厚生労働委員会 第4号
- 発言数
- 76 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2023/11/30
会議録
○委員長(比嘉奈津美君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、里見隆治君が委員を辞任され、その補欠として三浦信祐君が選任されました。 ─────────────
○委員長(比嘉奈津美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会理事長・聖マリアンナ医科大学脳神経外科学教授太組一朗君、立正大学法学部教授丸山泰弘君、特定非営利活動法人川崎ダルク支援会理事長岡崎重人君及び日本大麻生産者連絡協議会会長大森由久君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(比嘉奈津美君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(比嘉奈津美君) 大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、太組参考人、丸山参考人、岡崎参考人、大森参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後に委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際には、挙手をしていただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず太組参考人からお願いいたします。太組参考人。
○参考人(太組一朗君) ありがとうございます。一般社団法人日本臨床カンナビノイド学会の太組一朗でございます。 本日は、このような意見陳述の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。 カンナビノイドとは、大麻草に含まれる化学物質の総称であります。私どもは、カンナビノイドに関する臨床的及び基礎的研究の促進、発展に寄与するとともに、この分野の教育と普及に努め、国民の健康と福祉の向上に貢献することを目的といたします学術団体であります。 私は、現在、聖マリアンナ医科大学で脳神経外科医として外科治療等を必要とする難治てんかん患者さんと大変数多くお付き合いいただいておりまして、神奈川県におけるてんかん診療拠点病院の運営にも長く携わっております。この一方で、令和二年度には、大麻由来医薬品治験の厚生労働科学研究の研究班長として分担研究者らとともに研究報告書を作成いたしました。 本日は、大麻由来医薬品の国内開発を一貫して推進してまいりました医学界の立場から、本改正法案につきましての賛成の立場で若干の意見を申し述べさせていただきたいと思います。 私どもの最新研究成果によれば、我が国のてんかん有病率は〇・六%であります。我が国には、そういたしますと、八十万人ないし百万人のてんかん患者さんがおられることになります。大変よくお薬が効く方もおられますし、私が専門とする外科医療を御提供することで幸せな生活を取り戻しておられる患者さんも数多くおられる。しかしながら、依然として、その一方で、てんかん患者さんの三〇%程度は治療抵抗性てんかんであります。私たち医学者は何としても新しい治療法を開発したいと日々努力をいたしながらも、どうしても発作抑制を御提供できない方がおられた、そういった現状でございます。 このような薬剤治療、外科治療等を組み合わせた、標準治療と申しますが、標準治療によっても対抗できない難しいてんかんの一部において、大麻草から製造された医薬品が大変よく効く患者さんがあります。 最近の流れにおきましては、二〇一四年の症例報告に引き続きまして、ドラベ症候群、レノックス・ガストー症候群、結節性硬化症などの疾患において、複数の二重盲検下ランダム比較試験及びオープンラベル試験が発表されました。その結果、当該医薬品が米国FDAで二〇一八年に認可された、これ本当に、ちょうど五年前でございます、大変大きな衝撃でありました。 一方、当該医薬品におきましては、現在に至るまで、国内では大麻取締法により施用できない、このような状況が続いております。お薬ですので、もちろん万能なお薬など世の中には存在いたしません。しかしながら、大麻由来医薬品も例外ではありませんが、このお薬を必要とする方が国の中におられるならば、法律の壁によってお薬をお届けできないという状況を何とか是正していただきたいと、このように考えました。 二〇一九年三月には、本委員会の理事でもいらっしゃる秋野公造参議院議員に対して、大麻由来医薬品の開発要望を書面で提出いたしました。秋野議員により、二〇一九年三月、通常国会の中で質疑をいただき、厚生労働省から治験は可能である、このような御答弁をいただいたところであります。ここが大麻取締法を改正に導く重要な転換点の始まりであるというふうに考えております。 今回の法改正のきっかけは、お薬の開発に道を開いていただきたいという私どもの原初の要望を国会で丁寧に御議論いただいたところが始まりであるというふうに思います。医療を、そして医薬品を開拓せねばならないということが出発点である、このことを強調させていただきたいと思います。 あわせまして、私ども学会といたしましては、カンナビノイドの医療や健康増進を強力に推進しております。その一方で、健康被害につながる娯楽用途での使用や乱用は推進していないということを明確に申し上げておきたいと思います。医療、健康での普及とは全く相入れない考えでございます。 その後、随分議論が進んだ後に、部位規制から成分規制とし、大麻を麻薬成分に位置付けるということで、大麻取締法による規制の枠組みを麻薬及び向精神薬取締法に移すということがだんだん分かってまいりました。この進化は医薬品開発を見据えたものであり、依存症の方に必要な医療を講ずることに法的根拠を持たせるということからも、この枠組み変更についても全面的に賛成でございます。 大麻由来医薬品の治験は現在順調に進んでおります。治験終了いたしますと、法改正が整っているならば、お薬として直ちに使うことができるようになります。お薬の開発議論の中では、これまでは反対意見というのは一度も聞いたこともございませんので、恐らく皆様、御賛同くださっていると信じております。 ここで、少し違う視点でのお話をさせていただきます。 本年七月にオーストラリアのてんかん患者会から、日本てんかん学会を経由して、オーストラリアの在住の患者さんが、オーストラリアで医師から処方を受けている大麻由来医薬品、これを正規の手続により携帯訪日したいという情報が私どもの元に寄せられました。これ、厚生労働省の先生方に、皆様に大変一緒に丁寧に対応いただきまして、そして皆様と一緒に精査をしてみると、オーストラリアの処方箋医薬品である当該医薬品は我が国における法律上の大麻には該当しないというようなことが判明いたしまして、この方の携帯入国が無事実現いたしました。オーストラリアのてんかん患者会からは感謝状を寄せていただいたところであります。 この事案からも分かりますように、他国で大麻由来医薬品として処方されているものであっても、我が国では法律上の大麻に該当しないものがあります。現在、日本では、法律上の大麻に該当せず食品衛生法で規定されているカンナビノイド製品がございます。いわゆるCBD製品というものでございます。そして、このカンナビノイド製品により正しくQOLの向上を目指し、生活に役立てておられる方々が数多くおられます。 私ども研究グループでも、国内で入手なカンナビノイド製品により難治てんかん患者が上手にQOLの向上につなげ、発作なく幸せな生活を獲得された症例を英文誌に報告いたしました。これ、お手元の資料七番でございます。 たくさんの患者さんがカンナビノイド製品による優れたQOL向上を教えに来てくれました。大田原症候群でいらっしゃるあんちゃん、のんちゃん、えいちゃん、カンナビノイド製品を上手に役立てて、今や発作がない生活を送っているということを教えてくださいました。ウエスト症候群のかれんちゃん、脳梁離断という手術を受けながら発作残存しておられたところを、カンナビノイド製品を上手に使って、発作なく健康的に毎年成長している姿を見せに来てくださいます。先ほど御案内のオーストラリアから来日されたカイアちゃん、彼女は部分てんかんでいらっしゃいます。 こういった皆様は、現在治験中のお薬の対象疾患ではございません。しかしながら、私どもは、このような方々も含めて、難しい病気に悩んでおられる皆様をこれからも大切にしたいというふうに考えております。 国は、本年八月三十一日、一部のカンナビノイドを薬機法上の規制物質に指定いたしました。その一方で、先ほどのあんちゃんは、規制物質によるTHCVを微量に含んだ製品によらなければ優れた効果が出ないという、こういった状態でありました。患者さんたちからは、私ども学会にこれからどうすればいいのかと御相談をいただきました。 そこで、本年九月の二十七日、秋野議員の御案内の下に、浜地雅一厚生労働副大臣にお願いに参りました。そういたしましたところ、浜地副大臣からは、これを患者が使えなくなることがあってはならないと大変力強い御見識をいただきました。大変有り難く存じました。薬機法上の規制物質であっても正規の用途が認められるならば、国は個人使用を認め得ると御判断いただいたものであります。 この件につきましては、私ども学会においても、カンナビノイド医療適正使用判定委員会を、内部委員八名、外部委員七名の先生方に参画いただいて構成し、これからの方策を厚生労働省とともに検討している段階であります。カンナビノイドの成分別の正規用途をこれからも研究いたしてまいります。 そして、浜地副大臣の御判断から分かる国の考え方がもう一つあります。それは、QOL向上を目的としたカンナビノイド製品使用の事実を是認していることでありまして、この点を是非皆様に御承知いただきたいと思います。 私ども専門家は、全ての患者さんを俯瞰し得る立場にあります。私ども学会としましては、大麻由来医薬品を必要とする患者さん方とカンナビノイド製品をお使いになる方々の両方が、正規の用途に基づいてそれぞれを正しく使い、誰も不当な差別を受けず、自ら差別をつくり出すこともなく、安心して両者を使用できることを願い、正しい知識の普及と啓発活動をいたしてまいります。 白血病で亡くなられたゆうと君、病院でカンナビノイド製品の使用を禁止され、入院治療が継続できなかったんだそうです。いつか、カンナビノイドが僕を助けてくれることを分かってもらえる活動をしたいとおっしゃっていたんだそうです。ゆうと君のお父さんは、お怒りになることもなく、ただただ涙ながらにそのことを教えてくださいました。 ゆうと君の御遺志を踏まえて、学会ではこれからも、学術的研究成果を背景に、患者さんたちを支えているお医者さんに対する教育啓発活動をいたしてまいります。 不正な使用を行わないとの啓発も重要であります。我が国では、初等中等教育で培ってきた一次予防の普及政策を行った結果、薬物の生涯経験率を格段に低く抑えてきたこと、これは大変高く評価いたすべき世界に誇る大変重要な事実であります。日本の一次予防政策は間違っていないと思います。私どもの学会でも丁寧な議論がなされたところです。抑止を備えた一次予防を二次予防、三次予防につなぎ、我が国独自の背景を基に、一層の力を入れることが極めて大切だと思います。 薬物依存症対策というのは、何も大麻、麻薬に限ったものではございませんで、御存じのとおり、市販薬から覚醒剤までを含めた全ての薬物問題に共通する問題であります。本法改正後には、薬物依存症全体を見据えた現代的な治療、そして社会復帰プログラムへの充実に向けた包括的な御支援と未来志向の議論の場を設けていただくことを政府にお願いをしたいと思います。 私は、学会理事長として、どのような立場の議論も徹底的に行うべしとしております。大麻の不正使用に罰則を設けることに賛成できないという考えがありました。しかしながら、今回の大麻の規制が部位規制から成分規制に移行することにより、これから天然THCと合成THCを同等に規制する中において、仮に法律上の罰則規定をちゅうちょするならば、我が国では、大麻は、ひいては麻薬は不正に使っても罰せられないということになり、これは何としても回避しなければならないというふうに考えています。 今回の改正法案で大麻を麻薬に位置付けることにより、大麻には医療用途という正規の用途が認められ、麻薬の正規用途に一本化をされます。麻薬の一つとして、その乱用の抑止を期待して正規の用途以外の大麻の不正な所持、使用を禁止することは、医薬品開発の上では必須のプロセスです。何より、麻薬として明確に位置付けることで、大麻の医療目的での使用が可能になり、国民の皆様のための新しい治療法開発への道が開かれるというふうに考えております。 正しい普及啓発が必要であると申し上げたところでございますが、受け止めていただく側も、正しく御理解をいただけるようにお心掛けいただきたいというふうにお願いをしたいと存じます。立法府に身を置かれる国会議員の皆様におかれましては、資料もございますけれども、本改正法案の立法の趣旨並びに過程を正しく御理解いただきたく、専門家として強くお願いをいたすものでございます。 我が国における大麻由来医薬品開発はまさに始まったばかりであります。治験が無事終了し保険収載に至るまで、無事故で進んでくれることを願っております。 今回の法改正がなされましたら、その次の段階としては、医療の中でこのお薬を必要とする、より多くの患者さんの元に一日も早くお薬をお届けできますよう、適応拡大に次ぐ適応拡大を目指した治験開拓に全力を傾ける所存でございます。 これと同時に、大麻由来医薬品開発が整うまでの間、カンナビノイド製品を使っている皆様を御支援申し上げ、決して差別を行わないような教育啓発活動に邁進したいというふうに思います。 皆様には、大麻由来医薬品を必要とする患者さん方と、カンナビノイド製品を必要とする方々の両方を大切にお考えいただきたいと思います。我が国でカンナビノイド製品を賢く使っている方々に教えていただく、そういったことの中から、新しい日本独自の創薬、お薬を作ることに道が開かれてまいります。国産のお薬の創薬も是非やっていただきたいと思います。このお薬の持つ高い可能性が、より多くのてんかん患者さん、そしててんかん以外の疾患に適応が広がっていき、一人でも多くの方を助けてくれるようになることを願っております。 国民の皆様には、この現状を知ろうとすることを努力いただくことにより、熱い応援をいただきたいと思います。 政府におかれましては、今回の法律改正を行い、お薬を必要とする患者さんに一日も早く届けていただきたいと思います。そして、しっかりと、そして慎重かつ丁寧に運用いただきたいと思います。 私の意見陳述は以上です。ありがとうございました。
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。 次に、丸山参考人にお願いいたします。丸山参考人。
○参考人(丸山泰弘君) 丸山泰弘と申します。立正大学法学部で刑事政策と犯罪学を専攻しております。 本日は、意見を述べる機会を与えていただきまして、ありがとうございます。 正直に本音を申しますと、ここで意見を述べることについては最後まで悩んでおりました。大麻使用罪の新設にはふだんから疑問を持っていますが、最近の大麻に関する事件や大麻に似せた成分に関する事件報道を見るに、多くの市民も厳罰化を望んでいるのであろうと想像するからです。 確かに、よく分からない物質に対して不安を抱き、それを犯罪化することでコントロールをしなければならないのではないか、そして刑罰でコントロールできるのではないかと考えることは、これまでの薬物教育から考えるに不思議なことではないように思います。 しかし、事、薬物の末端使用者に対して、必ずしも刑罰による対応は効果を出しておりません。二〇二三年十一月二十五日に、世界的トップジャーナルの一つであるザ・ランセットにおいても、多くの国が、犯罪化は健康に悪影響を及ぼし、確立された公衆衛生のエビデンスに反しているが、各国の薬物政策は依然として刑事罰に頼ろうとしていると指摘しています。 そして、今日の議論のように、薬物として一まとめにして危険なものとすること自体に問題があります。なぜなら、一言で薬物と言っても、自然由来で二千年以上にわたって使用されてきたものもあれば、人工的にケミカルに作り出されたものもあるからです。ましてや、化学式を少し変えるだけで、人が服用することを前提としないものまで薬物として一緒のもののように考えてしまうことになるからです。 例えるならば、ある刑事司法に関わる少年がいたとして、補導された段階や家庭裁判所に送致された段階、少年鑑別所に送致された段階、保護観察処分になった段階、少年院に送致された段階、少年刑務所に送致された段階と、いずれの段階でいろんな問題の深さは違うんですが、一くくりに犯罪少年と言っているようなもので、そうすることで、注意してこれを見ていかないと、無駄な差別につながっていくかもしれません、助長するかもしれないというような疑問を持っています。 次に、大麻を取り巻く政策の話に戻ります。 大麻に関して検索をしていただければ、国際的に大麻の取扱いが非犯罪化や非刑罰化に向かっていることが容易に分かることでしょう。それらの政策を取る国は、思い付きや行き詰まった結果、政策を選んだのではなくて、科学的根拠に基づき、より問題使用を減らすにはどうしたらいいかを考えた結果であることが分かります。 冒頭でも触れたとおり、私は刑事政策、犯罪学を専攻しており、特に、薬物の末端使用者に対する薬物政策の在り方を研究してもう二十年以上になります。刑事罰を土台にした薬物政策の在り方、刑事罰に依存しない薬物政策の在り方について研究をしてまいりました。 特に、アメリカの薬物犯罪専門の裁判所であるドラッグコートというのがありますが、こちらの研究を進め、毎年世界中から七千人の規模で研究者や実務家が集まって議論を行っている全米ドラッグコート専門家会議というものにも定期的に出席している数少ない日本人の一人です。さらに、留学中には、約二年間にわたってこのドラッグコートの内部から研究を行いました。 一方で、刑事罰に依存しない薬物政策の在り方を検討する国際団体の学術大会にも数多く出席しております。これらの調査や研究から得られた知見は、国内学会やアメリカ犯罪学会、ヨーロッパ犯罪学会など国際学会でも報告する機会をいただいており、一定の認知を得ております。 こういった知見や国際的な薬物政策の観点から、この度の大麻施用罪、いわゆる大麻使用罪の新設がどのような問題を含んでいるかについて意見を述べさせていただきたいと考えています。どうぞよろしくお願いします。 では、論点に入る前に、本法案のどこに反対でどこに賛成なのかについて最初に整理をしておきたいと思います。 まず、本法案の主軸が、医療的ニーズへの対応とその研究を進めるため改正がなされることに対しては賛成の立場です。それらの医療的ニーズに応えることと、大麻使用罪という個人使用に対して新たな罰則の規定を設ける問題とは全く別のものであると考えています。それを一緒に議論することで混乱を招く可能性が高いということを危惧しています。なぜなら、本法案に反対することが、この医療的ニーズの発展にも反対しているかのような印象を与えるからです。そうではありません。 本法案は、いわゆるTHCについて麻薬として認定し、その嗜好的な個人使用の罰則については従来の大麻取締法で規制されていた単純所持などの上限よりも重く、五年以下から七年に変更になるものであって、刑罰を厳罰化するものを含んでいます。こういった刑罰の在り方やその運用については、厚生労働委員会で医療的な展開を検討する法案と抱き合わせで行うのではなく、法務委員会でしっかりとした議論と国際的な基準で確立されている科学的根拠に基づいた検討を行っていただきたいと考えています。これらの問題とは分断して検討されることを望みます。 次に、多くの場面で見聞きするコメントから、前提として共有しておきたいことがもう一つあります。「ダメ。ゼッタイ。」のような、初期使用を防ぐことを集中した、威嚇をすることで抑えてきた教育からもたらされた議論というのは、薬物使用者イコール犯罪者、若しくは薬物使用者イコール依存症で困った病人であるとして語られることが多いという点です。しかし、国連は二〇一六年のドラッグレポートにおいて、薬物使用者の約八九%は問題使用にさえ至っておらず、残りの一一%についても、医療的なケアが必要な人はそのうちで六人に一人ほどであるという報告をしています。 そういった現実がある中で、問題使用者に至ってない人が多数であるにもかかわらず、それらの人をも巻き込んだ対応が強制的な介入なのか、仮に介入が必要だとしても、それが刑事罰によらなければならないのかといったことが世界中で議論がなされています。むしろ、国際的に人権問題と指摘されているのは、薬物が生活に支障を来して生活がままならなくなったのではなくて、刑事司法が介入することでその人の生活を奪っているのではないかということが指摘されているからです。 また、先ほど紹介した著名な医学雑誌ザ・ランセットに二〇一〇年に掲載されたデイビッド・ナットの論文では、他人の害悪と自分の害悪について危険度を調べたところ、最も危険な薬物はアルコールであると結論付けています。その研究によれば、大麻の危険度は他の薬物と比較したランキングで八位であって、日本でも自由に使用できるたばこの六位よりも危険度は低いとされています。この研究から得られる示唆としては、違法か合法かの分かれ目は必ずしも薬物の危険度が高いか低いかで分けられているのではないということです。 では、大麻は危険なものではないという単純な結論でいいのでしょうか。厚生労働省などが示すように、大麻も過剰に摂取すると体に様々な影響を与えることはあると思います。それならば、確かに問題使用が増えることを防ぐ方がいいかもしれません。しかし、本研究で大事な点としては、同じ基準で他の薬物も同時に検証することが大事だということです。大麻が危険であるというような調査をアルコールやたばこで一緒の基準で行えば、もっと大変な数字として表れてくるかもしれないからです。 薬物に限らず、過剰に摂取すれば体に良くないものは多いです、世の中に。例えば、しょうゆや水であっても過剰摂取すれば体に支障を来します。それらを制限し、うまく付き合って生活していくのに、刑事罰が果たして必要でしょうか。 また、よく語られることとして、非犯罪化や非刑罰化を訴える国は、薬物使用者の対応ができなくなったからでも、諦めたわけでもありません。むしろ、科学的根拠によれば、より問題使用を減らすことができるのは、刑事罰ではなく教育と福祉と社会保障であるとしているんです。 日本のように厳罰化を目指す国も、刑事罰以外の方法を取る国も、目指すべきゴールは問題使用で苦しむ人を減らすということで一致しています。つまり、ここにいる、この会場にいる使用罪新設に賛成の皆さんも、使用罪新設に反対の皆さんも、薬物の問題使用を減らしたいという考えは一緒なんです。 では、問題使用で苦しむ人を減らすにはどうしたらいいのでしょうか。国連を始め国際的な研究団体や非犯罪化にかじを切る国々は、その答えが刑事罰ではないという方法を選択したということです。むしろ、徹底した取締りと厳罰で対応しようとした薬物戦争ですね、いわゆるウォー・オン・ドラッグスは失敗であったということが多く報告されています。依存症者が増え、刑事司法に巻き込まれることこそ生活を失うことになっていき、孤立を深めるからです。 以上、持ち時間の半分以上を使ってしまいましたが、本法案の大麻使用罪の諸問題について意見を述べる前提として皆さんと共有していただければ幸いです。 それでは、本法案の大麻使用罪新設に対して懸念することについて、時間の都合上、二点だけ述べさせてください。 まず、立法事実がどこまであるのかが不明瞭であるということです。 世界の薬物政策の流れに反する形で今から大麻の使用罪を新設しようとするからには、裏付けられた立法事実が必要ではないでしょうか。若年者の検挙人員が増加しているのではないかということがよく議論されていますが、それについては、私の、お手元の資料にある拙稿で検討しているとおり、若年者を集中的に検挙しているのではないかという可能性が高いことや、薬物事犯者全体で見れば検挙人員は横ばいであり、より深刻な事件へとつながっているということは出ていません。むしろ、薬物政策として注目すべきは、検挙人員ではなく、その周辺の数字であろうと思います。 よく語られることとして、日本は諸外国に比べて生涯使用率が低く、薬物問題で困っている国をまねる必要はないというようなものがあります。果たして本当にそうでしょうか。私はその意見には懐疑的です。 まず、日本の生涯使用率の数字の出し方は、基本的に調査員による対面の聞き取り調査が主流になっています。諸外国では、一定の範囲の下水調査を行って、一定の範囲でどの程度の薬物が溶け込んでいるかということから推定値を出します。一方、聞き取り調査で行ったアンケートで、厳罰化がこのように求められる日本において一体どれだけの人が正確に使ったということを答えるでしょうか。 さらに、皆さんがよく御存じのとおり、日本の自殺者数は世界でもトップクラスにあり、精神病院の病床数も断トツで世界一位です。つまり、日本では、潜在的に生きづらさを抱え、薬物のニーズの高い人が多いことが容易に想像できます。現に、オーバードーズで搬送される人が多く、市販薬や処方箋の問題も注目されています。本当に日本は薬物の問題を抱えていないのでしょうか。 また、安易な使用は駄目だという意識付けのために、まず違法にして、その後医療につなげるのが大事だという意見もあります。再使用を罰則として利用せず回復支援につなげるというような、例えばドラッグコートの運用のようなものが日本でも許されるならば、その可能性はあるかもしれません。しかし、日本の刑事司法はそのような運用が実務的に現実に行われるでしょうか。 二〇二三年十一月十日に、すぐそこにある参議院会館で開催されたイベントがありました。人質司法に関するイベントです。全国から多くの人質司法サバイバーが集結されて、刑事司法に巻き込まれたことによる不利益が語られていました。その後に医療につなぐといっても、多くの大事な時間と物が私生活から奪われて、刑事司法が介入することで生きづらさを深めていく現状がありました。ましてや、昨今の過熱する報道からデジタルタトゥーが残されて、社会復帰が困難になる一方ではないでしょうか。 さらに、国連やランセットは、薬物の犯罪化は健康問題を悪化させ、依存症問題を深刻化させることを訴えています。つまり、問題使用を減らすために医療につなげたいという思いと事実が異なっているということです。 何度も繰り返しますが、ここにいる全員が薬物の問題使用を減らしたいという思いなのは一緒なのだから、科学的根拠によってより問題使用を減らすとされている方法を取るべきではないでしょうか。 もう一つの法案の懸念についてです。 本法案では、大麻取締法の中に使用罪を新設するのではなく、麻薬及び向精神薬取締法の麻薬というもののカテゴリーにTHCを含め、規制するというものです。医療的ニーズに応えるために、医療用麻薬としてここに含むことで医療目的として活用しやすく、嗜好的な使用についても罰則が付けられるという点からこちらに入れざるを得なかった、その方がメリットがあったというふうに説明をされます。これは一理あるかと思いました。 この麻薬という他の薬物と同じカテゴリーに入れてしまうことで、刑事司法実務で起きるであろう問題を心配しています。よく分からないものを薬物といったものでくくったり、麻薬と一くくりにすることになるからです。ほとんどの場合、多くの人が、何が覚醒剤で何がフェンタニルであるのか、それぞれにどのような薬理効果と問題があるのかを分けて理解する人は少ないと想像します。私自身も薬学や医学を専攻している者ではありませんので、それを詳しく説明し切ることはできません。 これが裁判になったときはどうなるでしょうか。法案によれば、THCは麻向法に言うオピオイドやフェンタニルなどと同じ麻薬というカテゴリーに入っていくことになります。大麻の弊害は少ないということを理解しないまま他のハードドラッグと同じ麻薬に入っていくので、裁判では重罰化されることが起きるのではないでしょうか。少なくとも、法曹三者がこれに詳しいとは思えません。現に、裁判ではどの薬物がどのように危険なのかを立証せずに、薬物が危険というのは周知の事実であるという一言で済ませていることが多いように思います。 最後に一言だけ。薬物問題は、目の前の違法薬物の使用が止まることだけがゴールではないです。使用が止まってもすぐに自殺してしまう人もいるからです。そのため、薬物政策を考える際には広く学際的に考える必要があります。仮に非犯罪化後に大麻使用が一時的に増えたように見える国も、市販薬や処方箋のオーバードーズが減っていたり、緊急搬送される人が減っていたり、薬物関連で亡くなるということが減っているということを見ることが大事です。 是非、厳罰化をして失敗をした諸外国と同じ道を歩むのではなく、医療や社会保障、公衆衛生、教育、いろんな問題として捉えていただければ幸いです。 以上です。御清聴ありがとうございました。
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。 次に、岡崎参考人にお願いいたします。岡崎参考人。
○参考人(岡崎重人君) 特定非営利川崎ダルク支援会理事長をしています岡崎重人と申します。 本日は、このような場所にお招きいただき、依存症の当事者として私はこの場に座らせていただいて、御意見を述べさせていただきたいと思っております。 皆さんも御存じかもしれませんが、薬物依存症という、依存症という病気ですね、それを私たちは当事者が当事者を支援するという形で、一九八五年、東京都荒川区東日暮里で、今は亡き近藤恒夫さんとロイ・アッセンハイマーさんが当事者活動を始めました。そこから二十年ぐらい経過したときに、私は二〇〇四年にダルクに初めて相談をする機会を得ました。 相談した経緯は、家族が私の薬物使用についてどうすることもできない、私自身もやめる気は全然なかったんです。大麻を使用していましたし、ほかの薬物も使用していましたが、自分自身がやめようという気もなく、ただ、自分自身、私自身の薬物使用を周りから見ている家族は、その使用状態に困っているのを見てダルクへの相談を初めてしました。それが今から約二十年ぐらい前のことになります。 本日ここでお話をするという話をいただいてからいろいろなことを考えて、すごく緊張もしたんですけれども、もう昨日も全然眠れなかったんです、それで。ああ、こんなときに大麻あったらいいなと思ったのは本当に事実なんです。自分が使用者だったからというのもあるかもしれませんが、お酒を飲んでゆっくり寝れるかなと皆さんが思うかも、アルコールを飲まれる方は思うかもしれませんが、それと同様に、まあ何かリラックスできたらなと、ふとよぎりました。 ただ、自分自身は二十年前にダルクにつながって、薬物をやめようという選択を今もし続けています。それは人から強制されてしたことではなく、ダルクやその自助グループの人たちに、一緒になって依存症から立ち直っていく、回復していこうというふうに目指している人たちが私の周りにいてくれて、その人たちと一緒にやめていきたいというふうに思えたからだと思います。 自助グループの中では、新しい生き方を培っていこうというふうに言われるんですね。その新しい生き方を自分自身もやっていきたいと思ったから、今もやめ続けていきたい、今日一日薬がない生活で、今というこの瞬間に向き合っていきたいという思いを持てているからだと思います。 薬物の問題というのは本当に様々で、依存症支援として私たちがやっている福祉だけで成り立つようなものではなく、司法や医療や、そして福祉又はもっと様々な分野が必要になって、その回復の支援だったり、又は、全員がこれも薬物を使ったから依存症になるというわけではなく、ほかの物質も全く同じです。アルコールだったりコーヒーだったり、何にせよ、その物質だったり行為が生活に支障を来してしまったり、又はほかに害を及ぼしてしまうことが起こり得る、リスクがあるということですね。 なので、たとえ薬物を使ったからといって全員が依存症になる、そういう危険性が全てのものにあるというわけではないんですね。ただ、リスクは、可能性が上がっていくというものがあります。 ダルクでの仕事をさせてもらってから、刑務所教育だったり、学校教育の場所に立たせていただくことも回数を重ねてやってまいりました。その中で、刑務所や保護観察所に通われている方たち、薬物事犯で逮捕された方たちが、教育の中で、刑務官の方や保護観察官の方の前でお話をするときに、やめますとか、やめていきたい、出たらやめていきたいというふうにそれは言いますよね。そこの場所でやはりいろいろな圧力が掛かっていたり、そこでの生活みたいなのも、刑務所での生活なんかもあったりするというところがあって、自分自身に正直にそこの場所でなかなか話をすることができない環境というのも、実際に今の現状で依存症の支援の中でも起こっていることだと思います。 薬物依存から回復していくために大切なことというのが、自分自身が正直であること、そしてオープンマインドであること、固定観念を捨てていろいろな意見を聞いていくこと、そしてその御本人のやる気であるというふうに言われています。 司法の中だけでは、やはり自分自身が本当はまだ使いたいと思っていてもそのことをやはり発言することも許されなかったり、やめたいと思っていてもそれがうまく伝えられなかったりというようなことが起きるような現状もあります。なので、御本人が、依存症者だったり使用者の方がやはりやめたいと願ってやめていくということが選択できる、自発的にそういったものを選べるような仕組みというのが、理想かもしれないですけれども、あったら、それは、国民というか、個人個人を尊重し合いながらお互いのことを配慮している社会になるのかなというふうにも私個人は思っております。 教育の中では、薬物再乱用防止というものがあり、学校教育の中でもお話をさせていただいたり、「ダメ。ゼッタイ。」というような形で、確かに生涯経験率は低いかもしれませんけれども、依存症や薬物事犯で逮捕された方たちに対する物の見方というのは、やはりすごく厳しいものがあるのが現状だというふうに私は理解しています。 今の経験率をそのまま維持していくためにこの運動が必要であるならば、ほかにも、薬物依存というものだけでなく、様々な行為の依存だったりネット依存だったり、そういったものも含めた依存、何かに頼るというものが必要ない子供たちというものが、そういったものを地域の中でも選択をして、選んで生きていけるような、薬物依存症、依存症の教育というのが必要にもなってくるのかなというふうに私は思っています。 今までは、依存症の人がいるのが、刑務所だったりとか精神病院の中にそういう方たちがいて、そこでしか薬物をやめることができないというふうに多くの人が考えてもきたかもしれませんけれども、社会の中で様々な支援がある、そして困ったときに相談に行ける場所がある、それを犯罪というもので一くくりにしてしまうと、周りにいる御家族の方や配偶者の方がやはり相談窓口にたどり着くのにはかなりの時間が掛かってくるのが現状です。 何度も逮捕されて、孤立をして、そしてもう行く場所がないから依存症支援にたどり着いたという方もダルクの中では少なくはありません。もっと前の段階で情報提供ができたり、使用についての、どんな使用の仕方が悪いとか、うまく使わないでも誰かを頼ることができるんじゃないかということを、いろいろな場所で教育だったり支援をしていくことでもっと模索できるんではないかというふうに思っています。 これからの薬物問題に関して、大麻もそうですけれども、ほかの薬物に対しても、やはり当事者であったり家族だったり、ほか現場で支援を行っている専門家の人たちの声をもっと聞いていただきたいなというふうに思います。私自身は、今回資料も出していないし、口頭でこのような形で依存症の当事者の話になってしまっているんですけれども、皆さんが現場でそれぞれ支援している中で抱えている苦労だったり、そういったものを、国の依存症の対策だったり、そういったものにもっと役立てていただければ幸いだというふうに思っています。 近年は、薬物問題として市販薬だったり処方薬だったり、そういうので困ってダルクなんかに相談に来る人もすごく増えています。若者の市販薬や処方薬のこともニュースになったりしていますけど、御家族の方は、こんなに大変なことになるとは思っていなかったと。普通に売られている薬だし、医者が処方している薬だし、それが自分の息子だったり娘さんを、こんな大変なことになるんだったら、もっと早く何か自分で手だてがあったんじゃないかというふうに家族の方は自分を責めるんですね。でも、やめていくということを選んでいくのは依存症者だったら本人だし、そこにすごくつらさを相談を受けていても感じます。 ですので、是非、薬物の、ほかの依存症に対しては、ギャンブルだったりアルコールだったり、基本法だったりというものがありますけれども、薬物依存というのはどうしても刑罰というものがあるからなのか、薬物依存症に対しての議論というものをする機会というのが、今までもそれぞれの司法的な部分だったりというところではあったとは思うんですけれども、もっとメンタルヘルス、精神的な衛生としてそういった部分を話し合う、そして議論をする、対話をしていくという機会をこれからも進めて、開いていっていただければというふうに感じております。 僣越ですが、御清聴ありがとうございました。
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。 次に、大森参考人にお願いいたします。大森参考人。
○参考人(大森由久君) 私は、栃木県鹿沼市で江戸時代からずっと麻を栽培している家に生まれまして、私が七代目で、せがれで八代目ということで、これからも何十年かはうちは麻栽培が続いていくわけですが、本日は、資料を使わせて、その説明をしながら短時間のうちに終わらしたいと思いますので、この資料を見ていただければ有り難いと思います。 まず、最初の、麻の文化を守り育てるというところを見ていただければ分かるんですが、この麻栽培の中で最も重要なのは、この時期、大変きれいに伸びて、これが大体三メートルぐらいの高さに伸びています。その三メートルの高さに伸びてくると、いよいよ、大体梅雨が明けて、麻の刈取り、収穫が始まります。このときには、小さいものとか、虫に、折れたものとか、そういうものはきれいに抜いてありますので、麻が最も美しい姿を現す時期でもあります。 じゃ、次のページを開いてください。 麻は、桜の花が咲く時期、それが種をまく時期でございます。ですから、大体、栃木の場合は三月下旬から四月の初めに種まきをし、一週間から十日で発芽をします。発芽をして、大体五月初旬になると十センチぐらいまでになりまして、次に、五月の中旬になると、あっという間に一メーター二十ぐらいまで育ちます。だんだんだんだん温度も上がって湿度が高くなってきますと、五月中旬からは一日に六センチぐらいずつ伸びまして、あっという間に六月初旬までには二メーター近くの高さにまでなります。 そうしたものを今度は、何ですかね、間引きをして風通しを良くし、七月上旬、黄色くなった麻が写っていると思うんですが、この時期になると、いよいよもって麻が熟したということで、刈取りの時期になりますね。七月上旬、梅雨明けと同時に刈取りが始まります。七月中旬、これは麻切り作業をしている。 古くからこんなふうにして麻切り作業をし、次は、この切った麻を百九十五センチに、湯かけ束という大きさにして、熱いぐらぐら煮た釜の中で煮ます。最近は、昔は本当に畑の中へ干したんですけれども、今はハウスの中に干して、四日ぐらい干すと、干し上がって真っ白い茎が取れます。これは、九月前ですね、八月の終わりから九月になったら、今度は床伏せといって発酵作業に入るんですよね。それで、これ、せがれがおぶねというところで水につけて、発酵し、そして今度はおはぎ、麻剥ぎと言っているんですけど、この作業で、この茎の部分と表皮の部分を分けます。(資料提示) ここで簡単に説明しちゃうと、表皮の部分というのは、その次の麻引き作業というのがあるんですが、それで表皮かすを抜くと、こんなきれいな麻になります。これは神事用とか伝統文化、生活文化で、鼓だ、それから、たこの綱だ、糸だ、太鼓の革張りだ、弓弦だ、そういう伝統文化、それから生活文化のために使われるとして、全国に発送をしています。 表皮で出たどろどろしたものは、乾かすと、こういうおあかという、あかですね、そのものを水洗いすると、こういう表皮繊維が取れます。これはスライバーにして糸を作ります。そうすると、布に変わっていきます。その布は大変着心地のいい麻布になりますので、これからは多分そういう方向でたくさんの方々がここに挑戦してくれるような法改正になればいいなと思っています。 おがらの部分は、一つには、日本の花火は世界一きれいと言われているんですけど、それはこの麻炭が作れるからです。麻の炭によって、尺玉だったらば、三百メートル上がって、三百メートル開いて、ぱっと消えるというね。世界一きれいな花火というのはやっぱりこの麻炭を使うことが不可欠なんですね。ですから、私のうちは麻を作るのをやめるわけにいかないんで、ほぼほぼ出荷していますんでね。 それで、もう一つは、これを、小さなチップの状態におがらをします。そうすると、これヘンプクリートっていいます。ヘンプクリートっていうとおかしいかもしれない。麻で作った、これをチップにしたものと、それと消石灰ですね、それを混ぜて水を加えると、型に入れるとこういうものができます。 これは、たまたまサンプルとして、これは大きな平面でもできますし、壁材にもなりますし、吸湿性が良く、それから温度を保つような暖房効果もあったりして、今、最近にわかに注目されている麻の、何ですか、素材として、麻由来の素材として注目をされています。これの最も優れたところというのは、環境に優しい、最後は土に戻るという、化学物質を一切含んでいませんので、そういうことでも大変注目をされている素材として、今皆さんにお見せをいたしました。 そういうことで、大変恐縮ですが、この麻は捨てるところがないんですね。 今一番問題になっているのは、私、昭和二十三年十二月生まれなんですよ。ですから、私の年を数えると大麻取締法が施行された年になるという。この前、認知症検査も受けてきましたんで、今七十五歳になります。ですから、まだまだ生きている限りは生涯現役で頑張りたいというのが私の思いですから、あした死んじゃうかも分からないんですけれども、生きている限りは頑張りたい。 やっぱり、それも麻がなせる業ですよね。毎朝毎晩、麻を世話させていただくことによって、やっぱり麻の伸びる姿を、ぐんぐん伸びていく姿を見ていると、自分も何か元気をもらえるというんですかね。そんなことで、麻というのはお世話をしないと駄目な作物です、それは自然の中で育っていますから。 そういうことで、麻は、日本の伝統文化、生活文化の中ではなくてはならないものです。それに最近は産業用として、こういうものを、例えば実を取る、それから油を絞る、それは、何というんですかね、化粧品にもなるし食物にもなるし、そういう利用の仕方をすると、衣食住全てにわたって、麻は日本の、何というんですかね、栽培をもってすると、最も適している国だということですね。 ですから、そこをうまく皆さんに御理解をいただいて、今、だんだんだんだん、私のうちは全然厳しい取締りも知らないでずっと来たんですが、最近は、写真を撮らせちゃいけないとか、やっぱり作っている場所を見せちゃいけないとか、いろいろなことになっていますけれども、これ、栃木県で作っている「とちぎしろ」はほぼTHCの成分はゼロなんですよ。 そういった産業用として認めてもらうような方向性で、全国共通も、今はばらばらです。知事が承認、何というんですかね、免許を許可する立場ですから各県ばらばらですが、そういうところは統一してもらって、やっぱりきちっとした審査をして許可を出してもらえればいいかなと。 その許可は、やっぱり、一つ、雑誌の中で、大変私は、それじゃ、俺らはばかなのかなと思うような、肥料は要らない、連作障害はない、病害虫は発生しないというのを堂々と本の中に書いて、それで十アールで幾らになりますって書いちゃうんですね。ところが、そうじゃないんです。まくときも神経使うし、育っていくときも神経使うし、切る時期もきちっと見極めなきゃいけないし、全てその範囲の中で、技術に対するやっぱり信頼というんですかね、自分はここでやっていこうという、そういう技術をしっかり持っている者。そして、それは、じゃ、いつ切ったらいいかなというのは自然界見ながら決めていくことで、やっぱり黄色く熟成した九十日以上たったものを切るということで、ここにまた見極めが必要で、決して、ばかでもチョンでも、こういう言い方しちゃいけないのかな、そういうものじゃないんだよという話をよくするんですけど。 やっぱり大事なのは、豊かなやっぱり知識力、豊かな経験、それに裏打ちされた対応能力ですね。この三つがそろわなければできないですから、そういうことをよく勘案し、今は研修制度というのが全くできなくなっていますので、意欲のある人は三年ぐらい研修しないと全くできるようにはなりませんので、まいたから育って、まいたから切って、まいたから製品になるということではないんでね。そういうものをきっちり守っていただくことによって、何というんですかね、SDGs、舌かみ切りそうですが、そういう、今大変世界で注目されていますけど、そういう分野でも大変この精麻は必要とされているものだということを私は痛感させられたことがあります。 これ、日本の麻じゃないんですけど、これプラスチックです、麻由来のプラスチック。これは外国の麻で、ある大学の教授が作ったものです。私のところへ来て、日本でも是非これをやるべきだと。非常に耐久性の高い、車でいえば外装もできるような品物ができるそうです。将来できるであろうと言われています。その場合、軽量化が約束事のようになっているEV車なんかには最適のやっぱり素材がこれかなというふうに言われていますので。 是非とも皆さんにお願いしたいのは、取りあえずいろいろなことを言う人がたくさんいます。確かに、私も、大麻を使う人たちが捕まって、テレビで、新聞で報道されるとやっぱり白い目で見て、ある教育委員会から私のところに電話掛かってきて、あなたは大麻を作っていて恥ずかしくないんですかという非常に厳しいお言葉をいただいて、いや、私ら江戸時代から作って、俺七代目なんだけどという、そういう話をしてもなかなか分かってもらえない。 やっぱり報道も、やっぱり有効性のある、人間にとって有益、そういうものであるんだということも是非とも報道してもらうような、そういう一面もきちっと報道してもらうことが大事かなと私は思っていますので、是非ともそういうことも踏まえて、委員長始め委員の皆さんには、是非とも産業用大麻の、現行法でも可能だと思うんですけれども、未来が開けていただければいいと思っています。 そして、意欲のある人たちには、きちんと法令を遵守して、マリファナとかそういうものには本当に私らもひどい目に遭っているので、正直な話は、いい気持ちで語るのも嫌なくらいなんですよ。だから、そういうものも含めて、法律改正のときに是非とも産業用大麻の項も一項いただけたらば、全国の麻を栽培して何とか日本国のため、国民のための役に立ちたいという人たちもたくさんおりますので、そういう方向性をお願いして、私の話は、拙いですけど、これで終了させていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(比嘉奈津美君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○藤井一博君 自由民主党の藤井一博です。 四人の参考人の先生方、本日は、大変貴重なお話をいただき、ありがとうございました。 幾つか質問をさせていただきます。まず、太組先生に対して御質問させていただきます。 初めに、まさに難治性てんかんの患者さんを始めとして、何とかして治療の手を届けたいという思いで、秋野公造議員と太組先生が本当に関係者の皆様と大変な険しい道のりを歩いてこられて、またこれまでの御尽力に対して心から敬意を表させていただきます。 大麻由来医薬品というものがこれから臨床の現場で使われるようになった場合を想定しての質問なんですけれども、非常に医薬品の適正使用というものが大切になってくると思います。 やはり使用経験のある医師がいないという中で、しっかりとした、その必要とされる患者様、疾患に対して使用されて、またさらに、その適応を超えて使用されることによって、例えば本来受けるべき治療が受けれないといったようなことが起きないような、この医薬品の適正使用ということに関して、今現場が対応できるのか、またそういう仕組みがあるのか、これから考えられるそういったところも含めて現状をお聞かせいただければと思います。
○参考人(太組一朗君) ありがとうございます。太組でございます。 御質問ありがとうございました。 まず、適正使用ということに関しては、これは医薬品でございますので、適応症が厳粛に決められております。ですから、その決められた適応症においてのみ使用するということがまず絶対に必要であるというふうに思います。 これはどのお薬でもそうなんですけれども、その治験をする場合には、どの疾患に対してこの薬を開発するか、そして治験を行いということになっておりますので、私どもとしましては、ほかの疾患に使いたい、ほかのてんかんに使いたいとなるならば、これは治験を新たに組み直す、そして適応を広げる、こういったことを一つ一つ積み重ねていく、これがやはりその王道でありますし、それを守っていくのが必要であると思います。 それから、使用するお医者さんにつきましては、これは麻向法に移りますと麻薬免許での運用ということを考えておりますが、私がそういうふうに受け止めております。ですので、大麻由来医薬品を使うには麻薬免許取得ということですが、これまで麻薬免許を使ってきた医師は、疼痛それから麻酔、こういったものに限って麻薬免許を使用してきましたので、今までの知識だけでは駄目ということであります。 現在はてんかんという疾患が想定される大麻由来医薬品の適応疾患ですけれども、これ私、意見で申し上げましたけれども、恐らくほかの疾患にも将来広がってくる、そうすると、一つの医薬品でいろいろな領域のことを、お医者さん、これを使う先生方には知っていただかなきゃいけない、そういったことを考えますと、やはりこれを使う先生たちにも正しく知っていただくための教育が必要であると、このように考えております。
○藤井一博君 ありがとうございました。 続いて、丸山先生に御質問させていただきます。 私、医師でして、やはりそういった薬物の使用に対する健康面というものに非常に思いがありまして、この度、使用罪、丸山先生から薬物の使用の厳罰化というものに対する一側面としてお話をいただいたものと思っております。 諸外国の例ということで、米国ですけれども、嗜好目的の大麻使用が合法化された州での二〇一二年から最近に至るまでのデータというものが出ておりますけれども、例えば健康面の被害でいいますと、二〇一二年と比較して、ある州です、コロラド州ですけれども、二〇一八年では大麻摂取による救急搬送が二・五倍に増えたというデータも、明確なデータもありますし、また、同時期で、零歳から八歳児の大麻誤摂取による救急搬送が五・五倍に増えたというデータもありました。また、さらにですけれども、これはコロラド州のみに限らず三州で取られたものですけれども、二〇一二年から二〇一九年までに交通事故死亡者の中での大麻成分陽性者が一・五倍に増えたというようなデータもありました。 日本による生涯使用率がまだ一・四%という現状で、諸外国、欧米は二〇から四〇%という数値の乖離がある中で、今、大麻検挙率が非常に上がっていく中で、こういった使用罪というものを創設しないといったときの、私はそういったこれから広がる健康面であったり交通事故の増加というものに非常に懸念があるんですけれども、丸山先生はその点についてはどのように思われるでしょうか。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 僕もそちらに座っていると同じように疑問を持って、本当にこういう刑罰に頼らないで大丈夫かというような疑念、恐らく多くの先生も持っていらっしゃるでしょうけれども、僕もそういうふうに一時期は思っていた、研究前はそういうふうに思っていることがありましたが、今おっしゃっていただいたように、事故が増えるとか事件が増えるというようなものというのは、確かに一部の州で、変更期、その変動期に関してはそういう一部見られるときもありますし、全く真逆で、全然それは増えていないというようなデータもいっぱい出ています。 そもそも検討委員会とかあり方検討会とかいろんなところで出ているデータは一部であって、もっと幅広く世界中の研究見ていただけますと、もう全くその前後で事故は増えていないというようなものもたくさん出ていますし、もっと言うと、それよりもむしろほかの要因ですね。その時期に例えば事故が増えた減ったというのは本当に大麻だけの問題なのかということも同時に検討しないといけなくて、例えばその時期の、どこだ、テキサス州だったかと思うんですけれども、別にここ、厳罰化のままなんですけど交通事故は増えていたりとか。 ということは、その時期と、例えばコロナがどうだったとか、その時期の社会環境がどうだったかとか同時に考えないといけなくて、その薬だけに光を当てて、この時期だからこうなったというのは少しちょっと懐疑的というか、疑問を持っているということが一つですね。 もう一つは、いただいた質問としては、済みません、これでお答えになっていますか。いいですか。済みません。 ありがとうございます。
○藤井一博君 ありがとうございました。 続きまして、岡崎理事長に御質問させていただきたいと思います。 理事長からは、本当に御経験を踏まえて、また、今依存症で苦しまれている方に対しての本当に御支援をされていることに対してのお話しいただき、本当に心から敬意を表させていただきます。 大麻に絞って、依存する薬物たくさんありますけれども、大麻に絞って御質問させていただきたいんですけれども、やはり私が懸念しているのは、この日本と諸外国においての生涯使用率の差であります。今、日本は、やはり先ほど述べさせていただきましたように一・四%と大変低い生涯使用率の中で、今大麻で検挙される方が非常に増えている現状の中で、使用罪がないということが、そこがなかなか、そういった方が増えてしまう要因の一つになっているとは思うんですけれども。 例えば、今こういう状況で使用罪を創設しないとなった場合に、そういった依存症、この大麻に限って、苦しまれる方の数が増えてしまうんではないかという懸念があるんですけれども、ふだんそういった方々を支援されている理事長のお考えとしてどのようなことがあるのか、お聞かせいただけたらと思います。
○参考人(岡崎重人君) 御質問ありがとうございます。 そうですね、使用罪ができるできないに限らず、その大麻を使用している方で依存症になる方というのはかなり少ないのかなというのが私自身が思っているところです。ダルクやほかの依存症のそういう支援の場においても、大麻の単独使用において依存症となって治療をされるという方はかなり少ないのが現状ですね。それ以上に、ほかの薬物というか物質の方がやはり実際に多いので、その使用罪ができることによっての依存が増えるかどうかというところに関しては、そのような感覚を私自身は持っています。 ただ、使用罪がないことイコール使ってもいいというわけではないじゃないですか。もちろん、もう所持罪があり譲受け罪というものがあるという中で、そこが、どのような部分で使用罪を制定することが必要なのかというのが、もっと幅広い意見や対話というのが必要なのかなというのは個人的には思っております。 以上です。
○藤井一博君 ありがとうございました。 最後に、大森会長に一つお伺いしたいと思います。 本当に長年にわたりまして、この麻の栽培、日本の伝統文化、生活文化、産業を守っていただいて、本当にありがとうございます。いろいろなことで、大麻、十把一からげにした報道等で大変心の痛い思いもされたというのもお聞きをしております。 これからやっぱり日本の大事な産業として麻の栽培を守っていくために国に求めること、研修制度のお話ありましたけれども、何かございましたら一つお願いいたします。
○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので、お答えは簡潔にお願いします。
○参考人(大森由久君) はい。 一応、あれですね、技術を習得する、それから対応能力を付ける、そういう人に免許は下ろしていただきたいと思いますので。 以上でございます。
○藤井一博君 ありがとうございました。 終わります。
○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。 四人の参考人の先生方、今日はたくさんの学びを委員各位に与えていただきまして、本当にありがとうございます。本当にこういう医薬品の開発につなげて、てんかん患者の方々、あるいはその他の患者の皆さんの治療につなげたいという思いは皆共有していると思います。 それで、束ねてあるということですし、なかなか悩ましい問題あるんですけれども、この薬物使用というものの背景には、知識不足ということもあるけれども、これ、やっぱり人間関係のプレッシャーなどもあったと。そして、今、先ほど岡崎参考人おっしゃったように、今日この日に臨まれるということでもプレッシャーがあって、こんなときに大麻を使えたらなという率直なところをおっしゃいましたけれども、そんなことででも、なかなかいろいろな誘因もある。 そういうことで、じゃ、そんなことになったら刑事罰科されるんだぞということではなくて、直ちに科すということではなくて、様々なプレッシャーに対する、何というか、緩和の仕方というか、それをやり過ごすやり方とか、いろんな様々な教育的なあるいは治療的なプログラム、そういったものが、どうにかしてその参加につなげていくというような政策が望まれるんじゃないかというように思ったんですけれども、その点、岡崎参考人、済みません、冒頭に言うべきでしたけれども、岡崎参考人、そして丸山参考人にもお願いします。
○委員長(比嘉奈津美君) それじゃ、丸山参考人、お願いします。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 いい面と悪い面として、日本のやっぱり「ダメ。ゼッタイ。」の教育というのが、徹底して初期の使用を、恐怖というか、何というのかな、怖がらせるので止めていくということにちょっと偏り過ぎているのではないか。ここをちょっと見直していくというのが大事かなというふうに思っていまして、というのも、初期使用に至るという理由としてはいろいろあり得るわけですね。 さっき質問に、中にもいただいたとおり、例えば、いろいろ僕がいろんな方と会って話していく中では、例えば自己治療的に、子供の頃からいろんな虐待を受けていて、学校でもいじめに遭っていてと、性的にも肉体的にも虐待を受けたような方というのが、例えばこの薬を使うことで今は生きていけるというような人というのがかなりの数いらっしゃると思います、僕が出会ってきた中で。というときに、初期使用を止めるというのは、使ったら駄目だよとか、人間として体に悪いよということを訴えていくだけでは、こういった方々の初期使用を止めるというのは非常に難しいです。 とすると、じゃ、国際的にはどんなふうに初期使用を止めようというような教育をしているかというと、セーフティーファーストですね。まず、生きるにはどうしたらいいかとか、こういうふうな状況に陥ったらどうやってそこの場面を生き抜いていくかとか、いろんな、国連の例えばそういう教育に向けているポスターとかキャンペーンを見ていただきますと、まず悩みを抱えたら話しましょうと。 薬物教育に関しては、まずいろんな悩みを相談できることがあって、いろいろ深く悩んでいく前にいろいろ相談できるようにしましょうという、普通にキャンペーンが組まれますが、日本の「ダメ。ゼッタイ。」のようなやり方をすると、一部そういう効果が出ることもあるでしょうけど、一方で、何かもう、小中高校生が何か怖いポスターを描いて、何か足を引っ張るようなどくろの絵とかを描いて賞をもらうって、これちょっと異常ですので、もう少し、薬物で悩むような前にどういうふうな悩みを解決するかとか、じゃ、薬物を使ってしまった場合にはどうやって回復の道に進むかというような教育が大事なんだけども、今は取りあえず犯罪者というところを押し付け過ぎていて、そういうふうな回復につなげないというところが問題があるので、この辺はちょっともろ刃の剣になっていますので、そこを大事にする教育が必要かなと考えています。
○参考人(岡崎重人君) ありがとうございます。 そうですね、依存症はやっぱり孤立の病だというふうな側面もあって、依存傾向が進んでいくに従って個人が孤立していく場合もありますし、刑事司法によってその家族関係だったり様々な交友関係が断絶されていくというか、それによってより依存の状態が進んでいくということがあり得ると感じています。 私たちが支援しているのは、一次予防の方たちではなくて、使って今依存に苦しんでいる方たちに対しての支援を行っていて、一次予防的なその「ダメ。ゼッタイ。」というものだけでは、やはり教育としてもそれはすごく難しいのかなというふうに私自身は感じています。 一方で、先ほどおっしゃられていたような、何か教育的なアプローチが何個かあったとしても、それをさせるというよりかは、やはり自発的に生徒たちがそれを選んでいけるような仕組みづくりというのもとても大切ですし、今、日本においてやはり少ないのは、一次予防と三次予防の間にある二次予防的なその薬物使用に対してのアプローチというのが日本においてはかなり少ないと思うので、そういった部分に、今後もっとそういった教育部分の形でアプローチというのができればいいのかなというふうには思っております。 以上です。ありがとうございました。
○打越さく良君 ありがとうございます。 引き続き岡崎参考人に伺いたいんですけれども、皆さんですね、ここに誰もが自発的に行っていただきたいという気持ちももちろんあるんですけれども、多分なかなか、岡崎参考人もおっしゃったように、おっしゃったというか、ちょっと文献の中で書かれていたと思うんですけれども、自発的に行く人は少ないということもあるとすれば、非常に国としておせっかいなところだと思うんですけれども、かもしれないんですけれども、これを機に、回復、治療につなげたいという思いも背景にしてこの法改正があるとすれば、国として注意しなければいけないこと、あくまでも治療や回復、更生につなげるんだという政策につなげるんであれば、どのような政策として進めなきゃいけないかということを改めて伺います。
○参考人(岡崎重人君) ありがとうございます。 そうですね、やはり自分から、自ら進んで薬物の問題を解決したいという人は確かに少ないのは、現状にはあるかとは思います。ただ、そうですね、理想かもしれないですけれども、やはりその個人を尊重するという部分は残した上で話を進めていくというのは大切だというふうに思っています。 全てが依存症の方じゃやっぱりない、依存症アプローチをもし司法の中で取ったとしても、全員がそれに乗っかってしまったら、全くその依存症に陥っていない人も同じような教育を受けなきゃいけない。そうじゃなく、ほかの、生活が困っているとかほかの精神疾患に困っているとか、生きづらさ、人が違う部分での生きづらさに困っていてのただ単純な薬物使用というケースもあるので、画一的に取ってしまうことは、その個人の尊重としてはすごく難しいのかなというのが私個人の意見です。 ありがとうございます。
○打越さく良君 丸山参考人に伺いますが、実名報道ですね、それがもたらす影響というか、それと、またその懸念があるとすればどうした配慮が必要かということについて御意見があればお願いします。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 本当に、実名報道というのが本当にその罪に合っているような社会的制裁を受けているかというと、とてもハードなものになっているというのが現状かと思います。 あれは本当に、最近ので見ますと、若い学生であったり若年者がああいうふうにデジタルタトゥーのようなものが貼られて、実名報道と顔写真が出ていくということが彼らの社会復帰の足を引っ張っていきますし、より社会で生きていくことから疎外されていくことがそういった孤立を生んでいきますし、薬物に進むという方向をむしろ加速させてしまうというような問題がありますので、ここは大事に、重要で。 やっぱり、多分御存じだと思うんですけれども、去年、例えばバイデン大統領は、そういうふうに大麻関連で捕まってしまった人に対して謝罪をして、釈放をしますと、そういうふうな今まで迷惑を掛けたことに対する新しい取組としていろいろサポートをするということを言っていますし、いろんな州がいろいろ取組をしていまして、例えばニューヨークだと、その大麻で記録がある人からまず大麻のライセンスを渡して、社会復帰に役立ててくださいというようなことを取っていきますので、むしろ何か足を引っ張っていくような方向に進むような実名報道は薬物依存の道を進めていきますし、そうじゃなくて、彼らが次のステップに踏めるようなサポートが必要ではないかと考えています。
○打越さく良君 ありがとうございます。 大森参考人にも、あるいは太組参考人にも伺いたかったんですけれども、済みません、時間が来てしまったということで、申し訳ございません。 ありがとうございました。
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。 四人の参考人の先生方、今日はお忙しいところありがとうございました。 まず、大森先生にお伺いをしたいと思います。 今日は資料をありがとうございました。一番最後のページを見ると、私、福岡県選出なんですけれども、第一会場、⑫久留米かすりとあって、大麻で作った、私、久留米かすりはよく着るんですが、大麻で作った久留米かすりがもしもあるんだったら、週末地元に帰ったら早速探しにいこうかと思っている次第なんですが、一点お伺いをしたいと、まだ待ってください、一点お伺いしたいと。 沖縄県、委員長の御地元でもあります沖縄県では、かりゆしウエアみたいなもので非常に涼しく過ごすような、そういう取組が推進されておりますけれども、大麻を使った夏の衣服で日本を涼しくすることは可能か、まずお伺いをしたいと思います。
○参考人(大森由久君) 久留米がすりにつきましては、模様を付けるためにくくり糸を使っているのが麻なんですよ。でも、やっぱりそういうことで、麻でないとあの模様は出ないということですから、それでずっと久留米がすりの、何というんですかね、くくり糸は、粗苧というんですけれども、それをうちで研究しながら提供させていただいて、今回、麻フェスにも出てもらったということでね。 でも、さっき言った、何というんですか、このおあかからスライバーにして、紡績ですけど、糸を作って安価な着物ができてきたらいいなということで、こういうのはたくさん栽培者が増えないとできないんで、是非、関心を持っている企業もたくさんありますので、近い将来、麻の、何というんですかね、衣服が登場してくるような時代が来ればいいなと思っていますので、乞う御期待ということで。
○秋野公造君 私も期待したいと思います。 太組参考人にお伺いをしたいと思います。 今日、一番最後に、図らずも太組先生がおっしゃった、立法趣旨をよく理解をしていただきたいということでありました。すなわち、真に必要な大麻由来成分を患者等に医薬品や食品等を用いて届けていくと、ここが立法趣旨ということをお訴えをしたかったんだろうと思います。 それ以外のところで議論が起きているというのは私も残念に思っているわけでありまして、今日、同僚議員の皆様方にも、今日お見えいただいている太組先生、それから後ろに座っていらっしゃる正高先生がこの大麻由来医薬品をしっかりと使えるようにということで、まさに立法趣旨がこの二人にあるんだということは、私、今日は同僚議員の皆様方には強調しておきたいと思っています。 その意味で、まさに太組先生はてんかん外科の専門家で、てんかん診療拠点病院制度を提案して、てんかんの外科で患者さん、てんかんの発作を抑えようとされてきた先生が、正高先生とともに大麻由来医薬品の話をしてきたとき、私も正直驚いたわけでありますけど、ちょっとその辺りの思いという、先生方が追い込まれた、難治てんかんというのはやっぱり非常に難しい、ほかの疾患もある、非常に難しい、そこの上での必要な法改正であるということをお伝えいただけたらと思います。
○参考人(太組一朗君) ありがとうございます。 本当に私、そんなお尋ねをいただくととても胸がいっぱいでございますが、そもそも、てんかん、本当に難しい御病気で、二〇一五年から国はてんかん診療拠点施設をつくってくださいまして、これも実は秋野議員の御案内によるものが非常に大きかったわけですけれども、現在、てんかんの拠点病院というのは日本のうちに三十ぐらいあります、各都道府県の中に三十あります。そして、そのときに、外科治療ができることを要件の中に盛り込んでいただきました。てんかんの外科治療、私は専門の一つですけれども、これが保険診療になったのは西暦二〇〇〇年の四月でございます。そこまで外科治療が高度先進ぐらいでやられていたところだったわけですね。 そして、やっと外科治療が今までどおり市民権をいただいたわけですけれども、やはりどうしても外科治療だけで、今までのお薬の治療と外科治療だけでどうしても私たちが対抗できないという方たちというのはたくさんおられるんですね。特に、正直なことを言うと、外科治療で救うことができるものというのはそんなに多くないんです。 そういう中で、特にお薬をお出ししてどうしても良くならない。私たちの常識では二剤二年と申します。二剤使って二年たってなかなかうまくいかなければ外科治療を考えろというのは、なかなか薬剤だけでは難しいぞと、そういう状況だったときに、大麻由来医薬品というのが、またその難しいてんかんの中でも超難しいというか、そういった人たちに非常に大きな効果がある、これが分かったときはもう本当に衝撃でありました。 実は、そういったことが分かったのは、二〇一六年ぐらいから論文の上では出ていたわけですけれども、ちょうど五年前の二〇一八年の十二月ぐらいに、毎年一回、米国でてんかん学会があるんですけれども、ちょうどこの時期でございます。米国に行ったらもうエピディオレックスの話題一色でございまして、これは日本とはもう全然違うということを見てまいりまして、これは私たち外科医でも、外科の力をもってと言うと非常に恐縮ですけど、そういった力をもってしてもどうしてもうまくいかない、それを何とかしていただきたいと。 しかしながら、やはり、厚生労働省の先生方にも御相談しようか、どうしたらいいのかと。やっぱり一つの省庁だけでは難しいんじゃないかというふうに思ったところで秋野議員に御相談申し上げたところで、本当にそのときは厚労省の先生方も非常に難しい御判断もあったと思います。その後で秋野議員に呼んでいただいたときには、勉強会に呼んでいただきましたけど、いろんな方が僕に名刺を持ってきてくださった。それは、厚生省の方だけじゃなくて、警察の方もおられた、法務省の方もおられた。たくさんの方が御理解いただいたんだということに、思い出します、本当に感謝であります。 御質問ありがとうございます。
○秋野公造君 ありがとうございます。 丸山先生にお伺いしたいと思います。 丸山先生と私は、太組先生の後ろに座っている正高先生が主催したカナビスカンファランス、渋谷のストリームで行われた、まさにこの大麻取締法等の改正の議論について一緒に、皆様の前で一緒に説明をした仲であります。一日も早くお届けをしたいということについては、今日も合意という話もしていただけました。そして、麻向法の規律に入れていくということも一理あるというコメントだったと思います。 そして、先生の今日の話、改めて今日お伺いをした、使ったら駄目だけでは駄目だと、つまり一次予防だけでは駄目だというお話をされているかと思います。すなわち、麻向法の規律に移すということでありまして、使用罪の新設という言葉は当たらないのではないかと私は思っている次第でありますけども、先生はむしろ、この法改正後の二次予防、三次予防も組み合わせた形で全ての方が活躍をすることができるような仕組みをつくっていくということをお話しになられたという理解でよろしいか、お伺いしたいと思います。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 一部はそのとおりなんですけど、一部は少し違うところがありますのでお答えさせていただきますと、そういうふうに医薬品として使っていくところには、そこに入れるという法の組み方が一番しっくりきて進めやすかったんだろうなということは一理あるかなというふうに思ったということなんですが、ただ、今、通常ある使用罪が、もちろん御存じのとおり、大麻に関して、大麻取締法に関してだけ使用罪がないというところに使用を新しく罪にするというところに、これは新設じゃないかということを言ったということです。 ただ、今後かと言われると、私としてはどっちもあるというか、これは反対の面もありまして、というのも、例えば、さっき、一番懸念しているのは、ほかの麻薬と同じ認定のところにTHCを入れていくというところが一番懸念しているところなので、それなら、そもそもこの使用罪創設は反対ですけど、じゃ、その次、通った後にその改正云々なりその調整の問題なのかとおっしゃると、そうなると、スケジュールを分けていって、例えば麻薬の認定の中でも、これぐらい、例えば罰金だけで済みますよとか、注意されるだけで済みますよとかというランクから、いろんなものを分けていって、細かくちゃんと、後で誰が見ても、裁判官が見ても検察官が見ても、今の本当の実務というのが危険なものは周知の事実だという一言で終わるわけです。どれぐらいが本当に裁判の中で、どういうものがどんな効果があってどれぐらい社会に影響を与えるのかというのは、誰も証明しているのを僕は裁判で見たことがありません。ですので、それぞれちゃんと細かく分けて、じゃ、これならこういうふうな罰則が適当かというようなものを分けていくと。 というのも、そうですね、さっき僕、少年の例えで出したんですけど、いろんな最近見た面白い投稿で、見たやつでいくと、例えばダイナマイトと花火と、手持ち花火、線香花火とか全て、いろんな使い方があるにもかかわらずそれを全て危険なものとやっているようなもので、それを一気に全て重い刑罰与えているようなものだから、それぞれに役割があって、それぞれの罰則があって、それぞれの運用があった方がいいんではないかと。 そもそも反対ですが、もしそれが通っていくのであれば、スケジュールを分けて細かくやっていくということが大事ではないかというふうに考えています。
○秋野公造君 先生、合成THCが麻向法の規律でありまして、自然の大麻由来のTHCを麻向法以外のところに入れるというのはなかなか、なかなか難しいということも先生たしか合意したはずであります。またお話しできたらと思います。 ありがとうございます。
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。 今日は、四人の参考人の先生方、誠にありがとうございました。 早速ですけど、まず太組参考人にお伺いをしたいと思います。 事前の資料を拝見をいたしまして、ここまでのお取組に敬意を表したいと思いますし、また、その過程において秋野議員が非常に大きな役割を果たしているということも改めて今回認識をさせていただきました。 その上で、まず最初に、今回、特に難治性のてんかんに対する医薬品ということで、今回の法改正の必要性ということも出てきているわけなんですけれども、まず、この大麻由来医薬品に関しましては、てんかん以外の分野でもこれから可能性というのが実際にあるのかどうか。 それから、もう一つは、難治性てんかんということですけれども、そこまで行かなくても、なかなか薬でコントロールが難しいてんかんというのはこれやはりたくさんおられるわけでして、将来的にはその適応をもう少し広げて、てんかんそのものの治療にもう少し幅広く役立てていくという、そういう可能性ということも当然将来考え得るのかどうか、まずこの辺り、医学的に教えていただければと思います。
○参考人(太組一朗君) ありがとうございます。 実は、私どもの学会、そして令和二年の私どもの研究班の学会の理事、そして分担研究者の中には、いろいろなてんかん以外の専門家が入っております。神経内科の専門家、それから痛みの専門家、それから精神科の先生、いろんな先生が入っておられますけど、それは何かと申しますと、やはりその大麻由来医薬品のポテンシャルでございます。それが高いというふうに考えた上でのそういった構成になっていますけれども。 御質問の一つ目は、てんかん以外でどうかということですけれども、これ当然ほかの疾患に広げていくことができると思います。お薬の効果としては、その御病気の直接的な回復につながるものと、それからもう一つは、その御病気の過程を支持する支持療法的なものがございます。その両方において効果を発揮してくるというふうに考えております。 例えば、二〇〇〇年代に、ちょうど西暦二〇〇〇年の頃はそのCBDやこのカンナビノイドに関するパブメドでの研究論文が大体百数十だったのが、そこから二十年たって二〇二〇年は千三百程度ということですので、この医学的な研究に関しても最近非常に爆発的に伸びているということですので、これからもいろいろ分かってくることがあるというふうに思います。 そして、そのお尋ねの二つ目は、じゃ、てんかんの中でどうかということでございますが、私ども難治てんかんと申して定義しているのは、お薬を使う、あるいは外科医療を中に含めることもありますけれども、一年に一回も発作が起こらないというところ以外は難治性てんかんというふうに申しますので、そういったところが、いや、実は難しいわけです。 例えば、私たちが電車に乗っていて、てんかん発作の患者さんを見ることが、見聞きすることがあります。これは何かというと、発作が起こっているということは、一年に一回も発作が起こっていない状態だから私たちの目の前にいるということですので、もしかしたらそういう人たちも難治性てんかんかもしれない。しかし、その原因ってたくさんあるわけで、例えば薬をちょっと飲み忘れたとか、そういったことでも難治性てんかんになってしまうのではないかということもありますので、大切なのは標準治療でございます。 ですので、よくその患者さんがどんなことでお困りなのかということを診た上でてんかんの標準治療を決めるわけですけれども、全てのてんかんにということではありませんが、実は大麻がてんかんに効くというのは十九世紀の教科書から書いてあることでございますし、一九八〇年代にはそういった研究もありましたし、そういったことがこれからほかのてんかんに広がってくる可能性が十分にあると思います。 しかしながら、きっちり申し上げておきたいのは、やはりそこには適応拡大の要するに手続を正当に取るということが必要であるというふうに考えております。
○梅村聡君 参考人はカンナビノイド学会の理事長でいらっしゃいますので、また是非その辺の知見も今後併せて解明をしていただければなというふうに思っております。ありがとうございます。 それでは、続きまして、丸山参考人にお伺いをしたいと思いますけれども、確かに世論的に言えば、厳しく罰したり制限した方がより、どう言うんですかね、モラルが保たれるじゃないかみたいな意見があるんですけれども、ただ、今日の丸山さんの御意見は私は結構腑に落ちるところがありまして、というのは、私は医療現場で内科医で働いていたんですけれども、今から、そうですね、十年以上前なんですけど、医療事故が起きたときに、その医療従事者を業務上過失致死じゃないかということで罰した方が医療事故が減るという意見も実はあったんですけれども、ただ、それをやってしまうと、じゃ、黙秘権が出てきたりとか、そういうことで結局は原因究明と再発防止にはつながらないと。 ですから、そういうやり方というのはよくないんじゃないかというのが一定のコンセンサスが出てきたところで、やっぱり世論と実際のその運用の間にはすごく乖離があるなというふうに私自身は実は思っていまして、ただ、一方でよく言われるのが、今のこの状態でいきますと、いわゆる薬物の流通が、お金のやり取りが出てきた場合に、一般的に言う反社会的勢力とかそういったところにお金が流れるんじゃないかと、また、そういうところの資金源になるんじゃないかみたいな、そういう意見も当然これ出てくるわけなんです。 ここのところとの整合性をちょっと御説明いただければと思います。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 犯罪学とか社会学をやっていると当たり前のことがありまして、倫理的に正しいことと科学的エビデンスが正しいこととずれることがあります。実生活で体験されたというのもそのとおりですし、例えば、我々の分野でいくと、反省させるほど再犯は増えるというようなデータが出たりします。これ、倫理的にいくと、法学の解釈でいえば、べき論では、やっぱり加害者は反省すべきですし、悔い改めるべきなんです。べき論でいうと、倫理でいえばそうなんですが、ただ、させるほど犯罪が増える、再犯が増えるとなったらどうするかと。 そうすると、やっぱり心の問題ではなく、再犯という行動に出ないエビデンスに乗っかったアプローチをどうするかというところが大事だというところで、ただ、これを思い込みで、先ほどから言っているように、周知の事実だと、よく分からないまま、私の今日の報告の中にも、麻薬とか薬物と一くくりにすることで、危険なものという思い込みの中でそういうふうな方に進むということが問題であるというふうに言っていますので、じゃ、実際にこれはどういうふうなアプローチをするとどういうふうに変わるのかと、ちゃんと科学的根拠に乗っかってやった方がいいということが一つですね。 ただ、問題使用を減らしたいというところは、先ほどから言っているとおり、じゃ、それは皆さん多分一緒です。厳罰化したい人も、いや、厳罰では無理ですよと言っている人も、問題使用を減らすというエビデンスを取れば刑事罰ではなかったというときに、今先生に御質問いただいたとおり、では、この資金源としてブラックマーケットに行くのをどうするか、これこそが、ハームリダクションを取る国というか、ヨーロッパが厳罰化を諦めたところの一つでもあるわけです。 これは、もうかなり昔からこれ同じことを繰り返しています。例えば、禁酒法をやったときに一番誰がもうかったかといったらマフィアです。禁止されたときに、純粋にニーズとしてはあるにもかかわらず手に入るところがないなら、どこかで手に入れるわけです。となると、完全にライセンスを持ってきれいなところでやるからきれいに回るんです。 例えば、今日は疲れたと思って、帰り道にお酒を飲みたいなと思ったら、どこで買うかといったら、リカーショップかコンビニか居酒屋だと思います。よく分からない路地裏に行って、よく分からない人からよく分からないどぶろくは買いません。これは違法だからです。 とすると、ニーズがある中で、いかにこれを、ライセンスを持っている人から税収入に換えて、さらにそれをどういうふうに生かしていくかという、アンダーコントロールにしていくというのが大事で、非犯罪化を取っている国というのはそういうふうな運用に切り替えたということです。
○梅村聡君 ありがとうございます。 ですから、感情論と、感情というか、国民の一般的な見方とそういったことの検討ということは非常に必要だということが今日よく分かったかと思います。 お二方にもお聞きしたかったんですけど、時間が参りましたので、またこれからもどうぞよろしくお願いいたします。 今日はありがとうございました。
○芳賀道也君 まず、太組教授にお伺いをします。 研究班の主任研究員として研究をまとめられたことに深く敬意を表したいと思います。 てんかんのことについてお聞きしようということで、例えば地元、私、山形で、詳しい医師に話を聞こうと思って、ちょっとたどり着くまでやはりかなり時間が掛かりました。精神科の先生ならというと全くそうではない、精神内科の医師の方が詳しいと聞いて精神内科の先生にお伺いすると、必ずしも精神内科の先生が皆詳しいというわけではないということでした。 てんかん協会によれば全国で推定百万人も患者もいらっしゃるということですから、診療科の名前を聞いたらすぐにてんかんを診てくれるところだと分かるようにしたら、てんかんの治療のためにも良いと考えるんですが、太組先生の御意見を伺います。 また、太組先生の拠点病院であるとか、一次医療、二次医療、三次医療ということを考えていただいているんですけれども、やはり医師が少ない地域、過疎地域でもてんかんの患者さんがゼロではないですから、医師が少ない地域でもてんかん治療が大都市と同じレベルで受けられるようにするにはどのような医療体制を組んで改善していったらいいとお考えなのでしょうか。地方にはやはり通院などが非常に大変だというような声も出ておりますので、お願いをいたします。
○参考人(太組一朗君) 御質問ありがとうございます。 まさに、てんかんの患者さんがどこにアクセスをすればいいかというのが分かりにくいというような問題であると思います。 私、脳神経外科医でございますので、私、脳外科医の悪口を言うのはちょっと許されるのかなと思いますけれども、実は、脳外科医で脳波を読める脳外科医というのは大変少ない、そして、てんかんのことが分かる脳外科医というのは大変少ないということでございます。みんな得意分野があるんですね。私たちは脳外科医で大体二十年ぐらいになるまでは普通のトレーニングをしますけれども、例えば脳血管障害とか脳腫瘍とか、そういったところは来るんですけど、やはり得意分野がありますので、診療科だけで解決するというのは非常に難しいですし、無理もあると思います。 やはりそれを解決するのは、診療拠点病院を明らかにしていく。先ほど、繰り返しになりますが、現在拠点病院が三十程度、各都道府県にありますので、そこを目指していただくというのがやはり一番現実的でいいのではないかというふうに思います。 これは厚生労働省のモデル事業から本事業に変わった、平成二十七年からモデル事業になって、そして三年後に本事業になった、そして現在まで続いて、そしてその拠点病院も少しずつ増えておりますので、その拠点病院を維持する、そして数を増やしていくということが必要であると、私たち医療者の側としては思います。 それから、過疎地域の問題、これは、やはり医者としてのプレーヤーが余り多くないということを考えますと、拠点病院を整備しながら全てのところでやっていくというのはやはり無理がありますので、ここはやっぱりお医者さんのちょっと熱意と努力に懸けてみてはいかがでしょうか。 例えば、私、神奈川県の大学で手術をしておりますけれども、月に一回、沖縄赤十字病院で手術をいたしております。これは沖縄県でてんかんの手術を得意にしている先生がおられないということ、事情でございまして、現在でも毎月沖縄に行っております。そういう、お医者さんって少し、出張をして、それで出店みたいのをやったりするようなこと、働き方もございますので、そんなことでお互い伸ばしていきながらお互いを教育していく、それが必要じゃないかなと現在では思っております。 ありがとうございます。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 是非、熱意ももちろん本当に有り難いと思いますが、制度として患者さんが救われるようなことを我々も考えていきたいと思います。 次に、丸山教授に伺いますけれども、先生の書かれた「刑事司法における薬物依存治療プログラムの意義」では、アメリカのドラッグコートのことに一章丸々割いていられて、薬物関連犯罪を犯した乱用者が刑務所に入所するなど伝統的な刑事司法手続で処遇されるのではなくて、被告人に薬物治療プログラムが提供されて、裁判官の下で継続して治療過程が審議され、このプログラムを終了した被告人に対して刑事手続を終わりにするというドラッグコートを積極的に評価されているようにも見受けられます。他方、同じ著書で、受刑者が刑務所で治療プログラムを受けることを強制されることは批判をされていらっしゃいます。 薬物関連犯罪を犯したとされる被告人が自発的に薬物治療プログラムを受けることの重要性を主張されているようですが、司法手続の中で行う治療プログラムが被告人の自発性に基づいて行われるべきということ、改めてちょっと、時間もありますので、端的に御説明いただけますか。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 その著書では、最終的には刑事罰を土台にすることに限界があるということなので、と書いていますので、ドラッグコートは一定の評価はしていますけれども、最終的には、刑事司法に巻き込まれてしまう、医療や福祉というのが刑事司法に含まれてしまいますと、そもそも第一義的に守られるものが、医療や福祉は本人の自立であったり回復というものが最終的には目指されるんだけど、刑事司法だと社会の安全ですね、こっちが目指されてしまうので、どうしても相入れないところがあるというのがその本の趣旨なんですけれども、そうではなくて、じゃ、刑務所の中でという話なんです。 これは、基本的には、世界的にマンデラ・ルールという国連の最低基準規則の中に、なるべく外界の、外の自由な社会と同列にしていかないといけないと言っているわけです。自由刑も、国際的な基準でいえば、作業を義務化させるものではなくて、拘禁刑の方がむしろ前提です。 となると、自由が奪われるのが刑罰ですので、自由が奪われることだけが刑罰のその次に、じゃ、その人たちが、どうしていきたいかを本人たちが決めるのが国際的スタンダードです。例えば、刑務所に収容されながらも、今日は働きたいですとか、こんなプログラムを受けたいですとか、こんな教育を受けたいですとか、こんなことをやりたいというのは、自由が制限されている中でそれ以外のことは自分で決めていくというのが前提なんです。 となると、じゃ、日本でやっている刑罰というのは、生き方を強制することになっていくわけですね。これは無理やり懲罰を科するもので、これをやらないと正当な理由なくやると懲罰が科せられますよというのは、本人の意向ではないわけです。となると、生き方を強制するということになるので、それは本来の刑罰の在り方では違うんではないでしょうかというのがその本の趣旨です。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 次に、川崎ダルクの岡崎理事長に伺いますが、先日、地元の山形県鶴岡、鶴岡ダルクの武田さんにもお話を伺うことができました。取り組んでいることは共通なんでしょうけれども、環境はちょっと違うとも思うんですが、武田さんから伺ったお話によれば、山形県など地方都市では、近所の人の目があるのでなかなか地元の人が地元のダルクには通えないということで、ダルクに、鶴岡に来ている人たちは皆、県以外の方ばかりということでした。 どのダルクでも集まる人の匿名性は重要なことだと思いますけれども、そこに集まる個人を守るために、匿名性や個人情報の秘匿などについて川崎ダルクではどのようなことに気を遣われていらっしゃるんでしょうか。
○参考人(岡崎重人君) ありがとうございます。その個人情報をどう扱っているかということに関してでしょうか。ありがとうございます。 私たち川崎ダルクというのは、男性の入所の施設、通所の施設というのを行っておりまして、障害福祉サービス事業というものに基づいて行っています。なので、個人情報というものは施設内でも特に厳重に管理をして、外部に漏れないようにというような形を取っています。 先ほど委員の方がおっしゃられていたように、やはりそこにダルクという場所があるというのは住民の方たちも少しずつ知っていくわけですよね。その中で、そこに通ってきている人は薬物の何か問題を持っている、依存の方なんだというのがあるということは、やはり地域の、自分の、じゃ家族が、親戚がいる、その方にはまだ薬物の問題をカミングアウトできていないという方たちにしてみると、そういったところに通うということを敬遠される、若しくはまた違う地方の場所にというようなのを望まれるという方も少なくはないのかなというふうには思っております。 以上です。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 それでは、大森会長に伺いますけれども、大森会長は、規制検討の小委員会に提出された資料で、平成二十八年、他県における栽培者の違法大麻の所持により、栽培に多くの規制が掛けられ、厳しい状況が続いているんだと書かれていましたが、どのように栽培の規制が厳しくなって困っていらっしゃるのか、お願いします。
○参考人(大森由久君) ありがとうございます。 それまでは本当に地元の人、県内外含めて、写真を珍しいからたくさん撮りに来て、収穫している姿とか鉄砲釜でゆでているのなんか撮っても構わなかったんですけれども、もう畑そのものに入ることも駄目だし、写真を撮ることも駄目だという話になりまして、何か悪いものを作っているんだという印象を与えられるような形になっていまして、ある意味では非常に肩身の狭いような思いで麻栽培をしていて、大変ストレスがたまるわけですよね。 私たちは、もう元々、神事用、それから伝統文化、生活文化、産業用としてプライドを持って長年作ってきましたものですから、そういうことも元の状態に戻していただけると有り難いなと思っていますので。答えになっているでしょうかね。
○芳賀道也君 ありがとうございます。 大麻文化のすばらしい今日もPRのパンフレットを見せていただきましたが、こうしたPRもできにくくなっているということで、過剰な規制はということですね。 是非、相撲の化粧まわし、神社のしめ縄、日本の文化でもありますので、引き続き頑張ってください。ありがとうございます。 ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。 今日は、参考人の皆さん、お忙しい中、時間作っていただきまして、本当にありがとうございます。 太組参考人には質問はしませんけれども、医薬品として使える道が開けるということについては、治療で安定した状態になるということで、本当にお待ちになられているところに応えるものであるということでは、我々反対の立場ではございません。大いに歓迎したいと思っているということだけお伝えしたいと思います。 その上で、丸山参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、その非犯罪化、刑事罰に頼らない政策ということで、先ほど少しお触れになったハームリダクションっていう薬物政策での考え方ですね、これについて少し御説明をいただく、日本になじみがないと思うのでお願いしたい。同時に、それ進めておられるポルトガルなどでどういう実践や効果があるのか。時間が余りないので、簡潔に御説明いただければ。お願いします。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 確かにハームリダクションという言葉が、多分皆さん、日本の皆さんにはなじみが余りないのかなというふうなんですけれども、基本的にはアメリカが先導して、ゼロトレランスという厳罰主義ですね、あっては駄目という前提で世界中を一旦席巻したんですけども、駄目だといっても存在しますので、じゃ、いかにこれを、害悪を減らしながら問題使用を減らすかということが大事だというふうに視点が変わっていきます。 これがヨーロッパを中心として広がっていって、次にカナダとか広がっていくんですけども、となったときに、まず減らしたいのは、問題使用のこの使用量が減らなくても、同時にその薬物を取り巻くものを一気に、一緒に減らしていかないといけない。例えば、問題使用が減らなくても、その人の健康が良くなっていくような方法を取るとか、社会的に偏見を受けているものを減らしていこうとか、掛かっていく医療費を減らしていこう、これって使用量が変わっていなくてもできるわけです。 分かりやすい一つの例でいくと、例えば注射器を打ち回すことでHIVとか肝炎がどんどん回っていってしまうので、じゃ、使用量が減らなくても、ここできれいな針をあげるから、ここで打ってくださいと。そうすると、使用量は減っていないけど、ほかの病気に罹患していくことは減っていくわけですね。みたいに、いろんなことを、使用量がまず減らなくてもこういうサポートをします、その次に使用量が減っていくようなサポートをしていくわけです。ここにナースであったり、ソーシャルワーカーであったり、ロイヤーであったりといろんな人がいまして、サポートにつなげていくというのがハームリダクションの基本的な考え方です。 一緒に質問をいただいた、じゃ、ポルトガルはどうなっていくのかというと、そこに、例えば最前線のところにきれいな針とかきれいな水がありますよというようなことを支援して、じゃ、治療、回復にはつながりたくないけど、さっきいろいろ議論ありましたけど、本人がそんなことを望んでいないんだけど、針は欲しいとか、きれいな水は欲しいとか、そういう人たちがまず相談に来ます。ここで、最初は、今日食べ物ありますかとか、今日寝るところありますかとか、もし就職活動で郵便物を受け取るところがないならここを指定していいですよというようなことを支援します。 最初はそのサポートなんか要らねえよと言っている人たちが、何度も来ると、いや、実は今日食べ物がなくて、三日間食べていないんですというような悩みを打ち明けてきます。そこでやっとソーシャルワーカーが、じゃ、フードのサポートをしましょうとか、今日寝るところを用意しましょうというようなサポートにつなげていく。 これが、先には問題使用は減らなくてもほかをサポートすると言っていたんだけど、最終的にはその問題使用を減らしていくというようなサポートにする。むしろ、駄目だといって、ゼロだといって刑罰にして隠れさせるのではなくて、サポートするのに向こうから来てくれるわけですね。 さっきの、いろいろ議論ありましたけど、じゃ、自分から言ってこないのはどうするんだ、いや、向こうから来ますので、こういう実践をして、じゃ、ポルトガルは二〇〇一年にほぼ全ての、ソフトドラッグどころかヘロインやコカインを含めたハードドラッグも非犯罪化します。非刑罰化しました。これは世界中の薬物政策の学者が、大丈夫か、ポルトガルと、とても緊張が走ったんですけど、その後、問題使用は減らしたり、関連死ですね、薬物なら関連死を減らすというようなことの効果は出してはいます。
○倉林明子君 ありがとうございます。 先ほど、日本の生涯使用率の議論があり、丸山参考人に引き続きですけど、生涯使用率が低いんだという日本の特性のそのエビデンスについては、丸山参考人の方からどう見るのかという御紹介ありましたけれども、もう一つ、ゲートウエードラッグになる、若者の蔓延ということに対して、これ実際のエビデンス、科学的に見た場合どうなのかということについて御所見あれば。
○参考人(丸山泰弘君) ゲートウエーだけに答えればいいということですね。 これは、基本的には、今なぜか日本でも根強くゲートウエードラッグ説というのはよく語られますけど、結構、国際的な研究団体はほぼもうこれは批判し始めています。 というのも、むしろ違法であるからこそより違法なものにつながっていって、先ほどどなたかのお答えの中に、今日お酒を飲みたいときに、きれいなショップじゃなくて、よく分からない路地裏からよく分からないところで買っていくと、こういうものもあるよと渡されていくわけです、例えば、そこで購入することにより。そうじゃなくて、ライセンスを持ったきれいなところで手に入るようになるとそっちの方に進みませんということが一つですね。 もう一つは、むしろ、ゲートウエードラッグどころか、やめるとき、いろんな薬物を試したんだけれども最終的には大麻に落ち着いてそのままやめていくという、イグジットじゃないかということも世界中の研究では言われるようになってきていますので、必ずしも、このゲートウエードラッグ説というのがなぜか根強いですけれども、それは世界的にはもう批判され始めているということです。
○倉林明子君 岡崎参考人に伺いたいんですけれども、大変苦しい葛藤を抱えながら出てきていただいて本当有り難いなと。当事者の声を聞けるというのはこの立法府においても非常に大事なことだというふうに思っているんです。 そこで、お聞きしたいのは、当事者や家族ですよね、孤立してしまうと、孤立の病だという御紹介があって、本当そのとおりだなと思うんですけれども、現状、やっぱり支援につながりにくいという状況が御紹介もあったと思うんですけれども、そのハードルになっている制度や仕組みというか、障害になっているものということでお感じになっているところ、御紹介いただけますか。
○参考人(岡崎重人君) ありがとうございます。 そうですね、やはり世間体というか、家族の人たちは周りを第一に気にしますよね。私の母もそうでしたけど、親戚のおじさんにダルクに入るという話をしたとき、泣き崩れて、親戚の人にはその人にしか話せなかったんですけど、それと同じように、日本にいる家族の人たちは、やっぱり薬物を使う、使ってしまうということ自体がすごく罪という意識がかなり強いと思うので、それによる罪悪感みたいなものに、家族はずっとそれを抱えながら生活をしなきゃならない。それって日常生活を送っていく上でかなり大きな負荷だと思うんですよ。 なので、それはかなり大きな部分なのかなというのは、ほかの御相談の中でもとても強く感じるところでしたね。
○倉林明子君 今回、報道もいろいろされているんですけれども、大麻を少量なんだけれども所持していたということで、学生、若者が実名報道されていますよね。教育、就労、再起の機会ということでいうと、相当その若者の未来、人生が変わっちゃうようなことだと思うんですね。 こういう報道の在り方について岡崎参考人がお感じになっていること、教えていただけますか。
○参考人(岡崎重人君) ありがとうございます。 そうですね、やはり実名、薬物問題に関しての報道の在り方というのは、何年か前に薬物報道のガイドラインみたいなものを提出された民間団体の方たちもありましたけれども、もっと慎重にやはりしていくべき部分はあるかなというふうには感じています。私自身も、今日ここで話するのもすごく勇気が要ったことではありますので、その点、御承知おきいただければというふうには思います。
○倉林明子君 本当にありがとうございます。御家族も含めて本当に勇気の要ったことだと思います。感謝します。 最後、大森参考人に御回答いただく時間ないと思うんですけれども、私も京都選出ということで、日本の文化がたくさん息づいている町ではあるんですけれど、特に麻、精麻を活用して、日本の打楽器である鼓ですね、あの締めている縄というのは精麻なんですね。(発言する者あり)そうです。その精麻が、今、日本のものが本当に手に入らなくて存続できなく、作り続けることができないんじゃないかと。中国のものではなかなか代替にならないというようなお話を聞いたこともありまして、文化の伝承というか、ずっと大麻、日本と、日本の文化にもですけれども、生活全般に浸透しているものでもあるので、生産の応援になるように、この部分では大いに進めていくべきだと考えております。 以上です。(発言する者あり) 以上です。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 れいわ新選組の天畠大輔です。 参考人の皆様、ありがとうございます。代読お願いします。 初めに、丸山参考人と岡崎参考人のお二人に伺います。 もしお二人が薬物問題に関する政策責任者だとしたら、日本の薬物政策のどの部分をどのように変革なさいますか。例えば、当事者参画、非犯罪化、回復プログラム、司法制度、支援組織に対する支援策などについてお考えをお聞かせください。丸山参考人からお願いいたします。
○参考人(丸山泰弘君) 御質問ありがとうございます。 僕がもしも薬物政策を決定するような部署にいたらどうするかという質問かと思うんですけれども、基本的には、まず厚労省が主体となって人が生きることを支援するということですよね。何か厚労省が取締りをするというか、いろんなその罰則を与えるというようなこと自体が少し僕は疑問がありまして、そうではなくて、生きづらさを抱えて薬物使用に至っている人は一定程度いますので、その人に対するサポートは重要であろうと。 先ほど質問の中、さっきの方の中にもドラッグコートがなぜという、取り上げたかというところにいきますと、刑事司法の中に、逸脱行動が表には出ていますけど、その背景にはいろんな事情があるわけですね。例えば、その薬物を使うということに関しても、虐待があったからやっている、若しくは御両親からずっとアルコール依存の問題が引き継がれているとか、その人その人に個別に問題がありますので、そこの生きづらさを解消することで逸脱行動を減らしていくとか、刑事司法に関わらなくても、薬物の問題を抱えている人はその薬物使用に至っている背景の問題を解決する。こういったことから、いろんな問題使用に至るものを減らしていくというのが大事ですので、もし私がその薬物政策を決定するようなところにいるんでしたら、その人がどうやって生きていけるか、その人をどうやってサポートしていくか、薬物、違法な薬物が止まった瞬間に処方箋に依存して運ばれたら意味はないですし、自殺されても意味はないわけです。 僕としては、まず生きていただいて、その次に、じゃ、そういう問題使用を減らすかということを考えられるような政策をしていく方がいいんじゃないかというふうに考えています。
○参考人(岡崎重人君) ありがとうございます。 そうですね、自分が政策を考える立場であったらばというのでは、やはり、今日ここに呼んでいただいてお話をさせていただけたことを本当に感謝しているとともに、そういった当事者の声だったり家族の方の声、現場でこれを支援をされている方の声というのが反映されることというのがとても大切だなというふうには感じています。 大麻についても、もちろん医薬品に関して、私もてんかんを持病として持っている知り合いがいて、その人がすごく困っていて、やっぱり大麻を頼りたいというような形で話を聞いたこともありましたし、より良く生きていけるために、治療が必要な人にはその治療が提供されるべきだと思うんで、依存症対策とかそういった部分に関してはもっと議論を、話合いをする、対話をしていくという場を始めていける何か機会として、こういう、今回呼んでもらえてすごくうれしいなというふうに思っています。 以上です。
○天畠大輔君 代読いたします。 同じく、丸山参考人と岡崎参考人のお二人に日大アメフト部の問題について伺います。 当初、警察への通報を控えた大学当局の対応について、また、この対応を非難する一部世論の反応についてどう思われますか。丸山参考人から順にお願いいたします。
○参考人(丸山泰弘君) 非常に答えづらい、大学教員としては答えづらいところなんですけれども、ただ、ここはちょっと立場を、その所属はおいておいて、自分の率直な意見を述べさせていただきますけれども、教育機関ができることというのはやっぱりありまして、いかに学生を守って、学生の社会復帰をどう支援していくかということが大事だと、まず、ふうに考えていますし、そもそも、いろんなハードなスポーツをされる方に大麻というのが結構相性がいいことがよくあります。 アメリカでも、アメフトやNBAもメジャーリーグベースボールも、いろんなところがそのドーピングの検査のところから大麻を外すというような方向に行っていますし、選手団たちがそういうふうな大麻の使用をする権利というのを訴えていっています。 皆さんの記憶に新しいところでいくと、例えば東京オリンピックのときに陸上の選手が、有望な陸上選手が大麻が関連したことによって、出てきたので、日本でその競技に出れないということがあったんですけど、その後、アメリカのオリンピック協会は、そういった、大麻に関するところでそういう規制をしないということの方向を進めていっています。 更に言うと、NCAAという大学のスポーツをサポートする団体がアメリカにはありますけど、ここも、より大麻を使用していくということは緩やかに緩和していくという方向性を示していますので、明らかにこの日本の厳罰的な対応とは違った方向に進んでいるということです。 ですので、一方的に、もちろん使用してはいけないという前提がある中でやったというところの規範違反に対する何かはあるのかもしれませんが、それで彼らの人生が奪われたりとか、そもそも存続をどうだというような話になっていくものと、明らかに世界の流れとは反対の流れになっているのではないかと考えています。
○参考人(岡崎重人君) とてもかわいそうだなというふうには感じます。 大麻に限って言えば、大麻で逮捕されて、罪を受けて、起訴されて、罪や罰を受ける以上に、社会的な制裁というか、周囲からの目だったり、家族が周りに対して話をするとかという部分においても、その人の周りにいる人たちにもすごく大きなダメージというのが残るものだろうなというふうには感じております。 以上です。
○委員長(比嘉奈津美君) 天畠君が発言の準備をしておりますので、お待ちください。
○天畠大輔君 岡崎参考人に伺います。 依存症者だったときに今以上に厳罰化がもしされていたら、今のように回復されていたと思われますか。
○参考人(岡崎重人君) それは、今、ここにいないからちょっと分からないというのも現状です、厳罰だったかどうかというのは。 厳罰、今から二十年前も特に変わらなかったかなというふうに思います、その法的には。ないし、昔よりも依存症ということに対しての情報だったり、そういうものは二十年たった今は出ているので、ちょっとそのときがどうだったかというのは、私は、あのときがあったから今の自分がいるので、済みません、申し訳ないです。
○天畠大輔君 代読いたします。 再び丸山参考人に伺います。 丸山参考人は御著書の結びの中で、刑事司法における薬物依存治療プログラムの意義に関して、強靱な市民社会という表現をされています。この強靱な市民社会の具体的イメージについて御教示いただきたいと思います。
○参考人(丸山泰弘君) ありがとうございます。 著書の結びのところかと思うんですけれども、基本的にはいろんな、犯罪学の考え方として、マジョリティーが望む行動を取らないマイノリティーに対してそれを犯罪という位置付けにして、それの行動を変えることを刑罰と呼んだり矯正と呼んだりするということが社会学で指摘されたりしているということが前提にありまして、とすると、薬物というのは、その国、その文化によって規制したり規制しなかったりというのは、そのときのマジョリティーがどうするかというふうに使われがちなんです。 となると、統制の道具として使われるようになってくると、それが、言うことを聞かない人に対して、刑事司法で刑罰として扱うか、若しくは困った病人だから病人として医療で管理するかというような、大体こういうふうな二択になっていくわけです、刑事司法で統制するか、医療で統制するか。 そういうことではなくて、私は、一市民、市民が自分たちの生き方を決定していって、自分がこういうふうに生きたいんだということを自分で決めれる社会こそが大事であろうということを結びに書いたということです。
○委員長(比嘉奈津美君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。
○天畠大輔君 法案の問題点を再認識できました。 ありがとうございました。
○委員長(比嘉奈津美君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございます。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十六分散会