財政金融委員会 第18号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/06/18
会議録
○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、石田昌宏君、広瀬めぐみ君、松山政司君及び浅田均君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君、古川俊治君、江島潔君及び藤巻健史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に若松謙維君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、人事院事務総局給与局次長箕浦正人君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君、同理事高口博英君、同理事加藤毅君及び同理事中島健至君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。 日本銀行から説明を聴取いたします。植田日本銀行総裁。
○参考人(植田和男君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。 まず、最近の経済金融情勢について御説明いたします。 我が国の景気ですが、一部に弱めの動きも見られますが、緩やかに回復しています。輸出は横ばい圏内の動きとなっています。企業収益が改善する下で、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。雇用・所得環境は緩やかに改善しています。個人消費は、物価上昇の影響に加え、一部メーカーの出荷停止による自動車販売の下押しが続いているものの、底堅く推移しています。先行きは、海外経済が緩やかな成長を続ける下で、緩和的な金融環境などを背景に、所得から支出への前向きの循環メカニズムが徐々に強まることから、潜在成長率を上回る成長を続けると見ています。 物価面を見ますと、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきているものの、賃金上昇等を受けたサービス価格の緩やかな上昇が続く下で、足下は二%台前半となっています。先行きについては、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰する一方、来年度にかけては、政府による経済対策の反動等が前年比を押し上げる方向に作用すると考えています。この間、消費者物価の基調的な上昇率は徐々に高まっていくと予想され、私どもの展望レポートの見通し期間後半には二%の物価安定の目標とおおむね整合的な水準で推移すると考えています。 先行きのリスク要因を見ますと、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金、価格設定行動など、我が国経済、物価をめぐる不確実性は引き続き高い状況です。その下で、金融・為替市場の動向やその我が国経済、物価への影響を十分注視する必要があると考えています。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなども踏まえると、全体として相応の頑健性を有しています。より長期的な金融面のリスクとしては、金融機関収益への下押しが長期化すると、金融仲介が停滞方向に向かうおそれがある一方、利回り追求行動などから金融システム面の脆弱性が高まる可能性もあります。現時点ではこれらのリスクは大きくないと判断していますが、先行きの動向を注視する必要があります。 次に、金融政策運営について御説明申し上げます。 日本銀行は、先週の金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針については現状維持、すなわち、無担保コールレート、オーバーナイト物をゼロから〇・一%程度で推移するよう促すことを決定いたしました。次回金融政策決定会合までの長期国債及びCP等、社債等の買入れについては、本年三月の金融政策決定会合において決定された方針に沿って実施します。その後については、金融市場において長期金利がより自由な形で形成されるよう、長期国債買入れを減額していく方針を決定しました。市場参加者の意見も確認し、次回金融政策決定会合において、今後一年から二年程度の長期国債買入れに関する具体的な減額計画を決定します。 今後とも、日本銀行は、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。 以上でございます。 ありがとうございました。
○委員長(足立敏之君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○柴愼一君 おはようございます。立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。よろしくお願いいたします。 今日は、日銀報告に関する質疑ということで、植田総裁、お忙しい中、お越しいただいております。よろしくお願いします。 私は、先週の金融政策決定会合、また、今の御報告もいただきましたが、今後の金融政策正常化に向けた認識についてお伺いをしたいというふうに思います。 今も御説明いただきましたが、金融政策決定会合で示された当面の金融政策の運営のポイントは二つだということだと思います。一つは、短期金利を引き続きゼロから〇・一%程度で推移するように促すんだということ、もう一つが、長期国債の買入れを前回の三月の方針に沿って実施するということ、そしてその後、長期国債の買入れを減額していく方針を決めましたと、どのように減らしていくかは、次回の七月の会合で今後一、二年の具体的な減額計画を決定しますということだと思います。 ニュースの見出しとかでは長期国債の買入れ減額の方針決定というふうになっていたんですが、これって正しいんでしょうかと。実質は、次まで現状を維持するということ、方針決定を先延ばししたということになるのではないかと、今回は何も決めなかったというふうに言えるんじゃないかというふうに思いますが、植田総裁の認識、お聞かせください。
○参考人(植田和男君) 長期国債の買入れに関する決定のところでございますけれども、具体的にどれくらい減額するのかということについては、あるいは更に具体的な手法については次回決定及び公表したいと思いますが、次回から減額するという方針については今回決定したというところでございます。
○柴愼一君 もうちょっと後でまた聞いていきたいというふうに思います。 前回の決定会合の金融政策方針を見直ししましたということで、短期金利の操作を主たる政策手段とするということを明らかに、方針を明らかにしました。今回金利の見直しを行わない判断をしたことの意味を、そこがメインの役割なんだと、そこでやっていくんだということを言われたというふうに思いますが、金利に関する言及が余りにも少ないというふうに思うんですが、そのことについて教えていただきたいと思います。
○参考人(植田和男君) 委員おっしゃいましたように、私ども、三月の政策枠組み見直し以降、経済、物価の見通しやそのリスクに応じて適切な金融政策を行っていく、それに合わせて金融緩和の度合いを適宜調整していく際の政策手段としては短期金利を考えていくことになります。 先週の会合では、短期金利のところは据置きという判断をしたわけでございます。これの背景でございますが、当然、先週の会合でも、経済・物価見通しやリスクを点検、丁寧に点検いたしました。四月以降に発表され、確認いたしました各種の情報、データはおおむね私どもの見通しに沿ったものとなっていたと考えましたけれども、現時点では、その基調的な物価上昇率がしっかりと高まっていくかどうか、もう少し引き続き点検していく必要があるというふうに考えたところでございます。
○柴愼一君 そういうふうにおっしゃいますが、今回の発表でも、物価面については足下二%台前半となっているんだと、予想物価上昇率は緩やかに上昇していると、消費者物価の基調的な上昇率についても、賃金と物価の好循環が引き続き強まり、中長期的な予想物価上昇率が上昇していくことから、徐々に高まっていくと予想されるんだと、展望レポート見通しの期間後半には物価安定目標とおおむね整合的な水準で推移するというふうにしているんですよね。今いただいたこのペーパーの二ページ目の上の最初の段落でも、この間、消費者物価の基調的な上昇率云々で、二%の物価安定目標とおおむね整合的な水準で推移するというふうに考えていますというふうにおっしゃっているんですよね。 このような分析にあって、なぜ利上げに対する言及がないのか、もう少しお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(植田和男君) 委員おっしゃいますように、例えば基調的物価上昇率ということで申し上げれば、だんだん上昇していって、私どもの見通しの期間の後半にはおおむね二%に達していくであろうというふうに見通しを持っています。ただ、それが確実に実現するかというところまではまだ確信は持てていないところでございまして、本当にそうなっていくかどうかについて、少しずつ情報を得ながら確認していきたい。で、要所要所である程度確認ができ、確信の度合いが上がったところでは、短期金利に代表され、短期金利の水準を引き上げることを通じて金融緩和の度合いを適切に調整していくという作業をしていきたいというふうに思っております。
○柴愼一君 先行きのリスク要因というのはいつまでたってもなくならないというふうに思うんです。 物価高が続いて、実質賃金が二十五か月連続で低下をしていると、賃上げ、これまでにない結果を出してきていても、賃上げが物価高に追い付かないと、それを上回る物価上昇になって国民生活を苦しめているという状況にあります。国民生活に着目した金融政策について、日銀はどのように認識しているのかということです。 前回の金融政策決定会合後の記者会見において、円安による物価への影響について、総裁、基調的な物価への影響は無視できる範囲かというふうな問いに対して、はいと答えられたということで、ちょっと物議を醸したところもあります。 賃金と物価の好循環、実現に近づいているのか、今年の賃上げの現状、状況や国民生活の状況をどういうふうに判断されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(植田和男君) 賃金と物価の好循環に近づいているのかどうかというところでございますけれども、まず二つの要素がございます。 一つは、名目の賃金の方でございまして、これは、代表的には春闘の結果に表れていますように、今年度は昨年度をかなり上回る良い結果となっておおむね終結したわけでございます。ただ、これが本当に経済全体の賃金にどれくらい反映されていくかということは、期待を込めつつも、もう少しデータを見ないといけないというふうに考えてございます。 一方で、物価の方でございますけれども、これは、消費者物価総合あるいはそれから生鮮食品を除いたというベースで見ますと、昨年の初めに四%を超えていたものが足下二%台前半にまで低下してきております。それでもなお、経済全体の上昇率という意味で確認できた名目賃金の上昇率と比べますと、やや物価の上昇の方が上回っておりまして、実質賃金の低下が続いております。 ただ、これは、基調的には、基調的にという言葉はあれですが、もう少し総合の、全体の物価上昇率が落ち着いていくという動きが続くであろうということと、繰り返しになりますが、春闘での強い結果が今後一段と賃金に反映されてくるであろうという中で、実質賃金の下落傾向にも歯止めが掛かってくるというふうに考えてございます。
○柴愼一君 もうちょっと、後でまたそんな議論もさせていただきたいと思います。 国債の買入れ減額についてお聞かせください。 長期国債の買入れを減額していくということは、今が異常な状況だということであれば、金融政策の正常化に向けて進むべき方向性だというふうに認識はしています。公表された方針では、長期国債の買入れについて、金融市場において長期金利がより自由な形で形成されるよう、長期国債の買入れ額を減額していく方針を決定というふうにしています。 より自由なという表現を使っているということは、今が余り自由ではないという状況だという認識なんでしょうか、お聞かせください。
○参考人(植田和男君) 私ども、これまで大規模な国債買入れを行ってまいりまして、国債市場における価格形成など種々の機能に影響を与えてきた面があると考えております。 こうした中で、三月に決定した枠組み見直し後の金融市場の状況をずっと確認してまいりましたけれども、この度、最初に申し上げましたように、国債買入れを減額していく方針を決定いたしました。これによりまして私どもの国債買いオペが減額されるということになれば、長期金利の形成が従来以上に金融市場に委ねられていくということになるという意味で、自由な形で形成されるようにという表現を用いております。
○柴愼一君 前回の金融政策決定会合で、イールドカーブコントロールはやめると言っていないんですね。役割を果たしたという言い方をされていますが、実質は、緩やかであっても長期金利をやっぱり操作をしてきたんだと、やめていないというふうにやっぱり言えるんじゃないかなって、実質にはですね、やっていることというのは、イールドカーブコントロールと同じようなことをやっていたんじゃないかというふうに思います。 今回、債券市場参加者会合というのが開催されるということが発表されています。先行きの日銀による国債買入れの運営について意見を伺うということを目的としているようです。 植田総裁の市場との丁寧な対話の一つというふうに認識していますが、市場の意向によりその減額幅を決めるということなんでしょうか。どんな会議になるのか、ちょっと教えていただけますか。
○参考人(植田和男君) まず、前段のイールドカーブコントロールそのものは、例えば金利の誘導目標とか上限のめど等、三月まではあったりしたわけですが、これは廃止をしてございます。 その上で、市場参加者との対話の件でございますが、私どもの金融市場局が開催するという形になりますけれども、市場参加者から意見をきちんと確認するという場を設けまして国債買いオペの減額の幅についての検討を進め、次回の会合において、最初に申し上げましたように、今後一年から二年程度の具体的な減額計画を決定することを考えております。
○柴愼一君 次回の七月の金融政策決定会合で決定するという国債の買入れの減額の計画、市場参加者の意見も聞いて決めていくんだということですが、記者会見とかでは、金融政策的な色彩はなしか極めて最小化させるというふうに言われているんでしょうかね。総裁の記者会見のやり取り聞くと、もう一方では、国債市場の安定に配慮するための柔軟性を確保しつつ、予見可能性な形で減額していくことが必要だ、適正だというふうに言っていますが、ただ、減額する以上相応の規模になると考えるというふうにもおっしゃっているんですよね。 金融政策的な色彩はなしか極めて最小化というところと減額する以上相応の規模になるという表現が両方あるんですが、どのように受け止めればよいのか、お聞かせください。
○参考人(植田和男君) 相応の規模がどれくらいになるかということに関しましては、現在申し上げられないと申しますか、今後一か月間の検討の結果決まってくることでございます。七月の公表を、恐縮ですが、お待ちいただければというふうに思います。 それから、能動的な金融政策の手段としてこの減額のペースのところを用いないということでございますが、これは、要所要所で、次どうするかというところに、減額の進め方ですね、金融政策的な色彩を込めたとしますと、何となくイールドカーブコントロールの復活みたいなものになりがちでございます。そういうことも避けるために能動的な金融政策の手段としては極力用いないようにするということ、その一方で、それと整合的な意味で予見可能性をある程度確保しようということで進めたいと思っております。
○柴愼一君 今のちょっと総裁の回答で、逆に、私勘違いしていたのかなというふうに思っちゃったんですが、金融政策的な色彩はなしか極めて最小化というのは、YCCを戻すということじゃなく、に戻すように受け取られないようにという、逆に、私は金融引締めに強いメッセージになるのは避けるというような認識だったんですが、YCC、逆に、余り減らさないんですよということを言っているということ、どっちでしょうか、今。
○参考人(植田和男君) 引締め方向でも緩和方向でも、金融政策としての強いメッセージを出すということは、この手段については控えていきたいということでございます。
○柴愼一君 また、じゃ、ちょっとそれも後でまたやります。 今後、いずれかの時期には、金融政策の正常化、金利の引上げが行われることが想定をされます。いつかはちょっと分からないということですが、政策金利の引上げというのは、日銀の当座預金の金利の引上げも必要となってくるとすれば、日銀の保有する国債の受取利息との間で逆ざやが生じることも想定されます。これは日銀財務の大きなリスクと認識しますが、総裁のお考えをお聞かせください。
○参考人(植田和男君) 委員おっしゃいますように、今後、私どもが政策金利を引き上げていく局面では、付利金利の引上げによる超過準備に対する支払利息から収益は下押しされます。 ただし、その後は、一つには、超過準備が徐々に減少していくということに伴いまして支払利息が減少するということ、あるいは、今後減額する予定ではありますけれども、長期国債買いオペは少しずつ続いていきますので、徐々に利回りの高い国債へ保有国債が入れ替わっていくということにより受取利息が少しずつ増加する面があるということ、それから、シニョリッジ、すなわち銀行券や所要準備といった無利子負債見合いで保有する国債等の資産からの利息収入があるということ等を併せますと、通常、収益は回復していくというふうに考えられます。
○柴愼一君 そうはおっしゃいますが、やっぱり心配なところがあると。藤巻先生も、この委員会では日銀の財務のことをずっと心配いただいているというふうに思いますが、日銀の財務健全化に向けたやっぱり措置が必要だというふうに思います。逆ざやのリスクに備えて、引当金の積み増しも必要になるんではないかというふうに思います。 日銀はここ数年、当初予算を大きく上回る額の国庫納付を行っています。令和五年度の決算では二兆一千七百二十八億円ということに、巨額の納付をしていると。我が国の財政に貢献することは必要なことですが、日銀財務の健全化の視点の措置も必要だというふうに思います。 これ政府にも、政府に言いたいんですけど、政府、これまで異次元金融緩和によって日銀にリスクを負わせてきたんだというふうに言えるというふうに思いますが、政府として日銀財務の健全化に向けた対応を図るべきではないかと、余り納付金取らないでということですけど、思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(進藤金日子君) お答え申し上げます。 日銀財務の健全性確保につきましては、日銀法の趣旨に鑑みて、まずは日銀において適切に対応されるべきものと考えているところでございます。 先ほど植田総裁からもございましたが、今後とも日本銀行は、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいるということでございますので、政府といたしましても、日銀におきましては財務の健全性を確保することを含め適切な業務運営行われることを期待しているということでございます。
○柴愼一君 日銀の納付によって、結果として決算剰余金が増えると。防衛財源確保のために政府は日銀に国庫納付を求めているんじゃないかというふうに思うと、やっぱり日銀の財務健全化に向けた対応も是非政府も検討いただきたいというふうに思います。 続いて、金利の引上げに向けたちょっと思いをお聞きしたいと思います。 次回の金融政策決定会合では、国債の買入れの減額方針を明らかにするということですから、金利の引上げをするかどうかというのは同時に二つのことをやることに、追加の金利の引上げ方針を示すということは同時に二つのことをやることになるということで、金融政策的に強いメッセージとなるんではないかと、なっちゃうんじゃないかと、そんなことすればですね。 植田総裁の市場との丁寧な対話を重視するスタイルからすると難しいんじゃないかというふうに思いますが、次回の会合で金利の引上げを判断することというのはあり得るのでしょうか。
○参考人(植田和男君) 私ども、国債買入れの減額と政策金利の引上げは別のものというふうに考えてございます。 したがいまして、次回までに入手可能になる経済、物価、金融情勢に関するデータなり情報次第でございますが、場合によっては、政策金利が引き上げられるということも十分あり得るというふうに考えております。
○柴愼一君 可能性はゼロではないというふうに思います。 金利の引上げというのは、先ほども言いましたが、日銀の財務にも大きなリスク要因ですし、我が国の財政運営についても大きな影響があるということになりますが、しかし、物価高に苦しむ国民生活の現状、状況を鑑みれば、いずれかのタイミングで引上げの判断をしていくということになると思います。植田総裁におかれては、国民生活を第一に適切な判断をいただくことを要請したいというふうに思います。 一部報道では、政府のデフレ宣言がないと利上げできないんじゃないかというような報道もあるんですが、総裁の御認識をお聞かせください。
○参考人(植田和男君) そこは私ども以前より申し上げていますように、二%の物価目標を持続的、安定的に実現していくという観点から適切な金融政策運営を行ってまいる所存でございます。
○柴愼一君 デフレ宣言、脱却宣言って、デフレ脱却の定義というのは、再びそうした状況に戻る見込みがないことということに責任を持って言える人っていないというふうに思うんです。岸田総理が責任持ってそんな判断するとはとても思えませんということでいけば、経済はもうずっと先行き不透明ですよねと。そんな宣言を待っていられる国民生活の現状ではないと。総裁今おっしゃっていただきましたが、日銀の独立性を踏まえて、あるべき金融政策を進めていくことを重ねて要請したいというふうに思います。 続いて、円安について、これ政府に、主に政府に聞いていきたいというふうに思います。政府として、現在の円安の状況について、特に国民生活を中心に見たときにどのようなものというふうに認識しているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(進藤金日子君) お答え申し上げます。 円安の影響につきましては、一般論といたしまして、輸出や海外展開している企業の収益は改善する一方、輸入価格の上昇を通じて企業や消費者が負担増となるなど、プラス面、マイナス面双方の影響があるものと考えているところであります。現在は物価上昇への対応が重要な政策課題であるところでありまして、円安による輸入価格上昇を通じて国民生活、事業活動の負担増となるというマイナス面の影響にとりわけ懸念を持っているところであります。 政府といたしましては、物価上昇に直面する中にあっても、国民の皆様方が安心して生活し、事業を続けることができるよう必要な施策を推進していくことが重要と考えており、今後とも、為替が日本経済や国民生活に与える影響を的確に分析しつつ、適切に対応してまいりたいと考えているところであります。
○柴愼一君 円安の結果としての物価高対策というのは講じていただいていると、不十分であったとしても講じていただいているということは理解をしています。 ただ、政府として為替水準適正化に向けた対応が必要ではないのかというふうに考えているんです。為替水準は経済のファンダメンタルズで決まっていくんだということですが、百五十円を大きく超えて百六十円に達しようとしている現在に至る状況にあって、そのことに対する認識がちょっと不足しているんじゃないのかというふうに思います。 投機による急激な変動というのは、為替介入やっていくんだということかもしれませんが、ファンダメンタルズに着目して取るべき対応を検討するべき必要があるのかというふうに思っています。為替相場は、円安というのは自然現象ではないですよねと。様々な要因が作用し合ってこうなっているということでありますから、政府にあっては、その要因を一つ一つ分析して、政策などによって対応可能なものを洗い出して必要な措置を講じていくべきじゃないかというふうに思います。 金利水準にばかり目が行っていますが、まさに我が国経済のファンダメンタルズの弱体化、その結果としての国際収支が為替相場に影響を与えているというふうに指摘があります。それも、これまでの委員会でもいろんな先生から指摘がありました。円安だけではなくて日本経済のあらゆる弱さの結果として国際収支があると言えるということであれば、これ、財務省に国際収支に関する懇談会が設置されたというふうに伺っていますが、どのような問題意識から設置されたものなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(進藤金日子君) お答え申し上げます。 委員御指摘の懇談会につきましては、国際収支の動向を分析することを通じまして日本経済が抱える中長期的な課題を浮き彫りにするとともに、こうした課題への政策対応を議論することを目的として開催しているものであります。
○柴愼一君 ホームページに出ていた懇談会の趣旨は見ました。貿易収支の赤字基調や、いわゆるデジタル赤字の拡大、所得収支黒字の大幅拡大や海外留保など、我が国の国際収支構造に大きな変容が見られる云々ということですね。国際収支から見た日本経済の課題と処方箋を探るものだというふうに思っています。 国際収支というのは為替相場に影響を与えるファンダメンタルズの一つですよねと。ちょっと確認させてください。
○大臣政務官(進藤金日子君) お答え申し上げます。 御指摘の為替相場の国際収支の動向に係る要因、これはもちろんあるわけでございますけれども、そのほかに、金融政策、物価動向、地政学的リスク、市場参加者のセンチメントや投機的な動きなど、様々な要因によって決定されるものであり、その変動要因、これは一つ国際収支のみということではなくて、これは一概に申し上げることは困難だというふうに認識しているところでございます。
○柴愼一君 影響を与えているんだというふうに思っています。 我が国は、統計上は経常黒字大国です。それでも円安となっているのは金利差だけの問題なんでしょうかと。円相場を日米の金利差だけで語る時代は終わったというふうに言えるんではないでしょうか。貿易収支、サービス収支の赤字を第一次所得収支、これ、投資の収益で黒字化しているという、統計上ですね、なっていると。ただ、実際は、海外で投資されているものは再投資されて日本に戻ってきていないということです。サービス収支の赤字も、デジタル赤字の拡大によって今後も赤字が拡大していくことが想定されます。この対策も本当に重要、重要です。 ガバメントクラウドで、ずっとずっと海外に流れていくということも含めてしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思いますが、為替水準適正化に向けた対応というのは、長期的視点で取り組む本質的なもの、産業競争力の強化であるとかイノベーションの創出など、これやっていかなきゃいけないということですが、時間が掛かるんですね。ということでいけば、そのための当面の時間稼ぎの措置として、でき得る対策を総動員するべきではないかというふうに思っています。 そこで、一つ、新NISAに伴う海外株式の購入、いわゆる家計の円売りが円安状況を招く一因となっているとの指摘があります。投信の経由の海外証券投資が、今日の日経にも書いてありました、一―五月期で五兆六千億買い越しになっていると、このまま行けば年で十三兆円が円売りになるということを言われています。 岸田政権が進めてきた貯蓄から投資ということは、結果として、全世界株式ですかね、今はやりなんですが、オルカンに代表される家計の円売りを招いたと言えるんじゃないでしょうかと。個人が分散投資の一つとして海外株式を含めた投信を購入するということは否定するものではありませんが、結果として円安を招き、家計を苦しめていることになっているということです。 家計の円売りを一定抑制するためのNISAの国内枠を新設するべきとの提言もありますが、これ実施するべきではないでしょうか。金融庁、いかがでしょうか。
○大臣政務官(神田潤一君) お答え申し上げます。 まず、為替相場に関しましては、先ほどからの政府答弁にもありますように、市場において様々な要因において決定されるものということですので、委員御指摘のNISAがその要因ではないかということを含めまして、この変動の要因を一概に申し上げることは困難というふうに考えており、具体的なコメントは差し控えさせていただきます。 その上で、NISAの国内枠を創設すべきではないかという委員の御指摘につきましては、新しいNISA制度は今年の一月に開始されたばかりということでございまして、直ちに新たな制度上の検討あるいは制度の見直しを考えることはいたしませんが、成長と分配の好循環を実現するという観点からは、委員御指摘のとおり、資金が国内企業の成長投資に回ることは重要というふうに考えております。 このため、資産運用立国の実現に向けた取組を通じまして、投資対象としての我が国の金融資本市場の魅力を高めることによって、家計のみならず海外からの資金も含めて、より多くの資金が国内企業への投資に向かうよう取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○柴愼一君 一概にNISAだけが悪いと言っているのじゃなくて、いろんな要素があるので一つ一つ分析して対応していきましょうということを言っております。 もう一つ、円安の歯止め策の一つとしてレパトリ、レパトリ減税を行うべきとの意見もあります。 現行制度では、日系企業、日本企業が海外子会社から配当金を受け取る場合に、一定の要件を満たすと配当金の九五%が非課税になりますと。日本企業が海外で得た利益のおよそ半分はまた現地で再投資されているという傾向にあるというふうになっているとすれば、このレパトリ減税によって残り五%も非課税とすることで、海外から日本への資金還流が増えるという可能性もあります。 効果は限定的かもしれませんが、先ほど申し上げたように、でき得る対策を総動員するべきだというふうに思いますが、そのことについて政府の御認識をお聞かせください。
○大臣政務官(進藤金日子君) お答え申し上げます。 今委員御指摘の点、これレパトリ減税ということだと思いますが、この税制は、配当政策の中立性に配慮しつつ、外国との間の二重課税を簡素な方法で排除するものでありまして、一方的な配当還流を想定した制度ではございません。また、税制による対応は一定の期間、時間を要するため、足下の市場動向に応じて機動的に対応できないということもございます。 現在、一日のドル円取引高が一兆ドル程度と見込まれる一方、海外現地法人の内部留保の残高は二〇二一年度の調査によれば四十八兆円程度でありまして、その一部が国内に還流するとしても為替市場に与える影響というのは限定的ではないかというふうに考えられております。 こういったことに留意する必要がありまして、いわゆるレパトリ減税、これは適切ではないと考えているところでございます。
○柴愼一君 もう時間来ました。 為替水準適正化に向けた対応、長期的視点で取り組むもの、そのための時間稼ぎの措置含めて、でき得る対策を総動員すべきだということを改めて申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○藤巻健史君 統一会派、日本維新の会・教育無償化を実現する会の藤巻です。よろしくお願いいたします。 冒頭の総裁の説明、経済金融情勢のところに、説明されましたところに、我が国の景気は、一部に弱めの動きも見られますが、穏やかに回復していますと書かれています。 別に大恐慌の前兆であるとかそういう記述はないわけなんですが、今の金融政策、もう史上まれなる最大限の量的緩和状況ですよね、金融政策状況ですよね。短期金利はゼロ%、それから、昔はやっちゃいけないとも言われたお金をじゃぶじゃぶに流す、これももう最大限じゃぶじゃぶにしている状況なわけです。余りにも経済情勢分析と金融政策がミスマッチしているんじゃないかなという印象をまず受けましたけれども。 そして、それにもかかわらず、先週の金曜日、六月会合では、金融政策会合では、市場が期待していた国債買いオペ減額、これは多少なりともマスコミのあおり過ぎだったところもあるのかなという気がしますけれども、でも外国人を中心に国債買いオペ減額を非常に期待していた。それもやらなかった。 ということは、普通、ロジカルに考えると、何か都合が悪いことがあるんじゃないか、例えば長期金利が暴騰してしまって日銀が債務超過になるとか、それから入札での、国債入札での未達が生じてしまうんではないか、そういうことを怖がって国債買いオペ減額を先送りにしたんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(植田和男君) これは先ほども申し上げましたが、七月に決定するときには、具体的なところは申し上げられませんが、相応の規模で減額するということになると考えております。 ただ、その本当の幅、あるいは減額のペース、そして減額の具体的な細かな枠組みなどについて丁寧に決定したいということで、市場参加者の意見も確認していこうということで一か月強の時間を取らせていただいたところでございます。 いずれにせよ、減額の方針でいくということは既に決定したところでございます。
○藤巻健史君 決定したところで、極めて遅いペースだなというふうに思いますが。 金曜日の会合ですね、ハト派的な回答、その決定会合の内容の文書が出たとき、ハト派的な内容ということでマーケットが失望しまして、ドル円は百五十八円を超して円安が進んでいっちゃったわけですよ。その前までは、たしか百五十六円後半か百五十七円前半ぐらいだったと思うんですけれども。 こりゃいかぬということで、記者会見で、これはタカ派的な意見を入れないと、もう百六十円まですっ飛んでいっちゃうんじゃないかということで、記者会見では慌ててタカ派的なトーンを入れた。すなわち、相当な額を、これ決定文には書いていないですよ、相当な額の買いオペがあるとか、それから、ひょっとすると利上げもするかもしれないというような内容のことを入れたわけですよ。こんなことを言っちゃって、私ちょっと思ったのは、七月の会合を乗り切れるのかなと。こういうことをきちんとやらなかったら、マーケットは失望しちゃいますよ。それほどハードルを上げて大丈夫だったのかなという印象がございます。 というのは、今までの会合、何もやっていないですよね、量的緩和、最大限。例えばマイナス金利政策、金利解除と大騒ぎしましたけれども、結局あのときは、無担保オーバーナイトコールレートは、マイナスの〇・〇〇三%から、昨日はたしかプラスの〇・〇七七ですよ。あんなに大騒ぎして、たった〇・〇八%しか短期金利上昇させていないわけですよ。アメリカだったら、〇・二五%とか〇・五%上がるの当たり前です。マイナス金利政策解除といって、その十分の一ぐらいしか上げていないわけですよね、たった。それから、買いオペの方も今回は先送り。今回、たった方針だけ決めて、計画はらち外に決めて、さらに実行は更にきっと先だということで、全て逃げているわけですけれども。 これは、こういうことで、こういう事態で、次にこういう期待を盛り上げていって、七月会合、大丈夫だと思いますか。
○参考人(植田和男君) 繰り返しでございますが、大規模緩和を終了した後、いろいろな面で丁寧に政策の調整を進めていこうという中で、今回も国債買入れ減額について丁寧な決定のプロセスを考えたところでございます。 いずれにせよ、七月の会合において今後一年から二年程度の具体的な減額計画をきちっと決定し、発表したいと思っております。
○藤巻健史君 まあ、七月でまた検討するだけですよね。それから、マイナス金利政策変えることは丁寧に考えている。丁寧に考えている状況じゃないと思いますけど。ですから、どうしてそんな丁寧にとかして何にもアクションを起こさないかということを私は質問しているんであって、それは日銀自身の財務、債務超過になることを心配しているんじゃないかなというふうに思っているわけです。 六月四日の財政金融委員会で私が、現在のような消費者物価動向指数とか資産価格の上昇等を考えて、そういう状況にもかかわらず史上最強の金融緩和を継続しているのは債務超過のリスクを怖がっているのではないかと質問したのに対し、総裁は、政策の目的はあくまでも物価の安定でございまして、私どもの財務への配慮、日銀への財務の配慮や財政資金の調達支援のために、要するに未達のことでしょうね、ために必要な政策の遂行が妨げられることはありませんとお答えになったわけですよ。要するに、日銀の財務内容とは関係なく金融政策を決めるというふうにおっしゃったわけですけれども。 しかし、二〇〇三年の十月二十八日の日本金融学会、当時は審議委員でしたけれども、総裁はこうおっしゃっているわけですね。債務超過に陥る前からその可能性、要するに債務超過を高める引締め政策をちゅうちょしてしまうリスクを無視できないと書いてあるんですよ。自分たちの財務が悪くなるから引締め政策をしない、遅らせるリスクは無視できないとおっしゃっているわけですよ。 再度お聞きしますけれども、総裁は本当に債務超過を怖がっていない、金融政策を決めるときには日銀の債務超過を全く無視してやるのか、お答えいただければと思います。
○参考人(植田和男君) 私どもの政策の目的は、以前の繰り返しになるかもしれませんが、あくまで物価の安定でして、日本銀行の財務への配慮のために必要な政策の遂行が妨げられることはないと考えております。
○藤巻健史君 何か総裁の舌が二枚見えるんですけど。 学者としては、リスクがある、引締めをすると債務超過になる可能性があるから金融政策を遅らせちゃうリスクがあると学者のときは、学者としてのあれは発言だったと思いますけど、おっしゃっているのに、総裁になると断固そんなことはないとおっしゃって、まさに二枚舌じゃないかと思いますけど、いかがですか。
○参考人(植田和男君) 日本銀行としての姿勢、金融政策運営の姿勢は先ほど申し上げたとおりでございますが、日本銀行の財務に関する懸念から政策運営がうまくいかないのではないかという、そういう心配が生じることが極力ないように、私どもも財務の健全性には常々配慮をして適切な政策運営を努めてきたところでございます。
○藤巻健史君 黒田総裁のときも植田総裁も、今、私は、債務超過になる、特に債券の価格が暴落して債務超過になるんではないか、そういうリスクないかというふうにお聞きしますと、大体答え、お二人とも、償却原価法を採用しているから、時価会計での債務超過はあるけれども、簿価会計では債務超過にならないからそんなことは心配ないというふうにいつもお答えになっているんですけれども、一般的に言って信用調査というのは、信用調査をされる方の、この場合は日銀の会計基準で信用する人たちは調査をするのが、要するに、例えば私に、住宅ローンを借りるときに、銀行はお金を貸してくれる、そのときに私の会計基準で銀行はお金を貸してくれるのか、当然銀行の会計システムでお金を貸すかどうかを決めるんだと思いますけれども、日銀が償却原価法を採用しているから大丈夫だと言い切る自信はどこから出るのか、ちょっとお聞きしたいんですが。
○参考人(加藤毅君) まずお答えさせていただきます。 先生今御指摘されましたとおり、私どもでは保有する国債について償却原価法を採用させていただいております。これにつきまして、中央銀行としての財務の特性、それからあと保有の実態等を踏まえましてこういう会計を採用しておりますし、これは海外の中央銀行でもやはり同じような会計基準を採用しているところも少なくないと認識しております。 そういう意味では、やはり中央銀行の信用、ひいては通貨の信認というところにつきましては、やはり管理通貨制度の下では、適切な金融政策運営によって物価の安定を図ることを通じて確保されるものというふうに考えているところでございます。
○藤巻健史君 他の中央銀行、BOEなんかもそうだったと思いますけれども、時価会計の方が主流になっているんじゃないかと私は思います。それも、一般論として、その償却原価法というような簿価会計なんて、もう前世紀の遺物ですよ、信用調査においては、欧米においては。普通は時価会計でみんな判断して、相手に信用を与えるか、要するに信用調査をするわけで、外銀の審査部とかそれから格付機関は、基本は、日本銀行といえども時価会計で判断すると思うんですよね。 というのは、外資というのは、G7の国であろうと中央銀行であろうとも、何があるか分からない、テールリスクのことを考えて、倒産してしまう可能性はゼロではない。三・一一のことと同じですよ、三・一一のケースが、テールリスクかもしれないけどあるという前提の下で信用調査をするわけですよね。 ということは、何かが起こったときに、解散リスクのときに、ちゃんと自分たちの資産、投下資産が守られるのかなということを考えるわけです。だからこそ、どういう機関、相手が政府であろうと中央銀行であろうと時価会計が採用されているわけですよ。それなのに、償却原価法を使っているから債務超過は関係ないというのは、まさに詭弁というか、逃げでしかないというふうに私は思います。 また総裁にお聞きしますけれども、日銀が債務超過をしても外国人は本当に日銀を信用すると思っていらっしゃるのかをお聞きしたいんですけど、例えば私が、他の国の中央銀行が債務超過になったら、その国が発行する通貨で物を売るのは嫌ですよ。だって、ほかの通貨って世界中たくさんあるんですから、わざわざその国の通貨で売買する必要ないですからね。それから、ドルを売ってその国の通貨を買おうなんて、怖くて思わないですよ。やっぱりその国の通貨、債務超過になった国の通貨は逃げますよ、忌避しますよ。同じようなことが日銀が債務超過になった後に起こりませんかという質問に対してはどうお答えになりますでしょうか。
○参考人(植田和男君) これは、ただいま加藤理事からも答弁申し上げたところでございますが、管理通貨制度の下では、通貨の信認は、やはり適切な政策、金融政策運営により、物価の安定を図ることを通じて確保されるというふうに考えております。こうした考え方は、海外の中央銀行でも対外的な説明において強調されているところでございます。
○藤巻健史君 今の質問に対しては、学問的に言って中央銀行が債務超過になったときに大丈夫な三つのケースというのがあるわけですけど、それは時間がないので言いませんけれども、一つは債務超過が一時的であるということと、もう一つは、政府が財政状況が良くて、政府がいずれ税金で資本投入ができるという前提があれば中央銀行は大丈夫だろうというふうに言われているわけです。でも、日本銀行って、その三つの条件、一つもクリアしてないんですよね。ですから、私は債務超過になった事態というのは非常に怖いと思うんですが、日銀は現在、債務超過を心配しなくて大丈夫なのかについてお聞きしたいと思います。 伝統的金融政策では、金融政策を引き締めたときにも日銀に負荷は何にも掛からないわけですよ。それは、総裁、御存じのとおりだと思います。ただ、非伝統的金融政策を始めると、量的緩和の解除、要するに金融引締めに入ったときに日銀に物すごい負荷が掛かるわけです、負担が掛かるわけですよ。 例えば長期金利、今までの質疑で出た数字から分析しますと、長期金利は〇・一%上がるごとに評価損は二・九兆円も増えるわけですよ、評価損。それから、短期金利を〇・一%上げたら、損の垂れ流し、五千億円の支払増が、増えちゃうわけです。昔はないですよ、伝統的金融政策をやっているときは。でも、非伝統的金融政策を始めた以上、このような負荷が掛かるわけですね。長期金利〇・一%当たり二・九兆円、短期金利〇・一%当たり五千億円の支払増。短期金利については、一・七兆円ぐらいの収入しかないのに、一・五兆、五千億、〇・一%で五千億だったら、もう〇・三%上がると、もう収入と支出ぎりぎりになっちゃいますよね、それだけで考えるとね。金利収入と金利支出の差というのは中央銀行にとって一番のメインたる収入なんですから。 そういう状況、要するに負荷が物すごく大きい状況に日銀は耐えられるのかどうかということをお聞きしたいと思います。
○参考人(植田和男君) 一つには、金利が上昇、特に長期金利が上昇したときの時価ベースでの保有する債券の評価額の下落の問題ですけれども、これは繰り返しになってしまいますが、償却原価法を採用している、あるいはその下には、債券を市場で売却していくんではなくて、満期まで保有していこうという姿勢で今政策を運営しておりますので、その評価損が実現されていくということにはならず、満期に額面で返ってくるということでございます。 これに対して、収益のところ、毎期の収益のところを見ますと、これから短期金利を引き上げていきますと、委員おっしゃいますように、超過準備に対する支払利息が増加し、これが確かに収益の下押し要因になります。 他方で、先ほどもちらっと申し上げましたが、その過程で超過準備自体が、国債買いオペを減らしていきますと少しずつ減っていって、支払利息を計算するベースが小さくなっていくという効果がございます。さらに、減少しつつも継続する国債買いオペによって、利回りが相対的に高い長期国債に保有が入れ替わっていくということから受取利息が増加するという効果もあります。 これらを併せますと、直ちに物すごい大きな収益の下落が長期間続いて債務超過になるというふうには必ずしも言えない。さらに、そこに様々な引当金、準備金を私どもが保有しているということから、債務の状態に、私どもの財務について必要以上の心配をすることはないのではないかなというふうには思っておりますが、そこはいろんな可能性がありますので、引き続き、財務の健全性に留意しつつ、適切な政策運営に努めていきたいと思っております。
○藤巻健史君 何度も償却原価法を取っているから大丈夫だとおっしゃいますけれども、それは日銀のロジックであって、評価する外銀とか格付機関は時価会計で評価しますよとだけ申し上げておきたいと思います。 今総裁の発言をお聞きしていますと、これはかなり、これ議事録に残って大丈夫かなと思うのは、長期国債を、保有国債を売却しないというようなことをおっしゃいました。だから償却原価法でいいとおっしゃいましたけれども、これ、そういうことであると、バランスシート、日銀のバランスシート、若しくは保有国債額を減らしていくにはランノフしかない、要するに満期になった分を返すしかないということになる。昔、前聞いたとき、たしか二〇二四年度の満期額が六十七・一兆円だと言っていましたけれども、六十七・一兆円しか減らそうと思っても減らせないわけですよ、五百兆円以上あるとね。物すごい先になっちゃいますよ、バランスシート削減。 それから、若しくはインフレが加速しても、持っているその、普通インフレが物すごく加速したら、ばらまいているお金回収しなくちゃいけないですよ、昔のボルカーズ・サタデー・ナイト・スペシャルみたいなね。そのときもやらないという宣言みたいですからね、今のね。そういうときに、インフレが大加速している、ハイパーインフレになりそうだ、資金、お金は何があってもまず回収しなくちゃいけない、日銀はそれやらないなんといったらもう大変なことになっちゃいますよね。そういう危機があるのに、それをやらないとこんなところで宣言していいのかなというふうに私は思います。 次ですけれども、確かに、日銀の財務の健全性を注視するとおっしゃいましたけれども、確かにそうおっしゃっていますよね、二〇二三年九月三十日の日本金融学会秋季大会でですね。中央銀行の財務は民間の金融機関や事業法人の財務とは異なる面があり、専門家でなければなじみ難いものです、一方で、通貨や中央銀行の信用にも関わる極めて重要なテーマですと、要するに、債務超過になったら大変な状況になっちゃいますよ、重要なテーマですとおっしゃっているわけです、総裁自身が。そのため、収益や資本の減少を契機とする信認の低下を防ぐため、財務の健全性への配慮も大事であると、さっきそうおっしゃいましたけれども、配慮が大事で、この日銀の財務内容、配慮の結果がこの財務内容というのは、これは極めて危ない状況かなというふうに思います。 きっと最後の質問になりますけれども、長期金利が上昇しますと、〇・一%だったら二・九兆円、それから日経平均が千円下がると一・八兆円の評価損が発生すると思われます。この前、長期金利が一・一%上がったときと同様に、長期金利は上昇する、株価は下がるということが同時に起こる可能性があるんですけれども、長期金利が〇・一%上がって日経平均が千円下がると、合わせて五兆円ですよ、損失、評価額上の。今の日銀の財務でこれが何回か起こったら完璧な債務超過になってしまうと思うんですが、大丈夫なんですかね、本当に。総裁、寝られますかね、まだ。
○参考人(植田和男君) ETFの方については、御案内のとおり、三十七兆円程度の含み益を保有しているところでございます。それから、長期国債につきましては、節目節目で金利上昇による評価損の大きさ、評価損増大の大きさについてはチェックしているところでございますが、その評価損の持つ意味については先ほど申し上げたとおりでございます。 そういうことも気を付けながら、日本銀行としては、財務の健全性に常に配慮しつつ政策運営をしているところではございます。
○藤巻健史君 時間が来たので終わります。
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。 まず、お手元に資料をお配りしていますが、総裁のお手元にもありますでしょうか。以前も使わせていただいた、日本銀行に整理していただいた非伝統的金融政策の変遷ということですが、三月の政策変更の後に、この場で、何は続けていて、何はやめましたかということを確認させていただきました。その結果、イールドカーブコントロールはやめました、マイナス金利もやめました、強く明確なコミットメントもやめました、オーバーシュート型コミットメントもやめました、時間軸効果もやめましたということで、この上に番号が付いている①、②、③、④、つまり何をやるかということのカテゴリー分けの中で、あと残っているのは、長期国債の買入れ、固定金利オペ、これはまあ手法なので未来永劫やらないとは言えないと思うので、これは残っていると思うんですね。そうすると、大規模な長期国債買入れとリスク性資産買入れ、これがまだ残っているわけですよ、今。 この度の決定は、今後減額をすると言っているわけですから、大規模な長期国債買入れはやめたと、こういう理解でよろしいでしょうか。
○参考人(植田和男君) 大規模な長期国債買入れのところでございますが、これはここまで三月以降もおおむね六兆円の規模で続けてきたところでございますが、今後減額していくのが適切であろうという考えの下、金融市場の動向を点検してまいりまして、その上で、前回の決定会合で明示的に減額していくという方針を決め、七月に具体案を決め、発表することにしたところでございます。 したがって、そこまで考慮しますと、続いているけれども減額した上で続ける、それがどういう姿に具体的になっていくかは次回明らかにさせていただきたいということでございます。
○大塚耕平君 大規模ではあるけれども、まあ縮小していくという、こういう理解ということだと思います。 それを踏まえて、ちょっと一瞬、今朝冒頭で総裁から御説明いただいたこの概要説明のペーパーの二ページを見ていただきたいんですけれども、ちょっと一瞬違う話をしますけれども、二ページの真ん中に、この間、我が国の金融システムはというくだりがあります。これ、前総裁のときに、一時期、金融システムの脆弱性、つまり金融機関経営について全然報告に触れていないことがあったので、いや、それはいかがなものですかということを申し上げ、以後、金融システムにも常に目配りしているということを書き込んでいただいています。 日銀文学的に言うと、これはちょっと理事の皆さんにもお願いしておきますが、これ、やっぱりここでちゃんと段落を変えてほしいなと。金融システムのことは一つのくくりとして常に見ていますよと。現に、せんだって公的資金返済延期になったあのきらやか銀行とか、このかなりの長期間にわたる低金利政策の影響というのはこれからボディーブローのように出てきますから、やっぱり段落として常に一つ区切って報告をしていただきたいと思います。 その上で、実はそのくだりの中に相応の頑健性という、相応って言葉が出てくるんですね。で、この度の国債減額は相応の規模とおっしゃっているんですよ。その文脈上、今日の報告の金融システムのくだりの相応の頑健性というのは、これ読むと、まあいろいろ心配はあるけれども、そこそこ大丈夫ですよというふうに読める相応なんですよ。 ところが、国債減額の相応の規模というのは、これは記事を読んだり、生で録画を見た印象としては、同じ相応でも、さっき藤巻さんが相当なという表現も使われたんですが、かなり大規模な減額になるという印象を受ける言葉なんですが、総裁は、この相応の規模で大規模な減額を意図したんでしょうか、それとも違うことを意図したんでしょうか。
○参考人(植田和男君) 相応という言葉が様々なコンテクストによって意味を持ち得るんだということだと思いますけれども、それでは国債買いオペの減額が相応な程度になるということがどれくらいかということでございますけれども、これは、繰り返しですけれども、具体的な姿については七月を待ちたい、いただければというふうに思います。
○大塚耕平君 そういう意味では、若干私も一時期在籍した立場として、日銀の仕事のかなりの部分は、総裁を中心にした様々な幹部の発言や発表する文章の言葉、日銀文学なんという言い方もされますけれども、修辞学上の巧みさとか工夫によっている部分が大きいと思います。 したがって、この度の相応の規模という表現は、これ大規模なという印象を与えているということを自覚していただかないと、さっき藤巻さんがおっしゃったような、七月の政策変更に皆さんが想定していない反応が起きる可能性がありますので、軌道修正するなら、ここから七月までの間の審議委員の対外的な講演とか様々な機会を通じて軌道修正しておかないと、予想外のことが起きる可能性は僕もあると思います。元々大規模なということを想定したのであるならば、まあそれはそれで結構です。 ただ、もしそうでないとしたら、私がもし文章を作るなら、総裁に発言していただくのに、国債減額はどれぐらいの規模ですかと問われたら、今後の金融政策運営に適合する規模というふうに丁寧に言います。それを相応と言ったんだと思いますけれども、ちょっとその言葉の選択が重要な仕事である日銀としては、もし大規模ということを意図していないんだとするならば、かなり乱暴な言葉の選択だったなということだけは申し上げておきたいと思います。 その上で、もう一つ資料をお配りしているんですけれども、それは裏面にありますけれども、これ、毎月日銀から報告をしていただいているマネタリーベースと日銀の総資産の対名目GDPの比率ですね。 これは、黒田さんが就任された二〇一三年の三月、四月辺りから比べるとどうなっているかというのはもう一目瞭然でありまして、この度の国債減額の相応の規模を実施すると、これらの数値は必然的に下がっていくことになりますが、今後、このマネタリーベース及び日銀総資産の対GDP比率を、言ってみれば、政策がうまくいっているかどうかということをモニタリングするための中間目標の指標とするということはあり得るんでしょうか。
○参考人(植田和男君) 今後、七月以降、国債買入れを減額していくことになりますと、私どもの国債保有残高は、償還に伴い減少してまいります。したがって、マネタリーベースや日本銀行の総資産のGDP比率も低下していくことになると考えます。その上で、私どもの政策運営ですけれども、基本的には、国債買入れに伴う緩和効果あるいはそれの変化も考慮した上で、短期金利の操作を主たる手段として適切に政策を実現していきたいと思っております。 バランスシートの規模に関して一つだけ申し上げますと、米欧との対比で見て名目GDPとの比較ではかなり大きいわけですが、今後どこまで縮小を続けて最終的にどういうところに着地させるのがよろしいのかということは大事な問題ですが、現時点では、先行しております欧米の中央銀行の経験を見ましても、なかなかここら辺が最適な着地点であるというところを見出す作業が完了していないように見えておりまして、そういう難しさもこういう指標を見ていく際にはあるかなというふうに思っております。
○大塚耕平君 それは理解します。したがって、この対名目GDP比率に一定の目標水準を定めるとか、あるいは前総裁就任当時の水準を目指すとか、そういうことを軽々に述べられることではないということは、それは理解しています。 ただ、やはり、総裁の現任期はあと四年でありますけれども、その四年の間、非常に、前総裁が残していった異常な状態をハンドリングしなければならない、現総裁としてですね、片方では物価の安定という法目的をしっかり遂行しつつ、法目的の達成を遂行しつつ、しかし、異常な状態を徐々に軌道修正していくということになると、一つは、この今御覧いただいている数字が、目標値は定めないまでも、少しずつ減っていっているという、その姿は実現してほしいなと思いますが、それはそういう理解でよろしいでしょうか。
○参考人(植田和男君) 私ども、国債買入れを減額していくという方針でございまして、それは、取りも直さず、バランスシートのサイズは、例えばGDP比では低下していくという方向をもちろん目指しているということであります。 ただ、基本的なそこでの背景にある考え方としましては、金融市場における自由な価格形成、金利形成を重視する、あるいは市場機能の一段の改善を重視していくということでございます。
○大塚耕平君 ありがとうございます。 今日私がお伺いしたかった点は消化されておりますが、最後のところでちょっと、先ほどの藤巻さんとのやり取りに関して申し上げます、私の認識を。 総裁は、財務の配慮のために政策をちゅうちょすることはないという趣旨のことをおっしゃったわけでありますが、しかし、その後の議論の中でも出てきましたけれども、その結果として、日銀、一国の中央銀行に対する信頼の低下によって通貨に対する信用が失われれば、あるいは減退すれば、これは円安を通じて物価高にもつながるわけで、それは、ちゅうちょすることがないとおっしゃった政策目的、達成すべき政策目的の物価の安定にも影響するという、こういうパスでやっぱり影響するわけですから、財務の悪化というのは。 だから、財務の配慮のために政策をちゅうちょすることはないというくだりも、想定問答で理事の皆さんや副総裁がお作りになったかどうか、僕は分かりませんけれども、財務の配慮ももちろん重要な問題でありますぐらいにとどめておかないと、財務の配慮のために政策をちゅうちょすることはないと言って、その結果、円が暴落して輸入物価が上がって、物価上昇を阻止できなければ、結局は政策目的も達成できないわけですから、ちょっとさっきのくだりのところも、少し言葉が必ずしも適切ではないかなという気がいたしました。 この点について、総裁は、私の今意見ですけれども、どのようにお感じになられますか。
○参考人(植田和男君) 理屈の上では、財務が幾ら悪化しても、中央銀行というものは物価安定のためにということで望ましい金融政策を行い得る立場にあるという面があります。 しかし、委員おっしゃいましたように、財務の悪化に注目する投資家等が何割かいて、それが不安定な動きを引き起こすというリスクは常にありますので、理論的な姿は念頭に置いた上で、財務の健全性にも常に、財務の健全性を保つ努力を常にしつつ政策運営をしていくということは大事かなというふうに思っております。
○大塚耕平君 終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 日銀の政策決定会合で国債買入れ減額方針決まりましたが、具体的な計画は七月に先送りされて、結果的に円安進んだわけです。 異常な金融政策から抜け出すことは、これは必要です。そのためには、やはり市場と丁寧なコミュニケーション大切だということはこれまでも主張してまいりましたとおりであります。出口戦略を進める際には、現在の我が国の経済状態に対する正確な認識が欠かせないと思うので、そういう点でお聞きしたいと思います。 今回の政策決定会合でも賃金と物価の好循環が引き続き強まるとされていますが、先ほども質問ありましたけれども、実質賃金二十五か月連続で下がり続けていて、どうして賃金と物価の好循環が実現していると言えるのか。先ほど、名目の賃金は上がっていると、しかし経済全体のデータはやっぱり見ていく必要があるというふうに総裁お答えになりました。それから、物価については足下でやや下がってきていて、実質賃金の低下も落ち着いていくんじゃないかという見通しを示されました。 ということは、この賃金と物価の好循環は今実現しているというわけじゃなくて、これからだという御認識か、お聞きしたいと思います。
○参考人(植田和男君) やや繰り返しになりますが、名目賃金については、好調となりました春闘、あるいはその他のヒアリングでも入ってきましたところの、ある程度の小規模な企業でも前年を上回る賃金上昇を計画していたり、あるいは賃上げ実施先の割合が高まっているというような情報が本当にデータで確認できるかどうかを見ていきたいということでございます。インフレにつきましては、委員今おっしゃっていただいたとおりでございます。 〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕 それを総合いたしますと、好循環という意味では、実質賃金が下落が続いてきたということはそうでございますけれども、その低下のペースは足下弱まってきていると思いますし、今後、名目賃金が本当に期待されたどおり経済にある程度広がるという事態になりますと、もう少しはっきりとした好循環の実現に向かうということだと思います。ただし、足下に来ての為替の円安や輸入物価の動向には注視していく必要があるというふうに考えております。
○小池晃君 その点でいうと、その物価上昇の中身が非常に問題だと思うんです。 ヨーロッパでは、企業、価格転嫁、便乗値上げで積み上げた利益がインフレ要因の五割を占めるとIMFも試算しておりまして、必要以上の値上げが要因だという見方出ています。企業がインフレで利益を上げながら、それに見合った賃上げをしない。物価高に賃金が追い付かない。強欲インフレ、グリードフレーションという言葉も出てきていますね。 その強欲インフレの波というのは我が国にも広がりつつあるのではないか。企業がコスト増加分を上回る値上げで収益増大させています。一方で、賃金に十分還元していないという状況がヨーロッパだけでなくて日本でも広がっているんじゃないか。 資料をお配りしておりますが、これは日本政策投資銀行の調査の報告書から引きました。 二〇二三年以降は上昇要因のほとんどが企業利益の収益の増加によるものだというふうにこれ分析されているんですね。このGDPデフレーターの伸びを賃金要因と企業収益要因に分けて把握すると、これ、日本見ていただくと、もう物価上昇のほとんどが企業収益が占めていると。賃上げに回った分はごく僅かなわけです。これ、欧米を上回るようなそういう状況になっていると。 総裁、我が国はやっぱり欧米以上の、言ってみれば強欲インフレという状態になりつつあるんではないか、端的に言うと、現状は賃金上昇を伴う物価上昇ではないという状況にあるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のGDPデフレーターから見た賃金、物価の上昇要因という図でございますが、これ、なかなか振れの大きいデータでございまして、委員の図にございます二三年いっぱいに加えまして、その一つ右になりますけれども、今年、二四年の一―三月について計算いたしますと、日本については、ユニット・レーバー・コストの前年比は二%程度のプラスになって出てまいります。ということで、少し賃金の上昇率の部分に出てきているということは、一応、まだ一四半期のデータではございますが、表れております。 ただ、全体を見てみますと、企業収益がこれまで改善を続ける中、さらに、それが既往最高水準で推移しているのに対して、名目賃金の上昇率が緩やかであったということは御指摘のとおりかと思います。 ただ、労働需給が引き締まり続ける中で、企業の賃金設定行動には明らかに変化が見られると思いますし、春闘の結果も強いものでございます。繰り返しになりますが、これが今後より高めの名目賃金の伸び率に反映されていくというふうに考えております。
○小池晃君 春闘のお話ありました。確かに、春闘、三十数年ぶりの賃上げで、今五・〇八%と言われて、前年大きく上回っていますが、これ、それでも定昇を除いたベアでいうと三%程度にすぎないわけですね。中小企業、更に低い。 昨年十二月の日本銀行の生活意識に関するアンケート調査では、一年前と比べて物価が上がったと感じる人の割合は高止まりしています。そして、今後一年間の支出を考えるに当たって物価を考慮するという人の割合も、物価上昇続いた二一年以降、高い水準続いているわけです。 総裁ね、このまま賃金上昇伴わない強欲インフレ型の物価上昇というのが、まあちょっと良くなってきているとお話ありましたけど、二三年度は非常にそういう状況がもう明らかなわけですが、やはり消費を通じて景気を下押ししてしまうという可能性あると思いますが、そこはどう見ておられますでしょうか。
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、物価の伸びが名目賃金の伸びを上回って推移する場合には、実質所得や消費者マインドの悪化を通じて個人消費に下押し要因となるということはそのとおりかと思います。したがいまして、長い目で見て景気が回復を続けていくためには、物価上昇を上回る名目所得の増加を実現し、個人消費が増加傾向に入るということが不可欠であるというふうに考えてございます。 〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕 ただ、繰り返しになりますが、今後名目賃金が期待されるとおり伸び率を高めていくというふうに考えておりますが、一方で、既往の輸入物価上昇を起点とした価格転嫁の影響は落ち着いていくというふうに見ていますので、実質所得の前年比は徐々にプラスに転化していくというふうに見込んでいます。これが消費を下支えするというふうにも思っております。 ただし、これも繰り返しで恐縮ですが、円安や輸入物価の動向には引き続き注視していく必要があると考えております。
○小池晃君 それと、ちょっと心配なのは中小企業なんですね。東京商工リサーチの調査では、五月の企業倒産は千件超えています。非常に、やっぱり中小企業の今後は、もう賃上げどころか倒産という状況が出てきている。 今後金利がある世界に入っていけば、融資利息の引上げなどで更に苦境に追い込まれるのではないか。政策金利の引上げが中小企業に及ぼす影響、それへの対応、どうお考えでしょう。
○参考人(植田和男君) 確かに、中小企業、特に零細企業ですが、賃上げの動き、あるいは、これまで、そして今後、場合によっては実現していく金利の上昇等でなかなか苦しい状況に追い込まれる、あるいは追い込まれているところが既に発生しているということはヒアリング等でよく把握してございます。 ただ一方で、非常に元気な中小企業もあるということも事実でございます。こうした中小企業の状況については、様々な観点から私ども引き続き丁寧な把握に努めたいと思っております。 その上で、今後の金利上昇その他の影響でございますが、結果的にそれが物価安定の実現につながるといたしますと、それが、物価安定の実現が成ったということが持続的な経済成長の基盤づくりとなって、中小企業を含む幅広い経済主体にプラスの影響を及ぼし得るんではないかなというふうに私どもは考えてございます。
○小池晃君 ちょっと風が吹けばおけ屋がもうかる的な感じを受けるんですが、ちょっと現状でやっぱりすぐやるべきことが私はあると思っていて、大企業の社会的責任なんですね。 例えば、この間、トヨタ自動車は五兆円という空前の利益を上げています。しかし、トヨタが今年度、下請などの賃上げ支援は三千億円だと。五月十日に日本商工会議所の小林健会頭、こう言っています、例えば某自動車は何兆円もうけて、本当はその実もうけの中に下請に値増し分を払ってやる分が一兆円ぐらいあってしかるべきだ。私は本当にそのとおりだと思うんですね。一方で、トヨタは、今後、自社株買いの設定枠一兆円、昨年度の一兆円の配当、株主還元二兆円なんですね。 やっぱり、日本の名立たる大企業が巨額の利益を上げながら、その多くを下請単価の引上げよりも株主還元に優先させている、こういう傾向続く限り、私、日本経済の回復期待できないんじゃないかと思いますが、一般論で結構ですけど、総裁、いかがですか。
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のとおり、これまで賃金、物価がなかなか上がりにくいという状況の中で、それを前提とした考え方や慣行が根強く残っていたというふうに思います。それが企業間取引でもコスト上昇の価格転嫁をしにくいということにつながってきましたし、賃金が上がりにくい一因にもなってきたというふうに認識しております。 しかし、最近では、企業収益の改善や労働需給の引き締まり、さらには政府からの適切な価格転嫁を促す取組もありまして、企業の賃金、価格設定行動には従来よりも積極的な動きが見られているというふうに判断しております。 こうした動きが広まりまして、労務費を含めたコスト上昇の適切な転嫁が実現していくことが、私どもの二%の物価安定の目標の持続的、安定的な実現にも重要であるというふうに考えております。
○小池晃君 転嫁できればいいんですよ、できればいいんですよ。しかし、そうした責任をやっぱり大企業果たしているかと。トヨタはこの一年で内部留保を四兆円以上積み増しているわけですね。私たちは、やはりこれ、いつまでたってもこういう状況続くわけだから、内部留保に時限的な課税をすべきじゃないかということを言って、財務省はずっともう、二重課税だ、二重課税だと言ってやる気がないわけですね。 しかし、中小企業も含めた力強い賃上げが実現しなければ、日銀の出口戦略だって立ち行かない、経済も財政も立ち行かない。財務省として、やはり、ため込まれた利益剰余金、財務省としてというか、これ政府全体としてですけど、これは下請支援、賃上げに還元するためのやはり具体的な手だてがいよいよ必要なんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○副大臣(矢倉克夫君) 答弁いたします。 今ほどの、具体的な方法として、その企業の内部留保への課税ということは、今委員もおっしゃっていただいたとおり、二重課税という指摘もあることから慎重な検討が必要であると考えております。 その上で、個々の企業が企業利益をどう分配するか、これは経営戦略ですので、個別のことはコメントを差し控えますが、やはり賃上げ原資、中小企業の賃上げ原資をしっかり確保していくという方向性はもう重要なことであるというふうに思っており、政府としても、今、植田総裁もおっしゃっていた、このサプライチェーンの隅々まで適切に価格転嫁がなされる、こういうことを通じて、雇用の約七割を占める中小企業において賃上げが実現されるための取組を、これしっかり行っていかなければいけないと思っております。そのため、具体的にこれまで、中小企業において労務費の価格転嫁が確実に行えるように、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の周知徹底、独占禁止法と下請法に違反する事案に対する厳正な対処といった取組を、これ講じていっているところであります。 引き続き、先生の御趣旨も踏まえて、中小企業の賃上げ原資を確保するため、政府一丸となって価格転嫁対策に取り組んでまいりたいと思います。
○小池晃君 終わります。
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。 現在、日本経済は、一―三月期にマイナス成長を記録し、三期連続で成長が見られない状況です。また、物価高の影響で個人消費が低迷し、スタグフレーションの状況に入りつつあるという見方もあります。 この状況に対して、日銀はスタグフレーション回避のためにどのような方策を考えておられるか、まずこの点について総裁の見解をお聞かせください。
○参考人(植田和男君) 本年第一・四半期の実質GDP成長率ですが、個人消費の減少などを受けて若干マイナス、前期比でマイナス〇・五%となったところでございます。 消費については、御指摘のように、物価上昇の影響、特に非耐久財等で見られているところでございますし、さらに、年初来の一部自動車メーカーの出荷停止による自動車販売の減少も一時的な下押し要因として作用しているところでございます。ただ一方で、名目賃金が緩やかに増加をしているという下で、サービス消費は堅調さをある程度維持してございます。私ども、そういうことでございますので、全体として見れば個人消費は底堅く推移していると判断しております。 先行きですが、先ほど来御議論がありましたように、春闘の結果が反映される形で名目賃金の上昇率が伸びを高めていくというふうに見ている一方で、既往の輸入物価上昇を起点とした価格転嫁の影響は更に落ち着いていくというふうに見ています。こうした下で、個人消費は緩やかに増加していき、景気は緩やかな回復を続けていくと見ております。 したがいまして、我が国経済が、先行き、高い物価の上昇率と景気の後退が併存するという意味でのスタグフレーションに陥るとは今のところ考えてございません。日本銀行としては、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から適切に金融政策を運営していく方針でございます。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 総裁、四月の金融政策決定会合後の会見で、個人消費の先行きについて、名目賃金の強さとコストプッシュ圧力の減退に伴うインフレ率の鈍化によって消費がもう少し強い動きを示していくということについて期待感を持っているというふうにもおっしゃっていまして、やっぱり消費の活性化は日銀ではできないので、やっぱり今、物価と賃金の好循環とかいう話があるんですけど、ここに消費も好循環しないと、絶対にこれどうしようもないんですね。だから、日銀がどれだけいい政策をやっても、これ財政政策がかみ合っていないとスタグフレーションになってしまう可能性があるということで、これ以上日銀はやりようがないというところではないかなと思っているんです、私は。 それで、財政の方を見ますと、二四年の六月十一日に出された骨太の方針の原案では、二〇二五年度の国、地方を合わせたプライマリーバランス黒字化を目指すとまた記載されています。さらに、十四日には鈴木大臣も、原案では財政健全化の旗を下ろさず、二〇二五年度の基礎的財政収支の黒字という、黒字化という目標に引き続き取り組むというふうに述べられていて、財政健全化に向けた姿勢はいささかも後退していないというふうに強調されました。 しかし、経済、生き物でして、以前も私、この委員会で申し上げたとおり、日本政府の純利払い費はG7の中でも一、二番目に低いんですね。日本経済を不健全と捉えていること自体が誤りであるというふうに考えています。 現在、エネルギー価格の高騰や供給チェーンの混乱といった外的要因もあってインフレ傾向が見られていると、これのおかげでデフレ脱却の踊り場にあるんですね。こういう状況だからこそ、今、財政政策の思い切った転換が必要だということを強く主張したいと思います。繰り返しになりますけど、日銀の金融政策だけでは限界が本当にあるという状況にありますので、国会の審議による臨機応変な減税ですとか財政出動というものが今本当に求められているというふうに考えているんです。 このような状況で、骨太の方針でプライマリーバランスの黒字化を掲げ、過度な歳出キャップを設けるということは経済の失速を招く可能性ありますし、こうしたキャップを掛けるということ自体がこの国会の議論に制限を掛けて、憲法の八十三条の趣旨に反する可能性もあるんじゃないかというふうに思っています。 いま一度財政民主主義の趣旨に立ち返り、減税と財政出動について根本的な議論を行うべきではないかと考えていますけれども、財務省の見解をお聞かせください。
○副大臣(矢倉克夫君) 政府としましても、民需主導の持続的な成長をこれ実現していくことは重要であると考えておりまして、経済あっての財政との方針の下、潜在成長率の引上げや社会課題の解決に重点を置いためり張りの利いた予算編成を行うとともに、賃上げを力強く推し進めるべく、財政、税制措置を通じまして、デフレ脱却に向け、先送りできない課題に対して必要な政策をこれ実施してまいりました。財政健全化至上主義ということではなく、出すところにはしっかり出すということであります。 他方、今ほどもお話にもありました我が国の財政状況、厳しい状況であって、我が国の財政の持続可能性に対する信認が失われた場合には、これ、金利の急上昇や過度なインフレが生じて国民生活に多大な悪影響をこれ与えてしまう可能性は否定できないわけであります。この低い国債で、これまで借りていた部分、大部分を消化していたわけですけど、今後金利上昇局面になりましたら、これ、高い金利でこれ借換えをしなければいけない。しかも、現在、大体千百兆円以上の残高があり、そう考えると、借り換える残高も増えていくわけでありまして、今後の上昇、金利の上昇によってはこれ影響もやっぱり大きくなってくるということは、これは事実であり、留意もするところもありまして、例えば令和七年度以降、インプライド・フォワード・レートよりも一%金利が上がれば、令和十五年度にはこの利払い費だけで今の公共事業や文部科学予算を上回ってしまうというような試算もあるわけであります。 そういう意味におきましても、政府債務が今後も累積していけば、将来的に政策の可能性、選択肢も狭まったり、必要な財政支援も滞ったりしまして、むしろ経済に悪影響を与えてしまうんじゃないかと。財政が将来的に経済の足を引っ張ることがないように、今のうちから政府債務もこれ減らすためには、やることがあれば、やることが、必要があるというふうに考えております。 そういう観点からも、今後もしっかりと政府としては、引き続き経済成長と財政健全化の両立を図ることで責任ある経済財政運営に努めてまいる、そのような決意をしているところであります。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 とはいえ、国債の残高って急激に減らないので、もう持ったまま進んでいくしかないという状況であります。これを一気になくそうとすること自体がちょっと間違いではないかなと思っていて、逆に経済を成長させれば国債の残高は相対的には小さくなるので、そちらの方に今大きくかじを切っていくべきではないかと思います。特に、円安や今後金利上昇で苦しむ起業家の方とか、そういった方出てこられると思いますので、まずはそこにピンポイントで支援するというところで政策、力入れていただきたいなというふうに思っております。これ要望です。 次に、二〇一三年からのアベノミクスにより大企業の利益は大幅に上がりましたけれども、結局、トリクルダウンという効果は見られずに、中小企業の経営はコロナ禍の影響もあって依然厳しい状況が続いているということです。 そんな中、一昨年五月、岸田首相はロンドンのシティーで、インベスト・イン・キシダと呼びかけて、外国資本の日本への投資を促しました。この呼びかけを受けて、今国会では金商法の改正による外国の資産運用会社の新規参入の緩和や金融・資産運用特区の設置などが進められています。さらに、先日決まった事業性融資の貸主からも外国資本は除外をされていないという状況です。しかし、弱った経済の中に強い外国資本を入れれば、株式や企業、また技術といったものが買収されて、長期的には日本経済全体にダメージを与えるのではないかという懸念を持っています。 私はこうしたリスクを機会あるごとに訴えるわけですけれども、こういったリスクを取ってでも外国資本に日本への投資を呼びかけ、資金調達を容易にしようとするのはなぜか、その点をお聞かせください。
○大臣政務官(神田潤一君) 委員御質問の外国からの新規参入の意味合いにつきましては、今委員も御指摘いただいた資産運用の高度化との関係で申し上げれば、国内だけでなく海外、外国の資産運用会社も含めた新規参入の活性化を通じまして事業者間の競争を促す環境整備を図るということが重要、また、これによって様々なリスクを、リスクテークができる参加者が市場に入ってくるということによって成長資金が市場に拡大していくというふうに考えています。 こうした観点を含めまして、御指摘いただいた金融・資産運用特区あるいは金商法の改正、事業性融資新設などの政策も推進することで金融商品や金融サービスの提供が更に促されるよう、事業者間の競争を通じまして資産運用業界全体としての運用力向上を目指してまいりたいというふうに考えております。
○神谷宗幣君 回答ありがとうございます。 結局、今まで日本は資金調達しやすかった状態だったと思います。それでもやっぱり回らなかったということは、やっぱり日本人がなかなか金融投資のリスク取らなかったと、だからリスクを取れる外資を入れようということだったと思うんですけれども、先ほど柴議員の方からもありましたけど、NISAとか始まって、かなり日本人もリスク投資を始めているんじゃないかなというふうに思います。かなりの額が外国にも出ていますし、前回は大和証券がファンドと組んでそういった投資を海外にしているという話もいたしました。 せっかく国民がそういうふうにNISAとかに投資をするのであれば、やっぱり、先ほどの意見とかぶるんですけれども、国内にしっかりと投資できる、日本企業に投資する商品をきちっともっとつくらせて、それを買ったら減税されるとか税制優遇受けられるという形を今後、先ほど、制度つくったばかりですぐには変えられませんとおっしゃっていましたけれども、将来的に、もっと日本人がリスクを取って投資しようというマネーが、出すときに、そのお金が海外に行かずにちゃんと日本の中で回るような仕組みというのを考えていかないと、結局、外国に投資されて、今まで日本企業の株を外資がたくさん買いました、で、日本政府はそこに、ROE経営だと、配当払え、配当払えとやってきた結果、外国人には配当が払えるけど、日本人の賃金上がらないといって、さっきの小池議員の話につながっていくわけですから、そこのところの仕組みをしっかりしないと、外資を入れるだけでは日本人にお金が回らなくなるので、そこの仕組みをしっかりと設計していただきたいなというふうに強く願っております。 あと二問あったんですけれども、時間がありませんので、一問飛ばしまして、最後の質問に行きたいと思います。 今現在、国会で政治資金規正法の議論進められていますが、なぜ政治家は外国人からの寄附を受け取ることが法律で禁止されているのか、その趣旨について簡単にお答えください。
○政府参考人(笠置隆範君) 政治資金規正法第二十二条の五におきまして、何人も、外国人、外国法人等から政治活動に関する寄附を受けてはならないとされております。これは、我が国の政治や選挙が、外国人や外国の組織、外国の政府など外国の勢力によって影響を受けることを未然に防止をする趣旨であると承知しております。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 今話題のこの法律なんですけれども、この趣旨正しいと思うんですね。だから、我々政治家は外国人や企業からお金を受け取ってはいけないということは、そういった今のお答えいただいた目的があるわけです。でも、こういった制度趣旨に基づけば、民間も過度に、民間の企業も過度に外国人からお金をもらうって良くないと思うんですよね。 なぜ民間企業は、なぜ、政治献金は駄目だけれども、民間投資は外資をどんどん受け入れても問題はないという判断になるのか、その違いをお答えいただきたいと思います。
○大臣政務官(神田潤一君) 委員御質問の外国人の投資、民間投資につきましてお答えいたします。 一般論としましては、自由で開かれた我が国市場において、国内、海外を問わない多様なプレーヤーが参画し、企業に対し円滑に資金が供給される環境を整備することが重要というふうに考えています。例えば、国内のみならず海外からも異なるリスク選好を持つ多様なプレーヤーが参画するということで、日本企業へのリスク性資金の供給に厚みを加えることが期待されます。また、そのこと自体が我が国の市場の魅力を高めるということにもつながるというふうに考えています。 金融庁としては、引き続き、公正で透明性の高い金融市場の整備を通じまして、金融面から成長と分配の好循環の実現を後押しできるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 今、G7では、大きな投資会社が先進国のインフラにもこれからどんどん投資していくというような発言をされています。だから、もちろん競争はいいですし、資本回すことは大事なんですけれども、結局、やっぱり危機感持ってやっていかないと、何でも競争だ、自由だとやっていると、民間の方からどんどん政治も圧力を受けますので、是非その点はもう少し厳しい法的な制限を考えていただきながら運用をお願いしたいと思います。 私からは以上です。
○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。 質問に早速入っていきますけれども、新しい日本銀行券の発行、七月三日に迫っているという状況でございます。多くの関係者が綿密な準備の下に進められてきた二十年ぶりの新札の発行ということで、最終段階に今来ているという状況かと思います。 この現金、国民生活とは密接に関わる事柄ということもあって、私も小売業の出身でございますので、現金決済の現場にこれまで携わってきました。そういった中、キャッシュレス化、これが進む中での今回の新札発行ということもありますので、国民生活への影響等もこれから注視していきたいというふうに思っております。 他方なんですけれども、日本銀行、また関係府省庁においては、中央銀行デジタル通貨、CBDC、この検討を行われている、取組を行われているという状況かと思います。このCBDCについては、日本銀行が昨年四月からパイロット実験を行っているということで、今年の四月にもその進捗状況が公表されております。 このパイロット実験の進捗状況、今後の技術研究について、是非日本銀行からお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(加藤毅君) お答えいたします。 日本銀行では、現在、その先生から御質問いただきましたCBDCに関しましては、技術的なその検証を着実に今進めているところでございます。今御指摘いただきましたように、ちょうど昨年四月からですけれども、このパイロット実験という新しいフェーズに移行しているところでございますし、また、民間事業者が持っていらっしゃる有効な知見とか技術、それも寄せていただくというために、CBDCフォーラムという形で、民間の方にも来ていただきながら様々なテーマについて今議論をしているところでございます。 あと、その先行きの、今後の技術研究というところになりますけれども、これにつきましては、このパイロット実験の中では、スマートフォンとかタブレット端末、要するにCBDCを使われる方の、人たちのところの部分から元々の中央のシステムのところまでを一貫したような形で大きな実験用のシステムを構築しまして、その中でいろいろな検証を行っていきたいと思っておりまして、特に、そういう検証をする中では、CBDCに更に今後期待される特性とか役割とか、そうしたものを更に技術的にこれ実現できるかどうかをより精緻に検討していきたいというふうに考えて今進めているところでございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 この先、まだCBDCが入るかどうかというのは検討中ということになりますので、この先、是非注目させていただきたいというふうに思います。 続きまして、行政、都道府県の派遣に要する経費の国庫負担について少しお伺いしたいと思います。 大規模な災害が発生した際、被災地以外の都道府県から様々な枠組みで支援チームが派遣されています。医療関係においては、災害派遣医療チーム、DMAT、またDPAT、災害派遣精神医療チーム、こうしたものが組織されて活動されています。DMAT、DPATを始めとする医療関係チームについては、派遣先の被災地都道府県の指揮下に入り、活動をされているというふうにされています。 災害時健康危機管理支援チーム、DHEATについては、こうした被災地の都道府県における指揮調整機能等を支援するために派遣されているということで、東日本大震災を機に二〇一八年に制度化されたものです。その活動理念においては、防ぎ得た死と二次健康被害を最小限に抑えること、また被災地の住民ができる限り早く通常の生活を取り戻すこと、こういったところにあるとされています。 今年一月にも、能登半島の地震においても発災が起きましたが、そこでもDHEATが活躍され、茨城県でも二十名が派遣されたというふうにされていますが、このDHEAT、この派遣に係る費用について、原則として派遣元の都道府県が負担することとなっております。この派遣元、派遣先双方にとっての派遣受入れの足かせになっているのではないかという指摘もあります。 DMAT派遣については、災害救助法の規定に基づいた、派遣先である被災地の都道府県への求償が認められ、また被災地の都道府県にとっても国庫負担を受けることができるというふうに明らかにされています。このDHEATについても国庫負担の道を開くことができないかというところについて厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。 まず、DMATにつきましては、災害救助法が適用された地域で医療活動をした場合は同法によって費用支弁の対象となり得ると承知をしております。 一方、DHEATの活動につきましては、御指摘のように、被災者に対する直接的な援助ではなくて、都道府県の保健医療福祉調整本部や保健所等における指揮調整機能等の支援でありますことから、DHEATの派遣に係る費用については原則として派遣元都道府県等の負担となってございます。ただ、DHEATに係る派遣費用といたしまして、被災地域の応援に要した費用については派遣元自治体に対して特別交付税が交付されると承知をしております。このような中で、今般の能登半島地震におきましては、石川県から要請があったものにつきましてはすべからくDHEATを派遣できていると承知をいたしております。 いずれにいたしましても、今後起こり得る災害においてもDHEATが必要に応じて速やかに活動できるような対応を取ってまいりたいと考えております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。受入先も受入れ元も気持ちよく、快く派遣できるような、そんな仕組みが必要ではないかというふうに改めてお伝えさせていただければと思います。 続いて、通勤手当の非課税限度額の見直しについてなんですけれども、企業などで働く従業員については、原則として自宅から企業への通勤手当は必須であり、企業が支給する通勤手当は仕事をするために必要な費用というふうに捉えられています。所得税法でも、一定の範囲内で通勤手当を非課税所得として取り扱われているということは承知の事実です。 二〇二二年以降のガソリン価格上昇を受けて、自動車通勤を行う従業員に対して企業が支給する通勤手当、こちらについても燃料費の負担に見合った金額に引き上げていくことが必要になってきており、引上げについては動く企業も見受けられているという状況でございます。 ところが、自動車等を使用している人に支給する通勤手当、この非課税限度額については、二〇一四年の十月の政令改正で現行の金額となって以来、見直しを行っていないという状況でございます。このため、労使交渉が難しくなり、通勤手当を引き上げるという、課税となる部分が生じたりすることも懸念が生じており、労働組合からも非課税限度額の引上げを求める声は多くあります。 これまで国会の議論等を見ると、財務省は、客観的な基準として、民間の動向を反映して人事院勧告で示される国家公務員の通勤手当の支給限度額を参考にして税法上の金額を決定していくという方針を示されています。 まず、昨年の人事院勧告において、通勤手当の支給限度額に関し、どのような調査結果を基に判断されたのかというところをお伺いしたいというところと、通勤手当、この実態をどのように調査されているのかというところを人事院にお伺いしたいと思います。 また、国家公務員の通勤手当とは別の問題として、民間企業における通勤手当の実情と引上げの必要性、こちらを、民間企業の労働条件を所管する立場の厚生労働省の認識をお伺いしたいと思います。 また、財務省としても、従業員の負担増の現状を理解し、非課税限度額引き上げる方向で早めに取り組むことが必要と考えますが、財務省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(箕浦正人君) お答えいたします。 昨年、本年につきましては、人事院勧告の基礎としております職種別民間給与実態調査におきまして、各府省や職員団体からも要望が強い新幹線通勤を含む交通機関を利用する場合の通勤手当について民間企業の支給状況を調査をしており、自動車を使用する場合の通勤手当についての調査は行っておりません。 なお、自動車を使用する場合の通勤手当につきましては、民間企業における手当の支給状況について定期的に調査を行い、その結果を踏まえて国家公務員の手当額を改定してきております。今後とも、ガソリン価格の動向にも留意しつつ、定期的に民間企業の手当の支給状況を把握し、適切に対応してまいります。
○政府参考人(増田嗣郎君) お答えを申し上げます。 御指摘の通勤手当につきましては、厚生労働省の令和二年就労条件総合調査によりますと、通勤手当の支給企業割合は九二・三%、労働者一人平均支給額は一万千七百円となっております。 諸手当を含みます賃金につきましては、一般に、各企業においてその企業の置かれた様々な状況に鑑みながら個別に労使が交渉し、合意した上で決定されているものと承知をしております。その上で、中小企業が賃上げしやすい環境整備が重要であると考えており、厚生労働省といたしましては、生産性向上や三位一体の労働市場改革に向けた施策を関係省庁と連携をして進めているところでございまして、引き続き、政府全体で物価上昇を上回る持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指してまいります。
○大臣政務官(進藤金日子君) 自動車通勤の従業員に対する通勤手当の非課税限度額につきまして、引き上げるべきと考えるが、財務省の見解どうかというお尋ねでございました。お答え申し上げたいと思います。 給与所得者に支給される通勤手当につきましては、通勤手当が通勤費用の実費弁償的な性格を有することを踏まえ、通常必要と認められる部分につきまして、所得税法上、一定額を限度として非課税とする措置を講じているところであります。 このうち、自動車等を使用する場合の非課税限度額につきましては、通勤に必要な自動車等の使用に係る費用は人それぞれであることから、先ほど委員御指摘のとおり、客観的な基準として、民間の通勤手当の支給実態に関する調査を勘案した人事院勧告に基づいて決められている国家公務員の通勤手当の支給限度額を参考として定めてきておるところでございます。 そのため、今後の対応につきましては、国家公務員における通勤手当の支給限度額の動向を踏まえつつ、その必要性を見極める必要があると考えているところでございます。
○堂込麻紀子君 物によってですけれども、その項目によってだと思いますが、非課税限度額というものは本当に必要なのかというところと、改めて、関連してなんですが、単身赴任の従業員に対する単身赴任手当、これが課税対象となっておりまして、これも多くの従業員が要望されているものです。単身赴任は企業の業務命令によってやむを得ず行うものであり、ここに対して現行の課税扱いについて対象になっているというところは改めて不断の見直しが必要ではないかというふうに思っております。 最後に、労務費の価格転嫁の現状及び取組方針について伺わせてください。 先ほど来からも様々ありました労務費の価格転嫁、中小企業の賃上げというところになりますけれども、日本商工会議所の調査においては中小企業の正社員の賃上げ率三・六二%、経団連の集計では五・五八%ということで、大企業との格差が鮮明となっています。こうした賃上げ率の格差については、中小企業の価格転嫁が進んでいないということが要因の一つになっているというふうにも思います。 今後、中小企業の持続的な賃上げを実現していくために労務費の価格転嫁を進めていくということは重要であるということは、ここにいらっしゃる皆さんも認識されている事実だというふうに思います。しかしながら、労務費の上昇分、受注者の生産性、効率性の向上を図るというところで吸収すべき問題というふうに受け取られている、認識があると、また発注者に根強くそれがあると。交渉の過程で発注者から労務費の上昇に関する詳細な説明資料が提出を要求されることもありまして、それが足かせになっているという状況もあります。 この労務費の価格転嫁、阻害される要因を、様々あるかと思いますが、この中小企業庁の調査においても様々、昨年の調査においても、労務費の転嫁率は原材料費の転嫁よりも進んでいないというものが示されています。様々指針も出ております。また、今月七日に出されています新しい資本主義のグランドデザインにおいても、この労務費等の価格転嫁の推進、盛り込まれております。 中小企業の持続的な賃上げに向けた労務費の価格転嫁、どのように取り組まれていくかというところを最後にお伺いできればと思います。
○政府参考人(山本和徳君) お答えいたします。 我が国の雇用の七割を占める中小企業の賃上げを実現するためには、その原資の確保に向け、労務費を含めた価格転嫁が重要であると考えております。 労務費の転嫁に係る認識についてお尋ねがございました。 労務費の転嫁につきましては、賃上げをしたければ効率化努力で費用を捻出せよといった取引慣行が根強くあると認識しております。そのようなことを背景に、値上げ要求をしづらかった側面があります。昨年九月の調査では、労務費の転嫁率がコスト全体の転嫁率に比べて一〇ポイント程度低いという状況でございまして、やはり課題があるものと認識しております。 経済産業省といたしましては、毎年三月、九月の価格交渉促進月間における発注企業ごとの交渉、転嫁状況の公表や、取組が芳しくない発注企業への指導、助言を行ってきております。 また、昨年、内閣官房、公正取引委員会が策定、公表していただきました労務費の価格転嫁の指針を踏まえ、下請中小企業振興法に基づいて、親事業者と下請事業者の望ましい取引環境を定める振興基準におきまして、労務費の価格転嫁の指針に沿った取引対価の決定等を新たに盛り込んだところでございます。この指針が遵守されるよう、各業界団体において取引適正化に関する自主行動計画への反映を要請するとともに、関係省庁と連携して、各地域、業界団体向けの説明を実施してきております。 引き続き、公正取引委員会を始め関係省庁とも密に連携し、労務費を含む価格転嫁を強力に推進してまいります。
○堂込麻紀子君 実効性のある取組を……
○委員長(足立敏之君) 時間が来ております。
○堂込麻紀子君 はい。 お願いいたしたいと思います。 私の質問は終わりです。ありがとうございます。
○委員長(足立敏之君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後零時七分散会