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212回国会参議院2023/11/09

農林水産委員会 第2号

発言数
192
登壇者
27
会派数
8
開催日
2023/11/09

会議録

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、警察庁長官官房審議官和田薫君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 おはようございます。自由民主党の進藤金日子でございます。  この質問の機会をいただきまして、委員長、理事各位、また先輩、同僚の議員の皆様方に感謝申し上げたいと思います。  早速、先日お聞きしました宮下農林水産大臣の所信的御挨拶に対しまして質問したいと思います。  まず、食料・農業・農村基本法改正に関し質問いたします。  宮下大臣は、所信の中で、食料・農業・農村基本法の改正が必要な背景を述べられましたけれども、農業生産現場の実情や今後の情勢を見通して、今までの延長線では何が対応困難で、それを具体的にどのように変えていくおつもりなのか、食料・農業・農村基本法改正に当たっての宮下大臣の決意をお聞かせ願いたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) お答えいたします。  基本法につきましては、本年六月に策定いたしました食料・農業・農村政策の新たな展開方向、また九月に食料・農業・農村政策審議会で取りまとめられました最終答申を踏まえまして、三つの視点から見直しを進めているところでございます。  一点目は、平時からの食料安全保障の確立でございます。気候変動による生産の不安定化、また世界的な人口増加に伴う食料争奪の激化など、世界の食料需給をめぐる環境が大きく変化する中で、不測の事態が生じないように、平時から食料の確保に向けた対応を強化していかなければなりません。また、近年顕在化しております食品アクセス問題も踏まえまして、国民お一人お一人の食料安全保障の確保にも対応してまいりたいと考えております。  二つ目は、二点目ですが、環境等に配慮した持続可能な農業、食品産業への転換であります。地球温暖化、生物多様性等への国際的な関心が高まる中、農業、食品産業についても環境との調和を図ってまいります。  三点目は、人口減少下でも持続可能で強固な食料供給基盤の確立であります。国内人口が減少局面に転じて生産者の急減が見込まれる中、農業、農村に関わりのある人口を一人でも多く確保しながら、一方で、スマート技術やサービス事業体の活用等により、少ない人数でも食料供給できる生産基盤を確立してまいりたいと考えております。  以上、三つの基本的な視点、基本的な考え方の下で、長期的視点に立って農政を再構築するべく、基本法について次期通常国会への改正案提出に向けた作業を加速してまいります。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 宮下大臣、ありがとうございました。  自民党の中でも、食料・農業・農村基本法の見直しに向けて、これまで相当議論を重ねてまいりました。統計データ等で客観情勢を分析しながら諸課題を浮き彫りにして、各種対策について議論を進めているわけでございますけれども、課題解決に向けた議論を深めれば深めるほど、やはり今後一つ一つの政策というのが極めて重要だということを痛感するわけであります。まさに待ったなしの状況であることが認識されるというふうに思います。  こうした中で、農業、農村の明るい展望を示すことが必要ではないかというふうに思うわけであります。もちろん、無責任にバラ色の世界を示すというわけにはいきません。農業、農村の持っている今日的なポテンシャルを、明るい展望を示すという、この展望につなげていくということが私自身は大切ではないかなというふうに思っているわけであります。明るい展望なしに農業者も関係者も希望が持てないし、若い方々も農業への参入をちゅうちょするんじゃないかなというふうに思うわけであります。  そこで、農業、農村の展望につきまして、国民の皆様に対する宮下大臣からのメッセージをいただきたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) お話しのようなことを考えるときに、私はまず、農業そして農村の持つ価値について再確認、再認識することが重要ではないかなということを強く感じます。  まず、農業は、国民の皆様に食料を安定供給するとともに、その営みを通じまして、国土の保全、水源の涵養などの多面的機能を発揮しております。同時に、食品産業等の関連産業とともに、地域経済を支えている大事な産業であります。また、農村は農業の持続的な発展の基盤たる役割を果たしていると考えます。  その上で、御指摘のように、国内市場の縮小、また農業従事者が急減、急速に減少する中、農業、農村をめぐる課題が明らかになっておりますけれども、具体的にはこの約二十年間で農業総産出額は九兆円前後でほぼ横ばいの一方で、単純にこの産出額を基幹的農業従事者数で割った場合の一人当たりの産出額を見ますと、一・八倍に増加しております。具体的に言いますと、一人当たりで三百八十万円だったものが二十年間で六百八十万まで増えていると。こういうことで、これは離農する農家の皆様がいらっしゃる一方で、その農地等を引き受けながら規模拡大を図る経営体が存在することによるものでありまして、この人口減少が大変だということを逆から見れば、一人当たりの所得の向上を通じて農業が成長産業化すると、こういうチャンスがあるとも考えています。  また、農業、農村における新しい価値としましては、高品質な日本産農産物・食品が世界から評価されて輸出が伸びていること、またスマート農業が実用段階に達して生産性向上を後押ししつつあること、またインバウンドを含む国内外の観光客を農村に呼び込み、食事や農山漁村の風景を楽しんでもらう農泊等の取組が進んでいること、また農福連携等の新たな取組が動き始めていること、こうしたことが明らかになっていることが大切だと思います。  農業、農村の課題は、生産者だけの課題ではなくて、消費者を含めた国民一人一人に関わる国全体の課題であると考えております。今後、現場の皆様からの様々な御意見に耳を傾けつつ、農業、農村の持つ機能、魅力を最大限発揮できるように、各種課題の解決に向けてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 宮下大臣、ありがとうございました。  ただいま御答弁にもありましたけれども、私自身は、やはり農業、農村の持っているポテンシャル、価値、農村政策の部分も含めてしっかりと基本法の改正に当たっては盛り込んでいただきたいというふうに思うわけであります。  コロナ禍を経て物価高が顕著になっております。食料品価格の上昇は声高に報道される中で、農家からは、肥料や資機材が高騰する中にあって農産物価格にコスト上昇分を上乗せするのが困難である、まさに価格転嫁が難しくて、結果として農家所得が減少して経営が厳しくなっているという声を多く、この悲痛な声を聞くわけであります。他方、消費者の皆様方も物価上昇で家計が苦しくなっているというのが実態だと思います。しかしながら、食料供給基盤の強化を図っていくには、消費者の皆様に農家の実情や価格形成の現状を御理解いただくことが極めて重要だというふうに思います。  私自身、あらゆる機会を捉えて、特に非農家の皆様方に米の値段を問いかけているわけです。御飯茶わん一杯が約二十五円であって、大半の方々って、今、一日に一杯ないし二杯しか食べないですね。そうすると、大体二十五円から五十円。ペットボトルの水に比較して、我が国の米の価値、どのように考えるんですかということを問いかけるわけであります。そうしますと、大多数の方々は、茶わん一杯、倍の値段でも構わないよという反応があるわけであります。しかしながら、この小売店の店頭で十キロ四千円を倍にすると言ったら、これはなかなか売れないわけであります。  そういった中で、生産者が需要に応じた生産を行っても、消費者が価格本位で選択すれば生産者の経営は成り立ちません。生産者が適正な価格の決定権を持つにはどうすべきかを検討していく必要があると考えているわけであります。  そこで、生産者と消費者の乖離をどう捉えて、政策的にどのように対応していく方向なのか、お聞きしたいと思います。

宮浦浩司農林水産省大臣官房総括審議官

○政府参考人(宮浦浩司君) お答えいたします。  農林水産省では、適正取引を推進するための仕組みを検討するために、八月から、生産から消費までの各段階の関係者が一堂に集まります適正な価格形成に関する協議会を開催をしているところでございます。消費者の理解を前提として、我が国の実態に即した価格形成の仕組みづくりを進めていく必要があると考えているところでございます。  また、適正な価格形成を進めていくためには、その農産物ですとか食品の生産、流通に関わる実態、それから生産資材や原材料のコスト高騰の背景などについて消費者にも正確に認識していただくことが不可欠だと考えてございます。  このために、農林水産省では、本年七月よりフェアプライスプロジェクトを開始いたしまして、生産者インタビューなどのインターネット動画による情報発信ですとか、体験学習イベントの開催、親子で学べる動画コンテンツの作成といった取組によりまして、生産コストが上昇している背景などを分かりやすく伝えるための広報を行っているところでございます。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 ありがとうございます。  私自身は、生産者、食品産業、加工業者の皆さん方、そして消費者がこれやはり三方よしになるような政策、是非実現していかないといけないというふうに思います。それぞれ利益が相反する部分は出てくるかと思いますけれども、是非合意形成を図っていただいて、しっかりとした政策、実現していただきたいと思います。  次に、全国の農業生産現場を訪ねているわけでありますけれども、この担い手不足や耕作地放棄、耕作放棄地の増大の危機感を抱く方々がこれ大変多いわけであります。他方、その解決策が地域の合意形成を基本とした地域計画だという認識というのはこれなかなか薄いわけでありまして、行政が解決すべきという意識が本当に強いんじゃないか、これが実情ではないかと私自身は受け止めております。  こうした中で、地域計画の作成義務を負う市町村の体制が弱体化している中で、どのように地域計画を具体化するのか、なかなか描き切れていない地域が多いのも実情ではないかと感じております。  そこで、こうした状況を踏まえて、全国各地域における地域計画作成に対する認識と今後の対応方針をお聞きしたいと思います。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。  改正経営基盤強化促進法に基づく地域計画でございますけれども、将来の農業の在り方を明確化する地域農業の設計図として重要であり、令和七年三月までに策定することになっております。  その策定主体は市町村ですが、担い手不足など地域の課題解決に向け、この地域計画の取組を生かしていくためには、委員御指摘のとおり、地域の農業者に加え、JA、土地改良区等の農業関係者が地域計画の意義を理解した上で積極的に計画策定に関わることが重要であると考えております。  農林水産省といたしましては、都道府県の果たす役割も重要との考え方に立ち、市町村への支援に加えまして、市町村職員のスキル向上のための研修や、計画策定推進チームによる市町村へのサポートなどの取組を都道府県が行えるように支援しております。  引き続き、都道府県や市町村をサポートしながら地域計画策定の進捗を適切に把握し、計画が着実に策定されるようフォローしてまいりたいと考えております。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 ありがとうございます。  今御答弁いただいたわけでございますが、多分、各市町村によっても地域計画のアウトプットというのがどのレベルまで行けばいいのかというのは認識がいろいろあると思います。是非丁寧に市町村の状況、県の状況をチェックいただきまして、必要に応じてしっかりと支援をして、その地域の地域計画がしっかりとできるようにお願いしたいというふうに思います。  次に、森林・林業関係の質問に移りたいと思います。  令和四年の木材需要表を見ると、我が国の木材の総需要は増加しているわけであります。供給も国内生産が増加しているんです。その中で、需要の増大分を国内生産で充足できないで、輸入依存が増えて、結果として二年連続で木材自給率が低下しております。  内訳を見ますと、建築用材は自給率が向上しているんですが、非建築用材、特に燃料材の自給率の低下が、著しく低下しているという現状を踏まえまして、国としての木材自給率向上に向けた具体的対策をお聞きしたいと思います。

青山豊久林野庁長官

○政府参考人(青山豊久君) 御指摘のとおり、木材自給率を見ますと、国産材の供給量が増加している一方で、燃料材の輸入がこれにも増して増えたことによりまして、全体では前年比〇・四ポイント低下の四〇・七%となっております。  木材自給率の向上に向けましては、輸入材が多く使われています住宅の横架材などにおきまして国産材への転換を図るとともに、これまで木材が余り使われてこなかった中高層建築物や公共建築物など、非住宅分野において新たな需要を創出していくことが重要と考えております。  こうした考え方の下、農林水産省としましては、杉材へ転換する際の設計変更等の取組の支援、中高層建築物の木造化、木質化に資するCLTや木質耐火部材等に係る技術、製品の開発支援、公共木造建築物の建築支援などに取り組んでまいりました。  こうした需要に見合うよう国産材の供給体制を整えることも重要であることから、路網の整備、再造林の低コスト化、高性能林業機械の導入支援、木材加工流通施設の整備支援、林業労働力の確保、育成などに取り組みまして、需要面と供給面の双方をしっかりと進め、国産材のシェアを高めてまいりたいと思います。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 ありがとうございます。  川上、川中、川下と、林業それぞれの課題あるわけでございますけれども、やはり現場に行きますと、やはり路網がなかなか整っていなくて森林整備がなかなかできない、間伐もできないようなところもあるわけですので、しっかりそれぞれの課題、今御指摘いただきましたけれども、スピード感を持って対応、政策を進めていっていただきたい、このように思います。  次に、水産関係の質問に移りたいと思います。  宮下大臣の所信の中では、海洋環境の変化も踏まえた資源調査、評価の充実を図り、水産資源管理を着実に実施することが強調されているわけでございます。  水産振興を図るには、従来型の対応では海洋環境の急激な変化に対応困難ではないかと思うわけであります。自民党の中ではスマート・デジタル技術の活用に向けた提言というのを出しておりまして、この早期、この提言の私は早期実現が不可欠ではないかというふうに考えております。  現状では、この政策対応の実施のスピードが海洋環境変化のスピードに対応できていないんじゃないか。そうなると、水産業は衰退していきますから。そういった中において、温暖化等による海洋環境の変化が著しい中において水産振興をどのように図っていくのか、具体的な対策をお聞きしたいと思います。

森健水産庁長官

○政府参考人(森健君) お答えいたします。  水産庁におきましては、新たな資源管理の推進に向けた資源管理ロードマップに基づきまして、これまで、産地市場などからの電子的な漁獲情報の収集など、スマート技術を活用した資源調査、評価の充実、高度化に取り組んできたところでございます。  さらに、近年の海洋環境の変化等に伴います資源変動、これを踏まえまして、本年三月から五月に開催いたしました海洋環境の変化に対応した漁業の在り方に関する検討会、この取りまとめにおきましても、資源調査、評価の充実、高度化の必要性について指摘をいただいたところでございます。  水産庁といたしましては、こうしたスマート技術を活用したより高精度の資源評価の成果を資源管理に生かしていくということと併せまして、スマート技術自体の資源管理への活用、例えば陸から定置漁業の入網状況を確認してその混獲回避ができるような機器の開発、導入、こういったものが含まれるわけでございますけれども、こうしたことをスピード感を持って進めていきたいというふうに考えております。

進藤金日子自由民主党

○進藤金日子君 ありがとうございます。  今御答弁ありましたけれども、漁業や養殖業の生産現場にスマート・デジタル技術を早急に導入することを基本として、加工、流通、販売までの水産サプライチェーンが一体となって、DXや先端技術を活用した生産性の向上や物流の改善、消費の拡大につなげていくことが今後の水産振興の方向性だというふうに私自身は考えております。  いずれにしましても、これやっぱりスピード感を持ってやっていかないといけませんので、是非このスピード感を持って関連政策を進めていただきたいというふうに要望したいと思います。  最後に、総合経済対策も閣議決定されて、補正予算の編成ということになってくると思いますが、やっぱり農林水産業を支えていくのはいろんな政策ございます。ただ、やはり中長期的に見たときに、農林水産公共、農業農村整備関係、林業、それから治山、それから水産基盤、このやっぱり公共予算確保って極めて重要ですから、現場では物価も高騰していますので、是非十分な予算を確保して、将来の展望が見えるように是非とも予算措置もお願いを申し上げまして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

清水真人自由民主党

○清水真人君 自由民主党の清水真人です。  質問の機会をいただきましたこと、心から感謝を申し上げます。  それでは、通告に基づきまして順次質問をいたします。  まず、森林・林業についてお伺いをいたします。  森林は、国土の保全や水源の涵養、地球温暖化の緩和等多面的機能を有していることは言うまでもありません。世界的気候変動の中、カーボンニュートラルな社会を構築するための炭素吸収源としての森林の果たす役割、この重要性がより高まっていると言えると思っております。  また、昨今、自然災害等が大変多いわけでありますけれども、国土強靱化における流域治水の考え方、これでも言われるように、治山や森林の整備、これをしっかりとして、山の保水性、これを高めていくことが非常に重要であると考えておりますし、また、特に下流に大都市を持つ、そうした上流部、特に源流をたくさん持つようなところ、こうしたところの整備が急がれているというふうに考えておりますけれども、そうしたところにしっかりと予算措置をして対策を打っていく、この必要性を感じておりますが、見解をお伺いいたします。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。  清水委員の問題意識、この気候変動の中で私自身も大変共有するところであると思っておりますし、大切な御質問をいただいたことを感謝申し上げたいと思います。  その上で、政府の取組について申し上げさせていただければ、まず、国土強靱化基本計画において、治山、森林整備対策について、流域治水と連携をしながら、きめ細かな治山ダムの配置等により土砂流出の抑制等を図るとともに、間伐及び主伐後の再造林の確実な実施等を推進することとしております。  このため、山地災害危険区域や氾濫した河川の上流域等において、流木、土石流、山腹崩壊抑制対策となる治山施設の整備強化、間伐、再造林等の森林整備や、そのために必要な災害に強い林道の開設、改良等の取組を支援しているところであります。  いずれにしても、これらの対策やるにはしっかりとした予算を確保してまいらなければならないというふうに思っておりますので、是非これからも御指導をお願いいたします。

清水真人自由民主党

○清水真人君 副大臣からの強い決意をいただきまして、大変ありがとうございます。  さきの問いでも言ったように、私の住む群馬県というのは源流を持つ首都圏の水がめでありまして、県土の三分の二が森林であります。その四割以上が人工林となっておりまして、現在の花粉症対策のための杉人工林伐採のこの推進、これについては、国民病とも言われる花粉に苦しむ方が少しでも減る、また同時に素材生産が増大するということで、大変望ましいことであるというふうに思っておりますが、持続可能な地域の林業、これをつくっていくためには、その時々の木材需要状況をも考慮した流通、販売、利活用対策、そしてまた新たな需要喚起策、これをセットで講じていかなければ意味がないというふうに思っております。  そこで、この点につきましてのお考えについてお伺いをいたします。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) ありがとうございます。  まず、我が国の森林の多くが利用期を迎える中において、地域の林業を持続可能なものにしていくためには、切って、使って、植えて、育てるという森林資源の循環利用のサイクルを確立するよう、杉材も含め、何よりも大切なのはやはり木材需要の拡大にしっかりと取り組んでいくことだというふうに考えております。  木材利用を拡大をするためには、特に木材をたくさん使う中高層や非住宅の建築物での木材利用を促進する必要があるというふうに考えております。  このために、まずは強度や耐火性に優れた建築用材の技術の開発、普及、そして公共も含めて木造建築物への建築支援等に取り組んでいるところであります。さらに、製材など、より付加価値の高い木材製品の輸出促進、木質バイオマスのエネルギー及びマテリアル利用の推進等の取組により、国産材の更なる需要拡大を図ってまいりたいというふうに思います。

清水真人自由民主党

○清水真人君 公共建築物等でこれ利用していくというのは非常にいい方法であるというふうに思っておりまして、実は私が県会議員のときに、平成の三十年頃だったと思いますが、群馬県では県産木材の利用活性化の推進の条例というようなものを作って、基本的に公共構築物造るときには県産木材でやると、ただ、それができない場合にはその理由を付すというようなものを作ったわけでありますけれども、やはり、このいろいろな県でこうしたようなものが進んでいくと、その理念というものも県内でも浸透していくようになるのかなというふうに思いますし、そうした活動もしっかりと進めていかなきゃいけないというふうに思っています。  あと、もう一方考えるのは、例えばCLTなんかを使うという話になると、例えば群馬県、工場ないんですね。そうすると、それを造るとなると、一回外に出して造ってもらって、それをまた持ってくる、非常にコストが掛かる、こうした課題が実はあるわけでございまして、こうした課題もクリアをしていかなきゃいけない。様々な課題があるわけでありますけれども、こうした解決策について共に考え、進んでいければというふうに思っております。  さて、林業従事者数を見てみますと、例えば群馬県でありますけれども、昭和五十年代には約千八百人いたわけでありますが、一時増加に転じたわけでありますが、最近では七百人を割り込んで六百七十人程度となっております。全国でも五万人を割り込んでいると認識をしているところでありますが、機械化等と併せ、林業従事者の若返りを図ることが重要であると考えております。  新規就業者確保のための緑の雇用事業が重要な役割を果たしていると考えております。緑の雇用事業で行われる研修は、就業者の定着に向け、雇用の安定化と労働条件の改善とともに労働安全の確保を図るためにも重要であります。  このため、着実に森林整備を進めるためにも、必要となる林業従事者の確保、育成や労働安全対策、労働条件の改善について、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

青山豊久林野庁長官

○政府参考人(青山豊久君) お答えいたします。  林業労働の担い手を確保していくためには、新規就業者を確保し、安全面や給与等の処遇面の改善を図っていくことが重要と認識しております。  このため、農林水産省としましては、緑の雇用事業によりまして新規就業者に対する研修を行う林業経営体を支援するとともに、林業労働、あっ、済みません、労働災害の多い伐倒作業を安全に行うための研修や、防護ズボンなど労働安全衛生装備の導入を行う林業経営体への支援などに取り組んでいるところでございます。  さらに、給与面の処遇の改善に向けまして、高性能林業機械の導入支援により林業事業体の収益力向上を図ることとしており、こうした事業の採択時において、月給制の導入や社会保険の加入等を優先ポイントとして進めているところでございます。  これらの取組を通じまして、林業従事者の確保、育成に努めてまいりたいと考えております。

清水真人自由民主党

○清水真人君 やはり、全産業と比べても林業の所得というのは非常に低いということで、しっかりとした対策が必要であろうと思いますし、そしてまた、やりがいというのも大変重要なのかなというふうに思っています。  今日、朝ニュースを見ていましたら、群馬県にできたある外資系のスーパー、時給が二千円だそうです。薬剤師の方は二千九百円って言っていました。そうしたところに若者が流れていくとなると、金銭面だけではなかなか勝てない。やはりそこは、その業に対する意義だとか認識だとか思いがなければなかなか入っていただけないのかなというふうに思います。そうした点にも留意して、これからの施策に取り組んでいただければ大変有り難いと思います。  続いて、恐らく多分、皆さん余り取り上げないであろう蚕糸についてちょっとお伺いをしたいと思います。  群馬県は日本の中でも非常に蚕糸業が盛んなところでありまして、日本が近代化する上で、外からのお金、これを取るために蚕糸業で生糸を輸出して外貨を稼いでいたわけでありますけれども、ただ、余りにも出し過ぎたために生糸が粗悪になってしまったと。これでは駄目だということで、時の政府が官営工場を造ろうと言ってできたのが富岡製糸工場でありまして、これが今は世界遺産になっております。  私自身は、非常にこの蚕糸絹業というものに誇りを持っておりますし、大変重要な役割を果たしたと思っておりますけれども、大臣に、ここで、蚕糸絹業が我が国の産業の近代化に与えた影響、これをどのように評価をされているのか、お伺いをしたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) お話しのように、生糸など繭糸類が我が国の輸出額に占める割合は、明治初期には六割程度、昭和初期においても四割弱ありまして、これにより獲得した外貨が我が国産業の近代化を牽引してきたというふうに認識しております。  また、我が国の養蚕は、昭和四年のピーク時には当時の農家の四割に当たる二百二十一万戸が従事して、地域経済を支える重要な産業であったと承知しております。また、その当時、長野県でも非常に蚕糸業は盛んでありまして、こうした伝統を受け継いで、私の地元であります長野県でも信州つむぎなど伝統的な絹織物産業もございます。今に続く伝統文化の継承にも大きく貢献してきた産業だというふうに認識しています。  現在、養蚕農家数が全国で二百戸を下回っている状態なわけですが、一方におきまして、近年の研究開発によって、繭の成分を食品とか化粧品などの新用途に活用する取組も進められております。農林水産省としても、こうした新たな需要拡大も含めて、養蚕業の活性化の取組を支援してまいりたいと考えております。

清水真人自由民主党

○清水真人君 ありがとうございました。  大臣が今お話があったとおり、かつて本当に盛んだったものが現在非常に衰退をしている状況であります。ただ、やはり私は、これをそのままにしておいてはいけないんだろうというふうに思います。  そうした中で、近年、地球環境問題というところから、例えばマイクロプラスチック、これに対する意識が非常に高まっているということでありまして、マイクロプラスチックというと、例えば合成繊維があるわけであります。生糸というのは自然由来の、もちろん蚕が作るわけですから、そうした糸でありまして、自然にも環境にも優しいと。それから、先ほど大臣から話があったように、例えば化粧品だとかいろんなものにも使われている。また、餌となる桑は今、桑茶として多くの方にも親しまれていて、例えばこの桑においてはJAS規格というものがあります。ところが、一方で、生糸だとか繭に関してはこのJAS規格というものがないわけであります。  こうしたことを考えると、そうした例えば自然環境に優しいものを、例えばJAS規格の桑を使って繭を作って生糸を作ってというものに、例えばそうした規格を与えることによって付加価値を付けていくと。そうした取組、こうしたことも大変重要なのではないのかなというふうに考えているんですが、そうしたことに対する見解についてお伺いをしたいと思います。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。  現在、繭、生糸の業界団体であります全国シルクビジネス協議会におきまして、高付加価値化、差別化等を目指しまして、一つは、有機繭の生産及び表示に係るガイドラインというもの、また、有機生糸の生産及び表示に係るガイドライン、この作成に取り組んでおられまして、将来のJAS規格への移行も念頭にされているというふうに伺っております。  農林水産省といたしましても、蚕の有機的な飼養技術ですとか化学的な薬品などを使わずに糸を紡ぐ技術の実証等に対しまして、茶・薬用作物等体制強化事業の中で支援をしているところでございます。さらに、今後、有機繭、生糸のJAS規格制定に向けた業界団体による発意ですとか事前相談が円滑に進むように、農林水産省といたしましても技術的助言など必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

清水真人自由民主党

○清水真人君 是非そうした支援を行っていただければと思います。  最近では、私のところに来た話ですと、壁紙とかにいろいろそういう繭の成分、糸を取った後の残ったものでそうしたものを作るだとか、いろんな分野に広がりを見せておりますし、よりこうしたものが行われることによって、今までその産業で業として生きてきた方が持続可能な形がつくれるようなことが一番いいのかなと思っておりますので、今後とも変わらぬ御支援をいただければと思います。  続いて、小水力発電についてちょっとお伺いをしたいんですが、農水省では、小水力等再生可能エネルギーの導入の推進につきまして、農業水利施設を活用した水力、小水力発電は、政府として二〇五〇年カーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言している中、持続可能なエネルギー供給に寄与するとともに、農業水利施設の適切な維持管理を図る上で重要である、令和三年三月二十三日に閣議決定をされた土地改良長期計画では、土地改良施設の電気、使用電力に対する農業水利施設を活用した小水力発電等再生可能エネルギーによる発電電力の割合、この目標を四割以上とするのを、これを重要業績指標の一つとして掲げており、農村振興局では、小水力等の利活用を推進するための各種施策を講じているということであります。  これはすばらしい取組であるというふうに感じておりますが、現実的な課題としまして、例えば水力発電用の水管の道路占用、これにつきましては、発電事業者、これは、小売の電気事業等の用に供する電力の合計が一万キロワットを超えるもの、これが発電事業者と言われるようなんですが、これでなければ原則としての道路占用許可、これが与えられないと。つまり、一般的な占用許可の対象として取り扱われることになるということであります。  この道路占用許可については、横断については比較的認められやすいわけでありますけれども、この縦断となるとなかなかこれが認められづらいと。特に中山間地域などにおきますと、落差を利用することから、これはどうしても縦断というものが増えてくるというふうに思いますけれども、老朽化施設ばかりが増えている中で、県の判断によってこれが左右されるということがあっては私はいけないんだろうというふうに思います。  老朽化施設のこうした維持や更新、これが喫緊となっている土地改良区におきましては、自ら電気を賄うだけでなくて、自主財源となる小水力発電事業を行うことが、持続可能な土地改良区のためにも、今後の中山間地域の農業を健全な形で維持をしていくためにも大変重要な事業であるというふうに私は思っております。  こうした事業がスムーズに進むように、農水省で、例えば国交省であるとかですね、発電事業者の部分を、例えば土地改良に関しては準発電事業者のように認めてもらえるようなことがあるんであれば、それに関する省庁だとか、そうしたところとしっかりと協議を行っていって、具体的な課題を持っているところはその対応をしっかりしていただく、また、こうした根本、抜本的な制度の改正を行わなければいけないようなところがあればそうしたことをしっかりとやっていただく、こうしたことが必要であると考えておりますけれども、見解をお伺いいたします。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  農業水利施設を活用した小水力発電につきましては、カーボンニュートラルの実現に寄与するとともに、農業水利施設の維持管理費の軽減に資するものであることから、積極的に推進しているところでございます。しかしながら、発電施設の設置地点と農業用水の取水地点が離れており、道路下に管水路を敷設する必要がある場合に道路管理者の許可が得られないといったケースもあると承知しているところでございます。  農林水産省といたしましては、都道府県の土地改良担当部局や農業水利施設の管理者と連携いたしまして、個別のケースごとに関係省庁の担当部局や道路管理者とも相談するなど、丁寧に対応してまいりたいと考えております。

清水真人自由民主党

○清水真人君 これは本当に、そうした土地改良区、まあ用水を持っている方たちにしてみると物すごく大きな問題なんですね。例えば、構成している方々ももう年齢が上がってきている。様々な例えば施設を更新しようと思っても、なかなか負担するのが大変なんです。そうしたときに、やはりその自主財源が少しでもあれば、これは行政的にも実際には助かる話であるはずなんですよね。だから、そうしたところに手間と労力を惜しまず、しっかりと協力をこれからもしていっていただきたい、このように強く要望をさせていただきたいと思います。  続いて、鳥獣被害対策についてお伺いをいたします。  令和二年度以降、主に十一月から三月の狩猟期に全国で集中捕獲キャンペーンを行っていただいているところでありまして、このことに関しては感謝を申し上げたいと思います。  その結果でありますけれども、令和四年度の捕獲頭数は全体として百三十万頭であったということでありまして、令和四年から、ああ、令和三年度が百二十六万頭ということで、四万頭ほど令和四年は上回ったということであります。内容としては、イノシシについては前年対比一一一%ほどであったのに対し、鹿に関しましては九七%となっております。  この九七%であった鹿の農作物の被害状況として、半数以上の県で被害が増加をしている現状がありまして、特定の県では大きく被害額が増加をしていると。イノシシについても、東北や一部の県を除き捕獲頭数が増えてきているところであります。他方、被害額の増加している県も、イノシシもあるようでありまして、その生息数の回復についても指摘をされているところでありまして、こうした対策を今後しっかりと取っていかねばならないと思っておりますけれども、見解をお伺いいたします。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  農林水産省と環境省は、農林業や生態系等に深刻な被害を与えておりますニホンジカ、イノシシについて、令和五年度までに平成二十三年度比で個体数を半減させる目標を立て、集中捕獲キャンペーンの実施を含め、捕獲強化対策に取り組んできてまいりました。  その結果、先生御指摘のとおり、イノシシにつきましては個体数が順調に減少しておりますが、ニホンジカにつきましては令和五年度での目標達成が難しい状況にあるため、その期限を令和十年度まで延長し、対策を継続、強化することといたしました。  農林水産省といたしましては、この半減目標達成に向けまして、令和六年度予算の概算要求におきまして、イノシシを含む野生鳥獣の捕獲活動経費への支援に加えまして、鹿を集中的に捕獲するための特別対策を新たに要求するとともに、ハンターを含む捕獲の担い手育成等につきましても必要額を計上しているところであり、令和五年度補正予算も含めまして予算確保に努めてまいりたいと考えております。

清水真人自由民主党

○清水真人君 以上で質問を終わりにいたします。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 立憲民主・社民の徳永エリでございます。  まずは、野村前大臣、お疲れさまでございました。藤木前政務官もお疲れさまでした。そして、宮下大臣、鈴木副大臣、高橋政務官、御就任、心からお祝い申し上げたいと思います。どうぞ今日は、あっ、そして、舞立政務官、ごめんなさい、言おうと思って書いてたんですけど、うっかりしました。おめでとうございました。これからどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。  さて、今回閉会中に、立憲民主党では農林水産キャラバンを行いまして、全国各地の農業の現場に入らせていただきました。  私も、岡山、それから京都、岐阜、こういったところの中山間地に入らせていただきまして、農家の皆さんと意見交換させていただきましたけれども、この暑い夏、七十代、八十代という高齢の方々が集落営農組織、皆さんで集まってあぜの草刈りをしておられました。もう汗でびっしょりで、もう体力消耗して大変だっていうふうにおっしゃっておりました。  後継者もいない、これから一体どうなるんだろうかということと、それから、こういった地域、今農協の支所もないんですよ。そして、役場も人手不足ということで、例えば、農林水産省の事業を使おうとしても、その申請すら自分たちでできないという状況です。この高温で高温障害も出ているんですけれども、いや、徳永さん、高温耐性の何か品種って研究されているんだろうかって、いやいや、もう作付けもしていますよって言っても、その情報すら届いていないという、そういう状況なんですね。私たちが思っている以上に中山間地の農業は本当に今崖っ縁に来ていると思います。しっかりと支えていかなければいけないということを改めて実感をいたしました。  そして、どこに行っても必ず言われたのが鳥獣被害なんですね。  もう鹿とイノシシ、まあほかにもいろいろ動物はいるんですけれども、出てきて、作っても食べられてしまうと、心が折れると、もうこれでは農業を続けていけないんだと、しっかりやってくれなきゃ困ると。で、減らすために頑張っていると言っているけれども、実感としては個体数は確実に増えているということなんですね。  この鳥獣被害、この防止対策というのは、本当にしっかりやらなければいけない、今重要課題になっていると思っておりますけれども、この対策の強化について宮下大臣にお伺いしたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 鹿やイノシシ、また猿、最近は熊など、野生鳥獣による農産、農作物被害は、お話しのように、生産者の方々の営農意欲を減退させ、また耕作放棄を発生させるなど、中山間地域を中心に全国で深刻な課題となっていると認識しております。このため、先日の所信表明でも申し上げましたとおり、活力ある農村を次世代に継承していけるように、鳥獣被害の防止に向けた対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。  具体的には、これまでも鳥獣被害防止総合対策交付金におきまして、地域ぐるみでの被害防止活動、またハンターを含む捕獲の担い手育成等を支援してきたところでありますけれども、野生鳥獣をめぐる厳しい現状を踏まえまして、鳥獣の捕獲強化、また輸入、あっ、侵入防止対策など、地域が必要とする対策を着実に実施できるように、令和五年度補正予算を含めまして予算確保にもしっかり努めてまいりたいと考えております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 従来の対策では恐らくもう駄目だと思います。もう一回しっかり、この鳥獣被害防止対策、どうしたら実効性のあるものになるかということをしっかり検討していただきたい。  ネットあるいは電気柵、これを設置、自分たちでするわけですね。その設置の仕方がどうかというところもあるんですけれども、現場ではネットなんか簡単に飛び越えちゃうんですよ。イノシシもネットの下掘って入ってくるんですよね。熊だって飛び越えますから。電気柵もなかなか有効ではないという話もありましたので、この辺しっかり検討していただきたいと思います。  やっぱり熊、これ問題ですよね。熊に襲われたら命の問題ですから。今年はもう本当に亡くなっている方もたくさんおられますけれども、熊対策しっかりやっていかなければならないと思います。  資料付けさせていただきましたけれども、熊による農作物被害というのも非常に増えております。これ、何でも食べちゃうんですよね。今、北海道も、連日のように私のところにメールが届いて、圃場に行ったら熊の足跡があったとか、ふんがあったとか、もう怖くて一人では圃場に行って作業できないと、こういう状況になっておりますので、この熊対策もしっかり考えていただきたい。  環境大臣が会見で、冬眠までというお話をしたそうですけれども、去年の暮れから今年にかけて冬熊が問題になりました。今もう温暖化の影響かどうか分かりませんけれども、冬眠しないんですよ。あとはまあ餌がないから本当に空腹で、冬眠なかなか入れない、時期も遅れるということもありますので、この熊対策もしっかり考えていただきたいというふうに思うんですけれども。  とにかく、農林水産省の予算だけでは足りないと。このネットや電柵も申請の八割程度しか採択されていないということでありますので、予算をしっかり確保していただきたいんですが。これ所管がちょっと違うんですけれども、是非とも関係省庁連絡会議、これ農林水産省からも出席されておりますので、ヒグマやツキノワグマ、これを指定管理鳥獣の対象に是非ともしていただきたいというふうに思います。そうすれば、予算に厚みが出て、集中的、広域的な対策、また捕獲、これに取り組むことができますので、是非とも宮下大臣からも言っていただきたい、そのことをお願い申し上げたいと思います。  あわせて、今そのハンターの育成というような話もありましたけれども、その育成するハンターがもういなくなっているんですよ。  北海道では、猟友会の会員数、ピーク時の一九七八年度は一万九千六百九十九人ハンターがいました。でも、二〇二二年度には五千三百六十一人まで減りまして、過去四十年間で四分の一になっているんですね。で、高齢化しています。また、ハンターは、ほとんど専業ではなくて副業なんですね。会社員、公務員、農家。今年ぐらいこれだけ出ると、もう会社の有休は消化してしまった、あるいは自分の本業ができない、高齢のハンターの方はもう体力的にもたない、こんな状況になっておりますので、公的機関でしっかりとこの駆除に当たってもらいたいという声も当たっています。  自衛隊はどうだろうか、警察はどうだろうか。これ、なかなか難しいと思いますけれども、自衛隊の方々は最近災害派遣とか大変ですから、警察に山岳警備隊のような別の組織をつくっていただいて、例えば、有害鳥獣対策隊、こういったものをつくっていただいて、狩猟免許をしっかり取っていただいて、専門的、広域的な活動をする、こんなことも考えていかなければならないと思います。  これからは人よりも野生動物の方が多くなる、これ間違いないですから。ますます問題は深刻となると思いますので、こういったことも政府の中で検討していただきたいと思いますが、宮下大臣、いかがでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 最初に御指摘いただきました指定管理鳥獣への熊の指定に関する御質問でございますけれども、これについては、おっしゃるとおり、基本的に決めるのは環境省ということでありますけれども、環境省において専門家の意見を聞きながら、科学的知見に基づいて必要な対策を検討しているということで、農林水産省としても、この状況を注視しつつ、環境省など関係省庁ともしっかり連携しながら対策につなげていきたいと考えています。  それから、二番目のハンターの減少にどう対応するかということですけれども、現状は、まず捕獲の担い手の育成確保のために鳥獣被害防止総合対策交付金、ここで捕獲現場での実践的なOJT研修、また、鳥獣の捕獲に興味を持つ若者などを対象とした現地見学を含むマッチングセミナーの開催、さらには、鳥獣被害対策実施隊において新規に猟銃を取得する者への購入費用の一部補助など、対象者に応じたきめ細かな支援を行っているところであります。  この鳥獣被害対策実施隊、これ自体は結構、役場の職員さんになっていただいて資格取っていただくというような取組もあると思いますので、先生おっしゃったような公務員的な立場の方が資格を取って頑張っていただくというのもあると思います。  いずれにしても、農林水産省として本交付金の予算確保をしっかりやって、引き続き、環境省とも連携しながら、担い手の確保、育成にも頑張っていきたいと思っております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 北海道のOSO18というヒグマが大変有名になりましたけれども、放牧されている乳牛を襲うんですから、これ、一頭やられたってもう大損害ですよね。ですから、環境省の所管なんて言っていないで、農林水産省としても大変重要な問題なんだということを政府の中で是非大臣からお訴えいただいて、指定管理鳥獣の対象にしていただく。あるいは、今後ハンターをどうしていくのか、スピード感を持って取り組んでいただきたいというふうに思います。よろしくお願い申し上げたいと思います。  それから、このところずっと、生産コスト、資材コスト、これが上昇していて、農家経営が厳しいという状況が続いておりました。家畜の飼料あるいは農地に使う肥料、この国際価格が現状どうなっているのか、まだまだ厳しい状況が続くのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 飼料とか肥料、これについて、国際価格の現状等についてお伝えをしたいと思いますが、飼料につきましては、足下の円安基調はあるものの、配合飼料原料でありますトウモロコシの国際相場が落ち着いているという状況だと認識しています。肥料については、肥料原料の通関価格が下落したことを受けまして、先日全農が公表しました来年春肥の卸売価格は、対前年比で三割程度の下落というふうになっておりまして、いずれも落ち着きつつあるという認識です。  これまでも、ただ、根本的にはできるだけ輸入依存から脱却するということが大事で、国際価格の影響を受けにくい体制への転換を進めるために国内資源の利用を高めるということで、飼料については、耕畜連携、また飼料生産組織の強化、メーカーも参画した広域流通等々を推進していくこと、肥料についても、肥料メーカーを含む関係事業者間の連携づくりを進めて、堆肥化施設やペレット化施設の整備等の取組の支援を行っているところであります。  今後、今般閣議決定されました経済対策に盛り込まれました国産飼料の生産・利用拡大対策、また国内資源の肥料利用の拡大対策等を通じて、しっかり国内資源の利用拡大を進めて、そういった輸入価格に影響、できるだけ影響されにくい体制に強化していきたいと考えています。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 国際価格が下がってきたということで、少し生産コストの方も落ち着いてくるんじゃないかというふうに思いますけれども、今回のことで海外からの輸入に依存するということがいかにリスクが大きいかということを経験いたしましたので、肥料も飼料も国産化を進めていくという取組をしているわけでありますけれども、喉元過ぎれば熱さ忘れる、また元に戻るんじゃないかということを大変懸念しているんですね。  例えば化学肥料、これも、原料が安くなれば、恐らくメーカーはまた海外から輸入した原料を使って肥料を作ることになるんだと思うんですよ。それでは駄目なんですね。例えば、汚泥の活用、下水汚泥の活用、これどうなっているんですか。リン回収、進んでいるんですか、どうですか。それから、まあ飼料もそうですね。子実トウモロコシ、あるいは牧草、デントコーン、この生産がどのくらい進んでいるんですか。あるいはまた、飼料メーカーや肥料メーカーに、しっかり国産のものをこれからも使っていくようにというようなことは、農林水産省の方からこれからもしっかり働きかけていかれるんでしょうか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 今御質問ございましたけれども、下水汚泥の利用につきましては、神戸市、それから佐賀市等、大きな自治体の中でも、下水利用から肥料の原料を取り出す動き、それから最近におきましては横浜市と全農が協力してですね、まあそういったものが全国的にかなり進んでおりまして、これ、国交省と協力しながら進めたいと思っています。また、化学肥料だけではなく、堆肥の成分を入れた肥料についても鹿児島の経済連が作ったり、そういったことも進めておりますので、おっしゃるとおり、元に戻らないようにしっかり国産の利用を進めていきたいと思っております。

渡邉洋一農林水産省畜産局長

○政府参考人(渡邉洋一君) 飼料の方につきましても御発言ございましたので、お答えを申し上げます。  国産飼料の生産、利用の拡大に向けましては、飼料の作付け地や労働力の確保が難しいですとか、あるいは、これまで我が国では畜産農家が自ら生産して利用する自給飼料が主であったんですけれども、そこで労働力の確保が難しいと、あるいはその流通体制が不十分だというような課題ございまして、自給率、正直言って横ばいで推移をしてきているというのが実態でございます。  このため、令和、この当初予算など、令和六年度当初などにおいても、飼料生産組織の運営の強化ですとか草地の整備、あるいは牧草生産の省力化、収量の向上、国産粗飼料の広域流通などへの支援を計上しておりまして、できる限りの生産、利用の拡大を図るように努めていきたいと考えてございます。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 地域それぞれの取組は私も時々新聞で見たりしておりますからよく分かっておりますけれども、まあ僅かな話ですから、しっかりと、またその国際価格が上がったときに大きな影響を受けることがないように、これからも農林水産省もしっかり目を光らせて国産の取組を続けていただきたいというふうにお願い申し上げたいというふうに思います。  次に、林業に関連してお伺いしたいと思いますけれども、これまで技能実習の一号、一年間だけ林業、対象になっておりましたけれども、これを技能実習二号、三号、特定技能も対象業種にする方向で厚生労働省の専門家会議で検討を続けているということでございますけれども、林業分野というのは、御案内のように全産業の中で最も死亡事故が多いんですね。林業は短期間で技能とか技術の習得がなかなか難しい。それと、零細な企業が多くてなかなか研修もままならないのではないかということで、現場からは本当に技能実習、特定技能、ここまで林業を対象業種に広げていいのかどうかという声が上がっております。  お手元の資料を御覧いただきたいと思うんですけれども、御覧のように、林業における労働災害の現状、まあほとんど、この林業の部分、平成二十八年から令和四年に発生した労働者死傷者数の数ですけれども、横ばいで推移しているんですよね。全産業と比べて林業は約十倍ということです。それから死者数も、死亡災害の約七割が伐木作業中に発生、伐倒中に発生しているということなんですね。  これ、いろいろ林野庁としても対策打っているんでしょうけれども、相変わらず労働災害が減っていかない、これはどうしてなんでしょうか。これまでどういう対策を打ってきたんでしょうか。お伺いしたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、林業が他産業に比べて労働発生率が高い状況にあるということは認識をしています。  農林水産省としては、林業労働者全体の労働安全確保に向けて、一つは労働災害の多い伐倒作業を安全に行うための研修、また労働安全衛生設備の導入、こうしたことの支援に取り組んでいるところでございまして、これは外国人材を受け入れておられる事業体でも御活用いただく制度になっています。また、現在、業界団体による外国人材の円滑な受入れ体制の構築を図るためのマニュアルの作成が行われておりまして、これを支援しております。また、今年度補正予算におきましても、日本人新規就業者用の安全テキストを多言語に翻訳した外国人材向けの教材の作成について要求しているところでございます。  こうした取組を通じて、外国人材も含めてしっかりした労働安全の環境が、安全性が高まるようにしっかり支援をしていきたいと考えています。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 ずっとこの労働災害についてはしっかり取り組みますと言ってきたわけで、それでも減っていないわけでありますから、やっぱりなぜ減らないのかというところをもう一度しっかり分析をしていただきたいというふうに思います。  それから、五ページ目の資料ですけれども、全産業における技能実習生の労働災害の現状、これ圧倒的にやっぱり技能実習生の労働災害が多いんですよね。これ、なぜかということなんですけど、やはりなかなか日本語がままならないというところがあって、コミュニケーションがうまくいかないというところから起きている場合もあるんだと思います。  こういった、なぜ技能実習生の労働災害が多いのかということも改めてきちんと分析をしていただいて、全産業の中で最も死亡事故の多い林業、ここに技能実習生を対象業種として拡大して本当に大丈夫なのかと、今やろうとしている安全対策だけで本当に命を守ることができるんだろうかと、こういったこともしっかりと検討した上で対応していただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。  続いて、畑地化促進事業についてお伺いしたいと思います。  交付単価、高収益作物十七万五千円、麦、大豆などの畑作物十四万円、これを二〇二四年産からどちらも十アール当たり十万五千円に引き下げる方向で検討しているということであります。まあ自民党の中でもいろんな御意見があるようでございますけれども。  今年度は予想以上の申請があって、令和四年補正で二百五十億円、そして令和五年の当初で二十二億円の予算では全然足りなかったということで、横沢委員の予算委員会での質問に、一次採択した面積が約一万ヘクタールということでございましたが、じゃ、採択されずに現在保留となっている面積はどのくらいなんでしょうか、教えてください。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 横沢委員のときにお答えしたかと思うんですが、現在、実は要件を確認している数字を今確定中でございまして、今ちょっと数字が申し上げられる段階ではありませんけれども、一万ヘクタールをはるかに上回る申請が上がってきております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 令和六年度の概算要求では、この畑地化促進事業、二十二億一千五百万円なんですね。去年の令和四年の補正と令和五年度の当初予算で二百二十億、全然足りなかったわけですよね。恐らく、今年様子見していて来年申請する人が増えると思うんですよ。そうすると、これ、補正予算で相当な額を要求しなきゃいけないんだと思うんですね、今保留中の人も採択しないと不公平感が生じますから。さらには、来年申請する人もカバーしなきゃいけないということで、これ何倍になるんですか。これ大変な額になると思いますよ。だったら、これから何年も申請を受け付けなきゃいけないわけですから、何で当初予算でやらないんですか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 昨年、畑地化につきましては初めてということでございまして、昨年の四年度の補正で要求して付いたわけなんですけれども、今年度につきましても、要件の確認の中でできなかった方々、来年に向けて準備をされると思いますし、そういったことも含めて今年の補正、それから当初予算、来年についての当初予算について考えていきたいというふうに考えております。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 大きな額になるんじゃないかという話も聞こえてきておりますけれども、補正予算ですから、財政法のことも考えていただくとやっぱりおかしいと思いますよ。しっかり、これからも続く事業ですから、当初予算で予算を付けるということをしっかりやっていただきたいと思います。  それから、今回いろいろ現場を回って歩いていて、水張りルールに対応するために、転作していた水田に試験的に水を入れているんだけれども、水はけが良くなっているので入れても入れても水が上がってこない、これ田名部委員と一緒に青森の現場に行ったときも相当言われました。  また、異常気象が続く中で雨が降らない、干ばつが起きる可能性もあって、来年以降、本格的な水張りが一斉に始まったら水不足も起きるんじゃないかということなんですけれども、当初より要件相当緩和されました、まあ一か月ということでありますけれども。これ、また来年の天候、気温もどうなるか分からない、地域によっていろんな事情も出てくると思いますけれども、この水張りルールについてもう一段階検討する必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) そもそも、この水田活用の直接支払金は、水田機能を有する農地においてブロックローテーション等により麦や大豆等の作付けを進めるためにつくられた制度でありまして、したがって、交付対象は水を張る機能を有している水田であることが前提となっております。そのため、今後五年間に一度も水稲の作付け又は一か月以上の水張りが行われない農地は水田ではないということで交付対象から外す、こういうルールを明確化したところであります。  一方、水はけが良いことなどにより畑作物が連続して作付けされている水田につきましては、産地化に向けた一定期間の継続的な支援、また基盤整備への支援など、畑地化を応援、後押しする政策を用意しておりますので、地域農業再生協議会や土地改良区等の関係者の皆様とも話し合っていただいた上で、是非こうした施策も活用を検討をいただければと思っています。  また、水稲の作付け又は一か月以上の水張りにつきましては、水田輪作において連作障害を避ける効果もありますので、水張り等を行う時期や順番、期間については、土地改良区等も含めて、関係者の皆様と是非十分に話し合っていただくことが大事だと考えています。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 今まで説明をいただいた答弁と同じなんですけれども、本格的な水張りが恐らく来年以降始まりますので、しっかり現場の状況を見て、またここで議論させていただきたいというふうに思います。  次に、政府の総合経済対策で、二〇二三年内を目途に市街地調整区域の開発許可手続の緩和を図る、農林水産部局等の連携により地域未来投資促進法を活用して土地の調整をしていくということでありますけれども、手続を簡素化するということでありますけれども、報道等で半導体工場などの農地や森林、この立地規制を緩和するのではないかというような心配の声が上がっていますけれども、具体的にこれ何が変わるのかということを御説明いただきたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 今後、今回の総合経済対策におきます土地利用転換の迅速化ということですが、これは、地域未来投資促進法のスキームを活用しまして工場を建設する場合に、その農振除外が終わってから都市計画法の地区計画の変更を進めるという現在の手続の運用を改善するということであります。  具体的には、地域未来投資促進法では、地方自治体の都市部局と農林水産部局があらかじめ工場建設の計画内容を確認して農振除外等の可否を慎重に判断した上で承認を行うことから、農振除外と地区計画の策定等の手続を同時並行的に進めることが可能となると、ここがその手続の迅速化という部分であります。  このように、今回の措置は手続の迅速化というのがメインでありまして、農振除外等そのものの規制を緩和したり、また審査そのものを簡素化したりするものではないことから、そこのところについての御懸念はないものというふうに考えています。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 ちょっと時間がないので、まあいろいろと申し上げたいことはあるんですけれども、地域未来投資促進法の概要を見てみますと、土地利用調整区域内での農振除外、農地の転用について特例があるわけですね。この中には、農業用用排水施設整備事業に係る事業完了後八年経過している要件の不適用とか、第一種農地の例外許可とか、四ヘクタール超の農地転用許可に係る大臣協議不要とか、こういった特例があるわけですね。あとは、農村地域工業等導入促進法とか、基本的に農地法では転用が認められていない、そういった農地でもこういった法律では認められてしまうということで、こういうことが、今開発がどんどん進んでいる、あるいは半導体工場が全国にどんどんできている中で、いかにして農地を守っていくのか、令和十二年、四百十四万ヘクタール、本当に守れるんでしょうか。  こういう状況の中で、農林水産大臣としてどのようにして農地を守っていくおつもりなのか、それをお聞きして終わりたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) おっしゃるとおり、農地は農業生産の基盤でありますので、食料安全保障の観点からも適切に確保していく必要があるというのはおっしゃるとおりだと思います。  そのために、地域未来投資促進法、また農村産業法等により開発を行う場合でも、優良農地の確保を前提とする仕組みが設けられております。具体的には、地方自治体が計画を定める際に、まずは農用地区、地区域外でですね、の開発を優先するということ、それから面積規模は最小限であるということ、それから周辺の土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと等を確認することとなっています。  こうした仕組みも活用しながら、地域の実情に応じた産業の導入と農業上の土地利用との調整を適切に行っていきたいというふうに思っています。

徳永エリ立憲民主・社民

○徳永エリ君 ありがとうございました。  また続きの御質問をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。  当委員会では初めての質問となりますが、同じ信州の宮下一郎大臣に御質問させていただけて光栄だと思っております。  それでは、まず基本法の見直しについて伺わせていただきます。  食料・農業・農村基本法が制定されたのは、一九九八年、長野オリンピックが開催された年です。その後の内外の情勢変化を踏まえ、我が国の食料安全保障の確保が大きくクローズアップされる中、農林水産省は、食料・農業・農村政策審議会で基本法の改正に向けた検証を行い、九月に基本法の見直しに関する最終答申が取りまとめられました。  そこで、これまでの食料安全保障を顧みる観点から、食料自給率を取り上げたいと思います。  食料安全保障の確保に向けて現状の国内農業生産を考えるに当たり、資料一、資料二の今年発表された令和四年度食料自給率を見てみますと、カロリーベースでは前年と同じく三八%、生産額ベースでは昨年から五ポイントも低い五八%でした。令和十二年度の目標は、カロリーベースで四五%、生産額ベースで七五%であり、目標達成は厳しい状況です。  国内生産について、食料自給率だけでは捉え切れないとして、最終答申では、食料自給率に関する厳しい現状に対する見解を示すことなく、別の数値目標に切り替えようとしているようにも見受けられます。新しい基準や目標設定の前に、まずはこの現状をきちんと分析し、向き合うことが国内農業生産の強化をするに当たっての最優先事項だと私は考えます。  そこでお伺いしますが、この食料自給率の低さについてどのように分析し、目標を達成できていないことに関して何が不足していたと認識しているとお考えでしょうか。お答えください。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 資料にもありますけれども、我が国のカロリーベースでの食料自給率は、長期的に食生活の変化が進んだことによりまして、特に国内で自給可能な米の消費が減少していることを原因として、近年、三八%前後で推移しております。  この食料自給率の目標設定に当たりましては、食料・農業・農村基本計画に消費面と生産面で克服すべき課題について品目ごとに明記しているところであります。例えば、小麦については、国産小麦の需要拡大に向けた品質向上と安定供給などの課題に応じた取組を積み重ねてまいりました。そのことによって、小麦の自給率は、平成十年の九%から令和四年度には一五%に向上するという成果を上げておりますが、令和十二年度目標の一九%にはまだ達していない、こういう状況であります。  また、国内で自給可能な米の消費が減少していること、また輸入依存度の高い飼料を多く使用する畜産物の消費が増加していること、こうしたことが自給率低下の主な原因となっておりまして、結果として足下では自給率はおおむね横ばいで推移していると考えております。  また、生産額ベースでの自給率が大きく低下しているという御指摘もありましたが、これは特に輸入食料品のそのものの価格高騰、それから円安による輸入価格、輸入品価格総額の増大、こういったことが原因で、実態としてみんなが輸入にシフトしたということではないと、そういうことと分析しています。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございました。  ごもっともとも思えるところもありますけど、まあ現場の認識と国の認識のずれもあったんではないかと思うところもあります。おととい大臣がおっしゃったように、機会のあるごとに現場に足を運んでいただき、現場の声に耳を傾けていただければと思います。  先ほどの最終答申では、不測時における食料安全保障について、現行の緊急事態食料安全保障指針について、不測時の定義と措置発動の関係が不明確であり、生産転換、流通規制を指示する体制が不十分であると指摘しており、増産指示や備蓄放出、食料配給などが既存の仕組みで十分に対応できるかという検証を促しています。  そこで、国内の農業生産力について、食料自給率とは異なる指標である、資料三にもありますが、食料自給力指標を見てみます。  この食料自給力指標とは、我が国の農林水産業が有する農地、農業者等の潜在的な生産能力を最大限に活用した場合、どれだけの食料を供給できるかというものを示すものであり、我が国の食料安全保障上の状況を示す重要な指標と政府が答弁しておるとおり、生産転換などを考える上で国内の生産能力を見ることができる指標です。  令和四年度の食料自給力指標を見れば、現在の食生活がいかに輸入に依存しているかがよく分かりますが、国内生産のみで賄う場合、芋中心の作付けであれば推定エネルギー必要量を確保できるという結果になっております。  しかし、この指標は、生産転換に要する期間を考慮せず、肥料、農薬、化石燃料、種子等は国内生産で十分な量が確保されているという、現実とは切り離された前提を置いています。基本法の見直しでは増産命令や生産転換など強制力を伴う措置を検討することとなっていますが、そうである以上、農地、労働力、生産資材などについても、不測時の状況を想定した前提の指標も必要ではないでしょうか。  最終答申では食料自給力指標について言及はありませんが、政府として不測時の食料安全保障対策に取り組む上で、食料自給力指標はどの程度役に立つ指標と考えているのか、また今後、食料自給力指標をどう位置付けていくのか、伺います。  さらに、食料自給力指標に加えて、我が国の食料安全保障の現状を把握できる基準や指標をどのように設定すべきと考えているか、方向性を教えてください。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 御質問ありがとうございます。  先生御指摘のように、平成二十七年から公表しています食料自給力指標でありますけれども、この考え方は、農地を要するに最大限フル活用、パーフェクトに使った場合にどんだけの熱供給量、カロリーをですね、補えるかというような考え方であります。  その意味でいえば、我が国の潜在的な食料生産能力を示す一つの試算ではあると思いますし、基本的には不測の事態にも有用なものというふうに考えておりますが、しかしながら、まさに御指摘のように、その肥料などの、じゃ、生産資材を制限なく使用できるのかとか、そうした前提に今なっているということで、課題も大変これはあるというふうに考えております。  例えば、昨年のウクライナ情勢の影響等によって肥料価格が高騰して、食料安保の確保に係る肥料やエネルギー資源の重要性を我々も皆、痛感をしたところであるというふうに思いますが、このような生産資材等の安定供給は、この食料自給率や食料自給力指標には現在のところ反映をされておりません。このように考えますと、現在ある指標だけではこの生産、消費の状況を直接に捉えられていないということも踏まえて、食料自給率という目標の一つとしながらも、平時から食料安全保障上の様々な課題に応じて各種指標を用いて総合的に検証する仕組みを設けることをまさに今検討中でありますし、また御指導もいただければというふうに思います。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございました。  まだ検討中ということで、しっかりとしたお答えはいただけませんでしたが、まあそれはそれとして、今回の最終答申においては、不測時に限らず、平時からの国民一人一人の食料安全保障の確立に向けて食品アクセスを確保することが掲げられています。経済成長が停滞する中で、経済的理由により十分な食料を入手できない人も増えており、フードバンクや子供食堂等による支援の重要度が高まってきています。  農水省は、既にこれまで食育や食品ロス削減の観点からフードバンクや子供食堂等の活動支援を行ってきていますが、最終答申によれば、今後は経済的困窮者に対するセーフティーネットの観点からフードバンク等の活動の支援をすることとなります。しかし、これまでと同じ予算規模や支援体制では、新しい理念である国民一人一人の食料安全保障の確立を達成するには不十分ではないでしょうか。そして、セーフティーネットとして食品アクセスの向上を図るのであれば、フードバンク等の民間団体の主体的な取組に委ねるだけでなく、行政が食品アクセスの向上という政策効果に責任を持って取り組むことも必要ではないでしょうか。  そこで、フードバンク等に対する今後の更なる支援と、行政が責任を持って経済的な食品アクセス向上を図るためどのように取り組んでいくのか、伺います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 経済的な理由により十分な食料を入手できない方が増加しているなど、御指摘のように食品アクセスの問題が顕在化しております。こんな中で、食料安全保障の考え方としても、平時から経済的に困窮されている方々を含めて国民一人一人が食料にアクセスでき、健康な食生活を享受できるようにすることが重要と考えています。  これを踏まえまして、六月二日に決定されました食料・農業・農村政策の新たな展開方向では、生産者、食品事業者からフードバンク、子供食堂等への多様な食料の提供を進めやすくするための仕組みを検討することとされています。農林水産業では、本展開方向に基づきまして、地方公共団体を中心に生産者、食品事業者、フードバンク、子供食堂、社会福祉協議会等の地域の関係者が連携して食品アクセスの確保に取り組む体制の構築など、必要な施策について具体化を図っているところでありまして、今月二日に閣議決定された経済対策においても関連施策を盛り込んでいるところであります。  こうした施策の具体化を図り、円滑な食品アクセスの確保に向けた地域の取組が進むようにしっかり後押ししてまいりたいと考えています。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 しっかりとした予算確保も含めて、引き続き支援をお願いしたいと思います。  次に、農福連携に関して御質問いたします。  農福連携に取り組む主体は令和四年度末で六千三百四十三件となり、令和元年度と比べて二千二百二十六件も増加しています。特に、福祉事業者が農作業の現場に出向き、作業を請け負う施設外就労が増加しているとされております。取組主体の増加は、農福連携が農業、福祉双方のメリットとなるとして、農業経営体、福祉事業者、自治体の間で農福連携に対する理解が進んだこと、そして農業経営体と福祉事業者のマッチングが増えてきたことなどが大きな要因であると理解しております。  令和五年三月に公表された農福連携に関するアンケート調査結果によれば、障害者を受け入れるメリットとして、人手不足が深刻な農業において貴重な戦力となっていることや、農業経営者が営業等の別の仕事に充てる時間が増えたことを挙げている農業経営体が五割以上に達しています。また、そのような直接的メリットに加え、障害者が多様な障害の特性に応じて農作業を担えるよう、作業工程の細分化や作業の標準化を行うなど作業の見直しを行うことで作業効率が上がったが二九%、組織体制や人員配置の見直しを行うことで組織力が上がったが一六%など、間接的なメリットがあることも明らかになっております。  その一方で、受入れの課題もあります。農業側と福祉側の間の作業スケジュールの調整、冬場などの農閑期も含め通年で働いてもらうための作業の創出、圃場でのトイレ、休憩所の確保といった作業環境の整備等が主な課題に挙げられています。  このうち、トイレ等の確保について、補助金を利用してトイレや休憩所を設置することが重要と考えている農業経営体が七五%にも達していますが、実際に補助金を活用している農業経営体は一六%と少なく、自費でトイレや休憩所を設置している農業経営体が六〇%となっています。令和五年度からは、農山漁村振興交付金を活用した農福連携支援事業により、現場からの要望が多い移動式トイレの導入が支援対象に追加されました。  そこで質問ですが、圃場でのトイレ等の確保について、支援事業の申請の現状と補助金の活用がこれまで進まなかった理由を伺うとともに、今後の対応について伺います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、農福連携、大変重要な取組だと思いますし、同時に、農福連携の現場で障害者の皆様が農作業に従事しやすい環境整備を整える、その中で、トイレの確保、大変重要であると思っています。  これまでも農林水産省では、農山漁村振興交付金におきまして、障害者等の雇用、また就労を目的として圃場など作業現場に固定して設置するトイレ、また休憩所、こうした整備を支援してまいりましたけれども、御指摘のように、今年度からは圃場の近くで利用できる移動可能なトイレの設置についても支援できる旨を交付金の実施要領において明記するようにしたところでございます。  この事業の概要を知っていただく、そして選定要件等を丁寧に説明して、是非多くの皆様に御活用いただけるように、事業の対象となる農業法人や社会福祉法人の皆様に対してその説明等々の機会も増やして、事業の更なる活用の推進に努めていきたいと考えています。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  私も、八月の終わりに地元の福祉事業者が運営するハウスで利用者の皆さんと一緒にキュウリの収穫体験をさせていただきましたが、作業に打ち込む利用者の皆さんがより良い環境で収穫する喜びを持ち続けていただきたいと思いましたので、引き続き御支援をよろしくお願いいたします。  農福連携で障害者が行う作業として、圃場やハウス等での作業、体力を要する作業、草刈り機等の機械を使う作業など、多様な作業を担っていただいているようです。先ほども申し上げましたが、障害者が障害の特性に応じて農作業を行うことができるよう、一連の作業工程を細分化し、作業を標準化することは極めて重要なことです。しかも、それは農業経営体にとってだけでなく、作業をしていただく障害者の健康維持にも大きな効果が得られます。  農研機構の研究によれば、障害者の活動量を活動量計で測定したところ、厚生労働省が定める身体活動基準を満たす身体活動量を示す結果が出ており、ヒアリングによって確認したところでも、体の動かし方、負担に応じた作業が細分化されており、結果として作業効率を上げ、身体活動量の確保につながっていることが確認されています。  また、別の研究によれば、知的障害者及び精神障害者が農作業を行うことによって、心理的、身体的ストレスの改善、集中力の改善、自己肯定感や自信の改善、肥満傾向の改善、正常な睡眠、覚醒リズムの回復など、多くの健康改善効果が認められたとのことです。  そこで質問ですが、障害者が農福連携を通じて農作業を行うことで心身の健康維持にどのような効果を及ぼすのか、現在得られている御知見を御説明ください。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  令和五年三月に、先ほど委員も御指摘のありました一般社団法人日本基金が農福連携に取り組んだ福祉事業者向けに行ったアンケート調査によりますと、八七・五%の福祉事業者が農福連携の取組によるプラスの効果ありと回答しています。このうち、身体面、健康面への効果としましては、体力が付き長い時間働けるようになったが八〇・五%に上ったほか、精神面、情緒面への効果としては、最も多い、物事に取り組む意欲が高まったが五九・一%、次いで表情が明るくなったの五八・三%と続き、農福連携により心身の健康維持への効果が認められると考えられます。  さらに、今御指摘がございました障害者の健康維持に資する支援につきましても、農林水産省としましては、障害者の体調管理に必要な空調機能を兼ね備えた生産施設や休憩所等の整備に対して支援を行っているところでございます。  今後も、こうした取組を通じて、障害者の健康維持に資する農福連携の取組を推進してまいりたいと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 是非ともしっかりとした、そうした健康面、障害者の皆さんも向上されているというのは実際に今政務官がおっしゃったとおりだと思いますので、是非とも取組を進めていただきたいと思います。  次に、ノウフクJASについて伺います。  ノウフクJASは、平成三十一年三月に制定され、令和五年九月末時点で五十一事業者が認証を取得していると伺っています。  ノウフクJASは、障害者が生産行程に携わったことを証明することで、農福連携の普及を後押しするとともに、社会的課題の解決を考えつつ課題に取り組む事業者を応援するエシカル消費やSDGsを望んでいる消費者に対し、強く訴求することが期待されています。しかしながら、ノウフクJASに関する認知度は低く、農福連携に関するアンケート調査結果では、ノウフクJASを既に取得していると知っているを合わせた割合は約二割にすぎません。  ノウフクJASの認知度が低い現状にある理由、そしてノウフクJASの認知度を高める取組について伺いたいと思います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  ノウフクJASは、障害者が生産行程に携わった食品の農林規格でございまして、平成三十一年三月に定められたものでございます。  御指摘のとおり、ノウフクJASの取得事業者は五十一事業者となっております。また、先ほど申し上げました日本基金が行ったアンケート調査によりますと、ノウフクJASを知っていると回答したのは、農福連携に取り組む福祉事業所の二一・二%にとどまっております。  ノウフクJASの取得を促すためには、農福連携に取り組む事業者がノウフクJASを取得するメリットを感じていただくことが重要だと考えております。そのためには、農福連携について消費者の認知度を高めて、ノウフクJAS商品が他の商品と差別化されて選ばれていくような環境をつくっていくことが重要と考えます。  このため、農林水産省としましては、農福連携に関するフォーラムやマルシェ等におきまして農福連携の普及啓発に取り組んでいるところでございます。さらに、本年十月から十一月にかけましては、農福連携の取組を集中的に普及啓発するノウフクウイークを開催し、農福連携により生産された商品を販売するイベント等が全国三十か所で行われたところでございます。  今後とも、厚労省を始め関係省庁とも連携をしつつ、農林水産省としましても、ただいま申し上げたようなノウフクJASの普及啓発に取り組んでいき、また推進してまいりたいと考えております。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 ありがとうございます。  せっかく作った規格ですが、やはり今のところ二割というような認知度というのは余りにも低過ぎると思いますので、是非とも認知度の向上にお努めいただければと思います。  次に、農業人材の高齢化、担い手不足について質問いたします。  農村、山村における人口減少、高齢化の進展は著しく、集落機能を維持していくことが難しい地域も増えました。基本法が見直されようとしている今、私たちは、少なくとも二十数年後の農業、農村の姿を見据えて今から農業人材を育成しなければなりません。  農業経営体の九六%は個人経営体、家族経営です。この中で中心的に農業を担う基幹的農業従事者の数は、二〇〇〇年の二百四十万人から百二十三万へと半減しています。平均年齢は六十八歳、五十代以下が僅か二十五万人という現状を踏まえ、農水省は、二十年後の基幹的農業従事者の数を三十万人、現在の約四分の一程度へ急減する見通しを示しています。  少ない人手でも、スマート化による効率化で農業生産は何とかなるかもしれません。ですが、集落機能の維持の面では、やはり人と人とのつながりが欠かせないのではないでしょうか。また、効率的かつ安定的な経営体、いわゆる担い手だけでは地域の農地を引き受け切れず、小規模な家族経営体が農地を管理し、地域の農業生産活動を担っているところも少なくないと認識しております。  大臣は先日、人口減少に伴い農業者の減少が避けられないと御発言されました。平地と中山間地域、北海道と都道府県、稲作経営と果樹経営など、地域によって農業者の減少の影響が出てくる時期や影響の度合いが異なると思われます。人が減って集落が消え、多くの農地が荒廃してしまうのか、人が減って農地の集積、集約が進み、生産性が高まるのか、あるいは人が減らないよう外国人材の活用を推進するのか、大臣がおっしゃる歴史的転換点である現在の判断が将来を決定します。  政府として、農業者の減少の影響が地域別、品目別にどのように表れると分析しておられるのか、また農業者が現在の四分の一程度に減った中でどのような農業生産が実現されるように施策を講じられていこうとされているのか、二十年後の農業、農村の将来像を伺いたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、個人経営体の基幹的農業従事者はこの二十年間でおおむね半減をして、令和四年時点では約百二十二万六千人おられるわけですが、その平均年齢は六十八・四歳と高齢化が進んでいるところであります。これ、品目別や地域別に見ますと、品目別では特に人数が多く高齢化が著しい稲作部門が、そしてまた地域別では御指摘のように中山間地域がそれぞれ最も大きな影響を受けるというふうに見込んでおります。  一方、法人その他団体、団体経営体につきましては、この二十年間で農業従事者が増加しておりまして、経営耕地面積の約四分の一、販売金額の約四割を担うまでになっています。今後、農地などの食料の生産基盤を維持していくためには、現在よりも相当少ない人数で国内の食料生産を担うことを想定しておかなければならないと考えております。  このような中、食料の安定供給を図るためには、まず第一に、生産性の向上につながるスマート農業技術の開発、そして実用化、これを加速していくことが大事ですし、また、経営技術面で経営体をサポートし、地域内の作業を請け負うサービス事業体の育成、確保ということで、経営体とサービス事業体、お互いに補い合ってこの経営を持続させるという体制整備が必要です。そして三つ目としては、今、今年と来年で地域の話合いによって地域の将来の農地利用の姿を示した地域計画を策定していただいているところですけれども、この地域計画の中で農地バンクを活用した農地の集積、集約化を進めつつ、その場合には農家負担なく農地集積ができるわけですから、こうしたことも活用していただきながら地域の農地の計画的な保全を一体的に推進することによって、農業法人の経営基盤強化などの施策も講ずることで、全体として持続可能で強固な食料供給体制を確立してまいりたいと考えています。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 人口が減っていくことに対しても、政府が少子化対策をされるとおっしゃっていますし、あとは先ほども大臣の御答弁の中でもこの農業の魅力を上げていくことで農業人材を増やしていくということもあるので、その辺も含めてしっかりとした対策を打ち出していただきたいと思います。  幾つかちょっと項目が残っているんですが、それは飛ばして、最後の質問をさせていただきたいと思います。  最後に、農水省職員の増員についてお伺いいたします。  これまでも徳永先輩、田名部先輩を含む衆参多くの農林水産委員から御質問、御要望をしておりますが、基本法の改正を目前にする今こそ、食料安全保障を担う農林水産省職員の大幅な増員が必要です。農業に従事する現場の皆様の御協力と十分な職員の配置によって初めて食料安全保障の実現が可能と考えますが、宮下大臣の決意をお伺いしたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、食料安全保障の確立を始めとしました農政の課題への対応に当たりましては、予算だけではなくて必要な体制の整備も本当に重要だというふうに認識しております。そのため、令和六年度組織・定員要求については、政府全体のルールの下で、食料・農業・農村政策の新たな展開方向を見据えまして、そのルール下で最大限の要求を行っております。  引き続き、査定当局にその重要性しっかり訴えて、定員の確保にしっかり取り組んでまいりたいと考えています。

羽田次郎立憲民主・社民

○羽田次郎君 待ったなしでよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。

横山信一公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  数年ぶりに農林水産委員会に戻ってまいりました。いろいろ聞きたいことたくさんありますけれども、毎回質問になりますので、よろしくお願いいたします。  まず、燃油高騰対策から伺ってまいります。  農業分野で燃油価格の高騰に伴う電気料金の影響を最も受けるのは、揚水機場、排水機場を持つ土地改良区であります。農業水利施設は、維持管理費に占める電気料金の割合が高く、省エネルギー化を推進していますが間に合わない現状があります。  令和四年度第二次補正において、農業水利施設の省エネルギー化に取り組む土地改良区等に対しては、電気料金高騰分の七割を九月まで補助しました。その後の予備費でこれを十二月まで延長しております。さらに、これからの総合経済対策では、来年四月末までの延長を目指しています。  しかし、現場では、四月から、四月末までということではなくて、むしろ四月から九月までのかんがい期こそが水利施設をフル稼働する時期ですので、この期間の電気料金対策が求められております。かんがい期の対策をどうするのか、伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  現下の電気料金の高騰は、土地改良区等による揚水機場や排水機場などの維持管理に大きな影響を及ぼすものと認識しております。このため、令和四年度から、委員御指摘のとおり、農水省として、省エネルギー化に取り組む施設管理者に対し電気料金高騰分の一部を支援する措置を講じておりまして、これを、この措置を令和六年四月まで延長する予定としております。  来年五月以降につきましては、電気料金の推移等を注視しつつ、土地改良区を始め現場の御要望も踏まえながら必要な対応を検討してまいりたいと思います。

横山信一公明党

○横山信一君 今から電気料金どうなるか分かりませんので、そういう意味では決められないと分かりますけれども、柔軟に対応するということを是非お願いしたいというふうに、放っておくということのないようによろしくお願いしたいと思います。  次に、砂糖について伺いますが、砂糖の消費量が減少する中、てん菜糖業等の在庫量が増大し、糖価調整制度の調整金収支も累積赤字が増大をしております。このような中、異性化糖、ブドウ糖果糖液のようなですね、ジュースに入っている、異性化糖の需要はやや増加から横ばいで推移しているという状況にありまして、この異性化糖と砂糖というのは代替関係にありますから、特に十勝の農協からは、この糖価調整制度を見直せないのかと、そういう要望もいただいているところであります。これに対して、農産局は糖価調整制度の見直しを行ったと聞いております。  平成二十三年度以来発生していない異性化糖調整金、どうなるのか、伺います。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 委員御指摘のとおり、甘味全体の需要が減少する中で、異性化糖の需要はやや増加から横ばいで推移しております。ただ、異性化糖の調整金につきましては、平成二十三年度以降発生していない状況でございます。  この異性化糖の調整金につきましては、砂糖との性状、用途等の差異を勘案して定める換算係数を用いて算定しておりますけれども、近年、砂糖の需要が減少する中、需要が高まっている加工食品ですとか飲料等において異性化糖の使用が増加していること等から、砂糖と異性化糖の用途の差異が縮小している状況というふうに判断をいたしております。  これを踏まえまして、来年四月に異性化糖調整金の算定に用いる換算係数を見直すこととしておりまして、この結果、調整金が発生する見込みとなっております。

横山信一公明党

○横山信一君 今答弁あったとおり、異性化糖の需要が増加していると、砂糖の消費は減少しているんですが異性化糖は増加しているという、そういう現状を踏まえた見直しを行っていただくということで是非よろしくお願いいたします。  北海道のビート、てん菜ですね、ビートの生産が縮小傾向を強めています。今年の作付面積、これは前年比七・四%減の五万一千八十ヘクタールということで、減少幅は過去十年間で最大ということであります。  この原因としては、砂糖の消費減というのももちろんありますけれども、ビート栽培というのは、労働時間が長いとか、あるいは、まあビートだけではありませんが、資材高騰とか、あるいは生産者の高齢化とか、あるいは、今年夏暑かったので褐斑病とかですね、そうした様々な背景がありますが、こうした背景の下で、北海道のビートの指標面積というのは令和八砂糖年度までに五万ヘクタールまで減らすということを目指しています。  ビートは輪作体系の重要な作物ですから、このビートの生産縮小というのは畑作全体、他の畑作物にも影響を与えていきます。そういう意味では、畑作全体で生産者が意欲を持って生産に取り組むような環境をつくり出さなければならないんですけれども、これどうしていくのか、ここは大臣に伺います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) まず、現状認識として、委員御指摘のように、てん菜が北海道畑作の重要な輪作作物であるというふうに認識しておりますけれども、令和五年産の作付面積は前年比約四千ヘクタール減の五万一千ヘクタール程度と、こういうふうに減少しております。  この原因ですけれども、委員からも御指摘ありましたが、昨年十二月に、砂糖の消費量減少する中で、ビート糖の在庫増加、てん菜生産を支える糖価調整制度の収支の悪化等を背景として、持続的なてん菜生産に向けた今後の対応についての方針が決定されて、産地においても当該方針に従って、沿った形で、てん菜から加工用バレイショ、また豆類など需要のある作物への転換を進めていただいた結果だというふうに認識しています。  一方、これも御指摘のように、てん菜生産は他作物に比べて労働時間が長い、また肥料費が高いといった課題も存在しております。このため、てん菜生産を含めて、北海道畑作が将来にわたって持続可能なものとなるよう、現在検討中の補正予算におきましては、てん菜から加工用バレイショや豆類への作付け転換に加えて、てん菜生産の省力化、生産コスト削減に向けた取組への支援も盛り込みたいと考えております。  全体として畑作が持続可能となるよう、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

横山信一公明党

○横山信一君 是非進めていただきたいと思いますし、不安がないように、畑作農家が不安を持たないように是非推し進めていただきたいと思います。  さて、和食が世界遺産となって、和食レストラン、世界中に広がりました。で、この和食の普及に伴って農林水産物の輸出も伸びております。  他方、和食文化というのは料理と食材だけで成り立つものではなく、器などの伝統的工芸品と一体のものであります。しかし、人口減少に伴って、地方ではこの伝統的工芸品を担う職人が減少してきているという状況があります。しかも、その市場規模も縮小しているということであります。  こうしたことに危機感を抱いていた備前市長、あの備前焼のある備前市長ですね、それと大館市長、曲げわっぱが大館は有名ですけれども、この備前市長と大館市長と一緒に、今年五月、海外販路拡大のために、開拓のためにブリュッセルのEU代表部を訪問させていただきました。ブリュッセルに行ったというこの背景には、この日本の食文化とこの工芸的文化を理解できるのはヨーロッパしかないんだという、これはブリュッセルの日本政府代表部からのサゼスチョンもあってブリュッセルに行かせていただいたということであります。  この訪問、大変に手応えのあるものになりまして、この備前焼と曲げわっぱは来年のミラノ・サローネに出展することになりました。また、現在その準備を進めているという状況であります。  さらに、副産物として、大館というのは忠犬ハチ公のふるさと、秋田犬ですね、忠犬ハチ公のふるさとなんですが、ベルギーというのはあのフランダースの犬、フランダースの犬と忠犬ハチ公という犬交流も始まることになりまして、そういう副産物も生まれております。  ベルギーは盆栽も非常に盛んなところでありまして、まあイタリアと並んでと言った方がいいと思いますが、そんなこともあって盆栽センターというところにも行ってきたんですが、そこに行きましたら、その盆栽の鉢というのはヨーロッパでは手に入らないので、定期的に常滑に買い付けに行っているというお話を伺いまして、ちょっと驚いたんでありますが。  農林水産省は盆栽輸出も非常に積極的にやってきました、これまでも。やってきましたけれども、盆栽を入れる鉢までは、これは農林水産省の担当外ですから、ですから、まあ全く無視されてきたわけであります。まさに縦割り行政の弊害で、この農林水産物の輸出やあるいは和食普及というところで見落とされてきたのが、この農林水産物と一体となっているこの伝統的工芸品だというふうに思っております。  そういう意味で、この農林水産物と一体となった伝統的工芸品の輸出振興に取り組んでいただけないかということを、まず経産省にお伺いいたします。

吉田宣弘公明党経済産業大臣政務官・内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(吉田宣弘君) お答え申し上げます。  伝統的工芸品の多くは日本人の生活に根差したものから生まれたものであり、元来、食とのつながりは強いものと認識をしております。横山委員御指摘のとおり、日本各地にある陶磁器や漆器などの伝統工芸品と食を一体的に海外展開していくことは、海外における日本の伝統文化の理解促進や海外需要の獲得につながる大変重要な取組であると考えております。  例えば、来年度、石川県で開催予定の伝統的工芸品月間国民会議全国大会においては、食と伝統的工芸品に関する多彩なイベントを行う予定でございます。このように、食文化と結び付けた形で伝統的工芸品の魅力を発信するイベントは数多く実施されているものと承知をしております。  経済産業省では、一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会と連携し、伝統的工芸品の海外への魅力発信や販路拡大、新商品、新サービスの開発、ブランディング強化など、多面的な支援を実施しているところでございます。こうした施策の中で、伝統的工芸品の海外展示会への出展に合わせた日本の食の魅力の発信、地域の陶磁器などの伝統的工芸品とその土地の食をマッチングさせたブランディングを行うなど、日本の伝統的工芸品と日本の食を組み合わせることで付加価値を高めていけるよう、農林水産省とも連携をして取り組んでまいりたいと存じます。

横山信一公明党

○横山信一君 ということで、じゃ、和食普及を担っている農林水産省としての大臣の見解も伺います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 横山先生のお話を伺って、大変感銘を受けました。実際にそういうことでプロモーションが結果につながって、友好都市提携のお話も伺いましたけれども、本当にいい御指摘をいただいたと思っております。  私自身、改めて、日本産食品の輸出促進に当たっては、伝統工芸品であります食器の魅力と併せて日本の食文化を海外の消費者にアピールしていくということが効果的だなというふうに考えております。  実際に、農林水産省としては、海外における農林水産物の展示会、また日本食を紹介するプロモーションサイト等におきまして日本の食文化を発信する際には、関係者の皆様と連携する形で、漆塗りのおわんとかお箸、それからガラスのとっくり、おちょこ等と併せて日本の食品も提供するなど、販売促進、商談成立につなげる取組をこれまでも進めてきておりますけれども。  今後とも、農林水産省としましては、伝統工芸品を所管します経済産業省等とも連携して、食品との、伝統工芸品と日本産食品の魅力の相乗効果を発揮させながら、日本水産物・食品の輸出にも取り組んでいきたいと考えております。  御示唆ありがとうございます。

横山信一公明党

○横山信一君 どうぞよろしくお願いいたします。  話は変わりますけども、水産防疫専門家会議というのがありまして、防疫というのは病気を防ぐ防疫ですが、これは平成二十七年以来開催されておりません。この間に、国際獣疫事務局、WOAHは、ティラピアレイクウイルス病あるいは十脚目イリドウイルス病などを新たにリスト疾病に追加をしております。  先日、高橋政務官には、漁業専門家有志の先生方とこの水産防疫専門家会議の開催を要請させていただき、丁寧な御対応をいただきました。  国内では、水産養殖というのは、この気候の温暖化もあって急速に拡大をしています。その水産養殖が盛んになるにつれ、新たな疾病の侵入あるいは発生の防止というのは急がれるところであります。  消費・安全局は、この間も情報収集など活動しているのは承知をしているんでありますけれども、せっかくこうした専門家会議という組織があるわけですから、最新の知見を基にしたリスク評価あるいはリスク管理を実施すべきというふうに思いますけれども、政務官にお伺いいたします。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) 委員御指摘のとおり、水産防疫行政を適切に運営する上で、科学的知見に基づいてリスク評価を実施し、リスク管理措置を講ずることは、大変重要な課題だと認識しております。  このような観点から、農林水産省としては、横山委員がかつて政務官当時に御尽力を賜り、平成二十六年に御指摘の水産防疫専門家会議を立ち上げ、そこでいただいた専門家の御意見を踏まえて水産防疫対象疾病の追加等の措置を行いました。  その後、八年近くが経過したところでございますが、この間に、国際獣疫事務局、WOAHにおいて水産動物の防疫上重要な疾病がリストに追加されたほか、国内外の疾病をめぐる状況についても変化が見られるところでございます。  農林水産省としても、このような情勢変化を踏まえた対応等について検討に着手したところでございまして、この検討を進めた上で、今後、同会議をしっかり開催をさせていただき、最新の知見を踏まえたリスク評価及びリスク管理措置の見直しを進めてまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 力強い答弁ありがとうございます。  養殖の話を続けますけども、ブリやカンパチの養殖に欠かせない生餌用のマイワシ価格が急騰、高騰しております。餌料用のマイワシ価格としては今過去最高になっているというふうに聞いています。  今期、養殖ブリというのは昨シーズンの反動で供給は多めでありまして、こうした養殖業者、配合飼料価格の上昇が続く中で、生餌価格も上がっているということで、養殖コストを下回ってしまうんではないかと、あっ、上回ってしまうんじゃないかという危機感を抱いているという状況であります。  高価格の原因の一つというのは、養殖マグロの生餌としてマイワシを今たくさん使っているということもあります。以前は、養殖の生餌というのはサバとかサンマとかアジとかいろいろ使っていたんですけれども、どれもこれも漁獲減になっていまして、今はマイワシだけになってしまっているという状況があります。  そういう意味では、この生餌の安定供給、どういうふうに対応するのか、お伺いします。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  養殖用生餌につきましては、サバなどの原料となる魚の漁獲の減少や、これに伴うマイワシの価格の急騰等の問題があると承知しております。  このため、水産庁では供給の安定化を図るため、生餌として利用してこなかった魚種、輸送コストの問題から限られた地域で利用されてきた水産物、量がまとまらない時期に水揚げされる水産物などを養殖用生餌として調達する際に必要となる輸送経費、保管経費を支援しているところでございます。  今後とも、生餌供給の安定化にしっかりと努めてまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 生餌と一緒に、養殖はミール、魚粉もよく使うんですけれども、まあ、よくというか、魚粉をかなり使うんですが、この魚粉の国内取引価格が八年半ぶりに最高値を更新をしております。これは、配合の原料というのは主に南米ペルーのアンチョビーを使っていたんですが、このアンチョビーがまた不漁になりまして、漁獲枠削減によって世界的に今不足感が強まっているという状況にあります。国内の配合飼料というのは約四割がこの魚粉を使うわけですけれども、この四割魚粉のうちの七割が海外産ということで、アンチョビーを使っていたということであります。  そういう意味では、このミール価格、今どんどん価格が上がっていると。じゃ、国内で生産すればいいじゃないかということなんですが、国産ミールは今どうなっているかというと、道東を中心とした、釧路を中心とした巻き網というのでマイワシを捕っているわけです。そのマイワシを釧路でフィッシュミールに加工するんですけれども、釧路、日本の東側ですけれども、そこで加工して、じゃ、魚類養殖はどこでやっているかというとほとんどが西日本でありますから、釧路から西日本に運んでくるという、そういうことになるわけでありまして、効率も非常に悪いということです。  みどりの食料システム戦略では、二〇五〇年までに養魚飼料の全量を環境負荷が少なく給餌効率の良いものに転換するということにしておりまして、二〇三〇年までに配合飼料の割合を六四%にすることを目標にしています。  今後の国産ミール体制どうするのか、お伺いいたします。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  持続的に養殖生産ができるよう、主原料であるフィッシュミール、魚粉を輸入に依存している配合飼料につきましては、国産原料の利用を促進していく必要があります。  このことから、水産庁では、国産魚や国内の加工業で出た残渣を原料としたフィッシュミールの供給体制構築を進めるため、西日本や東北地方における取組について支援しているところでございます。  こうした施策を通じて、引き続き国産原料の利用拡大に向けて努めてまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 努めてまいりますというふうに力を込めて言っていただいて、非常に難しい課題でありますので、是非、様々な検討を重ねていただいて、日本の魚類養殖、更に盛んになるようにお願いしたいと思います。  ちょっと質問の順番入れ替えまして、日ロの漁業交渉について、水産の問題が続いておりますけれども、お願いしたいと思います。  ロシアとの漁業交渉の時期になりました。これまで、ロシアに対する経済制裁が続く中でも、安全操業以外、北方四島周辺水域操業枠組み協定ですけれども、安全操業以外の日ロ漁業協定は継続されています。  昨年の日ロ地先沖合漁業交渉は妥結が遅れて、一月の操業、今年一月の操業を見送ったということがあります。関係者は今年こそはもう一月から出たいという、そういう思いが非常に強くあるんですけれども、現在の見通しと交渉に臨む決意を伺います。

高橋光男公明党農林水産大臣政務官

○大臣政務官(高橋光男君) お答え申し上げます。  昨年の日ロ地先沖合漁業交渉につきましては、令和四年十二月二十七日に妥結しましたが、マダラの漁獲枠の増枠や漁業者の負担軽減等、ロシア水域で操業する我が国漁業者の操業条件改善に資する結果であったと認識しております。昨年の合意内容に基づきまして、本年は、日本のイカ釣り漁船、サンマ棒受け網漁船及び底はえ縄漁船がロシア水域で操業を行っております。  日ロ地先沖合漁業交渉は例年十一月から十二月にかけて行っておりまして、本年の交渉につきましても、漁業者の操業が十分確保できるよう、現在、ロシア側と日程調整をしているところでございますので、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

横山信一公明党

○横山信一君 よろしくお願いいたします。  根室海峡では、日ロの操業水域というのは隣接をしております。日本側の漁船は、資源の維持のために刺し網という漁具を使って操業します。一方、ロシア漁船はトロール、まあ根こそぎ捕る漁法ですね、このトロール漁船、あの狭い根室海峡に百五十隻から二百隻、ひしめき合うようにして根こそぎ魚を捕り続けていると。  この結果、知床半島から別海町に至る沿岸生態系に著しい資源量低下が今見られておりまして、休業、廃業を決断する漁業者が出てきているという状況になっています。さらに、日本は刺し網固定しますけれども、ロシア船が網で引きますので漁具被害もかなり出ておりまして、その漁具被害が度重なる状況になっているということであります。  平成十年から始まりました安全操業では、ロシア側に対してこの漁具被害防止を求めるなどの交渉も行ってきましたが、安全操業は、例年、九月ホッケ漁、十月タコ漁とやっているんですが、これが今現在出漁できない状況にありまして、根室海峡の安全操業確保のためにも日ロ間の協議是非行うべきだというふうに思いますけれども、現状どうなっているのか、外務省にお聞きいたします。

穂坂泰自由民主党・無所属の会外務大臣政務官

○大臣政務官(穂坂泰君) お答えさせていただきます。  我が国とロシアとの間では、漁業分野において、三つの政府間協定、そして一つの民間取決めがあります。昨年二月のロシアによるウクライナ侵略以降も、関連の協定等に基づく操業ができるよう協議を行っております。  そうした中で、御指摘の北方四島周辺水域操業枠組み協定については、本年一月、ロシア外務省から在ロシア日本国大使館に対し、現時点で枠組み協定に基づく政府間協議の実施時期を調整することはできない旨の通知がありました。ロシアが、ロシア側がこのような対応を取ったことは受け入れることができず、その後、枠組み協定の下での操業を実施できるよう、ロシアとの、ロシア側との間で様々なやり取りを行ってきております。現時点でロシア側から操業の実施に向けた肯定的な反応は得られていない状況になっています。  政府としては、枠組み協定の下での操業を早期に実施できるよう、引き続き適切に対応していきます。また、政府間協議を行うことができない状況下においても、ロシアのトロール漁船に関する申入れは外交ルートを活用しながら行ってきているところであり、今後も適切に対応していく所存であります。

横山信一公明党

○横山信一君 協議はできなくても外交ルートでやっていただいているということであります。操業再開が一番いいんでありますけれども、引き続き粘り強くお願いしたいと思います。  ちょっと時間がなくなってきましたが、ちょっとまた質問の順番入れ替えまして、鳥獣被害の話に参ります。  鳥獣被害多発しておりまして、猟友会等に市町村から出動の依頼が来ることがあるわけでありますが、多発している場所が住宅街という、市街地という場合もあります。  その場合は、あっ、まず、まずはですね、その猟友会が出動する際の、猟友会、まあ今、熊被害も非常に多いわけでありますけれども、猟友会が出動して仮にけがをした場合、それに対しての補償というのが、これは猟友会の共済と、あるいはハンター保険という個人で掛けるものがありますけれども、そうした、市町村が依頼しているにもかかわらず、そこどうなっているのかということで、しっかりと担い手確保のためにもこうしたけがの補償等について農林水産省としても対応を考えるべきだと思いますけれども、副大臣に伺います。

鈴木憲和自由民主党・無所属の会農林水産副大臣

○副大臣(鈴木憲和君) 野生鳥獣による農作物被害の防止のためには鳥獣の捕獲は重要であり、市町村長が鳥獣被害防止特措法に基づき、市町村職員や猟友会のハンターの皆さんなどを鳥獣被害対策実施隊の隊員として位置付け、捕獲活動や追い払い活動に従事をいただいております。  その際、民間の隊員は非常勤の地方公務員との扱いとなるので、活動中の不慮の事故の際には公務災害の適用がなされます。また、実施隊員以外も含めて、鳥獣被害対策に関する捕獲活動に従事する方向けの民間の保険が準備されておりまして、この加入に際しては鳥獣被害防止総合対策交付金によって支援が可能となっております。  しっかりとこの必要な予算を確保して、そして制度の周知に努めてまいりたいというふうに思います。

横山信一公明党

○横山信一君 残り一分なんですけれども、市街地に来て熊とかが出た場合、それを駆除する場合、警察官が立ち会います。しかし、その警察官が、その場で撃ってもいいよと命令を出すわけでありますが、その命令するのに県警本部に確認したりとか、そこに熊がいるのに、非常に危険な状況になるわけですが、こうしたことがないように是非お願いしたいと思いますけれども、警察庁に伺います。

和田薫警察庁長官官房審議官

○政府参考人(和田薫君) 鳥獣保護管理法により猟銃の発射が禁止されている住居集合地域等で熊を駆除する際、警察官が警察官職務執行法に基づきハンターの方々に発射を命令する場合や、ハンターの方々が緊急避難の措置として発射する場合がございます。  いずれにいたしましても、猟銃を発射する場合には弾の跳ね返りなどにより付近の住民を傷つけないようよく確認することが重要であり、警察では住民が安全に避難するための呼びかけや誘導等を行っております。  警察庁におきましては、これまでも都道府県警察に対し法令の解釈や現場で参考となる事例を提供するなどの取組を行っているところでありますが、これを更に進め、熊の駆除に際し現場の警察官がより迅速かつ的確に判断を行うことができるようにするとともに、市町村やハンターの方々と緊密に連携し、熊による人身被害の防止が図られるよう、都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

横山信一公明党

○横山信一君 終わります。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十一分休憩      ─────・─────    午後一時開会

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 皆様お疲れさまです。日本維新の会の松野明美でございます。  私も羽田議員と同じように、農林水産委員会では初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  前回は厚生労働委員会でございました。今の気持ちを一言で申しますと、私がマラソンではなく格闘技に挑戦をしなくてはならなくなったというような、そんな気持ちでございます。非常に苦手であるということでございます。  ただ、私の住んでおります地元の熊本県は、藤木先生も一緒の熊本県でありますが、トマトやスイカで収穫量が、七品目ですかね、全国一位ということで、やはり農業県でございますので、しっかりと頑張っていきたいと思っておりますし、やはり先輩方からは、先輩議員方からは、農林水産省と、良かったねと、とても面白いよと言っていただきました。まだ全く面白さが分かっていないですけれども、それなりに一生懸命頑張ってまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  まず初めに、先ほども羽田議員の方からありました農福連携についてお尋ねをいたします。  大臣のお言葉の、先日の発言にもございましたが、この農福連携というのは、私も地方議員を十年間やっておりましてずっと力を入れてまいりました。そういう中で、やはり農業はますます高齢化、人口減少、そして担い手不足ということとともに、やはり障害者の就労にとっても非常にいいんですね。  といいますと、やはり先ほども、やっぱりちょっとダブってしまいますが、やはり非常に、相手が人ではなく自然であるということから心の安定にもつながりますし、やはり御本人たちの体力とか精神面の訓練効果もあるということを聞いております。そういうことからも、農業のためにこの農福連携というのは非常に大切だと思っておりました。  先ほどの答弁の中にもノウフクウイークというのがあるということで、私、実際初めてお聞きしましたが、あの頃よりは、といいますと、一生懸命やっていたあの十年ぐらい、十二年ほど前よりはだんだんとこの農福連携も良くなって、推進されていってるんだなとつくづくと感じて、うれしく思っているところです。  ただ、やはりずっと言ってきましたけど、農業分野と福祉分野がかぶってますね。かぶってますから、どうしても当時は責任を押し付け合ったりとかそういう部分もありまして、なかなか難しいなということよりは、なかなか現場というのは農福連携の推進が進まないなとつくづくと思ったところでございます。  先ほども羽田議員の方から、トイレ、移動用のトイレが必要だと、そして休憩所にはエアコンが必要だということも言われました。確かに、御本人たちは、体調管理といいますか、温度調整が非常に苦手なんですね。ですから、エアコンの設置は是非必要であると思いますし、やはり思わぬけがというのが多いんですよ。ですから、救急用品といいますか、そういうのも大切だと思っておりますし、やはりAEDの設置というのも是非実現していただきたいと思っております。  そこで、農福連携に対しましての大臣の思い、非常におとなしめな答弁だなと思いながらお聞きをしておりました。大臣がこの農福連携に対しましてどれぐらいのやる気があられるのかなと思っております。それをお聞きしたい、お聞きいたします。また、農林水産省として、これから福祉との連携をどのようにますますと推進していくのかというところも重ねてお尋ねをいたします。よろしくお願いいたします。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 私、こういうキャラなものですから、自然体でいきたいと思います。  農福連携は、おっしゃるように、農業と福祉が連携して、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、やはり障害者の皆様の自信や生きがいの創出につながる、そして社会参加を実現するすばらしい取組だと認識しています。特に、近年、農業分野では労働力の確保が喫緊の課題でありますけれども、こうした中で、農福連携を通じて障害者の皆様の農業への参画が促進されますと、現場における貴重な働き手ともなりますし、農村自体も元気になってくると、こういうことだと思います。  農林水産省としては、農福連携を強力に推進するために、令和元年六月に農福連携等推進ビジョン、これを策定いたしました。これに基づいて、これまで、農業団体、福祉団体はもとより、経済団体等各界が参加する農福連携等応援コンソーシアムによる国民運動の展開をしたり、また障害者が農業現場で働きやすい環境整備をしたり、またその優良事例を表彰するノウフク・アワードを実施したりと、こういったことでこの農福連携の推進に努めてきたところであります。  農林水産省として、引き続き、農福連携の一層の推進を図るために、厚生労働省等の関係省庁との連携も大事ですので、しっかりそうした連携も図りながら全力で取り組んでいきたいと思っております。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 先ほど大臣がノウフク・アワードということをおっしゃいまして、自治体がたしか参加が五つしかなかったと思っているんですが、自治体の参加ですね、ノウフク・アワード、せっかくですから、やはり自治体の協力がないとお互いが推進していかないんですね。ですから、是非この自治体の数という、参加を呼びかけていただければ、もっと優良事例が増えて良くなっていくんではないかと思っております。  私自身は、農福連携というところは、やはり宝を生み出す場所だと本当に思っております。ある障害がある方が非常に鶏のお世話が大得意で、どなたよりも誰よりも、何ですか、鶏のお世話がうまいということで、お給料がほかの方々よりもずっと高いというのを聞きまして、あっ、やはり、何だろう、環境とその方の特性といいますか特技がぴったりと相性が合えば、本当に思わぬ、思わない能力が発揮されるんだなと本当に思いましたので、是非よろしくお願いいたします。そして、もうちょっとやる気を持っていただきまして、大臣、よろしくお願いいたします。  次に、地方自治体では農福連携コーディネーターが設置されておりまして、福祉事業所と農業者のマッチング支援が行われております。このつなぎが大変重要です。  私の地元では、選果場での野菜の選別、特にオクラですね、オクラの選別が非常に上手で、ぴたっときれいに並べられるんですね。本当に繊細な手作業というのは得意な方は本当に得意だなということで、オクラの選別とか、キュウリのハウス栽培の現場では、収穫作業に四人から五人のチームで来てもらいまして、農園で大活躍をされているということでございます。  そこで、全国での農福連携の取組の様子は今現在どんな感じでしょうか。そして、先ほどちょっとノウフク・アワードに触れていただきました。そういう良い取組はますます進めていただきたいと思いますが、その良い事例、最良事例というのも御紹介していただきますと助かりますので、よろしくお願いいたします。

長井俊彦農林水産省農村振興局長

○政府参考人(長井俊彦君) お答えいたします。  令和元年に策定されました農福連携等推進ビジョンにおいては、農福連携に取り組む主体を令和元年度末時点から五年間で新たに三千創出するとの目標を掲げております。令和四年度末時点におきましては、三年間で二千二百二十六件増加の六千三百四十三件となっており、順調に増加しているものと認識しております。  農林水産省では、農福連携等応援コンソーシアムの主催によりまして、令和二年度より、全国における農福連携の優れた取組を表彰して全国への横展開を図りますノウフク・アワードを支援しているところであります。これまでノウフク・アワードを受賞した団体のうち、例えば静岡県の京丸園株式会社におきましては、様々な特性を持った障害者が働きやすい環境となりますよう、農作業の内容を細かく分解して、働く人の特性に合わせてみんなで仕上げられるよう作業を依頼する、また働く人の特徴を生かし弱点を補う機械を導入するといった工夫によりまして、従業員が百四名いらっしゃいますが、そのうち障害者の方が二十四名を雇用するということなど、多様な方々が働ける農業を実現しているところでございます。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 その農作業の苗というのも本当に非常に繊細な手作業が必要だということを聞いておりますので、多分得意な人は本当にぴったりと相性が合うんではないかなと思いながらお聞きをいたしました。  自治体には農福連携コーディネーターというのが、先ほどもちょっと申しましたが、いらっしゃいます。これは福祉側です、福祉側です。具体的には、農業側とさっき言いましたように、現場でのアドバイスをされるんですが、その農福連携技術支援員がいないとお聞きをしております。これが非常に大変な存在でございまして、お聞きしましたところ、今、静岡県にお一人いらっしゃるということをお聞きをしました。そこでは、農福連携技術支援員がいらっしゃるということでワンストップ窓口、すぐに現場に時間を掛けることなく働くことができるということで、非常にいい取組だなと思いました。是非、この農福連携技術支援員を全国的に増やしていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。  私は、農福連携を進めるためには、このスタート地点、入口はやはり大人になってからではなくて、学生時代、特に特別支援学校中学部、高等部時代にあると、スタートはあると考えております。特に、特別支援学校では、卒業後の就労のために、皆さん、職場実習というのがあるんですね。職場実習というのがありまして、大抵この職場実習に実習に行きましたら、そのまま自分の就労先、就職先につながっていくというのが、私がお聞きしましたところ、大体そういうような道をたどっていらっしゃる方が多いと聞きます。  高等部、中学部には園芸科もあるんですね。園芸科はあるんですけど、その職場実習の先に農園とか、そういう農業に関するところがあるとは私自身はあんまり聞いたことがありません。そういうところから、農業の担い手不足の解消のためにも、是非、農業とそして福祉、そして教育も一緒に連携をしていただきまして、そういう特別支援学校の職場実習に非常に、是非農園とか、そういう農業体験を入れていただくように、活動というか、進めていただきたいと思っておりますが、この農福教連携についてどのようにお考えなのか、お尋ねをいたします。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のとおり、農福連携の取組を推進するためには、文部科学省とも連携をして、特別支援学校の卒業生の皆様の将来の選択肢の一つに農業を加えていただけるようにサポートしていくことが大事だというふうに考えています。  令和元年度に策定されました農福連携等推進ビジョンにおきましても、特別支援学校と農業経営体等との連携の推進によって特別支援学校における農業実習の充実を図るというふうに明記されています。  農林水産省としましても、これまでも文部科学省と連携しまして、特別支援学校の設置者であります都道府県教育委員会等や特別支援学校の教員の皆様に対する説明会、また研修会の機会を捉えて農福連携の意義を啓発してまいりました。また、特別支援学校の生徒の皆さんが地域の農家において農業体験を実施して農業への関心を高める事例の紹介などにも取り組んできたところであります。  こうした取組を通じまして、農業実習によって農業に関心を持った特別支援学校の生徒さんが地域の農業法人に就職予定と、就農予定となるなどの成果も見られているというふうに承知しています。  今後も、特別支援学校の卒業生の将来の選択肢に農業を考えていただけるように、文部科学省と一層連携を図ってまいりたいと思います。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 お願いします。  先日、埼玉県にあります県立入間わかくさ高等特別支援学校、先日じゃない、十一月六日ですから二日前ですね、たしか埼玉県ですから狭山茶の、これは苗木生産にチャレンジという報道もありました。多分、これも多分、狭山茶のこの摘むんですかね、よく私も余りお茶関係分かりませんが、この辺りも手作業が非常に大事なんだろうなと思います。ただ一生懸命、黙々と皆さん働かれますので、ぴったり合う生徒さんもいらっしゃったんじゃないかなと思っております。新しい取組だなと思っておりました。御本人たちの達成感とか地域愛、そして自信につながります。これが就職先につながっていくものだと思っております。  やっぱり全国の特別支援学校では、さっきも言いましたように、そういう職場体験とかが就職先につながるようです。自治体の協力はもちろんなんですけど、その先輩、例えば特別支援学校の先輩が農園で一生懸命頑張っていらっしゃる姿を見ると、後輩たちが、わあ、僕もやってみようかと、これが多分一番私は大切ではないかなと思うんですね。ですから、是非、この先輩たちの、後輩たちが先輩たちの姿を見て、農園に行ってみたい、頑張ってみたいと、やってみたいと思えるような、そういう取組を私たち大人が、これはやるべき責任、義務だと思っておりますので、是非、大臣を始め、よろしくお願いを申し上げます。  次に、障害者雇用代行ビジネスについてお尋ねをいたします。  このことにつきましては厚労委員会でもかなり指摘をさせていただきました。決して代行ビジネスが悪いと言っているわけではありません。ただ、目的が、この雇用、法定雇用率を達成するのが目的にしてはいけないと。障害があってもなくても共に一緒のところで働くところが目的ですよと一生懸命言ってはきたんですが、あるとき、何回も言っているものですから、その代行ビジネスの経営者の方だと思うんですが、私に、あんまり悪口は言わないでくれと、みんな一生懸命やっていると言われまして、いや、そういうつもりではありませんというような、そういうこともございました。  同じ職場で働くことの大切さ、お金では解決ができないところも私自身はあると思っております。利用している企業は延べ今千社以上あるということをお聞きしておりますし、就労している障害者は六千六百人近くもいらっしゃるということを聞いております。  そこで、お尋ねをいたしますが、農園等での雇用でのこの障害者代行、障害者雇用代行ビジネスの存在についてどのような状況なのかをお尋ねをいたします。そして、やはり大臣、障害者代行、障害者雇用代行ビジネスについてどのような思いを持っていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) そもそも、その農福連携等推進ビジョンにおきましては、農福連携は、農業と福祉が連携して、障害者の農業分野での活躍を通じて、農業経営の発展とともに、障害者の自信や生きがいを創出し、社会参画を実現する取組だというふうに定義されているわけですが、一方、その農園型障害者雇用の中には、こうした目的に沿った形で、障害者の皆様の将来的な自立を目指して農業技術の習得をサポートしたり、農業経営の発展を目指すケースも見られるものもある一方で、障害者の生きがいの創出には取り組んでいるかもしれないけれども、例えば農業経営の発展には必ずしもつながっていないケースとか、課題のあるケースもあるというふうには認識をしております。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 認識だけじゃやっぱり、なかなか分かっていてもどうしていいか分からないというのは厚労委員会の方でも言われました。やっぱり法律違反ではないものですから、どうしていいか分からないということなんですが、やはり長い目で見ると、これが果たして、何でしょうね、共生社会につながっていくのかなとは私自身はそのように思いますし、先ほど大臣も、その農園型障害者雇用という言葉が出ましたので、多分把握はされているんだと思っております。  全く農業と違う企業がやはり障害者を雇用するために農園を造りまして、いろんなところから、いろんな会社から障害者を集めて雇用をしているということで、本人たちにとっては、一緒に働いている隣の方は自分とは違う会社の方でありますし、自分たちが作った、一生懸命作った、汗を流して作った野菜とかがいつの間にか無料で自分の会社の方たちに配られているという、そういう状況は私はいかがなものかと思っております。やはり自分たちが作った農作物は、やっぱり市場に出て買ってもらって、ああ、良かったなと、これからも頑張ろうと、そういう思いがやはり自信につながっていくというところが、やはり農林水産省の方もしっかりと把握をしていただきたいと思っておるところでございます。  実際は、本当に、B型事業所がありますけれども、うちの息子もB型事業所に働いておりますが、やはり一か月働いた工賃が大体一万円から二万円なんですね。となると、その代行ビジネスで働いたらやっぱり十万円ほどいただけるということで、御本人たちは、いや、俺はB型事業所に行きたくないと、こちらがいいという方ももちろんいらっしゃいますし、御家族の方たちも、いや、松野さんって、うちはいいですと、私は、もうこっちを、みんな満足しているから、工賃が高い方、給料は高い方がいいですという方ももちろんいらっしゃいます。ただ、私自身は、我が子を見ながら、果たしてこれでいいのかと。やっぱり一万円でも、良かったねと、これだけ頑張ったんだよという、このお金の価値ではなくて、やはり働いたときの価値というのを息子には教えてあげていきたいなと思っておるところでございます。  そこで、何となくではございますが、この障害者雇用代行ビジネスが農福連携とちょっと私、少しかぶっているところがあるんですね。そういうところはちょっとどうなのかなと、これから先、農福連携を推進していく中でどうなのかなということがちょっと不安でございます。  そういう中で、再度の質問になりますけれども、代行ビジネスではなくて農福連携をどんどんと進めていこうというその意気込みを、大臣、済みません、よろしくお願いいたします。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) やはり、障害者の皆様が生きがいを感じたり、そして農業のできれば発展にもつながるいい取組を広げていくというのが今本当に大事な時期を迎えていると思います。  そういった意味で、農福連携等応援コンソーシアムによります国民運動を展開すること、それから障害者の皆様が農業現場で働きやすい環境を整備すること、また、先ほどの言いましたノウフク・アワードの実施等を通じて障害者の皆様が農業に参加して、農福連携等推進ビジョンに示された望ましい取組がこういうふうにあるんだということも多くの方に知っていただいて、こうしたいい取組が全国に広まるようにしっかり農水省としても応援をしていきたいと思っております。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 よろしくお願いいたします。  次に、農地バンクについてお尋ねをいたします。少し質問を短めに質問させていただきます。  二〇一四年に農地バンクが全国の都道府県に設置されたということですが、そろそろ十年がたとうとしております。また、農地バンクによりまして出し手と受け手が多くなっていけばいいと思うんですが、どのような状況なのかということを、出し手と受け手の比率はどれくらいあるのか、そして、農地バンク制度は、そろそろ十年がたとうとしておりますが、どのような現状なのか、そして、受け手がなかなか出てこない農地がありますね、この受け手のない農地が耕作放棄地とかそのような状況になっているのかどうなのか、お尋ねをいたします。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答えいたします。  農地バンク事業でございますけれども、平成二十六年度からスタートしております。この事業は、分散、錯綜して利用されている農地等について、農地バンクが借り受け、必要に応じて基盤整備等の条件整備を行い、担い手がまとまった形で農地を利用できるように貸し付ける、そういった仕組みとして創設されたものでございます。  農地バンクの創設以降、担い手への農地集積面積でございますが、平成二十五年度には二百二十一万ヘクタールとなっておりましたけれども、直近、その二百二十一万ヘクタールから約三十七万ヘクタール増加をしております。そのうち、農地バンクの寄与度は全体の増加面積の約五割、約十七万ヘクタールとなっておりまして、その割合は年々増加傾向にございます。  農地バンクを通じた担い手への農地の集積における出し手、受け手の比率ございますけれども、これ地域によって様々であり、なかなか一概に申し上げることは難しいんですけれども、一般的には、平場地域や水田地帯等、比較的条件の良い地域では受け手が、また、中山間地域等、担い手が不足している地域では出し手が多くなっている傾向であると認識をしております。  また、バンクの方が保有している農地、中間保有ということで我々申しておりますけれども、離農なり災害による被災等、こういったことを理由に受け手から返還された農地など、農地バンクが中間保有している農地は令和四年度末時点で約四千三百ヘクタールとなっております。この農地は、国の支援等により農地バンクが草刈り等を行って適切に管理をしているところでございます。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 分かりました。  先日、この質問のためにユーチューブを拝見いたしました。多分、農林水産省の手作りの、作られた農地バンク制度のPR動画を拝見いたしました。動画の中から、やはり手作り感がありまして、本物の虫の声とか聞こえたり、余りにも強い風が吹いてきてインタビューの声が全く聞こえなかったというですね、非常に手作り感がありまして、何か逆に、あっ、いいなと思いました。  ただ、このPR動画の農地バンクの再生回数ですね、再生回数、農地バンク、出し手編が何と五年間で九千五百十六回、そして受け手編が五年間で四千五百八十四回、コーディネーター編が、これがまた五年間で何と二千八百六十七回と寂しい結果となっておりました。だから、やっぱり特に若い方への興味といいますか、農地バンクの知名度というか、全くないんだなというような感じをいたしました。  そこで感じましたのは、PR動画を見ていましたが、出し手側の非常に自分の農地への愛着といいますか、そういうのが伝わってきまして、もしかしたら出し手側の受け手に対する条件が非常に高くなっているのではないかなというのを本当に感じたところだったんですけど、そういう条件というか、そういうことがあるものかどうなのか、お尋ねをいたします。  また、出し手側からしますと、自分の大切な、さっき言ったように、愛着が湧いている土地でございますので、貸すとしても自分が気に入った人でないといけないとか自分が知っている人限定とかですね、そういうことがひょっとしたらあるんではないかなと思っておりますので、そういうところはどうなのかということと、受け手側が是非借りたいと言っても、出し手側が、いや、ちょっとと言って断った例があるのかどうか、そして今後、担い手、受け手を増やすための政策をお尋ねをいたします。

村井正親農林水産省経営局長

○政府参考人(村井正親君) お答えをいたします。  まず、農地バンクを通じてこの借受け、貸付けする場合、どういった流れになるかということでございますけれども、農地バンクを通じた担い手への農地の集積につきましては、まずは農業委員会が出し手、受け手の掘り起こしを行い、その情報を農地バンクに提供をいたします。農地バンクは、貸付予定農地の現状を把握した上で、契約当事者として農地相談員が農地の賃料や貸付期間等の双方の条件を調整をすると、そういった取組を行うわけでございますけれども、その調整の結果、合意に至ったときに、農地バンクが出し手、受け手とそれぞれ契約を行うという流れになります。  農地バンクが間に入ることによって、農地所有者等の出し手は、受け手が耕作できなくなったとしても、自らが要は受け手を探すということではなくて農地バンクが新しい受け手を確保をする。受け手の立場に立ちますと、分散した農地を段階的に交換して集約化され、また、複数の出し手から農地を借りる場合の契約締結ですとか賃料支払の相手は農地バンクが代行するということになりますので、そういったメリットがございますので、農地の担い手への集積につながっていくものというふうに考えております。賃料等の設定につきましては、当然、その地域の相場を踏まえながら適切に設定をされるものというふうに考えております。  PR動画の関係、御指摘ございました。我々としても、農地バンクの役割、メリット等、地域の農業者に対して様々な手段を使って今後更に丁寧に説明をするなど、農地バンクの認知度を向上させてまいりたいというふうに考えております。  それから、質問の中で担い手の確保についての取組というお話もございました。農業者の高齢化、減少が進む中で、この地域の農業を支える担い手の確保、これをしっかり取り組んでいくのは大変重要であるというふうに考えております。  各地で、行政それからJA等が連携して新規就農者の育成を進めております。農林水産省としても、こういった取組の全国展開をすることが非常に重要であると認識をしておりまして、研修農場の整備ですとか先輩農業者による技術指導など、地域におけるサポート体制の充実を支援をしております。  また、従来から、就農希望者それから新規就農者に対して就農前後の資金の交付等を行っております。  これらの総合的な取組を引き続き着実に実施をするとともに、今後の食料・農業・農村基本法見直しの議論も踏まえて、将来の農業人材の育成、確保に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。

松野明美日本維新の会

○松野明美君 ありがとうございます。長い答弁で、やる気が、本当に農地バンクに対するやる気が伝わってまいりまして、本当にありがとうございます。  女性の担い手というか、女性がまた農業、農地で活躍されるともっともっと何か若い方たちがちょっとやってみようかなと思う方々が増えてくるんではないかなと思っております。  かなり質問が残ってしまいました。ちょっとしゃべり過ぎてしまいましたので、わざわざお時間を空けていただきました皆さん、本当にありがとうございました。また質問させていただきます。  ありがとうございました。終わります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 国民民主党の舟山康江でございます。  早速大臣に、所信についての様々述べられたことを中心にお聞きしたいと思います。  大臣は所信におきまして、食料や生産資材の多くを海外から輸入に依存する我が国において、食料安全保障上のリスクは近年にないほど高まっていますと言及されました。このことにつきましては、先週の予算委員会でも大臣からお答えいただきましたけれども、世界全体として、人口の増加、エネルギー需要の増加等で需要が増えている、その一方で、天候不順、それから紛争の勃発、いろんな面で供給が不安定になっていると、こういった背景を挙げていただきました。  そのリスク、やはりどうやってリスクを軽減するのかということがやはり国内的に問われていると思いますけれども、国内的にもいろんなリスクありますよね。もちろん、いろんな異常気象、まあ今年も非常に暑かったですし、雨が多かったり、こういった様々な天候不順によるリスクもありますけれども、このリスクの軽減に向けて、国として何を一番、何に取り組んでいこうとしているのか、まずはお答えいただきたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 予算委員会に続きまして御質問いただきました。  リスクについては、この前、舟山委員がすばらしい表を作っていただいて、非常に全体像がよく分かる、リスクの把握ができる資料をいただいたと思っています。  そこでも触れられておりますけれども、主なところをもう一度おさらいしますと、世界的な人口増加に伴う食料争奪の激化、また気候変動等による食料生産の不安定化、また食料や肥料、飼料の多くを輸入に依存している我が国の食料安全保障上のリスクの顕在化がありますし、また、国内におけるリスクも御指摘ありましたが、特に一番大きいのは、国内の人口の減少に先駆けて農業人口が減少しており、今後二十年間で基幹的農業従事者が約四分の一に減少するおそれがあると、このことは食料供給を支える力に対する大きな懸念だと考えております。  こうした中で、我が国の食料安全保障上のリスクを軽減して国民への食料の安定供給を確保するためには、この前も舟山委員からも御指摘ありましたが、まず、国内で生産できるものはできる限り国内で生産していくというのが基本だと思います。その上で、安定的な輸入と備蓄とを適切に組み合わせることで食料安全保障の強化を図ることが重要だと考えております。  もう少し具体的に申し上げますと、過度な輸入依存からの脱却に向けた構造転換を進めていくことが重要だと考えておりまして、小麦や大豆、飼料作物などの海外依存の高い品目の国内生産の拡大や、この前はお米を米粉でもっと活用したらどうかと、こういう御提言もありました。おっしゃるとおり、米粉の利用拡大も重要だと思います。さらに、堆肥や下水汚泥資源等の国内資源の利用拡大、これら着実に実施して食料安全保障の一層の強化を図ってまいりたいと思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。やはり私も、国内生産をいかに増やしていくのか、これが問われている中で、人の確保、それから農地の確保、こういったことにこれまで以上に取り組んでいただかなければならないと思っています。  大変気になったのが、午前中の大臣の御答弁の中で、一人当たりの農業総産出額が増えているというお話がありました。でも、トータルの農業総産出額、増えていないんですよ。まさに、今必要なのは、一人当たり、それは担い手が減れば一人当たり増えるかもしれませんけれども、それはそれで別に否定するものではないですけれども、やっぱり全体として農業の生産、産出額をどう増やしていくのか、ここが問われていると思いますけれども、その認識でよろしいでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) おっしゃるとおりだと思います。  要するに、国内生産量、それ金額も含めて増やしていくというのが食料安全保障上の非常に重要な観点だと思いますし、また同時に、今研究していますが、生産物の価格の在り方もやっぱり適正化を図っていく、ここが相対的に低く抑えられているんじゃないかという問題意識もございます。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  そうしますと、輸入からできるだけ国産に置き換えていく、そのための一つの指標が、なかなか、いろいろ賛否ありますけれども、やっぱり自給率、先ほど羽田議員からも御提起ありましたけれども、自給率をやはり一定程度上げていく必要があるんだと思いますけれども、いろんな最近のこの基本法の見直し議論の中でも、余りこの自給率若しくは自給力という言葉が使われなくなりました。ただ、私は、一つの目安として、この自給率をどのように高めていくのか、こういった議論も併せて行っていかないと、まさに自給率の低い、海外に依存しているものを国内で作っていくんであれば、なおさらこの自給率をどうやって上げていくのか、この観点が必要だと思いますけれども、今の現状について大臣はどのようにお考えでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、近年の食料安全保障上のリスクの高まりを踏まえますと、近年は残念ながら三七%から三八%ということでありますカロリーベースの食料自給率の向上をまず目指していく努力をしていく、このことが大事だと私も思っています。このために、食料・農業・農村政策の新たな展開方針におきましては、小麦、大豆、飼料作物など海外依存の高い品目の生産拡大を推進しておりますけれども、こうしたことも自給率の向上を目指した取組であります。  また、生産額ベースの食料自給率について、羽田先生の御質問のときにもちょっと申し上げましたけれども、令和四年度は前年度より五ポイントも低い五八%となってしまいました。これは、インフレによる海外の食品価格の上昇、それに加えて円安による輸入単価の増加、こうしたことが要因と考えております。  国際価格の上昇等によります輸入リスクの増大に対応するためには、やはり輸入品から国産品への切替えを一層進める必要があると思います。一方で、このようなチャンスは我が国の輸出にとってはチャンスでありますので、一方で輸出の促進も行っていくと、そして国内生産基盤の強化を図っていくことも同時に重要ではないかなと考えております。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  今の生産額ベースの食料自給率に関しては、今大臣から御説明のあったような背景で五ポイント下がったということですけれども、これ本当に大きな問題で、結局そういう状況下においても価格が低迷した、このことも生産額ベースの自給率低下に拍車を掛けたと思うんです。  ですから、やっぱりこういった適正価格、こういったものをどのように実現していくのか、そうでなければ再生産できませんし、幾らスマート化とかそういった様々なことを駆使しようと思っても、やっぱり価格が実現できなければ、所得が上がらなければというふうに思いますので、是非そこはしっかり取り組んでいただきたいと思います。  食料の安定供給のためには、大臣もこの所信でもおっしゃっていますけれども、食料システム全体を持続可能なものにすることが必要だと思います。これは、ある一つの面では、今もお話ありましたけれども、価格をどう適正に持っていくのか。食料システム全体を持続可能なものにする、つまり、これ言い換えると、再生産可能、全てのところで再生産が可能なような仕組みにならなければならないと思います。  その一つは価格だと思いますけれども、価格のみで本当に実現できるんでしょうか。そうでない中で、再生産可能な、まさにそれぞれのステークホルダーにとって、まさに所得というんでしょうか、もうけ。もうけが実現するためには果たして価格だけで実現できるのか、その辺りどのようにお考えなのか教えてください。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 今、食料システム全体のお話をいただきました。  一昨日の所信的挨拶におきましても、食料システムの持続可能性の例としまして、御指摘のように、生産だけでなく、流通、加工、小売、消費の食料システムの各段階が連携をして、適正な価格形成を実現することにより、食料システムを持続的にすることを掲げたところであります。  このほかに、持続可能な農業、食品産業への転換を図るために、生産から消費者に至る各段階が環境負荷の低減等の価値を共有することによって持続可能な食料システムを実現するという意味で、システム全体を持続可能にするという考え方も大事だと思いますし、同時に、食料システム全体で食料供給の課題を共有をして、生産者は実需者のニーズに応じた生産を行って、加工、小売事業者は国内生産品を積極的に活用することによって持続的な食料供給が可能な食料システムを構築していくと、こういう物の流れをやり、国産品中心に組み直していくと、こういった意味で持続可能性を目指すというのも大事な点ではないかと思います。  こうした観点もしっかり頭に入れながら、生産から消費に至る各段階の連携を強化していくということで、システム全体の持続可能性、追求していきたいと思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 ありがとうございます。  今、大臣から様々な価値をどのように乗せていくのかというようなお話がありました。その様々な価値、目に見えるもの見えないもの、環境への貢献かもしれません、そういった価値を価格に乗せる部分とそれがなかなか難しい部分と私やっぱりあると思うんですね。特に、海外との競争にさらされているものをそのままコストを価格に乗せていけば、場合によっては海外に負けてしまう、今、ここまでのところ、そういった背景の中で自給率の低下というものが起こっている、そういう部分もあるんじゃないかと思うんですね。その価値を価格でないところでどう評価していくのか、それを各国は様々な政策によって後押ししていると私は理解しております。  そういう中において、先週の予算委員会でもこれ何度も取り上げていますけれども、例えば、一つの例として、EUでは基礎支払というものを導入していますよ、それはまさに価格に乗せられない様々な価値ですね、多面的な価値を所得の補償として乗せていくと、こういった意味合いがあると思います。農地を維持すると、こういった価値も評価していると私は考えておりますけれども、このときの大臣の御答弁で、こういうような基礎支払は努力する人に不公平という、こんな御答弁がありました。  EUではそういった問題が指摘されているのか、この御答弁の背景を教えてください。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 一般論としてこの前は申し上げたつもりであります。日本での所得支持の可能性について御質問いただいたときに、面積に応じて一律に所得補償を行う場合の課題について、そういったこともあり得るんじゃないか、要するに面積払いですので、コスト削減努力有無関係なく一律にいただけるわけですし、販売努力の有無にかかわらず一律でもらえるということで、構造的に努力する人に不公平な仕組みとなる可能性、おそれを包含しているんではないかということを指摘させていただいたということであります。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 いや、私、ヨーロッパの、EUの取組なんかを引き合いに出しながら、こういったことはどうですかと言ったら、そういった、何か努力した人に不公平だという御答弁があったんですね。  まさに、私、このEUの、なぜEUがこういった基礎支払、まさに農地に対する支払を行っているかという背景を考えると、さっきまさに大臣が御答弁された様々な価値、価値の評価の一つの方法だと思うんですよ。  そういったことは私は考え得るんではないかと思いますし、それがあたかも努力をしなくても何でももらえる、それはずるいという考え方から脱却しないと。どうやって再生産を促していくのか、食料システム全体を持続可能なものにしていくのか、こういう今みたいな手法も含めて、やっぱり検討の俎上にのせていかないと、価格が全て解決しますとは今なっていないですよね。その辺りで私は論点提起をさせていただいたんですけれども、余りにもちょっと私は残念な御答弁だったなと思っています。その辺どうですか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) そういった面で、その農業がその地域で行われていることの価値、それはやっぱり我が国においても大切にしなきゃいけないということで、そういうことで日本型の直接支払、多面的機能支払とか、それは面積払いでお支払をしていて、しっかりその農地として維持、発展させていただいていることに対して国としてもしっかり支援をしましょうというコンセプトでお支払いしていますので、日本ではそういう考え方はないんだということではなく、それはそれで我々も大事な価値だというふうに思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 そう言うんであれば、何かあたかもその一律面積払いが非常に努力を無にするようなそういった御答弁というのは、私はやっぱり理解できなかったなということを改めて申し上げたいと思います。  その上で、やはり今、その、人も少ないという問題と同時に、先ほどの徳永さんの質問とも若干絡みますけれども、一方で農地を守ると言いながら、やっぱりこの転用の勢いは止まらないと思うんです。で、その手続を簡素化するだけだと言いながらも、やっぱりいろんな要件の中で転用しやすくなっている。まさに今農地法、農振法、いろんな法律があって転用規制掛けていますけれども、でも極端に言えば、転用できない農地がないんですよね。そういう中でどのように農地を守っていくのか、まさにその出口規制をどうしていくのか、こういう議論も併せて行いつつ、やっぱり農地の維持、確保、こういったものを行って、いや、取り組んでいかなければいけないと思いますけれども、その辺りの大臣のお考えをお聞かせください。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) おっしゃるように、そもそも我が国の人口対比、必要な農地が全く足りない状態でありますので、これをできるだけ確保し続けるというのは一丁目一番地の責務だと思います。  一方で、地域の振興とか産業の振興とか、我が国が全体として持続可能な発展を遂げていくためにどうしていったらいいかという課題もありますので、そうしたところも総合的に勘案しながら、やはりゾーニングというのをしっかり考えて未来に向けた戦略を立てていく。それからもう一つは、地域計画がちょうど今策定される時期でありますので、これに向けて、ここのエリアはこういう、将来的にもしっかり守っていくんだと、そして、その土地改良も含めて条件整備していくんだ、こういうことを確認し合う意味で大変重要な時期を迎えていると思います。  そうした全国の皆様との取組を通じて、将来的な農地の確保につながるような応援をしていきたいと思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 今、地域計画のお話が出ましたけれども、地域計画、その地域で作ります、で、地域にとって最適なものと国全体として必要なもの、これというのは必ずしも一致すると私、限らないと思うんですね。そういう中で、国全体としてどれだけの農地、場合によっては今のこの気候変動が激しい中でどれだけの水田確保していくのか、こういった明確な目標。そして、あわせて、さっきの質問に絡みますけれども、やはりこの農地のいわゆる転用規制の強化というか出口戦略ですよね。その参入については厳しいけれども、要は出口ですよね、転用に関しては、私は第一種農地だって、事情やむを得ないといういろんな理由の中で転用できるわけですから、そこの出口をどう規制していくのか。こういったことを併せて、国全体としての農地の目標面積、あるべき農地の姿、しっかりと示していただきたいと思います。いかがでしょう。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 確保農地面積としては、取りあえず令和十二年度に食料自給率四五%を達成するためには、これだけの農地、これだけの農業人口というような数値は示しておりますけれども、そういったことで、ただ、未来永劫、何年にはどうどうどうどうというようなところを示す枠組みには今はなっておりません。  ただ、考え方としては、さっき申し上げましたとおり、まず農地をしっかり今後も確保していくこと、それが食料安全保障の基本だと。この原則を崩さない、それに基づいて様々なほかの制度との整合性を図っていくというのが大事だと思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 是非、整合性を図りながら、その本当に必要となる面積がどこなのか、まあ振興局でも一応出していますよね、経営部局としてはどうなのか。その辺が、去年の農地の審議のときにも、私、大分論点提起させていただきましたけれども、そこをきちんと整合するような形で、やっぱり、地域で必要なもの、いや、国全体として、でも、ここをちゃんとやってくれということ、その辺の整合性をしっかり取りながら進めていただきたいと思います。  続きまして、水田活用直接支払交付金についてお聞きしたいと思います。  かつては転作と言われていた水田活用ですけれども、交付金、まあ補助金、助成金と言われた時代もありましたが、この交付要件に水田機能を有する農地という文言は元々入っていたんでしょうか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 元々、水田機能をというふうな言い方ではなく、転作は、水稲を作らないところに対しての補償という形で転作というふうに言っていました。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 まさにそうなんですね。  元々、少なくとも私が確認したところ、平成十六年からの水田農業構造改革対策では全くそういった条件も入っておりません。途中から、まあ水稲の作付けを行うことが困難な農地には、農地で地域協議会が云々かんぬんと入りましたけれども、基本はそういった条件付してないんです。  ですので、地域においては、できるだけ団地化、それから排水改良、そういった努力、頑張っているところほどかなり努力をして条件の悪いところもまとめて受けてきた、そういった経緯があると思います。  そういう中で、ここに来て、ここ最近になって、いや、水が張れなきゃ駄目だ、湛水機能がなきゃ駄目だと言われる中で、まさに頑張っている人ほど今困っているということ。  その中で、要は水活があって、水活と畑作の直接支払と、いわゆる売上げと、そこを合わせて何とかぎりぎりやっているところがすぽんとですね、水が張れない、じゃ、これから水活出ません、再生産どうするんですかということで、本当にこの大規模、集団転作等で大規模畑作を請け負っているところからほど、だから、いろんな困った不安の声が出てきておりますけれども、その現状は、大臣、認識しておりますか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) ここの水田利活用交付金のルール化の明確化、こういったことでここ数年ずっと議論をしてまいりましたけれども、御指摘のように、長年畑地として営農されている方が今更水を張れないと。ないしは、例えばソバなんかだったら、水張ってしまうと品質が低下してしまうと。  その中で、どうすべきかというような御意見もいただいてきましたけれども、私自身の認識としては、その水田利活用交付金として畑地にこのお金が出し続けてきた、それはやはり、水田の水張り機能、ブロックローテーションも含めて、水田の機能を生かしながら畑作物も作る、そこに対する支援という位置付けでずっと払われてきた、本来ですね、というふうに思っています。  ただ、実際、様々な会計当局等々の指摘もあって、実際、水田機能を持たないところへの交付というのは問題ではないかということで、運用について検討を重ねてこういうルール化をしました。  その上で、やはり今、水田の機能を持たして、必ずしも稲を植えなくても、水張りを一か月以上やっていただいて、水田の持つ連作障害防止機能を活用いただければ、そのまま畑作やっていてもこの交付金は受けていただきます。  そうした道を選ぶのか、物理的にも水が張れないところでどうするのかということについては、畑作転換を図っていただいて、それをしっかり予算補助で支援をしていくと、こういうことで、どちらを選んでいただいてもしっかり経営をサポートしていこうということで、今各地で検討、御判断をいただいているというのが私の認識です。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 大臣の苦しい御答弁も分かるんですけれども、でも、途中段階までは水田機能を生かしながら、ということさえも条件にしていないんですよ。それこそ、団地化とか高収益作物を植えろとか果樹を作れとか、そういったことの中で、本当ここ最近になってやっぱり水田機能ということに着目をして、やはりその方針に従ってやってきた方々にとっては今更はしごを外されたという思いでいっぱいなんですね。それでも、畑作頑張って作ってください、作れるところはいいんですけれども、やっぱり条件の悪いところほど、もう、だったら作れない、だったらもう借りている農地を返すしかないというような声も私本当に聞いているんです。多分、私だけじゃないと思うんですね。  条件の悪い中山間地域を中心として耕作放棄地の増大の懸念もあるんではないかと思いますけれども、そこへの対応、私は、今の中山間地域の直接支払制度は本当の意味での条件不利補正対策になっていないと思いますので、例えばそういったものを組み合わせるとか、水活の代わりの、いわゆるその直接支払を別の形で何か厚くするとか、そういったことをセットにしていかないと、地域計画にだって、政策の先が見えない中でこのままもう一回農業続けますと言い切れない人がいっぱいいるんですね。  全てにつながっていると思いますので、この全部セットで、やはり政策を洗い出して、ある意味、私は、地目が水田なのに実際は水田機能がないという、これもおかしいと思うんですよ。きちっと機能と地目と合わせるようなことを大胆にやっていく、ここも見直していかないと、何か継ぎはぎ継ぎはぎで今ある目の前の課題に対応する、してきたことが結局ここに来て何か問題があちこちで渦巻いているような気がするんですね。  そこをもう一回整理するべきだと思いますけれども、今言ったその条件不利地域の耕作放棄地の懸念、どうやって対処していただけるんでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 耕作放棄地につきましては、その復旧による解消と発生防止によって有効活用を図ることが重要だと考えております。  このため、四月から、改正農業経営基盤強化法等につきまして、市町村が地域計画を策定する中で、耕作放棄地も含めて地域の農地利用の将来像を定める目標を地図に明確化した上で、農地バンクを通じて担い手に農地の集積、集約化を推進するということを推進しております。  また、多面的、先ほど来言っていますように、多面的機能支払交付金、また中山間地域等直接支払交付金、また最適土地利用総合対策等によって、地域が共同して農地保全を行う活動を支援するということで、そうした条件不利地もサポートしていきたいと思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 いろんな政策を用意していただいているのは分かるんですけれども、でも、最終的には所得が上がらなければ誰も農業できません。とりわけ、もう半ば善意というんですかね、集団でそういった転作部分を請け負っている方々は所得が上がらなくなればもうやれませんよ。そこをどうやって埋めていくのか、ここをしっかり再検討していただかないといけないんじゃないかなと思いますので、是非御検討ください。  あわせて、その水張りの問題、一点ちょっと問題提起をさせていただきますけれども、やっぱりこの水の確保をどうするのか。いわゆるかんがい期であれば、そのかんがい、そのいわゆる水、用水路等の水を使って水を張ることができますけれども、例えば大豆作、次の次期作に影響しないようにするためには、多分、収穫後の非かんがい期に水を張ることも必要だと思うんです。  この非かんがい期の水の確保に関しては、いわゆる農村振興部局、経営部局、何か連携して対策取り組んでいるんでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 水利権につきましては、水源となるダムの運用や河川の流量といった制約がある中で、農業用水として必要な範囲において許可されているものでありますので、水張りは基本的には現行のかんがい期間の中で行う必要があると考えていますけれども、一方で、限られた用水で水張りを行うためには、用水路ごとに一定のまとまりを持って複数年度に分けて取り組むなど、効率的かつ計画的に実施することが重要ではないかと思っています。  このような中で、水田活用直接支払交付金の見直しに対応した水張りが開始されたところであるために、まずは、水張りの実施状況、また課題をしっかり聞き取った上で、どのような対応が必要か検討し、またしっかり対応していきたいと思っています。

舟山康江国民民主党・新緑風会

○舟山康江君 時間となりましたので終わりますけれども、やっぱり非かんがい期に水を張って、次の作付けに影響がないようにしていきたいというニーズもたくさんあります。その際に、維持用水だけでは多分足りない、それは多分できないんですよね。そこにどうやって水を増やしていくのか。ここはやっぱり農村振興局もしっかり考えていただいて、営農のために何ができるのか、国交省等との水利権交渉なのか、是非ここは連携して取り組んでいただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。  ありがとうございました。

紙智子日本共産党

○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。  農水大臣に質問いたします。  今年も異常気象による大雨被害や高温被害が発生しています。特に、猛暑の影響というのが八月頃、京都、新潟、東北地方、北海道でも発生しました。それで、北海道でも三十度を超えて、それ以上という日も、昔はもう本当にまあせいぜい十日ぐらいかと言っていたのが、もう一か月も続くような状況が出ております。  それで、配付した資料を見ていただきたいんですけれども、これ、九月下旬に北海道で高温障害の調査をやったときの写真です。農協から説明を受けたんですけれども、これ、一つはビートですね、褐斑病という形でこういうふうに枯れてしまう。ブロッコリーは、花蕾腐敗病というんですね、これが発生していると。特にブロッコリーは、高温でつぼみの成長が止まってしまって、そこに雨が降ってきて高温多湿になったためにこの花蕾腐敗病が蔓延したと聞いています。写真のように、ブロッコリーの中心のところにつぼみができて、それが大きくなるんですけど、これがもうできない。ですから、売り物にならないし、収穫はゼロということなんですね。収穫がないので、これ共済の対象にもならないということもあります。  これに対しての支援策はあるのかということをまずお聞きしたいと思います。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) お話しのように、北海道では、本年四月以降、例年にない高温によりまして、ブロッコリーを始めとする野菜の生育不良、また品質の低下が発生をして、九月の東京都中央卸売市場の入荷量は前年と比べて全体で二割程度減、北海道では三割程度の減少というふうに聞いております。  野菜の収量減少や品質の低下による収入減につきましては収入保険による対応が基本となりますけれども、このような温暖化に伴う影響が出た場合、本年のみならず今後も引き続き発生することが懸念されることから、産地において高温対応、対策を進めることが必要だと考えております。  農林水産省としましては、現在検討中の補正予算に、都道府県やJAによります高温耐性品種、ブロッコリーについても幾つか高温耐性品種が開発されているというふうに聞いておりますし、高温対策技術の導入実証等に係る費用への支援なども補正予算の中に盛り込んで、都道府県、またJA等の皆さんによる取組を支援をしていくということであります。  こういったことで、高温対策栽培体系への転換を進めていきたいと考えています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 今の答弁だと、実際減収になって、何の対応もないということが解決されないんじゃないかと。今、高温対策の品種改良だとかそういうことの、今度の補正にそれは加えられたっていうんだけど、これは先の話であって、今現に本来収穫できるはずだったものがこんな状況になっているわけですよ。  これ、十アール当たり三十万円くらいの収入にはなるという、ブロッコリーは高収益作物ですから、そういう形でこの間作ってきたのに、結局はもう持ち出しになると。種もそうだし、肥料代も掛かっているし、それが全部駄目になっちゃって持ち出しになるということなので、これ収入保険といっても、なかなかそれに加入していなければどうともならないということなんだけど、もうせっかくこういった努力して、水の泡になっちゃったということに対して何らかのことを考えてもらえないかと思うんですけど、いかがですか。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) 紙先生、野菜につきましてはなかなか、共済というのが設定がなかなかできずに、野菜については、価格安定制度、暴落したときの対策があるということになっていまして、最近はこの収入保険には加入できるようになったんですけれども、ブロッコリーの場合、確かに入荷量自体は東京中央卸売市場でまあ二割、三割減ってはおりますけれども、実際価格はその分今上がっておりまして、人によっては価格も実はあり、P掛けるQでいうとマイナスになっている方多いかと思いますけれども、プラスになっていないということになりますので、一年一作の地域はなかなか大変なのは事実なんですけれども、野菜については次の作、次の作、それで期間を見て出荷をしていただくということに尽きるのではないかというふうに思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 余り解決にならない話なんですよね。だから、人によっては価格が、少なくなった分価格が上がっているからいい人もいるということなのかもしれませんけど、この場合は全然収入にならないわけですから。  それで、アブラナ科なんですよね、これ。野菜については連作障害が出るので、当面はここを使って、また来年もってならないわけですよ。そういう状況もある。それから、ビートは褐斑病になると糖分が大きく減少して品質が落ちるということで、これも収入が減るわけです。  生産者やJAでは、今回の猛暑、高温ということでいうと、この状況というのはもはやもう災害と言ってもいいというふうに言っているんですね。  政府は、地球温暖化影響調査レポートというのを公表しています。これは、地球温暖化の影響と考えられる高温障害の影響と適応策を取りまとめているわけで、これはこれで大事だとは思うんですけれども、調査期間が一月から十二月という期間を設けて、それで、長い期間がありますから、すぐすぐ対応というふうにならない、状況分かるということではないので、やっぱり被害状況をリアルタイムで把握する仕組みというのがない状態なので、是非この事実を把握してほしいと。事実把握しないと対策とならないと思うので、是非そのことをやっていただきたいと。  想定を超えた豪雨とか最近よく言われますよね。すぐ想定を超えていたという話になるんだけれども、想定を超えた高温とか経験したこともない猛暑がこの間続いていて、集中豪雨や台風のようにリアルタイムで被害を把握するという仕組みがないわけなんだけど、そういう形での把握する仕組みというのは必要なんじゃないんでしょうか。  大臣、いかがですか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のような観点でいいますと、農林水産省では、野菜の生育状況などの情報を毎月公表するとともに、米、麦、大豆の農産物検査の結果も月ごとに公表して、需給の情報とともに被害の状況についての報告、情報を提供しているところであります。  お話しのように、農業は気候変動の影響を受けやすい分野でありますので、温暖化等の被害を回避、軽減するためには、御指摘のように新しい情報に基づいた対応策を取っていただくことが重要だと思います。このため、農林水産省としては、都道府県を始めとする関係機関の皆様に対して、農業技術の基本指針におきまして、例えば高温対策としての地温抑制マルチ、また遮光資材等の高温対策技術の励行を促しているところであります。また、各自治体におきましては、各地の気象情報等を踏まえて低温や高温に対しての注意喚起を必要に応じて発出されているところであります。その上で、最初にお話がありましたが、毎年、高温による影響や適応策については地球温暖化影響調査レポートとして公表しているところであります。  御指摘も踏まえて、今後とも情報の提供に努めて、現場における対応策の検討に活用していただけるように頑張りたいと思っています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 被害が出たら調査するというふうにしてほしいと思うんですよ。猛暑に備えが、技術的なサポートは必要なんですけれども、一方で、収入面ではこの共済とか収入保険だけでは十分な所得をカバーできないという話もいっぱい出ているわけで、この点でも新たな段階に入っている、そういうことを認識して支援の対策を検討するようにお願いをしておきたいと思います。  それから次に、水田、畑作とMA米の問題なんですけれども、この稲作などの土地利用型農業は水活の見直し、そして畑地化ということで、今この不安と混乱が広がっている状態です。北海道においても、今まで何度も質問していますけれども、水田活用交付金の見直しで牧草が切られてしまったと、このことに対する憤りというのは非常に強いものがあります。  ある町では、大変複雑な思いを持ちながらも、それでも、まあどっちかを選べって言われたら畑地化にするかということで取り組むことにしたんですけれども、約その地域でいうと三百戸の農家が応募したんですね、畑地化に。ところが、採択されたのが十戸程度だったと。一体どういうことなんだということで不満が出されているわけなんです。  北海道全体でいうと、面積にすると約二万八千ヘクタールの要望が出ていたのに、これ国全体の採択というのは一万ヘクタールだということで、農業新聞でも書かれていました。これ、全然足りないじゃないかということなんですけれど、これ畑地化を推進していくんだという農水省の方針なのであれば、予算をちゃんと確保するべきではないかと思うんですけど、いかがでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘のように、畑地化促進事業につきましては、令和四年度補正予算において二百五十億円を活用しまして約一万ヘクタールの取組を一次採択したところでありますけれども、御指摘のように、それを上回る畑地化に取り組む申請が見られました。これらについて、地主の同意など要件の確認を今行っているところであります。  そして、今般閣議決定された経済対策にも畑地化促進事業が盛り込まれておりまして、農林水産省としては、この一次採択とならなかった取組、それから今後新たに畑地化する取組を含めて、補正予算の中で必要な財源が確保できるように調整していきたいと考えています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 手を挙げている人がちゃんと行き渡るというふうにしていただきたいけど、そうなりますよね。確認します。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 頑張って確保したいと思います。

紙智子日本共産党

○紙智子君 自給率の低い麦、大豆の本作化というのがこれ必要だというふうに思っているわけです。同時に、畑作であっても稲作であっても、土地利用型の農業の展望を示すことが必要ではないかというふうに思うんですね。  二枚目にお配りした資料を見てほしいんですね。この資料の①のところを見てほしいんですけれども、水田作の経営の一経営体当たりの農業所得ということです。まあ時給にするとどうなるのかということで、一時間当たり、これ今ですけれども、十一円ですよ、十一円。今、労働者全体は最賃でも時給千五百円に上げようという議論されているわけですけど、資料にあるように、二〇二〇年でも百八十一円、二一年はマイナス九四%で十一円ですよ。  大臣、この十一円、どう思われますか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) ここで示されました二〇二一年の水田作経営の一経営当たり農業所得を単純に労働時間割って算出しました一時間当たりの農業所得は、肥料費、動力光熱費といった農業経営費が前年に比べて七%程度増加したこと等によりまして、前年は百八十一円だったわけですが、それが十円に減少して低い水準となっています。  しかしながら、この結果は自家消費が主などの小規模な経営体を含めた全ての水田作経営体の平均値でありまして、経営状態については様々な経営体の実態を踏まえて見ていく必要があると考えています。  例えば、水田作経営のうち、農業の所得が主であります主業経営体で見ると、一時間当たり農業所得は、農業経営費の増加により前年に比べ減少はしているものの、平均で八百十九円となっておりまして、さらに、水田作付面積二十ヘクタール以上の層も、同様に前年に比べ減少はしているものの、その場合は千八百七十七円となっています。このように、水田作は経営規模の拡大に伴って生産性が向上するという特徴がありますので、収益性の向上も顕著だということです。  農林水産省としては、農地の集約化等による経営規模の拡大、また集落営農への参加、省力栽培技術の導入等による生産コストの低減、こういったことで農業所得の向上を推進してまいりたいと考えています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 まあ規模の、主業な農業のところはもうちょっと高いよと、だけど平均すると十一円と、まあしようがないという感覚なんでしょうか。  私、それにしたって低過ぎると思うんですよね。もう平均してこうだということ自体も問題だというふうに思うし、これで意欲が出るかというふうに思うんですよ、小規模のところなんかは特にね。やっぱりそういう見方というか、もっとやっぱり、いや、それで本当に大丈夫なんだろうかということで考えなきゃいけないというふうに思うんです。  それで、岸田総理は、三十年間、コストカット型経済とも呼べる状況が続いたという話をされているんですけれども、実は私たちも、失われた三十年という言い方ですけれども、同じ三十年なんですけれども、この三十年前の米価どうだったのかというふうに見ると、一九九三年、これ多分細川内閣のときだと思うんですけど、このときの米価は六十キログラム当たりで二万三千六百七円なんですね、平均で。しかし、去年の相対取引価格で米の値段を見ると、これが一万三千八百四十九円ですから、マイナス一万円だと。  これで本当に農業に意欲が持てるのかと思うんですけど、大臣、どうですか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 米の価格自体、全体として下落しているということはあると思います。これは様々な要因がありますけれども、人口減少に伴う米の減少があって、需給バランスが崩れている、毎年十万トンの需要減になっていると、こういうこともあると思いますし、また、もう一つの面は、先ほど経営規模の話で大きな差があると申し上げましたけれども、お米も、一物一価ではなくて銘柄、産地によって様々な価格がありますので、一律に全部が低くなっているかというと、こういう状態でも高い価格を維持しているものもあれば、更に割り込んで価格が低い状態にある銘柄もある。そういったことも総合的に判断して、基本的にはやはり需要に沿った生産ということにシフトしていくというのが米についても望まれている状態にあるんではないかなというふうに考えています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ちょっと今の答弁だと生産者の人ががっくりするんじゃないかなと。  やっぱり、幾ら一生懸命頑張って米作っても、米作っているので飯食えないという声が出るくらいの状況になっているわけですよ。それでなかなか見通しがこの先見えていないのに、水田は水張りをしなければ水田活用交付金の対象から外すということも言われているわけですよね。  それで、生産者はこれまで、さっきちょっと経過も話ありましたけど、政府の減反政策に協力をしてきたわけです。地域の経済を、コミュニティーも維持してきた、必死になって維持してきたわけですね。で、畑地化の協力もしたいけれども、しかし、この畑地化の事業というのも五年が、期限がありますから、五年が限度だと。その先どうなるのかとなると、先が見えていないというふうに言われるんです。希望が見えないと言うんですね。  政府は、毎年米の需要が十万トン減っている、今も言いましたけど、十万トン減っているんだと、米は過剰なんだということを言っているわけです。なのに、じゃ、どうしてミニマムアクセス米、輸入米は毎年減らさないで七十七万トンも入れているのですかということを生産者の皆さんから訴えられるんですよね。  それで、資料の②の方を見てほしいんですね。  ここには、二二年の六十キログラム当たりの生産費、これ生産費ですね、一万五千二百七十三円です。それで、相対取引価格が一万三千八百四十九円ですから、これ、差が千四百二十四円ということで赤字になっているわけです。生産費よりも売れる価格の方が安いということですね。  この相対取引価格と同等かそれより高い価格で実際にはこれ、ミニマムアクセス米というのは入札されているということになるんですね。  で、資料の、次、四を見てほしいんです。  ミニマムアクセス米の、これ売買の差損、差ですね。だから赤字の実態なんですけれども、二〇二二年度の実績は出ていませんけど、二〇二〇年度、これが三百六十七億円、二〇二一年度は四百七十七億円、この二年間分だけでも八百四十四億円になっているんですね。二〇一八年度からこれ廃止された、削られた戸別所得補償、米の直接支払交付金というのは七百十四億円ですから、それを上回る金額になっているわけですよ。  国内の相対取引価格よりも入札価格が高い実態、この赤字が膨らんでいる実態を大臣はどのように思われますか。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 宮下大臣、よろしいですか。  速記止めてください。    〔速記中止〕

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 速記を起こしてください。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) ミニマムアクセスにおきます買入れと販売に伴う売買差益について御指摘をいただきました。  保管料等の管理経費によりまして財政負担が生じているというのは事実でありますけれども、一方で、財政負担をできるだけ削減するために政府所有米穀の保管、運送、販売の管理業務につきましては、入札によって民間事業者、事業体に委託することなどの工夫しまして保管経費等の節減に努めた結果、過去のピーク時、平成十九年には年間二百六十億円ありました管理経費が、近年、平成二十九年以降では毎年百億円を下回る、半分以下を下回る水準になっているところでございます。  まずは、このミニマムアクセス米の財政負担の削減に向けた努力は引き続き取り組んでいきたいと考えています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 これ、表見て分かるように、ミニマムアクセス米、外国のお米を国産の米よりも高い値段で買っているわけですよ。だけど主食に回せないから、だから違うものに回すじゃないですか、だから安く売らなきゃ売れないわけですよね。だからこういうことが生まれているわけで、こんなに金額が大きくなっている中でまだ続けるのかということなんですよ。  この赤字、米価の実態なんですけれども、政府は、九四年の米のミニマムアクセスに関する政府統一見解をもって国際約束なんだとずっと言ってきたわけですよね。でも、前回私も質問しましたけど、協定上、輸入の義務はないと、それぞれの国によっても違いが、対応の違いがあるわけですから、言ってみれば政府の統一見解だからという理由だったわけだから、それだったら、もう三十年たっているわけですよ、失われた三十年というわけですから、来年基本法見直すというのであれば、政府の統一見解を廃止したらどうかと思うんですけど、大臣、どうですか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) おっしゃるとおり、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業協定に基づいてミニマムアクセス機会を設定する場合に我が国が負う法定義務の内容は、当時の米の国内消費量を基に算出された一定割合の数量につきまして輸入機会を提供することと、こういうことであります。  我が国のミニマムアクセス米につきましては、平成五年のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴う閣議了解において、米のミニマムアクセス導入に伴う転作の強化は行わないということとされました。このことによって、ミニマムアクセス米が国産米の需給に悪影響を与えないように政府が責任を持って安定的に輸入する必要があるということから、国家貿易で管理して、お話しのように、要するに、主食米市場に流れ込んで需給が崩れるということを阻止すると、そういうことを決定したわけです。  そういう、米が国家貿易品目として国が輸入を行う立場でありますことから、平成六年に衆議院予算委員会でお示しした政府統一見解にあるとおり、ミニマムアクセス機会を設定すれば、買う、買手は国家貿易ということで国しかないわけですから、通常の場合は当該数量の輸入を行うことになると、行うべきというふうに考えています。  今後もミニマムアクセス米が国産米の需給に悪影響を与えないように国家貿易で管理する必要は変わってない、変わりませんので、そういった意味では、この政府統一見解を変えることにはならないというふうに考えています。

紙智子日本共産党

○紙智子君 もう本当にこれ、財政の観点からいっても、こんな無駄なもったいないことをするのがおかしいというふうに思いますよ。  それで、その水田の役割の重要さということもいろいろ意見が出されてきたと思うんですけど、水田は田んぼダムの役割が言われていますし、日本生活協同組合連合会が五月の食料・農業・農村基本計画の見直しに関する意見書で、日本の高温多湿な気候風土に適して、連作障害を起こさない水田稲作というのは、日本の農業において基幹的役割を担ってきたんだと、また、米は日本ならではの食生活や食文化に大事な役割を果たしてきたというふうに言っているわけで、同時に、財政支出に基づく生産者の直接支払などをやるべきだということを求めているんですよね。だから、ミニマムアクセスにこのお金掛けるよりも、土地利用型農業の予算を充実させるべきだということを申し上げておきたいと思います。  それで、ちょっと時間がなくなってきたので、質問、これは答弁要りません。食料自給率についても聞きたいと思うんです。  我が党の小池晃議員が十月二十六日の本会議で、今まで自給率目標を一度も達成したことがなく、その検証も分析もされていませんというふうに総理に聞いたんですけど、総理から答弁がありませんでした。食料・農業・農村基本法の第十五条では、政府が食料・農業・農村基本計画を定め、食料自給率目標を決めることになっている、この目標というのは、五年ごとに、施策の効果を評価し、五年ごとに計画を更新することになっていると。  ですから、食料・農業・農村政策審議会の企画部会でこの食料自給率目標の検証を行って実現可能な食料自給率目標を決めているんだと思うんですけれども、しかし、小池議員が言ったように、基本法ができて以来、目標を一度も達成したことがないわけですよ。五年ごとにやって、もう二十年たっているわけですけど、一回もないわけですよ。これってなぜなんでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 食料自給率の目標設定に当たりましては、目標に到達するために必要な要因を検証した上で、食料・農業・農村基本計画に、消費面と生産面でそれぞれ克服すべき課題について品目ごとに明記しております。  その中で、例えば小麦については、国産小麦の需要拡大に向けた品質向上、また安定供給などの課題に応じた取組を積み重ねてまいりました。このことによって、小麦の自給率は、平成十年度の九%から令和四年度には一五%に向上する成果を上げていますけれども、令和十二年度目標の一九%にはまだ達していない、こういうことで、品目によってはその自給率向上に向けた動きをしているものもあると。  ただ、大きな動きとしては、この二十年間、国内で自給可能な米の消費が減少していることがまず大きく効いておりますし、それから輸入依存度の高い飼料を多く使用する畜産物の消費が増加している、このことが食料自給率を押し下げている主な要因となっておりまして、結果的に自給率が近年三八%前後で推移しておりますし、これまでも目標が達成できていないと、こういうふうに考えております。

紙智子日本共産党

○紙智子君 私聞いたのは、二十年間どうして目標を一回も達成できなかったんですかと聞いているんですよね。今のだとちょっと答えになっていないなと。品目ごとにどうこうという話なんだけど、聞いたのはそうじゃないですよ。  それで、やっぱり昨年来、基本法の見直しを議論するために基本法の検証部会がつくられて、検証テーマを農林水産省が提案して議論してきたと思うんだけど、その提案の中に食料自給率というのを検証のテーマに入れていましたか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 令和五年四月二十八日に開催されました第十四回の基本法検証部会においては、基本計画と食料自給率をテーマとして取り扱い、議論が行われたところであります。議論の中で、委員の方からは、消費者と生産者双方の行動の観点から食料自給率は引き続き重要であると、また、食料自給率は平易で分かりやすいが、肥料、エネルギー、資源といった生産資材の安定供給等、今日の食料安全保障上の課題は食料自給率だけでは直接に捉え切れないものがあるといった旨の御意見をいただいたところであります。  こうした議論を踏まえまして、答申においては、自給率目標を国内生産と望ましい消費の姿に関する目標の一つとしつつ、食料安全保障上の様々な課題に適した数値目標又は課題の内容に応じた目標も活用しながら、定期的に現状を検証する仕組みを設けるといった基本計画の見直しの方向性が提言されているところであります。

紙智子日本共産党

○紙智子君 ちょっと時間になっちゃったんで、また続きをやらなきゃいけないんですけど、やっぱりその食料自給率の問題というのが議論どれだけされたのかということでいうと、さっき言ったように、疑問がずっと解けないまんま来ているんです。何で一度もできていないのかと。目標達成できるはずの目標を掲げたはずなのに、どうしてできなかったのか、どこに問題があったのか、そういう掘り下げた議論がないでいるんですよ。やっぱりそこがちゃんとはっきりさせていかないと本当の対策は出てこないし、そういう意味ではちょっと引き続いて次の回も議論を進めたいと思うんですけれども、今日はここまでといたします。  ありがとうございました。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 こんにちは。無所属の須藤元気です。  本日は、みどり戦略を中心に質問していきたいと思います。  今年の八月、宮下大臣の地元である長野県の有機農家さんを視察してきました。長野県は羽田議員の地元でもあるので一緒に回っていただいたんですが、お会いしたらまさかの省エネルックでした。省エネルックといえば、お父様の羽田孜元首相が推進していた時代を思い出します。そのキャッチー過ぎるビジュアルに定着はしませんでしたが、羽田議員が継承している姿を見て何だか温かくなりました。ただ、難点が一つあるらしく、ホテルにいるとホテルマンに間違えられ、駅にいると駅員さんに間違えられるそうです。実際に、トイレどこですかと次郎さんが声を掛けられた姿を目の当たりにしました。  さて、この省エネルックではないんですが、二〇五〇年になって、みどり戦略も定着しなかったと言わせるわけにはいきません。  私は、以前、新たな基本法にみどり戦略の考え方を条文に書き込んでいただきたいと質疑しましたが、その後、本年六月に食料・農業・農村政策の新たな展開方向が決定されました。その中で、基本法に位置付けるとの方向性が示されたことは良かったと思っています。  そこで、お伺いしますが、基本法の見直しが進められている中、みどり戦略を基本法にどのように位置付けていくのか、そして、みどり戦略に対する宮下大臣の意気込みをお聞かせください。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 農林水産業や地域の将来を見据えた持続可能な食料システムの構築に向けまして、食料、農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現させるために、新たな政策方針でありますみどりの食料システム戦略を令和三年五月に策定したところであります。  昨年七月に施行されたみどりの食料システム法に基づきまして、認定された農業者の環境負荷低減の取組への支援が本格的にスタートしております。取組を広げるために、生産者の環境負荷低減の取組の見える化、またJ―クレジット制度の活用を推進しているところであります。  また、本年六月に政府の主要閣僚により取りまとめられた食料・農業・農村政策の新たな展開方法におきましても、みどりの食料システム戦略による環境負荷低減に向けた取組強化として、議員御指摘のとおり、「環境と調和のとれた食料システムの確立を図っていく旨を、基本法に位置付ける。」と記載したところですので、今後の検討においても、こうした理念が基本法にもしっかりと位置付けられるものと考えています。  引き続き、環境と調和の取れた持続可能な食料システムの実現に向けて、関係者の皆様の御理解と協働をいただきながら、農林水産省一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 宮下大臣、ありがとうございます。  また、以前に、みどり戦略の二〇五〇年目標まで時間がないという危機感を持って、定例報告、検証、対策をチェックして毎年国民に知らせていくべきではとも質疑し、政府からは、毎年進捗をフォローアップするとの答弁がありました。  みどり戦略策定から二年が経過しましたが、みどり戦略の進捗をフォローアップしてみてどのように受け止めているのか、教えてください。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) みどりの食料システム戦略では、二〇五〇年に目指す姿として十四の目標を掲げておりまして、昨年六月には、本戦略の実現に向けて、もう少し手前、中間目標としての二〇三〇年目標を決定したところであります。本戦略のこの十四のKPIにつきましては、みどりの食料システム戦略本部において毎年進捗管理をすることとしております。  具体的な進捗につきましては、最新データが二〇二一年となることから、今現在はこの二年間のフォローアップというのはまだできないわけですけれども、足下では、有機農業の面積について、畑地や牧草地において有機JAS認証の取得が進んだことなども要因となりまして、基準年二〇一七年の二・三五万ヘクタールから二・六六万ヘクタールに増加しておりまして、耕地面積に占める割合は〇・六%というのが足下、現状ということであります。  化学農薬のリスク換算での使用量につきましては、リスクの低い農薬への切替え等による効果のほか、新型コロナによる国際的な農薬原料の物流の停滞で農薬の製造、出荷が減少したこと等の特殊事情もありますけれども、基準年二〇一九年農薬年度に比べまして約九%減少をしております。  また、化学肥料については、土壌診断等による施肥の効果、あっ、効率化等が進展したことから、二〇一六年の基準年から約六%減少したことが確認されております。  本年も年末に予定しておりますみどりの食料システム戦略本部において進捗管理をしっかり行って、目標達成に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと考えています。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 ありがとうございます。  この有機農地が現在〇・六というところを二〇五〇年に百万ヘクタールですから、とにかく、この二〇五〇年というと遠い未来に感じますけれども、とにかく時間がないという危機感を持って取り組んでいただければと思います。  さて、環境への負荷を低減する農業と一口に言っても、化学肥料、農薬を一切使わない有機農業から化学肥料の一部を有機質肥料に置き換える農業まで、その手法には濃淡があります。  みどり戦略においての有機農業は、国際的に行われる有機農業と定義されていますが、その内容を具体的に教えてください。

平形雄策農林水産省農産局長

○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。  みどりの食料システム戦略において、二〇五〇年に有機農業の取組面積百万ヘクタールというふうに目標にしておりますけれども、これ国際的に行われている有機農業ということなんですが、これは国際規格を策定する国際機関でありますコーデックス委員会が一九九九年に策定いたしました有機農業に係るガイドラインの内容に準拠した農業ということを指していると思っております。  具体的には、有機農業推進法というものがございまして、この中には、一つ、化学的に合成された肥料及び農薬を原則使用しないこと、また、遺伝子組換え技術を利用しないこと、この二つが規定されているんですが、これに加えて、一つは、播種の前二年以上は化学肥料や化学農薬を使用しないこと、また、周辺から化学農薬が飛散しないよう緩衝帯を設けること、これも含まれたものが国際的に行われている有機農業というふうに考えています。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 ありがとうございます。  このコーデックス委員会の有機農業のガイドラインということで、この定義をしっかり丁寧に扱っていただきたいと思います。  さて、先日、デトックス・プロジェクト・ジャパンのシンポジウムに参加し、日本は世界有数の農薬大国だというお話を聞きました。そこで、農薬の安全性の考え方についてお伺いします。  みどり戦略では、化学農薬使用量をリスク換算で二〇五〇年までに五〇%低減を目指すとの目標が掲げられ、中間目標として二〇三〇年までに一〇%削減することとされております。また、農薬それ自体の安全性を向上させるため、農薬取締法に再評価制度が導入されております。  再評価に当たっては、国内で多く使われている農薬の優先度が高いとされているネオニコチノイド系農薬の有効成分の幾つかが、二〇二一年度の制度発足時に再評価の対象となって現在も審査が続いていると承知しております。  このネオニコ農薬については、フランスを始めとするEU諸国やアメリカ、ブラジル、韓国などで、屋外での使用が規制される動きが広まっています。ところが、日本では、二〇一五年のクロチアニジン、アセタミプリドを始め、ネオニコ農薬の残留基準値が緩和されてきております。海外での動きに逆行しているのではないかと心配する声も多く聞かれますし、私自身もそう思います。  そこで、ネオニコチノイド系農薬の残留基準値を緩和した理由を改めて伺いたいと思います。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。  御指摘の二〇一五年のネオニコチノイド系農薬の残留基準値の設定に関しては、クロチアニジンに関してはホウレンソウやカブ、そして、アセタミプリドについてはカンショやニンジンといった、アブラムシの防除などのために農業現場のニーズを踏まえて農薬メーカーから適用拡大の申請があったことを受けて行われたものでございます。いずれの農薬の残留基準値も、適用拡大の審査を行う中で、厚生労働省において人の健康を損なうことがないよう設定されているものでございます。  いずれにしても、委員からも御指摘がございましたけれども、各農薬については、こうした残留基準値を含め、改めて最新の科学的知見に基づき再評価を行うこととなっております。

鳥井陽一厚生労働省大臣官房審議官

○政府参考人(鳥井陽一君) お答えいたします。  お尋ねの二〇一五年のネオニコチノイド系農薬に係る残留基準の設定につきましては、ただいま御答弁ありましたように、農林水産省より適用拡大申請に伴う基準値設定の依頼を受けて行ったものでございます。  我が国における食品中の農薬の残留基準といいますのは、農薬を適正に使用した場合の残留試験の結果及び国際基準等に基づきまして、食品安全委員会における食品健康影響評価を踏まえまして、人の健康を損なうおそれがないように設定をしているものでございまして、このケースもそのように設定をいたしたものでございます。  いずれにしても、引き続き、関係府省とも連携の上、科学的知見に基づき、適正に残留基準の設定等を行ってまいります。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 理由があるのは分かるんですけれども、しかし、海外で規制している中、日本が緩和するということに腑に落ちないところがあるのは正直なところです。  長野県の視察で、有機農家のなつみ農園さんから有機を始めたきっかけを、お話を聞きました。お子さんがアトピー性皮膚炎だったらしく、いろいろ試した結果、有機、無農薬の野菜やお米を食べ始めた結果、効果があったようで、それがきっかけで化学肥料、農薬を使わない農園を始めたそうです。  化学農薬使用量を二〇五〇年までに五〇%低減するとの目標が掲げられたのは、そういったメリットがあるからではないでしょうか。是非この目標達成に向けてしっかりと取り組んでいただければと思います。  続きまして、再評価制度の運用について伺います。  リスク評価において取り扱う公表文献については、農薬メーカーが公表文献の収集、選択等のためのガイドラインに従って収集し、農水省に提出することとなっております。それを確認し、必要な場合には追加等の指示を行い、さらに、食品安全委員会等のリスク評価機関が判断する場合には追加情報を提出させることとなっていると承知しております。しかし、この最も利害関係のある農薬メーカー自身がリスク評価の前提となる公表文献を提出することによって、ことについてですね、この客観性、公正性が担保されていないのではないでしょうか。  格闘技でいうならば、試合に出る選手がレフリーも同時にやるようなものです。KO負けしない限り、判定さえに持ち込めば、何とか自分を勝たせるはずです。私、格闘家だったんですが、判定になると、そんたくされているものから露骨なものまでいろいろ見てきました。この判定というのは、格闘技に限らず興行主が勝たせたい選手って必ずいるんですよね。ですから、このアウエーで戦うときというのは、私はもう判定になったら負けるという覚悟で試合に臨んでおりました。  ちょっと話がそれましたが、このように学術論文の抽出の仕方や選別に偏りがあるのではないかとの懸念があっては再評価制度の信頼を揺るがしかねません。  本年七月、ガイドラインが改正されていますが、まず、改正の内容と期待される効果について伺います。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。  農薬の登録や再評価の際のリスク評価において取り扱う公表文献についてでございますけれども、農業資材審議会の農薬分科会で審議の上、その収集や選択の手順を明確化した公表文献の収集、選択等のためのガイドラインというものを定めてございます。こうしたガイドラインに明確なルールを示すことで、今委員があったように、申請者が恣意的に文献を収集したり選択したりすることがないようにするということとともに、単に申請者が出すだけではなくて、その結果を、農林水産省ではこのガイドラインに従って公表文献が適切に収集、選択されているかを確認をし、更に必要な場合はメーカーから提出をさせるというふうなことをしているところでございます。さらに、リスク評価機関においても、追加の公表文献が必要な場合は追加の情報を提出させるということをしているところでございます。  こうした中で、委員もお話ございましたけれども、これまでの公表文献の収集、選択、積み重ねをしてきましたので、この結果を踏まえて、本年七月、より広範な文献収集を行うということでガイドラインの改正をしたところでございます。  具体的に申し上げると、人に対する毒性の分野であれば、毒性学、公衆衛生学といっただけではなくて、新たに獣医、医学、さらには薬理学、薬学といった分野の学術分野も収集対象とする、これによって網羅性を高めるといったようなことをしてきたところでございます。  今後は、こうした改正したガイドラインに従って公表文献の収集、選択を進めるということで申請者への周知を行うとともに、既に公表文献が提出された成分、農薬に関しても順次改正したガイドラインに従って追加の収集を進めているところでございます。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 ありがとうございます。  先週の十一月一日、農水省は公表文献に関する情報を募集する仕組みを新たに設けました。農薬メーカーが提出したもの以外に関連する情報を持っている人は農水省に提出することができるというものであります。  第三者が関与することにより、客観性、公正性、そして透明性も高まり、良い取組だと思いますが、この募集の仕組みについてお伺いします。  プレスリリースの末尾には、「既に再評価の諮問を行った農薬についても、順次、情報募集を行う予定です。」とあります。現在、情報募集中の農薬としてウェブサイトに掲載されている九種類の有効成分は審査対象となった三十五種類の一部にとどまっております。どのような基準をもって情報募集の対象を選別しているのか伺います。  また、二〇二一年度に審査対象となったクロチアニジンなどの情報募集もこれから行われると思いますが、いつ頃の募集開始を想定しているのでしょうか、教えてください。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) お答えいたします。  公表文献の収集に当たって、改めてそれぞれ公表をし、改めて募集をするというプロセスでございますけれども、査読プロセスのある学術ジャーナルに掲載された文献であるかだとか、リスク評価機関が定めた様式に従って必要な事項が記載されているかなどを確認してリスク評価機関に出していただくというふうなことになってございます。  これらの情報に関してはこれから情報収集を行ってまいります。そして、既にリスク評価機関に送っているものに関しても、まずは、現在、改正ガイドラインに従って文献の収集などを行っておりますので、その結果を踏まえた上でそうした文献に関しても募集を行いたいというふうに考えております。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 この提供した情報は誰が審査して評価対象に加えるかどうかを判断するんでしょうか。また、採用されなかった場合はその理由を開示してもらいたいと思いますけれども、この政府の方針を伺います。

安岡澄人農林水産省消費・安全局長

○政府参考人(安岡澄人君) 済みません、先ほど答えてしまいましたけれども、今の公表文献に関する情報に関しては、もうルールは単純で、査読プロセスのある学術ジャーナルに掲載された文献であるか、さらにはリスク評価機関などが定めた様式に基づく必要事項が記載されているかということを確認するのみでございます。我々としては、これらを満たす情報については選別などを行うことはしないと、全てリスク評価機関に送付するということを考えてございます。  また、リスク評価機関に送付した情報に関してはホームページで公表することとしておりまして、なお、余り想定はしていませんけれども、送付しないケースがあった場合があるとすると、それは査読プロセスのないような文献であるとかの情報でございますので、そもそも条件に合わないものとなるので、理由の開示、公表などは必要ないというふうに考えてございます。

須藤元気各派に属しない議員

○須藤元気君 終わります。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 秋田県の寺田と申します。よろしくお願いいたします。  今日は、私は熊の問題を取り上げたいと思います。  人身被害、目撃数共に私の地元秋田県は全国のトップであります。大臣の所信の中では残念ながら触れられてはいませんでしたけれども、農水のこの理事会の場では二回連続熊の話題が出ていたんではないかというふうに承知をしております。  先日、秋田県では、第百四十六回秋田県種苗交換会というものが行われました。文字どおり優れた種や苗を交換する場でありましたけれども、この場でお会いをしました方も、自分の畑には毎日熊が来ると、振り返って真っ黒な犬がいるなと最初は思ったけれども、それが熊だったと、大声を出したら山の方に逃げていったとのことでした。  午前の大臣の御発言の中にもありましたけれども、農村は農業発展の基盤であります。ただ、その基盤が今大きく脅かされているというふうに感じております。  参考までに、今日、A3、A4、一枚ずつ資料も配付をさせていただきました。  A3の方から御覧をいただきたいと思いますけれども、秋田以外の地方紙、ちょっと分からないですけれども、秋田の地元紙には、秋田魁新報というものですけれども、これには社会面に毎日「クマの目撃」という欄があります。人身や農作物被害のニュースと合わせて社会面のほぼ全面を占める日もあります。ちょっと縮小しておりますので分かりづらいですけれども、社会面の三分の二ぐらいを占める日もあって、それを持ってまいりました。  資料御覧いただきたいと思いますけれども、ブドウ、クリ、米などの食害被害、またクリ拾い中の八十代の男性が襲われた事案、民家の外壁が熊にひっかかれていたことや東北道での熊との衝突のほか、二十件の目撃情報が付いております。また、別の日には十二頭ほどが一か所で目撃された事例もあります。誤植ではないんです。十二頭同時に一か所で目撃をされております。また、その裏の面には病院の玄関に現れた事例もありますけれども、もう農地、作業小屋、住宅、幼稚園、学校の敷地内、通学路、また海に近い住宅地にも、もうこんなところにもというようなところでも熊が目撃をされています。  種苗交換会の昼食会の席でも、地元の市長が、地元の方のお宅では、朝起きたら住宅地の、住宅内の居間にソファーが、住宅の居間のソファーに熊が座ってスモモを食べていたと。こう話せば絵本の話みたいで笑ってしまいそうだけど、想像するとおっかねえよなと、秋田弁で怖いよなという意味ですけれども、こういう話をされていました。本当にありとあらゆるところにこの毎日数十件の目撃情報、各地での農作物被害、また連日のような人身被害が報告をされております。  住民からは、もう災害レベルなんだから自衛隊に守ってもらうことはできないのかと。せめてこの子供たちが通学する時間だけでも通学路に立ってもらう、立って守ってもらえないのかという悲痛な声も届いております。人身被害については所管外と言われるかもしれませんけれども、農作業中に被害に遭う方も当然多くあります。現段階での秋田県の農作物の被害、県単独で最終的には一億を超えるのではと、県の担当者の言葉もありました。  今日は環境省の方にも来ていただいておりますけれども、北海道から西日本にかけて広い地域で熊が目撃をされていると承知をしております。環境省が一日に発表した速報値では、今年四月から十月の熊による人身被害は全国で百八十件、統計以来最多を、統計開始以来最多を記録しているということで、死者は五名に上っています。目撃情報、人身被害が一番多い秋田ではありますけれども、報道によれば、この県の熊による人身被害は一週間前の十一月二日の時点で六十五名、また、寄せられた目撃情報は先月末までに二千七十一件あります。  鳥獣保護管理法には、指定鳥獣とは、「希少鳥獣以外の鳥獣であって、集中的かつ広域的に管理を図る必要があるものとして環境省令で定めるもの」とありますけれども、法律的には「広域的に」とは書いてありますけれども、全国的にとは書かれておりません。  そこでお伺いします。北海道から九州まで全国一律で生息数が増えていることが指定管理鳥獣の指定の条件なんでしょうか。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) お答えいたします。  指定管理鳥獣は、鳥獣保護管理法に基づきまして、全国的に生息数が著しく増加し、又はその生息地の範囲が拡大している鳥獣であって、生活環境、農林水産業又は生態系に深刻な被害を及ぼすために集中的かつ広域的に管理を図る必要があるものとして環境大臣が指定するものであります。現在、ニホンジカ及びイノシシを指定をしているところでございます。このうち、例えばイノシシにつきましては、北海道には生息しておりませんけれども、指定管理鳥獣に指定しております。  全国的な観点からの検討を要するものではありますけれども、必ずしも国土全域に分布していたり全国一律で生息数が増加している、そういう必要はないということで考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  全国的である必要はないとの御答弁であります。  全国の中で、今年の熊の目撃件数、人が襲われている件数が増えている都道府県と増加の程度を教えてください。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) 今年の四月から九月までの熊の出没件数が昨年と比べて増加したのは、環境省に出没件数を報告しております三十二都府県のうち二十県でありました。特に東北地方で増加しております。そのうち最も出没件数が増加したのは岩手県でありまして、昨年の約二千件から約三千四百件に増加しております。  次に、人身被害件数でありますけれども、こちら四月から十月までの人身被害の発生件数でございまして、昨年に比べて増加したのは、同じく環境省に報告している三十三都道府県のうち十四道県でありまして、こちらも特に東北地方の北部で増加をしております。そのうち最も人身被害件数が増加したのは秋田県でありまして、昨年の六件から五十三件に増加をしております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  北海道東北地方知事会の方からは、熊を指定管理鳥獣にしてほしいとの要望も出ているというふうに聞いております。  この北海道、東北地域は、その指針にある、この法律にもあります広域的ではないんでしょうか。この顕著な増加と人的被害が認められるのに、この熊を指定鳥獣に指定することの障害はどんなものがあるんでしょうか。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) 熊類の生息状況、あるいは被害の状況につきましては、地域によって様々な状況がございます。全国的な観点から、熊類の最新の生息状況等を整理して検討を進める必要がございます。熊類につきましては、北海道や東北地方のように分布域が拡大している地域がある一方で、四国地方のように分布域縮小している地域もございます。  環境省といたしましては、今年度の熊類による被害の発生状況等を含め、全国の情報を整理をいたしまして、科学的知見に基づいて必要な検討を行っていきたいというふうに考えてございます。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 どこでどのように検討をされて、いつまでに結論が出されるんでしょうか。

堀上勝環境省大臣官房審議官

○政府参考人(堀上勝君) 個々の熊類の出没対策につきまして、熊類の最新の生息状況等を踏まえまして、環境省が専門家の御意見をお聞きしながら、科学的知見に基づき必要な検討を進めるということにしています。  先ほどもお話ししましたけれども、熊類の生息状況、あるいは被害の状況、地域によって非常に様々な状況でございますので、まずは今年度の熊類による被害の発生状況や最新の生息状況等を整理して、その上で必要な検討を速やかに行っていきたいと考えております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 鈴木副大臣からも、本当だよ、したらいいじゃんというふうにつぶやいていただいて、私も本当にこの指定、早くしていただきたいなというふうに思うんです。  大臣にもここ、改めて心にとどめていただきたいんです。あくまで法律ではなくて、この全国的というのは指針に書かれているだけで、法改正は必要のないものです。  更に申し上げるのであれば、東西南北に広く、特色も様々であるこの日本の国土、全国的でなければいけない必要性はないはずなんです。  大臣は、午前中の徳永委員への答弁の中で、注視をしていくと、しっかり連携をしていくというふうに述べていらっしゃいましたけれども、それだけではなくて、大臣から熊のこの指定管理鳥獣への指定を強く求めていただきたいというふうに思います。  大臣の言葉をお借りしながら申し上げますけれども、農業発展の基盤である農村、そして農業従事者は今、現在進行形で強く脅かされております。現場では日々対策に追われております。市町村は鳥獣被害防止総合対策交付金を活用して電気柵の設置や捕獲などの対策を講じていますけれども、定額補助の限度額を超えて自治体の負担が増加をしています。  大臣にお伺いをします。鳥獣被害防止総合対策交付金の更なる拡充が必要だというふうに考えますけれども、いかがでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 御指摘の鳥獣被害防止総合対策交付金、野生鳥獣による農作物被害の防止として設定しているものであります。  地域ぐるみでの被害防止活動、またハンターを含む捕獲の担い手育成等に使える交付金ということでありますけれども、同時に、この交付金は熊への対策にも支援可能でありまして、電気柵の整備とか農地周辺での捕獲、また餌となる柿やクリの実の処分など、獣種共通のこれは支援でありますが、これに加えて、熊に対する追加対策として、生息状況調査等の基本的な取組をした上で、研修会の開催、あるいはセンサーカメラ等のICT機器の導入、こういったことをやっていただければその加算措置を導入しているところでございますので、こうしたことも活用いただいて、熊対策、是非前に進めていただければと思います。  そのためにも、御指摘のように、この交付金の予算確保が重要でありますので、農林水産省としてしっかり確保に努力してまいりたいと思っております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  熊の対策、単年で何かをしたらおしまいではなくて、継続した対策が必要になるというふうに考えております。単年度拡充ではなくて、一定期間の方針で是非お願いをしたいというふうに思います。  さらには、予算があっても人手が足りないという問題も本当に深刻なものとなっています。様々なこの境界の管理など、熊が人間の領域に立ち入らないようにするためにすべきことというのはある意味分かっているわけです。  でも、この人口減少で日常の人の往来というものも減って、熊が人間に脅威を感じる機会が激減して、継続して管理する人手もないということで、本来はこの境界が適切に守られて共生ができることが望ましいと私自身も考えておりますけれども、現実問題として境界が維持できなくなって、今、ここ東京など同じ現代社会にありながら、農作業のときにも、通勤通学にも、毎日熊におびえながら生活をするという切実な現実があるということを御理解をいただきたいと思っております。  私も、以前、筋向かいの家の庭で熊のふんが見付かったということもありますし、最近も同じ小学校区の中で熊が目撃されているということもあって、車の乗り降りのときや庭の草刈りのときなどは本当に周りを見渡して警戒をしているところです。そうやって秋田で週末を過ごして都内に戻ってきますけれども、都内で子供を公園に連れていって茂みからがさっと音がすると、ばっと反射的にやっぱり身構えるんですね。で、その次の瞬間には、ここは東京でそんな必要はないんだと、自分の取った行動がばからしく思えるんですけれども、そのぐらいこの同じ日本に暮らしながら野生の生き物におびえている実情が地方にはあります。仕事を終えて帰宅した際に、家の角から現れた熊に出会い頭に襲われて失明をしたという四十代の方もあります。  資料、お配りしたもののA4のものを御覧いただきたいというふうに思いますけれども、これは、北秋田市というところで、市街地で市民五人が相次いで熊に襲われたというものです。ここで菓子店を経営する方が、自分の体、被害を受けた体をさらして被害を訴えていらっしゃいますけれども、車庫のシャッターを開けたところ、その中にいた熊と目が合ったと。距離は二メートルで、目が合った瞬間やばいと思って走ったけれども、十メートルほどで熊に追い付かれて倒されたと。体の右を上にして半身の状態で熊が覆いかぶさってきて、耳の近くでグオーグオーと鳴き声を出しながら全身襲われたと。右腕や右脇腹、右足の太ももをかまれて、背中などもひっかかれ、顔や頭も負傷して、死ぬんだなと頭をよぎったということです。熊と遭遇したときには後ずさりをして頭と顔を守れと言われていることは知っていたけれども、それは距離があればできるかもしれないけれども、近距離では無理だというふうにおっしゃっています。  また、この裏を御覧いただきたいと思いますけれども、日々この診療に当たる病院の医師からは、受傷部位、熊による受傷、傷を受けた部位の八割は頭や首など、顔面など、首より上に集中をしているということでした。  本当に、この命の危険を感じながら暮らしているんだということ、この記事からもお分かりをいただけるんではないかなというふうに思います。  今年は気温が高くて、熊の冬眠までまだ一月あるとか、徳永委員の指摘にもありましたけれども、温暖化なのか、そもそも満足に栄養が取れていないからという理由なのか、冬眠をしない熊も出るんではないかというふうにも指摘をされております。県民また道民の皆さんも同じだと思いますけれども、毎日熊におびえながら生活をして、あとどれだけ人の命や健康が犠牲になったら、あとどれだけの財産、大切に育ててきた作物が被害に遭えば国は腰を上げてくれるのかと悲鳴を上げています。  資料の中の死亡事故は岩手県との県境、岩手県側の山中で秋田県民の夫婦が襲われたという事故もあります。県単独の対策では本当に様々な面で限界が来ているというふうに私も痛感をしています。進む過疎化、高齢化、秋田県はこの最先端を行っているというふうに言われますけれども、今後ほかの地域でも大きな課題になってくるものと思います。  大切な生産者とその生産者の暮らす生活基盤、農地、農村、生活の糧となる農作物を守るためにも、大臣からも是非この熊の指定鳥獣への指定を働きかけていただきたいと思いますけれども、最後に大臣、いかがでしょうか。

宮下一郎自由民主党・無所属の会農林水産大臣

○国務大臣(宮下一郎君) 指定管理鳥獣は鳥獣保護管理法に基づき指定されているわけですけれども、その要素の一つとして、農林水産業にも深刻な影響を及ぼすことが含まれると承知しています。もちろん、農業者の皆様に対する被害というのも重要な要件だと思います。  こうした観点から、環境省に対してはこうした被害の状況を提供するなどして協力をしていきたいと思っております。

寺田静各派に属しない議員

○寺田静君 ありがとうございます。  北東北で特に増えているのだという環境省の方のお話もありましたけれども、北東北の委員も、副大臣もたくさんいらっしゃいますので、是非、この指定鳥獣への指定、早く実現をしていただきたいなというふうに思います。  大臣の真摯なお人柄を信じて、また座右の銘の、シンク・グローバリー、アクト・ローカリーというふうに掲げていらっしゃいますけれども、どうかこの地域の皆さんのことを考えて行動していただけると信じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  終わります。

滝波宏文自由民主党

○委員長(滝波宏文君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十分散会

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