農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2023/12/05
会議録
○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房審議官北村俊博君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(滝波宏文君) 農林水産に関する調査を議題とし、畜産物等の価格安定等に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤木眞也君 本日は、畜産、酪農に関することに対してこの質問の機会をいただきましたことに対して、理事の先生方に感謝を申し上げます。 また、遅くなりましたけれども、宮下大臣、大臣に御就任、本当におめでとうございます。一緒に活動してきた一人として本当にうれしく思いますし、そしてまた、御活躍を期待もいたします。よろしくお願いします。 それでは、早速でございますけれども、質問に入りたいと思います。ただ、私も昨年一年間はあちらの席でしたので、久しぶりの質問になります。 ここ近年、いろいろな要因から、どの畜種の畜産農家の皆さん方も経営が大変厳しい状況に陥っていることは皆さん方も御承知のとおりです。この厳しい状況が長期化をしているため、最近、離農される農家が増えていると受け止めております。 今のこの状況を抜け出すために、自民党では、畜産・酪農対策委員会において、先週末は北海道、その前の週には南九州と現地視察を行ってまいりました。その間にも、都府県酪農の皆さん方、四県の皆さんですけれども、ウェブで意見交換をさせていただきながら、今の実情、そして課題、そういうものを一定の整理をさせていただいている状況にございます。 これから本格的に決めていくということでは、生乳の補給金、また調整金の単価や総交付数量、こういったものを決定をしていかなければいけませんし、様々な関連対策についてもこれから決めていくという段階でございます。その役員を務めている一人として、なかなかこの核心の部分を今日質問するということは立場上控えなければいけないかなと思ってございますが、そのほかにもたくさん大切な取組というのはございますので、そちらの方を今日は質問をさせていただければと思ってございます。 まず最初に、飼料自給率の向上と堆肥等の有効活用、そして環境負荷軽減に向けた取組について御質問させていただきたいと思います。 食料安全保障の観点からも、農畜産物や生産資材の輸入依存度を下げていく取組というのは極めて大事な取組でございまして、特に今、輸入乾牧草であったり穀物価格というのが上昇をしている中で、農家の皆さんが、自ら生産していこうというふうに意欲を持って考えていらっしゃる農家の方もたくさんいらっしゃいます。ただ、やはり私も現場に入ってみると、作りたいんだけどその作る農地が足りないとか、なかなか作る場所が狭いぞというような課題をたくさんの皆さんからお聞きをするわけですけれども、今このタイミングで各地域で地域計画というものを策定をしていただいております。 これまでの人・農地プランの中では、なかなかこの畜産農家と耕種農家のマッチングがうまくいっていなかったわけですけれども、今回この地域計画の計画段階で私も今畜産農家の方にお願いをしているのは、しっかりその協議の場に自分たちで自ら出席をして、こういう作物を作ってくれると俺たちは助かるんだけどなというような意見を伝えていただきながら、やはり耕種と畜産の耕畜連携、こういった部分が成り立てばなというふうに思ってございます。今後ますますこの国産飼料の期待感が高まる中で、この計画をしっかりと進めていくということは大変大事な取組だと思ってございます。 国内の資源の有効活用、そして過度な輸入からの、輸入依存からの脱却、そして耕畜連携や国産飼料の増産や流通、利用拡大、そして環境負荷軽減に向けた堆肥の利用の促進など、本当に、これうまく回れば本当にうまくいく仕組みだと思ってございますけれども、農林水産省の具体的な支援策や今後の飼料自給率の考え方についてお考えをお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 農林水産省といたしましては、飼料自給率を令和十二年度までに三四%に上げる目標を立ててございます。その下で、具体的には、耕種農家が生産した飼料を畜産農家が利用をして、畜産農家で生産された堆肥を耕種農家が利用するという形の耕畜連携といった取組、あるいはそのコントラクターなどの飼料生産組織の運営の強化、あるいは国産粗飼料の広域流通などの取組を支援してございます。 委員御指摘のとおり、地域計画の策定に向けてこれからもちろん各地域で話合い行われていく中には、畜産農家も参加をして話合いをしっかりしていただいて、飼料作物も含めて、含めた地域計画の策定を自治体に促しまして、飼料産地づくりを進めたいというふうに考えてございます。 こうしたことによりまして、地域の実態を踏まえた国産飼料の生産、利用の拡大ですとか国内肥料資源、堆肥などの利用拡大を推進したいというふうに考えてございます。
○藤木眞也君 ありがとうございます。 非常にタイミング的にも私はこのタイミングはいいタイミングだと思います。しっかり役所の皆さんの方からも現場に対してそういう情報提供を促していただければなとお願いをさせていただきます。 続きまして、生乳の需給、流通対策の強化について御質問させていただきます。 いろいろと酪農家の皆さん方から御要望というのはございますけれども、今、一番私は酪農家の皆さん方から声が上がっているというのが畜安法の話ではないかなというふうに感じております。 昨今の生乳需給の不安定化の中で、産地では酪農家の間に不公平感が生じているとの声が非常に大きくなっています。例えば、北海道の皆さん方から聞くのは、やはり自分たちはもう拠出金まで出して生産調整行いながら搾乳を頑張っているのに、隣の農家は一切そういうことに関係なくどんどん牛乳を搾る、こういう不公平感があっていいのかというような声がございますし、農協の皆さんからもこの理不尽なルールに対して変えてくださいというようなお声、特に根釧地域ですね、もうなかなかいろいろな作物が取れない中で酪農しかできないんだと言われるような地帯の組合長さん方から出てくる言葉は、もう地域の分断、そして組合員の分断、これがもう始まっているんだというようなお声をいただいております。 やはりこの畜安法の改正に関してはしっかり農水省としても議論をしていただきたいと思いますし、私どももこの法案のとき、作るときには絡んでいますけれども、私たちが役所の皆さんから聞いたお話は、最終的には政省令であったり通達でこのいいとこ取りができないようにやりますのでこの法案を認めてくれないですかというようなお話を伺っておりました。ただ、これが始まってみると、もう始まったと同時にいいとこ取りが始まっているような状況の中で、やはりここはしっかりと今後議論を深めていく必要があると思います。 やはり生乳の需給、そして酪農経営の安定化に向けては、やはり酪農家間の不公平感が生じぬよう、生乳需給緩和時に生産抑制に協力した酪農家の生産意欲をそぐことのない制度に検討するべきではないかと考えます。 畜安法の運用改善等に必要な対応を進めるとともに、次期の酪肉近の見直しの議論の中で対応策の取りまとめに向けた更なる検証が必要だと思いますが、農林水産省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(宮下一郎君) まず、生乳需給の安定のためには、酪農家の皆さん自らが市場ニーズを捉えて、需要に応じた計画的な生産に取り組むことが重要であります。国としては、そうした取組を支えていきたいというのが基本姿勢であります。しかしながら、そうした中で、生産抑制に取り組む生産者団体の皆様の中でも、お話にありましたように、個別の酪農家間の協力に差があると、それでその不公平感につながっているという実態があるというふうに認識をしております。 このため、あまねく集乳する義務が課されております生産者団体と個別の酪農家との関係につきまして、組合員平等という原則の下で制度上何をできるのか、公正取引委員会とも議論を重ねながら、現場の声をよくお伺いしながら検討を進めております。 また、十一月六日には、系統及び系統外の各事業者と需要に応じた計画生産の考え方について情報交換する場を設けたところであります。今後も、このような情報交換は積み重ねていきたいと考えています。 さらに、お話にありましたように、こうした内容も含めて、年明けから開始します次期酪肉近に向けた議論の中でも、この課題等を整理、検証をしていきたいと考えております。
○藤木眞也君 酪農の世界には、まあ暗黙の了解といいますか、紳士協定がありまして、都府県の酪農と北海道酪農の間で一定のルールがあるわけですけれども、不需要期に、やはりこの北海道の生乳が指定団体以外の組織の方から私たちの熊本にもやはり牛乳が格安の値段で入れられている状況にございます。非常に都府県酪農にとっても困った話ですし、その生乳が出ている分を北海道の指定団体の方は、余分にその方たちの分まで加工に回さなければいけないというような本当に理不尽な仕組みになっていると思いますので、これは、私どももしっかり議論をいたしますけれども、農林水産省でもできるだけ酪農家の皆さん方の期待に沿えるような畜安法に作り直していくべきではないかなというふうに感じておりますので、よろしくお願いいたします。 続いて、家畜衛生対策についてお話をさせていただきます。 今年も、十一月の二十五日に佐賀県で鳥インフルエンザが発生をし、その後、茨城県、埼玉県、鹿児島県と感染が拡大をしております。 これまでは、発生が確認されれば早急に殺処分を行い、その後、地域で、焼却ができれば焼却、大半は埋却処分が行われてきました。ただ、ここまでこういう疾病が繰り返し発生をしていくと、なかなかこれまでの埋却という部分に問題が出ているなというふうに思います。今後も豚熱や鳥インフルエンザの発生リスクが高い中で、畜産地帯を中心に地域によっては埋却地が不足するところも出始めてきており、今後は移動式焼却炉であったり移動式のレンダリング装置を増やして対応していくことが大事ではないかと考えます。 今後も、鳥フル、そして豚熱の発生は予断を許さない状況が続きます。家畜伝染病の脅威が拡大する中、従来の防疫体制の抜本的な見直しというのも必要になってきているんではないかと考えます。また、埋却処分はハード、ソフト両面で現場の負担が大変大きいため、今後はやはりこの焼却を中心に鳥の場合は考えていただいたり、豚、牛に関してはレンダリングを使った処理というのを増やしていかなければいけないと思います。 そういう意味では、やはりこの移動式のレンダリングの装置であったり移動式の焼却炉、この台数をもっと増やしていくことも農林水産省としては大事なことではないかなと思いますし、また、こういう設備を導入をしても、これがうまく輸送できるか、そしてまた設置ができるか、そういったところのシミュレーションまで行っていただきながら、迅速かつ効率的に行える環境というのもつくっていただくべきではないかと考えます。 農林水産省の御見解をお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。 鳥インフルエンザや豚熱が発生した場合は速やかな防疫措置、これが重要でございます。 殺処分を行った家畜の処理に必要となる埋却地や焼却施設については、家畜伝染病予防法、そして飼養衛生管理基準に基づき家畜の所有者が自ら確保すべきものとなっているところでございます。 一方で、委員からもお話ございましたけれども、鳥インフルエンザの防疫対策において、事前に確保した埋却地が活用できない、こういった事例も見られております。このため、農水省では、埋却地について、改めて地下水の影響がないかなど全国一斉の再点検を行っております。その結果、既存の埋却地が活用できないといった場合については別の土地の確保なども求めているところでございます。 また、委員の御指摘のとおり、埋却のみならず焼却も利用可能でございます。実際、令和四年シーズンを見ても、発生事例において既に三分の一の事例は焼却でございました。埋却地が確保できない場合については、あらかじめ焼却施設の確保なども求めているところでございます。 また、移動式レンダリング装置でございます。四台ずつ、あっ、四台、今国内に配備してございます。令和五年度補正予算においては、移動式レンダリング装置について追加で配備する予算なども措置をしております。ただ、おっしゃるとおりで、まだまだ活用事例は少のうございますので、まずは活用するということを広げていくことが重要だと考えております。このためには、設置場所の事前のその選定でありますとか関係者との事前の調整などが特に重要でございます。これまでの活用事例もございますので、こういったものも活用しながら、都道府県と連携して、あらかじめ活用の体制の整備などを進めてまいりたいと思います。
○藤木眞也君 ありがとうございます。 やはり、九州でもワクチンを打ち出したという現実的な問題があります。南九州に豚熱が入ったときのことを考えると、本当にこれ怖いなというのがございます。是非早めの対応をお願いしたいと思います。 続いて、時間が余りないんですけれども、輸出促進について若干お伺いをさせていただきます。 和牛肉を始め牛肉の在庫が増加傾向にある中で、そのあおりを受けて牛肉の枝肉価格が若干下がったり、その影響で子牛の価格まで影響が及んでいるという状況にございます。 現在、農林水産省でも牛肉の消費を喚起する意味での対策を行っていただいておりますけれども、現在のような円安のときだからこそ、積極的に私は輸出を進めていくべきだと考えます。特に、令和十二年までの牛肉輸出目標額は三千六百億、牛乳・乳製品の輸出目標額についても七百二十億という目標が掲げられる中で、やはりこの達成に向けては、こういう状況のときをしっかり捉えて、やはり、まずは海外に持ち出して海外の方に和牛肉を食べていただくとか乳製品を食していただくとか、そういう取組を本当にこれ急ピッチで進めていただくことが大事なことだと思います。 是非、この輸出について目標を立ててございます。これが目標を達成できるような取組というところを具体的な施策としてどうお考えなのか、決意を含めてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 委員御指摘のとおり、二〇三〇年の牛肉輸出目標三千六百億円、牛乳・乳製品の輸出目標七百二十億円でございまして、野心的な目標を掲げております。 足下の二〇二三年の輸出実績ですけれども、それぞれ過去最高でありました、牛肉であれば二〇二一年の五百三十七億円、牛乳・乳製品であれば二〇二二年の三百十九億円を上回るペースで推移をしてきてございます。さらに、輸出拡大を加速化するために、農林水産物輸出促進法に基づきまして、先月十四日、新たに一般社団法人日本畜産物輸出促進協会がいわゆる品目団体として認定されたところでございます。 今後、今般の補正予算でも、この認定された品目団体によるオールジャパンでのプロモーションですとか、産地主導で取り組む商流の構築ですとか、あるいは認定施設を増加するための施設整備の、あるいは認定の迅速化といったようなものに取り組んでいきたいと思っておりますし、また、牛肉につきましては、輸出拡大が見込まれるイスラム諸国向けも、近年その食肉処理施設のハラール認定が増えてきておりますので、具体的には、本年より新たにサウジアラビア向けの輸出が始まるというようなことで着実に増加しております。牛乳・乳製品につきましては、国産生乳を使用するロングライフ牛乳に期待をしておりまして、アジアを中心に伸びが期待をされるというところでございます。 さらに、中国への日本産牛肉の早期の輸出の再開を目指して、様々な機会を通じて働きかけを行うなど、新たな輸出先国の解禁も含めて、輸出先国の多角化を図りながら、輸出目標の達成に向けて取り組んでいきたいと考えてございます。
○委員長(滝波宏文君) 時間が参りましたので、おまとめください。
○藤木眞也君 はい。 絵に描いた餅で終わらないように頑張っていただければと思います。 終わります。
○徳永エリ君 立憲民主・社民の徳永エリでございます。 通告をいたしておりますので、今日はまず、連日報道されている自民党の派閥の政治資金パーティー券でのキックバック、裏金作りの疑惑について宮下大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。 宮下大臣は、清和政策研究会、いわゆる安倍派の会員であられますけれども、派閥のパーティー券、宮下大臣のノルマは何枚でしょうか。また、ノルマを超えて販売をしたことはありますか。
○国務大臣(宮下一郎君) この場は政府にある立場としてお答えする場でありますので、基本的に個々の政治団体に関するお尋ねについてはお答えを控える、差し控えるべきと考えておりますけれども、あえて私の所属する清和政策研究会に関して申し上げますと、今回の報道に関する取材に関して塩谷座長から、これから事実関係を精査するというコメントをしていると承知しておりまして、今後、事実確認の上、適切に対応するものと考えております。
○徳永エリ君 昨日通告をさせていただいて、調べていただきたいということをお願いさせていただきました。 それでは、キックバックを受け取ったことがあるかどうかだけ教えていただけますか。
○国務大臣(宮下一郎君) 十二月一日の閣議後記者会見で私が申し上げたのは、キックバックというようなことは認識しておりませんということであります。
○徳永エリ君 それでは、受け取ったことはないということでよろしいですか。
○国務大臣(宮下一郎君) 基本的に、私のその政治資金に関することについては、政治資金規正法にのっとって適切に処理をしているというふうに確認をしております。
○徳永エリ君 ということは、入金があった場合には収支報告書に必ず記載しているということでよろしいですか。
○国務大臣(宮下一郎君) 適切に処理をしております。
○徳永エリ君 適切に処理をしているということは、記載しているというふうに受け止めさせていただきたいと思います。 これは事実ですね。
○国務大臣(宮下一郎君) 確認の上、申し上げております。
○徳永エリ君 明確ではありませんのでしっかり調べていただいて、また御報告をいただきたいと思いますが、委員長、取り計らいのほどをよろしくお願い申し上げたいと思います。
○委員長(滝波宏文君) 後刻理事会で協議いたします。
○徳永エリ君 派閥の政治団体も議員自身の政治団体も収支報告書に記載がなくて裏金にしていたのじゃないかとか、あるいはそれを何に使っていたのかということも問題があって、国民は大変に疑念を抱いております。これ大変に大きな問題だというふうに思っております。 このことがやっぱり政治不信につながる、これ自民党だけの問題じゃなくて、私たち全員、国会議員、政治家の政治不信につながっていくということになりかねませんので、しっかりとそれぞれ調査をしていただいて、国民の皆さんの前に事実を明らかにしていただきたい、しっかりとうみを出していただきたい、そのことをお願いしたいと思いますが、大臣、もう一度お願いいたします。
○国務大臣(宮下一郎君) まずは事実を精査するということでありますけれども、その上で、しっかり先生御指摘の趣旨も踏まえて適切に処理していきたいというふうに思います。
○徳永エリ君 それでは、質問に入らせていただきますけれども、畜産物価格の決定に関して質問させていただく前に、前回取り残した質問と、それから、どうしても農林水産省の答弁を聞いておきたい質問がありますので、続けて二問、聞かせていただきたいと思います。 まず、お配りした資料、配付資料の一枚目を御覧いただきたいと思うんですけれども、所有者が違う面積の小さな農地を集積して大区画化して、集落営農組織を法人化するなどして高齢化、後継者不足から省力化を目指して耕作が行われている地域、これは全国各地にあると思います。これまでに、耕作をしている法人が知らないうちに、世代交代などによる不在地主化、相続未登記、相続放棄などによって圃場の中央に突然利用権切れの国有地が出現すると、こういう事案が起きております。 私、この事案が起きた京都の圃場に行ってまいりまして、見せていただいて、お話も伺ってまいりました。ある日突然測量が入ったと思ったら、国が管理することになったと、国から使用料を求められたということであります。これ、圃場の中央ですから、使用料を払いたくないので耕作しませんというわけにいかないんですね。使用料が発生することによって法人経営の負担となるわけで非常に困っていると、何とかならないのかという御相談を受けました。 この一枚目の資料は、今年の四月に施行された、相続又は遺贈により取得した農地などの土地を手放し、国庫に帰属させることができる相続土地国庫帰属制度、これによっても、所有者が農地を国庫に帰属させたことによって京都のケースと同じようなことが今後起きるのではないかということを心配しています。 相続土地国庫帰属制度では、手放した土地を農林水産省が管理、処分するということになっておりますけれども、既に誰かが、また法人が、借りてじゃないですよ、預かって、耕作してほしいと言われて無償で耕作をして、農地が荒れないように守ってくれているのに、農地を守る観点から、特別措置といいますか、この使用料を免除する、こういったことの検討ができないのかどうかということを農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。 使用料が掛かるなら耕作はしないと言われたらどうなるんでしょうか。しかも、その大区画化した圃場の中央に国有地が出現すると、こういう場合、本当にそこだけ耕作しないで、耕作放棄地、荒れ地になっていくということはちょっと考えられないと思うんで、これどうにかした方がいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下一郎君) 先生の御質問の通告を受けて改めて調べたわけですけれども、国有農地を含めまして国有地は、財政法第九条において、法律に基づく場合を除くほか、適正な対価なくしてこれを譲渡又は貸付けをしてはならないと規定されております。また、国有財産法第二十二条においては、地方公共団体等が公共用の施設の用に供する場合等に限って無償で貸し付けることができると規定されておりまして、このことから、現状では国有農地を集落営農に無償で貸し付けることは法令上難しいという状況でありまして、こういう状況にあるというのは是非御理解をいただきたいと思います。 その上で、議員御指摘のような経緯が発生しないように、まず、将来の相続の可能性を含めて地域の農地を誰が利用していくのか前もって地域で話し合い、決定していくことが大事だというふうに思っています。 そのため、本年四月施行の改正農業経営基盤強化促進法によりまして創設した地域計画の策定を通じて、相続人を含めて地域の農業関係者の皆様がしっかりと話合いをしていただいて、将来の農業の在り方、また農地利用の姿を明確化していく取組が非常に重要だと考えています。 また、国庫帰属法のこの申請があった場合には、農業委員会などの関係機関へ情報提供を行って、農業委員会のあっせんや地域の話合い等を通じて、国庫に帰属する前に受け手に結び付ける取組を積極的に促してまいりたいと考えています。 農林水産省としましては、このような取組を通じて、農地が地域において適切かつ有効に利用されるようにしっかり後押しをしてまいりたいと考えております。
○徳永エリ君 私も何度も御説明を受けましたから法律上のことも分かります。しかし、農地を借りて耕作しているわけじゃないんですよ。誰も耕してくれないから、お願いします、預かってください、耕作してくださいというふうにしていたのに、国庫に帰属するようになったからといって使用料を求められる、これやっぱりおかしくないですか。確かに、誰がその農地を持っているかということは今おっしゃったことのように分かるようになるかもしれませんけれども、この使用料の問題は別だと思うんですよ。 これ、農林水産省が管理するということですから、今後、こういうケースが、いや、もう相続したけどやっぱり農地は要らないよという方が出てくるときにどうするかと、農地を農地としてしっかり守っていく観点から農水省としてどうするか、そして集落営農組織など耕作している方々の負担にならずに耕作を続けてもらえるような、そういう環境をつくるためにどうしたらいいかということを是非とも御検討いただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。またいつか聞かせていただきたいと思います。 続いて、二〇三〇年輸出五兆円目標の実現に向けた農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略の中で、輸出先国・地域の規制やニーズに対応した加工食品等への支援には、食品加工の輸出の大きな障害である食品添加物規制については、引き続き、輸出先国・地域に対する食品添加物の認可申請を支援するというふうになっています。 日本で既に食品に使用されている天然色素四品目、クチナシ青色、クチナシ黄色、ベニコウジ色素、ベニバナ色素が欧米では使用が認可されておらず、これらの色素を使用した日本の食品を今輸出することができないんですね。この中には、欧米で大変人気のあるカニかまとかそれからストロベリーチョコなどに使用されているベニコウジ色素なんですけれども、これ二〇二三年十二月、米国FDAに申請することを目指し、必要なデータをそろえ、準備を今までしてきたんです。しかし、農林水産省は、ベニコウジ色素の認可をFDAに申請するために必要な色素事業者への支援、必要な予算を凍結してしまったんですね。これ、なぜ凍結したんでしょうか。
○政府参考人(水野政義君) お答えいたします。 農林水産省では、輸出促進の観点から、国内では加工食品に使用されているものの欧米では使用が認められていない食品添加物について、欧米での認可申請に必要なデータの整備に向けた支援を行ってきたところでございます。 委員御指摘のベニコウジ色素について、アメリカ食品医薬品局、FDAへの認可申請に向けた支援を行ってきましたが、食品製造事業者においてベニコウジ色素の代替となる添加物の活用が進められている事例があり、また、支援を受けていた食品添加物製造事業者が、申請準備に係るFDAとやり取りを進める中で、FDAから求められた規格に適合するベニコウジ色素の製造がコスト的に困難と判断し申請を断念したことから、この認可の申請に向けた支援事業の継続が困難と判断したものでございます。
○徳永エリ君 代替色素、赤色三号だったと思うんですけど、私もずっとその説明を受けてきましたが、状況が変わったと思っています。米国カリフォルニア州で成立した新法、食品保護法により、スナック菓子などによく使われる赤色三号、二酸化チタン、臭素酸カリウム、臭素化植物油、プロピルパラベン、これらの添加物が二〇二七年一月一日に使用を禁止されることになり、カリフォルニア州では、これらの添加物を含む加工食品の製造、販売が禁止され、違反した個人や団体には、初回五千ドル、二回目以降は一万ドル以下の罰金が科されるということになりました。 農林水産省がベニコウジ色素の代替色素として検討していた中に、禁止されていた赤色三号が含まれているんです。農林水産省が凍結しているベニコウジ色素の認可支援を再開することができれば、これまで事業者はFDAと申請に向けての準備を進めてきていますので、今月末までにFDAの申請をすることができれば、近年のFDAの審査期間はおおむね二年から三年ということでありますので、二〇二七年一月一日の赤色三号禁止までにベニコウジ色素の認可を受けることができる可能性があります。ベニコウジ色素が赤色三号に代わって米国で広く使用されることになりますし、日本の食品も輸出できるようになります。 米国は人口が多くて喫食量が多いことから、日本の十五倍の市場が推定されます。ベニコウジ色素がFDAに認可されるように支援を続けるべきだと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下一郎君) 輸出先国・地域の規制に対応することが必要でありますけれども、それが実際に輸出の拡大に資するかどうかが重要な観点だと思っています。 赤色色素につきましては、赤色三号以外にも、アナトー色素とかコチニール色素、トウガラシ色素、トマト色素、ブドウ果皮色素、食用赤色四十号等々、様々な着色料が日本国内及び米国において使用できるという状態にあります。 その中で、ベニコウジ色素に関する米国食品医薬品局への認可申請に対する支援につきましては、認可された場合に、相当のコストを掛けてあえてこのベニコウジ色素を製造する食品添加物製造事業者があるかということ、それからベニコウジ色素を使って製造した製品を輸出する食品事業者がいるかと、こういった点を情報収集して見極めた上で認可支援の再開を判断したいというふうに考えています。
○徳永エリ君 水産物の輸出の際の認証もそうでしたけれども、やっぱり日本ってそういうことがちゃんとできていないんだと思うんですね。お金が掛かってもやるべきことはしっかり、特に可能性があることはやった方がいいと思います。 BASF・ドイツ、カーギル・米国、ケリー・アイルランドなど、世界の著名な色素事業者が米国でビジネスを展開しています。そこに日本の企業の名前がありません。中国も色素事業を拡大しているといいます。負けてられないと私は思うんですね。 例えば、我が国はビタミンCのほぼ全量を輸入していますよね。九割は中国からですよ。これ、みんな知らないですよね。先日は、リンゴや梨の花粉、これも中国から輸入していると。で、火傷病が確認されて、禁輸になって初めて、えっ、花粉まで中国から輸入していたのということが分かったわけですね。 ですから、日本もできるだけ自国で生産できる、そして海外でビジネスを展開できるチャンスがあるんであれば、初期投資が掛かっても私は絶対チャンスをつかむべきだと思いますし、果敢に挑戦するべきだと思いますので、是非御検討のほどよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。(発言する者あり)ありがとうございます。 それでは、酪農、畜産に関してお伺いをいたします。 これまで、私の地元北海道では二年連続で生乳の生産抑制が続いておりましたが、来年度は三年ぶりに減産を回避いたしまして、前年度当初計画比一%増産の四百三万トンの生産目標を掲げることになりました。生産者は、メーカーからも生乳が必要だからもっと搾ってほしいというふうに言われているんだけれども、生産抑制で減らした経産牛あるいは初妊牛、また投資をして増やしていいんだろうかということでちゅうちょをしています。 特に、今年は猛暑の影響で牛がへたってしまって乳量が減少しました。受胎率も低かったということもあります。さらには、飼料や電気代などの高騰が続いている。脱脂粉乳の在庫も、生産者も拠出をして削減を図ってきましたけれども、バターの生産量の増加に伴ってまた在庫量が増えるのではという心配もあります。さらには、指定事業者が生乳の需給調整をしっかり行っていても、指定事業者以外に出荷している生産者は今年度も生乳を増産しています。需給調整に不安があるんだということなんですね。 それで、生産基盤の回復に向けて新たな投資を行っていいものか迷っているという声が聞こえるんですけれども、現状をどう受け止めて、現場は増産に向けて積極的に投資を再開していいものなのかどうか、経営支援も含めた今後の見通しについて農林水産省にお伺いいたします。
○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、現在の生乳需給につきましては、バターの需要が顕著であること、また、脱脂粉乳は在庫低減対策の効果もありまして本年十月末時点で五万四千トンと適正水準になっておりますことから、全体としては一定程度需給が改善しているというふうに認識しております。 今後の需給の動向については、予断することは困難でありますけれども、一つには、累次の牛乳・乳製品の値上げの影響によって、例えば牛乳等に向けられる生乳処理量は前年比三から四%の減少となっております。第二に、今月から乳製品についても更に値上げが予定されております。第三に、引き続きヨーグルト等脱脂粉乳を原料とする製品の需要が低迷していると、こうしたことを考えますと、特に脱脂粉乳については何ら対策を講じなければ在庫が積み上がってしまう状況が変わっていないということで、生乳需給の安定の足かせになっている状況にあると考えています。 農林水産省としましては、今般の補正予算によって、来年度においても、脱脂粉乳の在庫低減、また国産チーズの競争力強化など、生乳需給の改善をしっかり図っていこうと考えております。
○徳永エリ君 脱脂粉乳の在庫も九・八万トンから五・九万トンまで減らしたということでありますけれども、これがまた増えるんじゃないかということなんですね。 生産者の皆さんは、やっぱりこの脱脂粉乳の在庫、これをどう処分するかということが大変に大きな問題だというふうにおっしゃっているんですけれども、具体的にこの処分のために今どういう取組をしているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 具体的な取組といたしましては、脱脂粉乳の在庫低減を図るために、生産者と乳業者が負担をし合って、脱脂粉乳を子牛のミルク向けに、哺乳用のミルク向けに販売する取組、これを国も支援をしてやらせていただいておりますし、また今回の補正予算でもその対策を盛り込んでおります。 また、ほかにも、家庭でも利用しやすいような脱脂粉乳の調理法ですとかメニューの開発ですとか普及といったこと、さらには脱脂粉乳を原材料とする新商品の開発といったような取組を支援することといたしておりまして、これらによりまして、何ら対策を講じなければ在庫が積み上がってしまう状況の中で、脱脂粉乳の需給の改善を図りたいと思っております。
○徳永エリ君 農水省の皆さんとこれも何度かお話ししているんですけれども、今の若い人、脱脂粉乳って何だか分からないんですよね。脱脂粉乳使って料理をしてくださいって言っても、脱脂粉乳って何って言われるんですよ。これがまず、スキムミルクと今言っていますけれども、スキムミルクなんだということで、どういうものかということを知ってもらわなきゃいけないと思いますし、それから、農水省でもいろんな指定団体なんかでも料理のレシピなんかも公開していますけれども、料理に使おうと思ってスーパーに行っても、どこにも売っていないって言われるんですよ。 で、農林水産省に調べていただいたら、コーヒー売場にクリープと一緒に置いてあるんですよね。だから、クリープの方がメジャーなわけですよ。だから、どうしてもそっちに行ってしまって、料理の原料になる脱脂粉乳がどこにあるかということがまず認識されていないので、流通と話していただいて、どういうところに置いたら料理に使ってもらえるかということも検討していかなきゃいけないと思いますし、それから、士幌農協に視察に皆さんと行かせていただきましたけれども、ペットフードに使っているんですよ。ヨーグルトスティックを作っていただいて、北海道のドッグフードを作っている会社に、すごくおやつとして食い付きが良くていいということで、そんな工夫をされたりもしていますしね。 だったら、例えば、今インバウンドどんどん増えていますから、北海道にも有名なお菓子のメーカーがありますから、脱脂粉乳を使ったお菓子の開発をしてくださいということを積極的に働きかけて、もし使いづらいというのであれば、何がネックなのか、価格なのか安定供給なのか、その辺をしっかり調査していただいて、課題があれば、その課題をクリアしていただければその脱脂粉乳を使っていただけるという状況が生まれるかもしれないので、是非とも農水省にはそういった問題にも向き合っていただいて、積極的にこの脱脂粉乳の在庫処分に向けてお取組をお願い申し上げたいというふうに思います。 北海道JA組合員の酪農専業農家四千百二十七戸の一戸当たりの平均収入は、コロナ前、二〇一九年の一月―十月と比べますと、今年の一月―十月は約二割増えているということでありますが、支出を見ると約四割も増えているんですね。しかも、ここには借入金の返済や乳牛償却費などが含まれておらず、借入金の元金の返済など一〇〇%できないという状況でもあって、農業コストを賄えない組合員も存在するという実情です。まだまだ酪農経営は厳しい状況が続いています。北海道によると、二〇二三年二月一日時点での道内の乳牛出荷戸数は前年比二百二十二戸減の四千八百二十二戸ということで、初めて五千戸を下回ったという状況です。 毎年申し上げておりますけれども、食料・農業・農村審議会の意見を聞いて決定する加工原料乳生産者補給金及び集送乳調整金の単価、また交付対象数量の設定については、生産資材や機械の価格高騰、特に配合飼料の原料価格が高止まりしているという状況であります。また、燃料価格の高騰やドライバー不足による輸送コストの上昇などこれから起きることもしっかりと反映させていただいて、経営が維持できる、所得の確保が図られるような適切な価格設定にしていただきたいと思いますけれども、生産者の立場に立つ農林水産省として、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(宮下一郎君) やはり、持続可能な経営を維持していくという観点をしっかり重視して、適切に対応してまいりたいと思っています。
○徳永エリ君 時間がないので聞きませんが、よろしくお願い申し上げたいと思います。 それから、発展途上国へのODAの食料支援について、昨年の予算委員会で林前外務大臣からは、食料支援のニーズがないのかというのを座して待っているということではなくて、我々の方からこういうものが結構あるのでどうですかということはふだんから心掛けていきたいということでした。野村前農林水産大臣も、事あるごとに林さんには言っているんだというふうにおっしゃっていただきました。 もしそういうニーズがあれば輸送費等の支援もしていただけるというお話でしたけれども、その後、外務省として何らかの働きかけをされたのか、動きがあったのか、お伺いします。
○大臣政務官(穂坂泰君) お答えさせていただきます。 我が国の開発協力は、開発途上国の経済社会開発を目的に、被援助国などから要請に基づいて実施していくことを基本としております。また、新たな開発協力大綱の下、ODAとその他の公的資金など様々なスキームを有機的に組み合わせて相乗効果を高め、日本の強みを生かして協力メニューを積極的に提示するオファー型協力を打ち出しております。実施に当たっては、対話と協働を通じて、被援助国側のニーズも踏まえて共につくり上げていくものであります。 その上で、日本にある脱脂粉乳の開発途上国における活用については、これまでの国会の議論を踏まえ、日本のNGO及び海外のNGO等に対し活用の意思やニーズを確認しております。現時点でそのような具体的な要請には接していないところであります。 同時に、一般論として、食料支援におきましては、現地における経済活動を阻害しないよう配慮しつつ、輸送コスト、そして衛生管理状況等を踏まえる必要があるため、近隣の地域での調達となることが多いものであります。仮にニーズに基づく要請があれば、こうした点にも留意しながら具体的に進めていきたいと思っております。
○徳永エリ君 オファーをしていただいているということでありますが、今のところ動きはないという御答弁でした。是非、引き続き、ニーズが出てくるかもしれませんので、このODAの食料支援、お取組をよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。 それから、先ほど藤木委員からもお話がありましたけれども、家畜の排せつ物の処理についてお伺いしたいと思います。 近年、酪農業の大規模化、飼養形態の変化、高齢化による労働力の低下などの様々な要因が重なりまして、家畜排せつ物の適正処理ができない、完熟堆肥化ができないということが北海道で問題となっています。牛一頭が一日五十キロから六十キロの排せつをする。北海道では、平均飼養頭数は九十頭、しかし、メガ・ギガファームでは何百頭、何千頭というところもあるんですよね。 労働力も十分でない中で堆肥化の作業が追い付きませんし、草地や畑にまくにも、まく時期が限られているので、短い期間に必要量以上の肥料を畑にまくというようなことも起きています。不適切な処理や野積みなどの放置は悪臭や河川環境汚染などの環境問題を引き起こす要因ともなっており、観光や漁業などの他産業や地域住民の生活環境にも被害を及ぼすことになり、大変重要な問題となっております。 耕畜連携というお話がありましたけれども、広い北海道、畜産あるいは酪農の地域と畑作の地域が離れていて輸送コストも掛かりますし、経費がかさむということで、なかなか連携をしたくてもできないという状況なんですね。 生乳搾るのもそうですけれども、餌のこともそうですけれども、以前に舟山さんのところで、ある酪農家の方と意見交換をさせていただいたときに、やっぱりこの大規模化が問題なんだと、やっぱり適正規模があるんじゃないかと。例えば、自給飼料一〇〇%、それに合わせて何頭飼えるかとか、このふん尿の問題もどこまで自分たちの労働力でもって完熟堆肥化できるのかということも考えながらやっぱり飼養頭数を決めていかなければいけないのではないかというお話がありました。 この現状を受けて、この家畜のふん尿処理の問題、農林水産省として今後どう取り組んでいくのか、教えていただきたいと思います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 家畜排せつ物につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりまして、排出者である畜産農家が自らの責任で適正に処理をしなければならないというふうにされています。一方、家畜排せつ物につきましては、土作りに資する堆肥やエネルギーとして有効に活用できるものでございまして、このような活用を図ることは脱炭素化や環境負荷軽減に資するものと考えております。 このため、農林水産省におきましては、堆肥の高品質化、ペレット化等に必要な施設の整備、また、家畜排せつ物をエネルギー利用するためのバイオマスプラント等の整備等について支援しているところでございますけれども、このバイオマスプラント、例えば、現在も様々な資材が高騰している中においてなかなかJAとか自治体の取組が進んでいないという実態があるということも認識しているところでございます。 農林水産省としましては、しっかりと各地域の実情を踏まえまして、どのような支援が求められているのか現場のニーズについてしっかり把握をさせていただいた上で、引き続き、畜産農家の負担を軽減するため、家畜排せつ物の有効活用の取組等を支援してまいります。
○徳永エリ君 これまでどういう支援をしてきたかは私も分かっております。でも、そういう支援をしてきても処理し切れないふん尿があるということで、それが処理できない酪農家の皆さんにとっては大変深刻な問題になっているので、しっかり調査をしていただいて、どういう対策を打つことができるのかということを改めて考えていただく、検討していただきたいということをお願い申し上げたいというふうに思います。 ちょっと時間がなくなってしまいましたので、北海道のビートについて伺いたいというふうに思います。 農林水産省は、消費が減少していること、また糖価調整金制度を維持するために、北海道の砂糖の原料、てん菜生産について、交付金の対象数量を六十四万トンから五十五万トンへ九万トン引き下げました。今年は、北海道に八か所あった製糖工場のうち、十勝の北海道糖業本別製糖所が砂糖生産を終了したんですね。今、工場は七か所というふうになっております。 二〇二六砂糖年に作付面積五万ヘクタール、生産が五十五万トン維持できなければ、残りの七つの製糖工場の経営に影響が出ることは否めないという状況です。関連する産業や地域経済にも影響が出るということは、皆さんも御案内だと思います。 この政策の変更から一年たって、現状どうなっているのかということをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下一郎君) まず、てん菜は、北海道畑作におきまして輪作体系を構成する重要な作物でありますとともに、てん菜糖業と相まって地域の雇用、経済を支える重要な役割を担っているというふうに認識をしています。 てん菜につきましては、砂糖の消費量が減少する中で、てん菜糖の在庫増加、またてん菜生産を支える糖価調整制度の収支の悪化等を背景としまして、お話がありましたように、昨年十二月に持続的なてん菜生産に向けた今後の対応についてを決定しまして、令和八砂糖年度までに交付対象数量を五十五万トンとして、てん菜生産の一部を加工用バレイショなどの需要のある作物への転換を推進しているところであります。 一方、てん菜生産につきましては、他作物に比べて労働時間が長いこと、肥料費が高いことといった課題がありまして、加えて、本年は高温多湿の影響によって褐斑病が多発して糖度が低い状況にあるというふうに承知をしております。 こうしたことを受けまして、農林水産省としましては、一つには、てん菜から加工用バレイショ等への作付け転換をする、また、てん菜生産の省力化、生産コスト削減への取組を支援する、そして、令和五年度補正予算において、病害抵抗性品種の導入など、高温、病害対策技術の実証への支援を新たに措置したところでございます。 今後とも、てん菜を含めて、北海道の畑作が将来にわたって持続的なものとなるように、必要な支援をしっかり講じてまいりたいと考えています。
○徳永エリ君 二〇二六砂糖年に作付面積五万ヘクタール、生産が五十五万トンということでありますけれども、今、てん菜の作付面積はどのくらいですか。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 令和五年産の作付面積でありますけれども、前年産、四年産に比べて約四千ヘクタール減の五万一千ヘクタールとなっております。
○徳永エリ君 もう現状で五万一千ヘクタールなんですよ。北海道の専業農家って真面目なので、政策あるとみんなその政策に流れるんですよね。ですから、どんどんどんどんてん菜の作付面積を減らしていって、もう四千ヘクタールも一年で減っちゃっているんですよ。五万ヘクタール、果たして維持できるかという状況ですが、これ維持するためにどうするんでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 今おっしゃられたとおり、令和八砂糖年度で五十五万トン、五万ヘクタールを目標に順次輪作の中で取り入れていっていただくということでございます。 今年一年間の中で四千ヘクタール変わったわけなんですけれども、今の砂糖の需要の状況ですとか、あとは作付けの状況ですとか、輪作の中でてん菜からほかの作物への転換ということも進めておりますけれども、必要な生産量が確保できるように、特に労働の負担が大きいというところがてん菜の生産の中でなかなかネックになっているところでございますので、そういったことに関しての支援、これはしっかりやって、必要な量の生産を続けていっていただくというふうに考えております。
○徳永エリ君 まず七工場が維持できるかどうかという非常に大きな問題なんですね。 それと、輪作体系の話もこれまでしてまいりました。さらには、これ酪農家の皆さんにとっても大変重要なんですよ。ビートパルプからビートペレットを作るんですね。このビートペレットを乳牛に与えると乳質が非常に良くなるそうなんですよ。今、このビートペレットの価格が実は四倍ぐらいに上がっていて、ホクレンが補助金出しているので価格は上がらずに済んでいるんですけれども、補助金がないと非常に高いんですね。で、代替できるものがないかということで、酪農家の方が代替品を使ったら乳質が非常に悪くなったということなんですよ。それで、もう一回ビートペレットに戻したら、また乳質は回復したけれども、回復するまでにやっぱり三年とか掛かるそうなんですね。ですから、何としてでもこのビートの作付けを維持していただいて、ビートの生産をしてもらいたいと。 それから、この委員会で何度も言ってまいりましたけれども、ビートから、砂糖を作った残りからプランクトンを発生させて今その燃料を作るという研究もしているんです。まあSAFのお話もさせていただきましたけれども、これから植物に由来する燃料というのが国際的に必要になってきますので、まさにビートもその原料としても使うことができるわけですから、どんどん減らしていくことばっかり考えないで、やっぱり今ある作付けをいかにして守り、そしてほかのものにも利用していくということをしっかり考えていかないと、地域も産業も、そして酪農も守ることができなくなると思いますので、しっかりと御検討のほど、よろしくお願い申し上げたいと思います。 今日、ちょっと産業動物獣医師の不足と、公務員獣医師の処遇が悪いのでこの処遇改善についても質問させていただきたかったんですけれども、また次回にさせていただきたいと思います。 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 初めに、脱脂粉乳の対策についてお聞きをいたしますけれども、コロナ禍に伴う学校の休校や業務用需要の減少などによって、脱脂粉乳とバターは令和三年度まで在庫を積み増してきました。バターは業務用を中心とした需要増加により在庫が減少していますが、脱粉に関しては生産が消費を上回る状況が続いています。そのために、ALICの酪農緊急パワー事業で、パワーアップ事業で生産者団体や乳業メーカーが協調して行う脱粉の在庫低減に取り組んできたところです。また、先日成立した補正予算では、引き続き脱粉の在庫低減対策事業が実施されることになりました。 一方、バターについては、消費量が順調に回復をし、需要期における需給がタイトなため、食品メーカーから、国産バターの増産、安定供給の要求が出ているところです。このような状況を背景として、JA北海道の酪畜本部は、二〇二四年度の生乳生産目標を本年度当初計画よりも一%多い四百三万トンと決めました。その後も増産を図るという方針です。 バターを増産すると脱脂粉乳も増加しますので、在庫低減対策を継続しない限り生乳増産が再び脱粉の在庫の増加を招きかねないという状況になっています。まずは補正予算で在庫低減にしっかり取り組んでいただくということになりますけれども、その上で来年度に向けて脱脂粉乳の在庫低減にどう取り組むのか、伺います。
○副大臣(鈴木憲和君) 脱脂粉乳の需給については、ヨーグルト需要の低迷や製品価格の値上げの影響もあり、緩和傾向で推移をしております。本年十月末時点で、在庫低減対策の効果もあって、在庫は約五万四千トンと適正水準となってはおりますが、先生御指摘のとおり、何ら対策を講じなければ在庫が積み上がってしまうという状況については変わっていないものと認識をしております。 このため、令和五年度補正予算において脱脂粉乳の在庫低減を図るための対策を引き続き支援をすることとしており、具体的には、まず脱脂粉乳を子牛のミルク向けに販売する取組のほか、家庭でも利用しやすい脱脂粉乳の調理法、メニューの開発、脱脂粉乳を原材料とする新商品の開発などの取組を支援をすることとしております。 農林水産省といたしましては、今後の脱脂粉乳の需給を予断をすることはできないというふうに思いますが、しっかり需要に応じた生産、そして生乳需給や酪農経営の安定にしっかりと努めてまいりたいというふうに思います。
○横山信一君 対策を講じなければ在庫が積み上がっていく状況だという認識はしっかり持っていただいて、補正後もしっかり取り組んでいくということでお願いしたいと思います。 私もスキムミルク使って料理作ったりするんですけど、ええ、嫌いじゃないので、とっても便利なんですが、スキムミルク使うと牛乳使わなくなるんですよね。だから、そういうこともあって、スキムミルクのレシピ開発も大切なんですけれども、それだけではなくて、この脱脂粉乳そのもので新しい何かお金を生み出す方法をしっかり考えていただきたいというふうに思います。 じゃ、次に、次もまた鈴木副大臣にお聞きしますけど、輸出拡大についてですね、副大臣取り組んでこられたので、そういったことも背景にお聞きをいたしますが。 まず、LL牛乳ですけれども、常温保存可能なので、これ国内消費に加えて香港、シンガポール、台湾などにも輸出をされています。日本乳業協会が行った調査によりますと、この日本産牛乳に対しての調査では、おいしいというふうに答えたのが香港では五四%、シンガポール四一・六%、台湾二七・九%と、非常に反応がいいと。また、品質がいいというふうに答えてくれたのは、香港では四二%、シンガポール四八%、台湾三一・三%ということで、やはり日本産の牛乳に対しての好イメージというか、そういうのが定着してきつつあるというふうに思っております。 一方で、このLL牛乳の二〇二二年の輸出実績というのは十九・八億円ということで、牛乳・乳製品全体の僅か六・二%ということで、反応の良さから考えるとまだまだ伸びる余地はあるというふうに思っています。 そういうことで、しっかりこの乳製品についても取り組んでいただきたいんですが、一方で、農林水産物・食品の輸出額ということは順調に伸びておりまして、輸出の柱であったホタテの中国輸出が止まっても、それでも九月までに一兆円を超えるということで非常に伸びています。 畜産物は、その中で畜産物というのは、本年九月までに七百二十九億円ということで、昨年同期比の八%を上回っているという状況にあります。二〇三〇年の輸出額五兆円の目標に向けて、畜産物価格、畜産物については、畜産農家、食肉処理施設、輸出事業者の三者が連携をして、一貫してコンソーシアムを組んで重点的な支援を行っているという状況になっています。 そこで、今後の畜産物の輸出拡大についてどう取り組むのか、伺います。
○副大臣(鈴木憲和君) 国内人口の減少が見込まれる中で、農林水産物の需要拡大を図るためには、先生御指摘のように輸出が大切であります。 このため、政府全体で、牛乳・乳製品を含む重点品目を定めまして、二〇三〇年の五兆円目標、五兆円を目標として輸出の拡大を進めております。この中で、牛乳・乳製品は七百二十億円の輸出目標を設定をしております。御指摘の乳製品の中では、特に国産生乳を利用するロングライフ牛乳に期待をしておりまして、二〇二二年も前年より一〇%ほど多い約八千トンが輸出をされたところであります。 牛乳・乳製品の輸出拡大に当たっては、生産者、乳業メーカー、輸出事業者による各産地のコンソーシアムの活動を支援するとともに、先月十四日には、オールジャパンの体制をつくるための品目団体として、これ畜産全体、畜産物全体ということになりますけれども、日本畜産物輸出促進協会を認定をさせていただいたところであります。 政府としては、まずコンソーシアムや品目団体の活動の後押し、輸出に向けた施設の整備の促進、そして輸出先国の規制緩和撤廃の働きかけなどを通じて、更なる輸出拡大に努めていきたいというふうに考えております。
○横山信一君 じゃ、次に、長命連産性の牛群構成について伺いたいと思いますが、これはいわゆるコスト対策だというふうに認識をしております。飼料費と乳牛償却費というのが、酪農の全体に占める生産コストとしては約六割と非常に大きいという状況にあります。これらの生産コストの削減が酪農経営の課題だというふうに認識をしております。 そこで、補正予算では、従来型の配合飼料多給による乳量偏重から、長命連産の、長生きさせる牛ですね、それでまた頑健な、強健な乳用牛に牛群構成を転換するという事業を始めました。この事業、長命連産性の能力の高い精液や受精卵の利用に対して一回当たり六千円又は九千円の奨励金を出すということで、実際に酪農家を回っていくと、酪農家の反応は悪くないという印象を持っています。 そこで、いつまでにどの程度、長命連産性に重きを置いた牛群構成への転換を目指すのか、伺います。
○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。 委員御指摘の乳用牛長命連産性等向上緊急支援事業につきましては、配合飼料の多給による乳量偏重から、より長い期間にわたって、より多くの子牛を産み、生乳を生産する長命連産性の高い牛群構成への転換を支援し、持続可能な酪農への移行を後押しすることを目的としております。このため、乳用後継牛の確保に当たりましては、このような性質の高い精液等を利用することに対して奨励金を交付するものでございます。 この事業を活用して長命連産性の高い牛群構成への転換を目指すかどうかは個々の経営体の御判断になりますけれども、農林水産省としましては、令和二年に策定しました家畜改良増殖目標を踏まえ、短縮傾向にある乳用牛の供用期間の延長や、一頭が生涯に生産する生乳量の増加を支援したいと考えているところでございます。 いずれにしましても、今後の乳牛改良におきまして、長命連産性にどの程度重きを置くかにつきましては、次期家畜改良増殖目標の改定、これは令和七年三月を目指して行っていく議論の中で検討してまいりたいと考えております。
○横山信一君 まずは実際にやった酪農家の状況を見て、ああ、これはいいなと、生産コスト確かに下がるなということになってくればみんなやっていくんだと思うんですけれども、様子を見てということになるのかもしれませんが、うまくいくようにしっかり後押しをお願いしたいと思います。 続いて、集送乳調整金について伺いますけれども、来年は物流の二〇二四問題が控えています。燃料費高騰に加えて、ドライバーの確保や賃上げによって物流コストの更なる上昇はもう避けられないという状況になっています。 この集送乳調整金の算定方式というのは、前年度単価を基準にして物価動向を反映させるものなので、この来年の物流コスト上昇分というのは現状でいくと反映されないという懸念があるということであります。 この二〇二四問題を目前に控えて、この物流コストが上がるということが分かっているのに、それがちゃんと集送乳調整金に反映されるのかと、その懸念に対してどうなのかということを大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(宮下一郎君) 集送乳調整金につきましては、集乳に要する直近のコストの変動、また物価動向等を考慮して算定しまして、食料・農業・農村政策審議会の意見を聞いて決定することとされております。本年度もこのルールにのっとり決定することとしております。したがいまして、将来予測不可能なコストアップ分が取り入れられているかというと、今のところそうにはならないということです。 しかしながら、物流コストが上がるということが想定される中で、その物流コスト問題への対応は非常に重要だと考えております。そのため、生乳の運搬車やバルククーラーの大型化をして集送乳の回数を減らす、こういうことで、また産地の中核的な生乳流通の中継ポイント、いわゆるクーラーステーションを整備して物流コストをトータルで下げると、そういったことをしっかり応援をして、生乳流通の構造改革をやっていこうということで取り組んでいるところでございます。
○横山信一君 構造改革は構造改革として、集送乳調整金、しっかりとお願いしたいというふうに思います。 ちょっと質問飛ばしまして、時間がなくなってきたので。藤木委員からも質問がありましたけれども、私も北海道に縁があるので、どうしても畜安法に触れないわけにはいかないんですね。それほど北海道では需給調整の取組に多くの酪農家が不公平感を持っているということであります。 この生産コスト増大に伴って経営環境が厳しくなったアウトサイダーが指定団体へ出荷を戻したいという声があるというふうに聞いています。酪肉近でも近く検討されることになると思いますけれども、生産者の需給調整における不公平感、あるいはまた減産への懸念に対してどう応えていくのか、これも大臣にお願いいたします。
○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、生産抑制に取り組む生産者団体の中においても、個別の酪農家間の協力に差があることから需給調整が難しくなっているというような声があるというふうに承知をしております。 このため、あまねく集乳する義務が課されております生産者団体と個別の酪農家との関係について、組合員平等という原則の下で制度上何をできるのか、公正取引委員会とも議論をしながら、現場の声をよくお伺いしながら検討を進めているというところであります。 まさに構造問題でありますので、どこまで制度的な手当てをして、そこら辺の調整に資する仕組みがつくれるかということ、そういう観点でしっかり検討してまいりたいと考えております。
○横山信一君 先日の日曜日の「NHKスペシャル」の「食の”防衛線”」、大臣も見られたかもしれませんけれども、輸入に依存してきた家畜飼料を取り巻く状況を非常に丁寧に取り上げていたなというふうにも興味深く見させていただきました。 この飼料価格高騰によって酪農経営はかつてない苦境に陥っていると。また、そこに高齢化と後継者不足の課題もあるということで、中央酪農会議が本年三月に行った調査によりますと、日本の酪農家の八五%が赤字経営だという発表がありました。離農も続いているという、そういう状況です。 是非、この厳しい経営環境の中で未来の酪農を担う若手酪農家に対して、大臣からも是非激励のお言葉を掛けていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(宮下一郎君) 酪農経営につきましては、おっしゃるように、生産コストの上昇、また生乳需給の緩和等もありまして厳しい環境にあると認識しておりますけれども、累次にわたる乳価引上げもありますし、先ほど来お話がありますように、令和四年度及び五年度の二年間にわたって生産量を減らしてこられた北海道では六年度には生産目標数量を引き上げると、こういった話題もあります。 酪農は、そもそも、乳業とともに、国民の豊かな食生活に不可欠な牛乳・乳製品を生産するとともに、地域の資源循環にも寄与する重要な産業であるというふうに考えております。 また、この赤字構造ということをめぐっては、今、適正な価格転嫁システムというものを見直すべきだということで、審議会も立ち上げて、価格の在り方についてもしっかり議論をしております。 いろんな仕組みづくりも含めて、これからも酪農家の皆さんが希望を持って営農できるように応援してまいりたいと考えております。
○横山信一君 我々もしっかり頑張りたいと思います。 最後の質問になると思いますが、今日、八木副大臣にも来ていただいておりますけれども、昨年に動物愛護管理法というのが改正をされまして、施行されまして、犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。登録は環境省が指定した指定登録機関の日本獣医師会が行っています。 一方、この日本獣医師会は、この制度が施行される前から動物ID普及推進会議というのを立ち上げていまして、ここでマイクロチップ装着を進めてきました。通称これAIPO事業というふうに言っているんですが、このAIPOは二百十八万の登録数を有していると、非常に大規模なデータベースを持っています。 このマイクロチップの登録というのは、迷子や事故、それから災害時において犬猫の飼い主と迅速に連絡を取ることが可能となる取組なんですけれども、昨年六月のこの改正以降、環境省は法定義務化をしておりまして、今、今現在、このAIPOとそれから国の制度と二つのデータベースが併存しているという状況になっています。長年の実績と膨大なデータベースを有するこのAIPO事業を活用するのが本来効率的だというふうに思うんですけれども、環境省はかたくなにこの非効率な法定登録に固執しているというふうに見えるわけです。 このAIPOの仕組みを活用した一元化を本来目指すべきではないかというふうに思いますけれども、副大臣の見解を伺います。
○副大臣(八木哲也君) 御指摘ありがとうございました。 ただいま、国へのマイクロチップの情報の登録制度につきましては、令和元年に改正された動物愛護管理法に基づき、ペットショップなどで販売される犬猫へのマイクロチップの装着と国への登録が義務化されたところでありまして、先生御承知のとおりだと、こういうふうに思います。 この制度が令和四年六月、昨年でございますけれど、に施行されて以来、一年半がたつわけでありますけれども、登録された犬猫の頭数は現時点で百十万頭を超えておりまして、着実に増加している現状がございます。 そういう中で、マイクロチップの情報の登録は国民に課した義務であり、その制度の運用については、国の果たすべき役割や登録された個人情報の取扱いなど、様々な観点を考慮する必要があることから、御指摘の点は慎重に検討していくべきことと承知しております。 いずれにいたしましても、AIPOを始め、既存の民間登録団体が行ってきた仕組みも参考としながら、本マイクロチップの制度に携わる指定登録機関の日本獣医師会や関係者の協力をいただきながら、御意見をいただきながら、制度を適切にかつ効率的に運営していくべきだというふうに思います。
○委員長(滝波宏文君) 時間が参りましたので、おまとめください。
○横山信一君 はい。 終わりますけれども、しっかり検討して、この効率的にやっていくんだということをしっかり検討していただきたいというふうに思います。 以上です。
○松野明美君 お願いいたします。 皆さん、こんにちは。日本維新の会の松野明美でございます。畜産につきましても新人でございますが、一生懸命頑張ります。よろしくお願いいたします。 私の熊本の方の、地元の、自宅の近所に牛専門の獣医さんがいらっしゃいます、年齢は私より一つ上なんですけれども。やっぱりかなり厳しいと。診療の件数がどんどんどんどんと減ってきているということです。また、やはりコスト削減のために、栄養剤、家畜に対するビタミン剤の取扱量もどんどんと減少しているということで、本当に厳しいなということをおっしゃっておられました。 以前は、確かに、牛乳一〇〇%国産ですとかいうポスターもありましたが、現在は、先ほどもいっぱいありましたけれども、輸入品ということで、飼料とか資材の価格高騰にもよります経営難も起きております。本当にどうにかならないものかと思っております。 そういう中で、国では、今年の七月、アニマルウエルフェアの指針の策定がされたということでございますが、採卵鶏の飼養では、ヨーロッパではケージフリーということなんですけど、日本はケージ飼い。これも、バタリーケージとか、ビークトリミングというのは批判もあるということを聞いております。アニマルウエルフェアはコストもかなり増えるんではないかなと思って、も課題だと思っております。 我が国におきまして、我が国のやり方というのが多分あると思うんですが、日本に適したアニマルウエルフェア、日本版のアニマルウエルフェアとはどういうものなのか、大臣にお尋ねをいたします。
○国務大臣(宮下一郎君) アニマルウエルフェアは、家畜を丁寧に扱うことで、その取扱いなど適正な飼養管理を行うことで家畜のストレスや疾病を減少させ、家畜の本来持つ能力を発揮させる取組でありまして、その推進は重要な課題であると認識しています。 農林水産省としましては、日本の文化や気候に適したアニマルウエルフェアの普及に積極的に取り組むこととしておりまして、欧米に比べて高温湿潤な日本の気候に適した家畜の飼養実態を踏まえつつ、国際基準でありますWOAHコードに沿った畜種別の飼養管理指針を畜産局長通知ということで、御指摘のように、本年七月に発出したところであります。 当該指針においては、先生言及されました、例えばバタリーケージについては、バタリーケージによる飼養自体は可能であるけれども、将来的な実施が推奨される事項として、砂浴びやついばみのエリアなどを設ける場合は通常の行動様式を発現する自由が確保されるように設計する旨書かれておりますし、またビークトリミングについては、必要最小限の量のくちばしを取り除くよう注意するなど、具体的に記載しているところであります。 当該指針の普及には、生産者や消費者、双方の理解が欠かせないことから、現在、当該指針に関する説明会も重ねているところであります。
○松野明美君 先ほど大臣もビークトリミングとおっしゃったんですけど、私も映像だけしか見たことがないんですが、やはり見ただけでもちょっと痛そうな感じがするなと思いまして、ちょっと痛みが伝わってくるような感じもいたしました。 そういう中で、先日、ニュースを見ておりましたら、卵を生で食べる習慣がない外国人の間で静かにブームになっているのが、TKGといいまして、卵掛け御飯ということだそうです。また、SNSでもかなり広がっていまして、大好評ということをお聞きしました。香港でもこのTKG、卵掛け御飯がだんだんだんだんとブームになっているということでございます。これはチャンスだなと思います。 やはり、香港の日本からの輸入量は三年間で三倍以上に急増しているということだそうです。このことからも、諦めてはいけないと本当に感じます。日本の生で食べれる卵を世界にどんどんとアピールしていく必要があるんではないかなと本当に思っております。 そういう中で、日本は、一人当たりの卵の消費量が三百三十九個、大体一日に一個程度ぐらい消費をしているということで、メキシコに次ぐ世界二位です。 安定的な供給とアニマルウエルフェアの両立、大きな課題だと思うんですが、このアニマルウエルフェアのコストはどれくらい掛かるのか、また安定供給はどのような対策を考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 アニマルウエルフェアに配慮する場合としない場合で統計的にしっかりとした調査があるわけではございませんけれども、採卵鶏におきましてアニマルウエルフェアに配慮した飼育方法を実践した場合に鶏卵の生産コストがどうなるかということを令和三年度に北海道大学の研究グループが試算をいたしましたところ、我が国で一般的なケージ飼いの方式に比べまして、平飼い方式で飼いますと、農場での生産コストは二・四倍となるというような旨が報告された試験研究の事例ございます。 農林水産省といたしましては、アニマルウエルフェアに配慮することで付加価値が高くなる鶏卵があるということであれば、それを求める消費者がいるというのであれば、そういった鶏卵のニーズに応えることも重要でしょうし、一方、購入しやすい価格帯の鶏卵へのニーズというのもあるということであれば、そういった多様な消費者ニーズに応じた鶏卵の安定的な供給がなされるように取り組んでいく必要があると考えてございます。
○松野明美君 やっぱりコストは二・四倍、やっぱりかなり掛かるなと思いまして、やっぱり要望がないとなかなか、二・四倍のコストが掛かるので進まないのではないかなと思っております。 私も、アニマルウエルフェアというのは実際知りませんでした。この質問の準備の段階で知りまして、やっぱり約九割の方が知らないということだそうです。 私の地元にも養鶏場が非常にあるんですが、少し離れたところにあります。そして、中がなかなか見えにくいので、どういう飼育方法なのかというのが分からないので興味が湧かない。ですから、いや、だから気にならないというんで、そういうことからも、やはりなかなかアニマルウエルフェアというものが広がりにくいのかなというものがあります。 やはり、そういうところからアニマルウエルフェアというものが広がると、やはり消費者がやっぱり一番敏感ですから、お店とかレストランでその対応を求めたりとか、そうすることによって、要望されたらやっぱりそちらに進んでいくというようなことではないかと思いますので、要望がないと、やはり要望がないということが一つの原因ではないかなと思っております。 そして、地元の実は熊本県の阿蘇中央高校というところ、高校があるんですが、この高校では約五十頭の豚をアニマルウエルフェアの飼育方法で行っております。そして、実は地元の道の駅と共同で新商品の開発を行いました。その中でも、コラボ商品、うまかぁ豚ラーという、値段は七百八十円で、この地元の道の駅限定品ということなんですよ。そして、何と僅か一週間で完売、次の販売は四か月後だそうです。やっぱり、かなり愛情と手間も掛かっているなというふうに思いました。そして、やはり高校生の食育にもつながっていくのではないかと本当に思います。 このような取組を実習で行われている農業高校とかは全国で大体どれくらいあるのでしょうか。そして、このような共同開発、うまかぁ豚ラーのような取組をどのようにお考えか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 農林水産省では、農業高校でアニマルウエルフェアの取組がどれくらい行われているかというその数などを網羅的に把握するための調査は実施をしてございませんけれども、アニマルウエルフェアに取り組むことが要件とされております畜産GAP認証、そういった認証を取得している農業高校などが全国で十九校あるということは把握をしてございます。我が国の畜産業の将来を担う若者が農業高校などにおきましてアニマルウエルフェアについて学ぶことは、アニマルウエルフェアの向上の観点から有意義なものと考えてございます。 農水省といたしましては、本年七月に制定、策定しましたアニマルウエルフェアに関する飼養管理指針につきまして、文部科学省とも連携しながらその指針の農業高校などへの周知を図るということをさせていただいておりますし、また消費者の理解醸成にも引き続き取り組んでいきたいというふうに考えてございます。
○松野明美君 やっぱり消費者への情報発信というのは非常に大切だと思っております。 私も、スーパーに行きますと、これは私の場合なんですけど、目を奪われるのがやはり広告。例えば三〇%カロリーオフとか、ここ、店限定品とかタイムセールとか、そうやって、例えば現在は生産者の顔写真がありますね、この方がこの作物を作りましたとか、そういう写真をじっと見て買ったりとか、そういう広告、目を奪われるようなそういう何か認証とか、そういうことになればいいなと思うんですね。本当にアニマルウエルフェアというのは全く知らないような現実なものですから、認証制、認証マークはあるんですかね、あるんだと思いますが、本当に目を奪われるような魅力のあるそういうマークとかを考えていただければなと本当に思っております。 そういう中で、世界動物保護協会によりますと、日本のアニマルウエルフェアはABCDEFGのGランクと、世界最下位と認証されているということなんですけど、これは本当なんでしょうか。もし最下位ということであれば、その最下位の、最下位の理由は何なのか、教えてください。
○国務大臣(宮下一郎君) 海外の民間団体であります世界動物保護協会が二〇二〇年に各国のアニマルウエルフェアについて独自に評価を行った結果、我が国の総合評価はE評価とされた一方で、アニマルウエルフェアに関する法律の存在の項目中、畜産動物の保護についてはG評価とされたと承知しております。 同団体の評価の根拠について詳細は把握できませんけれども、我が国に関する二〇二〇年の評価書によりますと、このG評価は、アニマルウエルフェアの観点から家畜の種類ごとに規制した法律がないことが要因になったものと考えられます。 なお、中国やロシアもGなんですけれども、これらの国も、詳細は明らかではないですけれども、やはり家畜の種類ごとに規制した法律がないと評価されている点が共通だというふうに推測されます。 いずれにしても、本評価は、同団体が我が国に対してその聞き取りや説明の機会を与えないで一方的に公表したものでありまして、そういった意味では、我が国がG評価に下げられた具体的な要因がどこにあるかということについては実は明確ではないと、そういうことです。
○松野明美君 分かりました。 ただ、やっぱり、先ほどちょっと発言させていただきましたが、やっぱり、生で食べれる卵というのはやっぱり非常に付加価値が出ると思いますので、どんどんとアピールしていっていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 次に、豚熱についてお尋ねをいたします。 今年の八月、五十二年ぶりに佐賀県の養豚農場におきまして豚熱の感染が二例確認されました。実は九州では豚熱感染の野生のイノシシが発見されていないと聞いているのですが、それでは発生源はどこなのでしょうか。もし分かりましたら教えてください。
○政府参考人(安岡澄人君) 佐賀県における豚熱の発生要因でございます。疫学調査のチームを派遣して検討してございます。 委員から御指摘のとおり、現段階では周辺地域で野生イノシシで発生が見られておりません。その一方で、ウイルスの起源を見たところ、同様のウイルスは中国地域の西部のところの野生イノシシなどにあるものと同様ということが分かってきております。そういったことから、現状を見ますと、イノシシはいませんので、イノシシを介して感染したということではなくて、人為的な要因で、人や車などを介して何らかの形で来たものというふうに考えております。 いずれにしても、疫学調査のそういった結果を踏まえながら、ワクチン接種もしていますけれども、やっぱりそういった点では飼養衛生管理、極めて大事ですので、九州地域でも徹底していきたいというふうに考えております。
○松野明美君 先ほど、人や車からということは、人や車はどこから持ってきたかと、その感染源をちゃんと突き止めないとどんどんと広がっていきますので、それはちょっと調べていらっしゃるんでしょうか。再度お尋ねをいたします。
○政府参考人(安岡澄人君) 先ほど申し上げたとおりで、イノシシなどの感染ではないということで、人であったり車であったりということが考えられるわけですけれども、当該その農場と、例えば元々その同様のウイルスが見られているようなところの地域の直接のつながりもないものですから、いろんな意味で介して、経由地なんかを介して行っているのではないかといったことも想定されるところでございます。 いずれにしても、我々、他地域から入ってくるということを注意しなきゃいけませんので、様々な地域から畜産の関係者が来るようなところ、そういうところなんかを特に注意をしながら、しっかりそういうところの感染対策もしながら地域内に入ってくることを抑えていくということが重要だろうというふうに考えております。
○松野明美君 分かりました。 九州における豚熱の蔓延防止というのは、ちょっと私自身から見ますと少し手薄になっているんではないかなと思うんですが、その辺りはどのようにお考えか、お尋ねをいたします。
○国務大臣(宮下一郎君) 本年八月末に、九州では平成三十年九月以降初めてとなる豚熱の患畜が佐賀県において確認をされまして、これに対応して農水省としては、一大養豚地域であります九州地方における豚熱の蔓延防止対策を早急に進めるために、佐賀県での発生後、速やかに各県と連携をして、九州全県での飼養豚への速やかなワクチン接種を行うこと、また農場における飼養衛生管理の強化を行うこと、また捕獲や検査等の野生イノシシ対策の強化なども行っているところであります。 特に、ワクチンにつきましては、家畜防疫員、知事認定獣医師に加え、飼養衛生管理者による接種も活用しながら、九州全県で年内の初回接種終了に向け、速やかなワクチン接種を実施しているところであります。 野生イノシシ対策については、平成三十年九月以降、国では野生イノシシの検査を実施しておりまして、令和三年度以降、都道府県における年間検査頭数目標を二百九十九頭以上というふうにしております。さらに、九州におきましては、本年九月以降、野生イノシシに対する検査を強化して検査頭数を二倍以上にしておりますけれども、これまで九州の野生イノシシでの感染は確認されておりません。 豚熱については、先ほどもお話ありましたように、人や車両や物を介した人為的な伝播を防ぐことも重要でありますので、ワクチンだけに頼るのではなくて、飼養衛生管理の徹底を図るなど、引き続き九州における豚熱の発生予防にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○松野明美君 大臣、次の質問へのお答えもしていただきまして、ありがとうございました。 おっしゃったように、やはりワクチンの打ち手不足というのも心配なんですね。特に九州は飼養頭数が非常に多いんですよ。ですから、十分にワクチンが打てるような環境づくり、そして豚熱のこの接種状況も把握しながらやっていただきたいと思っております。 そして、先ほどのやっぱり発生源というのはしっかりと突き止めなければまた発生すると思うので、この人や車がどこから感染したかというのも突き止めて、しっかりと予防していっていただきたいと思っております。 以上です。終わります。ありがとうございました。
○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。 今日の委員会は、大臣が畜産物価格を決定するに当たって立法府としてもしっかり意見を申し上げると、こういう趣旨で開催されていると思っております。まさに今、農産物のみならず一般商品についても、総理がコストカット型経済からの脱却を訴える中、価格転嫁の議論が盛んに行われていることを考えると、しっかりと資材価格高騰を反映した再生産可能な水準にすべきと考えますけれども、大臣の基本認識を改めてお伺いします。
○国務大臣(宮下一郎君) 畜産物価格等の決定につきましては、算定ルールに基づいて生産コストの変動等を考慮して算定をして、食料・農業・農村政策審議会の意見を聞いて決定することとされておりまして、本年度もこうしたルールにのっとり決定することとしております。 この決定の背景にあるのは、先生御指摘のように、直近のコスト上昇等をしっかり反映したもので価格を決定して持続可能な農業を実現していただこうと、こういう思想が背景にあるものと思います。
○舟山康江君 実際に本当にそれが実現されているとすれば、これほど畜産の現場が厳しいわけがないと思うんですね。しかし、現実には多くの農家が離農を余儀なくされたりとか再生産できないということになっている。やはりそこを重く受け止めていただいて、先ほど私冒頭にも申し上げましたけれども、まさに今、本当にこのデフレ、デフレでコストカットをしていたんですけれども、そこを抜け出す、しっかり価格転嫁をしていくんだというそういった大きな流れがある中で、改めて、算定ルールももちろんなんですけれども、ここの意思を、今回の価格決定に当たっては大臣のリーダーシップを持って、これ、大臣が決めるわけですから、是非しっかりと取り組んでいただきたいということを改めてお願いを申し上げます。 さて、その再生産可能な価格の実現に向けて取り組むと同時に、やはり畜産経営の一つの課題は餌だと思います。いかに餌代を下げ、いかに安定供給するか、ここが非常に私は大事だと思っておりますけれども、やはりこれいまだに、少し去年から落ち着いているのかなと思いますけれども高止まりしていると、こんな現状があります。ましてや飼料費は生産費に占める割合、非常に高いですよね。牛で三から五割、鶏や豚で六割ということですから、やはりこの餌代をいかに下げるのか、これが大きな課題だと思いますけれども、政府としてのこの餌代を下げる、ここに対しての対応策をお聞かせください。
○国務大臣(宮下一郎君) 餌代を下げる一番の重要な政策は、国産飼料の生産を増強することだと思います。 ただ、国産飼料の生産については、排水性の良いまとまった農地の確保が難しいとか、高温多湿で収穫時期に台風が多い等の制約がある地域では高い生産性の実現は難しいというのも課題になっております。 このため、農林水産省としましては、草地の整備改良による排水性の向上、また大区画化や機械導入による飼料生産の効率化や収量の向上、また地域の飼料生産を集約的に行うコントラクター等の飼料生産組織の運営強化、こうしたことを支援することで飼料費の低減を図る取組をしっかり推進してまいりたいと考えております。
○舟山康江君 ちょっとまた後で細かいところをお聞きしていきたいと思いますけれども、例えばエコフィードの利用とか未利用の稲わらの利用とか、まだまだできることはあるような気がするんですね。是非そういった取組などもマッチングも含めてもっと進める、まだまだできることあると思います。 そういう中で、やはり今、飼料自給率が全体で二六%、濃厚飼料に至っては僅か一三%と、こういった状況の中で、どうしても輸入に頼らざるを得ないというこの現状は、それはそれとして受け止めていかなければならないと思いますけれども、この輸入飼料をいかに減らしていくのか。裏を返せば、国産の自給率を上げていくということなんですけれども、現状、私、非常に不思議なのが配合飼料。多くの方が使っているとはいえ、配合飼料だけ非常に何か手厚過ぎるんじゃないか。逆に、配合飼料に手厚いがゆえに、今まで単品飼料、ほかのものを使っていた人が、今回急騰していますよね。通常補填、異常補填、特別補填、こういう中で、ああ、配合飼料の方が補填もいっぱいだし、お得だなということで、あえて戻ってしまっているという、こんな声も聞いております。 改めて、なぜ、どっちかというと割高になる、あらかじめ混ぜてくれるから簡単ですけれども、こういったものを推進することが逆にそのいろんな工夫を阻害しているんじゃないかとか、いわゆる自給率を上げようというそのインセンティブを少し抑え付けているんじゃないかと、そんな懸念もあるんですけれども、その辺りどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) 委員から配合飼料を優遇しているというお言葉がございましたけれども、確かに配合飼料については配合飼料価格安定制度という補填の制度を設けてございます。一方、それ以外の自家配合の場合などに使われる穀物などについては類似の制度はございません。 これは、配合飼料が広く畜種横断的に使用されて、一方で、配合飼料の原料は輸入にほとんど依存しているということで、価格が国際情勢に大きく左右されますので、生産者への影響緩和を図るということで、昭和四十三年に、これ国が関与をするところではなくて、民間の取組としてこの配合飼料価格安定制度が立ち上がりまして、その後、昭和五十年から異常に輸入原料価格が高騰したときには国も負担して補填に参加するような仕組みになったというような経緯がございまして、こういう形でその配合飼料の価格安定制度については国も関与した形の補填の仕組みがあるというようなことでございますが、一方、自家配合飼料につきましては、これは生産者が自ら工夫をすることで配合飼料に比べ飼料のコストが抑えられているということ、また、配合飼料価格安定制度のように生産者と飼料メーカーも拠出をするような、が拠出をしてお金をためておくような仕組みもないというようなこともありまして、これまで支援の対象とはしてこなかったというような経緯でございます。
○舟山康江君 経緯はそのとおりだと思います。 元々、やっぱり日本の畜産、特に昭和四十年代ぐらいからでしょうかね、大きく拡大する中で、やっぱり餌は輸入に頼っていこうと、これはアメリカの余剰トウモロコシの処理というところもマッチしてそういった方向ができたんですけれども、一方で、今まさに局長からの御答弁の中にもありました、自ら、いわゆるその経営感覚を持ちながらその飼料コストの低減を図るという努力の中で、配合飼料ではないいわゆる単味の輸入穀物と、あと、国内での濃厚飼料等を自分たちで工夫しながら使っている、その方がコストが安いということは今、低コストの傾向があるということは今局長もおっしゃったわけで、やっぱりそちらを優遇するというか、そちらに誘導するような仕組みも今後入れていかなければ、何か輸入の配合飼料の方が、確かに拠出もしてますよ、だけど、通常補填は国は関与していなくても、異常補填とか今回の特別補填とか、これ全部国が出しているわけですよね。国がお金を出すということは、やはり国の施策の方向性を、どういう思いを組み込んでいくのか、そういう中で、やっぱり時代は今できるだけ工夫を促すとか、国産を増やすとか、そういった思いが込められているとすれば、やっぱりここも少し見直していくべきじゃないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 配合飼料に対比した形で自家配合飼料を使うのに、例えば穀物を生産するですとかいうような取組、それを利用するというような取組もございます。 申し上げましたとおり、自家配合飼料には基本的に配合飼料価格安定制度のような政府も関与する形で補填をするような仕組みは、これは価格補填をするような仕組みはございません。 一方、国産飼料の生産、利用というのは非常に大事だということで、持続的な畜産物生産ですとか畜産経営の安定を図るためには、やはり国産飼料生産基盤に立脚をした生産に転換していくことが重要だということで、これ、国産飼料の生産、利用の拡大のためにこれいろいろ課題があるわけでございまして、これまでの課題としては、飼料作付け地や労働力の確保が難しいとか、畜産農家が自ら生産して利用する自給飼料が主であったので流通体制が不十分だとか、国産飼料ですと品質面での安定性がちょっと不十分だったというような課題があったものでございますので、そういった課題を克服するという観点から、飼料生産組織の運営の強化といったものをやっていきたいと思いますし、耕畜連携についてしっかり支援をしていきたいというふうに考えておりますし、また、国産の飼料の広域流通を支援をするというような取組を支援をすることで、工夫をして、自ら創意工夫をして、安い飼料を作るような取組というのを支援をしていきたいというふうに考えてございます。
○舟山康江君 ちょっと私も是非御検討いただきたいなと思うのが、現実、配合飼料をこれだけ使っている現状の中で、それを、支援をやめろと言うつもりはありません。ただ、自給率を上げるという大きな国としての方向性を、そこに思いを盛り込むのであれば、例えば、この配合飼料、国の拠出、その異常補填のところですよね、出す条件として一定程度の国産の飼料を使うことを条件にするとか、そういったことを組み込んでいくともう少し変わっていくような気がするんですけれども、大臣、いかがでしょうかね。
○国務大臣(宮下一郎君) 方向性としては、国産飼料増産、それを応援をしていくという方向性ですので、具体的な制度設計については先生の御指摘も踏まえてしっかり検討していきたいと思います。
○舟山康江君 是非そういったことも含めて御検討いただきたいと思います。 そして、やはりこの飼料自給率を上げる一つの方向性として、今飼料用米の生産拡大にも取り組まれていますけれども、これも私も以前から何度か取り上げていますけれども、飼料用米、生産量が約八十万トン、備蓄米から十七万トン、MA米から五十九万トン、合計で現状で百五十九万トンが供給されています。 一方で、餌として利用可能な飼料用米どのぐらいかというと、まあ聞き取りによりますと、大体今と同じようないわゆる給与形態でも四百五十万トン、工夫次第では一千万トン超えると言われている中で、なぜそれが進まないのか、このギャップが何で生じているのか。その辺り、業者側の理由なのか生産者側の理由なのか、そこをどのように分析しているのか、教えてください。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 飼料用米でございますけれども、これは、畜産の分野では年間一千万トンを超えて輸入されているトウモロコシの代替原料として配合飼料に使われるなどという形で利用をされてございます。 この配合飼料メーカーが配合飼料を作るときに飼料用米を使うというのがあるわけですけれども、その利用の拡大に当たっての課題といたしましては、このメーカーが、これなかなか、飼料原料の配合割合を多々変えるということはちょっと余りよろしくないので、メーカーが必要とする量をしっかり安定的に確保できるというようなことが課題として必要になるところでございますし、また、畜産農家が、配合飼料メーカーではなくて畜産農家が飼料用米を利用するという局面では、これはやはり耕種農家が耕種サイドで生産した飼料用米が必要とする畜産農家に対してしっかり必要なときに安定的に供給されるということが確保されるということが必要であるということで、また畜種によっては破砕加工が必要となるなど、利用環境の整備を進めていくというようなことが課題になっているということで、そういった課題をしっかり対応していきたいというふうに考えてございます。
○舟山康江君 もうこれ取組が始まって相当たつ中で、今お話しいただいたように、トウモロコシの代替になり得るということです。 現状を見ると、輸入のトウモロコシの価格と国産の飼料用米の価格を見ると、もう全く安いんですよね、国産の飼料用米の方が。安いのに何で使われていないのか。だから、これが、生産者側がこれ安過ぎてもう売れないと思っているのか、事業者側が何かこれよく分からない、安いけれども何か面倒くさくて変更したくないのか、よくちょっとそこら辺きちっと分析して、具体的に飼料用米の利用拡大に向けての手を打っていかないと、私、一方では非常に安過ぎてもう、生産者側も何かもう余り思ったように増えていませんよね。 私、でも本当、米の生産というのはこれからの日本の農地を守る、食料の安定供給を確保するという意味でももっとしっかり取り組むべきだという観点からもここは是非進めていただきたいと思いますし、その辺りきちっと、是非もっと、もっと細かく分析して具体的に進むようにしていただきたいと思いますけれども、ちょっと大臣か副大臣か、お答えいただけませんでしょうか。
○副大臣(鈴木憲和君) まさに先生おっしゃるとおりだというふうに思いますので、しっかり、私も米どころでありますので、よく問題意識持ってやりたいと思います。
○舟山康江君 飼料用米と併せて、エコフィード、これも濃厚飼料、非常に私可能性あると思うんですけれども、濃厚飼料全体のうち僅か五・四%、割合が余り増えていません。なぜ増えないんでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 食品残渣を活用するエコフィードでございますが、平成三十年度まで製造量が増加傾向で推移をしてきました。ただ、近年では横ばいで推移となっております。これは、利用が容易な食品残渣の多くがもう既にエコフィードとして利用されているというような状況がある中で、食品ロスの削減の取組もありまして、エコフィードの主原料である食品残渣の発生量が減少しているということも原因であるというふうに考えてございます。
○舟山康江君 いや、でも、利用可能量の中で全部なんか使われていないんですよね。やっぱりそこはもう少し上げる工夫をしていかなきゃいけないと思いますし、もう一つ、稲わら、これ、いわゆる主食用米の稲わらが、もちろん、無駄に焼かれているというよりも、すき込まれたりとかいろんなことに使われてはいるものの、ここももう少し畜産の方に使えるんじゃないかというところ、その辺りも取組を進めていただきたいと思います。 そして、もう一つ指摘をしなければならないのは、自給率向上もこれは大きな目標だと思いますし、昨年のこの委員会でも、当時の野村大臣からもその問題意識は共有させていただきました。一方で、やっぱりこの自給飼料の給与割合は、むしろ横ばいかちょっと若干減少しているんですよね。しかも、やっぱり大規模、大規模になりますと、まさに追い付かなくて、生産が追い付かない、そして供給も追い付かない中でやっぱり輸入のものに頼る傾向があるというところだと思うんです。 そういう中で、改めて、その規模による経済性、これも去年の答弁でもありましたけれども、規模の大きい畜産農家ほど負債抱えている、収益性も悪化している、やっぱり餌代の高騰ですね。そういう中で、規模による経済性の分析等は行っているんでしょうか。そこしっかりと行っていかないと、何か大きいことはいいことだということはもう何か限界だと思うんですね。そこ是非一点お聞きしたいのと、そして、まずそこをお聞きします。
○国務大臣(宮下一郎君) 畜産経営においては、一般的には飼養規模が拡大すればスケールメリットによりコストも下がって収益性が向上するということでありますけれども、他方、御指摘のように、飼養規模拡大の結果輸入飼料に過度に依存するような経営体については輸入飼料価格の上昇の影響をより大きく受けると、こういうことでありますので、国産飼料の供給可能性が適正規模に影響するというのが今の現状だと思います。 このため、農林水産省としましては、国産飼料の生産基盤強化によって、輸入依存度が低く外部要因に影響されにくい生産構造への転換をしっかり推進していく必要があるというふうに考えています。
○舟山康江君 そういう意味では、大きく、畜産クラスターだっていまだに増頭支援とかしていますよね。そこに対して、去年、身の丈に合った、などというお話もありましたけれども、今のその飼料基盤、飼料生産基盤と、きちっと見た上でどのぐらいかということを考えるべきだという、そういうメッセージをもっと明確に発信していかないと、何かもう、自転車操業なんて言ったら失礼ですけれども、とにかくどんどん大きくしていかなきゃいけないという、そういう方向になっているのはこれ否定できないと思います。その辺り、国の方から、大臣から是非メッセージを発信していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○委員長(滝波宏文君) 時間でございますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(宮下一郎君) はい。 おっしゃるとおり、そういった構造改革がこれから目指すべき方向だというのをしっかり発信していきたいと思っています。
○舟山康江君 私、非常に大事なことだと思いますので、是非よろしくお願いいたします。 以上です。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 最初に、二十分ってあるようで時間がないので、ちょっと御答弁は極力簡潔にお願いをしておきたいと思います。 コロナ感染症による需要の減少、円安、ウクライナ危機などによる輸入資材、餌の高騰で畜産、酪農は歴史的な危機にあると言われ、昨年来、畜産の灯を消すなという運動が広がりました。酪農家の窮状を直接お聞きになった、当時は野村農水大臣だったわけですけれども、三月に畜産・酪農緊急対策パッケージを出されました。一頭当たり北海道で七千二百円、都府県で一万円の直接支援をされました。飲用向けの乳価も加工向けの乳価も上がったというのは、不十分とはいえ、生産者からは、いや、声を上げてよかったなというふうに歓迎をされました。しかし一方で、離農に歯止めが掛からない現実があるわけです。 先日、十一月に北海道の道東地域に行きました。ある地域では、十二月に二戸、来年四月にも一戸離農するんだと、クラスター事業で設備投資した人は、収支が合わずに更に融資を受けて借金が膨らんでいると、このままでは地域も農協ももたなくなると強い危機感を語られました。北海道では、乳価が上がっても借金の返済額を含めると一千万以上の赤字が続いていて、酪農家の戸数も五千戸を切りました。この一年では最も離農が進んでいると聞いています。 大臣にお聞きしますけれども、酪農の危機は脱したと言えるのか、まだ脱していないのか、その認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下一郎君) 酪農経営については、飼料その他の生産コストが高止まりしていること、また脱脂粉乳需要の低迷が続いていることなどを考えますと、依然として厳しい環境が続いているというふうに認識しています。一方で、昨年十一月以来、乳価は累次引き上げられておりますし、改善の方向も、兆しも見えているというふうに思います。 ですから、危機を脱したという、手放しで脱したということではないけれども、いい方向に向かいつつある、これを後押しして国際情勢の変化を受けにくい生産構成に転換すること、また国産飼料の生産、利用の拡大を進めて、国内飼料の生産基盤に立脚した酪農経営に向かっていく今一番大切なときだというふうに考えています。
○紙智子君 改善はしつつあるけれども、脱したというふうには言えないということですよね。 それで、三月にパッケージを出された後の六月一日に、この参議院の農水委員会で畜産・酪農に関する参考人質疑をやりましたよね。それで、そのとき金谷雅史参考人が、既に一頭当たりでいうと十万円以上の赤字を被っているんだと、同額の赤字補填を求めたいというふうに言われました。 それから、六月の二日には、帯広で北海道農業法人協会や十勝酪農法人会と農林水産省との意見交換会が行われて、そこでも酪農家に対して経産牛一頭当たり十万円の支援というのを求める要望が出されたというふうに聞いているんですけれども、この要望に応えることできませんか、大臣。
○政府参考人(渡邉洋一君) 酪農経営の収益性は飼料生産基盤の規模や輸入飼料への依存度により異なっておりまして、国産飼料に立脚した酪農経営では経営状況が改善の兆しをしてきている方もおられると。一方、飼料生産基盤を持たずに輸入飼料に依拠しながら規模拡大をしているような方が、やはり、どうしても輸入が高くなった結果、経営状況が苦しくなっているというようなことを承知をしております。そういう中から、一頭当たり十万円の支援の要請というのが聞いているところでございますが。 農水省といたしましては、乳用牛に対して一頭十万円というような支援をすることは難しいと考えてございますが、これまでも配合飼料価格の高騰に対しまして緊急補填などやらせていただいてきましたし、各種の経営安定対策やらせてきていただいております。また、大臣からもございましたとおり、国産飼料の生産、利用の拡大をしっかり進めるというようなことで、安定した、酪農経営の安定に努めていきたいというふうに考えてございます。
○紙智子君 乳価が上がっても経営は好転していないんですね。離農にも歯止めが掛かっていないという現状です。 三月のパッケージに対して生産者は、これで首の皮一枚つながったと言いつつも、一息つける状況ではないというふうに言っているんですね。新たな支援策が必要じゃないかと思うんです。 農林水産省は、乳牛一頭を淘汰すると十五万円支援するという酪農経営改善緊急事業を行いました。処分する目標は四万頭だったと思うんです。現在の申請数と、この予算の執行状況について教えてください。
○政府参考人(渡邉洋一君) 酪農経営改善緊急支援事業、いわゆる早期リタイア事業ですが、本年十月末の時点で約六千頭の申請でございます。事業継続中でございますので執行額がまだ決まっているわけではございませんが、この申請に所定の所要金が支払われた場合には、約八億円の実績の見込みとなります。
○紙智子君 まあ四万頭の目標ということなんだけれども、今の話だと六千頭の申請があり、大体、これからの支払の見通しとしては八億円ぐらいということなんですよね。予算額が五十億円なんですよ。執行額がだから八億円だとすると、使っていないのが四十億円以上あるわけですよね。 現在、北海道では、生産抑制をし過ぎてしまって生乳生産に影響が出ると、このままでは生産基盤が崩壊しかねないというふうに言っているんです。乳牛の淘汰はこれ以上進まないんじゃないかと思うんですね。 予算は、やっぱり牛を殺すためではなくて生かすために使うべきではないかと思うんですよ。乳牛を淘汰する予算が四十億円前後余っているということであれば、だったら三月にやったように生産者を直接支援する事業に組み替えてはどうかと、これ大臣の判断で、政治判断で是非やっていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下一郎君) 基本的に、一定の言わば所得補償的な支援になると思うんですけれども、こうしたことを実施しますと、需要に応じた生産が行われなくなって、逆に過剰生産の懸念が生じるとか、また、所得を補償することによって乳価が低くゆがめられるおそれもあるなど様々な懸念も予想されておりますので、そうしたやり方は望ましくないんではないかというふうに考えております。 むしろ、農林水産省としましては、現下の酪農情勢を踏まえて、酪農支援のための必要な事業として、例えば、脱脂粉乳の在庫低減対策であるとか、国産チーズの競争力強化対策でありますとか、耕畜連携などによる国産飼料に立脚した経営の推進、こうしたことで構造自体を前向きなものに転換していく、そうした支援をやっていこうと考えているところであります。
○紙智子君 だから、やっぱりその考え方自身のところをもうちょっと変えないといけないんじゃないかなと思うんですよ。需要に応じたことをやらないと過剰になるとか、所得補償的なことをやるといろいろ狂ってくるんじゃないかと言うんだけど、問題はやっぱり、今緊急の状況で、このまま放置すると離農がどんどん続いちゃうよってことなんですよ。 生産者は一頭十万円の支援を求めていると。報道によると、北海道が一頭五千円の交付を決めているんですね。やっぱりそうやって直接やるということが必要だと思っているからこういう対策だと思うんですよ。酪農に詳しい学者も、直接的な所得補填が効果的なんだということも言われているわけです。酪農危機を打開するための緊急支援を是非求めたいというふうに思います。要望しておきます。 それから次に、加工原料乳生産者補給金についてなんですけれども、これ、計算方式の見直しは、生産規模の大小を問わず、多くの生産者から出されています。 北海道の道東地域を中心にマイペース酪農というのが行われていて、今年十月に、毎日新聞社と朝鮮日報社が主催して、優れた環境保全活動を行っている個人や団体を表彰する日韓国際環境賞というのを受賞しているんですよね。小規模ですよ、頭数減らしてやっていますから。そういう小規模な家族経営の皆さんからも補給金を見直してほしいという要望が出ています。 なぜ、これ、規模の大小を問わずこの見直し要望が出ているのかということですけども、お配りした資料見てほしいんですよね。 この資料を見ますと、補給金単価の上昇額というのと、それから最低賃金の上昇額ということで並べて書いております。 二〇〇一年の脱脂粉乳、バターの補給金の単価は十円三十銭です。その後、制度変更があったので単純ではないんですけれども、注目してほしいのは水色を掛けている上昇額です。補給金は二〇〇一年から二〇一一年の十年間で上がっているのは一円六十五銭だけですよね、一円六十五銭。一方で、右側の最低賃金はということで見てみると、少ないとはいえ七十三円上がっているんですね。補給金の毎年の上昇額ということで見ると、これ、何銭、何銭の単位で、一円にもなっていないわけです。マイナスの、赤で書いているマイナスの年もありましたし、近年を見ても、次の欄のところですけども、二〇二〇年は五銭、その後はずっと上がらずに、今年は四十九銭しか上がっていないんですね。最低賃金は今年ようやっと千円を超えて、労働者の所得を上げようという議論になっているのに、再生産を確保する仕組みである補給金の上昇額というのは毎年一円にも届かないと。 現在の計算式で生産者の理解が得られると思われますか、大臣。
○国務大臣(宮下一郎君) 加工原料乳生産者補給金制度につきましては、酪農経営の安定や加工原料乳の生産地域における再生産を確保するための基礎的な役割を果たしており、また、その単価等についても客観的な指標を基にした算定ルールにのっとっておりますので、その機能や適切な実施状況については多くの酪農家の皆様の理解を得られているものと考えています。 その上で、今般のように酪農経営が厳しい環境にある中で、加工原料乳生産者補給金制度の適切な実施に加えて、酪農経営や生乳需給の安定のための各種施策を講じてきております。こうした施策の実施によって酪農関係者の皆様のより一層の理解を得ることが重要であるというふうに考えています。
○紙智子君 この補給金単価の算定の考え方というのがありますけど、その中には、補給金単価は、経済状況が著しく変化した際に見直すとあるわけですよね。酪農、畜産はコロナ感染症や輸入資材の高騰で再生産が困難になっているわけです。まさにこの経済状況が著しく変化したという規定に当てはまるんじゃないんでしょうか。 この補給金の算定方式を見直すべきではないかと。元々は不足払い制度だったんだけど、いろいろ議論があってこういうふうに変えたんだけど、それからまたもう随分たつわけですよね。状況も変わってきている中で、やっぱりいろいろ現場から言えば、これだけ大変だって要求するんだけど、出てくる回答はいつも何銭ということで、回答が出てくるたびにがくっとなったりするわけですよ。 ここをもっとやっぱり見直すべきじゃないかというふうに思うんですけど、いかがですか。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 委員から加工原料乳生産者補給金単価と、あとそれから最低賃金の比較の御説明をいただきました。 委員からまた、その後ございましたとおり、かつて暫定措置法、古い時代は単価方式ではなくて不足払い方式でございました。そのときは、加工原料乳の基準取引価格を定めて、かつ、その基準取引価格は乳業の人がちゃんと払ってもらうというような制度的な仕組みにしておって、さらにそれで足らない部分を不足払いとして補填をしていたと。 それは暫定措置法の下でしたけれども、改正をいたしまして、乳代は、もう基本的に政府は関与せずに、乳業、生乳団体と乳業メーカーが相対で交渉して決めるということにされているわけでございまして、加工、この加工原料乳の補給金単価、現在の仕組みではこの単価は乳代ではございません。これはあくまでも加工原料乳の価格の不利を、飲用についてはもちろん払わないわけですけれども、加工原料乳が不利であるということに着目して、その不利を補正するために支払う加工原料乳の言ってみれば単価になるわけで、加工原料乳についても基本は乳業メーカーからの、はい、大変失礼しました、でございます。 そういった算定方式ですので、単価の水準が安定的なものとなるように、生産に要する直近のコストの変動や物価動向を考慮して、移動三年平均を用いて算定しています。単年度のみで算定しますと、生産コストの影響を大きく受けて、あるときは大きく上がったり、あるときは大きく下がるというようなことになりますと、生産者が先を見通した安定的な経営が困難となるということでございますので現行のルールのようなものになっているわけでございまして、現時点でこのルールを見直すことは考えてございません。
○紙智子君 JA北海道は、子牛の価格や副産物価格が乱高下するので、この分を外した形でキロ当たり二十円以上の所得目標を目指しているということなんです。ですから、現在の副産物価格を含んだ算定方式は検証する必要があるんじゃないのかなということも考える必要があるんじゃないかと思います。 それから、チーズ振興を考えても、現在の制度を検証して見直しが必要じゃないかと。乳牛が過剰、あっ、生乳が過剰になってバター用に仕向けると、今度脱脂粉乳も一緒に増えるわけですよね。こういう心配がないのがチーズの生産だと思うんですよ。 それで、配付資料の青い枠の中を見てください。くくったところを見てほしいんですけれども、二〇一六年、十五円二十八銭ありました。脱脂粉乳とバターとチーズ向けを合わせると、これ二十七円九十七銭なんですね。二〇一五年にTPPを受け入れて、制度改正が行われて、二〇一七年からは新たに生クリームを対象にした上で単価を一本化したんですよね。結果どうなったかというと、十五円二十八銭あったチーズ向けが一本化によって十円五十六銭に減ったと。 これでチーズ振興のインセンティブというのは働くのかというふうに思うんですけれども、これ、政府参考人、いかがですか。
○政府参考人(渡邉洋一君) 加工原料乳生産者補給金制度におきましては、平成二十九年度以降、御指摘のとおり、乳製品の高い生クリーム等の液状乳製品を対象品目に追加することと併せまして、乳価の低いチーズも含めて補給金単価を一本化したわけでございます。 これによりまして、乳価の高い生クリームの生産が促されること、それから生クリーム、バター、チーズ、それぞれの用途の需要に応じて仕向け先の変更が柔軟に行えるようなことになったということで、生産者、生産サイドにメリットが生まれているものというふうに理解をしてございます。
○紙智子君 乳牛、乳製品の市場規模というのは、生乳換算で約千二百万トンです。輸入乳製品は四百四十五万トン。全体の三分の一を占めるわけですよね。生乳は常に過剰感が生まれるということがあるわけです。輸入チーズを国産に置き換えることが必要だと思うんです。 同時に、過剰になってもこれ需給調整は専ら生産者の自己責任にされていて、この構造をどうするのかというところにも課題があるんじゃないかと思うんですね。国が需給調整にどう責任を持つのかという議論も必要ではないかと思うんですけれども、この点についても一言お願いします。
○国務大臣(宮下一郎君) 生乳需給の安定のためには、基本的には、酪農家の皆様自らが市場ニーズを捉えて需要に応じた計画的な生産に取り組むことが重要であると考えておりまして、国としてはそうした取組を支えていきたいと考えているところであります。 牛乳、生乳需給は、現在、ヨーグルト需要の低迷や製品価格の値上げの影響もありまして、特に脱脂粉乳が緩和傾向で推移しているところです。このため、本年度も、生産者団体と乳業が協調して行います脱脂粉乳の在庫低減対策を国としても支援しておりまして、着実に成果が出ております。 一方で、もしこうした対策を講じなければ在庫が積み上がってしまう状況は変わっていないということでありまして、農林水産省としましては、今後もこのような取組を引き続き支援をして、需要に応じた生乳の生産を支えていきたいと考えているところであります。
○紙智子君 もちろん在庫対策はもっともっとやらなきゃいけない大事なことだと思いますし、価格転嫁の議論もあると思うんですけれども、やっぱりそれだけで生産者の所得が保障されるという問題もあるわけですよね、保障されるのかという問題もあるわけです。 酪農は、やっぱり規模拡大をし過ぎて借金を返済するために、やめるにやめられないという状況もあったり、それから、住民が減ってきてコミュニティーの維持ができなくなっているという状況もあるわけです。畜産の危機の中で、規模を拡大した生産者が離農した跡地の問題なんかもあるわけですよね。 是非、生乳の需給調整に私はやっぱり国がちゃんと責任を持つと、生産者の下支えするという仕組みを検討することを強く求めまして、質問を終わります。
○須藤元気君 無所属の須藤元気です。 まずは、牛枝肉の格付についてお伺いします。 牛枝肉の格付は、歩留り等級と肉質等級の組合せにより十五段階の格付を定めています。肉質等級は、肉の色や締まり、脂肪交雑、質などの四項目について五等級で判定し、その四項目の中で最も低い等級で決定されます。例えば、ある項目が三等級であった場合、ほかの全てが四等級であっても三等級になります。 我が国では、一九九一年の牛肉輸入自由化以降、輸入牛肉との差別化のため脂肪交雑に優れた肉用牛の生産が重視されてきました。こうした背景から、A5に格付された頭数の割合も年々増加し、一九九五年には全体の六・二%にすぎなかったA5の割合は、二〇二二年には二七・二%に増加しています。このような脂肪交雑の増加は、家畜改良に加え、飼料の投与技術の見直しや濃厚飼料などによりもたらされているそうです。 飼料の投与技術とは、飼料の中のビタミンAを低くコントロールすることで脂肪交雑が向上する技術だと伺っております。しかし、ビタミンAが欠乏した場合、牛は食欲不振、視覚障害、水腫等が生じることとなるそうです。生産者は適切に実行していると思いますが、それでも牛の食欲不振、水腫等を引き起こしている生産者が見られるそうです。 アニマルウエルフェアの観点からも問題があると考えますが、ビタミンAを制限した飼料投与について御説明いただくとともに、農林水産省の御見解を伺います。
○政府参考人(渡邉洋一君) お答えをいたします。 主に、黒毛和種の肥育では、牛肉の脂肪交雑を向上させることを目的といたしまして、ビタミンAの含有量を健康を害しない範囲で適切に調整した配合飼料が利用されていると承知をしてございます。 肉用牛において過度にビタミンAが欠乏した場合には、食欲の不振、視覚障害、水腫、水膨れなどが生じるので、本年七月に農林水産省が策定をしたアニマルウエルフェアに関する飼養管理指針においては、肉用牛の健康を害しないよう、日本飼養標準や日本標準飼料成分表などを参照をして、ビタミンAを始めとする栄養の適切な給与に注意するよう明記をしたところでございます。 この指針の周知を通じまして、肉用牛の健康に配慮した適切な飼養管理の普及を図ってまいりたいというふうに考えてございます。
○須藤元気君 濃厚飼料についてもお伺いします。 トウモロコシ等の飼料原料のほとんどを輸入に頼る我が国にとって、飼料自給率向上に反することや飼料価格の高騰による畜産経営の悪影響の観点から問題が多いと考えられます。 また、濃厚飼料の多給についても、ビタミンAと同じように適切な水準を逸脱してしまった場合に、牛の健康に悪影響を与えるリスクなど問題があると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(渡邉洋一君) 委員御指摘のとおり、反すう動物である牛に対しまして過度に濃厚飼料を給与しますと、ルーメンアシドーシスなどの疾病につながります。国際獣疫事務局のアニマルウエルフェアに関する勧告でも、疾病からの自由が掲げられておりまして、ルーメンアシドーシスなどの疾病を発症させないことが重要だと思っております。 そこで、本年七月のアニマルウエルフェアに関する飼養管理指針におきましては、ルーメンアシドーシスを始めとした疾病に関しまして、管理者、飼養者は牛の体格、年齢、天候、飼料組成やその急激な変更の影響を理解をして、飼料の配合や給餌プログラムについて、栄養の専門家に適宜相談するように明記してございます。このような指針の周知を通じまして、肉用牛の健康に配慮した適切な飼養管理の普及を図りたいと考えてございます。
○須藤元気君 このビタミンA、濃厚飼料も、従来我が国の消費者の間でサシがきれいに入っているA5牛肉の人気が高いとされてきた影響があると思います。しかし、消費者の嗜好は近年多様化し、霜降りだけではなく、脂の少ない赤身主体の牛肉も好まれております。 忘年会のシーズンになってきましたが、先生方も食事会とか多くなってきていると思います。その食事会で、たまに焼き肉のコースとかってあるじゃないですか。私、あれがちょっと苦手でして、なぜかというと、焼き肉のコースに出てくる肉って、結構サシの入った、脂身が強いのって多くないですか。私、ハツとかミノとか結構淡泊なものが好きでして、まあ私の好みは別として、今日は脂の乗った何か上カルビ食いたいなみたいなせりふって余り聞いたことがないんですよね。むしろ、その何か脂っこいのを避ける方が逆に多いような気がします。 そんな中、この牛肉の評価に当たっては、従来の脂肪交雑だけではなく、風味やおいしさをもたらすオレイン酸やグルタミン酸、イノシン酸などが新たに注目されてきています。農林水産省も二〇二〇年に改定した家畜改良増殖目標において、肉用牛の改良目標の一つとして、オレイン酸、アミノ酸など、味に関する科学的知見の更なる蓄積を掲げています。 そこで、オレイン酸など新たに注目されるようになった含有成分を含む肉用牛の生産に向けた取組について伺います。また、それらの成分が牛肉の風味やおいしさなどをもたらすことを鑑みれば、肉質等級判定に組み込むべきではないかと考えますが、農林水産省の方針を伺います。
○政府参考人(渡邉洋一君) 農林水産省といたしましては、牛肉に対する消費者ニーズの多様化を踏まえまして、食味に関連するオレイン酸の向上に向けまして、令和二年に策定した家畜改良増殖目標にオレイン酸の向上の推進を盛り込んだということと、オレイン酸の測定データを収集する取組への支援を行っております。 また、生産現場におきましても、長野県や鳥取県など各地域におきまして、オレイン酸の含有量に着目した和牛ブランド化の取組が広がりつつありますし、また昨年の全国和牛能力共進会におきまして、新たにオレイン酸の含有量などを評価する脂肪の質評価群という新たな評価の塊を設けたということでございます。こういったことで、牛肉のおいしさなどの、そういったおいしさのような価値に着目した和牛生産の取組が各地で進んでいるということが言えると思います。 また、生産現場での取組に応じまして、流通段階におきましても、牛肉の格付を実施いたします公益社団法人日本食肉格付協会において、平成二十九年度から牛肉のオレイン酸の測定を希望する生産者に対して測定含量を提供するサービスを始めております。ただ、それは、格付頭数のうち、活用されているのは一%程度にまだとどまっているという状況でございます。牛肉の格付は、民間の取引価格でございますので、生産、流通、消費の各段階でオレイン酸の価値が十分に評価をされて格付を見直す機運が高まるようなことがあれば、そういった検討も行われ得るものと考えてございます。
○須藤元気君 ありがとうございます。是非、時代の変化とともに柔軟に対応していただければと思います。 さて、先日、オーガニックビレッジ宣言をした広島県神石高原町に行って、有機農業や畜産についてお話を伺ってきました。そのとき、役所で地元の神石牛の試食を用意してくれましたが、なぜか私だけポーションが倍になっておりまして、たくさんたんぱく質を食べると思われたんでしょうか。とてもおいしくいただいたんですが、その日の夕食は余り食べれませんでした。 さて、神石高原町では、GEN麹リキッドフィードという鹿児島県の焼酎用種こうじのシステムを利用して神石高原ポークを育てる取組を行っております。また、豚たちが過ごす環境は、廃材チップを原料とするウッドチップが深さ一メートルにわたって敷き詰められており、豚が自ら好きな場所を掘り起こすことができ、アニマルウエルフェアの観点からも良い環境です。 先ほど徳永議員も排せつ物について質疑しておりましたが、排せつ物はウッドチップの中で自然分解するので、臭いが少なく、良質な堆肥となり、有機肥料として使われております。養豚の苦情発生戸数は悪臭が最も多いようですが、臭いの少ないこのシステムを使えば解決ができ、排せつ物を吸収したウッドチップをそのまま堆肥化することができます。こうした取組が拡大すれば、有機農業に使える良質な堆肥の供給先が増え、豚にとっても過ごしやすくなるのではないでしょうか。 政府は、みどり戦略の実現に向けて有機農業の推進に取り組んでいますが、このように畜産サイドから良質な堆肥の供給を増やすことについてどのように認識しているんでしょうか。また、こうした取組を広げていく上での課題と支援策について、宮下大臣にお伺いします。
○国務大臣(宮下一郎君) 委員御指摘のとおり、畜産サイドから良質な堆肥の供給を増やしていくことは、みどりの食料システム戦略に掲げます有機農業の推進、また化学肥料の使用量の低減の観点からも非常に重要だというふうに認識しております。これを推進する上では、耕種農家が求める品質の堆肥とすること、また畜産が盛んな地域に偏在している堆肥の円滑な流通を確保すること、こうしたことが課題であるというふうに思っております。 このため、農林水産省としましては、堆肥の高品質化、また広域流通に適したペレット化に必要な施設の整備や、また関係事業者間のマッチング機会の提供等の取組に関する支援のほか、みどりの食料システム法に基づきます税制措置によって支援を行っているところであります。 引き続き、みどりの食料システム戦略の実現に向けて、堆肥の有効活用の取組等をしっかり支援してまいりたいと考えています。
○須藤元気君 宮下大臣、ありがとうございます。 有機農業においても、このような畜産から生まれた堆肥で育てた有機農産物として売り出せば、そのストーリー性が付加価値になると思います。是非アニマルウエルフェアに配慮された耕畜連携も推進していただければと思います。 さて、続きまして、スッポン養殖についてお伺いします。 私が初めてスッポンを食べたのは高校生の頃です。レスリングの国体予選の前日、うちのおやじが地元のスッポン屋に連れていってくれました。そして、店に入ると、スッポン屋の大将が生きたスッポンを見せてくれて、それをひっくり返して、ひっくり返すんです。そうすると、スッポンって首の力が物すごく強いんで、ブリッジしてまた元に戻るんですね。で、うちのおやじが僕にこう言うんです。いいか元気、あしたは何があってもこのスッポンのブリッジのように必ず起き上がるんだと。レスリングというのは、相手を投げて、背中を付けると負けになってしまうんです。背中を付けちゃいけない競技なんですね。その日、おいしくいただいて、次の日の試合も見事優勝しまして、国体、切符を初めて手にしました。そういった思い出もあって、私は何か勝負があると必ずスッポンを食べます。 さて、そんなスッポンなんですが、栄養価が高く滋養強壮のイメージが定着していますが、我が国におけるスッポン養殖の歴史は古く、江戸時代から行われてきたと言われています。しかしながら、近年のスッポン養殖業の経営体数は、農水省の漁業センサスによると、二〇〇三年から二〇一八年までの十五年間でほぼ半分に減少しています。また、生産量は、平成五年には約七百トンあったものが平成十二年には約四百五十トンに減少し、その後、漁業生産統計から姿を消しています。 我が国のスッポン生産量や輸出入の現状とその背景について、政府はどう把握し、どのように評価しているんでしょうか。
○政府参考人(山田英也君) お答え申し上げます。 まず、スッポンの国内の養殖業の収獲量でございますけれども、御指摘いただきましたとおり、漁業生産統計におきまして、平成五年には七百六トン、そして直近のデータですけれども、平成十二年には四百五十四トンというふうに把握してございます。ただ、この内水面の養殖業の調査対象につきましては、平成十三年以降、収獲量の多い魚種に絞って調べようということになりまして、スッポンの収獲量の把握を以後行っていないということでございます。 また、スッポンの輸出入につきましては財務省の貿易統計におきまして大ぐくりになっておりまして、スッポン単独の品目としては、スッポンとしては集計されていないので把握できていないという状況でございます。 なお、委員が御指摘されましたスッポンを養殖している経営体の数、経営体の数ですね、こちらは引き続き漁業センサスにおきまして把握しておりまして、直近の調査、平成三十年でございますけれども、全国で五十四経営体というふうになってございます。
○須藤元気君 ありがとうございます。 この五十四経営体があるということですが、新聞報道でスッポン事業者の取組を紹介しているものがありました。 スッポンの養殖は、自然環境に近い養殖と冬眠がなく成長の速い加温養殖があり、温暖な気候が適しているため、養殖業者は西日本に多くなっております。臭みのないスッポンとするため様々な工夫がされているようですが、新潟県南魚沼市の企業は温泉を利用した飼育を試みています。地元酒造の会社の酒かすを配合した独自の飼料を使用することで脂身が、脂身って、スッポンって黄色いんですけど、これが白っぽく変わり、雪国のイメージを連想させることも相まって、評価を得ているようです。食べてみたいですね。同社は、この官民が連携して選定企業への集中的な支援を行うJ―Startup NIIGATAに選定されております。 また、沖縄県八重瀬町の企業は、パインがスッポン独特の生臭さを抑え、身を柔らかくするとの分析から沖縄県産パインを餌に利用しており、地域資源を生かしたブランドを確立し、国内での販路を拡大し、海外展開も見据えているようです。 こういう取組をやっているのも私も知らなかったんですが、このような地域資源を活用した生産や輸出拡大に向けた取組は政府が展開する政策にも合致するのではないでしょうか。水産物の消費拡大の観点で農林水産省は様々な取組を行ってきたと承知しております。スッポン食の国内外への普及に向けて消費を喚起していくのも手だと考えますが、宮下大臣のこのスッポンの思いを、御見解をお聞かせください。
○国務大臣(宮下一郎君) 私、余りスッポンは食べたことないんですけれども、でも、委員おっしゃるとおり、地域の特色のある多種多様な水産物の消費を喚起するということは、御指摘のとおり、地域振興の観点からも大変重要だというふうに考えております。 現在、農林水産省では、地域の特色ある水産物を活用した販路開拓等の売れる物づくりに向けた取組を支援する事業を措置しておりまして、御指摘のスッポンについても、具体的な取組提案があれば御支援することが可能な事業となっております。 これに加えまして、水産物の消費機運を高めるために、昨年十月からは、毎年、あっ、違う、毎月三日から七日をさかなの日、三から七ということですね、さかなの日として制定をし、水産物の消費拡大に向けた取組を官民協働で実施しておりまして、こうした活動も含めて、引き続き多種多様な水産物の消費拡大をしっかり図ってまいりたいと考えています。
○須藤元気君 宮下大臣、ありがとうございます。 このスッポン食というのは歴史が古いものの、ウナギやほかの魚種と比べてまだまだ一般的とは言えません。しかしながら、スッポンは私の経験上、本当に元気にしてくれますので、是非皆さんでスッポンを食べて、日本を元気にしていきましょう。 以上です。オッス。ありがとうございました。
○寺田静君 本日もよろしくお願いいたします。 令和五年、今年の八月の農林水産省畜産局飼料課の飼料をめぐる情勢の資料によれば、経営コストに占める飼料費の割合は、肥育牛、生乳などの牛では三割から五割、肥育の豚では六割近く、養鶏では五割から六割と、飼料コストの負担、再三議論されてきましたけれども、重くのしかかっております。 日曜の「NHKスペシャル「食の”防衛線”」」第二回の畜産、酪農の回に出ていた大規模酪農を営む方によれば、コストはもう七割が餌代だというふうにおっしゃっていました。コストの削減を突き詰めているからこその数字だろうというふうに思います。 また一方で、先ほどから再三議論に上がっておりますように、昨年度の概算での日本の飼料自給率は二六%であって、そのうち粗飼料の自給率は八割近いですけれども、濃厚飼料の自給率は一三%にすぎません。 足腰の強い畜産を目指す上では、やはりこの輸入飼料に頼らない自給飼料の推進が喫緊の課題であるというふうに思います。中でもこの九割近くを輸入に頼る濃厚飼料の国産化の推進ですけれども、この飼料米、今ある水田を活用して生産できるという優れた飼料であります。 一年前の実は質疑でも、飼料用米の種が手に入らない、あっても価格が高いという地元農家の声を御紹介したところ、この多収品種の種子の確保に向けて、各県ごとの需要量を把握して、供給体制を整えてもらえるように国としても調整をしたいというふうに御答弁をいただいております。 その後、現状どうなっているか、教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。 農林水産省では、令和六年産の飼料用米の生産に用います多収品種の種子の確保に向けまして、本年一月から毎月、各都道府県に対しまして、令和六年産の多収品種の作付けの見込みと必要となる種子の確保状況を調査をしております。 その中で、種子の確保に遅れが見られる県に対しましては個別にヒアリングを行いまして、令和五年度、本年度に収穫される飼料用米の種子用への用途転換、また農家による自家採種による確保を促すとともに、全国主要農作物種子安定供給推進協議会と連携いたしまして種子の県間調整を行うなど、必要な量の多収品種の種子の確保を促しているところでございます。 この結果、直近十月末時点の調査によりますと、全国段階では、令和六年産における多収品種種子の需要量を上回る供給が可能となる見込みというふうに考えております。
○寺田静君 ありがとうございます。 可能であれば、秋田県の状況はどうなのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(平形雄策君) 委員御地元の秋田県においても、現在、令和六年産の需要見込みに対しまして不足なく供給できる見通しというふうに伺っております。
○寺田静君 ありがとうございます。 また、二〇二〇年三月末に閣議決定をされた食料・農業・農村基本計画において、飼料用米については三〇年度の生産目標、七十万トンに設定をされていますけれども、昨年の時点で七十万トンを超えています。見直しの後、見直しの際ですね、これより高い目標を設定をするという認識で合っているのか、またどれぐらいを目指すのか、お教えをいただきたいと思います。
○政府参考人(平形雄策君) 委員御指摘の令和二年三月に閣議決定されました食料・農業・農村基本計画におきましては、主食用米の需要が毎年減少する傾向にある中で、今おっしゃられた飼料用米というような稲以外の作物への転換というのもございますし、また、麦、大豆、加工・業務用野菜等への転換もそれぞれ見込みまして、飼料用米につきましては令和十二年度における生産努力目標、七十万トンと設定をしたところでございます。令和四年産の飼料用米の生産量につきましては八十万トンというふうになっており、御指摘の生産努力目標を上回る水準とはなっております。 次期基本計画につきましては、飼料用米に限らずなんですけれども、現在進められております食料・農業・農村基本法の見直しの検討を経た後に基本計画につきましては議論されるべき課題でございまして、個々の品目の水準について申し上げる段階にはございません。
○寺田静君 ありがとうございます。 地元の農家からは、この飼料用米の生産を減らすのはどうしてかという声が度々聞かれます。これは誤解なんでしょうか。それとも、誤解なのか、また誤解だとすればどうして農家がそのような認識になっているのか、教えてください。
○政府参考人(平形雄策君) 飼料用米を何か引き下げるみたいなことをおっしゃられているということなんですが、ちょっと、どんなふうに認識されているかというのを農家の方に直接聞かないと分からないところはあるんですが、先ほども申し上げましたとおり、個々の品目の次期基本計画での水準について申し上げられる段階ではございませんけれども、その上でちょっと申し上げると、この令和四年産における飼料用米のこの生産量八十万トンと申しましたが、基本計画においてはそのときの作付面積も目標として掲げられているところでございます。令和四年産八十万トンに対して、今、作付面積は十四・二万ヘクタールというのが、これが実績でございます。 今、生産努力目標の中では、令和十二年度で七十万トンなんですが、九・七万ヘクタールを想定しております。これはどういうことかと申しますと、作付面積に対する収量、単収はこの生産努力目標で想定しているよりも実は十分上がっていないというのが今の状況でございます。また、飼料用米につきましては、主食用米のこの需給動向次第で供給量が増減するという、そういうところもございますので、実需者に対しての安定供給に影響が及びやすいという、そういう課題もあるというふうに認識しております。 このため、水田活用直接支払交付金においては、飼料用米への支援につきましては、昨年秋に、一つは、限られた面積の中でより多くの収量を上げることと、先ほど申しましたとおり、単収がまだ十分上がっていないところがございますのでそれを上げることということと、あと、二つ目といたしまして、飼料用米として定着性を高めていくこと、これが必要なのではないかというふうに考えまして、これを目指しまして、生産現場への周知ですとか種子の確保も勘案しながら、令和六年産から令和八年産にかけて、飼料米につきましては多収品種を基本とする支援体系への転換を進めるということとし、今それに取り組んでいるところでございます。
○寺田静君 ありがとうございます。 今年十一月の農林水産省農産局の飼料用米をめぐる情勢についてという資料によれば、飼料用米に関して、家畜の生理や畜産物に影響を与えることなく給与可能と見込まれる水準で試算をした場合、四百四十五万トン見込めるというふうに書かれています。 本気でこの食料自給率の向上を目指すのであれば、この数字にできるだけ近づけるような本気の支援をしていくべきだろうと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(宮下一郎君) 飼料用米につきましては、家畜の生理や畜産物に影響を与えることなく給与可能と見込まれる水準としまして、御指摘のように、四百四十五万トンと試算しているところでありますけれども、仮に四百四十五万トンを生産するとなりますと八十万ヘクタール程度の水田面積が必要となりまして、既に生産しております麦、大豆等から飼料用米へ転換していく必要がございます。食料自給率の向上のためには、国内にある農地を最大限有効活用して、飼料用米の生産だけではなくて、海外に依存する麦、大豆等の生産拡大を進めることが重要だと考えます。 このため、現在の食料・農業・農村基本計画においては、麦や大豆、飼料用米など主要品目ごとに生産努力目標を設定しておりまして、先ほども出ましたが、飼料用米については令和十二年度七十万トンを目標に耕畜連携の推進等の施策を講じてきているところであります。足下は、令和四年産で八十万トンという状況です。 次期基本計画における水準については今後の検討課題でありますけれども、農地全体の有効活用に配慮しつつ、実需者であります飼料業界、また畜産農家の求める需要に応えられるように、飼料用米だけでなく、例えば栄養価の高い青刈りトウモロコシなど、国産飼料の生産、利用の拡大を推進してまいりたいと考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 農地の有効活用とかいうふうに言われますけれども、耕作放棄地がたくさんある中で、何か余りすとんと胸には落ちないところが私にとってはあります。 先ほども申し上げましたけれども、この飼料用米、水田を活用して生産ができますし、自給、唯一に近いほど自給ができているものでもあります。そして、この機械なども同じものが使えるということもあって、主食用米を作っている農家さんたちにとってもハードルが低いというメリットもあります。 昨年の十二月には農水省が飼料用米生産コスト低減マニュアルを作って、今年十一月の農林水産省農産局の資料、飼料用米をめぐる情勢についてを見ても前向きなように、先ほどもお伝えしましたけれども、前向きなように見えるんです。 米政策に関しては、過去からの、過去の歴史からの不信策が大きいということを認識をしていただいて、その背景がある中で、国が飼料用米の位置付けをどういうふうに考えているのか方向性を示していかなければ、増やしたくても増えないんではないかなというふうにも思うんです。 冒頭にもお話しした「NHKスペシャル」ですけれども、第二回目はたんぱく源を守れるかという、国産の肉、卵、乳製品を守っていけるのかという特集の中で、基本法制定当時の事務次官が書き残した反省についても触れられていました。家畜の餌を国内生産するという視点を欠いていた、人間の食べる穀物と家畜の食べる穀物を峻別してしまった、潜在的食料危機であることを考えるとどうもそれは誤った政策だったのではなかろうかというふうに記されているということでした。農業基本法が制定をされて十三年後に書かれたものということでした。 また、速記録が出ていないので正確性を欠くところはあるかもしれませんけれども、午前中の衆議院の質疑の中で畜産局長が、飼料の国内生産に合わせた畜産の規模というものを考えていく必要があるかもしれないというようなことをおっしゃっていたと思います。輸入飼料に頼って規模拡大で生産性を上げるという方針を少し立ち止まって考え直すというところに来たという認識であるということであるというふうに思います。 また、舟山大臣への、大臣の御答弁でもありましたとおり、舟山委員への大臣の御答弁でもありましたとおり、輸入飼料の高騰などのこの外部構造に依存しない構造改革が目指すべき方向だというふうに明言をされていらっしゃいました。 飼料用米の生産の話をしてきましたけれども、農家からは、考えてみれば当たり前のことではありますけれども、主食用と飼料用と二種類を作るのは、同じ米ではあるけれども、栽培方法も違って収穫時期もずれるんだと、隣の田んぼで作った飼料用米のこの品種、隣の田んぼで作った場合にはこの主食用と飼料用の品種の花粉が混ざるのではないかという不安もあると、主食用米、一緒に作って何割を主食用、何割を飼料用とした方が効率がいいんだと、ただでさえ人手が減る中で農家の作業効率として別々のものを作るというのは余り有り難くない話だというのも複数の方から聞いております。 生産者側からすると余り合理性がない、手間の掛かる方法だということであろうというふうに思います。人間の食べる穀物と家畜の食べる穀物を峻別していくやり方をこれからも続けていくのかなということを個人的には考えております。 畜産物価格に関して午前中から議論が続いてまいりましたけれども、この畜産物価格に限らず、生産コストの上昇を生産者がかぶるようなやり方が続けば、自然減以上に生産者の方は減っていって、持続可能では全くないんだというふうに思います。食べていけないというところには、やっぱり人は来ないだろうというふうに思います。未来を担う若手も含めて、この生産者の苦境をどう救っていくかというところが本当に重要だろうというふうに思っています。 また、この「NHKスペシャル」、再三申し上げておるところですけれども、親から引き継いだ酪農、飼養頭数を三十頭から四千五百頭に増やして、従業員百人の国内有数の規模に育てたという方は、生き抜くには規模拡大だと、自分も国もそう思っていたと、今となればどうだったのかなという思いはあると、規模が足を引っ張って自由が利かなくなってきたと、今後のことは分からないというふうにおっしゃっていました。 一年半で離農した酪農家は千百戸以上、そして牛は五万六千頭減ったとのことでした。これは、一度減れば、困ったら来月増やせるというわけでは当然ながらありません。また、餌の争奪戦も加速をして、インドや中国などの需要がすごく増えて、またバイオエタノールなどへもトウモロコシは使われるということにもなって、この農水省の方も、飼料コスト、これは昔には戻らず上がっていくんだと、そうやって考えていく必要があるというふうにおっしゃっていたと思います。 手元の資料が数字が間違いでなければですけれども、二〇一五年に二八%だった飼料自給率は、この年、二〇一五年に、二〇二五年には四〇%という目標を掲げていたと思います。現状はどうかといえば、先ほども申し上げましたとおり、昨年の数字で二六%とむしろ下がっていて、あと二年で四〇%には到底達成できそうになく、今日の局長の御答弁にもありましたけれども、現時点での目標は二〇三〇年に三四%と、目標自体が先送りどころか引き下げられているような状況になっています。 目標年が二〇二五から二〇三〇と五年間先送りをされた上で、目標数値が四〇%から三四%に下がっているんですね。これだけでも非常に大きな問題であるというふうに思います。ここがどうしてこうなったのかの振り返りなくしては先に進めないんではないかなと感じております。 冒頭にも申し上げましたとおり、自給率の引上げには濃厚飼料の国産化が必要でありますけれども、そのために重要なトウモロコシでありますけれども、秋田はこの熊の被害を防ぐためにデントコーンの作付けを禁止している地域もあるというふうに聞いています。 また、今年は、飼料の自給に取り組む畜産農家がイノシシ被害に遭って、デントコーンが全滅したという話も聞きました。電気柵で覆うのもコストの見合いで難しいという話や、また、電気柵があっても熊が穴を掘って下を潜るというふうにも聞いています。 また、午前中の衆議院の質疑の中では、北海道のお話で、デントコーンは植えても熊のために植えているみたいだと、熊のためにあえてデントコーンを作付けをして、そこに熊を集めて家畜被害を防ぐということもされているというふうにもお話をされていました。 こうしたところも複合的に対策をしていかなければならないと思いますけれども、どう支援をされていきますでしょうか。
○国務大臣(宮下一郎君) 野生鳥獣によります被害を防ぎ、安心して飼料生産していただけるようにするためには、熊に限らず、イノシシであっても鹿であっても、被害を引き起こす鳥獣の捕獲と侵入防止柵の整備などの侵入防止対策、また餌となる柿の実等の処分ややぶの刈り払い等の生息環境管理、この三つの対策を獣種に合わせて実施していくことが重要だと考えています。 このため、農林水産省では、地域ぐるみで行うこれらの取組について、鳥獣被害防止総合対策交付金により支援をしているところであります。 こうした中、令和五年度補正予算におきましては、侵入防止柵の未整備地域等に対する広域的な侵入防止柵の整備への支援を始め、四十九億円を措置したところであります。またさらに、熊やイノシシの捕獲や生息管理、生息環境管理の取組も着実に行われるように、六年度予算についても予算確保にしっかり努めてまいりたいと考えています。
○寺田静君 ありがとうございます。 時間がないので、最後に一点だけ。 やはり、農水省で取れる対策というのはもう出てきたものに関してであると思います。根本的なところは環境省の管轄なんだと思いますけれども、この熊の、しつこいようですけれども、熊の指定管理鳥獣への追加の働きかけ、どういうふうにしていただいているでしょうか。また、どのような感触を得ていらっしゃるでしょうか。
○委員長(滝波宏文君) 時間ですので、お答えは簡潔に願います。
○国務大臣(宮下一郎君) はい。 環境省に対しては、事務方を通じて被害状況等の情報提供をしております。 指定管理鳥獣への熊の追加に関しましては、既に環境大臣からの指示の下で、環境省において専門家の意見を聞いて検討を行うと承知しております。 引き続き、農林水産省として、農作物被害の見地から必要な情報提供を行うなど、環境省にしっかり協力してまいりたいと思っております。 感触については、環境省において専門家の意見を聞いて検討を行うとしていることから、私から言及することは差し控えさせていただきたいと思います。
○寺田静君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(滝波宏文君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 横沢君から発言を求められておりますので、これを許します。横沢高徳君。
○横沢高徳君 私は、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会、国民民主党・新緑風会及び日本共産党の各派並びに各派に属しない議員須藤元気君及び寺田静君の共同提案による畜産物価格等に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 畜産物価格等に関する決議(案) 我が国の畜産・酪農経営は、依然として担い手の高齢化、後継者不足が進行しており、畜産物の生産基盤は弱体化している。また、飼料等の資材価格の高騰により生産コストが上昇している一方で、畜産物への価格転嫁は十分とは言えず、さらには家畜伝染病の発生・まん延の脅威に常に晒されているなど、畜産・酪農経営を取り巻く環境は厳しいものとなっている。これらに対応し、畜産・酪農経営の安定と営農意欲の維持・向上を実現するとともに、畜産物の安定供給を確立することが重要である。 よって政府は、こうした情勢を踏まえ、令和六年度の畜産物価格及び関連対策の決定に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 加工原料乳生産者補給金については、飼料等の資材価格の高騰等により酪農経営が危機的な状況であることを踏まえ、中小・家族経営を含む酪農経営が再生産可能なものとなるよう単価を決定すること。集送乳調整金については、物流の二〇二四年問題を始めとする輸送環境の悪化を踏まえ、条件不利地域を含めて確実にあまねく集乳を行えるよう単価を決定すること。総交付対象数量については、乳製品向け生乳消費量を適切に把握し数量を決定すること。 また、酪農家の努力が報われるよう畜産経営の安定に関する法律の趣旨に即して生乳の需給の安定を図り、酪農経営の継続、所得の安定、将来的な消費及び生産力の回復のための支援策を早急に講ずること。加えて、需要の減少により高水準で在庫が推移する脱脂粉乳については、需給状況を慎重に検証した上で国家貿易による輸入枠数量を決定するとともに、在庫低減対策等の取組を支援すること。さらに、国産チーズの競争力強化に取り組むこと。 二 肉用子牛生産者補給金制度における保証基準価格等については、中小・家族経営を中心とする繁殖農家の努力が報われ、営農意欲が喚起されるよう、生産コストの上昇を踏まえ、再生産を可能とすることを旨として適切に決定すること。また、子牛価格が低迷する中、経営環境が悪化している肉用子牛生産者の経営改善を支援するとともに、肉用牛の生産基盤の維持・強化を図るため、優良な繁殖雌牛への更新等を支援すること。さらに、物価上昇により需要が減退した和牛肉の需給の改善を図るため、和牛肉の消費拡大を支援すること。 三 高病原性鳥インフルエンザ、豚熱の発生予防及びまん延防止については、農場における飼養衛生管理基準の遵守の徹底を図るとともに、農場の分割管理の導入等の取組を支援すること。また、アフリカ豚熱等の家畜伝染病の侵入防止のため、水際での防疫措置を徹底すること。さらに、これらを着実に進めるため、地域の家畜衛生を支える家畜防疫員及び産業動物獣医師並びに輸入検査を担う家畜防疫官の確保・育成及び処遇の改善を図ること。あわせて、農場の経営再建及び鶏卵の安定供給を図るための支援策を拡充すること。 四 配合飼料価格の高止まりによる畜産・酪農経営への影響を緩和するため、配合飼料価格安定制度を安定的に運営するとともに、生産現場における負担の実態や離農・廃業の更なる進行が懸念される危機的な状況を踏まえ、これを回避するために必要な対策を行うこと。また、国産濃厚飼料の生産・利用拡大や、耕畜連携及び飼料生産組織の強化、国産粗飼料の広域流通体制の構築等により、国産飼料基盤に立脚した持続的な畜産・酪農への転換を強力に推進し、飼料自給率の向上を図ること。さらに、飼料穀物の備蓄や飼料流通の合理化による飼料の安定供給のための取組を支援すること。 五 畜産・酪農経営を再生産可能なものとするため、生産から消費に至る食料システム全体において畜産物の適正な価格形成が推進される仕組みの構築を図るとともに、消費者の理解醸成に努めること。 六 畜産・酪農経営の省力化を図るため、スマート技術の導入やデータの活用を支援するとともに、飼養管理方式の改善等の取組を支援すること。また、中小・家族経営の酪農家の労働負担軽減のために不可欠な存在である酪農ヘルパーについては、人材の育成や確保のための支援のほか、酪農家が利用しやすくするための負担軽減策を講ずること。 七 中小・家族経営の畜産農家・酪農家を始めとした地域の関係者が連携し、地域一体となって収益性の向上を図る畜産クラスターについて、引き続き、現場の声を踏まえつつ、生産基盤強化や経営継承の推進に資する施設整備等を支援すること。また、大規模化の効果やリスクを十分に分析した上で、飼養規模の在り方について検証し、現場と情報の共有を図るとともに、構成員の既往債務については、返済負担の軽減に向けた金融支援措置等の周知徹底を図ること。 八 畜産物の輸出拡大に向けて、畜産農家・食肉処理施設・食肉流通事業者等で組織するコンソーシアムが取り組む食肉処理施設の再編、コンソーシアムと品目団体との連携による販売力の強化等を支援するとともに、輸出対応型の畜産物処理加工施設の整備を支援すること。 九 SDGsにおいて気候変動を軽減するための対策が求められ、我が国においても二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を目指していることを踏まえ、家畜ふん堆肥の利用推進や高品質化、家畜排せつ物処理施設の機能強化等の温室効果ガス排出量の削減に資する取組を支援すること。 十 畜産GAPの普及・推進体制を強化するとともに、家畜伝染病予防法の定める飼養衛生管理基準や新たに策定された飼養管理指針に基づき、アニマルウェルフェアに対応した家畜の飼養管理の普及・推進を図ること。 十一 東日本大震災からの復興支援のため、原発事故に伴う放射性物質の吸収抑制対策及び放射性物質に汚染された稲わら、牧草等の処理を強力に推進すること。また、原発事故に係る風評被害対策に徹底して取り組むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(滝波宏文君) ただいまの横沢君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(滝波宏文君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対して、宮下農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。宮下農林水産大臣。
○国務大臣(宮下一郎君) ただいまの御決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
○委員長(滝波宏文君) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時八分散会