P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ ☆
第213回国会参議院2024/05/08

憲法審査会 第2号

発言数
45 件
登壇者
20 名
会派数
8
開催日
2024/05/08

会議録

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。  本日は、憲法に対する考え方について意見交換を行います。  まず、各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。  全体の所要は一時間三十分を目途といたします。  発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。  また、御発言は着席のままで結構でございます。  なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。  それでは、まず各会派一名ずつ、各七分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。  佐藤正久君。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 自由民主党の佐藤正久です。  我が会派としましては、これまで、自衛隊の明記、緊急事態対応、合区の解消と地方公共団体、教育の充実の四項目を憲法改正の優先的な検討項目として申し上げてきたところでありますが、本日は特に、緊急事態への対処を考える上で、参議院の緊急集会について述べさせていただきます。  首都直下地震や南海トラフ地震などの大規模自然災害の発生等を想定した対応が急がれる中、憲法により参議院に与えられている重要な権能の一つである緊急集会について解釈が分かれている論点に関して、参議院としての考えを明確にする必要があります。同時に、内閣から求められたときに緊急集会を速やかに開会し、その役割を万全に果たすことができるよう、参議院として早急に議論を深めるべきとも考えます。  これまでも我が会派から、参議院の緊急集会は衆議院議員不存在の場合に緊急の必要が発生したとき、総選挙により衆議院議員が選出され国会が召集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら、両院同時活動原則の例外として、暫定的な処理を可能とする制度であると理解した上で論点についての考え方を申し述べてきたところでありますが、その観点から、衆議院議員の任期満了時については総選挙が予定され、かつ一時的な衆議院議員の不存在という意味では解散と変わりはないことから、内閣の求めに応じて参議院の緊急集会を開き得ると改めて申し上げます。  参議院の緊急集会の期間については、緊急集会が両院同時活動原則の例外であることからすれば、憲法五十四条一項に衆議院議員の総選挙は解散の日から四十日以内、国会召集はその選挙の日から三十日以内と規定されているので、七十日を超えていつまでもということは想定できないと考えますが、この期間は大規模自然災害等による被害と影響を抑えるために極めて大切な時期となりますし、衆議院議員の不存在を解消する選挙の実施の上でも重要ですから、参議院の緊急集会の責務は非常に重いことを認識すべきと考えます。  参議院の緊急集会において議員が発議できる議案の範囲につきましては、一時的な衆議院議員の不存在時に民主的統制を維持させるという趣旨や、衆議院の同意がない場合の緊急集会によりとられた措置の執行の考慮すれば、内閣が示した案件に関連し、かつその施行のために特別会の召集を待つことができない程度の即時に対応すべきものに限られるものの、その範囲内で広く認めてはどうかと考えます。  過去、参議院の緊急集会は二度開催されていますが、大規模自然災害や有事のときではなく、平時におけるものです。例えば、東日本大震災時は、予定されていた期日で統一地方選挙を適正に行うことが困難となりましたが、国会開会中のため、発災直後、内閣から被災地の議会議員や首長の選挙期日を延期する法案が提出され、国会審議を経て採決されたものの、衆議院解散時に選挙が実施困難となれば、同様の法案の審議するため、内閣は参議院に緊急集会を求めることは考えられます。  また、災害対策基本法では、災害緊急事態に際し国の経済の秩序を維持し、及び公共の福祉を確保するため緊急の必要がある場合において、衆議院が解散中、かつ参議院の緊急集会を待ついとまがないときは、法が定めた事項について必要な措置をとるため緊急政令を制定するとともに、制定後直ちに参議院に緊急集会を求めることとなります。  緊急政令は、一、物資の配給、譲渡制限等、二、物価等の統制、三、金融モラトリアム、四、海外支援の受入れに必要な措置に限定されているため、例えば大規模災害時の義援金差押禁止や確定申告の納税期間延長等、緊急政令で処置し得ない法律を参議院で定めることも想定されます。  そこで、大規模自然災害等発生時に備えて参議院では何をすべきか、早急に検討を始めなければならないと考えます。内閣からの請求日は、法規に定めはないものの、過去の例では少なくとも集会の期日の三日前ですし、大規模自然災害等の場合、様々な困難は想定できるものの、これよりも長い期日を要するわけにはいかないと考えます。本院が内閣の求めを受けて僅かな日数で緊急集会を動かすために、各議員への通知、議事堂が使用できない場合の代替場所の確保と伝達等、法制面や実効性の観点から検討すべき事項を洗い出す必要があると考えます。  まずは、参議院の緊急集会に関わる手続にのっとって、大規模自然災害等が発生したときに、いかに遅滞なく総議員の三分の一の定足数を満たし、内閣から提出された案件を審議できるかなどについて、あらゆる事態を想定しながらシミュレーションを通して確認してみる必要があるのではないかと考えます。  その際、内閣が首都直下地震対策特別措置法第五条第一項の規定に基づき閣議決定している行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画、いわゆる首都直下地震BCPについても参議院としての検討を進めるべきと考えます。  内閣のBCPには、緊急災害対策本部の設置場所として総理官邸が使用できないとなれば、順に、内閣府合同庁舎、防衛省中央指揮所、立川広域防災基地に変更されることなどがあらかじめ定められています。一方、参議院は、緊急時を意識したBCPを現時点では有していません。そこで、この作成に向けて、参議院の憲法審査会で参議院事務局等から説明を受けることから始め、論点の洗い出しを行ってはどうかと考えます。  以上、意見を申し述べました。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 辻元清美君。

辻元清美立憲民主・社民

○辻元清美君 立憲民主・社民の辻元清美です。  冒頭、憲法審査会における議論の前提と課題について発言いたします。  憲法論議を進めるに当たって最も大事なこと、それは政治への国民の信頼です。現在の政治は、自民党の裏金事件によって国民からの信頼が大きく毀損してしまっています。  日本国憲法には、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」とあります。そして、憲法四十一条、国会の地位、立法権。「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」とあります。  国民の厳粛な信託によって選ばれた私たち国会議員、そして国権の最高機関である国会。ところが、今、政権与党の自民党の四・五人に一人が裏金作りをしていたという前代未聞の事件によって、その正当性が揺らいでいます。  自民党裏金事件と憲法論議は関係ないという人がいますが、果たしてそうでしょうか。なぜなら、憲法はほかの法律とは違います。憲法は、総理大臣や国会議員、私たちが守らなければならない規範だからです。  前文には、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使するとあります。ところが、最も権力を行使する立場の政府・与党の大量の自民党議員らが裏金作りにいそしんでいた。これで、国民から権力の行使を預かって、議員が、私たちが守らなければいけない規範を変える資格があると言えるんでしょうか。  さらに、参議院政治倫理審査会が参議院史上初めて開催され、自民党も含めて決議し出席の申立てをしているにもかかわらず、無視し続けている議員が本審査会にもいらっしゃいます。本院の正式機関からの自民党も含めての説明要請に応えていない裏金議員たちは、果たして国権の最高の府で国民から権力の行使を預かっているという正当性があるのでしょうか。  来週にもこの政倫審委員長から出席説明を再要請されるようですが、出席して説明するのでしょうか。参議院の政倫審の要請を無視し弁明していない議員は、なぜ政倫審で弁明しないのか、その理由を説明してから憲法審査会では発言していただかなければならないと考えます。  世論調査を見ても、憲法を変える機運は高まっていないという受け止めが、共同通信社では六七%、朝日新聞では七〇%で、改正が必要だと思う人や自民党支持層でも、それぞれ六三%、六四%でした。岸田総理の在任中の憲法改正については、賛成二七%、反対五二%でした。裏金事件を引き起こした組織である自民党の責任者の岸田総理に至っては、処分もなく、他人事のような姿勢に国民は納得していないという証左ではないでしょうか。そのような岸田総理が憲法について条文化を促すような発言をすることは、総理大臣としての越権行為であるだけではなく、自らのけじめも付けることなく、憲法について語る資格はないと多くの国民が見ている結果の数字ではないでしょうか。  裏金事件で失われた国民の政治への信頼と憲法改正論議の正当性は決して切り離せない関係にあるのです。国民の信頼回復なくして憲法論議はないということをはっきり申し上げなければなりません。憲法論議を進めたいのであれば、本来であれば選挙で選び直された議員で行うべきというのが国民の多くの思いのようにも思えます。  ここまで本審査会での議論の前提について申し上げました。残りの時間で課題について提起をいたします。  私は、以前から国民投票法の改正議論の必要性を提起してまいりました。先ほどの世論調査では、憲法に関わり国会で最も議論してほしいテーマ一位が国民投票の在り方五〇%、昨年の四六%より増えております。緊急事態時の国会議員の任期延長はたった一六%、これは同性婚を議論すべきという一八%より下回りました。  昨年の十二月、私はデジタル技術や生成AIが世論形成や選挙に深刻な影響を及ぼし、国民投票の在り方の見直しが必要ではないかとこの場で問題提起をいたしました。  読売新聞の世論調査では、国会で憲法に関する議論を進める際、AIなどのデジタル技術の発展を踏まえるべきだと思うという答えが五八%、思わないが三九%でした。  さらに、読売新聞社が三月から四月に生成AIに関する全国世論調査も実施いたしました。偽情報が有権者の投票行動にどのくらい影響を与えるかと思うかと聞いたところ、大いにと多少はを合わせて影響を与えると回答した人は八九%に上りました。不安に思うことを複数回答で尋ねると、誤った情報が意図せず広がるが六三%、偽の情報が拡散するが六〇%、思考や判断力が低下するが五〇%でした。生成AIを使わない方がよいと思う分野を複数回答で尋ねると、報道が三六%、選挙が三〇%でした。国民の間でも生成AI等が選挙などに及ぼす影響への懸念が強まっていることが読み取れます。  憲法をめぐる国民投票についても深刻な影響が考えられます。国民投票法を制定したときには予想できなかった事態が今起こっているんです。  最後に申し上げます。  本審査会では、国民投票や選挙に及ぼす生成AIなどの影響について、また他国の取組の現状などについて、専門家からのヒアリングや議論が急務であると提起し、冒頭の発言を終わります。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 西田実仁君。

西田実仁公明党

○西田実仁君 大規模災害や感染症の蔓延などにより広範かつ長期間にわたり選挙が実施できない場合に、前議員の復活を含めた議員任期の延長を図り国会の機能を維持すべきとの議論が衆議院において進んでおります。  さきの憲法記念日に合わせて実施された読売新聞の世論調査では、参議院の緊急集会に触れた上で、衆議院議員が長期不在になる場合に備えた対応として、憲法を改正して衆議院議員の任期を延長できるようにするが三八%、憲法は改正せず参議院の緊急集会で対応するが五八%という結果になりました。一方、参議院の緊急集会には触れずに、緊急事態で選挙が行えない場合、国会議員の任期を延長できるようにすると設問を立てた朝日新聞の調査では、憲法を改正して対応すべきが五一%、その必要はないが四一%となりました。この二つの世論調査だけを見ても、憲法に位置付けられた参議院の緊急集会について、参議院の側でもっと議論を深めなければならないことを実感いたします。  参議院の緊急集会について考える視点として二つ申し上げたい。  緊急事態においても国会の機能を維持しなければならないことは、ここにおられる議員のほとんど全てが賛同されることでありましょう。その際、なぜ憲法に定められた参議院の緊急集会では不十分であり、衆議院が活動し続けることが不可欠と考えるか、緊急集会の権能の範囲についてどのように考えるのかという視点が一つ。そしてもう一つは、参議院の緊急集会にしても衆議院議員の任期延長にしても、いずれも民主的正統性に関して完璧とは言えず、緊急事態から通常時へのレジリエンス、復元力の高い仕組み、土井参考人が御指摘されていた点ですが、がいずれか若しくは両方かという視点であります。  緊急集会の権能の範囲については、昨年六月七日の会派代表意見を中心に見ると、その暫定的、一時的な位置付けからして、緊急の必要がないとされる憲法改正の発議や内閣不信任案の決議は認めるべきではないというのはほぼ共通しています。しかし、緊急事態への対応に必要な閣法の提出は当然に可能であるし、国会法百一条に基づき、議員は内閣から示された案件に関する議案の提出も可能とされるなど、緊急集会の権能の範囲は広く認めてもよい、法律、予算など広く国会の権限に属するものに及ぶ、合目的性に適合する範囲においては制約はないとする意見が目立ちました。  その上で、災害時に緊急事態が発生した場合に参議院の緊急集会は本当に国会の機能を代行できるのか、それも長期にわたって代行可能なのかという検証も参議院として行うべきではないかと申し上げたい。これは自民党の佐藤筆頭幹事の問題意識に触発されたものであります。すなわち、憲法に定める国に緊急の必要があるときの範囲はどの程度か、大規模災害が発生した場合に参議院議員が指定された期日の午前十時に集まれるのか、通知の方法は公報以外も必要か、議員が発議できる議案の範囲についてどう考えるか、委員会への付託案件以外にどのような調査審議が可能なのか、総選挙が解散から四十日以内に実施できない場合、参議院の緊急集会による対応はいつまで可能なのか等々、参議院の緊急集会の流れと関連する論点の整理は是非とも参議院として行うべきであります。  もう一つの復元力、レジリエンスに関しましては、昨年五月三十一日に行われました当審査会において、我が党の佐々木さやか議員と土井真一参考人とのやり取りが興味深い。すなわち、佐々木議員からの、参議院の緊急集会と任期延長された衆議院議員のどちらがその正常な状態に戻す力が働くかとの問いに対して、土井教授は、参議院の緊急集会は国会そのものではなく、参議院という国家機関が国会の権能を代行しているというふうに整理する必要があると思います、その意味では参議院の緊急集会の民主的正統性にも実は問題がある、ただ、重要なのは、そういう状態であるからこそ正規に戻すレジリエンスが働くので、任期を延長してしまっていて選挙を十分行えていないという存在を完全な国会であるかのようにするよりは、そちらの方、すなわち参議院の緊急集会がレジリエンスが働くのではないかと答えておられます。  結局のところ、民主的正統性を確保するには選挙を実施することが肝要であり、それがすぐには可能でない場合に、繰延べ投票ではなぜ駄目なのか、なぜ全国一律の投票でなければならないのか、必ずしも判然としません。戦争による生々しい傷痕がいまだ残っている終戦の翌年、昭和二十一年四月十日には第二十二回衆議院議員総選挙が実施されております。大規模災害、感染症の蔓延といった緊急事態における選挙実施困難事態とはどのような事態なのか、現行法において認められている繰延べ投票制度と併せて議論を深める必要があります。  最後に、参議院議員の通常選挙が大規模災害等で実施困難な場合に任期延長が必要か否かについて意見を述べたい。  そもそも現行憲法に定められている参議院の半数改選制の趣旨は、参議院はいかなるときにも間断なく常に存在することを憲法が要求したもの、参議院は言わば万年議会でありますと言われるように、衆議院よりも強い程度の継続性、安定性を期待する趣旨にほかなりません。言い換えれば、参議院は定数の半数であってもその継続性、安定性は現行憲法によって確保されていることになります。それゆえ、参議院が正規の定数の半数だけによって構成されている場合でも、緊急集会もまた半数の議員のみにより成立することとなります。仮に通常選挙が実施できなくなり、参議院議員が正規の定数の半数になっても、衆議院議員はフルにおり、臨時会の開催は可能でありましょう。事実、衆議院が解散して不存在になった場合、それまで審議していた法案は衆参共に全て廃案になる一方、参議院議員の通常選挙が実施される場合には、衆議院ではそれまで衆議院において審議されていた法案は継続審議とする慣行がしかれております。これは、参議院は半数のみでも院として存続していると考えていることによるのではないでしょうか。それゆえ、参議院の通常選挙において仮に選挙実施困難事態となっても、任期の延長は不要、繰延べ投票の活用によりできるだけ早期の選挙実施とすればよいと考えます。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 片山大介君。

片山大介日本維新の会・教育無償化を実現する会

○片山大介君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の片山大介です。  参議院憲法審査会の討議の場は、今日八日が今国会で初めてとなります。去年に比べると一か月以上遅い上、衆議院の憲法審査会の初会合からも遅れ、誠に遺憾です。  今回は自民党の派閥による裏金問題の影響があったというものの、与野党とも遅らせることなく開催することはできたはずです。裏金問題の真相について、維新としても追及しなくてはいけないという立場に変わりはありません。でも、それは新たに設置された政治改革の特別委員会や政治倫理審査会で行われるべきもので、憲法を議論する場に影響を与えるものではないはずです。  そもそも、衆参両院に憲法審査会が設置されたのは平成二十三年十月のことです。それから十二年半がたちました。  西修駒澤大学名誉教授によると、憲法審査会が始まってからおととし令和四年までの十一年間における運営経費の総額は、参議院の憲法審査会がおよそ十四億円、衆議院の憲法審査会はおよそ十九億円で、両院合わせると実に三十三億円を超えるということです。これほどのお金を使って、一体どれだけの成果を上げたのでしょうか。  党内で議論する、各党会派として提案し徹底的に議論する、その上で最終的にそれが是なのか否なのかを採決して決める、これが憲法審査会の在り方のはずです。それなのに、今はそうした状況になっていません。国民に考えていただく材料すら提供できない状況にあることを改めて認識しなければいけません。そもそも開催頻度が少ない、開催しても各党各会派がそれぞれの自説を述べるだけでは、厳しい言い方をすれば時間を労しているだけにすぎないと言えます。  岸田首相は、今年九月末の自民党の総裁任期までに憲法改正の実現を目指すと明言しています。国民投票の実施には、国会の発議後六十日から百八十日間が必要となるため、国民への約束を果たすためには残り一か月半となった今国会の会期末までに発議しなければいけません。衆議院に比べて周回遅れと言われている参議院での議論を進め、衆参の憲法審査会の足並みをそろえる、そして結論を出すべき時期を見据えたスケジュールを策定して、項目を絞り込み、建設的な議論を進めていくべきです。  日本維新の会は、教育の無償化、統治機構の改革、憲法裁判所の設置、自衛隊の明記、それに緊急事態条項の創設の五項目について既に条文案を示しています。このうち、緊急事態条項の創設では、衆議院の方で、維新のほか、自民、公明、国民民主、有志の会との五党派によって、緊急時には必要に応じて議員任期を延長できる条項を設ける必要性などで一致し、さらに、維新、国民、有志の会の三党派で独自に条文案をまとめています。  元日に発生した能登半島地震では、改めて、いつどこで突然の災害が起きるか分からないことを認識させられました。能登半島地震では、国会の機能は維持され、被災地支援のための特例法案など必要な審議を行うことができました。しかし、首都圏において大規模な災害などが発生した場合、現行憲法の規定では今回のように国会機能が維持できるとは限りません。  もちろん、我々が提言している緊急事態条項案、議員の任期延長論においても参議院の緊急集会の重要性が変わることはいささかもありません。しかし、そこには長期にわたる場合を想定していないことなどの限界もあります。そうした点においても、今後の参議院の憲法審査会のテーマとして、自民党が挙げた緊急集会について、その流れや限界を押さえていくことはとても重要で、議論を進めていきたいと思います。  今後、参議院の憲法審査会を毎週定例日に開催したとしても、今国会の会期末まではあと六回しかありません。熟議の府の参議院らしい議論を行うため、定例日以外の開催を提案したいと思います。  さらに、参議院の憲法審査会の規程によると、閉会中も手続の必要なく開催し、付託された憲法改正原案を審査できるとされていることから、国会の開会、閉会に関係なく議論を進めていきたいと思います。  その上で、国民の憲法問題への関心を大いに高め、議論に参加してもらうために、憲法審査会の模様をNHKでテレビ中継することも求めたいと思います。  今国会の会期中における衆議院の解散も一部ではささやかれています。岸田首相が国会発議を残したまま解散に踏み切ることはないと思いますが、解散するなら今年九月末の総裁任期までの改憲実現の前提となる国会発議をした上で総選挙に臨むべきだと考えます。そうすれば、仮に選挙後に総理・総裁が替わっても国民投票は実施されます。  国民主権を掲げる日本国憲法が一度も国民の審判を仰いでいないのは大きな矛盾です。国民の命と暮らしを守るための基本法たる憲法に不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは国会議員に課せられた重大な責務です。  日本維新の会は、引き続き、国会内外で憲法論議の先頭に立ち、一日も早く国民投票が実施されるよう全力を傾けることをお約束し、意見表明を終わります。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 大塚耕平君。

大塚耕平国民民主党・新緑風会

○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会会派の大塚耕平です。  現在の日本国憲法についての基本的論点について意見を申し述べます。  日本国憲法は、規範憲法ではなく成文憲法です。英国は、単一憲法典は存在せず、規範憲法又は不成文憲法と言われます。英国のような規範憲法であれば、それを構成する法律の改正等によって合意を醸成することが可能ですが、成文憲法ではそれができません。したがって、国家及び国民を取り巻く環境や諸情勢の変化によって成文内容が現実に適合しなくなった場合にどのように対応すべきかということが憲法についての基本的論点です。その場合、憲法改正、憲法解釈又は解釈改憲という手段を取るのか、別の手段があり得るのか、そうした点について、国権の最高機関である国会は不断の議論と検討の責務を負っていると考えます。  その際、日本国憲法が硬性憲法か軟性憲法かという論点も関わってきます。硬性憲法であれば憲法解釈や解釈改憲に依存する傾向が相対的に高くなる一方、軟性憲法であれば憲法改正という手段を用いる傾向が強くなります。その場合、日本国憲法の規範性の強さとも関係します。日本国憲法が硬性憲法だという立場に立てば、憲法改正ではなく、憲法解釈や解釈改憲によって変化に対応することになります。日本国憲法をめぐるこれまでの経過はまさしくそういう状況です。しかし、憲法解釈あるいは解釈改憲に依存すればするほど憲法の規範性は脆弱化し、日本国憲法が硬性憲法であると主張することと矛盾します。  一方、日本国憲法は軟性憲法だという立場に立てば、憲法改正は相対的に容易になり、頻繁に憲法改正を行うと憲法の規範性を損ないます。そこで、憲法改正に極めて慎重に対応すれば、結局、硬性憲法的な状態になり、日本国憲法が軟性憲法であるとする当初の主張と矛盾します。  以上、日本国憲法の性質をどのように定義するかという論点が重要であることを申し述べました。  次に、憲法改正、憲法解釈、解釈改憲の必要性、つまり、国民及び国家を取り巻く環境や諸情勢の変化が現在の日本国憲法の内容と整合的であるか、あるいはその内容で変化に対応し得るのかという観点から意見を申し述べます。  日本国憲法が国民の自由を守る基礎法、国家に対する制限規範、そして最高法規であるという三つの要素、及び、日本国憲法の三つの基本原理が国民主権、基本的人権の尊重、平和主義であることを共有した上で申し述べます。  新しい人権論としては、環境権、プライバシー権、知る権利等が検討課題です。これらの人権保護に関して、現在の日本国憲法でどこまで対応可能で、どこまで時代的要請に応じ得ているかということです。人権と公益の関係に関しては、気候変動や自然災害の深刻さが増す中、被害防止や復旧負担の観点から、人権保護と公益保護のための人権制限をどのようにバランスさせるかは、古くて新しい課題です。公益保護のための人権制限、つまり国民の協力は国民の義務とする考えは行き過ぎ感を免れないでしょう。この辺りのバランスが憲法論における重要な論点です。  狭義の安全保障及び憲法九条については、国会内外で議論の視座が変遷してきました。憲法制定から一九八〇年代頃までは自衛隊の存在根拠が議論の中心でしたが、一九九〇年代前半には湾岸戦争の影響から国連中心主義と国際貢献の文脈に変化し、二〇〇〇年代は九・一一米国同時多発テロの影響を受けて多国籍軍参加と集団的自衛権という切り口に変わり、さらに二〇一〇年代は日米同盟強化と集団的自衛権の関係が議論されました。二〇二〇年代の現在は、日本を取り巻く極東、東シナ海、南シナ海、台湾海峡、北方領土等の情勢が緊張感を増す中、自衛権の在り方及び人権と公益の関係に焦点が当たっていると感じます。  この間、憲法九条に関しては、国会のみならず、政府も裁判所も憲法解釈によって対応し続けています。このようなある意味弾力的過ぎる対応は、憲法九条の規範性が強いと言えるのか、逆に弱いと言えるのか、曖昧かつ不明瞭な状況を生み出しています。  国の安全保障は、狭義の安全保障にとどまりません。サイバー、エネルギー、食料、教育、文化に至るまで、国の存立を危うくする事態が様々な分野で懸念されます。そうした総合的な安全保障について、憲法は明確に規定していません。食料安全保障という言葉が今国会提出法案に初めて登場しますが、そうした法律レベルの対応でいいのか否か議論が必要です。  冒頭申し述べたとおり、英国憲法は不成文憲法として、法律、議会決議、裁判所判例、国際条約、慣習等の集合体です。日本国憲法を現代の環境下で国民に対する責務を果たす内容に立法及び司法が昇華させられないならば、英国憲法的な構造に転換することも一考の余地があります。  統治機構の問題もあります。人口減少が深刻度を増す中、国と地方の関係、地方分権推進、道州制、一極集中是正等についても議論が必要でしょう。  最後に、憲法係争事案の合憲、違憲の判断を通常の裁判所が行っていますが、果たしてそれでいいのでしょうか。憲法裁判所の必要性も議論が必要です。憲法裁判所が存在しないことが違憲状態の放置、過度の憲法解釈、判断留保等の司法の怠慢と司法の越権を生んでいると考えます。  以上申し述べて、意見とします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 山添拓君。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党を代表し、憲法に対する考え方について意見を述べます。  憲法審査会は、改憲原案や改憲発議を審査するための国会の機関であり、議論を進めれば、いや応なく改憲案のすり合わせに向かいかねません。  日本共産党は、国民世論が改憲を求めない中、審査会を動かすべきではないと繰り返し主張してきました。五月三日の憲法記念日を前にした共同通信の世論調査では、国会で憲法改正の議論を急ぐ必要があるかという問いに、急ぐ必要はないと答えた人が六五%でした。国民の声に逆行し、国会が改憲ありきで進むことは許されません。  にもかかわらず、岸田総理は、自らの総裁任期中に改憲を実現したいと繰り返し、通常国会冒頭の施政方針演説では、条文案の具体化を進め、議論を加速するとまで述べました。行政府の長が国会審議の進め方に介入し、憲法尊重擁護義務に反して改憲論議を国民と国会に押し付けるなど言語道断です。  総理の発言には、内閣支持率が低迷する中、改憲をアピールすることで自らの求心力を確保したい意図が見え隠れします。政権延命のための最悪の政治利用です。毎日新聞の世論調査では、岸田総理在任中の改憲に賛成は二七%と総理の就任以後最も低くなり、逆に反対は五二%と最も高くなりました。総理の思惑が国民に見透かされています。  もとより、こうした総理の姿勢に乗じて、とにかく改憲を急げとあおるのも極めて不当です。  四月二十八日、三つの衆院補選で自民党がいずれも議席を失う結果となったのは、裏金事件をめぐる国民の厳しい審判にほかなりません。政治資金規正法は、政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治資金の収支報告を求め、政治活動の公明と公正を確保し、もって民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする法律です。この間明らかになった自民党の裏金事件は、主要派閥が長年にわたり政治資金パーティーの収入を裏金化してきたという組織的で継続的、そして悪質な犯罪行為であり、国民を裏切るものです。  憲法前文は、日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するとしています。裏金議員の弁明は、裏金を不正に使ったことはないと根拠もなく語るばかりで、選挙犯罪に使われた疑いさえ拭えません。現在の議席は公正な選挙の結果によるものとは言えない可能性が否定できず、正当に選挙された国会における代表者に値しないのではないかとの批判を免れません。民主政治の土台を揺るがす事態を招いた法律を守れない議員に改憲を語る資格はありません。  自民党は、いつ誰がどのように裏金システムをつくり、何に使ってきたのか、洗いざらい明らかにするべきです。政倫審での知らぬ存ぜぬ、秘書に任せていたとの弁明と、事実の解明もなく行われた形ばかりの処分による幕引きは断じて許されません。国会がその役割を果たし、関係者の証人喚問を始め、真相解明を行うべきです。改憲論議について審議の進め方にまで口を挟む総理が、裏金事件の真相解明となると、国会のことは国会でと逃げ回るのは余りにも身勝手です。  憲法を変える議論ではなく、憲法、とりわけ九条を壊してきた政治を改める議論こそ焦点です。  歴代政権は、専守防衛を主張し、攻撃的兵器は持たない、海外で武力行使をしない、軍事費はGNP比一%程度、国際紛争を助長する武器輸出は行わないなど、曲がりなりにも平和国家としての縛りを設けてきました。  ところが、岸田政権は、安保三文書を閣議決定し、敵基地攻撃能力の保有を解禁し、軍事費はGDP比二%以上へ増額を進め、最新鋭の戦闘機を含めて殺傷兵器の輸出まで解禁しようとしています。日米首脳会談では、自衛隊と米軍をシームレスに統合し、事実上、米軍の指揮下に自衛隊を置く事態まで容認しました。米国のエマニュエル駐日大使は、岸田政権は二年間で、七十年来の日本の安全保障政策の隅々に手を入れ、根底から覆したと評価しましたが、まさに根底からことごとく踏みにじっています。ウクライナは明日の東アジアかもしれないと言い、平和のためには軍事的抑止力の強化しかないかのように描き、危機に乗じて大軍拡を進めています。  しかし、抑止力の向上を理由に軍事力を強めれば、相手も対抗し、結果として脅威を高める安全保障のジレンマに陥ることは明らかです。戦争をさせないための外交戦略こそ必要です。  日本共産党は、先日、東アジアの平和構築への提言を発表しました。ASEANと協力し、東アジア規模で平和の枠組みを発展させる提案です。アメリカか中国かという分断と対立、排除ではなく、地域の全ての国々を包摂する枠組みで対話と協力を進めるAOIP、ASEANインド太平洋構想は、日本も支持するASEANの方針です。そうである以上、対中包囲の軍事ブロックづくりではなく、たとえ紛争があっても戦争にさせない地域にする、徹底した外交努力を尽くすことが九条を持つ日本の責任です。  裏金作りの腐敗にまみれ、憲法を壊し、平和も暮らしも脅かす自民党政治は終わらせるしかありません。憲法を生かし、命と暮らしを守り、人権と民主主義を実現する政治へ転換する決意を述べ、意見表明とします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 山本太郎君。

山本太郎れいわ新選組

○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。  現在、日本国、日本国における憲法問題は存在するのか。緊急時に対応できる憲法になっていない、そう主張する者もいますが、その内容を聞いてみても、俺たちが改憲したと言いたい以外に動機が見当たりません。  既に現行憲法は緊急時も対応できる内容になっています。災害などを利用し、無制限に権力を掌握したがる無法者がいつか現れることを想定し作られているのが現行憲法。では、日本における憲法問題は存在しないのか、いや、存在します。たとえ災害という緊急事態であっても、憲法無視で、苦しむ人々を放置し続け、金と票をくれる者には規制緩和と金を横流し、日本経済を三十年衰退させ国民を貧困化、憲法遵守よりも私腹を肥やすことだけに熱心な存在。その存在自体が憲法違反とも呼べる国会議員。そして、その者たちが訴える薄っぺらな憲法改正を数の力で進めようとする現在こそが日本における憲法問題。  自民党の四分の一の議員が裏金問題に関与。自ら辞職することも自首することもなく、猫ばばしたお金を還付金と欺き、知らぬ存ぜぬで逃げ切ろうとする泥棒たちが、今日ものうのうと国権の最高機関で活動する。その面の皮の厚さ世界一。腐敗、劣化、肥だめ、詐欺師、泥棒、イカサマ、猫ばば、様々形容しても足りないほどの状態である永田町で、この犯罪者集団が今通常国会においても法改正や立法にも関わっている。それらを粛々と成立させている現在の国会こそ憲法違反ではないのか。  犯罪者集団に立法行為をさせないことは犯罪者集団にこの国の行く末を決めさせないという当たり前のことで、全力阻止以外ない。国会自体が憲法違反の存在に成り下がったのは、自民党だけの問題ではない。野党側にも問題があることは明らか。  今国会、衆議院での予算審議時間は七十六時間という短さ。令和に入ってからと比較してみても二時間から四時間短い。自民党四分の一が泥棒疑惑という大問題や、直近で起こった大災害という様々なものを抱えているのにもかかわらず、少数野党にとって唯一人質に取れるのが予算。なぜ予算成立とバーターで能登半島の補正予算を実現しようとしなかったんですか。なぜ予算成立とバーターで安倍派五人衆の首を取ろうとしなかったのですか。年度末に予算成立せずとも、暫定予算で必要経費は災害対応費用を含め賄える。予算成立を条件にバーターで大胆な要求もせず、少数の野党では戦いようがないと、本会議場での長時間演説、よくやった、委員会質疑一回分勝ち取った、成果だなどとどや顔で小さなあめ玉を自慢し、それと交換に犯罪者集団に寄り添いスムーズな国会運営に協力する。予算を人質に国民のために勝ち取れるものを取りに行こうともせず、物分かりの良い国会運営に徹する。衆議院野党第一党の姿は、自民党に並ぶ憲法違反が疑われる存在に思えます。  災害について。ここ数年で起こった自然災害では、今も生活再建できていない被災者が大勢いる。二〇二二年八月、青森豪雨災害。青森県で八百棟を超える住宅被害。二三年一月時点の報道では、ある地区でほとんどの住民が住宅再建を諦めたという。二三年七月、久留米豪雨災害。福岡県の住宅被害六千五百六十九棟、全壊した我が家、解体の着手に半年掛かる。住宅再建を諦め、地域を離れる住民多数。二三年九月、台風十三号、福島県いわき市。住宅被害は約一千八百棟、豪雨から一か月後の声、移転、新築で数千万円、現在地での再建でも一千万円掛かる、再建を諦める住民多数。二〇一九年、山形沖地震から二年たっても屋根をブルーシートで覆ったままの家に住む人々。一部損壊という状態にはびた一文出さないことで、災害が起こるたびに生活再建できていない人を大量に生み出し、貧困が拡大。  災害は終わったと切り捨て続けているのが自民党。憲法はもちろん、コミュニティーを守る気もなく、被災者は泣き寝入りしかない。能登半島にも同じような手口で対応することは、発災から現在までの政府の対応を見れば一目瞭然。本来なら、総理が即座にヘリで視察、物資空輸と人命救助に自衛隊を大量投入しなければならない場面でも、大した増員もせず、やれることは全部やると言葉だけ踊らせ、水も食料も圧倒的に足りない状態を民間に穴埋めさせる神経を疑う。発災直後でも経済団体の祝賀パーティーに出席。二週間も現地を視察せず、放置するような政治家が総理で、それに党内で苦言を呈する者もいない。  発災から四か月たっても、奥能登では水道も通らず、高齢者が毎日二十リットルの水を求めて給水車に並ばなければならない。早々にプッシュ型支援は打切り。飲料水さえも底を尽きそうな状況を見かね、政府に水の支援、増強をお願いしても、店で売っているペットボトルを買えばいいと切り捨てる。被災地では、下水が復旧しておらず、自宅でトイレ使えず、仮設のトイレは遠く、毎回十五分掛けて歩いて用を足す。携帯トイレが足りていない。  今すぐ供給の増強を総理に伝えてほしいと地元の要望を大臣に伝える、すると、にこやかに、はい、精いっぱい努力しますと答える。次の委員会で携帯トイレの件どうなったかと確認すると、報告はしましたとにこやかに答える。結局、担当省庁から地元自治体に携帯トイレあるかと電話で確認、ありますと返事を受け、それで終了。  間の目詰まりなどは一切気にしない、返事だけは元気でポンコツな大臣、口だけで気持ちのない腐れ外道のような総理、それに対しておかしいという声を上げない自分の身だけがかわいい国会議員たちの共通点は、憲法改正。  災害がと声をそろえて憲法改正の必要性は訴えるが、彼らの口から、今現在、災害の中で基本的人権さえも守られていない被災住民の状況はほとんど聞こえてこない。憲法改正を語る前に今の憲法を守れ。やるべきことをやれ。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 高良鉄美君。

高良鉄美沖縄の風

○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。  沖縄が復帰して来週で五十二年になります。憲法が適用されてからということです。その憲法は、まだ沖縄に適用されていると思いません。それをまず先に言いたいと思います。  政府は、所信や外交等において法の支配の語を多用していますが、今日は、法の支配や憲法原理の観点から、現状の憲法審査会の問題点について述べたいと思います。  まず、大本の法の支配からの問題点を言いたいと思います。憲法審査会が法の支配の語を誤った理解で使用し続けているということです。  法の支配は、専断的な国家権力の支配、つまり、人の支配を排し、全ての統治権力を憲法で拘束することによって国民の権利を保障することを目的とする立憲主義に基づく原理です。民主主義とも非常に関連をしています。法の支配の内容というのは、憲法の最高法規性の概念、権力によって侵されない個人の人権、法の内容、手続の公正を要求する適正手続、権力の恣意的行使をコントロールする裁判所の役割に対する尊重と、こういったものが挙げられますけれども、現状の憲法審査会の機能や位置付けが法の支配から問題となる点が多くあります。  まず、最高法規である憲法から見た現状の憲法審査会です。憲法の改正を目的に、常に言わば常任の調査、審査をする機関として位置付けられているということが憲法上可能なんですかということです。  憲法制定権力は国民にあり、国民から、人権保障のために必要な改正があれば、発議の信託を受けたものであって、憲法改正権力自体が元来国会にあるわけではありません。しかも、負託されたのはその一部にすぎず、国民の最終判断が憲法改正権発動の効果発生となることとなります。したがって、憲法審査会が憲法より上位にあるかのように、網羅的に憲法条文の改憲を模索することに従事しているということは憲法構造上いびつと言っていいと思います。  憲法九十六条の、国会が発議をしてから国民投票にかけると書いてあるのは憲法保障の一環なんです。そのときの国会の役割は、発議前の改憲案が国家権力の横暴や濫用を、あるいは人権侵害に及ぶのではないかということを、法の支配に基づく行動様式と良識でそれをきちんと議論するということの位置付けなんです。  だからこそ、違憲の疑いのある発議を抑えるという信頼を国会に置いているのが憲法保障なんです。現在、こういった位置付けと認識でこの審査会が動いていますか。  憲法九十九条では、総理を含む国務大臣、国会議員などに憲法尊重擁護義務があることを定めています。仮に憲法に違反する行為等を権力者が行ったり政府が憲法上の疑義のある改憲に走ったりした場合、権力分立、チェック・アンド・バランスの一翼を担う、これは国民の代表ですから、国の唯一の立法機関である国会が政府の行為が憲法に違反しないかを議論するところであり、そういう見識を持っていると憲法上みなされているのが国会なんです。  どうも現在の憲法審査会の動きはそうなってはいないのではないかと、主権者国民がしっかり見ていると思います。行政監視というのは国民の代表としての国会の役割だということで、行政と一緒にやることではないということですね。  法の支配の内容の一つにまた適正手続ということがあります。この国民主権に基づく主権者の改憲要望、あるいは国民から沸き上がった改憲なのかというのが問題になります。  審査会の在り方自体も問題です。現状の審査会は、国家権力による憲法改正事項の発掘をしているような様相に見えます。お試し改憲などとも言われて、憲法という最も重たい条文のどこをどう変えるのか、幾つも案を出し、明確でない中身です。通常の改憲の必要性が国民から沸き上がり、それに応えてのための合議体ですね、ほかの合議体を設置、議論するのが本来の筋かもしれません。国会ではなくて、別の合議体というのが海外ではあります。改憲したいという政治的信念の押売で、法の支配に反するだけでなく、典型的な立憲主義にも反するやり方であると思います。  そして、国家権力は、憲法違反をした場合、制裁が付いてきますでしょうか。ちなみに、憲法違反を明確、故意にですね、故意に侵した場合に、憲法裁判所に訴追し、大統領を罷免するという手続が憲法に書かれているドイツ基本法もあります。  憲法はどのような日本国家を目指しているか。これは明白に、平和国家、民主国家、人権保障国家です。この基本原理を確認し、立憲主義に基づく憲法審査会となっているんでしょうかと。立憲主義は、国民の基本的人権などを守るため、国家権力によって、国家権力を憲法によって制約することですけれども、国家権力が憲法の制約を緩めるための方法を常時模索しているこの形に異常に問題があると映っています。  国家権力担当者が負うのは憲法尊重擁護義務であって、擁護義務と同じように課されている国会議員は、擁護義務を同じように課されている国会議員は、憲法改正案を作る義務を負っているわけではありません。これは絶対憲法に書かれていないことです。勝手に憲法上の義務をつくり出しているというのが問題だと思います。  かつて、これは一九五三年ですけれども、防衛力増強を日本がしていることに対して、日本側は、とても難しいと、だから簡単に予算は付けられませんと言っています。この措置をとることに対して、法律的な制約というのが憲法だというふうにアメリカに述べています。今、そのような法律的制約あるいは法的制約というものをどんどんなくしていこうという、そういう方向に向かっているんではないかと思います。そして、断ったもう一つの理由が、自然災害が多く、その対策費用が掛かるから防衛費用は増やせませんと言ったわけですね。  そして、最後に、岸田首相が任期中に改憲を行う旨の発言をしたということですけれども、これは法の支配になっていますか。人が支配しているんじゃないですか、いつまでに憲法を変えなさい、変えましょうと。  そういうことは、法の支配の理解が不十分だということで、問題点はまだまだありますけれども、今の憲法審査会は違憲の問題がある、そこまで言っておきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 以上で各会派の意見表明は終了いたしました。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 会長。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 佐藤君。

佐藤正久自由民主党

○佐藤正久君 先ほど山本太郎委員の発言中に不穏当な言辞があると思われますので、取扱いを幹事会で協議願いたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会にて協議をいたします。  次に、委員間の意見交換を行います。  一回の発言時間は各三分以内でお述べいただきたいと存じます。  なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。  加藤明良君。

加藤明良自由民主党

○加藤明良君 自由民主党の加藤明良でございます。発言の機会ありがとうございます。  憲法記念日、五月三日で日本憲法は制定から七十七年を迎えました。我が国の憲法は、制定以来一度も改正がありませんが、変えてはならない普遍的なものと、そして、時代の変遷による世界情勢、社会情勢によって改正を行い、アップデートしなければならないものがあると考え、世界各国では時代の移り変わりで憲法改正が行われていることがその証左であります。  近年、世界情勢の混迷と緊迫化が高まり、我が国周辺においても、隣国ロシアによるウクライナ侵略、北朝鮮の弾道ミサイル開発と発射実験の頻発化、軍事増強など、さらには中国による台湾有事の可能性など、我が国の安全保障へ対応する強化の必要性が高まっております。  有事の際、国民を守ることは国家最大の責務であります。にもかかわらず、日本国憲法には、誰がどのように国を、そして国民を守るかという根本的な規定がありません。また、激甚、頻発化する自然災害に備える即時対応の強化は急務であります。  衆議院では、昨年二十二回の憲法審査会を開催し、有事、そして大規模災害などを想定した緊急事態条項に関する論点整理まで議論が進んでおります。参議院では、昨年十一回、参議院緊急集会、そしてまた参議院の合区解消についての議論が繰り返し行われてはおりますが、さらに緊急事態条項、そしてまた自衛隊の憲法明記についての審議など積み重ねをお願いしたいと思っております。  また、本調査会は自由討議でありますが、委員の意見聴取にとどまらず、詰められるところはきちんと議論を詰めていくべきであり、幹事懇談会の場なども含めて、各会派の意見を持ち帰り、各項目で建設的に意見を取りまとめるべきと考えます。  憲法第五十四条二項の規定により、衆議院解散の間、大規模災害時、国家有事など予測すべからざる緊急の事態が発生した際の参議院の緊急集会は、国会の制度の重要な補完機能であります。この補完機能の充実強化、そして論点整理、これからの様々な議論の積み重ねにより、これから衆議院との議論のすり合わせをしっかり行っていく体制を参議院の憲法審査会でも早急に取りまとめを行いながら議論を進めて積み重ねていかなければならないと思っております。  これからの参議院の緊急集会の起こり得る議論の様々な問題点につきまして、更に憲法審査会での議論を深め、各委員の皆様方の建設的な意見の取りまとめを期待し、私の意見とさせていただきます。  ありがとうございます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小沢雅仁君。

小沢雅仁立憲民主・社民

○小沢雅仁君 立憲・社民の小沢雅仁です。  自民党の裏金問題について述べます。  参議院選挙の年においては、参議院議員に対して派閥パーティー券の販売額全額をキックバックしていたと報じられていました。  当然にして真実を話せば立件されてしまうので、安倍派の裏金参議院議員は誰も真実を述べていませんが、いまだ全容解明に至っていません。事実であれば、選挙犯罪によって議席を得たことが憲法四十三条の趣旨に反すると言わざるを得ません。  参議院自民党の安倍派議員を除くと、憲法九十六条の発議要件を満たしません。そもそも、法律を守らず憲法の趣旨を逸脱している議員を多く抱えている自民党に憲法改正を述べる資格はありません。  次に、昨日の衆議院本会議で審議入りした地方自治法改正案について申し上げます。  憲法学者の木村草太さんは、「憲法という希望」の著書で、実は日本国憲法が用意している権力分立は三権分立だけではありません、中央政府と地方政府の分立、つまり地方自治の保障も権力分立原理の一種ですと説いています。  国の指示権は、災害対策基本法や感染法と、個別法に規定がある場合と、違法な事務処理をした自治体への地方自治法に基づく是正の指導に限られています。しかし、改正案では、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生又は発生するおそれがあれば必要な指示ができるとしています。  これは、憲法九十二条の地方自治を保障する趣旨に沿うのでしょうか。国と地方の関係を上下主従から対等協力に改めた地方分権に逆行するという指摘に、緊急事態条項に通じる懸念があります。  昨今の世論調査から懸念するには、緊急時の対策としてその制度が本当に必要なのか、権力の濫用や中央集権強化など、憲法は権力を縛るものという立憲主義がないがしろにされ、憲法の趣旨に反していないのか。国民に丁寧に説明して、議論を尽くすことが求められています。  敵基地反撃能力の保有、防衛費の大幅増税、次期戦闘機の第三国輸出解禁など、憲法九条の専守防衛の形骸化が懸念される与党単独による閣議決定という手法は立憲主義に反していると断じざるを得ません。  憲法改正議論は、分断を招く性急な進め方や改正ありきでは国民の理解は得られません。結論ありきの議論には断固容認できないことを強く申し上げ、また、是非、地方自治法もこの憲法審査会のテーマとして議論をしていただくよう、会長のお取り計らいをお願いして、私の意見といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 山本啓介君。

山本啓介自由民主党

○山本啓介君 自由民主党の山本啓介です。発言の機会をありがとうございます。  是非とも今日は主権者である国民の声をお届けしたいというふうに思います。  今回、憲法に関わるイベントなどにおいて触れ合った国民の方々の多くが、自衛隊の存在についてのことを要望として述べられました。自衛隊を明記していただきたいと。  それは、我々国民が本当に自衛隊によって多くの暮らし、また危険な場所、危険な状態を脱してきた過去があるから、今もなお、自衛隊の方々が海賊対処活動などにおいて見送られるときに立ち会ったならば、本当に家族の方々が自衛隊員である家族を思いながらお見送りをしている姿があります。しかしながら、その存在が憲法の中では無視されている。この状況を必ず変えていただきたい、これが主権者たる国民の声として届けられた一つであります。  もう一つは、先ほど来、またこれまでも多くの議論のポイントとなっています参議院の緊急集会、緊急事態条項などについてであります。  国民の方からお尋ねされたのが、数年間にわたって国政選挙を行うことができない、国民の投票権を制限しなければいけない非常事態とはどういう状況かというふうに尋ねられたことがあります。  まさしく今、ロシアによるウクライナの侵攻、このことによってウクライナは憲法の緊急事態条項を発動し、非常事態戒厳令を発し、これを根拠に議会選挙を延期し、大統領選挙を延期しています。そして、国民の七割がそれを支持している状況にあります。これは、憲法の緊急事態条項に基づき戒厳令が延長され、戦争中には困難な国政選挙が延期されている事例であり、更に厳密に調べる必要はありますけれども、恐らく数年間にわたって国政選挙を行うことができず、国民の投票権を制限しなければいけない非常事態の典型的な例であろうというふうに思います。  ウクライナの憲法に緊急事態条項がなければ、もっと混乱している。それ以外の国においても、災害時、また有事において選挙を行おうとする国々には大統領における力があり、また非常事態宣言や憲法において緊急事態条項が設置されている、そういう国々であります。  こういったことから、我が国においてもしっかりとした整備をする。憲法に期日が書かれている以上、期日を超えた取組をするならば、やはりそこにはしっかりとした憲法の定めがなければ恣意的な活動にもつながると、逆に恣意的な活動にもつながると、そのように考えるところであります。  私からは以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 先ほどの小沢君の御発言の中の要望につきましては、後刻幹事会において協議いたします。  浅田均君。

浅田均日本維新の会・教育無償化を実現する会

○浅田均君 人間の最も根源的な欲求は自らの生存権であり、主権者が自らの生存権を保障するために基本法を作り、国家をつくる、これが近代立憲主義の原点です。現在も、国家の基本的な役割は主権者である国民の生命、財産を守ること、つまり生存権を保障することであるという点では皆さん異論はないと思います。ここで考えてみる必要があるのは、果たして現在の憲法は主権者である国民の生存権を保障することができるのかということです。  指摘したい一点目は緊急事態対応ですが、これは先ほど我が党の片山大介委員から言及がありました。  二点目は、国と地方の関係です。近代立憲主義において、憲法は公権力を縛るルールです。規律密度という観点から現行憲法を見ると、規律密度は高くありません。八章で地方自治のことが書かれてありますが、第九十二条から第九十五条まで四条しかありませんし、文言が概括的です。規律密度が低く、権力への統制力は弱いと思います。憲法が公権力を縛るルールであるためには憲法の規律密度を高める必要があります。  昨日から、衆議院で地方自治法の改正案が審議入りしました。新型コロナ感染症下で問題になった国と自治体の関係を整理し、想定外の事態に備えることが立法事実です。  日本維新の会は、地方から統治の仕組みを変えるべく、国政政党を立ち上げました。中央集権型ではなく地方分権型の新しい国の形をつくることと、その基本法を作ることは一対です。基本法なくして新しい国はありません。そういう立場からいうと、この改正では、国が自治体に必要な指示を行うことができる特例を盛り込むのではなく、自治体が国に要請することができる特例を盛り込むべきです。  地方自治に関し、より大局的に申し上げると、人口最大の東京都が千四百四万人、最少が鳥取県の五十五万人、市町村では、最大の横浜市が三百七十八万人、最少が東京都青ケ島村の百六十四人、人口規模でこれだけの違いがあり、更に人口減少が進むところ、憲法、地方自治法では地方公共団体と一くくりで、仕組みも仕事も同一です。果たしてこれで国民、住民が享受する福利は公正なのか。自治法の改正ではなく、憲法審査会の場で議論されるべき課題であることを申し上げ、発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 窪田哲也君。

窪田哲也公明党

○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。  衆院東京十五区補欠選挙における選挙の自由妨害は、民主主義社会の健全な発展にとって重大な問題であり、厳正に対処すべきとの立場から意見を述べさせていただきます。  同選挙においては、一部の陣営が、他の候補者の街頭演説会場に選挙カーで乗り付け、拡声機を使って演説を遮るなどしたものです。言うまでもなく、選挙演説は候補者や政党にとって主義主張を直接有権者に伝える貴重な手段です。有権者にとっても、候補者や政党を判断し、憲法が保障する選挙権、第十五条を実効化する方途の一つでもあります。もちろん、やじは憲法が保障する表現の自由、二十一条一項行使です。また、候補者に一般市民が自らの声を直接伝えることは、憲法が保障する請願権、十六条の行使にも相当するでしょう。  他方、公職選挙法は、選挙人と被選挙人の自由な意思表明と公正かつ適正な選挙の実施を損なう行為を犯罪として類型化しています。その一つが選挙の自由妨害です。最高裁は、過去の判決で、仮に演説自体が継続されたとしても、聴衆をして、これを聴取することを不可能又は困難ならしめるような行為は演説の自由妨害に当たると結論しています。つまり、個人が叫ぶ程度は問題ないが、拡声機などによって演説が聞き取れなくなれば選挙妨害に当たるとの認識です。その点、今回の妨害はとても表現の自由を盾に容認されるべき行為ではありません。  一部メディアでは、既成政党に対する不満の表れなどと、行為を容認するがごとき報道も見受けられますが、甚だ疑問です。有権者との意思疎通の機会は断じて保障されるべきであり、公選法の選挙の自由妨害罪や刑法の脅迫罪、道路交通法違反など、現行法を厳格に適用した上で、更に必要があれば公選法改正の検討も視野に規制を強化し、選挙という民主主義の基盤を守るべきと訴え、私の意見とさせていただきます。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 福島みずほ君。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 第一に、憲法から見た自民党裏金問題について述べます。  政治資金収支報告書に不記載だった裏金の使途はほとんど不明のままです。安倍派だけでも五年間で六億円超になります。有権者の買収、有権者への違法な寄附、違法な選挙費用、公職選挙法百九十四条、公職選挙法施行令百二十七条の支出制限違反等として使われた可能性が否定できません。自民党で適切な根拠に基づいて否定できない限り、残念ながら、裏金によって選挙犯罪が行われたことを想定せざるを得ない状況ではないでしょうか。  政治資金規正法や公職選挙法は、正当な選挙という憲法の要請に基づいています。公職選挙法一条は、日本国憲法の精神にのっとりとなっています。裏金の使途が適法と証明できない限り、裏金議員の議席は公正な選挙の結果によるものと言えるのでしょうか。  憲法改正発議における各議院の総議員の三分の二以上の賛成、九十六条も当然正当に選挙された国会である必要があり、これに反する憲法改正は排除されます。裏金議員を除くと、衆参いずれも総議員の三分の二を下回ります。現在の国会は憲法改正を発議できるような正当に選挙された国会とは言えません。そもそも、裏金問題で法律を守らない自民党の裏金議員の人たちに憲法を変える資格はありません。  第二に、政府・与党が行っている憲法の破壊があります。  日本は、憲法九条の平和主義に基づいて、専守防衛、海外に武器を売らない、軍事研究はしないなどの政策を持っていました。それがことごとく破壊されていっています。憲法を守らず、憲法を破壊しながら、どのように憲法を変えるというのでしょうか。この意味でも、憲法を変える資格はありません。  第三に、札幌高裁は同性婚を認めないことは憲法二十四条、十四条に違反するとし、最高裁は生殖能力を奪う性同一性障害特例法は憲法違反だと断じました。  憲法違反をなくすことこそ必要です。憲法審査会で取り上げるよう、会長にお計らいをお願いいたします。  第四に、緊急事態条項は大問題です。  政府が地方自治体に指示できるとすることは、憲法の地方自治の本旨を侵害しています。政府は法律と同じ効力を持つ政令を作ることができるとすることは、憲法四十一条に明確に反しています。  衆議院議員の居座り、任期延長は、国民の選挙権を侵害します。とりわけ、裏金議員の居座りを許してはいけません。唯一の立法機関である国会は、緊急事態条項に反対しなければなりません。  憲法違反をなくし、憲法を生かしていくことこそ、憲法審査会でやるべきであるということを申し上げ、意見表明を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 福島議員のただいまの件につきましては、後刻幹事会にて協議をいたします。  山本佐知子君。

山本佐知子自由民主党

○山本佐知子君 ありがとうございます。  今年、私たちは、改めて日本が大きな自然災害など様々なリスクに直面している国であることを認識したのではないでしょうか。未曽有の災害、あるいは極度の国家有事が発生した場合に、国の秩序を守り、民主主義を維持していくためにも、そうした事態下で国会機能が現憲法下の下、果たして維持できるのか、真っ正面から検証する必要があります。  そうした問題意識から、参議院の緊急集会について、本日、意見表明をいたします。  衆議院不在時の参議院の緊急集会の開会期間が最大七十日間と限定されるのか、あるいは七十日を超えた場合でも開催できると解するのかという点は大きな論点であり、昨年の参考人質疑でも見解が二分されました。  国会が唯一の立法機関であり、二院制が採用されている大原則、並びに憲法第五十四条二項においては内閣は国に緊急の必要があるときと場合を限定していることからも、参議院の緊急集会は例外的な措置であること、そして、これは憲法第五十四条三項で緊急集会での措置は臨時のものであると明記されていることからも明らかであるということ、そもそも五十四条は長期間にわたる緊急事態を想定していないと考えられることから、七十日を大きく超えてもなお参議院の緊急集会を当然に認めることができると現憲法からは読み取ることは難しいのではないかと考えます。  また、緊急集会は参議院に与えられた重要な役割でありますが、権能の範囲については様々な解釈のある中で、緊急集会が本来の国会機能と完全に同等と考えるには無理があります。したがって、その権能を明確化し、緊急時の立法府の在り方について議論を急ぎ、深めることが必要だと考えます。  緊急事態の発生など国家の混乱時に、国民の皆さんの暮らしを脅かすような国会の混乱を招くことは断じてできません。むしろ、そうした事態下でこそ国会が本来の形で正常に機能するための憲法改正は急務と考えます。  緊急集会の期間、議員任期の延長の論点については、いずれも権限の濫用、恣意的な運用の懸念が指摘されていますが、憲法議論というのは、むしろそうした懸念を払拭するための議論ではないでしょうか。緊急集会、また議員任期延長も含め、緊急事態条項について真摯な議論を国会で行うことが国民への責務と考えます。  本憲法審査会では、参議院の緊急集会については既に議論を重ね、論点も明確になっていると認識しています。是非具体的な目標を持って議論を進めるべきと強く申し上げ、意見表明を終わります。  ありがとうございます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 仁比聡平君。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私は、日本国憲法が保障する豊かな人権の実現こそ、我々が取り組むべき喫緊の憲法問題であることを強調したいと思います。  同性婚について札幌高等裁判所が、恋愛や性愛は個人の尊重における重要な一要素であり、これに関わる性的指向は生来備わる人としてのアイデンティティーなのだから、個人の尊重に関わる法令上の保護は同性愛者も同様に享受されるべき重要な法的利益であり、憲法二十四条一項は婚姻の自由、すなわち、結婚するかどうか、いつ誰と結婚するかは当事者間の自由かつ平等な意思決定に委ねられるべきことを定めているのだから、同性間の婚姻も異性間の場合と同じ程度に保障されることを明らかにし、同性婚を認めない現行民法及び戸籍法は少なくとも現時点において立法裁量の範囲を超え、憲法二十四条、十三条、十四条に反するとした判決から私たちは何を学ぶべきでしょうか。  そこには、制定当時は想定されていなくとも、個人の尊重についての認識の明確な発展を背景に、自由と人権の保障は全ての人に享受されなければならないという姿勢があります。それは、本来、国会こそ持たなければならない姿勢です。これだけ裁判所の違憲判断が積み重なってなお、極めて慎重な検討を要すると背を向け続け、特定の家族観を人々に押し付け苦しめる政府・与党に憲法改定を語る資格はありません。政府は人権侵害の苦しみを何だと思っているのか。  五月一日、水俣病の公式確認六十八年目の慰霊式典当日、環境大臣と患者団体の懇談の最中に、被害者の発言が三分を超えるや、政府職員が話を遮り、マイクの音を切り、取り上げて、怒号が飛び交う事態になりました。国は、加害企業と並ぶ水俣病被害発生、拡大の加害者であり、患者救済の重い責任からどうしたって逃れることはできないのに、政府・与党にはその自覚さえないのではありませんか。  一年前、政府・与党が押し通した改悪入管法の根底には、国家にとって好ましくない外国人の在留を禁止し、強制的に退去させるという、底深い外国人差別と排外主義があります。外国人の人権は在留制度の枠内で与えられているなどと言って、人間としての当然の権利を認めない時代錯誤に無反省のまま、選ばれる国になどなれるわけもありません。  こんな人権後進国のままでいいはずがない、この声こそ正面から受け止め、憲法の実現に力を尽くすべきことを求め、意見といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 若林洋平君。

若林洋平自由民主党

○若林洋平君 発言の機会をありがとうございます。自由民主党の若林洋平でございます。意見を述べさせていただきます。  まず、私、市長を十三年ほどやっておりましたけれども、何を一番に考えているかといったら、やっぱり市民の安心、安全、そして最終的には心の豊かさ、これは経済だけではなくていろんな面からということを考えたときに、当然自治体の方もあるんですけれども、その上にはまた県があったり条例があったりとか、守り切れないものがあったという中において、私自身、国会議員になって、立法の長ということになると、そういうことができるというのは本当に幸せを感じているところでもありますし、大きな責任を感じているところでもありますし、しっかりとそれを自治体にも、また県も含めて戻さなきゃいけない。  その中において、先ほど来、先生方のお話、委員の先生方のお話を聞いている中において、じゃ、実際に何のために誰のために改憲ないし護憲ということを行っていくのかというのが、私はそこが一番重要なことであって、議論を深めていくというのは、その必要性がそこにあるんではないかなと。  主権者であります国民の皆さんがどういうふうに不利益を被ってしまうのか。自由民主党は、結党以来、なぜこれに、改憲にというのは、改憲ありきではなくて、国民にとって不利益な部分を改定していくのはこれは当然のことではないかと。だからこそ、時代に合ったもの、だからこそ、逆に言えば、今まで慎重に慎重を重ね、与党、野党問わずいろんな意見を取り込んで今日に至っているんではないかな。  ですから、今回のこの審査会についても、いろんな意見はあるとは思いますけれども、今日は大まかなことしか言えませんが、緊急事態条項、先ほど来出ていますとおり、参議院の緊急集会の責務というのは非常に大きい。これは、でも現実的にどうなんだということを最終的に曖昧な回答ではなくて、いざというときに結局間に合わなかったということは許されないわけですから、そこでも選択ができるようなことにしておくというのも重要な部分であると思いますし、いずれにしても、国民の皆さんにとって不利益な部分を、直すものがあればやはり直すべきだと私はそう思っておりますので、その意見を述べさせていただいて、今日は終わりにさせていただきます。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 石川大我君。

石川大我立憲民主・社民

○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。  婚姻の平等について意見表明します。  三月十四日、札幌高裁は、同性同士の婚姻を認めない現状は、憲法二十四条一項の婚姻の自由などに反し、違憲と判断しました。同性間の婚姻も異性間と同じ程度に保障されていると明確に判示したのです。  札幌高裁判決で特に注目すべきは、法の下の平等を定めた十四条に加え、婚姻は両性の合意のみに基づき成立しとする憲法二十四条一項について、原告の、憲法二十四条は婚姻の自由を定めたものであり、同性同士の婚姻を保障するとの主張を認めた点です。  まず、訴訟を闘っている当事者の皆さん、弁護士の皆さんに心からの敬意と、そして一人の男性同性愛者として心から感謝を申し上げたいと思います。皆さんが勇気を出して法廷に、そしてテレビカメラの前に立っている姿がどれだけ私を勇気付けているか、言葉に表すことはできません。また、この国会の中で唯一の当事者の議員として存在することができるのも皆さんのおかげです。感謝申し上げます。  本審査会は、その設置目的を、日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行うとしています。であるならば、婚姻の平等について調査、議論をすべきであると言えます。  本審査会で、婚姻の平等をテーマとして各会派が意見を述べる場や、当事者、研究者、NGO、NPOから広く意見を聴取し、理解と議論を深める場をつくるべきです。  この点、会長には幹事会でのお取り計らいをお願いいたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会にて協議いたします。

石川大我立憲民主・社民

○石川大我君 婚姻の平等について指摘すべきは、このテーマを無視し続ける自民党の異常性です。  各種世論調査では多くの国民が賛成しているにもかかわらず、自民党議員は沈黙を守っています。いや、沈黙どころか、自民党議員からは、繰り返し差別と偏見に基づく発言が国会、地方議会を問わず発せられてきました。こうした発言に多くの当事者が傷つき、怒り、抗議の声を上げてきました。国民の痛切な人権侵害の状況が裁判を通じて明らかになっているにもかかわらず、婚姻の平等について無視し続ける自民党に、もはや政権担当能力はないと言えます。未来を見据え、国民の幸福と平等を実現する政府こそ、私たちが求めているのではないでしょうか。  最後に、この審査会に注目、期待をしてくださっている全国一千万のLGBT当事者の皆さんにお話しします。  私たちはここにいると声を全国で上げてください。もう人権侵害を受けるのはたくさんだと声を上げてください。私たちは幸せになる権利があると声を上げてください。私たちLGBTコミュニティーは、一人一人が声を上げること、そして声を上げた人々が仲間となってつながること、そして協力してくれる当事者以外の人々とつながることで社会が変わることを知りました。私たちLGBTの人権、婚姻の平等を無視し続ける自民党から一日も早く政権交代を実現し、希望ある未来を私たちとこれから生まれてくる日本国民のために一緒につくっていく、その決意と全国への呼びかけをもって、私の意見表明とします。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 私からは緊急集会について意見を申させていただきます。  冒頭、自民党の佐藤先生、また公明党の西田先生の緊急集会に対する御意見を拝聴しながら深い感動にとらわれた次第でございます。  佐藤先生におかれましては、これ本当に衆議院との顕著な違いだと思いますが、先生方御案内のとおり、衆議院はもう二年間にわたりまして、参議院の緊急集会の立法事実や、あるいはその根本趣旨などに一言も言及なさらずに、緊急集会を法解釈ですらない曲解によっておとしめて、議員任期の延長改憲が必要だというようなことを言われているわけでございますが、佐藤先生におかれては、そうした見解の違い、緊急集会の見解の分かれたことについて議論を明確化すべきではないかといった御指摘、そして、この現行の緊急集会制度がどう運用すれば国民のために非常時に正しく運用できるのか、それを検証しようという御提案。  また、西田先生におかれましては、この緊急集会で扱う議案などのこの権能の範囲、そして緊急集会が持つ本当に優れた機能であるこの復元力の力、また、実際、緊急集会を開催するに当たっての運用面での課題や論点の確認を行い、さらには、選挙困難事態というのは一体何なのか、繰延べ投票の活用や、あるいは同一の選挙、全国同一の選挙が本当に必要なものなのであるのか、そうしたような問題提起、深い問題提起をされたところでございます。  我が会派におきましては、この緊急集会のこの権能につきましては、国会法の改正によって、基本は内閣が示すものではございますけれども参議院から我々が立法府として求める議案について促したり、そうしたような新しい機能強化ができるのではないのかといった提案をさせていただいておりました。  また、選挙困難事態というものがそもそもあるかというのは我々も同じ見解でございまして、むしろ緊急集会は長期の開催は想定されていないという御意見、自民党の山本先生などからもありましたけれども、緊急集会をつくった立法趣旨に照らせば、求められていることはどういう事態になっても一日も早く選挙を実行すること、そのことの公選法の改正や、あるいは自治体の運営について議論をすることについても、我々は昨年の通常国会から提案をさせていただいているところでございます。  一方で、維新の片山先生なんですが、参議院の憲法審査会が、各会派が自説を一方的に述べているだけになっているというようなことをおっしゃいましたけれども、全く違いまして、我々は、そうした緊急集会の誤ったこの曲解などについて、なぜそのように考えられるのか是非御説明をくださいと、維新の会を含めてですね、通常国会から繰り返しお願いをしているんですが、この間、一言も御説明はございません。  我々、参議院の憲法審査会は、衆議院に比べて周回遅れではなくて、残念ながら、衆議院が法の支配や立憲主義の軌道から離れておかしな議論をなさっているのをまさに良識の府の力でいさめているのが、また、それをしかも改憲派の先生方におかれてもいさめられているのが我が憲法審査会の在り方ではないかと考える次第でございます。  ですので、次回からの憲法審査会におきましては、こうした緊急集会についての運用面の課題などについても我が会派として積極的に考えていく、そのようなことをさせていただきたいというふうに考えるところでございます。  私からは以上でございます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 予定の時刻が参りましたので、意見交換はこの程度といたします。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時二十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗