憲法審査会 第5号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/06/12
会議録
○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。 本日は、憲法に対する考え方についてのうち、国民投票法等について憲法審査会事務局及び法制局から説明を聴取した後、委員間の意見交換を行います。 全体の所要は一時間三十分を目途といたします。 まず、憲法審査会事務局及び法制局から順次説明を聴取いたします。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 加賀谷憲法審査会事務局長。
○憲法審査会事務局長(加賀谷ちひろ君) まず、憲法審査会事務局から、日本国憲法の改正手続に関する法律、いわゆる憲法改正国民投票法の制定及び改正の経過等について簡単に御説明いたします。 資料を一枚おめくりいただき、一ページを御覧ください。 平成十八年五月、衆議院に、自由民主党及び公明党、民主党がそれぞれ法案を提出し、翌年四月、衆議院本会議で与党案と民主党案を併合して一案とする修正が行われました。 その後、参議院では、衆議院送付案と民主党提出の対案が審査に付され、平成十九年五月、衆議院送付案が可決され、憲法改正国民投票法が成立しました。なお、参議院では十八項目の附帯決議がなされました。十五ページ、十六ページにその本文をお付けしております。 資料二ページに戻りまして、この法律は、これまでに、平成二十六年、令和三年の二回改正がされております。 まず、平成二十六年、一度目の改正について御説明いたします。 資料の三ページ、四ページを御覧ください。 十九年の法制定時、与党と民主党の間で意見が相違した三つの事項、すなわち、一、選挙権年齢、成年年齢、二、公務員の政治的行為の制限、三、憲法改正問題についての国民投票制度について、附則に検討条項が置かれました。 このいわゆる三つの宿題に対応するための改正案が、二十六年四月に提出され、同年六月、成立しました。これにより三つの宿題への対応がなされましたが、それぞれについて、新たな検討事項が改正法附則に規定されました。 資料の五ページを御覧ください。 一つ目は、選挙権年齢、成年年齢等についての検討事項です。こちらについては、資料七ページにございますとおり、二十七年の公職選挙法改正、三十年の民法改正によって法制上の措置が講じられました。 二つ目は、資料八ページ、組織により行われる勧誘運動等に関する公務員に対する規制についての検討事項です。 三つ目は、資料九ページ、十ページ、憲法改正問題についての国民投票制度についての検討事項です。 なお、本改正案に対しては、衆議院で七項目、参議院で二十項目の附帯決議がなされました。資料の十七ページから十九ページにその本文をお付けしております。 次に、令和三年、二度目の改正について御説明いたします。 資料の十一ページを御覧ください。 投票環境向上のための平成二十八年公選法改正並びの改正を内容とする改正案が、平成三十年六月に提出され、令和三年六月に成立しました。その際、新たに二つの検討事項が改正法附則に規定されました。 一つ目は、公選法並びの投票環境を整備するための事項で、イ、開票立会人の選任に係る規定の整備、ロ、投票立会人の選任の要件の緩和等について検討するものとされております。 二つ目は、国民投票の公平及び公正を確保するための事項で、イ、国民投票運動等のCM規制、ロ、国民投票運動等の資金規制、ハ、インターネット等の適正な利用の確保を図るための方策等について検討するものとされております。 以上の検討事項は改正法の施行後三年を目途に検討されることとなっており、本年九月でちょうど三年になります。 なお、御参考として、二つ目の検討事項に関連する民放連関係の資料を二十ページ以降に掲載いたしております。 最後に、資料の十四ページを御覧ください。 令和四年四月、投票環境整備のための元年及び四年の公選法改正並びの改正を内容とする憲法改正国民投票法の改正案が衆議院に提出され、継続審査となっております。 以上でございます。
○会長(中曽根弘文君) 川崎法制局長。
○法制局長(川崎政司君) 参議院法制局長の川崎でございます。 私の方からは、お手元の配付資料によりまして、国民投票その他の憲法改正手続に関し、その法制度について概観した上で、憲法改正の国会による発議の流れと憲法改正国民投票の流れ、さらに、国民投票広報協議会と国民投票運動について説明をいたしますとともに、憲法改正国民投票法の改正の経緯と、憲法改正の発議、国民投票の実施に関する主な検討課題にも言及をさせていただきます。 表紙をめくり、一ページを御覧ください。 まず、憲法改正手続に関する現行の法制度について確認をしておきたいと思います。 日本国憲法の改正の要件、手続については憲法九十六条で規定されているところですが、その具体的な手続については、平成十九年に日本国憲法の改正手続に関する法律が制定されております。 この憲法改正手続法は、国民投票に関する手続を定める第二章から第五章までの規定と、第六章の憲法改正の発議のための国会法の改正規定とから成っておりましたが、第六章の改正が国会法に溶け込むことにより、残りの国民投票に関する規定についてはいわゆる憲法改正国民投票法などと呼ばれているところです。 なお、国会法の規定を受け、衆議院では平成二十一年に、参議院では平成二十三年に憲法審査会規程が議決されております。 二ページに参ります。 御承知のとおり、憲法改正の手続は、大きく分けて、国会による発議と国民投票での国民の承認の手続から成ります。 前者の発議については、憲法九十六条一項前段において、「この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案して」と定めており、そのための手続等として、国会法が、一、憲法改正原案の発議や修正の賛成者数の要件、二、憲法改正原案の個別発議、三、憲法改正原案に関する両議院関係、四、両議院の可決による憲法改正の発議及び国民に対する提案、五、国民投票の期日の議決、六、憲法審査会の設置、七、国民投票広報協議会の設置などについて定めております。 また、後者の国民の承認については、憲法九十六条一項前段で、「その承認を経なければならない。」と定めた上で、その後段において、「この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」としているほか、第二項において、「憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。」と定めております。 そして、これを受け、憲法改正国民投票法において、国民投票による承認に関する手続等として、一、国会の議決した期日における国民投票の実施、二、国民投票の投票権年齢、三、国民投票広報協議会及び国民投票に関する周知、四、投票人名簿や投開票等、五、国民投票運動、六、国民投票の効果、七、国民投票無効の訴訟等、八、内閣総理大臣による公布に係る手続などについて定めております。 次に、資料三ページを御覧ください。 このような法制度の下での憲法改正の発議までの具体的な流れについて御説明をいたします。 国会による憲法改正の発議については、両院は全く対等とされているところですが、先議、後議の関係により、順次両院において審議が行われます。 まず、憲法改正原案の議院への発議等については二つの方法があり、右の枠の発議要件等のところでございますけれども、議員による発議と憲法審査会による提出が規定されております。議員による発議については、衆議院においては百人以上、参議院においては五十人以上の賛成者が必要とされております。 また、発議に当たっては、内容において関連する事項ごとに区分して行うものとするとの定めがあり、これは憲法改正の発議や国民投票の単位にも関わってくるものでございます。 憲法改正原案が発議、提出されますと、基本的には、本会議において趣旨説明が行われた後、憲法審査会に付託されることとなります。憲法審査会の審査については、会期中、閉会中を問わず開会可能とされているほか、公聴会の開催が義務付けられております。他方、一般に法案審査等に認められている審査会審査省略や中間報告制度については不適用とされています。 なお、表の中ほどに記載しておりますけれども、両院の憲法審査会は必要に応じて合同審査会を開催することができ、合同審査会はそれぞれ憲法審査会に対し勧告することも認められております。 憲法審査会においては修正動議の提出も可能であり、また、憲法審査会での議決は過半数により行われます。憲法審査会で過半数の賛成をもって憲法改正原案が可決されますと、本会議に報告され、審議されますが、本会議においては総議員の三分の二以上の賛成が必要となります。修正議決の場合も同様です。 その後、後議の議院においても、基本的に、本会議において趣旨説明、憲法審査会への付託の後、憲法審査会で審査され、過半数の賛成で可決されますと、本会議での審議、採決となります。 そして、後議の議院でも三分の二以上の賛成で可決された場合には、憲法改正を発議し、国民に提案したものとされ、両議院の議長が、憲法改正の発議をした旨と憲法改正案を官報に公示します。 他方、後議の議院で三分の二以上の賛成で修正議決された場合には、先議の議院に回付され、先議の議院で不同意となったときに、その求めがあれば、両院協議会の開催となります。後議の議院で否決された場合も同様に、両院協議会が開催されます。 両院協議会で出席委員の三分の二以上の賛成で成案が得られた場合には、その成案が両院の本会議に順次諮られ、総議員の三分の二以上の賛成でそれぞれ可決された場合には、憲法改正の発議、国民への提案となります。これに対して、両院協議会で成案が不成立の場合には憲法改正原案は廃案となります。 次に、四ページに移り、国会の憲法改正発議後の国民投票までの流れについて御説明いたします。 国民投票の期日は、国会が憲法改正の発議をした日から六十日以後百八十日以内において、国会の議決した期日に行うものとされております。そのため、国民投票の期日の議案を発議し、衆参両院で議決することが必要となりますが、この期日の議案の発議については議案の賛成者要件が適用され、衆議院に提出される場合は二十人以上、参議院に提出される場合は十人以上の賛成者が必要となります。 なお、憲法九十六条では、特別の国民投票と国会の定める選挙の際行われる投票の二つが規定されていますが、憲法改正国民投票法では、特別の国民投票を念頭に置いた規定となっているところです。 次に、国民投票に向けた広報や周知については、国会に設置する国民投票広報協議会が行うことになります。また、国民投票までに行われる国民投票運動については原則自由としつつ、組織的多数人買収などの禁止や国民投票期日前十四日間の広告放送の禁止が規定されています。国民投票広報協議会と国民投票運動については、この後改めて御説明いたします。 国民投票については、十八歳以上の日本国民に投票権が認められており、憲法改正案ごとに一人一票となります。 資料十六ページに投票用紙の様式を掲載していますが、賛成又は反対の文字を○で囲む投票方式とされております。 なお、複数の憲法改正案について国民投票を行う場合には、いずれの憲法改正案に係る投票用紙であるかを表示しなければならないこととされております。 投票の結果、有効投票総数の過半数の賛成があったときは、憲法改正案は国民により承認されたこととなり、憲法改正が成立し、天皇が公布することになります。 次に、五ページで国民投票広報協議会の具体的な仕組みについて御説明いたします。 まず、協議会の組織等ですけれども、設置期間については、憲法改正の発議後に国会に設置し、国民投票に関する手続が終了するまでの間存続するとされています。 委員数については、憲法改正発議時の衆議院議員と参議院議員各十人となっており、同数の予備員も選任されます。 委員の選任方法については、各議院における各会派の所属議員数の比率により、各会派に割り当て選任しますが、反対の表決を行った議員の所属会派から委員が選任されないこととなるときは、当該会派にも委員を割り当て選任するよう、できる限り配慮するものとされています。 会長は委員の互選によるものとされ、協議会の議事については、定足数が衆議院議員、参議院議員の委員の各七人以上となっており、議事は出席委員の三分の二以上の特別多数で決定することとされています。 次に、協議会の事務ですが、協議会は、一、国民投票公報の原稿の作成、二、投票所に掲示する憲法改正案の要旨の作成、三、広報協議会及び政党等による放送、新聞広告に関する事務、四、その他憲法改正案の広報に関する事務を行います。 それぞれの事務については遵守事項が定められており、一、二、四の事務を行うに当たっては、憲法改正案、要旨等に関する説明の記載等について客観的かつ中立的に行うとともに、憲法改正案に対する賛成意見、反対意見の記載等について公正かつ平等に扱うものとされています。 また、三の放送、新聞広告においては、憲法改正案、要旨等の広報を客観的かつ中立的に行うこと、放送に関しては、憲法改正案に対する賛成、反対の双方の政党等に対して、同一の時間数、同等の時間帯を与えるなど同等の利便を提供しなければならないこと、新聞広告に関しては、憲法改正案に対する賛成、反対の双方の政党等に対して、同一の寸法、回数を与えるなど同等の利便を提供しなければならないことなどが規定されています。 このような協議会の庶務を担当する組織として協議会に事務局が置かれ、事務局長その他の職員は、協議会の会長が両議院の議長の同意及び両議院の議院運営委員会の承認を得て任免することになっております。 続いて、六ページで国民投票運動についても改めて説明をいたします。 まず、国民投票運動については、憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為と定義をされております。 この国民投票運動の規制の在り方については、法制定時の発議者から、国民投票運動は主権者である国民の政治的意思の表明そのものであるから、国民一人一人が萎縮することなく自由に国民投票運動を行い、自由闊達な意見を闘わせることが必要である、したがって、国民投票運動は原則自由とし、規制はあくまでも投票が公正に行われるための必要最小限のものとすべきである、との考え方が示されています。 このような考え方の下で、国民投票運動に関する主な規制については、例えば主体による規制として、投票事務関係者や特定公務員の国民投票運動、公務員等や教育者の地位利用による国民投票運動を禁止する一方、公務員の政治的行為の制限の特例として、他の法令により禁止されている他の政治的行為を伴う場合を除き、国民投票運動と憲法改正に関する意見の表明を行うことができるものとされております。 他方、方法等に関しては、投票期日前十四日間は、国民投票広報協議会が行う放送を除き、国民投票運動のためのラジオ、テレビ等による広告放送を禁止するほかは、特段の規制はありません。ただし、組織的な多数の投票人に対する買収、利益誘導のほか、公務員や中央選挙管理会の委員等による職権を濫用しての国民投票の自由の妨害が罰則をもって禁止されております。 さらに、七ページで、憲法改正国民投票法の改正経緯を簡単に見ておきたいと思います。 憲法改正国民投票法は、平成十九年に制定され、その後、平成二十六年と令和三年の二回ほど改正が行われております。すなわち、平成二十六年の改正では、平成十九年の制定時の三つの検討課題に対応するための整備が行われております。 具体的には、一つ目の宿題が選挙権年齢等の十八歳への引下げについての検討であり、平成二十六年改正により国民投票権年齢が十八歳とされたほか、選挙権年齢、成年年齢等の引下げを検討することとされ、その後、これらについても公選法改正や民法改正により十八歳に引き下げられております。 二つ目の宿題が、公務員の政治的行為に係る法整備についての検討であり、これについては、平成二十六年改正により、先ほど御説明したとおりの規定が置かれておりますが、なお、組織的勧誘運動等の企画などに対する規制の在り方について検討し、必要な措置を講ずるものとされました。 三つ目の宿題は、国民投票の対象拡大についての検討ですが、これについては、平成二十六年改正でも憲法改正問題についての国民投票制度の意義、必要性について更に検討し、必要な措置を講ずるものとされました。 次に、令和三年改正の内容ですが、これは平成二十八年の公選法の改正により、投票環境向上のための法整備が行われたことを受け、これと同様の法整備をすべく、投票人の名簿等の縦覧に代え閲覧制度の創設、共通投票所制度の創設、期日前投票の事由追加・投票時間の弾力化など、七つの項目に関する改正が行われております。 最後に、八ページで、憲法改正の発議、国民投票の実施に関する主な検討課題について触れさせていただきます。 大きく分けて、両議院による規程の整備が必要と考えられる事項と、令和三年改正時に検討課題とされた事項とがあります。 まず、規程の整備の検討が必要と考えられる事項については、一つ目として、両院の憲法審査会による合同審査会に関する事項があります。既に御説明しましたとおり、両院の憲法審査会は協議して合同審査会を開くことができることとなっていますが、そのためには合同審査会の構成や運営等の詳細について両議院の議決により定める規程の整備が必要となります。 また、二つ目として、憲法改正案の国民に対する広報に関する事項があります。国民投票広報協議会及び国民投票に係る広報に関し、両院議長協議決定に委任されている事項について、その整備が必要となるものです。両院議長協議決定は、両院の議長がそれぞれの院の議院運営委員会等に諮って定めることになります。 具体的には、まず、国民投票広報協議会の運営、組織等のうち、運営等の詳細やその事務局の組織等に関する事項があります。 次に、広報の実施に関する規程のうち、広報のための放送に関する事項として、一つ、国民投票広報協議会による憲法改正案の広報のための放送に関する事項、二つ、広告放送を行う政党等の国民投票広報協議会への届出に関する事項、三つ、政党等による無料広告放送に関する事項、四つ、政党等による無料広告放送のための無料録音、無料録画に関する事項、五つ、無料録音、無料録画とする額の範囲、六つ、広告放送をすることができる政党等がその一部をその指名する団体に行わせることに関する事項があります。 また、広報のための新聞広告に関する事項として、一つ、国民投票広報協議会による憲法改正案の広報のための新聞広告に関する事項、二つ、新聞広告を行う政党等の国民投票広報協議会への届出に関する事項、三つ、政党等による無料新聞広告に関する事項、四つ、新聞広告をすることができる政党等がその一部をその指名する団体に行わせることに関する事項があります。 他方、令和三年改正時に改正法の附則において検討課題とされた事項としては、次の二つの課題があります。 その一つ目の課題が投票人の投票に係る環境を整備するための事項であり、具体的には、天災等の場合における開票立会人の選任に係る規定の整備、投票立会人の選任の要件の緩和でありますが、実際上、令和四年の公選法改正を踏まえ、FM放送設備による広報放送が加わっているところでございます。 二つ目の課題が国民投票の公平及び公正を確保するための事項であり、インターネットの急速な発展・普及、SNSの利用の拡大など、憲法改正国民投票法制定後の環境の変化への対応等の問題です。具体的には、国民投票運動等のための広告放送及びインターネット等を利用する方法による有料広告の制限、国民投票運動等の資金に係る規制、国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策が検討対象とされています。なお、これらに関連し、国民投票広報協議会の充実強化についても議論されているところです。 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○会長(中曽根弘文君) 以上で説明の聴取は終了いたしました。 これより委員間の意見交換を行います。 発言を希望される方は、氏名標をお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言願います。 発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。 一回の発言時間は各五分以内でお述べいただき、憲法審査会事務局又は法制局に答弁を求める場合は、答弁を含め五分以内といたします。 発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、発言を希望される方は氏名標をお立てください。 片山さつき君。
○片山さつき君 自由民主党の片山さつきです。 ただいま、参議院法制局資料、特に第八ページにおきまして、憲法改正の発議、国民投票の実施に関する四つの主な検討課題として説明されたもののうち、まず課題③、投票人の投票に係る環境整備の事項について申し上げます。 現在、衆議院憲法審査会に付託されている第二百八国会衆法三四号の国民投票法改正案に盛り込まれている三つの事項は、いずれも既に成立している公職選挙法改正で取られている投票環境の整備と同様の規定の整備を行うものであります。 令和三年の国民投票法改正も、平成二十八年の公選法改正と同様の整備を目的としており、これまでも投票環境整備を公選法並びとすることは合理的であると判断されております。本改正案につきましても、参議院に送付されれば速やかに審議すべきであろうと考えております。 次に、検討課題④の国民投票の公平公正の確保のための事項について考えるところを申し上げます。 広告放送及びインターネットなどを利用した有料広告規制並びに国民投票運動等の資金に係る規制についてですが、そもそも国民投票運動は原則自由として、投票の公正確保のための最小限の規制を課すということを基本に考えるべきであります。 放送法では、放送事業者は放送番組の編集に当たって政治的に公平であることを確保しなければならないとされておりまして、まずは自主的な規制、自主的な取組によって対応されるべきであります。 インターネット広告の規制についても、自由と公平性の確保においてバランスの取れた規制とすべきであり、例えば、主なプラットフォーマーに対して運動期間中の広告回数ですとか広告費などに関する広報協議会への報告を義務付けるといったことなどが考えられると思います。 また、最近、有名人に成り済ますSNSを悪用した投資詐欺の発生などもありまして、生成AIによるフェイクニュースなどの影響も深刻さを増していることでありまして、国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策についてもその必要性は高くなっております。 ただ、海外の例では特に厳しい規制を課したとしても実効性が上がらなかったという御指摘もあり、自由への配慮と措置の有効性のバランスを考えれば、まずは国民の代表である国会議員で構成される広報協議会によるガイドラインの提示や外部のファクトチェック機関との連携などが有効だと考えられますし、ネットに流通する情報の真偽を判定する技術や仕組みもいろいろ見られていることから、民間の有する最新の技術を最大限に活用する方向性で考えてはいかがと思います。 しかし、検討課題の①に当たります両院憲法審査会合同審査会規程、②に当たります国民投票広報協議会規程などにつきまして、その運営の細目を定める細則、事務局の組織、広報活動の詳細などのいわゆる細則的事項を定めるための議論は、これまでこの参議院ではほとんど行われておりません。 特に、憲法改正については、国民投票広報の原稿の作り方ですとか、投票所に掲示する憲法改正案の要旨の作成、あるいは広報協議会及び政党などによる放送や新聞広告に関する事務などを担い、さらにはフェイクニュース等への対応等でも期待が大きい国民投票広報協議会の役割は、国民投票運動の公平公正を確保する上でも極めて重要であります。 最終的には、これらの規程などは衆参の議院運営委員会において協議されるべきものではありますが、参議院の憲法審査会においても、これらの規程などの整備に必要な論点について委員間で議論を深めていくべきではないかと考えております。 以上、憲法改正の発議及び国民投票の実施に関する主な検討事項につきまして申し上げました。 以上であります。
○会長(中曽根弘文君) 辻元清美君。
○辻元清美君 立憲民主・社民の辻元清美です。 国民投票法の改正と広報協議会の在り方について、会派を代表して発言をいたします。 私からは、特に令和三年改正附則四条二号の検討条項に規定されております国民投票の公平及び公正を確保するための事項について意見を述べます。 まず、第二号のイのテレビCMとネットCMの制限についてですが、国民投票法は、テレビCMについてのみ勧誘広告の投票日前二週間の禁止の制限を設け、ネットCMについては何ら制限がございません。しかも、私も立法に関わった国民投票法制定からはや十七年が経過し、制定当時と比べ、いわゆるネット社会は著しく進歩、進化、拡大しております。 博報堂の研究所の調査、二〇二三年によりますと、一日当たりの接触時間、ネットは、パソコン、タブレット、スマホ合計すると二百五十六分、スマホ単独でも百五十二分。テレビの百三十五分をはるかに上回っております。また、電通の調査によると、二〇二三年の広告費も、ネットは三兆三千三百三十億円であり、テレビの一兆七千三百四十七億円を上回っております。 このような現状を踏まえますと、国民投票法制定時のテレビCM中心の制度は社会の実情と完全にそごを来しており、ネットCMについてテレビCMと同様に何らかの法規制は必要になると考えます。というのは、テレビは二週間は禁止と決めておりますので、ネットをどうするか、これは検討事項として重要だと思われます。 立憲民主党は、政党等によるネットCMを禁止し、その他の者によるネットCMについてはネット広告事業者にCM掲載基準の策定等の努力義務を課す国民投票法改正案をまとめています。 次に、第二号のハのインターネットの適正な利用の確保についてですが、例えば、ゼレンスキー大統領が市民らに投降を呼びかける内容の偽動画とか、アメリカ国防総省の近くで爆発が起きたかのように見せかけた偽動画とか、岸田総理大臣が卑わいな言葉で語りかけているように見せかける偽動画など、世界でも我が国でもいわゆるフェイクニュースが大変問題になっております。フェイク情報によって国民投票の判断が狂わせられることは決してあってはなりません。ネットの適正利用の確保は喫緊の課題と言えます。 立憲民主党は、ネットで国民投票運動等をする際のメールアドレスの表示義務、広報協議会によるネットの適正利用のためのガイドラインの作成などが必要だと考えております。さらに、フェイクニュース対策として、広報協議会による客観的かつ中立的な情報の積極的な提供、広報協議会とファクトチェック団体との連携、国民投票についてネット検索した際には広報協議会の情報が表示されるようにすることなども積極的に検討するべきです。 次に、第二号ロの資金規制についてです。 ネット社会の進展と弊害などを踏まえて、資金力の多寡による公平性への悪影響を検討し、必要な法的措置を検討する必要があると考えます。 立憲民主党は、国民投票運動等の支出上限の設定、収支報告書の提出などが必要と考えています。立法府として、時代の変化に即して国民投票の在り方と広報協議会の役割を再検討しなければならない時期に来ていると考えております。 最後に、国民投票法制定時、民放連はテレビCMの自主規制を行うと国会に約束をし、これ、私もこの目の前でそういう発言を聞いております。平成二十六年の参議院附帯決議第十九項もそれを前提とした規定になっています。テレビCMについて、民放連の対応がその後どのような変遷、結論となっているのかについて事務局に説明を求め、国民投票法などの改正なくして改憲発議はあり得ないと申し上げ、私の意見を終わります。
○憲法審査会事務局長(加賀谷ちひろ君) お答えいたします。 平成三十年九月に民放連が量的自主規制はしない旨を表明し、その後、先ほど御説明申し上げました配付資料の二十二ページ、二十三ページに掲載の考え方等が公表されました。 令和四年四月の衆議院憲法審査会においては、参考人の民放連専務理事より、自主規制について、量を全く考慮しないわけではなく、あらゆることを総合判断する旨の答弁がされております。 以上でございます。
○会長(中曽根弘文君) 伊藤孝江君。
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。 憲法改正における国民投票は、国民一人一人が憲法の持つ価値や政策について判断し、改正案に対して直接賛否を投票するものであり、特定の候補者や政党を選ぶ通常選挙とは全く性質が異なります。憲法改正手続においては、国民の意見表明の自由がより確保されなければならないと考えます。 本日は、憲法改正案の広報、周知及び国民投票運動といった国民への情報提供に関連して発言をいたします。 国民投票がなされるための環境整備として、まず第一に、国民に対し何より公正中立で分かりやすく十分な量の正確な情報が提供されることが不可欠と考えます。 この点に関連して、CM規制が問題とされております。 表現の自由と国民の知る権利の保障は民主主義の基盤であり、その制約は必要最小限でなければならないところ、国民投票法百五条では、投票期日直前十四日間、国民投票運動のための広告放送を禁止するとしており、これ以上の規制はまずは業界団体や放送事業者の自主規制に委ねられるべきと考えます。放送CMについては民放連の自主的取組もなされております。 国民投票運動等に係るテレビ等の放送広告やネット広告について、まずは自主的なルールの策定がどのように進められているか、また自主規制がどう機能するかなどを注視していくべきではないでしょうか。 また、新聞等の活字媒体、テレビ等の放送メディア、インターネットを通じた有料CMについて、広告主である政党が広告の量や時期等についての自主規制ルールを検討すべきです。政党でそれぞれ検討を重ね、政党間での協議につなげていく必要があると考えます。 国民への情報提供において、インターネットの活用も含め、国民投票広報協議会の役割が極めて重要であり、広報機能の充実強化が求められます。そのためにも、先ほどの説明にもありましたが、協議会の運営、組織等に関する事項、広報のための放送に関する事項、広報のための新聞広告に関する事項について、規程の整備を検討する必要があると考えます。 また、国民投票の環境整備の二点目として、多くの者が自由に意見表明し、国民の間で自由闊達な議論を通じて考えを深める機会を持てることが不可欠と考えます。 国民投票運動として広く国民一人一人が憲法改正に参加することは、自らの選択や投票結果に疑義を生じさせないことにもつながり、民主主義を深化させることに資すると考えます。 国民投票運動は通常の選挙運動とは全く異なっており、原則的に自由であり、規制はあくまでも投票が公正に行われるための必要最小限度なものにとどまっています。例えば、文書図画や自動車、拡声機等の使用といった手段や方法に係る制限もなく、投票運動期間に関する制限もありません。戸別訪問も可能ですし、公務員もその地位を利用したものでなければ基本的に国民投票運動に参加することができます。ただ、これらを認識されている方は少ないと思います。 国民投票運動に関する共通認識を一人でも多くの方に持っていただくことが大切です。憲法改正案とともに国民投票運動についても国民に対して丁寧に周知、広報し、国民投票運動を促進していくことが必要ではないでしょうか。 国民が実質的に憲法改正に参加し投票がなされることで、一人一人の納得感を得られ、投票結果の受入れにつながっていくと考えます。憲法改正をめぐって国民が分断されるのではなく、より良い憲法に変えていくという国民的機運が醸成されていくための環境整備に努めなければなりません。 最後に、憲法改正の発議となれば国民の関心も高まるところはあると思います。ただ、現状では、選挙一般について投票率は低い傾向にあり、選挙では何も変わらないと閉塞感を感じている国民の方も多いと思います。私たち政治家が国の在り方や選挙一般についての国民の関心を喚起していくことにも真摯に取り組んでいかなければならないと申し上げ、私の発言といたします。
○会長(中曽根弘文君) 片山大介君。
○片山大介君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の片山大介です。 まず、今朝、自民党が今国会中の改正原案提出を見送る見通しになったとの報道が出ました。岸田総理は、九月末までの党総裁任期中に憲法改正を目指す考えを公言しただけに、本当であれば大変遺憾に思います。公言したのですから、実現に向けて努力していただきたいと思います。 さて、説明にあったとおり、国民投票法は十七年前に成立しましたが、当時の発議者は、その提案理由について、国民がその権利を行使する制度を整備することであり、憲法が基本理念とする国民主権を確立することにほかならないと述べています。しかし、その国民主権を掲げる日本国憲法はいまだに一度も国民の審判を仰いでいない状態です。 その理由の一つに、令和三年の国民投票法の改正で設けられた検討課題があります。附則第四条に規定されたもので、大きく二つに分けられ、一つは投票人の投票に係る環境の整備、もう一つは国民投票の公平及び公正の確保です。この附則第四条の解決が優先されるのか、それとも、検討しながらも改正原案の審議と改正の発議も行うことができるのかは議論になってきました。 我が党は、附則第四条の検討課題は改正原案の審議と改正の発議を妨げるものではないという考えで、過去にはそれを決着させるための修正案を出したこともあります。 そもそも、国会法を見ると、憲法審査会は憲法に関する調査と改正原案の審査及び国民投票の審査が目的とされています。この三つに優劣はないので、国民投票法の審査を優先させることにはなっていません。なので、憲法本体の議論と国民投票に関わる議論の双方を同時に進めていくことができます。 また、二つの検討課題のうち、投票人の投票に係る環境の整備では、我が党は、自民、公明、有志の会と四会派で、おととし、衆議院に国民投票法の改正案を提出しています。これは、開票立会人の選任に係る規定の整備など三項目から成り、既に対応を取っている公職選挙法と同じ規定を整備しようという公選法並びの改正案です。これが成立すれば検討課題の一つが解決されることになるのに、この改正案はその後二年以上にわたってたなざらしになっていることを改めて認識していただきたいと思います。 そして、検討課題のもう一つ、国民投票の公平及び公正の確保では、国民投票法制定時の基本的な考え方に立ち戻るべきです。それは、国民投票運動は主権者である国民の政治的意思の表明そのものであることから、国民投票運動は原則自由とし、規制はあくまでも投票が公正に行われるための必要最小限のものとすべきというものです。これを踏まえれば、国民投票運動の放送CMやネットCMを含めたネット上の情報発信については、法による過度な規制は政治的表現の自由を制約することにつながりかねず、自由と公正のバランスを踏まえた慎重な対応が必要だと思います。 いずれにせよ、この二つの検討事項はめどを付ける時期が法律の施行後三年とされているので、その時期は今年九月に迫っています。なので、自由討議などを通じて議論を深めつつ、衆議院から改正案が送られてきたときには、速やかに審議し、成立させるべきです。 一方、昨今は、世界中で社会問題化している生成AIなどによるネット上のいわゆるフェイク情報の問題があります。この問題は、国民投票に限らず、あらゆる選挙における投票行動に影響を与えるおそれがあるので、本審査会とは別に、国としてどのような対応が必要か考えていくべきです。 このほか、国民投票広報協議会の整備に当たっては、運営、組織に関する事項や広報のための放送、新聞広告に関する事項の規程が未整備のままです。国民投票を実施するに当たってこうした整備は大前提になるので、早急に検討を進めるべきです。それは、間もなく会期末を迎える国会の開会、閉会に関係なく進めていくべきであることを訴え、発言を終わります。
○会長(中曽根弘文君) 礒崎哲史君。
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。意見を申し述べさせていただきます。 現在の日本国憲法の改正手続に関する法律は、百五条で、何人も、投票期間前十四日間については、放送事業者の放送設備を使用した国民投票運動のための広告放送を禁止されています。 そこで、まず法制局に伺います。 国民投票法百五条における放送事業者の放送設備とは、具体的に何を指すことになるのか。テレビ、ラジオ、BSなど衛星放送、自ら行うインターネット放送、インターネット事業者を介した放送など、どのように理解されるのか、伺います。
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。 憲法改正国民投票法百五条の放送事業者とは、放送法上の放送事業者をいうものであり、御指摘の放送のうち、テレビ放送、ラジオ放送及び衛星放送を行う事業者は同条の放送事業者に該当することになります。 他方、動画配信を含むインターネット放送については、一部の例外を除き、放送法上の放送には該当しないものと解されており、当該事業者は憲法改正国民投票法百五条の放送事業者にも該当しないことになるものと思われます。 以上でございます。
○礒崎哲史君 ただいま法制局から説明をいただきましたけれども、こうした多様な放送形態や事業者がある現状においては、その取扱いについては明確にその領域を検討していく必要があり、現状に合わせた整理が必要だと、そのように考えます。 次に、その広告放送禁止期間において、同法百六条及び百七条では、国民投票広報協議会が憲法改正案の広報のための放送及び新聞広告を行うものと定めています。かつ、賛成の政党等及び反対の政党等の双方に対して、放送であれば同一の時間数及び同等の時間帯、新聞であれば同一の寸法及び回数を与える等同等の利便を提供しなければならないとしており、協議会の費用で各自の広告が行える規定が整備されています。 しかしながら、現状、協議会の広告の規定は、テレビ、ラジオ、新聞に限定されており、インターネットを利用する広告についての規定がありません。インターネットがテレビ、ラジオと同等又はそれ以上の影響力であるメディアになっている以上、協議会がインターネットなどを利用した広告や禁止期間における政党等の広告を行うための法整備が必要と考えます。 その際、重要なことは、禁止期間中に協議会の負担で行うインターネット広告についてどのようなルールを定めれば公平性、公正性が担保されるかです。特に、テレビ、ラジオ、新聞における同等の利便の提供をインターネット等の広告でどのように担保するのか。つまり、テレビ、ラジオ放送での同一の時間数及び同等の時間帯や新聞広告での同一の寸法及び回数をインターネット上でどのように確保し、公正性、公平性を担保するのかを具体的に検討する必要があります。 あわせて、インターネット広告について、プラットフォーム事業者が守るべき、放送法四条のような政治的中立性を求める一般ルールの必要性についても議論が必要と考えます。そして、これは国民投票法に限らない問題でもあると考えます。 また、個人がSNS等で発信する賛成や反対の意見について規制は難しいと考えます。一方で、SNS等によるいわゆるフェイクニュースや誤情報は重要な問題で、対応が必要です。ただし、本件については、国民投票法に限った問題ではなく、SNS等一般の問題でもあることから、公職選挙法なども含めて包括的に取り組むべき課題と考えますし、リテラシー教育の強化も必要と考えます。 個人の発信を制限できない以上、膨大かつ巧妙なフェイクニュース情報があふれた際に、果たして協議会の発信だけでそれに対抗できるのかという疑問もあります。そこで、協議会に何らかのファクトチェック機能を持たせることを民間機関との連携を含めて検討すべきと考えます。 以上、インターネット広告を中心に課題認識の一部を申し述べましたが、デジタル化を始めとした社会変化に早急に法整備を図っていくためにも、また前回改正から三年という節目を迎えたことも踏まえて、アウトプットを意識した上で本審査会を進めていただけますことをお願い申し上げ、意見といたします。
○会長(中曽根弘文君) 山添拓君。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 二〇二一年改定の改憲手続法附則四条は、広告放送やインターネット有料広告の制限を検討事項としています。 まず、公選法の規定について法制局に伺います。 インターネット選挙を解禁した際、選挙運動としての有料広告は罰則付きで禁止されました。東京江東区長選をめぐる公選法違反事件で発端となったのもインターネット有料広告でした。 公選法は、なぜネット有料広告を禁止しているのでしょうか。
○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。 御指摘のとおり、平成二十五年の公職選挙法の改正により、インターネット等を利用する選挙運動が解禁されたところですが、他方で、インターネット等において選挙運動に関連する有料広告まで認めることとした場合には、有料広告の利用が過熱し、金の掛かる選挙につながるおそれがあるとされ、このようなことから、ネット選挙運動の解禁に併せてネット有料広告については禁止されたものと承知しております。
○山添拓君 ネット広告は、選挙区内のユーザーに絞って配信するターゲティング広告も可能です。資金が豊富な候補者や陣営が多くの広告を出せば公平性を保てない。そこで、政治活動としての政策広告ではなく、選挙運動としてのネット有料広告を禁止するのは必要な措置と言えると思います。 そこで、次に審査会事務局に伺います。 改憲手続法では、先ほど来ありますように、国民投票の期日前十四日以降のCM放送を禁止していますが、それまでの間は有料広告の総量規制などはなく、資金力のある者が大量の広告を発することも可能です。その理由について、議論の中ではどのように説明されてきたでしょうか。
○憲法審査会事務局長(加賀谷ちひろ君) お答えいたします。 お尋ねのあった有料広告の総量規制につきましては、法制定当時から表現の自由、公平性の確保等の観点から御議論はありましたが、有料広告の総量規制を置いていない理由につきましては、会議録で確認いたしました限りでは、発議者からの統一的、直接的な説明はございませんでした。 その上で、有料広告放送の禁止期間を投票日前二週間としたことについて、発議者からは、財力の多寡による不平等が生じるおそれがあることも勘案した旨の説明がされております。なお、発議者の一人からは、この投票日前二週間の有料広告放送禁止規制が量的制限の一助となるのではないかとの発言もされております。 以上でございます。
○山添拓君 国民投票運動の主体として、企業や団体は排除されていないかと思います。 事務局に念のため伺いますが、少なくとも十四日前以前のCM放送が可能とされる期間中に企業や団体が有料広告放送を大量に行うことも現行法では可能ということになるでしょうか。(発言する者あり)
○会長(中曽根弘文君) 加賀谷事務局長。
○憲法審査会事務局長(加賀谷ちひろ君) 恐れ入ります。 承知している限りでは、特段禁止はされていないと承知しております。 以上でございます。
○山添拓君 国民投票運動におけるネット広告については、先ほども発言がありましたが、規制がありませんので、組織力、資金力次第で何でもやれることとなります。 一方で、改憲手続法が厳しく制限しているのが公務員や教員の国民投票運動です。意見表明を可能としながら、地位利用を禁止し、しかもどういう行為が地位利用に当たるのかは示されていません。制定時の議論では、特別の地位を利用して運動を行う可能性もあるので影響は特段に高いなどと説明されました。ただ、社会的影響という意味では、大企業の幹部など広く影響を及ぼし得る立場というのは多々あります。 この法律では、公務員と教員を特出しにして制限しています。公務員や教員は、合計すれば約五百万人近くに上ります。これほどの規模の主権者、国民投票の有権者について、自由な意見表明が最も尊重されるべき国民投票で個々人の運動を萎縮させるような規定を設けておきながら、投票権を持たない企業などが資金力を動員して大量の広告を発信することは可能とされています。SNSを含むネット、AIの利用、さらにフェイク情報も含めれば一層巨大な影響を及ぼし得ます。 主権者一人一人の意思より資金力の多寡が結果を左右しかねないのは、現行法が抱える根本的な欠陥の一つです。なぜこんなことになるのか。ここでいや応なく想起されるのが、自民党の裏金事件に象徴される、民意ではなく金が物を言う政治の在り方です。政策も予算も献金で売り買いする政治が改憲まで金で買おうとするなど言語道断であることを指摘し、意見といたします。
○会長(中曽根弘文君) 山本太郎君。
○山本太郎君 憲法改正の国民投票では広告宣伝に対する制限というのはほぼ存在しない、そう考えます。 海外では国民投票に関して厳格な広告規制が存在すると。テレビスポットCMは原則禁止。イギリス、フランス、アイルランドでは、賛成、反対両陣営に無償の広告放送枠を与える、資金力で力の差が生まれぬよう、各党、各運動者など公平に放送時間の配分を行うよう法律などで定めているといいます。 一方、日本では事実上これ無制限なんじゃないか。投票二週間前から呼びかけCM、この呼びかけCMは禁止となっているけれど、一方、意見表明CMとなればこれ規制ないんじゃないですかって。大量にそれまでは呼びかけCMに出続けていたタレントが、その後、その顔として多くの方々に、あの人は憲法改正の、憲法反対の、分かりません、その筋の顔なんだということが売り込めていれば、その後、テレビに出たとしても当然これ頭の中でつながるわけですよね。意見表明CMとすれば規制がない、そしてネットの広告規制もない。つまりは、資金力が豊富な陣営は、無制限にテレビコマーシャル、インターネット広告、人気タレントなどを使って垂れ流し放題になると。 ほかにも、番組の枠を買い取って一方の意見に偏った番組を大量に制作することだって可能なんですよね、スポンサーですから。テレビ、新聞、雑誌、インターネットなどを使った刷り込み、洗脳を無制限に公然と行える日本ルール。芸能人の熱愛、不倫、不祥事にとどまらず、オリンピック、ワールドカップ、野球の大谷さん、コロナ禍でのワクチンなどなど、これまでメディアが強引に人々の関心を設定してきた事例を考えても、さらに圧倒的、一方的な意見を伝え続けるテレビコマーシャル、番組などが一日中垂れ流されればどうなるか。憲法改正の中身を理解しないまま、メディアに演出された盛り上がりに乗って記憶に多く刷り込まれた方に投票する事態が起こり得る。現行法は害悪でしかありません。誰がこれを後押ししているんでしょう。 まずは、メディア。特需として期待されたオリンピックは、コロナで水を差されました。憲法改正は、彼らにとって史上最大の特需になることは間違いありません。そして、圧倒的な広告の量を垂れ流すにはスポンサーが必要。最大の太客が経団連。経団連はこれまでも政治に対し憲法改正を行うよう要望、事実上の命令を行ってきました。国民投票法は二〇〇七年に公布。経団連は、二〇〇五年よりその成立を求めてきただけでなく、憲法改正の発議要件を緩和しろなど、具体的に要求してきました。 二〇二二年度の広告宣伝費、上位二十社だけで三兆七百三十億円。このうち十六社が経団連加盟企業。憲法改正とは関係ない現在であっても、莫大な資金を広告宣伝費に流し込んでいます。 今年四月の衆議院憲法審査会で自民党の委員は、国民投票法には、資金量の多さあるいは多寡がCMの量に影響し、一方的な情報のみが流されるとの懸念があると認識しつつも、資金上限は設けず、基本的に、CMについても、その出し手、受け手の自主的規制、いわゆる自主的取組によって解決すべきであると述べています。一方的な情報のみが流される懸念があると言いながら、問題解決は自主規制に任せるととんちんかんな発言、金と選挙の票に目がくらんだ盗人国会議員たちによる民主主義の破壊は昔からずっと続いています。 広告宣伝以外でも、国民投票はやばい内容のオンパレード。壊れたレコードのように条文の起草を急げなどと口走っている国会議員がいること自体、恐怖に震えます。 少なくとも、世界の国々で行われているレベルの厳格なメディア規制がされない限り、前に進めてはいけないのが憲法改正。何より、三十年の経済災害で苦しむ国民や能登半島地震で被災された方々を置き去りにしているポンコツ政治が憲法改正を口にするなど一万光年早いと申し上げ、終わります。
○会長(中曽根弘文君) 高良鉄美君。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。 今回、国民投票法についていろいろ調べましたけれども、まず、憲法改正に係るこの憲法の規定、九十六条の規定の特徴に触れたいと思います。 国家権力による恣意的な改正を許さないように、手続等において通常の法律よりも成立要件が厳しい、いわゆる硬い憲法、硬性憲法になっています。世界各国の憲法はほとんどが硬性憲法であり、日本国憲法も例に漏れません。硬性憲法であることは、憲法が憲法自らを保障している憲法保障の一端であり、日本国憲法は、自ら立憲主義、法の支配を貫徹するため、九十六条において、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で国会が発議することと、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とするという規定を置いています。改憲手続法、いわゆるこの国民投票法の規定は、少なくともこの憲法九十六条の目的、内容、規定などと整合性を持つ、あるいはこれと同等の比率を持たなければならないと思います。 立憲主義や法の支配の原理を根底に置いていること、また、憲法制定権力は国会にあるのではなくて主権者である国民にあることからすると、憲法九十六条の過半数というのは、国民、いわゆる主権者としての国民の総数の過半数ということが憲法の規定と最も整合的な捉え方だと言えます。また、各議院の総議員の三分の二と同程度の硬さ、硬性が求められているということも一致をしていると思います。 主権者、有権者の総数の過半数の賛成であれば、投票率が五割だとしても全員が賛成投票であればこれは異論なく国民の過半数であり、憲法改正に求められる特別多数を満たすものと言わざるを得ません。それこそ、文句の付けようがない憲法改正のレファレンダムと言えると思います。 最低投票率の定めもなくごく僅かの投票者のみで決しようとしていることは、国民投票イコール主権者の意思表明という意義を失ってしまいます。大半の国民が憲法改正をしようとは思わない状態、つまり、積極的に変える投票行動を起こさない、あるいはそこまでして変える必要はないという消極的意思であり、残りの少数で決まってしまうということがいかに不合理で、法の支配から離れた人の支配に陥った状態であることの表れと言えます。 ほかにも多くの問題点がありますけれども、先ほど来、放送の問題やいろいろありました。私は、今回、この両院協議会と合同審査会について少し触れたいと思います。 先ほどの資料の、参議院の法制局にありました、三ページの方に、ちょっと右枠に、突然離れている二つの協議会、両院協議会と、それから合同審査会というのがあります。憲法審査会が二つ、衆議院と参議院であるというのが憲法の規定の中でもしつくられているとすれば、これは、衆議院の憲法審査会、参議院の憲法審査会という形ですので、わざわざ各議院の総議員の三分の二と言っている意味がなくなります、合同審査会は。それと、両院協議会が憲法改正に出てくるというのは、違う意見があったらまたそろえるということになりますので、それも大きな問題だろうと思います。 最後、今の関連で言いますと、衆議院が今先走りでいろいろやっているからといって参議院が同じようにやることはないということです。憲法の規定からすると、それはそれぞれできちんとやって一方が三分の二に足りなければそれで終わりです。そういう規定をきちんと守らないといけないということを申し上げて、私の意見にしたいと思います。
○会長(中曽根弘文君) 小林一大君。
○小林一大君 自由民主党の小林一大でございます。 先ほどの事務局、法制局からの説明にありましたけれども、国民投票法には複数の検討事項があり、その多くについてはまだ検討の余地があることは確かです。例えば、国民投票法は、その投票手続の部分については公選法に倣っており、公選法に改正があるたびに国民投票法の改正も必要になります。また、インターネットやAIといったテクノロジーは日進月歩であり、仮にこれに対応する規定を国民投票法に設けたとしても、時の経過とともに新たな改正が次々と必要になります。この観点からしてみれば、国民投票法は常にブラッシュアップが必要となります。 その観点から、まず、現在衆議院の憲法審査会に付託されている国民投票法改正案について申し上げます。 この法案は、令和元年の公職選挙法改正による開票立会人の選任に係る規定の整備と投票立会人の選任要件の緩和、令和四年に改正されたFM放送の放送設備による憲法改正案の広報のための放送の追加という投票環境整備のための法改正です。既に公選法が改正されていることから、この三つの事項については、投票環境の整備という観点では平仄が取れていない状況にありますし、これを合わせないことに合理的な理由はないと思います。私も、仮に参議院に送付されれば速やかに審議し成立されるべきものと考えます。 次に、検討事項と憲法改正発議との関係について申し上げます。 私は、検討事項について結論が出ないことをもって憲法改正の発議ができないということはないと考えます。 今回、令和三年改正の際の審議を議事録で確認させていただきましたが、与野党各会派の原案発議者、修正案提出者の答弁では、検討条項の下でも法制的に憲法本体の議論や憲法改正の発議が可能であるとの共通認識がなされていると承知をしています。 また、今後は、令和三年の検討条項だけでなく、広報協議会規程などの制定に向けても議論を進めなければなりません。参議院の憲法審査会では、参議院のみに憲法が与えている権能である緊急集会や、参議院のみ導入されたものの弊害が明らかになっている合区選挙区を中心に議論してきたこともあり、国民投票法の検討事項や広報協議会規程などに関しては衆議院ほどに時間を割くことができず、議論がいまだ蓄積されていないと思います。 例えば、衆議院ではフェイクニュース対策として、広報協議会による正確で中立性の高い広報が有効であるとの認識の下、広報協議会による広報の充実強化についておおむね意見が一致しているようですが、参議院憲法審査会では、フェイクニュース対策の一環であるファクトチェックについて触れられるのは今回が初めてであると思います。 このフェイクニュース対策は、極めて技術的、専門的でもあり、また開発や普及速度も相当速いことから、広報協議会規程等を議論する際には、例えば集中的に議論することが可能な別の検討の場を設けることも考慮してもどうかと思います。 そして、検討事項の一部である国民投票運動等に関する制限を議論する際には、国民投票は国民主権最大の発露の場であり、国民投票運動についてはできるだけ自由にという国民投票法制定時の基本的な考え方を今後も堅持していくべきだと考えています。 その上で、広告、広報及びインターネット等を利用した有料広告規制並びに国民投票運動等の資金に係る規制を考えるとき、できるだけ自由という枠組みの中で、自主的規制、自主的な取組での対応において大きな役割を果たすことが期待されるのは広報協議会であります。 広報協議会の規程についても、言わば手続的な環境整備であるといって怠ることなくしっかりと議論を進めていく必要があると申し上げさせていただいて、私の意見とさせていただきます。
○会長(中曽根弘文君) 小沢雅仁君。
○小沢雅仁君 立憲民主・社民の小沢雅仁です。 私からは、国民投票法の改正について、平成二十六年の我が参議院憲法審査会の附帯決議のうち、残された課題について意見を述べます。 累次の国民投票法の改正において、衆議院憲法審とは異なり、参議院憲法審では、国民投票の公平及び公正や国民投票運動の自由を守るために重要な事項の附帯決議が付されています。しかし、この平成二十六年の附帯決議については、選挙権年齢に係る法制上の措置についての検討項目など対応が済んだものもございますが、特に政府が対応を求められた項目については検討状況さえ分からないものが大半であります。 例えば、附帯決議項目の十一は、地位利用による国民投票運動が規制された公務員と教育者について禁止行為と許容行為の明確化を求めるものであり、政府にはそのガイドラインの作成等を要請しておりますが、検討状況は不明です。 また、項目十四は、国民投票運動を行う公務員に萎縮的効果を与えないための配慮を政府に求めるものであり、当時の審議では、国家公務員については、職員の理解に資するよう典型的な制限事例の作成等に向け更に検討を進めていきたい旨が、地方公務員については、国家公務員における検討も踏まえ対応を検討していきたい旨の答弁がそれぞれ政府からなされております。こちらについても、その後の検討状況は不明で、措置がなされているかどうかも含め全く判断が付きません。 その他、項目十五の附則第四項に定める公務員の勧誘運動等に係る規制、項目十六の特定公務員の範囲の検証なども含め、本審査会として、まずは政府に対して、附帯決議で求められた項目の検討状況や講じた措置などについての報告を速やかに求める必要があるものと考えます。 次に、附帯決議項目十八の最低投票率制度についての検討について意見を申し述べます。 現行の憲法改正国民投票法には国民投票成立のために必要な最低の投票率についての規定は置かれておりませんが、制定時、そして平成二十六年改正時においても、憲法改正の正当性を確保するためなどの観点から、その必要性について活発な議論が行われました。 このような状況を受け、附帯決議が設けられ、最低投票率制度の意義、是非の検討については、憲法改正国民投票において国民主権を直接行使する主権者の意思を十分かつ正確に反映させる必要があること及び憲法改正の正当性に疑義が生じないようにすることを念頭に置き、速やかに結論を得るよう努めることとされました。 しかしながら、二十六年の決議以降、最低投票率制度の意義、是非について議論は深まっておりません。憲法改正の正当性が確保されない国民投票などあってはならず、この状況は大変残念であります。憲法改正の本体議論の前に、最低投票率制度の議論を進めるべきと強く申し上げます。 その他にも、附帯決議項目十七の一般的国民投票制度についての検討や、さらには、項目十九のテレビ、ラジオCMについては、その規定ぶりが、公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力を尊重しつつとあるように、当時の民放連の自主規制の意思表明を前提したものとなっており、附則第四条二号の規定にも基づいて抜本的な検討が必要となっております。 以上、国民投票の公平及び公正と国民投票運動の自由を保障するため、本審査会が措置しなければならない国民投票法の課題は山積していると言わなければなりません。衆議院憲法審の与党と一部野党は、緊急集会の曲解に基づく憲法改正発議に向けて、幹事懇談会での改憲条文の検討や条文起草委員会の設置の主張など前のめりになっておりますが、これら参議院憲法審の附帯決議で求められた項目が解決するまで、改憲条文の審議など許さないことを申し上げます。 最後に、平成二十六年附帯決議の項目一にある、憲法審査会は立憲主義に基づいて徹底的に審議を尽くすことの定めに基づき、さきに私が幹事会協議事項とさせていただいている改正地方自治法の国の指示権の違憲性について本審査会で徹底審議することを求め、私からの意見といたします。
○会長(中曽根弘文君) 塩田博昭君。
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。 冒頭の憲法審査会事務局と法制局の説明を踏まえまして、いわゆる国民投票法について意見を述べます。 まず、令和三年改正時の附則についてであります。この検討条項のうち、投票人の投票に係る環境を整備するための事項等について、翌年、衆議院に自民、維新、公明、有志の会の共同提案の国民投票法改正案が提出されています。このいわゆる三項目案には、公選法では既に改正済みの開票立会人の選任に係る規定の整備、投票立会人の選任要件の緩和、FM放送でも憲法改正案の広報のための放送ができるようにする規定が盛り込まれています。投票環境の向上、有権者の利便性向上に資するものであり、国民投票法に反映させる必要性は明らかでありますので、速やかに成立させるべきであります。 次に、令和三年改正時の附則のもう一つの検討条項である国民投票の公平及び公正を確保するための事項等について意見を述べます。 一つ目は、広告規制についてであります。 現行法では、投票期日前の十四日間、国民投票運動のためのテレビ、ラジオによる広告放送を禁止しています。これは、テレビ等の放送は扇情的な影響力を持ちやすく、また、資金量の多寡が広告の量に影響し、投票の公平公正を阻害するおそれがあるという考えに基づきます。 そもそも表現の自由に対する法規制には慎重でなければなりません。しかも、国民投票運動は、憲法制定権者である国民の意思表明であることから、できる限り自由な運動を保障すべきであります。今以上の規制については、広告の出し手である政党側と受け手の放送事業者等のそれぞれの自主規制、自主ルールに委ねられるべきであり、政党側については、広告主体が政党である場合の広告の量や時期等について自主規制ルールを検討すべきであります。 二つ目に、インターネット広告規制についてであります。 法制定当時はインターネットが現在のように普及しておらず、インターネットを活用した情報発信や広告については国民投票法等に規定がありません。 その後、急速にデジタル化が進展し、今やインターネット抜きの国民投票は考えられません。広報協議会によるSNS、インターネット広告等を利用した、国民に分かりやすく、かつ適切な広報の在り方についても検討すべきであります。 一方で、出稿の仕組みの複雑性、業界団体に属していない広告主や媒体運営者、いわゆるアウトサイダーの存在等を踏まえると、実効的な法規制は難しいのが現実であり、政党側の自主規制と事業者側の自主的な取組を併せて推進していく方策が適切と考えます。 三つ目に、情報化社会における偽情報、誤情報対策についてです。 昨今の急速な技術の発展により、偽情報、誤情報による選挙や世論操作への影響が既に一部発生しており、国民投票の際にはこれらの対策が極めて重要であります。具体的な対応策として、広報協議会が民間のファクトチェック機関と緊密に連携を取り、偽情報、誤情報を指摘できるようにすることは必須なのではないでしょうか。 加えて、国民が正確な情報を容易に知ることができなければ国民投票は成り立ちません。広報協議会がインターネット上において正確な情報を多く発信し、その情報に国民が簡単にアクセスできるようにするということも検討する必要があります。 これらを踏まえ、広報協議会の在り方を改めて検討すべきと申し上げ、私の発言を終わります。
○会長(中曽根弘文君) 柴田巧君。
○柴田巧君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の柴田巧です。 意見を申し上げます。 国民投票法について詳細を詰めていくことは重要なことです。国民投票法に関する課題は、令和三年改正、いわゆる七項目案の附則四条の検討事項に規定されている事項に尽きます。検討事項の冒頭、附則四条一号は、投票環境整備に関し、国民投票法を公選法並びにアップデートすることを規定しています。 このため、附則四条一号の要請に応えるべく、令和四年四月、いわゆる三項目案が、自民、維新、公明、有志の四会派によって提出されました。しかし、この法案は、衆議院の憲法審査会で趣旨説明が行われたものの、その後、二年余りも審議が行われておりません。 この附則四条で目途とされている期限は今年九月で、その日が迫っています。内容的には全く党派性が入り込む余地のないものです。合意に達している項目から速やかに法制化するとともに、合意に達していない事項は引き続き議論を深めていく必要があります。とにかく、国民投票の外形的事項である投票環境整備を進めつつ、国民投票の質に関する諸課題、すなわち投票の公正公平を確保するための事項に関し、早急に制度設計すべきです。 このため、国民投票広報協議会の組織の在り方や規程を決めていくとともに、国民投票運動の規制的措置の内容について、各会派の考えをテーブルにのせ、成案を得ることが求められます。 我が党の考えは極めてシンプルです。国民投票運動は基本的に自由になされるべきであり、民放連やネット事業者の自主的な取組により広告の取扱いを判断する際には、その参考となるよう国民投票広報協議会がガイドラインを定めることとしています。また、ネット規制に関しては、国民投票に限った問題ではない上、規制自体に困難が伴うので、国民投票広報協議会が民間ファクトチェック団体と緊密に連携して対応すべきと考えます。 改めて言うまでもなく、国会法などで定められた憲法審査会の権能は、憲法に関する調査、改正原案の審査及び憲法改正国民投票の審査であり、これらを並行して議論していくことはこの審査会の設置目的そのものと言っても過言ではありません。それゆえ、CM規制など一部の議論が決着しなければ憲法本体の議論を先に延ばすべきだという見解に流されることなく、車の両輪である憲法本体の議論と国民投票に関わる議論の双方を同時並行的に進めるべきです。 ところが、今国会で参議院憲法審査会での実質的な討議は僅か四回しか開かれていません。しかも、終盤に入ると、一部野党の国会対策関係者から、憲法審査会を強行するなら政治資金規正法改正案の審議には応じられないとか、与党の国対幹部からは、憲法審査会開催を強行すれば法案成立が危ぶまれるという発言が相次ぎました。まるで憲法審査会が人質に取られたような感があります。極めて遺憾です。本来なら、政局などと一線を画し、憲法の在り方を論ずるのが本憲法審査会に与えられた使命であり、ゆえにこの審査会で活発な議論が行われてしかるべきです。 まだ閉幕まで時間はあります。国民投票について議論を深めるとともに、各党が条文案を出し合い、改正に向けた作業も進めていくべきです。必要ならば定例日以外の審査会開催は当然ですし、参議院の憲法審査会規程によれば、審査会は、会期中であると閉会中であるとを問わず、いつでも開会することができます。永田町のあしき前例主義や政局にかまけることなく、ゴールに向けてギアを上げていくことが不可欠です。 政治への信頼を大きく失墜させている元凶は、何もお金の問題だけではありません。政治家や政党が国民に公約したことを真剣に果たそうとしないこともしかりです。この秋の総裁任期までに憲法改正を実現したいと総裁がおっしゃるなら、堂々と進めるべきです。憲法改正は党是だと言うのならば、困難があっても約束どおり実現に向け最大限の努力をすべきです。残念ながら、本気度や熱が全く感じられません。これでは政治の信頼回復は不可能です。自民党の皆さんの奮起を強く求めます。 最後に申し上げます。 憲法改正の国民投票は国民が主権を発動する重要な機会ですが、一度もこの憲法は国民の審判を仰いではおりません。国民の手に憲法を真に取り戻すために私ども引き続き頑張っていきますことをお誓い申し上げて、意見表明とさせていただきます。
○会長(中曽根弘文君) 小西洋之君。
○小西洋之君 私からは、令和三年改正国民投票法の附則四条二号の趣旨について意見をいたします。 この附則については、当時、この規定に基づいてCM規制などの法改正を検討している間に改憲発議ができるのかという議論がありましたが、参院憲法審での法案審議を通じて、これは法的に、必要な法改正がなされるまで改憲発議を行うことはできないという趣旨の条文であることが決着しております。 以下、令和三年審議の際の私と提案者の衆議院議員との議論を引用しつつ御説明いたします。 私は、修正案の条文起草者である立憲民主の奥野議員に、ネットも含めてのCM規制、外国資本を含めての資金規制を、法改正により、法律で政策論としてやる必要がある、そうでなければ公平公正は担保できないという認識かと質問し、当然そうでありますとの明確な答弁を得ています。 また、公明党の北側議員からは、国民投票運動における自由そして公正公平の確保、いずれも国民主権原理と密接に関係するものと理解しておりますとの答弁をいただいた上で、附則四条二号の国民投票の公平及び公正を確保するためとの規定の法的意味について、日本国憲法の国民主権からの要請に法的にしっかり応えなければいけない、憲法の国民主権に基づき、それにかなうものでなければいけない、そういう理解でよろしいでしょうかという私の質問に、そのとおりでございますと明確な答弁をいただいています。 そして、これらの答弁も踏まえた上で、本日の事務局資料十七ページの平成二十六年本審査会附帯決議第四項の法令解釈のルールに附則四条二号の規定の文言、趣旨、立案者の意図や立案の背景などを当てはめ、これが法的に、必要な法改正がなされるまでは改憲発議を許さない条文であることを具体的に確認しております。 なお、この条文は改憲発議を妨げるものではないとする自民党を代表して中谷提案者にも同様の法令解釈のルールへの当てはめを質問通告しましたが、全く論理的かつ明確な答弁は得られていないところでございます。それどころか、私は中谷議員に、CM規制を法改正でやらなければ国民投票法は発議できない、あるいは発議すべきではないと、そのようにお考えでしょうかと質問したところ、中谷議員は、民放連の自主規制の見解の覆し、ネット広告、ビッグデータ、AIなどのインターネットを取り巻く環境の大きな変化に言及しつつ、私としては個人的に法改正が必要ではないかと考えているところでございますと明確に答弁をされました。衆議院憲法審の現筆頭幹事である中谷議員が、附則四条が示す国民投票法改正の必要性を明言している事実は極めて重いものであります。 なお、条文起草者の奥野議員は、本年四月十八日の衆議院憲法審などでも、提案者の立法意思として、この措置がなされるまでは憲法改正の発議はできないと一貫して繰り返し発言しています。 以上から、衆参両院の憲法審査会の任務は、検討の期限が本年九月であったことも踏まえ、国民投票の公平公正を確保するため、早急に国民投票広報協議会の役割も含めて法改正を中心とする措置を講じることであります。 最後に、先ほど言及した本審査会の平成二十六年六月十一日附帯決議の第四項から第六項は、目前に迫った集団的自衛権行使の解釈改憲を阻止するため、解釈変更の案の法令解釈のルールに基づく事前の国会審議を求めたものですが、当時の安倍政権はこの決議を無視し、国会閉会後の七月一日に解釈改憲を強行しました。そして、本決議の第一項から第三項は、こうした九条規範ですら改変されようとする政治状況下で将来における誤った憲法改悪の危険をも想定し、本審査会における全ての憲法論議が立憲主義、憲法の基本原理に基づいて行われることを定め、かつ改憲の立法事実のない論議は許されないことを定めたものです。 当時、白眞勲筆頭の下で、次席幹事としてこの附帯決議の起草を務めた私にしても、この二年半余りの衆議院憲法審の緊急集会をめぐる法解釈ですらない暴論と、それに基づく任期延長改憲の暴走の動きは想像の域を超えるものでございました。今こそ、我らが良識の府、参議院の真価が問われているものと存じます。 重ねて、衆議院憲法審の任期延長改憲の議論とその改憲条文の作成の動きは、参議院を否定し、憲法規範と法の支配、立憲主義の破壊行為であること、附則四条に基づく国民投票法の改正などがなされるまでは改憲発議は法的に許されないことを申し上げ、私の意見といたします。
○会長(中曽根弘文君) 他に御発言もないようですから、以上で委員間の意見交換を終了いたします。 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後二時三十一分散会