財政金融委員会 閉会後第1号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/08/23
会議録
○委員長(足立敏之君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 昨日までに、武見敬三君、野上浩太郎君、松山政司君及び浅田均君が委員を辞任され、その補欠として磯崎仁彦君、清水真人君、山田宏君及び藤巻健史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官廣瀬健司君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 財政及び金融等に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁植田和男君、同理事加藤毅君、同企画局長正木一博君及び同政策委員会室審議役上條俊昭君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(足立敏之君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(足立敏之君) 財政及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○白坂亜紀君 自由民主党の白坂亜紀でございます。 本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 植田総裁には初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 本日の委員会は、日本銀行が七月の金融政策決定会合で政策金利の引上げや長期国債買入れの減額計画の策定などを決定した後、初めて開かれるものですので、まず、金融政策の見直しの趣旨、狙いについて確認したいと思います。 日本銀行は七月三十一日の金融政策決定会合で、従来はゼロから〇・一%程度であった政策金利である無担保コールレート・オーバーナイト物の誘導目標を〇・二五%程度に引き上げ、加えて、前回六月の金融政策決定会合で既に決定していた長期国債買入れの減額について、原則として毎四半期四千億円程度ずつ減額して、令和八年の一月から三月期には三兆円程度の買入れにするという計画を決定いたしました。 日本銀行は、経済、物価がこれまで示してきた見通しにおおむね沿って移行していることや、先行き物価が上振れするリスクに注意する必要があることから、金融緩和の度合いを調整することが適切と判断したと言います。 改めて、今回の金融政策決定会合で政策金利の引上げまでも決定するに至った趣旨について植田総裁にお伺いしたいと思います。
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のとおりでございますが、七月の会合では国債買入れの減額と政策金利の引上げを決定いたしました。 このうち国債買入れですが、その一つ前、六月の会合で金融市場において長期金利がより自由な形で形成されるということを促すため減額していく方針をまず決定し、その後、市場参加者との意見交換も踏まえて、七月の会合で具体案を決定いたしました。 政策金利の方ですが、従来から、経済、物価がこれまでの見通し、すなわち基調的な物価上昇率が見通し期間の後半には二%の目標とおおむね整合的な水準で推移していく、するようになるという見通しに沿って推移していけば、政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくこと、さらに、見通しが上振れたり、上振れリスクが高まったりする場合も利上げの理由となることを説明してまいりました。七月の会合では、経済と物価がこれまで示してきた見通しにおおむね沿って推移しているほか、そこまでの円安もあって輸入物価が再び上昇に転じており、物価の上振れリスクにも注意する必要があると判断いたしました。 こうした状況を踏まえ、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、金融緩和の度合いを調整することが適切と判断いたした次第でございます。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。 続きまして、八月二日以降の急激な為替、株価の乱高下の要因について、鈴木大臣と植田総裁にお尋ねしたいと思います。 八月二日以降、為替市場は一時一ドル百四十円台前半という円高水準になり、日経平均株価は年初来の上昇幅を全て帳消しにするほどの急激な下げ幅を見せました。その後、株価は大きく反転しているものの、市場が安定感を取り戻すには更に時間が掛かるのではないかとの専門家の見通しが示されているところです。 このような乱高下が生じた背景に、米国における景気後退が現実化しているのではないかとの懸念があるとともに、日本銀行の金融政策見直しの影響も指摘されております。特に、金融政策決定会合終了後の記者会見における植田総裁の発言に更なる追加利上げの強い意向を市場関係者が感じ取ったことを指摘する方が多くいます。 為替にせよ、株価にせよ、市場で価格決定がなされるというのが大前提でありますが、このような急激な乱高下の要因についてはどのように受け止めているのか、鈴木大臣と植田総裁にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 急激な株価、それから為替の乱高下についてでありますけれども、一般論として申し上げますと、為替相場や株価につきましては、金融政策に係る要因、それから内外の経済、物価状況や国際収支、企業の収益力や財務状況などの経済的な要因、さらに地政学的リスクや市場参加者のセンチメントなど、様々な要因によって決まるものでありますので、一概にこれを申し上げることは難しいわけでございますが、その上で、先般の急速な動きの要因について申し上げますと、市場参加者の間では、先生が先ほど御指摘になられましたアメリカの軟調な経済指標を背景とした景気悪化の懸念、それから地政学的な緊張の高まりなどを背景として世界的に急速なリスク回避が進んだことも金融市場での大きな動きにつながったとの見方もあるということを承知しているところであります。
○参考人(植田和男君) 為替や株価の変動が大きくなった背景でございますが、大臣からも御指摘ありましたように、特に米国におきまして経済指標の下振れを受けて景気減速懸念が急速に広まった、これを契機に、世界的にドル安と株価の下落が進んだことがあると考えております。 我が国の場合、株価は、一時、他国に比べても大幅に下落したわけでございます。ドル円相場は、世界的なドル安に加えて、七月末の私どもの政策変更もあって、これまでの一方的な円安の修正が進んだと見ております。 ただ、その後、八月中旬以降は、我が国の株価も八月初めに大きく切り下げた水準からは上昇しております。その背景には、先行きの米国経済に関する過度に悲観的な見方が後退したこと、また、決算発表等を受けて、我が国の企業の収益力が評価された面もあると考えております。 もっとも、内外の金融資本市場は引き続き不安定な状況にあると認識しておりますので、当面はその動向を極めて高い緊張感を持って注視していく方針でございます。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。 続きまして、金融政策の見直しが家計や企業、国の財政に与える影響についてお伺いしたいと思います。 今回の政策金利引上げにより、日本経済が本格的に金利のある世界に回帰することになったと言われております。金融機関は預金金利の引上げに踏み出しており、住宅ローンや企業向け貸出金利についても今後上昇が見込まれることとなります。 家計にとっては、長らく低金利が続いたことで得られなかった預金金利を見込むことができる一方、変動金利型住宅ローンを借りている場合には返済額が増加する懸念も出てまいります。中小企業にとっては、物価高騰や人手不足、コロナ禍で積み上がった債務返済の負担などに苦しむところも多く、金利引上げに応じられる会社ばかりではないと思われます。 こうした家計や企業の負担増による影響について、日本銀行はどのように見ているのでしょうか。加藤毅理事にお伺いいたします。
○参考人(加藤毅君) お答え申し上げます。 政策金利の引上げでございますけれども、こちらにつきましては、今先生が御指摘のとおり、市場金利や短期プライムレートの上昇等を介しまして、やはり企業向けの短期の貸出金利ないしは家計向けの変動型住宅ローンの金利に当然影響するということは認識しております。この影響については、これからもしっかりと確認していく必要性があると思っております。同時に、これも先生御指摘になりましたけれども、預金金利などの利回りも上昇しますので、今、預金は全体で千兆円ぐらいございますので、この企業や家計の所得にはプラスに作用していくんだろうというふうには考えております。 経済主体によって、やはり両面、異なる影響が出てくるんだろうなというところはございますが、この金利収支の変化ということだけではなくて、やはり政策金利の引上げないしは金融政策の影響という観点では、これはマクロ経済全体に与える影響というのもやはり同時に見ていく必要性があると思っておりまして、やはり我々、政策金利の変更後も実質金利はもう大幅なマイナスとなっておりますので、緩和的な金融環境をしっかり維持しております。これを通じて、引き続き、経済活動ないしは企業の収益、賃金をしっかりとサポートしていくことになるというふうには考えております。
○白坂亜紀君 ありがとうございます。 金利上昇は国債の発行条件にも影響するため、将来的な利払い費の増加にもつながる懸念があります。 財務省は、今年四月に長期金利が想定より上昇した場合の試算を財政制度等審議会に示していますが、改めて、日本銀行の金融政策の見直しによる利払い費に対する影響をどのように見ているのか、財務省吉野維一郎次長にお伺いいたします。
○政府参考人(吉野維一郎君) お答え申し上げます。 今回の金融政策の見直しが今後の長期金利等に与える影響につきましては、一概に申し上げることは困難でございますけれども、あくまで一般論として申し上げれば、債務残高対GDP比の高い我が国におきまして、金利が上昇し、利払い費が増加すれば政策的経費を圧迫するおそれがあるということと考えております。 また、委員御指摘のとおり、先般の財政制度等審議会に提出した資料におきましては、後年度影響試算の考え方に基づきまして、令和七年度以降金利が一%上昇した場合の利払い費の増加幅を機械的に延伸いたしますと、九年後の令和十五年度には利払い費の増加が八・七兆円程度になるとの試算をお示ししたところでございます。 こうした状況によりまして国民生活等に必要な予算が行き届かなくなることは決してあってはならないことと考えておりまして、政府といたしましては、これまで以上に気を引き締めて財政健全化の取組を進めていくことが重要と考えております。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。 続きまして、為替、株価の乱高下が個人投資家に及ぼした影響について金融庁政府参考人にお尋ねします。 政府は、資産所得倍増プランや資産運用立国実現プランなどを打ち出し、貯蓄に偏重してきた家計金融資産を投資にシフトさせるように取り組んでまいりました。今年からは、新たに少額投資非課税制度、いわゆるNISA制度が刷新されており、この制度を呼び水として新たに投資を始めた個人投資家も少なくないと言われております。 今回の乱高下は、新たにNISA制度がスタートして個人投資家の裾野が広がってから初めて起きた市場の調整局面です。経験の少ない個人投資家の中には、保有する株式や投資信託などの価格が急激に下がり、不安の中に過ごすこととなったり、中には慌てて売却してしまったりした人も多いのではないでしょうか。また、NISA制度の対象ではありませんが、株式の信用取引などで、予想外の方向に市場が動いたため、いわゆる追い証を求められて取引を解消せざるを得なかった人もいると思われます。 金融庁は、今回の乱高下の局面における個人投資家への影響を現時点でどのように把握していらっしゃるのでしょうか。また、投資家保護や顧客本位の業務運営の観点から、こうした局面に備えた対応も検討しておくべきではないでしょうか。金融庁堀本善雄総合政策局政策立案総括審議官にお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堀本善雄君) 御質問の今般の株式の乱高下が個人投資家に与えた影響についてでございますが、委員も御指摘のとおり、個人の投資家と一概に申し上げましても、どのような資産をどのような期間、短期、長期ですね、運用されているか、あるいは信用取引等のレバレッジを掛けているかというようなことによって影響が大きく異なるものですから、一概に申し上げることは困難でございますけれども、NISAについて、NISAを利用された個人投資家の株価が下落した八月の二日及び五日の動向についてマクロ的に把握しております。 大手証券会社十社へのヒアリングによりますと、NISA口座全体では、この二日間においても、買い付け金額が売り付け金額を上回っている、いわゆる買い越しの状況でございまして、売り付けが一方方向に進んだという状況ではないというふうに認識しております。これは、別途、東京証券取引所及び名古屋証券取引所が発表しております八月の第一週の個人の現金取引による株式売買が買い越しになっていると、こういうデータと整合的であるというふうに考えています。 一方で、委員の方で御発言がございました個人の信用取引における売買でございますけれども、この信用取引というのは、レバレッジを掛けることによって多額の利益が得られることがある反面、多額の損失が発生する可能性がある、そういう取引でございまして、投資家は取引のリスクについて十分に把握をして取引をすることが求められております。したがいまして、NISA口座では利用ができない、そういう取引でございますが、この取引については八月の第一週において売り越しとなっているという状況でございます。 いずれにしましても、金融庁は、今回の株価の下落よりも前から繰り返し金融機関に対して、NISA口座を利用する顧客について、長期、積立て、分散の投資の意義やあるいは投資リスクについてしっかりと周知をすること、それから顧客本位の業務運営に基づいた丁重な説明や販売後のフォローアップなどをやることということを求めてきております。 さらに、今回の株式下落時においても、特に株式市場が大きく変動する中においては適切な追加的な顧客対応を実施するということを周知しておりまして、これを受けまして、金融機関においても、長期、積立て、分散投資の意義等について情報発信やあるいはお客さんへのフォローアップを行ってきているということでございます。 また、金融庁も、マスメディアを通じまして、長期の目線での継続的な運用、この重要性を発信させていただいておりますし、金融庁の金融サービス利用相談室等において相談を受け付けてもおります。 いずれにいたしましても、金融庁としては、引き続き、長期、積立て、分散投資の意義を発信させていただくとともに、金融機関に対して特に市場の急変時において丁寧な顧客対応を行うように、このように求めてまいりたいというふうに考えております。
○白坂亜紀君 ありがとうございます。 続きまして、八月七日の日本銀行内田副総裁の発言の意図について植田総裁にお伺いしたいと思います。 まだ株価や為替の不安定な動きが続いていた八月七日、日本銀行内田副総裁は、函館市金融経済懇談会での挨拶の中で、内外の金融資本市場の急激な変動が見られる下で、当面、現在の水準で金融緩和をしっかりと続けていく必要がある、金融資本市場が不安定な状況で利上げをすることはありませんと発言されました。この発言が流れた後、株価は急激に上昇する結果となりました。 内田副総裁は、懇談会後の記者会見において、総裁と副総裁との意見は整合的なものなのかどうかを問われ、総裁と私の間に考えの違いがあるということではなくて、状況が変化したということだと説明されています。 内田副総裁の発言の意図について、植田総裁の御認識をお伺いしたいと思います。
○参考人(植田和男君) 私のあの七月末の決定会合後の記者会見になりますが、その場で、今後の政策運営について、経済、物価の見通しが実現していくとすればという条件付で、その場合、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していくということを申し上げました。こうした考え方は、決定会合後の対外公表文でも明記されておりますし、政策委員の間でも共有されています。また、その記者会見の場で、そのとき、今回の利上げの経済、物価への影響を注視しつつ、先行きの政策運営を考えていくということも述べております。その後、内外の金融資本市場において急激な変動が発生し、そのことが経済、物価の見通しに与える影響を注視することが必要になっております。 こうした情勢変化を踏まえ、内田副総裁の講演では、市場動向や経済、物価に及ぼす影響について注視する必要があると指摘したところでございます。このような意味で、金融政策運営の考え方について、私と副総裁の間で違いはございません。
○白坂亜紀君 ありがとうございました。 引き続き、当委員会では、株式市場並びに為替の動向に注視し、金融政策の見直しや、家計や企業、国の財政に与える影響について注意深く見てまいりますので、政府、日本銀行のしっかりとした取組をお願いいたします。 以上で終わります。ありがとうございました。
○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人でございます。 早速質問に入りたいんですが、最初に、誠に質問しづらいことなんですが、これも日本の予算に関わることですので財務大臣にちょっとお答えをいただきたいと思うんですが、私どもこの参議院の同僚で、秘書給与の搾取で議員を辞職された方がいらっしゃいました。どうも当局の取調べに認めているようでございますので、今後どのような結末になるか分かりませんが、もしこれが犯罪ということになれば、刑事訴訟法の中に、二百三十九条の二項に、公務員はその犯罪を知り得たときには告発しなければいけないと、告発義務がございます。 搾取でございますので、損害賠償等返還要求、こういったことを、予算をつかさどる財務省として、財務大臣として、また同じ同県の選出の議員として、所感があればお聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今般の秘書給与の搾取の件でございますが、広瀬さんを擁立をしたのは自民党の岩手県連でございます。その上で、党本部にお願いをして公認をいただいたところでございますので、自民党を離れ、また辞職をしたといえども、大変にこの件は遺憾であると思っております。私自身、前回の選挙で先頭に立って彼女の支援をお願いをして回ったわけでありまして、このようなことになり、自らの不明を恥じるとともに、今地元でもおわびを重ねているところでございます。 いずれ、今、熊谷先生から告発あるいは損害賠償というお話がございますが、まだ今の時点では検察当局が捜査中であると承知をしているところでございまして、捜査中であるわけでありますので、今の段階で政府の立場からコメントすることは控えなければならないと、そのように思っております。
○熊谷裕人君 誠にお答えにくい質問に答えていただきまして、ありがとうございます。 今後、今答弁ありましたように、この状況の成り行きによっては、公金の搾取ということでございますので賠償請求も行わなければいけないと思いますし、また、名義を貸した秘書さんの方には厚生年金が掛かっておりまして、この方が受給の年齢になりますと、掛けた分を国がというか、社会保障費で出さなければいけないということもありますので、できればこの結末が見えたところでしっかりとした対応をお願いをしたいというふうに思っております。 続いて、今日、本題に入ってまいりたいと思いますが、岸田総理が突然、次の総裁選挙は出ないということで、総裁を降りるということは総理も降りるということになろうかと思います。 そうすると、ポスト岸田ということになろうかと思いますが、これまでのまず財政政策について、次期政権に引き継ぐべき財政政策は何なのかというところ、財務大臣の今お気持ちの中であるところをお示しいただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先日、総裁選への不出馬を表明された記者会見におきまして、岸田総理からは、任期中、最後の一日まで政策実行に一意専心当たっていくとの発言があったところであります。 したがいまして、引き継ぐべき財政金融政策について具体的にお話をする段階ではないと、そのように考えておりますが、財政政策について申し上げますと、基本的には、骨太の方針二〇二四を始めとする政府の方針に沿って、これまで取り組んできた政策の考え方を引き継いでいくことになると認識をいたしております。すなわち、経済あっての財政との考え方の下で、民需主導の持続的な成長を実現するため、真に効果的な財政需要については機動的に対応するとともに、財政健全化の旗を下ろさず、財政に対する市場の信認を確保し、将来世代への責任を果たしていくため、歳出改革努力などを取組を行っていくという、経済成長の実現と財政健全化の両立の考え方が次期政権にも引き継がれていくことになるのではないかと考えております。
○熊谷裕人君 同じ質問を植田日銀総裁にもお願いをしたいと思っておりますが、引き継ぐべき金融政策は何か、そして、岸田政権で総裁は指名をされておりますが、政権への向き合い方について変化があるのかどうか、その点についてお答えをいただければと思います。
○参考人(植田和男君) 私ども日本銀行といたしましては、日銀法に定められた物価の安定という使命を果たすために、引き続き、物価安定目標の持続的、安定的な実現を目指して金融政策を運営していく所存でございます。 その上で、政府との間においては、これまでと同様、十分な意思疎通を図ってまいりたいというふうに考えております。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。意思疎通をしっかりと図った上で、やはり日銀の独立性というところにしっかりと観点を置いて金融政策運営をしていただきたいなというふうに思います。 続いて、七月の金融政策決定会合の決定内容について少しお聞きをしたいと思います。 午前中の衆議院の財金委員会で同僚の櫻井議員の方から、正常化に向けた取組が遅かったのではないかという質問を総裁にされておりました。その点について、私も、市場というか、マスコミの中では早過ぎたんじゃないかというような、今回の七月の金利の引上げは早過ぎたんじゃないかというようなコメントありますけれど、私は、正常化に向けての動きというのが余りにも慎重過ぎて若干遅れたのではないかと、遅れたのでタイミングが悪いときに利上げということが重なってしまったというふうに思っておりまして、もう少し、物価の安定的な二%の上昇は、ここのところの円安でずっと私は、超えていて、行き過ぎた円安、悪い円安を何とか金融政策で変えてほしいという話はこの委員会でも何回か質問させていただきました。 そういう視点から、私の個人的な視点からいうと、若干慎重過ぎて遅かったかなというふうに私自身は思っているんですが、この決定の内容とタイミングについて改めて、植田総裁はこの七月の決定がどのような感じで、適切だったのかどうかという観点からどう思っているのか、お聞かせをいただければと思います。
○参考人(植田和男君) 七月の決定でございますけれども、これは先ほどちょっと申し上げましたが、経済、物価がこれまで私どもが示してきた見通しにおおむね沿って推移しているということと、そこまでの円安もあって物価に上振れリスクが出てきているということを考えて利上げの判断をしたところでございます。 その上で、これが早過ぎたか遅過ぎたかということについてもコメントするようにという御質問だと思いますが、一つには、その後発表されました第二・四半期のGDP統計あるいは六月の毎月勤労統計等を見ますと、私どもの見通しに沿った線で経済が動いているということが確認できております。そうした意味で、この決定は適切であったんではないかなと思ってございます。 一方で、午前中も議論がありましたが、遅過ぎたのではないかという御意見は一部にあるかと思いますが、これに対しましては、そもそもの大規模金融緩和が、その中に二%の目標の持続的、安定的な達成が見通せる状況になるまで継続するという約束のようなものがございまして、これは守りつつやっていこうということでやってきましたので、最終的に、今年の春、春闘がかなりしっかりした姿になるだろうということをかなりはっきりと予想できた時点、すなわち三月頃に大規模緩和を終了し、さらに、その後のデータも見通しどおりということで、先ほど申し上げましたように七月に追加の利上げをさせていただいたということでございます。
○熊谷裕人君 その辺の、春の春闘の賃上げを見てということはこの委員会でも度々議論になりまして、同僚の柴議員の方からも質問をさせていただいて御答弁いただいてきたようなことでもございますが、その状況も、見通しは明るかった状況でもありますし、その当時は株価も安定的に上がっていた。逆に言うと、円安が進んできてだんだんと輸入物価が高くなってきたというところに手を打たなければいけないんじゃないかということで、私はその頃、金融政策を変更して悪い円安を退治しなきゃというような御提案をさせていただいていたんですが、そういった思いで、私自身は遅過ぎたのかなというふうに思っております。 続いて、今回の乱高下の原因についてちょっと、もうこれも度々質問をいただいて答弁は出ているところでございますけれど、何回か為替介入をしました。それにもかかわらず、円の方は一度円高に振れてまた円安にというようなことを繰り返しておりましたけれど、最終的には、その八月の二日のアメリカの雇用統計の数字が市場予測より低かったということで、アメリカの景気減速が予想されるということが引き金になって株価も、円は円高に振れ、株価は下がるというようなことになったんだと思っておりますし、総裁もそのような、アメリカの景気減速懸念がその引き金になったというような答弁をされております。そして、戻ったのは、悲観的なその状況が脱したから戻ってきているというような答弁もありましたけれど、七月の二日に一ドル百六十一円という安値を付けまして、その翌週に日本の株は、株価は最高値、四万二千円を超える最高値を記録しました。 そして、その頃から徐々に円高に、何回か為替介入ありましたけれど、円高に振れていたんではないのかなと思っておりまして、今言われている円キャリートレードが、手じまいがここから私は始まってきているんじゃないのかなというふうに思っておりまして、そこに、日銀の利上げの観測、そしてアメリカの利下げの観測、市場では随分出ておりましたので、それを織り込み始めていたところに、雇用統計が悪かったということを引き金にパニックが始まったんではないのかなというふうに思っておりまして、その中で、先ほど白坂委員の質問の答弁にもありましたけれど、何というんでしょうかね、投機筋の売り抜け、下落の状況で売り抜け、そして翌日に下落したところを買い越しているというようなことはデータでも、民間の調べのデータでも出ておりますし、大塚議員の要求した資料でもそれが見て取れるところでございます。 そして、ずっとこの市場というか、日本の株式市場は、先ほどもお話がありましたけれど、信用取引で買い越しが四・九兆円も六月には膨らんでおりました。そろそろ、そのとき時点ではまだまだ株は上がると言って、実際、七月の十一日に四万二千円まで上がってきているんですけれど、その買い越しの状況が、パニックを起こしたときに、先ほど追い証の話もありましたけど、追い証が必要になってパニック売りというのが始まって、一挙にブラックマンデーを超えるというような下げになったんではないかなというふうに思っていますし、投機筋はそれを利用してうまく売り抜け、そしてうまく次の日に買ったという状況で、日本の政府が旗を振って投資に入ってきた人たちが結局パニックで損をしてしまったという状況なんではないのかなというふうに思っております。 その中で、先ほどの答弁にもありましたけれど、証券会社とか信託は買い越されているというのは、多分、年金、GPIFとかその辺しっかりと買ったんじゃないのかなというふうに思っていまして、そこで戻ったというのが状況になっていると思うんですけど、この乱高下、私が今言ったようなことが原因で乱高下が起きたと思っていまして、投機筋が、やっぱり日本の株式、そして円キャリートレードというところで狙っていたのがうまくはまったというような状況になっているんじゃないかなというふうに私は個人的に思っておりますが、その点について、植田総裁、もし御感想があればお聞かせいただければと思います。
○参考人(植田和男君) 八月入り後の株価や為替の大きな変動の背景として、委員がおっしゃったような、投機的な投資家の、最初、ポジションの積み上がりがあり、それが整理が始まっていたところという、ポジションの整理のところであったというファクター、要素が影響した可能性は否定できないとは思っております。 ただ、大きな動きを決定付けたのは、これも委員おっしゃいましたように、八月二日のアメリカの雇用統計ですか、これが思った以上に弱かったということが一時的にせよ米国の景気減速懸念を急速に世界中に広めたという、そこが大きかったのではないかなというふうに思っております。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 今日の総裁の発言を世界が注目をしていますので、慎重にならざるを得ないというところは理解できます。私も、余り総裁に思い切った答弁をしていただいてまた市場が大きく動いても困りますので、慎重に質問をさせていただきたいなと思いますが、私は、この八月の五、六の乱高下はそういう状況で、やはり日本の株そして円というところが投機筋に狙われて、それがうまく利用されたんじゃないのかなというふうに思っておりまして、やはり株の世界とか為替の世界というのはそういうリスクがあるものだというふうに思っております。 先ほどの白坂議員の質問にもありました。ちょっと順番を変えて、家計の資産形成に対する影響について、これは、財務大臣じゃない、金融担当大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれど、岸田内閣で貯蓄から投資への、家計の安定的な資産形成への取組ということがずっと進められてきました。政権が、政権というか、総理が替わり、内閣が替わります。そして、この八月の乱高下を初心者というか初めてNISAを利用して投資に入ったような方たちもいきなり経験をすることになりましたけれど、この点につきまして、これからも貯蓄から投資へという政府の考え方が変わるのか変わらないのかという点についてお伺いをさせていただきたいなというふうに思っております。 午前中の質問も見ておりまして、金融経済教育推進機構のその教育というところが、リスクも含めて教育をするところが必要なんだというような答弁も出ておりましたけれど、投資の初心者の方へのアドバイスをするという職種をつくって、そしてお金を受けて、そして投資のアドバイスをするということが念頭にあって、たしか発足式のときに、岸田総理もその発足式に出て、そこのアドバイザーが一つのその肝なんだというようなことを強調されておりましたけれど、教育をしていただかなければいけないというのを今言いましたが、余りにもそこが強調し過ぎて、貯蓄から投資へということで初心者が増えて、また何か投機筋に狙われて大損をしてというようなことがあっては私はならないと思っていますし、そういったリスクが大き過ぎるというふうに私は思っておりますが、その点について、金融担当大臣として、この資産形成の取組についてこれからの変化があるのかないのかという点も含めて御答弁いただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 資産形成の取組方針に変化があるか、今回のあの乱高下を踏まえてということだと思いますが、政府としては、金融市場を通じて家計の投資が企業価値の向上につながり、それが資産所得の増加という形で家計に還元されるという好循環を実現していくことが重要であると考えておりまして、貯蓄から投資へという方針に変わりはございません。 一方で、今般の株価の急落局面では、新NISAで新たに参入した個人投資家の中には不安を感じる人もいたとの指摘がございます。資産形成を行う際には、国民の皆さん一人一人が御自身のライフプランやライフステージを考慮し、どのような資産形成が必要かをよく考えていただくこと、投資を行う場合には様々なリスクがあることを御理解いただくこと、新NISAの利用に当たっては、長期、積立て、分散投資の特徴や重要性を考慮して市場変動の際も冷静に判断していくこと、こういうことが重要であると考えております。 金融庁といたしましては、こうした点についてしっかり広報、周知を行うべく、今般本格稼働を開始いたしましたJ―FLECを中心に関係金融機関等とも連携をし、取り組んでまいりたいと、こういうふうに思っております。 いずれにしても、そのリスクというようなこと、これについても十分に理解をしていただく、その上で、自分のライフスタイルを考えていただいて、投資をするのも自由ですし、投資をしない、踏まえてこれ私はしませんということももう自由なわけでありますので、まずはこうした金融教育、これが大事なのではないかと考えております。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 今の御答弁を受けましてなんですが、その投資のアドバイザーのところでちょっと気になる記事がありまして、そのときに総理が割引クーポン、アドバイスを受けるのに八割ぐらいのクーポンを出すんだというような発言をしていたような新聞記事が出ておりました。 何というんでしょうか、今、大臣が、投資を、そこは個人の判断で、どちらでも個人の判断でということだったんですけど、お金を払って投資のアドバイスをいただいて、その投資が、投資のアドバイスをクーポンを使って八割引きみたいなことで安くアドバイスができるということになると、何となく、政府がそこを使って投資の世界へいざなっているような気にもなってしまうので、その辺、まあ岸田総理の発言ですから、大臣にこの点どうなのかというふうに言ってもあれなのかもしれませんが、その点、岸田総理が、そのアドバイザーに対するクーポン券を発行して、そして投資の教育に使ってもらいたいというような発言をその発足式のときに、出たときにしているという報道もありますので、その点、もし分かれば御答弁をいただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) アドバイザーが果たすべき役割というのは、これは大変大きいんだと思います。そして、アドバイザーが出張っていくと言ったらおかしいですけど、そういうときは投資がやろうということが前提になる、そういう取組であると理解をいたします。 したがいまして、発足時でありますから、そうしたアドバイザーの方の活動を多くの方に受けてもらう、これはもう投資をしようという気持ちの人だと思いますけれども、それを促進するための一つのアイデアとしてそのクーポンという話が出たのではないかと、私はそう理解いたします。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。通告もなしで答弁していただいて、ありがとうございます。 大臣にももう一度、先ほど日銀総裁に質問したこの八月の乱高下の状況について、これは金融担当大臣としてどのように思われたのか。先ほど言ったように、私は投機筋が悪さをしたというふうに認識をしておりますが、金融担当大臣としてどのようにそこの乱高下を、原因を見ているのか、お聞かせいただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 八月上旬の株価と為替の乱高下でございますけれども、これは様々な要因が考えられると思います。 そういう中で、市場参加者の間では、先ほど来話題にもなっておりますが、アメリカの軟調な経済指標を背景とした景気の悪化懸念、それから地政学的な緊張の高まりなどを背景として、世界的に急速なリスク回避が進んだことも金融市場での大きな動きにつながったという見方があると承知をしております。 そして、熊谷先生御指摘になりました投機的な動きにつきましては、なかなか何を投機的な取引であるかと判断することが難しいわけで、一概にお答えはしづらいんでありますけれども、市場参加者の中には、先ほど申し上げました米国景気の悪化懸念等を契機に、為替市場における既往の投機的なポジションが急速に解消されたことも金融市場における大きな動きにつながったとの見方があるということも承知をいたしております。 いずれにしても、引き続き、投機的な動きも含め、金融市場の動向、しっかりと注視してまいります。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 続いて、先ほどもちょっともう質問されておりますけれど、内田副総裁の発言と植田総裁の認識に違いはないというふうに先ほど答弁をいただいておりますが、そうすると、為替や株のこの市場が混乱をしている間は金利の決定はしないというようなことがその内田副総裁の発言だったように私は思っているんですが、そうすると、金利の決定、これからの日銀の金利の決定には株価や為替の市場の動向というのが左右されることになるというような認識を私は持ってしまうんですが、それで、私の認識でよろしいかどうか、日銀総裁にお尋ねをしたいと思います。
○参考人(植田和男君) 私ども、金融政策を決定する基本姿勢としましては、先ほど来申し上げておりますように、将来にかけての経済・物価見通しがどうなるか、二%の目標との関係でどうなるかということでございます。したがいまして、為替や株を含めまして金融市場の動向でございますが、これが大きく動いたときには、そういう見通しにどういう影響があるかという観点から適切に考えてまいりたいと思っております。 ただ、その上で申し上げれば、足下、八月入り後の市場の動きは急激であって、現在も不安定な状況にある可能性があると認識しております。この点、当面は極めて高い緊張感を持って市場動向を注視するとともに、申し上げましたように、経済・物価見通しあるいはそのリスクにどういう影響があるかということを丹念に見てまいりたいと思っております。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 私も余り専門家ではないので何とも言えませんが、これからこの株と為替の市場が落ち着いてくれば、物価を見ながら更なる利上げが日本の金融政策、日銀の金融政策としてあり得るんじゃないかというふうに思っておりますし、アメリカの方は、逆に言うと利下げの観測が出ております。この後、議長の発言というか講演の中身によってまたいろいろ変わってくるんだと思うんですけれど、九月は利下げ、FRB、利下げをするんじゃないかと言われていますし、年内にもう数回するんじゃないかというような話もあります。 そうすると、日米金利差が縮小してきて、自然にこれは、円キャリーもこれで手じまいになって円高に振れていくことになるのかなというふうに私自身は思っておりますが、それを見ながら、私は輸入物価を上げているのは円安だというふうにずっと言っていましたので、円高になるということは輸入物価が下がって物価ももう少し安定してくるということになろうかというふうに思っていまして、二%、まあどれくらいの物価の上昇に影響があるかというのが、この円高、輸入物価の下がるのかどうかというところも分かりませんけれど、普通に考えれば下がって影響が出てくるのかなというふうに思っております。 その辺慎重に対応していただくことになろうかと思いますけれど、改めて市場とのコミュニケーションについて総裁のお考えを、今ほどというか、御答弁いただいたこれまでの流れを踏まえて、コミュニケーションについてお考えをお聞かせいただければと思います。
○参考人(植田和男君) 申し上げるまでもなく、金融政策、市場を通じて経済に働きかけるという面がございますので、御指摘のように、私どもの経済、物価についての見方あるいは政策運営の基本的な考え方、こうしたものが市場参加者を含む幅広い層にうまく伝わるように丁寧かつ分かりやすい説明をしていくことが重要であると認識しております。 引き続き、そのために、私どもの講演や記者会見あるいはこうした国会での答弁などを通じて丁寧な情報発信に努めてまいりたいと思っております。
○熊谷裕人君 ありがとうございます。 時間がもうなくなってまいりましたので、最後に一問だけ。 国債の日銀の買入れ減額ということになりました。この減額された分の国債の買手について、財務省というか金融担当大臣としてこの買手をどのように考えているのか、お答えいただければと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 国債発行当局でございますので、今後の国債保有者の構成について確たることを申し上げることができませんが、先般の日銀の決定を受けまして、国内、海外を問わず幅広い投資家に国債を購入、保有していただく努力が一層重要になったと、そのように認識をいたしております。国債発行当局としては、金利の動向や投資家のニーズを見極めた上で、市場との対話を丁寧に行いつつ、適切に国債管理政策を運営してまいりたいと考えております。 また、国債市場を取り巻く環境が変化する中で、国債を将来にわたって安定的に発行、管理するためには新規の国債発行を可能な限り抑制することも重要であると考えておりまして、引き続き財政健全化にも取り組んでまいります。
○熊谷裕人君 時間が参りました。拙い質問に御答弁いただきまして、総裁、大臣、ありがとうございました。 終わります。
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。 ちょっと済みません、鈴木大臣、ちょっと質問通告していないんですけど、先ほど熊谷理事の方から、岩手の同僚議員、私も、与党でありましたので応援した経験もあります。非常に残念と思っております。 これは個人的な見解で結構なんですけど、ちょうど我が党として、御存じのように、政治資金の問題で、改正政治資金規正法に第三者機関、これを盛り込むことができました。今その具体的な実は内容等を議論しておりまして、法律できてから今七回会合を開いてまいりました。 ちょうど今朝ですね、構想日本の加藤秀樹先生から、いわゆる政党のガバナンスということで、やはり上場会社というのは御存じのように、もうガバナンスコードは大変厳しいものがあるんですけど、ある意味、上場会社より公的なものは政党だと思います。そういう政党のこのガバナンスの必要性というのを鈴木大臣はどのように認識されているのか、答えられる範囲で結構ですので、よろしくお願いいたします。 〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 他党のことはよく分かりませんけれども、我が党においては、ガバナンスが利いているのは物事の決定プロセスだと思います。政策等、政策審議会あるいは最終的には総務会を通じて全会一致で決めるということで、決まったことは全員従うというのがこれは長年の伝統でありまして、そちらの方のガバナンスは非常に利いておるんですが。 しかし、どちらかというと、我が党の国会議員というのは何か一人一人が独立して、その集合体が自民党という政党のような気がして、何か政党の前に各政治家個々人がいるというようなことで、そうなりますと、そういう面においてきちっと押さえられないという面もあるのかもしれません。 いずれにいたしましても、政党のガバナンス、こうした事件や様々な出来事があるときには極めて重要でありますので、我が党としても今後変えるところはきちっと変えていかなければならないんだと思います。第三者委員会で何か結論が出れば、それは大いに参考になるんだと思います。
○若松謙維君 謙虚な御意見ありがとうございます。 私どもは与党でありますので、やはり与党がこの問題について、政党のガバナンス、さらには政治資金、これに対してのガバナンスも入れると、そういったところを共々に議論していきたいと思いますので、どうぞ自民党の先生方も御協力よろしくお願い申し上げます。 ちょっと質問に実は移らせていただくんですが、今回のいわゆる為替、そして株価の乱高下が起きましたけれども、ちょうど資料で、私もちょっと勉強いたしました。この「日本経済論」という本がちょうど二〇一七年の十一月に出版されたわけでありますが、それを見ますと、いわゆるゼロ金利政策の開始、これが一九九九年二月、当時は速水総裁ですか、ということで、それから量的緩和措置、さらには不良債権処理、経済再生、さらにはアベノミクスの展開、そして量的・質的金融緩和と、こういう流れで、二〇一七年までしか記述されておりませんが、しかし、大変よく整理された私は著書ではないかと思っております。 その結果、当時は、まさに二〇一三年のアベノミクス開始のときは日経平均が二〇一二年十一月平均で九千六十円、それが一昨日は三万七千八百五円ということで、内需も回復して雇用も大幅に改善と、就職市場もいわゆる氷河期から超売手市場に今様変わりしています。 一方、ドル・円レートですけども、この二〇一二年の十一月が八十・九円から、一昨日のちょうど正午ですけど、百四十五・三円と、ここまで円安になって、いわゆる過剰な円高が従来は輸出企業を苦しめる結果ですが、最近は円安がこの家計にも直撃していると、こういう状況という、本当に様変わりなわけであります。 こういう過去の経緯を踏まえて、この速水総裁からスタートしたゼロ金利政策、今日だと約二十五年たっているわけでありますけれども、ここの超金融緩和政策からの転換期という、これが今そういう時期だと思うんですけど、一方で、政策の急速な変更が金融市場に、経済に大きな影響、リスクがあるということで、この質問は先ほど白坂先生されてしまいましたので、ちょっと大変、これも質問通告ないんですけど、これも答えられる範囲で結構ですが、植田日銀総裁に、結局、今回のこの政策変更ですか、七月、三月から至りまして七月にかけて、この転換に対して、恐らく一言が大変な、日本だけではない、世界にも影響を及ぼすわけでありますので、当然、二十五年間なりの歴代の恐らく総裁のいろんな思いとか歴史とかを振り返りながら、今回の決定になったと思うんです。 特に、この一番にこの時期尚早という、これはこの本で書いておりますが、たしか、そのとき植田総裁は委員ではなかったんでしょうか、そのとき反対されたというふうに記憶しているんですけど、そういうずっと関わってきた植田総裁として、今回のこの決定に至った何か思いというんですかね、先ほどはその背景は説明していただきましたので、思いというのをちょっと、答えられる範囲で結構ですので、お答えいただければ有り難いと思います。
○参考人(植田和男君) 二十五年間を振り返ってということでございますが、例えば二〇〇〇年とか、私は委員ではありませんでしたけど、二〇〇六年、あっ、二〇〇〇年は委員だったんですが、二〇〇六年とか七年のときに若干の利上げをしたりしておりますが、そのときと今回の大規模金融緩和の解除とか七月の利上げではかなり経済・物価情勢が大きく違っているな、特に物価情勢が違っているなというふうに思っております。 二〇〇〇年とか二〇〇六、七年のときには、インフレ率で見ますとゼロ前後をうろうろしておりまして、もちろん、そのとき見ていた消費者物価指数がどれくらいだったか、それから、その後改定されて、今見えているのがどれくらいかということからくる乖離がございますが、いずれにせよ、ゼロ近辺のインフレ率の中で金融政策の調整を行うということが過去ありました。 今回は、消費者物価総合で見ますと明らかに二%を大きく超え、しかも、それがかなりの時期続いた。それから、そこから一時的な要因を私どもなりに取ろうとする作業をした結果、ある種、基調的物価上昇率ですが、それもゼロ近辺というようなことではなしに、かなりはっきりと上昇してきている、まだ二%にはっきりなったというわけではないですが、という意味で、いろんな理由はありますが、物価をめぐる環境が大きく前回、前々回とは違う、そういう中での今年は意思決定であった。 そういうところにうまくたどり着けたなと、今後はなかなか難しい面がいろいろあるとは思いますが、というような感想を持っております。 〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕
○若松謙維君 それで、これも実は白坂先生に質問されてしまいましたので、ちょっと違った観点から。 今物価というお話をされました。当然、日銀の政策目標は物価でありますので、今回、結果的にはこの株価、結果は為替と株価、乱高下しましたが、いずれにしても戻ってきております、いい形で。 八月頭の市場の動きですけど、特に株価については投機的な動きの巻き戻しというんですか、これが大きくなって、これはやっぱり経済が、実体経済がしっかりしているということなんですけれども、先ほどもそういう御答弁がありました。 やはり一番大事なのは物価ですよね。取りあえず、七月に入ってたしか二パーちょっと超えたということで、やっと二パーということが見えてきた。しかし、あのときは賞与とか定額減税とか様々な要因があって、やっぱりこれから八、九、非常に大事だと思うんです。 なかなか日銀の立場からこの見通しを言うのは難しいと思うんですけど、今後の物価に対する見方というんでしょうか、捉え方というのをどういうふうに総裁としてお考えでしょうか。
○参考人(植田和男君) 私どもの現在の物価の見通しは、ちょうど委員が用意くださいました資料の三ページ目に、政策委員の七月時点での見通しが示されております。 二〇二四年度から二六年度にかけての表がございますが、こういう形になっておりまして、参考というところにあります、除く生鮮食品、エネルギーというところをまず御覧いただくのがよろしいかと思いますが、この中にも若干一時的な動きはありますが、おおむねこれをまず見ていただきますと、大体向こう二、三年間、二%近辺で推移しそうである。 それから、その上でエネルギーを加えますと、消費者物価、除く生鮮食品という行になります。これは政府のエネルギー関係の施策の変動を映じまして上下に振れる形になっておりますが、その下の、除く生鮮食品、エネルギーにその部分を加えた動きになっておりまして、しばらく二を超えて推移しますが、二六年度にかけて二に大体収束していくというような見方を今のところ私ども持っております。 以上でございます。
○若松謙維君 ありがとうございます。 今、やっぱりエネルギー、この価格がまた大事な要素、当然そのためにも為替というまた面も非常に大事になるという、非常に経済はやっぱり難しい問題だと思いますけれども、ちょうど私のその資料の六と七を見ていただきますと、特に為替介入の実績の資料を提示させていただきました。ちょうど六月二十七日から七月二十九日ですか、の間に行われた為替介入、この目的、効果、先ほどもちょっと触れられたと思うんですけど、これは鈴木大臣から是非御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘の六月の二十七日から七月二十九日には、総額にいたしますと五兆五千三百四十八億円の為替介入を実施いたしました。 為替相場はファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要でありまして、過度な変動は企業や家計の経済活動に悪影響を与えるおそれがあり、望ましくありません。為替介入には、そのような為替相場の過度な変動に対しその安定を図るという意義があると思います。 御指摘の期間に実施した為替介入につきましても、当時、投機的な動きが見られる中で、過度な変動に対し適切に対応するために行ったものであり、そのような観点から申しますと効果があったと、そのように考えております。
○若松謙維君 この金額の公開ですか、これは恐らく各政府間の約束というんですか、公開を求められるというわけじゃないんですが、実は、やっぱり個人的に知りたいのは、日本の政府も一・何兆ドルの外為資産があるわけですが、どういうところに売買というか、資金の移動って関心があるんですけど、それは恐らく答えないということなんですよね。これは各政府のお約束ですね。そういう理解でよろしいですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 例えば為替介入のときに、どのものを動かしたか、例えば外国債券を動かしたとか、ドルを売ったとか、別の外貨をどうこうしたかとか、それが明らかになりますと、まさにそれを基にした投機というものも始まってしまうわけでありますので、基本的には申し上げないということになっております。
○若松謙維君 それでは、次、日銀総裁にお尋ねしたいんですが、ちょっと先ほど熊谷理事からも国債の話が出ました。私、違った観点から質問させていただきますが、この金融市場におきまして、やっぱり日本銀行、これが七月の決定会合で利上げとともに国債買入れの減額決定をいたしました。これがたしか資料の四になると思うんですけれども、この減額決定のポイントですか、さらに、今後の日本の経済に与える影響、それについてお尋ねいたします。
○参考人(植田和男君) ポイントでございますけれども、六月でこういうことをやりますということをおおむねアナウンスし、その後、マーケットの人たちの意見を聞きまして、七月に具体案を決め、発表しております。 考え方のポイントとしましては、なるべく予見可能な形で買入れを減額していくということを一つ、一方に考え、他方で、国債市場の安定に配慮したいし、その配慮するための柔軟性もある程度残しておこうということでございます。その両方のバランスを取った上で、相応の規模となる計画を発表いたしました。 具体的な数字はこの表にあるとおりですので省略いたしますが、柔軟性を確保するという観点からは、一年後、来年の六月にこうした計画が当初のもくろみどおり進んでいるかどうかという点の中間評価を行うということを決めております。もちろん、特に大きな変化がなければ今回の計画どおりその後も進んでいくということが基本でございます。ただ、必要があれば適宜修正する。それから、長期金利が急激に上昇する場合には、こうした予定額にかかわらず機動的にオペを実施するという可能性も残しております。 その上で、基本的な考え方としましては、長期金利が市場において自由に形成される方向に持っていきたいということでございます。
○若松謙維君 総裁に経済の何か先生に対する質問みたいで恐縮なんですが、結局、国債を売却する、当然、何ですか、国債の価格ですか、価格というのは利回りとの関係なので難しいと思うんですけど、ここについては、いわゆる日銀の政策としては余りこだわらない、大事なのはこういう将来予見性、当然、そこにどういう、利回りにしろ国債価格にしろ反応していくと思うんですけど、そこはどういうふうにお考えなんですか。
○参考人(植田和男君) 私ども、市場で国債を売却するということはこの計画の中に入ってございません。ただし、購入する金額がこれまでよりは減っていきますので、今持っているものが満期が来るということの相対で保有残高がだんだん減っていくということでございます。その上で、残高が、私どもの保有する残高が減っていきますと、それが長期金利に影響を与えるかもしれないという分析はございます。そこも十分検討しております。 ただ、その分析結果を使いまして、私どもの保有残高が今後しばらく減っていくことによる長期金利に与える効果というものを計算してみますと、それほど大したものではないという結果も確認した上で計画の発表に踏み切っております。
○若松謙維君 ということで、ちょっと私も総括的に勉強の答案書を出したいんですけれども、いずれにしても、いつまでも日銀が大量の国債を買い入れ、健全ではないというのは誰も認識しておりますし、そのためのこの国債買入れを減らしていく方針、当然だと、適切だと思っております。 ただし、今、総裁がおっしゃったように、あわせて、一番、鈴木大臣も大変懸念している国債保有残高、これ極めて高水準でありますので、この買入れ減額、これ市場に大きな影響を及ぼすということで、マーケットの皆さんとしっかり意見交換をしながらやっていることでありますが、今、日銀総裁が御指摘したように、今後も市場の状況をしっかりよく見ながら進めていただきたい、そのことを要望して、質問終わります。 ありがとうございました。
○藤巻健史君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の藤巻健史です。よろしくお願いいたします。 今日午前中の衆議院の財務金融委員会とか今までの参議院の財政金融委員会の質問を聞いていますと、七月三十一日以降の世界的株安の主因に、原因について、アメリカの景気悪化だということを何度もおっしゃっているんですが、全く、七月三十一日の日銀政策決定会合のこととか、その後の総裁の記者会見のことについては全く触れていないんですけれども。 私、まあ四十数年か、四十四年ぐらいマーケットにいました。現役でばりばりやっていましたよね。今はまあ政治家になっていますから、ばりばりと、現役、最前線というわけにはいきませんけれども。いたわけですが、その経験からしますと、資産価格が暴落する、大きく落下するというのは、大体、多くの場合、全部とは言いませんけど、多くの場合には過剰流動性の回収なんですよ。 今回、国債買入れオペの減額を、これ計画だけですけど、発表したということは、これ、普通の投資家だとこれ過剰流動性の回収が始まるなと。で、特に、日本は世界中の過剰流動性を供給しているという認識がありましたが、その日本がついに過剰流動性を回収するのであるというふうに考えると、普通の世界の投資家は、ああ、それはもう資産、株とか不動産から手を引こうと思うのが普通じゃないかと思うんですよね。それについて全く触れていらっしゃらないというのは、私から見ると、のうてんきというか、失礼な言葉ですが、無責任というか、分析力がないとかいうふうに思ってしまうんですが、それ、どうなんでしょうかね。 それ、この過剰流動性の話だけじゃなくて、八月十四日の日経新聞に載ったファイナンシャル・タイムズの提携記事ですけども、これ、いずれにせよ、重要なのは、ただに近い金利のお金がアメリカと日本の資産インフレをあおってきた点については終わりを迎えつつあるということだ、こう書いてあるんです。要するに、日銀の政策が、かなりのこの大暴落の原因でないかというふうにファイナンシャル・タイムズも書いている、私だけじゃなくて。大丈夫かなというふうに思います。 ただ、今回は計画だけですからあれなんですけれども、本当に国債買いオペ減額を始めた、回収を、過剰流動性の回収を始めたときには今回どころじゃない大暴落が資産の価格に起こる可能性もあると思いますけど、いかがでしょうか。
○参考人(植田和男君) 私ども、過剰流動性といいますか、国債の買いオペをどういう計画で減らしていくかということは、今、先ほどちょっと議論させていただいたとおりでございます。向こう二年間の姿を既にアナウンスしておりますし、そういうことをやるだろうということは六月にも既にアナウンスしたところでございます。 その上で、買いオペの減額によりまして、減っていく残高の規模は二年後を見通したとしましても残高の七、八%程度ということで、非常に大きな規模のバランスシートの縮小が起こるというわけではございませんというふうに取りあえずお答えしたいと思います。
○藤巻健史君 今のちょっと聞き捨てられない発言なんですけど、七から八%、この前からおっしゃっていますよ。アメリカは二年間で三四%ぐらい減らしているんですよ。日銀は七から八%でしょう。こんなことしたらば、お金じゃぶじゃぶで回収できないということで、もう円安も進んでいっちゃうんじゃないですかね。 先ほど来、長期国債減額の理由というのを、総裁は、マーケットが自由に、金利が自由に動くようになるためだと最初おっしゃっていましたけど、そんなことをおっしゃるほかの中央銀行総裁いませんよ。普通は、回収、QTを始めたりランオフを始めるということは、じゃぶじゃぶにばらまいたお金を回収するための話なんですから、長期金利が動くための、そんな甘っちょろい理由で始めるということはないと思います。 もう一回、もう一つ申し上げますと、先ほど、最初に申しましたように、七から八%の減額じゃお金じゃぶじゃぶのままだけど大丈夫という疑問がありますけれども、それちょっと質問通告ないんで、次に行きますけれども。 日銀というのは、世界の有力国の主なる国の中央銀行としては唯一株式を持っているわけですよ。スイスはほかの理由でちょっとだけ持っていますけど。ということは、これ、私も正統派金融論を随分やっていましたからあれですけれども、中央銀行たるもの通貨の信用を守るために価格が上下するようなものを持っちゃいけない、これ大原則だったんですよ。それが日銀は日本一の株主になっちゃったと。これ、何を意味するかというと、今回、また大きな株の暴落があったときに、一国の経済の根幹を成す中央銀行がその大暴落に巻き込まれてしまうということなんですよね。それ大変なことではないかと思うんですけれども、それについての憂慮はしていらっしゃらないんでしょうか。
○参考人(植田和男君) 株が大きく下がったときの私どもの財務への影響はどうかという御質問だと思うんですけれども、私ども、株の評価は原価法でやってございます。 現状、保有するETFについては大幅な含み益があるということですので、株価が下落しましても決算上の期間損益に影響を与えるわけではございませんし、万が一、期末時点で帳簿価額を下回るという場合には引当金を計上するということをすることになっております。 さらに、準備金の積立て等によって自己資本の充実にも努めてまいっております。
○藤巻健史君 株は原価法だから大丈夫とおっしゃいますけど、長期国債の保有でも、総裁しょっちゅうおっしゃいますけど、償却原価法だから、バランスシートじゃないや、PLの方には、損益計算には表れないから大丈夫とおっしゃいますけど、信用を判断する人間というのは自分たちの基準で判断するわけであって、それは、日銀が簿価法だから大丈夫だと言っても、例えば格付機関だとか米国の監査機関というのは、部門というのは当然のことながら時価評価でやるわけですよ。こんなの、日銀が簿価会計だから大丈夫なんですと言っても全然お話にならなくて、債務超過になったときにどうするのかという疑問は残ります。これ、ちょっと質問から脱却したんで、もし後でも、ちょうど質問関連しますから、そのときにお聞きしますけれども。 ですから、最初に戻りますと、この日本一の株主になってしまった日銀が、次に株価暴落があったとき日銀大丈夫かなと、SDGs問題のように、日銀のね、日本最大の問題じゃないかと思うんですけれども、その辺はちょっと注意を促しておきたいと思います。 次に、ちょっと質問の順番を変えまして、十番だったか十一番でお聞きしましたけど、それでは、前の予算委員会のとき正木局長に私聞きましたよね、長期金利が一%上昇するとどれだけ評価損が膨らむのかと。二十九兆円だというふうなお答えを得ました。要するに、〇・一%長期金利が上がると二・九兆円、日銀の、これ時価会計ですけれども、評価損が増えると。 では、株の場合、日経が千円下がるとお持ちのETFの評価益がどのぐらい減るのかを教えていただければと思います。
○参考人(上條俊昭君) お答えいたします。 二〇二三年度末の保有状況を前提といたしまして、保有する全てのETFの時価が日経平均株価に連動すると仮定した上で機械的に試算いたしますと、保有ETFの評価益は、日経平均株価が千円下落いたしますと一兆八千億円程度減少する結果でございます。
○藤巻健史君 大変ですよね。長期金利が〇・一%上がるごとに二・九兆円の評価損が増えて、それから日経平均が千円下がるごとに一・八兆円の評価益が減るということで、これ、もしまた大混乱が、マーケットの大混乱があると、もう本当に日銀自身が危ない。要するに、日本の経済考えるどころか、まず日銀を考えなくちゃいけない。日銀の信用を失えば、当然のことながら、通貨、もう暴落してしまうわけですから、大変な状況になるんじゃないかと思うんですよね。 今日の日経新聞の「大機小機」に、日銀の姿勢は、市場と政治の顔色を見てころころと変わっている印象だというふうに書いてあったんですけど、それはそうですよね、だって日銀自身が危なくなっちゃうんですからマーケットによってころころと態度を変えないといけない。 すなわち、植田総裁は、よく経済の動向がどうだから上げるとか下げるとかおっしゃっていますけれども、そうじゃなくて、政策を変更するのは、日銀が大丈夫であれば何とか政策を変えましょうというスタンスじゃないんでしょうかね。
○参考人(植田和男君) 私ども、政策の変更、現時点では主に短期金利の変更でございますが、これは繰り返し申し上げておりますように、経済・物価見通し、特に物価見通しに基づいて行ってきているところでございます。
○藤巻健史君 そういうお答えがあるなら、ちょっと質問の順番を変えまして、七番に行きたい。 二〇一五年八月九日の日経ヴェリタス「異見達見」で、当時の東大教授だった植田和男教授は、アメリカの中央銀行やECBは債務超過になっても将来のシニョリッジ、通貨発行益ですね、の現在価値と比較すれば問題なしと考えられるが、日銀は微妙だとおっしゃられているわけですよ。その当時、日銀当座預金残高は二百五十三兆円、今は五百四十八兆円ですから約二倍ですよ。一%金利を上げれば、支払金利は約、まあ昔、その当時だったら二兆円ぐらいですよ。今だったら五兆円でしょう。昨年度の受取利息、たった一・八兆円程度ですよ。これはきっと余り増えていかないですよね。だって固定金利の国債ばっかり扱っている。物すごいネガティブなシニョリッジが長年続くと思われるんですよね。そうすると、短期金利を上げるということ自身もかなり日銀の存在に、SDGsですね、持続可能性に影響が出てくるんじゃないかと。 当時は、そのときの日経ヴェリタスに、日銀については、受取利息、日銀については微妙ではあると。要するに、その現在価値、将来のシニョリッジを現在価値に直してみると、ほかの中央銀行は大丈夫だけど日銀については微妙であると書かれているんですよ。いいですか、九年前、たった日銀当座預金残高が二百五十三兆のときは微妙だったんですけど、今は二倍になって、大丈夫ですかね、非常に私は危ないという理解なんですけど。
○参考人(植田和男君) もちろん、私どもに対する信認の根幹は、バランスシートそのものというよりは、短期金利の操作を適切に行ってインフレ率を目標の二%にきちっとコントロールする、そういう意味で物価の安定を実現できるかどうかという点にございます。 ただ、そういう能力に問題はないと考えておりますけれども、何らかの形で財務に対する信認が日本銀行のそういう能力に対する疑念につながって奇妙な動きになるということは避けたいということから、様々な財務の健全性を保つ努力をいたしてきているところでございます。 その上で、いろいろなケースについて私どもの財務状態はどうなるかということは、この委員会でも何度も議論になったと思いますけれども、内部でシミュレーションをいろいろ行ってきております。で、かなりのケースにおいて健全性が維持できるということでございますが、その詳細を今朝も発表してはどうかという議論になりましたが、現状では取りあえず、それを発表するには政策の姿とかも一々具体的な姿を、シミュレーションの仮定ではありますが、置きつつ発表するということになりますので、余計な思惑を呼んではいけないということから発表を差し控えているところでありますが、内部ではいろいろな検討をきちんといたしております。
○藤巻健史君 私、前、黒田日銀総裁のときに、シミュレーションを出す、出口のシミュレーションを出せって何度も申し込みましたけれども、時期尚早であるから出せないとおっしゃったんですが、今もう時期尚早じゃないですよね、今、植田総裁の行動からして。出していただかないと危ないんじゃないかと。怖いから出せないという印象しか持てませんけどね。ですから、是非このシミュレーションは出していただきたいし。 次にちょっと質問入りますけれども、九年前の、先ほど申し上げました日経ヴェリタス「異見達見」で植田東大教授が寄稿されているわけですけれども、この寄稿のときというのは長期国債の保有が二百八十兆円のときで、今はもう二倍以上、五百八十九兆円持っているわけですね。 その半分だったときの日銀総裁の、東大教授の植田先生の記述には、日銀の財務にとって最大の懸念材料は長期国債の保有に伴う金融リスクであるとか、買入れオペが一段と長期化したり、金融緩和策からの出口が近づいたときの金利上昇幅が大きかったりすれば、将来収益でも当面のロスをカバーできない可能性が出てくる、日銀が中長期国債を買い入れ、資金を供給する長期国債買入れオペについては、この意味での限界をそろそろ意識しなければならない。 半分しか買っていない九年前で限界を感じているわけですよ、植田東大教授は。それなのに、今二倍になって更に出口が近づいてきた。日銀が国債買入れオペをやめれば、まだ計画ですけど、実施すれば長期金利が跳ね上がる可能性もある。 東大教授の植田先生だったら非常に危険な状況にあるというふうにお答えになると思うんですけど、日銀総裁になると大丈夫だというふうに発言を変えられたんでしょうか。
○参考人(植田和男君) 私どもは、現在のところ、今後、物価見通しのとおりに経済が推移、今持っている見通しが実現していくという形で経済が推移していきましたならば、もう少し金利の調整をすることができる局面が来るなというふうに考えております。その際、手段としましては、短期金利の引上げという手段を使う、長期国債を売るという手段は今のところ考えてございません。 したがって、長期国債は持ったままバランスシートに載っているということで、それもあって償却原価法を採用しておりますし、途中の段階での評価損が上下に出る、益が出たり損が出たりということはございますが、最終的にはそれは消えて、簿価で、簿価でといいますか、額面が返ってくるという姿になりますので、その途中の評価損をそれほど気にする必要はないという前提で動いております。
○藤巻健史君 長期的に考えればって、十年も、七年も八年も十年もそんな債務超過の状況があって、日銀がそのまま存在し得るとは私は思いませんけれども。 今、その国債買入れオペを減額するということをおっしゃっていましたけれども、世界で最悪の財政事情である日本ですよ、世界最低の金利レベルですよ、そんな国債を買う人がいるんでしょうかね。いらっしゃるからこそ日銀は撤退するわけですよね。どうなんでしょうかね。大丈夫だと思われますか。 もし、国債買いオペが本当に、まあ計画ですけど、実際にしたらば、実際に始めたら、株価が大暴落するのとともに長期国債が暴騰しちゃうんじゃないですか。金利が暴騰しちゃうんじゃないでしょうか。その辺は自信があって大丈夫とおっしゃいますか。
○参考人(植田和男君) 今回の、七月に決めました向こう二年間の買入れ、買いオペ額の減額に際しまして、それを決めるに際しまして、市場参加者の意見等も聞きまして、その二年間、私どもが購入しなくなる分、十分な市場に買い余力があるということを確認した上で決めてございます。
○藤巻健史君 市場参加者の意見を信用するということですね。私も市場参加者もうばりばりでいましたからあれですけど、もし一・五%になったら皆さん買いますかと聞けば、私だって買いますと言いますよ。ただし、皆さんが買ってくれて暴落が止まったら一・五%でも買いますよということでね。それは、自分から、自分たちが持っている国債の評価額がどんどん下がっているときに新たに買い向かうなんてことできませんよ、普通は、マーケットをやっている立場からすれば。 それで、極めて、そんなアンケートに頼って、一種のポジショントーク的なマーケットコメントもあるでしょう、その参加者からは。それを信用してやっていくというのは極めて疑問じゃないかというふうに思います。 次、七番、八番先ほどちょっと聞きましたので、先ほど。九番の方にあれですけれども、質問通告九番かな。二年間やって七から八%しか総額が、保有国債の総額が減らないとおっしゃったわけですよ、この前かな、おっしゃったんですよね。 先ほど申しましたように、ちょっとこれ聞こうと思ったんです、この前もしようと思って、聞こうと思ったんですけど、時間がないからやりますけれども、アメリカはもう二年間で三四%くらい減額させているわけですよ。それで、お金をじゃぶじゃぶ、インフレに対応して、わあっとお金を回収して何とかインフレに対応しているのに、これ二年間で七から八%しか減らさないんだったら、もしインフレが加速していったとき、全然もう対応できないというか、もうお金じゃぶじゃぶのままですよね。そんなときに、ランオフじゃなくて債券売りオペをやることなんかできないと思うんですよね。債券売りオペになったらもう長期金利ぶっ飛びますよね。 そんな状況で日銀はうまく対処できるんですか。
○参考人(植田和男君) お話にありました米国の例でも、私どもと比べれば国債の例えばGDP比とかの水準は違いますけれども、超過準備という意味でじゃぶじゃぶのお金がいまだに出ているということは変わりはありません。その中で、インフレをコントロールするために使っている手法は、短期金利をきちんと上げていくという手法でございました。 私どもも、必要となれば適切な幅の金利の調整を行っていくということで、物価の安定目標を達成できるというふうに考えております。
○藤巻健史君 時間が来ましたのでまとめますけれども、短期金利上げても、先ほど申しましたように、今度は簿価会計で、時価会計でさえ、簿価会計で損の垂れ流しが始まるわけですよ。五百何十兆も日銀当座預金があって、一%上げれば五兆円の損失ですからね、一・八兆円の金利収入じゃとんでもない話であってね。で、資産の方は固定金利ですから増えるわけじゃない、そんなに簡単に。もうとんでもないネガティブなシニョリッジ、通貨発行益が続くということで、本当に日銀大丈夫なのかなという疑念が生じてしまうのを今回の質問でも感じざるを得ませんでした。頑張ってください。 以上、終わります。
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。 もう各委員が御質問されていることは重複を避けますが、総裁にちょっと一つ事実関係を確認させていただきたいんですが、三十一日に日銀が利上げを決定し、総裁の記者会見があり、八月一日にFRBのパウエル議長の御発言もあったんですが、この間、日銀とFRB、植田総裁とパウエル議長間の間では意思疎通というのは図っておられるんでしょうか。
○参考人(植田和男君) 私ども、基本的には、定例のバーゼルでの総裁の会合というのがおおむね二か月に一回くらいございまして、そこで、一対一のこともありますし、複数の総裁方の中でということもありますし、いろいろな形で意見交換はしてございます。
○大塚耕平君 今回マーケットが荒れた原因は幾つかあるんですが、一つは、やはり三十一日、一日の両中央銀行のトップの発言が逆向きで、まあ逆向き発言が原因の一個だったことは間違いないわけでありまして、それは、取りも直さず、日銀、日本だけが他の主要先進国と異なる金融政策の環境に置かれているからこういうことになっているわけでありまして、また九月末にも同様のタイミングで似たようなことが起き得ますので、私は是非、それぞれがどういう御発言をされるのかということは、もちろん公の場で調整の結果をお話しいただく必要は全くありませんけれども、やはり綿密に意思疎通を図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○参考人(植田和男君) もちろん、七月以降のマーケットの状況も含めまして、いろいろな方々と意見交換をしていくことになると思います。
○大塚耕平君 それから、今日、意外なことに、ここまで円キャリートレードという言葉が全く出てきていないんですが、今回の原因の一つは、低金利というか、事実上無コストの円の資金を調達をして高金利の外貨資産で運用する、この円キャリートレードの巻き戻しが起きたということが原因の一つであります。これ、別名フリーランチトレードとも、ただ飯トレードとも言われます。それは、ただで資金を得て、もうぬれ手にアワの運用収益が上げられるわけですから。 この円キャリートレードなんですが、今日、金融庁に作っていただいた資料をお手元にお配りさせていただいておりますが、緑の外国筋が、外国投資家筋が売り抜けていっている間、個人投資家は遅れて売り抜けて、八月の第二週になると、また外国投資家は、どちらかというと、これグラフ上はとんとんですけれども、またポジションをつくって、個人の投資家はこの局面で売っているという、言ってみれば、円キャリートレードの巻き戻しで一部の投資家は被害を受けて、今また、当面は利上げをしないと内田副総裁が発言しちゃったものですから、また次の局面を迎えていて、これは、藤巻さんのように私自身は民間のトレーダー経験は全くありませんが、二番底、三番底が起きるかつての経験と似たような展開になりつつあるなという気がします。 そこで、そのフリーランチトレードを放置するというのはいかがなものかと思うので、この状況を是正するのはやむを得ないことだと思うんですが、その円キャリートレード、フリーランチトレードとも言われるものを政府系ファンドがやっているという話をマーケット関係者から聞きました。 この政府系ファンドが円キャリをやっているということについて、財務大臣は何か報告を受けていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 特に報告は受けてございません。 ただ、一般的に言えば、政府が資金拠出をするファンド、これはいろいろあるわけでありますけれども、ファンドの目的、それからその業務内容に通じて資産運用の仕方というのは違っているんだと思います。例えば、極めて保守的にやらなければならないところと極めて多くリターンを求めてやらなければいけないという、そういうファンド、ファンドのそれぞれの目的があるわけでございますので、その中には、政府出資金あるいはその財政投融資等の円建ての資金を元手に外貨建ての株式や債券等に投資を行っている場合もあると、そのようには認識をいたしております。 しかし、こうした運用が円キャリートレードに当たるかどうかということも含め、その実態についてはそれぞれのファンドを所管する省庁から責任を持って説明すべきものであると、こういうふうに思っております。 その上で、政府が資金拠出するファンドにつきましては、一律に外貨建て資産への投資等は制限されておらず、それぞれの設置根拠法等に基づいて運用されているものと、そのように認識をしております。特に何か最近の動きで報告を受けてはおりません。
○大塚耕平君 政府系ファンドが何を意味しているかというのは、その私と意見交換してくださったマーケット関係者も明確にはおっしゃらなかったんですが、お配りしたこの売買状況のオレンジのところが信託銀行でありまして、例えば、最も大きい政府系ファンドと思われるGPIFも、これは信託銀行に実際は運用を委託しているわけですから、この信託銀行の中にGPIFの取引行動というのが含まれているわけでありまして、元々お金を持っているGPIFですから、わざわざ円資金を調達するということはないと思うんですが、外貨資産に運用していて、それの為替ヘッジのためにヘッジを掛けると結果としてその円キャリートレードになるということは起き得るというか、起きていると思いますので、つまり、運用収益を上げなきゃいけないというのは分かるんですけれども、それは、マーケットがノーマルな環境の中で一生懸命GPIFの運用担当者として採用された方が工夫して運用するというなら分かるんですけれども、個人投資家がややもすると被害を受けがちな非常に異常な環境下において、その原因の一つとなっている円キャリートレードを政府系ファンドが助長するような結果になるのはいかがなものかというふうに思いますので、今回のことを機に、政府系ファンドの運用の実態については信託銀行からも十分報告を受けて、財務省と、それからマーケットを所管する金融庁、日銀におかれてはその実態を把握されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 政府系、政府資金が拠出されているファンドにつきましては、それぞれの法令それから政策目的にのっとりまして適切に運用されていると思いますが、情報開示、これはしていくことは重要なことであると、そのように考えます。
○大塚耕平君 是非よろしくお願いしたいと思います。 それから、今回の八月の五日の特に後場に起きていたことは、フラッシュクラッシュが起きていたというふうに、私も瞬間的にそう思いましたし、マーケットの皆さんに聞くと、多分そうでしょうというふうに言っています。要は、フリーフォールというか、例えばコンピューター取引で、アルゴリズム取引でもう売りが止まらなくなるとか、それから、マーケットでファットフィンガーミスなんて言われますけれども、ろうばいして太い指でゼロを一個余計に押しちゃって桁違いの注文を出しちゃうとか、それから、始末に悪いのはスプーフィングという、これは見せ玉、つまり、物すごい取引量を実勢と違う価格で売りを取りあえず注文出しておいて、その注文見るとみんな、あっ、こんなに売りが出るのかといって自分たちも売ろうと思うわけですが、それはあくまで見せ玉で、実際に取引が成約する前にキャンセルしちゃうとかですね。相場操縦とほぼ同じですから、これは。 マーケットがあれだけ荒れ始めると、そういうことで荒稼ぎをした人たちもいるようだというふうにも聞きましたが、この八月五日の為替市場及び株式市場でのフラッシュクラッシュの実態については大臣は何か報告は受けておられますでしょうか。
○国務大臣(鈴木俊一君) これについても特に報告は受けておりませんが、御指摘がございましたフラッシュクラッシュについては、相場が一瞬で大幅に下落したという意味で、そのような事象が起こったという指摘があるということは承知をいたしております。 その背景には、世界的に急速なリスク回避が進んだなどの想定外の事態や、高速高頻度取引などのアルゴリズムがこのような市場の変動に急速に反応したことなどの影響によって金融市場における大きな動きにつながったとの見方があるということについては承知をいたしているところでございます。
○大塚耕平君 先ほど申し上げましたように、必ずしもノーマルとは言えない環境下に日本の金融及びマーケットはあるというのは事実だと思いますので、今後も二番底、三番底のような局面に、非常に、老後の備えのために、政府から推奨されて貯蓄から投資といって頑張っておられる個人投資家が巻き込まれるようなことのないように、さっき申し上げました政府系ファンドのビヘイビアとか、それから市場におけるフラッシュクラッシュの実態とかは調査をし、報告も受け、必要があれば適切に対処していただきたいと思います。 最後になりますけれども、植田総裁にお伺いしたいんですが、五日の後場にマーケットが大混乱に陥ったときに、先ほどもどなたかの質問で出ましたが、内田副総裁が金融市場が不安定な間は利上げをしませんという御発言をされたそうなんですが、この発言は適切でしたでしょうか。
○参考人(植田和男君) 八月の前半にあったような市場の大幅な変動時に、私ども当然極めて高い緊張感を持って市場動向を注視していくということになるわけですし、その中での発言だったと思いまして、適切であったと思っておりますが、基本的には、午前中も申し上げましたが、今後の政策運営を考えるに当たって、もちろん市場動向が経済・物価見通しやリスクに及ぼす影響を丹念に見ていくということでありますが、それを見た上で、経済、物価のこれまでの見通しがおおむね実現していくという姿になっていくのであれば金融緩和の度合いをだんだん調整していくという、そういう基本的な姿勢には変わりはございません。
○大塚耕平君 もうこれで、この発言で終わりにしますけれども、緊急避難的にああいう発言をせざるを得なかったというのは分からないではないんですが、かつて黒田前総裁も、当面の間は金融緩和をやめないとか、つまり先々の政策決定会合の決定事項に縛りを掛けるような、そういう御発言がありました。今回の内田副総裁の御発言は、緊急避難的には分からないではないんですけれども、個人で決める仕組みにはなっておりませんので、日本の金融政策は、是非、その仕組みをよく踏まえた上での御発言やマーケットの混乱に対する対応であるべきだということを申し上げて、終わります。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 日銀の七月の政策決定会合に先立って、自民党の幹部などから様々な発言があったんですね。茂木幹事長は、日銀は段階的な利上げの検討を含めて金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要があるとか、それから、河野デジタル担当大臣はアメリカのメディアのインタビューで、日銀は政策金利を上げる必要がある、円は安過ぎる、価値を戻す必要があると。 個別の発言に対してコメントを総裁には求めませんが、やっぱりアベノミクスの第一の矢が異次元緩和だといって進めてきた最大の責任は、私は政府にあると思うんですね。その責任を反省するどころか一方的に日銀だけに押し付けるということは、これ余りに身勝手ではないかと思うんですね。 総裁、これ率直に、まあ率直になかなか言いにくいかもしれませんが、率直にちょっと御感想を。
○参考人(植田和男君) 私から政府や与党要人の御発言について具体的にコメントすることは差し控えたいと思います。 そういういろんな発言があったということは認識してもちろんおりましたが、当然、今回の政策変更は、経済・物価情勢を私どもが丁寧に点検した上で、物価安定目標の持続的、安定的な実現ということに必要な金融緩和度合いの調整を行うという判断をしたということでございます。
○小池晃君 私、アベノミクス、異次元、異常な金融政策ですね、ここから脱却するのは当然だと思うんですが、その際には、やはりこうしたことを進めたことについての反省が必要だし、やはり政府として手じまいに責任を持つということが必要だと思うんですね。 ところが、例えば岸田政権で新しい資本主義実現本部仕切っている新原浩朗内閣審議官、こんなこと言っています。今の円相場が理論値よりずっと安くなっているのは金融緩和の副作用だ、日銀が物価高に責任を負わないなんてやばい、中央銀行としてそれはないでしょうと。私、これ、それはないでしょうってこっちのせりふだと。政府が責任持たないことこそやばいですよ。 大臣ね、これ私は、日銀だけに円安やあるいは輸入物価高騰の責任を負わせていいとは思わないんですが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 金融政策そのものは日銀の独立性ということが大切なことであると、それは与党の方が政府という立場でなくて自由に発言されるということはあり得ると思いますが、政府の、特に私の立場ではそこの基本はしっかりと踏まえなければいけないと、そういうふうに常々思っております。 その上で、やはり、別にそれだから全て日銀が決めたことでしょうと、日銀が全ての責任があるとは毛頭思っていないわけでありまして、そこには日頃の意思疎通もありますし、情報共有もあります。そういう意味では、いろいろな金融政策から派生する出来事について政府は全て日銀に、独立性はあるとはいえ責任を押し付けるという、そういうことは避けなければいけないと、そう思います。
○小池晃君 まあしかし、政府のかなり中枢部分からこういう声が出ていると報道されている。 私は、異次元緩和による異常円安で本当に国民の実質所得低下させた、輸入物価高騰の影響で中小企業も塗炭の苦しみを味わった、しかも、財政でいえば、多額の国債の買入れで日銀の国債保有額、発行残高半分を占めると。市場による金利の決定ゆがめていますよね。国の財政規模、損なっています。国の借金を野方図に膨らませると。やがては日銀の経営を、先ほどからも指摘あるけれども、毀損する危険があると。異次元緩和の罪は余りに重いと思いますよ。 大臣、やっぱりこういう異常な金融政策ではなく、雇用の七割占めている、日本経済の屋台骨を支えている中小企業を支援して、賃上げによる本格的な経済政策をしっかり取っておれば、金融頼みではない政策を取っておればここまで経済が疲弊することはなかったのではないかと思うんですよ。財政を危機にさらすこともなかったんじゃないかと。私は、政府としてこれまでの金融政策の誤りを率直に認めるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) アベノミクスに対するいろいろなその光の部分、影の部分がそれぞれあるんだと思いますけれども、大胆な金融緩和を含むアベノミクス、これはデフレでない状況をつくるなど日本経済の成長に役割を果たしたと、そういうふうに認識しております。 その上で、中小企業を支援し、賃上げによる経済活性化策を行うべきだとの御指摘でありますが、第二次安倍内閣以降のアベノミクスにおきましても、中小企業の賃上げ環境を整えるための取引価格の適正化、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力の強化、最低賃金の引上げなどに取り組んでまいりましたし、岸田政権におきましても、賃上げを最重要課題として賃上げ促進税制の活用促進、価格転嫁対策、中小企業への省力化投資支援などを進めてきたところであります。そして今、三十三年ぶりの賃上げ率の実現など新たな動きが出ていて、デフレ脱却のチャンスであると、こういうふうに思っているところでございます。 いずれにいたしましても、この中小企業を支援するということは、やはり雇用者の、労働者の七割を占める中小企業でありますので、重要な観点としてこれからも取り組んでいかなければいけないと認識します。
○小池晃君 それは大事なの、それは大事なことだと思うんですよ。ただ、要するに、この間、第一の矢だと言ってきたことがやっぱり間違っていたんじゃないかということは率直に私、認めるべきだと思うんですね。そこを認めることがこの議論の出発点になる、それ抜きにはまともな対策は出てこないと。 日銀にお聞きしたいんですが、今後、中小企業などの貸出金利にどのような影響出てくるかなんですが、これ、例えば、マイナス金利解除を決めた後の東京商工リサーチのアンケートで、この一年間で既に借入金利が上昇している、一七・七%の企業がそう回答しています。メインバンクから引上げをはっきり伝えられた、若しくは可能性を示唆された、三〇・八%に及ぶんですね。 ですから、私は、更にやっぱり金利を引き上げるということになると、より一層中小企業への影響が出てくると思うんですが、その点どう見ていらっしゃいますか。
○参考人(植田和男君) 委員おっしゃいますように、政策金利引き上げていきますと、市場金利あるいは短期プライムレートを通じまして、中小企業を含めました企業向けの短期の貸出金利、あるいは、家計向けでありますと変動型の住宅金利、住宅ローンの金利に影響するということはございます。ただ、他方で、預金金利の利回りも上昇しますので、そちらは企業や家計にとってプラスに作用するというふうに考えられます。 金融政策の影響を評価する際には、金利収支の変化を介した影響だけでなく、また、それに加えまして、企業収益や賃金に緩和的な金融環境がどういう影響を及ぼしているかという点も併せて見る必要があると思います。 全体として見ますと、現在、七月に政策金利を引き上げた後も、繰り返し申し上げてきましたが、実質金利は大幅なマイナスが続いていて、緩和的な金融環境が維持されていると思います。この点は、中小企業を含めて経済活動をサポートしていくというふうに考えております。 もちろん、これまで、そして場合によっては今後、金利環境が変化していくことが中小企業を含めた企業あるいは家計の行動にどういう影響を及ぼしていくかということについては丁寧に点検してまいりたいと思っております。
○小池晃君 今後もやっぱりそういったことを見越した対策が私は必要だと思うんですね。 その点で政府は一体何をやっているのかということで、資料配りましたけど、六月二十一日に岸田首相、記者会見やって、秋以降の対策として、年金世帯、低所得世帯に対する給付金、価格転嫁を進められない中小企業に対する支援のための重点支援地方交付金の拡充等々を打ち出しています。 内閣府にお聞きしますが、これ、その後、具体化どうなっているんでしょう。対象とかあるいは規模とか、簡単に御説明ください。
○政府参考人(廣瀬健司君) お答えいたします。 政府はこれまで、物価高の影響が特に大きい低所得世帯への給付や、地方公共団体における地域の実情に応じたきめ細やかな対策の支援など、累次にわたる物価対策を講じてまいりました。 加えて、地方経済や低所得世帯に即効性の高いエネルギー補助として、燃料油激変緩和措置の年内継続や、酷暑乗り切り緊急支援としての電気・ガス代の補助を決定、実施しております。 あわせて、今年の春季労使交渉で実現した力強い賃上げの動きを……(発言する者あり)あっ、分かりました。様々な取組を進めているところであります。 その上で、秋に策定することを目指す経済対策で具体的にどういった対策が必要かについては、経済・物価動向をしっかり見極めた上で、関係省庁とも連携して検討してまいりたいと思っております。
○小池晃君 要するに、第二弾は何も決まっていないということですか。
○政府参考人(廣瀬健司君) 秋に策定することを目指す経済対策で具体的にどういった対策が必要かについては、今後、経済・物価動向等をしっかり見極めた上で、関係省庁と連携して検討してまいりたいと思っています。
○小池晃君 制度設計も何もないまま、岸田首相は記者会見でぶち上げたんでしょう。それで辞めちゃうわけじゃないですか。これ、結局何にもないということになりますよ、このままだとね。こういう無責任なやり方でいいのか。 政府は、六月七日に、コロナ禍で行ったゼロゼロ融資などの資金繰り支援についてコロナ前の水準に戻すと、経営改善、再生支援に重点を置いた資金繰り支援にすると。要するに、コロナのときみたいに全ての企業を支援するんじゃなくて、廃業への支援も視野に入れると。 実際、今、倒産増えているわけですよ。もちろん、売上げ伸ばしている企業もありますよ。でも、やはり、非常に業績悪化している企業も出てきている。今後は金利引上げをトリガーにした廃業が増えることも懸念されると思うんですね。 東京商工リサーチの直近の報告書は、大企業は賃上げを継続したけれども、中小企業は重い人件費負担から賃上げ疲れがうかがえると言っています。私は、中小企業の生産性の向上も大事だと思うけれども、やっぱり適正な価格転嫁の本格的な対策、必要だと思いますよ。そういうこと、手を打つべきだ。 私、最後、政府に、やっぱり中小企業の資金繰りへの援助、利上げへの手だて、これやって、異常な金融政策からの脱却を目指すということをしっかり明確に、具体的に打ち出すべきではないか。少なくとも、既に借入れがある業者については低利の借換えプラス追加資金の調達をしやすくする、さらに、政策金融公庫や信用保証付融資の金利や保証料、思い切った引下げ、そういったことで政府のやっぱり具体的な支援をすべきじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 金融庁それから関係省庁の連名によりまして、民間金融機関につきましては、信用保証制度を用いたコロナ融資の借換え等による資金繰り支援、それから日本政策金融公庫等と連携した協調融資商品の組成拡大などを要請をいたしております。また、日本政策金融公庫等につきましては、円安等に伴う資材費等の価格高騰等の経済環境を踏まえたセーフティーネット貸付け等の活用促進などを要請しております。 金融庁としては、関係省庁と連携しつつ、官民金融機関がこうした要請を踏まえて事業者支援に適切に取り組んでいるか、しっかりと確認してまいります。
○小池晃君 今の言われた対策だけでは不十分だから私は申し上げたので、やっぱりこれからの金融正常化ということに伴う政府としての責任をきちんと果たすということを強く求めたいというふうに思います。 以上で質問を終わります。
○神谷宗幣君 参政党の神谷宗幣です。 〔委員長退席、理事山田太郎君着席〕 今年の四月の委員会で、私は、日本経済の復調が確実となるまでは利上げはもう少し慎重に行うべきではないかというふうな要望を出しておりましたけれども、七月三十一日に利上げが発表されましたということであります。 日本経済の状況を見ますと、企業の経常利益は一見好調に見えますが、その主な要因は投入コストの低下とそれから製品価格の転嫁によるものであり、労働分配率は依然として上昇していません。さらに、実質賃金に就労者、ごめんなさい、就業者数を掛けた実質雇用者報酬は下がっていて、実質可処分所得も二十年以上前の水準まで落ち込んでいるという状況です。こんな状況の中での日銀の利上げは、短期プライムレートや住宅ローンの変動金利の上昇を引き起こし、結果として消費の抑制や企業の賃金引上げを阻害する結果が高いというふうに私は感じています。 こうしたことによって日本経済が再びデフレに逆戻りするリスクが高まるのではないかというふうに感じるんですけれども、今回、この金利を引き上げた理由ということは総裁から何度もお聞きしているんですけれども、なぜ今のタイミングでやらなければいけないのか。熊谷議員などはもっと早くやった方がよかったんじゃないかというような意見もありましたけれども、私はもう少しゆっくりでいいんではないかというふうに思って、そこはまあ違うわけなんですけれども、でも、総裁の取組見ておると、やはり早く上げなければいけないというふうに感じておられるんではないかというふうに思うんですけれども、その辺を国民の皆さんにももう少し分かりやすく、簡易な言葉で説明いただきたいと思います。
○参考人(植田和男君) やや繰り返しになって恐縮でございますが、七月の会合で利上げを決定した背景ということですが、本当に繰り返しで恐縮ですが、経済、物価が七月にかけて、手に入りましたデータ、情報から判断したところ、これまでの見通しにおおむね沿って推移しているということ、それから円安、そこまでの円安もあって輸入物価が再び上昇に転じている中で、物価の上振れリスクにも注意する必要があるという二点に着目しまして、金融緩和の度合いを少し調整することは適切であるというふうに判断したところでございます。 もちろん、こうした金利の引上げが、先ほどの小池委員との質疑にもございましたが、市場金利や短プラの上昇等を通じて貸出金利あるいは住宅金利、ローンの一部に影響することはあり得ます。他方、預金金利等の利回りも上昇し、家計の所得にプラスになる要因もございます。 その上で、こうした金利収支の変化だけでなくて、賃金がしっかりと上昇していることも併せて、全体の経済の状況を評価する必要があるかと思います。我が国全体を見てみますと、これも繰り返しで恐縮ですが、実質金利は大幅なマイナスが続いており、緩和的な金融環境は維持されていると思います。 その上で、どうして金利を調整していくのかという点ですけれども、根本的な考え方としまして、物価の安定が持続的、安定的に維持されるということが経済の持続的な成長の基礎になるものだというふうに考えております。その持続的、安定的な実現を目指して適切な金融政策を行う中での緩和度合いの調整であったということであります。それによって物価の安定、そしてそれをベースにする経済の持続的な成長が進むことが国民経済全体にメリットがあるというふうに考えてございます。
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 理由は分かるんですけれども、なぜなのかと、なぜ今なのかというところで、もう少し経済や賃金が確実に幅があって、国民が、あっ、経済良くなってきたなと実感してからでいいんではないかというのが我が党の考え方であります。引き続き慎重な姿勢で臨んでいただきたいと思っております。 次に、政府が資産所得倍増というものを掲げて、NISAや新NISAを推奨してきましたが、今回の株価の大暴落と外資による記録的な買戻しで、国民の資産は増えるどころか逆に外資に大きく奪われるような結果になっているんではないかというふうに考えています。このようなことを繰り返されますと、国民の富はますます海外に流出してしまいまして、今回の事態を大きな教訓として今後の政府の政策運営に反映させる必要があるというふうに考えています。 そうした思いを前提に総裁にまたお聞きしますが、円高が進行すると外国人投資家が日本株を売却して結果として日経平均株価が下落するということは、過去の事例からも十分に予測ができたことではないかというふうに思うんです。今回の円高は明らかに日銀の利上げ若しくは利上げを進めることの意思表示が原因であり、円高と日経平均の暴落には強い関係性があるというふうに私は考えています。 日銀総裁は、今回のような市場の反応をある程度予測をされていたのではないかというふうに思いますが、利上げの方針の発表が円高と株価暴落を引き起こすリスクについてどのように評価されていたか、お考えをお聞かせください。
○参考人(植田和男君) 為替レートの変動要因、決定要因は、いつも議論になりますように様々なものがございます。その中で、金融政策の影響も受けます内外の金利差が一つの要因、重要な要因として指摘されてきております。また、為替の変動は株価に影響を及ぼす要因の一つでもあるというふうに認識しております。 その上で申し上げますと、やはり、八月入り後の株価や為替の大きな変動の背景には、先ほど来出ておりますような、米国の景気減速懸念の強まり、そのまたベースに八月入り後に発表されたデータが予想比弱かったということがあったと思いますが、それを契機に世界的にドル安と株価の下落が進んだことがあると思います。加えまして、これも今日議論がありましたような、ポジションの巻き戻しという要因も追加的な要素になった可能性があるとは見ております。 もっとも、今月中旬以降、我が国の株価は大きく下がった水準からは戻ってきております。先行きのアメリカ経済に関する過度に悲観的な見方が後退した、あるいは我が国の企業の収益力が評価されたということもあるかと思います。 いずれにせよ、繰り返し申し上げていますが、現在も市場は引き続きやや不安定な状況にあると見ております。その動向そのもの、あるいはその経済、物価への影響については高い緊張感を持って注視してまいりたいと思っております。 〔理事山田太郎君退席、委員長着席〕
○神谷宗幣君 ありがとうございます。 リスクについてということをお聞きしたんですけれども、利上げそのもののリスクはそれほど高くなかったけれども、アメリカの経済の発表が良くなかったのでそちらの方が主な要因であろうという回答に私は受け止めたんですけれども、先ほど大塚先生もおっしゃっていましたけれども、また同じような状況になることがあると思いますので、そのときにまた暴落したというふうになるとまずいので、是非、そのリスクをちょっと、今までよりも少し大きめに考慮していただいて政策決定していただきたいというふうに思います。 続いて、鈴木大臣にお聞きします。 岸田総理は、総理就任時に掲げた所得倍増という目標をいつの間にか資産所得倍増というものにすり替えておられまして、国民に投資を促してこられたというふうに思います。 しかし、私は、所得倍増ではなくて資産所得倍増を目指すということは貧富の格差を広げることにつながるのではないかというふうに考えています。実際、今回の株価の暴落の際も、投資経験が浅くて資金の少ない人は、値下がりを恐れて株式を売却せざるを得なかった方が多いんではないかと思っています。一方で、投資経験が豊富で資金に余裕がある方、お金がある方は、逆に安価に株が下がったところを狙って購入したという傾向が強いと思います。 こういった形でどんどん投資が広がるんだけれども、素人が入っていくとかえって格差が拡大していくような状況が生まれるのではないかと思うんですけれども、その点に対しての大臣のお考えと、もし問題があるというふうにお考えであれば、その対策をどのように考えているのか、お聞かせください。
○国務大臣(鈴木俊一君) 今月初めに株価が急変動した際の状況につきまして大手証券会社へのヒアリングを行ったところでありますが、それによりますと、NISA口座の利用者全体では買い付け金額が売り付け金額を上回っており、売り付け一方方向の状況にはなかったと認識をしています。個別に見れば、御指摘のとおり、株価の急変動に動揺してNISAで投資していた株式等を売却された方もおられると、そのことも認識はいたしております。 NISAを利用するに当たりましては、長期、積立て、分散投資の特徴でありますとか重要性を認識し、市場が変動する際にも冷静に御判断いただくことが重要と考えています。金融庁では、かねてより金融機関に対し、NISA口座を利用する顧客について、長期、積立て、分散投資の意義や投資リスクについての周知でありますとか、顧客本位の業務運営に基づいた丁寧な説明や販売後のフォローアップなどの対応を求めてきたところでありまして、今回の株価の急変動に当たりましても、J―FLECや金融機関から改めて長期、積立て、分散投資の重要性等について周知、説明が行われたところであります。 金融庁では、株価が急落した翌日の八月六日にも、改めて金融機関に対しまして顧客への丁寧な情報発信や説明を行うよう求めたところであります。国民の皆さんが安定的な資産形成を進められるよう、引き続き、長期、積立て、分散投資の意義を発信するとともに、金融機関に対して、特に市場の急変時における丁寧な顧客対応を求めてまいります。
○神谷宗幣君 御回答ありがとうございます。 私見なんですけれども、私、今回の株価の大暴落の一つの要因は、岸田総理がインベスト・イン・キシダというのをイギリスかどこかで演説されたことから始まっているのではないかなというふうに思います。 日本は、先ほども円キャリートレードのお話ありましたけれども、金利が安くて資金調達簡単でしたから、外国の機関投資家は日本の株をたくさん買ったということですね。彼らの株式保有率は今全体の三〇%ですけれども、取引全体の七割が外国人が今行っているというのが日本の株式市場です。こういった市場で外国人の投資家が利益を確定させようと思うと、必ず誰かに株を売らないといけないんですね。安く買って売らないといけないと。それを買わされたのが、今回、日本人の個人投資家だったんじゃないかというふうに、まあ、これ正確な数字出ていませんので懸念としか言いようがありませんが。 実際に一つの数字見ると、新NISAなんかは、今年の一月から四月ぐらいまで毎月一兆円ぐらい資金を集めていたという報道もありました。そのうちの多くの金額が日本株にも投資されたと思います。その結果、七月の十一日には日経平均が史上最高値を更新、三十一日に日銀が利上げを発表と。で、アメリカがその数日後、八月の一日、二日に雇用統計などで失業率の悪化を発表して、それが九月にFRBが利下げをするのではないかというふうな臆測につながって急激な円高となって、外国人はここぞとばかりに日本株を売って利益を確定する。その結果、八月五日に日経平均が歴史的な暴落をし、翌日には暴落した株がバーゲンセールのような状態になって、外資がまた記録的な買戻しを行ったと。 特に、社名挙げますと、ブラックロックなどの大手外資系のファンドは日本の主要会社の株を大量に買い占めていまして、もう八月五日に大量保有報告書というもの、あれ報告しないといけないんで、そういうのを出していますから、そういう事実があります。 要するに、実質的な経済、内需拡大でやっていくやり方じゃなくて、外国資本を活用して金融で日本経済を活性化しようという総理の方針自体に誤りがあったのではないかと、やり過ぎたんじゃないかというふうに感じられるわけですね。それによって、また外国、外資に多くの資産を持っていかれたんではないかというふうに感じてしまいます。 この委員会で私はそういったことを常々訴えてきたので、これからいろんな形でまた外資を入れていくという話あると思うんですけれども、それがありますと、進むと、やればやるほど日本の経済的な主権が奪われるような感覚持っていますので、是非、今回の株式の下落をきっかけに、ちょっと金融担当者の方々には認識を変えていただいて、もう少し国民に市場の説明とか、あと規制をきちっと作って、外資に持っていかれないようなルール設計をお願いしたいということを要望して、時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。
○堂込麻紀子君 茨城県選挙区の堂込麻紀子です。どうぞよろしくお願いいたします。 まず初めに、日銀の金融政策変更についてお伺いできればと思いますが、植田総裁が七月三十一日に金融政策決定会合後の記者会見において、物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、今回の政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整することが適切であるというふうに判断したというふうに述べられております。政策金利の引上げと国債買入れの減額については、一般的には金融政策の方向性を緩和から引締めに転換するものと受け止められるところです。 会見においては、金融緩和度合いを調整するという表現がなされております。その点少し、緩和なのか引締めなのか、やや分かりづらいというふうに受け止めておりますが、一方、今回の展望レポートにおいては、四月にありました緩和的な金融環境が継続するとの文言がなくなっております。 今回の政策変更後においてもなお金融緩和が継続されているというふうにお考えなのかどうか、植田総裁の認識をお伺いしたいと思います。
○参考人(植田和男君) 委員御指摘のように、七月の会合では、まず政策金利を引き上げましたが、今回の決定後も実質金利は大幅なマイナスが続き、私どもの考えでは緩和的な金融環境が維持されているというふうに考えております。 その上で、こうした日本銀行の政策への考え方に変化はないわけですが、御指摘がありました、当面、緩和的な金融環境が継続するという文言をめぐるところですけれども、これが、そういう考え方に私ども変化はないわけですが、市場の一部でこの文言が当面利上げを行わないという意味だというふうに解釈されることもあったということを聞いております。したがいまして、今回、展望レポートにおけます政策運営に関する記述のところで、七月、実際に政策変更を行ったことを機に、日本銀行の考え方をより明確に説明するというために文言の書き方を調整したということでございます。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 加えて、最近の株式市場、外国為替市場の乱高下をめぐる認識ですけれども、七月の金融政策決定会合以降の市場の変動については先ほど来からもお話がありました。日銀の利上げ方針、また米国の実体経済の悪化等の影響も受けまして、投資家が反応して行動した結果であるという指摘もなされておりますけれども、市場のこの急激な変動というのは決して望ましいことではないというのは周知の事実だというふうに思います。 安定的な市場の形成を目指す観点からも、今回の乱高下、どのように見られておるのか、鈴木大臣の認識をお伺いしたいというところとあわせて、八月七日、内田副総裁が、内外の金融資本市場の急激な変動が見られる下で、当面、現在の水準で金融緩和を続けていく必要がある、先ほども触れておりますが、利上げに関するような言及が加えてあったということもありまして、これについて、日銀はいつから株価を支えるために金融政策を行うようになったのかというような御指摘をいただくような声も上がっております。 今回のような市場の乱高下、今後の金融政策運営に関してどのような影響を及ぼすと考えておられるのか、こちらについては植田総裁の認識をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 私からは、御質問の前段の株価、為替の乱高下に対する認識について答弁をさせていただきます。 一般論として申し上げれば、株価や為替相場については、金融政策に係る要因のほか、内外の経済・物価状況や国際収支、企業の収益力や財務状況などの経済的な要因、それに加えまして、地政学的リスクや市場参加者のセンチメントなど様々な要因によって決まるものでありますので、一概に申し上げることは難しいと思います。 その上で、先般の急速な動きの要因について申し上げれば、先ほど堂込先生からもお話が既にありましたが、市場参加者の間では、軟調な米国経済指標を背景とした米国景気の悪化懸念、地政学的な緊張の高まりなどを背景として世界的に急速なリスク回避が進んだことも金融市場での大きな動きにつながったとの見方があると、そのことも承知をしております。 政府といたしましては、引き続き、経済財政運営に万全を期すとともに、日本銀行とも連携をしながら、投機的な動きも含め金融市場の動向をしっかりと注視してまいりたいと思っています。
○参考人(植田和男君) これは今日繰り返し申し上げておりますが、市場の動きが八月前半を中心に急激であったということを踏まえまして、現在でも、極めて高い緊張感を持って市場動向を注視していかないといけないという方針でございます。 その上で、そうした市場動向が、経済・物価見通しやリスク、あるいは、見通し実現、我々の物価・経済見通し実現の確度にどういう影響を及ぼしていくかということはしっかり見極めていきたいと思っております。 そうした見極め、それからもう少し広く、七月に決定した利上げの経済、物価への影響、これらを点検しつつ、その上で、これまで、今日も議論になりましたような私どもの経済・物価見通しが引き続き実現していく、あるいはその確度は高まっていくということでありますれば、金融緩和の度合いを徐々に調整していくという基本的な姿勢には変わりがございません。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。御認識をお伺いしました。 続いて、金利上昇局面における中小企業への影響と対応についてお伺いしていければと思います。 七月の金融政策会合後の記者会見の中で植田総裁からあったものですけれども、質疑の応答がございました。防衛的な賃上げを強いられたり、ゼロゼロ融資の返済に追われたりしている中小企業が追加的な利上げに耐えられるか等質問に対して、付いていけないところの企業の労働者たちがより生産性が高い他の企業にうまく移れるような様々な仕組みや努力が続いていくかどうかという点についてもモニターしていきたいということです。 私も、この労働移動というところはいろいろこれからもモニターしていきたいというふうに考えておりますけれども、中小企業自体の事業継続、成長、その雇用の維持の側面からも、この利上げの影響というところを把握して、必要な対応、また対策が講ぜられるべきというふうに考えております。 金利上昇における中小企業への影響と今後の対応策について、金融庁の方にお伺いしたいというふうに思います。
○政府参考人(伊藤豊君) お答え申し上げます。 中小企業を含む事業者向けの貸出金利につきましては、事業者の信用状況などの様々な要素を踏まえつつ、金融機関と事業者とが相対で協議を行った上で決定されるものであり、必ずしも政策金利の変動がそのまま反映されるものではないと認識をしております。 また、事業者ごとにその業況も区々であることから、日本銀行の金融政策の影響を一概に申し上げることは難しい点は御容赦いただきたいというふうには思います。 一方、委員から御指摘のありましたように、中小企業への影響を心配する声があることは私どもとしても十分承知をしておりまして、金融庁といたしましては、本年三月の政策決定会合以降、業界団体との意見交換会の場で各金融機関の頭取等に対して、金利見直しの協議に際しては、顧客企業に十分に説明を行うことはもとより、個々の借り手の状況を踏まえ、必要に応じて適切な返済計画のアドバイスを行うことを求めているところでございますし、加えまして、これまでも金融機関に対しましては、貸出金利の水準にかかわらず、経済環境の変化を踏まえつつ、事業者への経営改善、事業再生の支援など、その実情に応じたきめ細かい支援を徹底することを繰り返し求めてきたところでございます。 引き続き、貸出金利の動向や、それが借り手に与える影響、金融機関の事業者支援の状況などを注視してまいりたいと考えております。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 その中小企業の支援という部分では、この今ある賃上げの流れを確実なものとして、今後も続くような方策を様々今政府の方でも御提案いただいているところでございますが、物価高騰等の影響もありまして、特に中小企業においては厳しい経営環境に置かれているというところもまだまだ少なくありません。 鈴木大臣が八月八日の記者会見において、賃上げ促進税制の活用促進、それから価格転嫁政策、省力化投資への支援等々、いろいろな政策、これを総動員して、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げ、これを実現してまいりたいというふうに力強く述べられております。 今年の春闘の賃上げの成果、また最低賃金の引上げの流れ、これに続いて、今後の継続的な賃上げの流れ、これを確実に進めるためにも、この施策の効果を高めるためにも、今後追加的な政策を行う予定が、おつもりがあるかどうかというところを、鈴木大臣、また厚生労働省からの御認識をお伺いできればというふうに思います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 岸田内閣では、物価上昇を上回る持続的で構造的な賃上げを実現をすべく、まずは、物価も上がらない、賃金も上がらないという日本経済に蔓延するデフレマインド、これを払拭をして、思い切った賃上げのきっかけをつくり出すことが重要であると、そういう認識の下、賃上げ促進税制の活用促進や価格転嫁政策などを通じ、中小・小規模事業者も含めた賃上げの取組を後押ししてまいりました。 このような取組を背景に、今年の春闘における賃上げ率は三十三年ぶり五%を超え、中小企業だけ見ても四%を超える高水準となり、また、今年の最低賃金の引上げの目安額につきましても、過去最高額となる全国加重平均プラス五十円という結果で取りまとめられました。 このような流れを確かなものにすることが今後の重要な政策課題であると考えております。そのためには、賃上げの原資となる企業の稼ぐ力の強化に向けて、中小・小規模事業者を含めて生産性の向上を支援していくことが不可欠であると考えております。 具体的には、省力化投資や研究開発イノベーションへの支援など、まずは、令和五年度補正予算、令和六年度予算、税制改正に盛り込まれた措置、これをしっかりと実行していくことで、持続的な賃上げ、これを後押ししてまいりたいと考えています。
○政府参考人(河野恭子君) お答え申し上げます。 賃金は、労働者の生活を支える基本的な労働条件であるとともに経済成長の原動力であり、経済の好循環により国民生活を豊かにしていくためにも、力強い賃上げの動きを中小企業にも波及させていくことは重要であると認識をいたしております。 このため、厚生労働省といたしましては、今年度においても、地方版政労使会議を開催し、賃上げに向けた機運の醸成を図るとともに、関係省庁とも連携をいたしまして、三位一体の労働市場改革を推進し、中小企業が賃上げをしやすい環境の整備に取り組んでまいります。
○堂込麻紀子君 ありがとうございます。 様々支援策ございますが、その申請の手続、その手続までの煩雑さであったり用途が限定的といったところで様々ハードルがございます。中小企業の皆さんの支援という意味では、そうしたツールをきちっと使えるようなもので、利用いただけるような支援策ということで、その後のサポートも是非行っていただければというふうに思います。 質問、その後も用意しておりましたが、済みません、お時間参りましたので最後にさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(足立敏之君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時三十六分散会