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213回国会参議院2024/02/26

行政監視委員会 第2号

発言数
105
登壇者
13
会派数
9
開催日
2024/02/26

会議録

川田龍平立憲民主・社民

○委員長(川田龍平君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十二日までに、高良鉄美君、石川大我君、山本佐知子君、長谷川英晴君、塩田博昭君、広瀬めぐみ君及び古川俊治君が委員を辞任され、その補欠として伊波洋一君、古賀之士君、上田勇君、永井学君、越智俊之君、山本啓介君及び神谷政幸君が選任されました。     ─────────────

川田龍平立憲民主・社民

○委員長(川田龍平君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のうち、国と地方の行政の役割分担に関する件を議題といたします。  本日は、本件の調査のため、三名の参考人から御意見を伺います。  御出席いただいております参考人は、明治大学政治経済学部教授牛山久仁彦君、東京大学先端科学技術研究センター教授牧原出君及び毎日新聞論説委員人羅格君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、牛山参考人、牧原参考人、人羅参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず牛山参考人からお願いいたします。牛山参考人。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) この度は、参議院行政監視委員会における貴重な発言の機会をいただけましたことに、大変光栄に存じますとともに、感謝申し上げます。  私は、大学で地方自治を教えておりますけれども、あわせて、自治体行政の在り方、あるいは各自治体等の審議会で自治体の在り方などを考えているところでございます。私からは、近年の状況を踏まえた上で、国と地方の役割分担をめぐってお話をさせていただければというふうに思っております。  地方分権改革が一九九三年に衆参両院で決議されまして、自治体の自律的で主体的な在り方を実現することが目指されてから三十年がたとうとしております。この間には、阪神・淡路大震災、中越地震、東日本大震災、熊本地震、さらには今回の能登半島地震等、激甚災害が相次いでおりますし、またさらには、新型コロナのパンデミックやウクライナ紛争など、世界規模での災禍が相次いでいるところでございます。そうした中で、地方自治の在り方が問われておりますし、また、内政における国民の安心、安全、これを守るための自治体の在り方も問われているというふうに考えております。  一九九三年の第百二十六国会の決議では、東京への一極集中を排除し、国土の均衡ある発展を図るとともに、国民が等しくゆとりと豊かさを実感できる社会を実現するとし、このような国民の期待に応え、国と地方の役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図っていくこと、そして、二十一世紀にふさわしい地方自治を確立することが現下の急務であるというふうにうたわれておりました。この二十年の間に、失礼、三十年の間にですね、この目的が達成されているのでしょうか。この問題について意見を述べさせていただきたいというふうに思っております。  二〇〇〇年に成立いたしました分権一括法における改革の特徴は、私の考えでは、国と自治体の役割分担を明確にし、双方の担うべき責任と機能、これを定めたことにあると考えております。それまでの国と自治体の融合的な行政の在り方を改め、双方の役割を明確にすることで、二重、三重行政の無駄をなくすこと、まさに国力を下支えする役割を自治体が力強く担っていくこと、こういったことによって国民福祉の増進を図る、それに資する行政システムを構築しようと試みてきたわけでございます。  そういった中で、従来から国と地方の関係も、大分以前のことになりますが、これを規定していた機関委任事務を廃止し、そして、今日的には自治事務と法定受託事務といった事務を自治体は担っているところでございます。これはもちろん、もう議員の先生方には、国会議員の先生方に釈迦に説法でございますけれども、自治体の自由度の高い自治事務と、国がその責任において、また法律の下で着実に実行しなければならない事務、これを法定受託事務という形で改めて規定したところでございます。  皆様のお手元に今日の配付資料で、地方六団体が作成して、現在も更新されているかと思いますが、そこに示されている国と自治体の関係について整理した国の関与のルール、これが配付させていただいているところでございます。  これによりますと、この法定主義の原則、そして一般法主義の原則、そして公正、透明の原則という形で国と地方の関係が明確に示され、そしてまたさらに、自治事務に対しては、そこにありますような関与の基本的な類型、これが定められておりますし、また、法定受託事務については、国からの指示でありますとか、さらには代執行等、非常に強い措置も規定されているところでございます。  こうした中で、国の法令を遵守して行政を執行する、そしてさらには自治体にそういったことを遵守させていくような役割もございますし、また、自治体が自らの責任と役割分担において住民に身近な行政を住民の声に基づいて実行していく、そういった体制が整備されたというふうに考えております。  そういった中で、御存じのように、皆様御存じのように、いわゆる平成の大合併等も行われ、自治体の機能を強化する、あるいは行政能力を向上させるといった試みが行われてまいりました。事前に配付させていただいた資料におきましても示させていただいておりますように、そういった平成の大合併を踏まえつつも、なお自治体がその能力を発揮するために、自治体間の連携、こういったものについても制度整備がなされてきたというふうに考えております。  そういった意味では、国と自治体がその役割分担を明確にし、相互に連携し補完し合うということで住民生活の安心や安全、そしてできれば快適なその状況が生まれてくるようなことが目指されたわけであります。その意味で、その一方でですね、融合的で重なり合った行政が行政の無駄をもたらし、またあるいは国からのいわゆる指示を待ってからしか動けない自治体、こういったものが解消されるということが期待されていたところであります。  この今日配付した資料の三番目のところになりますけれども、自治体連携と災害対応というところでございますが、先ほど申し上げましたように、自治体には様々な大きさがあります、規模がございますので、その能力に見合った対応というのが求められるわけですが、それを先ほど申し上げましたような自治体連携によって乗り越えていこうといったことも行われているわけであります。  そういった中で、大変な災害をもたらしました東日本大震災あるいはそれ以降の災害等におきましても、自治体は様々な形で連携をし合う仕組みをつくり、また、配付資料の中にもございますけれども、杉並区が行ったような自治体スクラム支援でありますとか、もちろん関西広域連合が行いました対口支援等ですね、様々な形で自主的な対応というのを行うということも進んできたわけでございます。  そういった中で、そういったことも含めてですね、大変大きなその試練でありましたのが新型コロナのパンデミックの問題であったかというふうに思います。ここでは、地方制度調査会でも議論されておりますように、自治体が十分コロナの問題に対応できたのかといったことや、あるいは法定受託事務で規定されている例えばワクチン接種等々、こういったことにどのぐらいしっかりと取り組めたかということが問題にもなったところでございます。  確かに、こうした国家規模で、あるいは世界規模での大災害、大災禍に対してどのように自治体が取り組んでいくかというのは非常に厳しい、難しい問題であるかというふうには思いますけれども、しかし一方で、やはり自治体が各現場で取り組んだ事柄が国の政策にも影響を与えたり、あるいはその取組の前進を図ることができたということがあるかと思います。  ダイヤモンド・プリンセス号の問題について配付資料でも少し私は論じさせていただいておりますけれども、神奈川県は、なかなか厳しい状況の中でも、これを激甚災害であるというふうに捉え、また県としての対応、それから横浜市等の対応の中で、いわゆる神奈川方式と呼ばれるようなコロナ対応の問題に取り組んできたかというふうに思っております。その意味で、国と自治体が緊密な協力を行いながら、またそれぞれの役割分担をしっかりと果たしていくことによってこれからの国と自治体関係が進んでいく、進めていければいいなというふうに私は考えているところでございます。  そういった中で、この新たな国と自治体の関係について影響を与えるかと思われる提案が地方制度調査会からなされているところでございます。第三十三次の地方制度調査会は、大規模な災害あるいは感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、国民の生命、身体又は財産の保護のため、国、地方を通じ的確かつ迅速な対応に万全を期す観点から所要の見直しを行う必要があると答申しております。  報道によれば、国の指示権について、地方自治法の現行の国、地方関係の章とは別に新たな章を設け、特例に規定するということが報じられております。自治体間の職員応援派遣に関する国の役割も自治法で明確化し、国による応援の要求や指示、派遣のあっせんなどを可能にするともされております。  こういった非常時における国の役割を決して軽視するものではございませんし、また、国がその全国自治体に対する司令塔としての役割を果たすことも私は否定するものではございません。  ただ一方で、先ほど見ましたような国の関与の類型化等の問題を踏まえ、ここにこうした指示といったものを章を設けるということでありますし、また、法案についてまだ明らかにされていないので軽々には申し上げられませんけれども、自治事務、法定受託事務のこの区分、区別をなくするようなことというのはどのような事態の下で行われ得るのか。これは、憲法に規定された地方自治の在り方にも大きな影響を与えるものとして考えておりますので、これについては慎重な審議が必要であると私自身は、議論が必要であると私は考えているところでございます。  また、そういった中で最も私が危惧いたしますのは、ここまで述べてきたような自治体の取組や努力、あるいは自治体間連携、こういったものが行われてきているわけですけれども、現行でも、自治体の多くが独自に連携し、支援を行い合うといったことが行われております。この能登半島地震の直後にも幾つかの自治体に連絡をしてお話を伺ったところ、国や県の指示がなくても直ちにその被災地に対する支援を行っているという自治体がほとんどでありました。もちろん、私の問い合わせたところの範囲でございますけれども。  しかし、そういった中で、激甚災害が勃発したときに、これは国からの指示があるんだろうかないんだろうかといったことを考えると、自治体が自主的な支援を行うことにちゅうちょし、現地の被災者の皆様への救援が遅れる、そういう状況が生まれることが危惧されるところでございます。今後、南海トラフ地震や首都直下型地震、激甚災害が予想される中、この指示待ち自治体をたくさんつくるような法改正にならないように私は強く念じるところでございます。またあるいは、首都直下地震が起こった場合に、全国各地からの支援といったものが自主的に行われるといったことも併せて考えておく必要があるかと思います。  私の方からは以上でございます。  御清聴ありがとうございました。

川田龍平立憲民主・社民

○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。  次に、牧原参考人からお願いいたします。牧原参考人。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 東京大学先端科学技術研究センターの牧原です。本日は、この貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。  私、専門は行政学で、第三十二次、第三十三次の地方制度調査会の委員を務めました。そうした経験から、昨今進みつつある地方制度改革の流れの中から、二十一世紀を見通した国と地方の関係について、ここでは三つの論点を申し上げたいと思います。  第一に、少子高齢化による人口減がもたらす衝撃についてです。  総務省の研究会、自治体戦略二〇四〇構想研究会は、二〇四〇年が全国規模で高齢者の最も多い年になるという人口予測の下で、これがもたらす危機についてどう国と地方が対処すべきかを論じました。この問題意識は、その後の第三十二次、三十三次地方制度調査会に受け継がれており、これ以前と以後とでは地方制度改革の論調は大きく転換しました。今後確実に到来する人口減という未来における状況を基に、地方自治の現場の業務から制度全般の変化を意味付けた点でこれは画期となったと私は考えています。  この研究会が打ち出した今後取るべき施策は三つありました。一つはスマート自治体、すなわち地方自治体のデジタル化、二つ目は地域における公共私連携、そして三つ目は自治体の区域を越えた圏域連携です。これらはどれも地方自治体が自治の上に立って取り組むことが基本線となりますが、国が可能な支援を手当てしていくことも重要です。その際には、国と地方との間の情報共有が何にも増して重要だと考えられます。  この三つの中でも、スマート自治体としての施策は、その後、二〇二五年度をめどとする基幹情報システムの共通化、自治体における基幹情報システムの共通化を国が主導することで現在作業が進んでいます。  その際に問題となりつつあるのは、デジタル化に伴う事務手続の改革です。デジタル化が窓口業務改革などそれぞれの現場での作業手順を組み替えていくため、効率的な事務処理のためにはデジタル化に即した業務改革が必要となります。  地方自治体においては、デジタル化部門と行政改革部門とが密接に連携することが必要です。国でもデジタル庁がデジタル化全般の司令塔ですが、地方自治体の行政改革は専ら総務省の担当です。国と地方を挙げて、デジタル化とこれに対応する業務改革を協力しながら進めることが重要だと言えます。  そもそもデジタル化とは、技術革新によって刻々とその内容を変えていきます。リスキリングなどと言われるように、国、地方の行政官は当然のこと、国、地方の議員も技術革新の状況を絶えず理解するよう努めることが重要となります。  ある市の議会で、新しく当選した議員がAIについて大学の専門家を呼んで話を聞いた上で先進地域の取組の視察に出かけていくという場面に居合わせたことがあります。政治家と科学者、専門家との対話の場をふだんの議員活動の中に取り込み、日常的にデジタル技術のリテラシーを高めるような配慮を、国、地方双方の議会に求めたいと思っています。  また、地方ではオンライン議会が一定の条件の下で認められていますが、国会法の規定における出席の解釈が限定付けられており、そこでの制約があるために地方議会でのオンライン議会の進展に限界があります。国会は、議員会館でリモート審議に参加することが容易であるという、地方と比べた恵まれた環境にあります。是非とも、地方議会のオンライン開催が進むよう、国会のオンライン開催に積極的に取り組んでいただきたいと切に希望しております。  第二に、人口減そのものについてです。出生率の低下は、新型コロナを経てますます深刻になってきています。自治体戦略二〇四〇構想研究会では、二十歳の人口がピークの半分になることで新卒採用が難しくなることを前提に、現在の半数の職員でも運営できるような地方自治体の執務環境が重要であるとややとがった指摘をしました。ともすればデジタル化は仕事を増やしかねませんが、正しいデジタル化によって職員の業務量をできるだけ軽くすることが何にも増して重要です。  そして、高齢化が進む過疎地域では、地域コミュニティーを維持することが難しくなってきています。もちろん元気な高齢者が町を守り立てているところもありますが、やはり災害時の対応などはなかなか厳しい地域も多いようで、一月の能登半島地震でもそうした状況が目立っています。これについては、性急に人口増を求めることはそもそも無理ですが、地域なりの自治があり、その上に市町村の自治があるという考え方が重要です。  デジタル化で業務負担を軽減できれば、自治体職員が地域担当職員として現地訪問を含めた支援に向かうこともできるでしょう。また、災害時に担当地域を重点的に巡回し、必要な支援をしかるべきタイミングで行っていくこともできるでしょう。さらに、他の自治体との調整などの業務にも従事しやすくなります。地域の問題、圏域の問題と自治体運営とをタイムリーに結び付けるような業務改革の上に地方自治があることこそ、人口減の地域においては必要となります。  その際の鍵概念は、地域の尊厳だと私は考えています。高齢化や人口減が更に進んだとしても、その地域は尊厳を保っていると見るべきであり、効率化のために都市部へ移住すればよいといった尊厳を無視した議論をそこから批判していくべきだと私は考えています。また、仮に将来人口がゼロになる地域があったとしても、それを悲観するのではなく、そこまでに至る長い過程の地域を尊厳を持って受け止め、自治の下、周囲もこれを支えていくということが重要なのです。  また、人口減は、どうしても最初に問題が顕在化する過疎地に関心が行きがちですが、大都市部も遅れて人口減の局面に入ります。更に言えば、人口減ではありながら、高齢者人口が多くなるため、医療、社会保障などの行政需要が激増する可能性もあります。とはいえ、都市部であればこそ、産業振興の可能性などもあり、事態は容易に予測できません。都市部が将来の人口減に備えた対応を今からどれほど準備できるのかを、住民としても国民としてもしっかりと見守っていかなければいけないと考えています。  そして、第三点目です。新型コロナによって顕在化した日本の国と地方との関係における問題です。  第三十三次地方制度調査会は、この問題を正面から議論し、地方自治法において、国の地方自治体に対する一般的な指示権を規定することを提言しています。ここでの私の話は、このあくまでも地方制度調査会の提言に基づいたものとして行わせていただきますが、今国会で改革法案が審議されるものと思われます。  地方制度調査会では、こうした問題を平時ではない非平時における国と地方との関係の問題だとして、パンデミック以外に大地震など大規模自然災害、武力攻撃といった事態における法規定を検討しました。その結果、大規模な災害、感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態において、国民の生命、身体又は財産の保護のため必要な措置の実施の確保が求められる場合であるとか、その事態が全国規模である場合や全国規模になるおそれがある場合、あるいは局所的であっても被害が甚大である場合、また、当該事態が発生している地域が離島などのへき地であり、迅速な対応に課題がある場合など、そうした非平時に個別法での指示権の規定がなくとも地方自治法の一般的な規定によって国は地方自治体に指示権を行使するよう、制度の立案を提言しています。  そもそも今回の指示権の規定の前提にあるのは、コロナ禍の際に、国側には、地方自治体がなすべき対応をなかなかしていなかったことへのいら立ちがありました。また、地方の側では、ワクチン接種が性急であったことで住民への混乱が生じたといった、国の側の現場への理解が行き届いていないことへの不満があります。  双方をどう調整するかが問われています。こうした指示権は、閣議決定などの内閣での合意の下、担当大臣から地方自治体に発せられるという手続を取るよう提言しています。地方自治体は、指示に沿った一定の行動を取ることが求められます。  しかし、よく考えれば、本来ならば地方自治体が独自に指示される内容について行動すべきです。国が指示するというのは、何らかの理由でしかるべき行動を地方自治体が取ることができない状況だということになります。とはいえ、地方自治体がそうした行動を取ることができないのであれば、国が幾ら指示したところで地方自治体は行動できないのではないかという疑念がすぐに浮かびます。  この点は、地方制度調査会でも様々に問題提起されたところです。つまり、指示権が意味を持つ場合が果たしてあるのかということになります。非平時は様々な事態があり得るため、国の指示や裁断があって地方自治体が初めてうまく行動できることもあるのではないか。であるならば、今回の新型コロナにまつわる混乱をきっかけにそうした法規定を設けておいた方がよいだろうという見通しが地方制度調査会にはありました。  いずれにしても、非平時では、問題が深刻な地域の地方自治体と国とが十分情報共有することが何にも増して不可欠です。そうした情報共有があれば、国の指示権を行使するまでもなく地方自治体は一定の判断をすることができるはずであり、判断に遅れがあるなどの状況があったとしても、いたずらに国が指示権を行使する必要はなく、自治体の判断を合理的に待つことができるはずです。万一、指示権を行使する際にも、十分な情報共有があれば、国と地方が対立することなく、指示を受けて地方自治体も一定の対応をすることができるでしょう。  私見では、こうした国と地方の情報共有と指示権とは、リダンダンシー、冗長性の関係にあると考えています。リダンダンシーとは、ロケットなどで本来の回路が動かなくなったときに、別の回路を準備しておくことで安全航行できるように設計する手法を指しますが、情報共有と指示権とをそうした冗長性の関係に立たせることで、混乱した国が突然指示権を行使するといった事態や、地方が国の指示権を無視したり、行使できないまま放置したりするという事態を避けることができると私は考えています。  非平時は多様です。平時から見れば、指示権行使の条件を満たすような極限状態としての非平時はめったに到来しないはずですが、いざ非平時となれば、冷静な見通しを失った国、地方の関係の中、突如指示権を行使する決断を国がしないとも限りません。国会はそうした状況をしっかりと監視する役割を負っています。いざ指示権が行使された場合は、その行使の状況を国会がしっかりと監視しなければなりません。  地方制度調査会は、政府には事後検証を求めるべきだと提言しています。また、一度行使された指示権をそのままにせず、可能な限り個別法の立法によって同じような事態で再度一般的な指示権を行使しないような措置をとるべきだとも提言しています。それぞれ、国会が監視と立法を適切に行うことが不可欠です。つまり、一般的な指示権を法律に規定することは、それに伴い、国会の役割が重要であることをも要請するのです。  一見このような規定は不要に見えるかもしれません。しかし、ここで強調したいことがあります。いざ非平時ともなれば、法的根拠なく国が地方自治体に指示を出そうとする事態は十分あり得ることです。東日本大震災では、相手方は地方自治体ではありませんでしたが、中部電力に対して浜岡原発の運転停止を国が求めました。コロナ禍では、国が地方に対して学校の一斉休校を求めたのは記憶に新しいところです。  法規定がないとむやみに国が指示を乱発するという事態を招きかねません。しかし、法規定があれば、まずはこの規定に沿って指示権を行使できるかどうかを国は検討しなければならなくなります。つまり、一般的な指示権を法律上規定することで、まずはそうした具体的な法規定の要件と手続に落とし込んで国が指示権を行使するように促すことができます。法規定を前提としない指示の乱発はかなりの程度防げるのではないかと私は考えています。  今回の地方制度調査会の提言は、相当程度限定された危機的な状況の下で、閣議決定などの手続を経た上で国が地方自治体に対して指示権を行使するよう提言しています。また、事後的な検証も必要だとも述べています。こうして指示権行使の事前と事後の手続に枠をはめた規定があり、それを前提としながら、まずは国と地方が十分情報共有することが求められているのです。  したがいまして、今回地方制度調査会が提言した一般的な指示権は、国会による十分な監視とともに法律上規定され、次に到来するおそれのある非平時に機能することを私は期待しております。  ここで、私の意見を述べさせていただきました。

川田龍平立憲民主・社民

○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。  次に、人羅参考人からお願いいたします。人羅参考人。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) 毎日新聞論説委員の人羅と申します。よろしくお願いいたします。  今日は、メディアでの立場から、国と地方の役割分担ということについてお話をさせていただきます。  まず、分権改革についてなんですけれども、地方分権という言葉がメディアにどれぐらい取り上げられているかということを、まあ毎日新聞に限られた資料ではございますが、データ検索してみましたところ、最近は、最近じゃないや、東日本大震災の前の二〇〇九年から一〇年までの間には、一年間で千件もの記事が、地方分権を扱った記事が確認できました。それが最近はどうかといいますと、二〇一三年以降は、この千件に到達するのに十一年も掛かっているということで、記事の分量からいうと、単純計算すると、地方分権を扱っているのは十分の一になっているという状況であります。  恐らくこれは、メディアの関心ということもありますけれども、政治的にも地方分権ということについての関心が若干やはり低下しているということの表れではないかというふうに考えております。  それでは、なぜこの地方分権というのが最近非常に目立たない話になっているかということを私なりに考えたところ、三つ理由がありまして、一つは、まず、小泉改革のときのいわゆる三位一体の改革、これが、税源移譲がテーマになりましたけれども、最終的には地方交付税の削減というところが目立ちまして、地方側からすると、頑張った損、一種のトラウマが残ってしまったということがまずあったと思います、税源については。これが一点目です。  二点目は、国の出先の改革ということがまさに議論されているその途上において、東日本大震災がございました。  このときに、やはり国道とか港湾とか河川とかそういった基幹的なものについてまでそれを地方に移譲していいものですかという議論がやはりそれはそれなりの説得力持って論じられたということで、やはりそこで国の出先という議論も、まあ正直言うと尻すぼみになったということで、この議論が恐らく、道州制という議論が最近非常に下火になっていると思うんですけれども、なぜかというと、やはりこの議論がしぼんだ結果、道路とか河川とか、その結果やはり道州というものもどうかなというところで、私は道州制の議論が低下しているのもここに関係があるんじゃないかというふうに考えています。  もう一つが、先ほど来話にあった、分権よりももう目先の人口減少、ここのところの方が大変だというところに焦点が行ったということだと思います。  これが、二〇一四年、今から十年前のいわゆる消滅自治体リストということができて、それを受けて安倍内閣においては地方創生という取組がなされたということで、分権よりも地方創生ということではないかということで、そういったことがあってその分権改革というものは一種隘路にはまっていると、これからどうやっていいのかという状況にあるというのが客観的に見た状況ではないかというふうに思いました。  それで、とはいうものの、私、同時に感じたのは、もし地方の方が分権改革はとってもいいことだと、この動きを止めてほしくないという思いが切実にあれば、やはり実際には動くと思うんですね。  ところが、実際のところ言うと、今、地方の側ももっと分権してくれという話は実際にはなかなか聞こえてこないという、もちろん公式にはもっと分権をと言うんですけれども、実際に非常に強く言っているかというと、そこはどうもそうじゃない感じがありまして、それはやはり、このいわゆる第一期、第二期分権改革とありましたけれども、その果実というものが恐らく地方の方にあんまり実感されていないんじゃないかなという印象があるんですね。下手すると逆に仕事ばっかりもらって何か分権疲れだよみたいな、そういうような印象すらあるんじゃないかという、そこが、分権改革がもうひとつ今停滞しているというもう一つの要因かというふうに思っております。  それでは、これから、じゃ、国、地方の関係のメインの焦点はどこに行くのかというと、これはやはり、私は率直なところ、まずは人口が減少がしていく中でその地域をどうやって持続していくのかというところにそのポイントが来るということはそれはもう非常に当然であるし、そうあるべきだというふうに思っております。まあ、分権がだからどうでもいいというわけではありませんけれども、その中で分権というものも考えていくという話であると思います。  この十年間、地方創生というものの取組は進みましたけれども、やはり進んでみると、いかほどの効果があったのだろうかなというところは、やはり客観的、冷静な検証が必要ではないかというふうに思います。  この議論の一番どこに問題があったかというと、これはやはりその人口減少を食い止めようというベースの議論でありまして、人口は減るんだからといっても、いずれにしろ、少子化対策というものはその勾配を緩めるための議論でございますから、人口減少というものは避けられないんだよということをベースに、じゃ、どうすればいいんだというところの議論がやはり不足していたと。そこで、その人口減少を食い止めるための議論というところに傾斜してしまっているという印象であります。  そこで、そういう反省もあって、先ほど牧原先生のおっしゃった二〇四〇年の議論とかそういったことが心ある官僚とかによって進められているわけなんですけれども、とりわけやっぱりこの十年間を見ていて決定的に遅いなと思うのは、やっぱりインフラの老朽化ですね。急速に進むインフラの老朽化ということについてどういうふうにその地方は対応するのかという意味での骨太の議論。  あともう一つ、心配、私しておりますのは、介護ですね。さっき、大都市圏の急速な高齢化、これがもうすぐ、もう目の前に迫っていますので、そのときに、もう試算として大量の介護要員の不足というものがもう出ているわけですね、数字として。その大量に介護要員が不足したその人手を、また地方さんお願いしますと、若い人お願いしますという話になったら、もう本当に日本の地方はどうなるんだろうかというふうなぐらいに思っています。だから、もう試算で穴が空くというふうに分かっているんだから、じゃ、それどうしようかというものを政治の方で一生懸命考えていただきたいと。そこのところを、インフラと特にこの介護、ここについては非常に心配しているわけです。  あともう一つ、その分権の絡みでいいますと、日本のこの、また私の目から見た分権改革というのは、どうしても首長さんへの分権ということで、いわゆる団体自治というところが重視されていまして、住民が参加している住民自治、この要素がやはり弱いのではないかと。だから、住民の方からも分権してくださいという声が余り出なく、聞こえてこないという話ではないかというふうに思います。  なので、これからまさにこの地域をどういうふうに持続していくんだということを、住民の人が入って、いろんなその役割を持つパーツを演じている地域の代表がございますよね、そういったところできちんと議論して、どうやったら自分たちの地域が持続していけるんだろうかというところをきちんと議論していくような枠組みというものをつくっていくと。それで、そういったところから国にこうしてほしいというところの要望もあるでしょう。そういったことを議論していくというサイクルが、分権改革の絡みでもありますけれども、住民が参加して、もうそのところに住んでいる住民の人に、これから自分たちの地域をどうしますかというのは、それ国が決めることでもなきゃ都道府県が決めることでもございません、その住民の人が話し合うというところの枠組みをしっかり構築するということが必要ではないかというふうに感じております。  あと、さっき三位一体改革の挫折について申し上げましたけれども、税源の移譲ということについては、もう私は現時点で地方に何かまとまった動きを取ることは困難じゃないかと思っています。もう今、ふるさと納税と偏在是正の議論で大都市圏とその他地方の利害関係というのはもう真っ向から対立している状況になっていますので、このところでその両者をつないで何かその税源移譲をやるといったところで、じゃ、それでその税源をどうその偏在是正に絡めるんだというところで問題になってしまいますので、なかなかもうこの話で地方はまとまりにくくなっていると思いますので、何かしら、今度、森林環境税ですか、ということがございますよね、あれは国税としてですけども、もうちょっとあれに近いような形を地方税的に考えるとかいう形で、何か共通の目的で地方全体で取り組むというような、そういった議論だけでも進めていかないと、なかなか今、この対立してしまっている大都市圏と地方の関係というところからその税源の移譲なりのそういった議論を進めるということは難しい状況ではないかというふうにも考えております。  あともう一点、国、地方の関係で今必要かなと思っているのは、都道府県の議論ですね。都道府県の役割というものをどう考えていくのかということの議論もこれからの議論としては必要かと思います。道州制の議論というものは非常に下火になっていますけれども、これから都道府県は、恐らく小規模町村の機能をどうやって補完していくんだというところの議論が切実になっていくと推察しております。では、そういった議論で都道府県の役割というものをどういうふうに位置付けていくのかというところがかなり問題になると思います。  あともう一つは、その一方で、都道府県だけでは収まらない議論というのがあるわけですね。例えば人口減少にしても、やはり中枢都市、札幌、仙台、広島等々のですね、そういったところのダム機能というものをどう整えていくのかというところの議論で、やっぱり東北ブロック、中国ブロック、九州ブロック、そういったところで物事を考えていくというところが必要だと思いますので、こういう枠組みを、じゃ、どう考えていくのかというところもこれから大いに議論が必要ではないかというふうに考えております。関西には関西広域連合ってございますね。ああいったものの、じゃ、ああいったものを何か法的に位置付けることはできないかとか、そういった議論の余地もあると思います。  あと、住民については、自治体については関係人口ですね、最近話題になっている。この関係人口というものを、今はふるさと納税一回やっても関係人口だとか、旅行に繰り返し行ったら関係人口だとか、いろいろ定義もはっきりしておりませんけれども、この関係人口というものがもし地方にとって非常に有望な選択肢であるとするならば、それをどういうふうに位置付けていくのかと。例えば法制化を考えて住民税の分納みたいなことをある程度考えていくとか、まあ総務省は絶対嫌だと言うでしょうけども、そういった議論とかですね。  そういったもろもろの議論のフロンティアがあると思いますので、なかなかやっぱり総務省とか今の現状の自治体ではなかなかそういった議論が積極的に提起されにくい環境もあると思いますので、政治的な議論を、地方行政というのはなかなか地味な分野でありますけれども、起こしていくのが政治の役割ではないかというふうに期待している次第でございます。  もう一つ、これを話し始めると長くなるのであえてここで話しませんでしたけども、例の、先ほど来話になっている指示関係の法整備ですね。これについては、弊紙は社説で非常に慎重な立場を取っております。もしその理由等に質問がございましたら、質問があればお答えしたいというふうに考えております。  ありがとうございました。

川田龍平立憲民主・社民

○委員長(川田龍平君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  質疑のある方は順次御発言願います。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 自由民主党の青山繁晴でございます。  今日おいでいただいた参考人の皆様は、お忙しい中を国会審議に関与いただきまして、感謝と敬意を述べたいと思います。  まず、牛山久仁彦参考人にお伺いします。  今日の私の質問はちょっと厳しめかもしれないというのを危惧しつつお聞きするんですが、牛山参考人からは、災害と自治の絡みが積極的に語られました。お聞きしていて、基本的に今日は、牛山参考人がお話しになったのは災害が起きてからの自治の課題だと思うんですが、一番最近の能登半島地震を考えますと、能登半島のあの頭の部分の変わった形状というのは、海底に直線でいうと百五十キロに及ぶ活断層があるということは、危機管理に携わっている中では常識に近いわけですよね。ところが、それにもかかわらず、例えば東京ですと、タワーマンションは首都直下型地震に備えて耐震構造が求められています。古いマンションでも改修工事も行われたりしています。しかし、能登においては、つまり北陸、石川県においては、群発地震が起き始めたときに本当は、海底活断層の関係から、まず半島の北端部の民家が、二階建てが多いですので上が潰れてきて下にいる人が犠牲になるということが十分予想できたのに、それがさっぱり行われないままでした。  これは基本的には私たち政治の側の責任であって、そういう意味で厳し過ぎる質問を投げかけるかもしれませんが、要するに自治に格差があるわけですよね。平均的な国よりもはるかに大きな東京都ですと、格差の上位にある自治が行われるから、やはり耐震構造なども、一般民家、マンションも民家ですから、そこに及ぶ。しかし、東京と比べるとはるかに規模が小さい石川県、あるいはその北陸の福井県その他であっても、格差の下にいる自治でありますから、例えば民家がそのままになってしまっていたと。そうしますと、政治の課題として、自治に実は非常に大きな格差があって、しかも広がっていると。東京に人口集中する以上はそうなりますね。  その格差を解消するためには、例えば、牛山久仁彦先生におかれてはどういうふうにお考えなのかをまずお聞きします。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) 青山委員の御質問、大変ありがとうございます。  まさに御指摘のように、私も危機管理に関する自治体の防災研究等を進める中で、どうしてこういうふうになってしまったのか。つまり、群発地震がこれまでもある中でこれだけの被害が生じることを防げなかったのかというのは、当然重要な課題として認識しているところでございます。御指摘の自治の格差という言葉を大変私も重く今受け止めさせていただきましたけれども、要するに、一つは財政面での格差、それからやっぱり人口減少という中で地域、地方がどんどん衰退しているような状態、この中で今回の被害の拡大というのも生じてしまっているのかなというように考えているところでございます。  その意味でいいますと、先ほどから申し上げておりますが、やはり一つは、自治体行政のやはりその問題意識でありますとか、あるいは政策への取組、こういったことについてやはり一層の努力が必要であると。私の申し上げていることは、非常に自治体に寄った見方といいますか、自治体の、何ですか、の立場に立ったような言い方をしているかもしれませんけれども、一方で、やはり市町村がもっと厳しい取組をしないと地域も支えられないと。  当然そこには財政問題という非常に大きな壁があるわけですけれども、その意味では、地方へのそういった支援、今回も地方創生などでは様々な取組がその自治体で行われているわけですが、それがどうも能登半島等でも、十分にそういった地域を強くする、国土を強靱化するといったような方向ではなくて、先ほどちょっとお話もございましたけれども、何というんですか、人口を集めようとか、お金を引っ張ってこようとかいうような方向になってしまったというところが非常に大きな問題で、やはり地域の自治体行政の能力を高め、国の施策を有効に使っていくための体力といいますか、足腰の強さ、これを何らかの形で進めていく必要があるだろうと思います。  抽象的ではあるかもしれませんけれども、財源の問題はもちろんありながらも、やはり自治体職員の能力向上のための研修でありますとか、あるいは政策への問題意識を持っていただくような努力でありますとか、そういったことを一層進めていかないといけないのではないかというふうに思っております。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 牛山先生、ありがとうございます。市町村と向き合ってこられた先生ならではのあえての提言だと受け止めました。  時間が十五分しかないので、一応一巡はしたいんですけど、次に、牧原出参考人にお伺いします。  牧原参考人から、人口減は不可避であるという御発言ございました。人羅参考人からもそういうお話がありました。あえて問題提起したいんですけれども、この地方は人口が減っていくんだという考えが余りにも浸透しているので奇妙なことも起きていると考えていまして、先般、滋賀県に行ったんですが、滋賀県は、御存じのとおり、関西では唯一人口の増えている県なんですね。最近その人口増がやや鈍ったといっても、横ばいであって減ってはいない。  ところが、例の一票の格差解消のために小選挙区は一つ減りました。滋賀に入って人々の意見を聞いてみると、地方というのは人口が減るという思い込みでこういう単純なドント式の計算も当てはめられて、人口が減っていないのに小選挙区が減るということは、まず主権者が選んだ代表が一人減るわけですから、立場、イデオロギー、支持政党の違いを超えて、滋賀県の中には、実は東京には余り聞こえてこないけど、怒りが鬱積しているということも現場で感じたわけです。  そうしますと、牧原参考人にあえてお伺いしたいのは、さっき先生からは、人口が減っても尊厳を保つことが大事だと、非常に印象深いお言葉ありまして、それに非常に私は共感するんですが、同時に、人羅さんのようなメディアも含めて、人口は地方では特にどんどん減っていくんだというのが過剰に浸透していないかというのを、滋賀の例を引いて、ちょっと牧原先生の考えをお聞きしたいです。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 人口予測の上では減るということになっておりますし、また都市部も人口減に向かうということも予測されているということの上で、日本全体として人口減が向かっていく中でという議論を自治体戦略二〇四〇構想研究会ではいたしておりました。  ただ、地域によっては、必ずしも減らない、あるいは増えている、緩やかなところ、様々だと思います。ですので、全体として減ることはこれは不可避だとしても、その地域ごとの減り方が違うことをどう考えるかということが大事でありまして、頑張って横ばいとか増えているところは、もちろん社会的流入が多いと思いますけれども、行政サービスをしっかり展開していただきたいと思いますし、人口が減ったとしても、何か減ることがうら寂しいということでは必ずしもない、尊厳を持ってそれを受け止めていくべきではないかというふうに申し上げました。  以上です。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 私個人というか、一人の国会議員としては、日本全体の人口減というのも、こうなるんだと決めるのはよくないと実は思っていまして、実は先進国でも人口回復に成功している国もありますので、そこはちょっと、質問するのが趣旨なんですけど、申し上げておきたいと思います。  最後に、人羅参考人にお伺いします。  人羅参考人がおっしゃった関係人口のことも考えると、関係人口って割と新しい言葉ですけど、旅行者のような交流人口だけに限らず、とにかくその地域に関わる人を、多様な人たちを人口の一つと考えることですよね。そうすると、なぜそれを取り上げたかというと、こういう新しい概念も出てきているわけですね。  そうすると、例えば地方分権というのは大事だというのを、あえて片仮名で言いますけど、アプリオリ、アプリオリ、つまり先天的にというか、あらかじめ定まったこととして言わば絶対的な価値があるんだと思うんじゃなくて、あえて言いますが、敗戦後の日本はやっぱりアメリカの制度に非常に影響されていますが、そのアメリカは元々はイギリスに影響されていて、全てを選挙で選ぶとか、それから地方分権を唱えるというのは、イギリスの現実と合っているかどうかは別にして、イギリスから始まった考え方だと思うんですよね。そうすると、そういう考え方をずっと、もう一回言いますが、先天的にあらかじめ決まったことのように正しいと思ってきたけど、本当は、地方の人口も、その関係人口という新しい考え方入れると、必ずしも分権して自治を強化することが幸せにつながるかどうかというのは問うべきじゃないでしょうか。  さっき介護のことを言われましたが、ヤングケアラーって、これも片仮名ですけど、社会問題になっていて、ヤングケアラーの問題を地方分権、自治体の現場によって解決するというのはほとんど無理だと思うので、そこは、今まで言われているところでもあるけど、国の関与をもっと強めなきゃいけない。そうすると、その中央集権と地方分権が対極する考え方という、言わばステレオタイプな考え方は本当は乗り越えられるべきじゃないかとも思うんですが、人羅参考人のお考えをお聞きしたいです。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) おっしゃるとおりで、中央集権と地方分権というものが全くその衝突した展開で考えるべきかというと、そこはやっぱり状況に応じて、先ほど、例えば有事の場合とかいろんな状況がございますので、それに応じてその考え方というのは余り硬直的に考えるべきではないというふうには考えています。そこはそうだと思います。  あと、関係人口について私が思っているのは、この関係人口というのは非常に魅力的な考え方ではあるんですけれども、それが余り極端に走ると、関係人口増えているから人口増えなくていいんだというような、そういった議論にもなりかねない部分もややちょっと私は危うさも感じておりますので、そこも含めると、やはりこの関係人口というものはどういうものなんだということについて、余り前提を置かないで、それできちんとそれが法律になじむのかなじまないのか、それはある意味新しい突破口となるのかならないのかということも含めて、まさに政治の場で議論していくべきではないのかというふうに考えた次第でございます。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 人羅参考人が言わば提起してくださった関係人口というのは、行政の在り方を考える意味で、本当はかなり根っこに関わることだと思うんですよね。つまり、定住している人だけを人口と考えるのか、これだけの通信、交通の発達とAIの導入によって、定住していることだけを人口というんではないんじゃないかという考え方もあることを関係人口というわけですよね。  そのことについてもう一度人羅参考人のお考えをお聞きできますか。関係人口が指し示す近未来というのはどういうものなのか。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) 私自身は、関係人口というものはもう少し具体的に考えていいんではないかというふうに思っておりまして、例えば最終的には、まずは関係人口を自治体に登録していくと、その登録した上で、例えば最終的には住民税の分納みたいなことを考える、そういった余地はあるんじゃないかと。  例えばの話で言うと、今福島から避難を長期的になさっている方がいらっしゃいますよね。そういった方々は、実際には福島に住所があって、それで実質住んでいるところは関東だということが長く続いていらっしゃいます。そういった人たちのその住所ということをどう考えていってあげたらいいのかという、そういった問題もあると思います。  そういったことを考える上でも、その住所を少し柔軟に考えるということは、これは恐らく総務省的には絶対嫌な話だと思うんですけれども、だからこそ、政治的な意味で議論を進めていってもいい話ではないかというふうに考えております。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 お三方とも、これ決して社交辞令でなくて、非常に政の側に参考になる意見をいただきました。ありがとうございました。  終わります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 立憲民主・社民の三上えりです。  本日は、お三方の先生から貴重なお話を伺いまして、大変ありがとうございます。  では、質疑を行わさせていただきます。よろしくお願いいたします。  昨年末に第三十三次地方制度調査会から三つ、DXの進展を踏まえた対応、そして地方公共団体相互間の連携協力及び公共私の連携、もう一つ、大規模な災害、感染症の蔓延等の国民の安全に重大な影響を及ぼす事態への対応、この三点を柱とする答申がありました。これを受けてこの通常国会に地方自治法の一部改正案が提出される予定という流れです。  本日は、この動きも踏まえて、私は、三番目の非平時、いわゆる平時ではない状況における国と地方の役割分担について、非平時の国の指示権について先生方の御意見を伺います。  地方制度調査会で、全国知事会などから、非平時の国の指示権について国と地方の対等な関係が損なわれるという懸念が出ておりましたが、私も、これ極めて問題があり、制度化すべきではないと考えております。  まず、この地方から出た国と地方の対等な関係が損なわれるという懸念について、皆様から御所見を伺います。お願いします。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  先ほど私のお話の中でも一部触れさせていただいたところでございますが、まず一つには、この法案等がこれから具体的に出てくる中で議論しなければいけないというふうに思ってはおりますが、自治事務と法定受託事務について整理をし、自治体の自治事務についての関与はこの指示は行わないという形で整理してきた経過がございます。  これを、まあ地制調としては非平時という言葉は使っていないかもしれませんが、議論の中で言われている、また牧原先生が先ほどおっしゃられた非平時について、どういった状況になればこの自治事務にまで、自治事務も含めてこの指示が及ぶのかというのが、この非平時という言葉が私はよく理解できなくて、例えば緊急事態とか、そういった問題について憲法などを含めて議論があることは十分承知しておりますし、またそういったことが必要である場合も、戦争でありますとか、こういった緊急事態等でどんなふうに議論されるかというのはあるかと思います。  ただ一方で、その非平時というのは、非平時というのがどういう状況かが明確でない中で、そういったその憲法上も認められているような地方自治の権利といったものを制限するというのが、これが私は、一つは、どんなふうにその法的な整理をするのかというのが課題だと思っております。  それともう一つは、先ほど申し上げたことですが、私は、先ほどの青山先生の御質問にも答えさせていただく中で触れましたように、やはり、この市町村とか都道府県ですね、こういったところが、一体いつどこで起こるか分からないこの大きな災害などについて、例えば、先ほど申し上げましたように、東京首都直下の大きな地震で国家機能が麻痺するような場合に、自治体が自主的に様々な形でこの首都圏の支援をするといったようなことが大事だというふうに思っております。そういう意味では、関西あるいはその中京圏からの支援というのも大事だと思いますが、この指示権というのを出されますよということになりますと、一体どこの自治体がどこにどういうふうに応援するのかというのが明確でない中で、その指示待ちの自治体ばかりが増えていくような危惧があるというふうに思っております。  その意味で、先ほど申し上げました、その国の関与の類型というものをせっかく行ってきた、地方分権改革の中でここは非常に大きなところだと思いますが、これを無に帰するような法改正にならないように是非御議論いただければなというふうに思っておりますし、またあわせて、市町村、あとあるいは都道府県、まあ市町村が中心だと思いますが、この指示待ちの状態になることが常態化されるような法改正、こういったものは是非慎重に行っていきたいというふうに考えているところでございます。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 私も、今るる申し上げましたように、いろいろそのままに指示権というものを考えると難しい問題が多々あると思っております。  ただ、大きく分けてまず第一点目ですが、知事会の御懸念というものも地方制度調査会で私も聞きましたけれども、知事会の側は、もっとその協議の場、国と地方の協議の場を増やすなどの情報共有を密にしてほしいという強い要望があり、それを踏まえた提言にはなっているということです。現実の改正法案がどうなっているかということは、その辺りしっかり国会の場で御議論いただきたいというふうに思います。  二つ目は、やはりこれは市長会から出た懸念でしたけれど、やっぱり国の指示が住民の混乱を招いたりしないかということでありまして、やはりこれが一番大きな問題だと思います。住民の混乱を招くような指示、一方的な指示が出ないようにするにはやはり事前の協議なり情報共有が大事でありまして、いろいろな本当に限定された、かなり法は、地方制度調査会の提言はかなり限定された事態を想定した要件を出しておりますけれども、もう一つその向こうにあるのが、そういった、住民にそれがどういう影響を与えるかということをやはりしっかり地方の側も考えて国と情報共有をすべきだというふうに思っております。  それから三点目は、実は地方は従わないということがあり得る、あるいは従えないということもあり得るわけで、法律上は指示権を出しても、地方がこれに応じない場合どうするかという問題はまだ残っています。裁判などになるという可能性もありますけれども、非平時に裁判をしていても余り意味がないということで、やはりこの指示権は地方が迅速にそれに応じられる指示権の行使でなければ実際には意味がない。そうじゃないとすると、実はこれはかなり政権にとっても大きなリスクになるものであります。ですので、やはり地方が従うようなものをしっかり、地方がそれに応じるようなものをしっかり国が指示権を出すべきだというふうに考えています。  いずれにしても、非平時ですので、やはり国と地方は対等であり、地方は従わないという、そういうオプションを持ったとしても、できるだけ協力してその状況にやはり打開する、そのためのあくまでも一つの私はオプションとして、この今回、指示権というものが提案されたんだと考えています。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) 先ほどちょっとお話しできませんでしたが、この制度改革については基本的に慎重な立場を毎日新聞は取って社説を掲載しております。その心はといいますと、緊急事態において国の指示等が行われるということをもちろん一概に否定しているわけではございません。  実際のところ、私、この答申が出るに当たって総務省側にもかなり問合せをしているわけなんですけれども、例えば武力攻撃事態、今回の大規模感染等々とか、いわゆる個別法でかなりのことはこの指示関係についてはもう整備されているはずであると。それはそうだということなんですね。それでは、では、それでは足りないという、では何をこの法律というものは例えば念頭に置いてこの一般化というものを図られているわけですかというふうに聞いたところが、それは想定ができないようなことが起きたときにそれに対応するための法律なんですよという返事になるわけで、ここから先は禅問答になっちゃうんですね。それは何やと聞くと、いや、それはその想定し得ないことであるというようなことになっていまして。  そうすると、こちらとしても、何か一つや二つぐらい、こういったことが例えば現行法上はまだ穴になっていて、それは個別法ではなかなか救い切れないんですよというような説明があれば、ああ、なるほどというふうに考えることもスタート地点としてあるんですけれども、何を想定しているのかということが分からないという状況ですので、そうなると、その立法事実と言っては大変失礼になりますけれども、そこのニーズというものはどこからくる法律なのであろうかということがまずよく判然としないと。  そこからすると、こういった中でその法律をわざわざ一般法を作るとすると、そこには何がしかのその原則を改めるというような考え方の変化というものがあるのかもしれないと。まあ分かりませんが、これは来月法律が出てきますので、その法案の書きぶりにもよると思うんですけれども、そこには原則の変更というものは、話としては、もちろん総務省側としては、これは原則の変更は考えていない法律だと、極めて限定的なものであるというまた答えになってしまうわけなんですけれども、そうするとまた話は元に戻る。で、じゃ、それは何ですかという話になるわけでして。  そうなると、この法案のその真の狙いというか、目的というのはどういったことを想定しているのかとかがよく分からない中で進むと、そこはやはり原則が変わってしまうということになると、それはそこの心配ですねという話になるという、そこのところが非常に大きい部分として慎重な立場ということになっております。  以上であります。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ありがとうございます。  改正についてはしっかり国会でも議論してほしいということを牧原参考人からもお話がありましたけれども、これ、行使に当たってです。行使に当たってで、閣議決定を経て指示を行うことになるとされているようです。安倍政権以来、極めて重要な政策変更が閣議決定だけで次々と行われてきたことを考えますと、この点にも大きな不安があるとの声、そして議会軽視ではないかという批判の声、多く耳にしてきました。  政権の意向だけで国の指示権が行使されるようなことがあってはならないと考えておりますけれども、国が行使するとき閣議決定で経て行うという点について、この点について閣議決定だけで行うということについてよいとお考えでしょうか。牧原参考人に伺います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 究極の非平時で閣議決定ができるかという問題あると思いますけれども、しかし、恐らく今回はそういうことではなく、やはり閣議決定ができるような状態で指示権を行使するというふうにすべきだというのが地方制度調査会の意見ですので、それくらい、つまり東京あるいは閣議を行える場は穏やかな状態でそれが行使されるということなんだと思います。  この要件は、今、今回私どもで検討しました個別法でおおむね、このやっぱり閣議決定が前提となって個別法の指示権は規定されていますので、やはりこれは私も今回閣議決定という要件は必要だと思っております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 この点について、人羅参考人、いかがでしょうか。今の意見に、今の質問に対してですけれども、閣議決定で行うということに対しての意見を伺えますでしょうか。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) もし、それ個別法とやはり同じですので、もしそれが必要なことであるとするならば閣議決定で行うということは一つの筋道かなというふうに思いますが、先ほど来申し上げましたとおり、それは何を想定なさっているのかということについてよく分からないということなので、そこにはやはり大きな不安があるということで、皆さんからも、今度法案が国会に出てまいりますので、これは一体どういったことを例えば想定しているんですかということを十分質疑で御解明なさることを期待しております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 最後に、非平時には想定外のことが多くございます。感染症法の想定になかった新型コロナの初期対応しかり、能登半島地震は事前の対策に限界があったと思いますし、これから起こり得る直下型、首都直下型地震、南海トラフも、想定しても想定外のことが起こり得ります。これに対して、想定そのものが甘かったという反省の下、その甘い想定そのものを改めることが第一だと思います。  この点について牛山参考人に伺います。  ざるの目が大きいままで国の指示権を拡大しても問題の根本的解決にはならないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  おっしゃられましたように、これから今後も大規模な災害あるいは場合によってはまたパンデミックとか、様々な事態あるいは緊急事態に該当するようなことが起こってくるかと思います。  そういった中で、やはり私も、先ほど人羅参考人がおっしゃられたように、この非平時という考え方が非常に分かりにくいと思うんですね。つまり、本来であれば緊急事態というふうなことについて法制度整備などをしていくというのが筋だろうというふうに思っておりますので、その際に、この非平時というのがその事態とは何が違うのか、また、どういう事態に対してどんな対応を取るのかというのは明確でない。そういう意味では、何ですかね、先ほども御指摘がありましたが、最大のこの一般法である地方自治法の改正が何を目指しているものなのかというのがもう少し明らかになる必要があるというふうに考えております。

三上えり立憲民主・社民

○三上えり君 ありがとうございました。  以上です。

竹内真二公明党

○竹内真二君 公明党の竹内真二です。  三人の参考人の皆様には、お忙しい中を御出席をいただき、誠にありがとうございます。  三人の参考人のお話を聞いていて、やはり国と地方の役割分担といったときに、この地方の自治体の果たす役割というのは、私なりに考えますと、住民と直接やはり接しているその自治体というものが、直接住民の幸せというものに直結している、そういう役割を担っている、それが力を発揮されるようにということで、今こうした様々な国なりの取組というのはどうあるべきかということも、分権とか地方創生ということも議論されてきたと私なりには理解をしております。  その意味では、今、人口減少、少子高齢化、あるいは住民ニーズの多様化といったような様々な時代の大きな流れの中で、この地方自治体というものをいかに維持していくのか、できる限り力を弱めないで逆に力を発揮していただくような形で取り組んでいただくのか、それを国もしっかり支援していく、これが私は重要だと思いますので、そうした観点から質問をさせていただきます。  最初に牛山参考人にお聞きしますけれども、まず、国と地方の役割分担ということでは、本委員会におきましても、法律等で定められております地方の自治体の行政計画の策定という問題についても非常に議論がなされてきて、これは非常に特に規模の小さい自治体にとっては負担が重い、もう計画を策定したことによってもう本当にマンパワーが取られてしまうといったこともありまして、改善がされてまいりました。その点については参考人はどのように評価されていますでしょうか。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  私も、自治体の様々な計画策定に今も関わらせていただいて勉強させていただいているところでございますが、確かに最近、学会等や研究者の間でも、この自治体計画の策定が非常に大きな負担になっていて、まあ義務化されているといいましょうか、義務化されている計画がたくさんありますので、この計画策定で疲弊してしまうというようなところは確かにあるのかなというふうに思っております。  ただ一方で、そのことは間違いではないのかもしれませんけれども、やはり自治体が自らの将来について様々な行政分野で計画を策定していくことの重要性は非常に重要であると思っておりますし、そういった見通しなく行政運営をするということは、私はやっぱりこれはあり得ないことだというふうに思っております。  その意味では、その自治体が計画策定に当たっても様々な工夫、例えば地域の住民の皆さんの中にもたくさん専門家はいらっしゃるでしょうし、また、私どものような大学等との連携等も含めて進めているところでございますし、そういった形で、自治体側にもそういった計画策定への工夫といいましょうか、積極的な努力が必要であるというふうに考えているところでございます。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございます。  続いて、牧原参考人に御質問いたします。  今、参考人の方から、資料の(2)の人口減を迎えた地方自治というところで、自治体のやはりデジタル化による効率的な業務ということと、そして極端な話、半数の職員でも可能であるというような時代を想定するようなお話もありましたけれども、そしてその上で地域の尊厳を保っていく、これ非常に私も大事な視点だと思います。  ただ、私も現場を見ていて、特に割と自然豊かな自治体等では、ぽつんと一軒家ではないんですけれども、本当に、農道をずうっと走っていって、最後森の中の一本道を抜けた先に四、五世帯の集落がある、そういうところの住民たちをいかに守っていくか。ただ、いざとなったときに、やはりいろんな不測の事態が起きたときにはやはり行政コストというものは非常にこれは掛かることがありまして、理想としては最後まで地域の尊厳というものを守っていくことが重要なわけですけれども、そのコストとの兼ね合いというのは常に自治体経営の中では課題となっていくと思うんですけれども、この点については参考人はどのようにお考えでしょうか。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) やはり行政コスト、非常にそういう場合掛かるわけです。ただ、問題は、その集落が全く人口増がないのかとか、そういうことはやはりまずその集落のコミュニティーでやはり未来像をどうするかということを考えなきゃいけないわけですよね。しかし、おおむねそういう比較的遠隔地の集落は高齢化が進んでいて、なかなか自分たちでいろいろ考えることが難しい状況があるのも私も聞いております。  ですので、そういう場合こそ、自治体職員が、地域担当職員のような方がそこに入って、ではどうするのかということを議論しながら、行政コストをどこまで掛けられるのか、その場合、例えばある程度は自分たちで、行政コストが掛からない分、自分たちの集落で一定のインフラなりなんなりはやっぱり自活してやるのかやれないのかということをやっぱり議論していく場が必要なんだと思います。  そういった、その地域のことをある程度、何というか、おもんばかる、そういう自治体職員がいるためにもデジタル化が不可欠であって、デジタル化によってできるだけその町内での業務コストを、業務量を減らしていくということが必要だというふうに考えています。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございます。  次に、人羅参考人にお伺いをいたします。  今やはり私が地方自治体で大事だと思っていますのは、そうした取組をやはり住民がきちんと知っていくということが大事だと思うんですが、なかなか住民の側も、今地域では自治体がどういう活動をされているか、又は地方議会がどんな活動をされているかということはなかなか知る機会がない面もあります。  参考人にお聞きしたいのは、今やはり特に活字メディア、新聞離れ等も加速されている中で、記者の数も減っているんですが、しかし、こうした時代だからこそ、私は、そうした地域の課題を深掘りしていくような活字メディアというものがしっかりと地域で活躍していく、そういうことが大事だと思うんですけれども、地方議会、長く取材もされてきた参考人に、こうしたメディアと地方自治体あるいは地方議会といった、その報道の在り方みたいなものとか関係みたいなものについてどのようにお考えか、見解をお聞きしたいと思います。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) ありがとうございます。  なかなかお耳の痛い質問でして、なかなか、特に町村のお話とかを、それをメディアがどこまで紹介できるのかというと、現実的にはカバーし切れないというような実態があるのは現実だと思います。  そういう中で、まず、自治体の側として、地方議会の側として、ペーパーメディアというのはやはり、まあもちろんデジタルというものは大事ですけれども、やはり実際にペーパーメディアを必要とする人は非常に多いので、小まめに工夫をして発信をしていくということは非常に重要なことだというふうに考えております。  地方議会でも非常に、いわゆる議会便りですか、ああいったもので工夫をしているというような事例が、例えば埼玉県の寄居町とかですね、そういったところの議会便りを見ると、おお、ここまで工夫しているのかというのがございますので、そこのペーパーメディアの工夫の余地というものは更にあるというふうに考えております。  あともう一つ、メディアもいろんなメディアがありまして、全国紙もあれば、地方紙もありますし、ミニコミ紙もありますし、様々でありますけれども、全国紙の場合としては、やはりこのお話というものはどういった普遍性があるのかといったところに注目して記事の取捨ということを行っていくという面がございますので、ただ、そういった面ではやっぱり、まあここはもう体力になりますので、そういった話をできるだけ目配りをしていくということは常に心掛けなければいけないというふうに考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございます。  次に、牛山参考人と人羅参考人にそれぞれお伺いしたいんですが、やはり今地方自治体というのは首長と議会の議員との二元代表制になっているわけですけれども、この地方議員のなり手というものが今大変に深刻な問題になっておりまして、昨年の統一地方選挙を見ても、無投票あるいは定員割れといった自治体も少なくありませんでした。  そういう意味では深刻な事態に直面していると言ってもいいと思いますけれども、こうした今の地方議員をめぐるこのなり手不足などの課題について、両参考人にそれぞれ順番に、今どのような現状というふうに御覧になっていて、また改善の手だて等があるのかどうか、お聞きしたいと思います。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  ただいま御指摘のなり手不足につきましては、無投票当選でありますとか、あるいは定数割れ等々がとりわけ小規模自治体で深刻になっているかというふうに思います。  やはり、もちろん活性化を目指して様々な取組を国も法令改正等を含めて議論されてきましたし、また自治体でも様々な手を打っているところでございますが、ただ、なかなかなり手が出てこないというふうなところは深刻な課題になっているかと思います。  その意味では、私はやはり、だからといって自治体議会の意義を小さくするのではなくて、やはりむしろその地域の行政に対して住民の皆さんが関心を持っていただけるような、そういう議会運営にしていく必要があるということで、議会活性化等にも議論に参加させていただいているところでございます。  その際にやはり非常に大きな問題は、やっぱり若者とか、それから、まあ女性に限りませんが、ジェンダーフリーとか、この多様性の問題というのが非常にネックになっているのかなというのを感じているところでございます。  やはりこれは本当に地方自治の課題でもありますけれども、例えば女性議員の割合というのはかなり増えてきている、まあ増えてきているといっても先進国の中では低い方ですけれども、一方で、これはほかの研究者も指摘しているところでございますが、例えば自治会長でありますとか、あるいは防災関係の審議会等々でも、非常に女性割合が低いとか、年齢も偏っていると。  こういう状況が議会も当然影響しておりますし、意思決定になかなか参画できないような状況の中で議会だけが変わっていくということもこれはあり得ませんので、そういった意味で、地域におけるそういった様々な意思決定におけるその住民の多様な参加といったものとセットで考えていくべきではないかと最近思っているところでございます。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) ありがとうございます。  御指摘のとおり、町村議会を中心になり手不足が深刻化しておりまして、まずまず大事なのは、町村議会において無投票になってしまったら、これは市議会もそうですけれども、その無投票はまずいということをきちんとまず認識していただくというのがスタート地点かというふうに思っております。  というのも、無投票になると選挙しなくて済みますので、まあ、いいことだとは言わないけれども、内心楽だったねということもなきにしもあらずなので、まずはその無投票なのは非常にまずいことが起きてしまったということの認識を共有して、それが起きてしまいそう、起きてしまうということになったら何か手を打つと、何か反省するというところが重要なスタート地点になると思います。  先ほど牛山先生がおっしゃいましたように、議会の定数を減らしていくというのは物事のまあ縮小再生産ですので、必ずしも本質的な解決にはならないということだと思います。  あと、町村議会の議員報酬が平均月額二十二万円という、ほかの都道府県議とか市議さんからすると驚くべき低水準であるということも、まだ同じ一口に地方議員といってもこの報酬水準に非常な格差があるということも知悉しておかないと、この二十二万円というのはもうほとんど専業を前提にしていないような水準かと私は受け止めていますので、そういった面もやはりもうきちんと議論していく必要があるのではないかというふうに思います。  あともう一つは、先ほども話ありました女性の参加、ここのルートを太くしていくということはこれからの地方議会にとってはもう死活的に重要なことだというふうに考えております。

竹内真二公明党

○竹内真二君 ありがとうございました。  それでは、時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございます。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の柳ヶ瀬裕文でございます。  今日は、お三方ともありがとうございました。大変興味深く聞かせていただきました。  端的に質問をしてまいりたいというふうに思いますけれども、まず牛山参考人にお伺いしたいんですけれども、この国と地方の役割分担の必要性、明確化の必要性ということで、これは誰もがこれ明確化すべきだというふうに考えていると思うんですけれども、私は、その中でも、今自治体が維持できるのかどうなのかと。  今、何名かの委員からもお話があったとおり、自治体はもうかなり厳しい状況に置かれているという認識を持っています。人口減、多様化する行政ニーズ、これに応えていかなければいけないけれども、それを担う行政の方は財政が非常に厳しいと、担い手不足もあるということで、それをDX化だけで乗り越えるのはかなり難しいんではないかというふうに私は思っている中で、もう一度、最適なこの基礎自治体の在り方、サイズ感、この議論をするべきなんではないかというふうに考えています。  例えば、これ東京都であれば、基礎自治体の青ケ島は百六十八名、人口百六十八名ですね。先生に基本構想審議会でつくっていただいた大田区に関しては七十二万人の人口がいると。隣の政令市である横浜市は約三百七十万人ということで、サイズ感全然違うけれども同じ基礎自治体になっているということでありまして、このサイズ感をもう一度検討して、そして市町村合併、自治体の再編、こういったものが必要なんではないかというふうに考えているわけでありますけれども、この点については、先生、いかがでしょうか。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  御指摘のように、自治体行政が非常に厳しい現状にあるというのはこれはおっしゃるとおりで、財政的にも、また人材等々の面でも、今後考えていかなければならないことかというふうに思っております。  その一方で、御指摘のその最適な自治体の規模といったものについて議論することは大変有意義であるというふうには思いますけれども、ただ、日本の、やはり先ほど青ケ島のお話が出ましたけれども、やはり島嶼の極めて困難な状況にある中で、そこの合併がどうなのかとか、あるいは、本当に、私は長野県の出身なんですけれども、この山と川と盆地等々で隔てられた中で、そういった自治体、大分平成の大合併で合併が進んできたとはいいながら、やはりなお合併困難であるというふうな地域も存在するところであります。  そういったところが、例えば役所がなくなることで一層の人口減少を招くといった課題でありますとか、そういったことも含めて考えながら、自治体の再編成問題については慎重に議論していくというふうなことになるかと思います。  また、その一方で、これは非常に逆説的なことになりますが、例えば、東京とか神奈川、埼玉、千葉、そういったところの比較的、何というんですか、平たんで、合併がすれば効果が出るのかなというふうなところについては、逆に財政がそれほど深刻ではまだないので、まだですが、まだないのでなかなか合併に至らないと。そういった問題をどんなふうに考えていくかといった整理も必要かというふうに思っております。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございます。  これ、慎重に議論が必要だということはアグリーではありますけれども、同時に、かなり自治体の行政は傷んでいて待ったなしの状態であるという中で、やっぱりドラスチックな構造改革をしていかなければいけないということもまた事実であろうというふうに思いますので、この点はしっかりと議論をしていきたいというふうに思います。  続きまして、牧原参考人にお伺いしたいと思いますけれども、先ほどからお話にも出ていましたけれども、地域の尊厳を保つことということで、これは本当に重要な考え方だなということで心に刻ませていただいたところでありますけれども、先ほど竹内さんの方からもお話があったとおり、これは多分、能登半島沖地震をめぐる議論の中で、集約化がこの機に必要なんではないかというような議論が今巻き起こっている、このことを念頭におっしゃったんだろうというふうにも思うわけでありますけれども、これ、元のとおり復元をするべきなんだということは多分前提としてありながら、同時に、やっぱり集約化も必要なんではないかということのこの対立が今国内では議論として巻き起こっているわけでありますが、先ほど先生がお話の中で、もっとコストの掛からない自活のようなシステムをその限界集落のようなところは取っていかなければいけないということをおっしゃったと私は認識したわけですが、ただ、その担い手はかなり厳しいんではないかなというふうに思うわけであります。  これ、都市部の、私、大田区に住んでいますけれども、大田区の自治会、町会ですら担い手がいないと、町会の役員の担い手がいないという中で、限界集落のようなところでそういったことが可能なのかどうかというのは疑義があるところでありますけれども、その点について、どのような復興の在り方、どのような集約化に政策誘導することの是非も含めて、どのようにお考えなのか、聞かせていただければと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 私は、東日本大震災のときは仙台におりましたので、東北地方のいろいろな復興を見ました。おっしゃるように、当時も、どれだけやはり津波で被害を受けた地域を復興するときに集約するかということでやはり問題になり、いろいろな手続の中でそれを進めていったわけですが、やはり当時見ていても、非常に市町村の首長さんや職員の方々が、地域コミュニティーの人と、もうかなり厳しい批判も浴びたりしながら、その集約をどうするか、あるいは移転をどうするかということを進めていったことを非常に覚えております。  ですので、支援は非常に重要ですけれども、やはりまずどういう意思をその地域が地域として集約できるかということがあり、その意思がどれだけ、どれだけその意思を尊重するために公助が、公助の支援ができるかという、その二つを兼ね合わせながらやはり復興は進んでいくと思いますので、全てがその住民の意思どおり通るということでは必ずしもやはりない。東日本大震災でもそうではないわけですね。  ただ、そこ、何がどういうふうな方向に行きたいかということをなかなか決めにくい、そういう集落に対して、やはりこれは行政が、先ほども言いましたけど、アドバイスをしたりしながら考えていく必要がある、その行政の担当者はその地域の情報がよく分かっている人がやはり望ましいということになるんだと思います。そういう意味で、やはりこの共助の在り方が問われているんじゃないでしょうか。  東日本大震災のときに私が非常に感じ入ったことは、そのいろいろアーカイブを作っていくわけですけど、自助と公助のアーカイブというのは比較的そういう資料は作りやすい、だけど、何が共助かということを考えていくと、共助のいろいろなドキュメントとか資料というのはなかなか残せないし、それが共助だと認めにくいという話を聞きました。  ただ、実はやはりここが一番ポイントでありまして、特に今のような限界集落についてどう議論するかということは、やはりその共助の問題だと思います。外部から、コストが高い、掛かるから移転すればいいというようなことではないだろうと。しかし、そこでなかなか維持しにくいこともあるだろうということも、まあ地域によってはあると思います。しかし、それをもし維持するのであれば、やはりこれは自治の力というのはどうしても必要なので、その自治の力をしっかり持っていただくしかない。ただ、それを自分たちだけでやるのか、例えばNPOとか外からいろいろなそのサポートがないのか、先ほど人羅参考人のおっしゃった関係人口ですけど、そういうものを呼び込んで頑張っているところもあるわけですよね。ですので、ここは難しいんですけど、限界集落に見えても非常に頑張れるところもあれば難しいところもあるということだと思います。  そして最後に、やはり今回、能登半島沖地震でいろいろ言われている、その高齢化率が四〇%、五〇%になった場合どうかということは、実は、ただ、東日本大震災のときはまだ余りそこまで議論になっていなかったんですね。これから、まあ人口減と言いましたけれども、十年以上掛かって、地域でそういうところが、つまり人口、高齢化率がぐっと上がる地域が増えてそういう集落が増えてくると思います。これに対してどういう支援ができるか、復興の道を描けるかというのは、実は必ずしもこれまで経験したことがないことで、今回、能登半島沖地震でも問われていると思いますし、今後起こるであろう大災害において、そういうその高齢化率が非常に高いコミュニティーをどうするかということ、これは恐らく大きな政策課題になると思います。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。非常に分かりやすくお話をさせていただいてありがとうございます。  やっぱり今の共助が大事なんだというお話で、それはもう完全にアグリーなんですけれども、じゃ、この共助の在り方を考えていく上で、これはひとつやっぱりマインドの問題もあるのかなというふうに思うわけですけど、共助のマインドというのは下がっているというふうに先生はお思いですかね。と同時に、その共助のこの力を高めていくために今何が必要なのか、この点についてはいかがでしょうか。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) いろいろな場合があると思いますが、共助と言いにくい、そういう雰囲気がある場合もあるんだとは思います。共助が当たり前なかなり密なコミュニティーなので、それは、共助といっても、そんなこと言わなくてもという地域もあるでしょうし、実際に大きな被害があった地域は、まあ津波てんでんこと言いますけど、必ずしも共助だけでは助からない、助かる人は助かる人なりに助かった場合もある、それを後から共助とか自助とやっぱり言われたくない、そういう状況もあるように思うんですね。これは複雑です。  ただ、実際、ある程度、地震なり、まあこれは豪雨でもいいんですけど、災害のその衝撃が収まって復旧復興となったときは、ここは共助だと思うんです。その共助であるときに、その個々の集落とか地域の事情を、外部の、特にその支援をしなきゃいけない、まあ公助だったりするわけですけど、そこの人たちがどれくらい分かっているかということがやはり問われているなと思います。  ある市町村を全体として分かっているということと、その市町村の個々のコミュニティーがどうか、どう分かっているかということはまた別の次元で、もう先生方は十分選挙区でよく御存じだと思いますけれども、実際起こったときに、割とその市町村単位って大きく、地区単位で大きく把握することがありますけど、やはり本当に小さなコミュニティー単位でどうなっているかということを、本当はそういう解像度で理解する必要があるんだと思うんですね。  三十二次地方制度調査会で、地域の未来予測というのを考えるべきじゃないかということを提案しました。これもかなり、そういう小さなコミュニティーといいますか、地区ごとに未来予測を立てて、それを自治体全体で拡大できるんじゃないかというような議論もしたんですけれども、やはり、そういう個々のコミュニティーがこれからどうなっていくか、その上で自治体としてどうなっていくかという、そういうようなきめの細かく層を深掘りしながら地域のことを考えていくという、そういうことの中で共助というのは私は育まれるのではないかと思っているので、そういうその地域の、その深掘りした地域の在り方として自治体を見た上で共助を考えるということがこれからは必要になっていくと思います。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。  続いて質問させていただきたいと思います。  人羅参考人にお伺いしたいと思いますけれども、先ほど様々な話を聞かせていただきましたが、その中で、分権が進んでこなかった、これは分権の恩恵を地方は感じることがなかったというお話があったんですけれども、同時に道州制のお話もいただきました。  私たち、これ、道州制を推進してきたわけですけれども、やっぱりこれもいつの間にか下火になっていったということでありますが、この道州制の必要性であるとか、これを前に進めていくための世論喚起、メディアにいらっしゃるということですので、これはどういった喚起の方法が適切なのかと。つまり、どういう世論が盛り上がってくれば道州制をやっていこうというようなことになるのか、そのプロセスについてはどのようにお考えなのか、この点についてはいかがでしょうか。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) ありがとうございます。  道州制についてなんですけれども、これは社を離れた個人的な見解なんですけれども、私もあの小泉内閣当時は道州制の方がいいんじゃないかというふうに実は考えていたんです。先ほど申し上げましたとおり、もう少し分権を強力に進めて、その先にやっぱり、一時、あの地制調の答申も限りなく連邦制に近い道州制というものをひな形に答申まで出したぐらいですから、そういった流れがあったのは事実だと思いますが、現段階において、これが可能か、さらにするべきかという話になると、やはり私、個人的にはかなり難しくなっているんじゃないかなという印象を持っております。  というのは、やはり市町村の今機能がだんだんだんだん、先ほど来言われましたように、維持というものが問題になっていく中で、やはり道州がそこに関与するのか、都道府県が関与するのかということを考えると、やはり都道府県というものの役割は残るんじゃないかなというイメージがありまして、そうすると、都道府県、四層制みたいに、市町村の上に都道府県があって、その上にまた道州があって、その上にまた国があってみたいな、何かそういうような感じになってしまわないかなということを考えると、やはり都道府県というのは、やはり昔の日本の旧国からそもそも起こっていますけれども、かなりここは強いものがある。  その中で、その道州制というところまでは行かなくても、ただ、さっき申し上げましたとおり、とはいっても、やはり何かブロックで考えないとなかなか運びにくいし不適切なこともあると思いますので、そういったことの枠組みというものをどう議論していくかというところは、そこは少し道州制と切り離して考えた方が現実的でないのかなというのが、これは今の私の個人的な感想であります。

柳ヶ瀬裕文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○柳ヶ瀬裕文君 ありがとうございました。  時間が参りましたので、これで終わります。ありがとうございました。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典と申します。  三人の参考人の皆様には、大変勉強になる御意見を頂戴しまして、ありがとうございました。  私の方から、まず牛山参考人と牧原参考人の御意見をお伺いしたいと思います。  自治体の窓口業務のことについてなんですが、さきの能登地震のときのいわゆる自治体窓口の対応について、私自身も発災から一週間後には金沢までは参りまして、できるだけ近くに行って地域の方々の御意見を聞かせていただいて、実態を、ヒアリングを行うという意味で金沢までは行かせていただきまして、そこで様々な事象についての聞き取りを行ったのですが、やはり窓口で、当然その行政の窓口の皆さんも被災をされて大変な状況の中で地域の復旧に向けて御尽力されているということですから、やむを得ないことだというのは分かってはいるんですが、一方で、やはり市民の皆様から、住民の皆様からの相談が自治体の窓口でたらい回しにされる状況というのが少なからず生じました。  指摘をさせていただいたり、いろいろと相談をすることで一つ一つ問題に対応を図るということをやってきたわけでありますが、地方自治体のその役割というのは地方自治法で明確に規定されている一方で、国や県の仕事は法令で決まっているために市区町村の窓口でグレーゾーンの反応がどうしてもやっぱりできずに往々にしてたらい回しが生じると、こういうことでありまして、いわゆる地方分権や国と地方の役割ということを踏まえた上で、こうした問題に対して問題の解決のためにどのような対応をすべきかということ、ちょっと漠然とした質問で恐縮なんですが、牛山参考人と牧原参考人の御所見をお伺いいたします。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  確かに、自治体の窓口業務というのはその対応する職員の能力とかあるいは習熟度等々によっても左右されますし、また、御承知のように、自治体も大分職員の数が減らされている等々で嘱託職員等の窓口対応も増えておりますし、それがさらに災害時になりますと非常に厳しくなるというふうなことではないかと思います。  その点では、先ほど私の方では自治体の広域連携の話も少しだけ触れさせていただきましたが、やはり東日本大震災のときでも、各地ヒアリングやいろんな状況を伺わせていただくと、やはりこの市町村の支援ですね、やはり窓口業務に慣れているという意味では市町村職員がどれだけ応援に入れるかとか、そういったことが一つ大きな課題になっているということと、その際に、訓練ですね、他自治体で窓口やるわけですから、その際に住民との関係などについてはやはりハードルがあって、その点、地元自治体の皆さんとの連携といいますか、方法についての検討等々が重要になるかと思います。  あと、これは自治体のことというわけではないですけれども、総務省では全国各地に行政相談委員という方を配置しておられまして、こういったその行政相談委員の方々が、民間の方ではありながらも、総務省、総務大臣まで意見を一応伝えられるということで国の行政相談等々受けているわけですが、自治体の実態見ますと、かなりそういう皆さんがほとんど自治体の相談を受けているというふうな現状もあって、東日本大震災のときにはそういう行政相談委員の方が地域に出向いて自治体との懸け橋もするといったようなこともありました。  また、これはたしか甲府市などがそうされておられると思いますが、国の行政相談委員に自治体の行政相談委員というのを独自に設けまして、併任辞令のようなものを出して、自治体のことも相談に乗るというような形で民間の自治体窓口相談みたいなことをされているところもあって、まさに国と自治体、役割分担はあるんですけれども、協力し合うというふうなところでそういった制度も生かされていくんじゃないかなと、これから生かされていけばいいなというふうに思っているところでございます。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 窓口業務、日本の窓口業務はかなり国際的に見ても非常にスムーズに行うようにできているのではないかと私は考えています。  ただ、そのルーティンが非常にスムーズなんですけれども、ルーティン外のことを、それこそ指示といいますか、そういう要請が来るとなかなかすぐには対応できないのが一般で、ですから、コロナの給付金でもワクチンでもやはりそうで、見てますと、やはり二か月ぐらいで大体のところで七割か八割ぐらいのところがスムーズに手続を対応できるようになっていくということが一般、平時でそうなんだと思います。  ですので、こういう大きな地震があって役所も随分壊れたり資料が散逸、行政文書が散逸したりするようなこともありかねない中での業務となると、なかなか一か月、二か月ではまだまだ難しいのかなというのは思います。その場合、応援職員も必要ですけど、やはり私は、もう少し通常業務のように動くまではやっぱり待つということも大事なんですね。  ただ、住民の方々が非常に不安を抱える中で、何とかしてほしいと思って窓口に行くとそれは難しいということは、これは、ただ私は、発災当初の一か月か二か月は致し方ないというのは私の東日本大震災の経験でも思うところです。ただ、それでもやはりデジタル化で窓口業務の幾つかでももっとスムーズにやることがふだんからできていたとして、それで対応できるものがあって、そうじゃなくてやはり役所に行かなきゃ駄目だというところの仕切りはまだまだ付けられると思うんですね。  ですので、できる限り、電気がなかなか通じなかったり通信が途絶すると非平時は難しいですけれども、やはり平時において今後窓口業務のやはりデジタル化を進めていくということは重要で、それによって窓口業務の効率化というのはもっともっと図れると思いますから、それを進めながら、今度は、そういう窓口業務がデジタル化したときに被災したら今度はどうなるかという次の段階に、ステップに向けて動いていくということを今から特に被災していない平時の自治体で進めていくことは必要かと思います。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  牧原参考人にもう一つ御質問なんですけれども、窓口、つまりグレーゾーンの部分の判断が窓口でできなくてたらい回しになってしまっているということなのであれば、単純に考えれば、そのグレーゾーンをいかに少なくするのか、消していくのかという作業を平時にきちんと整理をしておくということが発災時や何か重大な事態が生じたときの速やかな対応につながるというふうにも思うんですけれども、災害という意味でいえば、防災計画をしっかり立てて、行政の役割というものを明確化してというようなことをやるということなんだろうと思うんですけど、そういった取組を進めていく上で、先生は今回の能登の地震を見てどういったことに今後対応すべきとお感じになられたか、お教えください。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) なかなかまだちょっと私もつかめていないところがあるので、具体的にはちょっと申し上げられないところがあります。  特に被災が激しいところはちょっと再構築に時間が掛かるとしても、まだまだ、まだ被災が比較的深刻度がやや軽いところで、特に市役所、役所の庁舎が被災していないところでは、やはりここはもう少し庁内で、やはりそれこそ首長のリーダーシップを発揮しながら処理するということはできると思うんですね。  ですので、ただ、先ほどデジタル化と言いましたけど、デジタル化というのは結局グレーゾーンをできるだけなくすための業務改革をするということでもありますので、やっぱりそういう、ふだんから、それも発災以前から改革をできるだけそういうところで進めていくということでグレーゾーンの幅を減らしていくことは必要だと思いますが、ただ、逆に今度は震災、地震だからこそグレーゾーンが増えるという面もあると思いますので、これに関してはちょっとなかなか事前の準備は難しいと思うんですよね。  その場合、例えばたらい回しにしないでどこかで取り置いて処理して後で連絡するとか、もう少し住民の負担を軽減するようなやり方もできるかもしれませんから、その辺りも含めて、また別のところで、その被災地と別のところでやり方というものを考えていくということが望ましいんじゃないでしょうか。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  恐らく、過去の被災、災害の経験をしっかりとデータ化して、同じ事象が生じたときには対応できるような、そういう準備というのをもっと丁寧に行うべきなんだろうなと私自身も感じております。  時間の関係がありますので、人羅参考人に御質問させていただきたいと思います。  先ほど、関係人口について御質問もありましたが、お話をなさっていました。穏やかにその地域の持続性を高めるための取組と捉えたときに、この関係人口という考え方いいなと前向きに私も受け止めながら論文を読ませていただいたんですけれど。  この定住でも交流でもない関係人口を増加させるということの取組のその先に地域社会をどのように構想していくのかというところが、具体的な姿が私にちょっとまだ見えていないところがあるので、このままの状況でいくと、過疎化が進んでいる地域ににぎわいを維持をするための取組ということであって、その先、持続可能なその地域、地方自治体というものをどこまで維持していくのかというところのその線引きが正直私にはちょっとイメージできないもんですから。  この参考人が考えていらっしゃるところの、この関係人口というものを増加させる取組の先に地域社会をどのように構想するべきなのかということについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) ありがとうございます。  恐らくこの関係人口というのは、その自治体を、そこに住む住民だけじゃなく、何というか、静的なものだけじゃなくて、静かな、静的なものだけじゃなくて、動的に考えようということだと思うんですね。人が行き来して交流していく中でそれで自治体を見ようという、かなりこれまでの考え方とは違う意味合いを持っている考え方だというふうには思います。  先ほども話がどなたかありましたけれども、私自身も、だからといって余り関係人口だけに特化して考えていくと、じゃ、関係人口が増えればいいのかという話になってしまいますので、恐らくそこは移住ということの努力というものを無視しないということが前提で、ここはやはり、自治体の持続ということを考えると、やはり実際のリアル定住者の確保ということは無視してはいけないと思います。  先ほど、人口が減る減ると言い過ぎじゃないかという御指摘もありましたけれども、確かに、これマクロの話でして、ミクロの点で見ると、一つの集落なりに三人人が増えただけで大変な話なわけですよ、もうその動きとしては。地域によってそこに五人人が増えるだけでとても意味があるわけでして、そういう、何というんですかね、ミクロの意味で人が増えることの効果というのは非常に大きいので、そこのことも踏まえながら、じゃ、その関係人口とそれをどう組み合わせていくのかということで、それはやはり両輪で考えていかなきゃならないことかなというイメージを持っています。  ちょっとお答えになったかどうか分かりませんが。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございます。  人口動態という意味でいけば、これまでのトレンドを見ている限りは、減る減ると言い過ぎるのがどうかということとは別に、現実問題として減っているわけでありますので、適正な日本の国土における人口が一体どのぐらいのところまでがキャパシティーなのかということ、同時に、人が増えることでの拡大成長ということだけでなくて、人口減少下でどう生産性を向上させるのかといったようなことも併せてやっぱり考えなければいけない話だと思いますので、じっくりとこの辺りのところは議論をしなければいけない課題として捉えさせていただきたいと思います。  時間がありますのでこれで最後にしたいと思いますが、牛山参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。  人口のダムについて論文の中で言及をされていまして、自治体の新しい連携方策の一つとして、人口のダムとしての定住自立圏を提唱されていらっしゃる。  そもそもその一極化、一極集中化している理由が何なのかということを考えたときに、企業がある、働く場所があるということで、職住が接近しているということがやはり人口が増加をするということの一つの大きなきっかけになるのは、最近でいえば熊本のTSMCの一連の動きを見ていればはっきり分かることなんですけれども、中心市の利便性を高めるということと同時に、むしろそれ以上に、働く場所、企業の誘致といったようなことがもっと積極的に行われるべきではないのかと。  TSMCに関しては国が数兆円のお金を掛けて誘致をしてきたということを考えたときに、国内企業をもっと地方に誘致をする、分散をさせるということの取組を行うことが、人口減少というか、町のにぎわいを復活させることに直結するんじゃないのかと考えたんですが、手短にで結構ですので御所見をお伺いします。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  定住自立圏、連携中枢都市圏、新しい試みとして国の方でも進めておられるということだと思いますけれども、ここの事前資料にはちょっとお示ししていなくて恐縮なんですけれども、別な論文で、定住自立圏とそれから連携中枢都市圏が人口のダムになっているかどうかというのを少しデータで整理したものがございまして、連携中枢都市圏については、その段階ではまだ制度発足から時間がたっていなかったので明らかなことは言えないんですけれども、定住自立圏については、残念ながら人口のダムには余りなっていないというふうなところがございます。国におかれましては、こういったことによって人口の東京圏あるいは大阪圏や大都市圏への流入を防ごうということなんですけれども、なかなかそうなっていない現状があるということが分かりました。  そういった意味では、本当に地方の中核的な都市をどうやって発展させ、維持させるのかということや、そこに産業集積等々をどうしていくかというのは喫緊の課題になっているのかなというふうに思いますし、あと、一つやっぱり定住自立圏や連携中枢都市圏の自治体で聞くのは、やはり周辺市町村というふうに規定された自治体の衰退ですね、こういったものがやはり議論、課題となっていると同時に、やはりそれまで周辺市町村と規定された自治体の議会等で議論できたことができなくなってしまって、ちょっと自分たちの役割どうなのかなということを市町村の議員の方から伺うこともあって、課題は多々あるかと思いますけれども、御指摘のように、やはり地方における産業集積でありますとか企業誘致を含めた様々な活性化方策というのを今度圏域で考えていくということは非常に重要ではないかと思っております。

川合孝典国民民主党・新緑風会

○川合孝典君 ありがとうございました。終わります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  今日は、三人の参考人の皆さん、本当にありがとうございます。  初めに、牛山参考人、人羅参考人にお伺いしたいと思います。  地方分権改革から三十年になるわけですけれども、国と地方が対等と言える関係になったのかどうかということは非常に疑問を感じております。改めて、辺野古の新基地建設に埋立工事が代執行されるというような状況を見ておりますと、地方自治の侵害ではないかと私も本当にそう思うわけです。  そういう状況、関係性の下で、新たに指示権が導入されるということに対してのリスクですね、改めてお伺いしたいと思います。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) 御質問ありがとうございます。  私は、先ほどから申し上げておりますように、指示権については慎重に審議すべき、議論すべき内容だというふうに考えております。  国と地方が対等になったのかというふうなまず大きな御質問でありますけれども、確かに国と地方が実際、現実の場面で、例えばこの間のパンデミックの問題でありますとか、あるいはマイナンバーカードの交付の問題でありますとか、にわかには対等とは言えないというふうに見える事象が多々あるのかなというふうに思っておりますし、自治体の現場でも、最近は国からの様々な要請等に基づく仕事ばかりが増えているというふうな感想も聞くところでございます。  ただ一方で、例えばこの間様々な国と地方の係争処理等もあり、まさに今のお話のように、沖縄県のように不本意な結果に終わった場合もありますし、また一方で、やはり国にとっても不本意に終わった国、地方の係争処理というのもあるかと思うんですね。  その点でいうと、私は、これまでですけれども、ここで指示権が入ることによってこれが大きく変わるのかどうかというのが非常に大きな問題だと思っておりますが、これまでは、法的には、そういった国と自治体の関係を法的なもの、そして対等なものとする努力というのは、国会におかれましても内閣におかれましても進めてこられたのではないかなというふうに思っているところであります。  ただ、それが、繰り返しますが、この指示権の導入によってどのように変わるのかというのは懸念するところでございます。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) ありがとうございます。  国と地方の対等関係については、では、それが現実にそうなったのかというと、まあそれはそうあるべきだと思いますが、現実的にはなかなか対立する場面とかがあって難しいところがあるというのが現実だと思います。  先ほど私、分権改革について結構ネガティブなところを話した感じになっていると思うんですけれども、実際のところは、とはいっても、意識の点では、例えば都市計画とか、そういった点でかなりの分権というのが進んで変化があるということは、これは申し添えておきたいと思います。  先ほど来の指示の関係については申し上げたとおりでして、個別法等において指示ということが行われることについては必ずしも否定するものではありません。例えば、先ほどの、先般の能登半島地震におきましても、消防庁長官は地震発生後速やかに関係消防に、何ですか、派遣指示ですか、を出しております。こういったことは行われておりまして、こういったことを見ると、逆に、かなりもう法律的に整備されておりまして、この上に何を足したいわけというところがちょっとかなりはっきりしないところがあると、やはりそれは原則の転換につながるというおそれがあるのではありませんかということでもって、かなり今のところは慎重に見ざるを得ませんねということで、先ほどと同じことを申し上げて恐縮ですけれども、という理解でございます。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 地方分権改革と一体に、先ほどもありましたけれども、三位一体改革ということが進められまして、財政措置が本当に不十分で、逆に削減されたというのがセットで進められてきたと。それによって、地方自治体が何をやってきたかというと、一番のコストカットとして公務員の削減ということを非常に進めてきたんですよね。その結果として、正規の職員のところでは日常的な長時間労働が常態化するという実態が広がりましたし、さらに、この間、コロナあるいは災害の多発ということになりますと、地方公務員もそうですけれども、青天井で時間外労働が求められると。法的に可能ということになっているんですね。  改めて、住民に必要な公共サービス、これが行き届かないという実態がもう明らかになっているなというふうに思っているわけですね。公務員を減らし続けた結果、あるべき公共の役割が果たせなくなっているんじゃないかと。そういう点での本当に検証が今こそ求められると思うわけですけれども、この定数削減がもたらした地方自治体への、とりわけ地方自治体への影響について見解を伺いたいと思います。それぞれ参考人に伺いたいと思います。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) 御指摘のように、やはりその自治体職員の削減ということについては私も危惧するところではございます。先ほど窓口業務の御質問もございましたけれども、いただきましたけれども、ここでも、やはりこの非常勤職員が非常に増えているために、やはり専門性の高い窓口業務など法的な処理が必要なものについての対応が不十分であるとか、さらに、たらい回しといったことも常態化するといったことが出てきているのもそれに関連しているところかというふうに思います。  ただ、その一方で、人口減少の中で税収が減少する、それに対してどういうふうに手当てをしていくのかというところについては、一方で財政的な措置や対応が待たれるところでありますけれども、あわせて、先ほど牧原先生からも御指摘ございましたけれども、この公共私の連携というのもやはり強化していかなくてはいけないのと、これ、もう少し広い話になりますが、公共的な意識やその能力を持った人材をどう育てていくのかということも公務員制度の在り方としても議論していく必要があるのかなというふうには思います。いわゆる、もう随分前の話になりますが、市民公務員というふうな概念を提起された方もいらっしゃいますし、いかに公共に関わる人材を育成していくのか、ここは併せて考えていきたいところだと思っております。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 人口減は確かに住民が減るということでもあるんですが、この、今、これから十年、二十年進もうとしている人口減は、高齢化とともに進みますので、行政サービスは減らないどころか増える可能性がむしろ高いという。それをその人口が減った自治体がどうその限られた職員で担うかという問題だと思うので、実は今後今以上に厳しくなる可能性もあるわけですね。ですので、やはり国の方でも少しずつ定数を増やしたりするという動きが最近あるようですけれども、ここは考え直してもいいのかなと私は思っています。  つまり、余りに九〇年代は冷戦が終わってやはり公務全体に削減するという大きな流れが生じましたけれども、これから起こることは、むしろその流れとは違うことをやはり考えなければいけないことだとは思いますので、じゃ、それをめぐってどういう対応ができるのか、国はできるのか、あるいは地方はどれだけ自分たちの力でできるのか、あるいは民間の力を借りれば何ができるのかということを、地域ごとのやはり自分たちでデザインをしていく必要があるし、国はそれに応じて必要な支援ができる、必要な支援をするべきであるとするならば、やはりそれに向けて準備していかなければいけないということではないかと思っています。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) 公務員の、地方公務員の定員数につきましては、恐らく今二百八十万人というのがいわゆる正規職員の数だというふうに思うんですけれども、いわゆる定員管理の結果二百八十万人ぐらいに減っていってということで、ただ仕事の量は減らないと、仕事の量は減らないのに定員は減っているということで、それで非正規の職員がどんどん増えていったということで、今のところは八十万人ぐらいというふうに公式には言っていますけれども、実際にはもっと多いであろうというふうに言われていますよね。という非常にいびつな状況が出てきてしまっているということはもう事実でして、このいびつさというものはそろそろ私は限界に近づいているというふうに認識しております。  加えて、その非正規の職員は多くが女性であるということを考えますと、その女性の将来不安というものを、それを自治体は放置していいものであろうかと。これは先ほど来話にあった子育てとかライフサイクルとかそういったことにも関わってくる話であると思いますので、やはりそろそろ政治は直視する課題として見るべきではなかろうかというふうに認識しております。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 人羅参考人おっしゃるとおり、限界だという認識は私も本当に共有しているものです。  定数減っても仕事が減らない、逆に業務は拡大していくというような状況になっておりまして、その切り替わった多くが会計年度任用職員ということで有期雇用と、にとどまらず、極めて低賃金に置かれているわけですよね。その方々が公共サービスを担っているし、その担っている業務も、消費生活相談員とか婦人相談員とか、スキルも必要になるし、経験がないとその業務こなしていけないというような仕事になっているわけですよね。  人羅参考人おっしゃったように、その多くが女性が担っているということを考えますと、将来的にこうした働かせ方って、今もですけれども、将来の年金がどうなるかということも含めて考えれば、非常にここ、今、今手を入れないといけない課題だと。こうした働かせ方をしているということが、実際、今必要な労働者全体の賃上げ、あるいは日本が非常に取り組まなければならないと言われているジェンダー平等と、こういうことに逆行することになるんじゃないかと思っているんですね。その問題意識について、改めてそれぞれ参考人に、一言ずつになろうかと思いますけれど、よろしいでしょうか。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) 御指摘の点は、先ほどのお話にもちょっと関わりますが、例えば災害時において、その嘱託職員、非常勤の職員がどんなふうに関われるかというのを考えますと、やはりその身分保障といいますか、そのときの条件とか非常に大きな問題がありまして、やはりそのときには正規職員だけで立ち向かわなくちゃいけないような場面もあって、災害時における問題としても大事な問題だと考えております。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) やはりこのジェンダー平等の問題をやはり私は今後自治体で取り組んでいかなきゃいけないところだと思います。  そこの一環として、やはり女性が担っているそういう会計任用職員の問題も取り組んでいくべきだと思いますから、やはりここは特に住民の理解が重要なので、住民とともにそういう方向で議論を進めるようにやはり地域で努力していくことが必要かと思います。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) 繰り返しにならないように申し上げますと、やはりこれから恐らく自治体は職員の確保ということ自体が非常に難しくなる局面が早晩訪れると思いますので、そういったことも含めますと、やはりこの今の正規、非正規の話ということについて、願わくば党派性を、会派性を超えて問題意識を持って見ていただけると有り難いというふうに考えております。  以上です。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 短時間の間に回答いただきまして、ありがとうございました。  改めて、三位一体改革で交付税を削減してきたということとセットの問題であると思うんですね。この財政措置をどうするのか、税収どう確保するのかということでいえば、やっぱり再配分を前提とした税収構造を変えていくと、税制改革も必要だというふうに思いました。  改めて、ありがとうございました。終わります。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 れいわ新選組、大島九州男でございます。  今日は、参考人の皆さん、ありがとうございます。  早速質問させてもらいます。  災害と地方自治、そして国の関係というところに焦点を絞って質問させてもらいますが。自治体連携、災害対応、現場力と中央政府の役割、主体的に、そしてまた地方に主体的にと。国が指示するとかいうのは、これもう発災時、特にもうすぐの段階のときに現場でどれだけ対応できるかというのが問題で、自衛隊にその要請をする、そしてまた地方の職員さんにまた応援をもらうとかいうようなものを国の許可を待ってやっていくというようなことではなくて、発災と同時にもうシステム的にぱんとセットで動いていくような仕組みが必要だと。  今回、能登の関係でいろいろちょっと学んでこういうことしたらいいなと思ったのは、たまたま能登の空港の横にあった学園が被災して、そこには校舎とか体育館、そしてまた室内練習場とかいうのがある。また、空港があったもんでエプロンがあったというところに自衛隊のヘリが来て、そしてそこを拠点にしていろんな対応ができたということなんですね。たまたま寮があって、九千食分の備蓄があって、それを被災した人たちに配ったりとか空港で避難していた人たちに配ったりとかいうことが、これはもうその場の現場の対応でできたということがあったんですね。  それを見たときに、災害、防災の活動拠点というのをあらかじめもう決めておくと、で、そこに発災時、自動的に自衛隊も来る、そして消防も行く、そしてそこに本部ができてそこからいろんな指示ができるというような仕組みがもうできていれば、もう一々国にお伺いを立てるとか県にお伺いを立てるとかいうことをしなくていいんじゃないかと。  学校の敷地というのは、非常に、グラウンドもあれば、そういう施設もありますんでね、体育館もあるし、そういった部分をあらかじめもう決めておく仕組みが必要だなというふうに思っているんですけれども、牛山参考人、牧原参考人、そういった仕組みをつくるということに対する意見はどうでしょうか。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) 御指摘ありがとうございます。  確かに、事前に、こういう災害が起こったときにはどこにどういうふうな拠点を置いて対応するのかということは非常に重要なことですし、これはまさに国家的なプロジェクトといいますか、考え方としてどう進めるかというのを政策として考えておくということが重要だと思います。その際に、どういう施設があるか洗い出しとか、こういったことについて自治体と協力していくということになるかと思います。  ただ一方で、本当に日本はどこでいつ何が起こるか分からないというところがあって、その意味でいうと、そういった拠点が被災するというふうなこともありますし、また、今回も、直ちに自衛隊やあるいは消防庁、警察庁のヘリが飛んでいけるところはどこにあるかというようなことも含めて、かなり御苦労をされたんじゃないかなというふうに思います。  その点でいうと、やはりどこで何が起こってもいいようにというふうなことも含めて、自治体間の多様な連携といったものを強化していく必要があると私は思っておりまして、ふだんからそういった自治体間では、情報共有というふうに先ほど牧原先生おっしゃいましたが、情報のやり取りでありますとか、あるいは土地柄などについても知り合っているというところもありますし、また、今回も幾つかの自治体ヒアリングする中で、やっぱり現地に何を持っていったらいいのか、送ったらいいのかということについて、比較的早い段階で、一月の二日とか三日には既に先遣隊を出発させるという自治体が多くありまして、それらは、例えば現地からの連絡で、食料については保存の利くもの、あるいは水についてはペットボトルを中心に、あるいは避難所のベッドですね、簡易ベッド、こういったものが至急欲しいというふうな情報を得て、要は、現地でまだ、被災地の、現地の役所から被災地各地に物を送ることがなかなかできない状況の中で、例えばすぐ食べられるものはいいかもしれませんけど現場に届かなければ仕方ないわけで、そういった意味で、そういったことを自治体間できめ細かく把握して支援をするというふうなことがありますので、そういったことも含めて、この自治体間の連携というのも重要になってくるのかなと。  委員御指摘のような拠点を例えば役所などに置く場合、そこにどんな物資を全国から集めていくのかというふうなことも、日常的にこの情報を交換しながら考えておく必要があるというふうに思っております。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 恐らく広域拠点というものは日本全国どこにも災害上あるんだと思います。  今回の能登半島地震の場合は、その拠点からその被災地に向けての交通がいろいろ遮断されていて、その拠点から物資を運ぶことはなかなか難しいということがあったのだと私は考えています。その意味で、そういう地域の場合に、どう拠点を更に細分化して、そこに一人当たり一週間程度の水分とか食料とかトイレの、簡易トイレのようなものをどうやって備蓄するかということが今回問われていると思います。  そして二つ目、今回やはり継続的に初期地震が続いていて、今後どれだけどこにどう被害が起きるかはなかなか見通せないところで、どうまた道路を啓開するかといったような問題もあったと思いますので、やっぱりこういう継続的に地震が続く、熊本地震もそうでしたけど、そういう地震の場合に、要するに、被害、常に被害が起こっている中でどう支援をすることができるかという、これが一つまた新しい課題としてまた出てきたと思います。  それから三つ目は、東日本大震災があったのは十年以上前ですけれども、その直後、全国でいろんな意味で対応しようというところを地域コミュニティーで取り組まれているところが多いというふうに私聞いています。  ところが、それから十年たってやはり高齢化が更に進んだときに、そのときの対応がうまくできなくなっているコミュニティーもあるということを聞いておりますので、やはり今後ますます高齢化が進んだときに、その十年前担い手だった人がもう十年たったらもう担い手なかなか担えなくなるというような事態が今後も起こるわけですから、やはり定期的にその高齢化に見合って地域がどれくらい防災に対する強靱化、強靱性を持っているかということをやはり点検していくということが必要なのかと思います。  以上です。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 人羅参考人はマスコミですから、いざというときのその緊急な取材というのはヘリですよね、大体。ぱあっとみんなね、飛んでいったりするじゃないですか。  だから、今回の場合も、陸の孤島になった、そういったところの遮断されたところにヘリとかドローンとかを使う、そういう仕組みがきっちりできていれば、自治体が重機とかをセットで運べるものを五千万ぐらい掛けて持っているところは二十幾つあって、今回それが使えたのは七つだったと。じゃ、何でかといったら、それが、道路が寸断して行けなかった。当然そうですよね。だから、自衛隊なんかだったらそういうものを空から持っていったりできるじゃないですか。  さっきおっしゃった、その地域の自治体からこういうものがというのを要請があってそれを持っていったというけれど、事前に地域間連携で連携したその兄弟姉妹の都市を結んだ防災拠点みたいな形での、防災連携都市か、そういう形で持っていれば、事前にその地域の実情も分かるし、備蓄においても全部しなくてもそれぞれの市町村で持っているやつを融通し合うような、そういう協定もあれば予算も半分で済むとか、そういうことができると思うんですね。  だから、改めて、発災してやるんではなくて、それこそ事前に連携をしていく、そういう関係を持っていることによって、例えば北海道と東北、北陸と東海とか、エリアを離れたそういう広域な連携都市というものを持っていくことが僕は必要だと思うんですよね。  では、人羅参考人、そのような考え方、どうでしょうか。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) ありがとうございます。  ドローンについてなんですけれども、私もドローンに関心が今回ありまして、もう少しいろいろ活用していいんじゃないかという印象があったので。ただ、あれ、ドローンはやっぱり通信が確保されないと稼働できないという問題があって、そこにいろいろ問題点はあったみたいですね。だから、そういった課題を解決していって、例えばもう少し通信が、例えば衛星等を用いてきちんと確保するような方法もあるかもしれません。そういったことで、ドローンの活用ということをこれから災害時に大いに、もう少し考えていくべきだということはおっしゃるとおり痛感したところでございます。  あともう一つ、その広域連携ということについてなんですけれども、先ほど来の御質問にもありましたが、私個人に思うのは、関西広域連合ございますよね。これ、今回も非常に手早い反応をしております。京都はどこどこ、大阪はどこどこというような形の役割分担で。私は、首都圏でこういった枠組みというのが、あったらごめんなさいなんですけれども、もうひとつ見えてこないことがどうしてなのかなというふうに思うんですよ。まさに、東京アンド関東の諸県こそそういった枠組みをあらかじめ構築しておいて、これはもう何かあったら全国パワーですから、関東は。機動的に行けるような関東における広域的体制、感染症もそうですけれども、そういったものをもう少しきちっとつくっていくということの議論が、これは恐らく国というよりは各都県でする話かもしれませんけれども、そこについての、もう少しできないのかなという印象を持っております。むしろ地制調でそういった議論もしてほしいなというふうに思っていたぐらいでして、東京アンド各県の広域力の発揮ということをちょっと課題として感じております。  ただ、もし何か東京でやっているという話だったら、それはちょっと私の勉強不足なんで、申し訳ございません。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 最後になりますが、牧原参考人に、やはり国が主導して、そういう、例えば今、人羅参考人がおっしゃったように、首都圏と過疎のところがそういう連携をするような縁を結ぶ仕組みをつくって、いろんな防災とか何かあったときにはということで交流することによっていろんな縁が結ばれますから、そこに、いろんな移住があったりとかいろんな交流が増えたり、いざというときにはもうシステム的にできるというような、そういった仕組みを是非提案していただいて現実のものにしていただければ有り難いと思うんですが、御意見どうぞ。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 地域なりにいろいろ考えているんだとは思いますけれども、そういった、地域が主体的に、首都圏の地域が主体的に各地に対して支援をしたいという、そのものをより円滑にすることを国としてどうできるかということは国も検討できるんだろうとは思いますけれども、まあそこは、もしそういう場で議論することがあれば、私はそういう議論を応援したいというふうに思います。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 じゃ、牛山参考人、是非、システムを先生、何か研究していただいて、どういう形がいいかというのを是非広めていただきたいと思うんですが、どうでしょう。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) 先ほど人羅参考人からも、関西広域連合のお話、そしてまた関東広域連合みたいなものが、例えばですね、九都県市ですか、九都県市ですかね、連携はあるとは思うんですけど、ただ、関西のような形ではない中で、そういったものを整備するといったことが必要であると私も思います。  あわせて、その関西広域連合とか、仮に関東広域連合とかというのがあった場合でも、やはりその地域が被災してしまうと全体的にやられてしまう。東日本大震災と同様のことになりますので、これは一つの試みとして、自治体間が多様に連携するというんですかね。例えば、先ほどちょっと触れました杉並区や南相馬市等々がつくっているスクラム支援会議というのは、離れた地域のところで被災しても応援に行けるとか、あと、そのつながりで、今回も聞きますと、能登半島の地震に際して、ネットワークおぢやというんですかね、中越地震で被災した小千谷市が杉並とのスクラム支援会議に入っておりますので、今度は杉並区はそれを利用して能登半島に支援に行くとか、こういった重層的な支援、国の当然大規模な支援と合わせてということになりますけれども、こういったものを整備していく必要があると思います。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 ありがとうございます。  以上です。ありがとうございました。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 参議院沖縄の風の伊波洋一でございます。  本日、御三名の参考人の皆さんのお話はずっと聞かせていただきまして、本当にそれぞれの御意見を持っているなということを実感いたしました。また、資料も読ませていただきましたので、本来ならば三名に質疑をしなきゃ、聞かなきゃいけないことなんですけれども、なかなか時間がなさそうなので、牧原参考人の方にまず、先端科学技術研究センターというところでもありますので、いろいろとこれからの技術の問題も含めて。  私、四十五年前ぐらいに自治体で業務パッケージ、業務を電算化というのをやったことがございます。というのは、それまでは大型コンピューターを設置している各県に一つか二つか三つぐらいのこのところが委託を受けて、自治体から委託を受けてバッチ処理を中心にやっているんですけれども、だんだん各自治体が自己導入をするようになりまして、それで、日本の政府はその当時、あえてその統一化はしないで、要するにNECや富士通や日立あるいは、など国産コンピューターの振興という意味なんでしょうけれども、そういうふうにさせた経過があるわけですね。そこにたまたまIBMが新しい新機種、リレーショナルデータベースというまだつくられていない仕組みを導入しようということで、そのシステムを宜野湾市というところで開発して動かしたんですけれども、十二年ほどはそのコンピューターのことを仕事をやっておりました。  その後、政治の世界に出て、二十年後ぐらい、二十年近い、十五年近く後に宜野湾市役所に市長として来て、それでたまたまそのシステムを変えるという話が出てきたときに、かつて、最初はコンピューターは一つ大きな大型があれば何でもできるんだというイメージがあったんですが、全然違うんですよね。結局、業務パッケージ、もう行ってみたら、あとは五十ぐらいのシステムが各課に入っておりました。当時、パソコンもありませんでしたので、最初の頃は。その後はもうパソコンも出るようになって、インターネットもできるようになって。それをパッケージ変えるという話が出てきたものですから、やはりそれではいけないだろうと。それで、分散システムとかあるいはそのデータセンターとか全部を統合する仕組みを提案、考えるようにということを命じて、それはやったんです。現に動いておりますけれども、二十年ほど前なんですが。  つまり、今まさに政府はデジタルトランスフォーメーションというのをやろうとしているんだけど、専ら話になるのはマイナンバーカードの話が中心で、本来業務はどうなるかという話が見えてこないんですよ。当時、私やったとき、窓口も全部変えたんです、窓口サービスとかも含めてですね。一方、当時調べたら、韓国ではもうそういう自治体のパッケージは国が作って配布しているんですよね。  そういうことと日本との落差といいますか、そしてほとんどがネットで、インターネットの時代ですからネットで届けもできるし、いろんなことができる。この格差は、今、牧原先生、どのように感じていらっしゃいますか。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 二〇二五年に向けて基幹情報システムの標準化を、今おっしゃったようなものを今風の方式で行っているということだと思います。  ただ、個別の自治体に私もいろいろヒアリングをしてみると、やはり例えば税務でそれぞれの今までの独自仕様のやり方があって、それをどうこの新しいシステムに組み入れるか組み入れないかといった問題が多々出てきているんだということで、今いろいろ各自治体で努力されているんだと思います。  今回のその標準化が、今、国レベルである程度仕様を定めたところで各自治体が契約をし、それでベンダーロックインにならないようにするという方向でやっているところまでは分かりますけれども、その上で、やはり各自治体の独自のその施策が残った部分をどういうふうに新しく展開するのか、それとも、それももうできる限り共通の方向で、やり方で、共通のシステムでそれぞれが対応していくのかといった問題がまだ残っているということで、やはりここは、今後それに向けて業務改革も必要であり、なかなか自治体の業務が簡単にすぐには効率化しないという問題がありますので、できるだけ早くこの問題をクリアして効率化に向かってほしいと思います。  ただ、その先それで行くのか、また新しいシステムに更新するときにまた業務改革なりなんなりが必要になると、せっかく効率化したものが、した業務のはずがまた業務負担が増えるということにもなるんじゃないかと私はちょっと心配しておりまして、とにかく個々の職員の業務が減るようなシステムづくりと業務改革を今後どう進めていけるかがこれからのデジタル化へのやっぱり大きなステップになると考えています。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 五十ぐらいのシステムありますと、一年間に五十の契約をし直さなきゃいけないんですよね、毎年ね。それから、開発するために担当課も議論しなきゃいけない。私がやったのは全部です。  つまり、そのデータセンターも外に、どこにあるか、それからラインで。そうすると、自治体、役所業務は全部どこでもできるんですよ、ラインを引いて権限を与えればね。だから外でもできるんです。そういうものをつくったんですね、もう二十年近く前ですけれども。だから、そういうふうにして、そのときには別にマイナンバーも要りませんでした。当時も住民基本台帳ナンバーもできていますしね、システムをただつなげればいい話だから。  でも、今の話を聞いていると、今おっしゃるように、業務パッケージごとに云々と言うけど、そんなことやっていたらできないんです、これは、実際の話。だから、全体として分散システムにして、そしてやっぱしデジタル業務はそれは業務をする業者にさせていく。つまり、そこへ出さないと自治体の仕事が余計に多くなるんですよ。外でやって、あとは、私たちは大体百人・年、マンパワーの削減になったと思います。その分は当然市民サービスに転換させましたけど、削減したわけじゃないんです。  そういったこと、今のやりようは本当にデジタルトランスフォーメーションと言えるのかどうか、とても気になるんですけど、どうですか。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 本当にそのとおりだと思います。  ですので、まずは今のシステム化を早く進めるということ。そして、やはり伊波先生のようにそういうリテラシーの非常にある職員の方がたくさんいると、各地自治体にいるとやはりいろいろな問題も出て早くクリアできると思いますので、今言われているDX人材をできるだけ個々の自治体で増やしていくということがもう今鍵だと思います。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 職員、うちも職員は別にリテラシーあったわけじゃないんですよ。だから、採用して、それを全国から公募して採用して、そして一人でいいんですね、そのプログラムを作る。それから、みんなそれを学んでそしてやっていく。でも、それはやはり主体的にやらないと本当に物にならないと思います。  結局、二〇〇〇年ぐらいになってくると介護保険制度もできていましたし、いろんなものが、今課題、これから課題になる、自治体が背負うものを、仕組み的には先生が書いているシビルミニマムあるいはシビルマキシマムというんですけれども、ナショナルミニマムじゃない、ナショナルマキシマムにしなきゃいけない。  つまり、国が責任を持って、それでやるんだったら、デジタルトランスフォーメーションやるんだったら、そのパッケージはきちんと提供しますというぐらいに言わないといけないんじゃないかと思っているんですけど、いかがでしょうかね。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) なるべくその方向に向かって進めていくんだと思いますが、やはり今度は、そのデジタルに非常に強い専門家の方々は、私が見ていると、必ずしも地方自治体の業務の状況に知悉しているわけではない方がそう言っていらっしゃる面もありますので、まあ先ほども言いましたが、とにかくデジタル化の進む、デジタル化推進の部門、国、地方とそういう地方の業務、業務ですね、業務改革を推進する部門がどう今後協力して一つの方向に進んでいけるかと。  その中の一つの鍵が、今先生おっしゃったような、パッケージをつくって配布するというやり方だと思いますが、それを、とにかくそこを国、地方で協力しながら進めていくということが今後求められるというふうに考えています。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 役所でコンピューター室を、コンピューター置いてしまったらできないんですよ、率直に言って。そして、この容量もありますしね。だから、要するに、パッケージはもう向こうにあるわけですね。だから、ラインで、データセンターも向こうにあって、そうすると向こう改善できる。  従来から、システムエンジニアというのは、業務をヒアリングして、それを図にしていかに電算化するか、プログラム作るか、それが仕事ですから、そういう意味で、役所職員がデジタルに何か通じていないとできないような仕事では多分ない。業務に通じていればいい。それで、業務をしっかり聞き取っていくそういうパッケージをつくる人たちが必要なんですね。だから、どうも今見ていると、マイナンバーカードの話で整理されちゃうと一体何やろうとしているんだろうかなというふうなものがとても気になるものですから、今の自治体というのは、マンツーマンのサービスあるいは福祉、もろもろですね、人と人と顔合わす作業が一番重要ですよね。  だから、それとデジタルを切り離すということをやっぱりやらないといけないんじゃないかと思うんですけどね。私は、デジタルにこだわるよりは、デジタルは外部化すると、それが必要だと思うんですけど、いかがですかね。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) できる限りデジタルを、システムエンジニアのような職種に関しては外部化して構わないと思います。  ただ、今進めているのは、もうでき上がったシステムがあるわけじゃなくて、これから今つくろうとしているところなので、私が申し上げましたのは、そのプロセスにおいてしっかり協力していかないと、まだシステムができていないので、そこをどうするかということがここ、もう今年度、来年度、大きなテーマになるとかということで今申し上げさせていただきました。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 それがですね、ですから、そこは自治体がやるわけじゃないから、一体国がどれだけやれるのかなと。  私、参議院に来て思ったのは、参議院で議論しているのは自治体の話なんですよ、ほとんど、いろんな課題はね。まさに、国民との接点は市町村だから。だから、何か一番分からない人が決めているなというのは実感があるんです。だから、いかにしてこのデジタル、このDXを定着させるために、本当に、その担当部署が本当にこの業務知っているかなというのを今横目で見ながら、できるのかなって。  私のところはもう、三回来る、七年の三周目ですから、結局できているところあるんですよ。だから、そういったことを含めて、何かもう一度しっかり、みんなに、国民に説明していけるような、そういうものにしてほしいと思いますけれども、どうですかね。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 私もより研究を重ねながら、今先生がおっしゃった問題意識を受け止めていきたいというふうに思っております。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 今の話聞かれて、牛山参考人と人羅参考人、今のデジタル化、DXについてどういう認識をお持ちですか。ちょっと一言ずつでもお話しいただければと思います。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) 詳細に今御議論されておられましたので、内容について十分踏み込めないかもしれませんけれども、やはりそのデジタル化というのが本当にその地域社会の中で行政の負担を軽減し、また利便性高めるというふうなものになるというのは基本だと思いますので、その意味で、今お話のあったように、実際の業務パッケージみたいなものをどんなふうにその自治体として構築していくのかという部分と、そこに提供される国からのパッケージというものがあるならどういうものなのかというところが、先ほど御指摘あったように、いろんな企業に、何というんですか、分散して、依存している状況の中でどんなふうに考えていけるのか。  もちろん統一、全部できるものでもないかもしれません、企業間ですとね。というのもありますけれども、やっぱりそういったところの、何というんですか、企業で担っている分の専門的な人材というのは、なかなか自治体、特に小規模町村などは維持できないと思いますので、それらを、例えばそのさっきの広域的な連携でありますとか、そういったもので考えることも必要なのかなと思ったりですね。  また、公民連携ですよね、その部分をどうしていくのかというところに関心を持っております。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) デジタル化については、行政に限ったことではなく、何のためのデジタル化なのかということがまず大事になると。  この数年間、私は、地方行政のデジタル化というのは相当ハイスピードで、まあ評価はいろいろ分かれるかもしれませんけど、進んでいるんじゃないかというふうに見ています。  恐らくそのデジタル化というのは規格統一化ということにつながりますので、それとその地域の多様性、自主性というものをどういうふうに考えていくのかという、今はまだ一生懸命やろうというところの議論が先行していますけれども、いずれそこのところの議論ということも意識されていくんじゃないのかなというふうに見ています。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 私の感じているのは、アプリとかですね、いわゆる普通に携帯に入っているアプリと同じレベルで自治体に対する窓口の対応ができるようにしていく、それがやっぱり今求められていると思うんです。県なんかそれをやり始めています、どこの県でもね。  だから、そういうものに対応できるデジタルトランスフォーメーションのそういうパッケージなり、それをやはり国がきちんと確立させていく。分散させたらまた同じようになっちゃうので、そこがやはり求められているんじゃないかなと思いまして、今日の質疑をさせていただきました。  ありがとうございました。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 NHKから国民を守る党、浜田聡でございます。  三人の参考人の先生方、本日は貴重な話、どうもありがとうございました。  三時間座りっ放しということで大変なことと思いますが、最後十五分、よろしくお願いいたします。  本日の重要なテーマとして、地方分権ということがあると思います。まず、これらに関して自分の意見も少し踏まえながら質問させていただきたいと思います。  まず、牛山参考人にお聞きしたいこととしては、そもそも地方分権とはということについてお伺いしたいと思うんですね。  最近の地方分権とはということについては、何か中央から地方への財源、権限を移譲するというのが私が通説として認識しているところであります。それは確かにそうなんですけれど、ただ、過去数十年の日本政府、日本で行ってきたことというのは、もう国もとにかく財源、税金をたくさん取って集めると、さらに、規制も増やしていくという、そんな方向だと思います。税金においては、税金、社会保険料においては国民負担率がもう右肩上がりですし、規制に関しては、総務省の出している、総務省が出している資料に許認可の統一的把握というものがあって、過去十五年間五千個の許認可、規制が増えている。一日一個のペースで増えているということでありまして、何か方向性としてはもう全く逆ではないかなと思います。  ということを踏まえると、私は、地方分権とはというのは、もう減税そして規制廃止だと思っているわけではあります。これはあくまでも私の意見なんですけれど、そういうことを、私のは私の意見としてなんですけれど、先生のそもそも地方分権とはということに関して御意見いただければと思います。

牛山久仁彦明治大学政治経済学部教授

○参考人(牛山久仁彦君) ありがとうございます。  私は、先ほど冒頭で青山委員から、国と地方が対立するのではなくて、共に、何ていうんですか、国全体の、国民全体のことを考えていくということが必要だというふうに思っております。  その点でいうと、先ほどその権限移譲と税源、財源移譲というお話ございましたけれども、私の印象では、やはりその機関委任事務体制と呼ばれる以前の体制が非常に規制が強く、また国の関与も強かった、しかも、それが法的なルールにきちんと基づかない形で行われるというふうなところを抜本的に改革するということと、それから、これ少し後ろ向きなことかもしれませんけど、自治体、市町村がですね、地方分権についてどんな印象を持っていたかというのは、二〇〇〇年に分権一括法が通った当時で、もちろん頑張っている市町村たくさんありましたけれども、一方で、えらい大変だなと思っている自治体も多くて、法令改正に伴って条例制定や規則制定もたくさんやらなくてはいけないとか、はっきり、私、地方分権迷惑だというふうに言われたこともございまして、やはりその意味では、市町村、最近分権疲れというふうに言われていますけれども、当初から大変な重荷を背負ったというふうに感じておられたんだと思います。  ただ、やはりこの地方分権によって、私も様々な自治体の職員の方とか住民の皆さんと意見交換する中では、やはり分権改革によってこの地域に目が向いた、それから、やっぱりこの地域を下支えする、それから、問われているのは、やっぱり自治体の職員あるいは行政の能力ですよね。これは、先ほども申し上げたことですけれども、やはりそういったことを市町村がしっかりと担えないということになると逆に大変なことになりますし、逆にこの日本の国の足下を支えていくための努力、これが地方分権改革だというふうに思っているところなんですね。  その意味で、私は、もちろんそのトップマネジメントというのは組織においても国家においても重要だというのは十分に理解しますけれども、やっぱり、これは牧原先生の前で恐縮ですが、そのサイモンというノーベル経済学賞を取った先生も、このトップマネジメントの重要性は重々論じながらも、人間の能力には限界があるんだと、そういった意味でいうと、多くの人々が分権的な体制の下で努力をすることによって組織や企業等も伸びていくんだということも申されておりますけれども、私もやはり、この国の能力、国の政府の能力を高めるということは重要なことながら、あわせて、それと並走する形で自治体の能力を高めていく、これが、大変僣越な言い方でございますけれども、私は分権だと思っております。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。  地方の能力を高める、非常に響く言葉でございました。ありがとうございます。  次に、牧原参考人にお伺いしたいと思います。  デジタル化に関するお話がありました。私も、デジタル化、しっかりと推進していきたいと考えております。そこで、先ほどの竹内委員の意見ともかぶるかもしれませんが、地方自治体、特に市町村、市区町村、余力のない町村においてデジタル化が果たして可能なのかということなんですね。その余力があるのかどうかということに関してお伺いできたらと思うんですけど。  私の意見は、ある程度大きな市区町村の上にある都道府県がその役割をカバーできたらいいんじゃないかなとは思っているんですけれど、デジタル化に関して、特に町村の余力という点に関してお伺いできたらと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) 給与とか出張とか人事とか、基本的なその業務に関しては多くの今、小規模自治体でもまあ実際上デジタル化をしているわけですので、それを今後新しい標準化に合わせていくということは、先ほどパッケージという言葉がありましたけれども、ある程度のその方向性が国が出してそれに乗っていく形になる、それを都道府県も支援するという方向になるんだと思います。  問題は、だから、そういったことになるべく力を割かずに、特に余力のないところというのは、高齢化が進んだり少子高齢化が進んでいるところですので、むしろ対住民業務に労力を割けることができるようにすることが重要だと思いますので、デジタル化が、今、今般言われているデジタル化がその障害にならないようにすると。そのために、国もあるいは都道府県もできる限りの支援をすることが必要かと思っています。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。  デジタル化、本当に推進できれば地方における労力も削減できると思うので、私も応援していきたいと思います。  次に、人羅参考人にお伺いしたいと思います。  人羅参考人ですね、私の方で調べさせていただいて、地方議員、町村議員のなり手不足の対策委員をされているとお伺いをしました。それに関して、地方議員のなり手不足に関してお伺いできたらと思うんですけど、やっぱり地方分権進める上で地方議員のなり手がたくさんいるというのはすごく重要だと思うという理由からでございます。  いろいろと意見はあるとは思うんですけれど、地方議員のなり手不足の最たるものには、これ、その規制があると思うんですよね。具体的に言うと、二十五歳以上の日本国民、まあこれはさておき、やっぱり、地方議会の選挙、被選挙権を得るために三か月居住要件が必要であると、ここがすごい大きな規制だと思うわけですね。一方、地方自治体の首長であればこの居住要件ないわけでありまして、この居住要件撤廃すればこの地方議会のなり手不足かなり解消するんじゃないかなと思うんですけれど、これに関して御意見お伺いできたらと思います。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) いろいろその被選挙権について、地方議員ですね、議論があるところは承知しております。  ここで一つ論点としてあるのは、首長は確かにありませんよね、で、地方議員にはあるわけです。そうすると、逆に言うと、首長にない歯止めとして、じゃ、地方議員にはそこの要件を付けておきましょうということでこれはありませんかという考え方も多分ありまして、じゃ、その首長さんも議員も両方ともなくなってしまったら、まあこれ言い方が悪いかもしれませんけど、ある人たちによるある自治体の乗っ取り的な、そういったことももしかすると可能になってしまうんでないかという議論もあります。  なので、そういったいろんな側面を考えながらこの問題というのは議論していかなければならないんじゃないかというふうに考えている、個人的な意見ですが、思っております。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。  引き続き人羅参考人にお伺いしたいんですけれど、やっぱり、地方分権進める上でのやはり地方議員のなり手不足の解消というののその重要性についてお伺いできたらと思います。また、なり手不足対策委員で出た面白い意見など、興味深い議論などありましたら教えていただけたらと思います。

人羅格毎日新聞論説委員

○参考人(人羅格君) やっぱり地方議会には自覚を持ってもらうということが大事だと思っていまして、これはこの会議に出た話かどうかは別にして、この度、改正地方自治法ができましたよね。これで地方議会の皆さんは大要望して、俺たちのことを位置付けをきちんとしてくれと、はっきり自分たちは重要なんだということを書いてくれという要望があって、それで法律を改正してわざわざ書き込んだわけです。だったら、きちんとなり手ぐらいは確保してくださいよという思いなんですよ。そこにやはり地方議会の自覚と努力をやはり求めたいというふうに私個人は思っています。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。  牧原参考人に、デジタル庁についてお伺いできたらと思います。  今回のテーマであります地方分権においても重要だと思うのが、そのデジタル庁の役目で重要だと思うのが、やっぱり地域連携という重要な役目があると思います。それに加えて、やっぱり縦割り打破というそういった役目がデジタル庁にあると思うんですけれど、現状のデジタル庁のこの役目に関する評価と今後ですね、何かデジタル庁に求めるものがありましたら教えていただけたらと思います。

牧原出東京大学先端科学技術研究センター教授

○参考人(牧原出君) デジタル庁は、国全体のデジタル化を担い、その中の一つのテーマとして地方自治体のデジタル化もやっているところだと思います。国全体のデジタル化は、かなりコロナ禍も含めて新しい局面で進んでいると思いますので、それを更に推し進めるということを期待しております。  地方自治体のデジタル化は、ただ、その前段の住基ネット、マイナンバーカードのシステムから始まって今に至っている部分もありまして、これは、伝統的には自治省、総務省の方が担ってきた部分でもあるわけです。ですので、そういったその地域の実情を本当にコミュニティーのところも含めてつかもうとする、そういう行政活動としっかりと組み合わさった形で地方自治体のデジタル化を進めてほしいと、そのためのデジタル庁であってほしいと思っております。

浜田聡NHKから国民を守る党

○浜田聡君 ありがとうございます。  三人の参考人の先生方、本日は大変参考になりました。皆様の意見を踏まえて今後の議会活動に生かしていきたいと思います。  ということで、時間になりましたので、私の質問を終わります。ありがとうございました。

川田龍平立憲民主・社民

○委員長(川田龍平君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼申し上げます。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時一分散会

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