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211回国会参議院2023/02/08

資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会 第1号

発言数
96
登壇者
14
会派数
7
開催日
2023/02/08

会議録

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、鬼木誠君が委員を辞任され、その補欠として古賀千景君が選任されました。     ─────────────

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続については、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ─────────────

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源、持続可能社会に関する調査を議題といたします。  本日は、「資源エネルギーの安定供給確保と持続可能社会の調和」のうち、「資源エネルギーと持続可能社会をめぐる情勢」に関し、「ロシアのウクライナ侵略による新たな局面と資源エネルギー情勢」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、公立大学法人熊本県立大学理事長白石隆君、合同会社ポスト石油戦略研究所代表大場紀章君及び慶應義塾大学総合政策学部教授廣瀬陽子君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、白石参考人、大場参考人、廣瀬参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず白石参考人からお願いをいたします。白石参考人。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) どうも今日はお招きいただきまして、ありがとうございます。  ロシアのウクライナ侵略による新しい局面と資源エネルギー情勢について、提出しておりますメモに沿ってお話ししたいと思います。  まず最初に、ごく基礎的なデータによって、日本の現状、この場合の現状というのはロシアのウクライナ侵略以前、直前のデータで確認したいと思います。  もう皆様御存じだと思いますけれども、まず最初に、日本の一次エネルギー自給率というのは二〇二一年で一一%でございます。これは、ドイツの三五%、フランスの五五%、ましてイギリスの七六%、アメリカの一〇六%に比べると非常に低い数字でございますし、日本の食料自給率、二〇一九年の場合、日本の食料自給率というのは非常に低いということはよく知られておりますけれども、それでも三八%。エネルギーの自給率というのは極めて低いんだというのが重要な点でございます。  しかも、この一次エネルギー供給の構成は、これは二〇一九年度でございますけれども、石油が三七%、石炭二五%、天然ガス二二%、原子力三%、再エネ一二%でございまして、電源構成から申しますと、石油が七、石炭が三二、天然ガスが三七、LNGが三七、原子力が六、再エネが一八%ということでございます。  脱炭素電源比率ということで申しますと、二〇一〇年、つまり三・一一の前の年には原子力が二五%、再エネが九%でございましたが、二〇二一年には原子力が六・九%、再エネが二〇・三%ということで、脱炭素の電源比率というのはこの十二年で下がっております。エネルギー基本計画では、二〇三〇年度に原子力を二〇から二二%、再エネを三六から三八%というふうにターゲットを示しております。  それから最後に、化石エネルギー調達のロシア依存度というのは、これは原油は三・六%、LNGが八・八%、石炭が一一%で、既に御承知のとおり、原油と石炭については輸入を止めております。それから、その結果、二〇二二年、昨年には石油調達の中東依存度というのは九八%になっているんではないかというふうに推定されております。  これが現状、現状というか、ロシアのウクライナ侵略前の状況でございます。  では、エネルギー危機で何が起こっているのかと。  一つは、当然のことながら、ロシアのウクライナ侵略でございますが、同時にEU、特にドイツのエネルギー政策が転換しまして、その結果、エネルギー危機が起こり、エネルギー価格が高騰しまして、このエネルギー価格というのは高止まりするというふうに想定していた方がいいだろうというのが第一点でございます。  それから二つ目は、これは特にG7を中心とするアメリカ、日本、あるいはアメリカの同盟国の対ソ経済制裁の結果でもございますけれども、世界は、ロシアのエネルギー資源を買う国あるいは買える国と、それから買わない国、買えない国に二分されていっていると。  それから三番目に、同時に、特にヨーロッパ諸国は化石エネルギーから脱炭素エネルギー、ここではもうCNと、カーボンニュートラルという言葉でCNエネルギーというふうに書いておりますけれども、化石エネルギーから脱炭素エネルギーへの世界的なエネルギー転換というのが同時に起こっているんだという、これが私の考える非常に重要な三つのポイントでございます。  ただし、ちょっと付け加えますと、これは特に途上国、新興国のエネルギー政策なんかを見ておりますと、こういう国の多くでは、五十年後も、つまり二〇五〇年になっても六〇年になっても石炭を使っていると、石炭に依存しているだろうということもかなりの確度で言えることだろうとは思います。  では、そういう中で、日本のエネルギー政策というのはどういう問題があったのかと申しますと、一言で申しますと、エネルギー危機に迅速に対応できる体制ができていなかったというのが一言で言えることだろうと思います。  それは幾つか理由がございますが、一つは、電力自由化の下で事業環境整備が遅れたと、その結果、これが供給力の問題として顕在化したと。それから二つ目に、再エネ大量導入のための系統の整備というのも遅れていたと。それから三つ目に、原子力発電所の再稼働についても遅れていたと。  その結果、現在の、ここが一番私としては皆様に考えていただきたい点でございますけれども、現在、日本のエネルギー政策というのは二つの非常に大きな課題に直面していると。その一つは、エネルギーの安定供給、つまり、いわゆるエネルギー安全保障というのをどうするかという問題でございます。もう一つは、もっと長期のエネルギー転換にどう対応して、脱炭素のエネルギー効率の良い社会をどう構築し、競争力のある産業構造をつくっていくのかと。この二つが今私どもが直面している非常に大きな課題、あるいはチャレンジだろうと思います。  では、それではそれについてどういう対応をしているんだろうかと。  まず、短期的な対応から申しますと、ここで是非頭に置いておいていただきたいことは、この冬だけではなくって、恐らく来年の冬はこのエネルギーの供給というのはもっと厳しくなるだろうということを想定して短期的な対応をしなければいけないということでございまして、幾つかございますが、その一つは、当然のことながら、節電あるいは省エネの促進によって需給を緩和するということでございます。二枚目に移りますけれども、二つ目は原子力発電所の再稼働を促進すると。それから三つ目は、休止火力も含めた電源の追加公募、それから稼働の加速でありまして、四つ目に資源の確保、特にアジアの国々との連携によってLNGの調達を行うという、こういうタイプの資源確保でございます。こういう短期的な対応、この場合の短期というのは三年とか五年ぐらいの間、時間の幅で考えていただければいいんではないかと思いますが、もっと短期的にやるべきこともございます。  それから、もう少し長期、中長期の対応としましては、やはり、一言で申しますと、エネルギー調達における自給力の向上とそれからサプライチェーンの強靱化、この二つが非常に重要だろうと考えております。  それは、具体的に申しますと、ここでは五点くらいポイントを挙げておりますけれども、一つは、やはり再エネを主力電源化して、その中で蓄電池の導入を促進し、系統整備を促進していくと、これが一つ目です。二つ目は、原子力発電所の再稼働を促進し、中長期的には革新炉の新設、さらに再処理、廃炉、最終処分も加速化していくと。三つ目に、電力システムそのものの私は再点検が要ると、特に供給力の確保のために電力システムそのものを再点検する必要があるだろうと。それから四つ目に、サプライチェーンの強靱化、これは特にLNG、それから上中流の開発というのが重要だろうと思います。それから五つ目に、グリーン水素の大規模生産と安定供給を促進するということでございます。  ここで是非注意していただきたいことは、エネルギー調達におきましては、これがすぐに地政学的な意味を帯びるんだと。先ほど、現在日本の化石エネルギーに対する中東依存度というのは恐らく九八%ぐらいになっているというふうに申しましたけれども、これは決して望ましいことではございません。そうではなくって、それではどうするかと申しますと、私は、再エネの、コスト効率というのは必ずしも日本はいいわけではございませんので、むしろ再エネコストの効率の良い、しかも信頼できるパートナー国で水素を安定的に大量に生産、調達していくと。同時に、それを、CO2の回収、利用、貯留技術、いわゆるCCUSですけれども、これと組み合わせることによって地政学的にも、日本のその地政学的な安全保障の確保にエネルギー政策も同時に使っていくという、そういう考え方が非常に重要だろうと思います。  一つだけ例を挙げますと、グリーン水素とCCUSで、カーボンキャプチャーで回収したCO2で合成燃料を作りますと、これは差引きしますと、これカーボンニュートラルでございます。これが恐らく航空機燃料の場合には鍵になると思いますし、ドイツの場合にはペルー等で大規模にこの実験を、実証実験をやっておりまして、そのときにドイツ政府が言っていることは、私の理解では、内燃機関が悪いんではないんだと、内燃機関は使えるんだと、要するに、合成燃料をいかに効率的に、コスト効率のいい形で作るかということなんだと言っている、私はそういう考え方というのは極めて納得できる考え方だろうと思っております。  と同時に、先ほども申しましたけれども、多くの途上国、新興国ではこれからもずっと石炭を使うと思いますんで、石炭とアンモニア、あるいは水素の混焼によってCO2を削減するというようなことも十分考えるべきことだろうと思います。  こういうことを全てまとめますと、日本のエネルギー政策の基本には、Sプラス3Eという考え方がございます。ここで、Sというのは、セーフティーの、つまり安全のSでございまして、3Eの方のEというのは、エンバイロメント、環境、それからエナジーセキュリティー、エネルギー安全保障あるいは安定供給、それからエフィッションシー、効率、この三つのEでございますが、もうすぐにお気付きになると思いますけれども、このSと三つのEの間にはトレードオフの関係がございまして、このバランスをどう取るか。例えば、セーフティーとエンバイロメント、あるいはエンバイロメントとエナジーセキュリティー、あるいはセーフティーとエフィッションシー、こういうものの間のトレードオフにどういうバランスのいい答えを出すか、これ一つの正解なんというのはございません。ですから、このバランスをどう取るかというのは、これは実は政治のまさに一番重要なポイントだろうと私は思っておりますし、実際にこのバランスの取り方は時期によってかなり変わってきております。  例えば、二〇一一年以降、つまり三・一一以降はまさにSプラス3Eでセーフティーというのを非常に重視しましたけれども、日本が二〇五〇年にカーボンニュートラルを達成するというふうに政府が決めた以降は、エンバイロメント、環境というのが非常に重要な要素として出てきて、少し書き方を変えますと、実際にはEプラスSプラス2Eになったんではないかというふうに言ってもいいと。今度のロシアのウクライナ侵略とそれからエネルギー危機によってエナジーセキュリティーも非常に重要になってきている、その意味では、EプラスEプラスSEに今変化しつつあるというふうに考えてもいいだろうと思います。  第二番目に、こういう中での鍵は、やはり再エネの主力電源化とそれから原子力発電だと私は考えておりますが、同時に、先ほど申しましたように、グリーン水素とそれからカーボンキャプチャーで回収したCO2を結び付けたメタネーションも非常に重要であると。  それから三つ目に、エネルギー転換というのは、同時に、日本の地政学的な連携を変える、もっと信頼できる国との連携をつくっていく非常に重要なチャンスであると。  それから最後に、もうこれは皆様よく御存じだと思いますけれども、エネルギーというのは国力の源泉でございます。これがぐらつきますと日本の力そのものが揺らぎます。しかも、ウクライナ危機のような事態はこれからも少なくとも十年に一回ぐらいは起こると考えた上で、対応策あるいはその戦略的な対応、戦略的に対応できる体制をつくっておく必要があるだろうと思います。ですから、エネルギー政策は、この調査会がまさに考えておられるように、日本の国際情勢というのを冷徹に見詰めて、方針を決めて、で、その方針をぶれることなく十年、二十年続けていくということが非常に重要だろうと考えております。  これで私の申し上げたいことは終わりましたので、どうもありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。  次に、大場参考人にお願いいたします。大場参考人。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) 御紹介ありがとうございます。ポスト石油戦略研究所の大場です。よろしくお願いします。(資料映写)  本日は、ウクライナ戦争とエネルギー情勢に、関係について説明したいというふうに思います。  日本の電力価格高騰が注目されておりますけれども、その意味では石炭価格の上昇というものが非常に大きいんですが、国際政治に関しますと主に天然ガスと石油というものが非常に重要になっておりますので、その二点について先にお話しした後に日本へのインプリケーションについてお話ししたいと思います。  とかく石油とガスといいますのはエネルギーとして一まとめにされることが非常に多いんですけれども、使い道も当然違いますけれども、特に国際政治を語る上では全くその意味合いというものが変わってきますので、このガスと石油というものをしっかり分けて考えることが非常に重要だということをまず申し上げたいというふうに思います。  まず、天然ガスについてお話しします。  御案内のように、ロシアからEUに向けてのパイプラインによる天然ガスの輸出というものが急激に減少しまして、現在、戦争始まる前の一五%程度まで低下しております。現在は、その激しい戦闘が続くウクライナを経由する分と、また、先日の地震で大変な被害が発生しているトルコを経由するこの二つの系統を通じてロシアの天然ガスがEUに輸出されているという状態になっています。  この減少分の大半を占めますのが、このグラフの青いところと黒いところに相当する、いわゆるノルドストリームと呼ばれる、バルト海を通じてロシアからドイツに直接接続されているパイプラインになります。こちらは九月の、昨年の九月の二十六日に何者かによって爆破、破壊されまして、それで使えなくなったということがありました。これほどまで地域のエネルギー供給にとって非常に重要な社会インフラが一夜にして破壊されて、しかもその犯人が誰か分からない状態で今、今日に至るというようなそのような事例というのは多分過去にほかに例がないというふうに思いますけれども、そのような大きな事件があったということです。  ただ、そのとき、幸いといいますか、既に供給が止まっていたということでこの爆破による大きな混乱ということはなかったんですけれども、なので、まあそれは良かったと言えるかもしれませんが、よくロシアがガスのバルブを閉めたとか、あとエネルギーを武器に使っているというふうな言い方をされることが多いんですけれども、この爆破も誰がやったかは分かりませんし、これ、バルブを閉めたというか、事故というか、いうこともあります。  また、純粋にエネルギービジネスの観点からだけで考えますと、この下に、止めたのは誰かと書いていますけれども、必ずしもロシアがガスを止めたと一言で言い切れない部分があるということです。といいますのも、EU側も戦争始まった直後からロシアからガスは買わないというふうにずっと言ってきましたので、通常の商売で考えても、買わないという相手に売らなかって、で、売るのを止めたら怒られるという、そんなことが起きているわけで、どちらが悪いというようなお話も言い切れないところはあります。  例えば、戦争直後、ポーランドなどがまず供給を自分から止めています。また、その後、五月、六月ぐらいにかけましてルーブル決済が切替えと図に書いてございますけれども、ロシア側がアメリカのドル金融制裁を嫌ってルーブルでの支払を要求したところ、国によってそれを受け入れる国と受け入れなかった国が分かれて、受け入れなかった国は契約が終了して輸出が止まったというようなこともありました。  また、メンテナンス停止とあるところも、これ例年より少し長いんですけれども、このメンテナンスに使っていた機材の提供が止まって、制裁によって止まっていたということも一つ理由にしていたりとかして、必ずしもロシアにも全く言い分がないわけでもない。もちろん、戦争していますので、それを言ってしまえば関係ないかもしれないですけれども。  更に言えば、戦争の始まる前に、このノルドストリームにはノルドストリーム2というほぼ同じ容量のパイプラインが一年前にもう完成していたんですけれども、戦争が始まる数日前にドイツ政府がこのノルドストリーム2は使わないというふうに宣言しました。  また、この九月二十六日のノルドストリームの破壊の事故ですけれども、実はノルドストリーム2というのは一部この爆破を免れておりまして、使おうと思えば使える状態なんですけれども、それを政治的に止めているのはある意味ドイツ側という意味も含めて、一〇〇%このガス供給を止めているのが必ずしもロシアだけの判断ではないということも言えるかなというふうに思います。  続いて、こういったロシアからの結果的にガス供給が止まったことによって、ヨーロッパのガス価格というものが非常に高くなりました。二年ぐらい前から比べますと、一番高いときは十五倍から二十倍ぐらいまでガス価格が上昇していまして、それに釣られてアジアのLNGスポット価格も上昇しています。  日本は、アジアのLNGスポットからも調達していますけれども、大半は長期契約ですので、日本が購入している天然ガスの価格というのは相対的にEUよりは相当ましな状態でありまして、電力価格高いと言われていますけれども、EUに比べれば相当ましな水準に落ち着いているということです。  アジアには、日本のように長期契約ではなくてスポットを中心に買っている国というものもありますけれども、例えばパキスタンやフィリピンなどといった国は、高過ぎて買えないということで、そういうアジアで買えなかった国も続出したということです。  中国は、一昨年電力危機が発生しまして、その際に国内の石炭生産量を増やせと、増やす量も日本の消費量に匹敵するぐらいの量を増やす決定をして石炭の量を増やしていたことで、LNGの輸入量がめちゃくちゃ減りました。中国は二十年ぶりに天然ガスの消費量が去年減ったということがあります。  そういうことで、アジア向けに輸出されるはずだったLNGがヨーロッパに向かったことで、結果的にヨーロッパのガス供給というのが足りる、足りたというふうに言うことが言えると思います。その後、一番高かったのは八月末で、その後は相当下落しまして、現在は日本の調達価格と同じぐらいの水準まで戻っているということです。  今、LNGの輸入でヨーロッパのガスが大丈夫だったというふうにお話ししたんですけれども、実はヨーロッパのガス供給がその供給危機にならなかった最大の原因は、ヨーロッパのガスの消費量が減ったということが一番大きいです。  こちらの図は、昨年の八月から十一月にかけてヨーロッパのガスの消費量がおよそ二〇%程度減ったということを示しているものです。昨年破壊して止まったノルドストリームのガスの供給量というのは、ヨーロッパのガス需要の一五%程度だということを考えますと、実はもうノルドストリームの停止分というのはガスの消費量が減った分よりも少ないんですね。なので、ほぼノルドストリームの停止分というのはガス需要の、消費の低下でほとんど説明できるということになります。  この消費量の低下分というものの内訳を見てみますと、一番多いのがドイツの産業用になります。その次がイタリアの家庭用、続いてスペインやフランスやオランダなどのガス消費の減少分があるということになります。というわけで、何というんでしょう、ガス需要の減少を、ほとんどが、ドイツの産業用、産業とイタリアの家庭がある種負担というか犠牲になってガスの供給が賄われているということになります。  まとめますと、これは昨年の十一月分だけを取り出した分なんですけれども、十一月単月ですと前年比で二七%ガスの消費量は減っているんですけれども、その減少分で、何といったらいいですかね、ロシアのパイプラインからの輸入を減った分というのがほとんど消費の減少で説明できるということになります。  イタリアの、特に低所得者層の家庭で暖房をつけられないというところが増える影響で、ヒートショックで亡くなる方の数の方がウクライナ戦争で亡くなる数よりも多いと言われるぐらい結構大きな影響があるのではないかなというふうに思うんですが、いずれにしろ、今、まあ昨年は今年の冬が越せるかというふうによく懸念されていたんですけれども、それは例年のガスの消費量を前提に置くと足りないということだったんですけれども、今の消費水準であれば大丈夫ということになります。  ですので、これからが逆に問題で、ヨーロッパの経済が正常に戻ると足りなくなるというのがこれから待ち受ける現実ということになります。既にガスの価格下がってきていますので、ドイツの産業用の消費量というのが一月から増え始めているというデータもありまして、今年の夏から次の冬に向けて欧州経済が立ち上がってくると再びガス不足の懸念というものが出てくるということで、依然として供給の中長期的な見通しは厳しいということが言えると思います。  その供給を代替したものの中心というのは基本的にLNGになるわけですけれども、そのほとんどはアメリカのものでした。その戦争、実は戦争が始まる前からアメリカのLNG輸出というのは増えていまして、現在の輸出量というのは実は戦争前の水準と余り変わりません。つまり、ロシアのガスが止まったからアメリカのLNGは輸出が増えたというのは実は統計上は間違いで、戦争前からずっと増えていたということがあります。  もう一点は、実はパイプラインのロシア産ガスは止まっているんですけれども、ロシア産のLNGガスというのは今もずっと輸入されておりまして、過去最高水準で継続しているという点も一つ申し述べておきます。  これから石油の話をするんですけれども、実はロシアにとって天然ガスの輸出額というのはそれほど大きくありません。一番大きいのは石油になっていまして、およそ半分近くですね。  一般的に、EUはロシアに対して厳しいエネルギー制裁をしているというイメージがあるわけですけれども、実は本格的なエネルギー制裁が始まったのは十二月、昨年の十二月五日からでして、この石油を対象にした制裁がそこから始まっています。石油というのはロシアの輸出額の大半を占めておりますので、これは、最大にして、ある意味最後の経済制裁ということが言えるかもしれません。  この十二月から始まった制裁の中身というのが、主にEUによるものと、あとG7と共同して行っている、この二つに分かれています。十二月に、EUによる制裁というのは、EUがロシアから輸入する原油の、輸入の九〇%程度の分を輸入を停止するというものが十二月から始まりました。そして、三日前ですか、二月五日から、今度は石油製品の輸入の停止が始まりました。この石油製品も、実は、先ほどの図にありますように実は原油よりも輸入額としては大きいですので、この石油製品の輸入というものがある意味最大の禁輸産品ということが言えると思います。それがまさに三日前に始まったという状態です。  G7と共同して行っておりますのは、この十二月からロシア産の石油を搭載したタンカーへの海上保険を禁止するという制裁があります。これによってEU以外に輸出される石油を止めようということなんですけれども、この石油タンカーの保険といいますのが主にイギリスやノルウェーなど西側の企業が九五%ぐらいのシェアを持っているということから、この保険サービスを止めますと事実上ロシア産の石油を積んで保険を掛けて運ぶということが非常に難しくなる、非常に厳しい制裁です。  ところが、話がややこしいのは、ただし、この価格上限六十ドル・パー・バレルという価格を下回っていればその限りではありませんという免除条項が付いておりまして、現在のロシア産の原油というのは五十ドル程度ですので、つまりこの保険制裁というのはほぼ発動していないということになります。  結果、何が起きたかということなんですけれども、EU向けのロシアの石油が輸出できなくなった分、ほとんどがアジア向けに輸出されるということが既に起きています。  この図はあるシンクタンクが制裁前に予想として作ったものなんですけれども、一月の統計を見る限り、おおむねそういったことになっています。その輸出先というのは主にインド、特にEU向けに輸出されていた原油の七割程度がインドに輸出されているというふうに言われています。  また、この図では少し輸出量が減っているように表示されているんですけれども、一月の下旬の統計を見ますと、ロシアの原油輸出量は昨年の六月以来最高値となっていまして、必ずしも輸出量自体が減ったというわけではないということが分かります。  先ほど申し上げたように、インドを中心に輸出量が増えていて、よく中国も増えているというふうに言われるんですが、元々高かったということもあって、中国はそれほど輸入量は増えていないというふうに言われています。ただ、最近は行き先不明のタンカーというものが非常に増えていまして、推測ではマレーシアなどを通じてマレーシア産として中国に輸入されている量が非常に多いというふうに考えられています。なぜならば、マレーシアの石油生産量の倍以上の石油が中国に輸出されているという統計値になっているからです。したがって、どこからか調達していなければつじつまが合わないということが分かっています。  もう一つは、ロシア産の原油価格の低下です。御覧のように、その一般的な国際ベンチマーク価格よりもロシア産の原油価格がおよそ四割から五割ぐらい安く取引されています。ただし、これから少し御説明しますように、この制裁を逃れる穴というものがたくさんございまして、一部、当然この原油価格が下がった分、ロシア経済に一定の打撃はあるというふうに思いますけれども、いろいろなルートで輸出する、まあ陰のルートのようなものが最近横行しているというふうに言われまして、どこまで制裁の効果があるのかということは少し分かりにくいというのが現状です。  こちらは戦争前の国際的な石油流通ルートを非常に単純化して示したもので、主に中東やロシアから世界中に輸出されているという図なんですけれども、この制裁が始まった後はロシアからヨーロッパ向けの輸出というものがなくなって、その分、アジアや中東に原油が輸出されると。で、アジアや中東に輸出されたものを処理して石油製品にしたものがそこからまたヨーロッパやアメリカに再輸出されるというような構図になっています。  また、石油製品は中南米やアフリカに輸出されているということで、これまでは北米から中南米に輸出されていたものが今度はロシア産に替わるということで、中南米はロシアから石油製品を買うようなそんな時代になっていくというふうに考えられます。  結果的に何が起きたかというと、比較的安い石油を中東やアジアの国々や中南米の国々が購入し、相対的に高い石油をヨーロッパやあるいは日本も含めてですけれども、が買うという形になっています。  で、全体ですね、世界のエネルギーはロシアなしでは成立しないというふうに書いていますけれども、こちらは世界を五つの地域に分けて、中東、ロシア、ヨーロッパ、中国、その他、その他の中には日本とアメリカが含まれています、その地域間のエネルギーの輸出入の量を表したもので、これの図で見ますと、世界というのは中東とロシアのエネルギーをヨーロッパと中国が輸入して、そして、その他に含まれる日本やアメリカも含めて石油以外は大体おおむね自給自足しているという構図が分かります。つまり、ロシア抜きで世界のエネルギー供給というのは成り立ちません。したがって、今やっていることというのは、ロシアからエネルギーを買っていい国と駄目な国にリシャッフルしているということにすぎないということが言えると思います。  そして、日本においては、中東は世界最大の石油生産地域ですけれども、国によって中東の位置付けというのは大きく変わります。アメリカやヨーロッパにとっては一部の調達先でしかなく、アジアは比較的多いですけれども、日本のように中東依存度が九割超えているような国というのはほかに韓国と台湾ぐらいしかありません。  で、石油危機後、日本のエネルギー政策にとって中東依存度の低減というのが最大の課題だったわけですけれども、石油危機後は中国やインドネシアなどの輸入を増やしていたんですけれども、両方の国が経済成長で輸入国になってしまったので、その後はロシアが最後の中東依存度を下げる調達先でした。クリミア侵攻後はロシアの輸入量を減らして、先ほどお話あったように、今恐らく九八%程度まで依存度高くなっているというふうに考えられます。  今日述べたことを簡単にまとめたのがこちらになるわけですけれども、結果、何が言えるかというと、ウクライナ戦争によってヨーロッパの経済とアジアのLNG消費国に非常に重い負担があって、その結果、今のヨーロッパのガス供給が成り立っているということが言えます。二点目は、ロシア産の石油の輸入を継続する多くの国があり、その国々とロシアとの間で緩い結束が生まれつつあるということです。そして、日本はロシア産のエネルギーという選択肢を失ったということが言えると思います。  この失ったということは、将来の東アジアの安全保障を鑑みますと、対ロ制裁に積極的に参加するということは必然だったというふうに考えますが、そうだとしても、それによって負う日本のエネルギー安全保障上の代償というものは非常に大きいというふうに考えられます。また、今、今日は詳しく述べませんでしたけれども、これから中東情勢の混乱というものも十分考えられるということを考えますと、もう石油依存度そのものを下げる、可能な限り電化や石油代替物への切替えを加速していくということが中長期的に必要だろうというふうに考えます。  本日のお話は以上になります。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。  次に、廣瀬参考人にお願いいたします。廣瀬参考人。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) 廣瀬でございます。  本日、お招きいただきまして、誠にありがとうございます。(資料映写)  私は、主に旧ソ連の研究をしているという立場から本日発言をさせていただきたいと思っております。  皆様御案内のとおり、既にロシアの戦争が始まってはや一年がたとうとしておりますけれども、長期化の様相を示しているところでございます。そういう中で、ヨーロッパなどで非常に議論されているのが、そもそもこのエネルギーが戦争の原因ではなかったのかという内容となっております。  ロシアはここのところハイブリッド戦争というものを展開しておりまして、ハイブリッド戦争といいますのは、政治的目的を達成するために、軍事的脅迫とそれ以外の様々な手段を組み合わせることによって、つまり非正規戦と正規戦を組み合わせることによって効果的に相手にダメージを与えるような戦略となりまして、二〇一四年のロシアによるクリミア併合から注目されてきた戦法になってきますけれども、この議論というのは実はロシアでは九〇年代からなされておりまして、プーチン大統領のブレーンとも言われるアレクサンドル・ドゥーギンなどは、九〇年代の段階からエネルギーを外交に利用するべきだということを強く進言していたということがございます。そういう中で、このハイブリッド戦争、非常に今注目されているわけですが、今回はそのハイブリッド戦争の手段の中にこのエネルギーも入ってきたのではないかということが言われているわけです。  で、このヨーロッパで展開されている議論を御紹介しますと、そもそもヨーロッパでは日本よりも先んじて脱炭素の傾向というのがございました。そのような状況の中で、ロシアは、一番の顧客として、ヨーロッパを一番の顧客としてエネルギーを売って、それによって経済的に潤っていたわけですけれども、ヨーロッパにエネルギーが売れなくなることを見据えて、それでウクライナの侵攻をしたのではないかというのがヨーロッパの研究者の主張となります。というのは、そもそも二〇一八年ぐらいからロシアは、今後そのエネルギーが売れなくなるという可能性を見据えて水素、アンモニアなどへの転換を図ろうとしていたわけなんですけれども、うまくいっていないというような実情がございました。  そして、実はウクライナにはシェールガスがあると言われておりまして、これがまさに今激戦地となっているウクライナ東部の周辺であるわけです。このときに、というのは、二〇一四年のクリミア併合が起きたときにこの話がかなり出まして、ウクライナのそのシェールガスによる発展を妨害したかったと。というのは、実は、アメリカのシェルなどがこのウクライナのシェールガスに目を付けていて、二〇一四年よりちょっと前に開発をするという可能性が非常に高まっていたんですけれども、ロシアが二〇一四年にクリミアを併合し、また東部の混乱を起こしてからシェルが撤退しているという事実があるわけです。ですので、そういう、ウクライナがガスで成功することを妨害するために二〇一四年の混乱も起こしたのではないかというような議論もあります。  しかし、今回の戦争でロシアがエネルギーを既に武器に使っているというのは御案内のとおりではございますけれども、実はそれは初めてのことでありまして、今までは、ロシアはエネルギーを輸出する上では非常に優良な国であるというふうに認識されておりました。  ただ、ちょっと誤解されるのが、二〇〇六年、二〇〇八年から二〇〇九年にかけてと二〇一四年にかけてのロシア・ウクライナガス戦争というものなんですけれども、ウクライナ・ロシアガス戦争というのは、そもそもウクライナを経由してロシアがヨーロッパに輸出するというのが一番メジャーなルートだったわけです。しかし、今申しました三回の契機に、ウクライナがロシアにエネルギーの未払をしていたということがございました。  というのは、ロシアからヨーロッパにエネルギーを輸出する際にウクライナを経由するわけですけれども、ウクライナがまず自分の取り分を取って、そこからヨーロッパに流すというようなことをやるわけなんですが、ウクライナが未払だったがためにロシアはウクライナ分を差し引いた分量を輸出したんですけれども、ウクライナがその分を、自国分を取ってしまったためにヨーロッパに輸出される分量というのが物すごく減ってしまったということがございまして、それを機にロシアもヨーロッパも共にウクライナを迂回するルートをつくろうということでできたのが、このバルカンストリームというもの、そしてトルコストリーム、そしてノルドストリーム1、2ということで、2が稼働しなかったのはもう既にお話が、大場先生からお話があったところでございますけれども、そのような形でそもそも混乱はあったわけですが、ただその際は、ロシアはエネルギーを武器にということは一応なかったわけです。  しかし、結果的にエネルギーの価格が非常に高騰しまして、特にヨーロッパの電気代の高騰は非常に高いものがございます。エストニアなどでは電気代が以前の十倍にもなってしまっているということがありまして、そのような電気代の高さがヨーロッパのウクライナ疲れというものを加速しているということもございます。  こちら見ていただけると分かりますように、特にドイツ、イタリア辺りがロシアの依存度が非常に高かったということがございます。  ロシアへの依存というのは、石油、天然ガスだけではなく、実は原子力についてもかなりロシアに対して依存がありました。こちらの地図で書かれておりますのが、ロシアに原子力発電を依存している国となっておりますけれども、実はこの侵攻が起きてから多くの国がロシアの原発をやめているということがございまして、現在、引き続き使っているのがハンガリーとトルコだけということになります。  このハンガリーもトルコも実は制裁には非常に及び腰な国で、ハンガリーはEU、NATOの中でもちょっと混乱分子となっていて、制裁の足並みを非常に乱している国となりますし、トルコも今回の戦争においては非常に特殊なパフォーマンスを示している国でございますけれども、ほかの国はロシアからの撤退ということをやっております。  ちなみに、十月にフィンランドに行きました際に原発担当者に話を聞きましたけれども、やはり非友好国に特に原子力という恐ろしいものを頼ることは全くできないんだという説明を受けております。  そして、ウクライナ侵攻開始後の動きについて若干確認をしておきたいんですけれども、今回の侵攻後、欧米の対ロ制裁はエネルギー部門にも及びまして、最初は石炭、石油というところから天然ガスにまで入ってまいりました。特にロシアにとって天然ガスの制裁は痛手なはずですけれども、ロシアは自らガス供給を夏場から減らし、そして九月にはノルドストリーム1、2を爆破するという展開になりました。確かに、先ほど大場参考人がおっしゃったように、これ犯人についてはまだはっきりとした答えは出ていないんですけれども、地域研究者の間では状況証拠的にロシアに間違いないだろうというような見解が一応強く持たれてはおります。  そして、そういう中でエネルギー価格が高騰しまして、ロシアは、ヨーロッパへのエネルギーを売らなくなった分、中国、インド、トルコなどに安くエネルギーを売るというような展開になってきました。中国は二割増し、インドについては五倍となっておりまして、それらの国がほかの国に転売するということも起きていますし、また瀬取りによってヨーロッパに売られるということも実際起きているようです。  そのために、ロシアのエネルギー収入というのは実際開戦前よりも上昇しているということがございますけれども、実は、昨年十二月に原油の価格上限設定が行われ、また船舶戦争保険の停止やあと値上げということが行われまして、ロシアのこのエネルギーによる利益というのも先細る可能性が非常に高いのではないかということが言われております。  ヨーロッパは、今回のことを受けまして、一時、その脱炭素政策では逆行をしまして、石炭発電が今すごく増えておりますけれども、これはもう一時的な措置だということで、再生可能エネルギーへのシフトを早めるという傾向が見られるだろうということが予測されています。  そういう中で、このロシアの制裁が効いているのかどうかという問題が非常に頻繁になされるわけですけれども、確かにロシアのエネルギー収入というのは戦争前より多くなっているんですけれども、先ほど申しましたように、今後先細ってくる可能性はあると。  また、ロシアは、制裁によって、いろいろな自分のこの通商のスタイルを変えることによって何とか生き延びようとしています。もちろん、自国で今まで輸入してきていたものを賄うという方向転換というのはあるんですけれども、トルコ、旧ソ連諸国などとの貿易量が異常な高まりを見せております。  その中でも特に注目されるのが白物家電の大量輸入でして、洗濯機、電動搾乳器、冷蔵庫の輸入が特に顕著になっています。それというのも、実はヨーロッパから今ロシアは直接輸入できないので、一時、中央アジアなどの国にヨーロッパからのその白物家電を輸入させて、そこからロシアが輸入するという迂回策を取っているんですね。それで何をしているかというと、電子チップ、半導体を取って、それを軍事転用しようとしているというふうに言われております。  また、ロシアは高級品の輸入が今一切できなくなっていることから再び中古車ブームというのが起きておりまして、日本の中古車が異常に人気になっているということがあります。  そして、また注目されるのが、イラン、北朝鮮との軍事関係になります。とりわけ私が危惧しておりますのがイランとの軍事協力なんですね。特に技術移転などが非常に深刻であるというふうに思っております。  というのは、イランは制裁を非常に長く受けている国でありまして、ロシアと同規模の、例えばSWIFT排除など非常にまれなレベルの制裁まで受けている、ロシアからしてみれば制裁の大先輩のような国なわけですけれども、その制裁を受けている環境でも造れる兵器をイランはいろいろ造っているわけです。それをロシアが学ぶことによって、非常に今厳しい制裁下にあってもロシアがまた軍事力を自ら拡大し得る可能性というのもあって、そこのところは非常に危惧しておりますところです。  このように、制裁の効果というのは確実に出ておりますけれども、抜け道の問題は非常に深刻でありまして、そうなりますと、制裁の返り血を浴びる国というのはもう割を食うだけなんじゃないかと。そういうことがより公になってまいりますと、ウクライナ疲れ的な、ウクライナをもう支援するのはやめた方がいいんじゃないかというような議論がヨーロッパなどでもより高まってくる可能性があります。既にもうあちこちで、ロシアをむしろ応援した方がいいんじゃないかというような声が、例えばチェコですとかドイツの東部ですね、旧東独地域などからも出ておりますし、そこの部分についてはやはりEUなどもとても危惧しているところでございます。  そういう中で、ロシアの次の手ですけれども、やはりロシアとしては、中国、インド、トルコを始めとしたロシアに制裁を掛けていない国との通商で何とかやっていこうとしているというふうに思われます。  そして、ロシアは、やはりヨーロッパ方面でのエネルギー協力が難しくなった中で、カザフスタン、ウズベキスタンなどを誘って中央アジアとのガス連合をつくろうとしていたわけですけれども、中央アジア側が難色を示しているということがあります。この背景には、ウクライナ侵攻後、旧ソ連諸国のロシア軽視が進んでいるということがございます。中央アジアはむしろ中国との関係を高めていく可能性の方が高いと思います。  次に考えられる可能性というのがグローバルサウスとの連携強化でして、ロシアが例えばエネルギーを安く供給するであるとか原子力発電所を建設するというような可能性は非常に高くて、特にロシアの原子力発電というのは、主に発展途上国においては、安価にもかかわらず非常に性能が良く、かついろんな廃棄物もロシアが全部最後まで面倒見てくれるということでとても人気があるということもございます。こういう中では、アフリカの取り込みというのも非常に最近では目立っているところでして、特にアフリカについては、ロシアは安全保障の輸出というような特殊なタームを使って現地の非民主的な政府をサポートするというようなことまでやっているというところになります。  他方で、産油国との協力関係の拡大というのも最近顕著に見られているところでして、例えば先月三十日にはサウジアラビア皇太子と石油市場安定協議なども行っておりまして、湾岸諸国との関係は実はそんなに悪いものではございません。  そういう中で、ロシアとしては北極圏でのエネルギー採掘に非常に難儀をしているところですが、これをもしもっと抜本的にできる技術をロシアが自ら見付けることができれば、これもロシアにとっては次の一手になってくるというふうに思います。  そういう中で、今、ロシアは冬を武器にする作戦でヨーロッパを揺さぶっていますけれども、今年は一応暖冬だったがゆえにロシアが思っていたほど効果は出ていないようです。ただ、やはりこのエネルギー価格高騰、そして食料危機、インフレでヨーロッパを揺さぶり、グローバルサウスに情報戦を仕掛けていくというのがロシアの作戦であるというふうに思います。  ここで、今もちょっと述べたんですけれども、国際社会がこの戦争によって突き付けられた課題というものを考えますと、まず、エネルギー価格の高騰が起こっております。そして、食料危機です。特にこの食料危機のあおりを強く受けているのが中東、アフリカになってきますけれども、ロシア、ウクライナは世界有数の穀物大国でして、特に小麦については世界の三割を供給してきましたが、戦争によってそれが輸出できない状況になりました。この小麦については、特にウクライナの小麦については昨年七月二十二日の四者会談で一応の合意がなされ、部分的には輸出が再び可能になっておりますけれども、やはりウクライナが戦地になっているということもありまして、以前ほどの輸出はできていないというのが実情です。  そして、ロシアは実は肥料輸出大国でもあって、世界一の大国なわけなんですけれども、あとベラルーシも実は二位なんですけれども、ロシア、ベラルーシ、共に制裁下にありまして、肥料が輸出できない状況になっております。そのために、世界が記録的な肥料不足というようなことになっています。  また、今年は種不足も非常に深刻だというふうに言われていますし、地球温暖化による干ばつというのがここ数年いろんなところで見られているということがありますので、今年、来年というのはかなり深刻な食料危機が訪れる可能性というのが危惧されているわけです。  そして、このエネルギー価格が高まれば、当然ながら全てのものに影響してきますので、世界規模のインフレが起きているということもございます。  これを実はロシアは情報戦に利用しておりまして、いろんな世界の不都合が起きているのは全て欧米がロシアに制裁を掛けているからだということを言っております。実際に、元々反欧米的な特にアフリカ諸国などは、ロシアのプロパガンダを信じてしまって、むしろ欧米に対して反感を強めているというようなこともあるわけですが、ロシアはそれによって制裁解除を狙っているのではないかということも言われております。  そういう中で、国際社会が取り得る策というのは、やはりロシアの天然資源を買わずにロシアを経済的に追い詰めていくことしか恐らくないのだろうと思います。しかし、今その策を取る上では、やはり各国のエネルギー安全保障、そして、国内の支持確保などとのジレンマがどの国においても訪れるというふうに思います。  また、ずっとここ数年流れとしてありました脱炭素への移行を早めるというのが非常に重要なポイントになってくると思いますし、また、この加速はもう間違いないというふうにあらゆる研究者が言っているところになります。  そして最後に、自給を高めていくというのも重要ではないかと思います。  やはり、冷戦終結後というのは、相互依存ということが非常に美徳とされ、相互依存を深めていくことこそが世界の平和を推進するというような議論がかなり広く共有をされていました。しかし、今回のことは、相互依存が戦争を止めないということが分かりましたし、むしろそのことが各国を非常に厳しい状況に追い込むということも分かりました。ですので、やはりエネルギー、食料、安全保障の全ての部門での自給率を高めていくということが非常に肝要なのではないかと思います。  以上、雑駁ではございましたが、こちらで終わらせていただきます。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。  なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。  また、質疑者には、参考人が答弁しやすいように質疑の冒頭に答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いをいたします。  それでは、質疑のある方は挙手をお願いいたします。  広瀬めぐみ君。

広瀬めぐみ自由民主党

○広瀬めぐみ君 広瀬めぐみでございます。  私は、大場参考人に質問をさせていただきたいと思います。  まずは、お三人の先生方、非常に分かりやすく御説明をいただきまして、どうもありがとうございました。  私の大場参考人に対する質問なんですけれども、先生の方からロシアに対する経済制裁についてかなり踏み込んだお話がありました。結局、ロシアからの石油の輸入というものを、EUそれから日本など、経済制裁としてこれを止めてしまった。しかし、結局その石油がアジアの方に流れている。特にインドやそれから中国の方に流れていて、結局のところ、例えばインドでロシアから輸入したその石油を精製して製品にして、またそれが米国の方に入っているというような現実もあるのかと思います。  そうすると、結局、そのロシアの石油が還流してまた米国に届いているということは、経済制裁の効果が全く発揮されていないということなんではないかなというふうに思っておりまして、先ほど廣瀬先生の方からは国際社会が取り得る対抗手段としてお話があったかと思いますが、この経済制裁の実効性を持たせるために大場先生がどのように考えられているのかということを知りたいということと、それから、関連の質問があともう二つありまして、もう一つは、結局、先ほど廣瀬先生の方からも、経済制裁のその悪い効果として返り血を浴びるというお話があったと思います。その返り血を浴びてしまった国々は、結局その国の中で、国内で私たち国民が物価の高騰であったりエネルギーの高騰であったり、非常につらい思いをする。これに対抗する手段というのは、結局はやっぱりその資源を自分たちで作り出さなきゃいけないという、自立しなきゃいけない、中東依存はいかぬという、まあそういうお話だったわけで、なかなかそれも難しいというふうに私は思っております。  で、これを、自分たちの国だけでこれを対抗するのではなくって、もっとやっぱり世界が連帯して、あるいは数か国と連帯して、何かしらこの返り血を少なくすることができないのかということと、最後の質問なんですが、先ほどの、また廣瀬先生のお話で申し訳ないんですけれども、やっぱりウクライナを支援することがいけないんだという、アフリカの方でもそういう考えが出てきているということは、やっぱりこのままロシアが行き続けて、軍事侵攻をやめないとなると、世界的に戦争が広まってしまうのではないかというふうに、そういう恐怖感を私は持っております。  そうならないようにするために国がどうしたらいいのかということと、それから、私たち国民一人一人がどのように考え、行動すればいいのかということを先生にお考えをお聞きしたいと思います。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) 御質問ありがとうございました。  三点ありましたけれども、ほとんどつながっているお話と思いますので、一つにまとめて回答させていただきたいというふうに思います。  その資源を輸出している国に対して経済制裁で打撃を与えるということ自体がかなり元々非常に難しいということで、まあ逆兵糧攻めといいますか、そもそも返り血を浴びないと制裁することができないという構造的になっていますので、質問にお答えしますと、私の最後の結論にあったように、消費量を減らすか、若しくはロシア以外の石油生産量を増やすかの二つしかないんですね。  で、ロシア以外で石油生産量を増やす余力がある国といいますのが、大体中東とあと最近では南米になります。特に中東は、開発がちょっと投資が少ないところが多かったので、そこを積極的に開発すればある程度は代替できる可能性というものがあるんですけれども、まずはその中東産油国というのは基本的に国有企業がやっておりますので、そこに、あと脱炭素の流れの中で政治的にどこまで中東への石油開発投資を促進するということが実現できるかということと、先ほどから言っているように、各国が自国の石油消費量自体を減らすことでロシアから買わなくてもいい社会を構築していく。まあ、それは一朝一夕にはいかないんですけれども、そのような形でしかロシアの輸出量を減らすことによる経済制裁ということは実現できないというふうに考えます。  そういったことを通じて世界の平和に貢献するということがエネルギーの側面から言えることは、そういう消費を減らしてロシア以外での開発を正当化するということになるかなというふうに思います。

広瀬めぐみ自由民主党

○広瀬めぐみ君 ありがとうございました。大丈夫でございます。  では、もう一つ、廣瀬参考人にも質問をしたいんですけれども、よろしいでしょうか。済みません。  廣瀬先生の今日のお話の中には余り出てこなかったんですが、ほかの論文を私読まさせていただいたときに、結局、今回のそのロシアがウクライナを侵攻したということが、ある程度ロシアが外交的な成功を収めていたのにもかかわらずその戦争に踏み切ったことが非常に不合理であって、結局、プーチン自身のその不合理な感情を先行させて今回の侵攻に至ったんではないかというふうに先生はおっしゃられていたかと思います。  で、この先の先生のその調査というか研究として、プーチンの個人的な感情に基づいて行われたもので、その指導者の個人的感情に注目すること、そして感情を揺さぶる要素との関係性を分析することが肝要であるというふうに述べられていたと思うんですが、具体的に、こういうその客観的な研究というのはどのような研究になるのか、そしてまた、この研究がされた場合に今後その結果をどのように生かしていくのかをお聞きしたいと思います。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) 御質問ありがとうございます。また、私の論文を読んでいただいてありがとうございました。  今おまとめいただいたとおりの内容のことを私が書いていたわけなんですけれども、やはり普通に合理的に考えますと、プーチンの今回の侵攻というのは全く説明の付かないものでありました。そのためには、やはりどういう契機でプーチンがそういう心情に至ったのかということを分析していくことがまず大事だと思うんですけれども、少なくともプーチンは就任直後ぐらいは欧米のことを嫌ってはいなかったんですね。少なくとも二〇〇三年ぐらいまではNATOに入ろうとすらしていました。  特に二〇〇一年のあの米国同時多発テロの後というのは、NATOと非常に緊密に協力をしてアフガン政策もやっていて、自国の勢力圏にある中央アジアの空軍基地を差し出すほどやっぱり非常に近い状況にあったわけですが、それが変わっていったのが、やはり二〇〇三年、二〇〇四年のいわゆるカラー革命であったというふうに考えまして、で、その頃からやはりプーチンのいろんなその対応の仕方は確かに変わってきていますし、未承認国家、つまり、未承認国家というのは国家の体裁を整えながらも国際的に承認を受けていない地域でして、ロシアが旧ソ連地域の勢力圏を維持するためにかなりその未承認国家の要素を使っているんですね。  国際的に見れば未承認国家というのはある国の一部なわけですけれども、そこに直接ロシアがてこ入れをすることによって、ある国の政治をばらばらにすると。具体的には、ジョージア、アゼルバイジャン、そしてモルドバなどでやり、また、二〇一〇年以降はウクライナについても同じようにというようなことになっていったわけですけれども、それに対する戦略というのもやはり二〇〇三年以降変わっていったと。  で、特に、ウクライナのクリミア侵攻を二〇一四年にやったわけですけれども、クリミア奪還を決意したのが二〇〇四年、つまりウクライナでオレンジ革命が起きた年かららしいんですね。そこから、政治技術者という、いろんなところに送り込んで、そこの住民の考え方を洗脳していくような人たちをクリミアに送り込んでいったということが分かっています。やはりそうやって何か起きたときに新しいことをしているというのがいろいろ、後知恵的なんですが、分かってきたんですね。  で、特にプーチンが自分の気持ちを揺さぶられてきたというのが、カラー革命以後、例えばアメリカのミサイル防衛システム網の発展であるとか、あとNATO拡大ということもありましたし、それから、いろんな核兵器削減、廃絶に関する様々な交渉の中でもアメリカに対する不信感を高めていったということもあったんですが、その二〇〇三年、四年の次には、やはりどんと来たのが二〇〇八年だったんですね。  二〇〇八年には、まず二月にコソボが独立をするということがありまして、コソボの独立というのは一見ロシアにそう関係なさそうなんですけれども、しかし、ソ連とユーゴスラビアが解体したときに、ウティ・ポシデティス原則といって、かつて連邦を構成していた共和国の国境線を維持するという約束が持たれていたわけです。しかし、コソボを独立させるということは、本来セルビアの一部であるコソボの独立を認めるわけですから、セルビアの国境線を脅かすことになるんですね。そのルールがもし旧ソ連に適用された場合には、旧ソ連の今まで未承認国家としてロシアが利用していたところが全部合法的に独立してしまう可能性があるということで、あと、少数民族問題がかなり厳しい中国も非常にこれ嫌がりまして、中国、ロシアが物すごい反発をしました。  そういうこともあって、そこでまたいら立ちが上がったんですけれども、更にプーチンを刺激したのが同じ年の四月でして、そのときに、その当時大統領だったアメリカのブッシュ大統領が、ウクライナとジョージアに対してNATOの加盟をするための登竜門とも言われている加盟行動計画、MAPを適用しようという話をしました。これはロシアは非常に怒りまして、やはり旧ソ連がNATOに入るということは一番もう彼にとっては嫌なことなんですね。  もちろん、二〇〇四年にバルト三国が入ってしまっていますけれども、バルト三国というのはロシア帝国には入っていなかった領域ですし、明らかに若干ほかの旧ソ連諸国とは位置付けが違いますし、特にウクライナの位置付けというのはやはりロシアにとっては別格でして、そこがNATOに入るという前提をつくられてしまったということに非常にいら立ち、ただ、そのときは、二〇〇八年四月に議論が出たんですけれども、ドイツとフランスが気を遣って、今決めずに……

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 廣瀬参考人、申合せの時間が来ておりますので、少し簡潔におまとめいただけますか。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) 済みません。そうですね、はい。  ということで、その年に起きたのがジョージア戦争だったわけです。ジョージア戦争が起きて、でもそのジョージア戦争に対する制裁というのはほとんどなく、しかもその翌年にアメリカはもうリセットしちゃったんですね。それがやっぱり大きな間違いになっていって、そこからやはりプーチンのもう武力でやらなければいけないという引き金がどんどん引かれていったというふうに思われます。  ですので、やはりいろんな彼の感情を刺激した契機というのを一個一個丁寧に見ていけば、今回のことはもしかしたら予測できたかもしれないということを後知恵的に考えております。  済みません。失礼いたしました。

広瀬めぐみ自由民主党

○広瀬めぐみ君 ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  村田享子君。

村田享子立憲民主・社民

○村田享子君 立憲民主・社民の村田享子と申します。  今日は、参考人の先生方、どうもありがとうございます。  それでは、まず白石参考人にお話をお聞きします。  先生の一ページ目のお話の中で、これからもエネルギー価格の高騰、まあ高止まりと想定をされた方がいいというようなお話がありました。今、日本でも本当に、家庭もそして企業も高止まり困っております。本当に政府として、国として、どれぐらいこれが続くのかと想定しておけばいいのかということと、あわせて、その次に、世界はロシアのエネルギー資源を買う国、買わない国に二分されているということなんですが、この状況というのはロシアのウクライナ侵攻が終わった後も続くものなのか、また、終結のやり方次第によってはまたこれも変わっていく動きなのか、この二点について教えていただければと思います。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) ありがとうございます。  まず最初に、是非申し上げたいことは、未来はこういうことについては分かりませんので、私の発想というのは常に最悪の場合を考えておいた方がいいという、そういうことで申し上げております。  ですから、エネルギー価格が乱高下していることは事実ですけれども、私の方からすると、安くなったから良かった、何もしなくていいということではなくて、これから先も相当長い間エネルギー価格というのは高いところにとどまり続けるだろうということで、日本のエネルギー戦略については考えるべきだろうと。その場合に、短期と中長期でどう考えるかというのは先ほど申し上げたとおりでございます。  それから、ロシアの侵略が、ウクライナ侵略が終わったらどうなるんだ、これももちろん分かりません。分かりませんが、今の非常に大きな世界的な趨勢から申しますと、私は、ロシアが何らかの形でウクライナ侵略を諦めたとしても、それで中国とロシアが現在のいわゆる国際秩序、自由主義的な国際秩序に対する挑戦をやめるとはなかなか考えにくいというのが私の考えているところでございます。  むしろ、それよりは、先ほど大場先生の話もありましたけれども、世界というのは非常に大きく申しますと三つに分かれてきている、三つないし四つに分かれてきているんじゃないかと。  一つは、日本、アメリカ、あるいは欧州の、言わばアメリカの同盟国の、日本も含めた同盟国と戦略的パートナーの国々です。  二つ目は、中国、ロシア、さらにはイラン、北朝鮮等ですね、今の国際秩序そのものに挑戦している国。  それから三つ目、これ、私、三つか四つかと申しましたのは、いわゆるグローバルサウスというふうに最近言われて、私自身は余りこの言葉は役に立たないと正直なところ思っていますが、これはどういう意味かというと、新興国と途上国では随分やっぱり性格が違いまして、インドだとかあるいはインドネシアだとかブラジルだとか南アフリカだとかという、こういう新興国というのはやはり非常にナショナリズムが強うございますんで、自国の利益になることであれば、決して、グローバル化のこの国際秩序というのから恩恵は非常に大きく受けているんだけれども、別にそれを支えようとはしないと。それに対して途上国というのは、もっと所得も低くて、かなり違う開発の問題に直面していると。  こういう全体のその大きい趨勢を考えますと、なかなかロシアのウクライナ侵略が終われば元に戻るとは考えられない、むしろこれをきっかけにして、エネルギー転換を進めるべきだというのが私の考えでございます。(発言する者あり)

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 指名を受けてから御発言してくださいますか。  村田享子君。

村田享子立憲民主・社民

○村田享子君 済みません。  ありがとうございます。  続いて、大場参考人にお聞きをいたします。  石油について、日本の中東依存度が高いということで、やっぱり日本の資源の輸入先をいろんな多角化するというのも一つ必要だと思うのですが、それに関連して、日本のロシアでのエネルギー開発についてお聞きをします。  今、サハリン1、サハリン2であったり、日本も投資をしているわけなんですけれども、やっぱり今こういった状況の中で、なぜ投資を継続するのかというような声もある中で、やっぱりこの事業についてどう考えていけばいいのかという御見解を教えていただければと思います。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) ありがとうございます。  純粋にその資源供給だけを考えれば、日本はロシアでのエネルギー開発の歴史、非常に長いので、下手すると六〇年代ぐらいから挑戦していると言ってもいいかもしれませんけれども、それで、ようやくその輸出ができるようになったということを考えますと、特に関係者を中心に絶対死守という気持ちというのは当然あると思うんですけれども、昨年のG7の宣言の中で、日本は天然ガスも含めて、ロシア産のエネルギー輸入は、どういう言い方だったかな、少なくとも、当面、いずれはやめるということを宣言しておりますので、まずはその宣言を撤回しない限り、エネルギー資源開発の継続を政治的に正当化するということは非常に難しい状況にあるということは言えると思います。  つまり、G7を中心とした西側諸国のロシアに対する結束ですね、それが日本の、東アジアの安全保障上、将来のですね、非常に重要だという中長期的な政治判断が重要だというふうに思えば、先ほどのG7の日本のロシアに対するエネルギー開発の宣言というのを撤回するというのはかなり難しいのではないかなというふうに考えておりまして、したがいまして、すぐにはやめないというふうに言っていますので、それが輸入の継続を意味しているのか、開発の拡大も含むという解釈ができるのかちょっと分かりませんけれども、いずれにしても、今の日本の国際社会上の立場において、ロシアのエネルギー開発をより拡大するということを進めていくのは非常に難しい立場にあるというふうに考えています。

村田享子立憲民主・社民

○村田享子君 ありがとうございます。  関連して廣瀬参考人にお聞きしたいんですけれども、こういった、ロシアにとってこの日本のこういったエネルギーについてどういったふうな考えているのか、日本がロシアのそういった開発をすることについてどう捉えているのかというのを教えていただければと思います。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) ありがとうございます。  ロシアは、日本に対しては表向きには非常に厳しい態度で迫っておりますし、勝手に出ていくなら出ていけというような姿勢を示していますけれども、実はロシアは、非常に石油、天然ガスの採掘の技術がまだ未熟であるために、やはり欧米のサポートというのが非常に重要なんですね。特に北極圏に行けば行くほど彼らだけでは非常に採掘が困難という状況にありまして、例えば、サハリン1、2からやはりイギリス、アメリカが撤退というのは、実は彼らにとっては相当厳しいところでありまして、実はあれから生産が物すごく落ちてしまっているんですね。  ですので、日本に対しては決して残ってくださいというようなことは言わないですけれども、言わないですし、むしろ日本が出ていったらすぐに中国やインドに権益を譲るんだというような非常に強気の態度で示していますけれども、本心としては日本に是非とも残ってほしいというところだと思いますし、ヤマルの方でも日本は権益を持っていますけれども、そちらは何としても残ってほしいと思っていると思いますが、表向きは言わないと思います。

村田享子立憲民主・社民

○村田享子君 以上です。どうもありがとうございます。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  河野義博君。

河野義博公明党

○河野義博君 公明党の河野義博です。  今日は、参考人の先生方、大変貴重な御意見をありがとうございました。  順に質問させていただきたいと思います。    〔会長退席、理事佐藤啓君着席〕  まず、白石先生に伺います。  プレゼンの内容が非常に政府方針と軌を一にする内容だったと私は感じました。自給率は高めていかなければなりません。そして、そのことによってカーボンニュートラルを実現させ、同時に経済成長を成し遂げるという、この三つの目標を同時に達成させることが非常に大事だと私は考えています。  昨年の化石燃料輸入、鉱物性資源の輸入額は三十三・五兆円でありまして、昨年度の日本の税収六十七兆円ですから、ちょうど税収の半分の金額に当たる化石燃料を輸入しているということでありまして、この数字だけを見ても、やっぱり一次エネルギーの自給力の向上というのが必須であるということは論をまたないと思っておりますし、使う方の二次エネルギーを電化していく、先生が今御発言いただきましたけれども、そのことの重要性というのも論をまたないんだろうというふうに思っております。  大切なことは、これ、国の形を変えるいいチャンスだと思っていまして、カーボンニュートラルを実現させることによって国のこれまでの根本的な仕組みを緩やかに変えていくんだと、その方向性示していくということは大事だと思っているんですが、先生の二ページ目、括弧四のところで、自給率向上とサプライチェーンの強靱化の点で触れていただいていますが、再エネコストの低い信頼できるパートナー国で水素を作って輸入するということを書いていただいています。  御案内のように、中東ではもう太陽光の発電コストなんて二円台でありますし、もう一円台のところもあるかもしれません。圧倒的にコストが安い国で再エネからグリーン水素を作って輸入するという考え方も一つあろうかと思いますが、私は、これまで申し上げてきたことは、やはりそれを日本国内でやるべきだと思っています。  いつまでも買っていれば、買い続けていれば、この国の形は変わらない中で、かつ、水素、アンモニアの需要が今急激に伸びているかというと、そうではない。需要と供給を両方とも伸ばしていく中で、やはり時間が掛かるからこそ、私は、国内でこのグリーン水素に大胆に投資を振り向けて政策のあらゆるツールを導入していくべきだと私は考えているんですが、経済産業省もまずは輸出ですというスタンスにおりまして、そこ私は意見が一致しないんですが、先生は国産アンモニア、水素についてどのようにお考えか、まず、それを増やしていくためにはどういうことが必要か、もし御示唆をいただければと思います。    〔理事佐藤啓君退席、会長着席〕

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) 非常に難しいある意味では問題だろうと思います。  非常に簡単に申しますと、国内で再エネのために大いに投資すべきだし、研究開発にも大いに投資すべきだと、これはもうそのとおりだろうと思います。ただ、それだけでは恐らくいずれにしても足らないですし、やはりコストの問題というのは日本の産業競争力そのものに直結する問題ですんで、ですから私は、国内と同時に海外でもやるべきだというのが基本的な私の考えでございます。  ただ、その場合に、海外ということでどこを意味するのかということでございますが、先ほど自立性、エネルギーにおける自立性の問題も少し議論が出ましたけれども、私は、もうグローバル化の時代は終わったと、むしろこれからは、ちょっと英語になりますけど、ミニラテラリズムの時代、つまり、信頼できる国と事実上連携しながら安全保障あるいはサプライチェーンの強靱化等を全部確保する時代に入ってきているんじゃないかというふうに考えております。  その一つの例が、例えば最近の半導体の装置の例でございますけれども、再生エネルギーにつきましても、やはりコストの安いということは、例えば具体的に例挙げますとオーストラリアのようなところと、これもうオーストラリアというのは事実上日本にとっては安全保障上の非常に重要なパートナーとなっておりますんで、そういう国と協力しながらやはりコストの安いその再エネを生産していくということが、日本の国内での再エネ投資と同時に非常に重要だろうというのが私の考えでございます。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。  次、大場先生に伺います。  中期的に見て化石燃料資源を確保していくというのは非常に大切だと思っています。カーボンニュートラルやるにも、いきなり再エネじゃ賄えませんので、徐々に変えていく必要がある中で、上流権益の投資というのは非常に大事だということは、ロシア、ウクライナ侵略前から言われていたことであります。  で、この侵略を端緒にそれが顕在化し、そして、政府を挙げて今しっかり、このトランジッションの波でなかなか民間投資がやりにくい、だからこそやっぱり政府が後押しをしていこうということで上流開発に力を入れているところでありますが、ガス会社さんが上流権益を手放すということも起きています。オフテーク契約が残っているから根っこの部分は売っても構わないということのようですが、これ、先生自身、この件についてどのようにお考えでしょうか。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) ありがとうございます。  その化石燃料の上流投資が重要ということなんですけれども、今日私が説明しましたとおり、石油とガスと、そして石炭についても、全くその国際社会においての意味合いというものが違います。例えば、そのロシアに対する制裁という意味では、より石油開発の意味合いというのが強いですし、御質問にあったように、天然ガスという意味においては日本の電力について重要ということで、まず意味合いが違うということはまず先に申したいと思います。  その上で、昨今、日本の電力・ガス事業者がLNGの長期契約をやろうとしないという問題、これは経済産業省も非常に重要視しているところなんですけれども、私の考えでは、将来の日本の天然ガスの需要の見通しが立たないということが長期契約を各事業者が渋っている最大の要因ではないかなというふうに考えています。  つまり、長期契約したものの、それが必要ないとなってしまうことが非常に大きなリスクになっているというのが今足下に起きていることでして、それがなぜ起きているかというと、その最大の要因は、いつ原子力発電所が何基稼働しているのかが全く読めないという事情があります。つまり、長期契約、五年、十年、二十年といろいろありますけれども、十年後に果たして日本で何基の原子力発電所が稼働しているのかということが全く読めないという状況の中で、仮に今の稼働率を前提にガスの需要を見通して長期契約してしまうと、十年後に原子力発電所がたくさん稼働していたときにそのガスはもう要らないという可能性が今十分にあるという状況の中で各事業者にそのリスクを取れというのは、まあ一民間事業者としてかなり厳しいというものがあります。  したがいまして、今日先ほど来からの申し上げているように、グローバルな意味での化石燃料の投資促進ということではなくて、日本の電力政策ということに考えてみますと、日本のその長期契約の比率を上げるためには今まさに政府が取り組んでいる原子力の予見可能性を高めるということが最も重要で、逆に言いますと、それが何年に何基というのがある程度マーケット関係者が信じられるようになると、それに応じた長期契約というものが、まあそれほど増えないかもしれませんけれども、必要な分のものがなされるということになるのではないかなというふうに考えています。

河野義博公明党

○河野義博君 もう少し大丈夫ですか。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) あと一分ぐらいあります。

河野義博公明党

○河野義博君 最後に、済みません、廣瀬先生に端的に、今のロシア、ウクライナ侵略、終結のシナリオをどのように考えておられるのか、それをお聞かせください。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 廣瀬参考人。簡潔にお願いいたします。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) ありがとうございます。  大変残念ながら、現状ではなかなか終わりというものが見えておらず、ウクライナもロシアも絶対に負けられない戦争になっていますので、一番可能性として高いのが、相当長期化するとともに、凍結された紛争になる可能性が極めて高いと。それは、停戦を一度やっても、またちょっと時間がたつとお互いに兵力をかなりまた増強させて、そしてまたちょっと紛争が、戦争が起こると、そういうことを繰り返していく可能性というのが一番高いように思います。  仮にプーチン大統領がいなくなれば終わるというような議論がありますけれども、その可能性は非常に低くて、というのは、ロシアの国内の中で非常に過激派な人と和平派みたいな人がやっぱりいまして、プーチン大統領はむしろど真ん中辺りなんですね。そういう中で、今後、そのむしろ過激な人たちがプーチンの後継者になった場合はより激しい反応が起こり得ますし、また、ロシア国民の非常に大多数がまだ、少なくとも七割ぐらいがプーチンを支持していますし、戦争についても、六割が欧米のせいであって、一三%がウクライナのせいであって、ロシアのせいであるというふうに言っているのが七%しかいないという中では、今後もやっぱり欧米の責任にする、つまり強い大統領を選んでいく可能性が非常に高いと思いますので、非常に早期の良い終わり方というのはなかなか望めないかと思います。

河野義博公明党

○河野義博君 ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  梅村みずほ君。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほと申します。  本日は、参考人の三名の先生方、それぞれのお立場から豊富な御見識を共有くださって、誠にありがとうございます。  まずは、白石参考人にお伺いしたく存じます。  このウクライナ、そしてロシアの情勢を見ますと、本当に世界秩序の崩壊の端緒を見るような気持ちでして、これから世界第三次の世界大戦が起こるのではないかというふうに危惧する方々も世界中にいらっしゃる、固唾をのんで今後を見守っているという状況であろうかと思います。  我が国日本においては、いつ起こってもおかしくないと言われるような台湾有事、いわゆる第一列島線が脅かされるというリスクと隣り合わせになっておりまして、もちろんネガティブシナリオを読んでおくというのは非常に今後大切なことなのではないかと思います。もう決してウクライナ、ロシアの情勢というのは対岸の火事ではないということが多くの日本国民にとって知れ渡っているわけでございますけれども、ちょっと今日は恐ろしいことを聞くようではありますけれども、この台湾有事というものが起こった場合に、このエネルギーの問題、地政学的な観点、もちろん含めまして、中東へのエネルギー依存が今後進んでいくであろうとなると、やはりシーレーンはどうなるのかというような懸念も出てくるかと思いますけれども、総合的に台湾有事の際のネガティブシナリオについて、御懸念点、ポイントを教えていただければと思います。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。非常に難しい問題です。  私自身は、台湾有事というのはほぼ確実に、確率からいいますと、恐らく九九・九%以上の確率で日本有事になるというふうに考えております。ですから、あらゆることを今、日本の安全保障のためにすべきだと。シーレーンに限りません。自助、それから共助、これはアメリカとの同盟、さらにはオーストラリア、イギリス等との事実上のパートナーシップ、さらにはこの地域の戦略的なパートナーとの協力関係の強化、当然シーレーンも含めて、日本としてできることは全てしておくときに来ているということが第一点でございます。  第二点目は、台湾有事というと、もう既にその平時に対する有事という形でよく考えられますけれども、恐らくまず起こるのはグレーゾーン事態だろうと思います。ですから、グレーゾーン事態に対してどう対応すべきかということを二つ目に考えておく必要があるだろうと。  それから三つ目に、これは私自身、ロシアのウクライナ侵略から学んだことでございますけれども、実はロシアは、アメリカとの核抑止を非常にうまく使いまして、ウクライナへの侵略戦争というのを限定戦争化しております。アメリカもそれ以外のNATOの国々も武器の援助、軍事援助はしておりますけれども、直接は参戦できない、それはやはり核戦争へのエスカレーションの危機が非常に大きいからでございます。ですから、台湾有事の場合にも、中国がこの限定戦争化を考えるということをもう既に織り込んだ上で日本としても考えておく、対応しておく必要があるだろうというふうに考えております。  この三点ぐらい、是非考えていただければと思います。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 ありがとうございます。このテーマになると、先生に別途最低一時間は御講義の時間をいただかなくてはいけないだろうと思うところなんですけれども、ポイントを三つ絞ってお伝えくださり、ありがとうございます。  まさに安全保障の問題とエネルギーの問題というのは一にしているという認識なんですけれども、白石参考人にお伝えいただきました一つ目のポイントの中に、戦略的なパートナーとしっかり連携していくという重要性をお示しいただきました。  そこで、大場参考人にお伺いしたいと思います。  大場参考人のお話の中でも韓国のお話が出てきました。エネルギー自給率も低く、そして食料自給率も低いという、我が国と似たような特徴を持つ国ではありますけれども、そういった韓国を始めとしまして、この資源貧国として似たような環境にある他国で参考になるような政策などを御存じでしたら、御教示いただきたく思います。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) ありがとうございます。  韓国も東アジアの中では対ロシア制裁に一応参加している国ではあるんですけれども、最近の統計を見ますとロシアからの石油輸入というのを継続しておりまして、何て言ったらいいんですかね、日本ほどは積極的に経済制裁に参加していない国ということが言えると思います。  そうですね、参考になる国というものが、日本と立場が似ている国というものが残念ながら存在しないというか、日本というのはアジアで唯一のG7加盟国でありまして、という意味でもアジアで非常に特殊な立場を取っています。先ほど申し上げたように、ロシアからのエネルギーは将来的に輸入しないということを宣言している唯一のアジアの国でもありますので、そういった意味で直接参考になる国というのは実は存在しないのではないかというのが私の考えで、そういう意味でも、とかく日本といいますのは、参考になる国を探してそれをまねをするということが常套手段なわけなんですけれども、この状況におきましては、まさに日本は自分の国だけが置かれた立場ということを、ほかの国にどうすればいいかということを聞くのではなく、自分の国の問題として考えざるを得ない状況にあるというふうに考えるべきだというふうに思います。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 まさに我が道を探さなければいけないという中で、現下の状況を招いているというのが、日本がまさに安きにありて危うきを想定できなかったということなのだろうと思っております。  で、韓国は日本ほどロシアに制裁を加えていないというところで、続いては廣瀬参考人にお伺いしたいんですが、思い起こされるのは、今日のお話の中で、制裁の返り血というところでございます。  じゃ、韓国よりも日本の方が制裁の返り血を浴びるのではないかというふうに危惧をするわけなんですけれども、このエネルギーの問題を契機に中国とロシアが今後一層緊密になっていくのではないかということで、先生からも、中国、インド、トルコを始めとしたロシアに制裁を掛けていない国との通商というようなものが盛んになるだろうと、そして、イラン、北朝鮮とは軍事的にもつながっていくだろうというところで、二極化を世界がしていく、分断に入っていくのではないかというところも恐怖心をあおるところでもございます。  今後、ロシアが今世界中のエネルギー状況をかき乱しているわけなんですけれども、中国にこのエネルギーのイニシアチブが渡った場合はどうなるんだろうというふうにエネルギーの素人としては思うわけなんですけれども、この辺り、ロシアと中国が緊密になっていってエネルギーのイニシアチブを握り始めるというような御懸念点やその周りの危惧というものがありましたら、お教えいただきたく思います。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) ありがとうございます。  中国とロシアの関係というのは、確かに緊密にはなっているんですけれども、非常にお互いに警戒心を持っているところもありまして、余りいろんな部分で緊密になり過ぎてもいけないというところを非常に微妙な感じで維持し続けているところがあるわけなんですね。  そういう中で、特に今まで中ロが踏み込まなかったのが軍事の分野なんですけれども、しかし、エネルギーについてはかなりお互いに協力関係を強めていまして、例えば、二〇一四年のロシアのクリミア侵攻の後にもそれまでの中では一番大きなディールを中ロ間で結び、そして、それ以後、非常にエネルギー関係というのは緊密になっているわけなんですけれども、他方、中国もロシア一辺倒になってはいけないというような危機感を持っているというふうに思います。というのは、やはり中国もロシアに全部の国の命運を奪われてしまうような状況というのは避けたいわけなんですね。なので、中国もいろんな国に多方面的なアプローチをして、例えば中央アジアなどからも非常に多くの天然資源を買っていまして、なるべく多極化することによってロシア一辺倒にならないような工夫というのをやっているように見えるんですね。  ですので、そういう見方からすると、恐らく、何かエネルギーをめぐって中ロが結託し、そこで何かを抱え込むようなことは恐らくなくて、よりお互いにリスクを分散化していくような可能性の方が高いというふうに思われます。

梅村みずほ日本維新の会

○梅村みずほ君 ありがとうございました。大変参考になりました。  先生方、本当に今日はありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  竹詰仁君。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 国民民主党の竹詰仁です。  参考人の先生の皆様、本日はありがとうございました。  まず、白石参考人に御質問させていただきます。  今日の資料の中で、再エネの主力電源化、そして電力のシステム再点検と原子力、このワードで教えていただきたいと思いますけれども、まず、カーボンニュートラルを目指すときに、先ほど電化という言葉も出てまいりましたが、今の電力需要よりも電化が進むと需要が大きく増えるという予測がされています。ですので、今日の電力需要を賄う供給力ではなくて、需要が伸びるという供給力を、需要が伸びることを前提とした供給力を確保するということがまず必要になります。  その上で、二〇五〇年を見渡しますと、太陽光パネルの寿命が大体二十年から長くて三十年と言われていますので、二〇五〇年のときには今の太陽光パネルは基本的にはないということになります。必ずどこかで一回置き換わっているという前提に立ちます。そして、原子力も仮に四十年運転を厳格化しようとすると、二〇五〇年のときは今の原子力は一基もないということになります。  その前提に立って、本当にその供給力をどのように確保するかという視点で御質問をしたいと思いますが、本当に、その再エネの主力電源化というのは、どんなイメージ、例えば今の太陽光パネルが何倍にもなるかとかですね、どういったイメージで、本当に主力電源化できるのか。そして、蓄電をしたとしても、この時期の北海道のように、もう一週間ずっと雪が降っているわけですから、一週間ずっと蓄電ができるという技術は二〇五〇年には私はないと思っているんですけれども、本当にその中で主力電源化というのができるのかというそのお尋ねと、原子力についても、本当に自由化、先ほどのシステム改革の中で自由化もありまして、売れるかどうかも分からない電気を、莫大な投資をして、電力会社が原子力に投資をするかというのは非常にはてなになっていますので、何らかの政府保証が必要とか、それを保証しない限り原子力発電というのが投資が進まないと、私はそういうふうに思っているんですが、この先生がお書きになった再エネの主力電源化、原子力発電、そして電力のシステム、今の自由化の課題を含めて教えていただければと思います。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) 非常に重要な質問でございます。  実際問題として私が考えておりますことは、例えば太陽光発電の場合にはかなり大きな技術開発が必要だろうと思いますし、それから、まだ日本では入っておりませんけれども、洋上発電というのも非常に重要になるだろうと。それから、原子力にしても、現在稼働中、あるいは現に既に存在、稼働はしていないけれども現在既にある原子力発電所よりも、むしろ新しい次世代の原子力発電所が重要になってくるだろうと。  ただ、私がここで常に考えておりますことは、こういうものを導入するには、開発におきましても、もちろんその設備投資をするにおきましても時間が掛かると。ですから、例えば原子力発電所がいい例ですけれども、今決めてすぐに入るものじゃないわけですね。今決めて、恐らく二〇三〇年代の半ばぐらいに動き始めればもうそれは非常に喜ばしいことだと、そのくらいの時間の幅で常に考えていく必要があるだろうと。  ですから、繰り返しになりますけれども、一方で、本当に技術開発のところに日本としてやはり相当投資する必要があります。同時に、長期を見据えた設備投資も必要です。これは、だけれども、民間だかに任せてはやはりできません。国が相当のリスクを取ってあげるということがあって初めて、私は、日本の民間セクターもこういう二〇五〇年カーボンニュートラルに向けた技術開発、さらには新しいタイプの再エネ主要電源化、原子力についても同じことが言えるんではないかと考えております。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 ありがとうございました。  続いて、廣瀬参考人にお尋ねします。  先ほど、ロシアが原子力を進めて、あるいは途上国にも進めようとしている話がいただきました。今、日本もその原子力発電を支えるサプライチェーンがもうぎりぎりの線だと思っています。すなわち、これ以上原子力を停滞させると、メーカーさんから始め、本当サプライチェーンがもう崩壊してしまうと、そういうふうに思っているんですが、今先生が見ている原子力を支える日本のサプライチェーンの体制をどういうふうに御覧になっているかということと、もう一つ、日本の場合は、原子力の事故があったときに原賠法のいわゆるその責任がございますけれども、仮にロシアが途上国に原子力発電所を輸出するなり技術提供するときのその賠償ですね、仮に事故が起きたときにどうやって、どの国が、あるいはその提供した側が賠償するのか。先ほど、処分の話は、ロシアに例えば最終処分地を持ってきてもいいぐらいの提案をされていると教えてもらいましたが、その補償とか賠償についてのお話も出ているのか。その二点、教えていただきたいと思います。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) 御質問ありがとうございます。  まず、原子力の、日本のサプライチェーンを私はどう見ているかということなんですけれども、やはり福島の事故があってからというもの、日本では原子力関係の企業というのが非常に経営していくのが難しくなりまして、それでかなり海外に今出ていると思います。海外に出た上で、例えばアメリカの企業などと、GMと例えば組んだりとか、いろんなところと組んだ上でやっている事業がかなり目立つわけなんですけれども、ただ、その上でも、かなり今難しくなっていまして、やはりこれ全般的にヨーロッパでも脱原発というところも進んでいます。  今回のウクライナの侵攻によって、また非常に電力問題が逼迫したことによって若干原子力に戻るという趨勢も今は見えていますけれども、非常に長いスパンでマクロで見ますと、やはり原子力産業は非常に尻すぼみが進んでいるように見えまして、例えば、リトアニアの案件で日本の日立が受注をしていたんですけれども、それも結局駄目になって、結局撤退せざるを得なくなっているということもありまして、つまり、日本が一回受注できているということは、やはりその日本の技術ということがかなり高く評価をされているということがあるわけなんですけれども、評価をされているということと、実際にそれが利用されなかったということの意味というのはかなり大きいと思いまして、つまり、やっぱりヨーロッパで新規に原発で売りに出るというのは結構難しいところがあるのではないかと。  そうなりますと、やはり途上国相手ということになってくるかもしれないわけなんですけれども、やはり途上国となりますと、ロシアの原発が非常に人気です。やはり安い割に非常に性能がいいということで、かなりいろんなところに今ロシア進出しておりまして、先ほど御質問のありましたその補償については実は私聞いたことがなくて、あと、今のところ事故ということも聞いたことがなく、チェルノブイリの事故はありましたけれども、あれは旧ソ連圏内でしたので特に補償という問題もなくでしたけれども、そのチェルノブイリ型の原発をそのまま今使っているのがアルメニアなんですけれども、アルメニアも毎年ちゃんとIAEAの査察を受けて、きちんと一応安全な運転ができているという一応の建前で、ヨーロッパは閉めろ閉めろと言っているんですけれども、やっているということもありまして、そういう意味では補償に至らないような一応ケアをしている可能性が高いのではないかというふうに思われます。

竹詰仁国民民主党・新緑風会

○竹詰仁君 時間参りましたので、ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  吉良よし子君。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。  今日は、三人の参考人の皆様、貴重な御意見聞かせていただいて、どうもありがとうございます。  それでは、初めに廣瀬参考人に、この今の戦争を止めるために日本が果たすべき役割について伺いたいと思うんですが。  ロシアによるウクライナ侵略が始まってからもうすぐで一年がたとうとしているわけですが、このロシアの侵略行為というのは、世界の平和と進歩への逆流となる大国主義、覇権主義によるものであり、絶対に許すことはできないと思うわけです。そもそもロシアは旧ソ連の時代から、スターリンを始めとした歴代指導部による他民族への侵略、抑圧、繰り返した歴史があるわけです。私たち日本共産党は、創立から百年の間、こうしたロシアやソ連も含むいかなる大国の覇権主義も許さない立場に立ってきました。今回のロシアの暴挙に対してはもちろん、旧ソ連によるチェコスロバキア、アフガニスタンに対する武力侵略に対しても毅然と批判をして、即時撤退と民族自決の尊重に基づく解決を求めてきたところです。  そして、あらゆる紛争を平和的手段で解決することを目指すべきだというのが我が党の主張なわけですが、昨年十月の国連総会でも、ウクライナの主権と領土の保全の尊重を大前提に、緊張緩和や政治的対話、交渉、調停及びその他の平和的手段による平和的解決を支持することを各国政府などに求めるその国連決議に過去最高の百四十三か国が賛同しました。  やはり、今この戦争を止めるためには、こうした国連憲章の立場に世界各国が団結して、その決議に基づいた平和的な解決に向けて努力することが重要じゃないかと思うわけですが、参考人はこの平和的解決のために日本が果たすべき役割というのをどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) 御質問ありがとうございます。  非常にすばらしい立場で共産党さんもこれまでソ連、ロシアの暴挙に対していろいろな対応をされてきたということを改めて認識いたしましたけれども、やはり今回のことにつきましては、ロシアはロシアの論理でというところがありまして、今民族自決ということをおっしゃいましたけれども、まさにロシアが今回ついているのはそこなんですね。  ウクライナ東部二州の住民の、つまりロシア語話者の人たちがウクライナのネオナチに、まあネオナチではないんですけれども、にじゅうりんされているというところから戦争が始まっていて、そういう意味では非常に厄介な価値の分断ということがございまして、やはりその価値の問題が今御質問になった点の非常に大きな部分を占めているように思います。  というのは、国連のいろんな決議で、全ての決議において、ロシアに対してかなりの多くの国がロシアの非常に蛮行に対してノーを突き付けたというのは明らかなことなわけなんですけれども、ロシアに関わるその国連決議、四回見ていきますと、その三回目が、その価値に関わるところがありまして、つまり、ロシアを人権委員会から外すかどうかという決議についてはかなりの国が反対をしているんですね。となりますと、ロシアのその力による現状変更には反対だけれども、価値観をめぐるところについては触れたくないという国がいかに多いかということがそこからも見て取れるわけです。  やはり世界全体がその平和的に解決というところになりますと、その価値の問題からしてある程度我々のその価値とか法の支配とか、そういうものを共有できる段階というのが来ないと世界での平和というのはなかなか望めないと。それがない限りやはりいろんな分断というのが続いていってしまうのではないかと思うわけですが、そういう中でも日本ができることというのは、今年、今、日本はG7の議長国でありますし、日本がその発信できるメッセージ、今年は非常に多い年になると思います。  そういう際に、やはり日本がこれまで、日本も歴史的に間違いを犯したこともありました。そういう日本が今はこうやって平和を訴えているんだというところからして、やっぱり世界に訴えていくということが大事ですし、ウクライナの戦争については日本は武器の供与もできないですし、やれることは限られていますけれども、ウクライナを強くサポートする、サポートするに当たってG7を中心とした価値を共有する国々との連帯を強くしてそれを世界に見せていく。そしてウクライナについては、現状を支えることと、あと、戦後復興の問題でやはり日本は一番大きなプレゼンスを示せると思いますので、その辺を含めた形で世界に訴えていくということが大事なのではないかと思います。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 ありがとうございます。大変参考になりました。  次に、白石参考人、大場参考人、廣瀬参考人、三人の皆様それぞれ、全てにお聞きしたいと思うんですが。  先日、二月六日の衆議院の予算委員会で、我が党の穀田議員の質問に、防衛大臣が、日本が集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行い相手国から報復攻撃を受けた場合、日本に大規模な被害が生じる可能性も完全に否定できないということを答弁、認めました。そういう大規模な、日本に大規模被害が起きるような攻撃を起こさない、そのための外交努力っていうのはそういう意味でも本当に大事だと思うわけですが、もし万が一、防衛大臣も認めたような大規模な被害が日本で起きてしまったと、もし他国から攻撃を受けるような事態に陥った場合、どういう被害が想定できるかというところでいえば、例えばロシアが昨年の侵略開始直後、稼働中のサポリージャ原子力発電所を攻撃した、このことは本当に衝撃だったと思うわけです。  万が一、日本が他国から攻撃を受けるような事態になった場合、このウクライナのように原子力施設が攻撃される可能性否定できないのではないかと思いますが、この原子力施設に対する武力攻撃の可能性や危険性について、参考人の皆様どのようにお考えか、お聞かせいただければ幸いです。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 時間も限られておりますので、ごく簡潔にそれぞれお答えいただけますか。  白石参考人。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) 大規模な攻撃で原子力発電所が対象になる、ターゲットになる可能性っていうのはもちろん否定できません。ですから、最悪の事態を考えてできる限り堅牢にしておくということがやはり国としての責任だろうと考えます。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) 原子力に限らず、どこも大規模な攻撃を受ける可能性があるというふうに思いまして、特に心理的な影響は大きいかもしれませんけれども、そうですね、白石参考人と同じですね、守る方法を重視する以外に方法はないというふうに考えます。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) ちょっと別の見地から発言させていただきたいんですけれども、何も戦争が起きなくても原発は常に危機にあります。  例えばですけれども、サイバー攻撃が原発に仕掛けられた場合に、非常に未曽有の災害がそこから起きる可能性というのはありますし、誰がやったのかも分からないままに原発が突然止まるという可能性というのも常に日本は考えて、サイバーの面などでも非常に注意して準備をしておくということが大事だと思います。

吉良よし子日本共産党

○吉良よし子君 大変ありがとうございました。  やはり原発というのは様々な危険性が伴う施設だなということを感じました。どうもありがとうございました。  以上です。終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  舩後靖彦君。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 れいわ新選組、舩後靖彦でございます。  本日は、参考人の皆様、御多忙の中、御出席いただきまして、本当にありがとうございます。  私は、ALSという難病により全身麻痺で、喉に穴を空けて人工呼吸器を付けており、声を出すことができません。このため、パソコンによる音声読み上げで質問をさせていただきます。聞きづらい点もあるかもしれませんが、御容赦いただければ幸いです。  まず、白石参考人にお尋ねします。  白石参考人は、日本は一国では自らの経済的な安全を確保できない、信頼できる国や企業、研究チームとの連携が基本であるとした上で、研究機関やチームの技術開発、共同研究の状況など、経済安全保障政策のための調査研究を任務とするシンクタンクさえないと指摘しています。  各国、特にASEAN諸国との連携強化のために日本としてどのような働きかけを行うべきなのか、また御指摘のシンクタンクについてどのようなものが必要と考えておられるのか、お示しください。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。  まず第一に、経済安全保障については、先生方御承知のとおり、法律の立て付けから申しましても、戦略的な自律性と戦略的な不可欠性、この二つをどう確保するかということが課題になっております。  私は、戦略的自律性はもちろん重要で努力すべきだと思いますが、日本の経済的な規模が、かつてに比べますと、もう既に世界のシェアからいいますとかつての三分の一になっていて、五%くらいになっております。しかも、日本の企業も含めてサプライチェーンは国際的に広がっていると。そういうことを考えますと、信頼できる国、企業と連携しながら、同時に、しかし、外されないように、非常に重要な部分は日本の企業あるいは日本の国が持っている、そういう仕組みをつくっていくことが経済安全保障の一番重要な課題ではないだろうかと考えております。  シンクタンクというのは、そういう戦略的不可欠性に関わる技術あるいは産業、そのサプライチェーン、こういうものがどこにあるのかと、それを強化するにはどうすればいいのかということを考える、で、政府に提言するというのが非常に重要なミッションだろうと考えております。  ASEANにつきましては、ASEANは現在の米中対立の中では決してどちらかの陣営にコミットしようというふうにはなかなか考えないだろうと。国によっては、確かにフィリピンのように、もう事実上、あっ、事実上じゃない、実際にアメリカの同盟国でありますし、そちらの方にかじを切っている国もございますけれども、多くの国はむしろ米中対立の中でできる限りバランスよく両方から利益を取りたいというふうに考えております。  ただ、同時に、実際に将来のこういう国の人たち、特にエリートが何を考えているかということを考える上では、私は、実は子供をどこで勉強させるかと、自国で勉強させるのは当然ですけれども、同時にどこに留学させるかということを見るのが実は非常に分かりやすい判断の基準だと考えておりまして、そういうふうに見ますと、実はやはりアメリカに留学させるというのが非常に多うございます。  残念ながら、日本に対する留学生というのは増えておりませんが、私はそこについては、これからは単に留学生、それも大学あるいは大学院の学生だけではなくて、むしろポスドクだとか、あるいは研究者、もう既に一人前の研究者になったとか、そういう人も是非日本に来ていただいて、まさにネットワーク的に連携を強めていくというのがASEANの場合には日本として関与する一つの重要な考え方ではないだろうかと考えております。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 ありがとうございます。  次に、廣瀬参考人にお尋ねします。  ロシアによるウクライナ侵攻からもうすぐ丸一年がたとうとしています。この戦争を終結に向かわせるため、国際社会はどのような働きかけをするべきなのか、戦争を終結するために日本としてはどのようなことができるのか、この二点について、廣瀬参考人の御見解をお聞かせください。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) 御質問ありがとうございます。  確かに、戦争が一年になりますけれども、どんどん長期化の様相を示していまして、なかなか終わらせることが非常に難しい状況にはなっておりますけれども、そういう中でも、国際社会というのは、今は残念ながらロシアに対して制裁を科し、そしてウクライナに対して支援をするということしかできない状況になっています。  というのは、どの国が、仮に例えばNATOなどがウクライナ側で参戦ということになったとしますと、それは第三次世界大戦になってしまうと。そういうことがございまして、非常に欧米も、いかにロシアに刺激を与えず、極端な刺激を与えず、そしてウクライナに何としても勝ってもらうかというところで、非常に加減をしながら支援を続けている状況です。特に兵器については、段階を経てだんだん攻撃のレベルの高い兵器の供与がなされていますけれども、とにかくそうやってウクライナに勝ってもらうしかないと。  残念ながら、現状ですと和平のための交渉を行うというのが非常に難しいところになっています。というのは、ウクライナ側はロシア兵が一人たりともウクライナ領に残っていない状態にならなければ交渉しないと言っておりますし、ロシア側はロシアの新しい土地、つまり二〇一四年に併合したクリミアと去年勝手に併合を宣言したウクライナ東部、南部の四州、これがロシア領であることを認めない限りは交渉しないと言っている関係で、交渉はまず難しいと。そうなりますと、ある程度この戦争での終わりということを想定するしか現状では解決が見えないところになります。  しかし、ロシアが非常に追い詰められて、仮に交渉に乗ってくるということがあれば、まあ、そこは世界がいかにロシアがまた新しい混乱の種にならないように、というのはですね、ロシアが仮に和平が起こった後に弱体化して、そこから多くの難民が出るであるとか、世界一の大きな領土ですけれども、それが不安定化して、世界にその不安定な状況が広まるということも避けたいと。いかにロシアを維持しながらこの平和な状態に、またノーマルな状態に持っていくのかというところではやはり国際社会ができる部分があると思います。  日本ができるところというのもまさにその部分でして、日本が一番できるところは戦後復興の部分ではないかと思いますし、また、現状での、この戦っているウクライナに対して様々な支援を行う。例えば、ウクライナから逃げてきた避難民に対するケアですとか、ウクライナに残っている方々への様々なケア。特に今は医療物資が非常に少なかったり、そして、ロシアによる攻撃によって電力システムがかなり破壊されていることによって相当寒い冬を経験しているわけですが、発電機を供与する、そういうところでウクライナを支えていくと。そういう、非常にできることが限られていますけれども、日本が平和的にできることを一つ一つこなしていくということなんだと思います。

舩後靖彦れいわ新選組

○舩後靖彦君 終わります。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  三浦靖君。

三浦靖自由民主党

○三浦靖君 参考人の皆さん、今日はありがとうございました。貴重なお話を聞かせていただきまして感謝申し上げます。  それで、私の方からは白石先生と大場先生にお話をお聞かせいただきたいと思っております。  お二人のお話というものの中には、中東への依存度が高まり過ぎておりまして、それに対する懸念であり、そして、エネルギー資源の分散化をしていかなければならない、ネットワークというものを形成しなければならないというお話でございました。  で、ちょっと視点を変えてお話を聞かせていただければと思っておりますのは、これまで我が国日本は、自国の資源開発に関して、まあ残念ながら、採算性、コストだとかですね、埋蔵量というようなものを理由に断念してきた経緯がございますけれども、これからの時代、また改めてそういった自国の資源開発、また新しいエネルギー資源というものをどういって考えていけばいいのか、御所見がございましたらお聞かせいただきたいと思います。お願いいたします。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) それでは、まず白石参考人。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) どうもありがとうございます。  今の先生の質問は、私は、基本的に技術開発でどういう考え方をすればよろしいかという質問と受け止めさせていただきました。  そういうことから申しますと、これから再生エネルギーにつきましても原子力につきましても相当技術開発というのは進むというふうに私は考えております。それは電池がいい例ですし、あるいは太陽光発電についてももう既にいろんな技術の芽は出てきております。ですから、こういうものを決め打ちせずに、できる限り柔軟にそのときそのときでどこが有望かということをやっぱり判断しながら投資していくと、で、技術開発を進めるということが非常に大事だろうと。  私自身は、その方向さえ国が決めれば、民間の企業はそれぞれいろんなもの、いいものを持っておりますんで、そこで投資を進めると思います。ですから、そこのリスクをどう、企業として取れないリスクもございますんで、そこのところをどう、何というか、リスクの低減を図るかということはかなり重要な国の役割になると考えております。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 次に、大場参考人。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) ありがとうございます。  こういうことをやれば実現できるということから申し上げますと、今、日本で再生可能エネルギーの資源開発のそのボトルネックになっているものは、先ほど来お話あるように、洋上風力開発というのが最後のポテンシャルというか、あります。  それができない、ボトルネックになっているのは、その系統線の問題ということがありまして、日本最大の洋上風力のポテンシャリティーというのは北海道とか九州とか東北地方にあるわけですけれども、そこから主要な需要地に向けてのいわゆる海底の直流送電網と言われるような送電網の整備というものを、これ、どこか、国が主導して、高速道路の整備のようなイメージで主導して整備を進めていくと、そこにぶら下がって開発する事業者が開発の可能になるというところが一つやればできるところになっていて、今既に政府中心になってマスタープランの策定等を進めているところになっています。  もう一点は、化石燃料や金属資源も含めてですけれども、日本に残されているまだ未着手の資源開発という意味では海底資源というものがあります。  海底資源開発といいますのは、ちょっとイメージがあるか分からないですけれども、実際には、操業しますと、沿岸部から百五十キロから二百キロぐらいの範囲でないと、何といったらいいんですかね、もし緊急事態があったときにヘリコプターで往復できない距離というふうに言われているんですけれども、商業生産という意味では、実はかなり沿岸部から近い範囲の限られた地域でしか資源開発が事実上できないというのが現実です。  一方で、日本は非常に広い海を持っておりますけれども、その広い海を活用しようとしますと、人がいかに介さずにできるかというところがポイントで、もちろん今無人の潜水艇等たくさんありますけれども、いかに人が入らずに海底資源開発ができるようになるというところが日本の海底の資源開発を進める上で非常に大きな技術開発上のポイントになるというふうに考えておりますので、そこをもし越えることができれば、あるいはほぼ無人で操業できるような開発技術ができれば、日本のそこの海底資源のポテンシャルというのを解放する可能性があるのではないかなというふうに考えています。

三浦靖自由民主党

○三浦靖君 ありがとうございました。  やはり技術開発が日本の生きる道なのかなというふうに感じたところでございます。  以上でございます。ありがとうございました。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  岸真紀子君。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。  三人の参考人の先生の皆様、今日はありがとうございました。  最初に、廣瀬参考人にお伺いをいたします。  エネルギーは食料を作るにも必要ですが、調査会のテーマでもあるエネルギーは、もちろん資源にも精製する過程で必要となってきます。そのような中、ロシアによるウクライナ侵攻で、日本は直接的な影響を受け、世界的にもエネルギー危機を迎えることとなりました。ロシアにとって、ウクライナ侵攻しても、実際に長期化しておりますし、さらに経済制裁も受け、国内からも歓迎されていないのではないかと思われるようなところもあります。  エネルギーが発端ではないかという先生のお話がありましたが、政治的合理性を欠いて、論理的に説明が難しいロシアのウクライナ侵攻を直面して、エネルギー調達の多角化が必要な日本はどうロシアと付き合ったらよいか、廣瀬参考人の御見解をお伺いします。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) ありがとうございます。  まさにおっしゃるとおりでして、今のロシアの状況というのは決して合理的ではありませんし、ロシア自身もここまでの制裁が来るということを想定しておらず、展開としてかなりプーチン大統領も戸惑っている面があると思うんですけれども、それでも現実としてこれだけ制裁が起きてしまっている以上は、それに一応強気の態度で臨んでいるというのが現状だと思います。  恐らく国民はまだその状況がよく分かっていないというところもかなりあって、その制裁が、ロシアが暴挙をやっているから制裁が起きているというよりも、やはりロシアが欧米に非常に弾圧されているというような、それが一つの象徴であるかのように捉えられている向きがありまして、その点は非常に厄介であるというふうに思います。  そういうわけで、ロシアはこの制裁もプロパガンダに変えてしまっているところがあるわけなんですけれども、日本としましては、やはりここは非常に考えなければいけないべきところがたくさんありまして、企業の収益の面と、あと日本のエネルギー安全保障と、ちょっと二つ分けて考える必要があると思うんですね。実は、安倍総理の時代はちょっとそれがごっちゃになっていて、日本のロシア政治との潤滑油のような形で、何かビジネスであるとかエネルギーへの進出というところが結構あった部分があると思うんですけれども、それは完全にもう切り離して考えるべきときだと思います。  ただ、サハリン1、2ですとかヤマルの事業などについてはやはり日本の企業が入ってしまっているというところで、その企業の活動、損益については、やはりちょっとその政治の問題だけで考えられないところがあると思います。  他方で、日本のエネルギー安全保障という側面から考えますと、今、日本のエネルギー安全保障ということでサハリンの権益を維持しているところもありますが、むしろそれは危険な面もありまして、というのは、ロシア自身が日本を非友好国だと言っているわけですね。非友好国にエネルギー依存をするというのは非常に安全保障の観点からは危険だと思われますので、そこは、今後そのエネルギーの転換をするというのは時間が掛かると思いますし、やはり長期契約をしないと非常にエネルギーというのは高く付くものなんですね。  そういう意味では、軽々に何かほかのところに乗り換えるというのも難しいところではありますので、相当長期的な戦略を練った上で、最終的にはロシアから完全撤退をしていくということを考えた方が日本の安全保障の一番芯の部分が確立されていくのではないかと思います。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 ありがとうございました。  次に、大場参考人にお伺いいたします。  ロシア産の輸入削減を決めたEUのお話とかがあったと思います。資料の方にも、ドイツとかの産業用のエネルギーの需要の方が減ったというのがあったんですが、やっぱりこのエネルギー、脱炭素社会の実現に向けても、エネルギーをどうやって使う、バランスというのが、省エネという観点だったり高効率というのが大事になってくると考えているんですが、このロシア産のエネルギーに依存しないという手法として、省エネとか高効率だけでは対応できないものの、エネルギーの安全保障とか資源高騰の回避を図っていくためにも必要な観点だと思いますので、このドイツの産業用が大幅に減少している理由というか、そういった背景とかあれば教えていただきたいです。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) ありがとうございます。  ドイツの産業用用途のガス消費量が減っているのは、単純に値段が高くなったために、ガスをたくさん使うようなガラスであるとかセメントであるとか、あとパルプですね、そういったガス多量消費産業の価格競争力がなくなったために生産量を、生産自体を停止しているということによるものになります。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 それでは、どちらかというと、背景的に、経済が悪化をしたのでそうなったということという理解でよろしいでしょうか。(発言する者あり)

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 大場参考人。指名されてからお願いします。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) ごめんなさい。  おっしゃるとおりでございます。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 分かりました。ありがとうございます。  ただ、やはりこの省エネとか高効率というのをいかにやっていくかというのがすごく日本にとっても大事ではないかと考えているところです。  次に、白石参考人にお伺いをします。  まとめのところで、Sプラス3Eのところで様々な御提案をいただきました。いかにこのバランスのいい答えを出していくかというところで、政治が重要なポイントだというふうにおっしゃっていただきました。まさに、政治でどうこのエネルギーミックスを取っていくかというのは大事なポイントではあると感じています。  一方で、ただ、その決める段階に当たっては、やっぱり丁寧な国民の理解というのが広がっていかないと、やっぱりうまくいかないのではないかと私は考えています。先ほどもヨーロッパのウクライナ疲れのようなことにもなりかねないということもあって、いかに理解をしていくかというのが大事になってきます。  例えば、原発だけではなくてソーラーパネルも含めて、立地している自治体と使っている言わば大都会の住民ではまたこの意識も違ってくるかと思うんですが、エネルギーというのがすごく難しくって、なかなかこれがみんなの、国民の理解が広まっていくというのがすごくいつも難しいテーマだなと思っているんですが、参考人が考えるこのエネルギーについてどうしたら国民にも分かりやすく伝えていける、アプローチとかの何かヒントのような御意見とか、難しいことを言っていますが、お考えがあれば教えていただきたいと思います。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) 率直に言って、もしそういうものがあれば教えていただきたいと思いますが。  ただ、率直に申しまして、国民が全員合意できるようなことというのはほとんどないということはやっぱり申し上げたいと思います。これは原子力発電についてもそうですし、あるいは、先ほど御指摘されたとおり、太陽光発電についても、そのソーラーパネルを置いている地域の人たちというのはできればそんなものはない方がいいというふうに言っている方が多数おられますんで、どんな問題についてもそこのところはバランスをどう取るかという問題だろうと私は考えております。  先ほど私は、それが政治の責任というか、政治に期待しておりますと申し上げたのは、そういう国民のいろんな考え方も踏まえた上で是非バランスを取れた答えを出していただきたいと。ただ、そういう答えというのは私は一つじゃないと思います。ですから、そこのところでは、先生方の間でいろんな考え方の違いがあるのは分かっておりますんで、是非柔軟に、何かショックがありますと私も含めて国民の考え方というのは変わりますんで、そこも含めて是非柔軟にエネルギー政策についても決めていただきたいというふうに思います。

岸真紀子立憲民主・社民

○岸真紀子君 非常に難しい質問をしたとは思いながらも、丁寧にお答えをいただきましてありがとうございます。  最後に言われたとおり、いろんな考えの方がいて、もちろん議員の中にもいろんな考えがあって、国民の中にもあって、だからこそ丁寧に説明をしてなるべく多くの意見を聞いていったり、また、いろんな考えを持っていてもいいんじゃないかというところだと思うので、参考にさせていただきたいと思います。  おおむね時間なので終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言はありませんか。  新妻秀規君。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 三人の参考人の先生方、大変に分かりやすく、ありがとうございました。  まず、大場参考人に伺います。  大場参考人の資料の最後のページ、二十ページのところに、この中東依存度の高まりということを受けて、二つ目のポイントのところに、将来の中東情勢の混乱を鑑み、石油依存度そのものを下げ、可能な限り電化、石油代替物への切替えの加速が必要というふうに御指摘いただいております。  この具体的な例をお示しをいただきたいのと、こうした取組を進めるためにどんなような政策、補助金なのか制度なのか税制なのか、それについて併せてお示しいただきたいというふうに思います。

大場紀章合同会社ポスト石油戦略研究所代表

○参考人(大場紀章君) ありがとうございます。  非常に単純に言いますと、石油の依存度を下げるということは石油以外へのエネルギー供給を増やすということになりますので、原子力、再生可能エネルギー、そしてLNG、石炭も含めて重視していくということが基本方針になります。その上で、単純にただ電化をしてしまいますと電力需要がただ増えてしまうだけですので、当然、省エネであったりとか、あと、その機器の電化そのものが重要になります。  一番分かりやすいのが自動車におけるガソリンや軽油などの消費量をいかに軽減するかということになりますけれども、一つの手段として電気自動車もありますが、電気自動車ばかりになると今度はその電池の資源供給の問題等もありますので、ハイブリッドであるとかほかの技術も組み合わせながら、いかに今ある技術で石油の消費量を低減していくのかということが一つ重要になります。  もう一つはその電力の消費量をいかに低減するかということなんですけれども、こちら、家庭向けと産業向けで二つ方法があって、一つは、日本の家庭というのはよく言われるように断熱性能が非常に低いですから、まず、既存の、新規はかなり規制が増えてきたんですけれども、既存の住宅や建物の窓や断熱工事の支援、これ今、既に今年相当の予算付いておりますけれども、まだ国民の認知度が非常に低いので、予算の消化が全部行われない可能性もありますので、その予算が消化できるぐらいの国民的な認知を上げて、断熱窓や壁等の断熱性能の向上。あるいは、給湯器の置き換えですね。今、日本には二百万台近い電気温水器がまだ残っていて、それも四十年近く使われているものが相当数あるというふうに言われておりますので、そういったものをより高性能なヒートポンプ給湯器等に換えていくということがその電力の消費を削減する非常に大きな、給湯器を換えるだけで原子力何基分ぐらいのインパクトがあります。  産業用に関しては、最近、製造業のライン、製造ラインにおいて待機電力が非常に実は大きかったということが分かってきておりますので、止まっているラインの電源を落とすだけで電気の消費量が半分減ったというような事例も聞いております。そういったその個別の製造ラインの消費電力を細かく見ていくだけで相当の電力消費の削減が見込める。従来、雑巾を絞るというふうに言われていたんですけれども、それはボイラーの熱効率のことだけを見ていたので、電力消費をいかに効率的に使うかというところでもう一度見直すと、実は産業用でも相当の省エネが可能だというふうに考えています。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございました。  続きまして、白石参考人にお伺いをします。  白石参考人の資料の二ページ目の中ほどのところに、グリーン水素と回収したCO2で合成燃料を作ればカーボンニュートラルになるということで、内燃機関は使えるということで、これに関して、航空機燃料としてドイツで実証実験も行われている、そういう紹介もあったところです。  今、自動車の世界ではEV化がどんどん進められていくという中で、EUではこのハイブリッドすら締め出してしまおう、こんな流れの中で、日本の自動車メーカーもかなりやっぱり姿勢に、どういう態度を示そうかということに迷いが生じているように思います。  やはりこうした白石参考人のお話を伺うと、この内燃機関というものをやはり国としてもしっかり推進をして研究開発を更に加速しなければいけないんではないか、このように思うんですけれども、白石参考人の見解をお伺いをしたいというふうに思います。

白石隆公立大学法人熊本県立大学理事長

○参考人(白石隆君) ありがとうございます。  それは私も全く同じように考えております。  ドイツの、実はEU、どうしても我々、EUというふうに考えがちですけれども、例えば、Eフュール、合成燃料についての政策につきましては、やはりドイツとそれから例えばそれ以外、フランスなんかとの間ではかなり温度差があるというふうに私は考えております。やはりドイツの場合には、日本と同じで、自動車産業あるいはもう少し広く機械産業というのは非常に重要な産業でございますんで、そうすると、それを壊してしまわないような形で、どうやって、だけれども、カーボンニュートラルに対応していくかというのが私は産業政策の非常に大きな課題だと思っております。ですから、その意味でまさに先生御指摘のとおりだと私は考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございます。  最後に、廣瀬参考人にお伺いをします。  先ほど舩後先生との質問とも重なるんですが、先生の資料の最後の十二ページ目に、国際社会が取り得る対抗というふうにあります。これを実現していくためには、やはり日本が単独で動くのではなくて、やはり国際場裏で様々な働きかけを行ってこうした対抗措置実現をしていくということが必要だと思うんですが、日本がG7の議長国であり、また国連の非常任理事国にも任期をいただいたという中で、こうした国際場裏での活動をどのように展開したらいいか、御見解をお伺いしたいというふうに思います。

廣瀬陽子慶應義塾大学総合政策学部教授

○参考人(廣瀬陽子君) ありがとうございます。  非常に重要なポイントでして、私自身も、やはり日本は単独で動くのではなく、やはり国際的にいかに大きなプレゼンスを保ちつつ、特に国際協調でなるべく日本と主張を共にする国々との関係を深めていくというところが非常に重要なのではないかと思います。  今おっしゃいましたように、やはりまずG7の議長国というのは非常に今年重要な立場ですので、G7を結合していくというのは言うまでもないと思うわけなんですけれども、また、もちろんその国連の立場というのも大事ですが、やはりそのアジアの中で日本が取り得べき立場というのは非常に貴重なものがあり得ると思います。  そして、ヨーロッパの方も今、日本との関係というのを非常に重視しておりまして、例えば昨年、日本の総理大臣としては初めて岸田総理がNATOのサミットに参加をするということがありましたが、実はそれは非常にヨーロッパで高く評価をされています。  特に、今ヨーロッパというのはロシアのもうすぐ、まあほとんど表裏一体ぐらいに中国を見ておりまして、NATOというと北大西洋条約機構なわけなんですけれども、特に近年、サイバー攻撃、情報戦なども非常に深刻な影響をもたらす中では、もはやその国境線とか地域というもので安全保障を切れなくなっているというのがヨーロッパ側の考えなんですね。そういう意味では、やはりアジア側と協力していかなければ総合的な安全保障はできないと。  そういう中で、アジアで信頼できるパートナーというと、まず日本が挙がるわけです。そういう中で、アジアの中で非常に信頼されるリーダーとなる。それは、もちろん中国、まあ韓国などのようになかなか難しい国も当然ありますけれども、東南アジアなどをなるべく取り込んで、非常に広域のアジアを固められるような日本の立場というのをつくり、その上でヨーロッパとのコネクティビティーを強化していく。もちろんアメリカとの関係も強化していくことによって世界のハブの中心になるような形で日本が立ち位置を取っていければ、非常に効果的な外交、そして、まあ遠回りにはなると思いますけれども、長期的に考えた世界の平和というところに貢献できるのではないかというふうに考えます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 貴重な御意見ありがとうございました。  終わります。

宮沢洋一自由民主党

○会長(宮沢洋一君) 他に御発言もなければ、以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたします。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十二分散会

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