環境委員会 第13号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2024/06/11
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省地球環境局長秦康之君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加田裕之君 自由民主党の加田裕之でございます。 法案審査に入らせていただきますが、先日の参考人質疑の方でも言わせていただきましたように、温暖化推進対策というものについては、これは一つの法律や、そしてまたいろいろな施策でやっていかなければいけないという思いがいたしております。そしてまた、それに付随するステークホルダーの皆様もいらっしゃいますので、そうした意味で今回は質疑におきまして幅広にお伺いしたいので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、滝沢環境副大臣におかれましては、六月三日に、兵庫県神戸市におきまして、国際エメックスセンターに来られまして、里海づくりを推進するため、環境省と協定を締結いたしました。瀬戸内海を始めといたします閉鎖性海域の生物の多様性の維持や水産資源の生産性向上を図りまして、海の更なる利活用を目指します。 先般の委員会や自民党の部会の方でも、瀬戸内海の栄養塩不足等の課題を私も再三再四訴えておるんですけれども、滝沢副大臣も協定締結後の記者会見におかれまして、気候変動や栄養塩不足などの課題について言及をされました。この度の協定の狙いについて副大臣にお伺いしたいと思います。
○副大臣(滝沢求君) お答え申し上げます。 高度経済成長期以降、水質汚濁や藻場、干潟の消失、さらに近年では、気候変動の影響、栄養塩類の不足の指摘なども加わり、我が国の沿岸域では生物多様性や生物生産性の減少といった課題が生じているところでございます。 こうした中、藻場、干潟を保全、再生、創出し、生物多様性や生物生産性の向上を目指す里海づくりに向けて、環境省では保全と利活用の好循環を目指すモデル事業の実施など取り組んでいるところでございます。 里海づくりに当たり、海域の環境保全に関する専門的な知識を、知見を多く持たれている国際エメックスセンターと協定を結ぶことで、より効果的な取組につながることができると考えております。 環境省では、この協定を機に全国の沿岸域における生物多様性や生物生産性の向上に一層取り組んでまいりたいと考えております。
○加田裕之君 ありがとうございます。 本当に、現地の方におきましても、皆様方の御意見を聞いていただきまして、また施策に反映していただけるということでしたので、本当に期待いたしております。 なかなか、栄養塩不足のこの解消、瀬戸内海も漁獲高がどんどん減っていって、なかなか、きれいな海と豊かな海は違うということで里海という概念を世界に発信しておりますので、また御指導のほどよろしくお願いいたします。 続きまして、生態系の危機といいますか、その中におきまして、三月二十二日の環境委員会の方でもお伺いしたんですが、ナガエツルノゲイトウについて質問させていただきましたが、そのときは、観賞用に導入されたものが野外に逸出して分布域を広げて、現在は関東から沖縄まで二十五都府県に定着していると答弁がありました。生態系を完全に破壊しますナガエツルノゲイトウといいますのは、地球上で最悪最強の侵略的植物とも言われております。 その中で、我が兵庫県もその二十五都府県に入っているんですけれども、この県内の方でおきますと、淡路地域、東播磨地域に続いて、先月の五月十日に、兵庫県の多可町の方、言わば北播磨地域で初めてナガエツルノゲイトウの生息が農業者によって発見されまして、調査の結果、ため池や水路のみならず、農地へ広範囲に侵入していることが確認されました。言わばすごい勢いで広がっているということでございます。 環境省では、外来生物法に基づく特定外来生物に指定しまして、農林水産省や地方公共団体と連携して防除を進めることや、環境省と農水省と共同で駆除マニュアルを策定したり、国立環境研究所のウェブサイトに最新分布状況の掲載、さらに特定外来生物防除等対策事業交付金によりまして令和五年度は四件支援しておりますが、施策の進捗状況よりも拡大のスピードの方が爆発的に速いのではないかと思っております。 伊藤大臣の、前回も聞かせていただきましたが、今回、この爆発的に広がるということについての危機について御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のこのナガエツルノゲイトウは、国内では平成元年に兵庫県で初めて確認され、その後、今年までの三十五年間で二十五都県において確認されるまでに拡大してございます。 こうした状況を踏まえて、環境省では、平成十七年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定の上、平成二十六年度に滋賀県での防除について生物多様性保全推進支援事業により支援を開始いたしました。令和五年度からは特定外来生物防除等対策事業交付金により地方公共団体による防除等の事業への支援を進めており、平成六年度は十一件の事業に対し支援をしてございます。 委員御指摘のように、この国内での分布拡大、そして生態系被害等を防止するため、引き続き、農水省等の関係省庁と連携を強化して、スピード感を持って効率的、効果的な防除手法の研究開発の検討や地方公共団体による防除の取組の支援を進めてまいりたいと思います。 今、令和六年度と言うところを平成と言ったので、令和に訂正させていただきます。 ありがとうございます。
○加田裕之君 ありがとうございます。 そういう危機感を持ちまして是非とも対策を急いでいただきたいんですが、これは環境省だけでできる話ではないと思っております。 そこで、今日は農林水産省の方から舞立大臣政務官にお越しいただきました。 政務官にお伺いしたいんですが、この度のナガエツルノゲイトウの農地への侵入は、ため池とか水路での駆除、防除に農薬等が効かない、それから使えない上に、緊急駆除、防除等に必要なマンパワー、それから資材、予算、体制の確保が不透明な状況で、農業者が通常の営農活動をしておりますと、意図せずにして、繁殖力とか生命力強いですから、ナガエツルノゲイトウの拡大につながるおそれがあります。このことは、厳しい状況の中において農業に携わってきた方々の営農意欲をもうくじけさせまして、耕作放棄地の増加やそれに伴う農村環境の悪化など、地域農業と暮らしの場である農村にとって致命的な打撃を及ぼしかねないと思っております。 それで、先日の委員会でも駆除する技術開発が重要であるとのことで、先ほどの答弁もございました、国立環境研究所、農研機構、それから土木研究所において防除技術の研究開発や連携の検討を深めております。また、生物多様性国家戦略関係省庁連絡会議の枠組みを活用させて、更にスピードアップして進めていただきたいと思っております。 現場でナガエツルノゲイトウに対峙する皆様、そして徹底防除に取り組む土地改良区や多面的機能支払の活動組織等に対する公的助成の支援とか、あと、やむを得ず当該圃場での営農活動を停止する農業者等に対する支援などを私は検討すべきだと考えますが、舞立農林水産大臣政務官に御答弁をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(舞立昇治君) 加田先生におかれましては、地域の諸課題への対応に日々御尽力賜っておりますことに感謝申し上げたいと思います。 御指摘のナガエツルノゲイトウにつきましては、増殖力が強く、小さな断片からでも再生し、大群落になることから、水路で閉塞を引き起こし、水田に侵入して稲の収量を下げてしまうなど、大きな問題と認識しております。 このため、できるだけ早期に発見し駆除することが重要と考えておりまして、先ほど伊藤大臣からもお話ございました特定外来生物防除等対策事業交付金も使う余地あると思いますけれども、農業者等が共同活動により農地周りの水路等に生育するナガエツルノゲイトウの駆除を行おうとする場合には、多面的機能支払交付金の活用が、交付金の活用が可能でございます。 また、農研機構を中心にナガエツルノゲイトウの効率的な駆除対策等の研究が進められてきておりまして、このゲイトウにつきましては除草剤で駆除できるため、農林水産省では、環境省や農研機構等と連携し、地方自治体の関係者や農業水利施設を管理する方などが活用できる駆除マニュアルというものを作成し、駆除方法、蔓延防止対策等の普及啓発を図っているところでございます。 引き続き、関係省庁や関係機関と連携しながら、この駆除方法等の検討、周知に努めますとともに、今後ともどういった支援ができるのか検討してまいりたいと考えております。
○加田裕之君 ありがとうございます。 舞立政務官も、水産業はもちろんですけど、農業についても大変精通されている政務官でございますので、対策をお願いしたいと思います。 多面的機能支払の部分についても、そういうメニューがあるとあるんですが、実際問題は金額的にもなかなか少ない部分もあります。ほかの部分で使いますので、ナガエツルの方の対策に持っていけないというケースもあります。それでまた、基礎自治体の方や都道府県、都府県の方におきましても様々なメニューを組み合わせながらやっておりますので、是非とも、地域地域に合った形で、寄り添う形で、また施策展開をよろしくお願いしたいと思います。 次に、地球温暖化対策に伴います都市緑地の充実についてなんですが、二〇三〇年度の温室効果ガス四六%減、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けては、排出削減とともに吸収源対策が重要です。その一つに都市緑地の充実があります。 先般、都市緑地法が改正されました。自治体による特別緑地保全地区の指定面積を二〇三〇年まで一千ヘクタール増加することを目標として掲げ、その目標達成のために都市緑地に関する制度の充実が図られたところです。 こうした都市緑地の充実に当たりましては、私は、二〇三〇年ネイチャーポジティブ、二〇五〇年自然共生社会の実現ということが重要と考えます。例えば、東京都では、生態系に配慮した緑化推進のため、在来種選定ガイドラインを作成しています。東京といっても広いため、エリアごとの潜在自然植生を示しつつ、どういう樹木を選ぶのが地域の生物多様性を向上させることになるのか、その選び方、また参考として在来種リストを整理しています。 生物多様性の保全は、地球温暖化の防止、さらに、良好な景観形成、環境教育の場の提供など、様々な効果が期待できます。都市緑地の充実に当たっては、地球温暖化防止のため、また二〇三〇年ネイチャーポジティブ等の実現のため、こうした潜在自然植生を基にしました在来種の活用を進めていくことが重要だと考えております。 環境省として、この声につきまして、伊藤大臣の考えをお伺いさせていただきまして、そしてさらに、国交省としてどのようなことを行っていくのか、そして今後更にどう行っていく予定なのか、その辺りをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のとおり、この都市の緑地、これ国民の日常生活にとって最も身近なCO2吸収源であるとともに、国民の皆様にとって身近な自然との触れ合いの場であり、地球温暖化対策の普及啓発にも大きな効果を発揮するものであるというふうに考えてございます。 このため、地球温暖化対策計画には、都市緑化の推進を位置付けて、関係省庁が連携して取り組んでいるところでございます。また、二〇三〇年ネイチャーポジティブの実現に向けて、昨年閣議決定された生物多様性国家戦略では、国立公園等で緑化を行う際には地域性の種苗を利用する等の配慮を行うことも明示しております。 引き続き、国土交通省を始めとした関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと思います。
○政府参考人(勝又正秀君) お答え申し上げます。 都市の緑地は、CO2の吸収源や生物の生息、生育空間として重要であり、国際枠組みを踏まえた国の目標達成に向けた取組を一段と強化するため、今国会において都市緑地法等の一部を改正する法律案を御審議いただき、先般成立したところであります。 本法律案につきましては、加田委員も事務局長として参加されている自由民主党の住宅土地・都市政策調査会都市の緑プロジェクトチームからも提言をいただいており、特別緑地保全地区における機能維持増進事業の創設を始めとする地方公共団体への支援、民間事業者などによる緑地確保の取組を国が認定支援する仕組みの創設などの措置を講じております。 今後、法律の施行に向け、政省令等の整備を進めるとともに、シンポジウムの開催などを通じて地方公共団体や民間企業を始めとする幅広い関係者への周知などに取り組んでまいります。
○加田裕之君 ありがとうございます。 まさにこれは、環境省やそしてまた国交省、そしてまた地元の自治体とも、地域に合った形での推進というものもお願いしたいと思いますし、また、この緑地というのは、これは自民党のPTの中でも議論が行われたんですが、この緑を増やすというのは目的ではなくて、その質とか維持管理という部分、その点についても、なかなか、維持管理予算というのも実際にやられます基礎自治体や地域の方がなかなか厳しいということもございましたので、そのことについてもまた引き続き御支援のほどお願いしたいと思います。 続きまして、学校・園庭ビオトープの拡大のための具体策についてお伺いしたいと思うんですが、環境省に対しまして、令和六年度のまちづくりアワード功労部門で神戸市須磨区の横尾自然塾が国土大臣表彰を受けました。学校ビオトープでありますネイチャーランドの設計造成から維持管理に加え、絶滅危惧種の生態調査や保全などの活動を通じて自然と共生する町づくりに貢献したことが受賞理由でございます。 この学校・園庭ビオトープについて、先般、改定、公表されました環境教育等推進法に基づく国の新たな基本方針に学校・園庭ビオトープが明記され、政府としてこれを支援していくとされました。非常に心強いことだと思っております。学校・園庭ビオトープは、生物多様性の保全、また植物を大切に守り育てる心を育てるもので、ひいては地球温暖化防止にもつながってくると私は考えております。 新たな基本方針で学校・園庭ビオトープを今回明記したわけですが、それだけでは拡大していかないと思っております。環境省として、文科省にどのように具体的に連携し、これを進めていくのか、学校・園庭ビオトープ拡大に向けた具体策の検討を政府にお願いしたいと思います。そして、朝日環境大臣政務官に御答弁をお願いします。
○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。 効果的な環境教育を実現するためには、体験を通じた学びや対話と協働を通じた学びの実践が重要であると考えております。 本年五月十四日閣議決定をされました環境教育等促進法に基づく基本方針におきまして、学校における環境教育の推進施策の一つとして、委員御指摘の学校・園庭ビオトープを活用した自然体験活動等の促進を明記をいたしました。具体的には、環境教育等促進法に基づく人材認定事業にビオトープ管理士やこども環境管理士が登録されており、同事業が運用されることを通じて、学校・園庭ビオトープを活用した体験活動にも取り組んでおります。 加えて、日本生態系協会が隔年で開催をしております全国学校・園庭ビオトープコンクールでは、学校などにおける環境教育のために重要な取組と認識をいたしまして、環境省の後援や環境大臣賞の授与など、協力をしております。 環境省といたしましては、文部科学省の関係省庁、関係団体とも連携をして、学校・園庭ビオトープを始めとする体験活動を通じた学びなど、環境教育やESDを引き続き推進してまいりたいと考えております。
○加田裕之君 ありがとうございました。是非とも推進をお願いします。 残りですね、カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの両立についてとか、兵庫県の豊岡市、コウノトリ育む農法のことについてお伺いしようと思いましたが、時間が参りましたので、以上をもちまして質問を終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○水岡俊一君 立憲民主・社民の水岡でございます。大臣、よろしくお願いいたします。 早速質問に入ってまいりたいんですが、本題に入る前に是非大臣にお伺いしたいことがございます。 委員の皆様のお手元に資料をお配りをいただいていますね。ありがとうございます。 この資料をちょっと御覧になってください。資料一は、これはほかでもありません、知床国立公園の写真と図が描いてありますが、知床国立公園というのは一九六四年に制定されているんですね。東京オリンピックの年でしたか。それから、二〇〇五年には世界自然遺産登録をされているという、本当に得難いというか、もう本当に大切にしたい国立公園の一つでありますけれども、ここに今、携帯電話基地局を設置するということで随分問題となっております。 そのことについて大臣にお伺いをしたいんでありますが、去る六月の七日に、この問題について知床世界自然遺産地域科学委員会という委員会が、これは許し難いということで、環境省に是非その詳細を聞かせてほしいと、こういうことで委員会が開催されたということでありますが、なぜか全部が公開されておりません。ですので、ここで大臣に、議論の内容、そしてそれを受けての今後の方向性を御説明いただきたいと思いますが、お願いいたします。
○国務大臣(伊藤信太郎君) この知床岬における携帯電話基地局の整備について六月七日金曜日に知床世界自然遺産地域科学委員会に報告したところ、主として次のような助言があったと聞いてございます。 一つは、希少植物やオジロワシを含め環境及び生態系調査が不十分であり、顕著で普遍的な価値への影響を判断することができないと、このため、工事を一時中断して調査を実施し、改めて影響を評価すべきであると。二つ目は、科学委員会が助言する役割ではないものの、携帯電話基地局の整備の必要性について地域で検討してほしいというものでございました。 環境省としては、これらの科学委員会からの助言を精査、分析して今後の対応を検討してまいります。 なお、工事を一時中断して調査を実施すべきという科学委員会からの助言については既に事業者に伝えておりまして、事業者において自主的に工事の見合せを継続していただいているところでございます。
○水岡俊一君 工事は一時中断をしている。なぜ中断しているんでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 今回の地域科学委員会からの助言も踏まえて、環境省が事業者にそのような連絡をしたことによるものと思います。
○水岡俊一君 工事は一時中断をしているということは、改めて調査をしているという理解でいいですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 今すぐ調査をしているかどうかは定かでありませんが、調査をするということになると思います。
○水岡俊一君 いや、大臣がそれを御存じないのはちょっと困りますね。 今調査をしているはずなんですね。それ、なぜ今調査をしているかというと、これまで工事に着工する前にやっておかなきゃいけなかった調査ができていなかったから、今していただいているんですよね。どんな調査をしているんですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 科学委員会の踏まえた調査を行っていると承知しております。
○水岡俊一君 改めて、世界自然遺産に登録をするというのは非常に重いものですよね。そして、それには、いろんな観点でその遺産登録の要件を満たすかどうかということで審査があるわけですよね。 私は専門家でもないので余りよくは分かりませんが、知床というのは流氷が有名ですよね。流氷が育む北の海の豊かな海洋生態系とか、それから、知床半島の部分でいえば、原始性の高い、つまり余り人の手が入っていない、人の足が入っていない、原始性の高い陸に生えている植物であるとか陸にすむ動物の生態系とか、そういったものの相関関係、相互関係が非常にまれで貴重だということで登録をされているわけですね。だから、その世界自然遺産の遺産を損なうようなことになっては困るわけですよね。 だから、今、携帯基地局が造られるということで、それは損なうことになるのかならないのかという調査をちゃんとしてこなきゃいけなかったのに、していなかったから今しているという理解を私はしているんですが、間違っていますか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 環境省としては、所定の手続に基づいて必要な調査をさせるべくやってきたところでございますけれども、今回の科学委員会の御指摘を踏まえて再調査をするということになるんだろうと思います。
○水岡俊一君 大臣、詳しく御存じないのかもしれませんが、環境省は、事前の調査を環境省自身はしていないんですよね。通信事業者にやらせているんですよね。通信事業者は何を調べたかというと、一日だけ何か植物の調査をしただけらしいんですよ。 ところが、後ほど聞こうと思っておりましたが、知床国立公園管理計画書というのがあるんですね。これ、令和五年十月、ですから昨年の十月にできた管理計画書、これはもう環境省が作ったものですね。この中にどういうことが書いてあるかと見ると、例えば、第三章に風致景観及び自然環境の保全に関する事項と書いてあって、生態系の保全管理が必要である。そして、その中には、動物として特記がしてあるんですね。オオワシ、オジロワシ、知床半島の海岸斜面等にはワシ類の利用できる森林が連続しており、越冬期のオオワシ、オジロワシが常時利用する道内でも最も重要な環境となっている、また、知床半島はオジロワシが高い密度で営巣、繁殖する重要な繁殖地にもなっているとまで書いてあります。 それから、地域区分ごとの自然景観の保全という章の中では、先端部地区、この知床の半島の先端部地区は、海岸から山岳稜線部の陸域はもとより、沿岸海域にわたり極めて原始性の高い自然景観と豊富な野生生物によって形成される多様な生態系が残されていると云々がありまして、よって、当該地域の自然景観の保全には特に厳正に行うというふうに環境省はこの計画を作っておられるわけですよね。 ほかにも、もうこれでもかというぐらい、厳正にやるんだと、手を付けちゃいけない、アンテナは新規は認めない、発電所は、もうごくごく小さい、地熱発電だとか風力発電だとか、ごくごく家庭用の小さいものならいいけれども、大規模な太陽光発電は駄目だとか、もう事細かに書いてある。なのに、この工事を許可した。それも、この三月ですよね、大臣。大臣が判こを押されたの三月じゃないですか。なぜそんな調査もしないで印鑑押しちゃったんですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 順番に御説明申し上げたいと思います。 前段御説明がありましたように、まず、この世界遺産条約履行のための作業指針、これ、世界自然遺産の顕著で普遍的な価値に影響を与える可能性があるような大規模な復元又は新規工事をする場合は、事務局を通じて世界遺産委員会に事前に通知することを定めております。そしてまた、委員御指摘のように、知床国立公園管理計画では、知床国立公園の景観及び自然環境の保全に関する方針として、知床半島の先端部の自然景観の保全は特に厳正に行うことと定めております。いずれも、知床世界自然遺産及び知床国立公園の保全を図る上で重要な方針であるというふうに認識しております。 そして、この知床国立公園管理計画書では、先端部の地区の自然環境の保全は特に厳正に行うという規定がございますが、現在、知床岬を国立公園の特別保護地区に指定し、厳正に保存して、保全しているところでございます。 特別保護地区における工作物の新築行為については、個別の案件ごとに審査がされ、公益上必要と認められる場合、なおかつ景観上の支障を軽減する措置がとられている場合に限定して許可がなされる性質のものでございます。 また、太陽光発電については、大規模なものは認めないとの規定がございます。これは、電気の売却を目的とした太陽光発電所を対象としております。今回整備されるものは、携帯電話基地局の電源を確保するための附帯的な施設であって、機能を維持するために必要最小限の規模であることから、管理計画の方針とは矛盾していないというふうに考えてございます。 この知床岬地区における携帯電話局の整備については、委員御指摘の、繰り返しになりますけれども、世界遺産条約履行のための作業指針や知床国立公園管理計画を踏まえ、漁業者やその他の知床半島先端部の利用者等に対する安全確保を目的とする公益性を認めた上で自然環境への影響を軽減する措置がとられていることから、やむを得ず許可する判断をしたところでございます。
○水岡俊一君 ちょっと話がたくさんなってきたので整理をしたいと思うんですが、先ほど私が申し上げたのは、今調査をしている、何の調査をしているかというと、今管理計画書で申し上げたオジロワシ等の調査をしていなかったから、委員会から指摘を受けて今調査をしているということだと私は思いますね。だから、そういった調査ができていなかった、そのことを指摘をされたので一旦中断をして調査をしている、こういう理解でいきたいというふうに、それでよろしいですよね。 それで、話がちょっと続きます。 今せっかくこの知床国立公園管理計画書ってもう環境省が作られたものを話題にのっけているのに、大臣の方が何かその世界遺産条約履行のための作業指針についておっしゃるので、そんなに問題を大きくしたいのかなと思いながら、ちょっと僕は大臣の真意がよく分からないんですが、ちょっと問題整理しますね。 オジロワシの調査が今進んでいる、そして今お話の中にあった最大の問題点は、大規模な太陽光発電、営業目的でなかったらいいんだというお話ですが、大臣の考えられる許される太陽光発電のパネルってどれくらいですか、この机ぐらいですか、それともこの部屋ぐらいですか。どんな感じをお持ちなんでしょう、大臣として。
○国務大臣(伊藤信太郎君) それは、設置される地域にもよりますし、その大規模かどうかは、設置面積もありますし、出力もあると思います。環境省では、一定以上の出力を持つ太陽光発電については、それに対して環境大臣意見を言うという立場にあります。
○水岡俊一君 質問は、大臣は小規模な太陽光発電パネルというのはどれぐらいの大きさをイメージされていますかと聞いているんです。お願いします。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 前段申し上げたように、それは、設置される場所によってその小規模か小規模じゃないかということは異なってくるだろうというふうに認識しております。
○水岡俊一君 それではお聞きします。 知床半島の先端部に今設置をするというお話なので、知床半島の先端部、管理計画書にも、あるいは指針にも、極めて厳正な場所で、自然を破壊してはいけないと言われている場所で太陽光パネルをやむを得なく造るとしたら、どれぐらいの大きさが許されると思われますか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) それは環境省が判断したとおりの面積だろうと思います。
○水岡俊一君 では、私は大臣の感覚を疑います。 なぜならば、ここに設置する太陽光パネルの数、御存じですか。大臣、御存じですか。後ろの方、教えていただいて結構ですよ。聞かれたでしょう。二百六十四枚なんですよ。その太陽光パネル一枚はそれほど大きくなくても、二百六十四枚を設置をするために並べていくとどれぐらいの広さになるというと、この計画では七千平方メートルです。 七千平方メートルっていうのは、七十メートル、百メートルですよね。七十メートル、百メートルっていったらサッカーコートですよ。オリンピックだとかワールドカップに使われるサッカーコート一面全部が太陽光パネルとして知床半島の先端部に設置をされ、それから電源ケーブルをずっと引っ張っていって埋設工事をする、その面積も入れると二万六千平方メートルの工事になるんです。これが大規模でなくて何が大規模ですか。 メガソーラーパネルを設置するなんというのは論外の話ですよ。今ここで計画で出ているパネルというのを見ただけで、これは国立公園には駄目でしょうと、世界自然遺産に指定されている、ここは駄目でしょうって感じるのが私は大臣の感覚だと思うんですけど、私の思い違いですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員からいろいろ御意見いただきました。 環境省がその手続において判断する場合は、まず個別の案件ごとに審査がなされ、公益上認められる場合で、かつ景観上の支障軽減措置がとれるものに限定して許可がなされるものと考えております。 それから、太陽光発電、大規模なものは認めないとありますけれども、これは電気の売却を目的とした太陽光発電所を対象として、これは携帯電話局の基地局の電源を確保するための附帯的な施設であって、機能を維持するために必要最小限の規模であることから許可したものだというふうに考えております。
○水岡俊一君 それは見解の相違だと言われたらそれまでかもしれませんが、科学委員会で大臣はそういうふうに環境省として主張しましたか。科学委員会でそんなことを言って、科学委員会でそうだなって言ってもらったんだったら、それは仕方ないでしょう。でも、科学委員会は、多分そんなことをもう絶対了承していないはずですよ。だから、あれでしょう、今工事中断しているんじゃないですか。これ、もっと徹底的に調べてください。 それで、大臣がせっかくおっしゃったので、私もちょっと取り上げます。 世界遺産条約履行のための作業指針というのが、これユネスコで作られているんですね。この中に、実は契約国、要するに日本ですね、日本がユネスコに対してやらなきゃいけないということの中にこういうことが書いてあるんです。 世界遺産委員会は、条約締約国が、資産の顕著な普遍的価値に影響する可能性のある大規模な復元又は新規工事を条約の下に保護されている地域において実施する場合若しくは許可しようとする場合は、その旨を事務局を通じて委員会に通知するように要請する、できるだけ早い段階、例えば、具体的な事業の基本計画や設計書を起草する前に、また、変更不可能な決定を行う前の段階で通知することが求められると第百七十二の項に書いてあります。 環境省は委員会に通知をしたんですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 今御指摘がありました知床世界自然遺産の顕著で普遍的な価値である陸と海の生態系の連続性や生物多様性に影響する可能性のある工事は事前に通知することとされております。 環境省では、知床世界自然遺産の顕著で普遍的な価値に影響を与えるものではないと認識しておりますけれども、今回、科学委員会からの追加調査の上でそうした価値への影響の評価を行うべきとの御意見をいただいたことから、必要な調査等の対応について検討してまいりたいと、そのように考えております。
○水岡俊一君 いや、大臣が今それをおっしゃったのはかなりこれ問題だと私は思います。科学委員会の皆さんは、今日の議事録を御覧になったら、それはちょっと、お怒りになるんじゃないかなというふうに思いますね。調査をやっていなかったから実態が分からなかったというんで調査をやり直していますならまだ分かるけど、それは、大規模な、じゃなかった、顕著な普遍的価値に影響する可能性がないと判断したから通知しなかったというのは、これは大きな問題じゃないですか。 今私申し上げたのは何も誇張していないですよ。サッカーコート一面の太陽光パネルの設置と埋設するケーブルの工事を入れたら二万六千平方メートル掘り返すんですよ。人の足や手が入らないように、道路も造っちゃいけない、入っちゃいけないって、守らなきゃいけない、その世界自然遺産のところにそれだけの工事をするというのが普遍的価値を損なうことがないと誰が言い切れるんですか。それはちょっと大きな問題だと思いますよ。 だから、あえて私はこの科学委員会で話されたことの結論は何かというのを聞かなかったですけど、私は大臣に方向性を聞かせていただきたいという言い方をしたと思うんですけど、多分、結論出ていないんですよね。多分、物別れ的にというか、結論が出ないまま終わってしまっているところはあって、分かっていることは、つまり、その調査をやらなきゃいけない、そのために中断をしているというような御説明があったとおりですから、それをどういうふうにこれから進めていくかは環境大臣や環境省の本当に英知に懸かっていますよ。これ、もう冷静に考えましょうや。 私は、羅臼町の町長さんを始め現地の人々あるいは漁民の方々が、携帯電話があった方が連絡が取りやすくて安全性が求められるとおっしゃっているのは、それは分かります。KAZUⅠの事故があったときにそういったことがあったので、それはそうなんですけど、いや、だからといってそこに工事をしていいという話にはならない。つまり、もっと違う言い方をすると、それがなきゃ駄目なのかという話になるわけです。今も三つ工事がある、計画されているらしくて、二つはもう工事しているんですよね。この今三つ目の先端のところがストップしているんですけど、この二つの工事をやって電波の入る範囲がどれぐらいになるか確かめてからでいいんじゃないですかとほかの町の町長はおっしゃっている。だから、現地の声というのはそういう声もあるんですよね。 それから、実際には、KAZUⅠの後に国交省は携帯電話を持ちなさいという方向には示していないんですよ。VHFの無線機を備えなさい、あるいは衛星電話を備えなさい、その方が確実ですから。そうすると、この事業費、私、九億円と聞きましたよ。九億円も掛ける意味というのがどこにあるんでしょうか。自然破壊をしながら、そして、その国費を使い、その半分は環境省の補助金でしょう。そういったものを使いながら本当に効果がどの程度あるのか、それを環境省として英知を懸けて今後対応してほしいということをお願いをしたいというふうに思います。 時間が過ぎますので、次の問題に行きたいと思います。 次は、大臣、今年の三月の世界平均気温、お聞きになりましたか。今年の三月の世界平均気温は観測史上最高記録を更新しています。去年の六月から十か月連続で月ごとの最高記録が更新されたと。まさに地球沸騰化とかあるいは気候危機ということが大きく叫ばれる今日ですね。そんな中で、六月の五日というのは環境デーでした、世界環境デー、日本は環境の日。今、今月は環境月間ということですね。 環境省がここぞとばかりに打ち出した事業とかプログラムとかいうものが、もしあるんでしたらお示しをいただきたいが、いかがですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 御指摘のように、この環境基本法では六月五日を環境の日と定めておりまして、環境省では、毎年この日を含む六月の一か月間、これを環境月間として取り上げ、様々な取組を実施しております。 今年度は、環境の日の認知度向上及び環境問題への更なる意識向上を目的に、各種メディアやSNSを通じた情報発信等を充実させ、環境省の施策を集中的に分かりやすく届ける取組を行っており、これをまた強化してまいりたいと思います。また、環境の保全に関する普及啓発のため、関係府省庁、地方公共団体等に各種行事の開催を呼びかけております。 引き続き、国民の皆様の環境問題への意識向上に向けて関係省庁と連携して取り組んでまいりたいと考えております。
○水岡俊一君 今お話しいただいたことで、じゃ、例えばここにいらっしゃる委員の皆さんで、環境省がこの六月五日の環境の日にちなんでこういったことをやったんだ、こういった環境保全の取組を進めているよねと感じられたことがありますか。少なくとも私はないですね。 環境省としては、国民の皆さんを巻き込んでの環境保全の取組を今こそやるとき、今こそやる月間じゃないんですか。なぜ環境省は積極的な取組ができないんでしょう、大臣。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 環境省は環境省なりに取組進んできたと思いますけれども、委員の御指摘もあるので、来年はもう少し大きないろんなことができないかと考えております。
○水岡俊一君 いや、それ分かりました。大臣はそう思っていらっしゃるんですね。 皆さん、資料二を御覧ください。資料二は、一と二と二枚ありますけれども、これ実は昨日の環境省のホームページから取ってきたものなんですね。環境の日アンド環境月間、環境の日、環境月間を一緒に盛り上げようということでホームページが作ってあって、例えば、この右のページ見てください、一の右のページ。環境の日、環境月間を一緒に盛り上げようとして書いてあって、下に、これはRICEメディアさんというんですかね、と一緒にということで書いてありますが、これよく見ると、四つこまがあって三つカミングスーンなんですよね。 実はこれ、大臣、六月五日の日に私の事務所でこれ見たんですよ。そうしたら、この右の一つもなかったんです。そんなのといって、うちの事務所で、それ何か間違いじゃないのといってずうっと見ていたんですよ。そうしたら、六月五日の夜になって一つがふっと載ってきたんです。いや、これが実態なんですよ。 いや、だから、それは、環境省さんのやられたことなのか、環境省さんがどこかにオーダーをしてやった事業者がやったことなのか、それはちょっと僕分からないんですよ。 例えば、もう時間もないので、ついでにその次のページ行きましょう。次のページに、左の上のところに、漫画クリエーターの皆さんと一緒に、これ五日の日なかったんですよ。でも、昨日は二つ載っかってきました、漫画がね。でも、あとの三つ、またカミングスーンなんです。それで、この二つは、いやあ、これ漫画やと思って、何こま漫画かなとかと思いながらこれ開いてみたら、これ二ページしかないんですよ、漫画。もうクリックしたらその次のページが出るだけで、それで終わり。 だから、何か僕はけちを付けるとかそういう意味じゃなくて、何か、これを見た国民の皆さんが、やっぱり環境問題みんなで盛り上げたいねというその気持ちが何か伝わってくるようなものにやっぱりしないといけないんじゃないかと僕は思うんですよ、大臣。 正直、何もホームページだけが環境行政じゃないので、それはもう本当一端だと思うけれども、これは非常に大きな環境省の姿勢を誤解する種だと思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員から御指摘もいただきました。 六月中に八コンテンツ載せる予定でございます。それから、かつて、何というんですか、実際の、何というのか、ステージ上の、あるいはその場所を借りてのことをやっていたときもあるんですけれども、コロナのときに中止してからそれは再開していないということもありますので、そのことも含めて、今年できることは今年、そしてまた来年の六月五日にできることをもう少し大きくするべく努力したいと思います。
○水岡俊一君 是非期待をしたいです。 例えば、今年の三月に環境月間を六月にしましょうって決めたんだったら、準備ができなかったから六月一か月の間に何かやりましょうねというのは分かりますよ。これ、毎年来るんでしょう、毎年。だから、六月五日は毎年来て、六月一か月は環境月間が必ずあるんですから、環境月間が始まった日に全部コンテンツ載せたらいいじゃないですか、そんなの、出し惜しみしないでと私は思います。是非お願いをいたします。 次のお尋ねに行きたいと思います。 先日、衆議院の環境委員会で参考人質疑をされて、そのときに、ある高校生を是非参考人として招きたいという案が上がったそうです。ところが、結果的にはそれは実現しなかったということなんですね。それが良かったか悪かったかじゃなくて、大臣としては、例えば参議院のこの環境委員会に参考人として高校生を招くということを例えば理事の皆さんが提案をしたら、大臣としてはどういうような感想をお持ちですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 国会の委員会運営というのは、これは国会の皆様がお決めになることなので、国会がお決めになったらしっかりそれを受け止めてやりたいと思います。 それから、もう少し関連で申し上げた方がよければ申し上げますけれども、御質問……(発言する者あり)
○水岡俊一君 それは、じゃ、国会が決めたらということで、また環境委員会の理事の皆さん方にまたお話をしていただいたらなというふうに思いますが、私は、高校生だから議論になかなか参加しにくいんだろうとか学校があるからとか、いろんな、もし実現するとしたら出てくるとは思うんですけどね。私は、高校生とか子供の意見というのはどんどんと僕らは受け入れるべきじゃないのかなと思うんですよ。それはなぜかというと、これ伊藤大臣の前の西村大臣にも申し上げたんですが、二〇五〇年カーボンニュートラルじゃないですか、二〇五〇年、伊藤大臣、生きておられますか。私と伊藤大臣は三つぐらいの差ですけど、同世代としたらなかなか、九十代後半ですからね、大臣は生きていらっしゃるかも分かんないけど、なかなか責任が持てる年代ではもうないですよね。 だから、二〇五〇年代働き盛り、この社会を引っ張っていく年代の方々が今の環境政策をどう考えるのか、カーボンニュートラルに向けてどういうことをやらなきゃいけないか、どれぐらい必死で頑張らなきゃいけないかということを考えてもらうような、そういう意見、そういう年代の方々というのは僕はもっとスポットを当てるべきだと思いますが、大臣はいかがですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 気候変動対策、やっぱり委員が御指摘になるように、高校生を対象にしたプログラム今ありませんけれども、私は、高校生を含む若い世代に気候変動の問題やその対応策について幅広く認識してもらい、一人一人の行動につなげてもらうことは重要だと考えております。 環境省としては、例えば、次の時代を担うユースが環境問題の解決に向けたネットワークを構築する一環として、全国ユース環境活動発表大会を開催して先進的な活動内容について表彰するなど、高校生の取組を後押ししてございます。 また、環境省は、二〇二〇年から、脱炭素社会の推進など施策について国民の理解と共感を広げるために、高い情報発信力を有する方をサステナビリティ広報大使として任命しております。同大使には若手のタレントの方も任命しており、若者に向けた発信力等を期待しているところでございます。 さらには、国民運動であるデコ活を通じて、自治体や企業が提供する体験学習の場や教育コンテンツ等により若者の意識醸成を図ったり、主体的な行動変容、実践につながる取組を分かりやすく紹介しており、引き続き脱炭素に資する国民の取組の広がりが広がるように働きかけてまいりたいと思います。 それから、委員御指摘のように、この気候変動対策の検討プロセスにおいて、若者を始めとする様々な方の声に耳を傾けることは重要だと考えております。今後とも、対策の検討を進めるに当たっては、若手の方、若手の事業者、有識者の参画やヒアリングの実施など、多様な方々からの意見を伺うことを考えてまいりたいと思います。 ちょっと繰り返しになりますけれども、気候変動対策の検討プロセスにおいては、年齢層、性別、専門分野、専門性等のバランスに留意しつつ、多様な方々からの意見を伺うことを考えてまいりたいと考えております。
○水岡俊一君 大臣がとにかく、それは国民の皆さんに分かりやすく伝えていきながら、あるいは若者の、あるいはいろんな年齢層のいろんな職種の人たちも含めてというお話は大臣のお考えとして本当に進めていってほしいなというふうに思うんですが、今のお話の中でも出てきました、皆さん、デコ活という言葉が出てきましたよね。デコ活って、委員の皆さんは御存じかもしれぬけれども、国民の皆さん百人に聞きました、何人が分かりますかね。多分一人も分かりませんよ。 デコ活というのは環境省と経産省の人たちが分かっているだけの話であって、それはいい言葉だと思うんですよ。脱炭素、炭素から脱却をしていくんだ、削減をしていくんだという意味で、デコと活とうまく語呂合わせをした言葉だと思うんだけど、浸透しないじゃないですか。それはやっぱり余り意味がないんですよ、浸透しなかったら。だから、分かりやすく環境問題を捉えるという意味ではもっと違うアプローチを考えなきゃ駄目だと、私はそういう意見を持っています。 それで、何々の、何というか、発表会とかコンテストとか、そういうのも大事だと思いますが、私はもうそういう悠長なことを言っている場合じゃないと思うんです。だから、環境省の中に高校生とかもっと小さい中学生とかを入れたプロジェクトを、プロジェクトチームをつくってはどうですか。そして、環境省の若手の職員とそのいろんなプランを練っていくような、それを環境省として取り入れるぐらいな勢いでやらないと、何にも進みませんよ。私はそう思っています。 大臣、御存じのように、グレタ・トゥーンベリさん、スウェーデンの方ですよね。彼女がスウェーデン議会の前で演説をした。有名になりましたね。あのとき彼女は十五歳ですよ。十五歳で彼女は議会の前で演説をして、そして、あなた方は私たちの未来を奪っているんだと、そういうふうに言ったというのが世界中に広がったじゃないですか。 やっぱり、今や、その二〇五〇年を生きていく世代の方々が、本当に自分たちの人生どうなんだ、生きていけるのかということを危機感を持って考えている人たちの声を環境省入れてくださいよ。大臣、お願いします。 次の問題に行きます。もう時間もなくなってきました。 JCM、二国間クレジットというお話、これなかなか考えたプログラムだというふうに思います、それはね、いいんですけど。ちょっともう深く入ることができませんが、これ、大臣、ややもするとですよ、ややもすると、国内における削減努力から逃げ道ができてしまったというところを私は懸念するんですが、実際には、なかなかこれ仕組みとして難しいけれども、企業の中には、そういったことを積極的にやりたいと思っていらっしゃる貢献する企業があって、発展途上国と契約をしながらクレジットを共有するというようなことができれば、それはいいんだけれども、地球全体としては削減に拍車が掛からないんじゃないかと。日本は、日本の目標、四六%削減という目標から出れないんじゃないかと、あるいはもっと下回るんじゃないかということが心配されるわけですよね。 私、最後の質問の通告の中にも入れておりますけれども、環境省はこうおっしゃっているんですよね。二〇三〇年温室効果ガス四六%削減、更に五〇%の高みを目指す、ここですよ。五〇%の高みを目指すって、これ物すごく注目されるところですよね。その意味は何なんですかね。何か策があるんですか、秘策が。秘策もないのにただ言っただけじゃないですよね。大臣、いかがですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 前段の委員の御指摘も併せてお答えしたいと思うんですけれども、このJCM、これは、JCMは、世界全体の排出削減に資するために、今後も排出量の増加が見込まれる途上国等への脱炭素技術等への導入を通じた排出削減、吸収及び持続可能な開発に貢献するものであり、これによって、日本も日本で今委員が御指摘した削減目標を達成してまいりますけれども、国内、国際の両分野で地球温暖化対策を推進する一つ大きな仕組みだと思います。 それから、委員が今御指摘なさったように、二〇五〇年ネットゼロ、二〇三〇年度に二〇一三年度比で四六%削減、で、五〇%の高みに向けた挑戦の継続という目標を掲げております。この達成に向けた取組を実際に進めております。 まずは、二〇三〇年度四六%削減目標は、二〇二一年十月に閣議決定された地球温暖化対策計画で定めた目標でございまして、関係審議会等において具体的な対策、施策等について議論を積み重ね、二〇五〇年ネットゼロと整合的で野心的な目標として定めたものでございます。 さらに、今御下問の五〇%の高みに向け挑戦を続けていくという点については、これは四六%削減にとどまるものではなくて、五〇%削減に向けて挑戦し続けるという意思を国際社会に示すことの必要性なども踏まえて、当時の菅総理が判断されたものと承知しております。 この目標のために政府一丸となって、地球温暖化対策計画等に基づく対策、施策を通じて、目標達成に向けた取組を進めてまいりたいと、そういうふうに考えています。
○水岡俊一君 ちょっと嫌な聞き方ですけど、菅総理、当時の政府はそれだけの意気込みを持っていたということは分かりました。今の環境省、今の伊藤大臣の下における環境省は、その五〇%の高みを目指すことの秘策か何かおありですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 地球温暖化をやっぱり食い止める、二酸化炭素の削減、これ一つの施策で一〇〇%解決するものは私はないと思っています。 これは、今申し上げたことと重なりますけれども、政府としては、地球温暖化対策計画、エネルギー基本計画、さらにGX推進戦略、これを閣議決定しておりまして、これらの方針に沿って、技術革新、社会実装を政府一丸となって進めるということだと思います。そして、現時点の進捗としては、二〇二〇年度には二〇一三年度に比べて約二三%の削減を達成するなど、二〇五〇年ネットゼロに向けた順調な減少傾向を継続しております。 しかし、引き続き、予断を持つことなく、目標達成に向けた対策、施策を全力で推進してまいりたいと、そういうふうに思います。
○水岡俊一君 順調に、だけど予断を許さず、まあ、そうなんでしょうね。 だけど、やっぱりその意気込みを示すということは大事だと思うので、それは我々も一国民として、一国会議員として皆さん努力をするべきだというふうには思いますが、政府として本当にリーダーシップを取っていただかなきゃいけないと、こういうふうに思うわけですね。 最後に、これお聞きします。 大臣、太陽光発電って、物すごい未来があると思うんですよ。今、日本で太陽光発電はどうなっているかというと、実は西日本は電気が余っているんですよ、太陽光発電で。だから、今、夜間電力で、値段安いじゃないですか、夜間電力がね。ところが、もう昼、電力が余っているから、昼使ってくださいと、九州電力も中国電力もそうやって安売りしているんですよ。つまり、もう太陽光発電で、日本のいろんな部分、工業だとかあるいは商業だとか都会だとかの電力を賄うだけの物すごいそのパワーが今あふれているというのが今の西日本なんですよ。 これ、東日本にも広げていく中で、どんどんと自然エネルギーを使う方向を環境省としてがあんと進めていくということになりませんかね。どうでしょう。
○国務大臣(伊藤信太郎君) ちょっと前段の御質問とも関連しますけれども、基本的には再生エネルギーは増やすべきだと思います。 しかし、環境省としては、やはり地域の環境、これに配慮して、地域の環境が壊れない形で再生エネルギーも進めなきゃなりません。したがって、太陽光発電にもいろんな懸念を示している地域や人々もいらっしゃいます。それから、太陽光発電は、まさにその太陽光が出ているときは発電しますけれども、出ていないときは発電しないので、今度蓄電技術も必要です。 それから、今、西日本で余っているけどという話がありますけれども、御案内のように、明治以降、日本は東と西で交流のサイクルが違います。ですから、それをそのままエネルギーグリッドで東に使うこともそんなに容易ではないんですね。そういうことに、まあ詳しく言い過ぎると質問時間が過ぎますけれども、総合的に考えて、再生エネルギーを環境を配慮しながら増やすと、それと同時に二酸化炭素をもちろん削減しなきゃなりませんし、そしてまた人間が生きていく上においてはエネルギーの安定供給というものも必要ですから、そして日本が置かれた地理的な条件というのもあります。 ですから、欧州のようなやり方でのエネルギーグリッドはできませんので、日本の国内においてエネルギーが安定供給できるということを大前提に、二酸化炭素の排出を減らし、そして地域の環境を配慮しながら再生エネルギーを増やすという観点が必要だろうというふうに考えております。
○水岡俊一君 最後で終わります。 大臣、もっともっと申し上げたいことあるんですよ。というのは、なぜかというと、太陽光発電、メガソーラーパネルが万能とは思いません。それでいろんな問題も出てきているので、それはバランスを取らなきゃいけないと思うけど、バランスという意味で、実は東日本や北海道も特にそうだと思いますが、再生可能エネルギー業者支援賦課金というのが高くなっていますよね。実際、その再生可能エネルギーを開発するために、一般の利用者が賦課金をたくさん取られている、電気代たくさん取られている状態の中で電気が余っているというようなアンバランスが起きていたりするので、そういった意味では、環境省が是非リーダーシップを取って、そういったことについての問題解決に御努力をいただきたい、お願いをして、質問を終わります。 以上です。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、関口昌一君及び石井準一君が委員を辞任され、その補欠として山本佐知子君及び永井学君が選任されました。 ─────────────
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。 今、水岡先生からも、再生可能エネルギー、太陽光の可能性についてお話がありました。私も地球温暖化対策として再生可能エネルギーの普及、開発していくべきだと思っております。 先日、参考人の方々に、日本のペロブスカイト太陽電池、あの曲がるやつですね、いろんなところに、これ日本発の技術と伺っておりますけれども、いろんなところにそれを設置していける可能性があるということ、また、洋上風力発電についても伺いました。まだ法案通っていませんけれども、EEZまで洋上風力発電をできるようにするということ。 また、いろんな企業が取り組んでおられます技術開発に、洋上風力発電の浮体式の船を、鉄ではなくて自己治癒型のコンクリートというものを開発している、技術を持っている企業があります。それでEEZまで持っていって、そこでアンモニアや水素に、再生可能エネルギーで製造して持ってくるということまで考えておられる、そういう事業者もいらっしゃいまして、可能性が非常にあるというふうに思っております。 ちょっと質問の順番変えまして、まず、日本では、再生可能エネルギーによって水素等を作る、グリーン水素を作る、その技術が世界に比べてまだ優位性があるというふうに伺っております。これについて経産省に伺いたいと思います。この優位性についてお願いいたします。
○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。 我が国は、水素の分野におきまして世界で高い競争力を持つ技術を複数有していると認識をしております。 例えばでございますが、水素の製造効率を左右する水電解装置に用いる膜は、変換効率の高さが評価をされておりまして、世界トップクラスのメーカーにおいて採用が検討されているというふうに承知をしております。また、水素を効率よく海上輸送するための液化水素技術、これは日本が世界で初めて実用化していると、そのように承知をしております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 先日、山梨県の長崎知事、そして県庁の方々と水素社会実現に向けて意見を交換いたしました。 山梨県では、民間企業と共同でNEDOの委託事業としてP2Gシステムの技術開発を行い、地域で再エネ生産、山梨の場合は太陽光発電ですね、再エネで発電して水素、アンモニア等の製造を行うと、グリーン水素、その事業を行っているわけですけれども、これに海外からの引き合いがあるそうです。インド、インドネシアではNEDOの実証前調査の事業の実施、また、ベトナム、ブラジル、オマーンでは地域で協定を締結するなども既にしているということでございます。また、そのほか十七の国等からの視察があるということで、注目をされているということでございます。 それ、どうしてそういうふうに注目をされて視察まで来ているのかということでございますけれども、やはり、それだけ注目をされて、技術を探している国々、地域があるということだと思います。つてをたどって視察等に来られているということなんですね。 これ、山梨県のお話では、世界中探してもグリーン水素等の技術、個別企業等が集約したプラットフォームというのはまだないようでございます。日本で、日本が主導してそれをつくってはどうかという、そういう御提言がございました。これについて伺いたいと思います。
○政府参考人(山田仁君) お答え申し上げます。 委員御指摘ございましたが、日本の産業競争力の強化の観点からは、この水素関連技術、これを世界に展開して世界の水素関連市場を獲得していくということは重要だというふうに思っておりまして、そのためには、この日本の水素関連技術を国内外に知っていただくための取組というのが必要だというふうに考えております。 今ほどお話ございました、今、経済産業省では、NEDOのホームページを通じて、このグリーンイノベーション基金を活用して研究開発を進めております液化水素運搬船や水電解装置といった日本が世界に優位性を持つ水素関連技術について情報発信を行っているところでございます。 また、こうしたホームページによる情報発信に加えまして、海外の政府や企業に日本の技術を直接的にアピールしていくことも効果的であると考えておりまして、例えば、G7やCOPなどの国際会議の場も活用して展示や関連セミナーを実施したほか、大阪・関西万博などでも水素、アンモニアの展示などを通じてその技術力を発信していく予定でございます。 また、特にアジアにつきましては、アジア・ゼロエミッション共同体、AZECという協力枠組みを立ち上げておりまして、マレーシアでの商用規模のグリーン水素製造プロジェクトを含む協力案件を公表しているところでございます。 日本の水素関連技術が国内外で認知されるとともに、広く国際的に評価され、具体的な海外プロジェクトへの採用につながっていくように、引き続き、関係者の方々の意見も伺いながら、より効果的な情報発信につきまして検討を行ってまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非お願いいたします。 NEDOの英語のホームページ見ましたら、プロジェクトについて、オーバービューとかサマリーとか、プロジェクトスキーム紹介されておりました。非常に有用なものだと思います。 まず、このコンテンツを、NEDOに関わっているものはもちろんのこと、それ以外のものも集めていって発信をするということだけでも効果があると思います。まずは、第一段階としてすぐできることとしてはそれがあると思いますし、今後、現場の御意見も伺いながら検討していただけるという御答弁いただきましたので、是非進めていただきたいと思います。 将来的には、日本が主導でこのプラットフォームを、グリーン水素関連のプラットフォーム、個別の企業の技術ですとか、そういったものを全部集めて、海外からもそこにアクセスして、技術の供給側と利用者、需要側をマッチングするような機能も持たせていくような、もうグリーン水素のことであればそこに行けば情報が集まっているというような、そういうものに行く行くはしていっていただければというふうに願っております。 また、国際展示会等へのお話、今もお話ございましたけれども、海外の展示会等に出ていくときに、企業や団体が出ていくときにやっぱり日本の冠を持っているということが大事だと思いますし、財政的な支援もあった方がいいかと思います。こうした支援について環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(秦康之君) お答えいたします。 環境省におきましては、国際会議や政府間の政策対話等の機会を活用いたしまして、展示やセミナー、ビジネスマッチング等を行い、日本の企業や団体が有する脱炭素等の経験や技術を海外に発信し、それらの海外展開を後押ししております。 特に、環境省が行う展示やセミナー等では、出展料、これを徴収することなく御参加いただけるように取り計らっております。一例申し上げますと、昨年、UAEで開催されましたCOP28におきましては、会場内にジャパン・パビリオンを設置いたしまして、我が国の企業が有する様々な排出削減やあるいは適応に関する技術等を展示したところ、多くの海外の関係者に御訪問いただいたところでございます。 こうした我が国の企業等が有する優れた脱炭素技術を世界に向けて発信する場をしっかり提供いたしまして、その海外展開を後押しすることで世界全体の温室効果ガスの排出削減、途上国における環境問題の解決に貢献してまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。 次に、六月四日の環境委員会で質疑させていただきました廃棄物処理業の適切な処理費用の算定等について、大臣から先日御答弁いただきました。適切な処理費用の算定等について技術的助言を行う、この答弁ですね。廃棄物の処理業の方々、委託業者の方々も許可業者の方々も大変に喜んで期待をされていらっしゃいました。 この技術的助言の中身はどのようなものになるか、また技術的助言を検討する場を設ける予定か、また関係者のヒアリングなど現場の状況をよく把握した上で実効性あるものにしていただきたいというふうに思っております。また、時期はいつ頃を考えておられるか。これ、環境大臣にお伺いしたいと思います。伊藤環境大臣、お願いいたします。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 本年六月四日の委員会において、私から、適切な処理費用が廃棄物処理業者に支払われるよう、人件費等の最新の実勢価格等を踏まえた適切な処理費用の算定等について助言を行う旨お答えを申し上げたところでございます。 これを受け、私から担当部局の事務方に対して指示を行いました。現在、助言の内容について検討を行っております。具体的には、人件費等の最新の実勢価格等を踏まえた適切な予定価格の作成や、人件費、原材料費、エネルギーコスト等の実勢価格に関する契約後の状況の変化に応じた必要な契約変更の実施などの対策に関する特に留意いただきたい事項について助言を行う予定でございます。現在、検討会等を設けることは予定しておりませんけれども、現場の状況等を踏まえながら検討を進めてまいりたいと思います。 なお、適切な処理費用が廃棄物処理業者に支払われることの重要性については、今月中に地方自治体の廃棄物担当者が参加する会議で周知、これを行う予定でございまして、さらに、御指摘の助言については準備ができ次第速やかに担当部局から行うこととしたいと思います。
○竹谷とし子君 早速指示をしていただいて、また担当部局も御検討いただいているということ、また今月中にその重要性について会議で周知を行うということ、すぐ動いていただいていることに感謝申し上げます。 この技術的助言についてですけれども、通知などの文書で行っていただけるということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(角倉一郎君) お答え申し上げます。 技術的助言につきましてはしっかりと文書の形で行いたいと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非よろしくお願い申し上げます。 続きまして、前回質問できなかった、能登地震での災害廃棄物運搬、処理を行った事業者への支払についてということで質問させていただく予定でございました。これについて環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(角倉一郎君) お答え申し上げます。 能登半島地震につきましては、環境省では、市町村が実施する損壊した家屋等の公費による解体撤去や災害廃棄物の収集運搬及び処分に対し、災害等廃棄物処理事業費補助金により財政支援を行っております。その上で、災害廃棄物の処理につきましては各市町村がそれぞれの処理事業者に業務を委託しており、その委託料の支払は事業者が実施した処理実績に応じて支払を請求していただき、一般的には市町村から事業者に三十日以内に支払を行うと、こういうことにされております。 こうした中で、環境省といたしましては、災害廃棄物の収集から事業者への支払に至るまでの一連の処理が適切かつ迅速に行われるよう、災害廃棄物対応の知見、経験を有する環境省職員等を現地に派遣し、被災市町村に技術的助言を行っているところでございます。その上で、事業者への支払の原資として、市町村からの要望に応じ、災害等廃棄物処理事業費補助金の概算払も行っているところでございます。 こうした取組などにより事業者への委託料の支払が適切に行われるよう、引き続き被災市町村を支援してまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 災害廃棄物の処理というのは、復旧復興にも欠かせない大事な事業であるというふうに思います。 また、被災した市町村の事務も大変な状況であると思います。今御答弁ありましたように、事業者への委託料の支払、適切に行われるよう、引き続き被災市町村を支援していくという御答弁いただきましたので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 そして、災害時の携帯トイレ等の全国的な家庭の準備状況について伺いたいと思います。 能登半島地震では、陸路の寸断や水道管、浄水場などの破損等による断水、さらに、下水処理場やポンプ場、浄化槽などの被災によってトイレが使えない状況が長引きました。まだそのような状況にあるところもあると思います。これによって、発災直後から避難所でも在宅避難されている方も深刻な状況に陥っておりました。 私も現地に三回入らせていただきましたけれども、本当にトイレの問題は大事だということを痛感しております。また、報道でトイレの状況を見聞きされた多くの方々も、トイレについて関心を寄せておられる状況にございます。 国は、自治体に対して、災害のトイレの確保、管理計画を作るよう呼びかけています。その進捗状況を国が把握することも必要ですが、自治体による備蓄とともに、国民の皆様がそれぞれ御自宅や職場でトイレの備蓄を実行していただくように取り組むことも不可欠だと思います。 日本トイレ協会の調査報告によりますと、災害用トイレを備蓄している人は二二・二%、さらに、四日分以上備蓄している人は僅か四%となっています。備蓄しない理由は、特にないが四五%ということでございます。まずは、特段の理由がないけれども備蓄していないという方々に備蓄の必要性を御理解いただいて、実行に移していただけるよう取り組む必要があると考えます。 都内のある市では、期間を決めて、その間であれば割引価格で災害用トイレを購入できるようにして、備蓄に向けて市民の背中を押すという取組もされています。 家庭での災害時の携帯トイレの備蓄状況と備蓄の向上に向けた取組を内閣府に伺います。
○政府参考人(上村昇君) お答えいたします。 内閣府では、災害時用トイレなどの備蓄に取り組むことについて、内閣府ホームページや政府広報オンラインなどインターネットでの周知、また、毎年、防災に関する様々な団体が集い、国民誰もが参加して防災を学べる防災推進国民大会の開催などを通じて普及啓発に努めております。 引き続き、今委員が御指摘したことも含めまして、災害時用の備蓄を含めまして、国民一人一人の防災意識の向上に努めてまいります。
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。 次に、法案関連の質問、基本的なことをさせていただきます。 二国間クレジットにおけるこれまでの日本の財政支出の累計額、また、日本のように二国間クレジットのプロジェクトを行っている他国の状況、また、もし分かれば財政支出額を教えていただきたいと思います。あわせて、二国間クレジットにおける温室効果ガスの削減、これまでの累計ですね、削減一トン当たりの財政支出額についても伺いたいと思います。
○政府参考人(秦康之君) お答えいたします。 お尋ねのクレジット創出に係る我が国の財政支出についてでございますけれども、日本政府からの支援事業に関する支出の累計は、平成二十五年度から令和五年度までの十一年間に合計で七百六十億円、約七百六十億円でございます。 パリ協定六条に沿った二国間の他国の取組でございますが、主に韓国やスイスで進められております。双方の国の財政支出の額については承知をいたしておりませんが、スイスにおいては十三か国と二国間の合意文書に署名し、二〇三〇年度までに二千万トン程度の排出削減を実現することを目標として約二十件のプロジェクトを実施していると承知しております。また、韓国におきましては、現在三か国程度と署名し、二〇三〇年度までに三千七百五十万トンの排出削減を実現することを目標に今後具体的な案件を組成していくと承知をしております。 また、クレジット創出に係る削減量一トン当たりの日本政府の財政支出額についてでございますけれども、CO2一トン当たり約三千四百円と、これまでの累積削減見込み量とそれから政府支援事業から計算した数字でございます。
○竹谷とし子君 この日本以外の国でのCO2の、地球温室効果ガスの削減に今、日本が貢献していくということは非常に外交上も重要なことであるというふうに思っております。 これまで多額の財政支出をしております。今後もしていくことになると思いますけれども、ODAとは別枠でこの貢献をしていくということ、国民の税金を使わせていただいてではございますけれども、日本の技術を使って世界に貢献をできるということで大変重要なことであるというふうに思っております。 一方で、この事業実施に当たって、相手国の周辺住民の理解、また人権を守る、環境保全を行っていくということ、大変重要でございます。これをいかに確保していくのかということについて伺いたいと思います。
○政府参考人(秦康之君) 環境省が実施しておりますJCM設備補助事業におきましては、これの採択に際しまして、ビジネスと人権に関する行動計画、これ令和二年に関係省庁の連絡会議でまとめたものでございますが、これに沿って最善の人権対応に取り組んでいるかといった点、あるいは、パートナー国のSDGsの実現に寄与し、ジェンダー平等の取組、これを目指しているのかといった点、あるいは、パートナー国の環境保全に関する法令を遵守し、また国際的な慣行やガイドラインに沿っているかといった点、こういった点を審査をしつつ実施をいたしております。 また、JCMがSDGsにも貢献するために実施されるものであることを明確にしていくため、現在、JCMの実施ルール等の採択に向けた調整、これをパートナー国との間で順次進めております。具体的には、先住民や地域住民の権利への配慮や環境保全等に関する実施計画のみならず実施報告の方も求めて、それらを両国の政府代表から成る合同委員会で確認をするといったこととしております。 引き続き、JCMプロジェクトが持続可能な開発の実現に資するようなものになるよう対応してまいりたいと思います。
○竹谷とし子君 今回の法案でこの二十四条がございます。カーボンフットプリントについて、若者から、この取組しっかりやってもらいたいということを、私、二年前にまた選挙出させていただくときに、街頭演説やっているときに若者からそういう要望をいただきました。特に若い世代は、環境に負荷を与えないものを、製品、サービス選びたい、またそういう企業を選んでいきたい、そういう意識が高いように思います。 こちらで、この規定の中に温室効果ガスの排出量がより少ないものの製造等を行うとあります。これ、何と比較してより少ないとするのか、このカーボンフットプリントの取組と併せて伺いたいと思います。
○政府参考人(秦康之君) この二十四条におけるより少ないものといいますのは、過去の自社製品と比較して少ないものに加えまして、他社の類似製品と比較しても少ないと、両方含まれるものと認識をしております。 こうした排出量のより少ない製品等を事業者が提供し消費者が選択していくためには、ライフサイクル全体での温室効果ガスの排出量、いわゆるカーボンフットプリント、その把握や表示を促進し、その利活用を進めていくことが重要と認識しております。 その算定方法につきましては、ISO等の国際ルールが既に存在していることを踏まえまして、環境省においては、経済産業省さんとも連携をいたしまして、その算定方法に関するガイドライン、これを二〇二三年三月に策定をしたところでございます。 このガイドラインにおきましては、過去の自社製品との比較に加え、他社製品と比較されることが想定される場合の要件についても規定をいたしておるところでございます。 消費者の購買費用の変動につなげるためには、同じ商品群で比較可能になること、また分かりやすい表示が必要でございます。そのため、今年度は、業界単位でのカーボンフットプリントの算定、表示に向けた共通ルール策定などについての支援事業も実施することといたしてございます。
○竹谷とし子君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
○串田誠一君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の串田誠一でございます。 最初に、この法案、二国間クレジット制度というのはパートナー国のCO2排出削減に寄与するものであるというふうに思うのですけれども、間違いございませんでしょうか。環境大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) このJCMは、パートナー国に対する我が国の優れた脱炭素技術等の普及や対策の実施を通じて温室効果ガスの排出削減量及び吸収量を定量的に評価することで、パートナー国及び我が国のNDCの達成に貢献するものでございます。 委員御指摘のとおり、プロジェクトを実施したパートナー国における温室効果ガスの排出削減に寄与し、ひいては世界全体の排出削減にも貢献するものでございます。加えて、優れた脱炭素技術等が広く普及することで、持続可能な開発にも貢献するものというふうに考えております。
○串田誠一君 世界的なCO2排出削減にも寄与する、パートナー国にも寄与する、大変いいことだと思うんですけれども、一方で、それによって我が国のCO2排出削減の推進が遅れてしまうのではないか、こういうふうに懸念を持たれる方も多いかと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。 我が国のNDC達成に向けては、国内における排出削減、そして吸収対策が最も重要であり、二〇三〇年度四六%削減、さらに五〇%の高みに向けて挑戦を我々は続けているところであります。 その上で、JCMは、今後も排出量の増加が見込まれる途上国などへの脱炭素技術などの導入を通じ世界全体の排出削減や持続可能な開発に貢献するものであり、こうした国内外の対策を両輪として実施していくことが必要であると考えております。 本法案では、JCMの実施体制の強化、地域共生型再エネの導入促進に向けた地域脱炭素化促進事業制度の拡充などを行うものであり、国内、国際の両分野で地球温暖化対策を更に加速してまいりたいと考えております。
○串田誠一君 ありがとうございます。 私、温暖化対策でいつも疑問に思っているものとして一・五度目標というのがあるんですけれども、我が国は既にこの一・五度という数字よりもはるかに上になってしまっているのではないかと思うのですけれども、この認識は間違っているんでしょうか。
○政府参考人(秦康之君) お答えいたします。 我が国の年平均気温は、統計を開始いたしました一八九八年から二〇二三年の観測結果によりますと、百年当たり一・三五度の割合で上昇しているということが報告をされております。 パリ協定で定められた目標は、世界全体の平均気温について、工業化以前と同程度とされる一八五〇年から一九〇〇年までの平均気温との差を一・五度以内にするというものでございます。気温の上昇幅には地域差でありますとかあるいは年による変動等ございますことから、日本の平均気温と直接比較できるものではないと認識をいたしております。 いずれにいたしましても、世界及び日本での年平均気温の上昇、これについては強い危機感を持っておりまして、我が国はもとより、世界各国がより一層取組を強化していかなければならないものと認識をいたしてございます。
○串田誠一君 今、日本は一・三五度ということで、まだそのうちの中に入っているというような御説明でしたけれども、この一・三五度という、その平均気温なんだと思うんですが、市街地、例えば都市部、これは入っておりますか。
○政府参考人(秦康之君) これは、どちらかというと、その都市化の影響が比較的小さい十五観測地点での各年の値を使っているというふうに承知をいたしてございます。
○串田誠一君 一般的にもっと上がっているんだろうというその人口の多いところは省いて、人の少ないところだけを選んで測っていて一・三五度なんですね。 例えば、二〇二三年度の猛暑日、三十五度以上、これ東京二十二回あったんです。じゃ、五十年前はというと、ゼロとかほとんどないんですよね。そういう意味では、都市部とか、いろんな人たち自身は、もうずうっと上がっているだろうという実感があるんだと思うんですね。それを、そういうところの地域を除いて測っていってしまうということは、もう本当に危機感を私失ってしまうのではないかと思うので、産業革命以降、一八八九年でしたか、気象庁が観測したときからで結構ですけれども、この市街地、都市部、これとの比較というものも明らかにした上で、今の地球温暖化というのはどれだけ沸騰化されているのかということを実感できるような数値も、これは示していく必要があるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(秦康之君) 都市部におきましては、いわゆるヒートアイランド現象、つまり建物がコンクリート化したり、あるいは道路がアスコンで舗装されたりとか、そういった影響も強く受けておりますので、ただ一方で、ちょっとそれらを要因からどう排除するのかというのも難しいということから、これまでその都市化の影響の少ないところを中心に温暖化の影響というのは観測してきたものというふうに承知をいたしてございます。
○串田誠一君 まさに、そういう現象も含めて、この地球は危機的な状況なんだと、住んでいることも大変なんだということの対策というのを、そういうことが分かって初めて私は成り立っていくのではないかと思うので、そういったようなところを除くという理由には私は全くならないのではないかなというふうには思います。 ところで、カーボンフットプリント、今、竹谷委員から大変細かな丁寧な質問がありましたので前提は除くといたしまして、我が国のCO2削減だけを推進するだけではなく、我が国が他国に対してCO2の排出を加担してしまっていることに関しては、これはなくしていかなければならないと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○副大臣(八木哲也君) 議員御指摘のとおりだと、こういうふうには思います。 一・五度目標の実現には世界全体での排出削減を進める必要があります。日本国内での削減を進めるだけではなく、他国の排出増加や吸収源の破壊につながるような取組を抑制していくことが重要であります。そのためにも、海外での排出も含めたライフサイクル全体の排出量の算定やバリューチェーン全体での排出削減が必要であり、環境省といたしましてもそれぞれの取組を支援していく所存でございます。
○串田誠一君 工業製品は経産省との連携というのも必要かと思うんですが、そのカーボンフットプリントとの関連で、畜産業は、こういうカーボンフットプリント、要するに生産過程から消費、廃棄物までに関するものとしては入らないんでしょうか。
○政府参考人(秦康之君) お答えいたします。 カーボンフットプリントは、製品のライフサイクル全体での温室効果ガス排出量の見える化、これを進める取組でございます。畜産物を利用する製品の場合におきましても、飼料の調達段階や家畜の飼養段階、飼養というのは育てる飼養ですね、での排出量、これも算定範囲に含まれると考えてございます。この算定を進めることにより、排出の多いプロセスが特定をでき、排出量のより少ない原料の調達や生産方法の選択につながっていくものと考えてございます。 このため、環境省におきましては、カーボンフットプリントの普及に向けて、経済産業省とともに、先ほども御答弁申し上げましたが、算定の方針をガイドラインとして示しております。また、これは農水省さんとの連携でございますが、農水省さんではみどりの食料システム戦略を進めておられます。こういった動きと連動いたしまして、フードサプライチェーン全体の見える化及び脱炭素化の取組を進めておるところでございます。 引き続き、関係省庁と積極的に連携しながら、カーボンフットプリントの普及やバリューチェーン全体での脱炭素化の取組を進めてまいりたいと考えております。
○串田誠一君 今答弁にも飼料の話がありましたけれども、日本の飼料の輸入割合というのは今幾らでしょうか。
○政府参考人(関村静雄君) お答えします。 家畜飼料については、カロリーベースと同様の可消化養分総量を基準とすると、輸入割合は七四%となります。
○串田誠一君 非常に高い割合の、計算式だと八割以上という計算のときもありますが、今のお答えのように七四%というような、いずれにしても、大変高い率で輸入されているんですね。これは農水省でも質問させていただきましたが、畜産に関する自給率というのは一七%。普通の自給率三八%なんですが、畜産に関しては一七%で、何かあったときには一七%しか日本は持ちこたえられない。八〇%以上が飼料に頼っておりますので、その畜産を維持することがもうできないというのが今の現状でございます。 そういう意味で、この飼料を他国から輸入するに当たっては、他国はその飼料を作るために森林を破壊することもありますし、あるいは、その飼料を輸入する段階でもう既に、船や飛行機、いろんなものを利用する、CO2を排出をしてしまっています。その点で、放牧というのは、この日本の大地の生草を畜産動物が食べて、そして成長していくという点では、アニマルウエルフェア、この環境省が進めなければいけない分野でもありますし、また、CO2削減にも寄与する、カーボンフットプリントにもなって、なおかつ食料安全保障、この一七%という極めて低い食料の分野に関して、有事の際の食料安全保障にも私つながると思います。 この点においては農水省に期待をするにしても、これ生産性を考えると、どうしてもやはり飼料を輸入していった方が飼養しやすいんですね。放牧というのは広い大地が必要ですし、やはり手間暇も掛かる。しかし、今の日本においては、このようなカーボンフットプリント、アニマルウエルフェアという観点からすると、環境省がリーダーシップを取って農水省とこれ連携して私は進めていくべきではないかと思いますが、環境大臣、お聞きできますか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、この地球温暖化対策の観点からは、飼料の調達や家畜を飼養する段階も含め、ライフサイクル全体での温室効果ガス排出量を削減することが重要だと考えております。このため、カーボンフットプリントなど見える化の取組を進めることによって、排出の多いプロセスが特定され、排出量のより少ない原料の調達や生産方法の選択につながっていくものと考えております。 一方、委員が御指摘のとおり、このアニマルウエルフェアに関しても、環境省では、動物愛護管理の観点から、産業動物の適正な取扱いを確保するため、関係省庁と連携し、産業動物の飼養及び保管に関する基準を定め、その動物の所有者等に対してその遵守を図っております。 引き続き、畜産における温室効果ガスの削減、排出削減にも留意しつつ、アニマルウエルフェアにも配慮した動物の取扱いの推進に向けて関係省庁との連携を深めて進んでまいりたいと考えております。
○串田誠一君 乳牛においてはつなぎ飼いが七割以上ということでございまして、能登半島地震において、状況のときには、災害が起きたときに、人間は被災するんですけれども、畜産関係に関しては、この動物たちを救うことというのはこれはもう大変難しい状況なわけですね。これに対して、放牧というのは放しているわけですから、地震で人間が被災、災害から被災しても、畜産動物たちは放牧している生草を食べて生き延びることもできるんですよね。これ、つなぎ飼いは生き延びることができないというのは、東日本大震災でもよく目にするところでもありますし、この能登半島地震においてもやはり同じことが起きているんですね。是非、そういう意味では、環境省がこれはリーダーシップを、アニマルウエルフェアでもありますので、是非進めていただきたいと思います。 もう一方で、先ほど、日本の気温の話をしました。市街地や都市部は除いている。ですから、実感が、一・三五度だよというと、ああ、まだ日本はそれだけしか上がっていないのかという意味での対策遅れというものがいろんなところで表れていくと思うんですけれども、その中で、今、畜産動物の話をしましたが、動物園とか水族館もやはり同じなんですね。やはり、気温の低いところから来ている動物たちが、ずっと昔からその動物園ってあるんですけれども、気温がどんどん上がっていってもその気温に適切な対応をされていない。 その動物園を、あるいは水族館を子供たちが見に行っていくという観点からすると、これはやはり環境省が、動物行政も携わっている者として、子供たちに関してもやはりこの地球温暖化の問題というものをしっかりと考えてもらわなければならないし、その上では、やはりこういう動物園、水族館に関してもしっかりと対応していく必要があるかと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 動物園及び多くの水族館、特に魚類以外の哺乳類等を飼っている水族館でございますが、動物愛護管理法に基づく動物取扱業として規制されておりまして、同法の基準に基づき、動物の生理、生態、習性等に適した温度管理も含めた適切な飼養管理を行う義務が課されております。 気温の変化を含めた様々な展示環境の変化を踏まえつつ、動物園及び水族館における飼養環境が適切に確保されるよう、環境省としても、引き続き都道府県等と連携して動物愛護管理法の適切な運用に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○串田誠一君 そこで、環境大臣にお聞きをしたいんですけれども、先ほどの、二〇五〇年に議員たち、今の議員がどれだけそれに携わっているかという質問もありましたが、そういう意味では、今の若い子供たちが将来を担っていくという意味では、子供たちに今地球温暖化が大変危機的な状況であるということを私認識してもらわなければならないし、その子供たちが大人になってこの日本を、そして地球を、私、つくっていくという意味では、子供への教育とか、そういうような意味でのいろいろな施策だとかというのも国としてやっていかなければならないと思うのですけれども、環境大臣、子供に対する地球温暖化のこの危機的なものを伝えていくということの重要性、大臣としてはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 非常に重要な御指摘だと思います。我々よりもこれから長く地球に生きていかれ、そして、より地球環境の変化の影響を受ける若い人たちです。私は常々申し上げているんですけれども、環境問題というのは、根本的には哲学の問題というか、価値観の問題に帰結するんだろうというふうに考えております。一人一人の個人、この地球上にいらっしゃる方がどのように考え、どのように生きるか、その蓄積というその結果が、地域社会、国、地球と広がって、地球全体の環境が持続可能になるか、そうじゃないかということの分水嶺になるだろうというふうに思っております。その中でも、若い人へのいろいろな働きかけが特に重要だと思います。 そういう意味で、同心円の中心にあるのは一人一人の人間だと思います。そういう一人一人の皆様が環境問題を人ごとではなくて自分のこととして捉えると、そしてその捉えた上でどういう価値観で行動していかれるのかと、そのことが非常に重要だと思います。特に、御指摘のように、我々よりも未来の長い子供たちには、地球温暖化、それがもたらす影響や脅威について正しく学んでもらうことは極めて重要だと思います。 そのために、さっきデコ活は余り普及していないという話もありましたけれども、デコ活も一つのやり方だと思いますけれども、自治体や企業による体験学習の場、教育の場、教育コンテンツ等を活用した学習を通じて、気候変動に係る意識醸成、これに併せて主体的な行動変容、実践につながる取組を推進してございます。まだまだ不十分かもしれません。 この気候変動影響や適応への理解を促すために、国立環境研究所の気候変動適応情報プラットフォーム、いわゆるA―PLAT、ここを通じて楽しみながら学べるすごろくやクイズ、e―ラーニングといったツールも提供しておりまして、子供向けの情報も発信しているところでございます。 今後も、子供たちを含めた全ての国民の皆様、消費者に地球温暖化の影響や脅威を理解してもらうためのあらゆる機会を捉えて働きかけを強めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○串田誠一君 環境大臣と私も思いは一緒なんですね。本当に進める必要があるかと思うんです。そのために子供に対する教育というのも非常に大事なんですが、子供に今の地球のこの温暖化の危機的なものをただ無防備に逆に見せていってしまうということに対するマイナス教育というようなことというのは省いていくということは大事だと思うんです。 先ほど動物園とか水族館の話をしましたが、こんなに温度が上がっているのに、ホッキョクグマだとかいろいろと冷たいところの国からやってきた動物たちをそのままにしている、炎天下でそのまま飼育している動物園もまだまだ多い。それを子供たちが見に行っていくということ自体は、これはマイナス教育だと私は思うんですね。 どうやって子供をそうやって教育していったらいいのかというので、先ほどホームページでカミングスーンというのもありましたけれども。じゃ、もっと具体的に何かっていったときに、今、水族館、動物園もありましたが、もう一つやっぱり学校の小動物の飼育、これも環境委員会、いろんなところで私質問させてきていて、またこれから夏になるんですね。そうすると、ウサギというのは十八度から二十四度が適正気温であるにもかかわらず、場合によっては四十度になってしまって、次から次へと死んでいくウサギを子供たちが見るんですよ。また、夏休みもずっと誰が世話をするのかという、働き方改革にもなっていない。本当に心ある教師が自主的に助けているというのも現実にあるんですね。 こういったものを見せて、そして、今気温が上がっていって危機感だよと、子供たち気を付けてねというようなことと全く逆の方向で学校教育が行われていることに関しては、しっかりと私は、環境省からも、子供のことを考えてこういう動物の扱い方も考え直してほしい、改善してほしいというのを私は申し入れていくべきだと思うんですが、環境大臣、やっていただけませんか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のとおり、命を大切にする、命を育む、その感性を子供の頃から醸成するということは極めて重要だというふうに考えております。学校の教育の一環として、学校で飼育する動物について気候の変化等に応じて適正に飼育していただくことはその上でも非常に重要だと思います。 環境省では、動物愛護管理法に基づく基準において、学校で飼育される動物も含めた家庭動物等を飼育する際の留意点を示しております。この中で、動物の所有者等は、温度、湿度の維持などを含めて、適切な飼養環境と衛生状態を維持した飼養施設を設け、当該動物の健康と安全の保持を図ることとしております。 当該基準は文部科学省や教育委員会等を通じて各学校に周知され、個々の学校で適切な動物の飼養に取り組んでいるものと考えております。でも、今委員の御指摘もございました。学校における動物の飼養環境が適切に確保されるよう、環境省としても引き続き当該基準の適切な運用に取り組んでまいりたいと思います。 よろしくお願いします。
○串田誠一君 伊藤環境大臣はとりわけ動物に優しい大臣だと思っておりますので、期待させていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 正午休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 二国間クレジット制度、JCMについて環境大臣にお伺いいたします。 この制度は、日本の持つ優れた低炭素技術や製品などを途上国に提供し、途上国における温室効果ガス削減量をクレジットとして認証し、両国で分配する仕組みであります。これは、パリ協定第六条に基づき、温室効果ガス削減量の国際移転を狙いとして我が国が提唱した制度であり、数多くの国々と協定を結んで取組を進めているところと承知をいたしております。 他国においてJCMと類似の制度も含めてこうした取組がどの程度進展しているのか、また世界的に大きく進展していると言えるのか、説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 現在、パリ協定六条に沿った二国間の取組としては、スイスや韓国等においてJCMと同様の協力が進められているというふうに認識しております。スイスにおいては、現在十三か国と二国間の合意文書に署名し、二〇三〇年までに二千万トン程度の排出削減を実現することを目標に約二十件のプロジェクトを実施していると承知しております。また、韓国においては、現在三か国程度と署名し、二〇三〇年までに三千七百五十万トンの排出削減を実現することを目標に今後具体的な案件を組成するものと承知しております。 また、二〇二二年のCOP27において我が国主導で立ち上げたパリ協定六条実施パートナーシップには、現時点で七十九か国、百五十以上の機関が参加しております。クレジットの創出に必要な手法の策定等に関する優良事例が共有されており、制度の理解醸成に一定の進展が見られるものと思います。 我が国としては、昨年のCOP28で公表した六条実施支援パッケージ等を通じて、各国のニーズに応じた支援を進めつつ、民間資金の動員にもつながる質の高い炭素市場を構築し、世界全体の排出削減に貢献してまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 御説明いただきましたけれども、私の理解では、JCMと類似の制度も含めてそんなに活発に活用されているというふうには言い難いんではないかなというふうに理解をいたします。 その上でお伺いしますけれども、我が国の温室効果ガス削減コストは他国と比して著しく高いことから、経済成長を損なわずに国が決定する貢献、NDCを達成するにはJCMを使って対応せざるを得ないということではないかと考えておりますけれども、見解をお伺いしたい。さらに、次期NDC策定に当たっては、こうした現実を踏まえた上で排出削減目標を設定していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。
○国務大臣(伊藤信太郎君) このJCMは、途上国等への優れた脱炭素技術等への導入や対策実施の結果として実現した排出削減、吸収量について、我が国の貢献分をクレジットとして定量的に評価するとともに、我が国のNDCの達成に活用するために実施しているものでございます。 委員御指摘の点については、二〇三〇年度目標の達成に向け、まず国内において温室効果ガスの排出削減、吸収等に関するあらゆる対策、施策を講じているところでございます。その上で、我が国が獲得したJCMクレジットについても、NDCの達成のため、パリ協定のルールに沿って適切にカウントすることとしております。 なお、次期NDCについては、IPCCによる科学的知見、排出削減の実績等を踏まえつつ、JCMの扱いも含め、環境省が中心となって関係省庁とも連携しながら検討を行っていくこととしております。
○浜野喜史君 政府の説明を私否定するつもりもありませんし、二国間クレジット制度、JCMの推進を支持する立場でございます。その上で、二国間クレジット制度、JCMは我が国の削減コストが他国に比して高いという現実を踏まえての取組であるということを国民に正確に説明していくことを求めたいというふうに思います。 次に、有償オークションについてお伺いいたします。 今後、発電事業者のみに導入が予定されている有償オークションについて伺いたい。 発電事業者のみに適用される理由について、五月十四日の経済産業委員会との連合審査会におきまして、発電部門は既に商用化されました再エネ等の代替技術を有しており、諸外国の排出量取引制度においても発電部門での取組を先行させているところと政府から答弁がありましたが、これは発電事業者のみに適用される説明になっていないと考えております。 ガス、熱及び産業、運輸といった他部門の脱炭素化も重要な中、なぜ発電事業者のみに有償オークションが適用されるのか、改めて御説明願います。
○政府参考人(龍崎孝嗣君) 答弁申し上げます。 御指摘のとおり、二〇五〇年カーボンニュートラルの達成に向けては、発電部門のみならず、産業部門や運輸部門といった他部門における排出削減も重要でございます。二〇二三年度よりGXリーグにおいて試行的に開始した排出量取引制度では、発電事業者のみならず、我が国における排出量の五割以上を占める幅広い分野の企業が参加し、排出削減に取り組んでございます。 その上で、成長志向型カーボンプライシング構想に基づき二〇三三年度より有償オークションを導入することの目的でございますけれども、一つは、電化や電源の脱炭素化を含め、GX経済移行債を発行してカーボンプライシングに先立ちまして行う二十兆円規模の投資支援の償還財源としての位置付け、これに加えまして、二点目ですが、対象事業者に対して脱炭素等のGX関連技術の開発やその実装に向けた一定の準備期間を設けた上で、低い水準から徐々に導入していくことでGX関連技術の活用を促進することにございます。 この点、発電部門については日本の国内排出の約四割を占めておりまして、脱炭素化の重要性が極めて高いことだけでなく、既に再エネ等の多くの商用化された代替技術を有しておりまして、現時点ではこの点がほかの産業分野と異なる状況にございます。 諸外国の排出量取引制度においても、こうしたことから、制度の対象化、それから有償比率の引上げ等、発電部門での取組を先行させております。例えば、EUETSにおいても、有償オークションを導入した際に、当初、イギリスそれからドイツでは発電セクターのみを先行的に有償割当ての対象とし、その後、EU全体として発電部門を全量有償割当ての対象とした際にも、ほかの部門については一部の有償割当てにとどめた経緯がございます。 なお、発電部門以外の事業者につきましても、広くGXへの動機付けが可能となるよう、化石燃料の輸入事業者等に対する化石燃料賦課金を導入することとしてございます。
○浜野喜史君 時間の関係もありますので二問一括してお伺いいたしますけれども、連合審査会では、有償オークションにつきまして政府からは、電力に係る再エネ賦課金が二〇三二年度頃をピークに減少していく見込みと考えており、追加的な負担というものが発生することは避けることができると考えていると答弁がありました。こうしたことを踏まえますと、発電事業者への有償オークションは、再エネ賦課金において当然に減っていくべき負担を同じ電力分野において付け替えて負担させ続ける制度と言わざるを得ないと考えますが、見解をお伺いしたい。 さらに、連合審査会では、カーボンニュートラルの実現のためには電化と併せて電源の脱炭素化というものを両方進めていくことが重要であるとも政府から答弁がありました。発電事業者にのみ有償オークションを適用すれば、電気料金の上昇要因になり、電化に逆行すると考えますが、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(龍崎孝嗣君) まず一点目でございますけれども、我が国のCO2排出の約九割がエネルギー起源でございます。制度の導入に当たりましては、我が国経済や国民生活への影響を踏まえまして、エネルギーに係るほかの制度等による負担についても当然ながら考慮する必要がございます。 このため、脱炭素投資の効果の発現に一定の時間を要することなどに加えまして、再エネ賦課金が二〇三二年度頃をピークに減少していく見込みであること、これらを踏まえまして導入時期を二〇三三年度としてございます。 また、有償オークションを通じて事業者が支払う負担金の額につきましては、二八年度から導入する化石燃料賦課金と併せまして、再エネ賦課金総額がピークを迎えた後に減少していく額に加えまして、今後、石油石炭税収がGXの進展により減少していく額の合計の範囲内で全体として制度設計することとされておりまして、単に再エネ賦課金のみに着目したものではございません。さらに、負担金の額は入札によって決定いたしますので、再エネ賦課金のピークからの減少額がそのまま当該年度の負担金の総額となる、そういう対応関係にもございません。 いずれにいたしましても、我が国の競争力強化と排出削減の両立を考えれば、むしろ、現行のエネルギーに係る負担の水準や、それが減っていくタイミングをよく見ながら導入を進めていくことが大事だと考えてございます。 それから、二点目でございますけれども、二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けましては、DXの進展、それから家庭や産業などの熱需要の電化による電力需要の増大に対応することが必要でございます。社会全体の電化を着実に進めつつ、同時に電力の脱炭素化、これを進めることが鍵になってまいります。 その一つ目の社会全体の電化の進展への対応でございますけれども、二十兆円規模のGX経済移行債を活用いたしまして、ヒートポンプや電動車の導入支援、鉄鋼分野における革新電炉へのプロセス転換のための投資支援、それから電気自動車等の生産、販売量に応じた税額控除など、電力の需要家向けの措置を家庭から産業まで幅広く手厚く措置してございます。 また、二〇二六年度から本格稼働いたします排出量取引制度においては、一定の排出規模以上の企業につきまして幅広い業種の参加を求める予定にしてございます。こうした企業の一部は、自らの排出削減の有効な方策として系統電力への転換、これを進めていくことが想定されまして、制度、支援一体となって電化を着実に後押しをしてまいります。 二つ目は、電化の前提となる電源の脱炭素化の加速でございますけれども、これも電化の着実な後押しと同様に、GX経済移行債なども活用いたしまして、グリーンイノベーション基金などを通じた電源の脱炭素化に資する技術開発等への支援を行っているほか、FIT制度等によります再エネ導入支援、それから脱炭素電源への新規投資を促進いたします長期脱炭素電源オークションなど、GX推進法以外の政策枠組みを含めまして、全体として脱炭素化を強力に支援することとしてございます。 その上で、御指摘の有償オークションも導入いたしますけれども、これはCO2を排出する火力電源に負担を課すものでございまして、電源の脱炭素化を進める中で、再エネ等のCO2を排出しない電源に関して負担を求める制度ではございません。仮に負担をしていただくようなケースであっても、我が国経済や競争力に支障が出ないように徐々に導入していくこととしてございます。 このような全体パッケージの中で評価をいただくことが必要ではないかと考えてございます。
○浜野喜史君 今後ともただしていきたいと思います。 次に、再エネタスクフォースについてお伺いします。 六月三日に、内閣府は、再エネタスクフォース等について事実関係を調査した結果を公表いたしました。調査結果では次のとおり示されております。 政府の定めた指針では、本タスクフォースについては、審議会等とは異なりあくまでも行政運営上の意見交換、懇談等の場として性格付けられている、にもかかわらず、構成員が具体的な規制、制度上の論点を挙げて、本タスクフォースに出席する各省庁に対して政策対応を求めるなど、同指針の趣旨に必ずしも沿わず、審議会である規制改革推進会議と同様の運営を行ってきたものと認められるという調査結果です。 これは、ルールを逸脱して本タスクフォースが各省庁に政策対応を求め、各省庁も対応してきたというものであり、行政運営上、極めて不適切な対応と言わざるを得ません。 今後の対応の方向性として、人選に加えて、政府の政策決定プロセスに外国勢力等の不当な影響が及ぶことがないよう留意が必要とありますが、再発防止対策に全くなっておりません。より具体的な再発防止策を策定し、政府全体で徹底して取り組むべきだと考えますが、内閣府副大臣に答弁をお願いいたします。
○副大臣(工藤彰三君) お答え申し上げます。 お尋ねのタスクフォースに関する調査については、その事務局である規制改革推進室から独立した立場から、内閣府大臣官房において、弁護士などの参加も得て調査を実施し、その結果を六月三日に公表したところであります。 懇談会等行政運営上の会合の開催に関する指針では、懇談会等行政運営上の会合については、審議会等とは異なりあくまでも行政運営上の意見交換、懇談会、懇談等の場として性格付けられるものとされております。 当該タスクフォースは懇談会等行政運営上の会合ですが、こうした政府の指針の趣旨に必ずしも沿わず、審議会である規制改革推進会議と同様の運営が行われていたことが本調査で確認されたと承知しております。 今回の調査結果を踏まえ、政府全体において懇談会等の運営に関する政府指針の趣旨を徹底するよう、各府省庁、大臣官房等による申合せを行ったところであり、改めて周知徹底したところでございます。
○浜野喜史君 調査結果では、構成員が具体的な規制、制度上の論点を挙げて、本タスクフォースに出席する各省庁に対して政策対応を求めるなどしてきたとあります。 具体的に、いつ、どのような場で、どの省庁にどのような政策対応を求めてきたのか、説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(原典久君) お答え申し上げます。 本調査結果における記載のとおり、再エネタスクフォースにおいては、構成員が具体的な規制、制度上の論点を挙げて、各省庁に対し政策対応を求めるなどの運営が行われてきたものであります。 例えば、令和二年十二月一日に開催された第一回タスクフォースにおいて、風力発電に関する環境影響評価が議題となった際、構成員より、環境影響評価法の対象となる風力発電所の規模要件等の迅速な見直しを環境省に対して求めております。
○浜野喜史君 これで時間も迫ってまいりましたので、資料要求をして私は質問を終えたいと思うんですけれども、再エネタスクフォース構成員が、具体的に、いつ、どのような場で、どの省庁にどのような政策対応を求めてきたのか、整理した資料を本委員会に提出をいただくよう委員長によろしくお取り計らいをお願い申し上げたいと思います。
○委員長(三原じゅん子君) 後刻理事会において協議をいたします。
○浜野喜史君 終わります。ありがとうございました。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 昨年のCOP28は、化石燃料からの脱却、石炭からの脱却にとどまらないで化石燃料からの脱却を呼びかけました。気候変動の深刻さがそこまで増しているということだと思います。 〔委員長退席、理事長谷川英晴君着席〕 資料一に、さらに、日本経済新聞、六月七日付けも報道したように、国連の世界気象機関、WMOは五日、今後五年間で産業革命以前からの気温上昇が一・五度に達する可能性が高いと発表した、五年間でと、非常にせっぱ詰まった報告がされました。一・五度の上昇が定着すれば豪雨や干ばつなどの自然災害が急増する、生命の危機や経済的コストに警鐘を鳴らしたとされておりますが、COP28が呼びかけた化石燃料からの脱却がますます急務になっているということだと思います。 そこで、こういう状況の下で、私は、企業にも、とりわけ日本企業にも行動の変容が求められているのではないかと感じております。そのことを日本の最大の石炭火力発電事業者であるJERAの行動を少し紹介しながら考えてみたいと思うんですが、資料二にこういう略年表を付けております。 これは、二〇一五年四月が一番上ですけど、ここで、東京電力福島第一原発事故の後、二〇一五年四月に東京電力とそれから中部電力の火力発電部門が統合されてJERAが設立されます。この設立されたときに、JERAは、石炭やLNGなど化石燃料を国際的に調達する、供給する、売買する、そういうトレーディング事業に力を入れておりました。 元々JERAはアジア地域におけるトレーディング事業では大きな規模を誇っていたんですが、この略年表に示したように、二〇一六年からフランスが石炭火力発電所を二〇二三年までに全廃する、さらに二〇二一年までに全廃すると前倒しをする、そういう方針を決めることと軌を一にして、このフランスの電力会社、EDFの石炭トレーディング事業をJERAは統合します。さらに、LNGについても関与していくということになりまして、その結果、JERAは世界最大規模の化石燃料のトレーディング事業を展開することとなっていくわけですね。 私は、これでいいのかなと率直に思うんです。つまり、フランスなど世界の先進国が石炭火力発電を全廃する流れを加速されている裏で、日本の発電事業者がその先進国で不要になった石炭やLNGなど化石燃料のトレーディング事業を統合し、国際的な展開を強化しているというこの流れなんですね。これでいいのかなと私は思うんですけど、大臣、まず御感想をお願いします。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 今お尋ねの株式会社JERAは民間事業者であり、その個別の事業の方針の是非に対してコメントすることは差し控えたいと思います。 〔理事長谷川英晴君退席、委員長着席〕 その上で、COP28におけるグローバルストックテークに関する決定においては、エネルギーシステムにおける化石燃料からの移行を目指すことが改めて認識されました。 特に、世界の排出量の約半分を占めるアジアの脱炭素化に向けては、各国の野心の向上と具体的な排出の削減が実際に進むよう、アジア・ゼロエミッション共同体の構想の下、環境省としてもJCMを通じた脱炭素プロジェクトの実施や質の高い炭素市場の構築のほか、ネットゼロ目標の策定支援など、脱炭素を進めるための協力を行っております。
○山下芳生君 この燃料調達のJERAの動きについて、国際的な余り言及は直接なかったんですが。 じゃ、資料二に進みたいと思うんです、あっ、済みません、資料一の二枚目ですね。あっ、資料三です。ごめんなさい。 資料三に、東京電力やJERAなどが、インドネシア共和国のエネルギー・鉱物資源省それから国有電力会社に、インドネシア国、低(脱)炭素化に向けた電力セクターに係る情報収集・確認調査、ファイナルレポート要約版として二〇二二年三月に提案したものがこれなんです。その裏側にどういうものかというグラフが書いてありますけれども、石炭火力の脱炭素化技術のロードマップを示したと、こうあるんですが、これを見ますと、このグラフですけれども、二〇三五年の時点でも、黒色の帯、すなわち石炭火力発電が主力の計画になっております。それから、二〇五〇年でも、濃い緑色の帯、LNG、火力発電が主力となっております。それから、二〇六〇年、一番右端ですけれども、の構成を見ても、実現が不確実な水素、アンモニア発電あるいはCCSが大部分を占めて、再生可能エネルギーは四分の一程度にとどまっていると。 東電とJERAは、インドネシアにおいて二〇五〇年になっても化石燃料による発電を主力にするロードマップを作り、これを進めようと提案しているわけですね。 先ほど、大臣、このアジアでもう着実な脱炭素をというふうに何かおっしゃったんですが、これがそうなんですかね。私はこれを見て、石炭火力あるいはLNG、化石燃料を、二〇三五年はおろか、五〇年、六〇年までずっと使い続けるようなロードマップをJERAや東電が東南アジア、インドネシアに勧めているというこの表れだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) これ、JCMにも関係するので、そこからお話ししたいと思いますけれども、JCMはパートナー国に対する脱炭素移行支援の取組の一環でもございます。このため、一般論として、例えばパートナー国が策定した脱炭素に至る指針や計画等の中で温室効果ガス排出削減につながる技術の活用が想定されている場合には、それらの技術をJCMの対象にすることは一概に排除するものではないというふうに認識しております。 その上で、委員御指摘のような事業を実際にJCMプロジェクトにするか否かはパートナー国との協議の中で個別に決定されるものでございまして、我が国の国際的なコミットメントの内容、新たな脱炭素技術の動向、パートナー国における脱炭素に至る指針や計画などの国内外の考慮要素を踏まえて、関係省庁とも個別具体的に検討する必要があるというふうに考えております。
○山下芳生君 相手国政府が脱炭素に向かうしっかりした計画があるかどうかということでJCMが決まっていくんだというんですが、私、先ほど示したインドネシアにおける提案は、これ日本の企業が提案しているものなんです。だから、そういうものが各国政府の計画になる可能性は非常にあるわけですね。そのことをちょっと先取り的に聞いておりますが。 じゃ、このJCMというのはそういうことはないんだということなんですけれども、本当にそうかということなんですが。 資料四に進んでいただきたいんですが、これは経済産業省の地球環境対策室がまとめた資料で、JCMでの支援を目指す二国間クレジット取得等のためのインフラ整備調査事業、いわゆる、ここにあるJCM実現可能性調査、FSの採択案件一覧であります。令和元年度から五年度に採択された案件がまとめられています。 これは、日本の各企業や団体がJCMに取り上げてほしいとする案件がどれぐらい実現可能かを自ら調査したいということを経産省に申請して、採択されたら補助金をもらって調査が行われるという、その採択案件の一覧なんですね。ですから、ここからJCMに実際に採択、取り上げられるという道が付いていくわけですが、この調査の採択案件の一覧見ますと、かなり、水素、アンモニア、バイオマス、CCSなどの事業をアジアで展開する案件がかなりひしめいております。 私は、水素、アンモニア混焼については、将来的に未確立な技術であって、削減効果もほとんどなく、二〇三〇年までの削減にはほとんど寄与しないと、コストとしても法外になるということをこの委員会で何回も取り上げてきました。 加えて、今日は、CCSについて、先日の参考人質疑でFoEJapanの深草参考人が非常に大事な問題提起をされました。「CCSは脱炭素の切り札か?」という資料を持ってこられて、四点問題提起されたんですね、CCSの問題点。 問題点一、気候変動対策としての有用性に疑問だと。気候危機を食い止めるためには、温室効果ガスの確実な削減に貢献する対策を早期に実行することが必要だが、化石燃料の採掘や燃焼からのCO2を分離、回収、貯留しようというCCSは、化石燃料の利用を継続し、温室効果ガスの排出を前提とした技術と言える。また、九〇%程度の回収率が目安とされているが、実際の回収率は六〇ないし七〇%にとどまっており、全てのCO2が回収されるわけではない。そして、分離回収のためには莫大なエネルギーや水が必要になると。 問題点二、技術的困難、環境影響。CCSの技術は一九七〇年代から研究されているが、世界でも実現例は多くなく、実際に実施されているのは、回収したCO2を油田に圧入し、原油の採掘量を上げるEOR、原油増進回収というタイプで、むしろ化石燃料の増産を促進している。これまで世界で実現した商業規模のCCS事業三十一件のうち、二十八は陸域での実施で、二十二はEORであった。日本にはほとんど油田がなく、EORを行うことは現実的ではない。地震が誘発される可能性、CO2が漏れ出したときのリスクなどもある。 問題点三、コストの高さ。一九九五年から二〇一八年の間に計画されたCCS事業のうち、資金不足などから四三%が中止か延期された。さらに、大規模な事業、年間三万トン以上のCO2を回収するものに至っては七八%が中止か延期されていた。発電所へのCCSの導入は発電コストを大幅に増大させることが示されている。CCS付きの石炭火力及びガス火力は、蓄電設備を備えた洋上風力や太陽光発電のコストを大幅に上回っている。 問題点四、モニタリングと賠償責任。CCSが脱炭素技術として成立するためには、CO2が安定して長期間貯留されていることを確認することが重要となるなどなど、具体的に四点の問題点を指摘されました。 ところが、このJCMの採択を目指しているこの調査案件には、CCSをアジアで展開しようという計画が結構あるんですね。こういう事業もJCMとして支援対象になるんですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) ちょっと先ほどの答弁とかぶるので申し訳ありませんけど、まず、そのJCMに関して申し上げれば、パートナー国に対する脱炭素移行支援の取組の一環でございます。このため、一般論として、例えばパートナー国が策定した脱炭素化に至る指針や計画等の中で、温室効果ガス削減、排出削減につながる技術の活用が想定されている場合には、それらの技術をJCMの対象とすることは一概に排除されるものではないと思います。 その上で、委員から度々御指摘がありましたけれども、実際にその事業をJCMプロジェクトにするか否かはパートナー国との協議の中で個別に決定されるものであって、我が国の国際的なコミットメントの内容、新たな脱炭素技術の動向、パートナー国における脱炭素に至る指針や計画などの国内外の考慮要素を踏まえて、関係省庁とも個別具体的に検討する必要があるというふうに考えてございます。
○山下芳生君 CCSについては言及ありませんでした。本当にそれでいいのかなと思うんですが、実は、この一覧で紹介したJCM実現可能性調査事業を通じて、既に将来的な日本からの援助を前提にして、日本の化石燃料関連企業や団体が各国の企業や政府機関と意向調査と称して実質的な交渉を行っているという実態があります。 水素、アンモニア、CCS、これらは非常に高価な技術で、発展途上国には、とても脱炭素の方法としてはその国単独では検討対象にもなかなかならない。日本の企業や団体がこのCCSは将来的な日本からの支援がある可能性ありますよということを前提に交渉する中で、発展途上国への普及の環境整備、地ならしが行われているわけですね。 したがって、この一覧表、まだJCMに採択されていないんですけど、採択される可能性がある調査の案件には採択されたということをバックに、各企業は相手国政府や企業と交渉して、じゃ、いいですねというふうにもう覚書まで交わしている案件が次々生まれているわけです。 資料五に、その一つでありますけれども、旧石川島播磨重工業、IHIのマレーシアでの、石炭火力延命と私は思いますが、のアンモニアとバイオマスの混焼についての実現可能性調査事業がマレーシアの政府系電力会社との覚書に結び付いた資料であります。 それから、資料六は、日本エネルギー経済研究所の、サウジアラビアで石油、天然ガスの利用を続けながらCCUSを活用してアンモニア製造を行い、石炭火力の混焼用に販売も想定した事業の調査事業が、その後、サウジの国有石油会社との覚書に結び付いたものであります。 資料七は、石油資源開発株式会社が石油の使用を前提にしたインドネシアでのCCUSの調査事業を通じて、インドネシア国営石油会社プルタミナとの協力覚書に結び付いたものであります。 こうしたこのJCMの事業がまだ結び付かなくても、アジア各国に日本の企業がCCSあるいはアンモニア混焼などを売り込んでいく、非常に重要な、まあパイプといいますか地ならしといいますか、そういうものになっていると。 そのことを経済界はもうよく御存じで、資料七が二つあって申し訳ないですけど、その次の七は経団連のJCMについての要望書です。この経団連の要望書の中では、水素、アンモニア、CCS、CCUSなど、火力発電延命のための事業、これらについて日本企業が海外での実施を求めており、JCMの実現可能性調査がそうした事業を国際的に後押しするものになっていると高く評価して、更なる拡充を求めています。 大臣に伺いたいんですが、脱炭素をうたいながら、JCM関連事業が化石燃料関連企業の化石燃料の延命のための事業協力に結び付いて、その実施のための環境整備、地ならしとなっている実態がもう既に広く生まれております。これ、本来だったら脱化石燃料を進めるべきJCMの目的からこれは逸脱しているんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) このJCMですけれども、パートナー国における脱炭素移行支援の取組の一環として実施されておりまして、いわゆるフィージビリティースタディーなどのJCM関連事業においても、JCMプロジェクトと同様、繰り返しになりますけど、我が国の国際的なコミットメントの内容、新たな脱炭素技術の動向、パートナー国における脱炭素に至る指針や計画などの国内外の考慮要素を見ながら関係省庁において実施されているものと認識しております。 その上で、JCM関連事業を受けてJCMとして実施するかどうかについては、そうした要素も改めて勘案し、関係省庁とも個別具体的に検討する必要があるというふうに考えております。
○山下芳生君 CCSは非常に大きな問題をはらんでいると思いますよ。 資料八、一番最後ですけど、東京新聞が、脱炭素対策の一環で日本企業が二酸化炭素を東南アジアなどに輸出し地中にためる計画が過去二年ほどで急増し、少なくとも十三件に上ることが共同通信のまとめで分かったと。電力や製鉄、石油元売といった排出量の多い企業が参加していると。CO2が生じる事業の継続策として海外貯留を有力視していると。ここに四つほど、三菱商事とか中部電力とかありますけれども。結局、国内で減らすべきCO2を減らさないで輸出すればいいやということになっているんじゃないか。当該国の環境団体から、まずやるべきは排出削減じゃないか、国内で、そういう批判が起こっているのは当たり前だと思いますが、こういう問題に結び付くのがJCMでやられるというCCSですよ。これは問題あると思いませんか。もう最後、一言でいいです。
○国務大臣(伊藤信太郎君) この二〇五〇年ネットゼロの実現に向けて、省エネの徹底、再エネ最大限の導入等による排出削減を進めた上で、なお排出が避けられない分野についてはCCSを活用することも必要と考えております。 また、昨年のCOP28の合意文書においても、脱炭素化の主要な手段の一つとして、CO2の有効利用を含むCCUSが位置付けられております。CO2の貯留適地には地理的偏在性があることから、CCSの実施に当たっては、国内でCO2貯留を実現していくことに加えて、相手国政府の意向等を踏まえつつ、海外で貯留することも有力な選択肢の一つであるというふうに認識しております。 環境省としては、引き続き国内における排出削減の取組を緩めることなく着実に進めるとともに、先般成立したCCS事業法等に基づき、環境に適切に配慮され、かつ国際的ルールに則した形でCCSが進んでいくように、経済産業省等の関係省庁とも連携して取り組んでまいります。
○山下芳生君 終わります。
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。 地球温暖化に対応するためには、太陽光や風力発電など、再生可能エネルギーの推進が必須。その一方、再エネ施設を建設するために森林などの環境が破壊され、生物多様性が失われることがあってはいけない。 資料二。環境省自身が生物多様性の保全と地球温暖化対策は車の両輪とかつて述べています。 大臣、言うまでもなく、温暖化対策と生物多様性保全は環境政策の両輪であり、その両立を図るのが環境行政の使命である。そうである、そうでない、一言でお答えください。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 大事な使命の一つだと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。 本法案も、まさに温暖化対策と生物多様性保全、両方の目的に資するものとして自信を持って提出したということでいいですよね。イエスかノーかで。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 形容詞の自信を持ってという表現が正しいかどうか分かりません。必要だと思って提出しているところでございます。
○山本太郎君 しかし、現実では、温暖化対策が生物多様性破壊につながり、地域から反発を受ける事例も少なくありません。これは環境行政の失敗として認識して、その問題を抜本的に解決する法改正というものが本来求められるだろうと思います。自然保護区や絶滅危惧種の生息地などに再エネを導入しようとして、地元住民等との間でトラブル、事業中止、あるいは反対運動が現在も継続している事例は多い。これは、生物多様性保全の観点以外、景観、住環境の悪化、土砂災害などの災害懸念を含めると問題事例はもっと増えます。 資料三。再エネ導入に伴い起こったトラブルの相談件数は、経済産業省によれば、二〇一六年十月から二〇二二年二月末まで八百五十件にも上る。 資料四。また、総務省の調査では、回答した市町村の約四割、三百五十五自治体で太陽光発電設備の設置をめぐって何らかのトラブルがあり、全体の二割弱に当たる百四十三市町村ではトラブルが未解決のまま。 資料五。本来、再生可能エネルギーが地域主導で導入されれば、地域にとって大きなメリットとなります。第一に、エネルギー自給の達成、さらに、地域で雇用が生まれることで地域経済活性化につながる。それだけでなく、地域における地球温暖化対策、防災、そのほか地域の課題解決にもつながると。 環境行政がしっかりと交通整理をし、地域の環境に配慮した再エネプロジェクトを支援していけば、本来再エネは地域に大きな便益をもたらすもの。それなのに、再エネ施設が立地自治体や地元住民から迷惑施設のように扱われてしまっている。地域の環境が破壊されるという懸念から、各地で自治体による再エネ反対ムーブメントが起きています。 資料六。例えば、福島市は、二〇二三年八月にノーモアメガソーラー宣言を行いました。福島市には建設中を含めると二十を超えるメガソーラー事業があるが、山の斜面や森林でのパネル設置などを行政として取りやめさせるという。しかし、規制条例は作らず、地域共生型の再エネは推進するとしています。 再エネへの課税の動きも出ている。宮城県議会では、二〇二三年七月、森林開発を伴う再エネ発電設備の所有者に課税する全国初の条例が成立。資料七。青森県の宮下知事も、九月に再エネ事業者に対する新税の検討に言及。宮下知事は、都会の電力のために青森県の自然が搾取されているとしています。 資料八。経産省は、全国自治体の再エネ発電設備の設置に抑制的な条例は二〇二一年度で百八十四件を確認。二〇一六年度二十六件だったものが、たった六年で約七倍に増加。 大臣、このような再エネ事業と地域の対立が起こってしまっているってことは、これ環境行政の失敗だと思うんですね。環境省はその責任というものを認識しているんでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 前段の質問にお答えする中でお答えしたいと思いますけれども、生物多様性の保全と地球温暖化対策は密接に関係するものでございまして、両立をさせることが重要だと思います。 一方で、今御指摘がありましたように、近年、再エネの急速な導入拡大に伴い、地方自治体において再エネ発電設備の、設備に抑制的な条例の制定が増加するなど、景観や環境への影響等に対する地域の懸念が高まっていることと思います。そのように認識しております。こうした懸念等に応えるため、関係四省による有識者検討会を開催し、令和四年十月には、地域と共生した再エネの導入に向けた課題の解消についての提言を取りまとめ、これに沿った対応を進めてきております。 環境省としては、環境影響評価制度などにより、適正な環境配慮が確保されるように取り組んでおります。環境保全の観点から著しく合理性を欠く場合などは、環境影響評価の環境大臣意見において、事業計画の抜本的な見直しや事業実施の再検討を求めたこともございます。環境保全と地域とのコミュニケーションが適切に図られた地域共生型再エネ導入を促進していくために、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
○山本太郎君 環境行政の失敗なんじゃないですか、再エネ事業と地域の対立が起こってしまっているというこの結果は。その責任を認識されているでしょうかというような、責任を痛感しておりますって一言で言えることだと思うんですけど、なかなかそれを認めるっていうの難しい部分で、でも、そういうことを感じているから今いろいろ取り組んでいるんだというお答えだと思います。 何かしらの助言だったり、いろんな指導ができるんだったら、先ほどの御発言にあった知床のメガソーラーの話とか、そういうものもさっさと指導すればいいのになというふうに思うんですね。ちゃんと責任を認識してもらわなきゃ困るんですよ。温暖化対策と生物多様性の保全というのは両輪だって言っているのは環境省なわけですから。 かねてから、れいわ新選組は、再エネ促進に当たっては、事業実施決定後の事業者によるアセスメントではなくて、立地場所の選定段階に独立したアセスメント機関による環境影響評価をしっかりと行って、地域の環境にとっても温暖化対策にとっても有益な再エネ事業となるよう、新たなアセス法の立法も含めて国がサポートすべきだということを訴えてきました。 温暖化対策に資するはずの再エネ推進を片輪走行で走らせて、地域の環境破壊を起こし、地域と対立、再エネのイメージ低下を引き起こしてしまっている。それっていうのは、これまでの環境行政の結果、少なくとも不作為の結果ではないでしょうか。 まさかとは思うんですけど、あり得ないだろうなとは思うんですけど、うがった物の見方として、このように地方自治体と再エネ事業者を対立させることで再エネ自体を悪者にして、やっぱ原発しかないよね、原発拡大にかじを取るためにわざとやっているってことないですよね。そうではないってお答えいただきたいんです。いかがでしょう。
○国務大臣(伊藤信太郎君) そうではございません。
○山本太郎君 でも、実際、再エネ反対のムーブメントまで起きてしまっていると。温暖化対策と生物多様性保全の両輪どころか、両方の車輪をわざと壊して走れない状態にしているような状態があると。 地域脱炭素化促進事業制度、この拡充を図ることが本法案の目的の一つ。これは、地方自治体が促進区域を設定、再エネ推進を進める制度。この再エネ推進区域をどこに設定するかが問題になる。 本法案に、促進区域を国立・国定公園の中に設定することを禁止する規定はありますか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えいたします。 法律の施行規則におきまして、国立・国定公園の特別保護地区、海域公園地区、第一種特別地域については促進区域に含まれないことを想定しております。
○山本太郎君 今の答弁でもありましたけど、第一種特別地域ということをおっしゃいましたよね、今ね。ありがとうございます。 第一種特別地域等も促進区域には含まれません。ちゃんと規制されていますと勘違いしてしまいそうになるんだけど、そもそも厳しい規制で保護されるべき原生林などがちゃんと特別保護地区などに指定されない場合もあるんですね。恣意的な分類で、第二種特別地域、第三種特別地域のように規制の緩い扱いにされて、再エネなどの開発が計画されてしまうこともある。 例えば、北海道トムラウシ原生自然環境保護地区、この区域周辺は貴重な、貴重な原生林があるんですよね。そこが第二種特別地域扱いとなって、規制が弱く、地熱発電計画の対象となってしまった。そんな事例を受けて、様々な人々が動いて、自然環境局の局長通知で、第二種、第三種については地元の合意がなされた優良事例に限るとしてもらった経緯もあると。 少なくとも、今回も法文上でしっかりそういった部分を縛る必要があると思うんですけど、一方で、本法案ではそのような恣意的な特別地域の分類のやり方を改善する規定がないと。この問題は、前回の改正時にも指摘されながら、今回の改正でちゃんと規制を強化する規定が盛り込まれていないんですよね。温暖化対策と生物多様性保全の両立というのは全くの建前、本気で取り組む気がない、そういう姿勢に見えてしまいます。 大臣、この法改正で、地域脱炭素化促進事業制度は拡充されて、地域と再エネがウィン・ウィンになるような事業が推進されるように後押しもするという理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 環境省として後押ししたいと考えております。
○山本太郎君 以前は再エネ導入をめぐってトラブルが頻発。事態を重く受け止めて、令和三年、温暖化対策推進法の改正で地域脱炭素化促進事業制度を制定。この改正で促進区域制度ができた。市町村で自身の計画に促進区域、事業者に求める環境保全、地域貢献事項などを定め、その要件満たす事業計画を市町村が認定するという制度。 認定された事業者も、それまで自然公園法、温泉法などなど、それぞれの許認可を取る必要があったものを、令和三年改正で市町村が定める促進区域の要件を満たし認可された事業計画であれば市町村のワンストップ手続でこの認可手続ができるようになったと。地域共生型再エネを市町村自身の手で行っていくための仕組みづくりがなされた、これ自体は地域共生型再エネに向けた第一歩として評価することはできると思うんですね。 しかし、この地域脱炭素化促進事業制度、余り活用されていないという現実がある。 資料十。事業計画の認定の前提となる促進区域の検討に時間を要し、二〇二四年四月末時点で促進区域設定済市町村は三十二市町村にとどまっている。事業計画認定に至っては氷見市の一件のみ。これ、自治体もやる意義があるとは分かっているんだけれども、どうして進まないんでしょうか。 資料十一。知識も人手も不足しているし、何より金がない。環境省委託の調査でそのこと明らかになっていますよね。 資料十二。全国知事会では、令和五年七月、促進区域制度活用のため市町村への財政支援を求めています。 資料十三。全国町村長大会でも、この促進区域の活用のため、町村の負担軽減のため、事務手続の簡素化や人材支援を講じる要望を出しています。 現行法の穴、不可欠な部分について、様々な要望を受けて今回の改正で登場したのが市町村と都道府県が希望すれば共同策定も可能になるというもの。これは市町村単独でやろうとしても、財源もマンパワーも足りないから、利用実績の少なかった制度を県も一緒に関わってもらうようにして進めればよいというだけ。全国知事会から求められた市町村への財政支援の要望、これ無視しているんですね。 大臣、地域脱炭素化促進事業制度について、全国知事会からも市町村への財政支援を求められながら本法案に財政支援を盛り込んでいないのはどうしてでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) これまで環境省は、促進区域設定に取り組む自治体に対し、再エネ促進区域の設定等に向けたゾーニングのための財政支援を行ってきたところでございます。 また、御指摘がありましたが、人的支援としては、環境省では、地域脱炭素の進め方の基礎的な知識や考え方を学ぶ機会を提供するオンラインセミナーの開催に加え、昨年度から脱炭素に取り組みたいと考えている自治体に向けて企業や先進自治体の職員をアドバイザーとして派遣する制度を創設しました。 引き続き、この自治体のニーズや課題を踏まえつつ、予算や制度的措置などあらゆる手段を通じて促進区域の設定を促進し、地域共生型の再エネ導入を加速させてまいりたいと考えております。
○山本太郎君 オンラインセミナーやっていただいたりとか、何かしら誰か人を派遣してくれるということは非常に有り難いことだと思うんですけれど、自治体千七百ぐらいあるのにそれに全部対応できるのかな、今の状況でということなんですね。 何よりも、この法案、今日これ採決するという状態なのに、それに対しての一番弱いところ、一番自治体が一歩前に進めないという部分の財政面、これがクリアになるようなこと何か書き込まれていますかということなんですよ。 地域主体で再エネ推進を行う方向性というのは間違っていません。しかし、全ての市町村に生物多様性の問題に詳しい専門人材がいるわけじゃないですよね。 資料十四。日本自然保護協会は、今後、市町村の促進区域の設定、事業計画の作成の際に設定される協議会に、地域の自然情報に詳しい環境団体、ナチュラリストや博物館の学芸員、研究者などを構成メンバーとして必ず位置付けることがその後の合意形成を図る上でも重要であると指摘されています。 環境省、こういった仕組みをつくることっていうのは今回の法改正で何かしら保障されていますか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 今回の改正案において、協議会の構成員に係る規定は変更をしておりません。 一方で、御指摘のとおり、環境保全の観点は地域と合意形成を図る上でも大変重要であり、現在、地方公共団体実行計画マニュアルにおいては、地域住民や地域の産業団体等のみならず、環境保全団体を市町村の協議会の構成員とすることが望ましいとしているところであります。 こうしたマニュアルの通知等を通じて、環境に適正に配慮し、地域と合意形成を図った地域共生型再エネの導入を促進してまいりたいと考えております。
○山本太郎君 様々本当に必要な提言というものがなされている中で、そういう仕組みになるように何かしら手を打ったかということに関して、環境団体を協議会に入れた方がいいよとマニュアルに書いてあるんですって、よく答弁できますねという話なんですよ。全然話が違うということ。それを、どやという感じで言うべきことじゃないんですよ。 自治体が自前で専門家見付けて人件費払うとか、これ、そうしていかなきゃこれ成立しないというような状況のままですよね。金がないとか困ったことがあるんだったら県に頼んでみればどうかなという、市町村が都道府県と共同でやれるようにしてあげるからという代物にすぎないんですよ。地方自治体の主体性を尊重することと丸投げして責任逃れすることは違うんですね。 自治体が主体的に温暖化対策推進計画を策定し実施できるようにするためにも、財源と人的支援は国がする、ここを求められているんですよ。ここがなかったら、これまでと変わんないんじゃないですかということなんです。本気度が足りない。どうやってやるのという話なんです。 大臣、本国会では、生物多様性法案、資源循環法案、ほかにも温暖化対策法案、三つの法案が提出されて審議されてきました。そして、今も審議されています。これら法案全てに共通することがあるんですね。それは何かというと、国際目標、これを実現するために立派な理念は掲げられていると。けれども、その実現に向けて国が財政措置をする義務、これを定めようとしないことなんですよ。 五月九日、本委員会で、資源循環法案の質疑の際、私、大臣にこう伝えさせていただいたんですよ。総理と直談判して重要な環境政策のための法律に予算を付けてくださいということを求めました。重要な役割であるはずの環境省、その重要性を認識していないという総理に対して、世界との約束を様々果たすためには圧倒的に予算が足りないことを直談判する必要があると、そう述べました。その際に大臣は、総理と直談判も含めて、しっかりと総理に私たちの意思を伝えたいと思いますと述べてくださいました。 お聞きしたいのが、この温暖化対策法改正案の施策にちゃんと国の予算を拡充することについて、大臣は総理と直談判行ってくださいましたか。いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) そのとき私がお答えしたのは、今委員がおっしゃいましたことも含めてということでございます。 委員御存じだと思いますから、これから予算編成の概算に入ります。そういうポイントポイントで、必要なところにしっかりと予算が獲得できるように努力したいと思います。
○山本太郎君 これから頑張るという話なんですね。 当然、事前にこれ話ししておく、総理と直談判する。だって世界との約束なんですもん。だって、それが岸田政権の公約なわけでしょう、世界との約束なわけでしょう。それをしっかりと果たすためにはこの法案が必要だから出されているわけですよ。環境系に関係する、この世界との約束に関係する三つの法案は少なくとも最近これ審議されたわけだけれども、そこに対して財政措置という部分は法文上は約束されていませんよね、しっかりと。そこに対して、事前に直談判してくださいましたかということだったんですけれども、どうですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 今お答えしたことの繰り返しになりますけれども、必要な予算を獲得するにはそれなりの手順なり方法論なり時期がありますので、適切に判断して予算を獲得するための努力をしたいと思います。
○山本太郎君 終わりますけれども、残念ながら、このような大型の法案といいますか、本当に世界との約束を守るためにも、国内、これから世界、何でしょうね、将来の子供たちのためにも必要、今やらなきゃいけない、しかも時間掛けてられないというような内容にもかかわらず、事前にそのような直談判、これぐらいの予算規模が必要なんだというようなことのやり取りはなされていなくて、これから頑張りますというお話だったと思います。こういうのは、私はファッションというふうに言うべきだと思うんですね。やっているふり程度にやればいいことじゃない、これは必ずやらなきゃいけないんだというような、そういう危機感みたいなものがなかなか見えてこない、これは賛成できないものだなというふうに思います。 終わります。
○ながえ孝子君 愛媛県選出のながえ孝子です。 世界企業はサプライチェーンあるいはバリューチェーンからのCO2排出量を実質ゼロにする取組を進めています。ですから、もう脱炭素の取組なしには国際的なビジネスの土俵にも上がれないという状況です。日本の企業がその潮流に乗り遅れないためにはエネルギー分野でのグリーン化が必須です。更なる再エネの拡大が急務ということになります。 それを踏まえての今回のゾーニング、これで再エネ拡大を推進していこうということだと理解はしておりますが、再エネ促進区域のゾーニング、これまで基礎自治体が担っておりました。先ほども出ましたが、令和六年現在で促進区域のゾーニング実施自治体三十二市町村、二%ぐらいでしょうか。これを引き上げるために、促進区域の選定に都道府県も加わって市町村と協力してできるようにしようということで、その改善も私は遅かったぐらいだと思っています。 ですが、問題は、促進区域の設定に関して、その都道府県基準を定めているというところが二十八府県しかないということなんですね。全体の六割弱にとどまっている状況で、どうやってこれから日本全国の促進区域、ゾーニングを増やしていこうと考えておられますか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) これまで、環境省としては、この促進区域の設定に取り組む自治体への財政支援のほか、環境アセスメントのデータベースを公表し、環境配慮に係る情報提供を行ったり、ガイドラインの整備等の技術的支援を行ってまいりました。 令和四年四月の促進区域制度の施行以降、本年四月末時点で、今三十二の市町村が促進区域を設定するなど制度の活用は広がっております。一方で、今後、制度の活用を一層促進するためには、市町村における人材、財源の不足や、複数市町村にまたがる再エネ事業への対応などが課題でございます。こうした課題に対応するために、今般の制度改正により、再エネ促進区域の設定等における都道府県の関与を促し、より積極的かつ広域的な制度の活用を促進してまいります。 引き続き、自治体のニーズや課題を踏まえつつ、予算や制度的措置など、あらゆる手段を通じて促進区域の設定を促進し、地域共生型の再エネ導入を加速させてまいりたいと考えております。
○ながえ孝子君 先日、参考人質疑の中で参考人の皆さんが口を合わせて力を込めて訴えておられたのが、自治体、そして地域で自律的な活動をしていらっしゃる団体への、皆さんへの財政的な支援の重要性なんですよね。先ほども、質問といいましょうか、議論、白熱した議論になりましたので、大臣も重々お分かりだと思います。 あわせて、ちょっと質問が重なるので、加えて、私は、地域の生物多様性について把握するとなると、かなりな知見の集積作業が必要となってまいります。それは、やっぱり地域の学術研究者の方とかいろんな専門的な知識を持った市民団体の皆さんの力が必要になるんですよね。 私も、地元でそういった皆さんにお話をお聞きいたしました。そうしたら、大学の先生おっしゃるのに、そういう研究は続けてきたんだけれども、科研費が減らされてねと、希少生物の生息エリアが縮小しているとか変化しているのは分かっているけれども、追跡調査がなかなかする余裕が出てこないんだよというお話でありました。 そういった専門的知見の集積のための支援、これは財政支援だろうと思いますけれども、これに向けての大臣の御決意を伺いたいと思います。
○政府参考人(植田明浩君) お答えをいたします。 まずは、環境省として、都道府県が促進区域の設定に積極的に関与できますよう、先ほどもありましたとおり、ゾーニングに係る財政支援、それから地方環境事務所を通じた伴走支援、マニュアルの整備等を通じた技術的な支援等を積極的に行ってまいりたいと考えております。 そして、御指摘のありました市民団体やNPOなどへの支援でありますけれども、これにつきましても、この促進事業制度におきましては、地方公共団体における実行計画の策定過程において、住民を含む利害関係者からの意見聴取や、地域の関係者から成る地方公共団体実行計画協議会での議論を行うことにより、地域の多様な関係者の参画を得て地域の合意形成を図る仕組みとなっております。 また、促進区域の設定を直接の目的としたものではありませんけれども、全国八か所に設置をした地方環境パートナーシップオフィス、これらを通じて、地域のNPO等、各主体の活動支援のため、地域共生型再エネも含めた環境情報の発信や相談対応等、地域の課題に即した支援事業を実施しているところであります。 こうした取組を通じて、地域の様々な主体の参画の下、環境保全や地域とのコミュニケーションが適切に図られた地域共生型再エネ導入を促進してまいりたいと考えております。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 今、審議官が言ったとおりでありますけれども、必要な予算を獲得するために努力したいと思います。
○ながえ孝子君 環境省もこのゾーニングについてはハンドブックを作ったりとかいろいろと努力されているのは分かります。ですが、保護地域というのは様々なルールの下に保護対象が定められています。国立・国定公園、自然共生サイト、ホットスポット、あるいは自治体の条例によるものもあります、など実に様々ですから、それぞれの法律とか条例、あるいは自治体が定めているエリア、ゾーン指定、マッピング、そういったものとのすり合わせが必要になってくるんですよね。実に膨大な作業となります。私は、こここそDXの出番ではないかなと思っております。 例えば、環境省のREPOS、再生可能エネルギーの情報提供システムですよね、あるいは国立環境研究所の生物多様性データの可視化ツールと言われております生物多様性ウェブマッピングシステム、あるいは環境アセスメントデータベース、EADAS、様々環境省がやっているだけでもあるんですよね。こういったデータの統合はされているんでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、REPOSでありますとかEADAS、こういったところにおきまして、再生可能エネルギーの情報、あるいは鳥類に関するもの、あるいは国立公園に関するもの、様々な情報を広く一元的にマッピングできるようなシステム、こういったものを取りそろえようとしているところでございます。
○ながえ孝子君 意欲はあるということですね。是非それを進めるようにお願いをしたいと思います。 これ、入口もばらばらなものですから、なかなかこれ本当に一般の方が利用しようと思っても難しい状況にもあります。そして、データベース化は国がしっかりやるんだと、あるいは、私は、そのデータベースは各都道府県にやってもらって、それをクラウドさせるんだとか、やり方はいろいろあると思うんですけれども、その膨大なデータをどうにかするというDXを進めるのを国が一歩乗り出すということはかなり自治体にとって支援になるんだろうなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 それから、参考人意見の中で皆さんおっしゃっていたのは、カーボンニュートラルとネイチャーポジティブ、この同時実現が大事だということです。そのためには、私は、戦略的アセスメント、これを導入することが必要だろうなと思っています。 戦略的アセスは、個別の事業の上に立つ空間利用についての政策ですとか計画段階でのアセスメントですから、再エネを地域共生型にして町づくりに生かしていくために力を発揮すると思うんですよね。 いざ事業を取りかかる、始めようとするときに、ゼロから環境影響調査始める状態だと再エネ拡大はなかなかスピードが上がりません。あらかじめ市町村そして都道府県が協力してこの情報整理をやっておくと、ここは土地利用難しいよと、ここは無理だよ、あるいはこのエリアだと地域の理解は進んでいるから事業は加速化できるなど、すぐ判断が付くんですよね。ですから、このような戦略的アセスができていると再エネ導入加速化が図れるんではないかと思っています。 先日も、参考人の高村教授が、今回の促進区域は個別法の中で導入するものだが、より望ましいのは戦略的アセスメント制度を導入することだという指摘もありました。 環境基本法第十九条、「国は、環境に影響を及ぼすと認められる施策を策定し、及び実施するに当たっては、環境の保全について配慮しなければならない。」と定めています。まさにこれに応えるのが戦略的アセスメントだと私は思うんですね。 戦略的アセスメント、本格的に導入するお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 重要な御指摘いただいたと思います。 この戦略的アセスメントの趣旨の一つである事業計画の早期段階での地域とのコミュニケーション、情報の収集促進については、これまで各種施策を導入することで進めてきておりました。 具体的には、地球温暖化対策推進法における地域脱炭素化促進事業制度において、自治体が再エネ促進区域を設定するに当たり、地域住民等と合意形成を図りながら進めることとされており、今般の改正案において、再エネ促進区域の更なる設定が進むように新たな仕組みを設けているところでございます。 また、環境影響評価法において、事業計画の早期段階で計画段階環境配慮書を作成し、配慮事項ごとに調査、予測及び評価の結果を取りまとめ、一般の方々等の意見を求めることが努力義務とされております。 加えて、令和五年に改正された再エネ特別措置法に基づく固定価格買取り制度においては、大規模な事業等を行う事業者に対し、事業計画の認定申請前に一定の要件を満たす説明会を開催することを義務化しました。 これらの制度を活用しながら、地域との適切なコミュニケーションを図り、環境保全に配慮した地域共生型の再エネの導入を促してまいりたいと思います。 委員の御指摘は重く受け止めました。
○ながえ孝子君 二〇一一年の環境アセスメント法の改正の折にも、この戦略的アセスの必要性、党派を超えて各委員から指摘をされております。衆議院では附帯決議も付されておりまして、これ、国際的動向や我が国での現状を踏まえて、制度化に向けて早急に具体的な検討を進めることという附帯決議なんですね。それから十三年もたってしまいました。 これ、やっぱり再生可能エネルギーは太陽光ですとか風とか地熱とか自然資源を活用するものですから、地域によってポテンシャルが高いところと低いところ出てくるのはしようがない、ある程度しようがないと思うんですね。でも、これが余りにも高いところに集中し過ぎると地域間格差が出てまいります。それ、集中し過ぎると、かえって再エネ拡大が遅れたりもしますね、アセスが遅れたりしまして。ですので、こういった格差を生じさせないように誘導していくためにも、やっぱり全体俯瞰した上位レベルの計画、戦略的アセスメント必要だと思いますので、是非前向きによろしくお願いをいたします。 それから、再エネの更なる拡大が進むとなりますと、環境負荷の厳しいエリアにもこれから広がっていく可能性は大きくなります。現在の環境アセス法は事業に適切な環境配慮を促すものですから、自然環境の保全を主目的としておりません。そのため、重大な環境への問題が生じ得る場所で無理な開発が進められる場合でもこれを止めることができないという問題点、よく指摘をされております。一部には、環境アセスメントじゃなくて事業にアワスメントだよなんてやゆもされているぐらいなんですよね。ですので、私は、やっぱり環境大臣の権限を強化する改善が必要ではないかと思っています。 そもそも日本は生物多様性に富んだ地域ですから、とっても豊かな生物多様性を誇っていたんですけれども、このところ急速に自然環境を壊されてきまして、貴重な固有種の絶滅のおそれがある危険地帯、世界に三十六か所指定されているホットスポットの三十三番目に指定されているという状況です。危機的な状況なんですよね。 それで、アセス制度は環境に対する影響を評価するものにもかかわらず、最終的な許認可権限というのは環境省ではなくて事業を推進する立場にあるような主務大臣が握るということになっております。法律上では環境大臣は事業に対して意見を述べる機会はある、先ほども大臣説明しておられましたけれども、厳しい意見を述べてこられたこともおあり、それはよく存じております。 でも、実際の事業実施の可否を縛るような法的な拘束力は持っておりません。ですから、事業が本当に止まると、これを抑制、完全に抑制することはできないということになっています。ですから、これ以上、生物多様性の損失を食い止めるために、環境大臣の権限をもっと強化するような改善ができないかなと思っているんです。 例えば、環境省にアセスメントの審査会というのを設けまして審査をすると、その審査会の意見を踏まえて環境大臣は意見を述べる、その環境大臣の意見を踏まえて主務大臣は免許等の許認可を下すというようなことをちゃんとルートをつくってしまうような制度の変更、改善、必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) いつも意欲的な御意見ありがとうございます。 少し説明させていただきますと、環境影響評価制度の趣旨は、事業者専らが環境大臣による意見等を踏まえつつ、事業の環境影響について調査や評価を行うことで、環境保全の観点からより良い事業計画を策定することにあります。そして、この環境影響評価法の環境大臣意見においては、政府の目標等との整合性や環境保全の観点から、事業の必要性が認められないことや、事業計画の抜本的な見直しを求めることも含めた厳しい意見を述べております。また、その結果として事業の廃止や大幅な見直しに至った事例もございます。 引き続き、適切な環境保全の確保の観点から、環境影響評価法に基づく適正な審査を行ってまいりたいというふうに考えております。
○ながえ孝子君 先ほども話が出ましたけれども、自治体は、例えば、森林が再エネ施設建設でもうどんどん伐採されて開発されていってしまう、これでトラブルも起こるということで、条例で規制するケースも増えていますが、更に進んだ対抗策として、宮城県が、森林を大規模開発する再エネ事業者に営業利益の二割、二割を課税することで、森林以外へ誘導していこうと、自然と再エネ拡大の両立を目指そうという試みを始めました。その施策にアンケートを取りましたら、二十六道府県が関心ありと答えているんですね。そのアンケート調査の自由に記述してくださいというところには、国の積極的な対応を求める意見、これが相次いだという報道がありました。これについてはどう受け止めていらっしゃいますか。
○政府参考人(植田明浩君) お答えいたします。 宮城県の御指摘の条例は、再エネ事業の地域との共生の促進を目的とし、温対法に基づく促進区域において市町村の認定を受けた事業を非課税とするなど、地域共生型の再エネ導入という観点を考慮した設計、制度設計がなされているものと承知をしております。 一方で、再エネをめぐる地域における自然的、社会的条件は全国様々でありますため、宮城県と同様の仕組みを全国一律に導入するということは現時点では考えられておりません。
○ながえ孝子君 お聞きしたかったのは後の方で、国の積極的な対応を求める意見が相次いだということに対して環境省としてどう考えるかということをお聞きしたかったんですが、ちょっと時間が迫っておりますので、続けさせていただきます。 国際目標でも、二〇三〇年までに生物多様性の損失を食い止め、反転させ、回復軌道に乗せる、いわゆるネイチャーポジティブですよね、これに向かって世界は動いております。日本もそれに、その潮流の中で動いていこうとしてはいます。これってやっぱり環境あるいは自然、これを守るという要請が時代とともに開発をしのいでやっぱり重みを増してきたのかなというふうに私は思うんですね。 先ほどの自治体の動きですとか地域の皆さんの声というのは、しっかりと、一時代前の法律はそのまま残ってしまっているわけですね。ですので、時代の要請が開発を超えて自然環境、生物多様性を守れということに重みを増してきているならば、そのように、やっぱり環境省を中心、環境大臣がリーダーシップを取って法律そのものを変えていく、いろんなルールを変えていくことを求めているんではないかと思うんですね。 それについては、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 総合的な御質問ですので、私の基本的な考え方を申し上げたいと思います。 時代の要請によって必要な法律や政策が変わってくるというのは私も同意いたします。そしてまた、どのような法律や政策が必要だということに関しては、やはり関係者の間で必ずしも同じ意見ではありません。それから、環境問題というのは、ゼロイチで、どっちかが一〇〇でどっちかがゼロという問題でもないと思うんですね。 ですから、総合的にバランスを取って、世界の皆様が、また日本の国民の皆様が安心して暮らせる、そして持続可能な環境を守るということが環境省の責務でありますので、その基本的な考え方に沿って、バランスを取って政策を進めたいというのが私の基本的な考え方でございます。
○ながえ孝子君 このテーマはもう少し議論をさせていただきたいと思っておりますが、私は、やっぱり環境を守る環境大臣が止められる法律、それを握ってちゃんと仕事をするということが、とても期待申し上げておりますので、よろしくお願いをいたします。 質問を終わります。
○委員長(三原じゅん子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 昨年の気温上昇は観測史上かつてないもので、世界各地で洪水や干ばつなど、深刻な被害をもたらしています。現存の化石燃料関係施設を使い続ければ、確実、早期に一・五度を上回り、更に深刻な被害を引き起こします。 COP28では化石燃料からの脱却が確認され、G7でも二〇三〇年代前半までに石炭火力を全廃する方向が示されました。しかし、日本は、CO2の最大排出源である石炭火力の廃止時期を明言していません。そればかりか、一部の化石燃料関連企業や大電力のために、二〇三〇年代には実用化できずコストも高い、水素、アンモニア、CCSなどを口実に石炭火力の延命とLNG火力の拡大を促進するGX戦略を進めています。 さらに、日本は、アジア・ゼロエミッション共同体、AZEC構想を通じてGX戦略をアジア全域で展開し、アジアの脱炭素化を阻害しています。また、途上国でCCSを推進し、CO2の海外投棄を進めようとしており、日本の国内ではCO2を大量排出する石炭火力を延命させながら、そのツケを海外に押し付けようとしています。 本法案で規定される二国間クレジット、JCMの支援対象については石炭火力も除外されていません。市場メカニズムの対象をどのようにするか、パリ協定六条ルールの詳細が決まっていない中で、本法案では、JCMの体制を強化し、化石燃料に関わるものを含め支援しようとするものです。そして、JCM実現可能性調査、FS事業を通じて、日本が進めるCCSやアンモニア混焼事業などをアジアなどで実施する環境整備、地ならしとなっている実態があります。 こうして、日本のJCMに関わる事業は気候危機対策に逆行する日本のGX戦略をAZEC構想を通じてアジアなどの発展途上国に押し付ける一環となっており、本法案はこうしたアジアでの脱炭素化を阻害する事業を前のめりで推進しようとするものであり、賛成できません。 日本は、まず、絶対的に不足している国内での削減に力を尽くし、世界の脱石炭、脱化石燃料の流れに合流し、アジア各地での石炭、化石燃料延命への支援から再生可能エネルギー普及への支援に転換すべきです。 なお、促進区域の設定を都道府県及び市町村が共同して定めることについては反対しませんが、より根本的には市町村でのマンパワー不足や財源不足の解消を図ることがより重要だということを指摘して、反対討論とします。
○委員長(三原じゅん子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田島君から発言を求められておりますので、これを許します。田島麻衣子君。
○田島麻衣子君 私は、ただいま可決されました地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員世耕弘成君及びながえ孝子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、地域共生型再生可能エネルギーの導入を促進するため、再生可能エネルギーを導入する促進区域を都道府県と市町村が共同で設定することが可能となる本法の趣旨を踏まえ、地域脱炭素化促進事業制度の活用が進むよう地方公共団体に促すこと。 二、地域脱炭素化促進事業の推進に当たり、市町村への財政的・人的な支援及び事業者への優遇措置等を更に強化する方策を検討すること。また、促進区域の設定に関する都道府県基準の策定を促進するため、都道府県に対する支援の充実に努めること。 三、「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」の成立を踏まえ、促進区域の設定を行う場合には、民間等による生物の多様性の増進のための活動と再生可能エネルギーの導入との整合を図るとともに、法律の施行状況を踏まえ、地域の環境の保全のため地域脱炭素化促進事業の対象としない区域設定に係る制度の導入を検討すること。 四、再生可能エネルギーの導入推進に当たっては、国民生活を圧迫することがないよう配慮するとともに、環境破壊、景観破壊、乱開発を引き起こさぬよう配慮すること。また、太陽光発電設備等の施設の廃止後を見据えた法整備及び災害対策の強化に係る検討を行うこと。 五、国際協力排出削減量関係事務を担う指定実施機関の事務の実施については、外交上の情報や企業の技術情報が漏えいすることのないよう留意するとともに、効率的で正確に行われるよう適切な監督を行うこと。 六、二国間クレジット制度における特に新しい技術を活用したプロジェクトの組成・実施に当たっては、石炭火力発電の廃止に向けた海外の動向に留意し、パートナー国の脱炭素社会の実現に資するものとなるよう努めること。 七、パリ協定に沿って先進国が排出削減の先頭に立ち、世界全体の排出削減に貢献するという考えの下、二国間クレジットの国が決定する貢献のための利用に当たっては、パートナー国の承認を受けること。 八、温室効果ガスの排出量の少ない製品・サービスの普及に当たっては、各国でグリーンウォッシュ規制が進んでいる現状を踏まえ基準の統一に向けた検討を行った上で、事業者による算定・表示が進むよう支援をするとともに、国民の意識の醸成に努めること。 九、地球温暖化対策に関する国民の意識改革・行動変容につながるよう、幼児期から発達段階に応じたきめ細かな環境教育の機会を設け、地球環境への関心と理解を持ち続けることを促すための環境教育の一層の推進を図ること。 十、地球温暖化対策の実施の推進に関する重要事項について調査審議する際には、従来の意見募集などの方法だけでなく、国民理解を充実化させ、行動変革を実現するため、国民の広範な意見を十分に施策に反映できる仕組みを検討すること。また、上述の調査審議のために政府に常設されている審議会等において、将来世代を担う若者の声を反映させる機会を設けること。 十一、地球温暖化に伴う気候変動の激化に起因する深刻な影響が頻発する現状に鑑み、気候変動に対する根本的・総合的な対策について省庁横断的に法制度の在り方を検討し、その結果に基づき、法整備その他の所要の措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) ただいま田島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 多数と認めます。よって、田島君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、伊藤環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。伊藤環境大臣。
○国務大臣(伊藤信太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存でございます。
○委員長(三原じゅん子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十一分散会