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213回国会参議院2024/04/09

財政金融委員会 第8号

発言数
184
登壇者
19
会派数
8
開催日
2024/04/09

会議録

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告をいたします。  昨日までに、田中昌史君、石田昌宏君、浅田均君及び松山政司君が委員を辞任され、その補欠として大家敏志君、武見敬三君、藤巻健史君及び松川るい君が選任されました。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に白坂亜紀君を指名いたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、金融庁総合政策局長油布志行君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君、同理事高口博英君、同理事加藤毅君及び同理事清水誠一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 財政及び金融等に関する調査のうち、日本銀行法第五十四条第一項の規定に基づく通貨及び金融の調節に関する報告書に関する件を議題といたします。  日本銀行から説明を聴取いたします。植田日本銀行総裁。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 日本銀行は、毎年六月と十二月に通貨及び金融の調節に関する報告書を国会に提出しております。本日、最近の経済金融情勢と日本銀行の金融政策運営について詳しく御説明申し上げる機会をいただき、厚く御礼申し上げます。  まず、最近の経済金融情勢について御説明いたします。  我が国の景気ですが、一部に弱めの動きも見られますが、緩やかに回復しています。輸出は横ばい圏内の動きとなっています。企業収益が改善する下で、設備投資は緩やかな増加傾向にあります。雇用・所得環境は緩やかに改善しています。本年の春季労使交渉では、昨年に続きしっかりとした賃上げが実現する可能性が高まっています。個人消費は、物価上昇の影響に加え、一部メーカーの出荷停止による自動車販売の減少などが見られるものの、底堅く推移しています。先行きは、海外経済の回復ペース鈍化による下押し圧力を受けるものの、ペントアップ需要の顕在化などに支えられて、緩やかな回復を続けると見ています。  物価面を見ると、生鮮食品を除いた消費者物価の前年比は、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響が減衰しつつも残る下で、サービス価格の緩やかな上昇も受けて、足下は二%台後半となっています。先行きについては、今年度は二%を上回る水準で推移し、その後はプラス幅が縮小すると予想しています。この間、消費者物価の基調的な上昇率は、展望レポートの見通し期間終盤にかけて、二%の物価安定の目標に向けて徐々に高まっていくと考えています。  先行きのリスク要因を見ますと、海外の経済・物価動向、資源価格の動向、企業の賃金、価格設定行動など、我が国経済、物価をめぐる不確実性は極めて高い状況です。その下で、金融・為替市場の動向やその我が国経済、物価への影響を十分注視する必要があると考えています。この間、我が国の金融システムは、全体として安定性を維持しています。先行き、内外の実体経済や国際金融市場が調整する状況を想定しても、我が国の金融機関が充実した資本基盤を備えていることなどを踏まえると、全体として相応の頑健性を有しています。より長期的な金融面のリスクとしては、金融機関収益の下押しが長期化しますと、金融仲介が停滞方向に向かうおそれがある一方、利回り追求行動などから金融システム面の脆弱性が高まる可能性もあります。現時点ではこれらのリスクは大きくないと判断していますが、先行きの動向を注視する必要があります。  次に、金融政策運営について御説明申し上げます。  日本銀行は、先月の金融政策決定会合において、各種のデータやヒアリング情報から、賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、先行き、見通し期間終盤にかけて、二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断しました。その上で、これまでの長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組み及びマイナス金利政策はその役割を果たしたと考え、金融政策の枠組みを見直しました。具体的には、政策金利を無担保コールレート、オーバーナイト物とした上で、これをゼロから〇・一%程度で推移するよう促すことなどを決定しました。  日本銀行は、引き続き二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主たる政策手段として、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境が継続すると考えています。  ありがとうございました。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 自民党の西田昌司でございます。  植田総裁に質問をさせていただくのは初めてでございます。よろしくお願いします。  それで、今総裁から報告ありましたように、いわゆるイールドカーブコントロールを解除し、マイナス金利の解除ということが決定されたわけでありますが、その理由を、先ほどの説明の中では、例えば春闘の結果などによって給料が上がっているという方向が言われているんですけれども、しかし、春闘は確かに五%決定したと言っていますが、実施はしていないんですね。  これから給料上がるのは、これからそれが上げられて初めて実現するわけで、しかも、今日もちょっと新聞にも出ていましたけれども、新聞はその前に出ていましたけど、実質的に個人消費も二〇一九年のレベルにはまだ回復していないと。で、今日出ていたのは、二十三か月連続、実質給料が下振れであるというようなことも出ておりまして、こういう客観的な事実を考えてみると、この決定は時期尚早ではなかったのかと印象を持っているわけですが、総裁はどのようにお考えでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) お答えいたします。  まず、委員御指摘ありました個人消費でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、これまでの輸入物価上昇の影響によるインフレのまた影響に加えまして、自動車メーカー、一部自動車メーカーの生産、出荷停止、あるいは暖冬などの一時的な要因から、一部に弱めの動きが見られるということは事実でございます。  もっとも、このかなり部分は一時といいますか、自動車の生産停止等一時的な要因は剥落していくと見られるほか、インフレでございますが、輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響も減衰していくというふうに見ております。また、先頃の、今継続中ではありますが、春季労使交渉の初期の結果を踏まえますと、先行きしっかりとした賃上げが継続し、家計所得を支えていくものと予想されます。こうした下で、個人消費は、緩やかではありますが、増加していくと予想しております。  その上で、三月の私どもの会合ですが、こうした点を踏まえ、含め、最近の経済、物価、金融情勢、特に賃金と物価の動向をしっかりと点検いたしました。  その上で、様々なデータやヒアリング情報等から賃金、物価の好循環の強まりが確認されてきており、先ほども申し上げましたが、先行き、展望レポートの見通し期間終盤にかけて二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断いたしました。そうした情勢判断に基づき、大規模金融緩和の見直しを決定したところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今のお話を聞いていると、実体経済が、二%の物価上昇が持続化できてきてデフレ状況ではなくなってきていると、そういう認識だという意味だと思うんですけれども、そこはちょっと見解が違うので、また後ほどそれ言いますが。  そのことにも増して私がちょっと違和感を感じていますのは、この決定の前から今回の決定を予測する記事がもう度々報じられてきました。そして、四月八日の産経新聞でも、植田総裁と市場とが対話を重視しているということで、評価している記事も見られます。  私は、事前にこういうことが報道されていたことも含め、事前に情報を漏らして市場の反応を見ているのではないかとも思えるわけですね。そういうふうに市場の反応を見るのが市場との対話になるのかと、非常にそこは疑問に思うんですけれども、市場との対話を植田総裁は重視されているという報道がありますけれども、市場との対話はどういう意味なのか、総裁の御見解をお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私どもの金融政策でございますが、これは金融市場あるいは金融機関行動への働きかけなどを通じて経済、物価に波及していくものと考えております。  私どもとしましては、政策効果が十分に発揮されるためには適切な情報発信が重要であるというふうに考えておりまして、経済、物価に関する基本的な見方あるいは政策運営の基本的な考え方について丁寧かつ分かりやすく発信することを心掛けております。ただ、その際、情報発信でございますが、例えば決定会合後の私の記者会見、あるいは各ボードメンバーが日本各地等で行っています講演、あるいは国会での答弁等、幅広く公的な場で行うというように心掛けております。  したがいまして、私どもが事前に特定の関係者に情報を伝えるようなことは当然適切でないというふうに考えてございます。  引き続き、厳格な情報管理の下で日本銀行の考え方が適切に伝わるよう努めてまいりたいと思っております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 公的な場での講演やそういう記者会見、レクなど、また国会の答弁などで対話をしているということなんですけれども、どうも私は余りそこがそのまま理解できないんですね。  といいますのは、このいわゆる異次元の金融緩和十年続けてきて、いつこの異次元の金融緩和が終わるのかと、いや、また終わらせなければならないといういわゆる市場の方からの声は非常に前々からあったわけですよ。だから、総裁が白川さんから植田総裁に替わられると、当然いつかそういうことが出てくるだろうという期待感、これあったと思うんですね。  そこで、そういうことを期待しながら、この様々な日銀からの情報、レクも含めて、市場が、すなわち金融機関にとっては、そういう先行きがそういう方向になるんじゃないのかなということは非常に有り難いことなんですね。まさに情報が先に提供受けられると、情報の先取りというのはまさに利益そのものなんですよね。そういうことが実際、結果としてされてきてしまったのではないのかと。つまり、総裁が情報漏えいしたということよりも、そういう期待が金融機関なんかにあって、現実もまさにそういう報道の方向に政策決定がされていきまして、利益を得るのは誰かといえば、金融機関なんですよ。ですから、これはやはりいかがなものかなという気がするわけですが、総裁の御見解を求めます。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 先ほども申し上げた点ですが、私どもは、事前に特定の関係者に情報を伝えるというようなことは当然適切でないし、してございません。私ども、情報発信は幅広く国民各層を対象として行っております。  したがいまして、金融機関や市場参加者、市場関係者への利益供与になっているとは考えておりません。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 そういう答えしかないんでしょうけれども、しかし、事実として聞きますが、今回のこのマイナス金利解除、それから先ほどのオーバーナイトローンが零から〇・一、それからイールドカーブコントロールをやめるということによって利益を得るのは金融機関じゃないですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私どもの政策の決定ないし変更でございますけれども、これはあくまで二%の物価目標の持続的、安定的な実現という観点から実施してきたところですし、今後もそういうふうに努めるつもりでございます。  例えば、今回、日本銀行当座預金の付利金利を〇・一%というふうにマイナス〇・一%から変更したところでございますが、これは当然、金融機関への補助金をつくり出すという目的のためではなく、短期市場において我々の政策金利、誘導目標金利を実現するために行うものでして、その先には物価安定目標の実現という目標があるわけでございます。  また、こうしたやり方は海外、例えば米国、欧州、英国等の中央銀行でも同じ扱いとなっているところでございます。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 そういう答弁なんですけれども、私、現実を言っているわけですね。現実は、異次元の金融緩和をやめる方向に行くと、間違いなく金融機関に利益が出ます。そして、それは別に金融機関を助けるためじゃなくて、要するに、経済が正常化していると、経済がデフレ化していない、だからそういう金利を付けていくことが金融政策としては正しいからやっていくというのは分かるんですよ。分かるんですけれども、果たして経済が正常化しているのかというところに非常に私はまだ疑問が残るわけですよ。  それができていない一方で、今回の日銀のこのいわゆる異次元の金融緩和の一端であったこのイールドカーブコントロールとマイナス金利をやめることによって、まさに正常化の方に一歩踏み出したというサインを示したことは間違いないんですね。そのサインを待っている人がいるんですよ。それが誰かというと、財務省ですよ。  要するに、財務省は、かつて安倍総理と黒田総裁との間でアベノミクスというこの政策協定をして、このデフレ状況、これを脱するために、二%の物価上昇をするために、金融面では日銀がしっかりやっていこうという話でやってきたと。で、三本の矢と言われる形で、財政面、それから様々な規制緩和含め民間投資を伸ばしていこうというのをやってきたわけです。わけですけれども、具体的には、私は、それはうまく機能していないところもたくさんあったと思うんですよ。しかし、実際に、日銀は約束されたことを誠実に実行されてきたというので、非常に私は評価しているんですよ。  ところが、やってこなかったのは財務省の方で、財務省の方は、じゃ、その分、その間、財政出動ができる環境を整えてきたのにやってきたのかというと、これやってこなかった。これは安倍総理自身も、もうお亡くなりになりましたけれども、辞められてから自分の回顧録の中でもそのことは話しておられるんですよ。  要するに、消費税を上げてしまって、上げた分の消費税を財政出動で回させてもらおうと思っていた、それもしていなかったと。とんでもないことだというので、安倍さん自身も、反省と同時に財務省批判されているわけですね。  その財務省が今やろうとしているのが、いわゆる、今年のこの六月ぐらいに骨太方針、来年度やるんですけれども、そこで議論しているのがいわゆる二〇二五年プライマリーバランスですよ。今まで二〇二五年にプライマリーバランスを黒字化するという目標を掲げていました。これをどうするかというのがこれから与党最大の政策の論議になってくるわけです。  私は、財政再建じゃなくて、財政政策検討本部の本部長というのを私自身が務めております。安倍総理が最高顧問で私と一緒にやってきたんですけれども、その中で言っているのは、まだそこまでの経済の状況になっていないという認識です、我々。  ところが、もう片っ方で財政健全化本部というのがあって、そこはもう何とか二〇二五年のプライマリーバランス目標を達成しようというのに躍起になっているわけですよ。そのときの大事なメッセージが、日銀が既に異次元の金融緩和から違う方向にハンドルを切ってきたと、で、金融政策も異次元から正常化に向かおうとしている、そのときに我々、財政の方、預かる方も当然正常化の方に切らねばならないんじゃないかということに使われるわけですよ。まさにこれが、これが今回の、私が時期尚早じゃないかということを冒頭申し上げたのも、一番心配しているのは、実はそういう議論があるからなんです。  で、日銀の政策は日銀の金融政策として独立した立場で行われているのは分かります。しかし、現実は完全にそれとリンクして財政政策も議論されようとしているんですよ。そのことについて、そういう現実があることをまず、植田総裁、御存じですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 財政運営については、私からはコメントを差し控えさせていただければと思います。  その上でですが、私ども、今回政策変更いたしました基礎的な考え方としましては、一部繰り返しになりますが、消費者物価総合はしばらく二%のインフレ率を超えておりますけれども、より基調的な動き、つまり一時的な動きを取った物価と賃金の好循環に根差す動きのところ、基調的物価上昇率はといいますと、まだ少し二%を下回っているというふうに見ております。ただし、それが見通し期間の終盤にかけて二%に向けて収束していく可能性が高まったということで、政策の変更に至ったわけでございます。  しかし、現状はまだ二%、そこがちょっと下回っているということですから、緩和的な金融環境、金融状態を維持していくということは大切であるというふうには考えております。  ただし、今後どうなるかという点につきましては、我々の見通しどおりに推移していきますと、基調的な物価上昇率が少しずつ上がっていくという中で緩和の度合いの縮小ということも考えていかないといけないとは思います。ただ、本当にそうかどうかは今後のデータ次第でございまして、これは丁寧に毎回の会合で点検していきたいというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今、私は、植田総裁は元々学者でもおられますし、非常に誠実なお人柄の方だとも思います。誠実に今お答えいただいたんですが、その誠実な答弁が深掘りと先読みされるんですね。  だから、緩和しないとは、この緩和的な状況は続けている、続けていくとはおっしゃっているけれども、先行き物価が上昇してくる局面になってくるとまた変わることもある。当然といえば当然なんですね、それは。そのとおりなんです。  ところが、そういう答弁を繰り返しておられる中で、先日、昨日だったかな、これは、既に利上げの報道が出ているんですよね。今年の九月から十二月の間に利上げがあるのではないかというような報道がどかんと出るわけですよ。この報道についてどう思われますか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 先ほどのお答えと重なりますけれども、先行き、経済・物価情勢が私どもの見通し対比どういうふうに推移していくかということを丁寧に点検してまいるという所存でございます。したがいまして、現時点で、先行き、どういうタイミングでどういうふうに短期金利を動かしていくかということについて予断は持っておりません。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 だから、もし黒田総裁に私が同じ質問をしたら、こう答えたんですよ、そんなこと思っていませんと、否定されるんですよ。で、否定するんだけど、実際には、経済が良くなれば、当然、利上げとか金融引締めというのは当然あるんです。あるんですが、私は、黒田さんはそういう答え方をされたと思いますよ。取りあえず否定しちゃいます。要するに、情報提供を与えないんです。ところが、植田総裁は、お人柄、人格も円満で、そして頭脳も明晰で、全体を見ながらお話しになっていますから、肯定はされていないんだけど、否定もされていないんですよ、ここは。  それが実は、それが実はこういう報道になってくるというふうに思いますが、その辺はどうでしょう。それは、そういう報道がされることは、肯定していないから別にいいんだというお考えなのか、そういう報道が出てきたら困るというお考えなのか、そこ、ちょっとはっきりさせてほしいですね。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私どもだけでなくて、海外でも、金融政策の先行きについてどうしていくということは皆さんお話しになりませんけれども、どういう考え方に基づいて動かしていくかという基本的なところは前もって開示して、市場あるいは経済の様々な参加者が対応しやすいように努めるということが行われているように思います。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 これはお人柄の問題なので、それはそれで結構ですが、私は、先ほど言いましたように、それを市場との対話といえばそうなのかもしれないけれども、完全に誘導されて、もう片っ方で、何度も言いますけれども、我が国の財務省がそのことを奇貨として次の財政の緊縮を考えているという事実だけはこれ指摘しておきたいと思います。  その上で私が申し上げるのは、私、ずっとこれ指摘したんですけれども、要するに、ずっと三十年間にわたるデフレが行われて、なってきたと、その原因は一体何なのかと。これ様々な原因ありますよ。しかし、一つの大きな事実として、この三十年間、民間企業部門が要するに貯蓄超過だったと。不良債権処理をして、それからそのときと同じ時期にいわゆるBIS規制、このバーゼル条約が変更になって、四%から八%に自己資本率を余儀なくされてしまった。そこから貸出額がもう大幅に減っているのはこれ事実なんですよ。そして、その後、貯蓄超過、ISバランスがずっと貯蓄超過で来ている。今日もまだそういう傾向だと思いますよ。  つまり、民間の方が貯蓄をしていない、もっと言えば、借入れをしていない、借入れをするための需要がないわけですね。だから、その金利、金融政策として安くして需要を掘り起こしていこうというのがある意味でいうとアベノミクス、黒田総裁がゼロ金利、マイナス金利まで含めてやってこられたんですけれども、現実にはそれはなかなかうまくならなかった。  しかし、これ、けがの功名といいましょうか、政府の方もそれに対して積極的な財政出動しなかったんですけれども、結果的に、いわゆるコロナ禍の中において大変な医療危機、それから経済の危機が目の前にあって、そこで一遍に百兆円を超えるような国債発行をして財政出動をやった。で、結果が、要するに経済が好転してくる、税収も上がってくる、まあ物価も上がってくるというふうになっていると思うんですが、黒田総裁、その辺はどのように捉えておられますか。あっ、ごめんなさい、植田総裁。失礼しました。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘の貯蓄・投資バランスでございますが、確かに、企業部門を見ますと、九〇年代後半以降、貯蓄超過で推移しております。これは、九〇年代のあの資産価格バブル崩壊あるいは金融危機を経て、残念ながら企業の成長期待が低下し、設備投資を抑制するなど企業の支出行動が総じて慎重化した結果、あるいはそれが続いているということだと思います。  ただ、その上でデフレの原因について考えてみますと、それだけでなく様々な要因があると思います。私どもは、加えまして、デフレ期に定着した賃金や物価が上がらないということを前提とした考え方あるいは企業行動、これの転換に時間を要してきたということも大きいかなというふうに考えております。

西田昌司自由民主党

○西田昌司君 今日は初めての質問だったんですが、また重ねて質問の機会を得たいと思っていますが、私は、黒田総裁もそうだし、植田総裁も、日銀は金融のこの一番の責任者としてよく頑張っておられるという評価をしているんです。異次元の金融緩和を含めて、今までこんな、まあ言うたら非常識な政策をそこまで考えることはやらなかったし、しかし、それでもそれやってきたんですよ。それ、評価したいと思いますし、これから経済が回復してきたらそれを徐々に変更していく、これもそのとおりだと思います。  問題は、そのパートナーである、政策をこれ一緒にアコードしてきた財務省側が誠実にこの経済の現場を見ていないと。で、いまだに、このいわゆる国の借金は国民の借金だというようなばかなことをまだ言っている人が中にいるんですね。これはもう経済学者からすると本当に非常識極まりないんですけれども、そういう人が植田総裁のパートナーでやっていかなきゃならないということを念頭に置いて、正しい金融政策をやっていただきますように希望いたしまして、終わります。  ありがとうございました。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。よろしくお願いいたします。  植田総裁は今日で総裁就任ちょうど一年ということというふうにお聞きをしています。大変な一年だったというふうに思います。前任者の大きな負の遺産を引き継いで苦労されたというふうに思いますが、この一年を振り返り、今後の、まだ四年ありますので、四年、残る任期四年に向けての思いなどをお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 一年間、ここまでの一年間でございますが、恐らく様々な幸運にも恵まれまして、幾つかの政策決定、政策変更を進めてくることができました。  今後もいろいろ難しい局面に当たるとは思いますが、日銀役職員と一丸となりまして、適切な対応をしていきたいというふうに考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ありがとうございます。  是非、体に気を付けて活躍いただけたらと。西田先生も評価して、私もすばらしい方だなというふうに思っていますので、御活躍いただけたらというふうに思います。  それでは、本題に入っていきたいと思います。  まず、基本認識として、今回の植田総裁が、日銀が行った金融政策の見直しについては異を唱える、反対するものではないという前提の上でやり取りをさせていただきたいというふうに思います。  私、前回の委員会で同僚の勝部議員が、ブルームバーグが伝えた内容ですね、海外メディアでは、国内メディアでは余りそういう批判がなかったですが、海外からは、政策決定の正式発表前の国内メディア報道がもうルーティン化しているんだと、情報セキュリティーの甘さが露呈していると、国会の調査が必要というような厳しい報道もされたということに触れて、内田副総裁とやり取りをしました。  植田総裁は、このような指摘があることについて、認識や受け止めをお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 先ほど申し上げましたが、私ども、通常より金融政策の基本的な考え方を丁寧に説明するという心掛けで政策運営をしてきております。  今回は特に難しい政策変更になる可能性もありましたので、基本的な考え方を、最初は私の一月の決定会合後の記者会見で少し前広に説明したところでございます。  具体的には、物価安定目標の持続的、安定的な実現が見通せるかどうかを確認していく上で春季労使交渉の動向が一つの大きなポイントになる、それから、目標の実現を見通せる状況に至れば大規模緩和の修正を検討すること、それからさらに、政策を見直すということになった場合にはその前後で大きな不連続な変化が生じることはないように努めるというようなことを説明、その一月の記者会見以降、記者会見あるいは国会の答弁などで説明してまいりました。  その上で、御指摘ありましたような報道ないし外部からの批判も含めてですが、まあ批判のところはあれですが、一連の報道のところですけれども、これは、こうした私どもからの情報発信を基にしつつ、さらに春季労使交渉の動向等も踏まえた上で各社がそれぞれの見方を示されたものというふうに理解しております。  一方で、同時に、私どもは金融政策決定会合に関する情報管理について厳格なルールを定めているところでございます。引き続き、厳格な情報管理の下で、私どもの考え方が適切に伝わるよう努めてまいりたいと思っております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 そのブルームバーグの記事にも様々な意見があるというのは私も認識をしています。ただ、今おっしゃられたとおり、これまでの総裁含めた関係者の発信を踏まえて各報道機関が記事にしたんだということですが、どんなことをやるのかという政策のメニューであるとかというのは大体分かりますということですけど、ただ、二〇二四の春季労使交渉の結果をどういうふうに見るのか、大企業だけの数字でいいのか、この三月のタイミングでよかったのかと。  四月にはまた金融政策決定会合あるということでいけば、そのときだったら中小の数字も大体見えてくるということだとすると、三月でやるのか、例えば四月でやるのかということってよく分からなかったというふうに思うんです。なぜあそこまで決め打ちの報道がされたのかということについて、何らかの発信ってされているんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、ぎりぎりまで春季労使交渉の初期の結果は分かりませんでしたので、どういうタイミングでもし政策変更するとしたらするのかということは決めかねていたところでございます。その上で、第一次の回答が出まして、会合のもう割と直前でございますが、それから議論を重ねまして、三月で変更するという決定に至ったところでございます。  したがいまして、その春季労使交渉の第一次の結果が出た後、三月の会合でどうするかということについて私どもから情報発信をしたということは一切ございません。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 そうであるとすると、あそこまでのタイミングというのはやっぱり違和感があるということ、改めて申し上げたいというふうに思います。  ちょっと別な視点からですね、金融政策決定会合の二日目の議事がしているとき、お昼の、三月十九日のお昼のNHKニュースで、やっぱりずっと注目して見ていたんですが、NHKのニュースで、マイナス金利政策の解除など大規模な金融緩和策の転換についてこれから総裁が議案を提案するというような報道がされたんですよね。  私もそのニュースを見ていて、あれ、こんなことってあるのかなというふうに思ったんですが、日銀の情報管理がしっかりしているとすれば、これは政府関係者がリークしたということでよろしいんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 当然、私もその場におりました。私どもから外に情報発信をするようなことは物理的にできない状況にあったわけです。したがいまして、その報道した社の観測報道であるというふうに考えてございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 政府関係者も緊張感を持っていただきたいなというふうに思います。  日銀としてのやっぱり情報発信大切だということで、その基本的な考え方についてお聞きをしたいというふうに思います。  西田先生からも話あったとおり、植田総裁は市場との対話を重視してこられたということだと思います。その延長線で考えると、今回の報道というのは植田総裁が狙ったとおりの結果になったと、混乱もなく乗り切れたというようなことを含めて、これが植田流なんだというような受け止めをしてよろしいんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 個別の報道についてのコメントは差し控えたいと思いますけれども、次々報道された内容全体といたしましては、私どもが一月の後半から基本的な考え方について情報発信をしていったということと整合的な内容であったというふうに考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 金融緩和は、緩和にするときはサプライズであった方が市場への効果が大きいと、だからバズーカ撃っちゃった人がいたりとすると、逆に、金融引締めの局面では、そこを市場に織り込ませて市場の動揺を軽減させることが重要だというようなことも記事で見たこともあります。  だから、今後も当面緩和的な金融環境が継続するとしていますが、いずれは、いずれかのタイミングで引締めの方向に、さらにまた金利の引上げに向かっていくということであれば、今後もそういう今回同様の丁寧な情報発信をしていくということでよろしいでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 政策変更のタイミングであるとか金利の引上げ、例えば引上げ幅であるとか、そういうことについて事細かに事前の情報発信をするというふうには考えておりませんけれども、繰り返しになりますが、どういう考え方で仮に金融緩和の度合いを縮小するんであればそういうふうにしていくのかということは前もって伝わるように努めていきたいというふうには思っております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ですので、植田総裁の最近の単独インタビューとかそういうのを見ると、さきにも話はあったとおり、既に金利引上げに向けた発信が始まっているのかなというふうに感じたりもしています。  先ほどもちょっと聞きましたが、なぜこのタイミングだったかということです。今回の金融政策見直しの判断、なぜ中小企業の賃上げの状況が見通せる状況まで待たなかったのかと、展望レポートを出す四月の金融政策決定会合としなかったのかについて、もう少しお聞かせいただけますか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘の特に中小企業の賃上げのところでございますが、個別には、あるいは業種によっては賃上げがなかなか難しいという声が存在することもよく承知しております。  そうした中で、私ども、三月の会合に先立って本支店でヒアリングをいたしまして、企業収益が改善を続け、労働需給が引き締まる下で人材確保のための取組が必要という声も多く聞かれたところでございます。さらに、全体として見れば、地域の中小企業を含め幅広い企業で賃上げの動きが続いているということがうかがわれたところでございます。また、規模が小さい企業を中心に、大企業の妥結動向を見極めた上で賃上げを判断していきたいという声も多く聞かれました。  過去にも大企業の結果が中小企業に波及していく傾向があったことも踏まえまして、今年も規模が小さい先にも一定程度の賃上げの動きが広がっていくことができるということを、広がっていくことが期待できるということを一つの判断の根拠としたところでございます。  もとより、先ほど来申し上げていますように、今回の政策変更後も金利水準あるいは実質金利は、金利水準は低いですし、実質金利は大幅にマイナスで推移するというふうに考えておりますので、こうした緩和的な金融環境が、中小企業の経営環境を含め経済、物価をしっかりと支えるというふうには見ております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 じゃ、次に、物価目標二%の認識についてちょっとお伺いしたいと思います。    〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕  これまでも、金融政策見直さないのかといったときでも、今例えば足下では二%超えているけれども、これは円安含めた輸入物価が上がっている特殊要因なんだというようなことを言われたりとか、展望レポートでは一・九%の予想がされても、政策見直しがされてこなかったんですね、これまでは。今回は、その二%が達成されたということではなくて、目標実現、物価目標の実現の確度が高まったという言い方をされていまして、それで政策の見直しが行われたと。このことはどう理解すればいいんでしょうか。物価目標二%の意味合いが変わったということなんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 結論的には、私ども、私どもの見通し、展望レポートの見通し期間の終盤、したがいまして、二五年度にかけて二%の目標が持続的、安定的に実現していくということが見通せる状況に至ったと判断したわけでございますけれども、二五年度にかけておおむね二%になるという見通しは過去の展望レポートでも出しておりました。  それと、今回一月以降の違いは、見通しの経路自体についてはそれほど大きな変化はないわけでございますけれども、見通しに対する自信の度合いといいますか、見通しが実現していく可能性、これが様々なデータあるいは情報から高まったというふうに判断したというところでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 そのことは理解したいというふうに、確実にするんじゃなくて見通せたんだということで変更されたということだというふうに理解しました。  そしてまた、今回は、政策の変更の発表の中で、マネタリーベースの残高に関するオーバーシュート型コミットメントについて、その要件を充足したと判断という表現もあります。オーバーシュート型、ここを越えるまでは続けますよという約束ということだとすると、それを外すと。まだ確度が高まっただけで越えていないんじゃないかということでいくと、この意味するところをちょっと教えていただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 御指摘のコミットメントのところですけれども、これは、マネタリーベースにつきまして、消費者物価の前年比上昇率の見通しではなくて実績値が安定的に二%を超えるまで拡大方針を継続するという約束でございました。  現実のデータを見ますと、消費者物価、例えば除く生鮮食品で見ますと、の前年比ですが、過去二年間ほど継続して二%以上を維持しております。これをもちましてこのコミットメントは要件を充足したものと判断したところでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ありがとうございます。  続いて、黒田総裁の下で膨れ上がった負の遺産というところで、日銀のバランスシートの正常化をどのようにしていくのかというのが次の総裁の取り組む課題の大きな一つだというふうに思います。  日銀が保有する大量の国債、ETFをどうしていくのか、特にETFについてどうしていくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) バランスシートを今後どういうふうに動かしていくか、縮小していくのかという点の御質問ですが、まず長期国債につきましては、三月の決定会合でお知らせしましたように、当面これまでと同じ程度で購入を続けるということにいたしました。この結果としまして、私どもが保有します国債の残高は当面おおむね横ばいで推移するというふうに考えております。  その先については、これを減らしていくということを展望していますが、具体的にどのタイミングでどれくらいということは現時点ではまだ確定的なことは申し上げれないところでございます。  一方、ETFでございますが、これは新規の購入を停止いたしましたので、残高は価格変動の部分を除きますと一定で推移することになります。その上で、保有しているものの処分ですけれども、これは常々申し上げておりますように、すぐに行うというふうには考えておりません。今後、処分をするのかしないのか、処分する場合にどういうやり方を取るのかということについては、少し時間を掛けて検討させていただければなというふうに思っております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ETFについては本当に難しいことだろうというふうに思っています。ですから、ETFの処理について、日本銀行の内部での頭の体操として、市場に影響を及ぼさないように、もし例えば少しずつ売却するとしたらどの程度の期間が掛かるかなんかについてのシミュレーションとかはされているんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これは、様々な検討はもちろんしておりますけれども、ちょっと具体的なコメントは今日は差し控えさせていただければと思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 売ると言った瞬間に大変なことになるということですし、影響がないように売るとしたら様々なシミュレーションあるようで、百年以上、もっと掛かるというふうに言われているということであると、やっぱりそれも現実的ではないんじゃないかということだと思います。  私たち立憲民主党としても、新しい金融政策の実現に向けてとする政策パッケージを発表していまして、この中では、ETFを日銀のバランスシートから切り離し、国民に有益な形で移転することを検討、実行するべきだという提言をしています。是非検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) ETFの処分の仕方について様々な具体的な提案をいただいていることは事実でありますが、それを含めて検討させていただきたいと思いますが、繰り返しですが、それぞれについて具体的にコメントするのは差し控えさせていただければと思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ここのやり取りで株価に影響があると大変なことになるので、そういうことだというふうに思います。  続いて、賃上げをやっぱり持続的にしていくということが極めて重要だということでいきますと、賃上げ促進税制の課題、実効性の確保についてお聞きをしたいというふうに思います。  今回の日銀の政策変更によって、いよいよ金利のある世界が到来するということです。金利が上昇する中で、政府の掲げるデフレからの完全脱却を実現するためには、業績が好調な大企業から下請、まあ下請って言葉自体がもう余り使わない方がいいということですが、関連企業、中小企業の価格転嫁が今後ますます重要となってきます。  賃上げ促進税制に関わる質問、私、前回、自分のタイミングでさせていただいたんですが、公取委から指導、勧告等がされた企業に対する賃上げ促進税制の適用についてお伺いをしたんです。指導とか企業名発表されたらそれ取り消すんでしょうかということを質問したときに、前回の委員会ではすぐにお答えいただけなかったということで、後日、財務省の方から御回答いただきましたが、この委員会の場でもそのことについてお示しいただきたいと思います。お願いします。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) 御指摘の件でございますが、報道がされているということは承知しているんですが、個別の事業者に関する事柄につきましてはコメントを差し控えさせていただきたい、このように思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 そうではなくて、賃上げ促進税制を受けていましたと。ただ、マルチステークホルダー宣言というのが賃上げ促進税制適用の前提となるんです。そのときに、公取委から指導とか勧告された場合はマルチステークホルダー方針が、宣言が取消しになっちゃうんですといったときに、今まで受けていたものというのは遡及して返納なりなんなりするんでしょうかという質問を前回させていただいて、確認いただいて、ですから、どこの会社じゃなくて、制度としてどうなっていますかということをお答えいただきたいと思います。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) お答えいたします。    〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕  令和四年度税制改正を受けた賃上げ促進税制におきましては、この適用の要件となっている今委員御指摘のマルチステークホルダー方針、この公表には、パートナーシップ構築宣言を公表している旨の記載が必須とされているところでございますが、仮にこうした法人に対して下請法に基づく公正取引委員会の勧告が行われた場合には、パートナーシップ構築宣言の掲載が取りやめられることとされております。それに伴い、マルチステークホルダー方針につきましても公表できないこととなりまして、勧告を受けた事業年度については賃上げ促進税制の適用が受けられないこととなります。  お尋ねの遡及の件でございますが、現在の制度では、勧告を受けた事業年度以外の年度が勧告の対象期間に含まれていたとしても、当該年度について本税制の適用が受けられないという仕組みにはなっていないところでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 受けられないという仕組みにはなっていないということは、返さなくていいと、返さなくていいという、税制措置で軽減されたものについて返さなくていいということですよね。もう一回。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) その当該年度については、本税制に仕組み上、適用を排除しているものではないという仕組みになっておりますので、御理解いただきたいと思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 現状については理解をしたいというふうに思いますが、そういうマルチステークホルダー宣言というのが適用の前提条件になっているということです。そして、公取も頑張って実態把握に努めていただいているというふうに思いますが、実際は手が回り切れていないんじゃないかと。年度を越えての指導、勧告となるというのが実態です。  ですから、今回の大手自動車会社については、二〇二一年から二三年の間の内容について勧告がされた。企業名が公表された十社についても、二〇二二年の六月から二〇二三年の五月に実施された取引の部分なんです。とすると、そのそごをやっぱりどう捉えるのかと。  ですから、過去の事象で取消しされると今回の適用ができなくなっちゃうんですよね。逆に言うと、過去のところで指導されたとしても、現在はそれはもう是正していますということだったら適用するべきじゃないかというふうに思うと、その実際に事象が確認された年度については税制措置が受けられないようにすべきではないかと。遡及するなりするということが必要だというふうに思うんですが、検討いただけないでしょうか。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) 賃上げ促進税制の適用関係につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、これ制度として、マルチステークホルダー方針の実効性を担保する観点からは、勧告を受けた事業年度において、仮にその事業年度に下請法違反の行為がなかったとしても本税制の適用を受けられないようにすることで十分な牽制効果が働くことを期待されるとの考え方によるものでございまして、制度の在り方としては一定の合理性を有するものと考えているところでございます。  その上で、遡及の件でございますが、本制度は令和四年度から導入されておりまして、適用初年度の税務申告が足下でようやく一巡するところでございます。そうしたことを踏まえまして、まずは、引き続き、実態をよく把握した上で、マルチステークホルダー方針の実効性というものの確保の在り方を考えていくことが重要だというふうに考えているところでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 優しいのか厳しいのかちょっとよく分からない対応だなというふうに思うので、是非実態を把握した上で検討いただけたらというふうに思います。  次に、今回の日銀の金融政策の見直しを受けて今後金利が上昇していくと、様々な幅広い方面に影響が生じていることが想定されます。中小企業の資金繰りであるとか、住宅ローンやまた変動金利の奨学金なんかもあるということでいくと、影響出てくるんじゃないかと。今はまだ大きな影響とはなっていませんが、今後、金利の引上げがされてくる状況においては、政府としての対応も必要になってくるというふうに思いますが、その認識についてお答えください。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) お答えいたします。  植田総裁は、今回の金融政策変更決定以降、預金金利は幾分上昇しているものの、貸出しの基準金利である短期プライムレートは現時点では変わっておらず、また、貸出金利が大幅に上昇するとは見ておらず、先行きにつきましても、現時点の経済・物価見通しを前提とすれば、緩和的な金融環境が継続する旨述べておられるものと承知しているところでございます。  いずれにしましても、政府といたしましては、今般の金融政策の変更を踏まえまして、引き続き、今後の個人や家計の動向を注視していくとともに、デフレ脱却と持続的な経済成長に向けて経済財政運営に万全を期してまいりたいというふうに思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 今はまだ大きな影響が生じていないということですが、前回の委員会でも東京のマンション価格のことが話題になって、パワーカップルがやっぱり高額のマンションを買っているという中でいったときに、やっぱりその低金利の中で何とかローン返済されたものが、それができなくなったとしたら経済に与える影響は小さくないというふうに思いますので、是非政府としても必要な対応を的確に講じていただくようお願いしたいというふうに思います。  次に、円安の状況に対する認識についてお伺いしたいと思います。  現在の円安の状況について日銀としてコメントするのは難しいとは思いますが、金融政策決定会合の後、金融政策の見直しが発表された後、円安が、円安に振れたということを踏まえると、日銀の金融政策が円安にやっぱり影響を及ぼしているんじゃないかというふうに思いますが、その要因の分析含めて植田総裁の認識をお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 為替相場でございますが、その動きや水準について具体的にコメントをすることは、済みません、差し控えさせていただければと思います。  多様な要因で決定されていると思いますが、いずれにせよ、為替レートは、経済、金融のファンダメンタルズに沿って安定的に推移することが重要であると考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 日銀の金融政策が円安の要因の一つであるということは認められますでしょうか。  黒田総裁ともちょっとやり取りさせていただいたときに、黒田総裁は、日銀は物価の番人なので為替は私の守備範囲じゃないというふうにおっしゃったり、国民生活を顧みない人だなというふうに思ったんですが、ちょっと円安について、日銀の政策というのが要するに円安を招く要因の一つだというふうに考えられるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 一般論としてでございますが、金融政策は為替レートを決めるファンダメンタルズの一つであると認識しております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ありがとうございます。  円安が進むということは、輸入物価上昇というコストプッシュ型のインフレを招くということで、日銀が目指す物価と賃金の好循環による目標達成をやっぱり阻害するというふうに思います。日銀として円安を無視できない場合は必要な対応を取るというような御発言もあるようですが、その認識についてお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 金融政策は為替レートをコントロールするために運営するものではありません。  その上でですけれども、為替レートの動きや、場合によっては物価、経済・物価情勢に無視できない影響を与えるということもあり得るかと思います。そういう事態に至りましたらば、それは金融政策の対応をもちろん考える可能性が出てくるということでございます、一般論でございますが。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 一般論として誠実にお答えいただいたというふうに思います。  次に、円安が急激に進んだことを受けて三月二十七日に開かれた国際金融市場に関する情報交換会合、これ三者会合ですか、について伺いたいと思います。  財務省、金融庁に加えて日銀がメンバーとなっていることの意味を教えていただけないでしょうか。財務省ですか。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) お答えいたします。  先月、三月二十七日に、委員御指摘のとおり、財務省、金融庁、日本銀行の間で国際金融資本市場に係る情報交換会合、いわゆる三者会合というのが実施したところでございます。  そういった中で、経済と金融市場の動向、しっかりと意見交換したわけでございますので、そういった中で日本銀行にも入っていただきながら会合をしているということでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 日銀もこの対応のメンバーだということだということを改めて確認したいと思います。  次に、マイナス金利についてお伺いしたいと思います。マイナス金利の、改めてですね、マイナス金利導入の目的と、その目的が達成されたのか、教えていただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) マイナス金利政策、二〇一六年の一月に導入したところでございますけれども、金利のカーブの起点を引き下げることでイールドカーブ全体に金利低下圧力を加えることを意図したものでございます。  このマイナス金利政策でございますが、同じ年の九月に導入しました長期金利のコントロールとともに、主として低金利、そして実質金利の低下を通じて経済活動を支え、雇用を押し上げてきたというふうに見ております。こうした点に関しては、私どもの実証分析でもある程度それを支持する結果が出ているところでございます。  その上でですけれども、三月の決定会合では、先ほど来申し上げておりますように、賃金、物価の好循環が強まりつつあるという中で、マイナス金利政策を含む、失礼、賃金、物価の好循環が強まりつつあるという判断をいたしました。その背景としまして、マイナス金利政策を含む大規模な金融緩和を粘り強く続けてきたことが経済活動、そして物価の動きを支持してきたというふうに考えております。  そういう認識に基づきまして、その会合で大規模な金融緩和、マイナス金利を含むものでありますが、これは役割を果たしたというふうに判断し、停止したところでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 イールドカーブ全体を引き下げるというところから言われるとなかなか反論しづらいんですけど、もう一方でいけば、銀行の貸出しを増やしていくんだというようなことの意味もあったんだというふうに思うと、もう一方でいくと、やっぱり政府の政策がアベノミクスで言う三本目の矢がうまくいかなかったということで、結果としてそういう貸出しは増えなかったんじゃないかというようなことも言えるというふうに思います。  一方、マイナス金利というのは、銀行の経営、収益の悪化を招くこととなりました。収益悪化によってこれまで銀行が社会的責任として負ってきた業務、サービスを維持できなくなって、結果として国民生活に影響を与えた側面もあるというふうに思います。  私、郵便局出身なので、ゆうちょ銀行が硬貨の両替手数料を有料化したりとか、あと銀行が公金の取扱いを取りやめたりとかするというところに影響が来たんだというふうに思います。  今後も経済の悪化によって金融政策の見直しを行わざるを得ないこともあるというふうに思いますが、マイナス金利の導入についてはこれまでの検証、評価を踏まえて慎重に行うべきだというふうに思いますが、総裁の認識をお聞かせください。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 御質問は、今後再びマイナス金利政策を導入することがあるかどうかということだと受け取ります。  その点に関しましては、当面そういう状態ではないということではまずあると思います。そういうことで、そういう状況でありますので、昨年来行っております私どもの長い期間の金融緩和政策に関する多角的レビューというものがございますが、この中で過去行ってきましたマイナス金利政策のプラスの面、マイナスの面を多角的に評価いたしまして、将来もしもそういうことを検討しなくてはいけない事態が来ましたならば、そこで参考にしていきたいというふうに考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 結果として、やっぱりマイナス金利、弱いところにしわ寄せが行く、行ってしまったんじゃないかということもあって、是非慎重な検討をお願いしたいというふうに思います。  続いて、アコードですね、政府、日銀の共同声明についてお聞きしたいと思います。  今回の大幅な金融政策の見直しを行ったこの現在におけるそれぞれアコードについての認識をお聞かせください。一定の役割を終えたと言えるんじゃないでしょうか。政府、日銀それぞれの認識をお聞かせください。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) お答えいたします。  これまで政府と日銀は共同声明の下で政策目標や方向性を共有し、それぞれの役割の下で必要な政策を遂行してきた結果、デフレではない状況をつくり出してきたところでございます。  引き続き、政府と日銀はデフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて連携を続けていくことが重要だというふうに考えているところでございます。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 政府と日本銀行は、共同声明の下でデフレ脱却と持続的な経済成長に向けて必要な政策を実施してまいりました。  そうした中、申し上げておりますように、三月の決定会合では、日本銀行は先行き二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、金融政策の枠組みの見直しを決定したところでございます。その上で、デフレ脱却につきましては、政府において各種の指標等を踏まえて総合的に判断されていくものと理解しております。  共同声明について現時点でコメントすることは差し控えたいと思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 とすると、デフレ脱却宣言がされるまではアコードについては変わらずに維持して、この体制については維持していくという認識で、政府についてもう一回確認させてください。

進藤金日子自由民主党財務大臣政務官

○大臣政務官(進藤金日子君) お答えいたします。  先ほどお答え申し上げましたけれども、これまでも緊密に連携してきたわけでございます。いずれにしても、現在、千載一遇のチャンスを迎えているデフレからの脱却に向けて、持続的で構造的な賃上げというのは実現しないといけないというふうに思います。  政府としては、価格転嫁対策の強化や賃上げ促進税制の拡充、省力化投資への支援など、予算や税制、あらゆる政策を総動員して、やはり賃金、賃上げは重要だと思いますから、この部分については力強い賃上げにつなげていきたいというふうに考えているところでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 時間が参りましたが、アコードを見ると、日銀がやることいっぱい書いてあって、日銀の皆さん、それを実行すべく懸命に取り組んできたというふうに思いますが、一方で、政府については、立派なこといっぱい書いてあるんですが、ほとんどできていないんじゃないかと厳しい評価をせざるを得ないというふうに思います。  そして、アコードが日銀の金融政策に与えた影響も少なくないんじゃ、アコードなくても日銀はきっとしっかりやっていたはずだというふうに思います。アコードについて今後どうしていくのか。そもそも日銀の独立性を確保する観点から、見直しじゃなくて、その必要性も含めて今後あるべき議論を是非進めていただきたいというふうに申し上げて、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

竹内真二公明党

○竹内真二君 公明党の竹内真二です。本日の質問の機会をいただき、感謝を申し上げます。  早速質問に入らせていただきます。  明日九日に日銀総裁就任から一年を迎える植田総裁に、私も大規模金融緩和の終了後の対応について質問させていただきます。日銀総裁に質問するのも植田総裁に質問するのも私は初めてでありますので、よろしくお願い申し上げます。  今、我が国は、デフレ経済から完全に脱却できるかどうか、まさに正念場におります。デフレ完全脱却の、この政府というものは、経済の好循環、政府的には分配と成長の好循環をこれを回していく、しかもこれを連続的にこれから実現していく、これができるかどうかに全て懸かっていると言っても過言ではないと思います。その意味では、政府・与党としては、来年度予算、税制改正に様々な対策を盛り込んで、この賃上げの広がりを中小企業や小規模企業、非正規雇用者にも波及させていく、あるいは六月からの定額減税なども実施していくことによって可処分所得というものもアップさせていく、こうした取組も進めているところであります。  そういうことも踏まえまして、岸田総理も先月二十八日の会見で、今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現します、そして来年以降に物価上昇を上回る賃上げを必ず定着させますと、この二つのことを国民の皆様にお約束をして、冒頭のこの発言というものも締めくくっておりました。  そして、金融面の方では、先月十九日に、今までずっと議論されているように、日銀の方では十一年もの長きにわたって続けられてきたこの異次元の金融緩和策というものを見直したと。  この決定後、金利のこの利上げの時期であるとか今後の上げ幅がどうなるのかなど、まさに次の一手というものも大変注目をされ、市場関係者だけではなくて一般の国民の皆さんも非常に関心を持たれていたと思います。それは当然で、やはり住宅ローンの金利はどうなるのか、あるいは銀行に預けている預金の金利はどうなるのか、非常に国民にとっても密接に生活に関わってくる問題であるからであります。やはり今、新NISAというものが話題になっておりまして、これからさらにはインフレの時代へと向かっていくんではないかということで、将来の備えということからも関心持たれている方、少なくないと思うんですね。  その中で、先日、私も若い世代の方から、話をしているときに、日銀総裁のコメントが大変分かりやすいという言葉を聞きました。私も六年以上にわたって議員をしておりますけれども、日銀総裁の言葉についてコメントした方もなかなかいないわけですけれども、しかも、この非常に分かりやすいという話を聞いたのも初めてでありまして、今、この先月十九日のあの決定会合の後、やはりネットには非常に多くの情報がエコノミストを中心にして出ておりまして、その方が言うには、ただ、結局、じゃ、どういうふうにこれからなっていくのかというのは意外によく分からなかったということなんですね、いろんなエコノミストの発言があったんで。  そうすると、そのときに、その方も、やっぱり住宅ローンとか、あるいは仕事をしている関係でやはり金利の動向というのは極めて注目をしておりまして、そうすると、より確かな、まさに確度はどうなのかということを知りたいということで、この十九日のときに行われた総裁の会見の記事を日銀のホームページからよく読んでみたと。ここには、三十四、五問から成る本当に多くの質問に対して総裁が非常に丁寧に答えられていて、これを読んで初めて、日銀総裁というのはこういう考えでいて、これからの金融政策というものをこういうふうに進めていくのかというのが非常によく分かったというふうに申しておりました。  市場との対話とか情報発信という意味では、私はこれは非常に大事なことであって、もちろん、これまでの委員会でも出ていますように、情報の管理の徹底であるとか情報のリークを防ぐとか、そういうことは絶対にあってはならないことであって、これは厳しく見ていかなくてはいけない側面だと思うんですけれども、もちろんここにはグレーゾーンというものがあるのかもしれないんですけれども、しかし、この市場との対話とかその情報発信という意味では、そういう意味では、国民の皆さんが望んでいるそういう発信というのは私は是非これからも続けていっていただきたいというふうに、私自身は思っております。  ただ、その方、また、朝日新聞の報道も、単独インタビューも見ておりまして、ここでは、その十九日の会見でしゃべったことよりも少し、かなり踏み込んで述べられているようにも見えたというふうに、そうすると、これはまたどういう意味合いなのかというのは、今度は原典に当たっていって、さらにその原典の、本人がまた少し踏み込んだような発言をしているということで、これはどういう意味なんだろうということを言っておりました。  いろんな思いが、またいろんな状況があるんだとは思うんですけれども、改めて、植田日銀総裁に、今後の利上げの時期であるとか上げ幅の考え方について、リスク要因等も含めて、こうした関心を持っている国民の皆様に向けて分かりやすく説明をしていただければと思います。よろしくお願いします。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、先ほど来申し上げていることと少し重なりますけれども、三月の決定会合で賃金と物価の好循環の強まりを確認いたしまして、これは先行き更に強まっていくと、別の表現で申し上げますと、物価上昇率から一時的な変動を除いた基調的な物価上昇率、これが現状ではちょっと二より下であると見ておりますが、これが二に向けてだんだん高まっていくという可能性が非常に高まったということで、政策変更、大規模緩和を終了するという決定をしたところでございます。  ただ、今申し上げましたように、基調的な物価上昇率はまだ二を下回っております。つまり、完全な目標にはまだ到達していないということでございますので、それが達成されるように、基調的な物価上昇率が上がっていくように、現状では経済を引き続き金融政策からサポートすることが重要というふうに考えております。したがいまして、緩和的な金融環境が当面継続するという表現になるわけでございます。  その上で、今後でございますが、政策変更の前提になった考え方としましては、申し上げましたように、この基調的な物価上昇率がだんだん上がっていって二に収束していくという見通しを持っております。これが本当に実現していくかどうかを、今後いろいろなデータや情報でチェックし続けるということになるかと思います。それを更に具体的に申し上げれば、春闘で結果が出てきております賃金、これが現実にデータで上昇するということが確認されていくかどうか、そして上がっていく賃金が物価、特にサービス価格に反映されていくかどうか、こういうことを毎回確認を続けていくということになるかと思います。その上で今後の政策判断をしていくということでございます。  見通しどおりに基調的な物価が二%に向けて少しずつ上がっていくということになりますれば、先ほどもちょっと申し上げましたが、金融緩和の度合いを少し弱めていくという判断も可能になるかと思います。一方で、見通しているほどは賃金が上がってこないとか、海外からマイナスのショックが起こりまして経済に大きな下押し圧力が掛かるというような場合には、緩和を縮小するペースを弱めるとか縮小をしないとか、そういう判断になると思いますし、他方で、賃金、物価の好循環がこれまで以上にどんどん強まっていくという場合には緩和縮小のペースを少し速めるような判断になる可能性もあるかと思います。その辺を見極めつつ、今後、適切な金融政策を決定していきたいというふうに考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 植田総裁、大変分かりやすい、丁寧な説明をしていただき、ありがとうございます。  やはり私も、この賃金上昇、そして需要増大による物価の基調的なものが本当に今後しっかりと上昇していくのかどうかということがやはり最大の焦点であると思っております。また、そのために、政府・与党という立場からも全力で取り組んでいく必要性が一方ではあると思います。  それと、私、先ほどもちょっと言いましたけれども、やはり植田総裁が以前こういうことを言われていたんですが、金融政策は金融市場や広く人々の行動に働きかけることを通じて効果を発揮する、そのために政策判断の背景の理解を得ることが大切だ、丁寧な説明に努めると、こういう発言、覚えていらっしゃいますかね。そういうことを言われておりました。  私、この広く人々の行動に働きかけることを通じて金融政策というのは効果を発揮するんだというのは非常に大事な私も視点だと思っておりまして、引き続き、先ほどの繰り返しになるんですけれども、情報管理というのを徹底した上で丁寧な説明というものを是非とも今後ともよろしくお願い申し上げます。  それから、次の質問に移りますけれども、利上げに向けた関心が高い一方で、やはり様々リスク要因というものもしっかりまだ残っております。例えば、これまでもありましたように、実質賃金がマイナスである、個人消費が弱い、それから人手不足も深刻だ、あるいは円安が進行していて輸入物価の上昇も起きている。そのほかにも、世界経済の減速懸念など、下振れ要因というのは挙げればたくさんあるわけであります。  また、賃上げの先行きが見通せないと考える働く方々も多くて、賃金と物価が上がらない期間が長過ぎてやはりデフレマインドというのが染み付いているので、こうしたものの一掃ということも想像以上に私は難しい、難題であると思います。  さらには、デフレに後戻りする可能性を指摘するエコノミストの見解なんかもネットではよく出ております。例えばですけれども、政府は、デフレではなくインフレを前提として、今後、財政健全化を優先させることもあると。そうなった場合には、目標としている二〇二五年度にプライマリーバランスを黒字化させる、いわゆる緊縮路線に転じてしまう、そういうリスクが生まれると。そうなると、内需は緊縮予算に耐えられるほど強くないので、デフレ再燃のリスクが大きくなると。こういうことを言う方もいらっしゃるんですね。こういう方もいらっしゃるんです。  このような指摘も一部ではなされているわけですが、逆に言うと、これ、こうしたことを起こしてはならないわけですから、そうならないために、例えばですけれども、六月にこの所得税減税って行われますけれども、今後も好循環を続けていくために、必要であれば、やはり所得の補填政策というのは私はしっかりとやっていくべきだというふうに思います。  そこで、最後確認しておきますけれども、日銀としては、デフレ再燃のこのおそれについては現時点ではどのように考えているのか、改めて確認しておきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これ、先ほどの御質問に対する答えでも申し上げたところですけれども、私どものベースラインの見通しとしましては、基調的な物価上昇率が二をやや下回ってはいますが、向こう一年半、二年の間に二に向けて収束し、上昇していくというふうに考えております。  その上で、先ほども、リスクとしまして、ここからいろいろな要因で下振れる可能性もゼロではないというふうに考えております。もちろん、そうした場合には、そういうことが起こった場合には、金融環境は非常に緩和的であるというところを、ベースラインであれば縮小していく可能性が強いわけですが、その縮小をやめたり、あるいは縮小のペースを非常にゆっくりなものにするという対応をしたいということは先ほど申し上げたとおりでございます。  その上で、全体的に申し上げれば、こういう見方からいたしますと、インフレ率が我々の見通し対比大幅に下振れるというリスクは大分低くなってきたなというふうに見ております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございます。  次に、先ほど言った三月の金融政策決定会合でこの大規模な金融緩和の終了というものを決めた判断材料として、春闘の賃上げ率が高い水準であった、これがその一つだったと思います。しかし、その時点では、中小企業などの賃上げが出そろうという、それはこれからのタイミングと、そういう時点でありました。  そこで、この決定会合では中小企業の賃金をめぐる環境についてどのように評価をされたのか、また、今後の中小企業の賃金についてはどのように見通しを持たれているのか、見解をお伺いしたいと思います。

清水誠一日本銀行理事

○参考人(清水誠一君) この点は私からお答えさせていただきます。  中小企業につきましては、業種や個社によって状況が様々であるというふうに認識しておりますが、そうした中、三月の決定会合では、私どもの本支店のヒアリング情報により、企業収益は改善を続け、労働需給が引き締まる下、人材確保のための取組が必要との声が大きく聞かれました。全体として見れば、地方の中小企業を含め幅広い企業で賃上げの動きが続いていることがうかがわれたところでございます。  この間、連合の集計結果では、相対的に規模の小さな企業も含め賃上げ率は高水準となっております。また、先週開催されました私どもの日本銀行の支店長会議でも、地域の中小企業において、昨年並みあるいはそれ以上の賃上げの動きが広がることが期待できる情勢にあるとの報告が聞かれたところであります。  引き続き、規模が小さい先を中心に、大企業の春季労使交渉の妥結動向を見極めた上で賃上げを判断していきたいといったような声も多く聞かれておりますので、今後こうした先に賃上げの動きが広がっていくことを期待しているところでございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 もう一点、金融機関や金融システムへの影響についてもお聞きしたいと思うんです。  十七年ぶりのこの利上げが行われて異次元緩和に終止符が打たれたことを受けて、金融機関、この金利ある世界に向けた対応というものを迫られております。金利の上昇というのは、短期的には有価証券などへの影響というものが懸念される一方で、長期的には金融機関の影響に、好影響も及ぼし得ます。  そこで、現時点でこの金融機関への影響、金融システムの安定性について、総裁としてどのように評価、分析されているのかをお聞きしたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 今回の政策変更でございますが、それが金融機関経営に及ぼす影響については、短期金利の上昇は〇・一%程度でございますので、預金金利を若干引き上げる動きが見られておりますけれども、総じて限定的というふうに見ております。  ただし、一般論として申し上げれば、様々な経路を通じて金利の上昇が金融システムに影響を及ぼす可能性がございます。金利が上昇しますと短期的には債券価格が下落しますので、有価証券、債券を持っている金融機関の評価損益の悪化につながる面がございます。他方、経済が緩やかな回復を続ける中で金利が上昇するということでありますと、貸出金利も上昇していく、上昇させることも可能になるということを通じて金融機関収益が改善していく面もあるかと思います。  両方足してどうなるのかというのはなかなか難しいですし、金融機関ごとにいろいろばらつきがあるかと思います。それも含めて、今後の金融機関の動向については丁寧にモニタリングしてまいりたいというふうに思っております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 今、金融システムとともに、この金利ある時代におけるやはり金融機関の職員を始めとする人への影響ということも非常に大きいんではないかと思っております。といいますのも、やはり金利なき世界に長い間浸ってきたこの銀行などでは、金利が上昇するという経験のある行員が非常に少ないわけであります。金利の上昇局面でお客さん、顧客がどのような行動を取るかもよく分からないといったことも実際声として聞こえてきております。  そこで、既に金融機関では、利上げを見据えて昨年から金利ある世界に対応できる行員教育にも取り組んでいるというふうにも聞いておりますけれども、こうした人への影響について、今、現時点では日銀としてどのように見ているのかも教えていただきたいと思います。

高口博英日本銀行理事

○参考人(高口博英君) お答え申し上げます。  議員御指摘のとおり、金融機関経営を取り巻く環境が変化する下で、金融機関では、労働市場の人手不足も相まちまして、優秀な人材の確保や職員の育成が重要な経営課題となっております。  金利動向が変化する下では、金融機関は市場動向を踏まえつつ、顧客のニーズに沿って適切な金利の設定や本業支援を行っていくことが重要になりますほか、リスク管理面でも金利変動が収益などに与える影響を的確に評価する能力も必要となってまいります。そうした下で、多くの金融機関では、今回の政策変更も含めて先行きの環境変化に備えまして、職員向けの研修やマニュアルの拡充などに取り組んでいると承知をしております。  日本銀行におきましても、考査、モニタリングなど幅広い機会を捉えまして金融機関と対話をし、またセミナーなども開催をして金融機関のこうした取組をしっかりとサポートしてまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 次に、もう一問だけ植田日銀総裁にお聞きしますけれども、今、人への影響について御答弁いただきましたけれども、日銀の人材育成ということについてもちょっとお聞きしたかったんですね。  一つは、ちょうど一年前就任したときに、ちょっと覚えているんですけれども、マスコミである方が言っていたのが、日銀の職員には東京大学経済学部の出身者が多くいて、植田総裁は東大教授としてマクロ経済学を教えていて、植田ゼミで教え子だった職員も日銀にはいらっしゃるということをちょっと何となく覚えているんですね。実際、日銀の方でも本当に関係性が深いということも聞いておりましたので、実際、現在は、この一年間、日銀のトップとして日銀職員とともにこの日銀というものを引っ張ってきたわけですけれども、当然、人材育成ということにも力を入れてきたと思うんですね。  そこでお聞きしたいんですけれども、これから日銀職員に求められる、日銀マンというんですかね、資質、スキルというものはどういったものであると考えられるか、教えていただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、中央銀行でございますので、使命は物価の安定、金融システムの安定でございます。したがいまして、私どもの職員には、こうした公的な仕事への意欲とか情熱を持つことが肝要であるというふうに考えております。  また、デジタル化を始めとしまして技術の変化が非常に早いということも含めまして、金融経済環境が不断に変化しておりますので、世の中の変化を感度高くキャッチできる好奇心とか、新しい課題にチャレンジする積極性、柔軟性を持って仕事を進めるというような能力、意欲も重要というふうに考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 それでは、もう時間がないので最後になるかもしれませんけれども、今、金融経済教育について、これまでの委員会にも取り上げてこさせていただいておりますけれども、やはり、これ受けたというふうに認識をしている人というのは約七%という数字がありまして、これかなり深刻な事態だと思うんです。  そこで、ちょっともう二つの質問一緒に行いますけれども、やはり日銀としてもこの日本の金融経済教育の現状と課題についてどういうふうに考えられているのかということと、それから、この四月に、まさに報道もありましたけれども、五日の日には、金融広報中央委員会の後継組織として金融経済教育推進機構、これが正式に発足されたと、設立されたというふうにもお聞きしました。そこで、これは日銀が事務局を務めた金融広報中央委員会の機能が移管されて、今後もこの機構というものと日銀がしっかりと連携して金融経済教育というものを推進していくべきと考えますけれども、この二点について御答弁をいただきたいと思います。

高口博英日本銀行理事

○参考人(高口博英君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、これまで日本銀行が事務局を務めておりました金融広報中央委員会は、各地に設置されております金融広報委員会、地域の広報委員会とも協力し、これまで全国規模で中立公正な立場から金融経済教育を実施をしてまいりました。  もっとも、御指摘のとおり、この金融経済教育を受けたと認識している人の割合はまだ残念ながら低水準でとどまっております。その要因の一つとして、職域における講義の実施など、社会人向けの教育機会の提供が十分でなかったことが挙げられるように考えております。また、金融経済教育に取り組んでいる他団体との協力において改善の余地があると認識をしております。  この四月から、金融広報中央委員会の事業は金融経済教育推進機構に移管されることになっております。その具体的な業務運営については今後検討が進んでいくと承知をしておりますけれども、これまでの中央委の活動と同様に中立性と公立性を確保すること、また、資産形成はもとより、生活設計や金融トラブルの予防なども含めて金融経済教育全般をバランスよく推進していくことが重要と考えております。  日本銀行としましても、資金面、人員面の支援も含めまして、機構の取組を引き続きしっかりと支援してまいりたいと考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。  二〇二三年九月、去年の九月三十日の日本金融学会で植田総裁は、ただし、収益や資本の減少をきっかけとする信認の低下を防ぐため、財務の健全性への配慮も大事であると述べられています。すなわち、日銀の信認を守るために、信用を守るために財務の健全性、それから通貨の健全性を守るために、信認を守るために日銀の財務の健全性は非常に重要であるとおっしゃったわけです。  そこで今日は、金融緩和が出口に向かったとき、それから日銀財務の健全性は保てるのか、それから債務超過の可能性はないのか、そして債務超過になっても日銀は大丈夫か、その辺を中心にお聞きしたいと思っております。  先日のマイナス金利政策解除ですけれども、日本中が事前には大騒ぎいたしましたけれども、金利が染み程度にしか動かないのだから、これ金融市場ではほぼ無風だよというふうに私、前から主張しておりまして、そのとおりになったと思いますね。短プラは動かないし、預金金利もほとんどもう染み程度にしか動かないし、それから日米金利差も開かなかったということで、何でもなかったんですけれども、今後は全く違う展開だと思うわけです。  三月二十二日の財政金融委員会で、超過準備が現在の五百兆円と変わらなければ、今後金利を〇・一%上げるごとに日銀の当座預金残高に対する支払金額は約五千億円ずつ増加すると認識いたしました。  私の配りました表一を見ていただきますと分かりますように、日銀の二〇二四年二月の方、日銀当座預金残高は五百三十八・五兆円です。法定準備金を抜かすと、約、超過準備が五百兆ですから、五百兆掛ける〇・一%は五千億円ということで、今後、今後は日銀がこの日銀当座預金への付利金利を〇・一%上げるごとに五千億余の支出が増えるわけです。それを念頭に入れながら質問をさせていただきたいと思いますが。  まず、買い入れた国債、日銀が買い入れた国債から日銀は利息収入を得ているわけですね。これはほとんどの中央銀行の一番重要なる収入源なんですが、去年、昨年度のその金融、受取収入は幾らだったか、数字だけで結構ですのでお教えください。

加藤毅日本銀行理事

○参考人(加藤毅君) お答えいたします。  令和四年度ですけれども、日本銀行が国債等の資産から受け取った利息の収入額ですけれども、こちら一兆五千二百七億円でございました。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 受取利息が一兆五千二百億円という話で、まあ一・五兆円ですよね。受け取るのは一・五兆円で、毎年ですね、支払金利は〇・一%上がるごとに五千億払っていますと、今後、金利利上げで〇・三%金利上げると、通貨発行損ですね、負のシニョリッジが発生するわけで、損の垂れ流しが始まってしまうわけです。  二〇二三年、これ二〇二三年の九月で二十三・五兆円、二四年二月で三十七兆円の債務評価益があると。極めて、中央銀行でこんなもの、この前も申し上げましたけど、株式買っているのなんていないんですから、こんなところに頼る、若しくは、内部留保は今十三兆円ありますから、ここにしか頼らない日銀の財務って危なっかしいもいいところだと世界から思われないでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、金融政策、短期金利の水準の決定でございますが、これはあくまで物価安定のために行うというものでございまして、財務への配慮から必要な政策の遂行が妨げられるというふうには考えておりません。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 何か質問に全然、あっちの方向を向いた答え、答弁みたいなんですけど。私は〇・三%の利上げで日銀は大丈夫ですかってお聞きしているのに、物価安定のためにやりますというのは、それじゃ全く回答になっていないと思うんですけどね。これは皆さんが考えれば当然お分かりだと思いますのでそれ以上突っ込みませんけれども、何はともあれ、受取収入は年間一・五兆円、金利を〇・一%上げるごとに五千億円だというのが今の日銀の現状だということは十分認識したいと思います。  受取金利が年間一・五兆円で、〇・三%で通貨損が始まるわけですけれども、ちょっと表二を見ていただきたいんですが、アメリカのです、右側の方の例えば二〇二二年、二三年、上から二行目、二〇二三年の受取利息、今、日銀は一・五兆円、年間一・五兆円だという答弁ありましたけど、アメリカでは、FRBは四兆七千九百十一億ドル、二十六兆円ですよ。日銀の受取収入は一・五兆円、FRBは二十六兆円、これだけあるから支払金利を、金利利上げで五・二五とか五・五%まで上げられるわけです。十分な収入があるから、それは支出増えたっていいわけです。  日銀が、日本銀行は一・五兆円しかないんですけれども、上げて大丈夫ですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 先ほどの質問にもちょっと関連、御質問にも関連いたしますけれども、私ども、委員が御指摘いただきましたように、財務の健全性確保の観点から、様々な引当金や準備金の積立て等により自己資本の充実に努めてきておるところでございます。  一般論として申し上げますと、私ども、通貨発行益がございますので、さらに、自分自身で支払決済手段を提供できるということもありまして、一時的に財務が悪化しても政策運営能力に支障は生じないというふうに考えてございます。  ただ、様々なリスクがございます。無用の混乱を私どもの財務リスクの顕現化から引き起こすということがないようにふだんから財務の健全性を確保することは重要であるというふうに考えておりますが、繰り返しですが、一時的に財務が悪化しても政策運営に支障は生じないというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 一時的にというふうに、苦しいときがあるというふうにおっしゃいましたし、黒田前日銀総裁も若田部副総裁も、日銀当座預金の金利を上げていくと、資産サイドの国債、表一見ますと、日銀当座預金は五百三十八・五兆円ですけど、国債は六百兆円持っていると、こちらの方の受取利息がどんどん増えていくから、一時的には債務超過になっても大丈夫ですよというお答えになっていますけれども。  この表一を見ていただくと分かるように、長期国債五百九十六・七兆円ですよ。私が銀行マンだったときは長期国債なんてほとんど持っていませんでしたけど、今、保有国債の大部分が長期国債ですよね。長期国債というのは固定金利ですから、満期が来るまで利率は同じわけです。  前回の、三月七日の予算委員会で私聞きましたら、二〇二四年中に償還する国債、保有国債は六十七・一兆円とおっしゃっていたわけですよ。国債六百兆持っているうちの六十七・一兆円しか満期が来ないということは、新しい金利になるのは六十七・一兆円、約一〇%強しか新しい利回りに変わらないわけですから、ほとんど利息は増えないわけですよね。  ですから、いずれは受取収入が増えるからって言ったって、いずれは、どのくらい先なのか分からないわけですよ、そんな一〇%しか入れ替わらないんですから。それまで日銀がもつのかなという気がしますけれども、その辺についてはどうお考えですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、私ども、政策金利を引き上げ、当座預金に支払う利息を引き上げていきますと、超過準備に対する支払利息の増加から収益は下押し圧力を受けます。ただ、バランスシートを将来縮小するという局面に入りますと、超過準備が一方で減少して、金利を与えられたものとしますと利払い費は縮小していくというメカニズムがございます。  また、他方、新しい国債を買うペースに依存しますけれども、少しずつ利回りの高い国債に保有国債が入れ替わっていくということから、少しずつでありますが、保有国債の受取利息、そのベースになります金利も上昇するというふうになっていきます。  長期的には、こういう中でバランスシートの縮小に入るという局面になりますと、通常収益は回復していくというふうに考えられます。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 長期的には大丈夫と言っても、少しずつしか改善されなければ、それは、それまで日銀がこんな債務超過を垂れ流していて、世界は認めてくれる、大丈夫だというふうに認めてくれるのかという大問題があるわけですよね。  変な話ですけど、例えば、あなた、藤巻は、あと、私が例えばあと十年しか生きられないから心配だと言っても、いや、いずれは二百年生きる新薬ができて、もう寿命延びますから大丈夫ですよなんて言われたって、私は安心していられませんけどね。それと同じように、すぐに受取利息も上がっていくなら支払利息増やしてもいいですよ、金利上げていってもいいんですけど、すぐに受取利息というのは増えないというふうに理解しています。  それで、表二を見ていただきたいんですが、これ、アメリカのFRBの収益の動きです。左側に二〇一五年から二〇一八年の表を出していますけれども、これ、アメリカ、二〇一五年から一八年に一度金利を引き上げましたよね、〇・〇から、〇・〇〇から〇・二五、それから二・〇から、二・二五から二・五まで上げたと思うんですけれども、そのときの受取利息と支払金利見ていただきたいんですが、下の方のですね、二〇一五年、千百三十六億ドル、全然増えてないですよね。二行目の支払金利Bのところ、七十二億ドルから四百三十億ドル、増えている。当たり前です。日銀当座預金に相当するFRB当座預金の金利上げていったんだから、支払金利ぐっと増えますよ。  でも、植田総裁のおっしゃるように、受取利息も上がっていくと。ちっとも上がってないじゃないですか、アメリカ。FRBは上がってなかったのに日銀だけ上がるというんですか。やっぱり、先ほど申し上げましたように、満期が来るのがほとんど、持っているのが長期国債で、満期が来るのが少ししかないんだったら、受取利息が上がるのは先の先の先の話で、支払利息の急騰というのはすぐ来るわけですよね。そんなに長い間、日銀の財務が不健全なままで大丈夫なんですか。日銀の財務が健全なのは極めて重要だと日銀総裁自身がおっしゃっているんですけど、大丈夫でしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) FRBの方でございますけれども、確かにバランスシートの資産側で持っております国債の受取利息はおおむね横ばいでございますけれども、これは、金利の高い国債に少しずつ入れ替わる一方で、保有国債自体をバランスシートの縮小に伴ってかなり縮小、規模を低下させてきておりますので、掛け算であります利息、受取利息がおおむね横ばいということかと考えております。  日本の場合、アメリカと比べますと、アメリカはゼロ近辺の金利から当座預金の金利を五%強まで割と短期間に大幅に引き上げたわけでございますが、私ども、その背景にありましたアメリカの七%とか一〇%に近いようなインフレというようなインフレの問題を抱えているわけではございませんので、そのような大幅な当座預金金利の引上げは必要ないというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 いや、まあおっしゃるとおりですよ。先ほども言いましたように、高い金利の国債とかモーゲージバックセキュリティーを買っていたから収入が二十六兆円もある、したがって、短期金利を引き上げることができる。日本はつい最近までマイナス金利の長期国債買っていたわけですから、受取収入は一・五兆円しかないです。当然、支払金利を上げていけば、突然、即ですね、損の垂れ流しが始まるということだと思うんですよね。  今、アメリカみたいにインフレが上がるとか金利が高くなる可能性を考えていないとおっしゃいましたけど、私が金融マンのときには、短期金利なんというのは、まあプライムなんて六%や九%ありましたし、一九八〇年の、一九八〇年だったかな、長期金利だって一一%行っていますよね。あのときたしか短期プライム九%。今が〇・一%だから、アメリカみたいに高くない、高くなるなんていうことはそれは絶対ないなんてことは、それは神頼みしかないですよね。  だって、JGB、日本国債の先物だって標準金利六%、十年。これ、なぜ六%。これ、一九七〇、ああ違う、一九八〇年か何かに日本国債できたわけですけど、あのときは長期金利が一〇%が常識だったから、平均すると一〇%だったから、六%というレートをJGBの仮想債に適用しているわけですよ。  だから、今、植田さんが金利が上がることは考えていないとおっしゃいましたけど、実際あったわけだよね。それを想定外だなんて言われちゃ、もうこれ心配で心配でしようがないと思いますけど、これちょっと質問通告していなかったのでやめますが。  次に、表三を見ていただくと分かるんですが、これはこの前の金融学会で総裁自身がお配りになった表なんですけれども、これは金融マンにとっては常識ですけど、日銀というのは名目GDPに対して世界断トツにバランスシートがメタボなわけですよ。それは、バランスシートがメタボということは、要するに経済規模に合わせてお金ばらまいちゃっているわけですよ。むっちゃくちゃにばらまいているわけです、世界断トツに。  こういう状況で、インフレになればお金回収しなくちゃいけないのは当たり前なんですが、そんなことできるのかなと。こんなに他の中央銀行に比べてばらまいちゃったのに回収することはできるのかどうか、それについてお聞きしたいと。回収できるんでしょうか。  もし回収しないのであれば、お金がばらまかれているということは、円の価値が毀損するということですよ。物とサービスと同じように、供給過多であればその価値はおっこっていっちゃって、円はどんどんどんどん減価していく、インフレ収まらなくなる。そうすれば、さっきのお話じゃないですけど、長期金利も短期金利もむっちゃくちゃに上げなくちゃいけない、そういう事態になる可能性があるんですが、そういう可能性はないというふうにお考えでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) バランスシートの縮小でございますが、これは欧米の中央銀行と同じように、新規の国債買入れ額、現在はこれまでと同じ額で続けるというふうにしておりますが、これを減額することによりまして、国債保有、私どもの国債保有残高が償還に伴い縮小していくということとの見合いでバランスシートを縮小させていくことができるというふうに考えております。  バランスシートが大きいときに円安が進行しインフレが加速するリスクについてどう考えるかという御質問の方でございますが、これは先ほども為替について申し上げましたが、為替市場におきましては多様な参加者が様々な理由で売買を行っておりまして、為替の決定要因、変動要因としては多くの要因があるかと思います。私ども、それについて事細かにコメントすることは差し控えたいと思います。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 今、そのメタボになってしまった日銀のバランスシートを縮小することができるとおっしゃいましたけれども、今、この図表を見ていただくと分かるように、FRB、ECB、BOE、みんなもうこの比率下げていますよね。  これは、要するにランノフ、要するに満期のときに継続しなかったり、それからBOEみたいに売りオペをやっているから下がっていると思うんですが、日銀が果たして、売りオペはもちろんのこと、ランオフ、すなわち満期が来たときに借り換えないで済む。今、この前おっしゃったように、年間七十二兆円買っていて、満期が来るのは六十七兆円でずっと増えていくと言いましたけど、これを減らしていくことが、保有国債を減らしていくことができるのか、本当にできるのか、極めて疑問なんですよね。要するに、新規購入額が満期が来るよりも少なくしている、そんなことで大丈夫か、金利暴騰しないかということをお聞きしたいんですが。  次のページ見ていただきたいんですが、表七、日本とアメリカのこれ比で見ていますけど、日銀、これ要するに国債発行したうちにどのくらい中央銀行が買ったか。  日本の場合は、左が日本ですけれども、例えば二〇二三年には百四十九・一二兆円のうち百十三・九四兆円、七六%も買っているわけですよ。これを財政ファイナンスと言わずに何と言うのかと私は思いますけれども、何はともあれ、七五%、国が発行した七五%を中央銀行が買っているわけですよ。アメリカ、五・八%しか買っていないわけですよ。  もう日銀みたいにモンスター、国債市場のモンスターになっていなけりゃ、それはFRBみたいに、それはもう、国債買わないとか買うのやめたよと言っても、別にそんなにFRB、市場は影響を受けないと思いますけど。  例えば、先ほど言いました、申し上げましたように、私が現役のときには長期国債なんか買っていませんでしたよ、日本銀行、ほとんど。今、七五%も買っちゃったわけですよ。これが、七五%を買っている買手が、どんなマーケットでもそうですけど、買うのやめたよとか若しくは売ったよなんということになったら、価格は暴落、まあ金利でいえば暴騰すると普通は思うんですけれども、どうですか。  要するに、こんなにモンスターになったらば、日銀が国債買うのを、購入を中断したり減らしたりすることはまず不可能だと、そんなことしたら価格暴落、長期金利急騰ということが、私はそう思うんですけれども、そんなことないというふうに断言できますか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、先ほど来申し上げておりますが、国債買入れは当面これまでと同程度の金額で継続するということを決めております。その裏側としましては、裏側としましてといいますか、それとともに、長期金利に関する零%の目標、あるいは上限のめど一%を撤廃しております。  したがいまして、国債買入れは継続いたしますけれども、長期金利については基本的に金融市場で形成されるという事態になっているというふうに考えております。ただし、長期金利が急激に上昇する場合には、より機動的にオペを実施するという考えでおります。  そうした中で、将来、適当なタイミングで国債の買入れ額を減額し、保有残高も償還に伴い縮小していくという局面に転じたいというふうには考えております。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 二点問題があるんですが、一点目は、今、今後同程度、償還が来ると同程度を買っていくというふうにおっしゃいましたが、ということは、今じゃぶじゃぶにある、さっき見ましたように、経済規模に対して今、日本はもうむっちゃくちゃにじゃぶじゃぶに円があるわけ、お金があるわけですよ。それを、インフレが来ようとそのままの状態で持っていくということですね。  要するに、普通はインフレが加速していったらお金を回収してお金の価値を高めないといけないのに、こんなじゃぶじゃぶでお金がある状況を何があってもキープしていくということなんでしょうかね。ということは、明らかに円は毀損していっちゃいますよね、どんどんどんどん価値はね。ほかの国は今もう回収始めてお金の価値がどんどんどんどん価値が上がっているのに、日本はどうもお金ばらまき過ぎで、幾らでもお金ばらまかれていたら、どんどんどんどんお金の価値は毀損していく、円はどんどん安くなって、日本、物すごいインフレになっちゃうんじゃないでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 長期国債に関する買いオペは、当面、現状、これまでどおりで継続する、将来、場合によってはといいますか、どこかのタイミングでそれは減額するという方向に行く予定ではございます。  しかし、そういうことを与えられたものとしまして、インフレ動向あるいはその見通しに従って、金融政策の主たる調節手段であります短期金利を調節していくということでございます。それに伴ってインフレ率のコントロールがしっかりできていくというふうに考えております。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 お金がじゃぶじゃぶのままでも短期金利を上げていればインフレをコントロールできるなんというのは、伝統的金融政策では教えていないんじゃないかと私は思いますけどね。  それとして、最後に、もう時間ないんで次行きますけれども、いずれは国債を回収し始めるとおっしゃいましたけれども、一九八九年十二月に資金運用部ショックというのがありました。あそこにいる宮沢さんの伯父様である宮澤喜一前大臣が、もう資金運用部ちょっと資金繰りが苦しいんでもう国債買うのをやめたよと言った途端に、マーケットは大慌てで、長期金利暴騰したわけですよ。それで慌てちゃって、もうやめるのやめたのでまた戻ったわけですけど、あれやめたら大変なところまで行っちゃったと思うんですが、当時の日本最大の国債の買手である資金運用部を見ましたら二二%ぐらいです。さっき、日銀は七五%買っている、アメリカは五・四%、FRBは五・四%ぐらいしか買っていない。でも、日銀は七五%。当時の最大の資金運用部は二二%程度。それがやめると言っただけで長期金利〇・八五から二・三五%ぐらいまで上がっているわけです。あのとき私、そのままだったらきっと五%、一〇%行っちゃうんじゃないかと思いましたけど、それ、慌てた大蔵省は、やめるのやめたと言って戻ったわけですよ。  あのときは、ひょっとすると、いざとなれば日銀が、法律を変えてでも代わりに日銀が買って何とか金利が暴騰するのを抑えるという話だったんですよ。ところが、今は最後のとりでである日銀自身が買っているんですから、ほかに買うところないわけですよ。そんな二二%の資金運用部がやめてこんなに金利が上がっていったのに、七五%を持っている日銀が今やめるとか売りオペを始めるなんて言ったらとんでもないことになっちゃうんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、今回の政策変更に当たりまして、前もって、先ほども申し上げましたが、大きな不連続性を生じさせないようにということを配慮していろいろ考え、政策の変更をやってまいりました。  その一つとしまして、長期国債の買入れについても当面同じ額で継続するということでありますし、長期金利が急上昇する場合には更に機動的にオペを実施するという安全弁も付したつもりであります。  その上で、繰り返しではございますが、将来はバランスシート縮小に向けて国債の買入れ額を減らしていくということに進みたいというふうには思っております。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 時間がなくなりましたので、もっとたくさん聞きたいことあるんですけれども、もうやめますけれども……

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) おまとめください。

藤巻健史日本維新の会・教育無償化を実現する会

○藤巻健史君 シミュレーション結果等を出して、私自身は今日聞いて物すごい心配になりましたけど、元々心配はしていますけどね、大丈夫だというシミュレーション結果を是非出していただきたいなというふうに思います。  以上です。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。  まず、今日冒頭に概要説明をいただきましたので、ちょっとその中で二、三確認をさせていただきたいんですが、お手元の三枚ペーパーを御報告くださったんですが、二ページ目に金融政策運営というくだりがございますね。  ちょっと前回の復習から入らせていただきたいんですが、非常に明確に今日述べられたわけですが、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組み、これやめました。マイナス金利政策もやめました。そして、政策金利は無担コールレートとオーバーナイト物としましたと、こうおっしゃっていただいたんですが、ちょっと前回お配りしたペーパー、今日はお配りしていないんですが、復習をさせていただきたいんですが。つまり、黒田総裁の下で、それ以前からの流れも含めて相当たくさんのメニューを実施していたんですが、イールドカーブコントロールはやめたというのはここには書いていませんが、長短金利操作付きというのがそれを意味していますので、前回これやめたとおっしゃいました。マイナス金利もやめたと今日もおっしゃいました。それから、リスク資産の買入れもやめたというふうにおっしゃいました。  念のための確認ですが、強く明確なコミットメント、オーバーシュート型コミットメント、これはまだ生きていますか。これももうやめたというふうに考えてよろしいですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) マネタリーベースの拡大方針に関するオーバーシュート型コミットメントも停止しております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 もやめたということですよね。この強く明確なコミットメントというのは生きていますか。今おっしゃったのはこのオーバーシュート型コミットメントですよね。その一段階前の強く明確なコミットメント。今総裁の左側に事務方がペーパーを置いてくれましたんで。それです。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これが何を意味しているのかがちょっと私、今にわかには、右下から二番、一つ上のセルでございますよね。  二%の物価安定目標を持続的、安定的に実現するということであれば、当然生きております。その下のオーバーシュート型コミットメントのことを意味しているんであれば、これは停止いたしました。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 明快にお答えいただいて、ありがとうございます。  これが何を意味しているか分からないという感想は、この委員会でもこれを実施した当時にみんながそう言っていたんです、何を意味しているか分からないと。ただ、その二%の物価安定目標を目指すという意味でのコミットメントならそれは継続していますと今おっしゃいましたので、理解は共有しました。  それから、前回ちょっとお答えいただいたんですが、大規模な長期国債買入れ、これはまだ続けているという理解でよろしいですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 現在、三月までとほぼ同規模での長期国債買入れを続けております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 その上で、前回もちょっと触れたのは、この大規模な長期国債買入れを、今お手元で御覧になっているペーパーだと、長めの金利の引下げのために二〇一三年四月からやったという、そういう趣旨ではもうないと、長期金利操作のためではないというふうに前回はおっしゃったんですが、そこは、再確認ですが、それでよろしいですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これまでは、長期金利、十年物国債の金利の目標は一応零%として、その周りで変動することは認めるけれども、上限一%をめどとするということで、金利に、長期金利に関する目標はイールドカーブコントロールの下、持っておりまして、それを実現するために大規模な長期国債買入れを行ってきたということでございます。  今年の三月会合以降は、その長期国債の買入れは同じ金額で継続するけれども、長期金利に関する、水準に関する目標は廃止したということでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 かつて日銀の、まあ教科書的にいうと、公開市場操作として国債を買い入れる場合は成長通貨の供給を目標、目的としてやっていたわけですが、そうすると、今後もその長期国債の買入れは、現状は継続しているというお話ですが、成長通貨の供給のために長期国債を買い入れるという理解でよろしいでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これ、先ほどの藤巻委員との質疑でも出てきましたが、現状、経済規模比、非常に大量の、大きめのバランスシートになっておりまして、経済成長に合わせて通貨を供給して、それに合わせて長期国債を買い入れるという姿からはかなり遠いところに来てしまっております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 これも明快にお答えくださって、ありがとうございました。  二〇一三年以前も、お手元のところに整理をしてくれているんですが、これは前回も御説明しましたけど、こういう感じの整理をしていただけないでしょうかと私の方からお願いして、日銀の事務方の皆さんが極めて分かりやすく整理してくれたんですが。  そうすると、ちょっと二〇一三年以上も遡ってお伺いしますが、時間軸効果なるものを導入して十数年やってきたんですが、この時間軸効果政策というのはまだ生きている、ないしは今もやっているという理解でよろしいでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) その一番上の時間軸効果を導入した時点でのその考え方に立ち戻ってみますと、これは、当時、金利をゼロに誘導していったわけですが、それに加えまして、そのゼロ金利を、当初、たしかデフレ懸念が払拭されるまで続けるという約束をする、これが時間軸効果であったかと思います。  現在に時を進めてみますと、現状は、短期金利はゼロから〇・一%に誘導するというのが短期金利の目標でございます。それで、その上で、緩和的な金融環境が当面維持されるということを政策公表文の中で申し上げておりますし、今日も何度か申し上げたところでございますが、これが、当初あるいはその後もいろいろな形で続きました時間軸効果ないしフォワードガイダンスのように、何かが起こるまで例えばゼロから〇・一%を続ける約束であるというふうには考えておりません。私どもの現在の経済・物価見通しを前提にしますと、当面はゼロから〇・一%の金利水準を続けることが適当であるというふうに考えられるというところを素直に表明したものでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 おっしゃる御趣旨は理解しました。  最後、一点だけもう一つ確認させてほしいのが、二〇一〇年のところに長期国債の買入れ、固定金利オペと書いてありますが、指し値オペは今後も政策手段として取り得るという理解でいいですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 先ほど出てまいりました、長期金利が急激に上昇したときに機動的なオペを打つ可能性がある、その中で、場合によっては指し値オペも使うことがあるかもしれないというふうには考えております。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございました。  本当に非常にクリアカットに一回の政策決定会合でいろんなことを整理していただいた上に、こうやって議事録に残る形で発言をしていただきましたので、かなり政策手段としては一気に正常化が進んだというふうに個人的には理解しています。ただ、繰り返しになりますが、目の前にある状況は必ずしもノーマルではないと。  今日、お手元に資料を一枚お配りしていますが、これはやはり委員会の委員の先生方にも毎月日銀と財務省から配っていただいている国債関係資料というものにいつも添付されているものですが、まず、縦の細かい表が付いているのが、これが日銀保有国債の平均残存期間なんですが、直近では六・六年と。異次元の金融緩和なるものが始まる前は三・八八年でありまして、ピーク時はこれで見ると七・六六年という、二〇一八年六月が最も長かったんですが、この平均残存期間は総裁はどのくらいが日銀にとって適正だというふうにお考えになっていますでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 三月のあの政策変更前の段階に立ち戻りますと、先ほど申し上げましたように、長期金利の目標が、ゼロ%、上限一%という長期金利の目標がございまして、これを実現するように様々なオペを打つ、その結果として保有する国債の平均残存期間が約六・五ないし六・六年というところに決まってきたというふうに考えております。  今後でございますけれども、これは、これも先ほど来申し上げておりますように、当面はこれまでと同じ程度で国債を買い入れていく、ただし、市場の動向や国債需給などを踏まえて、急激に金利が上昇したりする場合にはより大幅に買うということを考えております。そういうオペレーションの結果として平均残存期間が自然と定まってくるというふうには考えておりますが、特別この辺りを狙ってそこに持っていきたいという目標のようなものは現在のところ持っておりません。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 結局、私も注目しているのは、これ、二〇二三年の三月、つまり総裁が就任されたとき、される直前ですが、六・六年、今も六・六年と。これ、結果として全く変わっていないんですね。  それから、裏側を見ていただくと、これはマネタリーベースと日銀総資産の対名目GDP比で、これも、実は直近の数字と総裁が御就任になられたときとほとんど変わっていないというか、ほぼ一緒なんですね。もちろん、ピーク時はそれぞれ大変高い数字なんですが。  だから、何を認識を共有させていただきたいかというと、一年前と、日銀の中央銀行としてのアセットやマチュリティーといいますか、それはほとんど変わっていないんだけど、政策手段は手品のように一遍に変えたという現実がここにあるんですが、これをどのように解釈したらいいんでしょうか。ちょっと抽象的な質問ですが、どのように解釈して今後この委員会で我々は議論をしていくべきなんでしょうか。ちょっとこのサジェスチョンをしていただきたいんですけれども。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 難しい御質問でありますが、黒田前総裁の前半の時期は、量的な指標についてかなりはっきりした目標を持って金融政策運営をされていたと思います。しかし、後半になりますと、先ほど来申し上げておりますように、どちらかといいますと、金利をイールドカーブコントロールの下で望ましい水準に誘導するという政策に力点が移っていったと思います。その下で金利をある程度目標水準に安定化させようとしますと、量はそれに応じて決まってくるという形になります。したがって、この量の動きに最近のところはそれほどの含意がなかったという、政策上の意図がなかったというふうに私は解釈しております。  そういう中で、ちょっとつながりませんが、私ども、先ほど来申し上げておりますような大規模な金融緩和政策、特にイールドカーブコントロールの政策は整理し、短期金利の目標一本にさせていただき、今後はそれを主要な政策手段としていくということでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 本当に議論がかみ合うようになってきたと思いますので、今後、当委員会での質疑が日本経済の発展のために資することを願いまして、質問を終わります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。よろしくお願いします。  総裁は、今日もマイナス金利解除をめぐって賃金と物価の好循環の強まりが確認されたということをおっしゃっておられます。政策決定会合の後の会見では、小規模の企業ではなかなか賃金を上げていくのは大変なところも多いと、中小企業については絶対ある程度以上賃金が上がるという自信ないし根拠があってということでは必ずしもないというふうにかなり正直におっしゃっておられます。実際に、実質賃金は二十三か月連続マイナスというのは昨日出た。  春闘も、賃上げ率は高いといいながら、これは、春闘交渉に関与しない中小企業は多数存在しますし、パートタイム労働者など非正規ワーカーの比率が高まっているわけですね。中小企業には、今、ゼロゼロ融資の返済の問題や、あるいは社会保険料の負担などものしかかって、企業倒産は三割も増えたということは今日も報道されています。    〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕  そこで、総裁にお聞きしたいんですが、やはり今後の賃金の動向については、これは特に中小企業については極めて慎重な見方が必要ではないかと思いますが、いかがですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 中小企業の賃金でございますけれども、若干先ほど来のお答えと重なるかもしれませんが、業種や個別の企業によってなかなか苦しいところがあるということはよく認識しております。  そうでありますけれども、一つには、私どもの三月の決定会合の前に、私どもの支店のネットワークを使いまして、様々な中小企業の賃上げをめぐる状況についてヒアリングを実施しております。その下で、その結果といたしまして、企業収益は一応全体的には改善を続けているところが多い、労働需給が引き締まり、人手不足の下で対応が必要であるという声が多く聞かれ、そうした中小企業を含め、幅広い範囲の企業で賃上げの動きが続いているということを一応確認いたしました。  それから、同じヒアリングでございますし、さらには、ちょっとその後になりますが、先日開かれました支店長会議でも、規模が小さい先を中心としまして、大企業の春闘の妥結動向を見極めた上で賃上げを判断していきたいという声も多く聞かれました。さらに、過去にもそういうパターンがかなりあったということもデータ分析等から確認しております。  こういうことから総合的に判断しまして、今後、中小企業にもある程度賃上げの動きが広がっていくというふうに判断したところでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 私はちょっとそこまで楽観的には見られないです。  これはまあ主要には政府の問題ですから、政府に対してはやっぱり中小企業の賃上げ強く求めていきたいと思うんですが、十二月に私この委員会でも質問をさせていただきまして、やはりそのコミュニケーションは大事だ、これはもう総裁もそのことはかなり強調されたと思うんですね。やっぱり異次元の金融緩和という異常な政策から正常化していく、これをスムーズに進めるためには本当に市場とのコミュニケーションというのは極めて大事だと思いますし、この間、そういった努力もされてきているというふうに私は見ているんです。  で、イングランド銀行のことを前回は取り上げました。かなり詳細なシミュレーションを示して、やっぱりこういうコミュニケーション大事じゃないかという質問をしたときに、総裁は、出口に近づいたときの課題であるというような趣旨の発言もされたかと思うんですね。  もちろん、いろんな要因があるということはもう十分承知をしております。しかし、有識者からもいろんな要因を置いた上での試算も様々出されているわけですね。  日銀自身が、これからの日銀の戦略とそれに基づくシミュレーションということを示していくことは、これはとても重要だし、今後必ず必要になると思うんですが、いかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 海外の中央銀行の例にまずついてでございますけれども、これは、イングランド銀行やFRBのようにシミュレーション結果を開示している国もございます。一方で、ECBのようにシミュレーションは開示せずに説明を行っているという国もございます。  私どもでございますが、もちろん、財務と金融政策運営との関係について、その基本的な考え方を御説明し、幅広い理解を得ていくことは極めて重要であると考えていますし、九月には私はこのテーマについて講演をしたところでありますし、小池委員とのこの前の質疑の後、私どもの調査論文を公表したりもしております。  その上で、もっと具体的なシミュレーション結果をという御質問だと思いますけれども、それを出すために、将来の短期金利の経路について前提を置いたり、それからまた、先ほど来議論になっておりますバランスシートの縮小のタイミングとかペースについても前提を置いたりする必要がございます。  こうした点について、不測の思惑を引き起こすリスクもゼロではないと考えて、現在、対外的な公表は控えているところでありますが、それはそれとして、丁寧な説明は行ってまいりたいと思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 私、海外の取組にも学んで、今後の課題としてこれは検討、すぐにするということではなくても、これは検討していく必要があるということを申し上げておきたいと思います。  その上で、バランスシートについて聞きたいんですが、これ、異次元緩和の負の遺産、五百八十九兆円を超えて過去最大ということ。今後も長期国債買入れ続けると言っているわけですから、ペースダウンはするとしても、これバランスシートは依然として拡大を続けるわけですね。今日も総裁は、いずれはこれは縮小ということを視野に入れて、どこかの時点で買入れ額も減らしていくということも発言されたと思うんですが、これ、財務の健全性を維持しながら保有国債減らしていくというのは、これなかなか大変な、困難なことではないかなと思うんです。  これ、どうやるかって、なかなか答えられないと思うんですが、考え方をお聞きしたいんですけど、このテーパリングというのは日銀が独力で進めていくべきものとお考えなのか。私は、アベノミクスで異次元緩和を推進してきた政府にもやっぱりこれは責任があると思います。やっぱり応分の負担というか協力をしていくという、それを求めていくべきではないかなというふうに思うんですが、この問題についての考え方を伺いたいというふうに思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私どもとしましては、今、小池委員御指摘もありましたが、バランスシート縮小、保有長期国債の残高を縮小していくということに当たりましては、新規の買入れの額を現在の額よりも減額していくということでもって実現していきたいというふうに思っております。タイミング等については、現時点で確定的なことは申し上げられません。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ちょっと具体的に聞きたいと思うんですけど、これやっぱり縮小局面での財務リスク、これによって信認の低下が起こるということは絶対あっちゃいけないことだと思うんですね。これ、日銀だけの課題ではなくて、政府、財務省、そして国会も含めて考えておかなければいけない課題ではないかなと思うんですね。  例えば、ドイツ連邦銀行は、三年前の二〇二〇年決算から、利上げ局面を見越して剰余金の国庫納付を停止すると、当期利益相当額を引当金の積み増しに充てている、こういうことをやっています。二〇二〇年の引当金見ますと、百八十八億ユーロということで、三兆円超えるんですね。  今日お配りしていますけど、日銀のこの債券取引損失引当金ですけれども、これ積み増しはされているんですが、二〇二〇年度でいうと、これ積み増し額は三千九百八十八億円です、四千億円弱。二一年度、二二年度も四千億円程度の積み増しであります。一方で、国庫納付金は、二〇一九年度から一兆円超えて、二〇二二年度はもう二兆円に迫ってきているんですね。  昨年十二月の多角的レビューワークショップの議論では、縮小局面では、中央銀行の財務リスクが着目されて金融政策をめぐる無用の混乱が生じる場合、そのことが信認の低下につながるリスクがある、このため、財務の健全性を確保することは重要だと日銀が報告をされています。  過去を振り返ってみると、私も、金融危機のときも随分議論いたしました。九六年住専破綻から、その後、二〇〇二年頃まで続いた金融機関による貸し渋り、貸し剥がし、リーマン・ショック押し寄せた二〇〇八年から九年と、金融が揺らいだときに、本当に中小企業大変な事態になるということを経験したわけです。  そういったことは絶対に避けなければいけないというふうに思うんですが、今はまだ長期国債買い続けるということも表明もされました。バランスシートの拡大局面で、全体の収益拡大しているわけで、やっぱり十分な備えのために引当金を更に積み増すということをやるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 御指摘のように、私ども、財務の健全性を確保する観点から、準備金や債券取引損失引当金の積立てなどで自己資本の充実に努めてまいりました。こうした債券取引損失引当金は、収益の振幅を平準化して財務の健全性を確保する観点から、今後、局面によっては大きな効果を持つというふうに考えております。  今後とも、この引当金の積立てにつきましては、私どもの財務の状況、それから収益の動向等を総合的に勘案しつつ、毎年度の決算において適切に対応してまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いや、ちょっと、もうちょっと、やっぱり非常に、世界の中央銀行から見ても本当に莫大なバランスシートを持っているわけですね。だから、リスクが物すごく大きい。このままのペースでいいんだろうかと、やっぱり十分な備えが必要なんじゃないかということを私はお聞きしたかったんですが。    〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕  加えて、ETFの運用益についても伺いたいと思うんですが、総裁は、朝日新聞のインタビューで、ETFについて、時価評価で七十兆円もあるので、持ち続けるか処分するかは非常に難しい判断で、時間を掛けて考えますと。処分の考え方は、適正な価格で、大きな損が出ない、日銀に大きな損が出ないこと、マーケットを混乱させないということは確保したいとおっしゃっていて、このETFの運用益も、二〇二一年度は八千四百二十六億円、二二年度は一兆一千四十四億円に上るわけですね。株高ですから、二三年度は更に一兆五千億円超えるぐらいになるのかというふうに思われるわけです。  この処分については、植田さん、総裁言われるように時間を掛けて考えるということになると、一兆円規模の運用益がしばらく日銀に入ってくるわけですね。やっぱり、この運用益を縮小局面のために引き当てるということもやっぱり今後の日銀にとっては必要な備えではないかというふうに思うんですが、その点はいかがですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) やや繰り返しになって恐縮ですが、私ども、準備金の積立て、債券取引損失引当金の拡充など、今後に備えて必要な財務への手当てを行い続けてきているところでございます。  抽象的な言い方で恐縮ですが、引き続き、財務の健全性にも留意しつつ、適切な政策運営に努めてまいりたいと考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 いや、じゃ、さっきとまとめて、やっぱりこういうリスクに備えて、やっぱり財務の健全性ということはおっしゃるわけですから、やはりそれに備えるような対応ということは、いろんな選択肢あると思います。でも、そういったやっぱり財務の健全性を保つための取組は必要なんじゃないか、その認識はいかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 繰り返しですが、準備金、引当金を積み立てていく、それをベースに今後のリスクの顕現化に備えるという試みは続けていきたいというふうに考えております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 この引当金に充てられないか財務省と協議しているという報道もありますが、協議されているんでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 日本経済新聞の報道のことをおっしゃっているんだと思うんですけれども、個別の報道についてはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。  私どもの財務につきましては、常日頃から財務省とコミュニケーションは取っております。ただ、その具体的な内容についてはコメントは差し控えさせていただければと思います。

小池晃日本共産党

○小池晃君 財務省に伺いたいと思うんですが、やっぱりこういうリスク、先行き、利上げ局面が来るとすれば、これ非常に大変なリスク、財務運営上のリスクがあるわけで、やっぱり私は国庫負担、納付金として召し上げるばかりではなくて、やっぱり日銀のバランスシートの縮小局面の財務悪化に備えてやっぱり引当金積み増すことは必要ではないかと思いますが、いかがですか。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) 将来の日銀の財務状況についてのお尋ねであります。これは、その時々の金融政策や金利、為替の動向などに左右されるものでありますので、政府としては、日銀の財務の悪化を前提とした仮定の御質問にはお答えすることは差し控えたいと思います。  その上で、先ほど植田総裁もおっしゃっておりました、日銀業務運営における自主性を前提とした上で、準備金、また債券取引損失引当金の積立てなどにより自己資本の充実にも努めているものと承知をしております。  いずれにしましても、日銀においては、引き続き政府と密接に連携を図り、物価安定目標の持続的、安定的な実現に向けて適切に金融政策運営等を行うことを期待しております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 もう質問はしませんが、日銀はこれまで事実上財政ファイナンスと言われているようなことをやってきて、その結果、世界の中央銀行とは比べ物にならないようなリスクを抱え込んでいる。にもかかわらず、利息、分配金、いまだに巨額の国庫納付を続けている。それが大軍拡のための財源に使われるなどということは、これは到底許されないということも付け加えて、私の質問を終わりたいと思います。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。  通告で幾つかお願いしておったんですけど、質問を、ここに至るまでに全て質問されてしまったといいますか、皆さんが聞かれたことで理解ができましたので、ちょっと通告になかったようなことを幾つか聞かせていただきたいんですけれども。  今回、日銀の方で政策変更が成ったということなんですが、ちょうどあさって、IMFについて審議、こちらで、委員会であるので今調べているんですけれども、調べていますと、二月にもIMFの対日四条協議というところで金融緩和政策の終了を提唱するというようなことがなされているんですけれども、こういったIMFの提唱というものは日銀の政策にどの程度影響を与えているのか、総裁のお考えをお聞かせください。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 確かに、二月の初めにIMFの代表団と私も面談をいたしました。いろいろな意見交換をいたしましたが、申し上げるまでもないことですが、私どもの政策変更は、先ほど来申し上げてきていますように、日本経済の経済・物価見通しの改善、特に物価見通しの改善に伴って実行したものでございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  何でそんな質問をしたかといいますと、去年十二月にこの委員会で聞かせていただいたときに、やっぱりその確実なインフレが確認できて、それの確度が明確になったときに政策変更ですよという答弁だったんですけれども、今回聞いていますと、上がっていく自信が持てるようになりましたということで、ちょっと理由が変わっているんじゃないかなというふうに思ったわけです。  何でそんなに急ぐのかなと。先ほどから賃金の話もありましたけれども、あと半年ぐらい待っていればある程度結果が見えてくるから、それからの政策変更でもよかったんじゃないかなというふうに思わざるを得ないんですけれども、何か急ぐ理由があったのかなというところなんですが、その辺は先ほどの答弁でも特になかったので、今後の様子を見ながらまた聞かせていただきたいと思っています。  二つ目なんですけれども、これから金融の引締めを少しずつということなんですけど、急激にやっちゃうと冷え込んでしまうので、様子を見ながら少しずつというふうなお話がありました。  そういった中で、ETFのもう買取りはしていかないんだ、やらないんだということなんですけれども、でも、先ほど小池委員の方からありましたけど、七十兆円分があると。どういうふうに処理をするかというのは今日は言えないと。まあそれはそうです、市場に影響を与えるので言えないんだけれども、でも、仮に市場に売っていくとした場合に懸念されるのは、余り外国資本に売らないでもらいたいなというのがいつも我々が懸念しているところです。  ただ、でも今、株式の取引七割ぐらいが外国人になっていますので、もし日銀が手放すのであれば、やはり日本人がしっかりと買えるような形を考えてもらいたいというのが要望の一つと、あと、万が一ちょっとたくさん市場に流してしまって株価に大きな変動があったようなときに、もう一度改めて買取りを、政策変更で買取りをするということはあり得るのかないのか、少しその点をお聞かせください。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) ETFの仮に処分に進む際にどういう投資家に向けて売却するのかとか、売却を始めた後、また後戻りといいますか、購入を再開するというようなオプションも付けつつやるのかとか、そうした具体的なことに関する御質問であるかと思いますが、それも含めまして、個別の提案に関して、今日、具体的にコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。  様々な提案はきちんと検討させてはいただきます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  前者の方はあくまで要望ですので、検討に入れていただきたいということと、もしまたETFに少し介入、介入というか買取りをするということでしたら、東証のを買っていると思うんですけれども、今、大企業はそれなりに内部留保もあって資金がある状態だと思います。もう少し中企業の方まで資金回すとなれば、マザーズの方にもETFありますので、そういったところに資金を入れて、もう少し中間以下のところにお金が下りる、流れるようなことも検討いただいてもいいんじゃないかなというふうに思っていますので、検討事項として入れておいてください。  次に、これから金利の利上げについてというふうなことが検討されていくんだろうと思いますが、金利がある世界に戻って、それで金利によって資金分配機能が働くというふうになると、生産性の低い企業は淘汰されて経済全体の生産性が上昇し、生産性が持続的に上昇する状態になると、賃金の持続的な向上が期待されて一層消費とか投資が増える、これでディマンドプルによるインフレ目標が達成されるというなのが自由主義的な考え方だと思います。  でも、逆にですね、逆の、別の考え方もあって、経済全体の需要が拡大して中小零細企業の売上げが増えないと、結局それらの企業が生産性向上のための投資とか改善、改革ができないので、それでないと意味がないんじゃないかというふうな考え方も一方でありまして、私たちが経営者の方々を見ていて、現場の状況はどっちかというと後者の方で、金利があって市場原理が働くと経済が上がるというふうになっていないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、総裁は、これ前者、後者見たときに、どっちの方にお考えが近いのかということを聞かせていただけないでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 両方のメカニズムが潜在的には働き得ると思いますけれども、賃金と物価の好循環が強まっていくという中では、先ほど来の幾つかの御質問に対するお答えでも申し上げましたが、実質賃金が将来、近い将来どこかで伸び率がプラスに転じるということも見込まれ、それによる消費の持ち直し、増大、したがって経済の需要サイドに強さが戻ってくると、あるいは一段と強くなるというメカニズムも働くものというふうに考えます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  やっぱり、しっかりと現場の働いている方々の賃金とか生活とか、そういったところにやっぱりフォーカスをしていただきたいなという思いが強くありまして、今回、政策転換によって金融機関なんかはメリットが大きいだろうなというふうに思うんですけれども、やっぱり中小零細企業は資金繰り厳しくなる可能性ありますし、変動金利で住宅ローンを借りている方々なんかも返済が大変になるんじゃないかなというふうに思います。これから更に利上げがなると、なると、先ほど委員も、別の委員もおっしゃっていましたけれども、やっぱり倒産等が増えていくというふうな可能性もあるんですね。  さらに、私たちが懸念しているのは、このタイミングで経団連とか元官僚の方から消費税を一五%に引き上げた方がいいんだというふうな言論が結構出ていて、これはとんでもないなというふうに思うわけであります。岸田総理も二〇二二年の十一月に、向こう十年間、消費税は増税しないというふうに明言されていて、本当にこのタイミングでは絶対ないなというふうに思うんですね。  いろいろ聞いて、前向きなデータがあるということなんですが、私はそんな詳細なデータは持っていないんで国民の皆さんと対話するしかないんですけれども、対話していて、やっぱりまだ日本経済、力取り戻せている状況ではないというふうに思うわけですね。だから、このタイミングで本当に拙速に金融引締めをやったり増税を行うと、本当に中小企業ばたばた倒れちゃうんじゃないかなというふうに思います。私も中小企業の社長の息子でして、二十五年前に実家も倒産しましたので、すごくそういうつらさを知っている人間であります。だから、本当に国の数値だけ見ていると現場結構混乱しますので、そういったところに目を向けて慎重な対応をやっていただきたいというふうに思います。潰れると、大企業に吸収されるのか、若しくは、今円安ですから、そういったものを背景に日本の企業とか技術、不動産といったものがまた外資に買われるというようなことも起こり得る可能性があります。  財政政策も金融政策も、結局、収支のバランスを合わせるとか国際的なルールを守るとかということよりも結局何が大事かって、日本に津々浦々、日本の津々浦々に国民が安心して暮らせるという経済状況をつくるということが大事だと思いますので、本当にこれいつも同じことを要望するんですけれども、日銀には経済状況が確実に安定するまでは金融緩和を続けてもらって、その間に政府に財政出動をしっかりとして、日本企業とか国民にお金が回る状態というものを確実にやって、若しくはそれに至るまでの減税をきちっとやって、日本経済がしっかりと力を取り戻すという状況が確定してからの引締めをお願いしたいと。どうも今拙速に急いでいるような気がしますので、そこをお願いしたいというふうに要望しておきたいと思います。  次、先日、国会でも取り上げられていましたけれども、中央銀行発行のデジタル通貨、CBDCについてですけれども、これについて総裁も少し発言されていたと思いますけれども、このデジタル通貨について、今の日銀のお考えとか総裁の展望をお聞かせいただけないでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 最初の実証実験を開始した時期をちょっと忘れてしまいましたが、様々な段階を経まして、現在、日本でCBDCを導入することは技術的に可能かどうかの検討を深めているところでございます。  さらに、私ども中心に技術的な検討を深めるだけではなくて、民間の関連の事業者との意見交換のフォーラムもつくって意見交換、必要な意見交換をいたしておりますし、同時に、今年から関係する官庁との連絡協議会も発足いたしまして、そこで必要な制度面の、どういう制度面の手当てが今後導入するとしたら必要かということは検討しております。  その上で、今後をにらみますと、そうした技術的な検討を続けていった先に、どこかで本当に導入すべきかどうかということに関する国民的な議論、そして判断をいただくということかなと思います。私どもとしては、そこで導入するという結論が出た場合にできるように準備を進めているというところでございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  今総裁の口から国民的な議論という言葉ありましたけれども、国民的議論を呼び起こすためには、やっぱりこのデジタル通貨を入れた場合のメリットとデメリットというものを事前に伝えておいて、まあ予備知識がないと議論にならないので、今総裁が考えておられるメリット、デメリット、ないならないでいいんですけれども、それぞれこういったメリット、デメリットあるんじゃないかということありましたらお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) デメリットといいますか、コストの方でございますけれども、これは新しいシステムを導入しないといけないということで、ですので、つくり方次第でそれなりのコストが掛かると思います。  それから、メリットの方は、なかなかこれが最大のメリットだというふうに特定してお話しするのも難しいところであります。例えば、発展途上国であれば金融包摂といったりしますけれども、銀行預金等を持っていらっしゃらない家計がたくさんいる、こういうところで一気にデジタル通貨を導入することによって金融活動が個人にとっても活発になるとか身近なものになるというプラスがあります。  翻って、日本のような国では、既に個人の金融活動は非常にある意味レベルの高いところまで来ておりますし、それから、民間の何とかペイというようなかなり進んだデジタル通貨も様々なものが発行されております。  メリット、今急に考え始めて、整理するのなかなか難しいわけですが、一つに、こういう様々なペイメントシステム、民間のそれがある、これをそのシステム同士ではなかなか、可用性といいますか、インターオペラビリティーといったりしますが、こっちを使っていたのがこっちに移る、こっちの通貨からこっちに売却するというのは難しい、その中で共通のプラットフォームをCBDCが提供するというような機能も期待できるかもしれません。  それから、様々な金融市場、株式市場、債券市場、さらには不動産のような流動性の低い市場、ここで証券化して、更にそれをトークン化して、で、売買を容易にする、小口化も可能にするというようなときに、それを更に取引面で促進するためには決済がうまくいく必要があります。そこに便利なCBDCがあると、そうした取引が促進され、そうした金融の技術進歩にも資する可能性があるというようなメリットも指摘されております。  ちょっと体系的なお答えになっていなくて恐縮でありますが、そうしたメリットと先ほどのコストとの相対、さらに国民が恐らく気にするであろうプライバシーとかセキュリティーの問題、これらを総合して導入すべきかどうかが決まっていくものというふうに考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 通告もなかったのに、詳しいお答えありがとうございました。今の総裁のお答え聞いて、非常に前向きに考えておられるんだなという気持ちが伝わってきたように思います。  我々もやっぱり導入すべきだというふうに思っていまして、やっぱりプラットフォームが日本がつくったものじゃなくて外国がつくったものにそこを取られちゃうと、さっき言ったプライバシーとか情報の問題の、これやっぱり情報の安全保障にも関わってくる問題かなと思いますので、是非今のような議論をもう少し広く国民に、余り皆さん知らないので広めていただいて、ちゃんとした国民的議論が起こる土台を、土壌をつくっていただきたいと要望して、質問を終わります。  ありがとうございました。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。  本日は、日銀報告に関する質疑ということで、三月に行われました金融政策の見直し、枠組みの見直しという部分について、植田総裁が以前おっしゃっていた普通の金融政策に戻る、すなわち金融政策の正常化、これはいずれ果たさなければならないことだというふうに私も理解しておりますので、その上で質問の方させていただければというふうに思います。  初めに、金融政策の枠組みの見直しに至った経緯と理由の一つなんですけれども、植田総裁を始め日銀の関係者はこれまで、賃金と物価の好循環が強まることを重視し、本年の春闘の動向に大変注目しているという発信をされておりました。  その中で、今回の金融政策見直しに当たっては、中小企業の賃上げについてですね、こちらは、各種のデータ、またヒアリング状況から賃上げの計画があるという、そういった旨を察知して金融政策の変更に踏み切ったというお話をされておりますが、小規模な企業は労働組合もない企業も本当に多くあります。また、賃金体系も整備されていないような状況の中で、恐らく競争、人材獲得競争の中、また採用相場ですね、相場の、そういった賃金体系のメカニズム、つくられるメカニズムがまだ整っていない中での、三月十九日時点ですね、中小企業の賃上げの動向の判断はかなり難しいというふうに思われますが、そのタイミングで、これまでは慎重な姿勢で判断をされてきたと思いますが、この中小企業の賃上げについては、その実績を見ることなく、言わば見切りを付けてまでこのタイミングで政策を見直したというところに本当になぜかという、理由があるんではないかなというふうに私も思っておりまして、その点の見解を是非お伺いできればと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員おっしゃいましたように、中小企業が本当にどれくらい賃上げができるのか、できたのかということをきちんと確認できるのは大分先になるということだと思います。  そこで、ではなぜ三月にという御質問ですが、これ、先ほど来多少お答えいたしておりますように、過去の中小企業の賃上げのパターンとか特性、それから関連する昨年後半から今年に入ってのデータ情報、ヒアリング情報等から判断して、ある程度の確率で大丈夫であろうというふうに判断したということでございます。  その具体的な根拠ということになりますと、ちょっと重なりますけれども、一つには、私ども、様々なヒアリングを支店ネットワーク等も活用して行って、中小企業周りの賃金に関する動向が思ったよりも強そうであるという情報を得たこと、それから、過去のパターン、過去からのパターンとして大企業の賃金設定動向が中小企業に強い影響を及ぼす可能性があるというようなことも確認したというような中で、その他の情報、中小企業の賃金だけでなくて大企業の賃金、それから価格がどう、特にサービス価格がどういうふうに動いているか、足下ちょっと弱いと言われている消費が今後どう動いていきそうかと、そういうようなことも総合して考慮した結果、三月の政策決定ないし政策変更の決定に至ったということでございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  続きまして、三月十九日の金融政策見直しでの植田総裁の記者会見において緩和的金融環境が続く見通しというふうに述べられておりました。これは日銀が緩和的金融環境を続けるという意思を示したというふうにも捉えられるなというふうに思っております。  経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営するということですけれども、具体的には何の指標をもってこの緩和的金融環境を続けるというふうに結論付けされたのか、お教えいただければと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これは、一つの指標で判断して緩和的な金融環境を維持するのが適当というふうに、なかなかこの一つの指標を選んでお示しするのは難しいんですが、一つの概念的なものとしましては、先ほど来申し上げていますように、物価の上昇率から一時的な変動を除いた基調的な物価上昇率、これ、にわかには目に見れないものでありますけれども、様々な分析をして様々なデータを比べた結果、取りあえず現状ではまだ二%をちょっと下回る段階にある、これが二に近づいていかないといけない。その可能性が高まったから政策変更をしたということでありますが、まだ二を下回っているということですので、金融は緩和的な状況を続けてこれが二に上がっていくということをサポートしないといけないというようなことを根拠にしまして、緩和的な金融環境が継続すると申し上げているところです。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  今回の見直しからまだ三週足らずというところですけれども、この評価は大変難しいと思いますが、今回の見直しを受けて市場は好意的に反応されているかどうか、今の、現時点の市場の反応についてどう評価されているかというところをお伺いできればと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) やはり、短期的な株価や為替相場の動きについて具体的にコメントすることは差し控えさせていただければと思います。  ただ、その上で申し上げれば、決定会合後にマーケットでは大きな値動きは、変動は見られなかったというふうに要約できるかと思います。その要因としましては、私どもの、やや手前みそで恐縮ではありますが、政策運営の考え方や経済・物価認識についての情報発信が市場参加者にも広く理解されたのではないかというふうに考えております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  植田総裁の本当に紳士的な、また私たちにも分かりやすいその発信が有り難いなというふうに思っております。敬意を表します。  続いて、金融政策の変更が金融システム、地域金融機関に及ぼす影響についてお伺いできればと思いますが、植田総裁が記者会見等の場で、今回の措置を受けて、預金金利、また貸出金利、大幅に上昇することは考えていないという旨を述べられております。金利水準の上昇の程度によっては金融システムの安定性にも影響を与えるという可能性はあります。今回の見直し、金融システムに及ぼす影響、また必要な対応について日銀の認識をお伺いしたいというのと併せて、長期にわたる低金利政策、特に地域の金融機関で利ざやを確保できずに収益が悪化していることが度々指摘されております。地域経済、地場産業を支える地域金融機関の経営に今回の見直しが与える影響についてどのようにお考えか、日銀からお伺いできればと思います。

高口博英日本銀行理事

○参考人(高口博英君) お答え申し上げます。  今回の金融政策の枠組み見直しが金融機関の経営に及ぼす影響につきましては、先ほどの質疑の中にもございましたけれども、短期金利の上昇が〇・一%程度にとどまる下で総じて限定的と見てございます。  一般論として申し上げれば、金利の上昇は、貸出し利回りや債券利回りの上昇を通じて金融機関収益の改善をもたらす面がございます。一方で、地域企業の動向見ますと、引き続き厚めの手元流動性を確保しておりますけれども、長年にわたり業況が芳しくない先や、最近の人手不足によって業況が下押しされている企業も見られております。地域金融機関においては、企業の実態に即した取引先支援がより一層重要になってきていると考えております。  日本銀行といたしましても、引き続き、金融機関の地域経済活性化や地元企業支援に向けた取組について丁寧に見てまいりたいと考えております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。  ここまでは日銀の金融政策についてお伺いしましたが、これから中央銀行のデジタル通貨、先ほども神谷議員が触れられておりましたCBDC、この検討状況と課題についてお伺いできればと思います。  日銀でも実証実験等をしておりますが、国民に浸透していないというのが現状かなというふうに思います。三月に開催された金融庁と日本経済新聞社の共催イベント、フィンサム二〇二四において植田総裁が、我が国で一般利用型CBDCを導入するか否かは国民的な議論を経て決まるべきものというふうに発言をされております。各国の中央銀行も積極的に調査を行っている中で、導入するにせよ、しないにせよ、国民一般に分かりやすく丁寧な情報発信を行っていただいて関心を高めるということが本当に重要だというふうに思います。  日本銀行と財務省との見解をお伺いするとともに、各国が、特に参考にしている国があれば事例を教えていただければというふうに思います。

清水誠一日本銀行理事

○参考人(清水誠一君) お答え申し上げます。  我が国でCBDCを導入するかどうかは、内外の情勢も踏まえ、今後の国民的な議論の中で決まってくるものというふうに考えております。その前提として、先生御指摘のとおり、国民の皆様に分かりやすく丁寧な情報発信を行っていくことは重要と認識しております。  この点、海外の取組を見ますと、例えば欧州中央銀行、ECBは、ホームページにデジタルユーロ専用サイトを設けたり、昨年秋には新たな実験フェーズへの移行をECB決定したわけですけれども、その際には幅広い利用者を意識した分かりやすいパンフレットを公表したりしております。  日本銀行は、これまでもCBDCやこれに関する検討状況につきまして多くのレポートを公表してまいりました。また、ホームページにCBDC専用サイトを設けたり、また一般の方も参加できるイベントやセミナーでCBDCについて説明したりするなど、様々な情報発信を行ってきております。  引き続き、海外事例も参考にしつつ、CBDCの検討の段階に応じて、国民の皆様にとって分かりやすい情報発信に努めてまいりたいというふうに考えております。

奥達雄財務省理財局長

○政府参考人(奥達雄君) 通貨は我が国の経済取引の根幹を支えるものでございまして、その在り方は我が国の国民生活にも広く影響を与えるものであるというふうに考えております。  このため、財務省といたしましても、我が国にCBDCを導入するかどうかにつきましては国民的議論を経て判断すべきものというふうに考えてございます。そのような判断に際しまして、CBDCの導入によってどのような社会課題の解決が図られるか、またどのようにセキュリティーやプライバシーが確保されるのかなどにつきまして国民の皆様に分かりやすく具体的に説明を行っていくことは重要であるというふうに考えてございます。  この点につきまして、昨年末の財務省有識者会議の取りまとめにおきましても、国民への分かりやすい説明の重要性について御指摘をいただいたところでございますし、また、本年一月に設置をいたしました関係府省庁・日本銀行連絡会議におきましても、こうした御指摘を踏まえまして検討を進めているところでございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  済みません、最後の質問させてください。決済システムにおけるキャッシュレス決済の拡大の影響及びキャッシュレス決済の利便性の向上に向けた課題についてお伺いします。  このキャッシュレス決済、多くはクレジットカードでの決済になりますけれども、バーコード、またQRコード決済の利用率も高まっているという現状かと思います。様々調査も行われて、今四割近くの方が決済でキャッシュレス決済を行っているという状況ですが、このコード決済、事業者間で互換性がないということが問題視されております。国内においてはキャッシュレス推進協議会が統一規格を作って、経済産業省はASEAN諸国の政府、また中央銀行と協議し合って、各国の相互利用を可能とする取組を進められているということです。  この日本の決済システムにおけるキャッシュレス決済の拡大の影響どのように考えているかというところを日銀の見解として、またキャッシュレス決済の利便性の向上に向けた課題についてどう捉えているかというところを金融庁、また経産省からお伺いできればと思います。

清水誠一日本銀行理事

○参考人(清水誠一君) お答え申し上げます。  民間の事業者がその知見や技術を生かして、御指摘のようなキャッシュレス決済を含め、多様な決済サービスの開発、提供に取り組んでいくということは、利用者の利便性向上、また選択肢拡大などの観点から大変重要であるというふうに考えております。  その際、御指摘のとおり、様々なマネーの、あるいは商品の相互運用性をいかに確保していくかということが重要な論点になります。例えば、先ほども少し議論ありましたけれども、仮にCBDCがあれば、それが民間の決済サービスの橋渡し役となって国民の利便性向上と決済システム全体の効率化につながるという可能性もございます。  日本銀行といたしましては、民間事業者や政府など幅広い関係者と協力しながら、我が国の決済システムが全体としてデジタル社会にふさわしい安定的、効率的なものになるよう貢献してまいりたいというふうに考えております。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) 金融庁で所管しております資金移動業者等によりまして、このコード決済サービスでございますけれども、御指摘のとおり、近年のキャッシュレス決済比率の向上に寄与していると認識しております。キャッシュレス決済におきましては、利用者の安心、安全が確保されることが重要と考えております。  金融庁としては、引き続き、各事業者の業務について適切にモニタリングをするとともに、事業者の創意工夫により利便性の高いサービスが提供されるよう、環境整備に貢献してまいりたいと思っております。

山影雅良経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官

○政府参考人(山影雅良君) コード決済につきましては、議員御指摘のとおり、事業間で互換性がないことが課題とされてございます。よりまして、国内では、キャッシュレス推進協議会の統一規格JPQR、これを策定いたしまして、総務省と連携し、普及に努めております。  経済産業省では、JPQR活用いたしまして、先ほど御指摘いただいたとおり、アジア諸国との統一規格との相互運用、これ実現すべく、政府、中央銀行とも協議進めてございます。インドネシアあるいはカンボジアといった国々とも相互運用に向けた覚書を締結するように具体的に進めているところでございます。  また、キャッシュレス決済の更なる普及に当たりましては、いまだに加盟店手数料が高い、あるいはキャッシュレス決済を導入してもメリットがなさそうという指摘もあるところは承知してございます。  そこで、経済産業省では、クレジットカード会社間でやり取りするインターチェンジフィーの標準利用率の公開、あるいはクレジットカードのコスト情報を店舗に説明してもらう取組を進めておりまして、手数料の透明化を進める、これとともにメリットの定量化あるいは見える化を行いまして、その周知を行ってございます。  いずれにしましても、今後とも、関係省庁あるいは関係機関と加え、各国とも連携を深めまして、キャッシュレス決済の利便性向上に取り組むとともに、キャッシュレス決済の更なる普及に向けた環境整備、これを進めてまいりたいと考えてございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございました。  顧客の利便性向上の裏に不正利用も拡大しているという状況があります。その不正利用の、本当に民間の企業の皆さんが大変対策を打っていますが……

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) おまとめください。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 そこにもサポートが必要だと思っておりますので、引き続き議論させてください。よろしくお願いいたします。  ありがとうございます。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。鈴木財務大臣。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  国際通貨基金は、加盟国の出資を主な財源として、対外的な支払困難に陥った加盟国に対して資金支援を実施することを主な業務とする国際機関であります。加盟国が直面する様々な危機への対応に一層貢献できるよう、同基金の融資能力を強化することを目的として、昨年十二月、同基金において増資が合意されました。  政府としては、同基金が果たす役割や増資の重要性に鑑み、第二位の出資国として増資の早期実現に積極的に貢献していくため、本法律案を提出した次第であります。  本法律案の内容は、我が国から同基金への出資額の上限について、現行の三百八億二千五十万特別引き出し権に相当する金額を四百六十二億三千八十万特別引き出し権に相当する金額に改めるための措置等を講ずるものであります。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時十七分散会

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