国民生活・経済及び地方に関する調査会 第1号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2023/02/08
会議録
○会長(福山哲郎君) ただいまから国民生活・経済及び地方に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、三木亨君が委員を辞任され、その補欠として田中昌史君が選任されました。 ─────────────
○会長(福山哲郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○会長(福山哲郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国民生活・経済及び地方に関する調査のため、今期国会中、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(福山哲郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○会長(福山哲郎君) 国民生活・経済及び地方に関する調査を議題といたします。 本日は、「誰もが取り残されず希望が持てる社会の構築」のうち、「社会経済、地方の現状と国民生活における課題」に関し、「社会的な困難の現状」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。 御出席いただいております参考人は、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長大西連君、認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長赤石千衣子君及び認定NPO法人DPI日本会議副議長尾上浩二君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願いします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、大西参考人、赤石参考人、尾上参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず大西参考人からお願いいたします。大西参考人。
○参考人(大西連君) よろしくお願いします。皆さん、こんにちは、大西と申します。よろしくお願いします。(資料映写) 二十分お時間いただいておりますので、こちら、スライドで御紹介をしますが、特に貧困、格差の問題というところをテーマに、コロナ禍での支援現場からの報告と提言という形でお話をさせていただければというふうに思います。 少し簡単に、自己紹介がてらといいますか、活動の御紹介、ちょっとだけさせていただきますが、主に生活困窮者の相談支援の活動を行っているもやいという団体の理事長をしております。特に、このコロナ禍の話、後ほどお話をしますが、かなり経済的に厳しい方ということがかなり増加をしていて、現場の厳しい状況というものがあります。ふだんやっている活動は、相談支援であったり、食料品の配布だったり、住まいの確保に関する支援であったり、いろいろ事業をやっておりますが、そこの現場から見えてきたことということで少しお話をさせていただきたいなと思います。 昨今、コロナというのが少し落ち着きを見られたのではないかとか、いろんな文脈で語られることが多いかなと思いますが、特に昨年秋以降の物価高の影響というものは、現場で今ビビッドに直面しているところかなと思います。 私たちの活動のうちの一つの活動ということで御紹介をさせていただきたいのが、今、毎週土曜日に新宿の都庁の下で食料品の配布の活動を行っております。こちら、人数の推移をグラフにしたものなんですが、四月、二〇二〇年の四月、百人程度の方がいらっしゃっていたのが、今、直近だともう七百人近くの方が食料品の配布の列に並ぶと、そういった状況がございます。 もちろん、コロナ禍でかなり増えてきたというところがあるんですが、特にここ数か月、物価高の影響というところがかなり大きいのかなと思いますが、若年層、女性の方、子育て世帯、そういった方が、路上で行う、元々はホームレス支援の文脈に近いような活動領域なんですが、そういった場所に相談に来られる、食料品を受け取られに来られる、そういった状況があろうかなというところが今起きているところでございます。例えば、ちょっと比較するのもあれなんですが、リーマン・ショックの後に、二〇〇八年、九年の年末年始に東京の霞が関の日比谷公園で年越し派遣村という活動がありましたが、そのとき来られた方が約五百人というふうに言われております。今、その規模をはるかに超える人数の方がこういった相談支援の現場に訪れているというのが今現在進行形で起きております。 じゃ、どんな方がいらしているのかというところ、いろいろ、いろんな方がもちろんいらっしゃっているんですが、どちらかというと、今日御紹介したいのは、これまでこういった場所に来られていた方の多くは、例えば住まいがなくて、もう収入もなくて、生活保護が利用できるぐらいな困窮度合いが高い方がどちらかというと多かったんですが、やはり現在今来られている方の多くは、例えば今もう働いていらっしゃると、働いているんだけれども例えばお子さんがいて生活がぎりぎりだよとか、それから、何とか非正規の仕事をつないで生活はできているんだけれども、生活保護の基準以上の所得はあるんだけれども、非常に生活が不安で節約のためにこういった活動に来られている、そういった方がかなり増加をしております。そういった方の中の多くは、若年層、二十代、三十代のワーキングプアと呼ばれる方であったりとか若い方、そういった方にそのしわ寄せというのが今かなり来ているのではないかというふうに分析をしております。 もちろん、生活保護が利用できるぐらいな困窮度合いが高い方、要保護の層というふうに書きましたが、こういった方も今お困りの状況というのはあります。また、これまで私たちが新しい貧困と呼んでいた、要保護の方と労働市場を行き来するような支援が必要な方、生活困難な方という方ももちろんいらっしゃいます。 ただ、新たにこのコロナで明らかになったのは、そういった階層のもうちょっと所得階層、上のところにいらっしゃる、どちらかというと自立しているというふうに見られてきたワーキングプアなどの状況の方が、実は恒常的な低所得でかなり不安定な状態にいらっしゃって、生活の基盤が危うく、また将来も先の展望もなかなか見えない中で何とか日々の暮らしを紡いでいる、そういった状況というのが見えてきているのかなというところを思っております。 こういった方が、これまでどちらかというと、コロナという文脈以前はこういった支援の現場に訪れることというのは基本的になかったんじゃないかなというふうに思います。生活が破綻して初めて相談に来られる。ただ、その生活を維持するために、この物価高という影響のポジティブな面を言うとする、あえて言うとするのであれば、もうそういった方が見えてくるようになった、可視化できるようになった、そういったところは言えるかもしれません。 また、背景に、不安定な就労、低賃金、DV、虐待、家族関係の厳しさ等、構造的な生きづらさを抱えている方が女性、若年層に拡大している。ここに対する支援施策というのがなかなか国の様々な支援メニューを見てもまだまだ足りていないのではないか、そういったところが今日の一つの論点としてお示ししたいところかなというふうにも思います。 少しだけそれぞれの階層について簡単に説明しました。ごめんなさい、文章が多くて長くなってしまっているところがありますが、例えば要保護の方、生活の困難度合いがかなり高い方、もちろんこういった方、生活保護という制度がございますが、一方でまだまだ扶養義務、家族の扶養を求めるようなもの、それから社会的な理解が進んでいないところ、スティグマという言い方をしますが、利用することにためらいを感じさせてしまう制度にまだまだ残念ながらなっているというところ、それからいわゆる生活の困難さを抱えている方、福祉領域と労働市場と行き来している方、残念ながらたくさんいらっしゃいますが、労働市場のところ、今ちょっとずつ景気戻っておりますが、これ後でちょっとだけお話ししますが、最低賃金も含めてまだまだ労働市場だけで生活をするにはかなりぎりぎりの水準の方がたくさんいる。そういった労働市場に戻ってもまた福祉的な領域に戻ってきてしまう方というのはたくさんいて、そこへの支援というのも必要であろうというところ、それ生活困難層と不安層というところ、両方分けて書いていますが、実は共通した課題かなというふうにも思っております。 それぞれにどんな施策が必要なのかな、いろいろ書かせていただきました。ただ、いろいろ書かせていただきましたので後で御参照いただければというふうに思いますが、一つ重要なポイントとしてあるのは、今ある制度、仕組みというものをどのように、より活用していただけるような、より柔軟にその方のニーズに合った形で対応できるのかという観点と、それから、今ない部分、今足りていない部分についてどのような政策、制度というものが必要なのか、この二つの論点で考えることがいいのではないかというふうにも思います。 例えば、ここに書きましたが、今ある制度に関して言えば、例えば生活保護という制度ございますが、なかなかハードルがまだまだ高い、申請するのにハードルが高い。周囲の目が気になる、生活保護はどうしても使いたくないんだ、そうおっしゃる方たくさんいらっしゃいます。それが何でなのかといろいろ原因をいろいろ考えていくと、いろんなアクセスの難しさ、物理的なアクセスの難しさ、例えば働いている方が九時から五時までしか役所が開いていないのになかなか相談行くの大変ですよねと。そういった方には、じゃ、DXの仕組み、オンラインでいろんなやり取りができるようにしましょうという、物理的なアクセスをまず改善するということも一つあります。 ただ、それ以上に一つ難しい問題というのは、精神的なハードルのところというのはまだまだ課題かなと思います。 これは、今、厚労省も含めて、生活保護は権利ですというようなことを発信を積極的にしていただいていますが、そういった啓発であるとか広報、そういったものも必要でしょうし、プラス例えば制度上のいろいろな問題、例えば自動車の保有の問題、これ地方ですとかなり大きな課題になります。それから、先ほども少し触れましたが、扶養義務という問題。家族に知られたくない、家族との関係が非常に悪い、なのにそれを役所の方から通達されてしまうと困ってしまう、そういった制度的に変えられるもの、入りやすくできることについては是非取り組んでいただきたいというところは一つお伝えをいたします。 それから、生活困難層ちょっと飛ばして、生活不安層というところで、この間コロナで見えてきた、働いている方、低所得状態で何とかぎりぎり精いっぱいやっている方が、なかなか支援が届いていない、支援を届けられていない。そこについて、これは短期的な視点ではなくて、やっぱり中長期のこの国の社会保障の在り方をどのように考えるかというところで、是非、その所得保障の仕組みというものをどのようにつくっていくのか。 所得を底上げすること、若しくは所得を支えていくこと、これかなり大きな話ですので、なかなか簡単な話ではないですし、実際にそれを整備するとなると巨額の財政的な支出も必要になる可能性もありますので、あくまで一つの論点ではありますが、例えば、例えばですが、恒久的な住宅手当のようなもの、欧米諸国のように、一定以上の所得水準以下であれば、ストック、フロー、ストックを見ないでフローだけで見て家賃の補助をするような仕組みを新たにつくっていく必要があるのではないかであるとか、あと、この国会でも議論が起きていますが、児童手当の拡充ですね。これは正直、所得を大幅に改善する一つの方法はやはり給付を出すというところは一つ大きな改善点。 貧困の支援というところは、もちろん対人援助のサービスをどれだけ手厚くするかというところも一つの論点ですが、一方で、現金を給付する、それから利用できる様々な仕組みを無償にする、そういったことというのはダイレクトにその家庭を支えるという一つの力になりますので、そういったものというのも実は必要ではないか。 それから、低年金、無年金の高齢者に対してどのような施策を打っていくのか。例えばですが、最低保障年金のような何らかの所得保障の仕組みであったり、それから、勤労されている方が、失業給付、失業したら受けられるわけですが、一方で、失業給付が切れてなお次の仕事に就けない場合に、じゃ、どのような所得の保障をするのか。 そういった意味で、生活保護の手前の給付含めた所得を支えること、それから働いている方の負担をどれだけ減らせるのかというところ、この議論というのは現状ほとんど実際のところ行われていないというのが実情かと思います。 これ、厚労省も含めて、そういった社会保障審議会等でもこういった議論というのは一部、全世代対応型社会保障会議の中で少し触れられていましたが、まだまだ圧倒的に議論自体が足りていないところかなというふうに思っています。 これ、かなり大きな政策分野でもありますので、是非、皆さん、国会の中でもこういった議論をしていただきたいなというふうに思っています。 ちょっと重複するので、いろいろここに書きましたが、これはちょっと後で是非御覧いただければというふうに思います。 ちょっとだけ話重なる部分もあるんですが、どちらかというと、これまで、貧困支援と書きました、生活困窮者の支援というのは、労働市場に戻すというところ、また給付やサービス提供で生活を支えるというところが根幹にあったのかなというふうに思っております。それが別に悪いものではないといいますか、それは当然政策の軸になるところだというふうに理解をしておりますが、一方で、このコロナ禍で見えてきたこととして、なかなか支援につながってくれないと。そのハードルをどれだけ下げるのかというところ、それから、いわゆる自立しているというふうに見られている人たちも実は生活が不安定でかなり苦しい状況にあると、そういったところが見えてきたと。 なので、労働市場に戻っていたとしても、自立しているというふうにこれまで見てきたわけですが、もっと様々な支えをしていかないと厳しくなってくるのではないか。かつては家族だったり地域だったり企業だったりというものがいろんなアンペイドワークも含めて支えていた部分が、この社会、つながりがそもそも希薄になっていて、そういった様々な支援、つながりがなくなっている中で見えにくい様々な支えが失われている状況というものを、制度、仕組みの中で、特に給付といういわゆる現金的なものも含めてどれだけサポートができるのかというところ、これかなり大きなテーマですが、重要な論点であろうというところをあえてお伝えしたいなというふうに思います。 慢性的な低所得者ってどのぐらいいるのっていう話、とても難しいテーマかなと思います。いろんな研究者の方がいて、いろんな現場の知見があって、例えば非課税世帯は例えば何万世帯いますよ、それから公営住宅の入居水準だと何千万世帯いる、いろんなデータはあるんですが、一つ指標としてよく貧困の分野で使われている国民生活基礎調査のいわゆる貧困率と貧困ラインというところのデータを今お出ししていますが、これ見ていただけると、貧困率のグラフがよく出てくるので、この折れ線グラフの方、皆さんよく御覧になられること多いかなと思いますが、棒グラフの方を実は見ていただきたいんですが、これ貧困ラインの推移なんですね。貧困ラインというのは、いわゆる所得のいわゆる中央値の、等価可処分所得の中央値の五〇%というのが貧困ラインというふうに設定される金額です。なので、中央値の五〇%だと思ってください。日本の中央値の五〇%の金額がこの金額ですね。 そう考えると、一九九七年の所得の中央値の五〇%は百四十九万円、要するに所得の中央値は大体二百九十八万円だったということです。大体三百万ぐらいだったということですね。それが、二〇一八年は二百五十四万円というのが所得の中央値です。中央値が五十万円近くこの二十年間で下がっているというところ。 もちろん、これ高齢化の影響であるとか若年層の方の非正規労働者が増えているとか、いろんな要因がございます。労働の賃金だけではなくて、そういった社会保障も含めた全体の金額のベースになりますので、まあ高齢化の影響は実はめちゃめちゃ大きいんですけど、ただ、総じて言えるのは、日本社会全体の所得階層というものが今かなり下方にスライドしている。そもそもが慢性的な低所得状態にある方が、人口のボリュームでいっても、なかなか正確な統計は出しづらいんですが、ただ非常に多くなっているというところは間違いなく言えると思います。この方たちに対して、じゃ、必要な支援を届けられているのかというと、なかなか、対象にして支援の仕組みがあるかというと、今残念ながら余りないというところは一つ大きな特徴かなというふうにも思っています。 例えば、労働市場というところで見ても、東京の最低賃金、今千七十二円と、御承知のとおり千七十二円というところだと思いますが、これでフルタイム働くと十八万八千六百七十二円。これ、あくまで額面ですので、手取りではありません。ここから社会保険料、税金等を引かれると、実際には十四万円とか、多い方でも十五万円ぐらい、少ない方だと十三万円ぐらいになってしまうと。なので、生活保護の水準と実は余り変わらないぐらいまで実際の手取りの金額というのは下がってしまう。 じゃ、いわゆる最低賃金以外のもうちょっと上の働き方をしている正社員の方はどうかというと、ここにいろいろ初任給書きましたが、大体このぐらいだと。これ、いろんな調査があるので一概に言えないんですが、二十万前後、高卒、大卒含めて。その正社員の方は例えばボーナスがあったりとか賃金が上がっていくという可能性がありますが、ただ、社会全体として、所得が余り高くない、年収二百万円から三百万円、四百万円ぐらいと、頑張ってもですね、そのぐらいの方がそもそも非常にたくさんいらっしゃると、前提としてですね。 だから、せっかく労働市場に戻っても、なかなか生活の暮らし向きというのは上がっていかない。また、上がっていかないけれども、じゃ、蓄えをしようと思っても、生活ぎりぎりですので、なかなか蓄えができない。そういった不安定な状況にある方がそもそもたくさん生まれてしまうような環境に今現在なっているというところをまず一つ認識していただきたいところとして御提案したいと思います。 これ、同じく国民生活基礎調査の二〇一九年より持ってきたデータなんですが、これ蓄えですよね、貯金について聞いたものなんですが、貯金がないという世帯、非常に実は多いということです。改めてですが、全体としてここに書きましたが、一三%ぐらいは貯金がないというふうに答えています。別に全部が貧困層というわけではないと思いますし、働いている方も含めてなんですが、一三%ぐらいは実は貯金がないというふうに答えていたりもします。 また、五十万円未満とか、そこいろいろ入れていくと、大体百万円以下ぐらいになると貯金がない世帯は大体三割近くになると、百万から二百万含めてですね。非常に蓄えも含めて脆弱な状態にある方というのがたくさんいらっしゃいます。 今日、私以外にもほかの参考人のお二人もいらっしゃるのでその分野も少し重なる部分がありますが、例えば母子家庭、母子世帯に関しては、このデータというのはかなり、よりひどい状況、厳しい状況にあるというところが見て取れると思いますし、そういった意味で、私たち自身の社会が、じゃ、働いていたら安心だよねと、様々な支え要らないのよねと、そういった形でこれまで考えられてこられたんだと思いますが、二〇二三年になって、三〇年、四〇年、今後年が重なっていく間に人口の構成も変わり、労働環境も変わり、じゃ、社会保障の仕組みというのをどのように整えていくべきなのか、労働市場と例えば生活保護、その間をどうつくっていくのか、その間の部分をどれだけつくっていくことを考えていくことができるのかというところを、是非こういった議論を進めていただきたいというところを改めて思っています。 少しまとめに入ります。あと二分ほどお時間いただいているので、少しまとめさせていただきますが。 少し私の話いろいろ飛び散ったところもあったかなと思いますが、重要なポイントとしてお伝えしたいところとして、これまで自立しているとみなされて支援から外れてきた方、ワーキングプアの方、恒常的な低所得者層の方が実はたくさんいて、その方たちを支援することによって、例えば生活保護であったり、そういったより福祉的な領域に下りてくることを防ぐといいますか、予防的な部分も含めてですね、また、この階層の方たちが例えば子育てをする、介護をする、そういったときに不安がないように様々なサポートをする、これをしていく必要があるというところを改めてお伝えしたいと思います。 じゃ、具体的に何をするべきか。多分、二つアプローチがありまして、一つは収入を上昇させましょう。働いているんだったらもちろん働きの収入だけで生活できるにこしたことはないだろうと多くの方が思います。なので、就労収入を上昇させるような施策、例えば最低賃金を上げましょう。ただ、安定的な雇用、正規雇用も含めて拡大できたらいいですよね。それから、非正規労働の方でもより社会保険適用していく。これ、この間、様々政府、国会等でも議論が行われてきたレベルのところをより拡大していただく、それもとても重要かなというふうに思います。 もう一つの方法は、今日ここでお伝えしたいところの大きなポイントになりますが、所得を底上げするような給付やサービスを大幅に拡充していくことを改めてこういった場で議論していく、考えていく必要が今あるのではないかというところでございます。 これどういうことかというと、例えば一生懸命働いていて、フルタイムで働いていても手取り十三万、十四万円と。二十代の若者がこの国に生まれて未来を描けるかというと、なかなかそれは厳しい。奨学金を借りていて何百万借金がある、でも非正規で働いていて、四十年後、自分の収入が上がっているイメージが湧かない、子育ての不安もある、介護の不安もある。そうじゃない国にする一つの方法として、当たり前のように支えられる経験を様々な人生のフェーズの中でしていく。 ここに一つ書きましたが、まあ分かりやすく一つの切り口でいうと、住宅手当というものは一つ分かりやすい部分かなというふうにも思います。もちろん、公営住宅等、いわゆるそういった住宅の保障、セーフティーネットという形で議論されているものもありますが、公営住宅、全住宅で六%しかなくてなかなか入れない。東京だと倍率が九倍以上と、混むところだと二十倍、三十倍を超えるというところありますが、なので、住宅手当というような形で、ワーキングプアの方、学生、低年金者も含めて、低所得者に対してきちんと支給をする。今やっている住居確保給付金というのは求職要件がありますが、求職要件等を経ずに単純にフローだけで見て、所得だけで見てきちんと手当をつくっていく、こういったことの議論というのは必要かなと思います。 あとは、ここに書きましたが、子供、児童手当の大幅の拡充であったり、最低保障年金等の実装であったり、できるだけ所得を支えることによって、何とか困窮する前に、困窮する手前に、この社会に生きていて支えられているという経験を多くの方ができるような仕組みというのをつくっていくことが必要なのではないのかなというふうにも思っております。 少しちょっと長くなって恐縮ですけれども、最後ここで書いたところが全てなんですけれども、結構大きな話を今日させていただきましたが、日本の低所得者支援って、やっぱり生活保護と生活困窮者の自立支援制度のみで考えていくにはやはり無理があるのではないかと。その手前にあるところの給付、所得保障というものを改めて国としてもしっかり考えていくこと、これまでこの議論というのは非常に脆弱で、ほとんど行われていない部分というのがございます。そこについて是非検討していくということをお願いしたいなというふうに思っています。 済みません、長くなりましたが、以上です。
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。 次に、赤石参考人にお願いいたします。赤石参考人。
○参考人(赤石千衣子君) 認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの理事長をしております赤石でございます。今日は、このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。(資料映写) 私、ちょっとパワーポイント多く作ってしまいましたので、駆け足になるところや抜かすところがございますので、それは後で読んでいただければと思います。 私の自己紹介、これは抜かしますね。 「はじめに」です。今、児童手当の所得制限がありかなしかで沸いていると思います。普遍的な制度はもちろん歓迎でございます。基本的には非常にすばらしいと思っています。しかし、普遍的な制度だけでは、コロナ後の格差拡大の中で、非正規で働いている一人親世帯には雇用調整助成金も届かず、正規社員のみだったんですね、結局、届いたのが。仕事が減り、三年間ずっとずっとぎりぎりで生活する親子がたくさんいらっしゃいます。今、こういった世帯に児童手当の所得制限がなくなったとしても、すぐには効かないんです。 では、どうしたらいいのか。やはりこの層には特別の配慮が必要ですということです。せっかくこの世の中に生まれてきた子供たちがしっかり育てられる、そういう社会にしたいではないですか。せっかく生まれてきたんです。国の児童扶養手当の基準額、また複数子の加算、一回上げていただきました。コロナ期に給付金はあったんですけれども、恒久的に制度を、手当を上げるということがなかったので、その点を配慮していただきたい、こういったことをお伝えしたいと思います。 まず、しんぐるまざあず・ふぉーらむの活動はこういったことをやっておりますということで、就労支援事業、相談事業から子育て支援事業、今ですと新入学のお祝い金事業を小学校、中学、高校、大学等に三万円か五万円の給付を二千四百人、計、御寄附で一億円を給付する予定でございます。一団体でここまでやる。でも、入学できない方がいらっしゃるので、それをやっております。 また、食品支援、先ほど大西さんも言ってくださいましたけど、私どもは年間三万世帯、一月だけで二千五百十一世帯にパッケージをお送りしております。この費用はですね、十二・五トンのお米を月に送っています。一世帯五キロです。計算していただければそうなります。これを全国に送っている。そういう状況で支えながら、こういった確かな情報を届けたりしている。そして、シングルマザーサポート団体全国協議会、三十二団体を束ねております。 では、一人親世帯の現状でございます。 まず、この間、十二月二十六日に令和三年度全国ひとり親世帯調査の結果が発表されました。数は若干減っていて、百十九万五千世帯が母子世帯、父子世帯十四万九千世帯。一人親になった理由は、離婚が八割、そして未婚の母が一〇・八%で増えてきております。逆に、死別の方は減っている。 そして、離婚件数は、増えていると思っていらっしゃる方がいらっしゃるかもしれないんですが、二十年前より減少傾向です。ここはしっかり覚えておいていただきたいと思います。人口減の世の中ですからね。未婚率も上がっています。 就業状況です。就業率、母子世帯の母八六・三%ですね。こちらは多分世界一、就業率、母子世帯の就業率が高い国になっていると思います。ここに比較調査がございますが、ほかのどの国よりも断トツ高いですね。また、そういう中で年間就労収入、見てみましょう。母子世帯のお母さん二百三十六万円、年間就労収入二百三十六万円でお子さんが一人あるいは二人の子を育てている。どう思われますでしょうか。これ、母子世帯収入にしますと、親族収入とか合わせても子供のいる世帯の平均収入の半分以下ということになります。 これが大きな特徴なんです、日本の母子世帯の。就労率は高い、しかし就労収入が低い、これが現実です。なぜそうなるか。やはり、お仕事と子育てを両立するということの困難が、パート、アルバイトでしか働くことができない方を、四割いらっしゃる。四割の方は、年収は、就労年収は百五十万円で働いている。もちろん、ちょっと上がったんですよ。やはり最低賃金が上がったことが少しはいい結果をもたらしているから上がっているんですけれども、まだまだ非常に厳しいということがお分かりいただけると思います。でも、非正規でしか働くことができない方たちがこれだけいらっしゃる。 そして、養育費もらったらいいじゃないかと思われるかもしれないんですが、養育費を受けているという方は二八%、そして面会交流率は三割、このようになっております。 ですので、収入階層から見ると、年収百万円から二百万円のところが大きなボリュームゾーンになっております。二百万から三百万の方もいらっしゃるんですけれども、この方たち、教育費を高等教育まで捻出できるでしょうか。厳しいということはお分かりいただけますよね。ですので、高等教育の無償化、いわゆる修学支援新制度できました。大変有り難いんですけれども、これだけではなかなか中学、高校の塾代とか習い事とか部活費用とか賄えない、こういう状況になっております。 世界の大人一人の家庭の相対的貧困率を比べますと、本当に不名誉なことですが、日本は一人親家庭の相対的貧困率は世界の先進国の中で最悪でございます。本当にこれでいいのだろうかということでございます。 では、何で離婚するんですかと絶対おっしゃると思うので、司法統計から見ますと、婚姻関係事件の申立て動機にはDVの家庭が非常に多いということが分かります。御覧いただけますでしょうか。性格が合わないが断トツ一位なんですが、そのほか、生活費を渡さない、二七・五%、精神的に虐待する、二四・九%、暴力を振るう、二四・七%など、これは全部ドメスティック・バイオレンスに属しているものでございます。 で、こういう状況の中でコロナが起こりました。コロナによってシングルマザーの就労、生活にどのような影響があったのでしょうか。七割の方が影響があったと答えています。そして、サービス職、販売職、生産工程職の方に大きな影響があったわけでございます。事務職の方にはそれほどの影響はなかったんですね。でも、そういう、私ども御支援している中でも、ファミリーレストランで働いてますとか、チェーン店で飲食のところで働いてますみたいな方たくさんいらっしゃいます。 こういう方たちは、PCを持っていない、タブレットも持っていない、接続も不足している、こういう方がとても多いんです。この中で、デジタル化とかDXとかいろんなことが話題になっているんですけれども、全くそういうところから外れてしまっている方たちがいらっしゃるということです。 で、この方たち、食べるものも困っていました。お米が買えないという方が二年前に三割、四割いらっしゃいました。これは、二〇二二年十二月、クリスマスですので、食料支援をしたときの子供たちの喜びようです。済みません、何かおかしなこのポーズしている子かわいいんですけど。みんながポーズしているんですけど。こんな支援を二千五百世帯にやっている。資金が途絶えたらこの子たちの笑顔は見られなくなります。 厚労省の食事等支援事業、私ども一団体として五十万円もらっています。でも、一か月に千二百万円掛かるんです。全然足りないです。一人親の方たち、お母さんもクリスマスが準備できて良かったと言っています。 これはちょっと、一年半前の数字なんですが、夏休みになるとお母さんが、前月、小学生のお子さんのことで気掛かりだったこと、お子さんの体重が減ったと答えている方が一〇%超いらっしゃいました。夏休み、なかなかお米も買えない状況があるわけです。 そして、健康面でも心配なそういう民間賃貸住宅に住んでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃいます。騒音が気になる、あるいは、カビが生える、日当たりが悪い、虫やネズミやゴキブリが出る。こういったことを心配している方の割合、非常に多くなっております。 住宅費、先ほど大西委員からもありましたけれども、本当に、就労収入、月収で十二万円ぐらいの方が、民間賃貸住宅、平均、東京だと七万九千円払っている。これでどうやって子供たちを、暮らせていけるとお思いでしょうか。非常にその住宅問題は大きいです。 さらに、そこに物価高が襲いかかりました。今、物価高で本当に就労収入が上がらず、更に非常に厳しい状況になっております。年越しができない、クリスマスもできないと答えている方は非常に多かったんですね。七割の方がどちらもできません。町がクリスマスや年末の準備で沸いているときにこういうふうに答えていらっしゃる方がいらっしゃるんです。そして、修学旅行にも行かせられなかった、新しい洋服、靴が買えなかった、こういった方がこれだけいらっしゃいます。この状況の中で、やはり低所得の一人親世帯に何らかの手だてが必要かと思います。 一人親の現実でございます。 先ほども言いましたように、仕事と子育ての両立の困難というのは非常に厳しい状況です。皆さん、子育てをしっかりやりたいと思っていらっしゃいます。しかし、ブランクがあって正社員にはすぐになれない、そうしたら今はパートタイムになるしかない、ここで悩んでおられます。時間がなく、でもパートタイムで働いていれば昇給はないので、お子さんが中学くらいになると、トリプルワークしていらっしゃる方がいらっしゃいます。もう本当にしんどいんですけれども、三人お子さんがいるお母さんが、もう本当に、土日、二十四時間営業の居酒屋で働いているんですね。それでも何とかして就労支援で転職したいとおっしゃるんですけど、もう倒れるんじゃないかと思っていつも心配しているような方がいらっしゃいます。 そして、このコロナで何が増えたか。子供の不登校です。 この図を見ていただきたいんですけれども、二一年に不登校、長期欠席が増えました。これは、もろに一人親の就労支援をしていると分かります。多くの方は在宅就労の雇用を望むんですね。それはどうしてかっていうと、行き渋っている子供たちがいるので行ってらっしゃいと言いたい。そうすると在宅ワークがいいとおっしゃるんですが、やはりスキルが低い方には在宅での雇用というのを探すのは非常に厳しい状況です。ですので、皆さん非常に低所得で困っておられるということがございます。また、シングルファーザーの方、なかなか支援に行き着かないというのがあります。 ここで、ちょっとだけ別のお話をします。 今、法務省法制審議会家族法制部会では共同親権について議論をしております。また、養育費についても議論しております。しかし、一人親の方に聞くと、共同親権制度を選択したいかという方は非常に僅か、ほとんどの方は選択したくないとおっしゃっています。では、ワクチン接種等で元夫と協議ができましたかと聞くと、協議できた方はほんの三%なんですね。こんな状況で非常に困っておられます。 子供に関する重要事項の共同決定をするのが共同親権、共同監護でございます。一体、共同決定できるのでしょうか。子供の高校進学、公立高校の受験に失敗して私立高校に合格した。お父さんにサインしてくれと頼んだら、そんな高いところに行かせられない、もう中卒でいいではないかと言われたら、この子は高校に進学できなくなります。それから、医療です。急に突発的な医療があったとき、一体、合意が成り立つのでしょうか。滋賀県では、子供が心臓の手術をしたときに、共同親権、まだ離婚は成立していなくてお父さんのサインがいただけなかったがために、病院は後からお父さんに訴えられて損害賠償請求の額を払いました。病院も非常に迷惑すると思います。 こういったことで、よくよく考えますと、この共同決定をするという制度を導入するのは非常に難しいのではないか。例えば、お子さんのことを仲よく離婚後も話せる夫婦は今もやっています。単独親権下で問題ありません。葛藤がある夫婦は子供にとって不利益です。連絡が取れない方が半数以上です。このことは、連絡取れなければ子供に不利益です。DVや子供への虐待があるケースは子供に危険があります。どれを取っても利益がないということになります。 では、この一人親家庭への支援と改善の方向です。 本当に政府もコロナ禍でいろんな努力をしてくださいました。しかし、届くものと届かないものがあったというのが現実でございます。児童扶養手当制度は、その中で二か月に一度の支給になって大変有り難い制度でした。 しかし、このようになっています。皆さん、児童手当のことで支給月のこと議論されていますか。児童扶養手当は今二か月に一度の支給になっているんですが、奇数月です。児童手当は二月、六月、十月の支給です。となると、四月、八月、十二月には両方の支給がない月があるんです。この月は、入学の時期、夏休みの給食がない時期、年越しの時期です。ここに困窮が生じているんです。この支給月の問題も非常に大事なんです。費用が掛かるので言いにくいんですが、児童手当も二か月に一度、偶数月になると大変有り難くなる方たちがいらっしゃることはお伝えしておきます。 また、児童扶養手当の窓口、窓口ハラスメントというものが、私どもが名を付けましたが、あります。皆さん、初対面の方に、女性に、あなた、妊娠していないですかと聞いていいでしょうか。これは間違いなくセクシュアルハラスメントですね。しかし、児童扶養手当の窓口は、これを言わざるを得ないと思って対応している窓口があります。また、男性と交際していないですか、こんなことを言っている窓口もあります。なぜなら、事実婚だと児童扶養手当は支給できないからです。 となりますと、どうやってこの窓口を改善していくのか課題になります。本当は相談してほしい窓口が機能しないことになるんです。嫌な思いをしたり屈辱的な扱いを受けるのが児童扶養手当の窓口だと答えている方は三割、必要だから行かざるを得ないが、できるだけ行きたくないと言っている方が六割超、これでは機能しません。ですので、当事者と御相談いただきながら、せめて、この制度ではどうしても聞かざるを得ないことがありますが、このようなことはありますかと聞くですとか、改善が求められますし、そもそも事実婚の認定を変えてほしいと思っております。 また、物価高で、電力、ガス、食料品等の価格高騰緊急支援給付金、大変有り難かったんですが、やはり非課税世帯なので、非常に、もう本当にその方たちも生活費にすぐに消えてしまったという統計がございます。 特に、多子世帯の子供は非常に我慢させられています。本当に、こういう世帯に困ることのない、入学時に負担のない、そういう制度をこれからつくることが必要かと思います。 時間延長になっていないと思うんですけれども、御清聴ありがとうございました。
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。 次に、尾上参考人にお願いいたします。尾上参考人。
○参考人(尾上浩二君) 今日は、貴重な発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。 認定NPO、DPI、障害者インターナショナル日本会議副議長の尾上と申します。どうぞよろしくお願いいたします。(資料映写) 私が属しておりますDPIのプロフィールは、今日リーフレットをお配りしておりますので、そちらの方をまた見ていただければと思います。 私自身のプロフィールみたいなものを一枚目のスライドで紹介をさせていただいておりますけれども、今日も電動車椅子で地下鉄、新幹線を乗り継いでここにやってまいりましたが、子供のときから脳性麻痺、障害を持って生まれ育ちました。養護学校、施設を経て、地域の中学校へ行き、大学に入ってからずっと障害者運動に関わりました。もう今年でちょうど四十五年目ということになりますが、特に今日お話しさせていただきます障害者権利条約、国連の障害者権利条約では、二〇一三年の批准の際の国会の参考人質疑にお呼びいただき、お招きいただきまして、さらに去年八月、ジュネーブでありました対日審査にも参加をさせていただいた、そういう者であります。現在、DPIの副議長のほかに、内閣府の障害者施策アドバイザーということもやらせていただいています。 これが二〇一三年十一月のときの参考人質疑の様子なんですけれども、この参考人質疑を経まして、翌年の一月二十日、二〇一四年一月二十日に障害者権利条約が批准されました。特に、この障害者権利条約批准に向けて、障害者基本法の改正、障害者総合支援法、そして障害者差別解消法、そういった法律を作っていただいた上で批准をした、これがすごく大きかったと思うんですね。障害者権利条約のモットーは、私たち抜きに私たちのことを決めないで、ナッシング・アバウト・アス・ウイズアウト・アスということなんですが、まさに当事者の意見を基にしてこういった法律制度をつくった上での批准でございました。 権利条約は国際的なモニタリングの仕組みを持っています。日本も批准後、二年後、二〇一六年の六月に第一回目の政府報告書を国連に提出をしまして、コロナで大分延びていたんですけれども、去年の八月二十二日、二十三日と二日間にわたって国連の障害者権利委員会と日本政府との建設的対話ということがありました。 私たち障害者団体の側では、パラレルレポートというものを二〇一七年から準備をしまして、五年間準備の末、当日に臨みました。日本から障害者や家族あるいは弁護士さん、総勢百名という、これまでいろんな国の審査があったわけですが、最大規模ということで、ジュネーブの国連事務所の一番大きな部屋に場所を変えての建設的対話、審査となりました。 私ども民間団体からのパラレルレポートもしっかり障害者権利委員会の皆さんにお伝えをした上で、権利委員会の皆さんは、日本政府の代表団との建設的対話を二日間にわたって取り組んでいただき、九月九日に日本への総括所見というものが発表されました。その後、若干の字句修正の上で、十月七日に確定をしたというところであります。今日、日本政府の仮訳、外務省の仮訳を配付資料ということで配付していますので、後でお読みいただければと思います。 これ、五年間の準備の末ということで迎えた、いよいよ歴史的な瞬間だという、そのタイミングでありますが、特に、幾つも印象に残ることがあったんですが、そのうちの一つ紹介させていただきます。 この方は、ニュージーランドお住まいで知的障害の当事者で、ニュージーランドでの地域移行、脱施設ということを取り組まれたロバート・マーティンさん、彼がこういうふうな質問をしました。二〇一六年の津久井やまゆり園事件を経て、このような施設で今もなお多くの障害者が暮らすことについて考え直したことはありますか、今後どのように脱施設化や地域移行を推進していくのか、日本政府としての考えを教えてください。ずばり日本の問題点を指摘された、そういうふうな思いを持ちました。また、そういった障害者政策委員会を始めとした委員会で知的障害の当事者が今は参加していないのはなぜかという質問もいただきました。 さらに、こちらは、タイにお住まいのサオラックさんという方が入所施設からの地域移行について御質問をされました。脱施設するためにどういうステップを取っているか。例えば、地域移行コーディネーターつくって任命をしていますか、法制化はしていますか。これは、実は施設や病院からの地域移行というのは、やっぱり勝手に進むわけではなくて、かなりいろんな手厚い仕組みが必要なんですね。お隣の韓国やアメリカやいろんなところでこういった仕組みがあるので、日本ではどうするんですか、質問でした。政府からの回答は、地域生活支援拠点はつくるというぐらいのぼわっとした回答で、肝腎のこの地域移行コーディネーターをつくりますかということについては回答はありませんでした。 さらに、質問が相次いだのがインクルーシブ教育でした。といいますのも、こういった回答があったからなんですね。文部省からの回答は、二〇一三年に制度改正を行い、特別支援学校か普通学校かを本人と保護者の意思に基づいて選択できるようにした、その結果、通常学級に在籍しながらサポートを受ける児童は十年間で倍増してインクルーシブ教育も大きく進展したということで。 実際は、二〇一三年、確かに改正いただいたんですが、いまだにやっぱり各地の教育委員会が最終的には決める仕組みなので、通常学校を希望されても特別支援学校に措置される。それで裁判になっているケースもあるんですね。 あるいは、この十年間で、特別支援学校で学ぶお子さんは一・二倍、特別支援学級で学ぶお子さんは二・五倍というふうに増えているのが、分離された環境で学ぶ子供が増えているのが現状なんですが、そのことを、そういったデータもこの障害者権利委員会の皆さんお持ちでしたので、モンゴルのドンドフドルジ委員は、先ほどの説明とは違って、分離された環境で教育を受ける子供たちの数がかなり増えているように見えますと、その学校教育法施行令の二十二条の三というのは一定の障害のある者ということなんですが、その一定の障害のある子供が、二〇一六年五月には千五百七十五人、通常学級で学んでいたのが、二〇一七年には千百四十四人まで減っている、かえって通常学級で学ぶ子供が減っているではないですかというふうな指摘がありました。 最後、日本を担当された二人の委員がいられるんですが、そのうちのお一人、キム・ミヨンさんという方ですが、彼女が涙ながらに、日本の障害者や市民社会によるパラレルレポートが示す日本の障害者の実際の状況と政府報告書の間に大きなギャップがあるというふうに見受けられますと、このギャップを解決するために迅速に取り組む、具体的に取り組んでほしい、特にそういった障害者の権利のために一心に取り組んできた障害者や市民団体と一緒に連携を続けていただくことを日本政府にお願いするというふうに言われたのが非常に印象的でございました。 で、先ほど申しましたとおり、九月九日に日本政府に対する総括所見、いわゆる懸念と勧告ですね、が出されました。例えば医学モデル、パターナリズムが非常に日本は強いから、それから人権モデルへ転換をしてくださいというようなことや、障害のある女性、障害のある子供への複合差別や虐待に対応してください、あるいは精神医療の強制医療を廃止してください、身体拘束を防止してください等々、非常にインパクトのある内容になっています。 ちょっと概要を見ておきますと、全部で七十五のパラグラフで十八ページ、A4十八ページです。例えばイギリスとかほかの国々のを見ますと、十ページとか十二ページぐらいが多いんですね。日本は非常に多い。それだけ詳しく述べられているわけなんですが、政府にとって厳しい勧告が多いわけですが、肯定的側面もしっかりと押さえているということも確認をしておきたいと思います。 やはりこの十年間、国会の皆さんでいろんな法律を作っていただきました。障害者差別解消法やバリアフリー法の改正、情報アクセシビリティー・コミュニケーション推進法、あるいは読書バリアフリー法、障害者文化芸術推進基本法や、条約のモニター機関として障害者政策委員会を設置いただいた等々は、これは国際社会から非常に高く評価をされているわけです。 ただ一方、一条から三十三条全ての条文に懸念と勧告が出されました。後でまた読んでいただいたら分かるんですが、最初に目指すべきビジョンの明確、こういうことをちゃんと目指しなさいという、言うなら、登るべき山を間違うと、頑張れば頑張るほど権利条約が求める社会とずれていくので、こういう方向をちゃんと目指しなさいというビジョンが明確に書かれた上で、それに向けてこういったことを具体的に進めなさいということが書かれているんですね。 特に緊急の措置が必要なのが、精神病院からの地域移行も含めた脱施設、施設や病院からの地域移行、そして施設を順々になくしていく脱施設、そしてもう一つは、障害のある子とない子が共に学び、全ての子供が居場所のあるインクルーシブ教育をつくるということですね。 もう一人、日本を担当されたラスカスさんという方が日本に来られたときに、実はこの脱施設とインクルーシブ教育はつながっているんだ、子供時代に分離されると分断した社会を生み出してしまう、インクルーシブ教育はインクルーシブ社会の礎なんだということをおっしゃっておられたのが非常に印象的でした。 そして、医学モデル、パターナリズムから人権モデルへ転換をしてくださいねということで、私、あっ、そうか、日本流の分けた上で手厚くというか悪意なくといいますかね、分けた上で手厚くするのがその人にとっても社会にとってもいいんだ、そういうふうな感じで日本は進んできたところがあるんですが、そういう日本流対応への根本的な問いかけなんだろうな。 で、次回の審査が二〇二八年、あと五年です。それまでに着実な改革を是非国会を筆頭に進めていただきたいな、思うんですね。 先ほど、緊急措置ということで二つ、脱施設とインクルーシブ教育、これパラグラフ七十一というところに書かれています。そして、次回の審査は二〇二八年二月、二〇二八年ですよということが書かれているわけですが、特に先ほどの二つのテーマ、ちょっと概要を見ておきますと、総括所見が十九条で指摘し求めていることということで、知的や精神、高齢、身体障害者、あるいは集中的な支援を必要とする障害者や障害児が、やっぱり施設収容が継続している、あるいは家庭生活が奪われている、そういう状況がある。その施設収容を廃止するために予算配分を入所施設や病院から地域生活へ振り向けてください。勧告ですね。 二つ目が、精神科病院への収容や無期限入院がずっといまだに続いていますという問題指摘の上で、精神科病院に入院している全てのケースを見直して、無期限の入院はやめて地域で暮らせるようにしてください。病院というのは治療するためなわけですから、一生いるということは本来あり得ないわけですよね。 さらに、親の扶養下での生活やグループホームでの生活も含めて、やはり選択肢が限られている。そういう意味で、障害者自身が望む生活ができるようにしてください。 そして四つ目、脱施設化と地域での自立の生活のための国家戦略や法的枠組みがありませんね。ここがすごく大事なんです。障害者団体との協議の上で、当事者参画の下でということですね、期限付の目標基準や、人的、技術的、財政的資源を伴う脱施設化に向けた国家戦略や法的枠組みをつくった上で、自治体が義務的に実施するようにしてくださいねというふうなことや、さらには地域での支援体制を充実してください、あるいは、その認定の仕組みが医学モデルということで、非常に限られた人しかやっぱり対象になっていないというふうなことも問題指摘されて勧告を受けています。 これが以上十九条なんですが、ちょっとその地域移行の実情ということで見ていただきますと、これは厚労省の資料なんですが、二〇一一年には毎年四千八百人ぐらいの方が地域移行していたんですね、施設から。ところが、それから八年後、二〇一九年には千五百二十五人、三分の一に減っています。そういうふうに地域移行が減るから、入所施設を減らしていくということも、最初はかなり右下下がりになっていたのが鈍化していっている現状であります。 ついこの前、一月に決まったものは少し今回の総括所見を受けて若干その入所者減を増やしましょうというふうになっていますが、そのための手だてが示されていないんですね。先ほど申しましたとおり、地域移行が大幅に減少し、なかなかその脱施設が進んでいない現状です。 それで、私たちが、当事者が提案しているのは、地域移行コーディネーター制度をつくってほしいということを提案をし続けてきています。 実は、去年の十一月、障害者総合支援法の改正で、衆参で附帯決議を付けていただきました。その中で、この総括所見における指摘を踏まえて、多様な当事者の意見も踏まえた地域移行の計画を作ること。さらに、次ですね、地域生活支援拠点の役割の明確化や機能強化、拠点コーディネーターの役割の整理や配置の促進など、地域移行を効果的、計画的に推進するための方策について検討し、必要な措置を講ずることというふうになっています。 是非、この附帯決議を踏まえて、多様な当事者が参画をした検討会を政府においては立ち上げていただきたいし、国会においてはこの附帯決議がちゃんと守られているかどうかしっかり見守っていただきたいなと思います。 二つ目の大きなテーマ、インクルーシブ教育です。 分離された特別教育が存続をしている、さらに通常の学校、地域の学校はアクセスしにくくなっているということで、分離された特別支援教育をやめてインクルーシブ教育の権利を認める、そのための国家行動計画を作ってくださいということや、あるいは、普通学校への入学拒否、それをできないようにする就学拒否禁止条項みたいなものをちゃんと作ってくださいよ、本人、保護者が希望した限りは必ず地域の学校に行けるようにしてくださいということですね。 障害のある子供への合理的配慮、全ての子供にインクルーシブ教育を確保するための合理的配慮を保障してくださいということや、そのためには、通常の学校の先生も含めた先生方のインクルーシブ教育や人権モデルに関する研修をしっかりしてください、手話を言語とする教育や盲聾教育も充実してくださいということや、高等教育、そういったことも指摘を受けています。 先ほど、政府回答の中ではインクルーシブ教育は大きく前進しているという回答だったんですが、実は文科省さん自身のデータでも特別支援学校や支援学級で学ぶ子供が大きく増えている。インクルーシブ教育と逆行して分離の環境で学ぶ子供が飛躍的に増えてしまった十年だということがこのデータからも分かるんですね。 これ、幾つか新聞記事。そういった中で、特別支援学校の開校が相次ぐ。あるいは、普通学校の就学を拒否されるということで、医療的ケアのお子さんが神奈川県で裁判をしたけれども認められなかったというようなこととかですね。あるいは、合理的配慮が保障されないために普通学校を選べない。あるいは、普通学校に就学できても合理的配慮が不十分で、じゃ、親御さん付いてくださいねということがもうごくごく当たり前に言われてしまう。その中では、例えば付添い、七年間ずっと保護者が付き添わざるを得なかった。働くこともできない。 でも一方で、これは例えば大阪の豊中というところの事例なんかですけれども、医療的ケアがあるお子さんも地元の学校で学びながらちゃんと支援と合理的配慮を得ている事例もあったりするわけです。こういったことがもっともっと全国どこでもできるようにしていただきたい。 そういうことで、問われているのは分離に慣れ親しんだ社会かな。日本というのは、どうしてもちっちゃなときから分けて、その上で大人になってから共生しましょう、共に生きましょうといっても、なかなかやっぱり難しいと思うんですね。そういう意味で、分離した上で手厚くといった日本流対応をやっぱり変えていく。 何かとてつもないことを言っていると思われるかも分かりませんが、アメリカで公民権の歴史、御存じかと思いますが、一九五四年にブラウン判決というのがありました。それまでは、黒人学校と白人学校、分離しても平等だ、分離すれども平等だと言われていたのが、ブラウン判決で分離は差別であるとなってから大きく歴史が動いたんですね。 同じように、今回の総括所見は、今までの分離した上で手厚くという日本流の対応から、分離をしなくて、分離せず合理的配慮と必要な支援へと。分離した上で手厚くから、分離せず合理的配慮と必要な支援へという転換を進めていくきっかけになってほしいなと思います。 最後であります。障害者政策委員会での議論ということで、障害者基本法の改正を是非、再び、これは、これまで障害者基本法の改正というのは全会一致で、全政党の皆さんの御協力の上で進んできました。是非、二〇一一年の障害者基本法の改正の後、これは条約批准のためでした、それからもう十二年もたっているんですが、来るべき基本法の改正というのは、この総括所見を受けて条約実施のためということで、例えば児童福祉法に書いているように、障害者権利条約の精神にのっとりというふうなことを基本法に書くとか、差別の定義や障害女性の複合差別解消を明記する。あるいは、地域生活やインクルーシブ教育を原則にする。さらに、障害者政策委員会、国連からも高く評価を受けていますけれども、それを更にもっと役割、機能を明確にする。その上で、学校教育法あるいは施行令、障害者総合支援法、精神保健福祉法、各法への取組を是非お願いをしたいと思います。 あと、バリアフリー等の資料も付けておりますが、後で御覧いただければ幸いです。 是非、この何年間か全ての障害者団体が力を合わせて取り組んできたパラレルレポート、それを受けたすばらしい総括所見が出ておりますので、国会において、政府においてしっかり対応いただくことをお願いして、参考人としての発言を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○会長(福山哲郎君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、一巡後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。 発言は着席のままで結構でございます。 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくようお願いいたします。 なお、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間が一巡目はお一人十五分以内となるように御協力をお願いいたします。 これより一巡目の質疑を行います。 質疑のある方は挙手を願います。 上月良祐君。
○上月良祐君 ありがとうございます。 自民党の上月良祐です。 大変な現場を支えていただいている三人の参考人の先生方に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。 時間がありませんので、早速質疑に入らせていただきたいと思います。 まず、大西参考人にお聞きしたいと思います。 資料の中で、生活保護を入りやすくする必要があるというお話がありました。まさにそのとおりだと私は思っております。ただ一方で、入りやすくするだけでは駄目で、入りやすく、やはり出やすくもしないといけないんだと思います。抱樸の奥田さんもそういった御意見を言っておられたことを覚えております。その入りやすく出やすくするというふうにするためにはどういうふうな対応が必要だとお考えでしょうか。そのポイント、あれば教えていただきたいと思います。 それからもう一点は、私、この分野の仕事にはNPO等の皆さん方の力はもう欠かせないというふうに思っております。すなわち、支援者支援をすることが我々政治や行政にとって大変重要なんじゃないかというふうに思っております。 私、その前提として、自治体というものをどう考えるかということをもう少しちょっと考え直さなきゃいけない時期じゃないかと。すなわち、自治体の外側、外縁を少し広げて、NPO等の皆さんもその一部なんだと。だんだんグラデーションが付いているんだと思いますが、そのNPO等の皆さんもやや薄い色かもしれないけれども自治体の一部なんだというような位置付けが必要じゃないかと。自治体の概念の再整理というようなことが必要ではないかと。それによって、NPOの皆さん方の例えば処遇をどうするのかといったようなことの理論的な支えにもなるんじゃないかなと。 これはもう、何というんでしょうか、何かお金をあげるという対象じゃなくて、本来自分たちがやらなきゃいけないことをやっていただいているというような位置付けにしっかり再整理する必要があるんじゃないかと思っておりますが、そのことについて、先生、どんなふうにお考えか、お聞きしたいと思います。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 二点いただいたので、一点ずつ説明したいと思います。 生活保護について、入りやすく出やすいというところで、今回あえて、出やすいというのをあえて省かせていただいたのには実は理由があって、入りやすく出やすいというのはいろんな場面でよく語られるところかなと思うんですが、二〇〇〇年代の後半ぐらいから、いわゆる生活保護関連の様々な改革議論の中で、この出やすいというところは実はかなりいろいろな政策というのがこの間取られてきたところかなと。 例えばですが、新規で稼働年齢層、働ける年代の方が生活保護の申請をすると、これは厚労省の通知ですけど、原則として三か月から半年以内に必ず何らかの一旦就労をしましょうねということを国が通知を出していて、例えば自治体がハローワークと一体となった就労支援をしますよとか、結構そういう仕組みというのはこの十年、十五年ぐらいかなり進んできている部分があって、他方で、じゃ、何でそこが必ずしも機能していないかというと、これは非常にシンプルな話で、単純に現業員の方、自治体の担当するケースワーカーの方が一人で百世帯とか百二十世帯とか、そういうの担当するのはある種当たり前になっていて、マンパワーが足りないと。一部それを民間団体とかに委託をして就労支援とかやっているけれども、なかなかそこの連絡、連結がうまくいっていないというところが一つあるのかなと。 ただ、政策分野としては、これについてはかなり議論がされ蓄積があるというところかなと思います。むしろ、この間語られていなかった部分、余り取り組まれていなかった部分として、入りやすいというところ、利用できる方がちゃんと利用できていない、そこをまず改善していくということも同時に必要じゃないかなというところで、そういった書き方をさせていただきました。 で、人手不足のところ、先ほどちょっとお伝えをしましたが、自治体職員の負担というのはかなり大きいものになっておりますので、まずそこ、担い手の人をどう支えるのかというところは重要な生活保護の論点なのかなと思います。 二つ目のNPOのところでいうと、ちょっとNPO全体を代弁するのもちょっと難しいのですが、あくまで私の視点からお話をさせていただきますと、既に様々な政策分野で、現場の相談機関の職員であったりとか相談機能を、NPOや社会福祉法人等民間団体さんが委託や補助を受けて担い手になっているというところは、全国津々浦々でもう既に始まっているところかなと思います。 その是非というのはいろいろあろうかと思いますが、他方で、じゃ、何が問題かというときにいうと、そういった公的機能の担い手としてNPOや社会福祉法人の人たちが役割を果たすということの意味、意義というのは当然あるんだと思いますが、賃金がやはりすごい低くなってしまうと。変な話、公務員がやるよりも安くできてしまうというところを、そこを改善していかないと、結局、福祉職のワーキングプア問題、また、現場の地域の担い手の人たちが離職してしまう、それこそ男性の寿退社みたいなこともよく言われますが、仕事続けられない、支援を続けられないという文脈というのはあろうかと思います。 ここは、実際、政策支援を広げていくに当たって、その担い手の生活も支えていく、担い手がちゃんとそこを、人生を紡いでいけるような、そういった機能というものも踏まえた上で、様々な制度、政策を活用していただける、つくっていただけるというところが有り難いのかなと思います。 済みません、以上です。
○上月良祐君 大西先生、ありがとうございました。 確かに、困窮世帯を支えている皆さんがワーキングプアということでは、これはちょっと笑い話にもならないので、真剣にそこは取り組んでいかなきゃいけないという問題意識でずっとやっておりますので、これからもしっかりやっていきたいと思います。 続きまして、赤石先生にお聞きしたいと思います。 もう前にもお聞きしておりましたが、日本のシングルマザーは世界一働いているのに大変低い収入であるということとか、子供の体重が減ったというデータは大変私もショッキングで、党内での議論のときも強く訴えさせて、使わせていただいたデータであります。大変悲しいデータだと思います。 私は、シングルマザーの皆様が困難に陥ったり困窮に陥ったりしないようにしないといけないと思います。予防という言葉がいいのかどうか分かりませんが、そういった観点からは、養育費の問題は親の責任としてまず大変重要な点だと思っております。先生の資料の十五ページかな、にもあるようでありますけれども、この点について、法務省でも議論はされているようですが、先生も御意見があれば是非お願いしたいと思います。 それからもう一つ、これも出口という言い方がいいのかどうかは分かりませんが、やっぱり職業訓練や就労支援でITを活用してやっていくということが、先生の別の論文か記事かにあったんですが、少し意味があったと。やはりITの関係は非常に時給が高かったりもするので、それは在宅もできるということもあったりするんだと思います。その辺の活用等について、先生、お考えありましたらお聞きしたいと思います。(発言する者あり)
○会長(福山哲郎君) 赤石参考人。
○参考人(赤石千衣子君) 失礼いたしました。 御質問ありがとうございました。 養育費の取立て、先ほど申し上げましたように、二八%の方が今もらっていると答えております。しかし、やはりこれは非常に低い数字で、上がってはいるとはいえ、五年前二四・三%でしたから、上がっているとはいえ、もっと多くの方がもらえるようにしたいというふうに思っております。そのときには、ステージとしてはまず養育費の取決め率を上げるということが必要ですので、離婚前後の無料の法律相談ですとか、そういったことをもっと支援していくということが必要でございます。 一方では、取決め率が上がっても途中で不払になるケースがあります。不払になった場合に、今はやはりその子供を育てている親が一生懸命、多くは母親なんですけれども、一生懸命、取立てで強制執行をするかとか、いろいろな裁判所に催告するとか、そういったことをやっている、途中でもう諦めてしまうということになります。 ここにどういう援助が必要なのか。今、法務省で検討されているのは、担保物権にして何かその取立てのところを簡便化するという案が提案されているんですが、やっぱりもうちょっと踏み込んでほしいというふうに思っております。やはり取立て確保は政府が、明石市がやっているようにやはり代行して取り立てるですとか、そういったことに踏み込むべきではないのかな。それが、明石市も一年間なんですけれどもそんなにたくさんの予算掛かっておりませんので、私も委員なんですけれども、明石市の、そうであれば、まずは試行的に実施するということができるのではないか、そのように思っておりますので、勇気を持ってもう少し踏み込んでいただきたいなと思っております。 また、ITの訓練などについてなんですが、この三年間、コロナで大変一生懸命やってきました。まず、お母さんの平均年齢は四十歳なんですね、一人親の。しかし、ITで求められている人材は、確かに人手不足なんですけれども、やはりもうちょっと若い方なんです。ですので、単にそのスキル訓練しても就職先がないということになってしまわないように、まず、三十代の方でしたらネットワークのヘルプデスクなどの資格取得は確かに効きました。ほとんど資格取得、LPICレベル1という資格取得をした方が、三十代の方は全員就職できました、IT企業に。しかし、四十代の方は無理だったんですね。 そういうことも踏まえて、スキル訓練のときには、もう少し労働市場の出口のところに何があるのかということを見ながら、今、私ども、今、ECサイトのフォトショップなどで写真のリサイズをしてアップするということだったらもう少し年齢高くてもあり得るというふうに人材会社から聞いてやっていますので、もう少しその出口のところ等調べながらミスマッチを防ぐということをやった方がいいかなというふうに思っております。 また、スキル訓練というのは、スキル訓練だけで終わりません。やはり、そのお母さんのメンタル、それから精神的な安定、安心、安全の支援が必要でございます。そこを私ども、今百人の方に御支援しているんですけれども、メンターさんを付けて、一人の、あっ、五人のお母さんに一人ぐらいのメンターさんを付けて月一回面談をするというようなスキームをつくり、東京都もそれはいいねというふうに言ってくださっております。こういうちょっときめ細かいスキームが必要かと思っております。 以上でございます。
○上月良祐君 誠にありがとうございます。 明石の例も私も存じておりますが、何かすごい重要な御示唆だというふうに思います。ありがとうございました。 それから、尾上先生にお聞きしたいと思います。 私もこの分野はまだ勉強が全然足りていなくて、大変、先生の資料をいろいろ見させていただいて大変勉強になりました。 地域移行は、国も自治体も頑張ろうと思ってはいるんだとは思うんですが、これなかなか、地元の茨城でもなかなか、僕も行政にもいたんですが、なかなか確かに進んでいない面があると思います。単にグループホームか何か造って、箱だけ造って出せばいいということではなくて、やっぱり地域と、何というんです、ソフト面での触れ合いとかつながりとかやっぱりないといけないと思います。 そのためには、やっぱり先生おっしゃるようなコーディネート機能、それがすごい重要かなというふうに思うんですが、これ進んでいるところは、例えば何で、まあそういうふうな人がいるんだと思うんですが、なぜコーディネートが置けたのかみたいな、あるいはそれは素地があったのか、あるいは何かすごい政治家がいたのか、まあ何か分からないんですが、その辺りは、進んでいるところがどういう違いがほかとあるからうまくいっているのかということについて、もし御存じであれば教えていただきたいと思います。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 御指摘のとおり、その地域移行というのは、単に場所を入所施設から地域へ移せばいいという話ではなくて、これまでは、ともすれば、もう施設に入ったら一生その施設でケアをするのがいい施策なんだ、あるいはそれがいいサービスなんだみたいなふうに思ってきた節があると思うんです。そうではなくて、ちゃんと地域で暮らせるようにふだんからどういう支援をするか。 さらに、この間、私たち、いろんな事例に出会う中で、たまたまそういう地域移行に熱心な団体や支援者と出会ったから地域移行ができる。言うなら、そもそも自分と同じぐらい、あるいはもっと重度の障害者が地域で暮らせるという情報すら知らない状態でずうっと過ごしている、過ごさざるを得ない方がまだまだたくさんいる。 そういう意味で、単に場所を変えるというよりは、御本人の気持ち、エンパワーメントといいますか、その気持ちを高めていく。あっ、自分もやっぱり地域で暮らしたいな、あっ、こうすればできるんだな、そういうふうに思ってもらって、さらに地域で暮らした後もいろんなサポートをちゃんと受けれる、そういった一連の、地域移行に取り組もうという気持ちの準備から始まって、地域移行の準備、そしてさらに、地域に暮らしてから以降も、介護以外にもいろんな、介護を始めとしたいろんなサポートをちゃんと得られる、そういった一連の流れの仕組み、地域移行の仕組みがやっぱり日本には欠けているということが国連でやっぱり指摘をされていますし、だからこそ地域移行コーディネーターを日本はつくったらどうですかという話だったんだと理解をしています。 よろしいでしょうか。(発言する者あり)
○会長(福山哲郎君) 上月良祐君。
○上月良祐君 あっ、済みませんでした。 以上で終わります。ありがとうございました。
○会長(福山哲郎君) 柴愼一君。
○柴愼一君 立憲民主・社民の柴です、柴愼一です。よろしくお願いします。 三人の参考人の方々には、それぞれ、実際の活動を通じて貴重な御説明、御意見をいただきました。自分自身も多くの気付きがありました。そして、政治が果たすべき責任について考えることが多くありました。 以前、事前にいただいた尾上参考人の資料でしょうか、医学モデルと社会モデルのお話がありましたが、それは障害者を取り巻く問題だけではなくて、自己責任であるとか、社会的に困難な状況になるのは自分が悪いんだというそんな考え方、生活支援を受けるということによって、スティグマの問題であるとか、何か日本社会の在り方が問われているんだというふうに感じました。 そして、大西参考人にお聞きします。 生活困難状況に陥るのは非正規の方が多いということでしたが、正社員であっても、病気とかメンタルヘルス不調で非正規となって、結果として生活不安であるとか生活困難状況になることもあるんじゃないかというふうに思います。生活困難、生活不安の状況には誰もがなり得る可能性があるというふうに認識するべきかどうか、ちょっと体験を通じて感じていることあればお聞かせください。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 もちろん誰もがなり得る可能性があるというところは間違いないだろうというふうに思います。そういった意味で、普遍的なリスクというところに貧困というのはあるんだろうなというふうに思っています。 一方で、なりやすい状況であるとか、なってしまったときになかなかその支援がつながりにくい状況というのはある程度あるんだろうなというふうに思います。それこそ、正規、非正規でいうと、最初から、例えば学校卒業した後、最初から非正規で働いてしまうとなかなか正社員になりにくいというところで、当然リスクが上がってしまう。やっぱりそういった最初の入口のところで、多分、そうなりにくいようにどう環境整備をするのかという観点と、やっぱり誰もがなる可能性があるという中でどう支えられるか、多分両輪のところ、個別性と全体的なところというのは必要なんじゃないかなと思います。 以上です。
○柴愼一君 ありがとうございます。 既存の制度の問題点であるとか、それぞれの層、あっ、大西参考人にまたお聞きします、それぞれの層に必要な施策、制度について具体的な提言をいただきました。 大西参考人は政府の円卓会議に参加したりとか政府の参与などを務められて、そのような提言を様々な場面でされているというふうに思うんですが、その実現を阻害しているものは何だというふうに感じていらっしゃるでしょうか。
○参考人(大西連君) すごい難しい質問なのでどうお答えしたらいいかなと思いますが、そうですね、例えば貧困対策というか、この分野のレベルの話でいうと、やはりそのいろいろ対象の規模とか範囲とかというのを把握するのがかなりすごく難しいというのが一つあると思います。 今日私がお話ししたような例えばワーキングプアというと本当に広い概念、また広い人口構造の中での多くの方がそこに影響するものですから、それを把握するような例えばデータであるとか、そういったものがまず非常に足りないというところと、じゃ、それがあったときに、そこに何か施策をするとなると、かなり大きな予算も含めて、それが発生するというところ。それから、こういった議論って常にありがちなんですけれども、既存の施策の延長線上でやれる範囲の話と、既存の施策ではこれまで余り考えてこなかった分野、必要なかった分野を新たに考える分野だと、前者の方が議論自体がしやすいというところもあって、どうしてもこの貧困分野というのは、社会構造的にも、認識はされてはいるんですが、手を着けるとかなり大きなテーマだなというところで難しさがあるのかなと。 生活保護についても実は同様だと思っていて、もうできてから七十年以上たった施策ですし、二〇一三年に法改正はしましたけれども、かなり、もうかなり歴々と積み重ねられた解釈であったり運用であったり施策がありますので、それ大きく変えるとなるとかなり大きな議論、制度設計、それからほかの施策への影響も含めてあるというところがかなりハードルとしてあるのかなというふうに思っていますが、今日お伝えした内容に関しては比較的そのハードルを越えられるような内容かなと思って提案をさせていただきました。 以上です。
○柴愼一君 ありがとうございます。 続いて、赤石参考人にお伺いします。 自分自身、小学校六年のときに母が亡くなって、小学校四年の弟と父親の三人で暮らした、シングルファーザーの家庭で育ちました。嫌だったのは、中学校のときですけど、買物行ってこいと、八百屋さんに買物行くのに近所の同級生に買物袋持っているところ見られるのが恥ずかしいとか、いろんな思いもありました。父親ともやっぱりぶつかることも多くて、大分おやじには苦労を掛けたというふうに思っていますが、シングルファーザーは、資料にもあったとおり、収入面での不安とか生活困窮は比較的少ないというふうな状況かなと、まあ決して裕福ではありませんでしたが、あっても、子育ての面では苦労が大分あるというふうに思います。 そして、親もそうですけど、子供も忙しい親に頼れないということもあるということであると、一人親の子供の、一人親家庭の子供の視点からの支援にはどのようなものが必要だというふうにお考えでしょうか。
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。赤石です。御質問ありがとうございます。 シングルファーザーさん、私どもも明石市とか茅ケ崎市とか御相談に、総合相談に伺うときに、お父さんが児童扶養手当の手続に来るときに御相談を受けていると思うことは、まずは御相談をしないんですね。で、大丈夫、大丈夫とおっしゃる方を、まあちょっとお話を聞いてということで相談ブースにいらしていただくと、本当にてんこ盛りのお困り事を抱えている。シングルファーザーさんにもっと相談をしていただけるような体制が必要というふうに思っております。 多分、異性の子供がいたら、いろいろな性に関する、月経のお世話ですとか、そういった下着のことですとか、いろんなことでお母さん、お父さんの苦手な分野のサポートも必要になります。 日常生活では、一応政府はひとり親日常生活支援事業というのをやっております。これがもっと機能するとよいかなというふうに思っておりまして、まああるんですけれども、例えば年間の県の予算が四十万とか、ちょっと、やっぱりもうちょっとここを増やして担い手を変えていく。そして、おうちにヘルパーさんが行くような制度なんですね。ですので、それは伸び代があるし、困難な御家庭を実際にお料理を作ったりとか御支援できるんじゃないかなと思います。そこのところは多分もう制度がありますので、是非充実していただけたらいいなと思います。 あと、やっぱり労働時間長いんですよね、お父さんの方が。だから、どうしてもお子さんが一人でいる時間が多いところをどういうふうにケアしていくのか。延長保育ですとかトワイライトステイとか、そういった制度も充実が望まれます。
○柴愼一君 ありがとうございます。 赤石参考人のそういうNPOも含めて、様々なNPOの皆さんが当事者に寄り添った支援に取り組んでいただいているということだと思います。 一方で、資料にある支援と改善の方向性でも提言いただいている緊急的な支援策であるとか児童手当などの金銭的支援のほかに、政府や行政が取り組むべき支援について、こんなものがあればということで御見解があればお聞かせください。
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。 今、児童手当の議論をしているときに一人親の方がどういうふうにそれを見ているかなというのがとても気になります。やはり自分たちのところには同じ、届かないのかなというふうに思っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃるのかなと思っております。 ですので、やはりなかなか仕事と子育て両立するところをすぐに労働時間とかの短縮とかスキルアップというのをできないとしたら、やはり現金給付のところが必要ですし、物価も上がっているならば所得制限を少し上げていただくですとか、それから、満額支給の所得制限が二〇一七年、ごめんなさい、ちょっと間違えているかもしれませんが、百三十万円から百六十万円に上がりました。これをもう少し上げると、皆さん、そこまで働こうとするんです。要するに、満額支給の所得制限が就労抑制の、そこまでしか働かない人を生んでしまっているので、そこ以上にしていただきたいなというのが思っているところです。 ですので、あと、先ほど言ったように、複数子、お子さん二人、三人の方たち、物すごい我慢させているんですね。ですので、やはり、一人目は四万三千七十円ですね、今。それが二人目だと一万百九十円になってしまう。ここの差がちょっと厳しいと思っていますので、複数子加算のところはやはりもうちゃんと上げていくべきではないかなというふうに思っております。
○柴愼一君 ありがとうございます。 尾上参考人にお聞きします。 さっきも、事前にいただいた資料で、医学モデルから社会モデルへの転換が必要だということだというふうに思っていまして、尾上参考人御自身の社会モデルに触れたターニングポイントの体験も読ませていただきました。社会全体でこのこと、社会モデルへの転換を実現するにはどのような取組が必要だとお考えでしょうか。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 二〇一一年の障害者基本法の改正以降、法律上は障害の社会モデルということを取り入れていただいてはいるんですけれども、まだまだ社会全体の中では、旧来の医学モデルあるいは個人モデルですね、その本人の責だけを問うみたいな形の捉え方が強いと思います。 特に、日本の学校教育の中で障害の社会モデルというのは余り教えられないんですね。ある意味で、障害者でも、障害者運動、私たちのような障害者団体と接して初めて社会モデル知ったというような人たちも結構いるわけです。 実は、今日は詳しい資料を持ってきておりませんが、日本の学校教育法で、障害に関する教育、特別支援教育の目的規定が、障害による学習上、生活上の困難の克服を目的とする。障害による学習上、生活上の困難の克服を目的とする、まさに医学モデルそのものなんです。権利条約や障害者基本法ではその人の機能障害と社会環境、社会との相互作用によってもたらされるものが障害だという捉え方をしているんですが、繰り返しますが、学校教育法は、障害による学習上、生活上の困難を克服する、その子に障害があるからそれを克服するんだという医学モデルがもう法律上ばちっとつくられているので、それで小さいときからもうずうっと医学モデルが教え込まれるというふうなことになっていますし、実は学校の先生方もそういう法律の下でいろんな研修を受けるので、やっぱりそういった、学校教育法を始めとして、基本法が変わっているのに個別法が今まで従来どおりの医学モデルがまだまだ幅を利かせている、これを是非変えていただければな、思うところです。 よろしくお願いいたします。
○柴愼一君 ありがとうございます。 障害者の自立支援に当たるための体制の構築、例えば職員の方の教育とか育成の現状というのはどうなっているというふうにお考えでしょうか。先ほどの地域移行コーディネーターも含めてどんなことになっているのか、うまくいっているとすればなぜそれで実態が改善されないのか、また、うまくいっていないとすればそれを、育成の体制をどうやって改善していくのかということで御見解あればお聞かせください。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 幾つかはいい事例といいますか、それぞれの団体が、ある意味で団体としてのいわゆる持ち出しというか、ボランタリーにいろいろないい実践はしているんだけれども、それが制度上施策に、あるいは事業に、あるいは報酬として評価されないというふうな構造になっているんだと思うんですね。つまり、今現状維持をしていけばそれは評価されるけれども、今住んでいるところからその地域移行をしていくためには、すごくその移行期は手厚い支援が必要なわけです。一回行けば幾ら幾らということだけではとても割り切れるものじゃない。そういう移行期に集中した支援を評価する仕組みがやっぱり欠けていて、だから広がらない、もうやる気だけの、気持ちだけの、気合の問題になってしまっているのが問題という感じがしております。
○柴愼一君 ありがとうございます。 時間です。終わります。ありがとうございました。
○会長(福山哲郎君) 窪田哲也君。
○窪田哲也君 公明党の窪田哲也です。 今日は、三人の参考人の皆様にお越しいただきまして、大変に貴重な御意見を賜りました。 私も伺いながら感じたのは、やはり現場で、NPOの皆さんで御苦労を本当にしながらやってくださっている、その皆さんを支えていくことが大事なんだなということを実感しました。 初めに、大西参考人にお伺いしたいと思います。 生活保護、今日のお話では生活保護にためらいがあるということで、特にこのコロナ禍で非常にそれが浮かび上がって、緊急小口融資とかそういったところに、生活保護にまで至らないところに流れていった方がたくさんいたんじゃないかという御指摘もされていらっしゃいますけれども。おっしゃったのは、アクセスの難しさ、それから精神的なハードル、啓発の問題、それから、制度上の問題としては、例えばおっしゃったのが自動車の所有の問題とか扶養照会に対する問題とか、そういったことを特におっしゃっていましたけれども、扶養照会ですね、そのことについて特に私お伺いしたいと思いまして、やはり大きなハードルになっていると思うんですが、御意見を伺えればと思います。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 扶養照会についてお尋ねいただきました。 今、扶養義務という枠組みが生活保護の中にはあって、ただ、コロナ禍で大分厚労省等も通知を出して、例えば十年以上連絡が取れないとかそういった事情があれば無理に照会をしなくてもいい、連絡を取らなくてもいいということは現場の運用としてやっている部分はあるんですが、ただ、考えなければいけないのは、そもそもこの扶養照会、扶養義務という規定自体が二〇二三年の現在において機能するものになっているのかというところですね。我々、現場に行って支援をしていると、また、様々な自治体のレベルのデータでも、正直ほとんど意味がないといいますか、家族に頼れたら頼っている方が大多数であるというところはいろいろなレベルのデータとして出てきているところがありまして、事実、扶養照会をしてもほとんどの場合連絡がそもそも取れない、期間内に応答が来ない、そういったケースが大多数だというのは一部の自治体ではそういう調査とかもやっていたりはするんですけれども。 なので、そもそも七十年以上前につくられた政策の中の、制度の中の扶養義務という項目は、今の時代に合っているかというと、私は合っていないのではないのかなというふうにも思います。逆にそれが本来利用できる方の足かせになってしまっているということであれば、それは政策の中できちんと今の時代にアップデート、アップグレードする必要があるのではないのかなというふうに思います。 めちゃめちゃこの話は、現場にいると、皆さんが生活保護ためらう大きな原因になっています。十年以上会っていない家族とか、あと自分の子供とかに今の自分が生活が困窮して役所に相談に行っているというのが知られてしまうと、それをどうしても嫌だと、だから生活保護利用できないというふうにおっしゃられる方がめちゃめちゃ多いというところはちょっとあえて付け足しでお話しできたらなと思います。 済みません、ありがとうございます。
○窪田哲也君 扶養照会の問題については、これはしっかり今後議論を重ねてまいりたいと思っております。 引き続き、大西参考人にお伺いしたいと思います。 貧困と孤独、孤立の問題ですけれども、昨年初めて孤独・孤立調査が行われ、四割の方が孤独、孤立を感じていらっしゃるという現状が浮かび上がりました。コロナ禍の中でそれが非常に浮き彫りになったわけですけれども、この孤独、孤立ということと貧困、この相関の関係について簡単に伺えればと思うんですけど。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 ちょっとかいつまんで簡単に御説明をしますが、その貧困の問題って、これ多分、いろんなレベルで多分ほかのお二人の参考人の方とも共通するテーマかなと思うんですが。 じゃ、失業したイコール貧困になるかというと、多分そうではないと。もちろん、そのリスクは高まりますし、経済的に苦しくなるということはあるんですが、例えば頼れる家族がいるとか支えてくれるパートナーがいるとか、いろんな支えがあれば、仕事を失う経済的な困窮イコール貧困に必ずしもならないという状況はあろうかと思います。 一方で、じゃ、現に今苦しい状況にいる方を見ていったときには、逆説的な言い方ですけど、そういった頼れる相手がいない、頼れる関係性がいない、社会的なつながりを持てていない、それが絶たれている、その孤独、孤立というものが背景にはほとんど多くの場合存在しているというふうに私たちは捉えています。これ、経済的な困窮と人間関係の貧困、つながりの貧困、いろんな形で語られてきたところですが、そこはかなり密接に根っこの部分で共通しているのかなと。 なので、貧困の問題もそうなんですが、社会全体として今つながりがそもそもすごく希薄になっていて、誰が困っているか分からない、困っているけれども相談できる相手がいない、そういう中でより困難さを抱えてしまう。これ、シングルマザーの方の問題もそうかもしれませんし、障害をお持ちの方の問題もそうかもしれませんが、いろんなスティグマだったりとかいろんなものによって誰にも頼れない、情報を得られない、それでより苦しくなってしまう、そういった方というのはすごく多いのかなと。 なので、孤独、孤立自体は、貧困にも関わりますし、いろんな社会課題の根っこの部分にすごく密接に関わってしまう非常に大きなテーマかなというふうには思っています。 以上です。
○窪田哲也君 ありがとうございます。孤独、孤立の問題、しっかり取り組んでまいりたいと思います。 今日は、具体的な御提案としては住宅手当のこととか児童手当の拡充とか御提案いただきましたので、しっかり取り組んでまいりたいと思っております。ありがとうございます。 続きまして、赤石参考人にお伺いしたいと思います。 先ほど、養育費の確保のことについてはお話ございましたけど、関連しますが、児童手当の問題なんですが、面倒見ていない方に、父親とかに払われていると、出されているケースが結構、三〇%超えているんですかね、ある調査では、そういったことも聞いておりますけれども、実態といいますか、課題は。
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。 お尋ねのことは、世帯としてはまだ離婚していない場合に、その世帯主あるいは所得の高い方に児童手当は支給されている、ちょっと今要綱が分からないので不正確に言っているかもしれないんですが、その場合に、児童手当の法は多分十年ぐらい前に改正されて、子供を育てている方に出しますよというふうになったかと思います。 ところが、実際のこの運用を二年ぐらい前に調査したところ、なかなかそこを移行させることが難しいと。で、世帯を別世帯に、まだ離婚は成立していないけど、ここ長いので別世帯にして、そして申請するとできるんですけれども、それがなかなかうまくいかないなどなどのことで、そのままその子供を育てていない側に支給され続けているという問題のことでよろしいでしょうか。 これ、もう少し改善の余地があると思っておりますので、児童手当議論のときに是非、これからの社会を考えますと、世帯、今扶養義務のこととかも全部この三人の参考人が関わることですけれども、世帯主義でやるのか、ある程度はお一人お一人の個人単位でやるのかというときに、と関わる問題ですけれども、お子さんが育てられている家族の方に児童手当が支給されるようにすぐに移行できるような、申請があれば、制度を改めるべきだと思います。 今までは、母子生活支援施設の施設長の証明とか、何かいろいろないと移せなかったんです。DV被害があったりして、なかなかその住所地を移せない場合とかですね。なので、ここは改善の余地があるということを是非児童手当の議論と一緒にお願いできると幸いです。
○窪田哲也君 ありがとうございます。参考になりました。 最後に、じゃ、尾上参考人にお伺いしたいと思います。 尾上参考人は、分離が進んだ教育が分離の社会をつくって再生産しているという、そういうことをおっしゃっておられるわけですけれども、このインクルーシブ教育を進めていく、あるいはインクルーシブ社会を築いていく上で、制度、法律、仕組みというのは進めていけても、社会そのものの捉え方もかなり変革が必要なんじゃないかなと思うんです。意識の問題なんですが、その点についてはどうお考えでしょう。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 まさに、先ほども申し上げましたとおり、障害者基本法の改正や、あるいは障害者差別解消法、そして障害者権利条約の批准、明らかにこの法律や制度は国際社会の流れの方、一緒にしてインクルーシブな社会へという方向に徐々に進んでいるというふうに信じたいんですけれども、なかなかその意識の部分、とりわけやはり、繰り返しますけれども、子供のときにやっぱり分けられて、兄弟とか家族に障害のある人がいてたら何となく理解はあるけど、そうじゃない限りは何か人ごとみたいにやっぱり障害問題になっているのが正直今の日本社会の多くの現状ではないでしょうか。 実は、私、中学校から地域の学校に行ったんですけれども、そのときに、もう今から五十年前ですから、合理的配慮も何もありませんでした。大変苦労いたしました。けれども、今から七年前、二〇一六年に障害者差別解消法の講演をある教育委員会のお招きで、学校長、千人ほど集まっておられる学校長さん向けに講演をしたことがあったんですね。で、その講演が終わった後、つかつかと舞台に来られるので、もしかして私の講演に対して異論をというか意見を言われるのかなと思ってちょっと身構えていたら、舞台へ上がってこられて、やあ尾上君言われて、いや、中学校二年に同じクラスにいてた彼なんですが、今ある学校の校長を、中学校長の校長をしていて、その地域は余りちょっとインクルーシブ教育そんなに熱心じゃない地域というふうに聞いているんですが、自分の中学校は、障害のある子、どんな子でもやっぱり受け入れようとしているんだ、中学校二年のとき尾上君と一緒にいてたからねというふうに言われて、で、その人には申し訳ないんですが、私は、もちろんその彼はいてたことは知っているんで、そんなに家を行き来するほど親しくはなかったわけなんですが、でも、彼にとったら、尾上と同じクラスで過ごしていたということが、今教員になって、だからインクルーシブ教育を進めなきゃいけない、言ってくれた、そのことがすごくうれしかった。 やっぱり、子供のときから一緒に学ぶ。障害者問題というのは、あるAさん、Bさんという、何というか、抽象的にいてるんじゃなくて、隣にいてる友達の問題として捉えてもらえるかどうかがやっぱりこの意識を変える非常に大きなポイントではないかなというふうに思います。
○窪田哲也君 ありがとうございます。 私も、障害者問題考えるときに一番の原点になっているのは小学校の同級生でした、やはり。やはり子供のときのインクルーシブ教育というのはすごくそういう意味では大事だなというふうに私も思っておりますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。 最後に一つだけ、尾上参考人に伺いたいと思います。 今日のお話の中ではバリアフリーのことは余りお時間の関係で触れられなかったんですけれども、バリアフリーで最近の新しい課題、特に近年の、ここ、新しい課題がありましたら簡単に一つ教えていただければと思います。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 この間、東京二〇二〇オリパラ大会に向けてということで、新幹線の車椅子席の大幅な増でありますとか、非常に大きな進展を公共交通機関を中心に見てきました。でも、一方で、今日資料の方に付けさせていただきましたけど、建物分野が一九九四年以来、法律上はほとんど変わっていない現状なんですね。 特に小規模店舗。写真を幾つか付けさせていただきましたけど、いずれもこれ古い建物じゃなくて、ある意味で新規のようなところ。入口に段差があったり、あるいはさらに、室内に段差、店舗内段差があったり、何とか入れても、カウンター席、固定席ばかりでどこに車椅子で着席すればいいの、こういった建物が、繰り返しますが、新築物でも平気で建てられる状態なわけです。法律上、こういった小規模店舗については何一つ規制が掛かっていないから、バリアフリー上の規制が掛からない。二千平米以上という非常に大きなものしか対象になっていないということがあります。 一方、アメリカなどでは、ADA、障害者差別禁止法でしっかりそれは差別だということで、私も何度か行きましたけど、どこのレストランへ行っても車椅子トイレ必ずあるんですよね。 私たち車椅子の者からしたら、日本の現状は、食べたいものを食べようと思って店を選ぶのじゃなくて、入れる店に入る、入れるバリアフリーのところにしか入れない。アメリカでは、食べたいものを選ぶということで入れる。歩ける人に、障害のない人では当たり前ですよね、食べたいものを食べる。そういうふうな現状になっていたり、あるいは、あと、バリアフリー住宅がやっぱり非常に少ないという問題があったり。 最後、東京オリパラの二〇二〇で非常に大きく前進をしたんですが、それがまだガイドライン止まりで法律上の基準になっていないので、それ以降新しく建てられたものが、あそこの新国立であそこまでやったのにまたレベルダウンしている。あるいは、私の地元の大阪の万博も、当初、当事者抜きでガイドライン作って、もうむちゃむちゃなというか、非常に低い水準のもので。まあ今私たち、いろんな方々が動いていただいて見直しになってかなり改善しましたけれども、本当に何かモグラたたきのように、そうしていかなければどんどんどんどん、一旦オリパラであそこまで行ったのにまたレベルが下がったものをもう一回押し上げているという状態です。 是非、建物を始めとしたバリアフリーの抜けている部分をこの国会の力で押し上げていっていただければな、思います。どうぞよろしくお願いします。
○窪田哲也君 参考になりました、大変に。ありがとうございました。
○会長(福山哲郎君) 高木かおり君。
○高木かおり君 日本維新の会の高木かおりと申します。 本日は、お三方の参考人におかれましては、大変参考になる有意義なお話をいただきまして、ありがとうございます。 早速ですけれども、大西参考人に伺いたいと思います。 もやいの取組については、もう本当に、生活困窮者の相談支援ですとかホームレス状態の方々の入居支援、こういった住宅に関する問題も取り上げていただいておりますし、やはり、この居場所づくりですとか、そういうコミュニティーづくり、担い手の育成ですとか、こういう様々な支援活動があると思いますけれども、今後、伴走型で相談体制を強化するという場合に、これ、生活に困窮しつつもこの相談機関につながれていない方々への具体的なアプローチ、これがどういうふうにすれば効果的と考えているかという点と、もう一つ、この相談体制についてなんですが、例えば命に関わる相談内容など、こういったことをしっかりと的確に察知して応対が必要となるわけですけれども、そういう受け手側の相談員の方々に、これ、かなり専門性なども問われると思いますけれども、こういった方々については例えば人材の育成をどうされているのか、又はほかの他機関と連携をしながらこういったところを進めているのか、この二点について伺いたいと思います。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 二点いただきました。順番にお答えしたいと思います。 一つ目は、多分、つながれていない方、なかなかお声を上げられない方であるとか、そういった方に対してどういったアプローチをしたらいいのか。これ、アウトリーチというのはすごく福祉的な文脈でよく言われるんですけれども、例えばこれ、必ずしも訪問とかそういう物理的なアウトリーチだけではなくて、例えばコロナ禍で我々の団体で始めたこととして、結構オンラインツールを使ってつながるというところをかなりちょっと取り組んでいるところですね。 例えば、チャットの相談を作ったりとか、オンライン上で生活保護の申請書を作成できるようなアプリケーションを作ったりとか、幾つかそういったものを実装しているんですが、そうすると結構夜間とか土日休日とか、そういった時間帯に若い方がかなりアクセスをしてくれる。チャットの相談とかもそうですけど、そういった傾向はあって、やっぱり違うツールを用意することによって、これまでいらっしゃっていなかった方、いらっしゃりにくかった方、そういった方のハードルというのがかなり下がっていくのかなというところは、民間のレベルの一事業でしかないんですが、実感しておりまして、これ、例えばチャットのボットであったりとか、そういう自動でできる様々な診断ツールとかであれば、作ってもちろんそれを運営していくわけですけれども、例えば、その御本人にとってはどの時間帯でもアクセスができたりとか、御本人のタイミングでアプローチができるというところでいうと、かなり公的な機関であってもそういった機能、設備、設備というかオンライン上のツールを使っていくというのは一つ大きな方法になり得るのかなというところは思っております。 他方で、あくまでそれは入口の支援で、そこから、じゃ、具体的な制度の窓口に行く、いわゆるソーシャルワーク的な機能であったりとか、何か同行して様々な制度、支援のサポートを受けられるようなお手伝いをするというところは、多分、どこかのタイミングでお会いしたりとか、いろんな形があり得るのかなと思います。ただ、選べる選択肢をまず増やすというところが一つ大事なのかなというところでございます。 二つ目の非常に重要なポイントかなと思います、相談員をどう育成するか、サポートするか、ケアするのかというところ。これ、なかなか我々の団体でも必ずしもできているわけではない部分もありますが、例えば、うちの団体、今二十年ぐらい団体が設立してからたつんですけど、最初二〇〇〇年代の前半とかは基本ホームレスの方を支援していたんですね。日雇労働をずっとされてきて住まいがなくなった方を支援する、ホームレスのおじさんの支援というと言い方があれかもしれないですけど。 私も元々そういうバックグラウンドからこういう活動入っているんですが、今、じゃ、我々の団体に相談に来る方にそういう方いらっしゃるか。実は余りいらっしゃらない、一割を切っているんですね。野宿者層、ホームレスの方自体が社会の中でいい意味で減ってきたというところはあると思いますが、ネットカフェに寝泊まりしている若い方だったりとか、それからSNSとかで知り合った方のおうちに例えば泊まって、生活が苦しくなっている女性の方とか、それはホームレスのおじさんとは全然コミュニケーションのアプローチが違いますし、抱えている背景であるとか、様々な問題、バックグラウンドというのも当然変わってくるわけですね。そういった意味での相談に携わる人の技術、スキルというものは、この十年、二十年でもう桁違いに上がってしまっているところというのは正直あると思います。 民間団体のレベルではいろいろ研修をやったりとかいろんなことはあるんですけど、これ、多分公的機関とかも同じようにやっぱりいろんな情報をキャッチアップしていくことがとても重要だと思っておりまして、先ほど赤石参考人がお話しされていた中での、例えば児童扶養手当の窓口でのコミュニケーションの余り良くなさみたいなところもそうですけど、ここは官民かかわらず、顔が見える関係で一緒に学び合ったりとか、そういう機会や機能というのがもっとあってもいいのかなというふうに個人的には思います。 今それぞれ別個に、ばらばらに、民間は民間だけで、公的機関は公的機関だけでそういう研修だったり勉強会だったりいろんなことをやっていますけど、地域の中では非常に似たようなことをやっている、若しくは補い合えるようなことをやっていますので、そこで顔が見えるような、指摘し合えるような、そういった研修だったり学び合いだったり、若しくはケアも含めてですね、そういった枠組みというのがもしできれば、それは非常に画期的なことなのかな、また地域全体の相談の質が高まっていくことなのかなというふうに思います。 ちょっと抽象度が高いお答えになりましたが、以上です。
○高木かおり君 ありがとうございます。 本当にこのつながり、顔の見える関係っていうことで、こういったことから支援の輪が広がっていくということだと思いますけれども、やはりこれを、仕組みをきちっと構築していくということが大変重要なんだろうというふうに思います。 この視点をちょっと御質問したのは、私の地元の自治体なんかでもやはりこの相談窓口がもうキャパオーバーしているというような状態で、やはりこういったところをしっかり広げていかなければ、相談されて、そしてその次の支援に結び付かないということで、是非こういったことを進めていくためにも国としてもしっかりやらなければなというふうに思っております。 続きまして、赤石参考人に伺いたいと思います。 先ほどからもお話が出ておりました、そのやはり就労支援について、これ大変重要だと私も思っておりまして、ITスキル支援ということをやっておられるというお話ありましたけれども、やはり三十代の方はIT企業には就職がかなうけれども、それ以降、四十代、五十代以降となると、年齢が上がるにつれてこういったところも厳しくなるというようなことがありました。出口を考えるこの雇用とのマッチングということ、プラスこのメンタルの部分もサポートしなくてはいけないと、これも大変賛同するところであります。 赤石参考人はキャリアコンサルタントの資格もお持ちだということなんですけれども、よりこれ具体的にこのマッチングをさせるために、そのIT企業以外の、先ほどの御質問の中にもありましたけれども、どのようにこのマッチングを、人手不足をしている業界とのマッチングであるとか、そういったところについて、御自身でもやられている、又は例えば行政や企業とそういったところを連携してやっていかれているのか、その点、詳しく御説明いただければと思います。
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。 今、私ども、東京都からの委託事業で、百人以上の方のスキル支援からマッチング支援、定着支援までやっております。その中でコースとして設定いたしましたのは、コールセンターの研修、それから建築施工管理技士補の資格取得支援、それからITスキル、家事代行、そして、もう一つあったのをちょっと今何か記憶から飛んでおりましてごめんなさい、というようなことをやっております。 コールセンターは非常に人手不足で、非常にしっかりした会社さんに研修をしていただいているので、皆さん大変楽しく研修を受け、就職もされております。 一方、ITのところは、やはりなかなか出口のところを探しかねているが、来年度は、人材企業さんと非常に相談しながら、先ほど言ったように、ECサイトの補助、アシスタント的なお仕事でしたら何とか年齢が少し上がっていてもという、このいろんなもう出口のところの企業さんにかなり御相談をしながらやっております。 〔会長退席、理事小沼巧君着席〕 一方で、五十代の方、やはり出口としては介護というふうにハローワークで言われることが多いかと思います。しかし、腰痛になってしまった、あるいはお子さんが小さいので夜の夜勤はできない、こういう方にもう少し間口を広げたいと思いまして、家事代行サービス、業務委託ですとスポット的にも入れますし、また社保が付くような働き方もできるということで御案内しております。本当に感動的なのは、五十九歳の方が一生懸命この研修を受けまして、今、ほぼ無職だった方が月収二十万まで何とか頑張って働いて、もう本当に頑張り屋さんなので、働いておられる、このようなモデルもできております。 ですので、本当に、ITだけではやっぱりないので、知恵を絞りつつ、労働市場で何が求められているのかというのは私どもも試行錯誤を続けておりますので、今までのスキームが通じるとは限らない、常に労働市場の動向を知りながら、この訓練だったら効くのかということを探し求めていくということになります。 一方で、ちょっと申し上げたいのは、大都市圏はそれなりの就労支援ございます。しかし、地方に行きますと、まだそういったプラスアルファの支援がとても少のうございます。やはり東京で受けられるものがほかのところでないという状況がございますので、是非そこが一緒にできたら有り難いなと思いますし、まあリモートのワークもできるようになりますとまた違うところもありますので、いろいろな試行錯誤を今後も重ねて、全国の困っている方が就労のスキル支援を受けられるようになるといいと思っております。 〔理事小沼巧君退席、会長着席〕
○高木かおり君 ありがとうございます。大変詳しく御教授いただきました。ありがとうございます。 時間の関係もございまして、次に尾上参考人に伺いたいと思います。 私も、インクルーシブ教育、大変これ重要だと思います。先ほどから話に出ているように、やはり小さい頃からこういった、一緒に勉強して運動してと、共に過ごすということがやはりこの障害者の方々とともに生きていくということにもう自然と入っていけるという、もうそれは本当におっしゃるとおりだというふうに思うわけです。 参考人も初等教育を養護学校で過ごされた後に中学教育は普通中学で過ごされたというお話も、経験も教えていただきましたが、この特別支援学校から普通学校へ進学する場合、これ、まだまだ社会は、先ほども話がありましたけど、バリアフリー化もなかなか進んでいない中、これ、合理的配慮があればいいんですけれども、困難と感じる具体的な事項等あれば教えていただきたいと。また、この施設から地域への移行における最大の課題は何かということについてもお聞かせいただきたいと思います。 また、これ最後の質問になるかと思いますので、内閣府におかれて、参考人は政策企画調査官や障害者施策アドバイザー歴任されていらっしゃると思いますけれども、この中央官庁における議論において現場とのずれというものをもし感じるところがあれば、これも併せてお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 インクルーシブ教育を日本で実現をしていくために、ちょっとこの総括所見、国連の権利委員会が何を言っているかといいますと、先ほど御質問の中で触れていただいたとおり、地域の学校の中で必要な支援と合理的配慮をちゃんと得られるように、全ての子供が得られるようにしてくださいと。そのことによって、インクルーシブ教育、全ての子供、障害のある子、ない子だけでなくて、いろんな多様性のある子供が学ぶインクルーシブ教育が実現できるんだという見立てをこの国連の障害者権利委員会はしているわけなんですね。 つまり、もっと言うならば、一人一人の状況に応じた多様な学び方、多様な学び方とそのために必要な支援をもっと充実させなさいと言って、ある意味で言っているわけなんですが、日本の場合は、なぜかその多様な学びの支援で、学び方ではなくて、多様な学びの場になってしまう、場所が分けられてしまうことにやっぱり問題があるんだと思うんです。 通常学級、通常学校で多様な学び方を支援をするようなプログラム、学習プログラムやあるいは体制の整備ということがやっぱりすごく重要なんだろうと思うんですが、これは、例えば私たちDPI、国際的なネットワークでもありますので、以前、ヨーロッパのある国からやっぱりその教育関係の方が来られたときに、意見交換をしたときに、いや、実は日本では、分離、分離というか、特別支援学校を選ばれるというか、そういう形でどんどん増えていっているんですと。その背景には、制度の問題もあるけれども、正直、地域の学校へ行くと、いや、障害のある子と同じクラスになったらうちの子供の勉強が遅れるみたいな、そういう反発も正直あったりするという話をしたら、非常に驚いておられたんです。 なぜかというと、その国では、通常は二十人学級なんですかね、二十人学級のところ、障害のある子、まあ障害のある子だけでなくて多様性のある子ですね、多分、がいてるクラスは十五人学級にする。つまり、障害のある子と同じクラスの方が手厚い、障害のある子だけじゃなくて全ての子に手厚い体制になる。だから、障害のある子と同じクラスにしないでくれじゃなくて、むしろその障害のある子と同じクラスにしてくれというか、そちらの十五人学級を望んで一緒に学びたいというように言われる。ああ、日本は何と過酷な制度、現状なんだろうというふうに改めて思いました。 つまり、全ての子供にとってはある意味で過酷な状態になってしまっているのではないかな。もう少し、やはり多様な学びの場ではなくて、一人一人に同じ場所で多様な学び方ができるようなカリキュラムや体制をつくっていただける、そういった機会にこの総括所見のインクルーシブ教育の提言を受け止めていただければと思います。 よろしくお願いします。
○高木かおり君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○会長(福山哲郎君) 伊藤孝恵君。
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。 三人の御参考人の皆様、本日はありがとうございました。 まずは、大西参考人に伺いたいと思います。 まずは、現場の最前線の御奮闘、本当にありがとうございます。もやいがあったから、大西さんにつながったから生きることを諦めなかった方、たくさんいらっしゃるというふうに思います。 今日は、現在、内閣官房の孤独・孤立対策担当室の政策参与もされている参考人に、今国会で審議されます孤独・孤立対策推進法について伺いたいと思います。 実は、私も二〇二一年に議員立法で、孤独・孤立対策推進法、参議院に提出しているんですけども、正直あのときは見向きもされませんでした。それが今回、政府対策、政府提出法案となった理由というのは、もやいを始めNPOの皆様がその必要性を強く主張されたというふうに漏れ聞こえ、聞いております。 まず改めて、こういった法制化がどうしても必要なんだ、そういった、私も、為政者が替わってしまったら孤独・孤立対策が、この総理のときはやったけど、この総理のときはなくなってしまった、そういうことがあってはならないという意味で法制化が必要だと思ったわけですけども、その理由、そしてなぜ進んだのか、そういったところをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 私、二〇二一年の六月から孤独・孤立対策担当室の政策参与を務めさせていただいているんですけれども、二月にそれこそ大臣が任命されて、政府の中で孤独、孤立、ちょっとずつ進んできた部分があるかなと思うんですけど、やっぱりその私自身のフィールドはふだんは貧困問題というところをずっと十年以上担ってきて、まさに経済的な困窮のところと先ほどお話ししましたつながりのところの孤独、孤立、すごく密接に関わっているというところを現場ですごく感じていたんですけれども。 一方で、ついつい、コロナという文脈もそうかもしれないですけれども、やっぱり経済的な困窮のところを全力で現場では取り組んでいると。これ多分、例えばDVの問題やられている方だったりとか自殺の問題やられている方、皆さんそれぞれそうだと思うんですが、まず緊急的な支援はまず現場で何とかしなければいけないと。 一方で、緊急的な支援をする中で、その問題の構造的な背景ってどこにあるんだろうかというところで、実はかなり共通したものってあるんだと思うんですね。その一つがこの孤独、孤立というものだというところかなと思います。 そういった現場のニーズといいますか、ついつい現場では最優先でまず目の前の人に、じゃ食料品を提供しようとか、制度におつなげしようとか、同行しようというところで現場で奮闘するんですけど、その予防的な観点も含めて社会の構造をどう変えていくことができるのか、その一つのアプローチとして、孤独・孤立対策というものは現場のニーズにもすごく合っているのかなというふうに思います。 実際、官民の連携のプラットフォームというのが全国版が立ち上がって、今四百団体近くが入ってくれていて、まさにいろいろな政策の議論というのがそこでも行われていたりとか、そういった意味で、この孤独・孤立対策というものが広がっていくということ自体が、あらゆる政策分野の官民の協働であったりとか、官民だけじゃなくて民民の協働も含めて、連携も含めて広く進んでいくのではないのかなというふうに思います。 でも、一番は、やっぱりコロナという文脈、我々の現場も、先ほど御紹介しましたが、百人ぐらいだったのが七百人近く来るようになった。あと、自殺の問題でいえば、先日すごく報道がありました、子供の自殺がすごく増えている。本当にいろいろなレベルで現場がすごく大変になっている中で、やっぱりそれを少しでも食い止めたいと。もちろん現場の支援もする。ただ、上流で、川下で我々支援しているわけですが、川上のところで蛇口が開きっ放しで、蛇口はでも一個じゃないんですね、いっぱいあるんですよね。その中で、いろんなセクターの人たち、いろんな政策分野の人たちが協力してやれることって何があるんだろうか、そこの一つの答えというか一つのアプローチとして孤独・孤立対策があるのかなというふうに思っています。 参与というよりは、ちょっと現場の人間っぽい言い方でのお答えになってしまったと思いますが、この国会でも議論が始まるというところありますので、そこは現場の人間としてもすごく期待をしているところでございます。 以上です。
○伊藤孝恵君 今おっしゃった本当に孤独、孤立の究極が自殺だと思いますし、この二〇二二年の子供の自殺、速報値でね、最多になったというニュース、胸が詰まる思いでありますけども、だからこそ、子供は、もやいにつながる知恵もないし情報もないし交通費もありませんので、こういう子供たちには、もう本当、執念を持ったアウトリーチが必要だと思います。 そういう部分で、タッチポイントというのを考える必要があると思うんです。子供たちですから、もちろん学校だとか、一人一台パソコンだとか、スーパーやドラッグストアにも行きましょうが、そういうもの、そういう施策というのがこういうその法制化によってより進むというふうに思われているかどうか、教えてください。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 めちゃめちゃ進むと思います、正直。ちょっと違う政策分野の例を出すのがいいか分からないんですけど、議員立法で食品ロス削減法案、二〇一八年に皆さん国会の中で議論をしていただいて作っていただいたときに、これ、現場のいわゆるフードバンク、生活困窮者の支援の活動では、このコロナ禍でその法律がなかったらもしかしたらこんなに物資のサポートができなかったんじゃないかと思うぐらい、やっぱり法律ができることによって、我々支援現場だけではなくて社会全体ですよね、例えば食品ロスの話でいえば、企業さんが、あっ、じゃ、こういった問題があるんだ、SDGsの文脈もあるんだ、じゃ、自分たちの商品だったり防災備蓄だったり、そういったものを現場の子供食堂、フードバンク、生活困窮者団体に支援しようみたいな、法律ができることによって社会の機運が高まったり、自分とは関係ないと思っていたセクターの人たちが、いや、これ社会全体の問題なんだよねと、そういうふうに気付くということ、また気付く中でそれがアクションにつながることって多分すごくあると思っていて、まさに今おっしゃられたように孤独、孤立の話もそうだと思っていて、これ福祉分野の話だけでは決してないはずなんですね。 これ、内閣官房の方でもNPOのいろんな調査をする中で、例えば環境系の問題取り組んでいるNPOさんも、いや、孤独、孤立は関係ないと思いきや、実は、里山保全の活動をするらしいんですけど、そこに引きこもりの子が実はたくさん来ていて、そこで元気になって学校に通えるようになったみたいな、だから、間接的に、直接孤独、孤立の問題を専門にやっているわけじゃないんですけど、地域のつながりの中でそれを意識してもらうだけで実はめちゃめちゃ地域の中のつながりが強くなる、厚くなる、社会的紐帯みたいなものがすごく厚くなるみたいなことというのはいろんな報告が既にあって、それが法制化されることによって更に加速化される、またいろんなセクターの方が関心を持ってアクションをしてくれるということは個人的にもすごく期待をしています。
○伊藤孝恵君 大西参考人の参考資料の中に、論文の中に私の名前が書いてあってびっくりいたしましたし、ああ、そういうふうに思いを持った方と私もこれから孤独・孤立対策、取り組んでいきたいと思います。ありがとうございました。 続きまして、赤石参考人にお伺いしたいと思います。 赤石参考人の御示唆を基に、この窓口ハラスメント、私も国会の方で質疑をさせていただき、今、愛知の方では、五十四市町全部でこの窓口ハラスメントがあるのかないのかという実態の調査と改善に結び付けることができました。 具体的には、その窓口で、交際している人がいるかとか妊娠をしているかとかというのを口頭で答えずに、書面のチェックボックスをもって書面確認でそれらを行政手続につなげるというような、そういった改善が進んでいるところでありまして、本当にこういった御指摘、心から感謝を申し上げます。 今日、赤石参考人には、子供食堂、今はみんな食堂というふうに言いますけれども、その課題と可能性についてお伺いしたいと思います。 私、ヤングケアラーの支援の政策をずっと取り組んでまいりまして、一人親の家庭においては、やはりヤングケアラーの方々、子供たちは多いです。家の中に大人の数が少ないわけですから、育児、介護、家事、通訳、障害のある兄弟のケアと学業のはざまにいる子供たちの居場所として、イギリスではヤングケアラープロジェクトというような居場所支援始まっていますが、それを、じゃ、日本に置き換えたときに、じゃ、どこが適切なんだろう、どこが親和性があるんだろうというようなことをいろいろ話し合っている中で、今、愛知ではヤングケアラー支援の市町村モデル事業というのを始めておりまして、三つの市町で二〇二二年度から三か年の計画でいろいろテストしています。そんな中で、やはりみんな食堂と学習支援とヤングケアラー、この親和性が高いんじゃないかというようなことも結果として出ているんですが、赤石参考人、この親和性についてどう思われるか、教えてください。
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。 ヤングケアラーについてということなんですけれども、子供の見守り支援事業についてお話ししてもよろしいですか。ちょっと虐待防止の文脈ではあるんですけれども。 今、厚労省では、子供食堂などでその見守り支援の、要するに要保護対策児童の手前のところの予防として子供食堂がそういった子供を発見したりというところを、その機能が担えるのかみたいなことの仮説が行われていると思います。それは一定程度あるかと思うんですけれども、子供がどこにアクセスするのかというのはいろいろな仮説を持たなければいけないので、子供食堂に行くことをためらうお子さんもいるし、そこで発見されるお子さんもいる。あるいは、学習支援。でも、保護者が申し込むところでは無理なのかもしれない。あとは、一人親であると先ほど言ったひとり親家庭日常生活支援事業は御家庭の中に行けるので、そこでいろいろなことが発見できるかもしれない。あるいは、訪問支援の枠組みで食品を配りながら訪問支援するというような事業もいろいろありますので、そこで、これは仙台の団体がこの間見守り支援のシンポジウムで言ってくださったんですけれども、ただ食事、お米を運ぶとかだとお子さんの状況って分からないので、何かお子さんに選んでもらえるものをちょっと持っていって、三つか四つ、で、お子さんにどれがいいと聞く場面をつくる。そうすると、お子さん必ず出てきて、あっ、これがいいとか言ってくださるとか。 このヤングケアラー問題というか虐待防止とか、そういうところについてはどういう接点のチャンネルをつくるかというのは一つではない。それから、保護者が選べなくても子供が自主的につながるものができるのかとか、もういろんなことをしながら、その要対協につながる手前のところの方たちをどう支援するのかというところを今模索中なんだろうというふうに思っております。 済みません、途上のことを申し上げました。
○伊藤孝恵君 本当に、まさに模索中という言葉で、子供たちが、子供が子供に戻れる場所を提供するなんて言っても、ただ集まって私の体験談とか話していても、そんな時間も暇も余裕もないわけですよね。やっぱり何か得るもの、おなかがいっぱいになるのか、何かすてきなものを選べるのか、それともすてきな人と話せるのか、勉強教えてもらえるのか、分かりませんけれども、そういう有益な場所というのが一体どういうチャネルで、どういうタッチポイントで、どんなふうにアクセスすればその彼女、彼らたちにつながれるのかというのをまさに本当に模索中で、これからも教えていただきたいというふうに思います。ありがとうございました。 最後に、尾上参考人に伺います。 DPIの皆さんには本当にお世話になっておりまして、今日随行でいらっしゃっている佐藤さんや白井さんには二〇一八年のバリアフリー法改正案の際に本会議にも見に来ていただいて、皆さんが国会のサイトラインが確保されていないということを教えていただいたので、国会が今、サイトラインが確保された、そういった傍聴席を用意するに至りました。 そこに、二〇二一年、医ケア児法案の成立の際は、子供たちがそこからしっかりとサイトラインが確保された席から国会を傍聴することができた。皆さんのその御指摘が、子供たち、それから保護者、エンパワーメントしたということを改めて御礼申し上げます。 先ほどお伺いしていたインクルーシブ教育の話ですけれども、日本の学習指導要領って結局、交流と書いてあるわけですね。共生とは書いてない。お互い別々の場所にいて、あるときだけ交流すると書いてある。交流じゃないんです、共生ですと言ってもそれが直らないという、ここの熟語に収れんされていると思うんですが、それでもコロナ禍で希望だったのが、やっぱり一人一台パソコン、オンラインがこのように当たり前のものになって、体は別のところにあるけども一緒に学ぶ、まさに一緒の時間を過ごすということが可能になりました。 しかしながら、このインクルーシブ教育のコンテンツというのは、なかなか研究されている方も、それから作っている方もいらっしゃらないという中で、体は別々のところにある、しかしこのデバイスをもって共に時間を過ごせるというのがもし例があったら教えてください。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 バリアフリーの取組ということで、先ほども控室で待っているときにおトイレに行きたくなって、以前はたしか車椅子トイレは限られた場所しかなくて、エレベーターで上がったり下りたりしなければいけなかったのが、同じ階ですっと行けたので、あっ、かなり大きく改善したなということをまずちょっと実感をいたしました。 その上で、バリアフリーとちょっとインクルーシブ教育について思うところをお話をしたいんですが、二〇二〇年の改正で、学校、ようやく公立の小学校、中学校もバリアフリーの義務付けにしていただいたんですけれども、御存じのとおり、バリアフリー法は、新規や大規模改修のときは義務付けですが、既存物は努力義務のままなんです。まあ努力義務という法律の作りなんですが、やっぱり子供が少ない時代で新しく学校がばんばんできる時代ではないので、既存物も含めてちゃんとバリアフリー化するようにということで文科省さんの方では方針も作っていただいているんですが、残念ながら、そういったバリアフリー計画、既存物も含めたバリアフリー計画をお持ちのところは三割を切っている状態なんですね。 是非、せっかく法律改正をしたのに、その趣旨がやっぱり各地域の中で残念ながら生かされていない、まだまだそこまで歩みが進んでいない状況にあります。是非、これは文科省さんも何回か通知を出していただいていますけれども、もう一度、やっぱり更にもっと前に進めていくためにどうしたらいいかということを是非国会の中でも御検討いただければ有り難いなと思います。
○伊藤孝恵君 終わります。
○会長(福山哲郎君) 山添拓君。
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。 参考人の皆さん、今日は大変ありがとうございました。 大西参考人と赤石参考人に伺いたいと思います。 食料配布や相談会など、格差と貧困の実態に対して直接支援に取り組んでこられたことに心から敬意を表したいと思います。 意見陳述でも述べられていましたが、コロナ危機が三年に及ぶ中で、支援を求める人が高止まりして減らない状況があるかと思います。感染が拡大しても経済を優先する、そういう方針の下で支援が薄くなり、さらに物価高が追い打ちとなり、困窮に拍車を掛けてきた状況があるかと思います。同時に、その未曽有の事態を受けて、自己責任ではどうにもならない状況が元からあるということが露呈してきたその結果でもあると思います。とりわけ若年層や女性など支援を求める人が高止まりしているその背景について改めて伺えればと思います。 また、あわせて、この影響が長期化することに伴って、支援の困難もあると思います。現場で取り組んでおられる支援団体などに対する政府の支援策の在り方についても御意見があればお聞かせください。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 二点いただきましたので、順番にお答えしたいと思います。 まず、おっしゃられたように、まさに高止まりといいますか、支援が厳しい状況、支援が薄い、様々な政府の緊急対策であるとか、そういったものも徐々に切れたりとか終わりを迎えている中で、その悪いタイミングで物価高というところの二つ目のパンチといいますか、そういった状況があるのかなというふうに思います。 やはり、それは緊急的な部分で、より問題が明らかになったというところですが、やっぱり構造的なところで、今回、若年層、女性含めて、じゃ、何でこんなにたくさんいろんなレベルで相談多くなっているのかという一つの背景としては、やはり我々のレベル、貧困の格差の問題のレベルからいえば、圧倒的に非正規で働いていた方が若い方、女性の方に非常に多かったのではないのかなというふうにも思います。これ、いろんなレベルで、研究者の方もシーセッションというような言い方をしたりとか、いろんな形で研究されているところだと思いますが、背景には、不安定な働き方をしている人が社会の中にそもそもたくさんいらっしゃって、それはサービス業だったりとかそういった産業に多くて、そこがコロナの影響というのをすごく受けた。また、そういった方が非正規労働のキャリアが長かったりとかそういった傾向があって、なかなかほかの産業であったりとか業態というのに移行できなかったりというところで厳しい状況にあるのかなと、そういった背景があるのではないかなと思います。 なので、例えばコロナが仮に落ち着いて、物価高が例えば落ち着いたとしても、不安定な労働市場に戻っていくだけになるんですね。もちろん、それでも働いているという意味ではすごく重要ですし、自立した、就労自立というものにはつながるんですが、ただ、そういった先が見えない不安定な生活基盤の上に立っている方が若い方、女性の方にたくさんいらっしゃるというのをこのまま看過していていいのかなと、そういったことを改めてコロナ禍というのは浮き彫りにしたのではないのかなというふうに思います。 なので、背景は労働市場の問題もありますし、不安定な生活基盤の方の支えがそもそも薄いというところが一つあるのかなというふうに思っています。 二つ目のところでいうと、現場のところでのいろんな困難さというところでいいますと、我々団体も、二〇二〇年の四月からコロナということで緊急的な体制を取ってきたんですが、これ多分ほかの現場もそうかもしれませんが、こんなに長く大変な状況が続くと正直当初思っていなかった。それは、理事長としては経営的にそれは失敗なのかもしれないですけど、正直やっぱり、職員、スタッフ、ボランティア、関わる方も含めて三年、これ四年目に入る、むしろ状況が高止まりで悪くなっているというところで、疲弊感といいますか、疲労感みたいなものというのは正直いろんな現場のレベルであるのではないかなと思います。 これは、民間だけではなくて、例えば特例貸付けの現場、社協さんの現場とかも返還業務が始まる。相談をして支援をするのが得意な人たちが、今度は返還の話、お金を返してもらうという何かすごく身を裂かれるようなことを例えば社協さんの現場は今しなければいけなくなっていたりとか、やっぱり支援現場に掛かる負担、負荷というものは実はすごく高くなってしまってきているというふうにも思います。 そこを含めて、先ほどほかの方の質問でもありましたが、そういったものをサポート、ケアというところも当然必要でしょうし、また、そういった返還であれば、それを償還免除にするような仕組みというものも必要かもしれませんし、やっぱり現場の負担をできるだけ減らしていただけるような様々な施策、支援というものを是非御検討いただけたらうれしいなというところは改めて思います。 ごめんなさい、長くなって申し訳ないんですけど、いろんなNPOとか社会福祉法人とか、すごく現場でいろいろ頑張っていると思いますが、やっぱりなかなかその、まあ我々の団体は比較的規模が大きな団体で、ある程度御寄附をいただいたり、そういった中でボランティアに関わっていただける方がいて活動ができている部分というのはあるんですが、もっと小さな団体、もっと地域の本当に草の根の団体の中には、やっぱりこのコロナという文脈で支援をするのはもう難しくなってしまったり、ちょっと疲労してしまったり、例えば傷ついてしまったりして、もう続けられないというふうに活動を断念してしまったりとか、そういったケース、正直あります。 我々、どうしてもこういう現場の人間は、目の前で困っている人がいたら何とかしなきゃと動くんですけれども、当然疲労もしますし、精神的な疲れというのも当然重なっていきますし、若しくは御自身の、自分、支援者の例えば家族との関係であったりとか、いろんなレベルの負荷というのはむしろこれから出てきてしまうのではないのかなと。そういった意味では、担い手の育成もそうなんですが、サポートということもこれから考えていかなきゃいけないのかなというところはあるかなというふうに思います。 済みません、ちょっと長くなって申し訳ないです。 以上です。
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。 私ども、現場の支援をすると同時にフィードバックもいただいているので、お母さんたちからお子さんたちが受け取ったときの写真とか、先ほどお見せしたのはそういう写真なんですけれども、そういうのをやりながら、じゃ、来年度どのような支援をするのか、この間、私どもの検討会開かせていただきました。 いろいろなフードバンクの方とかからも意見をいただいているんですが、正直言ってまだ、フードバンク事業が推進されているのは事実なんですけれども、まだまだ各県のフードバンクがそこに、支援団体に十分な食品を提供するほどの力を持っていない。もう本当に手弁当でやっているような団体は、そこの県で、本当はその地域で支援できるというスキームをどんどんつくっていくということが必要なんですが、まだまだそこに至っていないなと。そうすると、私どもが遠くにお送りするというのをやめるのはまだ早いという判断になっております。 ですので、やはり地域ごとに支援ができるような基盤をつくる支援というのを更に更に深めていく必要がある。これは、フードバンクとか、それからその社会福祉協議会さんがもうちょっと活性化するとか、そういったことが課題として浮かび上がりました。 私どもは、もうおこがましくも、他団体の支援もさせていただいております。本当にそれがないと続けられないというような団体もございますので何とか頑張っているんですけれども、みんな、次、食料支援どうしたらいいんでしょうみたいなことを去年ぐらいから言っているし、自分たちができなくなりそうになると、どうしても支援を受ける方たちが甘えているみたいな気持ちになりがちになってしまうんですね。実は、これだけの収入状況を見たら、甘えているわけではない、ないんですけれども、そんなふうに思ってしまう。 こんな何か悪循環が起きてしまいますので、いろいろな中間支援団体への支援というのも出てきてはいるんですけれども、まだまだちょっと少ないなというふうに思っているところでございます。
○山添拓君 ありがとうございます。 尾上参考人に伺いたいと思います。 紹介がありました障害者権利条約の初の日本審査では、人権保障の観点から厳しい勧告がなされているかと思います。特に焦点となった精神科医療についてですが、精神科病院の強制入院を障害に基づく差別であるとし、自由を奪っている法令の廃止も勧告されています。今日も御紹介がありました。 脱施設化のための法改正や予算の強化が必要だと思いますが、地域社会での自立した生活を権利として保障するために政治の側の取組として最も欠けていることは何だとお考えでしょうか。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 特に、この総括所見の中で支援を集中的に必要とする障害者という表現があることに是非御注意をいただければというふうに思うんですけれども、日本では医学モデルに基づいて重度障害という言い方があるんですが、それは社会モデルや人権モデルでいうと、言うならば、それだけ支援を必要としている人、分厚い支援を必要としている人が日本でいう重度障害者だ、でも、その支援を集中的に必要とする人たちの、言うなら支える体制がないということをこの総括所見では繰り返し指摘をしている、懸念事項として指摘しているんですね。 そういう意味で、先ほど言われた地域で暮らす権利、それを実現をしていくためには、地域基盤整備、例えば十か年戦略のような形のですね、今回ちょっと紹介をいたしました総括所見の一番冒頭に、入所施設から地域生活へ資源の配分を行いなさいという話をしています。 それは、そのためには、地域生活基盤を今は自治体の障害福祉計画にもう全部委ねてしまっている状態だと思うんです。ちゃんと国の計画として、十か年、どの地域においても、支援を集中的に必要とする重度、いわゆる重度の障害、どんな重度の障害があっても、どんな障害があっても地域で暮らせる安心した地域社会をつくりますよ、そのことを国の意思として、メッセージとして示していくような地域基盤整備十か年戦略のようなものを是非作っていただければな、それが総括所見に対するやっぱりこの日本社会の答えであってほしいなと思います。
○山添拓君 ありがとうございます。それはもう直ちに進めさせていかなければならないことだと思います。 大西参考人と赤石参考人に伺います。 この通常国会では、児童手当の所得制限撤廃が少子化対策をめぐって一つの議論となっています。撤廃は当然だと思いますが、この問題は児童手当だけの問題ではないと先ほど指摘もあったとおりです。幼児、高校、大学無償化など、あらゆる段階でこの所得制限ということは問題になります。学校給食費の無償化が二十三区でも幾つかの自治体で表明されるなどしていますが、総じてこの重過ぎる教育費の負担が大問題だと思います。 この点について、それぞれお考えを伺えますでしょうか。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 ちょっと団体として何らかオピニオンを出しているわけではないので、あくまで私個人の意見でということでお答えしたいと思いますが、今まさに児童手当の話、所得制限の話というのがかなり議論になっていて、私個人の立場としては所得制限はない方がいいんじゃないかというふうに思っていたりもします。 やっぱり一つ理由は、子育てってすごくそれだけでもかなり大変な状況だと思いますので、本当にすべからく多くの人たちを社会全体で支えるということをいろんな政策のレベルで位置付けられたら、それはすごく大事なことなんじゃないかなというふうに思っていることというのが背景としてあるというのが一つあります。 あと、今おっしゃられた給食費の話であるとか高校、大学、高等教育の無償化等の議論というのは、もう実は共通している部分があると思っていて、給食費も、もちろん就学援助等の仕組みを活用すれば実際上の負担というのは非課税世帯等に関してはかなり減じられるというところはありますが、他方で、そもそも給食というものを費用負担が要るものなのかどうか。子供全員に対してそれも含めて支援をするということが適切じゃないかという考え方もありますし、やっぱりその親の、御家庭の所得の状況によって払う払わない、そういった状況があるということも含めて、子供たちがどう受け止めるのか、仕組みとしてですね、そこを、子供たちへの視点というものを是非考えていただきたいというのと、あと、高等教育に関しての無償化等に関してですけれども、これ、私、ずっとその生活保護世帯の支援、子供の支援というのをかなり関わっておりますので、この大学の進学の問題ってずっと課題でして、生活保護の枠組みですと、基本的には、稼働能力の活用という言い方をしますが、大学ではなくて働きましょうと。ただ、世帯分離という形を取って、その子供だけ生活保護から外れて大学に行くことは認められますよと。でも、奨学金が通常の御家庭よりも何倍も、二倍以上、四百万とか五百万とか借りなきゃいけない。なので、進学率は下がると。 これ、やっぱりいろんな家庭を支援する中で、所得が下がるほどやっぱり進学にハードルが課されてしまう。もちろん、今は給付型の奨学金、いろんな仕組みありますけれども、ただ、なかなか、それ以上に、やっぱり社会全体としてのメッセージとして、いや、誰でも学べるんだよと。 それから、例えば非正規で働いている方、高卒で非正規で働いている方たくさん出会います。大学行きたかったという方もたくさんいるんですよね。そういった学び直しという観点からも、そういった高等教育等の無償化というのは一つアプローチとしてあるのかなというふうには個人的には思っています。 なので、繰り返しになる部分があるんですけど、やっぱり家計の負担というものが、進路だったりその人が選ぶ人生の選択に今はかなり大きな影響を与えてしまっている。それを少しでも軽くできたら、違う選択肢がもしかしたらその方たちにとって与えられる、得られるような機会になるのかなというふうには思います。 以上です。
○会長(福山哲郎君) 赤石参考人、時間が過ぎておりますので、短くおまとめください。
○参考人(赤石千衣子君) はい。 ありがとうございます。 給食費の無償化ですとか、そういったことは歓迎いたします。なぜなら、世帯収入がグレーゾーンになっている世帯がある、例えば先ほど言った別居状態とかですね。ですので、そういう漏れてしまう、制度から、就学援助の、世帯単位でやると漏れてしまう方もカバーできるという意味で、普遍的な制度の利点というのはあります。どうしても把握できない世帯内の貧困ということがございます。大学教育も同じでございます。 今、共同親権制度が議論されているんですが、社会保障制度とどのようにリンクするかが全く分からないので、意見書を出させていただきました。一体、世帯の収入どう把握するか、共同親権になったら両方の親を合算するのか、分かりません。なるべく普遍的な制度になっていればその所得要件がなくなる、そうすると子供に普遍的に応援ができる、基本的にはそこがあるとよいということは言えるかと思います。 就学援助も三位一体改革で今自治体負担になっておりますけれども、なかなか難しいと聞いているんですが、もう一度国の責任の制度になっていっていたら、学校給食が止まったときにも給食費の返還ができたのになというふうには思っております。 以上です。
○山添拓君 大変ありがとうございました。終わります。
○会長(福山哲郎君) 木村英子君。
○木村英子君 れいわ新選組の木村英子です。 本日は、参考人の先生方のお話をお聞きする機会をいただきまして、ありがとうございます。 まず、尾上参考人にお尋ねいたします。 尾上参考人は、長年障害者運動をされてきた中で、骨格提言の作成にDPIの事務局長として関わってこられました。その後は内閣府の障害者施策アドバイザーをされながら障害福祉の推進に尽力され、まさに日本の障害者運動を牽引されてきた方だと思っております。そして、昨年、国連の障害者権利委員会で出された総括所見では、脱施設や分離教育の廃止などが勧告され、インクルーシブ社会へ向けての大きな正念場を迎えているところだと思っております。 そうした現状を変えていくためにも、尾上参考人が障害者がゆえに経験されてきた学校や施設での経験、そして障害者と健常者が分けられていることでの弊害をどう乗り越えられてきたのか、この間、差別と闘ってこられたその信念の原動力となった経験と思いをお聞かせ願いたいと思います。
○参考人(尾上浩二君) 質問ありがとうございます。 皆様に今日、参考資料というか配付資料ということで、これは共同通信のインタビュー記事を印刷して持ってきたんですけれども、そちらの方に詳しく書いておるんですが、私は、子供のときは養護学校、今でいう特別支援学校ですね、そこにいまして、そこからさらに、障害児入所施設で過ごすことになりました、もう今から半世紀前のことでありますが。 是非思い出していただきたいのは、一九七〇年というのはまだ優生保護法が堂々と存在した時代でございます。障害を治す名目ならば何をしても許される、あるいは障害者はどんな痛みにも、どんな苦しみも耐えて当然だ、そういうふうな時代の雰囲気が正直ございました。 私はその施設に入所している間、八か所手術をしましたが、手術をすればするほど歩けなくなっていきました。はっきり言えば、医療の実験台だったんだな、そういう思いを禁じることができません。実体験を通して、医学モデルというものの罪深さ、問題を感じているわけなんですが。 また、当時は施設からの外泊というのも年に数回ぐらいしか認められていなくて、二十四時間施設から一歩も出ないわけです。まさに隔離された生活で。 ちょっとエピソードを紹介いたしますと、週に一回、買物の日というのがあったんですね。町中に出る買物の日ではなくて、施設のプレールームに置いてあるワゴンからスナック菓子を買う時間なんですね。何かままごとみたいだなと思ったんですが、そうしないと、町に出ることがないのでお金を使うことがないんですね。お金を使うという意味が分からなくなる、それだけ社会から隔絶した状況にあったということを示すエピソードだと思っています。 ただ、私のいた施設では、障害のある子供だけが集められているということに疑問を感じるスタッフも一部いまして、彼らの応援があって私は中学校から地域の学校へ行くことになって、それで施設から出ることもできたんですね。もしその小学校六年のときの担当のスタッフが違ったら、そのまま私は施設にいて、その後の私の人生は大きく違ったものになっただろうな。先ほど、地域移行コーディネーターがどこでもあるように、たまたまの出会いではなくて、そういう人に出会えるという、やっぱりその思いの原点でございます。 何とかそれで地域の中学校に行ったんですが、大阪でもまだ共に学び共に育つ教育が始められる前だったんですね。入学に当たって、親と私とで何度か話合いを持って、結果、念書というのにサインを求められました。階段の手すりなど設備は求めません、先生の手は借りません、周りの生徒の手は借りません、これを約束するならば入れてあげましょう、今でいえば、合理的配慮を求めないならば入れてやろう、そういうように言われて何とか入ったわけなんですね。 私、その当時松葉づえを使っていたんですが、音楽教室、離れた校舎の四階とかにあって、その移動が大変で、いつも十分の休憩時間では間に合わなくて遅刻をしていたら、それに気付いた友人が、おい、次の授業おぶったるわと言うんで、いや、私は母親が念書を書いていたのを見ていましたから、いいよいいよと言っていたら、友達じゃないか、水くさいこと言うなというふうにその彼は言ってもらって、あっ、じゃ頼むみたいな感じで、それからやっぱり気にしてくれていた何人かの友達が手助けしてくれるようになったわけですね。 さらに、その地域の学校へ行って私はすごく新鮮な驚きだったのは、家の周りに同じ学年の子がいたということなんですね。特別支援学校っていろんなところから集まるから、学校から帰ったら家の近くには友達はいない。ところが、地域の学校へ行くと、あっ、家の近くに同じ学年の子がいてるんだというのはすごく新鮮な驚きでした。 音楽が好きな友達同士でレコードを買いに行くのに誘ってもらったことがありました。初めて親の付添いなしで地下鉄に乗ったんですが、同年代の、しかも趣味が同じ友達と出歩くというのはとても大きな解放感、あっという間に時間が過ぎていきました。週末になると町に繰り出すというふうな障害者になって今に至るわけですが、自らの世界が大きく広がる体験でした。その障害の有無で分けられることなく同年代の友達と過ごすことの重要性を実感をします。そういうふうに友達には恵まれたんですが、学校は今でいう合理的配慮は本当に何もしてくれなかったです。 中学校三年のときに修学旅行がありましたが、松葉づえで歩いていて何かあったらいけないから、連れていってもらえませんでした。しかも、それだけではなくて、修学旅行は学業の一環だから三日間誰もいない教室で一人自習をしろと命じられて、本当にぽつんと自習をしていました。修学旅行が終わってから友達がやってきて、一緒に行けなかったから小遣い出し合って土産物買ってきたと渡されたときに、ああ、彼らと一生に一度の修学旅行に僕は行けなかったんだ、そのときに気付いてすごく悲しかったのを思い出します。 こうした自らの体験があるからこそ、脱施設やインクルーシブ教育をよく国連は言ってくれた。尾上の時代はそういう、大変だっただろう、昔話だったらまあいいというか、もう今は違いますよというふうに言い切れればいいんですが、今でも、やっぱりこういう話をしますと、実は地域の学校で学ぼうとすると大変苦労したお話を聞くことがあります。昔話に終わらないのが今の日本の現状の問題ではないでしょうか。 四十五年間障害者運動に関わってきて、先ほどのお話のあったバリアフリーであったり、障害者差別解消法ができたり、基本法改正をしていただいたり、大きな変化が生まれてきたと本当に感謝をしています。でも、一方で、やっぱりその入所施設や病院からの地域移行、インクルーシブ教育、これらは四十年掛かってもなかなか進まない、大きな変化が生まれていない。私、残された本丸という言い方をしていますけれども、その課題に是非今こそこの国連からの総括所見を受けて取り組むべきときではないかと思います。 誰も取り残さず地域生活に移行できる仕組み、脱施設、そして子供のときからのインクルーシブな子供支援、インクルーシブ教育を是非とも実現できるよう、国会での御議論をよろしくお願いいたします。
○木村英子君 尾上参考人、ありがとうございました。 次に、三人の参考人の先生方にお聞きいたします。 今回のテーマは、生活困窮、格差、子供、子育て世帯や障害者ですが、それぞれの問題は、社会の中での生きづらさについての調査会となっています。しかし、私のような重度障害者は介護をしてくれる親亡き後は施設しか行き場がなく、家族だけに介護の責任を負わせている社会状況が今も続けば、子殺しや一家心中といった悲惨な状況はなくなりません。一たび施設へ入ってしまったら、障害者が社会で生きていける保証がほとんどない中で、外へ出たい、健常者と同じように当たり前の生活をしたいと望んでもかなうことは皆無であり、死ぬまで施設にいることが私たちにとっては当たり前の現実なんです。ですから、幼いときに私と一緒に育った仲間たちはいまだに何十年も施設に隔離されています。 そうした差別的な状況に耐えられず、今まで様々な障害者団体による当事者運動が続けられ、半世紀がたちましたが、介護がボランティアから労働として確立していく中で地域での生活を実現している障害者が増えてきた今日においても、いまだに施設の生活を余儀なくされている障害者がたくさんいます。このように障害者と健常者が分けられ、社会から切り離されている現状においても最も重要な課題は、幼いときから分けられてきた取り戻すことのできない時間を、今後国が法制度をつくり、障害者の社会参加を保障することだと私は思っています。 同じ社会の中でお互いが出会い、コミュニケーションが普通に取れる共生社会を築くためにはどのような改善策が今後考えられるのか。そしてまた、それぞれの参考人の先生方が取り組んでおられる活動の中で、障害者の人たちとの関わりや経験がございましたら教えていただきたいと思います。 まず、大西参考人の方からお願いしたいと思います。
○参考人(大西連君) ありがとうございます。 我々の団体って、実は保証人というか、アパート契約を、借りる際の連帯保証人の事業を始めるところから実はスタートをしまして、これ元々のきっかけは、二〇〇〇年代に入って、九〇年代、野宿の方がたくさんいらっしゃって、国とか自治体とかいろいろ支援を二〇〇〇年代に入って始めるんですが、最初その野宿の方がその支援を使って、じゃ、一回施設に入ります、シェルターに入りますと。その後、アパートを借りるという際に連帯保証人をやってくれる人がいないという課題でアパートに入れない方がたくさんいて、じゃ、それを自分たちで引き受けようというふうに始まったのがうちの団体の成り立ちでして、ある種、アパートで暮らすということも連帯保証人がいないとかという事由でできないという方に対して、じゃ、何かやれることはないかなというふうに始まった事業でして。 ある種、自立生活サポートセンター・もやいというのは、自立生活サポートセンターというのは結構障害者運動の影響を受けている団体名にはなっておりまして、本当に地域の中で当たり前のように暮らせるような社会というものをどう実現できるのか。当たり前のように得られるサービス、サポートというのが得られていない。それは差別の問題もある。アパートの話でいうと家族が保証人やらないとなかなか入れてもらえないというような、いろんな政策上の問題もあれば、慣習的な問題もあれば、労働市場、マーケットの問題もあれば、いろんなものがあると思いますので、それを少しずついろんな形で変えていく、より良くしていくということがとても大事なのかなというふうに思っています。 結構今、今野宿の方というお話をしましたが、特にここ数年、二〇一〇年代、二〇年代初めぐらいに入ってからは、保証人を引き受けてほしい、そういった住まいの支援を、うちのサポートをしてほしいという方の中には結構精神障害の方がたくさんいらっしゃって、長く入院を、今日もお話いろいろありましたけれども、その方が地域で受皿がない、地域で保証人だったりサポートを受け入れてくれる団体がなくて困っていて相談に来られる。特に病院のソーシャルワーカーさんから相談が来たり、いろんなパターンがあるんですけれども、あと刑余者の方だったりとかですね。 本当に様々なサポートが、当たり前にアパートに住めるという状況を実現するための環境整備みたいなのが今まだまだすごく足りない。また、その方たちの社会参加というところでのつながりづくりというところもそうですけど、そこは改めて感じています。 なので、実は共通しているテーマというか課題というところは本当に権利の話ですね。当たり前の生活が当たり前に送れるようにはどうしたらいいのかな、そこから教育の話もそこにつながると思いますし、社会参加、つながりのところもあるかなというふうに思います。 ちょっとずれた回答になったかもしれませんが、以上です。
○参考人(赤石千衣子君) ありがとうございます。木村先生、御質問ありがとうございます。 まず、私ども、エンパワーメントのためのグループ相談会というのをやっております。これは、九〇年代に障害者グループがピアサポートをやっていた、そのリーダーでシングルマザーの方に私ども教えていただきながらピアサポートグループをシングルマザーの方たちにつくった。なので、私どもとしてはそういうその、何というのでしょうかね、障害者運動というのが先輩であるという意識を持って接してきたというふうに思っております。 また、障害年金と児童扶養手当の併給問題、ある程度決着が付いてきたわけですけれども、これについても取り組ませていただきました。今、障害年金の子加算と児童扶養手当の差額が併給されるようになっております。 また、去年度、就労支援をやっている中で車椅子の方が参加したいというふうに申し込まれました。いろいろ迷ったわけですけれども、私どもは審査をさせていただきながら参加していただくことを決断しました。結果的には就労にはつながっていませんが、非常にエンパワーメントされたということがとてもうれしく思っております。 ですので、いろいろな場面で接点を持ちながら、学びながらやっていきたいというふうに思っております。
○会長(福山哲郎君) 尾上参考人、時間が来ておりますので、短く、恐縮ですが、おまとめください。
○参考人(尾上浩二君) ありがとうございます。 私からは、今まで障害者分野からは発言をしましたが、他分野との共通性ということで一言申し上げます。 二〇〇九年の、八年から九年のときの派遣村のサポートに私たちDPIも関わらせてもらって、そのときのアンケートで何らかの難病や障害をお持ちの方が三割から四割ぐらいいたなということを思い出しました。 実は今、日本の障害者人口は去年の三月時点で九百六十四・七万人、まあ人口の七・六%と言われています。でも、WHOや世界銀行の統計では人口の一五%から二〇%が障害者というのが通常の状態だと。日本の障害の定義、範囲というのは物すごく狭い。言うならば、医学モデルだからなんですね。今回、総括所見でその障害の認定や評価に関して、医学モデルから社会モデル、人権モデルに転換をしなさいということも言われています。 是非、その障害の範囲の見直しも含めて是非検討いただいて、本当に誰も取り残されない社会につなげていっていただければと期待して、発言を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○木村英子君 ありがとうございました。質問を終わります。
○会長(福山哲郎君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。 二巡目の質疑を御準備いただいた委員もいらっしゃいますが、予定の時刻も参りましたので、大変恐縮ですが、参考人に対する質疑はこの程度といたします。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 皆様には、長時間にわたり現場に立脚した貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二分散会