外交・安全保障に関する調査会 第3号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2023/02/22
会議録
○会長(猪口邦子君) ただいまから外交・安全保障に関する調査会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、山下雄平君が委員を辞任され、その補欠として今井絵理子君が選任されました。 ─────────────
○会長(猪口邦子君) 外交・安全保障に関する調査を議題といたします。 本日は、「21世紀の戦争と平和と解決力~新国際秩序構築~」のうち、「軍縮・不拡散②(核以外の大量破壊兵器、対人地雷・クラスター爆弾等)」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。 御出席いただいております参考人は、青山学院大学名誉教授・神奈川大学特任教授羽場久美子君、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表土井香苗君及び中央大学総合政策学部教授目加田説子君でございます。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を承りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、羽場参考人、土井参考人、目加田参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までをめどに質疑を行いますので、御協力よろしくお願いいたします。 また、発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず羽場参考人からお願いいたします。羽場参考人。
○参考人(羽場久美子君) この度は、非常に貴重な参議院の外交・安全保障に関する調査会にお呼びいただき、誠に光栄に存じます。 二十一世紀の戦争と平和と解決力、新国際秩序の構築ということこそ、冷戦終えん後ずっと考えてきたテーマでありますし、また、本日の会長の猪口邦子先生が「戦争と平和」の著書で考え続けてこられたテーマでもあります。国際政治学者として、最初に、大きな視点から、世界平和と新国際秩序、日本の役割を考えたいと思います。 ちょうど今年の初めに、「100 Years of World Wars and Post-War Regional Collaboration: How to Create 'New World Order'?」という本を出しました。まさに新国際秩序をどうつくるかということで、先生方とともに考えていきたいと思います。 本日の話は、大きく二つに分けて、今はどういう時代なのかということをデータと世界平和の観点から分析します。最も重要なことは、戦争を生まないメカニズムは何なのか、市民が犠牲にならないためにはどうしたらいいのかということを考えたいと思います。 そして、米英の戦略、そしてアジアの戦略の違いをそれぞれ見た後、これらを理解した上で、新世界秩序をどのように平和と繁栄によって構築していけばいいのか、市民の犠牲や地球の荒廃を招かない形で新しい世界秩序を二十一世紀につくっていくにはどうしたらいいのかということを考えていきたいと思います。 それでは、お手元に資料があると思いますので、こちらの方を御覧くださいませ。 まず、データを四つ、五つ紹介したいと思うんですけれども、まず表の一の一は、アジアが今後急速な発展をしていくという自明のことが、アンガス・マディソンが二〇〇七年に、西暦ゼロ年、西暦一年から二〇三〇年までの長期にわたるGDPをメガコンピューターで打ち出したものです。これで見ると、実にインドと中国が西暦ゼロ年から一八二〇年まで十八世紀の間、世界の経済を引っ張っていっていたということが分かります。その後の欧米近代というのは二百年続くわけですけれども、その間に二つの大戦があり、大戦後に再び中国、インド、アジアの国々が成長していくということが示されています。これをアンガス・マディソンは、今のアジアの成長というのは奇跡ではない、過去に回帰しているのだという有名な言葉を残しました。 次のページを御覧ください。 これは現在のGDPとPPPベースのGDPですけれども、見ていただくように、現在のGDPでアメリカに次いで中国が世界第二位の地位に来ています。中国が日本を抜いたのは二〇一〇年ですけれども、その後の十三年間で日本の四倍に成長し、そしてインドが五位に上がってきているというような状況があります。赤いBRICSの国々が次々に十位以内に入ってきている。また、その横のPPPベースのGDPを見ていただきますと、既に、購買力平価のGDPは新興国に有利と言われていますが、これが十年後の名目GDPになると世銀やIMFが言ってから非常に注目されるようになりました。中国は二〇一四年にアメリカを抜き、インドは二〇一三年に日本を抜いて今や一位、三位の地位に来ています。 表二を御覧ください。 これは、デモグラフィーなんですけれども、世界人口の推移です。現在八十億人ぐらいいますが、二十一世紀の間に百億人を超え、二一〇〇年には百十億人弱になると言われていますが、そのうちの八割がアジア、アフリカ、黄色がアジア、赤がアフリカで、水色がラテンアメリカなんですね。そうすると、いわゆるAALA、アジア、アフリカ、ラテンアメリカを合わせて九割になる。米欧は一割を切る時代があと八十年で到来するということです。 そしてさらに、パンデミックですけれども、次の二枚はパンデミックですけれど、二〇二〇年のコロナ禍、パンデミックの感染の死亡者数をファイナンシャル・タイムズが詳しく追っています。青が欧州、ネズミ色がアメリカで、当初の段階では実に九割が米欧、そして現在に至っても五割が米欧と言われています。パンデミックに非常に脆弱な欧州、アメリカということが見て取れると思います。 表四は、現在のコロナ感染です。最近、日本や韓国が大きく上がってきておりまして、日本が六位、世界の中で六位、韓国が七位ということで、感染率が高まっています。中国は表に出てこないんですけれども、八億人近くが感染しているのではということも言われます。 ただし、東アジアについて言えば、右側の死亡率ですが、死亡率が全く違います。米欧が主に一%から〇・五%なのに対して、日本は〇・二%、韓国は〇・一%、日本の半分ですね。つまり、欧州やアメリカの十分の一ないしは五分の一の死亡率ということで、これを山中、ノーベル賞の受賞の先生は、アジアやアフリカ起源のパンデミックであって、非常にその米欧に影響力が拡大していると言えるのではないかというふうに言われています。 これらを見てくると、あと百年もしないうちにアジアの時代になる、それも世界の半分が飢えるとスーザン・ジョージが言った二十世紀のアジアではなくて、豊かさ、経済力、IT、AIなどを身に付けた豊かなアジアの時代がやってくるということだと思います。 最後に、日本の変化なんですけれども、御存じのように、少子高齢化と労働者不足の中で、日本の人口は二〇六〇年には労働者人口が半減すると言われています。つまり、今の二十歳の若者たちが六十歳、老人になる頃、老人人口は四〇%、つまり一人が一人を見なければならない時代になってくる。 こうした中で、入管法の改正や移民の受入れも始まりましたけれども、これらの流れを見てくると、私たちは、近隣国のアジアあるいは成長するアフリカと連携して、日本や欧州、先進国の少子高齢化にも対応していかなければならないという時代になりつつあります。これらについて、この間、ナショナリズムではなくて軍縮と地域協力、あるいはアジアの地域協力の重要性や欧州に学ぶ和解、敵との和解とエネルギーの共存ということがいかに重要なのかということを書きましたので、もしよろしければお使いください。寄贈させていただきました。 次のページ、御覧ください。にもかかわらず今危機の時代が広がっているということが次のところです。 アジア、特に日本ですけれども、近隣国との友好が不可欠であるにもかかわらず、この間、米中の経済対立から日本も、御存じのように、防衛費の増額や、それから武器の配備が始まっています。沖縄諸島にミサイル配備が開始され、沖縄タイムズや琉球新報では、様々な形でミサイル配備に反対する住民の方々の声が書かれています。沖縄は、御存じのように、歴史的にも、中国との関係で朝貢や冊封体制を続けてきて友好関係をつくってきた国々です。目と鼻の先にある中国に対してミサイルを配備することに対する危惧が住民の間に広がっています。 また、日本列島の南部を含め、南西諸島と沖縄に地下の司令塔がこの一月に入って配備されることが決まりました。単に沖縄だけではなくて、大分や青森にも、日本全土に司令塔やミサイルが配備されるということで、住民の間に不安が広がってきています。 今見たように、そのアジアの経済力とITや平和の力、あるいはパンデミックに強靱な力を持って二十一世紀を生きていくためには、アメリカとともに、アジアの国々との連携が極めて重要になってきているのだと思います。 他方で、また危機ですけれども、目と鼻の先に北朝鮮の弾道ミサイルの危険が迫ってきています。今年に入り、の前に、二〇二二年の十一月の段階で、火星17は、ICBM、一万五千キロで、米国全土と欧州が射程に入るようなミサイルを開発し、繰り返し日本列島の周りで実験を繰り返しています。 このような中で、御存じのように、東アジアの安全保障が全く新しい形で準備されてきています。それが十七ページのところです。東アジアの安全保障として、クアッド、クアッドプラス、そしてAUKUS、ファイブアイズのような動きが出てきています。 クアッドは、御存じのように、日米豪印の四か国の戦略対話ということで安倍首相が提唱したと言われていますけれども、ひし形の形でアメリカと日本とインドとオーストラリアが結ぶ形となっています。そして、クアッドプラスというのは、それを補強する形で、韓国、ベトナム、ニュージーランド、そして台湾などがこれに協力する形となっています。 ところが、インド、今回ちょうど訪問して先週帰ってきたところなんですけれども、インドの位置が非常に重要であり難しい位置にあって、クアッドに対しては比較的懐疑的で、インドはロシアとも軍事関係、経済関係を結び、そしてアジアの何よりも盟主ということで、独自に非同盟の関係を結ぼうとしています。 そうした中で今始まってきているのが、AUKUSと、それからファイブアイズという動きです。これは、アジアの国を含まず、頭文字として、オーストラリア、アメリカ、イギリスの軍事情報三国同盟として四億人を超える同盟が結ばれ、そして、これにカナダとニュージーランドを含めてファイブアイズという諜報網も形成されています。 この二つは、いわゆるアングロサクソン、米、英、豪、ニュージーランド、カナダの協力関係と言われているんですけれども、特徴的なのは、ヨーロッパ大陸が入っていない、そして日本や韓国の同盟国も除外されているということです。これはウィキリークスで同盟国や欧日にも盗聴器が仕掛けられたということも言われていますけれども、現在そうしたそのアングロサクソンの同盟関係が強まっている中でアジアがどういうふうにしていくかということがとても重要な意味を持ってくることになります。 次のページを御覧ください。 日本列島は、アジア大陸の端っこにくっつきました、アジア大陸から多くの歴史的な、あるいは宗教的な、文化的な、慣習的な影響を受けてきた地域でありますけれども、現在の枠組みの中では、三千キロにわたるフロントラインを形成するような形になっています。この小さくて長い三千キロのフロントラインを横に倒してみますと、単に中国だけではなくて、朝鮮半島それからロシアを含む非常に長大なフロントラインになっている。 この細腕で、弁慶のように、もしロシアや北朝鮮や中国の三方から飛んでくるミサイルに対して一億二千五百万人の国民を守れるのかということで考えると、私たちにとって考え得ることは、ここにミサイルを配備するということではなくて、アジアともアメリカとも関係を強めていくブリッジになっていくことが極めて重要なのではないかと思います。 右を見ていただけますでしょうか。 もし東アジアという非常に狭い地域に、十数億人が住んでいるところで戦争が起こったらどうなるかという図ですけれども、最近、ノルウェー、スウェーデンの調査によれば、チェルノブイリから三十年以上たった後、ノルウェーやスウェーデンのトナカイの肉やキノコに放射能が出てきた、屠殺せざるを得ないような状況が出てきたというふうに言われています。 この千二百キロをもし北朝鮮で核爆発が起こったらということで円を描いてみますと、実に驚愕の事実が出てきます。北朝鮮で起こっただけで日本列島のほぼ全域が入る。網走や沖縄を除くほぼ全域が入り、朝鮮半島はもちろんのこと、北は極東のロシアから、南は北京から上海などを含むほとんどの経済領域が壊滅してしまうことになります。これが東アジアの状況です。台湾や沖縄で有事が起こった場合には、ちょっと手で描いてみましたけれども、日本列島の半分あるいは中国が、経済圏が壊滅するような状況が起こってくる可能性があります。この狭い領域で戦争を起こすことが極めて危険なことであることが分かると思います。 どうしたらよいのか、どうなっているのかというのを次に新興国のレベルで見てみたいと思うんですが、非常に興味深い動きがあります。アジア周辺大国の地域協力です。 中国は、地域の協力関係を重視して、東ではなく西の方向、クアッドやAUKUSとの対抗を避けて、陸と海の経済投資とインフラ、IIといいますけれども、AIIBですけれども、地球を半周するような経済協力をインフラと経済投資で進めています。様々の問題も起こしていて、ギリシャの港を買い占めたりとかいうようなこともありますけれども、基本的には経済拡大、地域協力でやっていこうとしています。 また、ロシアも同じように、ソ連邦が崩壊してから、スラブ・ユーラシア連合というものをつくり、欧州、アジア、アフリカに石油や天然ガスや穀物の供給で経済関係をつくろうとしている。 更に興味深いことに、十四億のインドも、次のページなんですけれども、周辺協力を、地域協力を行おうとしています。二つの段階があり、注目しているんですけれども、SAARCという南アジア地域連合と、それからもう一つは、BIMSTECと呼ばれるベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブと言われるものです。この度、SAARCの大学に訪問して講演をしてきましたけれども、そこには、アフガニスタンやパキスタン、スリランカの子供たち、大学院生が学び、共にこの地域を発展させるために勉強していたことが非常に印象的でした。 そして最後に、ASEANの地域協力ですけれども、ASEANの重層的なグッドガバナンスというのは世界的にも有名で、国内にも国境線をめぐり対立を持っていますが、経済それからパンデミック、さらには社会保障や政治関係も含めて、教育関係も含めて協力し、世界経済をリードするというような状況が言われています。日本もRCEPやCPTPPなどでこうしたアジアの経済協力関係に加わってきています。 では、どうしたらいいのか、日本がどうしたらいいのかということを最後に考えて終わりにしたいと思います。 以上のように見てくると、日本は防衛準備ではなくて、日本を中心とした平和のハブをつくってはどうか、特に沖縄、台湾を平和のハブにしていくということが極めて重要なのではないかと思います。 東アジアで戦争をしないということを念頭に置きつつ、かつ、次のページを見ていただくと分かるように、沖縄は、中国やASEANや日本を含めて、あるいは韓国を含めて、実に人口約二十億人の巨大マーケットのセンターにあります。そして、歴史的にも、シャムや周りの国々と長い友好関係を持ち、発展してきました。この地域にミサイルを配備するのではなくて、アジアの平和と市場のセンターにしていくことが極めて求められているのではないでしょうか。 中国とも日本とも韓国とも、そして東南アジア諸国とも連携をしてきた、一度もその琉球時代に軍事を持ったことがなかったという琉球王国の伝統を踏まえながら、この地域を平和の地にしていくことというのが極めて大事なのではないかと思います。 きらびやかな文化、芸能の写真がありますけれども、首里城に東アジアの国連をというのが、今私たちが考えている新国際秩序、二十一世紀後半の新国際秩序です。沖縄は、多文化や多芸能、文化都市としての平和のセンターとして近隣国と友好、話合いを継続していく位置にあります。 モデルはあります。ヨーロッパが冷戦の二極化で一番緊張が高まったときに、中立国のフィンランド・ヘルシンキでCSCE、欧州安全保障協力会議というものを打ち上げました。これは、東と西の国々が互いに対話をしながら問題を解決していくというカウンセル、会議の組織だったんですけれども、それが立ち上がって十五年間、冷戦が終えんし、この組織はオーガナイゼーション、機構に変容しました。まさに欧州の危機を乗り越えるための対話の組織、欧州の国連がCSCEとしてあったとすれば、アジアで今危機が高まる中で、むしろ米中のブリッジとしてCSCAないしは欧州の国連を日本がつくっていくことがとても大事なのだと思います。 最後にですけれども、アジア、東アジアは世界の最強の六か国が集っています。アメリカ、ロシア、中国そして南北朝鮮と日本です。誰が戦争を止め、誰が平和をつくっていくことができるでしょうか。もし大国の指導者に任せることが困難であるとすれば、市民や自治体の側からそれをつくっていくことができるのではないかということで、今沖縄の玉城知事が既に自治体外交室を作成して、独自に米、中、韓国、台湾と対話を始めています。このような形で、平和の自主外交を市民からしていくことが大切なのではないかと思います。 最後にまとめですけれども、二十一世紀はアジアの繁栄の時代になっています。脅威ではなくて、平和と軍縮をアジアから、沖縄や日本を平和のハブにし、東アジアの国連を市民からつくっていく。SDGs、誰一人取り残さないという状況を日本がリードしていくことがとても重要なのではないかと思っています。アジア人同士の戦争は、この狭い東アジアで行わない。米欧、ASEANと連帯して平和を学び、EUのように沖縄に東アジアの国連を設け、東アジアで是非ノーベル平和賞を実現したいと思います。 以上です。御清聴ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。 では次に、土井参考人にお願いいたします。土井参考人。
○参考人(土井香苗君) お手元にこちらの資料を用意しております。 ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本の代表をしております土井香苗と申します。 本日、参議院の外交・安全保障に関する調査会におきまして、軍縮・不拡散に関する調査について参考人としてお招きいただきましたこと、ヒューマン・ライツ・ウォッチを代表しまして、お礼を申し上げます。 ヒューマン・ライツ・ウォッチですけれども、独立した国際人権NGOとして、世界九十か国以上で人権侵害の調査活動に従事しているNGOになっております。世界中で人権侵害を調査、記録して、詳細な報告書に取りまとめて発表しております。一年間に約八十冊程度、調査報告書を発表しております。こうした調査に基づきまして、法律や政策、実務の改善を求めるアドボカシーに取り組んで、人権侵害を是正、防止することを活動の目標にしております。戦時下で弱い立場に置かれるマイノリティーや文民から、難民そして困難の中にある子供たちまで、最も大きな危険にさらされている人々を守るための活動をしております。日本国内におきましても、社会的養護、LGBT、スポーツの中での子供の体罰等を調査報告をいたしまして、政策提言活動をさせていただいております。 世界に目を転じますと、大規模かつ深刻な人権危機があちこちで発生している状況です。例えば、ウクライナ、ロシア、エチオピア、中国、アフガニスタン、ミャンマー、北朝鮮、南スーダン、イラン、イエメンなどなどとなっております。私どもの調査も、こうした国々についてたくさんしなくてはならないという状況が続いております。こうした現状を踏まえますと、新たなフレームワークと新しい行動モデルの構築が喫緊の課題と考えます。戦争中であろうと平和であろうと、現代世界の重大な課題と脅威を人権という視点から捉えることによってこそ、危機の根本原因を解明し、それに対処する指針が引き出せるというふうに考えております。 続きまして、二十一世紀における人道的軍縮の推進について述べさせていただきます。 ヒューマン・ライツ・ウォッチは、人道的軍縮型のアプローチに注力し、戦闘員と文民を区別できない無差別型の兵器など、許容できない被害をもたらす兵器に対処してきております。このアプローチは、国家安全保障上の利益によって推進されるこれまでの軍備管理型、不拡散型の取組とは対照を成すフレームワークとなっております。 この人道的軍縮が最優先するのは、人々を支援し、人道上の悪影響に対処することです。人道的軍縮の特徴は、各国の政府、国連機関、赤十字国際委員会、市民社会とのパートナーシップにあります。そこでは重要な役割を果たすのが、私どもヒューマン・ライツ・ウォッチのような非政府組織、NGOとなっております。NGOがグローバルな連合体をつくって、緊密に連携して活動を進めるというやり方が典型的になっております。 具体的に、まず対人地雷について述べさせていただきます。 一九九七年の対人地雷禁止条約、オタワ条約ですけれども、このアプローチの先駆けでありまして、人道的軍縮アプローチの基礎を築いたとみなされております。この条約は、対人地雷を包括的に禁止をし、貯蔵地雷の廃棄を義務付けております。また、人道規定として、埋設地雷の除去や地雷被害者の支援も求めています。 オタワ条約によって何十万人もの人々が命や手足を失わずに済んだということは確実です。これまで日本を含む百六十四か国が条約を批准しています。各国はこれまでに貯蔵対人地雷五千五百万発以上を廃棄しております。日本政府は、二〇〇三年二月、約百万個の貯蔵の廃棄が終了したということです。 日本政府は世界各地での地雷除去作業にも金銭的な支援をしてきました。また、条約を批准していないあらゆる国に対して、できるだけ早く批准を行うよう繰り返し訴えています。こうした行動は、地雷のない世界という共通の目標を達成する上でなくてはならないものと言えると思います。 一方で、日本政府は、このオタワ条約が確立した規範を守るために、対人地雷の新たな使用を非難するべきというふうに考えます。ミャンマー軍事政権が対人地雷を使用し続けていることは極めて大きな問題だと考えます。お手元の資料の中に、私どもが様々なステートメントを発表していますけれども、ミャンマーの軍政が地雷を使用しているということのリリースを含めております。 また、ロシアがウクライナに全面侵攻して一年がたちますが、この間、ロシアが対人地雷を大量に使用していることも極めて憂慮すべき事態であります。また、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、先月、ウクライナ政府が対人地雷を使用した疑いがあるということも発表しております。このプレスリリースの方も資料の中に含ませていただいております。日本政府は、ウクライナ政府に対して、協力的なコンプライアンスの精神に基づきまして、ウクライナ政府に実態調査を促すべきであると考えております。 次に、クラスター爆弾について申し上げます。 二〇〇八年のクラスター弾に関する条約もまた人道的軍縮を代表する存在の一つです。クラスター弾は、子弾を広範囲にわたり無作為にばらまくことで、紛争下の文民に直接的な脅威を与えます。また、あわせまして、多くの子弾が着弾時に起爆をしないために、除去、破棄されるまでに長年にわたる脅威となります。 日本政府は、二〇〇九年、クラスター弾に関する条約をいち早く批准した国となりました。そして、二〇一五年に貯蔵クラスター弾一万四千発以上を廃棄、そして国際法上の重要な義務を果たしたと言えると考えます。しかし、世界におけるクラスター弾全廃はいまだに遠い道のりでありまして、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、日本政府がこの条約を一貫して支持、支援していることに感謝を申し上げます。 現在、百十か国がこの条約を批准いたしました。しかし、中国、ロシア、アメリカなどは未批准です。この十年間、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、シリア政府がロシア政府の積極的な支援を受けて、クラスター弾を大量に使用して文民に被害を与えていることを幾つもの調査報告書を通じて詳しく明らかにしてまいりました。 それであればこそ、ウクライナ戦争で、ロシア政府がまたクラスター弾を発射するロケット砲を広範囲に使用している現実には愕然とさせられます。日本政府は、ウクライナでのクラスター弾の使用を非難して、この条約の普遍化と履行の促進に一層力を入れるべきだと考えます。 次に、化学兵器について触れさせていただきます。 人道的軍縮のもう一つの特徴は、今申し上げたような条約が、国際人道法と国際人権法において、考えられる最も強力な基準の確立を目指しているという点にも認められると考えます。一九七二年の生物兵器禁止条約、BWCが細菌剤や毒素の兵器使用を包括的に禁止しているということもその一つと言えると考えます。 また、このことは、一九九三年の化学兵器禁止条約、CWCでの厳格な禁止にも明らかであります。日本政府など百九十三か国が批准しているこの条約は、極めて多くの国が支持をしている兵器条約になります。この条約は、各国に対して、保有する化学兵器と化学兵器生産施設の廃棄を義務付けております。現在、保有国が申告した化学兵器のうち、実に九九%が廃棄済みであるということには勇気付けられます。 ほとんどの国は条約の規定を遵守しています。しかし、深刻な課題も依然として存在しております。ヒューマン・ライツ・ウォッチは、化学兵器禁止機関、OPCWも指摘しているところですが、シリア政府が禁止対象の化学兵器を使用した事例というものを複数明らかにしてきております。 しかし、化学兵器による一連の攻撃に責任のあるシリア政府の当局者のアカウンタビリティー、すなわち法的責任を追及する試みは全く進んでおりません。次回の化学兵器禁止条約運用検討会議は来る二〇二三年五月に開催をされますが、これは日本政府にとって、化学兵器禁止条約が確立した規範を守り、化学兵器使用に対するアカウンタビリティー、責任追及の取組を支援する重要な機会と考えます。 次に、焼夷兵器について述べさせていただきます。 焼夷兵器は、化学反応によって火災を発生させるため、化学兵器と混同されることがありますが、それとは異なる兵器となっております。ガソリンをゲル化させたナパーム、アルミニウムと酸化鉄の粉末を混合したテルミットなどの可燃性物質を含みます。この兵器の使用は、人に耐え難い重症のやけどを負わせるとともに、文民の住居施設や商業施設、インフラを火災によって破壊いたします。 ヒューマン・ライツ・ウォッチは、近年、アフガニスタン、パレスチナのガザ地区、イラク、シリア、ウクライナ、イエメンで焼夷兵器が使用され、文民が被害を受けたことを調査報告書にて明らかにしております。焼夷兵器の使用は第二次世界大戦に遡り、一九四五年三月の十日は、ここ東京の大空襲で十万人以上を殺害し、筆舌に尽くし難い被害を生じさせたということは御存じのとおりです。 一九八〇年の特定通常兵器使用禁止制限条約、通常兵器禁止条約、CCWなどと呼ばれていますが、この議定書の、第三議定書ですけれども、焼夷兵器の使用を規制しております。しかし、二つの深刻な欠陥があるため、文民を十分に保護することができておりません。まず第一に、焼夷兵器の定義に多目的弾が含まれていません。例えば、白リン弾や発煙弾です。これらもやはり焼夷効果を発揮いたします。第二に、民間人居住地域での空中投射型の焼夷兵器の使用を禁じてはおりますが、一定の状況下での地上発射型の焼夷兵器の使用を容認しております。文民地区での焼夷兵器の使用は、空中投射であれ地上発射であれ、全面的に禁止されるべきであります。 CCWの締約国である日本政府は、第三議定書の有効性をそいでいるこうした欠陥への対処に取り組むべきと考えます。また、二〇二三年にCCWの枠組み内外を問わず、焼夷兵器に特化した議論が行われるように取り組むべきであると考えます。 次に、人口密集地における爆発性兵器について述べさせていただきます。 人道的軍縮における規範というのは、法的拘束力のある文書に限られるものではありません。二〇二二年十一月、日本など八十三か国が、人口密集地における爆発性兵器の使用、EWIPAから文民を保護するための重要な政治宣言を支持いたしました。 この宣言は、都市部での爆発性兵器の使用の制限及び抑制を通じて、文民被害の発生を防ぐための国家レベルの政策と実務を策定、実施することを各国に求めております。 ダブリンでの採択式で発表されたステートメントで、こちらにいらっしゃいますけれども、吉川ゆうみ外務大臣政務官、武力紛争下での文民保護の重要性と国際法の遵守の必要性を確認されました。 日本政府は、文民を最大限保護するようにこの宣言を解釈、履行することで宣言の目的へのコミットメントを示すべきであり、かつ宣言の普遍化のための努力に貢献することができるというふうに考えております。 次に、自律型兵器について述べさせていただきます。 人工知能及び関連技術の軍事的応用に多額の投資を行って、陸海空での自律型兵器システムを開発する国が増えております。こうした開発の行き着く先では、一旦起動すれば、以降は人間の介在を全くなくして目標を選択し交戦する、いわゆる完全自律型の兵器システムが開発されてしまうという懸念には十分な根拠があります。 国連のグテーレス事務総長は、機械単独の判断で人間を標的にして攻撃をするような兵器システムには、国際的な合意に基づく制限を定めるべきだと訴えています。そして、こうした兵器には、道徳的に忌むべきものであり、政治的にも受け入れられないと述べています。世界の七十を超える国の政府と赤十字国際委員会、そしてヒューマン・ライツ・ウォッチが共同設立者となっておりますストップ・キラーロボット・キャンペーン、連合は、こうした自律型兵器の禁止及び制限を定める新しい条約が緊急に必要かつ実現可能であると考えております。 日本政府の立場ですけれども、人間が有意な関与をしない致死性兵器を開発する意図はないと繰り返し述べています。しかし、残念ながら、自律型兵器システムを対象として新たに法的拘束力のある条約の交渉を開始するということについては支持しておりません。 行動規範や政治宣言などの自主的なコミットメントを自律型兵器システムの開発の指針にすることでは、この問題の解決策にはなりません。自律型兵器は、戦争の本質を根本的に変え、武力行使の閾値を下げかねません。 CCWの枠組みでのキラーロボットに関する協議は外交的な行き詰まりを見せております。その打開が必要です。ヒューマン・ライツ・ウォッチが最近の報告書で示しました、こちらもプレスリリースの方を資料で入れておりますけれども、こちらの最新の報告書で示したとおり、人道的軍縮に関する条約の歴史は、より効率的かつ効果的な方法が別にあるということを示しております。日本政府は、人類を守るため、CCWに代わる代替的プロセスで自律型兵器システムを禁止、規制する新条約の交渉を行うという提案を支持するべきだと考えます。 これまでの人道的軍縮の歩みから、重要な教訓が一つあります。CCWのようなコンセンサス方式の交渉ではおおむね成功はしないという教訓になります。したがって、コンセンサス方式とは別の代替プロセスによって、規範を定めた条約、これを策定して実施し、兵器が引き起こす人間の苦しみに対処することこそ目指すべき方向であります。こうした人道的軍縮アプローチこそが、より効果的、包括的で結果も出しているということは既に実証されております。 最後に、人権の新たな国際的な包容に向けてということで意見を述べさせていただきます。 人権危機がもたらす世界的なインパクトについてなのですが、基本的人権と自由の侵害、経済的、社会的権利の剥奪、マイノリティー集団への大規模な暴力、そうした数々の人権侵害の責任が問われない状況、こういった先にあるのが人権危機であります。人権危機がもたらすのは、人道に対する罪、国内避難民や難民の発生、耐え難い苦しみ、無数の残虐行為にまみれた紛争、内戦などになります。 第二次世界大戦がもたらしたおぞましい惨状は、一つの教訓を後世に残しました。そして、一九四八年の世界人権宣言の前文にはこう記載されております。人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えることがないようにするためには、法の支配によって人権保護をすることが肝要である。 各国政府には、自国で人権を守る法的義務が課されております。しかし、各国政権がこの義務を果たさない場合、国内には不満や不安定、そして最終的には危機へと至る不満の種がまかれていきます。人権侵害に手を染めるこうした政権は、阻止、牽制されなければその行動をエスカレートさせ、そして腐敗や検閲、不処罰、そして暴力こそが自分の目的達成のために最も効果的な手段だという信念を強めていくことになります。人権侵害の放置は大きな代償を伴います。その波及的効果を過小評価するべきではありません。 二つ事例を取り上げます。 まずは、ロシアによるウクライナの軍事侵攻です。 国際社会がロシアのプーチン大統領の法的責任、アカウンタビリティーを追及すべく一致団結した行動をもっと早くから取っていれば、今このような事態にはなっていなかったかもしれません。ウクライナ東部で紛争が始まった二〇一四年、シリアでの人権侵害が問題視された二〇一五年、そしてロシア国内で人権弾圧が激化した過去十年間に一致団結した行動を取っていればと考えます。各国政府は反省をすべきだと考えます。 次に、中国です。 中国は、今、日本にとって安全保障上の最大の脅威と言われています。一九八九年の天安門事件に対し、日本政府は西側諸国の制裁にむしろ抵抗する姿勢で臨みましたが、もし日本政府が、一九八九年以降、中国政府の人権侵害の法的責任、アカウンタビリティーを追及して、法の支配を要求するという国際的取組をリードし続けるという対照的なアプローチを取っていたらと考えてみてください。当時の日本のGDPは中国の六倍を超えていました。今とは異なる状況があり得たと考えます。 人権尊重こそ安定への処方箋ということで、今世界各国が取り組むべきなのは、ウクライナへの軍事侵攻に対する国際社会の一致した対応の特に良い事例に学び、これを再現するとともに、人権状況の改善のために、世界各地の危機を解決する政治的意思を倍増させることにあると考えます。 日本政府を始め、人権尊重を掲げる政府には、必要な人権状況の改善が実現するように、政治的なスタミナ、これを使い続け、かつ政治的関心を払い続けるということが必要であると考えます。日本政府にも、意思さえ持てば可能だと思います。 北朝鮮に関して、二〇一三年、当時の安倍晋三首相が外務省に指示を出して、北朝鮮での人道に対する罪の証拠を収集する調査委員会、コミッション・オブ・インクワイアリーといいますが、これを設立するための国連人権理事会での決議案の採択をリードしました。当時、多くの国々はこのCOI、調査委員会の設立までのやる気はありませんでした。しかし、このとき日本政府が指導力を発揮した結果、COIが設立をされ、今では、北朝鮮政府高官らは将来、人道に対する罪で国際法廷に立たされ得る状況になっております。 最後に、この場をお借りしまして、日本政府が人権で世界のリーダーとなるための十か条の提案というものをさせていただきます。 一つが、日本外交を導く実質的かつ強固な政治レベルの文書としての人権原則、計画を作成し、国会で採択をすること。 二、外務省の構造改革を行うこと。予算の増加、ハイレベルかつ強力な専任のヘッドを頂点とするチーム構成で人権外交に当たる。 三番、いわゆるマグニツキー法、人権侵害制裁法を制定を、他国のように制定をしていくこと。 主要関係国について、年次の人権報告書を作成、発表すること。英国、米国、スウェーデンなどのように、こうした報告書を発表するということですね。 人権の守り手及び開かれた市民社会を支援するプログラム及び基金を創設すること。 人道的軍縮を推進する国際的な取組を支援、主導し、外交政策の柱とすること。 普遍的管轄権の概念に基づく、国際法に違反する重大な犯罪行為に関する司法手続を支援、支持すること。 貿易政策を改革をすること。深刻かつ組織的な人権侵害国に対する特恵関税措置からの除外、貿易協定に人権条項の盛り込みを義務付ける。そして、サプライチェーンの問題の改革として、企業に対する人権デューデリジェンス義務というものを法制化すること、強制労働などの人権侵害を伴って生産された物品の輸入禁止の措置を導入すること。 九番、開発援助の政策、構造の見直しを行うこと。 十番目として、庇護希望者と難民の保護に関するグローバルな共同責任、日本への第三国定住を含む、これを受け入れ、果たすことです。 日本は力強い民主主義国家であります。しかし、その外交姿勢については、国外の重要な人権侵害に声を上げるのをためらうという残念な評価が確立してしまっていると言えます。日本政府には、世界で人権を擁護するという自国の責任をしっかり引き受け、日本単独あるいは他国との協力の上で人権侵害の改善に向けた行動を取ること、特に、世界の最も深刻な事態に対処をするということが求められていると考えます。 日本政府には、次のことを是非御理解いただきたく存じております。人権の問題へ注力をするということは、高潔なことでも非現実的なことでもなく、人権は現実主義的リアルポリティークとしての外交政策の核心であるということになります。このことは、日本が二〇一三年に北朝鮮の人権問題を国連で主導したことにも表れていると思います。二〇一三年に日本が果たした役割を歴史の一こまで終わらせるのではなく、今後の日本外交のモデルとしていただきたいと切に願う次第です。 以上でございます。ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。 では次に、目加田参考人にお願いいたします。目加田参考人。
○参考人(目加田説子君) ありがとうございます。 本日は、本当に貴重な場にお招きいただきまして、特に地雷とクラスターの問題について説明をせよということでお声掛けいただきましたので、できる限り時間内に具体的なポイントも含めまして御説明させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 お手元に「人道的軍縮について」というタイトルの資料が届いているかと存じます。今の土井参考人とかなり重複する部分もございますので、その辺ははしょりながら進めてまいりたいと思います。 まず一番最初に、トランスナショナル・シビルソサエティーの顕在化というところから話を進めてまいりたいと思います。 これはどういうことかと申しますと、従来の軍縮のアクターがかなり多様化してきていると。つまり、従来は、政府対政府による外交というものを通じた軍縮ということが主流だったわけでございますけれども、昨今においては、それ以外のアクターというものがそれぞれの役割を果たすことによって、多様なアプローチ、多様な考え方というものが主流になってきているということでございます。 そのトランスナショナル・シビルソサエティーの顕在化というページの一番最後を御覧いただきますと、軍縮の定義の拡大というふうに記しておりますけれども、これは軍縮の守備範囲の拡大というふうにも言えるかと存じます。すなわち、軍縮というものは、ある特定の兵器を規制するということにとどまらず、もちろんそれは極めて大事ですけれども、同時に、その軍縮、その特定の兵器がもたらす被害ですね、そこに着目をし、人道的側面から、例えば被害者であったり、それから、昨今では被害者の家族であったり、あるいは被害を被るコミュニティーであったりというもの全員、全体が被害者だというふうに、ビクティムというふうに捉えておりますので、その全体を支援するというふうになってきております。 更に申し上げると、軍縮というのは単にその二点にとどまらず、環境問題、例えば軍縮、具体的に兵器が環境に及ぼす影響であったりとか、それから、あるいは動物などにもたらす影響、例えば家畜の被害と、今ウクライナでも報告されているところですけれども、そういったことも含めて軍縮ということの概念が膨らんできているということでございます。 この背景には、先ほど申し上げたような市民社会ネットワークであったり、それから、もちろん企業であったり、自治体だったり、被害者であったり、国連であったりという様々なアクターが関わるようになってきたということは非常に大きいかと思います。 次のページに対人地雷禁止条約及びクラスター爆弾禁止条約成立の歩みと国際情勢というチャートを二枚、二ページにわたって掲載しております。これは、どういった時代背景の中で今このような人道的軍縮というふうに特徴付けられるような流れができてきたのかということを御理解いただくために、この斜めの線の右上の方が国際的ないろいろな出来事、そして、その線の下側ですけれども、が対人地雷を中心とした人道的軍縮の流れを簡単にまとめたものであります。また後ほどお時間がある際に御覧いただければと思います。 早速ですけれども、対人地雷について、個別にどのようなことがこれまで過去三十年にわたって進められてきたのかということに話を進めてまいりたいと思います。 対人地雷をめぐる現状一というページを御覧いただければと思います。 まず、規制や禁止条約について、対人地雷は二つございます。一つは、特定通常兵器使用禁止制限条約という、CCWというふうに一般的には呼んでいるものの第二議定書。これについては、もう一九八〇年に既に成立をしておりました。ただし、対人地雷についての規制が非常に緩いということで、実質的に多用されていたようなプラスチック製の地雷等は禁止対象になってこなかったということがありましたので、何とか改正しようという声が盛り上がって、九六年に改正し、九八年に発効したということがあります。 ただし、このCCWの第二議定書も改正が十分ではないということで、より全面的に禁止する必要があるという声が世界的に高まって成立したのが、対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約、通称オタワ条約、あるいはMBTというふうに呼んでおりますけれども、これが九七年に成立し、九九年に発効しております。 こちらは、現在加入しているのが百六十四か国ということで、未加盟国が三十三か国ほどあるわけですけれども、またそちらについては巻末資料の方にもまとめておりますので、またお時間がある際に御覧いただければと思いますが、入っていない主要国としては、まあ大国、アメリカ、中国、ロシア、それから南北朝鮮半島ですね、北朝鮮、韓国、インド、パキスタン、イスラエル等々、あと中東諸国は入っていない国が多いんですけれども、逆に言いますと、これらの国々以外は既にこちらの全面的に対人地雷を禁止しようという条約に加盟しております。 それでは、その実態についてちょっと見てまいりますと、まず使用なんですけれども、これは、そこにウクライナ、ロシアとミャンマーというふうに書いたんですけれども、実は締約国で対人地雷を使用したという疑いが生じたのは今回ウクライナが初めてです。九九年にMBTが発効されて以降、この百六十四か国については対人地雷を使用したという記録は原則ございません。ただ、使用し続けていたのは、ここ数年はずっとロシアとミャンマー、この二か国、世界でも二か国のみです。先ほど、三十三か国が条約に加盟していないというふうに申し上げましたけれども、その中でも大半の国は実質的に使用しておりませんが、ロシアとミャンマーが継続して使用してきた。そして、今回、昨年の二月二十四日以降ですね、初めてウクライナが使用したのではないかということで非常に深刻な疑義が生じているということでございます。この点については後ほど、別途資料を準備してございますので、そちらで説明をしてまいりたいと思います。 それからもう一つ、対人地雷については今非常に深刻な状況にありますのが、むしろ対人地雷そのものを政府が使用するというよりは、ここに書いておりますNSAGsという、いわゆる国内の反政府であったりとか、まあ武装集団ですね、といったような主体が多様に使うようになってきております。これは被害の拡大にも直結した問題で、なかなか深刻な状況にあります。特にミャンマーの場合は、政府ももとよりですけれども、この非国家武装集団が大量に使用しているという現実がございます。 現在生産している国は十一か国というふうに言われておりますけれども、この実態については十分に掌握できていないということが指摘できると思います。御案内のとおり、対人地雷って大変小さいものですし、どこで生産しているのかということを、締約国に関しては、七条報告といって毎年国連事務総長宛てに報告する義務が生じますけれども、締約国になっていない国々、ここに書いてあります中国、キューバ、インド等々については実態が十分に把握されていないところですが、まあ十一か国ぐらいだろうというふうに言われております。 それから、備蓄地雷ですけれども、その太文字のところでウクライナとギリシャが三百六十万個ぐらい廃棄の義務を負っているというふうに書いてございますけれども、これはウクライナが昨年使用したのではないかという疑義が生じているということに直結するんですが、ウクライナは元々、もう、とうの昔にですね、全て保有している地雷については廃棄する義務を条約上負っていたんですけれども、それを果たしていなかったということで、約半分の、元々六百六十万個ぐらい保有していたと言われていたもののまだ半分が残っていたということになります。 それから、汚染ですけれども、少なくとも六十八ぐらいの国や地域で現在も地雷が残されているのではないかというふうに言われております。 除去につきましては、これまで三十か国が完了しておりますけれども、まだまだ、その三十か国を引くと三十八か国と地域ですか、につきましては除去の課題が残っているということになります。 次のページに参ります。 被害ですけれども、少なくとも五十か国で、これは二〇二一年現在ですけれども、五千五百四十四人が地雷あるいは爆発性戦争残存物、ERWの犠牲になっているのではないかということで、この点も、先ほど、政府だけではなくて反政府軍が地雷を使用することによって被害が拡大しているというふうに申し上げたんですけれども、地雷についても、厳密な地雷というだけではなくて、身近で手に入るようないろいろな素材を、造った簡易爆弾であったりとか、それから、その地雷と同じような効力を有してしまうような爆発物などが戦争終結後も残される結果によって被害が生じているということであります。 年齢は民間人、あっ、ごめんなさい、年齢が判明している民間人は、死傷者でいうと約半数ということになりますし、それから、その半数が子供であるということになります。すなわち、これも戦争犯罪あるいは戦争法の違反ということになってくるかと思います。 犠牲者の支援ですけれども、こちらについては、もう本当に地道な活動が多くの人道団体でしたり国際機関などによって進められているところですけれども、慢性的な資金不足ということで思うように進んでいないということと、それから、ここ三年はやはりCOVID―19の影響が非常に大きくて、例えば、従来であればリハビリであったり病院にかかることができたような被害者の方々が、どうしてもCOVID―19の患者さんなど、あるいは治療を優先させてしまう結果、そのしわ寄せで十分な手当てを受けられていないということがございます。 それから、その下に新たな課題というふうに書きましたけれども、先ほど冒頭で申し上げましたとおり、軍縮の定義というものが昨今拡大してきているという流れの中で、例えば、環境へのリスク、兵器の爆発で引き起こされる森林火災であったりとか、二酸化炭素や汚染ガスが放出されるということで温暖化が促進されてしまうのではないかというような懸念、あるいはごみ問題であったり、それから今現在は、地雷原に地雷が見付かった際は、オンサイトエクスプローションといって、その場を動かさずに、その場で爆発させるという処理を行っているわけですけれども、そうしますと、どうしても環境には負荷が掛かるということで、異なる方法が導入できるのではないかというような意見も出ておりますし、申し上げました動物への被害とあるいは家畜への被害ということも、アニマルライツなどの考え方が広まってくる中で新しい視点として浮上しているところでございます。 続きまして、クラスター爆弾をめぐる現状に移りたいと思います。 クラスター爆弾につきましては、対人地雷と異なりまして、兵器が拡散する前に、対人地雷と実質的に同じような被害をもたらしてしまうクラスター爆弾を規制しようということで、ですので、拡散する以前に禁止法ができたということがございます。 そこに書いてありますとおり、クラスター弾に関する条約が二〇〇八年に採択されて二〇一〇年に発効しているわけですけれども、加入が百十か国ということで一見非常に少ないんじゃないかと、対人地雷、百六十四か国ですので、少ないというふうに思われがちですが、そもそもクラスター爆弾については保有している国あるいは生産している国等々が世界に圧倒的に少ないという状況がございます。 使用については、ロシアそしてウクライナが指摘されているところで、ちなみに、ウクライナはこの条約には、クラスター爆弾禁止条約には入っておりません。加盟しておりません。もちろんロシアも入っておりません。 それから、生産は十六か国、今、ブラジル、中国等々で進められているのではないかというふうに見られているのですけれど、その後段に書いてあります、ダイベストメントといいまして、こういった無差別兵器、非人道的な兵器を製造する企業に対しては融資をしないというような流れが昨今、ESGという言葉もSDGsとともに日本の社会でも一般的になってきていますけれども、そういった金融機関など、あるいは機関投資家などの動きによって規制されてきた結果、クラスター爆弾というのはある意味で投資対象としては最大のタブーというふうに言われておりますので、実質的には、新たに生産しているというのは本当にごく限られた国になってきているという状況があります。 なお、移譲については締約国では確認されておりません。 次のページに備蓄弾等々について書いてございますけれども、時間の関係もございますので、ちょっとそこはまた御覧いただいて、先に進めたいと思います。 四、人道的軍縮の特徴というところを御覧いただければというふうに思います。 先ほど土井委員からも御説明があったとおりですけれども、人道的軍縮というのは、個人の生命や生活あるいは人権を重視するという点に非常に注目が、そのポイントがございます。 人間を中心としたアプローチということで、武器が人間や環境に与える影響をできるだけ軽減しましょうということを目指しております。何よりも、被害者への支援、それから汚染地の除去ということが非常に大事なポイントになります。つまり、従来保有している兵器を削減する、あるいは全て廃棄するということでは十分ではなくて、さらに、既に被害を被っているような人々の支援であったり、それから、被害地を元の人間が生活できるような場にしていくということが何よりも優先されるということがポイントです。 それから、その下の国家、国際機関、市民社会、サバイバー間の密接な協力、パートナーシップが不可欠であるということでございます。 そこに関わってくる主体についてまとめたのが次のページでございます。 成功の鍵、人道的軍縮などが成功する鍵というのは多様なアクター間のパートナーシップにありまして、緊密な協力、オープンなコミュニケーションというものが重要になってきます。 政府、市民社会、赤十字国際委員会、国連、サバイバー、世論等々、それぞれに重要な役割を担っているわけですが、特に政府については、志を一にするような国々と外交プロセスを始動し、それから、条約交渉を通じて条約を締結、規範形成、対策実践にコミットしていくということが重要になってまいります。 また、市民社会ですけれども、被害の実態を記録すること、データベースを構築し、障害者やコミュニティーを支援していくこと、そしてもう一つ、これからウクライナでも大変重要になってくるかと思いますけれども、リスクを回避するための教育というものを実践、それから、被害に遭った方の職業訓練、社会復帰を支援するような支援というものも大事になってきますし、その中核を担うのは間違いなく市民社会、そして一部の国際機関であろうかというふうに申し上げられると思います。 ちょっと時間の関係で、次のページはスキップさせていただいて、五、日本における課題と対策というところを御覧いただければと思います。 これは、私が、対人地雷禁止条約が成立される頃からですから、二十六、七年、ずっとこの問題に関わってきた中で実感してきた点をまとめたものなんでございますが、日本政府の対応には条約、分野によってかなりの温度差があるのではないかというふうに感じております。 対人地雷やクラスター爆弾については積極的に関与している一方、その延長線上にあって採択されたと言われる核兵器禁止条約、TPNWについては消極的であると。それから、分野で申し上げると、除去については非常に政府は熱心で、ODAなどを通じて積極的に支援をしていただいているんですけれども、例えば被害者支援、あるいは職業、先ほども申し上げましたけれども、訓練等を通じた社会復帰ということについては消極的であるということ。 しかし、人間の安全保障というのが日本の外交の一つの柱というふうになっている中で申し上げると、その人間の安全保障と親和性の高い人道的軍縮というのは、日本の政府としては積極的に関与が可能な分野なのではないかなというふうに考えております。 それから、その下に、具体的に申し上げると、ルールメーカーなのかルールテーカーなのかということで、これは必ずしも軍縮の分野に限らないかと思いますけれども、国際社会で法の支配あるいは人道主義というものを日本政府が重んじるのであれば、やはりルールテーカーになるのではなくて、ルールメーキングを積極的に行っていくということが極めて重要になってくると思いますし、日本のプレゼンスを高めるという意味においても有効な方法になるかと思います。 それから、他の政策との整合性ということでございますけれども、例えば日本が早々に、政府はウクライナに地雷除去機を提供するということが決定し、ニュースになっておりました。それは極めて重要な支援だと思いますが、冒頭申し上げましたとおり、ウクライナは締約国でありながら、条約を遵守せず、廃棄すべき地雷を大量に保有したままであったということ、さらに、その地雷を今般使用したという疑義が生じているということですので、これは明確に条約に違反しているということを厳しくウクライナ政府に伝えた上で、その上での支援でなければMBT違反になるということを是非お考えいただきたいということがありますし、それから、ミャンマー軍の関係者を受け入れて日本で訓練をしているということが伝えられておりますけれども、これ後ほど、もう時間が過ぎておりますけど、一分だけちょっと頂戴をしてミャンマーについて触れたいと思うんですけれども、ミャンマー軍は大量に地雷を使用し、民間人に多大なる被害が生じております。この辺の整合性をどう取っていくのかという一方で、軍に対する支援というようなことを行いながら地雷を例えば除去するというようなことはどういうふうに両立させていけるのかという、そのコンパティビリティーについて是非、より、何というんでしょうね、高い精度で御検討いただきたいということがございます。 それから、その一番下に政治的リーダーシップということを書きましたけれども、御存じの方も多いかと思いますが、対人地雷禁止条約につきましては、小渕恵三当時の外務大臣ですね、が多大なるリーダーシップを発揮してくださり、当時、日本政府は条約に加盟するということに消極的だったんですけれども、最後に政治的なリーダーシップによって加盟したということがございますし、それから、クラスター爆弾禁止条約についても全く同じパターンだったんですけれども、当時の福田首相が政治的なリーダーシップを取ってくださって条約に加盟するということが実現したということがございます。 ですので、今日の人道的な軍縮を含めた幅広い軍縮等々につきましても、是非政治的なリーダーシップ、それから今日、猪口委員に久しぶりにお目にかかっておりますけれども、当時、クラスター爆弾につきましても多大な御協力をいただき、日本政府が遅れることなく参加することができたということがございますので、是非同じように他の分野につきましても積極的に関与していただきたいということがございます。 時間が超過しておりまして誠に申し訳ありませんが、A4の資料でウクライナとそれからミャンマーというものもちょっと御準備させていただいておりますので、ごくごく簡単ですけれども触れさせていただきたいと思います。 まずウクライナですけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、ウクライナはCCW、それからMBT、対人地雷禁止条約には加盟しております。一方、クラスター爆弾を禁止する条約には入っておりません。 そして、生産ですけれども、二〇〇九年の時点では、対人地雷を過去、現在も製造していないということで、実態としては旧ソ連から大量に引き継いだ旧式のものが大半であるということのようでございます。 それから、使用については先ほど申し上げたとおりです。一方で、ウクライナの今紛争ではロシア軍が最小でも八種類の対人地雷を使用しているということで、これはもう様々なエビデンスが集められておりますので、ほぼ間違いないのかなというふうに言えるかと思います。 これまでもロシア、チェチェンですとかジョージアなどで使用しているということがございますし、二〇一四年のクリミアでも、ドネツク州ですとかルハンスクなどで使用してきております。 また、ロシア製で発見されている地雷については、かなり最近製造されたものというものも発見されておりますので、コンスタントに、そして最新鋭のものも製造を継続しているのではないかなということが言えるかと思います。 一番下のところで、備蓄地雷……
○会長(猪口邦子君) 時間が来ておりますので、おまとめいただければと思います。
○参考人(目加田説子君) ごめんなさい。はい。じゃ、一応、とさせていただきます。時間オーバーして申し訳ございませんでした。 ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) ありがとうございました。 それでは、以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと存じます。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますよう、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるよう御協力をお願いいたします。 質疑のある方は順次御発言お願いいたします。 それでは、永井学君。
○永井学君 自由民主党の永井学です。 三人の参考人の皆様方、本当に貴重なお話を伺いまして、ありがとうございます。非常に勉強になりました。 最初に、土井参考人と目加田参考人にちょっとお伺いをしたいと思います。 対人地雷についてなんですけれども、私の地元、私、地元が山梨県なんですけれども、山梨県の南アルプスにこの対人地雷の除去機を造っている日建という会社があります。カンボジア、ラオス、コロンビアなど世界十一か国、百三十九台の対人地雷除去機を販売しています。 今回のこの皆様方からの意見聴取に当たって、その会社の雨宮社長とお話をする機会を得ました。地雷除去機を造ったきっかけというのが、内戦が終わったばかりの一九九四年に、社長のお父様である雨宮清会長がカンボジアへ行って、そこで出会った、顔にやけどを負って、膝から下を失ったおばあさんが言った、あなたは日本人でしょう、この国を助けてくださいとの一言だったといいます。 数年の苦労の末、幾つかの試作を繰り返しながら、カンボジアとアフガニスタンで第一号、二号が完成をいたしました。この日建の造る地雷除去機、どれも白色なんだそうですけれども、これは、緊急性を明確に表すためと、白は平和の象徴する色であるからという意味も込められているそうです。現地の方は、この白い車体にプリントされた日の丸を見て、安心と信頼を寄せているということです。雨宮社長は、日本の技術が世界の多くの方々の命を救っているということに大きなやりがいを感じているとも話してくださいました。 また、ちょっとウクライナの話なんですが、ちょっと目加田参考人の話を聞いて、ウクライナも地雷があったんだなということを改めて知ったんですが、ちょっと伺った話なんで、ここでまたお話しさせていただきますが、今月の九日に、ロシア軍が埋めた地雷の除去に向け、国際協力機構主催の研修に参加していたウクライナの非常事態庁の職員が山梨県の北杜市にあるこの日建の施設を訪れて、地雷除去を視察、研修しました。ウクライナでは、侵攻からおよそ一年間で地雷除去作業員が十三人死亡して、五十一人が負傷しているということです。爆発物対策の責任者であるデニス・コルニー氏は、作業員は生命のリスクを負いながら危険な作業をしています、ウクライナは、金属片などのほか、草の背丈が高く、低木も多い、この機械で片付けられれば、地雷を安全に発見でき処理できる、技術の高さを評価したいと話していたそうです。 日本政府は、ウクライナへの地雷探知機の供与や地雷を発見する訓練などの支援を進めています。雨宮社長の話では、この対人地雷除去機というのは自衛隊に一台しかないというお話もありました。今回、皆様方のお話を聞いて、改めてこの地雷廃絶に向けて積極的に日本政府も活動をしていかなければならないと思いますが、先ほどの御説明の中にももしかしたらお話があったかもしれませんが、更になりますけれども、地雷廃絶に向けて日本は更にどのような行動を取っていくべきなのか、お二人のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○会長(猪口邦子君) それでは、まず土井参考人、そして続いて目加田参考人、お願いします。
○参考人(土井香苗君) ありがとうございます。 先ほど来、目加田先生もおっしゃっておられるんですけれども、一つは、まず私の発言の中でも触れさせていただきましたけれども、ウクライナの方で、ウクライナ政府が対人地雷を使用したという疑惑について、ヒューマン・ライツ・ウォッチ報じさせていただきました。この点について、今ウクライナ政府というのは認めていないという状況ですので、実態調査を是非日本、協力国として促す、これによって、この対人地雷禁止条約というものの普遍化を進めてきた日本政府の取組というものを一貫したものにしていただきたいというふうに思っております。 今、永井先生がおっしゃったような除去等に関する活動というのは引き続き非常に重要なことであると思いますので、そういったことを続けつつ、ミャンマー軍事政権あるいはロシア政府も使っておりますので、こういったやはり使用に対する強い非難というものも日本政府が併せて声を上げる、先ほど政治的スタミナと申し上げさせていただいたんですが、そういったものを日本政府に上乗せしていただきたい。これがやはり外務省だけではなかなかできないことなのかなというふうに思っておりまして、やはり政治的なリーダーシップがあって初めてできる。これを一貫したものとして、何というか、セレクティブに、どこの国だから言うではなくやっていただけたら有り難いというふうに思っております。 以上です。
○参考人(目加田説子君) 山梨の日建の除去機については承知しております。カンボジアを始め多くの国々で地雷を除去するというところに大変貢献いただいているというふうに実感しているところでございます。 一方で、対人地雷の除去というのはいろいろな側面がございまして、ある程度大きな重機を持ち込んで除去できる場合と、例えば民家の庭先であったりとか、今ウクライナでもそうですけれども、自宅のポストに投げ込まれていたというのは、今回使われているものがチョウチョウ型地雷といいまして、地上発射型、まあ十キロから十五キロぐらいのスパンで、例えばロケットなどで、ロケットランチャーというんですけれども、などで飛ばされて、それで、何というんでしょう、その距離をずっと飛んできて地雷がばらまかれるというようなことがありますので、どこに地雷があるか、発見されるかというのは分からないんですよね。 ですので、今申し上げたように、報告書等読んでおりますと、自宅の庭先であったりポストであったりというようなところでたくさん見付かっているとなりますと、大型の除去機というものがどうしても使えないということになるということが一点と、それから、除去率の問題というのがございまして、例えば、この今の委員会室に一つ地雷がある、あるいは百個あるというので違いがあるかというと、実質ないんですよね。一個でも地雷があった場合は、そこはもう足が踏み入れられない地域、つまりマーキングして、きちっと必ず民間人がそこには立ち入らないということをしなければいけないということになるんですね。ですので、地雷の規模ですとか、それから、実際には地雷がどのくらいの数がどこに集中しているのかというのは、事前のサーベイといって、非テクニカルサーベイというものを実施しなければいけないということがあるんですね。 したがって、除去機だけで除去が全て解決するかというと、除去機というのはあくまでも地雷を安全な、土地を安全なものに戻すという長いスパンの中の本当にごく一部であるということと、それから、これは今後ウクライナなどでどういうふうに議論されていくかというのは分かりませんけれども、地雷除去作業というのはある意味で雇用創出の機会にもなっているところがあるんですね。 とりわけ、例えばカンボジアであったり途上国なんかですと、除去隊員ってレーバーインテンシブな仕事ですので、除去隊員を訓練をし、そして彼らを、彼女らを雇うことによってそこで雇用が創出されるというようなこともございますので、ですので、いろいろな選択肢、いろいろな状況に応じた除去の一つとしてもちろん重機などを積極的に活用していく、その際には積極的に日本政府も財政面での支援というものも御検討いただきたいというふうに考えております。 それからもう一点だけ。背の高い、何というんでしょうね、草なんかが茂っているというような場合には、ブービートラップといって、地雷って上から踏むタイプだけではなくて、わな線が仕掛けられていて、そのわな線に足を引っかけると地雷が起爆するというものがあるんですね。そういったものが特に茂みなどでは仕掛けられていることがありますので、いきなりそこを重機で除去することができるかというと、ある程度草を刈って、そういったわな線等が仕掛けられていないかということを確認しながら進めていくということも必要になってまいりますので、先ほど申し上げたように、組合せが大事になってくるのかなというふうに考えます。 以上です。
○永井学君 羽場参考人にも伺いたかったんですけど、時間がないので、これで終わります。
○会長(猪口邦子君) それでは、羽田次郎君。
○羽田次郎君 立憲民主・社民の羽田次郎です。 今日は、参考人の先生皆様方におかれましては、お忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございました。 まず、トルコとシリアの地震で既に五万人近い死者が確認されておりまして、命のはかなさや尊さについて考えさせられております。そんな中でも世界各地で紛争や内戦が続いている現実に対しては、暗たんたる思いにならざるを得ません。G7議長国として、国連安保理の非常任理事国として、日本が今後どのように国際秩序を構築し、軍縮を進めるべきか、引き続き御意見を伺えれば幸いです。 まず、参考人皆様、全員に伺います。 日本には、他国に比べて非常に自制的な憲法があり、防衛装備品も一定の抑制が掛かっていたと考えますが、昨年十二月十六日の安保関連三文書の改定によって、五年間で防衛費が倍増されることが明記されました。自国民の生命と財産を守る政府は、最悪の事態も想定しながら、周辺国の動向も踏まえて自国を防衛、自国防衛を強化しなければならないという考え方があり、我が国でも一定の理解がされていると思います。 しかし、我が国が防衛力を増強すれば周辺国も強化するという安全保障のジレンマをどのように回避すべきか。核兵器保有国が隣接し、安全保障環境が厳しくなる中での今般の我が国の安全保障政策の大転換に対する皆様の御評価ですとか御見解をお聞かせいただけたらと思います。まず羽場参考人から、意見陳述の順番でお願いできればと思います。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございます。貴重な御指摘、誠にありがとうございます。 まさに今、G7の議長国として、そして広島という原爆を受けた地域において、日本がどうしていくかということが問われているのだと思います。 私の報告でも申し上げたように、現在は、特に二十一世紀の半ば以降、アジアやアフリカの国々が新興国として急速に成長してくる中で、こうした国々とも協力しながら、いかに平和をつくっていくかということが極めて大事なのだと思います。 現在、軍縮が他方で言われる中で、現実には軍拡が広がり、そして二十一世紀、冷戦が終えんしてから、地域紛争が地球の三分の一近くで広がっているとも言われています。そして、そのほとんどがやはりアジアやアフリカないしはラテンアメリカの国々であるということも併せて考えていかなければならないのだと思います。 それに対して、私たちが、今、羽田委員も御指摘いただきましたように、防衛費を増額したり、あるいはミサイルや武器で国を武装していくことで平和を守っていけるのかどうかということについては、まずは国会の場できちんと議論していくことが必要なのではないかと思っています。今、報告でも、沖縄へのミサイル配備とかあるいは司令塔、地下司令塔の話が進んでいるということを申し上げましたけれども、これは、ほとんど国会でもあるいは自治体の議会でも議論されないままに上から来ている要請というところも問題ではないかと思います。 日本は憲法第九条をいまだ持っている国で、先制、防衛、専守防衛ということが基本になっている中、敵基地攻撃能力とか反撃能力ということを前面に押し出して、今年の一月にアメリカと日本で2プラス2で話し合われたように、盾と矛という、日本が盾として防衛しながら、アメリカの矛で守ってもらうという方向から、今矛と矛の方向に変わりつつあります。その矛ということを、果たしてその憲法九条を残したままでやれるのかどうか。これも、やはり国会及び各自治体で議論されていかなければ民主主義とは言えないのではないかと思っています。 確かに、中国も北朝鮮もあるいはロシアも様々な形で安全保障の脅威であることは一方ありますけれども、他方で、経済的に日本は、中国との貿易関係では、四分の一が中国、そしてASEANや他のアジアを含めれば半分がアジアの国々と貿易しているというところがあります。これを仮想敵としてしまうと、日本経済そのものが非常に危うくなってくる、あるいはロシアの石油、天然ガスという資源の問題もあります。 こうした国家と国民が生きていくため、そして経済を発展させるためという側面と、それから安全、平和をどう維持していくかということを併せて考えながら、国民を含めた議論をしっかりやっていくことが大事なのだと思います。 貴重な御質問ありがとうございました。
○参考人(土井香苗君) ありがとうございます。 私ども人権の団体ですので、人権の面からの御回答をさせていただきたいと思いますが、既に私の意見の後半の方で、人権外交が安全保障にとって核心的に重要であるということを申し上げさせていただいたんですけれども、かつ二つの事例ということで、ロシアと中国に対して、もししっかりとした人権外交を国際社会が、そして日本が行っていたら、今の状況というのは違うものになっていたのではないかというような意見を述べさせていただきました。 もちろん、安全保障のための様々な政策というものは必要なんだとは思いますが、それだけではなく、やはり予防していくため、そして、そうですね、まず基本、一番重要なのは、予防していくために人権という観点が余りにも日本の外交政策の中で軽視されてきたのではないかというふうに思っており、非常に残念かつ悔しいと思っています。 一方で、日本の国力というものが以前と比べれば随分弱くなったと国際社会に見られているかもしれませんけれども、引き続き非常に大国であることに違いがなく、人権と民主主義を掲げる国ですので、是非皆様の政治的なリーダーシップをもって日本の人権外交というものを打ち立てていただきたいと思います。 安保理の非常任理事国ということがありましたけれども、先ほど北朝鮮に関して日本が歴史的なリーダーシップを取りましたということを御報告させていただきましたけれども、ただ残念ながら、それが、何というか、維持されていないのが現状であります。今回も、例えば安全保障理事会で北朝鮮に、人権面からこそ、核等だけではなく可能な限りのプレッシャーを掛けていくということが必要だと思うのですが、例えば人権に関する北朝鮮の公開会合というものが開けるんですけれども、手続的に、そういったものへの挑戦というものも行われていない状況であります。エニー・アザー・ビジネスという、その他いろいろという中に北朝鮮問題も入れられてしまっているということでありまして、こういった点におきましても、日本政府が果たせる一つ目の対策というか対応であるかなと思いますので、一歩一歩やれることを全てやっていくというような姿勢に変わっていくということを、そして戦略的に人権外交を位置付けるということですね、そういったことを是非やっていただきたいと考えております。 以上です。
○参考人(目加田説子君) 御質問ありがとうございます。 やはり少しでも、市民社会レベルにしても、国際的な会議であったり、あるいは交渉の場なんかに参りますと、日本の価値がどこにあるのかというと、やはり日本の戦後の平和外交だったのかなということを物すごく意識させられることがあります。 いろいろな、特に東アジアにおきましては、安全保障環境が厳しいというのはそのとおりかと思いますけれども、一方で、やはり日本として今一番欠けているのは近隣諸国との信頼醸成をどういうふうに進めていくのかということだと思います。 例えば、北朝鮮の脅威というふうに意識された場合に、日本として、例えばアメリカだけではなくて、当然韓国とも密接な連携というのも必要になってくるかと思いますけれども、安全保障上以外の歴史的な今までの、ずっと戦後懸念材料として日韓の両国の間に横たわっているような問題の解決ということについてはなかなか積極的だというふうには言い切れないのではないかと。近隣諸国とやはり信頼をどうやって醸成していくのかと、あるいは失われてしまったものについては再構築していくのかということがやはり最優先されるべきではないかなということを考えております。 それから、先ほど人道的な軍縮ということについても触れましたけれども、これは、オール・オア・ナッシングでどちらかを取るということではなくて、先ほどコンパティビリティーについて考えてほしいということを申し上げましたけれども、安全保障問題などに積極的に関与しつつ、人道的な外交が進めるということも、これ当然ですけれども両立する話だと思いますので、そういったことに知恵を絞るということが重要になってくるかと思います。 ただ、先ほど羽場参考人からもございましたとおり、やはり国を武装しているという形で問題を解決していくという方向性については、私、個人的には非常に危機感を抱いているところです。 以上です。
○羽田次郎君 もう少し聞きたいところでしたが、時間となりましたので終わりにいたします。 ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) それでは、高橋光男君。
○高橋光男君 公明党の高橋光男と申します。 本日は、三名の参考人の皆様に貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。 あさってでロシアによるウクライナ侵攻から一年がたちます。そうした中において、我が国が今世界が直面しているこうした危機をどのようにして乗り越えていくのか、そのことが本当に今問われている状況の中で、我が国としてどのように関わっていくべきなのか、そのことを議論するためのこの調査会の場であり、新しい国際秩序を構築していくための方途を考えていく場としていきたいなというふうに私自身も考えているところでございます。 今日お話ありました地雷除去のお話も、私、公明党の地雷対策プロジェクトチームというのの事務局長をさせていただいておりまして、元々、前職外交官をさせていただいた際に、アンゴラで私仕事を始めて、二十七年間内戦した国で、ここにも実は、先ほど永井先生がおっしゃられた日建さん、当時、山梨日立さんという会社で地雷除去機、雨宮社長にも現地でお会いして、今協力も日本が進めてきているところでして、地雷除去のみならず不発弾処理、またさらには、目加田先生からございました地雷回避教育、さらには犠牲者支援、こうしたことをパッケージで日本がやっていくべきだというふうに思っております。 なぜならば、ウクライナというのは非常に食料生産国でもあり、そうした様々、国土が地雷で汚染されていれば開発、復興というものが進まないわけでございまして、世界の食料安全保障にとっても大変重要な課題だというふうに思っておりますし、これから日本としてしっかり関わっていくべきだというふうに思います。 そのように申し上げた上で、先ほども様々議論がございましたので、私はちょっと全体的なお話として、まず目加田参考人と土井参考人にお伺いしたいんですけれども、今回のこのウクライナ危機において、前々回の調査会でも私質問させていただいたんですが、国際法の観点からそのときは聞いたんですけれども、ロシアによる様々な戦争犯罪、また人道に対する犯罪、また集団殺害、ジェノサイドですね、こうしたものに対する、が問われているわけですけれども、そうしたものに対して、非常に、不処罰、いわゆるインピューニティーの問題、この問題を本当に乗り越えていかないといけないというふうに思っています。 なぜならば、規範、すなわち条約とか公約とか、そういうようなものを国際間で作っても、それを破るような、まあロシアのような国が出れば、本来もっと責任を負うべき安保理常任理事国のようなこうした国が言わば異端国家みたいになっているわけでして、そうした国に、他国、独裁国家等が追随していく可能性があると、やっぱりそれを非常に私は恐れるからでございます。 すなわち、このルールブレーカーに対する対応、国際秩序を立て直していくためにはどのようにすればいいのか、この点についてお二人の御所見をお願いします。
○会長(猪口邦子君) それでは、目加田参考人からお願いします。
○参考人(目加田説子君) ありがとうございます。 非常に難しい問題でして、多分ここで数分の答弁で私が何かお答えになるようなことを申し上げることは非常に難しいかなと思うんですが、これまでのこの戦争犯罪を犯してきたリーダー、例えば、ぱっと思い浮かびますのは、旧ユーゴスラビアのミロシェビッチですとか、の裁判につきましても二十年あるいはそれ以上の年月を掛けて、つい昨年ですか、ポル・ポトの当時の幹部の判決が去年終わったところでございますけれども、戦争犯罪を裁くということは簡単ではないですし、そのとおり、ルールブレーカーをどういうふうに処罰していくのかということについてはすぐ答えを持ち合わせておりませんが、もうパーシスタントリー、もう執拗に、絶対に最後の一人まで逃さないという姿勢を国際社会が団結して貫いていくと、それは法の支配できちんと裁くということを徹底するということが一つ大事なのではないかなというふうに思っております。 それを実践してきたのが、例えば旧ユーゴスラビアの国際法廷であったり、あるいはルワンダもそうですし、カンボジアもそうですし、実践してきて、今はCICC、ごめんなさい、ICCという国際刑事裁判所がございますので、幸いなことに、昨年、そういった戦争犯罪と人道に対する罪というようなことが疑われて以降、ICCの、国際刑事裁判所の検察官などが現地に入ってかなり証拠の保全というものは進めているというふうに理解しておりますので、そういった姿勢は、国際社会が、これは思想とか、あるいは、何というんでしょう、イデオロギーとは関係ない部分で、徹底的に人道主義というのを貫きながら団結して立ち向かっていくという必要があるのかなというふうに考えております。 以上です。
○参考人(土井香苗君) ありがとうございます。 非常に大きな問題にまた短く答えるのが難しいんですけど、ちょっと三点だけ話させていただければと思います。 人権の中でも、特にアカウンタビリティー、人道に対する罪、戦争犯罪等の国際犯罪に関するアカウンタビリティーを確保する方法についての御質問というふうに伺いました。 三点としましては、一つは、ICC、国際刑事裁判所の強化というものが必要だと考えております。今回、このウクライナ侵攻によりまして、ICCへの世界的な支持というものが、あと注目というものが高まっております。日本は非常に大きな財政的な拠出国、まあ日本第一位だと思いますけれども、ICCに関して二つ重要なことがあると思っています。 まずは、財政的な支援というのは非常に重要でして、予算を毎年加盟国会合で決めているんですが、ここで非常に、削るとか、マイナスになって、実質的なマイナスになるとか、そういったことに向けての強いプレッシャーがあることが多いです。なので、日本におかれましては、是非、ICCの必要な活動へのお金を付けるという考え方で是非とも世界的な交渉をリードしていただきたいと考えています。 もう一つは、政治的な支持ですね。ICCは、世界中様々なところで起きる国際犯罪に対して普遍的な立場で立ち向かうことが必要になっております。こうしますと、今回はロシア等が標的ですけれども、例えばアメリカ等が問題になることもございます。こういったときに、また、その問題になった国から、あるいはイスラエルとかもそうなんですが、いろんな国からICCに対して政治的なプレッシャーが掛かります。ここで、日本としては、どこの国、そういった政治的なプレッシャーではなく、やはりICCというのは原理原則に基づく組織であるという立場からのICCへの支持というものを揺るぎないものに今後ともしていっていただきたいというのが、二つ、ICCに関しての要望になります。 さらには、私の十項目の提案というのを挙げさせていただいたんですけど、このICCは、非常に重要なんですが、本当に数限られた、特に責任のある人を裁くという目的のために設立されたものでして、その他の関係者を野放しにするということではやはり国際的な秩序というのは保たれないと考えます。 そこで、十項目のうちの三と七が少し本件に関係するんですけれども、七、普遍的管轄権、ユニバーサルジュリスディクションと申しますけれども、やはりICCで裁ける犯罪、加害者には非常に限りがありますので、なるだけその他の場所でも、日本を含めですね、例えば日本であれば北朝鮮の犯罪とかいろいろ、ミャンマーの犯罪とかもですね、関連性がある土地でありますので、被害者たちも日本にいたりしますので、普遍的な管轄権というものを日本を含め世界中で行使していくということが非常に重要であるというふうに考えています。 あと、三番ですね、いわゆるマグニツキー法、人権侵害制裁法ですけれども、これも国際犯罪などの深刻な犯罪を犯した個人に対して金融等の、金融やビザの制裁を科していくという法制でして、多くの欧米諸国が既に制定しているものでありますので、今回のG7議長国に向けて日本でもしっかり制定していく必要があるのではないかということが国際的な世論として高まっておりまして、日本が抜け穴として利用されないように、こういった方向からも一貫した国際法の遵守というものを日本政府に指示していただきたい、そこを是非皆様の政治のお力で実現していただければというふうに希望しております。 ありがとうございます。
○高橋光男君 残り時間少ないですけど、最後に羽場参考人に手短にお伺いしたいんですけど、資料に国連と結んでアジアとアフリカの平和と繁栄をということを述べられて、私もすごく大事なことだというふうに思うんですけれども、今機能不全となっている安保理を始めこの国連をどのように立て直していくのか、この件について御所見をお願いします。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございます。貴重な問題提起ありがとうございます。 先ほどのロシア・ウクライナ戦争とも関連するんですけれども、今G7については基本的にその二つの戦争についての方向性は一致していますけれども、G20、先ほど、昨年はインドネシア、それから今年はインドになりますけれども、この間、三週間、国連とインドとそしてASEANの国々を回って、かなりその温度差が違うように印象を受けました。 ASEAN、それからインドの国々、あるいはインドが今非同盟としてアジア、アフリカをまとめようとしているときに、ロシア・ウクライナ戦争については可能な限り早期の停戦、停戦によって戦後処理をきちんと客観的に行っていくというようなことを言っておりますし、これはグテーレス事務総長も今停戦に向けて動こうとしています。なおかつ、私はヨーロッパの専門でもありますけれども、マクロンやショルツも含めて、まずは停戦、そしてそこからその両者を公平に裁いていくというようなことが提言され始めていますので、G7に加えてG20、それから国連とも結びながら、いかなる方向で平和をつくっていくかということは併せて考えていかなければならないのではないかと思います。その国連が現在機能不全に陥っているというようなお話もありましたけれども……
○会長(猪口邦子君) まとめていただければ有り難いです。
○参考人(羽場久美子君) はい。 それがアジア、アフリカとの話合いの中で調整されることを期待しております。 ありがとうございました。
○高橋光男君 以上で終わります。ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) それでは、松野明美君。
○松野明美君 本日は大変ありがとうございます。日本維新の会の松野明美と申します。 私自身、これまでクラスター爆弾とか対人地雷ですかね、こういうことに関しましては本当にしっかりと勉強したことがなかったものですから、本当に、子供たちや、そして軍事目的だけではなくて、子供たちや、また民間人、そして民間インフラに大きな被害を与えるこういうものというのは本当に怖いものだとしみじみと感じたところでございます。 その中で、まずは土井参考人にお聞きをしたいと思うんですが、そういう中でもこの自律型兵器、ちょっとこの資料にもありましたが、AI兵器ということもあるということですが、私もユーチューブでちょっと見たときに、ロボットとかドローンが攻撃をしていると、まさにあの「ターミネーター」のような世界だなと思いまして、こういう世界になったら一体誰が責任を取るんだろうというような不安もいっぱいになりました。 こういう中で、このことに関しまして世界はどのような議論をしているのか、また日本はどのような見解を示しているのか、お聞かせいただければと思っております。
○参考人(土井香苗君) どうもありがとうございます。 この自律型兵器は、現代が直面する兵器問題の中でも最大級のものだというふうに思っております。このいわゆる自律型兵器、完全自律型兵器というのは、今も既にドローンなどが戦場に投入されていますけれども、それでも誰かが操縦を遠隔でしていたりするものなんですけれども、私どもが特に包括的な禁止を求めていますのは、そういった人間が全く関わらない、起動させれば自分で目標をもう勝手に決めて勝手に交戦するというものになりまして、おっしゃるとおり、そこでもし民間人被害や戦争犯罪などが行われた場合に責任を取る者が不明という状況になります。 先ほど高橋先生の方からそういった戦争犯罪等についてのアカウンタビリティーの重要性というものが指摘されたんですけれども、そもそも責任者不在ということになりますと処罰の対象もいない状況になってきますので、そういった中では、じゃ、一体何が戦争犯罪等を規制するのか、そもそもちょっとパラダイムが変わってしまう状況になっていくということで、非常に危険な状況になるというふうに考えております。 そういったことから、こういった完全な自律型兵器につきましては包括的な禁止をするべきだということで、ヒューマン・ライツ・ウォッチを含め、ストップ・キラーロボット・キャンペーンという、まさにトランスインターナショナルなNGO連合体ができておりまして、既に十年ほど活動して、そういった全面禁止条約というものを作るべく活動しております。 こちらの方の、政府が出していらっしゃる資料の方に日本政府の対応などが書いてございました。六十五ページぐらいですね。で、この日本政府等国際社会で、国際的なこのCCWという特定通常兵器使用禁止制限条約の枠組みの中では、これはLAWSと呼ばれているんですけれども、このLAWSを禁止する条約の交渉を始めるべきだというスタンスを取っている国というのが既に七十か国以上になっております。 私どもとしてはそういった、こういった国とともに新しい条約作りを始めようとしているんですけれども、残念ながら日本政府というのは、自らLAWSをつくる意図はないということを度々言っている面では私ども歓迎しているんですが、この条約作りについては賛成して、条約作りは時期早尚というような立場になっておられています。それがこの説明文書の中からも読み取れます。 ということで、日本の政府には、その新しい条約作りに向けた積極的なというか、まず新しい条約作りを開始するべきだというポジションに是非変わっていただきたいというのが私どもの願いでございます。 以上です。
○松野明美君 ありがとうございました。 続きまして、羽場参考人と目加田参考人に、今回の日本では、防衛費が二〇二三年から二七年の五年間で四十三兆円と、GDP比二%、四十三兆円ということが表明されたんですが、非常に私自身が大きなインパクトがございまして、この日本の防衛費四十三兆円ということを世界から見てどのように評価されているのか、また、世界の動向によってはこの四十三兆円が膨らむ可能性が、足りないという可能性があるのかどうか、お聞かせください。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございます。これも大変重要な御指摘ありがとうございます。 もし今の防衛費が一・五倍なり二倍になって四十三兆円が使われていくとすれば、今、日本の防衛費レベルでは第五位から六位なのですけれども、四十三兆円ということで、数字のレベルで考えると第三位に上がっていくんですね。アメリカ、中国、日本というような形になってくる。さらに、今円安が広がっているので、これがドル換算でいくと四十三兆円では済まなくなる可能性が極めて高いということでありますと、やはり近隣国の不安が広がっているのは事実です。 先ほども御説明しましたように、アジア諸国、特に東アジア諸国で現在不安定化が広がっている中で、日本の防衛費ないしは軍備が拡大していくことで、これまでの築いてきた経済関係や社会関係が揺らいでくる可能性があるというふうに思います。 その点では、先ほども御指摘しましたように、議会で、それから自治体でしっかりと議論して、果たしてこれをやっていくことが日本の安全にとってより正しいことなのかどうかということをまずは国民に問うということが極めて重要なのではないかと思っております。 ありがとうございました。
○参考人(目加田説子君) ありがとうございます。 この防衛費を増額していくということについては、この一・五倍がよいのか二倍がいいのか、あるいは今後、二・五倍、三倍なのかという意味で、ある意味で泥沼といいますか、先が見えないゲームに突入していくことになるのではないかなということを懸念しております。 どのように日本が頑張っても、防衛費を増大させていっても中国に太刀打ちすることはできないという現実の中では、日米安全保障条約を基軸に、先ほども申し上げましたけれども、他のじゃアジア諸国との関係をどうするのかということも含めてですけれども、本当、ハウ・マッチ・イズ・イナフというところがですね、先が見えないのかなというところに大きな不安を覚えておりますし、それから、何よりも日本の防衛費が増大していくということが、御懸念のとおり、近隣諸国との関係にどのような影響を及ぼしていくのかということで、自分たちが安心するということは他国にとっての脅威になると。それはお互いに、中国も日本も北朝鮮もイタチごっこを続けるということになりかねないということが最大の懸念点ですし、ちょっと本日の議題からはずれますけれども、やはり教育に携わっている身からしますと、例えば教育費の、教育予算をですね、より増やしていただけないかと、困窮する学生たちがより学ぶ機会を得られるようにするためにはどうしたらいいのかというようなことの、そういった問題意識を抱きますと、限られたパイをどう配分していくのかという観点からも、今、羽場参考人からも御指摘があったように、もっと広い、平場での議論が必要なのではないかなというふうに認識しております。 ありがとうございます。
○松野明美君 ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) よろしいですか。 それでは、浜口誠君。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 今日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございました。 新しい国際秩序の構築に向けて、それぞれの参考人の皆さんから大変重要な御指摘、提案いただいたというふうに思っております。ありがとうございます。 まず最初に、羽場参考人にお伺いしたいと思います。 参考人の御提案の中に、軍縮を東アジアからやっていくという御提案があります。まさに共感するところであります。日本としてどのような役割を果たしていくことが必要なのかという点と、もう一つ、参考人からは、中国、韓国、台湾などの近隣国と常に連携しながら、問題があっても対立国とホットラインで話し合うと、市民のホットラインをしっかりつくっていくことが重要なんだという御指摘もいただいております。 この市民のホットライン、市民の力ということに対して、我々としてどう受け止めていくべきなのか、参考人の思いも含めて、改めてお聞かせいただきたいなというふうに思います。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございました。本日の報告の核心部分をおっしゃっていただきまして、感謝申し上げます。 そうですね、まず平和をつくっていくということ、軍縮と平和をつくっていくということを、世界と結び、そしてアジアと結んでいくということが極めて大事なのだと思っています。 日本は世界第三位の経済大国であるとともに、アジアの中の成長する国々と手を携えて平和と発展をつくっていく責任があると考えております。その意味では、中国、韓国、それからASEANはもちろんのこと、今回訪れたインドも重要な国であると思っていて、インドは現在、非同盟の代表としての役割を持ちながら、今年、G20の代表として様々な形で世界に問題提起をしていくということを言っております。そのような形で、世界の中の様々な国と多極連携をしていくということが一つ。 それからもう一つは、最後にも申し上げましたけれども、政府レベルでの共同関係とともに、自治体や市民や、あるいはメディアや経済界との連携が極めて重要なのではないかと思っております。今回、経団連が、その中国との経済関係に対してアメリカから忠告があったときに、中国と経団連との関係は続けていくということをわざわざ声明として出しているんですね、二〇二一年の十二月ですけれども。それは、やはりその日本の経済発展にとって極めて近隣諸国との関係が重要であるという一つのサジェスチョンであったと思います。 そのような点で、土井先生や、それから目加田先生もNGOの重要な活動としてなさっていらっしゃると思うんですけれども、そうした日本ではこれまで余り、何でしょう、その政府の動きとして一番重要視されてきたのではない、ヨーロッパなどでは非常に成長しているNGOとの連携、それから市民や経済界やメディアリテラシーとの関係というのが今後極めて重要になってくるのではないかと思っています。その意味では、日本がアジア、アフリカ諸国と、それからアメリカ、欧州などのG7諸国とのブリッジとなって今後の世界での共同関係を発展させていくことが、日本にとっても、日本の平和と安全保障にとっても極めて重要なことと考えております。 ありがとうございました。
○浜口誠君 ありがとうございました。 では、続きまして、土井参考人にお伺いしたいと思います。 参考人の方から、日本政府が人権で世界のリーダーになるための十か条ということで、大変貴重な御提言いただいております。今の日本政府のこの人権に対するポジションを客観的に見てどう受け止めておられるのかという点と、あと、この十か条の中であえて優先順位を付けるとするとどの辺りを優先的に政府として、日本としてですね、やるべきなのか、少しその辺の優先順位付けの観点で御意見がありましたらお話を伺いたいと思います。
○参考人(土井香苗君) ありがとうございます。 日本の政府の世界における人権的な立ち位置の面からしますと、二つあるかと思います。日本国内の人権状況、そして日本政府の人権外交なんですけれども。 日本の人権状況に関しては、いろんなランキングなどもございますけれども、例えばジェンダーとかに注目しますと随分下の方にいたりするのですが、人権状況全体で見ますと、やはり独裁国とかが世界中にたくさんある、戦争も起きているという中で、日本の人権状況というのはおおむね上の方の国々の中の一つというふうに見られているということはあると思います。 また、人権外交につきましても、私は先ほど日本政府に是非スタミナを持っていただきたい、継続的な関心を払っていただきたいと言ったのですが、そういったリーダーであるとは残念ながら見られていないと思いますけれども、一方で、例えば国連の場などでの投票行動などを見ますと、時々問題があるものがあります。非常に政治的な立場から人権の原則と離れた投票行動になることが日本もあるはあるんですけれども、一般的には人権の原則にのっとった投票行動などを取っておられまして、国際社会の中では人権的には歓迎される国であるというふうに思っております。 ただ、日本の立ち位置を考えますと、このアジアの中で主要な人権尊重、民主主義を掲げる国である、そして、こういった安全保障環境も非常に厳しいという中では、日本の安全のためにも、そして置かれた、日本の安全のためにも、地域の安全のためにも、そしてもちろん倫理的なリーダーシップとしてもですね、倫理的な意味でも、そういった問題がない良い国、まあ一般的に言ってですね、そこの立場にとどまることなく、是非、先ほどルールテーカーじゃなくてルールメーカーというような話もありましたけど、そういったリーダーになっていただきたい。そうしないと、やはり日本の、この日本の置かれた安全保障環境も根本的な解決というのは難しいというふうに考えておりますということで提言させていただいたということになります。 何を特に重視するか、プライオリティー付けというのは非常にもちろん難しいんですけれども、まず、本当に無理やりなんですが、二つ挙げますと、一つは第一番の人権行動原則。ちょっと私、これ余りいい日本語じゃないなと今思っていまして、人権外交原則とでもいいましょうか、というようなものを例えば国、国連で、あっ、国連じゃない、国会で採択いただくとか、しっかりとした指針というものを日本政府で定めるということはやはり必要なのではないかと思います。今やはり大きな柱がないので、一個一個の問題を様々な政治的考慮などを含めながら対応を決めていっているというのが現状でして、やはり柱というものがないと外交官も動けないというような状況ではないかなと思います。 あと、もう一個、これ全て重要なんですけれども、あっ、ごめんなさい、二つ、一応モメンタムがあるものとして今すぐにでもできるのではないかと思っていることが二つございまして、一つはこの三番のいわゆるマグニツキー法ですね、人権侵害制裁法。これにつきましては、超党派で、超党派での法文案というようなものも検討がされていると伺っておりますし、一部の党におかれましては既に法案も出しておられるということも聞いておりますので、やはりG7の中で一か国だけマグニツキー法ないということもございますので、G7に向けたモメンタムというものもございますし、それなりのところまでステップが進んでおりますので。あと、とても重要です、人権外交においてということで一つモメンタムがあるかなと思います。 もう一つは、八番の中で四行目ぐらいなんですけど、人権デューデリジェンス義務の法制化と申し上げているんですが、これ、企業に対する人権デューデリジェンス義務の法制化ですね。これは、企業がサプライチェーンの中で人権侵害がないかということをデューデリジェンスするということなんですが、これ、既に昨年の秋、経産省の方がガイドラインを出しました。 ただ、これがまたG7の中で多分一か国だけなんですけど、法制化がされていない状況になっております。ガイドラインだとしてできて、法制化もするべきではないかというような声がこの国会の中でも随分上がっているというふうにも伺っておりますので、これを機会にやはり法制化、法制化しないと、やはり、全ての日本の企業が公平にこれを行うということができなくてやはり不公平が生じるということもございますし、国際的な競争力という面からも世界スタンダードになってきているものでもありますので、こういった二つ辺りは既に動いてきているものですので、早めに実現していただけたら有り難いし、効果も非常にあるものだというふうに考えております。 以上です。
○浜口誠君 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) それでは、岩渕友君。
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。 参考人の皆様、今日は本当にありがとうございました。 安保三文書が昨年末に閣議決定をされて、専守防衛から敵基地攻撃能力の保有ということで安全保障政策の大転換が進められようとしています。それに伴って、米国製の兵器を大量購入するだとか防衛装備移転三原則の見直しが進められようとする中で、こうした動きが大軍拡に向かうもので、今日のテーマでもある軍縮ということについて反するものだというふうに考えています。 そこで、参考人にお伺いするんですけど、まず目加田参考人にお伺いをします。 今日、クラスター爆弾をめぐって、投資に反対するキャンペーン、ダイベストメントの紹介がありました。一方、日本では年金積立金管理運用独立法人、GPIFですよね、がクラスター爆弾を製造する会社の株を保有をしているということで、こういう投融資をやめる、なくしていくということが必要だと思いますし、国としてやめさせていくということが必要だと思うんですけれども、参考人の考えを教えてください。(発言する者あり)
○会長(猪口邦子君) 目加田参考人。
○参考人(目加田説子君) 済みません。 御質問ありがとうございます。 御指摘のとおりでして、日本は、もう五、六年前になりますけれども、条約が発効した段階で、多くの銀行が、あるいは金融機関、その後、証券会社や保険会社も含めてですけれども、クラスター爆弾には投融資をしないという内規を取りまとめまして、銀行も銀行の協会として、全体としてそういった取決めをしておりますので、現実にはクラスター爆弾の製造をしている企業の株を保有するということは実態としてはなくなったんですが、今御指摘いただきましたとおりで、年金基金についてはそれが達成されておらず、我々といいますか、長らくずっと継続的に審議もさせていただいておりますけれども、まあいろいろその制約等があって難しいと、その投資の方法などをめぐってですね、難しいということがございます。 ただ、先ほども申し上げましたけれども、クラスター爆弾を製造している企業というのは今や投資の世界では最大のタブーになっておりまして、これはノルウェー等々欧州から始まった元々は流れでございますけれども、年金基金も含めて、昨今では投融資を禁止するという流れにございますので、是非、我々、本当に大多数の国民にとって切実な、そのとおり年金がこういった非人道的な兵器を製造するような企業に投融資をしないということを明確な姿勢として打ち出していただきたいと。資料にも書きましたとおり、既に十一か国はそういった国内法を整備してございますし、四十か国近い国が世界では宣言をしているということですので、日本政府にも是非そこは積極的に取り組んでいただきたいなというふうに考えているところです。 以上です。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次に、土井参考人にお伺いをします。 政府が今その軍事につながる研究に援助をしたり積極的に後押しをしているという下で、その最先端の民生技術を取り入れた兵器の研究であるとか開発、そして軍事研究を進める動きがあります。科学であるとか技術というものは、本来、人々の生活を豊かにするために使われるべきだというふうに思うんですけれども、こうした動きのその危険性ということについて参考人にお考えがあれば教えてください。
○参考人(土井香苗君) ありがとうございます。 技術というのが非常にすごいスピードで動いておりまして、先ほど申し上げた、触れさせていただいた人工知能などを使ったりしまして、本当に新しい、何というか、脅威が生まれてきているというふうに考えております。そうですね、軍事はもちろんなんですけど、例えば警察とかの分野にもAIなども使われてきておりまして、様々な人権侵害につながってきたりしております。 ということで、軍事の研究等々は必要性があるものもあると思っておりますけれども、ただ、やはり人権面からの精査というものは非常に重要だと思っております。そういった研究等もいろいろなところで行われておりますので、日本政府としましても是非積極的に動いていただきたい。 あるいは、日本の場合はビジネス界も非常にこういった分野での先端的なところもございますので、ビジネス界等も含めてなんですけれども、積極的に、この人権の面からの規制というものを定めることに積極的であっていただきたいというふうに考えています。その最たるものというのが先ほど申し上げた完全自律型兵器なんですけれども、それにとどまるものではないというふうに考えております。 以上です。
○岩渕友君 ありがとうございます。 次に、羽場参考人にお伺いします。 今、ロシアによるウクライナ侵略があり、そして、そうした下で米中対立があおられたり、武器輸出を正当化するような声があるということに非常に懸念を持っています。 そうした下で、今日参考人がお話をされた東アジアをどういう地域にしていくのかというお話、非常に大事だというふうに思ったんですね。戦争をさせないということがやっぱり大事だなというふうに思うので、東アジアをどういう地域にしていくのか、そして、ちょっと先ほど少し議論あったんですけど、日本がそこでどういう役割を果たしていくのかということについてちょっと改めて教えてください。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございます。 先ほどの御質問とも絡んでお答えしたいと思うんですけれども、現在、その安保三文書とか、それから防衛費の増額などを含めて、ほとんど憲法の改正の議論がないままに進んでおります。私、ヨーロッパに住んでおりましたときには、結構司法の側から政策が違憲であるというような提案がなされるケースが多かったんですけれども、今回の場合、その出されている政策と憲法のすり合わせがなされないまま政策だけが進んでいるところに非常に危惧を覚えます。 おっしゃられたように、ロシア・ウクライナ戦争がある中で、なかなか旧来のように国民のレベルで今防衛が危ないというような方向よりは、むしろ防衛していかなければならないんではないかというような動きが、若者を含めて半分を超えているというような世論調査もあります。 ただ、先ほど地図でもお示ししましたように、日本列島が極めてアジア大陸に接近している中で、これが戦争のフロントとなる、仮想敵というのが明らかに指名されながら、その最前線となっていくということは、どのような立場であっても日本国民を危機にさらすことになるので、それを果たして分かった上で受け入れられているのかというところも含めて緊急に議論していく必要があると思います。 第一次大戦というのは、実は、その戦争が忘れられた頃にやってきた。若者たちはほとんど戦争を知らずに喜んで戦争に出ていき、そして帰ってこなかったというふうなことが言われておりますけれども、特に若者たちに対して実態の戦争の教育というものをしていかないと非常に危うい状況にあるのではないかと思います。 もう一つは、その軍事と学問ということなんですけれども、御存じのように、日本は、どの国もですけれども、戦争のときに軍事の拡大に貢献してきた歴史があり、第二次世界大戦が終わってから、日本の学術は二度と戦争に貢献するような学問は行わないということで取決めをしました。 そして、それは三回にわたり継続してきたわけですけれども、今回、その学術会議が再編されるというような方向も出てきていて、確かにDARPAなどを考えると、学問が今ITやAIの時代に入っているときに軍事に協力しないということは、軍事の、何でしょう、最前線、科学的なその発展にとって極めて弊害があるということは確かかもしれないんですけれども、では、どこまで協力できるのか、何が人道的であり、どこが人道を超えていくのかということが議論されないままに軍事と学問のデュアルユースが行われていくことは非常に危険なことだと思っております。 地政学的に日本が戦争に参加していったときに最も危ない位置にあるということは先ほども述べましたけれども、そうした中で、周辺国とともに、また、政府レベルではなくて、一番その周辺国に近いボーダーにあるような自治体や市民たちが直接に隣国と話し合いながら、一体、本当に私たちにとって隣国が危険なものなのか、そして、その危険を取り除くためには何をしていく必要があるのかというのを膝を突き合わせて話し合う場を政府レベルだけではなく民間レベルでもつくっていくことが緊急なのだと思います。その意味で、政治家の皆さん方に是非それを実行していただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○岩渕友君 以上で終わります。ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) それでは、浜田聡君。
○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。 三人の先生方、本日はどうもありがとうございました。 まず、羽場参考人にお聞きしたいと思います。 国際政治学者として大きな観点から世界平和、新国際秩序を考えられているということで、数多く知見いただきました。各国が周辺諸国と地域協力をしている例教えていただきました。 今回先生にお聞きしたいのは、私が注目している上海協力機構というものでございます。今回いただいた資料だと二十七枚目のスライドにあるのかなと思います。真ん中の方のSCOというところで、上海コオペレーションオーガニゼーション。こちら、中国とロシアが中心、歴史的な経緯もあるんですけど、それが中心で、中央アジアの国を巻き込んで、イランであったり、インドであったりというところが入ってきたのだと思います。 インドというのは、私の個人的な主観かもしれないですけど、二股外交をしているようなところもあって、非常に興味深く感じているところでもございます。非常に重要だとは思うんですけれど、私は、軍事同盟としてもですね。ただ一方で、何となく目立たないような気もして、その辺が少し不気味な感じもいたしております。 先生の上海協力機構に関する御自由な御見解をお聞かせいただければと思います。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございました。これも極めて重要な御指摘をいただきました。 報告のときには説明をしませんでしたけれども、今、上海協力機構には、中国、ロシアだけではなくて、インドが、これまでオブザーバーだったんですけれども、正式メンバーとなりました。つまり、中国、ロシア、インドが全て入ると世界最大の地域機構になります。これは軍事だけではなくて経済関係、政治関係も含みますので、見方によっては極めて危険とも言えるかもしれないんですけれども、この国々が合わされば、それこそクアッドやあるいはAUKUSを超える影響力を持つ。そして、先ほどから申し上げているように、インドの場合にはアフリカや他の国々、中央アジアや中東にも今強い影響力を持っているということで考えると、この上海協力機構の影響力は極めて大きいものと思っています。 ただ、この間、中国やインドと特に具体的に話をしてきたときに、インドは現在、平和構築に非常に関心を持っているんですね。G7ではなくてG20の力で現在のロシア・ウクライナ戦争あるいは地域紛争を解決していこうというような姿勢を持っております。そういう意味で、インドと日本の協力によってアジアの主導力で軍縮と平和をつくっていこうという話合いを今回もさせていただき、日本政府及び日本国民に非常に期待を持っていらっしゃったというイメージも持っております。 以上の観点から、その上海協力機構を軍事同盟としてではなくて政治的な、あるいは軍縮のための会議として協力関係をつくっていくためにも、日本がこれに積極的に関与していくべきではないかと思っております。 以上でございます。ありがとうございました。
○浜田聡君 ありがとうございます。大変参考になりました。 次に、土井参考人にお聞きしたいと思います。 目加田参考人とともに人道的軍縮アプローチ取り組まれておりまして、結果も出されていることに敬意を表します。先生の話、理想論なく現実を直視しておりまして、説得力が非常にあると感じております。 先生に対しては、中国についてお聞きできればと思います。 先生の話の中で、中国に対して日本のこれまでの対応ということに関して批判的な評価であると感じましたし、私も同意見でございます。特にお聞きしたいこととしては、現在の岸田政権の対中国の政策の評価で、もし自分ならこうするというのがあれば、それと関連する形で幅広い御意見いただければと思います。
○参考人(土井香苗君) ありがとうございます。 中国に関しては、日本の政府の中国政策に関しては、岸田政権のみではないんですけれども、これまで一貫して非常に弱かった、人権に関しては弱い姿勢であったというのが私たちの考えです。残念ながら岸田政権においても特段の変更がないというふうに見ておりまして、是非ここを変えていただきたいというふうには思っております。 とはいいながらも、約七、八年ぐらい前からだと思うんですけれども、それまでは本当に、公に中国を人権面で批判するということが日本は本当になかったわけなんですけれども、やはり、十年近く前ですけれども、私の見たところは日本政府の姿勢に大きな転換はありまして、そういった公な批判はしないというところから公に批判するということにはなりまして、これまでも人権問題が様々起きた際に、中国や北朝鮮に関しては例外的に日本政府も名指しで批判をするということがあるということは歓迎すべき変化だと思います。これは他国についても是非同じようなスタンダードを適用してやっていただきたいと思っています。ただ、中国政府の行っている人権侵害の度合いを考えますと、公に批判すれば終わりということでは全くないというふうに考えておりまして、本当にやるべきことが様々あります。 で、ちょっと私のこの十か条に戻っていただければ、まずは三番の人権侵害による制裁ですね。金融やビザの制裁というものを掛けていくべき事案、特にウイグルの人道に対する罪等々なんですけれども、様々制裁を掛けていくべき個人、団体があると思います。欧米諸国が掛けていっておりますので、日本も協調してやっていく必要があると思いますし、四番の年次報告書を、別に中国だけに発表せよということではないのですが、日本が例えばODAをたくさん出しているような国や関係する国等々につきまして、やはり日本政府が責任を持った対応をしていくためには人権状況を把握していくということは絶対に必要だと思いますので、こういったことも必要だと思います。 そして、中国、ただ中国政府を批判すればいいというだけではなくて、やはり中国の中で人権を求めて闘っている人たちがたくさんいらっしゃいますので、そういった人権の守り手や市民社会の空間と、何というか、ネットワークをつくっていく、そのためにこそ日本政府のお金とかプログラムをどんどん使っていくということで、中国政府だけではなく中国社会とつながっていくということが非常に重要だと思っております。そういった市民社会の今抑圧されているリーダーたちというのが、中国の政府が法の支配を尊重するような国になった場合にリーダーとして、公式なリーダーになっていくような方々であるというふうに思っております。 その他、様々できることがあると思っているんですけれども、以上が、済みません、雑駁なんですけれども、まずはやっていけることではないかと思っております。 以上です。
○浜田聡君 ありがとうございます。 最後、目加田参考人にお聞きしたいと思います。 時間がないので手短にお聞きしますけれども、ウクライナが最近クラスター爆弾供与を要求したこと、話題となりました。そして、その上でお聞きしたいんですけど、岸田政権のウクライナに対する政策の評価、自分ならこうするというのがあればお聞かせいただければと思います。(発言する者あり)
○会長(猪口邦子君) じゃ、目加田参考人。
○参考人(目加田説子君) ありがとうございます。 事地雷とクラスター爆弾について申し上げれば、いずれも非人道的な兵器として国際法によって明確に禁止されている、これはもう保持、使用、備蓄等を全て禁止されているということで、日本政府は両条約に加入しておりますので、そこは徹底するということ。ウクライナはクラスター爆弾禁止条約には加盟していないですけれども、少なくとも国際社会が禁止している、明確にですね、兵器を使い続けるということ、その結果、誰よりも傷つくのは自国の市民であるということにまず気付いていただきたいというふうに思います。 地雷もそうですけれども、ウクライナ政府が使用した、ウクライナ軍が使用した地雷によって傷ついているのはウクライナの方々だということに立ち戻って、使用については徹底的に禁止をすると。その部分については、先ほども申し上げましたけれども、日本政府も厳しくウクライナの政府に対して問うていくという姿勢を貫いていただきたいと思います。 以上です。
○浜田聡君 終わります。ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) それでは、伊波洋一君。
○伊波洋一君 御紹介いただきました参議院会派沖縄の風の伊波洋一です。 今日は、御三人の皆さん、ありがとうございました。 まず最初に、羽場久美子参考人の方にお伺いしたいと思います。 今日の資料を見て、本当にいろいろと勉強させていただいております。また、沖縄のことについても書いていただき、ありがとうございました。 まず最初にお伺いしたいんですけれども、今、台湾有事を含めて大変な緊張が日本にあるわけですけれども、これ、覇権をめぐる争い、アメリカと中国の覇権をめぐる争いの一つだというふうに思っています。そういう中で、先ほど言われている、ちょうどその覇権のはざまの中にある日本に、その戦争というものが目の前に出ていると思います。 そういう話をする前に、まず、表の五と六、いわゆるこれからの世界の経済の動向、つまり、中国がアメリカを抜く、あるいは、最近米国の投資会社が出した資料を見ますと、二〇七五年の世界は、アジアではパキスタン、あるいはアフリカからナイジェリア、これがトップファイブの中に入っていくような、そういう世界像が示されています。随分変わっていくということがあります。 その中で、日本はどんどん沈んでいくというようなことが明らかになっているわけですけれども、そういう中で、日米同盟を強く言いながら、その近隣諸国と対峙するような今の状況、これがやはり中国、アメリカの覇権を脅かす中で、アメリカが日本に要求していることだと、このように思っていまして、どうなんでしょうか、今この流れは変えようがない、つまり、中国や今発展途上の国々が、インドがアメリカを追い抜いていくということはほぼ確実だというふうなことでよろしいんでしょうか。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございました。 これも大変重要な問題であると思います。おっしゃっていただいた表の五と六を見ていただいても、既に中国及びインドあるいはインドネシアなども含めて、アジアが非常に成長してきているということがあります。 今、伊波委員からは日本は沈んでいくのかとおっしゃられましたけれども、日本もアジアの一員です。そして、現在、日本は世界第三位の経済大国でもあります。この経済を日米同盟だけのためではなくて、アジアとアフリカの発展のために、世界の経済発展のために使っていくことが、日本が生き延びていく、そして日本がリーダーとして尊敬される最も重要な役割ではないかと思っています。 最後に、申し上げなかったんですけれども、アジアの優れた特徴として、勤勉さと、それから経済力と、さらには経済的な技術力、ITやAIの発展力、それから、いわゆる和の力、大同小異に付くというか、小さいことをどけてでも、あるいはイデオロギーを除いてでも、現在の和をつくっていくことが重要であるというようなそのアジアの理念というのは非常に将来に向けて重要になっていくことではないかと思っています。 その意味では、一方で、G7の一員としてアメリカやヨーロッパと結びながら、他方で、成長するアジア、アフリカ、ラテンアメリカと組んで新しい世界のリーダーシップを取っていく能力が十分にあると考えております。 EUからすると、先ほど来人権の問題が上っておりますけれども、一番国際刑事裁判所でそれを守っていないのはアメリカとイスラエルだというふうにも言われています。グアンタナモの問題やイスラエルのパレスチナ攻撃の問題にしても、様々な人権問題は先進国も無縁ではありません。あるいは、最近、日本の入管で行われた外国人に対する抑圧や死亡させてしまうような事件も含めて、人権の問題を先進国も含めて考え直していくということは極めて大事なのだと思います。 このような二十一世紀の後半に向けてアジアの時代が入ってくるときに、私たちはもう一度、世界の一員として、アジアの一員として、どのような安定した世界をつくっていくかということを、G7の観点からだけではなく、世界平和の観点から考えていく必要があると思っております。 今度、広島でG7の会議が開かれますけれども、広島はまさに原爆が落とされた地であり、私自身、その原爆、広島の被爆二世でもあります。その意味では、日本が被爆地において二度とそうした市民を犠牲にする戦争に関与しないという宣言をその場でしていくことは世界的にも尊敬を得る貴重なチャンスになるのではないかと思っております。 以上です。ありがとうございました。
○伊波洋一君 ありがとうございました。 次に、目加田参考人にお伺いしたいと思います。人道的軍縮の問題を通してですけれども。 実は今、安倍政権以来、南西諸島に基地造りがずっと続いてきました。この六年間でおよそ十九の基地やあるいは部隊の再編が、新編が行われ、まさに台湾有事に向けての戦隊は、もう形態は整いました。 その上で、今回のミサイル配備というものがあって、二〇二六年を予定をして、六、七年を予定して、台湾有事があるということを想定する日米の作戦がいろいろ様々に合意されています。一年前の2プラス2協議では、造った基地はアメリカには使わせないといっていたものが共同使用になりまして、それから、今年は更に横浜ノースドックなどや、あるいはまた、全国の空港、民間空港あるいは港、そういったことも含めて柔軟に使っていくということを前提になっています。 そういう意味では、まさに私たちの国の中で、軍縮ではなくて、軍備強化が本当に物すごいスピードでスタートしてきました。今度は更にミサイルということですね。大分や秋田だけじゃないですよね、実際の話はですね、沖縄もそうですけれども。こういう中で、本当に沖縄の県民にとっては、復帰して五十年、今なお全国の米軍基地の七割を占めさせられ、そしていろんなものが、今でも自治体の八〇%が基地に取られている自治体もありますし、およそ五〇%とかあります。これが何も解決されないまま新たなミサイル戦争というふうになっていきます。 防衛白書を見ましたら分かりますけれども、南西諸島でモデルの戦争の仕方がきちんと書かれているんですね、人工衛星も使って、ミサイルも使って。そういうものが、我が国が今向かおうとしていますけれども、私にとっては、私たちにとっては、これは地域や国民の利益ではないと思うんですね。 こういう戦争をつくり出すこと、まさに問われている軍縮、このことは大きな課題ではないか。つまり、日本にとってもそうですけれども、東アジアにとって、あるいはアジア全体にとって、戦争というのは必ず波及しますから、そういったことに対する軍縮の提起というのはどのようにお考えでしょうか。
○参考人(目加田説子君) 御質問ありがとうございます。 非常に大きな問題ですので、一言でちょっと短時間でお答えするのは難しいかなというふうに思いますけれども、ちょっと視点がずれてしまうかもしれませんけれども、私は、この問題は、ある意味で世論の関心ですとか、それから一般の方々たちの問題に対する対処の仕方というものが直接的に表れている部分があるんじゃないかなというふうに日頃感じておりまして、と申しますのは、私のゼミでよく沖縄に学生とともに参りますが、いろいろな現実を知り、そのとおり七〇%以上の基地が集中しているとかですね、そういう現実を知ると、かなり理解度も深まりますし、今の例えばいろいろ物事の進め方等に対しての厳しい視点というのも出てくるんですけれども、そうじゃない一般的な認識というところだと、まあ特に北東アジアの安全保障環境は厳しいので、北のミサイルの問題なんかが強調されるたびに、仕方がないだろうというような考え方が蔓延してしまっているのではないかなというふうに日頃考えております。 それで、先ほど整合性ということも申し上げたんですけれども、本当、一方で、まあこれいろいろな、何というんでしょう、例えば環境であればグリーンウオッシュであったりとか、国連関係のことであればブルーウオッシュというような表現が使われますけれども、これも人道的軍縮ウオッシュというんですかね、そういうようなことが起きて、一方では地雷を除去しよう、あるいはその犠牲者も支援しようというような方針を進めつつ、他方ではそれを拡大する、あるいはそこに油を注いでいくような結果につながってしまうということについてはより厳しく問うていかなければいけないと思うし、問うてというのは、市民社会がやはり厳しく問うていかなければいけないというふうに思いますし、そういった視点で申し上げると、やはり人権問題もそうですけれども、教育の現場であったりとか、それからメディア……
○会長(猪口邦子君) おまとめいただければ。
○参考人(目加田説子君) はい。 の伝え方なんかに非常に問題があるのではないかなということを日頃感じているところです。 以上です。
○伊波洋一君 ありがとうございました。 もう時間もありませんので終わりたいと思います。ありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) 以上で各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。 他に質疑のある方は挙手をお願いいたします。 松川るい君。
○松川るい君 どうも本当にありがとうございます。松川るいと申します。 私自身、日中韓の協力事務局の次長をしていたこともありますし、また軍縮代表部で地雷も含めて軍縮に取り組んでいたこともあるので、お三方の、今日、参考人のお話、大変興味深く聞かせていただきました。 時間が押しておりますので、羽場参考人だけ二問、まあ一問まとめていただいてもいいと思うんですが、お伺いしたいと思います。 御提案として、米中の衝突があってはならない、まさにそのとおりだと私も思いますし、その中心は台湾有事の抑止であろうと思います。その中で、羽場参考人は、沖縄、台湾を平和のハブにということで、そこから円を描いた日中韓、ASEANと連携するという構想を提案されています。 私がお伺いしたいのは、具体的にそれではどうやってこの構想は実現することができるのかということであります。中国に対して具体的にどういうことをすればいいのか、アメリカに対してどうすればいいのか。この前提に、エスカレーションをしているのはアメリカの側であるという前提があると思うんですけど、私は事実は必ずしもそうではないのではないかと思っております。 AUKUSができたのは二〇二一年の九月ですし、クアッドが成立したのも二〇一九年外相会合でありまして、二〇二一年になってようやく首脳会合であります。また、この十年間で中国の軍事力は日本の五倍に拡大をしておりまして、この間、日本は防衛力はフラットであることは御承知のとおりだと思います。また、南シナ海に埋立てを開始したのも、まあ前からやっているんですけど、結構この五年ぐらいが非常に活発でありますし、尖閣諸島についても日本が全く防衛力を減らしていた二〇一〇年以降に活発化しているわけでありますし、ナツナ諸島、インドネシアのナツナ諸島にも領有権を主張してパトロールをするようになったのはほんのここ一、二年なんですね。 なので、本当に、中国がむしろそういった行動をしているがゆえに、ほかの国が中国に対してそういった行動を抑止させるために連携を強めていると言った方が正しいのではないかと私には見えるのですが、そうではないと、軍拡をしているのはアメリカの方の側で、刺激しているのはアメリカの方の側であるというふうに羽場参考人がお考えになる理由を教えていただきたいのが一点。 もう一つは、さっき冒頭申し上げましたように、沖縄、台湾を平和のハブにするこの構想ですね、具体的にどうすればいいのか。じゃ、クアッドをやめればいいのか、防衛力強化をやめればいいのか。どういうふうにしていけば実現に至るというふうな何か具体的なステップについて、御提案の中の、もう少し踏み込んだ御提案といいますか、道筋があれば教えていただきたいと存じます。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございます。 大変重要な、そして現実的な御提案をいただきまして、ありがとうございます。 一点目についてですけれども、私はアメリカだけが軍拡をしているとは申しておりません。米中の軍事対立の中で、両方が、国際政治的には当然のことなんですけれども、両方がその軍事力を拡大する中で、急速に緊張が高まっているということを申し上げております。 なので、その軍拡を止めるためには両方が自制してやっていかないといけないと思うんですけれども、今、新国際秩序としては、クアッド、AUKUS、ファイブアイズの方が先行していて、中国はどちらかというと、先ほども見ましたように経済発展の方に力を注いでいるという現実はあります。 それから、余り日本で報道はされないんですけれども、今、明治期のような状況が起こっていると私は思っておりまして、米軍だけではなくて、イギリス海軍、それからオーストラリア海軍、フランス海軍、ドイツ海軍も含めて、ヨーロッパとアメリカ、オセアニアの海軍がこぞって南シナ海からお台場の方まで、東シナ海まで出てきているということがあります。そして、それに対する中国が軍艦や戦艦を出すとそちらだけが報道されるというような側面もあって、やはり報道がもう少し両極的であってもいいのかな、公正なものであってもいいのかなというふうには思います。 ですから、軍拡というのは片方だけではなくて双方がやっているんですけれども、ただ、一万キロを超えて自由航行を主張してアメリカや欧州からやってくる軍艦と、それから近海を守る軍艦との差というのはやはりあると思っていて、その意味では、東アジアの海、あるいは南シナ海の海をどうするかということについては、アメリカや欧州が決定するのではなくて、近隣国、つまり日中韓や、あるいはASEANと中国やインドなどが話し合っていくことがまず第一に重要なのではないかな、当事者として話合いが重要なのではないかなと思うのが一点です。 その中で、先ほども少し触れましたけれども、G20の会合の中では、インドネシアは中国やロシアに対して必ずしも排除ではなくて、共に話し合うという立場を取っています。これはヨーロッパの会合の原則でありますけれども、対立していても、意見が違っていても両者を引き合わせて話し合うということが民主主義の原則だと思いますので、そういう意味で、ヨーロッパ型の会合がG20によって行われているということは重要なのかなと思っておりますし、日本はまさにG7とも結び、そしてアジアの一国でもあるということで、これらを結ぶブリッジとしての役割は十分果たせると思いますし、アジアの国々からも日本は大変尊敬されている国であるというところで考えると、是非その公正中立な立場を取って、世界、政治、経済、軍事をリードしていっていただきたいと思っています。 二つ目の、沖縄、台湾をミサイル基地ではなくて平和のハブとする、これは私、二十一世紀に入ってからずっと考えてきたことでもありますし……
○会長(猪口邦子君) おまとめください。
○参考人(羽場久美子君) はい。 そうですね、これまで中国や韓国、あるいはロシアの人たちとも話し合って、そうすると、近隣国は全部賛成してくれるんですね。また、日本の防衛省の方にも話をしたことがあります。防衛省の人たちは、共同軍事行動やあるいはホットラインの経験があるので、対立する国との話合いというのは大歓迎だというようなことも言われていました。それを、防衛省や政府のレベルだけではなくて、市民レベルで、あるいは自治体レベルで、政治家レベルでやってはどうかというのが今回の新しい提案です。 それに沖縄県知事は非常に積極的に反応してくださっていて、今、沖縄県が、先ほども触れましたように、韓国や中国やアメリカ、台湾などと独自外交を始めています。是非こうした行動を台湾も取っていただきたいですし、各自治体、中国地方や福岡など九州の方々も、目の前に中国や韓国、台湾があるときに、我々が独自に平和をつくっていくということは大賛成だということで今動いてくださっています。 国政としては目立たないかもしれないんですけれども、自治体レベルで、自らを戦場にしない、自分たちの地方を戦場にしないということで動きが始まっていることはお伝えして、それを是非各地域でも実行していただけたら、そんなにすばらしいことはないと思っております。 以上です。ありがとうございました。
○松川るい君 ありがとうございます。 私も、抑止力の強化と、直接対話といいますか、安心の供与というのは非常に重要な、緊張緩和のためには、エスカレーションを招かないためには重要だと思っておりますので、日中首脳会談とか米中首脳会談、日中、米中のその軍事ホットラインも非常に大事だと思っております。 ちょっと時間の関係もありまして、もうこれ以上はお伺いいたしませんけれども、大分その前提にされているところについてはちょっとなかなか、今の先生の御説明で全部はちょっと納得できかねるところはありますが、本当にありがとうございました。
○会長(猪口邦子君) それでは、三上えり君。
○三上えり君 会派、立憲民主・社民の三上えりです。広島県選出です。 本日は、お忙しい中、貴重なお話を本当にありがとうございます。 一つ御質問を羽場参考人にお願いします。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から一年。繰り返しになりますが、五月に広島、被爆地広島でサミットが開かれます。国際社会が、このウクライナ戦争の終結や核、そして軍縮、軍備管理の分野でどのようなことを議長国日本に期待しているか、被爆二世というお立場、そして平和を発信するという観点からお考えを聞かせていただけますでしょうか。
○会長(猪口邦子君) 済みません、どなたに。
○三上えり君 羽場参考人へ。
○参考人(羽場久美子君) ありがとうございます。 三上先生、非常に重要な御指摘を誠にありがとうございます。 広島でのG7サミットは世界中が注目している場であると思います。それはまさに、今回インドを訪問したときにも言われたんですけれども、アメリカは人道的な罪を第二次世界大戦で起こした、原爆という爆弾を民間の頭の上に二度落としたということをはっきりと申されました。その地でもう一度、今軍拡が始まろうとしているときにG7が何をするかということは、ライジングパワーとしてのインドや中国も非常に関心を持って見詰めていると思います。 やはり最も重要なことは、繰り返しになりますけれども、ウクライナ、ロシアの戦争については、まず停戦をすること。今この時点においても、両方の最新鋭の武器がウクライナの地で使われ、ウクライナの建物が、そして人々が犠牲になり、一日百人ぐらいが犠牲になっていると言われています。また、アメリカによっても、この間、一年間で二十万人が犠牲になったのではないかということがアメリカの参謀本部からも言われています。そのうちの十万人以上がロシア軍であり、一方で、その十万人近い人たちが、民間人も含めてウクライナですね。 つまり、ゼレンスキー大統領はロシアが撤退するまで戦うと言っていますけれども、ウクライナの人たち、自国民を犠牲にしながら、ロシアを追い出すまで本当に戦うんでしょうか。ウクライナは戦争の前においても欧州の最貧国の一員でした。今や様々の重要な資源や環境が破壊され、国民が殺されている中で、このままロシアと戦争を続け、ロシアが撤退するまで戦い続けるということは、国民を守る形にはなっていないと思います。 その意味では、第三世界の盟主である中国やインドやあるいは国連事務総長が主張しているように、とにかく停戦を実現し、そして可能であれば国連の中立軍が間に入って、双方に武器を置かせ、その後、ピースメーキングをしていくということが市民の目線から見たとき最も重要なことではないかと思います。 もしまだ五月の段階でも戦争が続いているようであれば、広島から発信できることは、これ以上市民の犠牲を出してはいけない、まずは市民が安心して住めるような地域をウクライナに回復した後、その上で、ロシアの罪、それからウクライナの一部の罪を含めて総合的に検討していくべきではないかとおっしゃっていただくことが世界にとっても重要なことなのかなと思っております。 これは、ロシア・ウクライナ戦争に限らず、あらゆる紛争がそうですけれども、スーダンや東ティモールやカンボジアの問題についても、明石康さんを始めとして日本は多くの貢献をしてきました。是非、今回もそれを実現していただきたいと思っておりますし、それが広島市、広島県広島市としての使命としても頑張っていただければ有り難いと思っております。 ありがとうございました。
○三上えり君 ありがとうございました。質問は以上です。
○会長(猪口邦子君) それでは、金子道仁君。
○金子道仁君 ありがとうございます。日本維新の会、金子道仁と申します。 本日は、貴重な御講演、ありがとうございました。時間限られていますので、一問だけ羽場参考人にお伺いさせてください。 先ほどの松川先生の御質問に類似するというか、ちょっと続きになりますけれども、資料の二十九から三十二ページのところ、東アジアのこのようなすばらしいビジョンを持っておられる、私もこういった世界が早く来ることを期待するところがございます。 ただ、例えば地域を経済と文化で結ぶ、まさにウクライナとロシアは経済的にも文化的にも非常に近い関係で、戦争が始まるまではまさかそのような非現実的というんでしょうか、全く経済的にはもう理解できないような侵攻を起こしてしまった、それが残念ながら、経済と文化ではなかなか戦争を回避することは難しいんではないか、そのようなことを思わされた次第です。 この一九七五年のヘルシンキ宣言、すばらしい宣言です。国境を変更しない、国境の不可侵、領土保全、こちらもロシアがちゃんと入っているにもかかわらず、こうした法の秩序を破るような時代に今入ってきているのではないかと思います。 そのような中で、どのようにして中国という法の支配をなかなか受け入れていただけないように見える、そのような国をこのグループの中に巻き込んでいくのか、どのように中国に働きかけていくことがこのような法の価値観の共有になるんでしょうか。 先ほど軍艦の話が出ましたけれども、私は近海とか遠海とかそういうことではなくて、領海に侵犯してくる、国際法違反を繰り返すということが問題であって、また南シナ海で実力によって実効支配を確立していくことで領土を広げていくということ自体が問題であって、距離の問題ではないと考えるんですけれども、そのような実例を重ねている隣の大国をどのようにして法的な価値観を共有する仲間として迎えていくことができるのか、その辺りのお考えをお聞かせください。
○参考人(羽場久美子君) どうもありがとうございます。これも大変重要な御指摘、感謝申し上げます。 中国ですけれども、国際政治として合理的に考えたとき、六年後に中国はアメリカを抜くとイギリスのシンクタンクが言い、経済的にですね、そして、それを世銀やIMFが承認しているという時点の中で、現在、何もしなくても経済的にアメリカを抜ける中国が、あえて台湾に侵攻し、ロシアのように世界中から孤立して、それでも小さな台湾を領有する行動に出るかというと、私はその可能性は極めて薄いのではないかと思っています。 それから、沖縄との関係についても、この二千年間、ADに入ってからの二千年間で、中国が沖縄や台湾に侵攻しようとした歴史はありません。 沖縄は、先ほども言いましたように、一四〇〇年代から一八〇〇年代にかけて、冊封体制という形で中国に貢ぎ物をしながら共有していく、中国との関係を継続していくというような行動を取ってきましたので、歴史的に、中国が台湾や沖縄にアメリカが言うようにあと六年以内に入ってくるという可能性はないと思っております。逆に、六年以内ということをなぜアメリカが強調するのかというと、六年後にアメリカが中国に抜かれるという事実があるからですね。 アメリカにとっては、中国にその覇権を譲られ、そして、アメリカのその民主主義、自由主義、そして市場経済の秩序を脅かされることについては非常に強い脅威があるのは分かります。でも、日本がこんなに目の前に中国や北朝鮮やロシアがある中で、そのアメリカの秩序を守るためにアジアに身を張って戦うべきかということで考えると、私自身は、国際政治学的な、地政学的な観点からしても、非常に日本は危うい地位にあるんだと思います。むしろ、その戦争との関係で考えても、目の前にある敵に矛となって戦うような姿勢を取らないことが日本にとっての、日本国民にとっての、日本国にとっての利益なのではないかと思っています。 そのように考えると、価値として、自由と民主主義とそして市場経済を守るという立場をアメリカやヨーロッパとともに引っ張っていくという日本の立場はとても重要だと思っていますが、他方で、軍事戦略として、それを守るために最前線でロシアや北朝鮮や中国のような核大国に沖縄や大分にミサイルを配備することで果たして勝てるかということで考えると、それをやるのは余りにも無謀で意味がないことではないかと考えております。 軍事的に考えても、私たちがやっていくべきことは、中国の兵法に三十六計逃げるが勝ちというのがありますけれども、軍事的な対抗の真っただ中に、最前線に、小さな軍事力で、中国のその数十分の一の軍事力で戦って死ぬことを選ぶのか、それとも、そこからの富を共有しながら、中国やインドや、さらにはアメリカやヨーロッパとともに世界経済を引っ張り、日本の非常にバランスの取れた政策を世界で評価していただく方を選ぶのかということで考えると、後者を取っていった方が日本国にとっても日本国民にとっても利益になるのではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。 以上です。
○金子道仁君 ありがとうございます。質問は以上にしたいと思います。
○会長(猪口邦子君) 予定の時間も参りましたので、参考人に対する質疑はこの程度といたします。 参考人の皆様には一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。調査会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四分散会