北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2023/12/04
会議録
○委員長(山谷えり子君) ただいまから北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官平井康夫君外四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山谷えり子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山谷えり子君) 北朝鮮による拉致問題等に関しての対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○川田龍平君 参議院議員の川田龍平です。 今日は、委員長、両筆頭理事、そして委員の皆さんには、本当に、委員長という立場でありながら質問に立たせていただくこの機会をいただきまして、本当にありがとうございます。中立の立場で質問させていただきます。 質問に入ります。 まず、日朝間では水面下での接触が続いているとされる中、二〇二三年九月二十九日の朝日新聞において、二〇二三年三月と五月に東南アジアの主要都市で日本政府関係者と朝鮮労働党関係者の秘密接触が行われたことが報じられました。 これらの秘密接触と同じ時期、二〇二三年五月二十七日の拉致問題の国民大集会において、岸田総理大臣は、首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考えておりますと述べ、直後の五月二十九日、北朝鮮の外務次官は、日本が新たな決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が会えない理由はないとの談話を発表しました。 その後、今国会の所信表明演説でも、岸田総理は、金正恩委員長との首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進めてまいりますと述べましたが、岸田総理の言う直轄のハイレベル協議とは、まさに朝日新聞で二〇二三年九月二十九日に報じられたものなのでしょうか。この秘密接触においては二〇二三年の秋に日本政府高官を平壌に派遣する案も話し合われたとされていますが、二回の秘密接触の後どういった動きがあったのかという点と併せて、官房長官に説明を求めます。
○国務大臣(上川陽子君) 今委員が御提案、御提示なさいました報道につきましては承知をしているところでございますが、事柄の性質上、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。 いずれにせよ、拉致被害者御家族も御高齢となる中であります。時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題と考えております。 引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するために、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動してまいるところでございます。 その上で、岸田総理は、これまでも、日朝間の懸案を解決をし、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点からの総理の決意をあらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考えている、こうした旨を随時述べてこられてまいりました。十一月二十六日の国民大集会で総理からも述べられたとおりでありまして、そのために様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けており、そうした働きかけを一層強めていく考えでございます。 北朝鮮への働きかけに関する具体的な内容などにつきましては、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることにつきましては差し控えさせていただきたいと存じます。
○川田龍平君 外交上のやり取りで詳細な内容や人物などを説明できないことは理解しますが、報道で大々的に取り上げているので、こうした接触があったことは政府としてしっかり伝えていただきたいと、べきと思います。秘密接触の詳細を教えてほしいとは言いませんが、日本で帰りを待つ拉致被害者の御家族、そして北朝鮮で助けを待つ拉致被害者のためにも、日本政府が努力していることを伝えるのは非常に重要だと思います。 いま一度の質問になりますが、報じられているような秘密接触があったかどうかだけでも明らかにしていただきますよう、外務大臣の誠意ある答弁を求めます。
○国務大臣(上川陽子君) 先ほど答弁したとおりでございまして、報道については承知をしておりますけれども、事柄の性質上、お答えにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
○川田龍平君 訂正がないということで、そういうことだというふうに理解いたします。 拉致問題に関する施政方針演説、所信表明演説について伺います。 先ほど、今国会の岸田総理の所信表明演説で、金正恩委員長との首脳会談を実現すべく、私直轄のハイレベルでの協議を進めてまいるといった表現が用いられたことはさきに触れました。 他方、岸田総理は、就任以来、第二百十一回国会までの施政方針演説や所信表明演説において、私自身、条件を付けずに金正恩委員長と直接向き合う決意ですと述べてきましたが、今国会の所信表明演説ではこの表現が用いられておりません。 岸田政権は北朝鮮と条件を付けずに対話を模索し続ける意思はあるのでしょうか。なぜ今回、所信表明演説の表現が変わったのか、理由を含めて説明を求めます。
○国務大臣(上川陽子君) 表現が違うということについての御質問でございますが、岸田総理自身は、先般の第七十八回の国連総会における一般討論演説、これは九月十九日でございますが、これを含めまして、条件を付けずにいつでも金正恩委員長と直接向き合う決意を繰り返し述べてきているところであり、こうした考えにおきまして、考えには変わりはございません。 そして、我が国といたしましては、引き続き、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決のためには何が最も効果的かという観点から不断に対応を検討してきておりまして、この対話一辺倒でもなく圧力一辺倒でもない、こうした姿勢を従来から今まで変わらず取り続けているところであります。
○川田龍平君 この二〇〇九年四月二十七日の参議院拉致問題特別委員会で、当時の官房長官は、北朝鮮による拉致は我が国の国家主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題です、国家的犯罪行為であり、許し難い人権侵害でもあると述べています。 そして、岸田総理が外務大臣をしていた二〇一七年の四月二十四日の衆議院拉致問題特別委員会で、北朝鮮が有事になった場合、日本としてどのような選択肢を取り得るかとの質問に対し、岸田外務大臣は次のように答えています。まず、有事の際に拉致被害者そして特定失踪者の方々の安全を確保する、そして帰国を果たす、これは国の責任であります、国の責任としてあらゆる事態を想定してしっかり対応を考えなければなりません、その際に米国の役割は大変大きいものがあると思いますと述べ、その際の対応については具体的に米国の対応を依頼している、また、北朝鮮には大使館を設けている国が二十四か国一地域が存在します、こういった国々との連携も重要でありますと、具体的なオペレーションを説明しています。 北朝鮮に対しては、弾道ミサイル技術を使用した発射を強行し、日本でもJアラートが発動されたことを受け、先月二十九日の参議院、ここの本会議でも、北朝鮮による衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射に抗議する決議案が採択されたばかりです。その中で、昨年十月及び本年八月に引き続き、我が国の上空を通過する形で発射を強行したことは、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、地域及び国家、国際社会の平和と安全を脅かすものであると決議しています。 ところで、有事とは、日本が外国から武力攻撃されたり武力攻撃をされそうなときに、首相が自衛隊に防衛のための出動を命令する状況のことと政府は説明しており、専ら有事法制の中で議論されてきた経緯があります。 そこで、官房長官にお聞きしますが、日本が、日本国が北朝鮮からのミサイルの脅威を受け、なおも日本人が北朝鮮によって拉致されているという事実は、日本の有事あるいは有事に極めて近い事態と捉える余地はあるとお考えなのかを伺います。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国の責任において解決すべき喫緊の重要課題であると認識しています。 二〇〇二年に五名の拉致被害者が帰国されて以来、一人の拉致被害者の御帰国も実現していないことは痛恨の極みであり、誠に申し訳なく思っています。 拉致問題は過ぎ去った事件ではなく、今なお被害者が自由を奪われ、御帰国できない状態が続いている現在の問題であります。引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で取り組んでまいります。 有事に確立した定義があるわけではなく、お答えを差し控えたいと思いますが、いずれにせよ、政府の認識は先ほど申し上げたとおりであります。
○川田龍平君 このミサイルが飛んでくる場合、そして、この拉致が、拉致が行われたというこの事実、こういったこの拉致の場合というのは、これ有事に当たるのかどうかということではいかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 先ほど申し上げましたとおり、有事に確立した定義があるわけではなく、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○川田龍平君 やはり、この国民の命が懸かっているものです。そして、ミサイルによって命が奪われる、そしてまた、拉致によって今どこにいるか分からないというこの失踪事件になっているわけです。 こういったことについて、国民は、国は国民に対してこの命に差を付けるべきではないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(松野博一君) 政府の役割として、国民の生命、財産、安全、こういったものをしっかりと確保して守っていくということが政府の役割でございます。その上においての認識は、先生の御指摘のとおりであると思います。
○川田龍平君 私も、今回、この委員会、初めて質問に立たせていただきました。本当に、この国民の命、この問題、やっぱり守りたいという思いで私も国会議員になって、やっぱりこの四十六年間、横田めぐみさんが、十一月十五日、連れ去られてから四十六年が経過をしているという中で、私も今年四十七歳です。本当に親の気持ちであったらどんな気持ちであっただろうかと。本当に、この家族の、この安否が分からないという状態をずうっと、この四十六年間ずうっと待ち続けているこの家族のことを思うと、やっぱり政府に是非動いていただきたいという思いがあるのは、もう本当に親の気持ち、そして家族の気持ち、本当に痛いほど分かることではないかと思います。 先月、本委員会において、上川外務大臣から北朝鮮をめぐる最近の状況についての説明を聴取いたしましたが、その中で大臣は、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であり、政権の最重要課題ですと述べました。 まさにおっしゃるとおり、拉致問題が長期化しており、被害者本人とその御家族の高齢化も深刻です。二〇二三年で最初の事件の発生から四十六年経過し、被害者の親世代で健全なのは、健在なのは、横田めぐみさんの母親である早紀江さんと、有本恵子さんの父親である明弘さんの二人だけとなってしまいました。拉致被害者の曽我ミヨシさんは、九十歳を超えて九十二歳になろうかという年齢に達しています。 拉致問題が長期化し、解決の兆しも見えないことについて、上川外務大臣、どういう思いをお持ちでしょうか。上川外務大臣は、北朝鮮と条件を付けずに対話を模索する必要性、これを認識しているのかどうか、是非答弁をお願いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 拉致問題ということでございますが、二〇〇二年に五名の拉致被害者の方々が御帰国されて以来、一人の拉致被害者の御帰国も実現しないと、していないということについては、本当に痛恨の極みでございます。 私も、二〇〇六年に、拉致特別委員会の委員派遣で、新潟のまさに横田めぐみさんの拉致された現場を委員会のメンバーとして訪問、視察をさせていただきまして、あの情景は今も焼き付いています。そして、その横田めぐみさんを始めとする御家族の方たちが、あのときから時計の針が止まっている状態で今に至っていらっしゃるということを想像しただけで、本当に痛恨というこの漢字では表現できない思いをしているところでございます。 岸田総理自身でございますが、先ほど答弁したとおりでございまして、条件を付けずにいつでも金正恩委員長と直接向き合う決意、これについて繰り返し述べているところでございまして、こうした首脳会談が早期に実現するための環境をいかにつくっていくかということにつきましては、これは、総理直轄のハイレベルで協議を進める、このための環境整備ということでありますが、外交的取組につきましては外務省といたしましてもリードしてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 家族会、救う会は、二〇二三年二月に決定した運動方針において、親の世代の家族が存命のうちに全拉致被害者の一括帰国が実現するなら、我が国が人道支援を行うことに反対しないという新しい提案を打ち出しました。北朝鮮との対話の糸口となり得る重要なポイントだと思います。 これについて、岸田総理、林外務大臣、前任者からは、拉致問題の解決に向けた御家族や救う会の方々の強い思いの表れであり、厳粛な思いで受け止めなければならないとの考えを示しましたが、日本政府がこういったアクションを起こすのかといった点に言及がなく、残念だと思います。 上川外務大臣は、先月の説明聴取の中で、被害者の御帰国を待ち望んでいる御家族の皆さんの思いを胸に刻み、政府一丸となって、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果敢に取り組みますと述べましたが、家族会、救う会の新たな提案について上川大臣はどういった認識をお持ちでしょうか。 また、この方針が出されてから数か月が経過しましたが、日本政府は何か具体的な方策は考えているのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 本年二月二十六日に、拉致被害者家族会、救う会の合同会議におきまして、今後の運動方針が決定をされたものと承知をしております。これは、拉致問題の解決に向けた御家族や救う会の方々の強い切迫した思いの表れと、厳粛な思いで受け止めているところであります。 北朝鮮への対応につきましては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けまして、あらゆる選択肢、これを排除せずに、引き続き果断に行動してまいる所存でございます。 中でも、拉致問題は時間的制約のある人権・人道問題でございます。全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向けまして、政府として力を合わせて全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○川田龍平君 北朝鮮で二十四年間過ごした拉致被害者の蓮池薫さんは、NHKのインタビューにおいて、日本政府にはアメリカと北朝鮮の交渉の進展を待つだけでなく、食糧支援の提案など北朝鮮に対する独自のアプローチが求められていると指摘しました。 こうした中、日本政府は、北朝鮮に対する独自の措置として、関連団体、個人の資産凍結のみならず、人道支援目的の船舶を含む全ての北朝鮮船舶の入港禁止、北朝鮮に帰国した、寄港した第三国籍船舶の入港禁止といった方策を講じています。これらの措置は北朝鮮の核・ミサイル開発の動きに対応したものと承知していますが、北朝鮮への人道支援という観点で、核・ミサイル開発と切り離して、例えば人道物資輸送のための北朝鮮船舶の入港を再度認めることなど、一部を緩和することも一考に値すると思います。 確かに、北朝鮮の核・ミサイル開発は決して看過できるものではありません。しかし、それと関係のない北朝鮮の市民、そして北朝鮮に住む拉致被害者が日々の生活に苦しんでいることも見過ごしてはなりません。日本政府が重視している普遍的価値にも基本的人権が含まれており、北朝鮮への人道目的での支援は決して政府の方針に背くものではないと考えますが、この点について政府はどういった考えを持っているのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 人道支援の可能性についての御質問であると、でございますが、我が国の対応につきまして予断を持ってお答えすることにつきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、御指摘の点も含めまして、北朝鮮への対応につきましては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的解決に向けて、何が最も効果的かという観点から不断に検討を行ってきておりまして、今後もそうした方針で臨む次第でございます。
○川田龍平君 北朝鮮においては、新型コロナ対策として国境を封鎖して以降、食糧難が悪化したと見られるとの報道が相次いでおり、本年もその影響が続いているとされています。 こうした中、本年九月にはロ朝首脳会談が行われました。ここで協議されたとされる軍事的な協力については厳しい目で注視していかなくてはなりません。他方、ここでは、プーチン大統領から、経済協力や人道問題、地域情勢について話し合う必要があるといった発言があったと報じられています。やはり、ロシアから北朝鮮に対する食糧等の支援について協議されたと考えられるのではないでしょうか。 これにとどまらず、同月には金正恩総書記と中国の劉国中副首相の会談も行われ、ここでは中国が北朝鮮に対して食料と医療面で支援をする姿勢を示したとされています。 以上のように、新型コロナによる国境封鎖を本年八月に解除した北朝鮮が各国からの支援を獲得し始めることで、日本の支援に対する北朝鮮のニーズが低下し、日朝の交渉につながる可能性も薄れていくのではないかと思われます。 日本政府が人道支援目的の方策を講じるのであれば、とにかく早いにこしたことはないと思いますが、上川大臣の認識はお持ちでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 拉致問題の解決に向けましては、何といっても我が国が特に主体的に取り組んでいくことが重要であると考えておりまして、時間的制約のある中ではございますが、いろんな角度からその効果も見定めながら検討を続け、また行動してまいりたいというふうに思っております。 政府としては、全ての拉致被疑者の一日も早い御帰国実現ということで、全力で果断に取り組んでまいる所存でございます。
○川田龍平君 北朝鮮は、本年八月の国境封鎖の解除に際して、海外滞在中の自国民の帰国を承認したことが報じられました。また、九月には北朝鮮への外国人の入国が認可されるなど、許可されるなど、人的往来の本格化に向けた兆しが感じられます。 他方、日本政府の独自の措置は北朝鮮との人的往来に及んでおり、北朝鮮籍者の入国、日本への入国が原則禁止となっているほか、この北朝鮮当局職員及び当該職員が行う活動を補佐する者の再入国が禁じられています。また、一部報道では、朝鮮総連系の朝鮮学校に通う児童生徒学生数は二〇一九年時点で五千人以上とされており、日朝間で人的往来の活発について一定のニーズはあると思われます。 北朝鮮の動きを捉えて、政府は何か方策を講じる考えはないのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 北朝鮮をめぐる情勢につきましては、今委員が御指摘いただいた点も含めまして、我が国といたしましては平素から重大な関心を持って情報の収集、そして分析に努めているところでございますが、その詳細につきましてはコメントをすることについては差し控えさせていただきたいと思います。 政府といたしましては、日朝間のこの人的往来につきましては、我が国の措置として北朝鮮籍の、北朝鮮籍者の入国の原則禁止、そして日本人に対する北朝鮮への渡航自粛要請等の措置をとっているところでございます。 こうした措置の今後の在り方にも触れる御質問でございますが、予断を持ってお答えすることにつきましては差し控えさせていただきますが、一般論として、政府としては、北朝鮮に対する対応につきましては、拉致、核、ミサイルといった諸懸案の包括的な解決に向けて、何が最も効果的かという観点から不断に検討してまいる所存でございます。
○川田龍平君 次に、拉致被害者の田中実さんについてお伺いいたします。 日朝間のストックホルム合意にも従って北朝鮮は再調査を行い、政府認定の拉致被害者、田中実さんとその知人、金田龍光さんの存在を、生存を明かしたと報じられています。なぜ、政府はこの情報を北朝鮮から受けたにもかかわらず、ないものとしたのでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 北朝鮮による拉致被害者や拉致の可能性を排除できない方につきましては、平素から情報収集を努めておりますが、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、その具体的な内容や報道の一つ一つについてお答えをすることは差し控えてきておりまして、この立場につきましては引き続き維持すべきものであるというふうに考えているところであります。 繰り返しでございますが、拉致被害者御家族も御高齢となる中であります。時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題でございます。 全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、引き続き、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 今後の対応に支障を来すとして、こうした報道の逐一について答えるのは差し控えたいとかねてから答弁されていますが、生存情報があるのになかったことにしたということこそ、拉致問題の対応として支障を来す間違った政策判断だったのではないでしょうか。このようなことを日本政府が行うことによって、幾ら拉致問題は最重要課題といっても、日本でも北朝鮮からはもう信用されないのではないでしょうか。 なぜ拉致被害者の生存情報を隠すのか、上川大臣の認識を伺います。
○国務大臣(上川陽子君) 政府、政府は、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現のために、そのためのベストと信じる取組を全力で行っているところであります。 その過程におきまして、関連報道等の逐一につきまして反応すること、それ自体がその取組に支障を及ぼしかねないという立場でございます。その内容、状況について明らかにするということについては控えさせていただきたいと思っておりますが、こうした立場については今後とも維持すべきというふうに考えているところでございます。
○川田龍平君 是非、一人でも多くの方が、本当にまずそこから情報を得られるということもありますので、是非、一人の方でも生存を認めるということから始めてはどうかと思います。 近年、北朝鮮の核・ミサイル開発は拍車が掛かっており、また、日本との関係については拉致問題が解決に向かって進んでいるとは到底感じられません。これら拉致、核、ミサイルといった北朝鮮の問題に取り組むためには、日本が単独で動くだけでなく、関係国を巻き込む形で協力することが重要です。 二〇〇〇年代には、六か国協議として、北朝鮮を含め、米国、韓国、中国、ロシア、日本が一堂に会し、問題解決の筋道を探るために議論を重ねました。二〇〇五年九月の六か国協議の共同声明は、朝鮮半島の非核化をうたうことと同時に、日本との間で懸案となっている問題も盛り込まれているところにその意義があります。 地域の平和と安定のため、日本がイニシアチブを取って、多国間協議を求め、日朝交渉、ひいては拉致問題の解決に結び付けていこうという考えはないでしょうか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(上川陽子君) 六者会合について御指摘をいただきました。 今後の対北朝鮮政策に関します国際的な取組の進め方について検討するに当たりましては、この六者会合の枠組みを含めまして、米国とも連携をしつつ、いかにして北朝鮮から前向きで具体的な行動を引き出していけるか、これを見極めることが極めて重要と考えているところであります。 拉致問題の解決のためには、我が国自身の主体的な取組に加えまして、国際社会と緊密に連携することが重要と考えておりますので、その意味で、関係各国、あるいは国際社会としっかりと連携をしながら、この日本の立場を繰り返し説明しつつ、何が最も効果的かという観点から引き続き不断に検討をしてまいりたいと考えております。
○川田龍平君 ありがとうございました。終わります。
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文でございます。 一日も早く帰国の実現をということを言いながら、この二十一年間一人も帰国を実現することをできなかったということで、本当にじくじたる思いでございますけれども、多分、被害者の御家族の皆さんにとってつらいのは、この問題が前に進んでいるのか、それとも後退しているのか、どうなっているのか、その状況が分からないということが大きいのだろうというふうに思いますし、これ、私たちもこの問題注目してまいりましたけれども、政府が動いているということは分かるんです。ただ、その情報がないので、これが進んでいるのかどうか分からないといったところもございます。 そんな中、先ほど川田委員の方からもありましたけれども、今年三月と五月の二回、日本政府関係者が東南アジアで北朝鮮の朝鮮労働党関係者と秘密接触をしたのではないかという報道がございました。これについては今お答えできないということで、そのお答えできないということはよく分かります。ただ、こういったことをもってして、この問題が前に進んでいるという認識があるのかどうなのか、この点についてまず松野担当大臣にお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えさせていただきます。 まず、報道については承知をしておりますけれども、事柄の性質上、お答えは差し控えさせていただきます。 いずれにせよ、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であります。引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでいきます。 岸田総理自身、これまでも、日朝間の懸案を解決し、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点からの総理の決意をあらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考えていると述べてきています。 十一月二十六日の国民大集会で総理からも述べられたとおり、政府として、そのために様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けており、そうした働きかけを一層強めていく考えであります。
○柳ヶ瀬裕文君 いや、これ、前に進んでいるのかどうかということをこれ力強く答えていただきたいというふうに思うんですね。やっぱりそれが希望だと思うんですよ。一歩も前に進んでいないんだということであれば、多くの希望が失われてしまうということだと思います。もちろん、その二国間の関係の中で言えないことはたくさんあるというふうに思うわけですけれども、先ほどもありましたように、これ、被害者の皆さんにはこういった状況になっているんだということを、できる範囲内でこれ結構ですから、しっかりとその進捗について御報告していただきたいというふうに思います。 この問題を解決するために私が重要だと思っていることは、やっぱり経済制裁です。この経済制裁をしっかりとやっていくこと、これが重要だというふうに思っているんですけれども、ただその反面、先般もありましたけれども、ミサイルばんばん飛ばしているわけですよ。核開発はどんどん進んでいると、こういう状況にあります。 この経済制裁が本当に実効性を持って行われているのかどうなのかということに対して疑義があります。これについて、経済制裁は今実効的に行われているという認識があるのかどうか、まずお伺いしたいというふうに思いますけど、これについてはいかがでしょうか。どうですか。
○政府参考人(林誠君) お答え申し上げます。 北朝鮮に対しては、度重なる核実験や弾道ミサイル発射等を受け、累次の安保理決議が採択され、特定品目の輸出入禁止や資金移転防止措置等、極めて厳しい措置が課されてきております。これに加えまして、我が国自身の措置といたしまして北朝鮮との全ての品目の輸出入禁止等の措置をとってきており、北朝鮮への人、物、金の流れを厳しく規制する措置を実施してきております。今月一日にも、アメリカ、韓国及び豪州ともタイミングを合わせ、新たな措置を発表したところでございます。 このような措置の効果でございますけれども、北朝鮮の厳しい経済状況と併せて考えた場合、一定の効果を上げているものと考えているところでございます。 今後とも、引き続き関係国と連携しつつ、関連安保理決議の実効性を確保するとともに、我が国としてとっている措置の実施を徹底していきたいと考えております。
○柳ヶ瀬裕文君 一定の効果を上げているんだという答弁でしたけれども、これ決定的な効果を上げていただきたいんですね。 その中で、心配をしているのが統一教会の問題です。 これは、過去、報道にもありましたけれども、一九九一年には、これ文鮮明氏から金総書記、当時の総書記に対して四千五百億円もの送金がなされたといった報道がされています。これ、米国国防省の報告書にこのことは記載されているわけですね。これは一九九四年ですよ。 こういった事実に対して日本政府は、これ、統一教会のお金というのはほとんどが日本のお金ですから、これ七割以上、日本からの韓国への送金ですよね。そこから四千五百億円送られたということですから、これ実態上は日本のお金が北朝鮮に送られているということにほかならないという重大な事案だというふうに思うわけであります。 この事実についてどこまで政府は把握をしているのか。また、米国とですね、これ米国国防総省に書かれている、報告書に書かれていることですから、米国とどういった折衝をしたのか、この点についてはいかがでしょうか。事務方で結構です。
○政府参考人(林誠君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘がありました、過去、旧統一教会から北朝鮮への資金提供が行われたとの報道があること、これは承知しておりますが、その真意を確認することは困難でございます。 その上で申し上げれば、旧統一教会に限らず、いかなる出どころの資金によるものであれ、北朝鮮による核・ミサイル開発は我が国及び国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できるものではございません。 我が国としては、現在、累次の国連安保理決議に基づく措置として、北朝鮮の核関連計画等に貢献し得る活動に寄与する目的で行う送金、送金の授受、資本取引等を禁止しており、また、我が国自身の措置として北朝鮮向け支払を原則禁止しているなど、必要な措置を講じているところでございます。こうした取組を継続し、実効性を高めていくことが重要と認識しております。
○柳ヶ瀬裕文君 これ全く把握してないわけですよね。これ、米国とはこれ交渉されたんですか、この件について。これ米国は把握されているということだし、その報告書にも載っているということで、それが報道のベースになっているわけですね。このことについて米国に確認を取っているのかどうか、この点についてはいかがですか。
○政府参考人(林誠君) お答え申し上げます。 御指摘のレポートについては承知しておりますけれども、具体的なアメリカとのやり取りにつきましては、外交的なやり取りでもあり、詳細については差し控えさせていただきたいと思います。
○柳ヶ瀬裕文君 差し控えるということは、差し控える必要性はないというふうに思うんですけど、これについてやり取りはしているということでよろしいんですか。
○政府参考人(林誠君) お答え申し上げます。 米国とのやり取りの具体的内容につきましては、具体的、言及することは差し控えたいと思っております。
○柳ヶ瀬裕文君 いや、ですから、これ、報告書にこの四千五百億円が送金されたということが書かれているわけですね。これオープンになっているわけですよ、このことが。で、日米は安保理を基にこういった送金をしている個人や団体に対して資産凍結をしているわけです。でも、安保理決議の中にこの統一教会は団体として指定されていないと。おかしくないですか、これは。私はおかしいと思いますよ。なぜこういったことになっているのかということですよね。 今日、キングリッチさんが岸田総理と会って、キングリッチさんというのはアメリカの米下院議長でありまして、私も三か月前にお会いしてきましたけれども、この下院議長とお会いしたときに統一教会の関係者がいたんだということが報道になりました。この報道に対して私は何かを言うものではありませんけれども、つまり、アメリカの政界にも統一教会はかなり深く根を張っているんですね。だから、これ安保理決議に、これだけの報告書があって、四千五百億円の莫大な金ですよ、そういった報告があるのに、安保理決議に載っていないということはおかしいと思いませんか。 ですから、これは日本側としても、この統一教会、日本を原資とする統一教会のお金が北朝鮮に行っていないかどうかということを、これ徹底して調査していただきたいというふうに思いますし、その結果をもって安保理決議に載っけてこの資産凍結ということ、まあ今財産保全措置の委員会でこれかんかんがくがくの議論はしていますけれども、その一方で、安保理の決議に載せてこの財産を凍結するということを日本から訴えかけていくということが必要だと思いますけれども、この点については、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 今答弁をしたところでございますが、過去に旧統一教会から北朝鮮への資金提供が行われたとの報道、これについては承知をしておりますが、その真偽を確認することはなかなか困難であるということでございます。その上でで申し上げるところでありますが、旧統一教会に限らず、いかなる出どころの資金によるものであれ、北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できないということであります。 現在、累次の国連安保理決議に基づきまして、その措置として、こうした核関連計画等に貢献し得る活動に寄与する目的で行う送金、送金の受取、授受、それから資本取引等を禁止し、また、我が国自身の措置として北朝鮮向けの支払を原則禁止しているということなど、必要な措置を講じているところであります。こうした取組の継続した、また実効性を高めていく、このことが何より重要と認識をしているところであります。
○柳ヶ瀬裕文君 これ、真偽の確認が困難だということですけれども、実は報道はかなり次から次へと出てきていて、統一教会の元最高責任者が日本の金を北朝鮮に送っているんだということをまことしやかにこれインタビューに答えているわけですよ。そういったことをしっかりと調査をしていただきたいわけです。 そして、今、じゃ何が心配なのかといったならば、今まだ莫大な財産持っていますよ。で、その財産保全をどうするのかということをやっているわけですけれども、このお金が今まさに次から次へと北朝鮮に送られているという可能性があるんじゃないかということを心配しているわけであります。この点についての調査についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 今いろんな措置について言及をさせていただきましたけれども、その調査、措置に対しまして常時点検をしているところでございます。 北朝鮮の核関連計画等に貢献し得る活動に寄与する目的で行う送金、送金の受取、資本取引等を禁止する累次の安保理決議、この着実な実施、これが何よりも大事でありますが、それに加えて、我が国自身の措置として北朝鮮向けの支払を原則禁止するなど、日本から北朝鮮への金の流れを厳しく規制する措置を実施してきているところでありまして、以上の措置について常時点検をしてきているところであります。
○柳ヶ瀬裕文君 これ、岸田総理が点検するんだということを言って、それを常時点検しているんだということに言い換えているということは私は存知していますけれども、これしっかりと点検をしていただきたいというふうに思います。 一点、ちょっと御答弁を取っておきたいと思いますけれども、これ、安保理の決議に基づく資産凍結については、これ宗教法人もこの団体から、対象となる団体から除外されないということでよろしいでしょうか。この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 特定の宗教法人が含まれ得るかにつきまして予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきますが、一般論として、我が国の資産凍結等の対象として国連安保理決議により禁止された活動等に関与する団体、個人を指定する際に、特定の法人格を有する団体が排除されるものではございません。
○柳ヶ瀬裕文君 ですから、これ、宗教法人もこの安保理決議による資産凍結の対象になり得るということの御答弁だったというふうに思います。 ですから、なおさらですね、これ安保理決議にしっかり働きかけていく、その前の調査、これは日本が主体になってやるべきものなんだろうというふうに思いますので、是非これお願い申し上げたいというふうに思います。 ですから、これ、一方では経済制裁をするんだということを言っていろんな蛇口を閉めておきながら、片一方では日本からお金が流れている可能性があるということですから、これ、やっていることがあべこべなことになるんですね。しかも、かつ、その送金を我々の、我が国の政治家がアシストするというようなことがあったとするならば、それはとても許されざることだということを申し上げておきたいというふうに思います。 是非、この点については政府におかれまして徹底して調査をしていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。
○川合孝典君 国民民主党の川合孝典です。 持ち時間が短いので、早速質問に入らせていただきたいと思います。 衆議院側で我が党の田中健議員からも質問があったかと思いますが、北朝鮮向けラジオ短波放送「しおかぜ」のことについて両大臣にお伺いをしたいと思います。 まず、外務大臣、拉致問題担当大臣、それぞれにお伺いしたいんですが、現在、北朝鮮に拉致されている被害者に対してメッセージを送るための短波放送ラジオとして「しおかぜ」の活動をしていることは御承知かと思いますが、この「しおかぜ」の活動についての評価と認識をそれぞれお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 北朝鮮域内への情報伝達手段が限られている中、拉致被害者の方々や北朝鮮市民、北朝鮮当局に対し、日本政府や日本国民、さらには国際社会からのメッセージを伝達する手段として、北朝鮮向けラジオ放送は極めて効果的であると考えています。 政府としては、北朝鮮向けラジオ放送「ふるさとの風」及び「日本の風」を運営するとともに、特定失踪者問題調査会との間の業務委託契約を通じ、調査会が運営する北朝鮮向けラジオ放送「しおかぜ」の番組の中で政府メッセージの送信を行う等、調査会と連携してきています。 今後とも、調査会と連携して、北朝鮮向けラジオ放送の充実強化ができるようにしっかりと取り組んでいきます。
○国務大臣(上川陽子君) このラジオ放送、この北朝鮮向けのラジオ放送につきましては、今ネット社会でありますので様々なルートがあろうかと思いますけれども、いろんなチャネルを利用して、活用して、そして丁寧にこの情報を伝達していく、こうしたことを継続していくということは極めて重要であるというふうに認識をしているところであります。 今、拉致問題担当大臣の御説明のとおりでありまして、北朝鮮向けのラジオ放送として、政府は、「ふるさとの風」、これは日本語ということでありますし、また「日本の風」として韓国語で運用しているということであります。そして、民間の団体であります特定失踪者問題調査会自らが運営をする北朝鮮向けのラジオ放送「しおかぜ」、この中で政府のメッセージも送信していただいているというふうに承知をしているところであります。 北朝鮮域内への情報伝達手段が極めて限られているという中にあって、こうして拉致被害者等の日本人や北朝鮮市民や北朝鮮当局に対しまして、日本の側から、政府や日本国民、さらには国際社会からのメッセージ、これを伝達する手段としてこれまでも北朝鮮向けのラジオ放送は大きな効果を果たしてきたというふうに私は思っておりますし、これからも途切れることのなくそれを伝達することが大事ではないかと、こんなふうに思っております。
○川合孝典君 前向きに御答弁いただきまして、ありがとうございます。 わざわざ今更この質問させていただいた、その問題認識なんですが、かつてイラク戦争が起こったときに、イラクに取り残されたイラク在留の日本人の方、この方々や欧米の方で、要は拘束された方々が一か所にまとめて拘束されたんです。そのときに、BBCやボイス・オブ・アメリカは一時間に一回ずつ人質の方に対して元気付けのためのメッセージを発信しているんですよね。それに対して日本がどうだったかというと、相撲の取組の結果やお料理番組をやっていたということで、そのとき拘束されていた日本人の方が非常に惨めな思いを、日本人に生まれてよかったのかと、こういったことまで真剣に悩まれたという、そういった実は書籍があります。 メッセージを発信するということについて、残念ながらアメリカやイギリスに比べて日本は極めて弱いということを是非御認識いただいた上で、今両大臣が御答弁いただいたことについての取組を是非進めていただきたい。一言でも頑張れと、必ず助けるからということを国としてメッセージとして発信することがどれだけ拉致された方々を勇気付けるのかということをもっと重く受け止めていただきたいと思います。 その上で、「しおかぜ」の関係について、これは拉致問題担当大臣にお伺いしたいと思いますが、実は二〇〇六年以降、「しおかぜ」の放送をやっておりますが、この二〇〇六年以降、この「しおかぜ」に対して、この周波数帯に対して強力な妨害電波がずっと出され続けております。電力不足の北朝鮮でこれをやろうと思ったら、相当なお金、手間暇掛けていないといけないということなんですが、これが二〇〇六年以降ずっと続いている。 この状況の中で短波放送を届けるためにということで、妨害電波対策として実は二重放送、ほかの周波数帯を使って同時刻に放送をしていると。いろいろ知恵を絞ってメッセージを届けているんですが、今回、NHKのいわゆる経営効率化等々の計画の中で、二〇二四年以降に、老朽化した百キロワットの短波発信機、これ八俣の発信所に置かれているものですが、これを二機廃棄をするということになっています。 その結果として、工事期間中、十か月ほど妨害電波対策としての二重放送ができなくなるということが懸念をされているわけでありますが、こうした事実関係を御承知なのかということと同時に、このことに対してどのように対応されるのか、このことをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。 「しおかぜ」の送信機については、短波放送施設を所有、管理しているKDDI、「しおかぜ」の免許人であり設備を賃借している特定失踪者問題調査会、同様に設備を賃借しているNHKとの三者間での取決めに基づいて運用されており、現在、これらの、これら関係の三者間で設備移行に向けた協議が行われていると伺っています。 御指摘の送信機の廃棄に伴う移行工事期間中は一時的に一波での送信となると聞いていますが、この作業は移行後も「しおかぜ」を二波体制で安定的に継続していくために必要な作業であると認識しています。 政府としては、関係の三者間で協議を尽くしていただき、「しおかぜ」の担う重要な役割等を踏まえ、拉致被害者等に向けた情報発信に支障が生じないよう適切に対応してまいりたいと考えております。
○川合孝典君 三者協議をきちんと進めていただくことで適切な対応をということは、御答弁そのとおりだと思いますが、問題提起をしたことに対して、協議を行った上で対応を図りますという返事だけがあって、具体的にどうするといったことについての回答がなかなか得られないということも聞いております。 したがって、KDDIやNHK任せにするのではなく、要は、岸田内閣の大切な重要課題であるとおっしゃっているわけでありますから、このことについては政府がもっと主体的に働きかけを行っていただくことをお願いしておきたいと思います。 時間の関係があるので、一問質問を飛ばしまして、外務大臣に質問させていただきたいと思います。 今回、短波発信機を更新を、要は廃棄をするということの動きになっておりますけれども、皆さん御承知のとおり、近代戦、ウクライナ侵略のときで明らかになりましたけど、近代戦は一番最初にインターネット環境を遮断するところから始まります。そうなったときに、当然のことながら、アナログ放送というものが唯一の通信手段になることが十分に考えられる。そうしたことを踏まえて、BBCや台湾のRTIは短波放送の強化に走っているんです、今。 アナログ通信の必要性というものが世界的にも再認識されているという状況の中で、日本もこの周辺有事、きな臭い状況に置かれているわけでありますので、安全保障や危機管理の観点からアナログ放送の維持や見直しですね、こういったものも当初計画を立てた数年前と今とでは環境が変わっているという問題認識の下に見直すことを検討すべきなのではないのかと私思いますが、外務大臣の御認識を最後お伺いして、終わりたいと思います。
○国務大臣(上川陽子君) 政府といたしましては、これまでも様々な手段を通じまして、我が国の政策や取組、また立場に対しまして、国際社会の理解とそして支持を得るための戦略的な対外発信を展開してきているところであります。この重要性についてはこれから、これまでもそうでありますが、これからますます重要になると私自身認識しているところであります。 御指摘のアナログ放送につきましては、外務省所管ではございませんが、NHKワールドJAPANが一部の国・地域におきまして多言語での短波放送を実施しているということでありまして、これは極めて重要なツールであるということを認識しているところであります。 引き続き、国際社会の理解と支持を得るために、政府一体となりまして、この様々な通信手段を活用していかに戦略的かつ効果的に発信できるかということについては不断の検討をしてまいりたいと思っております。
○川合孝典君 丁寧に御答弁いただきまして、ありがとうございます。 台湾、ちなみに台湾なんですが、台湾海峡有事に備えてということで、この三百キロワット発信機七機プラス百キロワット送信機が四機ということで、十一機持っているんですね。日本の八俣送信所は、元々三百キロ五機と百キロワット二機の七機だったものを、二〇二四年以降、四機に減らすと。したがって、それだけチャンネルが大幅に減るということでありますので、物理的にやりたくてもできなくなる可能性があるという、そういう危機意識を持って質問させていただいたということを受け止めていただきたいと思います。 済みません、終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 横田めぐみさんが拉致されて四十六年。被害者家族の高齢化が進み、残念ながら、帰国を待ちわびながら無念の中で多くの方が亡くなっております。 四月の質疑の際に、昨年十一月の新潟市への委員派遣のときに、被害者家族や自治体首長らから、拉致問題について国からの何も情報がないと、こういういら立ちの声を紹介をいたしました。その後、五月に福井県の小浜市に委員派遣で参りました。その際にも、政府からこの間の日朝間の協議について何ら具体的な情報がないという声が出されたわけであります。私は、今日の質疑はこういう声にやっぱり応えるべき場だと思うんですね。 一方、小浜の、小浜市に行った際には、直前に開かれた五月二十七日の国民集会で、岸田総理、首相が、首脳会談を早期に実施すべく、私直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと初めて言明をされたことに期待をする声も聞かれました。 この首相直轄のハイレベルの協議と、ハイレベルで協議というのは、それ以前とどう違うんでしょうか。この発言以降、首脳会談実現へどのように体制や取組を強化をしてきたのか、まずお答えください。
○国務大臣(上川陽子君) 岸田総理は、御指摘の五月二十七日の国民大集会におきまして、日朝間の懸案を解決をし、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点からの総理の決意、これをあらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考えている、こう述べられたところであります。 御指摘の総理直轄のハイレベルでの協議につきましては、岸田総理から、大胆に現状を変えていくために、総理自身が主体的に動き、トップ同士の関係を構築していくことが極めて重要であるとの趣旨を述べられたとおり、大局観に基づいて総理自ら決断するという決意を示されたものと考えております。 政府といたしましては、このような協議の実現のために様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けておりまして、そうした働きかけを一層強めていく考えでありますが、北朝鮮への働きかけに関する具体的な内容などにつきましては、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることは差し控えさせていただきます。
○井上哲士君 どうこの取組が変わったのか、総理の決意が変わっただけなのか、今のお話ではちょっとよく分かんないんですよね。決意だけで実態は変わらないというんであれば、まさに言葉だけでやっている感を出していると言われても仕方がないわけで、今日の質疑に期待をされている皆さんもがっかりされると思うんですね。 九月二十九日の朝日の報道では、この首相のハイレベル協議発言は、松野官房長官が首相に強く進言されたとされ、官邸関係者が、我々は水面下で努力しており、何もしていないわけじゃないことを発信したかったと語っていらっしゃるんですね。 そうであれば、できる限り、今この発言以降、取組強化しているんだと発信していただきたいと思うんですね。官房長官、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 先ほど外務大臣から御答弁をさせていただいたとおりでありますし、十一月二十六日の国民大集会で総理からも述べられたとおり、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベルで協議を行っていくために様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けており、そうした働きかけを一層強めていく考えであります。 北朝鮮への働きかけに関する具体的内容に関しては、今後、交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○井上哲士君 やはりもっと発信をしていただきたいと思うんです。それがやっぱり関係者の皆さんを励ますことにもなると思うんですね。 この首相の発言の二日後に、北朝鮮の外務次官が朝鮮中央通信を通じて談話を発表いたしました。もし日本が過去にとらわれず、変化した国際的流れと時代にふさわしく互いをありのままに認める大局的姿勢で新たな決断を下し、関係改善の活路を模索しようとするなら、朝日両国が互いに会うことができない理由はないというのが共和国政府の立場であるというものでありました。 これに対して、五月三十一日の読売新聞は、日本政府の発言を無視することが目立つ北朝鮮が首相発言の直後に反応したことに外務省は一定の変化を感じ取っていると、こう報道をいたしました。 外務省として北朝鮮の反応をどう受け止めていらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(林誠君) お答えいたします。 御指摘の談話についての報道については承知しておりますが、北朝鮮の意図や我が国の受け止め等についてお答えすることは、今後の交渉に悪影響を及ぼすおそれがありますことから差し控えたいと思います。 十一月二十六日の国民大集会で総理が述べられたとおり、様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けてきておりますが、御指摘のような北朝鮮側の個別の発言、発信いかんにかかわらず、政府としてはそうした働きかけを一層強めていく考えでございます。
○井上哲士君 これまでの個々の発言ではなくて、外務次官が直後に発言をしたということにこれまた違いがあるということに指摘もされ、報道もされているんですね。 どう見るか、いろんな声があります。米日韓のくさびを打ち込むつもりじゃないかとか、朝鮮が、北朝鮮が行き詰まりの中で日本を選択したとか、いろんな報道があるわけでありますが、一定の変化を感じ取っていると、こういうことはあるわけですか。
○政府参考人(林誠君) お答え申し上げます。 繰り返しになりますけれども、報道は承知しているところでございますけれども、受け止め、北朝鮮の意図、それからさらに我々の受け止めについては、お答えすることは、今後の交渉に悪影響を及ぼすことが、おそれがありますことから差し控えたいと思います。
○井上哲士君 意図とか受け止めを言っているんじゃないんです。変化、これまた違った対応だということについては認識をしているということについて聞いています。
○政府参考人(林誠君) 政府といたしましては、日頃から北朝鮮の情勢については情報収集、分析などを行っておりますけれども、具体的に内容についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○井上哲士君 ちゃんと答弁していただきたいんですけどね。 こうした動きの中で、七月三日付けの韓国の東亜日報はこう報道いたしました。複数の情報筋によると、北朝鮮と日本は最近二回以上水面下で接触を行ったという、情報筋は、両国の実務陣が中国とシンガポールなどで会ったと知っていると明らかにした、続けて、日本が米国にも事前に会談の事実を伝えたと聞いていると付け加えたと、こういう報道でありました。松野大臣は、当時、官房長官の会見で、報道の内容は承知しているが、事実ではないと述べられました。 一方、先ほど来ありますように、九月に朝日がこの韓国紙と同様の日本と北朝鮮との接触を報じた際に、大臣は会見で、事柄の性質上、お答えは差し控えるとしましたけれども、事実ではないと述べられませんでした。先ほど来の答弁もそうなんですね。 十一月二十六日の拉致問題の解決を求める集会で、総理が改めて、私直轄のハイレベル協議を行いたい、そのために様々なルートで働きかけを続けていると、続けていると、こう述べられたわけですね。 つまり、この間の働きかけは認めているわけでありますが、つまり、松野大臣の二回の関係でいいますと、報道には具体的な部分で事実でないものがあるけれども、日朝間で接触が行われたということ自体は否定をしていないということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 北朝鮮に対しては、水面下を含め、様々な働きかけを行ってきているところであります。こうした取組を進めるに当たって、北朝鮮への接触の方法、内容、形式といった詳細を明らかにすると、例えば北朝鮮側が今後の日本側のやり取りをちゅうちょするなど、日朝間の協議のために機微にわたる調整が一層複雑化するといった様々な悪影響が出る可能性が排除されません。 こうした考えの下、今後の北朝鮮とのやり取りに支障を来すおそれがあることから、その詳細についてお答えを差し控えてきており、御理解をいただきたいと思います。
○井上哲士君 詳細まで求めているわけでないわけでありますけど、冒頭申し上げましたように、多くのやっぱり関係者の皆さんが、どういうふうに前進してきているんだろうか、変化があるんだろうかと、やっぱりそれを思っているわけですよね。それにできるだけもっともっと政府として応えていただきたいということを強く求めまして、質問を終わります。
○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。 私は、参議院議員になってからほとんどの期間、本特別委員会に所属しております。過去四回質疑を行いましたが、政府からは明確な答弁をいただけることがほとんどありませんでした。本日は、角度を変えて、本質的な質問をさせていただきたいと考えております。松野大臣、上川大臣、本日もよろしくお願いいたします。 上川大臣にお聞きします。 そもそも拉致問題はなぜ起こったとお考えでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) お答えをいたします。 二〇〇二年九月の日朝首脳会談におきまして、金正日国防委員長は、特殊機関の一部の妄動主義者らが英雄主義に走ってかかる行為を行ってきたと考えているとし、その理由として、一つは特殊機関で日本語の学習ができるようにするため、二つ目は他人の身分を利用して南に入るためである旨述べ、拉致を認めて謝罪をいたしました。 我が国といたしましては、拉致問題のこの全面解決に向けて、この拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、拉致に関する真相究明並びに拉致実行犯の引渡しのために引き続き全力を尽くす考えでございます。
○舩後靖彦君 ありがとうございます。 同じ質問を松野大臣にもお聞きします。 松野大臣はなぜ拉致問題が起こったとお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 外務大臣の答弁と同趣旨でございますけれども、平成十四年に行われた日朝首脳会談での当時の金正日国防委員長による説明や、よど号犯人の元妻の証言を含め、諸情勢を分析しますと、拉致の主要な目的は、北朝鮮工作員が日本人のごとく振る舞えるようにするための教育を行わせることや、北朝鮮工作員が日本に潜入して、拉致した者に成り済まして行動ができるようにすることのほか、金日成主義に基づく日本革命を行うための人材獲得にあったと見られますが、北朝鮮による拉致事件については、現在、我が国の警察当局による捜査が引き続き行われているところであり、拉致に関する真相が必ずしも全て明らかになっているわけではないことから、現時点で確定的なことを申し上げるのは困難と考えております。
○舩後靖彦君 松野大臣、ありがとうございます。 では、上川大臣、拉致問題がここまで長い間解決に至らない根本原因は何だとお考えですか。
○国務大臣(上川陽子君) 北朝鮮による拉致が発生して長い年月がたった今も、二〇〇二年に五名の拉致被害者の方々が帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現していないことは痛恨の極みでございます。拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題と考えております。 現在の状況に至っている背景についての御質問でございますが、様々な要因があると思っておりまして、御質問の根本的な原因として一概に特定の事柄を挙げるのはなかなか困難でございます。また、この点に係る認識について述べることが今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることは適切ではないということも御理解いただきたいというふうに思います。 政府といたしましては、引き続き、国際社会とも緊密に連携しながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動してまいります。
○舩後靖彦君 大臣の痛恨の極みという思いは私も一緒です。日本と北朝鮮間の歴史の総括が今こそ必要と感じております。 次は、順番を変えて、松野大臣にお聞きします。 岸田総理は、十月の所信表明演説で、大局観に基づく判断をするとおっしゃいました。松野大臣は、記者会見で、日朝間の実りある関係を築くという大局観と解説されていますが、理解がしづらいので、誰もが分かるように解説していただけますか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 総理は、これまでも、日朝間の懸案を解決し、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点からの総理の決意をあらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考えていると述べてきているところであります。 御指摘の表現につきましては、こうした観点も踏まえ、日朝間の懸案解決に向けて一歩でも前に進めていくという決意を表現したものであり、日朝双方の利益に合致し、地域の平和と安定にも大きく寄与する、日朝間の実りある関係を築いていくという大局的な観点から総理自ら判断していくという決意を述べられたものと承知しています。
○委員長(山谷えり子君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山谷えり子君) 速記を起こしてください。
○舩後靖彦君 代読いたします。 お尋ねします。ハイレベルとはどのレベルかを言うのか、具体的にお示しください。
○国務大臣(松野博一君) 御指摘の総理直轄のハイレベルでの協議については、岸田総理から、大胆に現状を変えていくために、総理自身が主体的に動き、トップ同士の関係を構築していくことが極めて重要であるとの趣旨を述べられたとおり、大局観に基づいて総理自ら決断するという決意を示されたものと考えています。 いずれにせよ、政府としては、このような協議の実現のために様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けており、そうした働きかけを一層強めていく考えでありますが、北朝鮮への働きかけに関する具体的な内容などは、今後の交渉に影響を及ぼすおそれがあるため、明らかにすることは差し控えさせていただきます。
○舩後靖彦君 質疑のたびに申し上げておりますが、拉致被害者家族の高齢化が進む中、拉致問題の解決は一刻の猶予も許されません。政府はあらゆるチャンネルを使って問題解決に全力を尽くしていただくようお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○新妻秀規君 まず冒頭、委員長、理事、委員各位の皆様の御理解いただきまして、総務委員長の私、所管に触れないという制限の下、質疑の機会いただけたことを感謝したいというふうに思います。 それでは、質疑に入らせていただきます。 まず、拉致問題をめぐる首相直轄のハイレベル協議を通じての拉致問題解決への決意を拉致問題担当大臣、そして外務大臣に伺いたいと思います。この件は、川田先生、また井上先生始め皆さんも質疑されていますけれども、私からも問いたいというふうに思います。 首相は、五月二十七日に開催されました北朝鮮による拉致被害者の救出を求める国民大集会において、この協議について言及をされました。北朝鮮側も、外務次官がその二日後の五月二十九日に、日本が新たな決断をし、関係改善の活路を模索しようとするならば、会えない理由はないとの談話を公表いたしました。 また、首相は、この国会冒頭の十月二十三日、衆参両院での所信表明演説で、金正恩総書記との首脳会談を実現するために大局観に基づく判断をしていくと表明され、改めて直轄ハイレベル協議にも触れられました。 ここで、直轄ハイレベル協議を通じての拉致問題解決への決意を、まず拉致問題担当大臣、そして外務大臣の順にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 我が国の北朝鮮への対応については、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して日朝国交正常化の実現を目指すというものであります。とりわけ、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であります。引き続き、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでいきます。 岸田総理は、これまでも、日朝間の懸案を解決し、両者が共に新しい時代を切り開いていくという観点からの総理の決意をあらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるとともに、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベルで協議を行っていきたいと考えていると述べてきています。引き続き、総理の指示の下、拉致問題の解決に向けて全力で取り組んでいきます。
○国務大臣(上川陽子君) 我が国の方針でございますが、日朝平壌宣言に基づきまして、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決をし、不幸な過去を清算して日朝国交正常化の実現を目指すという方針でございます。その中でも、この拉致被害者の御家族の問題、大変御高齢となる中におきまして、時間的制約のある問題であるということであります。ひとときもゆるがせにできない人道問題と強く認識しているところであります。 総理は、これまでも、日朝間の懸案を解決をし、両者が共に新しい時代を切り開いていく、こうした観点から御決意をあらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝え続けるということに取り組んでこられました。そして、首脳会談を早期に実現すべく、総理直轄のハイレベルでの協議を行っていきたいと考えている、こうしたメッセージも強く述べてきたところ、述べてこられたところであります。 こうした思いは十一月二十六日の国民大集会でも述べられたところでありまして、様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けていく、そうした思いで進めてまいりたいと思っております。
○新妻秀規君 今両大臣から答弁にございましたように、この時間的制約、ここを意識しながら、この首相直轄のハイレベル協議を有効に活用して問題の解決に迅速に当たっていただきたい、この思いであります。 続きまして、北朝鮮によるいわゆる衛星打ち上げを受け、我が国の観測体制、そして情報収集、そして分析能力の問題意識と今後の取組方針について、これは防衛省に伺います。 北朝鮮が二十一日夜に、十一月の二十一日夜に発射した物体が地球を周回していることが確認されました。これは国連の安保理の決議への違反であり、断固抗議をするものであります。十一月二十九日の参議院での抗議の決議に対し、総理は、米韓と連携し、情報収集、分析の徹底、また国民への適時適切な情報共有、こうしたことに言及をされております。 ここで、日本政府、防衛省は、当時、地球周回軌道への衛星の投入は確認されていないとしておりました。そして、北朝鮮の国営通信が二十二日に地球周回軌道に投入したと報じ、また、韓国軍も二十二日に軌道に入ったとの見解を発表いたしました。防衛省は、自衛隊のレーダー情報を始め、米国や韓国からの情報を精査した上で、先ほどの見解を二十四日に発表いたしました。これは国民の保護に関する極めて重要な情報なのに、確定まで少し時間が掛かり過ぎている、このようにも感じます。 北朝鮮の能力が向上していることを認めざるを得ないという新しい状況を受けて、情報収集衛星や宇宙状況監視など自前の観測体制について課題をどう認識しているのでしょうか。また、米国との情報連携はもとより、韓国とはせっかく軍事情報包括保護協定がこの三月に正常化したのに、情報が有効に生かせていないのではないか、このように疑念を抱くところでもあります。 情報の収集、分析能力の強化と判断の迅速化に向け、日米韓の実務部隊の机上演習の強化なども考えられると思いますが、どのように取り組んでいくのか、御答弁をお願いします。
○政府参考人(今給黎学君) お答え申し上げます。 我が国周辺におけます軍事活動が活発化する中、我々、様々な手段を適切に活用し、宇宙領域に係る情報収集、分析能力を向上させることが不可欠であると考えております。そうした観点から、情報収集衛星や民間衛星等を活用した画像情報の収集、分析体制を強化するとともに、宇宙領域専門部隊の拡充を図るなど、宇宙領域把握、能力の強化にも取り組んでおります。 その上で、委員御指摘のとおり、北朝鮮の核、ミサイルをめぐる状況を含め、日韓両国を取り巻く安全保障環境が厳しさと複雑さを増す中、地域の平和と安定を確保するためには、日韓、日米韓の強固な連携が極めて重要であると考えております。 このような認識の下、韓国との間では、北朝鮮による弾道ミサイル等の発射に関しまして適切に情報交換を行っておりますし、日韓双方が収集した情報や分析結果を共有をしております。さらに、本年十一月には日米韓宇宙安全保障対話も行われておりまして、宇宙領域把握に関しましても、こうした取組と連携し、米韓を含め、同盟国、同志国との更なる連携強化を図ってまいります。
○新妻秀規君 是非ともこの御答弁にあった取組を更に推進をしていただきたい、この思いであります。 最後に、拉致、核、ミサイルの問題につきまして、日中韓の枠組みを通してのアプローチ、これ外務大臣に伺います。 北朝鮮を動かすには、後ろ盾の中国を巻き込むことが大切という指摘がございます。十一月二十六日には韓国釜山で日中韓外務大臣会合が行われましたが、これは二〇一九年以来四年ぶりとなります。 拉致、核、ミサイル問題についてどのような議論、進展があったのか。また、今後どのようにして共通の懸念に取り組んでいくのか。さらに、日中韓の首脳会談が二〇一九年以来途絶えているが、途絶えていますけれども、外相会合では日中韓首脳会談の早期実現が確認されたというふうに伺っておりますが、どのように取り組んでいかれるか。また、核・ミサイル問題はもとより、拉致問題の解決も議題のテーブルにのせるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(上川陽子君) 十一月二十六日に韓国釜山で行われました日中韓外相会議におきましては、この北朝鮮情勢に関しまして、最近の北朝鮮による衛星打ち上げを目的とする弾道ミサイル技術を使用した発射も踏まえ、意見交換を行ったところでございます。私からは、朝鮮半島の完全な非核化に向け、国連安保理決議の完全な履行を含め、しっかりと取り組むべきである旨を述べました。そして、拉致問題の即時解決に向けた引き続きの理解と協力を改めて求めたところでございます。 日中韓のサミットにつきましては、三か国の間で、なるべく早期で適切な時期の開催に向け作業を加速化することで一致をしており、今後、早期の開催に向けまして日程調整を行ってまいります。 現時点でサミットの議題等を予断することは差し控えさせていただきますが、我が国といたしましては、拉致、核、ミサイル問題を始めとする北朝鮮への対応に関しまして、首脳や外相を始め、引き続きあらゆるレベルで緊密に意思疎通を図ってまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 一日も早いこの三か国の首脳会談の実現に向け、この議題の調整も含め、迅速化を図っていただきたいと思います。 以上です。
○山田宏君 自由民主党の山田宏でございます。 官房長官、もうすぐ記者会見ということでございますので。 この間、予算委員会を見ておりましたら、大臣の中でブルーリボンを付けていない人が何人もいたと思います。このブルーリボンというのは、拉致被害者を全員奪還するんだという決意を示している内閣の最重要課題だと認識をしておりますけれども、これはやはり閣僚全員はやっぱり付けるべきじゃないかと、こう思っているんですが、官房長官、いかがでしょう。
○国務大臣(松野博一君) お答えさせていただきます。 全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現するため、毎年十二月十日から十六日までの北朝鮮人権侵害問題啓発週間の前に開かれる閣僚懇談会では、日本国民が一体となって拉致被害者を取り戻す強い意思を示す機会にするため、全閣僚にブルーリボンの着用を呼びかけているところであります。 私自身は常にブルーリボンを着用していますが、引き続き、国民の皆様から拉致問題に関する一層の理解と支援を得るために、ブルーリボンの着用も含め、様々な形で取組を進めてまいりたいと考えております。
○山田宏君 いやいや、岸田内閣の最重要課題なんだから、閣僚全員はその意思を示すためにきちっとブルーリボンを付けてほしい、こう考えております。名前は言いませんよ、付けていない大臣もよく分かっておりますから。 しかし、よく閣僚で、閣議のときに総理からもそのように要請するようにお願いしたいと思いますが、官房長官、いかがですか。
○国務大臣(松野博一君) 先ほども申し上げましたけれども、まず、この拉致問題は岸田内閣の最重要課題であると。このことは全ての閣僚が理解をしているところである、ありますけれども、ブルーリボンの着用も含めて様々な形で取組を進めてまいりたいと、その在り方について検討してまいりたいと考えております。
○山田宏君 検討じゃないんだよな。まあいいや。 それでは、先ほどからいろいろ議論になっております、もう総理の決意でもあるし、外務大臣からも官房長官からもお話がございました、時間的制約のある中で解決しなきゃいけないと。この時間的制約なんですけれども、言わば親世代というものがだんだんだんだん少なくなってくる、こういった中で、この時間的制約の意味というのはどういうふうに捉えたらいいんでしょう。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 お尋ねの総理の言葉については、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、何としても肉親との対面を果たしたいとの拉致被害者御家族の強い思いを受け、拉致問題は時間的制約のある、ひとときもゆるがせにすることができない人道問題であることを強調されたものと認識をしています。 拉致問題は、我が国が特に主体的に時間的制約のある中で取り組まなければならない課題であり、御家族はもとより、国民の間に差し迫った思いが強まっています。こうした差し迫った思いをしっかりと共有しながら、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現すべく、引き続き全力で果断に取り組んでまいります。
○山田宏君 官房長官、もうお時間なので。 この時間的制約というのは、制約なんだからどこかで超えるというときがありますよね。どこがラインなんですかね。ここから先はもう制約を、時間的制約を超えてしまったというラインというのはどこなんですか。つまり、今の親世代が全員いなくなったときなんでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど申し上げましたけれども、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、何としても肉親との対面を果たしたいと、このことの実現を考えた上での時間的制約という表現でございます。
○山田宏君 この間の国民大集会のとき、どうぞ、いいですか。
○委員長(山谷えり子君) いいですか。
○山田宏君 どうぞ。
○委員長(山谷えり子君) 松野国務大臣は御退席いただいて結構でございます。
○山田宏君 あと、工藤副大臣を、よろしくお願いします。 この時間的制約について、家族会の、家族会の会長である横田拓也さん、めぐみさんの弟さんがこのように発言をされております。親世代がいる間に帰国を実現できなければ、仮にその後に帰国が実現しても、北朝鮮に対する猛烈な怒りしか残らない、こう言っているんです。要は、親世代がいる間に親と子が抱き合って再会を果たす、これができなければ意味がないと言っているんですよ。 つまり、これができなければ、親世代いなくなってしまったら、もう北朝鮮への人道支援どころじゃない、もう何もかもチャラだと、検討しない。だから時間的制約と言うんじゃないでしょうか。この辺、いかがでしょう。
○副大臣(工藤彰三君) 山田委員にお答え申し上げます。 おっしゃるとおりでございまして、私も十一月の十一日の県民大会に新潟で参加させていただきました。書面も、署名簿も四ついただきました。 その前に、拉致問題の家族会の代表で、現代表であります横田拓也さん、哲也さん、お二方とお話をさせていただきました。物静かな方でありましたが、大変厳しい熱を持って、こちらの政府に対して今まさにおっしゃったとおりのコメントがあり、親が生きている間に見付けること、そして探し出して対面できなければ、それは政府として本当に日本という国家は認められるんかというぐらいの言葉がありました。そして、その会場においては、議事録等、ビデオもありますけれども、あの方々は、この会場に北朝鮮関係の方がいても構いませんと、私たちはそれぐらいの決断を持ってここに臨んでおります、そのことは政府はしっかり分かっていただきたいし、そのために副大臣が見えているんですけど、あなたはどう思われますと。 最後の別れのときも、何が何でも出していただきたい、これで自分の母ばかりじゃなく関係者がお亡くなりになったらこの活動というのは何も残らないということと、もう一点、別の点、観点では、米子でおかれました大会で、蓮池薫さんから、昼の間に二十分ほど会談を持つことができまして、いろいろお話を聞かせていただいて、これはもう国家的な一番の、まあ一丁目一番地と言われる最重要課題ということならば、当然、小中学生に歴史観として残すべきであって、そしてその彼らが意識がある間に北朝鮮に拉致された家族を戻していただきたい、これが国家としての仕事じゃないんでしょうか、それはなかなか情報収集の件で出すこと出せないことがございますが、そのことについてきちっと対応してもらいたい、是非とも頼むと、そういう厳しいことを承ったことを申し述べます。
○山田宏君 いろいろと副大臣、御説明ありがとうございます。 私が今回の委員会で確認をしたいことは、この横田拓也さんの言葉は、イコール政府も同じ認識なんだというふうに捉えてよろしゅうございますか。
○副大臣(工藤彰三君) お答え申します。 そのとおりでございます。もう時間的制約、時間ございません。もう横田めぐみさん、私と年一緒でありますが、既に、十一月十五日、あの拉致されてからもう四十六年たっているわけであります。四十六年という時間は一体全体何だったんということのじくじたる思いは、私も毎日、この副大臣拝命してから、その前から、このブルーリボンバッジ付けた、決意を持って付けているときから考えておりますので、御理解賜りたいと思います。
○山田宏君 ありがとうございます。 外務大臣にも同じ質問をお聞きしておきたいと思いますが、要は、簡単に言うと、今の親世代が亡くなってしまう前に、前に、きちっと親子の対面が実現できなければ、ほとんど帰国の意味がなくなる、政府としてもそういった認識で北朝鮮に対応すると、こういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(上川陽子君) 拉致問題は岸田内閣の重要課題であるということであります。二〇〇二年に五名の拉致被害者の方々が御帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現していないということについては、これは痛恨の極みという言葉では言い表せれない思いであります。 先ほど来の御答弁の中にありましたとおり、御家族の皆様、御高齢になる中でありまして、時間的制約のある拉致問題につきましては、ひとときもゆるがせにできない人道問題であると考えているところであります。 全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するために、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で行動してまいりたいと考えております。
○山田宏君 是非、もう余り時間が残されていない中で、北朝鮮にきちっと強いメッセージをお伝えいただきたいというふうに考えております。 そこで、もう終わりですかね、もう終わりだということなので、もう一問あったんですけれども、早口でも駄目だな。また次回にいたしたいと思いますが、御質問をさせていただきたかったのは、「めぐみ」というアニメ。これはドキュメンタリーみたいなアニメなので、三十分以内、三十分以内のもの、こんなものをやっぱりネットフリックスとかアマゾンプライムのドキュメンタリーのところにちゃんとプログラム載せられるように、政府、努力した方がいいんじゃないかと、こういうことでございますが、答えられたらお願いします。
○副大臣(工藤彰三君) 時間制約ありますけれども、当然ながら、これは政府として強く発信すべきだと考えております。
○山田宏君 ありがとうございました。
○委員長(山谷えり子君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十二分散会