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212回国会参議院2023/11/09

文教科学委員会 第1号

発言数
21
登壇者
7
会派数
3
開催日
2023/11/09

会議録

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、櫻井充君、竹内真二君、松沢成文君、伊藤孝江君、熊谷裕人君及び高橋はるみ君が委員を辞任され、その補欠として下野六太君、金子道仁君、安江伸夫君、蓮舫君、本田顕子君及び猪口邦子君が選任されました。     ─────────────

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に赤松健君及び蓮舫君を指名いたします。     ─────────────

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) この際、盛山文部科学大臣、青山文部科学副大臣、今枝文部科学副大臣、本田文部科学大臣政務官及び安江文部科学大臣政務官から発言を求められておりますので、順次これを許します。盛山文部科学大臣。

盛山正仁自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(盛山正仁君) 文部科学大臣の盛山正仁でございます。  今後とも、高橋委員長を始め、理事の皆様、そして委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。  第二百十二回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、御挨拶申し上げます。  文部科学省が担う教育、科学技術・学術、スポーツ、文化芸術は、社会が激しく変化する中で、変化を力にし、個人や社会の未来を切り開くために極めて重要です。文部科学大臣として、明日は今日より良くなる、誰もがそう思える社会を形成していけるように、文部科学行政を着実に進めていきたいと考えております。  前文部科学大臣政務官が辞任する事態となったことにより、国民の皆様に不信感を与えてしまったことは遺憾であり、国民の皆様におわび申し上げます。国民の信頼回復に向けて、気を引き締めて職務に邁進してまいります。  我が国の将来を展望したとき、少子高齢化の進展、地球規模課題の解決、地域間格差の拡大といった社会課題が存在する中で、教育こそが社会を牽引する駆動力の中核を担う営みです。公教育の再生は少子化対策と経済成長実現の観点からも重要であり、あらゆる地域で、教育を通じ、一人一人の豊かで幸せな人生と社会の持続的な発展が実現できるよう、教育振興、教育投資の充実に努めてまいります。また、現下の物価高の影響下でも学校等において安心して活動が継続できるよう、関係省庁とも連携しながら対策を講じます。  教師は学校教育の充実発展を通じた公教育の再生に欠かせない存在であり、質の高い教師の確保を図ることは喫緊の課題です。子供たちへの教育の質の向上に向け、教師の養成、採用、研修の一体的改革を着実に進めるとともに、小学校高学年の教科担任制の強化、教員業務支援員の全小中学校への配置及び副校長、教頭のマネジメント支援を始め、できることは直ちに行いつつ、中央教育審議会での議論を踏まえ、学校における働き方改革の更なる加速化、処遇改善、学校の指導、運営体制の充実、教師の育成支援について、文部科学行政の最重要課題として一体的に進めます。  一人一台端末は、個別最適な学びと協働的な学びに不可欠な公教育の必須ツールです。国策として推進するGIGAスクール構想の実現に向けて、各都道府県に基金を設置し、一人一台端末の更新を安定的かつ着実に進めるとともに、自治体や学校への伴走支援の徹底強化や好事例の創出、展開を通じて端末の活用促進を図ります。その際、デジタル教科書の導入により、児童生徒の学びの充実を進めます。  あわせて、高等学校におけるDX化の推進等を通じたデジタル人材育成の抜本的強化や、文理横断、探求的教育の充実、女子高校生の理系選択者の増加に向けた取組を行うとともに、初等中等教育段階での国際交流を推進します。  幼児教育の質の向上も重要です。こども家庭庁とも連携し、幼児期及び幼保小接続期の教育の質的向上を図ります。  子供たちの豊かな学びを保障するため、地域や家庭と学校が連携、協働することが必要不可欠です。全ての学校での学校運営協議会制度の導入に向けた取組を加速してまいります。また、休日の部活動の地域連携、地域移行について、令和七年度までを改革推進期間としつつ、地域の実情に応じて可能な限り早期の実現を目指し、文部科学省全体で取り組みます。  学校施設については、教育環境の向上と老朽化対策を一体的に進めるとともに、災害時の避難所としての機能強化を図ります。  激しい社会的変化の中で、高等教育機関は人材育成や知的創造活動の基盤として、社会の将来的な発展を支え、推進する使命を持っています。  少子化の進展等を踏まえ、高等教育全体の適正な規模を視野に入れた地域における質の高い高等教育へのアクセス確保の在り方や国公私の設置者別等の役割分担の在り方について、中央教育審議会での議論を踏まえつつ、必要な対応を行ってまいります。  総理を議長とする教育未来創造会議の第一次提言及び第二次提言の着実な実行に向けて、デジタル、グリーン等の成長分野を牽引する高度専門人材の育成に向けた学部再編等の改革への支援や社会人の学び直しの充実を図るとともに、大学における質の高い留学生交流の拡大及び基盤となる大学の国際化を一体的に推進します。また、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成など基盤的経費を安定的に確保するとともに、高等専門学校の高度化、国際化を図ります。  さらに、国立大学法人等の管理運営の改善等を図るため、事業規模の特に大きい法人における運営方針会議の設置や、国立大学法人等が長期借入金を充てることができる費用の範囲の拡大、東京医科歯科大学と東京工業大学を統合して新たに東京科学大学とするための措置等に関する国立大学法人法の一部を改正する法律案を今国会に提出しているところであり、引き続き国立大学法人改革に取り組んでまいります。  どのような理由があっても、誰一人取り残されることなく、子供たちの学びの機会を確保することは、文部科学省の使命です。  令和四年度には、小中高等学校における不登校児童生徒数が約三十六万人、いじめ重大事態の発生件数が九百二十三件と過去最多となるなど、極めて憂慮すべき状況です。この状況を踏まえ、本年十月に不登校・いじめ緊急対策パッケージを策定しました。校内教育支援センターの設置促進やICT端末を活用した早期発見、支援など、本年三月に取りまとめた不登校対策であるCOCOLOプランの取組を前倒しするとともに、いじめの早期発見、支援の強化や自治体へのサポートチームの派遣、より課題を抱える学校へのスクールカウンセラー等の配置充実など、不登校・いじめ対策を緊急強化してまいります。また、学びの多様化学校の設置を推進します。  特別支援教育の充実のため、インクルーシブな学校運営モデルの構築、医療的ケアが必要な子供に対する支援の充実などに取り組みます。子供たちが安心して学校で過ごせるよう、養護教諭等の支援体制の強化を進めます。  外国人児童生徒、貧困や虐待等の困難を抱える児童生徒、へき地の児童生徒等についても、それぞれの教育的ニーズに応える学びの場を提供いたします。  こども家庭庁とも連携し、幼児期までの子供の健やかな成長のための環境の確保、不登校・いじめ対策、放課後児童対策に取り組みます。また、児童生徒等に対する性犯罪、性暴力は決して許されません。命の安全教育や、教育職員性暴力等防止法を踏まえた厳正な取組を推進します。  夜間中学の全都道府県等での設置促進や、グローバル人材の原石である在外教育施設で学ぶ子供たちのために国内同等の学びの環境整備を推進します。  いかなる経済的な状況でも質の高い教育へのアクセスを確保できるよう、少子化対策の観点からも、幼児教育から高等教育段階まで教育費負担軽減の取組を切れ目なく行います。特に、高等教育の修学支援新制度の中間層への拡大や、大学院修士段階における授業料後払い制度の創設等を令和六年度から実施するとともに、多子世帯等の学生等に対する授業料等減免の更なる拡充を検討し、必要な措置を講じます。  我が国に居住する外国人が日常生活及び社会生活を国民とともに円滑に営むことができる環境の整備を行うため、日本語教育機関認定法の施行準備を着実に行うとともに、地域における日本語教育の推進を図ります。  地球規模の課題に対応し、持続可能で強靱な社会を構築していくためには、科学技術イノベーションの力が必要不可欠です。また、外交・安全保障の分野においても科学技術の役割が一層増しております。他方、我が国の研究力は相対的に低下しております。我が国の研究力向上のため、人材、資金、環境に関する施策を総動員してまいります。  第一に人材。好奇心を持つこと、これが学びや研究の入口です。初等中等教育段階より、探求的な活動の充実と併せて、科学技術人材の裾野の拡大と才能の更なる伸長のための取組を進めます。また、意欲と能力のある学生が博士課程を目指すことができるよう、博士後期課程学生への経済的支援の強化や、博士人材が産業界も含めて幅広く活躍するためのキャリアパス整備を行います。  第二に資金。イノベーションの持続的創出に向けて、科研費などの競争的研究費と基盤的経費による支援等を通じ、学術研究、基礎研究の充実を図ります。また、大学ファンドの支援対象となる国際卓越研究大学の認定に向けた取組を着実に進めるとともに、地域中核・特色ある研究大学の抜本的強化等を通じ、我が国全体の研究大学の研究力の向上を図ります。  第三に環境の整備です。ハードとソフトの両面で充実が必要です。放射光施設ナノテラスの共用、SPring8の高度化を始め、世界最高水準の大型研究施設の整備、共用を進めるとともに、国際的に魅力ある拠点の整備や先進国、ASEAN等との国際頭脳循環を進めます。  科学と社会とのつながりも重視します。大学や研究機関における研究成果を社会に実装するため、宇宙や医療系も含めたスタートアップの創出力の強化、学術論文等のオープンアクセス化の推進、産学官が連携した起業家教育の充実を通じて、イノベーション・エコシステムの強化を図ります。総合的な国力の強化に資する研究開発の推進や、科学技術分野における経済安全保障の取組を関係府省と連携しながら進めます。  生成AIの研究開発や次世代AI人材育成を抜本的に強化します。また、素材、材料などのマテリアル、脳科学を始めとするライフサイエンス、量子技術、フュージョンエネルギー等の国家戦略を踏まえた重要分野の研究開発を戦略的に進めます。  二〇五〇年カーボンニュートラル実現に向け、革新的なGX技術の研究開発、ITER計画等の推進、高速ガス炉に係る研究開発や高速実験炉「常陽」の運転再開を含めた原子力分野の革新的な技術開発に取り組みます。「もんじゅ」や「ふげん」の安全、着実かつ計画的な廃止措置等の取組も推進します。  宇宙開発は、フロンティアとしてのみならず、新たな産業創出や安全保障の観点からも重要です。日本人初の月面着陸を目指すアルテミス計画や、基幹ロケットの開発等の研究開発を推進するとともに、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構に宇宙戦略基金を設置し、そのために必要な関連法案を早期に国会に提出いたします。  活動火山対策特別措置法の改正による火山調査研究推進本部の設置に向けた着実な準備や、火山観測体制の整備など、地震・火山・防災分野の研究開発の充実を図るとともに、北極域研究船の建造を含む海洋・極域に関する研究開発を推進します。  スポーツには、国民一人一人の人生を豊かにするのみならず、社会を変え、未来をつくり上げる力があります。第三期スポーツ基本計画に基づく施策を着実に推進し、スポーツそのものの価値や社会活性化等への寄与といった価値を更に高め、スポーツ立国の実現を目指します。  二〇二四年パリ・オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた国際競技力向上を図るとともに、ドーピング防止活動等を通じたスポーツの誠実性、健全性、高潔性の確保等を進めます。  国際競技大会等の運営の透明性、公正性の確保、スポーツ団体のガバナンスや経営力の強化に向けて取り組みます。セカンドキャリア形成支援、学校体育の充実や地域における持続可能で多様な子供たちのスポーツ環境整備、国民のスポーツ実施率向上を図ります。  また、スポーツを通じた健康増進や経済活性化、地域振興や共生社会の実現に取り組みます。  文化芸術は、国民の心を豊かにし、社会経済的にも様々な価値を生み出す源泉です。文化庁の移転を契機に、文化芸術による地方創生、食文化や文化観光の推進など、新たな文化行政の展開に取り組みます。  第二期文化芸術推進基本計画に基づき、心豊かで活力ある社会を形成するため、文化芸術と経済の好循環を加速し、文化芸術立国の実現に努めます。  コロナ禍の影響を受け、継承の危機に瀕する文化財については、文化財の匠プロジェクトを推進し、修理、防火・耐震対策、災害復旧等の強靱化を図るとともに、日本遺産等の地域の文化資源の磨き上げを進めます。日本博二・〇、文化芸術のグローバル展開を進めるとともに、クリエーター、アーティストや国立を含む博物館や劇場等の文化施設の機能強化への複数年度にわたる支援を図ります。文化芸術のデジタルアーカイブ化を図るとともに、AIと著作権の関係について、侵害リスクに関する懸念払拭に向けた議論を進めます。文化芸術活動の基盤強化、子供たちの文化芸術体験の機会充実を図ります。  佐渡島の金山については、世界遺産登録が実現するよう、引き続き新潟県、佐渡市及び関係省庁と連携して取り組んでまいります。  旧統一教会に関しては、昨年十一月以来七回にわたる報告徴収・質問権の行使や、その他の情報の収集、分析を行った結果、旧統一教会の活動に係る実態が十分明らかになり、解散命令事由に該当するものと判断されるに至ったため、宗教法人審議会の意見も伺った上で、去る十月十三日、解散命令の請求を行いました。今後、裁判所における審理等への対応に万全を期すとともに、関係省庁とも連携し、被害者の救済に係る取組に最大限努力してまいります。また、引き続き、不活動宗教法人対策を徹底してまいります。  東日本大震災から十二年半が経過しました。引き続き、就学支援や心のケア、学校再開支援など、被災者の皆様に寄り添った復興に取り組みます。また、福島国際研究教育機構が実施する研究開発等への支援とともに、廃炉に関する研究開発や人材育成、原子力損害賠償に着実に取り組みます。  私は、就任以来、現場を積極的に訪問し、お話を伺ってまいりました。今後も様々な現場に赴き、多様な声をしっかりと傾聴いたします。その上で、政策は実行してこそ価値を持ちます。国民の皆様が夢や希望を持ち、それを実現できる社会をつくっていけるよう、多様な御意見を踏まえつつ、必要な政策を実行してまいります。引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 青山文部科学副大臣。

青山周平自由民主党・無所属の会文部科学副大臣

○副大臣(青山周平君) 文部科学副大臣の青山周平です。  副大臣として、大臣をお支えし、日本の将来を担う人を育てる教育の振興、スポーツ立国の実現を始め、教育行政の推進に全力を尽くしてまいります。  高橋委員長始め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますように心からお願いを申し上げます。

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 今枝文部科学副大臣。

今枝宗一郎自由民主党・無所属の会文部科学副大臣

○副大臣(今枝宗一郎君) 文部科学副大臣の今枝宗一郎でございます。  副大臣として、大臣をよく補佐し、日本の更なる経済成長の原動力となる科学技術イノベーションの推進、文化芸術立国の実現に全力を尽くしてまいります。  今後とも、高橋委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心よりお願い申し上げます。ありがとうございました。

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 本田文部科学大臣政務官。

本田顕子自由民主党文部科学大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(本田顕子君) 文部科学大臣政務官の本田顕子でございます。  大臣政務官として、大臣、副大臣とともに科学技術イノベーションの推進及び文化芸術の振興に全力を尽くしてまいります。  今後とも、高橋委員長を始め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 安江文部科学大臣政務官。

安江伸夫公明党文部科学大臣政務官

○大臣政務官(安江伸夫君) 文部科学大臣政務官の安江伸夫です。  政務官といたしまして、大臣、副大臣とともに教育及びスポーツの振興に全力を尽くしてまいります。  今後とも、高橋委員長始め、理事、委員の皆様の御指導、御鞭撻賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 盛山文部科学大臣。

盛山正仁自由民主党・無所属の会文部科学大臣

○国務大臣(盛山正仁君) 恐れ入ります。  お手元に配付されておりますこの挨拶の六ページのおしまいから三行目でございます。先ほど、誤って高速ガス炉と読んでしまいました。正しくは、そこに書いてあるように、高温ガス炉でございます。申し訳ありません。訂正させていただきます。

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) ありがとうございました。  政府側は御退席をいただいて結構でございます。     ─────────────

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題といたします。  先般、本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。赤池誠章君。

赤池誠章自由民主党

○赤池誠章君 委員派遣報告。  去る七月四日及び五日の二日間、京都府において、地方における文化に関する実情を調査してまいりましたので、その概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、高橋委員長、今井理事、熊谷理事、竹内委員、松沢委員、吉良委員、そして私、赤池の七名でございます。  一日目は、まず、本年三月下旬から業務が開始されました文化庁京都庁舎を訪問いたしました。文化庁の京都への移転は、平成二十八年三月のまち・ひと・しごと創生本部の政府関係機関移転基本方針において決定されたものです。この取組は、中央省庁の本庁機能が地方に移転する初めての試みであり、単に東京一極集中の是正にとどまらず、文化芸術のグローバルな展開やデジタルトランスフォーメーション、観光や地方創生に向けた文化財の保存、活用などを始めとする新たな文化行政を推進する上でも、大きな契機になるものとされております。移転先の庁舎は、京都府庁の施設を活用して整備されたものであり、かつての京都府警察本部本館を改修した建物と、その隣に新築された行政棟の二棟で構成されています。  都倉文化庁長官を始め、京都庁舎で勤務する職員から、移転後の現状や課題について説明を聴取するとともに、庁舎内の文化財関係執務室や文化情報発信室を視察したほか、プロジェクター室では東京庁舎とのリモートによる対話方法について説明を伺いました。また、当委員会での質疑にリモートで答弁することを想定した場合の課題、京都庁舎への移動が完了した場合の職員数の見込み、関西における文楽の担い手を育成する取組の現状、職員が文化的な教養を積極的に体得することの必要性、職員やその家族の生活状況等について、意見交換を行いました。  次に、世界遺産である二条城を訪問いたしました。同城は、平成二十三年度からおよそ二十年の歳月を掛け、城内全ての歴史的建造物を中心に修理や整備が行われる予定となっており、本丸御殿の玄関などの保存修理の状況や、今後修理が行われる二の丸御殿内大広間などの現況について、同城を管理する京都市の担当者から説明を聴取しつつ視察を行いました。修理事業の実施経費に充てるため一口城主と呼ばれる募金が行われていることや、城内での音楽イベントなどの様々なイベントの開催、結婚式のための利用など、二条城の文化的な価値を共有するための取組についての説明も伺いました。  次に、京都国立博物館を訪問いたしました。同博物館では、松本館長や担当者から概要説明を伺った後、茶の湯で用いられる名わんを始め、新たに収集された絵画や工芸、彫刻等の展示を視察いたしました。また、同博物館内の文化財保存修理所を視察いたしました。修理技術者から、修理工程や必要な用具、原材料の確保状況、人材育成等について説明を聴取するとともに、極めて繊細な修理作業を間近に拝見することができました。  その後、一般社団法人国宝修理装こう師連盟の山本理事長と宇都宮専務理事及び公益財団法人美術院国宝修理所の岩下所長と意見交換を行いました。その中で、修理に不可欠な用具や原材料の生産についての支援、文化財の所有者が負担する修理費用に係る補助金の増額、現在手狭となっている修理スペースの拡充等について、国への要望がありました。また、女性の修理技術者が継続して従事できる雇用制度の内容や、一連の修理作業を一般見学の対象とし、その入場料収入を修理費用に充てる取組の可能性等について、率直なお話を伺いました。その際、同席した文化庁からは、修理スペース不足などの課題に対応するため、文化財修理センターの設置に向けて検討を進めている旨説明がありました。  次に、文化行政を取り巻く諸課題について、西脇京都府知事、門川京都市長、松本京都国立博物館長、福永京都国立近代美術館長及び山本一般社団法人国宝修理装こう師連盟理事長と意見交換を行いました。文化庁の京都移転に伴う文化行政の取組の現状、文化財の修理や保存、活用における課題、我が国の食文化や文化観光を推進する上で京都がリードしていくことの重要性等について、率直なお話を伺いました。  二日目は、まず、本年四月に開館六十周年を迎えました京都国立近代美術館を訪問し、収蔵庫や展示作品の視察を行いました。福永館長や担当者から、これまで同美術館が果たしてきた役割、美術・工芸・写真などの保存技術、視覚障害教育を行う地域の特別支援学校等と連携し、触覚や聴覚などを用いて作品を鑑賞する取組等について説明を聴取するとともに、年々増加する作品の収蔵スペースの確保などの課題についてもお話を伺いました。  次に、大徳寺を訪問いたしました。鎌倉時代に創建された大徳寺は、応仁の乱で荒廃するも一休宗純により再建され、また、豊臣秀吉や千利休などと関わりが深い歴史があり、境内には国宝、重要文化財の建造物や美術工芸品、特別名勝の庭園を多数有しております。今回は、江戸時代初期の寛永年間に建てられ、国宝に指定されている方丈について、昭和七年以来となる解体修理が行われている現場を間近に視察し、福代大本山大徳寺塔頭興臨院住職や京都府の担当者から、修理方法や進行状況等について説明を聴取しました。その際、約四百年前の寛永と記された畳を拝見し、その畳も修理して使い続ける旨のお話も伺いました。  以上、概略を申し述べましたが、おかげさまをもちまして、今回、多くの方々との非常に有意義な意見交換と実りある視察を行うことができました。改めて当委員会として、文化行政の重要性を踏まえ、文化庁の京都移転後もその機能強化が一層図られるよう、引き続き注視していく必要があると認識した次第です。最後に、今般の委員派遣に御協力いただきました関係機関の方々に対し、この場を借りまして厚く御礼を申し上げ、派遣報告を終わります。

高橋克法自由民主党

○委員長(高橋克法君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時三十一分散会

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