本会議 第25号
- 発言数
- 41 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2023/05/24
会議録
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。 この際、日程に追加して、 我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。鈴木俊一財務大臣。 〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木俊一君) ただいま議題となりました我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案の趣旨を御説明申し上げます。 令和五年度以降における我が国の防衛力の抜本的な強化及び抜本的に強化された防衛力の安定的な維持に要する費用の財源に充てるため、財政投融資特別会計財政融資資金勘定及び外国為替資金特別会計からの繰入金、独立行政法人国立病院機構及び独立行政法人地域医療機能推進機構の国庫納付金並びに国有財産の処分による収入その他の租税収入以外の収入を確保するとともに、これらの税外収入を活用した防衛力強化資金を設置することとしたところであります。 本法律案は、このための法律上の手当てについて措置するものであります。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、令和五年度において、財政投融資特別会計財政融資資金勘定から、二千億円を限り、一般会計に繰り入れることができることとしております。 第二に、令和五年度において、特別会計に関する法律第八条第二項の規定による外国為替資金特別会計からの一般会計への繰入れをするほか、同特別会計から、約一兆二千億円を限り、一般会計に繰り入れることができることとしております。 第三に、独立行政法人国立病院機構は、令和五年度、失礼しました、令和五事業年度において、積立金のうち、四百二十二億円を国庫に納付しなければならないこととしております。 第四に、独立行政法人地域医療機能推進機構は、令和五事業年度において、積立金のうち、三百二十四億円を国庫に納付しなければならないこととしております。 第五に、防衛力の抜本的な強化及び抜本的に強化された防衛力の安定的な維持のために確保する財源を防衛力の整備に計画的かつ安定的に充てることを目的として、当分の間、一般会計に防衛力強化資金を設置することとしております。この資金は、防衛力整備計画対象経費の財源に充てる場合に限り、予算の定めるところにより、使用することができることとしております。 以上、我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。北村経夫君。 〔北村経夫君登壇、拍手〕
○北村経夫君 自由民主党の北村経夫です。 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました法律案について質問をいたします。 まず、陸上自衛隊ヘリコプターの事故により命を失われた隊員の方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、行方不明の隊員の皆様が一日も早く御家族の元に帰れますようお祈りいたしております。 国を守る仕事に昼夜の別はありません。最近も、情勢が悪化しているスーダンからの在留邦人退避がありました。危険な状況の中での関係者の御努力に敬意と感謝を申し上げます。 そして、平和を守る努力は、国際社会のリーダーたる我が国の重要な責務であります。 先週、G7広島サミットが開催されました。今ほど平和の重要性を人々が感じているときに、平和の聖地広島での開催は、世界に対するこれ以上ないメッセージであります。その我々の思いに共鳴し、ゼレンスキー大統領もわざわざはせ参じてくださいました。 岸田総理は、被爆の実相を各国のリーダーにその目で見てもらいたいという強い決意で臨まれましたが、決してアメリカのバイデン大統領に謝罪してくださいとはおっしゃいませんでした。過去を糧としながらも、我が国がいかに未来志向で平和を愛する国民であるかを各国に示すことができたと思います。そうした思いが伝わったからこそ、各国首脳も心を一つにし、ウクライナ侵略に対する厳しい批判と国際法違反行為を絶対に許さないという固い決意をロシアに示す共同声明となりました。北朝鮮による拉致問題に対しても、共同声明において、G7として即時解決を求める強い意志が示されました。 今後、グローバルサウスと呼ばれる国々の存在感は急速に大きくなっていくことでしょう。しかし、我々G7諸国には、これまで世界の平和と発展に寄与し続けてきた経験と知恵があります。 今回の広島サミットは、グローバルサウスの諸国に、やはり国際的課題に関してはG7にリードしてもらうべきだという強烈な印象を残したのではないかと感じております。それは、覇権争いとかいった低い次元の話ではなく、現実的な問題として、G7のリードが世界の安定につながると確信しているからであります。 そして、強調しておきたいのは、G7でアジアの国は日本だけということであります。 最近、世界有数の投資家ウォーレン・バフェット氏がTSMC株を売却しました。台湾有事は近いというのが彼の読みです。中国の脅威に直面している我が国は、G7の結束を何が何でも強化せねばなりません。 違法かつ不当な侵略行為に対するG7の結束は、ウクライナに対する安全保障上の支援にも表れています。支援を求めてきたときに、相手が真に欲しているものを支援できるようになることが、我が国のためにも必要であります。 それらを踏まえ、まず総理に、G7広島サミットで各国首脳と共有した、世界、とりわけアジア周辺を取り巻く安全保障環境への認識とそれへの対応についてお伺いし、その上で、そのような極めて厳しい状況の中でも我が国と国民を守り抜くための安全保障、防衛力の強化への覚悟についてお尋ねします。 防衛力整備計画に盛り込まれた事業に関して伺います。 昨年末策定された新たな国家安全保障戦略の下、五年間で緊急的に防衛力を抜本的に強化するため、四十三兆円の防衛力整備計画を実施することとなります。そして、この計画には、日本への侵攻そのものを抑止するためのスタンドオフ防衛能力や統合防空ミサイル防衛能力など、我が国の防衛上必要な機能、能力を強化するためには欠くことのできない事業ばかりが盛り込まれたものと受け止めています。 そこで、総理に、防衛力整備計画に盛り込まれた主要事業が必要不可欠な理由についてお尋ねいたします。 防衛力強化資金について伺います。 防衛力整備計画の円滑な実施のため、令和九年度においては、抜本的に強化された防衛力とそれを補完する取組を合わせてGDP二%の予算を確保することとされています。その財源を計画的かつ安定的に確保するために防衛力強化資金が設けられますが、その財源に充てられる税外収入として、外為特会等からの繰入れ、また、新型コロナ感染症基金の国庫返納や国有財産の売却収入が見込まれています。 ただし、この防衛力強化資金については、今後も繰入れに充てる財源の確保が必要であります。財務大臣は、どのように令和六年度以降の防衛力強化資金に繰り入れる財源を確保していくのでしょうか。決算剰余金の活用等についてはどのようにお考えでしょうか。これらについてお伺いいたします。 税制措置に関して伺います。 令和五年税制大綱では、防衛力の抜本的な強化に当たり、税制部分については、令和九年度に向けて複数年掛けて段階的に実施することとされており、令和九年度において一兆円強を確保します。 具体的には、法人税に税率四%から四・五%の新たな付加税を、所得税においては、当分の間、税率一%の新たな付加税を課すとともに復興特別所得税を一%引き下げること、たばこ税については一本当たり三円相当引き上げることを令和六年以降の適切な時期から講ずることとされています。 現在、新型コロナは五類となり、経済活動は戻りつつありますが、国際的な資源価格高騰による物価高が続く中、税制が経済成長の足を引っ張るようなことがあってはなりません。 税制改正の実施に当たっては、景気回復や賃金引上げが持続的なものとなるよう、しっかりと全国に行き渡ることが大切だと考えますが、この点について財務大臣の御所見をお伺いします。 国債の利用について伺います。 本年度から、護衛艦等は建設国債の対象となりました。海上保安庁の巡視船は建設国債の対象、しかし護衛艦等はその外であった昨年度を思えば、大きな変化であります。 そもそも、道路や橋の建設予算については、次世代にインフラを届けていくためという整理で建設国債が認められているとすれば、防衛装備品も次の世代に残る財産であり、変わりはありません。防衛力の強化により守り抜かれた暮らしや事業は、将来世代にも恩恵となります。 そこで、防衛財源についても、将来世代が受ける恩恵も考慮に入れて防衛費と国債をめぐる議論をすべきだという考えに対する総理の御所見をお伺いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 北村経夫議員の御質問にお答えいたします。 世界、特にアジア周辺の安全保障環境への認識とそれへの対応、また、これを踏まえた我が国の防衛力の強化への覚悟についてお尋ねがありました。 G7広島サミットでは、現下の厳しい国際情勢において、世界のどこであれ、力による一方的な現状変更の試みは決して認められず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くとのG7の強い意志を示すことができました。 特にアジアについては、各国首脳との間でインド太平洋情勢について意見交換を行い、中国をめぐる諸課題への対応や、核・ミサイル問題、拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き緊密に連携していくことを確認いたしました。 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙するため、防衛力の抜本的強化にしっかりと取り組み、将来にわたって維持強化していくことで、国民の生命と暮らしを断固として守り抜いていく決意であります。 防衛力整備計画における主要事業の必要性についてお尋ねがありました。 近年、我が国周辺では質、量共にミサイル戦力が著しく増強され、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあるという現実があります。こうした中で国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、御指摘のような緊急的に整備すべき防衛力の内容を積み上げました。 こうした取組により、抑止力、対処力を向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させていく考えであります。 防衛力強化の財源についてお尋ねがありました。 抜本的に強化される防衛力は将来にわたって維持強化していかなければならず、この防衛力を安定的に支えるためには、令和九年度以降もしっかりとした財源が必要です。 その財源確保に当たっては、国民の御負担をできるだけ抑えつつ、将来世代に先送りしないとの考え方の下、歳出改革などの行財政改革を最大限行った上で、それでも足りない部分については、令和九年度に向け、今を生きる我々の世代の、我々の将来世代への責任として、税制措置での御協力をお願いしたいと考えております。 なお、安全保障に係る経費全体で整合的な考え方を取る観点から、防衛省・自衛隊の施設整備や艦船建造に係る経費について、令和五年度予算において〇・四兆円を建設国債の発行対象として整理することとしたものであります。 強化された防衛力を将来にわたり安定的に支えられるよう、必要な財源をしっかり確保してまいります。 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手) 〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 北村経夫議員の御質問にお答えいたします。 まず、防衛力強化資金に繰り入れる財源等についてお尋ねがありました。 令和五年度予算においては、特別会計からの繰入金や国有財産の臨時の売却収入等により四・六兆円の税外収入を確保した上で、今般の財源確保法案により創設する防衛力強化資金を通じて、防衛力の整備に計画的、安定的に充てることとしております。 令和六年度以降におきましても、令和五年度予算において今後五年間の防衛力強化のための経費に充てられる税外収入四・六兆円を確保したことも踏まえ、年平均〇・九兆円程度の財源を確保できるよう、引き続き税外収入の確保に努めていきたいと考えております。 また、決算剰余金の防衛力強化の財源としての活用については、決算剰余金の直近の十年間の平均が一・四兆円程度であることを踏まえ、財政法上、公債又は借入金の償還財源に充てるべき二分の一を除く残りの二分の一の〇・七兆円程度を活用見込額として見込んでおります。 最後に、防衛力強化に係る財源確保のための税制措置についてお尋ねがありました。 先般閣議決定された防衛力強化に係る財源確保のための税制措置においては、法人税については五百万円の税額控除を設けることで全法人の九四%を対象外とするとともに、所得税については税率一%の新たな付加税を課しますが、現下の家計の負担増にならないよう復興特別所得税の税率を一%引き下げるなど、法人あるいは個人への影響に最大限配慮する仕組みになっているものと考えております。 また、税制措置の実施時期につきましては、令和九年度までの過程において、行財政改革を含めた財源調達の見通し、景気や賃金の動向及びこれらに対する政府の対応を踏まえて判断されることとなります。 その上で、景気回復や賃上げにつきましては政府としても重要な政策課題だと認識しており、官民連携で成長分野への投資を拡大するとともに、円滑な労働移動を人への投資の強化と一体的に進める等の三位一体の労働市場改革に取り組むことにより、構造的な賃上げの実現を図り、成長と分配の好循環につなげていくこととしております。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 横沢高徳君。 〔横沢高徳君登壇、拍手〕
○横沢高徳君 立憲民主・社民の横沢高徳です。 会派を代表し、ただいま議題となりました我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案に対し、質問いたします。 法案に先立ち、先日行われましたG7広島サミットについてお伺いします。 被爆地で行われるサミットだからこそ、核なき世界に向けた具体的な一歩を進めてほしい。果たして被爆地広島、長崎の思いは世界の首脳に届いたのでしょうか。 唯一の被爆国のリーダーとして、広島出身の総理として、核なき世界に向けて具体的な一歩を進めることができたのか、その役割を果たせたと言えるのか、岸田総理に伺います。 今回、特に注目されたのは、首脳宣言とは別に核軍縮に焦点を当てた声明、G7における軍縮の独立文書、広島ビジョンです。岸田総理は歴史的意義があると語られておりましたが、被爆地広島、長崎の皆様はどのような思いで受け止めたのでしょうか。広島ビジョンの内容を見ると、これまでの声明などをなぞったもので、軍縮に向けての具体的な対策はなく、また、道筋も全く示されておりません。被爆者の代表や被爆者本人、地元メディアからも、核保有、依存の当事国の責任感が伝わらず、廃絶の文字もないと厳しい意見が出ております。そういった地元の意見を総理はどう受けておられるのか、お伺いをいたします。 特に、核兵器禁止条約については、核兵器のない世界に向けた補完的な条約であることや核禁条約の批准国との対話など、一歩踏み込んで言及すべきだったのではないでしょうか。総理は理想を掲げておりますが、現実に向けた具体的取組を我が国はどのように実行していくのか、世界も注目していると考えます。核兵器禁止条約では、核の傘にあるとされている国、ドイツ、オーストラリアもオブザーバー国として参加しています。そこにすら入っていないということは、核軍縮について議論していることにはならないと考えます。 理想を掲げ、行動するからこそ、結果が出る。総理は理想を実現するためにどのように行動するお考えか。この機会に世界各国の懸け橋となる行動が必要ではないでしょうか。総理の答弁を求めます。 広島でのサミットは、ゼレンスキー大統領の参加がありました。実現に向けて大変な準備があったと思います。関係者の皆様に心から敬意を表します。 その上で、ウクライナへの追加支援は表明されましたが、その先の停戦に向けた交渉などについての議論はあったのでしょうか。内容は公表できないにしても、そういう議論があったか、そういう努力はあったかどうなのか、岸田総理に伺います。 それでは、法案について伺います。 政府は、防衛力の抜本的強化のため、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設、そして増税措置を行うこととしております。しかし、いずれも財源を集めるための苦肉の策であり、国民の皆様にとって理解し難いものと言わざるを得ないものとなっております。 以下、それを質問を通じて明らかにしてまいります。 まず、歳出改革についてです。 政府が想定する財源確保において、令和五年度以降、毎年度二千百億円程度の歳出改革を継続し、五年後の令和九年度には一兆円強とすることとされております。 しかし、ここで気を付けなければいけないのは、政府が言っているのは歳出改革であって、歳出削減ではないということです。これは一見すると同じことのようですが、実際には異なります。 令和五年度について見ると、二千百億円のうち一千五百億円は物価上昇に伴う経費の増加を防衛力強化のための財源に充てるものとなって、なるものであって、何か歳出を削減したものではありません。残る六百億円についても、社会保障関係費以外の歳出を見直した結果確保されたものというものであって、ある特定の経費を削って財源を生み出したという説明ができるものではありません。結局、具体的に何をどのようにして財源を確保していくのか、よく分からないのです。 東日本大震災の復旧復興に当たっては、様々な財源確保が講じられました。その中で、歳出削減については、具体的にどの経費を幾ら削減することで何億円の財源を確保するということが国民にも分かるように明確にされていました。これに対し、今般の防衛力強化のための財源の確保については、政府は、全てが歳出削減によるものではないことをあえて触れず、衆議院の審議においても曖昧な説明に終始しております。 政府の言う歳出改革は、国民の皆様は理解し難い手法でもって財源を確保しているとするものであり、極めて不誠実ではないでしょうか。岸田総理の見解を求めます。 また、岸田総理は、歳出改革など行財政改革の努力を最大限行うと発言してきましたが、果たしてこれが誠実に実行されるのかどうか、法的な担保がありません。 東日本大震災復興基本法では、「復興及びこれに関連する施策以外の施策に係る予算を徹底的に見直し、当該施策に係る歳出の削減を図ること。」という条文が設けられていました。 これに対し、今回の防衛財源確保法案では、復興財源確保法とは異なって、増税や決算剰余金、歳出削減による財源確保規定に関する条文は一つも存在しないのです。その結果、復興財源確保法では復興財源三十二・九兆円、一〇〇%調達できる内容だったのに対し、今回の法案で調達できるのは、従来を上回る五年間の防衛力整備に要する費用十七・一兆円から今年度予算で手当てされた一・四兆円分を除く十五・七兆円のうち三・四兆円、割合にすると二〇%程度にしかすぎないということであります。同じ財源確保法という名称でありますけれども、極めて乏しい内容です。 なぜ本法律案に歳出改革、歳出削減に取り組む趣旨の条文を盛り込まなかったのでしょうか。東日本大震災財源確保法のように、財源を確保するためのフルスペックの法案にしなかった理由をお伺いいたします。 政府は、子ども・子育て予算の倍増に向け、内容、予算、財源について更なる検討を進めるとしておりますが、岸田総理は、その前提として、徹底した歳出改革が必要である旨の発言をしております。 防衛力の抜本的強化のための財源については、歳出改革など最大限の努力をした上で、それでも足りない部分について増税措置をお願いすると岸田総理は説明しているのに、子ども・子育て予算の倍増のために更なる歳出改革の余地があるのだとすると、矛盾が生じるのではないでしょうか。 それとも、子ども・子育て予算の倍増に向けた歳出改革は、防衛力強化のための財源として歳出改革では対象とされなかった社会保障関係費に限ったものであるということなのでしょうか。総理の答弁を求めます。 子ども・子育て予算の倍増に向けた財源確保については、社会保険との関係、国と地方との関係、給付と負担との関係などを整理する必要があるのは確かかもしれません。安定財源の確保が求められること自体は変わらないはずです。しかし、総理が最優先の課題と言う子ども・子育て政策の具体的な枠組みの議論は低調です。 これに対し、防衛力強化のための財源については、増税すること自体やその枠組みが大変短い期間で決められました。この違いは一体どうして生じるのでしょうか。結局は、倍増ありき、増税ありきで進められたということではないでしょうか。岸田総理の答弁を求めます。 所得税については、復興特別所得税の仕組みを活用することが考えられており、岸田総理は、個人の税負担は増えないと説明しております。税率だけを見れば、確かにそのとおりでしょう。 しかし、期間は二〇三七年までだったものが、以降最長十三年延長されるわけで、実質的に将来の若者世代が延長分の税金を負担することになります。これまで衆議院の審議において、財源確保について将来世代へ先送りすることなくと言ってきたことと、やろうとしていることが矛盾するのではないでしょうか。 五月十九日の衆議院財務金融委員会において、我が党の米山隆一議員の、国民に新たな負担をお願いするということは、つまり増税ではないのかという質疑に対し、鈴木財務大臣は、増税だという指摘を否定するものではないと、後ろ向きにも増税であることを認められました。 改めて、岸田総理にお聞きします。 今回検討されている新たな税負担の仕組みは増税であるという認識をお持ちでしょうか。総理の答弁を求めます。 復興特別所得税は、東日本大震災からの復興復旧のために必要な財源について、今を生きる全世代で連帯し、負担を分かち合うという理念の下で創設されたものです。このような理念とは関係なく、仕組みにのみ着目して安易に飛び付く政府の姿勢は、復興の理念をないがしろにしているのではないでしょうか。岸田総理の答弁を求めます。 そもそも、このような形を取ること自体、被災地の皆様の心情に対する配慮が足りないのです。世論調査の結果によると、復興特別所得税の一部流用に対し、反対七三%、増税についても、支持しないが八〇%です。 聞く力の岸田総理、この法案審議に当たり、まずは被災地で生活している方の声、将来この国を担う若者の意見を聞くべきではないでしょうか。岸田総理、そしてまた被災地出身でもある鈴木財務大臣の答弁を求めます。 岸田総理は、少子化対策の予算額が平成二十五年度から、約三・三兆円から令和五年度には約六・三兆円へと大きく増加していると、これまでの成果を強調しております。しかし、予算の倍増額は十年間で三兆円というものです。 他方、新たに策定された防衛力整備計画では、令和四年度には五・二兆円という規模であった防衛力整備計画対象経費を、令和九年度には八・九兆円程度とすることが想定されており、このとおりに実現すれば三・七兆円の増加となります。予算の増加額、増加に掛かった年数を比べれば、いかに防衛関係費に偏重しているかが一目瞭然です。 もちろん、立憲民主党も、必要な防衛関係費を確保すること自体に反対するものではありません。しかし、防衛関係費を突出して増加させ、限りある財源をそこに集中させる形となっていることは、政策の選択、予算配分の在り方として極めていびつであると言わざるを得ないのではないでしょうか。岸田総理の見解を求めます。 以上、政府が行おうとしている財源確保策について、問題点の一端を明らかにしてまいりました。国民の皆様の理解が得られるよう、参議院での充実した審議を求めまして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 横沢高徳議員の御質問にお答えいたします。 まず、核兵器のない世界に向けた具体的な取組についてお尋ねがありました。 今次サミットでは、参加したG7首脳に被爆の実相に触れていただき、その上で胸襟を開いた議論を行って、核兵器のない世界へのコミットメント、これを確認いたしました。これらを踏まえ、今回、核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書となるG7首脳広島ビジョンを発出したことにより、核兵器のない世界に向けた国際的な機運、これをいま一度高めることができたと考えています。 核兵器禁止条約は核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておりません。G7首脳広島ビジョンについて、様々な受け止め、御意見があることは承知しておりますが、G7首脳広島ビジョンを強固なステップ台として、核兵器国の関与を得るべく努力を継続するとともに、ヒロシマ・アクション・プランのこの内容を一つ一つ実行に移していくことを通じて、現実的で、そして実践的な取組を継続、強化してまいります。 そして、サミットにおけるロシアによるウクライナ侵略に関する議論についてお尋ねがありました。 G7では他国の発言は紹介しないことになっており、首脳間の議論の詳細を説明することは困難ですが、ウクライナに平和をもたらすための具体的な努力の在り方については様々な意見が交わされました。その上で、G7首脳は、厳しい対ロ制裁と強力なウクライナ支援を継続していくことを確認するとともに、ロシア軍の撤退なくしては平和の実現はあり得ないことを強調し、ウクライナに平和をもたらすため、あらゆる努力を行うことを確認をいたしました。同時に、G7首脳と招待国との間でも、世界のどこであっても力による一方的な現状変更の試みは許さず、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くことが重要であるとの点で一致をいたしました。 防衛財源の確保のための歳出改革についてお尋ねがありました。 歳出改革については、社会保障関係費以外の経費を対象とし、これまでの歳出改革の取組を継続する中で、令和五年度予算において約〇・二兆円の防衛関係費の増額を確保したところです。令和六年度以降も、政府・与党連携して、毎年度の予算編成において新たな行政事業レビュー等を活用して歳出改革を継続し、令和九年度時点において令和四年度と比べて一兆円強の財源を確保してまいります。 税制措置や歳出改革を含めた防衛力強化のための財源確保策の全体の方針については、昨年末に閣議決定した防衛力整備計画や政府税制大綱においてお示ししており、国会審議等においても御説明しているところです。 今回の財源確保法案は法律上の手当てが必要となる措置に限って盛り込むこととしており、歳出改革についてはその実施に法律上の手当てが不要であるため本法案に規定はしておりませんが、方針が変わることはありません。引き続き、行政の無駄や非効率を排除し、行財政改革の努力を尽くすことで将来にわたって維持強化していく防衛力を支えるしっかりとした財源を確保することができるよう、歳出改革に取り組んでまいります。 防衛力強化と子供予算倍増に向けた歳出改革についてお尋ねがありました。 まず、防衛力の抜本的強化に当たっては、その具体的内容、予算、財源を一体的に国民にお示しするとの方針を昨年の通常国会から一貫して申し上げ、一年以上にわたって、有識者会議や与党ワーキングチーム、与党税制調査会など、活発な議論を積み重ねており、短い期間で決定したわけではありません。 その上で、その財源確保に当たっては、決して増税ありきではなく、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、社会保障関係費以外の経費を対象とした歳出改革等の取組を進めることとしております。 また、少子化対策の財源確保に当たっては、全世代型社会保障を構築する観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用を行うこととしており、こうした歳出改革の徹底により、国民の実質的な負担を最大限抑制してまいります。 こうした方向性に基づき、六月の骨太方針までに次元の異なる少子化対策を実行に移していくためのこども未来戦略方針を取りまとめ、国民の皆様にお示ししたいと考えております。 復興特別所得税についてお尋ねがありました。 防衛力強化のための税制措置については、復興特別所得税の税率を引き下げた上で、その下げた範囲内で新たな付加税をお願いすることとしており、現下の家計の所得の負担増にならないよう配慮しております。また、二〇三八年以降も付加税が続くことについて、経済成長と構造的な賃上げの好循環を実現することにより、経済全体の中で負担感を払拭できるよう、政府として努力をしてまいります。 このことは、将来への、将来世代への先送りすることなく、今を生きる我々の将来世代への責任として、今回の税制措置での御協力をお願いすることと矛盾するものではないと考えております。 加えて、復興特別所得税の課税期間の延長幅は、復興財源の総額を確実に確保するために必要な長さとされているため、復興事業に影響を及ぼすことはないと考えております。したがって、復興の理念をないがしろにしていないかという指摘は当たらないと考えております。 政府としては、こうした方針について、今後も、様々な機会を通じて、被災地の皆様や若い世代の方々を含め御理解をいただけるよう、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。 政策選択と予算配分の在り方についてお尋ねがありました。 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力を抜本的に強化する決断をいたしました。国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行った上で、必要となる防衛力の内容を積み上げ、防衛費の規模を導き出しており、必要な予算であると考えております。 同時に、少子高齢化が急速に進む中、全ての世代の方々が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいくことが重要です。 こうした考え方に基づき、令和五年度予算では、社会保障関係費を約三十七兆円計上しており、これは一般歳出の五割を占めるものです。さらに、子ども・子育て政策の抜本的強化に取り組んでおり、六月の骨太方針までに将来的な子ども・子育て予算倍増に向けた大枠、これを提示いたします。 岸田政権は、安全保障と社会保障、どちらか一方という二者択一の問題ではなく、政治の責任として、共に必要な予算額を措置し、必要な政策、これを実現してまいります。 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手) 〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 横沢高徳議員より、復興特別所得税についてお尋ねがありました。 復興特別所得税については、現下の家計の負担増にならないよう、その税率を引き下げるとともに、課税期間を延長することとされておりますが、その延長幅については、復興財源の総額を確実に確保するために必要な長さとされているところであり、復興事業に影響を及ぼすことのないようにしております。 また、この結果、二〇三八年以降も付加税が続くことになり、将来世代に御負担をいただくことになりますが、経済成長と構造的な賃上げの好循環を実現することで税制措置による将来世代の負担感を払拭できるように努力してまいります。 こうした方針について、世論調査を含め様々な御意見があることは承知をしておりますが、政府としては、引き続き、様々な機会を通じて被災地や若い世代の皆様にも御理解を深めていただけるよう、丁寧な説明に努めてまいります。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 矢倉克夫君。 〔矢倉克夫君登壇、拍手〕
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案につきまして、総理並びに財務大臣、防衛大臣、経済産業大臣に質問をいたします。 ロシアによるウクライナ侵略は、世界各国が築き上げてきた国際秩序を危機に陥れるものです。また、我が国周辺の安全保障も、北朝鮮の度重なるミサイル発射や中国による尖閣諸島周辺海域における繰り返しの徘徊や領海侵入など、厳しさ、複雑さを増しております。かかる懸念、脅威から国民の生命と平和な暮らしを守るため、戦略的に第一に重要な要素は外交力であり、その趣旨は国家安全保障戦略にも記載のとおりであります。 まず、総理に、さきに成功裏に終了をしました広島G7サミットの結果、我が国及び国際平和を守るため必要な日本の外交力がいかに強化されたとお考えか、お伺いをいたします。 また、今回のサミットの結果を踏まえ、総理が掲げる核なき世界の理想実現に向け、いかに現実的で実践的な責任あるアプローチを図るか、いかに日本としてリーダーシップを発揮し、核なき世界を実現されるか、併せてお伺いをいたします。 その外交力と表裏の関係を持ち、それを補完する役割を有するのが防衛力であり、その強化、防衛予算の増額は、現下の情勢を踏まえると不可欠であります。 本法律案では、税外収入を防衛力の強化、整備に充てるため、新たに防衛力強化資金を創設いたします。必要な財源を年度予算ごとに確保するのではなく、あえて特別の資金を創設して将来の防衛費の財源をプールすることとした理由を財務大臣にお伺いをいたします。 また、本法律案に講じられる税外収入確保のための特別措置は、令和五年度に実施する措置に限られます。令和六年度以降、同資金への繰入れ財源を具体的にどう確保していくのか、こちらも併せて財務大臣にお伺いをいたします。 次に、財源確保策のうち決算剰余金の繰入れについてお伺いをいたします。 財源確保策が防衛財源として想定をする決算剰余金は年〇・七兆円程度、五年間計三・五兆円ですが、この三・五兆円を確保するため、政府はどのような方策が必要とお考えでしょうか。毎年の決算剰余金が幾らになるかは予測できるものではありません。防衛予算確保のための安易な国債増発による決算剰余金のかさ上げなど決してあってはならないことは当然でありますが、その点も含めて、財務大臣にお伺いをいたします。 続いて、歳出改革についてお伺いをいたします。 衆議院での本法律案に対する我が党の代表質問の際の総理答弁から、社会保障費は歳出改革の対象とならないということは確認済みでありますが、少子化対策、子育て支援予算の削減はないことを改めて総理に確認をさせていただきます。また、本法律案で政府が示した将来的な防衛予算の財源確保に向けた決意は、少子化対策、子育て支援予算においても同様に求められるものであります。少子化対策、子育て支援予算に関する財源について、あらゆる手段を尽くして確保するとの総理の決意を求めます。 さらに、令和五年度予算で防衛費の財源として建設国債が充てられることに関連をし、今後の公共事業についてお伺いをいたします。 今回、自衛隊・防衛省の施設整備や船舶建造に係る経費を財政法第四条における公共事業費として整理し、建設国債の発行対象と整理したと理解をしておりますが、この整理によって従来からの公共事業費予算が減額されることはないということでよろしいでしょうか。また、道路網整備などインフラ整備は、いざというときの自衛隊の輸送路などにもなることで安全保障面でも重要でありますが、今その老朽化対策が急務となっております。国民生活、経済、防災はもとより、防衛の観点からも必要な公共事業、特に道路の老朽化対策費について従来以上に確保すべきと考えますが、総理の御答弁を求めます。 次に、防衛予算増による国内防衛産業育成が経済や財政に与える影響についてお伺いをいたします。 防衛大臣は、四月十九日の衆議院財務金融委員会安全保障委員会連合審査会において、防衛関係費における国内向け支出額の防衛関係費全体に占める割合は約八割と答弁をされておりますが、これら国内向け支出が国内中小企業の基盤強化に与える効果についてどのように分析をされているのか、防衛大臣にお伺いをいたします。 この国内防衛産業育成の意義について、例えば、三月二十日の参議院予算委員会における私の日英伊の次世代戦闘機共同開発に関連した質問に対し、防衛大臣からは、次世代エンジニアの育成やサプライチェーンの強化を図る点であるとの答弁がありました。特に、この共同開発の経験を生かした次世代エンジニアの育成は、民生分野を含めた航空機の全機開発、機体、エンジンを含めた全機設計能力の向上や、あるいは今回の三菱スペースジェットの事業撤退で明らかになった、日本の弱点とも言える各国の認証取得に向けたノウハウ不足を解消する上でも重要と理解をしております。私は、日英伊の次世代戦闘機共同開発を含めた国内防衛産業育成を通じ、従来、ボーイングなどからの部品発注の受注の立場が主なものだったと言える日本の民間航空機産業を一段の高みに押し上げるとともに、それを通じ、部品数三百万点とも言われる民間航空機産業を自動車に並ぶ新たな裾野産業と育成することが日本の中小企業の存続のためにも重要と考えます。経済産業大臣の御所見をお伺いいたします。 また、防衛設備などの更なる国産化は、国内中小企業をそのサプライチェーンに取り込むことにより、国内雇用の確保とともに税収増加にも資するものです。これについて、財務大臣の御所見をお伺いいたします。 防衛費増額と国民理解についてお伺いをいたします。 まず、国民理解を得るために重要なことは、今回積み上げた防衛費が適正か否かを事後的に精査する仕組みがあることであります。この点、総理は、三月六日の参議院予算委員会における我が党議員の質問に対する答弁で、関係省庁において第三者による専門家会議を設置する可能性について言及されましたが、是非実行をしていただきたい。その際、外交、防衛のみならず、経済や科学技術など様々な分野の専門家を構成員とすべきと考えます。総理の御見解をお伺いいたします。 最後に、税制改正大綱でも言及された増税の実施時期については、国民との徹底した議論が必要であります。防衛力強化の財源を安易に増税に求めることは避けるべきであります。仮に実施せざるを得ない時期に来た場合、総理におかれては、自ら国民一人一人と対話する思いで国民の中に入り切り、真摯に説明し、徹底的に議論されることを強く求めます。 真に防衛力の強化を図るために必要なことは、防衛という国民全体の共通の利益に対する国民の主体的な理解と納得であり、その形成のためにも、防衛予算の財源を決するプロセスは丁寧さに丁寧さを重ねる必要があります。防衛は国民全ての共通の利益の最たるものの一つであり、その共通の利益のためにお金を拠出し合おうと国民に御理解いただくこと自体は、真の防衛力の強化にも資するとも言え、その合意形成は政治の責任です。 他方、仮に、国民が唐突感を抱くような形で拙速に増税時期決定のプロセスを経てしまうこととなれば、それは防衛力そのものが毀損、破壊されるほどの意味を持ちます。防衛力強化の観点、これも含め、国民一人一人の対話と時間を掛けた説得のプロセスを一層強く重視をしていただきたい。防衛予算確保に向け、国民との徹底した議論の必要性について、総理の所見と決意をお伺いいたします。 以上、本法律案によって確保した財源を活用して必要な防衛力の強化が果たされるとともに、国民の皆様が安心して生活を送ることができる社会の実現のため、我が国の外交力の更なる強化が図られることを念願して、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 矢倉克夫議員の御質問にお答えいたします。 G7広島サミットの結果を受けての日本の外交力及び核兵器のない世界に向けてのアプローチについてお尋ねがありました。 国際社会が歴史的な転換期にある中で開催された今般のG7広島サミットでは、日本が議長国として中心に立ち、G7の揺るぎない結束を改めて確認することができました。 G7首脳は、分断と対立ではなく、協調と連携の国際社会の実現に向けて、第一に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くこと、第二に、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる国々を始めG7を超えた国際的なパートナーへの関与を強化すること、こうした二つの視点を柱とし、積極的かつ具体的な貢献を打ち出していくことを確認いたしました。 広島サミットでのこうした成果は、世界における日本のリーダーシップの強化、今回の招待国を始めとする国際社会のパートナーとの関係の深化にも結実したと評価しており、我が国の外交力の強化につながったと考えています。 これらを踏まえ、また、核軍縮に関する初めてのG7首脳文書となるG7首脳広島ビジョンの発出により、今次サミットは、核兵器のない世界に向けた国際社会の機運をいま一度高める機会になったと考えています。これを強固なステップ台とし、ヒロシマ・アクション・プランの内容を一つ一つ実行していくことを通じて、現実的で実践的な取組、継続、強化していきたいと考えております。 防衛力強化のための財源と少子化対策の財源についてお尋ねがありました。 防衛力強化のための財源としての歳出改革については、社会保障関係費以外の経費を対象としていることはこれまで申し上げているとおりであり、子育て支援に関する予算を削減することとはしておりません。 また、少子化対策に関して、加速化プランの財源確保については、まずは全世代型社会保障を構築する観点から歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用を行ってまいります。そして、こうした歳出改革の徹底により、国民の実質的な負担を最大限抑制していきたいと考えております。今後、六月の骨太方針に向けて、こども未来戦略会議において議論を進め、将来的な子供予算倍増に向けた大枠、これをお示しいたします。 公共事業費の確保についてお尋ねがありました。 今般、防衛省・自衛隊の施設整備や艦船建造費を建設国債の発行対象経費として整理をしましたが、これにより従来の公共事業費を減額することはありません。 その上で、自然災害等から国民の命と暮らしを守るため、あるいは我が国の経済成長や地域社会を支えるために必要なインフラについては、着実に整備していく必要があります。また、インフラの老朽化が進行しており、老朽化対策は喫緊の課題です。このため、今後とも、中長期的な見通しの下、安定的、持続的な公共投資を推進してまいります。 防衛力の抜本強化に係る専門家会議についてお尋ねがありました。 議員御指摘のとおり、三文書の策定後も国民の理解を得ながらその内容を適切に実施していく必要があり、関係省庁において第三者による専門家会議を設置し、様々な分野の有識者の下で議論を行うこともその方策の一つです。引き続き、政府としては、国民の理解と協力を得られるよう努めていくとともに、そのための方策についても検討していきます。 防衛力強化に係る税制措置についてお尋ねがありました。 防衛力の抜本的強化については、その具体的内容、予算、財源を一体的に国民にお示しするとの方針を昨年の通常国会から一貫して申し上げており、その方針に沿って、国家安全保障会議四大臣会合、有識者会議、与党ワーキングチーム、与党税制調査会など、活発な議論を積み重ねてまいりました。その集大成として、政権与党としての方針を三文書や税制改正大綱の閣議決定の形でお示しをしました。 実施時期については、令和九年度までの過程において、行財政改革を含めた財源調達の見通し、景気や賃上げの動向及びこれらに対する政府の対応を踏まえて、閣議決定した枠組みの下で税制措置の実施時期等を柔軟に判断してまいります。 こうした防衛費増額の財源確保に向けた内閣の方針について、国民の皆様に御理解いただけるよう、国会での議論も含め、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手) 〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 矢倉克夫議員から、まず防衛力強化資金を創設する理由等についてお尋ねがありました。 防衛力強化のための財源確保に当たっては、税外収入の確保などに最大限取り組むこととしておりますが、税外収入等につきましては、年度によって変動が生じ得るものであり、必ずしも当該年度に必要となる防衛力強化のための歳出額と見合うものになりません。 このような税外収入等を防衛力の整備に安定的、計画的に充てられるようにするためには、このタイミングのずれについて年度を超えた調整を行う必要があるため、特別の資金である防衛力強化資金を新たに創設することとしたところです。 令和六年度以降については、令和五年度予算において、今後五年間の防衛力強化のための経費に充てられる税外収入四・六兆円を確保したことも踏まえ、年平均〇・九兆円程度の税外収入を確保できるように、引き続きその確保に努めていきたいと考えております。 次に、決算剰余金についてお尋ねがありました。 今般の防衛力強化のための財源確保に当たっては、国民の皆様の御負担をできるだけ抑えるべく決算剰余金を活用することとしており、過去の実績を踏まえた合理的な根拠に基づく金額を財源として見込んだところです。 その上で、決算剰余金は、予算を執行していく中で結果として生じた歳出の不用や、税収や特例公債等の歳入の増減により金額が確定するものですが、特に、特例公債については、特例公債法の規定に基づきその発行を最大限抑制するよう努めてきたところであり、今後ともこうした方針に基づいて対応してまいります。 最後に、防衛施設などの国産化による経済効果についてお尋ねがありました。 防衛産業は、中小企業を含め多数の下請企業から成るサプライチェーンを構成していると承知しており、防衛装備品等の国内調達により国内生産の拡大等につながるものであれば、国内雇用の確保や税収増にも貢献し得るものと考えています。 新たな防衛力整備計画においては、我が国の防衛生産・技術基盤を言わば防衛力そのものと位置付けた上でその維持強化を進めることとしており、政府としてこの計画に基づきしっかりと取り組んでいくことが重要であると考えております。(拍手) 〔国務大臣浜田靖一君登壇、拍手〕
○国務大臣(浜田靖一君) 矢倉克夫議員にお答えいたします。 防衛予算増による国内防衛産業育成が経済や財政に与える影響についてお尋ねがありました。 昨年末決定した防衛力整備計画の防衛力整備の水準は、四十三兆円のうち約八割程度が国内向け支出です。防衛産業は、プライム企業のみならず、多数の中小企業の下請企業から成るサプライチェーンを構成をしております。関連する産業も含めて波及効果や雇用創出の効果があると予想されます。 また、例えば、F2戦闘機の開発において向上したレーダー技術が高速道路のETCなどに応用される事例のような他分野への波及効果も期待できると考えているところであります。(拍手) 〔国務大臣西村康稔君登壇、拍手〕
○国務大臣(西村康稔君) 矢倉議員からの御質問にお答えいたします。 次期戦闘機開発の航空機産業育成の観点からの重要性についてお尋ねがありました。 まず第一に、御指摘のように、航空機産業は高い技術力と広い裾野を有する重要な産業であり、我が国としては、これまでも、哨戒機P1、輸送機C2などの防衛用途の航空機開発や、民間機では三菱スペースジェットの開発などを通じて、完成機開発の経験を蓄積するとともに、経済安全保障の観点からの技術開発やサプライチェーン強化など、その基盤強化に向けた取組も進めることとしております。 その上で、現下の航空機産業は、グリーン化、いわゆるGXや、デジタル化、いわゆるDXなど、大きな変革期を迎える中、我が国の技術力を生かす可能性が広がってきております。また、経済安全保障の観点でも重要性が高まっている中、将来に向けて航空機産業を育成強化していくことは極めて重要であると認識しております。 こうした中で、次期戦闘機開発は、民生、防衛の双方を担う航空機産業の基盤の強化につながる極めて重要なプロジェクトであると考えております。 経済産業省としては、これまで蓄積した航空機開発の経験を次期戦闘機開発にも十分に生かしていくとともに、これが国内航空機産業の更なる発展にもしっかりとつながっていくよう、防衛省など関係省庁とも連携し、取組を進めてまいります。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 梅村聡君。 〔梅村聡君登壇、拍手〕
○梅村聡君 日本維新の会の梅村聡です。 私は、会派を代表しまして、ただいま議題となりました法律案について質問をいたします。 G7広島サミットの中でも大きな論点となった日米同盟について、バイデン大統領は、日米両国は基本的価値を共有しており、日米同盟はかつてなく強固だと述べ、総理はそれに対し、日米は共通の価値観の下で行動していることを誇りに思うと再度確認をされました。また、ロシアのウクライナ侵略をめぐっては、対ロシアの制裁とウクライナ支援の継続をG7サミット参加国各国と確認をされ、グローバルサウスとの連携を積極的に行っていく外交方針もよく理解ができました。 一方、中国はG7に対抗する形で十九日に中央アジア各国首脳と共同会見を開き、連携を誇示するなど、今の日本は複雑な軍事バランスの中での判断が必要な状況であります。 改めての確認になりますが、今回示されたG7サミットでの協調路線を踏まえた上で、既存の防衛計画、予算について内容の変更や更新はありますでしょうか。総理に答弁を求めます。 今回、被爆地広島で開催されたG7サミットの共同声明において、核兵器のない世界に向けて核軍縮・不拡散の努力を強化することが確認をされました。また、岸田総理の働きかけによって、G7首脳が平和記念公園内の原爆資料館を視察し、犠牲者を悼んだことも非常に意義がありました。核兵器の根絶は人類共通の目標でありますが、同時に、核の惨禍を避ける上で核抑止体制の整備が必要だという現実もあります。 G7サミット及び十八日の日米首脳会談では、核抑止については具体的にどのような議論がなされたのか、また、総理はその必要性をどのように認識しておられるのか、総理にお聞きをします。 今月発表された共同通信社の安全保障に関する世論調査によりますと、中国が台湾に軍事行動を起こし有事となる可能性を懸念すると答えた人の割合が八九%にも上ったにもかかわらず、国民の八〇%が防衛力強化のための増税方針に反対をしています。また、防衛力をめぐる首相の説明が十分ではないとの回答は八八%に達しています。この結果から、総理はもっと丁寧な説明をする必要があるのではないかと考えますが、総理の答弁を求めます。 昨年十二月十六日に閣議決定をされた防衛力整備計画においては、令和五年度から令和九年度までの五年間における同計画の実施に必要な防衛力整備の水準に係る金額を約四十三兆円としています。そして、本法案はその財源確保のために必要な法案と政府は説明をしていますが、もし令和九年度までの五年間の間に不測の事態が発生し、この約四十三兆円を捻出できない状況になった場合は、どのように対応されるおつもりなのか。財務大臣の答弁を求めます。 次に、財源確保策のうちの歳出改革についてお伺いします。 これまでの予算編成では、社会保障費以外の経費については年三百三十億円増に抑える基準を設けていました。これが、令和五年度予算では年千五百億円増に抑えるという基準に変更となりました。そして、この社会保障費以外の経費の伸びである千五百億円を全て防衛費に回し、残り六百億円程度の歳出削減を行って、その合計金額二千百億円が歳出改革による防衛費の安定財源とされています。 三百三十億円増が千五百億円増に変更になった理由について、財務省は、平成二十五年度から令和三年度における消費者物価上昇率は平均プラス〇・三八%、令和五年の消費者物価上昇率の政府経済見通しはプラス一・七%、消費者物価上昇率が四・五倍になったので、三百三十億円の伸びが四・五倍の千五百億円程度の伸びになると説明しています。 それでは、逆にお聞きしますが、これから先に消費者物価上昇率が下方修正された場合、社会保障費以外の経費増も小さくなり、結果として六百億円の歳出削減だけでは毎年二千百億円の歳出改革による財源確保はできなくなるのではないでしょうか。財務大臣の答弁を求めます。 加えて、総理は、二十二日に開催されたこども未来戦略会議において、少子化対策の財源について、何よりも徹底した歳出改革による財源確保を図ると強調した旨が報道されていますが、防衛費増で歳出改革を徹底して行うのではないのでしょうか。総理の認識をお伺いいたします。 岸田総理はこれまで、令和九年度以降、防衛力を安定的に維持するためには毎年度約四兆円の追加財源が必要となり、その約四分の三については、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設など、様々な工夫を行うことにより賄う、残り約四分の一の一兆円強については税制措置で国民に御協力をお願いする旨の発言をされています。そして、この税制措置の部分が、法人税、所得税、たばこ税の増税であると政府の令和五年度税制改正大綱に記載され、いわゆる防衛増税と呼ばれています。しかし、本来目指すべきは、増税ではなく税収増ではないでしょうか。 令和九年度末までまだ約五年間あります。思い切った減税と適切な規制改革を組み合わせることで、経済成長を促して税収増を達成し、その税収増分を防衛費に充てるという方策も十分考え得る税制措置だと思うのですが、こうした考えについて岸田総理の御所見をお願いいたします。 現在の日本では急速に若年人口が減少しており、今後ますます自衛隊員の確保が難しくなることが予想されます。よって、防衛力強化のためには、自衛隊における省力化、省人化が不可欠になるかと思います。そのための無人兵器、いわゆるロボット兵器の開発、導入の必要性をどう考えておられるのか、総理の見解をお伺いします。 そして、このロボット兵器は、人工知能、AIとの融合により、自動型兵器から自律型兵器へと進化する可能性を秘めています。今後、AIを始めとする科学技術の発展により、近い将来、人間の意思が介入することなく、標的を自ら選択し攻撃できる完全自律型兵器、いわゆる殺人ロボットが開発される可能性も指摘されています。このような殺人ロボットは、現在、自律型致死兵器システム、LAWSと呼ばれており、国際的な取組として、特定通常兵器使用禁止制限条約の枠組みの下、LAWSに関する政府専門家会合で議論をされています。 このLAWSに対する日本の立場や規制の在り方について、総理のお考えをお聞かせください。 日本維新の会は、日本の防衛能力の積極的な強化、そしてそのための防衛費増額については大いに賛同いたします。しかし、その財源確保については、安易に増税に頼るのではなく、徹底した行財政改革が必要です。その際、国会議員が率先して身を切る改革を行うことが重要で、国会議員の定数削減、国会議員の歳費二割削減の復活、旧文書通信交通滞在費の使途公開や残金返金は直ちに実現するべきです。しかし、政府は、国会のことは各党各会派において議論すべき事柄であるという紋切り型の答弁を繰り返すばかりです。 防衛財源の確保策の一つである歳出改革の対象に、我々が主張する身を切る改革は含まれるのでしょうか。財務大臣の明確な答弁を求めます。 日本維新の会は、最初から増税ありきの方針には反対です。真に国民感覚に寄り添った政策の遂行を政府には強く求めて、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 梅村聡議員からの御質問にお答えいたします。 G7広島サミットを踏まえた防衛力整備の計画についてお尋ねがありました。 国民の命や暮らしを守り抜く上で、まず優先されるべきは外交努力です。G7広島サミットでは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り抜くとのG7の強い意志を示すことができました。 同時に、外交には裏付けとなる防衛力が必要です。今般の防衛力の抜本的強化については、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行い、必要な防衛力の内容を積み上げました。この取組を着実に実施し、抑止力、対処力を向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させていく考えであり、防衛力整備計画を含め、こうした方針には変わりはありません。 先般のG7広島サミット及び日米首脳会談における核抑止に関する議論についてお尋ねがありました。 今次サミットでは、G7や招待国等の首脳とともに、被爆の実相に触れ、これを粛然と胸に刻む時を共有いたしました。 今般発出したG7首脳広島ビジョンでは、核兵器のない世界へのコミットメント、これを再確認するとともに、厳しい安全保障環境を踏まえ、核兵器が存在する限りにおいて、その果たすべき安全保障上の役割についてのG7の認識、これを示しました。 今回の日米首脳会談では、バイデン大統領から、核を含む米国の能力によって裏付けられた、日米安保条約下での日本防衛に対する米国のコミットメントが改めて表明され、私とバイデン大統領は、そうした文脈で、あらゆる段階において二国間の十分な調整を確保する意思や、拡大抑止に関する議論の一層の強化の重要性、これを改めて確認をいたしました。 今次日米首脳会談でも改めて確認したとおり、米国の拡大抑止は現状の我が国の安全保障にとり不可欠です。国民の生命と財産を守り抜くため、こうした現実を直視し、国の安全保障を確保しつつ、同時に、現実を核兵器のない世界という理想に近づけていくべく取り組むこと、これは決して矛盾するものではありません。 核抑止の維持強化を含め、現実の安全保障の脅威に適切に対処しながら、核兵器のない世界に向けて現実的かつ実践的な取組を進めてまいります。 防衛力強化をめぐる様々な意見に対する受け止めについてお尋ねがありました。 戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、防衛力を抜本的に強化する決断をいたしました。この強化される防衛力は、将来にわたって維持強化していかなければならず、これを安定的に支えるため、令和九年度以降、裏付けとなる毎年度約四兆円のしっかりとした財源が不可欠です。 防衛力強化のための財源確保については、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、行財政改革を徹底して行うこととし、それでも足りない分について、将来世代に先送りすることなく、今を生きる我々の責任として対応すべきものと考えており、国民の皆様に税制措置での御協力をお願いしたいと考えております。また、その際にも、現下の家計の所得や九四%の法人にとって負担増とならないよう十分な配慮をすることとしております。 御指摘の世論調査を含め様々な意見があることは承知しておりますが、こうした政府の方針について国民の皆様に御理解いただけるよう、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。 歳出改革についてお尋ねがありました。 防衛力強化のための財源確保に当たっては、決して増税ありきではなく、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、徹底した行財政改革の努力が不可欠です。 その中で、議員御指摘の歳出改革については、防衛関係費が非社会保障関係費であることを踏まえ、社会保障関係費以外の経費を対象とし、骨太方針に基づき、これまでの歳出改革の取組を継続する中で財源を確保することとしております。 その上で、少子化対策の財源確保に当たっては、全世代型社会保障を構築する観点から、歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用を行うこととしており、こうした歳出改革の徹底等により国民の実質的な負担を最大限抑制してまいります。 いずれにせよ、六月の骨太方針に向けて、こども未来戦略会議において議論を進め、将来的な子供予算倍増に向けた大枠をお示しいたします。 防衛力強化に必要な財源確保のための税制措置についてお尋ねがありました。 防衛力強化に必要な財源確保のための税制措置については、令和九年度に向けて複数年掛けて段階的に実施をし、令和九年度において法人税、所得税及びたばこ税により一兆円強を確保することとしております。 御指摘の経済成長と税収増に関しては、常々、経済あっての財政と申し上げているとおり、まずは経済を立て直すことが重要であり、その結果として、経済成長などにより見込み以上の税収が伸び、決算剰余金に反映されれば、防衛力強化の財源として活用されることになるものと考えております。 こうした観点も踏まえ、政府として、新しい資本主義の下、官民連携で成長分野への投資や人への投資を推進することで、成長と分配の好循環を拡大し、力強い成長の実現に向けて取り組んでまいります。 無人アセット防衛能力の強化についてお尋ねがありました。 無人アセットには、安価な費用、人的損耗の局限、長期連続運用といった利点があると考えております。今後、情報収集、警戒監視や戦闘支援等の幅広い任務に活用するとともに、自衛隊の装備体系や組織により効果的、組織をより効果的、効率的なものに見直してまいります。 防衛力整備計画の下で、各種無人機や無人車両、無人潜水艦等の研究開発を進め、積極的に導入をしてまいります。 自律型致死兵器システム、LAWSに関する日本の立場や規制の在り方についてお尋ねがありました。 LAWSについては、現在、特定通常兵器使用禁止制限条約、CCWの枠組みの下で、その定義、特徴、そして国際人道法上の課題、規制の在り方等について議論が行われています。そうした主要論点につき各国間でいまだ立場に隔たりがあることから、主要国が参加する形で粘り強く議論を継続することが重要です。 我が国としては、引き続き、人道と安全保障の視点を勘案したバランスの取れた議論を通じ、広く国際社会において共通の認識が得られるよう、LAWSに関する国際的なルール作りに積極的かつ建設的に参加していく考えです。 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手) 〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 梅村聡議員の御質問にお答え申し上げます。 まず、必要な防衛力整備のための財源を捻出できない場合の対応についてお尋ねがございました。 新たな防衛力整備計画では、防衛力整備の水準として四十三兆円程度と定めるとともに、令和五年度から令和九年度までの五年間の防衛関係費の増額分の財源確保の方針を示しており、具体的には、歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保、税制措置によってその財源を確保していくこととしております。 政府といたしましては、これらの様々な取組により、しっかりと財源を確保できると考えており、不測の事態の発生により財源を捻出できない事態については想定しておりませんが、万が一計画をそのまま実施できないような大規模災害といった事態が生じた場合には、必要な対応を検討することになると考えております。 次に、歳出改革による防衛財源の確保についてお尋ねがありました。 令和五年度予算においては、経済・物価動向等を踏まえ、骨太方針に基づき、従来の歳出改革の取組を継続することにより、非社会保障関係費の増加額を全体で一千五百億円程度に抑える中で、六百億円程度の歳出を削減、減少させることで、防衛関係費の増額のうち二千百億円程度に対応する財源を確保しております。これは、物価上昇により予算の単価の上昇が見込まれる中においても非社会保障関係費の見直しを通じて徹底した歳出改革を行った結果であり、物価上昇を見込むことで歳出改革を緩めたものとは考えておりません。 来年度以降の物価の動向について予断を持つことはできませんが、今後とも、行政事業レビュー等の活用によって、より一層の予算の効率化を図るなど歳出改革を継続することで、令和九年度時点において対令和四年度比で一兆円強の財源を確保できるよう、歳出改革の徹底に努めてまいります。 最後に、歳出改革の対象についてお尋ねがありました。 御指摘の議員歳費や調査研究広報滞在費の見直しといったいわゆる身を切る改革については、議員活動の在り方に関わる重要な課題であり、国会において各党各派の間で御議論いただくべき事柄であると考えております。 その上で、仮にこれらの経費を削減することとなった場合、これらの経費は非社会保障関係費に該当することから、その分は防衛財源に充てられる歳出改革の対象に含まれ得ると考えております。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 大塚耕平君。 〔大塚耕平君登壇、拍手〕
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。 会派を代表して、ただいま議題となりました我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案について、総理並びに財務大臣に質問します。 今回の法案の検討は、昨年八月十日の記者会見において総理が防衛力を五年以内に抜本的に強化すると述べたことから始まりました。抜本的に強化するとは具体的にどのような装備品、どのような内容を指しているのか、伺います。 その内容は、その時点においては整備されていなかったわけですから、どのような理由でそのような状態が放置されており、そのことが日本にとってどのような問題と危険をもたらしているのか、総理に伺います。 記者会見では、新たな防衛三文書の策定と予算について議論を進めるとも発言され、十一月二十二日、有識者会議が報告書を取りまとめました。 同報告書は、防衛力強化のための財源について、将来にわたって継続して安定して取り組む必要がある、安定した財源の確保が基本である、今を生きる世代全体で分かち合っていくべきである、非社会保障関係費を対象とした歳出改革による財源の捻出を優先的に検討し、独立行政法人の積立金の早期返納などの工夫も必要とした上で、足らざる部分は国民全体の負担を視野に入れなければならない、国債発行を前提としてはならない、負担が偏り過ぎないよう幅広い税目になる負担が必要なことを明確にし、理解を得る努力を行うべきなどと記し、まるで財務大臣答弁のような内容でした。 有識者会議が財源論にまで踏み込んだことには違和感を覚えます。財源の議論を行うことは立法府の権能です。代表なくして課税なしとの米国独立戦争時のスローガンが象徴するように、財源論は当初から立法府で議論すべきであったと考えます。 有識者会議はあくまで防衛力の在り方を問われたものであり、財源論ではないと受け止めていました。野党に対してのみならず、与党に対しても結論ありきの展開であった印象を拭えません。財源論についての広範な国民的合意、与野党間合意があってこそ一致結束して防衛力強化に臨めるものであります。 そこで、総理に伺います。今回の進め方が適切であったか否か、報告書公表以降の与党内の意見のうち政府案に反映されたことは何か、有識者会議を設置するに当たり総理としてどのような指示を出したのか、以上三点について伺います。 次に、法案の具体的内容について伺います。 第一条三項において、在日米軍の駐留に関する経費を対象にしています。日米安保条約の下、在日米軍に必要かつ合理的な資金協力を行うことを否定するものではありませんが、FMS問題を含め、長年にわたり米国に過度に依存してきたことが今日の日本の安全保障上の問題を深刻化させています。 本法案は我が国の防衛力の抜本的な強化を定めるものであり、我が国の技術力、産業力、ひいては自衛力を高めるためには、在日米軍対応は切り離して考えるべきではなかったか、総理の認識を伺います。 第二条及び第三条は、特別会計資金を一般会計に繰り入れることができるとしています。一方、第四条及び第五条では、独法積立金の一部を国庫納付しなければならないとの義務規定にしています。特別会計資金と独法積立金の扱いに違いを設けた理由について、財務大臣に伺います。 独法等の余剰資金を吸い上げる財務省の意図が感じられますが、なぜ当該二独法だけ先行させ、他の独法や基金は対象にしなかったのか、その理由を財務大臣に伺います。 第十条では、防衛力強化資金に属する現金を財政融資資金に預託することができるとしています。これでは特別会計や独法積立金から集めた資金を他分野の投融資に流用できることになりますが、そういう認識でいいのか、財務大臣に伺います。 また、あえて防衛力強化資金に属する現金としていますが、現金以外に防衛力強化資金に属するものは何か、財務大臣に伺います。 附則第三条では財務省設置法改正を定め、財務省に防衛力強化資金を管理する権能を与えています。附則第三条と本則第十条を絡めると、財務省が防衛力強化資金を自由に流用できることになりますが、このような仕組みにした理由を財務大臣に伺います。 第十二条で、防衛力強化資金の受け払いを歳入歳出外と定めています。歳入歳出外にするということは、管理事務を所管する財務省がいつでも容易に使用できることを意味しますが、このような仕組みにした理由を財務大臣に伺います。 第十四条二項において、防衛力整備計画対象経費や防衛力強化資金に繰り入れることを義務付けている国有財産の処分による収入その他の租税収入以外の収入であって国会の議決を経た範囲に属するものとは何でしょうか、財務大臣に伺います。 防衛力強化資金に組み入れる決算剰余金は前年度予算で不用とされたもの等から構成されます。予備費を含む予算を意図的に過大に編成して決算剰余金を膨らませることが可能です。こうした指摘に対して、どのような運営をすることで懸念を払拭するおつもりか、総理の方針を伺います。 総理は、令和九年度以降、防衛力を安定的に維持するために必要な追加財源は毎年度約四兆円と述べています。これは、令和八年度予算対比の話でしょうか、あるいは毎年四兆円増額するということでしょうか。防衛力を安定的に維持するために必要の意味とともに、追加財源毎年度約四兆円の定義について、総理に伺います。 総理は防衛力整備計画の規模を四十三兆円程度と述べていますが、同計画には、各年度における後年度負担についても適切に管理することと記されています。四十三兆円程度は後年度負担額も含む額なのか否か、仮に含まないとすれば、五年間に契約される後年度負担額を幾らと想定しているのか、総理に伺います。 防衛力強化は必要なものの、増税でその財源を確保することは現下の景気及び財政金融状況を鑑みると適切ではありません。現下における可能な工夫として、国民民主党は日銀保有国債の一部永久国債化というオペレーションを提案しています。 日銀が五百兆円以上の国債をバランスシートに抱え込んでいる異常な状況が目の前にあります。植田総裁の五年間で正常化することは無理です。期せずして植田総裁の任期五年間は防衛力の抜本的強化を目指す五年間と一致します。 国債市場は流通量不足に直面しています。日銀が保有する五百兆円の国債を日銀に償還するために国民に増税するという構図は正常とは言えません。日銀保有国債を一部永久国債化すれば、政府の元本返済負担は軽減され、国債発行余力は増します。それを市場で発行することで、財源調達及び流通量不足を補えます。 推奨しているわけではありません。ほかに合理的かつ相対的に有意な手段がないからこそ提案しています。調達した財源を元に、人材育成及び技術力、産業力、防衛力を整備することに本気になってきたことが内外に認識できる国の運営、政策実現に努めれば、市場にはマイナスではなくポジティブに受け止められるでしょう。 日本が防衛強化と経済再生に本気だという印象を与えること及びそれを実践すること、それが現下の総理の使命だと考えます。 ただいま申し上げました内容に関する総理の認識と決意とともに、最後に、NATOが日本事務所を設置しようとしている件の事実関係、及び日本はNATOに加盟又は準加盟する計画があるのかを総理にお伺いして、質問といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 大塚耕平議員からの御質問にお答えいたします。 防衛力の抜本的強化についてお尋ねがありました。 今回の防衛力強化の検討に際しては、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、国民の命を守り抜けるのか、極めて現実的なシミュレーションを行いました。率直に申し上げて、現状では十分ではありません。 例えば、近年、我が国周辺では、質、量共にミサイル戦力が著しく増強され、既存のミサイル防衛網だけで完全に対応することは難しくなりつつあるという現実があります。 ミサイル攻撃に対しては、イージス艦やPAC3に加えて、警戒管制レーダーや地対空誘導弾など、迎撃能力の更なる能力向上に努めます。加えて、統合防衛、統合防空ミサイル防衛能力の下、ミサイル防衛システムと反撃能力を組み合わせて、ミサイル攻撃そのものを抑止していきます。 また、現状では十分ではなかったミサイルや弾薬についても、必要な装備、数量を積み上げ、継戦能力を高めていきます。 これらの取組により、抑止力、対処力を向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させていく考えであります。 国力として防衛力を総合的に考える有識者会議についてお尋ねがありました。 防衛力の抜本的強化に当たっては、その内容、予算、財源を一体的に国民にお示しするとの方針を昨年の通常国会から一貫して申し上げてきました。また、防衛力の強化は一過性のものではなく、一定の水準を維持、そして継続する必要があり、そのためには経済力の強化も不可欠です。 有識者会議の設置に際しては、こうした観点から、総合的な防衛体制を強化するに当たって、それを支える経済財政の在り方、基本的な考え方についても御議論いただくよう有識者の皆様にお願いをし、御意見をいただいたところです。 その上で、有識者会議のみならず、与党ワーキングチームや与党税制調査会などで活発な議論を積み重ね、政権与党としての方針を三文書や税制改正大綱の閣議決定の形でお示しをし、国会でも御議論をいただいているものであり、進め方は適切であったと考えております。 財源確保法案の第一条第三項の規定についてお尋ねがありました。 財源確保法案の第一条第三項は、本法案における財源確保の対象として、防衛力整備計画の対象となる経費の範囲を規定したものです。 お尋ねの在日米軍の駐留に関する経費については、防衛力整備計画の対象に含まれていますが、これは、日米同盟による抑止力、対処力の強化が我が国の防衛そのものに資する極めて重要かつ不可欠な取組であるからです。 その上で、防衛力整備計画においては、我が国の防衛生産・技術基盤を言わば防衛力そのものと位置付けた上で、FMSへの国内企業の参画促進を含め、これを維持強化することとしており、政府として、こうした取組もしっかりと進めてまいります。 決算剰余金についてお尋ねがありました。 今般の防衛力強化のための財源確保に当たっては、国民の皆様の御負担をできるだけ抑えるべく、決算剰余金について、過去の実績を踏まえた上でその活用に取り組むこととしております。その際、予備費を含めた歳出に不用が生じることが見込まれる場合には、税収等の動向も見極めながら、特例公債法の規定に基づき、特例公債の発行額の抑制に努めることとしております。 したがって、予備費の不用額と決算剰余金の金額が対応するわけではなく、議員御指摘のように、予備費を含む予算を過大に編成し、決算剰余金を意図的に膨らませることで防衛力強化の財源として考えているわけではありません。 今後とも、こうした方針に基づいて適切に対応してまいります。 防衛力を安定的に維持するために必要な追加財源についてお尋ねがありました。 防衛力を安定的に維持するために必要とは、五年後の令和九年度までに防衛力を緊急的に強化し、それ以降もその水準を確保し続けることを意味しており、令和四年度当初予算五・二兆円を基準として、令和九年度以降、毎年度約四兆円の追加的な財源が必要と考えております。 また、新たな防衛力整備計画で定めた五年間の防衛力整備の水準四十三兆円程度には、各年度の後年度負担額のうち令和九年度までに支払を予定している金額を含んでいます。他方、五年間の契約額は四十三・五兆円程度を計画しており、そのうち期間外の令和十年度以降に支払を予定している金額は十六・五兆円となります。 日銀保有国債の永久国債化についてお尋ねがありました。 財源確保のために日銀保有国債の一部を永久国債化することは、財政の信認確保の観点から慎重に検討する必要があると認識をしております。 今般の防衛力強化のための財源確保に当たっては、徹底した行財政改革の努力を大前提とし、現下の家計の所得や九四%の法人にとって負担増とならないようにしております。 また、私は一貫して経済あっての財政との立場であり、防衛力強化と併せて新しい資本主義を前に進め、構造的な賃上げの実現を始めとする経済再生にしっかりと取り組んでまいります。 NATOによる日本事務所の設置について、また、日本のNATO加盟についてお尋ねがありました。 NATOによる日本への事務所の設置については、NATOにおいて種々の検討が行われているものの、現時点で設置が決まったとは承知しておりません。また、日本がNATOに加盟や準加盟する計画はありません。 政府としては、国際秩序が深刻な挑戦を受けている今、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持強化するため、NATO及びその加盟国、パートナー国を始めとする同志国と引き続き協力をしていく考えです。 残余の質問については、関係大臣から答弁をさせます。(拍手) 〔国務大臣鈴木俊一君登壇、拍手〕
○国務大臣(鈴木俊一君) 大塚耕平議員の御質問にお答えいたします。 まず、特別会計から一般会計への繰入れ及び独立行政法人の国庫納付金の納付に関する規定についてお尋ねがありました。 特別会計からの繰入額については、特別会計の歳出予算としても計上されていることから、予算の金額の範囲内に限り支出権限が付与されているという歳出予算の性格等も、性質等も踏まえ、繰り入れることができると規定しているところです。 他方、国立病院機構等からの国庫納付額に係る規定は、各独立行政法人の個別法における通常の国庫納付に係る規定も義務規定となっていることも踏まえ、納付しなければならないと規定しているところです。 次に、国庫納付を求める独立行政法人の選定理由についてお尋ねがありました。 今般の防衛力強化のための財源確保に当たり、国民の御負担をできるだけ抑えるべく、あらゆる工夫を検討する中で、積立金が百億円以上の独立行政法人のうち、令和六年度以降に中期目標期間等の終了に伴う国庫納付を予定している法人について検証した結果、足下で顕著に積立金が増加しており、かつ、その由来が新型コロナ対策の予算等によるものとしては、国立病院機構と地域医療機能推進機構が該当しました。 このため、本法案においては、この二つの独立行政法人を対象として特例的に前倒しで国庫納付に御協力いただくための規定を設けたものであります。 次に、防衛力強化資金の財政融資資金への預託についてお尋ねがありました。 防衛力強化資金については、本法案第十一条において、防衛力整備計画対象経費の財源に充てる場合に限り使用することができると規定し、防衛力の整備以外に使用されることはありません。 その上で、本法案第十条において、防衛力強化資金に属する現金を財政融資資金に預託できることとしている趣旨は、防衛力強化資金を取り崩して使用するまでの間、財政融資資金への預託を可能とすることにより、その効率的な運用を図ることとしたためであり、防衛力の整備以外の目的に使用することを意図したものではありません。 また、預託をすることができるのは防衛力強化資金ではなく、これに属する現金であることから、防衛力強化資金に属する現金と規定していますが、現金以外に防衛力強化資金に属するものはございません。 次に、防衛力強化資金の管理についてお尋ねがありました。 今回の財源確保法案で創設する防衛力強化資金は、様々な税外収入等を防衛力の整備に安定的、計画的に充てられるよう、年度を超えた歳入の調整を行うものであるため、歳入を総括する財務大臣がこれを管理することとし、この旨第七条及び附則第三条に規定したものであります。 その上で、防衛力強化資金の使用については、本法案第十一条に予算で定めるところにより使用することができると規定し、資金を使用する際には国会で御審議いただくこととなり、したがって、財務省が防衛力強化資金を自由に流用できるとの御指摘は当たりません。 なお、本法案第十条による財政融資資金への預託は、防衛力の整備以外に使用することを意図したものではありません。 次に、防衛力強化資金の受け払いを歳入歳出外とした理由についてお尋ねがありました。 本法案第十二条において、防衛力強化資金の受け払いは歳入歳出外とする旨規定しておりますが、この資金の受け払いについては、いずれも防衛力強化のための財源に直接充当されるものではなく、財政法が定義する収入、支出には該当しないと考えられるため、共に歳入歳出外として経理することとしたところです。 その上で、防衛力強化資金の使用については、本法案第十一条において、予算で定めるところにより使用することができると規定されており、この資金を使用する際には国会で御審議いただくこととなります。したがって、財務省がいつでも容易に使用できるとの御指摘は当たりません。 最後に、税外収入の範囲についてお尋ねがありました。 本法律案の第十四条第二項は、本法案に基づく特別な法律上の手当てによらずに確保する税外収入のうち防衛力強化のための財源として充てるものについて、予算総則により国会の議決をいただくことにより、その範囲を明確化するための規定であります。 令和五年度予算においては、第十四条第二項に規定する収入として外為特会からの令和四年度における剰余金見込額の繰入金一・九兆円など合計三・一兆円を計上し、予算総則に規定しております。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 小池晃君。 〔小池晃君登壇、拍手〕
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 会派を代表して、軍拡財源法案について岸田首相に質問します。 法案の前に、G7サミットについて聞きます。 開催地が広島となったことから核兵器廃絶に向けた前向きのメッセージが期待されましたが、完全に裏切るものとなりました。広島ビジョンが核兵器による威嚇によって他国を抑えようという核抑止力論を公然と正当化する一方、核兵器禁止条約を無視したことに失望と批判が広がっています。 被爆者のサーロー節子さんは、自国の核兵器は肯定し、対立する国の核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない、広島で開いた意味がないと語りました。総理はこの声にどう応えますか。 政府は、核抑止力論ときっぱり決別し、核兵器禁止条約に参加すべきです。強く求めて、法案の質問に入ります。 本法案は、岸田政権が昨年閣議決定した安保三文書に基づいて、今後五年間で四十三兆円の軍拡財源を確保するための防衛力強化資金を創設するものです。 国家安全保障戦略では、平和国家として専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にはならないとしながら、敵基地攻撃能力の保有に踏み切り、軍事費を対国内総生産、GDP比で二%に倍増させる大軍拡を進めようとしています。 しかし、外務省のホームページに今も掲載されているファクトシート、平和国家としての六十年の歩みには、専守防衛の具体的内容として、防衛費の対GDP比は一%程度が挙げられています。政府の見解に照らしても、軍事費の二倍化は専守防衛に反するのではありませんか。四月に公表されたストックホルム国際平和研究所の年次報告書では、二〇二二年の日本の軍事費は世界第十位です。これが二倍になれば、四位のインド、三位のロシアを上回り、世界第三位となります。 総理は、他国に脅威を与えるような軍事大国にならないと言いますが、世界第三位の軍事支出をするような国が、どうして他国に脅威を与えるような軍事大国ではないと言えるのですか。国家防衛戦略は、力による一方的な現状変更やその試みを抑止するとの意思と能力を示し続け、相手の行動に影響を与えるとしていますが、この能力とは、まさに、他国に脅威を与えるような軍事力ではありませんか。それは、武力による威嚇を禁じた憲法九条に真っ向から反するものではありませんか。答弁を求めます。 そもそも、なぜGDP比二%なのか。ウクライナ危機が始まる前の二〇二〇年九月に、トランプ政権のエスパー国防長官が、日本を含む同盟国に、国防費をGDP比で二%以上にと要求しました。そして、総理は、昨年五月の日米首脳会談で、バイデン大統領に防衛費の相当な増額を表明。直後の予算委員会で、私は対米公約ではないかとただしましたが、総理は、我が国が主体的に考える、内容をしっかり詰めた上で、それに見合う予算を考え、ふさわしい財源を考えると答えました。 しかし、その後、六月の骨太の方針で、中身は示さず、防衛力を五年間で抜本的に強化するとした上で、NATOのGDP二%基準を記載。その後は一瀉千里に大軍拡路線を走っています。内容を詰める前に総額ありき、しかも、それは米国からの要求に応えるものだったことは明らかではありませんか。 政府は、敵基地攻撃を集団的自衛権の行使としても可能だとしています。しかし、日本が攻撃を受けていないにもかかわらず相手国の領土を攻撃することなど、憲法九条の下で到底許されるはずがありません。 しかも、それは、米軍と自衛隊が融合、一体化して行使されることになります。米軍は、統合防空ミサイル防衛、IAMDで敵国への先制攻撃の方針を示し、同盟国とのシームレスな融合の必要を強調しています。自衛隊が米軍と一体に敵基地攻撃に乗り出せば、報復攻撃によって我が国の国土は焦土となりかねません。その危険性を認めますか。 アメリカの要求に応え、その戦略に付き従い、日本に戦火を呼び込む大軍拡計画の撤回を強く求めるものであります。 今回の法案では、軍拡財源への不当な流用も大きな問題です。 国立病院機構の積立金四百二十二億円、地域医療機能推進機構の積立金三百二十四億円などを国庫に返納させ、防衛力強化資金に繰り入れようとしています。しかし、地域医療機能推進機構は、旧社会保険病院が年金資金で設立された経緯から、積立金の残額は年金会計に返納することが法定されています。 政府は、新型コロナ対応の補助金を原資としているから一般会計に返納すると言いますが、新型コロナ補助金は、感染が拡大する中で、国や自治体の要請に応えて、一般医療を縮小し、コロナ病床を確保してきたことに対するものであり、全ての医療機関に共通した正当な補助金です。なぜ国庫に返納を迫ることができるのか、根拠が一体どこにあるのですか。 法律上国庫に繰り入れることができない資金まで軍拡財源として繰り入れることを横行させるのは、まともな法治国家のやることではありません。今後も感染症の拡大が予想される下で、公的病院の積立金は、職員の処遇改善と医療体制の強化に充てられるべきです。明確な答弁を求めます。 東日本大震災の復興特別所得税を軍事費に転用しようとしていることも重大です。 共同通信の世論調査では、復興財源の転用に七三%の国民が反対と答えています。被災者の生活再建は厳しさを増し、復興も道半ばです。それなのに、全く目的の異なる軍事費に転用するのはだまし討ちではないか、被災地と被災者を愚弄し、復興の願いに反するのではないかという被災地の怒りの声にどう応えますか。 被災地を置き去りにした復興税の軍事費転用も撤回を強く求めます。 会計年度ごとに予算を作成して国会で審議する単年度主義、財政民主主義の破壊も大問題です。 本法案では、様々なお金をかき集め、防衛力強化資金に注ぎ込み、防衛省が複数の年度にわたって自由に使えるようにしています。こうしたやり方は、憲法八十六条と財政法十一条に規定する予算の単年度主義を破壊するものではありませんか。 戦前の教訓からも、とりわけ軍事費は厳格な民主的コントロールの下に置かれなければなりません。まるで防衛省の財布のように自由に使える特別のプールをつくるのは、財政民主主義の破壊ではありませんか。 そもそも、政府の財源案なるものは穴だらけの代物です。 社会保障費以外を対象に、歳出改革で三兆円生み出すと言いますが、来年度以降の見通しは立たず、このままでは、教育、中小企業や農業予算などが削られた上、結局は社会保障予算の更なる削減につながるのではありませんか。 総理は、軍拡のための国債発行は、未来の世代に対する責任として取り得ないと言いながら、決算剰余金を軍事費に充てようとしています。しかし、その元となってきた巨額の予備費の原資は赤字国債です。結局、未来の世代に莫大な増税を押し付けることになるのではありませんか。 先ほどの世論調査では、八割の方が防衛増税を支持しないとしています。増税を止める唯一の道は、大軍拡そのものを中止することであります。 専守防衛を投げ捨て、憲法の平和主義を踏みにじり、国民の暮らしも財政も経済も破壊し、大増税に道を開く軍拡財源法案は、参議院での徹底審議の上、廃案とすることを強く求めて、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣岸田文雄君登壇、拍手〕
○内閣総理大臣(岸田文雄君) 小池晃議員の御質問にお答えいたします。 核兵器のない世界の実現に向けた取組についてお尋ねがありました。 今次サミットでは、核軍縮に関する初めてのG7首脳独立文書となるG7首脳広島ビジョンの発出により、核兵器のない世界に向けた国際社会の機運、いま一度高めることができたと考えています。 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しくなっています。国民の生命、財産を守り抜くため、現実を直視し、国の安全保障を確保しつつ、同時に、現実を核兵器のない世界という理想に近づけていくべく取り組む必要があります。これらの二つの取組を同時に進めることは決して矛盾するものではありません。 御指摘の核兵器禁止条約は、核兵器のない世界への出口とも言える重要な条約ですが、同条約には核兵器国は一か国も参加しておりません。 G7首脳広島ビジョンについては様々な受け止めや御意見があることは承知しておりますが、G7首脳広島ビジョンを強固なステップ台として、核兵器国の関与を得るべく努力を継続しつつ、ヒロシマ・アクション・プランの内容、これを実行することを通じて、現実的で実践的な取組を継続、強化してまいります。 専守防衛と防衛費増額の関係についてお尋ねがありました。 まず、防衛費の規模については、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対峙していく中で、極めて現実的なシミュレーションを行い、必要となる防衛力の内容を積み上げ、導き出したものです。 これは、憲法、国際法、国内法の範囲内で、専守防衛の考え方を堅持した上で、あくまで国民の命と平和な暮らしを守るために必要となるものであり、専守防衛に反する、他国に脅威を与える、武力による威嚇を禁じた憲法九条に反するといった御指摘は当たりません。 また、防衛力の抜本的強化に当たっては、その内容の積み上げと併せて、これらを補完する取組として、研究開発、公共インフラ整備を始めとする総合的な防衛体制を強化するための経費等を積み上げました。この積み上げの結果として、二〇二七年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取組を合わせて、そのための予算水準が現在のGDPの二%に達するよう、所要の措置を講ずることといたしました。 今般の決定は、我が国自身の判断として行ったものであり、総額ありき、米国からの要請に応えるものとの指摘は当たりません。 反撃能力についてお尋ねがありました。 存立危機事態は、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生したからといって無条件でこれ認定されるものではなく、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に認定され、自衛の措置として武力を行使することが許容されます。 その上で、事態認定後の反撃能力の運用については、実際に発生した状況に即して、弾道ミサイル等による攻撃を防ぐために他に手段がなく、やむを得ない必要最小限度の措置としていかなる措置をとるかという観点から、個別具体的に判断されるものです。 このため、憲法の範囲内で、あくまで国民の命と暮らしを守り抜くために運用されるものであるということは言うまでもありません。また、自衛隊及び米軍は各々独立した指揮系統に従って行動することも言うまでもなく、米軍と自衛隊が融合、一体化して行使されるとの指摘、これも当たりません。 いずれにせよ、反撃能力の保有により、日米同盟の抑止力、対処力を一層向上させ、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができると考えております。 地域医療機能推進機構の積立金等についてお尋ねがありました。 国立病院機構と地域医療機能推進機構の積立金については、病院等の譲渡収益や運営に必要としない積立金を、中期計画期間満了後に必要な業務の財源に充てるために繰り越す額を除き国庫に納付することとされていることを踏まえ、納付を求めることとしたものであります。 特に、地域医療機能推進機構の積立金については年金特別会計に納付することとされていますが、今般の特例的な国庫納付については、病院等の譲渡収益ではなく、新型コロナ対応を行う中で一般財源を原資として措置した病床確保料に係る収益のみを対象とするものであることから、本法案により特例的に一般会計に納付することとしております。 国立病院機構と地域医療機能推進機構が引き続き地域医療における役割を適切かつ確実に果たすことができるよう、今後の運営状況を注視するとともに、こうした政府の方針について国民の皆様に御理解いただけるよう、引き続き丁寧な説明を行ってまいります。 復興特別所得税についてお尋ねがありました。 防衛力強化のための税制措置に関し、現下の家計の所得の負担増にならないよう、復興特別所得税の税率を引き下げた上で、その引き下げた範囲内で新たな付加税をお願いすることとしております。 その際、復興財源との関係では、復興債の発行を通じた柔軟な資金調達が可能であるため、毎年度の復興事業の円滑な執行には問題は生じません。加えて、復興特別所得税の課税期間を延長することとし、その延長幅は復興財源の総額を確実に確保するために必要な長さとされているため、復興事業に影響を及ぼすことはないと考えております。 このように、復興特別所得税を防衛目的で転用したとの御指摘は全く当たりません。政府としては、復興事業に影響を及ぼすことがないことを被災者の方々を含め国民の皆様に御理解いただけるよう、引き続き丁寧な説明行ってまいります。 防衛力強化資金と予算の単年度主義、財政民主主義についてお尋ねがありました。 今回創設する防衛力強化資金は、様々な取組により確保した税外収入等について、防衛力の整備に計画的、安定的に充てるための継続的な仕組みです。 その上で、我が国では、予算を毎年度国会で御審議いただくいわゆる単年度主義の原則を取っておりますが、税外収入等を防衛力強化資金へ繰り入れる際と防衛力強化資金に繰り入れられた財源を使用する際には、それぞれ当該年度の一般会計の予算に計上され、国会で御審議いただくこととなるため、予算の単年度主義や財政民主主義の原則との関係で問題は生じないと解されております。 今後とも、防衛力強化資金の活用に当たっては、毎年度の国会での議論を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。 防衛力強化の財源としての歳出改革と決算剰余金についてお尋ねがありました。 歳出改革については、防衛関係費が非社会保障関係費であることを踏まえ、社会保障関係費以外の経費を対象とし、骨太の方針に基づき、これまでの歳出改革の取組を継続する中で財源を確保することとしております。 こうした歳出改革に取り組みつつ、引き続き、現下の政策課題に対応し、国民生活を支えるために必要な予算額をしっかりと措置してまいります。 また、決算剰余金については、過去の実績を踏まえた上でその活用に取り組むこととしております。その際、予備費を含めた歳出に不用が生じることが見込まれる場合には、税収等の動向を見極めながら、特例公債法の規定に基づき、特例公債の発行額の抑制に努めることとしており、予備費の規模やその不使用による歳出不用の増加と決算剰余金の金額が対応するわけではありません。 したがって、特例公債の発行額の抑制に努めないことを前提として考えているわけではなく、未来の世代に莫大な増税を押し付けるとの御指摘は当たらないと考えております。(拍手)
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) 日程第一 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とバーレーン王国との間の協定の締結について承認を求めるの件 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアゼルバイジャン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルジェリア民主人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件 (いずれも衆議院送付) 以上三件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長阿達雅志君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔阿達雅志君登壇、拍手〕
○阿達雅志君 ただいま議題となりました条約三件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、バーレーンとの投資協定は、投資財産設立後の内国民待遇及び最恵国待遇の原則供与を規定するとともに、公正衡平待遇義務、収用等の措置がとられた場合の補償措置、支払等の自由な移転、投資紛争の解決のための手続等を定めるものであります。 次に、アゼルバイジャンとの租税条約は、現行の日ソ租税条約の内容をアゼルバイジャンとの間で全面的に改正し、投資所得に対する源泉地国課税の更なる軽減等について定めるものであります。 最後に、アルジェリアとの租税条約は、二重課税の除去を目的として、投資所得に対する源泉地国課税の減免等について定めるものであります。 委員会におきましては、三件を一括して議題とし、条約三件の締結の意義、バーレーンとのエネルギー協力に投資協定が果たす役割、投資協定におけるISDS条項の取扱い、両租税条約に仲裁規定が盛り込まれなかった理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員より三件に反対する旨の意見が述べられました。 次いで、順次採決の結果、三件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。 まず、投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とバーレーン王国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決をいたします。 本件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、本件は承認することに決しました。(拍手) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアゼルバイジャン共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とアルジェリア民主人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件を一括して採決いたします。 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、両件は承認することに決しました。(拍手) ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) 日程第四 令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第五 令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第六 令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1) 日程第七 令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1) 日程第八 令和三年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2) 日程第九 令和三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2) 日程第一〇 令和三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2) 日程第一一 令和三年度特別会計予算総則第十九条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2) (いずれも第二百八回国会内閣提出、第二百十一回国会衆議院送付) 以上八件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。決算委員会理事和田政宗君。 ───────────── 〔審査報告書は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔和田政宗君登壇、拍手〕
○和田政宗君 ただいま議題となりました令和三年度予備費関係八件につきまして、決算委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 令和三年度予備費関係八件は、憲法及び財政法の規定に基づき、予備費の使用等について国会の事後承諾を求めるため提出されたものであります。 これらの主な費目について申し上げますと、まず、一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費の使用は、ワクチンの確保に必要な経費などであります。 次いで、一般会計予備費の使用は、燃料油価格激変緩和強化対策事業に必要な経費などであります。 次いで、特別会計予備費の使用は、燃料油価格激変緩和対策事業に必要な経費であります。 次いで、特別会計予算総則の規定による経費の増額は、地震再保険金に必要な経費の増額であります。 委員会におきましては、これら八件を一括して議題とし、まず、財務大臣から説明を聴取した後、質疑は決算外二件と一括して行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、立憲民主・社民を代表して野田理事より、一般会計予備費四件については反対し、特別会計予備費関係四件については賛成する旨の意見が述べられました。次いで、日本維新の会を代表して柴田理事より、予備費関係八件に反対する旨の意見が述べられました。次いで、国民民主党・新緑風会を代表して芳賀委員より、予備費関係八件に反対する旨の意見が述べられました。次いで、日本共産党を代表して田村委員より、一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費二件、一般会計予備費(その2)及び特別会計予備費二件については反対し、その他三件については賛成する旨の意見が述べられました。 討論を終局し、採決の結果、令和三年度予備費関係八件はいずれも多数をもって承諾を与えるべきものと議決されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。 まず、日程第四、第八及び第九の予備費使用総調書三件を一括して採決いたします。 三件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、三件は承諾することに決しました。(拍手) 次に、日程第五の予備費使用総調書について採決をいたします。 本件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、本件は承諾することに決しました。(拍手) 次に、日程第六及び第一〇の予備費使用総調書二件を一括して採決いたします。 両件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、両件は承諾することに決しました。(拍手) 次に、日程第七及び第一一の経費増額総調書二件を一括して採決いたします。 両件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、両件は承諾することに決しました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十一分散会