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213回国会参議院2024/03/21

財政金融委員会 第4号

発言数
235
登壇者
22
会派数
8
開催日
2024/03/21

会議録

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、櫻井充君が委員を辞任され、その補欠として松山政司君が選任されました。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 理事の補欠選任についてお諮りをいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任をいただきたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) ありがとうございます。御異議ないと認めます。  それでは、理事に白坂亜紀君を指名いたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長青木孝徳君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件につきましてお諮りをいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 自由民主党の山田太郎でございます。よろしくお願いします。  財政金融委員会での、私、実は質疑初めてでございますので、元々は専門外だったんでありますけれども、筆頭理事にもなりましたので一生懸命頑張らせてやらせていただきたいと思っています。  まず、今回、金融政策会合決定で、マイナス金利解除と、十七年ぶりの利上げということもありまして、イールドカーブの、イールドカーブコントロールの終了ですとかETFの新規購入枠の終了等が決定されました。  それぞれの、まず、植田総裁の評価をお伺いしたいと思います。あわせて、引き続き行われる金融緩和策というのはあるのかどうか、これも併せてお願いします。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) これまで私ども日本銀行は、マイナス金利政策、イールドカーブコントロールは主として実質金利の低下を通じて、またETF等の買入れはリスクプレミアムに働きかけることを通じて経済、物価の改善を促してきたと考えております。  一昨日の金融政策決定会合では、賃金と物価の動向をしっかりと点検した上で、先行き、二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断し、大規模な金融緩和の見直しを決定いたしました。  引き続き、二%の物価安定の目標の下で、その持続的、安定的な実現という観点から、短期金利の操作を主なる、主たる政策手段として、経済、物価、金融情勢に応じて適切に金融政策を運営してまいります。  先行きについても、現時点で私どもが持っております経済・物価見通しを前提にすれば、当面、緩和的な金融環境は継続すると考えており、こうした緩和的な金融環境は経済、物価をしっかりと支える方向で作用すると見ております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 今、総裁の方が、二%の物価安定の目標が持続的、安定的に実現するとおっしゃっていたんですが、実際どの程度続くと御覧になられているのか。特に気になりますのは、今回いろんな形で物価が上がっていますが、資源価格の高騰ですとかコロナ禍の経済の復活と、こういったこともあったというふうに思っておりまして、一時的ないわゆる上がりではないかという懸念もあると思うんですね。  そういう意味で、この物価上昇が今回の決定によって腰折れすることは本当にないのかどうか、その辺り、お願いしたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、過去二年程度振り返りますと、消費者物価の前年比は、コロナ後の世界的な経済の急回復やロシアのウクライナ侵攻等を受けた輸入物価上昇というコストプッシュの影響を強く受ける形で高めの水準で推移してまいりました。こうした既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきておりまして、先行きも減衰していくと考えております。  ただ一方で、サービス価格を見ますと、これまでの緩やかな賃金上昇も受けて緩やかな上昇が続いております。また、春季労使交渉の動向など最近のデータ、あるいは私どものヒアリング情報を踏まえますと、賃金と物価の好循環の強まりは確認されてきております。一月に出しました展望レポートでも、二四年度の物価見通しは二%を上回ることを見込んでおります。さらに、我が国では、中期的な予想物価上昇率はまだ二%に向けて上昇していく過程にあると考えております。  日本銀行としては、当面、緩和的な金融環境を継続することを通じて、経済、物価をしっかりと支えていく方針でございます。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 ちょっとこれは質疑通告していないんですけど、ちょっと厳しい言い方をすると、結局まだ見通しなんですよね。過熱感が本当にあるのかどうかということも含めて早過ぎたんではないかというような嫌いもあると思っています。物価安定を本当にしっかり見た上でやるべきで、かつ金融の正常化を焦ってはいないかといった声もあるんですが、済みません、総裁、その辺りいかがでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) もちろん、完全に二%を長い期間持続的、安定的に達成したということを見極めてからいろいろな大規模緩和の措置を終了するという選択も考えられたと思いますけれども、もしもそういう選択をした場合には、物価が二%、インフレ率がですね、二%の上昇率できちんと止まるかどうかはっきりしない、アップサイドのリスクも非常に上がってまいります。また、それを抑えるために大規模緩和政策を終了した後の金利の引上げというのは非常に急速、大幅なものとなる可能性が強まってまいります。そういうことがもたらすリスクとの比較考量の上、今回のような措置、判断をいたしたということもあります。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 もう一つ、今回の割と情報がリークされていたんじゃないかということと、相当市場関係者、伝わっていたんじゃないかということで事前から相場が動いていたと思うんですが、その辺の情報管理というのは、済みません、ちょっと厳しい言い方をすると、しっかりやられていたかどうか、その辺りもお聞きしたいと思いますが、いかがですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 情報管理は常日頃のやり方でしっかりしてまいりました。ただし、委員御指摘のように、様々な報道が今回の政策決定の前に行われたことも事実であるかと思います。  その背景としては、私ども、今回の政策変更がかなり大規模なものになるということを考えまして、前もって、その政策変更に至る場合はどういう考え方でどういう指標を見つつ実行するのかという点を市場や経済の様々な主体に向けて分かりやすく発信するということに努めてまいりました。そうした我々の情報発信を受けた形で様々な観測報道がなされたというふうに理解しております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 是非、今後も情報発信は是非慎重に、気を付けていただいた方がいいかと、特定の人だけがもうかるような仕組みではまずいと私は思っておりますので、是非それお願いしたいと思います。  さて、もう一つ、今回決定でローン金利が国民生活にどんな影響を及ぼすのか、そしてそれに対して今後日銀はどんな対応をしていくのか、これも心配されておりますので、是非総裁の方からお願いします。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 住宅ローンを含みます貸出金利ですが、今回の政策変更を受けて市場金利が動きます。その動向を踏まえて、各金融機関の判断において設定されることになります。  もっとも、今回の政策変更に伴う短期金利の上昇は〇・一%程度にとどまります。また、長期債市場では、これまでと同程度の国債買入れを継続し、長期金利が急激に上昇する場合は、更に機動的に買入れオペの増額等を実施する方針であります。  したがいまして、今回の措置を受けて住宅ローン金利を含む貸出金利が大幅に上昇するとは見ておりません。先行きについても、現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、先ほども申し上げましたとおり、当面、緩和的な金融環境は継続すると考えております。こうした緩和的な金融環境が経済、物価をしっかりと支える方向で作用すると見ております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 日銀総裁の質問はここまでですので、委員長のお計らいをお願いします。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 植田日本銀行総裁は御退席いただいて結構でございます。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 次は、今回の所得税法等改正のイノベーションボックス税制について少しお伺いしていきたいというふうに思っています。  今回、国内での無形資産投資の後押しのために導入を予定していますイノベーション税制ボックスなんですが、特許権とAI関係のプログラムの著作権が対象の知的財産とされているんですね。このイノベーション税制の導入による減収額は二百三十億というふうに出ているんですが、ところで、現在、国内外の著作権料の使用料の額が分からないのにどうやってこれ統計出されたのか、教えてください。

田中哲也経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。  減収額につきましては、対象の知財が令和六年度以降に取得されたものに限定されていることなどを踏まえますと、適用件数や適用規模の見込みを現時点で示すことは難しいものがございますが、関連する統計データ等に基づきまして、平年度で減収規模は年間二百三十億円程度となると試算されております。  なお、御指摘の特許権の使用料については、経済産業省の企業活動基本調査の技術取引の受取額の項目において、著作権に関わるライセンス取引や譲渡取引の受取額として示されておりまして、減収規模の試算に当たってはこうした数値を活用しております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 逆に、このイノベーションボックス税制の導入で対象の知的財産への投資額がどれぐらい増えるというふうにこれは試算しているんですかね。

田中哲也経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。  イノベーションボックス税制の導入による国内投資への効果につきましては、事業環境や制度の活用状況等の様々な影響を受けることから、現時点で定量的に申し上げるのは困難でございます。  ただ他方で、制度の対象範囲や税率が異なるため単純な比較は難しいものの、例えば、同様の制度を導入している英国では、イノベーションボックス税制の効果として、税制の適用を受けた企業の投資額が制度導入から五年間で一〇%増加したという調査結果を二〇二〇年に英国の税務当局が公表しております。  こうした英国の事例を踏まえますと、我が国でもイノベーションボックス税制を導入することによって知的財産権を生み出す投資が増加するものと期待しております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 知財を一生懸命活用していくというのは分かるんですが、ちょっと試算が、イギリスでやっているからだとか、そんな感じで甘いんじゃないかなと思うところなんですが。  そのもう一つの理由に、多分この税制のAI関連のプログラムの著作権というものがいまいちはっきりしないんだと思うんですね。AIによって作られたプログラムって何を指すのかとか、著作権部分というのはどこなのかとか、こういったことがありますので、このAI関連のプログラムの著作権に該当するというのはどんなものを想定されているのか、それも教えてください。

田中哲也経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。  まず、AI関連は、官民データ活用推進基本法に定める人工知能関連技術を指しておりまして、人工的な方法で学習、推論、判断等の知的な機能を実現することやその機能を活用することに関する技術を指しております。その上で、AI関連プログラムとしては、例えば生成AIの基盤モデルや個別モデル、その開発に必要なソフトウエアを想定しているところでございます。  なお、具体的な定義につきましては、業界団体や外部有識者等の専門家との議論を行い、検討した上で下位法令やガイドライン等でお示しする予定でありまして、事業者の方々にも活用しやすい制度にしたいと考えております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 そのときに、著作権というのは無方式主義、つまり何か登記されたり登録されたりするということじゃなくて著作権って発生するんですよね。税務上、この著作権性とか著作権者性をどう判断するのかなと。誰に帰属するのかというのは非常に分かりにくいし、もめるところだと思います。  仮にこの税制の適用を受けた場合に、著作物性が否定されたり著作者性が否定された場合には税務上どんな処理になるのか。これ、経産省さん、財務省さん、それぞれお答えいただければと思っています。

田中哲也経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(田中哲也君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、著作権は無方式主義であると承知しておりますが、事業者が自ら研究開発を行い製作したプログラムについては、通常、その事業者が著作権を有しているものと考えられます。  その上で、経済産業省としては、イノベーションボックス税制を利用するに当たり、申請者から提供されたプログラムの概要や活用状況、関連する研究開発活動に関する情報を事前に確認し、当該プログラムが税制の適用対象になる知財である旨の文書を交付することを予定しております。なお、訴訟等で事業者が他者の著作権を侵害していたことが明らかとなった場合には、経済産業省の確認後であったとしても制度の対象外となるものと考えております。  なお、御指摘の税務上の扱いについては税務当局において対応されるものと認識しております。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  イノベーションボックス税制の対象となる特定特許権等に該当するかどうかにつきましては、先ほど経済産業省の政府参考人から説明があったとおり、経済産業省におきまして確認の仕組みが検討されていると承知しております。  その上で、一般論として申し上げますと、納税者が租税特別措置を適用した確定申告書を提出した後にその措置の適用を受けられないことが判明し、納付すべき税額が不足してきた場合には、その納税者は修正申告及び不足していた税額の納付を行っていただくということでございます。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 次に、スタートアップに関する税制といったところをちょっと質疑させていただきたいと思います。  今回、ストックオプション税制を始めとしていろんな税制議論されていますが、ちょっとそれに関連して、私自身、現行の税制上の減価償却制度ってちょっと問題があるのかなと思っているんですね。  法令によりまして、御案内のとおり、各資産の耐用年数というのはいろいろ決められているんですけれども、例えばよく言われるのは、パソコン四年とかサーバー五年、スマホは実は十年間、十年前のものを使っている人の方がもう珍しいというふうに思うんですけれども。あるいは、そういった意味で、実際の企業活動に合わせて各企業、本来、これはどれぐらい使うのだからということで償却期間を決められるということの方がどんどんどんどん投資も促進されると。そうでないと減損の対象になっちゃいますので、そういう必要があるというふうに思っています。  そういう意味で、私、以前から、自由償却税制、もちろん自由といっても毎回毎回変えるのではなくて、しっかり宣言をした上で、我が社はパソコンならパソコンをどれぐらいの償却期間とするということを宣言するということでその償却の仕組みをつくると、これもありなんじゃないかなと。現実的に定率法とか定額法で得られる分もあるわけでありますから、そういった意味で、今後投資を促進するといった意味、それからむげな、過度な例えば減損をさせないという意味においても、この自由償却というか事前決定償却主義というんですかね、そういったものを検討していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 固定資産の減価償却でございますけれども、課税所得を計算する際の適正な費用配分を行うものでありまして、公平公正な課税を確保する観点から統一的な取扱いとするため、使用実態を踏まえて資産別に税務上の耐用年数を定めているところでございます。  そして、いつ、どの程度の減価償却を行うかについて、企業の自由に任せてはどうかということでございますが、これにつきましては、恣意的な利用調整により課税の公平性を損なうおそれがあるため、慎重に検討すべきものと考えております。  一方で、特段の政策的必要性が認められる場合には、即時償却でありますとか特別償却を認めてきております。例えば、令和五年度税制改正においても、即時償却等を含む中小企業経営強化税制の二年延長を行ったところでございます。  こうした制度によりまして、スタートアップの積極的な投資を促してまいりたいと考えております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 実は、私も会社幾つか経営してきている中で、結構この償却というのは、多分すごく利益に対してというか企業経営に対して余りニュートラルな立場にないんですね。税金というのはあくまでもいろんな行いに対してニュートラルな立場でなきゃいけないのであって、税制の方がそれぞれの固定資産をどれぐらい使うべきなのだ、どれぐらいで価値がなくなるのだというのはやっぱり私はおかしいと思っていますので、これちょっと引き続きやっていきたいと思いますから、議論はさせていただきたいと思います。  次ですけれども、スタートアップの経営者に対する対応ということで、創業してからしばらくの間はスタートアップの創業者ってどれぐらい売上げとか利益が出るか分からないんですよね。そういった意味で、通常は役員報酬というのを低く抑えていたりとか、あるいは定期的な給与を取らない、で、何とか、もうかったというところまでいきません、食っていけるぐらいになってきて初めて自分たちに給与を出そうと思えたら、事前に決めていないんで当然それは賞与になるんだということになってしまって損金扱いもできないと、まあこういうことになってしまっています。業績連動報酬とかの仕組みもあるというふうに言うんですけど、同族会社以外は使えないので、事実上これもできないんですね。  なので、これ、本当にスタートアップを助けるためには、創業から一年、柔軟に役員報酬を決められるような仕組み、それがあっていいんじゃないか、あるいは、それが遡って給与というふうになるようなことで後押しできないかなと。  いつも私が何社か会社をつくっているとき、本当にこの問題、みんな苦しんで苦しんで一年頑張って、やっとお客様からお金いただいたらそれは税金でたんまり持っていかれてしまうということでは、余りスタートアップの後押しになってないと思いますので、この辺り、是非、改革というか新たな提案求めたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 役員給与におけます法人税の取扱いでございますが、その水準を恣意的に操作することによって税負担が回避されないようにするために、毎月決まった額を支払うような報酬に限って役員給与の損金算入を認めているところでございます。  山田先生から御指摘の役員への業績連動給与、これは特定の指標について報酬委員会等の適正な手続を経ていることを要件に損金算入を認めているものでありますが、同族会社は少数の株主に支配されているため必ずしも恣意性を排除できないことから、損金算入の対象としてはいないところでございます。こうした制度は課税の公平性を担保する観点から設けられているものでありまして、その柔軟化には慎重な検討が必要であると考えます。  一方で、スタートアップを推進していくこと、これは重要な課題であるわけでありまして、例えば令和五年度税制改正においては、自己資金による創業等をした場合、投資額と同額の株式譲渡益を二十億円まで非課税にするという措置を講じたほか、現在御審議をいただいております改正案におきまして、ストックオプション税制について、スタートアップの人材確保を後押しするため、年間権利行使価額の上限額の引上げ等を行うこととしております。  こうした措置を通じまして、日本におけますスタートアップ育成に向けて取り組んでいきたいと考えているところです。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 大臣は後半のところでスタートアップ推進やっていると言うんですけど、本当に始めたスタートアップの苦しさというのは食っていけるか食っていけないかという瀬戸際でやっているのであって、おっしゃられたところは二次的というか、ところだと思うんですよね。  恣意的というのも分かるんですが、実際は、じゃ、最初の会社というのは消費税減免されていたりだとかいろんな手当てがある中で、一番重要な本当に頑張っている人たちを応援するという仕組みにおいて、その人たちの最低限の生活を支えるためにはどうしなきゃいけないのかという意味では、私は、当初のつくったばかりの会社、しかも、何かの制限をしてもいいと思います。確かに、いわゆる税金を逃れようと思って、じゃ、どんどん会社つくっていって、それに関しては全部賞与にならないというふうになられてもまずいので、それは分かるんですけれども、ちょっとこの辺り、今後も提案していきたいと思いますので、継続して提案というか主張させていただければというふうにも思っております。  次に、消費課税におけるプラットフォーム課税といった辺りも、今回プラットフォーマーに対する対応、規律ということで出ていますので討論、質疑させていただきたいんですけれども、消費課税におけるプラットフォーム課税については、デジタルプラットフォームを通じて役務提供を行う国外事業者のみを対象とする制度ということにされています。  今回、国外事業者、国内事業者を対象とする制度というのはあるんですけど、今回の法改正で前者を選択したというのはどうしてなのか、この辺りを教えてください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。  今般、プラットフォーム課税を導入することといたしましたのは、執行管轄権が及ばない国外の事業者に対しまして適正な課税を確保し、国内の事業者との公平な競争環境を早期に整える必要があったことなどが背景にございます。  委員が御指摘のとおり、諸外国には国内、国外双方の事業者が提供するデジタルサービスを対象にする国もあると承知しておりますが、国内の事業者につきましては、税務当局の目の行き届くこともあり適正な課税の確保が期待できること、仮に対象とした場合にはプラットフォーム課税対象のプラットフォームを介した取引かどうかで売上げを区分して管理する必要が生じ、追加的な事務負担が生じることなども考慮して、国内事業者が行うデジタルサービスについては対象としなかったところでございます。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 この問題は、二〇一五年の三月に改正消費税法ということで、役務を行っている者が国内にある場合は、海外からインターネット取引したとしてもちゃんと消費税払いなさいよと、こういう法律からスタートしていて、なかなかそこで回収できないということなので、プラットフォーマーを経由してきちっと消費税を納めてもらいましょうと、こういうことなんですね。  実は私、これ深く関わっておりまして、たしか二〇一四年段階だと思いますが、元、ここの委員にもされていた大久保議員と一緒に私が議員立法をさせていただいて、ただそれはちょっと是非財務省の方で閣法で出させてくれと言われて、一年待ってこの法律ができたということもあって、そういう意味では、しっかりやっていただいているというのは裏を返すと私は感慨深げなんでありますが、一方でまだまだ課題は多いということでありまして、しっかり外国会社に対しては消費税を納めてもらうというふうにしたいんですけれども、例えば、これ一番ターゲットというか対象になるのは、海外のゲームアプリ事業者なんですよね。  そういった意味で、そもそも日本に消費税を納めていない、そういった海外ゲームアプリ事業者がどれぐらいの数あるのか、どれぐらいの消費税が未徴収となっているのか、これも教えてください。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  国税当局といたしましては、日本において消費税の申告納税義務のある海外ゲームアプリ事業者につきましては、様々な機会を通じて入手した情報などから捕捉に努めておりますが、御指摘のような件数を網羅的に把握しておりませんので、お答えすることは困難でございます。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 一方で、今回の消費税法の改正によって、今後海外ゲームアプリ事業者に関わる消費税の納付がどれぐらい増えると試算しているのでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 今般のプラットフォーム課税の導入によりまして、デジタルサービスを提供する国外の事業者に代わってプラットフォーム事業者から適正に納められることとなる消費税額は、国、地方合わせて平年度ベースで約二百三十億円と見込んでおります。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 これ、ちょっと不思議なんですよね。幾ら納められているか分からないと言っておいて、今回の仕組みで納められる金額は二百三十億って分かっているという、どういうことなのかなということなんですけど。  多分、一つ、からくりは、これプラットフォーマーの対象も五十億円以上の取引というところがあるので、全部は多分集められないんだろうなということと、もう一つは、プラットフォーマーを経由してこないものというのもあるわけでありまして、それは相変わらず、まあ、ざるというかですね、消費税が取れていないんじゃないかと。  で、今後、BトゥーBトゥーCであればこのモデルをプラットフォーマーを介して消費税を徴収することはできるんですが、いわゆるBトゥーCですとか、昨今、CトゥーCですとか、あるいはUGC、ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツという時代になってきていますので、すぐプラットフォーマーだけでは対応が非常に難しいんじゃないかというふうに思っているんですけれども、済みません、この辺り、質疑通告していなかったんですけれども、そういったところに関しては今後どういうふうに考えていけばいいのか、お答えいただけますでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 今の現状のマーケットを見てみますと、今回の五十億円以上のプラットフォーマーを対象にすることによりまして国内市場の約九割程度をカバーできるのではないかというふうに考えておりますが、本件、これからこの制度を導入して、その状況をよく注視しながら、いろいろまた必要があれば対応を考えていきたいと考えております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 一方、申告とか納税義務を果たしていない海外事業者に対して日本はどういうふうに対応していくことができるのか、これも併せてお答えください。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  国税当局といたしましては、インターネット等の情報など様々な機会を通じまして収集した資料情報について分析、検討を行うとともに、租税条約等に基づく情報交換の積極的な実施により外国税務当局とも緊密に連携、協調いたしまして、国内に拠点を持たない事業者の実態の把握に努めております。  その上で、日本で消費税の申告納税義務を果たしていない事業者が把握された場合には、日本国内に納税管理人を指定の上、その者を通じて申告納税を行うよう促しております。また、仮に課税上の問題が認められる場合には、納税管理人を通じまして海外事業者へ連絡し、調査等の対応を行うこととしております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 次に、資金決済法等に関してお話聞いていきたいと思うんですけれども、これ、消費税だけにとどまらずに、資金決済法は、前払方式というのがありまして、基準日における未使用残高が一千万円を超える前払方式の自家型発行者と第三者発行者は、その未使用残高の二分の一以上に相当する額の発行保証金を法務省に供託して保全することが義務付けられているということです。これ、ゲームの課金とかでいろんな通貨みたいのをゲームの中でやった場合に、それをどこか行っちゃわないようにその半分は保全しなきゃいけないということなんですね。  ただ、残念ながら、この供託義務を負っている、履行していない海外ゲームアプリ業者が多数いるんじゃないかと、で、日本のゲームアプリ業者との競争においても不平等が生じているんじゃないかと、こういうふうに考えているんですけれども、この供託義務を果たしていない海外ゲームアプリ事業者ってどれぐらいいるのか、把握しているのか、教えてください。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) このゲームアプリ事業者のうち海外事業者でございますが、届出、登録を行わず資金決済法上の義務を果たしていないおそれがあると判断し金融庁、財務局が接触を図った事業者は、二〇二三年の一年間で二十二事業者存在いたします。  当該二十二のこの海外事業者でございますけれども、現時点では、うち六事業者が日本拠点から届出を実施いたしました。四事業者は届出が不要な事業者であると判明しております。で、残る十二事業者について照会を継続しております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 本来、日本の国内向けに課金があるゲームを提供している海外のゲームアプリ事業者は、外国企業の登記が必要だということでもあります。  金融庁が二〇二三年に対応した二十二のこの海外ゲームアプリ事業者のうち、外国会社の登記がされている会社は何社あったのか、これを教えてください。

油布志行金融庁総合政策局長

○政府参考人(油布志行君) 当該二十二の海外事業者について確認私どもの方でいたしましたところ、九事業者が登記されております。この九事業者は、ただ、外国会社としてではなく、日本における現地法人として登記されてございました。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 あのですね、これ、非常にネットにおける問題だと思っておりまして、例えば、何か海外事業者が悪さをしますといったときに、国内に登記をされていないと、ほぼもうその会社を罰していくだったりとか裁判を起こそうと思っても、いわゆる管轄権の問題から海外で裁判を起こさなきゃいけない、こういうような嫌いもあるわけですね。  これ、実は海賊版対策なんかでも同じ問題も起こっておりまして、特にこの問題に関しては、会社法の八百十七条とか八百十八条で、本来、国内で継続的に取引する会社は外国会社としての登記をきちっとしなければならないと、こういう話なんですね。実際、これは法務省さんとか総務省さんが実は結構動いていただいて、多くの会社が外国会社との登記をし始めたんですが、まだまだゲームアプリ会社はそういった動きになっていません。  是非、しっかり、法律に基づいて、我々も法治国家でありますから、日本の権益を守るためにもしっかりと外国会社に対して登記をしていただいて、消費税を払わないというようなことのないように、是非お願いをしたいというふうにも思っています。  そういった意味で、これ、いろいろと供託義務を果たしていないケースがあるということで、金融庁さんの方は幅広い情報収集とそれから適切な対応というのをお願いしているんですが、作成のリーフレットというのがあるんですね、資金決済法に基づく手続が必要であるというふうになっているんですけれども、今私が申し上げた外国会社としての登記も法務省さんと一緒に盛り込んでもらいたいと、こういうふうに思っておりますが、この辺り、大臣、よろしくお願いします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘のように、外国の会社が日本において取引を継続して行おうとするときは、会社法に基づきまして外国会社の登記を行うか又は国内で設立登記した法人で事業を行う必要があると認識をしております。  海外ゲーム事業者等がこうした登記を適切に行った法人により事業を行えば、日本における代表者や所在地等の確認が容易になりまして、金融庁としては、当該海外ゲーム事業者等が資金決済法に基づく届出義務や供託義務を履行しているかどうかの実態把握がしやすくなると考えております。  こうしたことから、金融庁といたしましては、法務省としっかり連携をいたしまして、海外ゲーム事業者に対する周知において、海外ゲーム事業者が日本国内でサービスを提供する場合には外国会社の登記又は国内で設立登記した法人で事業を行うことも必要である旨を盛り込むように前向きに検討したいと思っております。

山田太郎自由民主党

○山田太郎君 前向きということなんで、しっかりやっていただきたいと思います。  国民からは、インボイスということで、八%なのか一〇%なのかということで、相当細かく消費税をきちっと取るということを国はやろうとしているわけなんですから、海外企業がこれによって多額な消費税を払わないというのは多分あり得ない話だと私は思っておりますので、まず国民を大事にするという意味においても、しっかり海外事業者から取るべき消費税は納めてもらうということを徹底していただきたいというふうにも思っております。  時間も来ましたので、私の質疑はここまでにしたいと思います。  どうもありがとうございました。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。よろしくお願いいたします。  所得税法等の一部を改正する法律案の審議に当たって、私は、一年半、一昨年の七月に労働組合の役員から参議院議員になりました。それから、一生懸命、ずっと財政金融委員会に所属させていただいて、私なりに一生懸命勉強してきたつもりなんですが、ほぼ素人の自分なりに税制のあるべき姿について考えてきました。  現在の我が国の税制についての評価、租税原則、公平、中立、簡素の視点から見てどのように評価をされているのか、鈴木大臣の認識をお聞かせいただきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 税制につきましては、御指摘がありました公平、中立、簡素の租税原則でありますとか、時々の経済社会の変化、また政府が掲げる政策目的の実現などの観点から累次の見直しを行ってきたところでございます。  例えば、公平の点について申し上げますと、所得税、相続税の最高税率の引上げ、相続税の基礎控除の引下げ、極めて高い水準の所得について最低限の所得を、負担を求める措置の導入を行っております。  また、中立の点について申し上げますと、働き方に中立的な税制とするため、給与所得控除等から基礎控除への振替を行ったほか、生前贈与でも相続でも税負担が中立的となりますように、相続税、贈与税の見直しについても行っております。  あわせまして、簡素という点では、可能な限り分かりやすい税制とするように努めているとともに、事務負担や徴収コストを軽減するため、税務手続のデジタル化などを進めているところでございます。  こうした租税原則には相互に矛盾する部分もありまして、常に全てが同時に満たされるものとは限らないことから、一つ一つを取り出して評価することは難しい面がありますけれども、全体として、公平、中立、簡素という租税原則を踏まえた税制の見直しが行われてきていると考えております。こうした租税原則を踏まえながら、中長期的な経済社会の構造変化等に応じてあるべき税制を構築してまいりたいと考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ありがとうございます。  政策を実現するための手段として、手法として、税制で様々な工夫をするということは十分理解するところですが、公平でいえば、水平的公平だけではなくて、やっぱり垂直的公平、負担能力の大きい方により大きな負担をいただくであるとか、中立であれば、税制ができるだけ個人や企業の経済活動における選択をゆがめることがないようにするんだということ、そして簡素であれば、やっぱり仕組みはできるだけ簡単、簡素なものとして、納税者が分かりやすいものとするということを、やっぱり、不断にやっぱり見直していく必要があるんではないかというふうに思います。大臣からは、そういう、できる、沿ってやっているということですが、現在の税制はこの原則からはちょっと遠いものとなってしまっているんではないかというふうに思います。  租税原則に基づく税制の実現、更なる原則に基づく税制の実現に向けて取り組む意思はあるのか、大臣、お聞かせいただきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 税制につきましては、先ほど申し上げました租税原則に基づき、また、社会経済というものももういろいろ変化をしてくるわけでありますから、常に不断の見直しというものは必要であると認識をいたしております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ありがとうございます。  租税原則に基づくこの税制をどのように実現していくのか、そんな視点でこの法案の審議に当たっていきたいというふうに思います。  次に、基幹三税について質問したいと思います。  消費税が導入され、これ平成元年ですかね、から、バブル崩壊を経て、社会は大きく変化をしたというふうに思います。失われた三十年の責任は税制にあるとは、いうふうには言いませんが、バブル崩壊後の三つの過剰、雇用、設備、債務を克服すべく社会全体で取り組んできたというふうに思います。  税制も現在の日本社会の姿をつくったことに一定の影響を及ぼしてきたというふうに思っています。経済が回復してくると消費税が増税されて、また冷え込ませたということを含めて、税制は社会構造に変化をもたらす力があるというふうに思っていますが、大臣はそういうふうに思われませんか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 税制につきましては、先ほど申し上げましたとおり、時々の経済社会の変化への対応でありますとか政府が掲げる政策目的の実現などの観点から累次の見直しを行ってきたところでございます。  具体的に申し上げますと、所得税については、格差の固定化防止の観点から、最高税率の引上げや極めて高い水準の所得について最低限の負担を求める措置などを実施をし、また、消費税につきましては、急速な高齢化に伴い社会保障給付費が大きく増加する中で、社会保障の安定的な財源を確保する観点から、その税率を引き上げてまいりました。さらに、法人税につきましては、我が国の競争力の強化の観点から、税率の引下げや研究開発税制など租税特別措置の見直しを実施してまいりました。  これら基幹三税の見直しが経済社会の在り方に及ぼした影響についてということでございますが、これは必ずしも一義的に把握できるものではありませんけれども、各税目は、財源調達機能や再分配機能、経済社会に対する中立性の確保といった観点からそれぞれ特徴を有しておりまして、重要なことは、これらをバランスよく活用し、予算措置など他の政策にも適切に組み合わせていくことによりまして、経済社会に望ましい変化をもたらしていくことになるのではないかと考えます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 今大臣もおっしゃられたとおり、法人税改革でこれまで実施してきたということで、企業の稼ぐ力の向上を後押しすべく、実効税率の引下げによる成長志向の法人税改革というのが進められてきたというふうに思っています。  アベノミクスによる金融緩和や財政出動との相乗効果で結果として企業に巨額の内部留保が積み上がってしまったんではないかと、トリクルダウンは起きなかったということです。株主資本主義の下、株主の意向も影響し、配当や内部留保を増加させてきたと。現在の巨額の内部留保の蓄積というのは法人税減税も大きく影響しているというふうに考えますが、大臣の認識をお聞かせください。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 法人税率の引下げと内部留保が高まっていることの関係についてということでございますが、柴先生からもう既に御質問の中で御指摘ございましたが、法人税率の引下げにつきましては、平成二十七年度と二十八年度の税制改正において、成長志向の法人税改革として、我が国の立地競争力と我が国企業の国際競争力強化のため、税率の引下げと課税ベースの拡大を併せて行ったところであります。  その上で、これまでに国内の企業において内部留保が増加してきた背景には、国内外の経済状況や株主のニーズの変化など様々な要素があると考えられますので、その中で法人税改革がどのように内部留保に影響をしてきたのかについて、今後、客観的かつ実証的に検証をしていく必要があると考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 岸田内閣が目指す経済の好循環、物価高に負けない賃上げ、格差是正にはやっぱり税制でも対応していく必要があるというふうに思いますが、今の姿ではないんじゃないかというふうに思います。  税には、先ほど申し上げたとおり、社会構造を変える力があるというふうに思っています。そして、税が現在の日本の姿をつくったことに大きな影響を及ぼしているとするなら、逆のことも起こせるんではないかと。経済の好循環、格差是正、国民一人一人がそれぞれの幸せを実現できる社会づくりにも、税によってそういったことが実現できるその力になるんじゃないかというふうに思っています。私たちはそのことを議論する責任があるというふうに思っています。  金融所得課税の強化についてちょっとお伺いしたいと思います。  政府が目指す資産運用立国、それにふさわしい金融所得課税が必要だということです。政府は、我が国の家計金融資産の半分を占める現預金が投資に向かい、企業の価値向上の恩恵が家計に還元されることで更なる投資や消費につながる成長と分配の好循環を実現していくとして資産運用立国を目指すとしていますが、そうであるならば、資産運用で得た金融所得に対する課税を強化するべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今御紹介をいただいたところでございますが、岸田政権の下で、家計が安定的な資産形成に向けましてより多くの資金を貯蓄から投資に向ける、企業がその資金を成長投資に回す、企業価値がそれによって向上する、その恩恵が資産所得という形で家計に還元される、そして更なる投資や消費につながるという好循環、これを実現をして、我が国経済、企業の成長に加えまして国民の資産所得の増加につなげていくことを目指しております。富裕層のみならず幅広い層が恩恵を受けられるようにすることを目指しているところでございます。  その上で、格差の固定化防止に向けましては、所得税の最高税率の引上げでありますとか相続税の基礎控除の引下げなど見直しを行ってきたほか、令和五年度税制改正において、おおむね平均的な水準として約三十億円を超えるような極めて高い水準の所得を対象として追加的に負担を求める措置を導入するなど、累次の改正によりまして税制の再分配機能の強化を図ってきたところでございます。  そして、柴先生が御指摘の金融所得課税の強化につきましては、金融所得に係る税負担の増加が経済や株価に及ぼし得る影響なども勘案しつつ慎重に検討する必要があるのではないかと、そのように考えます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 三十億を超える所得の方に対する課税の強化というのがされたということですが、一億円の壁にはもう程遠い内容だということだと思います。  そしてまた、大臣も市場への影響というのを慎重に考えなきゃいけないという答弁も繰り返されているということですが、納税は国民の義務であって罰ではないというふうに思うんです。活性化した金融市場で得た金融所得に基づく納税というのは尊いことだというふうに思います。資産運用立国にふさわしい金融所得課税の在り方についてもこれからまた求めていきたいというふうに思います。  続いて、租税特別措置について伺いたいというふうに思います。  現在の我が国の税制の中での租税特別措置の件数と、適用件数と税収の増減ですかね、の総額について示していただきたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 令和四年度の租税特別措置の適用実態調査の対象となります法人税関係の租税特別措置の項目数でございますが、これは八十一項目でございます。その適用件数、それから適用総額につきましては、法人税率のまず特例の適用件数は百七万件、適用総額は四兆四千億円。税額控除の適用件数は二十七万件、適用総額は一兆三千億円。特別償却の適用件数は四万件、適用総額は八千億円。準備金の適用件数は〇・四万件、適用総額は七千億円でございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 今回の税制改正での税収の増減見込額というのは幾らになるでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 令和六年度税制改正におきます租税特別措置による国分の増減収額は、定額減税の実施による減収額が大きく、平年度で二兆九千十億円程度の減収、初年度では二兆三千五百三十億円程度の減収と見込んでおります。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 定額減税除くと、出ていますかね。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) うち、定額減税の実施による所得税の減収額というのは二兆三千億円でございますので、初年度ベースでいきますとほぼ、定額減税の減収額がほぼ、ほとんどでございます。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ありがとうございます。  今あるものを含めていくと、本来あるべき税収が巨額な減収になります。厳しい財政事情の中、本来の税を徴収して必要な政策の財源とするべきではないかと、租税原則の視点からも大きな問題があるというふうに指摘したいというふうに思います。  政府が政策を実現するためには様々な手法があって、税制を優遇する今言われた租税特別措置のほか、直接支援としての補助金等の支給もあるということですが、それぞれの効果比較に基づいて、こういう政策には税金でやるんだ、補助金でやるんだという政策実施の判断というのはどのようにされているのかをお聞かせいただきたいと思います。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) お答えいたします。  租税特別措置と補助金等の効果比較ということでありますが、税制措置は一般に適用を受けるためには黒字化が必要でありまして、企業にとって収益を上げるインセンティブとして機能する、そういう必要性があるところ、また、国会の議決を毎年度得る必要がありまして、補助金等に比べて相対的に予見可能性が高いという特徴を持っております。例えば、今般予定されております戦略分野国内生産促進税制などもこういう観点から制度設計をしております。  以上の観点を踏まえて、租税特別措置を含めた税制のこういった特徴を踏まえまして、政策判断の在り方としては、補助金などの他の政策手段を適切に組み合わせることによって政策目的の実現を図っていくことが重要と考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 それぞれの政策の中身によって必要な、有効な手段を用いているということだというふうに思います。そのことを確認したいと思います。  続いて、我が国の税制が、世界租税支出透明性指数というのがあって、そのランキングにおいて極めて低位にあると、百四か国中九十四位であることについて政府としてどのように認識しているのか、お聞かせいただきたいと思います。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) お答えを申し上げます。  委員御指摘の報告書につきましては、その詳細は把握しておりませんが、欧州の民間シンクタンクが我が国を含めた各国の公表資料を独自に収集をして租税特別措置に関する報告の状況をまとめたものと承知をしております。  その上で、確認できた範囲で申し上げれば、御指摘の報告書の中で、例えば日本の租税特別措置について、例えばですが、法的根拠や国会提出義務がないといった事実もあるわけでありますが、こちらは事実誤認でありまして、我が国では国会への提出を含めて法定化され、また公表を法定化されておりますし、また、租税特別措置の適用の実態調査というのも公表されております。  こういったことなども報告書の中では認識されていないなど、単純な事実誤認も含まれており、必ずしも我が国の取組を正確に反映したものではないと受け止めております。  いずれにいたしましても、租税特別措置については、その透明性を確保すること、これは非常に重要であると考えており、適用実態調査等の取組についての情報発信もしっかりと行って、国内外からの理解を得られるように引き続き努めていきたいと考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 租税特別措置、やっぱり、どれだけ税収が減って、それに対する効果というのはなかなか測りづらいということにいけば、やっぱり透明性をどうやって高めていくのかと、大きなテーマだというふうに思います。  新聞報道では、自民党に巨額の政治献金をしている業界、企業に対する税制優遇、租税特別措置が多いというようなこと、そして、その効果検証も不十分なまま長年継続されているとの報道もあります。  業界団体の声、要望というのを聞くということは、政治家、政党として必要なことです。我が党でも、税制改正要望の策定に当たっては、各種団体からヒアリングを行った上で取りまとめています。ただ、重要なのは、それが政治献金と関連しないんだというようなことだというふうに思います。  租税原則に基づいて、政策効果の乏しい租税特別措置というのは抜本的に見直すべきだというふうに考えますが、大臣の認識をお聞かせください。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) まず、租税特別措置でございますが、これは特定の企業、大企業とか、あるいは特定の団体、そういうものを優遇するものではなくて、あくまで政策的な必要性等に基づいて講じられているものでありまして、政治献金と租税特別措置、これは直結するものではございません。  租税特別措置につきましては、一定の企業の適用額が大きいということ、これは事実でありますが、これは、これらの企業の所得が大きいため法人税も多く負担しており、適用要件を満たす取組も積極的に行っているということに由来するものとも考えております。  租税特別措置につきましては、利用状況を踏まえつつ、その必要性でありますとか政策的な効果でありますとか、それをよく見極めて不断の見直しを行う必要があると考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ちょっと時間もないので、植田総裁に来ていただいていますので、植田総裁に質問したいというふうに思います。  さきの金融政策決定会合では、これまでの金融政策を見直す決定がされました。私たちからすれば遅過ぎたのではという思いもありますが、植田総裁にあっては、就任一年目にこの決定をされたということで、まさにチャレンジングな決定をされたということに敬意を表したいというふうに思いますが、一方で、金融政策決定会合の前のもう週末には、一部の新聞、経済紙で、マイナス金利の解除が決まったかのごとくの報道もありました。マイナス金利を解除するというのは大体どこもあったんですが、一部経済紙では、マイナス金利だけではなくてYCCやめるとかですね、ということを含めて、今回の発表内容ほぼそのままのような報道もされたというふうに思います。これは大きな問題だというふうに思います。  これらの報道について、情報管理、日銀の情報管理についてコメントがあればお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私どもでは、金融政策決定会合に関する情報管理については厳格なルールを定め、今回も守って政策運営をしてきたところでございます。ただし、一言申し上げれば、今回の会合に関する一連の報道があったわけですが、これは、その前の日本銀行の情報発信を基にしつつ、更に最近の春季労使交渉の動向等を踏まえた上で各社がそれぞれの見方を示されたものと理解しています。  敷衍いたしますと、私ども、記者会見や国会の答弁などで、物価安定の目標の持続的、安定的な実現を見通せるか確認していく上で春季労使交渉の動向が一つの大きなポイントとなること、それから、目標の実現を見通せる状況に至れば大規模緩和の修正を検討すること、政策を見直す際にはその前後で不連続な変化が生じないように留意していくなどを申し上げてきたところでございます。  引き続き、厳格な情報管理の下で、我々の考え方が適切に伝わるよう努めてまいりたいと思っております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 次のことをちょっと聞きたいと思います。  日銀はさきに、黒田総裁の下で開かれた二〇一三年十月三十一日の金融政策決定会合の議事録を公開をしました。その中で見ると、展望レポートの表現、書きぶりについて、人々の先行き物価観は日銀の見方にもかなり影響されるんだと、ぶれない姿勢を堅持すること自体が物価安定目標への到達確度を上げることになるんだといった発言に基づき決定されたとのやり取りが見られます。  黒田総裁下での日本銀行、日銀は、展望レポートを自らの目的達成のための道具にしたんじゃないかと。先行き経済や物価の見通しやそういう要因を詳しく点検して出すのが展望レポートだというふうに思うんですが、政策実現のためのツールにしたんじゃないかというふうに思います。  そのことを踏まえると、現在の展望レポートがそうではないと言えるのかということにまでこれつながるというふうに思うんですが、植田総裁の認識についてお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 御指摘の当時の発言でございますが、これは、察するに、中央銀行が物価安定目標の実現に強力にコミットして政策運営をするということを発言することが、人々の期待に働きかけ、それ自体が予想物価上昇率にプラスの影響を与えていくという政策メカニズムを指摘したものかなと理解しております。そうであっても、当時の展望レポートでは、こうしたメカニズムを想定しながら、できる限り客観的に経済・物価情勢を点検し、見通しを作成したものと考えております。  いずれにせよ、私ども、今後を含めまして、展望レポートでは、その時点で利用可能な情報をできる限り取り込みながら客観的に経済・物価見通しを示すことが重要だと考えております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 金融政策決定会合後の植田総裁の記者会見の中で、マイナス金利政策、大規模な金融緩和策は一定の役割を果たしたと考えているというふうに植田総裁はおっしゃっています。  この間の大規模な金融緩和はどのような役割を果たしたというふうに思っているのか、プラス面、マイナス面を含めてどのように評価されているのかお聞かせいただきたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) マイナス金利含めまして、私ども、大規模緩和政策は短期から中長期のゾーンの金利を引き下げ、実質金利を引き下げるということによって総需要にプラスの影響を与えてきたというふうに思っております。  ただし、副作用ということで一言申し上げれば、一部の施策はそうした効果をつくり出すために若干なりとも、例えば長期債市場の市場機能にマイナスの影響を与えるという副作用を持ったことも事実かなというふうに思っております。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 植田総裁の決断には敬意を表したいというふうに申し上げましたが、まさにこの金融政策決定、変更したことがこれで終わりではなくて、まさに負の遺産の清算をこれからどうしていくのかという大きな宿題が残っているというふうに思います。引き続き議論させていただきたいと思います。  時間参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。  今日は、植田総裁お疲れのところ御出席をいただいておりますので、先に植田総裁に御質問させていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。  今、同僚の柴委員の方からも質問がございました。私も最初に、この情報管理の関係で一度、柴委員も今質問しましたし、十二月のこの本委員会で同僚の勝部議員もやはりこの情報管理のことで質問をさせていただいて、そのときには内田副総裁に御答弁をいただいております。そこも引用しながら今回の情報管理の件について幾つか質問させていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  今回の金融政策決定会合をめぐっては、本当に各マスコミが報道過熱をしまして、柴委員もおっしゃっていたように、ある経済紙はもう今回のことを言い当てたような報道内容でございました。もう本当にマイナス金利を解除し、そしてYCCも撤廃をするんだ、なおかつその上限もなしでみたいなことを本当に断定的に報じておりまして、本当にこれ大丈夫なのかな、このとおりにこの十八、十九の政策決定会合でなったらどういう影響が出るのかなと、しばらく前から私も気にしておりました。為替だったり株価にかなり影響というか、その投資をしている方はその前提に立っていろいろと仕込みをされているという部分もあるので、かなり影響があるのではないかなというふうに思っておりました。  そして、このマイナス金利の解除というのは、十年以上にも及ぶその異次元緩和の重要な転換点であって、本当に大きな政策変更でありました。この政策変更が決定の発表がなされる前に報道を通じてあたかもそれがそのとおりになるんだというようなことが国民や市場に受け止められることについては、先ほど言ったように、いろんなことで私も影響があるんだというふうに思っておりまして、問題視をさせていただいております。  これまで、植田総裁の下、イールドカーブコントロールの再修正の政策変更などについて、このときにもその詳細が報道されるようなことがございました。この点で、勝部議員は十二月の本委員会で指摘をさせていただいて、御答弁を内田副総裁からいただいたんですが、そのときの答弁の具体的内容については、報道関係者と接触する場合には必ず複数名で対応するというのが一つ、そして、金融政策決定会合の二営業日前から会合後総裁の記者会見が終わるまでの間は、国会での議論は除き、金融政策や金融経済情勢について外部には発言しないという厳格なルールを設けているという答弁でございました。  しかしながら、このような厳格なルールを設けているにもかかわらずなぜ詳細な報道がなされてしまったのかは、幾つか、総裁、今答弁をされておりますけれど、なかなか不明というか、私にはよく分からない状況が続いております。  事例として本当に適切かどうか分かりませんけれど、私、地方議員をしているときに、地元に地方競馬がございまして、そして地方競馬議会というのがあって、その議員をしておりました。その競馬の関係者は、レースが始まると、その期間中缶詰になっちゃうんですよ。これ人権上どうなのかというふうにちょっと思ったりはするんですが、スマホだったり通信機器も全部預けて、そのレースの期間中は八百長が行われないようにホテルに缶詰をされるような大変厳しい情報管理がなされるということがそのときに分かりました。  今回のその金融政策決定会合で、本当に円相場や株式市況が大きく動くということの影響を鑑みると、これほどの厳しさというものが必要あるのかどうかというところは人権上どうかと思いますけれど、厳しい情報管理が必要なんではないのかなというふうに思っておりますが、改めて、植田総裁のこの情報管理という点についての御見解をお聞かせいただければと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、厳格な情報管理をしておると考えておりますが、大まかなそのルールの、情報管理のルールの内容については、委員今御説明いただいたとおりのものであります。もう少し詳しくとおっしゃる場合には、また詳しく御説明させていただきますが。  その上で、今回の件でございますけれども、先ほども少しお話ししましたが、今回、たまたま三月、前回の会合で政策変更を決定するということになったわけですけれども、そのタイミングは前もって私ども自身も知らなかったわけでございますが、データ次第ということで。ただ、そういう内容の政策決定、政策変更が行われると、これはそこそこ大きな変更であって、マーケット、経済に大きな影響を与える可能性がある、特に不測の影響が発生するようなことはなるべく避けたいという観点から、前もって、私を含めまして、記者会見あるいは国会での答弁などで考え方を御説明するということを心掛けて、今年に入ってやってまいりました。  例えば、物価安定目標の持続的、安定的な実現を見通せるかを確認していく上で春季労使交渉の動向が一つの大きなポイントになること、それから、目標の実現が見通せる状況に至れば大規模緩和の修正を検討すること、で、政策を見直す際はその前後で不連続な変化が生じることがないようにしていくことなどを申し上げてきたところであります。  これを受けまして、一連の報道は、そうした情報発信を基にして、さらに、先週出ました春季労使交渉に関する第一回目の回答、この動向等を踏まえて各社がそれぞれの見方を示されたものと理解しております。  更に申し上げれば、本当の決定自体は、決定会合の二日目に、丁寧な議論を経た上で投票し、例えばマイナス金利の解除については、二名の反対意見が出て七対二で当日決定されるという手続を踏んで決定されたものでございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  今の総裁の御答弁をいただいたのを受けて、修正の時期の見極めについての質問にちょっと、先させていただきたいなというふうに思うんですけれど、今の総裁の御答弁にもありました、今春の春闘賃上げの状況を見て判断をするというふうにずっと答弁をされてきましたし、今回の春闘、まあ第一期というか、集中回答を見ても大手については満額回答がずっと続いておりまして、総裁が記者会見でおっしゃっておられた、金融緩和の修正の政策転換を判断した主要因として春闘での賃金の妥結状況は判断の大きな材料としたという、それはそうだというふうに思っておりますが、一方で総裁は、中小企業においては必ずしも上がるという自信や根拠があってということではないとも述べています。  中小企業の労使交渉が本格化するのはこれからでありまして、中小企業の賃上げ見通しについては、予定する企業のうち、業績が回復しない状況で、人手を確保するなどで賃上げを行わざるを得ないというような企業が六割を超えているというような、これ日商、東商の調査結果もあるところなんですが、物価高で本当に厳しい経営環境の中で身を削って賃上げをせざるを得ないという企業が大変多いというのも中小企業では事実なんではないのかなというふうに思っております。  このタイミングで、なぜ三月だったのか。四月になれば、この日銀の短観ですとか地方の経済状況を示す日銀のさくらレポートというところも出そろってくるんだろうと思いますけれど、なぜ、この中小企業の状況を見極めてから四月というタイミングでの政策決定変更ということもあったんではないのかなというふうに思っておるんですけど、なぜこの三月というタイミングを選ばれたのか、総裁の御見解をお聞きしたいと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、現時点で春季労使交渉に関する直接の情報は第一回の回答の部分だけでございます。しかし、さらに過去のパターンを見ますと、ここから次々に回答が出てくるに従いまして少しずつ下方修正されていくというパターンがございます。そのパターンもしっかり私ども分析しまして、下方修正されていくことは確かであろうけれども、ある程度下方修正されても、第一回目の数字がかなり強いものであったので全体的な姿はそこそこのところに収まるであろうという点が、まず賃金をめぐる一つの判断でございます。  加えまして、全体の政策判断に関しましては、賃金だけでなく、物価、物価全体は輸入価格の転嫁という動きが収まってきていますので落ち着きの動きを見せておりますけれども、サービス価格にはしっかりとした動向、動きが見られるということ。あるいは、経済の総需要面ですね、消費に少し弱い面、動きがございますが、先頃の設備投資の強さの確認等ができましたので、全体を総合判断しまして、今回の三月のタイミングでの政策変更という点に、結果に至ったところでございます。  もちろん、中小企業の賃金というところに更に焦点を当てたといたしますと、中小企業は賃上げが容易でないという声も多く聞かれるということは認識しておりますし、業種や個社によって状況はまちまちであるということも分かっております。ただ、中小企業全体として、企業収益が改善を続けている、それから、労働需給が引き締まる下で人材確保のための取組が必要との声も多く聞かれております。  また、先ほどちらっと申し上げましたが、今回の決定会合に際しましては、私どもの本支店のネットワークを使いまして、中小企業を含めまして、企業へのヒアリングも精力的に実施したというような段階を踏んでの結論ということでございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  今回、三月に金融政策が変更されて、これから金利が上がってくる、金利のある世界に戻ってくるということになると、中小企業の皆さん賃上げを一生懸命される、そして四月、その賃上げを一生懸命やった四月頃には今度金利の影響を受けてくるというようなことで、厳しい経営環境がもっと更に厳しくなるようなこともあるんではないのかなというようにちょっと懸念をしておりまして、その辺の見極めはこれから本当時間が進んでいかないとなかなかできないのかというふうに思いますので、またその点につきましては、さっき見極めというか、ある程度の方向性が出たところで議論をさせていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  そして、次に、公表の時間を私は決めるべきではないかなというふうに思っておりまして、ある新聞記事に、日銀会合、公表時間にやきもき、日銀の政策決定会合の日はお昼にトイレも行けないというような記事が声として紹介をされていました、少し前なんですけれど。私も十九日の日は十一時半頃からずうっとそわそわして、スマホを片手にしながら会議に出ておりました。大変、先ほども言いましたけれど、為替や株に大きな影響を及ぼすことがあるので、これまでおおむね二日目の十一時半から十三時というところで大体公表されておりまして、何時というのが決まったわけではありません。  アメリカや欧州の主要中央銀行については決まった時間がたしかあって、その時間で公表されていたんだというふうに私は記憶をしておりますけれど、少しスパンが、株式市況がお休みというか、動いていない時間だったりしていますけれど、為替の方はずっと動いていますので、その時間帯、どうしても為替の流動性や急変といったものとか、先物での取引とか、副作用もかなりあるんではないかなというふうに思っておりますし、今回も十二時半近くということで、かなり遅れたという印象がある中で、遅れると大きな政策変更があるんだというようなことも市場がこれまでの経験則で分かっているという中で、ずっと過去のやつ見させていただいても、幅があります。  確かに大きな政策変更があったときは十二時半に近いところの発表というのがかなり多いというのは、私もそれを見させていただいて理解をしておりますが、この決定方針を公表する時間というのはきちんと決めることができないのかどうか、その点、総裁に御意見をいただきたいなと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 私ども、決定内容の公表につきまして、公表時間につきまして一番重視しているポイントは、各回において十分な議論が尽くされた上で政策決定に至る、そのための時間を十分に確保するということでございます。  もちろん、その上でも、公表時刻を前もって決めた時間に設定するということは恐らく不可能ではありませんで、それは、公表時刻をすごい後ろに置いておけば、かなり議論をした後でもその時間を守って公表するということが可能になるわけでございます。しかし、そうした場合に、議論の難しさによりますが、場合によっては、例えば当日の東京市場の引けに間に合わないとかそういう事態も、そういう事態、東京の引けに間に合わないというような遅い時間、例えば夕方とか夜、そういう時間設定になってしまうという可能性もございます。  そういうことを全ていろいろ考慮した上で、現状では、十分な時間を確保した上で、政策決定の意思決定がなされ次第直ちに公表するというやり方を取っているところでございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  私の手元の資料なんですけど、二〇一六年以降しかちょっとないのであれなんですが、二〇二〇年に一度十四時六分というのがあるだけで、あとほかにほとんど、一時を超えた、十三時を超えたという事例はほとんど、まあ二三年の四月の二十八日に十三時ちょうどというのがありましたけれど、ほとんどそういう状況ですので、どこか、今総裁おっしゃったように夕方まで設定しなくても、ある程度のところ、午後の早い時間で設定することもできるのではないのかなというふうに思っておりますので、いろんなことを鑑みて、外国のようにどこかで決めるということも一考かと思いますので、これからお考えをいただければ有り難いなというふうに思います。  それから、次は日銀の保有国債残高なんですが、かなりの額になって、五百三十兆円を超えているというような話もございます。これからイールドカーブコントロールを撤廃して長期金利の操作から短期金利の操作へ、総裁の言うところの普通の金融政策に転換をするということになっていますが、この局面で、この積み上がった国債保有残高の縮減に向けてはどのようなことをお考えなのか、これまでどおりに六兆円規模の国債を買っていくのが、これが上限になるのかどうかということも含めて、国債の圧縮についてどのようにお考えなのか、総裁のお考えをお聞かせいただければと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、私ども、おととい、当面、長期国債の買入れについてはこれまでとおおむね同程度の金額で継続するということを表明しております。そういたしますと、私どもの国債の保有残高は、またこれも当面おおむね横ばいで推移するというふうに見ております。  他方、従来からいろいろな場で申し上げてきましたとおり、大規模な金融緩和終了になった場合には、バランスシートのサイズを徐々に縮小していくという方向感であるということでもございます。したがいまして、将来、どこかで国債の買入れ額を減額し、それに伴って国債の保有残高も国債の償還に伴い減少していくという局面に至るというふうに考えておりますが、現時点で確定的なことは申し上げられない状況でございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 済みません、総裁との質問だけになっちゃいそうなんですが、申し訳ありません。  もう一つだけ。今回、ETFとJ―REITの新規買入れを終了というお話もございました。このETFで積み上がった日銀保有の株も、簿価で約三十七兆円、そして時価で約七十一兆円あるというふうに見られておりますけれど、このETF保有の株の処理について、私ども立憲民主党としては、日銀のバランスシートから切り離して是非運用して、これから国民に還元ができるような状況をつくるべきじゃないかという御提案もさせていただいておりますけれど、このETFの活用というか、あるものをどのようにしていくのか、この時点での総裁のお考えをお聞かせいただければと思います。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 現在保有しておりますETF等の処分ですけれども、これをすぐに行うことは考えておりません。今後、ある程度時間を掛けて検討していきたいと思っております。  その上で、処分の際の原則といたしましては、これは従来から申し上げているところでございますが、市場等の情勢を勘案し、適正な対価によるものというふうに考えております。さらに、その場合に、日本銀行の損失発生を極力回避すること、また市場等に攪乱的な影響を与えることをやはり極力回避すること、これらを考慮して処分の方針、指針を定めていきたいとは思っております。  ただ、また、いろいろな方から処分の方法について個別にいろいろな提案をいただいておりますが、そのそれぞれについて具体的にコメントすることはこの段階では差し控えさせていただければと思っております。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。  総裁に対する質問はこれでおしまいなんですが、もしあれでしたら御退席をいただいて結構でございます。ありがとうございます。委員長、お取り計らいをお願いします。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 植田総裁には御退席いただいて結構でございます。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 続きまして、所得税法に絡んで、納税という視点でちょっと御質問させていただきたいと思います。  納税義務の成立の時期というのは、私、国税通則法の十五条の二項の一を見ると、所得税については暦年の終了のときというふうに書かれておりますが、これはいつということでよろしいんでしょうか。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  納税義務の成立時期につきましては、委員御指摘のとおり、国税通則法第十五条第二項に規定されておりまして、所得税にありましては暦年の終了のときとされているところでございます。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 時間ですので、おまとめください。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 時間が参りましたので、済みません、また明日も、私、午後質問させていただきますので、この続きはまた、次長申し訳ございません、明日の午後も御足労いただいて議論させていただければと思います。  ありがとうございました。

若松謙維公明党

○若松謙維君 公明党の若松謙維です。  私は税法一本でやらせていただきますので、よろしくお願いいたします。    〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕  先ほどの山田委員からスタートアップのお話がございました。これは年末の税制でいつも議論になっているんですけれども、特にこれは質問ではございませんが、是非、やはり中小企業は特に報酬委員会等ありません。ですから、とにかく年一回しかその申告ができないという制度ではなくて、例えばスタートアップのときには何か、年に二回とか三回とか事前に三回の通告とか、もっと弾力的な運用を検討していただきたいと。あわせて、今日はせっかく宮沢自民党税調会長いらっしゃいますので、年末一緒にこの議論をしっかりしていただきたいとお願いをして、税制の質問に移りたいと思います。  まず、私は与党でありますので、年末、与党税調又は法案審査等でかなり議論しておりますので、三月十五日、確定申告が終わりまして、いわゆる現場から出た様々な課題を中心に質問させていただきます。  まず、能登半島災害損失控除でありますけれども、本年一月一日の発災の能登半島地震のように、災害によって住宅などの損失が生じた場合に、いわゆる所得税の暦年課税の原則に例外を設けて発災日の前年分の所得から当該損失を控除できるよう特別の措置を講じた災害といたしましては、平成七年一月十七日の阪神・淡路大震災、平成二十三年三月十一日の東日本大震災がありまして、今回のこの措置は大変評価できるわけであります。    〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕  その上での質問ですけど、避難者は通常の生活ができません。私も十三年前経験しております。そういう意味での情報の入手が非常に制約されますので、例えば災害損失控除制度の周知徹底ですか、これは避難所とか又はその罹災証明を出す役場等で入手できるようにしっかり対応すべきだと思いますが、これ、矢倉副大臣、お願いいたします。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) 今般の能登半島地震の被害を受けた雑損控除等の特例措置については、これ申告も必要でありますので、被災者の方々が円滑に適用を受けることができること、これ大変重要であります。若松委員におかれても、与党の税調や、また党の会合などでもこの重要性、度々御指摘をいただきました。重ねて感謝を申し上げます。  このため、国税当局におきましては、法案の成立前からこの制度の概要、これ併せまして、また、罹災証明書等の必要書類を準備の上税務署に御相談いただくのは状況が落ち着き次第でも大丈夫であることなど、地方自治体や関係団体とも連携をしながら、避難所等も含め各所において周知、広報、リーフレットであるとかポスターであるとか、これを実施をさせていただいております。  今後でございますけど、委員御指摘のとおり、被災者の方々の状況にも配慮をいたしまして、地方自治体から罹災証明書の発行を受けた方々、これに対して国税当局から積極的にダイレクトメールをこれ直接送付をする、また、国税庁ホームページや地方自治体の広報誌等に加えまして、被災者等のニーズを踏まえて説明会を開催するなど、丁寧に対応することといたしております。  必要な情報が被災者に適切に届くよう、様々な広告、広報媒体等を活用して周知、広報をしっかりと実施をしてまいります。

若松謙維公明党

○若松謙維君 この地方自治体から罹災証明書が出された場合の国税当局からのダイレクトメール、これ大事ですのでしっかりやっていただきたいと思います。  次に、災害損失控除には雑損控除と災害減免法の選択制となっていますが、なかなか難しいんですよね、この選択って。納税者がメリットがある方法で納税できるよう、どのように窓口又はネットで説明がなされるか、これ国税庁にお伺いいたします。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、雑損控除と災害減免法による軽減免除につきましては、確定申告の際に納税者の損失額等の状況に応じましてどちらか有利な方を選択していただくこととなりますが、国税当局といたしましては、被災者の方々の状況を踏まえ丁寧な対応を行っているところでございます。  まず、損失額の算定に当たりましては、被災された方が税務署に御相談いただいた場合には、入手可能な資料や被災状況等から家屋等の損失額を計算することとしております。その上で、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーにおきまして、損失額を基に雑損控除と災害減免法の有利不利を自動的に判定できるツールを提供してございます。また、被災者の方々が円滑に雑損控除等の手続を行えるよう説明会を実施するほか、個別相談を受け付けるなど適切に制度周知を行っているところでございます。  国税当局といたしましては、今後とも地方自治体等とも連携しつつ、被災者の立場に寄り添いながら丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非、この判定ツールですか、大事ですので、PRの方よろしくお願いいたします。  次に、御存じのように、二〇一一年が東日本大震災、二〇一六年が熊本地震、それで、今年は能登半島地震、いわゆる震度七クラスが千年に一回じゃなくてもう五、六年に一回起きていると、こういう状況でありますので、災害の損失、これにつきましては、昨年、三年から五年に延長していただいたところは評価するわけでありますけど、これだけ頻繁に起きますと、雑損控除ではなくていわゆる災害損失というしっかりと枠を設けるべきではないかと思っております。  さらに、この控除の順番、順番が大事でありまして、現在、雑損控除ですと、いわゆる基礎控除とか最後の方に申告して引かれるのより先に引かれますので、そうすると、これ、御存じのように家が丸ごとなくなりますとこれ何千万単位の損失です。これを三、五年なりで控除できない場合が出てくる。だから、しっかりと控除の順番は後にする。さらに、災害損失は雑損ではなくてしっかりとした項目を作っていただきたいということでありますけど、事前に質問したらほとんどゼロ回答であります。  ですから、答弁は求めませんけど、そういう大きな、数年に一回これで起きているんですから、災害損失、これやっぱり国税庁ですね、主税局、財務省としてしっかり検討していただきたいと思いますし、また年末、宮沢会長、ひとつ一緒にタッグ組んで新しい税制を今度組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  次に、インボイス導入後の税務行政の配慮という観点から質問いたします。  昨年十月から適格請求書、いわゆるインボイスですね、この義務化と併せまして、免税事業者がインボイス発行事業者を選択した場合の負担軽減措置として、納税額を売上税額の二割に軽減する激変緩和措置、いわゆる三年間ですね、この導入が、いわゆる今回の現場でやっている会計事務所から非常に評価をする声をいただきました。  一方、従来の簡易課税制度、例えば仕入れ税額控除簡略化、私も士業でありますので、五割控除というのがあるんですけれども、いわゆる控除が二種類以上の事業になりますと大変複雑になると。また、いろんな特例がありまして、いわゆる登録課税事業者のための制度開始から三年間の二割特例、そして原則課税といろいろありまして、この課税方法の選択に、事業者又は税理士の判断にかなり労力が使われたとお伺いしております。  今回の個人事業者の確定申告でも、納税方法の判定や新たな入力事務が事業者や税理士に大きな負担増となっている窮状の声を聞いておりますので、今後、課税方法の選択にはアプリサービスを提供するなど検討すべきと考えますが、これ、矢倉副大臣、いかがでしょうか。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) 委員御指摘のとおり、インボイス制度の導入に伴いまして、今回初めて消費税の確定申告を迎える事業者や関係する税理士の方々が円滑に手続を行えるようにすること、これは重要な課題であると認識をしております。  この点、国税当局としましては、納税額を売上税額の二割に軽減する、委員御指摘の二割特例を利用する場合には、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーにおいて簡便な入力手続により税額計算を可能とするとともに、この二割特例と、委員おっしゃっていただいた本則課税とまた簡易課税あるわけでありますけど、これらのそれ以外の課税方法との納税者にとっての有利不利というのを自動判定する機能、これも提供しているところであります。私も試しにやってみたら、非常にこれはやりやすいものでありました。こうした機能について、委員御指摘のようにアプリというような提供ではございませんが、スマートフォンでも容易に活用できる形にしております。  事業者の方々が消費税の申告を円滑に終えられるように、引き続き国税当局において丁寧に支援をしてまいりたいと思います。

若松謙維公明党

○若松謙維君 分かりました。我々、このいろんな制度を難しくしているのもある意味で我々政治家の側にもあるんですけど、いろんなニーズに応えるために、やはりIT、特にアプリ等の活用の改善を引き続きお願いしたいと思います。  それでは国税庁にお伺いいたしますが、今回のいわゆるインボイスの義務化と併せて、かなり現場では、会社若しくは会計事務所等、非常に苦労しております。ですから、この当面の消費税の税務調査におきましては、いわゆる意図的な不正申告は除きまして、指導的調査というんですか、こういったところに重点を置いて、そのインボイスの記載不備を見付けることを主目的とした調査ですが、こういったものはすべきではないと、そのように考えますが、国税庁、いかがでしょうか。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  国税当局におきましては、従来から税務調査につきましては不正計算が想定されるなど調査必要度の高い納税者を対象に重点的に実施しておりまして、これまでも、例えば保存書類の軽微な記載不備の把握を目的とした調査といったものは実施していないところでございます。  インボイス制度導入後におきましてもこうした方針に変更はなく、税務調査につきましては、従前と同様に、限られた調査事務量を効果的、効率的に活用する観点から、調査必要度を踏まえて適切に実施してまいりたいと考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 次に、電子申告による確定申告の場合は、ちょうど西田先生もお話がありましたけど、ふるさと納税とか医療費控除、これが書類送付が今不要となっているということで納税者の利便性向上が図られているという評価が参ります。  同様に、電子申告でできない添付書類につきましても、いわゆるPDF等のデータ提出を可能とすべきという要望が現場からありました。また、個人の税務申告情報がマイナポータルに名寄せできるようなこれの更なるDX化、これを検討すべきと考えますが、国税庁、いかがでしょうか。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、ふるさと納税に係る寄附金控除の証明書など一定の第三者作成書類につきましては、証明書の記載内容を入力して電子申告することで税務署への提出を省略することができます。また、第三者作成書類のうち売買契約書等の写しや収用等証明書などの添付書類につきましては、スキャナー等で読み取ったPDFデータを添付して電子申告する方法が可能でございます。  このほか、国税庁におきましては、令和二年分の確定申告から、マイナポータルとe―Taxを連携することによりまして、保険料控除証明書など申告に必要なデータをマイナポータルから一括で取得し、申告書の該当項目へ自動入力する仕組みを構築しております。  令和六年二月からは、新たに事業者からオンラインで提出された給与所得の源泉徴収票のデータを自動入力の対象に追加しておりまして、今後とも納税者利便の向上を図る観点から、申告書の自動入力の対象項目の拡大に向けまして、関係省庁とも連携しつつ取り組んでまいりたいと考えてございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 来年の申告、更に利便性が高まるように期待しております。  次に、定額減税についてお尋ねをいたします。  定額減税につきましては、源泉徴収義務者に対する広報、周知、相談対応をしっかりと実施すべきではないかと考えております。ただ、国民の皆様はどのような形で給付金や減税を受けられるのか不安に思っていると思いますので、ウェブサイト等で周知すべきではないかと考えますが、鈴木大臣、いかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 所得税の定額減税につきましては、先生御指摘のとおりに、源泉徴収義務者の皆さんの御協力が不可欠でありまして、財務省、国税庁といたしましても、源泉徴収義務者の皆さんへの周知、広報や丁寧な相談対応は大変重要な課題であると認識をしているところであります。  このため、法案提出前の一月から国税庁ホームページに専用サイトを開設をし、パンフレットやQアンドAを掲載をいたしました。そして、三月一日には国税庁が源泉徴収義務者向けのコールセンターを設置をいたしまして、相談対応を開始しております。また、三月中旬から全国で源泉徴収義務者向けの説明会も開催をしているところであります。  そして、一般の方向けの周知、広報、これも重要であると思っております。内閣官房が関係省庁と連携をして、三月十四日に制度全体を分かりやすく説明するホームページを開設をしたと承知をしているところでございます。  今後とも、関係省庁と連携をいたしまして、丁寧な周知、広報や相談対応の実施に努めてまいりたいと考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 一月の国税庁ホームページの専用サイト、これアクセス数何件かということと、あと説明会が全国でやったということでありますけど、これ回数何回ぐらいやったのか、お答え願います。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  まず、一月三十日に国税庁が開設いたしました定額減税の特設サイトへのアクセス件数でございますが、三月二十日時点で約七十万件でございます。次に、全国の税務署等で開催する源泉徴収義務者向けの説明会でございますが、今週の月曜日、三月十八日から開始をしておりまして、三月二十日の時点で十八回実施しておりまして、五月末までに約四千五百回開催する予定としてございます。  国税当局におきましては、引き続き定額減税に関する丁寧な周知、広報等に努めてまいりたいと考えてございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 しっかりやっていただきたいと思います。  次に、この確定申告ですか、が終えまして、恐らく会計事務所の皆様、企業の皆様もほっとしているというか、疲れていると思います。六月以降の、今度は定額減税実施ということで、四月、五月は、企業、会計事務所はまた新たな作業に追われるということで、くたくたですよね。国税庁としましても、納税関係者に適切な情報と感謝と励ましですね、これを届けるべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 税務行政を運営するに当たりまして、納税者の皆さんやあるいは税理士会等の関係団体の皆さんには平素から御理解と御協力を賜っているところでありまして、改めてこの場をお借りをして感謝を申し上げたいと思います。  その上で、定額減税の円滑な実施に当たりましても、源泉徴収義務者やその実務を支える税理士等の皆さんの御協力が不可欠でございます。財務省、国税庁としてこうした方々に改めて御協力をお願いを申し上げますとともに、引き続き丁寧な周知、広報等に努めていく所存でございます。

若松謙維公明党

○若松謙維君 ちょうど自宅に、我が家に、令和六年分所得税の定額減税の仕方、説明書来ました。これ税理士でも結構大変なのに、普通の方がこれ理解できるかなと。まあそういう制度をつくってしまったんですけれども、そういうのが実態だと思います。  いずれにいたしましても、賃金上昇、消費拡大、投資拡大の好循環とするためには、近年の物価高騰を乗り越え、デフレマインド払拭につながる定額減税の意義は大変大きいと考えます。しかし、手書きで給与計算を行っている事業者、これたくさんいると思います。そこで、不慣れと知識不足でせっかくの定額減税が利用されないおそれがあると。  こういった会社ですね、こういう事業者に対して定額減税を確実に実施していく方策、これについて、矢倉副大臣、どのようにお考えですか。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) 今委員から、また大臣からもありましたとおり、六月からの所得税の定額減税の実施に当たりましては、源泉徴収義務者の皆様の御協力、これ不可欠でございます。財務省、国税庁としましても、源泉徴収義務者の皆様への周知、広報や丁寧な相談対応が大変重要な課題であると認識をしております。  委員が御指摘いただきましたとおり、手作業で給与計算をしていただいている事業者の方、これも一定数いらっしゃるものと承知をしております。こうした方々においても適切に定額減税に御対応いただけるように、全国で源泉徴収義務者向けの説明会を開催しているほか、個別具体的な相談に対しては各税務署の窓口で丁寧に対応することとしております。  また、従業員ごとの減税額の管理に資するような様式、これエクセルで作ったフォーマットでありますけど、各人別控除事績簿という形で、一定の数値を入れれば、一定の部分、控除し切れなかった額など自動で数値が出るようなものになります。また、年末調整時の税額計算を効率的に行うことができる様式、これもエクセルのフォーマットになります。これらなども、先ほど大臣から御紹介があった国税庁の定額減税に係る特設サイトで公表をしており、サイト上の解説動画や説明会、星屋次長からも、五月末までに四千五百回やるという話、先ほどあったとおりでありますが、この場においても使い方なども御説明しているものと承知をしております。  今後とも、減税が適切に実施できるように、関係省庁と連携しつつ、源泉徴収義務者に対する周知、広報や丁寧な相談対応の実施等、しっかりと努めてまいりたいと思います。

若松謙維公明党

○若松謙維君 実は、うちの事務所でもいろいろと議論しましたら、皆さん私設秘書いらっしゃると思うんですよね。その方々も定額減税できます。しかし、誰がやります。参議院の事務局やってくれません。  結局そういうことで、なかなか手書きでやっている人は、私、非常に難しいと思うんです。そこら辺も踏まえながら、国税庁、大変だと思うんですけど、しっかりと、何度も何度もPRをしていただいて、確実に定額減税を活用できるようにしていただきたいと思います。  次に、賃上げ税制につきましてお尋ねをいたします。  まず、人への投資ですね。ということで、子育てとの両立支援、女性活躍支援は大変重要と考えておりますけれども、今回の賃上げ促進税制の強化においてどのように工夫されているのか、これ、大臣、お答えいただきたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 賃上げ促進税制でありますが、これは一定の賃上げを行った場合に税額控除を認めるものでありますが、賃上げ率の要件に加えまして、教育訓練費を一定程度増加させた場合に控除率を上乗せする措置も講じていたところでございます。  そして、令和六年度税制改正においては、こうした上乗せ措置を強化をいたしまして、教育訓練費の増加を促し人への投資を促進するため、教育訓練費に係る上乗せ措置の増加率要件の緩和を行うとともに、子育てと仕事の両立支援や女性活躍の推進の取組を後押しする観点から、こうした取組に積極的な企業に対する控除率の上乗せ措置の創設を行うこととしております。  今般の改正によりまして、人への投資や女性活躍、子育てと仕事の両立支援を行おうとする企業、これを力強く後押ししてまいりたいと考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 今回の春闘では、昨年を上回る大手企業の満額回答、大変多く出ております。一方で、六割が欠損法人と言われております中小企業、これは日本の雇用の七割を担っておりますので、現在、政府が養成しております下請Gメン等による中小企業の価格転嫁が進んでいると思うんですが、現在、中小企業の価格転嫁の状況どのようになっているか、吉田政務官ですか、よろしくお願いいたします。

吉田宣弘公明党経済産業大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(吉田宣弘君) 我が国の雇用の七割を占める中小企業の賃上げを実現するため、その原資確保に必要な価格転嫁対策の推進が重要です。年に二回の価格交渉促進月間において発注企業ごとの取組状況の公表などを行ってきた効果もあり、発注企業の方から交渉の申入れがあった企業の割合が増加するなど、受注企業にとって価格交渉しやすい雰囲気が醸成されつつあると認識をしております。  一方で、受注企業が価格転嫁できた額の割合は四五・七%でありまして、今後も粘り強く対策を実施し、転嫁率の上昇を図っていくことが重要です。これまでも、毎年三月、九月の価格交渉促進月間における発注企業ごとの交渉、転嫁状況の公表や、取組が芳しくない発注企業への指導、助言を行ってきておりまして、この三月の価格交渉促進月間でも、引き続き、発注者、受注者双方に積極的な交渉、転嫁を呼びかけてまいります。  また、特に転嫁の難しい労務費につきましては、労務費の指針の周知に取り組み、その活用を推進してまいります。加えて、下請Gメンの増員を含めた実態把握の強化、パートナーシップ構築宣言の更なる拡大と実効性の向上、全国のよろず支援拠点に設置をした価格転嫁サポート窓口を通じた支援などを通じ、価格転嫁を更に後押ししてまいります。

若松謙維公明党

○若松謙維君 受注企業が価格転嫁できた額の割合が四五・七%、ですから五割以上の方がまだ転嫁されていないということで、まだまだ中小企業の経営者の皆様は、価格転嫁のお願いを非常に、萎縮というんですか、恐れている。そこはちょっと情報提供して、いや、社会の流れはこうですよと、遠慮しないでというか、もうちょっと大胆にというか、やってくださいというふうに何か後押しするような是非政府のPRをお願いしたいと思っております。現実に私も相談を受けまして、こういう流れですから、社長、大丈夫ですよと、交渉してくださいと言っていますので、政府もよろしくお願いいたします。  次に、賃上げ促進税制の税額控除、これは五年間にわたり繰り越すことができる前例のない制度ができたと評価できます。中小企業も賃上げに取り組むことができるように財務省としても是非すべきだと思うんですけど、どのように取り組んでどのような効果を期待しているのか、これ、主税局へお尋ねいたします。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 御指摘のとおり、今般の税制改正では、賃上げ促進税制について、中小企業向けに五年間の繰越控除制度を新たに創設することとしております。こうした措置を講ずることによりまして、これまで本税制の適用を受けることができなかった赤字法人を始め幅広い中小企業に賃上げのインセンティブを働かせることになり、雇用の約七割を占めます中小企業における賃上げを促進させることができるものと期待しております。  本税制におきましては、活用を促す観点から、今後、経済産業省におきまして、地方版政労使会議の場でございますとか、それから全国四十七都道府県に設置しておりますよろず支援拠点などのネットワークも活用しながら周知、広報を進めていくものと承知しておりますが、財務省といたしましても、経済産業省とよく連携してその活用状況等を把握してまいりたいというふうに考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 中小企業の賃上げの一環といたしまして、労務費の価格転嫁、これ当然重要な要素ですけど、このために、今回の改正におきましてマルチステークホルダー方針の公表を賃上げ促進税制の適用要件とする企業の範囲を拡大したということは評価できます。  で、その効果をどのように考えているのか、マルチステークホルダー方針が、ちょっと制度的に難しいと思うんですけど、分かりやすい内容になっているのか、併せて、これは矢倉財務副大臣、お願いいたします。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) 委員御指摘のマルチステークホルダー方針ですが、これは従業員、取引先など多様なマルチステークホルダーへの還元を後押しする観点から、賃上げや人材投資を行うこと、取引先との適切な関係を構築することなどの方針の公表を求めるものでありまして、この公表に当たっては経済産業省等の告示において様式が、フォーマットが示されており、こうした内容が分かりやすく示されるような工夫がなされているものと受け止めております。  現行の賃上げ促進税制においては、令和四年度税制改正によりまして、このマルチステークホルダーへの配慮に関する方針の公表を一定の大企業、これ公表することを一定の大企業に、これ税制特例が適用されるための要件として、いわゆる、委員御指摘のとおりであります。これは、賃上げ環境、中小企業の賃上げ環境の整備を行う上では適切な価格転嫁を進めることが重要であり、これを大企業に促すという意味では効果のあるものと考えております。  その上で、今回の改正におきましては、中堅企業枠が創設されたことに伴いまして、本方針の公表を賃上げ促進税制の適用要件とする企業の範囲を従来より広げて、資本金一億円超で従業員数二千人超の企業にも適用をすることとしております。これによりましてより多くの企業がマルチステークホルダーに配慮した取組を行うことが期待されており、適正な価格転嫁の更なる促進に資するものと考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 次に、これは令和六年与党税制改正大綱で、いわゆる今後の検討課題というところも含めて議論したいんですけれども、この数年間、与党税制調査会におきましては、帳簿等の税務関係書類の電子化の議論、これが行われてきました。記帳水準の向上、トレーサビリティーの確保等の帳簿の事後検証可能性を確立するために、複式簿記や優良な電子帳簿の普及、一般化の工程等の議論が行われてきました。  優良な電子帳簿の普及、一般化のためには、優良な電子帳簿の範囲を全ての事業者が作成、備え付けている主要簿、いわゆる仕訳帳と総勘定元帳に限定すべきだと私も何度か主張させていただきましたが、そういう施策が必要ではないかと考えますが、主税局、いかがでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  電子帳簿につきましては、令和三年度税制改正において、トレーサビリティーが確保された事後検証可能性の高い電子帳簿をいわゆる優良な電子帳簿と位置付けまして、過少申告加算税を軽減するインセンティブ措置を講ずることにより普及を図ることとしているところでございます。  過少申告加算税の軽減措置が適用されます優良な電子帳簿の範囲につきましては、令和五年度の税制改正におきまして、それまで主要簿及びその他必要な補助簿全てとしていたところから、主要簿及び一定の記載事項に係る補助簿に限定、明確化することによりまして、事後検証可能性の高い電子帳簿への更なる移行を目指すところとしたところでございます。  他方で、例えば、補助簿である売り掛け帳を改ざんし、売り掛け先を倒産した取引先に変更することで貸倒れ扱いにすることにより利益調整を図る、また、その補助簿である固定資産台帳の記載事項を操作し、減価償却費を過大計上することにより利益の圧縮を図るといったように、主要簿には履歴が残らない形での非違事項が把握される場合がございます。事後検証可能性の高い電子帳簿の普及という趣旨を踏まえますと、その範囲を主要簿に限定することは適当ではないというふうに考えております。  なお、優良な電子帳簿の普及、一般化に向けましては、会計ソフトベンダーにおきまして、令和五年度改正で限定、明確化された内容を踏まえて開発が進められているところでございます。  引き続き、国税当局における周知、広報など、普及、一般化に向けた取組も進めてまいりたいというふうに考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 たしか、おととしの税制改正、与党税制改正の議論だと思うんですけど、いわゆるトレーサビリティー、これ重要ですね、それを、当然、底上げのために、ある意味で企業にどんどん電子帳簿等を活用していただくと。そのインセンティブとして過少申告加算税、ちょっと何か変な感じがしたんでそれ議論いたしましたが、もうここでしませんけど、大事なのはこれからのことでありまして、令和六年度与党税制改正におきましては、帳簿等の税務関係書類の電子化、これ推進するに当たって、取引に係るやり取りから会計、税務までデジタルデータで処理することで、いわゆる納税者側の事務負担の軽減等及び適正、公平な課税、徴収の実現を図ることと、こう記載されております。  一方で、日本ではトレーサビリティーのない電子帳簿の保存も認めておりますが、それなぜなのか。あわせて、適正、公平な課税を実現するためにはトレーサビリティーの確保された電子帳簿に限定すべきではないかと考えますが、主税局、いかがでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  従来、トレーサビリティーが確保されていない電子帳簿につきましては電子データでの保存が認められていなかったところ、令和三年度の税制改正におきまして、トレーサビリティーが確保された電子帳簿については、優良な電子帳簿として過少申告加算税の軽減措置を設けることにより普及を促進することとしつつ、トレーサビリティーが確保されていないその他の電子帳簿につきましても、正規の簿記の原則に従うなど一定の要件を満たす場合には電子帳簿として電子データのまま保存することを可能といたしているところでございます。  これは、電子的に帳簿を作成している中小企業者の多くにおきましてトレーサビリティーが確保されていない会計ソフトなどが既に用いられていた実態を踏まえまして、幅広い事業者におきまして経理の電子化による生産性の向上やペーパーレス化の推進を図る観点からも、電子データの保存要件を緩和することとしたものでございます。  他方で、トレーサビリティーが確保された事後検証可能性の高い電子帳簿の更なる普及、一般化につきましては、適正、公平な課税を実現するためにも重要な課題であるというふうに認識しておりまして、引き続き、先ほど申し上げました国税当局による周知、広報のほか、デジタル社会にふさわしい電子帳簿などの在り方につきまして、納税者側の事務負担の軽減などや適正、公平な課税の実現を図る観点などから検討していくことが重要であるというふうに考えております。

若松謙維公明党

○若松謙維君 先ほど、この二、三年の与党税調のいろんな議論の中で、先ほど民間の実態ということで、はっきり言って会計ソフトもいろいろあります。いわゆる変な修正というと変なんですけど、そういうところもできやすいソフトもあるし、ちゃんとトレーサビリティー確保されているのもあるし、こういう議論をしながら、いずれにしてもトレーサビリティーが必要で、トレーサビリティーをしっかり確保したいわゆるこの会計ソフトというんですか、電子化、これが重要だという恐らく認識が恐らく共有化して、かなり整理されてきたと思います。  そういう流れの中、やっぱり今後のことも考えると、特に東京都の北区の実は会計事務所なんですけど、RPA、いわゆるロボット・プロセス・オートメーション、御存じのように、申告書というのは転記、転記、転記で、人間がやるとミスがどんどん増えていくと、これをいかになくすかということで、このRPAが非常に役に立つということで、この事務所は二人で千人以上の確定申告作業を行ったということであります。  ですから、こういう生産性向上の事例があるんですが、国税庁が昨年六月に公表した税務行政のDX、税務行政の将来像二〇二三でも触れておりますが、APIですね、これ、APIです、連携ですね、等で活用しております取引から申告までのデータ連携について更に促進を図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) ありがとうございます。  委員、例を挙げていただいた例、非常に示唆に富むものかというふうに思っております。  経済社会のデジタル化が急速に進展する中、税務分野についてもデジタル化を進め、税務行政のデジタルトランスフォーメーション、DXを推進することは重要と考えており、このため国税庁では、今委員も御指摘ありました昨年六月に公表した税務行政の将来像二〇二三において、社会全体のDXの観点から税務手続のデジタル化を進めることにより、ひいては事業者の事務の、業務のデジタル化にも貢献していくこととしております。  具体的には、国税庁とデジタル庁が中心となって昨年十一月に事業者のデジタル化等に係る関係省庁等連絡会議を設置をいたしまして、事業者のデジタル化に向けた関係省庁の連携の強化に取り組んでおります。  委員からの御示唆も踏まえて、API連携等に向けたクラウド会計ソフトの導入など、そういうのも検討になり得ると考えております。今後とも、こうした税務行政のDXに積極的に取り組むとともに、関係省庁等と連携をし各種支援策の周知、広報を行うことにより事業者のデジタル化を進めてまいりたいというふうに思います。

若松謙維公明党

○若松謙維君 是非お願いしたいと思います。  ちょっと、矢倉副大臣、これ質問通告していませんけど、個人的な意見で結構なんですけど、前回のこの委員会でいわゆる公租公課の未納の徴収の件で質問させていただきました。恐らく十六万件の未納があるわけでありますし、特に社保庁の徴収、取立て厳しいという中で、それは政治家の皆さんも相談受けていると思うんですよね。そこに対してやはり公租公課をもっと国税庁、中小企業庁、社保庁、しっかり連携取るべきと思うんですけど、私的な意見で結構ですので、何か御意見があればお願いいたします。

矢倉克夫公明党財務副大臣

○副大臣(矢倉克夫君) 一個人、政治家としても、周り、地元でも様々同様な意見を聞いてまいりました。当然、税とか社会保障というのは適正に納付していただくことは必要であるわけでありますけど、他方で経営上の問題により様々事情がある方に対しては適切に対応しなければいけない。みんなでコロナを乗り越えようということで猶予ということをした、しかし、やっと乗り越えた後で、いろんな関係で、そういう徴収の関係で倒産というのは非常に残念な状況であるというふうに思っております。  そういう意味で、社会保険に関しては管轄外でありますけど、国税庁という点では、期限内の納付ができていない滞納者については、法令に基づいて滞納者の事業や財産の状況など個々の事情を十分にこれ把握した上で、納税の猶予など緩和制度を適用するなど、実情に応じた適切な処理、これ努めているところであります。  省庁の連携の問合せの窓口、情報共有の窓口などもあるわけでありますから、こういった取扱いも含めて、ほかの省と連携をして、共有をして、しっかり現場に寄り添った対応ができるように努めてまいりたいというふうに思います。

若松謙維公明党

○若松謙維君 終わります。ありがとうございました。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩をいたします。    午後零時十三分休憩      ─────・─────    午後一時十五分開会

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。  ちょっと大量の通告をしていますので、ぱんぱんといきたいというふうに思いますけど、まず、プラットフォーム課税についてお伺いをしたいというふうに思います。  先ほど山田委員からお話がありました、私も全く同じ問題意識なんですけど、これまでの徴税、徴収漏れの部分をどこまで徴収できるのかということを考えていますが、ちょっと前段として、これ衆議院でもほとんど質疑がなかったということをやらせていただきたいというふうに思います。  これまでの失われた三十年の中で日本経済は停滞をしてきましたけれども、その中で世界的に競争力を有してきたのがこのいわゆるゲームの分野、コンテンツ分野と言われているものだというふうに思います。その中でも、今ゲームも大分変わってきていて、現在の市場はスマホゲームが主力となっているということで、このスマホゲームの領域では海外勢が相当進出してきているわけであります。  角川アスキー総合研究所が発行しているファミ通モバイルゲーム白書二〇二三によると、二〇二二年の国内のゲームアプリの推定売上げトップテンのうち、三本が海外の事業者が販売元になっているとされています。具体的には、これ、五位に原神、販売元はホヨバースと、ということは、これは中国の企業ですね。推定売上高は三百七十八億円というかなりの金額であります。八位は荒野行動ということで、販売元はネットイースで、これも中国の企業であります。推定売上高は二百四十四億円。十位にポケモンGO、これ日本の企業のように思えますけれども、これはアメリカのナイアンティックでありまして、推定売上げは二百二十八億円という具合であります。  このように、アプリタイトルからすると日本の事業者かどうかほとんど分からないということから、ユーザーとしては、これ販売元企業の国籍を気にすることは基本的にはないということで、そうすると、日本の企業は消費税を納めているけれども、こういった海外の事業者は消費税を納めていないと。納めていない企業はたくさんいるということですと、公正な競争環境を害しているという面もあるのではないかというふうに考えます。  今回の改正では、消費税の納税義務者をアプリ提供事業者からプラットフォーム事業者にすることとしておりまして、その点は必要な改正だというふうに思うんですけれども、主要国の中で未導入の国はスイス、イスラエル程度のようであります。海外のほとんどの主要国ではこのプラットフォーム課税が標準であるということになっているわけですけれども、なぜここまでこの導入が遅れたのかという点について、まずお伺いしたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  平成二十七年度の税制改正におきまして、その国外の事業者が国境を越えて行うデジタルサービスを消費税の課税対象とするなど、消費税の適正課税に向けた所要の措置を講じました。まずは、それに基づく適正な申告納税を国外事業者に働きかけてきたところでございます。  こうした働きかけを受けまして適切に申告納税を行う国外事業者もいる一方で、執行管轄権の及ばない国外に所在する事業者に対する調査、徴収には一定の限界があり、申告納税義務を果たさない国外事業者が引き続き一定数存在していると思われることが明らかになったため、適正な課税を確保するための方策を改めて検討することとなったものでございます。  この検討に当たっては、諸外国での制度的な対応、それから執行上の課題も参考にしながら、有識者における研究会において十分な検討を重ねた上で、最終的に与党税制調査会で御議論いただき、令和六年度税制改正において、我が国においてもプラットフォーム課税を導入することとしたものでございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 平成二十七年度から議論されていたということで、この課題についてはよく認識をしていたということだと思うんですね。諸外国に関しては、かなり早い段階から同じような課題意識を持っていて、プラットフォーム課税を課してきたという歴史があるというふうに思いますので、そういった点では日本は遅れてきたということだと思います。  これ、先ほどの答弁でも、徴収見込みとして、約年間で二百三十億円の増収見込みということを先ほどおっしゃっていたわけでありますけれども、これ逆に言えば、年間にそれだけの徴収漏れがあったということが言えると思います。これ、除斥期間五年間ということを考えると、五掛ける二百三十億で千百五十億円ということ、この回収を逃しているということで、これ非常に大金だろうというふうに思うわけであります。  この過年度分の徴収漏れについて、今後回収していかなければいけないというふうに考えるわけですけれども、これ回収額としてはどの程度の金額を見込んでいるのか、国税庁にお伺いしたいと思います。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  国税当局といたしましては、インターネット等の情報など様々な機会を通じまして収集した資料情報を分析するほか、租税条約等に基づく情報交換の積極的な実施によりまして外国税務当局と緊密に連携するなど、様々な機会を通じまして国内に拠点を持たない海外事業者の捕捉に努めておりますが、現行制度の下でどの程度消費税を徴収することができていないのかというお尋ねにつきましては、網羅的に把握しておりませんので、お答えすることは困難でございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ちょっとその答弁に、これ何回かやり取りさせていただいたんですけれども、非常にびっくりするわけですけど、どれくらいの徴収漏れがあったのかということも分からないと。  で、先ほどの山田さんの質疑の中では、対象事業者数がどれぐらいあるのかも分からないということでよろしいですか。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  御指摘の点につきましては、把握をしてございませんということでございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 それでいいのかなというふうにまず思うわけですけど、そうすると、先ほども問題意識ありましたが、二百三十億円の増収見込みということで、これ予算にのってくる金額ですけれども、この二百三十億円の妥当性というのはどのように判断ができるのか。財務省、いかがでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  国税庁から答弁をさせていただいているのは、恐らく、網羅的にということを言っていると思うんです。個別の事例で恐らく取れていないという事例は多分あって、そういうのが問題として今回改正をさせていただいたということです。  あと、税制改正の結果として増収額を見積もるわけなんでございますが、こちらの方も、一定の仮定を置いてというか、いろんな統計情報、例えば今のこの世界でいいますと、国境を越えるデジタルサービスみたいなもの、こういったものの統計情報とかそういうのを踏まえて、これぐらいの仮定を置いて、一定の仮定を置いて計算するとそうなりますということでございますので、必要な情報に基づいて、私どもとしてはベストを尽くして改正増減収出させていただいているところでございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 まだちょっと納得いかないんですけど、これ対象事業者数が分からないんですよね、国税庁。分からないわけですよね。でも、これは二百三十億あるだろうというふうに財務省は推定しているということは、過去にも二百三十億毎年毎年入ってきているものが入ってこなかった、だから今回プラットフォーム課税やろうということ、その趣旨はよく分かりますし、これには賛成なんですけれども、やっぱり、過去、徴収漏れの分をしっかりと把握をして、これ徴収をしていくという努力が必要だと思いますけれども、その対象となる事業者を特定するという作業をしっかりとやられてはいかがかなというふうに思いますけれども、国税庁、いかがでしょうか。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  繰り返しになりますが、国税当局といたしましては、インターネット等の情報など様々な機会を通じまして収集した資料情報を分析するほか、租税条約等に基づく情報交換の積極的な実施により外国税務当局と緊密に連携するなど、様々な機会を通じて国内に拠点を持たない海外事業者の捕捉に努めておりまして、今後とも引き続き努めてまいりたいと考えております。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 今、把握に努めるというお話があったんですけれども、把握に努めて、これしっかりと結果を出していただきたいというふうに思うんですね。  で、これ、例えば、世界的に有名なオンラインゲームのフォートナイトを配信しているルクセンブルク籍の会社に約三十億円の消費税の申告漏れを指摘したとの報道もございました。  このような数十億円規模の追徴課税は異例と見られるとのことでありましたけれども、金額の全体像の把握も困難ということでありますけれども、これは、海外の企業に納税していただくに当たって何が今困難というふうに把握をされているのか、この点はいかがでしょうか。

星屋和彦国税庁次長

○政府参考人(星屋和彦君) お答え申し上げます。  一般論として申し上げますと、国税当局といたしましては、国内に拠点を持たない国外事業者につきましては、いわゆる執行管轄権の制約がありまして、日本の法令に基づく賦課徴収の執行権限を直接行使することはできないということでございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 執行管轄権の問題があるんだということはよく存知しているわけですけれども、これ租税条約に対応可能な部分があるということで、租税条約の中には徴収共助規定というのがあって、相手国に代わって徴収をしてもらうということがある規定がございます。  これ、本会議で質問した際に、今その国籍として視野に入れているのが、これ中国、アメリカ、韓国、アイルランドということでありましたけれども、このアメリカと韓国に関してはこの徴収共助があるということでございます。  ただ、事前の説明だと、この徴収共助を要請した件数は、令和四年度現在、令和四年度の事務年度におきましては十五件と、回収した税額は九千七百万円とのことでありました。これは率直に言ってかなり少ない金額ではないかなというふうに思うわけですけれども、この徴収共助、徴収共助規定をしっかりと利用して、特にこの規定のある二国間、二国ですね、に関しては重点的に対象事業者の確定と徴収をしていただきたいというふうに思いますけど、いかがでしょうか。これは財務大臣に聞きたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) プラットフォームを介して国内にデジタルサービスを提供する国外事業者の主要な国籍、これは本会議でもお答えをしたと思いますが、中国、アメリカ、アイルランドや韓国であります。このうち、アメリカ、韓国につきましては、租税条約により税務当局間の徴収共助の枠組みを設けているところでありまして、柳ヶ瀬先生御指摘のとおりであります。  国税当局におきましては、徴収共助の有無にかかわらずに滞納者の国内財産を差し押さえるなど、まずは日本国内であらゆる合理的な措置をとっているところでありますが、その上でなお徴収できない租税債権につきましては、徴収共助の相手国の税務当局に対してその国の事業者に係る徴収共助を要請しているところでございます。  件数と、それから徴収額も少ないということでございますが、今後とも、国外事業者に対しては、国税当局において徴収共助も適切に活用しつつ、適正かつ公平な徴収に努めていくことが重要なことであると考えております。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 これ、令和四年一月から、国税庁が納税管理人を指定できる制度、特定納税管理人制度が開始されたということを承知しております。これは積極的に指定していただきたいというふうに思いますけれども。  ちょっとこれまでの答弁を聞いていても、財務省としては二百三十億円これから増収見込みだろうということは、これまで二百三十億円、毎年ですね、これを失ってきたということだと思います。これ、時効期間五年間と、除斥期間五年間ということを考えると、やっぱり一千億ぐらいはしっかりと回収をしていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、これ、国税庁に対してしっかりとこの目標設定をしていただけないかなというふうに財務大臣には思うわけでありますけれども、これ一千億円しっかりと回収していくと、で、国税庁に対して目標設定をしていくと。  今のように、対象事業者が何社あるのか分からないし、幾ら回収できるのかさっぱり分からないということだと、これは極めて不安だなというふうに思うわけでありますけれども、財務大臣の見解を伺いたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど答弁させていただきましたが、まずは国内のこの財産を差し押さえるなどいたしまして、あらゆる合理的な措置をとることが大切であると、こういうふうに思います。その上で、御指摘のありますその徴収共助の枠組み、これを活用していきたいと、このように思っているところでございます。  目標を立てるということは今すぐには考えていないわけでございますが、先ほど申し上げましたような手順の中で、やはり負担してもらうものは負担してもらわなければいけないわけでありますので、しっかりと対応させていただきたいと思います。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。是非しっかりと対応いただきたいというふうに思います。  国内に関しては、先ほどもありましたとおり、やっぱりインボイスでもうしっかりと徹底して徴税していこうということだと思います。海外の事業者に関しては、これ、ざるになっているということは決して許されることではないというふうに思いますので、是非これはしっかりと御努力をお願い申し上げたいと思います。  次に、交際費から除かれる飲食費の上限の一万円への引上げについてお話を聞きたいと思いますけど、これもどなたも余り関心がないのかなということで、質疑はされていないんですが、私は非常に関心を持ちまして、これ交際費等は損金不算入とされていますけれども、会議費相当とされる一人五千円以下の飲食費は交際費等の範囲から除外され、全額損金算入されております。  今回の改正はこの五千円以下を一万円以下に引き上げる改正ということですけれども、交際費等から除かれる飲食費の上限を設けているその趣旨、また一万円以下まで限度額を引き上げる目的、並びに会議費の実態をどのように調査をしたのか、この点についてお伺いしたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) まず、交際費の損金算入を認めない趣旨でございますが、冗費、乱費の抑制などの観点から原則として損金算入を認めないこととしております。  その上で、委員の御指摘の交際費の範囲から一定金額以下の飲食費を除外し損金算入を可能とする仕組みでございますが、平成十八年度の税制改正におきまして、課税の取扱いの明確化の観点から、当時、会議費に相当する金額として一人当たり五千円以下の飲食費について全額損金算入を可能としたものでございます。  今回の改正におきましては、会議費の実態の変化を踏まえて飲食費の基準を現行の一人当たり五千円から一万円までに引き上げることとしておりまして、これは、要望省庁でございます厚生労働省が都内のホテルに行ったアンケート結果に基づいて、ビジネスランチでの最も多く利用されるコース価格の平均値により把握した実態を踏まえまして与党税制調査会で御議論をいただいた結果であるということでございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 これ、そうすると、この一万円の改正については、これからまあインフレになってくるだろうということが予想される中で、度々これ改定がなされていく。今後の改定についてはどのようにお考えなのか、いかがでしょうか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答え申し上げます。  今回、そういう要望を得て検討した結果、調査をしたところ、約二十年前、ちょうど二十年前ぐらいには六千円だったんですが、これが現在一万円になったということで、それに合わせて、会議費として認められる範囲として今回の見直しを行ったものでございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 これ、冗費、乱費の節約という観点からもこれ上限を設けているということですけれども、そもそも、でも企業としては、やっぱりこれしっかりと節約をしていかなければ企業収益に大きな影響を与えるということから、まあ冗費、乱費ということがどこまで考えられるのかなというふうに思うと、この上限設定というのは本当に必要なのかということに関しては疑問を持つわけであります。  ただ、その一方で、これが、何というんでしょう、全然別のところから矢が飛んできているのは、政治家に関しては政治資金について幾らでもこの飲食費を計上しているじゃないかということで、経費として政治家の飲食は幾らでも認められているのに民間では一万円というのはおかしいだろうというような声が多々上がってきているわけであります。  財務大臣にお伺いしたいんですけれども、財務大臣は、年間、飲食費としてどれくらいの会合費を計上されているのかということをお伺いしたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 一年間の飲食費、会合費でありますが、政治活動で行うこの飲食等につきましては、当然、政治資金から支出をしておりまして、令和四年の私の資金管理団体からのこの会合費についての支出は約五十七万円でございまして、政治資金収支報告書で報告しております。  もちろん、このほかにも、家族で食事に行ったり、友人と食事をしたりするものもありますが、それについてはもちろんポケットマネーといいますか、私費で払っておりまして、おおむね、自分の頭で考えてみましたら、そちらは三十万ぐらいやっぱり年間使っております。  合わせますと、ですから一年間で九十万ぐらいは会合で食事をしていると、こういうことだと思います。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 私は、これなぜ調べたのかというと、鈴木財務大臣がどれだけ会合費、大量に使っているのかなということで、これ、岸田総理は、ちなみに令和四年度で約二千万円の会合費を使っているわけですね。これ、警護対象者だというようなこともあってホテルの使用がほとんどなんですけど、まあ二千万円、約、パーティー収入一億五千万円、で、二千万円のこの会合費使っているということで、このバランスいかがなものかというふうに思っていたわけですけど、逆に財務大臣はちょっと少な過ぎるんではないかというふうにこれ思うわけですけど、これはどう解釈したらいいのかなというふうに思っていまして。  僕がこれ思ったのは、今の裏金、裏金問題ありますよね。政治にお金が掛かる、お金が掛かる政治をやめなければいけないという文脈の中で、やっぱりこの飲み食いにかなりお金掛かっているんじゃないかというふうに思うわけですね。私、元々、地方議員、東京都の都議会議員をしていたわけですけど、この永田町に来て思ったのは、やっぱり赤坂とか単価が高過ぎますよね。私、地元蒲田なんですけど、蒲田で飲めば多分三分の一ぐらいで済むわけですよ。でも、赤坂で政治家の皆さん会合するじゃないですか。非常に飲み食いにお金掛かるということで。  多分、このお金の掛かる政治ということを考えたときに、この飲み食い費をどうするのかというのは実は結構大きなポイントなんではないかなというふうに思っていまして、で、なぜ財務大臣はこの少ない金額でやっていけるのかということの問いを立てているわけですけど。多分、岸田総理は二千万円掛かっているわけですね。財務大臣は五十七万円で済んでいるということですが、この差は何だと、政治活動のやり方の差ということだと思いますけど、これについてはいかがでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 岸田総理のことはよく分かりませんけれども、私、どちらかといいますと、仕事が終わるとすぐ家に帰っちゃう方でありまして、余り会合というのも多くやっておりません。また、むしろそういう会合も、どなたかからか声を掛けていただいてそれに出席をするということで、むしろ私自身は何も払わずにごちそうになって、いろいろその場で政治的な意見、貢献、政策も含めてするというふうなことが多いわけであります。そういう意味では、私の方で設定する件数はそういう意味ではある程度限られておりまして、この金額で収まっているということだと思います。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  すぐに御自宅に帰られるということでありますけど、でも、この、そうですね、お金の掛かる政治の中で、大量の飲食費が掛かっている、いろんな方の政治資金報告書を見ると、やっぱり一回の会合で百万とか五十万とか、そういった支出をされている方もたくさんいらっしゃいます。岸田総理の二千万というのはかなり多額なんですけど、やっぱり七、八百万ぐらい掛かっていらっしゃる方が非常に多いなというふうに思います。  そういった意味では、この飲食にやっぱりお金の掛からない政治をやっていくということが重要なんではないかなというふうに思うわけでありますけれども、財務大臣の見解を更に聞きたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。(発言する者あり)

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) もう一度御質問お願いします。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 はい。飲食にお金の掛からない政治をしていくべきではないかということについて見解を伺いたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 日中にお茶を飲みながらとか、別に会議形式でというのも、これもあるんだと思いますが、やはり日本人のメンタリティーとして、何となく、お酒を酌み交わしながら会議をする、会議といいますかいろいろなやり取りをするということがより人間としての関係を深めるとか、そういう意味で意味があるのではないかと、こういうふうにも思うわけであります。いずれ、適正な範囲で、常識の範囲でそういうことを、飲食費代等を使っていくということが大切なんじゃないかと思います。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  是非、そうですね、このお金の掛からない政治を実現したいというふうに思いますし、単価が安い、多分飲み食いは必要なんだろうなというふうには思うわけですけど、やっぱり単価の安いところで飲めばいいと思うんですよね。だから、皆さん本当、蒲田に行ってもらって、蒲田かあと赤羽とかですね、赤羽だと千円でべろべろになる千べろというのがあって、千円でべろべろになれるわけでありまして、そういったところをしっかりと使っていけば政治家の感覚もやっぱり変わってくるのかなというふうに思います。  今回のこの五千円から一万円への損金算入の引上げということでありますけれども、この政治資金からやっぱり十万円でも百万円でも、一人五万円でも十万円でも出せるということになっているということは民間との兼ね合いの中でやっぱりおかしなことなんではないかということをかなり多くの方から私は指摘をされているわけでありますけれども、これを変えていく必要性について、政治資金の在り方ですね、について個人的にどのように御見解をお持ちかということを聞きたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど先生から、この政治資金で会合費を使える額の総量規制をしたらいいんではないかと、こういうふうなお話もございましたが、やはり私、個人的に言えば、そういう規制は必要ないと思います。やはり、政治家それぞれが常識の範囲内において節度ある範囲でこの夜の会合をする、お酒を伴う会合をするということはこれはあってしかるべきであると思いますので、そこは総量規制等を掛けるということについては個人的にはいかがなものかと思うところであります。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 総量規制は予算委員会のときの発言ということで、今回はこの一万円、民間としては損金算入されるのはこの一万円であると、経費として認められるのは一万円ということなのに、政治家はこの収支報告書に幾らでも記載できるということはおかしいんではないかという問題意識でありました。  是非このお金の、だから、あれですね、大量にお金を集められる人が選挙に有利になるというシステムを変えていかなければいけないというふうに思っていますので、是非御検討いただきたいというふうに思います。  続いて、新NISAについてお伺いをします。  今年一月から新NISA制度に移行して、年始からの株価上昇も手伝って投資ブームの様相を呈しています。そのためか、おとといの日銀の金融政策決定会合の関心は非常に高いものがあったなというふうに感じました。  これ、投資を行っている人というのはどれくらいいるのかと見ると、やっぱりこれは少数派だなというふうに思うんですね。今後インフレが進む中で現預金の実質価値が下落していくことを踏まえれば、新NISA制度を始めとして、投資の裾野をどうやって納得して広げていけるかという点が課題となるというふうに思います。  新NISAの旗振り役である金融庁を所管する金融担当大臣として、新NISA口座を開設したのか、また開設していないのであればなぜなのかと、また今後開設する予定があるのか、この点についてお伺いしたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 私は新NISA口座をまだ開設しておりません。それは、大臣規範、これはちょっと私、誤認があったんですけれども、大臣規範で、株式の売買はこれは在任中できないということで、在任中はNISA口座を、新NISA口座を設けましても活用できないと、そういうふうに思い込んでおりましたので控えておりました。  先生からの質問がありまして、この大臣規範というものをよく見てみましたら、株式についてはやはり在任中は駄目ということになっているわけでありますけれども、投資信託等については、これは、これを買ったりすることはできるということであると思います。  NISAは、御承知のとおり、成長投資枠、これは株式を想定しておりますから、この株式の分については在任中は使えないわけでありますけれども、つみたて投資枠、これは投資信託というものを予定しているということでありますので、在任中もここの部分は投資信託では使えるということだそうであります。  NISA制度を推奨している立場でございますので、このことが分かりましたので、早晩、早めに開設をしたいと思っております。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  ごめんなさい、NISAの話をしようとしたらちょっと時間がなくなってきてしまったので、これあしたに回したいというふうに思います。  国交省さんに来ていただいているので、東京メトロ株の売却についてお話をさせていただきたいと思います。  二〇二一年七月十五日の交通政策審議会の答申、東京圏における今後の地下鉄ネットワークのあり方等についてでは、東京都と国が五〇%ずつ保有している、約五〇%ですね、保有している東京メトロの株式をそれぞれ半分ずつ今年売却するという見込みとなったというふうに承知していますけれども、その認識でよろしいでしょうか。

奥達雄財務省理財局長

○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。  お尋ねの東京メトロ株式の売却時期につきましてでございますが、これは市場動向等の見極めなども必要であることから現時点で何らか具体的なことを申し上げることはできませんけれども、国といたしましては、東京都の令和六年度予算案におきまして、令和六年度中の売却に備えての関連経費が初めて計上されたという事情もございます。今後、市場動向等を勘案しつつ、都と、東京都とよく連携をして売却時期について見定めてまいりたいと、このように考えております。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 これ、東京都が初めて予算付けをしたわけですね。売却に係る経費の予算付けをしたということで、今年売却されるだろうということがもうこれ非常に濃厚になってきたというわけでありますけれども、そもそもこれ、平成十六年に速やかにこれ売却をするということが設けられてきたわけですけれども、なぜここまで売却がされてこなかったのかということについてはいかがでしょうか。

奥達雄財務省理財局長

○政府参考人(奥達雄君) 東京メトロ株式の売却につきましては、今御指摘いただいたような様々な経緯がございますけれども、そういった中で、平成十四年に定められました東京地下鉄株式会社法におきまして、御指摘のとおり、株式の売却等に関する規定が設けられた後、交通政策審議会等における答申を経て現在のような株式の売却方針というものが定められているということ、その方針にのっとって現在進められているということでございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 これ、東京都が結構拒んできたんですね、これを売却するのをですね。売却を拒んできた当事者は猪瀬都知事ということで、今参議院議員で、我が党にいますけれども、それで、なぜ猪瀬その当時の都知事がこの売却を拒んできたのかというと、これは、都営地下鉄と東京メトロの経営一元化、これをやろうということを考えていたからではあります。私も当時、東京都議会議員として、この一元化が必要だということを強く主張してまいりました。  これ、サービスの一体化というのはもうどんどん進められてきているんですね。ただ、これからの経営効率化等々を考えていくと、この経営の一元化は私は必要だというふうに考えているわけでありますけれども、今回のこの二五%ずつ売却をしていくということによってこの経営一元化は妨げられないということ、これを、この言質を取りたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

岡野まさ子国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。  今委員から御指摘ございましたとおり、東京メトロにつきまして、以前、東京メトロと都営地下鉄の一元化というふうな議論があったと承知してございます。東京メトロの株式売却につきましては、先ほど財務省からも御答弁ございましたが、東京メトロを完全民営化する旨が東京地下鉄株式会社法に明記されており、同法に基づき株式売却に向けた具体的な動きが進んでいるところでございます。  御指摘のございました東京メトロと都営地下鉄の一元化につきましては、株式会社である東京メトロと公営企業である都営地下鉄の一元化には都営地下鉄の株式会社化が必要であることなど、検討すべき課題が多いと考えてございます。また、先ほど委員からも御指摘ございましたとおり、一方で両社は協力を行っておりまして、乗り継ぎ割引の適用駅の拡大であったり、あるいは共通の、共通乗車券の販売、共通改札口の設置等による乗り継ぎの改善、案内サインの統一といったサービス改善の取組を進めてきたところでございます。  私どもとしましては、引き続き利用者利便の向上に向けて両社が連携を図れるように働きかけをしていきたいと考えてございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  ですので、これ、東京都民の皆さんからすると、やっぱり地下鉄が二つあって、出入口がそれぞれ違って、乗換運賃が高くなるということによる不利益を被っているという中で、これを一元化、まあ経営一元化をするべきだということをずっと主張してきたわけであります。今回、この半分ずつの株式を売却するということに至ったわけでありますけれども、これ半分ずつ売っても二五%ずつは保有しているわけであります。  ちなみに、この二五%、残りの分についてはこれいつ頃売却するという予定なのか、これについての見解を国土交通省にお伺いしたいと思います。

岡野まさ子国土交通省大臣官房審議官

○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。  令和三年七月の交通政策審議会の答申においては、東京メトロ株式の売却に当たっては、東京メトロの役割を踏まえて段階的に進めていくことが適切というふうにされてございます。具体的には、東京八号線延伸及び品川地下鉄の整備期間中には国と東京都が合わせて株式の二分の一を保有することが適切であること、その後のメトロ株式の売却については、これまでの閣議決定や法律において完全民営化の方針が規定されていることを堅持しつつ、首都の中枢エリアを支える地下鉄の公共性や地下鉄ネットワーク整備の進展を踏まえながら対応することが求められることとされているところでございます。  株式売却の時期については、この答申の内容も踏まえて、国と東京都において適切に検討されるものと承知してございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  これ今、八号線の延伸をするということと、品川地下鉄、これも延伸をするということが決定をしたということで、それを東京メトロがしっかりと事業主体としてやっていくということになったわけですね。で、その事業期間中はこの株は売らないよということにしているということだと思います。  財務省に一つ申し上げたいのは、これ、都営地下鉄は債務が非常に大きいわけですね、で、東京メトロはドル箱路線をたくさん抱えていて経営状況がいいということで、これ一元化すると債務状況が悪くなる、東京メトロの株価等に大きく影響する等から、多分、財務省としてはその一元化にはネガティブな姿勢をこれまで取ってきたというふうに思うわけでありますけれども、これ、都民の利益ということ、これ国民でありますけれども、都民の利益からすると、これ一元化によって成し遂げられる大きな利益があるというふうに思いますので、これ、かたくなにその一元化の議論を拒むのではなくて、是非前向きに検討いただきたいと思いますけれども、最後に見解を伺いたいと思います。

奥達雄財務省理財局長

○政府参考人(奥達雄君) お尋ねの東京メトロと東京都の都営地下鉄の一元化等の問題に関しましては、所管が国土交通省でございますので、私どもから直接的に何らか申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに考えております。  いずれにしても、株式の売却につきましては現在既定の方針にのっとって適切に進めてまいりたいと、このように考えております。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。  残余の質問に関しては明日の午後にやりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。  ありがとうございました。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。  委員長にお願いでございますが、総裁は別に真ん中に座っていただいても全然構わないんですが。政府参考人とか政務がほかにいらっしゃらないときは、端じゃなくても、真ん中でも私は構わないんですけれども、まあお任せいたしますけれども。総裁と大臣、横に並んで御答弁いただいた方が意思の疎通も取りやすいと思いますので、また御配慮をいただければと思います。  まずは、今回の政策決定会合、どうもお疲れさまでございました。いろいろまだ余韻は残っておりますけれども、ちょっと今日はそれに関連してお伺いしたいと思います。あしたも、大変恐縮ですが、おいでいただきますので、日銀総裁に主にお伺いしたいと思います。  結局、黒田総裁の十年間でいろんなことをおやりになったんですが、ワーディングとして新聞が報道して、その後この委員会でも随分議論してきた言葉として、まず、二〇一三年四月以降、大規模な長期国債買入れをしますと、リスク性資産の買入れをします、それから、マイナス金利を導入します、強く明確なコミットメントをします、その後はオーバーシュート型コミットメントをします、さらにはイールドカーブコントロールをやりますとかですね、細かいものも入れるともっといろいろあったんですけれども、随分いろいろおやりになってきたんですが、この度の政策決定会合で何はやめて何はまだ継続しているかということをちょっと確認をさせていただきたいんです。  今回、マイナス金利はやめた、イールドカーブコントロールはやめたと、ここはまずよろしいですか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) 大塚委員おっしゃるとおりでございます。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 そうすると、大規模な長期国債買入れ、それから、先ほどの例示では申し上げませんでしたけど、量的・質的緩和は、この二つはまだやっているという理解でよろしいでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) やや説明が分かりにくいかもしれませんが、今回の政策変更に伴いまして、主たる政策手段は短期金利の操作に移しました。それをもって経済・物価情勢に応じた適切な金融環境を実現していくということでございます。  その上で、長期国債ですけれども、これは、引き続きこれまでとおおむね同程度の金額を当面買入れ継続するということであります。そうしますと、日本銀行の国債保有残高は当面おおむね横ばいで推移することになります。日本銀行の国債保有残高は高水準で推移するため、国債買入れに伴う緩和効果、いわゆるストック効果と呼んだりしておりますが、これは引き続き作用すると考えております。ただ、これを量的・質的緩和政策と呼ぶことは考えておりません。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 ありがとうございます。つまり、量的・質的緩和政策と呼ぶことは考えていないということは、量的・質的緩和政策は踏襲していないという理解で今受け止めさせていただきました。  それで、実は、また必要があれば委員会でも配らせていただきますが、ここに二〇一二年の日経ヴェリタスという日経さんがお出しになっているメディアの二〇一二年の七月の植田総裁の寄稿がありまして、二〇一二年七月というのは白川さんの最終盤の局面で、私は次の総裁は植田当時東大教授もかなり高い確率であるなと思っていたら黒田さんになっちゃったと、こういうことなんですが、二〇一二年七月のこの日経ヴェリタス、こう茶色くなっていてお分かりのとおり、ずっと私これ持っているんですよ。  晴れて植田さんが総裁になられたので、改めて読んでみると、タイトルは「日銀はどこまで国債を買えるか」ということなんですね。それで、さっき御答弁にあったように、国債を引き続き買うということはまだ続けているということをおっしゃって、やっぱり理論的にしっかりした総裁というのは首尾一貫しているなということを今痛感したんですけど、こう書いてあるんですね。  日銀が更に大量の国債を購入することは可能である、しかし、金利を引き上げる時期が来ると銀行券残高まで保有国債を減らす必要がある、技術的には、金融引締めに転じた後も超過準備への付利によって日銀当座預金残高を減らさないまま金利を引き上げることは可能であると、こう書いてあって、極めてここに書いてあること、おっしゃったことと整合的に物事を進めておられるなというふうに今感じました。  つまり、一遍に緩和をやめるわけにはいかないし、そういう局面でもないし、ここで何度か私申し上げておりますが、そんな簡単にできないような状況をつくってしまって前任総裁はいなくなっちゃったわけですから、誰がやったってそう簡単にはいかないんですが、そうすると、今申し上げた日経ヴェリタスの記述にあるように、超過準備への付利によって日銀当座預金残高を減らさないまま金利を引き上げることが可能であると、その次もあって、この場合、銀行券残高を大きく減らさない限りバランスシートを縮小せずに済み、大量の国債売却は必要ないと、こう書いてあるんですね。  今、超過準備というのは四百五十四兆円ありまして、これに〇・一%の付利が付くということは、年間四千五百四十億、黙っていても銀行業界には利益が出るということなんです。そして、その四百五十四兆のうちマイナスの今まで金利を適用していた分は二十六兆円ありまして、ということは、ここもこのマイナス金利やめたので今度プラス〇・一になるので、これは財務大臣もよく聞いていただきたい、いや、金融担当大臣として聞いていただきたいんですが、今まで年間二百六十億円マイナス金利が掛かっていたものが今度はプラス二百六十億円になるので、差引き更に五百二十億円銀行業界に利益が行くということにこれはなります、金融政策の結果としてですね。  だから、超過準備にこうやって付利をしておくと置いておいた方が有利なので、それを引き揚げることもしないから、日銀もバランスシート上、資産サイドに大量の国債を持ち続けることができると。だから、大変難しいオペレーションをやっておられるんですけれども、そういう状況に今度は持っていったと。今後はこれをどういうふうに経済や物価の状況を見ながらハンドリングしていくかということが問われるんですが。  そこで、ちょっと総裁に数字を是非、総裁にも御認識をいただきたいので、総裁にお答えをいただきたいんですが、この委員会や予算委員会でずうっと、逸失金利収入という数字をずうっと聞いてきました。  つまり、金利は上がっても下がっても、プラスもマイナスもあれば、下げればいいというものでもないし、なかなか難しいところがあって、大体、上がったり下がったりすると、このゼロ金利以前は平均金利というのは三%から五%ぐらいだったかなということを前提に、ずうっと歴代の総裁や財務大臣にお伺いしてきたのは、例えば九三年ぐらいが平均金利だとした場合に、機械的な試算として、九三年から二〇一四年までの間に、これは黒田総裁がお答えになって、その後、安倍総理も引用されておられるんですが、累計で、逸失金利収入、つまり、本来普通の金利が掛かっていたら個人、家計や企業がどのぐらいの金利収入を得ていたかということなんですね。九三年から二〇一四年の二十年間で四百六兆円金利収入を逸失しているということなんです。  そこで、改めて九三年から直近まで機械的に計算すると、逸失金利収入は大体どのぐらいになりますでしょうか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) お答えします。  二二年までで計算いたしますと、委員お問合せの数字は六百兆円になります。また、受取から支払利子を差し引いたネットの受取利子額で同様の計算を行いますと、三百六十二兆円になります。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 これはもう日銀総裁というよりも経済学者としての植田総裁にお答えいただければ有り難いんですが、量的緩和や様々な政策には当然目的もあって、その目的には資する面もあるけど、プラスもあればマイナスもあると、まあこれは政策、どんな政策でもそうですから。  しかし、九三年から二〇二二年までグロスで見て六百兆円の逸失金利収入、これはもし家計や企業に渡っていたら、それは消費や投資の財源になるわけですから、どうでしょう、この三十年に、それはトータルとして見るとプラスであったかマイナスであったかというのは、どんな感想をお持ちになられますか。

植田和男日本銀行総裁

○参考人(植田和男君) もとより、利子所得の下押しが何らかの、例えば総需要にマイナスの効果を及ぼした可能性はございますが、緩和政策でもって金利を低金利で推移させてきたということが、経済における雇用の増加に伴う所得の増加、こうした経済環境の改善、あるいは企業部門でのその前提になります投資活動の活発化等、経済全体に与える影響も考慮した上で全体で判断すべきで、ネットでどうかということはなかなか難しい問題かと思います。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 今日は財務省の方にも来ていただいていますが、同じ九三年以降の企業の内部留保の増加額を法人季報等何かの統計で算出願いたいとお願いしてまいりましたが、九三年以降、企業の内部留保の増加額は幾らぐらいでしょうか。

渡部晶財務省財務総合政策研究所長

○政府参考人(渡部晶君) お答え申し上げます。  正確な会計用語として内部留保という定義はございませんが、法人企業統計年次別調査における利益剰余金がいわゆる内部留保のデータとして広く用いられております。  そこで、この法人企業統計における利益剰余金の金額ですが、金融業、保険業を除く全産業で、一九九三年度では約百四十一兆円、直近の二〇二二年度では約五百五十五兆円となっておりまして、一九九三年度に比べて約四百十四億円増加しているということでございます。  以上でございます。(発言する者あり)兆円、あっ、済みません、四百十四兆円増加しているということでございます。失礼いたしました。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 あのですね、今から数年前にやはり同じような質疑をさせていただいて、その時点では逸失金利収入は約四百兆、内部留保の増加額は四百兆、日銀の保有国債、過剰準備とほぼ見合うものが四百兆という、まあ偶然か、何かマクロ的に意味があるのか分かりませんが、数字がぴたっと合っていたんですが、今は六百兆に対して増加分が四百五十兆ということは、まあまあここ数年のいろんな議論の中で、いつまでも内部留保でため込んでいないで給与引上げの財源に回したり設備投資をしなさいよということで少し流出し始めたということかもしれませんが、是非今申し上げたような、マクロにおいてこの三十年、結果として何を起こしてしまったのか、あるいは何が起きていたのかということをきちっと日銀としても、あるいは政府としても分析した上でポスト失われた三十年に向かわないと、対症療法だけやっているとまた違う何か抜けられない沼に入っていってしまう気がしますので、一応問題提起だけしておきます。  失われた三十年は、幾つかの節目、金融政策的に言うと幾つかの節目がありましたので、明日もこの続きをちょっと質問させていただくんですが、ちょっとここは財務大臣、金融担当大臣に聞いていただきたいんですが、先ほど申し上げたように、日銀は一気には正常化はできないので、当分の間、過剰準備に付利をして、何らかの形でバランスシートを維持していくということをやらざるを得ないんですね。そうすると、不労所得というか、黙っていても日銀にお金を預けていたらプラス〇・一でずうっと銀行業界に利益が行くと。  で、今、銀行業界で起きていることは、ここはちょっと留意しておいていただきたいのが、さっき若松先生の御質問で、コロナ禍の影響で公租公課が払えない人に対してはやっぱり配慮も必要じゃないかというお話があったんですが、私もそう思いますけれども、コロナ禍でコロナ対応資金として助成されたり、あるいは企業が社員の給与カットなども協力してもらって何とかしのいでここに来て、自分たちの手元資金として残っている資金、だから、そこにはコロナ対応で入った助成金なんかも入っているわけですね。それを、そこにキャッシュがあるからといって、過去の関係ない融資の回収資金として、金融機関が、お金があるなら返しなさいと、返さないんだったらもうこれ以上融資しませんみたいな、こういうことが、まあ広く起こっているとは思いませんけれども、私が知っているだけでも幾つかの事例があって、やはりそこは目配りをしていただきたいと思いますが、金融担当大臣としての財務大臣にはそういう情報は特に入っておられませんでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) やはり、コロナ禍での融資がいよいよ返済のピークを迎えるということでございます。そういう中におきましては、今なお企業経営者、大変、人手不足や物価高騰で苦しんでおられる方おりますので、そうした企業の方々に寄り添った対応をしなければいけない。具体的には条件変更等ですね、なるべくそうしたことに耳を傾け対応することが必要だと、そういうことはよく私も話しているところであります。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 担当局長には一つ具体例をお示ししてありますので、またよろしければ御報告も受けていただきたいと思います。  総裁には、大変恐縮ですが、あしたもおいでいただきますけれども、簡単には世界標準の普通の金融政策ができる状態には戻れない中で総裁をお引き受けになって間もなく一年、取りあえず今回の判断をされた。私も適切であるというふうに思いますし、ただ、だからといって、あと任期四年のうちにどういう状況まで持っていけるかというのは現時点では想像も付きませんし、それは経済状況やその他のことと連動して判断をしなくてはいけませんが、あしたはこの三十年間に金融政策の節目で起きたことについての所見をお伺いしたいと思いますので、また是非よろしくお願いしたいと思います。  終わります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。  昨年六月の政府税調は、法人税の租税特別措置について、租税の公平原則や中立原則の大きな例外だとして、とりわけ減収額が最大の研究開発税制について、恩恵を享受するのは全納税法人約百九万社のうち一万社程度、租税原則のゆがみだと指摘をしております。そして、廃止を含めてゼロベースで見直す必要があるとしたわけですね。  大臣、今回の法案にはそうした見直しは盛り込まれているんでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 令和六年度税制改正におきましては、御指摘がございました研究開発税制に関して、研究開発費が減少した場合の控除率を段階的に引き下げることにより、めり張り付けを強化しつつ縮減をすることとしているほか、所得金額が対前年度比で増加している大企業について、一定の賃上げや国内設備投資を行わない場合には研究開発税制の適用を停止する措置について適用期限を三年間延長するとともに、その対象を拡大するとの見直しも行っております。このほかにも、今回の税制改正では、租税特別措置を四件廃止することとしているほか、適用期限を延長する租税特別措置についても必要に応じ要件の見直し等の縮減を行うこととしております。  租税特別措置につきましては、御指摘のとおり、公平、中立、簡素という租税原則の例外であるということを踏まえて、必要性や政策効果を検討しながら不断の見直しを行わなければならないと考えます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 不断の見直しとおっしゃるんですけど、でも、それでも研究費を大幅に減らさなければもう減税続く仕組みが残った。ゼロベースとはとても言えないと思うんですね。しかも、今回、増税どころか、新たな法人税の減税制度が創設されるわけです。戦略分野国内生産促進税制、それからイノベーションボックス税制ですが、局長、簡潔に、平年度ベースの減税額と、そのうち大企業分は何%かだけ、お答えください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  戦略分野国内生産促進税制の平年度ベースの減収額は二千百九十億円、そのうち大企業の占める割合はほぼ一〇〇%と見込んでおります。また、イノベーションボックス税制の平年度ベースの減収額は二百三十億円、そのうち大企業の占める割合は約九六%と見込んでおります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 現状でも大企業への集中度高いわけですけど、更に加速させることになるんではないか。租税原則のゆがみがますますひどくなるんではないかと思うんですね。  どうしてこういう仕組みが続くのかについて、これまでのちょっと経緯を振り返りたいんですが、この研究開発減税は、二〇二二年度実績で減税額が七千六百三十六億円、そのうち上位十社で二四・七%を占めます。そして、研究開発減税の九五%を占めるのは一般型。  局長、この一般型、簡潔に御説明ください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 研究開発税制の一般型でございますが、企業が支出する試験研究費について、試験研究費の増減割合に応じて変動する控除率を適用して、法人税額の一定割合に相当する額を上限として税額控除を行う制度でございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 ですから、研究費増やさずに維持しただけでも減税されることになるし、もしも減ったとしても、控除率は下がりますけど減税は続くということになるわけですね。  元々そうじゃなかったわけですよ。研究開発減税始まったときは、増額分に控除率を掛ける、すなわち研究費増やさなければ減税にならなかった。これを、小泉政権のとき、二〇〇三年に、研究費の総額に控除率を掛ける総額型というのが導入された。  この総額型は、二〇一四年、安倍政権時代の政府税調が、大胆に縮減して、研究開発投資の増加インセンティブとなるような仕組みに転換すべきだとした。しかし、その後、一般型というふうに名前は変わったけれども、研究費増やさなくても、維持しているだけでも減税になるということで、この二〇一四年の政府税調が答申で求めたものとはなっていないと思うんですね。  その背景に何があったかというと、日本経団連が二〇一四年の政府税調答申を、試験研究費の増加にこそ価値があり、税制上のインセンティブを付与する対象としてふさわしいとの発想が読み取れる、こういう発想ですよ。間違ってないと思うんですね、この発想はね。でも、こう批判をした。そして、経団連は、二〇一五年度改正で総額型維持したことを評価し、二〇一七年度改正で一般型に改正したことを発展的改組だと、言わば賛美をしている。  大臣、この一連の経過を見ると、やはりその二〇一四年の政府税調の提言というのは生かされなかった。やっぱり経団連の抵抗によって実現できなかったのではないか。経団連の主張が大きく影響したということは間違いないと思いますが、いかがですか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 研究開発税制の平成二十九年度の改正につきましては、与党税制調査会において御議論をいただきました結果、企業の研究開発投資の一定割合を単純に減税する制度から試験研究費の増減割合に応じた税額控除率とする仕組みとすることで、研究開発投資を増加させるインセンティブの強化を図っているものでございます。    〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕  この点、御指摘の政府税制調査会の提言の趣旨にも沿った改正であると考えておりまして、特定の団体の抵抗によって実現できなかったとは思っていないところであります。

小池晃日本共産党

○小池晃君 でも、その趣旨がやっぱりきちんと反映されたとは言えない結果だと私は思いますよ。結局、今もこの一般型は残されているわけです。  昨年の政府税調もこう言っています。企業の一つの目的が利益の最大化にあるとすれば、政策税制がなかったとしても利益をもたらす経済活動はおのずと行われるはずであり、そういったものを政策税制の対象とすることは、費用対効果からも正当化されません。まさにそのとおりだと思うんですね、これね。  特に、大手大企業は巨額の内部留保持っているわけです。財政基盤は盤石なんです。だから、政策減税なくなったら研究費を減らすとは到底思えない。やっぱり、企業の発展にとってやっぱり研究費必要ですから、当然研究費増やしていきますよ。  政府税調は、租特について廃止を含めたゼロベースの見直しを求めたわけですね。ならば、研究開発減税の一般型については、大企業、とりわけ資本金百億円以上とか十億円以上という巨大企業についてはせめてこれ廃止をするということをやるべきではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 研究開発税制でありますけれども、規模の大きい企業を含め幅広い企業において将来の経済成長の礎となる研究開発を推進することを目的としておりまして、一部の大企業のみを除外すること、これは適切ではないと考えます。    〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕  その上で、本税制はこれまでの税制改正においても、その必要性や有効性を踏まえつつ必要な見直しを行ってまいりました。例えば、令和五年度税制改正では、研究開発費の増減に応じて税額控除率や税額控除上限などのめり張りを強化をし、さらに、今般の改正におきましては、研究開発費が減少した場合の税額控除率を段階的に引き下げること等によりまして投資を増加させるインセンティブを一層強化することとしております。また、賃上げや投資に消極的な大企業につきましては研究開発税制を適用しないこととしており、今回の改正ではその期限を令和八年度末までに延長をしております。  今後とも、研究開発税制を含め租税特別措置につきましては、有効性、政策効果、これを適切に見極めまして必要な見直しを行いたいと思っております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 政府税調が言ったことに全く応えてないんじゃないかなというふうに思いますね。  やっぱり、そもそも企業というのは利益最大化する。そういったところにわざわざ減税までして研究開発促進する必要はないじゃないかと言っているわけで、これ、根本的な問題提起だと思いますよ。何かちょっといじったらいいという世界の話ではないと私は思うんです。  研究開発減税の二〇二二年度分の実績が公表されましたが、減税額の多い上位十社、これ企業名を伏せられたまま公表されております。このトップの企業の減税額と減税全体に占める割合を述べていただきたいと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  研究開発税制における二〇二二年度の減収額の最も大きい企業について、その減収額は八百二億円、この金額は研究開発税制全体の減収額の一〇・五%となっております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 このトップ企業はトヨタ自動車だと思いますが、違いますか。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 租特の適用実態調査の報告書におきましては、租特の利用状況を明らかにして政策の企画立案に役立てていくということを目的としていることから、個別企業まで公表する必要はないという整理が本報告書の根拠法である租税透明化法の立法当時からなされておるものでございます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 一社で減税額の一割以上を占めるような企業は日本にトヨタ自動車以外にあり得ないですよ、どう考えたって。  トヨタ自動車ですね、これ十年間の、あっ、全体の十年間の研究開発減税額の累計六兆二千七百億円、この十年間、これトップ続けているのはトヨタです。トヨタ自動車だけで八千七百億円です、減税額、十年間で。  これ、二〇一九年三月の当委員会で我が党の大門実紀史議員が、トヨタ一社だけでそのとき一二%でした、この偏りを指摘したのに対して、当時の麻生財務大臣は、十何%はトヨタじゃないかという事実としてそれは挙がっていますと、認められたんですね。それをもう少しほかのところにもっと行くようなためにどうするかといった、トヨタだけ駄目というわけにいきませんから、やり方をちょっと考えないといけないと答弁されているんですよ。麻生大臣の答弁から四年たちます。大臣、大企業への集中は是正されていないんですね。  これ、トヨタかどうかはもうともかくおいておきますよ、おいておくけれども、一社だけで減税額の一〇%を占める、一〇%以上を占めるという現状をこのままでいいというふうにお考えでしょうか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 一般論になりますけれども、研究開発税制につきまして一定の企業の適用額が大きいこと、これは事実であるわけでありますが、どうしてそうなっているかといえば、これは、これらの企業の所得が大きいために法人税も多く負担しており、適用要件を満たす研究開発投資を積極的に行っていることに由来するものと考えております。利用件数を見ますと、中小企業も含めて幅広く利用されているものと認識をいたします。  いずれにいたしまして、研究開発税制を含めた租税特別措置については、対象企業の分布の是非ではなく、経済社会全体として求められる政策効果を発揮しているか否かによってその必要性や仕組みの在り方を検討すべきものでありまして、この点をよく見極めて不断の見直しをしていく必要があると考えます。

小池晃日本共産党

○小池晃君 売上高が大きいから減税額大きいって、それなら減税しなきゃいいじゃないですか。それだけ売上げがあるんです、余裕あるんです。そういったところにわざわざ減税をするということ自体、やっぱりこのままにしておいていいのかと。  安倍政権以降十年間の自民党の政治資金団体である国民政治協会に企業献金、これ見ますと、トヨタ自動車は企業献金、常にトップです、個別企業としてはトップですね。二〇一三年から二〇二二年度までで六億一千五百二十万円献金しています。この十年間で八千七百億円研究開発減税されているんですよ。結局、研究開発減税はこれ企業献金のキックバックだと、そういうふうに言われても仕方がないんじゃないかというふうに思うんですよ。(発言する者あり)もっと出すべきだと、もっと減税しろということですか。そりゃないでしょう。これはやっぱり本当のキックバックですね、これね。大臣、こういうことでいいんだろうか。  河野洋平さん、元自民党総裁も務められましたが、こうおっしゃっています。政治改革の議論が起こったときは経団連も傘下の会員に企業献金は慎もうと言っていたのに、最近の経団連は自民党に献金してくださいと進んで言うようになっているから、この頃は企業献金が多いから、税制を始めとしていろいろな政策がゆがんでいる、庶民から企業の方へ政策のウエートが掛かって企業献金が政策のゆがみを引き起こしているから、それをやめろということだったと述べている。こういうふうにおっしゃっているんですね。私はそのとおりではないかなと思いますよ。  この二〇二二年の自民党への団体としての献金、トップはどこか。日本自動車工業会七千八百万円、二位が日本電機工業会七千七百万円。これも結局、研究開発減税の恩恵を最も受けている業種団体が並んでいるわけですね。まさに河野元議長のこの発言の正しさを、私、裏付けているというふうに思いますよ。  大臣ね、税制をゆがめるようなやっぱり仕組みは改めるべきではないですか。私は、企業・団体献金は禁止をするということが、この間のパーティー券の問題もありますけれども、最大の問題は、こうして政治をゆがめているんではないかということなんですよ。ここはやっぱり見直すべきではないか。いかがですか。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 先日、二月六日の予算委員会におきまして岸田総理が、献金と政策が直結しているようなことはないと、その旨を答弁をされましたけれども、租税特別措置についても、政治献金の有無ではなく、あくまで政策的な必要性等に基づき講じられているものでありまして、献金と租税特別措置は直結するものではないと考えております。  その上で、企業・団体献金の在り方につきましては、政治団体の政治活動の自由と密接に関連する問題であり、民主主義、これには一定のコストも掛かりますので、そのコストを社会全体でどのように負担していくべきかという観点も踏まえながら検討されるべきものと認識をいたしております。

小池晃日本共産党

○小池晃君 企業献金は税制をゆがめていないとおっしゃるけれども、例えば二〇一五年の税の専門誌に、経団連の当時税制担当の常務がインタビューでこう言っているんです、二〇一五年度の税制改正のプロセスについてですね。  昨年の夏頃から、税率引下げのために課税ベースの部分をどこまでできるか、主要企業データによるシミュレーションに掛けて、ここを直したら増税幾ら、減税幾らと、税率と課税ベースの範囲を見極め、税率は下がったけれども課税ベース拡大で結局増税だというところも出てきてしまう、できるだけそれは避け、減税までにはならなくても、少なくとも増税でないというふうにしたいと、こんなことを言っているんですね。  結局やっぱり経団連のところでこの税制の問題についてあれこれ計算してシミュレーションまでやって、それで要望を出してきていると、そして献金しているということが事実としてあるわけですよ。その結果どおりの形で、先ほど言ったように、やはり研究開発減税の見直しも政府税制が言ったことすら実現しなかったという、こういう経過があるわけですね。  また聞いても同じ答弁になると思うので、これ以上やりませんが、でも、私は、明らかにこの企業献金というのは日本の税制をゆがめている、これははっきりしていますから。企業・団体献金はきっぱり禁止をするということでこの政治と金の問題には決着を付けるということを強く求めて、質問を終わります。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。  所得税法の一部を改正する法律案についてお聞きします。  まず、スタートアップエコシステムのストックオプションについて。  ストックオプションは人材獲得のツールとして活用されており、今回の制度改正も人材確保の目的が大きいと思います。しかし、そうであれば、二〇一四年頃から始まり、昨年までに約八百社が導入し、対象となる人数が約五万人にも上っていた信託型ストックオプションに対し、導入企業が認識していた課税関係とは異なる方針を後で示して、その活用が止まった後にまた今回のストックオプションのてこ入れを提案したというのはどうしてなのかということを疑問に思っています。  日本のスタートアップを支援するのが目的であれば、既に広く活用されていた信託型ストックオプションを継続させていた方が得策であったのではないかと思いますが、この点の見解をお聞かせください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  一般に企業が役員などに付与するストックオプションにつきましては、税制適格ストックオプションに該当する場合などを除きまして、ストックオプションの行使時に給与所得として課税することとして取り扱っております。  御指摘のいわゆる信託型のストックオプションにつきましても、国税当局においては、この取扱いに従いまして、従来から原則としてストックオプションの権利行使時に給与課税されると取り扱うこととしておりまして、昨年五月にこうした見解を取りまとめたQアンドAを公表し、改めて明確化したものでございまして、課税要件を変えたものではございません。  なお、ストックオプション税制については、従業員のモチベーション向上に資するものを対象とする観点から、ストックオプションの付与から二年以上経過して権利行使することなどを要件としており、この信託型のストックオプションでありましても、こうした税法上の要件を満たせば給与課税を要しない税制適格ストックオプションとして取り扱うことも可能でございます。  その上で、今般御審議をお願いしておりますストックオプション税制の見直しにつきましては、こうした従業員のモチベーション向上に資するものを対象とする考え方を維持しつつ、利便性向上のための改正を行うものであり、こうした措置によりスタートアップの人材確保を後押ししてまいりたいというふうに考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 でも、実際に普及していたわけですよね。だから、モチベーションアップにつながっていたからいろんな企業が導入していたということではないかと思うんです。二〇一四年から去年までですから八年、九年ぐらいはやっていたわけですよね。  だから、もしそういうガイドラインを示すのであればもう少し早めにやらないと、後出しじゃんけんみたいになってしまって、こういうことを繰り返していると何か国民が政府とかに対して信頼を失ってしまうと。もっと言えば、自分たちでせっかく新しい制度をつくっても、そうやって後で塞がれちゃうと、そういった制度を考えたり、そこでできたお金をまた更に投資に回したりということの投資意欲が下がってしまうんじゃないかなというふうに感じることが、まあ今回のケースだけじゃなくて、ほかにもあって、いろんな声を聞いています。  国民が、やはりそういった形で、国内でやっていても後から全部税金で取られるわというふうになったら、海外に投資しますよね。だから、今回大きく、国内に投資を持っていきましょう、日本人の余剰な資金を国内に投資してもらいましょうと言っているのに、それで増やそうとすると、政府が後で課税するものだから、結局投資意欲が下がってしまうと。  言っていることとやっていることが逆じゃないかなというふうに感じてしまいますので、何でもかんでも税で取って、じゃ、それを政府集めてうまく運用して国民の資産増えたらいいですけど、国民の資産は減っている状況ですから、余りこういったところにどんどん網掛けをしていって取れるもの全部取るという方向はちょっと考え直した方がいいんじゃないかなというふうに思いますので、今後の制度設計の一つの要望として挙げておきます。  もう一点、ストックオプションについて聞きたいと思います。  今回の大きな変更点は、まず株式保管委託要件の撤廃、それから社外高度人材への付与、権利行使限度額の大幅な引上げの三点だというふうに思います。  株式保管委託要件の撤廃というのは、証券会社を介さずに自社で株式を管理できるというものであり、これは日本の証券会社に口座を作れない外国人投資家のための制度変更だというふうに私は捉えています。それから二つ目、社外高度人材へのストックオプションの付与も、外国人にストックオプションを渡しやすくする緩和措置に思えます。そして、権利行使の限度額を大幅に引き上げるということは、まあこれはもう簡単ですけど、大口の株式保有者に有利な制度というふうになります。  このスタートアップエコシステムというのは、そもそも国内の資本を活用してスタートアップを促進し国内経済の発展を目指すべきものだというふうにおっしゃっていました。  今回の制度改正は、外国人の投資家を優遇し、国内企業やサービスをかなり開放しているんじゃないかというふうにも見えるわけです。外資の流入を全て反対するわけではありませんが、日本経済と企業を保護するための外資規制や防衛策はこういった今回の政策の中に含まれているのか、見解をお聞かせください。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  現在御審議をお願いしております法案におきましては、ストックオプション税制の見直しについて、スタートアップが付与したものについては年間の権利行使価額の限度額を最大現行の三倍となる三千六百万円への引上げ、それから発行会社自身による株式管理スキームの創設、社外高度人材への付与要件の緩和認定手続の軽減などの見直しを行うこととしておるところでございます。  これらにつきましては、外国人の方の利用を排除するものではございませんが、要望官庁であります経済産業省からの、主として国内の関係者、関連団体などとの意見交換を踏まえて提出された要望を基に検討したものでございまして、外国人の投資家を特別に優遇するということを目的としたものではございません。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 外国人を優遇するものではないというふうに言質取りましたので、今後の成り行きしっかり見ていきたいと思います。  私、だから、外国人を全部排除しろと言うつもりは全くなくて、ただ、今の株式市場の動向から見ても分かるように、外貨が物すごい入ってきているんですね。結局、外貨を活用してといいながら、結局、株価なんかももう、株式も大半持たれちゃったらこっちがコントロールされる側になってしまいますので、門戸開くのはいいんですけれども、それをいかに一定割合に収めて、日本側が、日本人側が主導権を持ってコントロールするかということが大事なので、そういった視点を忘れずに制度設計をしていただきたいんです。市場原理とか自由主義に任せて政策を進めると、結果的に大きな外国の資本に市場を全部コントロールされるというリスクありますので、是非この点は、いろんな観点で私言っていきますので、政策づくりのときに是非強く意識してつくっていただきたいというふうに要望しておきます。  次に、戦略分野国内生産促進税制についてもお聞きします。  今回の税制の目的は、国として特段に戦略的な長期投資が不可欠となるGX、DX、経済安全保障の戦略分野における国内投資を促進するためというふうにありますが、経済安全保障の観点から、これも同じような話になりますが、対象となる企業については日本企業に限られているのかどうか、この点をお聞かせください。

小林出経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(小林出君) お答えいたします。  戦略分野国内生産促進税制の対象企業につきましては、制度開始に必要な関連法案の成立後、法律に基づき、令和八年度末までに主務大臣の認定を受けた上で、戦略分野において新たな国内投資を行う企業が対象になります。  そのため、外国企業やその子会社についても、事業適応計画の認定を受け、本税制の対象分野における国内での投資、生産を行うのであれば、制度上排除されるものではございません。  なお、外国企業やその子会社が対象となる場合、対象物資の生産を行うための日本国内での本格的な長期投資が必要となり、生産のための雇用の確保にも取り組むこととなります。また、税額控除措置の効果が発生するには国内での納税が必要になることから、そうした企業による日本での納税も行われることとなると認識してございます。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 日本企業と外国企業で差を付けることは避けるべきだみたいなことになるんだと思いますけれども、これ名前が戦略的というふうに付いているわけですから、国内で生産して納税あったとしても、やはり外国企業ですとかもう株式の大半が外資である場合などは、まあゼロじゃなくても、やはり日本の、純日本企業と差を付けて対応すべきじゃないかというふうに思います。  先ほどの小池委員のお話聞いていても、そもそもここで減税必要なのかという話もあるんですね。もうかって、日本にわざわざ出てきても、もうかるんだからやるんであって、そこへわざわざ減税するんだったらほかのところで減税した方がいいでしょうと、もっと国民、庶民に減税するようなところで減税考えたらいいんじゃないですかという問題意識、強く持っています。  それに関連して、最後の質問になりますけれども、GX移行債ですね。今回は、さっきの戦略的な減税のところで、GXに関する分野に関しては、このGXの移行債でできた資金で穴埋めをするというふうなことがありますので関連してお聞きしたいと思うんですが、今年の二月の二十四日に、キヤノングローバル戦略研究所の杉山大志氏らによって、非政府の有志による第七次エネルギー基本計画というものが出されました。今年は、日本のエネルギー政策の方向性を定める第七次エネルギー基本計画が作られる予定です。二〇二一年の十月に策定されました第六次の計画のときと比べますと、今大分国際環境が変わっているということだと思います。  そういったことにもかかわらず、日本政府は、四半世紀以上にわたり推進してきた低炭素、脱炭素政策の弊害を顧みることなく、合理的な根拠やエビデンスを示さずに脱炭素政策を強化しているように政策を見ていると感じられます。  杉山氏のレポートを見ると、これからのエネルギー基本計画は安全保障と経済成長を重視する必要があるということを強調されていて、十一の政策提言をされています。幾つか挙げますと、まず、光熱費を低減するためにエネルギーへの税や賦課金などは撤廃ないし削減する、化石燃料の安定利用をCO2規制で阻害しない、太陽光発電の大量導入を停止し、再エネなどの化石燃料の代替技術は性急な導入拡大をせずにコスト低減を優先すると、CO2排出総量の目標を置かず、部門別の排出量の割当てをしないといったことが提言されています。  こういった提言の背景にあるのはちゃんと数字がありまして、例えば日本政府は、二酸化炭素の規制について二〇三〇年に四六%削減する、更に五〇%減の高みに向けて挑戦を続けていくというふうに宣言しているんですが、仮にですよ、二〇五〇年にカーボンゼロを日本が達成しても、政府が根拠としているIPCCのデータに基づく計算をすると、日本のこの脱炭素の努力は、地球全体の気温を、二〇五〇年ですよ、ゼロにしても、〇・〇〇六度低下させるだけなんです、計算すると。〇・〇〇六度です。  国際会議では世界全体でのCO2の削減が目標というふうにされていますが、目標はみんな言っているんですけど、現実には、二〇二三年の化石燃料による世界のCO2排出量は、総量は三百六十八億トン、二〇二二年度に比べて一・一%増えていて、過去最高を記録しているということです。  日本は、二〇一三年から二〇二二年にかけてCO2を二〇・五%削減という形で孤軍奮闘していますが、先ほどのキヤノングローバル研究所の調査によると、この二〇・五%の大部分である一五・五%は経済活動量の低迷なんですね。決して再エネ発電や脱炭素政策が効果があったということではなくて、経済が低迷して工場などが止まったり減ったりしているからCO2が減っているんだという計算になっているということです。  脱炭素に関する国際協定の目標達成が困難な今国際情勢ですね。そういった中、コロナパンデミックやウクライナ戦争の影響でエネルギー価格が高騰し、ESG投資のパフォーマンスというのも低下していると以前この委員会でも言いました。これによって世界中の機関投資家は、もうこれでは利益が得られないので、こういったESG投資なんかは手を引いています。そして、世界的に見ると、このGXの投資や再エネ投資に対する軌道修正を国際的に始めているというのが今のトレンドになります。  こうした流れをくまずに日本だけがこの分野への大規模な投資を続けることは全く合理的ではなくて、日本だけが不利益を被るという可能性が大いにあります。今我が国がやることは、国内で可能な限り賄える化石燃料の発電と原発による安価で安定したエネルギー供給を確保することですね。再エネなどの化石燃料代替技術は性急な導入は控えて、まずコストの削減、最低でも電気料金を東日本大震災の前のレベルぐらいまで戻さないと経済が回りません。  三月十九日には再エネ賦課金、また上げるというふうに発表されていましたが、さっき言いました〇・〇〇六度の効果を上げるために国民の生活を圧迫し、日本の経済産業力を落とすということは愚の骨頂だというふうに思っています。  政府が地球の環境保全や脱炭素に本気で取り組むということであれば、我が国は歳出削減対策をしっかりとやった火力発電の開発に力を入れるべきですし、その技術、日本が磨いた技術を火力発電に依存しているアジアの国々、中国やインドやインドネシアですね、そういった国々に提供していくということが重要だと思います。  地球全体の僅か三%です、日本が出している炭素は。それが半減させても、その効果は地球規模で見るとほぼゼロだということですね。政府、マスメディア、教育機関がこういった脱炭素を先導していますので、多くの国民が脱炭素の政策的な優先度を間違えているというふうに感じています。優先度ね、意味がないんじゃなくて優先度が違うということです。  こういったことを分かってもらうために大分詳しい説明をしましたが、我々が強調したいのは、先ほど挙げました非政府有志による第七次エネルギー基本計画などを参考にした新しいエネルギー政策、それから脱炭素政策の立案が必要だということですね。そして、わざわざ大きな予算を見込んだこのGX移行債の資金は、先ほどの大企業にそのほとんどが行ってしまうというような分野の税制の穴埋めに使うんではなくて、繰り返しますが、電気料金の削減とか日本のエネルギー安全保障の強化に使うべきだというふうに思います。この点について政府の見解をお示しください。

小林出経済産業省大臣官房審議官

○政府参考人(小林出君) お答えいたします。  委員御指摘のとおり、排出削減に資する火力そして原子力発電の活用は、排出削減と経済成長、そして産業競争力強化の同時実現に向けて大変重要と認識しております。そのため、本税制だけではなく、例えばガスタービンでのアンモニア専焼に関する技術開発、それから原子力の分野における次世代革新炉の技術開発等についても、GX経済移行債を活用して取組を推進してまいります。  他方、電化と電源の非化石化だけではカーボンニュートラルは実現できず、また、日本の産業構造の強みを生かす観点からも、自動車や鉄、化学等の多排出産業の熱需要の脱炭素化に向けた投資促進も大変重要と認識してございます。  世界でもこうした戦略分野の投資を自国内で実現するための産業政策が活発化しておりまして、こうした中、日本においても本税制を創設し、特に生産段階でのコストが大きい等の理由によって投資判断が難しい電気自動車、グリーンスチール、グリーンケミカル、SAFの分野でGX経済移行債を活用して国内投資を強力に引き出していくということを行おうとしてございます。  本税制だけではなくて、GX経済移行債を活用した投資促進のための補助金やカーボンプライシング等の規制制度を総合的に講じていくことで国内投資や生産を拡大して、日本の技術優位性も生かしながら、世界での排出削減と経済成長に貢献してまいりたいと考えております。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございます。  いつもの答弁なんですけど、最後に簡単でいいので大臣の見解聞きたいんですけども、こうやって移行債つくって予算少しでも掛けるわけです。政策の優先順位、私いつも聞くんですけども、この〇・〇〇六度の地球の温度下げることと、今、日本で喫緊の課題は人口減少ですとか国民の負担率が上がって国民が本当に苦しんでいるといった中で、わざわざ税金集めて〇・〇〇六度の温度を下げる必要あるのかと。政策の優先順位について、大臣のお考え、最後に聞かせてください。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 時間が来ておりますので、お答えは簡潔にお願いします。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) はい。  最近の自然災害の頻発度が多くなっている、また強力化しているという現実を目の前にすれば、やはり気候変動対策というのは優先順位としても高いものであると思います。  日本の排出量が全体の三%といえども、また半減しても〇・〇〇六度であるといえども、やはり国際社会の一員としてしっかり協力してこの気候変動対策やるべきであると思います。

神谷宗幣各派に属しない議員

○神谷宗幣君 ありがとうございました。またの機会に聞きたいと思います。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。  本日は所得税法等改正案に対する質疑ということで、政府は、本法律案の趣旨説明において、第一に、賃金の上昇が物価高に追い付いていない国民の負担を緩和し、物価の上昇を上回る持続的な賃金の上昇が行われる経済の実現を目指す観点から、所得税の定額減税の実施及び賃上げ促進税制の強化等を行うこととしておりますというふうにお伺いをしております。  この国民生活にも大きく寄与しますこの定額減税、また賃上げ促進税制により好循環の経済の実現を目指すということでありますが、まず初めに定額減税についてお伺いをしていきたいというふうに思いますが、前回、この定額減税を実施したのは平成十年となっています。一九九八年です。私が社会人、新入社員として社会に出たその年であったんですが、当時の経済状況を見てみますと、世界ではアジアの通貨危機が発生しまして、日本国内においても大手の銀行が相次いで破綻するなど、本当に日本列島大不況といったような深刻な状況でした。  労働市場も見てみますと、雇用も危うい、有効求人倍率も本当に戦後最低というところで採用も圧縮され、本当に雇用にも労働環境にも大きく影響を与えた年だったなというふうに思います。  この平成十年に定額減税を実施した趣旨についての御説明と、その後、平成十年以降これまでに定額減税の実施が検討されたことはあるのかどうか、その経緯を伺えればというふうに思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  平成十年の特別減税は、御指摘のとおり、アジア通貨危機や我が国の金融機関の経営問題の影響などによりまして家計それから企業の景況感が悪化していたという中で、国民の不安感を払拭するために実施されたものというふうに承知しております。  その後、定額減税を検討した例としましては、平成二十年、米国のサブプライムローン問題に端を発しまして世界の金融資本市場が百年に一度と言われる混乱に陥る中、平成二十年八月に政府・与党による会議において決定された緊急経済対策では家計への緊急支援として定額減税を検討することとしましたが、同年十月の生活対策におきまして定額給付金を実施することとなりました。これは、当時、家計への緊急支援としての効果をより迅速に実現し、かつ、低所得者にも広く公平に行き渡らせるためには給付方式によることがより適切であるものと判断されたということと承知しております。  今回でございますが、物価高に苦しむ住民税非課税世帯などに対しましては迅速に給付を行う一方で、賃上げが物価高に追い付くことができるかどうかの端境期に当たるとの認識の下、デフレマインドの払拭につなげるため、所得の上昇をより強く実感していただける減税という方法が分かりやすいということで判断したものでございます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 平成十年の経済状況と比較した場合、その当時は、政府の打ち手が功を奏してその年内には何とか改善に向けた経済状況が見えたということですが、今回、定額減税を行う必要性があるのかというところに、平成十年と比べると経済状況がそこまでに至っているのかというところの疑問視も残ります。  また、給付金の支給という手法がかつて取られておりますけれども、国民にとっても、最近、近年では給付金の支給ということも記憶に新しいということもありまして、簡便で事務負担も少ないという指摘も多方面から上がっているかと思います。  財務大臣は、コロナ禍や物価高騰といった苦しい中において納税していただいた方に所得の上昇をより強く実感していただくことが重要と考えて減税という分かりやすい方法が望ましいと判断したというふうにおっしゃられております。定額減税実施の意義について強調されているというところでありますけれども、この定額減税の実施にこだわるということであれば、せめて、定額減税の実施によって負担が増加すると思われます地方自治体ですね、窓口になります地方自治体、そして企業の源泉徴収義務者に対して十分なサポートを行うべきと考えます。この点について、支援策をお聞かせ願えればと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) 御指摘のとおり、今般の定額減税及び給付金の実施に当たりましては、企業や自治体を始めとする皆様に一定の事務負担をお願いするということは事実でございます。  このため、企業や自治体の事務の実態や実施上の課題などをできるだけ把握しながら、企業や自治体が早期に準備に着手できるように、パンフレット、それからQアンドAなどを迅速に策定、公表するとともに、例えば、新規雇用者について前職、前の職での減税適用の有無の確認を不要とするなど、事務負担に配慮した制度設計を行っているところでございます。  さらに、関連する給付につきましては、デジタル技術の積極的な活用などの執行面での工夫を行って各企業や自治体などの事務負担の軽減に努めてきたところであり、引き続き丁寧な対応を行ってまいりたいというふうに考えております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。  この定額減税なんですけれども、一度きりなのか、また複数回行われる可能性があるかについても注目が集まっているというふうに思います。与党の税制改正大綱においては、今後、賃金、物価等の状況を勘案し、必要があると認めるときは所要の家計支援の措置を検討するというふうに記述が盛り込まれております。この複数回の実施に含みを持たせると指摘する報道もありました。  これまでの国会の議論においては、総理、また財務大臣においてはこの複数回の定額減税の実施については否定的という考えを示されておりますが、こちらの定額減税、与党の税制改正大綱に盛り込まれました、その所要の家計支援の措置を検討するという文言に対する財務大臣の御見解をお伺いできればというふうに思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の定額減税でありますが、賃金上昇と相まって所得の伸びが物価上昇を上回る状況をつくることによりましてデフレマインドを払拭するきっかけとするため一時的に措置するものであることから、複数年度にわたって実施するということは考えていないところであります。この点はこれまでも御説明をしてきたところであります。  その上で、与党税制改正大綱において、御指摘のとおり、今後、賃金、物価等の状況を勘案し、必要があると認めるときは所要の家計支援の措置を検討すると記載されたことについて申し上げれば、政府としては、所得税の定額減税に限らず、今後とも必要な場合には所要の家計支援を検討していくものと、そのように考えているところです。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。御答弁ありがとうございます。  続きまして、住宅ローン減税、また住宅リフォーム税制についてお伺いします。  政府は、子育て世帯等に対する支援の税制として、住宅ローン控除の拡充、また住宅リフォーム税制の拡充を打ち出しております。住宅ローン減税の拡充については、子育て世帯、また夫婦どちらかが四十歳未満の若者夫婦、この世帯における借入限度額の上乗せを行うこととしております。  物価や資材の価格高騰がされている中、該当の世帯にとっては大変心強い改正かと思われます。これらに加えて、令和六年度の与党税制改正大綱においては、子育て世帯に対する生命保険料控除の拡充についての方針が示されておりまして、令和七年度の税制改正で結論を得るということとされております。  これまでこうした子育て支援に特化した税制は余りなかったように私も感じておりますけれども、これらの税制の拡充が検討、採用された理由についてお聞かせ願えればというふうに思いますが、また、これらの制度以外に子育て世帯に対する支援として検討されたものがあるのかどうか、お伺いできればと思います。

青木孝徳財務省主税局長

○政府参考人(青木孝徳君) お答えします。  御指摘をいただきました子育て支援税制とされている三つの措置でございますが、与党の税制調査会におきまして各部会からの要望に基づいて御議論をいただきました。  住宅ローン控除につきましては、子育て世帯においては他の世帯よりも住宅ローンの金額が大きい傾向があると、そういう中で住宅価格が急激に上昇しているという状況、それから、住宅リフォーム税制については、既存住宅についても子育てに対応するリフォームのニーズが高いということ、そして、生命保険料控除につきましては、子育て世帯では遺族の日常生活の資金が不足するんではないかということへの不安が大きいといったことなどについて議論がなされた結果、子育て世帯が抱えるこういったニーズに対応することで、税制においてもきめ細やかな子育て支援を行う観点から採用されたものと承知しております。  これらの制度以外で子育て世帯に対する支援といたしましては、高校生の扶養控除について、児童手当の拡充と併せて全ての子育て世帯について支援が実質的に拡充されるよう見直す方針が示されたほか、一人親控除につきましても、控除額の拡充と所得要件の緩和について、令和七年度の税制改正において結論を得るという方針が示されたものと承知しております。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 ありがとうございます。今後の議論にも注視をしていきたいというふうに思います。  続いて、賃上げ促進税制についてお伺いをいたします。  今般の税制改正において、賃上げ促進税制は、子育てと仕事の両立支援、また女性活躍の推進に積極的な企業に対する控除率の上乗せ措置を新たに講じることとされております。それに伴って、本税制の最大控除率が引き上げられております。  この上乗せ措置について、労働環境の改善に資するものということで評価できるというふうに考えておりますが、一方で、本税制の根本である賃上げに対する基本控除率については据置き、若しくは要件の引上げによる実質的な縮小となっております。  政府が掲げる物価上昇を上回る継続的な賃上げの実現を目指すのであれば、賃上げに対する基本控除率についても拡充すべきではないかと考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 賃上げ促進税制につきましては、これまでに同税制を適用した大企業のほとんどが賃上げに係る従来の最大控除率であります四%の要件を満たしていたことを踏まえまして、一定の大企業には従来の基本要件である三%の控除率を引き下げつつ段階的に七%までの高い賃上げ要件を設けているほか、中小企業につきましては賃上げ率と控除率を維持した上で五年間の繰越控除制度を新たに措置することとしております。  こういった改正によりまして、大企業に対しましてはより高い賃上げへのインセンティブを強化しつつ、中小企業に対しましては赤字企業も含め賃上げの裾野を広げることになると考えており、実質的な縮小との御指摘は当たらないものと考えております。  その上で、御指摘の控除率の引上げにつきましては、企業が従業員に支払う賃金についてはそもそも損金算入が可能である中、本税制はそれに加えて税額控除が受けられる仕組みでありまして、今般の税制改正において、子育てと仕事の両立や女性活躍支援という重要な課題への取組も行う企業に向けた上乗せ措置を創設することにより、大企業、中堅企業は三五%、中小企業は四五%まで最大控除率が引き上げることとなります。  この結果、本税制により既に賃上げに係る追加費用のうち最大六五%から七五%程度の負担を実質的に軽減できることを踏まえますと、賃上げに係る控除率を更に一層引き上げることにつきましては慎重な検討を要すると考えます。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 続きまして、この賃上げの促進税制、この賃上げの判定基準となる給与等の支給額について、賞与、また残業手当も含まれているということになっています。しかし、賞与については業績等によって大きく変動するものでありまして、また一時的に増加したからといってそれが政府の目指す継続的な賃上げというところにはつながるとは必ずしも言えないというふうに思います。また、基準にこの残業手当が含まれることで、単純に前年よりも残業時間が増加しただけの企業でも賃上げを達成したとして税制優遇が受けられるというような制度になります。残業の増加は雇用環境の悪化にもつながります。本来は改善すべき状態であります。  このような状態に対しての税制上のインセンティブが付与されるということは望ましくないというふうに考えますが、判定基準である給与等支給額から賞与、また残業手当を除外するべきと考えますが、財務大臣の御見解、お伺いしたいと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 賃上げ促進税制につきましては、各企業の給与体系が多様になっておりまして様々な支給方法に対応する必要があること、企業の実務面を踏まえ煩雑でない制度設計とする必要があることに加えまして、賃上げをより多くの企業に行っていただけるよう、賞与等を含めた給与総額を税制措置の適用条件としております。  賃上げ促進税制の適用要件の基準の検討に当たりましては、まずはこういった企業の実態等をよく踏まえる必要があると考えております。他方で、堂込先生御指摘のとおり、継続的な賃上げを実現するためには基本給に着目した賃上げも重要と考えておりまして、企業におきましては、新たに強化された本税制を活用して、賞与や一時金だけでなくベースアップによって強力に賃上げを実現していただくこと、これを期待をしているところであります。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 本日最後の質問にさせていただきたいと思いますが、中小企業向けの賃上げ促進税制について、赤字の中小企業に対しても賃上げを後押しできるよう今新たに繰越控除制度を創設し、控除し切れなかった金額の繰越しを可能とするということとなっています。  しかし、この繰越控除、五年という期限があります。期限内に黒字に転換できなければ、税額の控除を受けることはできないということです。経営状況が改善し、黒字に転換しなければ恩恵を受けられないという点については、即効性と確実性に欠け、赤字企業の賃上げを促すためのインセンティブとしては不十分というふうに考えられますが、御見解をお伺いできればと思います。

鈴木俊一自由民主党・無所属の会財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(鈴木俊一君) 法人税、これは基本的に所得に対して課税する仕組みでありますので、黒字に転換しなければ税額控除が受けられないものであります。  しかし、今回の税制改正においては、これまで賃上げ促進税制を活用できなかった赤字の中小企業に対しても、賃上げを後押しする観点から五年間という長期の繰越控除制度を創設しております。その上で、この繰越期間に関しましては、中小企業については、連続した赤字の期間が一年から三年の企業、これが八割超である一方で、そのうち約八割の企業が五年以内に繰越欠損金を解消し得るとの中小企業庁の調査結果も示されているところでありまして、こうした点も踏まえまして五年間の期間を措置したものであります。  これによりまして、赤字法人を始め幅広い中小企業に対して賃上げが促進されるものと考えておりまして、インセンティブが不十分であるとの御指摘は当たらないと考えているところであります。

堂込麻紀子各派に属しない議員

○堂込麻紀子君 御答弁ありがとうございました。  私の質疑終わらせていただきます。

足立敏之自由民主党

○委員長(足立敏之君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時七分散会

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