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212回国会参議院2023/12/06

憲法審査会 第2号

発言数
78
登壇者
28
会派数
7
開催日
2023/12/06

会議録

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまから憲法審査会を開会いたします。  日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査を議題といたします。  本日は、憲法に対する考え方について意見交換を行います。  まず、各会派から意見表明を行った後、委員間の意見交換を行います。  全体の所要は二時間を目途といたします。  発言時間につきましては、経過状況をメモで通知し、時間が超過した際はベルを鳴らしますので、あらかじめ御承知願います。  また、御発言は着席のままで結構でございます。  なお、委員間の意見交換において発言を希望される方は、各会派からの意見表明の間にあらかじめ氏名標をお立てください。  それでは、まず各会派一名ずつ、各五分以内で御意見を順次お述べいただきたいと存じます。  山本順三君。

山本順三自由民主党

○山本順三君 自由民主党、憲法審査会筆頭幹事の山本順三です。  今後の憲法審査会の進め方について申し上げたいと思います。  憲法公布後七十六年が過ぎ、社会も人々の考え方も大きく変化をし、当時想定していなかった事態に直面している以上、改めて国民の皆様に憲法はどうあるべきか考えを伺うときが来ているというふうに思っております。  そこで、本憲法審査会としては、これまで表明された各会派の意見等を集約し、今後の議論の方向性を見出し、論点を絞った形で議論を進め、成果をまとめ上げていくことで責務を果たすべきだと考えております。  本憲法審査会は、令和四年参議院選挙定数較差訴訟の最高裁判決について、先般、説明聴取と意見交換を行いました。また、さきの通常国会でも、緊急集会については四回、合区問題については二回、双方についての意見表明を一回、計七回にわたり、有識者からの意見聴取も含めて活発に議論を重ねてまいりました。  その上で、合区問題等について進め方の考えを申し上げます。  合区対象県の投票率の低下は参議院として無視できない民主主義の根幹に関わる重要な問題であること、全国知事会から憲法改正による合区解消と現行憲法の地方自治の規定の充実を求める声が寄せられていること、さきの最高裁合憲判決が本憲法審査会における議論に触れたことについては、較差の是正を含む選挙制度改革に向けた参議院の努力の一つとして言及されたものと理解し、引き続き本審査会での議論が求められていると考えられることなどから、本憲法審査会において議論を深めていくことが重要だと考えております。  ただし、現在、参議院改革協議会の選挙制度専門委員会において精力的に議論されていることから、まずはその議論の進展を見てはどうかと考えているところでもあります。  次に、参議院の緊急集会を含む緊急事態対応について申し上げます。  この議論では、我が会派から、緊急集会は、衆議院議員の不存在により国会が召集できない場合に緊急の必要が発生したとき、総選挙により衆議院議員が選出され国会が召集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら暫定的な処置等を可能とするものとの見解を示したところです。そこから、参議院の緊急集会は、衆議院解散時のみならず、任期満了後の衆議院議員の不存在も含まれるとの解釈を申し上げました。緊急集会を開く期間についても、特別国会が開催されるまでの最長七十日間との考えを述べてまいりました。その上で、参議院の緊急集会を超えた事態が発生したときに憲法に条文がないエマージェンシーパワーに委ねることについて、民主政治の視点からの議論の進展が不可欠であると申し上げました。  そして、他会派からも、我が会派と同様の意見やあるいはまた異なる意見が表明され、その後の幹事懇では、作成指示を受けて事務局がまとめた発言内容整理表案が示され、論点ごとに共通点やあるいは相違点が明らかにされたところであります。  そこで、これまでの議論を踏まえ、二院制の下、憲法五十四条に参議院に与えられた緊急集会、さらに、これを含めて緊急事態対応についてもしっかりと議論を深め、統一の見解を求めていくことはまさに本憲法審査会の責務であると考えます。また、ただいま掲げた論点以外にも、我が党が主張している自衛隊の明記、教育充実についても具体的かつ本格的に議論を深めていく時期ではないかと考えております。  以上、今後の憲法審査会の進め方について申し上げました。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 辻元清美君。

辻元清美立憲民主・社民

○辻元清美君 立憲民主・社民の辻元清美です。  本日は、国民投票法の議論の必要性を提起したいと思います。  二〇〇七年、十六年前、国民投票法が成立いたしましたが、当時、私は衆議院特別委員会の委員として国民投票法の議論を重ねてまいりました。現在、この頃には思いも及ばなかった事態に直面していると危機感を深めております。それは、デジタル技術や生成AIなどの進展によってディープフェイクと呼ばれる偽画像が社会を混乱させ、民主主義を脅かす事態を招いているということです。  今年五月、憲法に関し何を優先して議論すべきかという朝日新聞の世論調査がありました。七項目から複数回答できる調査でした。一位が憲法改正のための国民投票の在り方で四六%、二位がデジタル時代における人権保障の在り方で四四%でした。ちなみに、緊急事態時の国会議員の任期延長は一八%にすぎず、七項目め、下から二番目でした。  この世論調査の結果から、国民はデジタル時代の便益も感じつつ、自分たちの人権や生活だけではなく、選挙や改憲の国民投票までもがゆがめられかねないと危機感を強めていることが読み取れます。  先日、生成AIを利用して岸田総理らの偽発言を作り出せるアプリがネット上に公開され、一層危機感が高まっております。  アメリカでは、AIが勝手に自身の改良を始め、世論誘導などのコントロールができなくなるといったリスクまで指摘され、来年の大統領選挙を控え、公正な選挙と民主主義をAIの干渉から守る取組の検討が始まっております。また、台湾では、来年一月の総統選挙を控え、他国の関与も疑われる偽情報が急増していると言われております。先日、G7議長国の日本は、偽情報拡散を防ぐための対策を重視した広島プロセスの声明文を先日まとめました。  さて、そんな中で、二〇二一年、二年前の国民投票法改正のとき、これらのことの懸念も出ておりました。そういう関係から、附則の第四条の二に、イ、国民投票運動等のための広告放送及びインターネット等を利用する方法による有料広告の制限、ロ、国民投票運動等の資金に係る規制、ハ、国民投票に係るインターネット等の適正な利用の確保を図るための方策の実現を求めることが決められております。  この改正議論のとき、発議者からは、附則四条の趣旨として、法改正なくして改憲発議はできない、また、与党の発議者からも、自由と公平公正、このバランスを回復するために所要の措置を講じることが必要、法改正が必要ではないかと答弁していることを改めて確認したいと思います。  この議論のときよりも更にAI、生成AIによるフェイクなどの深刻度が増していますので、本審査会でこの問題を放置しておくことはできないと、議論を深めるべきだと提起をいたしたいと思います。  あわせて、国民投票法で規定されている広報協議会の在り方についても議論が求められております。国民投票が偽情報でねじ曲げられるような状況は、憲法改正に賛成、反対、立場は関係なく放置できない問題であると考えます。  最後に、先日の予算委員会で私は、岸田総理の任期中に憲法改正をという発言を取り上げ、議論をいたしました。私が、議会のことは議会で決める、いいですねと念押しすると、岸田総理は議会に任せると同意をされました。立法府の矜持を持って議論を進めていきたいと思っています。  一方、昨日は自民党の会合で同様の発言をされたようですが、今大きな問題が発生しています。パーティー券キックバック裏金問題です。裏金疑惑にけじめも付けられず、憲法改正について、私は、岸田総理が語られたこと、語る資格があるのかしらと実は思ってしまいました。政治の信頼なくして憲法論議は成り立ちません。この中に関係者はいないと私は信じておりますけれども、しっかりとやはり政治の信頼を取り戻す、これは憲法の論議の土台になるということを申し上げて、私の発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 塩田博昭君。

塩田博昭公明党

○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。  緊急集会と議員任期の延長について意見を申し上げます。  参議院の緊急集会について、衆議院の憲法審査会では、二院制が憲法の重要な原則であり、例外的に一院による緊急集会を認めているにすぎず、その活動期間等は限定的と解釈すべきという意見が述べられました。そして、緊急集会の期間や権限について、現時点では何も歯止めがない状態であり、拡大解釈は危険との指摘もなされています。その上で、緊急集会で全て対応するのではなく、憲法改正により衆議院議員の任期を延長して二院制を維持する方が権力分立と国民主権の観点から優れているとの指摘がなされています。  しかしながら、そもそも憲法制定時の帝国議会において金森大臣は、緊急集会について、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するために政府の一存で行う処置を極力防止しようとするものであると答弁しております。つまり、緊急集会は権力分立と国民主権を保つために設けられた制度なのです。  さらに、本審査会で五月に土井参考人が指摘したとおり、緊急集会の開催を要求し案件を提示する権限を持つのは、衆議院に基礎を置く内閣です。その内閣を統制するための審議、議決権を参議院に認めるだけでなく、事後の同意権を衆議院にも、衆議院に持たせることで、内閣、衆議院、参議院それぞれの権力が分立し、互いに抑制することによってバランスを取ることができる制度設計となっています。  一方、議員任期の延長については、長谷部参考人からそのリスクについて指摘がありました。衆議院議員の任期が延長された場合、選挙で選ばれていない衆議院議員のいる状況であるにもかかわらず、国会の権限が行使され、通常時と変わらずに法律制定ができるようになり、緊急時の名を借りて通常時の法制度そのものを大きく揺るがすような法律が次々に制定されるリスクがあるということであります。  つまり、権力分立と国民主権の観点から、緊急集会と議員任期の延長のいずれが優れているとは言い切れず、それぞれの優れた点や問題点を細やかに洗い出す必要があるのではないでしょうか。  今後の本審査会におきましては、本年六月七日の本審査会において我が会派の西田幹事が示した、衆議院の解散後又は任期満了前後に災害など緊急事態が発生した場合における対応策としての二案を含め、緊急集会の権限、その活動期限、議員任期の延長等について更なる議論がなされることを希望いたします。  合区の解消について意見を申し上げます。  合区について、私ども公明党は、特定の県のみがその県から議員を選出できない制度となっているため住民から多くの不満が出ていることを認識しており、改める必要があるとの立場であります。参議院の選挙区を都道府県単位とすることで合区の解消を図るべきとの意見もありますが、日本国憲法は衆参両議院の議員を全国民の代表としております。また、法の下の平等を踏まえれば、一人一人の投票価値はできるだけ平等であることが重要です。  この二つを両立させるために、私ども公明党は、かねてより全国を十一のブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱しております。そうすることで、憲法が求める投票価値の平等を更に追求しながら、参議院選挙区の持つ独自の地域代表的な性格と両立、調和させることを通じて、参議院全体としての全国民の代表としての性格を保つことが可能となります。  今後も人口やその分布が変動することは避けられない状況の中で、頻繁に選挙の仕組みを変更する必要がない安定的な制度を更に追求していく必要があるということを申し上げて、私の発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 猪瀬直樹君。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。  日本の意思決定はロジックでなく空気によってつくられて動いていくと、それでよいのかというテーマで述べさせていただきます。  憲法九条に自衛隊を明記する是非の議論が今年四月に衆議院の憲法審査会で行われました。御承知のとおり、自衛隊は、昭和二十五年に警察予備隊として発足してから、実に七十年以上もその憲法上の位置付けが曖昧なまま今日に至っています。  本日は、この曖昧さが我が国の国際貢献を妨げ、防衛産業の発展を阻害する結果を招いてきたことを防衛装備移転三原則の歴史的経緯を振り返りながらお話ししたいと思います。  昭和二十五年から始まった朝鮮戦争の中で、当時のGHQの生産許可を得て、日本の防衛産業は兵器や砲弾の製造を行いました。その結果、日本はいわゆる朝鮮特需で戦後復興を果たします。その後、一九六〇年代に東南アジア等への輸出も行われていましたが、東大が開発したロケットがユーゴスラビアに輸出された件をきっかけとして、共産圏諸国、国連禁輸国、国際紛争当事国等への武器輸出を禁止すると、いわゆる武器輸出三原則が佐藤総理の国会答弁として一九六七年に表明されました。  お配りした資料、ちょっと見てください。資料の一番左の部分です。このときまで輸出禁止地域以外への武器輸出は可能とされていたのですが、野党からの批判を受けて通産省が慎重に対応するようになり、民間機YS11のフィリピン軍への輸出にも否定的な方針を立てたりしました。  武器輸出三原則は法律で規定されたものではありませんでしたが、外為法上の輸出許可品目となっており、その許可権限は当時通産大臣が持っています。当時も民間産業界には武器輸出や国際共同開発のニーズはありましたが、それにもかかわらず国会での追及などを受け、徐々にその制約はきつくなりました。  資料左から二番目ですが、一九七六年の二月に、当時の三木内閣が武器輸出に関する統一見解を表明しました。このとき、三原則対象地域以外の地域については、憲法及び外国為替及び外国貿易管理法の精神にのっとり、武器の輸出を慎むものとすると。慎むものとすると記述されたことで、これまで外為法の運用基準になかった武器輸出抑制政策が憲法及びと付け加えられたことにより、憲法の平和主義精神と結び付けられてしまったのです。  その後、一九八一年に内閣法制局長官が武器輸出三原則は憲法の平和主義の精神にのっとったものと答弁したり、八三年に山中貞則通産大臣が、日本は人を殺傷するための武器を輸出する国に絶対してはいけないし、ならないと答弁しました。憲法とのひも付けが明確な根拠もなく、平和という言葉が無制限に膨張していきました。  日本という国が一旦強化された規範や規制を緩めるのは容易なことではありません。資料の右側にありますが、その後、一九八三年以降、アメリカに対する武器技術の供与を始めとする個別の例外化措置が十八回行われ、また、二〇一一年十二月の野田内閣において、防衛装備品等の海外移転に関する基準が官房長官談話として出され、例外化措置の類型化が行われましたが、曖昧なまま規範となってしまった。実質的な原則全面禁止、例外として一部のみ認めるという政府の姿勢は変わりません。すなわち、禁止というネガリストの上に、やれることを列挙するポジリスト型になってしまいました。  二〇一四年四月に安倍内閣において策定された防衛装備移転三原則は、この憲法との曖昧な結び付きを再構成しようとする試みでした。ここでようやく積極的平和主義を打ち出し、憲法における武器輸出の解釈を国際法上のものに近づけ、一九六七年の佐藤総理の答弁に立ち返ろうとしたのです。しかし、その後実現した完成品輸出の成功例はフィリピンへの地上警戒管制レーダー輸出のたった一件のみです。  この実態を改善すべく、三原則の運用指針見直しが与党実務者協議において議論されていると聞いていますが、なかなか議論が進まず、憲法の平和主義の狭隘な解釈に縛られているように思えます。  本来普遍的であるはずの国際平和主義が我が日本においては憲法と奇妙に結び付き、武器を忌避する特殊な世界が生まれてしまいました。その結果、今般のウクライナ紛争においても……

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。

猪瀬直樹日本維新の会

○猪瀬直樹君 防衛装備品の支援すら十分に行い得ない、そのできない理由として、これまた曖昧に三原則が持ち出されてしまう状況です。  この曖昧さから脱却して、我が国が国際法上の常識が通用する普通の国になるためにも、九条への自衛隊の明記を始めとした明確化、憲法に実態を織り込むことがどうしても必要だと考えます。  以上です。どうもありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 礒崎哲史君。

礒崎哲史国民民主党・新緑風会

○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史です。意見を述べさせていただきます。  これまでの憲法審査会において様々なテーマに関して議論が行われてまいりました。この直近一年では参議院の緊急集会や選挙の一票の較差、合区問題について、それ以前では国会におけるオンライン審議、二院制、新しい人権、国民投票法改正などについて集中的に意見交換や参考人質疑が行われてきています。一つ一つが重要なテーマであり、丁寧な議論の積み重ねが重要だと考えています。  こうした国会におけます議論に加えまして、国民民主党としても、憲法は国民のものであり、参加と公開が必要不可欠と考え、国民参加型、フルオープンの会議体を党内に設け、議論を重ねてまいりました。憲法学者を始め、多様な分野からの有識者の方々をお招きし、オンラインでのライブ配信を行うなど、双方向の意見交換を心掛け、フラットな対話を積み重ねることで現時点における論点の整理を行い、二〇二〇年十二月にその内容については公表をさせていただいているところであります。  例えば、人権分野においては、憲法制定時には予測できなかった時代の変化に対応するため、人権保障のアップデートが必要だと考えています。特に人工知能とインターネット技術の融合が進む今、国際社会では個人のスコアリングと差別の問題や国民の様々な行動に不当な影響を与えるネット広告の問題などが指摘されています。デジタル時代においても個人の自律的な意思決定を保障し、民主主義の基礎を守っていくため、データ基本権などの議論を深めていくことが必要と考えます。  また、統治分野においては、語数が少なく規律密度が低いという日本国憲法の特徴がゆえ、時の権力による恣意的な解釈や運用を許しやすいという問題があると考えます。  こうした点については、国民が求める大切なルールについては明文化するなどの対応が考えられ、具体的には総理の解散権の制限や臨時国会の召集期限の明文化などの議論が必要だと考えます。  また、近年におけます災害の多発化やコロナ禍で顕在化した課題を解決する観点から、緊急時における行政府の権限を統制するための対応策が必要と考えます。この点に関しましては、いかなる緊急事態においても国会機能を維持し、権力を統制、分立することが重要であるとの考え方に基づき、日本維新の会、有志の会、国民民主党の三党派にて議論を深めることで、衆議院の議員任期延長や、緊急事態の状況下における内閣の権限行使に当たって国会の承認の必要性を明文化するなどの考えをまとめさせていただき、そして提案をさせていただいているところでもあります。  以上、そうした私たちの問題意識の一例を申し上げましたが、国民民主党は、憲法が定める基本原則、人権尊重、国民主権、平和主義をこれからも守り続けるために憲法の規範力を高めるための議論を続けていくことが重要と考え、こうした論点整理や提案を行ってまいりました。  今後も、更なる科学技術の進歩や社会の変化、将来の起こり得る災害を始めとした緊急事態に備え、基本的人権を保障する観点で私たちが何を想定し、どこまでを想定内として、そして統治体制をどのように整えていくのか、この憲法審査会で丁寧に議論を重ねていただけますことをお願い申し上げます。  また、本審査会で述べられている皆様の多様な意見について、より多くの国民の皆様により深く御理解をいただくためにも、今後の議論の参考とできるようにその内容を整理の上、分かりやすく取りまとめていくなどの対応も必要と考えます。  是非こうした点も今後検討いただけますことをお願い申し上げまして、私の意見とさせていただきます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 山添拓君。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  岸田首相は今国会の所信表明演説で、改憲は先送りできない重要な課題と強調し、改憲発議に向けた手続を進めるための条文案の具体化にまで言及し、議論の加速を求めました。国会でお決めいただくことと断りながら繰り返し改憲論議をあおるのは、憲法尊重擁護義務を踏みにじるもので、そもそも許されません。  月刊誌のインタビューで岸田首相は、自衛隊明記は安倍元総理が提起された重要な論点ですと語り、九条への自衛隊明記を焦点に据えています。昨年十二月に閣議決定した安保三文書に基づき、空前の大軍拡を進める自衛隊を憲法に位置付けようとするものです。  敵基地攻撃能力の名で導入が狙われるのは、射程三千キロ、マッハ五で飛ぶ極超音速ミサイルなど、他国領土の奥深くに攻め込む長射程ミサイルです。専守防衛と相入れず、他国に脅威を与える軍事大国となることは明瞭です。日米一体化の下、自衛隊が米軍の先制攻撃に集団的自衛権で参戦することになりかねず、その結果は日本への報復攻撃による国土の焦土化です。歴代政府の見解を説明もなく百八十度転換し、敵基地攻撃能力保有に突き進むのは、立憲主義を破壊する暴挙と言うほかありません。  戦闘機など殺傷兵器の輸出解禁の議論が秘密裏に進められています。国際紛争を助長する武器輸出は行わないとしてきた日本国憲法の下での平和主義を投げ捨て、死の商人国家へ堕落することは断じて許されません。  パレスチナ・ガザ地区でイスラエル軍が戦闘を再開し、学校や難民キャンプを攻撃しています。北部から南部へ、南部から更に南へ、住民に退避勧告を出し、移動を強制しています。病院は人であふれ、国連のグテーレス事務総長はガザに安全なところはどこにもないと訴えています。ジェノサイド、集団殺害を絶対に許してはなりません。  ハマスが人質を解放すべきことは言うまでもありません。同時に、日本政府がイスラエル軍の国際人道法違反を批判せず、即時停戦をいまだに求めようともしないのは、人道危機の回避よりアメリカへの追随を優先する異常な姿です。戦闘の一時的休止では深刻な人道状況を打開できません。攻撃の中止とともに、即時停戦のための協議を直ちに求めるべきです。  「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」と掲げる憲法を持つ日本こそ積極的な役割を果たすべきです。国際社会の現実は、武力では平和を築けないことを示しています。安全保障といえば軍事的抑止力という呪縛から抜け出すべきです。  日本共産党は、ASEANと協力して、東アジアを戦争の心配のない地域にする外交ビジョンを掲げてきました。排他的なブロック政治ではなく、地域の全ての国を包摂する平和の枠組みで対話と協力の地域をつくる。東アジアでは現に、東南アジアでは現にその努力が重ねられています。憲法九条を生かした外交で平和への展望を開くべきです。政治は今、物価高騰にあえぐ暮らしと経済を支え、世界でも日本でも戦争を起こさせないために力を尽くすべきです。  戸籍上の性別変更に当たり、生殖不能とする手術要件を課す現行法を違憲とする最高裁判決が出されました。生活保護費の基準引下げをめぐり、決定の取消しと国家賠償を認める初の高裁判決が出されています。憲法が保障する自由と権利を充実したものとするために、政治は自らの姿勢を改めるべきです。ましてや、憲法破壊を重ね、平和も暮らしも脅かす大軍拡を進め、憲法の求める外交に背を向ける政治に改憲を語る資格などありません。  十月のNHK世論調査で、岸田内閣が最優先で取り組むべきこととして憲法改正を挙げた人は四%にすぎません。国民の多くが改憲を政治の優先課題として求めていません。先ほどの自民党からの発言では、最初に挙げられた合区解消問題ですら、まずは改革協での議論の進展を見てはどうかというものでした。  今、憲法審査会を動かすべきではないということを改めて強調し、意見といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 大島九州男君。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 大島九州男でございます。  憲法に対する考え方について、れいわ新選組の意見を申し上げます。  約一年前の当審査会で我が会派の山本太郎代表は、当時の世論調査で国政において国民が求める課題は、物価高、経済対策が一位で四二・六%、憲法改正は五位で五・六%にすぎないと指摘しました。今年十月の世論調査では更に差が開き、物価高対策を含む経済政策が一位で五〇%、憲法改正は六位で僅か四%となっています。国民が求め続けているのは、憲法改正ではなく、憲法が保障する生存権や幸福追求権を脅かしている物価高への対策であることは明らかです。  岸田総理は、物価高対策として所得税、住民税の増収分を国民に還元するとしていますが、インパクトもスピード感もありません。我が会派は繰り返し主張しておりますが、法人税減税とセットで増税されてきた消費税の廃止、つまり、負担を減らし使えるお金を増やす、これこそが最も国民が実感しやすく、ふさわしい物価高対策ではありませんか。  先日の予算委員会で山本代表が岸田総理に、なぜ消費税を減税、廃止しないのか問いましたけれども、説得力ある御答弁はいただけませんでした。  また、最近、再びガソリン税のトリガー条項が話題になっておりますが、我が会派は、消費税の廃止に加え、そもそものガソリン税ゼロを主張しております。そうすれば、車が必需品である地方における生活の負担軽減、物流コストの軽減による物価高の抑制になります。  先ほど御紹介した今年十月の世論調査の第二位は少子化対策でした。自民党は、教育充実についてという改憲条文イメージで平成三十年に発表しておりますが、また、岸田総理は異次元の少子化対策を挙げているところでもあります。  しかし、これらについて我が会派の意見を申し上げます。  まず、教育の充実や少子化対策のために憲法改正が必要か否かについて、我が会派は、これらの施策は現行法の運用や改正で十分対応できるものであるため、憲法改正は不要と考えています。  次に、少子化対策の中身についてです。今年三月に実施された九州の地方紙四紙の合同アンケートによると、重視する子供施策は世帯収入の多寡に関係なく教育費支出と答えた人が多く、その割合は五割強と突出し、重い負担感を訴える声が相次いだとのことであります。政府のこども未来戦略方針の加速化プランでは、奨学金制度の充実と授業料後払い制度の創設などが掲げられていますが、これで本当に教育費の負担の軽減になるのでしょうか。  我が会派は、本当の教育の無償化、つまり、学ぶ気があれば借金せずに大学まで無料で行ける社会をつくるための大学院までの教育無償化、既に奨学金で借金を負った人々の返済を免除する奨学金徳政令を以前から主張しております。加えて、我が会派としては、このような教育の無償化だけではなく、フリースクールといった民間での教育についても国が支援すべきと思っていますし、教育に民間の力を生かすことも必要だと考えています。  次に、安全保障について、我が会派は集団的自衛権は憲法上認められないとの立場です。政府も従来そのような解釈でしたが、安倍政権時にも、憲法改正もせずに閣議決定で解釈変更し、強行採決で立法化しました。憲法を飛び越えた立法は許されず、集団的自衛権の行使を盛り込んだ一連の法改正は白紙撤回すべきです。  また、米国の顔色をうかがって核兵器禁止条約の参加を決断できないのは、世界で唯一の戦争被爆国である日本にとって情けないことです。速やかに核兵器禁止条約に署名、批准するべきです。  また、議員任期の延長改憲の根拠とされている参議院の緊急集会が七十日間前提の平時の制度という見解は立憲主義に反する異論であり、当改憲には断固反対をいたします。  以上、憲法に対する考え方を申し上げました。  山本代表も当審査会で繰り返し指摘をしておりますが、生存権や幸福追求権といった憲法に規定された基本的人権が憲法の趣旨のとおり保障されているか、憲法違反が生じていないかを調査することこそが当審査会の役割であります。  国民は憲法改正を求めていません。国民が求めているのは憲法が保障する基本的人権の充実、違憲状態の是正であり、そのことについて当審査会は議論すべきと申し上げて、私の発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 以上で各会派の意見表明は終了いたしました。  次に、委員間の意見交換を行います。  一回の発言時間は各三分以内でお述べいただきたいと存じます。  なお、発言が終わりましたら、氏名標を横にお戻しください。  片山さつき君。

片山さつき自由民主党

○片山さつき君 参議院自民党の片山さつきです。  私も、これまで参議院憲法審査会で議論を深めてきた成果を生かす観点から、参議院の緊急集会を含む緊急事態対応について、明確になった論点ごとに各会派から条文案を含む具体的な考えを提示し合い、それを基にしっかりとした議論を進めていくことで、国民の皆様に憲法の条文案をお示しするという本憲法審査会の責務を果たすべきであると考えております。  その上で、参議院の緊急集会を含む緊急事態対応についての具体的かつ前向きな議論を進めず、前回までの整理で一旦止めるということであれば、本憲法審査会においてここまで緊急事態対応と比較して議論が進んでいなかった憲法への自衛隊の明記について課題として取り上げて、憲法改正原案などを審査するという本憲法審査会の設置趣旨にのっとった活動を行うべきであります。  そもそも国の最大の責務は国民の生命と財産、領土や主権を守り抜くことにあることからすれば、最も根幹的な国防規定について議論をし、憲法にどう反映させていくのか、これを考えることが参議院の緊急集会を含む緊急事態対応と併せて最優先で取り組むべきであります。  現在の国際社会は、憲法が規定する平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して我らの安全と生存を保持できる状況とはなっておりません。一九九四年、ウクライナが核兵器を放棄できる、放棄することと引換えに、米国、英国、ロシアがウクライナの領土一体性に対して軍事力を行使又は利用しないことを保障するブダペスト覚書に署名をしております。  また、ウクライナは専守防衛を掲げて、独立後、軍備を縮小させてきました。しかし、それにもかかわらず、ロシアは一方的に武力により侵略を開始し、ウクライナ国民の基本的人権をじゅうりんしているのであります。  国連も、残念ながら、ロシアが拒否権を有しているがために、この蛮行を止めることができておりません。  このような厳しい現実の中、自衛隊は、憲法九条一項、二項の下で、自衛権を行使する実力組織として、日夜献身的な努力で日本と国民を守っています。しかし、自衛隊は憲法に明確に位置付けられておりません。自衛隊が合憲であると言い切る憲法学者は二割にすぎず、自衛隊を違憲の存在だと主張する政党もあります。我が国の憲法と自衛隊の憲法上の位置付けがこんな状態でよいわけはありません。  既に我が党は条文イメージを示しております。各会派同様に条文案を含む考えを示した上で、それらについての具体的かつ緻密な議論を通じて成果を得て、それを主権者たる国民の皆様にお示しして判断を仰ぐべきであります。  以上、私が考える本憲法審査会の進め方についての御意見を申し上げさせていただきました。是非御理解のほど、よろしくお願いをいたします。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 福島みずほ君。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。  緊急事態条項の創設について述べます。  緊急事態条項の創設に反対です。  自民党日本国憲法改正案に、緊急事態条項は、内閣は法律と同じ効力を持つ政令を作ることができるとしています。国会は、憲法四十一条が定めるとおり、唯一の立法機関です。主権者である国民から選ばれている国会でしか立法ができません。  しかし、内閣が法律と同じ効力を持つ政令を作り、基本的人権を制限することもできるとなれば、まさに立憲主義の否定です。国会の否定、基本的人権の否定です。ナチス・ドイツの国家授権法は内閣限りで基本的人権を制限できるとしていたために、あの暴虐の限りが可能でした。緊急事態条項は、ナチス・ドイツの緊急事態条項と同じです。  衆議院の憲法審査会で議論している緊急事態条項、国会議員居座り改憲は、まさに非常に危険です。国民が選挙で政治を変えたいと思っても、任期を延長し、国会議員が居座り、選挙をさせないからです。民主主義の否定です。  また、緊急事態条項は戒厳令の役割を果たしかねません。百年前、日本の政府は、朝鮮人の暴徒化を理由に戒厳令をしき、暴徒化しているので戒厳令をしいた、今後監視をするようにとの電信文を地方に発出します。このことが、デマを本当だと人々が思い込み、むしろ政府にあおられ、混乱に乗じて朝鮮人、中国人、社会主義者、労働組合の活動家などなど、虐殺が起きます。戒厳令十四条などを超えた形で虐殺が起きます。  基本的人権を踏みにじる緊急事態条項に反対です。ましてや、国会議員居座り改憲を国会議員が提案することは言語道断です。  憲法九条についてお話をいたします。  安保関連法、戦争法で集団的自衛権を認めました。違憲の法律です。そして、安保三文書でも敵基地攻撃能力保有を認めました。憲法に明記される自衛隊は、集団的自衛権の行使をする、まさに戦争する自衛隊です。  自民党の提案する憲法九条改正では、自衛隊の行為に違憲の行為がなくなると考えます。戦争する自衛隊の明記にしかなりません。九条を論ずる際には、憲法違反の安保関連法、戦争法を廃止してからしかスタートできません。  憲法尊重擁護義務を持つ国会議員や国務大臣が、とりわけ政府・与党が憲法を踏みにじっていることに強く抗議をします。憲法を守らない人たちに憲法を変える資格はありません。  ましてや、今、政治と、先ほど辻元清美理事が言いましたが、政治とお金の問題が沸騰しています。官房機密費の問題も沸騰しています。国民が政治を信頼しない、まず政治と金の問題についてきちっと決着を付けることでしか政治の信頼は回復しない、ましてや憲法論議などできないということを申し上げます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 松下新平君。

松下新平自由民主党

○松下新平君 自由民主党の松下新平です。  我が国が直面する急速な人口減少、そして厳しさを増す安全保障に関連して、これからの当審査会の議論の進め方について意見を申し述べます。  前回、そして一年前の憲法審査会で、私は、地方での急速な人口減少と大都市への人口集中が続く中、投票価値の平等だけを追求すれば合区選挙区が急増しかねないという強い懸念を示した上で、都道府県の果たす重要な役割と都道府県単位で国会議員を選出する必要性に鑑みると、合区問題の抜本的解決には我が党が示した条文イメージによる改憲が必要と主張いたしました。  一方、現在、参議院改革協議会の選挙制度専門委員会が精力的に議論を続けられています。まずは参議院改革協議会による議論の進展を見守りたいと思います。  次に、安全保障環境に関連して申し述べます。  ロシアのウクライナ侵攻や中東情勢など、世界各地で深刻な事態が生じています。日本周辺でも、一方的な現状変更の試みや、先月二十九日に本院が抗議決議を行ったように北朝鮮の蛮行が繰り返されるなど、我が国を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しい状況です。国民の皆様も厳しさを増す安全保障環境を強く意識しているのは明らかです。  本年五月の読売新聞の世論調査では、憲法を改正する方がよいとの回答が六一%と二年連続で六割台、改正しない方がよいとの回答の倍近くです。ウクライナ侵略による意識の変化では、憲法を改正するべきだという意識が高まったが四〇%と、今の憲法を守るべきだという意識が高まったの、こちらもほぼ倍です。  一方、我が国の安全保障の中核である自衛隊については、今も学者の中では違憲だという根強い主張が続いています。憲法に自衛隊が明確に位置付けられていないために、万が一のときに憲法論議が巻き起こり、迅速に対応できないのではないかという不安を感じるからこそ、国民の間に憲法改正が必要との意識が高まりつつあるのではないでしょうか。  我が国は改憲四項目の一つに自衛隊明記を提案しております。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。

松下新平自由民主党

○松下新平君 はい。  以上で終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 浅田均君。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 人工知能、「AI 社会支配の恐れ」という見出しで、人工知能研究を先導してきたトロント大学のヒントン名誉教授へのインタビュー記事が十二月四日の読売新聞朝刊に掲載されました。  私も、人工知能、とりわけ生成AIが登場して以来、社会を支配してしまうのではないかと懸念しております。AIが人類の知能を超える特異点、シンギュラリティーは二〇四五年より早く起こると考えています。  まず、この場におられる委員の皆様には、ネットでゴースト・ロボティクス社の犬型ロボットやボストン・ダイナミクス社の人型ロボットを是非御覧いただきたいと思います。これらのロボットは汎用性が高く、多方面で人以上の活躍が期待できると思われます。何らかの形で人が関与していますが、搭載AIを生成型にすることによりロボットが自律して、つまり自分で判断、意思決定して動くロボットに変わります。この自律性を持つ人型ロボットが殺人を犯したとき、殺人罪は適用できるのでしょうか。被害者はどう救済されるのでしょうか。自律性を持つ人型ロボットや機械兵器群が我が国を攻撃してきたとき、防衛出動を発令することはできるのでしょうか。  プリゴジンとロボットは紙一重です。特定通常兵器使用禁止制限条約、CCWの中で自律型致死兵器システム、LAWSについて議論が重ねられていますが、どこまで規制するか結論は出ておりません。しかし、立憲主義による国家を存続させようとするならば、また、国家の役割を国家国民の生命、財産を守ることとするならば、生成AIの時代に対応できる憲法を持つ国家にしておく必要があると思います。  生成AIの登場は、例えば、ロボットがロボットを作る、ロボットが集団をつくる、ロボット集団が国家をつくる、憲法を持つ、政府をつくる、警察、軍隊をつくる、何でもできます。ディープフェイクなど、ほんの表層にすぎません。  ロシアによるウクライナ侵略、アフガニスタンの戦争、アルメニアとアゼルバイジャン紛争は、ドローン戦争と言ってもいいほどドローンが使われています。偵察以外にも、通信妨害、攻撃等にLAWSの一種として開発が進められているAI搭載ドローンが、シミュレーション実験の最中とはいえ、AI自らの判断で操縦者である人間を攻撃するという事件が起きています。  孫子の兵法、「ガリア戦記」からクラウゼビッツ等まで学習した生成AIに対抗するために、憲法を変えたい人も守りたい人も憲法議論は避けられません。合区議論に終始しているうちに、生成AIはシンギュラリティーを……

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。

浅田均日本維新の会

○浅田均君 超えるでしょう。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 衛藤晟一君。

衛藤晟一自由民主党

○衛藤晟一君 自民党の衛藤晟一です。  憲法改正の必要性と意見の集約化について意見を述べさせていただきます。  まず、緊急事態条項についてですが、我が国は、約千五百年間で死者一千人以上の巨大災害が九十九回も発生しています。世界有数の災害大国です。さらに、内閣府中央防災会議は、近い将来に予想死者数が二・三万人の首都直下型地震や三十二・三万人の南海トラフ地震が発生すると警告しています。  このような災害への対応は法律ですればよい、緊急事態条項は必要ないとの意見があります。しかし、法律があったとしても、憲法に裏付けがなければ様々な弊害が生じます。例えば東日本大災害では、宮城県名取市で道路に乗り上げた船の撤去をめぐって裁判に発展しています。また、村井宮城県知事など現場の行政担当者からは、法律適用をためらったという証言もなされています。  さらに、私たちは、今まさにロシアによるウクライナへの侵略戦争を目撃しています。また、新型コロナによるパンデミックも経験しました。大規模自然災害、感染症の大規模蔓延、戦争、テロといったいわゆる四つの類型の、類例の緊急事態に備えなくてよいのでしょうか。  国民の命と生活を守るという責務を国会が果たすためにも、緊急事態条項の発議は必要不可欠です。特に、緊急時にも国会機能を維持するために国会議員の任期延長については各党の合意形成が進もうといたしています。早急に憲法改正原案を詰める作業に入るべきです。  次に、国防状況、自衛隊明記の必要性についてですが、御承知のとおり、憲法九条には自衛隊の存在が明記されておりません。遺憾ながら、自衛隊は解釈によって合憲の存在とされているわけです。  そのために、今なお、共産党など一部の野党、憲法学者の多数、一般の国民の自衛隊、一部の国民が自衛隊違憲論を主張しているのは厳然たる事実です。国家国民を守るため命懸けで崇高な任務に当たっている自衛官に対して報いるためにも、自衛隊の存在を憲法に明記すべきです。  最後ですが、憲法改正案の早期作成のために提案をさせていただきます。  憲法審査会は、多数の意見によって、多数の委員によって様々な憲法関連のテーマを審議しなければなりません。そこで、衆参両院の憲法審査会規程第七条、「憲法審査会は、小委員会を設けることができる。」を生かして、憲法改正原案を具体的に詰めるために憲法審査会の下に憲法改正、憲法、下に改正原案作業チームを設けて、そこで緊急事態条項、自衛隊明記に関する詰めた議論を行い、その結果を憲法審査会に報告していただくようにしたらどうでしょうか。よろしく幹事会での御検討お願いいたします。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 熊谷裕人君。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 立憲民主・社民の熊谷裕人です。  私からは、大規模災害などの際に緊急に立法機能の確保のために衆議院の解散時や任期満了時において衆議院議員の任期を延長する主張、主張する論がありますが、選挙を経ていないことでその民主的正統性に疑義が生じることからして、任期延長のための憲法改正は必要でなく、参議院の緊急集会をしっかりと活用すべきと主張させていただきたいと思います。  緊急集会は二院制の例外という単純な見解がありますが、憲法制定時の金森担当大臣が、衆議院議員の任期延長を明確に否定する一方で、衆議院の不在時の不便を補う合理的な方法とする緊急集会は、どんなに精緻な憲法を定めても口実を付けて破壊されるおそれが絶無とは断言し難いという戦前の教訓を踏まえ、全国民を代表する選挙された議員から成る国民代表機関であり、全体の改選期のない万年議会である参議院に二院制国会の代行機能を託すことにより、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するという根本趣旨に立脚するすばらしい制度です。  そして、この緊急集会は、国会議員の任期の延長は許されず、必ず選挙に訴えて国会と国民の表裏一体化を現実化すると、その旨の金森答弁が示す国会の選挙時の保障とともに、失礼しました、国民の選挙権の保障とともに、内閣や衆議院議員の立場においても一刻も早い選挙の実施を必然とする点、緊急事態から平時への復元力、レジリエンスが担保され、かつ、その措置は衆議院の同意を要する臨時のものとされるなど、緊急事態における権力の簒奪と濫用を防ぐ仕組みとなっております。ですから、形式的な二院制の例外論で緊急集会の権能や権限を矮小化することは、本末転倒の暴論と言わざるを得ないと思っております。  次に、以前も発言させていただいておりますが、緊急集会で参議院議員が発議できる議案については、参議院と衆議院と内閣の三つの権力の抑制と均衡を図る趣旨に立脚する制度と理解した上で、現行の国会法の内閣総理大臣の示した案件に関連あるものに限りとの制約は基本的に妥当なものと考えておりますが、一方で、緊急集会の機能確保を十全のものとする観点からは、内閣による新案件の追加、参議院が内閣に新案件の追加を促し、必要に応じて内閣に代替措置の検討も含めた説明責任を果たさせるための国会法の改正を行うべきと考えております。  次に、緊急集会の機能については……。以上で終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 山谷えり子君。

山谷えり子自由民主党

○山谷えり子君 自由民主党、山谷えり子でございます。  厳しい国際情勢、大規模自然災害、感染症パンデミックやテロ、サイバー攻撃等の脅威を前に、多くの国民は、日本は危機に対し、国の構えとして大丈夫かという不安や問題意識を強く持つようになっています。国の根幹に関わる問題については憲法の議論が必要です。特に、国民の権利、義務の関わる危機管理に関しては、法律の背景への理解、いざというとき、何がどこまでできるのかという問題意識の共有化が必要です。  今、憲法改正の機は熟しつつある、世論は変わってきています。憲法審査会もここに来て、論点の絞り込みなど、前進しています。私は、特に喫緊の課題として、自衛隊の明記と緊急事態条項の創設の条文案具体化を進めるべきときだと強く強く思います。  例えば、自衛隊の存在を明記して、違憲論に終止符を打ち、法的安定性を高めることについては、自民、公明、日本維新の会、国民民主の四党間で方向性への合意はできつつあります。緊急事態条項創設については、自民党、公明党は必要性を訴え、また、日本維新の会、国民民主党、有志の会も共同で条文イメージ案を示されました。  政治的知恵を出して、来年の通常国会に向けて条文化を目指すときが来ています。是非、小委員会、作業部会をつくり、審議のスピードアップをしてください。衆議院と参議院の両審査会の連携の下、テーマを絞って具体的に進めることを幹事会で御協議ください。  先月、十一月十日、憲法をよくする学生プロジェクトの国民投票アクションプロジェクトに出席しました。全国百二十四大学で一万人以上の学生と憲法改正の対話をした成果を岸田首相も聞いておられました。その中で、大学の憲法の講義では、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼してと憲法前文の暗唱があるが、私たちの世代ほど現実と憲法の乖離を体験した世代はない、国民投票は新しい時代を国民の手でどうつくるかだという問題意識が打ち出されていました。  日本を沈ませてはならない、暮らしを守り、国益にかなう憲法改正、国民投票の権利をこれ以上国民から奪い続けてはなりません。改正原案の条文作り作業を時代の変化を見詰めてスタートさせましょう。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小沢雅仁君。

小沢雅仁立憲民主・社民

○小沢雅仁君 立憲民主・社民の小沢雅仁です。  議員任期延長改憲論について意見を申し上げます。  任期延長改憲の論拠となっている緊急集会七十日間限定説は、憲法審で改憲を主張する会派の説明では、五十四条一項の四十日プラス三十日という文理解釈によってのみ、緊急集会を次の新しい国会が七十日以内に召集されることを前提とした平時の制度と断定するものです。  しかし、こうした憲法解釈は、五十四条二項の国に緊急の必要があるときという文理や、緊急集会がナショナルエマージェンシーという大震災等の深刻な国家緊急事態にも対処する有事の制度として制定された立法事実に明確に反する上、民主政治を徹底させて国民の権利を十分擁護するなどの戦前の反省に立った非常時の権力濫用の排除です。  また、五十四条一項の四十日プラス三十日という規定の趣旨は、解散・総選挙の際の内閣の居座りを排除するものであり、権力の濫用を排除するために設けられた緊急集会の根本趣旨そのものにも全く反します。すなわち、緊急集会は、一日も早い総選挙の実施を必須としつつ、その間に緊急性を要する立法等を行う必要がある場合に限り七十日を超えても開催できると当然に解すべきものです。  にもかかわらず、こうした緊急集会の立法事実や根本趣旨に一言の言及もないまま七十日間限定説を繰り返すのは、緊急集会を恣意的に曲解するもので、濫用排除の制度を破壊して濫用可能な憲法改正を行おうとするものと断ざるを得ません。憲法九十九条の憲法尊重擁護の義務と立憲主義に反する暴論は国民と参議院を愚弄するもので、我が会派は絶対に容認できず、議員任期延長改憲には明確に反対いたします。  緊急時における衆議院の任期延長は、憲法制定時の経緯や国民主権、基本的人権の尊重、国会中心主義のいずれの観点においても重大な問題をはらむものと言わざるを得ません。改めて議員任期延長改憲には断固反対を申し上げまして、私の意見といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 丸川珠代君。

丸川珠代自由民主党

○丸川珠代君 自由民主党の丸川珠代です。  私は、参議院の緊急集会を含む緊急事態対応について、これまでの議論の上に更に具体的な議論を重ねていくべきだと考えます。  参議院の緊急集会については、衆議院議員の不存在により国会が召集できない場合に緊急の必要が発生したときに、総選挙による衆議院議員が選出され国会が召集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら暫定的な処置等を可能にするものであり、まさに二院制における参議院の極めて重要な役割であります。  同時に、日本国憲法は二院制を採用しております。その理由は、一九四六年末、帝国議会に提出された参議院議員選挙法案、現在の公職選挙法についての大村清一内務大臣の説明によれば、衆議院と参議院の両院の長所と欠点を相互に補い合う慎重な国会審議を行うためとされています。このことからすれば、日本国憲法が採用する二院制国会は衆参両院がそろって活動することが原則であります。そこから、憲法五十四条二項の参議院の緊急集会は、参議院の極めて重要な役割ではありますが、衆議院の解散中の空白を埋める二院制の例外として位置付けられているものと考えられます。  つまり、参議院の緊急集会があっても、衆議院議員の不在が長引くということを憲法は想定はしていません。緊急集会の権限についても、国会の全てに及ぶと解されているわけではなく、特に総理の指名については否定的な見解が大半です。そして、このような見解によりますと、国の存亡に直面するような海外からの軍事攻撃や国土に壊滅的な被害を与える自然災害に直面した場合において、総理が欠けた、あるいは欠けていたときには参議院の緊急集会では新たな総理の指名について対応し切れない事態となりかねません。そして、このような事態は起こり得ます。関東大震災発生当時、加藤友三郎総理は震災の一週間前に死去、後任の山本権兵衛総理は天皇陛下による大命降下に基づいて震災発生の翌日に任命され、組閣をしております。  国家の存立が脅かされる危機的な事態にあっても国家機能を維持し、それをもってしっかりと国と国民の皆様の安全を守り抜くことができる揺るぎのない案を国民の皆様に示し判断を仰ぐことは、私どもの大きな役割の一つと考えます。その観点から、私は、緊急集会の議論と併せて、衆議院、さらには国会議員の長期にわたる不存在や召集不可能時への対応、そして他国の憲法にあるような緊急政令等の制度、これらに係る憲法改正の議論を整理された論点ごとに具体的に条文化を目指して進めていくべきと考えます。  以上、今後の進め方についての私の考えを申し述べて、発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 打越さく良君。

打越さく良立憲民主・社民

○打越さく良君 立憲民主・社民の打越さく良です。  自衛隊の憲法への明記について意見を述べます。  五五年体制下における自民党長期政権について、政治学では、党内の派閥が交代で政権を担うことで疑似政権交代を繰り返していたとの解釈が行われてきました。すなわち、派閥ごと政策に違いがあったということです。ところが、現在では、全ての派閥、グループが政治資金をめぐる裏金問題に関与していることが明るみに出ており、各派閥は集金マシンと化しているようです。  岸田総理・自民党総裁がリーダーを務める宏池会はハト派とされてきました。岸田総理がのめり込む憲法改正は、宏池会出身の総理・総裁として余りにも異質です。  歴代自民党総理・総裁の中でも代表的な護憲派といえば宮澤喜一氏です。宮澤氏は著書の中で、条文があって、その下で自衛隊が変転を経て今の姿になったのだから、そうなったからといって条文そのものを変える必要はない、一種の歴史的な所産としてあっていい、国の法律の基本になる憲法改正を数の力で争う場合に生じる国内の分裂を考えただけでも、それだけの労に値しないことは明らかだ、仮に押し切って成立しても、そのような経過をたどった改正はその後の国民生活に到底定着しないだろうと述べておられました。  日本は戦後七十八年にわたって戦争をしませんでした。自衛隊は海外で戦争に参加することは一度もありませんでした。さきの大戦では余りにも多くの国民が命を落としました。約三百十万人もの犠牲者が出ました。その犠牲の上に築かれた平和を日本は享受してきました。  自衛隊は海外で戦争をしない、あくまでも領土、領海が攻められた場合の専守防衛を行う、この解釈はアメリカから押し付けられたわけではなく、歴代自民党政権が自ら作ったルールです。それを現行安保法制は変えてしまいました。歴代自民党政権がつくってきた集団的自衛権は行使しないという解釈を、何の論理的整合性もなく、必要性についての説明もなく、勝手に変えてしまいました。  現憲法下における安保法制の在り方こそ本審査会で真剣に議論すべきです。今多数を持っているからといって、説明責任を果たさず、反対の意見を無理やり押し切って、中身のない議論で改憲を進めることは許されません。それは民主主義ではありません。  いま一度、宮澤氏の見識を共有すべきであることを申し上げて、私の意見表明とします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 窪田哲也君。

窪田哲也公明党

○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。  先ほど我が党の塩田議員が合区の問題に関しまして、十一ブロック制、個人名投票ということについて述べさせていただいたところでございますが、これに関連して選挙制度改正について申し上げます。  国民の政治不信が高まっています。桃山学院大学の田中祥貴教授は、一方で、「参議院と憲法保障」の中で、より深刻なのは国会の制度的な問題と指摘をしております。国民の多くが、政府に対して国会は余りにも無力で、政府の政策を統制することなど不可能だと考えているというのです。理由として、国会機能の強化が図られていない点を挙げます。権力創出機能を持つ衆議院とは一線を画する参議院にこそ政治への信頼を取り戻す可能性が秘められているのではないかと考えます。  そこで、本日は、同教授の説を土台に参議院改革についての所見を述べたいと思います。  上院が下院と一致するなら無用、下院に反対するならば有害とする一院制論が語られて久しくなります。同教授は、このジレンマから参議院を解放する必要性を説き、良識の府、理性の府としての憲法保障機能に期待をしています。憲法保障機能について、教授は、政府から一定の距離を保ちつつ、長期的、総合的視点から政府の政策を監視、統制し、法規範の合理性を担保する機能と定義をしています。  衆議院に小選挙区比例代表並立制が導入をされ、政党の公認、推薦権が大きな影響を持つようになりました。政権与党が過半数を占めている以上、政府の政策は衆議院においては止まることを知らない制度設計となっているのです。  田中教授の言葉を借りれば、野党が実効的な政府統制を全うすることは事実上至難とされています。憲法上、衆議院に支持される内閣を監視、統制し得るアクターが存在するとすれば、それは参議院をおいてほかにありません。田中教授は、参議院改革において肝要なことは、党派性を可能な限り抑制することへの配慮と強調しております。  公明党はかねてより、現行の参議院制度、参議院選挙制度に代えて、全国を十一ブロック単位とする個人名投票による大選挙区制を提唱をしております。これは私見でございますけれども、個人名投票による十一ブロックの大選挙区制を導入することによって、参議院が担うべき憲法保障機能を果たす上で肝要となる党派性の抑制への配慮にも貢献し得るのではないでしょうか。  以上、問題提起として私の意見とさせていただきます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 高木真理君。

高木真理立憲民主・社民

○高木真理君 立憲民主・社民の高木真理です。  本日は、子供の視点で憲法に対する意見を述べます。  昨年は、いじめ、不登校、自殺の件数が過去最大でした。これは、今の社会の中で子供たちが苦しんでいるという状況と考えます。  ユニセフが二〇二〇年に発表した子供の幸福度でも、日本の子供の精神的幸福度は三十八か国中三十七位、下から二番目です。このスコアは、十五歳時点での生活満足度が高い子供の割合と、十五歳から十九歳の自殺率から出されています。この結果からも、子供たちの悲痛な叫び声が聞こえてきます。  さらに、昨年からの物価高騰の中で子供の貧困はより加速し、教育現場にも深刻な影響が及んでいます。次元の異なる少子化対策なのに教育予算さえも増額されない、憲法二十六条がうたう義務教育は無償とする、その理念さえも守られていません。子どもの権利条約が掲げる一人一人の子供の尊厳の保持において国際的に劣後し、現行憲法の理念すらも実現できていないのに、教育の無償化にかこつけた憲法改正はあり得ません。改憲ではなく、まずは早急に教育予算を増やし、子供たちや保護者に手を差し伸べるべきです。  最後に、ウクライナ、パレスチナの武力紛争でも明らかなように、いつの時代も非常時に犠牲になるのは子供たちです。参議院の緊急集会は、まさに戦前の緊急勅令を許さないために設けられた制度です。にもかかわらず、改憲による緊急政令を求める会派にあっては、緊急集会と現行の災害対策基本法などの緊急政令の仕組みで何が足りないと具体的に考えているのか、緊急政令の対象分野やその具体的な例を本審査会に示していただけるように、幹事会での御協議をお願いしたいと思います。  さらには、逆に非常時に国家権力に見捨てられた例として、憲法五十三条の臨時国会召集義務違反があります。二〇二二年、二一年の夏はデルタ株などが猛威を振るい、子育て世代の国民が我が子を残しながら亡くなるという痛ましい悲劇が多数生じました。当時、衆参の野党会派による召集要求に応えなかった政府・与党が、その間に一体何を臨時会で審議すべき事項と勘案し検討していたのか、なぜその後の召集が合理的な期限を超えない期間内と考えるかなどについて、本審査会に、総理大臣の輩出政党である自民党会派からの説明資料の提出を求めます。  以上の二点の取り計らいを会長にお願いし、私の意見とさせていただきます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの高木君の件につきましては、後刻幹事会にて協議いたします。  山田宏君。

山田宏自由民主党

○山田宏君 自由民主党の山田宏です。  政府は、自衛隊を国際社会では軍隊として扱いながら、国内では憲法上の制約から通常の軍隊ではないと、ダブルスタンダードによる言わば差別扱いをしてきました。  軍隊ではないので、海上自衛隊の艦船を、国際社会では各種軍艦の呼称を用いながら、一方、国内では一くくりに護衛艦と呼び、また、他国の軍人の階級についても、例えばカーネルを大佐と訳すのに、自衛官の場合は一佐と呼称してきました。  呼称だけではなく、軍隊ではないことで、他国の軍隊では当然の制度や待遇が自衛隊には存在しません。例えば、軍紀を維持するための軍独自の司法機関である軍法会議がなく、自衛官は、命令で行動しても、軍事専門家でない裁判官による一般裁判所で裁かれることになります。また、生命の危険を伴う職務でありながら、他国では普通の、自衛官には軍人用の恩給がなく、一般公務員としての年金のみであります。また、他国の軍人には功績や職務精励に対し、現役中にも、現役中に何度も叙勲の機会があるのに、自衛官は一般公務員と同様に退職後一度だけ。しかも、全員が対象にはなっていません。  任官時に全ての自衛官は法令に基づいて、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」と宣誓していますが、国家と国民を守るため四六時中命懸けで任務遂行に当たっている自衛隊に、このように他国の軍隊では当たり前の名誉と待遇が認められてこなかったのは、国家が憲法上自衛隊を通常の軍隊として認めてこなかったからであります。私は、自衛隊がその任務を完遂するために、速やかに自衛隊を国家として正式に承認することが必要と考えます。すなわち、自衛隊を憲法に明記することであります。  本審査会で憲法九条の改正について議論することは、我が国周辺の安全保障環境がますます厳しさを増す中、多くの心ある国民の大きな要請であります。本審査会で速やかに議題として取り上げるよう強く要望し、私の意見表明といたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 私からは、まず緊急集会についての見解を述べます。  先ほど、自民党の山本筆頭を始め自民会派の皆さんが、統一見解を作るべきである、あるいは条文化を行うべきである、そのための小委員会などを設けるべきであるなどの意見がありますが、それについては断固反対をさせていただきます。  なぜならば、先回の意見で申し上げましたように、緊急集会を七十日に限定、あるいは平時の制度の説などと主張する見解というのは、法令解釈ですらないわけでございます。なぜ、この緊急集会の立法事実あるいは根本趣旨などに照らしそうした解釈が成り立つのか、その説明をまずはしていただかなければいけません。  今お配りの資料の一ページ、我が参議院の憲法審査会には、立憲主義に基づいて徹底的に審議を尽くす、国民主権、基本的人権の尊重あるいは恒久平和主義に基づいて徹底的に審議を尽くすという附帯決議がございます。法令解釈を述べずに、またその根拠すら示さずに改憲を進めたい進めたいだけでは話になりません。  なので、中曽根会長にお願いをしたいんですけれども、緊急集会七十日限定説、あるいは平時の制度説、あるいは二院制における単純な例外説、それらについて、この法令解釈のルール、この附帯決議の第四項ですが、当てはめて、なぜそうした見解が取り得るのか、各会派の見解を委員会に提出する、幹事会協議事項としてお願いをいたします。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会にて協議いたします。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 会長に御礼を申し上げます。ありがとうございます。  また、自衛隊明記改憲についても申し上げさせていただきます。  憲法に国防規定がないという主張がございますが、日本国憲法は国防に関して、ほかの国の憲法のどこにもない規定がございます。それは政治権力、私たちのことです。国会や内閣の戦争行為、権力の濫用から自衛隊を始めとする国民を守り抜くという明文規定でございます。憲法の前文に再びの戦争の惨禍を許さない規定、そしてその法的な結晶である憲法九条の戦争放棄の明文規定、つまり、私たち政治家が二度とあの戦争の過ちを犯してはいけない、そのことを定めた憲法なわけでございます。にもかかわらず、そうした憲法前文や憲法九条の趣旨について何ら理解をされない見解がこの憲法審査会で何度も何度も繰り返されていることは誠に遺憾でございます。  先ほど山谷えり子先生から、平和を愛する諸国民の公正と信義云々という言葉がございました。かつて、私、これ、松川先生について申し上げたんですが、平和を愛する諸国民の公正と信義云々の前に、日本国民は、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するという文言があります。この言葉の趣旨は、岸田総理が国会で答弁し、先日は上川外務大臣に答弁をしていただきました。  ウクライナや、あるいはこのイスラエル、パレスチナの紛争において子供たちや人々が犠牲になっている、こういうことは人間社会であってはいけない。人間の、人類を超えた、国境を越えた、国家じゃないんです、諸国民であれば、人間であればみんな持っている道徳律のことを言っているんだと。そうした考え方で日本と世界の平和を創造し、守っていくという考え方なんです。現に、このパレスチナ、イスラエルの問題で安保理の決議は世界の声によって初めて実現をされました。  こうした憲法の平和主義や九条を理解して、そして、せめて過去の会議録を検索してこの憲法審査会に臨んでいただくことを強く求めます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 青山繁晴君。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 自由民主党の青山繁晴です。  私は、日本国憲法の第九十六条の改憲条項について意見を申します。  改正へのハードルが高い条項として知られています。同時に、その高いハードルを越えるほどの必然性があれば改憲を国民に問うべきという条項でもあると国会の現場にて考えます。そして、九十六条の最大の特徴は、国政の中で唯一、主権者が直接国民投票によって意思決定をなさる、国の大切な根本法規をめぐる日本の意思を最終決定なさる権利を盛り込んでいることであります。  隣国ロシアが国連の安保理の常任理事国としての平和への責務をあろうことか自ら否定し、第二次大戦後の国際秩序を根本から破壊して、ウクライナ戦争をロシア国民を理不尽に動員してまで遂行していること、同じく隣国の北朝鮮がそのロシアの協力により、軍事偵察衛星を地球の周回軌道に乗せて核攻撃のターゲティングを日本を含めて進めていることを見れば、第九条の改正の必然性が高まっているという声が国民の中にあります。もとより、国民の全部ではありません。しかし、かつてなく多くの主権者から現にお聞きしています。  本当は、西暦二〇〇二年九月十七日の日朝首脳会談で国会は九条を考える客観的な必要性に気付くべきでした。当時の金正日総書記は初めて拉致の事実を認めました。実はこれは予想されていました。しかし、北朝鮮の国の責任は認めないだろうというのが事前の予想でした。ところが、金正日総書記は国がやったと言った。なぜか。九条の最後の一行、「国の交戦権は、これを認めない。」という条文によって、相手が国であれば日本は領土を奪われても国民を拉致されても何もできないからです。  救出を準備すれば、戦争になるのではなく、したたかな北朝鮮が初めて本当の交渉のテーブルに着くと予想できます。  これはあくまで私という国会議員の問題提起です。しかし、憲法審査会という国会内の議論だけではなく、国民がその意思を、改憲に反対にせよ、賛成にせよ、直接示される権利を行使していただくべき時期に来ていると考え、委員お一人お一人に党派を超えてまさしく問題提起いたします。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 石川大我君。

石川大我立憲民主・社民

○石川大我君 立憲民主・社民の石川大我です。  私からは、最高裁で確定した違憲判決や決定についても積極的に本審査会で取り上げ議論すべきと、前回に重ねて申し上げます。  十月二十五日、最高裁判所大法廷は、性同一性障害特例法について、十五人の裁判官一致の判断で、性同一性障害の当事者が性別を変更するために生殖能力をなくす手術を受けなくてはならない問題について、憲法に反するという判断をしました。この違憲決定を受け、速やかな法改正が望まれますが、政府の姿勢は、決定から約一か月半、具体的な動きは見えず、後ろ向きと言わざるを得ません。  また、自民党からは、最高裁の決定に従い法改正を進めるどころか、その逆のトランスジェンダー差別にもつながりかねないような発言が相次いでおり、極めてゆゆしき事態です。  先日の参議院本会議では、公衆浴場やトイレ、更衣室に本人の性自認のみで立ち入れるようになる危険性があるのではないかとの強い不安の声が押し寄せているとし、公衆浴場にまつわる犯罪の例も出しながら、注意した側がかえって差別だと訴えられないかというような心配をしておられると、不安をあおるような質問がなされました。  しかし、実際はどうでしょうか。公衆浴場については、厚労省の通知により、身体的な特徴をもって判断するとのルールがあり、本人の性自認のみでは女湯には入れません。また、たとえ外観要件がなくなった場合の男性器のある戸籍上女性についても、同様に女湯に入ることはできないのです。こうしたルールについて、当事者団体は同意し、異議を唱えていません。  国会議員として行うべきことは、差別をあおるのではなく、こうした誤解や偏見に対して正確な情報を知らせることではないでしょうか。  実際のトランスジェンダー女性は、差別や偏見を恐れ、公衆浴場はもちろん、トイレを利用する際もコンビニの男女兼用トイレを探し回るなど、苦労をしています。トイレを我慢する余り、膀胱炎になったという話すら聞くのです。  女性や女児の安心、安全とトランスジェンダー女性の人権は対立する概念ではありません。犯罪は誰が行おうと犯罪なのですから、犯罪は犯罪として取り締まればよいのです。そして、全ての人が安心して利用できる公共施設をつくるにはどうしたらよいかを考えていくのが健全な社会です。  トランスジェンダーの人たちの受けている差別や偏見、苦労に心を寄せることが今求められています。このように、確定した違憲判決、決定についても本審査会で議論することが国民の人権を擁護するために不可欠です。幹事会での協議をお願いしたいと思います。  なお、私たち立憲民主党は、最高裁が違憲とした生殖不能要件に加え、三名の裁判官が違憲と判断している外観要件についても削除をする議員立法を用意しています。先進国の趨勢から見れば、手術要件を撤廃する方向に進んでおり、速やかな法改正が必要であることを申し上げ、私の発言といたします。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 松川るい君。

松川るい自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  憲法審査会の……

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) あっ、ちょっと松川先生、ちょっと待ってください。  ただいまの件につきましては、後刻幹事会で協議をいたします。  失礼しました。  松川るい君。

松川るい自由民主党

○松川るい君 ありがとうございます。  憲法審査会の今後の取り進め方について申し上げたいと思います。  この審査会においては、様々な論点について各党各人が意見の表明をもう何年も行ってきました。憲法九条についても、緊急事態についても、合区解消についても、既に十分に理解は深まっております。会議は踊るではありませんが、これ以上同じことを繰り返して時間を空費すべきではなく、本審査会としての責任を果たしていくため、具体的な憲法改正案について議論を行っていくべきだと考えます。  憲法を一言一句変えるべきではないというお考えの党もありますが、実は憲法改正に前向きな政党の方が多いというのが事実であります。また、本年五月のNHKの調査によれば、改正する必要があると思うが三五%、必要はないと思うが一九%で、改正が必要だと思う国民の声が二倍ございます。  それにもかかわらず、本審査会が永遠に議論を続けるだけで具体的な憲法改正案について検討もしないということであれば、本審査会は国民の期待に背き、任務を果たしていないと言わざるを得ません。  先ほど衛藤議員からも御提案がありましたが、例えば憲法九条については改憲すべきと主張している政党は同様の考えを持っており、共通草案を作ることも可能だと思います。また、緊急事態条項、緊急集会、合区についても同様のことが言えると思いますが、全ての論点について最初から取り上げることは作業的にも大変でしょうから、まず九条又は緊急事態、集会などワンアジェンダを取り上げて、各党代表による起草グループで具体的な案文又は要素案を作って作業することを提案します。  そして、その前提として、まずは次回の審査会では各党が本審査会に具体案を提出して、その案に基づいて議論をすることを提案したいと思います。国民の皆さんはそういう具体的な議論を聞いて判断をする権利があってしかるべきだと私は思います。また、反対の政党の方は具体案を目の前にして具体的に反論されればよいと思います。  なお、九十九条の憲法擁護義務を憲法改正をしてはいけないという根拠のようにおっしゃる意見がありますが、これは全くの誤りです。憲法自身が第九十六条に改正条項を規定をしており、時代の要請に応じて憲法が改正されることを憲法自身が予定していることは明らかです。  ちなみに、さっき、諸国民の公正と信義に信頼をしてということについて、小西委員は理解をされていないようですけれども、これは元々マッカーサー・ノートが基になっていて、日本が永遠に軍事的に強くなることを奪うために挿入した部分でありまして、この案が公表された翌日の新聞では、こんな空想的なことを書いていては日本国民がかえって憲法を信頼しなくなるのではないかといった記事も出されたことも申し上げておきたいと思います。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 大島九州男君。

大島九州男れいわ新選組

○大島九州男君 大島九州男でございます。  この憲法審査会、いろんな議論をそれぞれの先生方がおっしゃる。これは例えると、的に向かって自分の方向に球をこう投げているので、キャッチボールできていないから、国民としてはどういう議論をされているのか。まあそれぞれの方向性に向かっている人についてはすごくいい意見だという話だけれども、まるっきり反対の意見の人にとっては、何、暴投投げてんのというような感じで、何か議論が進まないという。国民が最終的に判断をしていかなければならないこの問題について、いかに国民の皆さんに分かりやすく理解をしていただくかということがやっぱりこの審査会でも非常に重要な議論だというふうに私個人は思います。  ただ、忘れてはならないのは、この日本の役割、唯一の被爆国として、そしてまた、国民の大切な命を奪った戦争の悲惨な結果によってこの国が成り立ってきたその歴史は忘れてはならない。  だから、その平和を希求するために、いかに私たち国会議員が国民とまた世界平和のために議論をしているかというその根底に立った議論を国民の皆さんに分かりやすく提供していく、この審査会の役割が求められているのではないかと。  是非会長にお願いしたいのは、やはりそれぞれの先生たちの御意見、三分は非常に短い。いろんな意見を闘わせて、キャッチボールをしているその議論を国民の皆さんに広く示していただいて、最後は国民の皆さんが判断をする、そういう場にしていただくことをお願いして、私の発言を終わります。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会にて協議をいたします。  加藤明良君。

加藤明良自由民主党

○加藤明良君 自由民主党の加藤でございます。  前回の調査会で、合区解消について意見を述べました。  憲法第四十七条により、国の選挙と投票の方法、両院議員の選挙に関する事項は法律でこれを定めるとしておりますが、時代の流れとともに人口偏在による較差問題が生じ、法律で立法府が制定した選挙制度が憲法第十四条第二項の法の下の平等を根拠に否定をされてしまうこととなりました。  その解消のために、国会では、公職選挙法第五条などの改正により選挙制度を改正し、合区制度を取り入れましたが、現行制度では地方の声が反映されないなどの理由から合区対象県知事を始め全国からの反対が大変多く、人口格差が広がれば更に合区が増え、地域格差、経済格差がますます広がるという懸念の中から、これらを解消するような要望が出ております。  これらを解消するためには、憲法上、都道府県を参議院の選挙区とする定数をしっかりと明記する必要があるものと考えます。  同様に、自衛隊の存在について、我が国の大規模災害時など緊急事態の対応に最前線で活動する自衛隊の隊員は、自衛隊法、災害対策特別法などの法に基づき活動し、命懸けで国家国民のために活動している現状について、この現状に対して多くの国民がこれを認識しているものの、憲法に明記がない現状では多くの憲法学者が自衛隊を違憲だとする現状にあります。昭和三十四年の最高裁判決、砂川判決の自衛隊の存在を認める判例があるにもかかわらず、認識は変わらない。そのこと自体、自衛隊による災害対応や国民救助活動そのものを憲法違反と否定することにほかならないのではないかと考えます。  災害対策特措法、自衛隊法など法律の整備で活動しているものの、あっ、済みません、失礼しました。ほかにも、緊迫する世界情勢の中、参議院の緊急集会又は緊急事態条項、教育格差問題なども含め、憲法上の問題点をしっかり精査していくことが本調査会の役割であると考えます。  今後の議論を深めていくために、ある程度の期間を定め、それぞれのテーマについて何が問題であるのかしっかりと取りまとめを行い、時代の流れに沿った憲法改正により、豊かで平和で安心、安全な日本の将来のために議論を進めていくべきと申し上げ、意見とさせていただきます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 福島みずほ君。

福島みずほ立憲民主・社民

○福島みずほ君 立憲・社民共同会派の福島みずほです。  二度目の発言、ありがとうございます。  九条の効用ということをまず冒頭申し上げます。  九条が存在していることで、戦後日本はまさに専守防衛、非核三原則、海外に武器を売らない、軍事研究をしない、武器見本市をしないなど、また重要な、集団的自衛権の行使はしない、戦争はしないなど、まさに九条にのっとって平和国家をつくってきました。その九条の意義は大変大きい。世界でもし日本に対する信用というものがあるとすれば、まさに九条からくる信用だと思います。  本日、残念ながら、九条があっても平和を守ることはできないとありましたが、だったら、イスラエル軍がガザを攻撃して国際人道法違反をしていることに対して、はっきりなぜ政府は、岸田首相は国際法違反だと言わないんですか。平和をつくるためにしっかりやるべきじゃないですか。平和をつくる努力を政治がしないで、そんたくばっかりして、平和をつくる努力をしなくて九条が無力だというのは、それは本末転倒です。九条のせいではありません。政府が平和をつくるための努力をしていないからではないでしょうか。  先ほど九条明記についていろいろ意見がありました。  衛藤晟一議員にお聞きをいたします。  この明記する自衛隊は、集団的自衛権の行使をする自衛隊ですね。戦争ができる自衛隊ですね。憲法上、自衛隊に何か違憲となるような制限があるんでしょうか。もちろん、法律、安保関連法、戦争法によって制限できるということはあるかもしれません。しかし、これは法律です。憲法上違憲だということがあるかどうか、教えていただけたらと思います。  また、先ほど石川大我さんが、ほかの方も言いました。大島九州男さんもおっしゃいました。憲法を守られているんでしょうか。憲法を生かしているんでしょうか。  最高裁で性別変更がまさに生殖能力要件を、奪うことは憲法違反だという決定が出たにもかかわらず、後ろ向きじゃないですか。全くそれ考慮しないじゃないですか。選択的夫婦別姓も同性婚も、様々な人権問題、後ろ向きじゃないですか。自民党の議員でアイヌに対する差別発言を繰り返している人がいることについて放置したままじゃないですか。基本的人権に背を向け、生存権を保障しない。生活保護の引下げは問題だったという判決、まあ地裁レベルですが出ました。そういうことがあるにもかかわらず、憲法を守っていないじゃないですか。憲法を守っていないのに憲法改正言うのはおかしいですよ。国会議員は憲法尊重擁護義務があります。憲法をぎりぎりぎりぎりぎりぎり守る努力をして初めて語ることがあるんじゃないですか。  とりわけ、今、国会では、先ほども言いました、政治とお金の問題、パーティーの問題、裏金の問題、還元の問題が噴き上がっています。そのことをきっちり決着を付けずして憲法をどうこうと言う資格はないということを申し上げます。

衛藤晟一自由民主党

○衛藤晟一君 集団的自衛権を全面的に認めるとは言っておりません。  御承知のように、我々の憲法の中には生存権があります、そして幸福追求権がありますというのは前文と十三条に書かれております、そのことを。  そしてまた、この憲法ができたときに合同の意思になったものは、国連憲章の中に、改めて、自衛権と、個別自衛権と集団的自衛権があります。しかし、それは、まさに理想を追求する体制ができるまでの間は当然ありますと言っている。結果的に、いわゆる憲法前文にあるような、諸国民の公正と信義に信頼して我らの生存と安全を保持しようと決意したという体制をつくることはできなかったんです、現実にですね。それができなかったがゆえに、結局、そこのところでは、国連憲章も国際的にも、当然この憲法解釈の上からも、砂川判決等も出てきているように、自衛権はありますよと、個別自衛権はありますよということをはっきり認めているんです。  そして、集団的自衛権については、個別自衛権も集団的自衛権についてもあるけれども、昭和四十七年見解では、集団的自衛権は、政府見解ですが、集団的自衛権は、他国防衛をその内容とするものであるから行使ができないという具合にしたんです。しかし、この前の平和安全法制は、そういう意味では、自国が危険なときにだけ、自国が危険なときにだけですね、自衛のためにだけなんです。だから、勝手に集団的自衛権を向こうに行って行使するという議論は一切いたしていないんです、これは。そして、そのときに、集団的自衛権を行使できないけれども、四十七年見解で出したのは、できないけれども、そして、それはしかし、自国が本当に危険な状態になったときにのみそれができるということでやったのがこの平和安全法制なんです。  だから、一般的な、全面的な集団的自衛権を要求したこともないし、はっきりと我々、自国が危ないときは、端的に言えば、日本を守りに来ているアメリカがですね、直接的に攻撃をされた場合、このときにもし日本自身が守らなかったらどうなるかということについて、それは自衛を放棄したということになるから、そのときには一緒に守るんですと、そのときのみですよということをはっきりしているんです。それが先述の平和安全法制なんです。だから、あなたの言う論はまさに空理空論というか、当時の、先ほどからちょっとお話ありましたけど、そういう状況です。  だから、マッカーサーもこのときに、昭和二十一年の三原則を出したときに、日本については自衛権を与えないということをはっきり言ったんです。天皇は君主にする、自衛権は与えない、それから旧来の陋習はやめさせるということを、それを出したんです。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 古庄玄知君。

古庄玄知自由民主党

○古庄玄知君 自民党の古庄です。  憲法八十一条は違憲立法審査権を裁判所に認めております。これについては全く制限ありません。あらゆる法律、命令など、憲法に反するかどうかを判断するのが裁判所に与えられています。  しかしながら、現実に裁判所は、憲法判断回避といって、難しい問題、国家統治の根本に関わる問題については憲法判断を回避してきました。例えば、衆議院の解散の苫米地事件、それから安保条約砂川事件、自衛隊について長沼ナイキ事件などなど、憲法判断を回避してきました。これは、憲法判断を回避せずに条文の解釈だけすれば憲法違反と判断せざるを得ないから、憲法判断を回避したというふうに私は理解しております。いわゆるこれが司法消極主義と言われる立場を今まで裁判所は取ってきました。  しかしながら、この頃の判例の流れを見ると、例えば、一票の較差について、違憲ではないけど違憲状態であると、だから、早く法律を整備して違憲状態を良くしなければ憲法違反と判断するよというふうに国会に義務を課してきましたし、また、十月二十五日の性同一障害者の件につきまして、先ほど石川先生言われましたけれども、これにつきましても、生殖不能要件は憲法違反だというふうに積極的に判断してきました。また、昨日の十二月五日の仙台高裁、安保法制については明白な違憲と断定できないというふうに判断しています。これは、明白には違憲と判断できないけど、ちょびっとは違憲だという、多分こういう意見じゃないかと思うんです。  そうなると、これ本当に、司法消極主義から司法積極主義に裁判所がどんどんどんどんかじを取ってきたときに、自衛隊とか安保条約について憲法違反だという判断をされてしまう可能性があると思います。そういう状況にしては日本国に混乱が生じますので、早急に憲法改正をして実態と憲法が合致するようにしなければならないというのが私の意見です。  以上です。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小西洋之君。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 私は、まず、先ほどの松川先生の意見について反論させていただきます。  本審査会が国民に対して義務を果たしていないというようなことを言われましたが、果たしております。国会法百二条の六に基づく、憲法違反を行った法律や、あるいは憲法違反の主張を行う国会議員の先生方に対して、我々は事実と論理を持ってそれを提示して、その反論を求めています。何度も何度もやっています。幹事会協議事項でもやっていますし、この場でもやっています。この間、自民党から一回もそれに対してまともな見解がございません。通常国会やその前の幹事会協議事項についても全く何の回答もありません。憲法を議論したいのであれば、堂々と論理を持って議論をするように求めます。  なお、お配りした資料の二ページは、さきの通常国会で、日本を代表する二人の憲法学者の皆様が、緊急集会七十日限定説が憲法に反するとんでもない見解であるという陳述です。これに対する反論を是非皆様にしていただきたいと思います。  また、憲法前文の平和主義についてですね、マッカーサー・ノートに載っていたという。確かに、前文の言葉の幾つかはGHQが示したものです。ただ、その前提として、松本試案は、明治憲法と同じく軍事を容認し、徴兵制を許す条文まであったわけでございます。なので、戦前の反省の下の今の憲法が作られた。そして、その憲法の前文の趣旨ですが、もう十回目ぐらいじゃないでしょうか、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、諸国民なんです、国家を信頼しろって言っていないんです。国境の垣根を越えて我々と同じ人間がいて、その人間はみんな、さっき申し上げた岸田総理の国会答弁であり、上川外務大臣、林外務大臣の国会答弁ですよ、人間相互の関係を支配する崇高な理想、それに基づく平和を求める声を上げている。そして、その声によって現実に世界の外交も日本の外交、松川さんは外務省の政務官であられたと思いますけれども、動いているわけなんですね。そうした事実を全く認めない。  そして、GHQ草案を問題にするくせに、GHQ草案にはなかった参議院の緊急集会、まさに日本は災害大国でもあるので、衆議院がいないときに立法機能を確保する。その日本側の提案において設けられた世界に冠たる緊急事態条項である参議院の緊急集会を曲解して憲法違反の見解を述べ続けるというのは一体何事ですか。GHQ草案が好きなんだったら、嫌いなんだったら、どっちでもいいですから、統一した態度を取っていただきたいと思います。  最後に、会長にお願いをしたいんですが、今るる申し上げましたように、先ほど、猪瀬先生ですね、防衛装備の移転のことをおっしゃいましたけれども、日本は、政府は一貫して憲法前文の平和主義、全世界の国民の平和的生存権を確認する憲法の下で武器を輸出すれば世界の人々が傷つくことは小学生でも分かりますから、よって、武器、防衛装備の移転はできないという憲法解釈であり、衆参の国会決議があったわけでございます。  なので、憲法の前文の趣旨について、これはもう日本国憲法の全ての条文の解釈の指針、憲法を定めた目的規定、動機そのものでございますので、そこの理解をしていない国会議員がいらっしゃるのであれば憲法改正を議論する資格は私は全くないと思いますので、会長にお願いいたしますが、憲法前文とは何か、その趣旨について、政府のこれまでの憲法解釈、あるいは政府の外務省などの運用、そうしたことについてこの憲法審査会で議論をすることを求めさせていただきます。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会にて協議をいたします。

小西洋之立憲民主・社民

○小西洋之君 では、以上で終わります。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 小林一大君。

小林一大自由民主党

○小林一大君 自由民主党の小林一大でございます。  緊急事態対応について申し上げます。  我々はこの三十年でもう何度も大震災を経験して、今後、首都直下、南海トラフ巨大地震など自然災害による緊急事態の発生が想定をされています。災害大国日本では現実の脅威に備える必要がますます切迫していることは御存じのとおりです。また、世界に目を向ければ、ウクライナや中東情勢など緊迫した状況が続き、北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返し、中ロ、北朝鮮の連携が強化されるなど、我が国を取り巻く安全保障環境が更に厳しさを増していることは言うまでもありません。  そうした中、立法府の責任はいかなる事態が発生しても国民の生命と財産を守り抜くことだと思います。そのために、参議院の緊急集会に加えて憲法に緊急事態条項を整備し、二院制国会を機能させるための議員任期延長など国会機能維持のための措置を講じておくことは急務であり、立憲主義の観点からも極めて重要です。その上で、議員任期延長により国会機能維持を図ろうとしてもできないような場合、すなわち議員が参集できない、国会が物理的に開会すらできないような究極の事態も想定しておかなければなりません。  具体的には、究極の事態において内閣が一時的に国会機能を代行する緊急政令や緊急財産処分の制度も必要と考えます。なお、議員任期延長、緊急政令及び緊急財産処分を含む緊急事態対応全般に関連して、さきの国会では政府の暴走や濫用を防ぐ必要があるとの意見もありました。これには、例えば、憲法裁判所の設置や最高裁に勧告権限を付与するような裁判所の関与を求める考え方などを含めて、緊急集会以外の緊急事態対応に関する大きな論点として、我が国の司法制度の在り方とともに議論を深めていくことも大切だと考えます。  最後になりますけれども、自然災害や安全保障上の危機は私たちの検討を待ってくれません。早急にこれまでの論点整理を踏まえつつ、現行憲法に定められた緊急集会の権能についても、参議院としての見解をまとめ上げなければなりません。  同時に、いかなる緊急事態においても国権の最高機関であり唯一の立法機関である国会の機能を維持することで、民主主義を守りながら国民の生命と財産を守り抜くため、議員任期延長、緊急政令及び緊急財産処分について具体的な条文議論を含む前向きな議論を始めるべきです。それこそ憲法審査会に課せられた責務であると申し上げて、意見とします。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 熊谷裕人君。

熊谷裕人立憲民主・社民

○熊谷裕人君 ありがとうございます。二回目の発言お許しいただきまして、ありがとうございます。  立憲民主・社民の熊谷でございます。  参議院の緊急集会についてもう一つ言及をさせていただきたいと思います。  緊急集会の権能については、国の緊急の必要があるときに国会の機能を一時的に代行するものとして、内閣が示した案件に関連する範囲内で法律、予算など広く国会の権限に属するものに及ぶと考えております。一方で、案件の性質から見て参議院の単独議決や緊急の必要性の観点から認められないものがあるとも考えております。  具体的には、憲法改正の発議や内閣不信任決議案はこの緊急集会の権能の外にあると解すべきであるというふうに私も考えておりますが、内閣総理大臣の指名については、憲法七十一条の内閣の職務遂行義務と内閣法第九条の内閣総理大臣臨時代理制度で対処するべきものと考えております。先ほどの発言がありましたけれど、この制度で十分ではないかというふうに思っております。  そして、この本審査会で過去に参考人の方が発言をしておりますが、その参考人の方の学説のように、甚大な国家緊急事態により総理及び多数の国務大臣を欠いてしまったとしても、選挙を実施延長せざるを得ない非常事態では緊急の必要性があるとしてこの総理の指名もあるのではないかということは、理論上あり得るのではないかというふうに考えております。  我々は参議院でありますので、改めて衆議院の国民による選挙を経ない任期延長には必要ないと主張させていただいて、緊急時には参議院が国会機能を可能な限りしっかり代替できるように、本審査会において十分に議論を進めていきたいと私自身も思っておりますので、皆さんと十分な議論をしていきたいと思います。  私の意見表明はこれにて終わりにさせていただきます。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) 青山繁晴君。

青山繁晴自由民主党

○青山繁晴君 自由民主党の青山繁晴です。  自由民主党は一党で一回目の発言する議員が多いにもかかわらず、二回目の発言許していただいて、感謝しております。  先ほど大島九州男委員からの問題提起は私も同感であります。とても大事だと思います。本来は、委員間の意見交換が大切だからこそ、わざわざ立たないで座って発言しているわけですし。ただ、その大島提案があってからちょっと活発になった気はするんですが、活発になったらなったで、正直申し上げて、個人攻撃は絶対しませんけど、感情的になったり言い合いになったりするというのは本来の国会の機能とは違うと思います。  そこで、これももちろんいろいろ反論あるでしょうが、もう一つ提案したいんですけれども、この憲法審査会の、不肖私、委員になってからずっと疑問なのは、例えば憲法の中で九条の問題が、今日も私も取り上げましたけれども、それと拉致事件の発生が関係あるのかないのか。野党の中には関係ないとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうし、不肖私は民間専門家の時代が長いんですけれども、例えば横田めぐみさんの御両親と長い長い信頼関係があります。滋さんは亡くなりましたが、お母様の早紀江さんは、一時期はずっと、憲法九条の改正があって拉致被害者を救出できるようになるので、それができるようになってから初めて交渉になるんじゃないですかということを公にも発言されておられました。しかし、私があえて申しますが、嫌がらせも大変多く、お住まいを移されたりもしたわけです。  すなわち、社会ではややタブーになっている議論の嫌いがありますから、むしろ大島提案を受けて、この憲法審査会で一致点を探すために、じゃ、本当にその九条の規定と拉致事件の発生、それから、取り戻せないで十三歳のめぐみさんが今還暦前になったことと関係があるのかないのか、空理空論じゃなくて、現実に即して意見交換するというのを一つ提案いたしたいと思います。  ありがとうございました。

中曽根弘文自由民主党

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましても、後刻幹事会にて協議をいたします。  他に御発言もないようですから、以上で意見交換を終了いたします。  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後二時五十三分散会

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