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第213回国会参議院2024/06/06

外交防衛委員会 第18号

発言数
135 件
登壇者
23 名
会派数
8
開催日
2024/06/06

会議録

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、山本博司君が委員を辞任され、その補欠として竹内真二君が選任されました。     ─────────────

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣参事官清水巌君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

有村治子自由民主党

○有村治子君 皆様、おはようございます。自由民主党の有村治子でございます。  初当選来二十三年目にして初めて外交防衛委員会で質問に立たせていただきます。  御準備をいただきました上川外務大臣、木原防衛大臣始め、役所の皆様にも心から御準備に感謝を申し上げ、私が賜りました時間十分でございますので、テンポ良く往来を続けたいと思います。是非御協力をいただきますよう、伏してお願いを申し上げます。  早速本題に入ります。  木原防衛大臣、週末、シンガポールで開催されましたアジア安全保障会議では、講演、二国間防衛大臣会談を精力的にこなされるなど、発信力のある大臣の御活躍を心から敬意を持ち、また誇りにも思います。  しかし、二〇一八年末に、突如、韓国海軍が海上自衛隊機に向けた火器管制レーダー照射問題については、我が国がレーダー照射の事実を検証する数々の証拠を持ち、当時の全国紙世論調査においても実に八五%、九割近い日本の世論が日本政府、防衛省の発表を信じ、支持してきたその一方で、韓国は、いまだにレーダー照射の事実を公式には認めず、謝罪もしていません。ゆえ、この度の日韓防衛大臣会談において、事実上このレーダー照射問題を棚上げされ、自衛隊が全く行ってもいない超低空危険飛行について韓国側から再発防止を求められていることは、国民感情としてなかなかに受け入れ難いことも事実であります。  事件当時、命の危険もある緊張下で冷静に証拠を押さえ、英語で交信し続け、見事な対応をした自衛官パイロットの練度、陸海空自衛隊全体の士気、科学的根拠に基づく国民からの信頼という点においても、国益を懸けて、今回の御判断は相当の政治的、外交的リスクがあります。  隊員に寄り添われる木原防衛大臣の御自身の中でも様々な葛藤や思いがあられると拝察し、また確信もいたします。にもかかわらず、この度、日本政府として官邸とともにあえてレーダー照射問題を棚上げするという政治判断をされた以上、このリスク、不条理を上回る国益、国民益、今後確保する安全保障上の狙いは一体どこにあるのでしょうか。重い決断をされた以上、心を尽くして私たち国民を説得するに足る説明、気概をお示しいただきたいと思います。

木原稔自由民主党・無所属の会防衛大臣

○国務大臣(木原稔君) 御指摘の火器管制レーダー照射事案につきまして、まず、韓国駆逐艦から火器管制レーダーの照射があった、また海上自衛隊の哨戒機は韓国側の主張するような低空脅威飛行を行っていない、そういった事実関係に関する防衛省の立場は一切変わっておりません。  火器管制レーダーの照射は、火器の使用に先立って実施する行為であり、極めて危険なものです。私が防衛大臣に就任して以降、現場で任務に当たる海上自衛官の安全に関わる再発防止策が取られていない状況が過去五年以上にわたって継続してきたこと、このことを極めて深刻に捉えてきました。また、日韓の防衛協力・交流も大きな停滞を余儀なくされ続けてきました。他方で、その間も北朝鮮は、極超音速ミサイルと称する弾道ミサイルの発射など、極めて早いスピードで弾道ミサイル等の開発を推進してきました。  二〇二二年に策定した国家安全保障戦略において、同盟国、同志国間のネットワークを重層的に構築するとともに、それを拡大し、抑止力を強化していくとされているように、こうした北朝鮮の脅威と厳しい安全保障環境に対応する上で、日韓、日米韓連携の重要性は、五年半前に比べるとますます高まっている状況です。更に言えば、今般、初となる日豪韓防衛大臣会合を実施したように、日韓の連携強化というものが新たな多国間協力の可能性を広げるものともなります。  防衛大臣として、自衛官の預かる立場である私にとりましては、自衛官の安全を確保することは、我が国の平和と安全を守ることと同様に重大な責務です。日本海及びその上空では日韓両国の海空アセットが恒常的に活動しており、日韓の懸案をこのまま放置すれば、類似の事案がいつ再発するか、再発する可能性というのは残り続けることになります。事実関係をめぐる日韓双方の立場は依然として違いはありますが、このことを理由に自衛官諸君を危険にさらし続け、日韓の防衛協力を停滞させ続けることは私にはできません。  今回、私は、その決断が我が国の国益にかなうものと確信をしており、今後とも、二十七万人の自衛隊員の先頭に立って我が国の平和と安全のために邁進してまいる所存です。

有村治子自由民主党

○有村治子君 揺るぎない覚悟の上での大臣の御活躍を心を込めて念じ上げます。  外務大臣に伺います。  沖縄県の尖閣諸島をめぐっては、大臣等の政府高官が、冷静かつ毅然と対応しますとの共通フレーズを決まり文句のように多用されています。我が国固有の領土であり続け、かつ、現に我が国が有効支配をしている尖閣諸島等の絶対的な保守、保全について、毅然と対応すると異口同音発言されている日本政府の本気度を私たち国民はどこで感じることができるのでしょうか。  中国は、今月十五日から、管轄海域に違法侵入した外国人を最長六十日間拘束するという規定を施行します。これに対し、動向を注視していきますとおっしゃった先週の記者会見における大臣の御発言のトーン、スタンスは、主権者たる国民からは余りにも弱腰に見えてしまうのではないでしょうか。  相手のある、もちろん外交でございますから、一〇〇対ゼロというのはないものの、やはり国民の理解、支持あっての外交であるはずであります。領土や主権を守り抜く日本政府の明確な国家の意思、揺るぎないリーダーシップこそ、国民がまず総理や大臣に期待されることではないでしょうか。大臣の御見解を伺います。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) まず、尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、これは歴史的にも国際法上も疑いのないところでありまして、現に有効に支配をしております。したがいまして、尖閣諸島をめぐる解決すべき領有権の問題はそもそも存在をしておりません。  しかしながら、中国海警局による、所属する船舶が尖閣諸島領海内におきまして尖閣諸島に関する独自の主張をすること、また我が国の主権と相入れない行動、活動、これを行っていることは極めて深刻に考えているところであります。  今般、中国側が発表いたしました御指摘の規定でございますが、今後の規定の施行に関しまして、尖閣諸島周辺の我が国領海を含めまして、我が国が主権を有する海域で、中国がこの規定を含みます国内法令に基づきあたかも管轄権を行使しようとすることは、明らかに国際法違反であり、全く受け入れられないものであります。  こうした問題意識を念頭に、中国側に対しましては、本規定の施行によって我が国を含む関係国の正当な権益が損なわれることがないよう、外交ルートを通じましてしっかりと申入れを行っているところであります。  政府としては、国民の生命、財産及び我が国の領土、領海、領空、これを断固として守り抜くと、こうした方針の下、冷静かつ毅然として対応していく、このことに変わりはございません。引き続き、緊張感を持って、各省庁連携し、情報収集、警戒監視活動等に万全を期してまいります。

有村治子自由民主党

○有村治子君 最後の質問にいたします。  一昨年八月、米国のナンシー・ペロシ下院議長の台湾訪問に反発した中国は大規模な軍事演習をいたしました。その際、日本は、第三国、すなわち米国、中国、台湾にもくみしておらず、本件については無関係だという立場を戦略的に堅持していたにもかかわらず、怒りに任せて軍事演習を行った中国は、我が国の排他的経済水域に、歴史始まって以来初めて、五発もの弾道ミサイルを着弾させました。  これは我が国の海洋と安全を脅かすゆゆしき事態でありますが、当時、日本国内における中国への抗議は事務次官から在京中国大使への電話で済まされたことは甚だ心もとなく、中国の横暴を抑止するに足る抗議たり得ていないと、当時から自民党における部会の意見は相当辛口でございました。大臣、副大臣、政務官の政治家の顔が見えていませんでした。  日本の安全と繁栄を築くため最前線に立たれている上川外務大臣は、近年更に先鋭化している中国の横暴を思いとどまらせる抑止力の観点から、この点の我が国の抗議が果たして適切、十分であったと総括をされていらっしゃるのでしょうか。最後に心して伺います。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) この二〇二二年の八月四日におきまして、台湾周辺におけます一連の軍事活動について、中国は委員御指摘のとおり複数の弾道ミサイルを発射し、そのうち五発が日本の排他的経済水域に着弾をいたしました。この一連の中国による軍事活動は、日本の安全保障及び国民の安全に関わる重大な問題でありますとともに、地域及び国際社会の平和と安定に重大な影響を与えるものであることから、政府として中国側に対し、強く非難、抗議をしたところであります。  情勢の緊迫度に鑑みまして、一刻も早く我が方の考えを中国側に伝達するため、八月の四日、東京におきまして外務次官から駐日中国大使に対して架電にて抗議を実施したほか、翌五日には、ASEAN関連外相会議の場におきまして、林大臣から我が国の立場を改めて明確に述べたところであります。  その後、首脳、外相レベルを含みますハイレベルから繰り返し非難、抗議を行ったほか、二三年の外交演説等国会での発信、また同年の、同年版の外交青書におきます詳細な記述、こうしたことによりまして我が国の断固たる立場をしっかりと伝えているところでございます。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 時間過ぎております。

有村治子自由民主党

○有村治子君 以上で、私、自由民主党、有村治子の質問を終わります。  両大臣と両省の御活躍を心から念じます。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 おはようございます。立憲民主党の福山です。よろしくお願いいたします。  今日は一般質疑の機会をいただいてありがとうございます。  本題に入ります。  国連の人権差別撤廃委員会は、二〇一八年、今から約六年前の九月に日本審査総括所見を正式に発表しています。この日本審査は、二〇一七年七月に日本政府から提出された十、十一回政府報告に基づき、また市民社会組織からのNGOレポートを含むその他の関連文書を考慮に入れながら、二〇一八年八月に開催された人権差別撤廃委員会と日本政府代表団との建設的な対話を通して行われた上での、九月に日本審査の総括所見が発表されています。  この総括所見には、国内の人種差別に関連する諸課題に関して十七項目、そして他の実務を含む事項に関して十一項目の勧告が含まれています。この勧告の最後の項目に、次回の定期報告の準備として、日本政府に対し、二〇二三年一月十四日までに一つの文書として第十二、十三、十四回の合同定期報告を提出するよう勧告をしています。  ところが、この二〇二三年一月十四日、去年の一月十四日ですけれども、それから二〇一八年に出されていますから五年経過をして期限としての二〇二三年一月十四日までに、政府は報告書を委員会に提出しませんでした。  なぜ、提出しなかった、若しくはできなかった理由をお答えください。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) お答え申し上げます。  人種差別撤廃条約の第十二、十三、十四回政府報告については、政府報告者、関係する府省庁が多岐にわたりまして、また作業も膨大なものであることなどから、作成に時間を要しておりました。  そうした中、政府として早期提出に向けて取り組んでいたところ、二〇二三年八月、人種差別撤廃委員会において、人種差別撤廃条約の政府報告審査に関し、選択する全ての締約国に従来の政府報告書の作成を省略する簡易報告手続を導入することが決定されました。この簡易報告手続は、二〇一四年に採択された国連総会決議におきまして、人権条約体の効率的な運営のために締約国に同手続への移行が奨励されております。  これらを踏まえまして、我が国は政府部内において検討を行いまして、移行を奨励する国連総会決議の存在、さらに人種差別撤廃委員会の関心事項がより明確になるという実質的な観点から、本年四月、簡易報告手続への移行を選択する旨、同委員会に伝達をいたしました。これを受けて、現在、人種差別撤廃委員会からの事前質問票の送付を待っているところでございます。  いずれにいたしましても、我が国は、国際人権諸条約の締約国として、今後も政府全体として誠実に対応してまいりたいと考えております。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 今の事情は私理解をしているつもりなんですが、しかし、少なくとも一月十四日までに出さなければいけないものを提出しなかったと。いろいろな今事象、諸事情があるとかなんとか言っていますが、五年間経過をして、提出しなかったことについては問題だとは思っていないんでしょうか。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) 繰り返しとなりますけれども、人種差別撤廃条約に基づく政府報告につきましては、政府報告書が、関係する府省庁が多岐にわたっておりまして、作業も膨大であったことから、作成に時間を要していたという事情がございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 極めて不誠実な対応だったと、態度だったということだと思いますが。  それで、簡易報告手続にチェンジをしたと。でも、ずっと報告書作るために五年間作業していたわけでしょう。私も、実は人種差別撤廃委員会にある人を通じて確認をしたら、政府に対しては、出すべきレポートについては引き続き提出を奨励をしているというふうに承っております。しかし、実際にはもう期限から一年半以上、今の時点では元々の期限から一年半以上経過をしているので、報告書を出さないのであれば要は簡易報告手続でやらざるを得ないというようなことを国連の人権差別撤廃委員会は言っているというふうに私は確認をいたしました。  つまり、日本政府が、五年たっても、期限になっても出さないと。それ準備しているんだったら、それを例えば継続して作業して出せばいいわけですよ、遅れても。  なぜ、これ、簡易手続に変えたんですか。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) この簡易報告手続に関しましては、二〇一四年に採択された国連総会決議におきまして、人権条約体の効率的な運営のために締約国に同手続への移行が奨励されております。  我が国としましては、その国連総会決議、またその簡易手続を選択いたしますと人種差別撤廃委員会の関心事項がより明確になるという実質的な観点から、簡易報告手続への移行を選択する旨、同委員会に伝達しているところでございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 国連の人権差別撤廃委員会は、二〇二三年八月の開催された第百十回会期について、この簡易方式についてそれぞれやるということで、人種差別撤廃委員会はそれまではこの方式取っていなかったはずなんです。だから、日本は求められてきたんです、ずっとね。それを提出期限に出さずに、準備しているわけで、元々の問題意識にあった報告書を出せばいい、別に簡易にする必要はないわけですし。今おっしゃられた国連人権差別撤廃委員会の関心がよりはっきりすると、それは質問を受けるからでしょう、そういう意味だと思いますが。  逆に言えば、二〇一八年、先ほど私が御報告したように、日本政府と人権委員会では対話をずっとやってきているわけです。そんな質問を受けなくたって、元々準備しているわけだから、準備しているものを完結させて提出すれば、それで終わるわけです。なぜそのレポートを、報告書を出す選択をしないんですか。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) 政府といたしましては早期提出に向けて努力をして取り組んでまいったところでございますけれども、その中におきまして、二〇二三年の八月に人種差別撤廃委員会において、選択する全ての締約国に従来の政府報告書の作成を省略する簡易手続、簡易報告手続を導入するということが決定されました。  そういった経過を踏まえまして、現在におきましては、その人種差別撤廃委員会からの事前質問票の送付を待っているところでございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 先ほど申し上げましたように、出すべきレポートについては引き続き提出を奨励をされているんです。一年半以上ほったらかしの状況だからこの簡易手続でやるという話になっていて、今の話は全く実は逆転していて、提出するべき日本が提出しないで、ずっとほったらかしにしていたら簡易手続が取れるので、向こうからの質問を待ちましたといって、今度はこっち側が待っている立場になっているわけです。  これでは余りにも私は不誠実な対応だと思いますので、これはもう政治判断で、報告書、これまで準備しているんだから、五年間、しっかりまず出しなさいと。出してから、相手からの質問が更に来ればそれ用に答えればいいわけですから。  これ、外務大臣、もう政治判断なんですよ、ちゃんと準備してきたものをちゃんと完結させて提出をしろというふうに指示出していただけませんか。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) 今、国連におきまして、二〇二三年の八月に、希望する全ての締約国に簡易報告手続を導入する、選択肢を提示するということが決定されているところであります。これは、その前の二〇一四年に採択されました国連総会の決議において、人権条約の効率的な運営のために締約国に簡易報告手続への移行が奨励されてきたということを踏まえた上でこの簡易手続を導入すると、この選択肢が示されたものと承知をしておりまして、その意味でその移行を今回選択をしたという日本の選択であります。  手続の中で、今委員が御指摘のような当該担当のところの御発言ということについては、私、ちょっと承知をしていないところでありますので、ちょっとその状況をよく踏まえていきたいというふうに思います。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 それでは、外務大臣、改めて、人種差別撤廃委員会としては、報告書を既定方針どおりに出すことが前提、出さない場合にこの簡易方式だということで、別に簡易方式を優先して選択しろと言っているわけではないということについて、ちゃんと人権差別撤廃委員会に外務省として確認をして、その意向に応じてはしっかりと報告書を出せというふうに指示いただけますか。今確認したいとおっしゃったので、あえて申し上げますが。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) 今、私の認識の中の部分と今委員が御指摘いただいた部分に若干ちょっと相違がございますので、そのところについてちょっと確認をしたいと思います。その上で、様々な判断があろうかと思います。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 いや、これ、外務省が提出の前からこういう方式があってこっちを選択したというのなら分かるけれども、去年の一月が提出期限で、それをはるかに超えて提出をしなくて、そして結果として簡易な方式を選択したというのは余りにも私は誠実さを欠く対応だと思っていて、外務省から外務大臣に御説明するときには、いやいやこっちでいいんですと言って説明しているのは重々推察できるので、そこはちゃんと撤廃委員会の意向も確認をした上で日本政府としての判断をお願いしたいというふうに思います。  その総括所見の勧告四十二では、市民社会との対話をするということで、政府報告書の提出のプロセスにおいては、外務省が市民、NGOとの意見交換の場をセットしているんです、政府報告書の提出のプロセスはね。  今回新たな方式について回答を作成するわけですね、向こうからの質問に対して。それでもちゃんとNGO等々の市民社会組織との意見交換は開催するつもりなのかどうか、お答えください。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) 前回、二〇一七年の政府報告書の提出に当たりましては、外務省のホームページを通じて広く意見を聴取するとともに、NGOなどの意見を聞くための意見交換会を開催いたしました。  現時点で今後の具体的な予定につき予断を持ってお答えすることは困難でございますけれども、人権の保護促進に当たっての民間レベルでの活動の重要性は認識しておりまして、今後とも引き続き市民社会との対話を重視、継続していく考えでございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 是非継続をしていただきたいと思います。  簡易方式を選択したからといってこういった対応を怠ると、逆にそれ自身が本当に日本政府に対する不信感になりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。  もう一点、総括所見の勧告十では、国内人権機関を設置することの勧告があります。これはもうずっと勧告を受け続けているんですけど、これまでの議論の状況も踏まえ、引き続き適切に検討しているというふうに外務省は回答しているんですが、政府内のどの機関がどのような検討を具体的に行っているのか、御説明をお願いします。

柴田紀子法務省大臣官房審議官

○政府参考人(柴田紀子君) お答えいたします。  御指摘のとおり、人種差別撤廃委員会の日本の第十回、第十一回定期報告に関する総括所見において、パリ原則に従い、国内人権機構を設置することが勧告されているものと承知しています。  政府においては、国際的な要請や平成十三年の人権擁護推進審議会の答申を受け、平成十四年と平成二十四年に新たな人権救済機関の設置等を内容とする法案を提出しましたが、いずれも衆議院の解散により廃案となっています。  これを受け、国内人権機構の設置を含めた人権救済制度の在り方については、これまでなされてきた議論の状況も踏まえ、法務省において不断に検討しているところであります。  具体的には、部落差別解消推進法、ヘイトスピーチ解消法等の近年制定された個別法による各種の人権課題の改善状況を見定めるなどしているほか、新たな人権救済機関の設置等を内容とする法案の提出時に指摘された問題の検討や、国内人権機関、機構を含む海外の人権救済制度の調査を行っているところでございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 法務省、もう少しはっきりと答えていただきたいんですけど、個別法制は逆に議員立法だったわけです。  要は、人権擁護機関については、パリ原則は、政府から独立した機関でつくれと言われています。逆に、法務省は、今回の外国人労働者の問題、入管の問題、それから拘置所等の問題で、実は日本の法務省はかなり人権的に問題があるんじゃないかということも言われています。だから、法務省が応えて、今の検討内容だって、どこで本当に検討しているのかよく分からない。  もう一回言ってください。どこで、じゃ、具体的に検討して、どの部署でこの国内人権機関の設置することに対する検討を行っているのか、具体的にお答えください。申し訳ありませんが、先ほど言われたヘイトスピーチや部落は全部これ議員立法で作りましたから、国内の人権機関についてはどこで検討しているのか、お答えください。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 声を大きくして御答弁願います。

柴田紀子法務省大臣官房審議官

○政府参考人(柴田紀子君) 失礼いたしました。  お答えいたします。  法務省の中では、人権擁護局が中心となって検討しているところでございます。また、もっとも、現代における人権課題、多岐にわたるところがございまして、全ての府省庁が関連するものでもあることから、関係府省庁との連携も極めて重要であると考えているところでございます。  そういったことから、各種の人権課題について関係府省庁との間で個別法を踏まえた取組状況等に関する意見交換や情報共有を行っているほか、内閣府において実施する人権擁護に関する世論調査等を通じて国民の個別の人権問題に関する意識を把握するなどしています。  また、先ほど申し上げました部落差別につきましては、例えば部落差別解消推進法第六条に基づき、令和二年六月、部落差別の実態調査の結果を取りまとめています。  さらに、いわゆるヘイトスピーチについては、法務省を含む関係省庁及び地方公共団体が参加するヘイトスピーチ対策専門部会を開催し、ヘイトスピーチの現状やその解消に向けた取組について意見交換や情報共有を行っているところでございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 だから、個別法は議員立法で作ったもので、それの意見交換や情報共有をしたからといって国内人権機関の設置の検討にはならないでしょう。ならないでしょう。  今の話は、人権擁護局でやっていると言うけど、人権擁護局で、じゃ、国内の人権機関設置に向けての具体的な検討を何かされていますか。今答えたのを繰り返すのはなしでお答えください。

柴田紀子法務省大臣官房審議官

○政府参考人(柴田紀子君) 人権擁護局におきまして、国内人権機構だけの問題ではございませんが、それを含めた様々な課題について局内で検討会を行っているほか、先ほどもちょっと申し上げましたが、海外調査をしておりまして、国内人権機構を含む海外の人権救済制度の調査をするために、例年、法務省人権擁護局の職員を海外に派遣しております。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 基本的にはどこでやっているか分からないというのが実態です。  御指摘あったように、我々の政権のときには、法律案もできて、閣法の提出まで、あっ、閣議決定までしましたけれども、残念ながら流れたわけですけれども、人権差別撤廃委員会からは、この人権救済機関の設置についてはもう二十年以上勧告を受けていますので、このことについてはしっかりやっていただきたいということと、加えて、先ほどの定期報告書を提出しなかった問題については、簡易でやるにしても何にしても、とにかく速やかに対応していただくように強く求めたいと思います。  もう少し言いたかったんですけど、別の課題もありますので、次の質問に移ります。  次は、厚労省、総務省にお願いします。  これも、二〇一九年五月二十五日、WHOの総会で、国際疾病分類第十一回の改訂版、いわゆるICD11が了承されました。このICD11において、心と体の性が一致しないいわゆる性同一性障害について、それまでの精神障害の分類からは除外をされて、性の健康に関連する状態という分類に変更され、その位置付けが大きく変わりました。  我が国でいうところの性同一性障害について、ICD11における具体的な変更点について、まず厚労省、お答えください。

青山桂子厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官

○政府参考人(青山桂子君) お答え申し上げます。  今委員がおっしゃられましたとおり、従来のICD10におきましては、第五章のメンタル・アンド・ビヘイビアラル・ディスオーダーズ、精神及び行動の障害の中にジェンダーアイデンティティーディスオーダーズ、性同一性障害と位置付けられておりましたが、今回の新しいICD11におきましては、第十七章のコンディションズ・リレーテッド・トゥー・セクシュアル・ヘルス、仮訳として性の健康に関連する状態という章ができまして、その章の中にジェンダーインコングルーエンス、仮訳としては性別不合と言っておりますが、と名称変更した上で、その章の位置付けが変わっております。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 ありがとうございます。  精神障害の分類から除外されたということは、出生時に割り当てられた性別への違和や、病気や障害ではないということです。  あらゆる人たちが尊厳のある生活を送ること、大きな、今回のICD11の変更は大きな一歩だというふうに思っておりまして、我が国では、ICDに準拠して、疾病、傷害及び死因の統計分類を統計法に基づく統計基準としています。広く医療機関、公的統計で利用されているわけですけど、このICD11は二〇二二年一月の発効から二年半近くたっています。二〇一八年の公表からいえば、既に六年が経過しています。それについても、いまだに国内の公的統計基準として適用されていません。  国内の統計、公的統計基準として適用するまでなぜこんなに時間が掛かっていて、今、その段階としてはどの段階にあるのか、総務省、お答えください。

佐藤紀明総務省大臣官房審議官

○政府参考人(佐藤紀明君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、現在の国内の公的基準としましては、ICD10に準拠したものが、疾病、傷害及び死因の統計分類として、統計法第二十八条第一項の規定に基づく統計基準とされております。  この分類はとりわけ医学に関する高度に専門的な内容であるため、これを変更するに当たっては、従前から、厚生労働省社会保障審議会の下の統計分科会疾病、傷害及び死因分類部会において御審議いただき、社会保障審議会の答申も踏まえた変更内容を厚生労働省から総務省に通知していただくこととしております。この通知を受けまして、総務省としては、統計法第二十八条第二項及び第三項の規定に基づき、統計委員会の意見を聞いて、この分類を変更し、公示する手続を行います。  現在の段階でございますが、厚生労働省において御検討いただいている最中と認識しておりますが、今後、厚生労働省としっかり連携を図ってまいりたいと思います。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 厚生労働省、なぜこんな時間掛かっているんですか。二〇一八年から六年、発効から二年半近く掛かっているんですけれども、厚生労働省、何でこんなに時間掛かっているのか、お答えください。

青山桂子厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官

○政府参考人(青山桂子君) 現在の状況といたしましては、日本医学会など関係学会の御意見聞きながら和訳の作業を鋭意進めているところでございます。  今お話がありましたとおり、医学に関する高度に専門的な内容でございまして、項目も、非常にICD10よりも増えておったり、随時更新などされておりますので、それらも見ながら一生懸命和訳の作業を関係学会と連携して進めているところでございますので、速やかに作業を続けてまいりたいと思います。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 このよく言われた和訳に時間が掛かっているという、何か訳の分からぬ理由が言われているんですけど、和訳は、じゃ、もう終わっているんですね。

青山桂子厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官

○政府参考人(青山桂子君) 今、鋭意和訳の調整中でございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 和訳の調整中ってどういうことですか。もう六年掛かっているんですよ。それは納得しようがないでしょう。  他の学会との調整中って、いつまで掛かるんですか、これ。

青山桂子厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官

○政府参考人(青山桂子君) これは範囲も広うございまして、いろいろな学会の御意見で、和訳案について示したり、それについて修正されたりというのを繰り返しております。  いずれにしても、鋭意急いで作業を進めたいと思っております。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 これ、ICD11が了承されたWHOの総会で厚生労働省の当時の総括審議官は、精神障害から除外されたということは様々な配慮が進んできたということだと、各加盟国からは新しいものにスムーズにきっちり移行したいという意見が多く出ていたとコメントしているわけです。厚労省の総括審議官が言っているんです。  これ、ほったらかしですよ、ほったらかし。これ、人権問題ですよ。当事者のこと考えてみてください。何でほったらかすんですか。総務省だって動きようないじゃないですか。  これ、いつまでにやるんですか。

青山桂子厚生労働省大臣官房政策立案総括審議官

○政府参考人(青山桂子君) 時期につきましては、今総務省が御説明された、厚労省の審議会の後、総務省の審議会で審議して告示する。その後、実際、統計分類の適用をする時期がございます。その適用時期につきましては、WHOが発効から五年の移行期間を設けるように言っておりまして、それが二〇二七年一月です。そこ以降の適用になりますけれども、でも、それを念頭に置きながら、速やかに和訳の作業、公示に向けた作業をしていきたいと思います。

福山哲郎立憲民主・社民

○福山哲郎君 ちょっとね、和訳に時間掛かっているとか調整だとか、これやっぱりひどいよ。当事者いるんですよ。実際に、厚生労働省の総括審議官がそのときに、国内の問題について早く適用するべきだということをちゃんと言っているんですよ。みんな期待するじゃないですか。  これ、やっぱり障害が外れたってすごく大きなことなんです。LGBTQの皆さんへのやっぱり人権の問題、差別を禁止する話も含めて、これ厚労省が先頭切ってやらないことにはどうするんですか。いや、極めて僕は問題だと思います。  もう時間がないのでやめますが、本当は、長崎県の大村市で同性カップルの住民票の事案が、改めて住民票に記載される事案が起こりました。各市町村でも、このことを受けて追随する動きがあります。住民票は、それぞれの記載をする大切な公証するものなので、このことについてどういう対応を今総務省が考えているのかとか本当は聞きたかったんですが、ちょっと時間がなかったので今日はもうやめますけれども、少なくとも、外務省それから厚労省、この人権問題に対して、和訳が遅いとか調整中だとか、約束の期限を過ぎているのに報告書を出していないとか、本当に日本の人権政策について国際社会から疑義を持たれるようなことはやめていただきたい、努めて努力をいただきたいということを申し上げて、私の質問終わりたいと思います。  ありがとうございました。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 立憲民主・社民の小西でございます。  防衛省の官房長に質問します。  前回、五月九日の質疑の続きですが、防衛事務次官の軍事専門的見地について果たすべき役割について、国家行政組織法十八条二項の事務次官の権限、統合幕僚長らの軍事専門的見地からの大臣補佐との関係など明らかにしながら説明してください。

中嶋浩一郎防衛省大臣官房長

○政府参考人(中嶋浩一郎君) お答えいたします。  我が国においては、国の防衛に関する事務は文民統制の観点から一般行政事務として内閣の行政権に完全に属しており、自衛隊の実際の部隊運用に関する業務についても防衛省の所掌事務として整理されております。  国家行政組織法第十八条第二項における省務を整理し、各部局及び機関の事務を監督するとは、省の長である大臣を補佐し、事務を整理し、事務の執行を監督する役割を担う位置付けとして全省庁の通則的な原則として規定されたものでございます。  なお、防衛省における省務とは防衛省設置法第三条の任務及び第四条の所掌事務を指し、各部局とは内部部局及び地方支分部局を、機関とは特別の機関や外局を含む省に置かれる機関全てを指します。  防衛事務次官は内部部局や特別の機関の外に置かれるものであり、その監督対象には、内部部局のみならず、統合幕僚監部を始めとする各幕僚監部や自衛隊の部隊及び機関も含まれます。このように、防衛事務次官は、あくまで大臣を助け、省務を整理するという立場において防衛省の全ての組織に対する監督権限を保持しており、当該権限は軍事専門的見地からの補佐にも及ぶものと考えられます。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 非常に重要な答弁をいただきました。  では、次の質問ですけれども、防衛大臣への政策的見地の補佐と軍事専門的見地の補佐の関係について、前者を担当する官房長や局長ら内部部局が後者の法令違反性や不合理性などについて批判し、是正することなどを求めることができるのか、また、武力出動などに当たって防衛省設置法八条一項七号の規定に基づいて内部部局による後者を含めた総合調整を行うことが可能なのか、説明をお願いします。

中嶋浩一郎防衛省大臣官房長

○政府参考人(中嶋浩一郎君) 防衛大臣が的確な判断を行うには、防衛省の所掌事務全般が適法性及び政策的妥当性を確保した上で遂行されることが重要であり、内部部局は、防衛省・自衛隊の所掌事務のうち全般的、基本的な方針や法令の企画立案といった基本的なもの、すなわち、防衛省設置法第八条第一項各号に規定される基本に関することを所掌しております。  基本的なものの一例として、災害対策基本法に基づく政府全体の防災基本計画に関する業務は、防衛省内においては同項第二号の自衛隊の行動に関する基本に関することに基づき内部部局が所掌しております。実際の部隊運用に際しても、閣議決定や法令の改正を必要とするものなど高度な政策判断を伴うものについては内部部局が所掌することとされており、内部部局は全般的、基本的な方針等をまとめる上で必要な調整を省内各機関と行っております。  また、武力攻撃事態に際しての防衛省における行政的、制度的な事務手続などを例に挙げると、事実認定、すなわち、対処基本方針の閣議決定及び対処基本方針に係る国会承認に関するものはいわゆる防衛及び警備に関する基本に関することに基づき、防衛出動下令に係る手続は自衛隊の行動に関する基本に関することに基づき、それぞれ内部部局が担うべきものでございます。  防衛省の所掌事務の遂行においては、適法性及び政策的妥当性を確保することが必要であり、その意味において、内部部局による調整は軍事専門的見地の補佐にも及ぶものと考えられます。  次に、基本に関することに基づき内部部局が行うものとは別に、省の所掌事務に関し省内の施策の統一を図るために必要となる総合調整を行うということを特に書き出し、内部部局の有する役割についてより積極的に確認するために設けられた規定が防衛省設置法第八条第一項第七号の総合調整です。例えば、自衛隊の行動に際しての緊急時を含む防衛省の対応が政府全体の外交・安全保障政策等と整合性を確保した上で省全体として統一的に行われることは極めて重要であり、同号を根拠として内部部局が省全体の総合調整役を担います。  内部部局によるこの総合調整は、防衛省の全ての機関を対象とするものであり、その意味において、当該調整は軍事専門的見地からの補佐にも及ぶものと考えられます。  失礼いたしました。中段で私、事実認定と答弁したようでございますけれども、これ、事態認定でございます。大変失礼いたしました。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 今の官房長の答弁は、防衛省の中のいわゆる政策的見地の補佐と軍事専門的見地の補佐の関係についての初めての国会答弁でございまして、極めて重大な答弁でございます。  要するに、事務次官は、国家行政組織法上の監督権限などに基づいて、統幕長らの軍事的専門見地のもうはっきり言えば監督権限を持っておるわけですが、是正もできるわけであり、また、内部部局は、防衛省設置法で与えられているその所掌権限、あるいは明示の総合調整権限に基づき、統幕長らの軍事専門的見地の調整ですからね、是正などもそれはできるということなんだろうというふうに思います。  関連で、先般は能登地震のときの防衛省の災害派遣対応の在り方について議論させていただいたんですが、この自衛隊の災害派遣に係る自衛隊の行動に関する基本に関することですね、設置法の八条一項二号ですけれども、及びその実際の部隊運用に関する高度な政治判断は、防衛省の組織令上、どの内部部局、すなわちどの担当局長が所掌しているのか、答弁してください。

中嶋浩一郎防衛省大臣官房長

○政府参考人(中嶋浩一郎君) 自衛隊の行動の基本に関することは防衛政策局の所掌事務として防衛省組織令に規定されております。このため、実際の部隊運用に際しても、政策判断を伴うものについては防衛政策局が所掌することになります。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 防衛大臣、念のため、非常に官房長重要な答弁を続けてくださっていますので、さきに官房長が答弁してくださった防衛省における防衛大臣に対する政策的見地、内部部局による政策的見地の補佐と統幕長らの軍事専門的見地の補佐の関係については、これは、防衛大臣の見解、すなわち防衛大臣以下の政府としての見解ということで間違いないでしょうか。それだけ簡潔に答えてください。

木原稔自由民主党・無所属の会防衛大臣

○国務大臣(木原稔君) 政策的見地からの補佐と軍事的、軍事専門的見地からの補佐をバランスよく受けまして、最終的には文民統制の主体である私、防衛大臣がしっかりと判断をしていくということで、参考人の言うとおりでございます。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 ありがとうございました。  前回、五月九日の質疑のときは、能登半島地震の発災直後のオペレーション、防衛省内のオペレーションルームで、事務次官と官房長ですね、防衛省の官房長さんは筆頭局長ですね、どの局長よりも偉い方だそうなんですけれども、あと統幕長ら幕の皆さんがいたんですけれども、防衛政策局長はいなかったわけですね。  しかし、今の答弁で明らかなように、自衛隊が持てる総力を挙げて一人でも多くの方の命そして尊厳を救い切る、すなわち自衛隊における災害派遣運用の在り方、運用の在り方というのは、まさにこれ防衛政策局長が担当しているんですね。  あのとき、ちょっといろいろ私の質疑が厳しくて、混乱もあったのかもしれません。いや、私は、防衛政策局長は法制度を担当していまして、制度の見解については答えるんですがみたいなことを言っていたんですが、それははっきり言って誤りだと思いますので。  もちろんそうした運用の在り方を、しっかり政策的見地を持っている事務次官や局長、官房長らが大いに奮闘していただいて、軍事専門的見地で足りないところがあれば、さっき言ったように是正等もしていただいて、そうした補佐をしっかり大臣に対して行って、大臣の下で自衛隊の総力の在り方の運用はこうであると決めた、そして、決めた実際の実務のオペレーションは統幕長さんが担うわけなんですけれども、官房長も今うなずいていらっしゃいますけれども、どうやって一人でも多くの石川県民、日本国の皆さんを救い切るかというのは、防衛政策局長が担当所掌で持っているわけですから、今後はそうした取組をしっかりしていただきたいと思います。  これで質疑を終わります。ありがとうございました。

上田勇公明党

○上田勇君 公明党の上田勇でございます。  木原大臣には、シンガポールの出張、大変に御苦労さまでございました。シャングリラ会合でのスピーチのほか、日米韓三か国での会談、それに加えて日米、日中、日韓、もう主要な国もほとんど、多数の国々との防衛大臣会談を行うなど、大変有意義なものだったというふうに私も考えております。  本日は時間の制約もありますので、その中の数点に絞って質問させていただきたいというふうに思います。  まず最初に、日中防衛相会談についてであります。  木原大臣から、我が国の安全保障上の懸念、それから立場を明確に伝えたというふうに聞いております。多くの重大な案件については、残念ながら意見の隔たりは依然として大きかったというふうに、ようでありますけれども、一方で、日中防衛当局間ホットラインについて、引き続き適切かつ確実に運用していくことを確認したとの報告を受けております。  このホットラインの重要性については、私も昨年も国会で、当時、浜田防衛大臣でありましたけれども、に質問させていただいた経緯もございます。  中国が今のように軍事活動を活発化していて、我が国としてはそうした動きに適切に対処していかなければなりませんし、必要な抑止力を高めていく必要がある、これは当然のことだというふうに思います。ただ、我が国として、やっぱり意図せぬ偶発的な衝突は、これは避けなければならない、これは重要なことだというふうに思います。  我が国はこうした立場でありますけれども、中国側としてはこういう危機回避の重要性を十分認識しているのだろうか、その辺はどういうふうに受け止められているのか、まずお聞きしたいのと、それから、このホットライン、二〇二三年三月に設置をされたものでありますけれども、その後、その役割、今きちっと機能しているのかどうか、その辺の評価を伺いたいと思います。

加野幸司防衛省防衛政策局長

○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。  二〇二三年三月に設置され、同年五月に運用を開始いたしました日中防衛当局間のホットラインを含みます日中防衛当局間における海空連絡メカニズム、こちらが日中防衛当局間の信頼醸成及び不測事態の回避といった重要な役割を担っているということにつきましては、中国側とも確認されているところでございまして、こうした重要性に鑑みて、先般実施されました日中防衛相会談におきましても、本ホットラインについて引き続き適切かつ確実に運用していくということを改めて確認したということでございます。  防衛省・自衛隊といたしましては、引き続き本ホットラインをしっかりと運用する、そのことによりまして、中国側とより緊密な意思疎通を図り、信頼醸成や不測の事態の回避に努めてまいる考えでございます。

上田勇公明党

○上田勇君 これ、ホットラインといっても、両防衛大臣が実際に話し合うまでにはいろいろな手順があって時間が掛かるものだというふうに聞いております。不測の事態を避けるためにも、今後やはりそうした機能というのはもっといろんな意味で改善できる余地もあるんじゃないかというふうに思っておりますので、是非御検討、また交渉していただきますようにお願いしたいというふうに思います。  次に、日韓防衛相会談について伺います。  共同ステートメントでは、海上自衛隊と韓国海軍で、双方の艦艇、航空機間の通信手続や中央レベルの意思疎通の要領を含む文書を作成したとあります。この文書の趣旨は、先日この委員会でも取り上げさせていただきましたけれども、西大西洋海軍シンポジウムにおいて採択された洋上で不慮の遭遇した場合の行動基準、CUESを遵守をすること、そして海上自衛隊と韓国海軍の意思疎通、信頼の強化であるというふうに理解をしています。  二〇一八年に発生をしたレーダー照射事件、先ほどの質問にもありましたけれども、これについては、これまでの様々な経緯や、また今回安全保障に関わる総合的な判断があったんだろうというふうに思いますのでここでは質問いたしませんけれども、重要なことというのは、今回のこうした議論やまたその結果を通じて、二〇一八年に起きたような危険な事態、そのリスクは解消することができたというふうにお考えかどうか伺いたいと思います。

加野幸司防衛省防衛政策局長

○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。  今般の日韓防衛相会談におきましては、木原大臣と申韓国国防部長官との間で、昨年来協議してまいりました日韓防衛当局間の懸案について結論が得られまして、再発防止策として海軍種間の意図表明文書が作成されたということを確認して、海自、韓国海軍双方が平時に遭遇した場合の安全を確保するために、この実施を確保していくということで一致をしたところでございます。  今般作成されました海軍種間の意図表明文書におきましては、再発防止策の主な内容といたしまして、海軍間で洋上の不慮の遭遇をした場合の行動基準でございますCUESの遵守、現場における意思疎通の改善、中央レベルでの意思疎通の強化が確認されているところでございます。  今後、海上自衛隊と韓国海軍の双方が平時に海上で遭遇いたしました場合には、今般作成されました海軍種間の意図表明文書に基づいて対応がなされるということを日韓の防衛相間で、防衛大臣間で確認したところでございまして、火器管制レーダー照射事案の再発防止は図られたというふうに判断をしているところでございます。

上田勇公明党

○上田勇君 今そういうリスクの解消は図られたというふうに御答弁をいただきました。これはもう自衛隊員の安全に関わる重大な事案であります。再発防止のために我が国としてやっぱりできるだけの取組を引き続きお願いしたいというふうに思います。  そしてまた、韓国とは今回もいろんな協力を強化していこうというふうに言っているわけでありますので、こうしたやっぱり信頼がないとそれは成り立たないものだというふうに思いますので、是非、不測の事態が生じることがないように引き続き協力をしていただきたいというふうに思います。  次に、今回、日米韓防衛相会談開かれまして、その共同声明では、共同訓練始め安全保障協力を強化していくことが随所に盛り込まれております。三か国は、安全保障については多くのことについて共通の利害を持っていることはもう疑いがありません。協力の強化が必要であるということは当然だというふうに思います。  ただし、韓国について言えば、これまでも日本との軍事的な協力については根強い感情的な問題があるのも事実でありまして、現在は日韓の政治的な関係は極めて安定して良好なんですけれども、政治的な難しい問題が生ずるおそれ、これは否定できないところじゃないかというふうに思います。こうした難しいというか、将来難しい問題が発生するかもしれない、そうした事態も乗り越えても、やはり、ここは価値観や利害を共有する日米韓、この三か国の協力を進めていかなければならないというふうに思います。  これはもう本当に政治的な決意が必要だということと思いますので、大臣に御所見を伺いたいと思います。

木原稔自由民主党・無所属の会防衛大臣

○国務大臣(木原稔君) 北朝鮮の核、ミサイルをめぐる状況を含めまして、安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中で、日韓と並んで、日米韓の連携はますます重要でございます。  先日の日韓防衛相会談においては、日韓二国間の安全保障協力関係は、強固な日韓米安全保障協力の基礎となり、北朝鮮の脅威を抑止するためだけでなく、自由で開かれたインド太平洋の実現のため不可欠であるとの認識で一致をいたしました。また、長年の懸案であった火器管制レーダー照射事案の再発防止が図られたこと、日韓防衛当局間の対話の活性化について一致したことなどは、日韓のみならず、日米韓の防衛協力の推進の観点からも大変意義深いものと考えています。  防衛省・自衛隊としては、インド太平洋地域の平和と安定に寄与するため、様々な分野において協力、交流を推進しつつ、引き続き日米韓防衛協力を強化してまいる所存です。

上田勇公明党

○上田勇君 ありがとうございました。  いろいろと困難なことも多いかというふうに思いますが、引き続き防衛大臣のリーダーシップの下で進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  以上で質問を終わります。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。  私は、この委員会で尖閣問題を何度も取り上げてきました。私は、尖閣諸島に施政権の拠点を確保しなければ実効支配を確立しているとは言えない、こういう状況だから中国の海洋進出を許しているんだと、こう訴えてきました。これに対して、どんな角度から聞いても上川大臣の答弁は見事に統一されています。これしか言いません。尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理という目的に照らし、政府において適切に対応していく。何を聞いてもこれしか言わないんですね。私は、政府において全く適切に対応されていないから質問を続けているわけなんですね。  今日は具体的にちょっと聞いていきます。  ちょっと政府委員の方調整していただいて来ていただいたんですが、ちょっと時間がないので一は抜かします。二の上陸許可について伺います。  政府は、日本の国有地である尖閣諸島に日本人の上陸を認めておりません。その理由はなぜなんでしょうか。で、今後もこれ、例えば政府の職員あるいは自治体の職員、地元だと石垣市ですよね、それから国会議員あるいは地元の地方議員の上陸もこれからもずっと認めないと、この方針なんですね。

清水巌内閣官房内閣参事官

○政府参考人(清水巌君) お答え申し上げます。  尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国固有の領土であり、現に我が国はこれを有効に支配しているところでございます。政府としては、尖閣諸島及び周辺海域の安定的な維持管理という目的のため、原則として政府関係者を除き何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針を取っております。  その上で、今申し上げた方針の例外として上陸を認めるか否かにつきましては、個々のケースに応じて、その必要性や尖閣諸島をめぐる状況等を総合的に勘案して判断することになる、なるものでございます。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 ちょっと聞き取れなかったんですけど、原則として政府関係者を除きと言いましたよね。じゃ、政府関係者はそのときの事情によっては認めるということなんですか。

清水巌内閣官房内閣参事官

○政府参考人(清水巌君) お答え申し上げます。  政府の方針では、原則として政府関係者を除きでございますので、政府関係者は、この尖閣諸島への上陸を認めないという方針の対象とはなってございません。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 まず、政府方針、政府方針とおっしゃるんですけど、これはいつ誰が決めたんですか。政府の、例えば内閣官房なのか、あるいは内閣府なのか、あるいは内閣官房のトップにいる内閣総理大臣なのか。総理大臣だったら、どの総理大臣のときに、いつ誰がこの方針を決めたのか、お答えください。

清水巌内閣官房内閣参事官

○政府参考人(清水巌君) お答え申し上げます。  政府方針でございますけれども、もとより尖閣諸島は私有地でございまして、それを政府が賃借をするというタイミングが、政府が賃借をして、その後、日本政府が所有したという経緯がございます。  政府としましては、賃借をするタイミングにおきまして、何人も政府関係者を除き尖閣諸島への上陸を認めないという方針を決めたところでございます。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 だから、賃借したときに決めたといったら、じゃ、賃借したときの決定権者は誰ですか。そのときの内閣総理大臣が決めたんでしょう、政府方針だったら。誰ですか。

清水巌内閣官房内閣参事官

○政府参考人(清水巌君) 済みません、ちょっと、済みません、ちょっと今手元に資料がないので……(発言する者あり)申し訳ございません。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 じゃ、これ調べて教えてください。  今、私有地だったのを国が買って国有化したわけですよね。それで、それをよく理由に挙げるんですけれども、所有権が民間人から国に移ったんです。で、所有権というのは自ら処分できる権利ですから、前の人がね、いや、余りこれ使ってほしくないな、上陸してほしくないなと言われても、国が買ったならば、国は国の権限で何してもいいんですよ。契約上、こういう使用の仕方はしませんという契約があるなら別ですよ。売買契約にはそれないですからね。だから、それ、前の所有者が余り好ましくないと言っているから政府はやらないんだというのは理由にならないんですね。それ、よく自覚していただきたいと思います。  じゃ、次に、今、政府職員は例外としてということを言いました。先日、石垣市の皆さんが調査船で魚釣島始め尖閣を視察しています。その目的は環境調査です。その結果、ヤギの繁殖、植生の減少、土壌崩壊に加えて、海洋ごみの集積など、もう環境破壊が進行していることが明らかになった。これ、上陸はしていませんけれども、ドローンを飛ばして、かなり赤外線カメラなんかも使って正確に状況を把握していますからね。  じゃ、なぜ政府は、環境省は来ていますかね、環境省は国有地の尖閣の環境調査をしないんですか。国有地がこんなに荒れちゃっているんですよ。これは今までの石垣市の調査で分かってきているんです、もう三回目ですから。来年も四回目やる。環境省が国有地だったらちゃんと現地に入って調査して、植生はどうなのか、絶滅危惧種がどうなっているのか、ヤギの繁殖がどうなっているのか。そうしないと、あれ、荒れ放題の島になっちゃいますよ。  さあ、どうですか、環境省。なぜ国有地の調査を実施しないんですか。あるいは、なぜ地方自治体にこの国有地の上陸しての調査を認めないんでしょうか。

白石隆夫環境省自然環境局長

○政府参考人(白石隆夫君) お答え申し上げます。  環境省では、尖閣諸島におけます自然環境の把握を目的として衛星画像を用いた調査を実施しております。この衛星画像を基に、二〇二一年には全国調査の一環として尖閣諸島の植生図も更新したところでございます。  こうした調査によりまして、尖閣諸島の自然環境の状況につきましては必要な情報は一定程度収集できており、植生図においては二〇一五年と二〇二一年との間で大きな変化は確認されておりません。このため、現時点で上陸調査を行う予定はございませんけれども、引き続き関係者との間で情報交換に努めてまいりたいというふうに考えてございます。  それから、自治体による環境調査のための上陸につきましては、先ほど内閣官房の方から御答弁ございましたとおり、政府方針を踏まえた上での対応だということでございます。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 衛星画像で見ています。国有地の島なんだ、荒れ放題なのが分かっていたら、なぜ、上陸して、ヤギの生態はどうなのか、植生がどれだけ荒らされているのか、それから結構絶滅危惧種もいるんですよね、その実態は上陸して皆さんが調査しなきゃ分からないじゃないですか。それ、環境省の仕事でしょう。だから、環境省、行ってください、調査に。  で、内閣府、これ政府の機関ですからね、許可しますね。じゃ、内閣府に聞きます。どうですか、環境省が行くというのであれば。

清水巌内閣官房内閣参事官

○政府参考人(清水巌君) 済みません、内閣官房でございます。  上陸につきましては、先ほどの答弁の繰り返しでございますけれども、今申し上げた、先ほど申し上げた方針の例外として上陸を認めるか否かにつきましては、個々のケースに応じて、その必要性、尖閣諸島をめぐる状況等を総合的に勘案して判断することとなってございます。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 外務大臣、ここからが大事なんですけれども、この日本の外交、防衛上、地政学的にも戦略的に見ても物すごく重要な離島である尖閣諸島ですよね。ここに、この前、大臣は、歴史的にずっと日本の領土で来ましたと、これ説明しましたけど、現在、日本の国の見える施政権、これが全くないんですよ。  上陸もできない、環境調査も上陸してできない。あるいは、行政上必要だと思われる通信基地とか、あそこ携帯電話つながりませんからね、携帯の通信基地造ったら漁民だって物すごく便利になるんですよ。あるいは、嵐が来たときに船が避難できる船だまり、あるいは灯台、これ、それぞれあそこにあったら物すごく国の行政としても、気象台だってそうですよ、これはいい情報が集められると思いますね。それが全くないんですよ。  さあ、これなぜかと聞いても外務省は絶対答えませんが、はっきり言います。やっぱりこれで日本が上陸したり調査をしたり強硬手段に出ると、中国が怒って外交上トラブルになるから、それだけは避けたいという事なかれ主義だけなんです、今の日本はね。  さあ、大臣、この現状では日本の施政権が目に見える形で存在しないのであるんですけれども、実効支配をしていると言っても、これじゃ説得力が全くありません。尖閣に日本の施政権を、明確に確固たる拠点を形成しなければ日本の実効支配は証明できないんですね。こういう状況だから、中国が領有権を持っているんだと言って領土問題化されて、海洋進出を許すことになっているんじゃないですか。あそこに日本の施政権、実効支配を示すということが今一番大切だと思いますが、大臣の見解を伺います。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないところでございまして、現に有効に支配をしているところであります。したがいまして、尖閣諸島をめぐりまして解決すべき領有権の問題はそもそも存在をいたしません。  我が国が尖閣諸島を有効に支配している例ということでございますが、前回の委員会におきまして詳細に述べさせていただきました。例えば、海保庁や水産庁による警備、取締りの実施、また土地所有者によります固定資産税の納付、また国有地としての管理、こういった点が我が国が同諸島を有効に支配していたことを示す例でございまして、現に我が国が尖閣諸島を有効に支配しているということにつきましては疑いないというふうに考えております。  その上ででありますが、一九七〇年代以降におきまして中国側が尖閣諸島の領有権に関します独自の主張を行っているということを踏まえまして、これまで政府としては、国際会議等の場やまた在外公館におきまして、尖閣諸島に関する事実、また我が国の立場について発信をしてまいりました。外務本省や在公、在外公館のウェブサイトによりましても情報発信に努めてきたところであります。  その上で申し上げるところでありますが、引き続き、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下におきまして、冷静かつ毅然と対応していくとともに、国際社会におきまして我が国の立場が正確に理解されるよう、積極的かつ戦略的に対外発信に取り組んでまいりたいと考えております。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 大臣、全く尖閣諸島を実効支配できていないから、中国はあの島は我が国のものだと言って、領海には中国の海警船がほぼ毎日侵入しているんですよ。  この前、調査船が行きましたね。で、尖閣に近づいていったら、もう中国の海警船がわっと寄ってきて、ここは中国の領土だ、出ていけって、もうずっとそれを無線でアナウンスしているんですよ。その間にようやく海保の巡視船が入ってきて、これ以上海警船が近づかないように守ってくれたんですよ。それで、ドローン調査もやりました、一回。でも、翌日は、もうこれ以上だと接触でも起きたら大変なことになるということで、もう海保の皆さんも本当大変ですよね、諦めざるを得なかった。  これで実効支配しているって言えるんですか。だから、実効支配をしていると言うには、我が国の行政権が、こういう施設があって、こういうふうに行われていると。固定資産税なんか見えないですから、中国関係ないですよ、日本の税がどうなっているかなんて。歴史なんか関係ないんですから、あの国は。あそこに石油が埋蔵されているとなったら、急に俺たちの島だって言い始めて入ってきているわけですから。それに対抗する外交力、防衛力、これが国にないと、私は、中国は、南シナ海のようになっていくと思いますよ。今、金門島でも、台湾の海巡局ですか、の船と中国の海警の船がにらみ合っています。大臣、本当にここは真剣に考えないと駄目です。  それで、大臣に視察に行ってくれと言っても、私、上陸できなくても、上空からの視察でもいいと思うんですよ、行ってくれと言っても、はい、行きますとはならないと思いますので。  改めて委員長に、先日視察に行った国会議員の稲田さん、和田さんの話を我々もよく聞いてその状況をまず理解すべきだということで参考人招致と、それから、そうした情報を集めた上で当委員会での現地視察の実施、これを是非ともこの委員会でやっていただきたいと思いますので、御協議をよろしくお願いします。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 後刻理事会で協議いたします。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 もう、ちょっと時間がなくなってしまいましたが、またもう一つのJTIのロシア事業なんですけれども、資料を見ていただくと、実は、外務省が、JTI、もちろんロシアのウクライナ侵攻前ですけれども、JTIはロシアですばらしい経済貢献してくれて、これだけの納税もして、これだけの雇用もして、それでロシアの地域経済の発展に貢献してきた、本当に有り難いことですと、これ茂木外務大臣のときかな、もう絶賛をしているんですね。  外務大臣、今も外務省、JTIに対してこういう姿勢なんでしょうか。お聞かせください。それから、JTIから、ごめんなさい、それでいきましょう。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) 今、絶賛をしているという時系列のお話がございましたけれども、今まさにあの現下の状況の中におきまして、JTグループ全体がロシア事業につきまして既に新規の投資やマーケティング活動等を停止しているものと承知をしているところであります。  そういう中でございます。大変今この厳しい状況を踏まえまして、それぞれの判断の中で今検討しているというふうに承知をしております。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 先日聞けなかったんですけれども、このロシアへの経済制裁とウクライナ支援の戦略として、G7やEUでは、ロシアの中央銀行が海外の中央銀行に持つ凍結された外貨準備金の利息を使ってウクライナ支援に回そうという協議をしています。実は日本も、金融制裁によってこの凍結したロシアの準備金、これ日銀だけで九兆円あるんですよね。  実は、六月のG7会合で、この各国が制裁で凍結した資産をウクライナ支援に活用するという案が協議されて、その方向が出ます。日本もこの方針に従うんですか。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) このロシアの凍結資産でございますが、その活用につきましては、本年二月二十四日のG7首脳声明を含みます一連のG7の関連声明にもあるとおり、六月のG7プーリア・サミットに向けまして、引き続き関係国でよく議論をしていくことになっているところであります。  今後の対応につきまして予断することにつきましては差し控えさせていただきたいというふうに思いますが、今後とも、G7を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 日本は、このG7でその方向が私は確実に出ると思います、今までの議論を見ていても。それに日本だけがやりませんと言えませんよね。だから、日本も、日銀が持っているロシアの外貨準備金、これの利子なんかをしっかり使ってウクライナ支援に充てるという方向になると思います。  そうすると、これ、ロシアは強烈な対抗手段に出ますよ。そうなったときに私は心配しているのは、JTのように日本政府とつながっている会社、これ一挙に国有化までされちゃう可能性も私はゼロじゃないと思います。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 松沢君、時間が過ぎておりますので、おまとめください。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 だから、そういう状況に置かれていても、JTを指導してロシア事業をどうにかしなきゃいけないということはやらないんでしょうか。最後、一言お願いします。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 時間過ぎております。簡潔にお願いします。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) ロシアの凍結資産の活用につきましては、引き続き関係国とよく議論をしていくこととなっておりまして、今後の対応につきまして予断を持ってお答えすることができない状況でございます。ロシアの凍結資産の活用を前提とした御質問ということでございますので、困難であるということを御理解いただきたいというふうに思っております。

松沢成文日本維新の会・教育無償化を実現する会

○松沢成文君 終わります。

榛葉賀津也国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。  今年は、一九五四年に我が国がコロンボ・プランに加盟をしてちょうど七十年の節目でございます。つまりは、技術協力、ODA七十周年の節目の年ということで、先日、国際協力局長の石月さんが七十周年の様々な説明をしていただいて、なるほどと感銘を受けましたので、今日はこの質問をしたいと思うんですが。  大臣、私、このモメンタムを利用してしっかりと国民の皆さんにODAの理解を深めるべきだと思うんです。私も、ODAを応援する議連に入ったり、JICA議連に入って、少しでもODAを活用できるように微力ながら汗をかいてまいりましたが、いろんな記念事業であるとか、今年を有効的に活用してほしいと思うんですが、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) この国際協力、ODAでございますが、今委員御指摘のとおり、この意義、また取組の中身、こういったことについて幅広く国民の皆さんの理解と支持を得るということは不可欠であると考えているところであります。  国際協力七十周年という節目の本年であります。三月に国際協力七十周年記念事業のキックオフ・イベント in Kobeを開催をいたしました。さらに五月には、国際協力ミライ会議、これを東京で開催するなど、例年にも増して様々な記念行事を開催してきているところであります。今後、九月の末には、国内最大級の国際協力イベントでありますグローバルフェスタJAPAN二〇二四と、冬には七十周年記念シンポジウムの開催を予定をしているところでございます。  私自身、先頭に立って、国民の皆様により分かりやすく、また丁寧な発信、そして御理解をいただき、御支持をいただくことができるように、最大の努力を進めてまいりたいと考えております。

榛葉賀津也国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 ありがとうございます。  実はもういろんな事業をやっていらっしゃるのを私知らなくて、もう少し外務省、宣伝した方がいいんじゃないかなと思いました。  せっかくすばらしいイベントたくさんやって、頂戴した資料にはQRコードも載って、例えば「ファーストステップ」というドラマも作っていらっしゃるんですね、一、二、三。そうそうたる役者さんが出たり、吉本と連携して、ピースの又吉さんであるとかココリコの田中さんとか、相当著名人や有名な俳優さんが出て番組作っているんですけれども、もう少し再生されてもいいなと思っています。四千とか五千回再生とか、そういう形ですし、大臣のメッセージもフェイスブックやXに載っているんですが、フェイスブックの方は四十六いいね、Xの方は三百四十七いいねでしたが、共創という言葉が大事だというメッセージも大変共感持てますし、是非、せっかくいいことやっているので、予算も結構使っていらっしゃるようにお見受けいたします。  ですから、是非、これもっと発信して、多くの皆さんにこういういいことをやっているということを宣伝してほしいと思うんですが、中国のように量で勝負というよりも、日本らしい質を重視をしたODAをしっかりとしてほしいと思うんですが、よく最近、外務省がオファー型協力という言葉を使うんですが、このオファー型協力というのはどんな協力なんでしょうか。

石月英雄外務省国際協力局長

○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。  オファー型協力とは、昨年改定された開発協力大綱において打ち出されたものでございまして、外交政策上、戦略的に取り組むべき分野におきまして、ODAを中核としつつ、日本の開発協力の強みを生かした魅力的な協力メニューを積極的に提案すると、そして途上国との対話と協働を通じて案件形成を行うものでございます。これにより開発途上国の課題解決と同時に、我が国の経済成長などにもつなげることを目指しております。  具体的には、オファー型協力の下で取り組む分野として、気候変動・GX、経済強靱化、そしてデジタル化・DX、この三つを選定いたしまして、オファー型協力のもう一つの柱は様々なパートナーの協力を得ていくことでございますが、こうした分野における社会課題解決を目指す民間企業、地方自治体、国際機関、市民社会等々の様々なパートナーとの協力を組み合わせることで開発効果の最大化を図っていくというものでございます。

榛葉賀津也国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 まさに中国の援助は、今、債務のわななんていう言葉も出始めましたが、今まさに石月局長がおっしゃったように、我が国の援助というのはウィン・ウィンの形に持っていくという、大変重要なポイントだと思いますが、このオファー型協力の具体例、カンボジア等でやっているという話は聞いたことありますが、この具体例についてお伺いしたいと思います。

石月英雄外務省国際協力局長

○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。  具体例として今委員御指摘のございましたカンボジアの例について申し上げますと、二〇二三年十二月に行われた日・カンボジア首脳会談において、カンボジアのデジタル経済社会の経済発展、これに関するオファー型協力メニューに合意したところでございます。  これは、まず、無償資金協力による国立データセンター整備支援、さらに、そこに、日本の民間部門の投資や技術支援も活用した通信ネットワークの高度化支援及び人材育成、これに関する実証事業、さらには、技術協力によるデジタル環境アセスメントの実施、こういった複数のメニューを組み合わせて進めているものでございます。  さらに、本年三月には、本邦民間企業等のサービス、製品、ノウハウを活用し協力を更に推進していくため、民間企業の参加を得て官民ラウンドテーブルを開催いたしました。  また、本年四月、上川大臣が訪問したマダガスカルにおいても、オファー型協力を活用し、同国の経済強靱化、これを共に進めていくということで一致したところでございます。  今後も、こうしたオファー型協力の具体化を通じまして、我が国の開発協力の能動性、戦略性を高め、ODAを一層積極的に活用していきたいと考えております。

榛葉賀津也国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 ありがとうございます。  マダガスカルはこれから攻めていくということだと思いますが、カンボジア、マダガスカルに次いで、第三、第四の国でしっかりこのオファー型協力を進めていってほしいと思うんですが。  やはり大臣のおっしゃる共創のこのODAのもう一つのキーワードは、今、石月局長もおっしゃった民間企業とODAのコラボレーションやマッチング、これをどうするかということだと思うんですが、特に中小企業ですね、大企業もそうですけれども、中小企業には様々なアイデアや技術、ノウハウというのがありますから、是非それを活用したODAの連携、コラボレーションをお願いしたいと思うんですが、石月局長からこの「ODA NOW」という、中小企業が、全国の中小企業がODAを絡めて大活躍しているということを見て、本当に心強い気持ちがいたしました。  是非、この民間企業、とりわけ中小企業とのコラボレーションや連携、今それがどうなっているのか、具体例があったらお伺いしたいと思います。

石月英雄外務省国際協力局長

○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、ODA事業において日本の中小企業の優れた技術を活用する、これは開発途上国の社会経済開発に資するとともに、中小企業の海外展開、これも後押しするものと考えているところでございます。こうした認識の下、JICAにおきましては、中小企業・SDGsビジネス支援事業、これを実施いたしまして、開発途上国の課題解決に貢献する中小企業等との連携を図っているところでございます。  例えば、静岡県のある中小企業は、この事業を活用しまして、スリランカにおいて、この同社のお茶の成分を分析する技術の普及を通じまして、同国の、スリランカの紅茶の品質管理の向上、これに寄与することを目指していると承知しております。  また、石川県のある中小企業は、このJICAの事業を活用しまして、ケニアにおいて、この会社の自動車リサイクル、アフリカはこの自動車リサイクルとかこういったものが今まさに必要となっているところでございますが、こうした自動車リサイクルのノウハウを基に環境配慮型の持続可能な自動車リサイクルビジネス、これの確立に貢献することを目指していると承知しているところでございます。  こうした中小企業との連携、非常に重要だと考えておりますので、これ一層中小企業等と連携しながらODAを実施してまいりたいと考えているところでございます。

榛葉賀津也国民民主党・新緑風会

○榛葉賀津也君 ありがとうございます。  静岡のお茶の話は私存じ上げませんでした。この冊子には載っていなかったので、いい例を教えていただいて、本当にありがとうございます。  外務省の予算は人件費とODAしかありませんから、しっかりとこのODAの充実、そして拡充、これを党派を超えてしっかりと応援をさせていただくことをお誓い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  まず、外務省に伺います。  国連ビジネスと人権作業部会について御説明いただきたいと思います。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) お答え申し上げます。    〔委員長退席、理事佐藤正久君着席〕  ビジネスと人権作業部会は、ビジネスと人権に関して調査、報告を行うために、人権理事会の決議に基づき設立され、独立した専門家五名から構成されたグループでございます。  ビジネスと人権作業部会を含め、国連人権理事会の各種作業部会の構成員たる専門家は、個人の資格においてその任務を果たすものとされております。その旨は、国連人権高等弁務官事務所のウェブサイトにも記載されております。  ビジネスと人権作業部会の活動目的については、例えば、国連のビジネスと人権に関する指導原則の普及、実施の促進、関係するグッドプラクティスの共有、各国訪問などが挙げられると承知しております。  また、同作業部会が取りまとめる国別訪問報告書は、ビジネスと人権をめぐる課題を明らかにし、人権を尊重するための取組に向けた普及啓発を目的とするものであると認識しております。  日本との関係について申し上げれば、同作業部会は昨年七月二十四日から八月四日にかけて訪日し、関係府省庁、自治体、企業関係者、市民社会などとの面会を実施の上、報告、訪日報告書を作成、公表したと承知しております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 今お話のあった指導原則は二〇一一年の採択です。人権を守るための国家の義務や企業の責任、救済措置を柱にしています。そして各国の履行状況を調査しているわけですね。  日本政府も、この作業部会について意義ある存在だとして認識しているわけですね。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) お答え申し上げます。  ビジネスと人権作業部会の活動については、人権の尊重のための取組に向けた普及啓発を目的とするものであり、意義があるものであると考えております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 先ほども答弁ありましたが、昨年、作業部会が来日し、十二日間にわたって様々調査を行っています。旧ジャニーズ事務所の問題、あるいは女性や障害者、外国人、LGBTQについて、職場の人権状況など包括的な調査を行っています。  今年五月二十七日に報告書が発表されました。日本の履行状況調査としては初めてとなります。  明治神宮外苑の再開発についてはどのような言及があったでしょうか。    〔理事佐藤正久君退席、委員長着席〕

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) お尋ねのビジネスと人権作業部会の報告書における神宮外苑の再開発に関する言及については、利害関係者からの提起された環境問題に対処するための既存の政府のメカニズムや有効性については懸念が残る、作業部会は、特に、大規模開発計画に関する環境影響評価プロセスにおいて、住民協議が不十分であるという点に対して深刻な懸念を表明する、利害関係者から提起された事案の一つが、人権に悪影響を及ぼす可能性のある神宮外苑地区再開発プロジェクトである、作業部会は、意味のある協議、特に気候変動によって不釣合いな影響を受ける可能性のあるリスク集団やマイノリティー集団との協議が国連ビジネスと人権指導原則の下で求められていることを強調するとされております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 再開発事業における住民との公開の協議、パブリックコンサルテーションが不十分だという指摘があります。広く市民や関係者の意見を募って、透明で民主的な決定、これはもう誰も否定しないものだと思いますが、その一例として挙げられた神宮外苑の再開発では、ビジネス主導で、東京に暮らす住民の意向を無視して進められている、こういう批判がされているわけです。  作業部会の報告書が公表された翌日、日本政府が見解を示しました。神宮外苑については、事業者から意見を得ずに報告書をまとめるのは手続的に間違っている、大きな問題があるなどとして、項目ごと削除するように求めています。  外務大臣に伺います。  削除を求めるとしたのはなぜでしょうか。これは誰に意見照会を行ったものでしょうか。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) ビジネスと人権作業部会が取りまとめる報告書は、ビジネスと人権に係る課題を明らかにし、人権を尊重するための取組に向けた普及啓発を目的とするものであると認識しております。  報告書における指摘事項の中には我が国の取組について事実に反すると思われる内容や一方的な主張が含まれることから、日本政府として、国内の多様な意見を伝達する観点から、国連人権高等弁務官事務所に文書を提出いたしました。  日本政府が提出した文書は、報告書の各関連事項の記述につき、所管の関係府省庁や地方自治体がこれを検討の上、必要に応じ意見を作成し、それらを外務省が取りまとめて国連人権高等弁務官事務所に提出したものでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 東京都に聞いたということですか。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) 神宮外苑部分についての意見は、東京都が検討、作成いたしました。

山添拓日本共産党

○山添拓君 政府は、この見解を出すに当たって、住民には意見を聞いたんですか。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) 外務省として住民の方に意見を聞いたということはございません。

山添拓日本共産党

○山添拓君 事業者が住民とまともな協議なく進めることが問題だとされているときに、事業者の意見を聞けという東京都の主張を基にこの返事出されたと、見解出されたと、こういうことになるんでしょうか。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) 報告書の個別事項につきましては、当該事項を監督、所掌する関係府省庁や地方自治体が報告書の内容を検討し、必要に応じ意見を作成したものでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 住民の意見を聞けというのがこの報告書の求めなんですよね。事業者の意見を聞けと東京都が言っていると。で、それをそのまま見解として表明したと。政府の見解ですから、東京都の見解とは書かれていないんですよ。  大臣、外務省としてはどう認識されているんですか。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) まず、外務省の役割ということでございますが、これは外交活動の一環として、今般の案件につきましても、訪日受入れの窓口官庁として当該文書の提出を行ったところであります。  作業部会の関心事項は多岐にわたっておりまして、個別事項につきましては、当該事項を監督、所管する関係府省庁やまた地方自治体が報告書の内容を検討し、必要に応じ意見を作成したものでございます。  個別事項につきまして監督、所管する立場にはない外務省といたしましては、こうした所管府省庁及び地方自治体が作成した意見の内容の正否につきまして判断する立場にはございませんで、外務省は、まさに国内の多様な意見を伝達するという観点から、この意見を取りまとめた上でOHCHRに提出したところでございます。  こうした取組につきましては、これまでも同様であると認識をしております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 しかし、この見解は政府の見解として出されているんです。それを東京都から言われて、東京都が述べていると書くこともせずに政府として全項目、この項目ですね、神宮外苑についての項目、全部削除を求めると。そこまで言うわけですから、やはり政府としてどう認識しているのかということを示されるべきだと思うんですね、作業部会については意義がある存在だと最初に答弁されましたから。にもかかわらず、全部削除を求めると。それでよいのかということを問われると思うんです。  報告書は、環境問題に対処するための政府の既存のメカニズムの有効性について懸念を表明しています。特に指摘されているのが住民との協議の不十分さです。  資料の二枚目にお付けしていますが、作業部会のヒアリングも受けた明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会は、計画の詳細が開示されたときには既に多くの条例変更がなされていて後戻りできないような段階まで進んでいた、ようやく開催された説明会は三百八十メートル範囲の住民に参加が限られ、影響を受ける近隣の世帯の多くが説明を受けられていませんなどとして、十分な説明を受け意見を届ける権利を求めています。  環境省に伺いますが、ビジネスと人権の指導原則に照らして、環境影響評価プロセスにおける事業者と住民との協議、これはやはり必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

大森恵子環境省大臣官房政策立案総括審議官

○政府参考人(大森恵子君) お答えいたします。  環境影響評価法は、現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保を目的としており、地域との適切なコミュニケーションを図ることは大変重要と考えております。  具体的には、事業に係る適切な環境保全を確保するため、環境影響評価手続の中で、事業者に対し、説明会の実施や国民から広く意見を聴取する機会の確保を義務付けております。これは、ビジネスと人権の観点からは、企業の環境面における人権尊重の考え方に沿ったものであると理解しております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ところが、外苑の再開発の環境アセスでは、ユネスコの諮問機関であるICOMOSのヘリテージアラートは無視されています。国際影響評価学会、IAIA日本支部は、アセスの枠組み自体に歴史的な価値や保全すべき都市緑地の価値、生物多様性など重要な項目が評価されていない、持続可能性への負の影響がほとんど評価できない仕組みだと批判しています。また、日弁連も、情報不足、調査手法の誤りや科学的でない記載があると指摘をしております。  政府は作業部会の報告書の案の段階で削除すべきだという見解を伝えたそうですが、作業部会は神宮外苑についても記載した報告書を公表しました。政府の見解は取り入れなかったということですね。六月下旬には人権理事会でこの報告書が報告をされると伺っています。  大臣に伺いますが、その際、政府としてどのような意見を述べるつもりでしょうか。また削除せよということはもうおっしゃらない方がいいと思いますが、いかがでしょう。

松尾裕敬外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官

○政府参考人(松尾裕敬君) 本報告書につきましては、六月二十五日及び二十六日にジュネーブの国連人権理事会で開催が予定されているビジネスと人権作業部会とのインタラクティブ・ダイアローグでの、において報告されると承知しております。その中での我が国の対応については今後検討してまいります。  いずれにいたしましても、ビジネスと人権作業部会が取りまとめる報告書は、ビジネスと人権をめぐる課題を明らかにし、人権を尊重するための取組に向けた普及啓発を目的とするものであると認識しており、これも踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 やっぱりビジネスと人権とかSDGsとかを看板倒れにしちゃいけないと思うんですよ、本気で捉えるのであれば。意義ある方針と掲げるからには、政府が主張なさるべきは、事業者の意見を聞けということではないと私は思いますよ。事業者に対して住民や専門家や学術研究会との対話を行うように促すことだと思います。また、東京都に対しては、そうした対話もなしに勝手に事業を進めさせることのないように求めるのが本来政府の役割だと思います。  神宮外苑の森は、皆さんも御承知のとおり、献金や献木や勤労奉仕、多くの方の思いと力で造成された国民共有の財産です。少なくとも、国や都の一存、また事業者の経済的利益ありきの再開発というのはふさわしくないと思います。明治神宮について日本共産党がそう言っているんですから、これはもう自民党も共産党もなく、やっぱりこれは価値ある存在として認めていくべきものだということを述べまして、質問を終わります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。  冒頭、五月三十日の防衛省の答弁について申し上げます。  聞いてもいないことを長々答弁したり、レクで答えたことをはぐらかしたり、挙げ句には虚偽に近い答弁までしています。  五月三十日に防衛大臣と地方協力局長は、騒音規制措置遵守や、土日に加えて地元の重要な行事に配慮するよう申入れを行ったなどと述べて、米軍機が土日に飛行していないような答弁を繰り返しました。  土曜日は、米軍機は訓練飛行を繰り返しているのです。オスプレイの離着陸飛行について、資料①のように、地元が反対する中で三月十四日に飛行を再開し、さらに、三月十六日土曜日も二機のオスプレイが六回の離発着を行ったことがはっきり書かれています。米軍は日本政府の求めに反して土曜日の飛行訓練を強行しているのでしょうか。  防衛大臣と地方協力局長が、こんな事実も知らないのか、あるいは知りながら虚偽に近い答弁を行ったのですか、きちんと明らかにしてください。

木原稔自由民主党・無所属の会防衛大臣

○国務大臣(木原稔君) 今、ただいま御指摘のありました五月三十日の本委員会における私の答弁につきましては、航空機の騒音を軽減するため、航空機騒音規制措置を遵守することのほか、土日に加え年末年始や入学試験等の地元の重要な行事に配慮するよう米軍に対し繰り返し申し入れている旨を述べたものでございます。  その上で、沖縄防衛局による目視情報によれば、令和五年度中に普天間飛行場において確認された離着陸等の回数は合計で約一万二千七百回であり、このうち土曜日は約五百四十回、全体の四%程度であるとの報告を受けております。また、米側からは、日米合意に基づき、できるだけ周辺地域への影響を局限する運用に努めているとの説明を受けています。  したがって、さきの答弁については、こうした事実に基づいたものでございまして、虚偽と知りながら答弁したということではございません。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 オスプレイの再開についても、三月十五日は飛んでおりますが、沖国大の卒業式の日でした。このようなことで、申し入れても聞かないんです。  前回の質疑を通じて、米軍基地関連の問題が生じても日本政府は正式な日米合同委員会や分科委員会に提起していない実態が明らかになりました。防衛大臣自身、航空機騒音対策分科委員会が十五年以上も開催されていないことを初めて知って驚いたんじゃないでしょうか。  私も、これだけ米軍用機による爆音が社会問題化し、幾つも訴訟が提起され、住民の被害が認定される判決が出ているにもかかわらず、正式な日米協議の場である航空機騒音対策分科委員会が十五年も開催されていないことに耳を疑いました。でも、これが普天間基地の現実なんです。現場の防衛省担当者ははっきり認めています。  防衛大臣は、前回、普天間飛行場における航空機の騒音は周辺住民にとって深刻な問題で、普天間、負担軽減を図ることは重要な課題と認識していると言いながら、航空機騒音対策分科委員会は必要に応じて開催していくと答弁しています。でも、十五年間も開催されていない。正式な協議をしないから米軍に無視されるんです。  防衛大臣、おかしいと思いませんか。最後に開催された二〇〇八年以降、必要なかったと考えているのでしょうか。正式な場である分科委員会や日米合同委員会を開催して協議してください。

大和太郎防衛省地方協力局長

○政府参考人(大和太郎君) お答え申し上げます。  まず、航空機騒音規制措置についてでありますが、現在の航空機騒音規制措置は、飛行場周辺の住民の方々への負担をできる限り軽減するという課題と、日米安保条約の目的を達成するために米軍の運用上必要な活動を確保するという課題との間でどのような方策が取り得るかにつき日米間で鋭意協議を重ねた結果、取りまとめられたものであり、米軍の運用上可能な限りの制約を課したものであります。  米側に対し、航空機の運用に当たっては、安全な飛行の確保に努めるとともに航空機騒音規制措置の遵守を徹底するよう要請しております。引き続き、米側に対して、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけてまいります。  また、場周経路についてでございますが、平成十九年に日米間で合意した報告書において確認された普天間飛行場の場周経路などについては、沖縄防衛局における航跡調査によって飛行状況を把握してきたところであります。その結果として、調査開始の当初と比較して報告書の遵守状況に改善が見られておりまして、直近の令和四年、二〇二二年度の調査結果では、全般的に場周経路に沿った飛行航跡が確認されております。  また、米側からは、引き続き、報告書を遵守し、航空機搭乗員等への継続的な教育を通じて地元に及ぼす影響の軽減対策を講じるよう努めるとともに、失礼しました、地元に及ぼす騒音の軽減対策を講じるよう努めるとともに、常に飛行の安全を優先するとの説明を受けているところであります。  こうしたことから、普天間飛行場の場周経路を見直すよう米側に働きかける考えはございませんが、いずれにせよ、航空機の騒音は周辺住民の皆様にとって深刻な問題であり、その負担を軽減、その負担軽減を図ることは重要な課題であります。  引き続き、米側に対し、地域の実情を理解した上で一層の協力をするよう、様々なレベルや対応において粘り強く働きかけてまいります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 またしても、ここで聞いているのは、開催をして協議をしてくださいと言っているんですよ。そういうこととは関係なく、前回の委員会で否定をした。  まさに、二〇一二年にオスプレイが二十四機も配備されて、全く違う飛行機が市内全域を飛び回っている。こういうことが場周経路と反していますよということを言ったにもかかわらず、二〇二二年はちゃんと飛んでいると。でも、その資料を出してくださいと言ったら、出せないと。そういう実態を放置するんですか。  とにかく、いずれにしても、防衛省の答弁は、国会のルールと信義に基づいて事前のレクや質問通告をしている立法府や行政の関係を著しく傷つけるものです。  委員長、五月三十日のような答弁が繰り返されないよう、当日の委員会での私の答弁に対する防衛省についての、適切だったか否かについて、どのような意図で虚偽に近い答弁がなされたのか、自主的に検証して委員会に報告するようお取り計らいください。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 後刻理事会で協議いたします。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 日本政府は、沖縄県民が何に怒っているのか理解する姿勢を持つべきです。こんないいかげんな対応、沖縄以外では許されないでしょう。  三十日の質疑では、一九九六年騒音規制措置の検討や二〇〇七年八月の場周経路の更なる検討の際も、普天間飛行場に米国連邦航空法での軍事飛行場に義務付けられたクリアゾーンが備わっていないことが隠されてきたことを指摘しました。  資料②及び③のように、米国では、一九六八年から一九七二年まで、滑走路から十海里、十八・五二キロメートル以内で起きた大事故を分析し、七五%の事故が滑走路上かあるいは滑走路周辺で起こっていることから、事故の可能性が最も高い滑走路端から三千フィート、九百十四・四メートルをクリアゾーンとして確保することを義務付けています。連邦航空法、フェデラル・アビエーション・レギュレーションズのパート七十七、セクション七十七・二八は、制限表面の規定は全ての軍事飛行場に適用されるとして、(b)の(2)でクリアゾーンの規定を設けています。  しかし、普天間飛行場ではクリアゾーンが設置されておらず、二〇〇九年に宜野湾市が指摘した配付資料④のように、④の下段のように、普天間飛行場、普天間第二小学校や地域公民館、児童施設、保育所、住宅地に広がっています。度々見せていますけど、こんな形ですね。(資料提示)これが放置されているんです。  これまで防衛省や外務省は、クリアゾーンの規定は米国の規則であり、日本政府として有権的に解釈できないことから答弁を差し控えるという趣旨の答弁を繰り返してきました。  その後、二〇一二年の普天間のオスプレイ配備に向けて米国政府が日本政府に提出した配付資料④の上段のように、二〇一二年四月のMV22の沖縄配備及び日本での運用に関する環境レビューで、「全ての固定翼の使用滑走路に必要とされる大きなクリアゾーンは、滑走路〇六/二四の両端から基地外に広がっている。」と記述されたことや、さらに、私を含めて多くの議員の働きかけにより、令和二年、二〇二〇年十二月一日の外防委の答弁では、米連邦航空法、米国統一施設基準においてクリアゾーンの設置に関する規定が存在することは承知している、固定翼機が使用する滑走路の両端から約九百メートル外側までの区域について、飛行の安全と地上における人の安全確保の観点から、土地の使用が制限されるクリアゾーンが指定されていると防衛省が認識を改めています。  普天間におけるクリアゾーンの欠如は、日本政府が違法状態か否か有権的に述べることはできないとしても、基地を提供している日本政府の責務として、少なくとも、有権的に解釈すべき米国側の認識や対応策をただすべきです。  日米地位協定二の、二条一項や、一項(a)第二文は、「個個の施設及び区域に関する協定は、第二十五条に定める合同委員会を通じて両政府が締結しなければならない。」と規定しています。  普天間飛行場について、地位協定二条一の(a)、一項の(a)に規定する協定として、一九七二年五月十五日のいわゆる五・一五メモ以外に存在しないという理解で間違いありませんか。

宮本新吾外務省大臣官房参事官

○政府参考人(宮本新吾君) お答え申し上げます。  委員御指摘のいわゆる五・一五メモでございますけれども、こちらは一九七二年、昭和四十七年五月十五日付けの日米合同委員会合意を指しておりまして、同合意におきまして、沖縄における在日米軍の施設・区域の使用目的などが定められてございます。  普天間飛行場を米軍施設・区域として提供することを規定した日米間の合意としては、いわゆるこの五・一五メモが該当するものと認識してございます。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 この地位協定二条一項(a)第二文は、外務省のホームページによれば、日本側の同意なしに米国が日本国内に施設・区域を設置することができないということを意味しています。  「日米地位協定の考え方」という外務省の地位協定のコンメンタールでは、地位協定が個々の施設・区域の地区の、提供を我が国の個別の同意によらしめている趣旨は、場合によっては、関係地域の地方的特殊事情、例えば適当な土地の欠如により、現実に提供が困難なことがあり得るからと解説しています。  普天間飛行場にクリアゾーンが欠如していることは、この関係地域の地方的特殊事情等、例えば適当な土地の欠如に当たり、現実に提供が困難な場合に当たると考えられます。違法か否かという有権的な判断とは別に、米連邦航空法上のクリアゾーンの規定の存在を日本政府が認識した時点で、米国側の判断を確認し、クリアゾーンのない普天間飛行場の提供の継続が可能かどうか、日米間で正式ルートで協議すべきでした。  外務大臣、米国連邦航空法のクリアゾーンの規定の存在を日本政府が認識した時点で、日米両政府間でそのような検討、協議は行われたのでしょうか。その上で、日本政府として基地の提供に同意しているんですか。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) 委員御指摘のこのクリアゾーンでありますが、米国連邦航空法等におきまして関連する規定が存在することは承知をしております。  普天間飛行場におきましては、我が国の航空法で最低限必要とされる長さ九十メートルの滑走路端安全区域に相当するスペースが確保されているところであります。  いずれにいたしましても、普天間飛行場の運用につきましては、日米両国政府間で日常的に様々なやり取りを行っているところでありますが、地域住民の方々の安全確保が最重要であります。普天間飛行場におきますこの航空機の運用につきまして、公共の安全に妥当な考慮が払われることは当然でございます。米側に対しまして、安全面に最大限配慮し、周辺地域に与える影響を最小限とどめるよう、引き続き求めてまいります。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 私が言っているのは軍事飛行場のことのものでありまして、いわゆる航空飛行場では、単なる空港ではありません。  米軍航空機による大事故の七五%がクリアゾーン内で発生しているのです。空中給油機KC135は、約十一・八万リットル、ドラム缶換算で五百九十個分もの燃料を搭載可能です。これが普天間飛行場の外側に広がるクリアゾーン内で墜落すれば、どのような大惨事になるか容易に想像できるはずです。  配付資料⑧のように、普天間で、嘉手納からの外来機であるKC135が、令和元年に百十八機、二年に五十七機、三年に五十二機、四年に十五機、五年に二機が飛来して、離発着訓練をしています。  配付資料⑦の一九九六年三月二十八日に合意された嘉手納飛行場における航空機騒音規制措置の「3.措置 d」では、「滑走路五L/二三Rへ有視界飛行方式経路で飛行するKC―135は、できる限り人口稠密地域上空の飛行を避ける。」とされています。空中給油機KC135はとりわけ墜落での危険性が高いので、特に機種を明示して規定されているわけです。  しかし、普天間飛行場に外来するKC135の飛行経路については何の規制もされていません。危険性の除去を理由に、辺野古唯一と言い続ける政府は、危険な米軍機KC135の人口稠密地域の上空飛行を容認し続けているのです。  配付資料⑥のように、二〇一五年六月二十三日の朝日新聞インタビューで、元米国駐日大使マイケル・アマコスト氏は、沖縄に駐留する海兵隊が死活的に重要なものだとは思えません、普天間でもし事故が起きたら日米同盟は壊滅的な影響を及ぼすと懸念を表明しています。  米国政府は普天間の危険性を深刻に捉えていますが、米軍と日本政府は、そのことが分かっていないのか、分かっていながら軽視しているのか、とにかく今の状況は極めて大変厳しい状況です。事故が起きてからでは、取り返しが付きません。騒音や場周経路は運用の調整の問題ですが、クリアゾーンの欠如は物理的に解決しなければならない極めて深刻な問題です。  米国による有権的な解釈で、普天間飛行場のクリアゾーン欠如が連邦航空法上の違法であるか否かにかかわらず、クリアゾーンの立法事実である七五%の大事故がこの区域で起こっているという事故のリスクの高さから、日本国民の命を守るという観点で、日本政府として、普天間飛行場の継続提供の是非について、政府内で協議するとともに、正式ルートである分科委員会、日米合同委員会で協議すべきです。  これまで、日米合同委員会ないし分科委員会で在日米軍施設の連邦航空法のクリアゾーン設置義務の運用について協議したことがありますか。特に、普天間飛行場について、米国連邦航空法が軍用飛行場のクリアゾーンの設置を義務付けた七〇年代以降、日米政府で基地提供の同意を見直し、あるいは協議したことがありますか。

木原稔自由民主党・無所属の会防衛大臣

○国務大臣(木原稔君) 御指摘のクリアゾーンに関する防衛省の見解については、米国の連邦航空法等において関連する規定が存在しているということはもちろん承知しておりまして、防衛省として、米国の法令等について網羅的に把握をし有権的に述べる立場にはないために、クリアゾーンの解釈や適用などに係る詳細についてお答えすることは困難であるということは御理解いただきたいと存じます。  それを前提に、日米合同委員会における合意文書や議事録については原則として公表しないこととされておりまして、お尋ねの協議の実績も含めて、米側との関係からお答えすることは差し控えます。  なお、普天間飛行場については、一九七二年に米側に対する提供を同意して以来、政府としてその提供自体を見直したことはございません。

伊波洋一沖縄の風

○伊波洋一君 今、普天間飛行場には外来機が年間三千機以上来るんです、三千回以上ね。それがジェットになっていますよ。  それで、さっき言ったクリアゾーンの中に、ここに普天間第二小学校がすぐそこにあるんで、入っているんです。人口でしても住民自体は三千五、六百名いますが、その小学校に、子供たち、児童千名近くがいるわけですよね。その真上を米軍機が飛んでいるわけです、場合によってはね、だから物も落ちますしね。そういうことを放置していくこと自体がおかしいんです。私も訪米をして、そのことを何度か各地域に見せました。驚いていました。どうしてここに、このような飛行場が存在し得るのかと。日本政府が存在させているわけですよ。そのことをしっかり受け止めてもらいたい。  そして、次回にもお話をしますけど、少なくとも日本政府の責任、国民の命を守るという責任、果たしていただきたい、このことを申し上げて、質疑を終わります。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 本日の調査はこの程度にとどめます。  防衛大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。     ─────────────

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とクロアチア共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び刑事に関する共助に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。上川外務大臣。

上川陽子自由民主党・無所属の会外務大臣

○国務大臣(上川陽子君) ただいま議題となりました四件につきまして、提案理由を御説明いたします。  まず、日本国の自衛隊とドイツ連邦共和国の軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とドイツ連邦共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件は、令和六年一月二十九日に協定の署名が行われました。  この協定は、自衛隊とドイツ軍隊との間で、それぞれの国の法令により認められる物品又は役務の提供における決済手続等を定めるものです。  この協定の締結により、自衛隊とドイツ軍隊が行う活動においてそれぞれの役割を一層効率的に果たすことを促進し、国際の平和及び安全に積極的に寄与することが期待されます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、航空業務に関する日本国政府とクロアチア共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件は、令和五年七月二十一日に協定の署名が行われました。  この協定は、クロアチアとの間で、定期航空路線の開設及び定期航空業務の安定的な運営を可能にするための法的枠組みについて定めるものです。  この協定の締結により、両国間の人的及び経済的な交流が更に促進されることが期待されます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、社会保障に関する日本国とオーストリア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件は、令和六年一月十九日に協定の署名が行われました。  この協定は、オーストリアとの間で、年金制度、医療保険制度等に関する法令の適用について調整を行うこと等を定めるものです。  この協定の締結により、両国の年金制度への二重加入の解消等を通じ、人的交流が円滑化され、ひいては経済交流を含む両国間の関係が一層緊密化することが期待されます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  最後に、刑事に関する共助に関する日本国とブラジル連邦共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件は、令和六年一月二十五日に条約の署名が行われました。  この条約は、一方の締約国が他方の締約国の請求に基づき、捜査、訴追その他の刑事手続について共助を実施すること、そのための枠組みとして、両締約国が指定する中央当局が相互に直接連絡すること等を定めるものです。  この条約の締結により、我が国から請求する共助がブラジルにおいて一層確実に実施されることを確保できるとともに、共助に関する連絡を中央当局間で直接行うことにより、共助の効率化、迅速化が期待されます。  よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。  以上四件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

小野田紀美自由民主党

○委員長(小野田紀美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  四件に関する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時七分散会

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