財政金融委員会 第10号
- 発言数
- 103 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2024/04/23
会議録
○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動につきまして御報告をいたします。 昨日までに、豊田俊郎君、佐藤啓君及び松山政司君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君、武見敬三君及び藤木眞也君が選任されました。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に白坂亜紀君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官八幡道典君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 財政及び金融等に関する調査を議題といたします。 まず、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づく破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告に関する件について、政府から説明を聴取いたします。鈴木内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(鈴木俊一君) おはようございます。 令和四年十二月九日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。 報告対象期間は、令和四年四月一日以降令和四年九月三十日までとなっております。 御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。 次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。 また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。 なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和四年九月三十日現在、各勘定合計で一兆四千五十五億円となっております。 ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。 金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて、万全を期してまいる所存でございます。 御審議のほど、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(足立敏之君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○勝部賢志君 おはようございます。立憲民主・社民の勝部賢志でございます。 鈴木大臣とそれから植田総裁におかれましては、G7並びにG20の財務大臣会合それから中央銀行総裁会合などなど、その会合に御出席をされて、精力的に外交日程をこなされて帰国をされました。大変お疲れさまだったというふうに思います。 今日は、植田総裁にもお越しをいただいております。本来の質疑はFRCの報告に関わる質疑ということでありますけれども、今ほど大臣から報告がありましたように、特別講じた措置はなかったということでありますので、今日はお二人お越しいただいていますから、今お話をした一連の会合においてどのような中身が議論されたのか、あるいはその成果はどのようなものだったのかということなどを聞かせていただく、まあ帰朝報告的な質疑をさせていただければと思っております。 初めに、この度、一連の会合等における主要な議論と我が国の主張及び会合の成果について、鈴木財務大臣、そして植田日銀総裁、それぞれから概要の御報告をいただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先週、米国ワシントンDCにおきまして開催されましたG7及びG20財務大臣・中央銀行総裁会議を始めとする一連の会議に出席をいたしました。その概要を御報告申し上げたいと思います。 G7では、為替を含む過去の政策対応に関するコミットメントやウクライナに対する揺るぎない支援について再確認するとともに、イランによる攻撃を非難した四月十四日の首脳声明を再確認し、将来措置をとる場合の緊密な連携を確保することを確認しました。また、国際課税、国際保健などといった課題への対応につきましても認識を共有し、その旨を共同声明として取りまとめたことは大きな成果であったと考えております。 G20では、MDB改革を始めとする国際金融アーキテクチャー等に関する議論が行われました。議長国ブラジルの判断で成果文書は発出されませんでしたが、地球規模課題への対応強化のために、MDB改革を更に進める重要性等について発言するとともに、債務問題について、債務再編の予見可能性を改善する必要性を主張し、債務の透明性の向上を呼びかけるなど、日本として議論にしっかりと貢献できたものと考えております。 また、アメリカのイエレン財務長官と韓国の崔経済副総理兼企画財政部長官とそれぞれ面会を行ったほか、三か国による財務大臣会合を初めて開催をいたしました。この会合では、地域情勢について意見交換を行うとともに、安全保障問題やサプライチェーン強靱化など、G20等の共通の諸課題やその対応策について議論を行ったほか、為替市場の動向について、最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存のG20のコミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議するとの合意に至ったことは大きな成果であったと考えております。 IMFCでは、世界経済、金融の情勢やIMFの政策課題について議論が行われました。私からは、第十六次クオータ増資の早期発効の必要性などについて訴えたところですが、その際、増資に応じるための法案が先般国会で成立したことを各国に説明し、我が国の積極的な姿勢を示すことができたことは非常に有意義だったものと考えております。御審議をいただきました委員各位には、改めて御礼を申し上げます。 このほか、ウクライナのマルチェンコ財務大臣と面会し、同国に対する日本の支援を説明するなど、今回の一連の会合では、世界経済が抱える諸課題について充実した議論を行うことができ、多くの成果が得られたと考えているところであります。
○参考人(植田和男君) 各会合での議論の主な内容については、今、鈴木財務大臣から御報告、御説明があったとおりでございます。 私から一点付け加えますと、G20の会合で、私の方から、サステナビリティー関連の情報開示について、先進国、新興国で一貫性の取れた基準を適用していくことが重要と申し上げました。また、このためには、中小企業等が気候変動対応を進めていく上で直面する様々な課題について、対応力の強化を支援していくことが必要と申し上げました。また、複数の関連会合あるいは個別の意見交換の機会を捉えまして、我が国の経済金融情勢や金融政策につきましても説明を行いました。参加者からは私ども日本銀行の三月の政策変更が市場等に大きな混乱なく消化されつつあることを歓迎するコメントが聞かれるなど、関係国の理解を一層深めることができたと感じております。 加えて、G7会合のステートメントにもありますように、G7の中央銀行がインフレ率をマンデートに沿って目標に収れんさせることが重要との認識も、改めてですが、共有されたことを御報告いたします。
○勝部賢志君 丁寧に御説明をいただきましたけれど、今報告をいただいたことに引き続いて幾つか更に詳しく確認をさせていただきたいというふうに思うんですけど、まず一つ目は、今の行き過ぎた為替変動の対応について、これまで以上に介入を容認する雰囲気のステートメントや報道がなされているように感じます。各国の主要政策課題であるインフレ対策にとって、為替相場でのドル独歩高というのが非常に厳しい、各国にとって厳しい状況にあるというふうに思っていますが、一方で、アメリカにとっても、十一月に大統領選を控えているということで、アメリカにとってもインフレ抑制というのが至上命題なのではないかというふうに受け止めています。そういう状況にあって、やはりドルが安くなる、ドル安容認というのはなかなか厳しいのではないかというのが各国の共通認識なのではないか。そういうところから、ある意味、先ほど申し上げた介入を容認するような雰囲気というのが暗黙の了解の下進んでいるのではないかというふうに感じたりしています。 しかし、そうではなくて、日本がこうあるべきと、あるいは、いわゆるあらまほしき思いが、思い込みがそのようになっているのかなというふうにも感じるところもあるので、鈴木財務大臣は、この点どのように御理解をされているのかというふうにお聞きしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回の一連の会合におきまして、為替について申し上げますと、日米韓財務大臣会合の共同声明で、先ほど申し上げましたように、昨今の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存のG20のコミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議をするということに合意をしたところでございます。加えまして、G7のコミュニケでも、日本の主張を踏まえまして、為替レートの過度な変動は望ましくないことを含む従前のコミットメント、これを再確認をしているところであります。 政府といたしましては、今般のこれらの合意を踏まえ、関係通貨当局と緊密に意思疎通を図りつつ、為替相場における行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていくという考えも併せて私の方から表明をさせていただいたところでございます。 いずれにいたしましても、円安ということについてはプラス、マイナス両面があると認識をいたしておりますが、今何といっても物価高騰対策、物価高騰を上回る賃上げを実現するということが重要な政治課題となっている中で、やはりこの円安がもたらす輸入価格のこの上昇というものについては強い懸念を私の方からも示したところでございます。これについては、日韓のみならず日米韓、アメリカも含めて、共同声明にあるようにその認識を共有することができたというのは、私は一つの成果であるということだと思います。 これによって、何かこの先の適切な対応、それが何かとは申し上げませんけれども、そうしたことにつながる環境が整ったのかということについては、そう捉えられてもいいのではないかと思います。
○勝部賢志君 今最後に大臣がおっしゃった、そのような環境がある意味整ってきたのではないかということなんですけど、ちょっとその点もう少し詳しく教えていただきたいなと思って。私が先ほど質問したのは、介入に対しては容認の空気があるのではないかということの前提でお聞きをしたわけですけど、そのことに対して、周りの国が、少なくともアメリカと韓国についてはそういう日本の様々な政策的な動向について理解を示しているという、そういう意味でしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 具体的にアメリカがどういうように捉まえているかということにつきましては、他国の立場でございますので、私がここで明確にコメントすることはできないわけでありますけれども、いずれにいたしましても、為替市場の動向、これにつきましては、日米それから日米韓の枠組みで緊密な意思疎通を行うことができたと考えております。 これを踏まえて日米韓の共同声明で合意に至ったこと、これは大きな成果であると思っておりますし、私どもにとっても、今後の対応につきましてはこうした共同声明に書かれていることを踏まえて行動するということになるんだと思います。
○勝部賢志君 次に、先ほど報告でも触れられましたけれども、ウクライナ支援とロシア制裁、さらにイランへの制裁についても話し合われたということでございますので、その点についてちょっとお聞きしますが、ウクライナ支援とロシア制裁については引き続き堅持されたという理解でいいのかということと、また、対イランへの制裁に関する我が国の主張あるいは確認事項はどのようなものだったのかということをお聞きします。
○国務大臣(鈴木俊一君) ウクライナに対する支援につきましては、G7の共同声明におきましても、必要とされる限りの我々の揺るぎない支援を再確認したほか、引き続きロシア制裁を継続し、制裁の回避、迂回に対抗していくことを確認しました。また、マルチェンコ大臣とのバイの会談におきましても、私からウクライナに対する支援は揺るぎないということの旨も申し上げたところでございます。 そして、イランについて申し上げますと、イランによる前例のないイスラエルへの攻撃を明確に非難をいたしましたG7首脳声明、これが既に発出をされておりますので、そのG7の首脳声明を再確認した上で、イランによる地域の活動の不安定化を支える武器の取得、製造、移転を行う能力は減退させるために将来措置をとる場合には緊密な調整を確保するということについて合意をしたところでございます。
○勝部賢志君 イランに対してもG7の考え方に沿って日本も対応しているということの答弁だったと思いますが、イランとの関係は、我が国は過去にも、ある意味石油の関係もあるので、いろいろ対応については苦慮してきたところもあるのではないかというふうに思っていますけれども、いずれにしても、G7の中で協調した対応をするということを確認してきたということだというふうに思います。 あわせて、ロシアの制裁については、経済制裁というのをこの財政金融委員会でも随分議論をしてきた経過がございます。現状どのようになっているのかということもお聞きしたいところなんですが、これはまた改めてお聞きしますけれど。 報道によると、ロシアの凍結資産をウクライナ融資の担保に活用するということを検討するみたいな報道がありました。仮に、それが具体化していくと、例えば我が国には対象となるロシアの凍結資産というのが存在するのか、あるいはそれがあった場合どのように対応していくのかということなんですけど、これは財務省に見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。 まさしく、我が国、G7、その他の同志国とともに、ロシアの中央銀行に対する資産凍結措置というのを実施してございます。 まず、金額が幾らなのかというような御質問だったかと存じますけれども、これにつきましては、昨年の九月でございますけれども、G7に加えましてオーストラリア、この八か国の当局から公表してございまして、ロシアの国家資産の凍結のこの八か国での総額、G7プラス・オーストラリアの総額ということでございますけれども、これが総額約二千八百億ドルというのをこれ昨年の九月時点で公表してございます。 その上で、そのそれぞれの内訳といいますか、個別の国ごとの凍結額の方でございますが、これは、それぞれの国ごとに幾らというのを公表いたしますと市場への不測の影響等々を招くおそれもあるというようなことがございまして、いずれの国もこれは公表していないというふうに承知をしてございまして、私どもも、日本としましても、他国との関係もございますので、日本として凍結額幾らかというところは公表を差し控えさせていただいているところでございます。
○勝部賢志君 公表はいろいろ影響があるのでということなんですけど、実際にこれをG7で進めていこうということが決まった場合、日本も同じような対応をしていくことになるということという理解でよろしいですか。
○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。 まさしく、今回のG7の声明では、この部分、今までの声明も踏襲しているところございますけれども、この凍結資産の問題につきましては、我々、G7の大臣、総裁という意味でございますが、我々はそれぞれの法制度及び国際法と整合的に動かさないようになっている、つまり凍結されておりますロシアの国家の資産をウクライナの支援のために活用し得る、その可能な全ての方策について今年のプーリア・サミットに向けて検討していくんだということになってございますので、まさにそういったことを検討していくということでございますけれども、そこにおいて重要なことは、今少し申し上げました、それぞれの法制度及び国際法と整合的な、そういう方策をどうやって見付けていくかと、そこがまさに議論のポイントになるかということで、今、現に議論もしているところでございます。
○勝部賢志君 分かりました。議論の行方を注視したいというふうに思います。 次に、先ほど来、鈴木財務大臣は、日米韓三か国の財務大臣会合について意義も成果もあったというふうにおっしゃっています。今回、初めてということなんですけれども、その意義、成果、さらにほかにもあるのであればお聞きをしたいなと思いますし、今後の開催に向けてどのような思いを持っておられるのか、是非、必要なものについては積極的に出席すべきだというふうに思います。 国会の対応ももちろんありますので、そこはいろいろ検討が必要かというふうには思いますけれども、その会合に向けて、大臣の意気込みといいましょうか、今回の成果を踏まえて今後どのようにしていくかということも併せてお聞かせをいただけたらと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今回初めて開催になりました日米韓財務大臣会合におきましては、先ほど申し上げたものも含めまして、まず地域情勢について率直な意見交換を行うことができました。また、G20などでの国際的な課題、それから共通の諸課題についても議論をし、三か国で引き続き密に協力していくことに合意をすることができました。 日米韓三か国の財務大臣が一堂に会して安全保障問題やサプライチェーンの強靱化など世界が直面する幅広い分野における協力をうたった共同声明をまとめることができた、これは画期的な成果であったと思います。 先ほど申し上げたとおり、共同声明において、我々は、最近の急速な円安及びウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存のG20のコミットメントに沿って、外国為替市場の動向に関して引き続き緊密に協議をするといった為替市場の動向についてのこの共同声明につきましても、これは大きな成果であったと思います。 今後、日米韓の財務大臣会合の取り運びについては確たることはまだ決まっていないと理解しておりますが、私としては、この初めての会合が大変意義深いものであったということを踏まえますれば、これからも、是非、三か国でのこの意見調整、また共通した認識を共有するということが大切であって、引き続き何らかの形で継続することが望ましいと、私はそう考えました。
○勝部賢志君 それでは次に、植田総裁にお伺いいたします。 総裁は、現地での記者会見や講演で今後の金融政策の変更についてお触れになり、日本でもそのことが大きく報道されました。会見や講演で総裁が話されたことについて、改めて若干丁寧に御説明をいただけたらと思います。
○参考人(植田和男君) 先週の米国での記者会見、講演等で、先行きの私どもの政策運営について基本的な考え方を改めて説明したところでございます。ただ、特に新しいことをお話ししたというよりは、先々週までの記者会見や国会でお話ししてきたことをもう一度丁寧に、海外、米国で説明してまいったというところでございます。 その内容を少し申し上げますと、今後の金融政策運営でございますけれども、基本的には、その時々の経済、物価、金融情勢次第という考え方に沿って進めていきたいということでございます。より具体的には、金融政策の主たる調節手段となります短期金利の水準について、毎回の私どもの会合で、経済物価の見通し、更にリスクを丁寧に点検した上で、二%の目標を持続的、安定的に、インフレ目標ですね、実現していくという観点から適切に設定していくということでございます。 更に申し上げますと、先行き基調的な物価上昇率が私どもの見通しに沿って二%に向けて上昇していくということにもしなりましたならばですが、金融緩和の度合いを調整していくということになるかと思いますので、その場合は短期金利を引き上げていくということになるかと思います。また、物価・経済見通しやリスクが変化すれば、それも政策の変更の理由になるというふうに考えてございます。 もちろんでございますが、その上でですが、具体的にどういうタイミングでどういう幅でというようなことについて現在予断を持っているわけではございません。
○勝部賢志君 今、金融緩和の度合いを引き上げる可能性についても言及をされましたが、今まで説明してきた内容の範囲内だということだと思うんですけれども、金利ある世界のあるメリット、デメリットが改めて問われています。先ほど大臣からもありました。で、日銀の野口審議委員の講演の中で、変更があるにしても、かなりゆっくり、あるいは相当な時間を掛けてやらざるを得ないのではないかというような発言もございました。 一方で、今の、まあ何というんでしょうか、イランの情勢などもあります。更なる地政学的な緊張の拡大によって、資源の急騰あるいは円安の更なる進行など、緊急な対応が必要な場合も出てくるのではないか。そして、インフレの進行に内需の拡大あるいは賃金が追い付かない、そういうような状況が今よりも更に激しくなった場合、日銀としても政策選択をしなければならないことが出てくるのではないかというふうに考えますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(植田和男君) やや繰り返しになりますが、私ども、現状では基調的な物価上昇率が二%をやや下回っていて、ただし、これが来年にかけて少しずつ二%に収束していくという見通しを持っております。 現状、今、二%を下回っておりますので、緩和的な金融環境を維持していくことが適切であるというふうに考えていますし、先ほども申し上げましたが、見通しどおりに物価の環境、物価をめぐる環境、基調的な物価上昇率の上昇が進行していくということであれば、徐々に金融緩和の度合いを縮小していくという局面に至るというふうには考えております。 御質問の後半の、更なる地政学的リスクの顕現化、あるいはそれに関連して内需が不振になるというような複雑な局面、あるいは緊急の局面でどのような対応あり得るかということでございますが、まず、そうしたリスクは、急に顕現化して金融市場に何か不穏な動きが発生するということになりましたならば、私どもとしては流動性を機動的かつ柔軟に供給するということにより金融システムへの影響を極力極小化するようにオペレーションに努めるということであるかと思います。 それ以外のこうした動きに対する対応ということになりますと、普通の金融政策上の対応ということになりますので、やはりそうした動きが、基調的な物価上昇率、あるいはその近い将来の姿にどういう影響を与えるかということを丁寧に点検した上で政策上の対応を決めるということになっていくかと思います。
○勝部賢志君 ありがとうございました。 いずれにしても、とにかく取り巻く情勢は刻一刻というのか日に日に変化をするわけで、機敏な対応というのが常に求められると思います。 ちょっと時間がなくなりましたので次の質問に移りますけど、鈴木大臣と植田総裁は、来週五月一日から五月六日までアジア開発銀行、ADB年次総会ですとか、ASEANプラス3財務大臣・中央銀行総裁会議、あるいは日中韓財務大臣・中央銀行総裁会議などハードスケジュールがこれからも続きます。 先ほど日米韓の会合があった話をしましたけれども、中国は不動産デフレや過剰海外輸出でチャイナ・ショック二・〇などの問題を抱える地域でありますから、国でありますから、そことの対話をどのようなスタンスで臨んでいくのかということも今検討中ではないかというふうに思うんですけれども、財務大臣にお聞きをしたいと思いますが、先ほど、日米韓については成果があったということなんで、とりわけこの中国との関係などについてどのような目標を持っておられるのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘の中国経済に関する問題につきましては、地域経済に及ぼす影響が大きくなりかねないと考えていることから、非常に重要な問題であると認識をいたしております。 例えば、不動産市場につきましては、先般公表されましたIMF世界経済見通しにおきましても、中国の不動産価格の低下による中国経済の不調が世界経済の下方リスクとして指摘をされているところであります。 政府といたしましては、中国経済を含む海外経済については引き続き注視をしているわけでありますが、来週開催をされますこのアジア開発銀行の年次総会の折にも、中国もその諸会合に参加されるということでございますので、中国を含めました各国とともにこうした地域の経済情勢についてやはりしっかりと議論をしなければならないと、そういうふうに思っております。
○勝部賢志君 今日も、ちょっと話また変わりますけれど、今日も円が下がって百五十四円後半で推移をしているということで、諸外国との様々な会合でのコミットメント、協議、必要だというふうに思うんですけど、そういう中にあって、我が国の円が本当に大丈夫なのかなという気がしてなりません。 この円安の状況を大臣や神田財務官なども、現在の円安相場はファンダメンタルズの反映ではない、だから適正ではなく、投機筋の思惑絡みなんだというふうにおっしゃっておられて、私自身もそれを信じたいというか、そういうことなんだろうかなというふうに思ってはいるんですけれども、海外から見ると、逆に、今の日本の経済状況などなどを見れば、この円がある意味妥当なところというふうに認識をされていては困るなという思いもして、そういう意味で、大臣がお考えになる、ファンダメンタルズや円はこのような意味で確固として大丈夫なんだというような考え方をお示しいただけたらと。時間が参りましたので、簡潔にお答えいただくので結構ですが、私の質問はお答えをいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) ファンダメンタルズ、これは一般に国の経済の基礎的な条件ということを指すと理解をしておりますが、例えば金融政策や金利、国際収支、物価動向などが考えられると思います。 その上で、これらのファンダメンタルズの動向や足下の為替相場について具体的に言及することは、市場に対する影響もございますので申し上げませんけれども、この間のこの委員会におきましても、今先生が御指摘のように、その日本のファンダメンタルズを反映するということが、日本の今の状況がどうなのかという御指摘もあったところでございますが、我々としては、日本のこの国際的な基礎的な条件というものは様々な分野で整っていると、こういうふうに理解をしているところでございまして、為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であると、そのようにコメントをずっと従来からしているところであります。
○勝部賢志君 終わります。
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。 今日は植田総裁にお越しいただきまして、ありがとうございます。お忙しい中、またお疲れの中お越しいただきまして、ありがとうございます。 財務大臣におかれましては、特に質問はございませんので、もしよければ退席していただいて結構なんですけど。それはよろしいですか。
○委員長(足立敏之君) 所管大臣には出席をいただくことになっておりますので。
○柳ヶ瀬裕文君 あっ、所管だから。はい、分かりました。ありがとうございます。では、是非私の質問聞いていただいて、感想などいただけたらと思いますけど。 今日はFRC報告ということではありますけれども、金融政策についてお聞きしたいと思います。 私、日銀の植田総裁に質問するのは初めての機会でございまして、ちょっと、トンマナがちょっといまいちよく分かっていないというところがありまして、もし何か、そんなこと聞くなよということがあれば、それはそういうふうに直接言って、おっしゃっていただいた方がいいかなというふうに思いますので、それは直截的に言っていただければ有り難いなというふうに思います。 このFRC報告ですけれども、金融機関に公的資金が注入された頃を含むバブル崩壊から白川総裁までの金融政策についてまずお伺いしたいというふうに思います。 バブル崩壊の原因はいろいろ言われています。旧大蔵省銀行局の総量規制が原因だという声もあれば、三重野日銀総裁の徹底した金融引締めが原因だという声もあります。遅かれ早かれ、これバブルの崩壊ということには至っていたんだろうというふうに思いますけれども、その前後の対応がまずかったんではないかという声もあります。 いずれにせよ、三重野総裁から二〇一三年の黒田前総裁による異次元の大規模金融緩和に至るまでの約二十年間、この国は不景気とデフレに苦しんでまいりましたが、金融政策は国民生活を助けることなく、もう極めて冷淡だったという感想を持っています。 植田総裁は、四月十日の衆議院財務金融委員会で野田元総理の質問に対して、二〇一三年からの異次元の金融緩和の評価について、結果としてデフレではない状況をつくり出すところに大きく貢献をした、暫定的ではありますが、ネットでプラスであると評価しているというふうに答弁をされています。 これについて私も同じ考えであり、異次元の大規模金融緩和を肯定したものとして納得できるものでありますけれども、では、お伺いしたいのは、このバブル崩壊時の三重野総裁から白川総裁までの金融政策、これを総評するとどのような評価をされているのかということについてまずお伺いしたいと思います。
○参考人(植田和男君) 私、現総裁として過去の総裁方の政策を評価するというのはなかなか難しい立場でございますが、抽象的になって恐縮ですが、過去のそれぞれの時点で、政策決定は、経済、物価、金融情勢を踏まえた上で政策委員で議論を尽くして判断されてきたものというふうに考えてございます。 その上で申し上げますと、九〇年代後半以降の金融政策ですが、恐らく大きなポイントは二つありまして、一つはデフレとの戦い、これが九〇年代半ば、後半以降始まったということだと思います。ただ、それは、日本銀行としては短期金利を引き下げて金融緩和を通じて対応するということをずっと行ってきたわけですが、九〇年代後半には短期金利がもうゼロになって、いわゆるゼロ制約に直面する中で、なかなかそれ以上どうするのかということについて、いろいろ困難に直面し、様々な対応措置は繰り出した、例えばゼロ金利政策、時間軸政策を伴うゼロ金利政策であったり、量的緩和政策というような非伝統的な金融政策を導入していったということだと思います。これがある程度総需要を支えるという役割を果たして、デフレとの戦いに対して一つの支持材料といいますか、食い止める、デフレスパイラルのような事態には陥らないで済んだということはあるんだと思いますが、完全にデフレからプラスのインフレに転換させるというほどの力はなかったということかなと思います。 もう一つは、この時期の政策は、バブル崩壊に伴いまして金融システムが非常に混乱した、金融不安が強まった時期に中央銀行として何ができるかという観点からの対応が多かったように思います。様々な対応がなされましたが、基本的には必要なところに潤沢な資金供給をするということを通じまして、金融システムが当時、九〇年代から、九〇年代半ばから後半にかけて危機的な状態に至ったわけですが、それが一段と悪化してしまうということは防ぐという役割をしたのかなというふうに思ってございます。 その二つの点において様々な努力をされてきたのがこの時期の金融政策であったというふうに評価しております。
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。なかなかお答えしにくいところをお答えいただいたんですけど。 更に答えにくいことを聞くと、これ福井総裁時代の利上げについては私は早過ぎたんではないかというふうに思いますけれども、これについての評価はどのようにお考えなのか。また、白川総裁の、これ非伝統的金融政策を取ったということではありますけれども、この金融緩和の規模ですね、規模については小さ過ぎたんではないかと私は考えているわけですけど、この二点についてはどのような評価をされているのか、端的にお答えいただければと思います。
○参考人(植田和男君) 繰り返しになって恐縮ですが、それぞれの時点での政策判断、それぞれの時点の情勢を踏まえた上で議論を尽くして判断されたものと考えております。 過去の政策運営をめぐりましては、様々な見方、御批判があるということは承知しておりますけれども、私としては、そうした御批判、御意見には謙虚に耳を傾けながら、今後の適切な政策運営を心掛けていきたいと思っております。
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。 過去のことを言うのは簡単だということの中で、評価するのは難しいということですし、現日銀総裁としてはそこまでしか言えないということもよく分かりました。 この間を遡ると、二〇一一年の東日本大震災、二〇〇八年のリーマン・ショック、二〇〇六年のライブドアショック、二〇〇三年のりそな銀行と足利銀行への公的資金注入、二〇〇一年のITバブル崩壊ということがございましたけれども、これ、またこれ仮定の話になって申し訳ないんですけれども、なかなかお答えしづらいとは思いますが、この節目節目で異次元の金融緩和ができていれば、デフレからのより早い回復や、そもそもこれデフレにならなかった可能性があるというふうに考えるわけですけれども、この点についての評価はいかがでしょうか。
○参考人(植田和男君) 委員今御指摘いただきました様々な時点での金融政策対応ということですが、異次元の金融緩和という観点からいたしますと、当時としてはそれまでに実行されたことがないような、なかったような様々な、言葉は当時は非伝統的なと言っていたと思いますが、金融緩和措置をそのときそのときで採用していったということだと思います。 ただ、それが、やや繰り返しになりますが、金融システム不安を静めるという意味ではある程度の効果を持ったと思いますが、デフレ対応という意味ではもう一つ力不足だったということは結果として事実かなというふうに思っております。
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。 ですから、この伝統的な金融政策に私は縛られ過ぎてきたんではないかという見解を持っておりますので、これからもこの伝統的な金融政策について縛られることなく、是非しっかりと対処していただきたいということを申し上げたいと思いますけれども。 三月の金融政策決定会合の政策変更について伺います。 内閣府が公表した二月の月例経済報告では、景気判断は引き下げられており、三月もその判断は引き継がれています。民間最終消費支出は三四半期連続でマイナス成長であり、実体経済は弱いと。 日銀が四月四日に公表したさくらレポートでは、全九地域中七地域で総括判断を引き下げています。その中の記載を一部示すと、原材料費の上昇が続いていることやコロナ融資の返済が開始するといった事情を抱える中、多くの中小企業が継続的なコストアップになるベアの実施に踏み切れないでいるということがありました。そして、何より実質個人消費はコロナ前を一度も回復できておらず、強弱でいえば、もう極めて弱い状況にあるというふうに思います。 一方で、三月会合の公表文では、春闘の結果を見ると昨年に続きしっかりとした賃上げが実現する可能性が高いとしているわけでありますけれども、そうなると、この春闘の結果は今後、金融政策を左右する極めて重要な経済指標に新たに位置付けられたという理解をしてよいのかどうなのか。その場合、来年以降、春闘の結果が思わしくなかった場合には追加の金融緩和の可能性が高まり、春闘の結果が予想外に良かった場合には利上げの可能性が高まると。別の見方をすれば、来年から春は金融政策の季節になるという理解をしているわけですけど、その理解でよろしいんでしょうか、どうでしょうか。
○参考人(植田和男君) 委員おっしゃいますように、今年は春闘の結果にかなり重点を置いた、結果的には政策の動きになった面があるかと思います。 ただ、春闘の動きは常に重要なマクロ経済変数として見てきておりますし、今後もそうであります。私の考えでは、当然、春闘の結果だけでなくて様々な経済変数を見て政策は決めるものです。 今年の場合、春闘以外のその他の変数がある程度の動きを示していた。例えば、サービス価格はその前の賃金上昇の動きの影響を受けてある程度しっかりと上昇してきていた。それから、総需要にやや弱い動きが見られてはいたわけですけれども、設備投資と先行指標から判断いたしますに持ち直しの可能性が高いというふうに判断してきていた。それから、消費の弱さもあったわけですけれども、もしも春闘で強い賃金が確認されて、それが賃金上昇率にだんだん跳ねてくる。一方で、物価の総合のインフレ率については低下の基調が確認されてきていましたので、これが続けば消費にとってもプラスになるというようなことから、たまたまほかのところはまあまあの動きになってきた上で、これで更に賃金のところが強い動きが出てくれば政策変更の一つの大きな背景となり得るということで注目が集まったという面があるかと思います。これは、今後もそうかどうかは全くそのときの情勢次第であります。 ただ、もちろん、繰り返しですが、春闘が常に重要な経済変数であるという観点から私ども見ているということではございます。
○柳ヶ瀬裕文君 それから、私は、今回の決定に関しては春闘の結果を大きく見積もり過ぎていたんではないかというふうに私自身は見解を持っていまして、そのほかの変数に関しては私は弱いと、持続的、安定的とはとても言えないような状況であるにもかかわらず、春闘がああいう結果だったからということで今回その政策決定に踏み切ったということで、それは私は若干拙速だったんではないかという意見を私は持っているということですけれども、この春闘の結果というのはこれからも大きな指標として採用していくということで、まあそれは当然のことだというふうには思うんですが、これ労働組合の組織率は過去最小を更新し続けていて、厚生労働省の基礎調査によれば昨年六月三十日時点での推定組織率は一六・三%ということで、労働者の六人に一人くらいしか組合員ではないという状況があります。残りの六人に五人の賃上げ状況についてどこまで反映されているのかということにはこれ懐疑的であります。 また、消費者物価指数の先行指標である企業物価指数は前年同月比ゼロ%付近が続いていて、持続的な二%の物価目標が達成されるか自体がかなり不透明な状況なんではないかなというふうに思います。 加えて、先ほどもありましたけれども、世界の株式市場を見ると、中東情勢の緊迫化による調整局面に入っていますし、不測の事態によるショックも警戒されていて、実体経済に悪影響を与える潜在的リスクも高まりつつあるというふうに思います。 植田総裁は非伝統的手法を取り入れることは否定していないとのことなので、これ、目標が達成できない状況となった場合には、黒田前総裁が言っていたように、ちゅうちょなく追加緩和を行うと、踏み切るという理解でよいのかどうか、これについてお答えください。
○参考人(植田和男君) 先行きでございますが、仮に基調的な物価見通し、物価の動きが我々の見通しからやや下振れてくるというような際にどのような政策対応かという御質問だと思いますけれども、それは、そのときのやはり経済、物価、金融情勢次第でどういう具体的な手段を取るのか取らないのかということが決まってくるかと思います。あらかじめ具体的な対応の内容について申し上げることはなかなか難しいかと思います。 あくまで、二%物価目標を持続的、安定的に実現していくという観点から適切に政策を運営してまいりたいと思っております。
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。 是非このちゅうちょなく追加緩和ということについては御検討いただきたいというふうに思いますけれども、ちょっと質問を飛ばして、時間の関係で。 二〇〇六年三月の福井総裁の量的金融緩和解除のときには、その四か月後の七月にはコールレートの水準がゼロ%から〇・二五%前後にまで引き上げられました。振り返ってみれば、これは拙速過ぎて失敗だったと言えるのではないでしょうか。 三月の決定会合の公表文では、物価安定の目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断としていますけれども、これ物価安定目標実現の瞬間まで緩和をし続けると行き過ぎてしまうので、目標達成に近づくにつれて引き締めていくという理解をしています。 ということは、これ見通している期間中には金融引締めに動くということになると思いますけれども、この見通せる、で、視野に入っている期間としてどのように考えているのか、これをお答えいただければと思います。
○参考人(植田和男君) 私どもの見通し、現状では二〇二五年度までの見通しを出しております。この二%が達成されていくというタイミングでございますが、二五年度にかけてというふうに現状では判断しております。
○柳ヶ瀬裕文君 これ、ですから、二〇二五年度末より前、言い換えれば、あと一年十一か月以内にはこれ金融引締めに転じるということになり、二〇二五年度末には緩和的な環境でなくなるということになるということなんだろうと思います。 そうなると、世間や市場の関心は三つに整理されると考えています。 一つ目は、今おっしゃった展望ですね、展望のとおりに推移しているかいないかの最初の判断はいつ頃になるのか。つまり、いつの時点で、物価と賃金の好循環のパスから外れていなければ、その後も大丈夫だろうと考えて引締めに入るのか。二つ目は、展望のとおりに推移していると判断した場合、いつ頃最初の金融引締めを行うのか、それを判断したときと同時なのか。三つ目は、賃金と物価の好循環は持続しているけれども、賃金や物価上昇の力が弱く、目標達成に至らないと判断した場合、及び、好循環が崩れ、デフレに逆戻りしそうな場合のそれぞれについて、どのような措置をとることを検討しているかであります。 これ、ほかの中央銀行の例で見ますと、非伝統的金融政策をやめた後には今後の金利調整の見通しであるフォワードガイダンスを示すところでありますけれども、植田総裁、植田総裁はフォワードガイダンスを示す考えはないということですので、これら三点を通して考えを伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(植田和男君) 現実の経済が私どもの見通しどおりに推移しているかどうかのチェックは、ある意味、毎日新しく出てくるデータ、情報で常に行っておりまして、それを持ち寄って毎回の決定会合で皆で議論をいたします。そのときで集約した情報を一応まとめるという作業をいたします。 それが何回か重なったところで、大きな情報で確度の高いものが入れば、それで見通しどおりに推移している、あるいはずれているということで皆が納得するでしょうし、ずれていそうだけれども、ちょっと一時的な動きかもしれないというようなときには、何回かかけてみないといけないということにもなるでしょうし、それについて現時点で、例えば七月とか九月とか年末とか来年までとか、ここまでの情報を積み上げれば十分な情報を得たということになるだろうということを前もって申し上げるのは非常に難しいかと思います。 その上で、好循環は持続しているが目標にちょっと届かないとか、あるいはもっと悪い方向に経済が行ってしまいそうであるというようなときにはどういう対応を取るかというのが後半の御質問だと思いますけれども、それも、好循環がどれくらい目指す姿からずれているのか、ずれているけれども一時的なのか、あるいはかなり長期的に続きそうなのかということ次第で具体的な対応は違ってくると思います。 例えば、一時的にずれていて、ちょっと待てばいいということであれば、緩和の度合いを縮小するという程度を弱めるとか縮小しないでしばらく我慢するとか、そういう対応があり得ると思いますし、もっと厳しいずれ方であれば何か新しい措置を考えるということもあり得るかと思います。それはまたそのときまでの入ってくる情報とそのときの経済情勢次第であるというふうにしか今のところは残念ながら申し上げにくいかと思います。
○柳ヶ瀬裕文君 総裁としては、これ多分裁量の余地を広く取りたい、フリーハンドを持ちたいということだと思いますけれども、私は、今の御発言を聞いても、このフォワードガイダンスをお示しになるということは重要なことなのではないかなというふうに今思いました。 是非、ちょっと予見可能性を高めるということも必要ですし、また、私は、何というんでしょう、世論の圧力というか世論に迎合してきた日銀の歴史というものも私はあったんではないかというふうに思っておりまして、そういったことを、予断を排除するためにも、やっぱりある程度の見通しを示すということは重要なんではないかなというふうに思います。 縛られたくないからフォワードガイダンスなかなか示したくないということはよく分かるんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○参考人(植田和男君) 縛られたくないということを言い換えますと、私どもとしては、前もってこういうやり方をきっちりするということを具体的に言い過ぎますと、蓋が開けたときに最適なやり方になっていないということがしばしばございます。ですので、調整する余地をなるべく残しておきたいというのが基本的なことでございます。 ただし、そうはいっても、先行き何もなしに皆さん判断してくださいということでは困るという声が強くなると思いますので、今日もいろいろ申し上げておりますように、基本的にはこういう考え方で運営していきます。二%の目標を達成するために基調的な物価上昇率の動きを見ていきます。それがどう動いていくかはデータ次第でありますし、そのデータ次第に従って、データに沿って短期金利の水準を調整していくと、そういう考え方はきちんと説明しているところでありますし、見通しについても随時変える、例えば三か月に一回新しい見通しを提出いたしますが、それについて詳しい説明を付けつつ提示させていただくということをしていきたいと思っております。
○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。 フォワードガイダンスの産みの親は植田総裁だということも私勉強して知りましたので、またこの点について、有効性についてはまた議論させていただければというふうに思います。 今日はありがとうございました。終わります。
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。 この国会でこの後提出される予定法案の中で、企業価値担保というのがこれから議論されるんですが、この企業価値担保、つまり不動産とか物的担保に依存しないで企業を評価するという、長年言われてきたことをようやく正面から取り上げるという意味で意義ある法案だと思うんですが、その企業価値担保を日本の金融取引とか融資業務において普及させるためのそのポイントについて大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今、大塚先生から御指摘のとおりに、今国会提出予定の、もう既に提出はされておるんですけれども、御審議をいただく予定の事業性融資の推進等に関する法律案に盛り込まれております企業価値担保権、これは、将来、キャッシュフローを含む事業全体の価値を担保の目的とすることによりまして、不動産担保や経営者担保に依存せずに、経営者保証に依存せずにスタートアップを含む幅広い事業者への融資を促進するための新しい担保制度であります。 この新しい担保制度においては、事業者の事業全体の価値が担保価値となることから、この制度が広く活用されるためには、まず、金融機関において事業内容や将来性を的確に把握し、事業全体の価値を適切に評価できる必要、まず目利きが必要である。事業者の方におきましても、事業計画のほか、事業の強みや弱みを金融機関に適切に評価してもらえるようにこれを適切に伝えること、これが必要であると考えております。 これを踏まえまして、法案では、金融機関において事業を適切に評価するノウハウが十分でない場合などに備えまして、金融機関や事業者に対して専門的な知見の提供等を行う機関の認定制度の創設も盛り込んでおりまして、金融機関や事業者に対しましてこうした機関の活用を促してまいりたいと考えております。 金融庁としては、我が国の融資実務において企業価値担保権が普及するように、制度の内容の周知に加えましてこうした取組をしっかりと進めていきたいと考えているところです。
○大塚耕平君 私自身は一九八〇年代に社会人になったわけでありますが、八〇年代ぐらいまでは、大臣、日本もどんどん高度成長で、不動産の価値も、バブル的に上がる局面だけじゃなくてじわじわ上がっている局面もずっと続いていた中においては、不動産担保を取るということにおいても一応、一定の合理性があったと思うんですけれども、その後、なかなかそうじゃない中で企業や経済を発展させようと思うと、やっぱり余りそういうことに依存しない金融慣行というものをつくっていく必要があったんですが、長い間なかなか日本ではそれができないと。 したがって、いまだに日本にはレンダーはいるけどバンカーはいないといって、これは私が就職した頃も言われていたんですが、最近、私もあちこちの金融機関で講演をお願いされたときに、三十年たっても同じことをまだ言っているわけですね。だから、何とか今回これいい形で成立をしてほしいと思うんですが、金融庁に頼まれたわけじゃないんですが、あちこちの講演で既に、今国会でこういう法案が出ますと、皆さん、企業価値担保ということは、言葉は御存じですかと言うと、当然皆さん御存じなくて、あっ、それはいい話だといって大変関心が高いので、これをどういうふうに普及させていくかということなんですが。 そういう中で、今日のこのFRC報告の二十七ページを見ると、たまたま私の地元の愛知銀行と中京銀行の金融機能強化法に基づく実施計画の概要というのがありまして、二十七ページを見ると、もし冊子があったら事務方お渡しいただきたいと思うんですが、三十億円の資金交付をする、なければないでいいです、読みますので、資金交付をする条件として計画をいろいろ出すんですけれども、地域経済の活性化に資する方策というところに何て書いてあるかというと、不動産担保や個人保証に頼らない融資手段の多様化をしますと、まあ、だからそれはいいことなんですけれども、つまり、やっぱり今現在そうしているという自覚症状があるわけですよね。 もし、お手元にあればその下の方に、地域経済の活性化に資する方策として、不動産担保や個人保証に頼らない融資手段の多様化、ほかにもいっぱい書いてあるんですが、それをするので金融機能強化法に基づく支援をしてほしいということなわけですね。だから、それはそれでいいことなんですけれども、それを裏付けるのが、今後、企業価値担保を前提にした融資などをしっかり行っていきますというふうにも読み替えられることができると思うんですけれども。 そこで、ちょっと提案なんですが、さっき僕が申し上げた質問はこれを普及させるためのポイントは何かということなんですが、かつて担当副大臣をさせていただいたときに、中小企業等金融円滑化法というものを作って、リーマン・ショックの後の貸出条件の変更に金融機関が積極的にちゃんと応じていただいて金融機関の役割を果たすように促すためにはどうしたらいいんだという、これは亀井大臣の下で作った法案ですが、そのときには今の局長の皆さんも含めて、さてこれどういうふうにやるかなといってみんな苦労したんですが、結局、そこで組み込んだ法律の仕組みは、まず、貸出条件に応じるという、あっ、貸出条件の変更を申し出られたら、企業から相談を受けたら積極的にその相談にちゃんと応じる努力義務を課したわけですよね。 だけど、この努力義務だけで本当にうまくいくのかということで、三か月に一回、どのくらい申出があって、それにどのくらい応じたかという計数をちゃんと報告してくれという、その報告というスキームを入れたわけですね。そうすると、金融機関は、やっぱり横もにらみながら、ほかは一生懸命やっているのにうちは一生懸命やらないんでは批判浴びるかもしれないということで、相乗効果でみんなが一生懸命貸出条件の変更に応じるようになって、思いのほかうまくいったとも言えますし、人によっては、ちょっと強くこれが機能し過ぎて、相当たくさんの企業を救い過ぎたんではないかという声もあります。ただ、企業側からしたら、救われ過ぎたということはないでしょうと、これで我々は本当に助かったんですと思っていらっしゃる方、結構多かったんですが、それは、その後、法案が、法律がなくなっても、今、監督指針にもうその基本的な考え方は書き込まれています。 そこで、この企業価値担保なるものが、法律が、法案が成立して、もし金融慣行の中にこれが登場することになったら、金融機関の報告事項として、融資のうちどのくらいは企業価値担保融資をしているかということを報告させるというふうにされたらどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先生からも御指摘いただきましたが、この企業価値担保の創設というのはある意味画期的なものであると、こういうふうに思います。特に、これからスタートアップの方なんかに頑張っていただかなくちゃならないときに、元手には何も、手元には何もないような方も将来性をきちっと目利きをして融資をするということは大切なことなんだと思います。 やはりこれは何とか育ってもらいたいという思いを私も持っておりまして、法律ができ上がったらもうあとは、あとはもう自由にやってくださいというわけにはいきませんので、金融庁としては様々な面でモニタリングをいろいろやっております。そういう中で、やはりこうしたものがきちっと根付いていくことについての状況を、現状を把握するということは大切だと思いますので、どういう形でやるかはともかくとして、モニタリングはしっかりとやる必要があると考えます。
○大塚耕平君 もちろん詳細は、仮に法律が成立したら、その後、政省令やいろんなことでディテールは決めていくと思うんですが、今大臣御自身もおっしゃったように、今回出てくる法案は、どっちかというとスタートアップとかあるいはMアンドAなどを想定した立法事実になっているような気がするんですが、私は、これはもう広く企業全般に対してこの企業価値担保融資というものが浸透していくということが非常に大事なポイントだと思いますので、是非、スタートアップとかそのMアンドAに限定せず、広く金融機関と企業の関係において企業価値担保融資というのは一般的なものであって、したがって、目利きのしっかりできる金融機関は企業価値担保融資をいっぱいしてくれているというのは、それは報告を見たら横並びで比較できちゃうわけですから、あそこの銀行に行ってもその比率が低くて不動産担保ばっかり要求されるから、もうあそこの銀行はちょっと行くのをやめておこうとか、こういうインセンティブが働きますので、是非うまく仕組みをつくっていただきたいなと思います。 もう一問、通告をさせていただいておりますが、今、日本の不動産、タワマンもそうですし、一部の不動産物件がバブル的な感じにもなっているわけですが、当該融資に対する日本の金融機関の融資状況、相当前向きに、かつてのバブルのときのような雰囲気になっているのか、その辺はどんな御印象をお持ちでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 外国投資家によりますオフィスなどの国内事業用不動産への投資状況につきましては、民間会社の各種レポートやヒアリングによりますと、コロナ禍は世界的な金融緩和を背景に不動産取得が積極的でありましたが、足下では投資額が減少し、昨年は四年ぶりの売り越しに転じたものと承知をしております。 一方で、今後につきましては、取得姿勢の鈍化を示唆する指摘がある一方で、機関投資家の購入スタンスに大きな変化はなく、一部には投資を再開あるいは加速させる動きが見られるとの指摘もありまして、様々な見方があるものと考えてございます。 そして、それに対する融資の状況ということでありますが、外国投資家による投資案件に係る融資状況について網羅的に把握はしておりませんけれども、我が国金融機関による国内不動産向けの融資残高は全体として増加をしており、こうした中で、外国投資家の資金を手元としたファンド等がスポンサーとなった投資案件に対して我が国金融機関が数百億円規模の大口融資を行っているものも複数存在しているということを認識をいたしております。 金融庁としては、海外投資家によります不動産投資の動向が国内の不動産価格や我が国の金融システムに与える影響を注視をするとともに、我が国金融機関による国内不動産向け融資の動向でありますとかその与信管理の状況について引き続き適切にモニタリングをしたいと考えております。
○大塚耕平君 意見だけ申し上げて終わりにさせていただきますが、注視をする、モニタリングをしっかりするというお話ですので、是非しっかりやっていただきたいんですが。 実は、去年から、中国の金融当局が、中国の不動産会社等をかなり厳しく、場合によってはもう破綻をさせるという方向にかじを切っていますので、何が起きつつあるかというと、しからばそういう不動産投資などでもうけようという資金は日本に振り向けようという動きが始まっているというふうに私は、私なりの情報ルートでは聞いておりますので。 今でも、既に東京やその他の地域のタワマンも、あるいはオフィスも含めて、実は、きれいなビル建っているけど、意外に空いているオフィスとか空いているタワマンいっぱいあって、ちょっと先行きが懸念される、しかも中国の金融当局の姿勢がそのように変わって、現に不動産会社を破綻させつつあるという中で、是非、外国資金の動き、そして今大臣がおっしゃったような外国ファンドの日本の不動産への投資状況についてはしっかり注視をしていただきたいということをお願いして、終わりにします。 終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 仕組み債の悪質販売と、銀行と証券、銀証連携の問題について聞きます。 〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕 仕組み債は、デリバティブを使って高い利回りをうたう一方で、特定の株式や為替などに影響を受けて損失が大きく膨らむ可能性がある金融商品です。アメリカで始まって、いわゆる九八年の金融ビッグバンで解禁が日本でもされまして、当初はプロ向けのものだったと思うんですが、どんどん一般市民にまでこの販売が広がってきた。 私の事務所に、二〇一七年に二回に分けて二千七百万円仕組み債を買った高齢の女性から相談がありました。それまで何度か取引していた大手のD証券会社の担当者に元本保証の安全資産でとお願いしたらすぐに自宅まで来て、元本保証で四%付くものがあると、トルコ・リラ債券を組み合わせた仕組み債を提案してきたそうです。担当者は、トルコは若い人が多くてこれから経済発展するので、五年間預けることになるけれどもリターンは大きいと、これから会社に電話を掛けるので、はいとだけ言ってくださいと言われて、電話で五分間ぐらい説明を受けて、はいと言って、それで書類を作ったと。そして、結局全額損失で、全て失ったというんですね。 金融庁にお伺いしますが、仕組み債をめぐる問題については、金融庁としては、いつ頃からどのような被害が出ていると認識されていたか、被害の広がりについてどのように対処してこられましたか。
○政府参考人(伊藤豊君) お答えを申し上げます。 特定非営利活動法人の証券・金融商品あっせん相談センター、FINMACというのがございますけれども、ここに証券関係の苦情が寄せられているところでございまして、この苦情件数だけで全貌を把握することはもちろんできませんけれども、御参考までに申し上げますと、二〇一二年度から二〇一八年度ぐらいまでは、年によって差は大きいものの、平均するとおおむね百件程度の苦情、年間ですね、ございましたけれども、二〇一九年度には二百二十六件、二〇二〇年度には百八十九件、二〇二一年度には百五十二件、直近でございますけれども、二〇二二年度には三百六十四件ということで、近時、苦情件数が急増しているという状況でございます。
○小池晃君 被害は広がっていると思うんですね。 大臣にお伺いしたいんですが、これ定期預金の代わりだといって勧められたとか、強引に勧められて三千六百万円被害に遭ったとか、顔見知りの銀行行員から勧められて損失出た、退職金が元本割れした等々、これ被害が広がっているんですね。これ、被害者の多くは高齢者で、泣き寝入りさせられているというのが実態です。この深刻さ、どう認識されていますでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 仕組み債をめぐりましては、金融機関による不適切な販売勧誘によりまして多数の個人投資家が影響を受け、結果として複数の金融機関に対して行政処分を発出する事態に至っておりまして、誠に遺憾であると、そのように思っております。 このような事態を受けまして、日本証券業協会では、自主規制ガイドラインを改正をして、金融機関の経営陣が自ら仕組み債の販売方法の策定を行う、そして事後検証と販売態勢の見直しに関与することを求めるなど、販売勧誘態勢の適正化に向けた取組が進められているところであります。 金融庁といたしましても、販売勧誘態勢の適正化に向けた対応が十分に取られているかどうか、しっかりモニタリングを行うとともに、経営陣との対話を通じまして顧客本位の業務運営を徹底してまいりたいと、そのように思っています。
○小池晃君 この背景に何あるかという問題なんですが、千葉銀行と子会社のちばぎん証券、あるいは千葉銀行と包括提携を結んでいる武蔵野銀行、これ、高齢者を標的にして適合性の原則に違反して仕組み債を不法に販売していたことが明らかになって、三月、今年三月ですが、千葉銀行の佐久間英利会長は責任を取って会長を辞任されています。 昨年、金融庁は行政処分を行っていますが、その内容を簡潔に説明してください。
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。 ちばぎん証券におきましては、顧客の投資方針や投資経験に照らして不適切な仕組み債の販売が行われていたこと、千葉銀行及び武蔵野銀行におきましては、顧客属性を確認、検討せず顧客を仕組み債に誘引するなど、投資家保護上問題のある形で証券会社への顧客紹介が行われていたことが認められたことから、証券取引等監視委員会による処分勧告を踏まえ、ちばぎん証券等に対し、昨年六月二十三日に業務改善命令を発出したところでございます。 この業務改善命令におきましては、ちばぎん証券に対しましては適切な業務運営態勢の構築、経営管理態勢及び内部管理態勢の強化等、千葉銀行及び武蔵野銀行に対しては、これらに加えて、銀証連携ビジネスモデルの構築等法令等の遵守及び適正かつ健全な業務運営を行うことを含む業務改善計画の策定、実施を命じたところでございます。
○小池晃君 配付資料に問題点をまとめたものがあります。御覧いただきたいと思うんですが、元々プロ向けの商品なわけですが、プロだったらいろんなリスクも理解して投資すると思うんですが、金融機関が対面で販売する場合はこれ高齢者が多いわけで、非常にリスクが十分説明されないまま、特に銀行、やっぱり銀行ということで信頼してしまって、購入してしまう。 地銀はやっぱり低金利で本当に長期にわたって苦しんでいるから、手数料収入高いのでこういったものに流れていくというのはあるんだと思います。それから、本来はやっぱり想定されなかった、若年層はネット証券なんかを今は使いますから、やっぱり本来想定されなかった高齢者なんかにこの仕組み債というのが売られている。 問題は、私、先ほど言いました、銀行に対する高齢者の信頼を利用して、銀行と証券が一体に行われているということなんですね。これ、千葉銀行では、紹介した顧客がちばぎん証券から仕組み債買うと千葉銀に手数料の一部が入るという仕組みで、千葉銀の行員の業務目標に組み込まれていた。武蔵野銀行も同様の仕組みで、武蔵野銀行は役員が支店長に対して店別の仕組み債収益実績表というのを送付して積極的な仲介を指示していたと。まさに組織的な販売を、銀行、証券一体でやってきたんですね。 金融庁の調査では、二〇二二年三月時点で八割の地銀が仕組み債を扱っていたというわけです。やはり、これは構造的な問題があるんではないか。この事件を報じた日経新聞は社説で、千葉銀などのケースが悪質なのは地銀と系列証券の提携が不適切販売の温床となった点だと指摘しているんですね。 金融庁に聞きたいんですけど、千葉銀行、武蔵野銀行のケースというのは、これ、銀証連携のゆがみの表れではないでしょうか。
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。 まず、千葉銀行、武蔵野銀行とちばぎん証券との間の問題点について、今委員からも御指摘ございましたけれども、申し上げますと、この両銀行とこのちばぎん証券の間では金融商品仲介業務に係る提携契約というのを締結しておりまして、この内容では、両行は、この両行のお客さん、銀行のお客さんに対して、証券会社が扱う商品のラインナップのみを説明をすると、個別の勧誘はしないということでございましたけれども、実態は、顧客属性を確認しないまま、銀行のお客さんを仕組み債購入に誘引するといった、投資家保護上極めて不適切な形で証券への顧客紹介を行っていたということが認められております。 これも委員御指摘のとおりでございますけれども、このような不適切な顧客紹介が行われた原因としては、銀行の行員の業績評価体系が高手数料の仕組み債提案を招きやすいというものになっていたこと、紹介顧客からの苦情について、苦情もたくさん出ておりましたけれども、発生原因分析や改善策の立案を行っていなかったということ、それから、顧客への説明内容等の内部管理部門によるチェックが形式的なものにとどまっていたというような銀行の業務運営態勢の不十分さに原因があり、また、ちばぎん証券におきましても、銀行から紹介された顧客について、本来は証券において適合性原則を踏まえて売るか売らないかということを判断しなければいけないわけですけれども、それをしないままに、銀行から送られてきたその内容、お客さん、それから誘引した商品について売っていたというような販売管理態勢の問題があったと、こういうこの銀証の関係がこのちばぎん証券、千葉銀行、武蔵野銀行に関する問題となって表れたというふうに認識しておりまして、こういった点を是正するように今もフォローアップをしているところでございます。
○小池晃君 個別の管理体制の問題はもちろん問題なんですけど、やっぱり背景にはこのやっぱり銀証連携という仕組みですよね。 これ、実は一九九二年の金融制度改革関連法の質疑の際に、私ども日本共産党は、金融と証券との垣根を取り払い、銀行が子会社方式で証券業務に本格的に参入できる道を開けば、不正取引を引き起こすもとになるんじゃないかと指摘をしました。やっぱりそういう事態が生まれてきているんではないかなというふうに思うんです。 大臣、やっぱり今回の事態が示しているのは、やはり規制緩和ではなく規制強化が必要なんではないか。ファイアウオール規制を見直して、罰則の強化など更に厳しい措置をとるべきではないか。 それからもう一つ、併せてお聞きしますが、今、岸田政権は、資産所得倍増プランということで、貯蓄から投資へという、そういう旗を振っているわけですけど、こうした中で全銀協は、新しい資本主義の実現に向けて、逆に銀証ファイアウオールを緩和すべきだということを主張しているんですね。金融審議会でもそういう主張をされています。私は、規制強化こそ必要であって、更なる規制緩和というのは今の時点でこんなことは許されないんではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) まず、御指摘のファイアウオール規制でありますが、一九九三年に、同一金融グループ内において、銀行業、証券業を営むことを可能とする規制緩和を実施した際に、顧客情報の適切な保護や利益相反取引の防止等の弊害防止措置として併せて設けられた規制でございます。 この規制につきましては、これまで数次の見直しを行ってきましたが、その際には、規制緩和を通じたより高度な金融サービス提供等を通じた顧客の利便性向上などを目指すのみならず、顧客情報管理や利益相反管理、優越的地位の濫用防止といった弊害防止措置の実効性を確保するための追加的な措置を必要に応じて講じることによりまして、顧客保護に支障が生じないよう、必要な制度整備を行ってきたところでございます。 そういう経過もある中で、例えば最近の二〇二二年の見直しの際には、規制緩和と同時に、私ども金融庁に優越的地位の濫用防止に係る情報収集窓口というものを設置いたしまして弊害防止措置の実効性を強化するための措置を講じておりまして、当該窓口に寄せられる情報、こういうものを活用しながら、顧客保護が適切に図られているか、金融機関に対する必要なモニタリングを行っているところでございます。 そして、その後、このファイアウオール規制の緩和につきまして、全銀協からの要望も受けております。この要望のほかにも、このファイアウオール規制につきましては、昨年の新しい資本主義グランドデザイン及び実行計画二〇二三改訂版においても、規制の在り方や必要とされる対応について検討を行うこととされているところでございます。 金融庁といたしましては、この規制の在り方の検討に当たりましては、より高度な金融サービスの提供を通じた顧客の利便性向上のみならず、顧客情報管理や利益相反管理、優越的地位の濫用防止といった弊害防止措置の実効性をしっかり確保しながら、しっかり確保できるかどうか、これを確認しながら進めることが重要と考えておりまして、この点をしっかり念頭に置きながら検討をしてまいりたいと思っております。
○小池晃君 質問はもうしませんが、ファイアウオール規制の強化こそ、私は今必要になっているということだと思います。 そして、やはりこうした事態が生まれる背景にあるのは、老後の資金が二千万円必要だという、これは金融審議会が出した報告書で、年金だけでは暮らしていけないというやっぱり高齢者の不安に付け込んでいるという問題もあるというふうに思います。公的年金の検証の年でもあって、やっぱり老後資金についてどうやってしっかりと安定的なものにしていくのかということは、これは政府全体を挙げてきちんと考えていただく課題ではないかということも申し上げて、質問を終わりたいと思います。 以上です。
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。 〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕 今月十七日、新型コロナワクチンのリスクが十分に伝えられずワクチン接種後に亡くなった方々の遺族十三人が国に対して約九千百五十万円の賠償を求める集団訴訟を提起されました。また、次のパンデミック時にワクチンの接種が強要されることなどへの懸念から、十三日には約二万人の国民が池袋でデモを行いました。このように、厚生労働の分野では、新型コロナの蔓延に対する政府のこれまでの政策について国民が見直しや検証を求めています。 以前からお伝えしているように、経済の分野でも、これまでのコロナ対策の検証が必要ではないかと考えています。政府は、感染者数や死亡者数ではなく、PCR検査の陽性者数を基に緊急事態宣言を発令し、国民の活動と経済の流れを止める判断をしました。その補償措置としてゼロゼロ融資を実施しましたが、三年が経過しても融資を受けた事業者の経営状況は改善されず、返済猶予期間が終了し、昨年からは倒産が増えているというデータも出ています。更に追い打ちを掛けるように、インボイス制度などによる増税、電力政策の誤りによる電気料金の高騰、人手不足と賃上げによるコスト増加が続いており、さらに今後は金利の上昇も予想されます。 そんな中、四月九日の日経新聞には、企業の倒産は経済の新陳代謝であるという記事が掲載されていました。百歩譲って、何もない中で倒産をする企業があるなら、それを新陳代謝と考えることは致し方ないのかもしれません。しかし、中小企業が直面している困難は、コロナ時の政府の政策の誤りに起因する部分もあるのではないかというふうに考えています。海外では、新型コロナによる健康被害よりも経済活動の停止の方が国民に与えるダメージが大きいというふうに判断し、ロックダウンしなかったところもあります。 こうした背景を前提に、三点お聞かせいただきたいと思います。 まず一つ目は、二〇二〇年から政府が行った緊急事態宣言とそれに伴う行動制限などが経済に与えた影響を現在どのように分析しているのかについて、二つ目は、今後同じようにパンデミックが起きたときに同じような判断をするかについて、三つ目、先ほど述べた背景から企業倒産が増加する可能性がある中で、マイナス金利の解除により金融機関の貸出金利が上昇することに対して財務省や金融庁はこの流れをよしとするかについて、三点お聞かせください。
○政府参考人(上野有子君) お答えいたします。 新型コロナの感染拡大時には、外食や旅行といった対面型サービス消費など個人消費を中心に我が国経済は下押しされてきましたが、感染が拡大する中で国民が自発的に外出を控えたことによる影響も含まれており、行動制限措置そのものによる影響のみを切り分けることは困難です。 他方、政府としては、感染拡大や緊急事態宣言による経済的な影響に対して、特別定額給付金や持続化給付金、実質無利子無担保融資、雇用調整助成金の特例措置など、必要な支援策を機動的に講じ、経済の下支えを図ってきました。 そうした粘り強い取組の効果もあって、コロナ禍の厳しい状況にあっても失業率などは低水準で推移し、その後の経済社会活動の正常化に伴い、我が国経済の持ち直しが進んできたと認識しております。
○政府参考人(八幡道典君) 二点目の御質問についてお答え申し上げます。 政府におきましては、昨年九月以降、新型コロナへの対応の経緯を踏まえつつ、新型インフルエンザ等対策推進会議におきまして今精力的に御議論いただいておりまして、有事における対策の選択肢を整理した政府行動計画の改定作業を今進めているところでございます。この改定作業におきましては、例えば、平時から医療機関等と協定を締結し、感染症発生後の早い段階から必要な医療提供が可能となるよう取り組むこととするなど、平時からの取組を強化することとしております。 お尋ねの次の感染症危機が生じた場合の対応につきましてでございますが、これは実際に起こる感染症危機の状況などによりますため一概にお答えすることは難しいところでございますけれども、今申し上げましたとおり、平時からの準備を充実させることによりまして、必ずしも今般のコロナ対応と同じような状況とはならないように備えていきたいと考えております。 いずれにしましても、平時の備えを充実することが大変重要と考えておりまして、こうした考え方を踏まえて、次の感染症危機に向けて万全の体制を整えてまいりたいと考えております。
○国務大臣(鈴木俊一君) 三点目について答弁をさせていただきます。 政府といたしましては、今後、貸出金利の上昇によりまして事業者が厳しい状況に置かれるのではないかと懸念する声があること、民間の調査結果によれば、令和五年度の倒産件数は前年度より増加し、おおよそコロナ禍前と同程度の水準になっていること、これは承知をしているところであります。 金融庁としては、民間金融機関による貸出金利については、これは金融機関と事業者の交渉を通じて適切に決定されるべきものと考えていますが、その上で、金融機関に対して、貸出金利の引上げを行う場合には事業者の理解を得られるよう丁寧な説明を行うよう求めるとともに、貸出金利の動向やそれが借り手に与える影響等について注視をしてまいります。 加えまして、金融庁としては、コロナ禍における各種支援策が期限を迎えるとともに、物価高や人手不足等の影響で厳しい状況に置かれている事業者も多いことから、金融機関が経済環境の変化を踏まえつつ、経営改善、事業再生の支援など、事業者の実情に応じたきめ細かい支援を徹底することが重要であると考えておりまして、引き続き、金融機関に対しましてこうした対応を促していきたいと考えております。
○神谷宗幣君 回答ありがとうございます。 前回のコロナの後の自粛等々の分析について、平時の対応をということ、平時の備えをですね、ということをお聞きしたんですけれども、いろいろデータを見ると、日本のそのコロナの被害というのは、欧米に比べるとやっぱり小さかったんですね。それほど大きな被害がなかったにもかかわらず、やっぱり緊急事態、自粛があったんではないかというふうに分析することができます。 さらに、京都大学の藤井聡先生らの研究によると、自粛が感染症の縮小をもたらすということは統計的に否定できるんではないかという研究もあります。感染症の効果が限定的であるにもかかわらず、経済の被害、経済的な被害は大きく、その後、尾をまだ少し引いているというような現状があるのではないかということに対して問題提起をしておきたいというふうに思います。 そして、そういったことをきっかけに、多額のコロナ対策費を使ったわけですけれども、これも以前も聞いたことなんですが、その対策費が一体何にどう使われたのかということがやっぱりまだ国民に示されていないということだと思います。やっぱりこれ、今はもう今後のそういったものは出さないということをこの間聞いたんですけれども、過去にどう使って、どういう効果があったのかということは、やっぱり今、もう三年たったので出せると思うんですよね、分析をすれば。それをやはり明確にして、検証して、説明する責任はあるというふうに思います。 これをやらずに、税金が上がる、それから経済が十分に回復しない、それを、状態をおいておいて、経済の新陳代謝でそこの市場の弱者は退場すべきだというふうな言論が出てくるというのは、やっぱり私、国として不誠実ではないかなというふうに感じるわけです。過去の政策に対する検証をもう少ししっかりと行って、中小企業や個人事業主のサポートを継続していただきたいというふうに要望します。 関連して、昨年度始まったインボイス制度によって、今年度の税収はどれぐらいになると見込んでおられるか、数字をお聞かせください。
○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。 令和六年度税収見積りにおきます国、地方の消費税収のうち、インボイス制度の導入による増収額につきましては、国、地方合わせて一千七百三十億円と見込んでおります。
○神谷宗幣君 一千七百三十億円ですね。 私も小さな会社やっているんですけれども、やっぱりインボイス制度始まって、物すごく業務というか雑務が増えました。これ、政府ですね、働き方改革で労働生産性を上げようと言っているのと、私、矛盾しているようにやっぱり感じるんですね。千七百億円の税収を得るためにどれだけ国民に事務労力を掛けているのかということを考えると、やはり働き方改革の観点からしても、インボイス制度を見直すべきだというふうに思っています。 インボイスの話、ちょっと後で、おいておいて、ちょっと一旦話それるんですけれども、前回の質問、以前の質問で聞き漏らした点、一点、お聞かせいただきたいと思っています。 二〇二一年の三月から九月にかけて、河野大臣がユーチューブ等で著名人とコラボレーションして、新型コロナワクチンの安全性に関する情報を配信されておられました。また、この時期に、発信力の高い複数のユーチューバーもワクチン接種を推奨する動画を配信していました。政府がこれらのユーチューバーに対して費用を払って依頼していたのかという指摘があったので、先日、厚労省にここでお聞きしたら、厚労省としては予算を掛けた広報はしていないという回答だったんですが、では、政府全体として広報の一環としてこのような施策が行われていた事実はあるのか、また、その場合、広報活動にどのぐらいの費用が掛かっていたのか、その点についてお聞かせください。
○政府参考人(廣瀬健司君) お答えいたします。 政府広報室においては、新型コロナウイルスワクチンについて、ワクチンの特徴や接種の重要性など正しい情報を知っていただくためにユーチューバー等を起用した動画九本を作成し、合計で三千二百円の支出をしているところでございます。(発言する者あり) お答えいたします。 ユーチューバー等を起用した動画九本を作成し、合計で三千二百万円を、約三千二百万円を支出したところでございます。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 では、厚生労働省ではなくて政府広報の方から事業を外注して、その中から一部インフルエンサーに費用が支払われていたという理解、その金額は三千二百万円ということでよろしいですね。分かりました。この間、そこまでしっかり聞けていなかったので、確認をさせていただきました。 このような形で政府が広報して推奨されたコロナワクチンですけれども、厚労省は九億二千八百四十万本分のワクチンを購入し、実際に接種されたのは四億三千六百十九万回分で、契約のキャンセルや海外への提供分を除くと二億四千四百十五万回分が廃棄の対象になったということです。そして、その廃棄されるワクチンの金額は概算で六千六百五十三億円に上るということでした。 どのような方針でこの必要以上の、必要量の倍以上のワクチンを購入することになったのか、今現在、改めてその経緯をお聞かせください。
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。 新型コロナワクチンは、一番多い方で、高齢者等で計七回の接種の機会を準備させていただきまして、これに関しては計四回の予備費及び一回の補正予算を用いまして、合計で九億二千八百四十万回分、これを契約をさせていただいております。 これの具体ですけれど、一番最初の予備費、令和二年九月八日、これ措置されたものにつきましては、三億一千四百万回分、これ契約しております。このときは、まだどの企業がワクチン開発に成功するか分からない中で必要なワクチンを確実に確保するために購入をしたものでございます。 その次、令和三年五月の十四日に措置されました予備費、これは接種が伸びてまいりましたので、ファイザー社のワクチンの接種の促進のために購入をいたしたものでありまして、二億七千五百万回分。 その次、令和三年八月二十七日に措置されました予備費で一億二千万回分、令和四年三月二十五日の予備費では一億七千三百万回、令和四年十二月二日、これは令和四年度の第二次補正予算で成立いただいた四千六百四十万回、こういったことで、累次の判断、見直しなど行いながら対象者を確定して、その都度予算を確保してまいったところであります。 そのうち、先生御指摘のように、アストラゼネカと武田社、これはキャンセルをしておりますので、その合計が二億四百六万回でありまして、加えて、海外にもアストラゼネカ、海外に供与しておりまして、これ四千四百万回分、これを差し引きますと、日本の国民のために御用意したものが六億八千三十四万回分と、こういうことになります。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 ちょっと時間来たので、最後に簡単に聞きたいんですけれども、これ財務大臣に。こういった形で、結局必要量の倍ぐらい買っていて……
○委員長(足立敏之君) 時間ですので、おまとめください。
○神谷宗幣君 はい。 厚労省は無駄とは考えていないという回答だったと思いますけれども、これやっぱり国民としては感情はあります。捨てた分だけで六千億円分以上使っている。インボイス、千七百億円分で一年分です。四年分ぐらいのが捨てている分になりますので、これ、今後、またこういう機会あると思います。そのときしっかり予算検証して無駄遣いにならないようにしっかりとチェックしながら購入計画を作っていただきたいというふうに思います。 以上です。
○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。 本日は、FRC報告を含む一般調査における質疑ということで、FRC報告については特筆するべきことがございませんので、質問の方に入らせていただければと思います。 金融経済教育推進機構、四月五日、スタートということで、体制が整ったというところになるかと思いますけれども、金融分野においては、銀行、また証券のほか、保険や信託、貸金業など多様な業態があります。それぞれに業界団体、また自主規制機関がございますが、保険の分野においては生命保険協会、また日本損害保険協会などが協定を締結し、機構との連携を図るように努めるという方針が示されております。 そこで、投資など特定の業態に偏ることなく、バランスの取れた金融経済教育を推進するという観点から、業界団体、また自主規制機関においては機構の業務に関してどのような役割を期待しているかというところをお伺いできればと思います。
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。 まず、金融経済教育推進機構における教育内容でございますが、これは従来から金融経済教育において基づいております金融リテラシー・マップというのがございます。これに沿って行うということですので、家計管理や消費生活の基礎、あるいは社会保障、税制度、資産形成のほか、金融トラブル対応などについて観点を取り入れる予定でございます。 そうした中で、業界団体を含む関係者との連携でございますが、機構の教材コンテンツについて、その質の向上を図るべく、それぞれの専門的な知見に基づいたアドバイスをいただくということや、あるいは多くの学びの場を設けていく観点から、機構の講師派遣の周知、広報に御協力いただくということをお願いしているところでございまして、多くの関係者より既に御内諾をいただいているということでございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 投資だけに偏ることなくという、バランスの取れた教育というところを是非念頭に置いていただくというところでお願いしたいと思いますが。 その金融経済教育推進機構、主要業務の一つであります金融経済教育の教材コンテンツの作成というものがあります。家計管理、生活設計、そして適切な金融商品の選択、資産形成、消費生活の基礎、悪質な投資勧誘など金融トラブルの未然防止策、こういったものがコンテンツにされるかと思いますが、その一方で、新NISA、もう既に開始されております。既に個人の資金が投資商品に向けられているということを鑑みると、この教材コンテンツ作成というのは早急に対応しなければならないというふうに思います。 四月五日にスタートをしているところでありますが、八月に本格稼働というふうに伺っております。今、その教材等も含めた機構のスケジュール感、お願いしたいと思います。教えていただければと思います。
○政府参考人(堀本善雄君) 御質問の教材コンテンツの作成についてでございます。これについては、派遣講師が用いる教材コンテンツについては、本格稼働のときには作成を終えるよう、準備を今やっているところでございます。 ただ、こうした教材というのは、それ以降も講師派遣等の結果を踏まえて日々改善していくことが重要だと思いますので、本格稼働後もその質、量を高めるべく、引き続き見直しを進めていくと、そういうふうに考えております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 先ほどもお伝えしましたが、既に新NISA始まっております。教育のタイミング、すごく重要だと思います。今が機会だというふうに思っておりますので、そのライフステージの変化であったり、新入学、また入社、そういったタイミングでのこの教育というのが本当に必要だと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いしたいというふうに思います。 続いて、金融トラブルの被害の防止に向けた連携というところをお伺いできればと思いますが、金融に係る消費者トラブル、本当に頻発しております。国民、消費者が、投資や資産運用を危ないものというふうに誤ったイメージを与えかねないというところでも、この今進めようとしている金融リテラシーの向上であったり資産形成の行動変容、それを阻害する懸念もあります。 昨年、参議院の消費者特別委員会において自見担当大臣から、金融トラブル被害の防止、これに向けて、金融庁、関係省庁、また地方自治体と連携して、消費者教育の推進にしっかりと取り組むという御答弁いただいておりました。今回のこの機関の監督官庁である金融庁として、消費者の育成、その視点から、消費者が自立する、そうしたところで消費者トラブルを未然に防ぐという取組が必要であると考えます。消費者庁との連携についてどのようなことをしているかというところを伺えればと思います。
○政府参考人(堀本善雄君) お答え申し上げます。 先ほど御答弁申し上げましたとおり、金融経済教育推進機構の教育内容には金融に関わる消費者トラブルへの対応、これも含まれる予定でございます。 消費者庁との連携でございますけれども、例えば、新たなトラブルの事例等がございましたら消費者庁から御提供いただくと、御共有いただくということもありますし、あるいは先ほど申しました教材コンテンツの作成についても、消費者庁からアドバイスをいただく、それから、機構が事務局を今後務める予定になっています金融経済教育推進会議というのがございます。この有識者会議にも御参加いただこうかというふうに考えております。 消費者庁と機構との密接な連携、これは非常に重要でありまして、この旨は、先般三月十五日に閣議決定されました国民の安定的な資産形成支援に関する施策の総合的な推進に関する基本方針、これにも明記をしてあります。 金融庁としては、この両者の連携が円滑に行われるよう、しっかり支援してまいりたいというふうに考えております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 続きまして、今本当に増えているフィッシング詐欺、特殊詐欺への対応状況についてお伺いできればと思います。 警察庁が二月に公表されました令和五年の犯罪情勢、それによりますと、インターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生件数、過去最多を更新しています。その多くはフィッシング詐欺によるものと見られます。また、架空請求詐欺、還付金詐欺、こうした特殊詐欺の認知件数も一万九千件を超えるということで、被害額も二年連続で増加しております。 昨年十一月の私の質疑においても指摘したとおり、犯罪行為、これを徹底的に摘発するというところとともに、国民への啓発、注意喚起図ることが重要だと考えます。金融機関、クレジットカード会社、対策に掛かる負担も今大きくあるというふうに伺っています。政府としても、効果的な抑止策、早期に確立する必要があると考えます。 キャッシュレス推進していくと顧客の利便性も高まるんですが、一方で犯罪者の利便性も高まるということになります。最近の取組や検討が行われている内容についてお伺いできればというふうに思います。
○政府参考人(佐野朋毅君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、キャッシュレス社会をめぐる脅威は深刻であると認識しておりますことから、警察庁におきまして、金融業界やEC業界等の有識者から成りますキャッシュレス社会の安全・安心の確保に関する検討会、これを開催いたしまして、被害に遭わないための環境整備や警察における対処能力の向上に関し様々な提言をいただいたところでございます。 警察といたしましては、提言を早期に実現すべく取組を進めておるところでございまして、既に実施した例を申し上げますと、インターネットバンキングによる不正送金事犯等におきまして、暗号資産交換業者の金融機関口座に送金をさせる被害が多発していると、こういった状況を踏まえまして、本年二月、金融庁と連携いたしまして、金融機関に対する暗号資産交換業者への不正な送金への対策強化、こういった要請を実施したところでございます。 引き続き、検討会の提言等を踏まえまして、関係機関、団体等と連携いたしまして、これら事犯の被害防止対策や取締りを総合的に推進してまいりたいと、このように考えております。
○政府参考人(伊藤豊君) 金融庁では、これまで金融機関に対して不正送金対策の強化を求めるとともに、金融機関の利用者に対し金融庁ウェブサイト等を通じてフィッシング攻撃に対する注意喚起を行ってきているところでございます。 最近では、昨年の十二月、警察庁と連名でインターネットバンキングの利用者向けに金融庁ウェブサイトやSNS等を通じてフィッシング攻撃の手口の注意点について改めて周知するとともに、身に覚えのない取引を確認した場合は速やかに金融機関に問合せをすることを促すなどの注意喚起を実施したところでございますし、また、暗号資産交換業者関係につきましては、今ほど御答弁ありましたように、連名で各業界団体に対して要請を行っているところでございます。 引き続き、金融庁といたしましても、警察庁とも連携しつつ、フィッシング詐欺等による被害の予防に向けて利用者に注意を促すとともに、金融機関に対して更なる不正送金対策の強化を求めてまいりたいと考えております。
○政府参考人(山影雅良君) 近年、キャッシュレス決済が拡大する中、発生していますクレジットカードの不正利用被害としましては、フィッシングメールからの偽サイトに誘導してのカード番号を入力させる等によりましてカード番号を窃取いたしまして、それをECサイト等オンラインで不正利用する、いわゆる番号盗用、これが二〇二三年のデータによりますと九三%、大宗を占めてございます。 消費者が安心、安全にクレジットカードを利用するためには、フィッシング対策を適切に講じることが重要と考えてございます。 そのため、経済産業省では、フィッシング対策といたしまして、利用者向けの注意喚起の動画を作成しユーチューブなどで配信したり、政府広報による発信を強化するなど、国民の啓発、注意喚起を行っているところでございます。 また、クレジットカード会社等でのセキュリティー対策の強化といたしまして、利用者がクレジットカード会社のドメイン名に成り済ましたいわゆるフィッシングメールを受信しないようにするために、送信ドメイン認証技術でございますDMARC、これの導入等を要請することとともに、仮にフィッシングによってカード番号が詐取されたとしても不正利用がなされないようにするために、二〇二五年三月末までにEC取引での本人認証を可能とする仕組みを導入するよう求めているところでございます。 さらには、本年四月九日に、クレジットカード会社等を始めとしまして警察庁などにも御参加いただきながら官民対策会議を立ち上げまして、こうした対策の導入状況、これをフォローすることでクレジットカードの不正利用防止対策を確実に進めていきたいと考えてございます。 引き続き、関係省庁とも連携しながら、フィッシング対策及びこれの被害の防止にしっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 非常に、もう口座、また名義を持っている国民全員が本当にターゲット、対象になります犯罪になりますので、何とかそこを防ぐためにも、また、今金融機関多くコールセンターの対応人数を大幅に増やして対応しているということですが、もうそれでもこの犯罪が止められないというところは、もう根本のところを何とか解決していく施策を取らなければならないと考えます。 最後の質問させてください。食事の支給に関する非課税限度額の引上げの必要性についてです。 企業が従業員に対して食事を支給した場合、従業員が食事の価格の半額以上負担し、かつ企業の負担額が月額三千五百円以下、この場合においては給与として課税されないということとなっております。この非課税限度額、昭和五十九年に設定されて以来、今日まで改定されていないというものになっています。今、物価が上昇して、社員食堂等でも提供する食事の費用も高騰する、そんな中で、この非課税限度額の見直しを求める声も多くいただいております。 国会でも度々議論にはなっておりますが、現状を改めて調査した上での非課税限度額の引上げを検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。 企業が従業員に対しまして、食事を含め金銭以外の現物を支給した場合の経済的利益につきましては、金銭で支給した場合と同様に、原則給与所得として課税対象となりますが、食事の支給につきましては福利厚生的な性格があることや、少額なものにつきましては強いて課税しないという少額不追求の観点から、従業員が価額の半額以上負担し、かつ企業の負担額が月額三千五百円以下の場合には課税しないこととしております。 その上で、こうした非課税額の取扱いにつきましては、食事に関する物価の動向のほか、企業から従業員への食事支給の実態等も考慮しながら判断することが適当と考えております。一般に、社員食堂のある企業は大企業を中心とした一部の企業に限られており、また金銭で食事手当が支給されており、給与課税されている方々も多いという実態もございます。 企業の食事支給に係る非課税額の取扱いにつきましては、こうした実態を踏まえ、その対象とならない方々との課税上の公平性の観点にも留意し、総合的に判断していく必要があると考えてございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 今、企業の採用競争というのもありまして……
○委員長(足立敏之君) 時間ですので、まとめてください。
○堂込麻紀子君 福利厚生の食事補助に含めても、競争の環境の中で、食事手当に厚くすると、手厚くするような福利厚生も持っている企業もたくさん見えますので、その辺も調査を改めてしていただければと思います。 ありがとうございました。
○委員長(足立敏之君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木財務大臣。
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま議題となりました国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 政府は、国家公務員等の旅費制度について、国内外の経済社会情勢の変化に対応するとともに、職員の事務負担軽減を図るための所要の改正を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。 第一に、旅費について、旅行に要する実費を弁償するためのものとして、その種類及び内容に係る規定を簡素化することとしております。 第二に、自宅から出発する出張に係る旅費の支給を可能とするとともに、旅行者に対する旅費の支給に代えて、旅行代理店に対する直接の代金の支払を可能とするなど、旅費の支給対象の見直しを行うこととしております。 第三に、国費の適正な支出を図るため、違法に旅費の支給を受けた旅行者等からの旅費の返還に関する規定を整備するとともに、財務大臣による各庁の長に対する監督規定を設けることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(足立敏之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時六分散会