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211回国会参議院2023/04/12

国民生活・経済及び地方に関する調査会 第4号

発言数
69
登壇者
11
会派数
7
開催日
2023/04/12

会議録

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、天畠大輔君、小林一大君及び中条きよし君が委員を辞任され、その補欠として木村英子君、和田政宗君及び石井苗子君が選任されました。     ─────────────

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。  本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方の現状と国民生活における課題」に関し、「社会的な困難の現状」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。  御出席いただいております参考人は、特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表清水康之君、認定特定非営利活動法人キッズドア理事長渡辺由美子君及び東京都立大学人文社会学部教授阿部彩君でございます。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。  次に、議事の進め方について申し上げます。  まず、清水参考人、渡辺参考人、阿部参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後六時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。  また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず清水参考人からお願いいたします。清水参考人。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 皆さん、こんにちは。NPO法人自殺対策支援センターライフリンク代表の清水といいます。本日は、この非常に貴重な機会をいただきまして、どうもありがとうございます。(資料映写)  今、スクリーンにも映し出していますし、また皆様のお手元にも資料を配付していただいていますけれども、私の今日のテーマですが、「子どもの自殺の現状と課題 「助けてください、死にたいです」に応えるために」ということでお話をさせていただきます。  今日、このテーマを選んだ理由、背景について、私の自己紹介も兼ねて少しお話をさせていただこうと思います。  私、二〇〇四年にこのNPO法人ライフリンクを設立するまでは、NHKで報道ディレクターをしておりました。「クローズアップ現代」という夜の情報番組を主に担当していたんですけれども、二〇〇一年に親を自殺で亡くした子供の番組を作りまして、そのことがきっかけで自ら自殺対策に取り組む決意をしました。というのも、当時はまだ自殺対策基本法ができる前、当然できる前のことですし、自殺は個人の問題だと、うつ病の問題だというような捉えられ方が主流で、社会的な取組としての自殺対策がほとんど行われていない、行政の中で自殺という言葉を使うことがはばかられるという、まだそうした状況でした。ただ、現場で取材をすればするほど、自殺は社会的な問題である、いや、むしろ社会構造的な問題でもあるという確信を強めていきました。  特に、私自身にとって決定的な体験となったのが、自殺で亡くなった方たちの遺書の取材をしたことです。自殺で亡くなった方たちが最期どんな思いで亡くなったのか。自ら本当に死を選択していたのか、それとも死を強いられていたのか。そのことを私なりに取材者として知りたくて、ただ、自殺で亡くなった方たちに直接インタビューすることはもはや当然かないませんから、最期にどういう思いで亡くなったのか、その最期の思いに一番迫れる取材って何だろうと考えたときに、遺書の取材ではないかというふうに考えました。中学生から高齢者まで、自殺で亡くなった三十名以上の方たちの遺書をそれぞれの御遺族の方たちに御協力をいただいて取材をしました。  それで、一人、また一人と自殺で亡くなった方たちの遺書を読ませていただくうちに、多くの遺書に共通してつづられている言葉があるということに気付きました。それは何か。謝罪の言葉です。  謝罪の言葉には、自分が先立つことによっていろいろ苦労掛けるねと、ごめんねといった、そうした意味合いも当然含まれていますが、ただ、私がそれ以上に謝罪の言葉から感じたのは、自身の存在についての謝罪です。例えば、仕事のできない部下で申し訳ありませんでしたとか、情けない父親でごめんとか、いじめを苦に自殺で亡くなった中学生までもが、こんな駄目息子でごめんと謝罪の言葉をつづっていました。  謝っているからといって、その人たちが何か悪いことしてたかって、決してそうではありません。むしろ、真面目で、責任感が強くて、何かあると他人ではなくて自分を責めてしまうというそういうような人たちが、過労だったり、事業不振だったり、介護疲れだったり、いじめだったり、様々な悩みや課題を複合的に抱えてしまって、まあ抱え込まされてしまって、もう生きられない、死ぬしかないという状況に追い込まれて亡くなっている。愕然としました。  というのも、私も当然そうですし、この部屋にいる皆さん全員がいずれ死を迎えることになるわけですよね。私は、自分が死を迎えるときに、できれば大切な人に囲まれながら、何とか、いろいろあったけど、自分の人生精いっぱい自分なりに生き切ったと、みんなと会えて良かった、うれしかった、ありがとう、天国でまた会おうねというような、まあ天国があるか分からないですけれども、できればそういう気持ちで大切な人に囲まれながら死を迎えられたらなというふうに思っています。  でも、私が取材をした遺書を残された自殺で亡くなった方たちは、自殺ですから当然誰にもみとられない中で亡くなっている。しかも、自分自身、こんな自分でごめんなさいというふうに思いながら亡くなっていっている。さらに、残された方たちは、自分の大切な人が人生の最後の瞬間に、こんな駄目な自分で申し訳ありませんでしたと、自身を否定しながら亡くなっていった、で、それを自分が止められなかったという、そのことをその後一生背負いながら生きていくことになっていくわけで。  自殺というのは余りにも過酷な死別体験を強いるものであって、しかも、当時は毎日百人近くの人たちが自殺で亡くなっていた。それなのに、自殺は個人の問題だというふうに、まあ私も含めてですけれども、社会は切り捨てて、自殺対策も進めることもなく、日常を何もなかったかのようにして過ごしていたという、そういう現状があるわけです。  これはなかなか番組を作っていても対策を進めることは難しい、番組だけではどうにもならないというふうに感じて、遺書の取材をしたものもなかなかNHKの上層部の人たちにも理解してもらえず、結局、それは番組にすることができませんでした。そうした中で、悶々とNHKの中で仕事をしていても仕方がないなというふうに感じたので、それで二〇〇四年にNHKを辞めて、仲間たちと一緒にこの自殺対策を推し進めていこう、自殺対策を進めるためには何でもやろうという思いでライフリンクを立ち上げて以降、自殺対策を社会的な自律軌道に乗せるためにという思いで活動をしてきています。  この二〇〇四年、ライフリンクを立ち上げた当時と比べれば、その後は、自殺対策基本法もできましたし、社会全体で対策を進めていくという中で、当時は三万人を超える状況が当たり前だったものが、今二万人台の前半にまで減少してきています。ただ、それでも二万人を超える人が自殺で亡くなっている。この自殺が減ったといっても、一度亡くなった人が生き返ってきているわけではないので、本質的な意味では減っていません。増えるスピードがちょっと遅くなったというだけなんですよね。しかも、今日お話をさせていただくこの子供の自殺に関しては増え続けています。  「助けてください、死にたいです」というこの副題は、私が取材をした、取材をさせてもらった遺書の中にもつづられていた言葉で、かつ、今、私たちライフリンクはSNS等を使った自殺防止の相談もやっていますが、その相談の中でも多くつづられる言葉です。  死にたいと言っている人たちは、本当に死にたいのではなくて、死ぬ以外にこのしんどさから抜け出す選択肢が見えなくなっている。助けてください、死にたいですというのは、一見すると矛盾をはらんだ言葉に聞こえますが、ただ、私はこれが自殺念慮を抱えている人たちの本質的な言葉だというふうに思っています。  誰が、いつ、何をきっかけにして、もう生きられない、死ぬしかないという状況に追い込まれるか分からない時代、社会状況です。そうした中で、じゃ、どうすればいいのか、この子供の自殺の現状と課題ということで、是非皆さんに一緒に考えていただきたいという思いでお話をさせていただく次第です。  この後、資料に沿ってお話をさせていただきます。  今御覧いただいておりますのが、皆さんのお手元の一枚めくっていただいたところにグラフが二つ並んでいますが、この左側のグラフは自殺者総数の推移です。矢印を私の方で加筆していますけれども、左側のこのグラフの赤の点線がありますね、補助線、これが二〇〇六年、自殺対策基本法ができた年ということになります。二〇一〇年以降は、自殺者の総数、全国の自殺者数でいうと減少傾向にあって、最も多かった二〇〇三年と比べると、今四〇%自殺者数が減っているという、そういう状況になっています。  片や右側のグラフ、これは小中高校生、つまり児童生徒の自殺者数の推移です。二〇〇〇年代の前半ぐらいから少しずつ増加を始め、二〇二〇年、コロナ禍において前年比で百人増えるということで過去最多を更新しました。ただ、それが、昨年更にその自殺が増えて五百十四人という、そういう状況になっています。  この小中高校生の自殺といったときに最も多いのが、まあ当然といえば当然ではありますけれども、高校生の自殺です。  この高校生の自殺に関してですが、昨年の一月一日から、警察庁の自殺統計原票という、自殺に関する、捜査資料を基にして自殺に関する情報を転記した個票がありますけれども、その自殺統計原票の項目が大きく変わりまして、それまでは、高校生というと、もう全日制の高校生も定時制、通信制の高校生も一緒くただったんですけれども、昨年の一月からのデータでは、全日制なのか、あるいは定時制、通信制なのか、あるいはその他なのかといったようなその分類も明確に把握できるようになりました。  これ、グラフ、右下の表ですね、表を見ていただきますと、赤い丸を付けている場所が二か所あります。一つが、男子、全日制のところです。自殺者数、人数でいうと、属性でいうと全日制の男子の高校生の自殺者数が百六十一人ということで最も多くなっています。  ただ、その右下に女子、定時制、通信制ということで、ここにも自殺死亡率のところ丸を付けていますが、自殺死亡率に換算すると、最も自殺が多いのが定時制、通信制に通う女子高校生ということが分かります。この定時制、通信制の高校に通う女子は、全日制の高校に通う女子と比べて約四・六倍ということで、人数でいうと定時制、通信制の高校生の方が少ないんだけれども、自殺死亡率、人口十万人当たりの自殺者数ですね、自殺死亡率というのは、に換算すると、定時制、通信制の高校生の方が多くなっているということが分かります。  これは、定時制、通信制の高校に行ったから自殺に追い込まれたというよりも、私たちのその支援の現場の経験からしても、全日制の高校に通っていたんだけれども、通えなくなる中で定時制や通信制に転校して、で、転校する中、元々全日制の高校を通えなくなった理由である、その精神疾患であったり、あるいは家族との不和であったり、あるいは学友との不仲であったりいじめであったり、様々な悩み、課題があって全日制の高校行けなくなって、出席日数足りなくなるなどの中で定時制、通信制に転校するという子がいるわけですけれども、その問題が解決されないまま、定時制、通信制の高校に通う中でもむしろそれらが悪化する中で自殺で亡くなっていっているというふうに解釈するのが妥当ではないかというふうに感じています。  また、次のスライドですけれども、では、定時制、通信制に通っていた高校生で自殺で亡くなった子たちと全日制の高校に通っていた高校生たちで、自殺の原因、動機にどういった特徴があるか、違いがあるかといったことをこの表で表しています。  左側が定時制、通信制の高校生、上が男子で下が女子です。丸で囲っていますが、健康問題を抱えていた割合が非常に高くなっているということが分かります。片や、右側が全日制の高校に通っていた、上が男子で下がやはり女子ということになりますが、こちらは学校問題ということを抱えていた亡くなった高校生が多いということが分かります。  では、この健康問題と学校問題、それぞれどういった内容になっているのかと、この内訳も表にしてあります。  上が健康問題ということで、これに関して言うと、全日制も定時制、通信制の通っていた高校生も、余りこの内訳自体は大きな差はありませんでした。最も多いのがうつ病の悩みあるいは影響と、あるいはその他の精神疾患の悩みや影響というようなことが健康問題としては多かった。ただ、下ですね、これ学校問題とありますが、全日制の高校生と比較して、定時制、通信制に通っていた高校生は学業不振抱えていたという比率が高くなっています。ただ、学友との不和に関しては、定時制、通信制の高校生よりも全日制の高校生の方がむしろ比率としては高くなっているという、そうした、原因、動機に関しては、これは多くの場合は複合的に抱えていますけれども、あえて単純化して精査するとこうした違いが見られたということです。  また、こちらは高校生の自傷行為歴と自殺未遂歴の有無に関するデータになっています。この新しい自殺統計原票において、それまでは自殺未遂歴の有無だけだったものが、今度、自傷行為歴の有無に関しても計上されるようになっています。  そうした中で分かってきたことは、定時制、通信制の高校に通う高校生、通っていた高校生ですね、の約半数が自殺未遂若しくは自傷行為歴があったということが分かっています。これは、全日制の高校に通う高校生の二・二倍ということになります。  また、次のスライドですけれども、こちらは時期に関しても、この自殺未遂歴あるいは自傷行為歴に関しての時期を分類して計上したデータになっています。  赤とかオレンジ、これがこの二つのグラフ見るとかなりの面積を占めていますけれども、こちらは女子の自傷行為歴あるいは自殺未遂歴の時期というものになっていて、特に右側のグラフ、自殺未遂の時期ということでいうと、通信制、定時制に通っていた高校生に関しては、一か月以内に自殺未遂をしていた、自殺で亡くなる前の一か月以内に自殺未遂をしていたという高校生が二六%にも及ぶということが分かっています。重要なのは、この、じゃ、未遂歴があった後、どういう支援ができていたのか、あるいはできていなかったのかという、そうした精査が必要になってくるということを表すデータでもあると思います。  次のスライドが男子です。男子は女子と比較して赤やオレンジの面積が小さくなっています。これは、過去に自殺未遂であったり自傷行為歴がない、確認できなかったという高校生、男子が多かったということを表しているんですけれども、裏を返すと、自殺未遂や自傷行為がない中で、致死性の高い手段で一回の自殺行動で自殺で亡くなっている男子が多いというようなことを示唆するデータにもなっているということです。  次のスライドが児童生徒の自殺の時間帯ということで、何時頃この高校生が自殺で亡くなっているのかということを見たところ、放課後の時間帯が比較的に多いということが分かっています。ただ、これは学期中と休暇中において恐らく特徴は異なっているだろうというふうに思いますので、更に掘り下げた分析が必要だろうというふうに思います。  こうした分析は、私がライフリンクとは別に代表を務めているいのち支える自殺対策推進センターというところで行っているんですけれども、厚労省であったり文科省であったりと連携をしながら、こうした分析を更に深めていく必要を強く感じているというところです。  こうした高校生あるいは小学生、中学生も含めた児童生徒の自殺が深刻だという状況の中、今月の五日に、超党派の議員の皆様でつくられている自殺対策を推進する議員の会が岸田総理に子供の自殺対策に関する緊急要望の申入れを行いました。私もこの会のアドバイザーをさせていただいていますので同席をさせていただいた次第です。  そうした中で、この自殺者全体については減少傾向にある中、高校生以下、子供の自殺が増えているというこの現状と、この現状に対してどういう対策が必要かということの申入れをこの議連の皆さんが行ったということです。  私の方で、この背景、どういうことが考えられるかということで総理にも御説明をさせていただいたんですけれども、今御覧いただいているこの上の方が、全国の自治体を巻き込んだ自殺総合対策ということで、社会全体で行っている自殺対策のこれまでの流れと結果ということを示しています。  具体的に言うと、徹底した自殺の実態分析、これは市町村単位で自殺の統計を分析したり、あるいは、失業者とか労働者とか主婦とか、それぞれ立場によって自殺に追い込まれる経路にどういった特徴があるのかという徹底した自殺の実態分析に基づいて総合的な戦略を立てて対策を進めてきたという経緯があります。  具体的には、自殺総合対策大綱、これ国の指針として五年ごとに見直されていますし、また今は、自殺対策基本法において全ての自治体が自殺対策の計画を作らなければならないということで義務化されていますので、全ての都道府県、また市町村に関しても九五%以上がそれぞれの地域の実情を踏まえた地域自殺対策計画を作っているという、そういう現状になっています。  こうした戦略を立てた上で、その戦略を牽引する専門組織、厚労省に自殺対策推進室があり、また厚労省と連携をしていのち支える自殺対策推進センターも様々な分析であったり実際の支援だったりを行うという、そうした専任の組織がつくられています。  かつ、そうした戦略を実行する予算も、まあ年間四十億円ということで、ほかの様々な政策に比べると決して命を守る取組として十分な予算だというふうに私自身は感じませんが、ただ、それでも、地域自殺対策を推進する上で非常に貴重な財源となっているこの交付金が毎年度確保されているという中で、全体としては三二%減少していると。これ基本法ができた二〇〇六年と昨年の比較ということになりますけれども、三二%減っている。  片や子供の自殺対策については、まず、分析が十分行われていないという現状があります。先ほどお話しさせていただいたものについては、新たに、初めてようやく分かってきたものであって、まだまだ解明しなければならない子供の自殺の実態というものがある。実態が分析されていないという中で、総合的な戦略も作られていない、作れないという状況にあります。  さらに、戦略を牽引する専任の組織もなかった。先般、昨日ですかね、おとといになりますかね、こども家庭庁の中に子供の自殺対策を担当する室ができたということの報道もありましたが、ただ、この組織の室長はこども家庭庁の支援局の総務課長が兼任しているという話も伺っています。当然ながら、総務課長というのは非常に重要なポストでもあり、かつ大変お忙しい中、果たしてどこまで実効性高い形で子供の自殺対策の室を率いることができるのか。これまで専任組織がなかったですし、これからもどういう体制でやっていくのか、今まだ見通しが立っていないという状況ではないかというふうに思います。  また、予算もない。地域自殺対策交付金というのはこれ厚労省の予算になりますので、学校で自殺対策進めようと思ったときにはこの交付金は使えません。文科省の中に自殺対策に特化したそうした予算がないというような中、実態解明もできていない、戦略も立てられていない、専任組織もなかった、予算の確保もないという中で、六八%、二〇〇六年と比較して子供の自殺が増えてしまっている。  はっきり言って、ある種当然だろうと思います。対策が行われていないわけですから、これは自殺が増えていくというのも当然のこと、決して驚くべきことではないというふうに思います。  ただ、逆に言うと……

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 清水参考人、恐縮でございますが、陳述時間が過ぎておりますので、そろそろおまとめに。お願いします。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 分かりました。大変失礼しました。  決して死にたくて亡くなっているわけではないので、戦略を立てて、それを牽引する組織をつくり、予算を十分確保すれば、生きる支援を届けることができて、結果、生きる道を選ぶ子供たちが増える、自殺が減るというような状況をつくれるんではないかというふうに思います。  あと、総理にお渡しさせていただいた資料については、添付させていただいていますので、御覧いただければというふうに思います。  時間超過して大変失礼しました。以上です。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、渡辺参考人にお願いいたします。渡辺参考人。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) 本日は、このような貴重な機会をいただき、ありがとうございます。(資料映写)  私の方からは、貧困層又は準貧困層と言われるような中位の所得以下の子供たち、また、若者、子育て家庭がどのような困難を受けているか、コロナや物価高騰の影響で非常にそれが長引いている中で、今もその困難が継続して更に格差は拡大しているというふうな状況をお伝えして、是非日本の子供たちの支援というふうなことを拡大をお願いできればと思っております。  私どもキッズドアは、二〇〇九年から、子供の貧困ということで、無料の学習支援というふうな子供の支援を行ってまいりました。その中で、今事業としてもう一つ柱になっているのが、二〇二〇年のコロナの後に、家庭が大変だということで、今全国の子育て家庭を御登録いただいて、三千五百世帯ぐらいあるんですけれども、その方たちに食料品を送ったりというふうなことをしながら支援をしています。  本当に厳しい状況になっています。長引くコロナとかの影響で、経済格差の拡大で、日本の子供、若者、非常に大変です。  もう皆さん御承知かと思いますが、不登校が本当に急増しています。小学校、中学校で不登校の数というのが対前年で二四・八%。高校生も増えていて、高校生の不登校も一八・四%というふうに増えています。  また、子供の自殺に関しては、本当に今、清水先生からお話があったようなとおりでございます。  また、私どもが支援している困窮家庭の高校生は、経済的理由で志望校を諦めていると、進学を諦めているというふうな子が一九%、私どもの調査で出ています。本当に多くの子供たちが将来を諦め始めているという状況です。  また、子供の貧困というと、今までどうしても相対的貧困率以下の方たちにいっていたんですけれども、実は、子育て家庭の所得というものが非常に二極化している中で、今まで中位の方たちというところがとても困っているというふうなことも分かってきました。  体験格差、デジタル格差というものも広がっている中で、是非このような支援をしていただければと思います。  本当に、私から是非御提案させていただきたいのは、例えば三〇年ぐらいまでを、アフターコロナの子ども・若者リカバリープランといいますが、本当に集中的に支援をしていただきたいと。  不登校のお子さんとか、今支援をしないでこのまま行ってしまうと、本当に大人になってから学びが途切れてしまって自立ができないというふうなことにつながっていってしまいます。本当に優秀な子供が大学に行きたかったのにそれを諦めてしまうと、一生の人生変わってしまうというふうなことになります。子供の支援、福祉ではなく投資というふうによく言いますが、本当に早めに支援を開始すれば、本当にその子たちはしっかりと社会に出て働いて還元してくれる方に回ってくれますので、是非それをやっていただければと思います。  本当に就職氷河期の問題ですとかというのが非常に後になってから、十年、二十年たってから大変になっているというふうなことで、よく日本では失われた何十年というふうに言われますけれども、本当にこのコロナでまた失われた何十年ということが起きないためにも、子供の支援を是非やっていただければと思っております。  本当に私どもの中でいろいろ議論を重ねながら、今日は七つのポイントということで持ってきました。少し具体的にお話しさせていただきます。  まず、本当にコロナとか物価高騰の影響というのは今も非常に続いておりますので、是非これを継続していただきたいと思っています。  私どもが二〇二二年の十一月に取ったアンケートです。これ、困窮家庭の方たちに、保護者に取ったアンケートですけれども、千八百四十六件の回答がありました。お子さんの状況どうですかと聞くと、七〇%の方が、子供が必要な栄養が足りていないと十一月の時点で言っています。二八%が風邪などの病気になりやすくなった、二五%が身長や体重が増えていない、二四%が元気がなくなった、二四%が落ち着かなくなった。もう親御さんは一日一食が一七%で、二食が四七%で、三食食べている方は三分の一もいないというふうな状況です。  こういう状況なのに、物価高騰になって生活ができなくなるから、家計維持のために出費を減らしている項目は何ですかというと、食費なんですよ。七割の方が子供の栄養足りてないと思っているのに、減らすところが食費しかないわけですね。もうそういった中で、本当に追い詰められています。本当に成長にも影響が出ていますし、学びの方でも、本当に子供の学びや生活に悪い影響が出ているというふうな方、六割になっています。体験活動が減ったとか、勉強への意欲が低下したというふうな状況になっています。  保護者の声ということで、アンケートを取るときに自由回答も求めているんですけれども、本当にここにあるように、コロナの影響で既に苦しい経済状況だったのに、追い打ちを掛けるような物価の上昇で支払の督促などにも悩まされて、経済的負担に加えて精神的にもぎりぎりに追い詰められている、子供たちも無気力になっている、五年後、十年後を考えるのが怖いとか、コロナの影響は続いており一向に改善されていませんと、物価高騰で買えるものも限られ、食べるものがなく見切り品でしのいでいます、夜、子供が寝た後はスマホの明かりで家事をこなし、窓には段ボールを立て寒さをしのいでいます、国民の底辺の生活を知ってくださいというふうなことで、本当にまだまだ大変な方たちがいっぱいいるんだけれども、世間の中ではちょっとコロナが忘れられているというふうなことが非常にこの方たちを苦しめています。  私たちは高校生への支援をかなりやっているので、高校生にも声を聞こうということで、つながっている高校生にアンケートを取りました。そういった中で本当に大変な声が聞こえてきて、例えば、物価高の中、企業等では賃上げが盛んに行われておりますが、私の母はコロナ禍で仕事を失職し、うつ病になりました、家計は大変苦しく、四月から私は高校三年生になり、下の弟たちも高一、中二、中一と入学を控えています、どうか私たちを早急に助けてください、よろしくお願いいたします。  本当に、うつ病になられる方、すごく増えています。もうずっと追い詰められている中で大変な状況です。是非、本当にコロナ禍の、アフターコロナというふうなところで影響を受けた子供たち、家庭の支援ということを政府がしっかりやっていくんだと。  先般、本当に、子供一人当たり五万円を困窮家庭に、子供たちに出していただくということを言っていただいて、本当に有り難いと思っています。あれで命がつながると、まあ何とかできるかなと思った子育て家庭、非常に多いです。ただ、ああいうものがいつ出るか分からないとか、本当に忘れられてしまったんじゃないかというふうに思っている方々非常に多いので、そうではないと、もう影響長引いているんだから、ちゃんと子供たちのことやりますよというふうなことを是非言っていただければというふうに思います。  二点目、貧困層のみならず、準貧困層への様々な支援の拡充をということですが。  本当に、政府の方で子供の貧困対策を非常にやっていただきまして、相対的貧困層への支援というのは充実しつつあると思います。高等教育修学支援の新制度で給付型の奨学金や学費の減免が出て、できて大学に行けるようになった子だとか、そういった方もいるんですけれども、実は多くの方々が、住民税は払っているんだけれども子育て世帯つらいという方たくさんいらっしゃるんですね。まあ私たちは準貧困層と言っているんですけれども、今ここに支援が必要ではないかと思っています。  令和三年に内閣府の方で子供の生活状況調査というふうなことをやりました。これ、子供の貧困対策調査とも私たちは言っていて、私も少し委員に入ったんですけれども、ここでも出てきていたのが、真ん中ですね、本当に、等価世帯収入が中央値の二分の一未満というのが貧困層なんですけれども、そこも大変なんだけれども、等価世帯収入が中央値の二分の一以上だが中央値未満の言わば収入が中低位の水準の世帯でも多様な課題が生じていたと、後で少しお話ししますが、本当にこの世帯というのが大きな影響を受けています。また、収入水準が低い世帯では非常にコロナの影響が受けているというふうなことも分かりました。  これがその世帯の所得なんですけれども、世帯の所得を並べると、実は一番多い、最も多いのは年収が一千万円以上の世帯なんですね。要は、十分な所得がある方たちが子供を産んでいるという層が一つありまして、そうではない方たちとの差が開いていると。参考までに令和三年に出た国民生活基礎調査の概況から見ても、本当に二〇二二年の児童のいる世帯の平均所得は八百十三万五千円、中央値でも七百二十二万円と非常に高いんです。これ、国民全体で、例えば高齢者を入れちゃうと五百六十四万円って平均所得低いんですけれども、高齢者以外でも六百八十五万円なんですね。要は、児童のいる世帯というのが、非常に所得が高い方々というのが一群いる中で、ここの格差というのが実はすごく開いているというふうに私たちも現場をやっていて感じています。  これも国民生活基礎調査ですけれども、本当に実は高齢者よりも児童のいる世帯の方が生活が苦しいと思っている方が多いんですね。それから、もう全ての子育て家庭が生活苦しいと思っている方が非常に多いということです。  要は、どこが苦しいのかというと、いわゆる貧困層よりちょっと上の層というのが物すごく大変な状況になっていて、ここが実はボリュームが多いんです。本当に中位以下の準貧困層というのが三六・九%ですし、二人親、一人親の支援というのがすごくいろいろやるんですけれども、実は二人親の支援ってすごくないんですね。そういったところで困っていらっしゃると。  例えば、ここで例で挙げた方ですけれども、多子世帯では子供の教育費が家計に重くのしかかっています。非課税世帯でも大変だと思いますが、非課税世帯ぎりぎりの多子世帯、中間世帯は苦労しています。生活することで精いっぱいで、貯金する余裕もありません。子供たちと旅行にも行けません。ダブルワークで頑張っていますが、働いても働いても余裕がありません。何か対策をお願いしたいです。助けてほしいです。  この方は、先ほどの困窮家庭の子供一人五万円というのは受けられないんですよ。子供が、お子さんが三人いるのか四人いるのか分かりませんが、本当に困窮家庭だったら十五万とか二十万入るものが、この方のところには入らないと。こういうところがすごく差になっています。  本当に生活の苦しさというところでいえば、例えば準貧困層ですね、真ん中の薄いオレンジなんですけれども、公共料金の未払経験のある方が七%なんですよ。公共料金払えないって、生活が実は回っていないというふうな状況です。本当に中央値以下もすごく高いんですけれども、ここの層も一定大変です。  例えば、子供たち、中学生にこれアンケートを取ったんですけれども、中学生に、進学したい教育段階は何ですかというふうに聞くと、中位以上は大学又はそれ以上というのが六四・三%なんですけれども、中央値の二分の一以上中央値未満という準貧困層の層ではここが三八・一%って大きな差が出るんですよ。本当に所得によってこんなに大学進学の差が出てくるんですね。  これ何かといいますと、例えば、その同じ保護者に聞いたものなんですけれども、保護者の方でお子さんはどこのところまで進学させますかとか進学すると思いますかというと、高校までと答える保護者の方がいて、じゃ、何で高校までなんですかというと、まあ子供の希望とか学力とかいろいろあるんですけれども、要は、家庭の経済的な状況から考えて大学進学は難しいと、高校までというふうに考えている方が約三分の一いらっしゃるというふうな状況で、ここの御家庭の子供の教育というのが非常に厳しい状況になっています。  本当に、例えば、経済的支援で修学援助ですとか児童扶養手当みたいなものがここの層は全く受けられないということで、本当に相対的貧困層に比べると支援が薄いです。  先ほどのグラフに少し赤とブルーを出しましたが、その中央値二分の一未満の方たちというのには本当に様々な支援が始まりました。私どもがさせていただいている生活困窮の学習支援、生活支援事業みたいなものも、実はここまでなんですね。これをちょっと超えてしまうと、そこはちょっと対象外なので受けられませんみたいになってしまうんですけれども、実はその上の方たちというのが非常に苦しくなっていて、本当にここは、生活は何とか回っているので、本当に学習支援とか教育支援とか、塾代でもその受験料支援でもいいんですけれども、何かの支援をしてあげれば自立できるんですが、今ここがないので本当にどんどんと下に落ちていってしまっているというふうなことで、本当にこういったところで教育支援ということをやっていただけるとよいのかなというふうに思っています。  あと、三つ目、やはり高校生への支援というのがどうしてもないと。  本当に、児童手当が十八歳まで延びるということは本当に有り難いと思いますが、ここはすごく大きなところで、やっぱり高校出た後人生どうなるのかというので日本結構決まってしまうので、ここの支援ということをもっともっとやっていかないといけないと思っています。  困窮な方たちに聞いた支援で、その一九%の子供たちが経済的な理由で志望校を諦めたと言っています。これは本当に、私たちアンケートを作るときに、もしかしたらこういう子もいるかもしれないからアンケートに入れてみようかといって入れたんですね。回答来たときに二割あるということは本当に驚いて、これは大変な状況になっていると。自由記述を見ると、本当に進学希望だったけれども就職に変更して家にお給料入れますとか、本当に物価高騰でどうにもならないので大学進学は諦めますみたいな声がすごくたくさんあるんですね。あとは、理系がすごく高いから理系を諦めて文系にしますとか、もったいない話がごろごろ出ているわけです。  これ、高校生にも聞いてみました。高校生にも、ちょっとつらいかなと思ったんですけれども、私たちがつながっているということで、信頼関係が築けている中で答えていただければというふうなことでやりました。  これ、三百四十九件の高校生が答えてくれたんですけれども、要は、受験校や学部や進学を変更したという方が九十八人、二八%いました。その中の半分が、経済的な理由で諦めましたというふうに高校生が言っているんですね。本当に入学に係るお金も用意することが厳しくて、入学後も多額の金額が必要になるので諦めましたと、下に弟、妹二人いるので経済的に大変になるから諦めたというふうなことで、本当に一般入試を乗り越える財力がなかったとか、厳しい状況が続いています。  その子たちに、学習とか生活の困り事何でしたかって、高校のときに、何ですかというふうのを聞くと、とにかく学費を捻出するためにかなり苦しい生活をしなければいけない状況です、これ、高校の学費です、高校の学費を捻出するために苦しい生活をしないとか、お母さんがうつ病になったんだけれども高校生の子供の支援がないので苦しいとか、その下、お金が掛かることはしたくないので高校に入ってからは友達と遊ぶのも避けたいので友達自体をつくっていないって、こういう声、たくさんありました。お金がないので友達とできることもできないとか、本当に、その次の次ですかね、学校の先生の授業が分からないとかの後の、友達と休日や学校帰りの外食ができない、参加しても自分だけ我慢しているとか、大学進学するお金が必要だったため修学旅行は行かなかったとか、本当に高校生がなかなか支援がない中で非常に厳しい状況になっています。  これ、私たちが支援をしている高校生は本当に立派な大学に進んでいくんですよ、国公立にも入ったりとかですね。それは勉強だけの問題じゃなくて、様々な情報を与えてあげるとか、励ますとか、応援するとかで上がっていくんですけれども、本当に、高校生頑張れって言っているだけでも大分違うと思っていて、やっぱり高校生の支援を何とかやっていこうということを是非言っていただければと思っています。  それから、四つ目、本当に今後必要なのは学習支援や体験活動ということで、コロナで本当に食べるものが大変だというふうな中で、食の支援をやっていただいたり、やっぱりなかなか、子供が落ち込んでいるということで居場所の支援みたいなことを充実していただくということが、今、方法、方向として出ていると思うんですけれども、やっぱりその後で大事なのは学習支援ではないかなというふうに思っています。本当にやっぱり子供は本来は力があるので、支えてあげればどんどん自分で学んで進んでいくんですよ。ただ、今それがなかなかできない中で、ちょっとそこの応援というのをしてあげることがすごく重要だと思っています。  これ、先ほど出したように、じゃ、子供や学び、生活の悪影響で何がありますかというと、体験活動が減ったというのと、勉強への意欲が低下したということが親御さんが一番感じている。言わば半分はそういう状況になっているということですね。  これは、先ほどの内閣府の子供の生活状況調査のデータを私どもが少し変えたんですけれども、じゃ、子供は何がしてほしいと思っているか。  中学生に、あなたはどういう支援があれば利用したいですかというふうなことを聞いたんですね。平日の夜や休日に過ごすことができる安全な居場所がほしいとか、夕御飯を無料で、安く食べられるとか、何でも相談できる場所というふうないろんなことを並べる中で、一番多いのは、勉強を無料で見てくれる場所なんです。本当にやっぱり勉強に困っていたときになかなか助けを求めるところがないと。やっぱりお金がないのでそういったところにつながれないとかというふうなことがすごく多い中で、ここの支援というのがやっぱり一番これから重要になってくると思っています。  本当に、高校生に聞いても、本当に学習会が近場にないから行けなくて残念だとか、塾や予備校に通えない中で困っているんだけれども助かりますとか、本当に支援の場があれば本当に助かる子供はたくさんいると思うので、是非これを集中的に、NPOがやっているものを支援いただくとか、そういった形で学習支援ができるようになるととても子供たちも喜ぶのではないかと思っています。  お時間がありますので、あとは少しお話を短くいたしますが、五番目、オンラインを活用し公的支援を広域で受けられる仕組みの構築ということで、私ども実はオンラインで、高校生の支援はオンラインで全国的にやっています。  昨年でいえば、ここにありますように、二百三十六人の子供たちに、高校生に勉強の支援だとか受験の支援だとか、そういったこと、英語の支援だとかというのをやりました。これ非常に喜ばれておりまして、成果も上がっているので受けたいという人がたくさんいます。今年度の募集も開始しているんですけれども、まあ今年度、七十人ぐらいかなと思っているんですけど百七十人の応募があるわけですね。本当に受けたいんです。  ただ、これがなかなか、今の行政の枠組みだと、超広域、都道府県をまたがるようなものというのが仕組みに入らないので、今は本当に企業の御支援とか民間の財団の御支援だとか、本当にクラファンでお金を集めてやっていくかみたいなことなんですけれども、こういう仕組みをつくらないとなかなかその高校生をその地域の小さい団体さんがやるということも難しいかなと思うので、こういったことができればいいかなと思っています。  また、不登校ですね。本当に、これ今やるかどうかで本当に変わってきてしまうということです。本当に、有料のフリースクールとか塾に行ける子はいいんですけれども、そうじゃない子は本当に、おうちの中で引きこもってしまうと学びがどんと遅れてしまうので、メンタルとかが整って、いざ行こうかなと思ってももう追い付かないというふうなことになってしまうので、是非そこをお願いいたします。  高校生も本当に大変なので、高校は義務教育じゃないから中退しようがないと言ってしまうとそこで終わるんですけれども、本当に高校中退した後の人生を考えたら、やっぱり高校中退しないで、不登校の子たちを支援して卒業させてあげるということはすごく重要だと思っています。  最後に、本当に、高校生の話をいっぱいしましたが、高校生の後も大変で、高校を出た後、大学、短大、専門学校だとかフリーターになるとか就職した子だとか、こういった子の支援というのが本当にないんです。全くないんです。で、家庭を頼れない。だから、この子たちは、自分が何とか大学行ったけれども、後期の授業料心配だけど、親に授業料出してって言っても出してもらえないから自分でどうにかしなきゃって思うわけですね。本当に頼れる場所がまずないと。相談できる機能というのが今ほとんどありません。認定NPO法人D×Pさんというところがこういう層の支援をやられているんですけれども、本当にもう登録数が急増していて、今一万人を超える方たちが増えているとかいうこともあります。  私たちも、支援をした高校生が大学とかに進むので、卒業後にどんな不安がありますかというと、本当に四年間の学費が払えるかどうかとか、独り暮らしでお金がまだ掛かりそうだけどその費用をどこから捻出しようかと心配しているとか、もう不安の声がどっと上がるわけですね。今はこれを受け止める場所がないので、やっぱりこういったことがすごく必要だなと思います。  本当にたくさんお話しさせていただきましたが、私の方からは以上です。どうもありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  次に、阿部参考人にお願いいたします。阿部参考人。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) このような機会をいただき、ありがとうございます。(資料映写)  東京都立大学人文学部教授、また、子ども・若者貧困研究センターのセンター長を務めております阿部彩と申します。  今、とても差し迫ったお話を、清水さん、また渡辺さんの方から私も聞かせていただき心を打たれたところであるんですけれども、私は貧困に関する研究者として、ちょっとステップバックをしてお話をさせていただければなというふうに思っております。  私は、やはり子供の貧困について一番よく知られているかなというふうに思いますけど、子供という観点からもう少し離れて日本の貧困対策ということを考えてみたいというふうに思っております。  まず、子供の貧困の観点から申し上げたいことが三つあります。  一つは、子供の貧困対策には、まあこれは子供だけではないんですけど、貧困対策には長期的な成長戦略が必要だということです。これ、後ほどお話しいたします。なぜかといいますと、今、平場で聞かれているたくさんの生活困難というのは、コロナだから初めて起こった問題じゃないんですね。コロナの前からある問題なんですね。実はもう三十年前からある問題です。それも追ってお話しさせていただきます。  もう一つが、子供の貧困対策と子育て支援策とは違うということです。同じではないということです。子供のある世帯全体の経済状況は、必ずしもコロナになっても悪くなっていないですし、先ほど渡辺さんもおっしゃったように、平均所得は比較的高いです。ですので、子供の貧困、今非常に少子化になってきて、少子化対策ということで子育て支援策、私、この二つも一緒ではないと思いますけれども、が話されていますけれども、それと子供の貧困対策、また、子供の貧困対策と全体の貧困対策も同じではないです。今、日本の国民の中で子供を、今、進行状況でお子さんを育てている国民、何%いると思いますか。本当、マイノリティーのマイノリティーですよね。女性の中で見てもそうだというふうに思います。恐らく一〇%以下ぐらいになるんじゃないかなというふうに思います。ですので、子供の貧困対策やっているからといって、日本全体の貧困対策をやっているわけではありません。  三つ目、この点は私は非常に強調させていただきたいと思います。財政を悪化させる政策は子供のためにはならないということです。  順番に行きます。  まず、このグラフは、皆さん御存じのとおり、厚労省が発表している貧困率のグラフで、八五年からになります。あいにくこの次の二〇二一年の数値がまだ公表されておらず、恐らくこの夏から秋にかけて公表されることになるんではないかなというふうに思います。ですけれども、私のお話ししたいのはコロナの前の話ではありますので、この二〇一八年の数値、データまで使ってお話をさせていただければというふうに思います。  この推移を年齢別と見てみますと、例えば男性を見てみますと、赤で書かれてある部分が八五年のグラフからだんだんだんだんと上がってきたグラフということになります。済みません、色が余り差がないように見えるかもしれませんけれど、下の方が八五年で、上の方に上がってくれば上がるほど高くなってくるのが、赤いのが二〇一八年の数値になります。高齢期を見てみますと、高齢者の貧困率が徐々に下がってきて、赤のグラフというのが八五年のグリーンのグラフに比べて大分低くなっているということが分かります。  これ、女性でも同じですけれども、女性の方は、見ていただくと分かりますように、高齢期の貧困率が下がっておりません。若干後ろ倒しにはなっておりますけれども、その分、寿命も延びておりますので、女性の貧困率というのは実のところそれほど変わってはいないんです。  それを非常に分かりやすくしたものがこのグラフになります。三つの年齢層に分かれているわけですね、八五年から二〇一八年。  二十歳未満と二十歳から六十四歳の勤労世代で見れば、やはり二〇〇九年、二〇一二年の一番景気が悪かったときを山にしているんですけれども、二〇一八年の非常に景気のいいときであっても、八五年や九〇年代に比べればまだまだ高いところにあったねといった状況が見て取れます。  ただ、六十五歳以上を見ていただきますと、先ほど申しましたように、男性に関してはこの間、貧困率すごく下がりました。ですけれども、女性の方は貧困率はそれほど下がらなかったんですね。  私、この三十年間というのを非常に重要視しておりまして、三十年間、一世代変わる世代です。三十年間貧困対策やってきたはずなんですけれども、三十年間たっても高齢女性の貧困率は下がらなかったですし、実は高齢男性の貧困率も、これ、隣の二十―六十四歳と二十歳未満とやっていますけれども、それでもまだ高い方なんですよね。  実は、二〇一五年、二〇一二年ぐらいから高齢者の貧困率はまた上がり始めています。これが、やはり年金等をカットしてきたといったようなことがあり、公的年金等がこの後どれぐらいこれに影響してくるのかといったところになるかなというふうに思います。  もう一つの観点として、じゃ、地方というのを今まで支援してきたわけなんですけど、地方と都市部はどう変わってきたかということで、貧困率を都市規模別に見たものです。  実は、かつては都市規模による貧困率の差というのが非常に大きなものがありました。これ、勤労世代をお見せしています。ですが、三十年間で収れんしてきたといった状況です。つまり、どこに住んでいようと余り貧困率が変わらなくなってきたということなんですね。大都市と郡部とさほど変わらなくなってきているといった状況があります。それは、大都市の方が貧困率が上がってきて、郡部ですとか人口五万未満の方は横ばいぐらいになってきているかなというようなところがあります。これ、子供と高齢者で見ても同じような状況にあります。  もう一つ、子供の年齢別の貧困率なんですが、実は八五年の頃は貧困率はそれほど差がありませんでした。ですが、年度がたつごとにだんだんだんだん子供の中での貧困率の差が大きくなってきます。一番上の濃い深緑みたいな色のものが二十―二十四歳。この二十―二十四歳ですので、もう高校生も卒業した年齢ですし、一番ぐわっと下がっているのがゼロから四歳になります。じゃ、子供の貧困率が上がっているということと、それと子供のある世帯の所得がどうなったのかということは、これまた別問題なんですね。これは分布の問題ですので。  これを、お見せしているのは、児童のある世帯の所得分布。申し上げましたように、これは集計表をそのまま載せたものですので世帯人数等のコントロールはしていないんですけれども、それで見ますと、八五年がこの黄緑みたいな色のちょっと太くしているやつで、その次、九一年にちょっと飛ぶんですけれども、その中間層も入れるとそこにグラフがいっぱいあり過ぎるのでちょっと飛ばして十年間やったんですが、二〇二〇年は赤になります。  何が起こっているかといいますと、全体的に、所得というのは全体的に上がっていますので、山は右の方に動いてはきているんですけれども、見ていただければ分かりますように、非常に所得が高い層というのもかなり増えている状況にあります。これ、先ほど渡辺さんがおっしゃったように、格差が大きくなっているということに表れるところかなというふうには思います。  ちなみに、児童がある世帯のうち所得が八百万円以上の世帯の占める割合、児童のある世帯の中で占める割合を三十年間プロットしてみますと、御覧になりますように、二〇二〇年、特に二〇一八年、一九年に比べても、二〇二〇年、非常に上がっておりまして、もう四〇%近くになっています。八五年は、この数値というのは一四%ぐらいだったんですね。特に急激に上がったのが九〇年代と、それと二〇一五年以降になります。ですので、二〇一五年以降もこの高所得層というのは増え続けているんですね、今でも。  で、このグラフが私が、でも一番皆さんに見ていただきたいグラフというものです。  じゃ、貧困層が増えているんじゃないかと。貧困率、実際に八五年から二〇一二年まで増えて、それから好景気で若干下がったんですけれども、じゃ、どこがどういうふうに、どこが悪いのかということなんですね。何で八〇年代からこんなに増えたのか。  濃いグリーンの方が再分配前、これは所得や、所得税や社会保険料を取る前、また児童手当ですとかを取る前のグラフですね。で、黄緑の方が再分配後になります。ですので、二〇〇九年までは再分配が全然機能していなかったので、あっ、二〇〇六年までですね、再分配後の貧困率が高いなんという状況があったんですけれども、見ていただきたいのはこの黄色い線です。  八〇年代から二〇〇九年、まあこれ一番悪かったときですね、二〇〇九年、二〇一二年、一番悪かったときですけど、その間に再分配前の貧困率は一〇%以上上がったんですね。つまり何を示しているかというと、この子供のある世帯の稼ぐ能力、親の所得だけで、一人親であろうと二人親であろうと親の所得だけで貧困から逃れている状況がなくなっているという状況が、その逃れる能力というのが下がっているということなんですね、一部の中で。もちろん、所得が高い人の層がある中でそういった層もいると。  だから、ということなんですけど、でも、御覧ください。再分配、その後、児童手当を拡充したりとかいろいろしてくださっていますけれども、再分配した後の一番多く再分配効果があったのが二〇一二年の一八・五%から一六・六%。下がっていますけれども、せいぜい二%ぐらいですね、今の財政状況でやっていても。  私がここで申し上げたいのは、だったら、じゃ、再分配を増やしてくださいということではないんです、恐らくそう言うと思っていらっしゃると思いますけど。というのは、この濃い緑の方の貧困率のこのグラフの上昇を下げない限りは、その差分を、一〇%の差分を再分配で補うんですかということなんですよ、日本の財政状況で。それができないでしょうということなんですね。  なぜか。それを考えると、まず第一にやらなければいけないのは、親の所得を、再分配する前の所得を向上することなんですね、子供の貧困率でいっても。これは子供でお見せしていますけれども、それはほかの勤労世代でも同じです。  これは恐らく皆さんもよく御存じのことかというふうに思いますけど、この頃やっと言われるようになってきたということですけれども、PPP、購買力平価で平準化した形でのいろんな各国の所得を見てみますと、これ子供のある世帯を見ていますが、薄い方のグリーンは、これは子供のある世帯全体の可処分所得の中央値ですね、可処分所得の中央値です。先ほど申しましたように、貧困、非常に高くなっている層もいるんですよ、所得が。  でも、平均的に見るとどれぐらいかというところになりますけれども、その数値というのは、今はもう韓国や台湾の平均的な子供のある世帯より低いです、日本の子供のある世帯というのは。もちろんノルウェーですとかアメリカですとかカナダですとかオーストラリアですとか、そういった欧米諸国よりも低いんですけれども、韓国や台湾と比べても低いんですね。で、濃いグリーンの方は子供のある世帯の中で一番下の二〇%の子供たちです。このある中で日本より低いのはイタリアだけで、そのほかの国々、例えば韓国や台湾なんかに比べても、韓国は下の二〇%の子供は一万七十七PPPドルに対して日本は六千八百二十九ですね。ですので、七掛けぐらいにしかならないということです。  そういった中で、貧困等よりも、それよりちょっと上の層も含めますけれども、二〇%、日本の二〇%の下の子供たちは、薄い方のグラフも入れて見れば、その子たちが国際競争に勝てるわけがないでしょうと思うんですね。  これは、じゃ、東アジア諸国が何でそんな子供の世帯になっているのかというと、実は東アジア諸国というのは、韓国や台湾、香港を出していますけれども、香港を除き、この韓国と台湾のところでは非常にやはり再分配のところが大きいです。この雇用所得というのは平均賃金の五〇%で男性が働く夫婦という想定で計算したものなんですけれども、たまたまなんですけれども、ほとんどの国でほとんど変わらないです。ですけれども、韓国や台湾というのは、そういった世帯、平均賃金の五〇%、いわゆる中間層ですね、中間層でもかなりの手厚い給付をしています。でも、韓国や台湾がこれができたのは、成長期がある中で、それでこういった世帯にお金を回すことができたからなんですね。日本はもう、実は高成長したときに子育て世帯に対して何もこういった再分配の制度をつくってこなかった。今は低成長なわけですから、韓国や台湾と同じような手で所得を上げるということにはいかないというふうに思います。  現状、まとめますと、三十年間にわたる親の稼得能力、貧困からの防御力の低下が子供の貧困率の場合は要因として挙げられます。この増加、最貧層の人々の勤労所得ですね、再分配所得ではなくて勤労所得の増加をするのがまず必要だというふうに思います。ほかのアジア諸国は、高成長に支えられて貧困世帯、特に子供のある貧困世帯への支援策を拡充してきました。日本は高成長期にこれをやってこなかったんですね。ですので、でも、もう起こってしまったことは仕方ない、じゃ、これから先何をやっていくかというふうな話です。日本は、今の財政状況で、財政状況がいかに危機的になっているのはここにいらっしゃる皆さんにわざわざ私から説明することでもないかというふうに思いますけれども、じゃ、どういうふうにして貧困対策をやっていくべきなのかという話です。  もう一つ、コロナ禍による生活困難ということは今盛んに言われますけれども、今ある生活困難のほとんどはコロナで初めて現れた問題ではありません。確かに、コロナ禍によって影響を受けた子育て世帯というのが下の方の世帯に限られているという、限られているというのではなくて偏っているというのは確かです。それは先ほどの渡辺さんのデータの中にもありました。ですけれども、影響を受けたのは全体の中では一部です、子育て世帯全部の中で比べる、の中では。というのは、お父さんもお母さんも正社員であれば、別に所得が下がったわけではないですよね。なので、これをやはり肝に銘じる必要があるかなというふうに思っています。  それと、収入が減った、誰でも収入が減ると生活苦しいと思うんですね。ですけど、収入が減ったということと生活困窮ということは違います。年収が八百万の人が収入が六百万になれば、それは厳しいです、つらいと思います、その人は。ですけれども、その方がもう生活に困って生活が立ち行かなくなるというのとは違うわけですね。なので、私はやはりコロナ禍によるという形で支援をすることに対しては非常に慎重にやるべきだというふうに思っています。  ちなみに、このグラフは二〇一七年です。まあ比較的に景気がいいときですよね、アベノミクスでといったときで、に料金の未払や債務の滞納があった世帯の割合、全世帯の割合の中でです。確かに一人親世帯、非常に高いです。とんと突出していますけれども、ですけれども、例えば非高齢の男性世帯では六%ぐらいがなっていますし、一番低いところで、例えば夫婦のみで、共に非高齢者の夫婦のみ世帯なんて何で苦しいんだろうというふうに思いますけど、この世帯であっても二%弱の世帯はこういった困窮がありました。  私が申し上げたいのは、直接支援というのはもう限界が来ているんじゃないかということです。まず、ターゲティングというのが非常に困難になってきているということです。カテゴリー別では生活困窮者が把握できない。例えば一人親世帯ですけれども、実際は二人親世帯でも困っている人、今いるよと。子育て世帯じゃなくても困っている人いるよ。年金生活者って何か生活困窮者と同じような形で使われることありますけど、年金生活者の中でも全員が困っているわけじゃないんですね。なので、カテゴリー別に支援をしていくというのはどうしてもやはり漏れが起きてくるかと思います。  もう一つのこの弊害というのが、じゃ、国民全体に、全員に対する給付でない限り、かわいそう競争になってしまうということです。これ、私自身もこの一端を担いでしまったということがあるんですけれども、私が一番最初に子供の貧困と言い出したとき、これは二〇〇八年ぐらいですけれども、その頃には困っている子育て世帯があるんだということ自体が余り知られていなかったので、こんなに大変なんです、こんなにかわいそうな世帯が、子供たちがいるんですというのをデータをたくさん出していったわけなんですね。でも、もうそれから十五年以上たちました。  その後に、高齢者の貧困があり、女性の貧困があり、高校生の貧困があり、大学生の貧困があり、若者の貧困があり。先ほどお見せしたように、例えば高齢女性なんというものは一人親世帯と同じぐらい貧困率高いですけれども、もあります。つまり、どのカテゴリー取っても貧困の方々っているんですよ。  なので、その中で、私がこのやはり貧困研究を二十年以上やってきた中で見ているのは、かわいそう競争というのの声を上げるのに勝ったところが支援がされてくるなというところです。  例えば、独り暮らしの高齢女性の貧困率って五〇%超えるんですね。これ、母子世帯より高いですよ。誰が彼女たちのために声を上げてくれますか。誰も何とも言いませんよね。新聞記事にもそれはなりません。国会でももちろん議論にもなりません。でも、同じ状況にはあるわけなんですね。なので、私はその○○の貧困という形でやるのはもう限界なんじゃないかなというふうに思います。  それと、かわいそう競争はやめましょうと。こっちの方が大変なんです、こっちの方が大変なんです。財源が限られている中でですからね。なので、それはやめるんじゃないのか。そこのところに給付をしていくと、結局のところ、財源を将来世代に回すだけかなというふうに思います。じゃ、所得制限、どんどんどんどん上げていくんですかと。いろんな、就学援助費もそうですし、児童手当もそうですし、どんどんどんどん上げていって、で、それでどんどん財源を大きくして、必要財源を大きくして将来世代に回していくという、これちょっともう限界なんじゃないかなというふうに思います。  アイデア的に言えば、困窮世帯というのは、生活保護制度は困窮のみに着目するので理念的には正しいんですけれども、かなりもうスティグマが付き、手あかが付き過ぎになってしまっていると。先ほど申したように、イベント、例えばコロナ禍ですとか、まあいろんな、不況だとか、いろんなのがある、災害だとかありましたけれども、それは、というのももう恒常的な生活困窮には何も対応はできていないと。  そうしたときに、じゃ、何が必要かといったときには、やはり、私、国民的な議論が必要なんじゃないかと思います。これは政治の話です。つまり、どのような人にでも最低限保障すべきな生活というのを非常に明確に打ち出すということですね。  例えば、どんな人であっても、どんな属性の人であっても絶対に必要な医療を受けることができますというのは、我が国であれば絶対に受けることができるんですよと、そのラインをつくりましょうというような、そういったような、何かここで、例えばライフライン、ライフラインがやっても、でも健康に問題のあるような方ですから、子育て世帯とか高齢者世帯だとか、すぐに健康に問題のある世帯にはライフライン止めませんとか、そういった合意をつくって、でも、じゃ、これを達するためには、私も身も切らなきゃいけないです、ですので私も税金払います、消費税も上げるのも納得します。で、こちらの方々は法人税を上げていただきます、働きます、みんな身を切りますけれども、でも私たちみんなでこのラインは守りましょうねという議論は必要なんじゃないかなと思います。  これは、まさにもう政治のリーダーシップの問題かなというふうに思っていて、今のように困った困ったと言っているだけでは先に進まないのではないかなというふうに思います。  不安で非常に萎縮して、お金が何でも掛かるわけですね。先ほど、例えば子育て世帯、恐らく子育て世帯の八割、九割方は生活苦しいと思っております、かなり所得が高くてもですね。それは塾に行かせなきゃいけない、大学に行かせなきゃいけないというのがずっとあるわけなんですね。ですけれども、別に塾に行かなくたって自分の好きなことができる……

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 阿部参考人、恐縮です。陳述時間が過ぎておりますので、そろそろおまとめいただきますようにお願いします。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) 了解しました。  そのセーフティーネットのラインがきちっと分かっていれば、萎縮をしなくて済むので、そんなに生活にお金掛けない、エクストラにお金を掛けなくても済むようになるんじゃないかなというふうに思います。  最後、二つのところでは、その中でももしターゲティングするのであれば、私は場としてターゲティングしていただきたいということで、公教育ですね、それと定時制高校や底辺校と、あと成長産業へ若者を参入させること、大学行かなくてもこういったスキルを身に付ければ十分にすばらしい生涯が待っているんだというような、そういったような成長産業を育てていくという、これが成長戦略ですね、ということと貧困対策とをやはり合致させてやっていただきたいなというふうに思っております。  以上です。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。  まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと思います。  発言は着席のままで結構でございます。  また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。  なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるよう御協力をお願いいたします。  これより一巡目の質疑を行います。  質疑のある方は挙手を願います。  上月良祐君。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございます。自民党の茨城県選出の上月良祐でございます。  日本を代表する三人の先生方に質問する機会をいただきまして、本当にありがとうございます。  自分の十五分だけではなくて、ほかの先生方から様々な角度から出るであろう質疑のやり取りもしっかり聞かせていただいて、勉強させていただいて、政策立案に生かせていただきたいというふうに思っております。  まず、清水先生にお伺いをいたします。  これまで清水先生がもう随分頑張って引っ張ってきてくださってきたこの自殺対策でございます。最後から、十三ページですね、最後から三枚目になりますか、まさにその専任組織のところでございます。  予算の確保であったとしても、総合戦略をつくること、実態解明であったとしても、やはり専任の組織、きちっとした人員がないとこういったことを要求する人もいない、調べてくれる人もいないということでありますから、順番はこういう順番かもしれませんけれども、実際にはやっぱりその専任組織の重要性というのは大変大きいんだろうと、役所の組織を考えたときにも思います。  先生がおっしゃっていた自殺対策室は、できたことは半歩前進だと思いますが、併任だと、全員併任だと、十人弱だと聞いておりますが、ということなので、専任にしていく、まあ全部いきなりは無理かもしれませんが、必要があると思っております。  この専任組織の必要性につきまして、先生がこれまで実際に感じたことがあれば教えていただきたいというのが一点。  それから、六ページに、高校生の自殺の原因、動機が書いてあります。健康問題、学校問題ということで書いてあって、うつ病、その他の精神疾患、学業不振、あるいは進路の悩み、学友との不和、こういったところ多いわけですけれども、私は、この原因そのものも大切なんですが、この原因の原因というのが重要じゃないかと思っておりまして、何でうつ病になったのか、何で学業不振になったのか、何で友達と不和になっちゃったのかというそのトリガーの一つが、まあいろんな要素はあると思います。しかし、そのトリガーの一つが困窮問題なのかなというふうにもちょっとこれまでの勉強では感じておりまして、このことについて先生のお考えあれば教えていただきたいと思います。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 御質問いただいてありがとうございます。  私の方で配らせていただいた資料の一番後ろのページを見ながら話を聞いていただけると大変有り難いなというふうに思うんですけれども。  まず、専任に関しては、自殺対策基本法が二〇〇六年にできて、最初、自殺対策は内閣府の所管でしたので、内閣府の中に自殺対策推進室がありました。当時は、ただ、室長がまさに併任で、定住外国人施策であるとか障害者施策であるとか、あるいは銃規制の施策とか様々な施策と自殺対策を兼務する形で室長、まあ参事官ですけれども、が仕事をされていました。  ただ、二〇一六年に自殺対策基本法が改正され、そのタイミングで内閣府から厚労省に業務が移管された後は、厚労省においては、自殺対策推進室の室長はずっと専任でやられているんですよね。もう明らかにスピード感が変わったというのが、自殺対策推進室とやり取りをさせていただいている、させていただく立場の私の実感です。  やっぱり、自殺の場合は、まず省内のいろんな施策との調整も必要になってきますし、あるいは省外ですね、他省庁との連携というのも当然重要になってきます。自殺の背景には様々な問題が潜んでいますので、そうした関連施策との調整が必要になってくるということと、あと、民間団体が現場を担っていますので、そうすると民間団体とのいろいろな協働の枠組みをつくったり、あるいは協調してやっていくというのが必要になってくるので、かなり調整が大変なんですよね。それをやはり併任の方たちでやれるとはもうとても思えない。実際に、自殺対策推進室が厚労省になって専任になったことによってもう明らかに変わりましたので、それと同じように、子供の自殺対策についても当然専任でやっていかないと機動的な動きというのは取れないんじゃないかというふうに感じています。  もう一点、御質問いただいたその原因の原因ということでいうと、この私の配らせていただいた資料の緊急提言の二番目のところに、子供の自殺に関する情報を集約し、多角的に分析するための体制を整備することということで、この議連の総理申入れの緊急要望の二番目のところにも書いてありますけれども、まず、やっぱり率直に言うと、今断片的な情報しかないので、しっかりと分析をしなければ統計的にはっきりと言えることというのはないんじゃないかというふうに感じています。  ただ、私たち相談事業も行っている中で持っているその実感ということでいうと、まさに貧困の問題が背景にあるというふうにも感じていますし、あとは、親から小さい頃から虐待を受けていたということによって、まあこれ虐待というのは身体的な虐待だけでなく、一定の成績を取れないと家族として認めないというようなそういう精神的な虐待も含めて、そういう虐待を受けてきたことによって他者との人間関係が築けない中で、学校でもクラスメートとの関係性がうまく築けない中で追い込まれていくとか、あとは、発達障害が見過ごされている中で、二次障害的に怠けているとか言われたり、あるいはあいつは変なやつだと言われていじめになったり、あるいは家族間の不和があってというようなことがあったり、あとは精神疾患ですね、これも見過ごされているということもあったりするというふうに感じていますので、そこは、まさに原因の原因をしっかりと究明して、総合的な対策を立てるという意味でも実態の分析を掘り下げてやっていく必要があるんではないかというふうに思います。  以上です。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 清水先生、ありがとうございました。  専任の組織の件は、もちろん超党派で一生懸命やっているわけですが、我々自民党でも一生懸命頑張って後押しをしたいというふうに思っております。  続きまして、渡辺先生にお聞きをいたしたいと思います。  もういっぱい聞きたいことあるんですけど、時間も限られてて、三人の先生にお聞きしたいので、取りあえず一つお聞きします。  五万と三万の給付の件は、我々も一生懸命頑張りました。ただ、今ほどあったような準貧困層のところまでなかなか手が届いていないという問題もまた再認識をいたしました。全部に、阿部先生からお話がありましたが、全部にお金配るというわけにいかないとなると現物給付をしていかなきゃいけない。つまり、学習ができる場を用意するとかという形にしなきゃいけない。食事を提供するということをしていかなきゃいけない。子供食堂が意外に的に当たっていないぞと、困窮世帯に当たっていないぞということも勉強させていただきました。  そうすると、結局、やっぱり支援者支援をしなきゃいけない。我々としては、NPO、頑張ってくださっているNPOを支援しないといけないということなんですが、まあここ二年間ぐらい相当手厚くなってきている、してきて、頑張ってしてきたつもりなんですけど、まあ運営費のことはもうこれどこも困っていると思うので、運営費に加えて、それももちろんあるんだと思いますが、何を、どんなこと、人手なのか場所なのか、どんなことが一番困っていらっしゃるのかということを教えていただきたいと思います。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) 御質問ありがとうございます。  本当に、一つは、すごく学習支援のニーズは高まっていて、例えば私たちが行政から受けている学習支援の事業で、例えば中学生を対象に生活困窮の方々の学習会をやりますよというのも、もう昨年に比べると物すごい勢いで埋まってしまって、昨年までだったらちょっとその定員があったときになかなか四月の間には定員が埋まらなくて、まあ夏過ぎぐらいから埋まってくるみたいな状況だったのが、今はもう三十人待ちです、キャンセル三十人待ちですだとか、やっぱりそういうふうなところで、今ちょっとやっぱりどんと所得が下がって、まあ受験だから何とか塾ぐらいは行かせようかと思っていた人たちが行かせられなくなっているんだなというふうなところで、本当にここの、いわゆる災害支援でいえば復興支援みたいなところのニーズというのはちょっとあるんだろうなと。これが二年なのか三年なのか分かんないんですけれども、そこが広げられるといいなというふうなことはすごく一つ思います。  あとは、本当に地域のNPOさんがすごく頑張っていらっしゃる中で、一つは、やっぱりまだまだ地方、特に、地方のNPOさんと話しているとやっぱり理解がすごくないというふうなところで、本当にうちには子供の貧困はありませんという自治体さんがまだあったりとかするらしいんですよね。そういうふうなところで、本当にでも困っているお子さんがいるので、ちょっと公民館とかを使って、公共施設を使ってやりたいんだと言ってもそういった活動に使わせてもらえないだとかというふうな話がある中で、やっぱり、まあ今本当に全ての基礎自治体が子供の貧困対策をつくるようにというふうなことの方向性にはなっていますけれども、もう少しそこをやって、やっぱり理解をしていただいて、地域で頑張る方たちを応援してもらうということがすごく重要かなと思います。本当に場所がなくて困っているだとか、場所使わせてもらっていたんだけど急に駄目って言われただとか、そういうふうな話はあります。  あと、もう一つは、本当にできるといいなと思っているのは、やっぱり学校現場との連携というのがすごく難しいところがあって、本当に困っているお子さんたちに来てほしいんだけれどもなかなかつながらないだとか、そういうふうなことがある中で、やっぱり子供のことをみんなでやりましょうという社会的な土壌ができて、やっぱりうまくつながってこれるようになるとすごくしっかりと回るんだろうなと思っているので、そういったところもできていくといいなと思います。  以上です。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 済みません、ありがとうございました。  貧困の連鎖をどこで断ち切るかというのを非常に関心あるんですけれども、ちょっと時間がないので、また後ででもいろいろお話を教えていただきたいと思います。  阿部先生に、最後、お聞きしたいと思います。  阿部先生の論文も読ませていただきました。現場で実践されているお二人とは対照的に、理論面やデータ面で牽引されていらっしゃる先生で、大変深く、何というんでしょう、牽引していただいていることを感謝申し上げます。  子供の貧困というのは親の貧困ですし、親の貧困というのはニアリーイコール働く世代の貧困で、先生がおっしゃるワーキングプアの問題だと思います。シングルマザーは世界一働いていて世界一貧しいんだというデータも見させていただきました。先生がおっしゃるように、まず市場所得、まあ給料を上げなきゃいけないということももうよく分かりました。賃上げあるいは最低賃金のアップというのが大変重要であることや財政の問題、これもよく頭に入れたいと思います。  先生にお聞きしたいのは、この二十ページですかね、図らずも三人の先生がみんな、高校生、高校というところが随分横串が刺さっていて、僕らも参議院の自民党で勉強しているのでここってちょっと重要じゃないかというのを思い始めていまして、先生がここで底辺校、定時制高校や底辺校というところに重点的支援というふうに、なぜ高校生というところをここで、場で選ばれたのかという、そこをちょっと教えていただきたいと思います。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) もちろん、高校生年齢の方が一番貧困率が高いということもありますし、ただ、私が、あるのは、やはりその前の公教育というところもある中でというところはあるかなというふうに思います。もちろん、今実践されている学習支援ですとか子供食堂をやっている方にはもう本当に敬意を払いますけれども、でも、私たちが目指す社会は、学習支援塾に行かなくても、子供食堂に行かなくてもちゃんと学びが身に付く社会だと思うんですよ。それを考えれば、その公教育も非常にやはり重要で、そこのところで、塾に行かなくても大学へ行けるよという状況になるというのがまず重要かなと思います。  高校生年齢は、でも、おっしゃるとおりに、非常にまず分かれてしまうので、場で選ぶにはやりやすいところだと思うんですね。つまり、学力ですとかその経済状況でもかなり決まっているところもあります。なので、ここはやっぱり重点的にやらなきゃいけないなというのが非常に分かりやすいところだというふうに思います。  そういった意味で、人ではなく場にターゲティングした政策というのはやりやすいですし、お子さん自身も、ここのところがしっかりしていれば、その後に自分の選ぶ道を選ぶ。で、私たちが望んでいるのは、大学進学、全員が行くことではないというふうに思うんですね。大学進学、行かなくても、それでもちゃんと自分でこれから稼ぐ人間になっていくような人間を育てていくというのを、この一番やはり底辺校のところでやっていくというのが重要かなというふうに思います。

上月良祐自由民主党

○上月良祐君 ありがとうございました。  先生が、場でターゲティングしてやった場合に、もちろんそれを擦り抜けてこぼれちゃうような方もあると思いますが、そこには、生活保護を分解せよということで、先生のあれ読ませてもらいました。住宅であるとか様々なものに分解して適用するというようなことでカバーするのかなというふうに思って読ませていただきました。  時間があと一、二分ありますが、私の質問はここまでとさせていただきたいと思います。本当にありがとうございます。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 柴愼一君。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。  参考人の皆様には、実態に即した示唆に富む御説明、御意見いただきまして、本当にありがとうございます。日頃からの活動、また提言に心より敬意を表したいというふうに思います。  社会の問題は、見たくないものとして目をそらしていても、逃れられない現実の問題として弱い立場のある人たちを直撃するんだというふうに思います。そして、それを政治が対策を講じているというふうに言っても、課題解決に至っていないことを、これもやっぱり明らかにしているんだというふうに思いました。政府や、そして政治が、都合の悪い現実から目をそらし、その場しのぎの対策に逃げてきたことがこの事態を深刻化させているとするならば、そのことから真正面に向き合う必要があるということを改めて感じました。  事前にいただいた清水参考人の資料を読ませていただいて、生きることへの阻害要因と促進要因というのがありましたと。阻害要因よりも促進要因が上回っていれば、自殺のリスクというのは低くなるんだというようなお話だったと思います。促進要因が減少し、阻害要因が増加しているのが今の日本社会なのかなというふうに思います。この調査会のテーマは、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築なんですが、そんな社会の構築が必要だというような状況、取り残される人たちがいるということだというふうに思います。  参考人の皆様のお話は、何か根っこは同じところに何かあるような気がしました。それぞれが、原因だったり原因に基づく現象であったりというふうなことだと思います。三人の先生方それぞれ、今のお話をそれぞれ聞いた上で、日本社会や政治の在り方など、感じたこと、また、時間の都合でもうちょっと言いたいということがあれば、少しお話しいただけたらと思います。三人の先生方それぞれいただけますか。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) ありがとうございます。  二点ありまして、まず一点が、この誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築、この希望が持てる社会であればいいと思いつつ、私は希望が持てなくても、せめてその人なりの人生を全うすることができる、そうした社会にすべきではないかというふうに思います。希望を持たないといけないということではなくて、もちろん持てた方がいい、持ちたい人が持てる社会を実現するということが大事ではありますけれども、でも、そうでなくても、でも死に追いやられることがないという、そういう社会をどう実現するかということが大事ではないかというふうに感じています。  もう一点が、まさに今、政治の責任ということでいうと、先ほどのお話の中で触れさせていただいたとおり、自殺者の総数に関しては、これは大きく減少してきています。これは政治の力で減少に導いていただいたというふうに、私、現場で活動する一人として強く感じています。やはり、法律があって、その法律の下で関係者が情報をしっかりと収集し、分析し、戦略を立てて、その戦略を実行する財源と専門の組織をつくって、全国の自治体も巻き込み、民間団体も巻き込み、社会づくりとしてやってきたということの中で自殺が減ってきているわけなので、そこはもう政治の力が存分に発揮された分野ではないかと思っています。  ただ、子供の自殺対策に関しては、これが政治の力が発揮されていない。予算もそうですし、先ほどの、そのまさに専任の職員であったり室であったりもそうですし、ようやく今こども家庭庁という枠組みができて、その中で子供の自殺対策を進めるような状況、まあ枠組みとしてはできてきましたので、後はどうこれに本当に魂を注ぎ込んで実効性のあるものにしていくかという、もうそこは政治の力でやっていただくしかない部分だろうと思いますので、そのことを現場から強くお願いしたいというふうに思います。  以上です。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) 御質問ありがとうございます。  本当に、子供が明るくなれなくなっているなというのがあって、子供って本来は余り何も考えずに無邪気に将来のこととか明るくなれればいいなと思っているんですけれども、そうではない子が増えていると。  さっき阿部先生からのお話もあったように、本当にごく一部のお子さんたちというか上の子たちは、本当に留学したりだとか起業をしたりだとか、すごくいろんなことができるようになっている子たちがいる中で、ああいうのが成功モデルになっていて、勝ち組だとか、そういうふうになっていて、そうじゃない、本当に年収が六百万とか七百万の子たちは、そういうふうになろうと思ってもなかなかなれない中で明るくなれなくなっているので、本当に何かそんなことを気にせずに明るく人生生きられるんだよということを本当に言ってあげたいなと思っていて、世の中には本当にお金がなくても幸せな人もいっぱいいますし、本当に大学に行かなくても自分が好きな生き方をするということを肯定してあげるということがすごく大事で、本当に多様性を大事にしましょうとかと言いながら、実は本当にその多様性をどんどん認めなくなっているのかなというふうに思っていて、校則の問題とかもようやく最近少し始まりましたけれども、本当にいまだにもう他人と同じじゃないと物すごく罰せられるとかというふうな中で、子供はすごく窮屈になっていて、やっぱりそれを本当に緩やかにしてあげたいなと思うので、私たちは本当に学習会に行くと、もういいんだよ、いいんだよって、別に何でもいいんだよ、違ってもいいんだよとか、じゃ、好きなことは取りあえずやってみてとかって、駄目だったらまたやり直せばいいんだからとか、そういうふうなことをするんですけど、やっぱりそういうふうなことを誰かに言ってもらうだけでも全然変わっていくんですよね。  本当に、だからやっぱりそういうふうなことをしてあげると、だから子供って本当に実は声掛けとかすごく大事なんですけれども、今ちょっと日本中が大変になってきていて、何か子供のことをやっぱり忘れられているかなみたいに思います。  東日本大震災のときも、やっぱりすごく日本中が大変だったので、子供はそのときにはなかなか、じっといい子にしていたんだけれども、実はその震災後三年とか四年とかで、本当に、要は不登校が増えたりだとか出てきたように、やっぱり大変な時期って子供のことを見過ごしがちになるんですけど、そういうときだからこそ、いや、子供のことを一生懸命やろうというふうにするのが重要かなと思います。  もう一点あるのは、本当に子供の声を聞くということで、こども家庭庁ができて子供の声を聞きましょうといったときに、いや、本当に聞いてくださるんですかというのはすごく問いかけたくて、子供の声を聞くというのは、ただ聞きました、はいということで終わってしまっては、子供にとっては自己有用感が下がるだけなのでもうやらない方がいいと私は思っていて、聞いたからにはちゃんと生かすということを、生かす努力をしなければ子供の声を聞いたということにはならないんですね。世界各国がみんな子供の声を聞いて、それでちゃんと制度をつくったり学校を変えたりとかということをしているので、やっぱり子供の声を聞きますと言ったからには本当に聞かないといけないと思います。  私どもは、本当に、今日も資料に高校生の声をたくさん入れたのもそういう意味で、いや、子供はこうしてほしいと思っているんですということをやっぱり聞いていただいて、やっぱり子供が求めていることに、どれだけ実現させていくかということを、やっぱり政治が努力するかということが求められているのかなというのは思うので、是非、それをやっていただければ本当に子供は国に期待をするし、もっと声を上げようと思うし、自分の未来を切り開いていこうと思うので、是非そういうことをやっていただければと思います。  以上です。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。  私から申し上げたいのは、やはり財源問題も含めて、もっと国民の方々と議論をしていただきたいなと政治家の方々にお願いしたいなというふうに思います。  サイレントマジョリティーではありますけれども、日本の中では、やはりその財源問題の話とかを非常に心配に思っている層というのがあり、じゃ、今後日本どうなるんだというふうに、成長もせずにこんな状況でどうなるんだろうと思っている層がいるんですね。ですので、私たちに、例えば消費税下げてくださいだとか何とかの支援をくださいとか言っている層だけじゃないと思うんです。  なので、そこも含めて、やはり政治家の方々に、今こういう状況でこれは、ここはできないですと、だったら、じゃ、でもこれは絶対に実現したいです、しなきゃいけないですよねという、日本国民は絶対ここはもう死守しましょうねと。そのためには、じゃ、幾ら必要で、じゃ、誰がどのように負担するか、みんなで議論しましょうというのをやっていただきたいなというふうに思います。  それがこの三十年間できてこなかったんじゃないかなというふうに感じておりまして、そうなると、結局、貧困対策もあれなんですよ、それでは進まないんですね、財源が限られた中でしかやらないので。私も、こっちが上がったらこっち側が下げられるというようなことをずっと見てきました。  ですので、それは、やはり何かいいことやりますよと言うだけは本来の、本当の意味での前進にはならないかなというふうに思いますので、その議論をしていただければ、いろんな声、SNSですとか街頭ですとか、いろんなやじが飛んだりだとかするかもしれませんけれども、そういった人たちばかりではないということは是非感じ取っていただければなというふうに思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ありがとうございます。  時間の関係で、あと一つだけ聞きたいと思います。阿部参考人に、もう少し聞かせてください。  貧困率の長期的な動向も含めて、これまでの貧困率が悪化する要因というのも、今後も深刻化していくんだという資料も読ませていただきました。やっぱり一番、さっきも言われていて、ワーキングプアの問題にやっぱり正面から向き合っていないんじゃないかということも提言いただいていたと思います。フルタイムで働いても生活が苦しい水準の賃金しか得られないという現実があると。  自分自身も組合の役員ずっとやってきましたので、最低賃金の引上げが企業経営に与える影響の大きさというのをすごくやり取りしていても実感をしていました。逆に言うと、企業の経営はそういう最低賃金に近い水準で働いている皆さんによって成り立っているというところもあるんじゃないかということで思うと、やっぱり企業の視点じゃなくて、働き、暮らす一人一人の存在からやっぱり社会とか制度づくりをしていく必要があるんじゃないかというふうに思うと、やっぱりそれは企業の、個別企業の努力じゃちょっと難しいとすれば、人件費の価格への転嫁含めて、社会全体でどうしていくのかということを考える必要があるというふうに思いますが、その辺のことについてもう少し御意見いただけますか。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) おっしゃるとおりかなというふうに思います。  その費用を国民全体で負担しなきゃいけないんだという覚悟は国民側もする必要がありますし、また、中にはどうしてもやっていけない企業もあるんだということですよね。それも、そこのところもやはり含めて納得しなければいけない。でも、だったら、ここの方、ここの産業は例えば退出していくんであれば、じゃ、そこの、どうやってここにいる人たちを守っていくのかという議論も含めて、ですので、カンフル剤みたいに生き延ばしていくだけでは恐らく十年後にも同じ議論をすることになるんじゃないかなと思います。

柴愼一立憲民主・社民

○柴愼一君 ちょっと時間残しましたけど、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 窪田哲也君。

窪田哲也公明党

○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。  今日は、三人の先生の皆様に大変に重く大切な御意見を賜りました。これからの政策にしっかり生かしてまいりたいと、そのように思いました。  最初に、清水代表に伺いたいと思います。  子供たちの遺書をたくさん丹念に読まれながら、その背景探って、その要因までしっかり探っていく作業というのは大変な御苦労だったと思っています。敬意を表したいと思います。  そのような経験から運動を進められたわけですけれども、自殺に至るには四つのプロセスがあって、複合的に絡み合っていると。複合的にプロセスの中で起きるので、したがってこの様々な機関の連携が大事であるということをおっしゃっていらっしゃいますけれども、参考になるのが長野モデルだというふうに、今日は長野モデルについては触れられませんでしたけれども、とても参考になるものだと私思っていまして、長野モデルのポイント、二つ伺いたいと思います。  この長野モデルの連携ということについてのポイント、それからもう一つは長野モデルをつくられていかれた上での一番のこの、一番御苦労されたこと、この二つについてお伺いしたいと思います。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 御質問ありがとうございます。  私の資料の一番最後のページの八番ですね、子どもの自殺危機対応チームを全ての都道府県に設置することという、まさにこの緊急要望の八番目にも入れていただいているものなんですけれども、長野県で、自殺リスクを抱えた子供を地域がサポートする、そのためのチームとして子どもの自殺危機対応チームというものが三年前につくられて、そのモデルを参考にしながら、昨年十月に見直しが行われた自殺総合対策大綱の中に、この子供の自殺危機に対応するためのチームを全国に広げていくというような文言が入りました。ですので、長野でできた、子供、自殺リスクを抱えた子供を学校と地域が連携して、チームをつくって連携してサポートするという取組が今、全国に広げるための枠組みは整ったという状況ですね。  ただ、現状まだ、この大綱が見直されたのが十月ですので、まだほかの都道府県にこの子どもの自殺危機対応チームが広がっているという状況ではないので、これから全国でこれを広げていくために、国として財政的な支援であったり、いろんな技術や情報等における支援をやっていくという必要があるんだろうというふうに思います。  ただ、いずれにしろ、この自殺リスクを抱えた子供をサポートするためには、子供の支援のみならず、子供が暮らす家庭に対しての支援も併せてやっていくということが必要になってきますので、というのも、その世帯の抱えている悩みや課題が子供の自殺リスクという形で表面化している場合も少なくないので、そうすると、その表面化した子供の自殺リスクに対してのみ対応しても根っこの問題が残されるということになってしまいますので、子供の自殺リスクに対応するときには、子供とその暮らす、子供が暮らす世帯と両方に対して支援をやっていく。そのためには、学校と地域が連携をしなければならない。  これまではやはり、学校は本当に学校、地域は地域というところで、そこがなかなか連携ができなかったというところが、この長野県においてはこれが連携ができているということが非常に重要なポイントだろうというふうに思います。  一番の苦労といいますか、長野がそういうふうにして学校と地域が連携できるようになったということの最大のポイントは、これは知事が旗振り役を担ったということだろうと思います。知事部局の自殺対策の担当と教育委員会が、連携をなかなか普通だったらできないところを、知事の指示でというか、知事が座長を務める子供の自殺対策のプロジェクトチームというのがあって、そこに教育委員会も知事部局の自殺対策担当も入って、その子どもの自殺危機対応チームとしてこの自殺の危機対応チームをつくるということの決定をしていますので、それによって日常的な連携がうまくいくようになった。連携の枠組みを知事が主導してしっかりとつくったということがうまくいったポイントではないかというふうに思います。  苦労したところでいうと、いろいろありますけど、ただ、苦労よりも、やはりこういうチームがあると自殺リスク抱えた子供をちゃんとサポートできるようになるんだなという実感の方が強いです。  このチームには、児童精神科医、弁護士、あと精神保健福祉士、あと心理士、インターネットの専門家、あと自殺対策に取り組む我々のようなNPOが入ってチームを組んで、子供の自殺リスクを察知した先生がそのチームに支援要請を行って、子供の様子を伝え、で、伝えられる中でチームの中で支援、子供の自殺のリスクを評価して支援方針も伝えていくという、そういう学校の現場と頻繁にやり取りをする形でチームが後押しをしていくという形になっているんですけども、やっぱりこういうふうにやれば学校の先生方もどう子供に接すればいいのか分かるし、分かればそれをいろんな関係者巻き込んで実際に実行していただけるという。  今までは、専門家の助言を受けることすらできないまま、先生がもう本当に右往左往しているという、そういう状況だったと思いますので、そこと専門家のチームをちゃんとつなげてあげる、で、家庭と子供、両方の支援をしていくということによって、しっかりとした学校と地域が連携した子供本位の生きる支援ができるようになっていくという、そういうふうに強く実感しています。  以上です。

窪田哲也公明党

○窪田哲也君 ありがとうございます。  知事部局を中心にしたリーダーシップ、学校と地域の連携、さらに専門家を交えたチームとしての取組ということだと理解をしました。ありがとうございます。  続きまして、渡辺参考人に伺いたいと思います。  準貧困層の対策が必要だということでお話を伺いました。相対的貧困層への対策という意味では随分進んではいるけれども、この準貧困層が対策が不十分ということをおっしゃったわけですけれども、その意味で、今取り組んでいらっしゃる、特に高校生、キッズドアオンライン学習ですかね、大変にすばらしい取組だと思いますけれども、今、この安定運営に向けての課題について教えていただければと思います。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) 御質問ありがとうございます。  本当に準貧困層といいますか、要は子育て世帯の所得が二極化しているので、一般の国民の考え方だと中位という方たちが子育て世帯の中で見ると非常に下位になっている中で、やっぱりそこへの支援ということがないとなかなかそこが自助だけでは難しくなっているという状況の中で、本当に物すごくおうちも大変で、御飯もなかなかなくてというふうな、そうではないけれども、やっぱり教育を、今の日本の中での教育ということを考えるとなかなか自分ではやり切れないという方たちはとてもいるなと思っています。  私どもがやっている中では、特にそのオンラインの支援では、少し自主事業で対象が広げられるので、例えば年収を六百万以下ぐらいまではいいですよみたいなことで、特にキャリア教育みたいなことはやっているんですけれども、そうすると本当に喜ぶんですね。今までどんな支援も受けられなかったと、本当に、自分のうちは二人親でなかなか住民税をちょっと払っているのでというふうなこととか、一人親でも児童扶養手当を受けていないような方たちというのは何にも支援がないので、そこの子たちが参加できるといってすごく喜んで、本当にその子たちは非常に前向きなんですね。だから、本当に、いろんなキャリア教育ということで、いろんな人の話を聞かせてあげるとかということがとても喜ぶと。  私たちが、あっ、準貧困層の支援大事だなと思ったのは、そのプログラムを受けた子供たちにアンケートを取ってどうでしたかという感想を聞くんですけども、その中で出てきたのが、もっと早くキッズドアに出会いたかったですと、私の兄はとても優秀で、県のいい高校に行っていて東大を目指していたんだけれども、結局大学に行かずに就職しましたみたいな話があって、本当にこの子につながっていたら、別にお金がなくても、今こういう制度を使えばねとか、こういうふうにしてあげれば行けたんじゃないのみたいなことができたんだろうなと思って、物すごく歯がゆいですね。そういう子が多分たくさんいるんだろうと思う中ではすごく有効だと思っています。  もう一つが、私たちがやっていてすごく手応えを感じているのが、今企業さんから御支援をいただいて、医療コース、メディカルコースということで、医師とか看護師とか薬剤師とかを目指す高校生のための学習会というのを、リアルの教室で二十人ぐらい、あとオンラインで五十人ぐらい、七十人ぐらいでやっています。  本当に、医学部のほかに、薬学部とか看護だとか専門学校だとか理学療法士とか、とにかくでも医療に関わる子供がつながってきている中で、そこには本当に、生活保護を受けていますみたいな、でも医者になりたいんですみたいな子供がいて、受かるんですよ、本当に。医学部はとても難しいので駄目だろうなとか、やっぱり国公立しか行けないからというので国公立の医学部を目指しているんですけれども、その子たちがやっぱりそこにつながってきていると受かるんですね。今年は国公立に六人ぐらい医学部入っていったりとかするんですよ。あとは、医系のことをやりたいというので、医療系のことをやりたいといって東大に入った子も実はいるんですね。やっぱりそういうふうに応援をしてあげることで確実に前に行ける子がいるんです。  で、その子たちに何をしているかというと、本当に、大丈夫、困っていることないとか、もうすぐ模試があるけど模試受けられるって、じゃ、模試の試験代はスポンサーが出してくれるから送るよとか、そういうふうなことで、あとは、あのね、入学金の準備大丈夫とか、勉強で困っていることないって聞いてあげたりとかする、そういう支援なんですけど、それでもすごく助かっているんですね。  本当にこれは、例えば医療だけじゃなくて、理系を目指す子だとか、法律で社会を変えたい子だとか、いろんな子がいるんだろうなと思っていて、やっぱりこういったことが広げられるといいなと思っています。  あとは、本当に、全国にできているので、本当にオンラインでこういうことができるといいと。ただ、今は民間資金頼りです。本当にその広域連携で、オンラインの高校生、例えば沖縄県の高校生が三人そこに参加していますといったときに、じゃ、それは生活困窮の学習支援の事業の中で県が負担しましょうだとか、何かそういうような仕組みができてくると、本当に困っている子がアクセスをして適切な支援を受けられるので、なかなかそういったことが、今少しモデル事業みたいなことも検討していただいているかと思うんですけれども、それが進んで、本当にこのデジタル化が進む社会の中で子供たちがいい支援を適切に受けられるようになるととてもよいなと思います。  以上です。

窪田哲也公明党

○窪田哲也君 渡辺理事長が指摘されていたんですけれども、読んだものの中で、行政への信頼、最後に頼るところが、行政に対しての信頼が八%ってことですかね。これ質問じゃないんですけれども、とてもショッキングで、やはりそこの信頼度というか期待度というか、それを上げていく取組が政治では必要かなということを感じました。しっかり頑張ります。ありがとうございます。  それでは、阿部先生に伺いたいと思います。  私、地方でふだん活動しておりますもので、人口規模による貧困の違いということについて、先生の御指摘に、興味深く見させていただきました。  貧困率、都市規模別の貧困率ですね、これによりますと、八〇年代、九〇年代は都市規模別の貧困率に差があったけれども、格差は徐々に縮小していて、二〇一八年においては貧困率の都市規模別の差が二ポイントにとどまったというこの貧困、都市、人口規模別のこの変化ですけれども、この格差が縮まっていった要因というのは何なんでしょう。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。  一概には言えないというふうには思いますけれども、この背景に、これは都市規模別だけにやっているんですけれども、人口移動というのもありまして、結局のところ、人口が都市部に集中してきているというのがあるわけなんですね。ですので、そういった意味で、実は、貧困者の人がどこに住んでいるかということを集計すると、どんどん都市部の割合が大きくなってきているということもあります。  で、その要因が何かというのは、恐らく、高齢者の方の貧困率が一時的に下がったというようなところがあり、勤労世代が上がってきたというような年齢別のところであったりですとか、都市部の中でも貧困の地域ですとか地区、地区と言った方がいいかもしれませんけれども、ですとか、そういったところも大きくなってきているといったような要因があるのではないかなというふうには考えています。

窪田哲也公明党

○窪田哲也君 あと幾つかお伺いしたかったんですが、時間になりましたので、今日はどうもありがとうございました。     ─────────────

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山本啓介君が委員を辞任され、その補欠として梶原大介君が選任されました。     ─────────────

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は挙手を願います。  高木かおり君。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりです。  今日は、本当に様々な視点から子供たちの自殺の現状と課題について三人の先生方にはお話をいただきまして、ありがとうございました。  早速御質問させていただきたいんですが、まず清水参考人に伺いたいと思います。  本当に一年で二万人も、子供たちが自分の命を絶ってしまうと、こういった現状の中で、この自殺した児童生徒が置かれている状況の中で、理由として不明というものも多いというふうに認識をいたしました。周囲から見てもふだんの生活と様子が変わらなくて、特に悩みを抱えている様子も見られなかったと。  こういった状況のときに、これは、周囲がその児童生徒に無関心だったからなのか、又はその児童生徒が何もない風に装っていて周囲が気付けなかったのか、こういった点を、この自殺してしまった児童生徒からのシグナルを、これどういうふうにキャッチすればよかったのか、この策についてお伺いをしたいと思います。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 御質問ありがとうございます。  まさに全国で、大人も含めて自殺で亡くなっている方が二万人いて、そのうちの五百十四人ということで、子供の、高校生以下の自殺が今過去最多になっていると、そういう状況なわけですけれども、これは、周囲が気付けなかったということもあると思いますし、あるいは子供が気付かれないように振る舞っていたという側面がある部分もあるんじゃないかというふうに思います。  やはり、そうした意味でもしっかりとした実態調査が必要なわけですけれども、ただ、同時に、不明が多いといったときには、警察の自殺統計というのは基本的に、まあ不審死ですね、が起きたときに、それが殺人なのかそうではないのか、つまり事件性の有無を警察が捜査をすると。で、捜査する過程でこれは事件性がないと、なぜならば自殺だというふうに、自殺というふうに捜査の中で分かってきたことの情報を基にして自殺統計原票というのは立ち上げていますので、自殺のその原因、動機を究明するために捜査をしているわけではないので、あくまでも警察が捜査の中で分かってきた情報を転記しているということもあって、特に子供の場合には、やはり閉ざされた共同体、家庭だったり学校だったりというようなことの中で過ごしているので、事件性の有無というのは割と大人よりも早めに、早めにというか、明確に判断が付く部分ももしかしたらあるんじゃないかなというふうに直感的には感じますけれども、そうした中で、恐らく原因、動機の部分も、そこまで深入りせずにこれは自殺だというふうな判断が早期にされるがゆえに不明の部分が残っているという側面もあるんではないかと思います。  ただ、同時に、さっきのお話にもなりますけれども、子供が家族にこそ見せないようにするというようなこともあると思いますので、そうした中で追い込まれている子供が、ただ過去最多ということで、五百人以上いるという状況なわけですから、しっかりとこの五百十四人、昨年だけでですね、五百十四人、それ以降もそれ以前も四百人から五百人というようなことで年間亡くなっていますので、この子たちがなぜ自殺で亡くならざるを得なかったのか、あるいはどういうふうにして追い込まれていったのかということのプロセスをしっかりと実態解明していくと。それをやらないと、何となくのイメージで対策をやる、闇夜に矢を放つような、ターゲットが分からない中ですね、形になりかねないので、そこはもう実態調査というのはもうこれ不可欠だというふうに思っています。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございます。  本当に実態調査というのは大変重要な視点だと思いますし、やはりその自殺に至る過程であるとかその原因究明、ここはしっかりやっていかなくてはいけないと思います。  もう一つお伺いしたいと思いますが、家族にこそ見せなかったと。もう本当にこれ痛ましいわけですけれども、これ、やはりこの支援というのは、例えば、この自殺をしてしまった子の、例えば兄弟であるとか、また御家族の両親であるとか、その原因は貧困であるとか虐待、こういったこともあるというふうには先ほど意見陳述の中からありましたけれども、残された家族、兄弟、この方々への精神的なケア、こういったことも大変重要なんじゃないかと思うんですが、この点について、あれば御見解伺いたいと思います。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 御質問ありがとうございます。  もう本当にそれも重要で、ただ、なかなか現実進んでいないという状況だと思います。特に、子供の場合は、保護者もそうですし、あるいは兄弟もそうですし、あとクラスメートですよね、あるいは教員、場合によっては支援に関わっていた人がいれば、養護の先生とかスクールカウンセラーとかというような人たちも含めて、もちろん大人もそうですけれども、子供の場合は、特にやっぱり大人が守らなければならないという意識を強く持っている大人ほど、守れなかったということで自責の念を強めたりというふうなこともあると思いますので、そこは残された方たちへの支援とケアというもの非常に重要なんですけれども、こうしたCRT、クライシス・レスポンス・チームということで、そうした危機に対応するチームを設置している都道府県というのはもう極めて例外的にしかないので、本来であれば、子供が自殺で亡くなったといったときには、学校に専門家が入って、そのクラスメートであったり、教職員であったり、場合によっては御家族に対しての支援を展開していくという体制を整えていくことが求められているんだろうというふうに思います。  残念ながら、それが進んでいない背景には、そうした専門家も十分育っていないという現実もありますので、ただ、これは課題として、そうしたCRTを速やかに全国どこにでも派遣できるような状況をつくっていく、そのための人材育成や財源等の確保もしていくということは課題として明確に意識する必要があるだろうというふうに思います。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございました。  そういったことに対して専門家が不足していると、こういったこともこれからの課題だというふうにおっしゃっていただきました。大変参考になりました。ありがとうございます。  続きまして、渡辺由美子参考人に伺いたいと思います。  以前にも子供たちに関することをお聞きをしたかと思います。まず、やはりこのキッズドアにつながれたという子供たちは本当にラッキーだったんだろうと思います。先ほどお話の中でも、まだまだたくさん、もっと早く出会いたかったというお声があったということですけれども、これ端的に、どういうふうにこの子たちはキッズドアにつながっていくことができたのか、その点、まず伺いたいと思います。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) 御質問ありがとうございます。  キッズドアにつながってきたという中では、一つは、子供の貧困対策で様々な生活困窮の事業ができまして、私どもも、都内を中心にいろんな区から学習支援、生活支援事業というふうなものですとか居場所の運営というふうなこと、一人親の子供の支援というふうなことを受託させていただいておりまして、その方たちから、あと、少しずつ口コミで広がっていくだとかというふうな中で出てきています。  もう一つは、本当に、コロナで始まったファミリーサポートという日本全国の困窮子育て家庭の方々に御登録をいただいてというふうに御案内を出しています。  本当にSNSですとかインターネットというのは広告料も掛からずに広がっていくのでいいんですけれども、例えば、うちが今やっているのは、LINEで登録から申込みまで全て完了する、アンケートの回答も完了するようなもので、なぜかというと、アンケートを取ると、家庭に一台もパソコンがないというのが半分です。もう一割ぐらいは本当にやっぱりインターネット回線が全くないというふうなことで、本当に常時つながるものがあるといううちが半分ですけれども、残りの四割ぐらいは容量制限があるポケットWiFiであったり、実はスマホのテザリングだったりとかというふうな中で、本当にそのデジタルにつながっていて情報が取れるかどうかというふうなところはすごく大きな境目だろうなと思っています。  あとは、本当に、私どもと同じようなことをやっている団体が日本全国にありまして、今その方たちといろんな研修をさせていただいたりとかしながらネットワークをつくっていて、それが全国に百二十団体ぐらいありますので、そういったところを通して御案内をするだとか、シングルマザーの支援をされている団体さんに情報を流して、是非こういったところでつながってくださいというふうなことでやっています。  本当になかなか情報が届かない方たちなので、そういう方たちにどう届けるかということはすごく重要ですし、難しい言葉で書くと本当につながらなくなるので、簡単に書いて、まずは説明会を見ていただいて、あっ、これだったらできそうといったら申し込んでいただくだとか、やっぱりそこのアクセスを丁寧にやっていくとすごくいいと。そうやってつながった方々に、例えば、今度五万円が出ますよって、もうちょっと頑張りましょうねみたいなメッセージを届けるだとか、いろんな団体さんがやっている民間の奨学金でこういうものがありますよとか、給付金でこういうものがあるのでよかったら応募してくださいということをお届けすることがすごく喜ばれています。  本当に情報が何でもかんでもたくさん来ちゃうともう消化し切れなくなってしまう方々なので、そういった方々に適切な情報をいかに選んで届けるかということがすごく重要だなと思っています。なので、そういうネットワークみたいなものがもっともっとつながるといいなというふうには思っています。  本当に、でも、これも、ファミリーサポートの事業を全国のお子さんたち、全国の御家庭につながっていただいているので、これもやっぱりなかなか国の事業とか行政の事業にはつながらないので、本当に今私たちが御寄附を集めたりとかして何とかやっているという状況なので、広域、超広域の支援みたいなことをどういうふうなスキームでやっていくのかというのがあるといいなと思っています。  実はお母さんたちの就労支援もオンラインでやっていて、これをやることで本当に、仕事が見付かりましたとか、そういうこともあるんですけれども、これも本当にオンラインでやっているので、なかなか国のスキームには入らなかったりとかというふうなことがございます。  私どもだけではなくて、本当に全国ですごくたくさん頑張って子供たちをどうにかしたいと思っている団体さんとか子供食堂だとかたくさんあって、本当に学校で頑張っていらっしゃるところもいるので、やっぱり子供たちに、諦めないでとにかく助けてというか、ちょっと困っているという声を上げようというふうなことができるといいなと思っていますし、本当にそういう中では、日本だとまだまだ貧困バッシングというのがあって、困っている御家庭があるときに、助けてくださいと言うとどうしてもいろんなSNSとかでやられちゃうんですけれども、やっぱりああいったものをもう少し強めにやめていこうというふうにしていくと本当につながれる。  先ほど行政の窓口を頼りにしないということもありましたけれども、本当に様々な実はいい制度があって、そこにつながれば本当に助かるんだけれども、やっぱりその助けてもらうという考え方が困窮な人ほどなくなってしまって、自分でどうにかしなくちゃいけないと、で、自分でどうにもならないと諦めるというふうなことなので、やっぱりそうじゃないんだと、日本という国は本当に困っている人に手を差し伸べていろんなことで助けていきますよって、みんなが明るくなれるようにしますよというメッセージがいま一度本当に強く必要ではないかなと思います。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 ありがとうございました。  最後に、阿部参考人に伺いたいと思います。  今日は、やはりこの社会的包摂と、もうこれがキーワードになってくるんじゃないかというふうに思いながらお話を聞いておりました。そのためにも、やはりこの財源の問題というのを大変切り込んでおっしゃっていただいていたと思います。これをまさに議論をすべきだという中で、やはりこの社会保障であるとか税制、またこの労働市場、こういったところをしっかりと新しく見直していくということも必要なんだろうと。  その中で、費用が掛かり過ぎる育児ということも着目点としてあるんじゃないかとおっしゃっていただきました。塾に行かなくても大学行けるよですとか、そういったこれからの公教育、こういったことも見直していくということも一つの視点としてあるのではないかというふうに思いました。  この点について、最後、御見解を伺いたいと思います。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。  おっしゃるとおりかなというふうに思いました。先ほどキッズドアの渡辺さんからいろいろ、ちょっとした支援があればみたいなお話もあったと思いますけど、本来であれば、このちょっとした支援というのは学校の先生がやれるべきですよね。ですが、それができていなくて、本人が何らかの方法でキッズドアみたいなところがあるという情報を得て、そこへたまたま回ったらそういった情報が得られると、これ自体が恐らく間違っているモデルだというふうには思うんですね。むしろ、ない中ではすごく重要なんですけど、それぐらいのことは学校がやってくれるべきだなというふうには思っています。  そのために、じゃ、何が必要なのかということをもうやはり貧困対策として考えていくべきで、私はその中の一つとしてあるのは、学校の教員の研修のやり方も変える、テキストブックですね、教員になるときに貧困のことを何も習わなくても教員になれますから、今は。要は必要ですし、今、教員の方々への年度ごとに免許の更新のためのとか、そういったものも廃止の方向にあるというふうに聞きましたけれども、そういったところでもしっかり教えていただく。  人員の問題。非常にお忙しいということ聞いていますけれども、なのであれば、じゃ、これ、どういったところにどういうふうに人員を増やしていけば少なく済むのか。  教え方の問題。教え方というのは、非常に海外ではすごく注目されているところなんですね。つまり、今のように座学で普通に先生が前に立って教えているというやり方では付いていっていけない子供たちがいるので、そこのところから、教えるところから変えましょうという、そういったようなかなり根本的なところに戻るんですけれども、そういったところにも投資をしていかないと、じゃ、学校に六時間座っていて分からないからまた後で、その後にまた次の学習支援事業に行かなきゃいけなくて、その学習支援事業のための財源が必要でというようなことだけをやっているわけにはやっぱり長期的にはいけないんじゃないかなというふうには思います。

高木かおり日本維新の会

○高木かおり君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 伊藤孝恵君。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。  三人の参考人の皆様、本当にありがとうございました。  まず、清水参考人にお伺いします。  まさに、我が国の自殺対策が進んだのは、清水参考人を始め関係機関の皆様の御努力のたまものと、心から御尊敬申し上げております。  清水参考人、よくハローワークのワンストップサービスを例に出されて、就労のみならず生活全般、住宅やメンタルヘルス、そういったものをパッケージで支援を提供することが、自殺の危機経路が進行せずに済む効果的な策だというふうにおっしゃいます。  質問は二点です。  では、子供の場合、子供の自殺の場合、危機経路を想定してパッケージで支援策を提供できる場所、タッチポイントというのはどこなのか、そして誰なのか。学校はもちろん一つだと思いますけれども、実際、文科省が幾らスクールソーシャルワーカーとかスクールカウンセラーというのを増員しても、子供の自殺は減っておりません。むしろ増えている。そういう中で、学校に通えない子供たちも、不登校も二十四万人、それから長期欠席も四十一万人いる中で、学校以外にも考えていかなきゃいけないんじゃないかという点が一点。  それから二点目が、自傷行為とか自殺未遂とか、そういう本当に子供たちの最大のSOS、これにどうしてもすぐに必死に取り組む必要があるというふうに思います。これ、どういった策が考え得るのか。先ほどCRTの派遣ということをおっしゃいましたけれども、再び死に向かってしまう子と、それから生きるにつながった子、その子たちの違いは何なのか。そういったもののヒントが、政策を考える上での必ずヒントになるというふうに思います。まみえている事例があるのか、教えてください。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 御質問ありがとうございます。  まず一点目ですけれども、子供の自殺については、その自殺の危機経路、子供がどういうふうにして自殺に追い込まれていっているのかという経路が分かっていないがゆえに、タッチポイントが特定できないというのが現状だろうと思います。  ハローワークの例に関して言うと、あれはライフリンクが行った自殺で亡くなった五百二十三人についての聞き取り調査の中で、失業者や無職者の方たちがどういうふうにして自殺に追い込まれていっているのかということを明らかにした。これは、失業がきっかけとなって生活苦に陥って、借金抱えて、精神的に追い込まれて自殺に至っているという、そういう、もちろん全ての失業者や無職者の方がその経路に当てはまるというわけではないんですけれども、典型的な危機経路としてそういうことが分かってきたので。  であれば、ハローワークには失業した人たちが多く集まってくる、その中には恐らく生活苦へ陥っていたり、借金を抱えていたり、あるいは精神的に追い詰められている人がいる、自殺リスク抱えている人もいるんではないかというようなことで、ハローワークを拠点にしてそうした様々な関連する支援をパッケージにして提供できるまずワンストップサービスを実現できたわけですけれども、ただ、子供に関して言うと、その経路が分かっていないがゆえに、どこで誰がどうやって介入するのが効果的なのかということの実態すら分かってないがゆえに戦略も立てられてないというのが現状だろうと思います。だからこそ、しっかりと実態の分析をやっていく必要があるんだということです。  二点目は、ただ、一点目と関連するんですけれども、そうはいっても、実際に自殺行動に至った子に関してはもうその場で特定ができるわけなので、その子をどうやって支援するかということが当然ながら重要な課題となってきます。  未遂者に関して言うと、大きく二つポイントがあって、一つは、救命救急センターにまた搬送されるといったときに、その救命救急の身体的な治療だけでなく精神的な治療を併せてやれるような医療内の連携が重要になってくるということですね。裏を返すと、自殺未遂で搬送されても、でも、外科的な治療だけして退院させちゃうと、家に帰しちゃうということが決して珍しくないというか、むしろその方が多いだろうというぐらいの状況なんですよね。ですので、搬送されてきて、もうそれは普通のけがとは違うわけなので、外科的な治療、身体的な治療だけでなく精神科の治療も併せてやっていく、それを医療の中で実現するためのちゃんとインセンティブを整えるということが重要だろうと思います。  一つは、未遂者に対して精神科医の方が入って治療行っていくといったときには、診療報酬を昨年度の診療報酬の改定のときに大きく増点していただいたので、未遂者への継続支援料ということで、その部分のインセンティブはできてきているかと思います。  ただ、救命救急に搬送された未遂者をその精神科につなぐところの、救命救急センターで未遂者への対応をしていく、支援をやっていくというところのインセンティブは今まだ十分ないので、それに関して言うと、救命救急センターを評価する充実度評価という、救命救急センターの取組状況をいろんな項目に分けて点数化して評価するという制度がありますので、例えばその制度の中に、未遂者への支援をやっているというときには増点、チェックが付くように項目を加えるとかというようなことによって医療の中の連携のインセンティブが図られるんじゃないかと思います。  と同時に、医療と地域の連携も併せて重要で、退院して終わりではないので、幾ら精神科的な治療を施したとしても、その後、その人がまた元の同じ環境に戻ってということになると、また自殺リスクが高まって自殺行動に至るということが起きかねないので、退院して戻るその環境の調整もやらなければならないと。そうしたときには、地域の保健師さんであったり、学校の、場合によってはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも連携をして、子供の退院後の環境が自殺行動する前の、未遂に至る前の状況とは変わっているような、その子にとって生きる条件がちゃんと整っているような環境にしなければならないので、そういう意味で医療と地域の連携も必要になってくるかなと思います。  ただ、これも残念ながら今の段階では十分できているとはとても言い難いというふうに言わざるを得ないかなと思います。  以上です。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 続いて、渡辺参考人にお伺いしたいと思います。  格差の問題は、結果の不平等、つまり個々の自由な経済活動の結果として生じた不平等ではなくて、機会の不平等、世代間移動が固定化して、進学のみならず出会いや経験の格差が再生産されていくというところに課題がありますので、これを断ち切る教育の完全無償化というのはマストだと思いますけれども、今日は社会的処方についての御知見をお聞かせいただきたいと思います。  子供たちの居場所にもつながると思うんですが、こういった地域のつながりとか文化活動への参加を促すこと、大変意味があると思う反面、それらを担える人、機関、またその内容というのが、どういうものが一番求められているのかというのにみんな苦心していて、私、愛知県でヤングケアラー支援、ヤングケアラーの居場所づくりというのを三年間にわたって、どんなところだったら彼らが集うに値する場所と思うかというのをいろいろやる中で、現場の方が、いや、伊藤さんと、ヤングケアラーはそんな時間も心の余裕も交通費も知識も情報も何にもないんだよと、そんな中で、かつコスパ世代だからねと、ここに行ったらある程度得をする、いいことがあるということがないと、そんな気持ちを吐露し合いましょうみたいなところには到底集わないというふうにおっしゃっていて、先ほど、メディカルコースの話ありました。非常に具体的で、今の勉強、今の学校の勉強に付いていくための知識なのか、将来の職業をイメージできるような、そういった具体的なものなのか、はたまたプログラミングとか英語とか、未知のものに、未知の世界につながっているような、そういった知識なのか、そういうもののどんなものを求めているのか、現場の中でもし感じていることがあれば教えてください。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) 御質問ありがとうございます。  愛知県でやられているというふうなことで、大変うれしく思いました。  本当に、まず一つは、やっぱり子供は何かここに来ることで自分にとっていい影響がある場所というところじゃないとやっぱり来ないなとは思います。無料であるがゆえに、逆に、本当に、有料で塾に払っていればもったいないから塾に行こうとかというふうなことがありますけれども、無料であるがゆえに、やっぱりもう自分にとってそこが必要ないのであれば行かないというふうなところでは、本当に無料で子供たちを支援するということは非常に難しいことだなというのは、私たちも日々感じながらやっています。  一つは、本当にいろんなことが必要なんですけれども、やっぱりそこに集う人というのが物すごく重要で、私たちが子供の貧困対策の教育格差の解消のためのいろんな調査をして出てきたものとして、やっぱり貧困というと、要は経済資本が足りないと。例えば、だから、勉強する場所がないんだったら自習室をつくればいいんじゃないかとか、塾に行けない、費用を出せばいいんじゃないかとか、御飯食べられないんだったら食を出せばいいんじゃないかみたいな話なんですけど、やっぱりそれだけではやっぱり子供は良くならなくって、文化的資本と社会関係資本が必要で、その三つが整うと非常に子供が伸びていくということが分かりました。  文化資本というのは何かというと、本当に体験活動とか、要はいろんな知見を教えてもらうとか、教育って重要だというふうに家庭が言わないんだったらまたそういうことを伝えてもらうとか、あと、本に触れる場所がないと。例えば、私が調査をして、非常に貧困でかつ学力が低いお子さんたちのおうちを調べると、家庭に本が十冊未満しかないみたいな、家庭にですよ、自分の本じゃなくて。そういうふうなことがあったりとかするので、やっぱり居場所にはいろんな本を置いておいて、なかなか本だけ置いておいても読まないから、漫画も置いておこうだとか、ちょっと動画とかも見れるようにしようだとか、あとボードゲームみたいなことをやらせようとかするんですけど、やっぱりそういったものを補うということがすごく重要だなと思っていますし。  私たちも環境をつくるときにできるだけきれいでセンスが良い、だからそこでセンスが磨かれるので、本当にこれは物件を割と借り切れるようなところだとすごくいいんですけれども、今工夫をすれば本当に安い家具とかを集めてもちょっと北欧風になったりだとか、すごく良かったりとかするんですね。あと、必ず場所があればできればソファーみたいなものを置くんですけれども、やっぱり家でソファーに座ったことがないような子が、家にソファーを置くようなスペースがない子供もいるので、やっぱりそういったところでソファーに座ってだとか、やっぱりそういったことをしてあげると。だから、あなたたちのための場所だから、でもこれでいいでしょというんじゃなくて、やっぱり最高のものをそろえてあげるというふうなことで、やっぱり子供が居心地が良くしてあげるということが重要だと思いますし。  もう一つは、本当にそこに関わる人で、社会関係資本というのは本当に良い大人の人間関係に囲まれるということなので、そこに集まっている人が本当に子供たちのことを思っていろんなことをしているとか、私たちの活動では、本当に大学生のアルバイトさんとかボランティアさんもいますし、社会人の方もすごく参加してくださっていて、例えば、これは都市だからできることかもしれないですけれども、企業で退職された、もう大きな企業で退職された方とかが来てくださっていろんな話をしてくれるとか、そういう人が自分の話を聞いてくれるというだけでもとても喜ぶので、本当にそういったことをそろえていくということが大事かなと思います。  本当に、あともう一つは、やっぱり勉強は教えてあげるとやっぱりすごく喜ぶ。テストの点数が教えてもらって上がりましたというのは、零点の子は三十点になればすごく喜ぶし、五十点の子は六十点になれば喜ぶし、やっぱりそこが、自分でできなかったことが支援を受けてうまくいったというふうになると喜ぶので、やっぱりそういったことはできるといいのかなと思います。  以上です。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 えにしのギフトは本当にたくさん贈りたいなと私も思います。  最後に、阿部参考人にお伺いいたします。  実質賃金の低下と出生数の低下の相関係数というのは〇・九三ですから、著しい相関があります。  貧困も少子化も、これ本当に給料が四半世紀上がらないことが一番の問題だと思いますけれども、私は、今日は分断というキーワードでお伺いしたいのが、これから起こるであろう、先ほど参考人が指摘されていた、かわいそう競争していては声の大きな方にのみ支援が行く、支援をされる側とされない側に分断が生まれるというお話なんですけど、今この国会では少子化対策文脈で、もとい、本当に必要なので子ども・子育て政策というのが活発に議論されておりますけれども、じゃ独身の私たちは、じゃ子供を持たない幸福はというところで、子供の有無を分断要素にしたそういった政策というのは本当にやってはいけないものであるにもかかわらず、今財源のお話で話題の子供保険という、天引きで社会保険料というものですけれども、これは現役層、中間層というのの負担にもちろんなるわけですから本末転倒だろうという課題のみならず、やっぱり分断を誘引するものになり得るんじゃないか、どうなんだろうかというふうに私もやもやしているところで、参考人の御所見があればお聞かせください。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) 分断の要素になり得るとは思います。ですけれども、そこでその分断を超えさせることができるかというところを、国民は納得していただけるかというところがやはりキーかなというふうに思うんですね。  でも、日本全体として少子化はやっぱり大問題なんで、これから子供を持たない人、日本の中の男性の二五%は未婚ですし、女性も二〇%は未婚ですので、日本は生涯無子率が一番OECD諸国の中で高いわけなんですよね。なので、子供なんて全然関係ない方々はたくさんいらっしゃるわけですよ、もう。人口の三分の一とかになるわけですよね。なので、そういった方々も含めて納得させられるかどうかというところだと思います。  そうでない限りは、絶対に分断を生んでしまう。子供の貧困が非常にやったときに、私がある方から言われてショックだったのが、もう本当、まだ子供、ついこの間まで子供だったろうというような二十歳とか十九歳ぐらいのマクドナルドで働いている子供が、児童手当上げるなんてひどいよなって怒って、その方は恐らく非正規で最低賃金で、俺たちどうなんだよみたいなことをおっしゃっていたというので、すごいショックだったんですけれども。  ですので、先ほども私も申し上げたように、国民の合意が必要です。もう最低限国としてこれしなきゃいけないんで、だからみんな身を切りましょうねというところまで行けるかどうか、それが非常に重要かなというふうに思います。

伊藤孝恵国民民主党・新緑風会

○伊藤孝恵君 終わります。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 山添拓君。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  三人の参考人の皆さん、今日はありがとうございました。  まず、清水参考人に伺います。  資料でもお示しをいただきましたが、自殺者数、子供の自殺者数についてはコロナの前から増加をしてきているというのが実態かと思います。政府も対策は取ってきたということも言うわけですが、しかし、増加を食い止め切れていないのは現実としてあると思います。ですから、従来の延長ではない取組が求められていることは明らかだと思います。    〔会長退席、理事小沼巧君着席〕  特に子供の場合に、先ほどどこをタッチポイントとしていくのか経路が分かっていないだけに対策が、まず分析からだというお話もあったんですが、そうはいっても、そのSOSをキャッチできる、あるいは更に手前の異変に気付いて声を掛けられる、掛け得るところとしてはやはり学校は大事なところなのかと思います。もちろん、学校だけでは対応し切れない問題あるかと思うんですが、しかし、学校は必ずキャッチし得るところだと思うんですね。その学校で、教員が少ない、阿部参考人からもありましたが、あるいはそのための長時間労働など問題もあろうかと思うんです。  清水参考人が御覧になってきた中で、学校がこの問題に対応するに当たって課題になっていると思われる点についてお聞かせいただければと思います。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 御質問ありがとうございます。  今のに関して言うと二点あって、まず一点目が、学校に所属している児童生徒が亡くなっているという統計なので、なので学校が無関係ではないんですけれども、ただ、先ほどお話しさせていただいたとおり、昨年の一月から自殺統計原票が変わって、高校生の内訳が全日制と通信制、定時制と分かるようになってきたことによって初めて、実は自殺死亡率でいうと定時制、通信制の高校生の方が全日制よりも三倍高いというようなこと分かってきたんですよね。    〔理事小沼巧君退席、会長着席〕  もしかしたら、その不登校になっている子の自殺が多いという可能性も否定はできませんので、そうすると学校ではなかなか不登校状態の子の異変を察知することが難しいというようなことにもなってくるので、やはりしっかりとした実態の解明、それによって戦略を立てていくということが大事だと思っています。  ただ、もう一点は、そうはいっても、入学であったり、あるいはその不登校の子に対してのアプローチ、アウトリーチも学校はし得るわけなので、そうした実態を解明する、あるいは、実態が解明するまで待つのではなくて、でき得ることとして、少なくとも今分かってきた定時制、通信制の高校生の自殺死亡率が高いであるとか、あるいは学校の現場として不登校になっている子の自殺の危険性が高いということであれば、そのアウトリーチをどういうふうにやっていくかというような、そういう、一つ一つの学校でいうと自殺ってめったに起きないんですよ。  昨年の自殺者数、高校生以下は五百十四人ということは、全国の学校の数から比べれば本当に割合としては非常に低いわけなので、ただ、もう、一度起きると取り返しが付かないという、そういう側面が子供の自殺にはありますので、あらゆる学校が子供の自殺が自分たちの学校で起きても決して不思議ではないという危機意識を持って、じゃ、どういう子に自殺リスクがあるという可能性があるのかということで、これはもちろん国の支援も踏まえてということになるとは思いますけれども、学校で手を尽くしていく必要があるんだと思います。  ただ、現状、まさに御指摘のとおり、私の兄も高校の教師をしていて、小学校からの親友が小学校の教師をしているんですけれども、もうとにかく学校の先生は余裕がなく、自殺リスクのある生徒が一人いると、もうその生徒に掛かりっきりになって、ほかの子たちの様子もなかなか見づらくなっていくというような局面も、側面もあったりするようなので、やっぱり学校の現場で自殺リスクがあるということを少なくとも気付いた場合には、担任以外の先生も入っていく体制を構築するとか、あと、先ほどお話ししたとおり、子どもの自殺危機対応チーム、専門家がチームをつくって学校をバックアップするというような、そういう体制をつくるであるとか、やっぱり、学校任せにしていても察知はできるかもしれないですが、でも察知した後のフォローまでは学校だけでやっていくというのは現実的ではないので、いかに察知することをできるようにするということと同時に、察知した後の支援体制を地域も巻き込んでどうやって構築していくか、それが重要な鍵を握っているように思います。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  次に、渡辺参考人に伺いたいと思います。  キッズドアの取組など、本当に敬意を表します。  資料の十九ページにもありましたが、子育て世代の負担、長期にわたり大きいわけですが、特に大学など高等教育に多額の費用が掛かるということは大きな負担かと思います。  私も、この間、学生向けの食料支援などを行われているところ行きますが、コロナが落ち着いてアルバイトが戻っても、やっぱり並ぶと、大勢利用するという状況が見られます。また、子育て世代が自分でも奨学金の負債を抱えているということもあって、やっぱり子供をもうけて大学までということにためらいがそもそもあるということは現実としてあるかと思うんですね。  その背景として、高等教育への公的支出の少なさというのはあるのではないかと思います。日本はGDPで〇・四%、OECDの加盟国では最低水準です。他方で私費負担については〇・九%で、OECDの加盟国でいうと大体倍ぐらいだということが指摘されてきました。  個々の施策の問題はもちろんあるわけですが、総じてこの公的支出が少な過ぎるという問題についてどうお考えでしょうか。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) 御質問ありがとうございます。  本当に高等教育の無償化みたいなことはできればいいなと思っています。阿部先生がおっしゃったように、本当に財政がなかなか難しい中でどうやっていくかという道筋あるかと思うんですけれども、やっぱりヨーロッパだとか世界各国、高等教育もかなり無償とか低額な中で行けるというふうなことが少子化対策とかで本当に一番いいのではないかなというふうに私は思います。  とにかく、本当に大学生が学び、せっかく入ったからしっかり学ばなきゃいけないのに、入る前から自分は卒業できるのかどうか心配ですというふうに言っているって、これは時代が大分変わりまして、学費が物すごく上がっているということなんですね。本当に、昔であれば、公立に入ればすごく安かったりとか、私学もそんなに高くなかったんですけれども、高いと。世界、世間では今、理系がすごくいいんだと、これからは理系人材が求められるから理系の学びをしましょうというふうに言って、子供は一生懸命頑張って、高校で理系に行こうと思ってやっていたんだけれども、いや、やっぱり国立は無理だから私立に行こうかというと、入学金と前期の学費で一年間で百八十八万円とかって、それはその世帯の所得だったりとかするわけですよね。もう、ちょっと無理だからといって、じゃ文系に変えようだとか、そういうふうなことが出てくる中で、本当に、要は、日本にとっては優秀な人材が力を付けて、働いてどんどん稼いでくれるというサイクルに戻していかないと、本当にこの先、パイの取り合いみたいなことになっていくので、やっぱりそこは投資として考えるということが重要だと思います。  ただ、本当に、大学に行けばいいのかというと、そうではないですし、様々な学びの機関がありますし、例えば、今、大学入試に関して言うと、一般入試で入る方というのは大体半分ぐらいになっているんですね。指定校推薦とか、要は特別推薦という、AOと言われていたようなものだとかに変わってきていて、本当に学びも変わってくると。今本当に話題のチャットGPTみたいなことも含めて、本当にドラスチックに必要な力が変わっていく中でどういう学びが必要なのかとか、これから生きる子たちには何が必要なんだろうなということを考えながらやっていくという本当に体系的なものがあって、その中でどこを支援していくかということを考えられるとすごくいいのかなと思います。  本当に、予備校に行かないといい大学に行けないみたいなのはやっぱりおかしいなと思いますし、本当に高校生が塾に行きたかったというふうに言うというのもどうなんだろうなということはある中で、やっぱり学びの質とか学ばせ方というふうなところもすごく、なかなか学校現場が忙しい中で日本はアップデートできていないんだと思うんですけれども、やっぱりそういったところをやっていく中で、本当に例えば大学の運営コストみたいなものもすごく下がるから学費が下がるとか、そういったことも出てくるのかなとか、本当に大学に行かなくてもスキルを身に付けられて、いい自分が目指すべき仕事ができるようになるだとか、進路が多様になっていくんだと思うので、そういったことを考えられるような土壌とか土台とか、そういったことがあるといいなと思います。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございます。  阿部参考人に伺います。  子供の貧困に親の所得減少が大きく影響しているのはもうそのとおりだと思いますし、三十年間にわたる親の稼得能力の低下が原因だと、稼得能力、勤労所得を上げる必要があるという御指摘でした。私も、最低賃金の引上げというのは、全体を引き上げ、底上げしていく上で重要だと思います。  ただ、同時に、その三十年間にわたる親の稼得能力の低下というのは、独りでにそうなったというわけでもないと思うんですね。特に、今日の資料でも、三十年の期間の起点にされていた一九八五年というのは象徴的に派遣法が成立をされた年でもあり、やっぱり非正規雇用、不安定な、そして低賃金に向かいやすい、そういう働き方を、これは政治的にもつくってきましたし、社会が広げてきたという実態があるかと思うんです。  非正規でも暮らせる賃金とすること、より抜本的には、非正規から正規へ、とりわけ公務職場などでそういう必要というのは、正規を当たり前にする必要というのは大きいのではないかと。この稼得能力、勤労所得を上げていく上で、これ働き方を、やっぱりつくられてきた働き方の変化を立て直していくということは必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。  おっしゃるとおり、非正規が増えたということはその一因かなというふうには思いますけれども、正社員だけでグラフを作っても同じような状況があるんですね。つまり、再分配前の貧困率が上がっていっているので、この問題は、単純に、じゃ、非正規問題を解消しましょうという、正規、非正規問題だけでは説明付かないというふうには思います。  ですので、正規雇用の中でもどのような、賃金の格差というのが大きくなっていますし、それから、特に七割、今でも二十歳以下の子供の一人親世帯率というのは六%ぐらいですので、大部分が二人親世帯なんですけれども、親と、父親と母親というのは、そのカンバネーションですね、そのカンバネーションが世帯所得になるので、その在り方ですとか第三号問題ですとか、そういったことも含めてやはり考えていく必要があるんではないかなというふうには思いました。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ありがとうございました。  正社員の中でも、確かに最近、限定正社員などという形で、期間の定めはないけれども賃金は最低賃金水準という方の声も伺いますので、そのとおり、御指摘の点があるんだなと思いました。  以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 木村英子君。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。  本日は、参考人の先生方のお話を聞く機会をいただき、ありがとうございます。  子供の自殺や教育の格差、そして子供の貧困、これらの問題は密接につながっているということを私自身の経験を通して実感しているところです。私の生い立ちを少しお話しさせていただいてから質問に移りたいと思います。  私は幼いときに障害者になりましたが、障害があることで親が私の介護や自宅から遠い養護学校へ通わせるために定職に就けず生活が困難になっていく中で、親に心中を迫られたことが何回もあります。そのたびに、幼かった私は泣きじゃくり、その声を聞いて、親は我に返り、思いとどまるのです。親からは、自分が死ぬときには一緒に連れていかないといけないといつも言われていました。  中学までは、障害者の私がいたら家族を不幸にする、いっそ死んだ方がいいのではないか、そう思っていました。そんな状況の中で、親は私を育て切れず、施設に預けるしかありませんでした。施設の生活は手術とリハビリが中心でとても過酷でしたが、家族に殺されるくらいなら施設に行くしかないと思っていた頃もありました。私と同じように施設にいた子供たちの中には、心中で亡くなった子もいます。  このような悲惨な状況は、社会が障害者の責任を家族だけに負わせることで、自殺や心中に追い込まれていくと思います。昔よりは心中は、障害者の心中は少なくなったとはいえ、家族だけに責任を負わせることの弊害は今もなお続いています。このような家族主義によって、親が障害者を抱え込まざるを得ない状況に追い込まれ、学校や地域、そして社会とのつながりを断絶させられています。社会には障害者が安全に生きていける環境が整っていないことから、我が子を守るために施設や養護学校、現在の特別支援学校に預けるしかない状況の方もたくさんいます。そうした分けられた環境に置かれている私たちが大人になったとき、介護がなければ生きていけない障害者は、親亡き後、社会へは出られず、卒業後、施設に行くしかありません。  私は死ぬまで施設にいるのは耐えられませんでしたので、地域での生活を選びました。しかし、社会へ出て思い知ったのは、住宅、交通、就労、介護、全てのことがバリアだらけで、その上、社会のノウハウを知らない私が生きていくにはとても厳しい状況でした。  そして、特に厳しかったのは、重度の障害者が施設や親元以外で地域で一人で生きていることを知らない人たちが多く、どうやってお互いがコミュニケーションを取ったらいいのか分からなかったことです。社会には障害者が生きていくための制度や保障がない中で、頼れるものは少しの時間でも私の生活を支えてくれるボランティアの存在でした。  地域での生活を始めて三十八年たって痛感することは、やはり幼いときから学校からも職場からも地域からも障害者を分けてしまうことは、人と人とが支え合う関係が壊され、精神的にも経済的にも貧困になり、いじめや虐待、自殺といった悲惨な結果を生み出してしまうということです。幼いときから障害者と健常者が分けられてしまったら、人として大切な支え合う力を養うことができないと思います。学校も職場も地域も、一緒に生きていける制度や環境が整っていれば、悲惨な状況を少しでも防ぐことができるのではないでしょうか。  しかし、日本の分離教育は、その大切な時期に人として必要なコミュニケーションの機会を奪ってしまっています。昨年の九月に、国連の障害者権利委員会から分離教育をやめるように勧告がされています。障害児と健常児が共に学び、共に働き、共に生きるインクルーシブな社会を構築していくことが早急に求められている課題だと私は思っています。  そこで、三人の参考人の先生方に質問したいと思います。  生きづらい今の社会の原因は一体何なのか、そしてまた、誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築を実現するには、どうしたら悲惨な現状を食い止め、実現できるのか、それぞれの参考人の先生方の経験の中から、その方策について、そして解決策について御意見をお聞かせください。  まず、清水参考人の方からお願いいたします。

清水康之特定非営利活動法人自殺対策支援センターライフリンク代表

○参考人(清水康之君) 御質問いただき、ありがとうございます。また、御自身の体験を踏まえた問題提起も本当に響くものがありました。ありがとうございます。  私、先ほど渡辺さんからも言及がありましたけれども、やっぱり多様性が鍵になるんではないかと感じています。  具体的に言うと、デンマークに三、四年前に視察に行ったことがあるんです。なぜデンマークに行ったかというと、デンマークって、皆さん御承知のとおり、OECD諸国の中でも幸福度が非常に高い、かつ生産性も極めて高い国なんですよね。その両立がどう実現しているのかということ、あっ、ちなみに自殺率も、日本の、大体四〇%ぐらい日本よりも低いという状況なんですけれども。  それで、なぜなんだろうと思って行って、まず学校を見せていただいたんです。驚いたのは、私が見たのは小学校二年生の教室だったんですけれども、日本だと、先生がいて、先生に向かって生徒が並ぶという形で座るじゃないですか。でも、そのデンマークの学校は、壁に向かって座る机もあれば、あと何人かがグループで輪になって座る机もあって、あと先生に向かう机もあって、何か特別な授業をやっているのかと思って聞いたら、いや、ふだんからこうだよって言うんですよ。なぜかというと、子供それぞれによってパフォーマンスが一番発揮できる環境というのは違うでしょうと。先生とアイコンタクトをしながらの方が集中できる子もいれば、仲間と相談しながらの方がいろいろなアイデアが出せる子もいるし、あと、壁に向かって、視界が何もないところでの方がパフォーマンス発揮できる子もいるので、それはそれぞれの子に合わせた環境をつくっているんだというんですね。  しかも、それを本人に選ばせるというんですよね。例えば、仲間と一緒に座りたいというふうに言った子が、でも仲間とふざけ合っちゃって、もし何か授業の課題ができなかったら、それはその子にしっかりとその事実を確認をして、それで、じゃ、別の環境としてどういう環境だったらパフォーマンス発揮できるのかというようなことでまた選ばせるという、それをもう小さい頃からずっとやっているというんですよね。  そうすると、かつ、宿題も出さずに午後はできるだけ体験をしてもらう、森に出かけたり、あと地域のいろんな職業の大人の話を聞いたりという中で、そうすると、子供は、これをやりたいとかあれになりたいとかもっと上手になりたいとモチベーションを持つと、もう大人が止めてもやるようになると。しかも、やるようになる中で、その子その子が一番パフォーマンス発揮できる環境を整えてあげれば当然成長する。成長すると本人も満足する。なので、自己肯定感が高いというのと生産性が高いというのは表裏一体だという、そういうお話だったんですよね。  これ、まさに、いろいろな環境で力を発揮する、あるいは、画一的にしていくことが生きづらさにもなっているし、かつ生産性も伸びないというのは、私はそういうところにあるんじゃないかというふうに思うので、まあ人口がデンマークで六百万人弱なので日本と一概に比較できないんですけど、ただ、そういうところにヒントがあるんじゃないかという気がしています。  以上です。

渡辺由美子認定特定非営利活動法人キッズドア理事長

○参考人(渡辺由美子君) ありがとうございます。  本当に生きづらい社会になっているなと思っていて、それをどうにかできればいいなと思って、いろいろあると思うんですけれども、例えば、先ほどコストパフォーマンスみたいな話がありましたけれども、やっぱり企業の中で言われていた生産性みたいな概念が地域社会とか生き方みたいなのにも入ってきてしまっていて、要は、いかに効率よく学ぶかとか生産性が良くなるか、逆に言うと、どうやって損をしないかというところに余りにも意識が行き過ぎていて、やっぱりそれがすごく余裕をなくしているんじゃないかなと思っていて、いや、もうちょっと優しくなった方がみんな幸せじゃないかなと思うんですよね。  例えば、私たちがやっているような学習支援も、一生懸命寄附とか集めてやって大変なんですけど、やっぱりやって、子供が、ああ、おかげさまで受かりましたとか、親御さんが、いや、本当に学校行かなかった子がここに来てみたいなことを言ってくれるとうれしいから、みんな大変だけど良かったよねというふうな話をよく社員とするんですけれども。  本当に、損か得かでいう考えではなくて、やっぱりもうちょっと優しくして、人が何か良くなったら幸せだよねというふうなことがやっぱり社会的にもいいんだということをもうちょっと、もう一回思い出すといいんじゃないかなと思っていて。  こういう活動をしていると、よく年配の方が、いや、実は僕も一人親だったんだよと言うんですけど、だから、私がよく話をするのは、いや、一人親家庭はクリスマスのときにケーキも買えないから、いや、ホールケーキを見たことがないとかという子がいるので、居場所でホールケーキ切ってあげるとすごく喜ぶんですよみたいな話をすると、僕も一人親だったけど、いや、僕が子供の頃は家にクリスマスになるとケーキが二つあったと言って、要は、近所のうちで、あそこはちょっと事情があるからというと、要はお母さんがあそこのうちへ持っていきなと言って買ってくれて渡してくれていたんだなと今だったら分かるけど、当時は子供だから分からないけど、クリスマスにケーキ食べられてうれしいみたいな話だったんだけど。やっぱり何かそういうふうにちょっと人に優しくするみたいなことが昔は大事なことだった、いいよねとなっていたんですけど、今はどっちかというと、いや、そんなことをすると損だからやめようみたいなことが余りにも行き過ぎてしまっている。  先ほど不登校の問題もありましたけど、不登校のお子さんたち、私たちのところにも来ているんですけど、すごく優しくていい子なんですよ。本当に優し過ぎて、学校のそういったところに付いていけない。例えば、ちょっとお友達が何かいじめに遭っているだとか何かつらい目に遭っているときに、自分がなかなか助けられないと。何かいろんな人に言おうかと思うんだけど、やっぱりそんなことしたらあなたが大変になるからやめなさいみたいなことを言われて、もう何もできない中で、何かそういったものがもやもやしちゃって行けなくなると。本当にこんな優しくていい子が学校へ行けないってどうなんだろうなと思うんですけど。  やっぱり今の本当に子供の社会にもやっぱりそういう、いかに効率よくみたいなことがなっていて、先ほどデンマークのお話、本当にすばらしいなと思っていて、やっぱり余裕があるだとか好きなことを一生懸命やるとか、いやいや、それはちょっと損じゃないのと思っても、いや、好きだったらちょっとやってみようみたいな、やっぱりそうやって、いや、友達困っていたら、自分がちょっと大変になっても助けに行こうだとか、やっぱりそういうことがよいよねと。  だから、今は何となく、そういうことすると、いや、それは損だよねとかやめた方がいいんじゃないのみたいになるんですけど、いやいや、その障害のあるお子さんたちや子供も一緒に学んで、でも、ちょっと大変だけど助ければ一緒にできるし、いや、その子喜んでいるからいいよねというふうに、子供は本当は思っているんですよね。実は親御さんたちがやっぱりそれはすごく自分の子供の学びの機会が失われちゃっているんじゃないかみたいなふうに思うんですけど、いやそうじゃなくて、大事なことは、そこにあるから、子供、そうしましょうよというふうにみんなが考えていく。本当に、もうちょっと、優しいっていいよねとか、優しさって大事だよねみたいなことを思い出せるとみんなもうちょっと幸福度が上がるんじゃないかなというのは活動していてすごく思います。  以上です。

阿部彩東京都立大学人文社会学部教授

○参考人(阿部彩君) ありがとうございます。  渡辺さんの話に続けますと、私は日本の人々が意地悪になっているわけではないというふうに思うんですね。なので、損だからやらないとかそういうことではない。今、木村先生がおっしゃってくださったその障害の方々に対する支援というところもそうなんですけれども、ですけれども、このような、何といいますか、いろんな困難さを抱えているグループがたくさんあって、多くの日本の国民が苦しいと思っている中で、ゆとりがないからほかの人に優しくできないんだと思うんです。  ですけれども、前の話に戻りますけれども、ここをやっぱり打開するには、みんな苦しいので、苦しいので、自分が負担するのは嫌だし、人に対しても優しくできないし、クリスマスケーキもう一個買うなんて余裕はうちにはないわというふうに思ってしまうわけですけれども、ですけれども、ここを脱却には、でも、みんな、でも苦しいよねと、いろんな人がいてたくさんの人が苦しいよねといって横で連携するしかない。連帯という言葉かなというふうに思うんですけれども、包摂という言葉かもしれませんけど。なので、私以外の誰かが支援してくれるんじゃないかなとか、どっかで何かすごく余裕のあるリッチな人がいるんでしょうみたいなマインドでやっていると絶対に恐らく前に進まないので、政治的に。いや、みんな苦しいんだから、だからみんなで助け合いましょうというふうな横に結び付けるような動きが必要なんじゃないかなというふうに思っています。  ですので、いろんな団体さんのグループもあって、障害のグループもあれば子供のグループもあれば高齢者のグループもあれば一人親のグループもあればっていろいろあるんですけれども、若者のグループもありますし、そのように別々ではなくて横につながった形で政治を動かしていくことができればいいのではないかなというふうには思います。

木村英子れいわ新選組

○木村英子君 先生方、ありがとうございました。終わります。

福山哲郎立憲民主・社民

○会長(福山哲郎君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。  参考人に対する質疑はこの程度といたします。  参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。  皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。参考人の皆様のお話に通底する本質的な課題にこの調査会も改めて向き合わなければならないと考えさせていただきました。調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十八分散会

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