外交防衛委員会 第12号
- 発言数
- 162 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2024/05/14
会議録
○委員長(小野田紀美君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、永井学君が委員を辞任され、その補欠として猪口邦子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小野田紀美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官門松貴君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野田紀美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小野田紀美君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松川るい君 自民党の松川るいです。質問の機会いただきまして、ありがとうございます。 私、このゴールデンウイークに豪州と韓国にそれぞれ、豪州の政府招聘プログラムと日韓戦略セミナーのパネリストとして参加招請があって行ってきたんですね。そのときに、豪州ではサイバーセキュリティー、韓国では防衛産業関係の関係者とも意見交換をさせていただくことができましたし、関連視察の訪問もできたんですね。 そこで、やはり共通の学びの一つがエコシステムの重要性ということでございます。韓国は、今や世界第五位の防衛装備移転大国になったそうで、韓国の防衛装備移転発展の鍵は、そういうその産業と、それから省庁と、アカデミアと、人材育成の関係の、あと技術ですね、エコシステムの形成とのことでした。 韓国では、六十ぐらいの大学に防衛関連の学部があって、十三の防衛関係の研究機関やシンクタンクがあると。そして、大学始めとするアカデミア、防衛産業、関連省庁が緩やかに連携をしておりまして、昌原という防衛産業発祥の地みたいなところがあるんですけど、ここに二千社ぐらいの防衛産業関連、防衛だけではないんですけど、スタートアップとかも含めて関連企業が集積している、シリコンバレーじゃないですけど集積しているということでございまして、そこで新しい技術開発やイノベーションが起きたものをすぐに取り入れるというような、そういう流れがあるそうです。 軍を退役しましたら、そうした大学の防衛関連学部の教授になったり、防衛産業に就職をしたりして、その防衛装備移転にそうした学部からの、例えば防衛装備移転にはオフセットというのが必要になりますけども、例えばポーランドからの学生さんの受入れというのがオフセットのその材料の一つになる、そういったことも活用できるんだということでございました。人材育成から人材活用での垂直面での発展がとても重要で、防衛産業のクラスターというようなエコシステムができていることが重要とのことでございました。 大臣に、木原大臣に、私、三月末の当委員会で、防衛産業戦略というのをやっぱり日本も策定して、今言ったような関係者がコミュニティーをつくれるようなエコシステムをつくるプロセスとしても活用すべきじゃないかということも申し上げたところです。四月末には、岸田総理にも防衛産業戦略を作るべきだという防衛装備移転議連の提言もお持ちいたしまして、総理からは、具体的にどう進めればいいのか検討してみたいとの言葉もいただきました。 今お手元に配付した資料を見ていただくと、各国が策定している国家防衛産業戦略のイメージというのがちょっと分かると思うんです。これQRを読み込みますと、先生方も実際に引き出して見ることができると思います。 一つ例として、豪州のはこんな感じなんですけど、(資料提示)大体百ページぐらいあって、そこにいろんな意味でのこのストラテジーというのがどういう方針でやっていくよとかということが書いてあって、中長期的なので、産業側もある程度予見可能性を持って、次なる技術の投資だとかということが、人材育成とか技術者の確保ということができるということになります。 ということで、ちょっと前置きが長くなりましたが、木原大臣、今、防衛産業戦略、是非作っていただきたいということでお願いをし、前向きな答弁も三月末の委員会でもいただきましたが、改めて、現在、どういうふうに取り組んでいくのか、お考えを教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 松川委員におかれましてはこの防衛産業政策には非常に関心が高いということを私も大変有り難く思っておりまして、また、三月にもこの本委員会で議論もさせていただきましたが、防衛生産・技術基盤というものは我が国の言わば防衛力そのものであり、抜本的な強化が不可欠だという、私もそういう認識を持っております。 この考えの下で、防衛省は、防衛生産基盤強化法に基づき、防衛産業の国内基盤を維持強化する必要性や、我が国が持つ科学技術、イノベーション力を結集して技術的優位性を確保する重要性、また官民が一体となって装備移転を推進する必要性などを含む基盤の強化に関する基本方針を昨年十月に策定し、各種施策に取り組んでおります。 このような中で、先日、委員を始め防衛産業・装備移転推進議員連盟の皆様から、強靱なサプライチェーン、先端技術、イノベーションの獲得、装備移転と実施体制、人材育成などの検討の必要性も含めた国家防衛産業・装備移転強化戦略の策定について重要な提言をいただいたところでございます。 防衛省としては、この提言も踏まえて、関係省庁はもちろん、産業界やあるいは学術界とも意見交換をしながら、基本方針を基に、更に拡充、発展することを検討してまいります。
○松川るい君 是非、策定につなげていただきたいと存じます。 次に、サイバーセキュリティーなんですけど、私、改めて、日本に一番、二〇二二年の年末のあの防衛三文書でかなり大きな防衛だったり安全保障の穴というのは埋められたと思うんですけど、まだ足りていないのが、やっぱりサイバーとそれからインテリジェンスだというふうに改めて感じました。 サイバーセキュリティーについて言うと、豪州のサイバー担当大臣とかにお目にかかったりサイバーセキュリティーセンターも訪問させていただいて、いろいろ学んだんですね。もちろん中身はここではお話しできないのでそこはお話はできませんが、とにかく、非常に日本はサイバーについては周回遅れだなということなんですね。まず、人材が全く足りていないなというふうに思いました。そのサイバーの分野でも、産官学のエコシステム、人づくりだったり、そういうところ、組織のつくり方も含めて、本当に様々やらなきゃいけないなということを感じたところです。 まず、国民レベルでサイバーセキュリティーが大事だという認識の度合いに随分差があるなと。日本も大分、サイバーセキュリティー大事だなということは浸透しつつはあると思うんですけど、まだまだ全然、中小企業だとか一般の企業だとか、国民レベルでの意識が全然違うなと。 なので、やっぱり、まずは、サイバー人材を目指そうという若者が出てくるかというところにつなげる意味でも、サイバーセキュリティーの重要性自体について啓発をしていくことが必要だと思うんです。もう一つは、サイバーセキュリティーの重要性とサイバー人材というのがこれからとても大事な分野として求められているんだよということを、もっと啓発していく必要があると思います。 是非、木原大臣からも、それから上川大臣からも強力に発信をしていただきたいと思いますが、まず木原大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) サイバー空間における自由で開かれたアクセスは一般として現代社会の大切な構成要素となっていますが、自由であるがゆえに、サイバー空間に悪意を持って参加する事例が無数に確認をされています。我々の日常において、オフィスやリビングのディスプレー越しに見えない攻撃主体と対峙していると言っても過言ではなく、サイバーセキュリティーは、防衛省や政府のみならず、国全体として取り組むべき課題であります。 そこで、防衛省では、サイバー人材の確保、育成に取り組んでいるところ、陸海空自衛隊の学校における教育や一般大学を始めとする外部の教育機関の活用、サイバーセキュリティー関連企業での研修などを通じて、隊員の内部育成を主としつつも、外部人材の活用を併せて推し進めることとしております。 自衛隊のサイバー専門部隊で勤務する隊員は、我が国におけるサイバー安全保障分野の重要な担い手であるとともに、他国軍のサイバー部隊と共同演習や意見交換等を行うなど、自衛隊ならではの実践的な知見、経験を得る機会が確保されています。 また、防衛省・自衛隊で勤務いただいたサイバー人材が、例えば勤務を通じて得られた経験やノウハウを民間分野で生かしていただくことにより、防衛省と民間分野で働く皆様との間でサイバー人材の好循環をつくることができれば、我が国全体のサイバー対応能力の底上げにつながるものではないかと考えています。 このように、サイバーセキュリティーの重要性や、防衛省がサイバー人材の確保、育成を重視していることを積極的に発信するなどして、外部の人材にアプローチをしてまいります。
○松川るい君 済みません、大臣、次の私の質問の答えも一緒に言ってくださったと思うので、もう時間がないので併せて申し上げたいと思うんですけど。 私、サイバー人材を養成していくとか日本の中でつくっていくときに、国の中で既存の組織としてやっぱり活用できるところというのは、自衛隊の中の陸自工科学校と、それから防衛大学校のサイバー学科だと思うんですね。そこを是非、ここは柔軟に考えて、防衛大学校を出ても全員が自衛官になるわけでは必ずしもない、まあ本当はそれが期待されていますけど。陸自工科学校を出ても全員が別に陸自に、これは期待されていますけど、一〇〇パー行くわけじゃ今でもないんですね。 なので、是非そのサイバー部門だけは、いわゆるほかの、何というんですか、民間の人というか、自衛隊員になることを前提としていなくても受け入れて、それは、例えばほかの高校だったり大学と連携すればできると思うので、そこの枠は拡充をして、是非、陸自の工科学校と防衛大学校のサイバー学科は募集をもっと広くして、自衛官になるという縛りもなくして、ほかの学校とも連携をしてサイバー人材を養成するための国の主導的な組織として活用していくべきだし、そこについての予算は是非応援して、この委員会からも応援して付けたらいいんじゃないのかと思います。 そのアイデアを真剣に是非御検討いただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) サイバー人材の確保、育成は喫緊の課題でありまして、意欲ある人材のための教育コストの拡充というのは御指摘のように非常に重要との認識でございます。 防衛省においても、意欲ある人材を受け入れ、育成するための教育基盤の拡充を進めておりまして、例えば防衛大学校では、全学生に対するサイバーリテラシー教育を実施しているほか、今年度からは情報工学科をサイバー・情報工学科に改編し、専門教育を強化しております。また、陸上自衛隊の高等工科学校については、令和三年度に新設したシステム・サイバー専修コースの拡充を含め、教育基盤等を整備し、令和九年度までに陸海空共同化、男女共学化することとしております。さらに、本年三月、陸上自衛隊の通信学校を陸上自衛隊システム通信・サイバー学校に改編し、私も改編行事に参加をしてまいりました。 教育基盤の強化に加えて、民間において高度の専門的な知識、経験を培ったサイバー人材を確保すべく、高度人材にふさわしい処遇を確保した上で、最大五年の任期で自衛官として採用する、そういった新たな自衛官の人事制度を導入することとしております。 取り得る手段を全て取るという、そういう考えの下で、外部のサイバー人材の確保、育成にも全力を尽くしてまいります。
○松川るい君 だんだん時間がなくなってきてしまって、申し訳ありません。 次に、そのサイバー人材が、じゃ、どこで活躍するかというと、サイバーセキュリティセンターというのがやっぱりちゃんと政府の中にあって、政府機関を防護するだけじゃなくて、例えばオーストラリアだったら企業とかクリティカルインフラストラクチャーに同意の下でそのセンサーをちゃんと付けて、何でしょうね、探知をするとかも含めてそういうオペレーションをするということもやっているわけなんだけれども、日本政府としては、今後、NISCはありますけど、実際のサイバーオペレーション、サイバー対策をしていくセンターというのはどういうふうにつくっていくおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(門松貴君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、政府に置かれております、現在置かれております内閣サイバーセキュリティセンター、NISCでございますが、これは、行政内部の、行政各部の情報システムに対する不正な活動の監視及び分析などの業務を現在行っておるわけでございますが、令和四年十二月に閣議決定いたしました国家安全保障戦略においては、サイバー安全保障分野における情報収集・分析能力を強化するとともに、能動的サイバー防御の実施のための体制を整備することとされておるということでございます。 こうした取組を実現、促進するために、NISCについては発展的に改組をし、サイバー安全保障分野の政策を一元的に総合調整する新たな組織を設置するということとし、その第一弾として、令和六年度予算においてNISCの予算や人員の大幅な増額、増員を行ったところでございます。 いずれにせよ、国家安全保障戦略に掲げたサイバー安全保障分野での対応能力を欧米主要国と同等以上に向上させるという目標が明確に定められておりますので、それに向けてしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○松川るい君 もう時間がそろそろ来るので終わりにしたいと思うんですが、せっかく配った資料なので是非先生方御覧いただけると、オーストラリアは、二〇三〇年までにサイバーのリーディングネーションになるんだという、こういう目標を掲げてサイバー・セキュリティー・ストラテジー、サイバー安全保障戦略というのをつくっております。戦略何でもつくればいいというふうに私は別に思っているわけじゃないんですけど、是非、今おっしゃられた諸外国に比肩する立派なサイバーセキュリティー能力のあるセンターをつくっていくということをしっかり取り組んでいただきたいですし、そこではアクティブサイバーディフェンスから含めましてやっていただきたい。特に、インテリジェンスとの一体性がとても大事なので、その点も考えた組織構成にしていただきたいということも併せて申し上げたい。そこに向けては、防衛省もそのセンターの一部ですので、是非、サイバーの分野で、もう既に取組を具体的に進めている省庁でありますので、御貢献をいただきたいということをお願いして、質問とさせていただきます。 どうもありがとうございました。
○水野素子君 立憲民主党、神奈川選出の水野素子です。会派、立憲民主・社民を代表しまして質問をさせていただきます。 まず、やはり護衛艦「いずも」のドローン空撮の問題につきまして、なぜ察知できなかったんでしょうか、そして再発防止策につきまして、木原防衛大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 護衛艦「いずも」を撮影したとする映像については、分析を進めた結果、今般、実際に撮影された可能性が高いとの認識に至ったところです。 防衛関係施設に対してドローンにより危害が加えられた場合、我が国の防衛に重大な支障を生じかねないことから、防衛省・自衛隊としては、今回の分析結果を極めて深刻に受け止めております。 その上で、察知できなかった原因とのお尋ねだと思いますが、これは、我が方が個別のドローン飛行を認知していたかどうかという点に直結することでもあり、基地警備に係る我が方の能力を明らかにするおそれがあることから、探知の有無という、含め、お答え、その点のお答えは困難でございますが、いずれにしましても、昨今、ドローンの普及が進むとともに関連技術も急速に発展しつつあり、こうした傾向に的確に対応できるよう、基地警備能力等を高める不断の努力が重要であります。 防衛省・自衛隊として、より能力の高いドローン対処器材の早期導入、また電波妨害による違法ドローンの強制着陸といった、法令の範囲内での厳正かつ速やかな対処を徹底するなどの取組を通じて基地警備により万全を期していく、そういった考えでございます。
○水野素子君 今回察知できなかったことを是非改善いただきたいと思うんですね。もう諸外国では、御案内のように、ドローンというのは、戦略領域といいますか、もう武器の中でももう普通になってきていますから、我が国がこれを察知できなかったりということをしっかり先端技術で改善していただきたい。 そして、もう一つ、私がやはり問題であるともう一つ思ってしまうのは、なぜ当初、合成映像ではないかというような安易な対応をしたのかということです。防衛においては一縷のリスクも看過できないのではないですか。なぜそのような対応であったのか、お答えいただきたいです。
○国務大臣(木原稔君) 近年、ロシアによるウクライナ侵略やイスラエル、ハマスの紛争を始め、国際社会においてそういった偽情報の流布により他国の世論や意思決定に影響を及ぼすこと等を目的とする情報戦に焦点が当たっております。 このため、本件についても、我が国に対する悪意を持った影響力行使の活動の一環として加工、捏造されたものである可能性を含めて慎重に分析を行う必要があったことから、悪意を持って加工、捏造されたものである可能性を含めて現在分析中という、そういった発言を申し上げたものでございます。 その上で、防衛関係施設に対してドローンにより危害が加えられた場合には我が国の防衛に重大な支障を生じかねないことから、本件映像について報告を受けた際に、私からは、調査分析を進めるとともに、引き続き関係機関と緊密に連携しつつ基地警備に万全を期すよう指示をいたしました。 昨今、ドローンの普及が進むとともに関連技術も急速に発展しつつありまして、こうした傾向に的確に対応できるよう、基地警備能力等を高める不断の努力が重要です。 防衛省・自衛隊としては、今回の分析結果を契機として、先ほど申し上げたように、より能力の高いドローン対処器材の早期導入、電波妨害による違法ドローンの強制着陸、そういった法令の範囲内での厳正かつ速やかな対処を徹底するなどの取組を通じ基地警備に万全を期してまいります。
○水野素子君 かつてないほど厳しい安全保障環境ということでございますし、そういった中では是非しっかりと指揮監督をしていただきたいと思います。 次に、本日は一般質問の機会をいただいていますので、私は、かねてから気になっておりましたアメリカのもしかしたらあり得るかもしれない政権交代による外部環境変化について、外交方針、影響をお尋ねしたいと思います。 まず最初に、麻生副総裁の訪米、トランプ元大統領との会談につきまして、改めてお尋ねいたします。 私は、やはり外務大臣の御感想をいただきたいと思うんです。資料一におきまして、答える立場にはないというふうに、全く答えていらっしゃいませんけれども、これやっぱりばらばらではないでしょうか。特に諸外国においてばらばらと見られてしまうのではないでしょうか。 そしてさらに、本件訪米は自発的な訪米ですか。政府との事前調整は一切ありませんでしたか。上川大臣はこの訪米をいつ知りましたか。このような動きが起こるのだから四月の総理の国賓待遇でのバイデン政権との会談は事前の外部環境の分析や外交戦略が甘かったのではないですか。お尋ねいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 御質問でございますが、麻生自民党副総裁の訪米は一議員として行われたものと承知をしております。政府として関与していない一議員の立場としての活動につきましてコメントすることは差し控えたいというふうに思っております。 先般の岸田総理の訪米でありますが、多岐にわたります分野についての議論、これを通しまして、日米両国が幅広く深い信頼とまた重層的な友好関係で結ばれており、このかつてなく強固な友好信頼関係に基づくグローバルパートナーとなっていることが確認をされたところであります。 また、日米同盟でありますが、揺るぎなく、その重要性につきまして、民主党、共和党を問わず共通の認識が存在をしているところであります。総理は、連邦議会におきまして演説をいたしました。その際、不朽の友好に基づくこの日米同盟の重要性と、今後も堅固な同盟であり続けるということを具体的なビジョンとともにしっかりとお伝えをし、超党派の米国議員から多くの賛同が得られたものと考えているところでございます。 今後も、先般の総理訪米の成果をしっかりと踏まえながら、日米協力の更なる強化に向けまして取り組んでいく考えでございます。
○水野素子君 済みません、通告していますので、二点お答えいただけていないので、改めてお問合せいたします。 政府との事前調整は一切なかったんですか。上川大臣はこの訪米をいつ知りましたか。お願いいたします。通告しています。
○政府参考人(宮本新吾君) お答え申し上げます。 先般の麻生自民党副総裁の訪米に際しましては、麻生太郎衆議院議員事務所からの依頼に応じまして、外務省の便宜供与基準にのっとって適切に対応してございます。具体的には、出入国支援、借り上げ車両の手配、それから宿舎留保及び現地情勢ブリーフを行いましたけれども、麻生副総裁の訪米は一議員として行われたものでございまして、これ以上の詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきます。 なお、上川大臣の御予定に関しましては、既に大臣の方から、そのような予定はないということでお答え申し上げたとおりでございます。
○水野素子君 もう一度お尋ねいたしますけれども、それでは、トランプ元大統領との調整、面談、会合の設定につきましては全く関与していないということですね。
○政府参考人(宮本新吾君) 先ほどお答え申し上げたとおりでございます。
○水野素子君 いつ大臣が知ったのかという点、もう一度お願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 今冒頭に申し上げたとおりでございまして、一議員として行われたものということでございます。この一議員としての立場としての活動につきましてはコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○水野素子君 私、いつ、事前に知っていたんですかということ、いつを聞いているので、今日お答えがないようですので、また改めて、この件、委員長、お取り計らいいただきたいと思います。
○委員長(小野田紀美君) 後刻理事会で協議いたします。
○水野素子君 それでは、私、やはり改めて学ばさせていただきたいんです。もし万一というか、仮にアメリカでトランプ政権への交代があった場合、以下四点についてどのような外交上変化が生じるか。 一点目、ウクライナ紛争への変化、そして我が国の対ロ外交政策への影響。二点目、中東紛争への変化、の変化、我が国の対応への影響。三点目、米中関係への変化、そして我が国の対中国政策への影響。四点目、北朝鮮問題の変化、我が国の対応への影響。四点まとめて順次お願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 一つずつお答えをさせていただいてよろしいでしょうか。 まず、御質問一でありますが、ウクライナ情勢をめぐる状況、またロシアへのということの御質問でございます。 ロシアによるウクライナ侵略につきましては、同盟国たる米国政府がいかなる政策を取るかは我が国にとりまして大変重要な関心事項であります。平素から日米の政府間で緊密な意思疎通を続けると同時に、米国内における情勢を注視をしているところであります。 この観点から、今般の米国大統領選挙に向けた動きの中におきまして、トランプ氏がウクライナ情勢について様々な発言を行っていることも把握をしているところであります。その上で、他国の内政における仮定の質問について政府として予断を持ってお答えすることは困難であります。 いずれにいたしましても、重要なことは、米国大統領選挙の結果にかかわらず、今後生じる様々な事態に対応し、米国政府との間で必要な政策上の調整をしていくこと、そして、今後とも米国政府との意思疎通を緊密に行っていくことというふうに考えております。 その上で、対ロ外交について御質問がございました。 ロシアのウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、引き続き厳しい制裁を行うなどの取組を進めてまいります。同時に、日ロが隣国として対処する必要のある事項につきましては、我が国外交全体におきまして、何が我が国の国益に資するかという観点から適切に対応してまいりたいと考えております。 その上で、北方領土問題に関しましては、領土問題を解決して平和条約を締結すると、こうした方針を堅持してまいりたいと考えております。 二点目の御質問、中東情勢への影響ということでの御質問でございました。 現状でございますが、ガザ地区におきましては戦闘が長期化する中にありまして、現地の危機的な人道状況が更に深刻さを増しているということを深く憂慮しているところであります。また、先般、四月十三日の夜から十四日の未明にかけましてイランによるイスラエルへの攻撃や、今も続きますホーシー派によります船舶に対しての攻撃等、緊迫の度合いが増していると、こうした地域情勢への対応も重要と考えております。 これらの課題でありますが、一朝一夕に解決できる問題ではなく、国際社会による粘り強い取組が必要不可欠でありまして、中でも米国が果たす役割は極めて重要となります。 他国の内政における仮定の質問について政府として予断を持ってお答えすることは困難でございますが、米国大統領選挙の結果にかかわらず、我が国といたしましては、引き続き、米国を含む関係国、国際機関との間で連携しながら、事態の鎮静化や地域の安定化に向けました外交努力を粘り強く積極的に続けてまいりたいと考えております。 それから、三点目でございますが、米中関係への影響という御質問でございました。 繰り返し申し上げているところではございますが、まず、他国の内政における仮定の質問について政府として予断を持ってお答えすることは困難でありますが、米中両国の関係の安定、これは国際社会にとっても極めて重要であります。 その上で、中国との間におきましては、戦略的互恵関係を包括的に推進するとともに、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めつつ、諸懸案も含めまして対話をしっかりと重ね、共通の課題については協力する、まさに建設的かつ安定的な関係の構築を双方の努力で進めていく、これが日本政府の一貫した方針であります。 この方針の下、米国大統領選挙の結果にかかわらず、中国との間におきましては、引き続き、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図り、隣国ゆえ存在する様々な課題をマネージしつつ、大局的な観点から幅広い分野で重層的に協力と交流を推し進めていく考えに変わりはございません。 さらに、もう一つ、最後の御質問でございますが、北朝鮮に係るということでの御質問がございました。 冒頭、繰り返しになりますが、他国の内政における仮定の質問について政府として予断を持ってお答えすることは困難でありますが、米国大統領選挙の結果にかかわらず、拉致問題を含みます北朝鮮への対応につきましては、日米で緊密に連携して対応していく考えに変わりはございません。 北朝鮮をめぐる問題に関する我が国の一貫した方針でありますが、日朝平壌宣言に基づきまして、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算して日朝国交正常化の実現を目指すというものでございます。岸田総理も繰り返し述べているとおり、日朝間の諸懸案の解決に向けまして首脳会談を実現すべく、総理直轄のハイレベルで協議を進めている考えに変わりはございません。 以上、四点ということで、少し大きな御質問でございましたので、一つずつお答えさせていただきました。ありがとうございます。
○水野素子君 大変丁寧に御説明賜りまして、誠にありがとうございます。 もし本当にアメリカで政権交代が起きたときには、世界中のグローバルなパワーバランスが変わってきて、そしてそれにおいて個別の国との関係性においても様々な影響があると思います。そして、それを今御検討なさっていると思いますので、是非引き続き様々な戦略的な御検討をなさっていただきたいと思います。 それでは次に、空母ロナルド・レーガン艦載機の着陸訓練、FCLPにつきましてお尋ねしたいと思います。 参考資料二、御覧いただきたいと思います。これ、五月八日から十四日までの厚木基地と、厚木基地のみならず複数の基地で補完的な、いろんな突発的な事態に応じてはFCLPをやりますよということ、このことについて防衛省から関係各自治体に五月二日に通告がありました。 なぜ直前だったんでしょうか。本件通告前に防衛省と米軍でいつどのようなやり取りがありましたか。防衛大臣はいつ知りましたか。また、今般の防衛省設置法等の改正により組織再編が行われますが、このような問題にはどのような改善がなされますか。木原大臣、お願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 米空母離着陸訓練、FCLPについてのお尋ねでございますが、その実施に際しては、従来より、米側と緊密に調整の上、公表を行ってきております。 その上で、天候又は不測の事態により硫黄島における所要の訓練を実施できない場合に、訓練を実施する可能性がある予備飛行場の関係自治体の皆様に対しては、従来より、予備飛行場を使用する可能性がある日時の一週間程度前に情報提供をさせていただいているところであり、本年の訓練実施に際しても同様の対応を取っております。 FCLPの実施に際しては、引き続き、米側と緊密に調整の上で、関係自治体の皆様に対して適切に情報提供を行ってまいります。 なお、私がそれをいつ知ったかということでございますが、公表したのはこれ五月二日でありますが、訓練公表の前に秘書官を通じて報告は受けております。
○水野素子君 もう一つ、防衛省はいつやり取りをしたか。大臣も前と言いましたけど、いつなのか。もう一度お願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 米側とのやり取りでございまして、その具体的な内容については、これは相手側もありましてお答えできないということは御理解をいただきたいと思います。 適切に情報共有というのは常に行わせていただいております。その上で公表ということになります。
○水野素子君 一週間前が適当なのかどうかが分からないわけですよね、皆さん、各自治体への通告が。 それでは、このような問題は、今の、先般の防衛省設置法等の改正で組織再編されますけれど、改善されるんですかというのを通告していますけど、お願いいたします。
○政府参考人(大和太郎君) お答え申し上げます。 FCLPの実施に際しましては、これまでも、地方協力局、私のところでございますけれども、と在日米軍司令部との間で緊密に調整した上で、関係自治体の皆様に対し適切に情報提供を行ってきているところであります。 今後、統合作戦司令部が設置された以降においても、この業務の在り方には変更はございません。
○水野素子君 今、適切に自治体にとおっしゃられたと思うんですけど、この資料二、見ていただきたいんですけれど、各自治体がもう一斉に反発しているわけで、適切かどうかというと、市民の側から、自治体の側からすると適切ではない、不適切だということだと思うんですね。 これですね、一応、この神奈川県は基本的に手交をしました、持っていきましたので、そのときにどういうリアクションがあったかということも書いてあるわけです。この下の方の箱囲みの中の、本日、南関東防衛局長から在日米海軍司令官に対して控えるよう要請してというふうに、要請をしているわけですよね。要請した結果、どのような回答が米軍から来ているでしょうか、御回答いただきたい。そしてもう一点、今回、まず回答を説明いただきたい。そして、今回行わないということは確保できたのかということも念のためお尋ねしたい。そして、かねて、二度と厚木基地等で行わないよう要請をしているわけです、この黄色の上の方の丸の三個目ですけれども。これらについて米側とどう調整をしているかということ。三点お尋ねいたします。 というのは、今回、前例をつくるべきではないと思うんですね。将来、二度と行わせないためには、今回、この着陸した前例をつくるべきではないと思いますので、三点お尋ねいたします。
○国務大臣(木原稔君) まずFCLPですが、空母ロナルド・レーガンの出航に際し、空母艦載機のパイロットが着艦資格を取得するため、陸上の飛行場の滑走路を空母の甲板に見立てて着陸する必要不可欠な訓練であり、我が国の防衛や地域における米国の抑止力、対処力を強化するため、大きな意義があるものでございます。 その上で、米側からは、天候又は不測の事態により硫黄島における所要の訓練が実施できない場合には、三沢、横田、厚木又は岩国の各飛行場で一部又は全部のFCLPを実施するとの連絡があったところです。 防衛省からは、従来より、地方防衛局長を含め様々なチャンネルを通じ、FCLPを硫黄島で着実に実施するよう米側に求めてきております。米側のやり取りについての具体的な内容についてはお答えできる状況にはございませんが、引き続き米側に対してはそのような働きかけを行ってまいります。
○水野素子君 もっとしっかり、今回は行わないとか、ないしは二度と行わないということの確認をいただきたいんですけれども。というのは、また、この硫黄島であれば一般市民は住んでいないわけですよね。 前もこの委員会で馬毛島に何でそれを移転するんだということにおいて、私は、その防衛省の説明しているホームページにおいて、安全性のためという、その安全性は誰のといったときには、米軍の安全性のことしか考えていないのはおかしいと申し上げましたけれども、今も大事な訓練というのは、米側にとって大事なんでしょう。しかし、市民の生活はもっと大事ではないですか。私たちはそういう立場で、やはり、私たち公務員としてはそういう立場で国民を守るべきだと思います。 その次に、関連して、米軍基地でこのような騒音、FCLP、あるいはPFASなど、国民の声を受けた改善がされないのは、やっぱり日米地位協定や日米合同委員会の構造的な問題なんだと思いますので、是非改善に踏み出していただきたいんです。 先般、上川大臣は、外務省で外交に関する世論調査を定期的に行っているとおっしゃりました。次回はいつ実施されますか。そして、日米合同委員会の構造改革や日米地位協定の改正の必要性について、なぜこれまで世論調査で聞いていないんですか。次回の世論調査では質問項目に追加して国民の声を真摯に聞くべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 累次お答えをしているとおりでありますが、政府といたしましては、この日米合同委員会の現在の構成に問題があるとは考えておらず、また、日米地位協定につきましては、これまで手当てすべき事項の性格に応じまして、最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきているところでありまして、引き続きそのような取組を積み上げていく考えでございます。 御質問、次回世論調査ということでございますが、実施時期につきましては未定ではありますが、外交政策を円滑に遂行するに当たっては、国民の理解と支持が不可欠であります。世論調査におきましては、取り上げる内容について、その時々の国際情勢等も踏まえつつ、適切に検討していく所存でございます。
○水野素子君 政府として適切だとか、政府としてというところは本当に独善的だと私は思います。 やはり、世論調査って何のためにやっているんですか。世論を外交政策に反映させるためではないんですか。そうであれば、このような問題が噴出している日米、大事な同盟関係というのは分かりますよ、ただ、その運用において様々な問題が起きてきて、それを改善するために国民の声を聞くべきであると私は思います。是非ともお願いしたいと思います。 それでは、そこ多分、じゃ、もう一言、もし可能であればお願いいたします。あっ、じゃ、いいです、済みません、次行きます。済みません。 それでは、このように私は、先般、本会議の登壇におきましても、実は宇宙協定の、宇宙協力のことを、私も、今回改めて、あのときよりもう少し丁寧に、お時間をいただいて、一般質問ですので聞かせていただきたいと思うんです。 というのは、今般、先頃、どうも、このように国民の民意を踏まえない、そしてそのような政策や法律を国会で審議しない、閣議でもやらないとか、そういう国民、国会軽視の風潮が、風潮、政府のそのビヘイビアが多いように思いますので、私は、もう一度改めて、日米宇宙協力について聞きたい。 というのは、私もかねてのことを知っていますので、なぜこんなにざるになってしまっているのかと言ったら失礼ですけれども、なぜこんなに中身を確認しない白紙委任でやれるのか。そのことは、国民に対する説明責任を避けているのではないかというふうに思いますので、私の周りでもそのような意見の方が多いので、改めてただします。 さて、日米宇宙枠組協定と、その前身ということと言っても問題ないとは思うんですけれども、宇宙損害に関しての枠組み協定、日米の間ですね、元々の日米宇宙損害協定、クロス・ウェーバー協定では、新規協力の都度、閣議決定を経て、二本もの行政取決め、附属書に追加してよいか、実施取決めの内容が適正かという確認を行っていたわけです。 これが、手続の簡素化が必要だということはもちろん分かります、そうした方がいいと私も思いますが、なぜ、予算の確保を本当にできるかということや、国の債権を放棄すること、クロス・ウェーバー協定ですから、相互放棄、代位請求権の放棄、国のですね、あるいは免税の範囲などについて、政府の責任ある当局が確認もせず、実施機関たる文部科学省やJAXAにも白紙委任できるんですか。 それでは、なぜ過去のクロス・ウェーバー協定において二回も閣議決定を経た行政取決めが必要だったんですか。そして、当時から今まで、どのような事情変更とそして法的な整理で、協力の条件、コンディションしか定めていない枠組協定の下で、全ての協力が閣議決定すら不要と断定できるのですか。御説明ください。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘のとおり、一九九五年七月に日米宇宙損害協定が発効して以降は、日米間で人工衛星等の打ち上げを伴うような大規模な宇宙協力を実施する際には、同協定に基づきまして、協力ごとに国際約束を締結し、責任の相互放棄を適用してきたものでございます。 その後、宇宙の探査及び利用に関連する技術の開発競争が活発化する中、日米両国で宇宙協力を一層拡大をし深化させることは急務であるとの認識の下、様々な日米宇宙協力を迅速かつ効率的に実施する必要性が高まってきたところであります。 そのため、昨年、国会で日米宇宙協力に関する枠組協定について御承認をいただき、その運用を開始したところでございます。このような背景の下、日米宇宙協力に関する枠組協定は、日米両国が個別の宇宙協力ごとに国際約束を締結することなく、御指摘のあった責任に関する相互放棄や税の免除等を含む本協定の基本事項に従い、協力をすることとしたところであります。 また、本枠組協定におきましては、個別の共同活動について、実施機関が作成する実施取決めを政府が承認し又は確認する仕組みを導入しており、政府として適切な形で実施機関による活動を管理することが可能となっているものでございます。
○水野素子君 法的拘束力のない約束であればやれることが限定されるのではないかという点もありまして、中身の問題というよりはプロセス、手続としてしっかり国民の賛同を得るような確認を取っていただきたいという点で、前回登壇したときには大平三原則との関係については一切お答えがなかったので、ここで改めてお尋ねしたいと思います。 この以下の三点について、大平三原則の観点で問題がないかという点を、細かい点ですけどお尋ねいたします。 資料の三を御覧ください。 これが、いわゆるどの程度の国会承認が必要か、行政取決め、閣議が必要かということの慣例となっているものというふうに、今でも有効であるというふうに私は一般的にも理解されていると思います。 今回、この一番右の政治的な宣言にとどまる共同声明、コミュニケ等という国際約束ではない文書ということで合意されたわけですけれども、今回、これから新しく大規模な新規予算措置が必要となるものです。ローバーの開発、提供など、三十三項目にも及ぶ詳細な日本側の責任、レスポンシビリティーを定めていて、大平三原則において合意の前に閣議決定も不要とされるこの共同声明、コミュニケのカテゴリーの範囲を超えているんではないでしょうか、お願いします。
○国務大臣(上川陽子君) この大平三原則でありますが、これは、いかなる国際約束の締結に国会の承認が必要とされるかについて考え方を示したものであります。 この原則は、国際約束の内容や、また構造がどうあるべきかについて考えを示したものではなく、また、本枠組協定に基づく実施取決めのような国際約束でない文書について考えを示したものでもない、したがいまして、特段の問題とは認識しておりません。 日米宇宙協力に関する枠組協定につきましては、その締結について、昨年、国会におきまして御審議の上、御承認いただいておるところであります。この枠組協定という法的基盤に基づきまして、個別の共同活動につきまして実施機関が作成する実施取決めを日米両政府が承認をし、また確認すること、これを通じまして、政府として適切な形で実施機関による活動を管理をしていく、こうした考えでございます。
○水野素子君 私はちょっと違和感がありますけれども、その次の問題につきましてお尋ねしたいと思いますけれども。 それでは、この財政事項を含む国際約束というのは、むしろ国会承認が必要だと言っているわけですね。このローバーの開発、提供は、長期間、複数年度にわたり大変大きな予算を使うことが想定されているわけで、令和六年度、新たに予算措置され、初めて措置されてもう四十億ですよ。全体として数千億という報道も出ています。 利用可能な予算の範囲内とする条項があるからとこの間御説明されましたけど、それは国会承認条約でもよくあることで、もし事後で予算が認められれば何でも合意できるということであれば、むしろこの大平三原則は骨抜きになるわけですね。すなわち、鶏と卵といいますか、もう協定結んでいますから予算付けてくださいという話すらあり得るわけです。また、協力の追加により、損害賠償請求権等、国の債権放棄、その範囲は本当にそんなに広くないかということもあらかじめ確認が必要ではないですか。 法的拘束力のない合意であることが理由で、これ、法的拘束力がない合意、ここにありますけれども、であるから、別に予算もコミットしていないということであるかもしれません、そういうことを説明されていますけれども、むしろ法的安定性がない協力には数千億にも上る国家予算の投入を認めることはできないんじゃないですか。お答えください。
○政府参考人(松尾裕敬君) お答え申し上げます。 日米宇宙枠組協定の下で行われる協力に関する実施取決めにつきましては、枠組協定第三条Bにおきまして、国際法に基づく権利及び義務を生じさせないこととされております。また、当該取決めに基づく活動は、枠組協定第四条Aにおきまして、利用可能な予算及び各当事国政府の予算手続に従うこととされております。したがいまして、国内の予算手続に従い、国会で御審議いただき決定される利用可能な予算の範囲内で実施することとされております。 枠組協定の下で行われる協力の実施に必要な予算につきましては、政府として国会に対して丁寧に説明して理解を求めていく考えでございますけれども、その具体的な額については、あくまで国会の御審議の中で決定されることとなると考えております。
○水野素子君 今申し上げたように、予算決まっていないけれど、利用可能な予算の範囲内、後で予算取ると言ったら、この大平三原則が骨抜きになっちゃうと思うんですね。その枠組協定がもしそういう構造であるんであるならば、むしろ法的拘束力のない協力しかこの下では合意できないということにもなりますよ。 そういった意味で、少しこの構造においては、もう一点、今日は質問ではなくて御意見として申し上げますけれども、このローバー協力は、万一事故時には、人命喪失、そしてそれに伴う日本の海外に対する国際責任を生じ得るものですね。これは、例えばこの基準における(3)、政治的に重要な国際約束にも当たり得るわけです。そういったことを丁寧に合意文書の中で記載して、あるいは審議して行わないという政治自体が、私は中身とは別に、プロセスとして問題であるというふうに申し上げて、次の質問に参ります。 準拠法について一応お尋ねいたします。 この合意文書、文科大臣が署名してきた合意というのは準拠法はあるんですか、何ですかという点が一点目です。そして、国際法に基づく権利及び義務を生じないと参考資料四で書いてありますけれど、それでは、本合意によりどのような権利や義務が生じるんですか。大規模な国家予算を投じる協力の法的基盤として、このような法的拘束力のない文書では法的安定性が不十分ではないですか。別にそのような法的拘束力のある条約、必要になってしまうのではないですか。お尋ねいたします。
○政府参考人(松尾裕敬君) 実施取決めの準拠法についてのお尋ねがございました。 本実施取決めは、日米宇宙協力に関する枠組協定に基づき作成されるものであるため、枠組協定に従って実施されることになります。 また、関連する国内法といたしましては、例えば実施取決めの署名主体となる省庁や機関の設置法を通じて実施されることが考えられると承知しております。 また、与圧ローバによる月面探査の実施取決めは日米宇宙協力に関する枠組協定に基づき作成されたものであり、同協定の規定にあるとおり、実施取決めは国際法上の権利及び義務を生じさせるものではございません。 一方、本協定では、個別の共同活動における実施機関が作成する実施取決めを日米両国政府が承認し、確認する仕組みを導入しております。これによりまして、日米両国政府が適切な形で実施機関による活動を管理するとともに、迅速かつ効率的な協力を安定的に実施していくことができるものと考えております。
○水野素子君 参考資料四を見ていただきたいんですけれども、ここは、本当に政府として実施機関以外でちゃんと確認をしているかという点をもう一度確認いたします。 一条A、両当事国政府の合意を事前に実施、合意によりという点、それから三条Bの、各当事国政府の正当な承認、又は正当な確認を実施取決め締結前に行うという点、そして三条Dの、両当事国政府の実施取決め一覧表の更新、交換を行うという点、この三つに対して、誰がどのような場で、どのような確認、合意等を行うのか、お答えください。
○政府参考人(松尾裕敬君) お答え申し上げます。 枠組協定第一条Aにおける日米政府間の合意は、日米間で個別の宇宙協力を実施するに当たって、当該協力を行う実施機関が作成する実施取決めを日米政府それぞれが承認し、確認を行ったことを指します。仮に、一方又は双方の政府が当該協力を実施することが不適当と判断する場合には、第一条Aに言う共同活動は行われないこととなります。 第三条Bにおける日米政府による実施取決めの正当な承認及び確認は、例えば、先般署名された与圧ローバによる月面探査の実施取決めについては、その内容を枠組協定第三条Bに基づき日米両国政府が事前に確認しております。同実施取決めにおいても、第三条Bに従って、日米両国政府により正当に確認されたことを記載しております。 御指摘の第三条Dに規定している枠組協定に基づく実施取決めの一覧表についても御指摘がございましたけれども、与圧ローバによる月面探査の実施取決めが初の実施取決めでございまして、現在、日米の外交当局間で一覧表の作成について調整をしているところでございます。
○水野素子君 誰がどこでという点、もう一回確認なんですけれども、政府が事前に、今回の例えばローバー協定、協力について政府が事前に確認をしたとおっしゃったんですけど、それは外務省ですか。それを誰が、閣議もしなくて、どう確認、正当にしたのか、もう一度お願いいたします。
○政府参考人(松尾裕敬君) それは、枠組協定に基づきまして、日米政府がそれぞれ承認し、確認を行っております。
○水野素子君 日米政府が、これ、文科大臣が行って署名してきましたけど、その前、日米政府、日本政府は確認しているというのは、どの手続で誰が確認したのか、お願いいたします。
○政府参考人(松尾裕敬君) 繰り返しとなりまして恐縮でございますけれども、枠組協定に基づきまして、日米政府がそれぞれ承認し、又は確認を行っております。
○水野素子君 この点、ちょっと回答がないので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。理事会にてお取り計らいいただきます。
○委員長(小野田紀美君) 後刻理事会で協議いたします。
○水野素子君 このように、中身、協力の中身、いい悪いを言っているわけではないんですよ。是非宇宙協力やっていただきたいですけれども、やはり今回、民間企業が自分のお金でやる話ではなく、大きな予算を投じて、それによって国家責任も、キャンセルなんてしてしまったらいろんな信頼も失墜するわけですから、そういうちゃんとした協力をやるための素地をしっかり踏むべきであり、構造的にもつくるべきであると思うので、その点、また少し、引き続きウオッチはしていきたいと思います。 今日はアルテミス計画のことを本当はやりたかったんですけど、同じように政治的な合意で、今後、月面基地、月面の協力をすると。これ、国連の場ではない、アメリカを中心とする何か国かで、月面で資源探査もしていこう、そしてその資源の扱いもある意味早い者勝ちでやっていこう、そしてその早い者勝ちというのは、早い者勝ちをできる国と企業が独占するというか、優越的になってしまうというか、そういう状況もあり得る話ですので、それこそ本来であればしっかり審議されるべきであると思うんですけど、今回はちょっと時間がないので、最後の質問をして、この件はまた後日、後刻お願いしたいと思います。 最後に、実は、日本の意識ある若者がNASAの国際インターンシップ制度に参加したいのにできない、それには法的な枠組みというか合意がないからだということをよく聞きます。これ、二〇一七年頃でしょうか、そのようなやり取りが国会でもあって、それはまだいろんな環境ができていないということで終わってしまっていて、これこそやるべきじゃないですか、日米宇宙枠組協定ができたんですから。 そして、若者が、NASAのインターンシップにもかなりの国が合意を結んで、若い方がNASAでも研さんを積めるようになっている。この件、すぐやっていただきたいと思うんですけれども、なぜ今までできなかったのか、そして、是非すぐやっていただきたいんですけれども、よろしく、御回答をよろしくお願いいたします。
○大臣政務官(本田顕子君) 水野委員にお答え申し上げます。 JAXAにおきましては、二〇一七年頃にNASAから本プログラムへの参加についての打診を受けましたが、当時は、JAXAにおいて国内の大学との連携の仕組みが十分に整っていないなど、実施体制上の理由等により参加に至らなかったと聞いております。 現在、JAXAにおいて、宇宙分野を目指す学生の選択肢として、海外機関で研究などの経験を積むことができる機会を増やすための取組について、御指摘のNASAのプログラムへの参加の可能性を含め検討を進めております。 文部科学省としては、引き続き、国際的に活躍できる次世代の人材育成を進めてまいります。
○水野素子君 これこそ、むしろ実施機関である文科省あるいはJAXAで合意できるわけですよね。そして、これこそ、学生さんは何年かたったらもう卒業してしまうわけですから、もうすぐにでもできるし、やれる話だと思うんです。枠組協定の下で合意をすぐ進めていただきたいんですけど、もう一回お願いいたします。
○政府参考人(永井雅規君) お答えいたします。 仮にNASAのプログラムに参加する場合には、JAXAにおける国内の大学との連携の仕組みやプログラムに参加する学生の選考手続、費用負担など、実施体制上様々な点について十分検討する必要があると認識してございます。NASAとの取決め等の形式については、こういった協力内容を踏まえつつ適切に判断するものと考えてございます。
○水野素子君 済みません、別にJAXAにおいて大学との連携枠組みの話ではなくて、学生さんはJAXAに行きたいんじゃなくてNASAに行きたいんですけれども、なぜその点において、JAXAにおいて大学連携の環境が整っていないということで進まないのか、もう一度お願いいたします。
○政府参考人(永井雅規君) 学生を、これはJAXAにおいて選考してNASAに送る場合には、やはりその選考のための手続が必要ということで、JAXAについてきちんと、例えば学生さんの身元の保証とか、こういったことも含めて手続をしっかりする必要があるということも論点というふうに認識してございます。
○水野素子君 御丁寧にありがとうございます。 実施機関間としてはJAXAになるので、JAXAが一旦選考するという仕組みがあるのであれば、JAXAにおいてもインターンシップ来ていますから、そういう選考のプロセスにNASAを対象に加えるとか、できるだけ早急に、やはり今、日本、私は技術立国日本の未来を信じています。そして、是非、世界で研さんを積みたいと思っている学生さん、なかなか減っている中で、意識がある方がその機会を摘まれないように是非とも早く実現していただきたいと思います。 本日はありがとうございました。
○上田勇君 公明党の上田勇でございます。 本日は、上川大臣のアフリカ、南アジア訪問の成果などについて質問させていただきます。 まずは、この連休中は大変ハードスケジュールでの出張、大変お疲れさまでございました。この間、フランスも訪問され、OECD閣僚理事会への出席のほか多くの外交日程もこなされたことは承知をしておりますけれども、今日は時間の制約もございますので、アフリカと南アジアの訪問について質問させていただきます。 上川大臣、アフリカのマダガスカル、コートジボワール、ナイジェリアの三か国を訪問をされまして、各国の外相、首脳等との会談をされてきました。アフリカとの関係は今なお一層重要となっているときでありまして、とても有意義な訪問であったというふうに考えております。 マダガスカルについては、これは日本の外務大臣としては初めての訪問だったというふうにも聞きました。マダガスカルは、これは他の地域にないいろんな固有の動植物が数多くいて、生物多様性の面からいつも関心がある地域でありますけれども、同時に、この同国はニッケル、コバルトといった重要鉱物資源の生産国でもあります。我が国の経済安全保障の観点から、とても重要な国の一つであります。現在も資源開発関係など日本企業が活動しておりますけれども、今後更に進出や投資が拡大していくことが期待されると思います。 会談の中では、安定的なビジネス環境の確保についても議論したというふうに報告を受けておりますけれども、政府として日本企業に対してどういうような支援をされていくお考えか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(堀内俊彦君) マダガスカルは、御指摘のとおり、ニッケル、コバルト等の重要鉱物資源を有し、経済安全保障の観点から日本にとって重要なパートナーです。今回の訪問においては、ラジョリナ大統領への表敬、ラサタ外務大臣との会談を通じて、上川外務大臣から、日本の対アフリカ投資案件として最大規模の鉱物事業に触れつつ、ビジネス環境の改善に向けた協力を要請しました。 マダガスカルとは、新たな開発協力大綱でも打ち出したオファー型協力も活用しつつ、経済強靱化を共に進めていくことで一致しており、人材育成に向けた協力を含め、引き続き両国政府間で連携してまいります。
○上田勇君 次に、大臣はコートジボワールとナイジェリアを訪問されました。こちらも日本の外相として四十五年ぶりということを伺いました。両国ともこの西アフリカでは政治、経済で非常に重要な位置を占めている国でありまして、もう既に現在も多くの日本企業が進出をしております。在留邦人や日本企業関係者との意見交換を行ったというふうにも聞いております。 そうした日本企業の関係者からは、日本政府からどういうような支援を望むのか、そういうような期待は示されたのでしょうか。また、大臣の発案で今推進している経済広域担当官の新設についても御紹介をしたということでありますけれども、これについて日本企業の関係者などはどういうふうに受け止められたのか、その辺の反応もお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 今回の訪問でございますが、両国とも、四十五年ぶりということで外務大臣の訪問となりました。アフリカが、人口増加も含めまして、国際社会の中で非常に大きな発言力を発揮するぐらいの努力をしていらっしゃるということでありますので、日本に対しての期待は大きなものがあることを実感をしたところであります。 まず、コートジボワールでありますが、これは西アフリカの仏語圏でございまして、このゲートウエーになっているところであります。そして、ナイジェリアにつきましては、アフリカ最大の経済大国でありまして、今人口は二億人を超えている、そうした大規模な大きな国であります。 アフリカにおきましては、それぞれ日本企業が進出しておりますが、特にビジネス、アフリカのビジネスを行っている日系企業の皆様は、一か国にとどまらず、アフリカ全域を見ながら、またその活動のベースにヨーロッパや中東も含みながら、非常に大きなスケールで動いているなということを皆様の生の声からうかがい知ることができたことは大変大きな収穫でございました。 企業の方々から、アフリカ各国のビジネス環境の改善に向けまして、大使館とよく連携をしながらその要請を伝えていくという姿勢がうかがえたところでありまして、それは税制の問題から様々なスタートアップの企業等も含めまして、情報交換をしていくところの、至るところまで非常に幅広い分野にわたるということでありました。 この機会に、私も、先ほど委員から御指摘いただきました、今回の訪問に先立ちまして発表いたしました経済広域担当官、これを指名をいたしたところでありますが、これは経済成長のポテンシャルが高い一方、このビジネスを展開する上での課題も比較的多いということが指摘されるアフリカにおきまして、まさに進出しているその先進的な日本企業、これを支援をしていく上におきまして、先ほど、アフリカにおきましてのビジネスの環境が比較的越境をしながら展開をしているという、そうした情報を得ておりましたので、その意味で、この経済広域担当官の役割を、ちょうど活動を推進するときの、一国一国で対応するのではなく、広域的な観点で対応できるようなそうしたポジション、役割というものの期待感、これについて企業の皆さんから御意見を聞いてきたところであります。 こうした活用を通じまして、個別の在外公館の管轄地域にとらわれず、第三国市場への進出、またクロスボーダーで活動を展開する日本企業、この効果的なサポートにつきましては大変強い評価をいただいたところであります。 企業にはそれぞれ御事情がありますし、またそれぞれの国との歴史的な経緯、あるいは第三国と一緒になってアフリカに進出している、こういった実態もございますので、我が国の経済外交の戦略とうまく連動させる形で体制を構築してまいりたいと思いを強くしたところであります。
○上田勇君 ありがとうございます。 アフリカは非常にポテンシャルも高い一方でリスクも高い地域でもありますので、是非その企業の皆さんとも政府としてしっかりと連携を取っていただいて、サポートしていただきたいというふうに思います。 訪問されたアフリカ三か国のリーダーとの間では、大臣が今まさに肝煎りで進められておりますWPSについても議論したというふうに伺っております。各国における女性の安全や活躍について現状どのように評価されているのか、またさらに、アフリカ諸国において、このWPSの取組を進めていくために我が国としてはどのような協力を行っていく考えか、大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 今回訪問をいたしましたアフリカ三か国におきましては、マダガスカルの外相を含みます政府要人、また国際機関の関係者の皆様、また国内避難民の代表者、自ら避難されていた女性リーダーの皆様等、多くのアフリカの女性と面会をさせていただきました。 例えば、ナイジェリアにおきましては、実際の国内避難民の女性の方々から直接、四人来られたところでありますが、切実な状況の中でも、日本の支援を生かしつつ、コミュニティーの中でリーダーとして活躍をされ、例えば腕に技術を身に付けるというような形で自立に向けて非常に努力をされていると、こうしたお話を伺ったところであります。日本の支援が国際機関とともにそうした中で役に立っているということをかいま見ることができたところであります。 また、マダガスカルにおきましては、遠隔地には医療関係のなかなか手が届かないということの課題を解決するために、遠隔地でのモバイルクリニックの運営に、これは誰も取り残されぬように、現地の女性がリーダーシップを振るって、そして活動している、そうした視察もさせていただきました。 このような取組を地道にやっている現状ではございますが、これは平和の実現のための非常に大きな動きの一つ一つであるということも認識したところでありまして、まさにウーマン・ピース・アンド・セキュリティーの取組の実例であると、このことに本当に、この重要性について更に意識を高めてまいったところであります。 今回の訪問を通じまして、紛争また災害が頻発をする今日であります。WPSの視点を踏まえました取組の必要性はますます高まっているということを実感したところであります。特にWPSのアフリカにおきましての取組につきましては、今年八月にTICAD閣僚会合におきまして、今回の訪問の成果を踏まえまして、アフリカ各国と更に議論を深めてまいりたいと考えております。
○上田勇君 ありがとうございます。 大臣は、アジアではスリランカとネパールの二か国を訪問されて、外相、それから首脳との会談を行ってまいりました。両国とも我が国とは非常に伝統的に良好な関係がある国でありますし、また地政学的にも非常に重要な位置にある国だというふうに理解をしています。スリランカは、インド洋の中心、へそのところにある国でありますし、ネパールは中国とインドに挟まれた地域にあるという国でありますので、非常に地政学的な重要な位置にある国であります。 その中で、スリランカにおける会談で主なテーマとなった一つが、同国にとって最大の課題というのはやはり膨大な対外債務問題であるというふうに思います。この問題に対処するため、我が国は、インド、それからフランスその他関係国とともに債権国会合を立ち上げて、透明性、公平性が確保された形での債務再編についての取組をこれはリードしてまいりました。最大の債権国である中国がオブザーバー参加にとどまっておりますけれども、とどまっております。また、一時期、中国による債務のわなについて世界的な懸念が広がったこともございました。このように、利害調整に困難も多かったというふうに思いますけれども、基本合意にこぎ着けることができた、これは大きな成果だというふうに思います。 ただ、これで本当に問題解決の見通しが立ったというふうに考えていいのか。また、債務返済の期限を延ばしたとしても、これから長期間にわたってスリランカがこの債務の返済に苦労することになるのではないか。我が国として更なる対応も必要なのではないだろうかというふうに考えますけれども、大臣、これからの取組、お考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) このスリランカの債務問題につきましては、委員御指摘のとおり、昨年十一月に、我が国が共同議長を務めます債権国会合とスリランカ政府との間におきまして、債務再編に係る基本合意に達し、現在、債権国会合との債務再編に係る覚書の署名に向けまして調整が行われている段階でございます。 この債務再編につきましては、我が国を含みます債権国会合が、IMF支援プログラム期間中の返済猶予を含めまして、同プログラムに沿いました債務再編を提供することにより、スリランカによる経済財政改革の実施、これを促し、ひいては債務の持続可能性の回復を企図したものであります。 私がスリランカを訪問した際には、大統領、外相に対しましては、同国の債務問題に対します、関しますこれまでの取組や改革努力を評価する旨を述べた上ででありますが、債権国会合と債務再編に係る覚書の早期署名、及び全ての債権国との間で債務再編を透明性及び公平性が確保された形で速やかに進めていくことの重要性、これを強調をしてまいりました。スリランカ側からは、透明性を持って債務再編を進めていくと、こうした発言があったところであります。 我が国といたしましては、この債権国会合の共同議長として、スリランカの改革努力、これを後押ししつつ、引き続き、他の主要な債権国やIMF等の国際機関とも緊密に連携をし、プロセスそのものをしっかりと主導してまいりたいと考えております。
○上田勇君 ありがとうございました。 ただ、ずっと債務を抱えたままだとなかなか経済発展も困難になるわけでありますので、我が国を含む主要債権国においては、やっぱり債権放棄など思い切った債務の圧縮に取り組む必要もあるのではないかというふうに思います。これから是非そういったことも債権国会合の中で御検討いただくことをお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○松沢成文君 日本維新の会の松沢成文でございます。 今日は、まず尖閣諸島の防衛問題から伺っていきたいと思います。 沖縄県の尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域の中に中国が国連海洋法条約の手続を無視して設置したブイについて、私は、大臣は覚えていると思いますが、昨年の十二月七日の当委員会の質疑で、早く実力で撤去すべきだと、でも、それをしないのであれば、東シナ海の日中中間線よりも中国側の海域に日本がブイを設置して対抗すべきだという提案をさせていただきました。 そしたら、驚いたことに、大臣は三月八日の記者会見で具体的に、撤去、移動、我が国によるブイの設置を検討していると明らかにしたんですね。私は具体的な手法まで大臣がしっかり言ったと、これは一歩前進だと思うんですが、しかし、しかし遅過ぎますよ、対応が。もう既にこのブイが設置されてから、違法ブイが中国によって設置されてから十か月以上たつわけです。 私は、独立国家としての毅然とした対応が求められると思いますが、中国が設置した違法ブイをいつまでにどのような形で、何というかな、対処を実施するのか、また、なぜここまで時間が掛かるのか、その要因は何なのか、大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) まさに当該ブイでございますが、この設置は一方的な現状変更の試みでありまして、全く受け入れることができないものであります。昨年来、首脳、外相レベルを始めといたしまして、あらゆる機会を捉えまして中国側にブイの即時撤去を強く求めているところでありますが、現時点でも、現状、現場の状況が改善していない、このことは極めて遺憾と考えております。 政府といたしましては、ただいま申し上げた外交的取組に加えまして、これまで、現場海域におきます必要な警戒監視及び状況の把握を行うとともに、様々な角度からの調査、分析を重ねているところであります。 今後の具体的な対応の内容、また実施時期を含めまして検討状況の詳細についてお答えすることにつきましては、我が方の手のうちをさらすことになるため、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、その上で申し上げれば、我が国といたしましては、引き続き、あらゆる機会を捉えた外交的取組に加えまして、ブイに関する調査、分析を継続するとともに、ブイの撤去や移動、我が国によるブイの設置を含みます様々な対応につきまして、関係省庁間で連携して検討の上、可能かつ有効な対応を適切に実施していく考えでございます。
○松沢成文君 もうこれ、一年、二年とたって何の対応もできない、これ独立国家として本当に中国に甘く見られますよ。日本は何やったって何の対応もできない、じゃ、次も行け、次も行けって。こうなって、現に来ているんですね。私は、尖閣諸島は完全に中国の海洋侵略の危機のただ中にあるというふうに見ています。このままでは、近い将来、必ず乗っ取られますよ。 最近の動きを見ても、もう毎年毎年、接続海域と領海には三百回以上ですよ、ほぼ毎日、中国の海警船入ってきています。で、日本の船がいたら、ここは中国の領海だから、中国の接続区域だから出ていけと言われているんですね。まあ日本も当然言っていますけれどもね。 それから、例えば、中国は、領海だけじゃなくて、今度は領空、尖閣の領空を通過する自衛隊機に対しても退去警告を出すようになってきています。 更に言うと、中国海軍は、中国が東シナ海上空に一方的に設定した防空識別圏の境界線付近に複数の軍艦をずっと配置してきているんですよ。そして、この四月には石垣市の海洋調査船が、ドローンを含めて、上陸は日本が許可、政府が許可してくれないというんで撮影に行ったら、何と中国海警の船が迫ってきて追い返されているんですよ。 もう、サラミ作戦というよりも、もういよいよ侵略が本格化してきたと、そういう危機感が私は日本政府にないのか不思議だと思います。 そこで、今日は、この状況を打破するために提案をしていきたいと思います。 尖閣諸島の久場島と大正島、大正島と言うんですかね、にはそれぞれ米軍の射爆撃場が設定されていますが、これはどのような施設なんでしょうか。また、その施設は現在使われているんでしょうか。
○政府参考人(大和太郎君) お答え申し上げます。 尖閣諸島の久場島と大正島につきましては、それぞれの島全体の陸地と周辺の水域、空域が黄尾嶼射爆撃場及び赤尾嶼射爆撃場として米軍による使用に供する施設・区域となっております。 久場島の黄尾嶼射爆撃場は航空機搭載用の通常弾薬を用いた空対地射爆撃を行うための施設でありまして、大正島の赤尾嶼射爆撃場は艦船搭載用の通常弾薬を用いた艦対地射爆撃と航空機搭載用の通常弾薬を用いた空対地射爆撃を行うための施設であります。 米軍がこれら射爆撃場の水域を使用する場合、日米合同委員会合意に基づき、原則として十五日前までに防衛省に対する通告がなされることとなっております。 直近の演習通報は、昭和五十三年、一九七八年五月でございまして、これ以降、米側からの演習通報は受けておりません。
○松沢成文君 尖閣諸島、五つの島で成り立っていますけど、そのうちの二つの島はもう米軍が射爆撃場として島全部を使っているんですね。こういう状況になっていますが、何と一九七八年ですか、以来、四十三年間、半世紀これ使われていないんです。 さあ、日米地位協定では、米軍が使用する施設及び区域は、協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも日本国に返還しなければならないとされています。この規定にのっとり、米軍に今後使用する意思があるかないかを確認して、ないのであれば、日米地位協定の原則にのっとり返還を求めるべきではないでしょうか。政府の見解を伺います。
○国務大臣(木原稔君) 松沢委員のおっしゃるように、日米地位協定第二条三の規定により、米側が使用する施設・区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも日本国に返還しなければならず、米側は返還を目的として施設・区域の必要性を絶えず検討することとされております。 政府においては、これまでも、個々の施設・区域について、返還や使用の在り方等に関する地元の要望も勘案しつつ、随時、日米合同委員会等の枠組みを通じ、米側と協議をしている、してきているところです。 その上で、久場島の黄尾嶼、大正島の、大正島で結構です、大正島の赤尾嶼の両射爆撃場については、米側からの返還の意向は示されておらず、引き続き米軍による使用に供することが必要な施設・区域であると、そのような認識でございます。
○松沢成文君 米軍がまだ使うかもしれない。でも、五十年間、四十六年間、正確に言うと、一回も使ったことないんですね。これ、米軍に確認すべきですよ。もし使用する意思があるのであれば、是非とも使用してくださいと。 米軍による訓練、あるいはそこを使って日米共同訓練、これ実施しましょうと言ったらどうですか。これ実現すれば、中国に対する強大な抑止力になりますよ。政府の見解いかがでしょうか。
○政府参考人(大和太郎君) 先ほど申し上げたとおり、昭和五十三年以降、米側から演習通報は受けておりませんが、その一方で、これまでに米側から返還の意向は示されておらず、引き続き米軍による使用に供することが必要な施設・区域であると認識しております。 御指摘の点につきましては、様々な要素を総合的に勘案した上で、日米合同委員会等の枠組みも通じ、適切に対応してまいります。
○松沢成文君 日米合同委員会で米軍に聞けばいいじゃないですか。もう四十六年使用していないんだったら、もう使用しないんですねと、そうであれば返還してくださいと。それで、もし今後も使用する可能性があるから返還はできないということだったら、それはそれで米軍に訓練でも使ってもらえばいいですよ。 私は返還してもらうべきだと思うんですね。そのときに、日米合同委員会で日本とアメリカがこの二つの射爆場の返還の在り方を交渉しているということ自体が、尖閣の日本の領有権を世界に示す証明になるんですよ。日本はそれを自国の領土だ領土だと。そうしたら、中国も三十年前に自国の領土だと言い始めて、今、中国がどんどんどんどん侵略してきているわけでしょう。それを、このアメリカの射爆場を議論することが、これはやっぱりアメリカの施設もあった、アメリカが占領して、それで沖縄返還もあった、日米地位協定が認められて、そこの交渉に入っているわけですから。 そして、もし将来的にアメリカがこれは返還しますと、もう使っていないので返還しますというのであれば、私は、日本政府はそこを射爆撃場に継続使用して、そして訓練に使うべきです。あるいは、アメリカに共同訓練を申し入れて、艦対地の砲撃訓練とか空対地の砲撃訓練、これ島嶼防衛には必ず必要なことですから、しっかりとまた合同訓練することをやれば、これは中国に対しての抑止力、私はこの交渉をしている間は中国は絶対手を出せないと思いますよ。これについては政府はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 黄尾嶼射爆撃場と赤尾嶼の射爆撃場については、これは米軍による使用に供することが必要な施設・区域であると政府は認識をしているところです。 一方で、久場島と大正島を含む尖閣諸島が我が国固有の領土であるということは、これは歴史的にも国際法上も明らかでございまして、我が国は現に有効に支配をしております。 返還交渉に入るべきという委員の御指摘については、それは提言として承りました。今私が申し上げた点も含めて、様々な要素を総合的に考慮した上で、慎重な対応が必要にもなるものと考えております。 その上で、共同訓練等を通じて日米同盟の抑止力、対処力を不断に強化するとともに、日米が共に行動している姿を示していくということ、これも我が国防衛にとって非常に今大変重要であるというふうに考えます。 国民の平和な命と暮らし、そして領土、領海、領空を断固として守り抜くためにも、そういった決意の下で、米国と緊密に連携しながら、様々な取組を不断に検討し、実施してまいります。
○松沢成文君 冒頭にも申し上げましたけれども、本当に尖閣諸島はこれ中国の侵略の危機ですよ。もうサラミ作戦でどんどんどんどん既成事実をつくられて、日本はそれに何の対応もできない。尖閣に上陸もできない、尖閣に施設も造れない、それで日本のものだと言い張ったって、中国は、じゃ、我々も自分たちのものだからと。これでどんどんどんどん既成事実をつくられて、サラミ戦術で日本は追い詰められているんですよ。 これ、台湾有事は尖閣有事ですよ。台湾有事ばっかり一生懸命日本も心配して、アメリカとどうやって抑止力つくろうかと言っていますが、尖閣を取られますよ、台湾どころか。これ本気になって考えなきゃいけない。 そのためには、日本とアメリカはグローバルパートナーで、岸田総理とバイデン大統領がもう全面協力して世界の平和のためにやっていくって宣言したわけでしょう。そうであれば、日米安保条約と日米地位協定、これ結んでいるわけだから、それをてこにしっかりと抑止力を固めること、これ絶対できるんですよ。そこにアメリカの基地関係施設があるわけだから、それを一緒に使いましょう、あるいは返還してください、合同演習やりましょうと。昔からずっとあったんですよ、中国が領有権なんかを主張する前に。 本当に政府はここ真剣に考えていただかないと、私は尖閣の危機が間近に迫っていると思っていますので、大臣、ブイの件もしっかりとよろしくお願いしますね。独立国として毅然たる態度で中国に対応してほしい。 この最後の、日米安保条約と日米地位協定をてこにアメリカの存在をもっと有効利用すべきだと私は考えますが、外務大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(上川陽子君) 我が国が戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中におきまして、日米の固い結束とこの日米同盟の重要性は一層高まっており、そうした中で、先月の日米首脳会談におきまして、岸田総理から、国家安全保障戦略に基づき防衛力の抜本的な強化に取り組んでいくこと等を説明をし、バイデン大統領から改めて強い支持を得たところであります。その上で、バイデン大統領とは、この抑止力、対処力の一層の強化のため、米軍と自衛隊の相互運用性の強化など、安全保障、防衛協力を拡大、深化していくことで一致したところであります。 日米共同訓練についてでありますが、特定の国や地域を念頭に置いたものではなく、現下の厳しい安全保障環境を踏まえ実施しているものであります。日米共同訓練等を通じまして、日米同盟を更に強化するとともに、日米が共に行動している姿、これを示していく、このことが重要であると考えております。 いずれにいたしましても、我が国が取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、日米間では様々なレベルで日頃から緊密かつ幅広い意思疎通を行い、同盟の抑止力、対処力強化に向けまして様々な取組を積み重ねてきているところでございます。こうした取組を通じまして、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化を不断に進めてまいります。
○松沢成文君 日本とアメリカ、同盟国であります。本当に正しい形でしっかりとそのスクラムを組んで、私は中国の海洋侵略の脅威に立ち向かって抑止力を強めていくべきだと思いますので、今後の政府の御尽力をよろしくお願いいたします。 次に、ドローンの問題をお聞きします。 三月に中国の動画投稿サイトにアップされた自衛隊横須賀基地に停泊する護衛艦「いずも」を空撮したとされる動画について、先週十日の会見で木原大臣は、実際に撮影された可能性が高いというふうに認めて、これ極めて深刻に受け止めると、先ほども述べておりました。 これ、ドローン対策の警備能力に不備があることをこれは証明しちゃったわけでありまして、ドローンによる攻撃やスパイ活動の危機も私は現実化してきていることを示すゆゆしき事態になっているんじゃないかというふうに思います。 撮影された、空撮された「いずも」はこれ海上自衛隊最大の護衛艦で、すごい機能を持っているんですよ。空母化に向けて何と七百億円以上も改修費を掛けて、日本のこの海洋戦略を担う重要な艦、最重要艦船と言ってもいいと思う。 中国は、実はこの空母化には反対しているわけですよね。これ、今回の事例に限らず、私は、中国がドローンを用いて日本の自衛隊基地のスパイ活動を行っている可能性もあると見ているんです。それについては政府はどのように認識していますか。
○国務大臣(木原稔君) 防衛省といたしましては、安全保障に関する情報を始め国の重要な情報等の保護を図ることは極めて重要と考えており、いわゆるカウンターインテリジェンスを始め情報保全に係る取組を進めてきております。その一環として、防衛省においては、我が国の国内において多様な手段により外国諜報機関による情報収集活動が行われているとの認識に立って、必要な対策を講じてきています。 その上で、ドローンが普及をし、関連技術が急速に発展する現在、防衛省・自衛隊としては基地警備能力を高める不断の努力が重要と考えておりまして、今回の事案を深刻に受け止めて、関係機関との連携を更に行いながら、同種事案への対処に万全を期す、そのような考えです。
○松沢成文君 ちょっと具体論に入りますが、いわゆるドローン法、これ小型無人機等飛行禁止法というんですね、では、対象防衛関連施設に指定された自衛隊基地とその周囲三百メートルの上空におけるドローン飛行が禁止されているわけです。この飛行禁止区域にドローンが侵入してきた場合、基地の敷地はレッドゾーンとして自衛隊の判断で対処し、基地の周囲約三百メートルはイエローゾーンとして基本的には警察が対処することになっています。 しかし、リアルタイムでの動画送信や攻撃の可能性も考えると、敷地内に侵入する前に、イエローゾーンで妨害電波、ジャミングによる強制着陸や、あるいは捕獲用ドローンや、あるいはネットによる捕獲をしなければならないと考えますが、いかがでしょうか。 加えて、ただ、ジャミングで対処するにしても、電波法上許可されていない周波数や出力では妨害電波も出せず、特別に総務省の承認を得るにも時間が掛かります。また、敵のドローンを攻撃、捕獲するためのドローンを飛ばすには、少なくとも事前に警察へ連絡しなければなりません。敵からのドローンによる攻撃や偵察といった危機に対し自衛隊自らの判断で即応できる法体系になっていないことが明らかなんですね。これは大変重要な問題だと思います。 現在の法規制と運用体制ではこのイエローゾーンでの危機対応が不十分であり、法改正も含めて対処方法を見直す必要があると考えますが、併せて伺います。
○国務大臣(木原稔君) 小型無人機等飛行禁止法、委員の言われたいわゆるドローン禁止法におきましては、対象防衛関係施設の周囲おおむね三百メートルのいわゆるイエローゾーンでは、その施設を職務上警護する自衛官は、警察官等がその場にいない場合等に、違法なドローンの操縦者に対し、退去命令のほか、やむを得ない場合には当該ドローンの強制着陸といった飛行の妨害など、必要な措置をとることができます。 また、防衛省では、ドローン対処器材を含め、装備品が能力を適切に発揮する上で必要な電波を確保しており、ドローン対処器材から電波を発して必要な対処をする際、総務省から改めて承認を得る必要というのはありません。 さらに、自衛隊が対象防衛関係施設などでドローンを飛行させる場合には管轄する警察機関へ通報する必要がありますが、これは警察機関が適法なドローンを識別するためのものであって、緊急時には飛行の直前までに口頭で通報すればいいことになっておりまして、必要なときには遅滞なくドローンを飛行させることができると考えています。 その上で、ドローンが普及して関連技術が急速に発展する現在、基地警備能力を高める不断の努力、これに尽きるものと考えております。
○松沢成文君 今回撮影された海自の横須賀基地は、周辺約三百メートル以内に住宅や幹線道路があります。このイエローゾーンでの対処機能を強化した場合、主要な対処法であるジャミングによる強制着陸では、ドローンの落下による周辺住民や通行車両等に危機が及ぶ、危険が及ぶ可能性があります。 また、ドローンは、ブルートゥースやGPS、ETCといった日常生活で利用される製品と同じ電波帯を用いることから、ジャミングで対処した場合、生活に支障が生じる可能性が懸念されております。これはどう考えますか。 最後に、こうした危険性に対する安全性を確保するためにどのような対処をするつもりなのか、また地元自治体、周辺住民にはどのように説明し、理解を得るつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○委員長(小野田紀美君) 時間過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(木原稔君) では簡潔に。 ドローンに対して電波妨害を実施した場合に、当該ドローンは、これちょっと技術的な話になるんですが、妨害電波を実施した場合に、当該ドローンは、操縦者の下に戻るとか、あるいは徐々に高度を下げてその場に着陸する等に、そういった従前にプログラムされた挙動を取ることがこれが一般的であるそうであります。だから、突然墜落したりとかというのはしないということであります。電波妨害の実施により、直ちにそういった周辺に危険が生じるおそれがあるというふうにはだから考えにくいと、そういうふうに思っております。 また、妨害電波に伴う周辺機器への影響については、個別具体的な状況によるものであり、一概にお答えすることは困難ですが、関係省庁と連携しながら、必要な電波を確保しつつ、適切な対応に努めているところです。 最後に、自治体との関係につきましては、対象防衛施設等の指定に当たって地元自治体に対して同法の概要等について説明を行うとともに、インターネット上への地図の掲載等によってこれを国民に広く周知してまいります。
○松沢成文君 時間です。 ありがとうございました。
○榛葉賀津也君 国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。 私も松沢議員に引き続いてこのドローンの問題を質問したいと思うんですが、航空自衛隊横須賀基地に停泊中の護衛艦「いずも」をドローンが空撮をしてその動画が世界にさらされたということで、まあ、はっきり言ってなめられたね。本当に格好悪いよ。この動画が三月二十六日に中国の動画投稿サイトbilibiliにアップされて、三日後の二十九日に今度Xに掲載されているんですね。で、防衛省が把握したのが翌三十日です。 これ、どういう経緯でこれ発覚、防衛省はこの問題を把握したんですか。誰かから通報があったのか、自衛隊・防衛省そのものが見付けたのか、どういう経緯ですか。
○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。 防衛省といたしましては、ロシアによるウクライナ侵略で見られるような情報戦対応、これにしっかりと取り組むという観点から、SNS上に流布されているものを始めといたしまして、誤情報あるいは偽情報の探知、分析を行うための体制を整備をして、日頃から本件映像のような情報の迅速な把握に努めているということでございます。このような体制の下で、本件の映像につきましては、三月二十六日に投稿されてから数日後にその拡散を把握したということでございます。 把握後につきましては、速やかに大臣に御報告を上げまして、その際、大臣からは、調査分析を進めるとともに、引き続き関係機関と緊密に連携をしつつ基地警備に万全を期するようにという指示をいただいたところでございます。
○榛葉賀津也君 木原大臣が四月二日の会見で、先ほども同僚議員から質問がありましたが、これフェイク動画の可能性を示唆していたんですね。結構、海幕長の会見聞いても自信たっぷりだったんですよ。 恐らく当初は、防衛省はこれはフェイク動画だと思ったと思うんです。ところが、五月九日になって、横須賀基地上空に侵入して撮影した可能性が高いと結論付けたと自民党の部会で御報告をされた。これ、なぜこんな一か月も時間が掛かったんですか。 で、この投稿サイトに投稿したこのやからが、日本軍は気が付くのに一か月も掛かったって、ばかにしてあおっているんですよ、我が国を。これ、なぜこんな時間掛かったんですか。
○国務大臣(木原稔君) 近年、ロシアによるウクライナ侵略、あるいはイスラエル、ハマスの紛争を始めとして、国際社会におきましては現在偽情報が流布をされており、また他国の世論、意思決定に影響を及ぼす、そういったことを目的とする情報戦というものが今行われているところです。 そのような国際状況の中で、本件についても、我が国に対する悪意を持った影響力行使の活動の一環として加工、捏造されたものである可能性が排除されず、慎重に分析する必要がまずは前提として背景としてあったというところです。 そして、一般論としてこれ申し上げると、その我々が得た情報が本物か偽物かということを判断する際に、その特定の情報が偽物との判断に際してはその不自然な点とか誤りが一つでも確認すればよいという性質のものでありますが、本物であるという判断に際してはその情報のあらゆる要素について不自然な点、誤りがないか丁寧に見極める必要がある。つまり、本物であるということについては非常に時間が掛かるということは一般論として御理解をいただきたいと思いますが、したがって、防衛政策局と統合幕僚監部を中心に、情報本部を始め各機関が様々なレベルで情報を共有し、緊密に連携しながら総合的に分析を進めたところであり、その結果として今般の分析結果が得られたものと、そういうふうに認識をしております。
○榛葉賀津也君 いや、大臣ね、たかがドローン、されどドローンかもしらないけど、さすがに一か月は掛かり過ぎだって、これ。丁寧も大事ですけど、これ迅速にやらないと。これ、ドローンの映像を確認するのに一か月掛かったって、これだけ技術が発達した先進国日本でですよ、技術立国日本で、これ一か月というのは、これが私は危機管理が試されていると思うんですよ。その事後の対応ですね、これは問題だと思うな。 ところで、これ誰が撮影したんですか。
○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。 本件映像につきましては、様々な観点から総合的に分析を実施いたしまして、今般、実際に撮影された可能性が高いというふうに認識に至ったところでございます。 その上で、今般の分析に際しては、委員御指摘の点も含めて、様々な内容について、様々な要素について評価を行ってきているところでございますけれども、生成AI等の技術進展により悪意のある主体による偽情報や誤情報の拡散がますます巧妙になっております中、これ以上の詳細について申し上げますことは、情報収集・分析能力を明らかにし、対抗措置をとられるおそれがあるということでございまして、お答えは、この場でお答えするのは難しいということについて御理解頂戴したいと存じます。
○榛葉賀津也君 いや、敬愛する防政局長だけど、それは御理解できないよ。様々様々って、シャバダバシャバダバじゃないんだからさ。 これ、もう普通に出ていますよ、これ。これ、文にしんにょうに、是々非々の是に、我に小で号の四という人ですよ、これ。これ、私、中国語分からないんで、誰か分からないかなと思って、玉木に聞いても分からないと言うから、そうしたら、参議院警備部の渡邉隆晃さんという衛視さんがもう中国語べらべらなんですよ。中国語、ロシア語、英語。日本語は余り上手じゃないんだけど。この渡邉さんが全部訳してくれまして、チョーシーウォーシャオハオという人だそうです。四というのは、多分四番目のアカウントで、裏アカですよ。 で、これ、民放、日テレさんはもうこの人にアクセスして話していますよ。防衛省だって把握できるんじゃないですか。様々な観点からお答えできませんじゃ、それ納得できない。いるんだから、これもう。 これ、刑事告訴、刑事告発されたんですか。
○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。 当然、委員御指摘の報道については承知をいたしておりますけれども、その一つ一つについてコメントをするということについては差し控えさせていただきます。 その上で、防衛関係施設に対してドローンにより危害が加えられた場合には、やはり我が国の防衛に重大な支障を生じかねないということでございまして、本件については極めて深刻に受け止めているところでございます。 今後、基地警備能力を一層向上させまして、ドローン対処に全力を尽くしていくという考えでございます。
○榛葉賀津也君 刑事告発されているんですかって。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。 基本的に、このエリアでございますが、横須賀の基地のエリアにつきましては、レッドゾーンというふうなことでドローンの飛行を禁止している区域でございます。そこの管理につきましては、基本的には海上自衛隊の方が管理をしているというふうなことで、こちらの方への侵入ということになるのであれば、基本的には基地を管理している海上自衛隊の警務隊の方が対応するということになろうかと思います。 個別の捜査の状況等につきましては、事柄の性質上、この場でのお答えというものは控えさせていただければというふうに思っております。
○榛葉賀津也君 これ全然議論にならないね、これ。参議院外交防衛委員会、機能しないよ、これ。もうちょっと答えてもらわないと。私、しゃれや冗談で聞いているんじゃないですからね、これ。これは、それぐらい答えられないというのは、刑事告訴したかどうかも分からない。だって、これ違法ですよ。これ懲役一年以下若しくは五十万円以下の罰金だ。それ、ぴしっと言わなかったら、なめられますよ、中国に。
○政府参考人(田中利則君) 冒頭、大臣の方からもお話を申し上げましたけれども、今回の事案につきましては、私どもとしても大変重大な事案であるというふうに思っております。きちんと対応していく必要があるという委員の御指摘については、そのとおりであるというふうに思っております。 個別の対応状況につきましては、先ほども申し上げましたように、事柄の性質上、お答えの方は控えさせていただきたいと思っております。
○榛葉賀津也君 事の性質って、どういう性質よ。これ、なぜ言えないの。 実は、酒井海幕長も大臣と同じ二日に会見しているんですね。このとき、通常であれば、ドローンを操作する電波等が探知できればそれなりの対応ができるって、結構、私も酒井海幕長よく知っていますけれども、笑みを交えた余裕の表情だったんです。自信があったと思うんですよ。対応できないことは通常あってはならないと断言されているんです。それが起こったんですよ。 これやっぱり探知できていなかったということですよね。それをお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(田中利則君) 大変恐縮でございますけれども、個別のドローンの飛行について認知をしていたかどうかということでございますが、これは、我が方の基地警備に係る能力というものを明らかにするおそれがあるということ、それから、基地に対しての侵入者に対してこれを利することにつながりかねないということで、お答えが困難であるということは御理解をいただければというふうに思っております。
○榛葉賀津也君 探知できていなかったんですね。できていないんですよ。できていたら、だって対応しているんだから。対応していないということは、探知していないんですよ。これ基本ですよ、だって。探知して識別して対処する、これセットだから。で、入口の探知ができていないから識別も対処もできていないんでしょう。だから探知できていなかったんですよね。
○政府参考人(田中利則君) 大変恐縮でございますが、探知ができていたか、その有無につきましては、先ほど申し上げたとおり、我が方の能力というものを明らかにするおそれがある、それから基地への侵入者、これを利するおそれがあるということで控えさせていただければと思っております。 他方、委員御指摘のように、探知については、ドローン対処の出発点となる最も重要な機能であるというのはそのとおりでございまして、ドローン対処器材につきましては、様々な手法を用いてこの探知のための機能というものを持っているというふうに承知をしております。 私どもとしては、こうした様々な機能を活用しながら、より確度の高い能力というものを獲得していけるように努めてまいりたいと思っております。
○榛葉賀津也君 今日の質問、気合入れて昨日の夜から寝ずに練習してきたけど、がっかりだね、これ、この答弁だと。 これ、レーダーや光学センサーで操縦者とドローンとの間で交わされるこの電波を探知をして、違法と識別をして、その後、先ほど松沢さんが言ったように、無力化して強制着陸や網を掛けて確保すると。それができていないんですよ。 これ、探知できないケースというのはあるんでしょうか、一般論として。
○政府参考人(田中利則君) 委員御指摘いただきましたとおり、ドローンの探知につきましては、レーダー、それから光学のカメラ、赤外線カメラ、それからマイクですね、音でございますとか、それから操縦者とドローンとの間で交わされるその電波の探知、こういった手法を組み合わせながら、より精度高く確実にその捕捉をするという、そういった機能を持っているというふうに承知をしております。 それぞれその、例えばレーダーでありましてもカメラにつきましても、持っているその機能の限界というものはございますので、それぞれの機能というものを適切に組み合わせながら、より能力の高い、確度の高い探知の能力というものを獲得すべく、私どもとしても努力してまいりたいというふうに思っております。
○榛葉賀津也君 プログラミングをして自律飛行するドローン、これ電波発しないので、この手は今の対応だと擦り抜けるんですよ。これ、しっかりやらないと、もう様々なんて言っている場合じゃないですよ。防衛省、何かあると手のうちを明かすことになるから答弁できませんと言うけど、これ、本当のときならいいけど、答弁しないためにその手法やめてほしいと思う。やっぱり建設的な議論をしたいと思うので。 最後に、今後の対応、これどうされます。
○国務大臣(木原稔君) 今般は、撮影された可能性、そしてそれが本物である可能性というもの、そういう認識に至ったということであり、場合によってはドローンを用いた攻撃ということもあり得るわけであります。そういったドローンを用いた攻撃に対処するためには、目標の探知や識別、委員のおっしゃったように、探知、識別、そして対処の実施までの一連の措置が必要であり、防衛省としては、必要な装備を保有しつつ、不断の能力向上に努めてきたところでありますが、しかし、それが不十分であったということが露呈したということです。 その上で、今回の分析結果を契機として、私として改めて徹底したドローン対処の重要性を確認したところであります。より能力の高いドローン対処器材の早期導入、これも指示をしました。また、電波妨害による違法ドローンの強制着陸といった、しかしながら、法令の、あくまでも法令の範囲内での厳正かつ速やかな対処を各部隊に徹底するなどの取組も発しました。全国の基地、駐屯地の警備により万全を期してまいります。
○榛葉賀津也君 我々野党ですけれども、応援していますから頑張ってください。 以上です。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 五月十日の国連総会緊急特別会合は、パレスチナの国連加盟を支持する決議案を採択しました。安保理では、四月、加盟勧告を求める決議案が米国の拒否権行使で否決されましたが、総会決議は安保理にその再検討を求めるものです。日本を含む百四十三か国が賛成し、採択され、反対はイスラエルや米国など僅か九か国でした。国際社会の総意を示すものだと言うべきです。 現在、パレスチナはオブザーバー国家ですが、決議が採択されたことで国連での提案権や国連総会の委員に、委員会などで役員に選出される権利が認められると伺います。 外務大臣、決議の内容と日本政府がどのように対応したのか、御説明ください。
○国務大臣(上川陽子君) 五月の十一日、ニューヨーク時間の十日でありますが、国連総会は、パレスチナの国連加盟を再検討するよう安保理に勧告し、国連オブザーバーとしてのパレスチナに国連総会における各種権利を追加的に付与する決議を賛成多数で採択しました。 我が国は、パレスチナが国連加盟に係る要件を満たしているとの認識の下、中東和平の実現に向けて総合的に判断をし、先般のパレスチナの国連正式加盟に係る安保理決議案に賛成票を投じたところであります。また、本決議案でありますが、パレスチナの従来のオブザーバー国家としての権利を一層強化する内容でございます。こうした点を含めまして、総合的考慮に基づきまして、我が国は本決議に賛成票を投じました。
○山添拓君 反対した米国は、二国家解決への支持を強調しつつ、当事者間の直接交渉を通じて達成されるべきだとし、早くも、安保理で再検討しても同じ結果が予想されると述べています。政府として米国に態度を改めるように求めるべきではありませんか。
○政府参考人(松尾裕敬君) 政府といたしましては、当事者間の交渉を通じた二国家解決を支持しておりまして、我が国が中東地域に築いてきた独自の立場を最も効果的に活用して、引き続き和平プロセスの進展に貢献していきたいと思っております。
○山添拓君 いや、米国に対しても求めるべきではないのかと、国連加盟を支持する立場に改めるように求めるべきではないのかと伺っています。
○政府参考人(松尾裕敬君) 我が国といたしましては、米国が国連に引き続き積極的に関与していくことが重要であると考えております。
○山添拓君 関与ではなく、態度を改めるように迫るべきだと思うんですね。だって、片や首脳会談では日米は共にあるとおっしゃっているんですよ、グローバルパートナーだと。ところが、こういう問題になると突然物が言えなくなるんでしょうか。 記事にもありますが、イスラエルのエルダン国連大使は、決議に反対する意思を示すためにシュレッダーを持ち込んで国連憲章を切り刻んだといいます。文字どおり国連憲章を破り捨てるような行為は、これは容認できないと思うんです。大臣、いかがですか。
○政府参考人(松尾裕敬君) 五月十一日、国連総会におきまして、決議案採択に先立ち、イスラエル国連常駐代表が壇上において国連憲章をシュレッダーを用いて細断する行為を行ったことは承知しております。 他国の国連総会における個別の行動についてコメントは差し控えますけれども、いずれにせよ、国連憲章は全ての国連加盟国により尊重されるべき重要な文書であると認識しております。
○山添拓君 尊重しない態度があるということはやはり問題だと思うんですね。 現在、パレスチナを国家承認している国は幾つあるでしょうか。また、今後国家承認を予定している国について政府は把握していますか。
○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。 現時点におきまして百四十か国以上がパレスチナを国家承認していると承知しております。代表例といたしましては、中東諸国、ロシア、中国、スウェーデン、東欧諸国、アフリカ諸国、ラテンアメリカ諸国等でございます。 今後、国家承認を計画している国につきまして政府として網羅的にお答えする立場にはございませんが、報道によりませば、最近ではスペイン、スロベニアといった一部の欧州国が国家承認を検討しているというふうに承知してございます。
○山添拓君 五月七日にバハマが承認し、百四十三か国かと思います。今度の国連総会の決議は、パレスチナは国連憲章に基づく国家としての加盟資格があり、国連加盟が認められるべきだと明記しています。先ほど大臣からも、要件を満たしているので賛成したのだと答弁がありました。 そうしますと、日本政府としてもパレスチナを国家承認すべきだと、こういう立場だということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(安藤俊英君) 我が国といたしましては、当事者間の交渉を通じた二国家解決、これを支持しまして、独立国家樹立に向けましたパレスチナ人の希望を理解し、これに向けたパレスチナの努力を支援してきました。 パレスチナの国家承認につきましては、今後、和平プロセスをいかに進展させるかといったことも踏まえまして、日本として引き続き総合的に検討してまいりたいと考えております。
○山添拓君 それが従来の答弁なんですが、しかし、国連総会でこのように決議が上がり、日本政府も賛成したわけです。そして、今後、国家承認していこうという国も既に現れてきています。 日本政府としても、総合的にと言葉を濁すのではなく、既に国連総会で示した立場があるわけですから、その方向で国家承認をしていくべきではないのかと、その際、誰かに気を遣う必要はないかと思いますが、外務大臣、いかがですか。
○政府参考人(安藤俊英君) 繰り返しになりますが、我が国といたしましては、当事者間の交渉を通じた二国家解決を支持し、独立国家樹立に向けたパレスチナ人の希望を理解し、これに向けたパレスチナの努力を支援していくという立場でございます。 国家承認につきましては、和平プロセスをいかに進展させるかといったことも踏まえまして、日本として引き続き総合的に検討してまいりたいと考えております。
○山添拓君 同じ答弁の繰り返しになりますが、国連総会での態度を貫くなら、当然、日本政府としても国家承認すべきだと考えます。 ガザでの殺りくは七か月を超えます。イスラエルは、ハマス壊滅と人質解放を掲げ、ガザ最南部ラファへの侵攻を計画しています。しかし、ラファには北部や中部からの避難民を含む百五十万人が集中し、侵攻すれば犠牲者は一気に膨れ上がります。住民が既に避難を始めているといいますが、安全な避難先などない状況です。大体、イスラエルの避難勧告自体が強制移住を禁止するジュネーブ条約に違反するものです。政府は、ラファへの全面的な軍事作戦には反対だと表明してきています。 このラファ侵攻は国際人道法に違反すると、そういう認識だということですね、大臣。
○国務大臣(上川陽子君) この戦闘がまさに長期化する中にありまして、現地の危機的な人道状況が更に深刻さを増しているということを深く憂慮をしているところであります。 我が国といたしましては、さきのG7外相会合におきましても一致したとおり、ラファハへの全面的な軍事作戦には反対でありまして、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また、人質の解放が実現するよう即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながることを強く期待しているところであります。 同時に、人道支援活動が可能な環境確保の観点からラファハ検問所の再開が重要でありまして、こうした点も含め、引き続きイスラエルへの働きかけを始めとした外交努力を粘り強く積極的に行っていく所存でございます。
○山添拓君 ラファ侵攻は反対だとイスラエル政府には既に伝えましたか。
○政府参考人(安藤俊英君) お答え申し上げます。 イスラエルとの関係あるいは関係国との関係では、我が国の立場についてはこれまでも伝えてきたところでございますが、その詳細についてはコメントすることは差し控えたいというふうに考えます。
○山添拓君 これは詳細を明らかにしていただくべきだと思いますよ。やめよと、国際社会が今そういう即時停戦を求める立場で一致して求めていくということが必要だと思うんです。遠慮されることないと思いますよ。 ラファ侵攻は、国際法に反する事態をもたらす、人道状況を悪化させると、深刻な状態をもたらすということを大臣も認識示されているわけですから、イスラエル政府に対して重ねて伝えていただくべきだと思いますし、そのことを公にもするべきだと思います。 これだけの殺りくが続いているのは、武器を供給している国があるからです。イスラエルの武器輸入の七割近くが米国からとされます。 八日、バイデン大統領は、イスラエルのラファへの攻撃がレッドライン寸前との認識を示して一回分の弾薬輸送を止めたことを明らかにしました。米国の報道では、二種類の爆弾、計約三千五百発分だということです。 大臣、事実でしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の点についてでありますが、オースティン米国防長官が八日、連邦議会上院の公聴会におきまして、ガザ地区、特に南部ラファハをめぐる状況に鑑み、イスラエルへの弾薬の輸送を一部停止することについて言及したと承知をしております。 我が国といたしましても、ラファハにおきましてのイスラエルの軍事行動の動きを深く懸念をしております。G7外相会合でも一致したとおり、我が国はラファハへの全面的な軍事作戦には反対であり、人道支援活動が可能な環境が持続的に確保され、また人質の解放が実現するよう即時の停戦を求めるとともに、それが持続可能な停戦につながる、このことを強く期待しているところであります。 引き続き、イスラエルへの働きかけを始めとした外交努力を粘り強く積極的に行ってまいります。
○山添拓君 弾薬の供給停止は、昨年十月のこの戦闘以降初めてのことです。 資料の二枚目を御覧いただきますと、十日、米国議会に、イスラエルに供与した武器が国際法に違反して使われたと判断するのが妥当とする報告書が提出された報道があります。 米国は、今年二月、米国から武器支援を受けている国に国際法を遵守して使っているという信頼できる保証の提出を義務付け、米国が違法を確認すれば是正措置を検討するとしていました。その調査の報告書です。 つまり、今度の米国の武器供給停止は、米国がイスラエルの攻撃を国際法違反と判断したその結果だと見るべきだと思うんです。いかがですか。
○政府参考人(安藤俊英君) 御指摘の米政府作成の報告書につきましては、米国がイスラエルに提供した一部の装備品が国際人道法遵守に懸念を生じさせる事案に関与していた可能性について言及しつつ、個別の事案について評価すること、最終的に結論に至るということは困難であるというふうに述べているというふうに承知しております。 我が国といたしましては、イスラエルは、ハマスの攻撃を受け、国際法に基づいて自国及び自国民を守る権利を有するものの、同時に、全ての行動は国際法に基づいて行われなければならず、いかなる場合においても国際人道法の基本的な規範は守らなければならないと考えております。こうした立場につきましては、これまでも累次の機会にイスラエル側に働きかけているところでございます。
○山添拓君 この報告書は、イスラエル側から完全な情報の提供がなかったとしていますよ。そして、その上で違法に使われたとの評価が妥当だとしているわけですね。 政府としても、米国側にその判断、根拠、確認すべきじゃありませんか。
○政府参考人(安藤俊英君) これまで述べてきていますとおり、イスラエル軍の行動に関し、事実関係を十分に把握することは現状で困難であるということから確定的な法的評価を行うことは差し控えさせていただいていますが、これは、我が国として、イスラエルの行動が国際法と完全に整合的であるという法的評価を行っているわけではございません。民間人の犠牲者が一層増加している中で、軍事行動が全体として国際法上正当化されるかどうか、当事者による一層の説明が求められるような状況になっていることは確かであるというふうに考えております。
○山添拓君 説明を求めるべきだと思います。 全米各地の大学で大規模な抗議が広がっています。ニューヨーク・コロンビア大学の学生は、当局に、大学に寄附する企業や寄附金の投資先にイスラエルの軍需企業がないか回答を求めています。イスラエル企業の利益に加担しているのではないか、そういう当事者意識からです。イギリスでも同様の行動が繰り広げられています。 ところが、日本政府は、そのイスラエルの軍需企業から無人ドローンを購入しようとしています。三月の当委員会で質問いたしました。実証の対象となった七機中五機がイスラエル製、今後本格導入するかどうか検討中ということでした。 実証結果の報告書が提出されていると伺いますが、どういう内容だったでしょうか。イスラエル製は検討の対象から外すべきだと思います。最後に大臣に伺います。
○政府参考人(青柳肇君) 事実関係として事務方からお答えいたしたいと思います。 防衛力整備計画におきまして、空中から目標を捜索、識別し、迅速に対処するための多用途UAV及び小型攻撃用のUAVを整備することとしてございまして、令和五年度に実機を用いた実証試験に係る契約を締結したところでございます。 その上で、多用途UAVにつきましては令和六年度に、小型攻撃用UAVにつきましては令和五年度及び六年度に実証試験を行うことになってございます。現時点で契約を締結した全ての機種について実証試験が終了しているわけではございません。 防衛省といたしましては、契約を締結した機種の実証試験を全て完了させた上で、今後の取組について考えていきたいと思ってございます。
○山添拓君 もう時間ですので終わりますけれども、まだ続けていると、続けていること自体が問題だと思います。 ジェノサイドと指摘される殺りくに加担することがあってはならないということを指摘して、質問を終わります。
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。 前回に引き続いて、五年で四十三兆円、GDP比で二%まで防衛費を増額するために行われたとされる極めて現実的なシミュレーションについて伺います。 前回、外務省にお聞きした二〇二三年一月九日に公表された、米国シンクタンク、戦略国際問題研究所の台湾有事に関するシミュレーションでは、核兵器によるエスカレーションを考慮して政権が許可を出さない可能性があり、米軍は中国本土を攻撃する計画を立ててはならないと提言しています。配付資料①に示してあります。つまり、米軍は台湾有事でも中国本土は攻撃しないのです。日本の自衛隊だけが米軍の統制下で敵基地攻撃をすると宣言していることがいかに異常なことか、これだけでも明らかだと思います。 このCSISシミュレーションでは、一般にシミュレーションと言われてイメージするとおり、双方の戦力や交戦規定、侵攻に至るシナリオなど細かく設定して、敵味方でウォーゲームを行っています。 防衛研究所では、近年、シミュレーション手法を習得、発展させ、政策支援や教育の場で生かすべく、政策シミュレーション室を創設し、コネクションズ・ジャパンを二〇二二年と二四年に開催しています。 防衛研究所では政策シミュレーションについてどのように取り組んでいるのでしょうか。政策シミュレーションの手法にはどのような特徴があり、どのような意義があると考えていますか。
○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。 私どもの防衛研究所におきましては、平成二十七年度でございますけれども、政策シミュレーション担当の特別研究官、また、この特別研究官の下に政策シミュレーション室を設置いたしまして、政策シミュレーション手法を政策立案支援や教育支援に活用すべく、その手法の調査研究等に取り組んでいるところでございます。 その一環といたしまして、令和四年度からでございますけれども、御案内いただきました政策シミュレーション国際会議、コネクションズ・ジャパン、こちらを開催いたしまして、米国、英国等の最新手法を習得しているところでございます。 この政策シミュレーションには様々な手法があるわけでございますけれども、仮想的な状況での意思決定とその帰結、他者の対応等を議論するというものでございまして、具体的な政策課題に取り組みます際のアイデアを導き出す意義があるというふうに考えているところでございます。
○伊波洋一君 配付資料⑥の方にもそのことが報告されておりますけれども、基本的にこのシミュレーション手法については自衛隊全般に理解をしてもらうような立場と聞いております。そういう意味では、それぞれ行われたことについて、参加を求める場合は参加をさせ、そしてまた、そのことの意味をしっかりと自衛隊全体が共有をしていると、こういうふうに理解しております。ロールプレーとかインタラクティブな事態の進展を仮想的に体験することなどがシミュレーションの基本的な要素であると理解されています。 さて、資料⑦のように、民間の一般社団法人日本戦略研究フォーラムは、二〇二一年八月以来、台湾有事に関するシミュレーションを三回行い、提言してきました。これには現役の国会議員も大臣役としてロールプレーイングで参加しており、前任の浜田防衛大臣は第一回の総理大臣役でしたし、木原防衛大臣も、大臣就任前の二二年七月に実施された第三回シミュレーションには防衛大臣役で参加されています。 大臣、このフォーラムのシミュレーションはどのようなものでしたか。今の大臣の職務にどのように生きているとお感じですか。
○国務大臣(木原稔君) 今、伊波委員からお話があったように、私自身、防衛大臣の就任前に、当該一般社団法人が主催したシミュレーションに参加をさせていただきました。これは防衛大臣就任前の議員としての私個人の活動でございまして、今現在、防衛大臣としてこの当該シミュレーションについてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。 その上で、政府としては、台湾海峡の平和と安定というものは、我が国の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要と考えており、台湾をめぐる問題について対話により平和的に解決されることを期待するというのが従来からの一貫した立場でございます。
○伊波洋一君 このように、ウォーゲームのシミュレーションは、一般には、安全保障や軍事の場面で複数主体の相互作用を通じて生じる不確実な状況においてどのような事態が生じるか仮想的に体験し、そしてどのような課題が隠されているかを検証するツールとして使われています。辞典でも、シミュレーションとは、ある現象を模擬的に現出すること、現実に想定される条件を取り入れて実際に近い状況を模擬的に実験すること、などと説明されています。 防衛省が実施したものがあれば、極めて現実的シミュレーションであったというのであれば、複数の主体、少なくとも敵側と日本政府側、あるいは、日本政府側でも防衛だけでなくて外交当局や内閣など政治的な判断を行う主体といった、それぞれの役割の複数の人間が分担するシミュレーションの基本である複数主体のロールプレーによるインタラクティブな、相互作用的な事態の進展を模擬的に再現するという基本的な設定が必要だったと考えられますが、そのようなものだったのでしょうか。木原大臣、上川大臣にそれぞれ伺います。 岸田首相の会見によれば、このシミュレーションを基に、現在の五年で四十三兆円、二七年度にGDP比二%となる防衛費の増額、防衛力の強化が導かれていると理解しています。このシミュレーションは、現在の日本の外交防衛政策を規定する極めて重大な意義を有すると考えられます。 質問です。このシミュレーションの報告書というものが本当に現実に存在するのでしょうか。両大臣、御覧になったことがありますか。あるとすれば、両大臣、それぞれ御覧になって省内でも検討しましたか。
○国務大臣(木原稔君) お尋ねのシミュレーションについては、昨年九月、私が防衛大臣着任後にその報告を省内で受けたところであります。 今回の防衛力強化の検討に際しては、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で国民の命を守り抜けるか、極めて現実的なシミュレーションを始めとする様々な検討を行い、必要となる防衛力の内容を積み上げて、防衛力整備計画の四十三兆円程度という防衛費の規模を導き出しました。このように、お尋ねのシミュレーションについては重要な意義を有していると考えております。 今後、その防衛力整備計画を着実に実行し、防衛力の抜本的強化をしっかりと進めて、我が国の抑止力、対処力を向上させることが武力攻撃そのものの可能性を低下させるとともに、外交を行う上でも裏付けとなるものと、そのように考えております。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘のシミュレーションについてでありますが、私も報告を受けたところでございますが、このシミュレーションは、将来の防衛力の在り方について検討を行うため防衛力の役割に焦点を当てて実施したものでございます。その点は、今大臣から、防衛大臣からの御説明のとおりでございます。そのことについて、内容的に、外交についてこれを検討を行っているものではないというふうに思っているところであります。 今、報告書や検討結果を含めてどういう扱いをしていくのか、まさにこれは防衛省の管轄ということでございますので、今大臣から説明をいただいたと理解をしているところであります。
○伊波洋一君 先ほど申し上げましたように、シミュレーションは、普通は資料⑦にあるようにそれぞれいろんな役割があって、そこの中でどういうものが実現するのかということを検証していく。ところが、前回も質問させていただきましたけれども、外務省も内閣官房も参加はしていないと、このようにお話しでした。 今のお話を聞いても、必ずしもこのシミュレーションの報告書が一体どういうふうな形になっているのかが分からないんですけれども、委員長、この極めて現実的なシミュレーションの報告書を防衛省から委員会に提出させるか、仮に委員会への提出が困難であったとしても、秘密会にするなり理事会内で回収するなりして、少なくとも理事に閲覧をさせていただきたいと考えますが、委員長のお取り計らいをお願いいたします。
○委員長(小野田紀美君) 後刻理事会で協議いたします。
○伊波洋一君 極めて現実的なシミュレーションと言いながら、防衛省のみでクローズで行っていて、手法もどのようなものか不明です。クローズで行ったことは、この間、私もレクで聞いておりますので、そう申し上げておきます。 昨年十二月に改めて当委員会で提出されたシミュレーションの全体像の資料には追記されませんでしたけれども、外交も国民の被害も、石油、天然ガスの輸入に関する想定もシミュレーションでは考慮されていません。米軍が支援に駆け付けると言いながら、日本政府の窓口である外務省も参加せず、国民保護や有事法制を所管する内閣官房も関与していません。 結局、このシミュレーションは、防衛予算の総額が五年で四十三兆円になる、倍増されるということを前提に、既存の米軍事戦略に沿った形でこれまで防衛省内で温めてきた装備や施設整備の費用を積み上げて四十三兆円掛かりますと正当化したにすぎないと考えられます。 岸田総理は一年以上にわたる丁寧なプロセスで検討したと繰り返していますが、そもそも、このシミュレーションの一年前の時点では五年で四十三兆円は決まっていないのです。四十三兆円が決まったのは安保三文書が閣議決定される直前の二二年十二月六日であって、それまでは、配付資料⑧の新聞記事にもあるように、防衛予算をGDP比二%に増額せよという米国からの要求を受けて、二二年四月に自民党がNATO諸国の対GDP比目標を念頭に五年以内に必要な予算水準に達成すると提言し、七月の衆議院選の自民党の公約に盛り込まれたものです。 その後、二二年十一月二十八日の総理のGDP比二%程度とする指示があって、防衛省は四十八兆円を希望し、財務省は三十五兆円を主張し、政治決着で四十三兆円になったというのが実情です。 防衛省の極めて現実的なシミュレーションの取組は、結局一人で対戦ゲームをやっているようなもので、自作自演、一人芝居のように感じます。だからこそ、自由に発言できる防衛省・自衛隊のOBの皆さんからは、身の丈を超えているなどの批判がされたのではないでしょうか。 このシミュレーションは、岸田総理の言葉を借りれば、戦後安全保障の大転換をし、そして、結果として、安全保障政策のみならず、これからの日本の形までも極めて危険な方向に変質させてしまう大軍拡の根拠となっています。 しかし、実際のシミュレーションは、防衛省・自衛隊のみがクローズで実施したものであり、そこまでの重大な意義が当初から込められていたとは思えません。防衛省は否定しますが、この岸田軍拡、安保三文書の根拠とされる極めて現実的なシミュレーションは、まさしく防衛研究所の高橋杉雄研究員が令和三年度特別研究成果報告でまとめた、資料⑨の「将来の戦闘様相を踏まえた我が国の戦闘構想/防衛戦略に関する研究」において解説する統合海洋縦深防衛戦略をそのまま実現するものになっています。 この高橋論文はどのような内容か、防衛省は承知していますか。
○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。 お尋ねの報告書については、当然私ども承知をしているところではございます。承知しておりますけれども、本件につきましては、防衛研究所の研究者が研究者個人の立場から学術的な分析を行ったものでございまして、政府としての公式見解を示したものではないということでございますから、その内容について見解を述べるということについては差し控えさせていただきたいと存じます。
○伊波洋一君 統合海洋縦深防衛戦略は、中距離ミサイルなど、戦域内のバランス、軍事バランスでは中国が有利だと書いております。しかし、米国のグローバルな戦力バランス、戦域外バランスは日米が有利で、そのために、短期戦になれば中国有利だが、長期戦に持ち込めば日米が有利、そこで、日本の戦略目標は、短期戦で決着が付かないよう膠着状態に持ち込んで、米軍来援まで時間を稼ぐことだと、このように主張しているわけですね。 そういう中で私たち、やはり、この今回のシミュレーション、問題にしておりますシミュレーション、この資料⑤を見れば分かるんですけれども、一番最初に、その中で、この中では、とにかく日本のミサイルの充実をまず一番訴えているんですよ。 それなぜかというと、まずミサイルを撃つことがスタートなんですね。だから、この一番の、この資料⑤の、一番最初に撃つのが、「我が国への侵攻そのものを抑止するために、遠距離からの侵攻戦力の阻止・排除」と。それで、「スタンド・オフ防衛能力」と「統合防空ミサイル防衛能力」、二つで敵を攻撃するということがスタートなんです。 その後、抑止が破られて、抑止が破られて実際にほかの防衛力が使われて、同時に、地上戦ですから、実際、地上戦を想定していますので、それぞれの、今、全ての、三百の防衛施設が今そのための準備で、弾薬が積み増され、そして装備が置かれ、そして強靱化される、これが現実ですね。 そのことをやっていきながらアメリカの来援を待つというのがこの全体像になっているわけです。果たしてそれが、本当にそれでいいのかと。つまり、外務省も出ない、官房もいないままでシミュレーションをして、それがつくられたのがこの結果になっているというふうに私は理解をしております。 だから、要するに、前回も言いましたけど、前方展開能力もあるいはその戦力投射能力も、もうアメリカがこの日本に対して守るための武器はないという状況の中で、そういう戦略の中で遂行していくというのがこの⑤番目なんですね。それで本当に、そこでは国民の被害も考慮されていません。外交も考慮されていません。ちゃんと書いてあるんですよ、この資料の中に。そういうもので本当にいいのかということが問われているんですよ。 ですから、私はやはり、こういう抑止が破られるということを前提にしているような形の今のありようというのはやっぱりおかしいと思うんです。これ、ミサイルが降り注いでもそれに耐えられるような、司令部を地下化、そして施設の抗堪化などを行って持続性、強靱性を高めて、長期戦に耐え抜いて米軍の来援を待つというのでは、本当にいいんでしょうか。私は、まず来ないと思うんですね、アメリカ軍は。 ですから、そこで質問ですけれども、この安保三文書の問題は、やはり再度見直す必要があると、このように思います。 そういう、去年の中で、議論した中で、その慶應大学、一回目、前回質問しましたけど、慶應大学の神保教授が財政制度分科会で指摘したように、もう既に米軍が前方展開や戦力投射を行うこと自体が期待できなくなっており、米軍の戦力投射までの時間を自衛隊が耐え抜くという戦略に沿った五年で四十三兆円の軍拡そのものが大きな矛盾を抱え、論理的に破綻したものになっているわけじゃないですか。 にもかかわらず、結局米軍の言いなりで、対中国抑止という米軍の国益に沿った形で日本の全土、特に沖縄を再び戦場にする、そして日本の自衛隊や沖縄県民を始め日本国民が血を流すというようなことが今行われようとしているのが、まさにこの安保三文書に基づく岸田軍拡ではないかと、このように思います。 こう言うと、防衛省の皆さんは、いや、日本全国が戦場になるということを望んでいるわけではないのだとおっしゃいました。で、この資料、そこに挙げてあります去年の議事録、この資料⑩ですけれども、その中で浜田防衛大臣も言っていたんです。 何と言ったかというと、二三年五月二十三日の当委員会で、「そういったことをシミュレートする前の段階のシミュレーションを我々はしなければならない」と答弁されました。本当に必要だと思うんですね。浜田大臣御自身の本当な、率直な御意見だったと思います。 そこで質問ですが、防衛省として、浜田前大臣がおっしゃった、「そういったことをシミュレートする前の段階のシミュレーション」は行ったのでしょうか、あるいはこれからやる意思をお持ちでしょうか。お答えください。
○国務大臣(木原稔君) 御指摘のその昨年の答弁ですが、令和五年五月二十三日の外交防衛委員会において、伊波委員から、「長期戦を想定するということは、日本全土を戦場にし、自衛隊も周辺の住民も時間稼ぎのために犠牲になるということを受け入れるということです。これが極めて現実的なシミュレーションと私は思っています。」との御指摘があったことに対して、当時の浜田防衛大臣が、「日本全国が戦場になるというようなお話がありましたが、そういったことをシミュレートする前の段階のシミュレーションを我々はしなければならないと思っております。」との発言をしたものであります。 この発言は、日本全国が戦場になり、日本国民に多大な被害が生じるような状況に至ることがないよう、国民の命と暮らしを守り抜くためいかなる防衛力が必要か検証するためのシミュレーションを行うことが重要であるという趣旨を述べたものであります。 また、ちなみに、当該発言に続けて、浜田前防衛大臣は、日本全国が戦場になるまで手をこまねいていてはならず、あらゆる手段を用いて食い止めることが防衛省・自衛隊の任務である旨も併せて発言をしているところでございます。
○伊波洋一君 上川外務大臣は、前回、グレアム・アリソンのトゥキディデスのわなの議論から、先生の本意は米中戦争の不可避論ではなく、そうならないための外交努力の要諦を歴史の教訓から引き出すことですということを説明されました。 アリソン教授の薫陶を受けた上川大臣のリーダーシップで、戦争を回避するためにはどうすればいいのか、防衛省ではなくて外務省中心になって、内閣官房や防衛省、国交省、資源エネルギー庁、総務省などを入れて、政府全体の取組として政策シミュレーションを実施することが今こそ必要ではないでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) グレアム・アリソン先生であります。私が一九八〇年代にハーバード大学のケネディ・スクールへ留学していたときの恩師でございまして、当時から政治学者として世界的に活躍されていた方である、また最近も、戦争にならないための外交努力の要諦を説かれているものと承知をしております。 委員からの戦争回避の取組に関する御質問に関し、二〇二二年末に策定されました国家安全保障戦略は、我が国の安全保障に関わる総合的な国力の主な要素の一つとして、まず外交力を掲げているところであります。 我が国の長年にわたります国際社会の平和と安定、繁栄のための外交努力、また外交活動、また経済活動、この実績を糧に、大幅に強化される外交の実施体制の下、様々な検討を行いつつ、危険を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出するために力強い外交を展開していくことが重要であると考えております。
○伊波洋一君 今、安保三文書は、抑止力、それ中心にやっています、同盟国、特に同志国。でも、それを紡ぎ出したシミュレーションでは、抑止は破れるんですよ。破れるということを前提にしてつくられているんですよ。つまり、国内戦場を受けるということになるので、やはり、でもそれを避けるためには、対話による外交とか、その前のやるべきことをやるべきじゃないかと考えますけれども、緊張をコントロールするために外交を通じてやはり取り組むことが必要だと思いますが、外務大臣の御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 我が国は、国際社会を分断や対立ではなく、協調に導くべく対話を重んじ、人間の尊厳や法の支配を中心に据えた外交を積極的に展開しておりまして、周辺諸国等との関係におきましてもこの点は同様でございます。 その意味で、あらゆるレベル、あらゆる地域、国々との間でこうした努力を重ねていくということが極めて重要であるというふうに認識をしております。
○委員長(小野田紀美君) 時間が過ぎております。
○伊波洋一君 終わりますけれども、フェールセーフというのが必要ですよね、国が残るためには。だから、抑止を続ければそれでいいのではなく、抑止は破れれば、破れるときは戦争になる。ならさないための取組が必要だということを強調して、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(小野田紀美君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 外務大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(小野田紀美君) 風力発電設備の設置等による電波の伝搬障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するための措置に関する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。木原防衛大臣。
○国務大臣(木原稔君) ただいま議題となりました風力発電設備の設置等による電波の伝搬障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するための措置に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。 陸上における風力発電設備の設置等による電波の伝搬障害を回避し電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動を確保するため、電波障害防止区域の指定、電波障害防止区域内における風力発電設備の設置等に係る届出等の義務及び風力発電設備の設置者と防衛大臣との協議等に関する制度を創設するものであります。 以上が、この法律案の提案理由であります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。 第一に、防衛大臣は、レーダーを用いてする監視若しくは誘導又は人工衛星との間で行われる無線通信について、風力発電設備の設置等が行われた場合に著しい障害を生ずるおそれがあり、これを防止して電波を用いた自衛隊等の円滑かつ安全な活動の確保を図るために必要があるときは、その必要な限度において、特定の区域を電波障害防止区域として指定することができる制度を創設するものであります。 第二に、電波障害防止区域内において風力発電設備の設置等をしようとする者は、工事に着手する前に、風力発電設備に係る位置、風車高、形状等を防衛大臣に届け出なければならないこととする制度を創設するものであります。 第三に、防衛大臣より自衛隊等の使用する電波の伝搬障害の原因となる旨の通知を受けた風力発電設備の設置者は、通知を受けた日から二年間は、工事を行ってはならないこととし、その間、防衛大臣と当該風力発電設備の設置者は、自衛隊等の円滑かつ安全な活動の確保と風力発電設備に係る財産権の行使との調整を図るため必要な措置について協議を行う制度を創設するものであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でございます。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(小野田紀美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十九分散会