環境委員会 第12号
- 発言数
- 94 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/06/06
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、小林一大君、神谷政幸君及び越智俊之君が委員を辞任され、その補欠として関口昌一君、佐藤信秋君及び白坂亜紀君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、東京大学未来ビジョン研究センター教授高村ゆかり君、公益財団法人世界自然保護基金ジャパン自然保護室長山岸尚之君及び認定NPO法人FoEJapan事務局次長深草亜悠美君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席をいただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、高村参考人、山岸参考人、深草参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず高村参考人からお願いいたします。高村参考人。
○参考人(高村ゆかり君) 三原委員長、ありがとうございます。 委員長を始め環境委員会の先生方に、この度、参考人として意見を申し上げる機会をいただきましたことをお礼申し上げたいと思います。 私の資料のスライドの二枚目でございますけれども、先生方の御議論を経まして、二〇二一年に地球温暖化対策推進法が改正をされ、地球温暖化対策の基本理念を第二条の二に盛り込んでおります。先生方御存じのとおり、パリ協定、日本も締結をしておりますパリ協定の目標であります二度、世界の平均気温の上昇を工業化前と比べて二度高い水準を十分に下回る、そして一・五度までに抑えるという、この二つの目標を念頭に置きながら、二〇五〇年までの脱炭素社会の実現ということを基本理念として書いていただいております。 その後、二〇二一年十月末から十一月にかけて行われました温暖化対策の交渉会合、COP26におきまして、パリ協定の目標である、の中で一・五度目標を目指すということが確認され、これが現在のG7、そしてG20でも共有された目標となっております。 次のスライド三番目でございます。 今回の温対法、温暖化対策推進法の改正のポイント、幾つかあるかと存じますが、私の意見は主に上の二つ、二国間クレジット制度、JCMの着実な実施を確保するための体制強化と、それから二つ目、地球、失礼しました、地域共生型再エネ導入促進に向けた地域脱炭素化促進事業制度の拡充について意見を申し上げたいと思います。 スライドの四枚目でございます。 先ほど、国際目標となっている工業化前と比べて世界の平均気温を一・五度までに抑えるという目標でありますけれども、最も新しい科学の知見をまとめたIPCC、気候変動に関する政府間パネルが示した科学的知見は、二〇一九年の排出量と比して、こちらにありますように、一・五度目標を五〇%を超える確度で達成をしようといたしますと、三〇年に世界全体で四三%、三五年に六〇%、四〇年に六九%といった水準の削減が必要になってまいります。二酸化炭素でいきますと、まさに二〇五〇年に九九%削減、まさに二〇五〇年カーボンニュートラルを実現をするということが重要な指標となっております。 次のスライド五枚目でございます。 これを国連が図化したものでございますけれども、日本も更新をして提出をいたしました二〇三〇年の二〇一三年度比四六%削減という目標は、世界でも多くの国が更新をし、その結果、この目標が全て確実に達成をされるとしますと、三〇年までのどこかの地点で世界の排出量が頭打ちになるような目標が現在提出をされております。 しかしながら、こちらの図に、グラフからも分かりますように、一・五度目標、あるいはもう一つ、少し高い二度目標と照らしても、まだ排出の削減が足下で足りないということが分かります。とりわけ、国連の場でもG7の場でも、この十年が極めて重要であるということが指摘をされております。 次のスライド六でございます。 日本の温室効果ガスの排出量の動向でございますけれども、現在、二〇二二年度の速報値が最も新しい排出量の値でございますが、一九九〇年度以降最小値になっております。そういう意味では、気候変動対策は排出削減という意味で着実に進んでいるというふうに言うことができますけれども、四六%削減、さらには五〇%削減の高みを目指すという三〇年の目標に照らしますと、更なる追加的な対策の強化が必要となってまいります。 次のスライド七枚目でございます。 今回の温対法改正の一点目のポイントであります二国間クレジット制度、JCMの拡充についてでございます。 このスライドは、JCMの仕組みを環境省の資料を使って御紹介をしたものでありますけれども、パリ協定に基づいて日本が他国と取決めを結び、その取決めに基づいて、他国において排出を減らしたものを日本の削減目標の達成に使うことができる排出クレジットとして獲得をして日本の目標達成に使うことができるという仕組みでございます。 スライドの八でございますけれども、今回の法改正について、私の目から見ますと、非常にやはり重要な改正だと思っております。 それは、今申し上げました国際的な一・五度目標、あるいは二〇五〇年の脱炭素社会の実現に向けますと、足下での更なる削減対策の強化、加速化が必要な中で、この三〇年目標の達成を助けるということ、現在、三〇年までに獲得ができるであろう排出クレジットの量は約二千三百万トンと想定をされておりますけれども、現在の地球温暖化対策計画の下では約一億トンということが目標、指標となっております。この目標を助ける、そういう意味での拡充でございます。 それから、さらにはパートナー国、とりわけパートナー国、スライドの七にこれまでの二十九か国を列挙、御紹介しておりますけれども、途上国を中心としたパートナー国の排出削減を支援することで、世界の排出削減を日本が持つ優れた脱炭素技術、製品、サービスなどを使って貢献をするという、そうした側面がございます。特に、こうした機会を持って、日本の持つ様々な技術や製品、脱炭素の技術や製品、サービスを海外に展開していく機会ともなろうかと思います。 スライドの九でございます。 その意味で、今二十九か国、そして二百四十以上のプロジェクトが今動いているところでありますけれども、更にやはり拡大をしていくということを考えますと、この運営体制を更に強化をすること、そして、そのための制度整備が必要と考えます。 事業計画の策定から、最終的には排出削減量を算定をしてクレジットを発行するまで、様々なプロセスを経てまいります。現在、年度ごとに国が事業者に委託をしているという形でありますけれども、継続をした一元的な事業の管理を実現をすることで、更なるパートナー国の拡大、事業の拡大ができるというふうに考えております。 さらに、それは運営を委託をする者の法によって、しっかり国がその体制、運営を確保をし、主務大臣が監督をするということを法によって定めを置くことでその監督体制を明確にするということでもございます。 スライドの十でございますけれども、是非、この温対、温暖化対策推進法の二国間クレジットに関わる改正に当たりまして、先般の二〇二三年、G7札幌で行われました気候・エネルギー・環境大臣会合で合意をしております質の高い炭素市場を実現をするように期待をしております。 ちょうど先月、アメリカで財務長官、農務長官を始め政府首脳六名が賛同する形での共同声明がアメリカからも表明されておりますけれども、先ほど申し上げました世界全体での排出削減への貢献、とりわけ一・五度目標、二〇五〇年カーボンニュートラルと整合的な炭素市場、自らの排出削減を優先をし、削減が難しいところにこうした炭素市場を活用していく、環境や社会への配慮、とりわけ環境のみならず人権の尊重を始めとする社会的な配慮の確保、そしてそれを可能にする透明性の高いロバストな、強固なガバナンスというのがG7のこの質の高い炭素市場原則の中にも盛り込まれておりますし、これはスライドの十一に付けております、そして、アメリカから発せられました共同声明と共通するものでございます。そういう意味では、このJCM、二国間クレジットがこうした質の高いクレジットの創出、あるいはそれを創出するメカニズムとなることをこの法改正の折に期待をしております。 スライドを少し飛ばさせていただきまして、十三枚目のスライドまで飛ばさせていただこうと思っております。 法改正の本日意見を申し上げたい第二のポイントと申しますのが、地域脱炭素化促進事業制度の拡充でございます。国の脱炭素には各地域の低炭素、脱炭素化というのが不可欠でございます。とりわけ日本の場合は、温室効果ガス排出量の約八五%がエネルギー由来であるということを考えますと、エネルギー、電力の脱炭素化を加速をすることが必要かと思います。その中で、様々な施策の中でその大きな一つの柱として、地域と共生をした形での再生可能エネルギーの導入、脱炭素化ということが重要かと思います。これは、二〇二一年に閣議決定をされております現行の第六次エネルギー基本計画でも同様の考え方が盛り込まれていると理解をしております。 次のスライド十四枚目でございます。 現在の温暖化対策推進法に基づく地域脱炭素化促進事業制度につきましては、次のスライドに環境省の資料、分かりやすい資料を挿入をさせていただいて、使わせていただいておりますけれども、市町村、基礎自治体が再エネの促進区域や再エネ事業に求める取組、条件を自ら計画の中に、温暖化対策計画の中に位置付けて、その適合する、条件に適合する事業計画を認定する仕組みというものを導入をしたものです。これ、二〇二一年の法改正で導入をされております。こうすることで、地域が納得をし、地域にとって最も良い形での再エネ導入を図っていくということであります。 この四月の段階で三十二の市町村が促進区域を設定をしております。しかし、御存じのとおり、基礎自治体は千七百を超え、しかも、その中で千四百以上が人口十万人を割る、十万人未満の基礎自治体でございます。その意味で、こうした促進区域、地域共生型の再エネ導入を図っていくための一つの手段、方法であります促進区域の設定、事業認定の仕組みというものを更に拡充をしていく法改正と理解をしております。 スライドの十六でございます。 この必要性は、私、大変重要なものと思っております。それは、今世界的に起きている企業に対する脱炭素経営へを促す動き、これは株主やあるいは金融機関などからのエンゲージメント、働きかけが行われ、さらにはスライドの十七、十八のところにも付けておりますけれども、原材料の調達から下加工、あるいは運送、そして小売事業者に届けて、消費者が最終的に消費をして廃棄をするまでの企業のバリューチェーン全体の脱炭素化ということが求められるようになってきているということであります。 もちろん、気候変動対策、地域の脱炭素化というのは気候変動の影響から地域や企業を守るということでもありますし、今、高く推移をし、あるいはボラタリティーといいますか、変動が大きなエネルギーのコストをできるだけ抑え、レジリエンス、地域の中でこうした脱炭素の電源を置いて備えておくといったような、こうした価値に加えて、今申し上げました企業価値の向上の上でこの地域の脱炭素化というのが重要な役割を示すようになってきております。これは大企業だけでなく、先ほど申し上げましたそれにつながっている取引先にも影響が及んできているということでございます。 その意味で、地域の脱炭素化は、今申し上げました気候変動対策としてはもちろん、あるいは地域のエネルギーコストを抑え、レジリエンスを高めるといったことに加えて、企業の企業立地としての地域の魅力を高め、地域にある社会課題に対して応えていく、そうした取組と考えられます。 大変僣越ですが、幾つかこうした取組が生まれている事例を御紹介をしてまいりたいと思います。 スライドの十九でございますけれども、マイクロソフトは、既に取引先を選定をする段階で、排出量について取引先の候補から報告をしてもらうということを取引先選定の際の一つの条件としております。 スライドの二十のアップルでございますけれども、アップルは、サプライチェーン、バリューチェーンの脱炭素化、とりわけサプライヤーに対して電力は再エネ一〇〇%でという要請をしております。日本企業、二〇二三年十月の段階でこちらにございます企業がそれを約束をされています。今申し上げました脱炭素経営が日本の企業にとって取引先から選定をされる上でも重要になってきているという資料でございます。 スライドの二十一でございます。 これまでの促進区域の中でも、屋根や公的な建築物の屋根を活用した、住宅の屋根ですとか公的建築物の屋根を活用した再エネ導入というのが進められていますけれども、こちらは住民の健康にとっても重要だということが自治体の取組の中にもございます。 スライドの二十二は千葉県の睦沢の例でありますけれども、電力供給が台風十五号で途絶えた際に、道の駅を活用したコジェネと再生可能エネルギーが四日間の停電期間の住民の生活を支えたという事例でございます。 スライドの二十三でございますけれども、こちらは脱炭素先行地域にも選ばれている地域でありますけれども、農業人口が減少し、高齢化が進んでいる中で、農地を活用した営農型の再エネ導入を行い、それによって若手の営農者がオーガニックの有機の農業を進めていく際の支援をする財源として活用している地域の例でございます。 最後、スライドの二十五に書いておりますけれども、この法改正を機会に、こうした自治体への支援、地域脱炭素化を進める支援を是非充実をしていただきたいというふうに思っております。今回の法改正というのがその一助になることを期待しております。 以上でございます。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 次に、山岸参考人にお願いいたします。山岸参考人。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 WWFジャパン、世界自然保護基金ジャパンの自然保護室長をしております山岸と申します。 本日は、議員の皆様方のお忙しいスケジュールの中で、このような場で意見を述べさせていただく機会いただきましたこと、誠にありがとうございます。 WWFは、一九六一年に設立されまして、現在では百か国以上で世界の自然保護、環境保護をやっている団体でございます。私はその日本オフィスに所属をして、個人的な話でいいますと、過去二十年間、この表紙にあります国連のような会議に出席をし、国内の政策についてもつぶさに見守って提言をさせていただいた立場から意見を述べさせていただきたいと思います。 まず、おめくりいただきまして、目次でございます。 今回の法改正の二つのポイントである、主要ポイントである二国間クレジット、そして再エネの促進区域のお話についてまず意見を述べさせていただきまして、その後に、三番目として全般、そしてその他の論点について意見を述べさせていただきたいと思います。簡潔になるべくいきたいと思っております。 では、もう一枚おめくりいただきまして、スライドの三枚目でございます。 まず、二国間クレジット、JCMに関する意見です。 これにつきましては、ここに二点、意見を書いてございますが、私がここで申し上げたいことは、国際的な潮流を踏まえて、先生方としては、この後、世界がどのように行くのかというその文脈の中でこのJCMの在り方ということを是非お考えいただきたいということでございます。今回の法改正そのものは、JCMが、ありていに言えば、効率的にやっていけるようにというところに重きがあると思います。それ自体は大きな問題はないとは思います。ただ、方向性として是非この二点は御検討いただきたいというのがございます。 一つ目が、二国間クレジット制度の実施を強化していくに当たっては、途上国における化石燃料の使用の温存であったりとか増加、特に石炭火力発電所の増加にはつながらないように重々配慮をしていただきたいというのが一つ目のポイントです。 二つ目は、世界的に削減量が足りていない状況を鑑みて、JCMを活用した場合に、国内の削減量と相殺される、いわゆる業界用語でオフセットと呼ばれるような仕組みにならないように今後はNDCの中で位置付けていっていただきたいというのが二つ目の意見です。 これら二つについて、もうちょっとだけ解説をさせていただきたいと思います。 まず、おめくりいただきまして、スライドの四枚目、御覧ください。ちょっとややこしい資料で大変恐縮ですが、ここでひとつ、COP28、昨年の国連の気候変動会議がどんな結果を出したのかということを振り返っておきたいと思います。 昨年のCOP28の前までに、既にCOP27までの段階で、まず一番上にCOP27の決定の話が書いてございますけれども、石炭火力発電所については段階的に削減をしていくということが合意をされています。排出削減対策が講じられていないというただし書は付いていますが、基本的に石炭火力については減らしていきましょうねという方向性が国際社会の百九十か国以上のコンセンサスとして合意がされているというのがポイントです。 昨年のCOP28では何をしようとしたのかといいますと、これを石炭という分野だけではなくて、化石燃料全般に広げられるかどうか、そして、削減という言葉ではなくて、いずれは廃止というところまで持っていけるかどうかがかなり大きなポイントでした。 この二つ、かなり大変な決定になります。なので、当然ながら異論はたくさん出ました。ましてや昨年のCOPが開催された地はUAE、アラブ首長国連邦ということで、産油国ですのでなおさら反対の声も強かったということがあります。 それらを何とか妥協を見出して出されたのが一番下の、やや分かりにくい表現なんですけれども、化石燃料から、二〇五〇年ネットゼロを達成するために、転換をしていくという表現が使われました。これ、日本語ではなかなか伝わりにくいんですが、トランジショニング・アウエー・フロムという英語が使われてございます。日本語ですと通常、このトランジションという言葉は移行というふうに訳されてしまいますが、それだけだと、ここのアウエーという言葉に含まれたその英語の万感の思いというものがなかなか訳出されないという部分があります。つまり、化石燃料からはアウエー、立ち去っていくのだという、国際社会としてぎりぎりのところで合意をされた決別の意思というものがここで発表されたということになります。 これを受けて、各種報道であったり、あるいは国連事務局そのものが化石燃料時代の終わりの始まりというような表現をプレスリリース等では発表していたのを御記憶の方もいらっしゃるかと思います。これが国際社会としての流れでございます。ですので、先ほどの第一の意見で述べさせていただきましたように、JCMがこれからを見据えて何に貢献していくのかというのであれば、この流れに是非貢献をしていただきたいということがございます。 そして、ちょっともう一枚おめくりいただきまして、スライドの五枚目でございます。 実は、このCOP28の決定につきましては、パリ協定の下でのグローバルストックテークと呼ばれる、ちょっとややこしい名前の仕組みの中で出された結論でございます。このグローバルストックテークというのは、パリ協定自体の中に含まれている五年ごとの世界全体の進捗を見直す仕組みでございます。それで、世界全体の進捗を二〇二三年のグローバルストックテークという取組の中で見直しをして、その結論として、やっぱり世界はこの方向でいくべきだよねという結論で、先ほどの化石燃料との決別宣言があるというふうに捉えていただきたいと思います。 そして、パリ協定では、実は、このグローバルストックテークという五年ごとの見直しの仕組みは、明確に次の各国の削減目標に対するインプットとして位置付けられているという点も大事です。日本政府も含め、各国の政府は来年までに新しい次の削減目標を提出することになってございます。実際、その議論というのが、そろそろ環境省さん、そして経産省さんの下で始まるということが分かってございます。この議論に対するインプットとして、先ほどの化石燃料から徐々にシフトしていきますよということが明確に位置付けられたと。だから、それを達成するための手段として位置付けられるJCMというのは当然その流れをくむべきだということがまず申し上げたい国際的な文脈でございます。 加えて、次のページ、スライド六枚目に行っていただきたいんですけれども、このJCMのNDCの中での位置付けについてももう一つ御意見申し上げたいと思います。 現在、JCMのNDCの中での位置付けはやや特殊でございます。左側に表がありまして、その一番下に二国間クレジット制度(JCM)の位置付けというものが書いてございます。この中でちょっと注目をしていただきたいのは最後の一文、適切にカウントするという一文です。要するに、JCMは、日本の削減目標の中で適切にカウントするとは言っていますが、この上の表の中に含まれるような具体的な数字は入ってございません。ということで、現在では国内の削減目標に対して数字としては見込んでいないけれども、いずれは適切にカウントしていこうかなという意思が示されているというやや曖昧な位置付けでございます。 先ほど高村参考人からの御意見にもありましたとおり、世界的には削減量が全く足りていないという状況がございます。普通、このまんま国内の削減目標の中にJCMを組み入れるというふうにしてしまいますと、ありていに言いますと、途上国で一トン削減した分、日本国内では一トン削減しなくてもいいという仕組みになってしまいます。これですと、国際的な貢献にはつながりません。 なので、今後NDCを議論する際には、国内の削減目標とは別で、もしJCMを活用したいのであれば、国際的な貢献の枠の中に入れますよというふうにしていただく方がよいのではないかという御意見を二つ目の意見として述べさせていただきたいと思います。 続きまして、ちょっと時間が限られておりますので足早でございますが、次のスライド七枚目に行かせていただきます。再エネ促進区域に関連しての意見でございます。 再エネの推進、昨今のソーラーパネルに関して様々な報道があるとおり、再エネを促進をしなければいけないのは、脱炭素社会構築にあっては必需品といいますか必須でございますけれども、同時に、慎重にやらなければいけないという非常に難しい課題を抱えている分野でございます。促進区域を設定していく、そしてそれが都道府県と市町村が協力してやっていけるという今回の温対法の改正案については、それ自体は良いものではございますが、他方でここについては注意をしていただきたいというのが今回の意見の趣旨でございます。 まず、二〇二二年に世界的に生物多様性を守るための世界枠組みが合意されました。これに日本もしっかりと貢献していくということが、やはり先生方も御議論の中であったとおり、コミットがされてございます。ですので、一方でやはり生物多様性に対する配慮もしっかりしていきますよということはどこかにちゃんと入れておいていただきたいというのが一つ。 そして、やはり地域が反発するのは地域のためになっていないという部分もございますので、そこの地域の理解を得るということも非常に大事であると。 加えて、この促進区域、先ほど高村先生の資料にもございましたが、制度としてはできているけれども、三十二自治体、市町村でしかまだつくられていない。だから、都道府県とも協力をしつつ、しっかりと推進していけるようにしていきたいというのが多分今回の改正の趣旨であるのかと思いますけれども、他方で、やっていけないのは一つ理由がありまして、やはり何らかの支援が必要だということだと思います。その支援も、太陽光パネルなり風車なり地熱なり、そういったものを設定するために直接お金が必要だということももちろんあるかと思いますが、それ以外にも、じゃ、地域にどうやって利益が落ちてくるのか、ベネフィットがあるのかということを検討しようにも、じゃ、検討するために皆さんのお時間をいただかなければいけないとか、あるいは専門家にお願いをしてちょっと検討しなければいけないとか、いろいろな形で費用が掛かってきます。そういったことを何とかサポートしていけるように、地域にベネフィットを落とすためにも支援が必要なのではないかというのが二つ目の意見でございます。 それをもう少し具体的に書きましたのがスライドの八枚目でございます。 もちろん、何でもかんでもお金を出せばいいということではございません。先ほど申し上げたように、生物多様性に対する配慮があるとか、なるべく事業化がしっかりしそうなものであるとか、あるいは、いろいろ検討したけど難しいねという最後の手段としての支援といったような形で、いろいろ条件を付けていく必要はあるとは思いますけれども、それでもやはり、促進区域の設定を更に数を増やしていくためには、やはりこうした支援も必要なのではないかというのが私どもの意見でございます。 そして、最後の方に移っていきたいと思いますが、駆け足で申し訳ございません、スライドの九枚目でございます。 今回、主な多分改正案のポイントとしては先ほど申し上げたJCMとそして促進区域の部分かなと思いますけれども、それ以外にも言及されている部分、分野として、温室効果ガスの削減につながるような製品やサービスの普及についても頑張りましょうというようなことが今回の温対法の改正の中では含まれてございます。 これは、これ自体ももちろん大事なことですが、他方で国際社会に目を転じてみますと、昨今ですと、いわゆるグリーンウオッシュに対する目が一段と厳しくなってきております。これは、やはり消費者の皆様の関心も高くなってきているということが背景にはございます。やはりスーパーに行っていろんな表示がされていると、カーボンニュートラルかもしれないし、これは削減ゼロ、CO2ゼロとかといろんな表示があって、どれを選ぶのが一番正しいのかがよく分からないという消費者の声がやはりあると。そして、企業さんもいろいろな主張をするけれども、それが本当に正しいのかどうかが分からないという状況を受けて、各国、特に日本が意識すべきEUであったりアメリカであったりにおいても、こうした、どういう広告がされるのか、どういう企業さんの主張がされるのかに関しての規制の準備がそれぞれ進んでございます。ですから、こういったものをしっかりと動向としては押さえ、何となれば、製品を作る側は日本市場向けだけに作っているとは限りませんので、そういった企業さんにとって二度手間にならないためにも、こうしたことが必要です。 これは、ほかの分野、情報開示等の分野でもそうでして、目下議論になっている、企業さんが温暖化対策に関する情報を開示するときの国際基準の設定があり、それと温対法との間での整合性なんということも少し課題にはなっていたりとかはします。そういったことを、企業さんからしてみると、日本のためだけに作って報告しなくちゃいけなくて、EUのために報告しなきゃいけなくなってとなると大変になってしまいますので、その辺を意識した制度設計というものが、連携をしながらやっていくことが必要かというふうに思ってございます。 これが、最後に近い、最後から二番目の御意見で、最後の御意見の方に参ってまいりたいと思います。 これは、温対法全般に関する、今回の法改正では必ずしも対象になってございませんが、是非取り入れていただきたいポイントとして二点、最後に述べさせていただきたいと思います。 一つ目は、生物多様性そして脱炭素、そしてもう一つだけ挙げるとすれば、循環型社会の構築、サーキュラーエコノミーの構築、この三つに関しては国際的に同時並行で相乗効果を出しながら取り組んでいく分野だというのは、かなり国際常識にもなりつつあります。この間のG7の宣言文なんかもそういう章立てで書かれていたりとかするので、この分野は、時にはローカルの分野では対立してしまう分野もあるかもしれないけど、総じては必ずこの三つを同時並行でやっていこうというのは、かなり国際的には一大潮流になっているかと思います。 その中にあって、例えば地球温暖化対策推進法という法律を文言検索したときに、生物多様性という言葉が出てこないとか、それから、日本政府も生物多様性に対しては貢献しますと言っている中で、ネイチャーポジティブの言葉も出てこないとかという状況はちょっと寂しいのではないかというふうに思います。 まさに、やっぱり法目的に入っているからこそ配慮ができる部分もあったりとかすると思いますので、是非その点についても今後御検討いただけると幸いですというのが一番目のポイントで、二番目は、最終的には基本法としてこの温暖化対策に関する法律というものを上げていっていただきたいなと思っております。 温室効果ガスの削減目標、例えばカーボンプライシングなんかの議論が今後始まっていきますが、なぜそれが必要かというと、それは温暖化対策のために必要なので、こちらの法律の中できちんとした位置付けがないと、そのために、削減目標が、あるいはそのカーボンプライシングが安過ぎるとなったときに、それを強調する法理がないということになってしまいます。そこは是非今後改善していっていただきたいな、せめて位置付けていただきたいなというのが最後の意見でございます。 済みません、時間を超過しまして。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 次に、深草参考人にお願いいたします。深草参考人。
○参考人(深草亜悠美君) 認定NPO法人FoEJapanの深草亜悠美と申します。 本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。 FoEJapan、フレンズ・オブ・ジ・アースの略ですが、FoEJapanは一九八〇年に日本で活動を開始した国際環境NGOです。世界七十三か国に加盟団体を持つFoEインターナショナルのメンバーでもあります。FoEJapanは、気候変動や原子力、火力等のエネルギー問題、開発金融、森林保全等の問題に日本で四十年以上取り組んできました。私自身は、化石燃料や原子力の問題、特にそれらの事業に対する公的支援の問題について取り組んできました。 本日は、日本の温暖化対策についての見解を述べさせていただければと思います。さきの二名の参考人の方のお話とかぶるところもあるかと思いますが、御容赦いただければと思います。 御存じのように、気候危機は年々深刻さを増しています。世界気象機関は、二〇二三年は観測史上最も暑く、産業革命期と比べ一・四五度以上平均気温が高かったと発表しました。今世界が目指す気温上昇を一・五度に抑えるというパリ協定の目標を守るために残された炭素予算というのは、残り僅かです。先ほどからも、削減が圧倒的に足りていないというお話がありました。現在各国が掲げている目標を実行したとしても一・五度を超える温度上昇につながり、日本を含め目標の強化が必要です。 二〇二三年に発表されたIPCCのレポートでは、一・五度目標を達成するためには、一九年度比で二〇三〇年までに世界の温室効果ガスの四三%を、三五年までに六〇%を削減する必要があるとしています。日本政府の削減目標は二〇三〇年に一三年度比で四六%ですが、一九年度比に換算すると三七%削減となり、グローバルな削減指標と照らし合わせても不十分な目標です。国内のNGOや市民団体、若者団体等は、気候変動に対する日本の歴史的責任の大きさ等を鑑み、二〇三〇年の削減目標を一九年比で六〇%以上削減に強化すべきであると主張しています。 また、IPCCによりますと、世界の既存の、また計画中の化石燃料インフラを想定年数稼働するだけでも、一・五度を超える温室効果ガスが排出されてしまうと試算しています。そのため、特に新しい化石燃料事業を行う余地は残されていないということが言えると思います。 また、先ほど山岸参考人からもありましたが、昨年、二〇二三年度のCOP28において、全ての化石燃料からの脱却ということが合意されました。また、今年のG7気候・エネルギー・環境相会合では、対策を取らない石炭火力発電は二〇三〇年代前半に全廃するとコミットされました。 化石燃料に依存する社会から早急に転換し、省エネルギーや再生可能エネルギーへの置き換えを進めていく必要がありますが、日本国内では、非効率石炭火力以外の石炭火力発電の廃止ですとか脱化石燃料の議論が行われていません。 ここで、カーボンニュートラルやネットゼロについての問題点、懸念点について触れたいと思います。 日本政府を含め、パリ協定の達成のため、カーボンニュートラルやネットゼロを目指す国や企業が増加しています。温室効果ガスの排出を完全にゼロに抑えることは現実的に難しいため、排出せざるを得なかった分と同じ量を吸収若しくは除去することで差引きゼロを目指すということですが、翻って考えてみますと、吸収量や除去量を確保できれば、その分追加的に排出してもいいという考え方につながる危険性があります。実際、排出削減量ですとか削減経路が曖昧なネットゼロ宣言は、グリーンウオッシュであると問題視されています。 このような背景もあり、例えば、二〇二二年、国連事務総長のイニシアチブの下で専門家グループによる報告書が発表されておりまして、企業等、非国家主体によるネットゼロ宣言の信頼性や透明性を確保するために、国際的な定義の統一や各国でのルールの整備の必要性を指摘しています。 また、ネットゼロを考える上では時間軸も重要です。排出された温室効果ガスはしばらく大気中にとどまる性質があるため、なるべく早く絶対的な排出量を削減することが重要となります。二〇五〇年の断面でネットゼロを達成しているというわけではなく、二〇三〇年までに、この十年でいかに削減を深掘りできるかが重要です。 日本政府は、NDC達成のため、JCMを通じて二〇三〇年までの累積で一億トン程度、CO2換算で一億トン程度の国際的な排出削減、吸収量の確保を目標とするとされているかと思います。累計の、累積の目標なので単純には比較できませんが、規模感としては年間、日本の年間排出量の約一割に当たる量かと思います。 繰り返しになりますが、気候変動対策のためには、ネットではなくいかに炭素の絶対量の排出が深掘りできるかが重要であると考えます。二国間クレジットや市場メカニズムの活用は、国内での削減にはつながりません。むしろ、購入したクレジットによって更なる排出を許してしまうものです。オフセット・クレジットに多額の投資を行い、また削減目標の達成をオフセットに頼るということは、排出量を減らさないばかりか、真に有効な対策を遅らせてしまいます。 環境省資料によりますと、既存のプロジェクトによる累積削減量は約二千三百万トンCO2とお示しがありました。もし今後六年で累積一億トンの目標を達成するとなると、大型の排出削減事業や吸収事業、事業の急増が起きるのではないかということを懸念しています。 京都議定書の下で、国際的な炭素取引システムであるクリーン開発メカニズム、CDMが実施されました。CDMが、事業が認められるためには、実際に削減が行われていること、追加的な削減であること、削減に永続性があること、環境十全性が担保されていることなどが条件となりました。 二〇一六年の欧州委員会の報告書によりますと、CDMの下で行われたプロジェクトの四分の三が追加的な排出削減に結び付いておらず、追加的な削減につながっていたのは全体のたった二%であったと指摘されています。この結論に至った背景の一つとしては、CDMで実施された多くの再生可能エネルギー事業は、クレジットがなかったとしても、市場における再エネの需要拡大等を背景に、いずれにしろ実施される事業であった見込みが高いということでした。 また、オフセット事業が地域社会や環境に悪影響を及ぼしていることを示す調査というのも増えています。 二〇二三年の調査によりますと、世界最大手のクレジット認証機関、ベラが販売したオフセットの九〇%以上が無価値であったということが明らかになっています。調査によれば、ベラが認証した熱帯林に関するオフセットプログラムの大部分が森林破壊防止につながっていなかったということでした。また、このとき調査された事業のうち、少なくとも一つで重大な人権侵害も報告されていました。 また、日経新聞の二〇二二年の調査報道でも、カーボンオフセットの問題について指摘しています。クレジットと組み合わせたCO2フリーLNG、二酸化炭素実質排出ゼロを銘打つ液化天然ガスというのが取引されていますが、このときに使われたクレジットで実際の削減量より過大に発行した疑いがある事業のクレジットが使われていたとのことです。その他の問題事例については、配付のレジュメを御覧いただければと思います。 これらの例からは、国際的な炭素市場におけるクレジットの追加性や確実性、環境十全性を確実に担保するということが現実的にはこれまで困難であったということが見て取れます。むしろ、質が担保されていないクレジットが出回ることによって排出削減対策を遅らせるだけではなく、社会や環境への影響、また気候変動の加速がしていくと思われます。 また、繰り返しになりますが、国の削減目標達成のためにクレジットを活用するとなると非常に多くのクレジットが必要となり、事業の急激な増加や大型化が予想されます。 これまでCDMや民間のクレジット市場で扱われているのは、省エネ技術の導入や再生可能エネルギー事業によって創出されたクレジット、森林破壊や土地劣化防止、植林による吸収源事業というのが主要な事業であったかと思います。 一方、現在、国連パリ協定六条の下、また日本のJCMにおいても、炭素回収、貯留、CCSや、CCSと組み合わせたバイオエネルギー発電、BECCS、また空気から直接CO2を回収する直接空気回収技術、DAC等、新たな技術によるクレジットを認めるかどうかが議論されていると理解しています。CDMではCCS認められていたと思いますが、実際の案件はゼロではなかったかと思います。 日本政府が二〇二三年に策定したCCS長期ロードマップでも、JCM、二国間クレジット制度におけるCCSを含むプロジェクトの組成やCCS由来の国際的なクレジット制度の立ち上げを支援するとしていますが、このCCSですが、世界的に見ても成功例や実現例は非常に少なく、またコストも非常に高く、技術的な困難も伴います。 また、二〇二四年五月にCCS事業法が日本国内で成立しておりますが、個別の環境アセスメントの欠如やモニタリング基準の曖昧さなど、懸念が残る内容となっております。国内におけるCCS事業の安全性の担保も見通せない中で、海外でのCCS事業をクレジット化するための議論は時期尚早であると考えます。 また、炭素除去の議論においては、またCCSも同じく回収したCO2を貯留するということで、CO2が大気から持続的に隔離されていることが定義上重要となります。この持続的にということなんですけれども、国連の議論では、この長さとして、一案として、少なくとも二百年や三百年というような意見も出ております。このような長期にわたり隔離された炭素の維持を担保できる法制度というのは非常に困難であると思います。また、貯留が行われるホスト国がこれを行うためには相当のリソースを要することが議論の一つともなっております。今後、JCMであれ、JCM外の日本が国内で発生したCO2を海外に輸出して貯留する場合であれ、長期のモニタリングと賠償責任というのが問題になるかと思います。 まとめますと、繰り返しになりますが、やはり絶対的な削減というのが足りていない状況です。 オフセット等、どうしても削減できない部分ということが前提となるかと思いますが、日本国内では、化石燃料のフェーズアウトはおろか、石炭火力のフェーズアウトというのも遅れています。また、一部ではCO2が悪者で化石燃料ではないというような声もあるというふうに聞いていますが、CCSやDACなどの技術はいまだ十分開発されておらず、数少ないCCSの実施例を見ても、多くは石油の増産に使われる若しくは回収率が非常に低いという現実があります。大気に排出された炭素を回収するコストというのは非常に高価です。 また、水素、アンモニア等の燃料も注目されておりますけれども、また衆議院の方の議論では、こういったものもJCMの対象から排除するものではないという答弁だったかと理解しておりますが、輸入や化石燃料由来のものが多く、グリーンな水素、アンモニアの拡大にはそもそも再生可能エネルギーの拡大が鍵となります。 また、化石燃料サプライチェーンの風下だけを見るのではなく、全体を見ると、上流での採掘による環境や社会への影響というのも重要です、重大です。化石燃料を掘り出さないということが重要であると考えます。 また、日本からの技術支援というのは非常に重要だと思います。しかし、これをオフセットに使うかどうかは別だと思います。また、現在、気候資金ですとか途上国への資金支援、技術支援というのも非常に必要であることは確かです。ただ、それは、パリ協定では先進国による途上国の支援の義務として書かれています。日本政府は、資金支援、技術支援をオフセットのために行うのではなく、途上国の支援のために、かつ追加的に、また、途上国の債務問題というのも深刻ですので、債務を増加させない形で行う必要があると考えています。 私からは以上になります。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○加田裕之君 自由民主党の加田裕之でございます。 今日は、お忙しいところ、高村参考人、そしてまた山岸参考人、そして深草参考人の、本当にそれぞれのフィールドの立場で有益な御意見をいただきましたことに、まずもって感謝、御礼申し上げます。 今回の地球温暖化対策の推進に関する法律の改正の問題については、やはりこの二つの、二本柱と言ってもいいように、二国間クレジット制度の実施体制の強化、それからまた地域脱炭素化の促進事業制度の拡充ということで、言わばマクロとミクロ的な形、グローバルとローカル的な形というこの二つの面を私は有した改正案ではないかと思っております。 また、これ両方に共通しているのは、JCMの数、もちろん数というのも大切ですし、またこの促進事業制度の方についても枠を都道府県に広げる、都道府県でも関与できるということで、広げるということで、数を増やすということはあります。ただ、これ数を増やすのが目標ではあくまでもなくて、これは手段であって、最終的な目標というものはしっかりと地球温暖化の部分についての実効的な確実な達成というものをやっていくんではないかと思っております。 そこで、先ほど陳述していただきました順番で、高村参考人、山岸参考人、深草参考人の順番でお伺いしたいと思うんですけれども、今回の特に地域脱炭素化の促進事業制度の拡充のことについて、私、今までは基礎自治体的なやり方でやるというのはあくまでもこれローカル的な話になりますし、それからまた、本当にこの脱炭素の部分におきましては、温暖化対策というのは基礎自治体の区域でゾーニングできるというものではないと思っております。 やはり、それに合った形で、今回フレキシブルな形で都道府県も関与することによりまして、まあ言わばゾーニングみたいな形ができるという形で、これは実効性の担保という部分については私は一歩ではないかなと思っておりますので、これを、ただ、先ほどお三方の皆様からお伺いしたんですが、ある種強制力とか、それからまた、この複数市町村の基礎自治体に対して予算面の支援とかそれから制度面の支援というのはもちろん大事だとは思うんですが、強制力を伴わないような形、言わばナッジ的なやり方で、持続可能なやり方でやっていくためにはどのようにやっていけばいいか、それぞれのお三方の参考人の皆様の見地からアドバイスをいただけたらと思います。
○参考人(高村ゆかり君) 加田先生、どうも御質問いただき、ありがとうございました。 私の資料の一番最後のところで、先生の問題意識に関わるところ、付させていただいております。先生おっしゃったように、この法改正によってやはり更に確実な排出削減につながるということが非常に重要なところだと思っております。 御質問いただいた特に地域脱炭素の、地域の脱炭素化促進事業制度等の拡充についてでございますけれども、私、国と地方自治体との関係でいくと、先生おっしゃったように、やはり強制的な形ではなく、地域の実情に照らして、地域にとってやはり最も良いと思われる形で進めていくために様々なインセンティブが必要だと思います。 今回のまさに都道府県との共同の取組を認めるというのはその一つだと思いますけれども、私自身はやはり二つあると思っていまして、一つは、やはり都道府県、国と都道府県が連携をして、現在もされておりますけれども、促進区域等、これは山岸参考人等からも御指摘ありましたけれども、例えば立地、再生可能エネルギーを立地が望ましくない地域、区域ですね、こうしたものについての一種の区域割りの基準というものを作っている、都は作っておりませんけれども、府県二十八ございます。こうした取組が、やはり基礎自治体がこういう取組をしていく上で非常に助けになると、自ら区割りをしていくというのなかなか難しい中でそういう指標が作られるということが、基準が作られるということが一つは当面重要な対応かと思います。 もう一つは、やはり人材とそれに対する対応する資金といいましょうか、に苦慮されているというふうに基礎自治体からも伺っていまして、こちらはやはり、実際にこうした区割りをして対策をしている自治体に対しての財政的な、これは条件を付けた上でですけれども、支援をしていくというのはやはり非常に重要な点ではないかというふうに思っております。まさに地域がうまく移行していく、変わっていく、脱炭素に変わっていく支援として御検討いただくといい点ではないかというふうに思っております。 以上でございます。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。加田議員、御質問ありがとうございます。 いわゆる強制的な方法ではない形での支援の在り方ということで、一つだけちょっと個人的にも関心がある事例といいますか分野を挙げさせていただきますと、やはりその専門性のサポートという分野がございます。 市町村レベルで特に考えた場合に、市町村の御担当の方々というのは日々別の業務をたくさん持っていらっしゃる方が多いです。再生可能エネルギーの促進だけに関われるようなポジションを設定しているところはまだまだ多いわけではないので、しかも、仮にそれがあったとしても、例えば再生可能エネルギーの促進区域を設定します、それも、先ほど私が申し上げたように、その生物多様性であったりとか地域の問題にちゃんと配慮して、そして景観にも配慮してというようなことをやろうとすれば、必然的にいろいろと要求される知識であったりとか専門性というのは幅広くなってきてしまいます。そのときに、一人では、二人ではとてもじゃないけれども対応し切れないというのが実情で、もうそうなってしまうと、ちょっとほかの仕事もあるしできないというふうになってしまうのが実情であろうかと思います。 ですので、そうした専門性をどうやって外からサポートしてあげられるのか。例えば、実際に私どもが、随分前になるんですけれども、徳島県の鳴門市さんと一緒にやらせていただいたときには、市の方だけではなくて、地域の例えば徳島大学の先生にもお世話になったりとか、あるいはその地域で野鳥を観察されている団体の方々にもお世話になったりとか、そういった形で一生懸命、地域にある専門性を一生懸命集めてきて、それで何とかそういった、例えばこういったところだったら再生可能エネルギーは設置できますよねという議論を進めていった経緯がございます。 これを一自治体の職員一人か二人にお願いをするというのはなかなかしんどいので、それをどうやってサポートしてあげられるかというところがてこ入れの入れどころなのかなというふうに思います。また、再生可能エネルギー、エネルギーの問題自体も専門性が必要とされるので、そこも重要かなと思っております。 以上でございます。
○参考人(深草亜悠美君) ありがとうございます。 私の経験では、やはり大きな開発事業、海外で起きている開発事業に携わることが多かったので、それとも少し共通するんですけれども、やはり何か事業をするときに住民の方の理解を得るということは非常に重要で、かつ、とても時間が掛かることだと思います。お二人が御指摘されたように、やはり人材ですとか、そういった地域への支援というのは必要だと思います。 また、やはり負担になってしまうだけではいけないと思いますので、繰り返しになりますけれども、その専門性の開発ですとかそういうところに私も支援が必要であると、済みません、同じ答えになってしまいましたが、思っております。 ありがとうございます。
○加田裕之君 ありがとうございました。 やはり、今回のこの法律というのは、やはりただ単に一つの分野というものを有するのではなくて、いろいろな複合的な要因というものをしっかりと包括していかなければいけない。 ただ、一方でいいますと、全ての分野の脱炭素の権限を有しているというわけではないというお三方の皆様のお話を聞かせていただきますと、全ての分野を、権限というものは、ある、あるときもあればない分野という部分、それから、先ほど言いましたように、人材の専門性の部分のことについても大切だということもよく分かりました。ありがとうございます。 それで、次に高村参考人にちょっとお伺いしたいんですが、実は二十年ほど前、二〇〇五年に亀山康子先生と「地球温暖化交渉の行方」という著書ありました。京都議定書の第一約束期間後の国際制度設計をしっかりと展望するということがありました。あのときに、言わば京都議定書の第一約束期間ができましてから、それから国際炭素税のことについても提案をされておりました。 EUでは新たな試みをされておりますし、実際、二〇二六年から排出量に応じて実際の課税が行われるんですが、この二十年前の先生が著書を書かれたときと現在と、そして今の日本にどういうふうに当てはめていけばいいのか、御示唆をいただけたらと思います。
○参考人(高村ゆかり君) 加田先生、ありがとうございます。大変光栄です。ありがとうございます。 二〇〇五年、ちょうど京都議定書の約束が始まる前に書かせていただいたものですけれども、その上で、とりわけ当時、中国を中心に排出量が急に増えてきていた時期で、京都議定書の仕組みに加えて、あるいはそれに代えて、どういう国際的な制度が必要かという議論をしていた時期でございます。 それから約二十年ほどたちまして、私自身、随分この気候変動対策が変わってきたというふうに思います。もちろん、条約も京都議定書中心からパリ協定に変わりましたけれども、先生方も恐らくお感じのように、国の役割というのも非常に重要である、特にどういう方向で気候変動対策を進めていくかということを明確に示すということが非常に重要になってきているということでありますけれども、加えて、とりわけ企業それから金融が、この気候変動対策を自らのリスクとして、逆にビジネスの機会として捉えて取組を進めるようになったというのが恐らくこの二十年の中で最も大きな変化ではないかというふうに思っております。 そういう意味で、先ほど、国が大きな方向性を示すことが重要だというのは、もちろん国民に対して政策としてということもありますが、まさに今GXの戦略の中でも示されていると思いますけれども、そうすることで企業が脱炭素の社会経済の構造に変えていくための経営方針を立て、投資の戦略を作るという意味で、国の役割と国が大きな方向性を明確に示していくということが重要になっているかと思います。 今回の特に地域の脱炭素について、地域の対策を進めることが地域の経済にとってもプラスになるという側面を強調させていただいたのはそういう状況の違いでございまして、脱炭素の電源がある地域に立地が集まっていく、あるいは取引先も脱炭素経営が求められるようになってきますと、まさにこの地域の脱炭素をうまく進めていくということが地域の企業、地域の経済にとってプラスになると、この条件をやはりうまくつくっていくというのがまさに先生方に今回の法改正の折でも期待をしている点でございます。 ありがとうございます。
○加田裕之君 ありがとうございます。 やはり、当時といいますと、やはり環境というのは経済というものを規制するというようなイメージがありました。そしてまた、実際、そういうところの面もありました。 ただ、先ほど先生からお話しいただいたように、これは経済と環境の好循環というものをしっかりと生み出していく、それがひいては経済発展につながっていく、私は、そういう形でしっかりとまた誘導していきたいと思っておりますし、今回の法案もそういうものに資するようにしていきたいと思っております。 時間になりますので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
○田島麻衣子君 立憲民主・社民の田島麻衣子でございます。 本日は、法案審議の観点からも本当にためになるお話を、参考人の皆様、本当にどうもありがとうございました。 私からは、まず高村参考人に対して、二国間クレジット、JCMについて伺いたいと思います。特に、この途上国やパートナー国の排出削減の正確性ですよね、これについて伺いたいと思うんですね。 参考人の先生は、七ページに二十九か国というのをリストを付けておられまして、私はこの中に、かなりこの国に行ったことがありますし、ラオスについて四年間仕事で住みまして、国連の仕事で政府に対する能力開発ということもやらせていただいて、ラオス政府がどのようなコンプライアンスの気持ちを持っていて、どのような能力があるかというのはもうつぶさに知る機会というのを得ているんですが、この温室効果ガスの排出削減や吸収量というのをしっかり測定するということはこの制度にとってやはり要であるというふうに思うんですね。 二十九か国、随分力の、国力の差というのもあるのかなと思うんですが、どのように我々はこの二国間クレジットの正確性を担保をしていくべきか、まず伺いたいと思います。
○参考人(高村ゆかり君) 田島先生、どうも御質問ありがとうございます。 先生御指摘になったその排出削減量を正確に、これはクレジットがどれだけ発行できるかということですけれども、その前提として、この国々、これらの国で、あるいは事業を行うことによってどれだけ、国でどれだけの排出がされ、同時にその事業によってどれだけ排出が削減されるか、これをしっかり把握ができるということが、このクレジット制度、JCMだけでなくクレジットを発行する制度の基礎であるというふうに思います。 この二国間クレジット制度の今回拡充が私自身は必要だと思い、そのための体制整備が必要だというふうに思っておりますけれども、先生御指摘の点は、私、今回申し損ねたところですけれども、まさにその排出削減、排出量自身をしっかり把握ができる、これらの国がですね、そういう能力を付けるということがクレジット制度の前提になるものですから、このJCMの取組というのは、そういう能力をこの国、これこれってパートナー国において付けていく、そういうキャパシティービルディングの取組の一環でもあるというふうに思います。 ここにある二十九か国以外でもまだそうした能力のないといいましょうか、排出量の管理をする力が足りていない国というのもございますので、その意味でもこのJCMというのがやはり適切に広がっていくということが重要だというふうに思っております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 今後、例えばODA等を通じて日本政府はこうしたパートナー国に対して温室効果ガスの吸収量、排出削減量等をきちんと正確に測定していくことに使っていく、このようなことについて、高村参考人、どのようにお考えですか。
○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。 今、田島先生から御指摘あった公的な海外支援をこうしたキャパシティービルディング、能力構築に使っていくというのは私は賛成であり、適切、必要だと思っております。 一つには、このJCMに限って見てもそうした能力構築は必要でありますけれども、その国々がこれから、多くが途上国ですけれども、自らの力で自分たちの排出がどうなっているかを把握をして、どういうふうにネットゼロ、カーボンニュートラルに向かっていくかということを計画を立てる、そういう発展の在り方というのを実現するという点でも重要だと思います。 もう一つは、特にこちら、アジアの国々が多くございますけれども、これらの国々は、日本の企業にとってもマーケットであると同時にサプライチェーンを置いている、そうした地域でございます。その意味で、先ほど、脱炭素経営が求められるこうした世界的潮流の中では、日本の企業がそのサプライチェーン、バリューチェーン全体の排出量の把握も求められていますので、日本の企業にとってもプラスになる、そういう能力構築をこれらの国々で図られるということは日本の企業にとってもプラスになるというふうに思っています。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 次に、山岸参考人に伺いたいと思います。 国連のこうした会合にも出ておられて、私は非常に尊敬の気持ちをお伝えしたいんですが、山岸参考人については、私は、生物多様性、ネイチャーポジティブ、この間も法案の審議あったんですけれども、ネイチャーポジティブとそれからカーボンニュートラルの同時の実現について伺いたいというふうに思うんですね。 この本法案では、地域脱炭素化促進事業制度等における都道府県の関与を強化しているということになっていますが、一方で、再エネの導入拡大については、生物多様性と自然環境への影響も懸念されるということだと思うんです。 今後、この地域での再エネの導入に関して、おっしゃったように、生物多様性ですね、ネイチャーポジティブとそれからカーボンニュートラルを同時に実現するために有効な取組があれば教えていただきたいと思います。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 まさに議員がおっしゃってくださったとおり、この二つを同時達成していくということは日本にとっても極めて重要であると考えております。そのためには、かなり地道な取組になってしまうので非常に面白くはないかもしれませんけれども、やはり地域の生物多様性の情報についてしっかりと整備していくことが大事だと考えています。 なぜかと申しますと、やはりその地域で実際に、例えば再エネ、再生可能エネルギーをどこに建てていいのか、造っていいのかを検討する際に、じゃ、生物多様性が豊かな場所を避けましょうとなったときに一番課題になるのは、実はそもそもどこにそうした、例えば希少な生物がいるのかとかいう情報が、この大学の先生に聞けばあるけれども使いやすい形ではないとかですね、いろんな形で情報が偏在しているケースがございます。そういうものをしっかりとまとめておける状態、それを、いざ造ろうと思ったときにゼロから始める状態ですとなかなか難しいということがございます。これは環境アセス一般に共通する課題ではあるんですけれども、始めようと、事業を始めようと思ったときにようやくここの調査が始まるというような状態ですと、どこを守っていいのかといったことがまず把握できなかったりします。 また、そういったことで守らなきゃいけない場所、重点を置いて守らなきゃいけない場所をあらかじめ市町村とかあるいは都道府県のレベルでしっかりと把握できておこう。それは、必ずしももう既に法律とかで定められている国立・国定公園であるとか自然公園とかといった場所だけに限らず、しっかりと把握、事前に把握しておくこと。その中で、あえてここは使っていい、よく環境アセスの業界などでは空間利用計画などとも呼ばれますけれども、そういったものをあらかじめやっておくことが、翻って再生可能エネルギー等々を導入しようとしていったときに、ここだったらまあ地域の理解もう既にあるんだよねといったことにつながっていくのかなというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 次に、深草参考人に、市民参画について伺いたいというふうに思うんですけれども、先ほどお話の中で、大きなプロジェクトをやるためには住民の皆さんの理解が必要でそれには長い時間が掛かるとおっしゃっていたこと、私、非常にそのとおりだなというふうに思いました。 この市民参画についてなんですけれども、カーボンニュートラルの実現に大きな社会の変化ということが必要で、こうした変化を起こすためにはいろいろなステークホルダーの皆さんとの対話がそれこそ必要であるというふうに思うんですね。 この気候変動に関する政策プロセスの市民参加について、まずどのように我々は進めていくべきか、御意見を伺いたいと思います。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 まさにその市民参画の点は、衆議院の参考人に呼ばれていらっしゃった方もお話しされていたと思うんですけれども、日本のその気候変動政策、やはりエネルギー政策が先に決まり、そしてそれに合わせる形で気候変動政策が決まっていくような形であるというふうに私は理解しています。 また、最近、エネルギー基本計画の改定プロセスが始まったかと思いますけれども、やはりそういった委員会の面々を見ますと、若者ですとか女性、そういった層が非常に少なく、それについての問題点というのはこれまでも指摘されていたかと思います。また、その構成委員の選定プロセスというのも明らかにされておらず、まずそういったところを変えていくということも必要かと思います。 以上です。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 今、女性、若者というお話が出ましたが、若者、日本のこの若者の皆さんに対してこうした環境問題にもっと興味を持っていただくためには、我々は一体何をしたらいいんでしょうか。もしよろしかったら教えていただきたいと思います。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 既に環境問題に非常に関心の高い若い方は増えていると思います。本当に個人的な思いになるんですけれども、むしろその若いからといって、やはり気候危機が加速している、そして、よりこれから深刻になってくる、これを取り組まなくちゃいけないのは若者なんだと、非常に若者に負担になっているのではないかということも同時に心配しています。もちろん、これからもっともっとたくさんの人が参加することも必要だと思うんですが、率先して大人が行動するという姿勢を見せることが最も重要ではないかと思います。 以上です。
○田島麻衣子君 大人が率先して行動を見せる、これはまさに政治家である我々に対しても当てはまることだと思うので、ありがとうございます。 次に、山岸参考人に伺いたいというふうに思うんですが、市民参画と少し共通する部分はあると思うんですが、国民の意識について伺いたいと思うんですね。 この本法律案でも、ライフサイクル全体で排出量の少ない製品等の選択やライフスタイルの転換を国民に促す規定というのを整備してあると思うんですが、環境省、例えばデコ活等を展開されていますが、なかなか認知度が低くて、道行く人々にこれ知っていますかと言っても知っているという方というのはなかなかいらっしゃらないのではないかなというふうに思うんですね。 こうした国民の意識に対して、どのように国民の理解を醸成して行動変容につなげていくべきか、もし何か教えていただけることがあれば伺いたいと思います。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 これは非常に難しい問題でして、私ども環境NGOとしても、一般の方々に対してどのように分かりやすく訴求するのが一番ベストなのかという点には日々頭を悩ましております。 ですが、この場は国会の場ですので、是非議員の先生方にお願いをしたいのは、いずれ選挙が来たときには是非公約の中にこの問題を掲げていただきたい。やはりそれが、この問題がそれだけ重要な問題であるということを国民に対して問う姿勢にもつながっていくと思います。もし皆様がこの問題を公約の中に含めないような状態がずっと続くのであれば、この問題は国政においても大事ではないという国民に対するメッセージになってしまいますので、是非そこをお願いをしたいなというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。公約に掲げたらどうかということをアドバイスいただきました。 最後に、高村参考人に伺いたいというふうに思います。 気候変動に関する法政策の在り方について伺いたいというふうに思うんですけれども、この地球沸騰化とも呼ばれる今危機的な状況に見ますと、一・五度目標に対応した法体系、見直すことは必要であるのではないかというふうに思いますが、我が国の気候変動に関する法政策の課題や温対法が果たすべき役割など、カーボンニュートラル実現に向けた我が国の法政策の在り方について教えていただければと思います。
○参考人(高村ゆかり君) 田島先生、どうもありがとうございます。大変大きな御質問をいただきました。 この一・五度目標、これは二〇五〇年カーボンニュートラルとも整合するわけですけれども、現在、先ほど意見陳述の際にも御紹介したように、その目標は明確に温対法の中に書いていただいております。これをやはり具体的にどういうふうに実現をしていくか、今これ地球温暖化対策計画の中で具体化をしておりますけれども、一・五度目標あるいはその二〇五〇年カーボンニュートラルに着実にやはり変わって、経済社会を変えていくためにどういう施策が必要かというのを今改めてやはり検討するタイミングではないかと思います。 ちょうど今、来年に提出をする二〇三〇年を超えた温暖化目標の議論が国の中でも、政府の中でも審議会で始まったところですけれども、この中で目標、これ先ほど言いました一・五度と整合的な、カーボンニュートラルと整合的な目標を期待をいたしますし、同時にそれを実際に実現をする政策として何が必要かということを検討してまいりたいと思いますし、先生方のところでも御検討いただきたいと思っています。 特に、温対法の役割という点御指摘いただきましたけれども、やはり温暖化対策推進法は気候変動対策の基本理念も含めて要でございますので、これ、先ほど言いました目標と整合的な形で諸政策、これは環境、地球温暖化対策推進法所管官庁だけでなく、関わる対策、非常に多岐にまたがっていますので、これらの施策がしっかりこの目標と整合しているかということを確認をする、そうした役割を地球温暖化対策推進法が果たしていくような作り付けが必要ではないかというふうに考えています。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 以上で終わりにいたします。ありがとうございました。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子でございます。 本日は、三人の参考人の方々に大変深い洞察からの御示唆をいただいたというふうに思っております。心から感謝を申し上げます。 まず、三人の先生方とも、この化石燃料から脱却をして、できるだけ再生可能エネルギー、温暖化対策に資するそうしたエネルギーを入れて、導入をしていくべきであるということは共通しているというふうに感じたところでございます。 私もそのような思いを持って活動させていただいているところでございますが、この温暖化対策、計測が必要になってくるということで、温室効果ガスの削減量というところで、これやはり、先ほどもグリーンウオッシュというお言葉もございましたけれども、これをどうやってこの透明性、そして説明責任を果たしていくのかという、この制度ですね、この二国間クレジットはもちろんのこと、そもそも国内でも計測しておりますけれども、世界的にも計測されておりますけれども、このグリーンウオッシュを防いでいかなければこの制度自体が支持をされなくなってしまいますので、大変重要な御示唆だというふうに思っております。 そこで、この透明性の高いガバナンスをつくっていかなければいけないということだとも思います。このグリーンウオッシュを防ぐための具体的な手だて、例えば海外ではこういうふうにやっているといったようなことですとか、また先進的な団体ではこのような計測とか、あるいは第三者からの評価というものも入ってくるかもしれませんけれども、そういうあるべきガバナンスについて何か参考になることがあれば教えていただきたいというふうに思います。これは三人の参考人の方々にお伺いしたいと思います。高村先生からお願いいたします。
○参考人(高村ゆかり君) 竹谷先生、どうもありがとうございます。 もちろん、国がしっかり排出量を測定をし把握をするということも重要ですけれども、先生の御質問、私なりに理解をしますと、とりわけやはり企業、それからJCMでいくと実施主体ですね、これらがどういう対応をしていくかという観点からお答えをさせていただこうと思っております。 一つには、やはり今回、地球温暖化対策推進法の改正の、本日私大きく触れませんでしたけれども、温対法、今回の法改正のもう一つのポイントとして、やはりライフサイクル全体の排出量が少ない製品、これらをしっかり選択がされるように促進するということが入っているかと思います。 この間に、やはりこの社会の関心というのは、その製品を使ったときにどれだけ排出するかだけではなく、その製品が原材料の調達から最後使って廃棄されるまでどういうその環境負荷をもたらしているかということに大きな関心があるというふうに思います。 もう一つは、先ほど田島先生から山岸参考人に御質問がありましたけれども、自然保護あるいは自然の保全と気候変動を統合的にお互い両立させる形で同時達成していくといった、気候変動だけでない環境上の配慮、あるいは人権も含めて社会的な配慮というものを織り込んだ一つやはり評価軸というものをつくっていくということが必要かと思います。 もう一つ、先生御指摘になりましたグリーンウオッシング、特に、現在、EUやアメリカ、米国においては、企業の広報、それから製品、サービスの宣伝活動にこうしたしっかりしたサステナビリティーの基準に堪え得る広報になっているかということに非常に大きな関心が寄せられています。これは、先ほど言いました、真にやはり環境負荷がない、少ないものをしっかり普及していく上でも、こうした広報宣伝の在り方というのはやはり考えるべき施策の一つではないかというふうに思っております。 以上でございます。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 私も、主に企業分野における仕組みについて幾つか事例を御紹介して、お答え申し上げたいと思います。 若干手前みそにはなりますけれども、一つ大事なことは、基準を作っていくということがあるかなと思っております、国際標準での基準を作っていくということで。手前みそにはなりますが、WWF自身が関与して設立した国際基準に、サイエンス・ベースド・ターゲッツ・イニシアティブ、SBTiと呼ばれる国際基準がございます。これは、企業様が温暖化対策を掲げて、そして削減目標を掲げるときに、どのような形で掲げるのがよいのかということに関して国際基準を設定したものでございます。こうしたものを、一定の基準を作って、それに合っているかどうかというものを見ていくと。実は、昨年ベースでいいますと、このSBTiを取得している、認定している、認定を取得している企業様の数でいうと日本は世界一になりますので、そうした取組を更に進めていくということが必要かなと感じてございます。 もう一つは、先ほど来から話題になっているそのクレジットの観点。JCMは必ずしも企業様を相手にしたクレジットではございませんが、企業様のクレジット、ボランタリー・カーボン・マーケットとよく呼ばれますけれども、なんかに関しては、クレジットをつくる側とそれから使う側、それぞれに対して国際基準が作られています。 つくる側は、長い名前なので若干省略をして言いますと、インテグリティーカウンシルと呼ばれるところが国際的な基準を今セットアップをしようとしているところでございます。使う側に関しては、VCMI、ボランタリー・カーボン・マーケット・イニシアチブを略してVCMIというんですけれども、ここが基準を作ろうとしています。 両者共に、WWFの視点から見ると、まだまだちょっと緩いんじゃないかなと思うところはあるんですけれども、そうした国際基準というものを意識していただくこと、日本の企業様にも、というのが重要になってくるのではないかなと考えております。 以上でございます。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 おっしゃるとおり、本当に計測というのが第一歩であると思います。私も、そうですね、企業の目標設定等に対する提言ですとかに関わった経験でいいますと、もちろん計測も重要で、そこが基礎なんですけれども、その上で、いかにそのパリ協定と整合した目標設定を行うのか、先ほどSBTiの話もありましたが、そしてその目標をどのように達成していくのかということがしっかりと情報開示されていることが重要だと思います。 日本のトランジションの問題もあるかと思うんですが、いかに、そのトランジションというのがどれぐらい時間が掛かるのか。いずれここに行くというビジョンがあって、その間のトランジションということだと思うんですけれども、多くの企業や、また日本のそのトランジションファイナンスといったものを見ると、一体いつまでそのトランジションに掛かるのか、そのための技術というのは本当に脱炭素化に資するのかということが折に疑問に思うことです。 ですので、計測というのがあって、そして価格に整合した目標設定、そしてそれをどう達成しようとしているのかというところがしっかり検証できるような情報開示というのが行えることが重要ではないかと思います。 以上です。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。 そして、再エネですね、脱炭素化に資する、また再エネ、省エネ技術もかつて日本は非常に高い、今国際競争力が低下しているのかもしれませんけれども、それでも高い技術持っているというふうにも思っております。また、ペロブスカイトとか太陽光の発電でも、日本独自の技術というものも企業さんたちが頑張っておられます。 洋上風力発電とかも今頑張っているというふうに思っているところでございますけれども、まだ課題がある。また、太陽光なども本当に推進すべきと思っていますけれども、景観を損ねる問題であるとか環境との共存ということでいろんなところで問題が起きている面もあるわけでございますけれども、この再エネですね、省エネ、もっともっと普及させて、国内でも普及させて、そして海外でも、優れた技術があるのであれば、それを展開して貢献をしていくということ大変重要だと思っているんですけれども、先生方、大変、再エネ、省エネ等の技術、分野にも大変お詳しいというふうに思いますので、これは有望であるというふうに、また現実的に導入可能性があるというものについて御示唆をいただければと思います。こちらも三人の先生に伺いたいと思います。
○参考人(高村ゆかり君) 竹谷先生、ありがとうございます。 再生可能エネルギーの最大限導入、それから省エネはファーストフューエル、一番やはりそのエネルギーの分野でも温暖化対策としても非常に重要な資源だというふうに思っていまして、日本の、先生もおっしゃいましたけれども、日本の非常に高効率の電気電子機器ですとか、あるいは昨今ですとヒートポンプなどですね、非常に有望な技術、今でも使える、今から普及をして使える技術もたくさんあるかと思います。今回お示ししたJCMのプロジェクトも、こうした省エネあるいは再エネの事業というのがかなりの部分を占めているというふうに思っていまして、JCMの拡大というのをそういう意味でも支援を、拡充をしていただきたいと思っている次第です。 様々な技術ございますけれども、特に再生可能エネルギーについて申し上げますと、足下でいきますと、むしろ技術以上に、いかに地域と共生して、先ほど先生もおっしゃいました環境ですとか地域の方の受け止めをどうやって醸成していくかというのが実際上大きな課題になっていると日本については思っております。随分、例えば太陽光にしても、それからこの間の着床式の洋上風力のコストも随分下がっておりまして、世界よりは少し高いですけれども、それでもかなりコストが下がっております。そういう意味で、今回、地域共生型の再エネをしっかりこれは地域に裨益した形で、地域が納得して受入れ可能な形で進めていく方策としての法改正について賛同する理由でもございます。 同時に、次の世代の再エネという意味で申し上げますと、今先生もおっしゃいました次世代型太陽光、それから、特に今回、領海を越える外海での浮体式の洋上風力というのは、日本のエネルギーの転換、脱炭素化にとって要になってくると思いますので、今ある技術の普及と、そして、したがって、地域共生型の技術の普及と新しい技術の開発に注力をする、そうした政府の施策を期待をしております。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 幾つかの分野について、やや駆け足になりますけれども、言及させていただければと思います。 まず、再エネに関しましては、先ほどの高村参考人の御意見の中でもちょっと出てきておりましたけれども、いわゆる太陽光につきましては、建物の屋根であるとかあるいはペロブスカイトが普及した暁には壁面であるといった分野というのは、より持続可能な形で導入できる場所、そして営農型の太陽光発電の導入なども、今のままですと例えば農地法との関連でなかなかやりにくい部分もあったりしますので、そういったところをうまく乗り越えてより広がっていくと、より小規模だけれども数は多い再エネというのも増やしていけるのではないかというふうに考えています。 二つ目といたしましては、その省エネの分野。これ、長らく、最近になって、ここ過去数年になってようやく取組が広まり始めていますけれども、家の断熱ですね、建築物の断熱については日本は規制がすごく遅れていて、車の燃費は気にするけれども家の燃費は皆さん気にしないとよくやゆされておりましたけれども、この辺をより広めていくということもかなり省エネの分野では大事な分野でございます。あと、工場でいうと、地道なところですと、意外とまだ日本が競争力を持っているところとしてはモーターの分野とかはかなり重要な分野で、広めていく、そして日本がまだ技術力があるという分野としては重要かなと思います。 ややちょっと駆け足になりましたけれども、私の意見とさせていただきます。
○参考人(深草亜悠美君) ありがとうございます。 お二方がおっしゃったとおり、私も、地域共生型の再エネ、太陽光や風力等が日本でも、そして海外でも必要だと思っております。 日本政府はアジアの、アジア・ゼロエミッション・コミュニティーという取組を進めていらっしゃいまして、その中で、アジアの現実的な脱炭素化ということで、もちろん再エネも入っているんですけれども、この中でアンモニア混焼や水素混焼といったむしろ既存の化石燃料の利用を促進するような取組も含まれています。 こういったものに対してはアジアの市民社会からも反対の声が出ているんですけれども、何を日本政府にやはり彼らのメッセージとして言っているかといいますと、やはりそういったものではなく、再エネの支援をということをアジアの市民社会も訴えているかと思います。そういったところに日本への期待はあると思います。 以上です。
○竹谷とし子君 大変にありがとうございました。
○梅村みずほ君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の梅村みずほと申します。 三名の参考人の先生方、本日は広い御知見からお言葉を賜りまして、ありがとうございます。 まず、高村参考人にお伺いしたく思います。参議院の資源エネルギー調査会でもお話を聞かせていただきまして、その際もありがとうございました。 二国間クレジット、JCMですけれども、私も期待はしている制度ではあるんですけれども、パートナー国との信頼関係の上に構築されるものであるという大前提があるかと思います。当然、透明性の高い契約等が必要であり、例えば数字に関しましても過大になることがないように、本当にそのCO2排出削減がなされているのかどうかの検証等も必要になってくるかと思います。 その際に、契約の取決めというのが非常に重要であるというふうに考えております。先生も、お話の中でも、少しお話にも契約時のこともあったかと思いますけれども、特に、今後、パートナー国と日本の様々な団体が契約等を結ぶに当たって明確にすべき点あるいは留意点などございましたら、お教えいただきたく思います。
○参考人(高村ゆかり君) 梅村先生、どうもありがとうございます。 先生おっしゃったパートナー国との信頼関係、これは、特にJCMの関係に関して言いますと、やはり先ほど議論でも御発言申し上げましたけれども、能力を構築しながら、しかし、やはりその削減量、削減の事業を行って、その削減量を場合によっては日本に移転をしていただくということが必要になるかと思います。 その中で、どのような形で、これ二国間で形態としては様々な形でお約束をされていると理解しておりますけれども、やはり今、この環境委員会の議論でも出ておりましたように、日本として、やはり質の高いクレジットがその相手国において発行がされるような形での合意というのを期待をしております。 例えば、先ほどからも議論ございました相手国の排出量の把握の仕組みですね、こうしたものをしっかりとした基盤としてつくっていくと。これは、日本の、支援をしていくということも含めて、可能性も含めてですけれども、留意をすべき点ではないかと思います。 さらに、本日、質の高い炭素市場の方向に、G7でも目指す方向が示されておりますけれども、その中にあります例えば一・五度目標との整合性や、あるいは気候変動にレジリエントな発展というものを実現をしていくこと、自然、先ほどネイチャーポジティブの話ありましたけれども、環境や社会への配慮がされる、そういう事業を行っていくというものを是非パートナー国との間でも明確にしてその事業を進めていっていただきたいというふうに思っております。そうすることが、そういう価値のある炭素クレジットとして、炭素クレジットの価値としても評価をされていくんではないかということも期待をしているところです。 以上です。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 おっしゃるように、排出量の把握の仕組みというのが非常に重要だと思っておりまして、そういった観点からも、そのパートナー国にとっても我が国にとっても透明で公平公正であるということが非常に重要であり、検証や情報開示も含めてキーであるというふうに認識しております。 また、一・五度目標の整合性ですね。こちらも、着実に目標に、本来あるべきゴールに向かっているのかどうかというところを両国間で共有をするということが非常に重要であると。初動が大切というのはあらゆる分野で言えることですけれども、このJCMにおいても言えることだと思います。 一方で、我が国も、この我が国の持ち得る技術であるとか知識、経験を持って国際的に貢献をしていこうとするところでもあるんですけれども、やはりこのクレジットが認められるというところは、一種国際的な競争の側面もあるのではないかというふうに思っております。当然、日本以外の脱炭素先進国、我が国はちょっと脱炭素先進国とは言い難い現状に残念ながらあるわけなんですけれども、そういった国々も様々なパートナー国とともに契約を結んでいくと。 その中で日本がアドバンテージを取っていくためにはどのようなことが必要であるのか、お伺いしたく思います。
○参考人(高村ゆかり君) 梅村先生、ありがとうございます。 これは、国際的なそのパートナー国、多くは途上国ですけれども、この脱炭素に向かう支援をどういうふうに日本として戦略的に行っていくかということをお尋ねいただいているというふうに思っております。 日本は、御存じのとおり、例えばODAベースでいきましても世界で第三番目のドナー。そのうちの六割がアジア、これは中東を除くとりわけASEAN地域ですけれども、にODAを支援をしています。そういう意味では、日本の国際社会における、とりわけアジア地域での存在感って非常に大きなものがあると思っていまして、その意味で、このJCMというのも日本の脱炭素分野での国際社会をリードするようなものとして発展をしていってほしいというふうに思っています。 特に、本日の中でも、意見の中でも申し上げましたけれども、やはり質の高いクレジットということ、あるいはそれを生み出すクレジットの仕組みということについて高く評価する動きが、これは民間でもそうですし、政策の方向性としても、とりわけ先進主要国の方向性として示されているので、ここを、この質を維持しながら、そこに日本の役割を発揮をしていただきたいと思っています。済みません、少し長くなってしまって。 一つやはり重要なのは、日本がこの間、とりわけアジア地域において、やっぱりアジアの実情に応じて、しかしアジアがより良い方向で発展をするように支援をしてきたという実績があると思っていまして、これを気候変動の文脈でも、先ほど気候変動にレジリエントなと申し上げましたけれども、その対象となる国が自ら自分の力でより気候変動にレジリエントな発展ができるような計画を作って、その一助となるような、そうしたJCMであってほしいというふうに思っております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 この国際的な目標、国内の目標、いろいろありますけれども、我が国も我が国で様々な目標を定めていて、なかなか、この再エネ促進等を積極的に進めることで、本来、国内だけで脱炭素の目標を達成すべきであるというのは、あるべき論でいうと私もそのように思っています。けれども、なかなか、一年一年過ぎていく中で、これはまずいぞという状況になってきて、そういったときに、ほら、こんなに他国を助けていますよということをこちらに転嫁するというふうに、本末転倒になってはいけないなというふうに思っております。 そういった危惧を抱いている国民も多いと思いますし、恐らく山岸参考人や深草参考人も、そういうふうに他国からいただいてくるというのではなくて、我が国で脱炭素を達成するってどれだけ強い気持ちがあるのかって思っていらっしゃる部分もあるのかなと思っておりますけれども、他国から排出量を搾取するのではなくて、アシストをして自立をしていただくというのがあくまでも目的であるというところを忘れてはいけないというふうに思っております。ありがとうございます。 続いて、山岸参考人にお伺いしたく思います。 実は、山岸参考人と私、同窓でございまして、一九九七年に立命館大学に入学をして二〇〇一年に卒業をしていると、そして、九七年には京都議定書が採択をされて、国際関係学部であった山岸参考人は感銘を受けられたというようなことも資料で拝見しましたけれども、私もあのとき京都に身を置いておりまして、このような将来に向けてのポジティブな国際会合が近くで行われているんだというのは大変大きなインパクトがございました。ですので、こういったWWFジャパンの中で大きな役割を担われている参考人に勝手に親近感を抱きながら応援している立場でもあるんですけれども、ちょっと質問をさせていただきたいと思っております。 資料を拝見しますと、先月、WWFジャパンさんから出されました二〇三五年六〇%以上の温室効果ガス削減を可能とする二〇三五年エネルギーミックスとNDC提案というところで、石炭火力は二〇三〇年までに全廃止、その穴埋めには既存のガス火力、LNGで十分だというような項目が二番目にありまして、非常にそれであればいいなというふうに私も期待をするところではあるんですけれども、さはさりながら、LNGもやはり価格変動リスクというものに常にさらされる側面がありまして、私ども政治家としては、国内の国民や事業者が干上がってしまってはいけないということで、ヨーロッパで起こっているような電力価格の高騰というものを避けるという視点が不可欠になってくるわけなんですが、その辺りのリスクについてはどのようにお考えか、お聞かせいただければ幸いでございます。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます、御質問につきまして。 確かに、LNGに関して過度に頼り過ぎることで価格変動のリスクを被るのではないかという点は、リスクとしては存在すると思っております。そのリスクに関しては、やはり第一のエネルギーである省エネの部分でカバーをしたりとか、多様な手段で何とか乗り越えていくしかないというふうに考えておりますが、ちょっと忘れてはならない視点としましては、そもそも、今、例えば過去数年間に及ぶエネルギー価格の変動等において、我々が影響を受けているそもそもの根本原因としては、私たちが化石燃料に依存をしたエネルギーシステムを維持しているからということでございます。 ですから、これに対する根本解決策というのは、基本的に再生可能エネルギー主体の経済に移行していかない限りにおいては、これはずっと未来永劫続いてしまうということになります。なので、エネルギー価格の変動が嫌であればこそ、こそですね、再生可能エネルギー中心のエネルギー体制にシフトしていくことこそが最終的な解決、解というふうに考えております。 なので、確かにリスクは途中では発生しますし、そこをどうにかして乗り越えるために多少ほかの手段に頼らなければならないところはあるかもしれませんが、基本路線が最終的にはそこなんだと、再生可能エネルギー中心のエネルギー体制なんだというところをぶれずにやっていけるかどうかが鍵だというふうに考えてございます。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。非常にうなずけるところが多く、気持ちは同じであろうと思っております。 また、ちょっと法案からは少しずれてしまうかもしれませんけれども、山岸参考人と深草参考人にお伺いしたく思います。 やはり安定的な電力の供給というのが不可欠だというふうに考えておりまして、さはさりながら、原発もなかなか推進するには国民の世論もいろいろあろうかと思っております。一方で、核の分野でも、核分裂ではなくて、連鎖反応が暴走しない核融合というものにも注目が集まっております。 また、私は、この環境委員会でも、クリーンなベースロードということで地熱発電というものをもう少し強力に推し進めていきたいというような意見を委員会の中で提言したこともあるわけなんですけれども、この地熱発電というものについて山岸参考人や深草参考人がどのように捉えていらっしゃるのか、それぞれの取組の中で何か推進されているような動きがありましたらお教えいただきたく思います。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 地熱発電に関しましては、日本でのポテンシャルは現状よりは少なくとももうちょっとあるはずだと考えております。ただし、地熱発電の適所というものが国立公園の近くにあったりとかするので野方図な開発は難しいというのが一つと、やはり最初の調査自体に下手すると一億円単位での調査の費用が掛かってしまうというところがかなりネックになっているかなと思いますが、他方で、おっしゃったように、安定的な電源であるという利点は確かにあるので、地域の理解を得つつも、もうちょっと拡大をしていくということについては大賛成でございます。
○参考人(深草亜悠美君) ありがとうございます。 そうですね、再生可能エネルギーの主力はやはり太陽光と風力かなと私個人は思っているんですけれども、地熱を開発するに当たっては、やはり環境アセスメントですとか地域への影響、そういったことをしっかり見ることが重要だと思います。 海外において日本の企業が地熱の開発というのをそれなりにされているかと思うんですけれども、インドネシア等でやはり事故等も報告されていますので、いかにその安全性を担保するか、そういったところを見た上で開発を進めるべきだというふうに思います。 以上です。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 以上で質問を終了します。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 本日は、参考人の皆様方、誠にありがとうございます。 まず、全ての参考人の皆様方に総論的にお伺いしたいと思うんですけれども、私は、地球温暖化対策の鍵は、優れた技術の開発、普及であろうというふうに考えております。例えば、鉄鋼分野においては石炭還元から水素還元という形に転換ができるのかどうか開発が必要だと、そして既に研究開発されている優れた技術ですね、高村参考人もヒートポンプということを挙げられましたけれども、そういう技術を普及させていくということが鍵であろうかというふうに思うんですね。 そうしたときに、やはり、そういう研究開発を生み出すためには経済の安定、成長がやはり極めて大事であって、それにしっかり留意をした上で地球温暖化対策を考えていく必要があるんじゃないかなというふうに思うんですね。 そのような考え方について三人の参考人の皆様方はどのようにお考えになるのか、まずお伺いしたいと思います。高村参考人から順番にお願いします。
○参考人(高村ゆかり君) 浜野先生、どうもありがとうございます。 技術がこの気候変動問題の解決に果たす役割、大変大きいものというふうに考えています。 この気候変動対策が、例えば今、再生可能エネルギーのお話をしてまいりましたけれども、技術の革新と政策の後押しによって普及をすることで更にコストが下がる、それによって普及をすることができる。これは今、蓄電池でも同じような状況が生まれてきているかと思います。 こうした技術開発の担い手というのは、やはり民間の企業が大きな役割を果たしていると思います。もちろん、基礎的な研究において国の支援というのは極めて重要でありますけれども、特に応用していく、実際に市場化をしていくという意味でいくと企業の役割が非常に大きい。 企業のこうした脱炭素に資する技術を開発していくときに、この間、企業の皆様からGI基金での技術開発のお話を伺ったときに、非常にやはり強くおっしゃいますのは、将来やはりこちらの方向に、脱炭素の方向に国は政策を取っていくし、ということの明確化というのを期待をされます。技術開発がえてして非常に長いスパンでの時間が掛かることを考えたときに、企業がやはり経営としてそこに投資をするという判断をするためには、将来こちらの方向に国がこの日本の経済、社会を運営していくというダイレクションを示してほしいということをおっしゃいます。 その意味で、こうした優れた技術の開発、普及を行っていくときの国の役割、特に長期的な方向性を示すこと、そしてもう一つ、この間おっしゃるのは、そうした技術がしっかり市場で価値を持つような評価、マーケットのルールを作ってほしいと。これは、排出をしない製品やサービス、技術に対して、ほかの排出をしてしまう同じような類似の技術、製品、サービスよりも比較優位に立つようなそうしたマーケット、例えば今カーボンプライシングの議論ありますけれども、こうした仕組みをうまく使っていくということが、こうした企業の技術開発、普及を進めていく鍵になるのではないかと思っております。 以上です。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 おっしゃられたとおり、優れた技術を開発して、そして普及をさせていくためには、経済が安定的に成長していることについては、一般論としてはそのとおりかな、全くそのとおりかなと思っております。他方で、もう一つ必要なことがあるかなと思っておりまして、それは、その技術が社会にとって必要であるという状況を極めて分かりやすく政策であったり環境が示していることかなと思っております。これが、この二つが難しいのは、相反するときがたまにあるからだと思っております。 今、高村参考人が言及してくださったカーボンプライシングは、ともすれば現時点では負担になるので、その負担があることが技術開発の妨げになるのではないかというような意見もあります。でも、実際、そのような主張を持ってカーボンプライシングの導入を遅らせてきた二、三十年間が今の現状を生んでいる。国際的に脱炭素の分野で、勝てるはずであった分野において劣後してしまうというような状況を生んでいるので、やはりカーボンプライシングが示すのは、その技術があることが世の中で必要とされているということを明示的に示すことだと思っておりますので、そうした政策、カーボンプライシングに限ったものではないですけれども、必要性を明示するような政策というのがやはり必要であるというふうに考えてございます。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 既にある優れた技術を広げていくということは、本当に重要だと思います。先ほど高村参考人がおっしゃられたように、市場で価値を持つようなマーケットのルール、現在、環境負荷が外部化されて、むしろ環境負荷が大きいようなものが安く手に入ったりですとか、そういった現状もあるかと思います。そういったルールといいますか、の部分での対策というのも必要だと思います。 また、これから必要になってくる技術というのももちろんあると思うんですけれども、気候変動対策上やはり重要なのは、時間軸も重要だと思います。今既にある技術ではなくて、今後時間を掛けて開発していくと。非常にジレンマはあると思います。開発に時間が掛かり、そこに支援も必要だということあると思うんですけれども、例えばCCS事業法の議論でも、いつまで政策支援を続けるのかというのも論点であったと思います。二〇三〇年までの排出の深掘り、二〇五〇年までのネットゼロを考えると、現在の政策の在り方では、政策支援をずっと続けないとこれは成り立たないんじゃないかというような懸念点もありました。そういった視点も判断の上では重要かと思います。 以上です。
○浜野喜史君 次に、高村参考人と山岸参考人、お二人にお伺いしたいと思うんですけれども、二国間クレジット制度、JCMについてお伺いをしたいと思うんです。 高村参考人の資料にもありますように、七ページですね、日本は既に二十九か国と協力し合ってこういう枠組みを活用しているということです。私の知るところでは、国際的にこれぐらい積極的に活用しているという国はほかにはないんではないかなというふうに思うんですね。 なぜそういうことになっているのかということなんですけれども、私の理解するところでは、やはり、排出削減のコストが日本がやはり著しく他国に比べて高いという現実、背景があって、こういうことをやはり次善の策的にやらざるを得ないという背景があるのではないかというふうに私は思うんですけれども、その辺り、高村参考人、山岸参考人はどうお考えか、お願いいたします。
○参考人(高村ゆかり君) 浜野先生、ありがとうございます。 JCMを、この二国間のクレジット制度を国が立ち上げられる多分一つのきっかけとなったのが、京都議定書の後の国際的な仕組みの中で、国連管理型のクレジット制度に加えて、二国間での協力をこうした取組に結び付けていけないかという発想を持って取組を始められたと理解をしております。先ほど何人かの先生から御指摘があったところでありますけれども、日本の、とりわけアジア地域における国際支援を具体的に進める一つの方策ということがあったかと思います。 もう一つは、今先生が御指摘になった排出削減のコストというのは潜在的にあるというふうに思います。日本の排出削減の限界費用とそれからこれらの国の費用を比べたときに、相対的に安い。そういう意味では、同じ費用を掛けて多くの削減ができるという、そういうものをどうやって具体的に世界の排出削減に貢献していくかという、そうした発想がもう一つこのJCMの背景にはあったというふうに思っております。 以上です。
○参考人(山岸尚之君) 御質問ありがとうございました。 今の高村先生のお答えにも若干かぶってしまうんですけれども、日本政府が目指したのは、このパリ協定の下で二通りの道がありましたと。一つはJCMのように二国間で一生懸命制度をつくっていく道、もう一つは国連の下でまるっとつくったものの中でその仕組みを使うという道、この二つの道のうち前者の方がやりやすいと日本政府は判断をしたからです。 それは、その経験として、これも重なってしまいますけれども、京都議定書のときのクリーン開発メカニズムが日本政府にとっては若干使いにくかったという経験があるから、まあこちらの方がいいだろうということになりました。ただ、実際、これまでの流れを見てみますと、二十九か国とそれぞれ別々に協定を結ぶというやり方が本当に一番効率的であったのかというところは、ひょっとしたら難しいところもあったのかなというふうには考えております。 また、高い削減コストが背景にあったのだろうということも、恐らく、日本政府のお考えとしては恐らくあったと思います。それを、どうにかしてより安い削減コストで済む途上国の削減量というものを活用したいという思惑はあったというのは確かだと思います。ただ、今世界的に削減量が足りていない状況下で、その理由だけでJCMを今後も国際社会の理解を得ながら進められるかどうかは難しい局面に差しかかっているかなというふうに考えてございます。 以上でございます。
○浜野喜史君 これで最後の質問にさせていただきますけれども、高村参考人にお伺いいたします。 お示しいただいた参考資料の六ページにもありますように、排出量が日本の場合は減ってきているということで、その資料の中には、エネルギー効率改善と再生可能エネルギー拡大が一貫した削減の要因であるという記述があるんですけれども、エネルギー効率改善と再生可能エネルギーの拡大が効いているということは私もそうだと思うんですけれども、それだけではなくして、国内の産業が海外に展開をしていわゆるカーボンリーケージが起きているという側面もあるんだろうと思うんですね。 そのように、なぜ削減しているのかということをやはり正確に把握した上で今後の方策を考えていく必要があるんじゃないかなというふうに問題意識を持つんですけれども、見解をお伺いしたいと思います。
○参考人(高村ゆかり君) 浜野先生、ありがとうございます。 この削減、減少している排出量のトレンドの要因分析というのは、先生御指摘のとおり、しっかりしていく必要があるというふうに思います。 一つには、人口、全体としての人口減のトレンドというのはエネルギーの需要を抑えている、あるいは、近年でいきますと、エネルギー価格の高騰がやはりエネルギーの需要を抑える、そういう効果ももたらしていると思います。 国内の産業の海外移転というのを具体的に特に直近のところでは確認を私はしておりませんけれども、しかし他方で、国内で脱炭素の電力が供給をされないと、やはり海外での移転が必要になるというふうにおっしゃる企業というのは、産業というのは出てきているというふうに思っていまして、その意味で、この排出削減の、この排出が減少している要因というのをしっかり見ていくということとともに、エネルギーの転換をどういうふうに加速をしていくかということが、先生御指摘のカーボンリーケージ、国内の産業を海外に移してしまうということがないようにする、非常にやはり重要な施策になってきているというふうに思っております。
○浜野喜史君 ありがとうございました。終わります。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、白坂亜紀君が委員を辞任され、その補欠として石井準一君が選任されました。 ─────────────
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 お三方、ありがとうございます。また、気候変動対策について様々に日頃から御提言をいただき、ありがとうございます。 まず、山岸参考人と深草参考人に、JCMについて伺います。 お二人とも、途上国での削減に貢献したことを国内での削減にカウントするオフセットではなく、国内目標の外側で行うことが大事だという御主張だったと思いますが、更に詳しく伺いたいんですが、その際に三つの観点で御意見いただきたい。 一つは気候変動の危機的現状という観点から、二つ目に気候正義という観点から、そして三つ目にそのほか何かお考えがあれば御説明いただきたいんですが、いかがでしょうか。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 三つの視点での御質問、ありがとうございます。順番に端的に、なるべく端的にお答え申し上げたいと思います。 気候危機の観点で、一つ身近な事例といいますか、ちょっと意外な事例を出させていただきますと、近年、パナマ運河の水位が干ばつによってちょっと下がってしまっていて、そもそもパナマ運河を通れる船の数を減らすという措置がとられています。これは別に気候変動の影響を受けた干ばつのせいだけではなくて、当地での管理の不足といった問題もあるそうなんですけれども、一つ大きな背景として気候変動の影響といったものがあります。パナマ運河を通ることができる船の数が減れば、日本が輸送で使いたい船の数も減ってくるし、そのときに果たして日本を優先してくれるのかどうかといったような問題も、日本向けの輸送を優先してくれるのかどうかといった問題も発生し得ます。 このような形で、気候変動の危機というのは、一体どのような形で我々の生活に降りかかってくるのかというのはフルでは分かっていない部分があります。我々の経済安全保障自体に対しても大きな影響を与え得る問題ですので、このようなことを考えたときに、なかなか遠回りで恐縮ではございますが、世界全体の削減量をなるべく増やす方向でいかなければいけないと。 つまり、先ほどからの主張の繰り返しになりますけれども、JCMを国内削減目標の代替としてカウントしてしまえば、世界に対して持っている貢献度合いは、ありていに言えば、四六%削減目標から増えもしなければ減りもしないという状況になってしまいます。これをそのままでいいんでしょうか、足りない足りないとみんな分かっているのに、ここにプラスをしなくていいんでしょうかということだと思っています。これが第一の観点から。 第二の観点からは、これも難しい問題ではあるんですけれども、気候正義の観点からいいますと、やはり途上国における安い削減機会を奪う可能性もあるということでございます。 パリ協定の制度上、途上国でJCMをやった場合、その削減クレジットを日本に持ってきたら、少なくともその削減クレジット分は途上国で削減が起きていないということにしないといけないんです。これは当たり前ですけれども、それもし起きているというふうにしてしまったら同じ削減を二度カウントするということになってしまいますので、制度上必要な措置ではございます。 ただ、それは逆に言えば、途上国における安い削減機会を、ひょっとしたら自分たちの発展の中でできたかもしれない削減機会を持ってきてしまう部分でもあるわけです。そこについては十分注意をして、助けるならいいです、助けるならいいけれども、日本のために使うために持ってくるのだとちょっと問題がある部分も中にはあるかもしれないということは、十分注意をして使う必要があると考えています。現状、その問題が顕在化しているかといえば、そこまでではないと思いますけれども、これからないとも限らないので、十分注意をしていく必要があります。 ちょっと話が長くなってしまいましたので、三番目について省略をさせていただきます。 以上です。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 今、山岸参考人がおっしゃられたことに同意で、今、全ての国がNDCを提出して、削減義務、削減をやっていかないといけないわけですので、このように日本に削減分を持ってくるというのの是非ですね、また、自分たちの削減につながったかもしれないのにというのは、本当にそもそもこのオフセットのメカニズムを考える上で重要な視点ではないかなと思います。 一点目の気候危機という観点でなんですけれども、やはり、そもそもの議論として、どうしても削減できない部分をという前提があるかと思うんですが、今日話に出ていますように、日本の化石燃料依存に対する取組が本当に十分できているのかということは問題提起したいと思います。 G7でも、またCOPの場でも化石燃料からの脱却というのはコミットされておりますし、また、その二〇三五年までの対策の取られていない石炭火力の廃止ということなんですけれども、日本政府の取組ではそこまで深掘りした議論はされていないと私は理解しています。 また、公的支援に関しても、G7の中で国際的な化石燃料事業に対する公的支援の停止というのを二〇二二年末に行うということをエルマウのときにコミットしているかと思うんですが、日本政府は、公的金融機関、JBIC、NEXI等が今も新規の化石燃料事業に融資を続けている状況です。その額は非常に大きなもので、既に気候変動の影響が出ている途上国にとって、気候資金の拠出が巨額に求められている中で、化石燃料には融資をするのに気候資金は少ないとなると、本当にできる努力をしているのかということは問い、また行動の深掘りを足下でしていくべきだと思っています。 以上です。
○山下芳生君 ありがとうございます。 高村参考人に伺います。 気候変動の危機的現状についてなんですが、先生のこの資料五ページ目の一・五度目標と削減目標、NDCのギャップ、各国の二〇三〇年削減目標を全て達成したとしても一・五度目標達成の排出削減経路には乗らないという、この図を見れば、私はいつもぞっとするんですけれども、このギャップを人類社会は与えられた僅かな時間で克服することができるんだろうかということなんです。 その点で先生にお伺いしたいのは、日本政府は時々、気候変動対策における国益という表現をすることがあります。私は、この図が示しているのは、各国政府の狭い意味での国益にとらわれている場合ではないと、一・五度目標を達成できないともう人類の生存が危ぶまれる状況になるわけですから、もうそうなってしまえば国益そのものが無意味になるということですので、私は、気候変動対策においては、狭い意味での国益にとらわれるのではなくて、地球益を最優先とした行動が必要になっているのではないかと思いますが、高村先生のお考え、伺いたいと思います。
○参考人(高村ゆかり君) 山下先生、どうもありがとうございます。 このスライドの五番目にお示しをしているとおりでして、一・五度目標を達成する可能性がやはりごく小さくなってきているという科学者の大変強い懸念がございます。一部の若い世代には、非常に諦め感といいましょうか、そうしたことを発言をする、そういう人たちもいます。 気候変動対策について言いますと、一つ重要なのは、現在の状況でも、気候変動に起因をする経済損失、人的な損失が日本にとっても極めて大きいという点です。 二〇一九年、覚えていらっしゃる先生方も多いかと思いますが、台風十五号と、房総域停電になった台風ですね、台風十九号、十月に参りましたが、この二つだけで二百五十億米ドルの経済損失です。お亡くなりになった方も百名。昨年の熱中症による健康被害、五月から九月までで九万一千人を超えているわけです。 そういう意味で、気候変動対策は、もちろん世界の気候変動を、世界の課題である気候変動をどうするかという問題でもあるんですが、実は日本の、日本の国民の命と財産に大きく関わる問題になっているというふうに思っています。これ、恐らく先生がおっしゃる狭い意味での国益ではない意味でありますけれども、その意味で日本としてしっかりこの問題に対応する必要があると思います。 もう一つ申し上げると、同時に、やはり日本にとって、先ほどこのJCMが一つの例ですけれども、その国際貢献を日本にとってプラスになるような形で進めていく可能性というのは、これは私、全体として気候変動対策の水準を上げる上では必要ではないかというふうに思っています。先ほどありました省エネ技術ですとか脱炭素のエネルギーのあるいはサービスを提供していく、こういうビジネスの展開とともに進めるというのは、全体としての気候変動対策の加速の上では、適切に進めることは条件ですけれども、必要な政策ではないかと思っております。
○山下芳生君 ありがとうございます。 深草参考人に、JCMに関わって、現に日本企業がアジア各国で脱炭素と称して行っている支援の内容と問題点、いろいろお考えだと思いますが、例えば、先ほど余り説明されなかったCCSについての資料もありますので、現に日本が行っているアジア各国への脱炭素と称する支援の問題点など、御意見あったら伺いたいと思います。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 今御質問いただいたCCSについて、非常に大きな懸念を持っております。 日本政府は、二〇五〇年までに現在の排出の一〇%から二〇%に当たるようなCO2をCCS、炭素回収、貯留で対策するというような方向性も示しておられますが、国内での貯留地もまだなくて、企業等が海外にCO2を運んで貯留するというような話も進んでいます。こういった取組に対しては、アジアの市民社会から、これはCO2という廃棄物を投棄する行為ではないかというような批判の声も上がっています。 JCMの関わりでいえば、このCCSをJCMで認めるかどうかということを、そしてその方法論を議論されていると認識していますが、国内での安全性ですとか国内で事業をすることも想定されていると思いますけれども、また、その回収、貯留に非常に大きなエネルギーとコストが掛かるということを考えると、二〇三〇年、二〇五〇年のネットゼロには到底間に合わない、そして環境社会影響も無視できない、そういった観点から私としては非常に大きな懸念を持っているところです。 また、日本政府の、よく議論になるその石炭火力に対策を講じているか講じていないかということが、国際的にも議論が、アベートメント、アンアベーテッドと、そういった英語ですけれども、こちらは、国際的には例えばIPCCなどは九〇%以上の排出を削減できているものですとか、国によってはCCSを認めたりしているとは思いますけれども、これを、日本政府は水素やアンモニア、バイオマス混焼を行っても対策になるというふうに解釈されていると理解しています。 しかし、既に述べさせていただきましたとおり、水素やアンモニアというのも現状は化石燃料由来のもので、排出のときだけを見ればカーボンニュートラルかもしれませんが、サプライチェーンで見ると全く脱炭素化には資さないと。こういったものを脱炭素化としてアジアで広げようとしているということは非常に懸念ですし、結局、既存の化石燃料インフラの延命につながるというふうに私は考えています。 以上です。
○山下芳生君 時間が来たので終わります。
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎と申します。 先生方、非常に勉強になるお話ありがとうございました。順にお聞きしていきたいと思います。 まず、高村先生の方に。 「異次元エネルギーショック」収録の論考において、再エネ導入拡大によって、林地や斜面地での開発、近隣住民との協議、合意形成を欠いた事業の展開などによって地域でのトラブルや反対も生じているとして、地域主導、地域共生型の再エネ導入を促進するには開発前段階でのゾーニングが効果的だという提言をされています。 本法案にはそういった考え方がどの程度反映されているとお考えになられますか。
○参考人(高村ゆかり君) 山本先生、どうもありがとうございます。 事業を、実際に再生可能エネルギーが地域で行われるときにどこで立地をされるかと。されることが地域として望まれないところを排除をし、むしろこちらで事業を展開してほしいということを特定をしていく。様々なこのゾーニングの取組ありますけれども、今回、温対法の改正の中であります促進区域というのは、それを基礎自治体の主導で、そして今回の改正では都道府県も共に行うことでこうしたゾーニングを行っていこうという、そういう施策の一つというふうに理解をしております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 この法案ができていくことによってそれが随分と前に進むというイメージは、先生の中、持たれますか。
○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。 都道府県の関与というのは、間違いなく基礎自治体の促進区域の設定を後押しする一つの条件だというふうに思います。 他方で、これまでの議論でもございましたけれども、基礎自治体がしばしばやはりその人材が足りていない、あるいはそれを実際に行う知識の点で専門知識を不足している、それを行うための財源といった障壁を抱えているということも事実であります。 したがいまして、こうしたやはり都道府県と連携した国の支援というものを進めていくということが、実際にその促進区域の設定を進めていく上で極めてやはり重要だというふうに思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 都道府県というところに広がっていったという部分に関しては評価ができる、これによって少し前に進む可能性は大きくなったけれども足りないものがあるんじゃないか、そういうお話だと思います。ありがとうございました。 山岸先生にお聞きしたいと思います。 「地域分散型エネルギーシステム」という本に収録をされておりました「脱炭素化における地域分散型エネルギーシステム」という論考の中で、地域分散型で再エネを進める事業について、対策と取組を講じる主体も、中央偏重から地域に根差す主体に移るという意味で、地域分散型化が進むことが必要という主張をなされております。 地域主体で進めていく際、財政基盤、マンパワーが盤石でない自治体では難しいことも想定されると思います。政策と取組の主体を地域に移しつつも、国から財政的、人的支援をすることの必要性についてどうお考えになられますか。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 本日の意見の中でも少し言及をさせていただきましたけれども、ここについてはやはり経済的な支援は必要かなと思っております。加えて、別の、加田議員への御質問に対するお答えの中で申し上げましたけれども、やはり地域で検討する際に必要な専門性、キャパシティーの支援というのをすごく大事だと思っております。やはり、生物多様性の観点で何が大事なのかを検討できる人、そしてエネルギーの観点からもそれを検討できる人、いろんな方面でのキャパシティーというものが本当に自治体の方、地域の主体の方だけでは難しいときもあるので、そのときにそっと横にいてサポートしていただけるような方を準備するというのがやっぱり必要かなと思っております。 比較的ちゃんとやっている欧州諸国の中には、地域でのシンクタンクみたいなものが存在していて、そこがちゃんと地域主体でのその再生可能エネルギーの推進に当たってもアドバイスができるような体制があったりします。日本ですと、やはり中央にシンクタンクはたくさんありますけれども、地域での問題に取り組むようなシンクタンクというのは実は余りなかったりしますので、そういったところが課題になっているところはあるかなと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。 地域で広げていけるというきっかけにはなる、けれども、お金が足りていないんだ、いろんな知恵が足りないんだという悲鳴は恐らくもう上がっている状況だと思うんですね。今回に関して、そこへの財政措置というのははっきり言ったらないに等しいということを考えるならば、やはりそこは非常に重要なんだろうと。 一方で、ちょっと今の前提とはずれてしまうんですけれども、ここから政府が目覚め出して、今言われているようなシンクタンクを地方にとかですね、それだけじゃなくて、とにかくリソースを更に割く、人、金、物を更に割こうじゃないかという大胆な転換、なかなか考えづらいですけれども、そのような目覚めがあった場合の問題としてちょっとお聞きしたいんですけれども、中央から地域への財政的、人的支援は、反面、独立性とか裁量権への干渉を生じさせる懸念というものも考えられるかなとは思うんですね。 どういうような仕組みがあれば、必要な支援は供給することができて、干渉を防止できるというふうにお考えになられますか。
○参考人(山岸尚之君) 御指摘、大変深い御指摘で、即答できる回答は残念ながら持ち合わせてございません。 ただ、やはりそのお金を出すときの条件の付け方だと思っております。やはり、その地域の側で判断できる余地というか部分を大きくしていかないと、中央からのこれがなければこのお金は出ませんという部分が大き過ぎてしまうと、そこに自主的に考えるハンドルの余裕もないですし、それから自主性も失われていく可能性がありますので、そこが鍵になってくるのかなというふうに直感的には思います。済みません。
○山本太郎君 ありがとうございます。 この件に関しましては、その財政措置みたいなものは、今の分野、今テーマになっているか、今やり取りさせていただいたことに関してなかなか投入されないという現実はあるんですけれども、ほかの分野に関しては結構お金を出すということはされることもあるんですよね。でも、そこにはやはり何かしらひも付けというか、裁量という部分には任さずに、これに限ってみたいなやり方が随分見られているので、そこら辺の自由度を高めていくということが、これが自主性につながっていくんだというお話だと思います。ありがとうございます。 深草先生にお聞きしたいと思います。 「日本のインフラ輸出がもたらす環境破壊と人権侵害」論文で、日本が支援する開発事業やその政策の運用状況について、市民の目を入れた形でのモニタリングの仕組みが必要であると、そのように指摘をなさっております。 一方、再エネ導入をめぐって日本各地でトラブルが起こっている現状というのは先ほどからお話が、アジアの市民の皆さんたちが声を上げているようなことであったりとか、途上国開発で生じる問題というのと少し重なる部分もあるのかなというふうに思います。 そこで、市民の目を入れた形でのモニタリングをつくる、仕組みをつくる規定が、モニタリングの仕組みをつくる規定が本法案にどの程度反映されるべきなのか、実際、どの程度反映されているとお感じになられるか、求める、深草先生がそういうものは非常に重要なんだと思われているものがこの法に反映されているかというような視点でちょっとお話をいただけると。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 御指摘の文書に関しましては、想定、まあ想定というか問題にしていたのは、日本の公的金融機関等が支援を行って海外で行うインフラ事業で、そういった事業で住民の権利侵害ですとか土地収奪、そして適切な補償がされていないなどの問題がありました。 もちろん、国際協力銀行ですとかそういった銀行は、自身の環境社会配慮ガイドラインを持って環境や社会への影響を最小限にするということなんですけれども、特に法的拘束力があるわけではなく、かつ、そういった金融機関が事業者に偏ったヒアリングを行っているという問題意識で、市民の目からその公的支援が適切に使われているのか、現地でどのようなことが起きているのか、そういったモニタリングの体制が重要であるということを指摘したかなと思います。 おっしゃるとおり、日本各地でも住民参画や住民の同意なく進められる事業というのは散見されると思います。共通するのは、やはり地域住民にしっかりと情報開示がされて、合意を得ているか、同意を得ているかということだと思います。そういったことは、ほかの事業でも、例えばCCSの法案でも、情報公開の十分さ、そして住民がどこまでその意思決定に参加できるのかというのは全体的に弱い分野なのではないかなと思いますので、改善が必要と考えています。 以上です。
○山本太郎君 ありがとうございます。 同じ質問をほかの先生方にもさせていただきたいと思います。 市民の目を入れた形でのモニタリングができていくというのは、地域を守るためにも非常に重要なお話だと思います。そこに多くの方々は異論はないんじゃないかなというふうに思うんですけれども、一方で、そういった仕組みをつくる規定的なものが本法案にどの程度反映されていると考えるか。本当はこういうこと必要だよね、次はそこを頑張ってほしいなという希望的なものでもいいんですけれども、今の段階ではこれがちょっと薄いかな、抜けているかな、だからここをプラスしていくということが必要だよねというような御意見がございましたら、是非聞かせていただければと思います。
○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。 現在、国際協力銀行、それからJICAにおいては、環境社会配慮の手続が定められていると理解をしています。これは、世界銀行、アジア開発銀行等も同様で、その中で事業について、支援をした事業についての現地の市民の申立ても受ける、そういう仕組みをつくっていると思います。 こちら、今、JCM、二国間のクレジットのところで申し上げますと、意見陳述の中で申し上げました、これまで以上にやはり環境社会配慮を織り込んだ炭素クレジットのメカニズム、あるいはその排出削減量ということが国際的にも必要とされ、まさにG7の二〇二三年の取りまとめは日本が主導して取りまとめた文書でもあります。そういう意味で、JCM、これから拡大に向けて、法改正、今回行ってまいりますけれども、その運用の中にしっかりこの質の高い炭素市場の原則を盛り込んだ形で運用されるということを、大臣の責任の下で監督をお願いをしたいというふうに思っています。 以上です。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 主にその市民参加の確保の部分についての、若干私の個人的な経験も踏まえてお答えを申し上げたいと思います。 温対法だけではないんですけど、温対法も取り巻く制度も含めまして、地球温暖化対策推進員という制度がございます。全国津々浦々の都道府県において、その推進員になった方々に関して温暖化対策を推進していただくというのが基本的な枠組みかと思っておりますが、それの実行の度合いみたいなものを見たときに、やはり差があるなと、いろんな地域ごとに差があるなと。ある程度は差があるのは当たり前なんですけれども、それでも差があると。やはり、例えば京都みたいに、その京都議定書の開催地であって歴史的な理由があったりするところはそれなりにしっかりとした制度があったりとかするけれども、そのほかではそうでもないというような。ですので、現行の制度の中でも、本来はできるかもしれないけれども、いま一つ身が入っていない部分というのがあるかなと思っています。 その中で私がもう一つだけ言及させていただきたいのは、私どもがNGO出身だからというわけではないんですが、常態的に活動ができる市民団体を是非、地域で活動できる市民団体を是非サポートしてあげていただきたいというのはあります。これは、この問題はやはりすごく複雑です、いろんな問題が関わってきます。なので、片手間でやるのももちろん大事ではあるんですけれども、職業として私なんかもやっていても、もう日々追い付かない、勉強が追い付かないぐらいの問題でございます。これを地域の問題も含めて検討するような人たちが全ての都道府県に市民団体として存在しているかというと、否でございます。ここはいるかいないか、そういったときに、我々も、じゃ、NGOとして活動するときも、そういった方々を、じゃ、別のところに行ったときに頼れるかどうかというのはかなり大きな課題となっておりますので、是非、そういう市民団体を、恒常的にこの問題に取り組むことができる市民団体を支えてあげていただきたいというのは願いとしてございます。
○山本太郎君 終わります。
○ながえ孝子君 今日は、三人の参考人の皆様、貴重な意見をどうもありがとうございました。大変勉強になりました。 愛媛県選出の議員で、ながえ孝子と申します。よろしくお願いをいたします。 まず、同じ問いに三人の参考人の方々にそれぞれ御意見を頂戴したいと思っています。 資料を拝見しますと、お三方とも、これからの脱炭素にとってカーボンプライシングがとても重要だと、鍵を握るという御指摘をいただいております。その上で、日本も遅まきながらやろうとしているんですけれども、日本のカーボンプライシングの問題点、あるいは改善点、あるいは提言など頂戴できればと思います。 そうしましたら、高村参考人から山岸参考人、深草参考人とお願いしていいでしょうか。
○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。 炭素に価格を付ける、言い方を変えますと、排出をしない技術やサービスやソリューションの価値を明らかにする、そういう仕組みというのがカーボンプライシングだと思います。御存じのとおり、GX推進法の下で、二〇二六年度から排出量取引制度、二八年からは化石燃料賦課金と、三三年度からは排出量取引制度の下での発電事業者についてはオークショニングを、オークションを入れていくというスケジュールで、そういう形で法令上予定をされていると理解をしています。 このカーボンプライシングについて、そういう意味では、まず早晩、排出量取引制度の設計が重要であります。排出量取引制度については、これまで欧州、EUやあるいは諸外国においての経験がございますので、これらの経験を踏まえた上で制度設計をしていくということでありますけれども、GX推進法、これはまさに脱炭素型の経済社会への転換を促していくということを行っていくものですので、それがやはり着実に進む制度設計でないといけないと思います。 これは、一つやはり重要なのは、これまでも出ていました一・五度目標なり二〇五〇年カーボンニュートラルという日本の、あるいは国際的な目標との整合性、そして、企業にとって、先ほどありました、技術開発の点で御質問を浜野先生からいただきましたけれども、企業にとって将来のビジネス環境がどうなっていくかという見通しがしっかり付くような、そして、しかも脱炭素型の技術、ソリューションが将来のマーケット、社会で価値を持つという明確なシグナルが出るような炭素価格付け、カーボンプライシングが必要だというふうに思っております。将来的にやはり、したがって、炭素の価格が上がっていくということのシグナルが恐らく必要になるというふうに思っております。 以上です。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 カーボンプライシングの課題、どうあるべきかにつきましては、実はWWFジャパンだけではなくて、WWFジャパンも参加をしているJCI、気候変動イニシアチブという、企業様であるとか自治体様とかも参加いただいているイニシアチブの中で実は提言を出させていただいておりまして、もしお時間がありましたら是非そちらも御覧いただければと思います。 その中でも指摘されているポイントで二つだけ、特にWWFジャパンがこだわりが強いポイントを御紹介させていただきますと、一つは、このままですと恐らくカーボンプライシングの価格が低くなるであろうと予測をしております。これですと、恐らく必要な変化を起こしていくには足りないカーボンの価格になってしまうのではないかと。これは難しい問題でして、余り高過ぎると、昨今、エネルギー価格がただでさえ高い中で更に負担があって大変じゃないかという問題もありますが、他方で、低過ぎると、それをもって、じゃ、例えばなるべく化石燃料を使わない方向に行こうというようなインセンティブ自体が働かなくなってしまいます。これがかなり大きな課題だというふうに感じております。細かい議論はちょっと省略をさせていただきますが、とにかく現状の予測ですと、恐らくかなり低い、国際水準で見てもかなり低い価格になるだろうということが第一の懸念です。 そして、第二の懸念は、これにつながるんですけれども、じゃ、なぜそのような価格設定になりそうな制度が今提案されているかというと、日本でつくられようとしているカーボンプライシングの仕組みは、どちらかというと、その価格を掛けた上で得られる政府収入をGX移行債という形で振り分けて、特定の予算を使うことで削減をしていきたいという制度に重きがございます。本来、カーボンプライシングの制度というのは、カーボン、CO2を排出することに対してコストが掛かってきて、それが嫌だから削減するというのが本筋の理論でございます。こちらに実は日本が今つくろうとしている制度はどちらかというと重点がなくて、どちらかというと予算が確保されるといいますか、収入が確保されるところに重きがあって、それだと、もしその投下する先、お金を投下する先を間違えたときには削減が起きないという問題がございます。ここが大きな課題だと、二番目の大きな課題だと感じております。
○参考人(深草亜悠美君) ありがとうございます。 二人の参考人に大きく付け加えるところはないんですけれども、今まさしく山岸さんがおっしゃったとおり、そのGX債では、GX戦略の中ではアンモニア混焼ですとか様々な排出削減に疑問の残る施策というのも対象に入っています。最初の使途からはアンモニアが外れたということで話題にもなっておりましたが、これではやはりそのそもそもの目的に合致するのか、そして、そういった償還に使うということであれば社会にどれだけ還元がされるのかということを非常に懸念しています。 以上です。
○ながえ孝子君 ありがとうございました。 それでは、続いて高村参考人にお伺いしたいんですけれども、地域共生型の再エネ拡大のためにはアセスメント制度の活用あるいは充実が重要だという御指摘を拝見いたしました。私もそのとおりだなと思っているんですけれども、具体的にどういったアセスメント制度の充実策あるいは改善策があるのか、お考えをお聞かせください。
○参考人(高村ゆかり君) ながえ先生、どうもありがとうございます。 こちら、先ほどのゾーニングの議論とも関わってまいりますけれども、やはり地域がその再生可能エネルギー増やしていくときに、自然ですとか住環境ですとか景観といった地域の住民が重要と思っている、それを損なわないような地域にうまく導入をしていくということが鍵だと思っております。 当然、事業を行う際には、今、再エネ特措法の下で新しく再エネ設備を導入をする、特に買取り制度の下で導入をする場合には説明会等々の手続を今定めております。大規模なものについては、従来から環境アセスメント、事業についての環境アセスメントが手続が義務化されているわけですけれども、恐らく、地域として立地をその地域にとって地域共生型の立地にしていくためには、事業を一つ一つではなく、事業をどこに配置するかという、先ほどありました空間について、空間利用についてのいわゆる戦略アセスメントと言われてきた、事業ではなく政策ですとか計画に対するアセスメントが必要になってくると思います。ここは、残念ながら、日本では全体の、全ての事業を網羅した形での戦略アセスメントというのは導入をされておりませんで、これ、私は一つの法政策上の課題であるというふうに思います。 今回の温対法の、したがって促進区域は、そういう中で個別法で脱炭素の観点、温暖化対策の観点で導入するものですけれども、しかしながら、より望ましいのは、こうした戦略アセスメントの制度というものを、あらゆる事業関わると思いますので、導入をしていくことかというふうに思っております。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 では、続いて山岸参考人にお伺いしたいんですが、御意見を伺った最後の方で、その他の論点のところで、グリーンウオッシュを防ぐための基準及び規制の整備を設定するというような御指摘をいただきまして、やっぱり世界で通用するような基準というのをしっかり定めていくことが重要だなという御指摘かと理解したんですけど、今回、カーボンフットプリント、これを促進していこうというようなことがありますが、私、このカーボンフットプリントって、まだ世界標準がないという発展途上の段階ではないかと思っているんですけれども、これが世界標準にする基準になっていけるのかどうかなど、どうやればそういうふうに育っていくのかなど、御提言をお伺いしたいと思っています。
○参考人(山岸尚之君) ありがとうございます。 まず、二つの観点が必要かなと思っておりまして、一つは、そもそも例えば製品やサービスに由来する排出量をどのように測るのか、これがカーボンフットプリントの考え方でございます。ここにきちんとした基準が設定されていくこと、どういうふうに測るのが正しいのか。こちらは、まあ比較的何とかなりそうかなと思っております。 これに対して、より課題が大きいのは、どういうものであればCO2フリーと言っていいのかとか、どういうものであればカーボンニュートラルと言っていいのかとか、その主張ですね、描写の部分をどのようにそろえていけるのかどうかといったところがあります。 例えば、特定の製品があった場合に、それは、これがフリーですと言ったときに、どこからどこまでの期間を指してフリーと言っているのか、製造工程のどこからどこまで、捨てる部分まで含まれているのか含まれていないのか、いろんなところが対象になってきます。そうしたときに、どのような主張ができるのか。そして、そのような主張をしている企業さんのそもそもが大丈夫なのか。その製品としてはフリーと言っているかもしれないけれども、その企業さんは、実は背後ではCO2の排出量、別のところで大量にしている企業さんかもしれない。そういう人たちが、じゃ、ここは、この製品はフリーです、このサービスはフリーですと言っていることをよしとしてしまうのか。この主張に当たる部分というものをどのように基準をそろえていくかというのは、国際的にかなり論議があって難しいところだというふうに理解をしております。
○ながえ孝子君 ありがとうございました。 それでは、深草参考人にお伺いしたいんですけれども、ずっとこのいろいろ御意見を伺う中でも、やっぱり気候変動、温暖化対策と、それからネイチャーポジティブですよね、多様性いかに守っていくかということと密接につながっているので、統合的な取組が重要だという御指摘もたくさんいただきました。そのとおりだと思います。 でも、この取組を政策として進めていく場合には、いろいろと省庁間の利害が衝突したりとかトレードオフになる事柄も少なくないなと思っているんですが、これまでの御経験からして、相乗効果を生んでいくためのやり方とか進め方、あるいは組織のつくり方など、御提言があればお願いをいたします。
○参考人(深草亜悠美君) 御質問ありがとうございます。 非常に難しい質問で、そうですね、私の限られた経験ですけれども、日本政府の方と議論させていただくときにやはり非常に感じるのは縦割りで、この件は経産省さんに、この件は環境省さんにということもありますし、気候変動枠組条約の会場に行ってもやはり個別に調整が必要であったり、そういったことは非常にもったいないなと思います。 相乗効果、何かやれば、気候変動対策をすれば、その何かが失われてしまうというわけではなく、やはりおっしゃったとおり、生物多様性への貢献も深まりますし、そこが具体的にどこなのか、やはりその縦割りではなく集まって議論をすることが重要だと思いますし、また柱として、やはり気候変動、生物多様性だけではなくて、社会、人権といった、そういった観点からもどのような施策ができるのかということを総合してお話しいただけるといいのではないかなというふうに思います。 以上です。
○ながえ孝子君 三人の参考人の皆様、本当に長時間にわたり、ありがとうございました。 終わります。
○委員長(三原じゅん子君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十八分散会