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211回国会参議院2023/04/12

資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会 第4号

発言数
94
登壇者
14
会派数
7
開催日
2023/04/12

会議録

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、上田清司君及び鬼木誠君が委員を辞任され、その補欠として嘉田由紀子君及び勝部賢志君が選任されました。     ─────────────

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。  本日は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」のうち、「資源エネルギーと持続可能社会をめぐる情勢」に関し、「エネルギーや気候変動などSDGsをめぐる日本の情勢」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授蟹江憲史君、特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事・東北大学特任教授竹内純子君及び東京大学未来ビジョン研究センター教授高村ゆかり君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございました。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にしたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、蟹江参考人、竹内参考人、高村参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構です。  それでは、まず蟹江参考人からお願いをいたします。蟹江参考人。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) 御紹介いただきまして、ありがとうございます。慶應大学の蟹江と申します。(資料映写)  SDGsをめぐる世界と日本の現状ということでお話を進めさせていただきます。  まず、この一枚目なんですけれども、SDG達成、今一番大事だと考えられているのは変革ということです。今ちょうど、国連の事務総長に四年ほど前に指名された十五人の独立科学者という専門家がおりまして、私もその一名になっているんですけれども、で、今年九月に国連のSDGサミットというのがございます。そこに向けて、GSDRと我々呼んでいますけれども、グローバル・サステーナブル・ディベロップメント・レポートという四年に一度のSDGsの進捗を見る報告書をまとめています。その中でやっぱり一番大事だと強調している点は変革だということです。  これは、SDGsが中心を占めている国連の二〇三〇アジェンダというのがありますけれども、そのタイトルにも変革ということが書かれています。  じゃ、変革って一体どういうことなのかというので、少し今ある知識をまとめたのがこの皆さんの手前に示させていただいている図です。これ、ローマ字のSの形を描いていますけれども、下の方のこの緑の方を見ていただきますと、いろんな変革の萌芽があるということで、萌芽があるんだけれどもなかなかそれが伸びていかない、なかなか、抵抗勢力もあってなかなか伸びていかないということです。それが一気に加速期に入っていくと伸びていって、そして安定期に入っていくということです。  同時に、持続可能でないような経路を持つものも同じように、それが今、世の中に広がっているんだけれども、それがだんだん減退していって、それがフェーズアウト、廃止に向かっていくと。このクロスするSカーブをいかに描けるかということが勝負になっていくということです。  実際の事例で、例えばノルウェーの電気自動車がここ数年で急速に普及していますけれども、そういった例なんかを挙げながら、このS字カーブをつくっていくエッセンスはどうなのか。特にこの加速期でどういったことが必要なのか。そこでは、サプライチェーンへの影響であるとか標準化であるとか、あるいは政策の力が非常に重要な役割を果たしますけれども、こういったものが必要だという知見がまとまってまいりました。  まず最初に、この変革、トランスフォーメーションを起こすということが非常に大事だということを申し上げておきたいというふうに思っています。  その上で、今の世界の現状ですけれども、昨年の夏に報告されました事務総長が毎年出している報告書がございます。それを見ますと、SDG達成が大きな危機に陥っているということになっておりまして、特にコロナ禍、そして気候変動の影響、そして国際紛争、この三つのインパクトで、ただでさえ達成が困難であったSDGsの達成が非常に難しくなっていると。中には、例えば極度の貧困の状況というのは、今まで改善されてきていたんだけれども、ここに来てむしろ後退していると、二〇一五年当時よりも後ろに下がってしまっているということが書かれています。飢餓の状態なんかもそうです。それから、暴力紛争は、一九四五年、第二次世界大戦終了以来、最大の人口がこの暴力紛争の中にいるということが言われていまして、世界の状況、プラスチックの量も増えています、CO2の量も増加しています、かなり悪くなっているというのが全体的なニュアンスになっております。  先ほど申し上げましたGSDRというもので、今、二〇三〇年に向けて、ちょうど今、二〇一五年にできたSDGsが中間地点に差しかかっておりますけれども、その中間評価を見ています。まだこれ、今年の秋に出るものを、ちょっと出していいものだけをかいつまんで持ってきましたけれども、全体的に進捗速度は減退していると、しかも、幾つかの目標で進捗が反転、つまり進まなければいけないところが後退しているというグローバルな状況です。特に、環境関連、それから公平性関連の目標というのが後退している傾向であるということが分かってきました。それから、一時的なショックですね、コロナ禍、それから気候変動、毎年いろんな影響が出てきますけれども、そういった影響、そして紛争の影響など、こういった影響が非常に強く、そしていろんな分野に広がる形で出てしまっているというのが全般的な状況です。  その一方で、我々、目標ベースのガバナンスという言い方していますけれども、目標をつくって、中長期的な目標をつくって、そして仕組みを変えていこうという行動変容というのはいろんなところで萌芽は見えているということも分かってまいりました。例えば、プラスチックの利用をやめていこう、減らしていこうというようなこと、動きも、二〇一七年にSDGsの文脈で海洋プラスチックごみ汚染の問題が取り上げられてから世界的に広がっていったということもあって、そういった目標をつくって進むということがだんだん効果を及ぼしているような分野もあるということも分かってまいりました。  そういった中で、日本の現状ですけれども、既に御案内のように、SDGsという言葉を聞けば大体いろんな人が、あっ、あのことを言っているんだなと分かるぐらい認知度は非常に高いです。世界の中でも認知度は最高レベルと言っていいほど、八割近くの国民がSDGsという言葉は知っているというところまで来ています。一方で、その内容まで詳しく知っているとか人に説明できるという調査結果、まあ結果によってまちまちではありますけれども、非常にこれは低いということで、この聞いたことはあるんだけれども内容までは知らないというギャップが大きいというのが残念ながら今の日本の現状になってしまっております。  そういった中で、毎年、これは国連が発表しているわけではないんですけれども、国連と連携しているSDSNというところとドイツの財団と一緒に世界的なランキングを出しております。そこを見ていきますと、毎年順位を日本は落としてしまっているというのが現状です。順位を落としてしまっているということ自体もそうですけれども、日本は、経済力を見ると、やはり日本、まだ世界三位を維持しているということを考えますと、経済、社会、環境というこの三つのサステナビリティーを総合的に評価するSDGsがここまで下がってしまっているというのは、やはり社会、環境の分野の遅れというのが目立っていると言わざるを得ない状況かなと思います。そこをいかに経済の課題に統合していくか、それが非常に重要になってくるんだと思います。  で、SDGsをめぐる日本の制度枠組みですけれども、二〇一六年に、前回のG7の議長国になったときにこの枠組みができています。SDGsができた翌年という、ちょうどその年ですけれども、実施指針ができまして、SDGサミットのたびにこの実施指針が改定していますので、二〇一九年に改定されています。  その指針の下で、SDGs実施の推進本部というのが本部長、内閣総理大臣の下でできておりまして、その下に我々ステークホルダーの代表が集まったSDGs推進の円卓会議というものがございます。これ一応内閣官房が事務局ということですけれども、実質的には外務省地球規模課題審議官の組織が中心に運営されているという状況になっております。  御覧になっていただいて分かるように、実施指針ということで法的基盤が非常に弱いというのも一つの特徴になっています。それから、六月と十二月に基本的に推進本部の会合が二回開催されるということが毎年行われていますけれども、SDGsの扱う課題が非常に多い、それから、いろんな盛り上がりを見せている中で、なかなか政策の方向付けをするというところまで行っていないというのが現状のように見えます。  ということで、円卓会議の方では、二〇二〇年からは分科会というのをつくりまして、より頻繁にミーティングをするということをやってきています。それから、一方で、毎年政策を集めたリストとしてのアクションプランというのがございます。それから、ジャパンSDGsアワードというので、やり方が分からない、決まっていないので、SDGsの場合は褒めようということで、アワードをつくっているという状況になっております。  そういった中で、ただ、やっぱり実施指針による弱い法的基盤によって、本来、指針の中では司令塔の役割を推進本部が果たしていただきたいというふうになっていますけれども、なかなかそこまでの状況になっていないというのが現状でございます。それから、円卓会議と推進本部もリンクがほぼないという状況になっているところです。それから、アクションプランございますけれども、その進捗はどうであるのか、何を目指しているのか、SDGs、本来目標を定めて進めるべきところですけれども、その目標もよく分からない、それから指標がないので測れないということで、実際の政策実施というところではそれほど、まあ形は整っておりますけれども中身がまだ付いてきていないというのが実質的なところかと思います。  一方で、自治体であるとか、自治体はSDGs未来都市というのが内閣府の地方創生推進事務局の下に進んでいておりまして、今百五十四の自治体がSDGs未来都市ということで進めております。それから、金融関係も、ESG投資、サステナビリティー投資というのが次第に盛んになりつつあります。それから、企業も、経団連がソサエティー五・〇フォーSDGsということを言っていることを始めとして、大企業、中小企業、いろいろなチャレンジを進めていっています。これは、世界的な潮流がサステナビリティー当然だという中で、そこと競争していくためには、持続可能性しっかりと取り組まなければいけないという認識があるように思います。それから、教育分野、我々のところでもそうですけれども、教育の中にSDGsの考え方あるいはSDGsの目標を検討するということが取り込まれるなど、萌芽と言っていいようなことはいろいろなところで出てきているのが現状です。  この政策の現状、そして民間での動きということを見ながら、昨年二回ほどSDGs実施指針の改定に関するパートナーシップ会議というのを開催いたしました。これは、先ほど申し上げた円卓会議の民間構成員、我々が主催して進めていきました。まあ本来政府の方で主催していただければ大変有り難かったんですけれども、予算の関係等で我々民間の方で進めていったということで、オンラインベースでしたけれども二回ほどミーティングをして、国民全般のSDGsに関する課題認識というのを拾い上げることをやりました。  そこで出てきた様々な御意見まとめますと、一つは、総合的、横断的な政策実施の推進というのが非常に大事であると、だが、これはまだ十分なされていないということが言われました。  例えば、ジェンダー、少子化対策、日本政府の方でもいろいろやられていますけれども、もっともっと推進する、横断的なことをできることがあるんじゃないか。それから少子化、ジェンダー、かなり一緒に政策を推進した方がいいようなこともあるけれども、その調整というのもまだまだしていく余地があるんじゃないかというような考え方が出てきました。SDGsの文脈では、シナジーを強化する、そしてトレードオフを解消していくということをいいますけれども、そういったことをやっていく必要があるだろうと。本日の課題の一つでもあるこの気候変動であるとか、あるいは生物多様性、例えば気候変動対策で木をたくさん植えればいいんじゃないかという話を推進してそれだけを考えてしまうと、逆に同じような木ばっかりになってしまって、生物多様性が損なわれてしまうと。それは極端な話ですけれども、そういった課題間の調整というのが非常に重要になってきているということで、総合的、横断的な政策実施というのが非常に重要であるという認識が示されました。  それから二つ目ですけれども、環境それから社会政策を経済政策へ統合していく必要があるということで、SDGs、本来は、本質的にはこれ成長戦略であると。特にヨーロッパ諸国を中心として、サステナビリティーが今や国際競争力を決定していると言っても過言ではない状況になりつつあります。  電気自動車であるとか再生可能エネルギー、それから人権デューデリジェンスですね、ビジネスと人権、そういったものもしっかり守っていないと、なかなか経済政策も進まない、足下もすくわれがちであるということですけれども、この辺りをもっとしっかりと統合していく必要があるという御意見が出てきました。我々の円卓会議の構成員の中にも渋澤健委員がいらっしゃいますけれども、彼なんかも、人的資本へのインパクト投資を重要課題ということに考えるべきだということもおっしゃっています。この辺りの経済政策へのサステナビリティーの統合というのが非常に大事だと。  それから三点目ですけれども、これは、気候変動にしろパンデミックにしろ、これで終わりになればそれにこしたことないですけれども、これからますます災害、変化というのが多くなってしまう可能性が高いと言われています。そういうことで、次なる災害、変化にしっかりと備えておく、それがSDGsの推進とつながっているということが課題として出されました。  こういった点をまとめまして、我々円卓会議の方から提言をまとめて、先日、岸田総理大臣の方にお渡ししたところです。  まず、その軸として、一つ目は、実施指針を改定するとき、今年の年末に予定されていますけれども、これを是非基本法の制定へと持っていっていただきたいというのが一つ目です。  今、SDGsというと、皆さん、自分でできることを探してできることからやりましょうという形になっておりますけれども、サステナビリティーの問題、これはもう本当、成長する上でも待ったなしだということを発信する上でも、是非基本法を制定していただくということが大事だろうということです。それから、地方自治体、それから企業のレベル、いろんなところで、なかなかこの課題進めようとしても予算化が難しいという声が聞かれています。そういうこともありまして、予算化を着実に進めていくという力になるためにもこの基本法制定が大事だと。それから、何よりもG7、それから今年控えているSDGサミット、リーダーシップ発揮するためにもこういったものを考えていただきたいというのが一つ目です。  それから二つ目ですけれども、国としてターゲットを是非設定していただきたいということで、実は、SDGsが中心になっている国連のアジェンダでは、各国がこのSDGsのターゲット、より具体的な年限とか数値目標とかを含んだ目標、それを定めるということになっていますけれども、まだ日本でその全体がリスト化されたターゲットというのが設定されてございません。是非これをやっていただきたいというのが提言の二つの大きな柱となっております。  他国の状況を見ましても、例えばカナダでは、基本法を既に二〇〇八年に制定しておりまして、二〇二〇年にそれを改定しています。戦略を三年ごとに定めているということで、その中で目標、ターゲットを設定したり、ターゲットの所管官庁の設定、実施戦略を立てていったりということをなされています。ドイツも、ドイツは、全ての意思決定に持続可能な開発という考え方を適用するということで、同じく目標、ターゲット、それからそれを測る指標というのを具体的に定めまして、持続可能性の影響を評価する、これを義務化しているという状況でございます。それから、お隣の韓国も、昨年、持続可能な開発基本法というものを制定して、国内目標、それから指標を設定しています。そういった中で、国内、地域の目標を定めたり評価指標を策定するということなどが決まっております。  こういった事例を踏まえて、提言の中に基本法の構成案というのが出されております。お手元にもこの提言を配付させていただいておりますので御参照いただければというふうに思いますけれども、ターゲットを含む基本方針を定めていただきたいということであるとか、施策におけるSDGsの影響を評価する、あるいはSDGs達成推進戦略本部を設置して、事務局を置いていただき、定常的に政策を推進できるようにすると、そしてその上で、現行の推進本部と円卓会議、政治的な意思決定とステークホルダーの意思決定が今必ずしも一体化していないので、是非一体化していただきたいというようなことを書かせていただいております。  例えば、二〇〇〇年代初め、インターネットの推進ということが言われていましたけれども、そういったことも基本法ができて初めて政策として推進されたというふうに聞いておりますので、是非こういったことを皆さんで考えていただければなというふうに思っております。  最後になりますけれども、SDGsに関する今後のプロセス、大きなものを申し上げますと、今年の九月にSDGサミットというのが開かれます。そして、今年G7の広島サミットが行われますけれども、実は次に日本がサミットの議長国になるということになるのは二〇三〇年、このSDGsの目標達成期限の年になります。  是非、そこに向けて、このSDG達成に向けた加速をするべく変革を促進するというような勢いを付けていただきたいと。そういったことが実は大阪万博にも効いてくると思いますし、それから先、二〇三〇年以降の目標の議論というものも開始されると思います。そういったところでも、日本の考え方をSDGsの次の目標にも入れていくためにも、政治的なイニシアチブを取っていただきたいというふうに考えているところです。  以上です。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。  次に、竹内参考人にお願いいたします。竹内参考人。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 御紹介いただきまして、ありがとうございます。私の専門は、エネルギー、特に電力政策ということで、この問題についての難しさをまず述べたいというふうに思います。(資料映写)  この委員会の先生方には釈迦に説法でございますが、エネルギー政策はSプラス3Eというもののバランスをどう取るか、重心をどこに定めるかといったところが要諦ということになります。政府としてはSプラス3Eの同時達成というようなことを言いたくなるところではございますが、本質的に、まああちらを立てるとこちらが立たないというようなジレンマ、トリレンマの中で、どこに重心を定めるかといったようなところになります。また、昔より変化のスピードが上がっているとは申しましても、インフラの置き換え、これを必要としますし、供給側だけではなくて、需要側、使う側の取組も必要とするので、政策を描いてからそれが実現されるまでの期間が非常に長期掛かるといったようなところが特徴でございます。  これまでの歴史、簡単に振り返らせていただきますと、こちら、一九五二年、九電力体制と言われるような体制ができてからの、棒の高さが電力の需要、一年間で使った量、そして色分けがその電源構成なんですが、量の確保が最重要視された終戦直後、そして、オイルショックによってエネルギー安全保障の重要性を痛感して脱石油、脱中東のためにあらゆる取組を行った一九七〇年代、八〇年代、エネルギーの内外価格差が日本の産業の競争力をそいでいるとして発電事業の自由化に端を発して経済性を追求した一九九〇年代後半から二〇〇〇年代、そして、二〇〇〇年代以降は環境性への関心が急速に高まったと、重心も徐々に動いていたというところでございます。  今、各国のエネルギー政策、まあ我が国含めてですけれども、大きな影響を与えているのが、蟹江先生からもございました、一つの気候変動政策といったようなところでございます。ただ、この二つの政策の思考回路の違いというところをちょっとお話を申し上げたいというふうに思います。  エネルギーは究極の生活財、生産財と、極めて現実的に考えなければならない財でございます。その計画はフォワードルッキング、ある意味、足下の現実を見て策定する必要がある。一方で、気候変動政策というのは十八世紀の産業革命をも上回る社会変革です。その解決にはイノベーションが必要であるということはもうパリ協定でも認識をされており、その政策は、今お話にもありましたとおり、あるべき姿からバックキャストで考えるということが基本とされております。  この二つの思考方法はどちらがいい悪いというわけではないわけですが、全く異なる。しかも、これを非常に短い時間軸、今お示ししているグラフの中でも二〇二〇から二〇五〇という、ある意味、三十年弱の中でつなごうとすると、今大きな段差が生じがちになっているといったところが現状だというふうに思います。  こうした現状に直面する場として、気候変動をめぐる国際交渉、こちら私も長年拝見しておりますけれども、ここでは、直近のCOP27に参加したときに諸外国の産業界との情報で得た所感というところを一つにまとめさせていただいております。  ポイントだけ申し上げれば、先ほどの気候変動政策のあるべき姿とエネルギーの現実とのギャップといったようなものが、ウクライナ危機やエネルギー価格の高騰、こういったものによって鮮明にはなっているものの、COPの場ではあるべき姿を追求するという議論になるという状況になっております。ただし、新興国や途上国、こうした国々が排出の大宗を占めるようになっている。もう中国とインドが約世界の排出量の四割を占めようという勢いになっている中で、これまで欧州がリードしてきた規制強化や再エネだけを推進するといったようなこと、これでは達成が難しいということが明らかになりつつあるというふうに言えるかと思います。  少しそれますけれども、G7の議長国として日本が果たすべき役割といったようなものは、G7に参加する国を合意に導くということだけでは決してなく、G20あるいはそれ以外の国との懸け橋を果たすということではないかというふうに考えております。  国際交渉という場を離れて、各国がこの気候変動政策、どういうふうに施策として取り込んでいるのかといったようなところを見ていきたいというふうに存じます。  各国の政策を見ると、気候変動、これを産業、雇用政策として明確化している事例が出てきております。特に、米国で二〇二二年八月に成立したインフレ抑制法、略称でIRAとも言われますけれども、こちらが各国に与えたインパクトは非常に大きなものだったということでございます。  詳細は御説明できかねますけれども、まず二〇二二年から二〇三一年の十年間で約三千億ドルの財政赤字を削減する。要は現世代から捻出した原資で重点分野に将来投資をするというものですが、投資分野の八五%がエネルギー安全保障と気候変動の分野です。化石燃料を豊富に持つ、原子力も再エネもたくさん持っているアメリカにとって、エネルギー安全保障というのはそれほど重要な目指すべきターゲットではないということになると、要は気候変動への投資ということになります。投資する原資を現世代の財政見直しによって捻出しているという点に加えて、投資の振り向け方、お金の使い方についても、社会実装を確実にする税額控除を多用している点や、技術ごとの支援のガイダンスを、これ多分相当産業界と政府側がコミュニケーションを持って策定しているなど、参考にすべき点が多々ございます。  そして、米国という世界最大の経済大国が、カーボンプライシング、これ後で御説明申し上げますが、これを導入、基本的にせずにこうした多額の支援をする。ある意味、北風と太陽でいえば、太陽方式でこの分野をリードしているという点は、欧州など規制型でこの問題に対処しようとしていた国に大きな衝撃を与えました。製造拠点をアメリカに移そうという産業界の動きも多発して、他国から米国を保護主義として批判するという向きも出ておりますが、欧州が先に言い出しておりました国境調整といったようなものも、中国やインド等からは緑の皮をかぶった保護主義と批判をされてきたところでございます。  WTOが十分機能しない中で、各国が気候変動、言わば盾といいますか、みのといいますか、表現難しいところでございますけれども、保護主義を強める動きがある中で、我が国がこれはどう動くのかといったようなところは相当の戦略が必要になるかというふうに思います。  さて、ここで、我が国の戦略を議論する場として設定されたGX実行会議、私も委員を拝命して参加をさせていただきましたが、こちらで示された基本方針及び本国会で審議されている束ね法案、GX束ね法案に対する私なりの評価と課題を整理したいというふうに思います。  政府が、CO2を減らすと、脱炭素という言葉にとどまるカーボンニュートラルではなくて、成長戦略としてGXに取り組むというふうに明確化したことはまず評価を申し上げたいというふうに思います。GXというのは、基本方針では省エネですとか再エネ、水素などを含めて網羅的に書かれているわけですけれども、主要な論点であったと私が認識をしているこの緑に囲まれた三つの点について補足を申し上げたいというふうに思います。  まず一点目、電力システム改革、自由化の修正でございますけれども、今、エネルギー供給側が投資判断を非常にしづらい状況にございます。  その理由、まず四点申し上げますが、一つ、一点目申し上げると、電力需要というのは、今までほぼ人口や経済成長、要はGDPとリンクをしてきました。今後、人口減少が進めば、二〇五〇年には一三年比で八割程度の電力需要になるというような可能性がございます。しかし一方で、温暖化対策を進めるということになりますと、大きな柱は需要の電化、例えば、ガソリン車を電気自動車に乗り換えるといったようなことと電源の脱炭素化、これを同時に進めるということになります。電化が進むということになると、電力需要は増えるということになる。ここに加えて、デジタル化が加わりますので、二〇五〇年カーボンニュートラルを実現するには現状比一・五倍の電力需要になるという試算もございます。  〇・八か一・五になるというのが非常に不透明な中で、設備が余るのか不足するのか分からない、非常に長期の投資回収を必要にするといったようなところもあり、投資判断が付きづらいというところがございます。  加えて、気候変動、これに真剣に取り組むという日本の方針は変わらないと考えられるわけですが、ただ、目標年限が前倒しにされる、例えば、今二〇五〇年カーボンニュートラルって言っているけど、四五年にしよう、四〇年にしようとなったときに、今投資をした、例えば石炭火力からLNG火力に投資をしてCO2を減らすという投資、これの投資回収がおぼつかなくなってしまうということが起き得ます。  こうした中で、エネルギーをめぐる国際動向も非常に激しく変化をしているといった中で、CO2の価値、あるいはエネルギー安定供給や安全保障といった市場で、マーケットで可視化することが非常に難しい価値、この実現を市場任せにするということが果たして日本という特にエネルギーの安定確保が難しい国において適切であったのかという議論が必要であるかというふうに思います。  需要側も投資が必要で、それの投資判断が難しいということをスライド十の方で補足をしておりますが、ここは割愛させていただきます。  スライド十一において、もう少し解像度高く、電力安定供給に必要な要素を見てまいります。  電力安定供給には、発電設備、言わば工場です、燃料確保、言わば原材料、そして送配電網、ロジスティクス、この三つがそろう必要がございますが、設備投資が確保される規制料金制度、この下では、発電、①ですね、発電設備あるいは送配電設備といった設備投資が問題になるということは基本的には余りなかったので、長年我が国にとってのエネルギー政策というのは、②の燃料確保に向けた資源外交や多角化、多様化といったようなところでございました。  それが今どういう状況かと申しますと、発電設備は原子力が長期を停止している、加えて火力発電、これが再エネの増加や自由化市場に置かれているといったようなことで休廃止が増加をしております。そして、燃料の契約といったようなものも長期契約が難しくなってきている。送配電網といったようなところも、再エネ大量導入に向けた投資も必要ですけれども、人口減少、過疎化によってネットワーク型のインフラの維持が既に難しくなっているという状況がございます。  スライド十二は、先ほど申し上げた供給力が減少しているといったような点。右下にお示しをしているように、再生可能エネルギーは相当の勢いで増えています。この十年間、我が国が増やした太陽光のスピードというのは世界に類を見ないスピードでございましたが、一方で、原子力や火力が減っている供給力の減少というようなところを補足したのがスライド十二。  そして、スライド十三は、燃料調達の長期契約が自由化や再エネ大量導入等によって減ってきてしまっているといったようなところをお示ししたものでございます。インフラ中のインフラといったような電力、かつ、ためることができずに同時同量を果たさなければいけないといったようなものの電力システムの在り方、これを考え直す必要があるといったようなところでございます。  スライド十四、十五は、ちょっと補足のスライドでございますので割愛をいたしますが、今申し上げた、スライド十六であるべき電力システムの姿とは何かといったところを申し上げたいというふうに思います。  我が国の電力システムが確保すべきやっぱり要件というものを最初に三つ定義をさせていただいております。やはり、一つのエリア、特に小さく、北海道、本州、本州も幾つかの島、そして九州といったように分断された状況の中で、かつ国内に化石燃料資源を持たないといったようなところも踏まえ、一定の冗長性を持った供給力の確保。そして、電力を安価にするのであれば、電力コストの大宗を占める資源市場、ここでバーゲニングパワーを持つといったようなこと。そして、リスク分散をする投資が可能であるといったようなこと。こうしたところのあるべき要件から、あるべき姿、ここを導き出していくことが極めて今求められているといったようなところ、ここを書かせていただいております。後で御覧をいただければと思います。  次いで、大きな論点となりましたのが、原子力の立て直しでございます。  GX実行会議では、ほとんどの委員から、原子力の必要性や事業の立て直しを迅速に進めるべきとの指摘がございました。しかし、原子力というのは、次のスライドに行っておりますが、発電事業の一つと技術として扱うには余りに特殊性が高い。初期投資が巨大で、事業期間、投資回収期間が長期にわたるということと、事故時の賠償やバックエンド事業などの不確実性、資金調達コストの抑制や高い稼働率を維持すれば安価な電力を供給するポテンシャルを持ちますけれども、それらが十分でないと高コストになってしまうと。  私が損益分岐点となる設備稼働率を試算すると約七割というふうに出ました。粗い試算でございますが、海外では九五%を超える原発稼働率というのは全く珍しくないわけですが、日本では何かあれば止めるといったようなことになりがちで、民間事業者のリスクで対処すべきリスクを超えるリスクが大きく存在するという技術でございます。  スライド二十では、原子力事業といったものの健全性を確保するには、制度、政策、安全の規制、そして社会及び立地地域の理解などが、事業のフェーズ、それこそフロント、バック、リスク対応、ここにおいて面的にそろっていないとどこかで事業が行き詰まってしまうということをお示しをしております。  原子力事業の立て直しについて持つべき視点につきましてはスライド二十一でお示しをしておりますが、規制の最適化や体制整備に向けて、補足のスライドをスライド二十二、二十三に添付をさせていただいておりますので、後で御覧をいただければというふうに存じます。  最後に、重要な点として成長志向型カーボンプライシングについて触れたいというふうに思います。  スライド二十四、二十五は、政府が提示された案の図なので詳細は割愛いたしますが、将来的な制度導入を前もってアナウンスすることで前倒しの投資を促す、負担が増えないように再エネ賦課金等のピークがアウトに沿う形で導入をする、また、電力など多排出産業には排出量取引を、その他の化石燃料には賦課金をといったような案が示されております。  ここで、カーボンプライシングのあるべき姿を考えてみたいと思います。このカーボンプライシング、国民の生活、経済に与える影響というのは極めて大きいと考えられるんですけれども、このあるべき姿といったところから考えてみたい。  カーボンプライシングというものが論理上うまくやれば、このカーボンニュートラルを費用対効果高く進めることに貢献する制度であるということは議論の余地はほぼないと考えております。しかし、この制度は様々なところに悪魔が潜みがちな制度でもあります。このポイントを五つ指摘しております。  まず、エネルギー間中立であるということと、国際的な公平性、負担の適切性、五つ書かせていただいておりますが、ここではポイントを絞って一と三について補足をさせていただきます。  エネルギー間で中立であるということなんですが、スライド二十七、お目通しください。  これから脱炭素化を進めていく上でのセオリーは、先ほども申し上げたとおり、需要の電化と電源の脱炭素化です。ただ、事業者の数のコントロールのしやすさ等から、電気は電気で排出量取引を導入し、その他の化石燃料は別の賦課金を導入するということになりますと、この負担の違いが出てきてしまって公正な電化を阻害するおそれがある。  実は今、再エネ発電賦課金といったようなものは、あれは再生可能エネルギーを導入してCO2削減をするという点におきましてある意味カーボンプライシングなんですが、電気にだけ賦課をされているということで、電化を阻害する要因になっているといったようなところで我が国では最初の一歩が進まないということになりかねないというところでございます。  もう一つの、補足すると申し上げました負担の適切性でございます。  消費者の行動変容を起こさなければいけませんので、負担に気が付かないような金額、小さな負担では意味がないわけですが、代替手段を確保せずにエネルギーという究極の必需品にカーボンプライスを掛けると生活に大き過ぎる痛手ということになります。二〇五〇年のカーボンニュートラルをこうしたカーボンプライシングだけで実現しようとすると天文学的コストが必要とされる。SDGsもそうした面を、負担という面を極めて小さくしていく努力が必要ではありますが、カーボンニュートラルといったようなところも投資、負担、痛みを全く伴わないというわけでは決してないといったところ、これを政治がまず認識する必要があるかと思います。  カーボンプライシング、これは制度、様々な方法がございまして、我が国はオイルショック以降、様々な規制等で対応してまいりました。ただ、これは、欧州が言うような明示的、すなわち法目的にCO2排出量に見合うコスト負担になるといったような要件を満たすとか、法目的にCO2削減をうたっているといったようなカーボンプライシングではないというところでございます。  ちょっと飛ばさせていただきますが、我が国のカーボンプライシング、我が国の特徴というのは、暗示的なカーボンプライシングの負担といったようなものが極めて大きいということです。再エネ発電賦課金と自動車関係燃料諸税だけで七兆円程度の負担をさせている。これを国際的にカーボンプライシングとして認めていただくということは非常にハードルも高いというふうに認識をいたしますけれども、ただ、こうした負担を国民、産業界がしていることを前提として制度設計しないと負担が非常に大きくなるといったようなことを私は懸念をしております。  こうしたところから、こうした制度設計をするに当たっての提案といったようなところをスライド三十三に最後にお示しをさせていただいて、私のお話をこちらで終えさせていただきたいと思います。  御清聴いただきまして、ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。  次に、高村参考人にお願いいたします。高村参考人。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。本日は、調査会にお招きをいただきましたこと、この場を借りて、この場でお礼を申し上げたいと思います。(資料映写)  私は法学を専門にしておりまして、特に国際的な法律、条約、国際条約などを専門にしておりますが、その中でも特に環境分野の法を専門にしております。あわせて、二〇一四年頃からだと思いますけれども、国のエネルギー政策、特に再生可能エネルギーの政策に関わらせていただいております。先生方の御承認を受けて買取り制度の運用の委員会を務めさせていただいております。  本日、また限られた時間ではございますけれども、とりわけ昨今の資源エネルギー、そして持続可能な社会をめぐる情勢について、本日は四点大きくお話をしたいと思っております。私、いろいろな資料をたくさん付けてしまう悪い癖がございまして、適宜飛ばして、省略してお話をさせていただこうと思います。  お二人の参考人からもございましたけれども、二〇二〇年に日本が二〇五〇年カーボンニュートラルを目指すという目標を表明して以降、特に気候変動対策、大きく動いてきていると思います。二〇二一年に先生方の御審議を経て改正をされました地球温暖化対策推進法の基本理念の中にこの長期目標は既に盛り込まれております。国、自治体、事業者、国民が対策を取る際の基本理念として位置付いております。  最初にお話を申し上げたいと思いますのは、この気候の分野は、御存じのとおり、気候変動に関する政府間パネルという、IPCCという、科学者が研究成果をお互いにレビューをし合って報告書をまとめていく、そうした母体を持っております。ちょうど最新の報告書の、取りまとめた報告書が三月に出ておりますが、その中で私が重要と思いましたメッセージ、二つございます。  一つが、決定的な十年というメッセージであります。  先生方もお気付きのように、ここ数年を見ましても、特に日本の場合は雨あるいは台風などによる被害が地域で起きております。例えば、二〇一八年は西日本豪雨、七月にございました。岡山県、広島県あるいは九州地方、四国、そして岐阜県などでも大きな被害をもたらしましたが、実に二百名を超える方が命を落とされた水害、豪雨ではございます。  気候の科学の分野で気候変動がこうした異常な気象現象にどれだけ寄与しているのかということを定量的に示すことができるようになってきております。こうした西日本豪雨に関して言いますと、こちらにお書きしていますように、我々の過去の排出によって雨の降る量が上乗せされているという評価をしています。六・七%という、これは気象研究所のグループが中心になったものですが、この六・七%の上乗せが史上最高の降雨を降らせた、四十八時間雨量、七十二時間雨量ですね、史上最高の記録を、雨を記録をした地点を大きく増やしているという評価をしております。  こちらの翌年には、二〇一九年にこちらの首都圏に参りました台風十九号ございました。こちら、実に東日本で百四十六か所の河川の決壊を招いた台風でございます。スライドの七枚目にお示ししていますが、この年、世界で最も大きな経済損失をもたらした自然災害でもございます。二〇一八年、一九年は損害保険会社が一兆円を超える自然災害、気象災害による支払を行った年でもございます。  今お話をいたしましたのは、スライド四に戻りますけれども、気候変動のリスクがかなり現実的な経済損失として生じてきているという認識であります。ちょうどこの三月二十日はアメリカのバイデン大統領が経済報告書を議会に提出をしましたけれども、そのアメリカ経済に与えるリスクの一つとしても気候変動というのが挙がっております。  このIPCCの報告書がなぜ決定的な十年というメッセージを私出してきたかといいますと、パリ協定の掲げる目標の達成には、遅くても二〇二五年までには世界の温室効果ガスの排出量を頭打ちにするような対策が必要だということを記しております。こちらにその一・五度目標、二度目標、これはパリ協定で合意をされた目標ですが、三五年、四〇年、五〇年と、どれぐらいの規模感で排出を減らしていく必要があるのかということを示唆している科学の知見をまとめたものでございます。  二つ目のこの報告書のメッセージとして申し上げたいのは、二〇一四年の先立つ報告書から数年の間で、目標の引上げ、政策、法令というのは、極めて大きく日本だけでなく拡大をいたしました。課題は、それを本当に効果のあるものとして実施ができるかどうか、実施ができているかどうかというところに課題があると評価をしています。  こうした中で、スライド飛ばさせていただきますけれども、今、それではどこが課題かということで、スライドの十三枚目のところを御覧いただければと思います。  今の我々の社会のありようそのままで参りますと、二一〇〇年には二度を超える気温の上昇がもたらされるおそれがある。本日、資料飛ばしましたけれども、気温が上がっていきますと、先ほど申し上げた気候の変化が更に大きくなるという予測も報告書は示しております。  日本も二〇三〇年の目標を大きく引き上げたことで、これは世界も大きく引き上げたわけですけれども、世界各国も引き上げたわけですが、世界の排出量は下方に転じる、減少に転じる機会を今直面をしております。そういう意味では、今の掲げている対策をしっかり取っていくということがまず第一に重要であるということであります。先ほど言いました、目標は出た、これをどうやって魂の入ったものにするかということが課題であります。  しかし、もう一つの課題は、一・五度といった目標と照らしますと、それでもなお三〇年に世界が必要とする排出量を実現できる目標にはなっていないということです。五〇年、六〇年時点の長期の目標はかなり整合したものになっているわけですが、三〇年の時点で見ると、その目指したい気候変動のリスクができるだけ抑えられた社会の実現ということが難しい道筋に我々の三〇年辺りの政策の水準があるということです。  それゆえに、この十年ほどの間に、このまま推移をしますと、三〇年、それを越えた頃には一・五度を超えてしまうおそれがあるということでもあります。それゆえに、決定的に重要な十年というメッセージです。  じゃ、これをどうやって埋めるかということでありますが、当然、あと数年、まあ十年ほどの間ですと、今手元にある実は技術でその足りない部分を埋めることができるという分析が、エネルギー分野について少なくとも国際エネルギー機関から出されています。他方で、将来を見たとき、更に大きく削減をしていくためには新しい技術も必要です。  したがって、私たちは、これは私たち研究者もそうですし、同時に、まさに政策をおつくりになる政策決定者のところで必要だとお願いをいたしたいと思いますのは、今、二足のわらじを履いていただく必要がございまして、足下でいかに将来の持続可能な社会実現のために対策を強化できるか、そして、更にその先のより良い持続可能な社会づくりのためにどういう仕込みが、新しい技術の開発も含めてどういう仕込みができるか。少し時間軸が違う、しかし今まさにやらなければいけないことが二つあるということであります。  二点目でございますけれども、先ほど申し上げましたように、先生方のこの国会におきましても、日本でも多くの実は法令をこのために制定をしていただいております。  スライドの十九枚目でございます。  特に、二一年、二二年の通常国会見ていただきますと、プラスチック新法を始めとして、多くの脱炭素あるいは持続可能な社会実現のための、まさに魂を込める法改正が行われております。  その具体的なやはり狙い目といいましょうか、焦点が二つあると思っていまして、一つは地域であります。まさに、その人々が住んでいる、スライドの二十一辺り御覧いただければと思いますが、自分たちの地域を排出をできるだけ抑えた持続可能な地域にしていきたいという取組が先行的に動いてきております。見ていただきますと、それぞれの自治体に加えて、企業、金融機関も協力をしてその地域の取組を進めています。  その中で、スライドの二十四でございますけれども、もちろん脱炭素化のためではあるわけですが、この脱炭素化を進める中で地域の諸課題を解決する取組というのが進み始めています。  これは千葉県の睦沢町の取組ですが、ちょうど台風十五号で千葉県房総域で停電が起きたときに、再生可能エネルギーとコジェネレーションをちょうど直前に入れて、これが停電期間中の住民の生活を守ったという取組の御紹介であります。  さらに、今、農業人口が極めて大きく減ってきている、高齢化も併せて直面しているわけでありますけれども、こちらは千葉県の取組、千葉県匝瑳市の取組ですけれども、発電事業をしながら、そこで得られた収益で、例えば不法投棄、農地に不法投棄をされた廃棄物の撤去ですとか、あるいは若手の農業者の育成支援といった形でこうした収益を充てていく取組が進んできております。  ここで申し上げたいのは、カーボンニュートラル、脱炭素の取組というのは、うまく設計をするとこうした地域が抱える課題についても対処ができる可能性を持っているという例としてここで御紹介をいたしました。  もう一つ焦点が当たっているところというのは企業でございます。日本の気候変動政策も大きく変わってきていると思っておりまして、一つは、もちろんこれは環境対策なのでありますけれども、大きく脱炭素に向けて変わる日本と社会のマーケットに対応した産業の競争力強化、産業政策として行われているという点であります。それは同時に、民間ベースでも気候変動を中心にサステナビリティー、持続可能性を考慮した企業経営に着目をして、金融市場、金融機関や、まとめて言えば金融市場、資本市場がそれを評価し始めているという点であります。  皆様御存じのとおり、ESG投資という言葉、耳にされている、環境あるいは人権など、こうした環境、社会配慮を考慮をした投資というのが元々二〇一五年辺りから世界的に進み始めていたわけですけれども、それを大きく、民間ベースで行われてきたこうした取組を大きく拡大するためには、企業自身がそのサステナビリティーを考慮をした取組を情報開示していただかないといけない。この情報開示、ディスクロージャーを政策で支えるという動きであります。  これはスライドの三十一でございますけれども、金融機関自身が既に、自身の排出削減はもちろんでありますが、例えば今、三つのメガバンクさん、フィナンシャルグループは二〇三〇年までに自社の排出をゼロという目標を掲げていらっしゃいます。今、その目先、目線といいますのは、世界的には、投融資をしている先の企業や団体の排出量を五〇年頃には全体としてゼロにするという目標であります。こちらに、機関投資家ですとかアセットマネジメント会社、資産運用会社、そして、今申し上げました銀行、保険会社でこうした取組を世界的に協力して進めている日本企業のお名前を紹介をしております。  今、ディスクロージャー、情報開示というお話を申し上げました。スライドの三十四でございます。  民間ベースで進んできたこの取組が、今、国際的に統一した情報開示の基準を設定をして、それを使ってもらうという動きに変わってきております。今まではばらばらと民間の企業が、民間の団体がですね、この情報開示の指針を作ってきていたわけでありますけれども、それを国際的に統合した基準を設定するようになってきています。  日本におきましても、これに対応する形で日本版の基準を設定をすることが始まっております。さらには、金融庁を中心に審議をし、審議会で審議をして、有価証券報告書の中に、ですから、上場企業については、こうしたサステナビリティー情報の開示の義務化がこの三月末以降に有価証券報告書を出す企業に対して求められるようになっております。こうした動きは、先ほど申し上げました自社の排出量だけでなく、自社のビジネスに関わるサプライチェーン、バリューチェーン全体の排出を削減をし、まず把握をし、管理をし、削減をし、そして将来的にはゼロにしていくという、こうした取組と結び付いているものであります。  スライドの三十六。  御紹介しておりますけれども、日立製作所、ソニーグループ、先ほど三つのメガバンク、フィナンシャルグループ御紹介いたしましたが、日立製作所は五〇年まで、ソニーグループは四〇年までにこれを取り組んでいく、自分たちのビジネスに関わるサプライチェーン、バリューチェーンの排出量をゼロにしていくという動きです。  これ、グローバルな動きになっておりまして、マイクロソフトの例、サプライヤー選定の際にこの排出量の取組を見てサプライヤーを決める取組、アップルでありますけれども、再生可能エネルギー一〇〇%でアップル製品を作ってくれるようにサプライヤーに働きかける取組、こうしたグローバル企業の取組に対応するものでもございます。  こうした機会は日本企業はむしろ先駆けてビジネスチャンスとして動いている企業もあるという御紹介がスライドの三十九でございます。  データ処理というのは当然ビジネスの場面で排出の源になる、排出源にもなり得るわけですけれども、それを再生可能エネルギーでゼロエミッションのデータセンターを、データ処理を提供するというのを、北海道、再生可能エネルギーのポテンシャルの大きな北海道石狩市と協力して行われているものであります。これは、先ほどありました脱炭素のモデル地域としても選定をされている地域であります。  さて、三つ目に申し上げたい点といいますのは、今、カーボンニュートラルを中心にお話を申し上げましたけれども、この問題が、資源循環、サーキュラーエコノミー、そして生態系の保全、自然の再興といった問題と結び付いたものとして認識をされ始めたということであります。  もう先生方には当たり前のことと思われるところがあるかと思いますけれども、元々、ここ、プラスチック見ていただくと、海洋汚染、海ごみの問題として認識されたわけですが、汚染の問題、健康の問題、そしてさらには、それを焼却をしたときの温室効果ガス、気候変動の問題とも連関している典型的な問題です。  生物多様性の悪化がここ数十年の大きな減少を、ここ数十年、生物多様性が大きく減少してきていますが、その原因の一つとして科学者が評価をしていますのは、我々の土地や海の利用に加えて、気候変動というのが入っています。  また、気候変動に本当に対処をしていくとすると、バイオマス、バイオ資源をうまく使っていくことも必要です。こうした気候変動、自然生態系の保全との連携に加えて、昨今、スライド四十六でございますけれど、注目されていますのが、気候変動とサーキュラーエコノミー、循環経済との関係であります。  世界の排出量に占めるマテリアル生産に由来する排出量がかなり大きなものにこの数十年でなってきている。しかも、バージン材ではなく再生材をうまく利用していくとCO2の削減効果があるということも、環境省あるいは経産省の報告、調査の中でも分かってきています。  日本は3Rといった形で、こうした資源循環には非常に熱心な、もったいないという言葉に象徴されるように非常に熱心な国民性と政策があるわけですけれども、まさにこうした資源循環、循環経済の実現が排出削減にも気候変動の問題にも貢献し得るという問題であります。  ただ、もう一つ、先生方へのメッセージとしてもう一つ申し上げたいのは、この問題は国の経済安全保障、資源安全保障の点からも重要だという点であります。  今、大きくエネルギー転換をしていこうと、カーボンニュートラルに向けてしていこうとしていますけれども、それに伴って必要な鉱物が、スライドの五十一でございますが、大きく変わります。  必要な鉱物の所在というのは、いずれも鉱物はどこかに集中して偏在しているケースが多くございますけれども、資源に乏しい日本としては、獲得をした資源をできるだけ丁寧に使い尽くす戦略、あるいは偏在している資源に依拠しないために新しい素材を作り出している技術政策、こうしたものとともに進めていく必要があるというふうに思っております。  最後でございます。二〇二二年の二月、ウクライナ侵攻を経てなおその状況の中で、とりわけエネルギー、食料、様々な分野で影響が出ています。ここでお示ししているのは、特に化石燃料価格の上昇を見ていただきますと、二〇二二年から約半年の間で石炭の価格上昇、大変顕著であり、原油、天然ガスについても同様であります。  円安の傾向も、円安の理由もございますけれども、輸入量は変わらないけれども、日本が輸入し対外的に払うお金というのはこの一年で三倍以上になっております。世界的に見ますと、エネルギー消費をできるだけ減らすエネルギー需要側の対策、そしてエネルギー供給をできるだけ国産化、内製化していく、そうした取組というものが進んできています。  これはお金のレベルでスライド御覧に入れていますが、まさにこうした中でこそと言えるかもしれません、再生可能エネルギーの投資は史上最高の五千億米ドルに近づいておりますし、同時に、先ほど言いましたエネルギー需要側の投資というもの、こちらは熱の電化、交通の電化、そして新しい持続可能な、例えばバイオマスを使った燃料の創出、こうしたところに大きなお金の流れが生まれております。  その結果、二〇二二年、大変懸念をしておりましたけれども、経済成長三・二%、世界的にGDP三・二%増えたのに対して、全体としての排出量の伸びは大変幸運なことに〇・九%増になっています。しかし、史上最高の排出量を記録したということでもございます。  企業の取組は、このウクライナ侵攻下の様々な状況の中でも、特にネットゼロを掲げる大排出企業の取組は進んできております。いかにこうした素材価格やエネルギー価格の高騰に対処をしながら、しかし将来的にはエネルギーの内製化、資源の内製化がより強靱なエネルギーシステムと資源システムを日本にもたらすとすると、私はここに政策の大きな役割と期待を感じております。  最後でございます。今日、お二人の参考人もおっしゃった一つのキーワードは、変化だというふうに思います。大きく変化をしている、しかも持続可能な社会に向けては大きく変化しなければならないという課題の中で、私は政策に大きな期待をいたします。それは、先ほど申し上げましたように、単に一つの課題だけではなく、うまく政策を設計できるとすると社会が掲げるそのほかの課題にも貢献することができるという点であります。まさにそうした政策の構想力というのが今問われているというふうに思っております。  先ほど、短期的な視点と、今行っていただく対策として今何をするかと同時に、更にその先を見据えた二つの時間軸の違う対策を考えていただきたいというお話をいたしました。これ、今、短期をなぜと申し上げますのは、まさに決定的な十年という気候変動対策や生物多様性の保全の観点からもそうですが、企業にとってみますと、今まさに事業の中で収益が上がって投資を振り向けることが、将来の新しい技術を生み出していく、将来の新しいビジネスモデルをつくっていくために必要だからです。  今申し上げましたのは、いかにこうした民間主体の取組、地域の主体を後押しをしていく政策というのが非常に重要であること、そしてこうした政策の中で、経済安全保障や資源の安全保障、エネルギーの安全保障をいかに実現していくか、こうした観点から、先生方に大きな期待をし、今日の議論を楽しみにしております。  どうも御清聴ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  また、質疑者には、参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。  佐藤啓君。

佐藤啓自由民主党

○佐藤啓君 自由民主党の佐藤啓でございます。  三人の参考人の皆様方には貴重な御意見を賜りまして、誠にありがとうございました。感謝を申し上げます。  それでは、早速質問に入りたいと思いますが、まず蟹江参考人にお伺いをしたいと思います。  SDGsの政策推進の基盤の弱さを指摘をされたのかなというふうに思います。基本法の制定の必要性など、具体的な基本法の枠組みも含めて御提案をいただいたということで大変参考になったわけでありますが、まあG7ですね、広島サミットが予定をされています。また、その前に環境大臣のサミットも、今週末ですかね、予定をされているということでありますが、蟹江参考人からすると、なかなか我が国の取組は十分でないというところあるのかもしれませんが、一方で、議長国ということでもありますし、やはりこのSDGsに関してしっかりとサミットに向けて発信をしていく必要があるのかなというふうに思います。  今お考えにある日本が発信すべきこのSDGsの分野、またエネルギーに関しても何かそういったものがあるのであれば御教示いただきたいというふうに思います。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) 御質問いただきまして、大変ありがとうございます。  日本が他国に比べてSDGs、特に進んでいるというのは、やっぱり一般の方々の関心の高さ、そしてそこまで来た広報の進め方というのは本当に世界的に見ても際立っているというふうに思います。少し前のニューヨーク・タイムズなんかでも取り上げられたように、やっぱり知るということがまず第一歩なので、そういう意味では非常に認知度が高いというのは世界に誇っていいことだと思いますし、それをどう進めていったのかという方策については是非ほかのところも参考にしてもらいたいなということが一点ございます。  それから、その中でも特に、例えばアワードを出すということであるとか、新しい取組というのを幾つかやってきています。SDGsの取組というのはやり方が決まっているわけではないので、どうすればいいのか分からない、あるいは一般の人々がどういうふうに手を着ければいいのか分からないというところがありますけれども、その、何というか、手の着け方というのを幾つか先進事例を示しながら示していったというのは世界に対して発信すべきところではないかなというふうに思います。  特に、同じようにSDGs未来都市というスキームがございますけれども、今百五十四都市に及んでいて、大体毎年三十都市ぐらい選ばれています。やっぱり、そういった褒めて育てるといいますか、ああいうスキームというのはこれまで一生懸命やってきましたし、その中で育ってきているものもありますので、そこのところは世界に対して大いにアピールしていくべきだと思いますし、もっと、私も内閣府の委員とかをやっていますけれども、もっと英語等ですね、日本語以外で発信するようにするとより世界に伝わるのではないかなと思います。その辺りが今若干弱いかなというふうに感じているところです。

佐藤啓自由民主党

○佐藤啓君 ありがとうございました。  環境省の事務方も非常に喜んでいるのではないかというふうに思いますけど、やっぱりグローバルでの発信をもっと確かに環境省も頑張る必要があるのかなというふうに思います。ありがとうございます。  竹内参考人にお伺いをいたします。  原子力の活用の課題についてもお話しいただいたんですけれども、多分時間の制約でさらっとお話をいただいたのかなというふうに思います。  GX実現に向けた基本方針を策定をして、原子力政策については私個人としては非常にいい方向にかじを切ったのかなというふうに思っておりますが、その評価、それから、原発政策の在り方について、これだけはしっかりやってほしいというところで簡潔にお伺いできればというふうに思いますけれども、よろしくお願いします。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。  原子力については、やはり十年ほど政策が大きく停滞したということで、やらなければならない点は様々あろうかと思いますけれども、喫緊の課題としてということで御質問いただきましたので、まず一点申し上げ、あっ、二点だけ申し上げさせていただきますと、一つ目は安全規制の最適化といったようなところでございます。  安全規制につきましては、福島の原子力事故、これを契機としてもう抜本的に見直されたわけでございますけれども、一方で、それが最適な安全規制になっているのか。原子力の安全性を高める上では、例えば、それこそ原子力発電所の方たちが、日夜、どうしたらより安全になるだろうかという創意工夫をするということがより活発に引き出されなければならないわけですけれども、改めて今の状況を鑑みますと、まあ教師と生徒型というのでしょうか、規制側が定めた規制にとにかく合致するといったようなことが目標になってしまっているのではないかといったようなところ、こういったところが起きないように、規制の効率化も進めるといったようなところが極めて重要です。  米国の原子力規制委員会に対しては、議会が国民に不利益になるほどの非効率な規制を行っていないかをきちんとウオッチをするといったようなことも行われておりますし、米国の原子力規制委員会自体が活動原則の中に効率的に行うといったようなことも盛り込んでいる。そうしたところ、改めて、十年たった今、踏まえて見直すといったようなことが一つ重要でございます。  もう一点だけ付け加えさせていただきますと、これは若干将来に向けての話ということでございますが、今回のGXの基本方針で大きく打ち出されたその新設、建て替えといったようなことを検討するといったような点、これは、検討すると政府が表明をしたとしても、誰が担うのかといったようなこと、ここが極めて重要になります。  電力自由化といったような競争市場にいたしますと、競争の社会になるというようなことで、原子力のようなある意味莫大な投資を必要として長期の投資回収を必要とするといった投資は起きなくなるといったようなこと、これが欧米諸国が経験した自由化でも確認をされているところでございますので、この電力自由化市場といったようなところと原子力の新設、建て替えといったようなことをどう調整をするかといったところも議論を始める必要があるというふうに思います。  以上でございます。

佐藤啓自由民主党

○佐藤啓君 ありがとうございます。  電力自由化の再設計ということで資料の中では書いていただいたと思うんですけれども、まさに大規模な投資を回収できるような、容量市場とかいろんな制度も今できてきていますけれども、十分なのかという視点だというふうに思います。ありがとうございました。  それでは、最後に、高村参考人にお伺いをいたします。  アップルのお話なんかも出していただいて、まさにサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを進めていくというような、ああいった大企業がそういった宣言をすると、カーボンニュートラルを実現できない企業はそのサプライチェーンから排除されてしまうということもあるのかなというふうに思います。  そういった中で、我が国は、企業全体としても、やっぱり中小企業も含めてそういったことを前に進める必要があると思いますが、どういった政策を進めていく必要があるのか、お伺いをしたいと思います。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) 佐藤先生、どうもありがとうございました。  こちら、まさに今起きていることは、やはりサプライチェーン、サプライヤー、それから金融市場での評価というのがこの脱炭素化、あるいはその企業がそれに対応できるかというところで評価軸が入ってきているということかと思います。  特に、日本の企業の大勢占めます中小企業を考えたときに、私、三つの課題があると思っております。  一つは情報のギャップであります。この変化が非常に大きいので、この情報をどうやってうまく伝えていくか。  それから二つ目が人、人材の問題であります。排出を減らしていくときに、排出をどう把握をし、対策を取っていくかという人の問題であります。  そして、もう一つが資金の問題です。これ、様々な対応があり得ると思っておりますけれども、幾つか、この間進んでいる取組として、例えば商工会議所のような事業者団体、それから地域金融、こうした地域の主体が連携をし合って支えるという動きが出てきているかと思います。  中部圏でいきますと、東海財務局、それから中部の経済産業局とも連携をした、それぞれのティアに関して自動車産業の連携というのが始まっておりまして、こうした地域の中での連携を省庁を超えてつくれるかどうか、政策をつくれるかどうかというのが鍵ではないかと思います。

佐藤啓自由民主党

○佐藤啓君 ありがとうございました。  以上で終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  森屋隆君。

森屋隆立憲民主・社民

○森屋隆君 立憲民主党の森屋隆と申します。  三人の先生方に御説明いただきまして、ありがとうございます。  まず初めに、蟹江憲史先生に伺いたいと思います。  私は、これまでも環境の観点から公共交通について各先生方に質問をしてきました。蟹江先生においても、SDGsの観点から公共交通のことについてお伺いをしたいと思います。  SDGsの認知度というのは二〇二二年で八割程度まで上がってきていると、そして日本は、先ほども先生がおっしゃっているように、言葉の浸透度というんですかね、他国から比べて日本は高いと、しかし、実際には、その取組に結び付いていないと、こういうふうにおっしゃっています。  例えば、公共交通も同じでして、皆が利用すれば当然環境にも良くて、利用することで公共交通機関が持続可能なものになって循環していきます。そしてさらには、その利益が出れば労働者への還元もできると。そして、三方よしですし、そして最近では、公共交通を使って出かけることによって多方面にその利が行くというクロスセクター効果なんかも再確認されているんですけれども、実際の調査では、地方鉄道なんですけど、これは、実際に最寄りの路線を使うかというと七五%の方が使わないと、しかし、その七五%の方の中でその公共交通を残してほしいという人が五二%以上いると。当然、心の支えだったりとかシンボルだったりとか、廃線はしてほしくないと、こういったことが意見としてあるんですけれども、実際に乗らないと残らないわけでして、この残していく具体的な行動につながっていないんですよね。  SDGsでは、人や国の不公平をなくそうとか、住み続けられる町づくり、あるいはつくる責任、使う責任、働きがいも経済成長も、そして気候変動に具体的対策を目標にしていくというふうにあります。  環境とか経済とか多角的にトータルで優れているこの公共交通についてなんですけれども、蟹江先生に、この行動の十年にするにはどういうような政策というか考え方にすればいいか、ちょっと御教示お願いしたいと思います。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) 御質問いただきまして、ありがとうございます。  地方の鉄道の例をお話しされましたけれども、鉄道だけ考えていては駄目だということだと思います。  このSDGsの課題、押しなべてそうだと思うんですけれども、一つの課題が別の課題に非常に強くつながっていると。鉄道の話を考える、インフラの話を考えるときには、町づくりの話も考えなければいけないというところが非常に重要な点だと思うんですけれども、そういうことを考えますと、例えば地方に人をいかに残していくのか、そのことを考えると、例えば働き方を変えていく中で、テレワークを促進していく、そうすると、例えば女性も働きやすくなったり子育てもしやすくなったりといういろんな相互連関というのが大事になってくると思います。  そこの理解を一つ進めるということが大事だと思いますし、その上で、やっぱり、特に地方の自治体なんかでは、連携したいんだけれども、なかなか縦割りがあってし切れないというところがありますので、それもあって、基本法のようなものがあることによって、これがあるから我々進まなきゃいけないんだという理由付け、動機付けを与えてさしあげるということが私は非常に大事だというふうに思っているんですけれども、例えば、その地域に何か新しい地産地消のマーケットをつくるとか、それが魅力的なもので、そこに働きながら中央の仕事もできるとか、そういうことをやっていくことが実は例えば鉄道を使う人を増やしていくということにつながると思います。  それはベースのところだと思うんですけれども、それ以上に、やはり電力の、何というか、電気の源をどうするかという、CO2出さないようなものにするということは前提の上ですけれども、やはりその、公共交通、電気、電車とかを使った方がガソリン車よりも例えばエネルギー効率が上がるとか、そういったことを見える化していく、分かるようにしていくというのが大事だと思います。今、やっぱりお金でしか判断できないので、値段でしか判断できないので、それを、やっぱりこれをやると地球のためにいいんだというような見方も差し上げるのが大事ではないかなというふうに思います。

森屋隆立憲民主・社民

○森屋隆君 ありがとうございます。  次に、竹内純子先生に二点お伺いしたいと思います。  一点は、カーボンプライシングの導入におけるカーボンリーケージというんでしょうか、この国際的な公平性の担保をどのように図るのか、三十三ページに少しあったのかなとも思っています。  二点目には、EUは、このEフューエル、内燃機関の自動車を二〇三五年以降も新車登録できるように今回なりました。また、イタリアでも、このバイオ燃料の追加保証を求めています。  先生の受け止めをお聞かせいただきたいと思います。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 森屋先生、御質問いただきまして、ありがとうございました。  まず、一点目でいただきましたカーボンプライシング導入におけるカーボンリーケージ、これこそ、私の資料の、五つのそのカーボンプライシングの要件として書かせていただきました中の、スライド二十六でございましたけれども、国際的な公平性を確保することと。一国だけで、あるいは一地域だけで非常に多額のカーボンプライシングを掛けてしまうと、それが製造コストに跳ね上がるということになるので、産業界とすれば、製造拠点を他国に移すということを判断するきっかけになるというのは、これは極めてよく起こり得ることであって、京都議定書当時の日本でもそういったことが非常に懸念をされて議論されたというようなところかと思います。  こうしたことを防いでいくためには、本来、理論的には、世界共通のカーボンプライシングというようなものを導入するといったようなことになればよろしい、どこで要は削減しても一緒よということになればよいわけですけれども、それは国際交渉を長年見ている経験からしても、これ極めて難しいといいますか、これはもう無理だというふうに判断いたします。  そうした中で、欧州が国境調整措置というような形、自国の、自地域の中で排出量取引制度を入れて言わばカーボンプライスを掛けていた、その負担を要は産業界に対して増やそうという改革案を出す、と同時に、この国境調整で外から入ってくる産品に対しても同じ負担をしてくださいねというようなことの案を持ち出した、これが国境調整措置だったわけでございますけれども、これ自体も、WTOであるとかこの前のCOP27では、中国やインドは、これはもうパリ協定にも違反しているといったような批判もしているところで、なかなか導入が容易ではない、国際公平性の担保というのは極めて難しいと、実質的にCO2を捕捉するところからも難しいということだけ申し上げたいというふうに思います。  二点目、クイックに申し上げますけれども、こうした形で、最初はバッテリー車しか認めないというような方針であろうと言われていたところ、合成燃料についても認めるですとか、そういった方針転換、こういったところは、やはりその技術の進歩、コストの低減具合、そしてまたCO2削減だけで生活、産業を規定することはできないといった現実から、ルールの見直しといったようなものは当然どこの国も行うし、行われるということを前提に付き合わなければならないものだろうというふうに考えております。  私からは以上でございます。

森屋隆立憲民主・社民

○森屋隆君 ありがとうございます。  時間が少なくなりました。短めに聞きます。  高村先生にお伺いします。JETPについて伺いたいと思います。  JETPの考え方は私もすばらしいと思うんですけれども、やはりステークホルダーなど、難しい面もあると思います。その中で、労働組合の重要性について伺いたいと思います。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) 森屋先生、どうもありがとうございます。  JETP、私、配っていただいたものの中に書いていたかと思いますが、日本も、インドネシアの特に電力分野の脱炭素化で、G7の国、先進国の国々のリード国としてアメリカとともに取り組んでいるものであります。  この中で、ホストをする、ここでいうとインドネシアなどが自ら計画を作っていくといった点と併せて、今、森屋先生からありましたように、社会のステークホルダーの参加と合意というのを重視をするという考え方で対象国を支援をしている日本の取組でもございます。  特に、石炭が、産炭国であり石炭に依存している国にとってみますと、雇用の転換というものが必要になりますので、そうした社会合意と併せて、こうした労働者がうまくその新しいスキルを身に付け、失業をできるだけ抑えて転換をしていく、そうした取組が重要ということで、とりわけやはりこうした労働組合を始めとしたステークホルダーの重要性というものが共通した取組の原則となっております。  こうした社会合意がつくられていくことによってスムーズなカーボンニュートラルあるいは持続可能な社会への転換が図られるという認識に基づいての取組というふうに考えております。  以上です。

森屋隆立憲民主・社民

○森屋隆君 時間が来ました。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  新妻秀規君。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 公明党の新妻秀規です。  まず、蟹江先生にこのSDGsの基本法について伺おうと思います。  十二ページから十四ページまで、この先進事例、カナダ、ドイツ、韓国と、基本法とか戦略を立案をして実際実行してきた国の事例が載っかっています。私が着目をしているのは、やはり個人個人の生活者が腹落ちをした上でSDGsの考え方を日常生活で実践をしている、あとは自治体が自らの自治体への取組をする中でSDGsをちゃんと職員の方が分かって実行しているという観点だというふうに、というところを注目をしております。  先生がこうした三つの国の事例を御覧になって、やっぱり随分進んでいるな、こういうところが本当にすばらしいなと思う点と、まだまだ課題だなと思う点があったら教えていただきたいのと、あと、日本において腹落ちして一人一人が実施できるような、そういうものにしていくためにどういうような取組が必要なのか、以上二点お伺いをしたいと思います。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) 御質問ありがとうございます。  ここ、たまたまカナダとドイツ、それから韓国の例を挙げましたけれども、ほかの国でも、例えばイギリスの中のウェールズ辺りは基本法を作ったりしています。これらの国々、それぞれ特徴はあると思いますけれども、特にやっぱりドイツの例が大きく参考になるのではないかなというふうに思います。  私、日本のような環境だとまずは基本法非常に大事だと思いますけれども、ドイツは基本法よりも開発戦略というのをまず前面に出して、そしてこの課題を推進していると。国連の中で、国連のアジェンダの中で、まずそのターゲットを国の中で定めようということを、素直にというか受け取って、その中で、三十九分野に対する目標、ターゲット、そしてそれを測るということをきっちりやっているということです。測るというのはSDGsで一番私は大事な点だと思うんですけれども、測ることで、誰一人取り残されないというコンセプト、SDGsにありますけれども、どこで取り残されている人、地域があるのかということが分かってくると。それを非常にきっちりとやられているのはドイツの例だなというふうに思います。  そういった中で、日本でもそういったことをやっていくのは大事だと思うんですけれども、SDGs未来都市、毎年、実際申し込まれている倍、あるいはそれ、倍弱ぐらいの方々が関心を持って手を挙げてくださっていますけれども、そういったところは割と担当者も理解していて、腹落ちしている方もいたりして、自治体でできること、見える化をしていこうとか、今よくやられているのはこの認証制度ですね、SDGsを推進しているところというのを認めて、そこを応援していこうという制度をやられています。  そういった政策手段というのは一つ使えるのではないかなというふうに思いますし、一般の方々にやっぱり腹落ちしていただくためには、やっぱり国民的なキャンペーンと申しますか、SDGsを見えるようにしていくような、知るだけではなくて、こういったことがSDGsに関する活動なんだということを見えるようにしていくような分かりやすい対応をしていくと。で、それは既にやられていることもあると思います。そういったことも含めて、何というか、足下に立ったような見える化をしていくというのはまず第一歩、大事ではないかなというふうに思います。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございます。  続きまして、竹内先生に、資料の三十ページに、明示的カーボンプライシングの中で、先ほども御質問ありましたけれども、炭素国境措置、炭素国境調整措置がEUでとられますよというお話がありました。  私が注目しているのが、EUはEUでその中でサプライチェーンがあって、もちろんEUを越えているようなサプライチェーンもありますけれども、日本でいうと、やはりこの東南アジア、東アジアとの結び付きが非常に大きいと思うんです。  その中で、アジア・ゼロエミッション共同体という、そうした新しい枠組みが立ち上がりまして、やはり日本もこうしたアジアの中でこういう議論をリードするべきなんじゃないかなとか思うんですけれども、このAZECでの取組についての先生の御期待をお伺いをしたいと思います。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 新妻先生、御質問いただきまして、ありがとうございました。  私もこのアジア・ゼロエミッション共同体というものには非常に高い期待を寄せております。と申しますのが、例えばその供給側、今ほど新妻先生からおっしゃっていただきましたのはサプライチェーンの観点でございましたけれども、エネルギー供給という観点からいきましても、やはりモンスーン地域ということで、再生可能エネルギーを導入するにしても、欧州のような恒常的な偏西風に恵まれる地域とでは、アジアとでは異なるこうした性質を持つといったようなこと、加えまして、ここから脱炭素化、低炭素化していくに当たっては、例えば天然ガス、液化天然ガスの調達等でも、これはもうエネルギー安全保障の観点、そしてCO2削減の観点、両方併せまして地域でうまく活用していくといったマーケットの拡大といったようなところも考えていかなければならない。  加えて、今おっしゃっていただきましたようなこの産業の強い結び付きといったようなところもある中で、アジア・ゼロエミッション共同体といったようなものを打ち出して日本がこのアジア全体でCO2を削減していこうといったような動きを見せているといったようなところは、これ余りメディア等で活発に報道されていないかもしれませんけれども、COPの会場等で産業界の者同士でお話をしていると、かなり高く評価をしてくださっている産業界も非常に多くありまして、日本はどういった技術に注目しているんだとか、そういった質問をしばしばいただくことがございますので、ここは期待を申し上げているところではございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございます。  高村先生にお伺いします。  先生の資料の五十一ページに、エネルギー転換に必要な鉱物ということで、先ほど先生からまさに御説明ありましたけれども、やはりこういうエネルギー転換していこうと思うと、必要な鉱物の量がもうどんと上がるんだなと。やっぱりサーキュラーエコノミーへの移行というのは本当にもう急務なんだなと思うんですけれども、それを促すような政策で、先生がここは本当足りないからちゃんとやれと思っている部分があれば、是非とも教えていただきたいと思います。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) 新妻先生、ありがとうございます。  ちょうどこの三月の末に、経済産業省も成長志向型の資源目標、資源自律経済戦略というのをまとめております。こちらの考え方にもございますけれども、一つは、やはり廃棄物、これは環境省が所管をしてきたわけでありますが、実際にはこの資源をうまく循環をしていくときに、そうした廃棄物の管理といった下流と、それから、実際には、その製品を作って、設計をして作って、しかもそれを最終的に使った人がその資源のこのフローの中に戻していく、上流と下流が切れ目なくしっかり結び付いていくということが重要だと思っています。  市中に出た貴重な資源がしっかり、改めてリサイクルやリユースなどを通じてもう一度その資源のフローに戻っていく仕組み、これ、ですから、製品の設計、製品製作、これは元々経産省さんがやっていらっしゃるところだと思いますけれども、それがしっかり環境省さんの廃棄物管理の政策と結び付いて、それぞれの資源によっても特徴があると思いますので、その資源ごとにしっかりそれを構築していくことだと思います。特に、最後に回収をして資源のフローに戻していくときに、これは、実際の収集は、経済主体であったり、例えば産業廃棄物であればそうです。それから一般廃棄物、家庭で使われるものに関しては地域の協力なしにはできないということだと思いますので、これは先ほど報告の中で申し上げました資源のこの流れ、ライフサイクルを見て、政策がうまく連携し、さらに国と地域がうまく連携できないといけないということかと思っております。  以上でございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございました。終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  梅村みずほ君。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。  三名の先生方、本日は広範な、また中身の濃いお話を聞かせていただきまして、大変ありがとうございました。  まずは、高村参考人にお伺いしたく思います。  本当に多岐にわたる視点からこの今の日本の現状を教えていただいたんですけれども、先生の十五ページ目のスライドで技術に関しての言及があったかと思います。なかなかシビアな状況にある日本ではありますけれども、この技術立国にあってどのように技術開発を後押ししていくのか、また予算の付け方も非常に重要だと思っているんですけれども、この技術開発においては、この日本の単年度予算というのがどうしても足かせになっている部分があるのではないかなというふうに思っております。  ですので、この単年度予算というところから複数年度予算になるとどんなメリットが見込めるのかというのを、技術でありますとか、また人材等々、その他の視点からも御教示いただきたく思います。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。  梅村先生おっしゃった点、大変重要だと思っていまして、気候変動あるいはサーキュラーエコノミー、これ場合によっては自然再興といった、どの分野でもそうでありますが、持続可能な社会を本当につくっていくときに、今ない技術をどうやってつくっていくかというのは非常に重要な課題だと思っております。とりわけ、今ない技術ですので、企業としてはそこに研究開発の投資と力を割くというのはある意味高いリスクの企業行動でもあります。  したがって、国として私幾つかやることがあると思います。  一つは、やはり明確な目標です。これは既に洋上風力などではそうした国の大きな目標を定め、事業の参入を促進をしてきていると思います。  二つ目には、新しい技術を促していくときに、将来において、例えば気候変動でいけば、将来これだけやはり炭素の価格が上がるので、その見通しが明らかになるということだと思います。その将来の見通しが明らかになる、これ先ほど言いました目標の設定もそうですけれども、そのことによって企業はその新しい技術への投資を投資判断としてし得る。  三つ目で申し上げたいのは、やはりそれを支援をする体制です。新しい技術が特に市場に入っていくときの法律や制度の整備はもちろんであります、これは水素などもそうですけれども、もう一つ、先生御指摘になった財政的な支援です。容易に想像ができると思いますが、今言いました企業行動としては高いリスクを伴う投資について、今年度予算は付くけれども来年度予算が付かないということであるとすると、やはり大きな、その企業がそうした新しい技術の開発や投資というものに踏み切るのに大きなバリアになるというふうに思っています。これはエネルギーシステム、あるいは送電線の構築などもそうしたことかと思いますが、いかに中長期的な見通しを、国が政策として、財政の出動も含めて付けていくかというのが非常に重要だと思います。  ありがとうございます。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 高村先生、ありがとうございます。  明確な目標掲げて将来の見通しを明らかにする、で、支援する体制、財政も含めて非常に重要だというお話をいただいて、また、竹内参考人のその投資の話でも、このエネルギー投資に際してはこういった明確な目標設定というのが重要であろうというようなお話も出てきたかと思います。  同じように、この予算というものが複数年度確保されると投資等でも変化が期待できるのではないかというふうに思うんですが、いかがお考えでしょうか。竹内参考人にお伺いします。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 梅村先生、御質問いただきまして、ありがとうございます。  おっしゃるとおりで、こういった技術の開発あるいはコスト低減に向けた本当に市場化というところには長期を要する中で、その予算の複数年度化というようなところの意義を御質問いただいたというふうに理解をしております。  そうした中で、これは極めて重要だというふうに思いますし、私自身もそういったところに期待を申し上げるところでありますが、一方で、GXの基金等もできて、今までの単年度主義では取りこぼしてしまうこうしたところについての手当てというのは今講じられつつあるというふうに理解をしております。  そういった枠組みを活用、より活性化するといったようなことによって、今先生がおっしゃったような複数年度の意義を持つ長期的な課題対応といったようなところが果たせるというようなところ、これがより拡充されればまた更にパワーを増すというふうにも思いますけれども、おっしゃった問題意識の部分というところでは果たせるのかなというふうに理解をしております。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 竹内先生、ありがとうございます。  基金も有効に活用しながら、何とかその投資に向けていただけるように努力をする必要があるというふうに認識をいたしました。  あわせて、竹内参考人にもう一問させていただきたいんですけれども、竹内先生は原子力の分野非常にお詳しいということで、こちらの原子力分野のみならず様々なエネルギー分野でもそうなんですけれども、人材の確保というのが非常に重要になってくると思います。特に、高等教育の分野でも非常に脆弱になりつつあるところをどう盛り返していくのかという視点において重要なポイントを幾つかお伺いするとしましたら、どういった点がございますでしょうか。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 大変大きく、かつ重たい、もう我が国の課題の根幹がこの人材のところにあるというふうに言っても過言ではないというふうに思っておりますけれども、今どのような議論をしていても、人材の育成といったようなところにどう取り組むのかといったようなところが議論に及ぶところでございます。  特に、今、梅村先生に御指摘をいただきました原子力分野といったようなところ、これは、以前は、我が国のエネルギーの安定供給であるとか安全保障、そしてCO2削減といったようなところに資する技術であるといったようなところで誇りを持って入った方たちが多かったわけですけれども、この十年、事故を起こしたといったようなところで非常に批判的に、技術全般に対して批判的な目が多くなった中で、人材の確保というようなところが非常に難しくなっているような分野でもございます。  ただ、原子力というのは、発電技術だけではなくて、医療分野、農業分野、様々なところにも波及の効果を持つ技術でもあり、各国が今改めて技術開発といったようなところに積極的に乗り出しているといったようなところ、これはもうフランス、アメリカ、カナダ、そういった各国が前向きな原子力技術、人材の育成といったようなところに取り組んでいるといったようなところが実態かと思います。  こうした中で、改めて、じゃ、日本としてどうするべきなのかといったようなところは、幾つかといってもなかなか難しいところはございますけれども、まずは、原子力について、原子力技術について、基本法でもうこれを活用していくことが国の責任であると明示をしていただいたということは、私は非常に大きな一歩だったというふうに思います。  それに加えまして、この技術の必要性といったようなところ、これをやはり政府が国民に理解を求めていくということで、必要性だけではなくて、では、どうやって安全性を高めて、そして国民に資する技術として使っていこうとしているのか、やっぱりこういった説明をすると、尽くしていくということが極めて重要で、第一歩の、技術、人材の確保という点からも第一歩になるというふうに考えております。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 竹内先生、ありがとうございました。  それでは、時間的に最後になるかとも思いますが、蟹江参考人にお伺いしたく思います。  そうした人材育成に関しても、先生のお話の冒頭に教育分野のお話も少しされていたかと思います。SDGsがこれだけ広く知れ渡っていると、子供たちもそうで、うちにも小学生の二人いますけれども、学校でSDGsについてこんなことを学んだというふうに、長期のお休みなんかでは家族での課題もあったりして、非常に浸透しているんだなと思っております。  今行われている教育分野でもう少しこの視点を入れてほしいなというようなことでありますとか、今の教育に更に求められること、何かお考えございましたらお聞かせくださいませ。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) ありがとうございます。  先ほどの御質問、前の御質問でも、日本が世界に誇れるところというのは教育の面も一つあるというふうに思っております。  学校教育においてかなりSDGsを扱うようになってきて、今おっしゃっていただいたように、家族で話すようになっていったと、それによって親にもSDGsが理解広がっていくというところ、話を幾つか聞きますので、それは非常にプラスの面ではないかなというふうに思います。  ただ、同時に、最近教科書でもSDGsを取り上げるようになって、いろいろなところで耳にするのは、教科書で取り上げるようになるとお勉強になってしまって、なかなかみんな楽しく勉強できなくなると。まあ残念な話ではあるんですけれども、確かにそういう側面はあるのかなというふうに思うところがあります。  したがって、余り、そもそもないところから新しいものをつくっていくというのがSDGs、あるいはその未来を、目標を目指した創造の楽しみでもあると思いますので、そういう意味で、非常に柔軟な頭でこの目標を達成するにはどうすればいいのかという原点に返って考えていただくというのが一つ大事ではないかなというふうに思います。  それからもう一点は、SDGsもそうですけれども、そういった教育、特に高等教育考えた場合は、研究と非常に強く結び付いているという点があると思います。残念ながら、そのSDGsの研究ということを、まあいろんな大学のホームページ見ますと、タグ付けは付いているんですけれども、ただ、その課題がどういうふうにほかの課題と因果関係があるのかとか、そういう観点からなされている研究が実は非常に少ないです。したがって、その状態では教育のところにもなかなか生きていかないと、特に高等教育ではそういう側面があると思いますので、是非その総合的な観点を持つような教育研究、強化していくのが大事ではないかなというふうに思います。  ありがとうございます。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 大変参考になりました。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  嘉田由紀子君。

嘉田由紀子国民民主党・新緑風会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。国民民主党・新緑風会の嘉田由紀子でございます。  私も、順番を変えて高村さんからお願いしたいと思います。  私自身は、一九七〇年代初頭から、アフリカのフィールドワーク、そして水環境問題、世界中で五十年やってきて、ここまで言わばローマ・クラブの予測が本当にそうなってしまったんだということで、大変ライフワークとしてもショックを受けている今なんですね。  それで、やはり、今何が起きているのかというときに、確かに、技術の問題あるいは制度の問題、環境保全というのが世界的な問題になってきたのは有り難いんですが、そこで過剰に反応して見失われている価値があるんじゃないのかということで、特に高村さんには、それこそ災害が今増大している、水害が増大している、だからすぐにダムだとか川をコンクリートにしようということで国土強靱化と、ざっと動いているんですけど、元々日本はいっぱい水害、津波あったわけです。五百年、千年、その中で生き抜いてきた人々の伝統的な力というのがあったわけで、それはどの地域社会にもあったんですけど、そこを少し光を当てて、そしてやはり、生物多様性という言葉はなかったですけど、やっぱり生き物の命が大事だ、蛍やアユの命が大事、そして、余り川は固め過ぎないようにしようという柔らかな関係性づくりがもう何百年とあったと思うんですね。その辺のところに少し光が当てられないでしょうかというのを是非高村さんにお伺いしたいと思います。そこがあると、今、地域社会、それこそ五百年、千年生きてきた、水田耕作から森林を守り、川を守ってきた人たちの伝統的な力が発揮できて、もう丸ごと地域社会、関わっていただけるんじゃないのかという希望もあるんですけど、その辺り、いかがでしょうか。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。  嘉田先生が冒頭にまずおっしゃった、私、今日、新しい科学の、最新の科学が伝えることを申し上げましたけれども、振り返ってみますと、三十年前に気候変動の分野で科学が示していたことが残念ながら当たっているというのが気候科学の分野の共通した認識になっていると思います。  その上で、先生が御指摘になった点、私、今日スライドを飛ばしてしまったところでございますけど、スライドの四十四、四十五のところで書かせていただいております。  気候変動とそれから生物多様性、サーキュラーエコノミー、循環経済のこの連関の中で、気候変動の問題と生物多様性の問題がリンクをしている、その中で、気候変動対策を取るにしても何をするにしても、生態系の力とそして地域の伝統的な知恵を生かした政策というものが地域の中で実際に対策を進めていく上で大きな役割を果たすということであります。それは、幾つか今日、千葉の睦沢あるいは匝瑳市の例を御紹介しましたが、この十二月、昨年の十二月にモントリオールで開催されました生物多様性条約のCOP15でも、三〇年に向けた戦略枠組みの中の一つの重要な点としてその点指摘をされております。  自然を活用した解決策、それから地域の伝統的な知恵、知識を生かした解決策というものをこうした持続可能な社会構築に使っていくという、これが国際的にも合意をされた科学に基づく合意であるというふうに思っております。

嘉田由紀子国民民主党・新緑風会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます。  その辺り、日本は環境社会学者の人たちが、また環境法もそうですけど、随分蓄積しておりますので、これも国際的に発信していただけたらと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。  お二人目で、時間がもうないですか。よろしいですか。時間が……

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) いや、まだ今日は大丈夫ですよ。

嘉田由紀子国民民主党・新緑風会

○嘉田由紀子君 行けますか。はい。  実は、竹内様にお伺いしたいんですけど、私も今のエネルギーの価格の高騰、そしてウクライナの問題考えると、原子力は使わざるを得ないのかというようなことも考えながら、ただ、やっぱり若狭のあの原発銀座、万一のことがあったら琵琶湖が、生き物、水が駄目になると。これ、もう滋賀県中の人たちが、あるいは関西一千五百万人の人たちがいつも突き付けてくるわけですね、政治家としてあなたはどうするんだと。  そして、この万一の事故の問題、それからバックエンド問題、廃棄物、この辺りについて、そういう質問されたときに竹内参考人だったらどうお答えになられますか。難しいことでごめんなさい。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 大変難しい御質問をいただきまして、ありがとうございます。ただ、これは私も常々いただく御質問でもございます。  やはり、原子力を使うリスクというようなもの、これは福島の事故によってみんなが目にしたわけでございます。一方で、原子力を使わないリスクというようなことがじわじわと今我々の生活を圧迫したりしているといったような中で、本当に、じゃ原子力を使うリスクはどこまで抑えられるのか、そして、それでも万が一事故が起きたときにどういう対処を取ってくれるのか。この防災計画辺りの実現性といったようなところは、地域の方たちは特に、そして広く広域の皆様もお気になるといったような、お気になる、気になるレベルではなくてですね、そこを政治家の方に問いたいといったような御質問が出るというのは、これは極めて当然のことであろうというふうに思います。  こうした中で、私自身がどうお答えしているかということについて申し上げれば、一点目、やはりその使うリスクと使わないリスク、こういったところを比較考量するといったようなところと原子力を使うリスクをゼロにすることは、これはもちろんどんな技術でもできないわけですけれども、一方で、事故が起きたときの防災計画等を、これは国と地方が極めて綿密に策定をするといったようなところが必要であるといったようなところを申し上げるということ。  そして、どんな国民の方も気にされるのが、実はバックエンドの問題というところがございます。ただ、バックエンドの問題、特にこの問題、多分皆様おっしゃっているのは、廃棄物の最終処分のことをおっしゃっていると思うんですけれども、これは技術的な問題か政治的な問題かでいえば、私は政治的な問題だというふうに理解をしております。技術的に、この廃棄物というようなものを地層深くに埋めて最終処分するということは、これはもう国際的にコンセンサスを得ているといったようなお話になるわけですけれども、じゃ、これが日本の国内に一か所しかない、発電所はあちこちにあるにもかかわらず、一か所しかない最終処分場というようなものに自分の自治体がなるといったようなところに対する政治的なある意味抵抗感といったようなところがあろうかと思います。  ただ、ここにつきましては、北海道の二自治体が文献調査に応募するなど進展も見られる。これは、最終処分をするまでの時間が長い分、ある意味時間を掛けて議論をしているところも政治としてはあるんだろうと思いますけれども、こうしたところに対して、国がしっかり取り組んでいるといったことを見せるということが極めて重要ではないかというふうに考えております。  お答えになっていれば幸いでございます。

嘉田由紀子国民民主党・新緑風会

○嘉田由紀子君 ありがとうございます、大変難しい質問を。  もう時間終わっていますか。いいですか。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) もうちょっとならあるけど、ほぼなくなりつつあります。

嘉田由紀子国民民主党・新緑風会

○嘉田由紀子君 申し訳ございません。では、最後に一言、蟹江様に。  先ほど教育の問題もあったんですけど、地域社会でずっと昔からの知恵を見ていると、まさにもったいないとか、あるいはおかげさまで、程々にと、SDGsという言葉ではないんですけど、お互いが相互扶助の中で生き抜いてきた知恵、これは特に国際的に見て日本の農山村は強いんですね。  そういう知恵もこのSDGsとつなぐようなことができると、地域の方たちが、あっ、単に国連で外から来た話じゃないんやと、私らが今まで気を付けてきたことを続けたらいいんだというような地域の自信にもつながると思うので、その辺りどうでしょうか。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) おっしゃるとおりで、SDGs、グローバルな目標なんですけれども、やり方が、SDGsのやり方が国連で書かれていないというのは、全てその地域あるいは国で責任を持って考えてくださいと、実施に関しては、ということです。ということは、今おっしゃられたように、もったいないであるとか、そういう日本に元からあるコンセプトをうまく生かしながら実施をしていくということが非常に大事だと思います。  したがって、一見、長期的でグローバルな目標、我々の生活と離れているような感じがしますけれども、でも実は解決方法は我々身近に持っていたりとか、それをするので、もう一度棚卸ししていくということが大事だと思いますし、ただ、それでは解決し切れないグローバルな話というのもあります。気候変動の問題というのはその極端な一つの例だと思いますけれども、そこに関しては、やっぱり新しい技術であるとか新しい考え方とかを加えて今あるものをより良くしていく、そこで一気に変えていくというところが必要だと思います。  伝統的な考え方がいいというと、戻ってしまうのかというふうに考える方もいらっしゃるところもありますので、伝統的な考え方大事にしつつ新しいものを取り入れていく、そのための道しるべがSDGsということなのかなというふうに思います。

嘉田由紀子国民民主党・新緑風会

○嘉田由紀子君 ありがとうございました。以上です。お三方、ありがとうございます。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  吉良よし子君。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。    〔会長退席、理事佐藤啓君着席〕  三人の参考人の皆様、今日は貴重な御意見、本当にありがとうございます。  それでは、初めに高村参考人から伺いたいと思うんですけれども、ロシアによるウクライナ侵略による燃料価格の高騰などの状況について、政府は、オイルショック以来のエネルギー危機と危機感をあおっているわけですけれども、問題は、やはり我が国のエネルギー自給率が僅か一〇%にとどまっていて、輸入の化石燃料に依存してきたことにあると考えるわけです。むしろ、この機会にエネルギーの輸入依存を脱してエネルギー自給率を高め、思い切って再生可能エネルギーの供給を引き上げる絶好のチャンスとも捉えられるのではないかとも考えるわけです。  また、あわせて、EUの方では昨年五月、再生エネルギーの目標を引き上げる、そういう柱とする計画を発表したということも聞いているわけですが、その背景にも、このウクライナ侵略を受けたロシアからの輸入、化石燃料への依存を解消する考えもあるのではないかと考えるわけですが、こうした国際動向を踏まえたエネルギーの内製化へ向けたポテンシャルについてのお考えをお聞かせいただければと思います。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。吉良先生、どうもありがとうございます。  資料の中でも付けさせていただきましたけれども、間違いなくこのウクライナへのロシアの侵攻というのはエネルギーの領域に大きな影響を与えております。エネルギーの危機と言っていいと思いますけれども、供給不安、エネルギー価格の高騰に表れているような状況がお示ししたものであります。  しかし、これは、今日お話ししましたのは、クリーンエネルギーの危機ではないということです。むしろ、先ほど御紹介した再生可能エネルギーやモビリティーの電化も含めまして、そちらの技術導入は格段にむしろ進んでいるという点であります。  先ほど、是非短期的に今やることと将来を見越して手を打っていただきたいということを申し上げました。まさにそれが本日申し上げたかった一つの大きなメッセージでありまして、このエネルギー、日本ですと、電力の需給逼迫が一つこの一、二年話題になっておりますけれども、当面どうするかということと同時に、やっぱり日本が輸入のエネルギーに、資源に依存をしているというこの構造を少しずつでも良くしていかないと、海外で何かあったときに、極めて重要な我々の生活と経済を支えるエネルギーについて十分に調達ができないということを懸念をいたします。    〔理事佐藤啓君退席、会長着席〕  したがって、このエネルギーの危機において、当面の短期的な対応と同時に、中長期的にこの日本のエネルギーシステムをどう強靱化をするのかという観点から是非御議論をいただきたいというふうに思っております。  以上でございます。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 ありがとうございます。  クリーンエネルギーについては、危機という状況ではなく、むしろ導入進んでいるし、中長期的な視点でこの輸入依存というのをどう変えていくかというのは本当に大事な視点だなということを改めて実感いたしました。  続けて、高村参考人にもう一点伺いたいんですけれども、これCO2の削減目標についてなんです。  先ほどの最初のお話の中でも、各国目標を引き上げられていますというお話もありましたし、IPCCの第六次評価報告書でも決定的な十年だということもあったと思うんですけれども、一方で、日本のCO2削減目標というのは二〇一三年度比で四六%削減というもので、これ二〇一〇年比にすると四二%減となっていて、国連の全世界平均目標、二〇一〇年比の四五%に比べても低いと。さらに、お配りいただいた資料を見ても、各国、一九九〇年とか二〇〇五年などを起点にしているのに対して日本が二〇一三年という起点ということで、ちょっと遅れがあるのではないかなと考えるんですが、しかし、岸田首相は、今年一月の本会議で私の質問に対して、この我が国の目標は欧米との比較においても野心的なものであると答弁をされたわけで、いや、本当に野心的なものと言えるのかどうか、この点について参考人のお考えを伺いたいと思います。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。  今、吉良先生御指摘になった、私、スライドの十二に、二〇三〇年の各国の、特に引き上げた目標と前の目標を比べる表を入れております。御覧いただくと分かりますように、一つは基準年が異なっておりますので、この目標の評価というのはそれを加味しないといけないと思います。そして、それぞれの国のエネルギーをめぐる状況というのも異なっておりますので、私は、単純に横並びで比較はできないというふうには思っております。  ただ、私、むしろ、日本を始め、この目標を、今日、本日申し上げましたけれども、いかに本当に削減に結び付けていくかという施策が試されているところだと思っております。その先に、恐らくこれよりも高い削減の目標ということを考える、そういう契機も出てくるというふうに思っています。  先ほど洋上風力等で申し上げ、投資、お金のフローのところで申し上げましたように、少し背伸びをした目標が必要。しかも、それが、それこそが変化をつくり出す、お金の流れをつくり出すと思っておりますけれども、私は、今の目標の水準と併せて、この数字をどうやって日本において実現するかというところ、これは是非御議論いただきたいと思っている点でもございます。  以上です。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 ありがとうございます。  背伸びをした目標でお金の流れをつくってくることが重要であると同時に、いかにそれを施策と結び付けていくかということ、本当に大事なんだなと思いました。参考になります。ありがとうございます。  続いて、蟹江参考人にも伺いたいと思うんです。  お示しいただいた二〇二二年の国連事務総長のSDGs報告書の中で、やはりコロナ以前に比べて極度の貧困状態になった、そういう方が増えたと、こういうことなどの指摘がありましたが、日本においても、やはりこのコロナ危機において、非正規の労働者が仕事を奪われたり、また一人親世帯の貧困が深刻化したり、特に女性がより過酷な状況に置かれたと。  これ、やはり貧困の問題であり、ジェンダーの問題であり、SDGsの課題そのものだと思うわけですけれども、これについて、参考人の事前のいただいた資料の中で、もしSDGsが達成できていたら、コロナの影響ももっと軽くて済んだはずですと、SDGsが達成できれば、再びパンデミックや大災害が起きてもより効果的に対処できると述べておられたのを印象的に読みました。  やはり、そういう意味でもこのSDGsの達成、取組強めるというのは本当に重要だと思いますし、私たち日本共産党も、このSDGs基本法の制定、これは政策にも掲げているところなんですが、ただ、振り返って政府の取組状況見てみますと、御指摘もありましたとおり、まだ基本法もないと、目標というのも定かでないというところでいくと、やはりこの政府の、まだ遅れているというか積極的と言えないような姿勢というのが、日本でSDGsの取組がなかなか広がっていかない、達成につながらない要因にもなっているのではないかとも考えるわけですが、このSDGs達成に向けて政府の果たすべき役割について、改めて参考人のお考え、伺いたいと思います。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) ありがとうございます。  政府、そして政策の果たす役割というのは今非常に大きいというふうに思います。最初に、一番最初のところでSカーブというのをお示ししましたけれども、萌芽的な取組がいろいろ起こっている、それはいろいろと認められます。地域見ても、企業を見ても、いろいろなところで小さな取組、そしてそれが広がればもっと良くなるんだろうという取組はたくさんあります。ただ、それが広がっていない。広がるためには、広げようとしている人のまず背中を押す必要があります。そのためには基本法が必要だというのがあの提言で言われていることで、そのために背中を押す必要があると。その役割を一番強く発揮できるのは政策であるということです。  今までもいろいろな、気候変動の文脈もそうですし、貧困もそうですけれども、話が出てきました。それから、パンデミックの対策の話も今御指摘されましたけれども、SDGsの中には感染症に対処していくということがあります。それから、ワクチンをしっかりと普及させていくと、これはほかの感染症も含めてですけれども、あります。我々、それをやっていくのに、結構今回のコロナ禍に関しては時間が掛かりました。  ただ、今、ビル・ゲイツさん始め、こういったことがまだ起こる可能性が高いということを言っていらっしゃる方もいますので、今年出す予定の報告書でも、今後、こういったことが起こらなければいいですけれども、起こる可能性が高い。気候変動に関しても、一・五度目標を達成するとしても、今一度上がっているので、あと〇・五度気温が上昇するというのは容認しているということですね。そういった世界に対応していくためには、やはり政策の力によって推進していくということが欠かせないということだというふうに思っております。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 ありがとうございます。  萌芽の取組もあるわけだから、それを後押しするのが政策の力だということ、よく分かりましたし、そしてやはりこのパンデミックの対応含め、様々な世界中にある課題を解決していくためにも、このSDGsの取組というのを本当に進めていく必要があるということ、よく分かりました。大変参考になりました。どうもありがとうございます。  これで終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  舩後靖彦君。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。  本日は、蟹江参考人、竹内参考人、高村参考人、御多忙の中、御出席いただきまして、ありがとうございます。  私は、ALSという難病により全身麻痺で、喉に穴を空けて人工呼吸器を付けており、声を出すことができません。そのため、事前に作成した質問をパソコンで読み上げさせていただきます。聞きづらい点もあるかもしれませんが、御容赦いただければ幸いです。  本日は、気候変動による災害や環境破壊という私たちの日常生活に身近な問題であり、かつ地球規模での喫緊の対応が必要な課題がテーマとなっております。  そこで、まず三人の参考人の皆様にお尋ねします。  国連の持続可能な開発目標やパリ協定を踏まえ、政府は、二〇三〇年には温室効果ガス排出量を二〇一三年比で四六%削減、二〇五〇年のカーボンニュートラルという目標に向け、化石燃料中心社会から脱却し、クリーンエネルギー中心の社会、経済、産業構造へ転換することをうたっています。  一方、この間の温暖化で、シベリア、アラスカなどで永久凍土が解け出し、数万年にわたって封じ込められていたメタンガスが大気中に放出されています。メタンガスはCO2の二十五倍もの温室効果があり、その大量放出は温暖化をより一層加速させ、不可逆的な暴走状態に陥れる危険性が指摘されています。既に永久凍土の融解は後戻りできる地点を越えてしまったと警告を発している科学者もいます。  このような危機的状況において、政府が掲げた目標についてどのように捉えておられるか。また、この目標達成に向けて、国、自治体、企業、市民社会の課題は何だとお考えになりますか。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) それでは、皆さんに質問のようですので、まず蟹江参考人からお答えをお願いします。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) 御質問いただきまして大変ありがとうございます。  SDGsもそうですけれども、目標を掲げるということの効果がいろいろなところで出始めてきています。それはまあこれまでも指摘されたとおりですけれども、目標を掲げるということは非常に大事だと思います。可能な限りやはり高い目標を掲げていくということが非常に大事だと思いますし、そのビジョンを明確にしていくということが非常に大事になってくるというふうに思っております。  ただ、今そのために非常に大事、より大事になってきているのは、行動をどうするか、アクションをどうやってつくり出していくかということだと思います。具体的にどうするかということですね。その意味で、いろいろな地域でもゼロエミッション、二〇五〇年に向けた行動を開始するという目標を掲げるところまでは来ていますので、これはもちろんそのまま続けていくべきだと思いますけれども、あとはそれを実現するための方策を具体的に考えていく、今はそういうフェーズに来ているのではないかなというふうに思います。  ただ、同じように、生物多様性もそうです、それから貧困もそうですし、いろいろなところでSDGsに関して言えば課題が掲げられているんですけれども、まだない目標もあります。気候変動は目標があって動き始めていますので、是非ほかの分野でも目標を掲げて、そこに向けて次のステップとして政策を実体化していくというプロセスがこれから非常に大事なのではないかなというふうに思います。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) では、次に竹内参考人。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 舩後先生、御質問いただきまして、ありがとうございます。  非常に強い危機感に裏打ちをされた御質問を頂戴したというふうに考えております。  日本の目標をどう考えるかという御質問にお答えするとすると、目標を高くするといったようなところは、実はちょっと時間軸をよく考える必要があるというふうに思っております。二〇五〇年、まあ三十年という時間も変化に十分かと言われればなかなか難しいところはございますが、二〇三〇年といったようなところで、余りにこの野心を引き上げる引き上げるという方向にばかり行きますと、ちょっとそちらの目標達成に足を取られて、二足のわらじ、先ほど高村先生が言われた二足のわらじをうまく履きこなすことができなくなるといったようなところも懸念をされるところでございます。  そうした中で、ちょっと御質問の趣旨からそれてしまうかもしれませんけれども、私は、日本に期待をされているのは、実はその適応の分野、日本というのは、CO2の削減というような文脈からは、皆さん、CO2をどう削減するかというようなところに皆さん注目を、今目標というようなところでされていると思うんですけれども、この増えている自然災害にどう適応して、ある意味、人命を救い、被害を小さくしていくかといったようなことの重要性が極めて上がってきております。  そうした中で、実は、日本というのは自然災害が極めて多く、かつそれに対応していく、先ほど嘉田先生もおっしゃってくださったような地域の知恵から防災技術、そういった保険制度も含めて、極めて多くの災害に適応してきた国でございます。  国連気候変動交渉の場等でも、日本に対して、この適応分野で非常に大きな存在感を期待をするというような声をいただくこともございますので、日本の四六%や二〇五〇年カーボンニュートラルという目標がどうかということだけではなくて、日本がこの分野において何を得意として貢献をし得るのだろうといったようなところはもう少しスコープを広げてもよいのかもしれないというふうには考えております。  私からは以上でございます。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 続いて、高村参考人。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) 舩後先生、どうも御質問ありがとうございました。  先ほどの吉良先生の御質問にも関わっているかと思います。そちらでお答えをいたしましたけど、若干、二、三追加をさせていただこうと思います。  行動が大事ということ、いかに魂を入れるかが大事ということは申し上げました。同時に、国際的な状況といたしますと、この脱炭素化への動きというのが先進主要国、G7の国でも国連の下でも加速をする方向にあるというふうに見ています。  G7に関しては、御存じのとおり、二〇二一年、二二年と、まず可能な技術のある電力分野において、その大宗を二〇三五年までに脱炭素化をするという目標が日本を含めて合意をされております。  IPCCの報告書の御紹介をいたしましたけれども、これを受けて、国連事務総長は、二〇三五年には六〇%削減、先進国については、途上国よりも能力が高い技術力と財政力があるので、五〇年カーボンニュートラルを四〇年に前倒しができないかということを発言をしています。  こうした国際的な動きを踏まえて議論をする必要があるだろうというふうに思っているというのが一つでございます。  それから、二つ目でありますけれども、特には地域と企業の点についてどういう対策が必要かという点でまいりますと、特に国に期待しますのは、このカーボンニュートラルに向けた大きなビジョンとグランドデザインであります。  これは、企業も地域も、先ほど森屋先生からモビリティーの話もございましたけど、どういうふうに地域を設計をしていくかということの大きな基礎となるビジョンと国の方針というのが、地域が実際にそれを計画を立てて行っていく上で非常に重要だと思います。  そのときに、私、本日も申し上げましたように、こうした取組自身が地域の課題を解決ができる可能性がある、政策の構想力があればそれが可能になり得る。企業に関して言うと、こうした取組がうまく進めていけると、まさにサプライヤーや金融市場の中での評価を上げることができる、こうしたオポチュニティーも出てきていると思います。それゆえに、先生方への御期待として申し上げている次第であります。  以上です。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 参考人の皆様には、貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。  これで質問を終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  藤井一博君。

藤井一博自由民主党

○藤井一博君 ありがとうございます。  自由民主党の藤井一博です。  本日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございました。勉強になりました。  まず、蟹江先生に二点御質問させていただきたいと思います。  一点目ですけれども、持続可能な社会をつくっていく、目指していくという中で日本の未来を考えたときに、私はやはり、行き過ぎた都市集中というものを解消して、地方の、地方分散型社会というものをつくっていくということが必要だと私は思っているんですけれども、そういった考えとこのSDGsの考え方は非常に親和性があるというか、方向性が一致しているんじゃないかと思っております。そういった中で、ブランド総合研究所さんが出された調査結果で、SDGs評価ランキング、鳥取県が二年連続一位を取るというような、本当に地方での優れた取組というものが見られてきております。  そういった中で、本当にこれから、実際に人の流れだったり物の流れだったり、そういったお金の流れというものを地方につくっていかないといけないという中で、基本法のお話もありましたけれども、国としてどういった政策、施策が必要になってくるのか、地方創生の観点で一つお伺いしたいと思います。  もう一点は、国際的な取組の中で、二〇三〇年目標達成があと七年と迫っております。ただ、コロナ禍であったりロシアのウクライナ侵攻の問題、誰もが予想だにしなかったことが起きた中で、分野によってはある程度後退してしまった点もあるというお話をいただきました。  そういった中で、二〇三〇年という期限を、これ、このような事態を受けて、国際的な議論の場で延長してはどうかというような御意見があるのかとか、あるいはこの高い目標を設定したまま突き進んでいくべきなのか、国際的な議論の場でどういった御意見があるのかということをお伺いできればと思います。  以上です。

蟹江憲史慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授

○参考人(蟹江憲史君) 大変すばらしい御質問、ありがとうございます。  地方創生、地方をいかに生かしていくかという話とこのSDGsというのは非常に親和性が高いというふうに思っております。というのも、今の地方創生の議論の元々は、このままでいくと、少子高齢化もありますし、地方がもたなくなるというところですので、それはまさに持続可能ではなくなるということです。  持続可能にしていくためには地方を元気にしていくということが必要で、今、地域ごとに非常に自分たちのやり方に合った形でいろんな工夫がなされています。森を活用したり木を活用したりということがなされているんですけれども、やっぱり、例えば木の活用にしても、一市町村あるいは一都道府県だけで頑張ってもどうしてもスケールしない。もっと別のところもつなげていくということをしなければいけないですし、点を線に、線を面にしていかなければいけないというところがありますので、やっぱりそれを全体として進めるということが非常に大事ではないかなというふうに思います。  そういった中で、今、一つ興味深いというか面白い取組というのは、いろんなところでSDGsをやっている、に向かっているような会社というのを認定したり認証したりしていくと。で、そこを自治体が認めていって、それを金融機関なり企業、ほかの企業なりが応援していくというような制度があります。これもまだまだスケールアップはしていく必要がありますけれども、そういったことを推進していくと、企業の方も、SDGsに向かっていく、あるいはサステナブルな取組をしていくということが、実は社会貢献もしながら成長もさせていく大事な点なんだということに気付いていただけると思うんですね。実際、そういうデータも出てきています。  したがって、そういった、自治体としては認めていく、それを応援していくというスキームをどんどん増やしていくというのが一つは大事ではないかなというふうに思っております。  それから、SDGsのその先という話ですけれども、今、今年はSDGサミットがございます。それから、来年はフューチャーサミットという未来を考えるサミットがありまして、この二つがセットに考えられているというようなところがあります。  その中で、ふつふつと今出てきているのが、いわゆるビヨンドGDPという、SDGsのターゲットの一番最後のところに書かれていますけれども、GDPを超えたような新たな指標作りということが考えられてきています。これがそのままいわゆるSDGsの先の目標につながっていくかどうかというのはまだ分かりませんけれども、こういった動きが数年たってその先の目標にという話になるのではないかなというふうに思っております。  個人的には、その目標というのはある程度今のままで、ターゲットがより厳しくなっていくのではないかなと。気候変動の話もそうですけれども、やらないでいくとだんだんだんだん厳しくなっていくと。日本の目標も二〇一〇年頃は六〇から八〇%削減と言っていたのが、今は二〇五〇年カーボンニュートラルになっているということで、やらないでいるとどんどんどんどん厳しくなっていくということなので、そういったことがSDGsの議論にも今後当てはまっていくのではないかなというふうに思います。

藤井一博自由民主党

○藤井一博君 大変よく分かりました。ありがとうございました。  竹内先生に一問御質問させていただきます。  気候変動対策というものを国際的に協調して取り組んでいかないといけない中で、この度のエネルギー価格高騰を受けて化石燃料の確保に各国がしのぎを削るような、まあ言ってみればセルフィッシュな動きが見られております。  そういった中で、日本が世界に向けてリーダーシップを取っていく技術であったり特徴であったり、先ほど災害への適応というお話もありましたけれども、そのほか、日本の強みというか世界に貢献できる点というものを御紹介いただけたらと思います。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 藤井先生、御質問いただきまして、ありがとうございます。  様々なところに技術の強みというのはあろうかと思います。一つ申し上げたいのは、まず、日本は需要側の省エネが非常に強いということ。供給側ばかりがエネルギーって注目されがちではございますけれども、それこそエアコンあるいは給湯器等の高効率なもの、そうしたものも非常に大きくあって、欧州ではウクライナ危機を契機として日本のメーカーのエアコンが非常に大きく売れているといったようなところも注目されている、こういった需要側の技術にも強みがございます。  一方で、エネルギー供給側でございますけれども、ここももちろんのこと、強みはまだ十分あるというふうに考えております。COP26のときに岸田首相が国連の場で演説をされたアンモニア等を使った火力の低炭素化といったようなところ、あの演説の中では、まあ若干、多分それまで耳慣れなかったこともあり、また、ああした場では、火力を使うということが非常に悪いことといったようなある意味イメージ的なところもあるものですから、ちょっと受け入れられづらかったところはあるかもしれませんけれども、時間がたちまして、やはり徐々に徐々に移行していかなければならない、大胆な目標を掲げたとしても、やっぱりあした、あさって、来年、再来年、十年後ということを生きていかなければいけない中で、低炭素化した火力というもの、これは非常に有効であるというようなことで、それこそアンモニアの混焼であるとか専焼を目指した技術開発といったようなところ、まあ水素もそうでございますけれども、そういったところにも期待が高いというようなところだというふうに認識をしております。

藤井一博自由民主党

○藤井一博君 ありがとうございます。大変よく分かりました。  高村先生に一問御質問させていただきます。  脱炭素化、地域が、地方が主導していく必要があると思っております。ただ、その際に、エネルギーであったり交通体系、また建築等も含めて、本当に、社会基盤、産業、本当に急速に広範囲にドラスチックな変革が必要だと思っております。  そういった中で、いかに住民の皆様のコンセンサスを取っていくのか、地方創生の観点からお考えをお聞きできたらと思います。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) ありがとうございます。  藤井先生御指摘の、まさに先ほど地域が非常に大きな鍵を握ると申し上げたのはその趣旨でございます。日本のカーボンニュートラルというのは、我々が実際住んでいる地域一つ一つが排出をゼロに近づけていくということが実現できないと恐らく実現できないというふうに思っているからでもあります。  その際に、やはり地域に住む人たちが納得をして取り組むということが非常に重要だというふうに思っていまして、ここでやはり自治体の役割、そして、今日資料でお示しをしました、脱炭素を先行していこうとされている、モデルをつくっていこうとされている自治体、これをいかにやはり国が支援をしていけるかということであろうかというふうに思っております。  先ほど、藤井先生の蟹江先生への御質問の中でもありましたけれども、一つの鍵は、やはり国として、分散型で、しかしそれぞれの地域が結び付いている地域分散型の、しかしネットワークでつながっている国土像ではないかと思います。  今、国土開発計画の議論ございますけれども、その中で、やはり地域、特に高齢化に直面する地域にとって、こうした持続可能な社会づくり、カーボンニュートラルの取組の中でうまくその施策がその問題解決につながっていく、そうした施策を国には期待いたします。  最後、一点だけ申し上げますと、国交省さんの国土開発計画の議論の中で、地方から都市に人口流出をする契機というのが進学であり就職であり、女性の流出が多いということです。これは、環境だけではなく、社会課題にどう応えるかということなしには、やはり地方、しかもその資源とエネルギーを豊富に持っている地方がその役割を本当に果たしていただくためには重要だというふうに思っております。  以上です。ありがとうございます。

藤井一博自由民主党

○藤井一博君 大変参考になりました。ありがとうございました。  以上で終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  岸真紀子君。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。  本日は、三人の参考人の先生の皆さん、ありがとうございました。  私、高村参考人にお伺いをしたいと思います。  参考人のお話で、気候変動は、先ほどのお話にもあったとおり、多発するこの自然災害の面からいっても、命であったり経済の損失、本当に大きな課題になっていることが分かりました。  それで、先生の資料にあった五十ページのこのカーボンニュートラルにとって重要な観点というところで、マテリアル効率性戦略というふうにありました。  私も、どうしてもこのエネルギーの需要と供給で考えると、省エネという観点がいかに大事かと考えています。  先ほどは、家庭から出る小型家電のリサイクルは国と地方の、地域の連携が必要だというふうにおっしゃっていましたが、ある意味この事業所という大きな単位においてのこのリサイクルの効果という方が期待が持てるんですが、ここについては、かといって企業努力だけでは難しいところがあると思うんです。  そこで、先生には、企業努力だけではなくて、国としてすべきことがないかどうかというのをお伺いします。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) 岸先生、どうもありがとうございます。  特に、本日資料に付けましたマテリアルの効率性と気候変動の連関についてでありますけれども、それをうまく、つまり資源循環を回しながら、それによって排出を減らし、しかもクリーンエネルギー、エネルギー転換に必要な資源を日本の国内の中でしっかり確保していくという中で、私は幾つか先行する取組も出てきていると思っております。  企業の中で、本来であれば競争相手である企業が連携をして必要なリサイクルの仕組みをつくるといったような取組が出てきております。これはプラスチックですけれども、花王さんとライオンさんが、まさに競争されている企業さんですけれども、地域、これはリサイクルを行う実際の中小の企業さんなどとも連携をしてこの仕組みをつくっていらっしゃいます。それ、自治体などのやはり回収がないとこれもできないということで、これを、こうした取組を進めようということが、先ほど経産省のところでの自律的な資源循環の戦略であり、しかも、更に期待するのは、環境省が所管している廃棄物の政策、自治体との連携の上で、ここをうまくつなげていくことが本当に鍵であるというふうに思います。  具体的な省庁間の連携、そして地域の実際にそうしたリサイクルの仕組み、しかも住民側の協力が恐らく必要なこの仕組みを地域の中で自治体とともにつくっていく、それを是非国として支援をしていただきたいというふうに思っております。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 ありがとうございます。  もう一点、高村参考人にお伺いしたいんですが、北海道では胆振東部地震でブラックアウトを経験したということもありまして、やっぱり地域分散型、地産地消のエネルギーというのが必要なのではないかと考えています。その点、ソーラーシェアリングは地域の課題も解決できると参考人は先ほどおっしゃっていましたが、具体的にどんなことが可能性としてできるのかというのを再度お伺いいたします。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) 岸先生、ありがとうございます。  北海道の胆振沖地震の点も御指摘ありましたけれども、電力システムをできるだけコスト効率的に脱炭素、排出を減らす方向に結び付けていくときに、もちろん系統、送電線の増強は必要だと思います。洋上風力一つ取っても、今まで相対的には送電線ネットワークの弱い地域にむしろ洋上風力のポテンシャルがございます。  繰り返しますように、系統の増強は必要だと思っていますが、同時に、コスト効率性の観点からは、そうした再生可能エネルギー、洋上風力などの電力があるところに需要家が行っていただくということが実は全体から見るとコスト効率的であります。そういう意味で、先ほど京セラさんの例を御紹介をしたのはその趣旨もございます。地域の再生ということ、地方を活性化していくという政策とも結び付いていく、そうした事例だと思っております。  先生が御指摘になったソーラーシェアリングですけれども、太陽光についていきますと、二〇三〇年のエネルギーミックス、電源構成の実現には、今、更に二倍程度の太陽光の導入が必要だという、今、新しいエネルギー基本計画はそうした内容になっております。その中で、やはり空間限られた日本においてソーラーシェアリングって非常に重要な役割を果たすと思います。  先ほど言いました農業者にとっていわゆる違う収入源を得るということにもなりますし、同時に、今日御紹介をしました匝瑳の例で申し上げますと、災害時にはその農業者が地域の住民に緊急の電源として提供するという地域の災害時の電源としても自治体と連携をされています。  これは本当に地域の知恵と工夫だと思っていまして、こうした施策をやはり地域でつくっていくというのが災害に強い地域をつくる、日本をつくる上でも重要ではないかと思っております。  以上でございます。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 ありがとうございました。  次に、竹内参考人にお伺いします。  今、送電網の話があったと思うんですが、先ほど参考人も、島国だからということで、十六ページにこの送電線の開放モデルというふうに書かれています。ただ、送電線を整備するには、これまでは大手の電力会社が中心にそれは相当お金も費用も掛けてやってきているので、ここが回収できない、それだけ掛けたお金を回収できなかったら、かえって小規模の事業者、電力会社が参入できなくなるんではないかという懸念もあります。  ここでおっしゃっている、何というんでしょうね、この電力システム改変の再設計というのは大手に影響が出ないのかどうかという観点でお伺いをします。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 御質問いただきまして、ありがとうございました。  済みません、最後の部分がちょっと聞き取れなかったんですが、何に影響がないと。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 大手の電力会社が、費用は掛けるんだけれども、最終的なところで小規模事業者に何か利益が流れてしまわないかという心配が若干あるんですね。その点についていかがお考えなのか、お伺いいたします。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) ありがとうございました。クラリファイできました。  こちらで書かせていただいた、資料の十六で書かせていただいた点は、我が国の電力自由化の再設計ということで非常に大きなコンセプチュアルな絵を描かせていただいております。電力自由化、欧米で行われたもの、電気事業というと発電、つくる、送る、それから売るという三つに大きく大別されますけれども、つくる部分と売る部分、ここは自由化をして競争させる。ただ、送るというのは、もうここは公共財であると。言わば、送配電網を公共設備、言わば高速道路のように開放して発電事業者と小売事業者それぞれの競争を活性化しよう、これが今まで我が国が目指してきた欧米型といいますか、自由化のモデルでございました。これが本当にあるべき姿だったのだろうかというところを提言をさせていただいたものでございます。  まず、発電と送配電が分離をするということになると、まあ体はちっちゃくなります。今、大手の電力会社さんの資金調達というのは、ほぼほぼ送配電事業で確実に見込めるキャッシュフローというところによっているところがある。これを分離してしまうと、資金調達というようなところ、まあ設備産業ですから、要は借金の利子をいかに小さくするかが電気料金に極めて大きな影響を与える事業でありながら、分離させて体力そいでしまっている、これが今の我々の自由化でございます。  それよりも、我々の日本のこの電気代を下げるためには、発送電はむしろ大型化して、かつ、今地方に九社あるわけで、まあ沖縄も入れますと十社ございますけれども、地域ももう少し集約をするような形を考えてもいいのかもしれません。  こういった形で、体力を大きくして、発送電は強くして、小売の部分はサービスを競う、こういったことのアイデアを書かせていただいたものでございまして、むしろ送配電の部分に関する投資回収の漏れというようなところは考慮する必要は特にないかなというふうに考えてございます。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 ありがとうございました。  なるべくどこにも影響が出ないようにきちんとしていかなきゃ、それがある意味、蟹江参考人にはちょっともう時間がないので聞けないんですが、SDGsにある労働という分野にも関わってくることだと思うので、参考にさせていただきたいと思います。  ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  竹詰仁君。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 国民民主党・新緑風会の竹詰仁です。発言の機会いただきまして、ありがとうございます。  今日は、参考人の先生方、ありがとうございました。  発言一回でまとめてさせていただきますが、竹内参考人に二つ、供給責任と、あとは今、岸委員からもありました金融に関わること、質問の内容は今から言います。そして、高村参考人にはFITのことについて質問させていただきます。  一つ目は、今週というか、先週と言っていいでしょうか、八日の日曜日に中部電力の管内と北陸電力の管内で初めて再エネの出力制御というのがありました。すなわち、その再エネが余ってしまって、それはもう系統に送らないでいいと。これは、今まで九州電力とか中国電力にはあったんですけれども、初めて中部電力と北陸電力でもこういうことが生じました。  本当にこれ以上再エネが必要なのかなというのが、まずそのぐらい今出ていて、ただ、日本の場合は季節によって需要が大分違いますので、冬場とか夏場は今でも再エネでは間に合わないということなんですけれども。  ここで一つの特徴は、中部電力と北陸電力ってエリアが離れているというか、広範にわたってそれが同じ現象が起きたということなんですね。去年の三月の二十二日の需給逼迫のときも、東北と関東エリア同時に需給逼迫警報が出ました。  幾ら送電網を強化しても、結局日本の場合は面で同じ天候になる可能性があります。すごく暑かったり、すごく寒かったり、もう一帯的に雪が降ってしまったりとか、そういうことがあるので、送電網を強化してもなかなかその融通するというのが地理的には非常に、天候的に、気候的に難しいというのが、私はそういうふうに思っています。  かつ、その中部電力も北陸電力も結局夕方になると火力発電所で発電をいたしました。これが今、実態です。そうすると、一体、その夕方以降しか発電しない火力発電所は採算が取れないわけですね、ずっと発電していませんので。短期間しか発電しませんから非常に収支が悪いと。供給責任というのは一体誰が持つべきなのかと。その電力会社が、いや、ちょっと収支が合わないんでこの発電所閉じたいって言ったら、それ閉じれるんですかと。今、火力発電所は届出制ということになっているんですけれども、こういった、それぞれの民間会社ですから、当然利益を追求するわけですね、株式会社ですから。その利益を追求する会社が利益が追求できないときに閉じたいと、発電したくないと言ったときに、それが今許されてないと私は思っているんですけれども、これからの供給責任というのはどうあるべきなのかというのが一つ。  で、もう一つは、そういったビジネスとして成り立たないというときに、金融機関って今どう思っているのかなと。発電、特に発電分野にお金を貸したくない、融資したくないとなれば、お金が、キャッシュフローが電力会社もあるわけじゃないですから、金融機関からお金借りないとできませんので、金融面から見た今のその発電事業ってどう見ているのかというのを教えてもらいたいのが、これが二つです。  高村参考人には、FITにずっとお関わりになっていて、私も論文とか見たんですけれども、今年初めてFITの単価が三・四五円から一・四〇円になります。私もこんなことが起きるなんて想像もしていませんでしたけど、これが起きてしまうと、先ほど来出ていたGXの推進法のカーボンプライシングの絵姿も変わってしまいます。なぜならば、今の政府の説明ですと、二〇三〇年まではFITの賦課金は伸びますと、で、それ以降ピークアウトしていくので、その分をカーボンプライシング入れるとなっているんですけれども、今年に限ってはもうFITの賦課金が落ちちゃいますから、その絵姿が変わってきてしまいます。  こんなことが起きるなんて私も思っていませんでしたけど、こういうことが起きてしまったのは事実なので、FITの在り方について今は先生どういうふうにお考えなのかを教えていただきたいと思います。  以上です。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) それでは、まず竹内参考人。

竹内純子特定非営利活動法人国際環境経済研究所理事/東北大学特任教授

○参考人(竹内純子君) 竹詰先生、御質問いただきまして、ありがとうございました。  まず、一点目でいただきました、供給責任は誰が果たすべきか。これは、本来であればマーケットによって供給責任が果たされるように制度設計をしなければいけないということであろうと思います。ただ、ここで申し上げなければいけないのは、実は発電所が提供する価値というのは三つあるということです。  皆様、送られてくるエネルギーの総量、キロワットアワーしか御覧にならないことが多いのですが、電気というのは基本的にためることができないので、ぱちんと電気をスイッチを押されたときにつくることができるその能力、これ発電所のキロワットの価値といいますけれども、こちらが極めて重要です。この価値というのは、太陽光や風力といった風の力、太陽の力で発電するものは基本的に余り持っていないというものでございます。  加えて、夕方になると太陽光が発電しなくなる、そうしたタイミングに急速に、では増える電力需要に対して応答するという立ち上がりの速い力、これデルタキロワットというふうに申し上げますけれども、この力も速度によって、要は足の速い子、遅い子というような形で取りそろえておいて、常に同時同量というものを果たす必要がある。そのため、どんな力をどれだけ持っているのかといったようなものを、様々なマーケットを整備してその整合によって満たす必要がある。決してマーケットに参加する側が義侠心とか過去の経緯によって果たすべきものではなくなっているはずだというようなところでございます。  二点目にいただきました、金融がこの市場をどういうふうに見ているのかといったようなところでございます。  こちらは、再エネについてはFITという究極の総括原価方式的な支援がございましたので、今までのところは順調に資金が提供されてきたというところかと思います。ただ、ここからはやはり、再生可能エネルギーについても十分コストの競争力を持ってくることが期待されていましたし、それがFITの趣旨でもございますし、持ってきてもいるということで、若干競争の余地が入ってくるということになるというようなことになると、決して今までのような形での資金、潤沢な資金提供ということになるのかどうか、それが皆さんがおっしゃっている確実な目標ということになるんだと思いますけれども、若干厳しい状況もうかがい知るところではございます。  以上でございます。

高村ゆかり東京大学未来ビジョン研究センター教授

○参考人(高村ゆかり君) 竹詰先生、どうもありがとうございます。  先生御指摘のように、賦課金の単価、電力一キロワットアワーに係る再生可能エネルギー買取り制度を支えるための賦課金が今回四月に、まあ三月に公表しておりますけれども、大きく下がります。  こちら、ある意味では、再生可能エネルギーの導入に伴う国民負担が下がるという意味ではグッドニュースだと思いますが、しかし、これは賦課金の計算が電力市場の価格に合わせて連動しているからであります。つまり、電力市場の価格が上がりますと、賦課金の負担というものが、賦課金の水準というのが下がるという、そうした構造になっているためであります。  GXへの、GX促進法への影響、このGX促進法の下で導入されるカーボンプライシング、予定されているカーボンプライシングとの関係でいきますと、私、全体として電力の需要家の負担を抑えるという発想でそうした構成をされていると思います。  ただ、先生御指摘のように、電力市場の価格が従来予期していなかったような変動が起きたときに、どういうふうに、先ほど申し上げました、長期的には見通しが、将来、炭素の、カーボンニュートラルに向かった政策がどうなるのかという見通しを付けなきゃいけないところで、他方で、市場価格をベースに連動するFITの賦課金とどう折り合い付けていくかというのは、制度構成上の一つの課題であろうというふうに思っております。  FITの今後についていくと、賦課金の多くの、大宗の部分、六割方が二〇一二年度から一四年度の賦課金であります、再エネ導入に伴う賦課金であります。そういう意味では、国民負担は二〇三〇年を越えてまいりますと減っていく、それを見越したGXの促進法ではございますけれども、今後やはりどういう再生可能エネルギーを増やしていきたいかと、これは地域との共生の意味でも、あるいは、先ほどソーラーシェアリングや、需要家、電力の需要家のニーズ考えたときに、こうした再生可能エネルギー、何を増やしてどういうふうに増やしていくのかということと併せて買取り制度の設計をしていかないといけないというふうに思っております。  以上でございます。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言もなければ、以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十七分散会

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