政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2023/05/19
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから政府開発援助等及び沖縄・北方問題に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、新妻秀規君、友納理緒君、田島麻衣子君、河野義博君、大家敏志君及び今井絵理子君が委員を辞任され、その補欠として秋野公造君、中西祐介君、大椿ゆうこ君、宮崎勝君、田中昌史君及び藤井一博君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、沖縄振興等に関する件について、沖縄国際大学経済学部教授前泊博盛君及び一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー会長下地芳郎君を、北方領土問題に関する件について、公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟理事長脇紀美夫君及び防衛省防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長山添博史君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のうち、沖縄振興等に関する件を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、前泊参考人、下地参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず前泊参考人からお願いいたします。前泊参考人。
○参考人(前泊博盛君) 今日はお招きをいただきまして、ありがとうございます。 沖縄はちょうど復帰から五十一年の節目を迎えた直後でございますけれども、今日皆様に資料をお配りをしてありますが、まず、沖縄経済の現状と課題、展望ということで資料を準備させていただきました。 たくさん解決しなければいけない課題があります。五十一年を経ているんですけれども、最大の課題は、やはり沖縄の低所得の問題があります。四十七都道府県の中で、沖縄はこの五十一年前からずっと低所得のまま放置されている問題があります。 沖縄振興計画ということで、五十一年間、これまで十三兆五千億円ほどの国費を投入してまいりましたけれども、人口で一%、面積で〇・六%程度のこの沖縄の振興になぜうまくいっていないのかというところが大きな課題であります。 皆さんにたくさん審議をいただいていますけれども、残念ながら、そういう部分ではまだまだ課題がたくさんある沖縄であります。 この中に入れましたように、まず失業率でも全国ワーストですね、離職率もワーストレベルです。それから、無業者の率でも、若い人たちの無業者の比率が非常に高いという。そういう意味では、新しい仕事をたくさんつくっていかなければならないという課題を抱えています。それから、非正規率ですね。仕事にありつけても非正規率が非常に高い、四四%ほどが非正規という、こういう数字があります。これも全国ワーストレベルになっています。それから、廃業率というのも高くて、実は開業率は全国一位なんですが、廃業率も全国三位という、ワーストの方に入っています。 これ、今日、追加資料で皆様にお配りをしてありますけれども、百の指標で見る沖縄ということで、沖縄県がこの四月に新しいデータを出しておりますので、このデータの方を見ていただければ、一位と四十七位が混在をしておりますので、是非一位と四十七位に注目をしていただければというふうに思っています。所得については四十七位のままということになっています。 それから、高離婚率。この離婚率の背景に何があるのかについても、是非この委員会の方でも調査をしていただきたいというふうに思っています。この離婚率の後で生じるのが、母子家庭、母子世帯の比率が非常に高い、それが非常に貧困に陥るケースが高いという課題を抱えています。 このエンゲル係数が高いというのは、所得の関係があってどうしても高くならざるを得ないというのがあります。これ、学生たちも今お弁当を買って食べるんですけれども、二百五十円とか三百円の弁当ですね。中身を見ると、もう揚げ物が中心です。こういう若い世代で揚げ物を中心に食べていると、かつての長寿県沖縄が崩壊した理由が分かるような気がします。今はもう三十位台まで、あのトップだった長寿県も崩壊をしつつあるような印象を持たれています。 それから、この母子世帯の比率の高さが子供の貧困率にもつながっています。是非、子供が貧困なわけありません、子供を持っている世帯の貧困の問題をどう解決をしていただけるかというところの課題が、まさにこの沖縄問題に関する特別委員会の課題だというふうに思っています。 それから、低進学率。低いという数字でいうと、進学率が非常に低いです。全国五八%の中で沖縄は四〇%程度という、一八ポイントほど低くなっています。これ、大卒の進学率が低い、高卒の進学率も低いんですが、この進学率の低さがそのまま所得の低さにつながっている部分もあります。 進学率をどう上げていくかというところでは、沖縄は島嶼県ですから、離島から出るというだけで、十五の春でまず家計の負担が大きくなります。それから、本土に進学をするということになると、こちらに家があれば五百万、六百万で済んでも、沖縄から出ると一千五百万円ほどの負担になってきます。この教育費の高さというのが大きな課題になってきます。是非、この人材育成という部分では、進学率を上げるためのサポート体制をどう取るかというのがあります。 苦労して進学をしても、低賃金、低所得、低貯蓄が、あるいは低就職率が待っているような沖縄です。戻ってきて食べていけるような仕事に就けるのかどうか、そういう意味では、企業の求人率も非常に最低レベルで、残念ながら伸び悩むというところはあります。 それから、この低持家率。このランキング表にもありますけれども、沖縄は実は四十七位です。東京が四十六位です。この高物価の東京よりも持家率が低いという沖縄の現状をどう理解すればよいか、こういうところがあります。所得の問題、これは恐らく、高齢者になれば貧困に陥る原因の一つにこの持家率の低さというのが出てきます。この解決も是非この中で議論をいただければというふうに思っています。 それから、高格差社会ということで、低所得でありますけれども、一千万円以上の高額所得者の比率では八位とか九位というところに上がるという数字もあります。そういう意味では、持てる人と持てない人の格差も大きいというのが沖縄の課題ではないかという指摘もありますので、是非この辺りについても御審議をいただければというふうに思っています。 文書に落としたのが、以下、米印に書いてあるところです。 この高賃金で雇用の安定度が高い第二次産業の比率が全国最低レベルという。これ実は、サービス産業化が沖縄は進んでいまして、このサービス産業の比率では東京に次ぐ第二位ということになっています。あるいは、東京を超えるぐらいのサービス産業化が進んで、これが所得の中でどういう影響があるかというところで、皆さんにお配りした資料の中でも、実はこのデータで見ると、観光業あるいは飲食業のところで、これは月給ではありませんけれども、所得階級別の産業別有業者数を見ると、ちょっとデータが古いんですが、緑の部分の数字は、実は宿泊業と飲食業です。これは九十九万円以下に一万七千人ぐらいの就業があるというところで、ある意味では、今日、下地会長がいらっしゃっていますけれども、観光業の高付加価値化というのが非常に大きな課題と言えるのではないかというふうに思っています。 働きたくても仕事がない高失業県、ようやく就職ができても給料が安い低賃金県になっている、全国一、二を争うような長時間労働といった問題もあります。こういったところをどうクリアするかというところで、課題が山積している辺りを是非皆さんに見ていただきたいというふうに思っています。 はしょりますけれども、公共事業の依存。これも、沖縄に対して十三兆五千億円ほどの復帰後の公共事業あるいは沖縄投資が行われましたけれども、残念ながら歩留り率が非常に低いという指摘があります。四八%ほどは実は本土のゼネコンに還流をしてきたというところでいうと、皆さん一生懸命予算を付けていただいていますけれども、歩留り率が悪過ぎるという問題があります。地元企業にとっては、これだけのお金が入ってくるけれども、実際にはほとんどがだだ漏れ状態で、外に漏れていってしまう。このざる経済の問題についても是非御審議をいただければというふうに思っています。 それから、基地依存経済。これも、私も基地経済、軍事論も研究をしておりますけれども、基地がもうかる時代からはるかに遠のいてしまっているのが現状です。 今は、この数字の方で入れましたけれども、普天間基地、一ヘクタール当たり二千万円ほどの収益になりますけれども、実はもう宜野湾市の外の方の数字で見ると、民間経済では一億四千五百万円という七倍ほどです。これは、キャンプ・キンザー、浦添市のキャンプ・キンザーに至っては十倍ほどの開きがあります。これだけの不経済、基地があることによる逸失利益が非常に大きな時代になってきている。しかし、沖縄は基地がなければやっていけないかのような印象を持たれている方も多いと思います。この基地経済についてもしっかりと御議論いただければと思っています。 それからもう一つ、基地の返還跡地の成功。これは、皆さんも沖縄に視察に行かれたときにたくさんの跡地利用を御覧になったと思います。那覇の新都心あるいは北谷の美浜、この辺りはもう若者にとって観光地としてどれだけ栄えているかということです。返還後、百倍あるいは三十倍という形で基地収入をはるかに上回るような経済効果を生み出しているというところでは、この平和のために、反戦平和のための返還運動から、経済的な利益を得るために基地を返してくれという要求が高まってきているということですね。 米軍基地は、今、地質学的に見ても、大半が岩盤の上に造られているんですね。ペリーが来たときに調査をして、しっかりと岩盤地域を押さえて基地を造る、その他の軟弱地盤のところに住民が住むという形になっています。返された跡地の発展可能性を考えたら、この基地の跡利用についても、不要な基地については返還を促進をして、そして新しい町づくり、あるいは新しい観光地としての発展を図ってほしいというふうに思っています。 ほかにもお伝えしたいことはたくさんありますが、質疑の中で御紹介ができればと思います。 ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 次に、下地参考人にお願いいたします。下地参考人。
○参考人(下地芳郎君) 皆様、こんにちは。沖縄観光コンベンションビューローの下地でございます。本日は貴重な機会を与えていただき、心から感謝申し上げます。 今、前泊先生から沖縄経済全体についてのお話がありましたけれども、私の方からは観光の現状について皆様にお知らせをしたいというふうに思っております。 皆様のお手元に準備しております二種類のペーパーなんですが、A4縦のところで、最初の沖縄観光の現状ということで、沖縄観光を考える場合に大きなその歴史的な節目でいくと、戦前、そして戦後、本土復帰後、そして二〇〇〇年サミット後と、そういったこの大きな節目節目がありますけれども、今、コロナ前まで順調に伸びてきた観光がこの三年間大きく落ち込んで、今はそこからの回復の途中というふうになっております。 皆様のお手元にA4横のパワーポイントの資料を付けておりますけれども、これがざっくりと分かりやすい資料ですので、これを見ていただければ、一番最初のページに本土復帰後の観光の流れを示しておりますけれども、本土復帰当時、六十万人程度だった観光客が、二〇一八年、一九年には一千万人まで成長をいたしました。 先ほど、前泊先生からのお話の中で、県経済、非常に苦しい状況が全国比較の中ではあるというふうなお話がありましたけれども、その中でも沖縄経済を支えるリーディング産業としてこの五十年間発展をしてまいりました。 次のページに、これは、旅行消費額をGDPと比較すると、これは本来の比較の数値ではないんですけれども、全国の旅行消費額がそれぞれの自治体におけるGDPにどれぐらいの比率を占めているのかというのを説明する際によく使っております。 沖縄県に関しましては、旅行消費額がコロナ前の八千八百六十四億円、これがGDPの四兆円ちょっとぐらいの数値からいくと、一九・一%ぐらいになります。四十七位の埼玉県だと一・一%というふうになっておりますので、それぞれ県によって大きくその観光産業のそれぞれの地域経済における割合が違うというふうになります。 もう一枚めくっていただくと、先ほどの数字を少しチャートにしてみていますけれども、圧倒的に沖縄県のその地位というのが、この消費額がGDPに占める割合が非常に高いと。東京都は観光客が非常に多いわけですので観光収入は非常に突出して多いんですが、東京と全体のGDPに占める割合となるとこういった数字になると、全国的に見ると五%台ぐらいが中心というふうになっております。 こういった状況ですので、コロナ禍の中で観光が非常に苦しい状況になっているということを全国の知事の皆様が全国知事会でよく申し上げておりますけれども、結果として見ると、それぞれの県にとってのその観光産業の位置付けというのが大きく違うと。そういう中で、沖縄は、コロナ禍における観光への影響は非常に大きな、甚大なものがあったと。みずほ総合研究所でも調査をしておりますけれども、全国の中で一番県経済に及ぼす影響が大きかったというふうな発表をしております。 最後のページに、そういった中ではありますけれども、沖縄県内における宿泊施設の整備はどんどん進んでおります。現在でいくと、約十七万七千人ほどが滞在できる状況までなってきておりますけれども、今年、来年、再来年と更に新たなホテルが大小できることになっております。そういう意味では、その量と質のバランスをどう取っていくのかというのは極めて大事なタイミングになってまいりました。 資料に戻っていただいて、後半のところに、現在の沖縄の観光の状況ですけれども、ようやく国内の観光はコロナ前に近づいてまいりました。全国旅行支援等の効果もありますけれども、まだ国際観光が地方は戻っておりません。政府の発表等で見ると、コロナ前の七割近くまでインバウンド戻ったというお話がありますけれども、沖縄に関しましては、直行便の再開が遅れているということもありますけれども、まだ二割から三割程度と。その要因の一つに、空港内における人手不足が解決できないと。海外の航空会社からは沖縄就航の依頼はありますけれども、沖縄側で受入れがなかなかできていないと。そこでなかなかインバウンドの戻りが遅れているというふうな状況があります。 それ以外にも、二次交通の問題等も書いておりますけれども、今年は、二〇二三年八月にFIBA、バスケットボールのワールドカップが沖縄で開催をされることになっております。フィリピン、インドネシア、日本、日本の中では沖縄で開催されることになっておりますので、今バスケットボール、非常に人気ですので、今年の夏は私どもも世界に向けて発信する絶好の機会だというふうに捉えております。 二枚目に、これからの沖縄の観光について少し書いております。 先ほど申し上げましたけれども、国内、海外から沖縄への旅行、観光についての関心は非常に高いものがあります。ここから、改めて県経済の回復に向けて観光が大きな役割を果たしていくべきだというふうに考えております。 これから取り組むべきテーマというのが、非常に多岐にわたっておりますけれども、国際観光の回復、あとは経営の問題、人手不足対策、ここが実は今本当に喫緊の課題となっております。観光客は大勢いらっしゃっていますけれども、ホテルも一〇〇%の稼働ができずに、五割、六割にとどめないと経営ができないと。そういった状況の中で、どういうふうにこれを解決していくのかというのが今の喫緊の課題となっております。 ほかにも、持続可能な観光、これは世界的な流れでもありますので、環境をしっかり保全できるような仕組みというのも求められております。 二次交通の改善、これも、これまでレンタカー中心の沖縄観光でしたけれども、やはり今後のことを考えますと、車を運転しない人たちも増えてきておりますし、やはりバスやタクシーを含めた二次交通の整備をこれから改めて強化しないといけないというふうに思っております。 沖縄観光の業界の地位向上のためにも、先ほど前泊さんからもありましたけども、やはり高付加価値型の観光に持っていかないと観光産業の給与が上がっていかないということもありますので、新たな観光コンテンツの開発も含めながら、沖縄観光の質の向上というのがこれからの大きなテーマだというふうに思っております。 今後強化すべき観光政策、これを国、政府への要望という形にまとめてありますけども、やはりこのコロナの中で観光業界、非常に大きなダメージを受けております。グローバルリスク報告書という中でも、今後も、気候変動を含め、感染症を含め、様々なリスクがあるだろうと。そういう中で、改めて今回のコロナ対策、特に経済対策、観光対策を検証していただいた上で、改めて次に備えるというところが一番大事ではないかというふうに考えております。 二番目に、観光の意義の発信ですけども、これは一とも関連しますけども、このコロナ禍の中で観光産業のイメージが大きく損なわれてしまいました。政府が進める観光立国推進基本計画の中でも、観光は成長戦略の柱だと、地域活性化の切り札だというふうに明言をしておりますので、改めて観光の役割、意義というものをしっかり訴えていただきたいというふうに思っております。 三番目に、インフラ整備。これも、時代とともに、本土復帰後進めてまいりましたインフラも更新の時期だったり、那覇空港も世界水準に持っていくためには改めて再整備も必要になっております。基地の跡利用も観光振興の視点から見ると極めて大きな発展可能性を持っている地域が多々ありますので、こういった地域も含めたインフラ整備が重要だというふうに考えております。 四番目、今まさにサミット、広島で開催しておりますけども、今年の広島サミットだけで終わることではなく、今後も国際会議、日本で頻繁に開催していく必要があるというふうに考えております。沖縄も二〇〇〇年サミットを契機として観光が大きく発展をしてまいりました。次の時代に向けても、沖縄でも是非国際会議を開催していただければというふうに思っております。 五番目、観光人材の確保は、先ほど申し上げました空港のスタッフの問題もありますし、特定技能の二号の拡大の話もありますけども、まだまだ十分な確保ができていない状況です。 最後に、観光産業の生産性向上のためには、デジタル化、DX化、これは極めて重要な視点になっております。沖縄の中でも情報通信産業の振興に力を入れておりますけども、特に中小企業のDXを進めていくことが、生産性を上げ、収益を高める大きなきっかけになるものというふうに思っております。 最後に、観光は平和へのパスポート、これは観光に関わる者が常に心している言葉でありますけども、一九六七年に国連が国際観光年の中でこのツーリズム、パスポート・ツー・ピースということを訴えております。今後、沖縄も平和交流拠点として発展をしていくために観光を重要だと思っておりますので、皆様の御支援をいただきたいというふうに思っております。 以上です。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○臼井正一君 千葉県選出、自由民主党の臼井正一でございます。 両参考人におかれましては、大変遠くから私どものために、御意見を伺うことができまして、本当にありがとうございます。 先ほど前泊参考人からもございました、去る五月十五日で沖縄の復帰五十一周年ということでございました。 実は、私の祖父が沖縄復帰時の総理府の総務長官を務めていました。当時、その復帰の前に実は落選をしたんですけれども、有権者の方から、そんなに沖縄が好きなら沖縄から立候補すればいいっぺということを言われたというようなことでございます。また、私の父が橋本政権のときに防衛庁長官を務めておりまして、普天間基地の返還が決まったというのも私の父のときで、そんな御縁から私も、平成十五年から県議会議員を務めてまいりましたけれども、沖縄に対しては並々ならぬ思いを持ちながら活動してきました。県議会議員時代も年に一回は沖縄に行きまして、千葉県も実は沖縄若しくは南方で多くの戦没者が出ました。その南方戦没者の慰霊祭に参加をさせていただいたということもございます。 そういう思いがいろいろ詰まった中で、必ずしも的を射た質疑になるかどうか分かりませんけれども、御丁寧に答弁をいただけたら有り難いというふうに思っています。 先ほどは前泊参考人からは、沖縄の全国順位と比べた、全国平均と比べたこの全国から見た沖縄県という資料をいただきました。確かにおっしゃるとおり、一位、四十番台というのが非常に多くて、これから当委員会として取り組むべき課題というものも何となく分かったかなと、そういうふうに感じます。 そして、下地参考人からは、本当に人手が足りないんだということでございました。この資料を見ると、高校を卒業した新卒者の就職率が非常に低いという中で、もう少しうまくマッチングができればこの人手不足というのも何となく、豊富な人材もありますし、教育に力を入れさえすれば、こうしたマッチングというものができて課題解決に一歩でも前進するんじゃないかなというような気がしました。 この委員会で質疑をさせていただくというのが決まったのがさきおとといの夕方で、中一日で、私の沖縄にいる仲のいい友人に、今回ちょっと、基地問題と、基地問題取り上げられることが多いのかなというふうに思ったので、先走って基地問題、そして沖縄の経済、若い人たちどんな感じでいるのかなというようなことを少しアンケートを取らせていただきました。十代から四十代の方々から忌憚のない意見を寄せていただきました。 今日、実はお配りをして皆さん方に、本当に若者なんで言葉遣いもあれですけれども、そうした意見を聞いていただくことも可能だったんですが、与党で余り参考資料というのを配付した経験が過去がないということで、今回は配ることができませんでした。後ほどちょっと時間があれば幾つか披露させていただきたいというふうに思っています。 基地の跡地利用に関しては、基地返還後の土地の付加価値というか、基地返還後のその土地が生み出す財というのが百倍から三百倍ということを伺いました。非常に、私も沖縄行ったときに、これ何ですかと聞いたのが、軍用地の売買というのが非常に盛んになっていて、それが一つのビジネスモデルみたいになっているという話も聞きましたけれども、返還をされた方が観光や若い人たちの就業も含めた経済効果が高いということもよく分かったところでございます。 普天間基地というのは、先ほど言ったとおり、うちの父が防衛庁長官だったときに返還が決まったわけであります。辺野古に移転がされる中で、これは、地元の方々の中で、米軍に対して決して悪い印象を持っていない方の中でも辺野古に移転することに対する思いというのはいろいろあるということも十分知っていますし、また選挙に際しては、それが重い、大変重要な争点になっているということも理解した上で、私は、返還、復帰後の世代として、未来志向型で是非ちょっと質問をさせていただければと思うんですが。 まず、前泊参考人には、普天間基地の返還後、先ほどあった商業施設への利用、またテーマパークという話も仄聞したことありますが、聞くところによりますと、西普天間住宅地区の跡地利用に関しては、国際医療拠点構想として、琉球大学の医学部並びにその附属病院が誘致というか移転されるという話も聞いています。 そこで、前泊参考人に、米軍基地の跡地が学術や医療、こうしたものにも利用されることの意義というものがあると思いますが、今後の沖縄の経済発展で果たす役割、この基地、学術、医療、さらにはその経済、そうしたところも含めて、ちょっと所見をお伺いしたいというふうに思います。
○参考人(前泊博盛君) もうまさに、その臼井大臣が取り組まれたものを、合意されたものを実現をするために恐らく国会議員になられたと思いますけれども、是非実現をお願いしたいと思います。 返された後、この添付資料の方にもお付けしましたけれども、普天間飛行場、現在、地代あるいは交付金含めて百二十億円の基地収入があるということになっていますけれども、これは仲井眞県政のときに、自公政権の際に作られたデータでありますけれども、返還後の跡利用で三千八百六十六億円、三十二倍に拡大をするということになっています。 今現在の都心を新都心として開発をしていく、あそこは岩盤がありますので、その上に新しい都市計画が可能になる。それこそスカイツリーのようなタワーを企画をした市長もおりました。そういう岩盤の上で新たなものが造られるという、そして眺めのいい高級住宅地にもなると。 現在、嘉手納基地の中にもアメリカの大学が、ブランチがあります。たくさんの、五校ぐらい今残っていますけれども、その大学を外に出すだけでも、海外まで行かなくても留学が可能になるという、そういう学術の面でいえば、基地の中に置いておかなくてもいい施設がかなりあります。それをまず外に出していただく、そのために一部返還をされた西普天間地区も活用ができるかと思います。 それから、今、西普天間地区が開発をされていますけれども、琉球大学の医学部のほかに、隣にアメリカの海軍病院があります。その海軍病院も、民間の救急医療所という形で、アメリカの技術も、医療技術も活用できるということであれば、非常に効果を発揮するのではないかと思います。 それから、学術交流のほかにも、高級住宅地を造ったらどうかという話もあります。その眺めのいいところで富裕層が移転をする。 今日は漫画原作を書かれている平良さんをお連れしましたけれども、漫画家たちがどれだけの収益を上げるかというところでいうと、普天間基地の地代七十億ぐらいありますけれども、それは、一人の有名な漫画家が入ってきて、この所得税だけで賄えるのではないかという話もあります。そういうところでは、漫画やあるいはその作家、あるいはこういう高収益を上げている方たちを移転させる、そういう住宅エリアとしての開発の可能性もあるという指摘もあります。 是非、いろいろな夢を描ける真っ白なキャンバスとして、この米軍基地の跡利用についても深く議論をいただければというふうに思っています。
○臼井正一君 非常に夢が広がるような、まさに未来志向のお話を伺うことができました。しっかり、私も与党の人間の一人として後押しをしてまいりたいというふうに思います。 次に、観光に関して、今、下地参考人からは、FIBA、バスケットボールの世界大会、その予選が沖縄で行われるんだよという話を伺いました。 そのほかにも、私も沖縄行った際に同じホテルに泊まったのが、元プロ野球選手が同じエレベーターになって、何だと思ったら、キャンプの取材に来ていたということだったんですが、こうしたキャンプで有名なのも沖縄ということで、プロスポーツ等が開催されることによって、観光客、選手、報道機関、多くの人がいらっしゃる。これを是非観光に結び付けて頑張っていかれるという意気込みも聞いたわけであります。 もう一つ、沖縄の奄美大島、徳之島、沖縄本島北部及び西表島が世界自然遺産に登録をされたということで、こうした、さらに、沖縄の局所的なところから一歩進んだところに観光資源を得たということは、沖縄の持つ優位性である宿泊を伴う観光に大きく寄与するんじゃないかというふうに思っています。 こうした資源を生かした、もう一泊、更にもう一泊という観光ツーリズム、これに対する考え方とか、あとは政府に求めることがあったらお伺いしたいと思います。これは下地参考人ですね。
○参考人(下地芳郎君) 質問どうもありがとうございました。 沖縄の観光としての発展は、一般のお客様が来られるだけじゃなくて、先ほどもありましたスポーツを含め、幅広い観点から沖縄に来られております。最近では、ビジネス含めて多様な目的で沖縄に来られておりますけれども、改めて、今回のその世界自然遺産登録をどう生かすのかというふうな部分に関しても、沖縄にとっても重要なテーマとなっております。 沖縄には世界文化遺産としての首里城、世界自然遺産としての沖縄北部と西表、こういった世界にアピールできる資源を持っておりますので、情報発信をしっかり進めるということが大事なんですけれども、一番大事なのは人材育成ですね、この価値をどう伝えていくのかと。ぱっと見るだけでは五分十分で終わることを一時間二時間、若しくは一日二日掛けて、満足していただくためのそのガイドを含めた人材育成というのは極めて重要になっておりますので、今は人手不足ということはありますけれども、高度観光人材育成をしっかり進めることがそのポイントだというふうに思っております。
○臼井正一君 もう時間が参りました。 若人の意見というのは今日はちょっと披露できませんが、私の千葉県からは、長柄町から、海軍司令ごう、次官に最後の電文を打った後自決した大田実中将が生まれたのも私の千葉県であります。その最後の、沖縄県民かく戦えり、後世特別の御高配を賜らんことという言葉を胸に刻みながら、これから国会議員としてしっかり沖縄振興を努めてまいりたいと思います。 ありがとうございました。
○水野素子君 立憲民主・社民、水野素子でございます。 本日は、貴重なお話、ありがとうございました。 私も、沖縄を、何度も美しい島々を訪ねまして、平和の礎あるいはひめゆりの塔も訪ねまして、平和への思いを学ばせていただいております。 さて、G7サミット、被爆地広島で始まりましたし、核廃絶を始め、平和な国際社会に向けて日本がリーダーシップを発揮すべきと常々考えております。 近年、東アジア、安全保障環境、厳しさを増しています。とりわけ、沖縄を始め基地を多く抱える地域の声を政策に反映する必要があると考えております。私の地元神奈川県にも多くの基地がありまして、騒音や環境問題、基地従業員の労働環境など、頻繁に相談を受けております。基地の多い県として共通の課題が多いと感じております。 短い時間ですけれども、三問お尋ねいたしたく、よろしくお願いいたします。 まずは、南西諸島の基地等の建設と経済、産業の関係につきましてお尋ね申し上げます。 私は、先日、馬毛島の基地建設の状況を知るために種子島を訪れました。私は、二十八年JAXAで働きまして、何度も種子島を訪れておりますが、島の暮らしは一変しておりました。漁業権は奪われ、無人島馬毛島への船の往復輸送一回で十万円ほどの高い手当をもらえるために、漁業で栄えていた町が、漁業を営む人が激減して、ほとんどいなくなっていました。建設ラッシュ、バブル景気、基地関係補助金で公共施設のリニューアル、今は良くても近い将来は、騒音などの生活被害、有事の際の基地への攻撃リスクなど不安を持つ住民は多いのですが、島の経済が潤う中で声を上げるのは難しいというお話が多くありました。国会でも、そして地元住民にも十分な説明や検討の機会がないまま、あっという間に基地建設が進んで、住民は不安を感じています。 このような歴史を長く背負ってきた沖縄の状況や思いについてお尋ねいたします。 国会ではなく閣議で決定した安保三文書に基づき、増税もあり得る五年で約四十三兆円の防衛費増強、南西諸島の基地や関連設備の増強が加速することが予測されます。そのような政府の方針について、沖縄の皆さんは事前に十分な説明を受けて意見を述べる機会を持てましたか。そして、この広大な米軍基地、自衛隊基地の存在、さらには拡張は、沖縄の観光を始めとする経済、産業にとって、結局のところプラスでしょうか、マイナスでしょうか。 先ほど前泊参考人の方からは逆にマイナスという御意見がありましたので、この点、この度は下地参考人にお尋ねしたいと思います。
○参考人(下地芳郎君) 今御質問いただきました。 観光の基本は、安全、安心、それに加えて快適というふうなところが今求められております。まず、何よりも安全、安心というふうなところがベースになって観光の受入れ、発信ができるわけですので、その意味においては、今回の政府の方針については、まず県民に対しても理解をしっかり求めていただくことが最重要だというふうに思っておりますけれども、一方で、私ども観光に携わる者とすれば、こういった世界情勢の中で、先ほど申し上げました観光は平和へのパスポートという大きな理念がありますので、この平和達成のために沖縄からどういった役割を果たしていけるのかと、そういうこともしっかり考えて発信をしていくことが大事だというふうに思っておりますので、私どもとしては、世界中様々な価値観を持っている方々が沖縄に集う機会をしっかりつくっていくことで、平和発信という、こういった視点から臨むことが大事だというふうに考えております。
○水野素子君 ありがとうございます。 続きまして、引き続き、周辺危機事態や住民避難計画につきましてもお尋ねしたいと思います。 二〇一五年の安保法制により、存立危機事態、すなわち我が国と密接な他国を守る反撃が専守防衛に含まれると、政府・与党、強引に決めてしまいました。今回の安保三文書は、そのための武器の購入も含んでいます。私は、日本の判断が及ばない外国の軍事活動に起因して日本が攻撃を行って戦争に巻き込まれることを強く懸念しているものであります。 フィリピンのマルコス大統領は、先日、フィリピンが巻き込まれる形での米軍基地の利用は認めないとバイデン大統領に申し入れ、公言をしています。残念ながら、日本政府にそのような米国への働きかけや表明は見られません。 さらに、国民保護法は、有事の国民の避難を定める国民の保護に関する基本指針は国会報告が必要としていますが、その実態は、議長に渡して国会のイントラに掲載したことをもって国会報告とされ、国会での説明や議論は行われていません。 有事に住民の皆様、国民の命を守るこの大事な文書について、沖縄県民に対する事前の十分な説明や意見を述べる機会はあったでしょうか。前泊参考人にお尋ね申し上げます。
○参考人(前泊博盛君) 全くそういう機会はなかったかというふうに受け止めています。 国民保護計画とあるんですが、沖縄についてはそれを作られているケースはありません。実際に防衛省の幹部の皆さん、本も出されていますけれども、国民保護法は基本的には自治体の長の責任というふうに言われています。そして、自衛隊が忙しいことはできませんで、この法律の体系的にはそれでいいというふうな本を出されています。 自治体の長がどれだけ守れるかというところでいうと、例えば、宮古島は六万一千人います。避難に二十一・五日掛かる。あるいは、八重山、石垣、西表、竹富は七万五千人、避難に十八日掛かると。数百隻の船が必要ですが、その船はどこにあるんですかという話です。あるいは、自衛隊はそれに参加しない、忙しいと断るという話を言われています。住民はそのときにはどうなるんでしょうかと。この辺りの議論は全く放置されたまま、今、シェルターを造って守ろうという話まで地元から出てくるような話になっています。 皆さん、同じような議論をするのであれば、これは衆議院でも指摘をしましたけれども、東京と北京で戦争をするという事態を想定してミサイル防衛を考える人はまずいないと思います。なぜ南西諸島だったらそれが許されるのかという、守られるべき国民と犠牲になる国民を分けて議論をしているような印象を受けます。この国会の中で、誰一人取り残さない国家の安全保障政策をしっかりと議論をしていただかないといけないと思います。 まず、やるのであれば東京と北京で議論をしていただいて、その際の安全保障体制はどういうふうに確保できるかというところを考える、その上では、国民保護計画よりもむしろ外交力をどれだけ高められるかが勝負だと思います。外交官の数が圧倒的に少ない状況の中で、マンパワーをもう少し増やして、しっかりと議論をしていただければというふうに思っています。
○水野素子君 ありがとうございます。全く同感であり、重く受け止めてしっかりと議論をしていきたいと思います。 最後に、日米地位協定の改定、特に立入り権の確保につきましてお尋ねしたいと思います。 日米地位協定は、フィリピンなど米軍基地のある他国の地位協定との比較においても、著しく日本に対して不利な内容となっています。他国は既に改定を行っており、日本も改定交渉を行うべきであります。不平等を是正して国民の権利を守ることはもちろん、日米が真のパートナーとして信頼と協力を強めるためにも大事な問題であります。 米国は、健康被害が心配させるPFOSとPFOAの基準値をいずれも一リットル当たり四ナノグラム以下と改正する発表をいたしました。これは日本の基準よりもはるかに厳格なものとなっております。米軍基地周辺で日本の基準を二倍以上も上回るひどい数値が検出されています。 そもそも、米軍基地においても日本法令による基準が適用されるべきですが、米国基準も日本基準も適用されないなら、無法地帯、全くの不合理であります。日米地位協定は、他国と異なり立入り権がなく、事実関係の調査は政府を通じた米軍へのお願いベースのため調査は進まず、健康被害への周辺住民の不安が神奈川でも、もちろん沖縄でも大変高まっています。 立入り権の明記を含めて日米地位協定を改定するべきと考えますが、たくさんの御著書を書かれていらっしゃいます前泊参考人の方に是非とも御意見を伺いたいと思っております。
○参考人(前泊博盛君) 地位協定の問題というのは、まさにこの国の主権の問題だと思います。我が国の中にあるにもかかわらずそこに主権が及ばないという地域を持っていること自体が、主権国家としていかがなものかという気がします。 これ、日米地位協定の、これ漫画で読む日米地位協定という本を書いていただいた、今日、平良さんをお連れしましたけれども、その中で、これ、鳩山由紀夫さん、元首相が書かれています。この本の中で何が注目をしたかというと、DEFCONというのがあります、防衛準備態勢。地位協定は、朝鮮半島、戦争のときに作られた地位協定なので、有事を想定して作られているために米軍優位の内容になっているんですね。平時においても戦時における地位協定が締結をされている、だからこそ米軍が優位になっている。 韓国は、しっかりとこの有事と平時を分けて、DEFCON五段階を設置をして、そして運用しています。そういうことがなぜ日本では議論されないのかというところですね。それをやれば、平時においてこの基地内の立入り権を行使できないということはあり得ないということになります。ドイツやイタリアでも、同じ敗戦国でも、しっかりと立入り権どころかそれぞれの軍の司令官が常駐をする形で基地を管理をしています。あるいは、飛行に当たっても、飛行訓練についても、イタリアやドイツの許可がなければ飛べない形になっているにもかかわらず、日本は自由に飛んでいるという、そういう状況があります。 是非、地位協定については、立入り権だけじゃなくて、全面的な見直しを求めたいと思っています。 これ、自民党も実は改定案を作っているんですが、それがまだ実現に至っていない。これが実現していれば、出入国の管理もできて、あのオミクロンの拡大を防げたかもしれないというところも申し添えておきたいと思います。
○水野素子君 ありがとうございました。 横須賀でも、その地位協定に基づく検疫の不十分なことにより、コロナの感染爆発も起きました。今御指摘のように、是非とも、与党、野党関係なく、共通の課題として地位協定に取り組んでいきたいと思っております。 本日はありがとうございました。
○窪田哲也君 ありがとうございます。公明党の窪田哲也でございます。 今日は、両参考人に来ていただきまして、ありがとうございました。 私は、恐らく国会議員の中で唯一のウチナームークでございまして、私の妻は久米島の生まれでございます。平成五年に沖縄に赴任をしまして、長く公明新聞の記者をやっておりました。二回沖縄に行きまして、沖縄でもう自宅も、家も買いまして、お墓も買いまして、このまま沖縄に住み続けたいというふうに思っていたんですけれども、転勤で福岡に行って、その後、今現在、国会議員を。昨年の参院選の比例区、全国区で当選しましたけれども、おかげさまで沖縄からもたくさん応援をいただきまして、九州、沖縄を中心に今活動をさせていただいております。 前泊参考人には、公明党の県本部にももう何度もお越しいただきまして、一緒に政策作りをしていただいた経緯もあります。大変にありがとうございました。 観光について伺いたいと思います。 下地参考人、Be.Okinawaという、今、県がキャッチフレーズで観光振興を進めています。これ、とても私、面白いというか大事なことだと思っていまして、私も沖縄に転勤、赴任した当初、沖縄の余りのこのリズムの遅さになかなか慣れずに、何てとろいんだというのがまず最初はあったんです。それで、そのうちだんだん慣れてきますと、あっ、これでもいいんじゃないかなと思うようになるんです。そのうち、この沖縄のリズムこそが正しいんではないかというように感じるようになりまして、そのように、やはり、住むことはできなくても、できるだけ長く滞在をしていただくというのはとても大事なことだと思うんですね。食事とか文化とか、そうしたものは現地に行かなくてもまあある程度味わうことができると。やはり、量と質を追求していかなければならないと思います。 やっぱり、長期滞在していただいて、少しでも観光客の皆さんに沖縄を堪能していただくということがとても大事だと思うんですけれども、そういうような観点でBe.Okinawaというキャッチフレーズも掲げていらっしゃると思うんですが、このBe.Okinawaについてちょっと教えていただければと思います。そしてまた、その辺の課題をお伺いしたいと思います。
○参考人(下地芳郎君) 御質問どうもありがとうございました。 Be.Okinawaというコンセプトは、二〇一三年からスタートをしております。たまたまその当時、沖縄県庁でこのBe.Okinawaにも関わっておりましたので、この十年間の経緯をずっと見ておりますけれども、沖縄観光の課題の一つに、外国人の観光客をどう増やしていくのかというところがありました。 先ほどお示しをしましたこの資料の中でも、外国人の観光客、なかなか伸び悩みをしておりました。そういう中で、沖縄の価値をどういうふうな形で伝えていくのかということで、二年余り議論をしてこのBe.Okinawaというふうに決めた経緯があります。これには、美しい自然と温かい人々に囲まれて本来の自分を取り戻す旅、こういう思いをこの「Be」という、be動詞の行動を表すbeに掛けて、国際的な機関にも入ってもらいながら、コンセプトを立てております。 その意味では、この十年間、様々な課題はありますけれども、外国人観光客は増加をしてまいりました。ただ、一つの課題としては、アジアのお客様は大分増えてきましたけれども、もっと長期滞在をしていただける欧米の観光客がなかなかまだ今増えていないというところがありますので、まさに欧米の方々にもこのコンセプトはしっかり受け入れられるというふうに思っておりますので、ゆっくり沖縄に滞在をしていただいて、地域との交流も進めていただきながら、本来の自分を取り戻す旅というふうにしていただければというふうに思っております。 是非、国会議員の皆様も沖縄でBe.Okinawaを実感していただければと思います。 ありがとうございます。
○窪田哲也君 欧米の皆さんもたくさん来ていただいて、本当に質の高い沖縄観光を築けるように、しっかり私も応援してまいりたいと思っています。 下地会長が書かれたものの中に、ハワイでの意識調査のことを書かれていらっしゃいました。ハワイで、地元でどれぐらい観光客、観光産業に対しての受入れ度といいますか、以前は八割だったけれども近年では六割に落ちているということでしたけれども、現状、皮膚感覚として、今県民がもし同じような調査を、最近というか、そういう調査は恐らく沖縄ではないかなと私は思っているんですけれども、調査を仮に実施をした場合、どれぐらいのところにあると思われますでしょうか。
○参考人(下地芳郎君) ありがとうございます。 沖縄にとってハワイはいろんな取組をベンチマークするデスティネーションですけれども、ハワイの優れているところは、今御指摘のあった、住民に対して、観光は様々な問題あるけども、それでも観光を支持するのかという調査をずっと続けております。八割あったところが、観光客が物すごく増えていく中で、住民の満足度が六割に下がったと。ようやくこれを、住民ファーストという観点から、ハワイは大きく転換をして今進めております。 一方で、沖縄においても、これまでこうした調査はなかったんですけれども、最近になって沖縄県が県民の意識調査の中で幾つか質問をしております。その中では、観光産業が沖縄にとって重要かどうかという質問に対しては、多くの県民がイエスというふうに答えております。問題は、観光産業に自分が就きたいかという、学生に向けて、若しくは親御さんに対して自分の子供を観光産業で就職させたいかと、こういう質問に関しては非常に低い数値になっております。 リーディング産業としての沖縄の重要性に対して、支える側の人材に対する評価がなかなかやっぱり上がっていかないと。これは、先ほど来ありますその給与の問題、働き方の問題ありますので、これをどう高度化をしていくのかということが、沖縄の観光をまず県民から理解をしてもらうための一つのポイントだというふうに思っております。
○窪田哲也君 観光を支える人材の高度化というのはとても大事なことだと思います。やはり人材をきちんと評価をして、それなりの収入もあるし地位もあるしという、そういう観光を支える皆さんがそうなっていくことが私も大事なことではないかなというふうに考えております。 前泊参考人に伺いたいと思います。 沖縄の経済の一つの見方というのは、ざる経済。たくさんのこれまで資本投下されたけれども、ノウハウも蓄積されない、結局は本土に吸い取られて、本土というか、まあ本土ですね、本土に吸い取られてしまうと。なかなか歩留りも悪くて、地元に結局お金が残らない、落ちない。これが沖縄経済の大きな課題だと、先生が御指摘のとおり、私もそのとおりだと思います。 この要因なんですけれども、私は沖縄の企業の限界、力量というのもあると思いますが、もう一つは、基地をめぐり、沖縄のやっぱり指導者、政治的指導者、そしてまた沖縄のマスコミ、こうした沖縄をリードしていく立場にある皆さんが基地という問題について余りにもエネルギーを割かざるを得ない。この現実については、とても私は、当然エネルギーを割いていかなきゃならない、沖縄だけに基地が、しわ寄せがあるというのは、これは是正していかなければならない、だけれども、余りにもそこにエネルギーが掛かり過ぎてしまうという現実が私はあるなというふうに感じてきました。 このざる経済を招いている要因の一つは、私はそこにもあるんじゃないかなと感じているんですけれども、いかがでしょうか。
○参考人(前泊博盛君) 基地建設についても、今日資料をお付けしましたけれども、沖縄防衛局の、件数ベースでいうと沖縄優先発注をされていますけれども、金額ベースで見ると最大ではもう七〇%ぐらいが本土に還流をするという。 これ、技術的な問題があります。例えば、辺野古の問題でいうと、砂ぐいを九十メートル深い海に打たなければならない、こんな技術は沖縄には要りません、必要ないということで、ない。これを入れるような工事を持ち込まれた場合には、当然それがお金が外に、本土のゼネコンに流れるという形をつくられてしまう。果たして、こういう技術がこの亜熱帯のこの島を守るために必要なのかどうかというのがあります。 それから、護岸工事も含めてたくさんの公共事業をやりましたけれども、この地域性という、本土と違う環境、自然環境も含めたものを考慮した上で工事をしていかなければならないところに本土流の工事を持ち込んで、本土の手法をやるために、その技術を持たない島はどうしてもこの対応をできないという、そういう弱点を露呈してしまうことになっています。そういう意味では、沖縄に合った、亜熱帯に合った、気候風土に合った工事の在り方というものを見直す、その時期を来ているような気がします。 これは技術的な問題だけではなく、基地建設という形でも同じような形で、実はボンド制というのがあります。これは、工事をするとき、二十億の工事をするときには二十億のデポジットを払っておかないといけないという。こういう形になると、大きな資本でないと受注できないという形になります。これを代わって保証するような制度をきちんとつくってくれれば沖縄の企業も対応できるような形になるという、そういう指摘もあります。 是非、この発注、受注の制度の中身まで含めて調査をいただいて改善をいただければと思っています。是非よろしくお願いします。
○窪田哲也君 ありがとうございます。 しっかり平和で豊かな沖縄づくりのために頑張ってまいりたいと思います。 今日はどうもありがとうございました。
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。 両参考人のアフターコロナの近況をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。 私は沖縄で健康寿命と健診のインフォームド・コンセントという修士論文を書かせていただきまして、ずっと住んでおりました。そのとき生まれて初めて基地の周りを一周しまして、余りの面積の広さとこの重圧感、これが毎日沖縄の方が感じているものなのだということを実感、体験してまいりました。 今日は両参考人の御著書を読ませていただいた後、質問をさせていただきます。 復帰五十年に向けた思いと、脱政府依存の目標、基地なしでの自立をという前泊参考人の御著書といいますかコメントも拝聴、拝読させていただきました。 その上におきまして、先ほども質問が出ておりましたけれども、直近の私どもが気にしておりますこと、問題、社会的な問題だと思っておりますこと、今後も質問が出てくると思いますが、PFASの問題への対応の在り方でございます。 沖縄の振興と基地の問題を考えるときに、現在最も関心の高い問題として、PFOS、それからPFOAを始めとするPFASをめぐる問題というのは無視できないと私は思っておりまして、沖縄におきます米軍の施設、それから区域の周辺などで、現在の暫定目標値ですけど、先ほど出ていましたもので、五十ナノグラム・パー・リットルというものを超える事例、私が見た範囲でございますけれども、多数出ていると自覚しております。その基地周辺で暫定目標値の、およそだと思いますが、私が調べると、三十八倍ぐらい出ているんではないかと。 県民の皆様が、嘉手納の飛行場のその周辺の皆様、これ大変な不安を抱えていらっしゃるんではないかと思うんですけれども、国とか米軍は、これまでのところ、これまでのところですけれども、基地の米軍の施設や区域がPFASの流出源と認めていない、認めていないんですね。沖縄県としては米軍の施設や区域内の立入調査というのを求めていると思うんですけれども、これまでは実現されていない現状だと認識しております。 なので、沖縄の県民の皆様のその心といいますか安全を確保するということになりますと、基地問題だけではなく、沖縄経済の振興を図るという点でも、私は、こういうことをしっかりやっていくのが大前提になるのではないかという思いがあります。沖縄の主要産業であります下地参考人がおっしゃっています観光産業にとっても、この問題は沖縄ブランドを損ないかねないものがあると、私はそう思っております。 なので、早急にこの問題解決に向けて取り組む考えが必要だと思っておりますが、この点について、政府に求める事項というのも含めまして、両参考人からのお考えをこの際お聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。前泊参考人からお願いします。
○参考人(前泊博盛君) このPFOS、PFOAについては、また新たな毒性の強い物質も見付かっています。 これ、嘉手納基地の話が出ていますけど、嘉手納基地の中に大工廻川という川があります。そこは支流になっていますけれども、その流れていく比謝川という水道水を取水している川、そのPFOSの濃度を見ると、非常に毒性が三十倍、五十倍ほど高くなるのがこの実は嘉手納基地の中から流れている支流ですね、そこが高くなっています。そこで、当然立入調査をして、そこが原因であろうということを見付けないといけないんですが、立入りの交渉すらしていないのが日本政府の現状です。その大工廻川の横には消火訓練をする場所があるんですね。消火訓練をするためにタイヤを燃してそれを消す、その際に泡消火剤を使う、この泡消火剤がPFOSが含まれている。そして、それを長年やっていたために、地下水の汚染まで進んでいます。 嘉手納基地は重要な水源になっていて、地下水源は沖縄の水道水の二〇%ぐらいを占めたりしています。その水源が豊かだからこそ、アメリカは迷わずそこに基地を造ったわけですね。ところが、水道水を供給するようになったらその水に対する認識が非常に落ちて、アメリカ軍もその環境の安全性について非常に甘い対応になってしまっているというのがあります。 これ、五十ナノグラムということですけれども、バイデン政権になって〇・〇二ナノグラムまで落として、そして安全をクリアするための予算までも何兆円も投入をしてきています。日本というのは、非常に甘いこの五十ナノグラムも基準値をはるかに超えていると見てよいと思います。 そして、血液検査についても、全県的に実施してほしいと沖縄県が要請したにもかかわらず、残念ながら、その実施を拒んでいるのも日本政府。もしかしたら、解決できない問題、そして見通しが立たないような問題についてはなかったことにするというこの国のおきてが生きているのかという、そんな指摘すらあります。そういう意味では、国民の命を守るためにいるはずの日米安保、基地の存在が、むしろ国民の命を脅かしている。 この問題、実は自衛隊についても同じように泡消火剤を使っていますので、自衛隊基地周辺についても急ぎ調査をする必要があると思います。泡消火剤を同じように自衛隊も使っていますので、自衛隊も含めて、米軍基地、自衛隊基地の周辺のPFOS調査については早急に実施をしてほしいと思っています。
○石井苗子君 ありがとうございます。 それでは、下地参考人もお願いいたします。
○参考人(下地芳郎君) 県民の命を守るということが、まず観光以前の問題としてやはり大事な視点だというふうに思っております。 なかなか今の問題、県民へのその情報も不十分ですし、私どもとしては、先ほど来申し上げています安全、安心というものが観光地にとって不可欠であれば、この安全、安心が今損なわれているという状況に対して、一刻も早く情報の開示と対策、それがいつどうなっていくんだというふうなところをしっかり明示をしていくことが大事だというふうに思っております。 今はインターネットの時代ですので、様々な情報が世界中に瞬時に飛び交っていきます。そういう中で、沖縄の良さを伝えるだけではなかなか周りから信頼されないということもありますので、厳しい問題も含めて実情を伝え、それに向けて対策もしっかり進んでいるんだというところが発表できていかなければ観光地としては成り立たないというふうに、この点については心配をしております。
○石井苗子君 ありがとうございます。 多くの影響が社会経済的に及ぼす問題だと思っておりまして、消火訓練で使われた場合、先ほど言ったような、濃度も高く、全体から見て沖縄が三十八倍ぐらいのものがあるとなると、観光に世界的に行かなくなってしまうというような結果を招かねないと思っております。 それプラス、このPFASというのは半導体に関する洗浄にも使われているということで、いち早くその専門家会議というのを、水質の目標値を定めるために、厚生労働省と連携してその水質基準の改正検討会というのを、もうこれから密に開いていただくようにこちらからもお願いしたいと思っておりますので、統計家をそろえて、日本にもかつてカドミウムとか、そういう汚染の、水質汚染のことの統計分析があるはずですので、それを参考にして、後からやるのではなくて、前もって早くやるように交渉したいと思っております。ありがとうございました。 前泊参考人にお聞きいたしますが、中にありました県内のシンクタンクについてお伺いしたいと思うんです。 内閣府だったと思いますが、平成二十四年から第五次沖縄振興計画を効果的にという推進策がありまして、それを調査するために、この計画に基づいて沖縄振興推進調査費というのを出してやったんですが、大手のシンクタンクが落札されたということで、一千万以上ぐらい掛けていたんじゃないかと思うんですね、そのときに、落札したときの大型的なものだったと思うんですが。 一千万円以上のクラスになると、大型事業になりますと、多分、前泊参考人がおっしゃっていた六五%ぐらいが本土に流れていってしまうという、たしか私そう記憶しているんですが、そういうことは、県内のシンクタンクをつくって、県内でちゃんと考えて、大型調査事業を行うことができるかできないかという、そういう問題も考えてやっていくべきとおっしゃっているような気がするんですけど、県とか県内企業のノウハウの蓄積につながる、何というんですかね、制度みたいなものができたらいいなと思うんですが、そういったところには具体的な方策をお持ちだったらお聞きしたいんですけれども、よろしくお願いします。
○参考人(前泊博盛君) 一千万どころか、二億、五億、十億というお金がシンクタンクの方に流れたりしています。この五十年間の間に沖縄振興関係の調査費だけでも億単位のお金が出ているんですが、地元のやっぱり受注率が非常に低いというのがあります。 そもそも、沖縄県庁、この役所というのは、こういうシンクタンク機能を発揮するためにまさに存在していると言えると思います。それが、県庁の職員ではなくその外部のシンクタンクに投げることによって、中での蓄積ができないということもあります。それから、県内においては五十余りのシンクタンク、小さなシンクタンクがたくさんありますけれども、そこがシンクタンク協議会というものをつくって総力を挙げて受注する体制をつくっているんですが、残念ながら、発注元の沖縄県あるいは政府においてもその優先発注をしていただけていないということが、調査においても、調査手法においても蓄積が難しい、そしてお金が入ってこないためにその維持が難しいという、そんな状況にあります。 そういう意味では、シンクタンク機能を強化するというところでシンクタンク協議会を使って、そこに優先発注をしていただいて、沖縄における知の蓄積も是非図っていただければというふうに思っています。
○石井苗子君 ありがとうございます。 役所の中にシンクタンクをつくって、役所の方がやるというような方向に是非持っていっていただきたいんですけれども、それをお願いしてよろしいでしょうか。
○参考人(前泊博盛君) 役所そのものが私はシンクタンク機能を持っている組織だと思っています。
○石井苗子君 じゃ、是非強化をお願いしたいと思います。 ありがとうございました。それじゃ、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、藤井一博君が委員を辞任され、その補欠として広瀬めぐみ君が選任されました。 ─────────────
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 今日は、お二人の参考人の皆様には大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。 早速質問に入らせていただきたいと思います。 まず、前泊参考人にですが、沖縄の経済につきましてお伺いしたいと思います。 今日配付いただきました全国から見た沖縄県というこの総括表を拝見しますと、産業構造の中で、先ほどの御説明の中にもございましたが、とりわけ製造業の構成比が、沖縄県四・一五%、全国平均二〇・二六と、圧倒的にこの製造業の比率が、沖縄は全国四十七番目、最下位ということになっております。 私も物づくり産業出身ですので、製造業というのが沖縄になぜ定着しないのか、どこに製造業が沖縄に進出できない大きな壁というか要因があるのか、どういう条件がそろえば沖縄に製造業が導入されるのか、この辺の背景とか理由につきまして是非御教授いただければと思います。
○参考人(前泊博盛君) まさにこの製造業、物づくりをどうするかがこの新しい第六次振計の課題になってくると思います。 物づくりのために、これまで、復帰前、復帰後、直後は水が足りなかったんですね。もう飲む水すらも渇水状況が、断水が起こるという状況もありました。これが、今、ダムがかなり整備されて、飲み水で渇水を招くということはほぼなくなりました。水がやはり物づくりに鍵というところがありました。 そういう意味ではそれはクリアされているんですが、今度は新しい時代の物づくりについて考えなきゃいけないんですけれども、沖縄は、米軍統治時代に極端な円高政策、これB円という、三百六十円、スミソニアン体制の中で三百六十円時代に、沖縄は百二十B円を入れられています。そうすると、輸出には向かないです、三倍の価格になります、輸入には三倍の力を持ちます。これが実は、米軍統治時代につくられたこの第三次産業に依存するような形です。物づくりがどうしても伸び悩んだ原因はその辺りにありました。 その後は、水不足あるいは電力、これも沖縄電力は、また今度値上げしますけれども、全国一高い電気料金、全国一高い水道料金、全国一高い土地代も払わなければならない、それに移動コストが掛かってくる、こういったものが物づくりを阻害してきた部分があったと思います。ところが、現在では、航空網あるいは路線の発達によって、船便も含めて輸送量がかなりアップしてきています。それから、軽小短薄型の、軽くて薄くて、そして移動しやすいような産品、例えばLSIとかですね、そういった電子部品も含めて、軽くて、そして薄くて、そして流通しやすいような商品、物づくりの時代に入ってきています。 そういう意味では、新しい時代にふさわしい物づくりの発想で取り組んでいくことが物づくりを、新たな物づくりを生み出していく。これは、ここで新しい七つの、七Kの経済を書きましたけれども、健康食品とか、あるいは研究、あるいは調査を含めて、こういったものが新しい時代にふさわしい物づくりを生み出しています。 例えば月桃、沖縄ではサンニンですけれども、そこからは製薬成分、薬のですね、脳梗塞に効くような、あるいはこういう解決をできるような有効成分が見付かっています。それから、モズクの中にもフコイダンという有効成分が見付かったりしています。沖縄にある亜熱帯の植物の中には、そういう有用成分、有効成分を含んだものがたくさん見付かってきているので、こういう製薬の拠点として沖縄が今注目をされています。 残念ながら、このランキングでいうと、薬剤師の数が全国一少ないんですね。薬局も少ないです。今、薬剤師を育てるための大学の学部、新学部の新設の議論も始まっています。沖縄が製薬拠点になる可能性は十分にあるというところでは、是非、薬学部の創設も含めて、新しい物づくりにサポートをいただければというふうに思っています。
○浜口誠君 ありがとうございます。 非常に可能性がある今お話だったかなというふうに思っておりますので、我々の立場でも、そうした応援ができるような体制づくりもしっかり進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。 あわせて、沖縄の経済ということで申し上げますと、先生のお話の中にも、東アジアの交易、物流の拠点として、沖縄はこれから活用すべきではないかという御意見もいただいているというふうに思います。将来に向けて、この国際的なハブとしての、物流拠点としての沖縄の可能性について、先生の御見解がありましたら、是非お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) これはまさに、コロナ前に全日空が沖縄を国際物流航空ハブに指定をして、一気に貨物量を十倍に増やしていきました。これ、四時間圏内に二十億人市場を控えているという、これは、かつて米軍が沖縄に拠点を置いたのは、まさに四時間圏内で爆撃ができるという軍事的なその拠点だったわけですけれども、今は物流の拠点として十の都市を、それこそ十路線あるいは百路線結んでいくということになると、それぞれに結んでいくと十路線を結ぶだけで百路線が必要になるけれども、沖縄をハブとしてやれば十路線で済む。そこで、沖縄を拠点として一旦荷物をそこに集めて、そこから再配達をしていくという、その国際物流ハブが物すごい力を発揮しました。 ここに今中国が注目をしていました。ジャパネット高田の中国版のようなものがありますけれども、インターネットで注文を受けると、沖縄を物流拠点にして、そこから四時間圏内で送り出していく。十二時までに受けると、翌朝にはもうその発注を、もう配送を行うような地の利があるんですね。そこを生かして、物流拠点として沖縄を使うという動きがあります。 こういう物流拠点についても、人だけが集まってくる場所ではなくて、物も集まって再配達をされていくような物流拠点として、もう一度再構築をしてほしいと思います。是非、二十億市場を視野に沖縄を拠点に置いていただければと思います。
○浜口誠君 ありがとうございます。 では、続きまして、下地参考人に沖縄の観光の面で御質問をさせていただきたいと思います。 今日の御意見の中にも、二次交通の改善が重要だと。沖縄の場合、移動のコストが非常に高いという課題も大きいかと思います。今国会でも高速道路料金の見直し法案が出ておりまして、私も先週の本会議で、NEXCO三社の高速道路は、もうワンコイン五百円で距離に関係なく定額で走れるような料金を高速道路に入れてはどうかというような提案もさせていただいておりますが、沖縄におけるこの二次交通の改善、鉄軌道も含めてどのような御意見があるのかどうか。非常にこういう移動のコストを下げるというのが、沖縄にとっては観光の面でも、先ほどの物づくり産業にとっても大変重要な側面あるというふうに思っておりますので、是非その点の御意見がありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(下地芳郎君) ありがとうございます。 もうまさに、沖縄観光の大きな課題、二次交通にあります。観光客の視点だけではなくて、県民の車の保有台数はもう百万台を超えているということもありますので、沖縄の交通渋滞は、実は観光客、レンタカーの問題だけではなくて、県民が車社会であるというのが一番大きな問題となっております。そういう意味では、県民が車依存社会からどう脱却するのかという県民運動としての取組は大変重要な視点だと思っています。 一方で、観光客の視点から見ると、短期的な視点と中長期の視点があると思いますけれども、短期的には、やはりそのレンタカー中心の移動形態から、モノレール、バス、タクシーをいかに効率的に使って観光地まで行くか。最初から最後までレンタカーなしでも楽しめるというのが我々の方の情報発信になっていますので、こういった観光客側の意識の転換というのも求めていきたいと思っています。一方で、沖縄側からすると、その二次交通、分かりにくさというのも常に指摘をされておりますので、バス、タクシー、モノレール含めたその情報発信はしっかりやっていく必要があると思っています。 中長期的に見ると、鉄軌道、沖縄、特に中南部の移動が非常に今時間掛かっておりますので、この中南部の移動と、あとは海上交通への取組というところも本格的に考えていかないといけないと思っています。 二〇二五年には沖縄本島の名護に新しいテーマパークができる予定となっております。今のうちから二次交通の問題を議論しておかないと、中南部だけではなくて北部まで大きな課題を抱えることになっておりますので、こういった点からも、その陸上交通、海上交通含めた総合的な交通体系の整備は必要だというふうに思っております。
○浜口誠君 ありがとうございます。 しっかり、鉄軌道も含めて、沖縄の二次交通、どうあるべきかというのは引き続き議論もさせていただきたいというふうに思います。 それと併せまして、観光人材確保策の強化ということにも触れていただいております。その中で、特定技能二号の対象業種の拡大という点が含まれておりますが、今、特定技能二号は造船とか、あと建設分野に限られておりますが、先生のイメージとして、この外国人材の活用という点について、この二号の対応についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(下地芳郎君) 政府が特定二号制度の拡充を図るというニュースがありました。沖縄県内の観光業界、人手不足という中では非常に大きな期待をしております。 ただ、今聞こえてくる範囲でいいますと、この制度の改革は今すぐにではないと、ちょっと時間が掛かるのではないかというふうに言われておりますので、我々としては、一刻も早くその制度の拡充、業種の拡大というのもありますけれども、県内の観光業界の皆様からは業種を指定しないでいいのではないかと、これだけ人手不足になっていく中では、今の制度を抜本的に変えたらどうかという意見も出ているのも事実です。 沖縄観光を支えていく上で、外国人の人材、これは現場の人材から高度観光人材まで含めて多岐にわたる人材が必要な状況になっておりますので、政府としてもこの制度の見直しについて早急に取り組んでいただければというふうに考えております。
○浜口誠君 ありがとうございました。両参考人の御意見、大変参考になりました。 ありがとうございました。
○紙智子君 本日は大変貴重な御意見ありがとうございました。 紙智子でございます。 一九七二年の五月十五日の本土復帰から五十一年ということであります。一九七一年の琉球政府主席の屋良朝苗さんがまとめた建議書、これは、日本国憲法の下、基本的人権の保障の実現と基地のない平和な島となることを強く望んでいるということで、復帰を願った県民の心情として述べられていたと思うんです。 そこで、最初に前泊参考人にお聞きしたいと思うんですけれども、前泊参考人はこれまでも、やっぱり基地に頼らない沖縄の経済の自立、振興という問題を繰り返し発言されてこられたと思うんですね。 そこで、昨年十二月に閣議決定された安保三文書に関わってお聞きしたいんです。 それで、自衛隊は今、南西諸島にミサイル部隊の配備を進めるとか、それから石垣島では陸上自衛隊の石垣駐屯地が開設されるとか、反撃能力を有する長い射程のミサイルの配備も進めようと。それから、嘉手納の基地にローテーション配備している戦闘機というのは核攻撃能力を持つもので、これ、アメリカの本土で核投下試験を行っていたことも分かってきているんです。これではやっぱり、基地のない平和な沖縄どころか、これ基地強化になってしまうんじゃないかというふうに思うんですよね。 この安保三文書が示す方向で基地復帰の原点としてきた基地のない平和な島が本当に実現できるのかということを私は強く思っているわけなんですけど、この点についてまずお聞きしたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) 安保関連三文書、ある意味では専守防衛を閣議決定ではじいてしまう、この国の憲法というのはここまで弱かったのかというがっかりをする国民も多いかと思います。 これは、沖縄県民がなぜ日本復帰を望んだのか。これは、米軍統治下で裁判権もない、自治も認められない、基本的人権もないがしろにされるというところで、この日本国憲法の庇護の下へというのが合い言葉になっていたはずなんですね。ところが、戻ってきたこの日本は憲法をないがしろにするような政権が誕生してはいないかという懸念があります。そして、この安保関連三文書というのは、アメリカから見捨てられる恐怖から自前の防衛力を強化しようということで、これ、防衛省の資料を見ますと、三つの条件があります。我が国の防衛体制の強化、二番目が日米同盟の抑止力と対処力、三番目が同志国との連携という、この三つを書いていますけれども、なぜそれが必要になったか、ロシアによるウクライナの侵略を教訓としています。 一番目に我が国自身の防衛体制の強化を打ち込んだのは、まさにアメリカに見捨てられる恐怖から自前の防衛力を強化しようということで動いたのかなというふうに読み込めるわけですね。そして、二番目が日米同盟の抑止力と対処力、これまで一番目に置いていたものを二番目に置いています。そして、それでもできないときに、三番目、同志国という言葉が出ます。 これ、私も学生にこれは試験に出ますよと言いますけども、同志国とは何かという、これからの同盟国予備軍というふうに見ていいかと思いますけれども、そこを岸田首相が一生懸命外交で回っていますけれども。これ地図に落とすと、オーストラリア、インド、英国、フランス、ドイツ、イタリア、韓国、カナダ、ニュージーランド、そして東南アジア諸国、この回っている国を全部並べると、中国包囲網かと思うような形になってしまっています。これだと、むしろ刺激することになって対立をあおるような形になりはしないかという心配です。そういう意味では、一番真ん中にいる中国との対話をどれだけ深められるかというのが大事だというふうに思っています。 そして、基地のない平和な沖縄、ここに、返還をされた後で新たな基地が入ってきました。自衛隊基地です。これまではなかった、ゼロだった沖縄に自衛隊基地が入って、七二年の段階で三施設だったのが今五十四施設まで増えています。これだけ基地を配備強化しているという状況は、一体どうしてこうなってしまうのか。そして、五六%、五九%とあった復帰前の沖縄の米軍基地負担率が七五%まで増え、返還を促進していただいて、ようやく七〇%です。復帰直後よりも負担が重くなった理由は何なのかという、この辺りについても御議論をいただきたいと思っています。
○紙智子君 おっしゃられたことは本当にそのとおりだというふうに思ってお聞きしまして、やっぱり本当に今大事な岐路に立っているというふうに思いますので、そういう重みをしっかり受け止めながらこの後議論していきたいと思います。 続けてお聞きするんですけれども、これ実は、先ほど来皆さんからも出されていることで、私も今年、委員派遣で沖縄に行ったときに、例のPFASの問題、現場から訴えられましたし、県からもちゃんと調査したいということも訴えられている中で、先ほど、何が歯止めになっているかというと、やっぱり地位協定の問題が掛かってくるので、地位協定の見直しをこの間、私も政府に求め続けてきているわけなんですが、なかなか消極的で踏み込もうとしていないということがあるんですね。 もちろんやっていくんですけれども、その見直しということ以外で、例えば外交の在り方という点で何かあるかなと、いかがかなということをお聞きしたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) これも、今日同行いただいています平良さんと一緒に調査研究もしていますけれども、実は日本という国は旗国法原理という形で地位協定を結んでいます。旗国法原理というのは、例えばアメリカ人にはアメリカの法律しか適用できない、そのために日本においてもアメリカ人を裁くことはアメリカの法でしかできない、そういう形になっています。 この旗国法原理から、現在は、まさにこの日本の中においては日本の中の国内法を適用するという形で、領域主権論という言葉があります。その領域においては領域の主権が行使される、これが当たり前の時代だと。これ実は、アメリカの軍事マニュアルの中にも書いているんですね。アメリカですら、旗国法原理はもう古いと、領域主権論だと、アメリカ人もその国に入ってはその法に従えというふうに軍事マニュアルにも書いてあるのに、日本だけがそれを実行できていないのはなぜかというところです。領域主権論は、まさにこの国の主権国家として存立しているかどうかの一つの試金石になると思います。 このPFAS問題だけじゃなくて、フェンスの内側においても自国領土であるというしっかりとした認識を持って、ドイツやイタリア、同じ敗戦国でもこの領域主権論を主張し国内法を適用しているということを見れば、そういうことを実行しない日本がむしろ不思議であるというふうに受け止められていることを国民全体が知るべきだと思います。
○紙智子君 ありがとうございます。 主権に関わる問題というふうに言われましたし、これ日本の領土なので、そういう意味で、しっかりとやっぱり主張しながら運動していきたいというふうに思っています。 それでは、続きまして、下地参考人にお聞きしたいんですけれども、ちょっと二点お聞きしたいんですけれども、観光業はやっぱり沖縄にとって経済を支えている重要な産業だというふうに思うんですけれども、コロナ後の回復傾向の中で、沖縄観光コンベンションビューローで、二月に、観光親善大使ミス沖縄の選出というのが今までやられていたんだけども、今回休止していらっしゃるんですね。これ、なぜかなって、ジェンダー平等の観点での議論があったのかなということが一つと、それからもう一つは、コロナ禍における地域の取組で、量と質が両立するエシカルな観光地への転換を目指すということを言われていますよね。それで、エシカルなということは、沖縄のような観光地で環境と地域を意識した取組で持続可能な観光ということなんですけど、それを根付かせようと思うと、どういう課題があるのかという二点、お願いしたいと思います。
○参考人(下地芳郎君) ありがとうございます。 沖縄観光コンベンションビューローで第四十代まで続いていた沖縄観光親善大使ミス沖縄、これは、ミス沖縄というだけで、こうよく言われるんですけど、そうではなくて、沖縄観光親善大使ミス沖縄というのが正式な名称です。 四十代まで続いておりましたけども、ここに来て、やはりいろんな社会情勢の変化というところもありますし、情報発信という手法を一つ取ってみても、様々なSNSも含めた媒体もあります。そういった中で、ジェンダーの問題も含めて、一度立ち止まってこの沖縄観光親善大使の在り方というものを考えていこうではないかというふうな思いで一旦停止という、休止というふうな形にしております。なるべく早く様々な分野の方々にお集まりいただいて委員会を開催することになっておりますので、その中で、コロナ禍からの沖縄観光の在り方を含めて、その大使の在り方を検討していくこととなっております。 もう一つ、エシカルな旅というのを一つ沖縄のキーワードに掲げておりますけども、これは、広い意味でいえば、サステナブルツーリズムというふうな意味合いからの言葉です。地球に優しい、地域にも優しいという沖縄の持っている価値をより伝えるための手法として、環境にも配慮している観光地だということをアピールしていきたいと、一つの運動として捉えております。 ただ、これを進めていくためには、その商品とかサービスに明確な根拠を持っていかないと、一方的に企業がこれは環境に優しい商品ですよという、それをうのみにしていては、それは本来の姿にはなりませんので、課題としては、企業が発表する商品のコンセプトに対して、第三者的な視点から商品、サービスのその適合性というものをしっかり把握をしながら進めていくと。その一方で、やはり、地球環境に優しい観光という世界的な流れに関して沖縄から率先して取り組んでいくと、このことに関しては県民全体で取り組んでいく問題ではないかというふうに考えております。
○紙智子君 ちょっと時間になってしまって、ちょっともう一つ聞きたかったので、残念です。 今おっしゃったように、やはり、本当に今の地球環境全体も考えた取組が求められている中で、是非、沖縄が更に魅力を発揮して、多くの人が集まれる場所になるように取り組んでいっていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○大島九州男君 大島九州男でございます。 今回は、急なお願いにもかかわらず沖縄からお越しをいただき、また大変貴重な御意見を頂戴して、改めて感謝を申し上げたいというふうに思います。 前泊参考人におかれましては、以前の沖縄及び北方問題に関する特別委員会にもお越しいただいた際に、同様、今回も沖縄振興に関する最新の知見を御指導いただき、感謝申し上げ、そしてまた、下地参考人におかれましては、沖縄振興の柱とも言える観光産業の振興に日頃から重責を担われていることを改めて敬意を表して、御質問させていただきます。 まず、前泊参考人にお聞きしたいんですけど、私、沖縄の公共工事の在り方、これは、沖縄が主導すべきだから、もし何か一つのプロジェクトがあったら、沖縄の企業の株が五〇%以上、五一%以上で、そこに本土から来る会社をくっつけた新たな会社をつくったりしながら、地元にお金が落ちるような公共工事のやり方をすべきじゃないかというようなことをちょっと提案をしてきたものがあります。それについての考え方。 それからまた、PFASの関係は、私、明日も水俣の視察行くんですけど、水俣問題をずっと私関わってきたんですけど、第三の水俣にするんじゃないと。もうまさに、アメリカ本土においては、もう何十年も前からこの問題が問題になっていて、たくさんの賠償金を払ったりして、スリーエムとか、そういうところがやってきた。それを考えたら、私は、基地の問題は当然その発生者責任があって、そこにやらせるべきだと。そうすると、地位協定があるからそれは難しいという話でいつも終わっちゃうんですけど。 だから、私は逆に、これアメリカの基準を米軍基地が適用すべきじゃないかということをアメリカに言うと、アメリカ人を守るんだと、軍人を。だからそうすれば、アメリカが自分の責任で基地内の部分をやると。だから、角度を変えてというか、球を、直球じゃなくて、もうアメリカ本土にちゃんとアメリカ国民を守れということで物を言えばちょっと進むんじゃないかというふうに思っているところがありますので、ちょっとそれの御意見をお伺いしたいと思います。
○参考人(前泊博盛君) もうあしたにでも、是非アメリカの法律を米軍基地の中に適用していただければと思いますけれども、これは、沖縄における米軍基地については、日本の法律も適用できないし、アメリカの法律も適用できないという法律の穴が空いてしまっているわけですね。これ、例えば米軍機の爆音問題でいうと、アメリカ本国では住宅地の上は飛んではいけないという決まりがある、法律があるんですが、それが守られていない。沖縄においてはもうそういうアメリカの法律が適用できないんですよ、日本なので。ところが、じゃ、日本ではそれ守れるかというと、航空法が地位協定によって免除されているという法の空白が生じています。 そういう意味では、まずはアメリカの国内の法律をフェンスの内側で徹底させていただくと、PFOSは駆逐できると思います。そのためには、でもそれでよいのかと、この主権国家の中でアメリカの法が適用されるような領土を持っていいのかという話になります。そういう意味では、やはり日本が独自に、しっかりとこの環境政策についても、環境保護策についても法律を作って対処するというのが基本だと思います。 このPFOSについては、今沖縄はペットボトルの消費額が全国一位です、ずっと。これ、年間六千円ほどを使っていますけれども、一番少ないところが山口県、千円です。これ、水道料金の千倍から二千倍も払わされている。この低所得県沖縄が水にこれだけのお金を掛けるんです。今、五百ミリリットル百二十円から百五十円払いますけれども、ガソリンですらリッター百七十円の時代に、水にガソリンより高いお金を払わされていることの矛盾。 この瑞穂の国の水の安全性を確保するという意味では、全国的、今、横田でも同じようにPFOSの問題ありますね、厚木もあります。全国の米軍基地でPFOSの問題は出ていますので、沖縄問題じゃなく全国の問題としてPFOS問題は取り組むべき緊急課題だと思います。是非、アメリカの国内法適用ではなく、日本の国内法を基地の中に環境保全で投入をしていただければと思います。
○大島九州男君 今の視点は大事で、僕らも横田基地の関係とか、日本の国分寺とか、そういったところの部分も問題にしているんですね。やはり、何か石を投げないと波紋が起きないので、だからそういう意味では、アメリカにそういう声を出す。当然、そうすると日本の部分の主権の問題も出てくるわけだから、先生がおっしゃるような方向に流れていくという可能性もある。だから、何も日本が動かないというか、アメリカにはっきり物を言わないのが一番悪いんだという部分の認識なので、そこは我々もしっかり頑張っていきたいというふうに思っておりますので、今後ともまた御指導よろしくお願いします。 それから、下地参考人、沖縄振興の中で、私は当然、観光と地域経済を結び付けるためのいろんな仕掛けが必要だと思っています。ガラス工房みたいな、よくみんなで観光で行ったらそこでお土産買ったりするんですよね。 私、ちょっとこれ確認できていないんですけど、例えば、かりゆしありますよね。かりゆしをどういう形で作っているかなんて僕らは分かんないし、行くと何かやっぱり、かりゆしってみんな着ているから買おうかなと思うんですけど。ああいう、かりゆしをこういう形で作っていますよみたいなそういう工房があって、何かそこに観光バスでぴやっと行くと何かかりゆし買えるみたいなね。そうすると、いろんなものも一緒になって売れるんじゃないかと思うんですけど、そういう発想で何かかりゆしのあれをやっているとかいうのはあるんですか。
○参考人(下地芳郎君) ありがとうございます。 まさに、かりゆしウエアが普及したのは二〇〇〇年のサミットの際ですね。それまでは観光の一部の人たち中心でしたけども、国際会議をやるということで各国の首脳にも着ていただき、それを大きなきっかけとして、県内、そして県外、クールビズの影響もあって政府内でも普及をしてまいりました。 このかりゆしウエアは二つありますけども、伝統工芸品、私が今日着ているのは、紅型という伝統工芸品をかりゆしウエアに一部用いたものです。こういった伝統工芸品としてのかりゆしウエアと、既製品として、製造業として県内の縫製業の皆さんが沖縄らしいデザインで沖縄で作るという、かりゆしウエアの定義に基づいた展開をしています。 その意味で、観光を支えるファッションとしてもう既に定着をしておりますけども、今御質問のあったその二つのスタイルの中で、伝統工芸の部分については、様々な地域で見学をしながら販売ということもされております。一方で、既製品的な部分については、ショップが県内に多数ありますので、そういった製造の現場というよりは、そういったショップの中で見ていただいて買っていただくと。 大分普及をしてまいりましたし、県外から出張で来られる方々も、かりゆしウエアに着替えて沖縄でお仕事をされるというところもスタイルとして普及してきましたので、我々としては、新しいデザインの開発だったり、伝統工芸品の更なる普及という意味で取り組んでいきたいというふうに考えております。
○大島九州男君 是非、いろんな産業と地元の観光をつなげるやつ、これから新しい秘策をどんどん出していただきたいというふうに思います。 それで、前泊参考人が、先ほど生薬の話がありましたけど、私の友人が、宮古島の薬草はすごくいいんだっていうので、東京からわざわざその研究所をつくって、そこの生薬を持っていこうと。ちょうど我々は鳩山政権のときには統合医療を普及促進するということで、今それを一生懸命やっていたりとか、あと、今度また、宮古島に観光科つくる、専門大学というか、それも我々の仲間がやっているんですよ。 そういう意味で、今ちょうど僕らが議論をしているのは、攻められない抑止力をつくるために、国際航空大学を沖縄に持っていこうと、あっち側に持っていって、周辺の中国とかそういったところの国の皆さんと国際航空大学をつくると抑止力になるんじゃないかという、そういう議論もしているんですね。 そういった意味において、私たちが沖縄がそういう攻められないような状況づくりをするというのに、何かいいアドバイスありますか。
○参考人(前泊博盛君) まさに六月に、今、沖縄ハブプロジェクトというのを取り組んでいます、関係者も中におりますけれども。その中では、国連のアジア機関を誘致しようというような動きもあります。それから、アジアにおける最高の学府を沖縄に引っ張り込む、これも大事ですね。それから、共同出資をしていただいてテーマパークあるいは観光施設を造る、アジアの総力を挙げて沖縄にアジアの宝をつくっていくという、こういう形で取組を始めようということで今動いています。 また、その意味では、その航空学校についても、昨日ちょうど学生たちにも、卒業した後で航空大学校に行く、あるいは航空学校に行く。パイロットは、今、コロナが明けると世界中で四百万人が不足するというふうに言われています。そういう意味で、新たな市場として航空パイロットを輩出していくことはとても重要な視点だというふうに思います。 それを是非、下地島空港は元々パイロットの養成所として造られた空港であります。そこを基地に使われないように、むしろ経済基地として発展していけるような形で、軍事基地も併用、転用していけるような形で是非実現をいただければと思います。
○大島九州男君 是非、そういった同じ思いなので、いろんな意味でまた御指導をいただきますことをお願いして、終わります。 ありがとうございました。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。 今日は、お二人、参考人の前泊さん、それから下地さん、もうかなり資料だけでも随分沖縄の特徴が出ているというのが、今日本当にすばらしい資料が入っていると思います。 ようこそ東京へと言ったら変ですけれども、沖縄からするとマニラに行っているのと同じ距離なんですよ、フィリピンに行っているのと。そういう距離の中で沖縄を見なきゃいけないということですね。そして、経済圏でいうと、やっぱり長崎のところに与那国があるとすれば、伊豆半島ですよ、大東島。この広さをあって、何で基地だけかということですよ。神奈川の方がそう言っていたんですけれども、もったいない。今ちょうど経済の話とかいろいろ出てきましたけれども、相当いろんな可能性を秘めているということを、もう今日はお二人の参考人強調されておりましたけれども。 沖縄の復帰前に、主権在米というのがありました。主権在米という言葉は今、日本どうかなという疑いあるんですよ。地位協定も変えられない。この地位協定が相当影響を与えているというのは、さっきのPFOSもそうですけど、やっぱりそこをきちんと見て、沖縄をどう活用するかと、生かすかというのは非常に重要な、それこそこの委員会の大きなテーマだと思います。 そこでお聞きしたいんですけれども、まず下地参考人の方からお聞きしたいんですけれども、沖縄の観光立県、もうこれに、これから先どんどんどんどん向かって、更に整備をしていかないといけないと、沖縄の観光インフラですかね。そういう中で、それぞれいろんな課題はあると思うんですけれども、具体的には、これからコロナ後のずっと増えていく中で、先ほどもちょっといろいろ整備の問題ありましたけれども、そこの方、ちょっとどういうのがあるか教えていただけますでしょうか。
○参考人(下地芳郎君) ありがとうございます。 これからの沖縄の観光の発展を考えるときに、質の向上というのが大きなテーマだと思いますけれども、三つの質の向上というふうにいつも申し上げております。 一つは、インフラの質の向上です。これから新しい時代に向かって、従来の公共工事だとかというところから発想を変えた、歩ける町づくりというところに向かったインフラの整備というところも必要になってきます。 もう一つは、サービスの質の向上です。これから高度観光人材育成を進めながら付加価値の高い観光コンテンツを開発し、それをアピールしていくため、こういったサービスの質をどういうふうに上げていくかというところです。 もう一つは、観光地経営の質をどう高めていくかというふうになります。サービスの質のところは企業が担っていきますけれども、観光地経営、国、県、市町村一体となった行政と業界、あと研究機関等を合わせた観光地としての経営の質を高めていかないと、人材不足だったり地位の向上だったりというふうなところ、環境を保全するための仕組み、そういうところにもなかなか前に進んでいきませんので、この三つの質の向上をしっかり進めていくということが大事だというふうに考えております。
○高良鉄美君 ありがとうございます。 沖縄の特徴というと海外事務所ですね。四十七都道府県の中にあって、海外事務所が八つぐらいありますね。シンガポールやらソウルは、あるいはワシントン事務所もあるでしょうけれども、あとは中国に五つぐらいですね、台湾、香港を含んで。 この海外事務所の展開と沖縄の観光の関連で、その辺は何か情報交換とか連携とか、そういうのはあるんでしょうか。
○参考人(下地芳郎君) ありがとうございます。 実は、私も沖縄県の香港駐在員、初代の駐在員でございました。一九九五年から九九年、香港の返還前二年、返還後二年、計四年香港におりました。私のミッションは、沖縄と香港、さらには東南アジアの関係強化、関係強化の大きな柱が観光交流、あと県産品の販路拡大、あとは国際交流、こういったミッションを負って香港におりました。 現在、中国含め東南アジアまで、そしてワシントンまで、県の駐在員、後輩の皆さんが頑張っておりますけれども、まさに平和交流を進める上で、この海外事務所の果たす役割というのは極めて大きいというふうに思っております。行政だけではなくて民間も、県の機関を使いながらビジネス展開もしておりますので、新しい時代の地域外交という意味においても駐在事務所の果たす役割は非常に大きいというふうに考えております。
○高良鉄美君 ありがとうございます。 前泊参考人にお聞きしたいんですけれども、沖縄振興政策、これも五十年を振り返ってということで、余り変わっていないんじゃないかと、振興でこれだけ投与して、まだずっと県民所得が最下位であるという。こういった問題について、基地の存在というのは、従来はもう離して考えるということでしたけれども、今基地とリンクしているんだと、振興策が。この辺りについて何かお考えありましたら。
○参考人(前泊博盛君) 沖縄の予算について補正後のものを皆さんにお配りをしましたけれども、この数字を見ると、この黄色い部分が実は旧革新、今、国政でいえば野党、そして水色の部分が与党、いわゆる自公政権ということになりますけれども。なぜか与党になると横ばいか、あるいは予算が減るという、そして野党になるとなぜか、保守、革新でいうと、旧革新というグループでいうと右肩上がり、そして保守になるとなぜか横ばいか下がるという、この予算の在り方って何だろうという疑問があります。 沖縄だけがなぜこういう政治的な形で振興策を動かされなければならないのかという、この国の政治の質の問題、品格の問題というのを亡くなられた翁長知事が指摘をしていました。人格と品格を備えなければ風格ある政治は生まれないということも言われています。こういう予算の在り方というものをもう一度見直していただいて、言うことを聞けばお金をやる、聞かなければお金を減らす、むしろ逆に、言うことを聞く人が誕生するとお金を減らされてしまうという、そんな状況にあります。 そして、沖縄では、今その振興策において基地への依存度は、復帰直後は一五%ぐらいを占めていましたけれども、現在は五%まで減っています。むしろ、観光は五%ぐらいだったのが今二〇%近い依存度になってきています。こういう民間経済の成長をつくり上げていただいた自公政権においても、これが更に成長していけるような形で今新たな政策を是非打ち込んでほしいというふうに思っています。 一方で、基地依存度が減った分の財政依存度が高まるという、沖縄では逆行する状況もあります。財政に依存するような形ではなく、民間経済がもっと成長していけるような形の新たな政策を是非この委員会の中で御議論いただければというふうに思っています。 今日は、皆さんにお配りしたウチナーンチュ検定、これ学生たちにも配っていますけれども、是非、基本的な沖縄の人口や完全失業率や県民総生産額がこの五十年間でどう動いてきたかという、この疑問にお答えをする形で皆さん共通理解をいただいた上で、新たな新10K経済についての発展可能性を是非サポートをいただければと思います。 沖縄が成長すれば、この四十七都道府県の中で最下位の沖縄が成長すれば、この国の中ではどの地域も成長していけるようなモデルケースになると思います。是非、沖縄を一つのパイロット地域と位置付けて、発展の方策を構築をいただければと思います。よろしくお願いします。
○高良鉄美君 ありがとうございました。 振興の話と基地問題が出ましたけれども、前泊参考人、最初にいろんな沖縄の抱える課題ということで、子供の貧困やら、あるいは県民所得の問題、そういったことがかなり、あるあるというか、びっくりのような、いろんなものが出てきたんですけれども。その辺り、やっぱり振興と基地問題と生活の問題、それって何か一つの平面の中にあるのか、何かどれぐらい関連しているのかなと、こうだからこうなっているとか、そういうような話がありましたらお願いいたします。
○参考人(前泊博盛君) 与那国に今ミサイル部隊が配備をされていますけれども、与那国は人口減が非常に激しくて、このままいくと島が成り立たないかもしれない、そこに自衛隊の配備。これは、監視部隊を置くよと、中国や台湾の動きを監視するための部隊を置くということで、地元にとっては災害救助隊あるいは救急を運んでくれる自衛隊が来てくれるということで合意をしたんですね。ところが、その後、倉庫を造ると言ったのが弾薬庫に変わり、弾薬庫のはずがミサイル基地に変わるという、こういう説明の仕方がどんどん変わって、いつの間にかミサイル基地になる。 そして、人口が増えると言っていましたけれども、隊員たちは家族を連れてきて、最初は増えました。ところが今は、危ないからと家族は置いていっているんですね。こういう在り方って地元にとってどうだろうというふうな思いがあります。 苦しいときに、もう島を維持するために自衛隊を誘致する、これは、北大東が新たな誘致を始めているのも、島を維持するために自衛隊の力を借りようというふうに動いてくる。そこで、それを利用して、むしろミサイル部隊を配備されてしまうというようなことにもなります。 それから、今、沖縄では、経済徴兵という言葉が出ています。自衛隊員を集めるために、生活保護世帯のリストを市町村長に要求をする、その要求して提供してくれた生活保護世帯に自衛隊の誘致の、あるいは自衛隊の募集の文書を送るという形を取っています。これ、アメリカでも行われている経済徴兵という形で、自衛隊を集めるという手法が本当にこのままでいいんでしょうかという、この国を守る形として品格、人格をやはり問われるような形になると思います。 是非、風格ある政治を沖縄で実施をしていただければというふうに思っています。
○高良鉄美君 非常にいいお話を聞きました。大変ありがとうございました。 終わりたいと思います。
○委員長(三原じゅん子君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 次に、政府開発援助等及び沖縄・北方問題対策樹立に関する調査のうち、北方領土問題に関する件を議題とし、参考人の皆様から御意見を伺います。 この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ御出席いただき、誠にありがとうございます。 皆様から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いいたします。 次に、議事の進め方について申し上げます。 まず、脇参考人、山添参考人の順にお一人十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず脇参考人からお願いいたします。脇参考人、着席のままで結構です。脇参考人。
○参考人(脇紀美夫君) ただいま御紹介をいただきました公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟理事長の脇でございます。個人的には、国後島の出身であります。 着席で失礼させていただきます。 本日は、三原委員長さんを始め委員皆様の御高配により、北方領土の元島民を代表して意見を申し上げる機会をいただき、厚く御礼を申し上げます。また、常日頃より、私ども元島民や後継者に対する支援措置を始め、当連盟の活動に対し御理解と御協力をいただいていることにつきましても感謝を申し上げる次第でございます。 私は、この委員会には平成二十九年の六月に参考人として招かれ、一日も早い北方領土の返還が実現するようお願いをいたしました。それから六年が経過しましたが、この間、ロシアとの平和条約締結に向けた交渉や北方領土の返還に関しては全く進展がありませんでした。進展どころか、昨今のロシアとの関係は戦後最悪と言っても過言ではない、そのように感じております。 本日は当連盟の主な課題や要望などを申し上げてまいりますので、皆様方には私ども元島民の思いをしっかりと受け止めてくださりますようお願いをいたします。 当連盟は、全国で唯一の元島民の団体として、昭和三十三年に社団法人として設立されました。それから六年以上が経過しています。当連盟では、北方領土返還要求に関する取組を始め、領土問題に関する理解を深めてもらえるよう、元島民とその後継者による語り部の活動や様々な啓発事業を行っています。また、元島民やその家族がふるさとの島を訪問する自由訪問や墓参の実施に関わるほか、今後の活動を担う二世などの後継者の育成や後継者が活動しやすい環境づくりなどにも取り組んでいます。 それでは、千島連盟の主な課題と要望について順次申し上げます。 皆様のお手元に、参考資料として、当連盟のあらまし、宣言案、決議案、コメント、知事と連盟の要望書などを配付させていただいております。このうち、宣言案と決議案は今月二十九日に開催する本年度の当連盟の総会において採択することとしております。宣言は領土問題や返還要求運動への決意を示すものであり、決議は、領土問題に関することを始め、国や関係機関への要望に関する事項を掲げております。 まず、領土問題に関してですが、宣言案を御覧ください。 当連盟では、これまで一貫して北方四島の早期一括返還をスローガンに掲げ、返還要求運動に取り組んでおります。私どもが島を追われてから長い年月が経過しましたが、領土問題の解決、四島の返還に至る道筋はいまだに見えないままです。領土問題は私ども元島民だけの問題ではありません。また、根室管内や北海道といったローカルな問題でもなく、国の領土、主権の問題であり、日本国民全体の問題です。国内の世論、国民の意識が四島の返還が必要だということで一致し、こうした世論を背景に外交交渉を進めることが重要と考えております。 また、ロシアによるウクライナへの侵略は、北方四島の現在の姿に相通じるものです。ロシアによる不法占拠という状況を元の正しい姿に戻すためには国際社会と協調していくことも重要だと思っております。 先月、ロシア最高検察庁が私ども千島連盟を望ましくない団体に指定しました。それ自体極めて一方的で断じて受け入れることはできないものですが、それ以上に問題なのは、指定した理由について、千島連盟の活動がロシアの領土保全を侵害していると説明していることであります。私ども千島連盟はロシアの領土を侵害する活動はしておりません。日本の領土である北方四島を返してもらうための活動をしているのです。 外務大臣は、今回の指定を受けて、元島民の方々の気持ちを傷つけるもので受け入れられないとコメントされていましたが、そんな生易しいものではありません。昭和三十一年に締結された日ソ共同宣言を始めとして、日本とソ連、ロシアの間では北方領土という領土問題があることを前提として、その解決に向けた話合いを続けてきました。今回の指定は、そうした歴史的な経緯を全て無視して、一方的に北方領土をロシアの領土だと宣言したのと等しいものであります。 国会及び政府には、そのような誤った前提に基づく対応は一切受け入れることはできないことを強く申し入れ、その上で、一日も早く四島返還のゴールまで結び付けていただくために、これまでに倍するほどの外交努力をお願いいたします。 一方で、四島の返還が実現するまでの間は、私ども元島民やその家族が自由に、そして安全に四島と往来できることが何よりも大事なことと考えております。 現在、ロシアとは、スポーツや芸術文化の交流事業を始め自治体同士の友好交流なども実施できない状況になっていますが、元島民の平均年齢は八十七歳を優に超えており、墓参や自由訪問などはロシアとの関係が改善されるまで待とうというわけにはいきません。私ども元島民やその家族にとって、墓参や自由訪問は島を訪れるための唯一の方法です。国においては、仮にロシアとの関係が難しい状況のままであるとしても、墓参や自由訪問は何としても再開する、実施するという強い思いで交渉を進めていただきたいと思います。特に、墓参についてはロシアも停止していないとしており、まずは墓参の早期再開に向け協議を早急に進め、できるだけ早く、そして安全に実施されることを願っております。 最後に、後継者の育成、活動への支援に関してです。 令和四年末で当連盟の正会員の数は約二千六百名、そのうち元島民は八百名ほどで、二世、三世といった後継者が約七割となっております。領土返還までに更に時間を要するとするならば、返還要求運動や我々連盟の様々な活動を絶やさないよう、後継者の方々にしっかりと引き継いでいかなければなりません。連盟としては、後継者による広報啓発活動の充実を始め、後継者が語り部の活動を引き継いでいくといった取組を進めていくことが重要と考えております。 またあわせて、後継者の一部にしか認められていない北対協融資について、後継者はひとしく融資の対象となるよう制度の改正を行うことが極めて大事なことだと考えております。委員皆様の御理解と御支援を切にお願いいたします。 私ども元島民に残された時間は本当に少なくなっております。一日も早く北方領土の返還が実現するよう、全国各地で返還要求運動に御尽力いただいている関係団体の皆様方と協力、連携しながら、外交交渉の後押しとなるよう力を尽くしてまいることをお誓い申し上げ、私の陳述を終わります。 どうもありがとうございました。よろしくお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 次に、山添参考人にお願いいたします。山添参考人。
○参考人(山添博史君) 防衛研究所より参りました山添博史と申します。この度は、お招きありがとうございます。 私は、行政機関に所属はしておりますけれども、研究所で職務をしております。個人の資格で公開情報を基に研究発表を行っておりまして、これから述べる見解も、主にロシアをいかに見るかということを私自身研究してきたものに基づく個人的な見解として申し上げます。 先ほど脇理事長からお話を伺いまして、控室でもお話を伺ったんですけれども、やはり七十数年前に生起してから解決ができていない非常に深刻な問題ですね。昨年から私もウクライナの中で何が起こっているかというのに心を痛めて見てきているわけなのですけれども、それと同じことが、それに比肩し得ることが日本国民にもありまして、北方領土もそうですし、樺太でも満州でも沖縄でも、難しい地上戦とその惨禍があったということをより強く想起しながら、この問題をいかに認識して考えていくべきかということをより重く受け止めております。 さて、以下は、私自身がロシアの、国際関係としてのロシアの歴史や政治を研究してまいりまして考えておることを述べます。 ロシアの対外関係なんですけれども、国境問題の交渉と解決というのは、実際には、現代のロシアでも、中国や旧ソ連にありましたラトビアとも国境問題を解決しております。この二つの事例は、大きな政治的な問題としては、ロシアと中国の間で政治問題は一部あったのですけれども、それを克服する形で互いの利益を尊重するという合意に達成、到達したと、そういう経験もある国ですので、国境問題の解決は難しくとも不可能ではありません。一方で、ロシアとエストニアとの国境問題は、行政府間の合意には達したところ、その後の批准手続が進まなくてこれが政治化したという状態でもありまして、非常に難しい問題はほかのところでもあります。 私自身が見ておりまして、ロシアと日本との間、もちろんこれは、日本がずっと、一八五五年に合意して、ロシアと日本の間で合意して以来、合法的に日本の領土であって、日本はソビエト連邦に引き渡すという合意をしていない、そういう北方領土ですので、その法的原則を堅持する、これはもう当然の原則であるわけなんですけれども。ロシアが日本と合意することで何かを大きく変えるということであれば、ロシアは日本が要求していることに対して相当大きな利益と引換えに交渉するという考え方を持っているはずですので、それ自体が非常に難しい問題ではある、そこの認識は最初には必要であろうと思っております。 それで、ロシアの外交戦略、それ全体を見ておりますと、本来、今のロシアというのはかなり私にとっても難しくて、これまでの歴史においても難しい状態になっているとは思うんですけれども、本来、自分の利益、自国の利益を追求しながらも他国との共通の利益も重視してきたバランス、均衡も、自己抑制も、そういうものも備えた外交をする国でもあります。 その主な関心事というのは、やはりロシアのすぐ近くの、三十年前までは同じ国であったソビエト連邦の空間、その向こうにあるヨーロッパ、何百年もやり取りをしてきたヨーロッパの一部であるという意識もかなりロシアに強いです。その向こうにあるアメリカ合衆国、こういったところに対する意識が強くて、さらに、大きな戦略を考えると、アメリカとは対抗する関係もあるわけですので、その関係では、中国といった国、インドのような新興国、こういった新興国との連携、それからロシア、中国というのは、政権が、統治機構がアメリカの影響力によって、何といいますか、難しい状況に置かれていると、そういう認識も共通しているわけですので、中国と連携するというような考え方もあります。 そういった中に日本をロシアは考えていると思われて、必ずしも日本について毎日考えているわけではなさそうだということですので、その点も難しさの一つであろうかと思います。 それで、二〇二二年、昨年の二月からロシアはウクライナ侵攻を始めていて、これは、私も恐れてはいながら予期していたとは言い難い、かなり衝撃的な決断ではあったかなとは思うのですけれども、その理由も理解できる部分と理解できない部分もあると。 ただ、最も私として理解できないのは、自国の経済、外交利益に対するロシア自身のバランスが失われているということで、最近ではアメリカ、ロシアとの間の核兵器の管理に関する新START条約に対する履行も停止しているという状況ですので、これはロシアの安全自身にとっても非常に大きな問題である、こういったものが、何といいますか、昔の帝国のような勢力圏抗争、こういうものだけが突出しているように見受けられます。 これは、私どもの防衛研究所の共同研究で書いたものですね、この参考資料にも挙げていただいたものですけれども、「大国間競争の新常態」という共著の中で私も論じているところですけれども、ともかく、少し考えにくいようなロシアの中でのバランス、それが今、一時的なのか長期的なのか、失われている状態であると思います。 ただ、それが、ずっとロシア史がそうであった、ロシアはずっと侵略的であったというふうには私は考えていませんでして、日本との間では、一番、何といいますか、鮮やかといいますか、そういう分かりやすい例は、日露戦争がありました、一九〇五年に終わりました。その後が、日露同盟の時代という非常に例外的な相互連携の時代に入っていまして、同じニコライ二世の皇帝なんですけれども、ロシアと日本が同じ側になって第一次大戦の時期まで軍事援助の相互援助なども行うと。それから、ソビエト連邦、スターリンの時期に戦争があるわけなんですけれども、その後を受けたフルシチョフの時代には、スターリンの時期の外交や政治の路線をかなり変えましょうというような考え方で、新思考の外交、ある意味の新思考の外交もやられましたし、ゴルバチョフの時代、エリツィンの時代、皆さんも御存じの時代ですけれども、そういった外交の時代もありました。 そのようにロシアが変化し得る時期に、いかにロシアにとって、そのときのロシア人、ロシアの政権にとって日本が信頼できて、共同の利益を考えられるパートナーかということが問題になってくると思います。 時間超過しまして失礼いたしました。以上で陳述を終わります。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。 質疑のある方は順次御発言願います。
○臼井正一君 千葉県選出、自由民主党の臼井正一です。 両参考人は、大変お忙しい中、当委員会にお越しをいただき、陳述いただきました。ありがとうございます。 特に、脇参考人におかれましては大変遠くからお越しをいただきました。報道等で伺うところによると、今月末で千島連盟の理事長を退任されるということなんでしょうか、千島連盟の。というふうに伺っておりまして、それを抜きにしても、大変長きにわたる返還運動の中心として御活躍をいただいていることには敬意を表したいというふうに思っております。 まず、脇参考人に対してでございますが、皆様方御承知のとおり、二月七日が北方領土の日ということでございます。私も今拉致バッジを付けておりますけれども、北方領土の返還運動に比べて拉致の活動というのは非常にマスコミに取り上げられる機会も多くて、国民として目に触れる機会が多いんですが、他方、北方領土の返還運動というのは、非常に報道等でも余り目にする機会が少ないように私自身感じています。 自分の党のことで非常に恥ずかしいんですけれども、自由民主党が出しているカレンダー、自民党の幹部が書を書いている揮毫のカレンダーの方には、ちゃんと二月七日、北方領土の日というふうに記載されておりますが、もう一枚のポスター型のカレンダーでは、スペースの問題なのか、二月七日は北方領土の日というふうに記載されていなくて、こうした点も我々自由民主党、しっかり足下を見直しながら、返還運動、後押しをしていかなければならないと改めて思ったところでございます。 返還運動の取組の、こうしたいわゆる国民運動としての盛り上がりというものに関して、脇参考人、政府に対する、何というんでしょうね、要請、要望も含めて、もし御所見があれば伺いたいというふうに思います。 またあわせて、ウクライナでは、二〇一四年のクリミア併合を受けてから、北方領土の日、これが日本の北方領土の日に合わせてロシア大使館前で抗議活動が行われているというふうにも聞いています。 こうしたロシアによる侵略を受けた、又はいわゆる、先ほども参考人からありましたけれども、過去に侵略を受けた国との連携というのは今まで取られてきたのか、それとも今後取っていくおつもりがあるのか、お伺いをしたいと思います。
○参考人(脇紀美夫君) ただいま御質問いただきまして、ありがとうございます。 まず、私の個人的なことでちょっとお話があったんですが、今月末で退任云々という話ですけれども、今月の二十九日に当連盟の総会がございます。その段階でその辺のことについてははっきりさせたいというふうに思っております。今は、今この地位にあるものですから、懸命に頑張っているということでございます。 今、国民的な世論も含めての話ですけれども、全国に各都道府県の県民会議というのがございます。その県民会議の中でこの啓発活動、大変一生懸命やっていただいておりますし、あるいはそのほかの各関係団体、たくさんあります、北方領土の返還に関する。我々千島連盟は、元島民だけの会ですから、ほかの会とはまた違うんですが、いろいろ本当に全国的に応援をしていただいております。だから、それについては大変有り難いというふうに思っていますが。 戦後七十七年が経過している今日、全国的な、じゃ、盛り上がりが実際にあるのかどうかということについて私からどうこうと言える立場ではございませんけれども、とにかく、今ここに来て、さらにまたウクライナ侵攻ということがございましたので、逆に領土問題が、ウクライナの侵攻によって北方領土の問題がクローズアップされてきているのかなというふうに思っていまして、これを機会に更に全国的な啓発活動を進めていかなければならないというふうに思ってございます。 以上です。
○臼井正一君 ありがとうございました。 今日からG7広島サミットが開催をされています。ウクライナに関連して国際社会の連帯というものを日本が議長国として取りまとめて声明を発していく、そういう貴重な歴史的なサミットになるというふうに思っています。日本もウクライナと同じく、不法に、特に長い年月、領土を占領されている国として、強力なリーダーシップを私からも期待をしているところでございます。 さて、ロシアによるウクライナの侵攻、もう一年を経過しています。そろそろ大規模な反転攻勢にウクライナが出るというような報道も接しているわけでありますが、そろそろ、日本も国際社会とともに今日に至るまで連携してウクライナを支援してきたわけであります。 ここからは山添参考人に少し確認、また質問等をさせていただきたいというふうに思うわけでありますけれども。 落としどころということで言えば、停戦に向けて中国が、勝手にというか、いわゆる領土の返還もしなければ軍の撤退もないという条件の中で停戦を呼びかけて、まあこれはアメリカを含めて一蹴にされた、一顧だにされなかったわけであります。 そうした中で、日本として、いわゆるロシアに対する経済制裁で、その返り討ちというのも経済的に受けている状況の中で、一体どこを停戦の落としどころにするのかというのは非常に考えていかなければならない段階にそろそろ来ているんじゃないかと個人的には思っています。 昨日も、ゼレンスキー大統領は、クリミア半島の返還まで含めて我々がやるんだというようなことをおっしゃったというふうに聞いています。参考人として、そこら辺の落としどころはどのように見るべきか、もし何かございましたら、お願いをしたいと思います。
○参考人(山添博史君) 御質問ありがとうございます。 私個人としては、ウクライナが戦争の当事者であって、ウクライナが求めている、我々日本としても、侵略を受けている側の権利が最大限回復されるべきだという立場である以上は、ウクライナが求めているもの、それが戦争終結の基礎になるものだと考えます。 ウクライナは、やはり国際的に認められた領土の回復、それから人権の侵害に対する確認とその保障、こういったことを含めた十項目の平和の公式、フォーミュラーというものを出しておりますので、もちろんこういったものを基礎にして平和は論じられるべきだというふうに考えております。 中国が提案している中国の現在の政治的立場というものについては、まだどういう行動をするかというのが明確にはなっていない段階ですけれども、ウクライナが主張しているこの平和の公式、これについての論評や対応というものにもなっていないので、やはりそれは基礎にしにくいものなんだろうと思います。 ただ、現実には、ウクライナが求める平和の条件、公正であって領土が回復されて、それから持続的である、この後も再び侵略が起こらないようにするというような平和というのは非常に今のところ難しくて、それはロシアが軍事力行使をしているから。で、それに対するウクライナがやむなく軍事力行使をする、その結果に基づいてどのような平和が論じられるかというのが大きく変わってくるのだと思われます。これは残念なことですが、武力行使が大きな要因になっております。 以上です。
○臼井正一君 どうもありがとうございます。 日本も北方領土返還を求めていく立場からすれば、ウクライナに対して、軽はずみなと言ったら失礼かも分かりませんが、軽々にこの辺で手を打ったらどうかということが言いづらい立場にあるのかなというふうに改めて感じたところでございます。 先ほど参考人からは、ロシアはかつても、ある一定の利益と引換えに領土問題解決をしてきた歴史があるというふうに伺いました。それは端的に、一体日本の北方領土の場合、何がロシアに対して返還に勝る利益となり得るのかということと、あと、先ほど来も議論されたんですが、日米地位協定が返還の足かせになっているような報道もあるわけですが、かつては二島返還というのも日米地位協定がありながらも議論されたことがあるわけで、日米地位協定のその存在というものが返還にどのような影響を与えているか、端的にお願いをしたいと思います。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 ロシアにとっての利益、やはりこのアジア太平洋地域でより繁栄した国際関係の中に入っていくというのがかなり大きいと思いますので、ロシアの極東地域というのはやはり困難を抱えた地域、そこにいかに日本が将来に向けての協力ができるかというのが大きなものになると思いますし、地位協定については、ロシアがこの日米安全保障体制に懸念を示しているというのは、示しているのは事実なんですけれども、それが実際に本当の最重要点であるのかどうか、そこは説明次第でうまく、そのときの利益の調整が別のところでうまくいくのかどうか、それがまだちょっと分かりかねるところではあります。 以上です。
○臼井正一君 非常に限られた時間でありましたが、北方領土返還に対する新たな決意と、そして、このロシアとの日本の関係、理解が深まったところでございます。本当にありがとうございました。 以上で質疑を終わらせていただきます。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、田中昌史君が委員を辞任され、その補欠として若林洋平君が選任されました。 ─────────────
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。 参考人の皆さんには、お越しをいただきまして、ありがとうございます。特に脇参考人は、遠路お越しいただきまして、ありがとうございました。 私も北海道出身でありまして、参考人にも大変いろんな意味で御指導をいただいてまいりました。羅臼で役場の職員をされ、その後、平成十五年からは町長を三期お務めになられました。元島民ということでいえば、とにかく行政を通じて地域の皆さん方の安定した生活をということももちろんでしょうけれども、そこに住んでおられる多くの皆さんと一緒に一刻も早い北方領土の返還を求めてこられた第一人者だというふうに思っております。 先ほどお話の中にもありました戦後最悪の状況にあるという認識の中で、いかにこれを打開していくかということがこの当委員会でも大変重要な問題意識だというふうに思っておりますので、もう時間限られておりますので早速お聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 これは脇参考人と山添参考人、両方にお伺いをしたいと思います。 先ほども触れられましたけれども、ロシアの最高検察庁が千島歯舞連盟に対して好ましからざる団体だというような指定をしたということについて、脇参考人も触れられましたけれども、今後の返還運動にどのような影響があるというふうにお考えになっておられるのか。 そして、山添参考人には、こういう指定をしたことの意味合いと、そして、その裏側にあるロシアの意図というんでしょうか、そして同時に、これを打開していく道があるとすればどういう点かということについてお答えをいただきたいと思います。
○参考人(脇紀美夫君) 御質問ありがとうございます。 先般のロシア側の望ましくない団体の指定に関しての御質問だというふうに思います。 当連盟は、ロシアの領土を侵害するような活動をしたという事実は全くなくて、むしろこれまで長い年月にわたって北方四島に住むロシア人の方々とも平和裏に友好的な関係を築いてきました。交流も深めてまいりました。今回の指定は、こうした経緯に照らして極めて理不尽で一方的なものであり、断じて受け入れることはできないものでありますが、当連盟の返還要求運動には何ら変わりはございません。より一層、返還運動を強力に進めていきたいというふうに思っております。
○参考人(山添博史君) 御質問ありがとうございます。 この好ましからざる団体という指定なんですけれども、昨年、ロシアが日本を非友好国というふうに考えるようになりまして、それから議員の皆様を含めた入国禁止措置、そういった彼らが向こうの中でできる不満の表明、その一連の流れのものなんだと思います。 それから、憲法が二〇二〇年に改正がありまして、修正がありまして、このときに領土問題、領土の割譲について論じることも協議することも禁じられているということにロシアの中ではなりましたので、やはりそれに関連して、ロシアにとっての領土の割譲に当たるような問題は合法には扱えないというような論理にはなっていると思います。 今、このようなロシアの中でも対外的に緊張関係のある中ですので、これを何らかの柔軟姿勢でもって変えていくと、一旦出した決定を覆すというのはしばらくは難しいんではないかというふうに、そのような考え方しか今は持てておりません。 以上です。
○勝部賢志君 今、山添参考人から触れられました国会議員の入国禁止令、昨年の五月の四日だったと思いますけれど、この中にも該当された方がいらして、私自身も実は入国禁止命令を受けた一人なんです。当時のこの沖北の理事をやっていた方々はそういう状態に今あるんだと思うんですね。 それがありましたけれども、特別個人的に何かそれで不利益を被るようなことは今のところ全くないわけですが、ですから、山添参考人言われたように、ある意味、何というんですか、そのときの意思を伝えたいということで言われたのだろうと。だから、これが、脇参考人言われたように、このことによって我々の北方領土返還運動が変わるものではないという受け止めを私どももしていいのではないかと思っています。 ただ、やはり現状、交渉をするといったときに、その相手側がそれに直ちに応じる状況にあるかどうかというと、それは現実的にはなかなかやっぱり厳しいのかなというふうに思うんですね。 先ほどのお話の中で、最終的には領土を返還して平和条約を結ぶということが最大の目標であり、そこから一歩も揺るぎない思いを持って取り組んでいるわけですけれど、当面の取りかかり口として、私は、人道的に始まっている墓参は最低やはり何とかしてこれは活路を見出していくということが必要ではないかと思います。 そういう意味では、やっぱり民間同士のつながり、まあ団体同士のつながりはもちろんですけど、千島連盟の皆さん、これだけ御努力をされてきても何かもう全然間違った受け止められ方をしてしまっているわけで、それ以外のところで何か打開をしていくような方策というのはないかどうか。これは、脇参考人とそれから山添参考人、お二人に、もし何か今思い付くような、思っているようなことがあれば、ちょっと表明をいただけたらと思います。
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 ただいまの質問、先ほども申し上げましたけれども、一番私どもの願いは返還ということでありますけれども、今望まれていることは何かということにもなると思います。 我々元島民にとって北方四島はふるさとであって、父や母あるいは祖先が眠るその土地でもあります。墓参や自由訪問は、我々が島を訪れる唯一の機会であります。返還されるまでの間はできるだけ自由に往来できるようにしていただきたいと切に願っておりますし、自由な往来は難しいとしても、まずは墓参だけでも再開してほしい。先ほども申し上げましたように、ロシア側は墓参についての門戸は閉ざしていないというふうに私どもは受け止めております。 したがって、日本側としては何とかそれを窓口にしながら進めていっていただきたいと。今この状況の中で、現下の厳しい状況は十分承知している中にあって、今できることは、今希望することは何かと言われたら、やはり墓参の再開に尽きるというふうに思っております。 以上です。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 私も、墓参というのが、やはり島民の方々の非常に切実な問題でもありますし、つながりを続けるという非常に重要な意義もあると思っております。 私の少し聞いている話でありますと、大学の関係では、やはりロシアとの交流が低調になったところも多いのですけれども、ロシア人の教授が日本に滞在するのは中止されずに残っているとか、そういう事例はやはり少数はあるわけですね。そうやっていると、ロシアの中でも、日本はこういうふうに話ができるというようなことを理解する人が一定数いると。それを継続することがロシアにとっての日本を見る糸口にはなるはずですので、そういったことは少しずつ活用するのがいいのかなというふうに思います。
○勝部賢志君 実は私、北海道日ロ協会の会長を務めております。この団体は、青少年のロシアとの交流を通じてお互いの理解を深めていこうと。直接北方領土問題の解決には、直接的には携わらない部分もあるんですが、けれども、相互の理解、あるいは、国と国同士、そこに住む人たちがお互いに理解し合うことが最終的には私は北方領土の解決につながっていくと思っていて、そういう役割を微力ながら担わせていただいているんですが、実はこの活動も現在全くできない状況にあります。 少しでも、今、山添参考人から言われたようなこともありますので、民間的なところで少し活路を開けないかということ、そしてやっぱり大事なのは、何といっても政府がしっかりとした外交ルートを通じながら、先ほど脇参考人が言われたこと、最低でも、そしてそれを取っかかり口にして一歩でも進めていくということが極めて重要だと思いますので、そのことを改めて確認をさせていただきました。 残念ですが、時間が参りましたので、これで終わりたいと思います。 ありがとうございます。
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 お二人の参考人の先生方、貴重なお話、大変にありがとうございます。 まず、脇参考人、本当に、これまでも、またこれからも、長きにわたり日本の領土である北方四島を取り返すこの活動に対して改めて敬意を表して、本当に感謝を申し上げたいというふうに思っております。 先ほど、墓参と自由訪問、とりわけ墓参についてはロシアも特に否定はしていないという話があった。それも踏まえまして、公明党としても、しっかり政府と実現に向けてどのような対応ができるかというのがまず協議をしていきたいということはお伝えを申し上げたいというふうに思います。 まず一点お尋ねをしたいんですが、今も話ももう出ているこの千島歯舞諸島居住者連盟、理事長を務められていらっしゃる、こちらに対してロシアが望ましくない団体に指定をした。これ、歴史的経緯を一切無視した許されないものである、これは私も全く同感であるというふうに思っております。 これについての所感というところでありますが、とりわけ、先ほども、連盟としては平和裏にというふうにおっしゃった。連盟の動きがこの現地のロシア人住人との交流なども通じた人と人のつながりをつくった上で、その先に四島返還というのを当然見越した上での活動であるわけでありますが、そういう蓄積がある、そういう活動をしているある意味連盟に対してこういうような指定をしたということ、これについての御所見、これまで対人交流でどういう成果があったかということも踏まえて改めてお伺いをできればというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 望ましくない団体という指定されたことにつきましては、先ほども申し上げましたように大変受け入れ難い話ですし、残念に思っております。それで、ましてや、我々は今まで、現在住んでいるロシアの元島民と交流を深めてまいりました。特に青少年にあっては、どんどんどんどん交流が深まるにつれて友達もできました。そういう中では、非常に、人と人とのつながりという部分では非常に深化しているんですが、このことについては、もちろんこのウクライナ侵攻によってということになってくると政治的な問題になってくると思っています。 したがって、我々元島民の立場で政治的な分野にまで、これについてなかなかコメントしづらいんですが、あくまでも我々は、純粋に、北方領土、これは我々のふるさとなので返還してほしいというふうに訴え続けていることでありますから、今後もこのウクライナ戦争、ウクライナ侵攻によってこの問題が左右されることのないように我々は頑張っていきたいというふうに思っております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 まさに、人と人で営々とつなぎ続けられてきたものを、ある意味政治的な思惑でこういうような形で行ってくるということは、やはり許し難いものであるなというふうに私自身も改めて思うところであります。 もう一つ、脇参考人にお伺いをしたいと思うんですが、まさにこの北方領土の問題というのは、島民、元島民の皆様、またローカルな問題ということではなく、国の主権の問題として国民全体でやはり考えていかなければいけない問題だと、全くそのとおりであるというふうに思います。特に若い世代に対して、こういう問題があるということ、そしてそれをある意味自分事として捉えていくということは非常に重要であるなというふうに思います。 それらについての啓発として、教育の現場でもどういう取組があるのか、また、場合によっては、例えば既に取組もあるかもしれませんけど、北方領土の密接地域への研修旅行とか修学旅行とか、そういう取組もあったりとかするわけでありますが、それも含めまして、若い世代に対して、この問題に対してより身近に感じて、考えるきっかけを与える取組としてどういうものがあるのか、具体のものがあればそれも踏まえて、啓発ということで御意見があれば是非御指導いただければと思います。
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 戦後七十七年経過する中にあって、最近になってようやくといいますか、国の方、国の方というか、教科書にも取り上げられるようになりました、この北方領土問題。それ以前は教科書にも全くこのことについては言及されてございませんでしたけれども、ようやく教科書にも載るようになりました。それから、ある場面によっては、就職試験にもこの北方領土問題が取り上げられるようにもなりました。それで、加えて今、非常に有り難く思っているのは、修学旅行生がどんどんどんどん現地の、現地というか、北方領土が見える、特に根室管内の方に来ていただいているということであります。最近ではもう、羅臼だけでも三十校くらいもう今年の予定が入っております。 したがって、修学旅行生の若い方々がこの北方領土を間近に見て実感してもらえるという中にあっては、非常に効果があるものだというふうに思っていますので、これについては今後も全国的に修学旅行ということについて拡大していただければ大変有り難いと思っていますし、そういう面では、今後、我々元島民は八十七歳を超えているわけですから、なかなかもう体力的にも能力的にも気力的にも限界に達しているという中にあって、やはり二世、三世、この若い世代の方々にこの運動を引き継いでいってもらわなければならないというふうに思っていますので、そういう面では、こういう若い人たちのこういう取組というのは非常に有り難く思っていますし、今後とも広めていっていただきたいというふうに念願しております。
○矢倉克夫君 ありがとうございます。 その引き継いでいかなければいけないという思い、我々もしっかり共有して、また議論も含め、活動していきたいというふうに思います。ありがとうございます。 山添参考人にお伺いをしたいと思うんですが、ロシアにとっての北方四島の位置付け、もう既に同じような質問は出ているところもあるかとは思うんですが、改めての問いなんですけど、先生の著作とかでも、このロシアの行動というところ、その大国構想というものからいろいろな活動を規律しているというような発想もあったかというふうに思います。 この北方四島というのが、このロシアの大国構想というものの中で位置付けられるものとしてロシアも位置付けているのか、それとも、並立するかもしれませんけど、安全保障上の問題として何か位置付けを考えているのか、若しくは経済的な部分なのか。ロシアにとってのこの北方四島というのはどういう位置付けになっているのかということを、ちょっと抽象的な質問になるかもしれませんが、先生の御意見をもしいただければというふうに思います。
○参考人(山添博史君) 御質問ありがとうございます。 私が先ほど御案内のあった参考資料の中で述べた大国構想というのは主に旧ソ連の空間においてのことで、これはもう、ロシアが一番人口も集中している西の方、ヨーロッパの東部、こちらの、本来ロシアはこれぐらいであったと、本来こう戻るべきだというような、大きな民族の統合とか領土の回復とかそういったもの、それを、大国であるアメリカとかイギリス、フランスでありますとか、もちろん中国にも認めさせたいと、そういう発想であります。 太平洋でもアメリカと対峙はしているわけで、それの一環として、確かに軍事拠点として択捉島、国後島というのをロシアは使っております。これは、ソ連時代の後半に潜水艦を運用するようになって、オホーツク海を潜水艦が行動をすると、それによって、核兵器をもし先にどこかから撃たれたとしても、その潜水艦からは核兵器をもって反撃ができると。そういうものが安全保障の根幹であるという考え方に基づくので、それは北極海にも、バレンツ海ですね、にあるのが第一で、第二としてオホーツク海がある、その一部としての択捉、国後というのがありますので、それについては、やはり安全保障の観点からは今の段階では譲り難いという考え方は非常に強くあると思われます。 以上です。
○矢倉克夫君 その位置付けを踏まえた上で、では、具体的にどうやって取り戻していく交渉をしていくのかという方策について、何かアドバイス等があれば教えていただければと思います。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 非常に今申し上げたことからは難しいというのがまず出発点にはなるのですけれども、ただ、歴史を遡ると、海軍が反対していた島を日本に譲り渡したということがありまして、これは一八七五年の樺太千島交換条約のときに、カムチャツカの次のところ、幌筵島と占守島ですね、この辺りの部分をロシア海軍は日本に渡してはいけないと言っていた。ですが、これは、交渉、ロシア皇帝アレクサンドル二世と外相ゴルチャコフが、今ここで決着をして彼らのサハリン島を確保し、日本と問題は決着させるんだという決断でもって、ロシア海軍の言い分は今回は譲りましょうというふうに決着した。 こういう事例はあると言えばあるので、安全保障だから絶対に譲れないということではなくて、それよりもロシアにとって必要な利益が何か、例えばこのときに日本との経済協力、それから外交支援が是非とも必要だという状況になれば、安全保障の考慮というのは絶対的ではなくて相対的な考慮になる、それは考え得るとは思います。それは、その後、これから後の歴史の流れによると思います。 以上です。
○矢倉克夫君 お二人の参考人、大変ありがとうございました。しっかり参考にさせていただきたいと思います。 ありがとうございます。
○清水貴之君 日本維新の会の清水と申します。 本日は、大変貴重なお話をいただきまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 まず、お二人にそれぞれお聞きしたいと思うんですけれども、どのように今後この返還交渉を進めていくかという話で、安倍元総理とプーチン大統領の関係がまだ比較的良かったというか交流があった時代、プーチン大統領が安倍元総理の地元の山口県に来たなんてこともありましたので、あのときに政府がやろうとしたのがロシアとの経済協力だというふうに思います。共にごみ処理を一緒に開発していくとか観光ツアーをつくっていくとか、こういったことで少しずつ、何ですかね、雪解けをしていこうというようなことを政府は狙って、ここにも予算としては数百億円投じていろんな事業を進めていこうとしたんですが、これもウクライナ侵攻があって今はストップしているというふうに認識をしていますが。 まず、こういったやり方、山添参考人にまずお聞きしたいのは、政府としてはそのような、山添参考人のお話からも、やっぱりロシアは利益を、自国の利益を、まあどこもそうかもしれませんが、特に優先するという話もありましたので、こういった経済的な面での協力を進めていくという政府のその当時のやり方ということに対する評価をお聞かせいただけたらと思うのと、脇参考人には、こういったことを進めてきたことに対する御地元の、皆さん住んでいらっしゃる北海道の御地元の皆さんの評価というのはどのようなものかというのを、御地元のお声というのを教えていただけたらなと、それぞれよろしくお願いいたします。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 経済協力なんですけれども、これ、ちょっと今となっては過去の話ですが、ロシアにとって、例えばドイツですね、ドイツとは、ガスの輸出入によってロシアは現金が得られる、ドイツはガスが、エネルギー源が得られる、こういう相互依存関係がある一定の行動の抑制効果を持っていたのではないかと考えられるときがありまして、ロシアがドイツと正面衝突にまでなるような場面というのはこれまでもなかったのかなと思います。 そういった非常に大きな相互依存関係がロシア、日本の間にあるのであれば、ロシアは日本との関係をそう簡単にはむげにはできない。そういったことを、そういう段階まで至るのであれば、それは、ロシアは日本の意向を考慮すると、そういう一要素になるとは思いますので、相互依存関係、共同利益というのは一定の目指すべき方向だったのではないかなと思います。ただ、それがどの程度できたかということについては、その道のすごく初歩的な段階で不幸にも進まなくなっている状況なのかなというふうに考えております。 以上です。
○参考人(脇紀美夫君) 経済協力の関係でありますけれども、我々元島民の立場として言わせてもらえるとするならば、そのことによって返還に結び付くもの、資するものであるとするならば、それはそれでよいのではないのかなというふうには思っておりました。 以上です。
○清水貴之君 脇参考人には続いて経済的なお話もお聞きしたいんですが、今ウクライナの侵攻があっていろいろ交流などが止まっている中で、漁業協議などもいろいろ支障が出てきているというふうに聞いております。 こういったことが、元島民の皆さんだったり御地元の皆さんに与えている影響、特に負の影響などありましたら、その辺も教えていただけたらというふうに思いますが。
○参考人(脇紀美夫君) 私、今日この場にいるのは、元島民の立場として参考人としてお招きをいただいたということでございますから、北海道あるいは地域の住民の評価あるいは考え方なり思いというものについては、ここで私がなかなかコメントをしづらいということをちょっと御理解いただきたいと思います。
○清水貴之君 分かりました。ありがとうございます。 それでは、是非、脇参考人には、先ほどのお話で、やはり今、後継者の問題が非常に大きな問題だというお話を聞かせていただきました。七割が二世、三世の方ということは、その中にはもう仕事の関係とか結婚してとかで北海道を離れるとか地元を離れている方も多く、どんどんどんどんこれから出てきてしまうんじゃないかと思います。 そういった中で、そういった方々をまとめていくとか、そういった皆さんの声を強くしていくというのは非常に御苦労もされていることがあるんじゃないかと思いますが、どのような御苦労があったりとか、若しくはそういったことで、国であったり政府であったり、何かもっとこういったことを頑張ってくれよということがありましたら教えていただけますでしょうか。
○参考人(脇紀美夫君) 御質問ありがとうございます。 本当に、後継者というか、今、我々元島民は八十七歳を超えて、限りなく少なくなってきているという状況の中で、実は今、今月の末に当連盟の総会もあるんですが、その中で役員改選もございまして、今現在の役員二十四名、理事というのが二十四名いるんですが、今回改選になって二十二名になりますけれども、その中で元島民の理事、役員というのは三名しかおりません。あとは二世、三世です、役員になっていただけるのは。それだけ限りなく、もう元島民は体力的にも気力的にも限界に達しているという状況の中にあります。したがって、勢い今後については、そういう二世、三世に委ねていかざるを得ないという状況になっているということでございます。 したがって、この後継者対策ということは非常に悩ましい話で、非常に、これだという妙案がございません。したがって、これについても一つ、先ほど申し上げました北対協の融資制度、現在、元島民に対する融資していただいているんですが、これを後継者にというのは人数が限られてございます、全部になっておりません。したがって、元後継者に、全部にその貸付けが対象になるようにという、これも一つ、後継者対策の一つだというふうに思っていますので、これも今後、国の方に更にお願いしていかざるを得ないというふうに思っているところでございます。それが一つの妙案かなと思っています。
○清水貴之君 具体的な御提案をどうもありがとうございます。 さらに、この領土問題の話は、先ほどどなたか拉致の話もされていましたが、非常に私も近いところがあるなと感じる部分もありまして、北方領土の問題も拉致の問題も全国大会というのがあって、国もそういった大会を開いて、私、選挙区、兵庫県ですけれども、少し離れた兵庫県でもそういった活動をされている皆さんが、その時期に合わせてそれぞれ、北方領土返還を求める大会であるとか拉致の問題を広めていく大会だとか、そういったものを皆さん熱心にされていらっしゃいます。 ただ、そういった大会ももちろん非常に重要なことだと思うんですが、ただ、なかなか具体的な解決策に結び付いていかないというのもこれ現状だと思う中で、やはり、この啓発活動ということの難しさというのも非常に私も参加させていただきながら感じるんですけども、まあそれが、一時の、その大会のときはわあっとなるんですが、なかなか継続しないなというのを感じるんですよね。 こういったことはどのように進めていけばいいか、若しくは、これも国としてもっとこういったことをやってもらえたらなということを、何かアイデアをお持ちでしたら教えていただけますでしょうか。
○参考人(脇紀美夫君) 大変口幅ったい話ですけれども、この啓発活動、啓発運動、国民世論という部分については、現在いろいろマスメディアを通じて国としてもいろいろ広報的にやっていただいておりますけれども、もっともっと、今のこの情報化の中にあって、国として予算を拡大してもらって、国民に、世論に訴えていくということをやってほしいなというふうに思っています。 やっていないとは言いませんけど、もっともっとやってほしいと。それが全国民に、北から南まで浸透することになるのかなというふうに思っています。
○清水貴之君 ありがとうございます。 続いて、山添参考人にお願いをいたします。 経済外交のバランスという話が先ほどの陳述の際あったかと思います。やはり、ロシアは利益を考えますと、今回ウクライナの侵攻で様々な、日本も含めて経済制裁というのを行っていますけども、ただ、この経済制裁をやっていてもこのロシアのウクライナに対する態度は変わっていかない。ということは、そういった制裁の効果というのが十分出ていないのかなとも思ってしまったりもするんですが、こういった経済外交、経済制裁とか、この辺りについてのお考え、お聞かせいただけましたらと思います。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 経済制裁ですね、最も望ましい、その目的の一番先にあるのは、ロシアが撤退すること、戦争をやめることであろうかと思うのですけれども、実際にこれを計画した人々は、恐らくそこまでは望むことはできなくて、ただ、ロシアが戦費をふんだんに得ていって、いろんなものを得て戦争に投入するのと、それにかなり苦労するといいますか、それが制約されていくというのでは、ロシアが戦い続けるというときの軍事行動の品質や規模、それから速度、そういったものを低下させる、それによってロシアの戦争の行動を抑制することができる、それを狙うべきだという考え方であるというふうに私は理解しておりますので。 例えば、精密誘導兵器の生産でありますとか、ロシアが戦車を製造する際の砲塔、戦車の砲塔ですね、そこの工作機械、それを造るための工作機械、そういう精密なものについてはかなりの制約を受けていて、最大の成果をロシアの軍人にとっては出すことができないという情報もあり、また一方で、別のルートで何らかの精密部品、半導体等は入ってきているというようなお話もありますので、それは、経済制裁を意図する側としては問題をまた見付けてそれに対応していくというのが必要になってきて、それによってはロシアはこれ以上効率的には戦い続けられないというふうになり得ます。 以上です。
○清水貴之君 時間になりましたので、終わります。 ありがとうございました。
○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。 今日は、お二人の参考人、大変貴重なお話を伺いまして、ありがとうございます。 まず最初に、脇参考人にお伺いしたいと思います。 今回、ウクライナの件を受けまして、北方領土の墓参ができなくなったり、ビザなし交流ができなくなって、大変元島民の皆さんや二世、三世の皆さんもつらい思いをされていると思いますが、今回の件を受けて、実際に島民の皆さん、元島民の皆さんがどんな思いでいらっしゃるのか、改めて脇参考人の方から皆さんの声を御紹介をしていただけないかなというふうに思っておりますので、お願い申し上げます。 〔委員長退席、理事江島潔君着席〕
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 元島民の思い、声に出せないほど悔しがっています。口には出せない、心の中で本当に悔しがっています、これについては。 したがって、そういう状況の中にあって、じゃ、どうしたらいいのかという中にあって、やむを得ず今年もまた洋上慰霊をやらなきゃならないというふうに計画をしております。要するに、島の近くに行って、中間ラインまで、向こうに行けないんですよ。したがって、島を望むところまで行って、船で洋上で慰霊をするということをやむを得なく計画しています。 したがって、今の質問に答えるとするならば、本当に、口に出せない、表に出せないほど残念がっているということだと思います。
○浜口誠君 まさに、元島民の皆さんの思いを受けて、今後、政府としてもしっかりとした対応をしていかないといけないという思いを新たにするところでありますが、それと併せて、先ほども少し議論ありましたが、この北方四島の返還に向けて国民の世論をやっぱりしっかりと高めていく、このことも大変重要だというふうに思っております。 私も、二〇一九年の夏にえとぴりか号に乗ってビザなしの渡航をさせていただきました、国後、色丹島に訪問させていただきましたが、改めて国民の皆さんにも関心を持っていただいて、やっぱり元島民の皆さんだけではなくて、日本人全員がこの問題に関心を持ってしっかりとした取組を進めていくということが非常に重要かというふうに思っております。 そこで、脇参考人と山添参考人にも、この世論喚起という観点で、これからやっぱりやるべきこと、今SNS社会ですので、こういったSNSでの発信でより若い皆さんにもいろんな情報を届けていく、こういうことも有効な手段の一つではないかなというふうに思いますけれども、この世論喚起に向けてのお考えがありましたら是非お聞かせいただきたいと思います。
○参考人(脇紀美夫君) 先ほども申し上げましたけれども、やはりこれは国民的な問題、国の問題だというふうに捉えるとするならば、当然これは、全国民的な啓発ということが一番手っ取り早いのは、やっぱりマスメディアを利用しての啓発だというふうに思っています。 そのほかに、各都道府県にも県民会議、あるいは都道府県ごとにいろんな、北方領土の日の二月七日の大会等々やっていただいているわけですから、そういう面では浸透はしてはいると思いますけど、まだまだ全国民的な世論としては盛り上がってはいないというふうに感じておりますので、この点については特段の政府の、あるいは政治の力をお借りしたいというふうに思っています。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 世論喚起、脇参考人おっしゃっていただいているように、地道な啓発活動、教科書、それからマスメディアということが基本だと思います。 それで、付け加えて、まあ成功するかどうか分からないのですけれども、考えられるとすれば、今、現に起きているウクライナでの住民、避難民に対する世論、マスメディアでの関心も高いということがありますので、今、広島のサミットもありますけれども、そういったことがつながってきて、過去から続いている日本の人々の苦しみ、困難、こういったものが感じられるような機会というのをうまく使っていくことで、これまで関心なかった方にも届くのかなということを一つ思いますし、もう一つは、先ほどからちょっと挟んでおりますが、歴史の話。 〔理事江島潔君退席、委員長着席〕 例えば、北海道の島から国後島を見ると、すごく、もうすぐそこにあるのにということなんですが、ここを、済みません、ちょっと名前忘れてしまいましたが、司馬遼太郎の小説などで、「菜の花の沖」ですね、ここで高田屋嘉兵衛などが活動していた、すごく一体となってつながっていた経済圏であるわけですね。こういったことが記憶としていろんなところでしみていくことで、やはりここは我々とずっとあったんだというのが広まりやすいのかなとか、そういう理解の仕方もあるんではないかなというふうに思います。 以上です。
○浜口誠君 ありがとうございます。 そうした中で、ロシアは二〇二〇年の七月に発効した憲法改正で領土の割譲禁止ということを明記しております。なぜここまでの憲法改正をロシアとして行ったのか、その意図と、この憲法改正がやはり北方領土問題に与える影響等について山添参考人から御意見をいただきたいと思います。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 憲法改正については、これ、それほど領土の問題というものが大きな論点では最初はなかったのですけれども、大統領任期の拡充でありますとか、議会と大統領がどれほどの権限を持つか、そういう論点に併せてほかにも改正、修正の論点がありますかということで、例えば、伝統的価値観を保持すべきだとか、領土は譲り渡してはいけない、それは主にクリミア半島のことを言っているんだと思うんですけれども、いろんな議員がいろんなことをおっしゃって、それが表れてきたと。それから、いろんな公式文書、例えば国家安全保障戦略、ロシアの国家安全保障戦略でも、こういった伝統的価値観や領土を保つとか、そういうものが強く表現されるようになってくる。 こういうここ三、四年にも強まってきた傾向、これの反映であるというふうに考えております。より日本に対して領土交渉というのは、ロシアの中で今のその法制度では難しい状況にはなっている状況だと思います。
○浜口誠君 その中で、山添参考人にお聞きしますが、今回、北方領土への対応を改善していく、解決していくためには、ウクライナ問題を解決していかないと前進していかないんではないかなというふうに感じております。 ウクライナの問題を解決していくために、やっぱり中国が果たす役割というのが非常に大きいんではないかなというふうには思っておりますが、山添参考人として、中国にどのような動き、対応があればウクライナの問題が解決に向かっていくのか、その視点で御意見があったらお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 中国の今見えている役割、立場というのは、ロシアの立場に寄り添って、戦争の激化をやめましょうというふうになっていまして、先般もウクライナの側から領土回復なき和平は今合意できないですという声明があったところです。ですが、中国の一つの立場としては、ロシアに、もうこれは、ロシアに強いことを言えるとしたら中国なのかもしれない、ロシアは中国から言われたときに、これは難しいけれども考えますということがロシアの政権もロシアの国民の前でも通用しやすい。 そういった点があるので、もし中国が本格的に和平に乗り出してくる場合に発言権を持つ可能性がありまして、その点について中国がどのような立場を取るのかということについて、ウクライナが理解をしてもらいたいということで、ウクライナは中国と話をしている、こういう状況だと思われますので、中国に、どういう和平でないとウクライナは収まらないか、その国際関係が収まらないかということを非常に強く伝えていく必要があると思います。 ロシアの言うだけの和平というのは永続しません。それは中国の外交が成功しないことになりますので、ウクライナに何が必要かを中国はしっかり知るべきで、我々も伝えることができるのかもしれません。
○浜口誠君 ありがとうございます。 もう一点、山添参考人にお伺いしますが、北方領土問題を解決するに当たって、日本とロシアのバイの交渉、もうこれしか道はないのか、あるいはそこに第三国、例えば米国ですとか中国等が入って議論することによって解決の道が開かれるのか、どのような解決に向けた枠組み、スキームが考えられるのか、その辺についての御意見があったらお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 日ロ二国間だけではない解決ということですね。ロシアが問題視している一つが米軍の存在ということでありましたら、その米軍が、アメリカ側がこの問題に関わってくるといった考え方も可能性としてはあるかと思います。 また、経緯からいいまして、アメリカとソ連が同盟国であったときに途中まで話をしていた結果が、今ソ連、ロシアが主張している領土の話になっているので、そのことについてもアメリカも関わっているという観点があるので、アメリカが関わるような交渉の在り方というのは具体的にはちょっと想像しにくいのですけれども、あり得る問題なのかもしれません。ちょっとそこには、よく、はっきりした答えがちょっとありません。 失礼します。
○浜口誠君 ありがとうございました。 引き続き、今日伺いました御意見もしっかり受け止めまして、北方領土問題の解決に向けて、我々の立場で前進を図れるように取り組んでまいりたいと思います。 本日は大変ありがとうございました。
○紙智子君 紙智子でございます。 お二人の発言をいろいろお聞きしながら、私からも質問したいと思うんです。 それで、ふるさとを強制的に言わば退去させられてから七十七年ということで、先ほど来話ありましたけど、先月、ロシア最高検察庁が千島歯舞諸島の居住者連盟に対して望ましくない団体だというふうに一方的に言われているわけなんだけど、全くこれは受け入れられないというのは私も全く同じ思いであります。 それで、連盟のホームページが、この事前に配られていた資料室の資料の中にも書いてあるんですけれども、それ見ますと、昭和二十年の八月十四日にポツダム宣言を受諾して、翌日十五日に無条件降伏で第二次世界大戦が終結したと。その後、三日後の十八日にソ連軍が千島列島に侵攻を開始して、三十一日に千島列島の南端にある得撫島まで占領を完了したと。二十八日はソ連軍が択捉島を占拠して、九月一日に国後島、色丹島、九月三日に歯舞群島まで及んで、五日までに北方四島全域が不法占拠されたんだということが書いてあるんですよね。 たった三週間ですよね。三週間の間に、何というか、このことを知らないでいたわけだけれども、こういう事実を知って驚くというか。だから、戦争終わったと思っていたのが、そういうことがずっと続いていたんだということを、この歴史というか、見たときに改めて痛感するわけなんだけれども。 そこで、脇参考人にまず伺いたいんですけれども、この資料の中にもありましたけれども、昭和十六年に国後でお生まれになったと。それで、ソ連軍が侵攻して、大混乱の最中に避難をされたというふうに思うんですけれども、そうすると、その頃って多分、脇参考人、五歳前後ぐらいかなと、幼かったんじゃないのかなと思うんですね。それで、幼い頃の記憶も含めて、御家族の方も大変な御苦労されたと思うんですけれども、ちょっと御自身の体験された思い、家族が話をされていたことなども含めて、その体験、御苦労についてお話を聞きたいということと、それから、領土返還運動を粘り強く今まで取り組んでこられたその御自身の原点というところをちょっとお話を聞かせていただきたいと思います。
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 今お話ありましたように、私は、一九四一年に太平洋戦争が始まったわけですけれども、十二月ですね、私が生まれたのは一月でした。一月に生まれて、十二月に戦争が始まって、その後、一九四五年に戦争が終わった。私がちょうど四歳、四歳ですね。その後三年間は、強制的、強制的というよりも、自分で引き揚げ、脱出する能力がなかったものですから、島にとどまっておりました。 したがって、三年間ロシアと混住しました。子供たちとも一緒に遊びました。我々は子供でしたから断片的にしか覚えていないんですが、いつ戦争が始まっていつ戦争が終わったか、それすらも分からないまま過ごしておりました。今のような情報化の時代ではありませんでしたから、なかなか、島でしたから、そういう情報も入ってこないという中で、もちろん大人の人たちは知っていたんだと思いますけど、私はなかなかその辺を知る由もなくて、過ごしてしまいました。 ただ、ロシア、ロシアというか、戦争が終わってから、我が家に機関銃を持った兵隊、兵隊さんというか、大きな人、大人の人たちが入ってきて、うちの中を物色していたということだけは覚えています。恐ろしい思いをしたということだけは覚えています。それが後から、ロシア人だったということは後から分かったことです。外国人って見たことなかったわけですから、日本人以外は。したがって、それが大人の人たちはアメリカ人だと思っていたらしいんですけれども、ロシア人だったと後から分かりました。 したがって、そういう意味では、我々子供としてはそんなに険悪な状況でない中で島では生活しておりました。ただ、大人はまたそれとは違った経験もしたと思います。私は国後だったんですけど、ほかの歯舞、色丹、あるいは択捉はそれぞれまた別な経験もしておるんだと思います。私はそんな記憶しかございません。ただ、たまたま結果として、知人、知人というか私の親戚を頼ってたどり着いたのが羅臼、現在住んでいる羅臼でした。したがって、毎日その島を見ながら生活、ここまでしておりました。 したがって、今この立場にはありますけれども、若い頃は余り北方領土返還運動に一生懸命やっていたという記憶はなかったんですが、やはり行政をやる中にあって、この理不尽な状況を何とかしたいという思いの中で今はこういう活動をしているということでございます。
○紙智子君 ありがとうございます。 羅臼の町長さんもされていて、そのときにお邪魔していろいろお話聞いたこともありましたけど、本当に親も含めて大変な思いだったんだろうと思います。 それで、脇さんを始め、今日まで本当に粘り強く闘って返還運動を要求されてきたと思うんですけれども、やっぱりふるさとに帰りたいという思いを、強い思いを表していくということで、今年二月の七日にやられた北方領土返還要求大会がありましたけど、あのときに後継者の皆さんがいろいろ朗読をされていました。いろんな、自分がおじいちゃん、おばあちゃんから聞いた話とかまとめたやつをこういう冊子にして、それで、もう手書きのやつで作ったのが朗読されていて、とても胸を打たれました。 そして、同時に心強く思ったのは、こういう工夫をされて、どうやってみんなに伝えていくかということで、絵も手描きなんだけど、もう本当に何か生活の場だったというのがよく分かる絵なんですね。具体的な聞いた話がつづられているのですごくよく分かるものだったんですけど、こういうのがやっぱり、二世、三世というか、まあ四世まで含まれるんですかね、ということでされてきているということをとても心強くも思いましたし、そういう意味では、今ちょっと厳しい情勢ではあるんですけれども、これをやっぱりつないでいくということでは、二世、三世、四世、次の世代につないで継承していくというためにどうやって継続させていくかというのは、国としても、国会としても考えていかなきゃいけないことなんですよね。 さっきもちょっとやり取りにありましたけれども、そのときにどういうことを支援が必要かということで、さっき融資の話とかもありましたけれども、私、例えば、その居住者連盟の皆さんの事務所って札幌に一つありますよね。根室とかほかのところってないですよね。根室はあるんだけれども、ほかのところって事務所体制ってどうなっているかなというのが気になっていて、そういうところの体制も、次のその世代の人たちがそこに来て、いろいろ相談して取り組んでいくことを支えていけるような、そういう事務所体制なり、そういうのって必要なんじゃないのかなというふうに思うんですけど、この点いかがでしょうか。
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 先ほど後継者の問題も含めてお話しした中にあって、私、一つだけ。 今、語り部事業というのをやっているんですね。今、紙委員さんおっしゃったように、いろんな冊子も作りながら元島民の声を何とか皆さんに知ってもらうということの中で語り部事業もやっているんです。その語り部は、リクエストがあるのは、元島民の声を聞きたいと、二世、三世よりは元島民の生の声を聞きたいという人が多いんです。したがって、元島民がすごく限りなくそういう体力的に無理だというような中で何とか語り部をやるときには、元島民と一緒に、二世、三世も一緒にその場にいて、その語り部を聞きながら自分たちもその実感をしながら次につなげていきたいというふうなことでやっております。 それと、今、後段にありましたような、札幌に事務所があって、根室には啓発施設があります。そのほかに、羅臼と別海には内閣府の施設があります。それから標津には外務省の施設があります、啓発施設がそれぞれあります。それと、各支部、当連盟には全部で全国に十五の支部がございます。したがって、その支部ごとにいろんなそういう活動をしていただいている。本部自体は総体的なことをやっていますけれども、実際のいろんな事業の展開は各支部にお願いしたり、あるいは各支部に頑張ってもらってやっているということですから、そういう意味では、各支部、後継者に対するそういう予算的なことも是非お願いしたいなというふうに思っています。
○紙智子君 いろいろ努力して、私たちもやっていきたいと思います。 それから次に、山添参考人に伺いたいんですけれども、昨年二月二十四日に始まって、このロシアのウクライナ侵攻、まさにかつて旧ソ連が行った千島列島の不当占拠ともう重なって見えてしまうというのがあって、当時ソ連が第二次世界大戦後の戦後処理の大原則であった領土不拡大に反して不法占拠したと。今は、ロシアは国連憲章に反してウクライナに侵攻しているということですよね。 なので、ソ連とか、今はロシアなんですけれども、この体制や政策についてどのように思われるかということを一言お願いしたいと思います。
○参考人(山添博史君) 御質問ありがとうございます。 まず、当時のソビエト連邦、これが中立条約有効である状況で日本に戦争を仕掛けてきたということ、それから、日本はその当時はソ連に仕掛けていないのに対して、日本の領土を奪うということにまで進んでいるということなんですけれども。 歴史を見てみますと、ロシア帝国もソ連も現代のロシアも、危機にあるときに非常に集中した、これだけに集中して、これが必要なんだというふうに考えると、それ以前、それ以外の考慮がかなり抜け落ちてしまうと。この法の中でというよりも、ここに、アメリカとソ連でナチズムと戦ってきたというような、そういう論理が優先してしまうわけですので、それの下で有利なものは取っておくというような発想がありますので、今、ロシアにとっても非常時の考え方ですので、こういう国際の共通の規範というのは作用しにくい状況にはなっていると思います。
○紙智子君 ちょっと時間になってしまったので。 日本に引き寄せて考えると、やっぱり北方領土や千島列島、領土不拡大の原則に反してそういう不当な占拠ということの、今度の問題の本質と道理というのを国際社会に向かってむしろ示せるときではないかというようにも思っております。それでまた、引き続き聞いてやっていきたいと思います。 ありがとうございました。
○大島九州男君 大島九州男でございます。 今日は、両参考人、本当にありがとうございます。 早速御質問させていただきたいと思います。 脇参考人、私の親は広島生まれで、広島のところにお墓があって、代々やっぱりそこのお墓参りをするんですね。私は九州にいたんですけど、結局、子供や孫にちゃんとそのルーツを伝えるという意味でやっぱりお墓は移さないでそこの島に置いておこうといって、年に一回はやっぱり御先祖に墓参りで、ルーツ大事だから、子供たちもお墓は移さないよねというような議論をしているので、特に墓参の関係は、やはり皆さんがそこに生まれ育った歴史とルーツがあって、もうそれだけは何とか、できないというのはよくないなという個人的にすごく思うんです。 これ、外交云々関係なく、民間レベルというか、そういう中で、国後でお生まれになったときに、さっきの話でいくと島民の子供たちと一緒に遊んだという経緯がありますよね。そういうその中から声が出て、本当に住んでいた人の墓参だけはロシア政府とかに言って認めてもらうとか、それとか可能性はどう思われます。
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 実は、墓地、実際にこの四島に五十二か所あるんですよね、墓地と言われるもの。ただ、実際には、じゃ、どれだけのところに実際に我々が墓参に行けるかというと限られているわけですよ。実際にあった場所すらもう分からなくなってしまっていると。 したがって、五十二か所、もう全く、全くと言っていいほどほとんど行けない状況の中にあって、じゃ、どうしたらいいかという中に、我々は、千島連盟の中で、墓地公園を造ってもらったらどうかと、集落ごとに、個々には行けないので。もし、ロシアとの、ロシアというか北方四島、今住んでいる方、ロシア人との協力を得られるとすれば、我々だけの墓地じゃなくて共同の墓地公園的なものができないのかということも実は我々の中で検討をして、正式にというよりは、そういう今検討をして国の方に訴えていきたいというふうに今思っています。 したがって、このルーツという部分の墓参というのは、本当に人道的な話ですし、我々先祖に関わる、孫の代まで伝えていかなきゃならないことだというふうに思っていますので、そういうことも含めて、何とかこの墓地、取りあえずは再開ということですけれども、将来的にはそういう墓地公園という構想も一つあるんだということをひとつ御理解いただきたいと思います。
○大島九州男君 そうですね、今いいサジェスチョンいただいて、だから、そういう発信をしていきながら、やはりこれはもう人道の問題でもあるしということでの世論を出していく、そしてロシアの中のやっぱり人たちにもそういう形でしっかり訴えていくということが必要かなと。まず、我々としても、そういった知恵を皆さんと一緒に出してやっていきたいなというふうに思いました。 次に、山添参考人、ロシアによるウクライナ侵攻、これ、ロシア側はNATO拡大がロシアの安全保障上に与える影響なども侵攻の理由として挙げていましたけど、参考人はそこに疑問があるなと。私もそう思うんですよね。 この昨年の二月の時点において、欧米側と決定的に決裂するということを当然見通せる中で、なぜプーチンはそこまで踏み込んでいったのかという、ちょっと私がそこが何なんだろうなというのがちょっと分かんないんですけど、参考人の御見識でお願いします。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 難しい決断をプーチン大統領がやったということについては、なぜこういうふうな考慮になってしまったんだろうというのは、その昨年二月の時点、その前に議論をしたときもありましたし、今なおやはり分からないところが大きくて、これは非常に大きな、後の歴史的研究の成果に待たれるところだと思います。非常に重要だと思います。 今、昨年のイギリスで出た研究レポートとかを見ている限り、推測するものでいきますと、ロシアの戦略としては、プーチン政権の戦略としては、二週間、掛かっても二週間や三週間でキーウにあるゼレンスキー政権は支持を失い、別の人が出てきて崩れていくだろうと。それに必要十分なショックとしての軍事攻撃を与えて、戦車などを包囲しつつあるというようなところまで持っていけば、ゼレンスキー政権が崩れてロシアの意思を強制することができる。そういうことができると考えて、それが果たされてしまえば、NATOも後からその事態をひっくり返すことは、NATOといいますか、アメリカもですよね、西欧諸国がそれをひっくり返すことはできず、それを黙認するしかない、そういうふうに考えてもおかしくはないというふうに思うことがあります。 ただ、それも本当の判断だったかどうかというのはもちろん分かりませんし、それだとしても、ロシアの本格的な軍事作戦の準備が不足し過ぎていたということとか、時期が二月の後半になって泥濘が始まる、泥になっていて戦車が通りにくくなる時期に差しかかった頃に動き始めたということ、いろんな不思議があります。ということで、まだ分からないというものだとは思います。 以上です。
○大島九州男君 本当、こういうのは歴史が証明してくれるのかどうか分かりませんが、本当に残念な流れなんですけど。 これ、前安倍総理がロシアとはいろいろ交流やっていましたよね。もう今、安倍総理亡くなっちゃってあれなんですけど、安倍総理がいたら、少しはロシアとの対話ができていたかというと、どう思われます、山添さん。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 安倍晋三議員が昨年の前半に述べていたことから推測すると、やはり、この状況で直接自分としても、御自身、安倍氏御自身としてもプーチン大統領と話すのは非常に難しいとおっしゃっていたと思います。 ですので、プーチン大統領あるいはロシアにとって重大な問題である、重大過ぎる問題であるこのウクライナをどうするかについて、日本の立場、日本のある優秀な優れた総理大臣ができることがあるとしてもなかなか限界があるのかなと思いましたし、どうもロシアが重視している中国とも綿密に協議の上でこれを決断したとも思えないわけですね。 中国との協議や、中国がパラリンピックを控えているという時期にこれが始まったわけですので、ロシアも緊密であるはずの中国でさえ余り深く協議せずに自分だけで決めると、ロシアだけで決めるということをやった結果が作戦の開始なのかなと思います。 以上です。
○大島九州男君 やっぱり、独裁が長く続くといろんな間違いが起こるんだなというふうに私は受け取りましたけど。 脇参考人、結局、そういうことで皆さんの墓参ができなくなるなんて、私から言わせればとんでもない話なので、はっきり言うと、そういう問題で悲しい思いをするような、そういう国民が一人でも出ないように我々が頑張らなきゃいけないと思うんですけど。最後に一点だけ聞きたかったのは、船で近くまで行って墓参するとおっしゃったじゃないですか。それ、何か向こうから監視船みたいなのが出てきて近づけないんですか。それをもうちょっと、しらっと上陸するようなことは絶対できないという、そういう状況なんでしょうか。それだけちょっと教えてください。
○参考人(脇紀美夫君) 監視船云々以前の問題です。あくまでもロシアは、北方四島の中でどこまでが中間ラインというか我々の領土だって主張しているわけですから、島があって、その何海里までが、その海域も含めて自分たちの領土だと言っている状況の中で、日本はそうではないと言いながらも、実際に行けば拿捕されるという、漁業の関係も含めてそういう状況になっているわけですから。 したがって、我々としては、そういう危険を冒してまではそこまでは行けないということですから、何とか島の見える、島影の見えるところで何とか洋上慰霊をやって、やむを得なくそういう状況でやっているということであります。
○大島九州男君 分かりました。 一日も早く、そういう墓参が再開できたり、また、さっきおっしゃったような墓地ができて、みんなができるようなことに努力をするように頑張りたいと思います。 以上です。終わります。
○高良鉄美君 沖縄の風の高良鉄美です。一番南の方からやってまいりましたけれども。 脇参考人にちょっとお聞きしたいんですけれども、二月七日、先ほど言及ありましたけれども、私も北方領土の日、国立劇場の方、参加して、やっぱり若い方々、後継者の方々との協力みたいなのが、朗読劇ももちろんありましたし、いろんな手段というんですかね、伝え、発信する手段をやっぱり持っているのかなと私も感じました。そして、アニメみたいなのがありましたですね。あれはかなり分かりやすかったし、やっぱり苦労されて島から脱出というんですかね、あんな中で、大変な状況の中で出てきたと。 やっぱり、そういうのも全く私、もう申し訳ないですけれども、やっぱりその当時の状況がそういうものって余り分からなかったんですね。しかし、もう非常によく分かって、かつ、島に交流をされているときの、さっきのお墓の公園を造ろうというのも、お墓にみんな行っているときに、割かし、住民との間というんですかね、あちらの、元島民とあちらのロシア人の方々との間に非常にコミュニケーションが取れていると言ったら変ですけれども、ちょっと理解はあるような形というのが私にとっては非常に新鮮だったですね。 そして、島を戦争のときに脱出する、ロシア兵、ソ連兵は当時はこうやるので捕まえるんでしょうけれども、島の人たち、ロシア人の方たちは何か食べ物を持ってきたりとか、何かそういうものも一部はあったというふうに、ふだんから交流があったのかは知らないですけれども。そういうもののことも全く知らなかったものですから、すごい歴史があるなということで、こういったことを更に広げるイベントというんでしょうかね、そういう機会を、今もう一生懸命いろんなことをされていると思いますので、やっぱり北方領土の日の周知というのも含めて、脇参考人、これからいろいろ大変な時期だと思うんですけれども、これから若い方々とのつながりというのをどのようにやっていこうかということで、お話しいただけたらと思います。
○参考人(脇紀美夫君) ありがとうございます。 個人個人というか、現在住んでいるロシア人の方々との交流というのが深まっている中にあって、特に最近思うのは、我々の墓地の草刈りとか管理をしてもらっているんですね、ロシアの島民の方々に。そういう意味では、非常にそういうことでの理解もありますし、個人対個人は非常に仲よくというか、友好も深まっているという状況があります。 ただ、返還ということに関しては、政治的な問題というようなことの中で、これは別の問題だという意識がありますので、それはそれとしても、我々は今住んでいるロシア人と交流を深めていく、これは非常に大事なことだと、それが最終的には返還につながっていくものだと、そういうことを思いながら活動をしていきたいというふうに思っています。
○高良鉄美君 さっき出てきた沖縄の関連で、ずっと皆さん聞いていて、安保三文書の話が出たんですね。 山添参考人の中でロシアの国家安全保障戦略という言葉が出たので、これは日本ももちろん、今回、安保三文書の中で国家安全保障戦略と同じ言葉を使っていますけれども。これは山添参考人の方にですけれども、日本のこの安保三文書が出たときに、去年末、ロシアへの影響はあったんでしょうかということをちょっとお聞きしたいと思います。 そして、中国を一応対象としているわけではありませんけどと言っていますけれども、中国が重要な役割を持っていらっしゃるということもあったので、この仲介も含めてですね、この安保三文書というのがそういうようなところに影響を与えるかですね。要するに、中国の問題というのをかなり意識している、南西諸島にいろんなものを配備するということで。 そうすると、これがロシアとの関係で、物すごくこの返還の問題あるいは交渉の問題をゆがめていないか、あるいは、ちょっとしにくくなったというのもあるんじゃないかと思うんですけれども、そこら辺はどうでしょうか。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 日本の安全保障戦略ですけれども、この変化に対して、ロシアの中での反応はそれほど、やはり日米同盟強化とか、この太平洋の、彼らはアジア太平洋地域と言い続けるんですけれども、ここの緊張を高める、そういった表面的な批判があったとは思うんですけれども、それほどこれがロシアにとって危険なものというような深みのある深刻な捉え方ではなかったというふうに私は見ております。 これで、ロシアとしても、この日本の大きな安全保障上の懸念が南西方面であるとか、北朝鮮の核・ミサイル開発であるとか、そういったことは理解しているということですので、これ自身でロシアにとっての日本ということの位置付けが大きく変わったというふうには私は見ておりません。
○高良鉄美君 今言われたとおりだと思います。ロシアの方からすると、従来の日本と同じ形で進んでいると。 ところが、ウクライナに対する支援というのを表明して、ロシアの軍事侵攻を非難する決議をしたということがありますけれども、これはどうでしょうか。日ロ関係において大きな影響はあったという、日本の姿勢がですね。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 日本について、この問題についてロシアが日本を論じるときによく言う言い方は、日本は自分で決断ができていないと、アメリカの同盟国であるからアメリカの言うとおりになっており、本来関係ないウクライナの問題に対して日本が声を上げているのは、主体性がなく、アメリカの同盟国として実質的に支配されているからだと、そういった言い方をすることが大きいです。 ただ、それは、日本が独自の主張をしているとか、日本がアメリカと違うような外交路線も取ってロシアに臨んだこととか、そういうことも一切無視しているわけですので、やはりそれをロシアとして日本のことをきっちり理解しているというふうには思えない状況だと思います。 ただ、このウクライナに対する日本の支援ということ、これは二〇一四年の状況からかなり日本は取り組んできているわけなんですけれども、それを根本的な問題だというふうにロシアが捉えてきたわけではないんですね。それとは別に日ロ関係というのも話ができるし、日米、ロシア、アメリカの関係と別に日ロ関係と話ができるというのは、二〇一四年から二〇二一年まではそのようにやってきましたので、ロシアとしては、やはり日本を結局は別に考えて行動を判断するのではないかというふうに思います。
○高良鉄美君 今この安保三文書がというのは、さっきちょっとその声が聞こえたものですから、国家安全保障戦略のですね。この安保三文書の中では、しかし、日本中どこにでも配備をすることができる、今、南西諸島に主に配備をしているミサイルがありますけど。これがもし北海道に行ったら、それはロシアはどんな形になるんでしょうかね。
○参考人(山添博史君) ありがとうございます。 ロシアは、少し前のINF条約、中距離核戦力条約が崩れてしまったときにも、アメリカは日本に、ロシアに届くような中距離ミサイルを配備したいんであろうというような非難の声をロシアが出しておりました。ただ、実際にそういうふうな事態には進んでおりませんので、それ自身が本格的な関係悪化、緊張が緊張を呼ぶような悪い悪循環になるとは今のところ私自身は思っておりませんで、やはり日本の場合で、安全保障上、ミサイル戦力、反撃でありますとか抵抗する能力がもっと必要であるのは南西方面が主な場所であると思います。
○高良鉄美君 今この安保の関連でいろいろあるんですけれども、やはり日本とロシアの間の信頼関係とか、あるいは中国との信頼関係とか、そういったところが非常に重要かなと、もうお話を聞いていて思いました。 そして、脇参考人、これからやっぱりいろんな、先ほどのお話もありましたけれども、どんどん、私たちが見えていなかった記録とかビデオをどんどん広げていくということで、国会の方でもそういう協力ができたら、どんどん広がってくるんじゃないかなと思いました。 ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 以上をもちまして参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時五十分散会