厚生労働委員会 第12号
- 発言数
- 259 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2024/05/09
会議録
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 雇用保険法等の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長山田雅彦君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(比嘉奈津美君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。 本法案の質疑準備に当たって、この間、メーデーも地元でございました、そして憲法記念日もございまして、改めて、この雇用保険というものが、憲法が二十五条で生存権を保障し、そして二十七条一項で勤労の権利を規定していると、そのことの重みを踏まえてこうした雇用保険制度があるということを心を新たにいたしました。 国が労働の機会を保障し、仕事、就労が困難な場合でも生存権の保障をしなければならないと、そして雇用保険制度がしっかり確立することで勤労の権利を支えると、それが国の責務であるということを考えながら質問の準備をさせていただきました。 さらに、日本は一九七九年に社会権規約に批准しておりまして、その規約では、労働者の権利には、全ての者が自由に選択し又は承諾する労働によって生計を立てる機会を得る権利を含むと規定されているということで、厚生労働省もホームページでもう大々的に掲げていただきたいところですけれども、よく探したら、ようやく小さな字で、ディーセントワーク、一応、ILO宣言についても紹介していただいているなということで、それについてもう少し大きく掲げていただいてもいいんじゃないかなと改めて思いながら準備をいたしました。だから、本当にこの失業時の生活保障の充実というものは、今まで申し上げたとおり、生存権、勤労権、又は憲法二十二条一項の職業選択の自由の保障、ディーセントワークの確保ということからして非常に重要なものであると。 ただ、そうした重要なものである雇用保険制度というものが、期待されている機能、失業時の生活保障ということが十分期待されている機能を果たしているのかということで、この改正法案がその反省に立ったものであるかということを確認させていただきながら課題を確認していきたいと思います。 まず、第一問ですけれども、完全失業者数の中で雇用保険の受給者割合の推移というものを教えてください。
○政府参考人(山田雅彦君) お答えいたします。 完全失業者に占める基本手当の受給者実人員数の割合の長期推移を見ますと、一九八〇年代前半は五〇%から六〇%程度でありましたが、一九八〇年代半ばに五〇%を下回り、直近十年間はおおむね二〇%台前半で推移しております。
○打越さく良君 そうなんですね。かつては五〇%を超えていたということなのに、むしろ下がったままであると、低めのままであるわけです。 そして、二問目ですけれども、この失業手当の受給者割合について、OECD加盟国三十五か国中、日本は低位にとどまるということを、一昨日、房安参考人も指摘されていました。厚生労働省も同様の認識でしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘の、ILOレポートについてのことだと思いますが、失業者に対する給付制度ですが、それを支える負担の在り方を含めて各国で様々であり、単純な比較は難しいと考えております。 また、完全失業者数に対する失業給付の受給者実人員数の割合についても、先ほど申し上げたものの背景事情になりますが、完全失業者の中には、雇用保険の給付制限期間中の離職者、自営業を廃業した方、そういった方々を含まれているため、その高低について評価をするのは難しいものと考えております。
○打越さく良君 何かレクのときもそういうようなお答えだったんですけれども、やはり、各国に比べて手当が低いとしたら、やっぱり、先ほど申し上げたとおり、生存権を保障したり勤労権を保障しているという憲法の、憲法上の国の責務からしていかがなものかという責任を感じていただきたいんですが、何かそれを感じさせないような御答弁で残念です。 それで、三番目ですけれども、やっぱり、著しく各国に比べて低いかどうかということ自体がいろいろと要因があるというようなおっしゃり方なんですけれども、でも、低いということを直視した上で、やっぱり受給資格を厳格にしてきたということを反省していただきたいんですね。それがやっぱり背景にあるんじゃないか、受給資格を厳格にしてきたことがこの低さの背景にあると、そのことを認めていただけるでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 完全失業者に対する受給者実員の割合が近年二〇%台前半で推移している要因としては、先ほどの答弁とも関係しますけれども、完全失業者のうちの雇用保険の適用対象である役員を除く雇用者だった者の割合が減少していること、あるいは基本手当の給付制限の対象となり得る自発的な離職の割合が上昇していること、そういったことが雇用労働情勢の変化ということの影響としては考えられると思います。 過去に、昭和五十九年にこの委員会の質疑の中で、雇用保険制度における自己都合退職による給付制限期間の延長、これは昭和五十九年にしていますが、そういったことももう少し遡ると理由の一つとしては挙げられるとは思います。
○打越さく良君 そうですよね。だから、そうしたことがやっぱり背景にあるわけですよ。 やっぱり、今回の改正で、教育訓練を自ら受けた場合などは緩和するとか、そういうことをしたということ自体が、やっぱり受給者資格を厳格にしてきたということの反省、本当はおありなんだと思うんですね。 それで、四番目なんですけれども、結局、長期にわたって仕事に就けない、収入を得られないということだと、本当に生活ができないわけですね。生存権が脅かされるということになってしまう。そうすると、結局、私が度々この委員会でも取り上げているように、生活保護もあるじゃないかとかいうこともあっても、生活保護は使いにくい。結局、そうなると、何の保障もないということになると、劣悪でブラックな仕事でも何でも選べなくなってしまうということで、先ほど申し上げた憲法二十二条一項、職業選択の自由は、結局は事実上ないということになってしまう。 そういう憲法上の権利の実効性を高めるために雇用保険があるということになっているのに、雇用保険は対象を事実上狭めてしまって機能不全ということであれば、憲法上の自由が保障されていない、これはとんでもないと。雇用保険法は、職業選択の自由保障する、その本来の機能をしっかりと果たす、そういった法でなければならないということで、大臣、よろしいですよね。
○国務大臣(武見敬三君) 雇用保険制度というのは、おっしゃるように、この職業選択の自由を含めて、こうした雇用に関する総合的機能を有する制度として、これまでも社会経済情勢の変化に応じた行政ニーズに的確に対応できるようにその機能を拡充してきたところであります。 今回の法案の中におきましても、近年における働き方や労働者の生計維持の在り方の多様化の進展を踏まえて、セーフティーネットを広げる観点から、この適用拡大を行うほか、転職を試みる労働者が安心して再就職活動を行えるようにする観点などから、自らの意思により離職する者に対して設けられている基本手当の給付制限の見直しを行うこととしております。 今後とも、この雇用保険制度を的確に運営するほか、各種雇用対策、リスキリング施策を機動的に講じることにより、働き方が多様化する中で、国民誰もが自分に合った職業を選び、すなわち職業選択の自由というものを保障できるよう、私どもとしては支援をしていきたいと、こう考えておるところであります。
○打越さく良君 済みません、何か、憲法上の自由の保障にふさわしい雇用保険であるべきだという、そのとおりだという力強い一言、いろんなこの制度の、今回の改正案の趣旨ということではなくて、そのとおりという一言、お願いしたいです。
○国務大臣(武見敬三君) 法の趣旨は今申し上げたとおりであって、それをできるだけ他の関連する諸施策とも総合的に組み合わせて、こうした職業の選択の自由に関わる憲法の規定に基づいた政策を組み立てているんだと、こういうことを申し上げているわけであります。
○打越さく良君 多分、同じ思いだということを確認させていただいたと思います。ありがとうございます。 そして、この改正法案で労働時間が週十時間から二十時間までの労働者の方にも拡大されるわけですけれども、でも、せっかく制度としては拡大されても、結局、事業主の方が加入手続を怠ってしまった場合、結局、適用拡大したことの意味がなくなってしまうと。 加入懈怠の問題、今までもあったと思うんですね。この問題については厚生労働省は把握していらっしゃるのでしょうか。そして、対策を取っておられるのかと。そもそも、この加入手続懈怠について罰則もあるわけですけれども、その適用事例についても把握されておられるのでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 今先生御指摘のような、事業主が労働者を雇用保険に加入させない、そうした事例については、罰則の適用事例を含め件数は把握しておりませんが、そうした事例が生じ得るということは我々としても認識をしております。 そのため、そういうことがないようにするために、毎年、全適用事業所宛てにはがきを送付し、雇用保険に加入している従業員数を記載して、未加入となっている従業員がいないかの確認を求め、加入を促すとともに、本人から、労働者本人から雇用保険の被保険者資格があることの確認請求、そういったものがハローワークにあった場合には、必要な事実確認を行った上で、加入要件を満たす場合は必要な届出を行うように事業主を指導しております。 こうした取組を通じて、雇用保険の加入を徹底してまいりたいと思っております。
○打越さく良君 そうした取組をしてくださっているということなんですけれども、結局、ハローワークの方たちは司法警察職員とは違うので、捜査権というものはないわけですよね。だから、それがどのように本当に機能しているのかということが心配で、やっぱり結局のところ、ほとんど、検挙が必要なものについても検挙につながるというようなことはなかなかないのではないかと懸念するんですが、その辺り、いかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘の雇用保険の適用に関する事業主への調査等は、公権力の行使に関わるものでありますことから、ハローワークの雇用保険部門、この委員会でもよく指摘されるように、ハローワークの職員には非常勤職員の割合が非常に高いということをよく御指摘されますけれども、こういった問題に関しては雇用保険部門の常勤職員が本来業務の一環として実施しているところでありまして、必要な調査等が滞りなくきちんと行われるように引き続き取り組んでまいります。
○打越さく良君 もう少し危機感というか警戒を持っていただければなと思うんですけれども、結局、その適用拡大が今回されるということだと、事業主が加入手続を懈怠することというのも可能性としてはむしろ高くなってしまうんじゃないかと思うんですね。ですから、罰則を積極的に適用していく方策ということをお考えいただきたいんですが。 それで、通告した十の方、併せて伺いますけれども、加入懈怠の多くは、労働者から相談を受けたハローワーク職員が事業主に加入手続を取るよう促すということが必要かと思うんですけれども、職員の方たちにそれが徹底されているのかということをいま一度お願いします。
○政府参考人(山田雅彦君) 先ほど申し上げた職員の対応について、もう少し具体的に申し上げます。 労働者の雇用保険上の権利、それが事業主が必要な手続を怠ることで行使できないことがあってはならないということで、事業主の違反行為に対しては、先生御指摘のとおり、罰則が設けられております。 そうした罰則があることを背景にしつつ、労働者の速やかな救済の観点から、未加入事象を把握した場合には、ハローワークにおいて早急に調査を行い、事業主への指導や、場合によっては職権適用によって違法状態の速やかな是正を図っているところであります。
○打越さく良君 そうしたことが今回の適用拡大で更に徹底されるようにしていただきたいんですね。 そして、先ほどおっしゃいましたけど、確認請求の制度というものが実際あるわけですけれども、労働者が知っているのかと、この制度について知っているのかということも疑問でして、この確認請求の制度についてもっと周知していただく必要があるのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 先生御指摘のとおり、今回の適用拡大に当たって、この確認請求の制度の意味というのもより重くなると思いますが、現行制度上、雇用保険の被保険者又は被保険者であった者は、いつでもハローワークに対して労働者自身の被保険者資格の有無についての確認を求めることは可能です。 これは、事業主が必要な手続を行わないことによって労働者が失業等給付を受ける権利を行使できないことのないようにする趣旨で設けられているものでありますが、こうした制度の趣旨に沿って、正当な権利の保護が図られるように、全国の都道府県労働局における各種説明会等の機会やリーフレット等によってきめ細かい周知を、周知、広報等を行ってまいりたいと思います。
○打越さく良君 それで、本当にこの悪質な事例というものに対応する体制を更に強化していただきたいんですけれども、今は、事業主が加入手続を怠っていた場合には、ハローワークが促して事業主に事後的に届出をさせたり、先ほども申し上げている、労働者の方から確認請求をしたりということで、ハローワークが被保険者資格の取得を遡って確認するということになるわけですけれども、この確認制度は原則として確認日前の二年間のみということで、二年間を超えて遡及するということになると、給与から雇用保険料が控除されていたことの証明が必要になります。でも、これは結局、事業主が法令上の届出義務を懈怠したと、その不利益を労働者に帰着することになるということで、事業主の法令違反によって強制保険の例外を認めるということになると問題があるのではないかと思いますね。 資格取得の遡及を原則二年間に限るというのは、雇用保険料が徴収できる時効が二年間であると、保険料不納付の期間における保険給付は不適当であるからという説明がなされているんですけれども、保険料を支払わない、納付していない期間中であっても労災保険では給付が実施されているわけですよね。そうすると、雇用保険でも同様に扱われる方がいいんではないかと、扱われるべきではないかと考えるんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 今先生の方から御説明があった話と重なる部分もありますけれども、雇用保険の遡及適用については、二年間遡及すれば基本的に受給資格が得られるということと、保険料の徴収時効が二年である、二年を超えた場合、給付に対応する被保険者期間中の保険料の徴収が不可能となるということから、原則二年間を上限としております。ただし、これも触れていただきましたが、事業主が保険料を天引きしていた事実が確認できる場合には、例外的に、保険料が天引きされていた期間について、二年を超えて遡及して被保険者期間として算定することとしております。雇用保険の適用拡大の施行に当たっては、事業主に手続に遺漏がないように各種説明会の機会ですとかお知らせ等を通じた丁寧な周知を行って、円滑な施行に向けて万全な対応を行ってまいりたいと思います。 先生お触れになった労災保険との違いというものですけれども、これは、使用者が負うべき災害補償責任を担保する役割を持つ労災保険においては、その費用は雇用保険とは違って原則事業主負担の保険料のみによって賄われていることや、被保険者である期間に関係なく、業務が原因で発生した災害について給付の対象としていることから、雇用保険とは事情が異なるということで、違いがそこから生まれているということだと思います。
○打越さく良君 そういう違いがあるとしても、今後は検討課題にしていただきたいと要請いたします。 そして、パワハラとか退職勧奨の有無など、特定受給資格者の認定をめぐって争いが生じた場合というときに認定が適切になされているのかということもとても心配ですね。労使双方の言い分を聞いて、場合によっては同じ職場の方に聞いたりとか録音記録を確認するとか、そういったことに、事実確認に大変な労力が要るんですけれども、そこが、ハローワーク、度々この委員会でもほかの委員の方からも質問ありますけれども、人員体制とかノウハウが果たしてあるのかと。 房安参考人おっしゃっていましたけれども、やっぱり退職勧奨とか故意の排斥、著しい冷遇、そういったものを事業主が認めることはもうまれだと、そういうことですよね。だから、労使の主張が対立した場合というのは、非常に、証拠資料がそろっているということでなければ特定受給資格者としては認められないと。ブラックな企業で働きながら、虎視眈々と、いつか見ていろよと思って録音をしているとか、そういうことって、なかなかもうタフな、相当タフな人じゃないとできないんじゃないかと思うんですよね。 やはり、立場的に労働者の側が非常に弱い、困難を抱えているということをこちらは踏まえなければいけないと思うんですね。その証拠資料を用意すると、労働者に要求するというのは非常に酷なんじゃないかということを踏まえた上で、出そろっていないから駄目とか、使用者側の言い分の方が正当なんじゃないかと、そういう安易な認定をしないでほしいんですが、その点はいかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 基本手当の受給資格決定における離職理由の判定に当たっては、労働者が自ら離職を申し出た場合でも、その原因が御指摘のパワハラだとか退職勧奨を受けたこと等によるものであることが明らかになった場合には、会社都合離職として取り扱い、給付制限がなく、長い給付日数の基本手当を受けることになります。 そうした場合の、その離職理由に争いがあった場合の判断については、事業主や離職者の主張に加えて、必要な資料を離職者や事業主から収集した上で行っておりますが、パワハラ、退職勧奨のような事例においては、離職者が客観的に事実を明らかにする資料を提出できず、事実確認が難しい場合も多いというふうに我々も承知しております。このため、ハローワークにおいては、客観的な資料の有無だけで判断することなく、職場の同僚等の意見なども丁寧に聴取することによって、離職者の置かれた状況に寄り添って必要な判断を行うように努めているところであります。 こうした業務はハローワークの職員として専門性なり経験なりが必要なところですので、先ほども少し触れましたけれども、そういった離職理由の認定に関する調査業務についてはハローワークの常勤職員が行うと、関連するシステムの入力業務とかは、補助的な、そういった業務については非常勤職員にもやっていただいていますけれども、そういった調査業務についてはハローワークの常勤職員が中心に対応しているという状況でございます。
○打越さく良君 もう今御答弁いただいていますけれども、やっぱり職場の、今もまだその職場に残っている方たちに御協力を求めるというのは非常に厳しくて、むしろ、私の経験からしても、むしろ辞めた人はいいかげんなやつでサボっていたとか、そういうことを会社側と結託して、結託してというか、やむを得ずかもしれないですけれども、むしろ、協力できるような方たち、在職者の方が、在職中の方が協力するということは非常に難しいんじゃないかと思うんですね。 今、非正規の方たちがハローワークにかなり、相当数いらっしゃるんじゃないかという点については、今御答弁いただいたように、専門性を要するところにはそういう方たちではないんだということであるのかどうか。その辺りも、今後の審議、ほかの質疑の機会に確認していきたいと思いますけれども、非常に、ハローワークという、勤労の、勤労者の権利をしっかり保障しなければいけないそのハローワークの現場の方が非常に、業務は分けているということであっても、勤労の権利を保障するところがむしろ非常に脆弱な労働環境にあるということであってはならないと思いますので、その点も引き続き要請したいと考えております。 そして、今回の改正で、自己都合ということで退職した方の給付制限については一定の見直しがされるということで、それは前進かと評価しますけれども、十四番ですが、しかし、依然として特定受給資格者とそのほかの方ということで分けることに合理性があるのかですね。 先ほども申し上げましたけれども、退職勧奨とか上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇、嫌がらせということが、この認定基準というか、限界が曖昧だと思うんですね。これも房安参考人が指摘しておられましたけれども、厚生労働省の令和三年度雇用動向調査では、労働条件や職場環境が悪いため離職に踏み切る労働者、これ無視し得ない割合占めるわけですね。男性だと、職場の人間関係が好ましくなかった八・一%、女性だと、労働時間、休日等の労働条件が悪かったというのが一〇・一%です。 どうでしょうね、職場の人間関係が好ましくなかったと、上司、同僚等からの故意の排斥又は著しい冷遇、嫌がらせということが微妙だと思うんですね。はっきり区別できないんじゃないかと思うんです。そして、労働時間、休日等の労働条件が悪いということと劣悪な労働条件で離職するということと、こっちは正当な理由で、こっちは正当じゃないというふうに区分けする、これは合理的なのかなという、ここが根本的に問題なんですよね。ここが、この区分けはこの今回の改正法案でも残されたままということだと、結局、失業手当の初回受給者のうち八割近くが特定理由でもないという、この比率は変わらないんじゃないかと思うんですね。 このままでいいのかと。この点、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) この雇用保険制度におきましては、受給資格者を離職理由に応じて区分している。具体的には、退職勧奨や上司などからの嫌がらせを含む倒産、解雇等により離職した者を特定受給資格者、そして期間の定めのある労働契約が更新されなかったこと等により離職した者を特定理由離職者、そして自己の都合により離職した者などこれら以外の者を一般的な受給資格者として、それぞれの区分に応じて所定給付日数などを定めておりまして、自己の都合により離職した者は全体の約五〇%でございます。こうした区分は、失業に対する予見可能性の程度を踏まえまして、就職の難易度に応じて給付を重点化するという観点から設けているものでありまして、合理的なものであると考えております。 その上で、委員御指摘のとおり、離職理由の判断が困難なケースもあることは認識をしております。その判断に当たりましては、ハローワークにおいて、事業主や離職者の主張に加え、メールなどの客観的な資料の確認や職場の同僚などの意見などの丁寧な聴取等により、離職者の置かれた状況にちゃんと寄り添って必要な判断を行うこととしておりまして、引き続き、こうした立場から適切にこの制度運営に努めてまいりたいと思います。
○打越さく良君 ですから、房安参考人などもおっしゃっていましたけど、寄り添っているような認定がなされていないということで、やっぱり勤労権の保障と十分言えるようなことになっていないという指摘があるわけですよね。 それで、この改正法案が適用拡大対象とする労働時間週十時間から二十時間までの労働者という方は、恐らくですけれども、離職までの雇用期間というものも非常に短くなる方が、割合が多いんじゃないか。そうすると、この受給に必要な被保険者期間として十二か月というのは非常に高いんじゃないかと、高いというか、長いんじゃないかと思うんですね。そうすると、十二か月というと、雇用保険の適用条件とされる雇用期間三十一日よりもかなり長い。そうすると、離職しても失業手当を受給できないという方が必然的に多くなってしまうわけですね。 だから、日弁連が意見書で、二〇〇七年改正前と同じく、一律に離職日前一年間に被保険者期間が通算して六か月以上ということであれば受給者資格を認めるということが合理的だと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 今のような制度にしております理由として、雇用保険制度における失業給付は、保険原理に基づく制度として、一定期間以上保険料を納付することを求めており、失業給付の受給を目的とした安易な離職を防止する観点から、原則、離職前二年間に被保険者期間が十二か月以上あることを要件としている一方で、倒産、解雇などの非自発的に離職した者については、離職日前一年間に被保険者期間が六か月以上であるということという要件にしております。 今般の雇用保険の適用拡大に際して、週所定労働時間が二十時間前後の労働者の状況を見ますと、その実態は大きくは異ならず、連続性を持った状態となっているということも踏まえて、失業給付の支給要件や給付内容等は現行の被保険者と同様の基準を用いることといたしました。 雇用保険制度の運営に当たっては、早期再就職を促し安易な離職を防止する観点と、一方で、労働者が安心して再就職活動を行えるようにする観点の双方が重要であって、今後とも、受給状況なども踏まえながら適切な制度運営に努めてまいりたいと思います。
○打越さく良君 今も安易な離職防止というお話あったんですけれども、そこの判断というのが非常にどうなのかなと。誰がどのように安易か安易じゃないかということを考えるのかなということが非常に疑問なんですよね。 自己都合退職による二か月や三か月の給付制限を受けた方というのは初回受給者の約三分の二に及ぶんじゃないかということで、そうすると、相当程度、離職から相当程度の期間無収入ということになってしまう、それが見通しとしてあるということだと、むしろ、何というか、理不尽なことに、ある程度お金を蓄えないとブラックな職場でも辞められないということになりはしないかと思うんですね。 ちょっと質問飛ばさせていただいて、十七番ですけれども、貯蓄がない世帯というのは全世帯の何割ぐらいでしょうか。
○政府参考人(森川善樹君) お答えいたします。 令和四年国民生活基礎調査によりますと、全世帯のうち貯蓄がない世帯の割合は一一・〇%となってございます。
○打越さく良君 貯蓄がないということで一一・〇%ですからね、相当程度の期間、貯蓄で暮らしていくということはもうほとんど見通せない方が相当程度いらっしゃるということで、事実上二か月程度の開始までは何とかしなさいよということですと、職業選択の自由を保障しているということにならないんじゃないかということで、ちょっと十九番の方に飛びますけれども、先ほど、安易な離職防止というようなことと絡むと思うんですけど、モラルハザードの危険性というものが当然の前提のように語られることが多いわけですけれども、このモラルハザードの存否、実態というのは明らかじゃないんじゃないでしょうか。十九番です。
○政府参考人(山田雅彦君) 度々我々の方もモラルハザードという言葉を使いますけれども、一般的には、保険によって保険事故が補償されることが被保険者のリスク回避行動を阻害する現象をモラルハザードと言っております。 雇用保険における保険事故は、労働の意思と能力がありながら就職できない状態、すなわち失業でありますが、労働の意思という主観的要件が含まれるため、モラルハザードが生じるおそれが高く、具体的なモラルハザードとしては、給付を目的として離職することや、失業給付が受けられる限り就労に向けた積極的な活動を行わないことなどが挙げられると思います。
○打越さく良君 いや、ですから、そういうことがあると、そういう危険性があるということは言われているけれども、ただそれは前提とされているだけで、結局、実態とか、本当にそれがあるのかということが明らかでないままに、制度設計がモラルハザードの危険性を回避しなきゃというようなことで行われてしまって、結局、憲法上の勤労の権利ということがないがしろになっているのではないかと考えるわけですね。 例えば、失業給付が終わる直前に就職すると、生活費を賄う余裕がないために、所定給付の日数に対応した期間しか求職活動できないから直前に就職するということかもしれないのに、何か、これモラルハザードじゃないかみたいな、何か私としては、ずれているとしか思えない。 そういうことを、これではおかしいんじゃないかと。結局、セーフティーネット機能とか生活保障機能を基盤とした再就職促進機能というものではなく考えられてしまっている。だから、労働者には労働条件が悪い職場から離職する自由とか自分の希望に沿う仕事を選択する自由があるんだと、失業手当はこれらの自由を保障するためにあるんだということを改めて認識しないと、変な、本末転倒なことになってはいないかと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) この完全失業者に対する受給者実人員の割合、これ近年二〇%台前半で推移しているんでありますけれども、この点、今までの様々な議論の中で、大変低いのではないかというような御指摘もありました。こうしたことが御指摘のモラルハザードの問題と果たしてどう関わってくるのかということなども考えながら聞かせていただきました。 実際に、こうしたモラルハザードの問題というのは、労働者の働く意思と能力というものをどう判断するかに懸かってくるものでありますから、その意思に関わる判断というところで、実際にこの判断がいかに的確、適切に判断されるか、そこを常に注視をしながら、私どもとしてはこうした問題が起きないように制度設計をしていかなければならないんだろうと考えております。
○打越さく良君 私、割としつこいぐらいに憲法上の権利ということを強調して質問を重ねてきたつもりなんですけれども、何か、あれっ、ちょっと私が申し上げているところを共有していただいていないのかなと、それでは本末転倒な制度のままなのかなと思うので、ちょっと非常に残念ではありますが、時間が限られておりますので、もう一つ、二十三番の方に飛びますけれども。 今回の改正案で教育訓練とかリスキリング支援が充実されるということですけれども、必要な人が果たして利用できるのかということで、本来、機会が恵まれなかった非正規雇用の人とか女性の方にこそ教育訓練の実施が進むべきなのではないかと思うんですね。 それなんですが、ちょっと、あっ、ごめんなさい、二十三番と申し上げましたけれども、時間が限りがあるので、結局、大臣にずばり伺いますけれども、今まで教育訓練、リスキリング、利用しにくかった女性たちが結局放置されたまま政策が推進されるとすると、かえって賃金格差は進むんじゃないかと。だから、その検証をしっかり踏まえた上で政策を推進していただきたいと、これ二十四番ですけれども、大臣、いかがですか。
○国務大臣(武見敬三君) この非正規雇用労働者、正規雇用労働者と比べて能力開発の機会に乏しいこと、それから女性は男性と比べて家事、育児との両立や将来のキャリアに悩む割合が高いことなどの課題があることは、私ども厚生労働省としてもその調査などから把握をしております。 その上で、リスキリングの支援施策を講ずるに当たっては、こうした方々においても実際の利用が進むよう、労働者個人の置かれた状況に合わせた支援内容にしていくことが必要だと考えております。御指摘の非正規雇用労働者や女性への支援については、先ほど、こうしたことを踏まえまして、非正規雇用労働者が働きながら学ぶことができるよう、柔軟な受講日程や受講継続に向けたサポートなどを盛り込んだ新たな職業訓練を試行的に実施する取組を行うこととしております。 こうしたことを通じて、実際に今般の法案におきましても、この被保険者範囲の拡大、それから教育訓練給付制度の拡充など、誰もがリスキリングに取り組みやすくなることに資する内容を盛り込んでいるわけでありますが、これらの内容を含めて、施策の活用状況も確認しながら、希望する誰もが主体的に能力向上を図ることができる環境整備に引き続き取り組んでまいりたいと考えているところであります。
○打越さく良君 是非、格差を放置するどころか拡大するようなことにならないようにお願いしたいことと、あと、やはり勤労権の保障の趣旨に立ち返っていただいて、国庫負担の水準というものも四分の一に戻していただきたいと、これを要望させていただきまして、質問を終わります。
○石橋通宏君 立憲民主・社民の石橋通宏です。 打越理事に続きまして法案審議をさせていただきたいと思うのですけれども、大臣、済みません、法案の質疑に入る前に、一点お聞きしておきたいことがあります。 大臣も御存じのとおり、環境大臣が、水俣病患者の皆さんとの対話会において、強制的にマイクが切られて、そして発言が封じられてしまったという、我々、極めて深刻、重大な事態だというふうに受け止めておりますが、大臣、同じ岸田内閣の一員として、本件についてどのような所見お持ちでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) 水俣病というものに関しましては、我が国が戦後の高度経済成長の中で、実際にその一つのゆがみとして、こうした人体に対する健康被害というものが起きたその典型例であり、それをきっかけとして我が国は環境省というものを設置をして、こうした事態に至らぬように政府として対応するようになった、そのきっかけともなった非常に重要な案件であったと私は理解をしております。 今日においてもまだその水俣の被害に関わる課題というものは完全に解決されているわけではないわけでありまして、したがって、その件に関しては、政府として常に真摯に、こうした被災者と方々、あるいはその代表する各団体の皆様方との意見の交換というものは、あくまでも丁寧に、そして真摯に行うべきものであると、こういうふうに考えております。
○石橋通宏君 つまり、環境大臣、環境省の対応は不適切であったということでよろしいですね。
○国務大臣(武見敬三君) 残念ながら、遺憾であったと思います。
○石橋通宏君 厚労大臣、いや、おっしゃっていただいたとおりですが、厚労省、厚労大臣は、極めて幅広い、命を預かっていただく、雇用や、そして生活、暮らし、大変重たい職責を担っていただいています。おっしゃっていただいたとおりですが、まさに、当事者の皆さん、様々な問題の被害に遭われた皆さん、そういった皆さんの声を本当に真摯に向き合ってお聞きをいただく、大臣御自身がそうだし、厚労省の皆さんがそうだというふうに思います。 厚労大臣若しくは厚労省では絶対にこんなことはないということでよろしいですか。
○国務大臣(武見敬三君) 私としては、厚生労働大臣として、常に、こうした課題に関わる真摯な立場から、特に社会的にも弱者と考えられる方々の御意見というものに対しては丁寧にその意見を聞くことが私どもの責務であろうと考えております。
○石橋通宏君 是非、それ実践してください、大臣。様々、関係者の方々の声を真摯に聞いて、そしてそれをきちんと政策に落とし込んでいくというのが皆さんの責務だと思います。 今回の雇用保険の関係も、まさにそのとおりなんです。多くの方々が、この雇用保険、まあ社会保険全体そうですけれども、何かあったとき、でも、それでもしっかりと暮らしを支えながら、命をつなぎながら、そして皆さん、それぞれに頑張っていただいている。その安心、安全を確保するために必要な施策ということで、極めて大事なわけです。 ですから、今回、るる議論になりました雇用保険の適用拡大、今回していただくわけです。ようやく、ようやく二十時間未満の方々、今回十時間までですけれども、適用拡大をしていただく。 資料の二に改めて付けさせていただきました。これまでの適用範囲の拡大、対象人数、それから施行日、法律が成立してから施行までの期間、改めて確認して、まあ大臣、これはもう重々お分かりだと思いますが、今回、ようやく二十時間以下、未満、十時間以上適用になった、こういった方々にも雇用の安定と安心、そして失業された際の安心、安全、暮らしを確保していただく。 大臣、本来であればもっと早くに適用拡大がされているべきだった方々だと僕は思います。だからこそ、この適用拡大、本来であれば一日も早く適用拡大を実現すべきだ、大臣もそういうお考えだということでよろしいですか。
○国務大臣(武見敬三君) 思いは委員と全く同じであります。(発言する者あり)それだけでいいですか。
○石橋通宏君 今お聞きしたのは、そのところ、思いは同じだと。一日も早く適用拡大すべきなんです、大臣。思いは共有いただいたというふうに思います。 じゃ、なぜ四年半も待たせるのですか。るる、この間も、皆さんいろいろ、ああだこうだ、こうだこうだ説明されてきましたが、これまでの、重ねて、適用拡大の対象人数、それから施行までの期間を見てくださいよ。こんな四年半も掛かったことなんてないんですよ。過去、例えば、二百五十五万人適用対象でも、中身は違うかもしれませんが、これだけ迅速に適用していただいているわけです。 今回皆さんが言ってきた理屈、これ到底そんな理屈通らないと僕ら言ってきたら、ようやくおとといの理事会で、これが本当の理由だということで出されてきたのがシステム改修で、来年までに一つのシステム改修、その後にもう一つのシステム改修、その後にやってくるから四年半も待つのだと。 これ、厚労省の都合で四年半も待たせるわけでしょう。それ、何でもっと、認めて、適用対象になる方々にきちんと説明されないのですか、大臣。
○国務大臣(武見敬三君) この点については、先ほど思いは同じだと申し上げた後に付け加えて言おうとしたことなのであります。 この議論、委員も御存じだと思いますけれども、労働政策審議会で相当な議論がなされました。そして、ようやくその意見の合意ができたところであります。 全国の事業主と労働者の理解を得るための十分な周知期間というものがやはり確保されなければならなくて、その中で具体的な一案としてシステムの問題も出てきたという経緯があります。そして、この事業主の事務負担の増に鑑みて一定の準備期間を設けるといった観点からも、この施行期日を令和十年十月とすることに労働政策審議会が合意したものでございます。 それを受けて、私ども、この法案の作成に当たったということを御理解いただきたいと思います。
○石橋通宏君 いや、だから、その説明では理解できないと言っている。 労政審でこの施行日の問題、ほとんど議論されていないのではないですか。ちゃんとしたシステムの更改のこの順番の話出されましたか。出していないでしょう。これ、ようやく出てきたんじゃないですか。このシステムが来年までに今のクラウド化の話が進む、その次に業務システム更改がある、もう既にそれがあるから、その先まで待ってくださいというのをようやく言ってきたわけでしょう、大臣。 なぜもっと早く、この適用拡大の話はずっと議論があったはずです。なぜ今回の、じゃ、例えば五年に一度の業務システム更改のときに、それに合わせて適用拡大ができるように制度設計の議論をもっと前倒しでしておかなかったんですか。厚労省の責任じゃないんですか。その厚労省の責任は認めるべきで、四年半も待っていただくことに対して、結果的に、この間、ずっとここでも議論ありましたけれども、適用されない方々、そういった方々、不利益を被る方々、出てしまう可能性があるという議論をしてきたじゃないですか、大臣。 そのことは、大臣、改めてお認めになって、一日も早く、本来であれば適用させていただくべきだとおっしゃっていただいたのであれば、これ、本来、もっと厚労省、全力を挙げて、このシステム更改の対応も含めて、一日も早く適用拡大できるように努力すべきではないですか、大臣。
○国務大臣(武見敬三君) 厚生労働省としても、一丸となってこの問題に取り組んでくれていると私は理解をしております。 雇用保険の適用や給付業務担うハローワークシステムでありますけれども、政府内でも、年金に次ぐ巨大なシステムであり、取り扱う情報量も多くて、給付などの実務における正確性も求められるものであります。関係省庁との協議というものにも大変時間が掛かります。計画的にこのシステム改修を実施していくことが求められてくるわけであります。 令和九年一月に予定しているおおむね五年に一度の業務システムの更改についても、今般の適用拡大の方針決定がなされる以前の令和三年度から要件定義や調達等に向けた作業に着手をし、計画的に作業を進めてきたところであります。 このように、ハローワークシステムの改修には一定のタイムスパンを要し、計画的に作業を行う必要がある中で、作業当初からあらゆる制度改正の可能性を想定することは決して容易なことではございませんが、この計画当初から今般の適用拡大を見据えて対応すべきであったのではないかという先生の御指摘は、これはもう真摯に受け止めさせていただいた上で、今後一層高まっていく機動的な政策対応への要請に対応するべく、業務体制やシステム面といった実務体制の確保については、私はこれまで以上に役所一丸となって取り組むつもりであります。
○石橋通宏君 最後のところが大事で、最初のところは言い訳として聞き流しておきたいと思いますが。 大臣言われたとおり、令和三年度云々言われたけれども、重ねて、さっき申し上げたとおり、二十時間以下、未満の労働者に対する適用拡大の話はずっとやってきたんですよ。ずっと言ってきたんですよ。昨日今日始まった話じゃない、令和三年に始まった話じゃないんですよ、大臣。 だから、なぜ、令和三年度からシステム更改の話をしたのであれば、この二十時間未満の労働者に対する適用拡大も見据えた柔軟な制度設計をしてこなかったのかと言っているんですね、大臣。そのことは、今、後段のところで言っていただいた、真摯に受け止めるべきです。反省すべきです。それによって、結果的にこれだけ長期間待たせることになるわけですから。 かつ、大臣はお聞きになっていると思うけれども、結局、この巨大なハローワークの云々のシステムがレガシーのシステムを引きずっているんですよ。新しいシステムに更改されていない。ずっとそれを引きずってきたから、柔軟な対応がいまだにできないんですよ、大臣。そのことも厚労省の責任ではないんですか、大臣。
○国務大臣(武見敬三君) このシステムの巨大さというのは、知れば知るほど大変なものであることがもうよく分かってきました。しかし、それを誤りなきように改修していかなければなりません。過去にも、こうした巨大システムの改革をめぐっては国民の不信を買うことが何度かありました。 したがって、こういうようなことが決して起きてはならないという、その姿勢からこうした丁寧な対応になってきているんだということは是非御理解をいただきたいと思います。
○石橋通宏君 大臣、違うんですよ。レガシーの複雑なシステムをずっと引きずっているからこういうことが続くんです。なぜ、もっと早くにきちんと全面的な刷新をしてこなかったのか。パッチワークなんですよ。年金システムもそうだけど、ハローワークのシステムもそうなんですよ。これ、ずっと先送りにしてきて、パッチワークで巨大な複雑なシステムを残しているから、こういうときに間違えるんですよ。 大臣、そのことは真摯に、大臣のイニシアチブでこれ徹底的にやった方がいいですよ。後ろ、笑っている場合じゃないので、真摯にやっているんだから。大臣、これ大臣のイニシアチブで本気でやった方がいいですよ。そうしないと、今後もいろいろ、多様な働き方云々厚労省が言っている中で、いろんな柔軟な対応が必要でしょう。そういったときに、それがきちんと柔軟に対応できる、そういったシステム構築していかないといけないという、そのことを共有いただけるのであれば、大臣、そのことは是非この機会に約束をして、大臣のイニシアチブで、今後、一日も早く適用拡大していただけるように対応してください。そのことを重ねてお願いしておきたいと思います。 その上で、先ほど打越理事からもるる話があったんですけれども、結局、この雇用保険の適用の問題も含めて、この二十数年間、我が国で非正規雇用拡大してきた。とりわけ短時間労働者、パートタイムの方々が数多く、一生懸命、日々頑張ってお仕事をしていただいておりますが、社会保険等の適用がなされてこなかった、様々な理由も含めてですけれども。ここの、この場でも、いや、でも、この何年かは正社員が増えてきたんですという議論するんですけれども、どんな正社員ですか、正社員が増えてきたというのは。 大臣、なんちゃって正社員、名ばかり正社員ってお聞きになったことがありますか。名ばかり正社員、なんちゃって正社員って、大臣、何らか問題意識お持ちですか。
○国務大臣(武見敬三君) そのなんちゃって正社員という言葉は聞いたことあります。
○石橋通宏君 問題意識はお持ちですか。
○国務大臣(武見敬三君) もし、そういうなんちゃって正社員がいたとすれば問題だと思います。
○石橋通宏君 いたとしたらとおっしゃるけど、いないと思っておられるんですか。
○国務大臣(武見敬三君) それは考え方によってその程度も判断されるものと思われますけれども、そういう言葉が実際に社会で使われるようになっているということは、一部そうした方々がいらっしゃるということになるんだろうと思います。
○石橋通宏君 これ、今現実的には、なんちゃって正社員、名ばかり正社員と言われるような方々が数が拡大をしているということについて、大臣が今のような答弁の認識であるとすると極めて重大だと思います。厚生労働省として、きちんとそういった事実について調査もされていなければ把握も認識もされていないということが露呈してしまったと言わざるを得ないとすると極めて残念です。 先ほど打越理事も触れたのですが、大臣、改めて確認しますけど、雇用保険の適用事業所若しくは適用になるべき労働者の方々であるにもかかわらず、雇用保険に加入できていない、されていない労働者は存在しないということでよろしいですか。
○国務大臣(武見敬三君) 雇用保険の被保険者となるべき労働条件であるにもかかわらず、事業主が必要な届出を行わず、雇用保険が未加入となっている事例というのは現実に生じ得ると。 そして、このために、毎年、全適用事業者宛てにはがきを送付をいたしまして、雇用保険に加入している従業員数を記載をして、未加入となっている従業員がいないか確認を求め、加入を促すとともに、本人から雇用保険の被保険者資格があることの確認請求がハローワークにあった場合には、必要な事実確認を行った上で、加入要件を満たす場合は必要な届出を行うように事業主を指導しております。 これらの取組を通じて、雇用保険の加入を徹底していくという姿勢を私どもは持っております。
○石橋通宏君 お聞きしたのは、未加入である、今おっしゃっていただいたとおりに、起こり、あり得るというふうにおっしゃったけれども、厚生労働省として数把握されていますか。
○国務大臣(武見敬三君) 実際の件数の把握というのは詳細行われているというわけではないと思いますけれども、その存在を否定することは決してできないという認識は明確に持っております。
○石橋通宏君 これ、何らか調査なり実態把握を、これ雇用保険に限らないのですけれども、社会保険の適用逃れというのは残念ながら多く存在をしてしまっています。この実態、実情についても、今回の雇用保険の適用拡大に合わせて、しっかり現状把握をして、大臣、全事業者に確認はしているのだ、いや、確認したから、皆さん、残念ながら、正直に全事業者が回答してくれて適用してくれればいいのですけれども、そうなっていないという事実があるのですから、それに対してはきちんと対応しないと、今回せっかく適用拡大していても、かえって逃れが増えて大変な事態になるということ、この問題は認識をされた方がいいというふうに思います。 大臣、先ほど、なんちゃって、名ばかり正社員という話をさせていただきましたが、大臣、例えば、正社員でありながらですよ、ほぼ最低賃金水準の処遇しか得られていない労働者が拡大している事実は把握されていますか。時には、実質最低賃金以下の賃金しか得られていないと言われる方々も正社員でありながら増えている。昇給も手当も賞与も退職金もない、最低限あるべき福利厚生すらない、日給制、時給制、固定残業制、休みなしの長時間労働を強いられる。一方で、責任、成果はがっつり求められる。 大臣、これは本来、厚生労働省が目指すべき真っ当な雇用、正社員でしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) いや、全く違います。その点については、なんちゃって正社員がそのまま許されることであるというふうには私には思えません。
○石橋通宏君 大臣、明言していただきましたので、でも残念ながら、こういうなんちゃって、名ばかり正社員、つまり、いわゆる、我々ずっと、ブラック企業なり、ずっと問題指摘をさせていただいてまいりました、それに対する厚生労働省の指導監督が残念ながら余りに弱いのではないかという問題指摘もさせていただいてきました。 そんな中で、これが、先ほど打越理事が指摘をされましたけれども、自己都合の退職、まあ皆さん的に言えば自発的離職ということなのかもしれませんけれども、そういった方々、特に若い世代や女性の方々が増えているのではないか。大臣、その因果関係があるということも認識されませんかね。
○国務大臣(武見敬三君) 両者の因果関係について、明確にその事実関係、確認できているわけではございません。しかし、実際に状況を正確に把握する努力はすべきだろうというふうに考えているところであります。
○石橋通宏君 では、是非実態把握してください。 その上で、厚生労働省、基準監督署含めて、適切な対応ができているのかどうかということも併せてしっかりと対応していただきたいし、先ほど、冒頭、大臣約束していただきましたので、当事者、そういった被害に遭われている方々、労働者、是非、直接話聞いてください。実態を把握してください。何ならアレンジさせていただきますので、是非対応いただければというふうに思いますので、そこは、大臣、うなずいていただきましたので、是非進めさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。 なので、大臣、そういった、さっき大臣認めていただきました、明確に答弁いただきました。先ほど事例で挙げたような、そういういわゆるブラックな、なんちゃって正社員のような、それは厚生労働省が考えるあるべき正社員、雇用の姿ではないということは明言いただきました。であれば、残念ながら、そういう職場に就職をされてしまった、雇用を得た、就職して初めてそういう実態を把握をした、そういった労働者はそれは離職しますよね。辞めますよね。大臣、それで我慢しろと言いますか。 そういったブラックな企業、あるべき正しい雇用ではないところで就職した労働者が辞める、それに対して、大臣、ペナルティーを科すことを適切だと思いますか。
○国務大臣(武見敬三君) この雇用保険制度では、保険事故である失業に対する予見可能性の程度に応じて給付を重点化するという観点から、受給資格者を離職理由に応じて区分の上、所定給付日数それぞれ設定しているわけです。その上で、離職理由の判定に当たっては、労働者が自ら離職を申し出た場合であっても、例えば長時間労働が一定期間続いたことによる離職であるということが明らかになった場合であるとか、会社都合離職として取り扱い、給付制限を課されることなく長い給付日数の失業給付を受けることになるわけであります。 このように、事業主と離職者との間で離職理由について見解が異なるといったような場合、こういう場合には、先ほどから何度も参考人の方からも説明していますけれども、ハローワークにおいて、こうした離職者の置かれた状況についてきちんと寄り添って意見を聞いて、そして適切に対応するということが私どもの役割だと思っています。
○石橋通宏君 それは質問しなかったのですが。 大臣、じゃ、それをおっしゃるのであれば、じゃ、今大臣おっしゃったように、自己都合だと、でも、調べてみたらパワハラとかさっき言ったようなブラックな企業で、だから辞めたのだということを申告して、厚生労働省がちゃんと調査をして認定をして、自己都合ではない、会社都合だといって認定をいただいた数、教えてください。
○国務大臣(武見敬三君) その、まず……(発言する者あり)数ですか。 正当な理由か否か、労使の主張が対立したケース、それから証明書類がそぐわないため正当な理由と認められなかったケース、年間約百八十万件の受給資格決定の手続の過程で生ずるものでございまして、現在のシステムではそれ集計をしていないために、現状では件数の把握は実際には困難でありますけれども、適切な調査が行われているか、監察等の機会を通じて、これは私どもも不断の努力をして検証していかなきゃいけないだろうと思います。
○石橋通宏君 数、分かんないんですよ、把握していないから。よくよく聞いたら、まあ、でっかいハローワークで月一つあるかないかぐらいですかねと言っていたけど、そんなものでしょう。そんなものも適切には分かりませんが。 大臣、そういう実態なんですよ。大臣、さっきここで何度もそういった、堂々と、いや、そういった場合にはちゃんと調査をして、ちゃんと同僚に聞き取りをしてと言うけど、対応できていないでしょう。本来であれば、そういった訴えなりそういった話が労働者から来たら、それをちゃんと徹底調査もするけれども労基署につないで、労働基準監督官、査察に入って、そういったブラックな企業に徹底的に是正を図る。それ何件やっていますか、そういった、できていないでしょう。 いや、できていないことはお認めになった方がいい。できていないことはお認めになった上で、だから体制の充実が必要だ、これはハローワークもそうだけれども、労基署も含めて横横の連携、そして絶対にそういうブラックな企業は許さないのだという厚生労働省、大臣の姿勢を見せなきゃ駄目ですよ。 だから、ちゃんと数は把握してください。できているかできていないのかをちゃんと把握してから我々に答弁してください。その上で、できていないのであれば、改めて体制の拡充と、そして、労基署しっかりつないでいただいて、労基署からの指導監督、是正が具体的に成果としてどれだけの対応していただいたのかも含めて、ここでもう一回ちゃんと報告できるようにしてください。大臣、よろしいですか。
○国務大臣(武見敬三君) 実態の把握については、常にこれからも努めていくつもりでございます。 その上で、常にこうした問題については、今の時点からそうした問題を解決すべく、現状の中でもその努力を続けていくことの必要性というものがあります。それはまさにハローワークという現場の中でそうした対応をしっかりとするように、私どもからもハローワークにそうした指示を周知徹底させていくことが必要なんだろうと思います。
○石橋通宏君 大臣、周知徹底では駄目です。体制の問題と、さっき大臣も専門性云々おっしゃっていただいた。これも、この間ずっと大臣と、ハローワークの現状、非常勤雇用の皆さんの状況、何度もここでやらせていただきました。拡充に向けて努力はされているということもおっしゃっていただいたけれども、今回の対応も含めてまだまだ不十分です。労働基準監督官も全然足りていないというのも何度もここでやらせていただきました。 こういったことも含めて、本当に働く者の安心、命、暮らし、雇用を守ると大臣言っていただくのであれば、それをちゃんと言行一致させてください。厚生労働省の体制強化、そこで示していただきたい。大臣、そこは重ねて、大臣、これ今後の大臣の具体的なイニシアチブ、我々、応援もしますしチェックもしていきますので、行動してくださいね。大臣、よろしくお願いします。 次に、今、なんちゃって正社員の話、残念ながらこういった実態が増えている。大臣、現状確認してみたいとおっしゃっていただいた。是非見ていただきたいと思いますが、もう一つが、これもここまで何度も大臣ともやり取りさせていただいたけれども、フリーランス、フリーランスの中でも偽装請負、偽装個人事業主の問題で、昨年十一月のこの委員会で、大臣とアマゾンの下請企業のフリーランス、労災認定の議論をさせていただいて、やっぱりこれ、もうそういった働き方をされている労働者の方々、本来労働者の方々は多数おられるので、もういいかげん厚生労働省として、大臣として、もうこういう方々は使用者従属性がある労働者なんだと、だから雇用保険、社会保険、適用になるんだということを明確に基準として示してほしいということを申し上げてきました。 大臣、今回の法案審議で、衆議院での答弁で、フリーランスの方であっても、実態として労働者に該当する方は労働者として保護を適切に受けられることが重要という答弁をしていただいています。そのとおりです。 今回、労災については、フリーランスの方々に対して、今年の秋をめどに労災の特別加入についてやるという方向を出していただいていると理解をしています。雇用保険もそうしてください。是非、全てのフリーランスの皆さんにこの雇用保険も適用するのだということで対応いただきたいと思うのですが、大臣、それ約束いただけませんか。
○国務大臣(武見敬三君) 雇用保険の場合は、失業による所得喪失という保険事故に対処するための一定の要件を満たす労働者を強制的に加入させることによりリスクを分散しているものでございます。仮にフリーランスに雇用保険の加入を認めることとした場合には、この休廃業等を自己決定できることや、個々の請負契約の終了等により、容易にかつ繰り返し保険事故となる所得喪失が発生することから、失業給付の受給を目的とした逆選択であるとか、それから循環的給付の発生が懸念されます。想定されるリスクは取引減に伴う収入減であり、雇用保険のリスクである失業とは異なる上、失業時における再就職行動も多様であることが想定され、ハローワークの失業認定手続により給付を行う雇用保険制度の枠組みにはなじまないことなどの課題があって、これについては慎重な検討が必要であるというふうに認識しております。 その上で、フリーランスの方であっても、実態として労働者に該当する方は労働者としての雇用保険制度による保護は受けられます。今後、そうした取扱いについても、全国の都道府県労働局における各種説明会などの機会を活用して、働く方へ周知するなど適切に対応をしていきたいと、こう考えます。
○石橋通宏君 大臣、保護を受けられるといったって、どうするんですか。一人一人の労働者、そういったフリーランスの方々に、一々、何かあったら裁判に訴えろというふうにするんですか。そんなことしていられませんよ。だから、大臣がせっかく、実態として労働者に該当する方は労働者として保護を適切に受けられるように、そうおっしゃるのであれば、ちゃんとした基準をもう示してくださいとお願いしているわけです。大臣、そこを問題視しているんですよ。 大臣、重ねて、そこを言っていただいたのであれば、じゃ、実態として労働者に該当する方、どういった方々であれば実態として労働者に該当するのかをもうちゃんと明確に示してくださいとお願いしている。大臣、どうですか。
○国務大臣(武見敬三君) 労働基準監督署において、このフリーランスを含めて労働者性に疑義がある方から労働基準関係法令違反がある旨の申告がなされた場合には、相談者の方から丁寧に話を聞くなどのまず事実確認を行います。それから、労働者に該当するかどうかの判断をそこでいたします。その結果、法違反が認められた場合には、事業者に対して是正を求めます。また、労働者性の判断基準については、令和三年三月に策定したフリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドラインにより、これ明確化して周知を図っているところでございます。 その上で、現行の判断基準の枠組みが適切なものとなっているか否かについては、今後、ガイドラインの運用状況や裁判例などの動向、それから労働者の働き方の変化などの状況を注視をしながら、こうしたガイドラインの在り方についても不断にこれ確認をしていきたいというふうに思います。
○石橋通宏君 重ねて、一人一人のフリーランス、本来労働者であるべきフリーランス、偽装の方々、一人一人の自己責任に負わせるのではなくて、もう厚生労働省として、今回、例えば労災でこういう対応していただいた、じゃ、ほかの雇用保険を含めた社会保険についてもやっぱりきちんともう基準出して、もうみんなそれは該当するのだということを明確に示していただくべきですよ。それは、重ねて、大臣のイニシアチブで、今後の対応、我々も応援していきたいと思いますので、是非、継続的な議論、検討、一緒にやらせていただければということをお願いしておきたいと思います。 時間がないので、もう何問か、ちょっと時間の限りでやりたいと思うのですけれども、もう一つ、今回の雇用保険の失業手当、とりわけ、の十分性についての問題がるる議論されてきました。 やっぱり、私なんか、特にヨーロッパと比較して、日本の失業給付の給付期間が著しく短いこと、これが制限されてきたこと、さらには給付額が不十分なのではないかという問題については、改めてこれ、大臣、しっかりと諸外国の状況も見ていただきながら検討すべきなんです。これも打越理事が言われたとおりで、どうも厚生労働省は安易な離職防止だとかそういったことばっかり気にして、本来守るべき労働者を守っていないのではないかということをずっと我々は問題指摘をしてきたわけですよ。 だから、ここ大臣、しっかり真摯に現状を見ていただいて対応いただきたいと思うのですけれども、例えば、大臣、今の状況で失業給付を受給できる期間内に就職できなかった失業者の方々は何割ぐらいおられますか。
○政府参考人(山田雅彦君) ちょっと私の方からお答えさせてもらいます。 委員御指摘の割合そのものについては把握しておりませんけれども、例えば受給資格決定を受けた者であって、失業給付の支給終了後一年以内に就職した者のうち、失業給付の支給終了までに就職した者の割合は、二十五年度から、平成二十五年度から令和三年度までの間でおおむね六〇%程度で推移しております。
○石橋通宏君 ということは、失業給付を受けている間に就職できなかった方々がそれなりにおられるという理解ですよね。そのことについてはどういうふうに問題意識を持たれているのですか。それは労働者の努力が足りないとおっしゃるのですか。それとも、今、大臣、昨今、デジタル、IT、様々な技術革新の中で、新しい技術、新しいスキル、こういったことを身に付けていただく、より良い就職、より良い報酬を得ていただくためには、そのためには、やっぱり長い期間の訓練、教育が必要なケースって多々ありますよね。大臣、我々だって、一か月、二か月でそんなスキル身に付くわけないでしょう、大臣。であれば、やっぱり長期のそういった教育訓練が受けていただけるような失業給付の対応というのはすべきではないかと思います。 実は、訓練延長給付というのがあります。皆さんどれだけ御存じか分かりませんが、訓練延長給付というのが、本来、ちょっと説明いただきたかったのですが、これ、どれだけ使われているのか、周知をされているのか、積極的に労働者に活用を促されているのかというのがよく分かりません。 資料の中に、これだけ使われているというのを資料の十一、十二でお付けしておりますけれども、これ、参考人でも結構です、この訓練延長給付、積極的にこれ活用を促しているのでしょうか。中長期の教育訓練を受けていただけるように、安定して給付以上に手当を受けていただきながら長期に訓練をいただける、こういった対応を厚生労働省、現場でしていただいているんでしょうか。その確認だけお願いします。
○政府参考人(山田雅彦君) 今申し上げましたように、今というか、ハローワークにおきましては、雇用保険の説明会、初回受給時にある雇用保険の説明会等で、あるいは毎月の失業認定時における職業相談の場面等で、公共職業訓練等のメニューや今言及されました訓練延長給付についても紹介して、その利用に向けた働きかけをハローワークとしては行っております。
○石橋通宏君 行っている割には、失業給付を受けておられる間に再就職が実現できた方々の割合がそれぐらいにとどまっているということであれば、もっときちんと中長期に安心して受けていただけるように、積極的にこういった対応をしていただくべきではないかというふうに強く思います。 あと、時間がなくなってきたので、公務員に対する雇用保険の適用について、特に、これも我々、本来、非正規雇用の皆さんや公務員の非常勤雇用の皆さんにこそ、こういった失業の際の失業給付若しくは教育訓練のための様々な制度、こういったものを活用いただきたいと思うわけです、大臣。 公務員の皆さんには雇用保険が適用除外をされています。しかし、その理由は雇用の安定があるからみたいなこと言われているけど、どこに雇用の安定があるんですか、非常勤雇用の方々に。こういった方々には、当然だけれども、ちゃんと雇用保険適用になっていて、こういう非常勤の公務員の方々も、例えば今回導入をされる新たな給付、こういったことも対応できる、使っていただける、そういったことでよろしいかどうかだけ最後に確認させてください。
○委員長(比嘉奈津美君) もう時間が過ぎておりますので。
○国務大臣(武見敬三君) 今回、公務員はこの給付の対象外ということになっておりますので、実際、今回の御質問に対する答えを今すぐに用意するということはできなかったものでございますから、時間が掛かり、大変失礼をいたしました。
○委員長(比嘉奈津美君) 済みません、時間が来ておりますので。
○政府参考人(山田雅彦君) 公務員で非常勤職員の方であっても、雇用保険を払っている方については対応は可能であります。(発言する者あり)
○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので、ただいまの件につきましては、後刻理事会においてちょっと協議させていただきたいと思います。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(比嘉奈津美君) 速記を起こしてください。 質疑を続けたいと思います。
○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。今日は、二十五分間、よろしくお願いいたします。 私も適用拡大の話をしたいところなんですが、その話ばかりしていたらほかのことが確認できませんので、まず教育訓練給付の内容についてお伺いをしたいというふうに思います。 働き方改革関連法案の施行により、トラック事業者にも本年四月から時間外労働の上限規制等が適用されて、いわゆる物流の二〇二四年問題について世の中で大きく取り沙汰をされています。とはいえ、従来から交通の運輸業者では運転手の人員不足、人手不足というのは続いていまして、トラックドライバーの確保というのは社会をインフラとして支えていただくという中でいけば非常に重要な問題だというふうに私は思っております。 そういう中で、今回のこの教育訓練給付の議論があった中で、実際に一般教育訓練給付の受給者の受講内容を見ると、運送、機械運転関係、いわゆる大型自動車の第一種免許等が圧倒的な多数を占めて、失業者におけるニーズの高さが受講の数でうかがえてきます。 教育訓練給付には、専門実践、特定一般、一般の三種類があり、主に、金額ですけれども、給付内容に差があります。現状、運転免許関係の取得は専門実践教育訓練となっていません。 この専門実践教育訓練は、労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練受講を対象としており、一年以上の受講期間が要件というふうになっています。自動車運転免許の取得は、教習所での訓練を、かつて経験された方はお分かりだというふうに思いますけれども、指導官とマンツーマンの教習によって、座学によるほかの教育訓練に比べても、そもそも教育の密度、訓練の密度が高いことや、一般の方の運転免許の取得を目途に全国の多くの教習所があって、受講機会を提供しやすいという効率化が図られていることによって結果的に受講期間が短くなっているわけなので、決して受講の中身が労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練受講という要件にそぐわないとは言えないです。 二〇二四年問題を始めトラックドライバーの人材確保を国として促すなら、準中型以上の運転免許教習と、令和二年道路交通法の改正によって創設された受験資格特例教習、これ、より支給内容が手厚い専門実践教育訓練にすることによって、このトラックドライバー等の確保、これを行っていくべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 教育訓練給付制度につきましては、御指摘のとおり、対象とする教育訓練の性質に応じまして要件の異なる専門実践、特定一般、一般の三種類の給付がございます。 このうち専門実践教育訓練給付につきましては、今御紹介ございましたその制度趣旨として、原則として、専門性、実践性が高く、修了に一年以上の期間を要する教育訓練講座を指定することとしております。 三種類の教育訓練給付、給付率の差異を設けておりますが、やはりその要素の一つとして、訓練期間が長期にわたるということをもって、より高い給付率を適用するという考え方がございます。御指摘の準中型以上の免許ですとか受験資格特例教習に係る講習は、このような期間を要しませんので、この対象とすることにはなじまないというふうに考えております。 他方で、労働者の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する資格取得を支援する特定一般教育訓練給付や一般教育訓練給付の講座指定の対象には御指摘のような分野はなってございまして、本年四月時点で、一般教育訓練給付で約六千五百、それから特定一般の方で約三百の運転関係の講座が指定を受けていただいているところでございます。 トラックドライバーの不足は喫緊の課題となっております中、業界団体等を通じた自動車教習所に対する周知、広報ですとか講座指定申請勧奨などによりまして、指定講座の更なる拡大に取り組むほか、給付制度の周知なども行ってまいりたいと考えております。
○田村まみ君 今の答弁でも、やはりその一年以上ですね、一年の期間がないというところが指摘されたんですけれども、この前段の、労働者の中長期的キャリア形成に資する教育訓練の受講、ここは当たらないでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 御指摘の専門実践教育訓練給付の中長期的キャリア形成に資する教育訓練、あるいは特定一般教育訓練給付の速やかな再就職及び早期のキャリア形成に資する教育訓練といった言い方は、必ずしもそのある講座がこちらだけに当てはまってこちらだけに当てはまらないというようなものではなくて、講座の特徴を示すものとして使っている概念でございます。 一方で、やはりその専門実践教育訓練給付、三給付の中でも一番高い給付内容を持っておりますので、それにふさわしいものとして、教育訓練期間の要件を設けて一定の線引きを図ることとしているところでございます。
○田村まみ君 私が指摘した中で、その一年以上掛からないところの環境整備が整っているというところが勘案されずにこの一年以上だけとなると、例えば、今そもそもの普通免許を取る方たちも減っている中で、教習所もどんどん減ってきて、結果的に一年近く掛かるようになったら、これは逆に適用になる可能性があるということなんでしょうか。
○政府参考人(岸本武史君) その点は仮定の問題でございますので、この場で明確にお答えすることは難しゅうございますが、教育訓練期間というのは、当然、その教育訓練の内容、必要な期間、それから受講生の便宜など、様々に考慮をして定められるものと思いますので、そういった中で、合理的な期間として、この講座は一年掛かるとか二年掛かるとか、あるいは六か月で済むとかいうことが定まっていくものと考えております。
○田村まみ君 今の一年というところが私は相当なハードルになっているんだろうなというふうに感じました。特に、教習所等の今の運営状況を考えたときに、その訓練環境自体が維持できるかというような懸念もありますので、今日、この質問させていただきました。 速やかな再就職も含めれば、トラックドライバー不足等、そもそも、あらゆる業種の中でこの貨物輸送という点については必要なインフラ整備だというふうにどなたも認識されているということから考えれば、特例等で、この期間限定でもこういう対応、教育訓練給付についての対応を私は是非検討するべきだということを申し添えて、次の質問に行きたいというふうに思います。 次に、暫定任意適用事業についてお尋ねをしたいと思います。 今回の法改正で雇用保険の適用拡大が図られることになりますが、暫定任意適用事業については強制加入である雇用保険の加入がそもそも義務化されていませんので、議論の外に残されております。本改正に至る労政審の議事録を見ても、暫定任意適用事業の見直しに向けた深掘りされた議論、論議は形成されているように見受けられませんでした。 現状、厚生労働省において、暫定任意適用事業のうち雇用保険に加入している事業者数は四千四百二十九、八千二百五十一人と把握していますけれども、この暫定任意適用事業となる農林水産業のうち、個人事業で常時五人未満を雇用する事業、この全体像の把握についてはなされていないというふうに認識をしています。 農林水産省の統計によると、従業者数、規模別の雇用者数で一人から四人の割合は、一人から四人の雇用の事業者の割合は十六万人で二五・八%というふうになっていますけれども、この数字は農業法人と個人事業者が混ざったもので、暫定任意適用事業者のみを捕捉できている数字にもなっていません。 一昨日の厚生労働委員会でも、参考人から、質問した中で、全ての労働者に雇用保険を適用するべきであり、制度ができた当時と農業従事者を取り巻く前提が変わっていることや、そして、暫定とそれ以外を区別する合理性がなかなか見付からなくなっているという中で、暫定任意適用事業については撤廃すべきではないかという向きの御意見もありました。 厚生労働省にお尋ねしますが、暫定任意適用事業について、廃止に向けた検討、又は検討に向けた実態把握のための調査、これもすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 労働者を雇用する事業主は、法律上、強制的に雇用保険が適用されますが、農林水産業のうち個人事業で常時五人未満を雇用する事業の事業主については、事業所の把握が困難な場合が多く、また、雇用関係、賃金支払関係が必ずしも明確でない場合が多いため、これを任意適用事業として、その事業主が雇用保険の加入の申請をし、厚生労働大臣の認可があった場合に雇用保険を適用することとしております。 暫定任意適用事業については、労働政策審議会での議論においても、労働者側委員から、代表委員から、その撤廃を含めて検討すべきというような意見があったところであります。 御指摘のように、実態がよく把握されていないという御指摘今いただきましたが、業所管省庁と連携して実態の把握を行い、必要に応じて検討していきたいと思います。
○田村まみ君 実態把握は進めるという御答弁があったというふうに今受け止めました。是非、これまでの就農者の形態も様々だというふうに思いますので、是非、まずこの実態把握は必ずやっていただきたいというふうに思います。 その上で、農業の労働者についてお尋ねをしたいというふうに思います。 雇用保険だけではなくて、農業には労務管理において一般的な産業にはない例外規定があります。例えば、労働基準法に定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用されません。一義的には、農業が天候などの自然条件に左右される事業であるため、一日八時間や週休をしていくというような規制になじまないこと、農閑期があるためというようなことで省かれているというような状態になっていますけれども、営農技術の進化や、必ずしも現代の農業が時間規制になじまないというふうには言えないというふうに思います。 この国会でも、スマート農業に関係する法案の審議もされておりますし、大規模営農者のところの中ではもう既に雇用管理も行われているようなところも出始めています。農業法人の増加、そして若年層の雇用への意識や考え方の変化も踏まえれば、農業の担い手の確保、就農の支援の観点からも、この適用除外の見直しを検討すべきだというふうに私は考えています。 また、外国人技能実習生に対しては、農業であっても技能実習制度の適正運用のため労働基準法を準拠する必要がありますので、適用除外となる日本人の方と二つのルールが現場で併存するというような状態も起きています。その上、現在、人手不足の分野で、外国人労働者を受け入れる特定技能の在留資格を持つ外国人の方で農業に従事する方も拡大していっています。特定技能は日本人と同じ労働者ということで時間規制の適用除外になっていますので、外国人の中でも、この技能実習と特定技能で労基法に関して現場では二つのルールがあるというような状態にもなっています。 農水省としても、時間規制の適用外があるからこそ適切な労務管理をするように求めていますけれども、この先の安定的な就職、就農者を増やしていくというようなところでいきますと、労基法を管轄している厚生労働省としては、この適用となる検討を厚生労働省が主体となって進めるべきだというふうに私は考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) 農業については、委員御指摘のとおり、事業の性質上、天候等の自然的条件に左右されますから、労働基準法の法定労働時間や休息、休日に関する規定、適用除外となっております。 このことについて、平成三十年の働き方改革推進法案に対する附帯決議におきまして、労働基準法の労働時間等に関する規制が適用除外とされている業種について、労働者の実態について調査するとされております。このことを踏まえまして、厚生労働省としても農林水産省としっかり連携をして、これ検討を進めていきたいと思います。
○田村まみ君 連携は必要だと思います、特に現場の実態把握においては。ただ、やはり、これまでの農業の慣習というような部分のところの思いも強い中で、労働者保護であったり若年層の就農に対する意識の変化という部分でいけば、やはり厚生労働省の方での管轄が私は大きく占めているというふうに思います。 是非、厚生労働省の方からも積極的に働きかけていただきたいと思います。附帯決議に基づいて是非お願いしたいと思いますので、もう一言お願いします。
○国務大臣(武見敬三君) 厚生労働省としても、積極的にこの問題意識は共有しておりますので、農林水産省としっかりと連携をして、この調査を踏まえて検討を進めていきたいと思います。
○田村まみ君 ありがとうございます。 なかなか農林水産委員会の方で議論をしていても、もちろん認識は、何でしょう、進めていかなければいけないというような答弁は出るんですけれども、具体で進むというところが現実出てきていないので、今日、厚生労働委員会の方で質問させていただきました。 最後に、残りの十分使って、適用拡大の施行期日に関して改めてお伺いをしていきたいというふうに思います。 連休前の四月二十五日の厚生労働委員会で、雇用保険の適用拡大に関する施行期日、四年以上先となる理由として答弁いただきました。何千万人もの被用者情報を管理する国内でも有数の巨大システムの改修を要するという答弁を初めてここでしていただき、先ほど石橋委員からも指摘がありました、理事会にも資料として提出もしていただきました。ただ、システム改修はあくまで技術的な要因であって、制度上の要因ではありません。私は、一日も早い施行となることが妥当だというふうに考えております。 本当にこれは期日が問題で、システム改修に当たりというのは、計上する予算が、これまでの計画の中で、急に今年予算を積み増しするということがこの委員会だけで決められないから元々決まっていたこの四年半以上たつというところが変えられないのか、もし予算を積み増しすることができたり、いわゆる高度人材を確保してシステム構築できるような人材を増やすというようなことにできれば改修納期を前倒しするということができるのじゃないかというふうに考えています。 そういうことをして施行日を早めていくというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 繰り返しになりますけれども、政府内でも、年金に次ぐ巨大システムであって、取り扱う情報量も多く、給付等の実務における正確性等も求められるということで、関係省庁、デジタル庁とかとも協議しつつ、計画的にシステム改修を実施しているところであります。 現在、今回の雇用保険制度の見直しとは全く関係のないハローワークシステムのハードウエアのクラウド化の問題が、これは令和七年一月に向けて進めているほか、引き続いて令和九年の一月リリースに向けて五年に一度の業務システムの更改を予定しておって、既に、今システム改修に関する設計を実施しているところであります。 委員から施行期日の前倒しについて重ねて御指摘いただいているところでありますが、計画的に遂行中の改修作業と同時並行でシステム全体に影響の及ぶ今般の適用拡大の施行に向けた改修作業を実施することは甚だ困難な状況でございます。 今、ハローワークは夜間や土曜日も開けているところが全体の一五%ぐらいございますけれども、全てのシステムの作業が、ハローワークが稼働しているときにできないわけではないんですけれども、今回のゴールデンウイーク、あと年末年始も、基本的にこれに直接携わっているシステムの担当者については、そういう大型連休を縫ってシステムのテストとかそういったこともしておりますので、お金を掛けてとにかく早く進めるということは正直なかなか難しいところであります。 今回、雇用保険の見直しについても、適用拡大以外に育児休業だとか教育訓練給付の関係の見直しも一方でしておりますので、これまで、先ほどお示しいただいた資料の中で、過去のこういった制度見直しのときとの比較をお示しいただきましたけれども、ちょっと今回、正直、この制度見直し以外の話も含めての大型なシステムの見直しをしているということは何とぞ御理解いただければと思います。
○田村まみ君 先ほど石橋委員から、審議会の中で施行期日の具体的な議論があったのかという御質問があって、私も議事録ずっと拝見している中では、明確にこの令和十年の十月一日って示されて議論されている議事録はちょっと拝見できなかった。また、ここまでの大型のシステム改修だというようなところは議事録には記載をされていなかったので、私はその見れる範囲の中でと、あと、今回政府から説明があった法改正の内容を見て、これではまずいということで、修正案、今考えて準備をさせていただいております。 一番の理由は、全ての今二十時間未満で働いていて加入をしたことのない人たちに対してというところのセーフティーネットもそうなんですけれども、再三申し上げているのが、今、政府全体、国を挙げてやっている賃上げの中で、いわゆる年収の壁に当たってしまって、家庭の事情や御本人の病気や疾病の中でどうしても労働時間が延ばせないような人たちがいる中で、ある意味、雇用のリスクを抱えているような人たちがその失業保険を給付できる状態じゃなくなるということがどんどん増えている、数字上でもそういう時間数で働いている人たちが増えているというのが実態としてあるということ、これも議論がほとんどされていなかったというふうに前回もアンケートの例を出させていただいてさせていただきました。是非、こういう方たちの実態を確認いただきたいです。 ちょっと通告していないんですけれども、そこからの検討はもちろんどうなるかは分からないんですけれども、今、抜けざるを得ない人たちが増え続けているということに対しての課題意識、そして、それが四年半の政府のシステム変更の所作でそういうふうになってしまっているんだということで、抜けざるを得ない人たちの調査をしていただきたいというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。これちょっと通告していないんですが。
○政府参考人(山田雅彦君) 元々、この二十時間未満の雇用者を雇用保険の対象にしていくかどうかという議論に当たって出していたのがJILPTの方で調査したものでありますが、それが、そこが非常に注目されているのに、十分な調査結果ではないのではないかというところだと思います。 今回、今、就業調整の話について言及されましたけれども、そういった就業調整等に伴って雇用保険の被保険者資格を喪失する方、そういった方々の実態は把握して、労働政策審議会の方にも報告して御議論は深めていきたいと思います。
○田村まみ君 本来であれば、この法改正の前、この施行期日がここまで先になるんだったらその議論が必要だったというふうに思っていただく審議委員の方もいたんじゃないかなというふうに私自身は思いますので、是非そこは、今答弁いただいたので、取り扱いいただきたいなというふうに思います。 私自身、もう一つは、今いろんな事情があるだけじゃなくて、制度の誤解も含めて、年収の壁の議論をしているときには、その就労調整の部分を乗り越えられる人たちもいるんじゃないかということで政府も年収の壁の支援パッケージ準備いただきました。ただ、それの適用期日というところが令和八年の三月の三十一日までです。なので、そこまでに考えて考えていろんな生活設計をしたけれども、やはり抜けなきゃいけないというような人たちのやっぱりサポート期間をつなぐという意味でも、私は、やっぱり令和十年の十月一日ではその間がまた空いてしまうというところもありますので、今ほどの検討のところに関しては、今言った令和八年の三月の三十一日、そこが一つ目安になるというところは念頭に置いていただきたいなということを申し添えておきたいというふうに思います。 済みません、もう時間がないので、最後の質問だけさせていただきます。 私がその施行期日の前倒しにこだわる理由を先ほど来申し述べましたけれども、やはり、雇用保険の資格の喪失後一年間、これを経過した人たちが再度加入したとしても、基本手当の給付日数が積み上がらない、全て、何十年入っていたとしてもゼロになってしまうというところ、ゼロからの始まりというところ、そこがこの制度の中での一つの私は課題になっていくと思います。 今回、十時間以上の方たちにも入っていただくということで、様々、御理解、事業者側の理解、本人の理解も必要という中で、そのリスクが高い人たちであったりとか、職が転々とせざるを得ない方たちもいらっしゃって、根本的な課題解決も必要なんですが、せっかく加入をして納付を期間していて失業給付を受けていない人たちもいることも考えれば、この雇用保険の納付期間を積算方式みたいな形での検討も今後必要だというふうに私は考えるんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) 委員の御提案、離職後一年超えて再就職した場合であっても、過去の勤務先での被保険者であった期間を通算すべきという問題意識ですよね。 これ、雇用保険制度の原則というのがやはりあって、この雇用保険制度というのは、失業による所得喪失を保険事故として給付を行う制度であるために、失業給付の所定給付の日数については、離職直前の勤務先における被保険者であった期間等に応じて設定することを原則としております。ただし、この失業給付等を受給せず、離職後一年以内に再就職をし、雇用保険の被保険者資格を取得した場合には、過去の勤務先における被保険者であった期間もその際には通算することとされているところでございます。 こうした対応をしつつ、しかし、この制度の持つ一つの限界というのもあることは御理解をいただきたいと思います。
○田村まみ君 雇用環境の変化によって今回の制度改定がされたわけなので、その意味というところも含めて議論が必要だということを最後に指摘申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。今日もよろしくお願いいたします。 先ほどから、先週から質疑も続いておりまして、先週も我が会派の猪瀬委員から、このシステム改修に四年以上掛かると。それを聞いて、逆に言うたら、そういうシステムを使っているのかなという感想も持ちますし、それから、一つのこういう適用拡大だけで逆に四年以上掛かるというのも、それもすごい話だなと、私は逆にちょっとびっくりしたというのが正直な感想ではあります。 それで、今回のシステム改修に関わらず、いろんなシステムをつくったり、あるいはDX化を進めていくということが、逆にこれだけ手間が掛かるのかなということは、これはもう厚生労働省の問題というよりも政府全体の、そのDXであるとかシステムであるとか、そこを根本的に考え直さないと、同じようなことがこれどんどん続いていくんじゃないかと。 厚生労働委員会で厚生労働省だけの問題じゃないというのもちょっと皮肉な話なんですけれども、やっぱりこれをちょっと考え直していかないといけないんじゃないかということを今日は幾つか提案としてお話をしたいと思いますので、意識を共有できたらなというふうに考えていただきたいと思います。 まず、その中でも、テーマの一つに、昨日、五月八日に、マイナ保険証の新たな利用率が、これが厚生労働省から発表されました。三月度のマイナ保険証の利用率なんですけれども、国民が五・四七%、だから二月に比べると〇・四九ポイント上昇ということで、まあ増えてよかったなと思います。国家公務員は五・七三%、厚生労働省は、やっぱりお膝元ですから頑張っておられて八・四〇%ということで、あと半年しかありませんので、実際どうなのかなというふうに思います。 誤解がないように申し上げたら、私たちは、マイナ保険証というのはこれはやっぱり進めていくべきだと思いますし、どうやって普及させていくのか、大きな、大事なことだと考えておりますけれども、これなかなか広がらないことに当たって、武見大臣も医療機関や施設視察されたり、あるいはチラシを配布されてキャンペーンをされたりとか、それから、厚生労働省の中でもビデオメッセージというのを出されておりまして、我が国の医療DXを一歩でも前に進めるため、今が正念場ですと、厚生労働省職員のお一人お一人の御理解と御協力をお願い申し上げますと。 私は、これ非常にいいことだと思うんですけれども、大臣自らがそのお膝元にビデオメッセージを出してもなかなか上がってこないと。これ実はマイナ保険証だけの問題ではなくて、去年私が予算委員会で質問をした電子処方箋も、これ大臣自らが公的な病院の代表者の方に何とか広げてほしいとお話をされたんですけど、昨年の十一月で病院では電子処方箋の導入が〇・三%、一生懸命お願いをして、今年の三月の数字が〇・七%。 私は、これ決して責めているつもりではなくて、大臣自らがそうやって言ってもなかなか数字が上がってこないと、こういう状況というのを大臣御自身がちょっとどう捉えられているのか、ちょっとまず基本的な認識をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(武見敬三君) やはり一つには、やはりシステムを抜本的に変えて、様々に既存の異なるシステムを改めて再編成することの難しさです。これがまずシステム統合のときに直面する最大の課題と言っていいかと思います。 そして、またさらに、その上に、それを実際に国民お一人お一人にそのことを理解していただき、どういうメリットがあるのかということの御説明をさせていただき、納得していただくことの難しさ、これは例えば、我が国では保険証というのが過去には活用をされてきていて、そして、その保険証一枚あれば全国どこででも医療機関で診断、治療を受けることができると。我が国の皆保険制度というものを象徴するものでもあったというふうに私は思います。 しかし、その信頼というものが、ある意味でアナログの仕組みの中でつくり出されてきた一つの信頼の対象が保険証であったと。しかし、これを改めてデジタル化という世界に転化させ、そしてこのシステムを再統合していく中でメリットを新たに理解をしていただきながら、そのデジタル化の世界に向けてアナログから転換していただくことの御理解を得ることの難しさということを今私はひしひしと感じているところであります。
○梅村聡君 本当に御苦労されていると思うので、ちょっと、何というか、根本的に考え直さないといけないんじゃないかなと私は実は思っています。 先ほど国民皆保険というお話がありましたけれども、これ、役所ごとに実はいろんなシステムをつくっておられるんですね。例えば今回のこのシステム改修に関しても、ハローワークのシステムなんですよ。それは保険証とは何の関係もない話なんですけれども、本来、国民、まあ誰でもいいです、武見敬三さんでもいいし梅村聡さんでもいいんだけれども、この人が一体どういう社会保障とどういう税務とどういうサービスを受けるかという、まずそこをつくり上げた上で役所がどう絡んでいくかという話をしていかないと、これは厚生労働省のものだと、これはデジタル庁のあれなんだと、これは労働局なんだとやっていると、これ、いつまでたっても国民の理解というのは私は進まないんじゃないかと。だから、システムをつくるに当たって、まず個人から一つモデルをつくって、それを役所にどう当てはめていくかという、もうこれは本当に、実は根本的にやり方を変えるということに私はなるんだと思いますけれども、それを突き付けられているんじゃないかなというふうに私は思っています。 もう一つお聞きしますけれども、じゃ、そのマイナ保険証にちょっと話を戻しますけれども、さっき五・四七%、国民の利用率ですね、お話がありましたけれども、これ、厚労省のアンケート結果、これホームページに公開をされているんですけれども、これを見ますと、実はマイナ保険証を利用したことがあると答えた方は二三・三%おられるんです。国民に四人に一人は実は使ったことがあるよと言っているんです。だけれども、それを使った方が三月は五・四七%と。だから、使ったことはあるんだけど継続をしていないと、まず、これが何でかという話ですね。 それからもう一つは、このアンケートには、マイナ保険証についての印象や考えのアンケートについて、特徴やメリットを誰かに教えてあげたいと思いますかという質問に対して、当てはまると答えた方が五・六%、やや当てはまると答えた方が一二・七%と、実は二割にも満たないんですよね。 だから、何で一回使った人が継続して使わないのか、何で、メリットあると感じていますか、人に教えてあげたいですかといったら二割未満の人しかはいと答えないのか、ちょっとこの理由はどうお考えか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。 先生から配付されている資料にこのデータが載っておりますので御説明させていただきますと、まず、マイナ保険証を過去に使ったことがある方は四人に一人となっております。一方で、五・四七%となっている理由でございますけれども、実はこのアンケートを踏まえてもう少し分析してみますと、実際に利用したことがある方について、今後とも利用したいと答えている方は三人に二人、大体六七・七%の方は利用したいと思っておられるようです。という意味で、やっぱり利用しようとしているか、したかどうかによって、その後、したいと思うか、そうじゃないかが分かれているような感じでございまして、利用した方がそれで断念しちゃっているというような結果ではどうもないんじゃないかと我々は思っております。 それから、実際の利用状況を見ますと、医療機関と薬局で、施設ごとにもうほとんど利用がないところとすごく利用されているところと大きくばらついております。そういうことからすると、お一人お一人が利用を変えているというよりは、医療機関ごとに使われているところと使われていないところの差が大きいと、これが理由ではないかというふうに考えてございます。
○梅村聡君 今の説明で分かりました。 分かったとは何が分かったかといいますと、四人に一人の方が使っていると、で、その使った方の三分の二の方が次も使いたいと思っていると。普通だったらこれでかなりの確率で使うはずなのに、実際に使っている方は五・四七%だと。だから、使いたいと思っているにもかかわらず使っていない理由を分析していただかないといけないということですね。だから、ここが大体明らかになってきました。使いたいと思っているのに使えない理由は何なのかということを、ここを是非深掘りをしていただきたいなというふうに思います。 それで、じゃ、それを使いたいのに使わないところをどうしていくかということで、今予算措置で様々な取組をされていると思います。 一つは、昨年の十月に比較して、このマイナ保険証の利用率の増加がどれだけ、何ポイント増加したかということを評価して、医療機関に増えたポイントごとにお金をお渡しすると、補助をするということをやっていますけれども、これ、一医療機関、病院では最大二十万円、診療所では十万円、これ物すごく増えたところはそれぐらい補助がもらえるよという形になっていますけれども、これ、コロナ対策で病院というのは、まあはっきり言えば何百万、何千万、診療所でも百万、二百万とお金入っているわけでして、正直、この十万円をもらえるからといって、病院とか医療機関が人を出して、さあ、マイナ保険証を使ってくださいというキャンペーンをやるかというと、私はちょっとそれはあり得ないんじゃないかなというふうに思います。 それから、これ武見大臣のビデオメッセージの中でも述べられているんですけれども、医療費の節約になりますよということを言ってはるんですね。で、どう節約になるのと聞いたら、二十円医療費が安くなりますよとおっしゃっているんですけど、だけど、これ中身は、実は紙の保険証を使ったときには加算が四十円、マイナ保険証を使ったときは加算は二十円と、別に安くなっているわけではなくて、乗せる加算の金額の差が二十円ですよというだけなので、これをもって世の中の人に二十円節約ですよと、まして一割負担だったら二円なわけで、いや、これも意味があるのかなと。 まあ、なかなかこれ、何が申し上げたいかというと、これやっぱりその患者さんへのインセンティブというものを付けない限りは、これ使おうということにつながらないんじゃないですかと。二十円節約できますというて、皆がああ、そうですかとやるとは思えないわけで、もしこれ本当に、何回も申し上げますけど、十二月までに間に合わせるということであれば、例えば患者さんの負担割合をマイナ保険証使ったら下げてあげるとか定額安くなるとか、そういったことを考えないと、私は十二月、間に合わないんじゃないかなと思いますが、そういうお考えがあるのかどうか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。 まず、マイナ保険証の利用について、先ほどアンケートの話をさせていただきましたが、国民の方、やっぱり利用したいと思っておられる方、結構多いと認識しております。そういう意味では、まずはそういう利用したいという方に利用していただくことがまず第一、大事なことだと考えております。 そういう意味で、確かに経済的なインセンティブというか状況で申し上げると、今、紙の保険証を使った場合とマイナンバーカードを使った場合、マイナンバーカードを使った場合の方が医療機関に払われる診療報酬が低くなりますので、その分患者負担も、さっき一割だと二円、三割だと六円ということだと思いますが、差を設けて、気持ちの上で御配慮いただいているようにしております。 ただ、他方、片っ方で、先生が今御指摘いただいたように、自己負担割合を見直すと、仮にそれが一時的なものだとしましても、それはまさに、医療保険においては給付に対する応分の負担として御負担いただくという中で、果たしてその給付割合を変えるというところまで行うべきかどうかという辺りとか、それから、実際、自己負担割合を引き下げるとした場合には、その分、保険料や公費が増えてしまうということもございますので、そうしたことを考えると、なかなかそこまでのことをするということは難しい点があるんではないかと思っております。 いずれにせよ、利用したいと思われる方、相当いらっしゃいますので、そうした方々がしっかりとやっていただけるように、医療機関に声掛けを始めとした取組をお願いしたいと、このように考えてございます。
○梅村聡君 大臣、答弁は要らないんですけど、今局長からはそういうお話がありました、難しいと。難しいのは分かるんですけれども、これが本当に国家的に必要なデジタル化であると、あるいは資格確認を、今回オンライン資格確認システムができたわけですから、それをやっぱり強力に推進していくためには、私は、利用者さんあるいは患者さんのインセンティブということを考えるのが私はもう強力に進めていく一つのテーマだと思っておりますので、これ、役所的には、局長的には難しいという答弁だったと思いますけど、政治家としてどう進めていくのかということは、これは是非考えていただきたいなということを申し上げておきたいと思います。 それで、済みません、ちょっとせっかくの機会なので、じゃ、具体的に、こういったシステムに載せれることというのは何か、保険証よりももっと簡単にできることがあるんじゃないかと私ちょっと考えてみたんですけれども、実は死亡診断書というのがあります。これは、患者さんが亡くなったときに、ドクターが死亡診断書を書いて、それを亡くなった御家族の方が死亡届と一緒に役所に出すと、そういう書類なんですけれども、これは保険証に比べて比較的シンプルなものなんですね。亡くなった方のお名前、そして亡くなった日時、それから死因ですね、ですから、日本全国どこで書いても同じような書類なんですけれども。 私は、こういった単純なものを電子的に交付をする、あるいは役所に電子的に届出をする、こういった仕組みというのは実はつくりやすいんじゃないかなと考えておりまして、これ令和三年六月一日に閣議決定をされました死因究明等推進計画においても、死亡診断書、死体検案書の様式等について必要な見直しを行うとともに、死亡診断書、死体検案書の電子的交付について、関係省庁と連携して検討を進め、実現可能な体制等の方向性を示すと、これ実は明記をもう既にされておりまして、厚労科研の実は研究のテーマにもこれ実は入っておるんですけれども、これ、今検討の状況というのを教えていただければと思います。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 死亡診断書の電子的交付につきましては、死因情報を効果的に施策に反映し、自治体の業務効率化を行う観点から、検討を進めていくことが極めて重要であると考えているところでございます。 加えまして、死亡届の提出等の手続につきましては、対面での手続が必要であるなど御遺族等の負担も課題となっており、そのオンライン化に向けまして、令和五年のデジタル社会の実現に向けた重点計画に基づき、デジタル庁において厚生労働省及び法務省とともに課題の整理を行うこととされております。 厚生労働省におきましては、これまで御指摘の厚生労働科学研究を通じまして電子的交付に向けた実証や課題の整理を行っているところでございまして、こうした内容も含めまして、引き続き関係省庁とともに検討を行っております。令和六年度前半までにこの課題の整理を行い、その後、実装に向けた検討を行うことを予定しているところでございます。 引き続き、死因情報の活用や遺族等の負担軽減に資するよう、関係省庁とともに検討を進めてまいりたいと考えております。
○梅村聡君 これが一番多分、まあ単純と言ったら申し訳ないですけれども、日本全国、誰が書いても同じものだと思いますので、さっきも申し上げましたように、保険証だけをどうするかではなくて、じゃ、出生届はどうしていくのか、様々な診断書どうしていくのか、そして保険証、死亡診断書、死亡届をどうしていくのか。やっぱり、個人が何が役所とつながらないといけないのかということからこのデジタル化というものを考えなければならないということで、これ、より一層ちょっと取組を急いでいただきたいなというふうに思います。 ちょっとこの後、死亡診断書記入マニュアルについての質問があったんですけど、これちょっとマニアックな問題なので、また後日、担当の方とお話ができればと思います。ちょっと時間の関係もありますので、今日は雇用保険の更に深掘りの質問に入っていきたいというふうに思います。また後ほどお願いできたらと思います。 それでは、先ほど冒頭に申し上げましたけれども、今回の適用拡大、雇用保険の適用拡大の施行日が令和十年十月一日だと、これに関する質疑が先ほどから続いておりますけれども、今週、参考人質疑がございまして、その参考人質疑の中で、本当に、システムの改修というのは、私、事前に厚労省から聞いていたんですけれども、この周知に、労使双方の周知に四年以上掛かるのかということを実は私は質問をしたんです。そうすると、地方に行けば、これがよく分からないんですけど、地方に行けばそういう周知をするのに一定の時間が掛かるから、やっぱり四年ぐらい掛かるんだということをお聞きしまして、僕は、ちょっと私はにわかに信じ難いんですけれども、これ、労使への周知に四年以上必要な理由というのはこれ一体何なのかと。で、私は実は実質それはないと思っていて、システム改修こそが四年以上掛かる中心の理由なんじゃないかなと思うんですけれども、ちょっとこの二つについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(武見敬三君) 今回の適用拡大に当たっては、約五百万人が新たに適用を受け得ることになったことから、全国の事業主や労働者への周知期間や雇用保険手続に要する事業主の準備期間、それからシステム改修に要する期間等を総合的に勘案して施行期日の設定をいたしました。 労働政策審議会において議論した際には、セーフティーネットを広げるという方向性自体は意見が一致する一方で、新型コロナからの回復が不十分であり、人手不足、賃上げ等の厳しい経営環境において、保険料負担の増加する週十時間まで一気に拡大することはやむを得ないとしても、施行は慎重にすべきであると、それから加入を望まない労働者への影響も考慮すべきだなどの懸念が示されたところなんです。 こうした議論も踏まえまして、労働政策審議会では、全国の事業主と労働者の理解を得るために十分な周知期間を確保して、事業主の事務負担増に鑑みて一定の準備期間を設けるといった観点から、施行期日を令和十年十月とすることで合意がされたものでございまして、厚生労働省としては、こうした趣旨を踏まえて、実際に効果的に、できる限りこの周知に努めたいと考えているところであります。
○梅村聡君 別にシステム改修で四年以上は許されるというわけではないんですけれども、普通に考えれば、労使への周知に四年以上掛かるということがもし本当にこの日本で起こり得るんだったら、それそのものを何か改善する方法を考えないとあかんと思いますよ。そうですよね、今回、五百万人というのが数が多いから周知が四年以上掛かるということであれば、これからいろんなことをやっていくときに、じゃ、これは五年掛かりますとか、これは十年掛かる、いろんなことが出てくるわけで、私はやっぱり、もしそれが事実なんだったら、四年以上周知に掛かるということをどうやって改善していくかという、その改善案が出てこないままに、四年以上というのは、それは私は、ちょっと国民側からしても納得が得られるのは難しいんじゃないかなというふうに思います。 あえてもう一つお伺いをいたしますけれども、そうしますと、今回、確認になりますけれども、いわゆるハローワークシステムに後付けでこの要するにシステム改修をやっていくということになるとなりますと、これから更にこのマルチジョブホルダーへの適用等、適用拡大が進んだ場合、理屈的に考えれば、その根本の仕組みを変えないままにどんどん屋上屋をつくっていくシステム改修が続けば、それ同じことがこれからも起こるんじゃないですかと。 今回これが四年以上掛かるということ、これを反省点を生かして、いや、次からは屋上屋を重ねていったとしてもそんなに時間掛からないんだというようなことを本当に約束していただけるのかどうか、この辺りはいかがでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 今般、システム改修の問題に関しては、様々な委員の皆さんから御意見いただいております。 こうした反省から、我々は、今後また起こり得るであろう政策対応の新たな要請、そういったものに機動的に対応できるように、システム改修についても意を配っていく必要があると思います。今回のクラウドリフトのような話はそんなにめったにあることではありませんけれども。 先ほど御指摘のあったようなレガシーなシステムではありますが、レガシーなシステムを相当前に構築して、インターネットが登場する以前に既にシステムが構築されていて、それを今通常のオープンなシステムにどんどん変えていこうとしておりますが、繰り返しになりますが、何せ四千五百万人もの規模のシステムでありますので、過去に銀行のシステムの問題とかが起きたときも、あれもうちのシステムに比すればはるかに小さい規模のものでありますが、そうはいっても、恐らく五年後、十年後、同じように雇用保険法の見直しをするような要請が出てくると思いますが、それに対して、システムの改修について、システム改修が足を引っ張らないように対応していく必要というのは今回の議論でもってよくかみしめたいと思います。
○梅村聡君 これから頑張っていただかないといけないんですけど、これ、かみしめるだけではあきませんでして、いや、これはほんまに深刻な問題だと思いますよ。そのインターネットが出てくる前の仕組みを、それに合わせて、マイナーチェンジをしながら合わせていこうというのはいいんだけど、それは、何というか、令和の時代に聞いたら、これ、皆さんびっくりする話でして、だから、今回のこの施行が四年以上先だという問題というのは結構深刻なことを含んでいるんだということを、これ是非ちょっと指摘をしておきたいと思います。 もう一個、ちょっと同じような質問をするんですけど、先ほどのマイナ保険証の話に戻りますけれども、マイナ保険証は、令和五年六月に成立したマイナンバー法等の一部の改正案、これでマイナンバーカードと一体化されて、令和六年十二月に保険証が廃止されると。これは、法律改正から紙の保険証が廃止されるまで一年半なんですね。だから、こっちは一年半でできるわけですよ。だけど、今回のこのハローワークシステムに関しては四年以上掛かると。ここの整合性というのは本当にどう取っていくのか。逆に言うと、さっきの説明をお聞きすると、本当に四年後に、じゃ、スムーズに移行ができると約束ができるのかどうか、そのことも含めて教えてください。
○政府参考人(山田雅彦君) 個々のシステム改修は全て同じステップを踏んでやっていると思いますけれども、基本的なアーキテクチャーの設計をした上で実際のシステムの改修作業をして、その後にテストをすることをどこまでやるかということに結構時間が掛かります。逆に、システムの設計だとかそういったものについては、ある意味、ハローワークが稼働していても対応できる話ですので、ハローワークが動いていないときに作業しなきゃいけないというところは比較的少ないと思いますけれども、そのテスト作業で全体が、今、四千五百万のデータ、労働者でいえば四千五百万のデータについて滞りなく動くかどうかということを試すのは、というそのテストの作業が実際には一定期間かなり取られるという部分はありますが。 いずれにしても、今回の適用拡大については、国会の議員の皆様も含めて歓迎されている内容だと思います。だからこそ、施行を早くしろという御意見が非常に出るんだと思いますので、ちょっとシステム改修が、そういったいろいろな国民にとってプラスになるような見直しについてちゃんと、それが制約にならないような形に、基本的に、今、レガシーな部分がないわけではないですけれども、基本的にオープンシステムに総入替えしているような状態ではありますけれども、そういったことに、そういった新しい課題に対する見直しについて労使の合意が得られれば、それがちゃんとシステム的にもすぐに対応できるような形にしていくということは、きちんとこれからの見直しについても考えていきたいと思います。
○梅村聡君 大臣、こういう形で、非常にシステムというものをやはり有機的にどうしていくのかと、今回これが四年間で乗り切ったからいいよという問題ではないんだということを、これをちょっと御理解をいただきたいなというふうに思っております。 国民の側の立場からいえば、今回のこの雇用保険の適用拡大のみならず、このマイナンバー制度というのは相当、税務であっても、あるいは社会保険であっても、あるいはこういった雇用保険の失業給付に問題であったとしても、マイナンバー制度というもので一定の利便性が高まると最初は多分聞いていたんだと思うんですね。ところが、どうもマイナンバーというのは必ずしも今すぐ使えるようなものじゃないということがだんだん分かってきました。 現在もこのマイナポータル上で雇用保険の加入履歴というのは確認ができますし、将来的には受給額もこのマイナポータルで確認ができるようになるというふうにこれは報道はされているんですけれども、これもう少し、マイナンバーを活用して、もっとプッシュ型にいろんな情報を提供していくと。これは、手続の簡素化であったり、それから雇用保険の給付制度の周知であるとか、こういったものとマイナンバー制度というのをもっと有機的に活用していくべきだと思いますけれども、大臣の見解をお願いいたします。
○国務大臣(武見敬三君) マイナンバーと有機的に結び付けていこうという考え方は、基本的には私も共通の問題意識を持っております。 委員御指摘のとおり、このマイナンバーを活用して手続の簡素化や、それから利便性の向上を図ることは重要であります。現在のマイナポータル上での失業給付の受給額等を確認することはもう既に可能なんでありますけれども、更なる受給者の利便性の向上の観点から、そのシステム改修進めております。 具体的には、このシステム改修が終了する令和九年、これは二〇二七年の一月から、マイナンバーを活用して、マイナポータル上で失業給付等の受給の要件である被保険者であった期間などもこれ確認できるようになります。これ、かなり便利になります、これで。それから、現在、紙により交付されている離職票等について、マイナポータルを通じて電子交付されるようにするということとしております。 これらのシステム改修を着実に進めるとともに、その機能等の周知にも努めまして、労働者の方々に雇用保険制度をより理解をしていただき、必要な給付を受給していただけるように取り組むということのまさに加速化がこのシステム化だと、こう考えるわけであります。
○梅村聡君 さっきマイナ保険証の話もしましたけれども、大事なことは、やっぱり国民が便利だなと、こう思えるような仕組みをつくっていくことだと思うんですね。 ちょっとさっき、マイナ保険証の話にまた戻っちゃいますけれども、大臣は厚労省のビデオメッセージの中で、質の高い医療も受けれるんだと、マイナ保険証使えば質の高い医療も受けれるんだと、こうおっしゃっているんですけれども、現実に分かることというのは、予防接種の履歴であったり薬剤であったり病名であったり、それから特定健診の結果であったり、でも、本当は、もっとメニューを増やさないと、多分質の高い医療というのはできないと思うんですね。だから、常に国民、利用者から見て便利なことは何なのかということ、これを意識して仕組みをつくっていただきたいなと、これが私がずっと申し上げていることですので、またお願いができればと思います。 それから、次の質問は、先ほど石橋委員からの質問にもちょっとつながるんですけれども、このフリーランスの方をどのように雇用保険、あるいは雇用保険のようなシステムで救っていくのかということだと思います。 先ほどのやり取りを聞いていると、この法律は第四条に、適用事業に雇用される労働者、これが雇用保険の対象であると書いてありますから、普通の、普通のというか、一般的な知識の方が自分は個人事業主だ、フリーランスだと思ったら、当然この法律を見れば自分はちょっと対象じゃないなというふうに思うと思います。だけど、先ほどのやり取りをお聞きしていると、いや、実際に雇用主、そして被雇用者としての性格がもしあるのであれば対象になるんだよというお話でした。これは労働基準法なんかも一緒だと思います。個人事業主だから何ぼ働かせてもいいんだということにはならないということ、これはあらゆる保険ではそういうことだと思うんですけれども。 先ほど、目安、ガイドラインという話がありましたけれども、要するにこれ、何を示さないといけないかというと、ガイドラインも大事なんですけれども、一般のフリーランスの方に、いや、そういう可能性だってありますから、御自身のフリーランスとしての働き方が、雇用者としてのこの第四条ですね、これに当たる可能性もあるんだよと、このことをちゃんと周知しないといけないんだと思うんですけれども、そういったことの仕組みも含めて、どのようにこれから取り組んでいかれるのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(武見敬三君) 先ほど石橋委員との御議論の中でも申し上げたとおりでありまして、こうした労働性に関わる確認ができたフリーランスの方に関してはこの雇用保険の適用対象になります。そのことについての御理解を得るためにそうした周知徹底をしていくことが必要だということは何度も申し上げているところであります。 したがって、これから、フリーランスの方であっても実態として労働者に該当する方は労働者としての雇用保険制度による保護は受けられるものだということについて、いかにこれから私どもが努力をしてそうしたお一人お一人に周知徹底するようにするかということがこれからは問われてくるんだろうと思います。
○梅村聡君 さっきからお話ししていますけど、そのフリーランス、その対象となる方に、自分もそうじゃないかということが分かるような周知の仕方が大事だと。大丈夫、あなたの働き方は労働者、みたいなですね、まあ私、今勝手に考えましたけど、そういうことが分かるような周知の仕方が大事だということを申し上げておきたいと思います。 それから、今回、いわゆる自己都合離職に係る給付制限の見直しと、これも今回この法改正の中に入って、案の中に入っておりますけれども、これ、元々なぜ給付制限があったかというと、これはもう今週の参考人の方にもお聞きしましたけれども、いわゆるモラルハザードという言い方がされるんですね。だから、保険事故を、まあ自己都合というのを自らつくるということになるんじゃないかと、だから、これが給付制限がなければモラルハザードが起こるんじゃないかと、これはもう昔からよく言われていることなんですけれども。 これ、昭和五十九年に、この給付制限の期間が一か月から三か月にこれ延長されているんですね。そのときの理由としては、離職を決意する際の慎重な判断を期待し、安易な離職を防止するとともに、離職後の再就職意欲を喚起するためだと、当時そういうふうに言われているんですけれども、これ、今回また給付制限期間を一か月に戻すわけなんですけれども、これ見直すことによって、この給付制限期間ですね、これによってモラルハザードというのは本当に増えたり減ったりしているのか、またそういうエビデンスというのはあるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(山田雅彦君) 正直、社会的な実験、マルチで複数の仕事を得た人に対する雇用保険の話については、今、六十五歳以上の人である種の社会的な実験を行っていますが、これについては実験的にやることはしていませんので、確実に二か月を一か月にする、あと、教育訓練を受けていた場合についてはそもそも給付制限をしないということがダイレクトに給付につながるかどうかということについては確たることは言えませんけれども、ただ、この話については、我々、労働政策審議会で内在的に出てきた話でもなくて、政府のいろいろな検討の場で指摘をされたということも踏まえて対応しておりますので、そうしたことをすることによって、今の給付制限によってある種の制約を受けている人たちに対してプラスに働くという御意見は一定ございますので、そういったものを背景に、今回労働政策審議会にも諮った上で対応した次第でございます。
○梅村聡君 私は、この一か月への短縮というのはいいことだと思っています。ただ、そのときに、いわゆる言い伝えみたいな形の、本当か、データがない中で、いやモラルハザードなんですみたいな言い方は、これはミスリードに僕はなるんじゃないかと。もし本当にそういうことがデータとしてあるんだったら労政審でも議論していただいたらいいと思いますけれども、ちょっとそのモラルハザードというものが伝承に近いものがあるんじゃないのかと。やっぱりそういうデータをきちっと踏まえた上で議論をしていただきたいということを最後に申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(比嘉奈津美君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ─────・───── 午後二時開会
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田宏君 自由民主党の山田宏でございます。 今回は雇用保険の改正案ということで、適用範囲を広げていく、これからもうどんどん労働力が減っていく、そしてなるべく年を取っても働きたい人は働けるようになる、そういった中で、今後、雇用保険、失業手当、どうあったらいいのかというのは大きな課題なんだろうと、こういうふうに思います。 私は、最近非常に広がっているスポットワークという働き方についてお聞きをしておきたいと思います。 宮崎副大臣、これ、スポットワークという言葉は聞いたことはございますか。
○副大臣(宮崎政久君) よくネットなんかで出てくる、何というんですかね、よく隙間時間のバイトをマッチングしますみたいなものではないかというふうに理解をしているところです。
○山田宏君 これ、アプリができるようになってから、好きな時間に、ここに、この時間にこの仕事をやりませんかという求人があって、選んで、二時間でも、そして、それ終わったら、すぐアプリにお金が振り込まれるという非常に便利なやり方なんですね。若い人も結構やっています。私も見ていてやろうかなと思うぐらい、職種多いんですよ。 それで、二時間だったらここ空いているしというようなことで、若い人なんかは、引っ越しとか、また、食品業の工場なんかで少し袋詰めをしたり、そしてまた、高齢者であれば例えば飲食店の給仕とかですね、様々な職種がどんと出ていて、普通は一日働けというようなことが多かった中で、もうスポットで働けるという、ああ、そういった時代になったんだなと思います。簡単に言えば、アプリで時間と仕事が選べ、即時に給与が支払われるという単発のアルバイトであります。求人側から見ますと、この時間だけちょっと来てほしいんだよなと、一日は要らないんだけどというようなときにも、これを出せばそれに応じてくれるということで、ピンポイントで募集ができるというメリットがあります。 こういったことで、これ、高齢者からまた若い人まで、かなりやっぱり利用は増えている。私、便利なやり方だなと、こう思います。この雇用も、そのたびごとにこれ雇用契約を結んでいるというやり方を取っておりますが、しかし、このスポットワークなんですけれども、一体、保険関係どうなっているんだろうということで、労災とか雇用保険とか、今回やっている、それから社会保険とか、この辺は一体どういう適用関係になっているのかというのをお知らせください。
○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘の働き方に対する各公的保険制度の適用については、それぞれの制度趣旨に応じて異なりますが、先生具体的に今例示されたものについてそれぞれ申し上げます。 雇用保険制度では、日々雇用される者又は三十日以内の期間を定めて雇用される者のうち、一定の要件を満たす者は日雇労働被保険者として雇用保険の適用対象となります。労災保険制度については、職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者は全て労災保険の適用対象となります。社会保険制度では、日々雇い入れられる者や二か月以内の期間を定めて使用される者等が適用事業所に使用される場合には、日雇特例被保険者として健康保険の適用対象となります。
○山田宏君 ちょっと分かりにくかったんですが、雇用保険は基本的に適用されるの。
○政府参考人(山田雅彦君) 一般の雇用保険ではなくて、日雇の労働被保険者というか、別のカテゴリーがございまして、それも雇用保険制度の一つではありますが、それの対象になります。
○山田宏君 だから、日雇の労働の契約でないと雇用保険が適用されない。一般的には、このスポットワーク、月曜日はここに行って、火曜日、こっちの何時から何時で、水曜日はここ、結構お年寄りでこういうことやっている人多いんですよ。つまり、会社を退職した後、比較的空いた時間をスポットで働いて収入になる。もっと言えば、これで収入、生計を立てている人がこれからますます増えてくるんじゃないかと、こう思うんですね。 そのときに、やはりこの雇用保険というのは、生計を立てている、これをちゃんと維持していけるようにしていくというための保険ですから、ほとんどスポットワークで働いて生計を維持している人たちの、こういった、例えば失業とか、また、病気で働けなくなったとか、こういう場合、何らかの形で、この雇用保険というのがいいのかどうか分かりませんが、何かそういう働き方を支えることも今後検討課題ではないかと考えているんですけれども、この辺については、厚労省、いかに考えておられますか。
○副大臣(宮崎政久君) 先生の御質問に今、山田局長の方が答弁をさせていただいた、日雇労働被保険者という仕組みの中で雇用保険を運用する。これ非常に、例えて言うと、いわゆる典型的なというか古典的なというか、飯場で働く日雇の人みたいなのをイメージをしていただければ分かる制度でありまして、少しちょっと言葉を足して説明をいたしますと、この日雇労働者の就業の実態を踏まえて、従前より、日々雇用される者等のうち一定の要件を満たす者を対象とした特別な制度を設けて、失業時には直近二か月において納付された印紙保険料に応じた給付を行う。つまり、こういう日雇の方は日雇労働被保険者の帳面持っていて、日々こうやって雇用してもらうわけです。シールみたいにして印紙貼ってもらうわけですね。 それを持っていって、失業したときにハローワークに持っていくと、それで一定の給付を得られるという仕組みになっているわけでありますが、先生が御指摘のような、先ほど私も申し上げましたように、隙間時間のバイトをやるみたいな方が、その帳面持っているわけでもなく、一回一回印紙貼ってもらうわけでもなくというふうなことになってくるので、ここのところが、じゃ、どうなんだと、在り方としていろいろ検討をされるのかというのが御質問の御趣旨だと思っておりまして、これ、これからしっかり検討していかないといけないような本当に新しい課題でございます。 こういう価値観やライフスタイルが多様化をしている中で、いろんな働き方が、しかも先生御指摘のとおり、年代層も幅広くいろんな方が、若い人たちだけがやっているわけじゃないという実態もあるようでございまして、こういったことを踏まえてしっかり検討していかないといけないと考えているところでございます。 雇用保険制度というのは、労働者の生活の安定を図り就職を促進するというのがその制度の本旨にございますので、この趣旨から、現状も含めて不断の検証を行いながら、制度の運営をしっかりやってまいりたいと、これからしっかりやっていきたいと思っているところでございます。
○山田宏君 これからの課題なので、これ急速に私広がるんだろうと、こう思います。 冒頭申し上げましたように、日本の人口が減って、そして労働力がもう各地で不足していますね。これを求人側から見ても、一日とか一か月とかはなかなか雇えないけれども、このときだけ来てほしいというものはいっぱい出ているんです。昔、高齢者というのは、大体、仕事探すにしても、私ぐらいの年齢になると、もう警備か清掃かと、こういうものなんですよ、大体。ところが、これ出てきてから、もういろんなものが結構広がっているという状況で、私は、これ、どわっと拡大するんじゃないかなと思います。また、それはいいことだろうと、こういうふうに思います。いろんな生き方、いろんな働き方あるわけですから。 そういった意味で、今後、日本の人口減、労働力不足の中で、生涯現役、つまり働きたい人はいつまでも働ける、こういった社会でないと、とても日本の経済支えていくことができません。そういった意味では、こういった働き方に対してもしっかり雇用保険の考え方で見ていけるように、今後検討をちゃんとしておいていただきたいと思いますので、頭を下げておられますからやられるんだろうと、こう思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 何歳まででも働くためには、やっぱり健康でなきゃいけない。ずっと健康をどうやって維持していくのかというと、毎回私も御質問申し上げておりますとおり、口腔の健康が大事なんだと。この口腔の健康を維持するために、この間の大臣の答弁だと、各ライフステージでしっかりと検査をしていく、そして早く治療につなげる、これが大事なんだということはもう厚労省の常識になっているんですね、常識になっていると。 そこで、この間の質問の続きですが、仮に早く見付けて、そして治療に行ったら、もう今、衛生士が足りない。衛生士がもうどこでも足らない、歯科衛生士が。歯科衛生士足りないものだから、いや、ちょっと予約は何か月後にとか、予約はもう一か月先じゃなきゃ、うち、人手不足で駄目なんですよとなったら、早く検査する意味がないんですよ。だから、きちっと受皿となる診療所の衛生士が確保できなきゃいけない。 と同時に、技工士ですね、技工士というのは何の仕事するかというと、歯を削って埋めたりかぶせたり、また義歯を、入れ歯を作ったりという仕事ですが、これすら、やはりもう技工士のなり手がなくなってきて、行って、早く治療して、何とかしてくれと、こう言ってみたら、いやいや、上をかぶせなきゃいけないんだけれども、技工士不足で三か月先でないとできませんよなんてなったら、何か検査する意味全くないわけですよね。 だから、やっぱりこの辺の体制というものをどうつくっていくかということで、骨太方針には毎回、衛生士、技工士の人材確保という文言が入ってきたわけです。ところが、一体どうなっているのかというので、地方を回ってみても、衛生士が足らない足らないということばっかり言われるんですが、国はやってきているんですけれども、現在、歯科衛生士の不足の現状というものについて、国の認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 歯科衛生士は、歯科医師の指示の下に、虫歯や歯周病を防ぐため、歯垢、歯石の除去や歯科診療の補助を行うほか、近年は在宅や病院等、活躍の場を広げており、歯科医療提供体制の構築の観点からその確保は必要不可欠であると考えております。 一方、就業している歯科衛生士の数は年々増加はしているものの、現場からは歯科衛生士が不足しているという御意見があり、また、免許取得者数が約三十万人であるのに対し、就業者数は約十四万人であり、免許取得者の約半数が就業していないと承知しており、歯科衛生士の就業率を上げるための取組が必要であると認識しているところでございます。
○山田宏君 そうですよね。今日、皆様方にお配りをしている資料一ページ目を御覧いただいても、衛生士免許を持っているのは三十万人を超えているんだけれども、実際働いているのは十四万人しか働いていない、こういったような状況になっているというのを御指摘ありました。 さあ、これに対して、ずっと国は衛生士不足対策をしてきたんだけれども、一体どんな対策を取ってこられたんでしょう。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 歯科衛生士につきましては、この就業率の低さが課題となっているところですので、厚生労働省といたしましては、平成二十九年度より、歯科衛生士の復職支援、離職防止のための事業といたしまして、新人歯科衛生士や復職者に対する技術修練研修を実施するための設備整備、運営への支援や都道府県単位での復職支援の中核となる人材の育成を行っているところでございます。 令和六年度における本事業の実施に当たりましては、これまで一実施機関につき五年間としていた支援期間を六年目以降もできるように見直したほか、歯科衛生士を雇用する歯科医療機関の管理者や復職相談等を受ける者を対象とした復職支援のための研修の支援も新たに実施しているところでございます。 引き続き、より多くの歯科衛生士の就業につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○山田宏君 いや、就業につながっていない。だから、もうずっとやってきているけれども結果が出ていないというのが現状なので、それは一体政策のどこが悪いのかというのをちゃんと検証していかないといけないと。 私も杉並区で行政の責任者やりましたけど、行政というのはとりわけ、あれもやりました、これもやりました、これもやっています、言うんだけれども、一体それでどうなったのと、ちゃんと衛生士増えたのかと、不足は解消されたのかと、こういったところになかなかいかない。あれもやりました、これもやりました、これからも充実しますって、全然結果につながっていないじゃないかと、やり方変えたらというのが普通の経営の感覚なんだけれども、ちょっとそういうところが苦手なんだろうと、こういうふうに思うんですよ。ねえ、上田さん。上田先生も知事をやられたので、私はもうその辺もやっぱりずっと気になっているわけです。 これ、もうずっとやっています、これからも充実します、でも全然結果につながっていないじゃないかということで、一旦この辺はもう一度見直していく必要があるんだけど、何よりも、地域の衛生士会がいろいろ相談業務をやったりしております、又は研修なんかをやったりしているんだけれども、これも予算が足らなくてできない、人員が少なくてできないということで、全体のあれを見てみますと、衛生士会がやっている復職支援事業は、四十七都道府県の中でセミナーや講義をやっているのは十四県ですね、それから離職防止は二十と。まあほとんどのところでやっていないんだよね。 だから、こういったようなことで、何でやっていないんだというと、やっぱり予算が足らぬと、人員が足らないということなので、もう少しこの辺も充実していってほしいなと、こう考えているんですけど、いかがでしょう。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 例えば、私どもといたしましては、研修指導者講習会、これまで累計約七百人を超える方々が参加していただいたところでございますし、先ほど御答弁いたしましたとおり、就業者数も徐々にではありますけれども増加はしています。 ただ、しかしながら、議員御指摘のとおりでございまして、人材確保策の特効薬がないという中におきまして、抜本的な課題解決につながっているわけではないということにつきましては私どもとしても認識しているところでございます。
○山田宏君 そうですよね。そろそろ抜本的に、総合的に今までの施策の効果というのを見直していく時期にあるんじゃないかと、こう考えております。 技工士についてもお聞きをしておきます。 技工士も不足している、もう技工士のなり手がない、こういった状況になっていますけれども、その現状について伺います。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 歯科技工士に対してのお尋ねでございます。 近年、就業している歯科技工士の数は減少傾向にございまして、加えて、特に若手の歯科技工士の減少等により、就業している歯科技工士のうち五十歳以上の者が半数以上を占めるなど、担い手の高齢化が生じております。今後、高齢化が進展し、入れ歯等の需要が増加すると予想される中で、特に若手の歯科技工士の確保は喫緊の課題の一つであると認識しているところでございます。
○山田宏君 そうなんですよ、二十代で六割ぐらいが辞めちゃうのね。何で辞めちゃうかというと、将来結婚もできないと、収入も少ないと、こういったような状況のままずっと置かれてきて、技工士不足が、もう将来見通せないと。だから、もう今は六十歳ぐらいの方々、前後の方々がもうほとんど占めていて、こういう方々もいずれは引退されるわけですよね。そうすると、一体次、誰が担うのかというと、もうほとんど何か真っ暗な状況になっていまして、一体これ、人材確保について、一体何がこれ、こういった形で若い人がもう技工士にもならない、こういったことについて、その原因を国の方はどう考えているのか。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 私どもといたしましては、この歯科技工士、どうしても、今議員御指摘のとおり、処遇面がいま一つ高くないということ、それと歯科技工士のお仕事が余り世の中に知られていないんではないかということ、また、歯科技工士学校の方なんですけれども、これが大都市に集中し、地方にはないということで、地方にこそ歯科技工士求められているところにはいらっしゃらないと、学校がないということで歯科技工士がいらっしゃらないということなど、多様的な課題があることでこの歯科技工士が不足しているのではないかというふうに考えているところでございます。
○山田宏君 主にやっぱり収入なんですよね。 それで、歯科技工士の収入というのは、主に歯科診療所といわゆる入れ歯なんかを作るときに契約をして幾らということになるんですけれども、そこは結構自由契約みたいになっていて、結構技工士さんが競争関係にあると。 しかし、技工はそういった意味では歯科診療所から料金をいただくわけですが、国の方は歯科診療所に診療報酬として出しているわけです。今回も改定で、たしか二千四百三十点だったかな、二万四千三百円、間違っていたらごめんなさいね、だと思うんですけれども、一応、やっぱりこの中から歯科診療所が技工士に払うということになっているんですが、やっぱり国としては、この診療報酬の中でその技工士に払われるべきものというのはどれぐらいというふうに算定をしているんでしょうか。
○政府参考人(伊原和人君) お答えいたします。 歯科技工士の方に対しても今回賃上げは必要だということで、診療報酬改定で、先ほど先生がお話しいただいたように、診療報酬で改善を、加算とか増点をいたしました。 今先生からのお尋ねの中で、国としてどのような考え方でこの歯科医療機関と歯科技工所の関係を整理しているかということでございますけれども、診療報酬の算定告示におきまして、歯科診療報酬における歯冠修復及び欠損補綴料に含まれる費用のうち、主に歯科技工士が行う歯科技工の製作に係る技術である製作技工と歯科医師が行う製作管理の費用は、それぞれおおむね七割とおおむね三割という旨を示してございます。これは、歯科医療機関から歯科技工所に対する製作技工の委託を円滑に実施することを目的として標準的な割合を示したものでございます。
○山田宏君 一応七割になっているんだけれども、実際は自由競争で、それ以下という場合も結構多くて、なぜそうなるかというと、今度、歯科診療所から見れば、自分たちのほとんど残らないと。だから、そもそもこの診療報酬の算定が本当に十分なものなのかどうかということは技工士からも診療所からも両方出ていると。この辺をちょっと抜本的に変えないと、技工士不足にやっぱり抜本的な対策にならないんじゃないかと、こういうふうに思っております。 これまで、皆さんのところにお配りをしている資料を見ていただいて、三ページ見ても、予算が、技工士の人材確保事業としてはそれなりにやってきているんですけれども、予算が増えていても、四ページ見ると、どんどんどんどん技工士の数が減っているという。結局、政策が目的に達していない、つまり、さっきも申し上げたように結果につながっていない。今後、この技工士の確保策、このままでいいのかということについて、今後、どうやってこれをきちんと確保するのか、お話を。
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。 歯科技工士の確保、特に若手の方の確保のためには、歯科技工士の離職防止や復職支援のための取組が必要と考えております。 このため、厚生労働省では、若手の歯科技工士がやりがいを見出せるよう、若手を対象に、実際の臨床に即した知識、技術を習得することができる研修を実施するとともに、都道府県等が行う人材確保策に対する地域医療介護総合確保基金による支援や労働環境等の改善に資するモデル事業の実施など、人材確保に資する取組を様々実施しているところでございます。 また、令和六年度予算におきましては、新たに、業務の効率化を図れるよう、若手からの要望も高いデジタル技術指導のための研修を実施しているところでございます。
○山田宏君 まあ、それやっていても駄目なんですよね。なので、これも、やっぱりやり方を少し変えないといかぬなと、こう思います。 これから高齢者増えますから、入れ歯増えるんですよ。そうすると、歯がなくなっても、ちゃんとした入れ歯であれば、もう健康で長生きできる、これはもういろいろ資料が出ている。だから、やっぱりそういった意味で技工士の役割というのはこれから広がってくる。訪問歯科診療にしても、技工士さんが行かなきゃいけないと。また、地域包括ケアの中にも技工士を入れていくとか、いろんな意味で技工士という仕事の将来像というものを国がやっぱり示していかないと、なり手がどんどんいなくなる、こういうふうに心配をしております。 そこで、最後の質問になりますけれども、いろいろと今やっているけれども、先ほどもお話ししたとおり、これやっています、あれやっていますの説明はいいんだけれども、結果につながらない。ちゃんと人材の確保に衛生士も技工士もなっていないと。この辺をもう一度、原点に立ち返って、ちゃんと目標を定めて、何年までに何人確保すると、そのためにはこれやるということで、そういう政策に変えていく。そのために是非、もうここは一旦今までの政策ももう一度見直して、そして本当に結果につながる政策とは何なのかということを、有識者も交えてしっかりした検討会議を設置して予算につなげていってほしいと、こう考えているんですが、最後にお答えをいただきます。
○副大臣(浜地雅一君) 高齢化に伴いまして、口腔機能の維持向上など、歯科保健医療の需要が多様化する中におきまして、歯科衛生士、歯科技工士を確保していくこと、これ大変重要と考えております。 これまでも人材確保に関する様々な取組を行ったところでございますが、こうした取組に対しましては、例えば歯科衛生士の復職支援のための事業、これにつきましては、昨年実施をされました厚生労働省の行政事業レビューにおきまして、成果指標を検討すべき等の御指摘を有識者からいただいたところでございます。 このような既存の事業につきましてもしっかりと検証を行い、今後は、成果目標を設定をして、その目標に向けて人材確保に取り組んでいかなければならないと厚生労働省としても考えております。 そのため、今後の政策につきましては、専門家の方々の御意見をいただきながら、総合的、抜本的な検討を行うための、先ほど委員御指摘いただきました会議体の設置も含め、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○山田宏君 以上で終わります。
○杉久武君 公明党の杉久武です。 本日は、雇用保険法の改正案につきまして、前回の質問で十分質問できなかったところがございますので、その点を中心に質問をさせていただきたいというふうに思っております。 雇用保険制度に関連をいたしまして、今日は雇用調整助成金について確認をしたいと思いますけれども、御承知のとおり、雇用調整助成金は雇用保険に加入することで利用できる制度でございます。特にコロナ禍においては、営業自粛や人流抑制によって多くの企業が急激な業績悪化に直面するという未曽有の危機的状況の中にございまして、従業員の雇用を維持するために、中小企業から上場企業に至るまで、あらゆる業態の事業者が雇用調整助成金を活用し、雇用の維持に全力を尽くしていただきました。このように、雇用の下支えに大きな効果を上げた一方で、新型コロナに伴う急激な業績悪化に対応するために、従来必要とされておりました各種申請書類の省略など徹底した手続の簡素化を行った結果、申請の誤りや不正受給が頻発したこともこれも事実でございます。 そこで、厚生労働省に質問いたしますけれども、コロナ禍以降の雇用調整助成金の不正受給の件数及び不正受給の額はどの程度あるのか確認するとともに、不正受給された雇調金の回収済額はどの程度であり、未回収額はどの程度あるのか、併せて確認をしたいと思います。
○政府参考人(山田雅彦君) 雇用助成金及び緊急雇用安定助成金も同じ、広く雇用調整助成金に並ぶものとして取り上げられてきていますが、その助成金については、令和六年、二〇二四年三月末現在で、支給決定の取消し件数は三千五十一件、支給決定取消し金額は約六百九十億三千万円、うち回収済額が約五百十二億九千万円、未回収額が約百七十七億四千万円となっております。
○杉久武君 今御答弁いただきましたとおり、発覚した不正受給の件数や金額は非常に大きいものとなっておりますけれども、コロナ禍による要件緩和を悪用した言わば火事場泥棒とも言える不正については、およそ厳格に対処する必要があるということは言うまでもないというふうに思っております。 不正受給が発覚した場合には、これまで受けていた金額の全額返還が命じられるだけでなく、そのほか厳しいペナルティーや社会的不利益を被る可能性があるわけでございますけれども、不正受給件数や不正受給額の大きさを考えますと、まあ正直なところ、こうしたペナルティーの厳しさが理解されていないのではないかと危惧しております。 例えば、申請件数が膨大であるために、ちょっとやそっとの不正受給であれば発覚しないのではないかとか、あるいは不正受給が発覚しても受給額を返還すれば問題ないのではないか、さらには、倒産や自己破産をすれば受給金額も返済する必要がなく、いずれ何もなかったように再起できるのではないかなど、これは雇調金に限った話ではございませんけれども、言わばモラルハザードを起こしてしまっているのではないかと考えざるを得ません。 ともあれ、雇用調整助成金の原資は雇用保険料の積立てによるものである以上、財源や制度の根幹を揺るがしかねない不正受給に対しては厳しい姿勢で臨む必要があるというふうに考えております。 そこで、厚労省に三点質問したいと思います。 一点目は、コロナ禍によって雇用保険の積立てはどのように変化をしたのか、確認をしたいと思います。 二点目は、雇用調整助成金の不正受給について、不正を行った場合のペナルティーにどのようなものがあるのか、また、ペナルティーを受けることによって生じる社会的不利益はどのようなものがあるのか、そして、コロナ禍以降でどのようなペナルティーが実際発生したのか、具体的に伺いたいと思います。 そして、三点目につきましては、不正受給が発覚した企業や個人事業主が倒産や破産に至った場合、不正受給に伴うペナルティーは免除され得るのかという点についても具体的に確認をするとともに、これら不正受給に対し、厚生労働省はどのように対策を講じているのか。 以上三点、確認をしたいと思います。
○政府参考人(山田雅彦君) 三つ御質問いただきました。 一点目、雇用保険財政の変化についてですが、雇用保険財政については、新型コロナ対応として雇用調整助成金の特例措置などを講じた結果、労働者の雇用と生活の安定に大きく貢献してきた一方で、雇用保険二事業の財源であります雇用安定資金は枯渇し、また、失業等給付の積立金も、新型コロナ前には四兆円を超えていた残額が現在は約一兆円余りとなっており、財政の早期健全化が重要な課題となっておる状況であります。 二つ目の御質問の不正受給のペナルティーについてであります。雇用調整助成金の不正受給事案に対しては厳正に対処してきており、コロナ禍においても、一部既に先生お触れになっておりますが、不正発生日を含む期間以降に受給した助成金の全額返還を命じることに加えて、不正受給額の二割相当の違約金及び延滞金についての納付をも命じること、それから、雇用関係助成金について五年間の不支給措置を講じること、さらには、公表基準に該当する場合には事業主名を公表することとして取り扱っております。 これらの取扱いの目的はあくまでも不正受給の抑止であって、制裁そのものを目的とするものではございませんが、例えば事業主名の公表により企業の社会的評価の低下をもたらすなど、企業活動にも影響を及ぼす可能性があると承知しております。 三点目の破産等が起きた場合への対応ですが、不正受給決定前に事業主が破産した場合については、既に支給決定した申請について不正受給であると判断される場合は、破産後であっても事案により不正受給決定を行うこととしております。一方で、不正受給決定後に事業主が破産した場合については、破産法及び国の債権の管理等に関する法律に基づき、債権者として必要な措置を行っております。 厚生労働省としては、不正受給に係る債権を適切に回収するため、都道府県労働局において原則として即時一括納付となるよう厳正に指導を行うとともに、納付が滞った場合には、電話や文書によるほか訪問等による納付勧奨を行っております。引き続き、適切な債権回収に努めてまいりたいと思います。
○杉久武君 御説明ありがとうございます。 コロナ禍による手続の簡素化は不可欠であったにせよ、不正受給額は数百億円を超える、まだ未回収済みも相当ございます。出来心で済むような金額ではございません。先ほどの答弁にもありましたとおり、不正受給というものは、やった者勝ち、あるいは逃げ得になるようなことが決してないということを世の中に常に更に周知することは大変重要なのではないかというふうに思っております。 そこで、最後に副大臣に質問させていただきますけれども、不正受給を防止する観点からも、不正受給によるペナルティーについて広く周知することが社会正義を実現するためにも極めて重要であると考えますが、不正受給防止に対する副大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(宮崎政久君) 先生御指摘のとおり、不正受給の発生は大変遺憾であるというふうに考えております。厚生労働省や都道府県労働局のホームページや、リーフレットを作るなどしまして不正受給を行った際の取扱いを掲載するなどして、その不正受給の発生防止に取り組んでおります。 ちなみに、このホームページ掲載物、リーフレットは、不正受給の対応を厳格化していますと表示をし、さらに、不正受給は刑法の詐欺罪に問われる可能性もありますというタイトルの下で掲載をしているものでございます。 雇用調整助成金などのコロナ特例措置に係る不正受給対策を強化するために、厚生労働省としましても、各都道府県労働局に対して通知を発し、また、全国の労働局長会議を本省で開催した際に改めての指示を行うなどいたしまして、まず各都道府県労働局において積極的な調査を行うこと、また、令和五年四月以降、事業主に対して、受給した助成金について自ら調査を行い、不正、不適正であった場合には自主申告を促す取組をリーフレットを配布するなどして行っております。 これらの取組を通して、今後とも不正受給には厳正に対処をしていく所存でございます。
○杉久武君 是非とも、引き続きこの不正受給防止の取組をお願いをいたしまして、時間になりましたので、以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。 私は、教育訓練給付制度についてまずはお伺いをしたいと思います。 この制度が主体的な能力の開発を目的とする以上、指定はとても重要だと思っておりまして、最終的に、就職した先で労働者の技能、そして地位が図られるといったようなことも併せて重要かと思います。その意味では、技能検定、労働者の技能と地位の向上を図ることを目的として、そして名称独占資格となるこの技能検定制度を取得していただくといったようなことも非常に重要だろうと思っております。 まずお伺いしたいと思いますけれども、技能検定の合格を目指す講座であれば、全て教育訓練給付の講座指定対象になると考えてよろしいか、まず確認をしたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 教育訓練給付制度におきましては、労働者の有する技能を公証する国家検定制度である技能検定試験の合格を目指す講座につきまして、目標とする技能検定試験の合格率等の一定の要件を満たす講座は、入門的又は基礎的な水準のものを除き、分野を問わず講座指定の対象としているところでございます。
○秋野公造君 入門的、そして基礎的なものを除くということでありますが、ちょっと確認したいと思うんですけど、四月の四日の当委員会で、私、鉄骨事業者を例示いたしました。その理由は、この仕事は国内でなくなることは絶対になくて、極めて重要性が高い職種でありますけれども、国交省が所管する建設現場で活躍をする経産省が所管をする製造業というような背景もあったりしたことから、なかなか両省の通知が行き届いていなかったりとか、あるいは特定技能の対象からなぜか抜け落ちていたりとかいったようなことがあったものですから、私の地元であります福岡県鉄構工業会の皆様方の取組などを通じて、国交省からもチーム建設というタイトルで通知もいただけるようになり、今般、特定技能にも追加をされるということになったわけですけれども、そもそも、大きな企業との交渉力が弱かったその理由は、やっぱりその身分をきちんと証明をするような資格が足りなかったという、ではないかということで、技能検定について国交省、経産省、厚労省の考え方を聞いたわけであります。 ようやくスタート台に立ったということでありますけれども、この鉄骨業、もしも、いわゆる学科試験、技能試験が行われているということで、要件を満たしているということでありましたけれども、これ、もしも技能検定の対象となった場合、教育訓練の対象となり得るか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 鉄骨業の国家資格化につきましては、四月四日の当委員会におきまして、お示しのあった二資格は、技能検定の要件の一つである学科試験及び実技試験を実施していることは承知しており、今後、関係する業界団体等から技能検定化に関する御要望がある場合には、このほかの要件に合致するかどうかを確認し、必要に応じ助言、指導を行うなど、適切に対応してまいりたいと答弁申し上げたところでございます。 その上で、この二資格のレベルが入門的又は基礎的な水準のものには当たらず、仮に技能検定として追加された場合には教育訓練給付制度の指定の対象となり得ると考えられますが、いずれも給付の種類に応じて一定の要件を満たすことが必要となります。 具体的には、一般教育訓練給付につきましては、訓練期間が一か月以上一年以内であり、かつ訓練時間が五十時間以上であること、修了者に占める目標資格の受講者の受験割合が五〇%以上であること、資格試験等の合格率が全国平均の合格率の八〇%以上であること等の要件を求めております。 特定一般教育訓練給付につきましては、訓練期間が一か月以上一年以内であり、かつ訓練時間が五十時間以上であること、修了者に係る入講者の目標資格等の受験割合が八〇%以上であること、資格試験等の合格率が全国平均以上であること、受給者又は修了者に係る入講者の就職・在職率が八〇%以上であること等の要件を求めております。 技能検定試験の合格を目指す講座につきまして、指定申請を受け、こうした要件を満たすと認められた場合は対象になり得るものと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 極めて質の高い資格でありますから、満たすのだろうということで、あり得るということでありました。 一方で、免許はどうでしょうか。それも三月八日の予算委で、私、床上操作式クレーンの有線と無線での取扱いが異なっているということで、無線式の床上クレーンは、クレーンに運転台が付いている極めて質の高い免許が求められているということでありまして、床上のクレーンで無線式で扱う技能等とは、実態とはちょっと離れているんじゃないかと申し上げて、今新しい免許等について検討いただいていると理解をしておりますけれども、これ、もしも無線操作式のクレーンが免許が新設された場合、その取得を訓練目標とする講座は教育訓練給付の講座の指定の対象となり得るか、これもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。 教育訓練給付制度におきましては、法令に基づいた公的職業資格の取得を目指す講座につきましても、目標とする資格試験の合格率等の一定の要件を満たす場合は指定対象としております。 無線操作式のクレーンの免許につきましては、所管部局におきまして、今後、無線操作式クレーンの使われ方や運転の実態、運転に必要な知識や技能、労働災害の発生状況などを踏まえて、必要な免許資格の種別等について、有識者を参集した検討会を設置するなど、検討を行うこととしたいというふうに答弁をしているところでございます。 現時点におきまして、無線操作式クレーンの免許の内容や当該免許取得のための講座のカリキュラムなどが明らかではございませんが、仮に、現行のクレーン・デリック運転士免許等と同様に、法令に基づく免許制度が設けられれば教育訓練給付の対象となり得ると考えております。 実際の講座が教育訓練給付の指定対象となるかにつきましては、教育訓練給付における講座の指定要件を満たす必要がございます。具体的な指定要件としては、先ほど申し上げたとおり、一般教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付のそれぞれにおいて、訓練期間や目標とする資格試験の合格率等の一定の要件を求めているところでございます。 今後、御要望がある場合には、こうした要件に合致するかどうかを確認し、必要に応じ助言、指導を行うなど、適切に対応してまいりたいと考えております。
○秋野公造君 ありがとうございます。 技能検定という国家資格、名称独占資格である、そして免許、重要だと思いますので、しかるべき状況になりますれば、是非よろしくお願いをしたいと思います。 次に、今回の見直し内容には就業促進定着手当の見直しが含まれておりますが、これは離職前の賃金から再就職後の賃金が低下した場合に支給されるものでありまして、この手当があることで、これ、あくまで理屈上ですけれども、理屈上、事業主が採用時の賃金を低く、それを見込んで低く抑えるということが理屈上あり得るかと思いますから、このことについての見解を確認したいと思います。
○政府参考人(山田雅彦君) 今委員の御指摘のあるような事例が実際に生じているかどうかについては把握しておりませんが、仮にそのようなことがあれば、就業促進定着手当の趣旨、すなわち手当を支給することによって、賃金低下による再就職意欲の低下を緩和し、早期再就職を促すという趣旨に照らして極めて不適切であるというふうに考えております。 就業促進定着手当は、本法案において、人手不足の状況が今後も一層深刻化することが見込まれる中、賃金の低下が見込まれる再就職にインセンティブを設ける必要性が薄れてきている一方で、受給者数が約九万人であり、早期再就職を行った者への支援として一定の役割を果たしているということも踏まえて、制度は継続した上で給付額の上限を引き下げることとしたものであります。 本法案が成立した暁には、見直し後の施行の状況や今後の雇用情勢等を踏まえて、制度の在り方については引き続き検討してまいります。
○秋野公造君 制度は重要なものだと私も思っております。何とぞよろしくお願いしたいと思います。 規制改革実施計画に基づいて、今、失業認定のオンライン化が行われていると承知してございます。うまくいってほしいということと、恐らく、初めてのことでありましょうから、当然課題も多々出てきているのではないかと思います。うまくいってもらいたいとの思いから、現在の状況、確認をしたいと思います。
○政府参考人(山田雅彦君) 雇用保険の失業認定については、四週間に一度、ハローワークに来所していただき、対面で労働の意思、能力の有無や求職活動実績を確認することを原則としています。 しかし、昨年の七月から全国九か所のハローワークにおいて、子育て中の方や難病患者の方など来所が難しい方や早期再就職のためにハローワークの支援を受ける方を対象に、デジタル技術を活用した来所によらない失業認定を試行的に実施しております。今年の四月十九日現在で、オンラインによる失業認定実施件数は千五百三十五件となっております。 先生も御指摘になったように、始めたばかりということもあって、回線の接続等に時間を要したという報告がある一方で、天候や子供の体調等に左右されず認定を受けることができて便利であったとの御意見もいただいているところであります。 こうした試行状況も踏まえて、オンラインによる失業認定の今後の方向性について労働政策審議会で議論いただいているところでありますが、ハローワークの体制の見直しのほか、委員御指摘の業務簡素化といった視点も含めて、雇用保険手続の利便性や実効性の向上の観点から、更なるオンライン化に取り組んでまいりたいと思います。
○秋野公造君 更なるオンライン化で方向性出していただきましたので、是非応援していきたいと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 私から最後の質問になりますけれども、教育訓練給付の拡充や育児休業給付の給付率の上乗せに加えまして適用拡大も行うなど、今回の雇用保険法改正案、改正内容が多岐に及ぶところであります。 それらの改正事項を円滑に施行していくためにも、私は、ハローワークの体制拡充は待ったなし、これがあってのことだと思っておりますけれども、このハローワークの体制の拡充を進めていくということにつきまして、宮崎副大臣、御見解をお伺いしたいと思います。
○副大臣(宮崎政久君) 秋野先生から、エールも含めて御質問いただいたものと思っております。 先生御指摘のとおり、今般の見直しは大変多岐にわたっております。また、雇用保険の適用拡大の面では、およそ五百万人の方が新たに適用を受ける、受け得ることになるものですから、ハローワークの業務の増大が見込まれているところでございます。必要な給付を確実に行えるように、また増加する業務を円滑に処理できるように、万全の施行体制を確保する必要があると考えております。 厚生労働省としましては、業務プロセスの見直しを含めたDX化、申請手続や審査業務の効率化などを推進するとともに、必要となる人員体制について拡充をしっかりしていく必要があると考えておりまして、令和六年度の組織・定員要求におきましては、常勤職員が中心となって担当者制できめ細かな支援を実施するモデル事業などに必要な人員を要求して、ハローワークで百十一名の定員増を実現しております。 先生方の御理解もいただきまして、こういったことも踏まえて、体制拡充、しっかり努めてまいりたいと思っております。
○秋野公造君 是非頑張ってくださいませ。終わります。
○委員長(比嘉奈津美君) この際、武見厚生労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。武見厚生労働大臣。
○国務大臣(武見敬三君) 先ほど石橋議員から御質問をいただいた国等の非常勤職員への雇用保険の加入の件についてお答えをさせていただきます。 非常勤職員については、常勤職員と同じ労働時間であるか否かで扱いが異なっております。 まず、国の非常勤職員について説明をいたしますと、雇用保険の被保険者資格を満たす場合には、最初は雇用保険に加入することとなります。その後は、常勤職員と同じ労働時間の非常勤職員、すなわち一日七時間四十五分かつ月十八日以上働いた月が連続して六月を超える方については雇用保険の適用から除外されることとなります。それ以外の方は引き続き雇用保険に加入することとなり、雇用保険の各種給付が活用できます。 また、地方公共団体の非常勤職員については、基本的に国に準じた取扱いとなります。 以上でございます。
○委員長(比嘉奈津美君) 質疑を続けます。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 議論にも再々なっておりますけれども、まず私からも確認したいのは、完全失業者に対する失業手当の給付率、これ低いという指摘が相次ぎました。 その要因ということで、もちろん失業給付の対象とならない働き方している人たちもいるということですけれども、主な要因ということではどう考えているのか。そもそも、答弁聞いていると、給付率引き上げるという意欲を感じられなかったんですよね。私は引き上げるべきだと思っているんだけれども、この点いかがでしょう。
○国務大臣(武見敬三君) この完全失業者に対する受給者実人員の割合でございますが、近年二〇%台前半で推移しておりますが、この要因としては、完全失業者のうち雇用保険の適用対象である役員を除く雇用者だった者の割合が減少していること、それから基本手当の給付制限の対象となり得る自発的な離職の割合が上昇していること、こういった雇用労働情勢の変化等の影響が考えられるところでございます。 雇用保険の失業給付は、給付期間の長期化に伴う安定就職の阻害等を防止しつつ、求職活動を支える生活保障を図る視点や、社会保険制度としてこの給付と負担のバランス等も考慮して設計する必要があります。このため、労働者の生活の安定を図り、就職を促進するという制度の目的に照らして、その時々の社会情勢に対応した役割が果たされることが重要であり、受給者実人員割合の高低にのみ着目することは不適当であると考えます。 その上で、今般の改正では、適用拡大により雇用保険の被保険者が増え、これまで失業給付を受けられなかった方々が受給可能となること、自ら雇用の安定や就職の促進に資する教育訓練を行った場合には給付制限を課さずに失業給付を支給すること、給付制限期間を二か月から一か月に短縮することといった見直しを行うことで、より基本手当を受給しやすくなると考えておりまして、法案が成立した暁には、これらの見直しの円滑な施行とその施行状況の適切な把握に努め、改正の影響をしっかりと検証をしてまいりたいと考えております。
○倉林明子君 上げるべきだということに対してはないんですよね。 バランスが要るとか、主な要因としては自発離職ということで増えてきたんだという説明はそのとおりかと思います。 ただ、OECD、単純比較はできないということは必ず言われるんだけれども、三十五か国中、日本は三十一番目で、上位のところを見ますと六割の給付率ということになっているんですね。これ、数を見れば、日本の離職者、失業者、八割がこれ生活保障、雇用保険の恩恵を受けられていないという実態なんですね。ここを私はやっぱり底上げしていくということが必要だということは指摘したい。 その上で、なぜ日本の給付率は低いのかということで、一つ、やっぱり法改正によるものとして、受給資格の厳格化というのが挙げられると思うんです。現行では、原則、離職までの二年間に十二か月以上の加入期間があることが要件となっているわけですけれども、これ、こういうふうにしたということに伴って、受給資格を満たさないというような被保険者というのは一体どれだけ増えたんでしょうか。
○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘の平成十九年の雇用保険法改正によって、平成十九年十月一日から失業給付の受給資格要件を見直し、原則として、離職日以前二年間に被保険者期間が通算して十二か月以上あることとしつつ、倒産、解雇等の理由による離職者については、離職日以前一年間に被保険者期間が通算して六か月以上であるということにしております。 この受給資格要件の見直しによる直接的な影響についてのデータはございませんが、改正前後の被保険者数及び受給者実人員数についてお示しすると、平成十八年、この改正前の平成十八年の被保険者数が三千六百十四万人で、受給者実人員は五十八万人、改正したまさにその年、平成十九年の被保険者数は三千七百十三万人で、受給者実人員は五十七万人、改正後の平成二十年の被保険者数が三千七百八十二万人で、受給者実人員が六十一万人となっております。
○倉林明子君 あのね、今回も被保険者対象拡大ということが中心かと思うんですけれども、果たして、被保険者になる人は確実に増えると思うんだけれども、一方で、受給可能となる人数が本当に増えるのかと。大臣、検証も要るということをおっしゃったけれども、実態どうなっているかと。自発離職というところにこういう短時間労働者あるいは非正規で働いている人たちというのがかなり増えているんじゃないかということを懸念しているんです。結局、これ、非正規や有期雇用への拡大ということをやってきた、対象拡大やってきたんだけれども、保険料は取られるけれども給付は受けられないと、こういう労働者が私、増えているということ言えると思うんですね。 さらに、いわゆる自発離職、正当な理由がない自己都合退職の場合というのは、現状、二か月間の給付制限が課せられるということになっておりまして、実質、離職から三か月間は無収入となるんですね。この間、働くと受給資格なくなりますから、働けないんですね。条件が悪くても再就職をせざるを得ないという状況になっているわけです。 厳しい給付制限、これが今回は一か月ということで、実質二か月にはなるんだけれども、賃上げどころか、転職先が、再就職先が、賃上げどころか低賃金の再就職を逆に増やすようなことにもなっているんじゃないかと。認識いかがでしょう。
○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘の失業給付の給付制限期間については、失業給付の受給を目的とした離職を助長しないようにとする趣旨から、自らの意思により離職する者に対して設けているものであります。 今回の制度改正においては、転職を試みる労働者が安心して再就職活動を行えるようにする観点などから、現行の二か月の給付制限期間を一か月とするとともに、自ら雇用の安定や就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限をそもそも課さずに基本手当を支給することとしております。 法案が成立した暁には、こうした見直しの施行状況をよく把握、検証するとともに、ハローワークにおける再就職支援により、本人の希望に沿った再就職が可能となるよう取り組んでまいりたいと思います。
○倉林明子君 これ、実際に、昨年四月から五月にかけて、非正規労働者の権利実現全国会議というのが、失業手当に関するウェブアンケート、決して数は多数じゃないんだけれども、離職理由で最も多かったのは雇用期間の満了なんですよ。続けたいと本人が思っていても続けられないということで自己都合退職扱いになっているという実態が浮き彫りになっていました。 で、自由記入欄ですよ。そこで寄せられていた声なんですけど、六十代の女性ですが、いわゆる待機期間中に食いつなぐために働くことすらできないと、貯蓄が少ない者にとっては死亡宣告に等しいと、これがあるために、すぐに職に就ける派遣労働を長年選択せざるを得なかったと、自己都合退職の待機期間で人生が狂わされた人は多いと思うと、こういう声が寄せられているんですね。 私、今やるべきは何かと。被保険者の失業時の生活保障をこれ機能させることなんですよ。そのために受給資格の要件の緩和というのは必要だと。一律に離職前一年間に六か月以上の被保険者期間があれば受給資格を認めるべきだし、あわせて、正当な理由のない自己都合退職であっても理由を問わずに給付制限をなくしていくと、こういう方向で初めて、貯金がなかったら低賃金の就職に結び付くというところの歯止めにもなっていくと思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(武見敬三君) この雇用保険制度における失業給付は、保険原理に基づく制度として、一定期間以上保険料を納付することを求めています。失業給付の受給を目的とした安易な離職を防止する観点から、原則離職前二年間に被保険者期間が十二か月以上あることを要件としている一方で、倒産、解雇など非自発的に離職した者については離職日前一年間に被保険者期間が六か月以上であることを要件とするなど、要件、これ緩和をしております。 雇用保険制度の運営に当たっては、早期再就職を促して安易な離職を防止するという観点と労働者が安心して再就職活動を行えるようにするという観点の双方が重要でありますから、今後とも、需給状況などを踏まえながら適切なこの制度運営に努めてまいりたいと考えております。
○倉林明子君 いや、さっきも言ったように、有期雇用が増えているんですよ。足下でも増えていますよ。自治体でもハローワークでも非正規ですよ。有期で働かざるを得ないという人たちが安易な離職なんてしていないんですよ。そういう実態広がっているのに、今度は、十時間未満だったら、じゃ、二十時間未満でも雇用保険に加入できると、これはいざいざのときの安心には確かになります。でも、失業時の生活保障にはならないと、なり得ないんじゃないかという指摘をしております。 雇用保険を新たに払うことになったとしても、低賃金で働く労働者ほど、不安定な雇用に置かれている人ほど生活保障が受けられないというようなことがあってはならないということは申し上げておきたい。 そこで、コロナ禍を経ての見直しになっていると思うわけですが、コロナ禍で非正規女性の失業が顕在化いたしました。女性不況とも言われて、解雇、労働時間の減少、雇用に大きな影響を受けた女性が四人に一人に上ったという調査結果もありました。単身女性、シングルマザー世帯へのこのコロナの影響というのは、女性に与えた影響というのはどのように認識されているでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) コロナ禍では、社会経済活動、停滞をいたしまして、事業主の方々の経営環境が厳しい状況となる中で、雇用者数は大きく減少いたしました。特に、女性の非正規雇用労働者数につきましては、二〇二〇年四月の緊急事態宣言発令の前後で比較をいたしますと、二〇二〇年三月の一千四百七十四万人から同年四月には一千四百三万人まで減少するなど、大きな影響があったものと承知をしております。この女性の非正規雇用労働者数につきましては、その後改善し、今年三月には一千四百五十八万人まで増加したところでございます。 これは引き続き、ハローワークにおいて、非正規雇用労働者等に対する相談支援等を通じまして、この求職者の状況に応じたきめ細かい支援を行ってまいりたいと思います。
○倉林明子君 大きな影響があったことは事実だし、女性が非正規、不安定労働に置かれていることが反映したものだと思うんです。 一方、JILPTとNHKが共同調査をコロナ禍初頭にやっておりまして、雇用に大きな影響があったシングルマザー、ここでは、食費を切り詰めた、貯蓄を取り崩した、これそれぞれ三割も出たんですね。消費者金融、カードローンの利用、公共料金の未払、こういった事態にまで追い詰められると。仕事を失うと困窮度が本当に高まるという実態も明らかになったんです。 非正規、短時間で働く女性というのは、今、生計を支えるために一つでは食べれないんですよ。ダブル、トリプルで働いているという人が少なくないです。現在、六十五歳以上の労働者を対象に試験的にやっているマルチジョブホルダーですけれども、ダブル、トリプルで働く女性に対してこそ、しっかり適用拡大ということが、このコロナを経て速やかな検討が求められると思うけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(武見敬三君) 令和四年一月から、六十五歳以上の労働者を対象として特例的に、本人申請方式によりまして、二つの事業所における労働時間を合算して雇用保険を適用する制度を施行しております。 今般の雇用保険制度の見直しにつきましては、労働政策審議会でも御議論をいただいた際に、この特例措置の実施状況もお示しをし、御議論いただいたところであります。その結果、一つの雇用関係についてのみ適用する現行の方式を維持した上で、この特例措置の実施状況の把握を、把握と検証を行って、マルチジョブホルダーへの雇用保険の適用の在り方等について引き続き検討するとされたところでございます。 この特例措置は施行後五年を目途にその効果等検証することとされておりまして、引き続き、この施行状況を注視するとともに、その効果検証の結果を踏まえながら必要な検討を進めていきたいと思います。
○倉林明子君 コロナで、働く女性が一旦こういう失業状態になると、子供も巻き込んで貧困に陥ると。こういう失業時の給付の方ですよね、生活保障の方をどう担保するのかということに対する、私は今回の見直し、回答が求められたというふうに思うんですよ。 改めて、検討を重ねて求めておきたいと思いますが、同じ調査で注目すべきは何かというと、構造変化が起こっているということなんです、働く方の。女性の世帯収入に対する貢献度で、配偶者のある女性の労働収入というのが世帯の三割になっていると。正規女性の場合は四割を超える貢献度になっているんですね。非正規女性で二四%を占めるという実態も明らかになりました。 女性の失業というのは、シングルや単身の女性だけじゃなくて、世帯、夫のある世帯でも困窮に陥る可能性って極めて大きくなっていると。だから、こうした世帯収入の構造変化に合わせた私は制度の抜本的な見直しというのが必要だと思うんですよ。いかがでしょう。
○国務大臣(武見敬三君) 今回、この雇用保険制度というのは、労働者の生活と雇用の安定を図り就職を促進するという役割を果たし得るように、社会雇用情勢に応じて制度の見直しを行うということが重要と考えているものであります。 今回の制度改正におきましても、近年における働き方や生計維持の在り方の多様化の進展を踏まえて、雇用保険の適用範囲を拡大をし、現在の被保険者の約一割に相当するこれは約五百万人が新たに適用を受け得るという影響の大きな改正しているところでございます。制度改正後においても、施行後五年後を目途にいたしまして、改正後の状況を勘案し、必要があると認めたときには、検討の結果に基づき必要な措置を講ずる旨の検討規定を設けております。 今後とも、労働政策審議会においてその時々の社会雇用情勢を踏まえた御議論をしていただき、必要な検討を行いたいと思います。
○倉林明子君 時々の社会状況を踏まえた検討というのは当然要ると思うんだけれども、ここ長年掛けて、明らかな世帯の収入構造の大きな構造変化が起こっていますよと、それがコロナで一層浮き彫りになってきたということを御紹介申し上げたんです。こういう構造変化に対応できるような抜本的な見直しが要るということを重ねて申し上げたい。 今、コロナが終わっても食料配布事業やっているNPO法人等の取組がありますけれども、数が減っていないんですよ。食料を受け取りに来られる方がコロナのときと同様なんですよ。女性、この比率もすごく増えているという実態があるんですね。女性に対してやっぱり夫や親がセーフティーネットの役割を果たすと、これが前提になっているという制度設計がされてきたという経過があります。働き方も大きく変化している中で、失業給付の在り方、これもやっぱりジェンダー平等の視点から大きく見直しが求められると今日は指摘したい。指摘にとどめておきます。 加えて、非正規公務員の雇用保険について質問したいと思います。 一年ごとの会計年度任用職員の場合、フルタイムで働く人、パートの会計年度任用職員の場合に雇用保険の加入扱いはどうなっているのかということについて、先ほど石橋さんの質問に対する答弁がありました。 そこで、いわゆる、今日、東京新聞の一面にも報道ありましたけれども、とりわけ地方自治体の会計年度任用職員の場合、わざわざ労働時間をパート、フルカウントから十五分削ったような労働時間で契約をし直して、退職金を支払わないという運用をしているのではないかという記事だったんですね。非常に不利益、差別があるということで、非正規公務員の方々からの訴えも多かった問題です。 一方、フルタイムで働いてきた人たちはどうなのかということなんですけれども、非正規の公務員でずっと働いてきたという人が会計年度任用職員に切り替わって、やっぱりフルタイムで同じように働き続けてきたと。ところが、雇用保険は、会計年度任用職員になった時点で雇用保険は自動的に切れるんですよ。で、退職金は確かに出るんだけれども、三年後に雇い止めになったと。ところが、本来受け取れるはずだった失業手当は、もう三年期間空いていますから、権利を失ってから、失業給付は受け取れないと。退職金は受け取れるんだけれども、失業手当の満額から見ると半額ぐらいになっちゃったという事態もこれ生まれているんですよ。 フルタイムの会計年度任用職員が雇用保険の加入継続というのは認められないと、公務員と同等だからと、これ理由なんだけれども、低賃金でこういう逆転するような現象、不利益な扱いになっているということから鑑みれば、雇用保険の加入継続ということ、フルタイムのところにも考えるべきじゃないか。どうでしょう。
○国務大臣(武見敬三君) 御指摘のフルタイムの会計年度任用職員につきましては、地方公共団体において条例などが定めるところにより退職手当が支給されることとなっていると、これはもう今御承知のとおりです。仮にその雇用保険を適用するとすれば、地方公共団体は退職手当と事業主として支払う保険料とを負担することとなりますが、いずれも税金を財源としておりまして、国民に対し二重の負担を課す結果となるために、これは適当ではないというふうに考えます。 その上で、総務省から地方公共団体に示している退職手当条例の例では、退職手当の額が雇用保険を適用した場合に支給される失業給付の額に満たない場合、その職員が失業している間に限り差額分を支給することとされております。その差額の算定に当たって、退職手当条例の適用以前に一定のフルタイムの職員であった場合には、その職員であった期間についても考慮されることになります。 このために、地方公共団体においてこの例に倣って条例を定めた場合には、要件に該当すれば差額の支給が可能になるものと承知しております。
○倉林明子君 ということで周知しているはずなんだけれども、条例はばらばらだし、扱いも自治体ごとに違うんです。 で、そもそも、有期雇用で低賃金の非正規公務員の雇用の在り方そのものも私は問題だと言いたいんですね。フルタイムで働いていてもパートで働いていても、退職金があるかないか、そして雇用保険では格差があると、こういう大きな矛盾を国の制度改正で持ち込んじゃったんですよ。無期雇用に転換すると、まずは。賃金の引上げ、これこそ行うべきだということは強く指摘をしたいと思います。 さらに、低賃金、短時間労働者の失業時の生活保障として見た場合、余りにも低い基本手当日額、これ大幅な引上げが必要だと思います。 あわせて、腰を落ち着けて次の就職のための準備をする期間、つまり再就職をしっかり選べるための期間として、基本手当の所定給付日数を百八十日以上に引き上げる。要は、低賃金、短時間労働者、貯金ができないという女性の失業者というのが新たな加入者になるわけですよ。こういう人たちが給付が安心して受けられるということについてはこれ絶対必要だと思うんだけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) 労働者が失業した際に支給される基本手当の給付率や所定給付日数につきましては、失業中の労働者の生活の安定と再就職の促進という雇用保険制度の目的を踏まえて設定をしております。 今般の雇用保険制度の見直しを労働政策審議会において御議論いただいた際には、基本手当受給者の再就職状況等に大きな変化が見られないことなどから、基本手当の給付水準や給付日数については改正は行わない旨の結論を得たところであります。 なお、求職活動が長期化する方々が再就職活動に向けて職業訓練を受講する場合には、基本手当の訓練延長給付、それから求職者支援制度の職業訓練受講給付金といった制度を活用していただくこともこれは可能となっております。
○倉林明子君 あのね、やっぱり賃上げにつながる再就職と、こういうことを阻害しかねないと私は思うんですね。国庫負担割合をやっぱり思い切って引き上げると、失業時の生活保障、こういう観点からの本来の役割を果たすという機能が要るんだということを強く求めて、終わります。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。 障害者は労働から締め出されています。代読お願いします。 本日は雇用保険法改正案の審議ですが、障害者雇用の促進政策は様々ある一方で、障害者を労働から締め出す政策がまだまだ残っています。この問題意識の下、法案の関連として質問いたします。 十五年ほど前、実習点数も十分だったのに、私は大学から社会福祉士の受験推薦が得られませんでした。その理由の一つは、私のような重度障害者に対して試験での配慮を提供した前例がないでした。人生を切り開こうとする障害者が夢をくじかれないためにも、資格試験段階での合理的配慮の必要性を痛感しています。 まず、実例を御紹介します。後ほど資料一で詳細を読んでいただければと思いますが、肢体、視覚、言語、てんかんの障害がある当事者が社会福祉士資格に挑戦しました。ただ、パソコン受験がなかなか認められず、代わりの方法で何年も受験をし続けざるを得ませんでした。二〇二一年、この方が合格した受験の年に、やっとパソコン受験の許可が出たといいます。合理的配慮の建設的対話に一定の時間と労力は必要ですが、現状ではその苦労が膨大過ぎます。特定の障害のある人が資格を取得できない規定である絶対的欠格条項は二〇〇一年の法改正で削除されました。しかし、それまで障害者を資格試験から締め出していたため、翌年からの試験でも同等に受験できない状態が続きました。例えば、障害当事者が事前に申請した内容が受験会場に行ったら用意されていなかったといったこともあったそうです。 そうした受験者の経験と声を受けて、資格取得試験などにおける障害の態様に応じた共通的な配慮についてという基準文書が作られました。資料二の一は、厚労省のホームページにある医師試験、薬剤師試験の配慮申請書です。ちなみに、看護師試験の配慮申請書は医師のものと全く同じです。資料二の二は、基準文書の附属文書です。それぞれの赤枠部分を見ていただくと分かるように、今も基準文書附属の申請書等における配慮のイメージをベースにしたものが各試験で使われています。つまり、基準文書は策定から約二十年たった今も重要だと言えます。しかし、パソコン受験が合理的配慮だということは共通的な認識にはなっていません。例えば、社会福祉士の国家試験では、パソコン受験の前例があるにもかかわらず、今年二月の配慮申請書にもパソコン受験という選択肢はありません。 基準文書は技術進展や時代の変化に応じて不断の見直しをすべきです。パソコン受験や代読、代筆も先ほどの附属文書の選択肢に含めるなど改定の検討を始めるべきと考えますが、政府の見解はいかがですか。基準文書策定をされた内閣府よりお願いいたします。
○大臣政務官(古賀友一郎君) お答えを申し上げます。 国家資格試験における合理的配慮に関して、天畠委員の御指摘のこの基準文書の改定のお尋ねということでございますが、御指摘の平成十七年のこの文書におきましては、各試験制度に共通的に対応すべき配慮事項を整理したものでございますけれども、第五次の障害者基本計画におきましては、国家資格試験の実施について、障害特性に応じた合理的配慮を行う旨定めているところでございまして、この御指摘のパソコン受験を含めどのような配慮を行うか、また、配慮を行う場合に具体的にどのような方法を認めるかにつきましては、本文書で一律に行うというよりも、各試験制度ごとに各省庁におきまして試験内容や技術の進展などを踏まえた検討や判断を行った上で、本文書に記載されていない配慮事項も含めて障害のある個々の受験者の実情に応じて合理的配慮を行っていただきたいと、このように考えているところでございます。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 明示していないけれど、やっているからよいということですか。次の受験者がより配慮を受けやすいようにするのが国の責務ではないですか。古賀政務官、お答えください。
○大臣政務官(古賀友一郎君) 先ほど申し上げたとおり、各試験制度において所管をする省庁が個別に検討をして、そしてその合理的配慮を提供していくと、こういうことだろうと、こう考えております。 そして、試験でございますので、試験そのものの公平性、公正性にも配慮をした上で、どういう合理的配慮の提供が可能かということを各省庁で御判断いただきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 先ほどのパソコン受験の当事者のケースを軽んじています。 基準文書を改定すべきと強く申し上げ、次に行きます。代読お願いします。 次に、通告なしですが、欠格条項について伺います。 障害があるから資格を取れないという規定が絶対的欠格条項、できないかもしれないからチェックする規定が相対的欠格条項です。 二〇一九年の法改正で成年後見制度利用者に対する絶対的欠格条項が全ての法令からなくなったことは前進でした。しかし、まるで引換えのように、少なくとも百二十四本の法律に心身の故障による相対的欠格条項が新設されました。例えば、社会福祉士、精神保健福祉士、建築士、保育士で、二〇一九年まで機能の障害を対象とした欠格条項がゼロだったところに新たに相対的欠格条項ができたため、精神障害者らが新たな不利益を負うことになりました。 四月四日の私の質問に対して古賀政務官は、絶対的欠格条項から相対的欠格条項への規定の変更、適正化が行われたと答弁されました。 しかし、政府が言う適正化後の今もなお、当事者の不利益は日々生じています。当事者団体によると、絶対的欠格条項があった時代から今に至るまで、免許を交付されるのか心配、勉強しても無駄になるのではないかという相談が絶えません。そうした大きな不安をもたらしているのは欠格条項であると認識していただきたいです。 政府は、当事者のこの状況を踏まえてもなお適正化とおっしゃるのですか。通告なしですが、古賀政務官、お答えください。
○大臣政務官(古賀友一郎君) その二〇一九年の法律改正によりまして、今御指摘のございました、成年被後見人であることをもって欠格条項とするという、いわゆる絶対的欠格条項というのを廃止いたしまして、個別、実質的にその能力について判断をしていくという、いわゆる相対的欠格条項という改正を行ったわけでございます。 それに伴いまして、この関係省庁の省令等に精神の機能の障害等の用語を用いた規定が設けられたわけでございますけれども、そうした規定は制度ごとに必要な能力の有無を個別的、実質的に審査するための具体的な基準等を定める規定の整備の一環として設けられたものと、こう承知しておりますので、そのことをもって精神障害者が新たな不利益を負うことになったという御指摘は当たらないのではないかと、こういうふうに考えております。 さらに、この相対的欠格条項に改正した後も、この第五次の障害者基本計画からは、その当該相対的欠格条項が真に必要なものかどうか、これをしっかり判断をして、そして見直し、必要な見直しを行っていくと、こういう計画にしておりますので、そういった意味では、絶対的欠格条項から相対的欠格条項、そしてまた、その相対的欠格条項も真に必要な条項なのかどうかという、こういった見直しをやっていくと、こういうことにしておりますので、御理解いただきたいと、このように思います。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 真に必要なとおっしゃいますが、当事者から見れば、欠格条項そのものが必要ないのです。代読お願いします。 資料一の二の赤枠部分は、先ほどの障害のある社会福祉士のコメントです。私も深く共感しますので、意見として読み上げます。 障害があってもなくても、福祉専門職として体調管理は必須条件ですし、障害があることは本人が一番分かっていることで、当然そのノウハウを持って仕事をすることが求められます、そして、どういうふうにやれば職務が遂行できるかどうかを考える方が相対的欠格事由を設けるより大事なのではないかと心から思います。 引用は以上です。引き続き追及します。次に行きます。 さて、二〇一八年の障害者雇用水増し問題の発覚まで、公務員試験では自力通勤、単独職務遂行、活字印刷文に対応可能といった慣習的な受験資格が残っていました。大きな批判を浴びた結果、政府はようやくこれらの受験資格や募集条件を不適切と認めました。 慣習的な受験資格を見直したのはよかったのですが、現在の障害者雇用促進や障害福祉サービスの制度では私のような重度の障害者が働くことは実質的に不可能です。 例えば、公共交通機関が足りない地方で運転が難しい人のケースです。二〇一九年六月六日の参議院厚生労働委員会で、秋田県の中学校教員で脳性麻痺の三戸学さんの事例が取り上げられました。異動を命じられた学校の近くには三戸さんが暮らせるバリアフリー対応の賃貸住宅はなく、自宅から通おうにも、バスはノンステップではない、タクシー通勤には手当が出ないので自己負担が重いという事例でした。 この問題への対処は自治体や教育委員会の裁量に委ねられていることが問題視されていました。三戸さんの問題提起後、秋田県では、県職員に対して、タクシーやハイヤーを通勤手段として認め、五万五千円を上限に通勤手当を支給する制度改正をしました。ただ、これは秋田県だけが制度改正すればよいという問題ではありません。私の知り合いに地方に住む支援学校の教員がいます。二十代の電動車椅子ユーザーですが、自宅から御両親が自家用車で送迎しています。しかし、御両親も年を重ね、送迎できなくなる日がいつか来ます。 そこで伺います。 政府は、公共交通機関の少ない地域での障害者の通勤保障は重要だとお考えですか。また、最低限の方策として、公共交通機関の少ない地域で働く障害者の通勤保障について、秋田県の事例を自治体や教育委員会に文科省から周知すべきではないでしょうか。
○政府参考人(浅野敦行君) お答えいたします。 障害のある教師が継続的に働くためには、通勤の支援を含む合理的な配慮が提供されることが重要であると考えております。障害のある教師の通勤につきましては、それぞれの障害の程度等を勘案しながら、自宅から通勤しやすい学校へ配置するなど人事異動の際に配慮を行っている例や、委員御指摘のような秋田県における事例のように、タクシー等に係る運賃を支給したりするなどの例があると承知しております。 文部科学省としては、障害のある教師が働きやすい職場環境の整備に向け、御指摘の秋田県の事例も含め、好事例を収集、発信することにより、任命権者である各教育委員会の取組を促してまいりたいと考えております。
○天畠大輔君 代読します。 是非周知してください。 ただ、タクシーやハイヤーを通勤手当の対象とすることは一歩前進ではありますが、最終の解決策ではありません。移動介助の方法が独特だったり、医療的ケアが必要だったりと様々なケースが考えられ、福祉制度との組合せも必要になってきます。引き続き、通勤の保障について、文科省と厚労省で連携して検討していただきたいと求め、次に行きます。 次に、通勤や就労時間中のヘルパー利用についてです。 障害者総合支援法に基づく国のヘルパー派遣制度は通勤と就労時間には使えないため、私のようにほぼ常時介助が必要な障害者は実質的に働けません。それは民間でも公務部門でも同じです。 厚労省は、公務部門は民間企業と比べ障害者雇用に積極的に取り組むべき立場であること、また、公費による補助金について公務部門に支出するのが適切かという課題もあるため、雇用主である自治体や中央官庁などの行政が合理的配慮として通勤や就労中の介助費用支出にも対応すべきとレクなどで説明をしていますが、そもそも国家公務員や地方公務員の介助費用を自治体や中央官庁が負担している事例は現在あるのでしょうか。大臣、お答えください。
○国務大臣(武見敬三君) 国、地方公共団体が自ら率先して障害者を雇用すべき立場であり、国家公務員法及び障害者雇用促進法に基づき、障害者の雇用に際しては、個々の障害特性に応じて、必要な施設の整備、援助を行う者の配置などの合理的配慮に取り組むこととされております。 国や地方公共団体におけるお尋ねのこの介助費用の負担事例の有無につきましては、厚生労働省としては把握をしておりません。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 把握していないのは、介助費用負担の事例がほぼないからではないでしょうか。代読お願いします。 資料三の記事を御覧ください。 ある市役所の正規職員の方は、骨形成不全症の電動車椅子ユーザーです。今は一人で電車通勤、勤務もしておられますが、介助がないことで、けがの危険といつも隣り合わせです。市民のお宅などの訪問に当たっては、介助者がいないので行けず、責任を持ち一貫した仕事ができないことが悩みです。 つまり、各自治体で障害者雇用が進められてはいても、介助者が付けられないことが原因でけがなど体への影響があり、しかも、仕事の幅が狭くてキャリアアップが見込めず、平等に働ける環境にはなっていないということです。体調不良、本人都合が離職理由の場合にも、その背後には、通勤や就労中にヘルパーを利用できないという制度の不備があると推測できます。 就労時間のほとんどに介助者が必要な障害者もいます。その介助者の人件費を自治体や中央省庁が負担することは、一般的に考えれば民間企業と同様に厳しいと思われます。負担が大きいことを理由に、ほぼ常時介助が必要な障害者の雇用を敬遠することも容易に想定できます。民間における重度障害者の就労を後押しするのと同じ理屈で、自治体などへ支援するのは不適切とは言えないのではないでしょうか。 二〇二〇年には、この通勤や就労中にヘルパーを利用できない問題を少しでも解決するため、雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業ができました。しかし、公務員は対象外なので、現実に困難を抱えている人がいます。 大臣に伺います。私は特別事業は永続させるべきではないと思いますが、すぐにできる方策として、公務員も特別事業の対象に含めるべきではないでしょうか。
○国務大臣(武見敬三君) 国や地方公共団体に勤務する重度障害者の通勤、就労中の介助につきましては、障害者雇用促進法等における国や地方公共団体の責務を踏まえ、国等が雇用主として障害者に対する合理的配慮を提供するものと認識をしており、公費による補助金を公務部門に支出するのは適切かという課題もあり、お尋ねの特別事業の対象とはしておりません。 公的機関における法定雇用率は民間部門よりも高く設定されておりまして、率先して障害者雇用を促進しているところでもあり、引き続き、重度障害者を含め、公的機関として障害者雇用を進めるよう、関係機関とも連携して取り組んでまいりたいと思います。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 政府が公務部門における介助費用負担の実態を把握してもいないのに、公的機関だから率先してというのは都合がいいと思います。国が実態調査をすべきではないですか。大臣、お答えください。
○国務大臣(武見敬三君) 雇用分野における公的機関における障害者への合理的配慮事例集というものについては、これをまとめております。今後の事例集の改定の際に、重度障害者に対する配慮事例についても収集することは当然検討されるべきことかと考えます。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 追加調査をすべきです。代読お願いします。 令和五年度に、厚労省は、重度障害者の就労中の支援の推進方策の検討に関する調査研究を行いました。公務員は回答者に含まれていますが、その方々のインタビュー回答や公務員ならではの課題などについては特段の知見が示されていません。障害者の公務員の実態や雇用する側の自治体の事情など、追加調査をすべきと強く求め、次に行きます。 資料四を御覧ください。 現在、障害者が国家公務員を目指す場合、ルートは二つあります。人事院が毎年一度行う一斉の採用試験に合格して常勤になるルート、そして各省庁が必要に応じて募集を掛ける障害者向けの個別選考に合格して常勤や非常勤になるルートです。二〇一八年、障害者雇用水増し問題の発覚後、人事院が実施した障害者向け選考も過去にはありました。 次のような声が私のところに届いています。現行の各省庁障害者採用か過去の人事院障害者採用のどちらかで国家公務員になった方だと思われます。読み上げます。 障害者も健常者と同じ業務内容と説明を受けたが、入庁してみたら、障害者採用は一つの部署にまとめて配属されている。一度、家庭の事情で違う部署に異動したが、希望していないのにまた異動となり前の部署に戻った。なぜ障害者がその部署に固められているのか、障害者は異動がないのかも説明もない。引用は以上です。 一般論として、本人に説明もなく、障害者採用を理由に、集中配置する部署に配属したり異動をさせなかったりすることがあってよいと政府はお考えですか。内閣人事局からお答えください。
○政府参考人(野村謙一郎君) お答えいたします。 障害者の雇用に際しては、障害のある職員に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、障害のある職員が意欲と能力を発揮し、活躍できる環境を整備することが重要であると考えております。 国家公務員につきましては、人事院が平成三十年に策定いたしました職員の募集及び採用時並びに採用後において障害者に対して各省各庁の長が講ずべき措置に関する指針におきまして、職員の募集及び採用時、採用後に各省庁が講ずべき措置が定められております。その中で、各省各庁の長には、障害者との話合いを踏まえ、その意向を十分に尊重しつつ、具体的にどのような措置を講ずるかを検討することとされております。 また、令和四年の障害者雇用促進法の改正によりまして、公務部門も含めた全ての事業主の責務として、職業能力の開発及び向上に関する措置が含まれることが明確化され、障害者の雇用の質の向上を図ることが重要とされております。 このため、障害者に対して講ずべき合理的配慮の提供義務を負う各府省におきましては、障害のある職員との話合いを踏まえ、その意向を十分に尊重し、過重な負担にならない範囲で合理的配慮を行い、障害のある職員が意欲と能力を発揮して活躍できるようにすることが重要であると考えております。 内閣人事局といたしましても、各府省において、障害のある職員の意向を尊重しつつ、適切な合理的な配慮が行われるよう、厚生労働省や人事院とも連携しながら各府省を支援してまいります。 以上でございます。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 是非よろしくお願いします。代読お願いします。 雇用の質の向上というキーワードが出てきました。障害者職員の集中配置という方法があることは、内閣人事局、厚生労働省、人事院作成の公務部門における障害者雇用マニュアルにも書かれていますし、健常者も希望どおりの異動やキャリア形成とならないことももちろんあります。ただ、障害者は、障害を理由に仕事をセーブしたいものと勝手に思い込まれたり、そもそも集中配置という特殊な人事配置に直面するなど、健常者とは明らかに違う立場にあります。雇用の質を上げるためには、相互理解のための説明、対話は必須と考えます。 引き続き議論をさせていただきたいと申し上げ、質疑を終わります。
○上田清司君 無所属の上田清司です。 質疑に入る前に、武見大臣、先ほど倉林議員の議論の中で、安易な離職を制限するというようなお言葉を二回使われました。 安易な離職、これは適切ではないんではないかというふうに思います。取り消せとは申し上げませんが、安易な離職を前提にしているということを厚労大臣が思っていらっしゃれば、ハローワークで大臣の耳や目になって頑張っている皆さんたちは、新しい仕事場を見付けようとする人たちは安易な離職をしているかもしれないという目線になってしまったらこれはいかがかなと、私はそんなふうに感じました。 例えば、どういう言葉が適切かどうか分かりませんが、適正を欠く離職とか、そういうのもあるのかもしれませんが、いずれにしても、大臣の目や耳になって現場で働く人たちにとって、安易な離職をしている人たちが来ているんだというようなことを前提にするような議論にしていればこれはいかがかなというふうに私は思いましたので、この点について、大臣、率直な考えは、どう思われますか。
○国務大臣(武見敬三君) 安易な離職を前提とした制度設計では全くありません。 しかし、例えばの例として、もしそうした制度そのものを、趣旨と全く異なる形でその制度を活用しようとするような趣旨での申請などがあった場合には、これは適切に対応せざるを得なくなることになります。 したがって、そういうケースがあることを一例として申し上げるときに比喩として使わせていただいたと、こういう経緯でございます。
○上田清司君 先ほどの倉林議員の議論は、いかにこの適用拡大をどんどんどんどん制度として展開しても、いわゆる受給者の実員が極端に少ないねと、この議論だったんです。何か不正な要求をしているとかそういう話ではないんです。にもかかわらず、ぽんと出たんです。 大臣は原稿読んでいらっしゃったので、大臣の言葉とは私は思っておりません。誰か良からぬ人が書いた文章なんですね。でも、それは問題だなと私は思っているんですよ。 今の大臣の答弁は、違うところで使われる分にはいいんですが、先ほどの倉林議員のところで使われた言葉としては不適切だと私は申し上げているのです。この点についてどうだと言っているんです。
○国務大臣(武見敬三君) もし誤解を招いたとすれば、それは大変申し訳なかったと思います。 その上で、やはり不適切にこうした制度を活用しようとする趣旨のもし申請等あった場合には、やはりそれに対する対応というのも現場では考えなければならなくなる、そういったことの一例として申し上げたんだということを是非御理解いただきたいと思います。
○上田清司君 必ずしもそうじゃなかったということを申し上げたのに、最後にまた余計なことを言われました。せっかく素直にお話をされたのに。 取り消せとかそういうことを言っているわけではありませんが、要は、大臣の目や耳になって頑張っておられる方々に良からぬことが伝わってはいかぬなという、そういうふうな思いを持ってあえて申し上げました。生意気なことを言って誠に申し訳ありませんでした。 さて、私も倉林議員と同じ問題意識、前回もお尋ねしました。制度が始まった一九六八年当時は八九%だとか、完全失業者に占める受給者の実人員の割合でした。一九八〇年当時で五〇%を超えていました。 二〇〇三年ぐらいから、ほぼ二〇%をちょっと超える程度になってきました。二〇〇九年の改正、雇用期間を一年以上を六か月に縮めて、まさに受給者のチャンスを増やそうという制度改正が行われて、このときは瞬間的に二五%に上がりました。でも、翌年からまた二〇%そこそこになりまして、翌年の二〇一〇年、平成二十二年ですが、六か月以上を三十一日以上、このときも二〇%になってしまいました。 この被保険者のセーフティーネットの拡大、いわゆる失業手当の受給者の適用拡大を一貫して図る形で制度改正が行われて、まさに働く人たちにとってはいい話で、反対する話というのはなかったんですが、なぜこういう形になっているかということで再三お尋ねすると、先ほどは新しく、自発的離職が増えたというのが今度新たに原因の中に加わってきました。 じゃ、多分、山田参考人に、この自発的離職者が何%あるんだとか、こういう話をすると、またばくっとした話しかできないんじゃないかと思って心配しているんですけど、ちゃんと出せますか、エビデンスが。
○政府参考人(山田雅彦君) 完全失業者に占める受給者実人員割合が低水準だということの説明の中で自発的離職者の割合が上昇したということについての数字を申し上げますと、完全失業者のうち基本手当の給付制限の対象となる自発的な離職者は、二〇〇二年以降の動向になりますが、三二%から四〇%に上がっております。
○上田清司君 今のは、二〇二〇年から、二〇%から四〇%に上がった、どこからどこですか、基準と。
○政府参考人(山田雅彦君) 二〇〇二年から二〇二二年にかけての話です。
○上田清司君 これが自発的離職者が四〇%増えたと、二〇パーから四〇パーとなったと。だから、なぜ二〇%だという根拠になるんですか。それを教えてください。
○政府参考人(山田雅彦君) 今申し上げたのは、完全失業者に占める雇用保険の受給者実人員割合を押し下げた要素として何があるかということなので、二〇%の直接の御説明にはなっていません。
○上田清司君 ずっと一貫してそうなんですよ。なぜいつも二〇%に終わっているのかと、実人員が。先ほど倉林議員も紹介されたOECD加盟国三十五か国中、日本は三十一番目だと、この実人員の割合が。上位の十二か国でいくと六〇%なのに、余りにも差があるじゃないかと。 いいですか、コロナのときにG7の中で日本が一番対人口比の中で亡くなった方が少ない、日本人が清潔で立派だからだと、本当は政府がいいんだからと言いたかったんでしょうけど、それは言わなかった。でも、G7やヨーロッパ、アメリカと比べての話なんですね。じゃ、アジアの中で比べてくださいよと。比べないじゃないですか。タイ、ベトナム、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン以下なんですよ、日本は対人口比で。どう考えてもおかしいんですよ。タイ、ベトナム、パキスタン、バングラデシュ、フィリピン、日本よりも衛生的だと思えないんですよ。日本よりも医療事情がいいとも思えないんですよ。そういうのは入れないんですよ。だから、都合のいいときだけ、OECDよりもいいんですよと言って使って、今OECDよりも悪いじゃないですか。なぜ悪いかという原因について細かい分析をしないじゃないですか。 いいですか、少し委員会に対してあなたたちは緩んでいるよ。数が多いから最後は通るんだと思ったら大間違いだよ。打越筆頭が、エビデンスがはっきりしないから審議できないと言ったら終わりだ。そうなんだよ。エビデンスがはっきりしないじゃないですか、なぜずっと二〇%なんだという。もう一回言ってください。
○政府参考人(山田雅彦君) 先ほど申し上げた完全失業者に占める雇用保険受給者実人員を押し下げる要素ということについての説明になりますが、二〇%の直接の説明ではありませんが、詳細に申し上げたいと思います。 六点、ポイントがあります。 一つは、完全失業者のうち雇用保険の適用対象となり得る役員を除く雇用者の割合が五六%から五〇%に下がっております。これは前回もお答えした内容です。五六から五〇%に下がったという内容については今回初めてお話をいたします。 それから、先ほど申し上げた完全失業者のうち、給付制限の対象となり得る自発的な離職者の割合が三二から四〇%に上昇したこと。 それから、完全失業者のうち雇用保険の適用対象となり得る、仕事を辞めたため休職している者の割合が減少をしていると。これが七四%から六六%に減少しています。これ裏返して言うと、それまで仕事をしていなかった方が、新たに求職活動を始めた方が増えているということの裏返しになっております。 それから四点目として、完全失業者のうち基本手当の対象外となっている六十五歳以上の人の割合が三%から八%に上昇していると。実は、六十五歳以上の高齢者については、一時金という形で雇用保険の制度から給付は出しておりますけれども、これはその受給者実人員の中には入れておりません。 それから五点目として、完全失業者のうち基本手当の対象外の長期失業者の割合が上昇をしている。これは、数字を申し上げると、二九%から三六%へ上昇しております。 それから、これは度々議論になりますけれども、雇用保険制度における自己都合退職による給付制限期間が延長された昭和五十九年の話ですけれども、ということも、これはちょっと二〇〇二年から二〇二二年の説明の外にある話でありますが、それがこれまで雇用保険受給者実人員割合を押し下げてきた要因として我々の方で分析しておる内容でございます。
○上田清司君 中身をちょっと精査しないと今の六点に関して言えないと思いますが、とにかく、この雇用保険は、基本的にはスキルアップや給与アップができて再雇用がばんばんできると、そういうふうになればいいんですが、非正規がどんどん増えて、実質賃金が二十四か月マイナス、消費は低迷と、働く環境が良くなっているとはとても思えないわけですよ。 にもかかわらず、そういう意味での実人員が増えないと。そこはやっぱり何らかの形で、ブロックとは言いませんが、緩やかに見る形がないんではないか。本当に求めている人たちに対応ができているのかどうかということに関して非常に疑問を感じるところです。これも、それだけ、まず申し上げておきます。この六点に関しては、また改めて丁寧に追っかけをさせてください。 それから、先ほど梅村議員が時間切れで十分議論が深まり切れなかったんですが、自己都合退職における、一か月が二か月になった、モラルハザードを防止するためだと。今度は二か月を一か月だと。なぜなんだと。 それ、むにゃむにゃむにゃっとなって時間が終わってしまったので、改めて、なぜ一か月が二か月になったのか、そして、なぜ二か月を一か月に今度するのか、その理由は何なのか。前回の理由は逆だったわけですね。今度はどうなのかと。改めて聞きたいと思います。
○政府参考人(山田雅彦君) 今ちょっと、直接これのきっかけになった新資本の関係の会議の文書を持っておりませんので、ちょっと概略で御説明をいたしますけれども、労働者が自由に転職とかそういったことをできるということに対する妨げにこの給付制限がなっているという御指摘が、労働政策審議会の、内閣府の方のやっておる審議会の場で議論になって、そういった御議論も労働政策審議会の場で提示をさせていただいて御議論いただいて、今回、二か月を一か月。 あと、教育訓練をした場合についてはそもそも給付制限を掛けないということについても、同じく、人への投資を促進するという流れの中で、そういった御議論を労働政策審議会に紹介、お示しをした上で御議論をいただいた結果になっております。
○上田清司君 審議会で御議論いただいた、全く逆の結果になっているわけですね。そうじゃないんですか。 例えば、前回の審議会で御議論いただいたときのやつはどのように直近の審議会で総括されたのか、あなたも知らないみたいだけど。でも、これは結構重要な案件なんですよ、梅村議員が御指摘されたように。
○政府参考人(山田雅彦君) 今のお話というのは、一か月を三か月にしたときとの比較の話で……(発言する者あり)
○上田清司君 前回は、一か月を二か月に延ばしたんですね。それはモラルハザードを防ぐためだと……(発言する者あり)あっ、三か月、ごめんなさい、一か月を三か月。で、今回は二か月を一か月にということです。だから、それぞれの理由があるわけでしょう。でも、相矛盾するような行為になっているんで、そのことはどうだったんですかと、審議会の中の議論は。
○政府参考人(山田雅彦君) 済みません。今回議論するに当たって、昭和五十九年のときに一か月から三か月にしたということについて、こちらから、こうこうこういう理由でこういうことになったということは労働政策審議会の場ではお示しはしていません。
○上田清司君 厚労省としては前回の経緯については特に説明しなかったと。あっ、ちょっと待って。しなかったは分かった。では、どのように厚労省としては今回のことに関して、前回と比較しての、社会情勢が変わった、じゃ、どう変わったのかとか、どういうことに変わったのかとか、そういうのをきちっと説明してください。
○政府参考人(山田雅彦君) 昭和五十九年の雇用保険法改正のときに給付制限期間を一か月から三か月に延長したときの話、議論ですけれども、ちょっと資料をそのまま読み上げますと、昭和五十九年当時、受給資格者の六割が正当な理由のない自己都合離職者であり、その傾向は若年層において顕著なこと、これは、給付制限期間が一か月間、一か月と短期間であることが安易な離職を誘う結果となっているのではないかと指摘されていることから、離職を決意する際の慎重な判断を期待し、安易な離職を防止するとともに、離職後の再就職意欲を喚起するため給付制限期間を延長するというふうに昭和五十九年の雇用保険法の改正のときには整理されております。
○上田清司君 昭和五十九年、一九八四年ですが、当時、五〇%の、完全失業者に占めるいわゆる受給者の実人員の割合だったんですね。ちょうど五〇%、このときですね。これが、一か月から三か月にすることによってモラルハザードをブロックすると、制限すると、それでどんどん下がっていったというような判断にするんですか。翌年四〇パー、四〇パー、三八、三五、三六、三六、三六、三六、四〇、四二、四一、四二、四〇。何かそんなに関連性があるとも思いませんね、数字の上では。お答えください。
○政府参考人(山田雅彦君) はっきり因果関係があるというふうに申し上げられませんけれども、関連はしているというふうに思います。
○上田清司君 委員会のというか、この法案に関して常にそうなんですよ、エビデンスがはっきりしないんですよ、答弁で。駄目なんですよ、そういうのじゃ。極めて重要な案件なんですよ。だって、そうでしょう。一年を三か月になった、今度は、あっ、一か月が三か月になった、二か月が一か月になりますと。すごい、で、それでもやっぱり実質的には二か月間無収入ですよと倉林議員が言いました。その前は事実上三か月無収入ですよと、しかも三一%の、二人以上の世帯の三一%が預貯金ゼロですよ、統計上は。そういう実態の中で、まあ改善なんですよ。このこと自体はいいことだと私は思うんですが、やっぱりその因果関係なんかをもっと丁寧に追っかけていかないと、本当に良くしているのか悪くしているのか分からないじゃないですか。 いずれにしても、このことに関してのエビデンスを今、自身、今は持っていらっしゃらないということだけははっきりしているので、ちょっといかがかなと。一貫して説明がいつもばくっとしている傾向がありますので、注意を促したい、私は思います。大臣、若干、この間も、何人もそうだったんですが、政府参考人が、あえて副大臣、また政務官が出席しないで政府参考人が出席されているんですから、政務官、副大臣以上に丁寧な説明ができないといけないと私は思うんです。大臣、これはやっぱりいかがなものかと思いますので、今後気を付けていただきたいと思います。 大臣は常に真摯にお答えされているので、私は評価しておりますが、今回の法改正は極めて重要でありますが、なぜ四年半も掛かるのかとか、この問題についてもエビデンスがはっきりしませんでした。大事な大事な論点が常にはっきりしない、これ極めて問題だというふうに思いますので、この点を丁寧に今後は取り組んでいただくことを、この後の法案も重要法案でありますので、そのことを申し上げて終わります。 ありがとうございました。
○委員長(比嘉奈津美君) 他に発言もないようですので、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について田村君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田村まみ君。
○田村まみ君 私は、ただいま議題となっております雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会を代表して、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 本法律案では、雇用保険の適用対象者について、一週間の所定労働時間が二十時間以上の者から十時間以上の者へと拡大することとしております。働き方の多様化が進展する中で雇用のセーフティーネットの拡大につながることから、これについては支持いたします。 一方、本法律案では、雇用保険の適用拡大に関する施行期日を令和十年十月一日としております。政府は、施行期日を令和十年とする理由として、十分な周知期間の確保、事業主の事務負担の増加に対する準備期間の確保、システム改修の必要性などを挙げており、一定の理解はいたしますが、施行まで四年以上の期間を要するのは、雇用保険法の過去の改正や他の法律と比べても余りに長期であると言わざるを得ません。 短時間労働者に対しては、家族の介護、育児、本人の疾患、疾病等やむを得ない理由で短時間労働にならざるを得ない方もいることから、働き方に中立的な社会保障制度改革を推進する必要があります。それと並行して、目の前の雇用のセーフティーネットを十分に確保していくことが喫緊の課題となっています。現在、社会保険に係る年収の壁の問題に直面している短時間労働者が、賃上げに伴う就業調整により雇用保険の適用から外れ、その後、基本手当の受給資格を失ってしまう場合、それまでに保険料を何十年納めていたとしても、適用拡大後に改めて加入する際にはゼロからの加入となり、基本手当の受給に必要な被保険者期間を満たすまでに日数を要する上、被保険者期間等に応じて決定する基本手当の所定給付日数の点で不利となってしまいます。こうした方が生じないよう、一刻も早く適用拡大を行うべきです。 また、政府は年収の壁への対応として、キャリアアップ助成金の支援策を講じておりますが、この支援策は令和八年三月三十一日までの間に新たに社会保険の加入要件を満たし、適用されることとなった労働者が対象です。雇用保険の適用拡大の施行を早めることは、令和八年四月以降の切れ目のない支援にも資する対策となります。 このような観点から、本修正案を提出いたします。 修正の要旨は、雇用保険の適用対象の範囲の拡大及び特定求職者の範囲に関する暫定措置に係る改正の施行期日を、令和十年十月一日から令和八年四月一日に改めることであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまの田村君提出修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。武見厚生労働大臣。
○国務大臣(武見敬三君) 参議院議員田村まみ君提出の雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府としては反対であります。
○委員長(比嘉奈津美君) これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、本法案に反対の立場から討論します。 反対する第一の理由は、本法案が三位一体の労働市場改革の中に位置付けられ、リスキリングの名の下に労働移動を促進するものになっているからです。 本法案で新設される教育訓練休暇給付金は、無給の教育訓練休暇に対して失業給付から給付を行うものであり、事業主は負担なく一定の生活保障付きの教育訓練を受けさせることができるようになります。本来、産業構造の変化や経済的な環境の変化に合わせた教育訓練は、生活保障も含め、事業主の責任で行われるべきです。教育訓練休暇給付金は、事業主の責任を放棄することに国のお墨付きを与えることになりかねません。さらに、教育訓練の結果を低く評価することで処遇を引き下げ、労働者を自ら退職に追い込むといったリスキリングを通じたリストラを可能とするものです。三位一体の労働市場改革は、職務給の導入、リスキリング、労働移動の促進の三本柱を掲げ、これによって構造的な賃上げを図るとしていますが、その担保は全くありません。 第二の理由は、育児休業給付の保険料率の本則を〇・四%から〇・五%に引き上げることです。 本法案では、育児休業給付の国庫負担も本則に戻しますが、これまでの国庫負担引下げにより雇用保険財政を悪化させてきた責任を労働者や中小企業に負わせるものであり、到底認められません。 第三の理由は、介護休業給付の国庫負担割合を八十分の一に据え置くことです。 介護離職は今や社会問題になっており、今後も増加することが予想されます。介護休業制度の見直しと同時に財政的な支援を充実させるためにも、国庫負担は直ちに本則に引き上げるべきです。 最後に、雇用保険制度の根底にある、女性に対しては夫や親がセーフティーネットの役割を果たすという前提をジェンダー平等の視点で抜本的に見直す必要があることを指摘して、反対討論といたします。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。 雇用保険法改正は、労働政策を根本から立て直すことから始めるべきです。代読お願いします。 私は、れいわ新選組を代表し、雇用保険法改正案原案並びに同法案修正案の双方に対して、反対の立場から討論を行います。 まず、原案への反対理由の第一は、本法案が週間労働時間十時間以上二十時間未満の短時間労働者への雇用保険適用拡大を図っているものの、そもそも、この短時間労働者の大部分を占める非正規雇用が拡大した最大の原因である雇用劣化、雇用破壊への反省と改善策が全くないまま、雇用保険拡大だけが行われているという点です。 今や非正規雇用労働者は身分ないし階級となっていると多くの労働学者、経済学者が指摘しています。就職氷河期世代を始めとして、一旦非正規雇用になったらなかなか正社員になれないという現実が、この指摘が正しいことを証明しています。 同一労働同一賃金、均等待遇の徹底実施などによって労働基準を正常化することこそ急務です。全ての人々が差別なく安心して働ける社会を保障しない限り、日本社会に未来はありません。 原案への反対理由の第二は、今回の改正によって雇用保険のセーフティーネット機能が低下しているという点です。 就業手当が廃止され、就業促進手当が減額されています。これら二つは、いずれも不安定な労働環境への転職を余儀なくされた労働者への手当です。 政府は、より低い労働条件への転職に対する就労支援施策を廃止ないし減額するというディスインセンティブ、いわゆる不利益効果による誘導策によって、より高い労働条件への雇用移動を促すと説明しています。しかし、そのような効果を示す研究や知見が実は見当たらないということを政府自身が本委員会の質疑で認めているのです。立法事実が完全に欠落した改定です。 原案への反対理由の第三は、上記のような手当の改定が、困難な状況にある人々にあえて冷たい姿勢で臨み、安定雇用への移動を果たした転職成功者への手当は維持するという、あめとむちの政策だからです。 人間を優れた者と劣った者とに分けるのは優生思想であり、根絶すべき考え方です。優勝劣敗で物事がうまくいくのなら、政治は必要ありません。弱肉強食の動物の世界だからです。 次に、修正案についてです。 本修正案は、施行期日を二年半前倒しして雇用保険の対象範囲拡大をより早期に実現するというものです。その意図自体を否定するものではありませんが、上述したような原案の決定的瑕疵を修正するものとは言えないため、同じく反対いたします。 障害者を含め様々な困難を抱える人々と、共に生き、共に働ける社会をつくりましょうと強く申し上げ、以上をもって原案並びに修正案に対する反対討論といたします。
○委員長(比嘉奈津美君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより雇用保険法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、田村君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(比嘉奈津美君) 少数と認めます。よって、田村君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(比嘉奈津美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、打越君から発言を求められておりますので、これを許します。打越さく良君。
○打越さく良君 私は、ただいま可決されました雇用保険法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員上田清司君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 雇用保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、雇用保険の適用拡大による短時間労働者の就労状況の変化について調査を行い、その結果を踏まえ、労働政策審議会において必要な検討を行うこと。 二、就業調整等に伴い雇用保険被保険者の資格を喪失する者について、その実態を把握し、労働政策審議会に報告して、議論を行うこと。 三、複数の事業所で雇用される労働者の雇用保険の加入手続が確実に行われるよう、周知・広報を強化すること。また、複数の事業所で雇用される労働者への雇用保険の適用の在り方等について労働政策審議会において検討を行うこと。 四、六十五歳以上の労働者を対象に令和四年一月から試行中の雇用保険マルチジョブホルダー制度について、制度の周知・広報を強化した上で、その施行状況を適宜労働政策審議会に報告し、制度の適用対象者の在り方等について議論を行うこと。 五、雇用保険の強制適用事業ではない暫定任意適用事業について、実態の把握を行い、適用の在り方について労働政策審議会において議論を行うこと。 六、我が国の完全失業者に占める基本手当の受給者割合が二十パーセント程度となっていることも踏まえつつ、今般の適用拡大の施行状況を把握し、必要な取組を検討すること。 七、教育訓練給付について、効果的な給付の観点から、講座の効果、賃金上昇の確認方法等の十分な検証を行い、その結果を踏まえ、指定講座の見直し等を含め、労働政策審議会において必要な検討を行うこと。 八、教育訓練給付の拡充措置について、非正規雇用労働者の活用状況を把握するとともに、より多くの非正規雇用労働者が教育訓練を受けられるよう必要な支援を行うこと。 九、非正規雇用労働者については、同一労働同一賃金の徹底に取り組み、雇用の安定化と労働者保護を図ること。 十、雇用保険の国庫負担は雇用政策に対する政府の責任を示すものであることから、求職者給付の国庫負担の在り方について、令和四年の雇用保険法改正により導入した国庫負担の仕組みの下で、適正な財政運営を行うとともに、国の財政・財源の構造から検討を行うこと。 十一、介護休業給付の国庫負担割合の暫定措置的引下げについて、労働政策審議会において引き続き検討を行い、令和九年四月一日以降できるだけ速やかに、安定した財源を確保した上で、暫定措置を廃止して本則の水準に戻すものとすること。 十二、雇用形態に関わらず、職業能力の開発・向上が労働者の雇用や職業の安定のために不可欠であるとともに、我が国経済の発展にも資するものであることを踏まえ、労働者の職業能力開発支援について、給付の趣旨を踏まえた国庫負担を含めた必要な予算を確保すること。 十三、保険料率の引上げは拠出する労使に多大な影響があることを踏まえ、育児休業給付の保険料率を弾力的に調整できるかを労働政策審議会で確認する際には、育児休業給付の状況や見通しに基づいた丁寧な議論を行うとともに、その財政運営の在り方について適時に検証していくこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(比嘉奈津美君) ただいま打越君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(比嘉奈津美君) 多数と認めます。よって、打越君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、武見厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。武見厚生労働大臣。
○国務大臣(武見敬三君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
○委員長(比嘉奈津美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十九分散会