国土交通委員会 第19号
- 発言数
- 24 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2024/06/11
会議録
○委員長(青木愛君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、大島九州男君及び吉川ゆうみ君が委員を辞任され、その補欠として木村英子君及び鶴保庸介君が選任されました。 ─────────────
○委員長(青木愛君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 公共工事の品質確保の促進に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、国土交通省大臣官房技術審議官林正道君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木愛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(青木愛君) 公共工事の品質確保の促進に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院国土交通委員長長坂康正君から趣旨説明を聴取いたします。長坂衆議院国土交通委員長。
○衆議院議員(長坂康正君) ただいま議題となりました公共工事の品質確保の促進に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。 建設工事やその前段階に当たる調査及び設計の担い手である建設業等は、社会資本の整備及び管理の担い手であるとともに、災害時における地域の守り手であり、地域にとって不可欠な存在です。 しかし、厳しい就労条件を背景に建設業の就業者の減少が深刻化し、また、本年度から建設業への時間外労働の上限規制が適用されているなど、その担い手確保や地域建設業等の維持、生産性向上が急務となっています。さらに、公共工事等の発注者側においても発注関係事務に携わる職員が減少しており、発注体制の強化が課題となっています。 このような状況を踏まえ、まずは公共工事の取組から、これらの課題への対策を加速化し、民間工事を牽引していくことによって、将来にわたる公共工事の品質確保の促進を図るとともに、持続可能な建設業等を実現する必要があります。 本案は、このような趣旨から提案することとしたものであり、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、担い手の確保のための働き方改革及び処遇改善に資するよう、休日等の労働条件等の適正な整備を基本理念において定めることとしています。 また、担い手の中長期的な育成及び確保のため、国及び地方公共団体が必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしています。 第二に、地域建設業等の維持に向けた環境整備を図るため、発注者の責務として、地域の実情を踏まえた競争参加資格等を設定することとともに、災害からの迅速な復旧復興に資する事業のために必要な能力を有する民間事業者と地域の民間事業者との連携及び協力のために必要な措置を講ずることとしています。 第三に、新技術の活用等による生産性向上を図るため、新技術の活用推進を基本理念や受発注者の責務として位置付けるとともに、脱炭素化の促進や技術開発への国の支援等について規定を追加することとしています。 このほか、公共工事の発注体制の強化や、測量業の担い手確保のための所要の規定を定めることとしています。 以上が、本案の趣旨であります。 何とぞ速やかに賛成いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(青木愛君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 週休二日制を公共工事から推進するということは、民間への波及効果も見込まれて、大変重要なことだと思います。しかし、建設業の現場では、いわゆる日給月給賃金制度が多いため、休日が増えることで収入が減ってしまうという実態があります。公共事業の建設現場で土日祝日、現場が閉まって休みになると、民間の現場で仕事をして収入が減らないようにしているというお話もお聞きします。 そこで、本法案では、賃上げをしっかり行って、建設業者が週二日休んでも安心して暮らせる、そういう仕組みづくりのためにどういう施策を取るのか、お願いいたします。
○衆議院議員(城井崇君) お答え申し上げます。 建設業の担い手確保のためには、週休二日を推進して、他産業より長い労働時間を是正することは急務ですが、御指摘のとおり、実際に日給月給の方から心配の声が届いておりまして、できるだけ収入を減らさない努力も必要であると認識をいたしております。 このため、建設業における処遇改善を推進するよう、今回の改正においては、公共工事の受注者が能力に応じた処遇の確保などに取り組むこととした上で、国が公共工事の契約締結状況や給与支払の実態を把握し、必要な施策を講じるよう規定を整備しております。 また、政府においては、近年の賃上げ傾向を適切に反映した公共工事設計労務単価の設定や官民での賃上げ目標の設定に取り組んでいるほか、適切な労務費の確保に向け建設業の改正案を提出し、先般、参議院において可決、成立したものと承知しております。 このように、他の法令とも相まって建設業における処遇確保を推進し、将来にわたっての公共工事の品質確保や持続可能な建設業の実現を期するところです。
○田村智子君 ちょっと条文上で確認をしたいんですけれども、七条一項一号、確保されるための適正な利潤を確保する、そのためにも、七条一項三号、その他の特別な事情ということは書かれているんですけれども、これ、休日の増加による労務単価を上げていくという必要性、これは含まれるというふうに考えてよろしいでしょうか。
○衆議院議員(城井崇君) 建設業における週休二日の推進に当たっては、その確保に当たって必要となる費用が適切に請負代金に計上されることが重要です。 このため、今回の改正におきましては、今ほど触れていただきました品確法第七条第一項第三号に週休二日の推進を念頭に置いた特別な事情を加える改正を行い、国土交通省等が行っている週休二日補正係数について特別な積算の方法として読み込めるようにすることとしております。 このように、様々手だてを講じながら建設業の担い手確保に向け、週休二日の推進に引き続きしっかり取り組むよう政府に求めてまいりたいと考えております。
○田村智子君 次に、発注者の責務としてのスライド条項についてお聞きします。 本法案では、資材価格などの高騰が契約金額に適切に反映されるよう、発注者の責務として物価スライド条項を設定、運用させるための規定が新設されます。これも七条一項十三号にありますね。契約時点で総額契約となるために、資材価格が高騰すると建設業者がかぶらざるを得ないという実態がありますが、本法案の物価スライド条項ではこの実態がどのように是正されることになるんでしょうか。
○衆議院議員(城井崇君) お答え申し上げます。 資材価格高騰に対する価格転嫁が適切に行われることは、労務費へのしわ寄せを防止する観点からも重要です。 価格変動時における契約変更は、公共工事においては、契約のひな形である公共工事標準請負契約約款の契約変更の規定、いわゆるスライド条項により行われることとなります。このスライド条項は、発注者において運用基準が設定され適切に運用されることで機能するものですが、市区町村においてはスライド条項の運用基準が未策定の団体が約六割に上るなど、価格転嫁のための環境整備が十分ではない状況が明らかとなっております。 このため、今回の改正においては、契約書におけるスライド条項の確実な設定とその運用基準の策定、そしてそれらに基づく契約変更の実施を発注者の責務として位置付けることといたしました。 また、品確法に加えて入契法においても発注体制の強化のための改正を盛り込んでおり、それと相まって発注者による取組を改善し、公共工事における適切な価格転嫁の取組の推進を期するところです。
○田村智子君 次に、災害工事での労災保険の問題についてお聞きします。 災害工事は公共事業の中でも大変重要な分野になります。そこには、一人親方の方も含めて本当に災害復旧で活動をされておられます。安心してそういう仕事ができるようにするためには、やはり労災保険契約の締結が大切になります。 そこで、国交省と法案提出者、それぞれにお聞きします。 まず国交省には、災害工事での労災加入、これなかなか進んでいないというふうにもお聞きしていますので、加入の現状と課題を端的に示していただきたい。 そして法案提出者には、保険契約の締結を促進して保険料を予定価格に反映させるということが当然必要になってくると思います。発注者が公正に保険料を負担するようにするために本法案ではどのように取り組むのか、それぞれお答えください。
○政府参考人(林正道君) お答えいたします。 災害工事に従事する全ての方が万一の際には保険による補償が受けられるなど、安心して仕事ができる環境を整備することは極めて重要と認識しております。 まず、現状についてですが、現場従業員については、下請まで含めて、元請である受注者が労災保険、労災保険法上の労災保険に加入することが義務付けられています。 一方、元請、下請企業の役員やいわゆる一人親方など個人事業主については、労災保険上の特別加入や民間の災害補償保険に任意で加入可能となっていますが、リスクが多い災害工事を含め、いまだ加入していない者も多い現状となっております。 例えば、国土交通省の直轄工事の予定価格には、労災保険上の労災保険について必要経費が計上されていますが、労災保険の特別加入や民間災害補償保険などの法定外保険料については未加入の者も含めた支払実績を基に積算しており、全ての方が加入することを前提としたものとなっていないことが課題というふうに認識しております。
○衆議院議員(古川禎久君) お答え申し上げます。 労災保険法上の特別加入や民間の災害補償保険等の加入を着実に行っていただくためには、これらに必要となる経費が工事の予定価格に計上されていることが極めて重要でありまして、そのための環境を整備することが必要であるというふうに認識しております。 このため、今回の改正におきまして、第八条第五項に、いわゆる一人親方など個人事業主を含め、災害応急対策工事等に従事する者全員についての適切な保険契約を締結するよう、元請企業に対して努力義務を課しております。その上で、第七条第一項第一号に、第八条第五項において努力義務を課した保険契約の保険料を予定価格に反映させることを明確化いたしました。 今回の法改正の趣旨にのっとり、保険料の実態把握や予定価格への反映方法の検討を実施することで、災害工事の保険加入が進み、これに従事する全ての方が安心して仕事ができる環境を整えるよう政府に求めてまいりたいと存じます。
○田村智子君 ありがとうございました。 前回の政府が提出の建設業法等の改正とともに、やはり議員立法で、本当に現場で、一番現場で働く建設労働者の皆さんが安定した収入、休みが取れる、そして労災なったときに本当に、仕事休んだら収入が途絶えてしまうというのが建設業者の一番の問題としてずっと労働組合でも取り組まれてきた問題がありますから、今日御答弁いただいた内容がしっかり公共工事でまず徹底されること、そして民間に波及されていくこと、これ強く要望いたしまして、質問を終わります。
○委員長(青木愛君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 公共工事の品質確保の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青木愛君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、森屋君から発言を求められておりますので、これを許します。森屋隆君。
○森屋隆君 私は、ただいま可決されました公共工事の品質確保の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会、国民民主党・新緑風会及びれいわ新選組の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公共工事の品質確保の促進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。 一 公共工事の契約変更手続の透明性を確保するため、まずは国土交通省直轄工事において契約変更前に必要に応じて受発注者以外の第三者がその適正性をチェックし、その意見を反映、公表する新たな仕組みを導入すること。あわせて、それ以外の公共工事における契約変更についても導入を検討すること。 二 令和六年能登半島地震を踏まえ、災害対応に不可欠な地域建設業を維持するため、地方公共団体において適切な競争参加資格や発注単位の設定が行われるよう必要な措置を講ずるとともに、その担い手を確保するため、予定価格や工期の適正な設定等の諸施策が効果的に実施されるよう、発注関係事務の実施実態及び公共工事に従事する者への賃金の支払いや休日の付与の状況の把握を進め、必要な措置を講ずること。 三 地域建設業者が災害時の地域の守り手としての役割を果たしていくためには、担い手を確保し建設機材を維持することが必要であることに鑑み、過疎地域等を始めとする地方公共団体に対する公共事業の施行についての支援等を検討すること。 四 民間事業者等による新技術の研究開発を促進するとともに、公共工事等においてその活用を推進すること。特に、脱炭素化に対する寄与の程度等を考慮して総合的に価値の最も高い資材や工法等を適切に採用するため、ガイドラインの作成や取組事例に係る情報収集等を行うこと。 五 国の総合評価落札方式における賃上げ加点措置については、公平性や地域建設業等の維持の観点からその影響を調査し、他制度との兼ね合いを考慮しつつ運用を検討すること。 六 測量士等を中長期的に確保するため、就業状況の実態把握を行うとともに、資格制度の更なる改善について早期に検討を進めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(青木愛君) ただいま森屋君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(青木愛君) 全会一致と認めます。よって、森屋君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、斉藤国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。斉藤国土交通大臣。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。
○委員長(青木愛君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(青木愛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時十九分散会