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213回国会参議院2024/04/25

厚生労働委員会 第10号

発言数
148
登壇者
11
会派数
7
開催日
2024/04/25

会議録

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、石橋通宏君及び友納理緒君が委員を辞任され、その補欠として羽田次郎君及び田中昌史君が選任されました。     ─────────────

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  雇用保険法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省職業安定局長山田雅彦君外三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 雇用保険法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

杉久武公明党

○杉久武君 公明党の杉久武でございます。本日は質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。  雇用保険法の改正案につきまして、順次質問をしてまいりたいというふうに思います。  まず、今回の雇用保険法等の改正案でございますけれども、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティーネットの構築や人への投資の強化等のため、雇用保険の対象拡大、また教育訓練やリスキリング支援の充実、さらには育児休業給付に係る安定的な財政運営の確保等の措置を講ずるとして、大変多岐にわたる改正が行われることとなりました。  この背景として挙げられるのが、女性の社会進出や共働き世帯の増加を始め、高齢者雇用の進展など多様な人材の労働参加が進む中で、新型コロナ感染症の発生によりまして働くことに対する価値観やライフスタイルそのものが劇的に変化したことも相まって、あらゆる働き方を支えるための雇用のセーフティーネットを確実に構築する必要があるとともに、働く方のキャリア形成を支えるという人への投資を強化する必要があることから、今般、雇用におけるセーフティーネットの基礎とも言えますこの雇用保険制度全般について検討が進められたものと考えております。  そこで、厚生労働省に質問いたしますけれども、雇用保険制度の現状と課題について確認をするとともに、本改正案の策定に際してどのような議論が行われてきたのか、伺いたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 現在の雇用情勢は、求人が底堅く推移しており、緩やかに持ち直している状況であり、また、女性や高齢者等の多様な人材の労働参加が進み、働くことに対する価値観やライフスタイルの多様化も見られるところであります。  そうした中で、労働者の生活と雇用の安定を図る観点から、それぞれの労働者がその希望と状況に応じて持てる能力を十分に発揮できるよう、多様な働き方を効果的に支えるとともに、労働者の主体的なキャリア形成を支援する必要があると認識しております。  こうした認識の下、労働政策審議会において雇用保険制度全般について議論を行い、先生御指摘のように、非常に多岐にわたる内容ではありましたが、今般、雇用保険の適用の範囲の拡大や教育訓練、リスキリング支援の充実等の措置を講ずる、それとともに、男性の育児休業の大幅な取得増等に対応できるように育児休業給付を支える財政基盤を強化するため、育児休業給付に係る安定的な財政運営を確保する措置等について、を講ずることとしたものでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 共働き世帯や短時間労働者が増える中で、働く方の生活や多様な働き方を支えるために雇用のセーフティーネットを一層広げる必要があるという観点から鋭意検討が重ねられたと理解しておりますので、こうした変化に柔軟に対応する制度改正は極めて重要であると思います。  その上で、今回の雇用保険法改正案の一つの目玉として取り上げられているのが、雇用保険の加入要件である労働時間の要件につきまして、現在の週二十時間以上から週十時間以上に短縮し、適用対象を拡大をするということでございまして、加入対象の拡大によって新たに約五百万人の方がこの雇用保険の加入対象になると伺っております。  しかしながら、雇用保険に加入するとなりますと、労働者と事業者双方に賃金に応じて支払う保険料が発生をいたします。現在の保険料率で申し上げれば、働く方に対しては賃金の〇・六%の保険料負担が発生するということになります。  そこで、厚労省に質問いたしますけれども、今回の法改正によりまして、適用範囲が拡大される約五百万人の方々は月額に換算してどの程度の保険料負担が発生すると考えているのか、確認をしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 本法案では、雇用のセーフティーネットの対象範囲を拡大する観点から、週所定労働時間を十時間以上二十時間未満の労働者を新たに雇用保険の適用対象とすることにしておりまして、これにより、先生も御紹介いただきましたが、現在の被保険者の約一割に相当する約五百万人が新たに適用を受けることになります、受け得ることとなります。被保険者の負担する雇用保険料は賃金に〇・六%を乗じた額であり、例えば月給五万円の方については月に三百円程度の保険料をいただくことになります。

杉久武公明党

○杉久武君 月給五万円であれば月三百円程度ということでございました。  この金額をどう考えるのかということが今回の大きな論点の一つになるかと思いますけれども、昨年開催されました厚生労働省の労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会で配付された参考資料には、雇用保険未適用である短時間労働者の実態という興味深い調査が掲載をされております。  それによりますと、雇用保険が未適用である週二十時間未満の短時間労働者の方について雇用保険への加入希望を調査したところ、一番多い回答は加入したくないでありまして、その理由については、保険料の負担があるからが最も多く、先ほどの答弁にもございましたとおり、負担額、五万円の場合は三百円と、賃金五万円の場合は保険料は三百円ということでございましたけれども、負担額の多寡は別にしても、負担という点にのみ限定すればこういう回答になるのかなというところもございます。  その上で気になるのが、保険料が負担があるからという回答の次に多い理由が、加入するメリットが分からないというものでございまして、雇用保険に加入していない短時間労働者の方で加入のメリットを十分に知らない方が少なからずいらっしゃるという実態もこの調査で明らかになったんではないかなというふうに思っております。  この点は大変重要でございまして、こうした調査結果に対して対応を怠りますと、今回の法改正によって新たな適用拡大の対象となる労働者の方が雇用保険に加入するに当たって、ともすると保険料負担を避けるために就業調整などを行うといった意図しない事態が生じかねないのではないかという懸念もございます。  パートなどの短時間労働者の方は、柔軟に働くことができる反面、現状、週所定労働時間が二十時間未満の場合、雇用保険による失業や育児休業等の保障が全くないわけでございますので、雇用保険制度は、申し上げるまでもなく失業給付を始めとして働く方にとって大きなメリットがございます。今回の要件緩和によって、雇用保険制度の趣旨と効果を改めて広く周知する必要があると考えております。  そこで、厚労省に質問いたしますけれども、働く方が雇用保険に加入するメリットについて詳しく、加入するメリットについて、あっ、働く方が雇用保険に加入するメリットについてその説明を求めるとともに、雇用保険制度の趣旨が十分に理解されるよう、法改正を機に一層丁寧な周知が必要と考えますが、厚生労働省の見解を伺いたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 雇用保険に加入した場合は、失業給付のみならず、育児休業給付や介護休業給付、教育訓練給付を受けられるほか、雇用調整助成金等の雇用保険二事業の対象ともなります。これにより、短時間で働く労働者も、雇用の安定を確保しつつ主体的にキャリア形成に取り組むことができるようになります。  こうした雇用保険制度の適用拡大の意義や重要性、メリット等については、委員の御指摘のとおり、一層丁寧な周知が必要であると認識しており、全国の都道府県労働局における各種説明会等の機会や毎年度全ての適用事業所に対して送付する各種のお知らせ等を活用して丁寧な周知を行ってまいりたいと思います。

杉久武公明党

○杉久武君 今回の加入対象拡大は四年後の二〇二八年十月からということでございますので、十分な時間を掛けて、仕事を突然失った際にも生活がしっかりサポートされ、再就職に向けた支援が受けられる公的保険であるこの雇用保険制度の趣旨をしっかりと認識いただけるよう取組を推進していただくとともに、こうした法改正を機に、本制度の理解が一層深まるように是非とも御尽力いただければというように思っております。  その上で、今後、拡大対象となる方が雇用保険に加入され適用要件を満たした場合には、現行制度と同様に、失業時あるいは育児休業や介護休業を取得された際にはしっかりとしたこの給付金を受けることができます。  そこで、これら制度について少し細かく確認をしたいことがありますけれども、今回、雇用保険の適用対象を現在の週二十時間以上から週十時間以上に拡大することで、週二十時間以上の労働時間を基準とする現行の基本手当等の基準が半分の十時間以上になることから、これに伴う基本手当の支給額に関する基準についても変更する必要が生じました。  そこで、厚労省に質問いたしますけれども、今回の法改正によって、雇用保険の被保険者期間の算定基準や失業認定基準、あるいは内職などの自己の労働による収入がある場合の取扱いはどのように変化をするのか、確認をしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 失業給付の支給等に関する基準は、現在の適用範囲の下限である週所定労働時間が二十時間の労働者を基準に設定されていることから、今回の適用拡大により、新たな下限が週十時間となることを踏まえた見直しを行うこととしております。  御指摘の三点、順次説明してまいります。  一つは、被保険者期間の算定についてであります。具体的には、失業給付の受給資格に関わる被保険者期間については、現在、賃金の支払の基礎となった日数が十一日以上又は賃金の支払の基礎となった労働時間数が八十時間以上ある場合を一か月と算定しておりますが、適用拡大後は、これを六日以上又は四十時間以上ある場合、一か月として算定することになります。  二つ目の御質問の失業状態の認定基準についてですが、現行では一日の労働時間が四時間、週二十時間に相当しますが、未満の日を失業状態と認定しておりますが、適用拡大後は一日二時間、週十時間相当未満に見直すこととしております。  それから、三点目の御指摘、自己の労働による収入がある場合の取扱いですけれども、現行では労働時間が四時間未満の日については自己の労働によって得た収入額に応じて減額された失業給付を支給することとしておりますが、適用拡大に合わせてこの取扱いを廃止することとしており、その結果、一日二時間未満の労働で収入があった場合も減額されることなく失業給付が全額支給されることになります。

杉久武公明党

○杉久武君 今御答弁もありましたとおり、今回の法改正に伴いまして、算定基準といった細かな部分にも変化が生じてまいりますので、こうした変更に伴う混乱が生じないように周知を着実に進めていただきたいというふうに思っております。  その上で、今度は、雇用する側、事業者側のメリットという観点から確認をしたいと思いますけれども、当然ではありますけれども、雇用保険への加入は働く方だけではなく事業者側にも保険料の支払が生じます。現在の保険料率で申し上げれば、事業者の場合は賃金の〇・九五%の保険料負担となっておりますので、今回の適用拡大は事実上事業者負担も増加するということにつながるわけでございますけれども、他方で、今般の雇用保険の適用範囲拡大によりまして雇用のセーフティーネットが更に整備されることになりますので、慢性的な人手不足に悩む事業者にとっては新たな人材確保のための土壌ともなり得ると考えております。また、雇用維持のための各種補助制度が受けられることも鑑みますと、雇用保険制度は事業者側のセーフティーネットであるとも言えるわけでございます。  しかしながら、特に雇用において大きな割合を占めます中小企業などの皆様にとりましては、適用拡大に伴う保険料負担の増加というものはやはり重荷に感じるということは当然でございますし、この重荷というものが、現在国を挙げて進めている中小企業への賃上げの取組に対する阻害要因、賃上げに水を差すようなことになってしまえば、それはまさに本末転倒ではないかというふうに思います。したがって、こういった事態が生じることがないよう、中小企業などの皆様には納得できる十分な説明を行うとともに、事業者への手厚い支援や配慮についても講じるべきだというふうに考えております。  そこで、厚労省に質問いたしますけれども、雇用保険の加入対象拡大によって事業者側にはどのようなメリットが生じると考えるのか確認するとともに、保険料負担が賃上げの阻害要因とならないようにするためにも、特に中小企業の事業者に対しては十分な時間を掛けた丁寧な周知徹底を行うとともに、十分な支援策や配慮義務を講じることが必要と考えますけれども、具体的な対策について厚労省の見解を伺いたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 今般の適用拡大によって、より多くの従業員の人が雇用調整助成金、人材開発支援助成金、両立支援等助成金、そういった事業主向けの助成金の対象となるため、事業主は短時間労働者の能力開発や就業環境改善に取り組みやすくなると思います。  また、労働者の方々が失業給付のほか育児休業給付や介護休業給付、教育訓練給付等を利用できるようになることで、生活及び雇用の安定を確保しつつ主体的にキャリア形成に取り組むことができるようになり、このことが結果として労働意欲や生産性の向上が期待できるという状態につながり、事業主にも好影響をもたらすものと考えております。  先生の御質問、後段の話ですが、適用拡大による負担増、事業主にとっての負担増の御懸念に対しては、まずは事業主の準備期間等を考慮して施行日を令和十年、二〇二八年十月からにしているということはまずありますが、このほか、適用拡大の意義や重要性、メリット等について、全国の都道府県労働局における各種説明会等の機会や毎年度全ての適用事業所に送付する各種のお知らせ等を活用し、事業主に対しても、先ほど労働者に対しての周知申し上げましたが、事業主に対しても丁寧な周知に努めるほか、新たに適用対象となる労働者のより安定的な就業に資する能力開発や雇用管理改善等に取り組む事業主への支援、それから、事業主の事務負担を軽減する、それに資する申請手続の簡素化、オンライン化等、そういったものにも一方で取り組むこととしており、事業主の皆様の御協力を賜りながら、円滑な施行に向けて万全な対応を行ってまいりたいと思います。

杉久武公明党

○杉久武君 今御答弁いただきましたように、この加入対象の拡大までは時間がございますので、導入までの時間を有効に活用していただいて、事業者に対しましても雇用保険制度の趣旨について改めて深く認識いただけるよう丁寧な説明を行っていただきながら、働く側、雇用する側双方の理解がこの法改正を機に一層深まるように御尽力いただきたいというふうに強く要望させていただきたいと思います。  次に、本法案に関連して、求職者支援制度の観点から確認をしたいというふうに思います。  求職者支援制度につきましては、短期間あるいは短期の就労者で雇用保険に加入していない方や、自営業を廃業し雇用による就業を目指す方、また、再就職先が見付からないまま手当が終了した人などを対象として、生活費として月十万円の給付金を受けながら無料の職業訓練を受けられるという制度でございます。  この求職者支援制度につきましては、雇用保険と生活保護の間をつなぐ第二のセーフティーネットとして、私ども公明党が、特に本委員会の同僚議員であります山本香苗議員が中心となりまして、一貫して利用者の立場に即した制度の拡充や運用改善を進めてまいりましたが、特に新型コロナ感染症拡大の際には、コロナの影響によって離職や減収となった方にも利用しやすい受給要件の緩和について弾力的に推進をしてまいりました。  また、こうした求職者支援制度は、働き手の大切な支援策として、特に非正規雇用となっている女性の方々から大きな関心を持たれているとも伺っております。  そこで、厚生労働省に質問いたしますけれども、この求職者支援制度の利用について、どのような方々が利用されているのか、男女別、年齢階層別などについても詳しく確認をしたいと思います。

岸本武史厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  求職者支援訓練の受講者数につきましては、令和四年度の実績は約四万人となってございます。受講者の男女別の割合でございますが、男性が約二五%、女性が約七五%となってございます。また、受講者の世代別の割合でございますが、二十代以下が約二九%、三十代が約二五%、四十代が約二二%、五十代が約一七%、六十代以上が約七%となっているところでございます。

杉久武公明党

○杉久武君 先ほども申し上げましたけれども、この求職者支援制度というのは、月十万円の生活支援の給付金を受給できる大きなメリットがございますけれども、もう一つ重要な点が、無料で職業訓練を受講することができるという求職者支援訓練でございます。  失業給付などを受給できない方や収入が一定額以下の在職者の方などが給付金を受給しながら訓練を受講してスキルアップを目指すことができるとともに、訓練の開始前や訓練期間中、訓練終了後に至るまでハローワークが求職活動をサポートする体制を整えておりまして、この訓練については、給付金の支給要件を満たさないような場合であっても無料で職業訓練を受けることができるという大変手厚い支援になっているというふうに思っております。  そこで、厚労省に質問いたしますけれども、求職者支援訓練の実施状況について、受講者数の推移や充足率、そして就職率について確認するとともに、求職者支援訓練の有効性や課題についてどのように分析し、評価しているのか、お伺いしたいと思います。

岸本武史厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  求職者支援訓練の受講生、受講者数につきましては、この間の雇用の安定傾向も受けまして、それまで減少傾向で推移しておりましたが、令和二年度以降は増加傾向で推移をしておりまして、令和四年度実績は先ほど申し上げた約四万人、それから定員充足率につきましても約七〇%という水準となってございます。  また、同年度の受講生の就職率は約六〇%となっております。これは、求職者支援訓練が、御指摘のとおり、主に雇用保険を受給できない方を対象に実施をしていることですとかハローワークにおける就職率の全体の水準などと比較をいたしますと、訓練の受講が再就職支援にとっても有効なものになっていると考えているところでございます。  また、求職者支援訓練がより効果的なものとなりますよう、認定基準の見直しなどは不断に行っているところでございまして、本年四月にも就職率が低いe―ラーニングコースに係る認定基準の見直しですとかデジタル分野の訓練に係る講師の配置基準の柔軟化などを行ってまいったところでございます。  引き続き、訓練の効果も見ながら必要な見直しを行いまして、求職者訓練の実施に努めてまいりたいと考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 我が国では、就職のチャンスを逃したり子育てや介護などの理由で職場から離れたりしますと、その後の再就職やスキルアップが非常に困難になってしまうというのが現実だろうと思っております。  しかしながら、今御説明もいただきました、このような求職者支援訓練によりまして、例えば育児や介護中の方が短時間の訓練コースを受講して希望の職場に再就職を果たすなど大きな効果も上げていることからも、誰もがいつでも学び直しのできる環境づくりに向けた大きな柱としてこの求職者支援制度は大変有効であると考えますので、今後とも充実した支援体制をお願いしたいというふうに思っております。  その上で、今回の改正案でございますけれども、新たに雇用保険の対象となる方は週の所定労働時間が十時間以上二十時間未満の方でございますけれども、こうした労働時間が短い方は、例えば失業時の基本手当については離職した日の直前の六か月間の賃金から算出されることから、今般の適用拡大では、基本手当を受けられるものの、労働時間が相対的に短いために手当の絶対額は少額となる一方、求職者支援制度の対象から外されてしまうといった懸念がございます。  そこで、厚生労働省に質問いたしますけれども、雇用保険適用対象の拡大に伴いまして、求職者支援制度の適用を受けられなくなる方々に対して暫定措置が今回講じられることになっておりますけれども、これら暫定措置についての詳細を確認するとともに、暫定とした理由及び求職者支援制度との関係についてどのように整理をしているのか、確認をしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 現在、雇用保険の対象とならない求職者であっても、一定の収入要件等を満たす方は、求職者支援制度により月十万円の給付金を受給しながら職業訓練を受講することが可能であります。  今般、適用拡大の対象となる週の所定労働時間が十時間以上二十時間未満の労働者の方については、新たに雇用保険の適用を受けることに伴い求職者支援制度の対象外とする、そういうことも考えられたのですが、雇用のセーフティーネットの拡充という適用拡大の趣旨に鑑み、第二のセーフティーネットである求職者支援制度の役割、機能が損なわれることのないよう、当分の間、求職者支援制度の支援対象に含むこととしております。  制度の具体的な中身ですけれども、週所定労働時間十時間以上二十時間未満の労働者の方のうち、一定の収入要件等を満たす場合には、雇用保険の失業給付に加えて、月十万円の給付金と雇用保険の失業給付との差額に相当する額の給付金を求職者支援制度から支給することを想定しております。  先生の後段の御質問ですが、今回の取扱いを暫定措置とした理由ですけれども、失業給付が低所得者に対してより手厚い給付となるよう配慮しつつ、再就職意欲を一方で阻害しないように、最大で離職時賃金の八〇%を給付する仕組みというふうに失業給付はなっております中で、給付と負担の観点や早期再就職の促進という雇用保険制度の趣旨に照らして、このような特例的な措置の恒久化には慎重な検討が必要である。そのため、今回暫定措置としたところであります。

杉久武公明党

○杉久武君 今御答弁もありましたとおり、本法案では、暫定措置として、当分の間、求職者支援制度の対象から除外しないということでございますが、第二のセーフティーネットであるこの求職者支援制度の果たす役割は大変大きいものがございますので、隙間のないしっかりとした安全網を構築いただくことをお願いしたいというふうに思っております。  ちょっと時間が限られてまいりましたので少し飛ばさせていただいて、続いて、本法案におけます自己都合離職者の給付制限の見直しについて確認をしたいと思います。  今回の改正案では、自己都合で退職した人に給付される失業給付の制限を緩和するとされております。従来は、正当な理由のない自己都合による退職の場合は、失業給付については、給付を受けることを目的とした安易な退職を防ぐという観点から、待期満了の翌日から原則二か月間、五年以内に二回を超える退職の場合には三か月間の給付制限期間が存在をいたしますけれども、今般の改正案では、こうした給付制限期間を二か月から一か月へと短縮して給付を受け取ることができるようにすることとしております。  そこで、厚労省に質問いたしますけれども、今般の改正案における給付制限期間の短縮に至る背景について確認するとともに、退職した方が安心して就職活動ができるよう丁寧な周知が必要と考えますが、どのように対処をするのか、また給付を受けることを目的とした安易な早期退職をどのように防いでいくのか、併せて確認をしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 基本手当については、受給を目的とした離職を助長しないようにするために、自らの意思により離職する者に対しては二か月の給付制限期間を現在設けております。給付制限を設ける趣旨は引き続き重要ではありますが、転職を試みる労働者が安心して再就職活動を行えるように支援する観点、それから労働者の自発的なリスキリングとその訓練結果を生かした求職活動を支援する、そういった観点から、現行の二か月の給付制限期間を一か月にするとともに、自ら雇用の安定や就職の促進に資する教育訓練を行った場合には、給付制限そのものを課さずに基本手当を支給することとしております。  二つ目の御質問の周知、広報の取組についてですが、本法案が成立した暁には、こうした取扱いについてホームページ等を通じて幅広く周知することに加えて、離職者がハローワークに求職の申込みをする際にそのことをきちんと説明するとともに、全国の都道府県労働局における各種説明会等の機会を活用し、丁寧に周知してまいりたいと思います。  三つ目の御質問、安易な早期退職の防止についてですが、離職者への基本手当の支給に当たっては、四週間に一度、失業認定を行い、求職活動の実績を確認して支給決定を行っており、単に受給を目的とした離職者は一定程度こうした仕組みによって抑止できるものと考えております。さらに、過去五年間に三回以上自発的な離職により基本手当の受給資格決定を行った者については三回目以降の給付制限期間を三か月とすることとしており、これも安易な受給行動の一定の歯止めとなると考えております。こうした取扱いを今回の見直し後も現行制度同様維持することとしております。

杉久武公明党

○杉久武君 労働移動の円滑化を進めるとともに、再就職に向けて安心して活動できるような環境を整えることは大変重要だと考えておりますので、法改正に伴う周知については十分行っていただけますようお願いしたいと思います。  次に、人への投資について、学び直し、いわゆるリスキリングについて伺いますけれども、一昨年の秋、岸田総理は所信表明演説の中で、リスキリングについては今後五年間で一兆円投資するということを発表されました。このリスキリングにつきましては、急速に変化する産業構造と技術進化に対応するために、国民一人一人の能力開発を促進し、あわせて構造的な賃上げを実現するための重要戦略として位置付け、推進していくものと承知をしておりますけれども、このリスキリングに一兆円もの予算が割り当てられるということは、我が国における人への投資の重要性を象徴する政策となったのは言うまでもなく、この施策を通じて、働き方や生活の質、そして生産性の向上がどのように図られるのか、大いに注視していく必要がございます。  こうした観点から、特に厚労省では、中小企業に対して、例えば人材開発推進助成金について、従業員がリスキリングを行う際の人件費の補助について大企業よりも単価と上限時間を高く設定をしたり、支給についても時間単位での支給を検討したりするなど、充実した手厚い支援体制の構築を図ろうとされておりますけれども、他方、こうした従業員個人を直接支援する制度は、ともすると人材の流出やそれに伴う経営悪化を招くのではないかといった懸念の声も中小企業から上がっていると伺っております。  そこで、厚労省に質問いたしますが、今年度から行う中小企業を対象とするこのリスキリングの詳細を確認するとともに、中小企業に対してどのようなメリットがあるのか、また、人材流出に対する懸念をどのように払拭し、中小企業の経営基盤を強化していくのか、確認をしたいと思います。

岸本武史厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  厚生労働省としましても、中小企業におけるリスキリングに対する支援の強化は重要と考えておりまして、御指摘のとおり、これまでも従業員のリスキリングを支援する人材開発支援助成金におきまして、中小企業に対しては大企業以上の高率助成を行っておりますほか、令和六年度からは、長期教育訓練休暇制度に関しまして、中小企業の賃金助成額及び助成限度額の引上げを行ったところでございます。  その上で、リスキリングの推進が人材流出につながる可能性があるとの御懸念の声があることにつきましては承知をしておりますが、一方で、希望する労働者が主体的に能力開発を進め、業務遂行に必要なスキルを得ることは、企業価値の向上、また、労働者や求職者などから選ばれる会社につながるという面もあると考えております。こうしたリスキリングの意義を丁寧にお伝えしていくことも重要と考えております。  このような意義は、労働政策審議会で議論をいただいて取りまとめました職場における学び・学び直し促進ガイドラインの中に盛り込んでおりまして、さきに述べました助成金の支援情報などと併せまして、経済団体などの協力も得ながら周知に取り組むことで企業の理解を広げてまいりたいと考えております。

杉久武公明党

○杉久武君 中小企業の人材確保と従業員のリスキリングが両輪の車となって、中小企業の経営基盤強化に貢献できるよう尽力いただきたいと思いますし、リスキリングを単なる学び直しに終わらせないためにも、構造的な賃上げに結び付く取組、是非お願いしたいと思います。  次に、教育訓練中の生活を支えるための給付制度の創設について確認をいたしますけれども、働く方が教育訓練に専念するために自発的に仕事から離れ訓練を受ける場合には、その訓練期間中の生活費を支援する仕組みというものが現状ございません。  働く方が自主的に、かつ能動的に自らの能力開発を行うに当たっては行政のサポート体制が必要でございますし、特に、中期的に学ぶ教育訓練を受ける際には、生活費などの心配をすることなく訓練に専念できる環境づくり、バックアップ体制が構築されていれば安心して訓練を受けることができるわけでございます。  このような意味からも、今般、雇用保険の加入者である方については、教育訓練を受けるための休暇を取得した際に賃金の一定割合が支給される教育訓練休暇給付金を創設することについて、私自身も大いに評価をしたいというふうに思っております。  そこで、厚労省に質問いたしますけれども、教育訓練休暇給付金の創設の意義について確認するとともに、本制度の推進に当たっては事業者側の理解が不可欠でございますから、企業への丁寧な周知と支援が非常に重要であると考えますが、具体的な対策についても併せてお伺いしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) お答えします。  労働者の主体的な能力開発をより一層推進するためには、比較的長期間の教育訓練を受ける場合にあっても労働者が生活費等への不安なく教育訓練に専念できるようにすることが重要と考えております。  厚生労働省では、これまで有給の教育訓練休暇制度の導入を推進してきたところでありますが、これはこれとして引き続き推進していくこととしておりますが、あわせて、無給の教育訓練休暇制度を利用した労働者への支援として、今般、教育訓練休暇給付金を創設することによって、労働者のリスキリングを一層推進するものとしております。  ただ一方で、教育訓練休暇を導入している企業というのは現在七・四%といまだ一部の企業にとどまっていることから、委員の御指摘のとおり、企業への周知というのも、個人の自発的な訓練とはいえ、企業への周知や支援というのはやはり重要だというふうに思っております。  新たな給付金の創設に併せて、モデルとなる休暇規定の作成や好事例の収集、提示を含め、教育訓練休暇制度の周知方法を検討した上で、これまで取り組んできた企業向け助成金の支給等により、教育訓練休暇の導入促進も行い、多くの企業で教育訓練休暇制度が設けられるように取り組んでまいりたいと思います。

杉久武公明党

○杉久武君 リスキリングにつきましては、これは国民生活を豊かにするための国を挙げての大切な取組であるというふうに思いますので、今御説明いただきました新しい制度の創設が事業者側にも十分周知され、活用に向けた後押しが進みますよう、お取組を是非よろしくお願いしたいと思います。  また、こうした給付制度の創設に加えまして、教育訓練中の生活を支えるため、求職者支援制度に基づく新たな融資制度についても創設されることとなっております。これは、雇用保険に加入していない方についても、教育訓練費用や生活費を融資することで教育訓練に専念できるようバックアップをするものでございまして、先ほど申し上げました教育訓練休暇給付金と共通の考えに立っているものと認識をしております。  そこで、厚労省に質問いたしますが、雇用保険の被保険者でない者を対象とした融資制度について、制度の概要を確認するとともに、融資を受けるに当たっての具体的な手続や周知についても併せてお伺いしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) お答えいたします。  今回の改正では、雇用保険の被保険者に対する支援としては、教育訓練給付金の拡充だとか御指摘いただいた教育訓練休暇給付金の創設等を行いますが、一方で、雇用保険の対象とならない方々に対する支援として、自らが選択した教育訓練を受けるに当たって必要となる費用について融資を受けられるような仕組みを設けることとしております。  具体的には、雇用保険の適用がない雇用労働者や離職者、雇用、就労を目指すフリーランスなどであって、一定年数以上、三年間ですが、就業したことがある者を対象にして、自らが受ける教育訓練に関して、その受講費用と訓練期間中の生活費用を対象に融資を行うこととしております。また、教育訓練の効果を高めるためのインセンティブとして、訓練受講後に賃金が上昇した場合に一定額の返済を免除する措置も併せて設けることとしております。  融資制度の施行時期は令和七年度中を予定しておりますが、今後、融資を受けるに当たっての具体的な要件、返済免除の要件、ハローワークにおける要件確認等の業務フロー、そういったものについて検討し、労働政策審議会で御議論いただくこととしております。  厚労省としては、早急に制度を固めた上で、本融資制度の対象となり得る方々に情報が届くように、リーフレットの配布、厚労省のSNSを活用した発信など、効果的な周知方法についても検討を行っていきたいと思います。

杉久武公明党

○杉久武君 今御説明いただきましたこの新しい融資制度が使いやすく実効性のあるものとして広く活用いただけるよう、制度設計、しっかりとした制度設計と運用を是非お願いしたいと思います。  次に、育児休業給付の国庫負担割合について確認したいと思いますけれども、雇用保険から支払われる育児休業給付の財源のうち、国庫負担割合を、現在暫定措置としておりました八十分の一から本則である八分の一に戻すこととなりました。  育児休業につきましては、次元の異なる少子化対策の方針で、男性の育児休業の取得率の目標を二〇二五年までに五〇%、二〇三〇年までに八五%と明記をしておりまして、国を挙げて取り組んでおりますけれども、こうした施策の推進によって育児休業給付は今後更に増えることが予想されることから、国庫負担率を引き上げることは目標を達成する上で大変重要であるというふうに思っております。  また、国庫負担率を引き上げるとともに、育児休業給付に係る雇用保険料率についても、今後の保険財政の悪化に備えて見直しを行うこととされております。  ここで、厚労省に質問いたしますが、今般の育児休業給付の財政基盤の強化のための対応は男性育休の政府目標の達成等のために万全な対応となっているのか確認するとともに、育児休業に係る雇用保険料率は今後どのように変化していくのか、確認をしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 育児休業給付については、男性の育児休業取得者数の増加等を背景に支給額は年々増加している、そのことに加えて、政府として二〇三〇年における男性の育児休業取得率を八五%とする目標達成に向けて取り組むこととしており、そういった政策が奏功して支給額が一層増加することが想定されます。  このため、今後の男性育休の大幅取得増等にも対応できるように、本法案では、育児休業給付を支える財政基盤を強化する観点から、国庫負担割合を令和六年度から本則の八分の一に引き上げると、現行給付金の八十分の一を八分の一に引き上げるとともに、保険料率について、当面の保険料率は現行の〇・四%に据え置きつつ、今後の保険財政の悪化に備えて、本則料率を令和七年度から〇・五%とした上で、実際の料率は保険財政に応じて弾力的に調整する仕組みを導入することとしております。こうした見直しによって、育児休業給付の財政基盤が強化され、目標に沿って育児休業の取得率が上昇した場合でも安心して育児休業を取得できる環境を整備することができると考えております。  また、実際の保険料については、本法案により導入する仕組みの下で労働政策審議会において実際に保険料率を弾力的に調整できるかを毎年度確認することとしているため、今後の実際の保険料率を予断を持ってお答えすることは困難でありますが、引き続き安定的な財政運営に努めてまいりたいと思います。

杉久武公明党

○杉久武君 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。  今回の雇用保険につきましては、今るる質問させていただきましたように、大変多岐にわたる改正が行われることとなります。  今般の雇用保険法改正に伴う雇用労働環境改善に向けた大臣の御見解を伺うとともに、時代に即応した雇用におけるセーフティーネットの更なる構築に向けた大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 近年、女性や高齢者などの多様な人材の労働参加が進んで、働くことに対する価値観やライフスタイルも大変多様化してまいりました。  また、DXの加速化など企業や労働者を取り巻く環境の変化、それから労働者の職業人生の長期化が進む中でリスキリングの必要性はますます高まってきております。  そうした中で、本法案は、雇用保険の適用範囲の拡大や教育訓練、リスキリング支援の充実、育児休業給付を支える財政基盤の強化など、多岐にわたる改革に取り組んでまいります。これにより、多様な働き方を効果的に支えるとともに、労働者の主体的なキャリア形成を一層支援することとなり、景気変動や技術の革新、ライフスタイルの変化などの変化を取り巻く、雇用を取り巻くリスクへの備えが一層充実すると考えます。  今後とも、雇用保険制度が雇用に関する総合的機能を果たせるよう、労使の御意見伺いながら、雇用労働をめぐる環境変化に的確に対応し、労働者の生活と雇用の安定のために取り組んでまいりたいと思います。

杉久武公明党

○杉久武君 時間になりましたので、以上で質問を終わります。  ありがとうございました。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の猪瀬直樹です。  本日は、雇用保険法の質疑なんですが、最初に雇用者全体のトレンドについてファクトベースで確認したいと思います。  資料一、御覧ください。(資料提示)  正規雇用者と非正規雇用者、それぞれの人数の推移なんですけど、これ見て分かることは、上側のこの非正規は増えている、で、下側の正規も増えている、こういう流れですね。正規労働者のところは、二〇二〇年と二一年でコロナのときにちょっとだけ減っていますけど、ほとんど変わりありませんが、全体に上昇トレンドなんですね。  高齢者の就業率が、この前もここで申し上げましたけど、増え続けているんですけれども、高齢者はフルタイムよりパートタイムになる場合も少なくないし、それから、女性が労働市場にどんどんどんどん進出してくるので、それで非正規も増えているということもあります。それから、正規雇用者の方でも、もう女性が今度はパートタイマーじゃなくて正社員を選択すると、そういう傾向も増えてきている。  いろんな流れがあるわけですけれども、さらには、あえてまた非正規を求める場合もある。それは、ライフスタイルが多様化していて、いろんな自分の趣味とかいろんなものに合わせて短い労働時間を求めるという、そういう非正規もいるという、いろんな形で増えてきているんですが、全体に、今までの固定観念は変わってきているんで、この正規と非正規でこれまでと違ったトレンドになっているということについて、改めて、厚労省の参考人の方から、この現在の正規、非正規含めた雇用のありようですね、これを説明していただきたいです。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 正規雇用労働者については、二〇一五年以降は増加傾向で推移しており、二〇一四年から二〇二三年で取りますと三百十八万人の増加になっております。そのうち、女性の増加分が二百四十五万人となっております。女性の増加を年齢階級別に見ると、四十五歳から五十四歳では九十六万人、二十五歳から三十四歳では五十九万人、それぞれの増加となっています。これというのは、女性の就業継続等が進んできたことがその一因として考えられます。  一方で、非正規雇用労働者数についても長期的に増加傾向で推移しており、この十年で見ると、二〇一三年から二〇二三年で見ると二百十四万人の増加となっております。  この増加の主な理由としては、男女計で見ると、六十五歳以上の年齢層の高いところの非正規雇用労働者が二〇一三年から二〇二三年で二百十三万人増加しております。女性の非正規雇用労働者は二〇一三年から二〇二三年にかけて百四十三万人増加しております。  非正規雇用労働者の増加の背景は、女性、高齢者等の就労参加が進んでいる、そうした中で増加してきた面があると思います。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 今のお答え、いろいろ分かりやすいんですが、繰り返し、この資料一、重要なんですね。なぜならば、改めてこの場で確認しておきたいのは、規制緩和によって非正規労働者が増えて正規労働者が食われていると、そういうことは一部野党の皆さんも言っていたし、小泉構造改革は間違っているとかそういう言い方をして、それからテレビも、やっぱり非正規労働者が増えて正規労働者がその分減っているんだというふうな、そういう間違った常識が割と流布されているということなんですね。  だから、今、やっぱりこういうときに、非正規雇用がただ増えているんじゃなくて、正規雇用も増えながら、様々なライフスタイルに合わせて労働市場が非常に深まって広がっているということを確認していきたい。構造改革が間違っているとかという言い方よくあるんですね、それ新自由主義だとか、そういうレッテル貼りじゃないんですね。僕も道路公団民営化やりましたしね、小泉内閣で。だから、そういうことをきちんと踏まえて、実は安倍内閣は余り構造改革やっていなかったんです。  だから、そういう流れの中で、今回、改めて、この労働市場、先ほどの資料一ですね、これに即してこれから法改正が行われていくと思うんですけれども、武見大臣、これについて見解をお願いします。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 大変これは労働行政に関わる基本的な御質問を受けたと承りました。  二〇〇〇年代中心に、この正規雇用労働者、減少傾向にあった一方で、それから非正規雇用労働者が増加傾向にあったことは事実であります。正規雇用労働者の数は二〇一五年から九年連続で増加、それから非正規雇用労働者の増加については、女性や高齢者などの多様な労働参加が進む中で、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方として増加してきた面もあるという点は私も理解をしております。  一方、不本意ながら非正規雇用で働いている方々については正社員への転換への支援等に取り組んできておりまして、いわゆる不本意非正規雇用労働者の割合は確実に減少しております。希望する方の正社員への転換を着実に進めていくとともに、自らのライフスタイルに合わせてパートタイムや有期雇用などで働く方についても、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の遵守の徹底などによって非正規雇用労働者の処遇改善を進めていきたいと思います。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 そういう、今おっしゃられたことは続けていかなければいけないので。  次に、雇用保険の適用拡大ということで、今回の法案の大きなポイントであるその適用拡大というのは、被保険者の要件を週の所定労働時間を二十時間以上から十時間以上に変更して拡大すると、適用範囲を。これ自体は、喫緊の課題である人手不足について前向きなある意味では改革だから評価できると思っているんですよ。  しかしながら、大きな問題は、長過ぎる準備期間なんですね。この本法案の他の改正点では、その多くが一年後、二〇二五年四月一日が施行期日となっているんですけれども、この適用拡大については、何と令和十年、二〇二八年十月。今から四年半後ですよ、これ。どう考えたって長過ぎるんです。人手不足がこれだけ深刻化していて実効性のある対策が今求められているのに、四年半という、どういう期間ですかね、これ。  厚労省の担当者に聞いたんですよ。そうしたら、影響範囲が大きいので周知期間を長く取るとか、ハローワークの業務に影響が大きいのでその体制整備に時間が必要だとか、システム改修に時間が必要だとか、そういうもっともらしいこと幾つも並べているんですね。確かにそういう事情もあるんですよ。ないとは言わない。でも、それは四年半という長い期間が必要とは思えませんよ、それは。  そもそも、どこから四年半というのが出てきたのかと。二〇二三年六月十六日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇二三、いわゆる骨太の方針の中に適用拡大の件が出てくるんですね。  今、ちょっとお手元の資料二、見てください。緑のマーカーを付けていますから、緑のマーカーね。ここに二〇二八年度までを目途に実施すると書かれているんですね。  これ、大臣に伺います。  今回、施行時期が四年半後で二〇二八年十月となっているのは、この骨太の方針に沿っているということですか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 昨年度の骨太の方針二〇二三におきまして、政府部内での調整を経て、雇用保険の適用拡大について検討をし、二〇二八年度までを目途に実施する旨が盛り込まれました。その後、昨年秋以降、労働政策審議会において、この閣議決定をもお示しした上で、適用拡大の方向性について御議論をいただいた結果、雇用保険の適用対象を週所定労働時間十時間以上に拡大することとされました。  また、その施行期日につきましては、事業主の準備期間等を勘案して、令和十年、二〇二八年度中とすべきであるとされました。施行に向けては、雇用保険制度適用の意義やあるいは重要性、メリットなどについて十分な理解を得られるよう、労使双方に対して丁寧な周知を行うべきであるとされたところでございます。  こうした審議会での議論やシステム改修などの施行体制を確保する必要があることから、本法案では適用拡大の施行期日を令和十年、二〇二八年十月としております。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 そういうお答え、お役人はそういうふうに報告するでしょうけど、ここ大事なことは、もう一回これ見てもらうと分かるけど、二〇二八年度までと書いてあるんですよ、まで。だから、できるなら前倒ししてもいいということなんですよ、これ。そもそも、ここに人手不足への対応も視野に入れとまで書いてあるんですよ、もう一回、緑のところね。  だから、今深刻になっている人手不足の解消のためやるんですよ、だから、対応も視野に入れてと書いてあるんですから。それ四年半も時間掛けていたら間に合わないですよ。システム改修とか体制整備とか周知徹底とか、こういうの努力次第で幾らでもできるんですよ。  だから、役人の言い訳をそのまま大臣が代弁しちゃ駄目なんで、武見大臣らしいお答えをもう一度お願いします。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) そう言われても、同じことを答えざるを得ないということをやはり申し上げなければいけないと思います。  雇用保険の適用拡大については、昨年四月よりの開催されたこども未来戦略会議においても、子ども・子育て政策の強化策の一つとして御議論いただくとともに、政府部内においても、雇用のセーフティーネットの拡充や必要性や、子育て支援の重要性の観点を踏まえて検討を重ねてきました。その結果として、昨年度の骨太の方針において雇用保険の適用拡大について盛り込まれたところであります。  その実施時期についても、当時の検討の中で、適用対象者が数百万人規模と、これ影響が大きくなり得ることも踏まえまして、行政機関だけでなく、事業主における必要な事務手続や労務管理の見直しなども含めた準備期間をも勘案して、この二〇二八年度までを目途としたものでございます。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 政策というのはスピード感が全てなんですよ。スピード感のない政策というのは政策じゃないんですよ。  理詰めで行きますけど、これまで雇用保険の適用拡大は何度も行われているんですが、資料三、その経緯書いてありますけど、ここに、資料ね、この過去の適用拡大のときに周知期間どのくらい取っていたんですか。一番長くてどのくらいですか。これ、参考人答えてください。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 雇用保険の適用範囲については、現在の雇用保険法が成立した昭和五十年当時は、週所定労働時間は通常の労働者のおおむね四分の三以上かつ二十二時間以上としていたほか、年齢要件等も設けておりましたが、現在の二十時間以上となるまでに数次にわたり適用拡大が行われてきました。  その経過を個別に見てみると、改正内容によって制度改正から施行までの期間はそれぞれ異なっているところでありますが、いずれも二年を超えない範囲とはなっております。施行までの期間について主な例を申し上げれば、週所定労働時間の基準を二十二時間から二十時間に下げた平成六年四月の見直しの際は方針決定から四か月、年収要件を廃止した平成十三年四月の見直しの際は約一年四か月、六十五歳以上のマルチジョブホルダーを任意適用とした令和四年の一月の見直しの際は法案成立から約一年九か月等となっております。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 武見大臣、聞いていました、今の。これまでは長くても二年取っていないんですよ、周知期間。これ、お役人と話し合ってください、ちゃんと。今回の四年半の長さって異常ですからね。本当にここ、今までの実績値で二年以内、それなのに、何で今回四年半にしているか。システム改修とかいろんなこと言うんですよ。でも、そういう言い訳聞いていたら切りがないですから、そこは政治家がちゃんとばしっとやらないといけないですね。  次に、マルチジョブホルダー制度について質問するんですけれども、六十五歳以上に限定して、二つの仕事を掛け持ちしている人がその労働時間を合算して雇用保険が適用できる制度なんですね。  資料四、資格取得者の推移なんですけど、まだ二〇二〇年にトライアル始まってばかりで、実積は去年の九月まででたった二百十九人。一桁違うでしょう、これ。直近で少し増えて二百五十人だということだそうですが、桁、間違っていますよね、何か。これ何やっているんですか、一体。全国で二百五十人です、たった。幾らトライアルが少な過ぎるといっても、おかしいでしょう。  この制度を導入した理由と導入後の実績についての評価、どう考えているのか。仕事ちゃんとやっているんですか。参考人に聞きますよ。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 六十五歳以上の労働者を対象として、特例的に本人の申請方式により二つ以上の雇用関係を合算する制度については、六十五歳以上の労働者がマルチジョブホルダーとしての働き方が相対的に高い割合で増加している中、複数就業者等が安心して働き続けられる環境を整備するため、令和二年の雇用保険法改正において本制度は設けられたものであります。  本制度が施行された令和四年一月から令和六年三月末までの間にこの仕組みの対象となった者は二百五十二人となっております。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 まあいいんですけど、少ないということについて一言言ってくださいね、何で少ないのか。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘のとおり、我々もあの二百五十二人という数字が満足できる数字だとは思っておりません。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 いや、満足できないからどうしたらいいのかって言わないと。感想文聞いているんじゃないんだから。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 六十五歳以上の労働者を対象として、特例的に本人申請方式により二つの事業所における労働時間を合算して適用する本制度については、一応これまでやってきた我々の対応としては、パンフレット等の厚生労働省や労働局のホームページへの掲載、ハローワークに来所する六十五歳以上の求職者や事業主への窓口での案内、シルバー人材センター等関係団体を通じた周知、各都道府県労働局での定例会見時の周知等の取組で周知してきたところであります。  令和四年一月から令和六年の三月までの対象が二百五十二人というのは先ほど申し上げましたが、委員の御指摘のとおり、更なる周知の強化が必要だというふうに考えております。  我々としては、これまでの取組は取組として継続はしますが、一方で、本年の三月から、毎年度全適用事業者に送付する各種お知らせにおいて本制度の周知を行いつつ協力を促すとともに、厚生労働省や各都道府県労働局で実施しているSNSを通じての周知、そういったものを通じてより幅広く周知を行うことで制度の対象者の増加を図ってまいりたいと思います。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 いや、お答えはいいんだけど、なぜという、なぜだというところの、何というの、敗因と言ったらあれだけれども、そこのところの一言欲しいね。もう一言だけお願い。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) この制度の前提として、本人申請方式によってこの手続は一連始まるということは一つのネックになっているとは思いますが、なっていると思います。  その上で、この対象となり得る、なる年齢層の方に対して、どのようにすればその人たちに対して情報がきちんと伝わるかどうかということについては、ちょっと今申し上げたこと以外も策を追求していきたいと思います。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 現状では、雇用主は雇っている人がほかにどこでどのぐらい働いているのか把握する手段はないわけですが、この制度では本人の申出によるということになっているんですね。これまでだと主要な一つの勤務先でしか加入できなかったのが、複数の勤務先で、週に何時間働いているのか、給料幾らもらっているのか、そういった情報を足し合わせて給付金額を計算することになるんだと思うんですね。  そうすると、これまでの雇用保険制度の根幹を変えることになる。それこそ、システム改修とか使用者への周知徹底とかハローワークの体制整備とか、もうこれ、もちろんとても大変だろうと思いますよ。だけど、今、あなたの敗因の分析に周知期間が短かったということ入っていないんですよ。だから、周知期間が長い、短いは関係ないんだということで、改めて大臣に質問するけれども、一年九か月だったんです、これ、周知期間が。先ほど、適用拡大のために四年半も必要だとさんざん聞かされたんだけど、今の一年九か月の周知期間という問題は今の参考人の敗因分析にはないの。  だから、周知期間の問題というのは、先ほどいろんな言い訳を役人が武見大臣にいろいろ説明したと思うけれども、改めて、周知期間というものは一体どういうふうに考えているのか。先ほどの四年半というのは、これを見ていてどう思いますか。余り関係ないということなんですよ。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) この雇用保険の適用範囲については、雇用保険法が成立した昭和五十年以降、本当に数次にわたってこれ改正をされてきました。施行期日について、見直し内容について、事業主や労働者への周知期間、システム改修、ハローワークの実施体制を含めて、施行体制の整備に必要となる期間等を考慮して設定してきたというその経験があります。  御指摘の六十五歳以上の労働者を対象とした制度については、労働者からの申出に基づいて特例的に雇用保険を適用して、事業主、労働者の双方から保険料をいただくという新たな仕組みであったことから、事業主、労働者への制度の周知、それから施行に向けた運用体制、システム改修が必要となることを踏まえて、関連法案の成立から約一年九か月後に施行したところであります。  これは一方で、今回の適用拡大になりますと、現在の被保険者の約一割に相当する約五百万人が新たに雇用保険の適用を受け得るという、これ極めて大きな改正です。このために、雇用保険手続に要する事業主の事務負担の増加を鑑み一定の準備期間を設ける必要があること、それから、雇用保険制度適用の意義や重要性、メリットなどについて相当丁寧に説明をして、全国の事業主、労働者から理解を得るために十分な周知期間が必要であること、それから、システム改修等、施行体制を確保する必要があることなどを踏まえて施行日を令和十年十月としたところであります。  施行までの間に、今度は、ハローワーク等の施行体制の整備や事務手続の簡素化やオンライン化に計画的に取り組むとともに、全国の都道府県労働局における説明会など、あらゆる機会を活用して丁寧に周知を行うなど、円滑な施行に向けてこの万全な体制を取ってまいります。  これはもう、まさに大改革をするための大きなシステム変更に関わる業務も含めて御理解をいただきたいと思います。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 だから、今の話は、大変な改革をするのに一年九か月で施行するわけですよ、だから、さっきの四年半というのはおかしいの、やっぱり。もう大臣、お分かりになっているでしょう。分かっているのに、ちゃんとした答え方しないといけないよね。  今回の法案で拡充を予定している教育訓練給付について質問します。  教育訓練給付の給付率を専門実践の方では最大八〇%まで引き上げるという内容だけれども、この専門実践の対象に医療、社会福祉、保健衛生関係の専門資格として看護師や介護福祉士が含まれています。このことは、これまでの質疑でも度々指摘してきた介護分野の人材不足の解消にもつながる施策であると評価しています。  また、事業者への補助金でなく、自らリスキリングに取り組もうとする労働者に対しての直接給付であり、事業者同士の競争が働く形であるため、市場原理にのっとって、評判の良い事業者が成長し、そうでないところは淘汰されて、結果として全体としての品質向上にもつながるというふうに考えます。  この教育訓練給付ですが、対象者一人当たり、どのぐらいの給付金額と給付期間が想定されているのでしょうか。参考人、お願いします。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 前半の御質問ですが、令和四年度における教育訓練給付金の支給実績から一人当たりの給付額を算出すると、最大で受講費用の七〇%を支給する専門実践教育訓練給付金は約三十九万円、受講費用の四〇%を支給する特定一般教育訓練給付金は約六万円、受講費用の二〇%を支給する一般教育訓練給付金は約四万円となっております。これはあくまで現行制度における数字になります。  それから、後段の平均給付期間の御説明になりますが、令和四年度における教育訓練給付金の支給実績から専門実践教育訓練給付金の平均給付期間を算出すると約十三か月となっております。特定一般教育訓練給付金及び一般教育訓練給付金については、講座の受講修了後に一括して支給している関係上、平均給付期間を算出することはできませんが、教育訓練給付の対象として指定されている講座の訓練期間を見ると、特定一般では六か月以内、一般教育訓練給付では三か月以内が中心となっております。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 その教育訓練給付とは別に、高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営するポリテクセンターというものがあります。  資料五を御覧ください。  これは僕がかつて週刊誌に連載していたコラムですけれども、日付は九八年十一月、時期が分かると思うんですね。これは、「日本国の研究」の後、「続・日本国の研究」という本に収載しましたけれども、これ二十六年前ですが、雇用促進事業団の業務内容について書いてあるんですね。  それからどうなったかということですよね、今。当時、九八年にスパウザ小田原という変なホテルと温泉みたいなでっかいのを造ったんですよ、小田原に。それが四百五十億円。そういうことをやっていたんですよ。それで、九七年六月六日の閣議決定で特殊法人等の整理合理化についてという、そういう閣議決定があって、九九年の通常国会で法律を改正して雇用促進事業団というのが廃止になった。廃止になったけど、名前を変えたりして、幾つか若干中身を変えて生き残ったということなんですけどね。  その雇用促進事業団が雇用促進住宅や勤労者福祉センターといった、中野サンプラザとかああいうのみんなそうなんだけど、そういうものをやっていて、それが新規事業をやめて雇用・能力開発機構という組織に変わって、さらに二〇〇四年に特殊法人から独立行政法人にくら替えして、模様替えして、二〇一一年に職業能力開発業務が独立行政法人、今言った、高齢・障害・求職者雇用支援機構と、こういうのに移管されたと、簡単な流れを言うと、で、現在に至っている。細かい経緯はもう今面倒くさいから説明省きますけど。  職業訓練に関する業務はこの支援機構が運営しているんですけれども、教育訓練給付もこのポリテクセンターも、細かい制度上の違いはあるにせよ、大枠ではどちらも労働者のスキルアップ、リスキリングを促進するという政策目的は共有されているわけです。教育訓練給付の方は利用者側への直接給付で市場原理が働く仕組みなんですが、このポリテクセンターは雇用保険から費用を出して、利用者は基本的にただで受講するという仕組みです。こちらには競争原理は働かない。なぜ同じような政策目的なのに全く別のやり方を続けているのか、整合性は取れているのかということを大臣にお伺いするんですが、その前にちょっと一言申し上げておくと、大学とポリテクセンター合わせて、この機構ですね、職員が四千百人いて、ほかに、都道府県にある雇用促進センターに四百五十人、本部に二千五百人で、計四千八百人の職員がいたんですよ。これは現在二千七百人に減ってはいるんですよ。そういうことがあって、こういう同じ政策目的なのに全く別のやり方をしているのが何であるのかということをお聞きしたい。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 御指摘のとおり、かつては小田原に何かいろんなものを造っていたのは全部整理をするということをやってまいりまして、そして、やはり必要なものがこういう形で残ったという経緯だと私には思えます。  公的職業訓練と教育訓練給付制度との関係でありますけれども、両者はいずれも職業に必要な技能や知識を習得していただくものでありますけれども、この公的職業訓練の方は、ハローワークの求職者が希望する仕事に就くための無料の職業訓練などを都道府県、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が自ら又は民間の教育訓練機関に委託をして提供するものであるのに対しまして、教育訓練給付制度は、都道府県等が提供する職業訓練を受けるという形ではなくて、労働者が自ら受けたい教育訓練を、厚生労働大臣の指定する民間講座、これ約一万六千講座ありますが、その中から選択して主体的に受講をし、修了した場合にその費用の一部を支給するものでございます。  また、ポリテクセンターは、この公的な職業訓練のうち民間で実施していない高度な物づくり分野の訓練を中心とした訓練を実施しております。ポリテクセンターのカリキュラムについては、都道府県単位で労使団体など地域の関係者に参画をいただいている協議会がございます。そして、地域の企業との連携を通じて、訓練、カリキュラムが地域のニーズに合ったものとなるように、毎年度、その見直しも行っています。さらに、ポリテクセンターでは、中小企業に対する支援として、人材育成に関する相談から企業の要望に応じたオーダーメードの職業訓練の提供まで、一貫した支援を実施しております。  私も昨年、この埼玉のポリテクセンター、実際に行って見てまいりまして、実際そこに参画している労働者の立場の方、それからまた、他方、事業主の方、特に近隣の企業の皆さん方との意見交換をいたしましたけれども、着実にその両者の必要性というものを調整をしてこうした訓練の仕組み等が組み立てられていたというふうに私には認識されました。  以上です。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 ちょっと参考人の質問省略しますけれども、とにかく、これ年間五百億円ぐらい使っている場所なんですが、それで、五百億円で年間の利用者数が三万人、利用者一人当たり、割り算すると二百万円近くになるんですね。先ほどの教育訓練給付は一番高い専門実践でも給付額は一人三十九万円です。これを大幅に上回って、一人二百万円ですよ。  それは、見た目は、大臣、見て、おっ、いいことやっているなと思って、だけど、コスト考えないとしようがないです、そんなもの、見ただけじゃ。そういうことですよ。これ、こういう予算を教育訓練に回せば今の何倍もの人が給付できるんですよ。何十年も前の非効率な運営がそのまま続いているような組織を抜本的に見直すとかそういうことをしないで、表面で見ているだけじゃ駄目です。これ、教育訓練給付に回さないと。  もう時間ないから、資料六、見てください。  このポリテクセンターを運営する高齢・障害・求職者雇用支援機構の役員名簿なんだけれども、この役員報酬の実態も見ていただいて、役員がまず厚労省の出向ポストになっているということですね。二名、赤い枠で二名くくってあります。それから、そこの給料、Aさんの給料は千六百六十七万円、Bさんの給料は千五百二十八万円、これ出向ポストなんです。出向する必要ありますか。こういう既得権のポストがあれば、役人は抜本的に合理化するという気にならないんですよ。  武見大臣、これでもう最後の質問ですから、これでは必要な改革もなかなか進まないんじゃないですか。それについてお答え願いましてこの質問終わりにするんですが、内容によってはもうちょっとお尋ねするかもしれませんが。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) この独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構においては、理事長始め理事が六名、うち厚生労働省から二名が役員として現役出向をしているところでありますけれども、報酬については同機構の役員報酬規程を踏まえて支払われているものと承知をしています。  このような人事交流については、独立行政法人と国との間の官民を超えた有為な人材の登用等の観点、また公務部門で培ってきた知識、経験、他の分野での活用等の観点から行われており、双方の組織の活性化と人材育成に資するものであると考えております。  また、役員報酬については、国家公務員の給与に準ずるとともに、役員の職務内容の特性等を踏まえ妥当な水準と考えておりまして、引き続き制度を適正に運用していきたいと思います。  その上で、改めて、こうした官僚組織とこうした準官僚的組織、それから民間、それぞれの中で、我が国で有為な人材をいかにこれから、より積極的に活用できる仕組みをこれからいかに構築していくか、これはやはり大きな課題であるという認識は私はちゃんと持っているということはあえて申し述べておきたいと思います。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 時間が来ておりますので、おまとめください。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 はい。  時間参りましたので終わりにしますけれども、今までの質疑の内容で、やっぱり幾つか確認して、改めていくことを考えていただきたいということと、繰り返しますが、四年半の、先ほどの話ですね、四年半についても、やっぱり役人のいいところと役人のそうじゃないところがあって、やっぱり慎重であるというところはいいところかもしれないけど、それは優柔不断であるということなんで、責任を取りたくないとかそういうことが混じってきているから四年半になるんで、最後に改めて、政治家としての……

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

猪瀬直樹日本維新の会・教育無償化を実現する会

○猪瀬直樹君 武見大臣の決断をお願いいたします。  どうもありがとうございました。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 国民民主党・新緑風会の田村まみです。よろしくお願いします。  今日、二十分ですので、ちょっと早口になることをお許しください。  今回の改正、私もこの雇用保険適用拡大についてお尋ねしたいと思いますし、先ほど猪瀬委員からも質疑がありまして、私も、この雇用保険の適用拡大の施行期日が遅過ぎるという視点から幾つか質問したいというふうに思います。  今回の改正は、前回の令和四年に雇用保険法が改正してから僅か二年という改正、前回の改正はコロナ禍での雇用不安に対応した内容だったということですが、当時はまだコロナ収束の先行きも見えない中でしたけれども、令和四年に雇用保険制度研究会が厚労省内に設置されて、非正規労働者に対する支援の在り方に関する議論として、今改正の内容の基になるような、被保険者の要件のうち週所定労働時間を二十時間以上から十時間以上に適用拡大をする提起もされて議論がされておりました。しかし、昨年六月にこの研究会の中間整理が取りまとめられた内容では、雇用保険の適用拡大に関する懸念点が多く記載をされていたような内容です。  その後の議論は労働政策審議会の雇用保険部会に引き継がれましたが、今回の改正のタイミングで雇用保険の適用拡大をする内容を盛り込んだ法案を閣法として提出されたわけです。  経緯の説明をお願いします。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘の雇用保険制度研究会の中間整理につきましては、法学だとか経済学などの学識有識者に御参集いただいて開催した研究会で御議論した内容でありまして、雇用保険が果たすべき役割や保護すべき対象を考えるための検討の視点として整理をし、構成員の意見を列挙する形で今後の制度運営を考えるための材料や選択肢を提示したものであります。  その中間整理でも触れられていますように、研究会では、新型コロナが労働市場に与えた影響や近年の労働者の働き方や家族に関する意識の多様化等を踏まえて、雇用保険制度がカバーすべき労働者の範囲をどう考えるかについても議論がされ、構成員からは様々な視点から御意見をいただいたところであります。  一方で、政府としては、昨年四月より開催されたこども未来戦略会議において子ども・子育て政策の強化策の一つとして雇用保険の適用拡大を検討課題として提示して御議論いただき、雇用のセーフティーネットの拡充の必要性や子育て支援の重要性の観点を踏まえ、昨年度の骨太の方針において週所定労働時間二十時間未満の労働者の雇用保険の適用拡大について検討することが盛り込まれたところであります。  その上で、骨太の方針等の閣議決定も踏まえて、昨年秋以降、労働政策審議会において、こちらは有識者だけではなくて公労使を代表する方々に参集いただいて議論いただきましたが、週所定労働時間二十時間前後で働く労働者の実態等の資料もその中間報告と併せてお示しして、そういったことも勘案して御議論いただきました。結果、給付と負担のバランスのほか、事業主の申請手続上の負担等も含む制度運営上のコスト等も踏まえて雇用保険の適用対象を週所定労働時間十時間以上まで拡大するという結論に至ったものであります。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 先ほどもありましたけれども、その中間取りまとめの後、こども未来戦略、そして骨太の方針において、三位一体の労働市場改革とともに、多様な働き方の推進の項目で、週所定労働時間二十時間未満の労働者に対する雇用保険の適用拡大について検討し、二〇二八年度までをめどに実施すると、本改正案の施行期日について既にここでも触れられて書かれておりました。  法改正事項に関する、今ほど議論をされたという経緯説明がありました労政審での具体的な議論、議事録を拝見しましたけれども、昨年九月の雇用保険部会からですけれども、二〇二八年度までをめどにする、実施するという期日の妥当性に関して審議会での具体的な議論が見受けられませんでしたけれども、これについて何らか議論ありましたでしょうか。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 昨年度の骨太の方針においては、政府部内での調整を経て、御指摘のとおりの文言、二〇二八年度までを目途に実施するということが盛り込まれたところであります。  労働政策審議会においては、この閣議決定も示した上で、昨年秋以降、適用拡大の方向性について御議論いただき、雇用保険の適用対象を週所定労働時間十時間以上に拡大するということとされましたが、あわせて、留意すべき点として、アンケート調査によると、新たに適用対象となる労働者の中には雇用保険への加入を希望していない者もいることから、雇用保険に加入するメリットを周知する必要があること、事業主側からは、中小企業は厳しい経営環境にある中で保険料負担の増加に納得が得られるように説明していく必要があるといった指摘があったところであり、今年一月に最終的に取りまとめられた報告書においても、そういった事業主の準備期間等を勘案して、令和十年度中に施行すると、すべきところとされたところであります。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今説明あったことは、先ほどの議論でもあったとおり、理由は述べていただいたとは思うんですけれども、じゃ、それが四年以上時間が掛かるかどうか、それが本当にその周知の期間で十分なのかどうなのかというような議論はほとんどされていなかったというふうに私は思いますし、先ほどもう委員からも、猪瀬委員からもありましたけれども、これまでの雇用保険法の改正の中での大きな改正での周知期間でもそのような長い期間の部分はなかったので、私は議論が不足していたのではないかというふうにまず指摘させていただきたいと思います。  次に、本改正内容、先ほど来言っている令和十年十月一日という期間が置かれておりますけれども、参議院法制局によりますと、法改正後の施行までの期間の相場観として、制度の大きな改変、社会経済活動への大きな影響といった点で十分な周知期間を設ける必要がある法律が一年以上というふうに置かれていますけれども、三年を超える法律となると、相当これまでも施行期日の過去のものを見ていくと少なくて、例えば行政手続における特定個人を識別するための個人番号の利用等に関する法律で四年、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律で五年、これって本当に全国民に関係するということですよね。こういったものは四年、五年といった例はあるけれども、ほとんど見当たらない。定量的なデータは持ち合わせていませんが、一般的には四年が長いというのは共通認識できるというふうに考えられます。  そこで、お尋ねします。今回の適用拡大について、施行期日、法改正後四年以上とした理由を改めてお伺いしたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) ちょっと先ほど申し上げたことと重なる部分もありますが、整理してお話をします。  今般の適用拡大により、現在の被保険者の約一割に相当する約五百万人が新たに雇用保険の適用を受け得ることとなり、こうした労働者は規模の小さい企業も含めてあらゆる規模の企業に分布しております。  また、今回の制度改正においては、労働審議会での議論の際にも適用拡大については中小企業を代表する委員を中心に保険料負担を懸念する等の声があったところで、雇用保険に加入していない短時間労働者に対した調査結果を見ると、新たに適用対象となる労働者のうち約半数が雇用保険に加入したくないと回答しております。  こうした状況を踏まえて、今般の適用拡大に際しては、雇用保険制度の適用の意義や重要性、メリット等について丁寧に説明をし、全国の事業主、労働者双方から理解を得るために十分な周知期間を確保することが必要であるとともに、雇用保険手続に要する事業主の事務負担増に鑑み一定の準備期間を設ける必要があること、それからシステム改修等、施行体制を確保するということが必要があるということから施行日を令和十年十月としたものであります。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 今の答弁、先ほど来ありますけれども、理由の前半二つですよね、事業主や労働者への十分な周知期間の確保。これって、まあどれだけ設けるかなんて、短くたって長くたって、実際には二十時間以上の今の加入のところであっても加入させないというような事業者がいるわけで、それを分かっているか分かっていないかという問題というところ以外のところにも課題があると思いますし、負担増も必ず、こういう社会保険料であったり雇用保険料の案、法改正の部分であれば、事業主側はこの負担増の話は必ずするわけですよね。  そういう中で、今回一定の準備期間を確保という中で、私、どうしても、このシステム改修、体制整備の確保というところ、ここについては、行政側の体制整備というところでどうしてこんなに時間が必要なのか。これ見直し規定で五年入っている中で、あえて四年半後に施行期日を設けてやるような法律をここで出しておいて、その体制整備が時間が掛かるということ、正直、予算が財務省からもらえないからなんですかというふうに聞きたいぐらいなんですけれども、このシステム改修体制についてというところ、もう少し、本当にどういうことなのかということ教えていただけませんか。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) お答えいたします。  雇用保険の適用拡大に当たっては、先ほどもお答えしましたが、約五百万人が新たに適用を受け得る状態になります。そうした方々に対して必要な給付を確実に行えるよう、適用拡大の施行前までに万全な施行体制を確保する必要があると。  具体的に申し上げると、増加する業務に円滑に処理するためのハローワークの体制整備ということもありますし、運用面の見直しも必要となってきます。単に適用拡大をして、失業給付だけではなくてほかのいろいろなサービスにも全て影響しますので、そういった意味で運用面の見直しが必要であり、ただ、我々としては、一方で業務プロセスの見直しを含めたDX化や申請手続審査業務の効率化等も推進して、必要となる人員体制については今後順次確保に努め、円滑な施行に向け万全な対応を行っていくこととしております。  雇用保険業務を支えているハローワークのシステムについては、何千万人もの被保険者情報を管理する国内でも有数の巨大システムであって、適用拡大に伴うシステム改修の影響は大規模となる見込みであります。  このため、システム改修に当たっては、トラブルによってシステムが停止したりとか失業者への給付が止まってしまうようなことのないよう、予定されている他の改修とのスケジュールとも調整しつつ、拙速を避け慎重に行う必要があると考えております。  こうしたことを踏まえて雇用保険の適用拡大の施行を令和十年十月としたものであり、計画的に整備を進めることによって、万全な備えでもって施行日を迎えたいと思っております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 少し巨大システム、ハローワークの部分での対象人数が多いというようなところは触れていただいて、これまでにない答弁だったんですけれども、とはいえ、システムが理由ということで多様な働き方を支える雇用のセーフティーネットの拡大というところが遅れるということ自体は変わりません。  私、単純に、ほかと比べて四年以上というのが長いから短くしろと言っているわけではない。そしてもう一つは、これまでもいろんな衆議院からの議論の中で、新たに加入される方のアンケート調査を引っ張り出してきて、その人たちの負担増みたいな話はよくされているんですけれども、私は、この一年間、厚労委員会、予算委員会で三回、適用拡大のところが遅いがために、政府がやっている賃上げによって時給が上がっていくことによって、いわゆる年収の壁、百六万円の壁の中での就労調整をせざるを得ない人たちが雇用保険を労働時間短くすることによって抜けざるを得ないことになっている、そういう人たちのことをきちっと想定した議論をしているのかというところも疑問に思いながら、今この質問をしているわけです。  予算委員会では、私、実例を出したときに、相当極端だから、そんな人いっぱいいないというふうにもらったんですけど、例えばパート勤続三十二年の六十代の女性が二年前に就業調整によって週二十時間を下回ったので雇用保険抜ける、その後、駅前の再開発があって自分が勤めていた事業所が閉鎖になったので失職、三十年間雇用保険料を納めてきたにもかかわらず一円ももらえなかった。  また、これちょっと極端ですけれども、例えばAさん、六十代の女性、パート勤務十年以上、一年前までは月八十八時間以上で勤務していたんですが、時給が上がったところによって就労調整を選びました。会社からは、むしろその方の実力を認めて時給アップを機会に時間も延ばして働いてみないかというふうに声掛けられたんですが、同居の親の介護をしておって、家を空けるという時間を延ばすということは難しい、施設やヘルパーも見付けられないから自分の労働調整していく、また、子育てを理由に、同じようなこと、土日や休日みたいなところで保育所になかなか預けられないということでのサービス業の方の就労調整によって雇用保険から抜けたという声がたくさん、時間給が上がる、給料上げていく中で、とはいえ労働時間が延ばせない人たちからの悲痛な声。  で、雇用保険は、掛け捨てではなくて、実は給付日数というところが積み上がっていくんですよね。  今日、配付資料、皆さんにお配りしております。この特に一番上のところが分かりやすいんですけれども、一年未満から二十年以上ということで、これ加入年数で積み上がるようになっているわけなんですよね。しかし、一年間この加入の要件を喪失すると、これが全てチャラになってゼロから始まるわけです。これまで二十年勤めてきてずっと納め続けてきたのに、今回のこの適用拡大が遅れることによって今私が例に出したような方たちがどんどん増えてきて、この四年間でチャラになっていく人たちが多くなるということ、ここの議論が全く私はされていないというふうに思っています。この保険が掛け捨てというところの概念があるかもしれませんが、これ基本手当の所定給付日数というところの積み上げ設けているわけですから、ここに対しての議論するべきだというふうに思いますが、こういう方たちの調査、厚労省されていますか。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 今回、委員御指摘の、賃上げに伴って労働時間調整を行い雇用保険資格を喪失した労働者へのアンケートについては実施しておらず、また、労働時間調整を行い資格を喪失した労働者の雇用保険加入期間や納付した雇用保険料の額などのデータについても把握しておりません。  今般、適用拡大により新たな雇用保険の適用を受ける者のみならず、既に適用を受けている方に対しても、失業への備え、育児・介護休業給付、教育訓練給付も利用できることなどを、雇用保険の様々なメリットを丁寧に説明して御理解をいただきたいと思っております。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 いや、武見大臣、全く御理解できないし、二十年間雇用保険料を納めてきた方々にとってみたら、もしかしたら周りの人から見たら、年間一万円も掛からない金額の掛金なんだから大したことないじゃないかというふうにおっしゃるかもしれませんけれども、パートタイマーとはいえそこに長く勤めてきた、そして何があるか分からない、年を重ねていく中でというところで、せっかく政府の方針、そして御自身の頑張りで給料が上がるという中で、まあ今年収の壁、社会保険料の制度の見直しも遅々として進まない中で、議論はしているといいながら解消しないまま、この四年半後の雇用保険の適用拡大というところ、今回、法改正が閣議決定されたと聞いたときに、多くの人たちが本当に良かったというふうに言った直後に、この施行期日を見て、もうみんながっかりです。本当にがっかりです。周りで雇っている人たちも、せっかく頑張ってくれていたのに、この人たち、やっぱり雇用保険抜けなきゃいけないんだ、資格喪失するんだという声が本当にたくさん集まっているんです。  是非、この就労調整によって雇用保険を喪失した方が再度加入する見込みだったとしても、この雇用保険適用拡大の期日が遅くなるというこのことは変わらないんです。先ほど、いろんなシステムも含めて課題を言って、前倒しができないというふうに言っていましたけれども、今の私の指摘、そして厚労省がこれまでこういう人たちが置かれている状況を見ずにこの施行規則を私は入れていったというふうに指摘せざるを得ませんので、この件をもって、武見大臣、この施行期日前倒しするということを検討するべきじゃないですか。いかがですか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) もう既に、参考人の方からなぜこのような期日になったのかという説明はさせていただいてきているわけでありますけれども、この雇用保険の適用拡大の施行期日、これ前倒しすることはなかなか難しいというふうに思います。  それから、他方で、委員御指摘のようなこの就業調整といったようなこと、それから雇用保険の対象から外されざるを得ないような方々が生じないようにするためにも、この年収の壁・支援強化パッケージ、これ着実に実行していく必要性があると思います。それから、その上で、被用者保険の更なる適用拡大などの制度の見直しに取り組むこととしておりまして、次期年金制度改正に向けてこの議論も開始をいたします。  こうした対応などを通じて、労働者が就業調整をすることなく希望どおり働くことができる環境を整備していくことが極めて重要だという考え方でいることを是非御理解いただきたいと思います。

田村まみ国民民主党・新緑風会

○田村まみ君 大きな方向性は私も何も否定しません。遅いということ、こぼれ落ちるというこの指摘に対してのお答えが欲しかったです。  今お話がありました年収の壁の支援パッケージの適用期日は令和七年度末です。そこで、じゃ、延ばそうという努力もしたけれども、いろんな事情があって延ばせなかった人たち、八年度の最初から適用拡大も受けれないということです。是非ここまで前倒しをすることを求めて、次の議論の機会にまたお話をしたいと思います。  終わります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。  まず、法案に入る前に、一問お聞きしたいと思います。  四月十九日に大阪高裁が、1型糖尿病の障害年金の支給停止について処分を受けた控訴人全員の支給を認めるという判決を行っております。  厚労省は、これ上告を断念して、訴えた控訴人にとどまらず、平成二十八年当時、年金支給を停止された全ての1型糖尿病患者に対して速やかに支給を再開するということを求めたい。  あわせて、この基準の見直しが要ると思うんですね。生活上の困難さを含めた当事者の生活実態を十分反映できるようにと、物すごい曖昧になっているところをきちっと認定基準も見直していくべきだと考えます。いかがでしょう。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 今回の大阪高等裁判所における判決でありますが、厚生労働省が定めた糖尿病についての障害認定基準は一定の合理性を有するとした上で、1型糖尿病患者である控訴人八名について、国の判断と異なり、障害等級二級に該当すると判断されたものでございます。  厚生労働省としては、現在、この判決の内容を精査中でございます。関係省庁とよく相談をした上で今後の対応は検討してまいりたいと思います。  いずれにせよ、1型糖尿病による障害の状態は様々であることを踏まえて、引き続き適正な認定に取り組んでまいりたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 重ねて、控訴は断念すべきだと申し上げておきます。やっぱり認定基準そのものを見直すべきだと、当事者の実態に合わせた速やかな見直しを求めておきたいと思います。  それでは法案です。法案でこれ充実を図るとしているリスキリング支援について質問したいと思います。  これ、出発点は、三位一体の労働市場の改革ということが盛り込まれたいわゆる骨太の方針二〇二三ということになるわけです。リスキリングと職務給の導入、さらに労働移動の円滑化、これ三つ一体で進めることで構造的に賃金が上昇する仕組みをつくるんだって書いてあるんですよね。これがよう分からぬのですよ。何で、このリスキリングに、まあ三つ一体に取り組めば構造的に賃金が上がるのかというところなんですよね。  これ、リスキリングについて聞きたいと思うんですけれども、これ取り組むことで、構造的な賃上げということにどれだけの効果があるとお考えでしょうか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 御指摘のリスキリングによる能力向上支援が賃上げに与える効果というの、これは定量的にすぐ出せるものではありません。それは難しいんですけれども、デジタル化の進展など、企業や労働者を取り巻く環境が急速に今変化をしています。それから、労働者の職業人生の長期化、元気な方々がより長期間、労働に従事されるようになってまいりました。それから、個人や企業に対するリスキリング支援を強化をし、自律的、主体的な学び、学び直しを後押ししていくことは、企業内での昇任、昇給や転職による処遇改善につながるとともに、企業にとっても生産性の向上等につながることが期待できるというふうに考えております。  このリスキリングを通じて、こうした各労働者が自分の選択肢を広げることができる、こうしたことを通じて、最終的にはこうした賃上げも含めた好結果に結び付けるように政策として推進してまいっているところであります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 本当に、定量的な説明って難しいというのはそのとおりだと思います。  さらに、労働者がスキルを身に付けたとしても、賃上げにつながるかどうかということでいいますと、雇用する事業主の評価次第だと私は思うんですよ。さらに、この三位一体の労働市場改革で、職務給の導入、これ企業が促進するということになるんだけれども、職務給の導入が労働者の賃上げにつながると、これはどういう根拠なんでしょうか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 政府としては、その個々の企業の実態に応じた職務給の導入のみならず、リスキリングによる能力向上支援、それから成長分野の労働移動の円滑化、併せて取り組む三位一体の労働市場改革を行うことで、客観性、透明性、公平性が確保される雇用システムへの転換を図って、これによって構造的に賃上げが、確実にその賃金が上昇する仕組みというものをつくろうとしているところなんであります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 それ、思いは説明あったかもしれないけど、それ根拠と言えるものだろうかと。  私、閣議決定のこの基になっている新しい資本主義実現会議の提案、これ読ませてもらうと、中に書いて、入っているのは、三位一体の労働市場改革の指針というものの中に書き込まれているものとして、従業員のパフォーマンス改善計画、いわゆるPIPについても例示してあるんですね。このPIPってどういうものかというと、外資系企業発のこれ人事評価制度で、事業主が業績不十分だとした労働者に対して改善計画と称して無理難題を押し付けるわけですよ。PIPを受け入れるのか、それとも自主退職かと、この二者択一を迫るという手法で、アマゾン、日本IBM、ここで事実上の退職強要の手法になっているということが告発もあって発覚しているわけです。  職務給の導入、これ、職務に達していないということを理由にして、賃下げや自主退職を可能とする手段、事業主に与えるということにもつながりかねないという懸念を持っております。  労働者の雇用の安定に逆行すると、この可能性もあるんじゃないかと思うんですけれども、認識いかがですか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 職務給の導入などの賃金制度の変更というのは、基本的には労使間でよく話し合っていただくことが重要であります。  ここで、厚生労働省では、関係省庁とも連携をして、リスキリングによる能力向上支援であるとか個々の企業の実態に応じた職務給の導入などを通じて労働市場改革に取り組んでおりますけれども、こうした労働市場改革というのは、働く個人の立場に立って、多様なキャリアや職業、処遇の選択肢の提供を確保しようとするものであって、不安定雇用を促進するというような御指摘の意味では全くありません。  引き続き、安心して自らのキャリアや働き方を選べる環境を整備していきたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 いや、実際にそういうことが告発もあって明らかになっているよと、そういうふうに使われれば、賃上げどころか、賃下げあるいは自主退職、こういうことに追い込まれる労働者ということが増えないかという懸念なんです。これで、閣議決定もされた方針に基づいてやっていますという、こういう企業の退職強要の手段として使われるようなことまでお墨付きを与えるようなことにつながってはいけないと思うわけです。  法案では、新たに、無給の教育訓練に対し教育訓練休暇給付金、これ創設されることとなりまして、事業主は、これ負担なく労働者に一定の生活保障付きの教育訓練を受講させることが可能となるということです。  既に、職業能力開発促進法によって有給の教育訓練休暇制度などがあるわけですけれども、これ、新たに制度を創設する目的は何か。あわせて、この制度を利用した労働者が六か月以内に離職した場合の失業手当の特例、これ設けた理由は、趣旨は何でしょうか。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 労働者の主体的な能力開発をより一層推進するためには、比較的長期間の教育訓練を受ける場合にあっても、労働者は生活費等への不安なく教育訓練に専念できるようにすることが重要です。  厚労省では、御指摘のように、有給の教育訓練休暇制度の導入を推進してきたところでありますが、これはこれとして引き続き推進していきますが、併せて無給の教育訓練休暇制度を利用した労働者への支援を講ずることによって労働者のリスキリングを一層推進するため、教育訓練休暇給付を創設することとしたものであります。  また、無給の教育訓練休暇を活用して自発的に教育訓練を受けることは教育訓練に専念するために離職する場合と同視し得ることから、本給付は失業給付に相当する給付として創設することとしております。  最後に言われた教育訓練給付、ごめんなさい、教育訓練休暇給付金を受給した場合は失業給付の受給資格は一旦リセットされることになりますが、その上で、失業中の生活の安定を図るという雇用保険の目的に鑑み、教育訓練休暇給付金を受給して、失業給付の受給資格を再び満たすまでの間に倒産、解雇等の理由で離職する場合に限っては、特例的に九十日分の失業給付を支給する、そういう扱いにしたものであります。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 職業能力開発促進法及び労働施策等総合推進法では、教育訓練等を含め、能力の評価に関する規定があります。  法案のその教育訓練休暇給付金、これ利用した教育訓練についても、やっぱりこれ評価を受けるということになるんじゃないでしょうか。どうでしょう。

岸本武史厚生労働省人材開発統括官

○政府参考人(岸本武史君) お答えいたします。  御指摘の職業能力開発促進法等の規定は基本理念を掲げる規定でございまして、ここから直ちに事業主に対して本法案の教育訓練休暇給付金の対象となる教育訓練を含め訓練等に関する評価の実施を義務付けるものではございません。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 実際に既に大企業でどんなことが起こっているかというと、役割評価の人事制度が実施されているところでは、これ、評価することで降格、賃下げということが横行しているし、その評価の基準ということは、もう企業、ブラックボックスということにもなっているという実態があります。  事業主は、訓練の成果を低いと評価し、処遇を引き下げることによって、解雇しなくとも労働者を自ら退職を選ばざるを得ないように追い込むと、こんなことが可能になるんじゃないかという懸念持っています。現場の今、人事評価制度等を実施している実態を踏まえたら、こういう懸念が払拭できるということになるのかどうかですね、いかがでしょう。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 一般論として、企業が労働者の能力や業績などを評価して処遇に反映する人事考課制度におきましては、個々の労働者に対してどのような評価を行うかは基本的には当該人事考課制度の中での裁量的判断となります。しかし、その裁量権の濫用があってはならず、一般的には、評価の手順や基準の合理性、それから個々の評価の適切性などが求められます。また、評価自体が適正なものであったとしても、それを理由に御指摘のように退職に追い込むような退職勧奨をすることは違法な権利侵害に当たるとして、これは問題となり得るものと考えます。  厚生労働省としては、問題のある事案を把握した場合には、都道府県労働局において啓発指導等を行っているところでございます。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 今でも、違法となり得るし、違法となり得るものに対して指導をやっているよということなんですけれども、今でも、名立たる大手電機のところでどんなことが起こっているかというと、追い出し部屋に呼び出して退職を迫る面談を繰り返すだけじゃなくて、リストラということで対象に挙げた人に対しては、人材派遣会社に出向させると、そこで新たな再就職先を探させる、さらに、人材派遣会社の開催する就職セミナー、転職セミナーへの参加を業務命令ということで強要するというようなことがやられています。労働者に退職を選択させているよと、こういう告発が電機・情報ユニオン、労働組合から寄せられている実態があるんですよね。  失業給付の特例ということで、整理解雇等の理由により離職した者もこれ対象になるということです。自発的な離職を選んだ労働者が離職前一年以内にこれ教育訓練休暇給付金を受けていた場合というのは、これ失業給付の扱いというのはどうなるんでしょうか。確認です。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 教育訓練休暇給付金を受給した場合は失業給付の受給資格は一旦リセットされ、教育訓練休暇給付金を受給した後、新たに失業給付の受給資格を得るためには、原則十二か月の被保険者期間が必要となります。このため、教育訓練休暇給付金の対象となる休暇開始後一年以内に自発的に離職した場合は失業給付は受給できないことになります。  こうした取扱いについては、そういった給付金を申請する者、人に対しては、それはきちんと理解していただけるように制度の周知に努めるとともに、利用者が制度内容を理解した上で申請していることを支給申請の段階できちんと確認をするなどきめ細かな対応を行うよう、施行に向けて手続の詳細を検討してまいりたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 結局、その無給の新たな教育訓練休暇給付金というものを使いますと、これ失業給付の前倒しということになるので、一年以内の、解職前一年以内に受けていたら、給付資格というか、受けられなくなっちゃうわけですよね、リセットしちゃうということがあるんですよ。結局、教育訓練を受けるというリスキリングに無給で挑戦したと、賃上げどころか、これ離職ということになった場合、実は失業給付が受けられないと。よう周知しますということですけれども、これ労働者にとっては、リスキリングをしたばっかりに不利益を被るということにつながるわけですよ。  大体、そもそも論を言いますと、産業構造の変化とか技術の進歩とかそのほかの経済的な環境変化、こういうことが起こって、大きな変化起こっているという御説明ありました。こういう変化に対応する、業務内容が変化するということに対応する責任というのは、私、労働者にはないと思うんですよ。そもそも、そういうものに対応できる労働者に教育訓練するのは企業の側の事業主の責任でやるものだと言いたいと思うんですよ。大臣、いかがですか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) このリスキリングは、あくまでも自主的にこうした労働者の皆さん方が将来の選択肢を増やすために自らの能力向上に励む、それを政府として政策的に支援するということが目的であります。  この目的が実際にその三位一体の労働市場改革の一つの柱としてその役割を果たすことによって、全体として我が国における労働者の賃金を構造的に支える仕組みとするという考え方であるということを是非御理解いただきたいと思います。

倉林明子日本共産党

○倉林明子君 いや、リスキリングや労働市場、三位一体の労働市場の改革をするとそれが構造的な賃上げにつながるという説明なのに、実際にはリスキリングに挑戦した労働者が失業給付も受けられない事態もあると。構造的な賃上げといいながら、それを担保するということになっていないんじゃないのという指摘をいたしましたので、今日はこの程度で終わらせていただきます。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。  短時間労働者の多くは非正規で働いています。代読お願いします。  今般の雇用保険法一部改正法案において、雇用保険の対象者が週間労働二十時間以上から同十時間以上へと拡大されました。しかし、この短時間労働者の数が増加してきたこと自体が大きな問題です。  資料一を御覧ください。  週間労働時間二十時間未満の短時間労働者数は、二〇一三年の四百九十四万人から二〇二二年の七百十八万人まで、実に一・五倍になっています。最新データによると、昨二〇二三年は七百三十四万人です。この原因を厚労省はどう分析していますか。

堀井奈津子厚生労働省雇用環境・均等局長

○政府参考人(堀井奈津子君) お答えいたします。  今御指摘がございましたように、週間労働時間、週間就業時間二十時間未満の短時間労働者数は増加をしております。  まず、この背景でございますが、雇用者のうち週間労働時間二十時間未満の短時間労働者数を年齢階級別に見ますと、十五歳から二十四歳の年齢階級の短時間労働者が七十七万人増加、そして六十五歳以上の年齢階級の短時間労働者が九十八万人増加をしております。これらで合わせて増加全体の約七割を占めておりまして、短時間で働く若者の増加や高齢者の就労参加が進む中で増加をしているものと考えられます。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  なぜ若者や高齢者の年代層において短時間労働者が増えているのでしょうか。雇用の劣化が進み、若者がアルバイト、パートなど不安定雇用労働者として社会人生活をスタートせざるを得ない状況になっていること、そしてベテラン世代においても、年金制度の劣化により将来不安を抱えた高齢者が暮らしを少しでも防衛するために短時間労働に従事しているのではないですか。  親世代の雇用の不安定化によって進学を諦めた若者、たとえ進学できたとしても、学費や生活費の捻出のためにアルバイトに追われ、学業に支障を来す学生もたくさんいます。貧困の連鎖は解消されないままです。これらは全て政府の雇用政策、経済政策の失敗の影響にほかなりません。  資料二を御覧ください。  全労働者に対する非正規雇用労働者の割合は、一九八四年の一五・三%から二〇二一年の三六・七%まで、最新データでは昨二三年の三七・一%まで激増しましたが、この原因を厚労省はどう分析していますか。

堀井奈津子厚生労働省雇用環境・均等局長

○政府参考人(堀井奈津子君) 役員を除く雇用者に占める非正規雇用労働者の割合は、御指摘のとおり増加をしております。  これは、一九八四年から二〇二三年までの長期的な推移で見れば、正規雇用労働者数、正規雇用労働者は二百七十三万人増加をする一方で、非正規雇用労働者数が一千五百二十万人増加をしております。非正規雇用労働者数の増加数が正規雇用労働者数の増加数を上回っていることなどがあると考えられます。  この非正規雇用労働者の増加の背景といたしましては、女性の非正規雇用労働者が一九八四年の四百八万人から二〇二三年には一千四百四十一万人と一千三十三万人増加、そして、六十五歳以上の年齢階級の非正規雇用労働者が一九八八年の三十四万人から二〇二三年には四百十七万人と三百八十三万人増加をしております。女性や高齢者等の就労参加が進む中で増加をしてきた面もあると考えられます。  そして、厚生労働省といたしましては、これまでも非正規雇用労働者の正社員転換、これを促進をしてきております。引き続き、正社員への転換に取り組む事業主への助成金による支援、非正規雇用労働者に対するリスキリング支援やハローワークにおけるきめ細やかな就職支援などにより希望する方の正社員転換を進めていくとともに、最低賃金の引上げや同一労働同一賃金の遵守の徹底などにより非正規雇用労働者の処遇改善を進めてまいりたいと存じます。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 日本は、女性が働きづらく、引退世代にとっても不安だらけの社会です。代読お願いします。  ただいまの答弁からも、女性と高齢者の非正規雇用労働者の激増が示されました。二〇二一年における非正規労働者数は二千六十五万人ですが、男性六百五十二万人に対して女性一千四百十三万人。男性三対女性七という割合です。  日本の労働市場が女性に対する差別構造を前提に成り立っていること、年金、医療、介護といった福祉政策の脆弱性のために死ぬまで働かないと食べていけないという暮らしの実態が日本社会の活力を大きく損なっていることがよく分かります。この根本的問題に切り込むことなく雇用保険を小手先で拡大しても、焼け石に水です。  内閣府は、平成十八年度版年次経済財政報告書において、労働者派遣事業の規制緩和が非正規雇用比率を高めたと結論付けています。労働政策における規制緩和が雇用の劣化、不安定化を起こしてしまったという認識はありますか。また、その是正に向けて方策はありますか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) この労働者派遣制度につきましては、これまで、労働者保護を図りながら多様な働き方を選択できるようにするため、必要な制度の整備を行ってまいりました。  この非正規雇用労働者の割合は高齢者や女性などの就労参加が進む中で高まってきた面があり、また役員を除く雇用者に占める派遣労働者の割合は二〇二三年平均で二・七%であることからも、我が国全体の非正規雇用割合の増加の主な原因を派遣労働に求めることは必ずしも適当ではないと考えます。  また、御指摘の報告書においても、OECDの分析を基に、労働者派遣事業の規制緩和が非正規雇用比率を高めた要因の一つになったと見られるという旨が記載されていると承知をしております。  厚生労働省といたしましては、同一労働同一賃金、雇用安定措置、キャリアアップ措置の導入など、派遣労働者の待遇を向上させるための整備を進めてきたところであり、引き続き、派遣労働者が能力を発揮をし、公正な待遇を得て働ける環境を整えてまいりたいと考えます。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  派遣労働者の割合は全体の二・七%にすぎないから非正規雇用増加の主な原因ではないと政府は言います。しかし、これは詭弁です。  労働者派遣法の規制緩和と同時並行で非正規労働が拡大してきました。業務の臨時性のあるなしにかかわらず、期間の定めのある労働契約を締結できるといういわゆる入口規制の問題、正社員との差別を禁じる同一労働同一賃金や均等待遇の問題、そして直接雇用化、常用雇用化を義務付けるいわゆる出口規制の問題、その全てにおいて非正規雇用拡大の牽引役を果たしてきたのが労働者派遣法なのです。  資料三を御覧ください。  職業安定法四十四条は労働者供給事業を禁止、労働基準法六条は中間搾取の排除を規定しています。しかし、今日、この規定は労働者派遣法によって無効化されていると言って過言ではありません。労働者派遣法は、派遣会社に対し、賃金の決定、教育機関、教育訓練の実施、福利厚生の実施に当たり、派遣先企業における同種業務労働者との均衡を考慮しながら配慮するよう求めています。しかし、そもそも派遣先企業が支払う人的費用の一部が派遣元である人材派遣会社を経由して派遣労働者に支払われるのですから、このビジネスモデルそのものが労働規範を侵害しているのです。  直接雇用、直接払いが労働基準の根幹だからこそ、職安法や労基法は労働者供給や中間搾取を禁じていることを忘れてはなりません。  次に、三つの就業促進手当について伺います。  資料四を御覧ください。  今般の法改正において、厚労省は、より安定した職業への転職に成功した人に対する再就職手当を維持する一方で、それ以外の不安定な職業への転職者に支給する就業手当を廃止したり、賃金が低下してしまった転職者に支給する就業促進定着手当の支給レベルを下げたりするという改定を行っています。  これらの改定の立法事実を簡潔に述べてください。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 今御指摘のあった三つの手当、総称して就業促進手当と言っておりますが、これは失業給付受給者の早期の再就職を促すことを目的とする制度であり、今般、委員御指摘のように見直すこととしたものであります。  具体的には、まず就業手当については、失業給付の受給資格者が安定した職業以外の職業に就いた場合に失業給付の三割相当額を支給するものでありますが、現下の人手不足の状況下においては、安定した職業以外の職業への就職を政策的に促す意義が薄れていること、また受給者数が現在約三千五百人と少数であるということから、更に減少傾向にあるということを踏まえて廃止することとしたものであります。  一方で、就業促進定着手当につきましては、失業給付の受給者が早期再就職し、再就職六か月後において再就職時賃金が離職時賃金よりも低下した場合にその低下した分を給付するものでありますが、これも人手不足の状況が今後一層深刻化することが見込まれる中で、賃金の低下を伴う再就職を後押しする必要性が薄れているということは、が一方で、一方で、受給者数自体はこちらは約九万人で、早期再就職を行った者への支援として一定の役割を果たしているのもまた事実としてあると。そういったことを踏まえて、制度は継続した上で給付額の上限を引き下げることとしたものであります。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  事前の法案レクチャーで厚労省は、より低い労働条件への転職に対する就労支援施策を廃止ないし減額するというディスインセンティブ、いわゆる不利益効果による誘導策の導入によって、より高い労働条件への雇用移動を促すと説明しました。  実際にそのような効果を示す研究や知見がありましたら具体的にお示しください。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 御指摘のような研究結果や知見については把握していませんが、現在の労働市場の状況等を踏まえれば、安定した職業以外の職業や賃金の低下が見込まれる職業への再就職を政策的に促していく必要性が薄れていることから、本法案では就業手当の廃止、就業促進定着手当の減額を行うこととしたものであります。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 把握していないのですね。  立法事実がないと認めますか。大臣、お答えください。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 先ほど申し上げたとおり、研究成果や知見については我々の方では把握していないということははっきり言えます。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 もう一度聞きます。  立法事実がないと認めますか。大臣、お答えください。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) 基本的に、この就業手当については、失業給付の受給資格者が安定した職業以外の職業に就いた場合に失業給付の三割相当額を給付するというのがその基本的な考え方になっております。  現下は人手不足の状況下にあります。安定した職業以外の職業への就職を政策的に促す意義が薄れていることや、受給者数が三千五百人と少数であり、更に減少傾向にあるというその事実を踏まえてあえて廃止することとしたものであり、立法事実はここにあると考えます。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 支援を削って雇用環境が改善されるはずはありません。代読お願いします。  今回のような就業促進手当のディスインセンティブ、いわゆる不利益効果による誘導策が雇用環境を改善するなどという根拠はどこにもありません。すなわち、今般の法改正に盛り込まれている就業促進手当改定の立法事実は全くないのです。  次に、就業促進手当のセーフティーネット機能について、厚労省の見解をお聞かせください。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 就業促進手当は、失業給付受給者の再就職意欲を喚起し、できるだけ、できる限り早く再就職することを積極的に奨励しているものであります。  こうした就業促進手当の役割は今後も重要であり、労働市場の状況や雇用保険制度に求められる役割の変化などを踏まえて、給付内容の見直しも行いながら、ハローワークにおける就職支援と相まって、今後とも、失業された方の早期再就職を促進できるように制度運営に取り組んでまいりたいと思います。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 それならば、現行の手当は維持した上で、より良い転職ができた人へのインセンティブを別途考えるべきではありませんか。大臣、いかがですか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) この就業促進定着手当というものは、賃金の低下を伴う再就職にインセンティブを与えることにより早期の再就職を促すものでございまして、賃金を低下した場合の生活支援を目的とするものではございません。  就業の促進手当の在り方については、制度の利用状況をよく見ていきながら、これから検討していきたいと思います。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 優生思想が見え隠れします。引き続き検討を求めます。代読お願いします。  次に、いわゆる就職氷河期世代について伺います。一九九三年から二〇〇五年頃に就職活動を迎えた世代です。  資料五を御覧ください。  専門実践教育訓練給付金受給者の訓練修了後の賃金の変化です。二十歳から五十四歳までの階層の中で、就職氷河期世代である四十歳から四十四歳の年代層が最も賃金減少が多く、四〇%に上っています。  このように、就職氷河期世代の労働者の転職が他の世代に比べて労働条件向上になかなか結び付かず、その生活レベルが上向かないことの原因を厚労省はどう分析していますか。また、この問題を解決するための具体的方策は何ですか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) いわゆる就職氷河期世代には不本意ながら非正規雇用で働いている方々などがおり、一般に、非正規雇用労働者は正社員に比べて能力開発の機会に乏しいため、処遇面も含めて現在も厳しい状況に置かれているという認識をしております。  こうした中で、就職氷河期世代支援については、より希望に沿った安定的な就労などを支援するため、政府としては、骨太方針二〇一九に盛り込まれた就職氷河期世代支援プログラムの下で、二〇二四年度までの集中的な支援に取り組んでいるところでございます。  厚生労働省としては、具体的には、ハローワークの専門窓口における担当者制によるきめ細かな就職支援等を実施しております。また、就職氷河期世代を含めて、非正規雇用労働者に対するキャリアアップや新たな採用を行った企業に対しても助成を行っているところでございます。  引き続き、これらの施策を着実に実行をして、一人でも多くの方々の安定就労を実現するよう全力で取り組んでまいりたいと思います。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 時間が来ておりますので、おまとめください。

天畠大輔れいわ新選組

○天畠大輔君 代読します。  就職氷河期世代だから一生非正規雇用労働者などという状況は一刻も早く解消すべきと申し上げ、質疑を終わります。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 無所属の上田清司です。  質疑に入る前に、私の資料は火曜日に高木真理議員が提供されました資料で、私、それをいただいたことに、また、まず高木真理議員に感謝申し上げたいと思います。  また、委員長にお願いをしたいと思いますが、先ほど猪瀬議員、また田村議員が、この施行時期が四年後という話が出ましたが、山田参考人からシステムの改修を始め六項目ぐらいお話が出ましたが、どれにどのぐらい時間が掛かるかって一切言っておられませんので、細目について是非この委員会に提出していただくようにお願いをしたいと思いますが、よろしくお願いしたいと思います。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 御配慮ありがとうございます。  それでは、早速ですが、高木真理議員から提供いただきました資料に沿って。  大臣、先般は、直近の十年に係って、高木委員が、完全失業者数の割に受給実人員が少ないと、二〇%程度だということで大臣が答弁をされました。完全失業者の中には雇用保険の給付制限期間中の離職者であるとか自営業を廃棄した方などが含まれるため、受給者実人員の割合についてはなかなか評価できないと、こういうような答弁をなさったわけでありますが、この表を見ていただくと、一九六八年から約十年近くは、ほぼ完全失業者数と受給実員数が全く同じ、その後、どんどん完全失業者数と受給実人員の割合というんでしょうか、この乖離が開くばかりになってきました。  このことを踏まえて、雇用保険の適用労働者の範囲がどんどん広がっていって、まさにセーフティーネットが広がれば広がるほど、受給する実人員が減っていくというような現象が起こっている、このことについて大臣はどのようにお考えになられますか。

武見敬三自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(武見敬三君) まさに、完全失業者に占める基本手当の受給者実人員数の割合の長期推移見ますと、一九六〇年代後半から一九七〇年代前半にかけて約八〇%であったものが、一九八〇年代半ばには五〇%を下回り、委員御指摘のとおり、これは直近十年間はおおむね二〇%台前半で推移しています。  この要因については、雇用保険制度について、その時々の社会情勢に応じて早期再就職の促進や給付の重点化などの見直しを行ってきたことも影響しているものというふうに考えます。さらに、この完全失業者に占める基本手当の受給者実人員数の割合については、完全失業者の中には、先ほど委員も御指摘になられたように、雇用保険の給付制限期間中の離職者、自営業を廃業した方などが含まれることから、その割合の高低のみについて評価は困難だと、雇用保険制度が労働者の生活の安定を図るとともに早期再就職を促すという役割をその時々の社会情勢に応じて果たすことが重要であるというふうに述べたところであります。これが基本的な私どもの認識であります。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 概略、大臣が言われたとおりでありますが、完全失業者にこの受給者実員が占める割合というのが、ほぼ九〇%ぐらいからどんどんどんどん下がっていきます。  例えば、昭和五十九年、一九八四年当時は五〇%、それから平成元年ぐらいになってくると三六%、そして平成六年、一九九四年、この一九九四年は、大臣も御承知のとおり、日本のGDPが世界の中で一七・九%で過去最高のシェアを占めたときでありますが、日本の経済が最も強かったと、実力があったというような、そのときで四一%と。平成二十二年、二〇一〇年の改正があったときにはちょうど二〇%で、そこからもう、二〇、二一、二〇、二〇、二〇、二〇、一九、二〇、二二、二四、二五、二二、二三とですね、ほぼ二〇%と。つまり、改正をして、よりセーフティーネットが広がれば広がるほど、実際受給者が減るという、ネットワークが広がれば、より救うということを前提にしているはずですが、なぜこれが減っていくのか。  局長、山田参考人、どのように皆さん解釈しているんですか、この辺は。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 原因自体は、背景様々ございますけれども、例えば昭和五十九年前後の急激な落ち方については、昭和五十九年の雇用保険法改正において給付制限期間を一か月間から三か月間に延長した、そういったことが影響していると思います。ちょっと個々のそれぞれの動きについて答えられませんけれども、一つ大きな落ち方をしているところについてはそういった原因も考えられます。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 あのね、今の回答じゃ駄目なんですよ。なぜ改正をするたびに、セーフティーネットを増やすたびに完全失業者に対して受給者が減ってくるんですか。これを、どういう分析でそのようになっていったんだということを考えないと、今度もまた、セーフティーネット広げて五百万人増やす、チャンスをつくるわけですよ、それでまた減ったら何にもならないじゃないですか、セーフティーネットをつくるためにやっているんですから。  これまでの改正はずっとそういう変遷を経てきたんですよ。その都度減らしてきているという、利用しづらい、あるいはそうなのかもしれませんが、その理由をどんなふうに解釈されて、それを踏まえて、本当に利用ができて、なおかつ新しい仕事を見付けてより高い所得を得るための仕掛けをしていくというのが目的ですから、そこを言わなけりゃ意味がないんですよ。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 今般の改正においては、今直接のお答えにならないかもしれませんけれども、まず適用拡大をすることによって新たに雇用保険の被保険者とそもそもなる方々が増えるということで、これまで失業給付がそもそも受けられなかった方々が失業給付を受けることが可能になりますし、自ら雇用の安定や就職の促進に資する教育訓練を行った場合にはそもそも給付制限を掛けない。  で、先ほど申し上げたとおり、給付制限の変更がこの数字に影響を与える部分があるということは申し上げましたけれども、今回についてはそういった給付制限に関する二つの見直しをしようと思っておりますので、今回見直したことによって、実際にこの割合がどういう数字になるのかということはいろいろな背景が影響するので直ちにはお答えはできませんけれども、そういったことがないような方策が今回の制度には埋め込まれていると考えております。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 そういうことのないような方策というのは何なんですか。何も言っていないじゃないですか。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 先ほど、昭和五十九年の雇用保険法の改正で給付制限期間を一か月から三か月に延ばしたことがこの数字の推移に影響しているということを申し上げましたけど、今回はそれに逆行することになりますので、そういう意味で今のお答えにはなっていると思います。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 勝手に自分で判断しちゃいけないよ。全然なっていないの。質疑に答えてくれないと困るの。第一、二〇一〇年の改正以降も全然増えていないじゃないですか。セーフティーネットを増やしたのに、受給者実人員が増えていないじゃないですか。そういうものを分析しないと、四年も時間を掛けて、ぼうっとしていて、チコちゃんに怒られちゃうでしょう、それじゃ、本当に。頼みますよ。ちゃんと、方策はどうしているんだと、過去の経緯を踏まえて。  先ほど大臣は自営業とされましたけど、衆議院議員として十年地元を回っていましたらね、自営業の人たちも大半が、おやめになったらほとんど年金生活者になっちゃうんです。わざわざ就職しないんです。もう高齢でお客さんもいないし、おまけに産業構造の変化で、魚屋さん、八百屋さん、クリーニング屋さん、もろもろ、げた屋さん、傘屋さん、復活できないんです。  だから、そういうのは余り数字に、まあ数字にも挙げておられませんけど、抽象的に言ったら理由にならないです。念のために申し上げておきます。ちゃんと言ってくださいよ。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 先ほど申し上げた給付制限期間の話以外の話でもうちょっと具体的に言える話として、様々な要因が複合的に影響していると申し上げましたけれども、その一つの要因として、完全失業者の中で求職理由別の内訳を見ると、自発的な離職者の占める割合というのは二〇〇九年には三〇・七%でしたが、これが二〇一九年には四三・二%と大きく増加しております。これは、裏返せば給付制限期間が掛かる人の割合が増えているということになって、先ほど大臣の方からもお話、御答弁ありましたとおり、給付制限、雇用保険の給付制限期間中の離職者が完全失業者に含まれるということがこの割合について影響しているということの背景にあると思います。  ただ、我々として、離職を自発的にするのか非自発的にするのかというのはコントロールはできませんので、ただ一方で、今回、先ほど申し上げたとおり、給付制限期間を見直すということについては、今申し上げた点にもある意味配慮した上での対応になっているかと思います。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 例えば、一九九四年と二〇二二年を比較すると、非正規雇用者が九百七十一万人から二千百一万人、百九万人増えているわけですね。こういう方々が今度は新たに五百万人の適用の人たちだと、累進、累進というか考えられるわけですね。  そういうことを考えていくと、例えば、一九九四年には雇用保険受給実人員が四一%だったんですが、二〇二二年には二三%になっていると。まあ数字持っていなければ持っていないでいいんです。要は、どんどん下がるわけですね。そうすると、また非正規の皆さんたちが増えて、この方々が多分に新たに適用になる可能性が高いと。であれば、その人たちがこの雇用保険を使って、新しい雇用保険を使って、仕事を一旦辞めて何らかの形でスキルを身に付け直すとか、そういうことを期待しているんではないですか。まず、それを聞きたいと思います。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 今回、適用対象者を二十時間以上から十時間以上に広げると。それによって、十時間以上の人に対して、今先生御指摘されたリスキリングの機会とかも新たにその人たちが対象になってきますので、おっしゃるとおりかと思います。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 ところが、なかなかそうはいかないんです。御案内のとおり、二人以上の世帯で三一%が預貯金ゼロなんですね。例えば二十万もらっていた、仮に十七万なら十七万の手当をいただける、これで一か月過ごすのが大変だと思うんです、あるいは二か月過ごすの大変だと思うんです、預貯金がないんですから。だったら、継続して二十万の仕事をやった方がいいという話になってしまうんです。だから、データで見るように、完全失業者が百万人いても、手当をいただく人は二十万しかいないという世界になっているんですよ。そういうふうな累進をしないのかということを私は確認しているんですけど、皆さんからのデータの中にはそういうのはないんですか。もう一回聞きます。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 失業者全体、失業者はそもそも、雇用保険持っているか、受けているか受けていないかにかかわらず、仕事をする気があって、すぐに仕事が就けない状態にある人が対象になりますけれども、の中で今の二割ぐらいがその割合として今あるということについては、ちょっと先ほどの繰り返しになりますけれども、様々な要因が複合的に影響しているというふうにしかお答えのしようがありません。  ただ、自発的な離職者が増えているということは、その先ほど申し上げた、割合を低めている給付制限期間中の離職者の数が多いということにはつながっていると思います。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 例えば厚労省で、いわゆるこの、なぜ仕事を続けていらっしゃるのか、こういうネットワークがあってもそれを使わないで、失業した後ですね、即仕事をされているのか、そういうのをヒアリングで、アンケートか何かでやったことあるんですか。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 速記を起こしてください。

山田雅彦厚生労働省職業安定局長

○政府参考人(山田雅彦君) 調査によって、就職までに、失職してから就職までにどれぐらいの期間があったかというようなデータはございます。

上田清司各派に属しない議員

○上田清司君 やはり高木議員も御指摘もされました、余りにも完全失業者の数と受給者実人員との乖離があり過ぎると。ネットワークを広げるたびにその乖離が広がっている。大臣、大臣、これ重要だと思うんですよ。ネットワークを広げるたびに乖離が広がっていると。何のためのネットワークなんだと、何のためのセーフティーネットワークなんだという話になってくるんですね。  だから、やっぱりここはもうちょっとしっかり、辞めてすぐ就職される理由は何なのか、あえて雇用保険の手当を受けない理由は何なのかとか、こういうのを丁寧に探っていかないと、せっかく今度週十時間という枠組みをつくっても何にもならないと。こんなふうなことをあえて申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  雇用保険法等の一部を改正する法律案審査のため、来る五月七日午後一時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認めます。  なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

比嘉奈津美自由民主党

○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時四十五分散会

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