国土交通委員会 第20号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2024/06/13
会議録
○委員長(青木愛君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省大臣官房審議官辻貴博君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木愛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(青木愛君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小沼巧君 おはようございます。立憲民主党の小沼巧です。 今日は一般質疑ということで、まず一つ、ちょっと緊急の話題でございますので、質問をさせてください。 昨日の夜、NHKの「クローズアップ現代」でこういう番組が放送されました。「追跡”PFAS汚染”」と、こういうような報道でありまして、米軍基地等が注目されて国会でも議論されてきたところなのですが、そういったものは特段近くに存在しない我が茨城県においてもそのような数値が、高い数字が報道されているというような番組でありました。そして、我が居住地であります鉾田市というところにおきましては、どうやら暫定目標値である五十を二倍超える百の数値が確認をされた、河川等ということでございました。近隣の鹿行地域におきましても、水道水なんかでも基準値を超える数字が確認されておりまして、心配の声が広がっているというところでございます。 そういった意味で、水、水道という文脈でありまして、直接の所管ではないということは承知しております。しかしながら、国土や水の、水道の管理ということも所管である国交省におきましても、直接の所管ではないものの、関係し得ることはあるのではないかと思います。 その観点から、例えば環境省だったり自治体だったりというところから実態把握、こういったことに努めるとともに、何かしら改善余地があったり、あるいはできることがあれば、そのような対応をお願いしたいと思いますが、大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 水道水などにおけるPFASの問題、これに関係する報道について、水道事業を所管する国土交通省としてもこれよく承知しているところでございます。 水道水におけるこのPFASのうち主要な物質であるPFOSとPFOA、いずれも、PFASというのは有機フッ素化合物の総称でございますが、その中でも特に問題となっているPFOS及びPFOAの実情につきましては、現在、環境省と共同で実態調査を行っております。 水質そのものは環境省の所管でございますけれども、水道、上水道も国交省の所管にこの四月からなりました。環境省と一緒になって、しっかりこの問題に対応していきたいと思っております。 私も元環境大臣ですので、この問題、非常に関心がございまして、これしっかり対応してまいりたいと思います。
○小沼巧君 昨日の夜のことであったにもかかわらず、御答弁をいただきましたことに感謝申し上げたいと思います。 心配の声広がっていることは重要で、事実でございますので、今大臣からも御自身の環境大臣としての経歴等についても言及いただきました。この点、党派を超えてしっかりやって、地域の不安に寄り添っていくということは大切なことだと思いますので、どうぞしっかりと御努力いただくように重ねて申し上げたいと思います。 それでは、通告に従いまして議論をさせていただきたいと思いますが、先日来までで議論をしていたところについての更問いを中心に幾つか議論させていただきたいと思います。 鉄道ローカル線の課題についてということで、先日、四月の二日だったと思います、国土交通委員会で茨城県内の大洗鹿島線をめぐる状況についても話をさせていただきました。という議論を踏まえて現場の意見を聞いてきたんですが、何か国交省の答弁ちょっと違うんじゃないのかと、こういうような意見も聞いてきたものですから、そういう意味で確認もしながら議論をさせてください。 四月二日の鉄道局長から御答弁いただいたところであります。要は、人手不足で影響を受けているんじゃないのかという問いに対して、現時点で担い手不足による減便等の事態は生じていないという答弁がありました。これに対する疑義の声が寄せられたので御紹介して、新たに見解を伺います。 確かに、本数自体は不変であります。しかし、変わっていない区間というのが水戸から大洗と少し、とても短い区間なんですね。それで、大洗から鹿島神宮という南の方まで行こうと思うと、これは日中の時間帯で二往復減ってしまっているという現状があります。全体の本数としては不変なんだけれども、よくよく見ると、大洗から鹿行地域を通って南の方に行くことについては減ってしまっている事実がありまして、減便等の事態は生じていないということは誤りなのではないか、こういう意見が出されたところでありますが、改めて見解を伺います。
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。 まず、鹿島臨海鉄道でございますけれども、今委員御指摘のとおり、令和三年の三月に行われたダイヤ改正におきましては、大洗駅と鹿島神宮駅間で上下合わせて四本の減便が行われたと承知をしております。これにつきまして、鹿島臨海鉄道に確認しましたところ、その当時、コロナウイルスの影響が大きかったことから、利用実態に合わせてダイヤを見直したものであり、担い手不足によるものではないと聞いております。 また、本年四月の時点で、委員から御質問いただいた際には、同社から運転士不足の事態は生じていないと確認した上で御指摘の答弁をいたしたところでございますが、今般改めて同社に確認をしましたところ、令和三年三月、先ほどのダイヤ改正でありますが、その後は更なる減便は行われておらず、また運行に必要な運転士の人数は確保されているとの説明を受けているところでございます。
○小沼巧君 実際問題、ステルス減便なのではないかというような指摘があったわけですね。つまり、減便が生じていないかといったら、実際のところは、減便自体はダイヤの関係で生じているところでありました。その原因が担い手不足なのかというような問いの立て方をすると、そうじゃないというロジックも可能なんだというような話でありますけれども、現実問題、減便ということは生じてしまっていたということが事実として明らかになったわけであります。 さて、その上で、その際にも、四月の時点でも、担い手不足を解消するために賃金の上昇を図っていくことが重要だということの質疑をいたしまして、局長からも、適正な賃金水準を確保されることが重要だというような趣旨の答弁もあり、また大臣からも類似の答弁がありました。 改めて、ここで趣旨を確認したいと思いますが、局長は、四月の二日、こうおっしゃっていました。適正な賃金上昇を反映できるように、原価の算定方法を見直したと、運賃改定の話についてですね、とおっしゃっておりましたけど、改めてこの趣旨を確認させてください。
○政府参考人(村田茂樹君) 国土交通省におきましては、鉄道事業者が運賃改定を行う際に用います収入と原価の算定方法を定めている収入原価算定要領というものにつきまして改正を行い、本年四月から適用したところでございます。 具体的には、鉄道事業者における賃金上昇を適切に運賃に反映させられるようにするため、賃金を含む人件費の算定方法につきまして、これまでは当該事業者における人件費上昇率の実績値を用いることとしておりましたが、改正後は、ほかの事業者も含めた人件費上昇率の実績値等も反映して算定することができるというものにしたものであります。
○小沼巧君 要は、賃金上昇をする、そういったことであれば運賃改定をしていいというようなことで、国交省は制度を見直したということであります。これについては良いものだと思います。 しかし、現場の話を聞いてみますと、その四月から制度が改正されたということで、四月十一日に実際に運賃の引上げを申請しました、全体で一七・七%。ただ、これの話をよくよく聞いてみると、実際、古い鉄道でありますので、老朽化した車両とか施設の保守メンテに全て上昇分を充てて、ベースアップとか定期昇給とか、そういったことの賃上げ対策は取らないことにしていると仄聞しております。今までの話なんかも踏まえると、改めて、こういった運賃引上げに連動した賃上げということをやっていかないと人手不足は解消されていかないということが大事な視点かと思います。 大臣も、やっぱりこの前の答弁なんかでも、賃金水準が非常に低いという点とか、みんなが努力していかなきゃ、関係者が努力していかなければならない、総合的に賃金水準を上げていくことが必要だというような御発言もありました。そのようなことに加えて、様々な補助金等の支援制度も行っていただいているということが四月の国会質疑で答弁されたところです。 大臣答弁やそれらの金銭的支援といったことに加えまして、実際に運賃引上げに連動した賃上げが円滑に行われる、そういう環境整備を促していくということが重要ではないかと考えますが、見解を伺います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 賃上げに結び付くような運賃の値上げということで、今回の、今、小沼委員が出された鹿島臨海鉄道の場合は、しかし、その前に、施設が大変老朽化しているので、その対策のための運賃値上げが優先してしまったということかと思いますけれども、そういう意味では、しっかり賃上げに結び付く運賃値上げになるような、その基となる施設にしっかり支援をしていくということも非常に重要だと、このように思います。 賃上げの前提となる事業者の経営基盤強化のため、鹿島臨海鉄道を含む経営基盤の脆弱な地域鉄道事業者を対象に、安全性の向上に必要なレールや枕木の整備、更新や車両の改良などに対し必要な財政支援を行っております。また、デジタル化、システム化による経営効率化の取組等に対しても支援を行っております。こういう経営基盤を強化するための支援もしっかり行い、その上で賃金を引き上げるための運賃値上げというような体制になるように、国交省としてもしっかり支援していきたいと思います。
○小沼巧君 確かに、そういった施設整備とかについてしっかりやっていくということは、これは誰も反対するものではないんですね。しかし、結果的にそれだけにとどまってしまって賃金が上がっていくような感じになっていかないと、人も集まらないというような状況になってしまうということであります。どうやら若い人たちの間では、当然の権利たるストライキぐらいやったらいいんじゃないかというような声も上げられているようであります。 そういった意味で、いろんな支援策を行っていくことは重々承知です。しかし、ここはあえて一歩踏み込んで、そういった施設整備のメンテナンスとかも大事です、それに加えて、国交省としても、今までそういった支援策を提供する、そして注視をしていくということだけではなく、ちゃんと賃上げが実現できるような環境整備を促していくということまでやっていくことが重要ではないかと考えますが、改めて見解を伺います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) まさにそのとおりだと思います。 運賃改定に当たっての新たなルールの周知徹底を図っていくとともに、事業者の経営基盤強化に向けた支援を通じまして鉄道事業者による賃上げなどの処遇改善が適切に行われるよう、環境整備をしっかり図っていきたいと思います。
○小沼巧君 関連しまして、大洗臨海鉄道に加えて、鉄道の貨物輸送についても併せて問いていきたいと思います。 鉄道貨物輸送に関しましては、昨年の令和五年四月二十日、国土交通委員会において質疑、法案審議が行われ、附帯決議が行われました。附帯決議の第三にはこういった記述があります。貨物列車が現に走行している線区及び災害時や有事において貨物列車が走行する蓋然性が高い線区については云々ということでありますが、ここで解釈を問いたいと思います。蓋然性が高い線区とありますが、これの定義は何であって、誰が判断するものなのか。 また、同項、同附帯決議には、鉄道ネットワークの維持に、在り方についての国の関与の在り方も含めた検討を進めることとございますけれども、この鉄道ネットワークの維持に係る線路の維持費用であったり補助等のスキームについてはどのようなことになっているのか、現状を伺います。
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。 委員御指摘の改正地域交通法の衆議院及び参議院の附帯決議を踏まえまして、昨年八月に地域交通法に基づく基本方針を改正いたしたところでございます。この基本方針におきましては、災害時や有事において貨物列車が走行する蓋然性が高い区間など、我が国の基幹的鉄道ネットワークを形成する区間については再構築協議会における協議の対象としないということとしております。 御指摘の蓋然性が高い区間についての定量的な基準につきましては特に設けてございませんが、再構築協議会の設置の要請があった場合などには、国とJR各社との間で基幹的鉄道ネットワークを形成する区間に該当するかどうかを確認し判断するということとなるものと考えております。 また、こうした基幹的鉄道ネットワークにつきましては、JR会社法に基づく大臣指針によりまして、JR上場各社に対し適切な維持を求めていくこととしております。
○小沼巧君 現状について分かりました。 貨物鉄道についても経営状況は非常に悪い状況になっているということの現場の声も寄せられたところであります。 そもそも、振り返ると、国鉄改革のときに行われたいろんなスキームがありました。専門用語で恐縮ですけれども、例えばアボイダブルコストルールであるとか、あるいはダイヤ調整ルールとかといったことがありました。また、貨物調整金というような制度も含まれていると承知しております。しかし、この貨物調整金について、廃止されてしまうと非常に経営状況も逼迫して、そもそも鉄道ネットワークの維持すらおぼつかないのではないか、こういう懸念の声が上がっています。 この貨物調整金については、実は、平成二十七年一月十四日、整備新幹線の取扱いについてということで政府・与党の申合せの記述がございます。これによりますと、現在整備中の新幹線が全線開業する平成四十二年度までに云々かんぬんというようなところで記述がされております。便宜上、平成四十二年というのは、西暦に直しますと二〇三〇年です。その二〇三〇年に結局この貨物調整金制度は終了するということが政府・与党申合せになっているところでございますけれども、技術的にちょっと分からないことがあったので、確認をさせてください。 今申し上げた、現在整備中の新幹線が全線開業する平成四十二年度までにということが政府・与党申合せの記述です。これは、平成四十二年度まで、すなわち二〇三〇年に主軸を置いてぶった切るというようなものなのか、それとも修飾語でありますところの現在整備中の新幹線が全線開業するというところに主軸を置いているのか、解釈はどうなっていますか。
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。 今御指摘の平成二十七年の政府・与党申合せにつきましては、御指摘のとおりの記述になっておるわけでございますけれども、当時の申合せといたしまして、この完成・開業時期が遅れるということを必ずしも想定していないという状況で作成されたものというふうに認識しておりまして、仮にこの現段階で北海道新幹線の開業が遅れた場合のこの取扱いにつきまして、この二〇三〇年度というものがどうなるかということについて今確たるお答えを申し上げるのは難しいものと考えております。
○小沼巧君 それは多分、政府としてはそうですよね。で、政府・与党というと、あれ、そこにそろっているんじゃないのかなということでありますけれども、まあそれはさておき、時間もありませんのでさておき、言いたいことは、その二〇三〇年度に現行終わるかもしれないという状況になっている、で、解釈もどうやら幅があるかもしれないということであります。現状のようなことを考えますと、やっぱりこの貨物調整金の新制度移行するにせよ何にせよ、やっぱりJR貨物の生命維持装置と言っても過言ではない非常に重要な仕組みであると思っています。 現行制度の維持又は現行と同等の制度を創設して維持をしていくということが大切ではないかなと考えますが、この見解についての国交省の見解を教えてください。
○委員長(青木愛君) 大臣。(発言する者あり)いいですか。 村田鉄道局長。
○政府参考人(村田茂樹君) 済みません、失礼いたしました。 今御指摘のJR貨物がJR旅客会社に支払う線路使用料でございますけれども、今委員御指摘がありましたように、国鉄改革の際に、JR貨物の収益性を確保し鉄道貨物輸送のサービスを維持していく観点から、このいわゆる貨物輸送によって傷んだレールや枕木等の修繕費としてアボイダブルコストのみに限定するというふうにされたところでございまして、この考え方に沿って、今JR貨物と旅客会社の間で協定が定められているというものでございます。 このJR貨物が並行在来線に、並行在来線会社に対して支払う線路使用料につきましては、JR貨物の負担をアボイダブルコストと同程度とするために貨物調整金制度を設けております。 この貨物調整金制度につきましては、先ほどの政府・与党申合せにおきまして、二〇三〇年度までに見直しを行い、新制度に移行することとされておりますが、今委員御指摘のとおりでございまして、北海道新幹線の状況でありますとか、またJR貨物の経営自立化に向けた状況、並行在来線の経営状況などを踏まえつつ、今後必要な検討を行っていくということにしておりますが、いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、鉄道貨物輸送が期待される役割を発揮するとともに、JR貨物が経営自立化に向けた取組を推進するということが重要であると認識しておりまして、引き続き必要な支援を行ってまいります。
○小沼巧君 時間が限られました。 実は、建設業法についても問うていきたいと思っておりました。この前、全会一致で法案が成立したところなんですけれども、実際に三上委員からも議論がありました。受注事業者の労務費の見積りと雇用契約上の賃金のギャップを埋める、そして、そのようなことを徹底するために、受発注者双方で確認し、共有し、遵守される仕組みを必要ではないかということについても質問をする予定でございましたが、時間もありませんので要望にとどめたいと思います。 残り三十秒ぐらいなんですが、大臣、二回ぐらい手挙げていらっしゃったので、何か言いたいことあれば簡潔にお願いします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) ちょっと答弁に前のめりになりまして失礼いたしました。 鉄道貨物はなくしてはいけないと私は思っております。いろいろな細かい技術的な問題はございますが、しっかり、カーボンニュートラルも含めまして、物流の革新も含めまして、鉄道貨物が果たすべき役割を将来もしっかり果たしていくべく頑張りたいと思っております。
○小沼巧君 終わります。ありがとうございます。
○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。 小沼議員に続きまして、一般質疑をいたします。 最初に、精神障害者運賃割引制度について質問をいたします。 JR六社が来年二〇二五年四月から精神障害者の運賃割引制度を始めます。ようやく、待ちに待ったという制度です。また、東京メトロや大手の私鉄九社もこれから相次いで開始すると言われています。 この新しい制度が必ずしも使い勝手が良いものではないという点がございます。その実情を、地元の当事者、御家族の方から御要望をいただいたことから、今日質問をさせていただきます。 報道発表によりますと、今回の割引は、障害の程度が一番重い精神障害者保健福祉手帳一級の方が第一種、そして二級、三級の方が第二種になる見込みです。 資料一を御覧ください。 JRグループが発表した割引制度です。第一種の障害者や十二歳未満の第二種障害者が介護する人と一緒に乗ると、二人とも五割、つまり半額に割り引かれます。一方で、一種も二種も介護者がなくて一人で乗る場合、ここは百キロという、いわゆるキロ数に制限があります。 まずは、質問です。 第一種の方と介助される方が一緒の場合は距離の割引に制限がありません。このようになった経緯を教えてください。
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。 鉄道における障害者割引につきましては、常時介護者の付添いが必要である重度の身体障害者の方々を対象に、障害者御本人と介護者の方をそれぞれ二分の一の割引とし、合わせて一人分の運賃となる割引制度としていることから、距離制限を設けないものとなっていると承知をしております。 精神障害者割引につきましても、このような身体障害者割引や知的障害者割引と同様の考え方に基づきまして、重度の障害者の方に介護者の方が同伴して乗車する場合には距離の制限を設けていないものと承知をしております。
○三上えり君 介護者がいない場合ですよね、今いる場合の説明をしていただいたんですけれども、いない場合、一人の場合はなぜ百キロを超えないとこれ割引の対象にならないのでしょうか。
○政府参考人(村田茂樹君) 今答弁いたしましたとおり、鉄道における障害者割引は、基本的には障害者御本人と介護者の方をそれぞれ二分の一の割引として、合わせて一人分の運賃とする制度でございますが、旧国鉄におきましては、運賃が高額となる百一キロ以上の移動につきましては、利用者の負担軽減を図る観点から、障害者の方が単独で乗車する場合であっても二分の一の割引とする制度とされ、多くの鉄道事業者がこれを踏襲しているものと承知をしております。 精神障害者割引につきましても、多くの鉄道事業者はこのような考え方に基づき、百一キロ以上の移動につきましては、障害者の方が単独で乗車する場合であっても二分の一の割引とする制度を導入していると承知をしております。
○三上えり君 そもそも、精神障害者保健手帳一級を持つ方は病院に長期入院されている方がほとんどです。 今お話があった踏襲してきたという話なんですけれども、そもそもこの割引は、旧国鉄時代の一九五〇年、今から七十五年ほど前に国有鉄道法、運賃法が改正されたときに実施されました障害者割引制度を踏襲している、それが現在も、今回の制度に反映、七十五年前の制度が今回の制度に反映されたということです。 時代は変わっています。利用があっても変わっているんですよね。百キロの距離、これJRを利用して遠出する機会、第一級を持つ方は非常に難しいのではないかと思います。百キロといえば、東京駅から静岡県の熱海駅まで、これを一種の方が一人で移動するということはなかなか考えづらいかと思います。また、一級より圧倒的に人数が多い二級、三級の方々、これ通院ですとか買物、そういった日常生活で使いたいと。であれば、今の時代、この百キロという制限、利用するにも大変厳しいものがあるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 公共交通機関である鉄道におきまして、障害をお持ちの方を含め全ての人が便利に安心して利用できる環境を整備することは非常に重要だと思います。 御指摘の距離制限につきましては、先ほど局長が答弁しましたとおり、過去の経緯を踏まえ、多くの鉄道事業者において距離制限を設定しておりますが、一部の鉄道事業者においては距離制限を設けず割引運賃を導入しております。例えば西日本鉄道、それからこの六月からは京成電鉄でございます。 割引制度の拡充につきましては、基本的に鉄道事業者の経営上の判断でございますけれども、国土交通省としては、引き続き、委員の御意見や障害をお持ちの方の御意見を鉄道事業者にもお伝えしてまいりたいと思います。
○三上えり君 そういった鉄道もあるということで、そういった鉄道をモデルケースに、是非、この精神障害者の方々にとって、今回のチャンスというか機会というか、本当に長年の悲願でした。重ねて申し上げます。皆様、近場で使いたいと訴えていらっしゃいます。 大臣、この距離の条件、今お話にございましたけれども、重ねて、この距離の撤廃も含めた、そういった鉄道事業者に促していただくということをお約束していただけませんでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、こういう、国会でこういう議論があること、そして全ての障害者の方が安心して移動できる環境をつくること、これらを鉄道事業者にしっかり伝えていきたいと思います。
○三上えり君 ありがとうございます。 多分、当事者の方、御家族の皆様、今のお言葉、大変うれしく聞いていらっしゃると思います。 鉄道における精神障害者運賃割引につきまして、鉄道事業者全体のうち、導入済みの事業者及び導入を決定した事業者、この割合はどれぐらいなんでしょうか。
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。 鉄道における精神障害者割引でございますが、本年四月一日現在で百十八事業者において導入されておりまして、全事業者に占める割合は約七割となっております。さらに、JR旅客会社及びこれまで導入していなかった大手民鉄事業者などにおきましては、新たに精神障害者割引を導入することを本年四月に発表したところでございまして、これによりまして、割引の導入を決定した事業者を含めますと、令和七年の四月一日時点では、全事業者の約九割に当たる百五十六社が導入する見込みでございます。 国土交通省といたしましては、まだ導入していない事業者に対しましても、その意義や必要性につきまして丁寧に説明していくなど、引き続き働きかけを行ってまいりたいと考えております。
○三上えり君 働きかけ、どうぞよろしくお願いいたします。 また、国土交通省では、鉄道を含む公共交通機関の精神障害者運賃割引の導入促進に向けて、これまで、九割にもうすぐ達するということなんですけれども、どのような取組を行っているのか、行ってきたのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(榊真一君) お答え申し上げます。 障害者の方々に対する公共交通機関の運賃割引につきましては、最終的には事業者各社の経営判断とならざるを得ない中で、国土交通省といたしましては、JRや大手民鉄を始めとする幅広い公共交通事業者に対し、精神障害者割引の導入について理解と協力を求めてきたところです。 さらに、令和五年の二月には、精神障害者に対する割引の考え方や、運賃改定時に障害者割引に伴う減収分を考慮することなど、実施に際して整理が必要な事項を鉄道事業者にお示しするなど、導入に向けた環境整備も行ってきております。 この結果、鉄道等の公共交通事業者における導入は進展してきていると考えておりますが、国土交通省といたしましては、引き続き、まだ導入されていない事業者に対し、その意義等について丁寧に説明していくなど、引き続き更なる普及に努めてまいります。
○三上えり君 鉄道事業者に丁寧に説明するためにも、とにかく当事者の声をしっかりと聞いていただきたいと強く思っております。そのためには、国土交通省から各事業者に対し働きかけていく必要がある。 で、鉄道事業者なんですけれども、これ明らかに減収になってしまうのではないかという、精神障害者割引、運賃割引を始めとする障害者割引をちゅうちょするということがあるのであれば、国が減収分を負担する、こういったことを考えていくべきだと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 公共交通機関における精神障害者の方に対する運賃割引につきましては、割引による減収を他の利用者の負担によって賄うという事業者の経営判断の中で行われてきたものでありますが、国土交通省ではその導入への理解と協力を求めてきたところでございます。 また、先ほど局長の答弁にもありましたけれども、令和五年二月には、運賃改定時における収入の原価算定において割引に伴う減収分を考慮する取扱いであることを改めて明確化し、各事業者への働きかけを強化しております。 今後とも、公共交通機関における精神障害者割引の導入が更に進むよう取り組んでまいります。
○三上えり君 昨年、本委員会で議論されました地域交通法等改正案、この附帯決議でも、障害者割引等の費用を交通事業者が負担していることを踏まえ、福祉分野等においても交通事業者支援のための仕組みづくりについて検討することを求めています。 この取組について、国土交通大臣、最後に見解と対応方針をお願いします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 先ほど御答弁申し上げたとおりなんですけれども、現行の障害者割引による減収分につきましては、運賃改定時における収入原価算定に盛り込んでおり、各社の認可運賃に反映されているため、利用者全体で御負担をいただいているところでございます。 国土交通省としては、公共交通事業者の御理解と御協力をいただきながら、引き続き精神障害者割引の導入拡大を図ってまいります。 社会福祉政策の一環としての障害者割引等に係る支援のための仕組みづくりにつきましては、引き続き、厚労省などの関係省庁と連携しつつ、どのような対応が可能か、この附帯決議にもございます、引き続き検討してまいりたいと、このように思っております。
○三上えり君 引き続き、障害のある方に優しい制度づくりに尽くしていただきたいと思います。 続いて、オーバーツーリズムの問題です。 オーバーツーリズムとは、観光地にキャパシティー以上の観光客が押し寄せること、これ日本語に訳すと観光公害といいます。 コロナ禍が落ち着いて全国各地で起きているオーバーツーリズム、この受け止めを、大臣、お願いします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 国内外の観光需要の急速な回復に伴い多くの観光地がにぎわいを取り戻す一方で、一部の地域や時間帯におきまして、混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響や旅行者の満足度の低下といった懸念が生じております。 こうした課題に対処するため、昨年十月の観光立国推進閣僚会議におきまして、オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージが決定されました。これを受けて、住民の方々を含めた地域の関係者による計画の策定や具体的な取組の実施を総合的に支援すべく、本年三月に先駆モデル地域として全国の二十地域を採択したところでございます。 これらの地域では、地域の関係者による協議を踏まえまして、例えば京都では、一般の路線バスに加えて、通常よりも高い運賃を設定し、京都駅と主要観光スポットをダイレクトに結ぶ観光特急バスの運行が今月一日より開始されました。また、宮島・宮島口エリアでは、厳島神社や周辺商店街などの混雑状況をリアルタイムで発信して、需要の分散、平準化や周遊の促進を図る取組が予定されている、こういう取組が各地で行われております。 国土交通省としては、地域の実情に応じた具体策が進み、観光客の受入れと住民の生活の質の確保の両立が図られるよう、地域における意欲的な取組をしっかりと支援してまいりたいと思います。
○三上えり君 今御指摘のありました、私の地元の宮島も入域税を取り入れるようになりました。入島税ですね。 様々な入域税の導入を検討する地方自治体が増えています。具体的に、その制度導入事例について伺います。 もう一つ、では、国としてその自治体をどのように支援しているのか、教えてください。
○政府参考人(加藤進君) お答え申し上げます。 地域を訪れる観光客の方々に一定の金銭負担を求めている事例といたしましては、今お話にもありました、広島県廿日市市におきまして、宮島を訪れる観光客などを対象として地方税法に基づく法定外普通税として一人百円を徴収する宮島訪問税、あるいは、妙高山・火打山地域において、登山者の方々を対象として登山道の維持、補修などに充てる費用として一人当たり五百円を任意で徴収している協力金などがあると承知しております。 こうした取組につきましては、各地方自治体の判断やあるいは地域の関係者による協議に基づいて行われるものと承知していますが、観光庁といたしましても、地域における観光客の受入れ環境整備を促進する、こういう観点から、例えば協力金などを導入する場合において、オンラインによる徴収システムの導入費用やキャッシュレス決済端末、自動券売機の設備購入費等を支援の対象としているところでございます。 観光庁といたしましては、こうした取組を含め、引き続き、持続可能な観光地域づくりを実現するため、地域の実情に応じた取組を後押ししてまいります。
○三上えり君 いろいろあるオーバーツーリズムの観光地の中でもよく聞くのが富士山です。連日、あのコンビニエンスストアから見える富士山が映えるといって大ごとになっています。 実際に見るだけではなくて、マナー違反であったり、ごみの投棄であったり、とうとう国もこの富士山のオーバーツーリズム問題について動き出すということなんですが、具体的にどういったことを動き出すんでしょうか。
○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。 富士山の特に登山の問題につきまして、委員御指摘のとおり、一部の場所への混雑の偏りにより利用者の満足度が低下したり、危険な弾丸登山があったり、あるいはルール、マナー違反といったオーバーツーリズムが大きな課題となっているところでございます。 このため、環境省では、山梨県と静岡県とともに事務局を務めております富士山における適正利用推進協議会におきまして協議を重ねてまいりました。本年三月に富士登山オーバーツーリズム対策パッケージを取りまとめたところでございます。 このパッケージを受けて、山梨県ではゲートを設置して通行料二千円を徴収し特定の時間帯の通行を規制すること、また、静岡県ではマナーやルールの事前学習を含む登山の事前ウェブ登録システムを導入することなど新たな入山管理の取組を行うこととして、本年七月の登山シーズン開始に向けて準備が進められております。 環境省といたしましては、両県ほか地域の関係者と一体となって富士登山におけるオーバーツーリズム対策を推進してまいります。
○三上えり君 継続的にこの経過の報告をいただけたらと思いますので、よろしくお願いします。 次は、新紙幣発行による両替機、券売機の問題です。 七月三日、二十年ぶりとなる新紙幣の発行が始まります。まずは、地下鉄やJR、こちらについて伺いたいんですけれども、新紙幣の対応のために券売機の更新作業が進められています。どうなっているでしょうか。
○政府参考人(村田茂樹君) JR六社、大手民鉄十六社、準大手五社、公営地下鉄八社といった規模の大きい鉄道事業者に確認しましたところ、各駅に設置している自動券売機につきましては、基本的には新紙幣導入時までに対応した機種におおむね更新する計画であると聞いております。 なお、一部の鉄道事業者におきましては、券売機の更新時期に合わせて対応するため全ての更新には一定の時間を要すると聞いておりますが、いずれにいたしましても、利用者の利便性を損なうことのないよう、必要に応じて鉄道事業者を指導してまいります。
○三上えり君 一方で、バスの方、資料二を御用意させていただきました。 小沼議員からも指摘がありましたけれども、統計を始めてから、平成二十年から今まで経常収支が黒字になったことがないという厳しいバス事業、バスの方はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(石原大君) 保有車両数上位四社の民営バス事業者に確認をしましたところ、新紙幣に対応した運賃箱、搭載した車両の比率はおおむね三割程度となっているものと承知しておりまして、現時点では必ずしも十分に切替えが進んでいない状況にあるものと認識しております。
○三上えり君 地域の皆様の、国民の皆様の足である地域公共交通を守りながら、こういった支援も国も考えていっていただけたらと思います。 質問は以上です。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。日本維新の会・教育無償化を実現する会の嘉田由紀子でございます。 六月に入りまして、梅雨時期の水害が心配な季節となりました。 ちょうど四年前ですけれども、梅雨末期、二〇二〇年の七月四日に五十名もの溺死者被害が出てしまいました熊本県の球磨川の水害対策について、四月十八日に質問させていただきました。その続きを今日もさせていただきます。 まず、人吉市内で球磨川本川に注ぐ支流の山田川の氾濫につきまして、二年前、井上智夫水管理・国土保全局長が、山田川の氾濫は球磨川からのバックウオーターという答弁をくださいました。しかし、当日地元で氾濫を目の前で見ていた住民の方たちは、バックウオーターという説明を納得しておりません。 そこで、四月十八日、私の質問に対して、資料一、二を追加提示いただきましたが、皆さんのところに今日お出ししております、この図でもまだ地元の人たちは納得をしておりません。この問題は、今日はもう時間がありませんので、次回に回したいと思っております。 今日は、資料三と四にありますように、肥薩線、八代から人吉、ここが大変な被害に遭って、ずうっと運休のままです。そこに、国と熊本県、JR九州が肥薩線の再生を約束したということです。これは地元も本当に望んでいたことでございます。 ただ一方で、この肥薩線の線路、駅ですが、中流部がかなり破壊されております。線路の高さ、今のまま再生なんでしょうか、それとも部分的にかさ上げを想定しているのか。かさ上げの場合には、それにどれくらいの費用が掛かるのか。今総額二百三十五億円とされておりますけれども、肥薩線の被害状況、再生計画でのかさ上げ、また、鉄道橋の復旧、これについては河川工事として対応するということです。その費用分担、かさ上げ計画について、鉄道局長さんと河川局長さんにお伺いいたします。
○政府参考人(村田茂樹君) お答え申し上げます。 JR肥薩線でございますが、令和二年七月豪雨によりまして、球磨川に架かる橋梁が流失する等の影響により、現在、八代―吉松間で運休が続いております。 この被災区間につきましては、令和四年三月に国土交通省と熊本県が共同事務局を務めるJR肥薩線検討会議を設置し、八代から人吉間の復旧方法や復旧後の在り方などにつきまして関係者で検討を進めているところでございます。 検討会議におきましては、球磨川の河川整備計画の検討状況を踏まえ、橋梁のかさ上げと軌道敷のかさ上げなども想定した上で、河川や道路の災害復旧との事業間連携によりまして復旧事業費を大幅に圧縮するとの方針が示されております。令和四年五月の試算では、かさ上げを含む概算復旧費は約二百三十五億円でございますが、河川や道路との事業間連携によりまして、鉄道としての復旧費は約七十六億円と想定されているところでございます。 また、本年四月には、熊本県とJR九州におきまして、上下分離方式の導入などについて認識を共有し、鉄道での復旧を目指す方向性について合意がされたところでございます。 今後、熊本県とJR九州の間で、運営の在り方や持続可能性を高めるための方策などについて検討を深度化させ、今年度末の最終合意を目指して具体的な協議が進められており、その協議を踏まえつつ、JR九州におきまして河川事業や道路事業との連携による復旧費用や復旧方法等の検討が進められるものと承知をしております。 国土交通省といたしましても、最終合意に向けまして、引き続き関係者の議論をしっかりと支援してまいりたいと考えております。
○政府参考人(廣瀬昌由君) 費用負担等についてお答えを申し上げます。 河道掘削や築堤などの河川工事に起因し、鉄道橋の改築を行う場合、基本的には老朽化等を考慮した現在の橋梁の有する価値に相当する分を橋梁管理者が負担することになっております。また、改築に当たっては、桁下高など河川管理上必要とされる技術基準を満足する必要があります。この考え方にのっとり、令和二年七月豪雨で被災した球磨川第一橋梁や第二球磨川橋梁について、JR九州により必要な復旧が進められると認識しております。 先ほどの鉄道局長の答弁にございましたように、令和四年五月に概算事業費等の試算が行われておりますが、引き続き、九州地方整備局で現地の状況を確認しながら、JR九州と費用負担や鉄道橋の構造などについて調整を、詳細な調整を行っているところでございます。 引き続き、関係機関と連携を図りつつ、肥薩線の復旧が円滑に進むように協力してまいりたいと思います。
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。 河川局長と申し上げましたが、水管理・国土保全局長です。訂正させていただきます。 是非、鉄道と河川と、本当に川沿いに見事な肥薩線、しかも蒸気機関車などが通っておりまして大変人気の線ですので、協力して復旧していただきたいと思います。 そのときに、次の質問ですが、瀬戸石ダムというのが中流にございます。河口から二十八・九キロのところです。 この瀬戸石ダムは、一九五八年に発電用ダムとして建設されまして、その後、一九七六年に、河川工作物が災害の原因とならないよう、水利権を許可する際には工作物の新改築の許可、河川法二十六条、有名なところですけど、得なければならないと決めております。具体的には、河川管理施設等構造令ですけれども、構造令では、四千トン、毎秒四千トン以上の流量が想定される川の可動堰の柱の間は四十メートルなければならない。ところが、瀬戸石ダムは、六千トン流れる設計となっていながら、柱の間が十五メートルしかありません。それはこの資料の五の一を見ていただいたら分かると思います。つまり、一九七六年の構造令以降、水利権許可を得られないのが瀬戸石ダムです。 しかし、構造令違反であることが分かりながら、二〇一四年には水利権の許可が出されております。そして、二〇二〇年七月には大水害が起きてしまったわけです。国土交通省としては、ある意味で、きつい言い方ですが、抜け穴に目をつぶり、危険性を知りながら水利権許可を出したことになります。 二〇一四年に構造令違反を電源開発株式会社、Jパワーに周知しなかったのか、水管理・国土保全局長にお伺いいたします。
○政府参考人(廣瀬昌由君) お答え申し上げます。 河川管理施設等構造令が昭和五十一年に施行される以前から河川には多くの橋梁や堰などの構造物が設置されており、これら全てに基準に適合するように直ちに改築することや撤去することなどの対応を求めることは現実的ではないと考えております。 そのため、構造令の附則におきまして、これらの構造物に対しては構造令に定める規定を適用しないこととされており、改築等を行う際には構造令に則した構造となるように指導をしているところでございます。昭和三十年に水利使用等が許可された電源開発株式会社が管理する瀬戸石ダムは、この構造令の附則が適用されるものです。 二〇一四年の水利権の更新は、取水量の変更がなく、施設の改築を伴うものでなかったので、必要な手続を経て許可しておりますけれども、改築等の際に構造令に則した構造とすることについては、水利使用許可を更新する際に限らず、河川管理者と電源開発株式会社の間で認識は共有していると思っております。
○嘉田由紀子君 認識は共有ということですけど、じゃ、なぜ一九七六年に十五メートルを四十メートルに広げたんですか。それは構造令的に問題があるということですよね。ということで、私はこの瀬戸石ダムの問題は大変重要だと思っております。 かなりこの後資料が多いんですが、資料五の一、瀬戸石ダムの姿を、また、実はダムができる前の状態を五の二として、川幅百三十九・三五メートルあるんです。自然河川の四六%しかないんです、川幅が。ですから、このダムを造ることによって半分近く河積、川の体積が減ってしまったということです。 この河積を減らすというのは、私も知事として河川管理者でしたが、本当に厳密に、それこそちっちゃな堰を造るのでも厳密に、河川法二十六条、二十四条、適用いたします。ですから、この場合に、こんなに言わば半分しか河道が流れないのに放置していいんでしょうかということを今日は何よりも問題提起したいと思います。 五の二には、七月四日のダム周辺の水流の空撮を示しております。 それから、資料六には、二時間置きの七月三日から四日のダム上流部の洪水たまっていく様子を出しております。 そして、資料七を見ていただきたいんですが、これは瀬戸石ダムの下流と上流の写真です。上二枚は、(a)は二〇一三年撮影です。ここはラフティングの拠点として水害まで使われておりました。このほぼ同じ場所が(b)です。瀬戸石の駅舎は丸ごと流失しています。今見ると、駅がある、あったということはほとんど分からないくらいです。そして、この石垣も全て流失しております。いかにこの下流が激しい流れだったかということが分かります。次の(c)と(d)ですけど、これはダム上流部の右岸です。いずれも水位は上昇している、そして土砂がたまっているんですが、この家の二階まで土砂たまっているんですけど、洗濯物の物干しがそのまま残っているんです、この写真はつる詳子さんが写したものですけれども。ということで、ダムがあることによって四六%、水が流れない。 しかも、このことを、二〇二一年二月十九日、資料八です、電源開発株式会社はこういう文書を出しているんです。資料八の四行目です。七月四日豪雨でも、ダムの影響により水位が大きく上昇した事実は認められない、ダムにより水位が大きく上昇した事実は認められない。このことに疑問を持った地元住民の方が国土交通省に、ダムがあることにより、ない場合と比べてどれほど水位が上がったか検証を求めましたが、国土交通省は検証しておりません。 そこで、住民のグループの方、河川環境の専門家もおられます、住民の中に、瀬戸石ダムがあることにより、それぞれの地点でどれほど水位が上昇したかを検証しました。それをまとめたのが資料九です。青線は瀬戸石ダムがなかった場合の水位線のシミュレーションです。そして、赤線は、ごめんなさい、赤線が国土交通省が公表しているそのときの水位実態です。そして、青線はダムがなかった場合です。この幅が三メートルから六メートルです。 具体的に地名でいきますと、実は地元の人たちと私どもは、お一人ずつが何時何分、どういう状態で亡くなったのかを調べ、本にさせていただきました。今日は特に紹介しませんけれども、その地元の人たちと調べた結果、箙瀬でお一人、小口で三名、球泉洞で五名、一勝地で一名、十名が溺死しております。 その中で、一勝地で溺死したSさんはちょっと内陸だったので瀬戸石ダムの水位上昇直接とは言えないかもしれませんが、問題は、資料十、見てください、球泉洞駅前で二家族五名が亡くなりました。A家で三名、両親と子供さんです。それから、F家は二名です、お姉さんと妹さんです。このA家、F家、いずれも家ごと流されて、そして下流で溺死状態で発見されたんですが、五名のうち四名は五十キロ以上下流の八代海で溺死状態で発見されました。そして、このダムによる水位上昇分は六・四メートルと。この球泉洞での家屋流失免れ、家屋流失があったところですが、この五名は瀬戸石ダムの水位上昇がなければ溺死は免れたんじゃないのかということを、私たちも現場で詳しく調査をした結果、判断をしております。 それから、実は、一つの証拠に、十年ほど前にこの球泉洞前の二軒は電源開発株式会社の負担で家屋のかさ上げの補償事業を行っているんです。補償事業をやるということは、水位の上昇を認めているからです。認めなかったらこの補償事業の予算は付きません。 ということで、今後も電源開発株式会社はダム事業を継続をしておりますが、電力の販売金額年間一億二千万、一方、ダムによる土砂堆積土の搬出に年間三億円必要。つまり、一億二千万稼ぐのに三億円の堆積土砂を取り除くコストを入れる、完全に赤字です。 ということで、ここは国土交通大臣にお伺いしたいんですが、赤字経営で水害リスクを高め、その上、河川構造令違反の瀬戸石ダムはできるだけ速やかに撤去できるよう、国としても指導いただけないでしょうか。ちなみに、瀬戸石ダムの下流部十キロのところにあった荒瀬ダムは二〇一二年から一八年にかけて撤去をして、球磨川の清流が戻りました。私も現場を確認しております。瀬戸石ダムが撤去できたら、水害被害の減少だけでなく、清流が戻り、生態系も戻ります。国土交通大臣の御判断をお願いいたします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) まず、令和二年七月の水害は、計画を超える規模の豪雨が原因であったとまず申し上げたい、申し上げておきたいと思います。 その上で、ダム、堰などの河川構造物につきましては、昭和五十一年に施行された河川管理施設等構造令において所定の構造基準が定められていますが、この構造令の施行以前から設置されているものについては構造令の規定を適用しないこととされており、今後、改築等を行う際に構造令に適合したものとするよう求められております。 お尋ねの瀬戸石ダムは、昭和三十年に当時の河川管理者である熊本県知事により発電を目的とした水利使用及び工作物の設置が許可された施設であり、構造令の施行以前に設置された施設であることから、構造令の規定は適用されず、違反しているものではありません。 その上で、瀬戸石ダムは、産業や生活に必要な電力を供給するダムとして電源開発株式会社により適切に運用され、水害リスクを高めるものではないと認識しております。そのような施設に対し、国が撤去の指導を行うことはできないと、このように考えております。
○嘉田由紀子君 水害リスクを高めるものではない。住民の方が、国がシミュレーションしないから、自分たちで自前で国交省のデータ使ってシミュレーションして、そして三メートルから六メートルまで上がっているんです。水害リスクを高めないとはよくぞ言ったものだと。これは私は納得できません。 次の質問と関わってきますが、この上流部に川辺川ダムを四千九百億円投資します。川辺川ダムは、下流の水位を下げるためです。そして、このBバイCは〇・四、これ自身が私は納得できない。BバイC〇・四です、一ないんです。 それで、例えばこの川辺川ダムを建設したとして、球泉洞駅前で水位低下効果は一メートル三十六センチです。つまり、上流に四千九百億円入れて、一メートル三十六、水位を下げる。一方で、瀬戸石ダムが六メートルも水位を上げている。これ、合理的な判断からしたら、しかも瀬戸石ダムは赤字ですよ、赤字のダムを何で撤去できないんですかということを、総合的判断として国土交通大臣にお伺いします。 国土政策として、納税者にも納得できない川辺川ダムをBバイC〇・四で造り、そして赤字の瀬戸石ダムを撤去できない。そして、シミュレーションもやらずに、瀬戸石ダムの影響はなかった。ここまである意味でうそで塗り固めるデータ、よろしいんでしょうか。国土交通大臣に、全体最適を考える国土交通大臣に、ここでの全体の判断をお願いいたします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 川辺川ダム建設事業につきましては、政策評価法及び国土交通省が定めた手続にのっとり、地方公共団体や有識者委員会から御意見を伺い、事業の継続を適切に判断してきているところでございます。 また、民間事業者が保有している瀬戸石ダムや肥薩線については、各民間事業者において必要に応じて河川管理者とも協議、連携しながら関係法令を踏まえ適切に運営されているものと認識しており、施設の運営方針等について各民間事業者の主体的な判断により決定されるものと考えております。 球磨川流域地域の緑の流域治水の推進と一層の地域活性化に向けて、国土交通省として、瀬戸石ダムや肥薩線も含め、地元の様々な自治体の皆様、関係者と協働しながら今議論を進めておりまして、先ほど申し上げたような手続を進めているところでございます。全力で取り組んでまいりたいと思います。
○嘉田由紀子君 先ほど鉄道局長が、肥薩線、かさ上げも必要かもしれないと言っていらっしゃいました。明治四十二年にできた肥薩線、ここまでひどい被害は今まで受けていないんです。それは、先ほど来、想定外の計画規模を超えた水害だった。計画規模を超える水害に対応するのが流域治水じゃないですか、国土交通大臣。部分的に肥薩線、瀬戸石ダム、その部分最適ではなくて、流域全体を管理する責任が国土交通大臣だと思います。 今日、もう時間がないので、最後に石木ダムのこともお伺いしたいと思います。 済みません、私も余り怒る人間ではないんですが、今の大臣の説明聞いておりましたら、皆さん、どうですか。瀬戸石ダム、川辺川ダム、肥薩線、全部まとまって川沿いの水、そして地域の住民にとっては命の河川なんです。それを部分最適だけで全体最適できなかったら、国土交通省要らないじゃないですか。申し訳ありませんが、怒っております。 そして、石木ダムですが、資料十一と十二、実は、この石木ダムも今年、事業評価の監視委員会がなされるんですが、この地元の監視委員会で二〇一五年の八月二十四日にYさんという方がこう言っています。私たちは専門家でないので、ここで出された石木ダムの利水、水道の事業とそれから治水について、能力がないので、今後の検討においては是非専門家を交えていただきたいと事業評価の委員が言っているんです。二〇一五年、九年前です。ところが、その後、長崎県は専門家に全く相談をしていないんです。 それで、斉藤大臣から、資料の中にありますように、資料十一は大石賢吾長崎県知事です、資料十二は宮島大典佐世保市長、利水の、利水者ですね。この両方に、水没予定地で生活している住民、住宅も水田ももう強制収用されているんです、二〇一九年に。それで、違法だと言われながら住み続け、今まで千五百日、石木の地元川原の人たちは座込みをしています。納得いかないんです、この治水事業と利水事業が。四月から国土交通省は利水と治水全体、多目的ダムを統合的に管理する母体になったわけですから、その主務官庁の責任者として、国土交通大臣、せめて長崎県知事や佐世保市長に住民のこの意見を耳傾けるようにとアドバイスいただけないでしょうか。これは心からお願いいたします。今日も、こういうしている間にも川原の人たちは現場に座り込んでいるんです。もう七十代、八十代の人です。この間もお一人亡くなりました。その方たちの思いに、せめてこの専門家の意見を聞くというところをアドバイスいただけないでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 石木ダムの建設事業につきましては、事業主体である長崎県において今年度中に事業の再評価を実施すると聞いております。また、市民団体の方から令和六年六月十日に、長崎県知事及び佐世保市長に対し、公正な事業再評価を求める要請があったと承知しております。今委員おっしゃったとおりでございます。 多目的ダムの事業再評価につきましては、政策評価法及び国土交通省が定めた手続にのっとりまして、事業主体において、ダムの必要性、関連する利水事業との整合などを総合的に検討した上で第三者の意見、専門家の意見、第三者の意見を伺うこととされており、意見を伺う委員の選定についても事業主体である長崎県において適切に行われるものと認識しております。また、石木ダムに関連する水道事業の事業再評価についても、事業主体である佐世保市において適切に実施してきているものと認識しております。 こういう再評価の過程において、この専門家の御意見もしっかりお聞きになるものと思っております。
○嘉田由紀子君 もう時間がないので、専門家の意見を聞くものということは、例えば大石知事やあるいは宮島市長が、ここで、市民団体が具体的に治水の専門家、利水の専門家挙げております。残念ながら長崎県の中の委員には専門家がいないので、その委員の方が専門家を呼んでほしいと九年前に言っているんです。その後、全く呼んでいない。そして今回、六月十日に、市民団体の方が具体的に名前まで入れて、聞いてくださいと言っているわけですけど、国土交通大臣、どうでしょうか。アドバイスできないでしょうか。
○委員長(青木愛君) 端的に御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 委員を選定するのは事業者の、事業者が主体的に行われるものと、このように思っております。
○委員長(青木愛君) 時間が来ております。
○嘉田由紀子君 時間がもう来てしまいましたので、本当に国土交通省の存在価値が問われる事業だと思います、川辺川にしろ、あるいは瀬戸石ダム、肥薩線、そしてこの石木ダム。本当に、時間が過ぎてしまいましたけれども、是非とも国土交通の全体責任者として大臣の御英断をお願いしたいと思います。 失礼します。以上です。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。今日も大臣始め国土交通省の皆さん、よろしくお願いしたいと思います。 今日は、高速道路の料金の関係について御質問させていただきたいと思います。 まず、一問目、二問目、もう併せて局長にお伺いします。 お手元、資料をお配りをさせていただいております。高速道路、ドイツとかアメリカは無料の高速道路料金になっていますが、日本は対距離制料金といって、一キロ走るごとに料金がどんどん上がっていく、まさにチャリンチャリンと一キロごとに加算されていく、こういう距離制料金を採用しているということです。 日本の距離制料金は、もう世界の同じように距離制料金入れている国と比べても非常に高いというのが実態です。お手元配ってある資料を見ていただくと、ほかの国と比べると、日本は一キロ当たり二十四・六円なんですが、ギリシャとか七円ですし、もう高いと言われているフランスでも十五・六円なんですね。 実際、この高い距離制料金が日本の高速道路の利用の大きな足かせになっているというふうに私は考えております。結果として、一般道と高速をどれだけ使っているかという指標として分担率というのがあるんですが、欧米の分担率はもう三割超えています、それだけ高速がたくさん使われていると。で、日本はようやく二割になったぐらいということで、極めて高速道路が使われていない。 こういう実態をやっぱり変えていく必要があるというふうに思っていますが、日本の高速道路、対距離制料金なぜ高いのか、なぜ分担率が低いのか、この辺の認識について、まずは道路局長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。 まず、なぜ高いのかというお話、まず高速道路の料金というのは、建設、管理に要する総費用をこの料金の徴収期間内に料金収入で償うように設定するということになっております。このうち建設費につきましては、日本の高速道路の特徴といたしまして、地形が急峻なため橋梁あるいはトンネルといった構造物の比率が高いということ、あと、地震が多くて耐震対策が必要になっているということから、諸外国と比較して高くなっているところでございます。 それで、高速道路対距離制のお話がございました。 高速道路料金については、利用者の負担の公平性を確保する観点から、利用度合いに応じて料金をお支払いいただく対距離制、これを基本としております。長距離を利用した場合には料金を逓減する制度、また、利用額に応じた割引率の拡大によりまして利用の促進を図っているところでございます。 あと、今委員から分担率のお話ございました。 委員御指摘のとおり、この高速道路の分担率でございますが、欧米の約三割に対して日本は約二割という低い状況になっていること、これにつきましては承知しているところでございます。これ、日本の高速道路にはいまだネットワークがつながっていないミッシングリンクが存在すること、また、つながっていてもこの暫定二車線区間が多く存在すること、さらには、先ほど申し上げました高速道路料金の水準の高さが原因であるというふうに考えております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 これまで、高速道路は今の対距離制料金ではなくて定額制、ワンコイン五百円で乗用車だったらどこまででも走れるような、そういう料金に変えれば、もっと全国の自動車ユーザー、国民の皆さんが高速使いやすくなるんではないかと、こういう提案をさせていただいております。 結果、この資料の、資料一の競争力ランキング見ても、高速道路を無料化したり、あるいは定額制を導入している国の競争力ってやっぱり高いんですね、人流、物流が活性化されて。一部アイルランドのような距離制料金を入れても競争力高いところありますが、距離制料金入れている国、一番下の、フランス以下、やっぱり競争力低いんです。人流、物流を活性化させるために高速をいかに使っていくのかというのは、大変日本の生産性、国力、競争力にも大きく関わってくるというふうに思っております。 そんな中で、ワンコイン五百円の定額制導入を提案しているときに、よく政府の皆さんから御答弁としてあるのは、他の物流モードに対して影響が大きいから入れれないんだと、こういうお話が答弁で返ってきます。一方で、じゃ、アメリカやドイツやイギリスやスイスやスウェーデン、こういった国は無料や定額制入れていますけれども、他の鉄道を始めとする物流モードとちゃんと共存共栄しているんです。なぜ、日本だけがそういう、できないということで最初からシャッターを下ろすのかということは、これもう政治の不作為、やる気がない、その典型ではないかなというふうに思っています。ほかの国はやっているんですから、なぜ日本の政府ができないんですか。言い訳に使っているだけじゃないかと私は正直思っています。 先ほど嘉田先生が、いつもは冷静な嘉田先生が熱くなっていましたけれども、この点については私も政府に、他の物流モードとの関係で、もっと日本が強くなる、地域が活性化する、そして税金を使わずともできる、こういう制度をなぜ国がやらないのか、政府のリーダーシップがあれば、決断があればできる制度改革だというふうに思っていますので、是非ここは政治のリーダーシップでやっていただきたいなというふうに思っておりますが、これは斉藤大臣の御所見を是非お伺いしたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) この課題については、浜口委員ともう何回もここで議論させていただきました。そういう意味ではもう本音で話し合いたいと思いますけれども、決して政治の不作為ではないと私思います。 日本のように、道路は基本的に公共のもので、基本的にただで、公が整備してただで利用するというのが原則ですが、しかし、高速道路の場合は、非常に高規格なものを造って都市間を結ぼうということで、非常にコストもたくさん掛かります。そういうものについては、やはり私は定額制ではなくて、非常にサービスの度合いも高い、得る利益も大きい、かつ、一つ一つ造るのにお金がたくさん掛かる、それを利用者に負担していただく、特別にですね、普通の一般道とは違って利用者に負担していただく、で、利用したときはその距離に応じて、利用した距離に応じて料金をいただくというのは極めて一国民としても妥当なものだと思いますし、それから、有識者会議でも、このいろいろな審議会がございますが、この有識者会議でもそれが妥当であるという結論をいただいて今の対距離制があると、このように思います。決して政治の不作為ではないと、こう考えております。
○浜口誠君 大臣、ありがとうございます。 原稿を見ずに、大臣の思いで御答弁いただいたというふうに思います。その点は感謝したいと思います。 ただ、ワンコイン五百円でも、建設に係るそういう債務の返済はこれできます。その税を使わずにできます。なおかつ、より高速を利用しやすい料金は、どちらかといったら、多くの自動車ユーザーは、長い距離走って料金が安い方が長距離の利用を高速しやすくなるから、ワンコイン五百円ってめちゃくちゃ魅力ありますねという声はたくさんいただいています。そういう声、本当に届いていますか。有識者会議の中で、大学の偉い先生方はいろんな意見あるかと思いますけれども、実際のユーザーの立場で、国は意見を本当聞いていただいているのかなということは正直感じます。 ワンコイン五百円でも定額制でも、今大臣が言われたことは全てカバーできます。何の問題もありません。もっと高速を付加価値のある使い方をしたいんです。それを国がなぜそういう方向に持っていかないのかというのが極めて疑問だということを申し上げています。 もう一度、大臣の御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 前半のユーザーの声を聞いているかということでございますが、当然、ユーザーであるドライバーの団体がありましたね、私も加入して払っておりますが、その団体、それからトラック協会等々から御意見を聞きながら、ただ、いわゆる有識者委員会の中に入っているかと、入ってはいらっしゃいませんけれども、常時そういう方のお話を聞きながら、御意見を聞いております。 後半の部分については、やはり先ほど他の交通モードとの関係の話もございました。他の交通モードの方の御意見もしっかり聞いて、日本に特有な島国であること、島々が多いこと等々の中で、他の交通モードの方の御意見も聞きながらこの有識者委員会できちんと議論されていると、このように思います。
○浜口誠君 私も、他の物流モードの方のことも国はしっかり考えるべきだと思います。それで、ヨーロッパなんかは、まさに鉄道にも非常に政府側が資金を拠出しながら、鉄道やほかの物流モードも支えて共存共栄が図られているということですから、他の物流モードがどうなってもいいなんて私は一言も言うつもりはありません。したがって、国が道路も高速道路もしっかり使えるようにするし、鉄道やフェリーや、そういった他の物流モードに対してもしっかり支援していく、その中で共存共栄が図られて、そして日本全体の競争力であったり国力を強くしていく、それが政府がやるべき役割ではないかということを申し上げたいということであります。 そうした中で、ワンコイン五百円の高速道路を提案をしたときのできない理由として、短距離を使われている方、この方が、短距離の料金が今三百円、四百円で高速を利用している方が五百円になるんで、そういう方が下道に、全部一般道に行くんで、一般道が渋滞するから入れれないんだと、こういうできない理由をいつも言われますけれども、じゃ、実際どこの区間でどれぐらいの渋滞が発生するのか、国土交通省はちゃんと事実に基づいて答弁されているのかどうか、具体的な渋滞の発生状況、どのようなシミュレーションをされているのかというのを確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(丹羽克彦君) お答え申し上げます。 このワンコイン、定額制にした場合、長距離利用の料金が安くなるメリットがある一方で、現在の高速道路料金が五百円より安い区間については値上げとなるわけでございます。 委員御指摘のとおり、この定額制を導入した場合に、一般道における渋滞箇所の具体的な算出したものはございません。例えばでありますが、全線料金が三百二十円である横浜新道、これを、ワンコイン五百円の定額料金導入によりまして値上げとなるような区間におきましては、並行する、これは国道一号の、国道一号がございますけれども、この一般道への利用者が転換することになりまして、一般道において渋滞が発生するという、そういう可能性が懸念されるところでございます。
○浜口誠君 何のエビデンスもないんですよね、感覚論で言っているだけでしょう。だから駄目なんですよ。 だから、私は、一年間限定でいいので社会実験やりましょうと。やればいいじゃないですか。で、渋滞が発生したら、ここでこんな渋滞があるんだから、ここはやっぱり改善しないといけないと。悪けりゃ元に戻せばいいし、渋滞する区間があればそこに対してちゃんと、国道側を車線を増やすなり、いろんな工夫すればいいです。それも分からないのに最初から、できません、渋滞があるかもしれませんと。EBPMになっていないと思います。 ちゃんとエビデンスを求めるためにも、社会実験一年間、これやりましょうよ。やって結論を出せばいいじゃないですか。それすらできないのが政治の不作為だと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 基本的には、先ほど私答弁申し上げましたとおり、一般道と違って特別にお金が掛かり、非常に高度なサービスを提供できる道路について、その料金を、利用度合いに応じて料金をいただく。例えば電車も、長距離乗ればその分、電車賃は高く払うわけです。そういう基本的な考え方が正しいと思うからこそ、ワンコインで社会実験一年間やってみましょうというふうにはならないと。 決して不作為ではないと、これが一つと、あえて、社会実験的なことが昔ありました。休日全国乗り放題千円、全国で大渋滞が発生しました。これも一つの社会実験だったのではないでしょうか。
○浜口誠君 もう時間がありませんので、今日、大臣、本当、原稿を見ずに答弁いただいたことは本当有り難いというふうに思います。 ただ、ワンコイン五百円は、三百六十五日二十四時間やります。先ほど、上限千円は祝日と土日の限定です。それもETC付きの車だけということで、それはもう渋滞が発生しても、まさに発生するんです。そこしかない、限定されていますから、だから発生するのは当たり前なんです。そういう政策をやってしまったんです。 したがって、もう一度言います、社会実験やるべきだということを改めて申し上げて、私の質問は終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 トヨタ自動車など自動車メーカー五社による型式指定の不正申請について取り上げます。 大臣は四日の会見で極めて遺憾と述べられましたが、まず改めて認識を確認したいんです。 型式指定制度は、自動車の大量生産と安全性を両立するためとして道路運送車両法に定められた仕組みです。エンジンや安全装置など四十七項目の保安基準があり、そのうち四十三項目は国連の協定で定められた国際基準です。 今回の不正申請は、自動車製造に関わる最も基本的な法律に違反し、かつ国際基準に反する極めて悪質で重大な法令違反だと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 国土交通省では、ダイハツ工業等の不正事案を受け、ほかの自動車メーカー等八十五社に対し、型式指定申請における不正行為の有無等について調査し、報告するよう指示していたところです。その結果、五月末までに自動車メーカー五社から型式指定申請における不正行為があった旨の報告を受けました。 委員御指摘のとおり、型式指定申請における不正は、自動車ユーザーの信頼を損ない、かつ自動車認証制度の根幹を揺るがすあってはならない行為であり、極めて遺憾です。 国土交通省では、現在、不正の報告があった各社に立入検査を実施し、不正行為の事実関係等について確認を行っているところであり、その結果を踏まえ、道路運送車両法に基づいて厳正に対処してまいります。
○田村智子君 トヨタ自動車の豊田章男会長は会見で、正直残念な気持ちと、ブルータス、おまえもかという感じだ、トヨタは完璧な会社ではない、問題が出てきたことはある意味有り難いことだと思っていると、まるで人ごとの発言です。その上、審査制度に問題があるかのようなことも言われている。さらに、別のトヨタの幹部も、より厳しい条件の試験をしていたと主張し、国連の基準を踏まえた国の基準よりも自分たちの基準の方が優れていると言わんばかりの発言なんです。 名古屋大学の水野幸治教授は、国際的な信用を失い、相互認証が得られなくなるかもしれないと朝日新聞の取材に答えておられますが、当然のこと、指摘だと思います。 大臣、更問いなんですけど、こうしたトヨタ側からの発信をどう思われますか。重大な法令違反という反省を欠き、日本企業の信用をおとしめる発信、これ、いさめるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 日本の型式指定制度は国連の自動車認証制度の枠組みと調和したものであり、試験方法についても国連基準の規定に沿った取扱いとなっていることから、自動車メーカー各社においてはこれをしっかり守っていただくことが前提と考えております。 その上で、現在、各社への立入検査を通じて、経営層や従業員のコンプライアンスに関する意識や認証制度に対する理解に問題がないかという視点も含め広く調査を行っており、お尋ねの不正の背景についても今後その結果を踏まえて判断してまいります。 いずれにいたしましても、国土交通省としては、立入検査の結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対処してまいります。
○田村智子君 二〇一七年、その前の年に発覚した三菱自動車の燃費データ不正によって道路運送車両法が改正されました。今日もそのときの資料を配っています。この法改正当時の資料では、一番下ですね、改正による目標、効果に、型式指定に関わる不正行為ゼロと掲げているわけです。 今回不正があったトヨタのヤリスクロス、発売は二〇二〇年。データ不正が大問題になっていることは当然分かっている、法改正されているのも当然分かっている、それでも自動車トップメーカーでデータ不正が行われていたということですから、この要因に深くメスを入れなければなりません。 今回の問題が発覚する契機となったダイハツの不正申請について、第三者委員会から、まずもって短期開発の弊害を直視し、余裕を持ったスケジュール、あるいは多少窮屈でも問題発生時に柔軟に変更できるスケジュールが実現できるように開発・認証プロセスの見直しを行うべきであると指摘をされています。新型車の納期に間に合わせるため、もう試験期間が十分ない、その期待された数値が出ないとデータを書き換えてしまうと、これ何度も同じ問題が起きてきたのではないでしょうか。 国交省は不正の要因についても調査をすると言われていますが、では、この企業体質ともなっている構造的な問題にはどう切り込むのでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 国土交通省といたしましては、平成二十八年に発覚した燃費不正等を受け、道路運送車両法を改正し、不正に取得された型式指定の取消しや是正命令制度の創設など、不正行為への対策を強化してきたところです。 しかしながら、こうした対策にもかかわらず、今般受けた不正行為の報告を含め近年相次いで不正行為が確認されていることから、メーカーの不正行為を根本から防止するための更なる対策を講じる必要があるものと認識しております。 こうした認識の下、国土交通省としては、現在実施中の立入検査において、自動車業界の構造的な問題がないかという観点にも留意し、不正行為の事実関係や各社の組織体制等について確認しているところです。 また、本年四月に外部有識者も招いて設置した自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会において、不正事案の抑止、早期発見のための手法等について幅広く検討を行っているところでございます。 この検討会におきまして、今回の不正行為の原因や背景も勘案し、不正行為を防止するための対策を取りまとめることとしておりまして、その結果を踏まえて適切かつ厳正に対応してまいりたいと思います。
○田村智子君 この間のトヨタの発言に対しても、私はもっと厳しく、国交省、批判すべきだと思いますね。 開発期間にゆとりがない、トラブルに対応するスケジュール変更が想定されていない、関連企業からの部品調達もジャスト・イン・タイムと、納期も在庫もゆとりを持たないことで収益を上げる、こうした構造が変わらなければまた不正は起きるでしょう。必要なゆとりさえも無駄として排除し、関連企業や労働者に大きな犠牲を強いて収益を上げる手法がトヨタ方式などといってもてはやされてきたこと、このことと今回の不正は深く関わっていると私は指摘せざるを得ないと思うんです。ここにどう切り込んでいくかということだと思います。 ちょっとお聞きしたいのは、不正による出荷停止による影響なんです。労働者や取引先への悪影響が心配されます。 先ほど、理事会の場で、生産台数がそれほどないので、別の車種を生産することでラインは動いているという説明があったんですけれども、私の事務所で聞き取ったところ、トヨタの出荷停止となった三車種を製造する宮城大衡工場では、派遣労働者が休業扱いになっているというんです。直接雇用の方は確かに別のラインに就いているけれど、派遣労働者が休業扱いになっていると。 厚労省にお聞きします。 労働者派遣法は、派遣先と派遣元に労働者の雇用の安定を図る義務を課しています。派遣先都合の休業や契約解除の場合には特別の規定を置いています。今回の場合、派遣先である自動車会社にのみ責任があることは明らかであり、派遣労働者の休業について、給与を一〇〇%保障するために必要な費用を派遣先である自動車会社が負担するとともに、不正によるライン停止を理由とする派遣契約解除が行われないよう求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(石垣健彦君) 委員にお答え申し上げます。 御指摘のトヨタの関連工場における状況につきましては、必要に応じて国土交通省からも情報をいただきながら注視してまいりたいというふうに考えております。 なお、派遣先の都合による労働者派遣契約の解除に当たりましては、労働者派遣法におきまして、議員も御承知のとおり、関連の規定がございまして、派遣先が派遣労働者の新たな就業の機会の確保を図ること、派遣元が派遣労働者に対する休業手当等の支払をできるよう派遣先が当該費用の負担を行うこと、派遣先が派遣労働者の雇用の安定を図るためにその他必要な措置を講じなければならないことなどが定められております。 こうした規定も踏まえながら、必要に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
○田村智子君 これ、通常の休業だと六割になっちゃいますからね。こんな物価高騰の中で、全く責任のない状態での休業ですから、派遣元にも責任がない状態ですから、ちゃんとトヨタなどの自動車会社がお金を出して所得保障すべきだと。 そこで、経産省にもお聞きします。 賃金相当額が確実に派遣元企業に渡るよう、経産省としても実態を調査し、五企業に責任を果たさせるべきではないでしょうか。 で、併せてお聞きします。関連企業への資金繰りの支援も必要となる可能性があります。ダイハツの事案では、代金の仮払い等の対応が取られました。これも実態をつかみ、関連企業の経営不安が広がらないよう、相談窓口の設置も含め万全の対策を取るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(田中一成君) お答え申し上げます。 経済産業省といたしましては、この型式指定申請の不正行為があった自動車メーカー五社に対しまして、取引先も含めた幅広い関係者への適切な対応や十分な対外説明を行うよう指示してきました。 今般の型式指定申請の不正行為に係るサプライヤーへの影響についても注視しておりまして、今回、型式指定申請の不正行為がありました自動車メーカー五社のうち、不正対象車種を生産中の三社、ここにつきましてサプライチェーンの影響の調査を開始しているところでございます。 各社においては、取引先において足下で生じている損害の補償や、出荷停止となった車種以外を増産することで生産台数を維持する対応策などを検討していると聞いておりますが、経済産業省としましても、引き続きサプライヤーの影響の調査を進めまして、その結果も踏まえつつ、必要に応じて対応策を講じていきたいと考えております。
○田村智子君 国交大臣にもお聞きしたいんです。 是非、厚労、経産大臣、各省と連携して、トヨタなど五社に対応していただきたいんですね。特にトヨタグループは、今年三月期決算、史上最高益五兆三千億を超えています。労働者や関連企業を支える体力は十分にある。しかも、不正の責任はひとえにトヨタ自動車にあります。派遣労働者も含め、正規、非正規にかかわらず、出荷停止の影響を受ける労働者、企業にきちんと補償するのは当然だと、この認識、是非お示しいただきたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 現行生産車につきまして不正行為の報告があったトヨタ自動車等三社の出荷停止が、労働者やサプライヤー等関係者の方々に与える影響について懸念があることは十分我々も認識しております。 ただいま経産省、厚労省からも御答弁がありましたが、現行生産車に影響がある自動車メーカーにおいては、不正のなかった車種へ生産を振り替えることでできる限り工場の生産ラインを止めないよう対応しているほか、今後の影響も踏まえて取引先等への補償を行うことについても検討していると承知しております。 国土交通省においても、不正行為が確認された車種について基準適合性の確認を速やかに行うとともに、関係省庁と連携して必要な対応を可能な限り速やかに行ってまいります。 いずれにいたしましても、国土交通省としては、各社に対し、労働者やサプライヤー等関係者の方々への丁寧な説明や対応を行うよう、引き続き指導してまいります。
○田村智子君 最後に、先ほどダイハツの不正について、今、自動車の型式指定に係る不正行為の防止に向けた検討会、これ二回行われているという説明もありました。 ところが、この検討会、資料が非公開にされています。企業秘密以外はこれ公表すべきではないのかと。また、トップメーカーを含む五社の不正が明らかになった以上、ちょっとこれは検討会も言わば出直し的なやり方が求められてくるのではないのかと思います。 今までと同じことを国交省も続けるならば、いつまでも不正はなくならないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鶴田浩久君) 今御指摘のありました国土交通省が四月に設置しました検討会につきましては、平成十一年に閣議決定をされました審議会等の運営に関する指針、また情報公開法の規定に鑑みまして、資料を公開することにより率直な意見の交換又は意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること、また、自動車メーカー等の企業秘密を扱っており、当該企業の利益を害するおそれがあることなどから資料を非公開としております。 一方で、会議の透明性を確保することも重要であることから、会議後、発言者を特定しない形で議事要旨を公開することとしております。
○田村智子君 本当に繰り返されてきたということですから、本当に切り込んだ検討、そして対応がなされることを強く求めて、質問を終わります。
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。 本日は、公共交通機関における運賃のキャッシュレス化について質問します。 昨今の交通機関はIT化が進み、乗車券などの購入が不要なPASMOやSuicaなどの交通系ICカードが普及して便利になってきています。しかし、IT化の促進に対して制度が追い付いておらず、キャッシュレス決済を利用しない人や利用したくてもできない人がいます。 今年の春からJR東や西では、新幹線や特急列車の障害者割引の乗車券がウェブで購入できるようになり、駅の窓口まで行かなくても乗車券の購入ができる仕組みとなりました。しかし、ほとんどの鉄道事業者では、資料一のとおり、障害者の方が障害者割引の乗車券を購入する場合、従来どおりみどりの窓口などに行かなければ買えない仕組みであり、改善が進んでいません。乗車券を買うために電車を乗り継いで駅の窓口まで行くことが困難な障害者の人が多い中で、全国的に購入する窓口が少なくなっている現状は、ますます鉄道を利用しにくくさせ、社会参加を妨げている原因となっています。 そのような中で、国交省は、公共交通機関での完全キャッシュレス化を進めています。障害者の人たちにとってもIT化によってキャッシュレス化されることは利便性を高めることにもなりますが、従来と変わらない乗車券の購入方法では問題は改善されていきません。 例えば、現状では、障害者の人が障害者用ICカードを購入するためには、みどりの窓口などに直接行って、障害者手帳を提示し、本人確認がなされないと購入できない仕組みとなっています。それに加えて、障害者用ICカードは、購入時だけではなく更新時にも障害者手帳を窓口で提示しなくてはならず、みどりの窓口などの購入場所が減ってきている中で、手続に行くだけでも困難で、外出をためらってしまう人も少なくありません。 そのような中で、昨年、障害者用ICカードを導入したSuicaやPASMOでは毎年の更新手続が必要となっていますが、資料二のとおり、障害者用ICカードをいち早く導入したスルッとKANSAIの事例では、毎年の更新手続は必要なく、五年をめどに窓口で障害者手帳を見せれば更新ができる仕組みをつくっています。このような取組をしている事業者はまだ少ないですが、国交省は公共交通機関のバリアフリーの促進を図っているところですから、障害を理由として公共交通機関の利用が妨げられないように、障害者用ICカードの購入や更新手続の簡素化を図るべきだと思います。 例えば、カードの更新手続を一年ごとではなくもっと長い期間に設定するなど、障害者の人が鉄道を利用するときの利便性について国交省と公共交通事業者との定期的な会議の場などでの働きかけを行っていただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 障害をお持ちの方等の移動の利便性向上は非常に重要と国土交通省も考えておりまして、これまで公共交通機関の障害者割引手続における本人確認の負担軽減に努めてまいりました。 かつては、本人確認のため、多くの事業者において身体障害者手帳等の提示を求めていましたが、手帳の提示を利用の都度求めることのないICカードなどによる本人確認の簡素化が促進されるよう、平成三十一年に関係する告示の見直しや先進的な事例の周知などを行い、その後も理解と協力を求めてきたところでございます。その結果、ICカードの活用などによる本人確認の簡素化は着実に進捗しているものと認識しております。 委員お尋ねの障害者用ICカードの更新手続については、従来より各事業者の自主的な判断に基づき実施されているところでございますが、国土交通省としては、様々な会議の場なども活用しつつ、障害当事者の方々や関係事業者等の御意見をお伺いしながら、障害をお持ちの方の移動の利便性向上に向けて引き続き取り組んでまいりたいと思います。 一年ができるだけ長くなるように、このようにいろいろな会議の場でも事業者に訴えていきたいと思います。
○木村英子君 ありがとうございます。 障害者用ICカードについては、更新時だけではなくて、単独乗車では使えないという事業者も多くあります。そういった意味で、また、その使える地域が限定されているとかいう課題もありますので、是非改善の方をお願いいたしたいと思います。 次に、先月二十八日に国交省の会見において、完全キャッシュレスバスを解禁する方針であると大臣が答えていましたけれども、今回、完全キャッシュレスバスの運行を決めた理由を教えてください。
○政府参考人(石原大君) お答えいたします。 委員御案内のとおり、今、非常にバスを取り巻く環境、運転者不足などによりまして、減便、路線廃止、全国で相次いでおります。大変厳しい経営環境にあるということでありまして、こういう厳しい経営状況にある中で、この現金の取扱いによる管理コスト、あるいは運転者の現金のやり取り、こうしたことに伴う負担の軽減、それから定時運行の確保、こういった利用者の利便性向上を図る観点、このような種々の理由から、この完全キャッシュレスバス運行について今導入を考えているということでございます。
○木村英子君 その運転手の負担やコストの軽減を図ることは重要であるとは思いますけれども、まずはお客さんの利便性を優先した運行を考えていただきたいというふうに思っています。 次に、資料三を御覧ください。 国交省は、完全キャッシュレスバスについて、実証実験を行い、課題を検証すると言っていますけれども、災害が起きたとき、キャッシュレスの機械が壊れた場合など、どのような対応をされるのか、お答えください。
○政府参考人(石原大君) お答えいたします。 本格的にこの完全キャッシュレスバスを運行するというような場合、委員御指摘のとおり、災害ですとか通信障害などによりキャッシュレス決済端末が使用できない場合も出てくるものと考えられます。 このような場合を想定して、まずはこの秋から考えておりますけれども、この完全キャッシュレスバスの実証運行、この中で御指摘のような緊急時の対応についても考えていきたい、実証運行を行う場合には、あらかじめこの代替の運賃収受の手段、これをバス事業者の方には求めていきたいと、このように考えております。
○木村英子君 そういう場合、その利用者が困らないように、災害時などの場合でも現金で支払えるような方法を検討していただきたいというふうに思います。 次に、今回、完全キャッシュレス化することで、現金でしか利用できない人やキャッシュレス決済の利用が難しい人への対応についてお聞きします。 資料四を御覧ください。 熊本では、五つのバス会社や鉄道事業者がSuicaやPASMOなどの取扱いをやめ、クレジットカードなどに切り替えていくと発表し、市民からは困惑の声が上がっています。例えば、知的障害のある子供を持ったお母さんからは、PASMOやSuicaが使えなくなり、クレジットカードだけになってしまうと、障害を持った子供が公共交通機関を利用しづらくなるというような御相談もありました。 SuicaやPASMOなどのICカードは、チャージした分だけ使う方式であり、個人情報などは不要でカードが購入できる仕組みとなっています。しかし、クレジットカードでは、銀行口座とひも付けられていることで、紛失したり、盗難や個人情報の流出など、悪用されるというおそれがあります。 資料五を御覧ください。 民間のアンケート調査では、クレジットカードを持ちたくない人の半分近くが現金で管理したいと言っており、四割近くがセキュリティーが不安、盗難、紛失が心配と答えており、情報流出や盗難のリスクによってクレジットカードを持ちたくない人が一定数いることが分かります。 また、資料六によると、アメリカでは、銀行口座やクレジットカードを持つことができない人への差別につながるということで、飲食店などの店舗で完全キャッシュレス化することを禁止する法律を作っている州も幾つかあります。 日本では、完全キャッシュレス化してしまうことで、様々な理由で銀行口座やクレジットカードを作れない人が公共交通機関を利用できなくなってしまうのではないかという懸念を持っています。ですから、災害などの緊急時以外でも、カードを作れなかったり現金しか持っていない人でも乗車できる仕組みが必要だと考えます。 また、前回お話ししたように、障害者のバスの乗車を拒否する歴史がありましたけれども、現在少しずつ改善はしているところではあります。しかし、バスに乗車するときの対応では、時間が掛かるなどの理由で乗車拒否をされるなど、まだまだ障害者への理解が社会に広まっておらず、公共交通機関が安心して利用できる状況にはなっていません。現在の道路運送法では、交通機関において乗車拒否をしてはならないという規定になっていますが、キャッシュレス化されてしまうことで差別を助長してしまうのではないかと不安を感じています。 今後、公共交通機関においてキャッシュレス化を進めるに当たっては、多様なニーズに対応できるようにするとともに、乗車拒否が絶対に今後も起こらないことを進めるための制度にしていただきたいと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 今、木村委員、二点の、おっしゃったと思います。一点目は、クレジットカード等使えない人たちへの対応と、それから後半は、障害者が乗車拒否が絶対起きない制度にしてほしいという二つの御質問があったかと思います。 前半の質問につきましては、非常に重要な視点だと思いますので、我々もこれからこの完全キャッシュレスバスの運行を試行してまいりますけれども、その点も考えながらまず社会実験をしてみたいと思います。 そして、後半の部分についてお答えをさせていただきます。 まず、障害を理由とする不当な乗車拒否はあってはならないことである、あります。完全キャッシュレスバスにおいても、車椅子を利用されている方の利用に当たっては、運転手において、スロープの設置や乗降介助、既に乗車されている他の利用客に協力、配慮を求めるなど、丁寧に対応していく必要があることに変わりはありません。 完全キャッシュレスバスの導入は、厳しい経営環境にあるバス事業者の負担を軽減し、将来にわたって路線が維持していく観点などから意義があるものと考えておりますが、キャッシュレス決済手段を有していない旅客への対応など検討すべき課題もありますので、まずは幾つかの路線で実証運行を実施し、こうした課題への対応や効果などについて検証していこうと考えております。 いずれにいたしましても、完全キャッシュレス化の推進に当たっては、障害をお持ちの方々の利便性が損なわれることのないよう、丁寧に制度設計を進めてまいります。
○木村英子君 ありがとうございます。 国交省として、様々な人たちが利用しやすい公共交通機関にしていただきたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(青木愛君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午前十一時五十二分散会