本会議 第19号
- 発言数
- 48 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2023/04/28
会議録
○議長(尾辻秀久君) これより会議を開きます。 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。 議席第二百八十番、選挙区選出議員、大分県選出、白坂亜紀君。 〔白坂亜紀君起立、拍手〕
○議長(尾辻秀久君) 議長は、本院規則第三十条の規定により、白坂亜紀君を財政金融委員に指名いたします。 ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) この際、日程に追加して、 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(尾辻秀久君) 御異議ないと認めます。河野太郎国務大臣。 〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野太郎君) 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 この法律案は、新型コロナウイルス感染症等により、社会における抜本的なデジタル化の必要性が高まっている状況を踏まえ、デジタル社会の基盤であるマイナンバー及びマイナンバーカードの利用の推進に関する各種施策を講じ、もって国民の利便性の向上及び行政運営の効率化を図ることを目的とするものであります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、個人番号等の利用に関する施策について、社会保障制度、税制及び災害対策に関する分野以外の行政事務においても利用の促進を図るとともに、国家資格に関する事務等における個人番号の利用を可能とすることとしております。 第二に、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律について、改正後の別表に掲げる事務に準ずる事務において個人番号を利用することを可能とするとともに、情報提供ネットワークシステムにおいて特定個人情報の照会及び提供を行うことができる者並びに情報の項目について主務省令で定めることとしております。 第三に、個人番号カードの本人の写真について、申請の日において一定年齢未満の場合は表示しないとする措置を講ずることとしております。また、医療保険の被保険者証を廃止することとし、あわせて、所要の場合に、医療機関等を受診する際の資格確認のために必要な書面の交付等を求めることができる等の措置を講ずることとしております。 第四に、在外公館における国外転出者に対する個人番号カードの交付及び電子証明書の発行の申請等並びに地方公共団体が指定した郵便局における個人番号カードの交付の申請の受付等を可能とする措置を講ずることとしております。また、個人番号カード用利用者証明用電子証明書による電子利用者証明が行われない場合の利用者の確認に係る措置を定めることとしています。 第五に、戸籍及び住民票等の記載事項並びに署名用電子証明書の記録事項に氏名の振り仮名を追加し、個人番号カードに氏名の振り仮名を記載することとしております。 第六に、行政機関の長等が預貯金口座情報等を保有している場合に、書留郵便等により預貯金者に対し一定の事項を通知して同意を得たとき又は一定期間を経過するまでの間に回答がなかったときは、内閣総理大臣は当該預貯金口座情報を公的給付支給等口座として個人番号等とともに登録することを可能とすることとしております。 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年三か月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 以上、この法律案の趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。岸真紀子君。 〔岸真紀子君登壇、拍手〕
○岸真紀子君 立憲民主・社民の岸真紀子です。 会派を代表し、ただいま議題となりました行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案について、河野デジタル大臣、加藤厚生労働大臣、齋藤法務大臣、後藤全世代型社会保障改革担当大臣に対し、質問します。 まず、束ね法案の問題について伺います。 本法律案の概要は、国民の利便性の向上及び行政運営の効率化を図るため、マイナンバーの利用範囲の拡大、マイナンバーの利用及び情報連携に係る規定の見直し、マイナンバーカードと健康保険証の一体化、いわゆる健康保険証の廃止、在外公館におけるマイナンバーカードの交付等に係る手続の整備、戸籍等の記載事項への氏名の振り仮名の追加、行政機関の長等からの預貯金口座情報等の提供による登録の特例の創設と、大変幅が広く、かつ、人々の暮らしに関わり、今後の日常生活に影響を及ぼすものであります。 我が会派は束ね法案の問題提起を再三してまいりましたが、本法律案についても複数の法改正を束ねての国会審議とされました。先ほど述べたとおり、内容的にも国民の理解が必要であるにもかかわらず、何の法律が改正されるのか分かりづらく、国民への情報提供という観点からも問題です。 最初に、なぜ束ねたのか、このように複数の法改正を束ねて審議が深まるとお考えなのか、国民への情報提供という観点を踏まえ、河野デジタル大臣にお伺いします。 次に、マイナンバーカードと保険証との一体化によって保険証を廃止する理由について伺います。 マイナンバーカードの申請状況は、本年四月二十三日時点で約九千六百五十万件、人口比で約七六・六%と公表されています。本法律案により健康保険証を廃止し、マイナカードで代替するとなれば、誰しもが早く作らなければならないと切迫感すら覚えると推察します。実際にマイナンバーカードの申請、交付を担う市町村の担当者、さらには国民健康保険の担当者からも、政府が二〇二四年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に切り替えると発表した直後から、住民からの問合せや不安の声が殺到した、国からの情報がない中で大変混乱したなどの声をお聞きしました。また、住民の皆さんからも、保険証廃止によって医療が受けられなくなるのではないかといった不安の声をお聞きしています。 例えば、昨年改正された道路交通法では、希望すればマイナンバーカードを運転免許証代わりとすることができることになりましたが、健康保険証のように廃止とはしていません。なぜ健康保険証は廃止されなければならないのか理解できません。加藤厚生労働大臣に納得できる説明を求めます。 我が国は、全ての国民が公的医療保険に加入することにより、病気や事故に遭ったときの高額な医療費の負担を軽減する医療保険制度を構築しています。日本医師会の公式サイトには、国民皆保険の成立により、新生児や乳児、高齢者の受診が増え、現役世代も安心して働くことができるようになりました、そのおかげで日本は経済成長を成し遂げ、世界有数の経済大国になりましたとの記述があるように、国民皆保険により我が国で暮らす人々の生活基盤が安定していると言っても過言ではありません。 しかし、二〇二二年十月十三日に河野デジタル大臣が記者会見において、二〇二四年秋に健康保険証の廃止を目指す旨の発言を行い、これを受け、本法律案は、マイナンバーカードによりオンライン資格確認を受けることができない状況にある者に対して健康保険証に代わり資格確認書を交付するとしています。保険加入者がマイナンバーカードを取得し、かつ健康保険証として利用しているか、そうでない場合には健康保険、そうでない場合には資格確認書を申請しなければ保険診療を受けられないというのは、国民皆保険制度の趣旨から外れるのではないでしょうか。加藤大臣の見解を伺います。 また、健康保険証の廃止はマイナンバーカードの取得を事実上義務化するものであるとの指摘があります。例えば、介護老人保健施設等からは、マイナンバーカードの管理が困難であるなど、既に混乱の声が上がっています。 加藤大臣は、介護等現場の声を聞いているのか、聞いているならどう対応するのか、事実上の義務化との指摘にどう説明するのか、併せて伺います。 政府は、健康保険証の廃止に当たり、本法律案の成立後は新規の被保険者証は交付しないこととしているため、施行規則を改正し、被保険者証の交付に係る規定の削除等を行うことが想定されます。政府は、医療機関、薬局においてオンライン資格確認の導入を促進してはいますが、現段階では医科診療所の普及はまだ七割に達していません。整備が整わない中、マイナ保険証では確認できない事態が起きないのか伺うとともに、単に導入を進めるという意気込みではなく、医療機関等からの要望を踏まえた対応を求めますが、加藤大臣の答弁をお願いします。 国民健康保険料は、毎月の給与から天引きされる健康保険料とは異なり、自主的な納付が必要であり、保険料の滞納が生じやすいことから、滞納者に対する短期被保険者証、被保険者資格証明書の交付といった仕組みがあります。本法律案では、健康保険証の廃止に伴い、保険料滞納者に対して交付される短期被保険者証の仕組みも廃止されることになりますが、医療を必要とするときに利用できなくなる事象は起きないのか、命や健康が守られるのか、対応策を加藤大臣に伺います。 公金受取口座の登録促進について伺います。 政府は、例えば二〇二〇年四月実施の新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の特別定額給付金のように、緊急時の給付金等を迅速かつ確実に進める方法として、マイナンバーとともに事前に国に登録する公金受取口座登録制度を促進しています。 本法律案は、国民がより簡易に登録できるよう、行政機関等経由登録の特例制度を設けることとしています。この特例制度は、既存の給付受給者、具体的には年金受給者を想定し、日本年金機構から書留郵便により一定事項を通知した上で、同意を得た場合又は一定期間内に回答がなかった場合でも同意したものとして、内閣総理大臣が当該口座を公金受取口座として登録することを可能とするものです。同意した場合は問題ありませんが、一定期間に回答がない場合を同意したものとして扱うというのは余りにも乱暴であり、問題と指摘します。なぜ明示的な同意ではなくオプトアウトとしているのでしょうか。これまでどおり対象者に丁寧な説明を尽くすことこそがマイナンバーへの信頼を醸成するものであり、このような乱暴なことはすべきではないと考えますが、河野大臣の答弁をお願いします。 勝手に同意とみなされることになりますので、さすがに通知くらいは必要と政府も考えているのか、本法律案では登録結果を当該預貯金者に通知するとしています。この一連の郵送料や日本年金機構の事務に係る人員強化が必要と考えますが、費用見込み総額もお答えください。また、この特例制度は年金受給者を想定しているため、対象は高齢者です。口座番号にも関連することを踏まえれば、特例制度に便乗した特殊詐欺への懸念もあります。年金受給者を始め家族を含めた周知が重要と考えますが、広報などの周知方法を河野大臣に伺います。 次に、本法律案では、戸籍及び住民票等の記載事項並びに署名用電子証明書の記録事項に氏名の振り仮名を追加し、マイナンバーカードに氏名の振り仮名を記載することとしています。このことによって、いわゆるきらきらネームが付された出生届が提出された場合、市区町村によって認められるか否かに差が出ることはないのでしょうか。これまで振り仮名が適切ではないことを理由として出生届が不受理となった事例はあるのでしょうか。齋藤法務大臣に伺います。 また、今後、市区町村の窓口で住民とのトラブルが起きるのではないかという強い懸念があります。戸籍等の記載事項への氏名の振り仮名の追加に関する具体的な基準を定める必要があると考えますが、齋藤大臣の見解を伺います。 本法律案では、既に戸籍に記載されている者については、改正法の施行後一年以内に氏名の読み方を届け出ることとされています。その際、書面又はマイナポータルによる振り仮名の届出をした場合はその読み方が記載されることになりますが、届出がない者は、施行の一年後に本籍地の市区町村長が住民票情報を基に職権で振り仮名表記を戸籍に記載するとしています。しかし、住民票情報の振り仮名も任意や便宜的なものであって正確ではないと考えますが、こういった行政側の一方的なやり方でトラブルとならないのか、齋藤大臣の見解を伺います。 また、届出期間が一年間というのは、市区町村の準備、さらには国民への周知広報も含めると短過ぎるのではないでしょうか。市区町村の窓口が混雑したり、読み方に関する問合せや対応など、過度な事務負担が生じると考えますが、期間の妥当性、市区町村の負担軽減策について齋藤大臣に伺います。 そもそも、マイナンバー制度は税と社会保障の一体改革が原点であって、社会保障・税番号大綱の低所得で資産も乏しい等、真に手を差し伸べるべき者に対して、給付を充実させるなど、社会保障をよりきめ細やかに、かつ、的確に行うことが重要であり、そのためにも受益、負担の公平性、透明性を高めようとするものであるとの文言を踏まえたものです。 マイナンバー制度は、当時の民主党政権が、国民のより正確な所得、資産の把握に基づく柔軟できめ細やかな社会保障制度として、税額控除制度を導入するために必要であることから設計されたものです。しかし、本法律案を見ても、そうした観点は見失われ、健康保険証の廃止など、政府が強引に何が何でもカードを普及させようという姿勢は、本来の目的からそれているのではないかと指摘せざるを得ません。 政府は、本来の目的であった、マイナンバーによって給付付き税額控除の導入に向けた検討は行っているのか、また、導入に向けた課題があるのであればそれは何か、全世代型社会保障改革担当の後藤大臣にお伺いします。 最後に、立憲民主党は、国民のための行政と社会のデジタル化につながるマイナンバーの利用拡大などは推進しており、希望する人がマイナ保険証を利用すること自体は否定しません。しかし、国民皆保険の下、誰もが必要なときに必要な医療が受けられる体制を堅持するためにも、健康保険証を存続させるべきであると強く抗議し、質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野太郎君) まず、本法律案を束ね法案とした理由等についてお尋ねがありました。 本法律案は、国民の利便性の向上及び行政運営の効率化を図るため、デジタル社会の基盤であるマイナンバー及びマイナンバーカードの利用の推進に関する各種施策を講じるものです。各法律の改正内容の趣旨、目的は同一であり、各法律の改正条項もマイナンバー法を軸に相互に密接な関連性を有することから、一つの改正法案として提案いたしております。 引き続き、国会での御審議やホームページへの掲載等を通じ、国民の皆様への丁寧な説明と内容の周知等に努めてまいります。 なお、国会の審議の在り方は国会で御判断いただくものであると考えています。 次に、公金受取口座の登録方法についてのお尋ねがありました。 本法律案において創設する特例制度は、デジタル的な手法によらない簡易な登録方法を用意することによって、幅広い世代でより簡単に給付金等をお受け取りになることができる基盤を整備するためのものです。また、不同意の回答を行う機会の確保等にも十分配慮した制度としています。本制度の実施を通じ、より多くの方に手続面の負担なく公金受取口座を登録していただくことにより、迅速かつ確実な給付を実現してまいります。 最後に、公金受取口座の特例制度に関する周知策等についてお尋ねがありました。 本制度における事務内容の詳細は検討中であり、必要経費についても関係省庁等とともに精査しているところです。 また、本制度に乗じた第三者による個人情報の窃取等が生じないよう、デジタル庁や日本年金機構が対象者に対して個別に年金口座情報等の個人情報をお尋ねすることはないことなども含め、広く周知徹底を図ってまいります。(拍手) 〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤勝信君) 岸真紀子議員の御質問にお答えをいたします。 健康保険証の廃止についてお尋ねがありました。 マイナンバーカードによる受診により、御自身の健康、医療に関するデータに基づいたより良い医療を受けられるようになるなど、カードと健康保険証の一体化には多くのメリットがあります。 これを踏まえ、来年秋に健康保険証を廃止しますが、廃止後にオンライン資格確認を受けられない状況にある方は資格確認書により受診していただくことで、必要な保険医療を受けられる制度上の対応を講じてまいります。 マイナンバーカードで受診するメリットを実感していただけるよう、医療機関での環境整備を進めるとともに、こうしたメリットなどを国民の皆さんに丁寧に説明してまいります。 健康保険証の廃止と国民皆保険についてお尋ねがありました。 オンライン資格確認を受けられない状況にある方には資格確認書により受診していただきますが、この資格確認書の取得については、オンライン資格確認を受けられない状況にある方に申請を勧奨するなど、保険医療を受けられる国民皆保険の趣旨から必要な対応を行うこととしております。 マイナンバーカードの取得強制への懸念と介護施設でのカードの管理についてお尋ねがありました。 マイナンバーカードは、申請に基づき交付されるものであり、健康保険証との一体化はカードの取得を義務付けるものではありません。 また、認知症の当事者や介護施設の関係者などからヒアリングを行った結果を踏まえ、今後、施設入所者のカードの管理の在り方などについて、取扱いの留意点などを整理した上で周知するなど、安心して管理することができる環境づくりを推進してまいります。 関係省庁と連携し、引き続き、関係団体の御意見も伺いながら詳細の検討を進め、介護施設の入所者のマイナンバーカードを利用したより良い医療を受けていただくことができるよう取り組んでまいります。 オンライン資格確認についてお尋ねがありました。 本年四月からの医療保険のオンライン資格確認の原則義務化に当たっては、導入に必要なシステム改修への補助金の拡充などを行っております。また、医療機関などからの要望も踏まえ、システム整備が間に合わないなどやむを得ない事情がある場合の経過措置を設け、財政支援も延長いたしました。 直近の導入ペースなどを踏まえれば、本年九月末までに義務化対象施設への導入は可能と考えておりますが、やむを得ない事情で導入できない場合にも、資格情報のみを確認できる簡素な仕組みを開発中であり、健康保険証の廃止後も、全ての保険医療機関で円滑に資格確認が行われ、受診できるよう取り組んでまいります。 短期被保険者証の廃止についてお尋ねがありました。 短期被保険者証は、健康保険証に有効期間を設定したものであり、来年秋の健康保険証の廃止に伴って廃止することとしていますが、廃止後は、マイナンバーカード又は資格確認書により、引き続き現物給付により保険診療を受診することができます。 現行の短期被保険者証の対象となる国民健康保険料の滞納者の方々については、健康保険証の廃止後も引き続き丁寧な納付の勧奨等を行ってまいります。(拍手) 〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤健君) 岸真紀子議員にお答え申し上げます。 まず、氏名の振り仮名が適切でないことを理由として出生届が不受理となった事例についてお尋ねがございました。 現在は氏名に振り仮名を付けることが制度上も実務上も存在しておりませんので、振り仮名が適切でないために届出が認められないということは想定されませんが、過去には、申出により名の読み方を戸籍に記載することが認められていた時期がありまして、その当時においては、名の振り仮名が適切でないことを理由に届出が認められなかった事例があると承知をしております。 次に、名の振り仮名の基準についてお尋ねがありました。 全国の市町村の戸籍窓口における運用を統一するため、氏名の振り仮名の届出に関する審査方法等について、法務省民事局長通達等において具体的に定めることを検討しています。また、市町村において判断に苦慮する事案については、管轄法務局に対する当該届出の受理の可否についての円滑な照会体制を構築したいと考えています。 次に、氏名の振り仮名の追加に伴う行政手続上のトラブルへの懸念、届出期間の妥当性及び市区町村の負担軽減策についてお尋ねがありました。 本法律案では、氏名の振り仮名の届出がされない場合には、市町村において戸籍に氏名の振り仮名を記載することを予定していますが、事前に戸籍に記載する予定の振り仮名を通知することとしています。行政手続上のトラブルが生じないよう、これらの手続について丁寧に周知、広報してまいります。 氏名の振り仮名の届出期間を一年としたのは、国民が届出をする機会を確保しつつ、本改正の目的の早期実現を図るためであり、妥当な期間だと考えています。 本改正により、市区町村においては一定程度の作業が発生することになります。その負担を軽減する観点から、法務省民事局長通達等を発出するほか、マイナポータルの活用等により事務の効率化を図ることなどの措置を検討してまいります。(拍手) 〔国務大臣後藤茂之君登壇、拍手〕
○国務大臣(後藤茂之君) 岸真紀子議員の御質問にお答えいたします。 給付付き税額控除導入に向けた検討状況及び課題についてお尋ねがありました。 給付付き税額控除については、生活保護など同様の政策目的を持つ制度との関係を十分に整理することがまずは必要であると考えております。 その上で、新たに給付付き税額控除を導入するに当たっては、所得や資産の把握が必要であるといった課題のほか、行政の執行可能性やコストといった課題等があり、慎重に検討していく必要があると考えております。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 猪瀬直樹君。 〔猪瀬直樹君登壇、拍手〕
○猪瀬直樹君 日本維新の会の猪瀬直樹です。 会派を代表して、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部改正をする法律案、いわゆるマイナンバー法の一部改正案について、関係大臣に質問します。 二〇一六年一月に行政手続におけるマイナンバーの利用が始まって、実に七年がたちました。当初、普及がなかなか進まなかったマイナンバーカードも、二〇二〇年十月に普及率が二〇%を超えた辺りから加速し、本年四月二十三日時点で人口に対する申請件数の率は七六・六%まで上がりました。 本来、普及率が一〇〇%となれば様々な行政の効率化が進み、そこから新たな財源を生み出すことが可能となるはずです。そのゴールに向けてはまだ道半ばですが、マイナンバーポイント事業で大盤振る舞いがあったにせよ、短い期間でここまで進んできたことは率直に立派な成果であると考えます。河野デジタル大臣はどのように評価されているか、伺います。 カードの普及が進んだ今、マイナンバー、マイナンバーカードの両方について、実際の利用範囲や活用方法の拡大が更に重要となるが、こちらはまだ十分とは言えない。 総務省がマイナンバー制度を紹介しているホームページにはこう書かれている。「マイナンバー制度は行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のための社会基盤です。」。 一つ目の行政の効率化、二つ目の国民の利便性の向上は、徐々にではあるがその活用は進んでいると考えます。カードを取得した国民も、日々の生活で必要となる様々な手続の利便性向上を実感していると考えます。しかし、三つ目の公平公正な社会の実現については、歩みが遅過ぎると言わざるを得ません。 総務省のホームページには、国民の所得状況が把握しやすくなり、税や社会保障の負担を不当に免れることや不正受給の防止、さらに本当に困っている方へのきめ細かな支援が可能になりますとあるが、この目的の実現には、日本維新の会が以前より主張してきたように、マイナンバーと全ての銀行口座でひも付けを義務化し、収入や資産を捕捉することが必要です。この点について全く進展が見られないのでは、制度の根幹に手を着けずに枝葉のことで成果をアピールしているだけに見えます。総務省が掲げる公平公正な社会の実現、そのための所得状況等の把握をいつどのように行っていくのか、その計画について、責任者である松本総務大臣に伺います。 次に、マイナンバーカードと健康保険証の一体化について伺います。 これは、医療DXの第一歩として非常に重要な取組であり、薬剤情報などが各医療機関で共有されることでより良い医療が受けられること、投薬の重複を防ぎ医療費の削減につながること、また転職時等に保険証の切替えが不要となることなど、国民にとっては数々のメリットがあります。医療機関側ではオンライン資格確認システムの導入が必要となるが、国民にとってのメリットは明らかで、また医療機関側にも投資を求めるのであれば、マイナンバーカードの取得と保険証の一体化について義務化を進めるべきと考えるが、河野大臣の見解を求めます。 また、今後、更なる医療DXを進めるためには、診察券機能をマイナンバーカードに付加することや、電子カルテとマイナンバーの連動が重要であると考えるが、加藤厚生労働大臣の見解を求めます。 以下、河野大臣に伺います。 今回の改正のポイントの一つであるマイナンバーの利用範囲の拡大と、情報連携の推進に関して幾つか伺います。 これまで、マイナンバーを効率的に利用できないケースとして、例えば、東京都民が地方で地元企業に就職するときに移住支援金を支給する際にマイナンバーの利用ができない、あるいは、結婚して新生活を始める新婚世帯を応援するため、住宅の購入費、建築費や、家賃、引っ越し費用の一部を補助する際にマイナンバーの利用ができないなどがありました。 これは、マイナンバー法が、マイナンバーの利用、情報連携について、マイナンバーの利用及び情報連携について、社会保障、税、災害の三分野の行政事務において個別に列挙するものに限定してきたためであります。これらのケースは、今回のマイナンバー利用範囲の拡大と情報連携に係る規定の見直しによって利用可能となるのか。 自治体等でマイナンバーの利用が考えられる業務は多く存在するので、個別の主体や業務の指定をあらかじめ行うことは難しい。今回の改正により、法律でマイナンバーの利用が認められている事務について、主務省令に規定することで情報連携を可能とするとのことだが、これによって自治体等が機動的にマイナンバーの新たな利用をできるようになるのか。 一方で、自治体の個人情報保護条例、いわゆる二千個問題というものがあり、自治体のルールがばらばらで個人情報の利用ができないという問題が生じていたため、二〇二一年に個人情報保護法が改正されました。このような問題を繰り返さないように、自治体ごとにまちまちの条例ができてしまわないよう、その対策はどうしているのか。 続いて、住民、企業の手続負担の軽減についても伺いたい。 自動車登録や在留資格に関わる許可に関する事務において、マイナンバーの利用が可能となることは一歩前進と評価するが、それ以外にも、例えば経団連の二〇二二年四月十二日の提言、ソサエティー五・〇の扉を開くにおいて、行政手続での無駄な書類添付が指摘されています。 例として、警備業法ほか各業法に基づく役職員の住民票の添付、育児休業給付金手続における母子手帳の写しの添付、そして、雇用継続給付、育児休業給付に関する申請手続における確認書類の添付などです。 また、同じ提言の中で、民間の手続においても、住宅ローン手続時の住民票の写しや相続手続代行時の固定資産税評価証明などが情報提供の対象になっていないと指摘しています。これらの無駄な書類添付の解消について、今回の改正案は十分に対応できているのか。 行政、民間、それぞれの書類提出の重複を避け、デジタルでの業務推進、負担軽減を実現するために、できる限り幅広い手続において、添付書類の省略、電子的な情報が提供されるマイナンバー関連の施策を整理し、できる限り網羅的に、今後も必要な法令等の改正やシステムの改修を進めるべきでしょう。見解を求めます。 これまで、社会保障、税、災害の三分野以外への利用範囲の拡大について伺いましたが、この三分野こそが本丸で、十分に活用が進んでいるとは言えません。 現在の地方税に基づく所得情報は、当該年から半年、一年程度経過したものとなり、迅速な情報取得を行うことが難しいが、国税庁及び地方税当局との情報連携を強化し、所得把握の早期化を検討し、支援金などの迅速な給付についてつなげるべきではないのか。 また、現在利用可能な所得情報は他の情報に十分ひも付いておらず、きめ細かな制度設計等を行うことは困難です。コロナ支援等で活用された住民税非課税情報だけでなく、制度設計や給付において、世帯所得も含め、より詳細な情報も活用できるよう制度や体制の整備を図るべきと思いますが、見解を求めます。 デジタル庁は他省庁への勧告権という強力な権限を持っています。規制改革を推進しようとすれば必ず既得権の壁にぶつかり、改革が骨抜きにされることが頻発してきた我が国においては、大変画期的な権限と考えます。 この勧告権について、これまで発動事例はないと、衆議院で我が日本維新の会の中司議員の質問に対してそういうふうに答弁していますが、中央及び地方税当局との情報連携強化や世帯所得も含めた詳細な情報を活用できるよう、今後仮に他省庁が改革の障壁となる場合にはちゅうちょなくこの勧告を発動すべきだが、その意思はおありでしょうか。決意を明確にした答弁をお願いしたい。 以上、これまで達成したマイナンバーカードの高普及率を追い風とし、カードの取得、保険証一体化、預貯金口座とのひも付けなどの義務化に向け更なる努力を続けていただくよう求めまして、私の質問を終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野太郎君) まず、マイナンバーカードの普及についてお褒めいただきました。 マイナンバーカードの累計有効申請件数は九千六百万件を超え、最も普及した本人確認のためのツールとなりました。障害のある方や介護が必要な高齢者、保護者の同伴が必要となるお子様など、マイナンバーカードを円滑に取得するための環境整備を必要とされる方が一定程度おられることを踏まえれば、おおむね全ての国民に行き渡りつつあると認識しています。 今後、更なるカード利用シーンの拡大に取り組み、官民のオンライン、デジタル化を強力に進めてまいります。 次に、マイナンバーカードと健康保険証との一体化についてのお尋ねがありました。 マイナンバーカードは国民の申請に基づき交付されるものであり、健康保険証との一体化に際してもこの点を変更する予定はなく、取得を義務付けるものではありません。御提案のマイナンバーカードの取得義務化については、顔写真撮影や対面確認など厳格な本人確認の下で交付する必要があることから義務化せず、申請によることとしており、現段階での義務化は難しいと考えます。 次に、地方自治体でのマイナンバー利用等についてのお尋ねがありました。 本改正法案において、地方自治体においても、条例を制定することにより、社会保障、地方税、防災、その他これらに類する事務以外でもマイナンバーの利用が可能となります。 一方で、こうした利用は地方自治体が自主的に独自施策を実施する場合を想定しており、国全体の施策については従来どおり法令に追加することで利用を可能としていきます。 また、地方自治体独自のマイナンバー利用事務に関する情報連携については、その要件を個人情報保護委員会規則において定めているため、情報連携が推進されるよう、個人情報保護委員会と調整してまいります。 次に、書類提出の負担軽減等についてのお尋ねがありました。 マイナンバーの利用によって、現在、約二千五百の行政事務において、住民票の写しや課税証明書等の添付書類を省略可能としています。本改正法案では、国家資格等の行政手続においても新たにマイナンバーの利用を可能としており、今後とも国民視点に立ってマイナンバー制度を推進してまいります。 なお、民間の手続については、マイナンバーの情報連携対象ではありませんが、マイナポータルAPIを通じた情報の利活用により負担軽減に努めてまいります。 次に、迅速な給付に向けた所得把握の早期化や情報活用のための制度整備についてお尋ねがありました。 所得把握の早期化や給付の制度整備等については、一義的には社会保障制度、税制等の所管官庁において検討されるものと考えます。 一方で、緊急時の給付について、公金受取口座登録法に基づく特定公的給付の指定を行うことにより、地方税情報、児童手当や生活保護の関係情報などが利用可能となることから、デジタル庁としては、本制度の適切な運用を通じて、緊急時における迅速かつ効率的な給付の実現を図ってまいります。 最後に、勧告についてのお尋ねがありました。 デジタル大臣の勧告は、デジタル社会の形成のための施策に関する企画立案及び総合調整に関する事務等を円滑に遂行するために与えられた権限です。法令に従い、特に必要があると認めるときは、ちゅうちょなく勧告を行います。(拍手) 〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕
○国務大臣(松本剛明君) 猪瀬議員から、マイナンバー制度による公平公正な社会の実現と所得状況等の把握について御質問をいただきました。 マイナンバー制度は、行政機関等の間で、情報連携により、より正確な所得情報等を基にした給付を可能とするなど、公平公正な社会の実現に寄与するものでございます。 所得状況等の把握を含む具体的な制度については、一義的には社会保障制度、税制等の所管官庁において検討されるものと考えております。 マイナンバーの利用には、制度改正やシステム改修等が必要になることから、制度全般の企画立案を所管しているデジタル庁を中心に、関係省庁が連携して取り組んでいくものと考えております。(拍手) 〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤勝信君) 猪瀬直樹議員の御質問にお答え申し上げます。 医療DXの推進についてお尋ねがありました。 医療機関などにおいてマイナンバーカードを診察券として利用することは、オンライン資格確認等システムの仕組みとしては可能であり、実際に活用する医療機関も出てきております。引き続き、オンライン資格確認等システムの普及を促進しつつ、こうした好事例を周知、普及してまいります。 また、マイナンバーカードを用いた仕組みにより、電子カルテ情報等の保健医療情報を全国的に共有、交換できる全国医療情報プラットフォームを創設するなどにより、切れ目なく質の高い医療を国民の皆様が受けられるよう、医療DXを強力に推進してまいります。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 伊藤孝恵君。 〔伊藤孝恵君登壇、拍手〕
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました法律案について質問いたします。 冒頭、河野大臣に、デジタル時代における人権保障規定の認識について伺います。 欧州連合は、EU基本権憲章第八条で、何人も自らに関する個人データを保護する権利を持つと定め、一般データ保護規則で権利の内容を具体化しています。 国民民主党は、デジタル改革の前提として、データ基本権の保障が重要だと考えています。単に個人情報が保護されるだけでなく、情報の自己決定権を憲法で保障し、全ての国民はサイバー空間を含め個人として尊重される旨を、デジタル人権たるものを新たな人権保障の枠組みとして備えることを提案いたします。河野大臣の見解を伺います。 日本国内に住民票を持つ全住民に付番される十二桁の番号であるマイナンバーの交付を私たちは拒むことができない一方で、マイナンバーに加え、氏名や住所ほか、住民票に記載されている基本四情報など、本人確認情報が書かれたマイナンバーカードを持つか否かは自由です。このマイナンバーとマイナンバーカードの違いがよく分からないといった声とともに、個人情報の流出や悪用、用途拡大への不安が多く拡散されている現状では、カード普及に寄与しているのは、河野大臣が邪道と批判するマイナポイント一択です。 まさに正道は、個人情報の流出や悪用を防ぐセキュリティーの信頼性を高め、きちんとしたプロセスで政策決定や投資がなされ、濫用を防ぐ実効的なガバナンスの仕組みを法律で定めた上で、マイナンバーやマイナンバーカードによって政府はどのような社会を実現しようとしているのか、今は一体どのフェーズなのか、青写真を国民と共有し、各種手続における効率化や利用範囲の拡大、利便性を高めていくことで支持をされることです。 現在の近視眼的な誘導施策がマイナンバー制度の理解や利用拡大を妨げています。このような課題から、以下、関係大臣に質問します。 昨年十月十三日、河野大臣は記者会見において、二〇二四年度秋までに現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに置き換える、つまりマイナ保険証の実質義務化を表明されました。交付申請は任意であると規定するマイナンバー法第十六条の二との整合性を河野大臣に伺います。 記者会見から遡ること四か月前の六月七日に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画では、二〇二四年度中を目途にマイナ保険証の選択制導入を目指すとし、加入者から申請があれば従来の健康保険証も交付されると明記されています。 国民皆保険制度の下、全ての国民の利用が想定される基盤的サービスでは、従来の健康保険証の維持は必要との政府の判断だったと理解をしています。その閣議決定からの大きな方針転換の経緯と理由を、河野大臣及び加藤厚労大臣に伺います。 マイナ保険証を希望しない場合には、健康保険証に代わって、新たに有効期間一年の資格確認書を発行するとのことですが、事務の効率化に逆行するばかりか、記載内容が従来の健康保険証とほぼ同じです。健康保険証を廃止することの合理性を、加藤厚労大臣、御説明ください。 公金受取口座登録の特例制度のみなし同意についても疑問です。口座登録制度については、コロナ禍の一律十万円給付の著しい混乱を鑑みれば、その必要性は十二分に理解できますが、同意、不同意の確認方法が乱暴過ぎます。一定期間内に回答しない場合は同意したものとみなすという規定は、全てにおいて申請主義のいつもの行政サービスとは真逆のアプローチです。ここだけなぜみなし同意とすることになったのか。積極的な同意を得るための説明や接点こそが、マイナンバー制度への理解を深め、支援につながるべき人を見付け出す貴重な機会になるのではないでしょうか。河野大臣の見解を伺います。 ここまで多額の予算を投じてマイナンバーカードを持ってくださいと広く呼びかけてきましたが、実質義務化するのであれば、一体あの一人最大二万円のポイント付与や有名タレントを起用したプロモーションの数々は何だったのか。これは御説明いただかなければなりません。戦略もないままポイントを乱発し続けたことをどのように総括されるのか。マイナポイント事業の費用対効果の評価及びこれまでの事業予算総額、事務局コスト、ポイント付与予算額と執行額も併せて、松本総務大臣、お答えください。 御高齢の方々から、ポイントを受け取る作業が難し過ぎて自分にはできないとの声が多く寄せられています。御担当課に聞いたところ、そのような声は一つも寄せられていないとのことでした。本当でしょうか。デジタルの恩恵を受けられない、いわゆるデジタルデバイド問題への対応と併せて、松本総務大臣及び河野大臣、御答弁ください。 令和二年に実施されたマイナポイント事業の中間検査について伺います。 政府からの行政事業委託における広告代理店等の中抜き問題が、コロナ禍の給付金や五輪談合事件等によって明らかになりました。当該検査は総務省職員六名による自主点検で、早々に問題なしと結論付けられましたが、第三者による検査をしなかった理由及び一般管理費率を一〇%と見積もることの妥当性について、松本総務大臣に伺います。 マイナンバーカードは既に一億枚以上、総額三百五十二億円が発注されており、特に二〇一九年以降に発注されたおよそ七千万枚は、一般競争入札ではなく、随意契約で二社に発注をされています。落札率は九九・九%です。国や国に準ずる機関の入札は一般競争入札が原則であり、こんなにきれいに二社に分かれている上、入札時の説明会も行われていないとなると、談合を疑われても仕方ありません。今後も更新分などで新たにカードを発注されると思いますが、公平公正かつ透明性ある入札環境をどのように整えていくか、松本総務大臣、お答えください。 二〇〇六年に財務大臣から各府省庁に対して、随意契約の適正化についての通知があり、随意契約を行った場合は重点的に内部監査を実施することになっています。昨年十二月一日の予算委員会において、岸田総理は、マイナンバーカードに係る随意契約について、点検することは重要とお答えになりました。その後、内部監査は実施されたのでしょうか。松本総務大臣、お答えください。 ガバナンスの課題でいえば、公正取引委員会も調査に乗り出し、財務省も問題提起しているマイナンバー関連システムについても触れておかねばなりません。 岸田総理は、同予算委員会で、平成二十七年の制度導入以来、相当期間が経過し、システムも技術の進展に対応する必要があることから、抜本的な見直しを検討すると御答弁されました。 三点伺います。これまでのマイナンバー関連システムの投資総額と使用率、及び今後のシステム投資の具体的な計画、その際、スマートフォンを前提として再設計すれば圧倒的にコストは下がるとの指摘がありますが、河野大臣の見解を伺います。 情報連携に係る見直しは、個人情報保護委員会等の監視だけでは足りず、国会の関与は不可欠です。マイナンバーの利用範囲の公開や、準ずる事務と称されるものの判断基準の公表、国会への定期報告、国会又は第三者からの是正要請を可能にする仕組みが必要です。それによって、国民の情報を管理する側への信頼は確実に高まります。河野大臣、御検討ください。 週末、小さな新聞記事に目が留まりました。ウクライナ侵攻で兵員を確保したいロシア政府が、召集令状の電子化を決めたという内容です。従来の紙の令状は手渡しの必要があるため、受取を避けようと行方をくらましたり、国外に脱出する人が相次いだため、多くの国民が各種行政サービスを受けるために登録をしていたインターネット上の統一システムを使って、令状を個人アカウントに送り付け、受信した者は、その瞬間から出国ができなくなり、一定期間内に徴兵当局に出頭しなければ自動車の運転や不動産等の取引も禁じられるそうです。 個人情報やプライバシー権は、言わずもがな、権力者でなく私たち一人一人の手の中にあるべきで、それを担保する仕組みがどうしても必要です。説明なき政府の裁量拡大や、強引なカード取得促進を図れば、かえってマイナンバー制度への拒否感が生まれます。マイナンバー制度は行政デジタル化の核となるものだからこそ、政府が信頼を獲得していく努力を今怠らずに取り組んでいただくことを切に願うとともに、最後に、ブラック霞が関についても付言をいたします。 本法案が衆議院から付託されたのは昨日の午後です。今朝の参議院本会議に向けて、何人ものスタッフが夜通し作業しています。日本の頭脳が今、壊れかけています。霞が関の理不尽な働き方が原因です。 私たちの振る舞いが、官僚の、そして官僚のみならず、霞が関を取引先とする方々の働き方に直結していることを、自戒も含め、自戒を込めて申し上げ、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野太郎君) まず、デジタル時代における人権保障規定の認識についてのお尋ねがありました。 憲法の保障内容については、憲法審査会において議論を重ね、国民的な議論を深めていくことが重要と考えております。 なお、デジタル社会形成基本法においては、目的として国民の幸せな生活の実現、基本理念として個人の権利利益の保護、情報の自由かつ安全な流通の確保や個人情報の保護など、国民が安心してデジタル技術を用いて情報を活用可能とするための措置が講じられるべき旨を規定しており、デジタル庁においては、本法律に基づいてデジタル社会の形成の実現に向けた取組を進めてまいります。 次に、マイナンバー法との整合性についてのお尋ねがありました。 マイナンバーカードは、国民の申請に基づき交付されるものであり、健康保険証との一体化に際してもこの点を変更するものではありません。したがって、マイナンバーカードの取得を義務付けるものではなく、マイナンバー法第十六条の二と整合するものです。 次に、健康保険証廃止の経緯等についてのお尋ねがありました。 マイナンバーカードで受診することにより、患者御本人の健康、医療に関するデータに基づいたより適切な医療が可能となるなど、保険証との一体化には様々なメリットがあります。 こうしたメリットをより多くの国民、関係者の皆様に早くお届けできるよう、関係閣僚間の協議を経て、二〇二四年秋に保険証の廃止を目指すこととし、昨年十月十三日にこの方針を発表しました。加えて、昨年十月二十八日に閣議決定した総合経済対策においてその旨を明記したものです。 次に、公金受取口座登録の特例制度についてのお尋ねがありました。 本制度は、デジタル的な手法によらない簡易な登録方法を用意することによって、幅広い世代でより簡単に給付金等をお受け取りになることができる基盤を整備するために創設するものです。また、本制度の実施に当たっては、書留郵便等により個別に事前通知を行うほか、広報等による周知徹底を図る予定であり、不同意の回答を行う機会を確実に確保することとしています。 公金受取口座の制度趣旨についても引き続き周知を図り、国民の皆様の理解を得られるよう取り組んでまいります。 次に、デジタルデバイドについてのお尋ねがありました。 御指摘の担当課での対応事実は確認できておりませんが、誰一人取り残されないデジタル社会を実現するには、高齢者などへの配慮も重要と考えます。 そのため、マイナポイントの申込画面について、申請者が迷わず申請できるよう、デザイン専門家も参画し、ユーザー目線で開発してまいりました。また、スマートフォンの基本操作やマイナンバーカードの利用方法などをサポートするため、デジタル推進委員を二万四千人を超えて任命しております。こうした取組を引き続き推進し、デジタルデバイド対策に尽力してまいります。 次に、マイナンバーカード関係システムについてのお尋ねがありました。 マイナンバーカード関係システムに対しては、これまで予算額ベースで約八百十七億円を投じています。その結果、カードの申請件数は九千六百万件を超え、システムは効率的に使用されていると認識しています。 今後も、国民の利便性の向上に寄与する投資をマイナンバーカード関係システムに対して行ってまいります。一方、同システムは逐次改修する形で増強してきているため、中長期的には新しい技術も踏まえながら抜本的に見直すことが必要と考えております。 最後に、マイナンバーの利用範囲等についてのお尋ねがありました。 マイナンバーの利用について、個別の法律の規定に基づく事務は改正後においても法定事項であり、国会で御審議いただく必要があります。 また、準ずる事務について、事務の性質が同一であるといった基準は改正案に規定しており、その事務は主務省令で公表されます。そして、改正後も情報連携できる主体、事務は法令で厳格に限定されています。さらに、独立した第三者機関である個人情報保護委員会による監視、監督の対象となることに何ら変更はありません。 こうした内容を国民に御理解いただけるよう、引き続き丁寧に説明してまいります。(拍手) 〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤勝信君) 伊藤孝恵議員の御質問にお答え申し上げます。 健康保険証廃止の経緯についてお尋ねがありました。 医療保険のオンライン資格確認については、昨年六月の閣議決定で、令和五年四月から保険医療機関等における導入を原則義務化し、その導入状況などを踏まえ、健康保険証の原則廃止を目指すこととされました。 その後、マイナンバーカードで受診することのメリットを踏まえ、カードと健康保険証の一体化を加速する観点から、昨年十月に、令和六年秋に健康保険証の廃止を目指すことを関係閣僚で確認したところであります。 健康保険証廃止の理由についてお尋ねがありました。 マイナンバーカードによる受診には、御自身の健康、医療に関するデータに基づいたより良い医療を受けられるようになるなど多くのメリットがあり、健康保険証の廃止により発行コストの節減も図られます。 一方、資格確認書については、必要となる事情には様々なケースが想定されるため、全ての被保険者に一律に交付するのではなく申請に基づいて交付することとしていますが、資格確認書の取得について申請を勧奨するなど、必要な対応を行ってまいります。 マイナンバーカードで受診するメリットを実感していただけるよう、医療機関等での環境整備を進めるとともに、こうしたメリットなどを国民の皆さんに丁寧に説明をしてまいります。(拍手) 〔国務大臣松本剛明君登壇、拍手〕
○国務大臣(松本剛明君) 伊藤議員からの御質問に御答弁申し上げます。 まず、マイナポイント事業の予算総額などについて御質問いただきました。 マイナポイント第一弾の予算額は約二千九百七十九億円、第二弾の予算額は約一兆八千百三十四億円であり、合計は約二兆一千百十三億円です。第一弾の事務局経費の執行額は約二百九十二億円、ポイント原資の予算額は約二千五百億円、執行額は約一千百六十八億円です。第二弾の事務局経費の予算額は約百七十一億円、ポイント原資の予算額は約一兆七千七百二十五億円です。執行額は、まだ事業が完了していないため確定いたしておりません。 第二弾の八か月間におけるカードの申請件数は三千四百万件を超え、カードの早期普及に相当の効果があったものと考えております。 また、マイナポイント事業はキャッシュレス決済の拡大や消費喚起にも貢献しており、意義のある事業であると考えております。 次に、ポイント申込みに関するデジタルデバイド対策について御質問いただきました。 マイナポイントの申込用アプリは、できるだけ簡素な操作で済むようにしているところでございます。一方、スマートフォンなどに不慣れな高齢者の方々などを中心にポイントの申込みがしづらいなどとの声があることは承知しており、市区町村窓口に加えて、全国約三万か所の郵便局、携帯ショップ等において対面による申込手続の支援を行っております。 多くの方が円滑にポイントが申し込めるよう、引き続き取り組んでまいります。 次に、令和二年度に実施したマイナポイント事業の中間検査について御質問いただきました。 適正な執行を確保するため、令和二年七月末までの経費支出状況について中間検査を行いました。経費の妥当性を検証するための視点等について外部の公認会計士に相談し、そのアドバイスも踏まえ、委託構造、人件費単価、一般管理費などについて検査することとし、確認は総務省職員が行いました。 一般管理費については、事業者の本事業における一般管理費率が各事業者の年次決算に基づく過去五年平均の数値より下回っていることを確認し、妥当であると判断しております。 また、事業終了後に最終検査を行い、適切な執行について改めて確認しております。 最後に、J―LISにおけるマイナンバーカードの調達及び随意契約に係る内部監査について御質問いただきました。 J―LISの契約は、会計法等と同様に、一般競争入札の原則の下、一定の場合には随意契約によることができるとする会計規程に基づき行われています。 マイナンバーカード用のICカードは、セキュリティー対策に係る国際標準の認証を受けたカードを用いることとしており、その調達については一般競争入札を実施しておりますが、結果的に入札参加者が一者となる場合や、予定価格の範囲内の入札がなく、所定の手続にのっとり随意契約を締結した場合があるものと承知しております。 また、御指摘の財務大臣通知は各省庁が行う入札及び契約に係る取扱い等について定めたものですが、J―LISでは、毎年度、定期的な監査を実施し、内部に設置される調達改善検討委員会で随意契約の理由が適切か事前審査が行われております。加えて、外部有識者により構成される契約監視委員会を設置し、契約の点検、見直しが行われております。 さらには、案件を分けて発注するなど、より多くの事業者の参加に資する取組が行われており、引き続き、こうした取組を通じ、調達の競争性と透明性の確保に取り組まれるものと考えております。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) 伊藤岳君。 〔伊藤岳君登壇、拍手〕
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。 会派を代表して、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案について質問いたします。 まず、マイナンバーの利用範囲の拡大について、デジタル担当大臣にお聞きします。 個人情報保護委員会の直近の年次報告は、二〇一七年度から二一年度の五年間で、少なくとも約三万五千人分のマイナンバーに関連する情報の紛失、漏えいがあったことを明らかにしています。この年次報告について、政府は、誤送付も含めれば合計で約五万六千人分になるとしています。 政府は、マイナンバー制度の利用範囲を税、社会保障、災害の三分野に限定し、利用できる事務や情報連携は法律で規定している、だから個人情報は安全なんだとこれまで繰り返し喧伝をしてきました。しかし、個人情報の紛失、漏えいは既に深刻な事態なのではありませんか。 本法案は、基本理念の中で、マイナンバー利用を三分野に限定せず、その他の行政分野を加えるとしています。今でさえ深刻な個人情報の紛失、漏えいが続いているのに、全ての行政分野の中でマイナンバー利用を推進すれば、更に個人情報の紛失、漏えいが広がり、プライバシー侵害の危険が増大するのは明らかではありませんか。答弁を求めます。 日弁連は、会長声明で、法改正に対する事前のプライバシー影響評価、PIA手続すら行われないまま、利便性や効率性のみを追求して法改正を急げば、自己情報コントロール権の保障が実現されていないこととも相まって、プライバシー保障上の危険性が極めて高まると厳しく指摘をしています。どう受け止めますか。 本法案は、マイナンバーによる情報連携についても大きく拡大し、制度の大転換を行うものです。情報連携の対象を法規定から外し、法律の改正なしに、下位法令で規定するとしています。政府の一存でマイナンバーの情報連携を可能とするのはなぜですか。プライバシー侵害の危険性が広がるという認識はないのですか。 以上、デジタル担当大臣の答弁を求めます。 次に、マイナンバーカードと健康保険証の一体化の問題です。 本法案は、健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに置き換えるものです。国民の大きな不安、強い批判があるにもかかわらず、なぜ現行の健康保険証を廃止するのですか。 私の地元埼玉県の開業医を会員とする埼玉県保険医協会では、会員開業医にアンケートを実施して、その結果を公表しています。それによると、保険証が廃止され、マイナンバーカードと一体化となれば、オンライン資格確認システムの導入により、維持管理経費の負担などから、埼玉県下の約八千の開業医のうち一割に当たる開業医が廃業することになるとしています。肝腎の医療機関が廃業に追い込まれるのでは、何のための一体化なのですか。本末転倒ではありませんか。 以上二点、デジタル担当大臣の答弁を求めます。 本法案は、短期被保険者証、被保険者資格証明書の仕組みを廃止し、国民皆保険制度の根幹を壊します。さらに、マイナ保険証にしろ、創設する資格確認書にせよ、本人からの申請に応じた交付とします。まさに制度の一大転換です。 厚労大臣にお聞きします。 健康保険証は保険診療を受ける資格があることを示すもので、この保険証を被保険者に届けることは、国、保険者の責務です。健康保険証の交付を申請方式に変える根拠は何ですか。被保険者に保険証を届けるという国、保険者の責任放棄ではありませんか。 申請方式とすれば、保険料を支払っていても、申請漏れ等により無資格、無保険となる国民が大量に続出することが避けられないのではありませんか。そんなことにならないというのであれば、その具体的な根拠は何ですか。はっきりとお答えください。 申請の対象となる方には、案内、周知はされるのですか。病院などの医療機関が案内、周知の役割を担わされることになるのですか。申請漏れによって資格確認ができなくなった方にはどう対応するのですか。 資格確認書の発行の対象であるマイナンバーカードによるオンライン資格確認が受けられない状況にある者とはどういう方を指すのですか。任意だから自分は取得しないという方、高齢者施設の利用者、入所者でマイナ保険証の代理申請が難しい高齢者の方、DV被害や虐待から避難されている方は対象になるのですか。保険証の廃止後、資格確認書は更新申請ができるのですか。こうした方々に医療費窓口負担の上乗せをどうして課すのですか。 建設職人で構成される埼玉土建国保組合の取組についてお話を伺いました。私たち国保組合では、年度初め、組合の分会ごとに健康保険証の渡し会を開催しています。その場で国保制度について説明し、健康診断を受けることなどをお話をしています。組合員の健康増進にとってとても重要な機会ですというお話でした。 国民皆保険制度は、こうした健康保険組合の取組や努力などに支えられています。申請方式は、国民皆保険制度の根幹を揺るがすのではありませんか。 以上、厚労大臣の答弁を求めます。 次に、公金受取口座の登録における特例制度について、デジタル担当大臣にお聞きします。 本法案では、行政機関が把握している口座を公金受取口座として、受給者等に通知し、一定期間内に同意しないとの回答がなければ公金受取口座として自動的に登録可能としています。本人が知らないうちにひも付けされてしまう方法を取るべきではありません。明示的な同意、オプトインではなく、オプトアウトとしたのはなぜですか。 EUデジタルサービス法では、利用者が自由かつ十分な情報に基づいた意思決定を行う能力を欺いたり、操作したり、あるいは実質的にゆがめたり、損なったりすることをダークパターンとして禁止をしています。本人が不同意の回答をしなければ同意したとみなすのは、ダークパターンに当たるのではないですか。 以上、お答えください。 最後に、戸籍や住民記載台帳に振り仮名を追加する問題です。 本法案は、戸籍に記載されている人の氏名の振り仮名について、施行日から起算して一年以内に限り届出をすることができるとしています。しかし、一年を経過した後には、本籍地の市町村長が、管轄法務局長等の許可を得て、一般的な読み方で戸籍に振り仮名を記載するとしています。例えば、私の氏名は伊藤岳(がく)ですが、「がく」ではなく「たけし」が一般的な読み方だとされて、知らない間に望まない振り仮名が戸籍に記載されるということがあり得るということです。それは嫌です。 今後生まれてくる子の名については、本籍地の市町村長が一般的な読み方であるかどうか審査を行い得ることになるとしていますが、一体どのような審査が行われるのですか。命名権、人格権への侵害に当たるのではありませんか。命名に行政が介入するのですか。法務大臣の答弁を求めます。 個人情報保護の対策は後回しにしたまま、保険証を人質に取ってマイナンバーカードの取得を強制することはやめるべきです。 以上を述べて、質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(河野太郎君) まず、個人情報保護への懸念についてのお尋ねがありました。 マイナンバー制度のセキュリティー確保策として、特定個人情報保護評価や安全管理措置の義務付けなどの制度面、個人情報の分散管理などのシステム面の両面において、個人情報保護に十分配慮した仕組みとしています。こうした対策により、情報漏えい等の報告があるものの、いずれもマイナンバーは悪用されておらず、マイナンバー制度の仕組みに起因するものでもありません。 本改正でマイナンバーの利用範囲を拡大しても、こうした仕組みには何ら変更はなく、引き続き個人情報保護について万全の対応に努めてまいります。 次に、情報連携の規定方法と個人情報保護についてのお尋ねがありました。 本改正案では、情報連携を速やかに開始する観点から、法令でマイナンバーの利用が認められている事務の範囲内で、主務省令において情報連携を可能としています。 この場合においても、情報連携できる主体、事務は法令で厳格に限定されていることから、政府の裁量が大きくなることはなく、主務省令の改正に当たってはパブリックコメントを行う必要があり、国民の皆様に見えないところで改正を行うことはありません。 また、先ほどもお答えしましたように、この改正により、個人情報保護に十分配慮した仕組みに何ら変更はございません。 次に、健康保険証の廃止についてのお尋ねがありました。 マイナンバーカードを健康保険証として利用することにより、患者にとって医療データの共有等により診療の質の向上になることを始め、医療機関、薬局、保険者を含め、様々な立場からより良い医療につながるといったメリットがあります。 このように、安心、安全でより良い医療を提供するだけでなく、医療保険制度の事務を効率化し、質を高めていくため、マイナンバーカードによる受診を原則とし、健康保険証を廃止するものです。 次に、オンライン資格確認システムについてのお尋ねがありました。 オンライン確認システムは、患者にとって医療データの共有により診療の質の向上になるほか、医療機関、薬局、保険者にとってもより良い医療につながるものです。その原則義務化に当たっては、機器の無償提供やシステム改修費用の補助を行うとともに、やむを得ない事情がある場合には経過措置を設けるなど、必要な措置をとっています。医療DXの基盤となるものであり、医療現場に導入の趣旨や支援策などを丁寧に説明しながら、導入をしっかりと進めてまいります。 最後に、公金受取口座の登録制度についてのお尋ねがありました。 本制度は、デジタル的な手法によらない簡易な登録方法を用意することによって、幅広い世代で、より簡単に給付金等をお受け取りになることができる基盤を整備するために創設するものです。 また、本制度の実施に当たっては、書留郵便等により個別に事前通知を行うほか、広報等による周知徹底を図る予定であり、不同意の回答を行う機会を確実に確保することとしています。 さらに、登録により国民の皆様が不利益を被るものでもないことから、御指摘は当たらないと考えます。(拍手) 〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕
○国務大臣(加藤勝信君) 伊藤岳議員の御質問にお答えいたします。 資格確認書を申請方式とする理由についてお尋ねがありました。 来年秋の健康保険証の廃止後は、マイナンバーカードによるオンライン資格確認を基本としつつ、オンライン資格確認を受けられない状況にある方には資格確認書により受診をしていただきます。 資格確認書が必要となる事情には様々なケースが想定されるため、全ての被保険者に一律に交付するのではなく、申請に基づいて交付することとしていますが、資格確認書の取得については、申請を勧奨するなど必要な対応を行ってまいります。 資格確認書の申請漏れ対策についてお尋ねがありました。 資格確認書の申請については、保険者から被保険者に対して、保険証の廃止について資格確認書の取得も含めて周知するとともに、オンライン資格確認を受けられない状況にある被保険者には代理申請を含め申請を勧奨し、資格確認書の申請が期待できないと判断された場合には、本人からの申請によらず職権で交付するなど、必要な対応を行ってまいります。 資格確認書の交付対象者や更新の可否、受診時の自己負担についてお尋ねがありました。 資格確認書は、マイナンバーカードを紛失した方や更新中の方、カードを取得していない方などに交付することは想定しており、高齢者施設の入所者や、DVや虐待から避難しカードの取得が難しい方々の申請がなされることも想定をしております。 また、資格確認書には有効期間が設定されますが、本人の申請に基づき更新の手続が可能となっております。 オンライン資格確認を導入している医療機関等については、薬剤情報などを活用した医療の質の向上が期待されるため、診療報酬上の加算の対象となっており、マイナンバーカードを利用した場合には、問診等の業務負担が減るため、患者負担を低くしているところであります。 資格確認書の取扱いについては、今後の運用方法などを踏まえた上で検討することとなりますが、オンラインで薬剤情報等の患者情報を確認することはできないため、現行の被保険者証と同様の扱いになると考えております。 資格確認書の仕組みの国民皆保険への影響についてお尋ねがありました。 資格確認書の取得については、オンライン資格確認を受けられない状況にある方に申請を勧奨するなど必要な対応を行うこととし、これにより全ての被保険者が必要な保険医療を受けることができる仕組みとするため、国民皆保険の根幹を揺るがすとの御指摘は当たらないと考えております。 マイナンバーカードによる受診により、御自身の健康、医療に関するデータに基づいたより良い医療を受けられるようにするなど、多くのメリットがあります。こうしたメリットなどを国民の皆さんに丁寧に説明してまいります。(拍手) 〔国務大臣齋藤健君登壇、拍手〕
○国務大臣(齋藤健君) 伊藤岳議員にお答え申し上げます。 まず、本籍地の市町村長による氏名の振り仮名の審査についてお尋ねがございました。 戸籍に記載する氏名の振り仮名につきましては、届出を受けた市町村の戸籍事務担当者が、氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているものかどうかを審査することになります。 具体的には、漢和辞典など一般の辞書に掲載されている読み方については幅広く認めることが考えられ、一般の辞書に掲載されていない読み方についても、届出人から個別に説明を聞いた上で、社会において受容され、慣用されているものかどうかを判断することになります。 次に、戸籍の氏名の振り仮名に関し、子の命名の在り方についてお尋ねがありました。 本籍地の市町村長が戸籍に氏名の振り仮名を記載する場合の審査に当たりましては、いわゆる名のり訓等を幅広く許容してきた我が国の命名文化を踏まえた運用とすることを予定しています。 したがって、行政が命名に介入するというものであるという御指摘は当たらないものと考えております。(拍手)
○議長(尾辻秀久君) これにて質疑は終了いたしました。 ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) 日程第一 日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結について承認を求めるの件 日程第二 日本国の自衛隊とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国の軍隊との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定の締結について承認を求めるの件 (いずれも衆議院送付) 日程第三 日本国の自衛隊とオーストラリア国防軍との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の実施に関する法律案 日程第四 日本国の自衛隊とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国の軍隊との間における相互のアクセス及び協力の円滑化に関する日本国とグレートブリテン及び北アイルランド連合王国との間の協定の実施に関する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上四件を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長阿達雅志君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔阿達雅志君登壇、拍手〕
○阿達雅志君 ただいま議題となりました条約二件及び法律案二件につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、豪州及び英国との部隊間協力円滑化協定は、いずれも一方の締約国の部隊が他方の締約国を訪問して協力活動を行う際の手続及び同部隊の地位等を定めるものであります。 次に、豪州及び英国との部隊間協力円滑化協定の実施に関する法律案は、いずれも協定の適確な実施を確保するため、協定の実施に伴う道路運送法及び道路運送車両法の適用除外、刑事手続等の特例、国の賠償責任の特例並びに特殊海事損害に係る賠償の請求についての援助に関する措置を定めるものであります。 委員会におきましては、四件を一括して議題とし、両協定締結の意義と今後の日豪・日英防衛協力の展望、両協定における訪問部隊及び文民構成員の定義、両協定が適用される協力活動と各種事態との関係、刑事裁判権の行使と公務の定義、死刑制度の適用と被疑者引渡しに係る援助義務免除の是非、国外における自衛隊員の過失行為に関する国外犯処罰規定の在り方、両協定と日米地位協定の規定ぶりの相違、我が国の安全保障政策における同志国の位置付け、豪州及び英国以外の国との円滑化協定締結に向けた今後の取組等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の山添委員、沖縄の風の高良委員より、それぞれ条約二件及び法律案二件に反対する旨の意見が述べられました。 次いで、順次採決の結果、条約二件はいずれも多数をもって承認すべきものと決定し、法律案二件はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。 まず、日程第一及び第二の条約を一括して採決いたします。 両件を承認することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、両件は承認することに決しました。(拍手) 次に、日程第三及び第四の法律案を一括して採決いたします。 両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、両案は可決されました。(拍手) ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) 日程第五 海上運送法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長蓮舫君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔蓮舫君登壇、拍手〕
○蓮舫君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、一般旅客定期航路事業等に係る許可制度の充実、旅客運送船舶運航事業に係る安全統括管理者等の資格、職務等に関する規定の整備を行うとともに、旅客の輸送の用に供する小型船舶の乗組員に対する教育訓練の実施の義務付け等の措置を講ずるほか、対外船舶貸渡業者等が作成する外航船舶確保等計画の認定制度を創設する措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、知床遊覧船事故の再発防止策の実効性の確保、再発防止策を受けた旅客船事業者への支援、初任教育訓練の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。(拍手) ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) 日程第六 脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。経済産業委員長吉川沙織君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔吉川沙織君登壇、拍手〕
○吉川沙織君 ただいま議題となりました脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、エネルギーの脱炭素化に向けた取組等と産業競争力の強化とを両立させた脱炭素成長型の経済構造への円滑な移行を推進するため、脱炭素成長型経済構造移行推進戦略の策定、脱炭素成長型経済構造移行債の発行並びに化石燃料の輸入事業者等に対する賦課金の徴収及び発電事業者への排出枠の割当てに係る負担金の徴収について定めるとともに、脱炭素成長型経済構造移行推進機構に脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に資する事業活動を行う者に対する支援等に関する業務を行わせるための措置を講じようとするものであります。 なお、衆議院におきまして、この法律の施行後二年以内に政府が法制上の措置を講ずるに当たっては、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する施策の在り方についての検討も行うことを明記する内容の修正が行われております。 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、GX推進に当たっての公正な移行の重要性、GX経済移行債による先行投資支援の在り方、中小企業のGX推進に向けた支援策、成長志向型カーボンプライシングの意義及び効果等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局した後、自由民主党、立憲民主・社民、公明党、日本維新の会及び国民民主党・新緑風会の各派並びに各派に属しない議員平山佐知子君を代表して礒崎哲史委員より、本法律案の基本理念を定める規定について、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行に当たり踏まえるべき事項に「公正な移行」の観点を追加する内容の修正案が提出されました。 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して岩渕友委員より、原案に反対する旨の意見が述べられました。 次いで、順次採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対して十三項目から成る附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、本案は委員長報告のとおり修正議決されました。(拍手) ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) 日程第七 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長古賀友一郎君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔古賀友一郎君登壇、拍手〕
○古賀友一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、我が国における働き方の多様化の進展に鑑み、個人が事業者として受託した業務に安定的に従事することができる環境を整備するため、特定受託事業者に業務委託をする事業者について、取引条件の明示を義務付ける等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、本法律案の適用範囲と取引適正化等の実効性、取引条件の明示の在り方、育児介護等への配慮義務及びハラスメント対策の具体的内容、労働者性の判断基準等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手) ─────・─────
○議長(尾辻秀久君) 日程第八 気候変動適応法及び独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。環境委員長滝沢求君。 ───────────── 〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕 ───────────── 〔滝沢求君登壇、拍手〕
○滝沢求君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会の審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、気候変動の影響による熱中症発生の予防対策を強化するため、政府による熱中症対策実行計画の策定、環境大臣による熱中症特別警戒情報等の発表、市町村長による指定暑熱避難施設の指定等の措置を講じようとするものであります。 委員会におきましては、熱中症対策の現状と新たな措置の実効性、熱中症特別警戒情報の発表基準及び周知方法、地方自治体への支援の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終局し、討論に入りましたところ、れいわ新選組を代表して山本委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) ─────────────
○議長(尾辻秀久君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(尾辻秀久君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十九分散会