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213回国会参議院2024/06/04

財政金融委員会 第16号

発言数
141
登壇者
18
会派数
8
開催日
2024/06/04

会議録

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会をいたします。  委員の異動について御報告をいたします。  昨日までに、浅田均君及び松山政司君が委員を辞任され、その補欠として藤巻健史君及び堀井巌君が選任されました。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  事業性融資の推進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁企画市場局長井藤英樹君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  事業性融資の推進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 事業性融資の推進等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 おはようございます。自民党の西田昌司でございます。  事業性融資推進等に関する法律案への質問ということで、まず、今回のこの法律は、今までのように不動産担保や経営者の個人保証等によらず、事業の実態や将来性に着目した融資をするということは非常に意義のあることだと思っております。しかし、問題は、その将来性も含む企業価値を担保にするということは、言うはやすく行うは難しというふうに思います。そもそも企業価値を金銭的に評価をどうやってするのか。  特に、この法律ができた背景には、アメリカの銀行を見て、ニューヨークのウォール街の銀行ではなくて各州のいわゆる地方銀行ですよね、そこがこういう形の融資をしているというところに知見を得て作られたと聞いていますが、そう考えると、日本でも、いわゆる地方銀行ですよね、地方銀行がそういうことをやるということを前提にしているわけですから、地銀さんにそういう評価をする能力があるのかということも含め、どういうふうに考えておられるのか、まず金融庁にお伺いします。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  企業価値の評価は、将来キャッシュフローの見通しを基礎といたしましてその割引現在価値を推計する方法など様々なバリエーションが考え得るところ、具体的な方法は各金融機関の創意工夫、経営判断によって定められるものと考えられます。  他方、先生御指摘のとおり、これを適切に活用するためには金融機関において事業全体の価値を的確に評価できる必要があるところ、特に地域金融機関におきましては、限られた人員で業務運営を行う中、知見、ノウハウの蓄積に難しさを感じるといった声があるというふうに承知してございます。  したがいまして、金融庁といたしましては、融資先の経営改善を支援する際の着眼点を支援対象となる業種ごとに整理した業種別支援の着眼点の公表、研修の実施、金融機関に対する専門的な知見の提供などを行う支援機関の活用の促進などを通じて、企業価値担保権の適切な活用に向けて金融機関の人材育成等に向けた取組を後押ししてまいりたいというふうに考えてございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 そういう評価をするような、助言するようなところにも知見を得てやっていこうと、その人材を育成していこうということなんですけれども、そうすると、この制度を機能させていくためには企業価値の評価をする、このことが最大のポイントで、そのためには様々な調査や手間、いわゆるノウハウですよね、これが必要だと思うんです。  そこで、この制度を使うために銀行が例えば新たなそういう専門的な調査をしなきゃならないとか、例えば自分の銀行が外部に依頼して、若しくは別会社をつくって調査をさすとか、そういうふうに別途調査を債務者に請求させるということもあり得るんじゃないかと思うんですね。つまり、単なる利息を取るだけじゃなくて、この融資をするために企業価値の、担保価値の調査をする、そういう調査費用を別途要求するということもあり得るんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 先生おっしゃるとおり、企業価値担保権を適切に活用するためには企業価値を適切に評価することが重要でありまして、そのためには調査費用など一定のコストが生じ得るというふうに考えてございます。  一方、企業価値担保権を活用した場合には、有形資産に乏しい事業者の資金調達の円滑化が図られること、また金融機関によるタイムリーな経営改善支援を受けられることなどを通じて、事業の継続や成長などにつながるといったメリットがあるということも考えてございます。  したがいまして、企業価値担保権の活用に係るコストの負担の在り方ですけれども、一般的にはコストを考慮した金利が設定されていくんだろうというふうに考えられますが、こうしたメリットも踏まえながら、事業者と金融機関との話合いの中で適切に定められていくというふうに考えてございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今、局長の方からは、その調査費用も含めた、プラスオンした利息等が考えられるということもおっしゃいましたけれども、それは調査費用ですよ。そうじゃなくて、プラスね、リスクですね。要するに、取るものがないんですから、不動産とか個人保証ないわけですから、倒れてしまったらそれまでよになっちゃうわけですね。  ですから、そういうリスクがあるということを考えると、基本的に、不動産担保リスクよりも高いですから、不動産担保の利息よりも高い利息になると。普通の通常の不動産担保の利息よりもどれぐらいの高い超過利息を金融庁は予想しているのかということを教えてください。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  この企業価値担保権を活用する場合には、金融機関が、御指摘ございましたように、適切な評価を行い、事業者の実態把握ですとか経営改善支援を行うことに伴うモニタリングコストが発生しまして、事業者にも一定の金利負担が生じるというふうに考えてございます。  他方、融資における具体的な金利水準は、一般に市場金利や信用リスク、業務に関連する諸経費など様々な要因を勘案して事業者と金融機関の話合いを通じて定められていくものというふうに承知してございまして、実際にどの程度の金利水準となるかは一概に申し上げることは困難でございます。  余り高過ぎても、これは借り手が出てこないということにもなりますでしょうし、法施行後に、企業価値担保権の活用が進む中で金利水準も含む融資慣行が確立していくんだろうというふうに考えてございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 いわゆる、実際にやって、市場がそれを調整していくだろうと、そういうことだと思うんですね。  それは、確かにやってみたらそういうことなんでしょうけど、私がちょっと気にしていますのは、例えば、悪意の利用者がですよ、悪意のある利用者が不動産担保や経営者保証がないということを利用して借入れをすると。そして、初めから返すつもりないわけですよ、ないんですけれども、そういうことを利用して借入れすると。その場合は、返さないんですから、銀行は多大な損害を受けますよね。そういうリスクがどれだけあるか分かりませんけれども、そういうことがあれば、逆にそのリスクを評価すれば超過利息は高額になるし、利用は進まないということになるんですね。また、調査料金を別途徴収するというビジネスモデルをする銀行も増える可能性があると思うんですね。  それで、何でこういうことを言うかというと、かつて、商業手形の割引と称した中小企業向けの融資や、いわゆる商工ローンですね、これが多数存在しました。これは、高い利息や厳しい取立てが社会問題となって、多くの事業者は廃業若しくは金融機関の子会社になったりもしています。  これらの業者が大きく業績を上げた背景には、当時の銀行の貸し渋りがあったわけですよ。その間隙を縫ったいわゆる隙間産業としてこういう商工ローンは非常に繁栄したんです。銀行に比べて安易な融資と、しかし高い利息と厳しい取立て、これがビジネスモデルとなって貸金業者は大繁盛しました。  しかし、厳しい取立てが社会問題化して規制を強化して、結果的にかつての商工ローンビジネスは失敗するわけですけれども、こうした失敗をどのように認識しておられるのか。今回の新しいこの融資の仕方も、こういう悪意のある業者や借り手側によってそういうことがあるということも想像していかないと、間違った運用で金融庁の思うような形にいかないと思うんですよね。この辺のところをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 商工ローンにつきましては、先生御指摘のとおり、高金利ですとか過酷な取立てなどが社会問題化して、これを契機に平成十一年に貸金業規制法等の改正が行われまして、上限金利の引下げや取立て行為規制の強化などが行われたものと認識してございます。  他方、今般の法案により創設いたします企業価値担保権は、原則として金融機関と事業者との間の深度のあるコミュニケーション等に基づく信頼関係をベースにするというふうに考えてございまして、金融機関が融資時及びその後においても事業者の実態等を的確に把握した上でタイムリーな経営改善支援を行いつつ、事業者がこうした経営改善支援を受けつつ自らの事業を成長、発展させることを目的としてございます。  先生御指摘のような、金融機関が過度に高い金利や調査料金を徴収する、あるいは悪意の利用者が返済能力を超過する借入れを引き出し、金融機関に損害を与えるといったようなケースは、基本的にそんなにあるというふうには想定されておりませんで、あくまでも例外的なケースだろうというふうには思ってございます。ただ、もちろん例外的なケースであり得るということはしっかり念頭に置かないといけないというふうに考えていますので、金融庁といたしましては、そうした例外的な融資実態が見られる場合には金融機関において適切な対応が取れるよう、しっかりモニタリングをしてまいりたいというふうに考えてございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 そういうことをやっぱり想定、どこかでしていてほしいんですよ。というのは、ビジネスモデルというのをつくって商売するんですよ。だって、あのかつてのスルガ銀行の問題、要するに、ああいう貸付けの仕方をビジネスモデルとしてやっちゃっているわけですね。だから、やっぱりここは、新しい制度をつくるときにはそういうことも警戒して、この制度自体、私は賛成ですけれども、特にお願いしたい。  そこで、この制度ができてきた背景にあるのは、要するに、この三十年間、企業が投資をしなかった、貯蓄超過だったというのが一番大きな問題だと思っています。  そこで、これ財務省にちょっとお聞きしますが、バブル後、民間企業は貯蓄超過が三十年にわたり続いていると。過去、異次元の金融緩和などを続けてきたが、民間企業の借入れは増えなかったんですよ。このときすべきなのは内需拡大、財政出動による積極投資であったと私は思っておりますし、訴えてきました。しかし、現実には、財政再建ということを盾にして、十分されていなかったと。  しかし、そういう一方で、国債の償還は借換債で、事実上財政負担がないと。さらに、利払いも、半分以上は日銀が国債持っていますから、国庫納付金で、日銀に渡った分は最終的には国家に返納されると。この事実を既に財務大臣も財務省も認めているんですよね。しかし、そうはいうものの、将来どうなるか分からないと、今はいいけど、これから市場がどうなるか分からないということで、こういう答弁を繰り返しておられまして、特にこれから利上げが始まると、とすると、更になおさら国債の利払い費が増え、財政を圧迫すると財務省は喧伝をしているわけです。  しかし、ここからが問題なんですけれど、政府には千二百兆を超える国債がありますが、同時に、政府には五百三十四兆円に上る金融資産があると聞いております。二〇二二年度ではその利息等は年間三兆円、国に入ってきているわけですね。そうすると、国債利払い費は二〇二二年度で七・三兆円だと聞いていますが、ネットの政府の利払い費は四・三兆円にすぎないわけですよ。このネットの利払い費、実質政府が払っている利払い費は、これGDPに比べて、ですから五百六十兆ぐらいのGDPで四・三兆ということは、もう極めて、一%もはるかに少ない、六%か七%ぐらいの話ですよね。  それを考えると、これはOECDで実はこのネットの利払いも報告されているんです。G7各国のGDPのネットに対する利払い費は、比率はどうなっているのか、教えてください。

吉野維一郎財務省主計局次長

○政府参考人(吉野維一郎君) お答え申し上げます。  OECDが本年五月に公表いたしました最新の経済見通しによりますと、G7諸国の令和四年、二〇二二年における一般政府のネットの利払い費の対GDP比は、日本が〇・二八%、カナダが三角、マイナス〇・三六%、ドイツが〇・四八%、フランスが一・八九%、米国が二・九八%、イタリアが四・〇一%、英国が四・〇二%となっておりまして、G7諸国の中で二番目に低い値となっております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 ということはですよ、今まで財務省は、日本の国債がGDPの二〇〇%を超えていますし、大変な借金大国で大変なんだと言っているけれども、現実には、先ほど言ったように、この利払いそのものが借換債なんですよね。財政負担ないんですよ。  問題は、いや、それでも利息はあるじゃないかという話になるんだけれども、利息も政府の持っている金融資産があるから、先進国の中で下から二番目のネットの利払い費の低さ。アメリカなんかは四%はるかに超えているわけですよ。圧倒的に日本政府の方がいわゆるこのネットの利払い費を考えても財政的な負担は少ないし、もっと言えば市場の信認というのはまさに日本の方が高いということじゃないんですか。

吉野維一郎財務省主計局次長

○政府参考人(吉野維一郎君) ネットの利払い費につきましてはそのとおりでございます。G7の中で二番目に低い値となっておりますけれども、ネットの利払い費がG7の中で小さいとはいえ、支払超過、赤字でございまして、例えば支払利子と受取利子が同じ割合だけ増加した場合には、純利払い費もその割合だけ増加いたしまして財政が悪化するものと認識する必要がございます。  とりわけ、これまで低金利で大量の国債を発行してきたことを踏まえますと、今後の金利上昇による純利払い費へのインパクトは大きくなることが想定されることから、財政の圧迫につながるおそれもあると考えております。  いずれにしましても、純利払い費が低く推移してきた中にあっても先進国最悪の水準まで財政が悪化してしまったことについて重く受け止める必要がございまして、引き続き、歳出歳入両面の改革を通じまして財政健全化を進めていくことが重要と考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 ちょっと今の意味がよく分からないんですよ。  要するに、国債利払い費が増えれば当然支払利息の額は増えますよ。しかし同時に、それは市場で決める金額でしょう、あなたが言うように。市場の変動によって受取利息の方も変わるんですよ、もちろん。一方的に支払利息ばっかり増えるなんてことはあり得ない。当然、支払利息が増えれば受取利息も増えるから、ネットの利払い費の差というのは結局そんな開いてこないんですよ。そうじゃないですか。

吉野維一郎財務省主計局次長

○政府参考人(吉野維一郎君) 先ほどの繰り返しにはなりますけれども、受取利子と支払利子の間に既に開きがございまして、ネットでは支払超過になっておりますので、その割合がだんだんと増加していったといたしましても純利払い費のその割合だけ増加いたしまして、いわゆる差額は大きくなっていくものと認識する必要がございますので、財政圧迫につながるものと考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 あなたの話、誰も、もう笑っていますよ、はっきり言いまして。要するに、ネットの利払い費、要するにこの差は、確かに支払利息も受取利息もそれぞれ増えてきますけれども、残高が千二百兆と五百三十兆だから、それは差が多少開きますよ。  しかし、問題は、国際的に比較してみて、GDPに対して圧倒的に少ないんですよ。〇・四か五かなんかいったのかな。アメリカなんかはその十倍ですよ。アメリカなんかは十倍。ここの方がよっぽどとんでもない利払い費を負担しているわけですよ。  アメリカと日本と比べてどちらが財政的に安定していると考えられるの、じゃ。

吉野維一郎財務省主計局次長

○政府参考人(吉野維一郎君) お答え申し上げます。  どちらが安定しているかということには一概にはお答えしかねますけれども、先生御指摘の金融資産、国の財務書類に基づきまして算出されたものと考えておりますけれども、例えば、先ほどの答弁とは違うアングルでお答えいたしますけれども、外為特会が保有する資産の大幅な、大半がですね、ごめんなさい、大半が外債であることも踏まえますと、一概に国債金利の上昇と連動して政府の受取利子が増加するということにもなりませんので、やはり我々としては保守的に財政健全化に努めていくべきではないかと考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 もう分かりました。あなた方の頭の中にあるのは、事実を見るんじゃなくて、財政は健全化させなきゃならない、国債残高減らさなきゃならない、利息はちょっとでも少なくならなきゃならないという、もう間違った教義で動いているザイム真理教そのものじゃないですか、それじゃ。  そうじゃなくて、もう一つ、じゃ、言いますよ。今これネットでは三兆円の受取利息あるから、七・三兆円の支払利息引いて四兆円程度だと言いましたけど、そこに、元々、さっき私が言った日銀から入る納付金があるんですよ。これは一・九兆円だ、二兆円ぐらいだって聞いていますよ。そうすると、ネットの財政負担って金利が二兆円足らずですよ、余りですよ。何を言っているんですか。これで財政危機だと言ったら世の中笑いますよ、本当に。こういう状況なんですよ、大臣。この事実を踏まえて、政府のネットの利払い費はG7に比べてもかなり低いと。利上げで財政負担が増えるということも事実上ないわけですよ。  ですから、今回のこの法律で内需を拡大して投資を増やそうというのはもちろん賛成なんだけれども、そもそも内需の拡大のためには、本法の成立はもちろんだけれども、積極的な財政出動が大事だと。にもかかわらず、利上げで、そのために財政が破綻するようなことを恐れて、財政出動の増加を恐れてきたことが失敗で、もうこれからはしっかりそういうことは心配ないんだから財政出動を増加させるべきだと思いますが、大臣の御所見をお伺いします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 冒頭、西田先生から、財務省は、当座はうまく回っていたとしても、将来はいろいろなリスクがあって心配だということを言っているというお話が、御指摘がございましたが、やはりいろいろなリスクにも備えていかなければならないんだと、こういうふうに思っております。したがいまして、私どもといたしましては、財政健全化というのは一つの大きな柱であると思います。  しかし他方で、歳出削減にこだわる余りに、真に必要な財政出動を怠ること、これも一方において適切ではないと考えております。令和六年度予算におきましても、防衛力整備の強化や子ども・子育て支援のほかに科学技術振興費などについても過去最高額の予算を措置しておりますが、今後とも必要な政策課題にはめり張りを付けながら、十分な対応を行ってまいりたいと思います。  岸田総理も、経済あっての財政だということを言っております。そのこともしっかり踏まえたいと思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 終わります。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 おはようございます。立憲民主・社民の勝部賢志でございます。  私も早速、事業性融資推進法案の質疑をさせていただきたいと思います。  多岐にわたる論点を含む法案ですが、時間的な制約もありますので、以下、常に不利、不安定な立場に追いやられかねない労働者側の観点から疑問点や不安点をお尋ねすることに絞ってお伺いをしていきたいというふうに思います。  通告をさせていただいていますけれども、一つ目は飛ばして、次の質問から伺ってまいりたいと思いますので、大臣、よろしくお願いいたします。  まず初めに、個別換価について伺います。  法案では、形式的には事業一体原則で、個別財産の換価はあくまでも例外と位置付けられているとのことですけれども、裁判所の許可を経るとはいえ、例外に該当するための要件については管財人が必要と認めた場合と規定されています。しかし、管財人は、事業価値の維持や換価代金の最大化など、事業譲渡を円滑に進める観点から必要性を判断していくことが職責として当然でありますので、法的な規制がなければ個別換価を認めるケースがむしろ多数を占めるのではないかという懸念があります。また、個別換価の前例が積み上がることで、個別換価が逆に一般的になってしまうということも考えられます。  そこで、伺いますけれども、金融審議会事業性融資ワーキング・グループの報告書では、個別財産の換価は、事業の譲渡が困難である場合における例外とすると明記されています。そのことから考えると、法文上もやむを得ない事由がある場合に限りとの要件を上乗せで課すべきではないかと考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の法律では、昨年二月の金融審議会の報告書を踏まえまして、換価の方法を定める第百五十七条におきまして、個別換価が例外であることを明確にするために、第一項では、事業を解体せず雇用を維持しつつ承継することを意図して、事業譲渡による換価を、これを原則とした上で、第二項において、前項の規定にかかわらずと規定をいたしまして、個別財産の換価は事業譲渡が困難である場合等における例外として管財人が必要があると認める場合に裁判所の許可を得て実施する旨が規定をされております。  このように、今般の法案でも、報告書の考え方は条文に適切に反映されていると、そのように考えておりまして、法文上、やむを得ない事由がある場合に限りといった追加の要件を課すことまでは必要ないものと考えております。  この例外的な個別換価を認めるかどうかについては、事業を解体せずに雇用を維持しつつ承継することを原則とするという制度趣旨に照らしまして、個別事案ごとに裁判所において適切に判断されることになると考えておりますが、こうした制度趣旨を踏まえた運用に関する考え方につきましては、法案成立後にガイドラインなどの形で明確化した上で公表することを検討したいと考えております。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 条文の書きぶりとして個別換価は例外と位置付けられているから心配がないんだというような言い方でしたけれども、私は要件の上乗せが必要だというふうに考えております。  加えて、ガイドラインでその趣旨の徹底を図るということなんですけれども、そうであれば、新法であるので、今後の実務が適正かつ円滑に進むよう万全を期す観点から、例えば管財人が裁判所の許可を得るに当たって、個別換価とせざるを得ない理由、あるいは労働組合との協議状況などの記載を義務付け、実質的にやむを得ない事由を明示させる、そういう方策を取るべきではないかと考えますけれども、大臣の見解を伺います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) いずれにしましても、その点につきましては、いわゆる実行手続の中で適切に事務が処理されていくものだというふうに考えてございますが、ガイドラインにおきましてどのようなことを盛り込むかという点につきましては、しっかりと施行までに考えてまいりたいというふうに考えてございます。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 ガイドラインの中でという考え方は分かりましたし、あわせて、今言ったように、手続上必要な提出書類なども是非それは検討していただきたいということを申し上げておきます。  次に、条文の趣旨について伺います。  法案では、管財人に個別換価の場合を含め利害関係人全体に公正な実行手続を実現する善管注意義務を課すとしています。労働者や労働組合側から見た場合、公正な実行手続が行われるために、労働法の規範が遵守されることが不可欠だと考えます。その意味からしますと、管財人の善管注意義務には、雇用権濫用あるいは整理解雇の法理、そして法人格否認の法理、また不当労働行為の禁止などを遵守するというような内容が含まれていると考えますけれども、そのような理解でよいのか、伺います。  加えて、個別換価においても裁判所の許可を要しない場合として、債務者の常務に属する任意売却をするときが掲げられていますが、法案第二十条で、債務者による使用、収益及び処分における通常の事業活動と同様に判断基準などを示すお考えがあるのか、また常務に属する範囲は誰が判断してどのように確定するのか、その点についても併せてお伺いをいたします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) この法案における企業価値担保権の実行手続の管財人は、労働者を含む利害関係人に対して善管注意義務を負っております。そして、使用者として労働法制の適用を受ける地位にあると考えられるために、先生が御指摘になられました解雇権濫用法理でありますとか整理解雇法理でありますとか法人格否認の法理、不当労働行為の禁止などの法令の遵守が当然求められるものと、そのように考えております。  そして、個別換価に関する債務者の常務に属する範囲の御質問でありますが、この法案では、実行手続における管財人による個別財産の換価の方法を定める第百五十七条第二項のただし書において、債務者、これは管財人でありますが、債務者の常務に属する任意売却をするときを想定しています。  この規定における常務については、倒産法制における常務の解釈や実務運用も参考にできることから、その判断基準を示す規定は設けておりませんけれども、ある行為が常務に該当するかどうかの判断、これは制度上、裁判所の監督に服する管財人が行うこととなりますが、制度開始後の実務において倒産法制の実務運用等も参考に適切に行われるものと、そのように考えております。  なお、本法案第二十条につきましては、担保権実行前の経営者の行為について定めるものでありますけれども、担保目的財産の使用、収益及び処分という債務者の行為について規定をし、その第二項において、債務者が担保権者の同意を得る必要がある行為の範囲について、定款で定められた目的及び取引上の社会通念に照らして通常の事業活動の範囲を超えるかどうかという判断基準を示しつつ、同項各号においてその例示も示しているところでございます。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 今、最初の方で答弁をいただいた、管財人が判断をするんだという答弁でしたけれども、そういうふうな規定でいくと、債務者の常務に属する任意売却というのが管財人の判断でできるようになり、それをある意味繰り返していけば結果的に財産の大半が換価されて、裁判所の許可要件がもうその時点で形骸化していくのではないかと、そういうことも考えられるわけで、そうしたことに対応するためにどのような対策を考えておられるのか、これも大臣にお伺いをしたいと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) この常務ですけれども、既に倒産法制の中で各法律におきましてこの常務という概念、条文上に規定されて用いられてございまして、そういった面では、常務というのは、もう実務上積み上げられた運用、慣行というか、実務の運用等が積み上がっているものというふうに考えてございます。こうした実務運用等も参考に適切に行われていくものだというふうに考えてございます。  もちろん、当庁といたしましては、これがどのように、担保権が実行されていった際に適正な運用がなされるかというのは極めて大事なことなので、制度施行後についてはしっかりその状況をモニタリングして、問題があるようでしたら適切な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 管財人が、そういう意味でいうと不適切な対応をしたときにはどういう対応になるんですか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) これは裁判所の監督に服すということでございますけれども、利害関係者に対しまして善管注意義務を負っているということでもございますし、最終的にはそうしたことで損害賠償請求の対象等にもなり得るものだというふうに考えてございます。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 前に参考人の質疑で、管財人は利害関係人に、まあ何というんですか、利益を損なうような対応をしたときには解任請求ができるんだという話がありました。けれども、実際に取引が成立してしまってから幾ら管財人を解任しても、結果的に大変大きな取り返しの付かないマイナスが生じるということが懸念されます。  ですから、こういう恣意的な労働者の選別を防止するための対策も十分に打たなければいけないというふうに思っておりますので、そういう意味で今の観点でも是非検討いただいて、ガイドラインなり、あるいはその常務に属する任意売却というものの例えば例示を含めて対応を考えていただきたいということを強く求めておきたいと思います。  次に、労働組合等への通知、事前協議について伺います。  本法案により新設される企業価値担保権は、企業の総財産を一体として担保目的財産とすることができるとされ、ワーキング・グループの報告書では、労働契約上の使用者の地位も含まれると整理されています。しかし、担保権の設定に係る手続は債務者である企業の関係における決定又は議決、決議によるものとされており、労働契約の当事者である労働者による手続関与が法的には保障されておりません。  労働者は、単に担保目的財産に含まれる労働契約の一方の当事者というだけではなくて、事業の維持発展を進めていく上では最も重要なステークホルダーだと考えます。ですから、企業価値担保権の活用やその後の事業活動への労働者の理解と協力を得るためには、使用者からの丁寧な事前説明あるいは誠実な労使協議というのが欠かせないと考えます。  衆議院の議論で、鈴木大臣の答弁では、ガイドラインで望ましい取組として周知を図るという答弁がなされました。ガイドラインによって周知を図るというのであれば、それにとどまることなく、労働者や労働組合等への事前の通知を、例えば努力義務としてでもいいので、下位法令にしっかりと規定すべきではないかと考えますけれども、大臣の見解を伺います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 御質問で、ちょっと実務に関わるところにつきましては参考人から答弁させまして、御理解いただきたいと思います。  今の御質問についてお答えいたしますが、昨年二月の金融審議会の報告書では、企業価値担保権の設定に係る使用者と労働者のコミュニケーションの在り方について、労働者から見ると、経営者から背景も含めて説明を受けた方が協力のインセンティブが強まるとの御指摘がある一方で、ルールベースで特定の事項の伝達等を義務付けてしまうと伝達の在り方が硬直的となってかえってコミュニケーションの質の低下につながるケースがあるとの指摘があることに触れた上で、企業の状況に応じたコミュニケーションが行われることが重要であることや、手続の負担や、抵当権や企業担保権など他の担保法制において労働組合や労働者への情報提供義務が制度化されていないこととのバランスに留意する必要があることなどがこの報告書で提言をされているところであります。  このような提言を踏まえますと、企業価値担保権の設定に当たり、使用者から労働組合等に対する事前通知は、下位法令を含め、制度上義務付けることにはなじまないと考えられます。  しかし一方で、金融審議会の報告書においては、企業価値担保権の理解促進に向けて、労働者との紛争防止の観点から、担保権の設定の際に労働組合への説明を行うことが望ましいことなどについて、政府において積極的な周知、広報を図ることとすることが考えられるとの提言もいただいております。  こうした提言を踏まえまして、企業価値担保権の設定時における労働者とのコミュニケーションの在り方など、制度趣旨を踏まえた運用に関する在り方についてガイドライン等の形で公表することを検討しているということであります。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 下位法令に規定するのはなじまないというお話がありましたけれども、今御答弁をいただいた趣旨からすれば、別にその法令に定めることに何か問題があるということは感じませんでした。ガイドラインで周知を図るということであれば、やっぱりそれよりより拘束力のある法律の下にそのことをしっかり規定すべきだということを申し上げておきたいと思います。  それで、その上で、今、ガイドラインを含めて、そういう周知徹底を図るというお話がございましたけれども、少なくとも、使用者からの通知、事前の通知がなされなければ、必要な事前の協議をする、そういう契機も失われてしまいますので、まずはそういう考え方を持っているということを労働組合に対して事前に通知をするということは非常に重要だと思いますし、当然ながらそれに基づいて協議を進めていくということも必要だと思っています。  言うまでもないことですけれども、労働者や労働組合の方々が知らない中で物事が進んでいくということは労使の信頼関係に大きく傷を付けることになりますので、是非、そういう意味で、事業が円滑に進むという観点からも、是非今の考え方について周知徹底を図る、法への規定も含めて御検討をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、倒産時における労働債権の優先順位の引上げについて伺います。  企業価値担保権を活用した場合も同様に懸念されることとして、倒産時において、労働債権には一般先取特権が認められてはいるものの、抵当権などよりも劣後しているため、現場では財産がほとんど残っておらず、労働債権が確保できないことが大きな課題となっています。  少し遡りますけれども、二〇〇三年に成立した担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律の参議院での附帯決議では、倒産時における労働債権と他の債権との調整について、労働者の生活の保持に労働債権の確保が不可欠であることを踏まえて検討し、所要の見直しを行うこととされています。それからもう既に二十年経過をしているわけですけれど、現在まで見直しに向けた検討が十分にはなされていないというふうに私は受け止めておりますが、法務省にお伺いをしますが、なぜそのような検討が進んでいないのか、お答えをいただきたいと思います。

松井信憲法務省大臣官房審議官

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  平成十五年七月に成立した担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律については、参議院法務委員会において御指摘のとおりの附帯決議がされているものと承知をしております。  このことも踏まえ、平成十六年五月に成立した破産法におきまして、倒産時における労働債権の保護の重要性に鑑み、その一部について優先順位を引き上げるという見直しを行いました。具体的には、一部の労働債権は財団債権として扱われ、破産債権に先立って弁済されることによりその保護が図られているところでございます。  企業の倒産時に労働債権が適切に保護されることは重要でございまして、引き続き状況を注視してまいりたいと考えております。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 今御答弁をいただきましたけれども、現状としては必ずしもそういう状況にないのではないかというふうに受け止めていて、更なる検討というか、更なるその労働者保護の法整備というものが必要だというふうに考えておりますが、その点はいかがですか。

松井信憲法務省大臣官房審議官

○政府参考人(松井信憲君) お答え申し上げます。  労働者保護の在り方につきましては、御指摘のような民法の制度の在り方のほかにも、例えば未払賃金の立替払ですとか様々な制度設計があろうかと存じております。そのような中で、引き続き状況を注視してまいりたいというふうに考えております。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 今回の事業性融資の法案の中で、先ほど申し上げたように換価の問題だとか事前の労働協議など、やっぱり働く方々、労働者をしっかり守るということが非常に重要だと思っていますので、この度、法制審の中でも譲渡担保権等のルール化の議論がされているというふうに思いますので、そこで、その議論の中で是非、今答弁のあった内容を含めて、労働債権の保護ルールの見直しあるいは強化について是非議論を進めてほしいということを申し上げておきたいと思います。  次に、事業再編時の労働者保護ルールの法制化について厚労省にお伺いをいたします。  参議院の質疑で、企業価値担保権の創設に伴う事業譲渡等指針の見直しは厚労省の労働政策審議会で行う旨の答弁がなされました。しかし、これまでの事業譲渡においても、労働契約の不承継や労働条件の不利益変更などの問題が頻発している状況にあります。しかしながら、必要な労働者保護ルールが整備されてこなかった、今ほど指摘をしたとおりでありまして、その現状をしっかりと直視しなければいけないと思っています。  企業価値担保権の、先ほど申し上げてきた換価だけではなく、事業譲渡全般に関して労働者保護ルールの法制化を進めるべきと考えますが、厚労省の見解を伺います。

増田嗣郎厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(増田嗣郎君) お答えを申し上げます。  事業再編時の労働者の保護は重要な課題であると認識をしております。厚生労働省といたしましては、この法案が成立した暁には、企業価値担保権の創設を踏まえ、労働政策審議会において、事業譲渡等の円滑な実施や労働者の保護に資するよう会社等が留意すべき事項を定めました事業譲渡等指針の改正に向けて検討を行ってまいりたいと考えております。  加えまして、事業再編に伴う労働者保護に関する諸問題につきましては、事業再編における労働者を取り巻く現状についての実態把握を行いながら、労働政策審議会におきまして検討を進めていきたいと考えているところでございます。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 近年、MアンドAの増加傾向が続いていることや、二〇一六年九月の事業譲渡等指針の適用から一定期間経過をしているということも踏まえると、今御答弁がありましたように、今後政労審で検討するということでありますので、先ほど来私が申し上げているこの事業価値担保権の事業性融資の法案が成立するこの機会に是非その労働者保護の法制化をしっかりと議論をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、労働協約承継、担保権者等の使用者性の課題について伺いたいと思います。  担保権者等の使用者性の課題については、さきの衆議院で鈴木大臣から監督指針等を改正して考え方を周知するとの答弁がなされましたが、労組法における使用者に該当する場合に課せられる義務についても網羅的かつ分かりやすく周知されなければ、団体交渉の拒否などの不当労働行為につながりかねないと考えています。  監督指針に盛り込む予定の内容についてはどのようにお考えなのか、この場で明らかにしていただきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 一般に、企業価値担保権を活用した融資を行う金融機関は、労働組合法上の使用者として経営に関与することを意図するものではないと考えられまして、昨年二月の金融審議会の報告書においては、企業価値担保権に関する正しい理解を促すため、担保権者や貸し手については、担保権を設定すること又は与信を提供することのみをもって労働組合法上の使用者に該当するとは言えないとする一方、言えない一方、基本的な労働条件等について、雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にある場合には使用者性を有する可能性がある旨を周知すること、これが提言をされているところであります。  この提言を踏まえまして、金融庁としては、法案成立後、担保権者や貸し手が労働組合法上の使用者性を有する場合等について関連する監督指針等を改正をして明記するとともに、厚生労働省等の関係省庁とも連携をして、労働法制が守られるかどうかについて懸念を持つ借り手側の事業者、従業員などへの周知、広報等に取り組んでまいります。  監督指針等の詳細な内容については今後検討していくことになりますが、先生御指摘の担保権者や貸し手が使用者性を有する場合に発生する労働組合法上の義務の周知の在り方についても、厚生労働省のホームページ等、既存の資料も参照にしながら、今後検討してまいりたいと考えているところです。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 使用者性を有する場合と有しない場合があるということでありますので、その点が働く者の側、労働者、労働組合側からすれば非常に曖昧なところで、そのことを主張してその労働協議が進まないというようなこともあり得るということが非常に心配されるところです。  ワーキング・グループの報告書においても、事業譲渡が行われた場合の労働協約承継の取扱いの方向性は明らかにはされておりません。問題提起にとどまっているというところであります。従前より、事業譲渡の際の労働協約の承継については、今ありましたように、問題になってきた経過がありますので、厚労省の事業譲渡等指針では労働組合等との協議の対象とされています。協議の対象となっているということで、しかし、譲渡前後における事業の実質的な同一性が高い場合は労働協約も当然に承継されるという学説ももちろんあります。  そういうことから考えると、労働協約、今の使用者性の帰趨については、政府において課題を整理して考え方を示す必要があるのではないか、先ほど申し上げたように曖昧な点を払拭することが必要だというふうに考えますけれども、大臣の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今回の法律案を作るに当たりまして、労働者の皆さんの立場というものもしっかりと考えた上で、金融審からの答申もございますので、それも最大限踏まえてこの法案作成をしたつもりであります。  従来のこの担保権に関わる分野に比べまして、今回の法案が決して労働者の皆さんの立場を損なうということは決してないと、そのように考えておりまして、むしろガイドラインなどを示すことによって曖昧な部分を明確化していくとか、そうした労働者の立場をむしろ守る、強化する、そういうようなことになっているものと私は考えているところであります。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 今御答弁の中でガイドライン等でというお話がありましたが、少なくとも労働契約承継法の内容にのっとった取扱いを行うよう、ガイドラインでもその考え方を示すべきだと考えますけれども、再度お伺いしますが、是非そのようにすべきだと思いますが、いかがですか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) ガイドラインの内容につきましては、これから多くの皆さんの意見も参考にしながら内容を詰めていきたいと思います。

勝部賢志立憲民主・社民

○勝部賢志君 申合せの時間が参りました。  冒頭申し上げたように、労働者、労働組合側からの質疑に今日は集中して取り組ませていただきましたけれども、常に弱い立場に置かれがちな働く人たちを守る意味でも、あらかじめ穴を塞いだ法制度にしていただきたいということを重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。

竹内真二公明党

○竹内真二君 公明党の竹内真二です。  本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。  私も、事業性融資推進法案について質問をさせていただきます。  本法案は、事業者の方々が不動産担保や経営者保証によらず、事業の実態や将来性に着目した事業性融資の推進に向けて、無形資産を含めた事業全体を担保とする企業価値担保権を創設するものであります。そのため、不動産や個人保証にできるだけ依存しない融資慣行を確立させていく力となる、また不動産を持たないスタートアップの資金調達を容易にする、さらには中小零細企業に活用されることで地域経済の活性化にもつながるといったことなど様々期待をされております。  融資の分野で新たな時代をもたらす可能性を持った制度であるという反面、本委員会での参考人質疑や本日の質疑を伺っていても、実際に活用されるのか、広がっていくのかという点では乗り越えなければならない課題というものも多いと感じております。  新たな担保制度ということもあって、制度や関連する事柄がなかなか難解ですので、理解が進み活用される制度にしていくために、以下、私からも質問させていただきます。  初めに、これまでの事業性融資の取組についてお聞きします。  金融庁は、約二十年間にわたって経営者保証や不動産担保に過度に依存しない事業性融資を推進してきました。例えばリレーションシップバンキングの機能強化などです。これ、リレーションシップバンキングとは、金融機関が事業者との間で親密な関係を長く維持することによって顧客に関する情報を蓄積していって、この情報を基に融資などの金融サービスを行う、こうした取組であります。  しかし、これは一定の進展はあったものの、こうした事業性融資の活用というのは道半ばにとどまっているのも事実であります。こうした要因を金融庁としてはどのように分析されているのか、改めて見解をまずお伺いしたいと思います。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、金融庁は、これまで金融機関に対して、不動産担保や経営者保証に過度に依存するのではなく、事業者の実態や将来性を評価して融資を行うことを促すため、様々な取組を進めてきているところでございます。足下では、金融機関において経営者保証に依存しない融資に一定の進展が見られるものの、事業者の実態や将来性に着目した融資の浸透については、これも委員御指摘のとおり、いまだ道半ばであり、一層の推進が必要と考えております。  その背景には様々な要因が考えられます。一概に申し上げることは困難でございますけれども、金融機関において不動産担保や経営者保証等を重視する保守的な融資審査が行われてきたことや、事業者の将来性等を評価する能力、体制が十分でなかったことなどが要因として考えられるところでございます。  金融庁といたしましては、本日御審議いただいております事業性融資の推進等に関する法律案に盛り込んでおります企業価値担保権の創設など、事業性融資の更なる推進に向けて引き続き様々な取組を進めてまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 この事業性融資については、中小企業庁の調査が過去に行われました。二〇一五年と少し古いものですが、中小企業に複数回答で、今後希望する融資は何かと、このように尋ねたところ、約五割の中小企業が事業性融資と回答しておりました。しかし、この事業性融資を、では、利用している企業はということですと、この調査ではその約半分、約二五%にとどまっておりました。こうした調査でも、やはり、中小企業に利用されている融資というのは、多い順に挙げれば、個人保証、信用保証協会の保証付融資、不動産担保というふうになっておりました。大体七割以上から六割ちょっとの数字になっていましたけれども。  そうした状況の中で、本法案では、中小企業にニーズの高い事業性融資というものを更に活用してもらうために企業価値担保権を導入するということでありますが、既にいろんな融資を受けている企業がこうしたものを活用するというのはどうなっていくのか、あるいは、例えばですけど、複数の銀行と取引をしている事業者の場合は、他の担保権との兼ね合いみたいなものはどうなるのか、そうした課題もやはり出てくるのではないかと思います。  そこでお伺いいたしますが、既存の担保制度や融資と今回の企業価値担保権との関係というものは金融庁としてはどのように位置付けているのか、お聞きしたいと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  金融機関は、事業者の資金調達ニーズや経営環境等の個々の事業者の状況に応じて、不動産担保があればその活用等を含めた様々な手法を用いて融資を行っているというふうに承知してございます。  他方、依然として、有形資産に乏しい事業者に対しましては十分な資金供給が行われていないのではないかというような指摘がございます。今回の法案による企業価値担保権の創設は、こうした指摘を踏まえまして、もちろんそれに限るわけではないですけど、まずは既存の制度や実務の下では融資が困難である事業者に対して融資手段の新たな選択肢を提供するものになっていくんだろうというふうに位置付けてございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 今新たな融資の選択肢という御答弁でしたけれども、この企業価値担保権については、金融庁からの資料ではスタートアップなどもう典型的な三つの活用事例などが示されておりますけれども、これやはり、法案が成立して施行された後にどのような形で活用というものが始まっていって、その後どのように浸透していくと見ているのか、またさらには、時間は掛かるかもしれませんが、中小零細企業にも幅広く活用されていくのかどうか、こうした普及の見通しについても是非とも御説明いただきたいと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 今回の法案で導入する企業価値担保権でございますけれども、先生おっしゃいますとおり、典型的には、例えば有形資産に乏しいスタートアップ企業、あるいは現経営者に設定している経営者保証の後継者への引継ぎが困難であることを理由として事業承継が進んでいない企業、あるいは事業再生を通じた潜在的な回復可能性はあるものの担保力が乏しい企業の三つの活用事例が考えられるというふうにしているところですけれども、今後の実務の積み上げによる活用のノウハウが蓄積されることを通じまして、こうした典型例に限らず活用の場面が拡大していくことを期待しております。  また、本制度を活用する企業の規模感については、法施行後、当初は一定の規模の企業から徐々に始まるんだろうというふうに考えてございますが、同様に活用対象につきましても拡大していくことが期待されるというふうに思っております。  金融庁といたしましては、金融機関における体制整備等の好事例の把握、公表などを通じまして、企業価値担保権を活用される場面や企業の規模感等の裾野が拡大していくよう、金融機関の取組を後押ししてまいりたいというふうに考えてございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 次に、事業者にとって経営面での影響を受けないのかという点なんですけれども、さきの参考人質疑で、参考人からは経営権の確保に関しても説明がありました。企業価値担保は包括的な担保であるが、担保設定後も、債務者の通常の事業運営には制約がない、事業者の経営の自由が通常の事業の範囲であれば確保されているということでありました。  しかし、やはり、事業者の方々から見れば、企業価値担保権の利用に関して、金融機関が過剰に経営に口を出すのではないかなどの懸念をどうしても持たれるのではないかと思います。そうしたデメリットはないと言っていいのかどうか、お答えいただきたいと思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) この担保権を活用した融資では金融機関による伴走支援等が想定されてございますところ、伴走支援におきましては、金融機関が決算など事業者の財務内容の確認ですとか事業者の事業計画を継続的にフォローアップするなど、事業状況を理解して実情に応じたきめ細やかな支援を行うことなどを通じまして金融機関と事業者が能動的なコミュニケーションを行い、事業の継続や成長などに向けて緊密に協力する関係となることを期待しているわけでございます。  伴走支援にはこうした緊密な協力関係の構築が重要でございまして、他方で、伴走支援の中で金融機関が債務者の経営に対して過度に、過剰に介入するということは私どもとしては基本的には想定しているような事態ではないということでございます。  その上で、そうは言っても、この担保権が設定されている場合にもちろんこれは限らないわけでございまして、例えば、他の事業資産を担保に取っている場合でも同様なシチュエーションというのは考えられなくはないということでございますけれども、例えば、顧客企業に対し、その意に反して金融機関の関連会社等の取引を強要するなど、金融機関が取引上の優越的地位を不当に利用し、取引の条件又は実施について不利益を与える行為については銀行法令等において禁止されてございます。  金融庁といたしましては、金融機関がこうした法令等を遵守しつつ、制度の趣旨を十分に踏まえて、事業者と緊密なコミュニケーションを通じて事業者の状況に応じた伴走支援を適切に行っていくことが重要でございます。問題事例全く起こらないかというと、まあ一〇〇%というのはいろいろと、どこまでできるんだという話もありますけど、制度の施行後は、こうした観点から適切にモニタリングしてまいりたいというふうに考えてございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 この企業価値担保権、本当にそうした幾つかやはり懸念とかそういうものが残っているわけですけれども、やはりこれ一つ一つ丁寧に説明をして、やはり事業者の皆さんが自分たちでも活用できる余地のある、そういう担保制度なんだと御理解をしていただくということが私は非常に大きいことだと思います。  これまでの事業性融資が一定の活用にとどまったのも、先ほどいろいろ御説明もありましたけれども、私は一つには、制度の詳細がなかなか事業者の皆さんに伝わっていない、知られていないといった面もあったかと思います。本法案は施行まで二年半とも伺っておりますが、制度をつくっても活用されなければ意味がありません。  そこで、大臣に伺いますが、企業価値担保権の活用推進のために今後どのように取り組んでいかれるのか、また、活用の好事例、できるだけ早く把握をして、公表して周知を図るべきではないかと考えますが、見解を伺います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 企業価値担保権を活用した事業性融資の推進、これを促すためには、金融機関において事業者の事業の実態や将来性を的確に把握、評価できる目利き力の向上やそのための体制整備に加えまして、事業者との間での深度あるコミュニケーションの実現などに向けた取組が進められること、これが重要であると考えておりまして、こうした取組を支援してまいりたいと考えております。  このため、金融庁としては、金融機関における目利き力の向上に向けた取組や企業価値担保権の活用事例等に関する好事例を把握、公表して周知を図るとともに、企業価値担保権の活用に課題を感じる金融機関に対して専門的な知見の提供等を行う支援機関の活用を促進をするなどの施策を通じまして、企業価値担保権の適切な活用も含め、事業性融資に係る金融機関の取組を後押ししてまいりたいと考えています。

竹内真二公明党

○竹内真二君 今大臣の答弁にもありましたように、皆さん御指摘されていますけれども、やはりこの制度が活用されるには金融機関の目利き力というものを高めていく必要が、もうこれ欠かせないと思います。言い換えれば、この目利き力の向上がなければこの制度自体うまく回っていかないんだろうと思います。  しかし、地域の金融機関であればなおのこと、そもそも目利きの人材が圧倒的に不足している、ここはしっかりと育てていかないと、支援策をしっかりと講じていかないと、中小零細企業からは活用されない制度になるおそれがあります。  金融機関の目利き能力の向上のために、その目利きに優れた人材育成に対する支援を更に強化すべきと考えますが、この点についても大臣の見解をお伺いいたします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘のとおりだと思います。地域経済や事業者の持続的な成長を支えるため、事業者の実態、それから将来性等を的確に把握、評価できる目利き力、これを養っていくことがますます重要になっておりまして、各金融機関においてそれぞれの実情に即した継続的な人材育成等に取り組むことが重要だと考えます。  金融庁では、金融機関の人材育成等を後押しするため、例えば、融資先の経営改善を支援する際の着眼点を支援対象となる業種ごとに整理した業種別支援の着眼点、これを二〇二三年より公表して、その研修を実施するなどの取組を行ってまいりました。また、今般の法律では、融資担当者等において事業を適切に評価するノウハウが十分でない場合などに備えまして、金融機関や事業者に対して専門的な知見の提供などの支援を行う機関の認定制度の創設も盛り込んでいるところであります。  金融庁としては、引き続きまして、金融機関がそれぞれの実情に応じて必要な人材育成に取り組むよう促してまいりたいと思っています。

竹内真二公明党

○竹内真二君 今、大臣の答弁に、事業性を評価する能力向上の支援策として業種別支援の着眼点というお話がありました。この融資先のモニタリングを通じて経営改善を支援する、こうした取組を金融庁が後押しするということは地域金融機関などからも今高い評価を受けているところでありますので、これは今回の企業価値担保権で必要とされる目利き力の向上にもつながります。  是非とも、この着眼点について、金融機関での研修等で更に活用されるように、金融庁による取組を一層強化してはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  委員御指摘の業種別支援の着眼点は、金融機関の職員が融資先の経営改善を支援する際の着眼点を支援対象となる業種別に整理したものでございまして、これまで八つの業種に関する着眼点を公表しているところでございます。  この着眼点が実際に金融機関で利用されるよう、金融庁職員を派遣いたしまして全国各地で金融機関等の支援現場の職員を対象に研修を実施するとともに、各地域や金融機関においてこの着眼点の普及促進役を担っていただける講師の養成を目的とした勉強会の開催などにも取り組んでいるところでございます。  このほか、着眼点の活用を検討する金融機関の参考となるよう、他の金融機関等における活用事例を金融庁のウェブサイトで紹介するなどの取組も行っているところでございまして、引き続き進めていきたいと考えております。  金融庁といたしましては、こうした取組を通じて、引き続き、金融機関がそれぞれの実情に応じて必要な人材育成等に取り組むよう促してまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 その点、是非よろしくお願い申し上げます。  それから、先ほど大臣の答弁にもありましたけれども、事業者や金融機関に対して専門的な知見の提供等の支援を行う機関の認定制度が創設されます。これ、どのような機関が認定されて、具体的役割、設置時期、設置数の見通し、これどうなっているのか、また、この支援機関の活用をどのように促進していくのか、この点についても説明をお願いします。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  今般の法案に盛り込まれておりますこの企業価値担保制度が広く活用されるためには、金融機関におきましては事業全体の価値を適切に評価できる必要があるほか、事業者におきましても、事業計画のほか、事業の強みや弱みを金融機関に適切に伝えるようになることが必要だというふうに考えてございます。  このため、この法案では事業性融資を推進する支援機関の認定制度を盛り込んでおりまして、支援機関は金融機関や事業者に対して、例えば、経営資源や財務内容の分析を実施し、経営実態を把握する方法に関する助言や事業計画の策定に関する助言などの役割を行うことを、担うことを想定してございます。  また、支援機関の担い手や設置時期等につきましては、まず、事業性融資において具体的に求められる支援の内容ですとか支援のために必要な能力について、法案成立後に、これは相手があることでもございますので、例えば、全国銀行協会や日本商工会議所などの各種業界団体などと共通認識をつくった上で、担い手の候補となる関係者と丁寧に相談してまいりたいというふうに考えてございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 最後の質問になりますけれども、もう一つ、この事業者の方々、心配されているのが商業登記なんですね。  これ、誰でも見ることができるこの登記簿に載ると、この会社、全て担保に取られているんではないかというふうに思われかねないので、やはり、そうしますとこれは使うのはやめておこうということになりかねないので、こうしたいわゆる風評被害みたいなものを防止していくためにはどのようにされていくのか、最後に御説明願います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申します。  この担保権の活用は、金融機関が借り手企業のノウハウや顧客基盤を含む事業全体の価値を評価して融資を行うというものでございまして、また、タイムリーな経営改善支援を通じて、事業の継続、成長等につながるものでございます。したがいまして、こうした制度の内容や趣旨が正しく理解されれば前向きな受け止めがなされるものだというふうに期待しているところでございます。  先生御指摘のとおり、商業登記簿は、取引先も含め、多くの関係者が閲覧可能でございまして、取引先を含む幅広い関係者に対して、この制度の趣旨、内容が正確に理解されるということが極めて重要でございまして、関係省庁とも連携し、例えば事業者や金融機関などの業界団体などを通じた周知など、丁寧な広報に努めてまいりたいというふうに考えてございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  まず、事業性融資推進法案についてお聞きいたしますけれども、私、昔外資系の金融機関に勤めていまして、専門はずっとマーケットにいたんですけれども、最後の東京支店長兼在日代表になったときには、融資のサインもアプルーブの意味でサインをしていたんですが、そのときに担保って取っていたかなって、たしか取っていないんですよね。大手企業相手とか政府関係機関だったからのせいかもしれないんですが、翻ってアメリカの国内で融資のときに、そういう不動産担保取っていたのかなとか、それから企業価値担保権があったのかなというふうに考える、今こう話を聞きながら、この委員会を聞きながらちょっと思っていたんですけれども、余りそういう認識はなかったんですね。そもそも大体登記所ないですから、公的な。民間のエスクローというのはありますけど、公的な登記所はありませんから、それどうやって担保するのかなといろいろと考えていて。私の理解では、アメリカにおいては事業性融資が主流になっているという理解ですが、これは全く今調べたわけでもなくて、この委員会で考えていたときの感想でしかないんで、これは余り信用されても困るんですけれども。  ただ、言えることは、その事業性融資をするにしても、これはアメリカにおいては民間の創意工夫によってでき上がってきた融資の方法だと思うんですよね。それを今回、金融庁が先頭に立って法案を作って推進しようというわけなんで、これ聞いていますと、昔の大蔵省時代の護送船団方式を思い出しちゃうわけですよ。銀行は一行たりとも潰れないと、大蔵省、俺に付いてこいというような感覚で、民間主導というよりは、大蔵省主導の法律改正というか、主導の時代、思い出しちゃうわけですね。そうすると何が起こるかというと、ユーロ・ドル市場において、邦銀は潰れないからみんな最上級の一番低い金利で借りられるわけですね。ほかの外資はそこで評価されますから、一生懸命自分たちのバランスシートを改善しようとする。その結果、護送船団方式が崩れた途端に日本の銀行、バランスシートが全く他国の銀行に比べて劣って、非常にジャパン・プレミアムとかいろんなことがあって競争に負けていっちゃったわけでね。やはり、民間主導ということは重要ですし、競争も必要だと思うんですが、ちょっとこの法案聞いていると、その護送船団方式の俺に付いてこい的なにおいがちょっとしてしまうんですが、そういうことはないですねということだけは確認しておきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) この法案でありますけれども、事業性融資を推進するため、企業価値担保権の創設などを行うものでありますが、企業価値担保権の活用、これはあくまで事業者の実態や将来性に着目した融資を行う際の選択肢の一つでありまして、御指摘のような金融機関の競争というものを否定する意図は一切ないものであります。  金融庁といたしましては、各金融機関におきまして、顧客の多様なニーズを捉え、企業価値担保権を活用するかどうかも含めまして、自らの創意工夫の下で顧客から選ばれるため競争していくということが基本であると考えております。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 是非、先祖返りだけはしないでくださいと要望しておきます。  次に、植田日銀総裁にお聞きしますけれども、東京都区部のコアCPI、この二か月は一・九、二%割っていますけれども、二〇二二年十月から十七か月間、二%を超えているわけです。二〇二三年七月と八月など四・〇%だったわけでありまして、更に円安がもし進んでいくとなれば、消費者物価もかなり上がっていくんではないかと思うわけですね。  それから、ちょっと資産の方に目を通しますと、五月三十一日に日経新聞が、東京と大阪の四月時点の新築マンション価格の上昇率が世界主要十五都市で首位となったとの記事を載せましたし、五月二十七日のNHKの「クローズアップ現代」では、「家が高すぎて買えない バブル超え”住まい高騰”の舞台裏」という特集まで組んでいるわけです。  これはまさにバブルと同じで、このとき、バブルというのは、当時、これ生鮮食品、コアじゃなくて生鮮食品を除くだけなんですけど、ずうっと〇・五から〇・七%だったにもかかわらず経済が狂乱したわけです。これは不動産とか株の高騰によってなったわけで、これはですね。それで、ただ、ドル円が、円が一年間に三十円、四十円ずつ強くなっていましたから、消費者物価指数はかなり低く抑えた。だけども、資産価格が高騰することによって狂乱経済を招いたということで、私の記憶によると、澄田日銀総裁が後で引締めが遅れたという反省談話を出していたんですけれども。  こういうような状況において日銀は金利を無担保コール〇・〇から〇・一%程度と相変わらず染み程度にしか引き上げていませんし、超超超低金利ですよね。それに、量的緩和、量の方に関しては毎日毎日バランスシートを膨らませていますから、すなわちお金をばらまき続けているわけで、歴史的な緩和政策を続行して、超超超緩和政策を実行して、継続していると思うんですよね。  先ほど申し上げたような消費者物価指数の面、それから資産価格の面を見ると、普通だったら予備的にでも、まあ緩和ぎみなぐらいの金融政策に変えると思うんですよ。こんな超超、もう史上まれなる超超超超超緩和政策はやめると思うんですけれども、そういうところは全く手を付けていないですよね。  と考えますと、ロジカルに考えますと、日銀は、金利を引き上げたり量を回収すると何か大きな問題が起こる、可能性としては債務超過とか、それから財政は、金利や長期金利が上がってしまって財政が危機に陥るとか、それから中小企業のやっぱり評価損が増えて大変なことになるとか、それから住宅ローンを借りている、変動型で借りている人が今多いですから、この人たちが大変になるとか、そういうとんでもないことが起こるという想定をしているがゆえに、日銀は超超超金融緩和政策を改正していないんではないかというふうに思えてならないんですが、その辺についてはどうお考えでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、金融政策につきましては、以前より申し上げておりますとおり、二%のインフレ目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から適切に運営していく方針でございます。  その上で申し上げますと、先行き、我々の見通しに沿って基調的な物価上昇率が高まっていけば、金融緩和度合いを調整していくことになると考えております。また、経済・物価見通しやそれをめぐるリスクが変化しても金利を動かす理由となると考えております。  したがいまして、政策の目的はあくまでも物価の安定でございまして、私どもの財務への配慮や財政資金の調達支援のために必要な政策の遂行が妨げられることはありません。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 今の総裁の御答弁ですけれども、今が多少なりとも緩和ぎみであるという状況であれば非常に納得いく御説明なんですけれども、今は、先ほど申しましたように超超超超金融緩和、史上まれなる金融緩和なんですね。そういう状況において、日銀植田総裁の御答弁というのはやはり腑に落ちないということは申し上げておきたいと思います。  次の質問入りますけれども、二〇二四年三月七日の予算委員会で、私が、二〇二三年九月末から金利がパラレルで一%上がったら日銀の保有債券の、保有国債の評価損はどのくらいになるかというふうに日銀にお聞きしましたところ、一%の金利上昇で二十九兆円程度評価損が増加するというふうな答弁を得ました。そうすると、長期金利が一%で二十九兆円ですから、長期金利が〇・一%上がるごとに二・九兆円の評価損が増えるということですよね。  二〇二三年九月末の十年金利は〇・七六%ですから、評価損は十・五兆円だったということです。そうなりますと、十年金利が一・七六%になれば、〇・七六から一%上がれば、評価損は四十兆円にもなるということになるわけです。  つい最近、五月三十日に、十年金利一・一%になったというふうにちょっと大分話題になりましたけれども、その段階では、機械的に計算しますと約二十・四兆円の国債の評価損が発生していることになる。昨日は一・〇六%までちょっと下がっていますけれども、一・一%だと大体二十・四兆円もの国債評価損、保有国債の評価損があるということになります。  引当金プラス準備金が十二兆円ですから、これだけを考えますと、はるかに大きい債務超過になるわけですね。しかしながら、ETFの利益が、五月三十日現在約、ちょっと私、計算一〇〇%の自信はありませんけど、三十四兆円ぐらいという非常に大きいものがあるので、債務超過を逃れている状況なわけです。  しかしながら、中央銀行たるもの、私はまあ伝統的金融政策というか正統的金融、あっ、伝統的金融論というか正統的金融論というものを学んで教えて、実際にもマーケットでやっていたわけで、それに基づいて勝負をしてきたわけなんですけれども、伝統的金融論、正統派金融論で言えば、中央銀行たるもの、価格が上下するような、大きく上下するようなものは買っちゃいけないと、これ基本のキだったわけですよ。なぜかというと、評価損になって、日銀の、中央銀行の信用が落ちて、その発行する通貨の価値が暴落するのを避けるために、価格の上下するものを買っちゃいけない、これはもう基本のキだったんですけれども、日本銀行は株価を買っているわけですね。それも、日本一の株主になっちゃったわけでね。  こんな国はほかないですよ。G20でもそうですよね。少なくともG7で、G20でもそうですよね、株式を保有している、金融政策目的で保有しているのは日本銀行だけだと思いますよ。当然ながら、持っちゃいけないものは持たないというのが普通の中央銀行の当たり前のことですからね。  その持っちゃいけないのが当たり前の国債、株式の評価益で何とか債務超過を逃れているという中央銀行、余りにもアグリーというか、ミゼラブルというか、ホリブルというか、とんでもないバランスシートを抱えていると思うわけです。  もし、三十日にはちょっと長期金利が一・一に上がったということで、株式が一時九百円下がったわけですけれども、金利が今後上がっていく、長期金利が今後上がっていくと、株式も一緒に下がる可能性があるわけですね。そして、先ほどの計算しますと、そういう場合、長期金利が〇・一%上がると国債の評価損が二・九兆円減る、そして株価が同時に千円下がったら一・七兆円減る、評価がですね。ということは、長期金利は〇・一%上がって、株価、日経平均千円下がると四・九兆円も損というか、少なくとも今は評価益ですけど、それが減っていっちゃうわけですよ。  こんなに危険なバランスシートというのはない、アグリーなというふうに申し上げましたけれども、バランスシートはないと思うんですけれども、それについて、総裁は夜、眠れますでしょうかね。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、私どもETFや長期国債を大量に保有しておりますが、これは、二%の物価安定の目標を実現するために大規模な金融緩和を行っていた、そのとき、その目標を実現するため、使命を実現する、果たすために必要な政策を行った結果であるというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 分かりましたけど、それしかお答えがないんだろうと思いますけれども、私は当初からデフレというじり貧を脱するために将来どか貧になるよと、なるぞというふうにずっと言っていたわけですけど、だんだんそういう気配が出てきたんではないかなというふうに思います。  次に、三月十九日の政策決定会合で長期金利の誘導レベルを放棄していましたけれども、三月十八日までは長期金利に関して変動幅を併記することはあっても、一応、十年国債金利がゼロ%で推移するよう、と国債金利の、長期金利の政策金利を明記したわけです。  これ、金融の世界では当たり前ですけれども、短期金利は中央銀行がコントロールする、長期金利はマーケットがコントロールするというのは、これはやっぱり先ほど言った伝統的金融論では当たり前の話であって、バーナンキFRB議長も二〇〇四年の五月二十日、ワシントン州シアトル市での講演で発言されています。ちょっと英語が下手なんであれですけど、「These longer-term rates are determined not by the Fed but by participants in deep and sophisticated global financial markets.」ということで、要するに長期金利はマーケットが決めるんだということをバーナンキ元FRB議長もおっしゃっているわけです。これはだから金融界の常識なんですよ。  それにもかかわらず、日銀は長期金利はコントロールするというふうに言いまして、それまでの、黒田総裁になる前は日銀は同じようにやっぱり長期金利はコントロールできないというふうに教えてよ日銀という一般国民向けの広報誌にも書いてあったわけですけれども、それを突然、黒田日銀総裁のときに変えられたわけです。  ところが、やっぱり今度、たしかまた変えて、できないような感じの感触にまた変えたんだと思いますけれども、それとともに、それについてはちょっと、二〇一六年十一月十七日の参議院財政金融委員会で白眞勲委員が黒田総裁に突っ込みを入れていらっしゃいましたけれども、そのときの回答は、リーマン・ショック後、黒田総裁の回答は、リーマン・ショック後、日本のみならず主要中央銀行は長期国債の大幅大量買入れを実施し、その結果、長期金利引下げに成功したからだと答えられたわけですね。だから長期金利はコントロールできるというふうに変えられたわけです。  しかしながら、五月二十五日のブルームバーグによりますと、植田総裁が二十五日、G7蔵相・中央銀行総裁会議の後、記者会見で、長期金利が十二年ぶりの一%台に上昇していることに関し、長期金利は金融市場で形成されることが基本となると語られたという記事がありました。ということは、総裁もマーケットが長期金利を決定する、教えてよ日銀でもそういうことを、記述をまた元に戻した。そして、今回の三月十九日の政策金融会合では長期金利の目標を落とした。ということは、もう総裁自身が長期金利はコントロールできないと、ギブアップした宣言に思われてならないんですけどね。  もし中央銀行がコントロールできなかったらば、今後の長期金利は跳ね上がって、財政にも問題あるだろうし、先ほど申し上げたいろんな問題が起こり得る可能性があると思うんですが、それについてはいかが、あと格下げの問題もとか、いろんな問題があると思うんですけど、それについては総裁はどうお考えでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども三月までの時点におきましては、先ほども申し上げましたような大規模な金融緩和を継続しておりまして、その中で長期金利のコントロールを含むイールドカーブコントロールの枠組みを使用してございました。三月にその大規模な金融緩和が役割を果たしたと考え、イールドカーブコントロールも撤廃し、長期金利の誘導目標や上限のめどはなくしたところでございます。したがいまして、長期金利は、足下、今後も金融市場において形成されることが基本となるというふうに考えてございます。  ただし、三月以降、国債買いオペについては、大きな不連続性を避けるという観点からそれまでと同じ金額で継続しておりますし、また、長期金利が急激に上昇する場合には、市場における安定的な金利形成を促す観点から機動的にオペを実施する考えでもございます。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 長期金利が上がったら下げ得るという御発言だったと思いますけれども、やはり長期金利は中央銀行ではコントロールできないという認識を持つ方が伝統的金融政策、伝統的金融論からしたらまともなのかなというふうに思います。  時間が来てしまったので、最後に、飛ばしまして最後の質問をお聞きしたい。最後の質問事項をお聞きしたいんですけど、いろいろ今の日銀の金融政策については私はずっと文句を申し上げてきたわけですが、文句を言いたいから文句を言っていたわけでもなくて、当初から、当時はまだ議員じゃなかったですけれども、二〇一二年、異次元の金融緩和政策をスタートしたときに、私は、伝統的金融政策に固着しろと、ゼロ%になって動かなかったらそのままマイナス金利を深掘りしていけばいいという議論を展開していたんですね。要するに、伝統的金融政策というのは効果があることも副作用がないことも検証しているんだから、マイナス金利政策、どんどんマイナス金利を下げろと。今の、この前、黒田日銀総裁がやったマイナス金利政策と全くちょっと百八十度コンセプトが違うので、混同してもらっちゃまずいんですけれども、そういうことをやっていれば何とかなったんじゃないかと思うんですね。  私、そういう主張をしていたときに、藤巻は頭がおかしくなったというふうに皆さんから随分非難を受けましたけど、唯一日銀の、名前を言っていいのか分かりませんが、山本謙三さん、後で理事になりました方だけは、藤巻さん、それはよく分かるけれども、それをやってしまうとたんす預金が増えるから駄目なんだよというふうにおっしゃったわけです。ただ、私は、たんす預金だけだったら短いと思って、そういうことをジ・インターナショナル・エコノミーという雑誌に書いていたら、その選考委員であるハーバード大学のケネス・ロゴフ教授が最近、きっと読んでくださったと私は自負していますけど、同じようなことを言い始めて、マイナス金利政策を言い始めて、ただし、その場合には、たんす預金を防ぐためには中央銀行デジタルも創設が必要だというふうにおっしゃったわけです。  もし元に戻って出口を出られたとして、日銀が出口に出られたとして、また同じような状況になったときに、私のというと僣越なので、ケネス・ロゴフ教授の主張されているマイナス金利政策プラス中央銀行デジタルという政策はよろしいんじゃないか、異次元の量的緩和に代わる、絶対こっちの方がいいんじゃないかと私は思うんですが、それについての植田総裁の見解を教えていただければと思います。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 時間が来ておりますので、短くお願いいたします。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) はい。  委員のおっしゃっているのは、CBDCのようなものを導入して、それの金利をマイナスにするという政策のことだと思います。もちろん私ども、こうした政策が議論されているということを知っております。  ただ、現状、CBDCを導入するとしましても、現金と当面併せて流通するということを考えておりますので、マイナス金利をCBDCに付けて、一方で現金がゼロ金利であるというのは非常に難しい状況、実行不可能なような状況かと思います。  したがいまして、マイナス金利実現の観点からCBDCを導入するということは現在考えてございません。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 ありがとうございました。  最後の問題については、もし今後とも時間があればまた深く議論させていただきたいと思います。  ありがとうございました。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。    〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕  今回の事業性融資推進法案、これまでの審議でも、先般の参考人の御意見からも、大分論点とか問題点というのがもうはっきりしていますので、まず二つ質問いたします。  まず一つは、やっぱりこれスタートしてもどういう使われ方をするかということについてはしっかりモニタリングが必要だと思いますので、先般、私も参考人質疑の中でも申し上げましたが、一年後ぐらいを目安に状況をちゃんとヒアリングして対外公表するとか、あるいはこの委員会に御報告していただく等の対応が必要だと思いますが、その点はいかがかということと、それから、今回は信託会社を使うというスキームですから、じゃ、その信託会社はどういう先がなるのかと。これは、もう大体信託銀行とかなんかはみんなオーケーになるわけですが、一応法案の三十五条にその要件を四つ書いてあるんですけれども、その四点だけで十分かと、この二つをまずお答えください。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  まず一点目のモニタリングですけれども、金融庁といたしましては、今般の法案において創設する企業価値担保権につきまして、その制度趣旨を踏まえた適切な活用がなされて、この活用が金融機関においても実務的に定着するよう企業価値担保権の活用実態を把握することは極めて重要だというふうに考えてございます。  このため、金融庁といたしましては、法案の施行後、モニタリングを通じ活用実態を把握するとともに、関係省庁と連携いたしまして、金融機関における事業者の将来性等を適切に評価できる目利き力向上のための方策やそのための体制整備、事業者による金融機関との深度あるコミュニケーションなどの好事例を把握し、その公表などを行ってまいりたいというふうに考えてございます。  具体的な把握や公表の方法については今後適切に検討してまいりたいというふうに考えてございますが、いずれにいたしましても、企業価値担保権の適切な活用や活用の拡大に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。  それから、二点目の企業価値担保権の信託会社の審査要件ということですが、法案では第三十五条に四点要件を掲げております。それで十分かというような御質問かと思いますけれども、企業価値担保権信託会社は、その業務といたしまして、企業価値担保権の設定時に借り手に対して企業価値担保権の制度概要等を説明し、また、担保権が実行される場合に事業譲渡の対価の一部を一般債権者のために確保しておくといった企業価値担保権の設定、管理、処分に関する信託業務を行うものでございます。  本法案におきましては、免許申請時の審査におきまして、申請者が人的構成に照らしてこうした信託業務を的確に遂行することができるかや、他に営む業務が信託業務を適正かつ確実に営む上で支障を及ぼすおそれがないかといった点について審査することとしておりまして、審査の要件といたしまして過不足はないというふうに考えてございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 あくまで仮定の話ですけれども、信託銀行以外でもこの企業価値担保権の信託会社になり得るということですか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) はい、そのとおりでございます。典型的には、今、地銀がグループを形成している場合、信託機能を集約する場合等が典型的には考えられるわけでございますが、それ以外にも、免許要件を満たせば設立可能でございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 このスキームを検討する過程でどういうことを想定していたかという、あくまで想定の話で結構なんですが、今の話だと、信託銀行以外でも地銀とか他の金融機関が対象となり得るということでいいですか。もう一回確認させてください。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) そもそも金融機関につきましては、届出をすれば簡素に免許が認められるというような立て付けになってございますし、その他の者におきましても、免許要件を満たせば、審査して問題なければ免許が与えられるというような立て付けになってございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 いや、もちろん審査して問題がなければという大前提ですが、今は、いわゆる信託銀行として今信託業務をやっているところ以外でも金融機関であればあり得るということまで今想定を聞かせていただきました。  じゃ、金融機関以外の一般事業法人でもこの信託会社になり得る可能性はあるということですか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 要件を満たせば、この免許を取っていただいて企業価値担保権信託会社になっていただくということは可能でございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今の御答弁で、つまり、どんな事業者でも要件を満たせば信託会社になり得るということだということが分かりました。そうすると、なおさら最初に申し上げたように、これスタートしてどういう形になっていくのかというのは非常に重要なポイントなので、是非きちっと報告をしていただきたいと思うんですが。  先般、参考人とのやり取りの中で、結局、この今の信託という機能は誰が受益者なのかということについてちょっと私が意見申し上げたところ、その参考人の方が、いや、受益者は、融資を受ける側が受益者ですというふうにおっしゃったんですけれども、私の認識では、その融資をしている方は債権者ですから、債権者の権利をしっかり守ってあげるために信託会社がしっかりフォローするという意味では債権者側が受益者だと思っていたんですけれども、金融庁は、今回のスキームでは、この信託機能を使うことによる受益者は誰だという理解なんでしょうか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 本案におきます担保権の受益者は、信託財産である担保権の実行により自らの融資債権の回収という給付を受けられる特定被担保債権者、これは貸付け側ですね、あと、債権者のステークホルダーとして、取引先などの一般債権者も不特定被担保債権者として受益者としてございます。こうした者が受益者になるというところでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そうすると、ちょっと議事録は僕も確認しますが、金融庁も確認しておいてほしいんですが、今のやり取りをさせていただいた弁護士の参考人の方は、たしかこのスキームを検討する過程でも委員をやっていらっしゃった方ですので、その辺、その認識のそごがないか、よく関係者の中でその意識の統一を図っていただきたいと思います。もちろん、その参考人の方の言い間違えだったのかもしれませんし、それはよく分かりませんが、もう一回確認ですが、信託会社を使うことに伴う受益者は債権者側であるという理解でいいですね。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 済みません、ちょっと過去の答弁について私も記憶定かではありませんけれども、私の頭の中では、もしそうであれば言い間違いでありまして、明確に債権者側が受益者になるというふうな認識はこの法案提出時から全く変わってございません。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そうであればいいんですが、その参考人の方が、まあこれは私の推測ですけどね、こうやって新しいスキームを使うので、今までだったら融資を受けられない人が現に融資を受けられるわけだから、だからこのスキームの受益者、信託会社の受益者は債務者も受益者なんですという、もしそういう趣旨で、この検討に加わった委員の方がその認識で最終的な報告書を作っていたとしたら、やっぱりそこは大分僕は再整理が必要だと思っていて、前回、参考人質疑のときにも言いましたけど、そのロジックで金融界にこの企業価値担保融資の慣行が浸透していくとしたら、これ信託業法の改正をしなくてはならないと思いますが、今るる御説明しましたが、何かこれについてここで、この段階で発言しておくべきことがあれば発言してください。    〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) これは、井上参考人もおっしゃられていますけれども、この信託の受益者というのは債権者側であるということは、これは全く関係者は誰も誤解していないと思います。ただ、広い意味で、この制度というのは、設定者側になりますけれども、債務者側についてもこの信託会社がこの趣旨とか制度概要等きっちり説明するというような義務を課してございますので、そういった面では、そうした説明を受ける権利というのは保護法益と認識して措置もされているので、広い意味ではそういったいわゆる委託者側というか設定者側もその一定の法的保護が与えられる立て付けとなっているということかと思います。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 一番最後に大臣には感想とこれを運用する決意をお伺いするんですが、その前にもう一個聞きますが、これも参考人質疑の中で申し上げたんですが、今、金融庁も日銀も検査、考査では基本的に資産査定をやらないと、何かあったときには資産査定をやるという、こういう立て付けに変わったんですね、この数年前から。  それはそれで結構なことなんですが、もしその査定をしなければならない金融機関がこの企業価値担保権を設定した融資を持っていた場合に、金融庁は、これ現に物的担保はないわけですから、それはどういうふうに査定するんですか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 企業価値の評価は、将来キャッシュフローの見通しを基礎としてその割引現在価値の幅を推計する方法など、様々なバリエーションが考えられますところ、現在、その具体的な方法は、各金融機関において、個々の事案の特性ですとか与信審査、リスク管理等の評価目的の違いなどに応じ判断されるものと考えてございます。  金融庁は、事業性に着目した融資の推進をするため、これまでも検査、監督の在り方の見直しを進めてきておりまして、目下、原則として個々の金融機関の判断を尊重しつつ、金融機関のリスクテークの状況ですとかリスク管理体制の実効性について、個々の金融機関の特性を踏まえながら、必要に応じて対話、モニタリングをしている中で、どのような形で適正に資産評価なり引き当てなり等がなされているかということも必要に応じては確認するということだろうと思います。  それで、いざ我々の立場としてどのように評価するかということについては、今後、実務を踏まえてしっかりと検討する必要もあろうかというふうに考えております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 じゃ、最後に大臣にお伺いしますが、従前も申し上げましたが、私自身は大きな変化として前向きに受け止めていますが、この新しい担保権、法的価値を導入する担当大臣として、感想と運営に当たっての所見をお伺いします。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いいたします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) はい。  今までの融資慣行というのは、物的担保に頼るものが中心であったと思います。これによって、例えばスタートアップなどのまだ自己資本のない方々に融資が行われにくい、あるいは個人保証ということでそれがネックになって、今は黒字で回っているにもかかわらず事業承継ができないという話、さらには、新しいビジネスモデルを考えながらも、既に物的担保はもう差し出しているために新たな事業展開ができないということ、こういうことがあったと思います。  これは、我が国の経済にとりましても一つの大きな問題点であると思いますので、今回この新しい融資、担保制度ができることによりまして、まずはこういうところの可能性を開いていく一つの選択肢になる新しい取組であると思います。こうしたものがしっかりと定着していきますように、今後のガイドライン作成やあるいはその後のモニタリングについてもきちんと対応していかなければならないと考えています。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 終わります。ありがとうございました。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  長年にわたって金融機関の足かせになってきた、そして失われた三十年の元凶とも言えるのがやっぱり金融検査マニュアルだと思います。  金融庁は、二〇一五年、当時、森長官ですかね、銀行の目先の健全性ではなくて地域の企業とか地域経済の持続可能性を重視するということで、金融検査マニュアル廃止、そして金融機関の事業性を評価する新基準というのを出して融資実務を発展させる努力をされてきたと思うんですが、大臣、そもそも当時こうした方向転換はなぜ行われたのか、お願いします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 金融庁では、約二十年前から金融機関に対して、事業者の実態や将来性を評価して融資を行うことを促すため、様々な取組を進めてまいりました。その中で、御指摘の二〇一五年の金融行政方針を含め、様々な場面でそうした考え方を示すとともに、二〇一九年には検査マニュアルを廃止するといった取組を行いました。  こうした取組の背景には、不良債権問題が一段落して自己資本の最低基準の充足が確保される中で、金融機関は自身の置かれた経済環境を踏まえ、顧客企業や地域経済の成長に貢献し、それを通じて自身のビジネスモデルの確立につなげることが重要になっているとの認識を示す必要があると考えたことが挙げられると思います。  特に、御指摘の検査マニュアルの廃止の背景について述べますと、検査マニュアルを用いた厳格な検査はバブル崩壊後の不良債権処理問題への対応に大きな役割を果たしましたけれども、その一方で、金融機関の融資において、本来評価すべき借り手の事業ではなく担保や保証を必要以上に重視する慣行につながったなどの副作用が指摘されております。このことから、指摘されたことから、金融機関が自主的な創意工夫の下で顧客の事業性を評価した融資を行いやすい環境を整える必要があるとの考え方によるものであります。  金融庁として、本法案により創設されます制度も通じまして、金融機関が金融仲介機能を発揮して効果的な事業者支援につながるよう取組を進めてまいります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 担保に依存することなくやっぱり事業内容でというのも、これ本来の融資の在り方だと思います。やはり対等の関係で本業支援につなげるというのもこれは事業性融資の出発点だと思うんですが、大臣、こうした流れが、この間、金融行政の中で、今回企業価値担保権というのはなぜ生まれてきたのか、ちょっと端的に御説明いただければ。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 金融機関と企業が対等な関係の下で信頼関係を築いて効果的な本業支援につなげていくこと、これは重要でありまして、金融庁は、約二十年前より、金融機関に対しまして、不動産担保や経営者保証に過度に依存するのではなく事業者の実態や将来性を評価して融資を行うことを促すために、例えばリレーションシップバンキングの推進、金融検査マニュアルの廃止などによる企業実態に即した与信管理の尊重、経営者保証改革プログラムの策定など、様々な取組を進めてまいりました。  一方で、有形資産に乏しいスタートアップ企業などについては依然として十分な資金調達が困難であるとの指摘、それから、融資を受けられた企業も、事業再生の局面において、平時からの金融機関の事業への理解不足やメインバンクがないという中で、多様かつ複雑な利害関係を調整する必要性から、金融機関からの追加の融資支援を受けることが難しいとの指摘があるなどの課題が見られ、事業者の実態や将来性等に着目した融資の浸透についてはいまだ道半ばと考えております。  諸外国では企業価値担保権に類似する制度が広く活用されておりまして、事業者と金融機関の緊密な関係構築や、金融機関に事業の実態や将来性の的確な理解を動機付けるものとされております。  我が国におきましても、事業者と金融機関の間の信頼関係に基づいて事業性融資をより一層推進するため、こうした諸外国の融資実務も参考にした新たな企業価値担保権の創設が必要と考えまして、今回、必要な法整備を行いたいという思いで法案を提出させていただきました。

小池晃日本共産党

○小池晃君 丁寧な御説明ありがとうございます。  ただ、二十年間ずっとやってきて、実態は、先ほども議論ありましたけど、中小企業はそういう事業に着目した融資求めながら、ほとんど利用されていないという実態があるわけですね。  これ、本当に言うはやすくで、やっぱり金融機関にとってみれば、これ本当大変な仕事になると思うんですね。やっぱりその事業を丸ごと評価するというのは簡単なことではない。だから、それは、今まで、じゃ、ノウハウがあるかといったら、ない。こういう中で、その企業価値担保権ということを設定したからといって、これで大きく広がっていくというふうに言えるんですか。変わるというふうになりますか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) おっしゃるとおりで、この担保権の導入直後、すべからく既存の融資がこっちに変わってくるというようなことでは私ども考えてございませんけれども、そもそもが、なかなか、従来、有形資産に乏しい企業であったりそうしたような場合には既存の担保等に依存した融資ではなかなか融資が難しかったと。そういうところに対して有力な融資の選択肢を与えるものだというふうに考えてございまして、こうしたことも契機に、そうした事業性に着目した融資が広がってもらえればというふうに強く考えているところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 なかなか現実には大変だというふうに思うのと、やっぱり懸念があるわけです。  担保設定するタイミングでの労働者とのコミュニケーション、先ほども議論ありまして、ルールベースで特定の事項の伝達を義務付けるとコミュニケーションの質の低下につながると。ちょっとこれは意味不明だと私は思っていて、労働者に情報開示し説明責任果たすことがコミュニケーションの質を向上させると私は思いますし、それから、ほかの制度とのバランスというふうにおっしゃいましたけど、これ、事業を丸ごと担保化するなんて初めての制度なわけですからね、これ前例ないわけですから。  やっぱりこれは、先日の参考人質疑でも、労働者が突然取引先などほかのところから担保が設定されているということを知ったら、かえってその労働者と経営者との間の信頼関係壊すという指摘もありました。  先ほども議論ありましたけど、ちょっと確認したいんですが、少なくとも検討されるガイドラインでは、労働者への個別通知、労使協議、こうしたことを促す内容を明記すると、明記すべきだと思います。明記するということでよろしいですね。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) いずれにいたしましても、ガイドラインの内容につきましては、厚生労働省等の関係省庁とも連携いたしまして、そのコミュニケーションの在り方など制度の趣旨を踏まえた運用に関する考え方を取りまとめて公表したいというふうに考えてございます。  その内容については、現時点で明確にこうだというふうに考えて申し上げるような状況にはありませんけれども、いずれにしても、特定のコミュニケーションの方法を絶対やらなきゃいけないといったようなことは余り考えておりませんけれども、いかなる形でコミュニケーションの充実が図られるかということについては、資するようなものにしていければというふうに考えてございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ちょっとそういうことを言われるから、やっぱり法文にきちんとこれ明記すべきだと私は思います。  それから、やっぱりこれ、伴走支援、モニタリングということで、経営への関与強まれば、やっぱり使用者性の問題出てくるわけですね。これ、金融審でもこのことはテーマになりました。それから、参考人からも、人事に関する合理化施策も伴走支援には入ってくるんじゃないかということを言われています。  やはり、コストの削減が求められる経営改善に関与する局面、これは人事に関する施策も入ってくるんではないかと思いますが、その点、いかがですか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 金融機関が事業者に対して行う伴走支援に関しましては、何がどこまで入るかというのを確定的に申し上げることはちょっと難しいわけですけれども、いずれにしても、この担保権が設定されている場合に限らず、借り手に対して金融機関が取引上の優越的な地位を不当に濫用するとか取引条件又は実施について不利益を与えるような行為は銀行法令等において禁止されてございますし、また、いずれにしても、金融機関は事業者の経営の自主性というものを尊重しつつ事業者の状況に応じた経営改善支援等を適切に行うことが重要だということは監督指針においても示しているところでございまして、しっかりと問題となるような事象が起きないようモニタリングは行ってまいりたいというふうに考えてございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 そうあっていただきたいと思いますが、ちょっと法的にはそこの担保がやっぱりないんではないかと、そこは懸念されるということは言っておきたいと思うんですね。  それから、担保権者については、これは要件定められていますが、債権者については制限がないわけです。例えば、商社のような事業者もあり得るし、投資ファンド、サービサーも想定されています。  ワーキング・グループの審議の中で、これ大臣に、これ最後ですが、お聞きしたいんですが、債権者についても債務者に伴走できるだけの体力と知見を持つ者に限定した方がいいということで、登録制度などを設けるべきだという意見も出ておりました。参考人質疑でもこの点は問題になったんですが、やはり免許業者である銀行などにこれは限定すべきだったんではないかというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の法案におきまして創設をいたします企業価値担保権制度における貸し手の範囲につきましては、金融審議会の報告書において成長資金等を供給できる与信者に対して広く利用を認めるべきという提言をいただいたことや、債権者間の公平性等を確保する観点から、債権者の範囲に制限を設けず、商社等一般事業者や投資ファンド等も自身の債権に企業価値担保権の設定を受けることができる制度としております。  一方で、企業価値担保権の適切な活用を確保する観点から、企業価値担保権の設定は金融庁から新たな免許を受けた信託会社との信託契約によらなければならないとした上で、当該信託会社に説明義務等の必要な義務を課すこととしておりまして、こうした仕組みを通じまして、金融庁の規制、監督を受けない債権者による本担保権の濫用を防止してまいりたいと考えます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 この今御説明あった新たに創設される信託業、これハードル上げずに簡素な規制の下につくられるということで、これで弊害が防止できるんだろうかということは私は疑問が拭えないんですね。  今日、いろいろと指摘してまいりまして、ちょっと短い時間だったんですが、やはりこの投資ファンドや、別に銀行が良くてファンドが駄目だと、そんな一面的なことは申し上げませんが、しかし、やはりその投資ファンドあるいは債権回収を本業としているサービサーまでに広げるということでやはりこの企業担保権の懸念は拡大すると、これも大きな問題だと思います。  申し上げたように、全体としては、やっぱりこれ、本来の融資の在り方ということで、私はやっぱりこういう方向性自体は否定するものではありませんし、これを本当に中小企業、零細企業まで広げていけるような仕組みとして発展させるようになれればいろんな可能性あると思いますが、しかし、やはり労働者保護という点でも非常に大きな懸念があるし、今の債権者の問題なども大変疑問があるということを申し上げて、質問を終わります。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。  事業性融資の推進等に関する法律案について質問をします。  まず、本法律の目的は、不動産担保や個人保証を取る融資慣行を是正し、会社の資金調達を円滑化することで、事業の継続と成長発展を支え、国民経済の健全な発展に寄与することというふうになっております。そのためには、先ほど小池委員からまたあったところなんですけれども、貸し手を国民経済の発展に寄与しようとする意思の強い国内の金融機関に限定して、当初は国がそこに対して一定の何らかの保証を加えるなどをしてやっていくことによって、国内機関、国内の金融機関ですね、新たな挑戦が可能になり、その間ノウハウが蓄積され、制度の理念に合致するのではないかというふうに考えています。  先ほど大臣から答弁ありましたので簡潔で結構ですので、なぜ今回貸し手に制限を加えずにプライベート・デット・ファンドとか再生ファンドなども貸主になれるというふうにしたのか、お聞かせください。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  昨年二月の金融審の報告書におきましては、成長資金等を供給できる与信者に対して広く利用を認めるべきという提言をいただいています。また、債権者間の公平等を確保する観点から、なぜ金融機関だけがこういう強い担保権を使えるんだということも大きな論点でございまして、こうした観点から商社等の一般事業会社も利用できる制度としております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 井藤局長、ありがとうございます。  これ、事前に告知しなかったんですけど、その公平性とかいった場合に、別に国際ルールとか条約があって対等にしなければいけないということではなく、提言とかに基づいてそういう判断をしたという理解で間違いないですか。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 報告書におきましては、成長資金等を供給できる与信者に対して広く利用を認めるべきだというような提言をいただいていますけれども、そうしたことも踏まえるとともに、いろいろな有識者、いわゆる政府部内の議論を踏まえまして、債権者間の公平性も極めて重要だというふうに判断したものでございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。ルールがあってしたというわけではなくて、話合いの中でそういうことを決めたということで理解しました。  もう一点確認ですけれども、無形資産を含む事業価値の評価は誰が行うのか、そしてその評価に対してガイドラインや基準を設けるのかということをお聞かせください。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 企業価値担保権の活用を含め事業性融資を推進していくためには、典型的には金融機関でありまして、別に金融機関じゃない者が債権者の場合はその債権者ということでございますが、金融機関におきまして事業者の実態や将来性等を的確に把握して事業全体の価値を適切に評価できる必要があるというふうに考えてございます。  その上で、企業価値の評価は、将来キャッシュフローの見通しを基礎としてその割引現在価値の幅を推計する方法、ほかにも様々なバリエーションがございますけれども、具体的な方法は、各金融機関において個々の事案の特性に応じて顧客に選ばれるための創意工夫、経営判断によって定められるというふうに考えてございます。  私どもといたしましては、様々な好事例とかいろいろなモデルケースの把握、公表など等を含めまして、こうした専門的な知見について金融機関が得られるよう支援を行っていきたいというふうに考えてございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ちょっと答え分かりにくかったんですけれども、要は、評価はお金を貸す側が自由に評価をしていいということですから、外国のファンドから借りる場合は彼らが評価をするということで、特に今ガイドラインのようなものはないということで理解をしました。  先日、この委員会で参考人からもお聞きしたんですけれども、今回のこの事業性融資の制度というのは、なかなか、これから事業を始めようというスタートアップの制度にはなかなかすぐには当てはまらないんではないかというふうに私も考えていますし、また、事業継承に活用してほしいという思いもあるようなんですけれども、経営者を目指す個人が投資家の支援を受けながら企業の事業継承を主導していき、継承先の経営に関わっていくという形では、サーチファンドといったようなものももう制度として存在していますし、事業承継を考えればそういった制度の拡大、活用というものもあるので、無理して新しい制度をつくらなくてもいいんじゃないかなというふうにも感じています。となると、結局、今回の事業性融資の制度をつくっても、LBOとかの企業買収のところで活用されるケースが多くなるのではないかなというふうに勝手に想像しているわけですね。  そういったことを前提に、一つ例を挙げて質問したいと思うんです、ちょっと具体例を挙げて。  まず、これ具体例なので、ちょっと例として聞いてください。日本企業のJが、会社の伝統や技術があるにもかかわらず、昨今の円安や金利上昇によって資金繰りに困窮していると。企業Jは、既に有形資産を担保に融資を受けていて、新たに担保にできるのは無形資産のみという状況であると。そこで、今回の事業性融資のスキームを活用して無形資産を担保に融資を受けることを検討している。  しかし、企業Jの取引銀行は事業性融資のノウハウがなくて、話がなかなか進まない。そこに特定の意図を持った再生ファンドのAが現れて、再生ファンドAは、企業Jや取引銀行が無形資産の評価に対する知見が乏しく、また当面の資金繰りにも苦しんで焦っているということに付け込んでいると。そして、無形資産の価値を不当に低く評価し、企業Jに対する融資を実行するということがあったと。  で、この後、企業Jが経営不振になって破綻の羽目になると、そういったケースになると、再生ファンドのAは仲間の再生ファンドBを裁判所に購入希望者として推薦し、その結果、無形資産が再生ファンドBに事業継承、売却されるような形になると。その売却資金は、企業Jの従業員ですとか、従業員の労働債権とか取引先の商取引債権などの一般債権者への返済に充てられるわけです。けれども、元々低く評価されていたために、その返済額というものが非常に僅かなものにとどまってしまうと。  一方、再生ファンドBは、管財人と裁判所のチェックを受けた再生ファンドAからの情報で、適切な価値、企業価値を把握し、企業Jの従来の労働条件など、様々な負担、元々その企業が抱えていた負担、負債ですね、そういったものを明らかにした上で取得し、そして無形資産を本来の価値のところまで高めて、また第三者の事業会社やファンドに価値を付加して売却することが可能になるというふうな、こういったことが実際に可能なのではないかなというふうに想定してしまうわけですね。  このスキームというのは、実は、外国のファンドだけじゃなくて、計画倒産を狙うような経営者が、悪い経営者が悪意を持って出てきたときに、こういう形でやっていくことが可能じゃないかというふうにも考えてしまうわけです。  かなり例と前置き長くなりましたけれども、今回の法案によってできる制度でこういった悪意あるケースが発生しないようにする防衛策をどのように考えておられるか、こちら、鈴木大臣にお聞きしたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今先生から、一つの具体例といいますかストーリーをお話しいただいたわけでありますが、今般の法案では、企業価値担保権の実行手続につきましては、その公平な、公正な手続を確保するために、譲渡人となるスポンサーについて、担保権者等が選定を行うのではなくて、裁判所に任命され、労働者や商取引先も含めた利害関係人全体に対して善管注意義務を負う管財人が選定を行い、事業の承継等の際には裁判所がその承継の条件等について労働組合等の意見を聴取した上で許可することなど、裁判所の監督に服する枠組みとなっております。  また、管財人によるスポンサー選定や裁判所の許可に際しましては、雇用の維持や取引関係の維持その他多様な事情を考慮して最も適切な承継先を選定することが求められると考えられるところでありまして、こうした制度趣旨を踏まえた運営に関する考え方については、法案成立後、ガイドラインなどの形で公表することを検討したいと考えております。  このような裁判所の監督に服する実行手続におきまして、御指摘の、この例に挙げられましたが、悪意を持った不公正な実行を行うことは困難と考えておりますが、金融庁としては、実行手続がどのように運用されていくかフォローしていくとともに、運用状況を踏まえ、関係者の意見も踏まえながら、必要に応じて制度の見直しも含め検討をしてまいりたいと考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 御答弁ありがとうございました。管財人や裁判所のチェック機能でやっていくということで理解をしました。また詳細は、木曜日にも時間いただいておりますので、そちらで聞きたいと思います。  少しこの法案から外れるんですけども、この後継者不足というのは中小企業だけの問題ではなくて、近年、檀家数の減少や経済的困窮、後継者不足などの理由で宗教法人が事実上売却されるという事案が増えています。そのような中、宗教法人ブローカーと呼ばれる人々が、宗教法人の税制優遇などを求める企業に個人や宗教法人の売買を仲介しています。買手は日本人だけではなくて、外国人や外国人投資家も多く含まれているとの報道もあります。特に宗派から離脱した単立宗教法人の場合、包括宗教法人の承認などが不要となるため、自由度の高い単立法人となってから、寄附という形で売買相当額を受け取って事実上宗教法人格を売却するという手法が取られているそうです。  このような実態がある中で、政府は、昨年二月の国会審議や首相答弁を受けて、より具体的に不活動宗教法人対策を進めてきたと思いますが、一連の状況に対して監督強化や取締りは功を奏しているでしょうか、現状をお聞かせください。

小林万里子文化庁審議官

○政府参考人(小林万里子君) お答え申し上げます。  第三者により法人格が不正に取得され、悪用されることがないことがまずは重要でございますので、文化庁におきましては不活動宗教法人対策の加速化を進めてきているところです。  具体的には、宗教法人法に基づく事務所備付け書類の写しの提出の徹底などに関する都道府県向け通知の発出、不活動宗教法人となった宗教法人の整理を促すための予算補助、不活動宗教法人対策マニュアルの整備などについて取り組んでいるところでございます。  これらの取組によりまして、関係者にも重要性が認識され、例えば各都道府県におきましても、令和六年度の国の予算補助を用いて不活動法人対策の実施がなされているというところでありますとともに、日本宗教連盟においても不活動宗教法人の問題に係る理事長談話が出され、全国での宗教団体向け説明会において不活動宗教法人の問題が取り上げられるなどしているところでございます。  引き続き、宗教法人の法人格が不正取得され、悪用されることがないよう、対策に努めてまいります。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございました。  最後の質問です。  宗教法人のブローカーらは、法人買収のメリットを説明する際に、税務署対策を強調するような文言を売りにしているようであります。宗教法人を隠れみのにした脱税やマネーロンダリング等が行われている可能性があります。国税庁はこのような事態を認識されているでしょうか、また、どのような対策を行っているか、併せてお聞かせください。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  国税当局におきましては、様々な機会を捉えまして課税上有効な資料情報の収集に努め、これらの資料情報と提出された申告書等を分析いたしまして、課税上問題があると認められる場合には必要な税務調査を行うなどいたしまして、適正、公平な課税の実現に努めているところでございます。こうした対応は、その対象が宗教法人でありましてもその他の法人でありましても同様でございます。  いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、今後とも法令にのっとり、適正、公平な課税の実現の観点から適切に対応してまいりたいと考えてございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございました。  宗教法人の買収というのは元々法が予定していなかった事態ですので、第三者に代表を変更するとか事実上の売買に当たるようなときは、厳しい条件でチェックをしていただきたいというふうに思います。  以上です。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。  事業性融資推進法案に関する質疑させていただこうと思いますが、まず初めに、今回の本法律案、二〇二三年の二月に金融審議会の報告書が公表されてから、二〇二四年三月、その法案の提出までに一年以上の期間が経過しております。昨年の常会に提出されなかった理由として、金融庁がこれまで積み重ねてきた慣れている業法の改正ではなくて、法案作成作業の難易度が非常に高かったんではないかということが推測されます。  今回の本法案提出までの期間においた本法律案検討の経緯、議論の内容について伺えればというふうに思うんですけれども、本法律案には、認定事業性融資推進支援機関制度といった、審議会の中には明示されていなかった内容も最終的に盛り込まれているというふうに見ております。  議論の中で、本来は審議会等の場において透明性を確保した上で議論される内容だったとも考えられますが、この点について、金融庁の方から御見解、検討の経緯、お伺いできればというふうに思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) お答え申し上げます。  金融審議会では、企業価値担保権を中心とした制度の具体的な内容について、計七回にわたり、連合、金融機関の業界団体、労働法制や倒産法制の弁護士、国内外の金融実務の専門家なども含めて検討が行われ、こうした様々な立場からの御意見を踏まえて昨年二月の金融審議会で報告書として提言いただいたのは御指摘のとおりでございます。  その後、これも御指摘のとおりですが、新法としてこの報告書を踏まえて作成したわけですけれども、本法と附則を合わせると三百条以上に及ぶ非常に大部にわたる法案なため、立法作業が必要であり、相応の時間を要したというところでございます。また、その過程の中では、民事基本法制との整合性を確保する観点から、昨年末に二回にわたり法制審においても御議論をいただいた上で提出に至ったものでございます。  そうした中で、認定支援機関ですとか推進本部ですとか、報告書の提言に必ずしも含まれていなかったことも入っているということでございますが、これにつきましては、今回のそのワーキング・グループ、法制審というのは担保権自体について議論が行われたということでございまして、この事業性融資に対してこの担保制度を導入するとともに、いかにこれを定着させるかということは並行して議論を政府部内で進めておりました。それについてより良い方策があったのではないかという指摘かと思いますが、そういう点は今後、受け止めまして、引き続き行政の透明化については最大限努力してまいりたいというふうに考えてございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 結論、その法案提出までにも、その審議会の報告書の後にも様々追記されている部分も含めて透明性ある議論をということを指摘させていただきまして、次の質問にさせていただきたいと思います。  従来の融資慣行の是正に向けた金融機関の目利き力向上のための取組ということで、先ほど来からも御指摘がありました。従来の融資慣行、不動産担保、また個人保証に頼った融資慣行の是正、これに向けた取組を二十年にわたって、その取組について期待することがあったんですが、それについての結果がなかなか付いてきていなかったというのが指摘もされております。  この従来の融資慣行の是正に向けて、金融庁は、金融機関の目利き力向上のための取組、これが大きな課題の一つになるんではないかなというふうに思っています。金融機関が事業への将来性の価値を見出したり、また技術、また人的資本という他に代えられないもの、そこに優位性を見出す、そういった役割があるわけです。  この今後の具体的取組、この目利き力を、金融機関が目利き力を向上させるための取組についてのその成果、また評価の改善プロセスについて、是非、金融担当大臣から御見解を伺いたいというふうに思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 金融庁では、事業者の実態や将来性を評価した融資を促す取組を進めてまいりました。例えば、リレーションシップバンキングの推進や経営者保証改革プログラムの策定など様々な取組を進めてきたところでありますが、その結果、足下の新規融資では、経営者保証を取らない融資と、保証は求めるがその理由を適切に説明し記録している融資の合計が九割を超えるなど、経営者保証の見直しについては一定の進展が見られているところであります。  しかしながら、例えば有形資産に乏しいスタートアップ企業については依然として十分な資金調達が困難であるとの指摘があるなど、事業者の実態や将来性に着目した融資の浸透についてはいまだ道半ばであると考えておりまして、金融機関においては事業者の事業の実態や将来性を的確に把握、評価できる目利き力の向上を図ることが重要となっております。  この目利き力の向上のためには金融機関における継続的な人材育成等が不可欠でありますが、金融庁としても、金融機関の人材育成を後押しするため、例えば、融資先の経営改善を支援する際の着眼点を整理した業種別支援の着眼点を作成をし、全国各地で金融機関等の職員を対象とした研修を実施をしております。さらに、この度の法案におきましては、融資担当者などにおいて事業を適切に評価するノウハウが十分でない場合などに備えまして、金融機関や事業者に対して専門的な知見の提供等の支援を行う機関の認定制度を創設するなど、これまで以上に取組を充実させているところでございます。  金融庁として、様々な施策に対する評価、改善点などをフィードバックして、追加的な支援ニーズも伺いながら、こうした目利き力向上のための施策の実効性を高めていきますように努力していきたいと思っています。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  今おっしゃっていただいたように、金融機関は、より専門性の高い、難易度の高い融資に移行する、チャレンジしていくというところになってくると思いますが、地方の金融機関においては、対象とする企業の規模も小さく、事業性融資、この判断の難易度が一層高いものというふうに思われます。しかしながら、他の金融機関との競争上、企業価値担保権を使わざるを得なくなり、事業性融資のリスク判断、また目利き力が問われる状況の中で過大な融資が行われたりと、モラルハザードを招くおそれもあるのではないかという懸念も指摘もされています。  この点、金融庁はどのように監督をしていくのかというところをお伺いできればと思います。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  金融機関におきましては、事業者の実態や将来性に着目した融資を推進し金融仲介機能を発揮することは重要でございますけれども、同時に、それが金融機関自身の健全性を脅かすことにならないよう、適切なリスク管理体制を構築することも求められるところでございます。  金融庁ではこれまで、金融機関のリスクテークの状況やリスク管理体制の実効性について、個々の金融機関の特性も踏まえながら、必要に応じて対話、モニタリングを実施してきたところでございます。今般の企業価値担保権を活用した融資を含め、融資全体に関するリスク管理体制については、こうした対話、モニタリングの中で継続的に確認していくことが必要であると考えております。  金融庁といたしましては、引き続き、金融機関の創意工夫と金融仲介機能の発揮を促しながら、それに見合った実効的なリスク管理体制が構築されるよう監督をしてまいりたいと考えております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  こうした金融機関同士の競争も更に起こり得るということも想定しながら、地域の金融機関の連携に向けた取組について少しお伺いしておきたいと思います。  茨城県の五つの金融機関において、情報を共有してMアンドAや事業譲受の仲介をすることでの県内中小企業などの事業承継を後押しする連携事業も、今年に入りまして、今取り組んでいるというところです。こうした金融機関の垣根を越えた、情報を共有する、そうした地域の金融機関が連携していくことで、事業承継のサポートを含む事業者支援が促進されるというふうにも考えます。  地域の金融機関との連携に向けた金融庁の取組について、見解についてお伺いできればというふうに思います。

伊藤豊金融庁監督局長

○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。  地域金融機関におきましては、人口減少や高齢化など地域経済を取り巻く厳しい環境が続く中でも、地域における金融仲介機能をしっかりと発揮し、また資金供給にとどまらない支援を通じた地域企業の企業価値向上等を図ることによりまして、地域経済の回復、成長に一層貢献することで自らの持続可能性も高めていくことが重要であると考えております。  こうした中、事業承継支援の充実のほか、地域の課題解決や地域経済活性化への貢献等を図る観点から、地域金融機関が業務提携等を行う事例があるものと承知をしております。  こうした提携は個々の金融機関の経営判断に属する事項ではございますけれども、地域経済の回復、成長に一層貢献していく上で一つの有力な選択肢であるというふうに考えております。  引き続き、地域金融機関におきまして、こうした提携なども検討いただきながら地域産業や事業者を下支えし、地域経済の回復、成長に貢献をしていただきたいというふうに考えているところでございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  続いて、質問を用意していますので、行かさせていただきたいと思いますが、資金の貸し手と受託者が一致することによっての債務者に不利益が生ずる可能性の点についてお伺いできればと思います。  本法律案においては、信託報酬等のコストを軽減するという観点から、信託契約の受益者と受託者は兼ねることが許容されるという仕組みになっております。その両者が一致する場面も想定されており、この場面には、債務者の理解が十分でないまま融資が実行されるなどの不利益が生ずる懸念があります。  新たに創設する信託業の免許を受けた者を担保権者及び受託者とすることをあるべき姿というふうにしながらも、単にコストを軽減する観点からの信託契約の受益者、受託者を兼ねてもよいとするその理由、狙いについてお伺いできればというふうに思います。

井藤英樹金融庁企画市場局長

○政府参考人(井藤英樹君) 今般の法案では、企業価値担保権の適切な活用を図ることを目的として、企業価値担保権の設定を信託契約によることとした上で、当該信託に係る業務を金融庁の新たな免許業種とした上で、当該業務を行う担保権者に対して、現在の抵当権と異なる制度であることなどにつきまして担保設定時に借り手への適切な説明を行う義務を課す制度とすることで、金融庁による規制、監督を及ぼすこととしております。  御指摘のとおり、貸し手が企業価値担保権の信託に係る業務の免許を取得した上で自ら担保権者となることも今般の法案では可能としてございますが、貸し手と担保権者が一致する場合であっても、典型的には金融機関の場合だろうと思いますけれども、担保権者として金融庁による規制、監督が及ぶため、借り手への説明義務が適切に履行されるものというふうに考えてございます。  一方で、貸し手と担保権者が一致することを制度上許容することで、信託に関するコストを抑えることにつながり、担保権者の担い手の拡大を通じて企業価値担保権の活用を促すことが可能になるというふうに考えてございます。  金融庁といたしましては、貸し手と担保権者が一致するか否かにかかわらず、この担保権が適切に活用されるよう、適切に担保権者の監督を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  適切な金融庁としての監督をお願いしたいというふうに思います。  最後の質問です。厚生労働大臣の事業性融資推進本部への関与になります。労働者保護の観点からも、まだまだ明示されていない部分がありますので、その点について強く私の方から意見させていただきたいと思います。  この労働者保護の観点、関係者の理解促進、周知、広報が重要になるという観点からも、施行後の当面の間、厚生労働大臣を本部員に指定する方向で考えているという旨の答弁を衆議院の議論の中で行われていることも確認しております。労働者の保護に関しては、制度立ち上げ当初のみならず継続的に企業価値担保権制度の課題となるというふうに思われます。  厚生労働大臣を継続的に常設の本部員とすることも検討すべきと考えますが、金融担当大臣、鈴木大臣にお伺いしたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 事業性融資推進本部は、事業性融資を推進する観点から、金融機関、中小企業者等を所管する大臣を構成員としており、厚生労働大臣を含めておりませんが、特に、今般の制度の立ち上げ当初においては、企業価値担保権の活用促進に向けて、労働者の保護に関して関係者の理解促進や周知、広報が重要になりますので、当面の間は厚生労働大臣を本部員に指定する方向でありまして、その後も継続的に関与いただくことが基本になるものと考えております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後零時三十九分散会

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