環境委員会 第5号
- 発言数
- 207 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2024/04/11
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、山本佐知子君及び越智俊之君が委員を辞任され、その補欠として臼井正一君及び広瀬めぐみ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省自然環境局長白石隆夫君外十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○梶原大介君 おはようございます。自由民主党の梶原大介でございます。 本委員会における今国会での最初の法案審査として、地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案について質問をさせていただきます。 私、参考までに衆議院の議論がどうなっているのか拝見をさせていただきました。そうしたら、衆議院での委員会での最初の質問が、この地域における生物の多様性の増進のための活動の促進に関する法律案が大変名前が長いということで、その略称をいかに考えているのかという質問でありました。 今日も政府の参考人としておいでになられている白石自然環境局長が、大変苦慮しながら、非常な難問でありますということで、端的に、どういうふうにお答え、端的にということで、この漢字の部分を使った地域生物多様性増進活動促進法案ということでお答えになられておりました。そのお答えに対してもまた、質問された方は、それでも長いというふうにおっしゃられましたけれども、私から申し上げたいのは、この法案を通して得られる、期待される成果や、そしてまた地域における自然、そしてこの環境を将来にいかにつないでいくかということを広く国民の皆様に精いっぱいお訴えをいただければ、名称の長い短いは関係なく取り組んでいただきたいということをまず申し伝えて、質問に入らせていただきたいと思います。 さて、先日の伊藤大臣の所信質疑においても、今環境委員会に出される三つの予定の法律案に対して、統合的アプローチの関連性であるとか、今国会の予算の関連性などなどをお聞かせをさせていただきました。その中で、伊藤大臣からは、この中での、本法律案についてはネイチャーポジティブの実現に向けて、地域の自然資本を生かし、地域活性化につながるものであるとの御答弁をいただいたところであります。 改めてここで、統合的アプローチから見た本法律案の意義についてお伺いをしたいと思います。 本法律案の第二十九条において、関連する施策と連携を図るよう国と地方公共団体に努力義務が定められておりますが、関連する施策の例示として、地球温暖化の防止を図るための施策、気候変動適応に関する施策、そして循環型社会の形成に関する施策が挙げられております。まさしくネイチャーポジティブ、ネットゼロ、そしてサーキュラーエコノミーの相乗効果を求めるものでございます。 本法律案に基づく地域生物多様性の増進活動の推進は、先ほど申し上げた相乗効果をどのように連携をして発揮をさせることができるのか、環境大臣に御見解をお伺いをさせていただきたいと思います。また、あわせて、先日の答弁でも触れられました地域活性化への寄与についても具体的にどのような効果を期待されているのか、お伺いをさせていただきます。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 この法案は、ネイチャーポジティブの実現に向けて、既に運用している自然共生サイトも活用して、民間等による生物多様性増進の活動を促進することを目的としてございます。 この自然共生サイトの認定事例の一つである大阪府阪南市では、大阪湾に残る貴重な自然海岸でアマモ、これを育てる活動を実施しております。 このブルーカーボンの創出を通じて脱炭素にも貢献しているほか、活動に市内全域の小学生が参加して、企業ともコラボレーションしながら、地域全体でその活動を支え、地域活性化にも貢献していることなどが評価され、SDGs未来都市にも選出されているところでございます。 また、阪南市では、プラごみゼロ宣言を行い、プラスチックごみの排出を抑制しつつ、海岸清掃等も併せて行うことで、循環経済の観点も取り入れながらアマモ場の保全につなげていくといった取組も行われているところでございます。 環境省としては、こうした取組事例を全国に共有し、生物多様性増進をきっかけとして、環境分野のみならず、地域活性化を含め、多面的に地域に裨益するような活動を促進してまいりたいと、そのように考えてございます。
○梶原大介君 ありがとうございました。 先日の所信でももちろんお聞きさせていただきましたように、今お答えになられた、全国に共有をすると、そして環境分野のみならず地域活性化にもつなげるということは、まさしく、もうこれまでおっしゃられた、同心円の一人一人が地域につながり、市町村につながり、企業につながり、そして今お答えになった全国に波及すると、そういった取組を是非期待をさせていただきたいと思います。 次に、認定制度を法定化する必要性及びその効果についてお伺いをいたします。 本法律案により、生物多様性の増進のための活動計画を国が認定をする仕組みが導入をされることになります。現在運用されている自然共生サイトは法律に基づくものではありませんけれども、民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を認定する仕組みであり、申請に基づき、有識者等による審査を経て、環境大臣が認定を行っております。 法律に基づく認定と、そうでない、いわゆる運用による認定ではどのような点が異なるのでしょうか。認定制度を法定化する必要性とその効果についてお伺いをいたします。
○副大臣(八木哲也君) お答えいたします。 現行の自然共生サイトは豊かな生物多様性が維持される場所を対象としておりますけれども、令和五年度に百八十四か所を認定いたしました。非常に多くの企業や地域の団体から関心をいただいているところであります。 そのような中で、更に多くの企業や地域の活動を促進するためにも、法律に基づく制度とすることで認定の仕組みの安定性、継続性を確保することが必要であります。また、環境省、農水省、国交省の三省が本法案を共管し、一丸となって取り組むことで、様々な場所での活動をより一層促進し、認定の価値の向上にもつなげているところであります。 加えまして、ネイチャーポジティブの実現に向けましては、生物多様性を維持する取組だけでなく、生態系の回復や創出といった取組も重要であり、本法案ではそのような活動も認定の対象とすることで生物多様性の損失を抑える施策と向上を図る施策との両方を推進していきます。 以上でございます。
○梶原大介君 御答弁ありがとうございました。 先ほど少しおっしゃられた、令和四年に百八十四か所というふうにおっしゃられましたけれども、たしか目標が百程度であったものがもう既に百八十四か所ということで、それをしっかり、さらに、法律に基づくということによって安定化、そして継続性を求める、さらにはそれぞれしっかり三省で取り組むというふうにおっしゃられました。 また、回復、創出においてはまた後ほどお伺いをさせていただきたいと思いますので、またよろしくお願いをいたします。 あわせて、それでは、本法律案の施行後、現在運用されている自然共生サイトはどのように扱われることになるのでしょうか。改めて本法律案に基づく認定申請手続が求められることになるのでしょうか。この点は確認のためお伺いをさせていただきます。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 本法案が成立いたしまして施行された後には、現行の自然共生サイトについての新たな募集は行わず、認定制度は本法律案に基づくものに一本化していくことを想定してございます。 また、なお、法律の施行までに現行の仕組みに基づきまして認定いたしました自然共生サイトにつきましては、認定期間である五年間は有効なものとして取り扱う方針でおります。 本法案による認定を希望する場合には新たに申請いただくことになりますけれども、可能な限り申請に係る負担を軽くできるよう、既に審査した項目についての審査を省略するなど、合理的かつ効率的に審査を行うことを検討しております。
○梶原大介君 ありがとうございました。 それでは次に、計画の認定基準としての地方創生の観点についてお伺いをさせていただきたいと思います。冒頭の質問で増進活動による地域の活性化の効果についてお伺いをさせていただきましたが、その関連でお伺いをさせていただきたいと思います。 例えば、地球温暖化対策推進法に基づく再エネ事業に関わる地域脱炭素化促進事業制度などにおいては、事業実施による地元への貢献が重視をされているものなどもあります。 本法律案の増進活動においても地域の観光や雇用などにつながる取組等が含まれるのではないかと考えますが、実施計画の認定ではこのような地方創生の観点も考慮をされるのでしょうか。認定基準として地方創生への貢献を盛り込むことについての御見解をお伺いいたします。
○副大臣(八木哲也君) お答えいたします。 委員御指摘のとおりでありまして、本法案に基づく生物多様性を増進する活動が、例えば観光資源としての活用や都市と地域の交流など、地方創生にもつながるような事例が生まれることを期待しております。 ただ、本法案に基づく認定は、一義的には生物多様性の増進に資するものであるかどうかという観点から行うものでありまして、委員御指摘の地方創生の観点を認定の基準とすることは少し困難があると考えております。 生物多様性増進活動が地方創生にも資するものとなることは、活動の継続性や発展性を考える上では重要な視点であると考えております。例えば、基本方針の中で目指すべき方向性として位置付けることができないか、検討してまいりたいというふうに思います。
○梶原大介君 ありがとうございました。 実際の認定の基準とはならなくても地方創生に寄与すると、そういった取組をしっかり求めていきたいと思います。 次に、増進活動に対する中間支援の体制整備についてお伺いをいたします。 増進活動を促進をするためには、生物多様性の促進に既に取り組んでいる企業や個人だけでなく、取組の必要性を感じているが今の段階で何から始めるか分からないという方にも活動に積極的に参画をしてもらいやすくすることが大変重要であり、そのための支援が求められるものと思います。中央環境審議会の答申においても、行政機関や専門家等による助言や伴走支援の重要性と中間支援を担う組織の拡充が指摘をされております。 本法律案の第二十八条に、地方公共団体に生物多様性増進活動支援センターとしての機能を担う体制の確保が努力義務として定められておりますが、こうした中間支援組織をより多くの地域で整備をし、増進活動を行おうとする企業等が活動計画の作成や認定申請の手続、また活動を継続的に実施をしていくための助言が受けられるよう、国としても側面の支援をすべきと考えます。 中間支援の体制整備に向けた国の支援について、環境大臣にお伺いをさせていただきます。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のとおり、この中間支援というのは重要だというふうに考えております。 環境省においては、必要な助言等を行う拠点として想定しております地域生物多様性増進活動支援センター、これについて、その設置や体制の構築等に対して既存の事業である生物多様性保全推進支援事業に基づく交付金を活用していただくことが可能となるように検討を進めていくところでございます。 また、活動を行う企業等と生物多様性に関する専門的知見を有する有識者等とのマッチングの促進について、法律の施行に向けた仕組みの構築も検討してございます。 加えて、地方公共団体が生物多様性の増進に関する事務を実施する際のニーズについて適切に把握した上で、例えば自治体が活動計画の作成や生物多様性維持協定を締結する際のマニュアルの整備、人材育成につながるセミナーの開催など、必要な措置を講じてまいりたいと思います。 引き続き、中間支援の体制整備の強化に向けて、様々な形での支援の在り方について検討して進めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○梶原大介君 ありがとうございました。 先ほどの地方創生のことにも関連をしてまいりますが、今大臣のお答えになられたニーズをしっかり把握するということは、本当に、環境問題に意識を持っていろんな取組をしたいと思う方が、ひいては、里地里山であり、中山間地域であり、そういった地域での活動が大事、だから移住につながる、そのことが地方創生にもつながっていく、そういったことも是非効果として期待をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 次に、市町村への人的支援、財政的支援の必要性についてお伺いをいたします。 本法律案に基づく増進活動の促進には、地方公共団体の果たす役割が非常に重要なものとなっております。特に市町村については、活動の実施主体となるだけでなく、連携増進活動協議会の設置や、先ほど触れました増進活動支援センターの体制確保などがあり、事務量の増加なども見込まれるところでございます。 このように施策を充実をさせていくためにはそれにふさわしい人員と予算の確保が不可欠と考えますが、市町村への人的、財的、財政的支援の必要性とそのための具体的な措置についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、地域の自然的、社会的条件に応じた生物多様性の増進に当たりまして、地方公共団体に期待する役割は非常に大きいと考えてございます。 本法律案では、地方公共団体等による活動の促進を支援するため、必要な資金の確保や技術的な助言などの措置を講ずるよう努めるべき旨を国の責務として規定してございます。 環境省におきましては、地方公共団体の努力義務として規定した地域生物多様性増進活動支援センターについて、その設置や体制の構築等に対して、既存の事業である生物多様性保全推進支援事業に基づく交付金を活用いただくことが可能となるように検討を進めていく予定としております。また、本法案に係る協議会やセンターの設置に関して市町村等から相談を受けた場合には、地域の実情に応じて技術的助言を行う等を想定してございます。 議員御指摘の人的、財的、財政的支援の必要性ということでございますけれども、引き続き関連の予算の確保に全力を挙げます。様々な形での支援の在り方を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○梶原大介君 しっかりとお願いをさせていただきます。 次に、先ほど認定制度を法定化する必要性と効果についてお伺いをさせていただいたときの御答弁で、その回復、創出も含まれるということをおっしゃっていただきました。その回復と創出活動を増進活動の対象に含めるということの意義とその認定の基準についてお伺いをさせていただきたいと思います。 認定を受けることのできる増進活動の対象に、生物多様性の維持だけではなく、回復又は創出を含められていることを先ほどお答えになられました。これは、中央環境審議会の答申において、生物多様性が豊かな場所での活動に加え、管理放棄地や開発跡地等の生態系の回復及び創出等の活動も対象とする必要があると指摘をされたことを踏まえてのことだと承知をしております。 開発跡地などに豊かな生物多様性を取り戻すことは望ましい方向性ではあると思いますが、実際上、一度失われた生態系が回復するに至るまでには、決して容易ではなく、また相当の期間を要することなども見込まれてまいります。 こうした現実がある中で、回復そして創出を増進活動の対象に含め、生物多様性が豊かな場所を増やしていくことの必要性や意義についてお伺いをさせていただきたいと思います。また、回復・創出活動に関わる計画の認定基準としてどのような内容を想定をされているのか、併せてお伺いをいたします。
○副大臣(八木哲也君) お答えいたします。 ネイチャーポジティブの実現に向けましては、生物多様性の損失を抑える施策と向上を図る施策との両方を推進することが重要であると、こういうふうに考えております。 そのため、本法案では、豊かな生物多様性を維持していくことに加えまして、管理放棄地や開発跡地等での生物多様性の回復、創出に向けた活動も対象としたところであります。 回復と創出との活動の違いにつきましては、例えば回復の活動につきましては、過去に生物多様性が豊かであったが、管理が放棄された現在ではその生物多様性が損失している里山において、草刈りや間伐などを行うことにより、元にある豊かな生態系を回復させる活動が想定されます。また、創出の活動につきましては、開発が既になされた土地等において、在来の植物を植栽することなどによりまして、新たな生態系を創出する活動が想定されます。 回復・創出活動に係る計画の認定基準は今後検討を具体化させていく予定でありますけれども、その地域の自然的、社会的条件に応じた目標と、その目標に向けた適切な活動が行われているかという観点から審査することになると想定されております。 以上です。
○梶原大介君 ありがとうございました。 続きまして生物多様性維持協定制度の創設経緯やまた増進活動における経済的インセンティブなどなどお伺いをさせていただきたいと思いましたが、大変御準備いただいて申し訳ないんですけれども、時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○田島麻衣子君 立憲・社民の田島麻衣子でございます。 本日は、この本法律案について、私も大臣また関係者の皆さんに質問してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 冒頭、私は、伊藤大臣のこの日本の国家ビジョンについて伺いたいと思うんですね。 これまでずっとこの環境委員会の議論を伺ってまいりまして、大臣は、経済効率性の追求だけではなくて環境への配慮が重要だということを複数回おっしゃっています。私は、このような発言をできる閣僚がこの現政権にいらっしゃるということを非常にうれしく思っております。 昨年末まで私は経済産業委員会におりまして、過去最低を更新し続ける日本の国際競争力等についても議論をさせていただきました。九〇年代前半は日本の国際競争力は世界で一番でしたけれども、どんどんどんどん過去最低を更新し続けていまして、昨年は三十五位になっているんですね。政府効率性の分野というのが非常に低いということと、それからビジネス効率性というのも物すごく低くなっているんです。 そして、少子高齢化もこの国の非常に大きな課題の一つで歯止めが掛からない状態になっているということで、日本の国際競争力が過去最低を更新し続けていて、そして少子化問題に歯止めが掛からない中、経済効率性の追求だけではなく環境の配慮が大事とおっしゃる大臣に、日本は今後どのような国家であるべきか、また百年後、日本の国はどのような姿であるべきか、まず大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 御質問ありがとうございます。 現在、世界では、気候変動、生物多様性の損失、環境汚染という三つの危機が非常に急速に進行していると思います。また、御指摘のように、我が国においては、人口減少、少子高齢化が進む中、経済の低成長、国際競争力の低下等、多くの課題も抱えてございます。こういう状況に対応し、百年後も国民の皆様が未来に希望を持ち、質の高い生活を享受し、安全、安心で心豊かな暮らしが実感できるような持続可能な社会の実現が必要というふうに私は考えております。 現在、第六次環境基本計画を策定しているところでございますけれども、目指すべき国家ビジョンとして循環共生型社会を掲げ、環境政策を通じて経済と社会的課題の同時解決を目指す、環境収容力を守り環境の質を上げることによって経済社会が成長、発展できる社会を目指していきたいと思います。 そして、私は、やっぱり国柄というものもあります。そしてやっぱり、日本人が世界へ出て、また世界の皆さんに対して、日本の自然環境、そして、日本がしっかりした環境政策を進め、むしろ先導的に進めることによって地球環境が持続可能になることに対してしっかり役割を果たしていると、そういう誇りを持って語れるような、そういう国家ビジョンを目指したいと考えております。
○田島麻衣子君 未来に希望が持てるような、また持続可能な社会と、日本の国柄を生かしながら誇りを持てるような社会をつくっていきたいという大臣のお言葉いただきました。ありがとうございます。 私は、この法律案の概要等もいろいろ説明資料を拝見したんですが、まあ横文字が多いですね。これ、ネイチャーポジティブから始まりまして、OECM、TNFD、サーティー・バイ・サーティーも含めまして、G7、ネイチャーポジティブ、まあ経済は日本語ですが、アライアンスなど、もう横文字が羅列されているわけなんですね。先ほど梶原委員の方から法案が長いということも御指摘ありましたが、私はこの横文字が長いということを指摘させていただきたいと思うんです。 国連で働いていたときには日本語はほとんど使わなかったんですが、昔の職場を思い出すような資料だなと思いながら見ていたんですが、これは果たして日本国民の方を念頭に置いた説明の資料なのかなとも思ったんですね。国民、これ非常に分かりにくいだろうなというふうに思います。ネイチャーポジティブなんて、ダボス会議とかでよくアジェンダで設定されていますが、普通の日本の国民の方々、ネイチャーポジティブ何ですかといっても多分分からないというように思うんですよね。 ですので、まずこの法案の意義について伺いたいと思うんです。で、関連しまして、なぜこのように外国語が多用されるに至ったのか、その理由について伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 国連を始め海外の経験の長い委員からの御指摘、大変貴重だと思います。 この本法案の意義については、企業やNGO等による生物多様性増進の活動の促進を通じて、我が国において豊かな生物多様性の確保をしていくことにございますけれども、この生物多様性増進の活動は、全国各地で様々な場所で行われ、また多くの主体の参加を得て進めていく必要があることから、おっしゃられるように、国民、事業者に対して生物多様性の重要性に対する理解と関心を深めるということが重要だと思います。 そして、今委員御指摘の外国語が多用されているということでございます。 この本法案が、生物多様性条約第十五回締約国会議で採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組を踏まえたものであり、そのような世界目標等に関する用語については、国際的な議論との整合を図るために説明で外国語を用いている部分があることは承知しております。 ただし、委員御指摘のように、日本語で分かりやすく伝えるという観点からは、例えばネイチャーポジティブについては、昨年三月に改定した生物多様性国家戦略において、自然を再び興すと書いて自然再興と表現しております。引き続き、外国語と日本語を併記して分かりやすく伝えることを含め、日本語にできるものはなるたけ日本語にしておくと。 確かに、委員も多分御存じだと思いますけど、英語で表記されたものに対する適切な日本語がない場合というのが結構あるんですね。そこでやむを得ず片仮名、外来語にしているわけですけれども、ネイチャーポジティブを自然再興という言葉に表現したことも含め、なるたけ国民の皆様、また事業の皆さんの理解が進むように、併記も含め工夫してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○田島麻衣子君 日本語訳全てができるわけではないので、本当に苦肉の策であるということ、御意見伺いました。 大臣もおっしゃいましたね、この昆明・モントリオール生物多様性枠組について私も伺いたいんですが、この法案がそもそもできた理由というのは、日本国民や日本の社会のためというよりも、むしろこうした枠組みや生物多様性条約を締結したことによる行政上の責務を果たすためにこうした法案というのを作っているんじゃないのかというふうに私には読めるんですが、そうした点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) おっしゃるとおりだと思います。生物多様性条約が採択されて、締約国としてですね、(発言する者あり)あっ、何かちょっと声が変だった、ごめんなさいね、世界枠組み等に整合した形で国内の生物多様性国家戦略を改定し、積極的に貢献していくことが求められております。 今、細かい指摘がなかったですけれども、更に申し上げれば、この地域社会、女性、若者等の多様な主体の参画の確保については、昨年三月に改定した我が国の生物多様性国家戦略において、意思決定等にそうした多様な主体の参画を推進することを行動目標として位置付けてございます。 また、本年八月には、生物多様性条約事務局の、横浜市とも連携して、事務局、横浜市とも連携してユースを対象とする生物多様性保全に関する国際会議を開催する予定でもございます。 こうした施策を通じて、多様な主体の参画の下で取組を促進してまいりたいと、そのように考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。条約や枠組みに国際的に日本が合意しているがための法律なんだということを今大臣の口から御説明いただきまして、私もそうだなと思いながら見ておりました。 この昆明・モントリオール生物多様性枠組の採択について掘り下げて伺いたいんですが、これは条約ではないですけれども、日本も賛成していると思いますので、この採択によって生じる国の責務というのはどのようなものであるのかということをまず伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) 条約ではございませんけれども、日本も参画し合意しておりますので、これに基づく義務を適切に履行する責務を我が国は負っているものだというふうに考えます。
○田島麻衣子君 この枠組みに応じて適切に立法を行っていくというふうに御答弁いただいているんですが、この昆明・モントリオール生物多様性枠組、見てみますと結構いい内容がありまして、大臣も先ほど御答弁で触れられましたが、私が特に大事だなと思ったのは、この解決策で述べられております、先住民及び地域社会、女性及び女児、子供及び若者、障害者の生物多様性に関連する意思決定への参画を確保するというふうに書かれているんですね。 この枠組みに加わる日本として、このような先住民の方や女性や女児や子供、若者、障害者の方々への意思決定というのを確保する、これについて日本はどのような責務を今後負っていくとお考えですか。
○政府参考人(白石隆夫君) 御指摘のターゲット二十二に関する部分につきましては、具体的な記述はございませんけれども、生物多様性の国家戦略というもので、例えば、生物、地域の戦略でありますとか国土利用計画、緑の計画等の関係する地域計画の策定促進、あるいは各計画間の連携の促進、ランドスケープアプローチを活用した統合的な取組、あるいは人材育成や地域における活動を支援すると、あるいはまた、計画策定に係る検討や意思決定過程におきまして女性や若者等の主体による参画を推進するというふうに定めているところでございます。 引き続き、昆明・モントリオール生物多様性枠組の枠組みの中で、可能な限りこうした多様な参画ということをどのようにやっていくのかについては取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○田島麻衣子君 取組や検討をするということなんですよね、確保するのではなくて。いかがですか。
○政府参考人(白石隆夫君) 現時点では国家戦略というものを定めております。その中での記述を先ほど御紹介いたしましたが、引き続き、こうした取組についても可能な限り促進を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○田島麻衣子君 よろしくお願いします。先住民の方々や子供、女性、若者、障害者の方々の意見、大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 では、質問通告四番について伺いたいと思います。 この本法律案は企業等による地域生物多様性増進活動の促進を目的としておりますけれども、本法律案に基づく活動に取り組むことができる企業などは既に生物多様性の増進について高い意識を持っているものと考えられます。一方で、生物多様性の保全がなぜ必要なのか、また、重要性は理解しているが具体的にどういうことに取り組めば生物多様性の増進に貢献できるのか分からない人も多いのではないかというように思います。 生物多様性の増進やネイチャーポジティブの実現には、より多くの国民や企業等に対する周知徹底とともに、日々の生活や事業活動において気軽に始めることができ、かつ生物多様性の増進に貢献する取組事例を示すことが大事と考えますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 この生物多様性について、国民の皆様、事業者の関心、理解を深めること、これ大変重要だと思います。 環境省ではこれまで、イメージキャラクター、だいだらポジーの活用などにより啓発に取り組むとともに、認定した自然共生サイトの取組状況について情報発信にも努めてきたところでございます。 また、取組事例の紹介のみならず、生物多様性の大切さ、これを実感していただくことも非常に重要だと思います。生物多様性の状況等を分かりやすく見える化するシステムの構築や、活動主体や地方公共団体とも連携しながら体験の機会の場として環境教育を推進すること、こういうことを通じて自然の豊かさを実感できるような取組、そしてまた国民の皆様や企業等の関心、理解を深めていくための施策を推進してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 この法律案では、企業や市町村に対して計画を作ってもらうというようなこと、また手続を簡素化するということが書かれておりますが、私はそうしたことを企業や市町村にお願いするにはインセンティブが必要であるというふうに考えるんですね。ですので、次の質問は、民間団体や市町村に対するインセンティブについて伺いたいと思います。五番になります。 本法律案には、企業やNPOを始めとする生物多様性増進活動の実施者に対する経済的なインセンティブの規定が設けられておりません。現在、サーティー・バイ・サーティーに係る経済的インセンティブ等検討会において、支援証明書制度を始めとした自然共生サイト等への具体的な支援政策の検討が同時並行で進められていると承知しておりますが、本法律案において生物多様性の増進に寄与する活動計画の認定とセットで具体的なインセンティブを定めなかった理由を大臣に伺いたいと思います。大臣に伺いたいと思います、済みません。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 この本法律案では、活動実施計画の認定を受けることによって、自然公園法等の規制についてのワンストップの特例、これを受けることができるというインセンティブを設けてございます。このワンストップ特例については、生物多様性増進のための活動に当たって、事務手続の負担を軽減し、円滑に活動を行えるよう、保護地域における許可、届出等や特定外来生物の防除など、他法令に基づく手続について一括に行えるようにするものでございます。 そのほかのインセンティブ施策については、関係者の意見も聞きながら、法の施行まで検討し対応してまいりたいと思います。
○田島麻衣子君 そのほかのインセンティブを検討、対応していかれるということなんですが、今後、じゃ、それをこの法律案の枠組みの中で定めていくことを予定されているということでよろしいですか。
○政府参考人(白石隆夫君) 各種インセンティブにつきましては、例えば税制措置みたいな形におきましては恐らく税制関連の法案ということになろうかと思います。それから、インセンティブの中で予算措置が伴うことであれば予算ということになりますし、様態によって異なると思います。 この法律の改正が必要な場合にはまた御審議をいただくということでございますが、いろんなケース、例えば支援証明書ということであれば今試行的に取組を進めようと思っておりますけれども、まずはいろんな何か試行的な段階ということですので、取りあえずモデル的にいろんな取組を進めながら、徐々に制度化が必要なものについては制度化を図っていくというふうに考えてございます。
○田島麻衣子君 この経済的なインセンティブなんですけれども、活動区域内の土地所有者に対する、おっしゃったように、固定資産税や相続税などの税制優遇措置の必要性の要望というのは届いております。今お答えになったとおり、今後、税制改正等をして、それを対応していく可能性というのはあるということなんですね。またちょっと答弁いただけますか。
○政府参考人(白石隆夫君) 今回、税制措置は含まれておりません。今回のその生物多様性の増進活動促進法案に位置付けた活動計画の目的、これは、国が活動の意義や重要性をしっかりと評価し認定することで、民間による生物多様性増進の活動を後押しすることだということでございます。 ただいま委員御指摘ございました各種の税制措置につきましては、この法の施行は一年後の来年の四月辺りを考えてございますが、その法案の成立を前提に今後検討を進め、法の施行までに結論を得たいというふうに考えてございます。
○田島麻衣子君 分かりました。検討するということを答弁いただきまして、ありがとうございます。是非、この実効性を確保するためにも、経済的なインセンティブ、御検討の方、よろしくお願いしたいと思います。 七番に行きます。企業側へのインセンティブとともに、市町村に対するインセンティブについて伺いたいと思います。 本法律案では、企業等が主体となって実施する地域生物多様性増進活動と当該企業等への経済的なインセンティブの在り方というのが注目されていますけれども、市町村が多様な主体と連携して行う連携地域生物多様性増進活動への期待も大きいというように認識しております。 しかしながら、市町村の中には、人員や予算等が限られていて、生物多様性基本法に基づき策定の努力義務が定められている生物多様性地域戦略すら手が回らない自治体も多く存在します。市町村の取組に期待をするのであるならば、こちらについても相応のインセンティブや支援措置を設けるべきではないでしょうか。 市町村に対する具体的なインセンティブや支援内容について、大臣に伺います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) この本法案に基づき地方公共団体や民間等が行う生物多様性増進の活動に対して、国が国際的な考え方とも整合した形で認定することで、活動の価値や意義を客観性を持って対外的に発信できるようになります。また、この本法案に基づき認定された場合には、活動に必要な、先ほども説明申し上げましたけど、手続のワンストップ化等の法令上の特例を活用することが可能となります。さらに、市町村が取りまとめて作成する連携増進活動実施計画の区域を対象とした生物多様性維持協定により、長期安定的に生物多様性増進の活動が担保されるようになります。 環境省では、意欲ある市町村が連携活動増進実施計画を作る際に技術的助言を行ったり、生物多様性維持協定を締結する際のマニュアルを整備するなど、必要な支援を拡充してまいります。地方自治体等が活動主体となる地域の取組について、環境省としては、既存の事業である生物多様性保全推進支援事業に基づく交付金の活用について検討を進めていく予定でございます。 これらの対応を通じて、引き続き生物多様性の保全に向けた市町村等の活動を支援してまいりたいと、そういうふうに考えてございます。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 交付金の活用も検討されているという御答弁いただきましたが、私も地元で市町村回っていまして、市長さんも含めて本当に大変なんだという御意見を伺います。また、これ、国の方が法律作って、この計画作ってくださいと言われると、現場はきっと悲鳴を上げる可能性があるというふうに思うんですね。 交付金の活用ということをおっしゃっていただけたんですけれども、これはいつぐらいをめどにこうしたものを検討されるかということを省内の方で考えていらっしゃることというのはありますでしょうか。参考人の方で構いません。
○政府参考人(白石隆夫君) 予算措置でございますので、毎年の予算編成の過程で検討してまいります。本法案の成立が図られましたら、来年度予算の要求に向けて省内で具体的な検討を進めてまいります。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。是非、市町村の首長の方々等の意見を聞きながら進めていただきたいなというように思っております。 次に、八番の質問通告、移ります。OECMについて伺いたいと思います。 生物多様性国家戦略二〇二三―二〇三〇では、OECMの設定、管理について、本法律案に基づき促進しようとしている企業等の取組だけではなくて、国の制度等に基づき管理されている森林、河川、都市の緑地等も生態系ネットワークを構築する場として重要であることから、関係省庁が連携し、OECMに該当する地域を検討し、適切なものはOECMとして整理することができるということが行動目標一の一に盛り込まれています。 国の制度等に基づいて管理されている地域のうち、OECMに該当する可能性のある場所としては具体的にどのようなところが考えられるのでしょうか。OECM該当地域の検討状況と併せて伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 OECMにつきましては、関係省庁が所管している制度等に基づき管理されている地域におきましても、適切なものはOECMとして整理をすることにしております。 まず、陸域につきましては、国の制度等に基づき管理されている森林、河川、都市の緑地等におきまして法令に基づく規制等により生物多様性にも貢献する区域、それから国自らが管理することで生物多様性保全にも貢献する区域、こういったものを対象とするということを想定しております。 現在、国の制度等に基づき管理されている区域に、地域におけるOECMの基準につきまして、関係する省庁で連携して検討を進めております。今後、こうした検討も踏まえながら、具体的にどのような場所がOECMに該当するかということを検討してまいりたいというふうに考えています。 それから、海域につきましては、海域のサーティー・バイ・サーティー目標の達成に向けて、沿岸域と沖合域でそれぞれ検討を進めております。このうち、沖合域につきましては、関係省庁と連携し、今後OECMに該当する海域についての具体的な考え方等の検討を加速してまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 海域のOECMについても触れていただいたんですが、この海域のOECMの設定というのは容易ではない、難しいものなのではないかというふうに思うんですが、これは皆さんどのように考えていらっしゃるのか、これは我が国特有の事情によるものなのか、また諸外国でも同様の課題があるのかということを併せて教えていただければと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、海域については陸域よりもかなり難しいというふうなポイントはあろうかと思っております。 我が国のサーティー・バイ・サーティー目標の対象とする海域については、沖合域の面積が大部分ということでございます。沖合でどのようにOECMを設定するかがポイントになります。 一方で、沖合域というのは、陸域や沿岸域と比較してデータが少ないという論点があります。モニタリング手法も限られていると、こういうことが大きな課題だというふうに思っております。このため、有識者に意見を聞きながら、海域のOECMに検討に必要なデータの収集、整理等を進めております。 それから、委員御指摘ございました諸外国の事例につきましては、海域のOECMを国際データベースに登録しているのは六か国ございます。カナダ、コロンビア、イギリス、オマーン、フィリピン、南アフリカという国でございます。中でもカナダでは、海域に特化したOECMに関するガイドラインを作成するなど、先進的に取り組まれていると認識しております。 このような事例も参考にしながら、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 是非とも頑張っていただきたいというふうに思うんですが、この海域の保全は、我が国の領海のみが対象になるのか、それともEEZ、例えば排他的経済水域のようなところにも、どのような取扱いになるのか、伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) サーティー・バイ・サーティーの目標の達成に対して、対象とする海域の範囲には排他的経済水域、いわゆるEEZも含まれております。我が国が管轄権を行使できる海域を想定しております。 この排他的経済水域、EEZを含む沖合域の保全のため、自然環境保全法に基づき令和二年に指定した沖合自然環境保全地域の適切な保全、これに努めていくほか、関係省庁と連携して、海域のOECMの設定に向けた具体的な考え方の検討を加速してまいりたいと思います。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。EEZも含まれるということなんですよね。 これ、先ほど答弁、もう一回確認したいんですが、主権は及ばないというふうにおっしゃいました、今。
○国務大臣(伊藤信太郎君) もう一度正確に申し上げます。 対象とする海域の範囲には、排他的経済水域、EEZを含め我が国が管轄権を行使できる海域を想定していると申し上げたところでございます。
○田島麻衣子君 管轄権ということですね。ありがとうございます。 関連して、地球上の海洋の三分の二以上を占める公海、すなわち国家管轄権ですね、管轄権を超えた海域における生物多様性保全について伺いたいと思います。 二〇二三年六月、国連で、公海における海洋生物多様性の保全と持続可能な利用の確保を目指す協定、いわゆるBBNJ協定が採択されました。BBNJ協定は、公海における海洋保護区の設定を可能とすることや開発事業前の環境影響評価の実施などを定めるもので、このうち海洋保護区の設定については、世界全体のサーティー・バイ・サーティー目標の達成にも寄与することが期待されています。 我が国のBBNJ協定締結については、昨年六月に当時の西村環境大臣が記者会見において、協定上の義務内容を精査した上で判断する旨のことをおっしゃっていますけれども、BBNJ協定に対する現大臣の評価、それから協定締結についての現段階での我が国の対応方針について伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のとおり、昨年、国連において、国家管轄権外区域における海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用を目的とする協定、BBNJ協定が採択されました。それまで公海及び深海底の海洋生物多様性の保全及び持続可能な利用についての取組は存在しませんでした。国際的なルール作りが進展したことを大変評価しております。 このBBNJ協定の我が国の対応については、現在関係省庁間で協議を行っております。環境省としても、議論に引き続き参加し、適切に対応してまいりたいところであります。 現在の状況ということでございますけれども、御案内のように、このBBNJ協定、これは公海に関する協定で、関係省庁が非常に多く、批准には国内の法的担保措置に関する多くの事前調整が必要というふうに考えております。 環境省としても、BBNJに関する関係省庁との議論に引き続き参画して結論を早く出したいと、そういうふうに考えております。
○田島麻衣子君 事前調整が非常に必要だということで、本当に大変なお仕事だというふうに思います。 続いて、十三番目へ移ります。本法案に定める新制度について伺いたいんですが、認定申請手続について取り上げます。 現在、環境省が運用している自然共生サイト、先ほども出てまいりましたけれども、では、申請の受付期間を設定し、有識者の審査を経て五か月後に認定結果の公表が行われているということなんですね。この本法律案に基づく地域生物多様性増進活動の計画認定についても、同様の手順やスケジュールで行う方針なのか、伺います。
○政府参考人(白石隆夫君) 事務的な話でございますので、私の方からお答えを申し上げます。 本法案に基づく実施計画の認定の手順につきましては、基本的には申請者から事前に相談を受けると、それから事務局、これ環境再生保全機構に事務局を任せますが、事務局による事前審査、それから主務省庁による内容の審査を経て、最終的に主務大臣が認定を行うということを想定しております。 認定申請から認定に至るまでには、増進活動実施計画に記載された活動内容、目標、実施体制などを審査することとしておりますが、標準的処理期間については、今後検討し、策定の上、速やかに公表してまいりたいというふうに考えております。 スケジュールを早期にお示ししつつ、手順が申請者にとって分かりやすく効率的なものとなるよう、必要な対応を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 十四番に進みますけれども、株式会社日本経済研究所の民間企業アンケート調査結果を見ますと、自然共生サイトへの登録、検討に当たっての課題として、継続的な管理体制の構築、六四%、登録に係る手続への対応、五八%、管理コストの増加が四六%など、登録から維持管理について負担するコストに関するものが多く挙げられております。 また、これらの課題に対応し、企業が行政に求めるサポートとして、維持管理に関する経費の補助が四六%、申請するに当たっての助言や事前調査等の支援が四四%となっております。 自然共生サイトの認定を受けた企業などから、申請手続に当たっての課題や問題点として、政府に対しどのような指摘がなされたのか、伺います。また、申請手続に関する相談に対しどのように支援、対応を実施したのかについても伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 自然共生サイトの申請手続に当たりまして、モニタリング等の計画の策定方法や区域内に生息する動植物のリストの取りまとめ方法につきましては企業等から多くの問合せを頂戴いたしました。 自然共生サイトを正式に運用し始めた令和五年度以降、環境省の本省、それから地方環境事務所におきまして、企業からの相談に随時対応しております。職員が申請予定者の具体的な検討状況をお伺いし、助言等を行っているというところでございます。 また、最近では、個別の相談対応に加えまして、申請書類の記載例をホームページに掲載しており、申請を検討している企業等からも記載の参考になるという評価もいただいております。 こうした取組を重ねながら、今年度も多くの申請がいただけるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 こうした運用で明らかになった課題を踏まえて、本法律案に基づく計画認定の手続における申請者の負担軽減や相談支援としてどのような対応を検討していかれるか、伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 申請者の負担軽減や相談支援につきましては、今後も具体的な検討を行っていく予定でおります。 中でも、申請の検討の開始から申請書類の提出に至るまでのプロセスが円滑に進むよう、申請者に対する伴走支援を行い、申請者の事務負担を軽減していくことが非常に重要だというふうに考えております。例えば、申請者の身近な相談窓口として、事務局となる予定の独立法人環境再生保全機構や環境省の出先機関である地方環境事務所、自治体が設置している地域生物多様性増進活動支援センター等がその役割を担うことを想定しております。また、生物多様性の保全状況を簡便にモニタリングする手法の知見の提供、専門家によるノウハウの提供なども検討をしております。 申請を予定する者が事務負担の大きさを懸念して申請を諦めることがないよう、本法案の成立後速やかに具体策の検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 次は、中間支援の体制の整備に向けて伺いたいんですけれども、本法律案で規定している生物多様性増進活動支援センターを始め地方公共団体や民間などによる中間支援を実効性あるものとするためには、国としてもこれらの体制整備をバックアップする取組を行うべきと考えます。中間支援体制の整備に向けた国の取組の必要性と具体的な対応について伺います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、中間支援の整備も大事だと、重要だというふうに考えております。 環境省では、地方公共団体に地域生物多様性増進活動支援センターを設置することを努力義務として本法案に規定しておりまして、その設置、体制の構築に対して、既存の事業でございます生物多様性保全支援事業に基づく交付金を活用いただくことが可能となるように検討を進めていくということでございます。 また、活動を行う企業等と生物多様性に関する専門的知見を有する有識者等のマッチングの促進についても、法律の施行に向けた仕組みの構築を検討しております。 加えて、地方自治体のニーズについて適切に把握した上で、例えば自治体が活動計画の作成や生物多様性維持協定を締結する際のマニュアルを整備すると、あるいは人材育成につながるセミナーの開催を行うと、こういった各種の必要な措置を講じてまいります。 引き続き、中間支援の整備体制の強化に向けて、様々な形での支援の在り方を検討してまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 次に、認定等に関する事務の一部を担います独立行政法人環境再生保全機構について伺いたいんですが、この機構というのは生物多様性の増進に関する知見を有しているのか、また、この同機構にこれらの事務を実施することが必要かつ適切とする理由を伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 近年、生物多様性に関する関心を寄せる企業等が増加しており、本法案に位置付けた認定関連事務におきましては、数多くの申請について活動の内容やその効果などを一つ一つ審査する必要があると思います。また、場合によっては、申請者に改善点等を助言し、より良い活動につなげていく伴走支援が求められるということになると思います。 環境再生保全機構は、従前より地球環境基金事業という事業を行っておりまして、過去二十年間、自然保護活動に係る申請受付や審査事務を実施してきた実績がございます。安定的な事務執行の知見、経験を十分に有するものだというふうに考えております。 この機構は本業務を実施させるに当たって適切な主体だと考えておりまして、本制度の安定的かつ効率的な運用を確保するためにこの機構に事務の一部を担わせることが重要だ、必要だというふうに考えております。
○田島麻衣子君 質問通告十九番ですけれども、ちょっと大臣に伺いたいんですが、先ほど人員及び人材というのを確保していくというふうにおっしゃいましたが、これ逆の方から見てみると、独立行政法人の肥大化というものも懸念されると思うんですね。 この同機構における適切な業務運営体制の在り方について大臣の見解伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 環境再生保全機構、これは環境分野における政策を専門に実施している唯一の独立行政法人でございます。これまでも、例えば地球環境基金の業務において自然保護活動に係る審査業務を実施してきた実績があります。この本法案に基づく業務を担うに当たり、制度の安定的かつ効率的な運用を確保できると考えてございます。 環境省としては、主務大臣として、環境再生保全機構がこうした業務を的確に遂行できるように、引き続き必要な体制と予算の確保に取り組んでまいりたいと思います。また、機構内の適正な業務運営体制の確保のため、役員を構成員とする内部統制やリスク管理委員会において内部統制の点検や進捗管理を行っております。 国としても、独立行政法人制度に基づき定期的に行われる厳正な評価の仕組みを通じてしっかりとその適正な運営に関与してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。きちんと監督責任を果たしていただければというように思っております。 二十番に行きます。生物多様性においては気候変動対策のように定量的に評価をすることが難しいというようにされておりますが、この本法律案において、地域生物多様性増進活動の実施計画に地域生物多様性増進活動の目標を記載することが求められていますが、この目標達成状況は誰がどのように評価することになるのでしょうか。想定される評価手法も含めて、政府の方針を伺います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 地域生物多様性増進活動の目標につきましては、申請者がどのような生物多様性の状況を目指して活動するのか、またその目標を達成するために客観的に見て適切な活動であるかという観点で審査をするため、認定申請の際に記載することを求めているものでございます。 また、その目標の達成状況の評価につきましては、国による計画の認定後に活動の実施状況について主務大臣が報告を求めることができるという規定を設けております。活動を開始したときの状態からどのくらい生物多様性が増進しているかという観点から、主務大臣がその目標の達成状況を確認することとしております。 なお、御質問ございましたが、目標の達成状況の具体的な確認の手順等につきましては、法案の成立後、施行までの間に基本方針等も定めますので、関係省庁におきまして検討を行った上で定めてまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 また、この本法律案第三十四条では、主務大臣が認定を受けた増進活動実施者に計画の実施状況の報告を求めることができるとの規定がありますが、どのような場合に報告を求めることを想定しておられるのか、また認定された全ての計画について定期的に報告を求めるのでしょうか。具体的な報告の実施体制や頻度について伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘の報告徴収規定でございますけれども、計画に基づく活動が適切に実施されているかを確認するために、主務大臣が認定を受けた活動実施者等に対して報告を求めて、計画の実施状況を把握するために設けられております。この規定の具体的な運用方法につきましては、定期的にどの頻度で報告を求めるかを含めて、活動実施者の事務負担、こちらも勘案しながら現在検討をしているところでございます。 認定された活動が長期的に継続され、かつ活動が継続されていないものが認定を受けたままで放置されることで制度全体に対する信頼性が損なわれることのないよう、適切な制度運用を行ってまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 次に、一問飛ばしまして、G7ネイチャーポジティブ経済アライアンスについて伺いたいと思うんですが、このネイチャーポジティブ経済の実現に関しまして、昨年四月に開催されたG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合におきまして、ネイチャーポジティブ経済に関する知識の共有や情報ネットワークの構築の場としてG7ネイチャーポジティブ経済アライアンスが設立されました。 このアライアンスの具体的な活動内容と今後の展開について伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 G7ネイチャーポジティブ経済アライアンスは、全ての部門において生物多様性保全を主流化させるため、二〇二三年四月のG7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合において我が国主導で設立したものであります。 二〇二三年は、G7各国の経済団体とも連携して、ネイチャーポジティブに資する技術、ビジネスモデル等の事例共有を目的とした国際ワークショップを開催したほか、自然に関する情報開示に反映すべき要素や課題に関する各国意見のシェア、発信を行いました。本年は、G7議長国であるイタリアがこの運営を引き継ぎ、活動を進めるということになっております。 今後も、アライアンスの枠組みを通じ、ネイチャーポジティブ経済に関する知識の共有と情報ネットワークの構築を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 このアライアンスは、企業、経済団体、地方自治体、NPO、NGO、専門家グループや、国際機関、地域機関、G7以外の国など、多様な組織から幅広く参加を募っているとのことですけれども、現在参加団体の現状と今後の参加団体拡大の見通しについても伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 現時点、本年四月十日時点で、G7ネイチャーポジティブ経済アライアンスへの参加団体は十七団体となっております。 環境省といたしましては、本アライアンスを効果的かつ広範な活動とするため、本年三月より専用ウェブサイトも立ち上げ、G7各国と連携し、企業、経済団体、地方自治体、NPO、NGO、専門家グループ、国際機関、G7以外の国も含め多様な組織からアライアンスへの参加を広く募っているところであります。 今後は、生物多様性のCOP16、本年予定をされております、こういった機会など様々な機会を捉えまして、政府のみならず各国の経済団体も通じて参加の働きかけを行うなど、引き続き参加団体の拡大を図り、ネイチャーポジティブ経済の実現に向けたネットワークの強化を進めてまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 ありがとうございます。 更問いですけれども、G7以外の国などとおっしゃいましたが、これは大体どこの国になるのか、お分かりになったら教えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) 申し訳ございません。十七団体のうち八団体はG7各国と及びEUでございまして、それ以外は民間企業とかNGOになります。経団連さんでございますとかWWFインターナショナル、JBIB等、各種NGO、NPOあるいは民間企業といったところでございます。
○田島麻衣子君 G7以外の国はどこですかというふうに伺ったんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) 申し訳ございません。現時点で加盟をいただいているのは、G7以外の国はございません。今後、G7以外の国も含めて参加を募ってまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 どのように参加を募っていくお考えか、伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) 申し上げます。 COP16など、多様な各国、G7以外の国も参画する機会ございます。それから、気候変動のCOP、こういったところでもいろいろな促進活動の呼びかけ等を行う機会がございますので、そういった場を通じて参画を求めてまいりたいというふうに考えております。
○田島麻衣子君 アライアンス、同盟ですから、いろんな国、もっと参加募っていいのかなと思って聞いておりました。 時間になりましたので、私の質問は以上にさせていただきます。ありがとうございました。
○谷合正明君 公明党の谷合です。 まず、早速に質問をさせていただきますが、一昨年十二月の生物多様性条約の第十五回締約国会議、COP15では、生物多様性に関する新たな世界目標であります昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択されまして、我が国においても同枠組みを踏まえた生物多様性国家戦略二〇二三―二〇三〇が策定されたところであります。 本法律案は、こうした動きを背景として国内における取組を進めるために提出されたものと理解しておりますけれども、まず生物多様性とは何かということでございます。一九八五年に生まれた言葉というふうに文献には出てまいりましたけれども、この生物多様性とは何かということをまず分かりやすく説明していただきたいということとともに、生物多様性はどういった観点において重要であるのかということについても基本的なことを伺いたいと思います。加えて、世界及び我が国における生物多様性の現状について、どれほど危機的な状況にあるのかという、この基本的なところをまず環境大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘の生物多様性、これについては、生物多様性条約では全ての生物の間に違いがあるということと定義されており、生態系、種、遺伝子という三つのレベルでの多様性があり、生命の長い歴史の中でつくられたかけがえのないものと認識しております。 世界の生物多様性の現状についてでございますが、政府間組織であるIPBES、これが二〇一九年に公表した地球規模評価報告書では、人間活動の影響により、過去五十年間の地球上の種の絶滅は、過去一千万年平均の少なくとも数十倍あるいは数百倍の速度で進んでおり、適切な対策を講じなければ今後更に加速すると指摘されております。また、環境省が二〇二一年に取りまとめた生物多様性及び生態系サービスの総合評価二〇二一において、我が国の生物多様性は過去五十年間損失し続けていると評価されております。 私たちの暮らし、食料や水、気候の安定など、多様な生物が関わり合う生態系から得ることのできる恵みによって支えられております。人間自身も生物多様性の一部分でございます。自然が安定し、変化に対応するしなやかさを持ち、保ってですね、将来にわたりその恵みを受けるためにも、健全な生物多様性を確保していく必要があるというふうに考えてございます。
○谷合正明君 特に危機的な状況ということで、過去五十年の、何ですかね、消滅のスピードというのが、もうこれまでの歴史の中からすると相当なスピードで進行しているということだと思います。 そうしたこの危機意識の中で、生物多様性条約というものが生まれて、締結されていると思います。世界百九十六か国・地域で締約国が広がっているというふうに承知しておるんですけれども、しかしながら、この生物多様性条約はアメリカが未締結となっています。世界的な取組を進める上ではアメリカの協力が必要不可欠であると考えますけれども、アメリカが未締結となっている理由と、それに伴う影響、今後の見通しについて環境大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のとおり、米国は生物多様性条約を締結しておりません。そしてまた、締結の見通しも立っていないということでございます。 アメリカが締結していない理由について、条約制定当時の交渉において、案文の中に締約国間の技術移転を促進する旨の規定がございます。アメリカは、この民間部門の技術移転を促進する義務が生じることにより、自国の経済活動が損なわれるなどの懸念を有していたものと認識してございます。 しかしながら、世界全体で実効性のある生物多様性保全の取組を進めるためには、より多くの国の参加が重要です。米国が参加した場合は、生物多様性保全に関する科学的知見、技術や資金の共有が更に進み、生物多様性保全がより一層進展するものと期待しております。 我が国としては、米国も参加する国際会議の場において、世界の生物多様性の確保を図るためには国際的に協調して対応する必要があるということを強く訴えてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○谷合正明君 先ほどG7の取組の紹介、やり取りがありましたけれども、そういうことであれば条約にしっかり入っていただくということが筋だと思っております。是非、大臣におかれては、一政治家としてもこの外交努力を続けていただきたいというふうに思っております。 さて、生物多様性に関する取組の周知、また環境教育等について伺っていきたいというふうに思います。 一九九二年の地球サミットで、気候変動枠組条約とともにこの生物多様性条約が採択されたことから、二つの条約は双子の条約と呼ばれることがございます。 一方、気候変動対策の場合は、身近な取組として節電を行うことであるとか、あるいはエアコンの設定温度を調節することであるとか、マイバッグを持参することなど掲げられていますし、大体そういうどうしたらいいかということは何となく肌感覚で国民は分かっているんじゃないかと思っておりますが、生物多様性保全等の場合、何をすべきで何をすべきでないのか、一人一人がですね、そうしたことが余り知られていないという印象を持っています。令和四年十月の生物多様性に関する世論調査においても、実際何をしたらよいかよく分からないとの回答が多かったということであります。 そこで、生物多様性保全のための身近な取組としてはどのようなものがあるのかということを伺いたいと思います。 生物多様性に関する取組の重要性、具体的取組内容について広く国民に周知し正しく理解してもらうこと、また環境教育等による若い世代の参画を推進することが求められていると考えておりますけれども、改めて生物多様性についての認知度向上と取り組みやすい活動の周知のための具体的方策について伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 私、常々、環境問題というのは同心円の問題だと思います。一人一人がどういう意識や価値観を持って行動するということが、地球上に約八十億人の方がいらっしゃるわけで、八十億倍になるということで、これは今議題の生物多様性についても同じだと思います。 この生物多様性保全に関する身近で取り組みやすい活動としては、例えば消費行動において、生物多様性に配慮した商品や地元で取れた旬の食べ物、これを選択すること、地域の清掃、保全活動に参加することで環境保全に取り組むこと等が考えられると思います。 こうした活動を周知するツールとして、産官学民連携プラットフォームである二〇三〇生物多様性枠組実現日本会議、ここが推進するMY行動宣言がございます。生物多様性を守るためにできる身近なアクションを宣言してもらう、この取組が進められてございます。これまでに少なくとも約二十六万の宣言をいただいております。 また、内閣府が行った世論調査において、環境負荷の少ない消費スタイルに関心を持ち、取り組む方が多いことが示唆されております。このため、環境省では、企業に対して環境負荷の少ない商品の製造、販売への意欲を高めてもらうための働きかけを行っております。具体的には、環境負荷低減の取組に対する消費者の支払意思や選択行動に関する調査を行って、こうしたデータを企業側にも提供しております。 引き続き、こういった取組を通じて生物多様性についての認知、そしてまた認識度向上に取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えてございます。
○谷合正明君 生物多様性を守っていくためには、まずはその知ることから始まると思っています。 この法律は、今回は既存の法律を廃止して新法を作っていくということでありますから、これは、法律を作っていくということは、国民の皆様にしっかりと知っていただかなければならないと思っております。一部の関係者だけとかあるいは意識のある方だけの参加の取組じゃないわけでありますので、是非、この生物多様性の意味だとか意義だとか、あるいは今どういうことが危機なのかと問い一で質問いたしましたけれども、そうしたことを踏まえて是非取組を進めていただきたいと思っております。 その上で、具体的に環境教育について質問したいと思っております。学校の校庭や幼稚園、保育園の園庭に造るビオトープについてであります。 公明党は、学校・園庭ビオトープは、地域の生態系を考える上で重要であるとして位置付けてまいりました。今年二月には、秋篠宮皇嗣殿下が御臨席されました全国学校・園庭ビオトープコンクール二〇二三発表大会が開催されました。学校教育における自然環境教育をより一層充実させる必要があると考えますけれども、学校・園庭ビオトープは大変に良い私は取組だと思っております。 現在、小学校施設整備指針においては、学校ビオトープは、屋外学習施設の項目において、敷地内に地域の自然を確保した生物の生息空間、ビオトープを計画することも有効であると記されています。整備指針の表現として、有効であるというのはこの整備指針の中にもしっかり定義が書いてありまして、有効であるというのは、必要に応じて付加、考慮することが有効なものとなっております。これを、今後、学校教育を進める上で必要な施設機能を確保するために標準的に備えることが重要なものを意味する重要であるとの記載にすべきでないかと私は考えておりますが、文部科学省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(金光謙一郎君) お答え申し上げます。 ビオトープを学校に設置することは、委員御指摘のとおり、子供たちが日常の生活において直接自然や生き物と触れ合う機会を持つことができ、大変意義のあることだと考えてございます。 委員からお話のございました小学校施設整備指針でございますが、この中で、施設全体が環境教育の教材として活用されるよう、また自然と触れ合う機会が増えるよう計画することが重要であるというふうに記載をさせていただいた上で、敷地内に地域の自然を確保したビオトープを計画することも有効であると規定しているところでございます。 小学校施設整備指針につきましては、学習指導要領の見直し等を踏まえ逐次改訂をしてきておりまして、次回の改訂時におきましてどのような記載が適切か検討してまいります。
○谷合正明君 この改訂は令和四年にされておりまして、その前は平成三十年、そしてその前は平成二十八年なのかな、ちょっと不定期といえば不定期に改訂しているというふうに印象を持っているんですけれども、いずれにしても、次の改訂においてはどういう記載が望ましいか、私は、その有効であるから一歩踏み込んで重要であるというふうにしていただきたいと思います。 今回、せっかくこの法律を作って、民間による生物多様性保全の取組を促進するというのがこの法改正の趣旨ですから、環境省だけの取組じゃなくて、ほかの省庁含めて一体として取り組んでいくわけでありますから、是非これは環境省サイドからもこの問題意識を持ってウオッチしていただきたいというふうに思っております。 関連しますけれども、現在、環境省の方で改定作業が続いている環境教育等の推進に関する基本的な方針においては、学校・園庭ビオトープの位置付け、これをしっかり打ち出していただきたいと思いますけれども、環境省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(鑓水洋君) お答えいたします。 効果的な環境教育を実現するためには、体験を通じて学ぶこと、それから対話と協働を通じた学びの実践、これが重要だと考えてございます。 御指摘のありました環境教育等促進法に基づく基本方針の改定につきましては、現在検討中でございますけれども、この中で、地域の多様な主体との連携、協働が行われている学校・園庭ビオトープに関しまして、こうした場を活用した自然体験活動等の促進についても盛り込んでまいりたいと考えてございます。 環境省といたしまして、引き続き、文部科学省等の関係省庁、関係団体とも連携いたしまして、学校・園庭ビオトープ等を通じた体験活動を通じた学びの場、これを推進してまいりたいと思います。
○谷合正明君 しっかりと取り組んでいただきたい、前向きな御答弁いただいたと思っております。 続きまして、OECMについて伺いたいと思います。 生物多様性の保全を目的としない管理が結果として自然環境を守るということの意味というふうに学んでおりますけれども、このOECMは、名古屋で開催された生物多様性条約のCOP10において、愛知目標の一つであります、二〇二〇年までに少なくとも陸域及び内陸水域の一七%、また沿岸域及び海域の一〇%を保全するための達成手段の一つとして掲げられた考え方であります。昆明・モントリオール生物多様性枠組では、二〇三〇年までに陸域及び海域のそれぞれ少なくとも三〇%以上を保全するサーティー・バイ・サーティー目標が盛り込まれました。この目標達成に向けて、我が国ではサーティー・バイ・サーティー・ロードマップを策定し、国立公園等の保護地域拡張と管理の質の向上に加えて、このOECMの設定、管理に取り組むとしております。 このOECMというのは、そもそも我が国が主導して世に、世界に広く普及している概念だというふうに理解しておりますけれども、OECMという手段の重要性と効果について伺いたいと思います。また、OECMの設定につながる現在運用中の自然共生サイト、先ほど私が取り上げた学校・園庭ビオトープも含まれると思いますけれども、この自然共生サイトや本法律案による取組がサーティー・バイ・サーティー目標達成にどの程度寄与する見込みであるのかということも含めて答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(朝日健太郎君) お答え申し上げます。 サーティー・バイ・サーティー目標を契機にいたしまして、ネイチャーポジティブを実現するためには、国立公園などの保護地域に加えまして、里地里山、都市の緑地など身近な自然を含め、国土の様々な場所で保全の取組を進めることが重要であります。とりわけOECMは、人手が入ることにより自然環境が維持されるような場所においても生物多様性の保全を進める有効的な手段であると考えております。サーティー・バイ・サーティー目標の達成に向けまして、生物多様性の量と質の向上に資する取組を進めているところであります。 委員御指摘の自然共生サイトや本法案による認定を通じまして生物多様性が維持されている場所をOECMとして設定することで、この目標達成に貢献していくものと考えております。加えまして、国立公園などの保護地域の拡充や、国の制度に基づき管理されている地域をOECMに設定することも含めまして、総合的に取組を進めることで、サーティー・バイ・サーティー目標の達成に向けて政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
○谷合正明君 よろしくお願いいたします。 関連しますけれども、サーティー・バイ・サーティー目標達成にジオパークを活用するということは考えられるのではないかと思っております。 ちょっとジオパークの定義は省きますけれども、この現在運用されている自然共生サイトにジオパークが設定された事例はあるのか、また、ジオパークにおける取組が生物多様性増進に資するものとして本法律案の活動の対象になり得るかということについて伺いたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 ジオパークでございますが、貴重な地形、地質や景観などの地質資産を、地質遺産を保護するとともに、教育やツーリズムなどの推進に活用し、地域の持続可能な開発に寄与することを目的として認定されるものと承知しております。ジオパーク自体は生物多様性の価値の観点から認定されているものでないことから、ジオパークの区域内であることをもって本法案の活動認定に直接つながるものではないと認識しております。 他方で、ジオパークの中は地質としてつながりのあるエリアを幅広く指定している例も多く、生物多様性が豊かな場所が多く含まれているものと認識しております。例えば、山陰海岸ジオパークに認定されている兵庫県豊岡市におきましては、自然共生サイトの認定例として、大学と営農組合が連携してコウノトリの給餌環境の整備や、無農薬、無化学肥料栽培など、田んぼを中心とした里地里山の生物多様性保全に取り組んでいるものがございます。 この事例のように、ジオパークの中におきましても生物多様性を増進させる活動が行われている場合には、本法案の認定の対象となり得るというふうに考えております。
○谷合正明君 分かりました。 それでは、生物多様性関連施策、他省庁との関連、取組なんですけれども、先ほど文部科学省さんにお答えいただきましたが、文部科学省だけでなくて、政府横断的な取組を推進していく上では、特に本法律案の主務大臣となっております農林水産省、国土交通省との連携は不可欠であります。 本法律案の基本方針は、農林水産省のみどりの食料システム法に規定する基本方針との調和が保たれたものでなければならないとされています。農林水産省のみどりの食料システム戦略における施策と本法律案に基づく取組をどのように連携し、相乗効果を発揮していく方針か、予算面の充実を含めて農林水産省の方針を伺いたいと思います。
○政府参考人(秋葉一彦君) お答えいたします。 農林水産省では、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるためのみどりの食料システム戦略を策定しまして、化学農薬、化学肥料の低減や温室効果ガスの削減を推進しているところでございます。 例えば、先ほど環境省からもございました豊岡市でございます。コウノトリを育む農法を行っているこの兵庫県豊岡市の取組につきましては、みどりの食料システム法に基づく特定区域として指定しております。この特定区域というのは、無農薬、お米について無農薬栽培をいたしまして、そのお米を学校給食に持っていこうということを目指すというような取組でございます。 このような取組につきまして、農林水産省としては、みどりの食料システム戦略緊急対策交付金で支援しているところでございます。この水田を含む当該地域につきましては、環境省が今般審議しております地域生物多様性増進活動促進法案に先行して進めている自然共生サイトにも認定されているところでございます。 委員からお話あったとおり、地域生物多様性増進活動促進法案第八条におきまして、基本方針は、みどりの食料システム法に基づく基本方針等との調和が保たれたものでなければならないとされているところであります。 農林水産省といたしましては、環境省とも十分に連携しながら、みどりの食料システム戦略に基づく農林水産業の環境負荷低減を進め、地域の生物多様性増進活動の推進にもつなげてまいりたいと考えています。
○谷合正明君 最後に、国土交通省さんにも伺います。 国土交通省の施策との連携では、都市緑化のほか、生態系を活用した防災・減災を推進することが挙げられます。都市においては、生物多様性が維持されている区域は地方よりも少なく、生物多様性の回復や創出が課題となることが見込まれます。 本法律案では、今国会に提出されている都市緑地法等改正案により創設される緑地確保指針と本法律案の基本方針との調和を保つ旨の改正を行うとしております。都市部における増進活動がどのように取り組まれていくものと想定しているのか、伺いたいと思います。 また、都市緑地法等改正案では、都市における緑地の整備、保全そのほかの管理を行う事業者による優良緑地確保計画認定制度が創設されていますけれども、都市部においては本法律案の実施計画認定制度と競合することがあるのか、伺いたいと思います。 都市緑化、そして生態系を活用した防災・減災の取組と本法律案の取組をいかに連携させる方針か、予算面の充実も含めて、まとめて国土交通省の答弁を求めたいと思います。
○政府参考人(鎌原宜文君) お答え申し上げます。 都市におきましても生物多様性は重要と認識をしておりまして、生物の生息・生育環境の場となる緑地の保全や創出を、そしてネットワーク化を進めてその確保を進めてきたところでございます。 今般、国会に提出をしております都市緑地法等の一部を改正する法律案におきましては、緑地の保全等に関する国の基本方針の策定、また自治体や民間事業者等による緑地確保の取組に係る支援措置などを講じまして、生物多様性の確保に資する緑地を質、量両面で確保することとしてございます。 都市緑地法等改正法案が成立した際には、その施行に当たりまして、環境省と緊密に連携をいたしまして、緑地確保指針に生物多様性の観点を適切に盛り込み、指針に沿った緑地確保の取組を広く促していくとともに、両法案の認定制度間で共通化できるものは共通化する検討を行いまして、相互の制度連携を深めてまいりたいと考えてございます。 また、令和六年度予算におきまして、都市における生物多様性の確保に資する緑地確保の予算を計上しているところでございまして、本法案の趣旨であります生物多様性の確保に向けた取組を推進してまいりたいと考えてございます。 加えて、都市緑地のみならず、河川や沿岸域を含めまして、委員御指摘の生態系を活用した防災・減災、Eco―DRRや自然環境の多様な機能を活用したグリーンインフラの取組につきまして、これまで培ってきた知見を生かしながら、グリーンインフラ官民連携プラットフォームなどの場を活用しまして緊密な情報共有を図るなど、本法案の取組との連携を深めてまいりたいと考えてございます。 以上です。
○谷合正明君 終わります。
○梅村みずほ君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の梅村みずほです。本日もよろしくお願い申し上げます。 二〇二三年、昨年度から始まりました自然共生サイトの認定制度ですけれども、私の選挙区大阪でも六つのサイトが認定されております。新梅田シティの新・里山、新ダイビル堂島の杜、関空島人工護岸の藻場サイト、阪南セブンの海の森、ドコモ泉南堀河の森、多奈川ビオトープと。私も当然、選挙区回っておりますといろんなところを見ていくわけなんですけれども、大都会と思われがちな大阪の中にもこんなにも多様な自然があるんだということに気付かされております。 現在、認定が、二〇二三年度中に百サイトの認定を目標とされていたところ、百八十四ということで、一八四%の達成ということですばらしいと思っております。今までは法的には認められた認定制度ではなかったんですけれども、満を持して法制化ということで、より一層力強く生物多様性の増進、民間の力を借りながら進めていっていただきたいというふうに思っているところでございます。 それでは質問ですけれども、この認定制度なんですけれども、元々自然共生サイトというものがあって、さらに、今回は法定化された認定の枠組みで認定をしていくということなんですけれども、本法案のステップとしても解釈できる自然共生サイト、今後、この認定の仕組みとして何割程度が本法案における認定制度に組み込まれると予想されているのかというのが一点と、今後もこの自然共生サイト自体の仕組みは継続していくのかということについてお伺いしたく思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 現在の自然共生サイトにつきましては、民間の取組によりまして生物多様性の保全が図られている区域を環境大臣が認定する仕組みとして運用しております。この法案は、この自然共生サイトの仕組みを土台の一つとして検討を進めてきたものでございます。 基本的には、自然共生サイトとして認定を受けたものにつきましては、その認定期間内に本法案に基づいて再度申請をいただければ法律に基づく認定に移行できるというふうに考えております。その手続についても簡便な方法を検討してまいりたいというふうに考えております。 また、本法案が成立し施行された後でございますが、現行の自然共生サイトについての新たな募集は行わないと、認定制度は本法案に基づくものに一本化していくことを想定しております。なお、法律の施行までに現行の仕組みに基づき認定した自然共生サイトについては、認定期間である五年間は有効なものとして取り扱う方針でおります。 本法案による認定を希望する場合には新たに申請いただくことが必要になりますが、可能な限り事務負担が軽くできるよう、既に審査した項目についての審査を省略するなど、合理的かつ効率的に審査を行うことを検討しております。 それから、この自然共生サイトという仕組みは残るのかということですが、名称としての自然共生サイトはかなり報道や各サイトの広報等で御活用いただきまして、かなり浸透してきたと認識しております。今後、現行の枠組みは認定期間である五年間は使っていただくということですが、法案に基づく認定につきましても、活動を通じて豊かな生態、生物多様性が維持されている場所については現行の自然共生サイトの仕組みと同じ性質を持つ場所であることから、通称名としての自然共生サイトというものは用いていこうというふうに考えているところでございます。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 自然共生サイトという名称がもう広がっているので、名称自体も残すし、仕組みとしては残るんだけれども、一本化していくということで新たな募集は行わないというふうにお伺いをいたしました。ありがとうございます。 現在、自然共生サイトの認定事務、先ほどもおっしゃっていましたけれども、今までは環境省が行っていらっしゃって、今後は独立行政法人環境再生保全機構に委託するということになるわけなんですね。もちろん、認定は主務大臣ということになるわけなんですけれども。この独法へ委託する必要性について、もうちょっと数が増えるまで環境省でやったらいいんじゃないかとかいろんな議論があるかと思うんですけれども、その必要性について確認させていただいてもよろしいでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 本法案に係る認定事務につきましては、第十四条におきまして、申請の受付、活動の区域の状況及び実施体制の確認等について、御指摘のとおり、独立行政法人環境再生保全機構に行わせることとしております。これを踏まえまして、主務大臣が生物多様性の維持、回復又は創出に係る活動であるかどうかにつきまして最終的に確認、判断し認定をするということでございます。 現在の認定事務につきましては、申請書類の予備的な審査などを現在も外部委託をしているところがございますが、入札により業者を毎年度選定をする必要があります。審査ノウハウの蓄積や認定後のフォローアップが仮にその入札により別の事業者になったというふうなことが生じました場合には、ノウハウの蓄積やフォローアップにやはり困難が生じるのではないかという課題を懸念しているところでございます。それから、環境再生保全機構は、先ほども御答弁申し上げましたが、地球環境基金事業におきまして、過去二十年間、自然保護活動に係る申請受付や審査事務を実施してきた実績がございまして、安定的な事務執行の知見、経験を十分に有すると、適格性があるというふうに考えてございます。 今後、本法案に基づく申請が多数見込まれるということも踏まえまして、生物多様性の分野に知見を有し、審査事務にも習熟している機構に申請の受付や実施体制の確認などの認定事務の一部を担わせながら、主務大臣は生物多様性の増進に資するかどうかといった活動の中身の審査や専門的な助言を行うことに注力することによりまして、本制度の安定的かつ効率的な運用を確保してまいりたいというふうに考えております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 専門性を高めるというのも非常に重要ですし、合理的に行うということも重要かと思います。是非とも、透明性の高い形で分かりやすくこの予備審査であるとか事務管理等を行っていただきたいと思います。 また、このように独法に委託するということは、先ほど御説明もありました、非常にこれからたくさんの認定を行っていくという意欲の表れでもあると思っていますので、そうするとやっぱり数値目標って大事だなと思っております。 自然共生サイトというのは、二〇二三年度中に百件というような目標がありまして、無事にクリアされたということなんですけれども、民間では、既に大阪の中でも六件認定されていますけれども、もっとここもいけるんじゃないか、あそこもいけるんじゃないかというところで、アンテナ立てるとたくさんの場所が見付けられるところなんですけれども、今回、市町村による連携増進活動実施計画の認定制度というものも加わっておりまして、こちらは元々二〇一一年に施行されている生物多様性地域連携促進法に基づく仕組みが踏襲されているのかなと思っているんですけれども、こちらの数値目標、連携増進活動実施計画の認定申請についての数値目標についてお伺いしたく思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 目標でございますが、計画二つございます。増進活動実施計画と連携増進活動実施計画のこの二つ合わせた目標値につきましては、法案に先立って運用している自然共生サイトの実績値も含めて、二〇二六年度までに全体として五百以上という認定を目標としております。 ただ、恐縮でございますが、連携増進活動実施計画のみに絞った数値目標は今般は設定してございませんが、参考値といたしまして、自然共生サイトに認定したもののうち市町村が申請主体などとなっているもの、これが二十か所、現在ございます。これらの多くが連携活動実施計画、連携増進活動実施計画として申請可能であろうというふうに見込んでおります。 それから、今般廃止する生物多様性地域連携促進法に基づく地域連携保全活動計画というのが実績値で十六の地域で作成されておりまして、これも同様に連携増進活動実施計画に移行可能というふうに見込んでおります。 こういったことから、既に連携活動実施計画、連携増進活動実施計画としての認定申請も一定程度見込まれるものではないかというふうに考えております。 環境省としては、市町村の取組を後押しし、より多くの連携増進活動実施計画が認定できるように取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○梅村みずほ君 御答弁ありがとうございます。 民間さん、既にやっているものもあるので、今後大阪でも増えるんじゃないかということを先ほど申し上げましたけれども、単体のその民間が主導されている場所については今後もどんどん増えていくだろうなというのは何となく想像できるんですが、どうしても市町村主体というところが伸び悩む傾向にはあると思いますので、是非フォローアップをしっかりしていただいて、数多く市町村のこの連携の計画も認定につながるように導いていただきたいというふうに思っております。 先ほど他の委員からも御指摘ありましたけれども、非常に横文字が多いというのは私も感じておりまして、これ、昨日のレクのときにも最初に横文字多くないですかというところから始まったんですね。 私も議員バッジを付けさせていただきましてから、最初に文教科学委員会、農林水産委員会、法務委員会と、で、環境委員会は昨年から所属させていただいているんですけれども、殊に横文字、アルファベットが多いなという印象があるんですね。ですので、この法案でもOECMと出てきますけれども、ほかに、国政に携わっていますと、ICBM、EBPM、CPTPPというふうにこの横文字がぶわっと並ぶものが多数出てきますので、是非とも日本人になじむような形で法律について御説明いただきたいというのは、どうしても固有名詞、仕方ないところはあるんですけれども、私からも思うところでございます。 特に、自然共生サイトの出自が、皆様おっしゃっていますし、この法案自体が昆明・モントリオール生物多様性枠組というものを出発点としておりますので致し方ないところがあるかなと思っているんですけれども、環境委員会に所属してまだ日が浅いということもありますが、全体的に見て、どうしても環境政策というのは諸外国のお尻を一生懸命追いかけているような印象になっております、私の中でですけれども。それは、例えば特にエネルギー政策なんか殊にそうですけれども、ルールメーカーが欧米になってしまっているよねということを感じている国民も多くいるのではないかというところで、先ほど大臣からも御答弁がありましたように、国柄というものがあって、その日本人の誇りを持ってリードできるように頑張っていくんだという御答弁は非常に力強く感じているんですけれども、日本人の日本のための日本国民のための政策であるというところを是非とも分かりやすく伝えていただきたいなと思うところでございます。 なので、出自はこういった国際的な枠組みなんだけれども、それを出発点として、あくまでこれは日本のためのもの、そしてその先に世界につながる思想なんだということで、大臣からも御発言いただきたいなと思うところでございます。 ですので、伊藤大臣にお伺いしたいのは、昨今の環境省の取組というのが、我が国主導の自主的政策というよりも、どうしても国際的枠組みや協定など協調や義務が推進力となっている感があるんですけれども、どのようにお考えかというのをもう一度だけお伺いできますか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 御質問ありがとうございます。 我が国は、二〇一〇年に愛知名古屋市で開催された生物多様性条約COP10において、議長国として生物多様性に関する初めての包括的な世界目標である愛知目標の採択など、生物多様性に関する国際的な議論を牽引する役割を担ってきております。また、里地里山のような地域の自然資源の持続可能な利用と生物多様性保全を国際的に推進するSATOYAMAイニシアティブをCOP10において提唱し、世界の生物多様性の持続可能な利用に向け、国際的なリーダーシップを発揮してきたと思います。 私が参加したCOP28においても合わせて四十以上の二国間会談あるいは閣僚級会合がありまして、私は非常に積極的に発言して、日本の思想、そしてまた日本の環境政策、そして世界がどういう方向へ進まなきゃならないかということを強く主張しまして、私自身が言うとちょっと嫌みですけれども、多少なりとも先導的な役割を演じられたのではないかというふうに自認しております。こうした我が国の貢献を基礎として、昆明・モントリオール生物多様性枠組が合意されたというふうに考えております。 今後も、自然と共生する社会の実現のために、我が国が培ってきた自然との共生の知恵、また文化、こういったものを踏まえて、国内外における生物多様性に関する取組を強力に、できれば先導的に推進してまいりたいと、そのように考えております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 是非とも伊藤大臣のお人柄で、質疑をしていても伊藤大臣は、むっとしている大臣等もいらっしゃるんですけれども、そうなんですよ、口角が上がっていらっしゃって、いつもにこやかに聞いてくださるので質疑が大変しやすいなというのが一議員としての感想なんですけれども。非常にそういった人の話を……(発言する者あり)ありませんか、そうですね、そうなんですよ。野党側から見ていると、大臣、副大臣、政務官、そして役所の皆様もそうですけれども、その方々の表情や個性というのは非常によく分かるもので、伊藤大臣は非常に真摯に笑顔を向けながら聞いてくださるというところで、そういったお人柄が、国際的なこういった枠組みや協定の中、あるいは議会の中でも発揮されるものと期待をしておりますので、是非、先ほど役割を演じているように見えているとおっしゃったんですけど、役割を担っているというふうに満を持して言っていただけるような御活躍を期待しておるところでございます。 それでは、この法律によってもたらされる国民生活へのメリットや守られる未来、そして創出される将来像について、先ほどこの国のための法律なんだよということをお示ししていただきたいということだったんですけれども、もう少しビジョンを描けるような、この法律ができることであなたの町のこんなところがこうなりますとか、ちょっと絵を描けるようなお言葉をいただければと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) この法案、企業や地域主体の取組により、全国各地で、国民の皆様にとって身近な里地里山や都市緑地を含めた自然を維持し、回復し、創出していく、そのことを通じて豊かな生物の多様性を確保していくということを目的としております。豊かな生物多様性を確保することにより、食料や水、気候の安定、防災、レクリエーションや学びの場、文化の源泉など、様々な恵みを継続的に享受することができると考えてございます。 環境省としては、豊かな生物の多様性を確保することが人類存続の基盤であると、このことをしっかり踏まえて、自然と共生する社会を目指すべき将来像として掲げてあります。 生物の多様性とその他の自然環境の保全と経済及び社会の持続的発展との両立が図られ、現在及び将来の国民の皆様の豊かな生物の多様性の恵沢を享受することのできる社会の実現に向け、鋭意取り組んでまいりたい。 ビジュアライズという話でありますけれども、一言で言えば、全世界の人々たちが笑顔で自然とともに生きられる社会をつくっていきたいと、そのために日本が範を示すということだろうと私は考えております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 この法律というのは、国際的な枠組みということもありまして、マクロから見ることもできますが、一方で、先ほど御紹介した六つの大阪府内の自然共生サイトにおきましては、子供たちも非常にこのサイトから学びを多く得ているんだなと知ることができます。 例えば、アマモ場があるわけなんですけれども、そこに子供たちが集まって、紙粘土にアマモの種を付けて海に放り投げることで種付けをするであるとか、そういった非常に自然が身近になるというのがこの法律の良いところではないかなというふうに思っているんです。 大臣の中にも学びという言葉が出てきましたけれども、例えば、私が農林水産委員会におりましたときに、森林環境税を利用した子供の教育というものも度々トピックとして上がっておりました。この法律をきっかけとして文科や農水といったような各省庁にも派生していくものだと思うんですけれども、ここで是非、子供たちのこの法律が成立することにおける恩恵ということで文科省に申し送りができるとしたら、どのような活用方法でどのような学びを子供たちに与えることができるのか、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 子供の笑顔ってすばらしいですよね。宝のようなものだと思います。そういうものが輝く社会というのは本当にすばらしいし、そのためにも環境というものが大事だと思います。 例えば、学校、保育園のビオトープ、大阪府の阪南市のような環境教育としての地域の小学生が生物多様性の保全活動に参加する例があります。このように、この自然共生サイトや本法案の認定対象となる生物多様性の推進活動が子供たちにとって身近な自然との重要な接点となり得ると考えております。 文科省への何か環境大臣意見というような御質問だったと思いますけれども、文部科学省とも連携を強めて、日本の子供たち、できれば世界の子供たちがやっぱり自然を大切にする、自然と共生するということによって、幸せな、そして持続可能な生活、そしてまた地球環境を守っていくということが共感できるような環境政策続けてまいりたいし、そのために文部科学省とも連携を強めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 是非子供たちにもこの法案の恩恵を受けていただきたいと、そのように思っております。 さて、今日は国土交通省からこやり政務官にお越しいただいております。ありがとうございます。 こやり政務官にお聞きしたいことがありましてもちろんお呼びしているわけなんですけれども、先ほども申しましたように、この環境政策というのはちょっと国主導というよりもお尻をたたかれてやっているようなところがあるんじゃないかというふうに申し上げましたが、全体の予算を見ても環境省というのは七千億程度の予算しかないということで、これが例えば七兆円の予算があったら何ができるんだろうとか思ったりするわけですね。 この自然共生サイト等も非常に重要なんですけれども、一部には、やっぱりちょっと、動物園を見て、ほら自然な動物たちがいるよと子供たちに教えるときに、本当はケニアで見るのとは違うんだけどなとか思ったりすることがあるじゃないですか。都市の中につくられているサイトというのも非常に重要で意味があるものなんですけれども、もっとスケールの大きい環境、自然というもので見ると、他省庁連携で国を守るための政策も取り得るというふうに思っております。 そこで、私が、昨日の朝刊の記事が私の手元にあって、配付資料にはないんですけれども、能登半島地震で液状化が非常に深刻で住宅の再建も阻止されているというようなものです。調べておりますと、この液状化を阻止するために木の根っこが有効に働くんじゃないかと。しかし、都市部においては地盤が非常に固く水分や空気も入らないというような問題もあって、木が脆弱になっていくと。なので、街路樹なども倒壊してしまうと。 でも、倒壊するんじゃなくて、いざというときに守るための樹木にするためにもうちょっと都市部に根を張らせることもできるんじゃないかということで、このグリーンインフラが液状化現象や災害時の道路の脆弱性に対して有効性が確認されていますよであるとか、そういった知見が国交省の方でお持ちかどうかということを聞かせていただきたく思います。
○政府参考人(井上伸夫君) お答え申し上げます。 液状化対策でございますが、防災対策上非常に重要な課題でございます。このため、国土交通省におきましては、例えば液状化による被害の発生の抑制のために地下水位低下工法など、地方公共団体が実施をいたします道路、下水道等の公共施設と隣接宅地等との一体的な液状化対策に対する支援等行っているところでございます。 なお、議員御指摘の街路樹などのグリーンインフラの液状化現象への有効性の知見でございますが、現時点で承知はしてございませんが、産官学の多様な主体との連携によりまして、グリーンインフラの効果に関する様々な知見につきまして積み重ねていきたいと考えてございます。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 グリーンインフラの役割、これから担える役割というのは非常に大きいと思うんですけれども、そこでやっぱり環境省ともタッグを組んでいただきたいと。そこで、その都市を守り、自然を生かし、共生していくというのが重要だと思っておりますので、是非こやり政務官に、環境省掛ける国交省イコール防災というような観点から、是非この国の安全、防災に資する政策を生み出していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(こやり隆史君) 梅村委員御指摘のとおり、自然環境が有する多様な機能を防災・減災の取組に生かしていくこと、これは大変重要であるというふうに考えています。 既に国交省では、環境省等と連携してグリーンインフラの整備、進めているところでありますけれども、昨年九月にも推進戦略を策定いたしまして、環境省等との連携とともに、官民一体となってこのグリーンインフラの社会実装に取り組む、こうした取組を行っているところでございます。 その中で、具体的に防災・減災対策といたしましては、一つは、自然環境の有する機能を活用した流域治水への活用あるいは吸収源対策、雨水貯留浸水施設への整備など、様々具体的な取組を行っているところでございます。また、これからの新たな取組への、何というか、基盤といたしまして、これも環境省と連携しながら、防災・減災に資する技術の収集、紹介、あるいは官民との連携という観点ではグリーンインフラ産業展の開催といった取組もしているところでございます。 引き続きしっかり取り組んでまいります。
○梅村みずほ君 ありがとうございます。 こやり政務官からも力強いお言葉をいただきましたので、是非、伊藤大臣とともにタッグを組んで政策を進めていただきたいと思います。 時間が参りましたので締めくくらせていただきたいんですけれども、この昆明・モントリオール生物多様性枠組の中には非常に多様なビジョンが含まれておりまして、見ると、フードロスであるとか政府開発援助であるとか、あとはジェンダー平等と、ジェンダー平等と多様性がつながると、いろいろ国民の中でも議論のあるところもあるかもしれませんけれども、まず、今回の法律に基づいて、日本の自然が豊かになり、人々とこの生物が多様に協調しながら持続可能に継続していけるということを期待しております。 本日は以上になります。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから環境委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○浜野喜史君 国民民主党の浜野喜史でございます。 環境大臣にお伺いいたします。ネイチャーポジティブ経済移行戦略についてお伺いをいたします。 政府は、三月二十九日にネイチャーポジティブ経済移行戦略を公表しており、本戦略は、ネイチャーポジティブの取組が、企業にとって単なるコストアップではなく、自然資本に根差した経済の新たな成長につながるチャンスであることを分かりやすく示し、実践を促すためのものですと示されております。企業にとって単なるコストアップではなく、自然資本に根差した経済の新たな成長につながるチャンスであるとしておりますけれども、どのような経済を想定しているのか、説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 この本戦略で掲げるネイチャーポジティブ経済、これは、個々の企業が自然資本の保全をリスク、機会の両面から経営上の重要課題として位置付けるネイチャーポジティブ経営に移行して、このような企業の取組に対する消費者や市場の評価が高まることを通じて、資金の流れの変革等がなされた経済というふうに認識しております。 こうした経済への移行の過程で個々の企業が自然資本への依存、影響に伴うリスクに対応することは、企業自身のレジリエンスや持続可能性の向上に資すると考えております。また、ネイチャーポジティブに取り組む企業が持つ自然への負荷低減や自然環境の保全、持続的活用に資する技術は新しいビジネス機会にもつながると考えております。 ネイチャーポジティブ経済の実現に向けて、今回策定した戦略に基づき、企業の取組を後押しする施策を着実に進めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○浜野喜史君 理想的な経済社会ということだと思うんですけれども、もう一問大臣に、自分のお言葉でお答えいただければ有り難いんですけれども、要は、ネイチャーポジティブ、訳せば自然再興ですかね、それにつながる商品やサービスに国民、消費者が価値を感じる経済であるとか社会であると、こんなふうに理解をすればよろしいんでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 私もその理解に同意いたします。そのような理解だと思います。
○浜野喜史君 ここからは環境省にお伺いいたします。時間があれば質疑を踏まえた上でまた大臣にも御登場いただくかも分かりませんので、よろしくお願い申し上げます。 移行戦略におきまして、ネイチャーポジティブ経済への移行とカーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーへの移行の間には、方法によってシナジーもトレードオフも発生し得るとあります。シナジーを最大化しトレードオフを最小化することで、生物多様性を維持しつつ自然に根差した社会課題の解決策の効果を最大限発揮させるとあります。 どのようなシナジー、トレードオフが想定をされるのか、説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 まず、カーボンニュートラルへの移行とネイチャーポジティブ経済への移行、このそれぞれの過程におけるシナジーといたしましては、森林生態系の保全、再生によるCO2吸収機能の発揮といった例があります。逆に、トレードオフとしては、自然環境の保全上重要な場所における大規模な再生可能エネルギー発電設備の導入などが想定されるところであります。 また、サーキュラーエコノミーへの移行とネイチャーポジティブ経済への移行、これのそれぞれの過程におけるシナジーといたしましては、再生材の利用やリサイクルシステムの高度化による新たな資源採掘や原材料調達に係る自然への負荷の低減、トレードオフといたしましては、バイオマスプラスチック製造を目的とした原料植物栽培のための森林の伐採などが想定されるところでございます。
○浜野喜史君 移行戦略におきまして、企業の価値向上プロセスとビジネス機会の具体例、ネイチャーポジティブ経営への移行に当たり企業が押さえるべき要素、国の施策によるバックアップを示し、個々の企業の行動変容を可能とし、その総体としてのネイチャーポジティブ経済への移行を実現するとされております。 この中で、企業の価値創造プロセスとビジネス機会というのはどういうものなのか、説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 まず、企業の価値創造プロセスでございますが、企業のビジネスモデルが外部環境とどのように相互作用しているか、様々な資本をどのように利用し影響を与え、企業としての価値を創造しているかを示すものであります。 既に多くの企業は、サステナビリティー経営でありますとかESG投資等の文脈で、気候変動などの非財務的価値を価値創造プロセスに取り入れるという努力をされているというふうに承知をしております。 自然資本につきましても、自然への依存や影響、機会創出の可能性を正しく捉えまして、これを企業における価値創造プロセスへと組み込んでいくということを通じまして、横文字で申し訳ございません、トレーサビリティーというんですか、追求可能性というんですか、そういうものの確保を通じて、企業のレジリエンス、持続可能性の向上を図るということが重要になってまいります。 その上で、ビジネス機会については、企業が持つ負荷低減技術を他者のリスク対応のための製品、サービスとして提供すること等によってビジネス機会が創出されるというふうに考えております。
○浜野喜史君 更に関連してお伺いいたしますけれども、ネイチャーポジティブ経済への移行に伴い、二〇三〇年時点で我が国においては年四十七兆円のビジネス機会が新たに生まれるとされております。ビジネス機会としてどのようなことが考えられるのか、また、この四十七兆円というのはGDPの増加を意味しているのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 ネイチャーポジティブ経済への移行に伴うビジネス機会の例といたしまして、環境配慮型の養殖というものがあります。それから、プラスチックの代替素材の普及、こういったものが挙げられると思っております。本戦略の参考資料として、具体的な事例と市場規模の推計などはホームページ等で公表させていただいております。 それから、委員御指摘のございました年四十七兆円のビジネス機会の創出につきましては、この世界経済フォーラムが二〇二〇年に公表いたしました全世界における推計結果を我が国に当てはめた試算の結果でございます。この本試算の結果はGDPの増加幅を示しているものではございませんで、現状のまま推移したと、この経済社会の状態が現状のまま推移したと仮定した場合に想定される経済、ビジネス・アズ・ユージュアルと呼んでいますが、その経済とネイチャーポジティブな経済社会に移行した場合の経済との間の差分として、追加的に発生するビジネス機会の推計額を示したものとさせていただいておりまして、移行に伴って収縮する経済活動というものは考慮していないということでございます。
○浜野喜史君 今の答弁に関連してお伺いしたいんですけれども、GDPの変化じゃないという説明だったんですね。ということは、何の変化であるというふうに理解すればいいんでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 経済がネイチャーポジティブ経済ということに移行するに従いまして、いわゆる先ほど申し上げましたBAUだと存続し得た業務に係るGDPというのが移行することによって不要になったりするということで、消失する部分もあるわけでございます。四十七兆円というのは移行に伴って新しく生み出されるであろうビジネス機会の総額ではございますけれども、それは失われるという、要は、何というか、もう新しいネイチャーポジティブ経済の状態では生き長らえないというか、そういうような業態のGDPというものは考慮していないということでございます。
○浜野喜史君 済みません、ちょっと理解ができなくて、もう一回お伺いしますけど、ビジネス機会の変化という説明なんですけれども、そのビジネス機会というのは一体何なのかを御説明いただけますか。GDPじゃないんですね。
○政府参考人(白石隆夫君) 御説明申し上げます。分かりづらくて大変申し訳ございません。 例えば、ビジネス機会というのは、新しく生み出されるビジネスの追加的に発生するビジネスの総額だというふうに考えております。セクター別に申し上げますと、例えばエネルギー・採掘活動でありますとかインフラ・建設環境システム、あるいは食料、土地、海洋の利用、こういったところで新しく生み出されるビジネスの額がおよそ四十七兆円規模だろうというふうに推計されるということでございます。
○浜野喜史君 ということは、付加価値じゃなくして、平たく言うと売上げだと、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 まあ差分でございますので、売上げというほどでもないのかなとは思うんですけれども、経済規模の差と、新しく生み出される、新しく生み出される経済の差分だというふうに考えております。
○浜野喜史君 これでこの点はもうやめておきますけれども、このビジネス機会ということですね、これ元に戻りますけれども、ネイチャーポジティブ経済とはどういうものなのかということを理解をしたくて質問しているんですけれども、その説明の中でビジネス機会ということが出てきて、具体的に額も出ているわけですね。そのビジネス機会とは何なのかということについては、もっと明瞭に分かりやすくやはり説明ができるように整えていくべきではないかなということは申し上げておきたいと思います。 次に、ネイチャーポジティブ経済へ移行していくためには、当面は関係省庁による費用面でのバックアップも必要と考えております。移行戦略には国の施策によるバックアップとあり、これは費用面でのバックアップも含むというふうに認識をいたしますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 この戦略でもお示ししておりますとおり、自然資本の保全の概念を取り込んだ価値創造プロセスを現実のものとするためには、積極的に取り組む民間の動きを後押しするという政府としての明確な意思表示とともに、各分野における課題に対して政策によるバックアップが必要だというふうに考えます。 議員御指摘のとおり、国による財政支援が効果的な場面というのも多々あろうかと思います。そこに関しては、必要な努力を加えて財政資源の獲得に努めたいと思いますが、それだけではなく、民の資金の流れの変革の必要性に鑑みまして、本戦略では、企業に対する直接的な財政支援よりも、ネイチャーポジティブ経営への移行に必要な情報提供、研究開発、先進的なモデルや仕組みの構築といった技術的、制度的な支援を中心として掲げております。 これらの支援によりまして、ネイチャーポジティブに積極的に取り組む企業が情報開示や対話を通じまして投資家や金融機関、消費者等から評価され、企業価値の向上や資金の呼び込みにつながるという効果を大きく捉えているということでございます。
○浜野喜史君 農業分野における補助事業につきまして、最低限行うべき環境負荷低減の取組の実践を義務化するクロスコンプライアンス制度というものの導入が進められていると承知をしておりますが、農業だけではなく、製造業や建設業等における補助事業についてもクロスコンプライアンスの導入を検討しているのか、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 御指摘のクロスコンプライアンスは、この戦略におきまして、農林水産省の全ての補助事業等において、最低限行うべき環境負荷低減の取組について、事業申請時、報告時に取組内容をチェックシートとして提出することを義務付けるというものと認識してございます。 同様の取組を行うことの必要性、効果等は各所管省庁において御検討いただくものだと考えておりますが、環境省としては、既存の補助金や事業等にネイチャーの要素を組み込むことは資金の流れを変革していく上で極めて重要と考えております。 農林水産省の取組状況を関係省庁にも共有する等、各省庁での検討が進むよう取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○浜野喜史君 ネイチャーポジティブ経済の実現に向けた取組を進めていく上では、事業活動による自然への負荷影響を定量評価する必要があると考えております。 定量評価の際には、使用するツール、前提条件、アウトプット様式等について、政府主導の下、事業者間の整合を図る必要があると考えておりますが、定量評価の具体的な方法に関する検討状況について御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 企業におきますネイチャーポジティブの取組を進めるためには、取組の効果測定及び目標設定を行うための評価指標やツールの活用が効果的であり、定量的な評価指標については現在様々な機関で検討、開発されてきております。しかしながら、公表されているペーパーの参考資料にも載っておるんですが、たくさんございまして、現時点では全ての事業者が共通で活用できる指標というのがまだ開発されていないという状況でございます。 環境省といたしましては、各企業が自らの事業形態や目的等に合わせて適切な指標やツールを選択し、分析や目標設定に活用することが重要だというふうに考えています。令和五年度より、指標やツールの解説と実践を行うワークショップを開催するなどの支援を行っております。 生物多様性の状態を評価、モニタリングする指標については国際的な議論が継続していることから、これらの状況も注視しながら、企業がネイチャーポジティブに一層取り組みやすくなるよう関係省庁や関係団体と連携し、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 ネイチャーポジティブ経済の実現に向けた取組はまだ始まったばかりであり、取組の必要性や政府からの支援内容、評価方法等について、事業者である企業や自治体に対して関係省庁から積極的に説明する必要があると考えますけれども、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、ネイチャーポジティブ経済の実現に当たりましては、企業や地方公共団体に対しまして、取組の必要性や支援体制などにつきまして積極的に情報を提供する必要があると認識しております。特に、今回策定いたしましたネイチャーポジティブ経済移行戦略につきましては、企業、経済団体の協力も得て企業目線に立って策定したものでございまして、多くの企業関係者に本戦略を手に取ってもらいたいと考えております。 このため、環境省といたしましては、日本経済団体連合会や日本商工会議所といった経済団体の協力も得ながら、取組の必要性等について理解の促進を図るとともに、自社、自分の会社の自然への負荷の評価方法等について、実践するワークショップ等も通じて取組を支援いたします。それから、経団連会長を会長とするプラットフォームでございます二〇三〇生物多様性枠組実現日本会議の参加団体にも御助力いただきながら、関係団体と連携し、機運の情勢等を図ってまいります。 なお、同会議には全国の百九十一団体で構成される自治体ネットワーク、生物多様性ネットワークも参加していますので、このネットワークを通じて自治体に対する理解促進も積極的に進めてまいりたいと思っております。
○浜野喜史君 時間が迫ってまいりましたので、通告している最後の質問についてはもう省略をさせていただいて、最後に大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、このネイチャーポジティブ経済、私も理想的な経済社会であり、求めていくということだと思うんですけれども、やはりまだまだ、何といいますか、評価方法等も国際的にも定まっていないということなので、まだまだこれ検討課題山積ということだと思うんですけれども、それをどのように乗り越えて進めていこうというふうに大臣としてはしていこうとされているのか、最後に大臣の見解をお伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) ネイチャーポジティブ経済を考える上で私が重要だと考えているのは、やっぱり企業価値の指標、株の総額であるとか売上高、これだけでなくて、やはりその企業がどれだけネイチャーポジティブに対して貢献しているか、具体的な政策をしているか、そういった価値というものをしっかり認識していくということがまさに同心円の中軸にあると思います。 そういう意味もあって、新しいパラダイムで経済社会を考えていくということがネイチャーポジティブの一番中心的な課題であって、そういう思想も含めて多くの皆様に御理解いただくということが非常に大事ではないかなと私は考えております。
○浜野喜史君 終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 世界的にネイチャーポジティブ、すなわち二〇三〇年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させること、そして、そのためにサーティー・バイ・サーティー、すなわち二〇三〇年までに陸と海の三〇%以上を健全な生態系として保全することが目標とされるようになりました。 私は、生物多様性損失の主要な要因として開発による自然破壊があると考えますが、伊藤環境大臣、この点についての御認識伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤信太郎君) この生物多様性条約COP15において採択された昆明・モントリオール生物多様性枠組によれば、生物多様性損失の最大の要因は土地と海の利用の変化だとされております。二〇三〇年までに生物多様性の観点から重要性の高い地域の損失をゼロに近づけるという目標がそれにおいて盛り込まれたところでございます。 昨年三月に改定した生物多様性国家戦略においても、開発を含む土地と海の利用の変化や乱獲といった生物の直接採取など、人が引き起こす生物多様性への負の影響を日本の生物多様性が直面する危機の一つと位置付けております。他方、我が国においては、自然に対する人間の働きかけが縮小、撤退することによる生物多様性への負の影響もございます。これについても生物多様性の危機として位置付けられてございます。 生物多様性国家戦略や昆明・モントリオール生物多様性枠組を踏まえながら、二〇三〇年ネイチャーポジティブの達成に向けて積極的に対応してまいりたいと考えております。
○山下芳生君 最大の要因は開発なんですね。 資料一に、WWF、世界自然保護基金が発行している生きている地球レポート二〇二二から、WWFが自然と生物多様性の健全性を図る指標としている生きている地球指数(一九七〇年~二〇一八年)を紹介しました。今回の指数は、野生生物五千二百三十種について約三万二千の地域個体群を調査対象とし、個体数の変動を測定して算出したものだとされています。その結果、この五十年足らずの間に地球全体でこの指数が平均六九%減少したことが明らかになりました。 このレポートは、私たちの住む地球が生物多様性の損失と気候変動という二つの危機に直面しており、今がその二つの危機に対応できる最後のチャンスだともしています。私たちにとって非常に重要なレポートだと読みながら感じました。 通告しておりませんけれども、伊藤大臣、このWWFのレポート、生きている地球指数について、受け止めいかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 非常に重要な資料であり、指摘だと思います。
○山下芳生君 さて、世界が生物多様性の損失を食い止め、回復させようとしているときに、日本では、生物多様性を維持する上で極めて重要な自然が開発によって壊されようとしていることを告発せざるを得ません。 資料二は、沖縄辺野古の米軍新基地建設に関わって、三十団体に上る環境NGOが「いのちの海とサンゴ礁を守れ」として発表した共同声明であります。声明は、辺野古、大浦湾海域は、アオサンゴ群集や日本では絶滅のおそれが最も高い哺乳類であるジュゴンが生息するなど大変生物多様性に富む沿岸域であり、環境省のラムサール条約湿地潜在候補地の一つに選定されていること、生物多様性を保全する上で重要度の高い海域の一つとしても検討されており、確認されているだけでも絶滅危惧種二百六十二種を含む五千三百種以上の海洋生物の生息地であることを指摘しております。 資料三は、山口県上関町での原子力発電所建設計画に対して、海岸の埋立て中止を求めるWWFジャパンの声明です。現在、使用済核燃料の中間貯蔵施設の建設が検討されております。声明では、長島や祝島周辺の海域は生物多様性のホットスポットであり、絶滅が危惧されるスナメリやカンムリウミスズメ、ハヤブサなどの繁殖やその可能性が指摘されている。この海域は、環境省が定めた重要海域でもあります。 資料四は、広島県竹原市、ハチの干潟の保全を求めた日本貝類学会多様性保全委員会などの要望書であります。ハチの干潟は海浜性生物の種の多様性が著しく高く、カブトガニを始め、絶滅危惧種を始めとする希少種も多数生息する極めて貴重な干潟で、環境省による重要湿地、重要海域にも指定されております。瀬戸内海では干潟がほとんど埋め立てられ、ハチの干潟は良好な状態で残されている数少ない場所であるにもかかわらず、まともにアセスも行われず、干潟の西端にLNG基地が建設されようとしております。 伊藤環境大臣、今三つの具体的な例を紹介いたしましたが、いずれも環境省自身が生物多様性にとって重要な湿地、重要な海域として指定した地域の自然が失われようとしております。保全すべきではありませんか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 御指摘の重要湿地は、生物多様性の観点から重要である、これだけではなくて、地域住民等が湿地の重要性を認識し、保全、再生の取組が活性化することを目的として、環境省が平成十三年に選定し、平成二十八年に見直しを行ったものでございます。 また、御指摘というか、重要海域、これについて申し上げれば、海洋の生物多様性の保全と持続可能性の、持続可能な利用の推進に資することを目的として、我が国の周辺海域における生物多様性の保全を推進する上で重要度が高い海域について環境省が平成二十八年に選定したものでございます。 いずれも、これらに選定されることで直ちに法的な規制が生じるものではございませんが、これらのうち全国的な見地から国として保護すべき区域については、国指定鳥獣保護区や沖合海底自然環境保全地域等に指定し、それぞれの法律に基づく開発規制等を行っております。 保護地域の内外にかかわらず、事業者等においては、こうした情報も参考にしつつ、それぞれの地域の自然的、社会的状況に応じて適切に環境配慮を行っていただくことを期待しております。
○山下芳生君 環境省が指定した重要湿地であり、重要海域なんですよ。そこが潰されようとしているときに、そんな人ごとのような答弁されちゃ困ると思います。私は、ネイチャーポジティブ、サーティー・バイ・サーティーを掲げるんだったら真っ先に保全されなければならない地域だと思うし、逆に、このような貴重な自然の破壊に目をつぶるようでは、掲げたネイチャーポジティブがうそになるということを言わなければなりません。 次に、生物多様性に、済みません、淡水域の多様性が大きく減少している問題はちょっと時間の関係で省きます。生物多様性にとって街路樹がどういう役割を持つか見てみたいと思います。 まず、環境省、街路樹の生物多様性上の重要性について述べてください。
○政府参考人(白石隆夫君) 街路樹の生物多様性上の価値ということでございます。 環境省といたしましては、街路樹と生物多様性の関係につきましては、街路樹があることだけをもちまして生物多様性の保全上重要だということは申し上げておりませんが、街路樹が生物の生息・生育地や生態系ネットワークの拠点として機能することで、生物多様性の保全にも資する場合があるというふうに認識しております。
○山下芳生君 何かえらい腰の引けた御答弁ですけれども。 環境省も認めているんですが、東京都港区の、資料六にですね、生物多様性緑化ガイドから、緑の拠点を街路樹でつなげると書かれた部分を紹介しました。赤線を引いた部分、連続した緑豊かな街路樹は生き物の移動経路となり、供給地、拠点となる緑地を結びますとあります。つまり、都市部において貴重な一つ一つの緑地を街路樹でつなぐことによって動物たちが緑地間を移動し、緑地の生物多様性が更に高まるということであります。さらに、次のページ。一本の高木にも様々な中小動物が生息する小生態系がある。街路樹一本一本ごとに小生態系があり、生物多様性が維持されているということであります。 つまり、街路樹は生物多様性上重要な役割を担っているということだと思いますが、国交政務官、街路樹を管理する国交省も同じ認識でしょうか。
○大臣政務官(こやり隆史君) 街路樹でございますけれども、道路利用者の快適性の確保、あるいは美しい景観の形成のほかに、先ほど環境省からも御答弁ありましたけれども、周辺の野生動植物の生息・生育空間としての機能を含む沿道環境の保全の役割も果たしているというふうに考えております。 国交省では、このため、街路樹を含む道路の緑化に当たりましては、既に技術基準を定めておりまして、各道路管理者が道路交通機能を確保することを前提としながら、道路空間や地域の価値向上に資するよう努めていくとともに、交通の安全、周辺環境との調和に留意しつつ、適切に維持する、維持管理することが重要であるというふうに考えております。
○山下芳生君 ところが、都市部の貴重な緑、街路樹があちこちで損失の危機に瀕しております。その典型が神宮外苑だと思います。樹齢百年を超える文化的にも歴史的にも貴重な樹木が多数伐採されようとしております。これはもうかなり多くの人が知るところになっております。 さらに、もう一つ紹介したいのは、資料七に添付した大阪市の公園樹、街路樹の伐採、撤去計画も深刻であります。 一万九千本もの樹木を伐採しようとしているんですが、元々、大阪市は緑が少ない町なんです。私も、奈良から生駒を越えて大阪に入ってくると、もう緑一面、車のフロントガラスが美しい光景だったのが、生駒を越えたら全部灰色になるんですよ。本当に緑が少ない、そう感じるのが大阪市ですよ。元々そうですね、だから、東京都区部の緑被率が二五%なのに対して大阪市は一〇%しかありません。ただでさえ緑が少ないのに、一万九千本もの伐採をしたら、生物多様性にとっても大きな打撃になることは疑いないと思うんですね。 伊藤環境大臣、今度はちゃんとこの問題について答えていただきたいんです。都市部における生物多様性を維持するために、このような東京や大阪で行われているような街路樹の大量伐採は止めるべきではないでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 神宮外苑地区における町づくりに関しては、東京都が都市計画法に基づき地区計画を変更して進めているものと承知しております。また、大阪市が管理している都市公園、道路においては、樹木に起因する事故等を未然に防止するため、そのリスクがある樹木の撤去や植え替えが行われていると承知しております。 いずれも法的には環境として見解を申し上げる立場にありませんが、一般論として申し上げれば、様々な条件や課題がある中で事業者が適切に環境配慮を行うことが重要であると考えております。
○山下芳生君 いかにも環境配慮に逆行する事態が東京でも大阪でも起こっているんですね。 それから、大阪市が事故の未然防止だと、安全のためだと言っていると紹介されましたけれども、伐採が計画されている公園では、樹木医が対象となっている樹木を鑑定いたしましたところ、そのほとんどが市民の安全、安心に支障を来すとは考えられないと、こう結論付けられているんですね。ですから、伐採の本当の目的は、経費の削減と公園の運営を民間に委託して稼ぐ公園にするためだと言われております。そういうことを本当に今許していいのかと、生物多様性の面からもこれは止めなければならないと思います。 次に、OECMと自然共生サイトについて聞きます。 私は、これらを申請する事業者が、一方では開発で自然破壊を行いながら、その免罪符として自然共生サイトへの登録が行われるようなことがあってはならないと考えます。そういうやり方はネイチャーポジティブの理念に反するからであります。 懸念される具体的なケースを紹介します。北海道石狩市で東急不動産が陸上風力発電事業を計画しています。この計画は、パイロットファームの跡地で現在草地や植林地となっている場所に、さっぽろテレビ塔を超える高さ百八十メートルの風車を十五基建設するものです。 資料八に東急不動産の住民向け説明資料の一部を添付いたしました。ここにあるように、生物多様性保全に向けた取組として、自然共生サイト、OECMの申請とあるんですね。しかし、現在草地や植林地である場所に巨大な風車を十五基も造り、そのために林道を拡幅すれば、生物多様性が損失することは明らかであります。現に東急不動産の説明資料でも、この上の方に書いていますけれども、当社は、生物多様性の損失を可能な限り抑えた事業とした上で、さらに回復軌道に乗せていくための取組を行っていきますとあり、生物多様性の損失を前提とした計画になっています。ですから、実際は生物多様性を損なう開発を行いながら、自然共生サイトを申請することで免罪符にしようとしている。これではグリーンウオッシュと言われても仕方がないと思います。 環境省に伺いますが、自然共生サイトへの登録がグリーンウオッシュとならない担保措置はありますか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘の個別の話じゃなくて、一般論として申し上げます。 本法案に基づく認定は、真に生物多様性の増進に値する計画を対象とすると、見せかけの効果をうたうような計画については、厳正な審査の上、認定をしない運用とすることが重要だと考えております。 現行の自然共生サイトにおきましても土地利用の変遷等を確認をしておりますが、本法案に基づく実施計画認定におきましても、審査の段階におきまして、土地利用の変遷等に照らして生物多様性の増進に値する計画かどうか、また計画内容が具体的かつ確実に遂行し得るものなのかどうかを確認する必要があると思っています。 さらに、認定後におきましても、活動の実施状況について国に報告を求めることができる規定を設けておるほか、万一、万が一ですね、計画に基づく活動が実施されておらず、改善の見込みがないと判断される場合、あるいは計画に沿った活動の実施が困難と判断される場合には認定を取り消す旨の規定も設けております。 いずれにいたしましても、環境省として、制度全体の信頼性が損なわれることがないように適切な制度運用を行ってまいりたいと考えております。
○山下芳生君 大臣にも一言。グリーンウオッシュのような活動を認定してはならないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) グリーンウオッシュにならないように、この本法案に基づく認定は、真に生物多様性の増進に値する計画を対象とし、見せかけの効果をうたうような計画については、厳正な審査の上、認定しない運用をすることが必要だと考えております。
○山下芳生君 自然共生サイトのサーティー・バイ・サーティーへの貢献について聞きます。 現在登録されている自然共生サイトの面積は、国土面積に比してどのぐらいになるんでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 現在、百八十四か所の自然共生サイトを認定をしております。合計面積約八・五万ヘクタール、これは東京二十三区や琵琶湖を超える大きさとなっておりまして、国土面積に占める割合は約〇・二%ということでございます。
○山下芳生君 〇・二%ですから、現在の自然共生サイトをOECMに登録するだけでは、サーティー・バイ・サーティーの達成は到底無理ですね。現在、陸域の国立公園など保護地域と指定されている面積は二〇・五%ですから、それに〇・二%足しても、とても三〇%にはなりません。したがって、三〇%達成のためには国土面積の七割を占める森林をOECMに位置付けることが重要となると思います。 ところが、我が国の林業は、歴代政権の外材依存政策の下で木材価格の低迷が続いて、林業労働者は減少するなど、危機に瀕しております。 さらに、林業の成長産業化路線で、森林の多面的な機能が著しく軽視され、大規模化した合板、集成材企業やバイオマス発電企業に安価な木材を大量に供給することが優先され、国有林、民有林問わず、植林後約五十年の森林の大規模な皆伐が拡大しています。しかし、伐採後の再造林はコストが賄えずに三分の一程度しか進められておりません。 一方で、持続可能な森林づくりの取組として、小規模で、林道なども最低限のものに抑え、人手も掛けて間伐や択伐を繰り返し、森林を持続的に活用する自伐型林業が注目されております。自伐型林業は、人手を掛け、森林を持続的に活用することから、従来型の大規模林業と違い、多くの林業従事者を生み出し、地域の町おこしにもなり、これまで六十八の自治体がこれを支援しております。 今日は農水政務官にも来ていただいておりますが、こうした持続可能な森林の保全につながる取組と連動して、自然共生サイトの登録を進めるなど、森林のOECM登録の拡大に努めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 委員御指摘の自然共生サイトにおきましては、例えば、徳島県那賀町における森林所有者自らが間伐を繰り返し行い、針葉樹と広葉樹の混交林を育成している事例や、三重県大台町における企業の有するFSC認証森林などが登録されていると承知しております。 農林水産省としては、自伐型かどうかや森林認証の有無にかかわらず、林業経営に関わる様々な立場の方々が生物多様性に配慮した持続的な森林経営に取り組まれるよう森林整備活動を支援してまいります。
○山下芳生君 終わります。
○山本太郎君 れいわ新選組、山本太郎です。 大臣、日本国として世界と約束した環境保全を実現するためには本法案は必要であるということでいいですよね。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(伊藤信太郎君) イエスです。
○山本太郎君 ありがとうございます。 大臣、次も、申し訳ないんですが、当たり前過ぎることを聞いちゃって、お答えいただければと思います。 これまで日本の環境行政で使命とされてきた認識は、大臣ももちろん引き継いでいくということでよろしいですよね。イエスかノーかでお答えいただけますか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) はい。
○山本太郎君 ありがとうございます。イエス、はい、様々なお答え方で、感謝いたします。 資料の二。過去五十年間、日本の生物多様性は損失し続けている。これは、環境省の資料、生物多様性及び生態系サービスの総合評価二〇二一に示された現状認識です。埋立てや開発、森林伐採などで生物の生息環境を破壊、生物多様性は失われ続けてきました。 資料の三。例えば、二〇一七年公表、環境省版海洋生物レッドリストにおいて、絶滅危惧種及び準絶滅危惧種を合わせると二百種以上がリストアップ。九八年発行、水産庁のレッドデータブックより百種以上増加しています。 つまりは、各生態系、森林、農地、沿岸、海洋等の構成要素の減少や生息・生育環境の変化など、生態系の規模や質の低下が現在も継続していて、その環境に生息、生育する生物の種類、個体数の減少傾向は変わっていないと。 二〇一〇年、愛知県で開催、生物多様性条約締約国会議で設定された戦略目標、二十項目のうち、完全達成はゼロ、部分的に達成とされるものの六項目のみ、六項目のみ。そのような状況で、陸域、海域共に三〇%以上を保護区にするという更にハードルを上げた目標を設定されているわけですね。 これを受けて環境省は、里地里山の保全を進めるということで、生物多様性の保全が主目的ではない管理が結果として生物多様性保全に貢献している地域などについて、保護地域以外で生物多様性保全に資する地域と認定し、三〇%の目標達成を目指すとしていると。 民間活力も使って保護区を増やそうとしているのが本法案の趣旨だと思うんですけれども、それで現状を止められるのかなというのを少し疑問に思ってしまうというところでございます。 資料の一。例えば南アルプス、二〇一四年、生物多様性実現のためのモデル地域としてユネスコエコパークに指定されました。 南アルプスでは、九〇年代末から高山帯の植物の鹿による深刻な食害が報告されている。当時、高山植物の花が咲いていないという報告が寄せられたが、僅か十年で南アルプス南部全体に被害が広がった。 資料五。それにより、標高三千五十二メートル、塩見岳付近では高山植物の群落が消失。これら高山植物を餌とするライチョウ、高山チョウの減少にもつながるリスクが高まっている。この十年でも鹿による高山植物の被害が深刻化、これは環境省も認めていますよね。 資料の六。鹿による食害の危険状況を四段階で示されていますけれども、十年前の二〇一四年の前までは最低のレベル一判定でした。二〇一五年以降、標高一千六百メートルから二千四百メートルの亜高山帯に被害が及ぶレベル二に進展。近年では、亜高山帯で一部消失、更に標高の高い高山帯に被害が及ぶレベル三近くなったと環境省担当者が評価をしています。 資料七、八。二〇二三年、静岡県の南アルプスのお花畑とニホンジカ食害対策で、草花の咲き乱れるアルプスの高原が荒涼とした砂地に変わった様子が確認できます。一九八六年、標高約二千二百メートルの聖平では、ニッコウキスゲを主体とする植物群落が成長していた。二〇〇五年の同じ場所の写真では、ニッコウキスゲは大部分で消失、砂地が広がり、土壌が流出。一九七九年、標高約三千メートル、塩見岳では、シナノキンバイやハクサンイチゲなどが咲き乱れる南アルプス最大級のお花畑があったそうです。二〇一一年の写真を見てみると、植物が消失。これ、全く違う景色になってしまっているんですね。これ、このままでは回復は困難だよね。これ一目瞭然です。 ニホンジカの生息域は本来低い山とも言われますけれども、なぜ標高の高い地域で食害が広がったか。 資料の九。温暖化影響も指摘されるところですけれども、環境省関東地方環境事務所は、大きな原因の一つとして、私たち人間がニホンジカを捕らなくなったため、個体数が増え、生息域を里山から高山帯へ広げていると、人間による活動の影響を認めています。 南アルプス周辺の県では、ボランティア団体と自治体が連携して鹿を高山地帯に入れない、入れない防護柵を設置する、猟友会などと協力してニホンジカの捕獲数を増やすなどの取組を行ってきました。世界的にも貴重な南アルプスの自然環境を守ろうと無私で働くそれらボランティア団体や猟友会の方々の取組は大変高く評価されています。 資料十。例えば、静岡県の南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークは、平成二十一年、高山植物保護活動の功績が評価され、自然環境功労者環境大臣表彰を受賞しています。 これらボランティア団体や民間の高山植物保護の取組を表彰することには、私は何の異論もございません。大変重要な取組だと思っています。しかし、この生物多様性法案の理念を実現する観点から見てみると、ボランティア団体の取組に感謝し、表彰するということだけでいいのかという疑問も生じるんですね。 南アルプスの自然保護、特に拡大する鹿による食害対策に関わる専門家たちは、保全活動を継続、拡大するための資金難の問題を指摘されていらっしゃいます。 資料十一。令和四年一月開催、静岡県第一回南アルプスを未来につなぐ会理事会で、理事のお一人は、動植物被害状況の実態調査の担い手が不足している、南アルプスの保全資金の不足を指摘していらっしゃいます。 資料十二。環境省は、高山帯の草本だけでなく、亜高山帯の森林保全に力を入れるべきとする専門家の意見に対して、当面は草本に焦点を当てたい、担い手や資金不足のため対策が限定されると、資金や担い手の不足から対策が限定されている現実というのを認めているんですよね、この時点でも。 資料十四。本州以南のニホンジカの個体数は、九〇年頃五十万頭以下であったのが、近年二百万頭を超えて高止まり。 今回の法案、自治体や民間団体の自然保護活動を認証して資金集めの後押しをする狙いがあると思うんですけれども、でも、これで資金を集めやすいようにしてあげるね、看板は渡してあげますと、でも、財政問題自分たちで解決しろというような状況じゃないですか。保全活動をそれで応援していますからねって、これ丸投げに近いなと思っちゃうんですよ。 もちろん、今回の法案以外にも生物多様性保全に取り組む民間団体への支援策は存在しています。例えば、生物多様性保全推進支援事業では、金額でいけば事業費の二分の一以内、あるいは保護対象植物一種当たり上限二百万円など、期間では原則二年から三年以内などの制限を付けて、民間団体の活動に交付金を出しているんですね。 環境省に、南アルプス国立公園に隣接する三県で、令和元年以降交付が認められた団体数と交付対象事業ごとの交付金額はと聞くところだったんですけれども、事前にいただいた答弁ぶりが非常に長かったので、これちょっと自分で言うしかないなと思うので、ちょっとはしょって私が言いますね。 これ、資料の十五にもありますけれども、自治体以外の民間団体への交付は五団体のみ。南アルプス保全に直接関係するのはその一部、この資料から確認できる限りでは二件のみ。期間も、一年から長くて三年程度の交付にとどまっていると。金額も非常に少ないんですよ。一千万単位、多分最高で三千万円単位のものもあったけど、たった一件、それ以外は数百万円か数十万円が数件。これでどうやって自然守っていくんだというような状況だと思うんですね。 長期の活動を安定的に支える交付金になっていない、ボランティア団体頼り、担い手不足、資金不足で対策が限定されるという問題は、これいつまでも続く話になっちゃうということなんです。 今、南アルプスの自然保護に取り組む人たちが二〇三〇年まで継続して活動できるのか、次の世代の担い手を確保して本当に持続可能な保全活動につなげられるか、そう考えたときに、心もとないという言葉以外に見付からないんですよ。このままでは、法案の理念、そこに掲げられている二〇三〇年までに陸と海の三〇%を保全することなんて不可能なんじゃないかなと思っちゃうんですよ。昆明・モントリオール生物多様性枠組が採択されたのは二〇二二年の十二月、それから本法案提出まで一年以上の時間があったわけですよね。 これ、一番大きなネックは保全の先頭に立つ人々の資金不足であり、それによって対策が限定的になっている。これ、環境省、それ認識しているのに、国からの財政措置を行わない法案というのを今審議しているってどういうことなんですかということお聞きしたいんですけど、何か答えがある方いらっしゃったら教えてください。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 生物多様性の保全推進事業交付金、金額が少ないじゃないかという御指摘は真摯に受け止め、増額に努めたいと思っております。 いろいろ、鹿の食害等に関しては、民間ボランティア任せということではなく、例えば民有地等でいきましたら、指定管理鳥獣でございますので、指定管理鳥獣の交付金、これ補正合わせて二十五億円ございますので、そういう中で鹿の対策を取っております。また、国立公園の中におきます鹿の食害対策についても、別途直轄の事業として、国が生態系回復事業ということで事業は実施させていただいておるということはあります。 確かに、民間資金への交付額が少ないという指摘は、謙虚に受け止めたいと思っております。
○山本太郎君 済みません、私の質問が分かりづらかったかな。 今、何でしょう、このサーティー・バイ・サーティーというものをちゃんとクリアできるようにということのやっぱり非常に重要な法案として提出されているという認識なんですね。 でも、そこに対して財政で支えるという部分に関してはこの中には含まれていないと、今のところね。というところに関して、これなぜなんですかと、先立つものがないのに、この先もお願いしますね、皆さん、善意でやってくださいというのはおかしいじゃないかということです。 民間活力を利用しながらと言うけれども、現場でやっている人たちに金集めまでさせるのかという話になったら、これ結構酷な話ですよということです。いかがですか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 本法案は、民間NGO、企業等による生物多様性に富んだ土地を保全をするという活動を認定し、それによって、何というか、制度的な後押しをするということを内容としてございます。 インセンティブとしてのそのいろんな支援策が足りないじゃないかという話は各所から御指摘を受けております。そこに関しましては、法律の成立を踏まえて、施行を目指して充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○山本太郎君 これ決まった後に先々そのお金の話はしていったらいいんじゃないか、検討していったらいいんじゃないかと言っているんですけど、これ時間がたっぷりある人たちの構えなんですよ、それって。期限切られてるんですよね、これって。これってまた、二〇一〇年の愛知みたいに、二十項目の宿題が出ていたのに一つも達成できていません、で、結局、部分的には六項目はできたかもしれないね、ちょこっとみたいな話でまたこれ落ち着くんですかって。前にもできてないのに、また新たに設定目標高くして今回これ出して、そこに重要である財源さえも付けてあげないって、これちょっと首ひねるものだなというふうに思っちゃうんですよ。 じゃ、逆に聞くと、サーティー・バイ・サーティーというもの、これ、目標達成するまでにどれぐらいのお金が必要になるかということは、ある一定のめどは立っているんですよね。どれぐらいですか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 サーティー・バイ・サーティーの実現のために幾らお金が掛かるかということに関しては、試算はしておりません。
○山本太郎君 じゃ、この生物多様性というもの、これをしっかりと保全していくという部分に関してはどれぐらいの規模感で考えていらっしゃるんですか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 現時点ではそのような試算は持ち合わせておりません。
○山本太郎君 順番おかしくないかって話なんですよ。だって、全体像を見た上で、どれぐらい掛かるだろうってことを逆算していきながら法案出していったりとか進めることって決めていくべきなんじゃないですか。実現のために必要な財政規模も答弁できていない時点で、もう詰んでいるんですよ。これ達成できないですよ、これじゃ。目標達成に向けて全体像を鑑みて作られた法案ではなく、やっている風を演出するための法案じゃないかって言われても仕方ないんですね。 南アルプスには国立公園が設定されていますが、この国立公園の中だけで食害対策を行っても、鹿の被害はその外に広がっていくことになる。国立公園の仕組みが貴重な植物保全対策に有効ならば、貴重な植物種が生息する周辺地域に大幅に拡張していく必要もあります。 資料十六。二二年六月、環境省は、ライチョウやチョウ、高山植物など希少な動植物の保全を強化するためで、二〇三〇年までの拡張を目指すと発表されているんですね。 じゃ、例えば南アルプス国立公園はいつまでにどれぐらい拡張されるんですかって聞くところなんですけれども、ちょっと時間の問題で私が言います。環境省の答弁は恐らくこんな感じなんです。二〇三〇年に向けて順次拡張等を目指すが、これ以上の具体的な見通しは未定。あの、ごめんなさい、今、二〇二四年なんですね。あと六年で陸の三〇%保全するんでしょう、このペースじゃ無理ですよって。自治体や市民団体などからの南アルプス国立公園拡張の要望を早急に検討して反映して、拡張計画を示すべきだと思います。 それに加えて、保全と逆行する事業は見直しが必須です。リニアです。 資料十七。静岡県民がリニア建設に反対してきた大きな理由の一つが、南アルプスの生物多様性を維持できなくなるという懸念。リニア計画では、南アルプスエコパークを突っ切るトンネルを掘り、エコパークど真ん中にあるこのカラマツ林を伐採、掘削からの残土、東京ドーム五十杯分をそこに積み上げるというむちゃくちゃな計画。 資料十九。二〇二二年、JR東海との対話。県側が、トンネル掘削により、トンネル付近では三百メートル以上の地下水位が低下する予測、これによる椹島より上流部での生態系への影響を懸念、影響を更に回避、低減する努力が必要と指摘。それに対してJR東海側の答えはどんなものだったか。影響は回避できないので代償措置で対応と返答している。いや、回避せなあかんやろってことなんですよ。 資料の二十。リニア計画に関する環境大臣の意見。南アルプスのユネスコエコパーク登録は二〇一四年六月十二日。その直前、六月五日、リニア建設の環境影響評価書について、法に基づき、国交大臣からの照会に応じて当時の環境大臣が意見を提出されました。この意見書で、環境大臣は、リニア建設事業が南アルプスに大きな影響を与えることは避けられないと認めている。そして、土地改変を最小限にすること、追加調査、保全策の徹底や事後調査の実施などを求めたということなんですけれども、この意見書で環境大臣は、南アルプスの自然を守ることは我が国の環境行政の使命ともこれ言われたんですね、述べられたんです。 大臣、これ、サーティー・バイ・サーティー実現すると熱意を燃やされる大臣、南アルプスの自然環境を保全することは我が国の環境行政の使命でもあるという過去の認識を引き継がれると、先ほど、過去の環境行政の引継ぎ、認識は引き継ぐということに対して、はいとおっしゃってくださいましたけれども、このような、南アルプスの自然環境を保全することは我が国の環境行政の使命でもあるという過去の認識を引き継ぐ伊藤大臣として、ユネスコエコパークである南アルプスやそのほかの地域でも生物多様性に損失を与えているリニア建設、これ認められないと言わなきゃいけない場面なんじゃないですか。少なくとも今の計画に関しては確実に影響及ぼしている、しかも回避できないということを堂々とJRが開き直って言っちゃっているんですよ。 この件に関してしっかりと、そのままじゃリニア建設は断じて認められないぞということを環境大臣の立場として是非断言していただきたいと思うんですけど、いかがでしょう。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員御指摘のように、環境省は、環境影響評価法に基づき、平成二十六年に提出された評価書に対して、国土交通大臣へ事業者が十分な環境対策を講じるように適切な指導を行うこと等を求める意見を提出しました。 リニア中央新幹線による影響については、国土交通省における適切な指導の下、事業主体であるJR東海において関係自治体との調整の上、適切な環境保全措置が講じられるべきものと考えてございます。国土交通省において、水資源や環境保全への事業者の取組について、科学的、客観的観点からその状況を継続的に確認するため有識者会議を設置していると承知しており、引き続きその議論を環境省としても注視してまいりたいと思います。
○山本太郎君 大臣、駄目ですよ、それ。国交省、全然ブレーキになっていないんですよ。JR、開き直っているんです。進み出したらこっちのもんだということで、もう逆に居直り強盗みたいなことやっちゃっているんですよ。環境影響、これ、できる限り回避しなきゃいけないということでこれ県側とやってきたのに、影響を回避できないから代わりのもので埋め合わせるわというような開き直りをしちゃっているんです。 これ、非常にまずい。どうしてか。二〇一四年の環境大臣意見言われた中で、南アルプス国立公園及び拡張予定地の影響、これできる限り回避することと言っているんだけど、回避するつもりないんですよ、もう。それを考えたときに、やっぱり環境大臣の出番なんですよ。もう一度、国交省と事業者に対してしっかりと活入れなきゃ駄目なんです。このままじゃリニアのことは認められないからな、環境面では絶対これ無理だ、国際約束にほごすることになってしまうというようなことをやっぱり突き詰めなきゃ駄目だと思うんです。 いかがでしょう。
○委員長(三原じゅん子君) 時間が来ておりますので、簡単にまとめてください。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 委員の御指摘を踏まえ、適切に対処したいと思います。
○山本太郎君 大変期待しております。 ありがとうございます。
○ながえ孝子君 愛媛県選出のながえ孝子です。 今回のこの法律案、様々な自然保護活動に民間、企業の力を借りるための枠組みをつくっていきたい、そういう方向性だと理解しています。 企業自体も、生物多様性の問題、あるいは気候変動の問題、地球規模の課題解決に真摯に対応する、そこに協力していくことが企業価値を上げることにつながる時代だと理解しておられますので、そのために何か貢献したい、できることはやりたいと思っていると私も地元で伺っております。ですので、是非この枠組みづくり、活用していけるようになることを願って、質問させていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事長谷川英晴君着席〕 まず、世界最大の資産運用会社ブラックロックは、二〇二一年から、投資先企業に、気候変動に加えて人権ですとか生物多様性、森林破壊、水に関する問題への対応方針を明確に示して、その履行状況をしっかり公表するように求めています。これらの問題への経営陣のアプローチを取締役会が監督するように役割の説明を求めて、行動を怠る取締役については選任に反対する可能性もあるぞとまで関与をしているわけですね。もう世界的な舞台で企業はもうこの生物多様性の問題への取組をうやむやにしてはビジネスができない状況になっていると言ってもいいかと思います。 でも一方、国内に目を転じますと、正直言ってまだまだこれからですよね。企業に関心を高めて取り組んでもらうためには、促す枠組みづくりと併せて、生物多様性への取組はビジネスにとってもプラスになるんだよと改めて認識してもらう、そういう仕組みづくりが重要だと思います。 先ほど来、そのインセンティブの話続いておりますけれども、今回の法案でも、この認定制度に多くの企業が手を挙げてもらうように背中を押していくインセンティブとして申請のワンストップ化を進めるということを盛り込まれておりますが、私、これ必要最小限だと思うんですね。何かお願いするために、余計な手間を掛けないようにしますからというのは必要最小限だと思います。 やっぱりネイチャーポジティブの増進活動していこうと思ったら、それ相応の資金、人材が必要になります。企業は投資をするわけです。企業は投資をしたらリターンを求めます。ですので、より多くの民間資金や人材資源を投入してもらうためには、やっぱり経済的なインセンティブをしっかりつくっていくことが重要と思います。 〔理事長谷川英晴君退席、委員長着席〕 これは、先ほど来の議論の中で、税制措置もこれから考えていくんだ、構築していくんだというような御答弁もありました。なので、確認をさせていただきたいと思います。これから含めて経済的なインセンティブ、どうつくっていかれますか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 法律上のインセンティブとしては、先ほど御紹介、委員御指摘のございましたワンストップ化特例というものがまずこの法案の中に盛り込まれてございます。 それから、様々な形のインセンティブということで、これは法律に記載されている以外、今後施行を踏まえて検討してまいりたいと。先ほど来厳しい御指摘も頂戴いたしました予算、こちらに関しても、在り方について更に拡充を狙っていきたいと思っておりますし、税制、こういったところに関しても、あるべき姿というものをきちっと検討をしてまいりたいというふうに考えてございます。 それから、やはり制度設計ということで、単にその企業、保全活動を行う企業だけに認定するのではなく、そこの企業を資金的に支える出し手、こういった出し手にも支援証明書というものを給付することによって、そこに一定の、何というか、箔付けというんですか、格付というものをしていく、これ、情報開示にも使えるようなことも狙ってやっていく、あるいは専門家とのマッチング等を行っていくと。各種のインセンティブの仕組みを今後取り入れていきたいというふうに考えてございます。
○ながえ孝子君 ありがとうございます。 是非、財政的な支援をしますよとか、減税しますよとか、補助金出しますよという方向だけじゃなくて、大きな国民的運動になっていくように、そういった志のある企業をみんなで応援するよねというような仕組みというんでしょうか、そこに財政的措置が働くような、そういうのを是非つくっていただきたいなとお願いをいたします。 さて、地元で中小企業の皆さんにもお聞きしてみたんです。そうしたら、率直的なお声をいただきまして、この生物多様性の問題が重要なのはよく分かっている、貢献したいとも思っている、だけど正直言って、気候変動の問題はどういうことをすればいいのか分かってきた、で、実際やり始めていると、だけれども、生物多様性と言われると具体的に何をしたらいいか分からないということなんですね。 実際、環境につながる商品をやっていたりとか、あるいは自然に関わるようなサービスしているところは本当にイメージがしやすいと思うんですけれども、例えば、地域でIT関連の機器を販売しているとか、あるいは町の印刷屋さんですとか、そういったところが生物多様性にどう貢献できるのかということを具体的にやっぱり提案してさしあげるといいましょうか、こういった取組大事だなと思っています。分かりやすい説明、呼びかけですよね。 ですので、具体的な貢献イメージが共有できて、具体的な取組メニューなどがあると、中小企業を含めてみんなが取組が加速されていくことにつながると思うんですけど、こういった面での環境省の取組はいかがでしょうか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) このネイチャーポジティブの実現には、企業を含む多様な主体の参画を促す必要がございます。委員が今御指摘なさったとおり、地域に根差した経営を行っている中小企業にも積極的に取り組んでいただくことが重要と考えております。 そのために、特に中小企業からは、今御指摘があったように、自らの事業活動と自然との接点や影響の把握を行うことが困難だという声が多く寄せられております。このため、環境省では、企業がこれらの情報の把握を活用できるツールの使い方について、企業向けのワークショップを開催するなどの支援を行っているところでございます。 今委員から御指摘があったように、具体的な例などを示すことも、業種によって違うと思いますけれども、重要だと思いますので、それもできれば進めてまいりたいと思います。 地域の自然環境の保全にも重要な役割を果たす中小企業のネイチャーポジティブの取組が一層進むように、関係省庁や関係団体と連携しながら引き続き支援を強めてまいりたいと、そういうふうに考えております。
○ながえ孝子君 是非急いで取り組んでいただきたいなと思っています。 私も地元で小さなビジネスをやっていたことがあるので、いろんな経済団体、会員として所属をしております。ですが、この気候変動はよく聞きます、だけど生物多様性ってやっぱり聞こえてこないんですよね。環境省としてせっかくガイドラインも作っていらっしゃるので、いいもの作っていらっしゃいますよ。だから、それを広めていくという、そこの段階に力を入れていただきたいなと思っています。 ちょっと心配もありまして、認定に当たってですね、現場をよく見ると、果たしてこれが真の生物多様性を守る活動なのか疑問を生じるような対象が認定される危険はないかということなんです。 自然共生サイトの認定に当たって、現地へ状況の視察に行かれ、調査に行かれるんでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 今回の法案は、民間等による生物多様性増進の活動を促進することを目的とするものでありまして、認定申請のあった活動が生物多様性の増進に資するものと認められる場合に認定を行うということでございますけれども、この認定に当たりましては、その増進活動実施計画に記載された活動内容、目標、実施体制などを審査することとしておりまして、全ての案件について現地調査を行うことを必須とはしておりません。 他方で、申請のあった実施計画が活動実施区域の現況等に照らして適切かどうかにつきまして入念的に確認する必要がある場合等については、環境省の職員が審査に当たって現地調査を行うことを想定しているということでございます。
○ながえ孝子君 ちょっと別の観点からお話をさせていただきたいんですけれども、日本に次ぐ世界二番目のノルウェーの年金基金が十年前に、生物多様性を害したり森林破壊をやっている企業の株を一斉に手放しました。そして、その企業の株価が暴落したことがあります。 環境や社会に配慮して事業を行っていて、適切なガバナンスが利いている会社については投資しようというESG投資ですよね。その中でも、逆に社会や未来世代に望ましくない、つまりネガティブな銘柄は投資対象から除外するというネガティブスクリーニングの手法なんですね。最近は、これとは逆のポジティブスクリーニング、こっちの流れが強まっているとはお聞きしているんですけれども、ESG投資への取組を積極的に進めるようになりますと、企業が投資対象として選ぼうというふうになってくると思います。世界一の日本の年金機構、GPIF、ここも、投資原則の中でESGを考慮した投資を推進するとうたっています。 こういう流れが強まって、生物多様性の保全に企業参画、弾みが付くことを期待しているんですけれども、残念ながら、今このESG投資、逆風下にあります。原因は、ウクライナ情勢ですとか、あるいはグリーンウオッシュ、先ほども出ましたグリーンウオッシュの問題、これが指摘されております。上辺だけの本当は地球に優しくない商品やサービスを、あたかも地球のためであるような、環境にいいかのように見せかけるというグリーンウオッシュ、アピールですよね。 今回の認定でも、私はこのグリーンウオッシュに似たことが起こるのでは、そんなリスクもあるのではないかと思うんですね。認定された実施計画に基づく増進活動、内容が一見生物多様性に配慮しているように見せかけているものも、実際には効果がない、あるいはかえって生物多様性を損失させている、こんなグリーンウオッシュにならないようにするために認定作業がとても重要だと思っています。 先ほど現地を見るんですかと聞いたのもそうなんですけれども、認定グリーンウオッシュの対策、これをどのように考えていますか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、本法案に基づく認定がグリーンウオッシュだという指摘を受けるということは制度全体の信頼性に関わる問題でございますので、見せかけの効果をうたうような計画については、厳正な審査を行い、認定しない運用とすることが重要だというふうに考えてございます。 まず、審査の段階におきまして、例えば里山であった場所を開発し造成した緑地等について、こういった場合につきましては、土地利用の変遷等に照らして生物多様性の増進に値する計画かどうか、あるいは計画内容が具体的かつ確実に遂行されるものかどうかなどを確認する必要があると考えております。 認定後につきましても、活動の実施状況について国に報告を求めることができるという規定を設けておりますし、万一、計画に基づく活動が実施されていない、あるいは改善の見込みがないと判断される場合や、計画に沿った活動の実施が困難と判断される場合には認定を取り消す旨も規定がございます。 制度の信頼性が損なわれることがないように、適切な制度運用を行ってまいりたいと考えております。
○ながえ孝子君 取消しということも盛り込んであるということなので、それは有効に使っていただきたいなと思っています。 いろいろこれまでの設問も聞いておりまして、生物多様性の問題って評価難しいですよね。気候変動の対策だと、数字で出るといいましょうか、定量的な評価というのができるんですけれども、だから生物多様性ってグリーンウオッシュの問題も起こりやすいんだなと思っています。ですが、優れた増進活動を進めていくためにも、やっぱりネイチャーポジティブにどのような点でその活動は貢献しているのか可視化をすることが重要だと思っていまして、評価の仕組みを、しっかり見えるような仕組みをつくることが重要だと思うんです。 この点ではやっぱり世界進んでおりまして、世界的には、資金の流れをネイチャーポジティブに移行させるという観点で、ヨーロッパの金融機関が主導して、企業の自然への依存度、影響を把握し開示するための枠組み、自然関連財務情報開示タスクフォースですよね、TNFDというやつです、これへの取組が進んでいるんですけれども、日本でもこのTNFD、参画をしているので、この枠組みで、企業に自社の事業活動がしっかり自然環境に及ぼす影響などの情報が開示できるように進めていくこと、あるいは定量評価を求める全体の動きを加速化させることが重要ではないかと思っています。それがグリーンウオッシュの防止にもつながっていく対策になるんだなと思っていますが、この取組状況はいかがでしょうか。
○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。 議員御指摘のTNFDに関しては、昨年九月にそのバージョン一・〇という開示枠組みが公表されてございます。今年一月には、世界四十六か国の企業がTNFDの提言に沿って早期の開示というものを表明した中、我が国企業が全体の四分の一、世界最多を占めたと。アーリーアダプターというものだと聞いております。日本企業の関心の高さが現れているのではないかというふうに考えてございます。 環境省といたしましても、この生物多様性民間参画ガイドラインの策定や研修会の実施等を通じて、企業による自然関連情報の開示の支援を行っております。事業者による積極的な情報開示が促進されることで、自然への依存、影響の低減が企業経営に組み込まれたネイチャーポジティブ経営への移行が進むよう今後も後押しをしてまいりたいというふうに考えております。
○ながえ孝子君 日本企業が四分の一占めているということはすごいことだと思うんですね、やっぱり。そうしたら、やっぱり日本が全体の枠組みもリードしていけるように、やっぱり環境省としても、サポートといいましょうか、後押しをよろしくお願いしたいと思っています。 ちょっと質問を変えまして、認定業務の一部や情報提供など環境再生保全機構が担うとされていますが、環境再生保全機構、石綿の健康被害の対策も主業務となっています。石綿問題って現在進行形でもありますよね。私も地元から、石綿問題というのは被害者の高齢化に伴ってもっと審査急いでほしいんだとスピードアップを求める声も聞いております。ですから、そんな中、体制的に大丈夫なのかという心配もあります。 加えて、環境再生保全機構、環境汚染の対策の知見を持った専門機関と理解しています。今回、自然も含んで新たな分野へ取り組むことになるので、その分野の専門家など人材確保、どういった方向で進めていこうと考えていますか。
○国務大臣(伊藤信太郎君) お答え申し上げます。 独立行政法人環境再生保全機構は、現在約百七十名の人員と八つの部から成る組織でございます。公害健康被害補償業務や、今御紹介ありました石綿健康被害救済業務のほか、地球環境基金事業による民間活動への助成等を実施しております。 この本法案に位置付けた認定関連事務は、数多くの認定申請について、活動の内容またその効果などについて一つ一つ審査する必要があります。場合によっては、申請者に改善点等などを助言し、より良い活動につなげていくということも求められております。 この環境再生保全機構ですけれども、既に過去二十年間、地球環境基金の業務において自然保護活動に係る申請受付や審査事務を実施してきた実績がありまして、安定的にこの事務を執行する経験を十分に有しております。このため、本法案に基づく業務をするに当たって、担ってもらうに当たって、制度の安定的かつ効率的な運用を確保できると考えております。 本法案の施行までの間に、機構の現在の業務量、予算等を精査した上で必要な体制を確保してまいりたいと、そういうふうに考えております。
○ながえ孝子君 分かりました。是非、石綿健康被害の方の審査もスピードアップされるように、併せてよろしくお願いをしたいと思います。 では、続いて、二〇二三年四月現在、生物多様性地域戦略を定めている市町村、全体のおよそ八%、百四十五自治体しかないんですよね。実は、次の質問でその原因をどう考えますかとお聞きしたかったんですが、時間の都合があるので。これはやっぱり余裕がないんだと思うんですね、知見もこれからだということもあると思いますし。 今回、ネイチャーポジティブを実現していくために、地域の自然環境を一番分かっている自治体に意欲的に取り組んでもらうことというのは必須だと思います。そして、地域の企業ですとかNPOですとか自然保護団体などと協働する仕組みをつくってもらうことが重要で、そのために地域生物多様性増進活動支援センター、これをつくって、そこが真ん中に据わって様々な仕事をすることを期待しているとは承知しております。 ただ、その仕組みの構想はいいと思うんです、そういう枠組みづくりというのは。なんですけれども、今、自治体は、気候変動それから災害、対策計画作って対応しなければなりません、組織もつくって。加えて、循環型のごみ処理もやれと。それから、再エネ推進もありますよね。加えて生物多様性の対応を求められることになるので、新たに、義務ではありませんけれども、地域のこの支援センターをつくって対応するとなると、体力のある自治体はいいんですけれども、もう本当に人員もなるべく削減して、いろんな財政的にもいろんな倹約措置を施しながらなんてやっている小さな自治体、大変だろうと思います。 ですから、気候変動も災害も生物多様性も密接に関連し合っていますよね。なので、私、これ組織とか業務も行政も、やっぱり今3Rが大事だと言われますので、3Rを考えていったらどうかと思うんです。 気候変動について、気候変動適応センターというのがもう既にありますので、そことなるべく一緒にするとか、そういったリデュースですよね、あるいはリユースとか、そういったことをしていかないと、もうこれから行政も、組織つくって、人配置して、お金つぎ込んでどんどんやれみたいな時代ではなくなってきているなと思うので、やっぱりこういった行政における3Rといいましょうか、自治体へ、これ環境省さんから、ここは一緒にまとめていいんだよとか、こういうふうにやっていくからねとか、要望を聞きながら提案もしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(伊藤信太郎君) 今委員から非常に大切な視点をいただきました。そこも踏まえて、どのように限られた予算、人員で環境省所管のことがそれぞれの自治体で適切に行えるか、そのために環境省がどのような助言あるいは予算措置ができるか、しっかり詰めてまいりたいと思います。
○ながえ孝子君 是非業務とか組織のリデュースをよろしくお願いをいたします。 それでは終わります。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、田島君から発言を求められておりますので、これを許します。田島麻衣子君。
○田島麻衣子君 私は、ただいま可決されました地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案に対し、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会・教育無償化を実現する会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員世耕弘成君及びながえ孝子君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、生物多様性の増進のための活動の質の維持及び向上につながるよう、本法に基づく地方公共団体や民間の活動に対する財政上及び税制上の支援措置、支援証明書制度の構築など、必要な支援の充実に努めること。 二、地域生物多様性増進活動を行おうとする企業、団体、個人が、活動計画の作成や認定申請の手続、活動の長期的な継続等について専門家等による助言を受けられるよう、地方公共団体による地域生物多様性増進活動支援センターの機能の確保を始め中間支援の体制整備に向けた支援を進めること。 三、地域の主体的な取組を推進するためには、市町村の役割が重要であることに鑑み、市町村において、本法に基づく取組について体制強化や人材育成が図られるよう必要な支援を行うこと。 四、サーティー・バイ・サーティー目標の達成に向けて、陸域・海域ともに、生物多様性の情報と評価を更新し、その重要地域を明らかにし、保護地域やOECMを優先して拡充し、生態系ネットワークの形成に努めること。 五、ネイチャーポジティブの実現は、ネットゼロ、サーキュラーエコノミーとの統合的アプローチにより経済・社会的課題の同時解決に資するものであることを踏まえ、これらの関連施策との連携及び両立による相乗効果が発揮されるよう取組を推進すること。また、農業・食料、国土形成、地方創生、エネルギー・経済、教育・研究分野等との連携がネイチャーポジティブの実現のため重要であることから、関係省庁による有機的な連携を強化して推進会議を設置すること。 六、企業や市町村等が相互に状況を確認することにより、活動全体の質が向上するよう、認定された活動計画や活動の進捗状況などの公表に努めること。また、申請に係る実施区域において、活動に伴って生物多様性を喪失させることがないよう、実態の把握に努めること。 七、サーティー・バイ・サーティー目標の達成及びネイチャーポジティブの実現に向けて、我が国の海域における海洋保護区やOECMの設定が遅れており、一方で、水産資源が減少する漁業の持続可能性や洋上風力などのエネルギー開発の海洋空間利用との調整を図る必要があることから、環境省が主導して関係省庁で連携し、海域の保全の方針を策定すること。 八、生物多様性の回復に向けては、各地域の自然的・社会的条件に応じたきめ細かな取組が不可欠であることから、地方環境事務所などにおいて必要な体制を確保しつつ、生物多様性基本法に基づく生物多様性地域戦略の策定や改定の促進のため、地域の実情に応じて、情報提供等を始めとした積極的な支援を行うこと。 九、企業等による地域における生物多様性の増進のための活動が広く促進されるよう、計画策定に当たっての留意事項や認定基準の考え方を分かりやすく示すとともに、企業、団体、個人、地方公共団体の多様な主体に対して、認定制度の認知や理解の浸透・向上を図ること。 十、国際的な情報開示の枠組の進展を踏まえて、我が国の企業に対して、特にサプライチェーン全体を通じた環境負荷の低減に関する情報開示や目標設定への支援を行うこと。 十一、生物多様性に対する国民の理解を深めるため、最新の科学的知見や本法に基づく活動状況等について、分かりやすい情報提供等を積極的に行うとともに、生物多様性に関する環境教育を推進すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) ただいま田島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 多数と認めます。よって、田島君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、伊藤環境大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。伊藤環境大臣。
○国務大臣(伊藤信太郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして、関係省庁とも連携を図りつつ努力してまいる所存でございます。
○委員長(三原じゅん子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十分散会