議院運営委員会 第5号
- 発言数
- 71 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2023/10/27
会議録
○委員長(石井準一君) ただいまから議院運営委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 検査官の任命同意に関する件のため、本日の委員会に参考人として検査官候補者・会計検査院事務総長原田祐平君の出席を求め、所信を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井準一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井準一君) 次に、検査官の任命同意に関する件を議題といたします。 候補者から所信を聴取いたします。原田祐平君。
○参考人(原田祐平君) 原田祐平でございます。 本日は、このような機会を与えていただき、厚く御礼を申し上げます。 近年、我が国の社会経済は、急速に進行する少子高齢化や本格的な人口減少に伴う社会保障費の増大、潜在成長率の停滞、自然災害の頻発化、激甚化等への対応といった難しい課題に直面しております。また、そのような中にあって、新型コロナウイルス感染症の拡大は、我が国の社会経済に甚大な影響をもたらすとともに、行政のデジタル化の遅れ等の問題を顕在化させており、ポストコロナの時期を迎えて、これらへの対応が喫緊の課題となっております。 会計検査院は、このような社会経済の動向を踏まえながら、不正不当な事態に対して、正確性、合規性の観点から厳正な検査を行うこと、厳しい国の財政状況に鑑みて、事務事業や予算執行の効果及び国等が保有している資産、基金等の状況等についても積極的に取り上げるなど、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査を重視すること、行財政の透明性と説明責任の向上や事業運営の改善に資するために、国の決算や財政の健全化に向けた取組について分析や評価を行っていくことが重要と考えております。 会計検査院は、内閣から独立した憲法上の機関として、国の会計検査を実施し、検査の結果に基づき検査報告を作成して、内閣を通じて国会に御報告するという重要な使命を課されております。 私は、昭和六十一年に会計検査院に採用されて以来、会計検査業務に関わり、現在は事務総長として、検査官会議の指揮監督の下、事務総局の業務全般を統理する任にあります。仮に検査官に任ぜられるとするならば、事務総局を指揮監督する検査官会議の構成員としての自覚と責任感を持ち、これまで会計検査に関する実務で培ってきた知識、経験を生かすとともに、国民の皆様の関心の所在や国会における御審議の状況に常に注意を払うなど、いろいろな御意見に耳を傾けながら、検査官会議における公平かつ均衡の取れた意思決定に貢献することによって、全力を尽くして検査官としての職責を担ってまいりたいと考えております。 以上、簡単ではございますが、私の所信を述べさせていただきました。 本日は、このような機会を与えていただき、改めて厚く御礼を申し上げます。
○委員長(石井準一君) 以上で候補者からの所信の聴取は終了いたしました。 これより候補者に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言をお願いいたします。
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。原田参考人、よろしくお願いいたします。 原田参考人は、今ほども御本人からありましたように、一九八六年に会計検査院に奉職され、それ以来今日まで、三十七年にわたり検査業務に従事をされてきました。財政、特に決算及び会計検査に関し豊富な知識そして経験を有しておられること、また、現在、事務総長に至るキャリアを拝見しても、行政運営や組織のマネジメントにも秀でておられると拝察をしております。所信の中で、これから検査官として更に邁進していきたいという決意、意欲も述べられたところであります。 今日は、そのような原田参考人から、御自身の御意見なり御見識をお伺いをする貴重な時間をいただきましたので、限られた時間ではありますけれども、率直なお気持ちを含め、お伺いをしてまいりたいというふうに思います。 まず初めに、検査体制についてお伺いをしたいと思います。 今回、改めて、会計検査院が行う検査の対象について、私自身もざっと眺め直しをさせていただきました。不勉強を恥じ入るばかりですけれども、正直驚きました。といいますのも、検査の対象となるのは、国会や内閣、裁判所などを始めとした国の機関や、交付金や補助金を受ける地方公共団体が、ほとんどというかですね、それが対象の全てかなというふうに思っていたんですけれども、そうではなくて、やはり国や、税や国の権限が及ぶ民間の企業やあるいは個人にもその検査が及んでいると。そして、その数たるや、毎年数千、多いときには五千を超えるということも知りまして、これほど多くの検査を毎年毎年行っているのかということに実は驚きを覚えたということなんです。 そして、あわせて、その事務総局の職員の数が一千二百五十一名と、これは令和五年の一月現在の数字ですけれども、これだけの人員で、これが私自身は多いのか少ないのかというと、恐らく相当無理をされているのではないかなと直感的に思ったんですけれども、そういう中でこの膨大な作業をされているということにも併せて驚いたというところなんです。 その上で、長年にわたって職員として、また事務総長として、ある意味その検査院が果たすべき役割、会計検査院全体のその果たすべき役割を十分に果たされているのかどうかということを常々感じながらこの仕事をされてきたんじゃないかというふうに思うんですが、原田参考人が理想と考えられる検査院業務に必要な人員数あるいは体制についてどのようなお考えをお持ちなのか、御所見をお伺いをしたいと思います。 また、機能強化のために、法令改正等の必要についてもお考えがあればお伺いをしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 御質問ありがとうございます。 従来、会計検査院は、国会で認められた定員や予算の範囲で効率的に検査を行うように努めてきたところでございます。ただ、現実に、新たな検査対象が生じたり新たな検査需要が発生したりするなどしておりますので、本当に言い出したら切りがないんですが、せめてもう少し検査要員を増やすことができればと思うことは正直ございます。 ただ一方、財政状況が厳しい中で、会計検査院も国家機関の一つとして定員や予算の合理化に協力していく必要があるということも認識をしておりますので、まずは、検査能力の質的な向上を図ることや機動的、弾力的に検査体制を構築することにより、現在の人員、予算をできる限り効果的に活用した上で、なお不足する人員について要求していくというスタンスで臨む必要があるのかなというふうに考えております。 また、会計検査院の機能強化についての御質問がございました。 これにつきましては、立法政策上の問題でもあるから、ちょっとお答えはちょっと差し控えさせていただきたいと存じますけれども、現在でも、会計検査院は内閣から独立した機関として、特段の制約なく検査業務を遂行しているというふうに考えております。 今後とも、法令で会計検査院に与えられた権限を十分に活用して、鋭意検査に取り組んでまいりたいと考えております。
○勝部賢志君 決算重視の参議院議員、参議院の議員の一人としてですね、やはり必要があればしっかり応援をしていきたいと思いますので、是非これからも、そういう意味で私も関心を持って取り組んでいきたいと思っています。 次に、DXの関係なんですけれど、私はやはり、検査を行う上でどういう項目を、あるいは何を検査するのかということを見付け出すことというのが非常に大事なことだろうというふうに思うんですね。これは、経験であったり、あるいはその時々の世論だったり、そういうことが大きく影響すると思いますので、やっぱりマンパワーでやるというのが第一義だとは思っているんですけれども、DX、いわゆるAIを有効に活用するということも、先ほどありましたように人員が厳しい状況の中では必要かと思いますけれど、その検査現場でDXについて現段階でどのような評価をされているのか、あるいは今後の戦略について、原田参考人の御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) お答えいたします。 デジタル技術を活用した政策が急速に進行している状況を踏まえまして、会計検査院では、デジタル関連施策に対する職員の検査能力の向上のために必要な教育訓練などを積極的に進めてきているところでございます。 また、組織の面におきましても、令和五年四月に第五局にデジタル検査課を設置しまして、デジタル庁やデジタル分野に係る会計経理に関する府省横断的な検査を実施する体制を整えたりしております。 また、昨年四月には、官房の上席企画調査官付として新たに検査支援室というものを設けまして、業務の合理化を含めた検査のDXの推進に取り組む体制を整えているところでございます。 また、委員御指摘になったように、デジタル技術の活用は検査にとって大きな武器となりますので、情報通信システムを活用して検査対象機関から説明を聴取したり、検査対象機関等から提出を受けた大量のデータを分析したりするなどして、在庁して行う検査の充実、これを図ることにより、検査業務等の処理の迅速化と効率化に努めているところでございます。 今後も、社会経済の複雑化に伴う行財政の変化や行政のデジタル化推進の取組等に適切に対応していくために、教育訓練を継続して実施するとともに、検査支援室における取組を一層推進することにより、検査業務におけるデジタル技術の一層の活用や新しい検査手法の開発等を行って、職員の検査能力の向上や検査業務の効率化をより一層図ってまいりたいというふうに考えております。
○勝部賢志君 次に、補正予算や予備費について御所見をお伺いしたいと思うんですけれど、予算の編成とその執行、そして決算、会計検査も含めてですが、一体不可分のものとして正確性、有効性が求められ、ルールにのっとって厳正、適正に行われるべきものと考えています。 しかし、昨今では、昨年秋の、あっ、毎年秋になると恒例のこの補正予算、今年も二十兆から三十兆、規模が大事だというような発言もあるように、平然とこういうことが語られてきています。 検査院も注視されている予備費の問題も無原則に増大しているというのが現状でございますので、そういったことについて、予算編成、予算執行に対する原田参考人の現状認識、あるいは苦言や注文などがあれば、是非率直にお述べいただけたら有り難いなと思います。
○参考人(原田祐平君) 委員御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策などのために補正予算が編成されたり、特定使途予備費が計上されたりして、その規模は大きなものとなっております。予算編成の正常化がなかなか図られていない状況であるというふうに認識をしております。 会計検査院は、予算の具体の執行、支出を前提に検査を行うことが基本でありまして、その立場上、会計検査、経理の検査を離れて予算編成のプロセスそのものに直接意見を申し上げる立場にはございませんが、これまでも多角的な観点から幅広く会計検査を実施してきている中で、補正予算の執行状況や基金の状況等についての検査結果を検査報告に掲記するなどしてきているところでございます。 最近の事例で申し上げれば、令和三年度決算検査報告におきまして、特定、済みません、令和二年度決算検査報告におきまして、特定検査対象に関する検査状況として、済みません、令和三年度でございます、失礼しました。令和三年度決算検査報告におきまして、特定検査対象に関する検査状況として新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種施策に係る予算の執行状況等に係る検査の状況を掲記しております。 また、予備費については、令和四年六月に参議院決算委員会から国会法第百五条の規定に基づき検査の御要請をいただき、その結果を五年九月に報告しているところでございます。 これらの検査の結果の所見では、コロナ関連事業に係る補正予算の執行や予備費の使用、その使用相当額の執行等における透明性の確保や国民への説明責任の向上等の観点から、この補正予算の執行状況を示す基本的な情報や予備費の使用、その使用相当額の執行状況について適時適切に国会及び国民への情報提供に取り組んでいく必要があるというふうに記載しているところでございます。 私としましては、このような会計検査院の検査の結果の所見も踏まえまして、各府省等におかれまして適時適切に情報提供に取り組んでいくことがまず重要ではないかというふうに考えております。
○勝部賢志君 丁寧に御説明をいただきました。 時間が参りましたので、これで終わります。
○青島健太君 日本維新の会の青島健太と申します。 原田参考人に御質問させていただきます。 原田参考人、東京大学卒業後、会計検査院一筋にやってこられて、また、事務総長も務めていらっしゃいます。長年の功績にまずもって敬意を表させていただきます。 また、重要な検査等々も数多く取り組まれていらっしゃると承知しておりますが、まず、長い間御活躍をいただきましたこの会計検査院での仕事でありますけれども、一番大事なことは何なのかというふうにお考えなのかということと、また、これまで信条にされてきたこと、あるいは誇りを持っていらっしゃること、その辺りをまず忌憚なく伺えればと思います。
○参考人(原田祐平君) 御質問ありがとうございます。 会計検査院で仕事をする上で一番大事なことという御質問ですが、私は、まず、職業的な懐疑心を常に保持しながら、検査対象機関の職員に敬意を払いつつ、その説明をよく聞くこと、これが一番大事であるというふうに考えております。 ちなみに、会計検査の英訳、オーディットと申しますけど、これは聞くという意味の英単語でございます。 また、私が大事にしてきた信条は和して同ぜずということでございます。これは、会計検査院が独立性を保持して会計検査を適切に実施するために必要な基本的な姿勢だというふうに思っております。 最後に、会計検査院としての誇りでございますが、税金を納めている国民に代わって、政治的な立場から税金の使い道をチェックする国会とは別に、客観的、中立的な立場から国民の目線で税金の使い道をチェックすることを通じて我が国の財政民主主義の機能の一端を担っている国家機関であるということでございます。
○青島健太君 和して同ぜず、会計検査院にとってもまさにそれそのものが大事なテーマであるというふうにお聞きをしました。 さて、私が所属しております日本維新の会は、御承知のように、大阪でスタートしておりますけれども、様々な行財政改革を敢行して、そして徹底的に無駄を省いてまいりました。そうした中で、まあその財源をですね、あるいは教育の分野においては、例えば給食の無償化でしたり、あるいは幼児教育から高等教育までの無償化、授業料の無償化、まあ一部所得制限残っていますが、来春にはほぼ全て無償化になるという形ができ上がります。こうしたこと、地方でできることならこれは国でもできるだろうというものが私たちの姿勢でもありますし、我々国会議員も身を切る改革、まあ歳費の一部を返上させていただいて寄附活動なんかもさせていただいています。 翻って、国の財政を見ますと、まだまだばらまき的な施策が多いように思います。また、せっかく予算が組まれていても、それが執行されずにそのままになっているケースも散見されます。また、様々な基金や予備費の増大、これが止まりません。こうしたこと、一体どこに無駄があるのか、あるいはどうやって無駄を省いていくのかということが大事なのではないかと考えております。 お立場上言及できない部分もあるかと思いますけれども、そうしたことに対しての御見識、お考えを伺えればと思います。
○参考人(原田祐平君) お答えいたします。 委員御指摘の、いわゆるPDCAサイクルが適切に機能し、予算が適正かつ効率的、効果的に執行されるということは重要であるというふうに考えております。 予算の執行が適切になされているかにつきましては、まず、政府部内におきまして行政事業レビューや政策評価等が適切に実施されて次のサイクルに反映されるということがまず重要であると考えます。そして、会計検査院としては、外部機関としての立場から、予算執行の結果について内閣から独立した立場からしっかりと検査を行い、問題点や改善すべき点を指摘する、いわゆるチェック、Cの役割を果たすことによって、当局において事態の改善が図られるとともに、国会における御審議にも資することが重要ではないかと認識しているところでございます。 また、お尋ねの国民の納得につきまして、政府が国の財政や予算の執行状況等について国民に対して説明責任を適切に果たすことは重要であるというふうに思っております。そして、会計検査院としても、先ほど申し上げた役割を果たすために、多角的な観点からしっかりと検査を行い、その結果を丁寧に説明するとともに、政府の説明責任の向上を促していくということも重要であるというふうに考えております。
○青島健太君 ありがとうございます。 今、日本は国を挙げて、国策としてデジタル化に取り組んでいます。身近なところではマイナンバーカードあるいはマイナ保険証、会計の分野では様々なソフトももう既にいろんな場所で活用されているかと思います。 先ほどもちょっとお尋ねがありましたけれども、この社会のデジタル化、昭和二十二年に会計検査院法が制定されたというふうに伺っておりますが、当然ですけれども、その当時は今の時代のようなこのデジタル化、全く想定していなかっただろうと思いますが、先ほどもちょっとお話がありましたけれども、この会計検査院の仕事においては長年の経験やあるいは勘という非常にヒューマンな部分ももちろん大事かと思いますが、このデジタルな分野が今、会計検査院の仕事の中でどういうメリットをもたらしているのか。また一方で、やはりリスクやデメリットというものもあるんではないかと思います。その辺りのお話を聞かせていただければと思います。
○参考人(原田祐平君) お答えいたします。 デジタル技術の活用は検査にとって大きな武器になりますので、会計検査院においても、デジタル化の進展に伴い、その活用に取り組んできているところでございます。 最近では、コロナ禍のために実地検査が困難な状況の中で、ウェブ会議システムを利用して関係者から説明を聴取したり質問、回答のやり取りを行ったりするなどして、リモートによる検査に取り組んでまいりました。また、電子データの提出を受けて、その内容を分析したり、大量のデータの処理、分析を効率的、効果的に行うための研究や工夫を重ねたりもしてまいりました。そして、令和四年四月には官房の上席企画調査官付として検査支援室を設置し、このような取組を継続して推進する体制を整えたところでございます。 このように、デジタル技術の活用等による検査業務等の処理の迅速化と効率化は、会計検査におけるデジタル化の大きなメリットであると考えております。 その一方で、会計検査におけるデジタル化のリスクとしましては、デジタル化により効率化された業務処理に検査の第一線に立つ調査官が頼り切ってしまいまして、自分の頭で考え、重要な発想や着眼により新たなタイプの問題を発見する能力の向上を図る機会、これが少なくなっていくおそれがあるのではないかというふうに危惧をしているところでございます。 検査の現場では、不断の挑戦と失敗を繰り返す中で新しい切り口の指摘を行ってきておりますので、国民の皆様に納得していただける検査結果を報告していくためには、デジタル化のメリットを十分に活用しながら、調査官の検査能力の維持向上を図っていくことが重要な課題ではないかというふうに思っているところでございます。
○青島健太君 ありがとうございます。 まあ、それはどの分野でも言えることだろうと思いますけれども、その最先端の技術、デジタルというものを使いながらも、使われないようにしっかりとやはりそれをマネジメントしていくということは大事だろうと思います。 さて、困っている人がいたら果物をあげるというのがあるかも分かりませんが、でも、もっと良いことは、多分、果物がなる木を育てていくということだろうと思いますし、私は日本維新の会の基本姿勢というのはそこにあるというふうに考えております。 どうやってそのサステナブルな、持続可能な社会のシステムをつくっていくのかというところでありますけれども、これ、まあ言い方を変えますと、やはり、予算においてはやはりシンプルで、そして持続可能な政策、あるいはそういう社会システムというものをどうやってつくっていくのかということになるんではないかなと思います。 国は単年度の会計でありますので、なかなか継続的にというのは難しい面はあるかと思いますけれども、この予算執行の持続性というか、そういうことについては、原田参考人、どのような御見識をお持ちでしょうか。お願いいたします。
○参考人(原田祐平君) 所信でも申し上げました急速に進行する少子高齢化や本格的な人口減少に伴う社会保障費の増大、潜在成長率の停滞、自然災害の頻発化、激甚化への対応といった難しいこの課題、これに対応していくためには、委員御指摘のとおり、限りある予算の効率性、実効性を保ちながら持続可能なものにしていくということが非常に大切になってくるというふうに私も考えております。 このような中で、財政の持続可能性を確保していくためには、まあ先ほど申し上げました点と重なる面もございますけれども、予算の執行のPDCAサイクルの中で、会計検査院が内閣から独立した立場からしっかりと検査を行い、問題点や改善すべき点を指摘する、Cのチェックの役割をもう適切に果たすことによって、当局において事態の改善が図られるとともに、国会における御審議にも資するということが重要になってくるんじゃないかというふうに認識をしているところです。 仮に今回同意をいただき検査官に任ぜられた場合には、このような基本的な認識の下で、会計検査院の役割をしっかり果たすべく、事務総局を指揮監督してまいりたいというふうに考えております。
○青島健太君 検査官、大変な激務だと伺っております。健康に留意され、御活躍をいただくことをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。 原田参考人にお伺いさせていただきます。 原田参考人は、事務総長としてこれまで会計検査院全体を俯瞰し、牽引されてこられました。これから検査員に、検査官になれば立場が変わります。事務総長から検査官になるに当たりまして、役割や責任がどのように変わるものなのか又は変わるべきものなのか、どのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 御質問ありがとうございます。 検査官会議は、会計検査院の意思決定機関でありまして、検査実施機関である事務総局を指揮監督しております。そして、検査官会議を構成する三人の検査官につきましては、法律、行財政、企業会計、会計検査等に関して豊富な知識と経験をそれぞれ有することが望ましいというふうにされております。 このうち、会計検査院出身者から就任する検査官につきましては、事務総局の指揮監督、とりわけ会計検査の最重要任務であります検査報告作成の最終段階における検査官会議での意思決定におきまして、これまで勤務して培ってきた中で培った会計検査等に関する知識と経験を生かして、公正かつ的確な判断に貢献することが期待されているものと私は考えております。 一方で、御指摘のとおり、事務総局というのは検査実施機関の長であるのに対して、検査官は意思決定機関として事務総局を指揮監督する検査官会議の構成員ということになりますので、事務総長から検査官になるに当たっては、執行から監督へという役割と責任が変わるというふうに異なります。 組織のガバナンスという面から見ますと、執行と監督が一体化してしまうと両者の役割と責任を分けている意義がなくなってしまいますので、会計検査院出身者から就任する検査官には、互いになれ合いとなることがないように、事務総局と一線を画した上で指揮監督を行うことが求められているというふうに認識しております。 仮に今回御同意をいただき検査官に任ぜられた場合には、そのような役割と責任の変更も踏まえつつ、これまでの勤務で培った会計検査等に関する知識と経験を生かして、期待に十分応えられるよう職責を果たしてまいりたいと考えております。
○竹詰仁君 今のお考え、よく理解できました。 次に、新型コロナウイルス以降の会計検査のポイントについてお尋ねいたします。 新型コロナウイルス感染の拡大が生じて以降、政府の予算についても新型コロナウイルス対応のための予算が策定されてきたものと認識しております。また、当初予算そして補正予算における各省庁の予算に加えて、予備費も計上されてきたものと承知しています。 会計検査院は、新型コロナウイルス関連予算執行に対する会計検査、予備費に対する会計検査を行ってまいりました。事務総長として、従来とは違った予算や予備費を検査するに当たり、どういったポイント、どういった視点を重点に置いて検査を行ってきたのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 委員御案内のとおり、新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策のために補正予算が編成されたり特定使途予備費が計上されたりして、その規模は大きなものとなっているという認識を持っております。そのような中で、会計検査院は、補正予算や予備費の使用決定により配賦された予算の執行状況等に関する検査結果を検査報告に掲記するなどしてきております。 最近の事例で申し上げれば、令和三年度決算検査報告におきまして、特定検査対象に関する検査状況として、新型コロナウイルス感染症対策に関連する各種施策に係る予算の執行状況等に係る検査の状況を掲記しております。また、予備費につきましては、令和四年六月に参議院決算委員会から国会法第百五条の規定に基づき検査の御要請をいただき、その結果を五年九月に御報告しております。 これらの検査に当たっては、国民の関心や国会における御議論等も踏まえつつ、予算の執行及び予備費の使用における透明性の確保とか国会及び国民への説明責任の向上といった観点に重点を置きつつ、多角的な観点から幅広く検査を実施してきているところでございます。 そして、これらの検査の結果の所見では、コロナ関連事業に係る補正予算の執行や予備費の使用、その使用相当額の執行等における透明性の確保、また国民への説明責任の向上等の観点から、補正予算の執行状況を示す基本的な情報とか予備費使用相当額の執行状況等について適時適切に国会及び国民への情報提供に取り組んでいく必要があるということを述べているところでございます。 以上でございます。
○竹詰仁君 先ほど、勝部委員からの御質問と少し重複するところあるんですけれども、会計検査院のマンパワーについてお尋ねしたいと思います。 公務員の数、人数というのは法律や予算にのっとらざるを得ない面があります。短期間で柔軟に増減させるのは難しいと承知しております。このように今予算編成が非常に細分化され、あるいは複雑化されると、会計検査院の皆さんの業務が増え、会計検査院のマンパワーが必要になると承知しています。 こうした限られた人員、マンパワーで的確、適切に会計検査を行うために、めり張りや重点を置くポイントなど、そういった工夫をされてきたことについてお伺いしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) お答えします。 委員御指摘のとおり、財政状況が厳しい中で、会計検査院も国の機関の一つとして定員や予算の合理化に協力していく必要があるというふうに認識しておりますので、検査能力の質的な向上を図ることや機動的、弾力的に検査体制を構築するということによりまして、現在の人員、予算をできる限り効果的に活用していく必要があるというふうに考えております。 このため、会計検査院では、研修の充実強化に努めて職員の検査能力の向上を図ったり、的確な検査計画を策定して、これに基づき検査を効率的に実施したり、デジタル技術の活用等により検査効率の向上を図ったり、また検査勢力の配分を機動的、弾力的に見直しながら検査を進めたりするなどの取組をこれまでも行ってきたところでございます。 今後も、このような工夫を積み重ねながら、限られた人員、予算の下で最大限の効果を上げることができるように努めてまいりたいと考えております。
○竹詰仁君 最後に、職員の皆さんのやりがい、働きがいについてお尋ねいたします。 私自身、外務省に出向したことありまして、在外公館でODAを担当しておりました。そのODAを担当した際に、会計検査院の皆さんの検査を受けた経験がございます。会計検査院の検査対応は、いわゆるその通常の業務に加えて対応する必要がありまして、当時の私自身の率直な感想として、ちょっと負担だなというか、少し面倒くさいなということを正直言って思った経験がございます。 会計検査院の皆さんは、的確に業務を遂行しなければいけないんですけれども、時として、その相手側の態度とかあるいは雰囲気で業務のやりづらさを感じることもあるんではないかと思っています。 これまで事務総長として、またこれからは検査官として、職員の皆さんのやりがいあるいは働きがいをどういった言葉で、あるいはどういった行動でお伝えして、鼓舞して、リードしていくのか、そのお考えをお尋ねしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 会計検査院の調査官は、日々研さんに、研さんに励みまして、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性等の多角的な観点から、在庁して検査を行ったり、事務事業の実施現場、まあそれはODAの現場もございますけど、そういうところに赴いて実地検査、調査を行ったりなどしております。 会計検査院の職員にとっては、自らが携わった検査の結果が検査報告という形で取りまとめられて国会に報告され、国会における御審議等を通じて事務事業の改善や予算執行の適正化等のために役立てると、これが何よりも士気向上につながるのではないかというふうに考えております。 しかし一方、会計検査院の職員は非常に仕事熱心である者が多いため、仕事をし過ぎてしまうというところもあろうかなと思います。そのため、業務の簡素化、効率化等を進め、職員に非効率な業務はさせないようにしつつ、一方では会計検査の質はしっかり保ちながら成果を上げることが大事であるというふうに考えております。このような点を管理職がしっかりと認識して日々の業務に当たっていくことが職員の士気を高めるためにも必要なことではないかと思っています。 このような取組を通じて、我々の財産である職員のワーク・ライフ・バランスが保たれることはもとより、職員の自己研さんがより充実することによってより充実した検査結果をお示しすることができるように事務総局を適切に指揮監督していくことが重要だというふうに考えております。
○竹詰仁君 参考人の所信、そして今御丁寧な御回答もいただきまして、ありがとうございました。私自身も、国会での役割を改めて認識しましたので、引き続き努力をしていきたいと思います。 ありがとうございました。以上で終わります。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 原田参考人、よろしくお願いいたします。 まず、予備費について伺います。 憲法第八十七条第一項は、「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」というふうに規定をして、予備費は緊急的な事態に対応するためのものとなっています。 ところが、コロナ対策をめぐって、国会からの要請を受けて会計検査院が行った二〇二〇年度、二一年度に計上をされた予備費の使途についての調査では、三割の事業で全額を翌年度に繰り越していたということが分かっています。これに対して、余りにもずさんではないのかという厳しく指摘をする声も上がっています。 予備費が巨額になって、政府がいつでも自由に使えるようになっているということが財政民主主義を壊すことになるのではないかというふうに考えるんですけれども、参考人の見解をお聞かせください。
○参考人(原田祐平君) お答えします。 予備費が巨額なものとなっているという現状については、私も認識しているところでございます。 ただ、予算の額で、予備費をどの程度規模を計上すべきかというところについては決まったようなルールもございませんので、最終的には予算編成で国会の事項に関するかというふうに思いますので、具体的な意見を申し上げることはこの場ではちょっと差し控えさせていただこうと思いますけれども、我々としましては、今回、参議院から検査の御要請を受けて調べたわけですが、やっぱり、使用の決定の時期とか、で、使用決定しているんですが全部翌年に繰り越されているとか、非常に普通に見ると不自然な状況がございました。 我々も、そこについてやはりこれは不自然だと思って、いろいろ、なぜこうなっているのかということについていろいろ調べたわけなんですけれども、例えば、これは当初はそういう話じゃなかったと、それは後の事情によってこうなってしまったんで、その当時使用決定したこと自体は問題がないという話が出てきたりとか、いろいろ担当省庁の方から説明がございます。それに対して、我々は、じゃ、具体的にどういう想定でやっていたのかというようなことを検査でも聞いておるのですが、そこもなかなかはっきり分からないという部分がありました。 ただ、一方で、じゃ、府省等におきましては、もう最初からこれは繰り越してやるんだとか、最初からこれは補正をやらずに予備費でやるんだというところをしっかり証拠で固めるというところまではちょっと至っておりませんので、今回の報告の中では、ある意味、そういう不自然な状況があったものについては事例で詳しく説明するなどして、国会での御審議の参考にさせていただくという形で今回の報告は取りまとめたところでございます。
○岩渕友君 続けて伺うんですけれども、政府はこれまで、当初予算や補正予算で計上された事業に予備費から財源が追加されると予備費に絞った執行額を判別できないということで開示をしてこなかったわけです。ところが、検査をされたその結果、その予備費の執行状況を区別できるということが明らかになりました。 そうなってくると、政府の説明に問題があったのではないかというふうに思うんですけれども、参考人のお考えをお聞かせください。
○参考人(原田祐平君) 今回、予備費の検査を行う中で、予算科目ベースでは溶け込んで分からないということは、そこについては何も変わりはなかったんですが、実際に、事業単位で管理簿等を備えて、その中で予備費使用相当額の執行状況を区分して把握しているということが判明したということが今回の予備費の国会要請の報告の一番のポイントとなっているところでございます。 我々も、令和二年度、まず最初はコロナ関連事業の予算の執行状況というのを検査しまして、その中で、予備費についてもどのように執行されているかということについて検査をしました。ただ、そのときは、ちょっと期間も短かったこともございまして、ちょっと予算科目のところで追うというところでちょっと終わっております。ただその中で、仮にということで保守的な試算をしても、この予備費使用相当額はこれぐらいしか使われていないんじゃないか、これだけ余ったんじゃないかということを当時は示すことができました。 その後、今回、参議院からの御要請を受けてじっくり予備費の執行状況等を検査したわけですが、その中で今回御報告した今の事態が分かったということでございまして、そういう意味では、制度の説明としては、溶け込んで予算科目上は分からないということに関しては、それは偽りのないところでございます。ただ、その実態がそこまでになっていたということが今回のことで初めて把握できたということで、特にその執行状況を隠していたとかそういうような意図は我々としては特に感じていないところでございます。
○岩渕友君 予備費と同じように、この間急激に額が増えてきているのが基金です。管理費を支出するだけの休眠基金や基金残高が二〇二二年度末で十六兆円を超えるということがあって、問題が指摘をされています。 経済財政諮問会議のメンバーからも、複数年度にすると単年度よりもモラルハザードが起きる可能性が高いとか、日常的に支出されるものを基金にする必要はないという指摘も行われています。 こうした実態を踏まえて、基金についてどのような見解をお持ちか、お聞かせください。
○参考人(原田祐平君) お答えします。 基金については、もう平成十二、三年度ぐらいですか、そこで最初に初めて公益法人に造成される基金、これについて横断的に検査した状況を報告しておりまして、それからも何度かこの基金に関する検査については報告をしてきているところでございます。 我々としましても、これがやはり実際に無駄になって残っていることが多いとか、またよくあるのが、この低金利の時代に運用益でやるというのはどういうことなんだとか、あと事務費だけ掛かってきて実際基金は取り崩してほとんどないじゃないかと、今委員御指摘のような話もございまして、そういうものにつきましては、横断検査である程度状況を把握しつつ、個別に、本当にその基金は必要なんだろうかということを個別に掘り下げて検査して、過去にそういうものを、資金を返還させたりとか、運用、基金の設置形態を変更させたりということはこれまでの検査でも行っているところでございます。 今回も、コロナ関連事業の検査の中で、やはり基金事業というのは非常に増えているところでございます。いろいろ、コロナも落ち着いてきまして、だんだんその基金の状況がどういうふうに動いているかということがこれから見えてくるところでございますので、国会での御審議の状況も踏まえながら、その点しっかり留意して検査に取り組んでまいりたいというふうに思います。
○岩渕友君 基金について更に伺うんですけれども、燃料油価格激変緩和対策基金というものがあって、ここからいわゆるガソリン補助金が出ているんですね。この燃料油価格激変緩和事業は、二〇二二年の一月から始まって、それ以来延長されて、更に延長するというふうに言われています。既に開始から一年十か月が経過をして六兆円を超える額になっているんですね。 国会で石油元売に対してどれだけの補助金が使われているのかということを求めたときに、支給実績は事業が終わるまで公表できないという答弁がありました。これ、国会がチェックすることができないということは問題だというふうに考えています。 実績を明らかにして、国会がチェックできるようにするべきだというふうに思うんですけれども、参考人の見解があれば教えてください。
○参考人(原田祐平君) 物価高騰対策のガソリンの補助のお話でございますね。 今、事業まだ継続中というところでございますが、私が聞いているところですと、その事業の補助金というのが概算払ということで行われているというふうに聞いております。この概算払の精算をするのがこの事業終了時に行うということになっておりまして、まだその事業費は確定していない状況にあるのではないかというふうに認識しております。恐らくそのようなことがあって、事業が終わらないと金額が分からないということだったのではないかと思われます。 会計検査院としましては、国民の非常に関心の高い事業でございますので、国会等での御審議とかマスコミの報道状況も踏まえまして、多額な経費が必要とされ、投入されるものにつきましては、適時適切に必要な検査を行い、そして国会に報告すべき事項があればそのタイミングを捉えてしっかり報告してまいりたいというふうに考えております。
○岩渕友君 ありがとうございました。以上で質問を終わります。
○加田裕之君 自由民主党の加田裕之でございます。 原田参考人、先ほどの所信表明、そしてまた各委員からの質疑に誠実に答えていただきまして、ありがとうございます。 私の方からも逐次させていただきたいと思うんですが、原田参考人は、会計検査院で三十七年間勤務をされ、そしてまた事務総長も務められております。その長い会計検査院の中での生活ももちろんでありますが、その長い勤務経験の中におきましては、旧大蔵省の主計局の法規課の方への出向の経験とか、それから現在の中小企業の基盤整備機構や都市再生機構の前身に当たります地域振興整備公団にも出向していた経験があると聞いております。 会計検査の実務に長年従事していた経験に加えまして、出向で、そういう他の機関の方へ出向されたという経験というものについて、もし検査官に就任された場合にはどのように生かしていこうと考えられているのか、その点の御所見についてお伺いしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 御質問ありがとうございます。 ちょっと古い話で申し訳ありませんが、まず出向先の経験についてでございます。 大蔵省主計局法規課時代というのは、私、まだ係員でございました。当時やっていた仕事なんですけれども、法令が予算措置と適合しているか、また合理的に説明できるような内容になっているのか、これについてしっかり審査するということをそのときに徹底的にたたき込まれたことを覚えております。この審査というのは、法令、予算の事前チェックになるわけなんですけれども、その着眼点というのは、事後チェックであります会計検査の着眼点にも通じるところがあります。若い時期に論理的に詰めて考えるという経験を積んだということは、その後の会計検査でも大変役立っているというふうに感じております。 また、地域振興整備公団では、課長級の考査役というポストで、監事監査の補助や内部監査等を担当しておりました。公団の業務は、ニュータウンや工業団地等を造成し、それを企業等に売却して造成原価を回収するという点で民間の不動産業者と同じものでございましたので、この監査を行うことによって企業会計的な物の見方というのが養われたのではないかというふうに考えております。当時は特に景気も悪く、土地はほとんど売れない状況でしたが、それでも土地を売るための営業活動というのが様々な工夫を凝らして公団内で行われておりまして、そのような活動というのは官庁会計の世界では経験できないような業務内容であったと思います。 また、公団は検査対象機関でもありましたので、検査対象機関で会計検査がどのように受け止められるのかというところを身をもって感じることもできたところでございます。この出向時の経験もありまして、検査対象機関に作成を依頼する調書の分量とか提出時期等については配慮が必要であるというふうに感じているところでございます。 会計検査院出身者から就任する検査官には、今申し上げたような出向の経験も踏まえて、これまでの勤務で培ってきた会計検査、行財政に関する知識と経験を生かして、公正かつ的確な判断に貢献することが期待されているものと考えております。仮に今回同意をいただき検査官に任ぜられた場合には、この期待に十分応えられるように職責を果たしてまいりたいと考えております。
○加田裕之君 ありがとうございます。 やはり、私、先ほどもやりがいの質疑があったと思うんですけれども、やはりこういう形で、言わば検査される側の経験というものというものも大変私は重要ではないかと思っております。そしてまた、それをしっかりとマンパワーとして生かしていただけたら、就任された際には生かしていただけたらと思います。 次なんですけれども、先月の九月十四日に策定されました令和六年次の会計検査の基本方針においても、会計検査においては特定の事務や事業等に焦点を当てたテーマ検査を行っていると聞いております。検査のテーマの選定に当たって、正確性や合規性の観点から検査のテーマを選定することも重要であると考えておりますけれども、事業の効果がしっかり上がっているのか、目的どおりに事業が行われているのかといった有効性等の観点から検査のテーマを選定していくことも私は重要であると考えております。 検査テーマの選定に当たりまして、これまで事務総局での長年の勤務を振り返っての総括と、そしてまた、検査官に就任された際には今後どのような方針で事務総局を指揮していくつもりなのか、お伺いしたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 正確性や合規性の観点からの検査と経済性、効率性及び有効性の観点からの検査はそれぞれが重要なものでございますが、近年、財政の健全化が課題となっていることに鑑みれば、委員御指摘のとおり、予算の執行過程や執行結果について経済性、効率性及び有効性の観点からの問題を指摘していくことは、会計検査院に課された重要な使命の一つであるというふうに考えております。 このため、有効性等の観点から検査テーマを選定して検査を行い、施策や事業が不経済であるとか効果を上げていないなどの事象が発見された場合には、これらの発生原因の究明を徹底して行って、改善の処置を要求したり意見を表示したりするように取り組んできているところでございます。 一方、これまでの会計検査院での長年の勤務を振り返ってみますと、人材育成という面から見ますと、このテーマ検査に偏り過ぎて、通常の基本的な会計経理の検査、これがおろそかになるのも決して望ましいことではないのかなというふうに考えております。 テーマ検査では、検査対象機関から提出された調書やデータの整理、分析作業、これの占める割合が非常に多くなるわけなんですが、その調書の数字やデータの信頼性をチェックする能力、これを身に付けるためには、批難根拠資料を適時適切に収集して、その結果に基づき指摘するというような基本的な経理検査の経験を積むことがやはり必要ではないかというふうに考えております。 また、先ほど公団のお話がございましたが、公団に出向したときの経験で見ますと、現場の出先機関は、テーマ検査についてはこれは本部の問題だとして自分事として考えない傾向がどうもありました。自分事として緊張して検査を受けているというのは経理検査の方でございました。 以上のことを総括しますと、テーマ検査と経理検査はバランスよく取り組むことが必要でありまして、また、テーマ検査の選定に当たっては、合規性の観点にとどまらず、経済性、効率性及び有効性の観点からの検査テーマを積極的に選定するというふうに努めていくのが適切な方向性ではないかと考えております。 仮に今回御同意いただき検査官に任ぜられた場合には、このような基本方針で事務総局を指揮監督してまいりたいと考えております。
○加田裕之君 ありがとうございます。 続いてなんですけれども、先ほど来多く出ておりますデジタル化とかDX化というお話もあるんですが、私の方はDX化を踏まえた働き方改革の取組についてお伺いしたいと思うんですけれども、会計検査院におきましても、働き方改革は重要であると思っております。候補者、原田参考人が検査官に就任されますと、現在検査官の三名のうちの、今、参考人以外の二人の方は、検査官は、学識経験者の方なんですね。そういう意味でいいますと、実際の事務局の職員として経験がある唯一の検査官に就任された場合はなるということであります。 昨今、業務のDX化も進んでいると思うんですが、会計検査院におけるDX化を踏まえた働き方改革の取組について、これまで、まあ事務総局時代もそうですけれども、どのようなことをしてきたのか、また、御自身の経験を踏まえまして、今後就任された場合はどのように進めていくのか、御見解をお伺いいたします。
○参考人(原田祐平君) お答えします。 働き方改革につきましては、子育てや介護を担う男女を含む組織全体の力を最大限発揮できるようにすることが重要でございまして、会計検査院における女性職員の活躍と全ての職員のワークライフバランス推進のための取組計画、これを定めておりまして、働き方改革についても、電子決裁の推進とかテレワーク制度の本格導入によるリモートアクセス環境の整備、また、幹部による会議においてもペーパーレス化等の推進等の様々な取組を進めてきているところでございます。 取組計画策定当時に比べれば、会計検査院の職員にも働き方改革が進んだという実感が、また、育児、介護等を担う職員が仕事と両立して活躍できる職場、女性が十分に能力を発揮して働くことができる職場であるという実感も高まってきているのではないかというふうに感じております。 一方で、超過勤務命令の上限時間、これが定められておりまして、超過勤務の縮減は更に徹底する必要があると認識しております。また、コロナ禍の中でも質を維持しつつ確実に業務を進めていくことが求められておりますので、より効率的な業務の進め方があるのではないか、無駄な業務は残っていないかなど、まだまだ改革の余地は残っているものと考えております。 現在は、会計検査院では事務総局業務の抜本見直しについて取組を強化しているところでございます。業務のデジタル化、内部手続に係る見直しなども含めているところでございます。 仮に今回同意をいただき検査官に任ぜられた場合は、しっかりと事務総局を指揮監督して、働き方改革等の取組を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○加田裕之君 以上で終わります。ありがとうございました。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。今日はどうぞよろしくお願いをいたします。 初めに、会計検査院時代の成果について伺いたいと思います。 原田参考人は、三十七年間奉職をされました。先ほども所信の中でも述べておられましたけれども、実務で培った知識と経験を生かしていきたいと、このように言われました。三人検査官がいらっしゃいますが、その中でも、先ほども出ていましたけれども、特に原田参考人に求められるのは、この知識と経験を生かした上で、行財政の実態をしっかりと理解した上での的確な意思決定だと、このように私も思っております。 そこで、伺いたいと思います。三十七年間の検査院時代の特に力を入れて取り組まれた仕事、また印象深かった出来事、逆にこれはやり残したなということがあれば教えていただきたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 御質問ありがとうございます。 まず、印象深かった出来事としましては、検査課に在籍したときでは、平成七年に担当した建設省のダム事業、ダムの建設事業の検査が挙げられます。当時は政策評価制度もなく、公共事業は一旦動き出したら止まらないと言われていた時代でございました。そのような中で、地元の反対等のため計画どおり進捗していないダム建設事業について改善が図られるように指摘したところ、私が検査を担当した事業は休止となりまして、その後中止となったということがございました。国民の関心が高い検査テーマにおける会計検査院の指摘の重みというものを強く感じた出来事でございました。 また、官房に在籍したときでは、参議院決算委員会の提案による平成十七年の院法改正の成立、これが挙げられます。この改正の内容は、国会及び内閣に対して検査結果を随時報告することができる制度の新設、また国等の業務の委託先等への検査権限の拡張等を含むものでございました。この院法改正は、その後の会計検査院の検査活動の充実に大きなインパクトを与えた出来事であったというふうに感じております。 逆にやり残した仕事でございますが、これは、前任の事務総長から引継ぎを受けております人材の育成、検査業務の効率化、高度化、職場環境の環境等、改善等を図ります事務総局業務の改革、抜本的見直し、これが挙げられます。この業務につきましては、非常に重要な業務ですので、仮に今回同意いただき検査官に任ぜられた場合は、他の二人の検査官とも相談しながら、事務総局に対する指揮監督を通じて引き続き推進してまいりたいというふうに考えております。
○窪田哲也君 ありがとうございます。 二つ目に、会計検査院時代の仕事上での信条等について伺いたいと思います。 先ほども出ておりましたけれども、御答弁の中で、和して同ぜずということをモットーにされて仕事をされてこられたということでございました。また、職業的懐疑心ということもおっしゃっておりました。そういう姿勢で三十七年間やってこられたんだと思いますけれども、実は原田参考人の部下の方からお話を伺いました、どんな方ですかと、事務総長は。非常にフランクで、話しやすくて、何でも相談できる人ですと、非常にすばらしい高い評価をいただいていたようでございます。 それで、モットーは先ほども伺いましたので、伺いたいことがございます。職場をまとめていく上で、リーダーとして、また部下に接する上でこれまで特に心掛けてこられたことはございますでしょうか。
○参考人(原田祐平君) 何て答えていいのか、ちょっと。ちょっと、じゃ。 部下と接する上で心掛けてきたことですが、私のことを見てのとおり、特に威厳もありませんし、また人並み外れた能力を持ち合わせているわけでもございません。部下に対して厳格なリーダーシップを発揮しようとしても全く様になりませんので、心理的な安全性にも配慮してフランクに接するというスタイルが自分には合っているのかなというふうに思っているところでございます。このため、厳しく接することが必要とされる場面でなければ極力フランクに接するように心掛けているところでございます。
○窪田哲也君 次に、実地検査の重要性ということについて伺いたいと思います。 コロナ禍の中で実施検査の実施率は少なくなったと思います。その分、ウェブ会議の活用、デジタルツールの活用ですね、そういったものが進んで随分効率化が進んだと思います。しかし、参考人が著書にも書かれておりました、「わかりやすい計算証明」、著書を私、手に取りましたけれども、中身は難しいのでほとんど読んでいないんですけれども、この中に、実地検査と在庁検査にはそれぞれ長短があると、また、実地検査は具体的に問題があった場合にその実態把握や解決の方法を検討するのに有効であり、在庁検査は真実性や正確性の検査には優れていると、このように書かれておりました。 コロナ禍によって在庁検査の効率化が進んだと思います。進んでも、なお実地検査というのは重要だと考えておりますけれども、この在庁、実地、これをうまく融合させながら、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性を追求していくことが大事だと考えております。 実地検査の重要性ということについて伺いたいと思います。
○参考人(原田祐平君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、検査院は、必要な各種の検査資料について電子データで提出を受けるなどした上で、その内容を分析したり、ウェブ会議システムを利用して関係者から説明を聴取したり質問、回答のやり取りを行ったりするなどして、リモートによる検査も充実させるとともに、在庁時に大量のデータの処理、分析を効果的、効率的に行うための研究や工夫を重ねてきたところでございますが、一方、今も御指摘にありました実地検査の長所でございますが、その長所としましては、検査対象を現場でつぶさに確認したり、それを取り巻く周囲の状況、これは本当に現場にいないと分からないものですから、それを直接把握したりするなどといった、在庁した検査では簡単に代替できない重要な機能があると考えております。コロナ前における会計検査院の指摘の大部分は、この実地検査により発見されたものでございました。 私も実際、調査官時代、実地検査出ておりますけれども、やはりその、場の雰囲気というのはやっぱりあるんですね。ですから、いろいろ説明はしているんですが、どうもそこがぎこちないとか、そういうのをやっぱり感じるときがありました。それは多分、リモートの検査とかそこでは十分感じ切れないところじゃないかというふうに思います。 仮に今回同意をいただき検査官に任ぜられた場合は、このように、検査院の重要な検査方法である実地検査とコロナ禍で工夫してきた在庁検査を適切に組み合わせて更なる工夫を重ねていくことによって、検査能力のレベルアップに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○窪田哲也君 最後に、放置財源の回収について伺いたいと思います。 一昨日、二十五日付けの読売新聞の報道によりますと、大規模災害で被災するなどした企業への公的支援について財源の放置があると、このように報じられておりました。例えば、二〇一一年の東京電力福島第一原発事故で移転を余儀なくされた地元企業に対し、福島県を通じて融資事業が実施をされました。財源として約三百九十三億円が用意されましたが、二〇二一年度までに使われたのは約四割、百五十六億円。検査院は、昨年、余った分のうち二百十七億円について国への返還を求めています。この記事の中では白鴎大学の藤井亮二教授が指摘しておりましたけれども、資金を適切に回収することは次なる災害への備えにもつながっていくと、このように考えられます。 先ほど、国の厳しい財政状況ということについては参考人も触れられました。資金の適切な回収ということについてのお考えを伺いたいと思います。
○参考人(原田祐平君) お答えします。 資産、基金等のいわゆるストックの検査では、経済性、効率性、有効性等の観点から、未利用となっていて今後も利用される見込みのない資産はないか、社会情勢の変化等を踏まえた資産の活用が図られているか、国庫納付することが可能な資金等はないか、補助金等により造成された基金等の規模が適切なものとなっているかなどに着眼してこれまでも検査を行ってきたところでございます。その結果、委員御指摘のような指摘も掲記するなどしているところでございます。 コロナ禍における経済対策など、近年、新たな基金が設置されたりその残高も増加してきたりしていると承知しております。仮に今回同意いただき検査官に任ぜられた場合には、御指摘いただきました点もしっかり認識しつつ、資産、基金等のいわゆるストックに関する検査にしっかり取り組み、回収が必要なものについては回収するような方向で指摘をするように努めてまいりたいと考えております。
○窪田哲也君 時間が参りました。 どうか任に就かれた折には、これまでの経験、知識を十分に生かして頑張っていただきたいと思います。 今日はどうもありがとうございました。
○牧山ひろえ君 立憲民主・社民の牧山ひろえです。よろしくお願いいたします。 会計検査院は、国の財政を監督する機関で、憲法第九十条に設置根拠がございます。国会や裁判所、内閣から独立した唯一の行政機関でございます。 国家予算が膨張し、国家が関与する政策が多岐にわたるため、国の財政に対する民主的な監督が困難になっている現在の状況下において、会計検査院の果たすべき役割に対する期待は非常に大きくなっているのは言うまでもありません。特に財政面での民主的統制という面で懸念が持たれているのが予備費の問題です。先ほども何人かの方々が取り上げられておりましたけれども、予備費の膨張が恒常化することは財政民主主義の空文化につながります。 予備費については、規模の問題に加えまして、決算上は既定予算と一体として執行された結果しか表示されないため、予備費に限った執行状況が不透明となっていたり、国会会期中は緊急な経費にのみしか使用が認められないにもかかわらず国会会期中に幾度に及ぶ使用決定がなされ、その緊急性が問題視されたりしております。 そもそも予備費については、国会の事前議決を経ていない分、通常の監督よりも、より厳格な審査が必要であるとも考えます。フリーハンドが与えられているからには、その分、報告ですとか共有は余計にしっかりなされるべきだと思うんですね。 この点について参考人のお考えはいかがでしょうか。今後、会計検査院として予備費に対してどのような検査を行っていくかも併せてお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(原田祐平君) 御質問ありがとうございます。 本年九月に参議院に提出した報告書の所見におきまして、政府は、事業ごと予備費使用相当額の執行状況を公表し、また、財源選択の順序の整理方法等を明示すること、予備費使用相当額について多額の繰越しが生じた場合には、予備費使用決定時の想定等を丁寧に示すことなどに留意するなどして、予備費使用相当額の執行状況等の公表の在り方について引き続き検討し、適時適切に国会及び国民への情報提供に取り組んでいく必要があるというふうに所見で述べているところでございます。まさに、その公表の在り方や情報提供への取組、これが重要であるというふうに本院としても考えているところでございます。 今後も、これまでの検査結果により明らかになった状況や国会での御議論等も踏まえつつ、予備費の使用決定により配賦された予算が適正かつ適切に執行されているかについては、引き続き適切に検査してまいりたいというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 十二兆円を超すコロナ予備費は、各省庁にあてがわれ、当初予算や補正予算など使途が定められているお金と混ぜて政策の項目ごとに管理しているとのことです。そのため、予備費だけを取り出して最終的な行き先を突き止めるのは難しいとするのが従来の政府のスタンスでございました。それを覆したのが会計検査院の調査でした。各省庁は、予算管理とは別に実務上の管理のために事業ごとの資金の出入りを記録していました。これまでにも取り上げられてきましたけれども、ないと言っていたものが実際にあったわけですね。検査院がこの裏記録を点検することで初めて予備費の流れを追及できたということです。 この予備費の使途調査には、候補も検査院の事務総長として関係しておられたはずですけれども、当事者のお一人として、この調査についてはどのように評価されておられるでしょうか。
○参考人(原田祐平君) お答えします。 これまで科目の中に溶け込んで分からないと言われていた予備費使用等額、使用相当額の執行状況、これを明らかにしたということは今回の報告の大きなポイントであると考えております。 当初、我々この検査をやるに当たりまして、昭和二十九年の閣議決定ですかね、予備費については、その目的の使途以外に使用してはならないという制限が内閣の自制として決められております。予算科目上、区分できないにしろ、この規定を守るためには何らかの手当てをしないとこの使途を守れないはずだというのは前から感じておりましたので、今回の要請の中でそれをどうやって行っているのかを確認するというのが一つの大きな目的でございました。 それで、現場を実際に見ていたところ、管理簿というものをしっかり付けて、その目的以外、使途の区分をしっかり管理していたということが分かったというのが今回の報告の大きな成果だったというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 検査官候補におかれましては、今後もこのように追及型の調査を積極的に行っていただきたいと思います。そして、予備費の問題により正面から取り組んでいただくことを希望したいと思います。よろしくお願いいたします。 検査官候補は現任の会計検査院事務総長でいらっしゃいますが、その経験から培われたであろう知見についてお伺いいたしたいと思います。 国土交通省OBによる人事の介入問題をめぐって、会計検査院でも公表前の人事情報をOBに提供していたことが令和五年六月に明らかになりました。候補の事務総長在任期間中の時期の事件でございます。 この問題に関する御所見と、そしてこの問題に対してどのような対応をお取りになったか、お聞かせいただければと思います。
○参考人(原田祐平君) 会計検査院では、発令日のおおむね二週間前の人事異動内示日に人事課が作成した内示情報を全職員に通知しているところですが、内閣人事局の依頼に基づく調査により、当該内示情報を政府外に提供している状況があったということでございます。 会計検査院は、出張を伴う実地検査の件数が多く、人事異動による出張者の変更などの調整等を円滑に行う必要があることや、組織では千二百五十人程度と非常に小さな規模でございますことから、人事異動発令日のおおむね二週間前に人事異動の内示情報全体を全職員に伝えて通知してきております。このような人事異動の内示情報は、人事異動内示日以後は秘密情報に該当しないところであります。今回の内示情報を報道発表の前にOBに対して提供していたことにより、再就職のあっせんとの関係で疑念を生じさせたことは申し訳なかったというふうに考えております。 今回の事態を受け、人事異動の内示情報は内示日以降は秘密情報に該当しないことから、現在は内示日に報道発表を行うとともに、誰でも閲覧可能な状況にするなど、公にする対応を取ったところでございます。 以上でございます。
○牧山ひろえ君 候補も事務総長としての職務の中で実感しておられると思いますけれども、会計検査院の検査分野というのは幅広い分野に及んでいて、社会保障ですとか、あるいは公共事業の検査など、従来から会計検査には高度な専門性が求められていました。それが、近年の行政のデジタル化ですとかIT化、多種多様な社会需要に応えるために各種の行政施策も高度化、そして複雑化しておりまして、それを検査する会計検査職員には更なる専門性が求められるようになってきているのは御承知のとおりでございます。 このように、近年、より一層、会計検査職員、会計検査院職員の検査能力向上が求められていると考えますけれども、こういった点につきまして、今までどのように取り組んでおられ、あわせて、今後どのように取り組んでいきたいか、御所見を願いたいと思います。
○参考人(原田祐平君) 会計検査院が国民の期待に応えられるような検査を十分に行っていくためには、その現場の第一線で検査に携わる職員の専門的な知識を向上させることが必要であるというふうに考えています。 会計検査院では、これら職員のスキルアップを図るために、内部で専門家を講師とした研修やセミナーを行うとともに、会計、例えば、専門職大学院などの大学院に派遣するなどの外部機関による研修を行ってきたところでございます。 引き続き、内外の研修を充実させていくことはもちろんでございますが、社会経済や行財政の動向に伴い検査ニーズが多様化することなどを踏まえまして、研修の中身を適宜見直していくことが重要であるというふうに考えております。 例えば、デジタル関連の検査技術、財務分析に関する知識や民間の管理会計に関する知識を活用した検査技術等は、今後より一層必要になるというふうに考えております。したがいまして、社会情勢の変化や多様化する検査ニーズに対応した研修メニューを充実させていくことなどが重要であると考えています。 また、会計検査の対象は行財政全般と広範多岐にわたるものとなっておりますことから、研修等によるプロパーの職員の育成だけではなく、様々な専門的知識や実務経験を持った民間人を任期付職員等として採用したり官民交流人事を行ったりするなどして、多様な人材を確保していくことも引き続き必要であるというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 時間となりましたので、終わります。
○委員長(石井準一君) これにて候補者に対する質疑を終了いたします。 原田参考人に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙の中、御意見をお述べいただき誠にありがとうございました。委員会を代表して御礼を申し上げます。 原田参考人は御退席いただいて結構です。 ─────────────
○委員長(石井準一君) 次に、立法事務費の交付を受ける会派の認定に関する件を議題といたします。 事務総長の説明を求めます。
○事務総長(小林史武君) 立法事務費の交付を受ける会派の認定は、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の規定により、議院運営委員会の議決によって決定することになっております。 今回、新たに「新党大地」から立法事務費の交付を受ける会派としての所定の届けがございましたので、本委員会の認定について御決定をお願いいたします。
○委員長(石井準一君) 本件につき御意見のある方は御発言を願います。
○柴田巧君 日本維新の会の柴田巧です。 ただいま議題となりました立法事務費の交付を受ける会派の認定に関する件について反対の意見表明をいたします。 今回、新たに認定を受けようとする新党大地は、所属議員が一人しかいない、いわゆる一人会派です。平成二十五年度版参議院先例集一一〇では、「院内において議員が会派を結成するには、二人以上の議員をもってすることを要する。議員の任期満了、辞職等により会派の所属議員が一名となったときは、その会派は解消する。」となっており、本来、会派は所属議員二人以上のことをいいます。したがって、一人会派は、会派ではありません。 確かに、立法事務費の交付に関する法律では一人会派でも認めることになっていますが、実際、一人会派を認めてしまうと、国会議員の給料、年収二千百七十二万円、調査研究広報滞在費年一千二百万円に加えて、さらに立法事務費が月六十五万円、年間にすると七百八十万円、合わせると年間四千百五十二万円が一人の国会議員に与えられることになります。 しかも、この立法事務費は、何にどれだけ、そしてどのように使用したか一切報告、公表を求められておらず、使い道の制限もありません。つまり、国会議員が何に使ってもいいようになっており、議員個人に支給されるものと何ら変わりありません。 改めて言うまでもありませんが、現在、物価高などによって国民生活が大変厳しい状況にあります。そんな中、前国会で結論を出さなければならなかった調査研究広報滞在費の使途公開はうやむやにされたままです。このように国民との約束が守られていないにもかかわらず、国会議員については個人の収入になってしまう、このような一人会派に対する立法事務費の認定はすべきではありません。 以上申し上げて、反対の意見表明といたします。
○委員長(石井準一君) 他に御発言はございませんか。──他に御発言がなければ、これより採決を行います。 本件につきまして、事務総長説明のとおり、新党大地を立法事務費の交付を受ける会派と認定することに賛成の諸君の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(石井準一君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時三十一分散会