外交防衛委員会 第10号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2024/04/23
会議録
○委員長(小野田紀美君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、宮崎勝君、白坂亜紀君及び羽田次郎君が委員を辞任され、その補欠として中曽根弘文君、福山哲郎君及び下野六太君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小野田紀美君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野田紀美君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に石井苗子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(小野田紀美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアンゴラ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件外二件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府宇宙開発戦略推進事務局審議官渡邉淳君外十二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野田紀美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(小野田紀美君) 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアンゴラ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とギリシャ共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。 三件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○水野素子君 立憲民主党、神奈川県選出の水野素子です。会派、立憲民主・社民、代表して質問させていただきます。 まず冒頭、海上自衛隊ヘリ二機墜落の事故につきまして、亡くなられた方、心から御冥福をお祈りするとともに、今御不明の方、救出を全力を尽くしていただきますようにお願いを申し上げます。 とても大事なことですので、ここで木原大臣に、今の現状につきまして、一言、状況報告をお願いしたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 今回の事故は、国防の任務遂行のために、自衛官として崇高な使命感と責任感を持って極めて重要かつ高度な訓練を、高度な訓練に従事していた、その最中に発生したものであります。 搭乗員は、その全員が極めて優秀な自衛隊員たちでありました。自衛隊にとって、またもちろん御家族にとってもかけがえない、かけがえのない存在です。その中で、一名の隊員の死亡が確認されたことは誠に残念です。大切な肉親を亡くされた御家族のことを思うと、断腸の思いであります。謹んでお悔やみを申し上げます。 防衛大臣としては、まずは捜索を鋭意実施し、七名全員一刻も早く無事救出すべく、現在全力で取り組んでいるところであります。また、原因究明と再発防止に万全を期するとともに、全ての航空機の安全管理の徹底については、私の方から改めて大臣指示ということで発出をしたところであります。 陸海空自衛隊の全隊員が、この困難を乗り越えて、国民の負託に応えるべく、高い能力と即応性を維持し、一致団結して引き続き国防の任務遂行に励むよう、防衛大臣として自らその先頭に立って全力で取り組む覚悟でございます。
○水野素子君 これ、二十日の深夜ということで大分時間たっておりますので、もう一度、大臣、今現状で分かっていることをもう少し丁寧に御説明いただけないでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 捜索救難活動をしている上で、機体の一部、ヘリのブレードを含む機体の一部、なお、加えてフライトレコーダーそれぞれ二つ、ということは二機分のフライトレコーダーを収集しております。フライトレコーダーにつきましては、既に解析を始めているところであります。そして、他の情報と併せて、海上幕僚監部の中に立ち上げた事故調査委員会の中で事故原因の解析を進めております。 なお、その回収された当該二機のヘリコプターのそのFDR、フライト・データ・レコーダーについては、現時点において飛行中に機体に異常があったことを示すようなデータというのは確認をされておりません。そしてさらに、今回通信途絶した場所というのは緯度、経度で分かっておりまして、そこを中心に、海上自衛隊、そして航空自衛隊、そして海上保安庁の協力もいただいて捜索救難活動を行っているところでありますが、時間がたつにつれてその潮流、潮の流れによって捜索の活動範囲が広がっていくことから、米側から捜索救難活動への支援もいただいたということもあって、現場のニーズを踏まえて、米海軍の哨戒機、これP8を一機、捜索救難活動に参加してもらうことになりました。 また、海上自衛隊の海洋観測艦というのがあります。これは、海上じゃなくて海中の、要は主要な機体は恐らく海中に沈下しているものと思われるので、その海上観測船は「しょうなん」と言いますが、それを今現場に向かわせておりまして、機体の、主要な機体の特定の位置、機体の特定にその位置情報を把握するように今努めて、これから努めてまいる所存でございます。 しかし、何よりもまずは七名の隊員の無事救出でございますから、海上における捜索救難を第一に全力を尽くしてまいります。
○水野素子君 何よりも人命救助、全力尽くしていただきたいところです。 一方で、昨年四月に宮古島でも重大な、十人亡くなられるという重大な事故を起こしておりますけれども、この点につきまして、今回も含めて、大臣にもう一度、今後このようなことが起きないようなことも含めて、どのような御決意かをいただきたいと思います。
○国務大臣(木原稔君) 特に、航空機については安全確保というのが第一であります。しかしながら、同時に、訓練というのもこれはしっかりと行っていかなければいけません。 私としては、陸海空全ての自衛隊の航空機について改めてしっかりと整備、点検を行うと同時に、その訓練についても、教育などについて徹底するようにということを防衛大臣として指示をさせていただきました。 昨年の四月も陸上自衛隊のUHの墜落事故もございました。そして、今回のまた海上自衛隊のSHの墜落事故でございます。同じ四月にこのような事故が起こったということは、私自身、痛恨の極みであります。 再発防止、そして原因究明にしっかりと取り組ませていただいて、そしてそれを反映させるべく陸海空自衛隊にはしっかりと指示、指導をしていきたいと、そのように思っております。
○水野素子君 まずは人命の救助、そして原因究明、そして再発防止、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。 それでは、本日の経済協定につきまして御質問続けさせていただきます。 まず、日・アンゴラ投資協定につきまして、これは二〇一〇年に交渉を開始しているわけですけれども、上川大臣、なぜ十三年以上も時間が掛かったのか、お答えください。
○国務大臣(上川陽子君) 日・アンゴラ投資協定、アンゴラ投資協定についてでありますが、二〇一一年に大筋合意に至りました。その後、アンゴラにおきまして、投資協定に関する国内法の改定などの政策の見直しが行われたところであります。その後、二〇一九年の七月に同協定の交渉会合を開催いたしまして、これまでの保護型ではなく、自由化型の投資協定案をベースに交渉を再開することとなりました。 その後も、可能な限り高いレベルの質の確保に努めつつ、アンゴラ側との協議を継続をし、計九回の交渉会合を経まして、二〇二三年三月に実質合意に達し、同年八月に両国間で署名に至ったものでございます。
○水野素子君 これ投資協定ですので、ビジネスというのはスピード、そして予見可能性が大事ですので、協定の質を上げることももちろん大事ですけれども、一つ、一旦合意してまた改善もできるわけですから、ビジネスの協定、スピーディーにやっていただきたいと思います。 次に、もう一つ、この投資協定、投資章を含むEPA、FTA、日本はアフリカにおいて何か国と締結していますでしょうか。中国の方が日本より多く締結しているという話も聞くんですが、その原因が何でしょうか、お答えください。
○国務大臣(上川陽子君) まず、日本でありますが、アフリカ五か国との間におきまして投資協定を締結をしております。 各国の国際約束の締結状況につきましては、それぞれの歴史的背景や独自の事情が存在をいたしておりますし、また、各国はそれぞれの方針に基づきまして投資関連協定の交渉及び締結を行っているものと承知をしております。 我が国といたしましては、この投資関連協定の交渉に当たりましては、協定の適切な内容を確保することも重視をしているところであります。このため、投資関連協定に関する取組を評価するに当たりましては、投資協定の締結数のみを論ずるということにつきましては適切ではないと考えているところでもございます。 政府といたしましては、引き続き、協定の内容も重視しながら、日系企業に資する投資関連協定の締結促進に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○水野素子君 投資というのはやはり政治リスクがあってはなかなかできかねますので、スピーディーに、なるべく多くの国と投資に関わる環境を整えていくということを引き続き是非頑張っていただきたいと思います。 それでは次に、日・ギリシャ租税条約につきまして、国際海上運送の利得について、船舶登録国の課税も今回新たに許容することになったのはなぜでしょうか。従来の我が国の租税条約には見られない条項でありまして、これが前例となって、他の同種の協定、国際交渉に影響するのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 政府は、企業が船舶又は航空機を国際運輸に運用することによりまして取得する利得につきましては、事業が複数の国にまたがることに伴います複雑な所得計算、また二重課税を回避するため、企業の居住地国に排他的課税権を与える方針としているところであります。しかしながら、ギリシャは、船舶が登録されている国、いわゆる船籍地国に課税権を与えることを長年の基本方針としておりまして、欧米の主要国を含みますおおむね全ての条約において、船籍地国に課税権を与える規定を採用しているところであります。 他方、ギリシャとの深化する経済関係を踏まえますと、早期に租税条約を締結することは、日本との間の投資経済交流を促進するとともに、脱税あるいは租税回避への的確な対処にも資するものでありまして、日本にとりましても重要な意義があると考えているところでございます。 こうした点を考慮いたしまして、交渉の結果、今般、ギリシャとの租税条約の締結を優先させることとし、企業の居住地国に排他的課税権を与えることを原則としつつ、船籍地国にも課税権を認めることとしたものでございます。 船籍地国に課税権を認める規定はギリシャ特有のものでありまして、今回の日・ギリシャ租税条約の内容が今後の租税条約交渉に必ずしも影響を及ぼすものとは考えておりません。
○水野素子君 ギリシャの特殊な事情ということで、ほかとの協定におきましては慎重に対応いただきたいと思います。 それでは、日EU経済連携協定改正議定書につきまして、これ、資料一の方をお配りしておりますけれども、従来、この主な内容の①というものがいわゆる情報のローカライゼーションの中身として規定されていたところ、今回、②に新たに、情報のローカライゼーションということを追加で禁止事項として加えています。 これは初めて規定されたんですけれども、従来と比べてどのような差が生じるでしょうか。お願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘いただきましたこの情報のローカライゼーションについてでありますが、これは、一般に、情報を一方の締約国の領域内にとどめ置かせる措置を意味することが日EU双方の共通の認識と理解をしているところであります。 本改正議定書とCPTPPを含みます我が国が既に締結しております協定とはそれぞれ異なる相手との間の協定でありまして、そこに含まれる規定は、相手国、相手との個別の交渉の結果によるものでありますので、一概に比較することはなかなか難しいところであります。 その上で申し上げれば、例えばCPTPPにおきましては、事業の実施のために行われます情報の越境移転、これを許可することを包括的に義務付けをしているところであります。 これに対しまして、本改正議定書におきましては、EUとの交渉の結果、まずは事業の実施のために行われる情報の自由な越境移転を確保することを約束をし、その上で、御指摘の情報のローカライゼーションを含めまして、情報の越境移転を禁止し、又は制限する措置であって、採用し、又は維持してはならないものを個別具体的に網羅して列挙することといたしました。 また、本改正議定書におきましては、将来的に列挙されている措置を見直すことができる規定を設けておりまして、禁止、制限される措置の対象につきましては、実質的にはCPTPPと同等のものになると認識をしております。
○水野素子君 EUというのは各国それぞれの国の集合体ですので、それぞれの国を束ねていく、ある意味、共通の定義をしていくとか、そういう先方なりの難しさはあると思うんですね。それを受けてこちらもどういうふうに協定をしていくかというところあるかと思いますが、もう一問、例外的な措置を許される公共政策の正当な目的、これは具体的にどのようなものか、御説明ください。
○国務大臣(上川陽子君) この本改正議定書第三条によりまして、新たに置き換えられます第八・八十一条三には、締約国が公共政策の正当な目的を達成するために、特定の要件を満たすことを条件として、情報の電子的手段による国境を越える移転を禁止し、又は制限する措置を採用し、又は維持することを妨げるものではないとする旨の規定がなされているところであります。 本規定は、デジタル技術の進歩に伴いまして目まぐるしく環境を変えながら急速に発展している電子商取引分野の性質等の観点から、将来的に、個人情報を含みます情報の電子的手段による国境を越える移転を禁止し、又は制限する措置をとる政策上の余地、これを確保するために設けているものでございます。 本規定におきまして、公共政策の正当な目的及びそれに基づく措置につきましては、現時点で政府として特定の措置を念頭に置いているものではないということであります。
○水野素子君 EU各国において公共政策やはり変わってきますので、具体的に、EU側と日本側でこの例外事項をどのようなものに認められるかというのを是非事務的にも詰めていっていただきたいと思います。 それでは、残りの時間、私、日米首脳共同声明、先般総理が訪米された、そしてその共同声明を読みまして幾つかやはりどうしても気になることがありまして、今日御質問させていただきたいと思います。 まず、上川大臣、この総理訪米のタイミングなんですけれども、これ、アメリカでは政権交代の可能性がある中、今の政権、今の大統領と関係を深めていくことというのが、ある意味で将来のリスクとなる可能性があるのではないですか。なぜ総理はこのタイミングで訪米したのか。震災復興、あるいは裏金問題の改善、解明など、山積する国内問題から国民の目をそらして、衆議院補選前にもしや自民党の支持率を浮上させるためではないかとも思ってしまうんですね。 そしてさらに、今般、麻生副総裁、自民党の、トランプ前大統領との面会も含めて訪米をしたということでございまして、それに対して、報道によりますと、バイデン政権関係者は不快感をあらわにしているということでございます。 これは、このタイミングでの訪米というのは外交としては大失敗だったのではないかと思いますけれども、上川大臣、お願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 昨年の十一月に米国サンフランシスコで行われました日米首脳会談、これにおきまして、バイデン大統領から岸田総理大臣に対しまして国賓待遇での公式訪問の招待がございました。岸田総理大臣の公式訪問に関する発表に際し、米国政府は、日米同盟の永続的な力強さ、米国の日本への揺るぎないコミットメント及び増加する日本の国際的なリーダーとしての役割を強調をする訪問になるだろうと、こう述べていると承知をしております。 今次の訪問におきましては、安全保障協力のみならず、経済、地域情勢、人的交流など、多岐にわたる分野につきましての議論を通し、日米両国が幅広く深い信頼と重層的な友好関係で結ばれており、このかつてなく強固な友好信頼関係に基づくグローバルパートナーとなっていることが確認されたところでございます。 また、日米同盟につきましては、揺るぎなく、その重要性につきましては、民主党、共和党を問わず共通の認識が存在をしております。岸田総理は、今回の連邦議会におきましての演説におきましても、不朽の友好に基づく日米同盟の重要性と、これが今後も堅固な同盟としてあり続けるということを具体的なビジョンとともにしっかりとお伝えをし、超党派の米国議員から多くの賛同が得られたものと考えております。 以上のような状況でございまして、今回の総理の米国訪問に関しましては大変重要であったというふうに認識をしているところでございます。
○水野素子君 もちろん、バイデン政権としては、今選挙、今度の選挙で厳しいという中で日本が来て、総理と会談することは選挙対策としても有利に働くわけですから、来てほしいというのは当たり前であって、我が国としては、やはり今後も見据えて、あるいは内政、国内でも様々な問題が生じている中であえてこのタイミングで行くということは、私はいかがなものかと思います。 次に、中身に関しまして、今回、防衛協力、防衛連携もオンパレードで、本当にどうしてこんなに偏っているのかなと思いますけれど、まず、私はJAXAに長くおりましたので、宇宙協力が一つフォーカスされておりましたから、私は宇宙協力につきまして幾つか気になる点をお伺いしたいと思います。 資料二、御覧いただきたいと思います。 こちら、いわゆる月面ローバー、与圧ローバーを提供するということを盛山文科大臣が署名して、それを提供する見返りとして日本人が米国人の次に月面に行くということ、そのアメリカのアルテミス計画に対してそういった参加をするということ。約八年後から、すぐですね、十年間、そのローバーを開発、提供する。これは可動式の月面基地なんです。大変難易度が高い。地形の問題、日照やエネルギーを太陽光でどう取るか。温度もすごく激しく変わります。放射線環境、この過酷な状況で生命を維持しながら移動する。本当に難しい技術です。 私、レクをいただいてびっくりしたんですけど、米国企業は誰も、誰も手を挙げられない、このような難易度が高いものを何で日本が、アメリカと比べて有人宇宙技術で秀でているとは言えない日本においてこの部分を日本が担当するのかというふうに大変ちょっと心配をしています。 これは、民間の自主事業ではなく、多額の税金が投入されることになる国家事業です。失敗したら税金が無駄になって、国際的信頼も失い、だから聞きたいんですね。これ、どの程度の実現可能性があるか。そして、これが本件、この与圧ローバーの開発、そしてアルテミス計画、全体に我が国はどれぐらいの予算規模でもって対応することになるのか。この新聞記事、黄色いところですけれども、今の国際宇宙ステーション「きぼう」、この「きぼう」本体の開発だけで二千五百億、これ以外にも宇宙ステーション運用においてもっともっと何倍もお金が掛かっているわけですね。本件、そして計画全体についてどの程度の予算をもくろんでいますか。そして、これは国家事業ですから、もちろんチャレンジなことをやってほしいけれども、様々な候補の中からあえてこれを選ばれたと思うので、どのような考え方で選んだのか、これをまずお聞きしたいと思います。文科省、お願いいたします。
○大臣政務官(本田顕子君) 水野委員にお答え申し上げます。 まず、与圧ローバーを日本が担当したことになったところでは、まず、文部科学省では、米国による月などの宇宙探査に関する構想を受けまして、二〇一七年に国際宇宙探査の在り方の検討を行い、我が国として優位性、波及効果が見込まれる技術として四つを特定させていただきました。一つがランデブドッキング技術等のタン宇宙補給技術、二つ目が環境制御技術等の有人宇宙探査技術、三つ目が高精度航法技術等の重力天体離着陸技術、四つ目がローバー技術等の重力天体探査技術でございます。 その後、更に検討を進め、具体的な米国との協力の取組の一つとして月面での持続的な有人探査活動に関する移動手段の開発を行うこととし、二〇二〇年の月探査に関する文部科学省とNASAの共同宣言において与圧ローバーの開発について明記し、協力の具体化を進めることといたしました。このような考え方に加えて、JAXAでは現在、重要な開発要素については先行して技術開発を行っており、開発リスクを十分に軽減した上で本格的な開発を進めることとしており、月面での与圧ローバーの協力の実現は可能と考えております。 予算についてでございますけれども、アルテミス計画に対する我が国としての予算については、プロジェクトが更に具体化、詳細化する中で明らかになっていくものであり、現時点で全体額を申し上げることは困難ですが、文部科学省では、令和元年十月のアルテミス計画への参画から令和六年度までの間にアルテミス計画関係予算として約一千八百三十億円を計上しております。与圧ローバーの開発費については、今後具体的な開発費を算出することとしております。
○水野素子君 今回、盛山大臣が署名してきたわけですけど、私、これレクをいただいて、この後どうやって批准するんですかというふうに伺ったら、もうこれでおしまいですということで、大変びっくりしたんですね。 資料三、大平三原則ですね、いわゆる。なぜ、新規の財政措置必要なのに、その国際合意に対して国会審議、閣議決定すら行わずに盛山大臣が出かけていって署名してきたかということなんですよ。これ、左側、財政事項を含む国際約束、国会承認条約。行政取決め、既に国会の議決を経た予算の範囲内で実施するものは閣議。今回閣議すら通していないということなんですね。なぜ、もし国会で十分な審議を経ない、その結果、うまく実現できなかったら、予算、時間、信頼、大きな損失となるわけです。そして、なぜ今回こんなに急いで、訪米に合わせて、閣議決定すらせずに、国会でも議論せずに合意してきたかということです。 これは、もしかしたら、裏金問題で批判されている政権、岸田総理、そして統一教会問題でも追及されている盛山大臣の汚名返上のための、あるいは防衛偏重の今回の合意についての何らかの違った見せ方としてのお土産案件かとも思ってしまうんですけれども、なぜ今回、閣議決定もせずに、国会審議もせずに署名してきたのでしょうか、お答えください。
○大臣政務官(本田顕子君) お答え申し上げます。 今回の実施取決めは、日米宇宙協力に関する枠組協定に基づき、与圧ローバーによる月面活動に関する日米協力の具体的内容について記載するものであり、枠組協定で決める、定める基本事項が適用されることが前提となります。また、枠組協定では、実施取決めは国際法に基づく権利及び義務を生じさせるものではなく、さらに、実施取決めに基づく活動は、利用可能な予算及び各当事国政府の予算手続に従うものと規定されています。加えて、与圧ローバーの開発については、令和五年六月に閣議決定された宇宙基本計画において、アルテミス計画の下、与圧ローバーの研究開発を着実に実施していくことが明記されたところです。 このようなことから、今回の実施取決めの内容は国会審議や閣議決定を特に要するものとは考えていませんが、実施取決めの実施に当たって必要となる予算につきましては、今後プロジェクトが具体化していく段階で国会において御審議いただくものと考えております。 そして、盛山大臣についての御指摘についてでございますが、今回の実施取決めについては、二〇二三年の六月に枠組協定が発効したことを受けて文部科学省とNASAとの間で具体的な協議を行い、米国側と合意に達したことから四月九日に署名を行ったものであり、御指摘は当たりません。 そして、先ほどの答弁の中のところ、ちょっと訂正を申し上げさせていただきます。私が深宇宙補給技術と申し上げたんですが、これ、タン宇宙補給技術と申し上げましたが、正しくは深宇宙補給技術であります。訂正をさせていただきます。申し訳ございません。
○水野素子君 今、与圧ローバーに予算が組まれていないわけですから、この大平三原則のこれ前提なわけですから、前提を逸脱しているわけですよ。 今、財政的にレスポンシビリティーとしてやることをコミットしているわけです、アグリーメントで。しかも、今度トランプ政権になってひっくり返されちゃったら、その予算どうなっちゃうんですか、こちらが積んでいたもの。あるいは、日本人も行けなくなりますよ。そういうことではなくて、ちゃんと法的安定性のある合意をしなければならないと思うんです。 そこで、今度、外務省に伺いますけれども、資料四、御覧ください。 先ほど来お話のあった日米宇宙包括協定三条Bで、実施取決めの前提として、政府による正当な承認と確認と書いてあるんですけれども、これが具体的に何かということなんですね。 さらに、資料五、御覧いただきたいんですけれども、これ、私、レクで伺ってちょっと大分違和感を覚えたんですけれども、これは、左側は国際宇宙ステーション、今まだオペレートしている、運用しているものですけれども、右側が今回の枠組協定。これ、国際宇宙ステーションは、この宇宙ステーションの協力においてこういう義務を、こういうものを開発、提供して、そのためのコンディション、両方セットされているものです。国会承認。そして今度のゲートウエー、月面の、月基地の月軌道上の基地においても閣議決定を行っているわけです。右側、日米宇宙包括枠組み協定、これはホワットを表さずにハウだけなんですね。このような情報の取扱いはこうする、だから、何を行うかということは、全てが閣議決定不要という白紙委任できるはずはないはずです。 それは、やはり財政法に関わる国の債権放棄を含むから、どの範囲を放棄するかということもあります。それから、新規の財政措置が必要なわけですから、ひっくり返されても困るので、法的安定性がなくては困るわけです。そして、人命、これ与圧ローバーですから、もし何かあったときには人が死傷するわけです。これは、どう考えても国会審議を行うレベルと考えられるわけです。 今回、法的拘束力のない、なので、この日米宇宙包括協定の下で行うものは全て閣議決定不要ということはあり得ないはずです。そして、今回も、これでは、例えば政権交代になってやめたと言ったら終わりになっちゃって、そこまで掛けてきたお金は何なんだということになります。 その法的安定性のためにも、大きな予算、そして国際責任を伴う本件は別途拘束力のある合意が行われるべきだと思いますけれども、外務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(熊谷直樹君) お答え申し上げます。 御指摘のありました日米宇宙協力に関する枠組協定でございますが、これは、日米両国が個別の宇宙協力ごとに国際約束を締結することなく、本協定の基本事項に従い協力を行うようにするということで、日米宇宙協力の更なる促進及び効率性の向上を期するものでございます。 御指摘ありました実施取決めでございますけれども、こうした日米宇宙協力に関する枠組協定に基づいて、この協定の規定に従うものとして作成されております。この協定におきましては、実施取決めに基づく活動というものは、利用可能な予算及び各当事国政府の予算手続に従うこととなっておりますので、予算で認められる以上の財政出動が求められるものではございません。
○水野素子君 これ、十年とか長い期間にわたって開発、提供するので、超えてしまうわけですね。ですので、これ、しっかりとしたソリッドなものに、としての協力としてどちらもある程度キャンセルできないコミットをしないと、税金も無駄になるんですね。 ですので、これ、先々、別のしっかりとした法的拘束力のあるアグリーメントというのも検討すべきだと思いますけど、もう一回お願いいたします。
○政府参考人(熊谷直樹君) お答え申し上げます。 個別の協力に関する実施取決めというものは、これ、実施機関同士において結ぶものでございます。 その上で、先ほど申し上げましたけれども、この実施取決めというものについては、先ほど申し上げましたこの日米宇宙協力の枠組み協定ですね、これの下で行われるということが書いておりますように、それぞれにおいてしかるべく手当てがなされていくということと理解しております。
○水野素子君 大平三原則との関係でもう一回お伺いしたいんですけれど、これ、それであれば、その今の予算付いていないですよ、ローバー開発。結局、付くかどうかも分からないし、そういった意味では、今回、別に、この実施取決めとは別にやらないといけないんではないかという点についてです。この実施取決めを今行ったのは、じゃ、この大平三原則、こちらによりますと、単に共同声明でやりたいなということしか言っていないということですよね。 それで、例えば、三千億、あるいは全体としては何兆になるかもしれないですよ、運用も含むと、開発だけじゃないですから。そういったことコミットできないと思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(熊谷直樹君) 今回の実施取決めの内容でございますが、外務省からお答えするのもいかがと思われますが、その上で申し上げますと、先ほど文科省の方から答弁がありましたとおり、今般のその与圧ローバーの開発に係る予算につきましては、プロジェクトが具体化していく段階で国会において御審議いただくということになっていくというふうに理解しております。
○水野素子君 ですから、予算が必要なレスポンシビリティーを合意するんであれば、大平三原則に照らせば、この国際約束、すなわち実施取決めではできなかったということだと私は思いますよ。でないと、国会軽視でしょう。国民に説明もしないで国家予算を大きく投資する、もしかしたら失敗するかもしれない、そしてそのときには人が死傷するかもしれない、こういったことはもっと丁寧に国会で事前に審議しなければならないと私は思います。 ちょっと時間の関係で、この件はまたウオッチしてまいりますけれども、次に参りたいと思います。 さらに、宇宙港、今回共同声明に入っていませんでしたけれども、ファクトシートにおきまして、宇宙港について交渉を開始ということも、紙面でも載り、ファクトシートにもありました。 こちらにつきまして、私は、もし、例えばスペースXのような、日本の今のロケット産業、競争力持てていないのは、残念ながら、頑張っていますけれども、国際的な競争力が厳しいのは御案内のとおりです。これを、アメリカを始めとした、アメリカ、日米ですね、アメリカの、より廉価で、より信頼性のあるロケットの打ち上げを国内で解禁した場合にはどうなりますか。これ維持できないですよ、宇宙産業、あるいは防衛産業も含めて、ベースが一緒ですからね。ここは丁寧にやっていただきたいんですよ。発展段階の日本のロケット産業、ベンチャー、そして防衛産業にも関わる産業が、本当に国際力を失って壊滅的になる可能性があります。 一九九〇年に日米貿易摩擦の下で日米衛星合意が行われて、人工衛星は長く競争力を持てなかったんです、二国間での通商的な合意により。今回、その可能性、おそれがあると私は思います。是非慎重にやっていただきたい。そして、もし解禁するなら、大分などの宇宙港で期待があるなら、サブオービタルの離発着の権利だけなら分かりますが、そうではなくて、ロケット本体を日本に持ってきて打ち上げるというのは慎重に行うべきでありますので、この協定、交渉が始まるということですけど、私は進めるべきではない、慎重に行うべきだと思いますが、締結の時期と国内審議プロセスについて、内閣府、お答えください。
○大臣政務官(平沼正二郎君) 御質問にお答えいたします。 先日の岸田総理大臣の米国公式訪問の機会に日米両国が公表したとおり、御指摘の協定の交渉が開始されたところでございます。お尋ねの点につきましては今後の交渉次第でございまして、現時点をもって予断を持ってお答えすることは困難であると承知をしております。 その上で、我が国には米国企業と連携して宇宙関連事業を推進する国内企業が複数ございまして、それらの企業の中には海外のロケット関連技術の活用も望んでいる企業もあると認識をしております。 政府といたしましては、宇宙関連事業分野の国際連携や宇宙産業の裾野拡大に向け、必要な制度環境の整備を進めることが重要だと考えております。
○水野素子君 もちろん、打ち上げてもらう側、人工衛星側は安い方がいいですよ。しかし、こんなに先輩方が培ってきた国産のロケット打ち上げ技術を持っている国ってそうそうないんですよ。これ、防衛力にも直結するんですよ、技術的にはですね。そういった意味で、そこは丁寧に丁寧に、打ち上げ産業、打ち上げ企業側の話も聞きながらやらなければならないです。 その点に関しましてお尋ねしたいんですけど、今内閣府さんお答えになりましたけど、日本の宇宙産業を守り、育成するのに責任を持っている省庁はどこなんですか。これが本当に分からなくて、結果的に長期的なビジョンのある宇宙産業政策になっていないと思うんですけれども、お答えください。
○大臣政務官(平沼正二郎君) お尋ねのありました宇宙産業政策の所管についてでございますけれども、宇宙産業振興政策については、内閣府宇宙開発戦略推進事務局は、宇宙の開発及び利用の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な政策を所掌しております。 いずれにしましても、宇宙産業の振興に向けては、経済産業省、文科省、総務省等の関係行政機関としっかりと連携して、政府全体として施策を推進してまいりたいと考えております。
○水野素子君 日米衛星合意で物すごく産業は傷みました。丁寧に慎重にやっていただきたいですし、だからこそ、国会でしっかりと議論をしていただきたいことを申し上げます。 次に、ほかの防衛のところをもっとやりたかったんですけど、防衛、ほかの、今日、首脳宣言ですね。上川大臣に一点。 国連安保理改革、日米コミットしたのは、何をコミットしたんですか、お答えください。
○国務大臣(上川陽子君) 日米間におきましては、平素から安保理改革に関しまして緊密なやり取りを行っております。 先般、岸田総理が米国を訪問したこの機会におきまして、日米首脳共同声明、未来のためのグローバルパートナーにおいて、これを発出されたところでありますが、この中におきましても、常任理事国及び非常任理事国の議席の拡大等を通じまして安保理改革に引き続きコミットしている旨、また、バイデン大統領が、改革された安保理におきましては日本が常任理事国となることへの支持、これを改めて表明した旨を確認をしているところであります。 私自身、大臣就任以降でありますが、関係国に対しまして、様々な二国間会談や多国間会合の機会を捉えまして、この安保理改革を含みます国連の機能強化、これの重要性を一貫して働き続けているところであります。 安保理改革は非常に難しいことではございますが、米国を始めとして、安保理改革に関しましては、日本、ドイツ、インド、またブラジルの四か国の枠組みでありますG4、またさらに、アフリカやまた英仏等の多くの国々と連携をしつつ、粘り強く取り組んでいきたいと考えております。
○水野素子君 最後に、防衛大臣に伺いたいんですけど、DICAS、これですね、日米の防衛産業を優先する分野、連携優先分野を指定するので、進捗は、2プラス2だけではなくて、しっかり国会で報告、議論がなされるべきと思いますが、いかがでしょうか。 また、2プラス2に関してもう一点。拡大抑止に関してはどのような突っ込んだ議論を次回行うということをコミットしたんでしょうか。 二点、お答えください。
○国務大臣(木原稔君) 今般、日米首脳会談において開催することで一致したいわゆるDICASの共同議長は、これ、日本側が防衛装備庁長官、そして米側が米国国防次官の中の取得・維持整備担当が共同議長ということになります。また、日米の防衛産業が連携する最優先分野の特定の対象には、ミサイルの共同開発及び共同生産、米海軍艦艇、空軍航空機の維持整備が含まれ、同協議における議論の進捗については2プラス2へと報告されることとなっていますが、具体的な内容というのはまだ決まっておらず、現在、防衛当局間で議論を行う予定です。 その上で、御質問の政府の考え方、我が国の政策についてというのは、国民の皆様の理解を得ることが重要であるというふうに考えております。国会による質疑などを通じて適切に説明することが必要だと思っております。また、国会によるそういった質疑等を通じて適切に説明していく考えですが、さらに、議論が予算であるとか法律に反映される場合については、もちろんこれは改めて国会の場で御審議いただくものと思っております。 拡大抑止については、防衛省というよりも、外務省の方でお答えということでよろしいですか。
○委員長(小野田紀美君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 日米双方におきましては、一層厳しさを増しますこの地域の安全保障環境の中におきまして、拡大抑止を強化するための緊密な連携を向上させることにつきましてコミットしているところであります。 我が国の防衛力の抜本的強化でありますが、米国の能力のより効果的な発揮にもつながりますし、また、米国の拡大抑止を一層増進するものと考えておりまして、今回の日米共同声明におきましてもこのことが念頭に置かれている状況でございます。
○水野素子君 ありがとうございました。終わります。
○石井苗子君 日本維新の会・教育無償化を実現する会の石井苗子です。 冒頭、今回の海上自衛隊ヘリコプターSH60Kの墜落におきましては、関係者の皆様にお見舞いと、それからお亡くなりになりました隊員の方に心からお悔やみを申し上げます。 日本の海上自衛隊が誇る技術の訓練だったということを聞きまして、私も大変心を痛めておりますが、再発防止、訓練の教育、原因追及、それぞれおやりになっていらっしゃると思うんですけれども、今回の事故につきまして大臣にお聞きしたいんですが、接触事故ではないかと先ほどお述べになっていらっしゃいましたけど、機体のトラブルの可能性というのはゼロではないんでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 接触事故であろうということは、これは接触による墜落であろうということは推測しております。 一方で、先日回収されたフライト・データ・レコーダー、これ初期の解析の段階でありますけれども、現時点においては飛行中にその機体に異常があったと示すようなデータは確認されておりません。フライト・データ・レコーダーというのは、その航空機の本当に直前までの様々な航跡であったりボイスであったり、そういったことが記録されておりますので、その段階では、今の段階では機体に異常があったということは示されていないという、そういう状況です。
○石井苗子君 ありがとうございます。 近年、中国やロシアの艦隊頻繁に航行しておりまして、海上自衛隊の警戒任務というのが増加傾向にあると思っておりますが、そのために訓練時間が相対的に減るということでその練度の不足が事故の背景にあった可能性があるとも考えられますが、大臣の御見解、どうでしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 今回は訓練中の事故であります。実任務に就く前の訓練、そして査閲といって、その実地に出る前の、実際にその実地に耐え得るかどうかというのを幹部がしっかりと検査するというような、そういった訓練の最終段階でございました。非常にこの深夜の、そして対潜水艦対応という難しい訓練でありました。 ですので、今おっしゃったように、実地のための訓練でありますから、その訓練をやるということ、これが非常に大事であって、実地のために訓練は当然やらなきゃいけないということになります。ですので、この訓練というのは、練度を上げるために、そして実地にいかなる場合にも対応できるためにこれは訓練をしっかりとしていかなきゃいけないということになります。
○石井苗子君 ありがとうございます。 今、上川大臣にもこれから質問させていただくんですけれども、非常に日本の自衛隊に注目が集まっておりまして、何度もこの事故が起きるということに対して、いや、悪いと言っているんではないんです、注目が集まっているので、どのように解明していくかというようなことも対外的にも重要になってくると思います。 上川大臣に通告しておりますので、次にお伺いしたいんですが、そういったことも含めまして、大臣が所信の中で訪米を成功に導くというようにおっしゃっていらっしゃったところで、今回の訪米の成果についてお伺いしたいんですが、私も英語のスピーチを読みましたが、どこで一番拍手とかスタンディングオベーションが多かったかという印象も含めてお答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 岸田総理大臣は、四月八日から四月十四日までの間、国賓待遇で米国を公式に訪問をし、大きな成果を上げることができたものと、できました。 日米首脳会談や、また連邦議会での演説といった様々な機会を通じまして、日米がグローバルパートナーとしていかなる未来を次世代に残そうとするのか、そのために両国がなすべきことは何なのかという未来志向のメッセージを日米両国、そして世界に伝える機会となったものと考えております。 特に連邦議会での演説という形で、その内容についてお目通しをいただいているということでございますが、全体の流れの中で、冒頭から始まりまして最後のところまで含めまして随所で拍手が巻き起こるというような状況でありましたし、スタンディングオベーションもその意味で、どこが特にというよりも、全体にわたりまして非常にいいメッセージを伝えることができたというふうに私は会場の中で実感をしているところでございます。 この連邦議会での演説につきましては、岸田総理が、国際秩序が新たな挑戦に直面していること、そして、自由と民主主義が世界中で脅威にさらされていることを指摘した上で、米国のリーダーシップが必要不可欠であること、その取組におきまして日本は米国と共にあることを訴えまして、多くの賛同を得ることができたというふうに考えております。こうした場面に加えまして、総理御自身と米国とのつながり、また日本による桜の寄贈、さらに日本企業による対米投資、宇宙分野におきましての日米協力等につきまして言及をされたところにおきましても、スタンディングオベーションや大きな拍手がございました。 こうした、皆様、議員もいらっしゃいましたし、バルコニーにはたくさんのコングレスのスタッフの方々も傍聴していらっしゃいましたけれども、大変集中して聞いていただいている様子が会場の中の雰囲気から明らかに私も実感として感じることができまして、それは取りも直さず、メッセージが米国議員や米国民の皆様の心にしっかり届いたということのあかしではないかというふうに考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 私、ブルガリアの大使とこの間お話をしていました。そのときに、すごいビッグアナウンスメントとおっしゃったんですね。アナウンスメントというのは、公式的にこうするという、全体に発表するという意味でありまして、大きな発表がありましたねというような世界的な印象があるということなので、今の上川大臣の当日の御様子から見ても、日本が自由な、民主主義を、これをアメリカと肩を並べてやっていくという中において特に注目されているのが世界の平和が今各所で侵されているというところで、先ほど申し上げたように、日本の自衛隊との協調というのが注目されているわけなんです。 木原防衛大臣に通告させていただいておりますので併せてお聞きしたいんですけれども、総理のアメリカのその議会演説というのは防衛だけを念頭に置いてやったものではないんでありまして、もちろんそうではありません。しかし、大臣は、これから統合作戦司令部への取組を開始していくわけでございます。 そこで、事故もございましたところで大変恐縮でございますが、防衛産業への強化というのも必要になってくるんではないかと、ここに対しての抱負を一言お願いいたします。
○国務大臣(木原稔君) 国家防衛戦略等、いわゆる三文書に基づいて防衛力の抜本的強化を進めていく、そのためには、委員の御指摘のあったその統合作戦司令部の新設といった自衛隊の体制整備だけではなくて、力強く持続可能な防衛産業の構築も不可欠であります。防衛産業は、自衛隊、防衛省・自衛隊とともに国防を担うパートナーと言うべき重要な存在であり、防衛力の抜本的強化が求められる中において、その重要性はますます高まってくると思われます。 私自身、その戦略三文書を検討する与党ワーキングチームにも参画しておりましたが、その強化、防衛産業の強化というものは必要不可欠だと認識、当時から認識をしておりまして、国家防衛戦略等において防衛生産・技術基盤はまさに防衛力そのものと位置付けたということは、その重要性を示す上で大きな意義があったというふうに考えます。 また、昨年来、防衛省では、防衛生産基盤強化法に基づく措置を始め様々な取組を進めておりますが、今後とも、力強く持続可能な防衛産業を構築するため、あらゆる取組を進めてまいります。
○石井苗子君 新たな挑戦だと思いますので、是非頑張っていただきたいと思います。 三協定に、条約につきまして、ちょっと気になったところを二、三質問させていただきます。 アンゴラ投資協定についてなんですが、日本はもう既に多くの国との間で投資協定を結んでおります。その意味においては、このアンゴラ投資協定に真新しいクリエーティブなものは含まれていないというように理解しておりますが、におきましても、気になったところは、自由化型と保護型というのがあります。優れているところはどこで、自由型のですね、自由化型の優れているところはどこで、より投資家を守ることができるという保障がどこにあるのかという御説明、お願いいたします。
○政府参考人(堀内俊彦君) いわゆる保護型の投資協定は投資参入後の投資財産の保護について規定していますが、今回の日・アンゴラ投資協定を始めとするいわゆる自由化型の投資協定は、これに加えて、投資参入段階の自由化についても規定しています。 したがいまして、本協定は、アンゴラに既に進出している日本企業による投資を保護し、良好な投資環境を整備することに加えて、アンゴラにおける投資環境の透明性、法的安定性及び予見可能性を向上することを通じ、今後、これからアンゴラに進出する日本企業を後押しする点において特に意義が大きいと考えております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 投資活動を行う際に直面する先方の政府の措置に対する対応ツールであるということだと思うんですが、投資家の権利を保護する法的な枠組みの投資財産のその設定の段階、設立の段階ですね、設立の段階後の国内での待遇というところで一つ確認したいんですけれども、今回の投資協定で投資財産の法的な安定性を担保することが保障できるということなんですが、これまでどんな例で困っていたことがあったのか、それを一つ出していただいて、それが今後どう良くなるのかという、ちょっとその説明をお願いします。
○政府参考人(堀内俊彦君) 個々の企業が抱える問題については各社の事情等によって様々ですが、例えば、アンゴラに進出している日系企業については、日本と異なる政府手続や資金の国外送金に関する課題などを抱えている例があると承知しています。 この日・アンゴラ投資協定には、内国民待遇、最恵国待遇、公正かつ衡平な待遇、不当な収用の禁止、自由な資金の移転等の待遇を規定しています。また、仮に締約国が協定に基づく義務に違反した場合、投資家が損害を受けた場合に公正中立的な投資仲裁に付託できるという選択肢を投資家に与える紛争解決手続、ISDSも規定しています。 こうした規定を含む本協定の締結は、それ自体がアンゴラに進出している日系企業が抱える課題等の解決を直ちに保障するものではありませんが、アンゴラにおける投資環境の透明性、法的安定性、予見可能性が向上し、日系企業の投資の保護につながることが期待されます。
○石井苗子君 ありがとうございます。 投資の際に約束した条件を破棄されただとか、事業の利益を日本に送金することが制限されたというようなのが保護型にありましたので、これからはそれを、アンゴラという国が独特な国でもございますので、政治的に、よく守って日本企業をサポートしていただきたいと思います。 ギリシャ租税条約について、気になった点を質問させていただきます。 日本は、租税条約、八十六か国と結んでおります。ギリシャには、商社、船舶関連会社、日本企業、よく進出しておりますが、日本企業が何社、どの分野から進出しているのかというデータを要求いたしましたので、発表していただけますか。
○政府参考人(中込正志君) お答え申し上げます。 我が方ギリシャ大使館によります最新調査、これ二〇二三年に実施したものでございますけれども、これによりますと、総合商社、船舶商社、船舶用機器等の分野にわたる三十七の日系企業がギリシャに進出をしていると、こういうことでございます。
○石井苗子君 ありがとうございます。 日本とドイツの租税条約の改正は四年でしたですね。アラブ首長国連邦の条約に関しては七年。一方、アゼルバイジャンは一年半と、アルジェリアは八か月と、非常にばらばらなんですけれども、なぜ、二〇一九年にこれを交渉開始して、なぜ四年掛かったのかという、それぞれの相手国の租税や租税条約の締結方針の違い、事情が、違いがあると思いますけれども、ギリシャは何がネックだったんでしょうか。
○政府参考人(中込正志君) お答え申し上げます。 政府といたしましては、まず租税条約をどこと結ぶかということにつきましては、相手国との経済関係、日本の経済界からの要望、租税条約の締結から生じる効果といった観点を踏まえて租税条約の締結を進めてきているところでございまして、それに当たりまして、租税条約の新規締結のみならず、既に租税条約を締結している相手国との間で経済関係の実態に即した内容の条約となるよう改正していく取組も重要であると認識をしておるところでございます。こうした方針の下で各国との租税条約の締結、改正交渉を行ってきたところでございますけれども、ギリシャとの関係では、所要の調整を経まして、二〇一九年五月に交渉を開始したということでございます。 交渉の、なぜ四年掛かったかということでございますけれども、交渉に当たりましては、交渉相手国の税制や租税条約の締結方針等の違いがあることから交渉に要する期間は一様ではないということでございまして、今先生から御指摘ありましたとおり、例えば、ドイツとの租税条約改正では四年、アラブ首長国連邦との条約交渉は六年七か月ということでございますので、ギリシャとの間でも、両国の事情を踏まえながら、租税条約の目的により資する内容とすべく交渉に取り組んだ結果として御指摘のような期間が掛かったと、こういうことでございます。
○石井苗子君 なぜ長く掛かったかということに理由があります。 ギリシャは、国内事情、今実態と言いましたが、AOAの導入をできないとしております。なぜ導入できないのか。ギリシャの国内の事情とは何なのか。海運大国ギリシャと締結した租税条約にAOAが規定されていないことを要因とする国際的な二重課税、課税の空白、脱税ですね、こういったことが起きた場合にどう対処するのか。あるいは、AOAをギリシャに導入していく計画があるのか、つまり野放しにしていかないという計画がありますか。
○政府参考人(中込正志君) お答え申し上げます。 AOAでございますけれども、その導入によりまして、恒久的施設に帰属する利得の算定方法がより明確になって、二重課税、二重非課税のリスクが小さくできるというメリットがあるものですから、政府としましては、基本的に、相手国との交渉結果次第でありますけど、AOAに基づいた規定とすることを目指すという方針で臨んでおりまして、ギリシャとの間でもこれを目指したわけですけれども、AOAの実施に当たりましては、本店と支店との間の内部取引の厳格な認識が必要で、精緻な国内法と高度な執行能力が求められます。ギリシャ側からは、こうしたことの関係で、国内事情からこれを導入することができないという立場が示されて、ギリシャとの間でAOA導入に合意できる可能性がないというふうに判断をされたということでございます。 租税条約におきまして、先ほど申し上げましたとおり、AOAが規定されたことは望ましいということでございますけれども、導入困難な国はあるということでございまして、そういう場合でも、租税条約の締結によりまして恒久的施設に帰属する利得に関するルールが提供されることに変わりはなくて、AOAが規定されていないということで直ちに二重課税や二重非課税を生ずるというものではございません。 一般に、AOAの規定の有無にかかわらず、条約の規定に適合しない課税措置がとられる可能性はありますけれども、そのような場合には、納税者の申立てに基づきまして、当該事案について、両締約国の権限のある当局間での合意により解決する枠組みとして国内的救済手続とは別に相互協議手続というのが設けられておりまして、こうした手続を通じまして、条約の規定に適合しない課税措置による二重課税を解消するように努めている、努めることとしているということでございます。 以上でございます。
○石井苗子君 AOAは導入するべきだと思います。ギリシャというのは非常に手続が遅い、これは課税の空白を生じる危険性がありますので、是非やっていただきたいと思います。 最後の質問になります。 資料をお配りしました。日EUの経済連携協定改正議定書でちょっと気になったところがありまして。 右と左見ていただきますとよく分かるように、空白のところ、空白のところに六つ、つまり、移転するときに六つのことをやっていけませんというのが左側に書いてある六つのことなんですが、どうしてCPTPPと異なって、してはならないという規定になったんでしょうか。六つになった理由というのを簡単に御説明していただいて、情報ローカリゼーションの定義というのが全くございません。情報ローカリゼーションというのは、外国語を日本語に置き換えることもローカリゼーションでございますが、この情報のローカリゼーションの要求とは具体的に何を指しているのかというのを最後の質問にいたします。
○政府参考人(片平聡君) お答え申し上げます。 本改正議定書とCPTPPはそれぞれ異なる相手の、相手方との協定でありまして、そこに含まれる規定は相手国との個別の交渉の結果によるものでございますので、一概に比較することは困難でございます。 その上で申し上げれば、CPTPPでは、事業の実施のために行われる情報の越境移転を許可することを包括的に義務付けております。これに対し、本改正議定書では、EUとの交渉の結果、まずは事業の実施のために行われる情報の自由な越境移転を確保することを約束し、その上で、その約束を達成するため、情報の越境移転を禁止又は制限する措置であって、採用又は維持してはならないものとして、現時点で想定されているものを個別具体的に網羅して列挙することとしたものでございます。また、本改正議定書では、将来的に列挙されている措置を見直すことができる規定を設けておりまして、禁止、制限される措置の対象につきましては、実質的にはCPTPPと同等のものになると認識してございます。 続いての質問でございます。 御指摘の情報のローカライゼーションの要求につきましては、一般に情報を一方の締約国の領域内に留め置かせるとし、を意味することと考えておりまして、この点につきまして日EU双方の共通の認識があると理解しております。例えば、企業が国内で収集した情報を含む電子データを国外に移転することを規制する措置は、情報のローカライゼーションの要求に該当するものと考えられます。 一般論と、つきまして、国際約束において用いられる用語の定義規定を設けるかどうかにつきましては、交渉相手国の要望や定義規定を置く必要性等を考慮してそれぞれの交渉において判断されるものでございます。 本改正議定書におきましては、情報のローカライゼーションの意味について、日EU双方の共通の認識があることやデジタル分野において相当程度広く共有されている用語であることを踏まえ、定義規定は置かれませんでした。 以上でございます。
○石井苗子君 定義規定を置かないと危ないことになると思います。AIの導入も考えておりますので、今後見直しを強化していただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○榛葉賀津也君 国民民主党・新緑風会の榛葉賀津也でございます。 まず冒頭、海自ヘリの墜落でお亡くなりになりました隊員に心から哀悼の誠をささげ、今まだ発見に至っていない隊員各位、是非一刻も早い救助をお願いをしたいと思います。 順番を変えまして、先に防衛大臣にこの件についてお伺いしたいと思うんですけれども、島国日本にとりまして、この対潜水艦戦というのは最重要任務なんですね、これ。最も大事な任務の中でこの事故が起こったというのはざんきに堪えません。装備は壊れれば直せば、買い直せばいいけど、優秀な隊員は帰ってまいりませんから、本当に残念でなりません。 一点お伺いしたいんですけれども、一部報道で、機体接近の際に衝突を回避するための警報音が鳴っていなかったという報道があるんですけれども、これは事実でしょうか。
○国務大臣(木原稔君) 今委員がおっしゃったように、これは非常に、対潜水艦対応、ASWというのは、私どもも非常に重要なものと位置付けております。 そういう中で、その訓練というのも高度化していくわけで、裏を返せば、なぜこういう難しい厳しい訓練をしなきゃいけないかというと、これは安全保障環境が本当に厳しくなってきているからということになるわけでありますが、そういった中で、今報道については承知をしております。いわゆる僚機間リンクと言われておるものですが、その点も含めて、今事故調査委員会でこれは調査をしております。これはフライトレコーダーですね。 一つだけ申し上げるなら、改めて申し上げますけれども、その機体にフライトレコーダーの解析によって、よると、機体に異常はなかったということは改めて申し上げておきます。
○榛葉賀津也君 防政局長にお伺いしますが、これ、機体に異常がなかったということが確認されたと先ほども理事会で説明されましたが、これ一般論として、今日資料いただいたこの緑のところですね、僚機間リンク、若しくはオレンジのTACリンク、これが、この任務中にこの僚機間リンク等が接続されていないということは、一般論として私あり得ないと思うんですが、そういう可能性もあるんでしょうか。
○政府参考人(加野幸司君) 一般論といたしまして、僚機間リンクの接続ということがあるわけでございますけれども、まず、その詳細については、これ運用に関わることでございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。 その上で、現場の状況、どういうことがあって、あったのかということにつきましては、フライトレコーダー、その解析を行って、きちんと事実関係確定していくということでございます。
○榛葉賀津也君 ユニホーム、シビルを含めて、防衛省の皆さんがどれだけ頑張っているかというのは私はよく承知をしているつもりであります。 他方、現在の中国や北朝鮮のこの軍事力の強化や台湾有事、恐らく役割の増加に人員の育成とか補充が間に合っていないと、これ誰を責めることもできないんですよ、現場必死になってやっているんですから。 二〇二三年の防衛白書によると、二二年度の多国間共同訓練が四十六回、五年前の倍になっているんですね。スクランブルだけでも六百六十九回、災害派遣が三百八十一回、充足率は何と九一%です。これ、大臣のせいでもないし、誰のせいでもないんですけれども、これ何とかしなければならないと思います。 是非、今の予算の拡充や装備の補充、若しくは共同開発、いろんな議論がありますけれども、人が大事ですし、任務に忙殺されて訓練ができないと、これはあってはならないと思います。大臣も本当に心を痛めていらっしゃると思いますが、引き続き訓練を是非やっていただいて、一部訓練を今止めているというふうに聞いていますけれども、一定の時期になったら早く私は訓練再開して、できることをしっかりとやっていただくと、我々全力で応援しますので是非頑張っていただきたいと思いますが、一言、大臣お願いします。
○国務大臣(木原稔君) フライトレコーダー解析、そしてそれに基づく原因究明、再発防止を行った上で、訓練というものは適宜適切に判断していきたいと思っております。
○榛葉賀津也君 ありがとうございます。 それでは、条約に入りたいと思いますが、経済三条約、我々国民民主党は全て賛成でございます。 今回、日本と投資協定を結ぶアンゴラについてお伺いしたいと思いますが、二〇二三年八月に、日・アンゴラ投資協定の署名の際に、日本の経産大臣とアンゴラ共和国の経済企画大臣との間で投資環境整備及び経済関係強化に関する協力という共同声明出しているんですが、この中身についてと、この中身の進捗状況ですね、今どうなっているか、経済産業省と外務省にそれぞれお伺いします。
○政府参考人(杉浦正俊君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、昨年の八月九日に、当時の西村経済産業大臣とカエタノ・ジョアン・アンゴラ経済企画大臣との間で日・アンゴラ投資環境整備及び経済協力に関する共同声明が署名されております。 この共同声明におきましては、ビジネス分野における情報交換やその他の協力活動を通じて、日・アンゴラ双方の経済及びビジネス活動を促進するために協力を強化するということを歓迎いたしまして、具体的には、日本とアンゴラ共和国との間の貿易、投資を支援すること、ビジネスミッション派遣を含む両国のビジネスセクター間の協力を支援すること、アンゴラ共和国の産業高度化に資する産業人材育成を支援すること、それから両国のビジネス環境を改善していくことなどの分野において協力可能性を探求していくということに合意いたしました。 本共同声明に基づいて、両国間の協力、貿易、投資の促進に、実際にアンゴラに関心を持つ企業、この際にアンゴラを訪問した企業などとも連絡を取りながら取り組んでいるところでございます。
○政府参考人(堀内俊彦君) アンゴラは、サブサハラ・アフリカ地域有数の経済規模を有するとともに、豊富な鉱物資源とアフリカ屈指の産油量を誇り、高い経済、潜在成長力を有しています。日本としても重要なパートナーと考えています。 外務省としましても、アフリカの投資環境の透明性と予見可能性の向上、アフリカ市場における日本企業の競争力強化に向けて、アフリカにおける在外公館、大使館の力も利用しつつ、官民一体となった取組を実施しております。 例えば、二十五か国に及ぶ官民合同ミッションの派遣、十二か国に及ぶビジネス環境改善委員会の設置、オンラインビジネス対話の実施等を通じた日本企業と第三国企業との連携促進、これらの、これらは一例ですが、これらの取組を参考に、この日本にとって重要な国であるアンゴラとの間でも連携強化を図っていきたいと考えております。 本日御審議お願いしておりますこの協定につきましても、その締結によって良好な投資環境の整備が促されることは、企業がアンゴラを投資先の選択肢として検討する際の重要な要素となると考えておりまして、こうした取組を通じてアンゴラと日本との間の経済関係を一層強化してまいりたいと考えております。
○榛葉賀津也君 コロナ前の二〇〇八年に、私、アンゴラを訪れさせていただいて、まあダイナミズムのあるすごい国でしたよ、ちょっと治安が心配でしたが。気候はいいし、人は明るいし、飯はうまいし、本当にいい経験させていただきました。 ただ、今、先ほど言ったように、アンゴラはアフリカ屈指の産油国で、豊富な鉱山資源もあって、私、ダイヤの鉱山発掘しているところを見学に行ったんですけど、日本企業の関係者とも意見交換をさせていただきました。 ただ、気になったのが、中国のプレゼンスがすごいんですよ。相当中国が入り込んでいて、聞いたら、貿易相手国第一位は、輸入、輸出共に中国が第一位、アンゴラ発の原油の七割が中国向け、対外債務の約四割が対中国債務というんですね。 これ、先日、私、ケニアのライオン、シンバの話をしましたが、ケニアもそうなんですけど、アフリカ全体に相当中国が浸透してきて、いわゆる債務のわなに陥る傾向にあると。これアンゴラも、パートナーの多国化、多角化というのはこれとても大事だと思って、日本はここに入り込む余地が相当あると思うんです、資源国アンゴラですから。 我が国、もっとアンゴラとの関係を強化するべきだと思うんですが、これについてどうでしょうか。
○政府参考人(堀内俊彦君) ありがとうございます。 仰せのとおり、アンゴラは非常にダイナミックな国でございますが、これまでのところ、中国経済に大きく依存しているのも事実でございます。 ただ、委員御指摘のとおり、アンゴラは経済の多角化、パートナーの多角化を目指しておりまして、その文脈において、日本においても、日本ができることもあると思います。日本も、日本の技術、日本のノウハウを生かして、同じ目線で一緒にやっていくという精神も生かしてやっていけるところが多いと考えております。
○榛葉賀津也君 まあいいでしょう。 次に、租税条約を結ぶギリシャについてお伺いしたいと思いますが。 私、大学を卒業して大学院に入る前の今から二十数年前、ギリシャを訪れまして、まあダイナミズムあるすばらしい国でしたよ。気候はいいし、人は明るいし、飯はうまいと、すばらしい国だったんですけれども、本年一月に、ギリシャのミツォタキス首相とギリシャの財界一団が経団連の十倉会長とお話をされました。 ギリシャもこの中国の関係を今まで大変重視しておりまして、かつては、二〇〇九年ですか、ギリシャは経済危機に陥るんですが、今とっても経済状況はいいんですね。非常に安定している、かつ成長、高水準の経済成長を遂げていって、ここは、ウクライナ、ロシアのウクライナ侵攻以降、欧州全体の天然ガス供給のハブになっているんですね。ギリシャはLNGの基地があったりで、更に新しい基地を建設をされている、ギリシャ東部に新たなLNGの基地を建設されているということなんですけれども。 今、脱中国の動きがギリシャで加速して、日本を始めとしたアジア大洋州としっかり連携しようという傾向なんですけれども、こういう事業に日本が是非私参入していくべきだと思うんですけれども、脱ロシアにも貢献できますし、日本にとっても大きなビジネスチャンスだと思うんですけれども、これについてはどうでしょうか。
○政府参考人(中込正志君) お答え申し上げます。 委員御指摘今ありましたとおり、ギリシャでございますが、各国からのギリシャを経由するガスのパイプラインでありますとか、あるいはLNG貯蔵施設の整備、それから電力相互接続プロジェクトみたいな、こういったいろんな様々な欧州におけるエネルギーハブの一つとなるべく、様々な取組を行っているところでございます。 日本との関係でございますけれども、昨年一月にミツォタキス首相、訪日しておりまして、そのときに、戦略的パートナーシップに関する日・ギリシャ首脳共同声明、発出しております。その中で、技術革新やエネルギー分野などにおける二国間貿易及び投資を促進する意思というのを確認したところでございます。これに基づきまして、現在、ギリシャ側とは官民含め様々なやり取りを行っているところでございます。 日本企業でございますけれども、幾つかの企業が関心を持っておりまして、既に、例えばパイプライン会社に鋼材を輸出したりとか、あるいは入札に参加するとか、技術を生かし、日本の技術を生かした取組というのを行っているということでございます。 政府といたしましては、ギリシャに対して、優秀な、優良な投資環境の整備に向けた働きかけを行うとか、それからエネルギー分野を含めた両国間の投資経済交流の促進に向けて関係機関と引き続き緊密に連携していきたいと考えているところでございまして、今回提出しております租税条約もその一つということでございます。 以上でございます。
○榛葉賀津也君 ギリシャというのは、アフリカ大陸とヨーロッパ大陸とアジア大陸の接点の、ちょうどへそですね。とても大切な国だと思いますので、今後とも引き続き連携を強化してほしいと思います。 終わります。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 海上自衛隊ヘリの墜落事故については、速やかな救助と原因の究明を求めたいと思います。 議題であります投資協定に関わって伺います。 政府は、二〇一六年、投資協定の締結促進に向けたアクションプランを策定し、二〇二〇年までに百の国・地域との協定の署名、発効を目指すとしました。 経産省に伺います。 当時のアクションプランは、その目的を、我が国の経済成長をより強固で安定的なものにしていくためなどと述べています。そこで、この投資協定の締結国を増やすことは、端的に言えば国民の暮らしを良くするためのものであったと、こういう理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(杉浦正俊君) お答え申し上げます。 委員御指摘のアクションプランでございますけれども、こちらにつきましては、二〇一三年六月に策定されました日本再興戦略におきまして、企業の海外展開の推進、鉱物・エネルギー資源の安定的な供給の確保等の観点から、我が国経済界からの要望、投資関連協定の締結状況等を踏まえ、投資関連協定の締結を加速するということが決定されておりまして、そちらを受けましてアクションプランを策定した次第でございます。 我が国は、二〇一六年当時ですね、三十五の国・地域と投資関連協定を締結しておりました。この二〇一六年というのはアクションプランを策定した年でございます。これは主要国が締結している投資関連協定に比して少ない状況にございましたので、二〇二〇年までに百の国・地域を対象に署名、発効を目指して交渉を加速していくということをこのアクションプランにおいて策定したわけでございます。 この取組の結果、これまでの努力で発効済み又は署名済みの投資関連協定は我が国の対外直接投資残高に占める割合がこの策定当時の三五%から、約三五%から約九五%に増加し、また、交渉中の協定も含めますと、現在、合計九十四の国・地域をカバーしている状況でございます。 政府としましては、二〇二一年に公表したアクションプランに関する成果の検証と今後の方針を踏まえ、引き続き我が国経済界からの要望や相手国の事情等を総合的に勘案しつつ取り組んでいく、投資関連協定の締結に取り組んでいく考えでございます。 委員御指摘のアクションプラン策定の背景ということでございますが、そちらにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、日本再興戦略において規定されているところがございまして、経済連携協定や投資協定、租税条約の締結など、国内外の市場にまたがる制度面での障害を取り除いていくことは、新興国等の成長を最大限取り込み、日本市場に投資を呼び込んでいくための大前提ともいうべきことであるというふうに、こちらの再興戦略に規定されております。
○山添拓君 いや、結局お答えいただいていないんですが、経済界からの要望ということは繰り返しおっしゃったと。 そうだとしても、投資協定を結ぶことによって国民の暮らしは良くなると、そう思って結ばれた、そういう方向を示したということでいいんでしょうか。
○政府参考人(杉浦正俊君) 今申し上げましたとおり、日本再興戦略に基づいてこのアクションプラン策定したところでございますけれども、そのアクションプランそのものにつきましては、日本国内への裨益、国民生活向上等について明記はしておりません。 その上で、その基となる日本再興戦略におきましては、基本的考え方として、「止まっていた経済が再び動き出す中で、新陳代謝を促し、成長分野への投資や人材の移動を加速することができれば、企業の収益も改善し、それが従業員の給与アップ、雇用の増大という形で国民に還元されることとなる。そうすれば、消費が増え、新たな投資を誘発するという好循環が実現し、地域や中小企業・小規模事業者にも波及していくこととなる。」というふうな記述がございまして、アクションプランにおいても、こうした日本国内への裨益の観点も念頭に置きつつ作成したと承知しております。
○山添拓君 今おっしゃったように、企業の利益が上がれば賃金も上がるだろうということだったんですね。 資料をお配りしております。財務省が公表している国際収支状況から投資収益の推移を追ったものです。 アベノミクスが始まった二〇一三年度上期は九兆八千二百十七億円だったのが、昨年二〇二三年度の上期には十八兆七千六百二十六億円と倍になっています。二〇一三年当時、投資協定が結ばれていたのは二十四か国でした。今年二月時点では、五十六本が署名され、五十三本発効済みということですから、締結国数が倍になったのに比例するように投資の収益も倍になったということかと思います。 一方、この間、日本で働く人の賃金はどうなってきたかといえば、これはもう皆さん御承知のとおりですが、平均年収でいえば、二〇一三年四百十万円、二〇二二年、若干上がったとはいえ四百五十八万円です。倍増どころか、ほとんど横ばいで推移してきたのが現実です。 投資協定が増えて海外投資が増えても、国民の暮らしは良くなっていないわけです。外務大臣、どう認識されているでしょう。
○国務大臣(上川陽子君) この投資関連協定についてでありますが、その締結によりまして、相手国におきましての投資環境の透明性、また法的安定性及び予見可能性の向上が図られ、日系企業の海外展開、また日本からの投資の促進と保護、及び相手国からの対日投資の拡大につながることが期待されるところでございます。 投資関連協定の締結を通じまして企業の活動が活性化すれば、海外の成長を我が国に取り込むことが可能となることから、日本経済全体の成長をもたらし、所得の増加を通じて日本国民にも裨益し得るものと考えられるところであります。特に、我が国の経済外交におきましては、今後スタートアップ企業の海外展開の促進を重視すべきと考えるところでございまして、投資協定の締結はこの点にも資するものと考えているところであります。 今答弁がございましたとおり、我が国経済界からの要望、また相手国の事情等を総合的に勘案しつつ、日本経済全体の成長にも資するよう、投資をより促進するよう、投資関連協定の締結に向けて政府といたしましては今後ともしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○山添拓君 いや、私は現実を見るべきだと思うんですね。 今大臣からも、経済界からの要望でというお話がありました。そのとおりだと思うんです。経団連は、二〇一五年の二十一世紀型の国際投資ルールの構築に向けてという表明で投資協定の拡大を求めて、政府に実行させてきました。それで、確かに大企業は内部留保を積み増してきたというのは言えると思いますが、収支比率を上げるために海外投資を拡大してきたわけですね。ところが、国内には賃金や設備投資に回すことはなく、経済成長できない国をつくってきたわけです。その現実は直視すべきだと思うんです。 資料の二枚目を御覧ください。 一方、これは経産省の海外事業活動基本調査ですが、投資決定のポイントを調査項目としてきました。その一位は赤で塗ってあるところです。現地の製品需要が旺盛又は今後の需要が見込まれるという選択肢を選ぶ企業が多いと、一貫しています。なぜ投資をするのか、その投資決定のポイントとしては現地の需要です。税制や融資等の優遇措置があるから投資を決定したという回答は、これは一貫して決して多くないわけですね。 この調査項目というのは二〇一七年度を最後に調査からそもそも外されてしまったのですが、例えば昨年のジェトロの調査を見ても、事業拡大先の選択理由で最も多かったのは市場規模、成長性、これが八一・八%でした。税制面での優位性というのは四・四%にすぎなかったわけです。融資や税制の問題より需要があるかどうかが事業拡大、投資の決め手となっています。これ、当然のことだと思うんですけどね。 そうであるならば、今政治がやるべきことは、海外投資の環境を整えるためといって目指せ百か国ということではなく、国内での需要喚起をどう進めていくのかということにあると思うんですけれども、これは外務大臣に伺っていいかどうか分かりませんが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(上川陽子君) 経済の活動、企業活動は、経済の活動におきましては、国内におきましても、また海外におきましても同じような形で進めているところでありますので、双方の市場が魅力的なものになるようにしていくということ、国民生活の向上も含めてそれがつながっていくというふうに思っております。 海外投資につきましては、様々な市場調査も含めまして企業が決断するわけでありますが、私も企業等とよくヒアリングをさせていただいておりますが、何といっても環境が持続可能な形で進んでいくことができるような整備をしていくことについては大変ニーズが高いものというふうに考えておりまして、専ら市場の規模とか拡大、成長の可能性というところについて、アンケートの中ではそれがトップに挙がっているところでありますが、同時に、それが持続できるような形でのその環境整備については、これは、政府に対しても、また企業間の中でもそのニーズは非常に大きいと、その意味では、相手国に対してもそのような条件を整備していくべく交渉していくということが必要であると認識をしているところでございます。
○山添拓君 相手国との関係はもちろん大事だと思います。しかし、企業などが海外投資を行うそのポイントですね、意思決定のポイントは需要があるかどうかだと。ですから、投資や融資、あるいは税制の問題、そこを優遇されているかどうかではないわけですから、日本国内に魅力的な需要があれば、市場があれば、そこへの投資がされるべきですし、そういう誘導こそ政治的には行うべきではないかと思います。 そして、大企業の収益が海外投資に依存し、足下で暮らしの困難をもたらす、そういう経済のいびつさは改めるべきだという点を指摘したいと思います。 中東情勢について伺います。 十九日、イラン中部、イスファハン州北西の空軍基地近くで爆発音が聞こえ、ドローン三機が防空システムで破壊されたといいます。アメリカABCニュースは、米国政府高官の話として、イスラエルがイランによる攻撃への報復措置として複数のミサイルを発射したとし、イスファハン近郊ナタンツにある核施設を防護するレーダー設備が標的だったと報じています。 外務大臣、事実でしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 現地時間の四月十九日、イスラエルはイラン国内に対しまして攻撃を行ったと報じられているものと承知をしております。なお、イラン側は、イスラエルとの関係は証明されておらず、現在調査中といった立場であるものと承知をしているところでございます。 日本政府といたしましては、現在の中東情勢につきましては深く懸念をしておりまして、事態のエスカレーションにつながるいかなる行動も強く非難をいたします。 今後も、危機感を持って情勢を注視していくとともに、情報収集をして、行ってまいりたいと考えております。 特に、本事案を受けまして、速やかに現地の在留邦人の安否確認、注意喚起を実施しているところでありますが、在留邦人の生命、身体に被害が及んでいるとの情報につきましては接しておりません。 政府としては、在外邦人の保護に万全を期すとともに、事態の更なる悪化を防ぐべく、引き続き必要なあらゆる外交努力を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○山添拓君 今、大臣の発言からは、この攻撃を行ったとされるイスラエルに対する非難の言葉はありませんでした。 大臣は、G7に出発する前の十六日、イランとイスラエル双方の外相と電話会談を行って、イスラエルのカッツ外相にも自制を求めていたはずです。イランへの攻撃は、大臣を始め国際社会の警告を無視して行われたものです。 事態をエスカレートさせるものとして非難されるべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(上川陽子君) 日本はこれまでも、イスラエル、イラン双方に対しまして、現在の状況につきましては、このイラン、イスラエルはもちろんのこと、我が国を含めました国際社会全体の利益にならない旨強調しつつ、更なる緊張の高まりを防ぐ必要があるとして自制を強く求め続けてきているところであります。また、先週のG7外相会合におきましても、全ての当事者に対しまして更なるエスカレーションを防ぐために取り組むよう強く求める旨の声明を発出したところでございます。 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、事態の更なる悪化を防ぐべく、特に在外邦人の保護にも万全を期すとともに、引き続き必要なあらゆる外交努力を粘り強く行ってまいりたいと考えております。
○山添拓君 時間ですので終わりにしなければなりませんが、前回もそうだったんですけど、イランは非難される、ハマスはテロだと非難される、しかし、イスラエルについては決して非難されようとしないと。それがダブルスタンダードだと批判もされています。これは法の支配とは相入れないです。そして、何より今中東情勢を緊迫させている最大の問題であるガザでの停戦こそ国際社会の焦点でありますので、引き続きこの点は指摘をし、追及していきたいと思います。 終わります。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美でございます。 今回の欧州との経済的協力と安全保障との関係についてお尋ねします。 日米の関係でいえば、旧ですね、安保条約と現安保条約の大きな差というのの一つに第二条があります。そこには、経済的協力が書かれています。政府も従来、日米同盟の強化に関して、安全保障問題を強化していく上で、安全保障問題に関する直接の、失礼、関する連携の強化のみならず、経済関係を強化していくことが日米同盟の強化に当たり重要であると説明しています。 今回の欧州との経済的協力というのは、我が国の安全保障に関連してEUあるいはNATOの諸国との関係で何らかの意味を持つものでしょうか。すなわち、EUとの経済的協力がNATOとは直接的に関わっている面があるのかという懸念があるからです。 英国はEUを離脱していますが、日本はNATOに加盟している英国、そして、EUとNATOに加盟しているイタリアとの間に戦闘機技術協力を結んでいます。今回の日EU経済連携協定の改正によって、防衛産業に携わる企業を含む日本とEUの企業間のデータが、データ移転が促進されると理解しております。大半のEU加盟国がNATOに加盟していることを踏まえると、防衛産業に携わる日本企業のデータがEUに移転され、それが巡り巡って米国を含むNATOに行き渡り、NATOの軍事作戦に使用されるというおそれはないのでしょうか。 今回のデータの流通に関するEUとの経済的協力と日英伊の戦闘機技術協力やNATOとの関連性はどのように捉えておられるのか、上川外務大臣に伺います。
○政府参考人(片平聡君) お答え申し上げます。 本改正議定書は、一層安定したビジネス環境を構築する観点から、日EU・EPAにデータの自由な流通に関する規定を置くことについて欧州進出日系企業から強い関心が示されたことを踏まえ、日EU間で交渉を開始し、本年一月に署名に至ったものでございます。 したがって、御指摘の日英伊の戦闘機開発協力やNATOとの関連性を念頭に置いたものではなく、本改正議定書の締結により御指摘のような懸念が生ずるものとは考えておりません。
○高良鉄美君 まあ、時期的なものもいろいろありまして、懸念も是非拭い去るようにいろいろお願いしたいと思います。 次に、日米両政府間の指揮権密約について伺います。 四月十日の衆議院財務金融委員会において、立憲民主党の原口一博議員が日米両政府の間の指揮権密約が存在する文書を配付されましたので、政府の皆さんは御存じかと思います。この公文書を発見したのは獨協大学名誉教授の古関彰一さんで、四十年ほど前にアエラで発表されています。配付した資料一は、矢部宏治さんのこの本です。(資料提示)「知ってはいけない 隠された日本支配の構造」というものに掲載されたものです。 独立直後の一九五二年七月二十三日、当時の吉田茂総理と米軍の司令官が口頭で密約を結んだというもので、密約を結んだマーク・クラーク大将が本国の統合参謀本部へ送った機密報告書です。この資料一の方ですね。 私は、七月二十三日の夕方、吉田氏、外務大臣の岡崎氏、マーフィー駐日大使と自宅で夕食を共にした後、会談をしたと書かれています。占領が終わったにもかかわらず、米軍の司令官が自宅に総理や外務大臣を呼び付けて極めて重要な会談をしていたことだけ見ても、日米がどのような関係であったかが分かります。 私は、我が国の政府が有事の際の軍隊の投入に当たり、指揮権の関係について日本政府との間に明確な了解が不可欠であると考えている理由をかなり詳しく説明したとあります。つまり、戦争になったら、日本の軍隊、当時は警察予備隊は米軍の指揮下に入って戦うことをはっきり了承してほしいと申し入れているのです。 吉田氏はすぐに、有事の際に単一の司令官は不可欠であり、現状ではその司令官は合衆国によって任命されるべきであるということに同意した。同氏は続けて、この合意は、日本国民に与える政治的衝撃を考えると、当分の間秘密にされるべきであるとの考えを示し、マーフィー大使と私はその意見に同意したと書かれています。独立から僅か三か月後の一九五二年七月二十三日、口頭での指揮権密約が成立したというものです。 上川大臣に伺いますが、この吉田元総理の発言は事実でしょうか。発言の有無についてのみお答えください。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘の吉田元総理の発言が記載されている文書でありますが、これは米側作成のものでありまして、日本政府としてコメントする立場にはございません。 その上で、御指摘のいわゆる指揮権密約についてでありますが、日米間でそのような合意は成立しておりません。 一九七八年に策定されました日米の防衛協力のための指針におきましても、一九九七年ガイドライン及び二〇一五年に改定された現行ガイドラインにおきましても、日米両国の指揮権につきましては、自衛隊及び米軍は、緊密な協力の下、各々の指揮系統に従って行動する旨が確認されておりまして、この点は日米間で共通の認識となっているところでございます。 したがいまして、日米安保条約の下におきまして、日米が共同対処する場合でありましても、両国の指揮関係というのは別個であるということが明確になっているところでございます。
○高良鉄美君 この文書の中では合衆国というのがありますけれども、指揮権密約は存在しないという立場でしょうけれども、クラーク・吉田合意後に無効となったということでしょうか、この中身ですね。無効にするなら、やっぱり日米間で無効にする合意がされないといけないんじゃないかなと思いますけれども、現在もこの合意は有効ということになるんじゃないでしょうか。外務省、伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 御指摘のいわゆる指揮権密約についてでありますが、旧安保条約のときからもそのような合意は成立しておりません。
○高良鉄美君 ガイドラインとの関係も今指摘されましたけれども、次にこの配付資料の三の方を御覧ください。 民主党政権下の平成二十二年、二〇一〇年、外務省のいわゆる密約問題に関する有識者委員会の報告書です。このマーカーの方は私の事務所で記入してあります。 自民党政権下ではなかなか行えない調査だと思います。もちろん、この調査が指揮権密約を対象としていないことは承知しています。この調査と報告は十分であったか疑問が残りますが、密約一般については参考になる資料であり、幾つかの密約の存在を認定しています。 報告では、政府は明白なうそをつき続けたという厳しい指摘があります。指揮権密約についてもうそをついているのではないかとの疑念が拭えません。そもそも、外務省が密約について事実関係を把握していないケースがあるのではないかとの疑問も湧きます。 報告書の外交文書の管理と公開についてにおいて、密約に関連する対米交渉について、当然あるべき会議録、議事録や来往電報類の部分的欠落、不自然な欠落、あるいは交渉経緯を示す文書類が存在しないために、外務省内に残された記録のみでは十分に復元できなかったとの指摘があります。 米側は、密約を記録し、引き継ぎ、現在も認識しています。にもかかわらず、日本側が真実が分からなくなっているので日本側の対米交渉力がなくなっているのではないかと指摘する声もあります。 重要な外交資料が散逸し、過去の経緯が分からなくなっているケースを外務大臣が命じて洗い出し、まだ生存している関係者がいるならできる限り復元し、どうしても復元できない場合は正直に国民に明かして謝罪すべきだと思いますが、大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 適切なこの文書管理、情報公開は、国民の理解を得ながら我が国の外交を推進していくために不可欠であると理解をしているところであります。他方で、外交交渉上、全ての情報をつまびらかにすることができないというのも事実でございます。関係法令等に基づきまして、国民の知る権利と外交上の秘密保全のバランスを考慮しながら、引き続き外交を推進していくと、こうした方針で臨んでいるところでございます。 我が国政府の過去の外交活動の成果、この歴史的検証につきましては、外交記録の公開を通じまして、皆様あるいは研究者の方に委ねることとしているところであります。 政府といたしましては、今後とも、公文書管理法及び情報公開法等の関連法令等に基づきまして、適切な文書の管理、公開を行ってまいりたいと考えております。
○高良鉄美君 外交交渉等の中での簡単に公開できないということも理解しております。ただ、アメリカ側にあって、何で日本にないのかというのがありますし、その辺の管理をきちんとやるのが、やっぱり外務省としても残していただけるものじゃないといけないと思います。 なぜなら、この旧安保条約の交渉を担当した西村熊雄条約局長を始め当時の外務省条約局の担当者たちは、交渉過程をできる限り詳しく記録し、その評価を将来の国民の判断に委ねようという健全な姿勢を取っていたという矢部氏の著書があります。そう書かれております。 外務省が責任を持って外交資料を記録するべきではないでしょうか、外務省にお尋ねします。
○政府参考人(宮本新吾君) お答え申し上げます。 先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおりでございますが、我が国政府の過去の外交活動の成果の歴史的検証につきましては、外交記録の公開を通じまして、皆様あるいは研究者の方々に委ねることとしておりまして、外交当局自らが存命の関係者に取材等を行って外交資料を復元するといったことは考えてございません。 以上でございます。
○高良鉄美君 将来の国民にというのは非常に重要なことで、将来の主権者になるわけですよね。私たちは、それを考えていろんな記録を残していくということがとても大事だと思います。憲法の中でも、将来の国民という言葉があります。やっぱり将来の国民の知る権利を全うするためにも、しっかりとこういう記録は残しておくべきだということを指摘します。 今、この指揮権密約の経緯をるる説明してきました。日本の防衛省の最高責任者である木原稔防衛大臣に日米間の指揮権密約についての受け止めを伺います。
○国務大臣(木原稔君) お尋ねの点につきましては、外務大臣からこれまで答弁があったとおりであると承知しております。 その上で、日米間の指揮統制に関して申し上げれば、自衛隊の全ての活動は、主権国家たる我が国の主体的判断の下、日本国憲法、国内法令等に従って行われること、また、自衛隊及び米軍がそれぞれ独立した指揮系統に従って行動することに何ら変更はございません。
○高良鉄美君 これまでのちょっとしたこの資料もありますけれども、やっぱり日米で統合する、あるいは同盟の強化といったときに指揮が二つあるというのは非常に不自然な話ですね。ですから、そういった面も考えて、どういうふうになっているのかも国民に説明するということは非常に大事だと思います。別々と言ったら、何か、うん、そうでしょうねというわけにはいかないと思いますが。 五日後の四月二十八日は、日本でいえば主権回復の日とされています。しかし、七十二年前、一九五二年の四月二十八日、本土の主権回復から切り離されて、沖縄、奄美は米国統治とされました。沖縄ではこの日を屈辱の日、奄美では痛恨の日と呼んでいます。もうそれぐらいの気持ちが日本全体にないといけないと思います。沖縄は、本土から遅れて憲法を手にしました。憲法で人権が守られると期待しましたが、日米安保と地位協定で人権が脅かされているのが現状だと思います。 オスプレイについても、墜落事故のときに沖縄県民は飛行の即時停止を求めましたけれども、木原大臣は、米側からかつてないほど詳細に説明を受け、安全を確認しているということで、飛行再開を認めました。安全だから飛行しているのではなくて、その判断をする権限が日本にはないということがよく分かりました。 治外法権とよく言われますけれども、米軍基地は、それは全く当たっていないということですね。大使館等は確かに国際的にも国際法上もそうだと思いますが、ただ、日本の場合にどうなのかといいますと、やはり日本の法律が適用されるのが当然のことです。いわゆる治外法権と言われていますけれども、この指揮権密約を見ると、大使館、あるいはまあ米軍基地もそうなのかもしれません、日本の中だけではですね。イタリア、ドイツではそこは入って調べるわけですから、日本全土ではないか。この治外法権の場所がですね、もう日本全部が治外法権になってしまっているんではないかと、幾らでも米軍が飛ばせるということになるわけですから、そういった問題もあるということを指摘したいと思います。 そして、大臣はいずれもこの国内外で法の支配を強調されていますけれども、法の支配の重要な内容の一つが憲法の最高法規性です。私は、これまで憲法より上位に扱われてきたのが安保条約と地位協定ではないかと、本来はそうじゃないんだということを指摘してきました。 今回の指揮権密約により、法の支配ではなくアメリカの支配だったんじゃないかということを申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(小野田紀美君) 他に御発言もないようですから、三件に対する質疑は終局したものと認めます。 防衛大臣及び政府参考人は御退席いただいて結構です。 これより三件について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山添拓君 日本共産党を代表し、日・アンゴラ投資協定、日・ギリシャ租税条約、日EU経済連携協定改正議定書にいずれも反対の討論を行います。 日・アンゴラ投資協定は、投資協定の締結加速を求める経団連など経済界の求めに応じ、日本の多国籍企業の海外展開を促すために、相手国との間で投資環境の整備を図るものです。 財務省の国際収支統計によれば、日本の投資収益は、昨年度、半期として過去最大の十八兆七千六百億円に達し、十年で倍になりました。一方、この間、国内の賃金は横ばいか微増であり、実質賃金は二十三か月連続でマイナスです。大企業が収支比率を上げるために海外投資を広げながら国内で賃金や設備投資に回さない構造が浮き彫りになっています。本協定は、こうした下で、大企業の海外投資の拡大を一層後押しするものであり、反対です。 日・ギリシャ租税条約は、配当や利子、使用料など投資所得に対する源泉地国での課税に限度税率を設け免除するものです。 日本の多国籍企業がギリシャの海外子会社から配当を受け取る場合、同国の税務当局から課税される限度税率は五%となります。さらに、日本国内においては、一定の要件を満たす場合には特例措置である外国子会社配当益金不算入制度の対象となり、当該配当の五%のみが課税対象となり、九五%は非課税となります。結果、日本の多国籍企業とその海外子会社は、ギリシャでの課税を大きく軽減された上に、国内でも優遇されます。二重課税の除去といい、二重に税の優遇を認めるものであり、反対です。 日EU経済連携協定改正議定書は、新たに情報の自由な越境移転の規定を追加するもので、自由なデータ流通の障害となる障壁を取り払うものとされます。 経団連は、二〇一八年に発表した「デジタルエコノミー推進に向けた統合的な国際戦略の確立を」と題するレポートで、国境を越えて情報が自由に流通できることはビジネスの大前提、各国と協力して規制の緩和、撤廃を働きかけるべきなどとしており、本改正議定書は、情報技術を利用し国境を越えて世界で事業を展開し巨額の利益を上げる多国籍IT企業の要望に従うものです。将来、個人情報や消費者の保護のために国内で何らかの新たな規制を採用しようとする場合に本改正議定書の規定に抵触しないことを求められる可能性が高く、とり得る措置の内容が制約を受けるおそれがあり、反対です。 以上です。
○委員長(小野田紀美君) 他に御意見もないようですから、三件に対する討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とアンゴラ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小野田紀美君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とギリシャ共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小野田紀美君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(小野田紀美君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小野田紀美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十八分散会