによるものでございます。
○鬼木誠君 行政需要が高まってきているというのはもう御指摘のとおり、おっしゃったとおりだろうというふうに思うんです。 ただ、数の変化を暦年で見てみると、一八年までは横ばいなんですね、ほぼほぼ横ばい。で、一八年以降が徐々に徐々に上がっていくというような数字になっている。二〇一八年までもう行政需要が、じゃ、なかったかとか高まりがなかったかというと、そんなことないと思うんです。ですから、一八年までは行政需要の高まりがあったり、いろいろなことでの定員を、何というんでしょうね、議論する場面や事象というのはあったかもしれないけれども、そこは、一八年まではなかなか上げるという方向でベクトルは進まなかったと。それが、一八年以降の、一気に一八年以降ざっと増えたというわけではないにもかかわらず、やっぱり増やしていかざるを得ないというような状況でなっていったと。 これは、やっぱり定員と業務量のバランスが取れていない結果、国家公務員の働き方、あるいは公務員職員の皆さんの厳しい職場実態というのが徐々に徐々に拡大をしていってひどくなっていって、そのことに対応せざるを得なくなってきた結果ではないかというふうに、一方でですね、そういうふうにも見えるということ、これ是非お伝えをしておきたいというふうに思っているところでございます。 もう一つ、諮問会議の中で、興味深い議論で、定員のカウントの在り方と管理の在り方というようなことが議論をされています。これも少し分かりにくいんですけれども、現行の定員管理は法に基づいて常勤職員のみ行っている。再任用短時間の方や非常勤職員の方はこの法律では管理されていない。常勤職員の方が例えば何らかの形で、何らかの理由で休業されるとか短時間勤務となった場合は、その方を一人として、そのまま一人としてカウントする場合とそうでない場合がある。そういう受け止めで多分正しいんだろうというふうに思います。 そのような説明、現行の制度説明があったときに、現行の定員のカウントの在り方、今申し上げましたようなカウントの在り方では正確な総労働力というのが把握できないのではないかというような問題がある、あるいは課題認識がある。この総労働力をカウントしていくための方法として、委員の方から、FTEという考え方に基づくカウントの在り方、民間ではこういうことやっていますよということでの御紹介がありました。会議の中では、直ちにそのことを導入をするというようなこと、もちろん判断はできないというふうに思いますので、担当部局にしっかり伝えるというような回答がなされているところでございますけども、この労働力のカウントの在り方であるFTEという考え方、どういう考え方なのかということの御説明をまずいただければというふうに思います。 その上で、こういうカウントの在り方を導入した方がより正確な総労働力の把握につながるんではないかというようなこと、そういう指摘についてどのようにお受け止めになっているのか、あるいは、今後、そういうことも含めて検討していくというようなおつもりがあるのかどうか、その点をお聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(阪本克彦君) お答え申し上げます。 FTEでございますが、これは、フルタイムイクイバレント、日本語で言いますと、フルタイム相当量などと訳されているようですが、それの略でございます。一人のフルタイム職員の業務量を一FTE、所定勤務時間が半分の職員は〇・五FTE、四分の一の職員は〇・二五FTEと、そういった形にすることによりまして、職員の数を、単に頭数だけではなくて、所定勤務時間を踏まえながら管理する、そういった方法でございます。 現在までのところ、常勤の国家公務員はほとんどがフルタイム職員でございますので、これまで頭数であります定員によりまして管理をしてまいったところでございます。 もっとも、今後、多くの職員の所定労働、所定勤務時間が職員ごとに多様化していく、そういったことが働き方改革を通じて進んでいくのであれば、FTEの考え方を取り入れる必要性も生じ得るところでございます。このため、私どもといたしましては、人事行政諮問会議における議論を注視しております。 なお、御指摘の件につきまして、例えば育児、介護等の事情で勤務時間を制約せざるを得ない職員というのはおります。そういった者につきましては、現在の、従来からの定員管理の仕組みの中での対応というものを行っております。具体的には、そういった事情のある職員の担当業務をカバーする、そしてさらに、子供の急な病気などの場合にも安心して職場を離れられるようにする、そういったことのために、人事当局の判断で柔軟にそういった職場に職員一人の追加配置を行えることができるようにする、そういった措置を講じてきているところでございます。
○鬼木誠君 ありがとうございました。 後段おっしゃった柔軟な配置というのは大切なことだというふうに思いますし、権利を、どういうんでしょうね、行使をする人も、それから送り出す人も安心して笑顔で送り出せるような職場環境というのが必要だと。そのためには、後段おっしゃったような柔軟な配置というのがやっぱりそれぞれの職場職場で判断をされて、しっかり運用、運営をされなければならないということについては同感をいたします。 その上で、前段おっしゃっていただいたFTEの考え方について、今後、柔軟な働き方改革という議論の中で必要があれば議論していくこともあるんではないかというような御回答だったというふうに思います。 これからのその諮問会議の議論状況がどのように推移していくのかというのはまだまだ分からないところでございますけれども、先ほど言ったように、私は、やっぱり、業務量、総業務量というのがある、そして総労働力というのがある、その相関の中で必要な定員数というのは決まっていくものというふうに思っておりますので、是非、その業務量と定員のバランスをどう取っていくのかという議論について、しっかりした議論を是非行っていただきたいなということを感想としてお伝えをしておきたいと思います。これ、最後にもう一度問わさせていただきます。 それから、もう一つ御指摘をしておきたいのは、今ほどもお話の中で少しありましたけれども、議論の中で、オランダの例を取りながら、常勤、非常勤という考え方、あるいはフルタイムかパートタイムかという捉え方がこれ必ずしも正規、非正規を分ける指標にはならないよねというような御意見も出ておりました。私もそれとおりだと思いますし、これも重要な指摘だというふうに思っています。 先ほど言いましたように、私、自治体職員出身ですけれども、これ地方においてはかなり大きな課題なんですね、実は。いわゆる正規か非正規か、常勤か非常勤かというのは地方自治体ではかなり大きな話になって、課題になっている。現状申し上げますと、御承知と思いますけれども、同じ業務をしているのに勤務時間が少し短いというだけでいわゆる非正規としての任用、処遇に大きな格差が付くというような実態がたくさん出ているんです。 今日はこの問題、深掘りをしませんけれども、申し上げましたように、総業務量あるいは総労働力という議論をしていく際には、この臨時、非常勤の問題、ごめんなさい、常勤、非常勤の問題、正規、非正規の問題というのは課題として避けては通れないんではないかというような問題意識を持っておりますので、そのことについてはお伝えをしておきたいというふうに思います。 その上で、先ほども少しお話をしましたこの諮問会議の最後に、森田座長の方から科学的な検証が必要だというような趣旨での御発信がありました。どれくらいの仕事量があるのか、それに対してどれくらいの人が必要かということのエビデンスをつくることが重要というような発言があったと。 この科学的な検証ということについて、今段階ではどう受け止めていらっしゃるか、そして、今後どのように議論を進めようとしていらっしゃるのか、内閣人事局、それからこれは人事院の方にもお聞きをしたいと思います。よろしくお願いします。
○政府参考人(役田平君) ただいまのお尋ねのございました人事行政諮問会議の森田座長の御指摘については、人事院といたしましても大変重要なものというふうに認識をしてございます。定員に関する所掌は内閣人事局でございますけれども、人事院といたしましても問題意識を持ってまいりたいというふうに考えております。 今後の人事行政諮問会議におきまして、この問題に関する状況について報告する機会を設けたいというふうに考えてございます。
○国務大臣(河野太郎君) 霞が関の働き方の問題で申し上げますと、長時間労働と、それから予見性がないということ、この両方がございます。一番のところは、この国会の日程がなかなか直前にならないと決まらないものですから、例えば、家族で介護をしているときにその介護の仲間に入れなかったり、あるいは、夫婦で子供を保育園に迎えに行くときに配偶者に一方的に頼らざるを得なくなる。よくあるのが、配偶者がフルタイムの仕事を辞めてパートタイムになるということもございます。 そうしたこともございますので、このエビデンスということで申し上げれば、今、内閣人事局では、例えば国会の委員会がいつ決定されたか、それから質問通告が何時に行われたか、それからこの質問通告が丁寧に回答ができるような段階で行われているのか、あるいは一行通告のように想定をたくさん作らなければならないのか、そうしたことのデータを今取っているところでございますので、そういうデータを基に、立法府にもこの霞が関の働き方改革の御理解をいただけるようにまた御相談に上がりたいというふうに思っているところでございます。
○鬼木誠君 状況等をしっかり把握をしていただいた上で御議論をいただきたい。その上で、立法府として当然協力すべきところは協力をしていくというようなことは必要だろうというふうに思います。 河野大臣、それから人事院の皆さんには質問これ以上ございませんので、お取り計らいをよろしくお願いします。
○委員長(阿達雅志君) 河野大臣、内閣官房内閣人事局の窪田統括官、阪本統括官は御退席いただいて結構です。あと、人事院事務総局役田総括審議官も御退席いただいて結構です。
○鬼木誠君 次に、大阪万博の関係、とりわけ災害発生時の避難計画についてお尋ねをしたいというふうに思います。 能登半島地震のような大きな地震、あるいは複数活断層による地震というものを見てみると、やっぱりかなり厳しい状況が夢洲でも起こり得るんではないかと、あるいはそのことを想定をした上で準備を怠ってはならないんではないかというふうに思っています。 計画では、一日の来場者数が大体二十二万とか二十三万、関係者も含めると二十五万人近くの方になる。地震が起きた場合に、ひょっとしたら、そこの会場の中、あるいは夢洲内にかもしれませんけれども、とどめ置かれることになる。 半日、数日分の備蓄、食料等の備蓄が必要ではないかというふうに思っておりますけれども、その点、今どのように御検討なさっているのか、あるいは予算がどれぐらい掛かるのかということについてお願いします。
○国務大臣(自見はなこ君) お答えいたします。 現在、博覧会協会におきまして、大規模な災害が発生した場合には来場者が会場内に一定期間とどまることを念頭に置きまして、その際に必要な水、食料、衛生用品等の物資の備蓄に関しまして、学識経験者等により構成されます安全対策協議会、こういう会議体がございますが、ここにおける議論も踏まえつつ、今年の夏までにその要領を策定すべく必要な検討を行っているところだというふうに承知をしております。また、予算についてでございますが、今後、その検討結果を踏まえまして、博覧会協会の資金計画の中で物資の調達を順次進めていくものと承知してございます。 政府におきましても、大阪府・市等の自治体、地方自治体との連携も非常に重要だと思っております。博覧会協会における検討状況につきまして、しっかりと我々もフォローしてまいりたいと思っております。
○鬼木誠君 ありがとうございました。是非しっかりしたフォローをお願いをしたいというふうに思いますけれども。 もう一つ、関連をして、まあ同じ答えかもしれませんけれども、漏水や断水、いわゆる水道管の問題があると思うんですね。これも能登でも起きました。飲料水はペットボトル等の備蓄で何とか賄える、ただ、生活用水、トイレとかお風呂とか、その生活用水についてはやっぱりかなり厳しくなったのが能登の状況だろうというふうに思っています。 この生活用水の備蓄についても、今おっしゃったような協議会の議論を踏まえて、協議会のところの検討の中身に入っているのかどうか、そこら辺、お聞かせをいただければと思います。
○政府参考人(福島秀生君) お答えいたします。 大規模な災害が発生した場合に、避難生活等に不可欠である水、食料、トイレ、こういったものを確保することは非常に重要であると認識しております。 こうした観点から、現在、博覧会協会におきましては、あらかじめ備蓄しておく物資としまして、簡易トイレ、必要な水などを確保すべく、学識経験者により構成される安全対策協議会における議論も踏まえつつ必要な検討を行っているというふうに承知しております。 政府におきましても、大阪府・市等の地方自治体等とも連携しつつ、博覧会協会における検討状況をしっかりフォローしてまいりたいと考えております。
○鬼木誠君 ありがとうございました。 是非、国としてもしっかりフォローいただきたいというふうに思いますし、夏に出される内容については、またその中身が出てからいろいろ中身についても御議論をさせていただければというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それからもう一点、来場者の避難、帰宅ということについてでございます。 これイメージ図が防災基本計画の中で出ておりまして、災害等が発生をした後、来場者は会場内に一旦避難をしますよと。その後、一時滞在施設への会場外避難、陸路、海路、鉄道といった手段による帰宅支援を検討する、そして関係機関に協力を要請するというふうに記載がされています。 この会場外の一時滞在施設というのは、どこのどういうものを想定をしてあるのか、これを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(福島秀生君) お答えいたします。 昨年十二月に博覧会協会において安全対策協議会における議論を踏まえて策定、公表いたしました防災基本計画におきましては、来場者が避難する先といたしまして、会場外の一時滞在施設の開設について記載されているものと承知しております。 現在、博覧会協会におきましては、大阪市等の関係機関と連携を図りつつ、舞洲や咲洲といった夢洲周辺において来場者を収容し得る大規模施設を幾つか選定しまして、当該施設の管理者との間で必要な協議を進めているものと承知しております。
○鬼木誠君 ありがとうございます。 周辺の島、大丈夫ですかね。夢洲だけが地震の大きな被害を受けるわけじゃなくて、咲洲、舞洲というところも近隣ですから、同様に被害を受けるんではないかなというふうにも考えておりまして、会場外の一時滞在施設というのが、本当におっしゃったような機能を有する、あるいは果たすことができるのかということについて、少しこれもまた夏の計画等を見ながらお話をさせていただければというふうに思います。 それからもう一つは、船舶による避難についてでございます。 能登半島地震でも、これは本当に、港湾が使用できなくなるあんな地震があるんだということを、改めてびっくりしましたけれども、これも想定に入れておかにゃいかぬのやないかなと思うんですね。 港湾が使用できなくなるようなことについてどのように今考えていらっしゃるのかということと、船舶の確保について、先ほどお話をしましたように、二十五万人マックスと考えたときに、まあその全てを船舶でということにはならないにしても、数万人規模は輸送できるような船舶が必要ではないかというふうにも思うんですが、その船舶の調達や確保についての検討、目途が立っているかどうかというところについて教えていただければと思います。
○政府参考人(福島秀生君) お答えいたします。 博覧協会の防災基本計画では、夢舞大橋及び夢咲トンネルにつきまして、耐震化済構造物であることから主要構造物の損壊等の致命的な被害が発生する可能性は低い一方で、地震の規模によっては発生直後から通行止めになり、その解除には一定の時間を要することも想定されているというふうに承知しております。 仮に、万が一アクセスルートが長期間にわたって寸断されるような、そのような事態が発生した場合につきましては、船舶を利用して来場者を会場外に搬送することを念頭に置き、現在、博覧会協会において大阪府・市等との関係機関と連携を図りつつ、関係団体との間で必要な協議を進めていくものと承知しております。 さらにその上で、船舶の利用も困難になるというような事態が発生した場合につきましては、周辺の被災状況も踏まえつつ、避難のために取り得る手段を検討するということになりますけれども、現在、博覧会協会におきましては、その際の必要な手続等について確認するなど、必要な検討を行っているものと承知しております。
○鬼木誠君 済みません。最後、大臣にお答えいただきたかったんですけれども、申合せの時間が来て、申し訳ございません。 最後、お尋ねをしたかったのは、液状化対策です。 これも能登の事例でも明らかなように、液状化というのは本当に広域で起こっていく。今、イメージといいますか図で示されているのは、会場区画内は大丈夫だよねという図になっている。でも、夢洲全体で見るとかなりの液状化が広がっていくんではないかというような予想もされていると。ここの地盤対策、液状化に向けた対策というのも必要だろうと、あるいは十分に検討しておかなければならないというふうに思いますので、その点の御検討についても強化いただきますことをお伝え申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(阿達雅志君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、塩村あやか君が委員を辞任され、その補欠として石川大我君が選任されました。 ─────────────
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 初めに、サイバー犯罪対策について伺いたいと思います。 近年、サイバー空間における脅威が増しています。インターネットバンキングに係る昨年の不正送金事犯は、発生件数五千五百二十八件、対前年比で三八六・六%増、被害総額八十六億円、対前年比で四六五・七%増、急増しておりまして、いずれも過去最悪とされています。 被害の大部分は個人で、四十代から六十代が全体の六割を占めているといいます。まさに社会や家庭の中心を担う世代であり、被害が与える影響は大きいと思います。被害の多くはフィッシングによるものと見られており、金融機関を装いフィッシングサイトへ誘導する手口が多く確認をされています。 これらサイバー事犯が近年急増していることに対する認識について伺いたいと思います。
○政府参考人(大橋一夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、令和五年中のインターネットバンキングに係る不正送金被害は、発生件数、被害総額とも急増し、いずれも過去最多となっており、極めて憂慮すべき状況にあります。被害の急増の要因につきましては必ずしも断定できないものの、委員御指摘のとおり、被害の多くがフィッシングによるものと見られるところでございます。 こうした状況を踏まえまして、警察庁におきましては、令和五年八月及び十二月、金融庁や関係機関と連携して国民に対する注意喚起を実施いたしました。また、この種、不正送金事案のうち暗号資産交換業者の金融機関口座が送金先となる被害につきましては、令和六年二月に、金融庁と連携いたしまして、金融機関に対して暗号資産交換業者の口座への不正送金対策の強化を要請したところでございます。 さらに、このような情勢を踏まえまして、部外有識者から成るキャッシュレス社会の安全・安心の確保に関する検討会におきまして、利用者が被害に遭わない環境整備や警察の対処能力の向上などについて御議論をいただいているところであり、当該議論も踏まえまして更なる対策を推進してまいりたいと考えております。
○窪田哲也君 このように深刻化するサイバー空間における脅威に対処するため警察法が改正をされまして、二〇二二年四月に警察庁にサイバー警察局、関東管区警察局にサイバー特別捜査隊が設置をされました。従来、都道府県警が担っていたサイバー捜査の陣頭指揮を国が担うと。国境を越えたサイバー犯罪に対して他国との共同捜査が前進するものと期待をされています。 実際、今年二月には、日米欧などが参加する国際捜査におきまして、被害規模が世界最大とされるランサムウェア、身の代金要求型ウイルス集団、ロックビットが摘発をされたことが発表をされました。加えて、警察庁では、捜査の過程でロックビットによる攻撃で使用不能になったデータの復元技術、世界で初めて開発をして、ユーロポールにも提供、この技術は各国で使われる見通しと聞き及んでおります。 サイバー警察局、サイバー特別捜査隊設置から二年、この間の成果について伺いたいと思います。
○政府参考人(大橋一夫君) お答えさせていただきます。 サイバー警察局の設置によりましてサイバー関係の各種業務が一元化されまして、人的、物的リソースの一層効果的な活用が可能となりました。また、サイバー特別捜査隊におきましては、高度な技術を用いて分析や解析を行い、外国捜査機関等とその結果を共有することなどによりまして、国境を越えて行われるサイバー事案に対し国際共同捜査を着実に進めているところでございます。 今委員からも御言及いただきましたけれども、実際に本年二月、各国の重要インフラ等に被害を与えていたランサムウエア攻撃グループ、ロックビットの一員と見られる被疑者を外国捜査機関が検挙し、関連サーバーのテークダウンを関係各国と協力して実施いたしました。 また、サイバー特別捜査隊が開発した同ランサムウエアに関する復号ツールの有効性が認められ、ユーロポールを介して各国の捜査機関に提供するといった協力を行うなど、目に見える形での成果も上がっているところでございます。 今後とも、サイバー空間における一層の安全、安心の確保を図るため、サイバー事案の厳正な取締りや実態解明、国内外の関係機関との連携を推進してまいります。
○窪田哲也君 サイバー事案では、個人であれば被害に遭ったことへの引け目、企業であれば社会的評価、企業価値ですね、これが悪化することへの懸念から、さらには捜査協力への負担感から被害の申告をためらうなど、被害の潜在化が課題となっています。 警察庁の二〇二二年調査では、不正アクセスなど被害に遭った企業、団体の四割が被害を届け出なかったことが明らかになっています。理由は、届出する必要があるか分からない、通報すべき窓口が分からないなどが多くを占めています。個人では、高齢者や青少年が被害に遭った際、そもそも被害に遭ったことを認識していないという実態、あるいは犯罪に対する知識不足、家族に相談しにくい内容などにより、被害の通報、相談がなされていない状況がうかがえるそうであります。 警察庁では、そうした被害の潜在化の防止を目的に、サイバー事案の被害の潜在化防止に向けた検討会を設置をして議論を重ねておられます。この議論を踏まえて、被害の潜在化防ぐためにどのような手だてを打っておられますでしょうか。
○政府参考人(大橋一夫君) 委員御指摘のとおり、サイバー事案は広範囲に被害が波及する危険等があることから、事案の発生を早い段階で把握し対処する必要があるものの、被害の通報、相談がためらわれる傾向が見られるなど、いわゆる被害の潜在化が課題となっております。 このような中、警察庁におきましては、部外有識者によるサイバー事案の被害の潜在化の防止に向けた検討会を令和四年度に開催いたしまして、関係機関等との連携による通報、相談の促進や被害者が通報、相談しやすい環境整備といった方策について多様な観点から御議論をいただいたところであります。 本検討会の報告書を踏まえまして、警察といたしましては、関係機関等との覚書の締結などによる警察への通報、相談の促進、警察におけるインターネット上の通報、相談窓口の統一化、各都道府県警察における通報、相談への適切な対応の徹底などの取組を推進しているところであります。 引き続き、被害者が通報、相談しやすい環境の整備に努めてまいります。
○窪田哲也君 サイバー空間における脅威の高まりを受けまして、警察庁は昨年、サイバー警察局の捜査分析官、警備会社大手の技術者を登用をされました。この登用は人事院が二〇〇〇年に導入した官民人事交流制度によるもので、警察庁にとって官公庁と民間を行き来するリボルビング人事の初めてのケースでありました。 捜査幹部に民間人が登用されることについて、昨年十月二十九日の日経新聞にはこのようにありました。サイバー脅威が壊す壁との興味深い解説記事を書いています。サイバー空間の脅威は、自治体警察、管轄という日本の警察の形を壊した、戦後警察史上初めて全国を対象に国が直接事件を捜査する体制を整えた、今回は官民の人事の壁も乗り越えたことになると。 サイバー空間の脅威が増す中、民間の知識や経験を活用することが非常に重要だと思いますけれども、どのように考えておられますでしょうか。
○政府参考人(大橋一夫君) お答えいたします。 警察においては、サイバー空間の脅威に的確に対処するため、企業での勤務経験を有する人材の中途採用や任期付採用等による積極的な登用を行っております。 警察庁のサイバー部門について申し上げますと、御指摘のとおり、令和五年にサイバーセキュリティー関連企業の社員を警察官として採用するなど、官民人事交流制度による採用を推進しております。また、都道府県警察について申し上げますと、企業での勤務経験や情報通信技術に関する高度な資格の保有を条件として、中途採用、特別採用を行っているところであります。 今後とも、サイバー空間の脅威に的確に対処するため、高度サイバー人材の積極的な登用を始め、多様な人材の確保を推進してまいります。
○窪田哲也君 最後に、松村国家公安委員長に伺います。対処能力向上への決意です。 サイバー事案の被害の潜在化防止に向けた検討会の報告書では、サイバー警察局は、サイバー空間は量的に拡大をして質的に深化するとともに、実空間との融合が進み、公共空間としての外縁を着実に、そして驚くべき速さで広げている、同時に、一たびサイバー事案が発生すると社会経済活動に多大な影響を及ぼしかねないと、このような認識を示しています。 昨年、名古屋港のコンテナターミナルがサイバー攻撃をされて、三日間コンテナの積卸しができなくなるというような事態も発生をしています。公安委員長が所信で述べられたとおり、良好な治安を確保することは政府の重要な責務であり、社会情勢等が大きく変化している中、警戒の空白が生じることを防ぎ、日本を世界一安全な国にするため、サイバー空間における対処能力の強化を図ることが重要だと考えます。 サイバー空間における対処能力向上へ向けた国家公安委員長の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(松村祥史君) サイバー空間における対処能力の向上について決意を述べよということでございますが、就任以来、やはりこの分野の特殊詐欺でありますとかサイバー事案、特に注視をし、今後強力に体制を整える必要があると検討してきたところでございます。 やはり、ポイントは二つあると思っておりまして、一つは、やはり人材の確保であろうと思っております。そしてもう一つは、やはり国際機関、関係機関との連携強化、こういったものが重要になってくると。そういう意味では、人材については、今、大橋局長とのやり取りを聞いておりましたが、そこでお答えもありましたけれども、専門的な技術や知見を有する職員の採用であったり官民の人事交流の促進、こういったことで人的基盤の更なる強化に努めているところでございます。 また、本年度の、六年度の予算におきましても、御指摘があった、隊を部に昇格をさせていただく組織改正要求をしておりまして、資機材等の整備やこういったサイバー空間への対処に必要な経費を盛り込んでいるところでもございます。 また、このサイバー事案は安易に国境を越えて行われますことから、国際共同捜査の推進に向け、外国捜査機関との連携の強化に取り組んでいるところでございます。 昨年の十二月、茨城水戸で開催をいたしましたG7内務・安全担当大臣会合、G7におきまして、やはりサイバー事案の今後の脅威について再認識をいたしましたし、更なるG7の結束、また、世界でこういう認識を持って対応すべきだということで一致をしたところでもございます。そういう意味では、今年開かれますイタリアでのG7会合においても引き続き議論をしていこうということになったわけでございます。 今後とも、こうした必要な体制整備を図りながら、サイバー事案への厳正な取締りや実態解明を強力に推進するとともに、国内外の関係機関、民間企業との連携、協力体制を更に強化をして、安心、安全な空間を確保できるように警察を指導してまいりたいと考えております。
○窪田哲也君 今おっしゃったように、人材、人的基盤の強化、そして各国との協力、これが非常に大事だと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 警察の方は以上で。
○委員長(阿達雅志君) それでは、松村国家公安委員会委員長、警察庁大橋サイバー警察局長は御退席いただいて結構です。
○窪田哲也君 続きまして、少子化対策、子育て支援について伺いたいと思います。 二〇二三年の出生数が過去最少の七十五万人となりました。七十五万人を下回るのは政府としては二〇三五年頃と見込んでおりましたけれども、想定を上回るスピードで少子化が進んでいる。婚姻件数も五十万組を割りました。婚外子が少ない日本では婚姻数が出生数に直結をします。未婚化、晩婚化への対応が少子化対策の鍵を握ると考えております。 格差社会という言葉を世に浸透させたことで知られる社会学者の山田昌弘氏は、近著「パラサイト難婚社会」、難婚というのは難しい結婚の婚ですね、「パラサイト難婚社会」の中で、未婚率の高さについてこのように言っています。結婚すれば結婚費用に新居費、子供ができれば出産費用に育児費用、保育所代に教育費、家計費用はどんどん膨らんでいく、それを賄えるだけの所得を多くの日本人が獲得できなくなってきている、日本の未婚率の上昇と出生率の低下は極論すればこれに尽きると、このように述べています。 未婚化、晩婚化の背景について政府はどのように考えておられますか。
○政府参考人(小宮義之君) お答えいたします。 国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によりますと、若い世代の未婚者の八割以上はいずれ結婚することを希望しておりますけれども、未婚者が結婚しない理由としては、適当な相手に巡り合わない、まだ必要性を感じない、そして結婚資金が足らないなどが挙げられているところでございます。 政府といたしましては、今申し上げましたような理由などが未婚化の背景にあるものと認識をしてございます。
○窪田哲也君 次は、加藤大臣に伺います。 政府は昨年、こども未来戦略を決定をして、三年間で実施する加速化プランとともに財源確保の基本骨格を示されました。 同プランには、児童手当の大幅拡充、若者世代の所得の向上、こども誰でも通園制度の創設、育児休業制度の大幅拡充など新たな取組が盛り込まれています。これらは一昨年十一月、公明党が政府に提案をした子育て応援トータルプランがベースになっているものであり、公明党としても高く評価をしているところです。 一方、加速化プランは既に子供がいる世帯向けが中心であって、未婚化、晩婚化への対応が弱いとの声が多く聞かれます。ここを強化していかない限り、持続可能な社会をつくることはできません。 若者に結婚しない理由を聞いた調査では、結婚資金、巡り合いを挙げています。所得向上や住居費負担の軽減策、出会いの場の創出など、結婚したくても結婚に踏み切れない若者世代向けの政府の支援策はどうなっておりますでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 こども未来戦略におきましては、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てができる社会を目指し、若い世代の所得を増やすことを基本理念の一つとして掲げてございます。 これを踏まえ、政府としましては、最重要課題である賃上げに取り組むとともに、同一労働同一賃金の徹底や、希望する非正規雇用の方々の正規化を含め雇用の安定を図るなど、若い世代の経済的基盤の安定に向けた取組を進めております。 また、こども家庭庁におきましては、出会いの機会、場の提供、結婚資金や住居に関する支援など、地方自治体が行う取組を地域少子化対策重点推進交付金により支援をしてございます。さらに、加速化プランの三・六兆円規模に及ぶ抜本的な政策強化によって今まさに子育てしている方々への支援を充実することは、これから結婚しようとする若い世代が結婚や出産に希望を持てる社会をつくることにつながると考えております。
○窪田哲也君 二〇一五年の少子化社会対策大綱で初めて結婚支援が対策の一つに、柱に位置付けられました。結婚新生活支援事業など取組が進んできました。この事業は、公明党の子育て応援トータルプランにも結婚支援策の一つに位置付けられているものであります。住宅の取得費用、リフォーム費用、賃借費用、引っ越し費用などを支援するものでありまして、二〇二三年度には、我が党の提案もあって、受給要件が世帯所得四百万円未満から五百万円未満に緩和をされました。これにより、若者カップルの九割がカバーをされることになったと聞いております。 これまでの成果について伺いたいと思います。
○政府参考人(小宮義之君) お答え申し上げます。 御指摘の結婚新生活支援事業でございますけれども、結婚に踏み切れない主な要因に経済的理由があるということも踏まえまして、結婚の希望をかなえる取組の一つとして、住宅取得費用等の結婚に伴う新生活の費用を補助する自治体の取組を支援するものでございます。 令和六年三月七日時点におきまして結婚新生活支援事業を実施している自治体は七百六十六市町村で、全国の約四四%となっているところでございます。また、これは令和元年度と比較いたしますと約三倍、それから支給世帯数で見ますと約十倍となっているところでございまして、着実に実績を伸ばしているところでございます。 また、実際に補助を受けた方々のうち、約九割の方々から結婚に伴う経済的不安の軽減に役立ったといったお声をいただいているほか、約五割の方々から結婚に至るまでにこの事業を目にしたというお声もいただいております。 こども家庭庁といたしましては、結婚の後押しにつながっているものと考えているところでございます。今後とも各自治体での更なる活用を促してまいります。
○窪田哲也君 若者が結婚しない理由として、一九九二年の調査開始以来、適当な相手に巡り合わないが男女共に一番高く、四〇%から五〇%を占めています。そうしたことから、国は出会いの支援、場の提供など、自治体が実施をする事業を支援をしているところです。 中でも、AIを活用したマッチングシステムは成果が出ていると聞いています。愛媛県では、会員情報をデータベース化をして、過去の様々な行動データを蓄積したビッグデータを基に相手を判断、提案したところ、引き合わせ実施率が一三%から二九%に向上。秋田県でも、マッチング機能の導入により候補者を提案し、オンライン化により結婚支援センターへの来所が不要なシステムを活用したところ、交際転換率、交際に至るですね、これが二一・二%から四三・九%に増加をしています。 自治体などが出会いの場を提供することで、若者も安心して活用ができるのではないかと思っています。こうした取組を更に広げていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(小宮義之君) ありがとうございます。 委員御指摘のとおり、AI等を活用したマッチングシステムの導入によりまして、お見合いに至る割合や交際に至る割合が従来型のシステムに比べまして高い実績を上げているものと認識をしてございます。現在、三十二府県におきましてこのようなシステムを導入していると承知しておりますが、こども家庭庁といたしましては、引き続き地方自治体における取組をしっかりと推進してまいります。 また、未婚者一人で婚活してもらうよりも、結婚支援ボランティアがいわゆる伴走型でサポートする方が更に事業の成果が高くなる傾向もございまして、実際、結婚支援センターにおける婚姻数が多い自治体は結婚支援ボランティアの活動も活発となっているところでございます。 令和五年度補正からこのような伴走型結婚支援についても重点的に支援しているところでございまして、こども家庭庁といたしましてしっかりと取り組んでまいります。
○窪田哲也君 働き方改革について大臣に伺います。 女性活躍推進施策の成果として、女性社員の合計特殊出生率を公表している企業の取組が近年注目を集めています。 ある大手商社では、二〇一三年、二十時から二十二時までのオフィス勤務を原則禁止をして朝型勤務のルールを導入、夜遅くまで働く代わりに翌朝早くから働くよう社員に促して、朝五時から八時まで勤務手当を出すようにしたそうです。その結果、働き方改革による社員の意識向上もあって、一人当たりの連結純利益は約十年で五倍、さらに女性社員の合計特殊出生率も、ルール導入前の〇・九四から二二年三月期には一・九七まで上昇したといいます。 会社を選ぶ一つの基準になるとの評価の一方、もちろん出産へのプレッシャーになるのではないかと懸念もあるのは事実であります。しかし、そうした企業の取組に対し、法政大学の小黒一正教授は、企業単位でのそうした取組も出生数引上げに寄与するとしております。 民間の働き方改革へ向けた大臣の決意を伺います。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 仕事と子育ての両立の難しさは少子化の背景にある大きな課題の一つであり、各企業において両立しやすい職場環境の整備に取り組んでいただくことは重要であると考えております。 このため、今般の加速化プランにおきましては、共働き、共育ての推進が大きな柱の一つとして掲げられており、育児休業給付の充実等を図るほか、各企業の取組を更に促すため、育児休業の取得状況や労働時間の状況に係る数値目標の設定等を義務付けるための次世代育成支援対策推進法の改正法案を今国会に提出することとしております。 あわせて、企業の自主的な取組の輪が広がっていくことを目指し、共働き、共育てに積極的に取り組む企業の事例の紹介なども行いながら、子ども・子育てに優しい社会づくりのための意識改革を進めております。 今後とも、関係省庁とも連携をいたしながら、男女共に働きやすい環境を実現していくため、共働き、共育ての推進に向けて全力を尽くしてまいります。
○窪田哲也君 是非、子育てに優しい社会づくりに向けて頑張っていただきたいと思います。 次に、ヤングケアラー支援について伺います。 政府は、家族の介護や世話に追われるヤングケアラーに対する支援を初めて法制化をします。公明党としましても、政務調査会内にヤングケアラー支援PTを設置をして取組を進めてきました。二〇二一年三月には同僚議員がこの問題を予算委員会で取り上げ、当時の菅総理から、省庁横断のチームで寄り添った支援に取り組むとの答弁を引き出し、政府の取組強化につなげた経緯があります。 そもそも、ヤングケアラーの問題は家庭内のデリケートな問題であり、表面化しにくい構造にあります。そこで、政府は、現状把握に向けて実態調査の実施を全国の自治体で推進をしています。ところが、この調査を実施しているのは全国二百五十八自治体にとどまっています。 自治体で実態調査を実施することは大変に重要なことであり、学校や地域での理解促進、相談しやすい雰囲気づくりに寄与するものと考えています。しかし、実際には自治体間の取組に大きなばらつきがあります。この格差をどのように認識をしておられますか。
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。 ヤングケアラーに対し必要な支援を着実に進めていくためには、まず地方自治体がその実態を把握することが重要であると認識をしております。 委員御指摘のとおり、令和五年二月末時点で全国二百五十八自治体にヤングケアラーに関する実態調査を実施していただいておりますが、特に中核市や一般市町村については必ずしも多くないと認識をしております。 このため、令和四年度から、地方自治体がヤングケアラーの実態調査を実施した場合における財政支援を実施しておりますが、今年度からは国の財政支援を拡充しているほか、先駆的な地方自治体の取組例を紹介しつつ、積極的な調査実施を促す通知を発出しております。 より多くの自治体において実態調査が実施され、ヤングケアラーの実態の把握が進むよう、引き続き地方自治体への財政支援等を進めてまいります。
○窪田哲也君 今国会の重要法案であります子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案の中に、ヤングケアラーを国、地方公共団体等による子供、若者支援の対象として明記することが盛り込まれました。これまでは自治体等の自主性に委ねられてきた面はありますけれども、改正案では、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子供、若者と定義をされます。 今回、法的根拠が設けられる意義を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。 ヤングケアラーに対する支援につきましては、地方自治体間で問題意識や取組の格差が見られますが、その背景には、基礎自治体である市町村において自らが実態把握すべき課題と十分認識されていないことや、地方自治体内において支援体制ができていないこと等が見られます。 これまで法律上ヤングケアラーに関する規定は設けられていませんでしたが、今回、子ども・若者育成支援推進法において国及び地方自治体等が各種支援に努めるべき対象にヤングケアラーを明記することで、地方自治体における問題意識や取組のばらつき等の解消につなげていきたいと考えております。 引き続き、全国でヤングケアラー支援の取組が進むよう地方自治体をしっかり支援し、関係機関、団体等が連携しながら必要な支援がヤングケアラーに届くよう取り組んでまいります。
○窪田哲也君 ヤングケアラーは、一般的に、本来大人が担うべき家事や家族の世話などを日常的に行っている子供と認識をされています。しかし、家族のケア負担の影響は、子供の期間に限らず、十八歳を過ぎても進学や就職面などで影響が続いていきます。ある男性は、中学の頃から母親のケアをしてこられました。初めは病院の付添い程度でしたけれども、高校からは家事にも携わるようになります。大学では介護漬けの日々を送り、就職後は介護離職も経験したといいます。 今回、十八歳未満を対象にした児童福祉法ではなく、子ども・若者育成支援推進法で法制化されることになりましたけれども、その意義について伺いたいと思います。
○政府参考人(吉住啓作君) お答えいたします。 御指摘のとおり、子供から若者への移行期は、進学、就職、生活設計等の選択など、自立に向けた重要な時期であり、十八歳以上のヤングケアラーへの支援も重要と考えております。 このため、これまでもヤングケアラーの支援の実施に当たっては十八歳以上の方も支援対象としておりましたが、今回の法案において、十八歳未満だけではなく若者への移行期も含めて支援対象となる子ども・若者育成支援推進法において、国及び地方公共団体が各種支援に努めるべき対象としてヤングケアラーを明記することとしております。 今後、御審議いただき、改正法が成立した暁には、これまで以上に十八歳前後での切れ目のない支援につなげられるように取り組んでまいります。
○窪田哲也君 どうか切れ目のない支援、よろしくお願いいたします。 加藤大臣に伺います。 ヤングケアラー支援については、我が党の山口代表が二月二日の本会議の質疑で取り上げました。山口代表は、一、早期発見・把握、二、支援策の推進、三、社会的認知度の向上という三本柱で政府の取組が進んでいることを受けまして、自治体間格差の解消、先ほども取り上げましたけれども、そして十八歳以降の切れ目のない支援の重要性を力説をしました。その上で、こども家庭センターの全国展開によるきめ細かな支援を効果的に実施することで、地域での支援体制を抜本的に強化すべきだと訴えております。これに対して総理も、地域の支援体制をしっかり強化していくと答弁をされております。 例えば、ヤングケアラー向けの家事の支援を一部の自治体が実施をしていますけれども、そうした取組を全国に広げていくことも非常に重要だと考えています。こども家庭センターの役割を踏まえた新年度の取組への決意を加藤大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 ヤングケアラーにつきましては、先ほど局長から申し上げたとおり、今国会に子ども・若者育成支援推進法を改正するための法案を提出し、国及び地方公共団体等による支援の対象として明記することにより、自治体間の取組格差の是正や十八歳前後での切れ目のない支援につなげてまいりたいと考えております。 また、令和四年の児童福祉法改正において、ヤングケアラー等の家庭に訪問し、家事や育児等の支援を行う子育て世帯訪問支援事業を創設したところでございます。来年度の法施行以降、全国の自治体で本事業実施の努力義務が課されることとされており、本事業を活用してヤングケアラーへの支援が充実されるよう、ガイドライン案の策定など、国としても必要な支援を行っているところでございます。 さらに、全市町村での設置を目指すこども家庭センターがヤングケアラーの支援における重要な役割を担うものと考えており、学校等と連携してヤングケアラーである子供を把握した上で、個々の家庭の状況等に応じたサポートプランを作成し、介護等のサービスも含めた外部支援につなげるなどの具体的な支援プロセスを今月末に発出するこども家庭センターガイドラインにおいて明確化することとしております。 新年度におきましても、地方自治体をしっかり支援するとともに、こども家庭センターを含め、関係機関、団体等がしっかりと連携することでヤングケアラーへの支援が充実するよう取り組んでまいります。
○窪田哲也君 ヤングケアラーの問題は、やはり自治体の取組の格差をなくしていく、十八歳以降の切れ目のない支援、これはとても大事だと思いますので、よろしくお願いをいたします。 続きまして、孤独・孤立対策について質問させていただきます。 孤独、孤立の問題は、独居世帯の増加、近隣、家族関係の希薄化、病気などが背景に挙げられ、近年はコロナ禍の影響もあって深刻化、顕在化をしています。 公明党は、二〇二一年二月、社会的孤立防止対策本部を設置をしまして、国会議員と地方議員が協力をして全国一斉の聞き取り調査を実施をしました。その結果を基にした政府への提言では、社会的孤立を個人ではなく社会の問題と位置付けるよう訴え、対策の推進と法整備を求めてきました。そうした取組もあって、二〇二一年に孤独・孤立担当大臣が置かれ、来月一日にはいよいよ孤独・孤立対策推進法が施行されることになっています。 内閣官房孤独・孤立対策担当室の政策参与で全国社会福祉協議会会長の村木厚子さんは、先日の公明新聞のインタビューで、今後対策を進めていく上で大事になるのが実態把握に関する全国調査の結果だと、このように述べておられます。 この調査からどのような実態が浮かび上がってきたのか、また取組の方向性について伺いたいと思います。
○政府参考人(江浪武志君) お答え申し上げます。 令和三年及び令和四年に実施いたしました孤独・孤立の実態把握に関する全国調査では、年代別の孤独感や、現在の孤独感に影響を与えたと思う出来事、孤立に関する事項などを調査をしております。 これまでの調査結果からは、孤独感が決してないと回答した人の割合は約二割でございまして、それ以外の約八割の人には程度の差はあるものの孤独感があるということ、また、孤独感に強い影響を与えたと思う出来事としては、例えば家族との死別、病気やけがなどの心身の重大なトラブル、独り暮らしなど、誰もが経験し得るものが上位に挙げられており、孤独の問題は誰にでも起こり得るものであるということがうかがえる結果となってございます。 このような調査結果を踏まえまして、孤独・孤立対策では予防の観点からの取組が重要であり、社会のあらゆる分野に孤独・孤立対策の視点を入れて対策を進めていくということとしてございます。具体的には、孤独、孤立に関する支援制度や相談先についての情報発信や、孤独、孤立に対する国民一人一人の理解、意識や機運を高めるための普及啓発活動によりまして、孤独、孤立の当事者や家族などが支援を求める声を上げやすく、周りの方が当事者への気付きや対処をできるための環境整備を図ること、孤独、孤立の問題を抱える当事者や家族などにとって日常の様々な分野における緩やかなつながりを築けるような多様な各種の居場所づくりといった取組を官民で連携、協働して進めてまいります。
○窪田哲也君 先ほどの公明新聞の記事でも村木さんは重要な二点を指摘をされています。 第一に、孤独、孤立には男女差、年代別、職業の有無、未婚、既婚は関係ないということ、第二に、家族との死別など環境の変化が起きたときに陥りやすいということです。つまり、誰にでも起きやすく、相談相手がいるかどうか、これが大きな差になると、このように指摘をされています。 政府は、新年度から孤独、孤立の人と行政支援とを結ぶつながりサポーター、仮称ですかね、の養成を本格化させます。 これに関連して、鳥取市では、生きづらさを抱える人のSOSを地域で早急にキャッチをして行政の支援への橋渡し役を担うつながりサポーターを市独自で養成をして成果を上げています。養成研修は、二時間程度の座学、グループワークを通して、孤独、孤立に陥る背景や地域住民とのつながりをつくることの重要性などの理解を深めるのが主な内容となっています。養成研修は二二年から今年一月までに合計九回開かれ、二百二十人がサポーターに登録したといいます。 政府は、こうした先進事例も是非参考にしてほしいと思います。認知症サポーターというのがありますけれども、私はあのようなイメージじゃないかなというふうに認識をしておりますけれども、地域でSOSをキャッチする人材の育成、どのように取り組んでいかれますでしょうか。
○政府参考人(江浪武志君) お答え申し上げます。 政府におきましては、先進事例も参考にしつつ、つながりサポーターの養成の検討を進めております。つながりサポーターは、官、民、NPOなどの全国的な連携の基盤となるプラットフォームにおけます検討成果ということでございまして、声を上げやすい、声を掛けやすい社会に向けた取組の一つと位置付けているものでございます。 つながりサポーターは、各地域におきまして、孤独、孤立を抱える人からの相談を受ける立場になり得る一般層を広く対象とすることを想定しております。一定の養成カリキュラムを受講いただき、孤独、孤立の問題について正しい知識を身に付け、身の回りの人に関心を持ち、できる範囲で困っている人をサポートしていただくことを期待しております。 昨年十一月より、有識者、相談業務を行うNPO、自治体の方などにより構成する検討会を開催しておりまして、サポーター養成カリキュラムの構成や使用するテキストの内容などについて検討を行っております。この検討に基づき、今年に入って地方自治体や専門学校、民間企業など数か所でカリキュラムの試行を実施したところでございます。 今後は、その試行の状況を踏まえまして、更なるテキストやカリキュラムの改善を検討し、プラットフォームにおける検討を経て本格実施につなげていく予定としてございます。
○窪田哲也君 最後に、大臣に伺います。 孤独、孤立の問題は複合的な要因によるものであり、当事者への支援を行政などが単独で行っていくことは難しいと思います。四月一日に施行をされる孤独・孤立対策推進法では、地域の関係者が相互に連携、協働することを定めています。自治体や支援団体、地域住民、企業などが協力をして取り組む官民連携プラットフォームの設置を促していくことになります。 これが今回の肝だと思っていますけれども、先ほど紹介した村木さんは、困っている人が声を上げやすく、困っている人に声を掛けやすい社会の実現に必要な視点はとのインタビューの質問に対しまして、頼り合う文化ともいうべき環境を醸成することだと、このように述べております。官民連携プラットフォームは、そうした頼り合う文化を醸成する土台になると思います。 加藤大臣に、孤独・孤立問題の取組への抱負を伺いたいと思います。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 多様な形がある孤独、孤立の問題に対応する上では、行政機関や支援機関単独では対応が困難な実態がございます。このため、住民に身近な地方自治体において、官、民、NPO等の関係者の連携、協働の下で、地域の実情に応じて孤独・孤立対策の施策を講じていくことが重要でございます。 こうしたことから、昨年の通常国会で成立した孤独・孤立対策推進法第十一条におきましては、地方自治体において、官民連携の基盤となるプラットフォームを構築していただくことを努力義務として定めてございます。 この官民連携プラットフォームにおいて、孤独・孤立対策に関わる官民の幅広い関係機関等が参画をし、それぞれが対等に相互につながる水平型連携の下で孤独・孤立対策の効果的な施策が推進されることが期待されており、これこそ官民連携プラットフォームの意義であると考えております。 令和六年四月一日より孤独・孤立対策推進法が施行され、国及び地方で安定的、継続的に孤独・孤立対策を実施することとなります。法の目的である、孤独、孤立に悩む人を誰一人取り残さない社会、相互に支え合い、人と人とのつながりが生まれる社会、その実現を目指して政府一丸となり、また地方での取組の展開を支援しながら、着実に孤独・孤立対策を前に進めてまいりたいと考えております。
○窪田哲也君 丁寧な御答弁、大変にありがとうございました。 実は私、今年の一月、年頭の、地元鹿児島のテレビ局に出演をしまして、各政党の地元の国会議員が全員出演したんですけれども、今年のテーマは何ですかと聞かれまして、私、復元力ということをテーマにしました。政治自体も、今、復元力を私は求められているときだと思っています。 一月一日にあのような災害があって、これまで我が国というのは、高度成長、そして拡大、効率化、そうしたものを目指して前へ前へとやってきたけれども、改めて、そういう災害だとかあるいは人口減少、特に私の住んでいる鹿児島などは、大変、あのような災害があったら一体どうなるんだろうと心配なことたくさんあります。 この人口減少に直面をしている、政治も信頼を回復しなきゃならない、経済ももう一回力強い経済を取り戻していかなきゃならない、そういう中で、やはり復元力というのは私はとても大事なことだと、今年のテーマだと思っているんですが、そういう中で、やはり誰も取り残さない、一人も取り逃していかないという、そういう取組が、ヤングケアラーの問題にしても、孤独、孤立の問題にしても、とても大事なことだと私は思っていますので、しっかりこども家庭庁取り組んで、大臣の方もしっかり取り組んでいただきたいと思います。 時間が参りましたので、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。 私も、まず東日本大震災のことでちょっと言いたいんですが、昨日で十三年になりました。私は、実は議員になる前がNHKの記者をしていて、福島のNHKに三年間勤務したことがあり、そして石川県の金沢のNHKにも勤務したことがあるので、東北地方の復興はもちろんのこと、今回の能登半島地震で被災した方たちへの本当にお見舞いを申し上げたいと思っていますし、政治家として本当に一日も早い復興に向けて取組をしていきたい、このように思います。 それで、質問なんですが、今日は、今後法案審議も予定されている少子化対策について聞きたいと思います。それで、三・六兆円の財源確保策についてはあしたの予算委員会で聞きたいと思いますので、今日はそれ以外の部分について聞きたいと思います。 まず、もう何人もの議員からありましたけれど、まず去年一年間に生まれた子供の数、これが、外国人などを含めた速報値、これが七十五万八千人余り、出生数、子供の数。出生数の減少は、前の年より四万一千人余り、率にして五・一%減少、出生率の減少はこれで八年連続となって、それで、統計開始以来最少となる。だから、要は少子化に歯止めが掛かっていない感じですよね。 だから、まさにもう危機的な状況というせっぱ詰まった状況になっていると思うんですが、まずこれについてどのような分析をされているのか、教えていただけますか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 出生数や婚姻数の減少の背景には、経済的な不安定さや出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさ、家事と育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育ての孤立感や負担感、子育てや教育に係る費用負担、年齢や健康上の理由など、個々人の結婚、妊娠、出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っているほか、ここ数年におきましては新型コロナウイルス感染症の流行による影響も考えられると認識をしております。 急速な少子化、人口減少に歯止めを掛けなければ我が国の経済社会システムを維持することは難しいと考えており、こうした危機感から三・六兆円規模に及ぶ前例のない規模で子ども・子育て支援を抜本的に強化することとしております。
○片山大介君 まあそうですよね。 それで、二〇三〇年になるまでが少子化トレンドの反転のラストチャンスとして、それで去年策定、去年の年末ですか、策定したのがこども未来戦略ですよね。それで、その未来戦略によると、来月から始まる新年度、新年度から、令和六年から八年までの三年間を集中取組期間と位置付けて、それで加速化プランを実施。じゃ、その加速化プランのいろんな施策を見ていくと、じゃ、どうなのかなというと、やっぱり子育て支援策や子育て世帯への支援拡充などがほとんどなんです。 これについて、政府としてどう整理して今回の施策を立てたのかを教えていただけますか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答えを申し上げます。 こども未来戦略におきましては、子ども・子育て政策を抜本的に強化していく上で乗り越えるべき課題として、若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けないこと、子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境があること、子育ての経済的、精神的負担感等が存在することの三点が指摘されています。 こうしたことから、加速化プランでは、ライフステージを通じた経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、子ども・子育て支援の拡充、共働き、共育てを支える環境整備などを一体として進めることとしてございます。
○片山大介君 今いろいろ言われたので、じゃ、それをちょっといろいろと分析していきたいんですけど、まず、その少子化の根本的な原因はどこにあるのか。これも今日いろいろと先ほどから議員が言われて、ほかの議員も言われていたんですけど、夫婦が子供を産まなくなったというよりは、やっぱり結婚しない人が増えてきた、要は未婚率の増加ですよね。 それで、これもデータ、出生率と同時に出たデータなんですが、婚姻の件数を見ると、戦後初めて五十万組を割って、去年一年間、四十八万九千組余りになった。それから、未婚の割合は年齢五十歳の時点で、これが男性が二八・二五%、だから、これ大体三人から四人に一人は五十歳時点で未婚なんですね。それから、女性でいうと一七・八一%、だから、これだと五人から六人に一人が未婚となっている。 その婚姻数というのは、実は、コロナで大変出会いのチャンスも少なくなったというので減ったんですけど、実はその前の年、だからおととしか、おととしは一転、これちょっと上がったんですよね。だけどまた下がっちゃったという感じなんですけど。 ここら辺をどうきちんと分析しているのか、総花的に言うんじゃなくて、ちょっと今日はこの話をしていきたいと思うんで、ちょっとそれお願いします。
○国務大臣(加藤鮎子君) 未婚化、晩婚化は少子化の大きな要因の一つと認識をしてございます。他方、女性人口の減少に加え、夫婦の持つ子供の数も減少しており、これらの点も少子化の要因として無視できるものではないと考えております。 こうした中、国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査によれば、若い世代の未婚者の八割以上がいずれ結婚することを希望していますが、結婚しない理由として、適当な相手に巡り合わない、まだ必要性を感じない、結婚資金が足りないなどを挙げております。 これらの背景としては、個々人の結婚、妊娠、出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っていると認識しておりまして、政府としては、そうした希望の実現を阻む障壁を一つ一つ取り除いていくことが重要だと考えております。
○片山大介君 そうすると、大臣、じゃ、具体的には何やるんですか、そこを教えてもらえますか。
○政府参考人(小宮義之君) お答え申し上げます。 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、出生動向基本調査におきまして未婚の理由等について調査を行っております。それで、大臣から御答弁申し上げましたとおり、様々な理由がその背景にあると考えてございます。 そういう意味で、一番大きな要因は何かというところはなかなか難しいところはございますけれども、例えば、その出生動向基本調査の中で、未婚者が考える結婚の利点について聞いているところがございます。それで、直近が二〇二一年でございますけれども、その前が二〇一五年の調査になります。 〔委員長退席、理事磯崎仁彦君着席〕 その中では、自分の子供や家族を持てるが結婚の利点と考える人の割合が、直近の調査だと逆に減っていると。それから、経済的に余裕が持てる、これ夫婦で共働きの場合は所得の方は世帯としては多くなることもあろうかと思いますけれども、それについては微増と。それから、独身生活の利点ということに関しましては、行動や生き方が自由という回答、それから家族を養う責任がなく気楽という回答をした者の割合が若干増加しているということがございまして、冒頭申し上げましたとおり様々な理由がございますけれども、自らのそのライフプランを考えていく中で様々な要因を考慮、考え、そして個々人が自分の意思でやっている結果として現状があるんではないかと承知をしております。
○片山大介君 私が聞いたのは、今のそれ、分析ですよね。だから、そのために、その後にどうアプローチしていくのかというのを聞いたんですけどね。じゃ、それを教えていただけますか。
○国務大臣(加藤鮎子君) 未婚化、晩婚化対策の取組につきましてですが、こども未来戦略においては、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てできる社会を目指し、若い世代の所得を増やすことを基本理念の一つとして掲げています。 これを踏まえ、政府としては、最重要課題である賃上げに取り組むとともに、同一労働同一賃金の徹底や、希望する非正規雇用の方々の正規化を含め雇用の安定を図るなど、若い世代の経済的基盤の安定に向けた取組を進めております。 また、こども家庭庁におきましては、出会いの機会、場の提供、結婚資金や住居に関する支援など、地方自治体が行う取組を地域少子化対策重点推進交付金により支援をしてございます。さらに、加速化プランの三・六兆円規模に及ぶ抜本的な政策強化によって今まさに子育てしている方々への支援を充実することは、これから結婚しようとする若い世代が結婚や出産に希望を持てる社会をつくることにつながると、こういうことも考えております。
○片山大介君 所得のところは後でちょっと新藤大臣も入れてお話ししたいと思うんですが。 〔理事磯崎仁彦君退席、委員長着席〕 じゃ、例えば、出会いの機会とかおっしゃいました。そうすると、じゃ、出会いの機会、どのような内容か把握されていらっしゃるのか、それに幾ら使うのか、効果含めてどういうふうに見ていらっしゃるのか、分かりますか。
○政府参考人(小宮義之君) 済みません、ちょっと手元に数字が今ないんですけれども、従前と比べまして、例えば私どもの世代と比べまして、今やはり出会いの機会としてはマッチングアプリというものが、若い後輩たちに聞きますとかなり多いというふうに聞いております。それで、我々世代は、一番多かったのは実は恋愛結婚といいますか、いろんな場で理想とする相手方を見付けるという機会が多分一番多かったでしょうし、それから、その前の私の父母の世代ですとお見合いということになろうかと思います。 そういう意味で、現在はマッチングのアプリを活用する若い方々が多いというふうに承知をしてございます。
○片山大介君 余りもうこれ以上は言わないですけど、今のも分析ですよ。分析して、じゃ、どういう対策を打つかという話なのに、今やはりそれ以上の説明ができていなくて、本当に未婚の対策が大切だと言うんだったら、やっぱりそこをきちんと考えなきゃいけないと思います。 それで、このこども未来戦略には、課題の最初にやっぱり所得のこと書いてあるんです。若い世代が結婚、子育ての将来展望を描けないことを掲げて、未婚化、晩婚化が少子化の大きな要因の一つになっている、そして、年収が高い人ほど配偶者のいる割合が高い傾向にあるとした上で、雇用の安定と質の向上を通じた雇用不安の払拭に向けて若い世代の所得の持続的な向上につながる幅広い施策を展開すると、こういうふうに書いてある。 ここら辺を今読まれているんですが、じゃ、これ具体的に、じゃ、これを実現するためにどういう政策をやってくれるかというと、それが加速化プランには書かれていないんです。それは新しい資本主義の下でやるって書いてあるのかな。それで、あくまでも加速化プランは子育て支援策の強化というふうに書いているんですよね。だから、課題の認識とそれから実際にやろうとしていることがきちんとこの未来戦略には書かれていない、具体的に。その点はすごく気になる。何でこういう立て付けになっているのか、教えていただけますか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 こども未来戦略におきましては、若い世代の所得を増やす取組として、子ども・子育て政策の範疇を超えた大きな社会経済政策として賃上げ等に取り組むとともに、それらと併せて、加速化プランにおいて、ライフステージを通じた経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、子ども・子育て支援の拡充、共働き、共育てを支える環境整備などを一体として進めることとしております。 先ほども申し上げたとおり、抜本的な政策強化によって子育てしている方々への支援を充実することは、これから結婚しようとする若い世代の希望につながるということも考えております。 先ほど申し上げた経済的な支援策の方につきましては、子育て政策の範疇を超えた大きな社会経済政策としてこども未来戦略の中では位置付けておりまして、加速化プランの中では記入、記載していないということであります。
○片山大介君 今のその大臣が言われた範疇に入っていないというのはやっぱりおかしいと思うんです。未婚化や晩婚化、その背景にある若い世代の所得の低さ、そして非正規雇用で十分な収入が得られていない、ここが未婚化対策のど真ん中ですよ。それなのに少子化対策の範疇を超えて行われるって、こういうことで私はいいのかと思う。そうすると本当にその三・六兆円が効果出るのかと思います。 じゃ、そこについてはどうお考えなのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(小宮義之君) 少子化の要因、先生、よく委員御案内だと思いますけれども、三つ要因が基本構造としてございます。一つは有配偶出生率、すなわち夫婦が産む子供の数、二つ目が婚姻率、有配偶率で、まあ結婚する割合、そして三つ目が女性の人口動向ということでございますが、女性の人口動向につきましては、もう過去、そういう意味では二十数年前にほぼ将来の母になり得る方の数というのは決まりますので、有配偶出生率とそれから有配偶率、いわゆる結婚割合というものがどうやってそれを後押しできるかという問題になります。 そして、こども未来戦略におきましては、まず結婚されている夫婦の方々が産む子供の数、これ戦後安定的に二をちょっと超える若しくは二をちょっと下回るぐらいで推移してきておりましたけれども、最近それが少し下がりぎみになってきてしまっているというのがまずございます。そして、そのために、まず結婚していただいている方々に有配偶出生率が上がるような、そういう意味で環境整備を未来戦略におきましてしっかりやっていくと。それに基づいて、将来結婚をして子供を持つということについてやはり明るい展望を持てるような社会をつくっていきたいというところが未来戦略としての考え方になっていると承知をしてございます。
○片山大介君 何か余り回答になっていないですよね、聞いていて分かるように。 じゃ、新藤大臣、今日せっかく来ていただいたので、じゃ、その新しい資本主義の下で所得を上げていくと。だから、これをどういうふうに子育て政策、それこそ家庭庁と連携を取るのか、そこのお考えあれば教えていただけますか。
○国務大臣(新藤義孝君) まず、全世代型社会保障の概念というのは、これまでと大きく根本思想を変えたわけですよね。社会保障は、これまでは高齢者と障害者のためのものでございました。それを今回は、この少子高齢化、人口減少の国にあって、これは高齢者になってからの保障だけではなくて、現役世代にもその支援をする、負担もしていただくけども支援もしようじゃないかと。そして、子供たちにも将来の活躍の場をつくるためにも、この子育て支援、そしてまた教育支援、こういったものを手厚くしていこうと。 ですから、まずトータルとして、全世代で社会保障という、社会を維持するためのですね、そういう制度を充実させていこうということが前提にあります。その中の加速化プランというのは、子育て部門についてどうやっていくか。 そこで通底しているのは、結局のところ、我が国は三十年間この名目一人当たり賃金が一・〇倍ですから。ですから、かつての所得が三十年前も変わらない中で、やっぱり結局一番そのしわ寄せが来るのは所得のまだ上がらない働き始めの若年層と。だから、そこのところをどうやって手厚く所得を見ていくか。それは、やっぱりこれからの働き方というのは、一律雇用ではなくてジョブ型という、自分の能力や職務に応じた報酬を得る中で給料を確保してもらおう、やる気のある人、一生懸命頑張った人にきちんと報酬が払えるようにしようじゃないかと。 それから、女性の働き方も、これ、非正規で語っていいのかと。非正規の正規雇用化ということは、正規雇用の在り方も、この従来の一律の雇い方ではないものが考えて、子育てしながらでも正規でもってきちんと働いていける、そういう枠を広げていこうと、こういうことを私たちは今、こども庁や、それぞれがですね、厚労省、そして文科省、いろんなところと連携してやろうとしているわけでございます。 そして、子育て、その戦略の中で最も、まずは子育て世代の所得を増やす。我々はそれをリスキリングだとかそれから雇用の流動化という三位一体の労働市場改革、これをやりながら、そういう人たちにきちんと賃金が払えるだけの企業の業績改善をしなきゃいけないと。それには生産性の向上が必要だと。だから、ここで省力化投資だとか助成金を出すと。もう全部連携しながら、最終的に一番まずは活躍してもらいたい人たちに光が当たるような、そういったことを工夫しようと思っているわけでございます。
○片山大介君 家庭庁としても、だから、若い世代の所得の向上、課題の最初の柱に掲げているんだったら、もっと考えてほしい。 じゃ、だとすると、じゃ、若い世代の所得がどれくらい上がればいいと、そういうふうに見ているのか、これ答えられますか、家庭庁。
○国務大臣(新藤義孝君) 若い世代ではなくて、一番重要なことは可処分所得を上げることなので、最低限、物価上昇を超える賃金を実現させなければ。その中で所得を上げていく、かつ、それが一律の給与体系から、それから更にですよ、もっと膨らませて、職務給で、自分の能力に合って、努力によって上げていく、こういったことを実現しようと思っているわけであります。
○片山大介君 だから、それを、大臣の立場、新藤大臣の立場はそうなんだと思うんですが、家庭庁としては、やっぱりそれを子供の世帯、未婚の世帯、その人たちが結婚や出産への希望を持つようになるにはどういうふうな所得を向上させればいいのか、どのくらいまでか、そういったところを考えるのが本当の少子化対策だと私は思いますよ。そこはどういうふうにお考えなのか。
○政府参考人(小宮義之君) お答えいたします。 直接のその所得、例えば定量的に、所得がどのぐらい上がったら、例えば結婚の割合がどのぐらい上がるとか希望する子供の数がどのぐらい上がるとかいうことについて分析をしたものは、申し訳ございません、まだ私、目にしたことはないんですけれども、問題意識としては、当然ながら、どのぐらいその所得を、特にその所得の展望ですね、がポジティブに捉えられるようになったら、例えば未婚の問題、若しくは夫婦で持つ子供の数の問題に影響があるのかということについては、しっかり課題認識をしながら、分析もしっかりやっていきたいと考えております。
○片山大介君 あともう一つ、いろいろな施策をやることになっています、少子化プランの中で。それで、これ目標設定をしっかり立ててほしいと思うんですよ。 それで、今どのような効果が見込まれるのか、その実現に向けて目標はどういうふうに設定するのか、この指標をKPIというんですけど、これまだ、じゃ、できていないんですよね、家庭庁。三・六兆円、去年の年末に掲げておいて、それのKPIがまだできていない、これはどういうふうに説明されますか。
○政府参考人(小宮義之君) お答えいたします。 委員御指摘のKPI、どうやってちゃんとエビデンスに基づきながら施策の検証を今後やっていくのかということになろうかと思いますけれども、まず目標についてでございますけれども、加速化プランに含まれる個々の政策についての目標につきましては、その目標、最終的なゴールについては、非常にそういう意味では数量的な目標値というのは難しいところではあるんですけれども、個々の施策の、そういう意味で検証に関して言いますと、それぞれの施策の進捗状況を確認するもの、そして、その施策で効果がどのように発現しているのかについて見る指標、それぞれあろうかと思いますので、今、こども家庭庁におきましては、それらも含めて、こどもまんなか実行計画としてどのように検証していくのかも含めて、取りまとめをすることを予定しているところでございます。
○片山大介君 早くやってほしいです。本来だったら、予算獲得の前にそれKPIを立てて、行政事業レビューシートに書き込んで、それで予算確保するものじゃないんですかね。 それから、よく今EBPMってはやりで使っていますけど、あれだってエビデンスに基づく政策立案ですよ。それじゃ、政策目的としてどういう効果があるのかというのを考えてその施策だとか手法を選ぶのに、そっちが先にやるべきなのに、そうじゃなくて、先に手法を選択して後から今効果を分析する、それも遅れているってなっている。 ですから、これ本当にその少子化が危機的な状況であると言うんであれば、それをしっかりやっていただかないと困ると思いますが、最後に大臣、言っていただけますか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 加速化プランに含まれる個々の施策の具体的な目標につきましては、現在、関係省庁と連携をして検討を進めております。 このうち、アウトカム目標は、少子化対策の観点から、個々の施策によって得られる成果を示すものを設定することとしておりますが、現在、関係省庁と連携して検討を進めておりますので、いるところでございます。また、アウトプット目標は個々の施策の進捗状況等を測るものを設定することとしておりますが、一例としては、産後ケア事業について実施する自治体数などを想定しております。
○片山大介君 終わります。頑張ってください。
○柴田巧君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の柴田巧です。よろしくお願いをします。 まず最初に、地下シェルターについてお聞きをしたいと思いますが、ロシアのウクライナ侵攻からもう二年余りをたちました。いろんな教訓を我々は得ていると思いますが、そのうちの一つ、大きな一つは、やはりこのシェルターの重要性だと思います。ミサイル攻撃や砲撃、爆弾などからこのウクライナの皆さん、この地下シェルターの中に退避して、また長期間の方もあるかと思いますが、そこで避難をして命を長らえているということであります。 このシェルターは、よく知られているように、普通の国というか、他の先進国においてはもうかなり力を入れてきているわけで、よく知られていることですけれども、スイスなどでは、永世中立国でありますけれども、一〇〇%その普及率があると言われていますし、ノルウェーにしてもスウェーデンなどにしても高い数字になっていますし、アメリカは七八、イギリスは六七%ということで、日本は〇・〇二%だという説もありますが、こういう武力攻撃から国民を保護する、こういうシェルターの整備を怠ってきたと、そういう意味では、先進国の中でも極めて国民の命を軽んじる、そういうまれな国だともう言わざるを得ないと思います。まあシェルター後進国だと言っても言い過ぎではないと思っていますが。 二〇〇四年に国民保護法が成立をして、都道府県や政令指定都市にシェルター、避難施設のですね、有事に備えた避難施設の指定を義務付けてはいますが、今のところ全国ではこの指定避難施設は九万四千余り、このうちいわゆる堅牢な施設、緊急一時避難施設は五万二千余りとなっています。この地下施設、これが被害防止の上で効果が高いと言われていますが、千五百九十一か所で一・六%だと、その避難施設のうちですね、というのが現状であります。 この一昨年まとめられた国家安全保障戦略でも様々な種類の避難施設の確保が明記をされたところでありますが、この整備をしっかりしていく、そしてあわせて、後でまたお聞きをしますけれども、このソフト面の整備もしっかり図っていくことが最終的にいざというときに国民の命を守ることが可能だと考えるわけですが、そういう中で、去年の、済みません、先月のこれは衆議院の予算委員会で官房長官は、三月の下旬、末をめどにこのシェルターを整備する地域等に係る基本的な考え方を取りまとめて、シェルターの構造、設備等に係る設計ガイドラインを策定をするというふうに答弁をされたわけです。 まあ遅きに失した感はなきにしもあらずですが、これを機にやっぱりスピード感を持って、そして国が責任を持って、地域、地方公共団体であれ、あるいは民間の皆さんとの連携や協力も必要なんですけれども、やっぱり国がしっかりと取り組んで、リーダーシップを持って取り組んでいかなければならないと思っています。 そこで、まず考え方をお聞きをしたいと思うのですが、この今策定をしようとするガイドラインですけれども、これ、全国一律でシェルターを整備していくということではなくて、やはりめり張りを考えた整備を進めていこうという、そういう基本的な認識、考え方なのかどうか、この点をまずお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 今、柴田委員がおっしゃいましたように、この武力攻撃より十分に先立って住民避難を実施すること、これが住民の安全確保のために最も重要であると、全くおっしゃるとおりだと思っております。 その上で、武力攻撃を想定した一定期間滞在可能で堅牢な避難施設、いわゆるシェルターにつきましても整備が求められていると考えておりまして、政府として、先ほど触れていただきましたように、今年三月末を目途に整備する地域等に係る基本的考え方を取りまとめるとともに、備えるべき構造、設備等に係る設計ガイドラインを策定する予定でございます。 まさに今、この取りまとめ策定に向けた作業を行っているところでございまして、詳細はまだ詰まっておらないところでございますが、今お話のありましたまさにめり張りを考えた整備、これを十分参考にさせていただいて作業を進めていきたいと考えております。
○柴田巧君 では、そのめり張りの利いたという、ちょっと確認ですが、そうすると、設置には、整備には地域によって優先順位を付けていくというふうに理解していいのか、ちょっと確認をしたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 先ほど少し申し上げましたように、整備する地域等に係る基本的考え方と、こういうふうに申し上げましたので、具体的にどこどこどこどこというところまではなかなか難しいかもしれませんが、考え方をしっかり整理をしていくべきだという考え方で今進めておるところでございます。
○柴田巧君 これ、全国一律で一個ずつということではなくて、やはり必要なところにより早くというのが一番やっぱりより適当な正しい在り方ではないかと思っていますが、これから策定をされる、していく中で、また改めていろいろと考え方などをしっかり見極めていきたいと思います。 それで、この今方針を作ろうと、策定しようということですが、その後になるか、同時に出てくるということもあるのかもしれませんが、やっぱりどういうスケジュールで実際整備をしていくのか、また、どれだけの規模のものを、収容人数などを確保するかなど、やっぱり数値目標というものが明らかになっていないといけないと考えております。 やはり、そういうスケジュール感、あるいはその数値目標などがあるからこそ具体的に前に進んでいくと、整備がかなうものと思っていますが、この点はどういうふうに考えていらっしゃるか、お尋ねをします。
○国務大臣(林芳正君) まさに今、基本的考え方と設計ガイドラインの取りまとめ策定に向けた作業を行っておりまして、このスケジュールについても、実際の整備に向けたスケジュールについても、今日この時点でお示しすることは困難でございますが、スピード感を持って進めてまいりたいと思っております。 また、このシェルターの収容人員規模に関する言わば数値目標を明らかにすべきではないかと、こういう御趣旨だったかと思いますが、この武力攻撃より十分に先立って住民避難を実施するということが最も重要でございます。それでもなおシェルターに収容することとなる人員の規模、これは個別に検討していきたいと考えております。
○柴田巧君 現段階ではまだ明らかになかなかできない、ならないということのようですが、繰り返しですが、やはりそういう数値目標がきちっとやっぱりなければ、あるいはスケジュール感がなければ、なかなかこれ、絵に描いた餅じゃありませんが、計画だけがあるというのでは進んでいかないと思いますので、改めてその必要性を申し上げておきたいと思います。 それと同時に、先ほども申し上げましたが、そのシェルターだけが、ハードだけが整備されれば事済むということではなくて、やっぱりソフト面の充実もこれまた重要だと思います。例えば、誰が、じゃ実際いざというときにこのシェルターに誘導していくのか、あるいは避難路は確保されているものなのか、また、そのための訓練とかというのはどうするのかということも重要であろうかと思います。 そして、すぐに、例えばミサイルの警報が鳴ってすぐに駆け込める最寄りの地下シェルターが分かるやっぱりアプリというものなども整備をしていくというのが大事なことで、住んでいるところでそういうことになるかも分かりませんし、あるいは旅先で、出張先で、あるいは外国の人がいざというときにすぐ逃げ込めるような、そんな環境を整えていくというのが大事だと思っていますが、このソフト面の充実、どのように取り組んでいかれるか、お聞きをします。
○国務大臣(林芳正君) この有事における避難路の確保も含めた住民の避難誘導の実施につきましては、市町村がその主体ということになります。 政府としては、国と地方公共団体が共同して行う避難訓練等を通じて市町村の取組を促しておるところでございます。具体的に申し上げますと、国、地方公共団体協力しまして、弾道ミサイルを想定して付近の建物や緊急一時避難施設に避難する訓練、これは本年度中に四十三回実施するなどしてきておるところでございます。 また、今お話のあった避難施設情報の周知広報でございますが、政府として、国民保護ポータルサイトの地図上で現在地周辺の緊急一時避難施設等の情報、まさにスマートフォンで自分の位置を見ていただいて、そしてこの緊急一時避難施設等の情報をスマホで確認できるようにしております。それに加えて、SNSを活用したプッシュ型の周知、これにも取り組んでおるところでございます。 こうした取組につきまして、今後整備されるシェルターの適切な運用に関して参考にできると考えておりまして、しっかり対応してまいりたいと思っております。
○柴田巧君 ハード、そしてソフト面がきちっとこれから整備をされて初めて、いざというときに国民を守ることができると思っています。 質問ではないのですが、実はこのシェルターの問題等々これまで何回も取り上げてきたのですけれども、そういうアプリももちろん大事なんですが、この記号式というか、例えば高潮とか津波だったら波のマークの掲示板みたいのありますよね。こういったものなど、ぱっと目に見える、そういうものをやっぱり整備をしていく、あるいは統一基準を作っていくというのが、実は正直何年も前から言っているんですが、なかなか前に進まないので、改めて、そういったものも必要なのではないかということを申し上げておきたいと思います。 いずれにしても、このハード面、ソフト面、極めてこのシェルターの整備、またその運用など遅れている国ですので、しっかり進めていただきますことを強く求めて、官房長官には質問終わりますので、委員長、よろしくお願いをいたします。
○委員長(阿達雅志君) 林内閣官房長官には御退席いただいて結構です。
○柴田巧君 ありがとうございます。ありがとうございました。 次に、能登半島地震における警察活動についてお尋ねをします。 あれから、発災して二か月余りたちましたが、改めて被災された皆様方にお見舞いを申し上げますと同時に、被災地の現場でいろいろと献身的な御努力をいただいておる方々に敬意を表したいと思います。 この警察の皆さんも、発災以降、この救助、救出の活動でありますとか、あるいは防犯、捜査の活動、交通対策等の活動、幅広くやってこられたところだと思っております。今後も引き続きこの警察の皆さんには被災地において重要な役割を果たしてもらう必要があると考えていますが、まだまだ途中段階でどこまで総括ができるかと言われればあれですけれども、これ二か月以上経過した現在において、これまでのこの警察の活動について国家公安委員会委員長としてどのように総括をしておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(松村祥史君) 発災から二か月以上がたちましたけれども、警察におきましては、全国から延べ七千、失礼しました、七万五千人以上を石川県に特別派遣をいたしまして、石川県警とともに、救出、救助、捜索活動、防犯、捜査活動、交通対策など様々な活動に対応をしていただいたところでございます。 本当に、全国から入っていただいた警察官の皆さん方が懸命になって被災地を支えていただいたものと私自身も感謝をしているところでございますけれども、現在、被災地の方は発災して二か月でございます。七十二時間の救急救命、これから避難所運営や物資の支援であるとか、それから一次避難所、二次避難所、こういったところへ分散した避難をなさっておられます。何より、災害関連死、これを最大注意を行いながら、引き続き注視していく必要があると思います。 そんな中で、避難されている方々はやはりまだ多数いらっしゃいますし、そうした方々がたくさん不安を抱えていらっしゃいます。治安の不安もその一つであろうと思います。こうしたものを取り除いていくことがやはり警察の役割であると、重要に考えているところでもございます。 このため、引き続き被災地におけるパトロールや車両検問等による見せる警戒を行うとともに、被災地に設置をいたしました防犯カメラを活用いたしまして犯罪抑止に努めるほか、災害に便乗した犯罪の捜査を徹底するなどして、被災地における安心、安全を確保してまいりたいと考えております。 また、これから、三月いっぱいで水道が九七%ほど復旧してまいります。罹災証明の発行も随時伸びておりまして、公費解体そして産業廃棄物の処理、こういったフェーズに入ってくると。そうなりますと、現在、予定では、環境省の予定では、六百班、三千人ほどの投入を予定していると、また一般ボランティアの方々も入ってこられると、非常に人の活動が活発になってまいりますので、そういう意味では警察の皆さん方にしっかりと治安の確保、やる必要があると思っております。 交通も同じくでございます。こうした中で、復興事業に今暴力団等も介入させない対策を行うとともに、交通の状況に応じた柔軟な交通対策、こうしたものをしっかりと先手先手で対応してまいりたいと考えています。
○柴田巧君 ありがとうございます。 次の、今から聞こうとしたところとちょっと重なる、もう既にお答えになった部分もあるかなと思いますが、その総括の上に、先般の大臣所信の中で国家公安委員長は、今後の大規模災害に備えて警察の災害対処能力の更なる向上に努めてまいりますとおっしゃったわけですけれども、今回の、また能登半島地震のこの経験を踏まえて、この対処能力の向上、更なる向上というのはどういうふうにやっていくのか、この点を、ちょっと重なるところがあるのかもしれませんが、お聞きをします。
○国務大臣(松村祥史君) 今回の、特に初動に当たっての困難な状況であったという点を御質問かと思いますけれども、やはり今回の被災をいたしました能登半島というのは、私からすると、熊本地震と比べるとやはり地理的制約が非常にあったと。また、道路の寸断などで、当初非常にアクセスしにくかったと。したがって、陸海空、こういったいろんなオプションを考えたんですが、なかなか厳しい状況が続きました。警察の皆さんにおかれては、やはり自衛隊のヘリであるとか海上保安庁の船であるとか、こういったもので現場に入っていただきました。 そうなりますと、いろんな資機材を少し、全部を持っていけないというような現状が発生をいたしました。特にヘリで珠洲に入っていた方々には、そういったものを半分に減らすなり、必要最小限で持っていっていただきましたし、降りてからが、今度はアクセスするに当たって車がございませんので、徒歩で二時間ほど、現地に入っていただいたりしました。 ですから、こういったことをしっかりと聞き取った上で、ヘリでの投入の際どういう資機材が必要なのか、こういうのをやはり検証しておくべきだろうと。また、降りた後にみんな自分で荷物を持ったわけですから、自衛隊はバギーを使っているそうでございますけれども、こういったものへの対応、こういうものも検証しつつ、今回の震災に関しての検証を行った上で、どういう対応が必要か、しっかりとやってまいりたいと思っております。
○柴田巧君 この後、どういう形でまた地震が起きるか分かりません、この国は。また、頻繁に豪雨災害などもある国ですので、今回のこの能登半島地震を踏まえて、警察のこの対処能力を更に上げるべく努力をしていただきたいと思っています。 先ほどもお触れになりましたが、この治安の問題でお聞きを、まず一つお聞きをしたいと思いますけれども、やっぱりこの復旧復興に向けてのまず第一の段階は、やっぱり治安の維持が、良好な治安があって初めてこの復旧復興に向けて歩みが進んでいくと思いますが、火事場泥棒という言葉は適切かどうか分かりませんけれども、災害が起きると空き巣だったり窃盗だったりいろんな事件が起きるのもこれまた現実で、能登半島の被災地でもこういうことが起きているわけです。 これを抑止をしていくという意味でも、防犯カメラを千台ですかね、この能登半島の被災地に設置をしていくということでありまして、現時点では九百、まだ千台には行っていないのかもしれませんが、九百何十台設置されたやに聞いております。災害の被災地でこうやって国がこの防犯カメラを設置するのは初めてのケースとも承知をしておりますが、これによって、これからの防犯対策を考える上でも、災害時の、この効果をやっぱり検証しておくということが大事なことだと思っていますが、この点について、これは警察庁にお尋ねをしたいと思います。
○政府参考人(檜垣重臣君) お答えいたします。 警察では、被災地における犯罪抑止を目的として約千台の防犯カメラを準備し、避難所や被災地の街頭等への設置を順次進めております。また、御指摘のとおり、防犯カメラの設置効果を確認することは今後の被災地における防犯対策を更に有効なものとする上でも重要であると考えております。 被災地における防犯カメラの設置状況、犯罪の認知状況、また住民の方々の意見等も踏まえ、今後、その効果を確認するとともに、必要な対応をしていきたいと考えております。
○柴田巧君 是非、ただでさえ肉親が亡くなった、あるいはお宅が崩壊してしまった、仕事もなかなか難しくなったという中にあって、それに加えて犯罪が、巻き込まれるというか、本当に打ちひしがれるということになりかねません。どうぞ、この犯罪を起こさせない、ああいう被災地の中で、是非警察の皆さんにはこういったことを頑張っていただいて、効果がどれだけあるのかということもしっかり検証していただきたいと思います。 そして、同じように、この発災直後から、悪徳商法というか悪質商法がずっと出ているのも現実でございます。例えば、この災害に便乗して、勝手にブルーシートを掛けて高額な料金を請求したり、あるいは保険で修理できると言って保険請求手続の代行やこの住宅の修理を勧誘したりというようなことなどなどが起きているとも聞いています。 この悪質商法等のトラブルの発生を防止するためにも、この対処方法の周知や相談窓口の周知、このいろいろフェーズが変わって犯罪、この悪徳商法のあれも変わってきている面があるかもしれませんが、こういったものを防止をしていくための取組、お尋ねをしたいと思います。警察庁にお尋ねします。
○政府参考人(檜垣重臣君) お答えいたします。 被災地等において災害に便乗した詐欺、悪質商法等が発生するおそれが懸念されるため、警察庁では、一月五日付けで全国の都道府県警察に対して、こうした災害に便乗した悪質事犯に関する情報収集と取締りの推進等を指示しております。 そうした中、二月七日には石川県警察において特定商取引に関する法律違反により被疑者四名を逮捕しているところでございます。加えて、発生が懸念される震災に便乗した悪質商法の内容や対処方法、警察の相談窓口等をウェブサイトやSNS等を活用して広報するとともに、警察官が避難所を訪問して相談対応や犯罪の被害に遭わないよう呼びかける防犯チラシの配布などを行っているところでございます。 警察としましては、この種事犯について厳正に対処し、被災された方々を始め、国民の不安を解消し、安全、安心の確保に努めてまいりたいと考えております。
○柴田巧君 是非、本当に被災地で警察の皆さんの活動、先ほどからのお話がありましたように幅広いものがあると思いますが、この防犯、そしてこの悪徳商法を防止していく、しっかり取り組んでいただくことが復旧復興に向けての大きな歩みになっていくと思いますので、どうぞよろしくお願いをします。 それでは、時間がなくなってまいりましたので、いろいろ質問残しておりますが、最後になるかもしれません。サイバー犯罪の対策の中の一番目ですが、お手元の資料もちょっと見ていただきながら、一枚目の資料でございますが、近年、このクレジットカードの不正利用やインターネットバンキングに係る不正送金の被害が深刻化をしています。この資料を見ていただけますように、去年から、おととしから去年ということになりますか、かなりの件数、金額等も急増しているところです。 この対策が急務だと思っていますし、あわせて、警察庁長官は昨年の十一月に記者会見で、生成AIを活用したフィッシングサイトの判別技術の導入といった方策も議論の一つであると考えているということを述べていらっしゃいますが、この生成AIの活用についてどのような戦略を描いているのか、併せてお聞きをして最後にしたいと思います。
○政府参考人(大橋一夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、令和五年中のクレジットカード不正利用被害は過去最悪のペースでございまして、また、インターネットバンキングに係る不正送金被害は発生件数、被害額とも過去最多となっており、極めて憂慮すべき状況にございます。 こうした状況を踏まえまして、クレジットカード不正利用対策といたしましては、令和五年二月、経済産業省等と連携いたしまして、日本クレジット協会に対しましてフィッシング対策を強化するように要請しております。また、不正送金被害対策といたしましては、令和五年八月及び十二月に金融庁や関係機関等と連携し、注意喚起を実施するなどしているところでございます。さらに、金融業界、EC業界、学術界等の有識者から成るキャッシュレス社会の安全・安心の確保に関する検討会を発足させ、生成AIの活用を含めた警察の対処能力の向上等について御議論をいただいているところでございます。 引き続き、生成AI等を含めた先端技術の活用についても検討しつつ、サイバー空間の安全、安心の確保ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○柴田巧君 これで終わりますが、キャッシュレス社会の安全、安心の確保のためにしっかり対策を取っていただくようにお願いをし、残りは次回やらせていただきます。 ありがとうございました。
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。 高市大臣と政府参考人の皆様に質問させていただきます。 昨年の通常国会でGX脱炭素電源法案が可決されました。束ね法案でありましたけれども、原子力基本法の改正も行われまして、原子力発電の利用に係る原則の明確化がされたと思っております。ポイントといたしましては、安全を最優先とすること、そして原子力利用の価値を明確化することと、そういうふうに理解しております。 高市大臣にお伺いいたします。 この原子力基本法を改正した趣旨と今後に向けた大臣のお考えを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) ロシアのウクライナ侵略に起因する地政学リスクの増加によりまして、このエネルギー安全保障の強化の必要性、またカーボンニュートラル実現の観点から、この原子力を含むあらゆる選択肢を追求するということが重要になっております。 そういった状況の中で、私が所管しております原子力委員会が改定をし、政府として尊重する旨の閣議決定がなされた原子力利用に関する基本的考え方の中では、原子力利用に当たっての基本原則は法令等で明確化することが望ましいとされました。 これを踏まえまして、GX脱炭素電源法では、既存原子力発電所の最大限の活用ですとか、廃止措置の円滑化等に向けた法的措置を講じるということに加えて、これらの法制度の運用を含めた政策判断のベースとなる基本原則について法律レベルで明確化するために原子力基本法を含めて改正することといたしました。
○竹詰仁君 今既に大臣触れていただいたんですけれども、昨年の二月二十八日に原子力利用に関する基本的考え方というのが閣議決定されております。大臣の今回の所信の中に、原子力利用に関する基本的考え方に基づく原子力政策を適切に運用していく旨述べられております。 この所信にありますようなこの原子力利用に関する基本的考え方に基づく原子力政策について、大臣が進めようとされている原子力政策について、併せてお伺いいたします。
○国務大臣(高市早苗君) やはり、先ほど申し上げましたように、エネルギーの安定供給ということをめぐる状況の変化もございます。原子力をめぐる環境が変化していく中で、国民の皆様の御理解と信頼を得ながら原子力利用を進めていくことが重要だと考えております。そういった観点から、昨年、原子力利用の基本的考え方の改定を行い、俯瞰的な立場から今後の原子力利用の在り方を示させていただいたところです。 これを踏まえまして、安全性を大前提に安定的な原子力エネルギー利用を図ることが重要でございます。とりわけ、円滑な事業を進めるための環境整備、そしてバックエンド、特に放射性廃棄物の最終処分の対応なども重要だと考えております。このほかにSMR等の革新炉の研究開発、また医療、工業、農業などの原子力の非エネルギー分野への活用などについても重要だと考えておりますので、原子力委員会における議論を踏まえながら、今後関係省庁と連携しながらしっかりと推進をしてまいりたいと思います。
○竹詰仁君 御回答ありがとうございました。 私も、安全は大前提ですけれども、この原子力エネルギーを安定的に利用できる環境を整えることが国内産業の成長、あるいは海外企業の日本国内への工場誘致、例えば半導体工場なんかの、こういった誘致にもつながるものと考えております。 次に、次世代の革新炉についてお伺いいたします。 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、いわゆるJAEAでは、次世代の革新炉開発として、高温ガス炉技術の開発、高速炉及び高速炉サイクル技術の開発などを進めております。私も、全てではないんですけれども、JAEAの研究開発については何度か現地に行って視察させていただいております。私の率直な感想としては、まさに次世代のすばらしい研究をしていると感じている一方で、こうした研究をしていることも、あるいは研究の成果も余り世の中に知られていないなというふうに感じております。 そこで、お尋ねいたします。 このJAEAが行っている研究内容に対して政府はどのような期待をしているのか、また、それに対してどのような支援を行っているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(林孝浩君) お答え申し上げます。 文部科学省が所管する日本原子力研究開発機構、JAEAにおいては、試験研究炉を始めとした我が国の原子力分野の研究開発や人材育成を支える基盤を数多く保有しているところです。 具体的な取組として、JAEAにおいて、高温工学試験研究炉、HTTR、高速実験炉「常陽」を活用したカーボンニュートラルの実現に向けた次世代革新炉の開発に資する研究開発、JRR3、「常陽」を用いたがんの診断、治療への利用が期待される医療用RIの製造に係る研究開発、JRR3を用いた中性子ビーム利用による構造解析、材料開発など、電力や水素製造などのエネルギー分野はもとより、それ以外の分野も含めた様々な研究開発が行われているところでございます。 これらに加えて、平成二十八年十二月の原子力関係閣僚会議の決定を踏まえ、福井県敦賀市にある「もんじゅ」の敷地に、敷地内に新たな試験研究炉を整備すべく、JAEAにおいて、京都大学、福井大学、地方自治体等と協力し、設計活動を進めているところです。 文部科学省としましては、JAEAが保有する試験研究炉を始めとする原子力関係施設を用いた研究開発を推進していくとともに、これらの施設の運転や維持、高度化等のための支援に着実に取り組んでまいります。
○竹詰仁君 今御説明あった、あるいは大臣からもありました非エネルギーの分野も恐らく多くの方が知られていないというふうに思いますので、是非政府にはこの広報あるいはその成果のプレゼンも積極的にお願いしておきたいと思います。 続いて、原子炉の技術についてお伺いいたします。 我が国の原子炉を造るメーカーあるいは研究機関、大学などでは小型研究炉が廃止されてきております。研究者の頭の中あるいはデータ的に考えたこと、試験的に考えたことを、それを実行するための現物、そして技術が必要であることは言うまでもないと思っております。今の状況では、原子炉の開発、建設及び運転技術を維持発展させていけるのかと私は危惧しているところであります。また、その原子力に関わる技術を外国、特に中国やロシアに依存してはならないと考えております。 そこで、お尋ねいたします。 この研究機関あるいは大学で研究炉が廃止されている中で、文部科学省としてJAEAなどの機関にどのような支援を行っていくのか、教えてください。
○政府参考人(林孝浩君) お答え申し上げます。 大学や研究開発機関等の有する、保有する試験研究炉は、我が国の原子力分野の研究開発や人材育成を支える基盤として不可欠な施設です。委員御指摘のとおり、例えば大学が保有する試験研究炉については、京都大学のKUR、KUCA、近畿大学の近畿大学炉の三つのみが稼働しており、日本原子力研究開発機構においても直近ではJMTRが廃止になるなど、我が国における試験研究炉の数は減少傾向にございます。また、国内の試験研究炉の多くが施設の高経年化や新規制基準への対応等により既に廃炉の方針が取られており、我が国において原子力に関する教育研究を行う上で極めて重要な課題であると認識しております。 このような状況を踏まえて、文部科学省としては、JAEAが有する施設の運転維持、高度化に対する支援、また、福井、先ほども申し上げましたけれども、福井県敦賀市の「もんじゅ」敷地内に設置をする新たな試験研究炉の整備に係る支援とそれに関する産学官連携の促進、さらには、JAEAが有する施設を産学に共用促進していくと、こういったことにより、我が国における原子力の基盤の維持にしっかりと取り組んでまいります。
○竹詰仁君 今御答弁にありました、私はこの産官学の連携、重要だと思いますので、是非その点で進めていただきたいと思っております。 続いて、人材育成についてお伺いします。 原子力は、原子力発電所を始めとする施設の運転、保守、プラントの設計、製作、建設、廃止措置といったそれぞれの場面、過程において専門的な知識あるいは技術が必要であります。また、この技術を実証するための研究開発や基礎研究といった研究者も必要であります。 一方で、現実として、日本国内でこの原子力の名の付く大学の学科は、現在、私立学校では三校しかありません。国公立でも学科の一部のコース名として存在しているだけと私は認識しております。この原子力の人材を育成するためにも、原子力の名が付いている学科、これを復活させる必要があるのではないかと思っています。 そこで、お尋ねしているんですが、国立大学、私立大学で原子力の学科が減少している中で、原子力の人材を増やして育成していく取組について政府の考えをお尋ねいたします。
○政府参考人(林孝浩君) お答え申し上げます。 原子力分野においては、これまで培われてきた技術及び人材を適切に継承するとともに、将来にわたって技術革新を推進していく必要があり、大学における原子力分野の人材育成は非常に重要な役割を担っております。一方で、御指摘のとおり、令和五年度時点において名称に原子という単語が含まれる原子力関係学科は三大学に三学科設置されているのみであり、近年は減少傾向が続いていると承知しております。 こうした状況を踏まえ、文部科学省では、産学官が連携した横断的な教育研究機能を有する人材育成コンソーシアム、我々ANECと呼んでおりますけれども、これを構築し、原子力に関する体系的な教育研究基盤の確保に取り組んでおります。具体的には、大学、研究機関、企業等の複数の機関が連携をして原子力の体系的な専門教育のカリキュラムやオンライン教材の作成、原子炉を始めとした原子力施設等を用いた実習の実施、海外大学への原子力留学や国際機関への派遣、原子力業界探求セミナー、電力会社での実習の実施等を行ってございます。 原子力の人材育成を進めるに当たっては、産学官を挙げた取組が重要と考えており、文部科学省としては、日本原子力研究開発機構、内閣府、資源エネルギー庁を始めとした原子力関係機関と連携協力をしながら取組を進めてまいります。
○竹詰仁君 御回答ありがとうございました。 ここでも、人材育成の面でも産官学という、連携というお話をいただきましたので、是非その点でもお願いしておきたいと思います。 続いて、健康・医療戦略について質問をさせていただきます。大臣に、高市大臣にお尋ねさせていただきます。 大臣の所信にも、今後の感染症危機に備えた国産ワクチンや治療薬の開発・生産体制の強化を行うというふうにありました。この新型コロナに対しては、残念ながらワクチンは輸入に頼らざるを得なかったと思っております。新型コロナのときに国産ワクチンや治療薬ができなかった、あるいは遅れた原因は何であったのか、改めて大臣に教えていただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) コロナ禍で国産ワクチンの開発が遅れた要因につきましては、これ令和三年六月一日に閣議決定したワクチン開発・生産体制強化戦略において指摘をされております。最新のワクチン開発が可能な研究機関の機能、人材、産学連携の不足やワクチン開発への戦略的な研究費の配分の不足、薬事承認の在り方が主なものでございました。 そこで、今後の感染症有事に備えて、同戦略に基づいてAMEDに設置したSCARDAにおきまして、世界トップレベルの研究開発拠点の形成や、国内企業やアカデミアへの戦略的な研究費の配分によってワクチンの開発能力の向上に取り組んでおります。また、この治療薬の開発の遅れにつきましても、新興感染症の発生早期に治療薬を開発できる企業を平時から育成する取組や、創薬で医療情報を利活用するための枠組みが不十分であったことが原因だとされております。 何とか、健康・医療戦略を担当する大臣としましては、この治療薬の研究開発についてAMEDによる支援、しっかりと行ってまいりたいと思っております。
○竹詰仁君 詳細に御説明ありがとうございました。 私、つい先日、熊本にあるKMバイオロジクス株式会社というところに伺って、社長、工場長、そして働く人たちからそのワクチンの開発について工場も視察させてもらったんですけども、私のこの率直な感想は、いや、できるじゃないかというか、できているじゃないかと、何でこれがあのときに世の中にできなかったんだろうというふうにとても残念に感じましたので、是非、次、次あってはいけないんですけど、ない方がいいに決まっているんですが、あった場合の備えを是非お願いしておきたいと思います。 続いて、日本は世界の中では数少ない創薬国の一つでありまして、こういったグローバルに市場が拡大されている中で、創薬というのは国の成長を牽引していくものだと私は期待しております。しかしながら、二〇一六年の十二月に薬価制度の抜本改革に向けた基本方針、これ以降、毎年薬価が改定されるなどの影響によりまして、日本の市場の魅力が低下し、海外では使用できている新薬が日本で使えない、こういったドラッグラグ、ドラッグロスという拡大を招いているんではないかと思っております。 令和六年度の薬価制度改革においては、新薬創出などの加算の見直しや迅速導入加算の新設等、革新的新薬のイノベーションの適切な評価を推進するための見直しが行われました。このことは、創薬力に関する課題解決に向けてこれまでの政策からの転換が進められているのではないかと期待しているところであります。 そこで、大臣にお尋ねいたします。 日本の創薬力を高め、日本の成長産業、基幹産業としていくために必要な戦略について、大臣のお考えを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 創薬の現状につきましては、私も竹詰委員と全く同じ課題意識を持っております。我が国の製薬企業が革新的な新薬を創出していくためには、シーズの開発から医薬品が国民の皆様の手に渡るまで日本全体で一気通貫した創薬エコシステムの構築が重要だと思っております。 その観点から、AMEDにおきましても、事業の特性に応じて、官民の役割分担を考慮した適切なフェーズの支援を行っています。例えば、実用化の推進におきましては、特に企業目線を入れての伴走型の支援を早期から実施するということが重要でございまして、AMED―FLuXなどの事業を実施しているところでございます。
○竹詰仁君 創薬のエコシステムの話まで触れていただいて、また後ほどこれは御質問させていただきたいと思います。 この薬価の改定とこの創薬力の強化についてちょっと続けて質問させていただきたいと思います。 私は、近年、ジェネリックの医薬品の使用促進ということでこの間ずっとやってきたと思っておりまして、ただ、このジェネリックは、新薬があって初めて後発の医薬品があるわけですから、この後発の医薬品ばかりを使う、あるいはこれを扱うということ、その結果が、薬剤費は圧縮することができても、新薬を作れるだけの体力を医薬品企業が持てなくなってしまっているんではないかと危惧しているところです。つまり、大臣の所信にございました、今後の感染症危機に備えた国産ワクチンあるいは治療薬の開発・生産体制の強化を担い得る医薬品企業が維持発展できるのかという問題意識であります。 厚労省の方にお伺いしますけども、この創薬力の強化をしつつ薬価の改定をどういった方針で改定していくのか、お考えを教えてください。
○政府参考人(須田俊孝君) お答え申し上げます。 令和五年六月に閣議決定されました骨太の方針におきましては、創薬力強化に向けて、革新的な医薬品等の開発強化等を進めるため、イノベーションの適切な評価など更なる薬価上の措置を含めた様々な施策を推進することにより、ドラッグラグ、ドラッグロスの問題に対応する方針が示されたところでございます。 これを踏まえまして、令和六年度薬価改定におきましては、我が国の創薬力強化及びドラッグラグ、ドラッグロスの解消を実現するため、革新的新薬の有用性等の評価の充実、また特許期間中の薬価の維持といった取組を行うことによりまして、薬価におきましてもイノベーションの適切な評価を推進することとしたところでございます。また、医薬品の安定供給の確保の観点から、医療上必要性の高い品目の薬価を維持又は引き上げるといった対応を併せて行うこととしております。 今後とも、国民皆保険制度の持続性及びイノベーションの推進、この両立が重要であるという認識の下、国民が必要な医薬品を使用できるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○竹詰仁君 ありがとうございました。 先ほど大臣から民間企業と伴走してという非常に重要なお言葉いただいたんですけれども、私は、私が聞く限り、この薬価の改定は非常に評判が悪いというふうに言っていいと思うんですね。本当にこの医薬品企業の方からの話を是非聞いていただきながら検討を進めていただきたいと思っております。 創薬のエコシステムについてお伺いします。 昨年の十二月に創薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議というのを立ち上げました。この立ち上げには歓迎しております。 この構想会議で、この三月の七日にも第三回の構想会議、開催されたばかりなんですけれども、三月五日の予算委員会で、岸田総理がこういった答弁をされています。構想会議は、我が国の医薬品産業の国際競争力の低下といった課題への対応、開発から医薬品が国民の手に渡るまで日本全体で一気通貫した創薬エコシステムの構築を目指した議論を行うと。 先ほど大臣にもこれ触れていただいたんですけれども、もう一度、この創薬エコシステムの構築の狙い、何でありましょうか。
○政府参考人(中石斉孝君) お答えします。 委員からの御質問の構想会議、こちらでは、国民が医薬品へのアクセスを確保して安心して医薬品を使用できるような環境をどうやってつくるか、そのためには、まさに御議論をいただいているとおり、我が国の創薬力の向上が大事だということを議論しております。 この創薬力の向上のためには、大事なこととして、日本だけに閉じず、海外のリソースも活用しながら、そして、シーズから医薬品の開発まで切れ目のない、ちゃんとフローが流れていくような創薬エコシステムの構築が大事だというふうに考えています。 そして、このシステムの構築に当たっては、人、物、金というその重要な要素について、これが日本をハブとしてグローバルに循環すると、こういったものをエコシステムとしてつくっていくことが大事だと考えておりまして、これを今回の狙いとして定めているところでございます。
○竹詰仁君 御回答ありがとうございました。 ちょっと今の回答を聞いて、聞いた上なんですけど、ちょっと私が認識不足なのかなと思いましたけども、これまでこの構想会議の議論見てみますと、この日本で構築する創薬エコシステムに優秀な人材あるいはベンチャー企業をどう呼び込むのかといった、国内中心でですね、世界に対して閉ざされたというか、日本のことを中心に議論をされているんじゃないかと、私はそういうふうに感じております。 この創薬のスピードと質を高めるためには、日本だけではなくて、この会議の資料にもあったんですけれども、例えばボストンあるいはロンドンなどの海外の創薬エコシステムと相互に連携すると、こういった開かれた創薬エコシステムを構築していく必要があると思いますので、是非その点でも御検討を重ねていただきたいと思っております。 最後に、この医薬品の働く人にちょっと焦点を当てて質問させていただきたいと思います。 資料を配付させていただきました。この資料は、厚生労働省のデータを基に作っている資料なんですけれども、医薬品の関係従業員の数を二〇〇〇年以降推移として表しております。 これを見ていただきますと、この医薬品の関係従業員者数、ずっと減ってきておりまして、この全ての分野で減ってきているという現象が見て取れるんではないかと思います。中には、ずっと減少が続いていて、研究開発拠点を海外に移してしまったと、こういった医薬品メーカーもございます。 市場に評価され売上げが拡大した製品の薬価が大きく引き下げられる市場拡大再算定、あるいは毎年の薬価改定、これが行われておりまして、企業の研究開発投資へもマイナスの影響が出ているんではないかと私は危惧しております。 そこで、お尋ねいたしますけれども、国民の健康と必要な医療を確保するためにも、医薬品メーカーで働く人、この減少に歯止めを掛けなければいけないんじゃないかと、で、産業を発展させる必要があると考えておりますけれども、政府として、考えについて厚労省にお尋ねいたします。
○政府参考人(内山博之君) お答えいたします。 医薬品業界において必要な人材を確保し、必要な医薬品が国民に安定的に届けられるようにするため、医薬品業界を働く方にとっても魅力のある業界としていくこと、これは重要であるというふうに考えてございます。このためには、医薬品業界において、企業が収益性や生産性の維持向上を図り、働く方々の賃上げや労働の負担軽減につなげていくことが求められているものと考えてございます。 厚生労働省といたしましては、低効率、低収益が指摘されている後発医薬品企業の生産性、収益性向上のための具体的な方策について、産業構造の在り方も含めて検討会において検討を進めているほか、令和六年度の薬価改定におきましては不採算品の特例的な引上げを行うとともに、過大な値引き交渉、頻繁な価格交渉の改善等について流通改善ガイドラインを改訂し、来年度の取引交渉から適用するといった取組を行っているところでございまして、こうした取組は企業の収益性、生産性の維持向上にも資するものというふうに考えてございます。 こうした取組を通じまして、医薬品業界を魅力のある業界とし、必要な人材が確保されるような環境を整えていきたいというふうに考えてございます。
○竹詰仁君 今前向きな御答弁いただいたと私理解いたしました。是非政府の後押しもお願いしたいと思います。 この社会保障費の抑制の財源をこの薬価の改定により捻出するということには限度があると私は思っておりまして、より広い視点で財源を検討していく必要があると考えております。 国民の健康や医療に必要不可欠な医薬品の安定的な供給に問題が生じることは、国の安全保障上にも非常にリスクがあると思っております。新型コロナにおいては、ワクチン敗戦とまで言われまして、現にワクチンの輸入のために二兆円もの国費を投入したというふうには言われております。いつどんな感染症が流行するかは分からない中でありますけれども、こうやって今、落ち着いている今だからこそワクチン開発あるいは生産体制の強化に関する継続的な支援が必要であると思いますので、国としてしっかりと支援をお願いしたいと思います。 さらに、この足下では建設コストの高騰あるいは新型コロナワクチンの接種率の低下などで予見できない変化も生じております。整備事業に協力する企業が想定外の経営リスクを負うことのないように、建設コスト増に対する必要な支援、あるいはその製造したワクチンの買上げ、私、先ほどKMバイオロジクスという、視察したと言いましたけど、その製造したワクチンを最終的に使用しなければ捨てちゃっているんですね。その捨てちゃっているその企業の負担は企業が持っているということで全然お金が入ってこないということだったので、ワクチンを作るのは、もちろん作っているんですけど、ただ捨ててしまっているというこの例があるので非常に収益としては厳しいという話を社長がおっしゃっていました。こういったワクチンの買上げなども必要じゃないかと思っております。 先ほど触れましたけど、経済安全保障上の観点から、私は、これ中国に原薬が大分依存しておりますので、これもリスクだと考えておりますので、この解消も是非大臣には積極的にお願いして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、犯罪被害者給付制度についてお聞きいたします。 その在り方について、現在、犯罪被害者給付制度の抜本的強化に関する有識者検討会で議論が行われております。二月五日の第七回検討会には、最低額を引き上げるなどのこの犯罪被害給付制度の見直し骨子が提案をされ、議論をされております。 この見直し骨子は、あくまでも現行制度の枠の中で可能な改善策を取りまとめたものであって、これが犯罪被害給付制度見直しの最終的な結論ではないということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(江口有隣君) お答えをいたします。 警察庁において、昨年八月から犯罪被害給付制度の抜本的強化に関する有識者検討会を開催し、給付水準の引上げに向けた検討がなされているところでございます。本検討会におきましては、まずは犯罪被害給付制度について、現行制度の性格を前提として、早期に見直すべき事柄について御議論をいただいた後、犯罪被害給付制度にとらわれることなく、制度の性格も含めて御議論いただいているところでございます。 御指摘をいただきました犯罪被害給付制度の見直し骨子につきましては、改正制度をできるだけ早期に施行するべく、前者の議論を踏まえて取りまとめたものでございます。有識者検討会の議論の方向性について予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきたいと存じますが、本年五月中までの取りまとめに向けまして、引き続き有識者検討会における議論は続けられているところでございます。
○井上哲士君 そこで、国家公安委員長、お聞きしますが、昨年六月六日の犯罪被害者等施策推進会議決定では、この犯罪被害給付制度の抜本的強化については民事訴訟における損害賠償額を見据えてとしております。これを踏まえるならば、求められているのは現行制度の給付額の算定方法の枠を超えること、すなわち逸失利益を考慮した民事訴訟の損害賠償の算定を基礎に置く制度へと抜本的な見直しが求められていると思うんですね。 二月二十一日に犯罪被害補償を求める会の皆さんが院内集会を開かれました。被害者の方や遺族の方が自らのつらい経験を語りながら、本当に切々とこうした逸失利益の考慮であるとか立替払制度など、抜本的この改定の必要性を訴えられたわけであります。この集会には警察庁や法務省の担当の方も来られて、最後まで話を聞いておられました。 この有識者の検討会の取りまとめに向けて、そうした内容を徹底的に議論をして、抜本的な強化にふさわしい見直しの方向性を打ち出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松村祥史君) 委員御指摘の点につきましては、今、江口審議官がお答えしましたとおり、有識者検討会で議論をいただいているところでございますが、その検討会の議論の中で、被害者、犯罪被害者への給付の支給水準については、民事訴訟における損害賠償があるべき姿ではないかといった意見があった一方で、犯罪被害については第一義的に責任を負うのは加害者である中で、国が民事上の損害額を支払う法的根拠をどのように考えるか、こういった意見もいただくなど、幅広い議論をいただいているところでございます。 いずれにいたしましても、現在有識者検討会で御議論いただいているところであり、本年五月中までの取りまとめに向けて現在御議論いただいておりますので、しっかりその議論の推移を見守ってまいりたいと考えております。
○井上哲士君 先ほど紹介した集会に参加もされていますから、是非その報告もしっかり聞いていただいて、現場の声に基づいて抜本的な見直しを強く求めたいと思います。 国家公安委員長、警察の方、これで結構です。
○委員長(阿達雅志君) では、松村国家委員会委員長、警察庁長官官房江口審議官は退席いただいて結構です。
○井上哲士君 今日は朝から様々、子育て支援についていろんな角度で議論されておりますが、私、学童保育についてお聞きしたいと思います。 学童保育は、一九五〇年代に、我が子が保育園を卒園した後も引き続き子育てをしながら安心して働き続けたいと、こういう願いを原点にして父母たちによる就学後の児童の自主的な共同保育の取組として始まりました。その後、全国に広がって、関係者の長年の運動によって一九九七年に放課後児童健全育成事業として児童福祉法に位置付けられて、放課後児童クラブとも呼ばれております。さらに、二〇一四年以降に、従うべき基準として、不十分ながらも職員の配置基準や資格要件が定められました。ところが、その後の法改正でこれが参酌基準に後退をさせられた。そして、昨年の十二月にこども未来戦略に至っているわけですね。 放課後児童健全育成事業は、児童福祉法で、小学校に通うお子さんを持つ働く親の就労を支援するとともに、放課後の子供たちにとっての適切な遊びと生活の場を保障する大切な役割を担っております。また、子供たちと関わる指導員には、異なる年齢で構成される学童保育の子供たちの個々の発達段階を踏まえた適切な働きかけや子育てに悩む親へのケア等、大変専門性が要求をされております。 大臣、お聞きしますけども、こういう学童保育の目的や役割、指導員の専門性についてはどのように認識をされているでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 放課後児童クラブは、児童福祉法において、保護者が昼間家庭にいない小学生に適切な遊び及び生活の場を与え、その健全な育成を図る事業として規定されております。共働き世帯等の保護者の就労を支えるとともに、放課後に年齢や発達状況の異なる子供が共に過ごす場として重要な役割を担っていると認識しております。 そうした子供たちが安全に過ごすことができる環境を整え、適切な育成支援を行うために、放課後児童クラブで働く職員は専門的な知識や技能を持って職務に当たっていただく必要があると考えております。
○井上哲士君 学童保育の重要な役割、そして職員の皆さんのこの専門性について必要だという御答弁でありました。 この間、政府は、この放課後児童対策として、様々な施策に取り組んでおります。 二〇一九年から取り組んできた新・放課後子ども総合プランは今年度末が期限となっております。昨年十二月には、こども未来戦略が策定をされて、放課後児童対策パッケージも出されております。この三つはどういう関係になっているのか、御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。 平成三十年九月に公表されました新・放課後子ども総合プランでございますが、放課後児童クラブについて待機児童の解消を目指し、今年度末までに追加で計約三十万人分の受皿を整備し、全体で約百五十二万人受皿拡大を図るということを目標といたしまして設定をし、放課後児童対策の取組をまとめてきたところでございます。 これに基づき取組を進めてきたわけでございますが、昨年の五月一日時点で放課後児童クラブを利用している児童数約百四十六万人と、前年に比べて六万五千人の増加ということが実現できた一方で、待機児童数も約一万六千人と増加をしており、今年度末までにこの本プランで掲げる百五十二万人分の整備目標を達成することが厳しい状況にございます。 こうした状況を踏まえまして、令和五年十二月二十二日に閣議決定いただきましたこども未来戦略では、新プランで掲げた受皿の拡大、百五十二万人分への拡大でございますけれども、これを加速化プランの期間中、二〇二六年度までのできるだけ早期に達成できるように取り組むことが明記をされました。 さらに、放課後児童対策の一層の強化を図るため、同じく昨年の十二月二十五日でございますが、こども家庭庁と文科省が連携をいたしまして、予算面、運用面両面から令和五年度、六年度に集中的に取り組むべき対策をまとめた放課後児童対策パッケージを取りまとめたところでございます。 こういったことから、引き続き、早期に待機児童の解消ができるようにしっかり取り組んでまいります。
○井上哲士君 要するに、新・放課後子ども総合プランで掲げながら達成していない目標を早期に達成していくということがこの三つの共通のわけでありますが、ただそれだけでいいのかということを私言いたいと思うんですね。 保育所に通っていた子供たちの約八割が学童保育にも入所をしていると言われております。その希望者は年々増加傾向にありまして、その下で、入所したくてもできない待機児童が一・六万人もいるという現状は一刻も早く解消しなければなりません。しかし、この放課後児童対策パッケージを見ますと、待機児童の解消のためとして、学校施設内のプレハブ施設の整備、それから特別教室等の一時的な利用、いわゆるタイムシェア、それから在籍している小学校から離れた放課後児童クラブへの送迎を行うことにより空き定員を有効活用等々が挙げられております。つまり、学童保育専用の施設を増やすのではなくて、学校施設の間借りや学校施設内へのプレハブ建設など、安上がりで、とにかくこの待機児童数さえ減ればいいと言わんばかりに聞こえるわけですね。 そもそも、学童保育は、長年、施設や整備運営に関する基準もありません。お金もないという下で、住宅を間借りしたりプレハブの施設を建設したりして親のニーズに応えてきました。ですから、狭かったり庭がなかったりトイレの数が限られているという施設も多いわけですね。待機児童の解消だけにとどまらず、こういう学校外にある既存の学童保育も基準に見合う施設に改修するなどの手厚い支援が必要だと思います。 そもそも、新・放課後子ども総合プランでは、この放課後児童クラブを新たに開設する場合はその八〇%を小学校内で実施する、既に小学校外で実施している場合も小学校の余裕教室等を活用することが望ましいとして、学童保育専用の施設を学校外に新たに建設することに否定的な方向性を示しておりましたけれども、今回のパッケージも同様の考えなんでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。 放課後児童クラブにつきましては、開設する場の確保として、これまで児童の安全、安心の観点から余裕教室などの学校施設の活用を推進をしてまいりました。そうした中、待機児童の解消が喫緊の課題である一方で、小学校をめぐりましては、三十五人学級の推進などに伴いまして、余裕教室の十分な活用が見込めないような学校も多々ある、そういった地域の実情もございます。 そのようなことを踏まえまして、昨年十二月に取りまとめましたパッケージにおいて、学校施設内での場の確保ができない場合には学校外での施設整備の必要性について示したところであり、令和五年度の補正予算や六年度の予算案においても、待機児童が発生している自治体における施設整備費の補助率のかさ上げですとか、学校の敷地外において地域の子供と交流する場を一体的に整備する場合の補助基準額の引上げや、待機児童が発生している場合の送迎支援の補助基準額の引上げなどを計上しているところでございます。 こういった取組を活用しながら、地域の実情を踏まえた受皿の整備が促進されるように放課後児童クラブの取組を進めてまいります。
○井上哲士君 学校施設外でも支援をしていくことでありますが、実際には学校施設内でが推進をされてきました。 実態どうなっているのかと、現場の指導員の皆さんにこの間お話伺いました。小学校に隣接するある学童保育では、入所者が増えたために小学校の理科室をタイムシェアをしていますとか、使える時間が十五時四十五分から十六時半までなので四十五分しかないんですね。土曜日や学校の閉庁日は使えません。理科室にはいろんな薬品や実験道具も置かれているので、子供たちが触らないように大変気を遣うと。基本的に原状復帰を求められるので、遊び道具やおやつも学校に隣接する学童保育から毎日運び入れて、持ち帰らなければならないと。ですから、こういうタイムシェアの実態に、学校の先生から、やる意味があるんですかと言われているというんですよね。こういう実態があるということを是非しっかり見詰めてほしいと思うんですね。 そこで、加藤大臣、お聞きしますが、放課後児童クラブの運営指針は、子供が安心、安全に、安全に安心して過ごし、体調の悪いとき等に静養することができる生活の場としての機能と、遊び等の活動拠点としての機能を備えた専用区画が必要としております。待機児童解消のために、こうした基準を満たす学童保育専用施設を計画的に建設していくことこそ進めるべきではないでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 放課後児童クラブの整備に当たっては、市町村において五年ごとに子ども・子育て支援事業計画を策定して計画的な整備を進めることとしており、策定の際、地域の保護者のニーズを踏まえて事業の量の見込みを算出することとしています。その上で、実際の整備に当たりましては、学校内にプレハブを設置したり学校外の児童館を活用したりといった専用施設によるほか、地域の実情に応じて、学校の空き教室や家庭科室などの特別教室などを活用して、専用施設によらない形態としても整備が進められていると承知をしてございます。 このように、専用施設によらない場合であっても、必要な専用区画を設けつつ地域の実情に応じ対応いただいているところであり、国としては、子ども・子育て支援事業計画に基づく施設整備に対して財政支援を行っているところです。こうした対応を含め、引き続き適切かつ計画的な受皿整備が行われるよう取り組んでまいります。
○井上哲士君 是非子供たちの声を聞いてほしいと思うんですね。 全日本建設交運一般労働組合の全国学童保育部会の皆さんが子供たちからたくさん声聞いているんです。もっと学童を広くしてほしい、大行列ができるのでトイレを増やしてほしい、男女別のトイレが欲しい、休む場所が欲しい、勉強する部屋、遊ぶ部屋など用途別の部屋が欲しい、女子専用の部屋が欲しい、もうどれももっともな要望だと私は思うんですね。プレハブの学童保育に通う子供たちからは、夏は暑いし冬は寒いと、エアコンが付いている状態で掃除機を二台使うとブレーカーが落ちると、歩くと床が振動して、文字を書いているとずれたりしてとても困っていると。 やっぱり、子供たちが望んでいるのは、学校の空き教室やタイムシェアでもプレハブでもないと思うんですよ。安易な場所の確保を推奨するんではなくて、基準を満たす学童保育専用施設を計画的に建設していくことで待機児童解消を図るべきだと、しっかり子供たちや保護者の声を聞いていただきたいということを重ねて求めたいと思います。 その上で、学童保育の指導員にその専門性にふさわしい処遇を確保することも重要な課題であります。 政府の二〇二一年度の調査では、月給で支払われている学童保育指導員の給与の平均は、常勤者が手当、一時金込みで年収二百八十五・七万円、非常勤で百四十六・一万円。今年一月に発表された全国学童保育連絡協議会の調査によりますと、年収百五十万円未満が四八・四%なんですね。この低賃金が専門職にふさわしい水準なのかと問われていると思うんです。 こうした現状がありますから、指導員募集してもなかなかなり手がないと。常に人手不足状況で、幾ら募集しても集まらないのでシルバー人材センターから職員を確保せざるを得ないと、こういう状況もありまして、先ほど紹介した子供たちの声でいいますと、鬼ごっこが思いっ切りできる若い先生に来てほしいと、もっと先生がたくさんいて、話を聞いてくれたり遊んでくれたりしてほしい、若いお兄さん、お姉さんが先生で来てほしいと、こんな声であふれております。若い人たちが働きたくても生活考えたら選択できないような低賃金職場になっているのが実態なんですね。 こども家庭庁としては、こういう現状をどう認識をして、指導員の処遇改善についてどのような対策を講じているんでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。 放課後児童クラブの職員の処遇改善、重要な課題であると認識をしております。具体的には、十八時半を超えて開所する放課後児童クラブの職員の賃金改善に必要な経費の補助、あるいは勤続年数や研修実績に応じた処遇改善事業の実施、また賃上げ効果が継続される取組を行うことを前提として収入を三%程度引き上げるための処遇改善事業、こういった事業を継続して行っているところでございます。 加えて、今般、昨年十二月に決定をされましたこども未来戦略を踏まえまして、令和六年度予算案では、放課後児童クラブの安定的な運営を図る観点から、クラブの運営費といたしまして、常勤職員二名以上を配置した場合に補助基準額を引き上げる内容を計上しているところでございます。 こうした取組を通じまして放課後児童クラブの職員の処遇改善が実施されるように、引き続き自治体にこの事業の活用を働きかけてまいります。
○井上哲士君 今幾つか事業を挙げられましたけれども、例えば放課後児童支援員等処遇改善事業ですね、これは、採択実績は全国千六百二十七市町村、育成事業を実施しているその市町村のうち二三%にすぎません。放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業は三〇%ということにとどまっているわけですね。自治体からは、扶養を外れると困るなど、賃上げを求めない声も現場からあるんだというお話もあるわけですが、裏を返しますと、現状のこの学童の職場、指導員の給与水準がそういう家計補助的な働き方しかできないという実態にとどまっているということがあると思うんです。 来年度予算に計上されているこの常勤を二名以上配置した場合の補助の引上げは大切な対応だと思います。ただ、学童保育は、あくまでも事業を支援する仕組みになっていて、この常勤二名以上配置への支援も、人件費の直接引上げではなくて、運営費の増額なんですね。保育所のように保育士一人当たりに対する給与水準を公定価格で算定しているのと違うことになっております。 そこでお聞きしますけれども、このこども家庭庁の言う常勤というのは、世間一般で言われているフルタイムの正規職員ということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(藤原朋子君) 今御指摘いただきました常勤職員配置の改善でございますけれども、まず、この目的は、支援員の方が支援に当たる、同じ支援員の方が支援に当たることによってクラブを利用する子供の生活が安定するといったことを目指すものでございます。そういった観点から、この目的を踏まえまして、実は昨日、案として地方自治体にこの常勤の考え方をお示しをいたしました。その中では、法定労働時間の範囲内において、原則として放課後児童健全育成事業所ごとに定める運営規程に記載される開所している日と時間の全てを年間を通じて専ら支援の業務に従事している職員というふうにお知らせをさせていただきました。 こうした定義ですとか、そもそもの改善の趣旨、目的を自治体の方に周知をし、この常勤職員の配置が進むように取り組んでいきたいというふうに考えております。
○井上哲士君 放課後児童クラブの運営指針では、「勤務時間については、子どもの受入れ準備や打合せ、育成支援の記録作成等、開所時間の前後に必要となる時間を前提として設定されることが求められる。」としておりますけれども、今のお話聞いておりましても、結局この施設で定めた勤務時間の枠になってしまうわけですよね。そうしますと、この受入れ準備や打合せの時間が考慮されないんじゃないかと思います。 施設で定めた勤務時間などに、現場に丸投げするのではなくて、社会保険の加入や退職金制度の整備など、専門職にふさわしい処遇が保障されるような常勤職の基準を私は示すべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 放課後児童クラブの開所日数や開所時間につきましては、国において基準を設定してございます。具体的には、開所日数については年間二百五十日以上、開所時間については平日は三時間以上、休日は八時間以上を基準として、開所時間に応じた運営費の補助を行っております。これに加え、十八時半を超えて開所した場合の処遇改善の補助を行うなど、地域の実情を踏まえた開所時間に対応した支援を行ってございます。さらに、今般、常勤職員を配置した場合の補助の拡充について、来年度予算案に盛り込んだところでございます。 こども家庭庁としましては、こうした趣旨について引き続き自治体に周知を図り、現場で支援に当たる放課後児童支援員の処遇の改善に努めてまいります。
○井上哲士君 まあちょっと先ほどの答弁のなぞったようなお話であっておりましたけど、私はもっと抜本的な、しっかりとしたやっぱり常勤という基準を示して人件費の補助を行うべきだと申し上げたいと思います。 二〇一五年に示された基準では、当初、放課後児童支援員の専門職としての資格要件と人員配置は従うべき基準とされておりました。それ以外は参酌基準となっていたんですね。 ところが、二〇一九年の第百九十八回国会の法改正で、これらが全て参酌基準に緩和をされました。そのときの国会では、あくまでも従うべき基準を堅持を求めた請願が採択されたのに法改正がされたんですね。そして、三年後の見直し規定がありました。その前年に、この百九十八国会での請願の具体化を盛り込んだ請願が採択されたにもかかわらず、結局政府は引き続き参酌すべき基準とするという結論を出しました。利用者の声にも国会での請願採択にも反して基準を後退をさせてきたということなんですね。 大臣、最初の答弁で、この放課後児童支援員は専門性が求められるという答弁をされました。ところが、実際には国がこうやって基準を、専門性としての基準を下げていることになっているんじゃないでしょうか。逆行しているんじゃないでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 委員御指摘の点につきましては、地方からの要望を踏まえて、全国一律ではなく、自治体の責任と判断により、質の確保を図った上で、地域の実情に応じて事業運営を行うことを可能とするために行われたものでございます。 こども家庭庁といたしましては、各自治体の責任の下、質を確保しつつ地域の多様性を踏まえた運営がなされているものと認識してございますが、引き続き、実施状況を注視するとともに、質の確保に向けて必要な支援を行ってまいります。
○井上哲士君 質の確保をするのなら、守るべき基準にするべきなんですね。 実際には、これまで、放課後児童支援員の資格を、保育資格や教員免許などを取得していることに加えて、都道府県や市町村の行う研修を修了した者でなければならないとしておりましたけれども、昨年四月の通知で、放課後児童支援員としての業務に従事することになってから二年以内に研修を修了することを予定している者も含むと、ここまで基準を緩和したんですよね。こうしますと、もう本当に指導員は誰でもいいということになりかねないわけでありまして、本当にしっかりとした専門性、質を確保していくという点で、しっかりした基準をやはり示していくことが必要だと思います。 何でこんなことになってしまうのか、最後でありますけど、お手元に、やはり、配っておりますように、学童保育の法的位置付けの問題があると思うんですね。児童福祉法上、保育所には市町村の保育の実施義務が定められておりますが、学童保育、放課後児童クラブはこの放課後児童健全育成事業としか位置付けられておりません。市町村には地域の実情に応じて同事業を推進する努力義務が定められているにすぎないわけですね。こうした法的な違いがこの保育所であるという問題に加えて、先ほど来述べていますように、この政府が基準を緩和してきたということが学童保育をめぐるいろんな問題の背景にあると思うんですね。 学童保育をしっかりと児童福祉施設に位置付けて、保育所と同様に市町村に実施義務を課すなど、学童保育に対する公的責任を明確にするべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤鮎子君) お答え申し上げます。 放課後児童クラブにつきましては、児童福祉法に基づき市町村に事業実施の努力義務が課せられております。現在、ほぼ全ての市区町村で事業が実施されており、自治体、社会福祉法人、NPO、民間事業者、地域の保護者会や運営委員会など、地域の実情に応じて様々な方に運営を担っていただいております。また、市区町村条例で定められている基準を踏まえつつ、小学校や児童館、その他の地域の施設等の様々な場所で、地域の実情に応じた運営がなされているものと認識してございます。 このように、放課後児童クラブにつきましては、実施主体や実施場所など運営の実態が多様であることを踏まえ、事業の実施方法について地域の創意工夫を生かせるよう、児童福祉法の事業として実施をしているところでございます。
○井上哲士君 二〇二〇年にコロナ禍で全国一斉休校が行われた際に、保育所と学童保育は開所することを要請されたんですよね。つまり、保育所も学童保育も、小学校に通う子供を持つ親にとって学童保育は保育所と同様になくてはならない施設だということを政府自身も認めていたわけですよ。ですから、働く親を支えて子供たちの健やかな成長発達する権利を保障する本来の意義に立脚して、しっかりとした法的位置付けにするべきだということを重ねて申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○大島九州男君 大島九州男でございます。 本日は、両筆頭、委員長に、まずは、三十分という時間をいただき、少数会派にも御配慮をいただいたことに感謝を申し上げて、質問に入らせていただきたいと思います。 まず、障害者差別解消法の第八条、事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするよう努めなければならないと。今は努力義務規定ですけれども、これが四月から義務規定ということになります。 それで、差別解消法の環境整備に関する条文の中には、第五条、行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他必要な環境の整備に努めなければならないと。 そして、鉄道事業法の目的、第一条、この法律は、鉄道事業等の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、輸送の安全を確保し、鉄道等の利用者の利益を保護するとともに、鉄道事業等の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的とするという。 こういう法律に沿ってそれがちゃんと実施されているのかという観点からまず質問させていただきますので、ちょっとまとめて質問しますから、よく聞いておいていただきたいと思います。 まず、視覚障害者がホームから転落する事案は一年当たり平均して何件起きているか。そしてまた次に、視覚に障害のない人と比べると転落している率はどのくらい、健常者ですね、比べてどのくらい高くなっているか。それから次に、視覚障害者の転落死亡事故は年平均で何件ぐらい起きているか。そして、全国の駅のホームの番線数と、現在ホームドアがどんどん設置されていますけれども、そのホームドアが設置されている番線数、そしてホームドアというのは一年に新規でどれくらいホームに設置されているかというのを、ちょっとまとめて教えていただければと思います。
○大臣政務官(こやり隆史君) お答えいたします。まとめてお答えさせていただきます。 まず、転落する事案でございますけど、一年当たり平均して、十年平均でございますけれども、六十六件発生をしております。 視覚に障害のない人と比べると転落している率はどうかという御質問でございますけれども、なかなか視覚障害のある方の鉄道の利用回数、これの全体像が把握できていないということもありまして、転落率としてお示しするというのが困難な状況になっております。 件数で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、視覚に障害がある方の転落件数は十年平均で六十六件、他方で、全体、済みません、視覚に障害のない方の転落件数は十年平均で二千八百件が発生をしております。 次に、転落死亡事故は年平均で、死亡事故ですね、年平均で何件かということでございますけれども、十年平均で一年当たり二件発生をしております。 また、駅のホームの番線数とホームドアが設置されている番線数につきましては、総番線数が一万九千九百十九番線、そのうちホームドアが現時点で整備されている番線数が二千四百八十四番線となってございます。それで、ホームドア、一年に新規で幾つできているかということでございますけれども、ちょっと年によって違いますが、今把握している直近の令和四年の例でいいますと、百四十七番線が整備されているところでございます。
○大島九州男君 ありがとうございます。 そうなると、元々ホームドアが転落事故防止対策には一番だというふうに思うんですけれども、数十年掛かるというような計算ですよね。 そこで、国交省内には、ホームドアのない駅での安全対策を検討するために、新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策検討会が設置されたと承知しております。そして、この検討会が二〇二一年の七月に中間報告を出していますが、その中間報告をまとめるに当たり、転落経験のある視覚障害者にアンケートを取られたということですが、ホーム上のどの方向に歩いているときに事故が多く起こっているかというところを教えてください。
○大臣政務官(こやり隆史君) 委員御指摘の検討会におけるアンケートでございます。回答いただきました七十四件のうち、ホームの線路と平行の長軸方向に歩いているときの転落が四十七件、六三・五%、線路と垂直の短軸方向を歩いているときの転落が二十七件、約三六・五%となっております。
○大島九州男君 我々の基本的な考え方とすると、真っすぐですね、ホームと平行に歩いているより、ホームの方に向かって歩いている方が転落する数が多いのかと思ったら、そうじゃないということなんですよね。 これ、なぜホームと平行して、線路と平行して歩いているときに落ちるのかというのは分かりますか。
○大臣政務官(こやり隆史君) アンケートの後、ヒアリングを実施しております。ヒアリングを行いましてその御回答があったケースが三十五件、長軸方向に転落したケースでございますけれども、それを分析いたしますと、中央付近を走行しているときに、ホームの端の方に接近していることに気付かずに転落されるケースが十八件、ホームの点、あのブロックですね、の点状ブロック沿いを走行中にホームの端に接近したということに気付かずに転落されているケースが十五件、ホームのブロック沿いを歩行中に他人との接触などにより転落されたケースが二件あるというふうに承知しております。
○大島九州男君 スイミングしているときに目つぶって泳いでいると何か斜めに行っちゃうという、そういう感じなのかなというふうに思いましたが、それを防止するために点状のブロック、これは危ないよと、ここは止まりなさいみたいな形の点状ブロックというのがあるんだというふうに思いますが、今の話でも、端っこ歩いていて、その点状ブロック周辺を歩いていて転落するということもあったということですけど、このガイドラインでその敷設位置というのを示しているということですが、それはどこに設置しなさいとなっているんでしょうか。
○大臣政務官(こやり隆史君) 御指摘のありましたガイドラインによりますと、ホームの線路側の端からその距離が大体八十から百センチ程度、線路に平行して連続的に敷設するということといたしております。
○大島九州男君 となりますと、我々も経験ありますけど、人がたくさん並んでいますから、ホームの一番端の点字ブロックの間を歩くとき、ちょっと恐怖がありますよね。それを目の見えない人が歩いているということでございますから、このガイドラインで本当に大丈夫なのかと、それを私どもは率直に思うんですけれども、このガイドラインでは、今言うように、視覚障害者はそこを歩けというふうに指導しているということなんでしょうか。
○大臣政務官(こやり隆史君) ガイドライン上、具体的にどこを歩いてくださいというようなことを規定をしているところではございません。ございませんけど、基本的には、さっき申し上げました点字ブロックの内側を歩いていただくということを想定をしているところでございます。 他方で、実際の駅ホームというのはいろんな駅ホームがございまして、その障害の程度でありますとか介護者の有無、あるいは利用されるときの状況や御自身の経験、そうしたことが違うということから、いろんなそういう要素を背景に安全に経路を選んでいただくということと、選んでいただいているというふうに認識をしております。 例えば、歩行訓練士の方が訓練指導の参考にする歩行指導の手引というのがございまして、そこには、例えば相対式ホームにおきましては壁側を歩行する、あるいは島式ホーム、両側に線路がある場合にはできるだけ移動を避け、まず避けるようにする、移動しなければならない場合は、点字ブロックのような手掛かりがあればその利用法を正しく御理解いただくというふうに規定されているというふうに承知をしております。
○大島九州男君 ホーム転落事故の六三%がホームの中央を歩いているつもりが斜めに歩いて転落をしていると、本来沿って歩くべきではない点状警告ブロックに沿って転落するケースも半数あるということだけれども、ガイドラインではそもそも視聴覚障害者がホームを歩く動線を示していないと。 これ、中間報告の中では、ホーム中央に歩行動線の道しるべとなるマーカー、例えば線状ブロックを設置する案や内方線付き点字ブロックの内側の領域を活用する案が挙げられていますけど、これどちらの案がいいのかという実証実験をやるというようなお考えありますか。
○大臣政務官(こやり隆史君) 今、先ほど先生、委員御指摘の検討会におきまして、引き続き実証実験の実施も含めて議論を深めているところでございます。 他方で、その実証実験を行う場合に当たりましては、さっき申し上げましたように駅の構造等が様々違うということで、試験フィールドとして実際に実証試験をするときにどのような駅を使えばいいのかということとか、あるいは、さっき三方向で転落事故があるというような話がありましたけれども、その背景要因として、焦りであったり疲れであったり、そうしたことがその背景にあるというふうに承知をしております。 こうしたことも踏まえながら、より効果的な実証試験というのはどういうものがあるべきかということについて議論を深めていきたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、現状、安全に、より安全にしっかり視覚障害者の方にホーム上を歩いていただくための方策、これを今検討会で検討しているところでございまして、今、例えば今年の一月にもモデルの取組をしたところでございますけれども、白いつえを適切に使用してホーム上で安全に乗降する方法の普及促進、これをまず、これが重要であるというような御指摘も踏まえながらその検討を進めているところでございます。
○大島九州男君 そもそも、障害者差別解消法の合理的配慮を持ち出す前に、先ほど、鉄道事業法やバリアフリー法に輸送の安全や移動の安全ということが書いてあるわけですから、ガイドラインになくても事業者がしっかりやるべきなんだと、私はこれ事業者の怠慢なんじゃないかというふうに思うんですけど。 私鉄はそういうのを対応しているところがあったりとかする話も聞くんですけど、JR東日本とかJR西日本というのはちょっとそこが遅れていると、大丈夫かということがあるんですけど、そこら辺ちょっと聞いてくださいとお願いしたんですけど、どういう考え方だったでしょうか。
○大臣政務官(こやり隆史君) 先ほど委員御指摘の検討会においても、この御指摘のありましたJR二社も参加をしているところでございます。 例えば、中央に誘導ブロックを敷設するということについても、これは視覚障害者の団体の皆さんからも賛否両論があります。新たに敷設することによってより混乱をさせる可能性があるとかですね、いろんな問題点が上がっておりまして、これを今整理をしながら検討を深めているところでございます。 そうした状況の中で、ある特定の各会社がばらばらに対策を進めていくとなると、視覚障害者御自身の皆様の安全性をより損なうことも、リスクもございますんで、しっかり検討を深めながら各社統一のガイドラインとしてお示しをし、それに従って対策を取っていただくということが重要であるというふうに認識をしているところでございます。
○大島九州男君 それはもうおっしゃるとおりだと思うんですね。もうだから、それでいうなら、もうガイドラインでぴしっと地下鉄もJRも私鉄もこうやりなさいというふうに決めてしまえばもうそうなるわけでありますから、是非、中間報告が公表されて三年たってもほとんど何の具体的な策も講じられていないというのは大変な問題だという意識。 ホームドアの普及を待ちつつも、一日も早く、もう一日も早く視覚障害者が安心して渡れるというか、歩けるようなホームを造ってもらいたいという、そういう強い願いがありますので、是非先生たちのリーダーシップでガイドラインを早期に決めていただくことを要望して、次の質問に移ります。 時間の関係もありますので、まとめて聞きますが、能登半島地震についてですね。 先日の予算委員会でなかなか質問する、細かいことが聞けなかったので、もう一度確認ですが、発災直後から警察、消防に入った一一〇番、一一九番の通報の数、それから災害本部の立ち上げまでの時間やその後の運営の実態、そして地震発災当日から人命救助に重要な七十二時間までの自衛隊、消防、警察も含めての現地派遣部隊の活動人数や推移、活動内容をまた教えていただきたい。 今回、特に空からの救助についてということをテーマに言っていましたけれども、その時系列、一月一日から四日、航空機の運用機数など細かいことを教えていただければと思います。
○国務大臣(松村祥史君) トータルで御質問いただきましたので。 まず、警察におきましては、発災後七十二時間までに一一〇番通報等により約百三十八件の要救助事案を把握いたしております。このため、発災直後から広域警察航空隊のヘリコプターを石川県に特別派遣をいたしまして、発災後七十二時間までに延べ三十四機のヘリコプターが被災状況の情報収集活動等を行ってきたところでございます。 また、石川県警によります救助、救出活動に加えまして、全国からも石川県に特別派遣をいたしまして、発災後七十二時間以内では約七百人が輪島市や珠洲市において倒壊家屋等の要救助者の救出活動や安否不明者の捜査活動等に懸命に従事したところでございます。
○大臣政務官(船橋利実君) お答えいたします。 能登半島地震における被災地の一一九番通報件数についてでございますが、輪島市、珠洲市等を管轄する奥能登広域消防本部、志賀町等を管轄する羽咋郡市広域消防本部、七尾市等を管轄する七尾鹿島消防本部に確認をいたしましたところ、把握されている範囲で、四市五町の合計で発災から七十二時間までに千八百七十八件の通報件数となってございます。 次に、消防の対応についてでございますけれども、能登半島地震における消防の対応につきましては、消防庁長官の指示により、発災当初から約二千名規模の緊急消防援助隊が出動をし、七十二時間を迎える一月四日においても同規模を維持をして活動してございました。具体的には、陸上部隊として約一千八百名程度が輪島市、珠洲市、能登町などの現地に進出をし、消防防災ヘリコプターの部隊とも連携をし、地元消防本部とも協力をいたしまして、倒壊家屋からの救助、捜索活動、ヘリによる孤立地域からの救助、救急搬送、病院や高齢者施設からの転院搬送など、被災地で求められる様々な活動に総力を挙げて取り組んだところでございます。 それから、消防防災ヘリの関係のお尋ねがございましたけれども、今回、能登半島地震におきましては、孤立地域が発生をするとともに高齢者等の移送が想定されたことから、一月四日までに十八機の消防防災ヘリコプターに出動指示を出したところでございます。 一日は五機、二日以降は連日八機以上の体制で活動に当たってございまして、孤立地域からの救助、病院等からの転院搬送を含めた救急、消防隊員等の人員搬送、孤立地域への物資搬送、上空からの情報収集、こうした活動に取り組みまして、四日までに救助活動三十五件、救急活動十六件など計七十一件の事案に従事をいたしております。
○大臣政務官(松本尚君) 空からの救助等についてということで御質問ありました。防衛省・自衛隊からお答えをいたしたいと思います。 今般の能登半島地震としましては、発災翌日の二日から投入部隊を編成しております。それによりまして陸海空自衛隊が保有します航空機を集中運用するとともに、自衛艦、自衛隊の艦艇、これ「おおすみ」、「あさぎり」をヘリの洋上の拠点としまして航空搬送等々に活用いたしております。 その結果、一月二日以降、自衛隊機約百機以上の体制を確立した上で、現地で発災日から翌二日には約二十機、それから三日目から四日目については約三十機が救助活動、それから救援物資の輸送に迅速に対応したところでございます。
○副大臣(古賀篤君) 私からは、災害対策本部の設置、それから推移について簡潔に御説明いたします。 一月一日の十六時十分に発災直後から、総理より、早急な被害状況の把握ですとか国民への情報提供、住民避難等の被害防止の措置、さらには人命第一の方針の下での救命救助等、災害応急対応等の指示が出されたところであります。その後、松村防災担当大臣を本部長とする特定災害対策本部を設置し会議を開催、さらには、その後、総理を本部長とします非常災害対策本部を設置したというのが元旦の経緯でございます。 そして、私自身は、元日の二十時に石川県庁に向けて出発し、同日内に私を本部長とする現地災害対策本部を石川県庁に設置し、被災自治体、また石川県庁とも緊密に連携をしながら今日に至るまで災害対応、復旧復興に当たってきたところでございます。 以上です。
○大島九州男君 古賀副大臣におかれましては、現地で大変御苦労をなさっているということには感謝を申し上げたいと思います。 ちょっと時間があれなので割愛して。で、今、空の関係、特にヘリの部分の活躍が地理的な状況ですごく重要だったということは分かったんですけれども、このヘリのパイロット、そして整備士が非常に足りてないんじゃないかということに対して、どのような形の具体的なことを国交省考えているかというところを御答弁お願いします。
○大臣政務官(こやり隆史君) 先ほど来御答弁ありましたように、復旧支援活動において重要であるだけではなく、公共交通機関として様々な分野でこの操縦士、整備士というのは活躍をしているところでございます。国交省といたしましては、このパイロットであったり整備士全体の人材確保を進めていく必要があるというふうに認識をしているところでございます。 これまで、こうしたパイロット等の養成施設の規模の拡大、あるいは国家資格取得時の試験科目の合理化、パイロットや整備士を対象とした奨学金の創設等の取組を進めてきております。加えて、今後予想される航空需要の増大等を見据えながら、本年二月、パイロット、整備士の人材確保、活用についての検討会を新たに設置したところでございます。 様々な御意見を踏まえながら、官民で連携しつつ人材確保の強化に積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○大島九州男君 被災によって職場がなくなって、移転をして引っ越して仕事を変わらなきゃならなくなったような人だとか、いろんな状況が考えられているんですけれども、特に今、その被災によって働く場所がなくなって、移動しなきゃいけない、仕事を変わらなきゃいけないという人たちに、現行の手当ては何があるのか、そしてまた、自分じゃなくて事業所が移転しちゃったから自分も移転しなきゃならないというような方もいらっしゃると思うんですけれども、そういう方たちの支援があるのかどうか、お願いします。
○副大臣(宮崎政久君) お答えいたします。 まず、制度としては、一つ、雇用保険制度というものがございます。雇用保険制度では、職場が被災したことによって失業してしまったという場合の失業給付がまずあるところでございまして、最大で離職前賃金の八〇%を年齢などに応じて最長で三百三十日間支給をするというものであります。 また、雇用保険制度の中では、いわゆる、今お話があったような、移転していくときに引っ越し費用などを支援する仕組みもございます。ハローワークなどで紹介した職業に就くために住所や居所を変更する場合に、その新しい就職先に赴任ができないから就職できないということが起きないようにするために、引っ越しに要する費用、これは旅費とか引っ越し代とか、それ雑費みたいなものでありますけれども、こういったものを支給する制度を用意してございます。 また、引っ越し費用の充当という観点から、これは全ての方ではないんですが、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度というものがございまして、この中では、低所得者等とよく申します、低所得の世帯の方、また障害者がいらっしゃる世帯の方、また高齢者がいらっしゃる世帯の方を対象といたしまして、償還見込みなども踏まえつつ、被災により臨時に必要となる経費を貸し付ける制度を持っておりまして、これを引っ越しの費用に充当していただくことも可能という形になっております。 以上でございます。
○大島九州男君 今後の復興、そしてまた新たな発災があったときに、いろんな意味での防災の拠点、こういったものをしっかりと整備していくことが必要だというふうに考えているんですけれども、総務省、そしてまた防災大臣に、今後の、この被災を教訓にして、どういうような防災拠点をつくったらいいのかと。また、創造的復興という形で、石川県がヘリのパイロット養成だとか、そういう部分も含めた形での新しいその復興の形というのを予算委員会で提案したんですけれども、それに対するちょっと御意見があれば、総務省と復興大臣、お願いします。
○副大臣(古賀篤君) 私の方から答えさせていただきます。 まず、防災拠点について御指摘いただきました。やはり防災に係る拠点の確保は重要だと認識しておりますし、防災基本計画においても、国、地方公共団体が機関相互の応援が円滑に行えるように、部隊の展開や宿営の拠点、物資搬送等の救援活動拠点等の確保に努めるとされております。 今回のこの石川の災害におきましても、災害時受援計画で広域物資輸送拠点と定められておりましたのと里山空港が、物資の輸送に加えて二次避難の移送拠点として活用されるなど、被災地のニーズを踏まえて拠点機能が応用され、拠点が災害対応に大いに役立ったという例もございます。 今後、今般の一連の災害対応を振り返りながら、今後の災害対応に生かしていく検証作業をこれから行っていくこととしておりまして、その中で今般の経験も整理し、各地域での今後の対応にも生かせるようにしてまいりたいと思っております。 加えて、航空に関して人材育成拠点の御指摘もありました。今回、のと里山空港あるいは日本航空学園におかれましても、大変お力をいただき、今震災対応に当たっております。日本航空学園の能登キャンパスの人材育成拠点としての機能もしっかり今後考えながら、震災対応、今後とも当たっていきたいと考えております。
○大臣政務官(船橋利実君) お答えいたします。 まず、防災拠点の関係でございますけれども、今回の能登半島地震のように、道路事情などによりまして陸路での進出が困難となる災害での効果的な活動の在り方については、今後に向けた重要な課題というふうに受け止めてございます。委員御指摘のような進出拠点の整備ということに関しましては、消防にとどまらない事柄でございますので、関係機関も含めた十分な検討が必要と考えてございます。 いずれにいたしましても、消防庁としては、今回の災害対応について、緊急消防援助隊として出動した隊員からも意見を聞くなどいたしまして、検証し、今後に生かしてまいりたいと考えております。 あわせて、創造的復興についてもお尋ねがございましたけれども、石川県におきましては、避難されている被災者の方が能登に戻れるようにするとともに、単なる復旧にとどめず、人口減少などの課題を解決しつつ、能登ブランドをより一層高めることを理念とする創造的復興を目指しているというふうに承知をしてございます。 また、創造的復興の柱として、インフラの早期復旧、強靱化、暮らしと地域コミュニティーの再建などが挙げられていると承知をしてございまして、総務省といたしましても、県の意向を積極的かつ丁寧にお伺いをし、内閣府を始めとした関係省庁とも連携をしながら、被災者の皆様に安心して前を向いていただけるよう被災地の復旧復興に力を尽くしてまいります。
○大島九州男君 最後、岩田大臣。 新たなそういう事業、創設はいかがでしょうか。
○副大臣(岩田和親君) お答えをいたします。 今、関係省庁、機関、自治体において様々な支援策が講じられておるところでありますし、しっかりと連携をいたしながら、現場の復旧復興の状況をまた見極めながら、どのような対応が可能か、また検討してまいりたいと思っております。
○大島九州男君 ありがとうございました。
○委員長(阿達雅志君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時一分散会