予算委員会 第13号
- 発言数
- 249 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2023/03/23
会議録
○委員長(末松信介君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 令和五年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、外交等現下の諸課題に関する集中審議を往復方式で二百四十分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党三十分、立憲民主・社民八十五分、公明党三十分、日本維新の会四十二分、国民民主党・新緑風会二十一分、日本共産党二十一分、れいわ新選組十一分、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 ─────────────
○委員長(末松信介君) 令和五年度一般会計予算、令和五年度特別会計予算、令和五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、外交等現下の諸課題に関する集中審議を行います。 ─────────────
○委員長(末松信介君) この際、インド共和国、ウクライナ、ポーランド共和国訪問に関して、岸田内閣総理大臣より報告を聴取いたします。岸田内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 三月十九日から二十三日にかけて、インド共和国、ウクライナ、ポーランド共和国を訪問したところ、概要を御報告申し上げます。 インドにおいては、モディ首相との間で、G7及びG20サミットで扱われる主要課題について幅広く意見交換を行い、両サミットに向けて連携していくことを確認いたしました。また、地域情勢、二国間関係等についても議論を行い、日印特別戦略的グローバルパートナーシップの下での日印関係強化の方向性について確認をいたしました。 さらに、インド訪問中に政策スピーチを行い、自由で開かれたインド太平洋、FOIPのための新たなプランを発表いたしました。 これらの成果も踏まえつつ、インドとの協力を引き続き推進してまいります。 ウクライナにおいては、ゼレンスキー大統領との首脳会談において、私自身にとってロシアによる侵略後初めてのウクライナ訪問であることを触れた上で、今次戦略は国際秩序の根幹を揺るがす決して許すことのできない暴挙であり、日本は、議長国としてG7の揺るぎない結束を維持しながら、ロシアに対する厳しい制裁とウクライナへの強力な支援を継続していく旨、また、五月のG7広島サミットでは、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くという決意を示すとともに、国際社会が直面する食料問題などに取り組みたい旨伝えました。 また、私とゼレンスキー大統領との間で、今般、基本的価値を共有するウクライナとの関係を特別なグローバルパートナーシップに格上げすることで合意し、共同声明を発出いたしました。さらに、日・ウクライナ情報保護協定の締結に向けた調整を開始することといたしました。 加えて、私は、キーウ郊外のブチャ市を訪問し、犠牲者への献花を行い、ロシアの暴挙により悲惨な体験をされた方々から直接話を聞き、日本政府から越冬支援として同市に供与をされた発電機の視察を行ったほか、キーウ市内の戦死者慰霊記念碑で献花を行いました。 今回のウクライナ訪問により、私自身、この目で現地の情勢を見、またゼレンスキー大統領との間でじっくり議論を行ったことで、現地の状況をより実感を持って把握することができました。また、日本とウクライナとの関係はより一層強固なものとなり、G7議長国を務める日本として、ウクライナ侵略への対応を主導する決意を示すことができたと考えております。 ポーランドにおいては、ドゥダ大統領及びモラビエツキ首相と会談を行い、ポーランドがウクライナへの軍事、人道支援の拠点として最前線で大きな役割を果たしていることに対し敬意を示し、ロシアによるウクライナ全面侵攻から一年を迎える中、ポーランドを含め同志国が引き続き結束をし、厳しいロシア制裁とウクライナへの力強い支援を継続することの重要性を確認をいたしました。 ─────────────
○委員長(末松信介君) これより質疑を行います。大野泰正君。
○大野泰正君 自由民主党の大野泰正でございます。岐阜県選出でございますが。 どうか、今日、本当に総理、朝六時に着かれたということでお疲れの中ではあります。しかし、国会に対してこの真摯な態度、本当に敬服する次第であります。誠にありがとうございます。 早速質問に入らせていただきたいと思いますが、まずは先ほど報告いただいた部分について更にお聞きしたいと思います。 総理が電撃的にウクライナに訪問されている間に、日本では、WBCの優勝とか、桜が開花して皆さんが花見をしている、また昨日、経済対策の新たな方向性が示されたりし、大変明るいニュースが続いています。コロナ後に向かってしっかりとした歩みを続けていただきたいと思いますが、岸田総理がキーウを訪問された同じ日に、中国の習近平主席はロシアを訪問しています。世界の分断ということを感じざるを得ません。そしてまた、その世界平和への道筋の難しさを感じざるを得ませんでした。 今回、今お話がありましたように、戦地を訪問されたことで、広島という平和の象徴の地でのG7をこれから迎える総理にとりまして、より深い思いを、強い思いをお持ちになったと思います。 また、総理は、今回のウクライナの前にインドに訪問されました。インドは今年G20の議長国ということですが、これからの世界平和を考えた中で一番のキーポイントは、いわゆるグローバルサウスと言われる各国との関係強化だと思います。インドはグローバルサウスの各国に対して大変大きな影響力を持っていることは御存じのとおりでありますが、そういう意味からも大変大きな意味があったと思います。 そして、先ほど報告にもありましたが、インドの訪問中に、自由で開かれたインド太平洋に対する新たなプランも発表されました。そこでは、分断を排し、自由と法の下で国際秩序を取り戻し、世界平和へ貢献する強い思いが反映されていると感じています。 一連の訪問の意義と、G7議長として、この歴史的転換点の総理として、世界平和の思いをお聞かせいただければ有り難いと思います。よろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、今回、ウクライナを訪問させていただきましたが、ロシアによる侵略の惨劇の現場、直接目の当たりにさせていただきました。また、悲惨な経験をされた方からも直接話を聞かせていただきました。ロシアによるウクライナ侵略、これは国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であること、これを改めて実感をいたしました。こうした惨劇を繰り返さないために、ロシアによる侵略、これ一刻も早く止めなければなりません。G7議長国である我が国はその過程においてリーダーシップを発揮しなければならない、こういった決意を新たにしたところでもあります。 また、ロシアによるウクライナ侵略による被害などの状況を直接視察したことで、ウクライナの復旧復興に当たって、ウクライナの人々に寄り添った支援あるいは日本らしいきめ細かい支援が重要である、こういった点についても実感をしてまいりました。 五月のこのG7広島サミットでは、まずは、力による一方的な現状変更の試み、あるいはロシアが行っているような核兵器による威嚇、ましてやその使用、これはあってはならないものとして断固として拒否をし、法の支配に基づく国際秩序を守り抜く、こうしたG7の強い意思、これを強く世界に示したいと思っています。 あわせて、グローバルサウスと呼ばれる国々を含むG7を超えた国際社会のパートナーとの連携強化、これも重要です。その点、モディ首相との間でも、法の支配に基づく国際秩序の維持強化に共有の責任を有している、こういったことを確認し、そしてG7、G20でもこの考えを明確にすることの重要性、こうしたことに一致もいたしました。 今般の成果を踏まえ、幅広い国際社会のパートナーとの連携強化、これ引き続き推進してまいりたいと考えております。
○大野泰正君 ありがとうございました。 世界の平和、本当に、全人類といいますか、全ての命が望むものであり、その大きな一歩を是非広島で踏み出していただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。 それでは質問に移らせていただきたいと思いますが、次に、今の世界の平和が大いに影響するエネルギー政策について伺ってまいりたいと思います。 エネルギーは国家運営の基本であり、エネルギーなくしていかなる経済活動も社会活動もなし得ません。まずは日本の現状についてですが、パネルを御覧ください。(資料提示) 御存じのとおり、日本のエネルギー資源は乏しく、エネルギーの大部分を海外からの輸入に頼っていることも御承知のとおりです。実際に、日本のエネルギー自給率はG7の中で最低の一三%であり、OECDに加盟する三十八か国で見ても、残念ながら下から二番目に位置しています。同様に低いと言われる食料自給率でさえも、カロリーベースで見たときはG7で最低ですが、それでも約四割あります。エネルギー自給率はそれよりもはるかに低い水準にあり、この数字を見ただけでも我が国の脆弱なエネルギーの状況は御理解いただけると思います。 実際、約九割のエネルギーを海外から輸入に頼っているということは、一たび、輸入している国の周辺、さらには日本の近海で紛争などが生じれば、日々の生活で当たり前のように使っている電気、ガスといったエネルギーが途絶えることになります。私たちの生活を支えているエネルギーは、実に極めて不安定な状態にあるということです。ただでさえ不安定な状態にある中で、私がこの危機感を強めたのは、言うまでもありませんが、ウクライナ危機であります。戦火が長引いている中、徐々に戦争状態が日常化しつつあることを大変危惧しています。 昨年の今頃は、日本が権益を持つLNGのプロジェクトからガスの輸入が途絶えるというリスクを日本全体で目の当たりにしました。そして、リスクは今も継続しています。仮にロシアが今以上に人道上許されない行為に出れば、西側諸国として今以上の厳しい対応をせざるを得ないと思います。そうなれば、日本の権益を維持することも難しくなるかもしれません。ロシアからガスの輸入は日本全体の輸入量でいえば約一割程度と伺っていますが、それでもその一割を失えば、地域によっては立ち所にガスが来ない、電気がつかないといった事態になりかねません。 これらの点を踏まえて、まずは政府としてエネルギー自給率が低いというリスクをどのように考えているのか、国民の皆様に分かりやすく説明していただきたいと思います。
○国務大臣(西村康稔君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、そのパネルでもお示しいただいておりますけれども、我が国のエネルギー自給率は非常に低く、二〇二一年度の速報値で一三・四%ということになっております。OECD諸国の中でも極めて低いということであります。 このような状況は、何か国際情勢に一旦紛争など起これば、化石燃料などのエネルギー供給が途絶えるリスク、そして足下のエネルギー価格高騰のようなそうした不安定な状況になるわけであります。まさに国民生活や経済活動への影響は甚大になり得るものというふうに認識をしております。 エネルギーは、言うまでもなく全ての社会経済活動を支える土台であります。安価で安定的なエネルギー供給を確保することが政府の最重要課題の一つであります。このため、我が国では、あらゆる選択肢を排除せず、使える技術、使えるエネルギーは全て使うとの発想の下、平時からエネルギーの安定供給、この確保に万全を尽くすことが重要というふうに考えております。 このような考え方はGX実現に向けた基本方針でも示させていただいておりまして、特に電源については、安定供給とカーボンニュートラル両方の実現に向けて、再生可能エネルギーや原子力といったまさにエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換を進めていくとともに、水素、アンモニア、これを火力発電で活用することで、CO2を分離、回収、貯蔵、さらにはリサイクルする、いわゆるCCS、CCUSと、こういった技術も活用することで火力発電そのものも脱炭素化を進めていく方針であります。 今回提出をさせていただいた二法案の今国会での成立を目指して、まさにGX基本方針で示した取組を着実に実行することで、自給率の向上、そして脱炭素化とエネルギーの安定供給、これを両方とも実現をしていきたいと、このために全力を尽くしていきたいというふうに考えております。
○大野泰正君 ありがとうございました。本当に、全ての選択肢を持ってしっかりとエネルギーを支える、何より大切なことだと思います。 先日、参議院の資源エネルギー・持続可能社会に関する調査会で、国際政治学者である白石隆先生は、ウクライナ危機のような事態はこれからも少なくとも十年に一回ぐらいは起きるという前提で国として戦略的に対応できる体制をつくっておく必要があるとおっしゃっていました。そのとおりだと思います。それこそが危機管理だと思います。日本の置かれた状況を冷静に受け止めて、危機にも耐え得る対策を講じることが何より大切です。 こうした中、一部のマスコミや政党からは、日本は原子力、石炭は廃止して再エネだけでエネルギーの安定供給を目指すべきだといった意見があることは承知しております。私は、エネルギー政策について様々な意見が出てくることは大変良いことだと思います。議論を闘わせながら取るべき道を選択することはとても大切ですが、エネルギーは国家運営の基盤であり、ここを誤ると国家そのものが傾きかねないことも事実であります。もちろん、再エネは重要な脱炭素電源であり、これをできる限り増やしていくことの重要性は理解していますが、一方、再エネだけで全てが賄えるかというと、我が国の地勢、地形からも厳しいのが現状です。 御存じのとおり、我が国は四方を海に囲まれ、欧州のように他国からの電力融通を受けることは現実的ではありません。韓国との関係が急速に改善に向かっていることは大変喜ばしいことではありますが、韓国の背後には北朝鮮、中国、ロシアといった日本とは政治体制の異なる強権的な国家が存在しています。こうした状況の中で大陸と電力融通の枠組みを設けるというのは、我が国の安全を守り抜くという観点から現実的な選択肢でないことは御理解いただけると思います。 我が国、実際に我が国の森林を除いた平地の面積はドイツの半分であり、その中に既に平地面積当たりでは世界一の水準で太陽光パネルが設置されています。更に今の倍の量を設置するとなると、相当困難なことは明白です。今日でも至る所で山肌を削って設置された太陽光パネルが数多く見られ、今後厳しくなる気象条件の中では大きな災害につながらないか大変危惧をしております。努力を重ねるとしても、我が国の電力の約四割を再エネだけで賄うという目標を達成することが容易でないことは御理解いただけると思います。 現在、日本の総発電量は約一兆キロワットアワーとなっており、更にこれからデジタル化や電化が進めば発電量を増やさなくてはならない可能性もあります。再エネだけで賄うというのは現実的でないことは、客観的な事実として国民の皆様にも共有していただく必要があります。この事実に立ち向かうためにあらゆる選択肢の追求という考え方が今日何より重要であり、このことは日本の将来を考えたときに絶対に堅持すべき基本方針だと思います。 原子力の活用を訴える人は当然再エネもしっかりやるべきと考える人が多いですが、なぜか再エネの活用を訴える人は原子力は駄目と二元論に陥りがちです。もちろん、福島事故の反省は国家として忘れてはなりませんが、これまで紹介してきた日本の置かれた状況を踏まえれば、私は原子力の活用も避けては通れない選択肢だと思います。事故を起こしたからこそ、その事故への痛切な反省をしっかりと生かして、より安全なものとして使っていく、これが人類の知恵なのではないでしょうか。 安定的で安価なエネルギーや電気の供給とともに、世界が目指す脱炭素社会の実現を考えれば、脱炭素のベースロード電源として原子力の活用は現時点では避けて通れないと考えています。ベースロードがあるからこそ、先ほどもおっしゃいましたが、再エネの変動を補う火力の役割が抑えられ、結果的に安定的、安価、そしてCO2排出を抑制する電力システムが成り立ちます。もちろん、将来蓄電池の価格が安くなればベースロードの役割も変わってくるかもしれませんが、世界中の蓄電池の争奪戦が繰り広げられれば、蓄電池だけで再エネの変動を賄うことは難しくなるかもしれません。 こうした点を考えても、当面は現状の原子力技術を高めていきながら、いずれは核融合発電等の新しいベースロードを現実のものとしていくことで将来的により安定的で安価なエネルギー供給の実現が……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。
○大野泰正君 国として、国としての責任であります。 さらに、原子力の活用といっても足下のエネルギー危機には間に合わないという議論を耳にしますが、大切なことは、白石先生がおっしゃられたように、再びやってくるかもしれない危機に備えることです。これこそが政治に求められる役割だと私は確信しています。 再エネか原子力かといった不毛な二元論ではなく、再エネも可能な限り導入し、さらに原子力の技術を活用し、その間により安全性の高いベースロードを確立して、国家としての自立を維持していくための具体的な考え方を政府として責任を持って御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(西村康稔君) 御指摘のとおり、GXの実現にはエネルギーの脱炭素化、とりわけ電源の脱炭素化が不可欠であります。 本年二月閣議決定しましたGX実現の基本方針、ここにおきましても、再生可能エネルギー、原子力など、エネルギー安全保障に寄与し脱炭素効果の高い電源への転換を進めていく方針を明確にしているところであります。これは、まさにエネルギーの安定供給と脱炭素化、カーボンニュートラル両方を目指していくと、実現していくというために、御指摘のように、再エネか原子力かという二元論ではなくて、利用できるものは全て可能な限り利用するという考え方の下で、徹底した省エネに加えて再エネも原子力も、さらには火力も含めてあらゆる選択肢を追求していく、この方針をエネルギー基本計画でお示しをしているところでありますし、GX基本方針においても明確に記載をさせていただいているところでございます。 具体的には、再エネにつきましては、二〇三〇年度に再エネ比率三六から三八%達成に向けて地域との共生ということが、これもう前提でありますので、その上で適切な国民負担を図りつつ、あらゆる手段を講じ、関係省庁とも連携しながら最大限導入に取り組んでいきたいというふうに考えております。そのための送配電網であったり蓄電池、さらには調整電源としての火力も必要となってまいります。 そして、原子力についてでありますが、御指摘のように、脱炭素のベースロード電源として極めて重要であるという認識であります。安全性が確保されること、これが大前提で原発の再稼働を着実に進めるということと同時に、新たな安全メカニズムが盛り込まれた次世代革新炉、この開発、建設にも取り組む考えでございます。 さらに、核融合につきましても、実用化にはもうしばらく時間は要すると思いますが、お地元岐阜県でも核融合科学研究所で研究が進められていると承知をしておりますし、また京都大学や阪大、大阪大学などで世界的なイノベーションの萌芽も見られるところであります。こうした将来を見据えた技術にも果敢に挑戦していくこと、これが重要だという認識でしっかりと支援をしていきたいというふうに考えております。
○大野泰正君 ありがとうございました。是非、強いリーダーシップの下、しっかりとしたこれからのエネルギー政策を進めていただけますようよろしくお願いいたします。 それでは次に、カーボンニュートラルに寄与するクリーンな合成燃料について伺いたいと思います。 合成燃料の国産化、安定供給は、我が国の産業にとって大変重要な課題であります。自動車産業は我が国を支える基本産業であり、その心臓部である内燃機関はサプライヤーの裾野も広く、日本の産業全体に及ぼす影響も多大であります。また、電気自動車のコアである蓄電池については、レアメタルが必要になり、特定国への依存リスクや資源価格が高騰するリスクを含んでいます。 こうした点を踏まえると、自動車分野のカーボンニュートラルを目指す上では、電気自動車一辺倒ではなく、日本が得意とする内燃機関も含めた多様な選択肢を残しながら自動車産業の競争力を確保すべきと考えます。また、合成燃料の最大の特徴は、内燃機関を始めこれまで日本が培ってきた技術を最大に活用できる点にあります。政府が掲げるグリーントランスフォーメーションの狙いである脱炭素と経済成長の両方の実現を目指していくためにも、日本が強みを持つ技術で新たな脱炭素市場を獲得していく大胆な発想が必要であります。このことは、脱炭素社会を実現する上での社会的コストを下げることにもつながります。 さらに、安全保障に直結する自国の民間航空を支えるためにも、この開発は急務であります。SAFと呼ばれる持続可能な航空燃料を自国で安定的に生産、供与するために、CCS技術等、先ほど出ましたが、による炭素とクリーンな水素によって作られる合成燃料が供給できないと、我が国の民間航空は他国への乗り入れに多大なコストを求められ、国際競争力を失い、厳しい経営状況に陥ります。このことは、我が国の安全保障環境にも多大な影響が出るということです。さらに、日本が技術開発し、アジアに供与し、また技術供与をしなくては、アジアへの中国関与が更に強くなってしまいます。このことも安全保障上の大きな懸念です。 このような観点から、合成燃料の開発を着実に進め、日本国内にとどまらず、アジアそして環太平洋のネットワークの中で生産と利用の循環を拡大していくということが安全保障の観点からも極めて重要だと思いますが、認識をお聞かせください。総理の認識をお聞かせください。よろしくお願いします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、自動車分野において、このカーボンニュートラルの実現と産業競争力を維持する、この二つを両立させることが重要でありますが、それに向けてあらゆる技術の選択肢を追求してまいります。具体的には、次世代電池、モーター、水素、合成燃料などについて、このグリーンイノベーション基金による技術開発を通じた社会実装までの支援などを推進しているところです。 そして、御指摘の合成燃料ですが、これは、二酸化炭素と水素を合成して製造されるものであり、産油国以外でも製造が可能であるということであります。このため、我が国あるいはこの地政学リスクの低い国で合成燃料を生産することで、エネルギー安全保障の確保にもつながるものであると考えております。引き続き、こうした合成燃料の早期商用化に向けて着実に開発を進めていきたいと考えています。
○大野泰正君 ありがとうございました。 それでは次に、この夏は我が国の国土を形作る大きな二つの計画が策定されると伺っています。一つは国土形成計画、そしてもう一つは国土強靱化基本計画であります。 まずは、我が国の将来の形を明らかにする国土形成計画について総理にお尋ねいたします。 我が国は、今まさに時代の重大な岐路に立っています。人口の、未曽有の人口減少、気候変動の深刻化による甚大な災害の発生リスクの高まり、さらに地方の衰退など、我が国はこれまでに経験したことのない危機に直面しています。これまでの歴代内閣は、こうした大きな時代の転換期に希望ある、希望を持てる国土の将来ビジョンを示すことで、我が国のあるべき姿を、そして未来の夢を国民に示してまいりました。 振り返りますと、最初の国土計画である全国総合開発計画が策定されたのは池田勇人内閣のときであります。地域間の均衡ある発展という目標を掲げ、既成の大集積地である東京のみならず、地方もひとしく発展する道筋を示しました。この最初の国土計画から六十年を経た今、岸田内閣の下で新たな国土形成計画の策定に向けた検討が進められています。 総理は、我が国が直面する様々な危機に対しどのように立ち向かわれようとしているのか、国土形成計画の中ではっきりお示しいただきたいと思います。国民の皆様に安心、安全、そして元気と希望を届けていただきたいと思います。総理の意気込みを伺います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 現在、我が国は、委員御指摘のとおり、人口減少あるいは少子高齢化、巨大災害の発生リスク、さらには気候変動の深刻化など、地域の持続性やこの安全、安心が脅かされるなど大きなリスク、また構造的な変化、こうしたものに直面をしていると認識をいたします。 こうした直面する社会課題に対応するため、新たな国土形成計画の骨子案において、目指す国土の姿として、新時代に地域力をつなぐ国土を掲げ、国土構造の基本構想として、質の高い交通やデジタルといった新しい技術により全国をつなぐシームレスな拠点連結型国土を構築することとし、自動運転やドローン物流の実装など、デジタル活用による新たな地域生活圏の形成等に重点的に取り組むこととしております。 今後、更に議論を進め、未来に希望を持てる国土の将来ビジョンを盛り込んだ新たな国土形成計画を本年夏、これ策定をいたしまして、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会の実現、こうした社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○大野泰正君 ありがとうございます。しっかり進めていただきたいと思います。 それでは、最後の質問になりますが、もう一問、総理にお願いしたいと思います。 次に、国土強靱化基本計画について伺わせていただきます。 国土強靱化は、自律、分散、協調の国土構造を実現する基本的な取組となっています。これは、各地域の多様性を再構築し、地域間の連携を強化するとともに、災害に強い国土をつくり、地域の活力を高め、東京一極集中からの脱却を図るものであります。その実現のためには、各地域は、日本の一地方として、またアジア太平洋を構成する地域として、その交流機能、高次都市機能を構築していく必要があります。そして、このような地域ブロックがお互いにつながることで国土の縦軸と横軸が形成され、それぞれの特徴を生かしながら相互に連携する多軸型の国土構造への転換を目指すものであります。 先人に見た具体的な例で申しますと、パネルを御覧いただけるとあれなんですが、国土の在り方として、平安時代の末期に、平清盛が、敦賀から琵琶湖を通って大阪湾へ運河を造り、日本海と太平洋を結ぼうと考えていたと言われています。その後、天正三年、長浜城主となった豊臣秀吉が実際に敦賀で試掘をした痕跡が残っています。またさらに、安政年間には、彦根城主の井伊直弼がイギリスから技師を招聘して設計をさせた記録があります。さらに、明治三十六年には、ここ貴族院で横断運河の請願が採択されましたが、日露戦争等で調査に入ることはできませんでした。戦後になって、私の祖父、大野伴睦がその実現に情熱を傾け、国としての調査費が昭和三十八年に一千万計上されました。当時、黒四ダムが五百五十億で、運河計画は三千五百億と試算されていたそうです。 平清盛以来、それぞれの時代に、日本海と太平洋をつなぎ、物、人の流れを効率化させ、日本の均衡ある発展を目指し、国を活性化させる大きな流れをつくろうとされたのだと思います。 現代でも、日本海と太平洋をつなぐ動脈が太平洋岸の国土軸に比べて脆弱なことは事実です。この部分の強化は大きな課題だと思います。横断運河の機能を果たし、我が国の活性化はもとより、安心、安全のためにも、日本と太平洋を、あっ、日本海と太平洋を一直線につなぐ大動脈を完成させ、日本の均衡ある発展を促し、一極集中による脆弱性を解消し、どのような危機にも対応できる強くしなやかな国土の形成を図る必要があります。 その実現のためには、国土形成を支える基礎インフラでもある高規格道路のフル規格での早期整備が何より重要であります。その一つとして、関東圏から関西圏の多軸型国土構造へのラストワンピースであり、全国の強靱化にも寄与する一宮西港道路の整備を早急に進め、日本海と太平洋をダイレクトにつなぐことが多軸型で強靱な国土をつくるために重要です。 そこで、お伺いいたします。 今後も継続的、安定的に強靱化対策を講じていくための次期国土強靱化基本計画が現在作成中であると伺っていますが、五か年加速化対策後の更なる五年、十年はもとより、強靱化の取組は継続的に強力に推進していくことが何よりも重要だと思います。総理のお考えをお聞かせください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、日本の大動脈として地域間を連絡し、経済発展を支え、地域住民の利便性を向上させる道路ネットワークなどを強化すること、これは災害時における対応にも資するものであり、国土強靱化の考え方にも沿うものであると認識をしております。 このような道路ネットワークなどの強化も含め、国土強靱化については五か年加速化対策を着実に推進するとともに、対策後も、中長期的かつ明確的な見通しの下、継続的、安定的に国土強靱化の取組を進めていくことが重要であります。そのため、新たな国土強靱化基本計画を今年の夏をめどに策定し、国土強靱化の着実な推進に向けて強力に取組進めてまいりたいと考えます。
○大野泰正君 どうもありがとうございました。 以上で質問を終わらせていただきますが、これからまだまだウクライナに対しての支援、いろいろお考えなところはあると思います。特に日本ができる支援というのは、地雷の除去や、また日本が大変強い技術を持っている仮設橋ですね。こういうものを終局後にいち早く復興のために出していただくことが私は大切だと思っています。どうかその点も御検討いただけることをお願い申し上げ、私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 以上で大野泰正君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、田名部匡代さんの質疑を行います。田名部匡代さん。
○田名部匡代君 おはようございます。立憲民主党・社民の田名部匡代です。 総理、大変お疲れさまでございました。余りお疲れの御様子が顔に出てないのでびっくりしておりますけれども、私も少しこの間のことについて触れたいと思います。 まず、日韓の首脳会談、大変久しぶりに開催されたということで、実は我が党の泉代表も尹大統領と会談をしました。レーダー照射や慰安婦像、また拉致問題に対することなどにも言及をして、懸案事項について解決に向けた努力もお願いしつつ、共に協力し合っていくことを確認したようであります。 尹大統領が、我が党の議員から関係改善のため韓国野党を説得すると言われたことを取り上げて、そうした言葉を聞いて恥ずかしかったと述べたと、非公開で発言があったという報道を私も見たんですけれど、まさに日本では与野党関係なく関係改善に取り組むことを評価していただいたのかなというふうに受け止めています。 今回の会談、私も歓迎しつつも、ただ、やはり一方で、日韓の間には様々な課題というものが山積をしているというふうに思います。シャトル外交も再開されるようですけれども、今後課題の取組について具体的にどのように取り組んでいくかなどのお話があったのか、この後また国会で御報告あると思いますから、簡潔にお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先般、三月十六日ですが、訪日中の尹錫悦大統領と日韓首脳会談、これを行いました。尹大統領との間で個人的な信頼関係を深め、そして日韓関係の新たな章を開くシャトル外交の再開で一致をし、また政治、経済、文化など多岐にわたる分野で政府間の意思疎通を活性化していく、こういったことでも一致をいたしました。 そして、委員の方から、日韓の間の諸懸案について議論をしたのか、今後どう扱うのか、こういった御指摘も、御質問がありましたが、今回も、日韓間の諸懸案を含め、日韓関係全般について議論を行いました。隣国であるからこそ、困難な問題幾つもあるわけでありますが、そうした諸懸案について適切にマネージしつつ順次取り組んでいきたい、こういった旨、尹大統領との間の会談においても申し上げ、そして一致をしたところであります。 今後、一つ一つそうした課題に取り組んでいきたいと考えております。
○田名部匡代君 是非、一つ一つのその課題、具体的に解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。 もう一点、ウクライナ訪問、電撃訪問と言われていますけれども、逆に、電撃だったのかという疑問も呈されています。安全確保や情報管理に問題があったのではないかというような懸念もありますが、その点どうだったのかということと、総理自身、いつから訪問を考えて、なぜ今このタイミングで御訪問されたのか、お聞かせください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御質問は、いつからこの訪問について検討を始めたのかということですが、今年の一月、ウクライナ・ゼレンスキー大統領の方から、ウクライナ訪問等について招聘がありました。それ以後、日本政府としても、こうした訪問について検討を行ってきたということであります。 おっしゃるように、情報管理ですとかそれから安全等について様々な課題がある中で、様々な検討を行い、また調整を行ってきたということであります。そうした調整が行われた上で今回訪問を行ったということであります。 情報や安全について御指摘があるということがありました。いずれにせよ、今回の訪問についても、よく訪問の状況について振り返り、検証し、今後の参考にしていかなければならないと考えます。
○田名部匡代君 当然、平和的な支援、日本にしかできない平和的な支援に期待も多いと思います。しっかりと日本独自のその平和を取り戻すための支援についても取組を進めていただきたいと思います。 次に、広島サミット関連について伺います。 広島サミットに向けて国際社会から求められているのはやはり日本が特段遅れているLGBTの法整備についてなんですけど、ちょっとその前に、広島サミットのロゴマークの使用承認条件について伺いたいと思います。(資料提示) これ、ロゴマーク使用承認条件見ますと、特定の政治、思想、宗教等の活動を目的とした使用はしないことが条件になっていると思いますけど、政府参考人、間違いないでしょうか。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 G7広島サミットロゴマークの使用承認手続につきましては外務省ホームページにて御案内しておりますが、そこには次の八つの使用承認条件が掲載されております。(発言する者あり)はい。手短に申し上げます。 一、使用する主体がサミットの広報、PRに協力することについて具体的な意思を有すること。二、ロゴマークの使用目的が総合的に判断してG7の趣旨に沿っているものであること。その使用によって同サミットの意義、重要性が損なわれたり、同サミットの準備、実施の上で支障が生じるおそれがあると。二つ省略いたします。五番目に、特定の政治、思想、宗教等の活動を目的とした使用はないこと。あと三つございます。 全部で八つの使用承認条件が記載されておりまして、外務省としては以上の基準に合致する場合にロゴマークの使用を承認しております。 以上です。
○田名部匡代君 今パネルでお示ししていますけれども、総理の政治資金パーティーのお土産にロゴの入ったおまんじゅうとペンが配られた。これは申請があって承認されたものだというふうに昨日レクでお伺いしたんですけれども、それは間違いないかということと、これは政治活動の使用に当たらないという判断だったのか、お聞かせください。
○政府参考人(北川克郎君) お答え申し上げます。 まず、委員から御質問のありましたロゴマークの使用につきましては、申請を受けまして受理をし、承認をしております。 以上です。(発言する者あり)はい。 まず、ロゴマークの使用につきましてですけれども、そもそも今回の広島サミットは日本にとり最も重要な外交行事の一つでありますので、開催地広島及び日本国内においてサミットの機運を高めること、不可欠と考えております。 このロゴマークの使用はこの広島サミットの機運醸成のツールと考えておりまして、国会議員としての活動についても、その目的がサミットの広報、PRを通じた開催機運の醸成にあると認められるロゴマークの使用申請に関しては基準に合致するものとして申請を承認しておりまして、今回のロゴマークの使用申請につきましてもそのような理由から申請を承認しております。 以上です。
○田名部匡代君 ちょっと待ってください。いや、私ね、別に広島サミットをみんなで盛り上げようというのはそれでいいと思うんですね。ただ、やっぱりルールがある以上、ルールは守るということだと思うんですよ。 政治、先ほど政治、特定の政治、思想、宗教等の活動を目的とした使用はならないことというの、条件だとおっしゃいましたよね。昨日確認させていただいたんです。政治資金パーティーは明らかな政治活動だというふうに思いますけれども、なら私も広島サミットを盛り上げたいのでロゴを使用するといったときにはこれ承認されるんでしょうかと言ったら、ちょっとそれはって感じだったんですね。(発言する者あり)いや、それで、例えば、いや、いいならいいと、ルール変えたっていいと思うんですよ。ただ、やはりこれ、政治活動では駄目と。明らかな政治活動なんですね。 それで、申請書、どういう申請書が出されたのか。つまり、うその申請書だったら回収しなさいというようなルールもあって、じゃ、提出された申請書を見せてくださいと言ったら、それは出せないということだったんです。 申請書の様式はネットで見られるんですけど、使用目的、使用の具体的方法、使用イメージが分かる資料を必ず添付してください。こちらのペンは岸田文雄後援会とまで入っているんですね。いや、これがいいというなら、そのようにルールを変えてください。政治活動には使用できないということを昨日確認したんです。そしたら、政治資金パーティーは政治活動なのかというふうに聞かれました。政治活動です。 ですので、盛り上げるためならいいんですよというならルールを変えていただければいいと思うんですが、今回これが承認されたことを不適切だったと思いませんでしょうか。
○国務大臣(林芳正君) 承認基準は先ほどちょっと省略しましたが八項目ございまして、先ほど答弁させていただいたように、同様の理由で申請が出され承認しております。 国会議員としての活動についても、主たる目的、これが特定の政治、思想、宗教等の活動にあるのではなくて、サミットの広報、PRを通じた開催機運の醸成にあると認められるロゴの使用申請については基準に合致するものとして申請を承認しているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。答弁中です。
○田名部匡代君 いや、これが、後援会と入ったペンもそうですし、政治資金パーティーだったことから、これは特定の政治活動ではないのですかということなんです。昨日も、まあ盛り上げるためだったと、盛り上げるためなら政治活動でもいいんだというならそうしてくださいということを言っているんです。 ただ、やっぱり一定のルールがある中で、なぜだろうという要らぬ批判や疑問を持たれるようなことはしない方がいいという意味で今日取り上げさせていただきましたが、不適切だったと思いませんか、総理。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、実際の経緯については、先ほど来外務省あるいは外務大臣から答弁がありましたように、広報、PRを通じた機運、開催機運の醸成にあると認められるロゴマークの使用申請、これについては申請を承認したということでありますが、委員の方からも御指摘がありました。そうした様々な指摘を受けないように、今後とも注意、慎重にこうした取扱いを行うことは大事であると思います。
○田名部匡代君 済みません、余りちょっとこの問題長くやりたくないんですけれど、機運も盛り上げるためならいい、でも、ルールの中には特定の政治活動は駄目だと書いてあるんです。(発言する者あり)だから、いやいや、機運を盛り上げるためであっても、特定の政治活動は駄目だということですよ、総理。そういうことなんです、ルールは。 是非、今回こうしたことで使用されたということで、私は不適切だったというふうに思いますけれども、是非今後、要らぬ疑惑や疑いやそんたくがあったのかなかったのかなどと言われないようにしていただきたい。で、いいならいいと、是非みんなで盛り上げていけばいいじゃないですか。そんなふうにルールを変えていただきたいと思います。 次の質問に入ります。 日本を除くG7の六か国と、また欧州連合、EUの駐日大使が連名で、これ総理宛てに書簡を送ったという報道がありました。性的マイノリティーの差別からの保護について、G7サミットが日本にとってそのまたとない機会であり、日本と共に性的指向や性自認にかかわらず差別から解放されるということを確かなものにしたいという書簡だったという報道です。 総理、この書簡受け取っておられますか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) そういう報道があったことは承知しておりますが、G7各国とは平素からこのLGBTの問題を含め様々なやり取りを行っております。そうした各国とのやり取り、書簡を始めとするやり取りについては、一つ一つについてこれ明らかにすることは控えております。この件につきましても、書簡については明らかにすることを控えます。
○田名部匡代君 もう中身まで報道で出されていて、書簡を受け取ったかどうか、別にその詳細についてまで話してくださいと言っているわけじゃないですよ。書簡を受け取ったかどうかということを伺っているんですね。 それで、これ、報道によると、性的マイノリティーの差別からの保護について、先ほど言ったとおり、またとない法整備をする機会だということなんです。まさに今のG7サミットまでに日本での法整備の必要性を望むものであります。 先日、経団連会長も、今月の二十日ですね、世界では、理解増進ではなくて、差別を禁じ、同性婚を認める流れにある、アメリカ政府要人から状況を問われ、国会で議論されようとしていると答えるのも恥ずかしいくらいだったということを述べておられます。 まあまだ議論されようともしていないわけですけれども、性的マイノリティーを差別から保護する法律を制定するというおつもりはおありでしょうか、G7サミット前に。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) LGBTをめぐる法案については、この国会においても様々な議論が行われてきました。 差別解消法案については、昨年の通常国会で野党から衆議院に提出され、継続審議となっています。理解増進法案については、議員立法の法案として超党派の議連における議論の結果、策定され、現在自民党においても同法案の提出に向けた準備、これを進めているところであります。 こうしたこの議員立法の取扱いについては、是非、議員、いや、この国会あるいは各政党におけるこの取組、これを尊重し、見守っていきたいと考えています。
○田名部匡代君 いや、自民党でも議論されているって総理おっしゃいましたけど、議論本当に進んでいますか、動いていないんじゃないでしょうか。 求められているのは、まさに超党派で取り組んだ理解増進法、これは是とするけれども、でも、求められているのは、先ほど申し上げたように、差別からの保護なんです。やっぱりこれでは不十分であって、その曖昧さのない性的マイノリティーを保護する法律、そして総理のリーダーシップが国際社会から求められているのではないでしょうか。 是非、総理、これ本当に、これがいい機会だということ、日本はやはりこの点遅れているんだというような……(発言する者あり)いや、オリンピックでもそう言ったって、ということ、是非ここでリーダーシップ発揮していただいて、差別からの保護、ここに踏み込んでしっかりとこの法整備をしていくということをお答えいただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政府としては、これも度々申し上げているように、多様性が重視され、そして人権や尊厳、これを大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けて努力をしなければならない、こうした姿勢を大事にして取組を進めてまいります。 具体的な法案については先ほど答弁した、答弁したとおりでありますが、是非、政府としてのこういった姿勢については国の内外に丁寧に説明をし続けていきたいと考えております。
○田名部匡代君 いや、まさにそれを法整備することが姿勢じゃないですか。丁寧に説明、例えば前総理秘書官の発言なんというのは、本当に申し訳ない思いだし、恥ずかしいですよ。これ、ある特定の、例えば日本人のことを見るのも嫌だと言ったのと私は同じだと、そんな人が総理の側近でいたとすれば、あらゆるところに関係する人たちがいる中で本当に傷つけただろうということなんです。 それを丁寧に説明するよりも、しっかりと法整備をして前に進めるということが求められているというふうに思いますので、是非ここで総理のリーダーシップを発揮していただくことを求めて、次の質問に入らせていただきたいというふうに思います。 食料安全保障の問題です。 総理、以前もこの場で総理と議論させてもらって、日本の食料安全保障、危機感を共有していただいたと思っていますけれども、パネルお願いしたいと思います。農水予算見る限り、全く、今回御提案いただいていることも含めて、全く共有していただいてなかったのではないかと言わざるを得ません。昨年よりも減っているんじゃないでしょうか。 本当に最悪の事態を想定をしていただきたいんです。お金があればいつでもいろんなものが輸入で賄えるなんていう前提に立っていたんでは、とてもじゃないけれども日本の食料安全保障は守れません。異常気象、大規模災害、中国の爆買い、生産資材や食料価格の高騰、他国の防衛的輸出規制、様々な要因による危機に併せて、まさに農業従事者は減っていくわけでありまして、耕作放棄地も増える、これが日本の現状なんですよね。 これ、例えば自給率のことよく取り上げられますけれども、野菜、八〇%は国産です。でも、野菜の種は、安定生産ができて交雑を防ぐために広大な面積が必要なので、これ国内向けではあるけど、九割が海外で生産されている。卵の国産率、これも九六%ですね。ただしかし、ひなだとか餌が輸入されなければ、これだってほぼ生産できない。家畜の餌も化学肥料原料も、もう多くを輸入に頼っているんです。ここでしっかりとその農業の生産現場に予算を付けて、そして直接支払などの制度もしっかりと構築をして、ここで体制をつくらなかったら本当に手遅れになりますよということを以前も申し上げたんです。何ですか、この予算。 本当に総理は危機感をお持ちなのか、ちょっと認識をお聞かせください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国の農業について、この未来に向けて皆が希望を持てる農業であるためにどうあるべきなのか、こういった議論を続けているところですが、今、特に世界規模で食料危機が指摘をされています。なおさら、食料安全保障の強化、これは我が国にとりましても、そして世界にとっても重要な課題にあると認識をしています。 こういった認識もあり、昨年末、食料安全保障強化政策大綱を決定し、肥料、飼料、主要穀物の国産化推進など、この食料安全保障のための施策、これを強化しているところです。そして、今の農業生産資材の価格高騰についてもしっかり対策を講じなければいけない、対策本部において追加の対策を取りまとめたところでもあります。是非、こうした農業を取り巻く厳しい環境にしっかり思いを巡らしながら、対策しっかり進めていきたいと存じます。 予算の中身については農林水産大臣の方からお答えさせていただきたいと思います。
○国務大臣(野村哲郎君) 田名部委員に申し上げておきたいんですが、確かに総額で見ましたときには昨年よりも減っておりますけれども、ただ、R二年それからR元年、この頃に比べますと、補正予算八千二百億今回お願いをして、しましたので、当初予算と合わせますと三兆八百億を超えているわけでありますから、私どもは農林関係予算については当初予算と補正予算を一体的に必要な予算措置を講ずるとの政府方針の下でやっておりますので、減っているということは、前年よりも減っているということは、補正予算まで合わせますと大体R四年、R三年とほぼ変わっていないと。少しは減りました、減りましたけれども、R二年、R元年からしますと増えておるところでございます。何でかというと、昨年も一昨年もコロナ対策がありましたんで、この予算が相当入っています。
○田名部匡代君 いつも、大臣、補正予算があるからという御答弁いただくんですけど、必要な予算は当初予算でしっかり積んでいただきたいんです。補正予算というのはそういう、必要なものを補正予算に回すなんという、ここ最近そういうずっと予算編成になっていますけれども、しっかりと、やっぱり現場の皆さんが本気で、この国は食料安全保障のことを考えて本気でこれ乗り出したと、これは国民と共有をして、生産者のための支援じゃないですよ、結果として国民にとっての安全保障ですから、やっぱりそういうことが予算にも表れてほしいし、今までと同じ予算で同じことをやったって、それは今までと変わりない結果にしかならない。 やっぱり、ここは皆さん、今の物価高や生産資材の高騰、エネルギーの価格の高騰含めて相当厳しくなっている。まあ、この後いろいろ対策はおありでしょうけれど、安定的に人材を育成して、そして農地を守り生産活動が維持できる環境をつくるために、是非、もっと農水大臣にも頑張っていただきたいと思いますし、総理には相当の危機感を持ってこの食料安全保障に取り組んでいただきたいというふうに思います。 中国では、種子は食料安全保障の鍵と、農地保全や種子の生産振興に力を入れて自給率の底上げに取り組んでいるということです。しかし、日本は、種子法を廃止するなど逆行しているんですね。私たち、これやはり種子、種は、種を制する者は世界を制す、種というものは本当に守っていかなきゃいけないということで、うちの党の川田議員そして徳永議員、また国民民主の舟山議員などとこれ連携しながら種子法復活を目指してきたんですけれども、なかなかそれは廃止した人たちがうんと言ってくれない。であるならば、それに代わって、公的な新品種の育成や促進、在来種の保全、こういったことを取り組んでいこうと、こういう提案をさせていただいてきました。 是非、これは政府にも御理解いただいて、やっぱり種は守るべきなんだと、種子法は廃止になったけれども、新たな法律の中でしっかり日本としての食料安全保障の基本である種を守るということを取り組むと、総理、お約束いただけませんでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、食料安全保障の重要性、これは言うまでもありません。 その中において、種子、種の重要性について御指摘がありましたが、こうした様々な環境を踏まえて、来年度中に食料・農業・農村基本法の改正案、これを国会に提出することを視野に、六月をめどに、食料安全保障を含め食料・農業・農村政策の新たな展開方向について取りまとめをしたいと思います。その中で、御指摘の点も念頭に置きながら、日本の農業のありようについて考えていきたいと思います。
○田名部匡代君 是非危機感を共有しながら、ここは与野党関係ないですから、本当にここで本腰入れて日本の未来に向けて食料安全保障の確立、私たちもいい提案をしていきたいというふうに思いますが、その提案を受け止めていただきながら一緒になって取り組んでいけたらいいなというふうに思いますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。 次に、介護の問題に移らせていただきます。 防衛費の問題であるとか子育て支援、つまり子供予算倍増という、これも大事ではあるんですけれども、やっぱり介護の問題、切実。これ、私自身のことも含めて本当に切実なんですね。 もう皆さん御承知のとおりでありますけど、今後は社会に合った形で将来に向けて持続可能な制度にしていかなければならないというふうに思います。介護保険制度ができて一定程度介護の社会化というものが進んで、これは評価をしたいと思いますけれども、しかし、あれから二十年、社会の状況というのは大きく変化をしています。 まさに世帯人数の減少が進んで、単身世帯、中でも高齢の単身世帯が年を追うごとに増えています。夫婦と子供の世帯が減る一方で夫婦のみの世帯が増えて、いわゆる老老介護、認認介護と言われるような状況が高まってきている。このような世帯構成の変化によって、今後ますます、要介護の状態になっても家族や親族による介護が全く受けられない、こういう人たちが増えてくるのではないかと。さらには、まあ本当、単身世帯、私の将来を見ればそうですけれども、本当にどこでどんなふうに将来の安心を得られていくのかという不安の中にいる人たちも多いと思うんですね。 そこで、平成三十年に二〇四〇年を見据えた社会保障の将来見通しというものが出されていますけれど、これ、二〇五〇年には六十五歳以上の人口比率は四〇%近くになる見込みなんですけど、二〇四〇年に必要な介護職員数二百八十万人。現在でも人手不足、二年後でも三十二万人足りない、二〇四〇年で六十九万人の介護職員が必要になるという試算が出されています。 これ、介護の現場、離職をされる方も多い。今後どうやってこの人材不足を解消されていくおつもりなのか、ちょっとお考えをお聞かせください。
○国務大臣(加藤勝信君) 高齢者の増加と、他方で生産年齢人口は減少は進む中で、必要な介護サービスが安心して受けられるよう、またその担い手を確保することがまず大事だということで、介護人材を確保するため、処遇の改善、また介護職のイメージアップや多様な人材の参入の促進、ICTや介護ロボット等のテクノロジーを活用した職場環境の改善による離職の防止、介護福祉士修学資金の貸付け等による人材育成の支援、こうしたことを総合的に進めてきているところではございますし、さらに、こうした施策をしっかりと進めることによって、第八期介護保険事業計画で介護サービスの見込み量等も推計しておりますけれども、そうした職員の確保にしっかりと努めるとともに、介護サービスが必要な方にしっかりと行き渡るように努力をしていきたいと考えています。
○田名部匡代君 本当に難しい問題で、簡単には解決しない。政府も一生懸命いろいろとお取り組みいただいているというふうに思うんですね。 ただ、やっぱりこの数字を見ると、現実的に、なかなかこれだけの人材をこれから確保してというのもそう簡単ではないのではないか。まあ全産業でどこでも人手不足ということがあるわけで、例えば地域ぐるみでの介護のこういう体制をどうやってやっぱりつくっていくのかということも本当に考えていかなければならないと思いますし、もちろん、なかなかこの施設に入れない、順番待ちをしている、こういう状況もあるので、じゃ、それらをどうやって解消していくのか、こういう問題もあると思います。 今、介護職員、また福祉職員の賃金、これ何度も、もう総理、もう耳にたこができるぐらい私たちの党からも提案させていただいていると思うんですけど、全産業の平均と比較して八万円も賃金が安い。私たちは、もっとその賃金を、処遇改善ですね、していくべきだと。そして、支給対象範囲も含めて、今のままではやっぱり不十分だ、その解消を求めているんです。 大手企業を中心に今賃上げだというふうに言われていますけれども、やはりこれは、中小・小規模企業の賃上げもそうですが、やはり介護従事者、これは国が積極的に賃金を上げる、この対応が求められているというふうに思うんですよ。なかなかそれ、必要な対応だと思うんですけれども実現しないんですね。確かに政府もやりました。でも、不十分なんです。もっとやっていただきたい。総理、是非やりませんか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 介護職員の方々のこの処遇改善ですが、これ委員も御案内のとおり、給与を恒久的に三%程度引き上げるための措置など、これまで累次の処遇改善は行ってきたところですが、委員の方からこれは不十分だという御指摘もありました。 政府としましても、今後とも、公的価格評価検討委員会の中間整理を踏まえ、まずは見える化、これをしっかり行いながら、現場で働く方々の処遇改善、あるいは業務の効率化、負担軽減、こうしたものを進めていきたいと考えております。
○田名部匡代君 毎年、介護離職者は十万人、仕事をしながら家族の介護をされるビジネスケアラーも増加。介護離職による経済損失は九・一兆円という試算が出されました。 介護休業制度も設けられてはいるものの、取得できる日数には限りがあって、対象家族一人につき通算九十三日まで。実際にこの期間内に手続や調整を進めて介護を軌道に乗せるためには、やっぱり同時に介護の受皿も用意されていなければならないということだろうと思います。 政府は、現行の介護休業制度からスムーズに介護に移行できるだけの受皿が十分に確保されているという認識なのか、また、介護離職、この離職につながっている原因をどのように分析されているのか、お答えをいただきたいと思います。 ちょっと時間がないので、あわせて、これ、人口の年齢構造だけの変化だけではなくて、家族の形、働き方の変化に即した形で介護保険制度や介護休業制度を見直して、あわせて必要な財源もしっかり確保していく必要があるというふうに考えます。待ったなしの課題だろうと思います。政府の具体策についても併せてお伺いします。
○国務大臣(加藤勝信君) まず、家族の介護を理由とした離職者には、介護サービスを利用できずやむを得ず離職する方だけではなくて、勤務先の支援方法に問題があった方、介護保険制度の利用方法が分からなかった方、御自身や御家族の希望で離職された方、これ様々理由があると思っております。 政府として、介護離職者を減らすために仕事と家族介護が両立できる環境の整備は大変重要と考え、先ほど申し上げた処遇改善等による介護人材確保策に加えて、介護サービスのみならずインフォーマルサービスも含めた地域の受皿を整備をしていく、さらには介護をする家族への相談機能や支援体制の強化、あるいは介護保険制度や育児・介護休業に基づく介護休業を周知徹底させていく、こうした、さらには仕事と介護を両立できる職場の環境の整備の支援、こうしたことに取り組んでまいりましたし、更にそうした努力を進めていきたいと思っております。 御指摘がありましたように、介護休業そのものは要介護状態にある対象家族を介護するための体制を構築するものでございますので、そういったことも念頭に置きながら必要な情報の提供を行っていきたいと思います。 さらに、今後について、介護サービスの量と質を確保しながら持続可能なものにしていかなければなりません。そのために、高齢者が住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう地域包括ケアシステムを更に推進をしていくこと、また、介護現場の生産性向上を進める、そうしたことを盛り込んだ法案も今国会に提出をさせていただいているところでありますが、あわせて、高齢者の負担能力に応じた負担や公平性を踏まえた給付の内容の在り方など、引き続き検討していきたいと考えています。
○田名部匡代君 是非、子供さんのいる、いらっしゃる御家庭に直接的な支援をすることはとても大事ですけれども、将来の安心がなければ、やはり結婚しよう、子供を産み育てようという将来設計ができない。やはりそういう不安も解消していく必要があるというふうに思いますので、是非しっかり対応いただきたいと思います。 残り時間で放送法についてやらせていただきたいと思います。 これ、二〇一六年、問題の、高市当時の総務大臣、この答弁について、まあいろいろ当時から懸念の声はあったんですね。日弁連などから含めて、解釈変更の撤回などを求める声というのはあったんです。つまり、で、昨日の、私、会見拝見しましたけれども、高市大臣も当時、やっぱり前日のこの委員会のレクを受けて、本当にこれで大丈夫かなという御懸念を持たれた、でもあの答弁になった。あの答弁で、じゃ、誤解が生じなかったのかといったら、あの後、今申し上げたような動きがあったし、当時質問された方も、ああ、これで一つの番組で政治的公正に反するということが、そういう判断が可能なんですね、厳しく放送事業者に指導してくださいねというような趣旨の発言しているんです、多分。多分、受け止めはそうだったんです。 それが、まあ何度も、これ三月十七日、小西議員からも本当にこの解釈は変わっていないのかということを外防委員会で質問され、そして変わっていないという答弁をいただいているようでありますが。でも、この問題は、いろいろと官邸や政治家のその圧力によってまさに放送法の肝である部分をねじ曲げようとした、このことに懸念があるし、この経緯もおかしいし、また、その補充的説明なんということが全然私は補充になっていないというふうに思っているんですが、それを無理やりつなぎ合わせたから今のような懸念払拭できないというふうに思っているんです。 それで、ここにパネルお示ししましたけれども、当時は一つの番組のみでは判断しないと言ってきたんです。でも、高市大臣は当時、一つの番組のみでも判断すると言っているんです。で、一定の相当の時間、そういう偏った報道があれば処分に値すると大臣おっしゃっているんです。でも、過去の答弁は、一定の相当の期間なんです。時間と期間、これ全然違いますよ。一つの番組で四十分やったからそれが問題だということでは駄目だというのが過去のやっぱり考え方だったんですね。だけれども、一つの番組で相当時間やったらそれに値するという答弁をしてしまっているんですね。 まあ、ちょっとこのことをおいて、このことの事実確認をしている中で、高市大臣は捏造だという言葉をおっしゃったんです。いや、捏造、捏造というのはまさに聞き捨てならないなというふうに思うんですけれども、これ、高市大臣、総務省の行政文書と、総務省が行政文書と認めた平成二十七年二月の十三日のこれ大臣レクですね。で、大臣はなかったと言っているんですよね。で、捏造だけれども、これは作成者三名は捏造していないというふうに証言しているんです。 総理に伺います。 官僚の、閣僚のかつての部下たちが作成した文書を捏造と批判するのは、私はこれ信じられない、異常なことだというふうに思います。もちろん、これを捏造と主張しているのは、これ大臣だけなんですよ。作成者の三名が捏造などしていないと言っている以上、記録はあるんですよ。記憶に基づいて発言しているんです、高市さんは。しかも、その記憶は、レクがなかったと言ったけれどもレクはあった、つまり記憶は間違っていたんですよ。しかしながら、捏造ということは撤回しないんですが、こういう姿勢に対して、総理、どういうふうに思われますか。
○国務大臣(松本剛明君) 今御指摘がありました総務省の精査に係ることであるかと思いますので、できるだけ簡潔に御説明を申し上げたいと思いますが、今、田名部委員から御指摘がありましたのは、文書整理番号二十一番の二月十三日の精査のことであろうかと思いますが、これについては、作成者として記録されている者も、上司の関与を経てこのような文書が残っているのであれば、同時期に放送法に関する大臣レクは行われたのではないかと認識をしている。また、その他も……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 総務大臣、できるだけ簡潔にお願い申し上げます。
○国務大臣(松本剛明君) はい。ただ、大事な話だと思いますので。 このような資料が残っているのであればと申した者、他方で、全ては読み上げるのを省略いたしますが、この時期にこのようなレクがあったとは思わないと言う者もありますので、必ずしも認識が一致してないというふうに申し上げているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘の文書の正確性については、従来から申し上げているように、総務省でその正確性について精査を行っていると申し上げております。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) だからこそ、今総務大臣の方から答弁をさせていただき、その正確性の精査について説明をさせていただいた、こういったことであります。 私に対してどう思うかという御質問でありましたので、私としては、今、この文書の正確性については今申し上げた取扱いになっていることから、総務省においてその精査の中身について説明させていただくべきものであると考えております。
○田名部匡代君 全く違うことを時間使って答弁しないでいただきたいと思います。 捏造とおっしゃったんです。でも、で、レクはなかった。でも、あったんです。お答えになっている作成者は、捏造はしていないと認識を示されているんです。 しかも、高市大臣は、これ同席した方々へ確認したら、絶対にそんなことはなかったと言っていると答弁したんですが、後から確認したら、総務省サイドは、絶対にとは言っていない。まあ、言ったかどうかの確認できないわけですよ、記憶がないわけですよ。全く大臣の、高市さんの言っていること、違うじゃないですか。 これ、十分に確認もせず、曖昧な記憶に基づいて、結果としてそれ違ったわけですけれども、それをもって捏造と言い続けているんですね。これは引くに引けなくなっているんじゃないかと思うんです。自分を守るために、自分を守るために官僚を侮辱して、まさにこれは……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。
○田名部匡代君 日本の公文書制度、つまり行政そのものに対する私は否定だというふうに思うんですね。 まさにこういうこと、この官僚の正義感でこの情報を、これで日本の放送法、報道の自由や国民の知る権利守れるのかという、その危機感を持ってこの文書が渡されたというふうに思うんですけれど、そういったことを全く受け止めず、そしてこういう姿勢を続けている、捏造だと言い張る大臣に対して、罷免すべきだというふうに思いますけれど、総理大臣の御答弁をお願いします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 行政文書の正確性、これはもちろん大事なことであります。だから、この指摘を受けて、御指摘の行政文書の正確性について総務省において精査を行ってきたと理解をしております。だからこそ、総務大臣からお答えさせていただいたわけでありますが、その中にあって、高市大臣のこの発言、捏造という言葉の使い方等々につきましては、大臣の方から丁寧に説明をさせていただきたいと思っています。
○田名部匡代君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 以上で田名部匡代さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、勝部賢志君の質疑を行います。勝部賢志君。
○勝部賢志君 立憲民主・社民の勝部賢志でございます。 私は、今、田名部委員の質疑聞いていまして、総理のこの間行われました後援会の集会でロゴマークを使用したという件なんですけれども、答弁聞いていますと、政治活動ではないというような認識をお持ちなのかなというふうに思いましたが、改めてお伺いいたします。通告はしていませんけれども、改めてお伺いいたします。 後援会の総会は政治活動ではないですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 後援会の活動の中で御指摘のロゴマークを使ったということでありますが、ロゴマーク使用に当たっては、当然のことながら申請を行わなければなりません。その際に、このG7サミット、機運盛り上げに資するということから、理由から申請を受け入れていただき、使用したものであると理解をしています。 そして、政治との接点について御指摘がありました。 これについては、御指摘をいただいた点等をしっかり踏まえて、今後慎重に対応しなければならない点であると認識をいたします。
○勝部賢志君 もう一度明確にお答えください。 後援会の集会、総会等は政治活動か。あわせて、じゃ、選挙活動は政治活動ですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 後援会の活動、これは当然政治活動であります。選挙は政治活動かということでありますが、まあ選挙も、一般的に言えば、それは政治活動だと思います。
○勝部賢志君 私のところに実は資料があって、その当日の集会は、岸田文雄後援会新春互礼会と、こう書いてあります。そこの右側にはサミットのロゴがあり、そして左側には統一地方選挙勝利と、必勝と、こう書いてあるんですね。だから、もうまさにこれは政治活動なんです。 なぜ、その政治活動に、政治活動にそのロゴマークを使ってはいけないという規定があるのに、それを許したのか。これはもう、政府がどういう見解を持っているのか。これは、総理は、先ほど言ったように、許されたからと、申請をしたら許されたからと言っていますけれども、これは私はおかしいと思います。 ですから、政府として正式な見解を、統一見解を是非理事会に提出をいただきたいというふうに思います。
○委員長(末松信介君) 御指摘の点、理事会で後刻協議をいたします。
○勝部賢志君 通告をしております放送法についてでありますけれども、政治的公平の解釈について、参考人として出席を求めておりました西潟データ通信課長にお聞きしたいと思っておりました。先ほどの田名部委員のやり取りも、結局は、その文書の正確性についてまだはっきりしないので、それ以上深まった議論にならないと。したがって、私どもとしては、そのことをはっきりと証言できる参考人の招致を求めてきた次第であります。 しかしながら、今日も私、要求をしましたが、お越しいただけませんでした。したがって、これ以上この質疑をここでやっても今の堂々巡りを繰り返すことになります。したがって、改めてこの質疑は別な機会にさせていただきたいと思いますけれども。 あわせて、一言申し上げたいと思いますが、放送法の問題は、今ほども田名部委員からも指摘がありましたとおり、放送の政治的公平をねじ曲げる解釈の変更であり、放送の自由を萎縮させ、国民の知る権利を踏みにじる大変重大な問題であります。今後とも、我が会派としては継続してこの解明に取り組んでいきたいというふうに思っています。 あわせて、高市大臣の捏造発言についてですけれども、これには私は二つの重大な問題をはらんでいると思っています。 その一つは、行政は文書主義というものをずっと大事にしてきているわけで、これはまあ行政の基本になっていると思います。しかしながら、その文書主義を、それ自体を否定をするということ。それからもう一つは、部下を信じないばかりか、捏造した罪人扱いにしていると。これは、これまで一生懸命文書残そうとしてやってきた職員の皆さんからしたら、上司からこのようなことを言われたら本当に情けない思いがするだろうというふうに思います。仮に自分の記憶や言い回しと違う点があったとしても、それを捏造と言い切ってしまうことについては極めて問題があるということを感じておりますので、改めて指摘をさせていただきますし、大臣の任にはあらずということを申し上げておきたいというふうに思います。 それで、総務大臣におかれましては、政府参考人も、質疑はここで行えませんので、退席していただいて結構でございます。
○委員長(末松信介君) 松本総務大臣、また山野審議官、御退席いただいて結構です。
○勝部賢志君 それでは次に、ロシアによるウクライナ侵略下におけるJT、日本たばこ産業の子会社でありますJTインターナショナル・ロシアの問題について伺いたいと思います。 先ほどから話題になっていますロシアによるウクライナ侵略に対して、総理が訪問されたということでありますけれども、ウクライナの戦争は一年経過をしています。殺りく、破壊、恐怖、苦痛、悲嘆、怒りと、私たちの感情を震撼させる戦場の光景がほぼリアルタイムで見れるような、新しい様相を呈した戦争と言われてきています。そのことに対して、私たちの中に麻痺をしてしまうようなことがあってはならないという思いを強く持っています。そういった中で、岸田総理が、一日も早くロシアの蛮行を終わらせねばならぬという思いで、改めて思いを新たにして戻ってこられたのではないかというふうに思います。 戦闘行為と同様に、G7各国を中心とした対ロシア経済金融制裁の強化も重ねながら継続をしています。それは、経済的、社会的側面から、侵略国でありますロシアの継戦能力をそぎ取っていこうとすることの試みであり、アメリカやNATO諸国による最新鋭武器供与のような直接的な軍事支援が私ども日本の国は国是、憲法からも許されないわけでありますから、最重要の手段であると私は考えております。特に、G7議長国となっている立場性も踏まえれば、対ロシア経済金融制裁強化がまさにこれからも取り得る手段の一つだと、大きな手段の一つだと思います。 そこで、岸田総理にお伺いいたしますけれども、今申し上げたような対ロシア経済金融制裁の意義と重要性についてどのようにお考えか、そしてあわせて、G7各国やいわゆる同志国の中で、とりわけ我が国が対ロシア金融制裁を果たしていくその役割についてどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) ロシアによるウクライナ侵略、これは言うまでもなく力による一方的な現状変更の試みであり、これは許すことができない暴挙であります。そのような行動には高い代償が伴う、これを示していくことが必要だと考えます。 我が国は、このG7始めとする国際社会と緊密に連携し、ロシアの個人、団体等に対する制裁、銀行の資産凍結等の金融分野での制裁、輸出入禁止措置などの厳しい措置を迅速に実施しております。 ロシア側が発表した昨年のロシアの経済成長率、速報値でマイナス二・一%、財政収支は足下三か月連続で赤字となっていると承知をしています。このほか、半導体の不足等により武器の製造に影響が及ぶなど、我が国を含む各国の制裁措置、これ一定の効果を出していると考えております。そして、その制裁が一層効果的なものになるためには、第三国が制裁措置を回避し、制裁の効果を損なうことがないようにする、これが重要だと考えています。 二月二十四日のG7首脳会合でも、制裁の迂回・回避対策の更なる取組を進める、こういったことでも一致をしています。 こうしたこの強力な制裁を講じていくとともに、制裁の実効性を確保するべく、日本としてもG7を始めとする国際社会と連携を続けていかなければならない、このように認識をしております。
○勝部賢志君 今総理から後半の方で、迂回だとかそういうことに対する対策が必要だというお話がございました。 ところが、先日三月九日の衆議院保安委員会における我が党の先輩であります渡辺周議員の質疑を拝見して、大きな抜け穴がぽっかり空いているのではないかという思いで愕然といたしました。といいますのは、日本たばこ産業株式会社、以下JTと呼びますが、JTの海外子会社の事業について、実はそこで事業が継承、継続されていて多額の税金を納めていると、ロシアにですね。そういうような実態がありましたものですから、そのことについてお伺いをしたいと思いますが。 まず、政府参考人に伺いますけれども、JT、日本たばこ産業株式会社と国の関係について、あわせて、子会社JTインターナショナル社のロシア事業について、ごくごく簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(齋藤通雄君) お答えを申し上げます。 日本たばこ産業株式会社、JTでございますけれども、経緯といたしましては、専売制度の廃止の際に旧日本専売公社の民営化に伴い設立された法人でございまして、特別の法律に基づき設置されましたいわゆる特殊会社でございます。このため、民間企業の性質、会社法の適用がございますし、現在は上場企業でございますけれども、そうした民間企業の性質と同時に政策的な役割を担っているという側面がございます。このため、JT法におきましては、事業計画、定款変更などの重要事項を財務大臣認可に係らしめるとともに、株式について三分の一を超える政府保有を義務付けるなどの規定が設けられております。 その上で、もう一つお尋ねがございましたJTのロシア事業についてでございますけれども、JTからは、現在、ロシア市場における新規の投資やマーケティング活動を停止した上で、国内外における制裁措置、規制等を遵守しつつ事業運営を継続している、その一方で、JTグループからの経営の分離を含めた選択肢の検討を行っていると、そのように聞いております。
○勝部賢志君 今も説明ありましたけれども、三〇%以上の株を保有して、三三・五%ですか、その株を保有しているいわゆる特殊会社でありまして、一般の民間会社とは違うわけであります。その下で、一〇〇%の子会社であるロシア・インターナショナルが、先ほど制裁の措置に従ってと言っていますが、事業は継続しているわけですね。そして、先ほど申し上げた渡辺議員の試算によりますと、その納税額が一年間で約三千億円にも当たるということなんです。 ですから、つまり、一方で経済制裁大事だといいながら、日本の株主、大株主が財務大臣という会社がロシアで事業をして三千億円余りの税金を納めている。これまさにロシアの継戦対策になっているんじゃないですか。これはもう極めて問題だというふうに思いますけれども、財務大臣、見解を伺います。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど理財局長から答弁をさせていただいたところでありますけれども、JTグループは、ロシアにおけるたばこ事業に関して、現状、国内外のあらゆる制裁措置と規制を遵守しており、また、グループ経営からの分離を含めた選択肢の検討を行っている状況と聞いてございます。 その上で、政府としては、JTグループの事業展開につきましては、国際的な活動を行う上場企業として、現在のロシア、ウクライナ情勢や国際社会の動きなどを踏まえ、JTの自主的な経営判断により適切に対応していくべきものと考えております。 なお、株主として何か働きかけをしたかということについて申し上げますと、昨年三月のJT株主総会の場で、政府保有株式の株主として財務大臣の代理人たる理財局次長からJTに対しまして、引き続き国際的な活動を行う企業として、ロシア、ウクライナの状況及び両国をめぐる国際社会の動向等を注視し、適時適切に対応されることを強く期待している旨を発言をさせまして、働きかけをしているところでございます。
○勝部賢志君 あわせて、財務大臣にお聞きしますけれども、ということであれば、やはり即時中断、撤退をすべきではないですか。
○国務大臣(鈴木俊一君) 先ほど申し上げましたとおり、今、JTは上場された企業であります。政府が三分の一、約三分の一の株式を保有しているわけでありますが、残りの三分の二は民間の方が株式を保有しているということでありまして、そういうことも踏まえまして、やはり企業としての判断、これは一義的にJCの自主的な経営判断によって対応すべきものと、そのように考えます。
○勝部賢志君 民間の企業も、例えばマクドナルド、スタバ、アマゾン、アップル、ディズニー、様々な会社が撤退をしているんです。それはもちろん民間ですからそれぞれが主体的に判断をしたと思いますけれど、冒頭総理が言われたように、ロシアの継戦を止めるためには、やはりG7が結束してこの経済金融制裁を加速してやっていかなきゃ駄目だと。そういう状況において、一方、日本の財務大臣が大株主であるその会社がロシアに、まあ三千億は試算ですけれど、そういった税金を納めているということは、私はどう考えてもおかしいと思うんですね。 総理、ウクライナから帰ってきた直後であります。惨状を目の当たりにして、やはり戦争を一刻も早く止めなきゃ駄目だと、そういう思いで是非御決断をいただきたい。これは是非進言をするということでいいと思いますが、総理、いかがですか。
○委員長(末松信介君) じゃ、訂正があって、鈴木財務大臣。
○国務大臣(鈴木俊一君) 済みません、先ほどJTと言うべきところをJCと言ってしまったようでありますので、そこを訂正させていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、財務大臣から今答弁がありましたように、JT、これは約三分の二の株式を民間株主が保有する上場会社です。よって、同社のその事業展開については、国際的な活動を行う上場企業として、現在のロシア、ウクライナ情勢や国際社会の動きなどを踏まえ、同社の自主的な経営判断により適切に対応していくべきものである、これが基本的な考え方でありますが、この同社のロシア事業については、既に新規の投資やマーケティング活動等を停止しています。そして、現在、同グループ経営、グループ経営からの離脱を含めた選択肢の検討が行われているとも承知をしております。こうしたこの検討の状況について注視をしていきたいと考えます。
○勝部賢志君 G7の主催国であります日本の総理が、やっぱり今そういうような発言では駄目だと思いますよ。各国からも理解されない、あるいは国民からも。本当に帰ってきた直後なんですよ、御苦労だったと思います、今日の朝着いたということですから。ですから、であれば、やっぱりここではっきりと、いや、それは続けられないと。確かに判断は、三三・五%は財務大臣の株主だとして、残りは民間だということは分かります。けれども、その民間に理解を得ることは十分できると思いますよ。 総理、もう一度答弁願います。しっかりやってください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 三分の二の株式を民間の方々が持っておられる上場企業に対する対応であります。ただ一方で、ロシア、ウクライナ情勢等を考えたときに、同社、既に新規の投資やマーケティング活動、これ停止をしている、そして同社グループ経営からの離脱を含めた選択肢の検討を行っているということでありますので、政府としましては、こうした上場企業の対応について注視をしていきたい、このように申し上げております。
○勝部賢志君 私どもも注視をしていきます。一刻も早くそういう対応が取れるようにしていくべきだということを申し上げておきます。 続いて、子ども・子育て政策について伺います。 総理が目指すこれからの日本の社会はどのような社会でしょうか。こどもまんなか社会という言葉は時々使われますけれども、これまでの日本の社会がこれからどのように変わっていくことを目指されているのか。 四月一日にはこども基本法が施行されます。子供のことは子供に意見を求めるのが、あらゆる問題解決の糸口になると私は思っています。子供を中心とした社会を描き、そして政治の中心的な課題に置くということは、私は歓迎しています。若干、もっと早かったらいいなという思いはありますけれども、そういうことを踏まえて、総理が目指しているこどもまんなか社会、どういう社会でしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 私が申し上げている目指す社会というのは、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もが子供を持ち、ストレスを感じることなく子育てができるこうした社会、さらには、子供たちが、いかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会、こうした社会を目指したいと申し上げています。 少子化には、我が国のこれまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっています。育児負担が女性に集中している実態を踏まえ、夫婦が協力しながら子を育て、それを職場が応援し、地域社会全体で支援する、こうした社会をつくる必要があると考えております。
○勝部賢志君 子供が生まれてくる数が急激に減ってきています。そのことに鑑み、子供を産み育てやすい社会にすると、これは重要な政治課題だと思います。 しかし同時に、生まれてきた子供たち、あるいはこれから生まれてくる子供たちが、その社会の中で健全に、健やかに、そして先ほどおっしゃった笑顔あふれる生活ができるようにしていくことも極めて重要だと思います。 したがって、この子ども・子育て政策は、子供が産みやすい社会をつくる、一般的に言うと少子化対策というような言葉で言ったらいいのかもしれませんが、そのこととやはり教育の環境整備ということを両輪で進めていく必要があるというふうに思いますが、総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 子ども・子育て政策において教育が重要であるという指摘、この今の委員の御指摘、私も同感であります。子供たちの誰もが、家庭の経済事情にかかわらず質の高い教育を受けられるチャンスが平等に与えられ、個性や能力を最大限伸ばすことができるようにすることが重要であると考えています。 こういった観点から、これまでもこの教育費の負担軽減ということで、育児教育、保育の無償化、あるいは高等教育の無償化等も進めてきたところでありますが、是非、今後とも、この子ども・子育て担当大臣の下、子ども・子育て政策、これ内容を具体化する作業を進めているところでありますが、そうした取りまとめの中においても教育という視点は重視しなければいけない。 最終的に六月に骨太の方針に向けて予算、財源等も含めて大枠を明らかにするわけですが、その中にあって教育、是非重要なポイントとして取り上げたいと考えます。
○勝部賢志君 今の総理の発言を重く受け止めたいというふうに思います。 少子化対策を進める上で併せて気を付けなければいけないこともあると実は思っています。それは、ただ単に子供を増やす、産めよ増やせよということではあっていけないと思います。子供を産まない選択をすることが非難されたり、あるいは何らかの事情があって産みたくても産めない人が肩身の狭い思いをするようなことがあってはならない、そのことには十分配慮して取り組む必要があると思います。 同性カップルなどが子供をつくらない、つまり生産性がないという発言は言語道断であります。奨学金の返済を、地方に帰って結婚したら減免、子供を産んだら減免などの発言もありましたが、批判の声が上がっています。私は、これも違うなというふうに思います。 今後の政策推進に当たって、このような基本的な考え方、総理はどのようにお考えになるか、見解を求めます。
○国務大臣(小倉將信君) 委員御指摘のとおりでございまして、私どもの少子化の目標は、子供を持ちたいという希望を持つ人にその希望をかなえるための政策を実現をするということでありまして、人生様々な選択肢がございます。個人の人生の選択肢に対しましてプレッシャーを与えるような、そのような政策であっては決してならないという、そういう理解でおります。
○勝部賢志君 小倉大臣、今日お越しいただいていますけれど、三月をめどに取りまとめをというのが総理の指示だということでありますが、相当いろいろなところから、あれもやってほしい、これもやってほしいと、まさに陳情合戦になっているのではないかと思いますが、取りまとめの状況と、いつどのようなタイミングで御発表をされるのか、是非言及をいただけたらと思います。
○国務大臣(小倉將信君) 年頭、総理から御指示をいただきまして、三回ほど、既に有識者、当事者からヒアリングを行いました。総理には一回同席をいただきました。また、地方に総理と赴きまして、三回ほど、当事者とこども政策対話、これを実施をさせていただきました。 確かに、たくさんの御要望いただいております。総理も申し上げておりますが、まず何よりも重視すべきは当事者の声でありまして、当事者がどう支援をしてもらいたいか、こういったことを大切にしながらたたき台を作ってまいりたいというふうに思っております。 たたき台の個別の内容についてはまだ申し上げる段階にはないと思っておりますが、少子化対策、ライフステージ、様々及びますので、総合的なライフステージに応じたパッケージを、これをお示しをできるように、三月末を目途ということでございますので、その目途を目標にして、たたき台、しっかり具体化をしてまいりたいと考えております。
○勝部賢志君 三月末といいますと、もうあと一週間ということでありますので、今日、私は、子供の立場から是非これだけはやってほしいということをちょっと幾つか簡単に申し上げたいと思います。 パネルをお願いいたします。(資料提示) まず一つは、総理も触れられましたけれども、高等教育費の無償化及び負担軽減です。 実は、日本の国は先進国の中で最低と。何が最低かって、いろんなこと最低なことあるんです、実は。けれども、特にこの教育費、高等教育に対する公的支出の割合、これが極めて日本の国は低いです。本当に下位です。 これまで、高等教育といいますと、大学とか短大、専門学校、ここに行く人の数がある程度限定的なので、これはある意味自己負担でというような考え方が多かったと思いますけれど、現在はもう既に八三・八%も、専門学校も含めてですけれど、進学をされます。ですから、私は、いずれはこの高等教育は無償化にすべきだと思います。 今回のこの少子化対策の中では、この奨学金の制度、随分議論があると思いますけれども、現状どのような状況になっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。 勝部委員おっしゃいますとおり、やはり少子化の様々な要因の一つとして、子育てや教育に係ります費用負担の重さが指摘されております。また、誰もが家庭の経済事情にかかわらず質の高い教育を受けられるチャンスが与えられるように、これまでも様々な負担軽減策を行ってまいりました。 令和六年度から、教育未来創造会議の第一次提言などに基づきまして、給付型奨学金と授業料等減免を併せて行います高等教育の修学支援新制度について、多子世帯やまた理工農系の学生等の中間層への対象を拡大いたします。 また、大学院修士段階におけます授業料の後払い制度、いわゆる出世払い制度を創設するほか、貸与型の奨学金の毎月の返済額を減額する制度につきまして年収要件を緩和するなど、より柔軟に返還できるよう、これ見直しを進めているところでございます。
○勝部賢志君 既に二〇二〇年度からこの制度はスタートをしているわけですね。けれども、極めてまだ不十分という声がいっぱいあります、所得制限の撤廃も含めてですね。ですので、今回こうやって子供に中心を当てて政策議論していますので、是非、これから出されるそのまとめには、この分野、更なる拡大を是非盛り込んでいただきたいというふうに思います。 次は、保育の配置基準について、これもパネルをお願いいたします。これも様々な議員からいろいろ指摘がありました。私どもも何度も申し上げてきています。 保育の質向上は十年放置と、ここにパネルありますように、二歳児から五歳児まで、ああ、四歳児、五歳児ですね、の改定については、もう七十五年も変わっていないということでありますから、これは今回のこの議論の中では必ずやっていただかなきゃいけないというふうに思っています。そして、あの園バスの事故もありました、事件ですね、あれは。それから、園児に対する虐待みたいなことも起きています。虐待自体許されるものではありませんけれども、やはりその職場環境の劣悪さがこういったことを起こしてきているというふうに思います。 配置基準、大胆に改善すべきだと思いますけれども、大臣の見解求めます。
○国務大臣(小倉將信君) 保育の質の向上等のためにも保育士等の配置の改善を図っていくことは大変重要と考えており、平成二十七年度から三歳児に対する職員の配置改善に取り組んでおります。また、来年度予算案におきましても、現場の保育士の負担軽減を図るため、大規模な保育所においてチーム保育推進加算の充実を行うほか、見落としなどによる園児の事故を防止するための支援員の配置を推進することといたしております。 このように、これまでも保育士等の配置の改善については努力を重ねてきたところでありますが、さらに、総理からは、保育の量、質両面からの強化を柱の一つとして子ども・子育て施策として充実する内容の具体化の指示をいただいているところであります。 申し訳ありませんが、先ほども申し上げたように、現時点では個別の施策の是非を述べる段階にはないと考えておりますが、現場からは様々な意見も頂戴をしております。様々な意見に耳を傾けながら、今月末を目途として、子ども・子育て施策として充実する内容の具体化に努めてまいりたいと思っております。
○勝部賢志君 ちょっと時間がありませんので次に進みますけれども、教職員の多忙化の解消と教科担任制の計画的な配置について伺いたいと思います。 不登校、子供の自殺がどんどん増えています。なぜ子供が喜んで通える学校にならないのか。自ら命を絶つ状況になぜ対応できないのか。子供と向き合う時間と、行き届いた教育の環境整備が必要だというふうに思います。 昨年の十月発表された不登校の人数は二十四万四千九百四十人ということで、一昨年に比べると、一昨年は十九万六千ぐらいですので、増えています。過去最高です。それから、自殺の件数も、今年二月、速報値出されました、五百十二人ということで、これも過去最高であります。 このときに文科大臣は、児童や生徒の微妙なサインに注意を払い、不安や悩みの声に耳を傾けてほしいと、こう記者の前で話されました。私は、誰に向かって言っているのかなと思いました。耳を傾けたくても、余りに多忙過ぎて子供の声を聞き取れない、向き合う時間がない、そういう親御さん、たくさんいらっしゃるんですよ。学校現場も、申し上げたように、本当に大変なんです。もっと時間があったら、子供の声、話を聞きたいなと思う教員いっぱいいるんですよ。けれども、それができない。文科大臣は現場の状況を余りにも知らな過ぎる。 お聞きします。誰に向かって言ったんですか、あの発言は。
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。 そのときの私の発言というのは、やはり学校の子供たちに接する先生方に聞こえるようにという思いで発言した内容だと思っております。
○勝部賢志君 であれば、なおさらですね、私は怒りを禁じ得ません。 学校の先生方は、そういう時間を取れるように、是非環境を整えてほしい、定員を増やしてほしい、多忙な業務を減らしてほしい、日々そうやって訴えているんですよ。そういう先生方に向かって、耳を澄ませ、声を聞けと。今更ながらにそういう発言、私は不適切だと思います。それを聞いた先生方、心ある人は、それ、したいんだよって、できるんならやりたいんですって思ったと思います。 私は、その発言、不適切であったというふうに大臣から言っていただきたいと思います。
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。 やはり学校の先生の勤務実態というのは大変お忙しい、それを承知の上で、しかしながら、文部科学省といたしましても、いろいろと調べました調査結果におきましては、時間外勤務、ここのところ、近年、一定程度、少しですが改善傾向にありまして、学校における働き方改革の成果、これが出つつあるものも、依然として大変であるという多くの教職員の方々がいらっしゃいます。当然のことながら、引き続きまして、その勤務実態の取組をさせて、長時間勤務、これを是正していくための対応をさせていく必要があると認識をしております。 そのため、文部科学省は、令和元年の給特法改正を踏まえまして勤務時間の上限等を定める指針を策定するとともに、小学校におけます三十五人学級の計画的な整備や高学年教科担任制の推進等のための教職員定数の改善、また教職員業務支援員を始めとする支援スタッフの充実、校務のデジタル化等の学校DXの推進など、様々な取組を総合的に今進めているところでございます。 この学校、教師の業務の考え方を明確にした上で、役割分担や適正化の推進を教育委員会等に通知をするとともに、学校行事、また会議、校務の分掌の精選などの具体的な事例、これも集約をいたしまして、全国に周知することなどで……
○委員長(末松信介君) 少しおまとめください。
○国務大臣(永岡桂子君) 短くいたします。 学校現場のこれ業務改善を促進してまいりたいと思っております。
○委員長(末松信介君) 恐縮です。
○勝部賢志君 ただでさえ多忙で、教師のなり手も今不足しているんですね。新年度始まったときの担任の先生がいないというような事実も、実態もあるんですよ。 総理には是非その辺考えていただきたいと思うのは、こういったことが結局負のスパイラルになって、教職の仕事がもうやりたくない仕事になってしまっている。これも悲しい事実だと思うんですね。ですから、今回のこの子ども・子育て政策の強化というところでは、是非、学校現場、教職員の多忙化の解消に向けて是非全力を尽くしていただきたい。 総理、見解をお願いします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 教育環境の整備、これは重要な取組であると考えています。だからこそ、今御審議いただいている令和五年度予算案においても、小学校における三十五人学級、高学年教科担任制、あるいはGIGAスクール構想などを推進することとしております。あわせて、委員御指摘のように、多忙な教師の皆さんの状況を考えますときに、働き方改革、これは従来から取り組んでいるわけですが、こうしたものも取り組んでいかなければならない。 こうした政府における環境整備あるいは働き方改革、こうしたことを進めることにより、委員おっしゃるように、教師というこの仕事、これが魅力的な、そして多くの人たちに夢を与えられるような職業であること、これは社会のありようとしても重要であると認識をいたします。
○勝部賢志君 ちょっと時間が足りなくなりましたので、通告をしているLGBTの教育の問題です。 大臣には簡潔にお願いをしたいと思うんですけれど、子供たちにLGBTの存在を発達段階に応じてしっかり教えていくということは非常に大事だと思っているんです。そのことでのいじめだとか悩みというのがいっぱいありますので、是非そのことの推進をお願いしたい。答弁を。
○国務大臣(永岡桂子君) 学習指導要領にはLGBTQに関する記載はございませんけれども、文部科学省といたしましては、児童生徒の発達を支えるこれ指導の充実といたしまして、個々の児童生徒の多様な実態を踏まえ、一人一人が抱える課題に個別に対応した指導を行うことなどを明記しておりまして、これ、児童生徒の実態に応じて一人一人、LGBTQに関する指導を行うことができるようになっております。 また、教科書におきましても、これ学習指導要領には、これ同じですが、記載はしておりませんけれども、これ、LGBTについて取り上げられている例もございまして、子供の発達の段階や学校の事情に応じて指導がなされているものと承知をしているところでございます。
○勝部賢志君 時間になりました。 酪農、畜産危機への対応について通告をいたしておりましたけれども、大変危機的な状況なので、総理、大臣におかれましては是非全力で取り組んでいただきたいことをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○委員長(末松信介君) 以上で勝部賢志君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、山本博司君の質疑を行います。山本博司君。
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。 本日は予算委員会の集中質疑ということで、質問の機会をいただきまして感謝を申し上げたいと思います。 本日は、一連の外交、また追加の経済対策、さらには少子化対策で、総理、関係大臣にお伺いをしたいと思う次第でございます。 それでは、外交から始めたいと思います。 岸田総理は、二十一日、電撃的にウクライナを訪問されました。本当に、総理、大変にお疲れさまでございました。先進七か国、G7の議長国である我が国の総理がこのタイミングでウクライナに直接連帯や揺るぎない支援の意思を伝える意義は大変大きいものがあると思う次第でございます。 我が国の役割は、ウクライナの復興と人道的な支援であります。本格的に役割を果たせるような状況を整えるためにも、更なる努力を重ねていただきたいと思う次第でございます。 そこで、今回のウクライナの訪問につきまして、岸田総理から御説明をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、三月二十一日、ウクライナを訪問いたしました。侵略による被害の状況等を直接視察するとともに、ゼレンスキー大統領と首脳会談を行い、日本の揺るぎない連帯を伝えた次第であります。 〔委員長退席、理事片山さつき君着席〕 ロシアによるウクライナ侵略、これ、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙です。世界のいかなる場所においても、力による一方的な、一方的な現状変更を許してはならない、こうしたことをゼレンスキー大統領とも確認したところであります。 そして、この五月のG7広島サミットでも、このロシアによるウクライナ侵略、これは主要なテーマとなります。今回の訪問を踏まえて、法の支配に基づく国際秩序を守り抜く決意、これを明確に示すこと、G7の結束を維持してウクライナを支援すること、これをこのG7の場においてもしっかり確認する、発信する、こういったこともゼレンスキー大統領に伝えたところであります。そして、今後の復興復旧においても、日本の役割に対する期待、大きな期待がゼレンスキー大統領からも示されました。 是非、このウクライナのニーズに沿った、そして日本らしいきめ細やかな復興復旧支援、こうしたものを工夫していくことを考えていかなければならないと思います。是非そういった思いで役割を果たしていきたいと考えております。
○山本博司君 大変、ウクライナに寄り添うきめ細やかな支援、大事でございます。その意味では、我が国は、ウクライナに対しましてこれまで人道支援などで計七十一億ドルの拠出を表明しております。今回、ゼレンスキー大統領との会談では、計五億ドル、約六百四十億円の追加支援を行うと、こういうことを表明されたと伺っております。 そこで、この追加支援の内容に関して伺いたいと思います。
○政府参考人(日下部英紀君) お答えいたします。 二十二日の日・ウクライナ首脳会談では、日本は、エネルギー分野等への新たな支援など四・七億ドルの二国間無償支援を供与すること、また、NATOの信託基金を通じた非致死性装備品支援に三千万ドルを拠出することを岸田総理から直接ゼレンスキー大統領に伝達したところでございます。 支援の詳細につきましては今後ウクライナ側と調整を行っていきますけれども、ウクライナ側のニーズを踏まえ、ガスタービン、移動用変電設備等のエネルギー、水、教育、保健等の基礎インフラ整備を含む生活再建、地雷・不発弾対策、農業生産力回復等の分野で支援をできる限り迅速に進める考えでございます。また、NATOの信託基金を通じた非致死性装備品支援への三千万ドルの拠出につきましては、殺傷性のない装備品支援を想定しており、具体的な中身については今後調整し、細部を確認した上で支援していくことになります。 これらの支援を通じまして、ウクライナの人々に寄り添いながら、日本の持つ経験や知見を活用し、切れ目なくウクライナの復旧支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○山本博司君 今、これまで約七十六億ドル、約一兆円の支援でございます。その意味では、総理も言われましたけれども、日本の独自のそういう支援、地雷の除去でございますとか、教育や医療、保健、そうした切れ目のない支援をお願いを申し上げる次第でございます。 次に、インド訪問に関して伺いたいと思います。 岸田総理は、ウクライナ訪問の前にインドを訪問されましてモディ首相と会談をされました。国際社会が大きな危機に直面している中におきまして、本年のG7議長国である我が国とG20の議長国であるインドが緊密に連携していくことは大変重要であると考えるわけです。また、インドは、グローバルサウスと呼ばれる新興国や途上国の代表格ともされております。その上でも、インドとの連携強化は大変重要でございます。 岸田総理には、このインド訪問の成果とインドの関係の重要性、どのようにお考えか、お聞きをしたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今回のインド訪問においては、モディ首相との間で、G7とG20サミット、G7サミットとG20サミット、こうしたサミットで扱われる主要課題について幅広く意見交換を行い、両サミットに向けて連携をしていくこと、これを確認しました。そして、地域情勢、二国間関係等についても議論をし、日印特別戦略的グローバルパートナーシップの下での日印関係強化の方向性について確認をいたしました。 そして、委員の方から御指摘がありましたように、インドは、今年の一月、グローバルサミット、あっ、グローバルサウスサミットというサミットを開催し、グローバルサウス、いわゆる中間国と呼ばれる国々のリーダー的な存在を自負しておられます。こうした、今国際社会が対立し、そして不透明化する中にあって、グローバルサウスと呼ばれる中間国にいかに関与していくのか、これは、日本外交にとっても、またG7にとっても、これは大変重要な課題となります。 こうしたグローバルサウスのリーダーとされるインドとの連携を深めることは、グローバルサウスへの関与という観点からも重要な取組ではないかと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。 次に、韓国大統領の訪日について伺いたいと思います。 先週十六日から十七日まで、韓国の尹大統領が訪日をされました。シャトル外交の再開など幅広い分野での協力強化を確認したとのことで、これは大変大きな成果があったと思います。いよいよ日韓関係の新たな展開が期待されるわけでございます。そのためにも、日韓両国の国民の理解を醸成をしていく必要があると思います。文化芸術であるとか観光交流を促進するとともに、二〇二五年の大阪・関西万博を通じて積極的な関わりを持つことも大事になると思います。 そこで、今回の韓国大統領の訪日の成果と、今後の日韓関係についてどのように対応する方針か、伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今回の尹錫悦大統領の御訪日、これは日韓関係正常化にとって大きな一歩になる前向きな会談ができたと考えています。尹大統領との間で個人的な信頼関係を深め、日韓関係の新たな章を開くシャトル外交の再開でも一致をいたしました。 そして、今委員おっしゃるように、これ外交を進めるに当たって、それぞれの国の国民の世論、国民の理解や後押し、これが重要であるということは言うまでもありません。そのためにも、両国が共に裨益するような協力を進めるべく、政治、経済、あるいは文化、御指摘のように人的交流もあれば、スポーツを始め様々な交流があります。こうした多岐にわたる分野で政府間の意思疎通を活性化していく、そして国民の交流も深めていく、こうした取組が重要であると思います。 政府においては、具体的に、安保対話や次官戦略対話、あるいは新たな経済安全保障に関する協議の立ち上げ、こうしたことを進めていくことになったわけですが、是非、議員外交を始め市民レベルの交流など様々なレベルにおいて交流を深めていき、こうした政府の外交を後押ししていただく、こうした雰囲気をつくっていくことが重要であると考えます。
○山本博司君 ありがとうございます。 一方で、十日には中国で、第十四期全国人民代表大会におきまして習近平総書記が国家主席として三選をされ、新体制となりました。このようにアジアをめぐる外交の大きな節目を迎えておりまして、それぞれの国との交流、対話が最も大事な時期にあると思います。 外務大臣はまだ訪中をされていないと承知をしております。地域と世界の平和と繁栄に対しまして大きな責任を有しておる我が国と中国が、建設的な交流、対話をしっかりと重ね、様々な課題の解決に向けて努力することはとても大事なことと思います。 日中平和友好条約の締結四十五周年という大切な年に、是非、林外務大臣におかれましては早期の訪中を求めたいと思いますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(林芳正君) 日中両国間には、様々な可能性とともに、数多くの課題、懸案が存在しております。同時に、日中両国、地域と世界の繁栄に対して大きな責任を有しておるわけでございます。課題や懸案について、主張すべきは主張していくとともに、こうした課題や懸案があるからこそ率直な対話を重ねていくことが重要であります。 日中間でも、昨年十一月の日中首脳会談において、首脳レベルを含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通していくことで一致をしておるところでございます。私自身も、二月二日の秦剛外交部長との電話会談、さらには十八日の王毅外事工作委員会弁公室主任との会談におきまして、日中間に数多くの課題や懸案があるからこそ対話が必要であるという旨を述べまして、それぞれ各分野の対話を着実に進めていくということで一致をしたところでございます。 私の訪中についてでございますが、秦剛部長及び王毅主任から改めて招待があったところでございますので、様々な状況を踏まえつつ、引き続き具体的な時期を調整してまいりたいと考えております。
○山本博司君 是非とも早期の実現をお願いを申し上げたいと思います。 本年五月に開催をされますG7首脳会議、広島サミットは、法の支配に基づく国際秩序を断固として守り抜く決意、これを改めて確認をする重要な会議になると思います。また、世界の安全保障環境が厳しさを増し、核兵器使用の脅威が一段と高まる中で、唯一の被爆国である我が国で、なおかつ広島で開催をされるサミットにおきまして、核兵器のない世界の実現に向けた力強いメッセージが発信できるよう議論を深めることが重要であると思います。 議長国であり、国連安全保障理事会の非常任理事国である我が国の総理として強いリーダーシップを発揮すべきと考えますが、総理の決意を伺います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、委員おっしゃるように、五月のG7広島サミットにおいては、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守ることの大切さ、これを堅持するという強い覚悟、これをしっかり示していくことが重要であると思います。 法の支配、すなわち国連憲章を始めとする国際法あるいは国際的なルールでありますが、こうしたこの国際法やルール、これは世界の弱い立場の国々、脆弱な国々のためにこそあるものだと私は思っています。 今、強国による論理によって一方的に力による現状変更が行われるような時代を迎えている。こういったときだからこそ、できるだけ多くの国々に、こうした法の支配の下に国際秩序を守っていく、こうしたことの意味をしっかり訴えかけて、グローバルサウスを始めとする中間国にもこうした法の支配における国際秩序を守ることの重要性を理解してもらい、そして結束してワンボイスでメッセージを発してもらう、こうした取組が改めて重要だと思います。 あわせて、委員御指摘のように、ロシアによるこの核兵器の使用、威嚇、これが懸念されているときであります。こういったときだからこそ、七十七年間にわたって核兵器不使用の人類の歴史、これを決して今損ねてはならない、こうした覚悟をG7から、被爆地で開かれるG7からしっかり世界に示していくこと、これは重要なことだと認識をしております。 これと併せて、気候変動ですとかこの世界経済を始め地球規模の様々な課題について議論をする有意義なG7サミットにしたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。もう力強い総理の決意を伺いました。 それでは次に、追加の物価高騰対策に関して伺いたいと思います。 公明党は、物価高騰対策につきまして、先週十五日、政府に申入れを行いました。政府は、昨日の物価・賃金・生活総合対策本部の会合におきまして追加策を決定をされました。公明党の提言、反映していただきまして、心より感謝を申し上げる次第でございます。 その中の申入れの中で、物価高で一番打撃を受けている低所得の子育て家庭への支援、強く要望しておりました。物価高で大きな影響を受けている児童扶養手当受給者など低所得の一人親家庭や住民税非課税の子育て世帯を対象に、子供一人当たり一律五万円の特別給付金の支給を要求をしていたわけでございます。また、地域の実情に応じて地方創生臨時交付金を活用して、住民税の均等割が非課税の低所得世帯を対象に、一世帯当たり三万円の支給も求めておりました。 これによって、例えば二人のお子さんがいる低所得の一人親家庭であれば十三万円の給付が受けられることになるわけでございまして、そうした家庭を支えるためには速やかな給付が重要でございます。 そこで、こうした低所得の子育て世帯への現金給付につきまして総理の認識を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 一月の消費者物価指数、前年比で四・三%となるなど、国民生活に大きな影響を及ぼすエネルギー、食料品を中心に物価上昇、これが続いています。 その中で、先週御党から提出された物価高騰を踏まえた追加策についての提言、これも踏まえ、昨日開催された物価・賃金・生活総合対策本部において、電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金に新たに五千億円の低所得世帯支援枠を創設し、住民税非課税世帯一世帯当たり三万円を目安とする支援を行うこと、そしてこれとは別に、一人親世帯など低所得の子育て世帯に対して児童一人当たり五万円の給付金をプッシュ型で支給する、こうした支給を決定したところです。 世界的な物価高騰、これは依然として予断を許さない、こういった状況にあり、日々変化する物価あるいは経済の動向、こうしたものを踏まえ、今後とも機動的な対応を考えていかなければならないと認識をしております。
○山本博司君 ありがとうございます。よろしくお願い申し上げたいと思います。 また、今後の内需拡大には、観光需要の拡大、これが非常に重要でございます。現在、三月までの実施が予定をされております全国旅行支援などの国内旅行需要喚起策によりまして、宿泊や飲食などのサービス消費が堅調に推移をしている次第でございます。昨年の日本人国内旅行消費額は十七兆円を超え、コロナ前の水準に近づいており、これまでの支援策が追い風になっております。 この全国旅行支援は、国が配分をした予算を使い切った都道府県から順次終了となりますが、残額があれば年度をまたいで支援を継続できるために、多くの都道府県などで六月末まで延長すると発表されております。今後、全国旅行支援の終了後に国内旅行需要が急激に縮小するおそれがあることから、反動減を抑えるソフトランディング、これが必要になると思います。 こうした国内観光需要の着実な拡大に向けましてどのような観光需要の拡大策を行っていくのか、斉藤国土交通大臣にお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(斉藤鉄夫君) 観光は、今、山本委員おっしゃったように、これからの成長戦略の柱、地域活性化の切り札でございます。国内外の観光需要の本格的な回復、拡大に向けた取組を進める必要があると思います。 今後の観光政策につきましては、コロナ禍による旅行者の意識の変化やこれまでの課題も踏まえまして、次の三つのキーワード、一つは持続可能な観光、二番目に消費額拡大、三番目に地方誘客促進、これらの三つのキーワードに特に留意し、必要な取組を総合的かつ強力に推進してまいります。 具体的には、まず、持続、観光な、観光地域づくりということでございますけれども、観光地や宿をもっと魅力的なものにする再生、高付加価値化に対しての国が支援をしっかりする、また自然遺産や文化遺産の保全と観光を両立させる、こういうことで持続可能な観光地域づくりをやっていきたい。それから、消費額拡大と地方誘客促進でございますが、全国各地での特別な体験、なかなかふだん体験できないような体験をちょっとこれから生み出して企画していくとか、観光消費の旺盛な高付加価値旅行者、つまり海外の富裕層でございますが、の誘致など、インバウンドの回復を図っていく。それから、全国旅行支援、これも続けてまいります。第二のふるさとづくりなどによる国内交流の拡大、これらを盛り込んで、今月末までに新たな観光立国推進基本計画を作ります。 こうしたことで、総理が施政方針演説で掲げられた外国人旅行者の国内需要五兆円、そして国内旅行需要二十兆円という目標を早期に達成して、景気、経済の回復に貢献していきたいと思います。
○山本博司君 是非とも、斉藤大臣、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、こども庁発足に関して伺いたいと思います。 いよいよこの四月からこども家庭庁が発足いたします。公明党は、子供の幸せを最優先する社会の構築へ、設置を強く推進してまいりました。出生数が八十万人を切り、少子化対策は最優先の課題でございます。総理は十七日に会見を行い、育児給付金の十割への引上げ、こどもファスト・トラックの設置など、子育て支援の重要性を強調されました。 そこで、まず、国を挙げて子供政策を推進する体制のスタートに当たり、こども家庭庁の発足の意義、少子化対策の決意を総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 来月一日、日本の省庁の歴史で初めて子供を名称に冠するこども家庭庁を発足いたします。子供政策を我が国社会の真ん中に据え、児童虐待、いじめ、子供の貧困など、子供をめぐる様々な課題に、常に子供の視点に立ち、子供の最善の利益を第一に考え、縦割りを排した行政を進めていくための司令塔として創設するものであります。 また、先日の記者会見でお話ししたとおり、私が目指すのは、若い世代が希望どおり結婚し、希望する子供、希望する誰もが子供を持ち、ストレスを感ずることなく子育てができる社会です。そして、子供たちがいかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会、こうしたものを目指したいと思います。 そのための基本理念として先日申し上げたのは、第一に若い世代の所得を増やすこと、第二に社会全体の構造や意識を変えること、第三に全ての子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく応援すること、この三つを掲げさせていただきました。これに基づいて、小倉大臣の下、今たたき台の作業を、作成の作業を進めている、こうした次第であります。
○山本博司君 ありがとうございます。 このこども家庭庁には、これまで厚生労働省の障害福祉の部局があった障害児支援が移管することになっております。常に子供の利益を最優先に考え、全ての子供の権利を保障するこどもまんなか社会を目指す、こういう理念の下で、障害があったとしても、一人の子供として誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援が受けることができるように取組を是非進めていただきたいと思います。 こども家庭庁における障害児の位置付けを小倉担当大臣にお聞きします。
○国務大臣(小倉將信君) お答えいたします。 障害児支援につきましては、こども家庭庁設置後はこども家庭庁においてその事務を所管することになります。その際、全ての国民が障害の有無にかかわらず互いに尊重し合い共に生きていく共生社会の実現に向けて、障害児の地域社会への参加、包容、すなわちインクルージョンを推進する観点に立って障害や発達に課題のある子供への支援を進めていくことが、委員の御指摘のとおり重要であると思います。 来月発足するこども家庭庁におきましては、これまで厚労省で取り組んできた事務をしっかりと引き継ぐだけでなく、全ての子供が安全で安心して過ごせる居場所づくりや、保育所や放課後児童クラブなどの一般施策における障害児の受入れ推進など、障害の有無にかかわらず、全ての子供の健やかな成長、ウエルビーイングの観点に立った取組を進めてまいりたいと思っております。
○山本博司君 障害児の支援の中で、発達障害児の支援について伺いたいと思います。 文科省の調査で、この通常学級に発達障害の可能性のある児童が八・八%いることが分かりました。三十五人学級では三人です。こうした状況の中で、この発達障害児の支援に関して、文科省は検討会で設けて十三日に報告をまとめております。 文部科学大臣にお聞きしますけれども、この方向性に関して、発達障害児への支援に関してお聞きしたいと思います。
○国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。 委員今御質問のとおり、三月の十三日に取りまとめられました検討会議の報告を受けまして、児童生徒の実態を適切に把握をし、必要な支援を組織的に行うための校内支援体制の充実や、自らの学校で受けられる通級による指導の促進等について、教育委員会等に通知をしたところでございます。 令和五年度予算案におきまして、効果的、効率的な巡回指導の実施に向けた事業に係る経費を計上しておりまして、引き続きまして、報告で示された方向性も踏まえ、通常の学級に在籍する障害のある子供への支援の充実、努めてまいります。
○山本博司君 次に、ヤングケアラーに関して伺います。 二年前の厚生労働副大臣のときに、このヤングケアラーのプロジェクトチームの共同議長として取り組んだ経緯がございました。このヤングケアラーに関しまして、この三か年間をヤングケアラー認知度向上の集中取組期間ということで取組を進められておりますけれども、どのぐらい地域でその対象なのか、どのような課題があったのか、どのような支援が求められているのか、こういう現状を把握することが重要でございますけれども、昨年から全国で実態調査進めていただいておりますけれども、まだまだ進んでおりません。この各都道府県、市区町村に対しましてしっかり通知をして実態調査を促進することが大前提でございます。 この点、厚生労働大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 山本委員には、厚生労働副大臣をお務めの時代からヤングケアラーに対する支援の取組に当たっていただいておりまして、感謝を申し上げたいと思います。 ヤングケアラーは、支援が必要とされておりましても、その実態、またどういう支援のニーズがあるのかなかなか表明しにくい構造となっていることから、より近い存在である地方自治体においてその実態を把握していただくことが必要ということで、令和四年度から地方自治体によるヤングケアラーの実態調査の実施を厚労省としても支援をしてまいりました。また、積極的な調査実施に取り組むよう呼びかけもしてまいりました。本年二月時点で、都道府県等含めて全国で二百以上の自治体が取り組んでいただいていますが、さらに、令和五年度予算案においては国による支援を拡充することも盛り込ませていただいております。 これに加え、今月中にも、厚労省から地方自治体に対し、実態把握を始めとするヤングケアラー支援の取組を促すための通知を発出することとし、地方自治体におけるこうした実態把握の取組がより前に進むように対応していくとともに、ヤングケアラーの業務も四月以降こども家庭庁に移管されますが、しっかりと引継ぎをし、引き続き厚労省としてもこども家庭庁と連携をして対応していきたいと考えております。
○山本博司君 ありがとうございます。 このヤングケアラーにしても発達障害にしても、具体的にやはり家庭と福祉と教育、こういう連携が大事でございます。今まで文科省、厚労省は「トライアングル」プロジェクトということで連携してまいりました。 小倉大臣にこの機能を更に進めていただきたいと思いますけれども、この点、いかがでしょうか。
○国務大臣(小倉將信君) 御指摘のとおり、これまで、厚労省及び文科省において両省の副大臣をトップとした家庭と教育と福祉の連携「トライアングル」プロジェクトを開催することなどによりまして、発達障害を始め障害のある子供やその保護者が地域で切れ目なく支援が受けられるよう、家庭と教育と福祉の連携が推進されてきたところと承知しております。御党の御支援もあったかと承知をしております。 こども家庭庁におきましても、こうしたこれまでの取組の成果、しっかりと引き継ぎながら、複数の省庁、部局が関わる施策について、子供の最善の利益の観点から、様々な課題のある子供やその保護者を支えるための連携を確保し、各自治体においてそれぞれの子供や保護者のニーズに応じたきめ細かい対応がなされるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○山本博司君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○理事(片山さつき君) 以上で山本博司さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○理事(片山さつき君) 次に、浅田均さんの質疑を行います。浅田均さん。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 私も、まず総理のウクライナ訪問について質問したいと思っておりますが、私は、まあ三十年ぐらい前になりますけれども、あの辺りを含む地域を回るというのを仕事の一つにしておりましたので、感じておりますのは、旧ソ連が崩壊して新しい国がいっぱいできましたけれども、東欧とそれからベラルーシからポーランドですよね、あの辺りの方々の日本に対する印象というのは、日本人のプレゼンスというのは物すごい少ない地域なんですね。だから、日本人に対してはすごくシンパシー持っているし、日本の品物もあふれているけれど、人を見ないと。だから、人が行くというのがいかに重要なことであるか、特に日本にとって非常に重要な地域だと思います。 そういうところに、非常に、戦禍にあるウクライナまでポーランドを経由して行かれたと。非常に日本のプレゼンスを高めるという意味で、二つの意味ですね、ウクライナに行かれたというのと、それから東欧における日本のプレゼンスを高めたというところで、非常に大事なときに大事なところへ行っていただいたと思っております。 〔理事片山さつき君退席、委員長着席〕 それで、これも総理の率直な御感想を聞かせていただきたいんですが、ジェシュフまで飛行機で行かれて、それからポーランドのプシェミシルという駅ですか、あそこまで行かれて、で、列車に乗られた。それ、私、テレビ中継で見ていました。テレビ中継で見ていて、二つ、幾つか感じたことはあるんですけれど、あれ、テレビカメラだからよかったけれど、あれ、どこかの国のスナイパーだったら一発に、狙われていますよ。いや、不吉な話ではないんで、やられたとかそこまで言いませんけれども、襲われる可能性があったと。 だから、警護体制ですよね。警護体制がどうなっているのかと思って注視していたら、向こうの国の、ウクライナの方だと思いますけれども、二人が総理の両側におって、列車の中に乗り込まれたということらしいです。戦地に近いところにいるのに総理を警護するのがよその国の人であっていいのかという思いはしましたし、事前に情報が漏れていたと。だから、情報管理の点で大丈夫なのかなという思いをしました。 私は、憲法、現行憲法では、総理大臣というのは自衛隊の指揮監督をすると、これは憲法七十二条に書かれてあります。なのだから、自衛隊が総理を警護するのは当然のことかなとも思うんですけれども、おかしくないと思うんですけれども、警護の必要性、それから自衛隊が総理を警護するということに関し、総理御自身はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、一般論で申し上げるならば、国際社会において、要人を含め領域内に所在する外国人の保護、安全の確保、これは一義的には領域国の警察当局等の機関が行うものである、これが基本的な考え方だと思います。 今回の私のウクライナ訪問に当たっては、この厳重な保秘を前提に、ウクライナ政府等と慎重に調整を重ねた上で、秘密保全、安全対策、危機管理等において遺漏のないよう最善な方法を総合的に検討をいたしました。その際に、安全対策の関係上、厳に限られた者に限り、情報管理を徹底し、必要な準備を行った次第です。詳細について申し上げることは控えますが、安全対策、危機管理対策、情報管理等について万全を期しており、今回の対応に特段問題があったとは考えてはおりません。 そして、御指摘の自衛隊の現状ですが、自衛隊は自衛隊法などの法令に基づいて海外に派遣されるわけですが、自衛隊を我が国の要人の警護のみを目的に海外に派遣する明示的な規定はないと承知をしています。
○浅田均君 明示的な規定がなかったらそれだけやってもいいんではないかなという思いはするんですけれど、それはまた別の機会に憲法のお話の中でさせていただきたいと思います。 関連して、今御答弁の中で情報管理を徹底したというふうにおっしゃっていますけれども、日本の報道、テレビ局が汽車に乗られるところから車両に移動されるところまで映しているんですよね。これは情報管理を徹底した結果だとは思いません。どこかで遺漏があったと思いますので、もし次回そういうことがあるとすれば、もう少し徹底していただきたいと思います。 関連してもう一つ質問でございますが、ウクライナ行きを事前にロシアに通告していたという報道があるんですが、これは事実でしょうか。そして、事実だとすれば、それはなぜでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘の点については、外交上のやり取りであります。よって、通告があったかなかったかも含めてお答えするのは控えなければならないと思います。
○浅田均君 そういう報道はあります。だから、報道を信じるならば、ロシアに事前に通告をされたと私どもは受け止めます。何でやろうなと、今お答えになりませんけど、何でやろうなと。バイデン大統領ですら、行くときは通告していたと。だから、同じような理屈なのだろうかなとも思いますけれども、残念ながら、その背景が全然違います。我が方は自衛のための自衛隊を持っているだけで、向こうはもう核兵器も持っている超大国でありますので、そういうところも考えていただきたいと思います。 それでは、ウクライナ訪問のそのサブ、中身のところについて質問をしていきたいと思います。 先ほどもどなたかの質問の中で、あるいは答弁の中で、今回のウクライナ支援内容が、電力と地雷除去、それから農業生産力回復などとエネルギー分野などで新たに四億七千万ドルの無償支援、それからNATOの基金を通じて殺傷能力のない装備品に三千万ドル相当提供と報道されています。ところが、これ他国と比較しますと非常に少ないんです。 これ、キール世界経済研究所というところのデータによりますと、我が方の去年の十一月までの支援額というのは六億ユーロ、百四十円換算でいくと八百四十億円です。これに対し、一番多いところがもちろんアメリカ、これはもう破格ですね、四百七十八億ユーロ、六兆七千億円。これ、兵器を供与しているから、兵器って一機何百億円というものもありますから、当然、その兵器を供与するということで額は増えてしまうと思うんです。ただ、その今回行かれて約束された額も足し合わせても大体千五百億円ぐらいだから、十億ユーロぐらいですか。だから、G7の中で比べると、やっとイタリアを超えて、イタリアを抜いてフランスに迫っているという状況かなというふうに判断しています。 これではG7の議長国として、リーダーとしてG7を引っ張っていくというにはちょっと額的に少ないんではないかというふうな思いを持つんですけれども、十分だと総理はお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、委員の最初御指摘になられた数字は、先ほども答弁の中で申し上げた七十一億ドルのうち、まだ五十五億ドルが積み上がっていない、前の数字であります。その後、五十五億ドル積み上がって七十一億ドルになった、それをまずしっかりと実行していくことが大事だと思っています。それに加えて、委員が御指摘になられた新たな四・七億ドル、そして三千万ドルの支援を今回表明したということです。 少ないのではないかという御指摘があります。金額ということになったならば、それは、欧米諸国、戦車を始め様々な軍事支援を行っています。金額ということで比較すると確かに我が国のこの支援は少ないのかもしれませんが、しかし、これ内容において日本独自の日本らしい支援を行うということが大事だと思っています。今回のウクライナ訪問においても、日本が特に力を入れたこの越冬対策、発電機ですとか変電機ですとか、このウクライナの厳しい冬を乗り越えるための様々な支援、これはブチャを始め多くのこのウクライナの市民の皆さんから大いに歓迎をされていた、高く評価されていた、これも実感してきました。 金額、もちろん大事ではありますが、引き続き日本独自の日本らしいきめ細やかな支援を行うことがウクライナの市民の皆さんからも評価されることにつながるのではないか。こうした内容における日本らしさも、今後、復興復旧という段階になりますとなおさら重要になってくると認識をしています。そういった思いで努力を続けたいと思います。
○浅田均君 御答弁ありがとうございます。 今、努力を続けたいという御発言がありましたけれども、その御努力の中で一つ考えていただきたいことがあります。 私たち日本維新の会は、被災地支援ということで、何か災害があったりしたら、自分たちの報酬カット、三割カットした分を積み立てておりまして、それを寄附させていただいております。今回も、ウクライナ支援ということで私たちに何ができるかということをいろいろ考えました。そして、ポーランドとかウクライナで現地で活動しているNGOとか、それから、ウクライナのコルスンスキー大使始め大使館の皆さん方、ポーランドの大使館の皆さん方といろいろ、何が一番いいのか、何を一番必要とされるのかということをお伺いして、それで先日、三月二十一日に、ピックアップトラック二十台と、それからコンテナ一台分の魚の缶詰、パンの缶詰を、これを寄贈しました。 そこに至る過程で、やっぱり何が必要なのかというお話を聞く中で、多くの方は国外へ難民として逃れているけれども、戦地であってもそこにとどまりたいと、生まれ育ったところを離れたくないという方が非常にたくさんいらっしゃる。そういう方々のために物資を送る、あるいは医療品を送る、逆に医療機関に連れていく。だから、そういう運搬手段が非常に不足していると。世界各地から援助物資はやってくるんだけれども、実際のラストワンマイルで本当に必要としているところに届かないと。だから、トランスポーテーション、運搬、運送の自動車ですか、自動車が必要であるという結論に至って、それで先日、二十台のピックアップトラックを、ウクライナの大使、コルスンスキー大使始め大使館の方々を経由してウクライナ政府に贈呈いたしました。皆さん、非常に喜んでおられました。 ここに至る過程で、いろんな方々にこういう働きかけをして、世界から物は集まるけれども運搬手段がない、そこで困っておられると。日本もいろいろ支援はしているけれども、こういうところが抜けているんではないかということで働きかけたんですけれども、実際実現することができなかった。だから、私たちは自分たちの資金で、軍資金で援助をしてさしあげたということです。日本の国内にも、そういう志というか思いを持っておられる方、非常にたくさんおられると思います。 この間、コルスンスキー大使がいみじくも、私どもに感謝の意を表する過程で、武士は相身互いとおっしゃったんですね、武士は相身互い。どういう意味かというと、要するに、あんたのところはロシアの東っ側で、うちはロシアの西っ側やと、両方ともロシアに接しているやろと、そういうところでは同じ立ち位置で臨む必要があると。だから、今私たちがやられていて、あなた方が助けてくれる、あなた方に事あれば私たちは絶対に助けに行くというところまでおっしゃっていただいて、非常に喜んでいただきました。 だから、これから何らかの支援をするという段階で、輸送手段が非常に不足しているということを念頭に置いてこれから御努力いただきたいと思いますし、私たち、二十台のピックアップトラックと、それからコンテナ一台分の缶詰ですね、魚の缶詰、パンの缶詰、これが非常に向こうの方々、質が全然、日本の缶詰の質というのは非常に高くて喜ばれるということをおっしゃったので、そういう缶詰を送らせていただきました。 だから、先ほど、額、この武器以外の、兵器以外のもので向こうの方々が喜ばれるものを送る、送るものをこれからも考えて努力していきたいとおっしゃいましたけれども、その中で、ピックアップトラック二十台とコンテナ一台分の食料で、これで一・五億円です。だから、この百倍、百五十億あったら二千台のピックアップトラックを送ることができるんですよね。だから、この御努力の中でそういうのを考えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、御党がウクライナの方々のニーズに応えてピックアップトラックを寄贈されたこと、これは私も、政府も評価をいたします。 こうしたニーズに的確に応えながら支援することの大切さを我々も強く感じており、今回の先方とのやり取りの中でも、地雷除去、地雷対策、これが大事である、あるいは瓦れき処理、これについて支援をお願いしたい、こういった声も聞いてまいりました。これらに対しても、車両ですとか建機、こういったものの支援を考えていきたいと思います。 運送手段と併せて様々なニーズに日本として的確に応えることこそ、日本らしいきめ細やかな支援なのではないかと思います。御指摘、大変重要だと受け止め、政府としても努力を続けてまいります。
○浅田均君 それで、ウクライナ支援のお話をさせていただいていますけれども、ウクライナを支援するというのとロシアに制裁を加えるというのは、これセットなんですね。セットでないとこの停戦というところにまではいかないと思いますんで、先ほども総理、停戦に向けリーダーシップを発揮したいというふうに御発言されております。普通は、その停戦というのは、二月二十四日にロシアがウクライナに侵攻した、その前の状態に戻すことであるということだと私どもは考えているんですけれども、ウクライナのゼレンスキー大統領は、その二〇二二年二月二十三日ではなしに、もっと遡って、二〇一四年三月にクリミアが併合されたと、そこまで領土を回復させるんだということを表明しています。 総理がこの停戦の条件とお考えになるのは、私どもは去年の二月二十三日の状態に戻すことであると考えておりますけれども、総理はいかがですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、ウクライナの国民は、一刻も早くロシアの侵略をやめさせるために、その交渉の土台と、土台をつくるためにも戦わなければならない、こうした戦いを続けているんだと認識をしています。 そのウクライナの将来を決める交渉、これについては、これはまず第一にウクライナの方々が決めるべきものであります。第三者がこうあるべきだというようなことを推測で申し上げることは控えなければならないと思います。 まずは、一刻も早く侵略をやめさせるためにウクライナも戦っている、そして国際社会も、一刻も早く侵略をやめさせるために、おっしゃるように、ロシアに対する強力な制裁とそしてウクライナ支援、この両方を進めていかなければならないと認識をいたします。
○浅田均君 繰り返しになるかもしれませんけれども、総理は何度も法の支配に基づく国際秩序を守り抜くというふうなことをおっしゃっています。その法の支配というところ、概念の受け止め方なんですけれど、ロシアというのは、これ法の支配に基づいた国だとは私は個人的には思っておりません。これ、人の支配というか、人の支配に範疇化される国だと思っています。 もっと言うと、祭政一致といいますかね。昔、キエフ・ルーシというのが原点となって、ギリシャ正教ですね、ギリシャ正教がコンスタンチノープルからキエフへ来て、だからキエフというのは、キーウというのは逆に言うとロシアの母国であると。こっちが主なんですね。で、ルーシというのは、ルーシです、ベラルーシのルーシで、キエフ・ルーシ。モスクワって、ロシアって後で興った国であって、だから、ロシアはウクライナを何とか求めて、あんたらと私たちはルーツは一緒やでということで統一を目指そうとしていると思うんですね。 だから、その支配原理というのは法の支配ではないんです、私の考え方ではね。それはむしろ、その祭政一致というか、イスラムの考え方に近いと思います。だから、イランなんかと結構仲がいいのかなという気もしております。 そこで伺いたいのは、この停戦への道筋ですよね、停戦への道筋。その停戦に向けて我が国が今あるいはこれからできることはどのようなことであるというふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、委員おっしゃるように、今回のロシアの侵略、これは国連憲章を始めとする国際法の諸原則に沿ったものではありません。当然、こうした法の支配に反する暴挙であると思います。 そして、この大国の国益によってこうした力による一方的な現状変更が、この現実、今国際社会の中で起こっているわけですから、だからこそ、法の支配、この国際法やルールに基づいた国際秩序を守っていくことが重要だということを訴えていかなければならないと思います。 その際に、先ほども議論に出ておりましたが、グローバルサウスを始めとする中間国、今ロシアと欧米が厳しく対立する中で、グローバルサウスと言われる国々の中には、このロシア等とのこれまでの関係の中で国連決議においても対応を明らかにすることをちゅうちょするなど、そういった国々もありますが、そういった国々に対しても、国際法、ルールというのはまさに弱い立場、脆弱な国にこそあるものであると。こうした国際法、ルールを守る中で、自由に行動することができる、こういった社会をつくることは、まさに小さな国、弱い立場の国にこそ大事なんだということを訴えることによって、より多くの国々に法の支配に基づく国際秩序の堅持、この大切さにおいて理解をし、支持をしてもらい、そして国際社会に向けてメッセージを発する、こういった形で国際秩序を回復していく。 こうした取組の先導にG7議長国としては立たなければならないと思いますし、そうした国際世論をリードすることによって、こうした侵略についても平和的な解決に向けての道筋をつくっていきたいと考えています。
○浅田均君 今そういうことを申し上げたのは、余り法の支配という概念に固執してしまうと、逆に、ロシアとか中国は別の観念体系を持った国ですから、分断してしまうんではないかなという心配をしています。 昔、デモクラシー、民主主義、民主国家ということは、私たちの、先進国の条件であるというふうな言われ方をしたときがあるんですけれども、民主主義でなくても私たちと価値観極めて近くて付き合っていける国があると。だから、グッドガバナンスとかボングベルヌマンとかね、良い統治という言い方に変えました。 だから、民主主義を良い統治という言い方に変えたような形で、その法の支配というのを何らかのもうちょっと大きなくくりで話合いをしていかないと、最初からもう対立が生じてしまっているということになるといけませんから、その辺は御注意いただきたいと思います。 それからもう一つ。もうあと十七分になりましたけど、僕、ウクライナからロシアへ行って、それから朝鮮へ行って、中国行って、インド行って、で、あと大臣に聞こうかなと思っていたんですけど、もうウクライナで止まってしまいそうなんで、もうちょっと先に行かせていただきたいんですけれど。 ゼレンスキー大統領とお会いになって、ゼレンスキー大統領の停戦に向けての戦略というのも聞かれたと思うんです。まあこういう場ではおっしゃることはできないと思いますけれど、ゼレンスキー大統領というのを、じかに会われて、どういうふうに御評価されているんでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) ゼレンスキー大統領に会った印象ですが、祖国あるいは自由のために戦うリーダーとして大きな存在感を示しておられます。実際会いまして、真っすぐな、勇敢な性格の方である、こういった印象を持ちました。こうしたリーダーだからこそ、ウクライナの多くの国民が支持をしているということについても理解をしたところであります。 短時間ではありましたが、そういった印象をゼレンスキー大統領には受けて帰ってまいりました。
○浅田均君 ありがとうございます。 それでは、ウクライナの支援のことについて聞かせていただいて、それと対になっているロシアへの経済制裁ということについて質問を変えていきたいと思います。 今の制裁ですね、これはもうどなたか、先ほどの質問の中にありましたけれども、SWIFTからの締め出しとか、中央銀行の資産凍結、輸出規制、輸入規制、それから、とかいろいろやっていますけれども、総理はこれで十分だとお考えになっているんでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁させていただきましたが、ロシアの経済成長率、速報値でマイナス二・一%、財政収支は足下三か月連続で赤字、また、半導体不足等により武器の製造にも影響が出ているなど、こうした一定の効果は出ていると承知をしています。 しかしながら、これも先ほど申し上げましたが、やっぱり制裁の迂回あるいは回避、こうした動きがあるという指摘、これは重要な指摘であり、制裁の迂回・回避対策を更に進めるということも重要であるということでG7首脳会合でも一致しておりますし、二十一日の日・ウクライナ首脳会談においても、厳しい対ロ制裁を継続することが不可欠であり、特に制裁回避・迂回対策が重要である、こうした点について言及がありました。 こうしたことも含めて対策を強化していきたいと考えています。
○浅田均君 先ほど、勝部委員の質問ですかね、JTのことが取り上げられておりましたが、これは一つの大きな抜け穴ですよね。 私はもう一個指摘させていただきたいんですけれど、日本や欧州の自動車メーカーはロシアでの新車生産を停止しています。六百万円以上の乗用車輸出は制裁の対象になっているけれども、ある地域からの日本からの自動車輸出は増えております。これを見ていただきたくて、資料を配らせていただいております。これ、富山県の大阪税関の支署に伏木税関支署というのがあって、ここで取り扱っている物品、輸出入品のリストでございます。 資料一を御覧いただきたいんですけど、これ、自動車が千四百七十六億円で、前年比二三六%、二・三倍になっています。この下の方に輸出相手先というのがあるんですけれども、ロシアがこれ約五〇%で千六百五十九億円、伏木管内で輸出している半分はこれロシア宛てです。この千六百五十九億円ロシアへ輸出している、そのうちの自動車が千四百七十六億円です。だから、ほとんど、六百円以上の高級車は、六百万円以上の高級車の輸出は禁じられているけれども、こういう抜け道があるんですね。前年に比べて物すごく増えている。それで、ローロー船というのが富山の港からウラジオストクまであって、定期的に運航されていると。 だから、ロシアのGDPはマイナス二・一%とか、先ほどおっしゃいましたけれども、勝部さんおっしゃったJT、ロシアのJTがあれだけ納税しているとかですね、のほかにもこういう抜け道があるんです。 だから、私は、この中古車の輸出を制限することが制裁を強化につながる、制裁の強化につながると考えるんですけれども、総理の御見解はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国は、G7を始めとする国際社会と緊密に連携し、ロシアの個人、団体等に対する制裁、資産凍結等の金融分野での制裁、輸出入禁止措置など厳しい措置を迅速に実施しているところですが、その中で、ロシアへの乗用車の輸出規制については、G7首脳声明において奢侈品の輸出を禁止するとされたことを受けて、欧米等と足並みをそろえて一定額以上の乗用車の輸出禁止を実施しているところです。 御指摘のとおり、中古車のロシアへの輸出については、為替の影響等もあり、対前年度比で増加しているわけですが、今申し上げたように、G7を始めとする関係国と緊密に連携した上で、この対応についても適切に対応を考えなければならないと思っております。
○浅田均君 G7の中でも、ロシアに中古車を輸出しているというのは、日本がほとんど、ほぼ全部日本なんですね。だから、我が国がカットしたら、ロシアへ行く、中古車といっても、ほとんど新古車と言われている、まあ店頭品を新品として売れないとか、そういう品物を向こうへ中古品として送っているというのが実情のようでございます。 それで、これ、また後、防衛大臣にちょっとお尋ねすることになると思うんですけれども、何か中古品、中古車と言わずに、ナンバープレートを外して、もう何かこれは廃車にしますというような申請だけして、実際は解体されずに部品として輸出されているものもあるというふうなことも聞きます。だから、そういうところの強化をすることがロシア経済にとってかなりの打撃を与える方策になるのかなという思いをしておりますので、是非一度お考えいただきたいと思います。 それで、防衛大臣、お待たせしました。 これ、通告、昨日、通告の締切りのときには通告してなかって、後でこれも聞きたいなと思うんで、御答弁できなかったらもうそれはそれでいいんですけれども、武士の情けで、後でこんなものやりますよというのを一応送らせていただいていますんで、できるだけ御答弁いただけたら有り難いと思います。 今、中古車の話をさせていただいています。自衛隊の中にもそれに類するやつが、自衛隊に高機動車と呼ばれる車、米軍の大型ジープのような車が二千五百台あるということを御存じでしょうか。
○国務大臣(浜田靖一君) 委員御指摘の高機動車と呼ばれる車両につきましては、陸上自衛隊において、主として人員輸送を目的として平成五年度から調達を開始し、現在約二千五百両を保有をしていると承知しております。
○浅田均君 大臣御存じだったということで。 この二千五百台のうち、毎年七十台前後は廃車にして鉄くずになっていると思われていたのが、そうではなかったかもしれないという、これ通報があります。だから、一部を何かいじるだけで、もうこれは鉄くずにせぬで、どっか闇に流していると。それがまたロシアへ行っていると。ロシアでそれが走っているのを見かけると。これはまあエビデンスベースではないんで何とも言えませんけれども、そういうところに関して、また我が党の議員が別の機会に質問させていただくことになると思いますので、内部調査よろしくお願い申し上げます。 それで、ようやくロシア制裁が終わって、次、日韓関係。 先週、韓国の大統領がお越しになって、日韓首脳会談があったと。また、権統一相ですか、来られて、林大臣とお会いになっている姿をテレビで見ました。最悪の状態は抜け出しつつあるのかなという気がしますけれども、まだ未解決の問題が幾つかあると思います。 一番目の問題が、いわゆる元徴用工の問題です。 元徴用工問題は、韓国側の解決策、韓国側が財団をつくって、そこが拠出をすると、その賠償金をそこから出すということですけれども、その賠償金の返還を被告の日本企業に求める求償権の放棄は確約されていないと私は考えるんですが、総理の見解はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 今般、韓国政府が発表した措置に関する韓国国内法上の位置付けについて、日本政府としてお答えする立場にはありませんが、その上で申し上げれば、尹大統領の強いリーダーシップの下、今般、韓国の財団が判決金を、判決金等を支給するという措置が発表されたと承知をしています。そうした本件措置の趣旨に鑑み、求償権行使については想定されていないものであると承知をしております。
○浅田均君 求償権に関しては想定していないと。これ、日韓請求権協定でその求償権はもう全部韓国側が引き受けますよということで、日本の企業はそういう訴訟を起こされないことになっていたはずなんですけれど、これが韓国大法院の決定で求償権を持っているということで日本の企業が訴えられて、もう株を差し押さえられて換金されるばかりになっていたところで止まっていたというふうに私は記憶しています。 だから、いつも国家の役割は何かと聞きますと、国民の生命、財産を守ることだと常におっしゃるんですけれど、ここで生命は、財産を守れないということになると、もうとんでもない失態になると思いますし、政府の役割を果たしているとは言えないということになってしまいますので、ここは意地でもですね、意地でもって、法律に従うならばその日韓請求権協定でもう終わりになっているのに、まだ韓国大法院がそういう変な判決を下すからここまで関わってきて日韓関係が冷え込んだという一因になっていますので、これだけはもう絶対この場で解決していただきたいと思いますので、林大臣でも総理大臣でも、御決意を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(林芳正君) 総理からお話がありましたように、外交上のやり取り、これはお差し控えしたいと思いますが、この懸案を解決して日韓関係、健全な関係に戻すべく、外交当局間で継続的に意思疎通を実施してまいりました。 その過程で、今お話がありましたように、日本政府としては、日韓間の財産請求権の問題、これは日韓請求権協定により完全かつ最終的に解決済みであるという一貫した立場に基づいて対応してきておるところでございます。 本件措置の趣旨に鑑みまして、求償権の行使については想定されていないものと承知をしております。 なお、尹大統領御自身の会見においても、尹大統領の御発言の中で、もし求償権が行使されるとすれば、再び全ての問題を元の位置に戻すことになるため、韓国政府としては、判決の解決策を発表した趣旨を踏まえ、求償権の行使は想定していない、このように発言されておられるというふうに承知をしております。
○浅田均君 防衛大臣、次の質問期待されていると思うんですけど、飛ばしていいですか。済みません、大変失礼ながら。 最後の質問です。 北朝鮮と中国という二つの国を考えるとき、対北朝鮮ということでは日米韓は結束できると思います。 ところが、対中国ということになると、韓国をそこへ引っ張り込むのがなかなか難しいと。昔、その朝貢をしていた、大韓帝国ですか、あの時代まで朝貢をしていたというつながりがありますので、韓国は伝統的に対中関係を重視している国であります。 だから、ここに日米韓が対中で統一して対峙するというのは一番重要だと思うんですけれども、韓国を対中で仲間にしていくためにはどういうことをお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、韓国との関係。この厳しい安全保障環境あるいは戦略環境を考えましても、日韓、日米韓、こうした戦略的な連携を推進していくことの重要性、これは言うまでもありません。 委員の御質問は対中でどうかということでありますが、もちろんこれ第三国間の関係についてコメントすることは控えなければなりませんが、尹大統領との間においては、自由で開かれたインド太平洋を実現する重要性、これは確認をしています。そして、その際に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くため同志国が力を合わせていく必要がある、こういった認識も共有をいたしました。 こうした考え方に基づいて、国際秩序を堅持するために韓国と協力をしていく、こうした方向性を示すことは重要であると考えます。
○浅田均君 通告していて質問できなかった部分、かなりあります。皆さん方にはおわび申し上げまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました、どうも。
○委員長(末松信介君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、伊藤孝恵さんの質疑を行います。伊藤孝恵さん。
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。 総理のウクライナ訪問を我々は高く御評価を申し上げます。この会談内容や危機管理上の課題等は帰朝報告に係る質疑で伺うとして、まずは御無事の御帰国、何よりでございました。 さて、総理、国会は五年前、全会一致をもって政治分野における男女共同参画推進法を成立をさせました。今月末から統一地方選挙が始まりますが、全国一千七百八十八の地方議会における女性議員の比率は一五・一%。女性はゼロ若しくは一人だけのゼロワン議会は約四割に上り、五十歳未満の女性議員は全体の僅か二・九%です。 しかして、昨年十一月、子連れ選挙の課題について、私、総務大臣に質問をさせていただきました。子育て中の候補者が子供を連れて活動したことで公職選挙法第百三十七条違反だと通報されたり、対抗陣営から嫌がらせをされたりするといった現実があるからです。 パネル一を御覧ください。(資料提示)こちら、今月一日、総務省が初めて子連れ選挙についての見解を全国の選挙管理委員会に通知をしてくださいました。これ、画期的な御対応だと思います。感謝を申し上げます。 しかし、本来は、子連れでなくとも活動ができる、望めば誰もが子供を預けて選挙に挑戦できる仕組みがあってしかるべしですが、現在は、出馬のために退職をしたら保育園や学童を利用できなくなるといった実態が父母共にあります。厚労省に見解を伺ったところ、保育園や学童を利用する、利用できなくなるその選挙活動、政治活動というのは、保育所とか学童の入所要件というのに対象になるかどうかというのは自治体の判断だというふうにおっしゃっておりました。 ただ、総理、この選挙というのは平等原則のはずであります。これは、自治体の判断ではなくて、政府の統一見解を聞かせていただきたい。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 保育所の入所対象については、御指摘のように、市町村が個別に判断する、こういった仕組みになっているわけですが、議員になるために勤めていた会社を辞めていわゆる選挙活動を行う場合や議員として政治活動を行う場合は、一般的に求職活動、就労等に該当するものと考えられ、その上で、昼間留守など子供が家庭において必要な保育を受けることが困難かどうか等について市町村が個別に判断する、このように承知をしております。 市町村において個別に適切に判断をしていただくわけではありますが、こども家庭庁において制度横断的に対象を整理する中で、いわゆる選挙活動を行う場合や議員として政治活動を行う場合が一般的に求職活動、就労等に該当すると考えられることについて、自治体に対して周知してまいりたいと思います。
○伊藤孝恵君 ありがとうございます。今の政治活動、選挙活動というのが一般的に求職活動や就労に当たるということを通知していただく、通知していただけるというふうに今明言をいただきました。 さらには、通知でもって、通知行政の時代ならよかったんですけれども、なかなかそのとおりならない自治体というのの例もあります。ルール化されていないがゆえに、批判も後を絶たないというのもあります。こういった育児や介護の当事者、女性とか若い世代、そういった政治感覚が必要だと総理が思うのであれば、今おっしゃったこども家庭庁、内閣府も総務省も厚労省も含めて、見解を、統一見解でもって、そして徹底いただけるような、そういった仕組みをお願いさせていただければというふうに思います。 この公選法第百三十七条というのは児童保護のために設けられた規定であります。であるならば、父や母が選挙に挑戦したとしても継続して保育園や学童に通い続けられる、この環境整備も児童保護に資するものだと思いますので、通知のみならず、仕組みの構築というのをお願いできればというふうに思います。 次に、パネル二、御覧ください。 少子化対策のターゲットについて、総理に伺ってまいりたいと思います。 これ、向かって右の四分円には二〇二〇年の国勢調査から引いてきた数字を入れております。①はゼロ歳から十八歳人口、一千九百四十一万人。②は十八歳から三十歳までの子育て潜在層、まだ子育てをしていない層、一千二百七十八万人。③は既に子育てをしている顕在層、百五十五万人。この十八歳から三十歳までの層は、今は九対一の割合で潜在層が多い。そして、これ、二〇二五年にはこの層が急減するということについて警鐘が鳴らされております。我が国で出産する女性の第一子出産の平均年齢というのは三十・九歳ですけれども、④は三十一歳から五十五歳までの子育て潜在層、一千八百五十七万人、それから⑤、子育て顕在層は二千二百十三万人と、これ割合が四・五対五・五に変化をいたします。 私は、結婚や出産はとても個人的な選択だと思っておりますので、一人一人が自由に選択ができるよう、その環境整備をすることが政治の仕事だと思っておりますけれども、本日の質問の趣旨、意図は、政府のこのあらゆる政策には、プロジェクトを動かす際に最低限必要なゴール、ターゲット、評価指標、それを明示して、それから検証と改善を繰り返すという、その当たり前がないんじゃないかというような課題提起をしたいと思いますので、今回、便宜上、ゴールを出生数の増加だというふうにいたしますと、ターゲットというのは、このAの矢印、②と④の子育て潜在層、その合計三千百三十五万人を⑤の顕在層に、また、矢印Bの③、⑤の既に子育てしている方々に更に産み育てていただくということになります。 この政府の少子化対策、私、こども家庭庁の少子化対策予算分布からターゲットを読み取ろうと思って全部ターゲット分布してみたんですけれども、これはなかなか、ターゲットを意識して政策をつくってないなというような、本当に分からないというようなものでしたので、これ総理に伺ってみたいと思います。 この政府の少子化対策というのは、①、②、③、④、⑤、どこをメインのターゲットとして、サブターゲットはどこに置いて、いかなる戦略で、時間軸で、どのように政策内容を決定し優先順位を決めているのか、教えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政策のターゲットについての御質問ですが、要は、現在子供を持つ家庭とそれから今後持ちたい家庭、どちらをターゲットにしているのか、こういった御質問かと思いますが、結論から言いますと、これは両方盛り込まないと、少子化トレンド、これ反転させることは難しいのではないか。これ、ターゲットという意味では、そして委員の御指摘になったその二つの家庭、子供を持つ家庭と子供を持ちたい家庭ということで申し上げるならば、これは両方ともターゲットにしなければならない、このように認識をしています。 ですから、今回、今御審議いただいている令和五年度この予算においても、妊娠から出産、子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的な支援をパッケージで実施する出産・子育て応援交付金を新たに創設する、これは子供を持つ家庭への支援ですし、出産育児一時金の大幅増額のための制度改革、こちらの方は今後持ちたい家庭への支援ということであり、そして今、小倉大臣の下で取りまとめているこの政策のたたき台、これについても両方をターゲットとして政策を盛り込むことが重要ではないかと考えております。
○伊藤孝恵君 潜在層、顕在層、いずれもターゲットである、全部をターゲットにする、よろしいかと思いますけれども。 それでは、このパネルの左上を御覧ください。 矢印Aという、いわゆる潜在層が顕在層にならない理由、子供が欲しくない理由というのと、B、今既に子育てをしているんだけれども、二人目、三人目というのを望まない理由というのをこれ引っ張ってきたもので、これ、政府の最新のデータがなかったんです。だから、古いものしか引っ張ってこれなかったんですけれども、こうしてターゲットを意識していれば、おのずと、子供が欲しくない理由、それぞれ二人目以降を望まない理由というのを経年で取っているはずなんですけど、今現状、政府にはデータはございませんでした。 その上で、AとB、見比べていただきたいんですけれども、これ、ターゲットによって解決すべき課題が全く異なるということがお分かりいただけるかと思います。裏腹に、給料を上げることや教育費を無償化をするということは、A、B、いずれにも有効であろうという点。事実、四半世紀にわたる実質賃金の低下というのと出生数の低下の相関係数は〇・九三ですから、これ著しい因果関係があります。 そして、ここで是非見ていただきたいのが、ひときわ目を引くのが、子供が欲しくない理由というのの中で、女性が経済的理由よりも子育てをするのが大変そうだから産みたくないと答えている点であります。この少子化そのものが我が国の病なのではなく、ほかにもっと大きな病気があって、その合併症として少子化が進行しているんだと理解した方がいいのではないかというふうに思うところであります。 具体的には、我が国は、ジェンダー平等を必ずしも重視してきたとは言えません。多様な価値観や生き方や家族の形というのを許容してきたのか、また、子育てしやすい環境をつくるというのは自己責任だと政治は捨ておいてこなかったのか、そういったもろもろの事象が現在の少子化を招き、帰結として日本の衰退、一人一人の生きにくさにつながっているんではないかというふうに思います。 これは、この風土とか、無意識の偏見とか、それからもうゲームのルールを変えていかなければならないという意味で、パネル四を御覧いただきたいというふうに思います。 昨年七月の厚生労働省令の改正によって、男女の賃金格差の開示義務化に続き、今年一月末に金融庁が内閣府令を改正し、有価証券報告書への人的資本情報の開示義務化を決めました。これ、まさに政治が社会をこちらの方に変えていくんだというようなメッセージをしたことに等しいわけでありまして、非常に評価すべき施策であると思います。これによって、企業は、三月期の決算から、人材育成方針のほか、男女の賃金格差や女性管理職比率、男性育休の取得率等について、戦略や指標、目標や実績を書かないと投資家に選ばれなくなりますし、虚偽記載をしたのであればこれ是正指導がございます。 これ、もちろん政府も政治も支援をすることが大前提でありますけれども、今後これ更に進めていくべきものと考え、総理に三点伺いたいと思います。 まず、これ、現在は大手企業の三千八百社が対象でございます。これ、いずれ非上場企業や中小企業にも今後は広げていく必要があるのではないかというふうに思います。今、まさに労働組合は春闘の真っ最中でありますけれども、皆さんからは、この人的資本経営について経営層の意識があるかないかというのは、とっても賃上げ、それから組合員の皆さんの労働環境の整備に多大な影響があるというふうに聞いております。これ、今、三千八百社というのを広げていく必要があるのではないかというのが一点目。 それから二点目が、これ、公表義務化の指標として、今はこういった賃金格差、女性管理職、男性育休の取得等でございますけれども、この後、こちらの厚生労働省令の改正の方にも入っていない勤務間インターバル規制の有無ですとか、それからリスキリング機会の提供ですとか、場合によっては従業員の満足度、幸福度といった、やっぱり社会をこちらの方に引っ張っていくんだという政治のメッセージもございますので、こういった指標等も加えていくなどは考えられないかという点。 そして三つ目が、この義務化というのは非常に私はインパクトがあると思うんですけれども、これらが社会に及ぼした、実際に及ぼしていった影響というのを、効果をどのように評価、検証していくのか。今、事前にお伺いいたしましたところ、なかなかこれを評価していくという枠組み等は考えていないということだったんですけれども、これらを評価をしていく、検証していくに値するものだというふうに思います。 以上三点について御所見をお聞かせください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 人的資本に関する情報開示については、この女性活躍推進法に基づき、従業員が三百人を超える企業を対象に、昨年七月から男女間の賃金格差の公表を義務化しました。さらに、上場企業等を対象に、本年三月期決算から有価証券報告書における人的資本の取組の開示を義務付けたところです。そして、男女、失礼、男性育休取得率に関しては、育児・介護休業法に基づき、従業員が千人を超える企業を対象に、今年四月から男性の育児休業取得状況に関する公表を義務化することとしており、また平均残業時間についても、女性活躍推進法に基づく情報公表の選択項目の一つとして公表が推奨されているところです。 そして、今後拡大するべきではないかという一点目の御質問ですが、これ、人への投資を促進する上で、企業等の情報開示の取組、これは重要であり、中小企業の負担も考慮をしながら、有価証券報告書における開示を含め、人への投資に関する情報開示の取組、これは充実、拡大してまいりたいと思います。 そして、二点目のその開示の項目についてですが、今後、各企業における実際の開示の状況や投資家等の評価、さらには国際基準の議論の動向等も踏まえつつ、男性の育児休業取得の状況、それから人材の育成方針、これは様々なものが含まれると思いますが、こうしたものも含めて、人への投資に関する情報開示の内容、あるいは対象企業の範囲等についてこれ議論を進めていきたいと考えます。 それから、三点目、フォローアップするべきではないか。結論から言うと、そのとおりだと思います。人的資本に関する情報開示について、内閣府、金融庁、厚生労働省等の関係省庁において適切にフォローアップを実施し、人への投資の更なる促進に政府として取り組んでいきたいと考えております。
○伊藤孝恵君 前向きな御答弁ありがとうございました。 もう無形のこういった企業の財産というものに投資家は注目をしている中で、日本が先んじてこの目標まで書かせるということは非常に大きなことだと、画期的なことだと思いますし、今、残念ながら日本の企業が抱える課題として、従業員のエンゲージメントが低いということもこれ課題になっているところであります。 ここ数年ずうっと働き方改革といっていろいろなことをやってきたにもかかわらず、なかなかこのエンゲージメントが上がってこないというのは、昨年、経産省が発表した未来人材ビジョン、これ、かなり私、衝撃を受けたレポートでありましたけれども、この中での数字もあらわになっている。具体的には、二〇一七年の調査では、従業員のエンゲージメント、世界と比べても日本ってすごく低くて、六%でした。それが、この経産省の未来人材ビジョンの中では更に、働き方改革をしたにもかかわらず、五%に下がっている。エンゲージメントが下がっている、効いていないということが数字であらわになっております。 こういった今回の人的資本情報の開示義務というのが、一瞬、経営者の皆さんは嫌がるかもしれない、嫌がるかもしれませんけれども、まさに人は財でありますから、そういった部分で企業課題の解決に必ず連なると、そういった説得を政府の方でも、もちろん政治の側でしていただいて、これ、企業のためにもなりますし、もちろん働く者にとっては言わずもがなですけれども、環境整備、非常にこれ重要な指標となってまいります。 こういった人への投資を加速するためには、その仕組みをつくっていただくというのは非常に大きいことだと思います。そういったことに力を賭していただきたい、そしてそういった説得を続けていただきたい、いろいろな企業も拡大していただきたい、指標も増やしていただきたい、ちゃんとトレースもしていただきたい。そういうのをしっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほども答弁したように、人的資本に関する情報開示、これ充実、拡大してまいりたいと思います。 それから、先ほど答弁したように、様々な情報開示についても、昨年の七月から、あるいは本年三月期決算から、あるいは本年四月からと、こうした現在の取組も今始まったばかり、あるいはこれから始まる、こういったことでありますので、まずはこれスタート、しっかりスタートさせ、徹底をさせながら拡大をしていく。そのためにも、フォローアップしっかりしながら、拡大の方向性を考えていきたいと思います。
○伊藤孝恵君 最後に、再度、岸田三原則の御提案をしたいと思います。 昨年二月二十五日の予算委員会で、フランスのシラク三原則ならぬ日本の岸田三原則、是非やっていただきたいというふうに御提案を申し上げました。具体的には、子を産み育てられると思える給与の確保、それから教育費の完全無償化、それから女性のエンパワーメント、こういったこの三原則というのをこども家庭庁発足と同時に岸田総理が打ち出すというこのメッセージ性、これ非常に大切だと思うんです。 岸田三原則、御提案いたします。御答弁だけ最後お願いいたします。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御提案ありがとうございます。 この子ども・子育て政策には、私自身、既に三つの基本理念、明らかにさせていただいています。若い世代の所得を増やすこと、社会全体の構造や意識を変えること、全ての子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援すること、この三つを基本理念として掲げながら、今、小倉大臣にたたき台作成を指示しているところであります。 こうした考え方を大事にしながら取組進めていきたい、このように思っています。
○伊藤孝恵君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(末松信介君) 以上で伊藤孝恵さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、伊藤岳君の質疑を行います。伊藤岳君。
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。 冒頭、ウクライナ・ゼレンスキー大統領との首脳会談に関わり、我が国のウクライナへの支援は、憲法九条を持つ国として、あくまでも非軍事の人道支援に徹するべきだということを強く訴えておきたいと思います。 岸田内閣の放送法に対する姿勢について質問をいたします。 放送法は、憲法第二十一条の表現の自由に基づき、一九五〇年に制定されました。放送法第一条では、放送の不偏不党、真実及び自律を国が放送局に保障して、放送による表現の自由を確保することなどを放送法の目的として定めています。第三条では番組編集の自由の保障をうたっています。制定後、放送の目的や番組編集の自由の保障については変更されていません。 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示) 総理、放送法立法時の国会における法案の概要説明で、網島毅電波監理長官、当時は、政府は放送番組に対する検閲、監督は一切行わない、政府といえども放送番組の編集に対しましては干渉ができないと説明しています。この放送法立法時の法案説明については総理も認識しておられますね。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 放送法に関するその解釈、理念については、政府として一貫していると考えております。
○伊藤岳君 政府として一貫している、放送番組の編集への介入は禁止し、あくまで自律的であるべきだという認識だと受け止めました。 パネルにも示しましたが、放送法の法案審議の際に、当時の逓信省において放送法質疑応答録というものが作成をされています。まさに歴史的価値のある行政文書であり、公文書であります。 放送番組の編集を自由にする理由について、こう書いています。憲法は表現の自由を保障しており、また、放送番組に政府が干渉すると放送が政府の御用機関となり、国民の自由な思想の発展を阻害し、戦争中のような恐るべき結果を生ずると明記されています。 ここに明記されているとおり、放送が御用機関となれば、国民の自由な思想の発展が阻害され、ひいては戦争のような結果をもたらす。ここには、ラジオ放送を通じた大本営発表による虚偽の情報の下、国民が悲惨な戦争へと駆り立てられていったことへの痛切な反省と思いが込められていると思うんです。 総理は、放送法の制定にはこうした原点があるということは御存じですよね。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 報道の自由を始め、表現の自由、これは憲法で保障された基本的人権の一つであるとともに民主主義を担保するものであり、これを最大限尊重すること、これは当然のことです。また、放送番組は放送事業者が自らの責任において編集するものであり、放送事業者が自主的、自律的に放送法を遵守することが原則と考えております。 放送法においてこのような理念が規定されているものと承知しており、このような放送法の理念について、従来から一貫して維持されているものと理解をしております。
○伊藤岳君 放送法の理念も一貫しているという御答弁でした。戦争への反省、痛切な思いが込められていると思うんですね。 二〇〇七年には、BPO、放送倫理・番組向上機構が設置をされました。これは、放送事業者自らが、放送内容の誤りを発見して、自主的にその原因を調査をして、再発防止策を検討して問題を正していこうという、あくまで自律的な取組でした。 ところが、この本来の放送番組の編集、放送の自由の、放送の表現の自由に対する圧力、介入を乱暴に行ったのが安倍政権だったと思うんです。 パネルを用意いたしました。 安倍総理、当時は、二〇一四年十一月十八日、これ当時の衆議院解散直前、二日前です、TBSの「NEWS23」で、アベノミクスに関する四人の街頭インタビューについて、インタビューの選び方がおかしいんじゃないですかと発言をしました。そして、今度はパネルの左側に移りますが、その後、その総理の発言を受けての自民党側の放送番組への働きかけの経過を書いています。 先ほどのTBSの「NEWS23」の総理発言の二日後、自民党は在京テレビ局へお願い文書を発出をいたします。ここには、ゲストの選定の在り方とか、インタビューが一方的な意見に偏らないようになどを求めています。そして、パネルにもあるように、二〇一四年十一月二十六日には、テレビ朝日「報道ステーション」のプロデューサーにも文書でそのような要請が届きました。 こうした自民党側の動きの裏では、今度パネルの右側になりますが、官邸、総務省の放送番組への働きかけが始まります。二〇一四年十一月二十六日には礒崎氏が初めて総務省に連絡をいたします。二日後の二十八日には礒崎氏と総務省との初めてのレクが行われる。その後、翌年の三月五日には安倍首相、当時、のレクが初めて持たれます。それらを受けて、二〇一五年、同年の五月十二日、参議院の総務委員会において、藤川さん、お隣にいらっしゃいますが、藤川議員の質問に答えて、高市大臣が政治的公平性に関することについて一つの番組でも判断はあり得るということを述べました。そして、翌二〇一六年二月八日には高市大臣が電波の停止もあり得る、こういうふうに発言が続いていくわけです。 ここにも出てきましたテレビ朝日の「報道ステーション」の当時コメンテーターを務めていた古賀茂明さんが、当時の模様をこの間新聞などで回想を述べておられます。うちの番組のプロデューサー、つまり「報道ステーション」のプロデューサーにも十一月二十六日に自民党から文書が送られてきた、この十一月二十六日という日は、礒崎首相補佐官、当時が総務省に最初に電話をした日と同じ日だ、自民党と礒崎さんとの動きがシンクロしている、官邸と自民党とがいかに一緒にやっていたのかが分かる、こう述べています。 総理に伺いたい。 このパネルに示したように、官邸と総務省の放送番組への働きかけ、一方で自民党の放送番組への働きかけ、この一連の流れ、これ完全に一致しているんではありませんか。どう思いますか。
○国務大臣(松本剛明君) 自民党のことについては、政府の一員としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、御指摘のありました……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。
○国務大臣(松本剛明君) 一連の動きということでございますが、一つ一つ申し上げることはできませんが、幾つか確認をされたこと、確認できていないことについて既に御報告を申し上げたとおりでございまして、この流れを私どもとして確認を全てさせていただいたのではないということを申し上げなければならないということをお伝えをしたいと思います。 その上で、先ほど総理からも御答弁申し上げましたとおり、放送行政として一貫して政府としては変えることなく、表現の自由、国民の権利を保障する放送法に従って行政を行ってきたものというふうに承知をいたしております。
○伊藤岳君 答えられないんだったら出てこないで結構ですよ。 私、聞いているのは、その官邸と総務省の動きと自民党の動きが一致しているでしょうと聞いているんです、言っているんです。総理はどうですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) これ、日にちは同じ日であります。それ以上のことは承知しておりません。
○伊藤岳君 重要なことを言っていただきました。全く同じ日なんですよ。流れ一致しているんですよ。流れが一致しているんです。(発言する者あり)いや、連携しているかどうか言っているんじゃない。一致しているということを言っているんです。一致しています。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 私が申し上げたのは……(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 補足答弁を認めます。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 日付が一致しているということを申し上げただけであります。
○委員長(末松信介君) 補足の答弁ですから、御理解ください。
○伊藤岳君 官邸、総務省とこの自民党とのこの働きかけ、軌を一にした働きかけの中で、この年の総選挙での選挙報道番組はどうなったか。選挙報道番組の放送時間が大幅に縮小したんですよ。NHKの「ニュースウオッチ9」は、通常、選挙となれば三時間報道番組となっていましたが、二時間になりました。テレ朝の「報道ステーション」は、六時間の放送番組の枠を取っていましたが、三時間に減りました。これ、放送を語る会の調べで明らかです。減少しているんですよ。 解散・総選挙の直前の二〇一四年十一月二十八日に最初の礒崎レクが行われた、パネルにありました。その後、一連のレクの中で礒崎首相補佐官はどう発言していたか。この件は俺と総理が二人で決める話だ、俺の顔を潰すようなことになればただじゃ済まないぞ、首が飛ぶぞと、乱暴極まりない恫喝するような言い方で詰め寄っていました。そして、二〇一五年三月、安倍総理へのレクで、安倍総理、当時は、政治的公平性の観点から見て現在の放送番組にはおかしいものもあり、こうした現状は正すべきだと発言しているんです。 今度は松本総務大臣に聞きます。あなた、出番です。 安倍総理が放送番組について発言した二〇一五年三月五日のレクについて、昨日発表された総務省の調査、精査によりますと、出席者とされる方々が、レクはあった、記憶しているなどと認めている。大臣、これ間違いないですね。(発言する者あり)
○委員長(末松信介君) 答弁を。
○国務大臣(松本剛明君) よろしいんでしょうか、答弁して。いや、御注意という話だったものですから。失礼いたしました。 まず、いずれも、今御紹介をいただいた件ですが、礒崎補佐官との関係も、面談があったということで、私どもとしても、照会をいただいて、照会にお答えをしたということは確認をされてきているところでございますけれども、日にちであるとか回数については詳しくは確認できていないことを申し上げなければならないというふうに思っております。 その上で、今、安倍総理へのレクということでございますが、礒崎元総理補佐官から安倍元総理へのレクについては、礒崎元総理補佐官と同席したとされる元総理秘書官の二名の方に聞き取りを行った結果、レクはあったと記憶しているなど認識が一致していることから、レクはあったと、安倍総理へのレクはあったと考えられるが、その内容について、日にちや発言内容などについては正確性が確認はできていないということでございます。
○伊藤岳君 レクがあった、ここだけ確認したいんです。 パネル用意いたしました。その当時のレクの模様を書いた行政文書ですね。ここに、先ほど紹介したような安倍総理の生々しい発言も出てきます。政治的公平の観点から見て現在の放送番組にはおかしいものもあり、こうした現状は正すべきだ、「JAPANデビュー」は明らかにおかしいなどのこの発言が出てきます。 総務大臣は、内容の正確さは確認中という話、さっきありましたけれども、この総理、当時の安倍総理の生々しい発言、これ総理に今度伺いますが、これ放送番組に対する干渉そのものだと思いませんか。放送法の第一条、第三条に反するんではありませんか。どうですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 御指摘の行政文書も含め、今総務省で精査していると承知をしております。精査した上でなければ、内容について私は何か申し上げることを控えます。
○伊藤岳君 精査終わったと言っていますよね。この乱暴な発言は放送番組に対する干渉そのものだと思います。 二〇一四年以降の放送の表現の自由への圧力、介入、具体的には今紹介してきたようなテレビ局の放送番組への圧力、介入は、自民党の側と官邸、総務省の側と双方から進められてきた。レクがあったということもお認めになりました。これ、はっきりと浮き彫りになったのではないでしょうか。そして、二〇一六年二月の政府の統一見解へとつながるんだと思います。 ちょうどこの時期に、もう一つ重要な経過が動いていました。内閣の広報室が、テレビのニュース、情報番組の出演者の発言について詳細に文字起こしまでして、番組の発言を詳細に調べていたということが発覚しました。当時のしんぶん赤旗が情報開示で入手したもので、週刊誌なども取り上げていました。平日の七番組、土日の四番組、まあ「NEWS23」とか「ミヤネ屋」とか、もうよく知られた名前が、番組名がずらりと並んでいます。 松野官房長官に確認します。 この内閣広報室がテレビのニュース、情報番組の出演者の発言の調査を行っていた、これは事実ですね。そして、先ほどパネルで紹介した、官邸、総務省、自民党が放送番組に働きかけていた時期、二〇一四年、二〇一五年頃も行われていましたね。どうですか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。 内閣広報室においては、世論の動向を把握することにより内閣の重要政策に関する広報に資することを目的として報道番組の記録の作成を行っているものと承知をしております。
○伊藤岳君 じゃ、何であの文字起こし、詳細にしなきゃいけないんですか。
○国務大臣(松野博一君) 繰り返しとなり恐縮でございますが、世論の動向を把握することにより内閣の重要政策に関する広報に資することを目的としているということでございます。
○伊藤岳君 その調査の結果、放送番組に働きかけたことはありませんか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをいたします。 内閣広報室によって行われている御指摘の事案に関しましては、あくまで内閣の広報に資することを目的としているものでございます。
○伊藤岳君 そう言われますけれども、先ほどパネルに示した官邸と総務省の放送番組への働きかけの時期、自民党の放送番組への働きかけの時期、そして内閣広報室のこのテレビ局の調査、完全にシンクロしているんですよ。一致しているんですよ。 総理に伺います。 あなたの岸田内閣でもこの調査はまだやっているんですか。
○国務大臣(松野博一君) 岸田内閣においても同様のことを行っております。
○伊藤岳君 総理、どうしてやっているんですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほど官房長官からお答えしたように、世論の動向を把握するためと承知をしております。
○伊藤岳君 世論の動向の把握、調査しているだけだと言いますけれども、一つの番組だけでも政治的公平性を判断して停波もあり得るという内閣の調査ですよ。その内閣が個別の番組名を挙げて調査することに問題があると思います。 放送事業者を萎縮させることにはならないでしょうか。また、内閣の重要政策に関する調査という名の下に、一つ一つの番組をチェックして、安保法制などのときの政権の重要政策に反対する者をピックアップして排除していくなどの検閲、監督につながることはないでしょうか。内閣広報室が行っているテレビニュースの、テレビのニュース番組、情報番組の調査をやめるべきだ、どうですか。
○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。 繰り返しになりますけれども、内閣広報室によって行われているこういった番組に関するものは、内閣の重要政策に関する広報に資することを目的としているものでございまして、特に問題があるとは考えておりません。
○伊藤岳君 放送による表現の自由は憲法第二十一条によって保障され、放送法は「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保する」としています。 不偏不党、真実及び自律の保障は放送事業者や番組制作者に課せられた義務ではない、これらの原則を守るように求められているのは政府などの公権力であるということをしっかりと胸に刻むべきだと思います。政府がこれらの放送法の規定に依拠して、放送番組の内容に介入することは断じて許されないということを述べて、質問を終わります。
○委員長(末松信介君) 以上で伊藤岳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(末松信介君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
○山本太郎君 れいわ新選組代表、山本太郎です。 総理、日本はアメリカの植民地ですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 日本はアメリカの植民地ではありません。
○山本太郎君 総理、北方領土は日本の領土ですか。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 北方領土は日本の領土です。
○山本太郎君 総理、北方領土が返ってこないその理由を教えてください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 北方領土をめぐっては、戦後長年にわたり、旧ソ連、そしてロシアとの間において交渉を続けています。残念ながら、その交渉において結論に至っていない。結果として、北方領土は日本の固有の領土であるにもかかわらずロシアが現状を支配している、こういった状況が続いています。
○山本太郎君 安倍政権下で日ロ首脳交渉を二十七回重ねてもなぜ領土が返ってこないのかということなんですけど、今答えになっていなかったんですね。答え、すごくシンプルなんです。日本がアメリカの植民地だからなんですね。 説明します。(資料提示) 資料A一、二〇一八年十二月、日経。プーチン大統領は、平和条約締結に意欲を見せつつも、米軍基地が造られる懸念から北方領土の返還は難しいとの見解を示した。 独立国であるならば、当然これ、返還されたという領土に外国軍の基地を造らせないということは可能なんですよ。でも、植民地の場合はそうはいきませんね。 資料のA二、A三。日本には決定権がないんです。アメリカ国務省広報局修史部史料「合衆国の対外関係」、一九五〇年六月、連合国軍最高司令官マッカーサーによって書かれた文書。日本全域が合衆国の防衛作戦行動のための潜在的な基地とみなさなければならない。これから旧安保条約の締結に向けたプロセスが始まる時期に、アメリカの最高司令官が示した方針なんですね。 過去の報道によると、プーチン大統領がこだわっている一つの文書があるそうなんです。 資料A五、外務省が冷戦下、七三年に作成したもの。「外務省機密文書 日米地位協定の考え方」、日米間の協議事項に係る外務省内での考え方が記されたもの。そこには、返還後の北方領土には米軍の施設・区域を設けないとの義務をソ連と約束することは、安保条約、地位協定上問題があると記されていると。 外務省、この「日米地位協定の考え方」は公表されていますか。公表されている、されていないの二択でお願いします。
○政府参考人(河邉賢裕君) お答え申し上げます。 琉球新報社は「日米地位協定の考え方 増補版」を刊行していると承知しており、外務省はこれに該当すると思われる文書を保有しております。 外務省が保有する当該文書の中には、日米間の協議事項に係る当省内の考え方、両国間の協議の内容等に関する記述が含まれております。これらを明らかにすることにより、米国との交渉上不利益を被るおそれ又は米国との信頼関係が損なわれるおそれがあると考えられることから、外務省として当該文書を公表することは考えておりません。
○山本太郎君 公表していないということを丁寧に説明していただきました。でも、琉球新報は定価三千三百円で販売しているんですね。たとえ商品化されていなくても、不都合な真実は自ら公表しないという姿勢を貫いていらっしゃいます。 資料のA六。この「外務省機密文書 日米地位協定の考え方」の別の箇所を見てみると、第一に、米側は、我が国の施政下にある領域内であればどこにでも施設・区域の提供を求める権利が認められている、我が国が米側の提供要求に同意しないことは安保条約において予想されていないと考えるべきである、これが日本の外務省の考え方なんです。 資料A七、地位協定二条一項。どの区域や施設を米軍が使用するかというのは日米合同委員会で決めようね、こうなっているんですけれど、日本には断る権利ございません。 資料A四。だからこそ、プーチン氏、北方領土を引き渡した場合にそこに米軍基地を置かないということを日米首脳で公式合意しろと求めてきたんですね。植民地がそんなこと言えるはずないだろうということで、北方領土の返還というのはかなわない状態にされてしまったと。どうして本気出さないんですか。アメリカに物言ってくださいよ。 米軍が望めば日本のどこにでも米軍基地を置けるルール、それを仕切るのは日米合同委員会。資料Aの八。日米合同委員会は、地位協定締結から数えても六十年以上の歴史。これまで合同委員会の開催回数は何回なんですかということなんですけど、余計な説明しないでくださいね、回数だけ答えてください。お願いします。
○政府参考人(河邉賢裕君) お答え申し上げます。 合同委員会の開催回数の詳細については、日米双方の合意がなければ公開されないこととなっております。 一九六〇年に設置されて以来、これまでに千回以上開催してきております。
○山本太郎君 千回以上、一体何を話し合ってきたのかな。 これまで公表された議事録は、たった四件。そのうち唯一まともな議事録の一件は、一九七二年沖縄本土復帰の際、日本政府の秘密取決め、五・一五メモの主要部分。琉球新報が九七年三月に入手した、だから政府も致し方なく公開することになった。残りの三件どうなったんですか、議事録はということなんですけど、私が今手元に持っております。資料Bの一から四になるんですけど、たった、たったこれだけの紙切れだそうですよ。六十年、千回以上開催されたその記録が、皆さんに公開されているのがたったこれだけの紙切れ。不透明、ブラックボックス、憲法より上の存在、日米合同委員会でございます。 米国に要求されれば、基地建設も、基地から侵攻するということさえも拒否できない。総理、米国が間違った戦争を進めるとなったときに、日本側は止められるんですか。止められるんですか。いかがですか。
○国務大臣(林芳正君) 委員がおっしゃるその間違った戦争という定義が必ずしも明確でないわけでございますが、もし事前協議のことを指されておられるということであれば、これは当然のことながら、この事前協議において、イエスの場合もあるし、ノーの場合もあるということでございます。
○山本太郎君 ノーとは言えない枠組みじゃないですか。そのように解釈しているのが外務省の秘密文書だったじゃないですか。買ってください、三千三百円出して、琉球新報から。米国言いなりの日本政府がノーと言えるかという話なんですよ。本当に言えるんですか。 総理、イラク戦争、間違いだったと考えますか、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) イラク戦争については、イラクは十二年間にわたり累次の安保理決議に違反し続けました。我が国は、安保理の決議に基づき、この各国により取られた行動を支持したものであります。当時の日本政府の判断、これは妥当性を失うものではなく、政府として改めて当該判断について検証を行うことは考えておりません。
○山本太郎君 判断しないということでいいんですか。一言で言ってください。違う文書、ちょっと後ろ、いや、ちょっと待って、違う文書出さないで。質問潰さないでください。
○委員長(末松信介君) 丁寧に質問してください。丁寧に質問してください。
○山本太郎君 ちょっと待って。今の質問に対して、ちょっと待ってください、ちょっと待ってください、今の質問に対してはっきりしなかったので聞かせていただいているんです。今の答えは、ちょっと待ってください、検証しないということなんですね。で、これに関して答え出さないということでいいんですか。一言で答えられるでしょう。どうして向こうの作文読もうとするんですか。
○委員長(末松信介君) 着席してください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 妥当性を失うものではないと申し上げました。
○山本太郎君 正義の戦争であったということですか。そういうことでいいんですね。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国は、その国連安保理の決議に基づいて取られた行動を支持いたしました。我が国の判断、これは妥当性を失うものではありません。
○山本太郎君 困るんですよ、そんなずれた感覚持った人が総理大臣やってもらっちゃ。そんなずれた感覚を持った人間たちがこの国を運営したら戦争に巻き込まれるんですよ。 イラク戦争はアメリカの偽情報から始まったんです。イラクが破壊されたんです。 資料のA十六。ハンス・ブリクス国連監視検証査察委員長、イラクで七百回に及ぶ査察を行った、国連安保理に大量破壊兵器は一切見付からないと報告した人です。それでもアメリカはイラクへの攻撃を開始した。 資料のA九から十五、一気に行きます。 イラクに参戦したイギリス、チルコット委員会で七年掛けて検証、間違いだったと認めている。イギリス・ブレア元首相、イラク侵攻、間違いだったと。ブッシュ元大統領、イラクに関する情報の誤り認めている。オバマ元大統領、イラク戦争は誤った戦争である。バイデン大統領、イラク戦争への賛成票は誤りであった。オランダ独立調査委員会、イラク戦争への参戦は国際法違反。アナン国連事務総長、イラク戦争は国連憲章上からも違反である。 これ、世界が認識改めているんですよ、参戦した国でも。どうして、どうして今みたいな答えになるんですか。任せられない、あなたには。退陣してください、そんな人たち。何をやろうとしている……(発言する者あり)失礼じゃない。指、こうすればいいですか、じゃ。
○委員長(末松信介君) 山本さん、着席して答弁を聞いてください。 岸田内閣総理大臣。(発言する者あり) 質問なのか意見なのか、判別しにくい様子でありました。質問と捉えます。 岸田内閣総理大臣。(発言する者あり)岸田内閣総理大臣、御答弁ください。御答弁いただきます。(発言する者あり)
○山本太郎君 済みません、イラク戦争は間違いじゃなかったということを、そのまま、じゃ、もう総理大臣としてそれを認めるということでいいんですね。お話は変わらないんですね。イラク戦争は正義の戦争である、世界中がこれ覆しているんですよ、当時の参戦国たちも。一言でお答えください。
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 日本の政府の立場は先ほど申し上げたとおりであります。 それから、委員の御指摘の様々な発言、これについて一々申し上げませんが、例えばブレア首相、これは、武力行使の決定自体ではなく、あくまでも収集した情報の誤りについてのみ認める、こういった答弁であったと理解をしています。 いずれにせよ、我が国のその当時の判断、これは今振り返っても妥当性を失うものではないと考えております。
○山本太郎君 まとめますね。大量破壊兵器があるという間違った情報を基に戦争は始まったんですよ。
○委員長(末松信介君) 申合せの時間が来ておりますので、おまとめください。
○山本太郎君 検証する、反省する、えっ、検証し反省する主権さえもこの国にないということが今明らかになったと思います。 売国棄民予算に反対する。これ絶対通しちゃ駄目です。 ありがとうございます。
○委員長(末松信介君) 以上で山本太郎君の質疑は終了いたしました。 これにて外交等現下の諸課題に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十九分散会