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213回国会参議院2024/06/06

財政金融委員会 第17号

発言数
86
登壇者
14
会派数
7
開催日
2024/06/06

会議録

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動につきまして御報告をいたします。  昨日までに、藤巻健史君、堀井巌君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として浅田均君、松山政司君及び石田昌宏君が選任されました。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんでしょうか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に白坂亜紀君を指名いたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  事業性融資の推進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長井藤英樹君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  事業性融資の推進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 事業性融資の推進等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷でございます。  事業性融資の法案、質疑をさせていただきますが、実は、私の父親も脱サラをして小さな企業を経営をしておりました。個人保証をして、父親が亡くなってその債務の関係を引き継ぐのに、私のおふくろと私、すごく苦労をいたしまして、そのおふくろが亡くなったときもその債務は残っていて、また私も私の兄弟も大変な思いをいたしましたので、この、何というんでしょう、個人保証によらない融資という制度ができることは、そういった、私の父親も小さな会社を経営をしておりまして、そういう零細企業の経営者にとっては大変有り難いことであると思っておりますので、できればこの事業性融資の法案もそういった方向に行ってほしいなという思いでおりましたけれど、若干その思いとは違うところにありそうだったので、法案に対しての賛否の方は、党の決定ということでそちらの方に従うというような形になりますが、いろいろと中身につきまして、この際、確認をさせていただきたいなというふうに思っております。  まず最初に、この担保の対象になる無形資産についてお尋ねをしたいというふうに思っております。  従来の担保はその企業の様々な担保の個別資産の価値の総和であったのですが、その一方で、今度の企業価値担保権につきましては、この個別の価値の総和ということに関係なく、会社の全ての資産が担保価値となるというふうに今度規定をされるというふうに私自身も理解をしております。  これまでの担保権と比較して大きな違いは、個別の資産だけではなくて無形資産が担保に、全体を担保にしますから、無形資産を担保にするかという点がこれまでと大きく違うような形になるのではないかなというふうに思っておりまして、その企業の将来の収益性だったり、それから、何というんでしょうか、従業員さんのスキルだったり、それから経営者の、何というんでしょう、その持っている人脈だったり、そういった今まで担保としてカウントできなかった部分を担保として、企業全体の担保として評価をするということですので、担保がなかなかないというようなスタートアップの企業だったりとか、それからアプリとか、何というんでしょうか、知的財産で生み出していくような企業にとっては今度のこの法案というのは大変価値のあるものだというふうに私自身も理解をしております。  金融庁の資料を見ますと、企業価値担保権の対象となる無形資産についてはノウハウや顧客基盤が例として挙げられていますが、そのほかにどのようなものが該当すると考えられているのか、そして、いわゆるのれんというような、これまでの企業が培ってきた伝統みたいなところも無形資産になるんだと思っておりますが、そののれんに対する政府の見解を併せてお伺いをしたいと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  お尋ねの無形資産の内容は様々でございまして、一般には、説明資料のお話、御指摘いただきましたけれども、知的財産権、ノウハウや顧客基盤等が含まれるというふうに考えてございます。  企業価値担保権の目的である財産は、会社のキャッシュフローをまさに将来にわたって生み出す力の源泉となるようなものを幅広く捉えるということでございまして、無形資産等を含む。で、のれんというのは、個別の勘定科目に位置付けにくい価値の総体というようなものでございますから、そういったものも含めて無形資産に含まれているということでございます。  それで、これらは事業活動の中で絶えず入れ替わるものでございまして、基本的に今回の企業価値担保の対象というのは一体としての総財産でありますから、個々の無形資産等の評価を想定しているわけではなくて、まさに、繰り返しになりますが、将来キャッシュフローの源泉となるような一体としての総財産でございます。  それで、この価値評価については、例えば将来キャッシュフローの見通しを基礎として割引現在価値の幅を推計する方法など様々なバリエーションが考えられるわけですけれども、具体的な方法は、各金融機関において個々の事案、特性等に応じて、顧客に選ばれるための創意工夫、経営判断が適切に行われるというふうに考えてございます。  金融庁といたしましては、こうした価値の評価等も含めた好事例の把握、公表などを行うとともに、課題を感じる金融機関さんもいらっしゃると思いますので、専門的な知見の提供等を行う支援機関の活用を促していくなど、金融機関における事業性融資に係る取組の後押しに向けていろいろと努力してまいりたいというふうに考えてございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  なかなかその無形資産を評価するというのは難しいので、これから貸し手側となる、信託権者になるんでしょうか、そういったところの目利きはやっぱり本当に大変必要になると思いますし、これまでお付き合いのあったというか、ある程度企業経営が進んできた企業さんとのお付き合いというところも将来性を評価するのに大変重要な視点だというふうに思っていますので、本当、その貸し手側の目利きを養成するようなというか、しっかりした目利きができるように金融庁としても後押しをしていただいて、貸し手側も借り手側もウィン・ウィンになるような関係を是非つくっていただきたいなというふうに思っております。その点は要望させていただきたいと思います。  次に、担保権者による不当な経営関与の防止策についてお尋ねをしたいと思います。  新設をされるこの企業価値担保権の活用によって、貸し手側から、その貸し手側の金融機関からタイムリーな経営改善、いわゆる伴走型支援で何かあったら支援がすぐ実行できるような形が取れるんだというような説明をされておりますし、それから、企業の経営に相当程度この貸し手側が関与をしていくということが想定をされるというふうに思っております。  通常の企業経営の中でも、親会社だったり投資ファンドから資金を提供されているとか、金融機関から融資を受けているというところの企業にすると、組織再編や経営合理化などの際にやはり様々なことを迫られることが少なくない状況であるんだというふうに思っております。  今度の企業価値担保権の活用においても、そういった企業経営に関与がされるおそれは十分あるんじゃないかと思っておりまして、これが本当に伴走支援という形でだったらいいんですけど、不当な経営関与というような形でかなりの部分関与してくるということにならないようには、金融庁もその監督指針等をしっかりと整備をして当たっていくという答弁があったんですけれど、この担保権者が行っていく助言や指導の内容というところも具体的にガイドラインに私は示していく方がいいんではないのかなというふうに思っていますし、示していただいた方が、そのやってはならないようなことを貸し手側もしっかりと理解をできて、実効性が担保できるんじゃないのかなというふうに思っておりますが、具体的なこのやってはならないことを示して周知をするべきではないかというふうに思っているのが一点と、モニタリングについてもどのようにしていくのか、まずは金融庁の見解を伺いたいなというふうに思っております。  そして、関連をするので幾つかちょっと、質問多くなりますけれど、させていただきたいなというふうに思っていますが、企業価値担保権の信託契約において特約を付してもらって担保権者が借り手企業に不当な経営介入を行うことをどのように防止をしていくかということは、衆議院でも議論があったところなんですけれど、極めて幅広い契約違反事項に対して、適切な伴走型支援をしていくということを眼目としてどのような指導を金融庁として考えていくのかも例示をしていただきたいなというふうに思っております。  そしてあわせて、内閣府令で期限の利益喪失条項の取扱いを含めて不当な経営介入を認めるような特約を禁止するというようなこともしなければいけないんじゃないのかなというふうに思っておりますが、併せて、ちょっと長く、幾つかなりましたけど、金融庁の見解を伺いたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 幾つかまたがった御質問でございますが、網羅的に答弁をさせていただきたいと思います。  まず、行うべきでない助言、指導や、それから信託契約における不適切な特約についてガイドライン等で明示すべきではないかという御提言であったと思います。  事業者の置かれた経営環境や事業者と金融機関との関係性、これは様々でございますので、どのような行為や契約条項が貸し手や担保権者による行うべきではない助言、指導や信託契約などにおける過度な介入につながる不適切な特約に当たるのかは、これは事案ごとに様々でありまして、その具体例をガイドライン等であらかじめ一律に示すことは困難であると、そのように考えているところでございます。  一方で、先生からも御質問の中で御指摘がございましたが、監督指針において、金融機関に対し、経営改善支援に当たっては、顧客企業の主体的な取組に向けた自助努力を最大限支援していくことを求めているほか、金融機関が借り手に対して取引上の優越的な地位を不当に利用して取引の条件又は実施について不利益を与えるような行為については銀行法令等において禁止をされておりまして、金融機関が事業者との間で信託契約の内容を協議する際や経営改善支援を行う際には、これらに留意した上で適切に対応することが重要であると考えております。  なお、金融庁といたしましては、本法案の施行後、企業価値担保権の活用状況について深みのある実態把握を行う予定ですが、その中で、不適切な具体的事例について広く共有する必要があると認められた場合には、例えばガイドラインの策定も含め、状況に応じて適切な対応を取ってまいりたいと考えております。  そして、金融機関による行うべきでない助言や指導や、融資契約や信託契約に違反する行為についてのモニタリング、改善指導等についても御質問がありました。  金融機関や担保権者に対するモニタリングにおきまして、企業価値担保権の活用やそれに伴います伴走型支援について、法令、監督指針への違反や契約違反等の顧客保護に問題がある行為を含め金融機関等の対応に問題が認められた場合には、しっかりと改善に向けた対応を求めてまいりたいと考えております。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  私自身は、先ほど言いました私の経験も踏まえて、具体的にこういうことはやっちゃいけないよというのは例示をしておいていただきたいなという思いがございます。  というのも、やっぱり圧倒的に貸し手側は優越的地位にありまして、助言をしていただいても、その助言どおりにちょっとでもいかないと、私の経験から言うと、融資を引き揚げるというようなことで会社を畳まざるを得なかった、そして、何というんでしょうか、融資残高が物すごくあったので、そのまま負の遺産を個人が引き継がなきゃいけないということで苦労をしたという思い出がありますので、できれば、余り優越的地位を貸し手側が使ってその借り手側の方を追い込むというようなことがあってはいけないんではないかなというふうに思っておりますので、なるべくそういったところを具体的に示していただきたいというのが私の個人の思いでございます。  それから、次は事業の最終責任についてもちょっとお伺いしたいと思います。  この形を使って担保権者が伴走型の支援をしっかりと行ってはいたけれど最終的に不調になってしまってという状況ができた場合に、借り手側企業に対する責任関係はどうなっていくのか、貸し手側なのか借り手側なのか、最終的な責任についてお答えをいただければと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 先生お尋ねの事業の最終責任というのは、あくまでも債務者である事業者が負うものと考えてございます。  金融機関によります事業者への経営改善支援につきましては、監督指針におきましても、金融機関に対し、顧客企業の主体的な取組に向けた自助努力を最大限支援していることを求めているというようなことにもなってございますし、また、優越的地位を不当に濫用して取引の条件又は実施について不利益を与えるような行為については、そもそも銀行法令等によって禁止されてございます。  したがいまして、繰り返しになりますけど、事業の最終責任はあくまでも債務者である事業者が負うというふうに考えてございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 私もそうならざるを得ないかなというふうには思いますけれど、担保権者となる信託会社等、金融機関等ですね、その信託手数料みたいなものを取るようなことになるんだというふうに思っておりまして、伴走型支援をして企業と手をつないで、将来高みに、目指しているけれど、手数料をその過程でもらっていきながら最終的には借り手側が最終責任を負うということになるんですけれど、やはりそこは、一緒に行こうと言いながら失敗をしてしまったということもありますので、何というんでしょうかね、担保権者となる信託会社の方に、具体的にやっぱり行為規制というか何というか、これをやっちゃいけないよということについてあらかじめ明示というか決めておくべきじゃないかなというふうに思っておりまして、その点について、また再度なんですけれど、お答えいただければ有り難いなというふうに思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほどの最初の問いと重なる部分が、お答えが重なる部分がありますけれども、金融庁といたしましても、担保権者等が事業者の経営に過度に介入することは自主的な経営判断を損なうものであって不適切であると、そのように考えます。  その上で、熊谷先生御指摘のあらかじめ担保権者等がすべきでないことにつきましては、その時々の事業者に置かれた経営環境や事業者と金融機関との関係性は様々でありますので、これをあらかじめ一律に示すことは困難であると考えているところであります。  金融庁といたしましては、金融機関が銀行法令や監督指針等を遵守をして、経営者の自主性を尊重しつつ、制度趣旨を踏まえて事業者の状況に応じた経営改善支援等を適切に行っていきますように、しっかりとモニタリングを行ってまいりたいと考えます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  しっかりモニタリングして、いい方向に行くようにしていただければというふうに思います。  続いて、担保目的財産の対象になる総資産の評価の在り方等についてお尋ねをしたいと思います。  一番目には、日本政策金融公庫さんがこれまでもいろいろ融資事業をしておりまして、今年の四月一日からは創業者支援やスタートアップ企業向けの融資制度を拡充をしているというのを存じ上げております。無担保無保証人で利用する場合の限度額が三千万から二倍超の七千二百万まで引き上げられたということだったり、それから創業資金総額の十分の一以上の自己資金があることというような要件もなくなったというふうに承知をしておりまして、このような好条件の融資があるということになりますと、今回の企業価値担保権全部を担保に入れるというよりか、こちらの方をまず借りてというようなことが進んでいってしまう、進んでいくんじゃないかなと思っておりますし、多分こちらの方が使いでがいいんじゃないかというふうに私自身も思うんですが。  これまでも金融公庫さんの方は、成長性だったり事業性評価融資を取り扱ってきたという実績がある中で、企業の事業計画だったりなんなりというものを着目して、創業者支援やスタートアップ企業に、いわゆるスタートからある程度の立ち上げのところまでは伴走型支援をして、助言とか指導しながら貸していたというようなことになっているんだというふうに私は理解しておりますが、その辺について、私の理解が合っているかどうかというところも含めて、金融公庫さん、公庫さんのこれまでのやってきた実績についてお伺いをさせていただければと思います。

坂本基財務省大臣官房総括審議官

○政府参考人(坂本基君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、日本公庫におきましては、民業補完の原則の下、新たに事業を始めようとする方や創業後間もない方に対しまして、無担保無保証でも御利用いただける新規開業資金といった融資制度を活用し、事業者の支援を実施しております。  一般に、創業前あるいは創業後間もない事業者は、営業実績が乏しいなどの理由により資金調達が難しいケースもございますが、日本公庫は政策金融機関としてこうした事業者に対する支援に取り組んでいるところでございます。  こうした融資制度を活用した資金支援に加えまして、日本公庫では、各地域の創業支援機関等とも連携しながら、創業計画の策定支援のような創業前のサポートも実施しており、創業後においても、売上げの減少や販路拡大等に悩みを抱える事業者に対する支援として、よろず支援拠点等の外部機関への取次ぎを行うなどの支援を実施してきているところでございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  やっぱり、公庫さん、この伴走型支援をずっとしていただいていたんだなというふうに改めて確認をさせていただきました。  そこで、その今度の企業価値担保権についてなんですけれど、信託手数料だったり、この途中、伴走型支援をしていく間に様々なコストが掛かってくるんではないかと思っておりまして、そのコストが余りにも高いと、なかなか、この今の金融公庫さんとも比べて、公庫さんの方にどうしても傾きがち、こちらの方が使われないんじゃないかというような危険性が、危険性と言ったらあれなんですが、心配事があるんじゃないかなというふうに私は思っておりまして、このスタートアップ企業だったり、その資金調達に手数料等を含めてどれくらいのコストが掛かると見込んでいるのか、お聞かせをいただければと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、今回の仕組みは、企業価値担保権のその担保権者としては信託会社が権利者となるということでございまして、信託業務に伴うコストは一定程度生じ得るものというふうに考えてございます。  ただ、その企業価値担保権というものはあくまでも事業者の資金調達における選択肢の一つであり、先ほどの公庫さんの融資の話も含みまして、他の手段による融資との競争が期待される点、あるいはその金融機関が貸し手となると同時に信託会社になることも可能としており、金融機関と信託会社の間で競争も期待されることなどを踏まえると、信託会社の手数料は必要最小限に抑えられるものとなるのではないかというふうには考えてございます。  現時点で幾らになるのかということを明確にお答えするのはなかなか難しいですし、また、信託会社の手数料等の経営判断事項について金融庁がこうだと言うことも、なかなか基準を示すようなことも想定していないわけですけれども、いずれにしても、金融庁といたしましては、施行後の実務の動向を注視して、しっかりと適切に行われるかというところは把握してまいりたいというふうに考えてございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 済みません、時間になってしまいまして、副大臣にも質問、答弁をお願いをしておりましたけれど、公取としっかりと連携をしながら、この優越的地位の濫用がないように、是非金融庁として取り組んでいただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。

浅田均日本維新の会・教育無償化を実現する会

○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。  今日もまた、日銀の植田総裁にお越しいただいております。ありがとうございます。  実は先般、五月の二十七日に日銀が、何というんですか、あれ、国際カンファレンス、インターナショナルカンファレンスを開かれまして、そこで、オープニングリマークスということで植田総裁がプレゼンテーションをされております。そのプレゼンの中で私、関心を持ったところが何点かございまして、感想を述べつつ質問させていただきたいと思っております。  関心を持ったというのは、三点あります。  一点目が、やっぱり総裁御自身が、ETFとかJ―REIT、投資信託、あるいは不動産の投資信託に関して、やっぱりリスキーアセッツ、リスク資産であると発言されております。前回この委員会で同僚の藤巻委員が指摘していたと思うんですが、リスキーアセッツなんというものは中央銀行としては持ってはいけないものであるというふうに指摘しておりましたけれども、総裁御自身もやっぱりそういう御自覚というか御認識がおありでリスキーアセッツとおっしゃっているなと思ったのがこれ一点目です。これ、感想です。  それから、あと二点目、これインフレ予想に関してと、それから三点目は自然利子率に関して言及されております。この二点目と三点目に関して質問させていただきたいと思います。  二点目のインフレ予想について質問させていただきますが、資料二を御覧いただきたいと思います。これ前も、これ作成者は日銀の植田総裁御自身でございまして、これもう僕は何回も使わせていただいておりますので著作権料を払わなあかんかなと思っておりますけれども、御容赦いただきたいと思います。これ、物価版フィリップス曲線と言われている図でございます。  そのフィリップス曲線というのは、皆さん御承知だと思うんですけど、元々は物価と失業率の関係を研究したフィリップスという方が公表されて、それが今も生き続けているというものでございます。この物価版というのは、これ中でいろいろ変換していく必要があるのでなかなか難しいんですけれども、難しい部分はあるんですけれども、これインフレ率は、予想インフレ率プラスガンマにGDPギャップを掛けたもの。だから、一次方程式ですね、中学校のときに習うy=ax+bという一次方程式で近似されているというものでございまして。  私がまずお伺いしたいのは、五月二十七日のプレゼンテーションで植田総裁は、インフレ予想をゼロから押し上げることには成功したように思う、それを今回は二%にアンカーさせなければなりませんと発言されております。確かに、この図を見る限り、需給ギャップ、ゼロのところで上の方に上がっていますので、ゼロは脱したというのは確かでございますけれども、二%にアンカーさせなければなりませんと言われた、発言された部分について詳しく御説明いただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) お答えいたします。  最初に、委員御指摘ありましたETFやJ―REITについて危険資産というふうに私の話、発言の中で言及した点ですけれども、特にいい悪いという意味を込めてということではなしに、ETFやJ―REITが例えば国債と比べて価格変動リスクが高い資産であるという意味で、通常使われるような意味でリスク資産というふうに言及したところでございます。  それで、今の御質問ですけれども、インフレ予想を二%にアンカーしなければいけないという意味でございますけれども、私どもは二%の物価安定の目標を持続的、安定的に実現するということを目指して動いておりますが、それが実現されるためには、インフレ予想も二%近辺のところで安定的に推移するということがまず必要でございます。  現実のインフレ予想の動きを振り返ってみますと、しばらく前までは、長い間のゼロ近辺のインフレ率とか若干のデフレ等を経まして、なかなかゼロ近辺から動かないという動きが続いておりました。最近になってようやく、様々なインフレ予想の指標を見ますと、少し上昇してきているけれども、まだ二%には達していないと、少し距離があるという動きになっております。  これが二%に向けて上がっていくこと、そして二%で定着することがあって初めて現実のインフレ率も二で持続的に推移するということなわけですけれども、そういう動きが起こることが必要であるという意味で申し上げたところでございます。

浅田均日本維新の会・教育無償化を実現する会

○浅田均君 二%に上げていくと、で、そこで止める必要があるわけですね、アンカーさせるということは。  それで、この資料二を続けて御覧いただきたいんですけれども、これは、さっきも申し上げましたけれども、Y軸に物価上昇率、それからX軸、右側にこのGDPギャップを取ったものであります。  これを見ますと分かりますように、GDPギャップがゼロのときにこれ利息を上げたり下げたりしても、X軸は全然動かないんですね。だから、GDPギャップは右の方に、プラスの方に動かさないことには金利が上がっていかないと。だから、GDPギャップをゼロのままにしておいては余り、余りというか全く効果がないので、GDPギャップはプラスの方向に動かしていく必要があると。ということは、現実のGDPが潜在的GDPより大きくなるように、この図でいうと、右側に動かす必要があると。  ところが、次、資料一を御覧いただきたいんですが、資料一の右上と真ん中の図ですね。これ、予想インフレ率を二%とすると、GDPギャップは、今申し上げましたように、プラスならインフレ率は二%を超えてしまうわけであります。  右に行って、資料二でいきますと、GDPギャップが右に上がって、物価上昇率も上に上がると。ところが、利子率とGDPの関係だけを見ますと、GDPギャップがプラスならインフレ率は二%を超えてしまいますし、実質の利子率、実質利子率というのは、名目利子率、今の〇・一%から予想インフレ率を引いたものが実質の利子率でございますけれども、これを〇%にするには名目利子率を二%以上にする必要があるというのが私の考えなんですけど、総裁の御見解をお伺いしたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 確かに、委員おっしゃいますように、仮にインフレ予想が二%になっていて、さらにGDPギャップがプラスであれば、ほかの要因が動かないとしますと、インフレ率は二%を超えてしまう可能性があります。それはもちろん望ましくないので、これを避けるためには、私ども、金融緩和の度合いを調整していかないといけないということになります。  ただ、その場合、普通であれば短期金利を上げていくわけですけれども、どこまで上げれば適当かということは、前回も議論させていただいたように中立金利次第でございまして、そこについてはかなりの不確定性が残っているということかなと思います。  したがいまして、そこの点、大きな間違いを犯さないように慎重に進めていきたいというふうに思っております。

浅田均日本維新の会・教育無償化を実現する会

○浅田均君 今もう既に御答弁いただいた中にも含まれているんですけれど、今の御答弁を受けて質問させていただきますと、自然利子率、僕は前回、Rのアスタリスクと言いましたけど、何かアメリカの連銀総裁なんかはRスターと呼んでいるようでございます。中立金利、経済にプラスの効果もマイナスの効果も及ぼさない金利が中立金利で、自然利子率とも言われております。これがゼロ近辺にあると、前は総裁、多分ゼロ近辺からばらつきはあるけれどもというふうなお答えだったんです。  自然利子率を〇%と仮定しますと、名目利子率二%以上にしてしまうと、これは言わば緊縮的な金利になって経済活動を縮めてしまう、弱くしてしまうということになりますし、他方、その国債の買入れというのは緩和的な状況をずっと続けておられるわけであって、それは、月六兆円ですか、のペースで買い続けるというのは変えないというふうにおっしゃいました。だから、マネタリーベースでいうと緩和的な状況が続くのに、金利で考えると緊縮的な流れになってしまう。もう二つ矛盾するんで、どちらを選ばれますかということを聞きたいんですが、いかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 御指摘の国債の買入れのところでございますが、現在、御指摘いただいたように、三月以前とほぼ同じペースで国債の買入れを続けておりますが、三月の金融政策の枠組み変更の下での、後での金融市場の状況を確認しているところでございまして、今後、大規模な金融緩和からの出口を進めていく中で、これも前から申し上げておりますように、減額することが適当であるというふうに考えております。  その下で、私どもとしましては、短期金利の操作を主たる政策手段として、適切な金融緩和の度合い、金融環境を実現していくことができるというふうに考えております。

浅田均日本維新の会・教育無償化を実現する会

○浅田均君 だから、結論的に言いますと、その金利と、何というかな、マネタリーベースが矛盾しないような最適解をこれから探していくとおっしゃっているように聞こえるんですけれども、大変難しいかじ取りだと思いますので、これからもよろしくお願い申し上げます。  植田総裁に対する質問はここまででございますので、委員長。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) では、総裁には御退席いただいて結構です。ありがとうございました。

浅田均日本維新の会・教育無償化を実現する会

○浅田均君 今、金利とか、それからまた国債をどれだけ日銀が買い入れていくかということについて、金融政策の最高責任者からいろいろ聞かせていただきました。  今回のこの事業性融資推進法に関しての質問に入りたいんですが、この立法事実は何ですかというのと政策の効果は何ですかというのを聞こうと思っていたんですけど、火曜日のこの委員会の質疑でほぼそれは尽くされていると思いますし、疑問点に関しては先ほど熊谷委員の方からもありました、ありましたので、これは省略させていただきます。  今ほど植田総裁とお話しさせていただいたのは、物価と経済成長とか、それから経済成長と利子率についてお話をさせていただいて、ある程度日銀総裁のお考えが私なりに把握できたと思っております。  今も植田総裁おっしゃっていたように、全て政策は、GDPギャップをプラスの方向に動かすと、そういう方向で政策が提案されていると思うんですけれども、育成就労とか子供支援とか、そうではないように動くような政策が出てきているので、金融当局あるいは財務省との政策の整合性というものを疑ってしまうわけでありますけれども、この法案に関しましては、何とかその金融仲介活動の機能度を高めると、これも何か自然利子率を高める一要因であると考えられますので、そういう、GDPギャップを右に何とかしたいなという意欲が表れた法案であるということに鑑みて賛同いたしたいと思っておりますけれども、先ほど熊谷委員が様々取り上げられましたけれども、その中に結構同意できることがありますので、留保付き賛成ということになろうかと思います。  それで、申し上げたいのは、これ、本来、この金融機関の自助努力で見付け出すべき事業性評価に関して、また、先回も申し上げましたけれども、事業者側からアクションを起こさせるというのは金融機関の弱体化ではないかという思いが拭えないんですけれども、金融担当大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今回の法案は、今までよく指摘されてまいりました、例えばスタートアップの方のこれは資産がない、それから個人に余りにも依存をしたこの融資ということが事業承継にも影響をする、あるいは、一旦この行き詰まったような企業が新たなビジネスモデルを見付けたといたしましても、もう既に担保を差し出していて新たな融資を受けることができないといったような方々に対する新たな選択肢を示すということで、そこには金融機関の努力とかいろいろ工夫とか、そういうものがあると思っております。  むしろ、金融機関が弱まっているというよりも、これを活用して金融機関がまた一つの、地域金融機関が一つのまたビジネスモデルをこれをもってつくっていくということにもつながるのではないかと、そういうふうに考えております。

浅田均日本維新の会・教育無償化を実現する会

○浅田均君 ありがとうございました。時間になりましたので、終わります。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。  この今回の法案、参考人質疑も含めて今日で三回目だと思いますので、大分論点は整理されてきていると思います。  私も、前回もお伺いしたことをちょっと確認をさせていただきたいんですが、これが、実際に企業価値担保権が使われるようになった後に、この民間金融機関は無形資産に対してどういう評価をしているかというのは、これはもうまさしく民間金融機関の判断基準で行われるわけでありますが、行政当局、金融当局がこの無形資産に対する評価をどうするかというのは、これは検査、考査のときに判明をするわけでありますので、ここ、もう一度確認をしておきたいと思います。  まず、今現在、金融検査はどういう頻度で、どういう対象先に対して行われているか、お伺いしたいと思います。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) お答え申します。  現在、預金取扱金融機関に対します金融検査は、従来のような定期的な総合検査方式は基本的にやめてございまして、リスク分析を踏まえて必要なタイミングで、必要な検証項目に限って実施するといったようなアプローチを取ってございます。  この実際の件数でございますけれども、昨事務年度であれば、主要行などの大手行につきましては十六行、地域銀行に対しては四十行、信金、信組については八十六行といったようなことで、合計百五十八ほどの検査を行っております。ただ、この百五十八は実はかなりの部分がマネロンの、マネーロンダリングのターゲット検査が含まれておりまして、従来型の検査というものは基本的にはこの中に入ってございません。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今お伺いした百五十八のうち、資産査定は、じゃ、一つもやっていないという理解でいいですか。それとも、百五十八のうち幾つかはやりましたか。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) この昨事務年度一年間ということで申し上げると、余り確たることはお答えできないところもございますけれども、検査の中で個別の資産査定について議論をして行うことは少のうございますけれども、現にはございます。この事務年度中に百五十八の中にあったかどうかという、ちょっと今にわかにお答えできないのでございますけど、非常に例外的ではございますが、ございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 僕自身も昔は日銀考査には行っていたわけでありますが、昔は資産査定をするのが考査、検査のこれがメイン業務でありましたので、今のお話だともう資産査定は極めて例外的だと、こういう理解でよろしいですか。一応確認させてください。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) 基本的に現在の検査は金融機関の健全性全体を見るということでございまして、例えばその個別の資産査定をするような場合といいますのは、経営陣のリスクに関する判断のプロセスなどが適切でないと認められるような場合などに限定してございまして、例外的な、言ってみれば例外的な事象であるというふうに考えております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 多分、今横で聞いておられて、大臣も副大臣も、ううん、実際どのくらいの頻度とどのぐらいの量の資産査定やっているんだろうなと、少し半信半疑で聞いておられるように見受けられるんですけど、僕も今聞いた限りでは、一体どのぐらいやっているのかなというのはよく分かりません。それは、言えないのか言わないのかは分かりませんけれども。  つまり、この企業価値担保権を片方で導入するという今回の法案と、検査、考査で行政当局が資産査定においてこれをどう扱うかというのは、もうこれ決定的なポイントでありますので、まあその資産査定はどういうふうに実際やっているのかははっきりとは言えないし、今後も、じゃ、仮に査定対象になった金融機関が企業価値担保権を持っていたときに、それについてはどう査定したかは言えませんという、このブラックボックスのままずうっと進むと、せっかく今回善かれと思って導入するものが必ずしもいい形では根付かないような気がいたします。  ここまでのやり取りを聞いていただいた上で、大臣としては、この企業価値担保権付きの融資、これを査定しなければならなくなったときにどういうスタンスで臨むかということについて、どのような御指示を事務方に出されますでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) まず、金融庁の考えを述べさせていただきたいと思いますが、金融庁では、これまで事業性に着目した融資の推進するために検査監督の在り方の見直しを進めておりまして、その一環として、二〇一九年には検査マニュアルを廃止をして、資産査定について、金融機関の経営陣の判断を尊重して、自主的な取組を妨げないことを原則としたところであります。  そして、今回導入を考えております企業価値担保権を活用した融資につきましても、まずは、当局が個々の貸出しについて査定を行うのではなくて、金融機関の創意工夫と金融仲介機能の発揮を促しながら、それに見合った実効的なリスク管理体制が構築されるよう金融機関のモニタリングを行うことになると、そのように考えています。  一方、例えば経営陣のリスク判断に至るプロセスに懸念が認められるなど、例外的な場合には個別貸出しの資産査定を実施することも考えられます。  現時点では企業価値担保権を活用した融資に特化した査定方針はありませんけれども、将来において資産査定を行う必要が生じた場合には、海外における実務や企業価値担保権を活用している金融機関に対するモニタリング等を通じて得られた民間における査定実務に係る知見を活用して査定を行うことになるのではないかと、そのように考えております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今海外の事例も参考にしてという御答弁があったんですが、じゃ、今回、この法案に至る過程で、審議会でいろいろ議論したり、実際に立法作業を行う過程で、この企業価値担保権の参考になっているはずであろうアメリカの全資産担保権、これにおいて、アメリカの金融機関は、アメリカの金融当局は査定のときにどういう扱いをしているか、あるいはこういうものは一切査定しないのか、何かお調べになったりして参考情報があれば、今開示してください。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) これまでの検討過程におきまして、私どもも、海外の金融当局などと検査監督の在り方も含めて継続的な意見交換の中でいろいろと情報収集的なものも行っているわけでございますけれども、アメリカの例で申し上げますと、これ査定が行われているということではございますが、例えばOCCのハンドブックなどを見ましても一律の記述がはっきりと書かれているわけではございませんで、これは要は、債務者の置かれた状況などの個別事情を相当勘案して様々な実務があるということではないかと理解してございます。  そのため、現時点で一概に申し上げるということは難しいわけでございますけれども、いずれにせよ、この部分につきましては、海外の金融機関側の査定実務あるいは監督当局側の査定実務、しっかりとちょっと調べてまいりたいと思ってございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 何度も申し上げていますが、今回、僕は、この法案及びこういうスキームを導入することは前向きに受け止めています。しかし、今の御答弁聞く限りでは、やっぱり、何というか、これから賛成するつもりなんで詰めが甘いと言ったら怒られますけれども、ちょっとこの詰めは甘いかなという気がしますね。  だから、僕は、これ、もう企業価値担保権付融資は検査においては基本的に査定をしないとか、あるいは金融庁はもう資産査定ということは検査においてはしないとか、大きな大原則の方針変更をしないと、一応いろんな声に応じて今回導入したけど、結局使われないまま終わると。  大臣、もう御想像の範囲だと思いますけど、結局、資産査定ってどういうことが行われるかというと、私もかつてやった事例を一個申し上げますと、ある金融機関に査定に入って、当時はラインシートという呼び方をしていたんですが、いや、この融資は担保がありますか、ありませんかとまず聞くと。無担保だと聞くと、まず無担保融資と担保付融資が、まずその段階で分類します。担保付融資、これ何が担保ですかと聞くと、いや、これは山林が担保ですとかと言われると、いや、山林じゃ二束三文になってこの融資の二十億分の担保になりませんねなんて言うと、実際にこれ経験した話ですけど、ある金融機関に入ったときに、いやいや、大塚さん、これ、山にはヒノキがいっぱい生えていますと、ヒノキは一本幾らですから、これ掛ける百本分でこれだけの資産価値があるから二十億はカバーしていますという、こういうやり取りになるわけですよ。ということは、この資産は安全ですねと、ただ、そのヒノキも市況によって価格が変わりますから。  非常に今のは分かりやすい事例で御説明申し上げたんですが、こうやって資産査定をかつてはやっていたんですが、今は基本的にやるわけではないと、ただし、やるときもあるとおっしゃっているわけで、実態は分からないわけですけど、そのときに、今後はここに企業価値担保権融資というのが付いてくるわけですよ。そうすると、単なる無担保融資と企業価値担保権融資をどういうふうに区別しますか。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) 済みません、お尋ねの、委員のちょっと、はっきり把握できているかどうか分かりませんですけれども、基本的にはこの事業性融資、企業価値担保の融資といいますのは、事業全体を基本的に担保に取るということで、完全に無担保で貸す場合と比べれば、引き当て等においては通常有利であろうというふうに考えてございます。  ちょっと、今、お答えになっておるかどうか分かりませんけれども、いずれにしましても、ただ、この新しい制度の融資につきましては、やはり実務面での検討といいますか、それは十分必要であろうと思ってございます。実務家と意見交換、検討会などを開きながら、引き当ての査定の実務などについても検討してまいりたいと思っております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 もう質問はしませんけれども、何が課題かということは大体共有できていると思いますので、今日、この後、附帯決議が提案されると思いますけれども、やっぱりモニタリングとその実情の報告をきちっとしていただかないと、せっかく導入したものが定着をするとはちょっと思えませんので、是非、金融当局がこの企業価値担保についてどういう考え方で臨むかということをしかるべき時期にしっかり整理をして報告をしていただきたいと思います。  終わります。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) この際、委員の異動について御報告をいたします。  本日、武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として広瀬めぐみ君が選任されました。     ─────────────

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  今回、認定事業性融資推進機関が導入される、専門的知見を有して事業者や金融機関等を助言、指導を行うということでありますが、一昨日の質疑で、これ全銀協とか日本商工会議所などと協議しているという答弁がございましたが、これ新たな団体をつくるんでしょうか、それとも既存の団体を想定しているのでしょうか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  支援機関の担い手についてですけれども、これは新たな団体を創設することは考えてございませんで、既存の団体を想定してございます。  その上で、まず、事業性融資において具体的に求められる支援の内容や支援のために必要な能力について、法案成立後に、例えば全国銀行協会や日本商工会議所など各種業界団体等と共通の認識をつくった上で、担い手の候補となる関係者と丁寧に相談してまいりたいというふうに考えてございます。  繰り返しになりますが、新たな団体を創設することは考えてございません。

小池晃日本共産党

○小池晃君 それから、この企業価値担保の想定活用ケースということでいうと、スタートアップなどの成長していく企業、あるいは事業承継、事業再生。これ、この間の衆参の質疑でも、一定のやっぱり規模以上の企業であるという、そういう答弁繰り返されてきているんですが、ちょっとイメージでいうとどのくらいのものを想定されているのか、例えば年商数億円以上とか、何かそういうイメージをお示しいただければと。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 今回の法案で導入する企業価値担保権についてでございますが、これまでも、有形資産に乏しいスタートアップ企業ですとか、現経営者に設定している経営者保証の後継者への引継ぎが困難であることを理由として事業承継が進んでいない企業、あるいは、その事業再生を通じた潜在的な回復可能性はあるものの担保余力が乏しい企業など、様々な活用場面が想定してございます。  他方、その活用が想定される企業の規模感についてでございますが、これ、一概に申し上げることはなかなか難しいんですけれども、これまで、金融機関等との様々なやり取りの中では、例えば売上高が数億円といった企業などへの融資案件における活用が想定しやすいというような意見があったものと承知してございます。  金融庁といたしましては、いずれにせよ、こうした企業価値担保権を積極的に使っていただきたいというふうに考えてございますが、金融機関における体制整備等の好事例の把握、公表等を通じまして、企業価値担保権を活用される場面や企業の規模感等の裾野が拡大していくよう、金融機関の取組を後押ししてまいりたいというふうに考えてございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 だから、当初から零細企業まで含めてみたいな感じじゃなくて、かなり想定されるケースというのは限定的じゃないかなというふうに思うんですが。  ただ、こうした場合でも、担保権者となれば、これは専門的な能力持つ貸し手である金融機関の優位な立場は一層強まると思うんですね。一方で、企業は経営実態を細かいところまでこれ査定される、把握される。金融機関の側が、事業の将来性厳しく評価して、廃業やリストラを促すということも可能になってくるんじゃないか。  事業性融資によって企業のもう自主的な取組をサポートするというのは、これはあるべき姿なんですけど、これは理想どおりにはいかないんじゃないかというリスクもあると思うんですね。今までの事業性融資にもそうした二面性はあったと思うんですが、その点は金融庁としてはどう認識されているんでしょうか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 事業性融資に伴う金融機関の伴走支援に関してのお尋ねだというふうに理解しましたけれども、金融庁の監督指針におきましては、金融機関は、顧客企業に対しまして伴走支援を行う際には、顧客企業の主体的な取組について、その自助努力を最大限支援していくことが求められる旨、明記してございます。  また、事業性融資に伴う伴走支援では金融機関と顧客企業の密接な協力関係が重要であるため、金融機関が顧客企業の意向を踏まえず廃業やリストラを強要するなど、顧客企業の経営に対して過剰に介入することは基本的には想定されない状況だというふうには考えてございます。  その上で、企業価値担保権が設定されている場合に限らず、現在も含めまして、金融機関が取引上の優越的な地位を不当に利用し、取引の条件又は実施について不利益を与えるような行為は、銀行法令等において禁止されているところでございます。  金融庁といたしましては、事業性融資を実施する金融機関が、こうした法令等を遵守しつつ、制度趣旨を踏まえて、事業者との緊密なコミュニケーションを通じて事業者の状況に応じた伴走支援を適切に行っていくことが重要だというふうに考えてございまして、悪い例もあるんじゃないかという御懸念かと思いますが、適切にモニタリングしてまいりたいというふうに考えてございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 そういう御懸念があるんですよね。金融庁が設置した研究会でも、事業性融資と廃業の促進というのは結構一体となった議論がされているんですよ。金融仲介の改善に向けた検討会議では、企業の新陳代謝の促進と担保、保証依存の融資からの転換ということをテーマにされて、その中で、やはりその地域金融機関の役割は強い産業を伸ばして競争力に劣る企業は転廃業を進めることだというような、そういう意見も出されているんですね。  そもそも、この今回導入される企業価値担保権に伴う伴走支援、モニタリングも、これ大変なコストが掛かる。で、金融機関にとってみれば、これは、この担保制度で早期再生に着手するきっかけになるけれども、いわゆる早期に担保実行して廃業、MアンドAを促進すると、そういう傾向が強まる危険もあるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 企業価値担保権の実行手続におきましては、裁判所の監督や管財人への報酬、事業譲渡に係るデューデリジェンスの費用など、相当の費用を要するということになります。  したがいまして、こうした実行手続に相応の費用が掛かることに鑑みれば、経営改善支援など他の手段による事業の継続、再生が見込まれる場合には、実行手続の申立てを行わず、再生等を通じた事業価値の向上を図る方が融資の弁済可能性が高まると考えられるため、基本的に、こうした機会を放棄して極めて早期に実行手続の申立てを行うことは、経済的観点から想定しにくいんじゃないかというふうに考えてございます。  いずれにいたしましても、金融庁としては、金融機関が企業価値担保権の適切な活用も行いながら、真に事業者のニーズに応え、持続的な成長に資する対応を行っていくことはこの制度提案の眼目でもございますので、そうした観点からモニタリングをしっかりと行ってまいりますし、金融機関を促してまいりたいというふうにも考えてございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 金融庁の事業性融資の研究会に参加している大手銀行のメンバーは、フリーキャッシュフローがポジティブである局面において、それが小さくなる見通しであれば早期のMアンドAを促すのが合理的な選択だという、そういう発言もあるんで、やっぱりその懸念は消えないわけであります。  現状、中小企業は、担い手不足、コロナ、物価高騰で本当に苦しんでいる。本来、地域金融機関は、中小企業への本業支援、コンサルティング機能、これを期待されているわけですね。例えば、浜松いわた信用金庫というところでは、これは伴走型支援による経済波及効果、二〇二一年度に静岡県西部の六市一町で、企業の生産活動による利益、新規雇用者数、給与の増加分、二百二十七億円の経済効果を生んだということを公表をしている、こういう事例もあるわけです。  大臣、やはり、金融庁この間努力してきたいわゆるリレーションシップバンキング、これを実現させるためには、やはり金融機関に、より一層事業者に寄り添う姿勢が求められると思いますが、いかがですか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 基本的にはそのとおりだろうと思います。  地域金融機関、これは地域経済を支える要でありますので、事業者に寄り添いながら、地域経済への貢献を含め、金融仲介機能発揮に積極的に取り組むこと、これが重要なことであると、そういうふうに認識をいたしているところであります。  今、足下では、御指摘のとおり、担い手不足でありますとか物価高騰、コロナ禍で積み上がった債務の返済などにより厳しい環境に置かれている事業者がいること、そのことを踏まえまして、本年四月に監督指針を改正をして、一歩先を見据えた経営改善、事業再生支援の促進でありますとかコンサルティング機能の強化等に取り組んで、事業者の実情を踏まえた更なる支援を徹底するように金融機関に促しているところであります。  金融庁としては、引き続き、金融機関に対しまして、事業者に寄り添いながら、金融仲介機能をより一層発揮して、地域経済や事業者の成長、発展に貢献していくよう促していきたいと考えています。

小池晃日本共産党

○小池晃君 今やはり金融行政に求められるのは、やっぱりそういう努力を徹底してやることであって、こういう制度を導入することではないんではないかということを改めて申し上げておきたい。  最後、ちょっと別件なんですが、国税庁が、申告書などの控えの収受日付印の押捺、これ来年一月からやめると言っていることについてなんですが、これ、補助金を申請する際にも収受日付印のある確定申告書の控え、これ出してくれと言われるわけですね。これ、融資の審査でもこれ必要とされてきた。  今後、金融機関や行政から控えに代わる証明出してくれとなったらどうなるのかと聞くと、国税庁は、日付を入れたリーフレットを渡すから大丈夫だと。だったら、判こ押せばいいじゃないかと。何でやめるんですか。  紙の申告書控えには、収受日付印が押捺されてこそ、提出したことを証明する事実性が担保されるわけですよ。これ、廃止には税理士会からも反対の声が上がっています。やはり納税者が求めた場合は判こを押すと、そうすべきじゃないですか。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  国税庁におきましては、経済社会のデジタル化を踏まえ税務行政のDXを進めておりまして、e―Taxの利用率の向上やDXの取組の進捗も踏まえまして、令和七年一月以降、書面の申告書等の控えへの収受日付印の押捺を取りやめることとしたところでございます。  なお、申告等を行った事実につきましては、収受日付印によらずとも、電子申告の場合にはe―Tax上で確認可能であるほか、書面申告の場合も含めまして申告書のイメージデータを取得できる申告書等情報取得サービスや納税証明書など様々な確認方法を整備し、納税者の方々の利便性を高めてきたところでございます。  その上で、今回の見直しにつきましては、関係行政機関や税理士会、関係民間団体、金融機関等に対しても丁寧に説明を行っておりまして、御理解をいただいていると認識しております。令和七年一月以降は各種の事務におきまして収受日付印が押捺された申告書等の控えの提出を求めないよう、要請しているところでございます。  今後も、納税者、関係機関等に丁寧に周知、広報を行ってまいりたいと考えてございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 質問しませんが、理解得られていないから私質問しているんで、判こ押せば済む話なんだから、希望されたら判こ押す、そのくらいのことをやるべきだということを申し上げて、これちょっと引き続き取り上げたいと思います。  終わります。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。  一昨日に引き続き、事業性融資の推進等に関する法律案について質問します。    〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕  六月四日の質疑で、資金の貸し手には制限を掛けないということでした。そうなると、機関投資家や個人投資家から資金を集めて非上場企業の非公開株への投資を行うプライベート・エクイティー・ファンドや、投資家から集めた資金を企業などに直接貸し付けるプライベート・クレジット・ファンドも投資が可能ということになります。  この後者のプライベートクレジット、プライベートクレジットの市場はアメリカを中心に現在過熱しておりまして、海外でも制度の脆弱性や不透明性が指摘され、国際的な監視の強化が必要であるというふうにされています。  昨年、日本でも、アメリカのブラックストーン・グループが大和証券グループ本社と提携し、米国企業に直接お金を貸し付ける日本初の公募プライベート・クレジット・ファンドを立ち上げています。これにより、今は日本の投資家の資金が海外に流れるという状況が生まれていますが、今後、日本が市場を開放していくと、海外で規制が強化をされたこういったファンドの資金が日本に流れ込むという可能性も考えられます。実際、彼らは、日本はこれから市場になるというふうなコメントも出しています。  こういったことを前提に、三点まとめてお聞かせください。  まず、海外の経験を積んだファンドが日本の金融機関と組んで事業性融資の貸し手となった場合に、裁判所及び管財人は、担保権を実行しようとする実行手続全体を通して貸し手の申立ての適正や実行のリスクをどう判断するのかということ。二点目は、担保権の行使が適切でないと判断した場合、適正な事業譲渡先などの代替手段を管財人や裁判所は見付けられるのかということ。三点目、一旦事業譲渡が認められた後も切り売りなどをされることがなく事業を一体として運営させるという、そういったモニタリングはできるのかということ。この三点、併せてお聞かせください。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 順番に答えさせていただきたいと思います。  最初に、担保実行、担保権実行の申立ての適正さなどについてでありますが、事業の継続、それから再生可能性があるにもかかわらず早期に担保権が実行されるというリスクに関するお尋ねであると思います。  実行手続に相応の費用が掛かることに鑑みますと、経営改善支援など他の手段による事業の継続、再生が見込まれる場合には、実行手続の申立てを行わず、再生等を通じた事業価値の向上を図る方が融資の弁済可能性が高まると考えられるために、基本的に、こうした機会を放棄して極めて早期に実行手続の申立てを行うことは、経済的な観点からは想定されないものと考えております。  その上で、担保権実行の申立てについては、債権者の債務不履行の証明などに基づき、裁判所が実行の開始、手続を開始決定をするほか、実行手続開始後であっても、裁判所の許可等を要件として、被担保債権全額の弁済がされれば実行手続を終了することが可能な規定を設けておりまして、全体として適正性の確保を図っているところであります。  二つ目の御質問は、適切な事業譲渡先の選定についてでありますが、今般の法案において、善管注意義務を負う管財人が、最大限の努力を尽くして、雇用継続と全体としての事業譲渡に向け、事案の性質に応じた適切なスポンサーを探索する仕組みとなっております。その上で、さらに、譲渡先の選定の公平性等を確保するため、管財人が事業譲渡をするには裁判所の許可を必要としておりまして、仮に管財人が選定した譲渡先が不適当であると裁判所が判断した場合には事業譲渡の許可をしないこととなり、その場合には、管財人が再度適切な譲渡先を探索することとなります。  三番目の事業譲渡後の運営については、管財人や裁判所が譲渡先における事業を監督する権限は盛り込んでおりませんが、先ほども述べましたとおり、裁判所の監督に服する管財人が労働条件等も含めた譲渡に係る契約条件全体を考慮した上で適切な譲渡先を選定することになりますので、事業譲渡がなされた後も譲渡先において適切に事業の運営がなされるものと考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 丁寧な御答弁、ありがとうございました。  リスクをいろいろ想定して聞いたんですけれども、そういった形で裁判所と管財人でチェックが及ぶということを想定されているということですので、そこのチェック機能をしっかりと監督していっていただきたいというふうに思います。  次に、日本、長期間にわたり低金利政策を続けてきたために、資金調達が日本では容易でした。その結果、外国の資本が日本の株を多く所有することになり、株価が過去最高値を記録しました。このように、日本企業に投資した外国の投資家は、多額の円資産を現在保有しています。しかし、円安なのでドルへの換金はなかなか難しく、円の行き場を探しているような市場の状況があるかと思います。  そんな中、先日可決された金商法の改正により、そういった事業の企画だけを担う資産運用会社の設立というものが日本で容易になりました。さらに、今後は金融・資産運用特区をつくり、海外の金融機関を誘致する計画が既に発表されています。これにより海外の投資家は、日本で資金を集め、ファンドなどを設立して、今回の事業性融資のスキームも活用できるということになります。  一方、日本企業は、コロナ禍のダメージで多くの企業が融資を受けています。景気が回復しないまま今後金利が上がると、返済が困難になる企業が増えていきます。国内の金融機関も決して状態がいいとは言えません。このような状況でいきなり資金力や経験値のある海外金融機関と同じ市場に入れていくということは、弱った羊の群れにオオカミを入れて競争させるようなものになるんじゃないかというふうに感じてしまいます。  順番として、日本企業や金融機関にもう少し体力を付けさせて、一定の制限、囲いの中で経験値を積んでもらってから競争させないと、資産運用立国にするつもりが、資産運用亡国になってしまうのじゃないかという懸念を持ちます。事業性融資という新しい制度を入れることに反対するつもりは全くありませんが、自由競争はもう少し段階を踏んで行うべきではないかというふうに考えています。この点について大臣のお考えをお聞かせください。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 先日の委員会でも答弁を申し上げましたが、今般の法案において創設いたします企業価値担保権制度の貸し手の範囲につきましては、昨年の二月の金融審議会の報告書の提言や、債権者間の公平性等を確保する観点を踏まえまして、債権者の範囲に制限を設けず、したがって外資の金融機関も活用できる制度としております。    〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕  他方で、例えば国内の地域金融機関は、地域経済動向の把握や地域企業と密接な関係性などの面で外資の金融機関にはない強みもあると考えられることから、こうした強みを生かして顧客の資金調達ニーズに応じた資金供給が図られることが地域金融機関に期待される役割と考えております。  このため、金融庁としては、二〇一九年に監督指針改正を行い、人事ローテーションの確保を求めないことといたしました。これによって金融機関において融資担当者が長く同じ顧客を担当する中で、その顧客の事業の理解を深めるような取組を行うことを可能とし、また、地域金融機関を念頭に業種別支援の着眼点を二〇二三年より公表し、その研修を継続的に実施をしているところであります。  こうした取組などを通じましてノウハウの取得、蓄積を後押しすることによりまして、地域金融機関がその役割を果たせるよう支援をしてまいりたいと、そのように思っております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  今の大臣の答弁は結構範囲を絞ってのお答えだったんですけど、私が懸念していますのは、この一連の金融の制度改正とかによって外資が入りやすい状況ができているという全体のことを聞いたんですけれども、また今度、機会を改めて聞きます。  今回、次の質問ですけど、今回の法案が通って事業性融資の運用がスタートした後に、一定期間たちましたら制度の検証と見直しというものを行われると思います。そのときに、どういった状態になっていれば今回の制度は成功で、どういった状態だと問題があるというふうに考えておられるのか、今後の制度運用の目標についてお聞かせいただきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の法案により創設する企業価値担保権、これは、事業性融資を行う際の新たな選択肢として、事業性融資をこれまで以上に推進していくためのエンジンとなり得るものと考えております。  具体的には、企業価値担保権の活用等により有形資産に乏しい事業者の資金調達の円滑化が図られることや金融機関によるタイムリーな経営改善支援が行われることなどを通じて、事業者の継続的な成長が実現し、国民経済の発展に寄与していくことを目標に制度を運用してまいりたいと思ってございます。  どういった状態が成功した状態であるかということにつきましては、まさに今申し上げたことが実現されるということが成功した事例であると考えているところでございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 お答えありがとうございます。  またその見直しのときのタイミングで、今大臣の設定された目標どおりになっているか、またチェックできればと思います。  私、今年で四十七歳なんですけど、子供の頃は日本社会、経済も元気で、何かあしたは今日より明るくなるというふうな、そういう希望があったように思います。しかし、バブル崩壊後の失われた三十年というのも見てきまして、私の父の会社も、小さい会社だったんですけど、倒産しまして、担保に入れていた会社も実家も全て担保権の実行で失いました。政治家になってから、バブルですか、その後の不良債権の処理の実態というものを後で学ぶと、やっぱり日本人としては非常に胸が痛むようなことがたくさんあったんだなということを感じています。  そうした経験から、今後、またバブルの崩壊後の不良債権処理のときと同じように、日本の資産が安く買われてしまわないかということに非常に個人的に懸念を持っているんですね。あのときもハゲタカファンドというのが日本にやってきて、日本国内で資金を調達して日本の資産を買ったわけです。非常に悔しい事態だったと思います。以前の質問で、長銀の処理失敗じゃなかったですかと聞いたとき、失敗とは考えておられないということでしたので、ああいうことは起きないように本当にしてもらいたいと思います。  財政金融委員会で、二年ほどここで審議させてもらっているんですけど、私が心掛けているのは、何年かたった後、二、三十年たったときに子供たちの世代が、何でこんな制度つくったのと、何でこんな法案を作ったのというふうに責任追及をされないような、そういった制度運営をしていただきたいと思います。子供たちが今日よりもあしたの方が明るいというふうに感じられるような経済の状況、制度運営、しっかりとやっていただきたいということをお願いしまして、質問を終わります。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。  本法律案によって創設することとされている企業価値担保権、この担保目的財産を企業の総財産として、総財産には労働契約も含まれております。従来の担保権と比べて担保権者等が強大な影響力を持つおそれがあるということで、借り手企業による債務の弁済が滞り、企業価値担保権が実行され、その局面のみならず、平時においても労働者の雇用、また労働条件に影響を及ぼす懸念が残されたままの今の状態だというふうに思っております。企業価値担保権の創設に当たり、企業の価値を支える労働者の保護を確実に図るための対策が不可欠であるということをまず初めにお伝えさせていただきまして、質問に入らせていただきたいと思います。  まず、大臣に、済みません、お伺いしていきたいと思いますが、企業価値担保権、金融審議会等における検討段階から適切な労働者保護が図られるかどうかという点が重要な論点になってきました。金融審議会において、事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に関するワーキング・グループ、この報告書においても、労働者保護に関して多くの紙面が割かれておりました。また、既存の担保制度に比べ、労働者保護をより強く図るものであるという、審議会の中でもうたわれております。  労働者保護の視点、観点、この法案にどう反映されているのか、そして、様々な懸念の声、どう受け止めていらっしゃるのか、担当大臣の方からお伺いできればと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の法案で導入をする企業価値担保権については、金融審議会において、企業価値担保権が実行されると全財産が担保権者への弁済に充当され、労働債権等が一切支払われないのではないか、実行の過程で雇用や労働条件の切下げが行われるのではないかといった懸念が示され、これらの懸念について議論がされた上で、昨年の報告書をいただいたところであります。  従来の担保権では労働債権等に対する特段の配慮は設けられていないものに対しまして、今般の法案では、この報告書を踏まえまして、実行手続において労働債権を共益債権として優先的に弁済するための仕組み、債務者の事業の継続等のために弁済する必要がある労働債権を含む債権については管財人の申立てにより裁判所が弁済を許可することができる仕組み、裁判所が選任した管財人が労働者を含む利害関係者全員に対して善管注意義務を負った上で、事業を解体せず雇用を維持しつつ承継するという原則を踏まえつつ、適切な事業の譲渡先を探すことなどを盛り込んでおり、既存の担保制度に比べまして労働者保護をより強く図る制度としているところであります。  その上で、実際の法案に盛り込んだこれらの労働者保護の規定の運用が適切に図られますように、制度趣旨などを明確にするガイドライン等を公表し、関係者に周知してまいりたいと考えております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 今もお話ありましたその実行手続開始決定前における労働組合等の協議について少しお伺いできればと思いますが、企業価値担保権の実行手続開始決定前における労働組合等との協議について、衆参両院においての議論においても様々取り上げられておりますが、実際の実務がどうなるかは明らかでないという印象を受けております。  企業価値担保権、この特性を踏まえて、実行手続開始前における労働組合等との協議を何らかの形で義務付けるということが必要なんじゃないかなと思いますが、今後も積極的に検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 企業価値担保権の実行手続の開始決定前に使用者に対して労働組合等との協議を義務付けることにつきましては、企業価値担保権の実行手続は、債務者の債務不履行を前提として実行の申立てがあれば直ちに開始されるものであり、抵当権など他の担保制度や法定の倒産手続においても労働組合等との協議は義務付けられていないことから、今般の法案においては手続開始前に労働組合等との協議を義務付けることはしておりません。  もっとも、担保権実行後も事業の継続を目指すという企業価値担保権の性質を踏まえますと、担保権の実行手続について労働者側に対し丁寧に理解を求めていくことは重要と考えています。  そのため、今般の法案においては、裁判所が申立てを受理し、実行手続の開始決定をする際には、労働組合等に通知を行うほか、管財人が開始決定後遅滞なく労働組合等に対して必要な情報を提供する、裁判所が事業譲渡の許可を行うに当たっては労働組合等の意見を聴取するといった制度的な手当てを行っております。  このように、本法案においては、実行手続開始後において、労働組合等に対し適切な情報提供や意見表明の機会を提供する措置を盛り込んでいるところです。  その上で、御指摘の実行手続開始前における使用者と労働組合等との協議の在り方については、国会における御議論、本制度施行後の実務の状況、他の担保法制や倒産法制等の制度の動向、そして幅広い関係者の御意見等を踏まえ、実務面を含めて実行手続開始前のこの課題について慎重に検討する必要があるのではないかと、そのように考えております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 労働者の理解、協力なくして企業価値担保権の実行はあり得ないというふうに思っていますし、事業の将来性も揺るがされるものというふうに考えます。企業価値担保権、その設定時のときの重要な利害関係者の労働者への周知、理解というのも必要だというふうにお伝えしておきたいというふうに思います。  本法律案で企業価値担保権の実行手続における労働組合等について、債務者である企業において従業員の過半数の組織する労働組合がない場合、従業者の過半数を代表とする者とすることとされていますが、その具体的な選出方法、こちらに実は明示されておりません。現行の倒産法等においての労働組合等の手続関与の仕組み、これは設けられておりますが、労働組合がない職場について、実務上は意見聴取がされないままに手続が進められる事案もあるというふうに伺っております。  中小企業には労働組合ないケースも往々にあります。企業価値担保権、これが実行される場合、労働者保護のための対応、確実になされる必要があると考えますが、この点いかがでしょうか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 昨年二月の金融審議会の報告書におきましては、手続の負担や法定の倒産手続、抵当権や企業担保権など他の類似制度や実務の蓄積とバランスに留意する必要があるとの提言をいただいたところでございます。  こうした提言を踏まえまして、今般の法案では、企業価値担保権の実行手続において、会社更生法や破産法と同様、労働組合等について、債務者である企業において従業者の過半数で組織する労働組合がないときは従業者の過半数を代表する者とすることとし、その具体的な選出方法までは明示していないものの、その対応においては会社更生手続や破産手続における実務が参考とされるものと考えてございます。  なお、御指摘のように、更生手続等の倒産実務上、労働組合等が存在しない事案におきまして、必ずしもその労働組合等からの意見聴取を行っていない場合があるものの、個別事案において必要の多い従業員から意見聴取を行うことがあるものと承知してございます。  御指摘の従業者の過半数を代表する者の具体的な選出方法を含めた労働者保護の在り方については、本制度施行後の実務の状況、倒産法制その他類似制度全体の動向、幅広い関係者の御意見等を踏まえまして、実務面を含めて検討する必要があるというふうに考えてございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 最後の質問にさせていただきます。  担保目的財産について、本法律案の条文において会社の総財産とされるにとどまっており、その定義、範囲が定められていないというふうに認識をしております。  労働者が持つスキルや知識もこの総財産、総資産として担保の対象となるというふうにこれまでの議論の中からも理解できる範囲ではございますが、特許法三十五条によると、職務発明の場合、契約や就業規則などで権利の帰属を定めていない場合、原則として発明者である労働者に帰属することというふうになります。  総資産増加させるという観点から、契約や就業規則を改定して権利の帰属を変えることを求める伴走支援もあり得ると考えますが、雇用、労働に関する不利益変更、こちらについて金融庁としてどう考えているか、教えてください。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 御指摘の職務発明に関する特許権の帰属先に係る就業規則等の内容は、顧客企業の経営に関する事項というふうに考えてございます。  この点、金融機関は、顧客企業に対して伴走支援を行う際に、経営目標の実現や課題解決に向けた顧客企業の主体的な取組について、その自助努力を最大限支援していくことが求められる旨が監督指針に明記されてございます。  また、伴走支援は金融機関と顧客企業の緊密な協力関係が重要であるため、金融機関が顧客企業の意向を踏まえず雇用、労働に関する不利益変更を強要するなど、顧客企業の経営に対して過剰に介入することは基本的には想定されていないものというふうに考えてございます。  その上で、企業価値担保権が設定されている場合に限らず、金融機関が取引上の優越的地位を不当に利用して、取引の条件又は実施について不利益を与える行為については、銀行法令等において禁止されてございます。  金融庁といたしましては、企業価値担保権を活用する金融機関が、こうした法令等を遵守しつつ、制度趣旨を踏まえまして、事業者との緊密なコミュニケーションを通じて事業者の状況に応じた伴走支援を適切に行っていくことが重要と考えてございまして、制度の施行後は、こうした観点から適切にモニタリングをしてまいりたいというふうに考えてございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  労使で策定した契約、また就業規則が改定、それを求めるようなことは行き過ぎだというふうに私も考えておりますので、その点、監督指針等で是非まとめていただければというふうに思います。  ありがとうございました。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。  私は、会派を代表して、本法律案について、反対の立場から討論いたします。  本法案の目的とする事業性融資の促進、不動産担保や経営者保証によらず、中小企業やスタートアップ企業に対する資金供給を促進することは必要との認識であり、反対するものではありません。  しかし、事業の実態や将来性に着目した融資を促進することと新たに企業価値担保権を創設することは本来別の問題であり、この企業価値担保権は、運用面での課題のほか、労働者保護の視点での問題、懸念が払拭できず、賛成できません。事業性に着目した融資自体は、企業価値担保権がなくても、各金融機関の目利き能力次第で現状でも実施が可能なものであると考えます。  問題は、その事業性融資を促進するためとして、労働契約上の地位も含めた総資産を担保とする制度を創設することで、それが実際に設定、実行された場合、担保権者による伴走型支援と称する経営への介入、労働条件の不利益変更や解雇などが行われるリスクがあることです。そうした懸念は、質疑においても十分に納得できる答弁が示されたとは言えませんでした。  企業における最も重要なステークホルダーである労働者、労働組合の手続関与、すなわち担保権設定時や実行時の通知や協議などは制度的に担保されていません。政府がこれまでにない担保権である企業価値担保権を創設するならば、労働者の保護、労働法的課題を整理した上で慎重に制度設計するべきとの参考人の指摘を重く受け止めるべきです。  労働法制、倒産法制や事業譲渡法制での課題も浮き彫りとなっており、それらの法制における労働者保護の視点での検討、法整備をこの企業価値担保権の創設と同時に進めるべきであったと申し上げ、私の反対討論といたします。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  私は、事業性融資の推進等に関する法律案に対して反対討論を行います。  本法案による企業価値を基準とする事業性融資の推進は重要であり、不動産担保、経営者保証に依存するあしき融資慣行の是正は急務です。  しかし、本案には以下の理由で懸念を抱かざるを得ません。  第一に、創設される企業価値担保権は労働契約を含む企業の総資産を担保とするにもかかわらず、担保設定時の労働者への個別通知などに関する規定がないなど、労働者保護が不十分だからです。情報開示と説明責任を果たすことこそ信頼関係の前提であり、新たな担保が労使関係を悪化させることになりかねません。  また、企業価値担保権で促進される事業性融資は、銀行など貸し手による経営の伴走支援を促すものです。しかし、事業再生においては、貸し手による人事の合理化政策への強い関与が想定され、貸し手の使用者性の判断では従来より踏み込んだ運用が求められます。にもかかわらず、金融庁は関連する判例を周知するとしているだけであり、法令上の手当てがないことは問題です。  第二に、企業価値担保権の貸し手に限定がなく、投資ファンドや債権回収が本業のサービサーも可能となることで、担保権濫用の懸念があるからです。事業性融資は伴走支援を促すものですが、優位な立場にある貸し手が企業の将来性を厳しく評価し、廃業やリストラを進めることが可能となることも問題です。  以上の理由から本案に反対し、討論といたします。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  事業性融資の推進等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、熊谷君から発言を求められておりますので、これを許します。熊谷裕人君。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 私は、ただいま可決されました事業性融資の推進等に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員大野泰正委員、神谷宗幣委員及び堂込麻紀子委員の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  それでは、案文を朗読させていただきます。     事業性融資の推進等に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。  一 企業価値担保権の設定は、企業価値担保権者や特定被担保債権者が債務者とその使用人との間の労働契約の締結・変更等に影響を及ぼす目的で行ってはならないことを監督指針等において明確にすること。また、企業価値担保権の担保目的財産となる会社の総財産の定義やその範囲を画定するための考え方、伴走型支援に当たって優越的地位の濫用防止の観点から企業価値担保権者等が考慮すべき事項、制度運用における留意点等を監督指針等において明確にするとともに、広く周知・広報を行うこと。  二 担保目的財産の換価の方法に関し裁判所の適切な判断に資するよう考え方を示すとともに、担保目的財産の換価に当たって、事業の継続と成長発展を支えるとの本法の目的に沿って、管財人は、事業譲渡の金額の多寡のみではなく、雇用の維持及び取引関係の維持、その他多様な事情を考慮した上で、承継先を決定することをガイドラインに明記し、広く周知・広報を行うこと。  三 一般債権者の保護をより強く図る目的で設けられる不特定被担保債権留保額の算定方法を政令で定めるに当たっては、具体的な算定根拠を明らかにしつつ、労働債権が労働者の生活の保持に不可欠であることに特段の配慮を行うこと。  四 企業価値担保権の活用における労働者保護のさらなる強化を図るため、担保権の設定時及び実行前後における労働組合等への通知、協議のあり方について、速やかに検討を開始すること。  五 「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」については、政府において、専門的な検討の場を設け、新たな企業価値担保権の創設を踏まえて必要な見直し等を行うこと。加えて、合併・事業譲渡をはじめ企業組織の再編に伴う労働者保護に関する諸問題については、その実態把握を行うとともに、速やかに検討を進め、結論を得た後、必要に応じて立法上の措置を講ずること。  六 企業価値担保権者や特定被担保債権者が、実態として、債務者の使用人の労働条件等の決定及び変更等に関与している場合は労働組合法上の使用者に該当し得ることをガイドラインで明らかにし、金融機関等に周知徹底を図ること。また、本法と労働関係法令との関係についての考え方を整理した上で、広く周知・広報を行うこと。  七 本法に基づく制度の運用に当たっては、基本理念も踏まえ、企業価値担保権信託会社や金融機関等に対するモニタリングの充実を図ること。その際、地域金融機関等のモニタリングを主に担当する財務局も含め、優秀な人材の確保と職員の専門性の向上を図るとともに、必要な定員の確保及び機構の整備に努めること。  八 企業価値担保権という新たな制度を活用した融資スキームが可能となることに鑑み、本法施行後から五年を経過するまでの間、融資状況等について継続的にモニタリングを行い、制度の利用状況の推移や利用時の課題等について公表すること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) ただいま熊谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 全会一致と認めます。よって、熊谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、鈴木内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。鈴木内閣府特命担当大臣。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして配意してまいりたいと存じます。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。  本日はこれにて散会をいたします。    午後二時四十七分散会

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